专利汇可以提供Method and apparatus for removing magnetic flux trap of superconducting quantum interference element专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PURPOSE: To prevent an increase in the intrusion of external heat into a cryogenic atmosphere by a method wherein a heater which heats at least a part of a superconducting quantum interference element is connected in parallel with a feedback coil at the inside of a cryogenic casing.
CONSTITUTION: When a magnetic flux trap is caused, an interconnection 5a is connected to a heater power supply, a comparatively large current is supplied to a heater 6, and a superconducting quantum interference element (a SQUID element) is changed to a practically normal conduction state. After that, the supply of the comparatively large current to the heater 6 is stopped, the element is cooled again by a cryogenic refrigerator, a part which has been changed to the normal conduction state is finally cooled down to a superconducting transistion temperature or lower, and the magnetic flux trap can be removed. Since a current supplied to a feedback coil 5 by a phase-locked loop is very weak, heat is hardly generated by the heater 6, and the operation of the SQUID element is hardly affected badly.
COPYRIGHT: (C)1994,JPO&Japio,下面是Method and apparatus for removing magnetic flux trap of superconducting quantum interference element专利的具体信息内容。
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は超伝導量子干渉素子の磁束トラップ除去方法およびその装置に関し、さらに詳細にいえば、超伝導量子干渉素子を超伝導転移温度以下に冷却する過程において超伝導量子干渉素子に磁束がトラップされた場合に、磁束のトラップを解消させるための装置およびその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から磁束に対する感度が著しく高いという特性に着目して、生態磁場計測等の微弱磁場計測をはじめとして種々の分野で超伝導量子干渉素子(Su
perconducting Quantum Int
erference Device、以下、SQUID
と略称する)が採用されている。
【0003】ところで、SQUID素子は超伝導転移温度以下に冷却されることが必要であるため、SQUID
素子を液体ヘリウム等に浸漬するか、またはSQUID
素子を極低温冷凍機により冷却することが必要になる。
しかし、何れの冷却方法を採用しても、SQUID素子の全範囲が同時に超伝導転移温度以下になることは殆ど期待できず、一般にはある部分からある部分に向かって徐々に温度が低下し、最終的に全範囲が超伝導転移温度以下になるのである。 したがって、例えば、SQUID
素子の周縁部から中央部に向かって徐々に温度が低下する場合であって、周囲の雑音磁場が大きい場合には、周縁部のみが超伝導転移温度以下に冷却された状態において中央部に閉じ込められた磁束が残存し、しかも磁束閉じ込め領域が小さくなるにしたがって磁束密度が大きくなるので、中央部はいつまでも超伝導状態に転移しないことになってしまう。 この結果、SQUID素子の特性が著しく劣化してしまう。
【0004】このような不都合を解消するために、図8
に示すように、従来は内部雰囲気が超伝導転移温度以下にまで冷却される極低温ケーシング51の内部に、ジョセフソン接合53が設けられた超伝導ループ52、インプットコイル54、フィードバックコイル55を設けるだけでなく、超伝導ループ52に近接させて常伝導状態に転移させるためのヒータ56を設ける構成が採用されている。 尚、ヒータ56に対する給電配線はフィードバックコイル55、超伝導ループ52、インプットコイル54に対する配線とは別個に設けられている。
【0005】この構成を採用すれば、出力電圧低下等により磁束がトラップされている状態を検出した場合に、
ヒータ56に通電することによりSQUID素子を局部的に加熱し、局部的に常伝導状態に転移させることができる。 そして、ヒータ56に対する通電を停止してSQ
UID素子を再び冷却すれば、SQUID素子は最も加熱された端部に向かって徐々に超伝導転移温度以下に冷却されるので、磁束トラップを確実に解消させることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の磁束トラップ除去装置においては、SQUID素子自体として必要な配線が極低温ケーシング51を貫通して設けられているだけでなく、磁束トラップを除去するだけのために設けられたヒータ56に対する給電配線も極低温ケーシング5
1を貫通することになり、SQUID素子を用いるシステム全体としての構成を複雑にするとともに、ヒータ5
6に対する給電配線を通して極低温ケーシング51内に侵入する熱量が増加し、SQUID素子を超伝導転移温度以下に冷却することが困難になってしまう。 特に、生態磁場の計測を行なう場合には、必要なSQUID素子の数が100程度もしくはそれ以上になり、しかもSQ
UID素子毎にヒータ56が必要になるのであるから、
ヒータ56に対する給電配線を通して極低温ケーシング51内に侵入する熱量が著しく多くなってしまう。 この結果、液体ヘリウムを用いる場合には、液体ヘリウムの必要両が著しく増加し、極低温冷凍機を用いる場合には、冷凍能力が大きいものを用いることが必要になるのみならず、超伝導転移温度以下にまで冷却するための所用時間が著しく長くなってしまう。
【0007】
【発明の目的】この発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、外部侵入熱量の増加を未然に防止し、しかも磁束トラップを確実に解消させることができるSQ
UID素子の磁束トラップ除去方法およびその装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するための、請求項1の磁束トラップ除去装置は、超伝導量子干渉素子を加熱して常伝導状態に転移させるヒータを極低温ケーシング内においてフィードバックコイルと直列接続したものである。 請求項2の磁束トラップ除去装置は、超伝導量子干渉素子を加熱して常伝導状態に転移させるヒータを極低温ケーシング内においてフィードバックコイルと並列接続したものである。
【0009】請求項3の磁束トラップ除去装置は、超伝導量子干渉素子を加熱して常伝導状態に転移させるヒータを極低温ケーシング内において超伝導ループのバイアス供給配線と直列接続したものである。 請求項4の磁束トラップ除去装置は、ヒータが折り返し状に形成されたものである。
【0010】請求項5の磁束トラップ除去方法は、フィードバックコイルに強制的に大電流を供給することにより超伝導量子干渉素子の少なくとも一部を通常伝導状態に転移させ、その後、ヒータに対する大電流の供給を停止して超伝導量子干渉素子を冷却し、超伝導状態に転移させる方法である。
【0011】
【作用】請求項1の磁束トラップ装置であれば、ジョセフソン接合を有する超伝導ループ、超伝導ループに磁束を導くインプットコイルおよびインプットコイルにより超伝導ループに導かれる磁束の変化を補償すべく補償用磁束を超伝導ループに導くフィードバックコイルを、内部温度が超伝導転移温度以下に冷却された極低温ケーシング内に収容して超伝導転移温度以下に冷却した場合に、磁束トラップが発生していれば、フィードバックコイルと直列接続されたヒータに比較的大きな電流を通電することにより、SQUID素子の少なくとも一部を通常伝導状態に転移させることができる。 その後、ヒータへの比較的大きな電流の通電を停止してSQUID素子を冷却することにより磁束トラップを生じさせることなく全ての構成要素を超伝導転移温度以下に冷却できる。
【0012】さらに詳細に説明すると、例えば、当初の冷却過程において素子の周縁部から順次超伝導転移温度以下にまで冷却されることにより磁束トラップが生じた場合であっても、ヒータにより素子の一部のみが強く加熱されることに起因して、素子の一部が通常伝導状態に転移される。 したがって、その後、ヒータへの比較的大きな電流の通電を停止して素子を冷却することにより、
磁束トラップを生じさせることなく素子全体を超伝導転移温度以下にまで冷却できる。
【0013】また、上記ヒータは極低温ケーシングの内部においてフィードバックコイルと直列接続されているのであるから、ヒータを設けることに伴なう、極低温ケーシングを貫通する配線の数の増加を未然に防止でき、
外部侵入熱量の増加をも未然に防止できる。 この結果、
SQUID素子を含むシステム全体としての構成の複雑化を防止できるとともに、SQUID素子の冷却を容易化できる。
【0014】請求項2の磁束トラップ除去装置であれば、ジョセフソン接合を有する超伝導ループ、超伝導ループに磁束を導くインプットコイルおよびインプットコイルにより超伝導ループに導かれる磁束の変化を補償すべく補償用磁束を超伝導ループに導くフィードバックコイルを、内部温度が超伝導転移温度以下に冷却された極低温ケーシング内に収容して超伝導転移温度以下に冷却した場合に、磁束トラップが発生していれば、フィードバックコイルと並列接続されたヒータに比較的大きな電流を通電することにより、SQUID素子の少なくとも一部を通常伝導状態に転移させることができる。 その後、ヒータへの比較的大きな電流の通電を停止してSQ
UID素子を冷却することにより磁束トラップを生じさせることなく全ての構成要素を超伝導転移温度以下に冷却できる。
【0015】また、上記ヒータは極低温ケーシングの内部においてフィードバックコイルと並列接続されているのであるから、ヒータを設けることに伴なう、極低温ケーシングを貫通する配線の数の増加を未然に防止でき、
外部侵入熱量の増加をも未然に防止できる。 この結果、
SQUID素子を含むシステム全体としての構成の複雑化を防止できるとともに、SQUID素子の冷却を容易化できる。
【0016】請求項3の磁束トラップ除去装置であれば、ジョセフソン接合を有する超伝導ループ、超伝導ループに磁束を導くインプットコイルおよびインプットコイルにより超伝導ループに導かれる磁束の変化を補償すべく補償用磁束を超伝導ループに導くフィードバックコイルを、内部温度が超伝導転移温度以下に冷却された極低温ケーシング内に収容して超伝導転移温度以下に冷却した場合に、磁束トラップが発生していれば、超伝導ループのバイアス供給配線と直列接続されたヒータに比較的大きな電流を通電することにより、SQUID素子の少なくとも一部を通常伝導状態に転移させることができる。 その後、ヒータへの比較的大きな電流の通電を停止してSQUID素子を冷却することにより磁束トラップを生じさせることなく全ての構成要素を超伝導転移温度以下に冷却できる。
【0017】また、上記ヒータは極低温ケーシングの内部において超伝導ループのバイアス供給配線と直列接続されているのであるから、ヒータを設けることに伴なう、極低温ケーシングを貫通する配線の数の増加を未然に防止でき、外部侵入熱量の増加をも未然に防止できる。 この結果、SQUID素子を含むシステム全体としての構成の複雑化を防止できるとともに、SQUID素子の冷却を容易化できる。 請求項4の磁束トラップ除去装置であれば、ヒータが折り返し状に形成されてあるので、SQUID素子動作時にヒータに流れる電流に起因する磁束が発生しても、折り返しの前後において磁束の向きが互に逆になり、互にキャンセルし合うことになるので、超伝導ループにノイズ磁束として作用することを未然に防止できる。
【0018】請求項5の磁束トラップ除去方法であれば、ジョセフソン接合を有する超伝導ループ、超伝導ループに磁束を導くインプットコイルおよびインプットコイルにより超伝導ループに導かれる磁束の変化を補償すべく補償用磁束を超伝導ループに導くフィードバックコイルを、内部温度が超伝導転移温度以下に冷却された極低温ケーシング内に収容して超伝導転移温度以下に冷却した場合に、磁束トラップが発生していれば、フィードバックコイルに強制的に大電流を通電することにより、
SQUID素子の少なくとも一部を通常伝導状態に転移させることができる。 その後、フィードバックコイルへの大電流の通電を停止してSQUID素子を冷却することにより磁束トラップを生じさせることなく全ての構成要素を超伝導転移温度以下に冷却できる。
【0019】また、この発明においては、フィードバックコイルによりヒータを兼ねさせているのであるから、
極低温ケーシングを貫通する配線の数の増加を未然に防止でき、外部侵入熱量の増加をも未然に防止できる。 この結果、SQUID素子を含むシステム全体としての構成の複雑化を防止できるとともに、SQUID素子の冷却を容易化できる。
【0020】
【実施例】以下、実施例を示す添付図面によって詳細に説明する。 図1はこの発明の磁束トラップ除去装置の一実施例が組み込まれたSQUID素子の構成を示す概略図であり、1対のジョセフソン接合3を有する超伝導ループ2、図示しないピックアップコイルにより検出された外部磁束を超伝導ループ2に導くインプットコイル4、インプットコイル4により超伝導ループ2に導かれる磁束の変化を補償すべく補償用の磁束を超伝導ループ2に導くフィードバックコイル5、およびフィードバックコイル5と直列接続されたヒータ6が、内部雰囲気が超伝導転移温度以下に冷却される極低温ケーシング1に収容されている。 尚、2aは超伝導ループ2に対してバイアスを供給するためのバイアス供給配線、5aは図示しない位相ロックループ回路および図示しないヒータ電源とフィードバックコイル5とを接続する配線である。
尚、図1には特には示していないが、超伝導ループ2から信号を取り出すための信号取り出し配線が設けられている。 そして、バイアス供給配線2a、配線5aおよび信号取り出し配線は極低温ケーシング1を貫通して常温側と極低温側の電気的接続を達成している。 また、上記配線5aは、常温側において図示しないスイッチ等により位相ロックループ回路またはヒータ電源と選択的に接続されている。 尚、ヒータ6の配置位置は、製造の容易さ等の観点から超伝導ループ2の外側であることが好ましいが、超伝導ループ2の内側であってもよい。
【0021】上記の構成のSQUID素子の作用は次のとおりである。 SQUID素子を超伝導転移温度以下にまで冷却する場合には、例えば極低温冷凍機等が用いられることになるが、SQUID素子自体の冷却に関しては、SQUID素子自体の熱容量等の影響を受けるので、どの部分を最も早く超伝導転移温度以下にまで冷却し、どの部分を最も遅く超伝導転移温度以下にまで冷却するかを制御することは殆ど不可能である。 また、冷却過程において周囲の雑音磁場が大きいか否かについても完全には制御することができない。 したがって、所定の冷却時間が経過した時点において磁束トラップが生じている場合がある。 尚、磁束トラップが生じているか否かに関しては、例えば、超伝導ループ2からの出力電圧のレベル等に基づいて簡単に判別できる。
【0022】そして、磁束トラップが生じている場合には、配線5aをヒータ電源と接続することによりヒータ6に対して比較的大きい電流を供給すればよく、SQU
ID素子を部分的に常伝導状態に転移させることができる。 その後、ヒータ6に対する比較的大きい電流の供給を停止し、再び極低温冷凍機による冷却を行なえば、常伝導状態に転移された部分が最後に超伝導転移温度以下にまで冷却されることになるので、トラップされていた磁束をSQUID素子から排除できる。 即ち、磁束トラップを除去できる。
【0023】したがって、その後は、従来のSQUID
素子と同様に高感度の磁束検出動作を行なわせることができる。 尚、この磁束検出動作は従来公知であるから、
詳細な説明は省略する。 もちろん、位相ロックループ回路からフィードバックコイル5に供給される電流はヒータ6にも流れることになるが、位相ロックループによりフィードバックコイル5に供給される電流は著しく微弱であるから、ヒータ6による発熱は殆ど皆無となり、S
QUID素子の動作に殆ど悪影響を及ぼさない。
【0024】また、以上の説明から明らかなように、ヒータ6に通電するための特別の配線は設けられていないのであるから、極低温ケーシング1の側壁を貫通する配線の数はヒータを設けていない従来装置と同じであり、
配線数の増加に起因する構成の複雑化、SQUID素子の冷却の困難化を未然に防止できる。
【0025】
【実施例2】図2はこの発明の磁束トラップ除去装置の他の実施例が組み込まれたSQUID素子の構成を示す概略図であり、図1の構成と異なる点は、ヒータ6を折り返し状に形成した点のみである。 したがって、この実施例の場合には、図1の実施例と同様の作用を達成できるほか、磁束検出動作時にヒータ6に通電されることに起因する磁束が折り返しの前後で互に逆向きになるので、ヒータ6に通電されることに起因する磁束が超伝導ループ2に対して雑音磁束として導かれることを未然に防止でき、ヒータ6に常時通電され続けることに起因する磁束検出感度の低下を未然に防止できる。
【0026】
【実施例3】図3はこの発明の磁束トラップ除去装置の他の実施例が組み込まれたSQUID素子の構成を示す概略図であり、図1の構成と異なる点は、ヒータ6をフィードバックコイル5と並列接続しているとともに、フィードバックコイル5に対する通電を制御するための、
ジョセフソン接合等からなるスイッチ5bを接続している点のみである。
【0027】したがって、この実施例の場合にも、図1
の実施例と同様の作用を達成できる。 但し、この実施例においては、ヒータ6とフィードバックコイル5とが互に並列接続されている関係上、そのままではヒータ6への通電初期等においてフィードバックコイル5に大電流が流れる可能性がある。 しかし、この実施例においては、フィードバックコイル5と直列にジョセフソン接合等からなるスイッチ5bを接続しているので、ヒータ6
に大電流が流れる場合には、スイッチ5bにも臨界電流を越える大電流が流れ、スイッチ5bがOFF状態になるので、フィードバックコイル5に大電流が流れるという不都合の発生を未然に阻止できる。
【0028】また、この実施例を採用すれば、薄膜技術を用いてSQUID素子を作成するに当って、ヒータ6
の位置、サイズ等を簡単に設定することができるのであるから、磁束トラップの除去を一層効果的に達成できる。 また、温度勾配の解消等にも適用できる。
【0029】
【実施例4】図4はこの発明の磁束トラップ除去装置のさらに他の実施例が組み込まれたSQUID素子の構成を示す概略図であり、図3の構成と異なる点は、ヒータ6を折り返し状に形成した点のみである。 したがって、
この実施例の場合には、図3の実施例と同様の作用を達成できるほか、磁束検出動作時にヒータ6に通電されることに起因する磁束が折り返しの前後で互に逆向きになるので、ヒータ6に通電されることに起因する磁束が超伝導ループ2に対して雑音磁束として導かれることを未然に防止でき、ヒータ6に常時通電され続けることに起因する磁束検出感度の低下を未然に防止できる。
【0030】
【実施例5】図5はこの発明の磁束トラップ除去装置の他の実施例が組み込まれたSQUID素子の構成を示す概略図であり、図1の構成と異なる点は、ヒータ6をバイアス供給配線2aの途中に直列接続した点のみである。 したがって、この実施例の場合にも、図1の場合と同様の作用を達成できる。
【0031】
【実施例6】図6はこの発明の磁束トラップ除去装置のさらに他の実施例が組み込まれたSQUID素子の構成を示す概略図であり、図5の構成と異なる点は、ヒータ6を折り返し状に形成した点のみである。 したがって、
この実施例の場合には、図5の実施例と同様の作用を達成できるほか、磁束検出動作時にヒータ6に通電されることに起因する磁束が折り返しの前後で互に逆向きになるので、ヒータ6に通電されることに起因する磁束が超伝導ループ2に対して雑音磁束として導かれることを未然に防止でき、ヒータ6に常時通電され続けることに起因する磁束検出感度の低下を未然に防止できる。
【0032】
【実施例7】図7はこの発明の磁束トラップ除去方法の一実施例を説明するフローチャートであり、ステップS
P1においてSQUID素子を超伝導転移温度以下にまで冷却し、ステップSP2において磁束トラップが生じているか否かを判別する。 そして、磁束トラップが生じていなければ、ステップSP6においてそのまま磁束検出動作を行なう。
【0033】逆に、ステップSP2において磁束トラップが生じていると判別された場合には、ステップSP3
において、位相ロックループ回路に代えてヒータ電源によりフィードバックコイルに大電流を供給することによりSQUID素子の該当箇所を加熱して、該当箇所を常伝導状態に転移させ、ステップSP4においてヒータ電源によるフィードバックコイルへの大電流の通電を停止し、ステップSP5においてSQUID素子が超伝導転移温度以下に冷却されるまで待ち、そのままステップS
P6の磁束検出動作を行なう。
【0034】尚、この磁束トラップ除去方法が適用されるSQUID素子の構成としては、従来のSQUID素子と同様の構成のものが採用できる。 但し、フィードバックコイル5については、超伝導材料ではなく、通常伝導材料で形成されたものを用いることが好ましく、通電電流の急激な増加を未然に防止できる。
【0035】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明は、ヒータを設けることに伴なう、極低温ケーシングを貫通する配線の数の増加を未然に防止し、外部侵入熱量の増加をも未然に防止して、SQUID素子を含むシステム全体としての構成の複雑化を防止できるとともに、SQUID
素子の冷却を容易化でき、しかも磁束トラップを確実に除去できるという特有の効果を奏する。
【0036】請求項2の発明も、ヒータを設けることに伴なう、極低温ケーシングを貫通する配線の数の増加を未然に防止し、外部侵入熱量の増加をも未然に防止して、SQUID素子を含むシステム全体としての構成の複雑化を防止できるとともに、SQUID素子の冷却を容易化でき、しかも磁束トラップを確実に除去できるという特有の効果を奏する。
【0037】請求項3の発明も、ヒータを設けることに伴なう、極低温ケーシングを貫通する配線の数の増加を未然に防止し、外部侵入熱量の増加をも未然に防止して、SQUID素子を含むシステム全体としての構成の複雑化を防止できるとともに、SQUID素子の冷却を容易化でき、しかも磁束トラップを確実に除去できるという特有の効果を奏する。
【0038】請求項4の発明は、SQUID素子動作時にヒータに流れる電流に起因する磁束が発生しても、折り返しの前後において磁束の向きが互に逆になり、互にキャンセルし合うことになるので、超伝導ループにノイズ磁束として作用することを未然に防止できる。 請求項5の発明は、フィードバックコイルによりヒータを兼ねさせて、極低温ケーシングを貫通する配線の数の増加を未然に防止し、外部侵入熱量の増加をも未然に防止して、SQUID素子を含むシステム全体としての構成の複雑化を防止できるとともに、SQUID素子の冷却を容易化でき、しかも磁束トラップを確実に除去できるという特有の効果を奏する。
【図1】この発明の磁束トラップ除去装置の一実施例が組み込まれたSQUID素子の構成を示す概略図である。
【図2】この発明の磁束トラップ除去装置の他の実施例が組み込まれたSQUID素子の構成を示す概略図である。
【図3】この発明の磁束トラップ除去装置のさらに他の実施例が組み込まれたSQUID素子の構成を示す概略図である。
【図4】この発明の磁束トラップ除去装置のさらに他の実施例が組み込まれたSQUID素子の構成を示す概略図である。
【図5】この発明の磁束トラップ除去装置のさらに他の実施例が組み込まれたSQUID素子の構成を示す概略図である。
【図6】この発明の磁束トラップ除去装置のさらに他の実施例が組み込まれたSQUID素子の構成を示す概略図である。
【図7】この発明の磁束トラップ除去方法の一実施例を説明するフローチャートである。
【図8】従来の磁束トラップ除去装置が組み込まれたS
QUID素子の構成を示す概略図である。
1 極低温ケーシング 2 超伝導ループ 2a バイアス供給配線 3 ジョセフソン接合 4 インプットコイル 5 フィードバックコイル 6 ヒータ
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