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粉末状物質、樹脂組成物、及びガスバリア材

阅读:1024发布:2020-06-20

专利汇可以提供粉末状物質、樹脂組成物、及びガスバリア材专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且【課題】 本発明ではフィラーと樹脂の親和性をより高め、不十分であるフィラーの分散性を向上させることによってガスバリア性を向上させ、優れたガスバリア性能を有するガスバリア材を提供することを課題とする。 【解決手段】 ケイ酸塩化合物の結晶端面がシランカップリング剤で処理された粉末状物質であって、該ケイ酸塩化合物が層間イオンを有する非膨潤性層状ケイ酸塩化合物であることを特徴とする粉末状物質、及びそれを含有する樹脂組成物により課題を解決する。 【選択図】 図1,下面是粉末状物質、樹脂組成物、及びガスバリア材专利的具体信息内容。

ケイ酸塩化合物の結晶端面がシランカップリング剤で処理された粉末状物質であって、 該ケイ酸塩化合物が層間イオンを有する非膨潤性層状ケイ酸塩化合物であることを特徴とする粉末状物質。ケイ酸塩化合物が、層間イオンを有する非膨潤性層状ケイ酸塩化合物に有機オニウム化合物が層間挿入された非膨潤性有機−無機複合体である請求項1に記載の粉末状物質。シランカップリング剤が、(メタ)アクリル系シランカップリング剤である請求項1又は2に記載の粉末状物質。層間イオンが、カリウムイオンである請求項1〜3の何れかに記載の粉末状物質。有機オニウム化合物が、炭素数が8以上の1級から3級のアミン塩、4級アンモニウム塩、あるいはアミノ酸塩類である請求項2〜4の何れかに記載の粉末状物質。請求項1〜5の何れかに記載の粉末状物質を含有する熱可塑性樹脂からなる樹脂組成物。熱可塑性樹脂が、ポリアミド樹脂である請求項6に記載の樹脂組成物。請求項6又は7に記載の樹脂組成物を用いて得られるガスバリア材。ガスバリア材が、ガスバリア性フィルムである請求項8に記載のガスバリア材。ガスバリア材が、ガスバリア性成形体である請求項8に記載のガスバリア材。

说明书全文

本発明は、粉末状物質、当該粉末状物質を含有する樹脂組成物、及び当該樹脂組成物を用いて得られるガスバリア材に関する。

食品包装材料は様々な流通や冷蔵、冷凍などの保存、加熱、加熱殺菌といった処理から内容物を保護する必要があり、このため強度、割れにくさ、耐冷、耐熱、耐レトルト性といった耐久性が求められる。そればかりでなく内容物が視認できるような透明性、品質保持のための酸素や蒸気に対するバリア性が求められる。 バリア性を有する材料として、ナイロン、PET、PPなどの基材フィルムにAl(アルミニウム)を蒸着したAl蒸着フィルム、シリカやアルミナを蒸着した透明蒸着フィルムが知られている。しかしながらAl蒸着フィルムは不透明であるために内容物を視認できないことや電子レンジ加熱ができないこと、透明蒸着フィルムは蒸着層の割れやピンホールによってバリア性が低下するといった問題がある。

一方、樹脂に粘土などの無機フィラーを添加して複合材料とし、フィラーの有するバリア性を樹脂に付与することによってバリア性を向上させる試みも行われている。しかしながら粘土は吸湿性が高いために酸素バリアには効果があるが、水蒸気に対しては効果が小さい。

特許文献1には、これを改善したものとして、粘土層間のNaをLiに置換し、更に熱処理することによってLiを粘土の層内部に閉じ込めることで耐水性を向上させたものである。しかしながら熱処理温度は最低でも150℃必要であり、食品包材に用いられる樹脂をこのような温度で熱処理するのは困難である。

また、酸素バリアに特化したものであるが、特許文献2には、層状化合物とポリアミドの複合材料が記載されている。これは層状化合物を分級して、特定径のものを用いることで平滑なフィルムが得られ、バリア性が向上するというものである。しかしながらフィラーそのものは従来から知られているものであるため、マトリクス樹脂中に高濃度で分散させることは困難であり、そのためバリア性の著しい向上は困難である。

また、結晶径の大きいマイカ系鉱物へのインターカレーション技術が特許文献3で提案されているが、結晶径、アスペクト比の大きなマイカ系鉱物はガスバリア性の発現に効果的と考えられるが、ガスバリア性に関して簡単に触れられているに過ぎず、ガスバリア材料に関する具体的な記載はない。

特開2008−247719号公報

特開平10−1608号公報

特許第5024783号公報

これまで、層状鉱物とポリアミドのコンポジットは多数あるが、層間への有機化剤のインターカレーションを行っているものがほとんどである。また、増粘性、チキソ性向上を目的として結晶端面への親水性シリル化処理を行っているものもあるが、フィラー分散性を高めてガスバリア性を向上させるための層間有機化処理と結晶端面処理を併用したものはない。 そこで、本発明ではフィラーと樹脂の親和性をより高め、不十分であるフィラーの分散性を向上させることによってガスバリア性を向上させ、優れたガスバリア性能を有するガスバリア材を提供することを課題とするものである。ここで、本発明で目的とする優れたガスバリア性能の意義は、酸素バリア性能、及び水蒸気バリア性能が共に優れた性能を有することである。

本発明は、ケイ酸塩化合物の結晶端面がシランカップリング剤で処理された粉末状物質であって、該ケイ酸塩化合物が層間イオンを有する非膨潤性層状ケイ酸塩化合物であることを特徴とする粉末状物質、当該粉末状物質を含有する樹脂組成物、及び当該樹脂組成物を用いて得られるガスバリア材により、上記課題を解決する。

本発明によれば、フィラーと樹脂の親和性をより高め、不十分であるフィラーの分散性を向上させることによってガスバリア性を向上させ、優れたガスバリア性能を有するガスバリア材を提供することができる。

実施例2において得られたフィルムのTEM観察の結果を示す図面である。

比較例1において得られたフィルムのTEM観察の結果を示す図面である。

本発明は以下の項目から構成される。 1.ケイ酸塩化合物の結晶端面がシランカップリング剤で処理された粉末状物質であって、 該ケイ酸塩化合物が層間イオンを有する非膨潤性層状ケイ酸塩化合物であることを特徴とする粉末状物質、 2.ケイ酸塩化合物が、層間イオンを有する非膨潤性層状ケイ酸塩化合物に有機オニウム化合物が層間挿入された非膨潤性有機−無機複合体である1.に記載の粉末状物質、 3.シランカップリング剤が、(メタ)アクリル系シランカップリング剤である1.又は2.に記載の粉末状物質、 4.層間イオンが、カリウムイオンである1.〜3.の何れかに記載の粉末状物質、 5.有機オニウム化合物が、炭素数が8以上の1級から3級のアミン塩、4級アンモニウム塩、あるいはアミノ酸塩類である2.〜4.の何れかに記載の粉末状物質、 6.1.〜5.の何れかに記載の粉末状物質を含有する熱可塑性樹脂からなる樹脂組成物、 7.熱可塑性樹脂が、ポリアミド樹脂である6.に記載の樹脂組成物、 8.6.又は7.に記載の樹脂組成物を用いて得られるガスバリア材、 9.ガスバリア材が、ガスバリア性フィルムである8.に記載のガスバリア材、 10.ガスバリア材が、ガスバリア性成形体である8.に記載のガスバリア材。

本発明では、公知慣用のケイ酸塩化合物を用いることができる。ケイ酸塩化合物を用いることにより、本発明の樹脂組成物を用いて得られるガスバリア材のバリア性能を向上させることができる。

本発明で用いられるケイ酸塩化合物は、層間イオンを有する非膨潤性であることに特徴を有する。層間イオンを有しないと、イオン交換反応が行えないために、樹脂組成物への分散性を向上させる有機化処理が不十分となって好ましくなく、膨潤性であると、樹脂組成物に対する分散性が大幅に劣り、好ましくない。

これに対して、非膨潤性の場合は、添加量を増加させても、増粘やチキソ性となり難く塗工適性が確保できる。本発明で使用されるケイ酸塩化合物としては、例えば、含水ケイ酸塩(フィロケイ酸塩鉱物等)、カオリナイト−蛇紋族粘土鉱物(ハロイサイト、カオリナイト、エンデライト、ディッカイト、ナクライト等、アンチゴライト、クリソタイル等)、パイロフィライト−タルク族(パイロフィライト、タルク、ケロライ等)、スメクタイト族粘土鉱物(モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイト等)、バーミキュライト族粘土鉱物(バーミキュライト等)、雲母又はマイカ族粘土鉱物(白雲母、金雲母等の雲母、マーガライト、テトラシリリックマイカ、テニオライト等)、緑泥石族(クッケアイト、スドーアイト、クリノクロア、シャモサイト、ニマイト等)、ハイドロタルサイト、板状硫酸バリウム、ベーマイト、ポリリン酸アルミニウム等が挙げられる。これらの鉱物は天然粘土鉱物であっても合成粘土鉱物であってもよい。無機層状化合物は単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。

本発明のケイ酸塩化合物の形状は特に制限はないが、バリア性が向上することから、板状であることがより好ましい。板状である場合の平均粒径は特に限定はないが、好ましくは0.1μm以上であり、更に好ましくは1μm以上である。平均粒径が0.1μm以下であると、長辺の長さが短いことにより、ガス分子の迂回経路が長くならずにガスバリア能を向上させにくい問題が生じる。平均粒径の大きい側は特に限定されない。塗工の方法により大きなケイ酸塩化合物を含有すると塗工面にスジ等の欠陥が生じる場合は、好ましくは平均粒径100μm以下、更に好ましくは20μm以下の材料を用いると良い。

板状である場合は、アスペクト比はガスの迷路効果によるバリア能の向上のためには高い方が好ましい。具体的には3以上が好ましく、更に好ましくは10以上、最も好ましくは40以上である。

更に、本発明のケイ酸塩化合物は、層間イオンを有する非膨潤性層状ケイ酸塩化合物に有機オニウム化合物が層間挿入された非膨潤性有機−無機複合体であってもよい。 好ましい有機−無機複合体としては、例えば、特許第5024783号公報に記載のものを挙げることができる。

即ち、本発明では、好ましくは一般式が下式で表され、一次粒子の平均粒子径が2μm〜500μmで、層間イオンがK(カリウム)イオンであるマイカ組成の層状ケイ酸塩に、正電荷有機化合物をインターカレーションしてなることを特徴とする有機−無機複合体において、層状ケイ酸塩は、下式を満たすものが使用される。 [(KaM0.1−b)(XcYd)(Si4−eAle)O10(OHfF2−f)] 但し、0.6≦a≦1.0、0≦b≦0.1、0≦c≦3、0≦d≦2、2≦c+d≦3、0≦e<4、0≦f≦2であり、Mは層間にあるK以外のカチオンであって、Li、Na、Rb、Cs、NH4、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Alのうちの少なくとも1つ、XとYは、2:1型シート内に形成される八面体内に入る金属であって、Xは、Mg、Fe、Mn、Ni、Zn、Liのうちの少なくとも1つ、Yは、Al、Fe、Mn、Crのうちの少なくとも1つである。

さらに、好ましくは下式で示される0.6≦a≦0.9の雲母粘土鉱物が使用される。 [(KaM0.1−b)(XcYd)(Si4−eAle)O10(OHfF2−f)] 但し、0.6≦a≦0.9、0≦b≦0.1、0≦c≦3、0≦d≦2、2≦c+d≦3、0≦e<4、0≦f≦2であり、Mは層間にあるK以外のカチオンであって、Li、Na、Rb、Cs、NH4、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Alのうちの少なくとも1つ、XとYは、2:1型シート内に形成される八面体内に入る金属であって、Xは、Mg、Fe、Mn、Ni、Zn、Liのうちの少なくとも1つ、Yは、Al、Fe、Mn、Crのうちの少なくとも1つである。 上記組成式で0.6≦a≦1.0の範囲で定義される層状ケイ酸塩は、具体的には、白雲母、金雲母、黒雲母、脆雲母、などの雲母(マイカ)とその変質鉱物である2−八面体型バーミキュライト、3−八面体型バーミキュライトなどのバーミキュライト類が例示される。 また、上記組成式で0.6≦a≦0.9の範囲で定義される雲母粘土鉱物は、具体的には、イライト、セリサイト、海緑石(グロコナイト)、セラドナイトなどが例示される。

さらに、本発明で使用される非膨潤性層状ケイ酸塩は、その一次粒子の平均粒子径が2μm〜500μmのものが適用され、2μm〜200μmの範囲がさらに好適である。その粒子径が大きいことを特徴とするため、高分子マトリックス中において、膨潤しかつ積層数が少なくなって薄片化していくことによりアスペクト比が極めて大きくなり、高分子複合材料の耐熱性、剛性、及びバリア性などを飛躍的に向上させる効果を有する。平均粒子径が500μmを超えると正電荷有機化合物を層間にインターカレートすることが困難になる。

粒子径の測定方法としては、水等の溶媒中での沈降式粒度測定法や光散乱法、顕微鏡などにより粒子を直接観察して粒子径を実測する方法などが適用できる。層状ケイ酸塩は板状結晶であるため、球形換算で求める沈降式粒度測定法や光散乱法よりも透過型電子顕微鏡及び走査型電子顕微鏡などにより結晶のa,b軸方向を直接観察し、投影二次元映像より長短径比によって求める方法が好適であり、本発明においてもこの方法を用いる。

さらに、層間イオン量は、ケイ酸塩シートのもつマイナス電荷とチャージバランスするように層間に置換されており、前記化学式の係数a、いわゆる半単位格子当たりの電荷数(電荷密度)で示すことができる。本発明においては0.6≦a≦1.0の範囲のものが適用され、電荷密度が大きいほど積層シート間の引が強くなるので、0.6≦a≦0.9であればより好ましい。電荷密度が0.6未満であると、スメクタイトの領域になるので粒子径は小さくなる傾向にあり、1.0より大きくなると積層シート間の引力が強くなり過ぎるため有機物質で層間を置換することが困難になる。

非膨潤性層状ケイ酸塩の層間イオン量の実測方法としては、膨潤性粘土鉱物に適用されているカチオン交換容量(CEC)の測定法:カラム浸透法(参照:「粘土ハンドブック」第二版日本粘土学会編 第576〜577頁 技報堂出版)やメチレンブルー吸着法(日本ベントナイト工業会標準試験法、JBAS−107−91)等の方法は適用できない。そこで、化学組成の分析により見積もる方法を適用する。具体的には、プラズマ分光(ICP)分析、蛍光X線分析(XRF)、X線マイクロアナライザー(EPMA)などが用いられる。

本発明の有機−無機複合体は、このような特異な非膨潤性ケイ酸塩に対して有機カチオンをインターカレートさせることにより得られる。本発明に用いる正電荷有機化合物としては、特にその種類に限定されないが、好ましい例として炭素数が8以上の第一アミン,第二アミン,第三アミン及びそれらの塩化物、第四級アンモニウム塩、アミン化合物、アミノ酸誘導体、窒素含有複素環化合物或いは、ホスホニウム塩等が挙げられる。

具体的には、オクチルアミン、ラウリルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、アクリルアミン、ベンジルアミン、アニリン等に代表される第一アミン;ジラウリルアミン、ジテトラデシルアミン、ジヘキサデシルアミン、ジステアリルアミン、N−メチルアニリン等に代表される第二アミン:ジメチルオクチルアミン、ジメチルデシルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルミリスチルアミン、ジメチルパルミチルアミン、ジメチルステアリルアミン、ジラウリルモノメチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、N,N−ジメチルアニリン等に代表される第三アミン;テトラブチルアンモニウムイオン、テトラヘキシルアンモニウムイオン、ジヘキシルジメチルアンモニウムイオン、ジオクチルジメチルアンモニウムイオン、ヘキサトリメチルアンモニウムイオン、オクタトリメチルアンモニウムイオン、ドデシルトリメチルアンモニウムイオン、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムイオン、ステアリルトリメチルアンモニウムイオン、ドコセニルトリメチルアンモニウムイオン、セチルトリメチルアンモニウムイオン、セチルトリエチルアンモニウムイオン、ヘキサデシルアンモニウムイオン、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムイオン、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムイオン、ジオレイルジメチルアンモニウムイオン、N−メチルジエタノールラウリルアンモニウムイオン、ジプロパノールモノメチルラウリルアンモニウムイオン、ジメチルモノエタノールラウリルアンモニウムイオン、ポリオキシエチレンドデシルモノメチルアンモニウムイオン、アルキルアミノプロピルアミン四級化物等の第四級アンモニウムが挙げられる。更に、ロイシン、システィン、フェニルアラニン、チロシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、6−アミノヘキシルカルボン酸、12−アミノラウリルカルボン酸、N,N−ジメチル−6−アミノヘキシルカルボン酸、N−n−ドデシル−N,N−ジメチル10−アミノデシルカルボン酸、ジメチル−N−12アミノラウリルカルボン酸等のアミノ酸誘導体;ピリジン、ピリミジン、ピロール、イミダゾール、プロリン、γ−ラクタム、ヒスチジン、トリプトファン、メラミン等の窒素含有複素環化合物等が挙げられる。

本発明の有機−無機複合体中の正電荷有機化合物量は、層状ケイ酸塩の層間陽イオン量に対して0.6〜5当量を含有することが好ましく、特に0.8〜2.0当量が最も好ましい。ここで言う正電荷有機化合物含有量は、層間のKイオンとイオン交換している正電荷有機化合物だけを対象としたものでなく、有機−無機複合体の表面に物理的に吸着している正電荷有機化合物も含まれており、熱重量測定などから見積もられる有機物質の総量である。有機−無機複合体中の正電荷有機化合物量が層間陽イオン量に対して0.6当量未満になると有機−無機複合体の高分子材料への分散性が損なわれる虞があり、5当量を超えると過剰な正電荷有機化合物によって高分子複合材料の耐熱性を低下させるなどの虞がある。

本発明の有機−無機複合体の製造方法は、正電荷有機化合物溶液の濃度が0.01N以上であり、非膨潤性層状ケイ酸塩/正電荷有機化合物溶液の固液比が0.1(質量比)以下であることを特徴としている。0.01N未満の濃度では十分なイオン交換反応を誘発することができず、長時間の処理を施しても一部の層間のカリウムイオンと交換するのみで本発明の高分子複合材料用の充填剤には使用できない。正電荷有機化合物溶液の濃度は、溶液として得られる限界濃度まで可能である。非膨潤性層状ケイ酸塩/正電荷有機化合物溶液の固液比が0.001より低くなるとコスト面で望ましくない。

正電荷有機化合物を非膨潤性の層状ケイ酸塩の層間にインターカレートさせるイオン交換反応は、該層状ケイ酸塩の粉末を正電荷有機化合物の濃厚溶液中に加え、加熱処理することにより、該層状ケイ酸塩結晶の層間のKイオンを正電荷有機化合物に置換し、有機修飾することによりなされる。この際の処理温度としては40〜200℃の範囲であることが好ましい。40℃未満では層間に正電荷有機化合物を均一にインターカレートすることができず、200℃よりも高温になると有機物の分解、重合を誘発する虞がある。

その後、洗浄、濾過を繰返し、未置換の有機カチオンを十分に除去、乾燥して得られる。この処理工程ではKイオンと置換可能な正電荷有機化合物は限定されるので、まずその特定の正電荷有機化合物と有機−無機複合体を形成した後に異種の正電荷有機化合物に再置換する二段階のイオン交換方法で任意の有機−無機複合体を製造することが可能になる。

二段階のイオン交換反応により任意の有機−無機複合体を得る処理方法としては、第一の処理工程で使用する正電荷有機化合物は、炭素数8〜18の1級から3級のアミン塩、4級アンモニウム塩であることが好ましい。さらに好ましくは炭素数が10〜14の範囲のものである。炭素数が8未満では層状ケイ酸塩の層間に挿入することができず、炭素数が18を超えると正電荷有機化合物が層間に強固に固定化されて二段目のイオン交換反応を容易に進行させることができない。

第一の処理工程で使用する正電荷有機化合物とは異種の二段目に用いる正電荷有機化合物には、特に制限はないが、第一の処理工程で使用した正電荷有機化合物よりも分子量が大きく、極性の高いものの方がより容易なイオン交換が可能になる。また、第一の処理工程で使用した正電荷有機化合物よりも分子量が小さく、極性が低くても高濃度の溶液を高い温度条件で処理することでイオン交換可能となる。

上記本発明の有機−無機複合体は、高分子材料中に分散させる高分子複合材料の充填剤に供される。高分子材料中の有機−無機複合体含有量は0.1〜40質量%であり、好ましくは1.0〜10質量%の範囲である。0.1質量%未満では高分子材料への十分な補強効果が得られず、40質量%を超えると有機−無機複合体の分散性が損なわれる虞がある。

本発明に用いられる非膨潤性層状ケイ酸塩化合物としては、より具体的には、金雲母、セリサイト、バーミキュライト等を挙げることができる。

本発明で用いられるシランカップリング剤は、公知慣用のシランカップリング剤を挙げることができる。 このようなシランカップリング剤としては、より具体的には、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン等の(メタ)アクリル系シランを挙げることができる。

表面処理は、例えば以下のようにして行うことができる。 正電荷有機化合物で有機化された非膨潤性層状ケイ酸塩をアルコール、グリコールエーテルなどの有機溶媒中に加え、更に加水分解触媒として酢酸やギ酸、希塩酸や希硝酸などの酸を0.1〜5%程度加える。次いでシランカップリング剤を非膨潤性層状ケイ酸塩重量の0.5〜100%程度加えて、液温80〜130℃で2〜6時間程度撹拌する。その後ろ過、洗浄することで目的のフィラーが得られる。使用する溶媒に特に制限は無いが、縮合により水が生成するので、両親媒性溶媒が好ましく使用できる。使用する酸に特に制限は無いが、有機溶媒に溶解するものが好ましい。

樹脂は熱可塑性樹脂であれば特に制限はないが、前記粉末状物質の分散性を考慮すると中極性〜高極性樹脂が好適に用いられる。中でもポリアミド樹脂が好ましい。 樹脂組成物は前記粉末状物質と熱可塑性樹脂、必要に応じて添加剤を溶融混練することによって得られる。混練は混練押出機を用いるのが好ましい。混練押出機は連続混練機を用いても2軸混練機を用いてもよい。

(ガスバリア材) 本発明のガスバリア材は、前記粉末状物質を含有する樹脂組成物を用いて得られることに特徴を有する。 前記樹脂組成物を用いて得られるガスバリア材としては、ガスバリア性フィルム、及びガスバリア性成形体を挙げることができる。 ガスバリア性フィルムについては、公知慣用の方法を用いて、前記樹脂組成物に公知慣用のフィルム加工を行うことによって作製することができる。 例えば、2軸押出機、単軸押出機などの押出成形機を用いる押出成形、プレス成形機を用いるプレス成形を用いることができる。 また、ガスバリア性成形体については、公知慣用の方法を用いて、前記樹脂組成物に公知慣用の成形体加工を行うことによって作製することができる。 例えば、必要とする形状に応じて、射出成形、ブロー成形、真空成形などの方法を用いることができる。

以下に実施例、比較例により本発明を更に詳細に説明する。

(製造例1) 2Lの4ツ口フラスコにオクタデシルアミン塩酸塩53.3gと蒸留水1500gを仕込み、オイルバスで加温しながら撹拌して水溶液を調製した。そこに撹拌しながら非膨潤性である金雲母((株)レプコ製S−XF:平均粒径3μm)を75.0g加え、液温を95℃まで昇温して24時間保持した。その後加圧ろ過、洗浄(蒸留水/IPA=1/1の混合液)、乾燥して96.0gの修飾フィラーAを得た。用いたオクタデシルアミン塩酸塩は金雲母の理論陽イオン交換容量の1eq.とした。

(実施例1) 製造例1で得た、修飾フィラーAの結晶端面部への有機修飾を次のようにして行った。500mLフラスコに修飾フィラーAを5.0g、1−ブタノールを250g、酢酸を12.5g加え、オイルバスにて加熱を開始した。撹拌しながら3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製 KBM−503)を1.0g滴下した。そのまま液の沸点まで加熱し、3時間加熱還流した。その後ろ過、洗浄、乾燥して、結晶端面を有機修飾した修飾フィラーBを得た。

(実施例2)非膨潤性層状ケイ酸化合物−有機オニウム化合物挿入−カップリング剤処理有 ポリアミド6(宇部興産(株)製 UBE Nylon 1022B)8.48gと実施例1で作製した修飾フィラーB 1.52gをラボプラストミル(東洋精機(株)製4C150)に仕込んで溶融混練した。得られたものをプレス成形してフィルムを作製した。酸素透過率、水蒸気透過率の測定とTEM観察を行った。結果を表1に示す。

(実施例3) 500mLフラスコに金雲母S−XFを5.0g、1−ブタノールを250g、酢酸を12.5g加え、オイルバスにて加熱を開始した。撹拌しながら3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを0.25g滴下した。そのまま液の沸点まで加熱し、3時間加熱還流した。その後ろ過、洗浄、乾燥して修飾フィラーCを得た。

(実施例4)非膨潤性層状ケイ酸化合物−有機オニウム化合物挿入無−カップリング剤処理有 ポリアミド6を9.0gと実施例3で作製した修飾フィラーCを1.0g、ラボプラストミルに仕込んで溶融混練した。得られたものをプレス成形してフィルムを作製した。酸素透過率、水蒸気透過率の測定を行った。

(比較例1)非膨潤性層状ケイ酸化合物−有機オニウム化合物挿入有−カップリング剤処理無 使用したフィラーを製造例1で作製した修飾フィラーAを用いた以外は実施例2と同様にして、溶融混練、プレス成形してフィルムを作製して酸素透過率、水蒸気透過率の測定とTEM観察を行った。結果を表1に示す。

(比較例2)非膨潤性層状ケイ酸化合物−有機オニウム化合物挿入無−カップリング剤処理無 使用したフィラーを、何も手を加えていないS−XFとしたこと以外は実施例4と同様にして溶融混練、プレス成形してフィルムを作製し、酸素透過率、水蒸気透過率の測定を行った。

(比較例3)膨潤性層状ケイ酸化合物−有機オニウム化合物挿入無−カップリング剤処理有 フィラーを膨潤性であるベントナイト((株)ホージュン製 ベンゲル)を用い、実施例3と同様の方法で修飾フィラーDを作製し、実施例4と同様に修飾フィラーDを1.0gとポリアミド6を9.0g、ラボプラストミルで溶融混練した。プレス成形してフィルムを作製し、酸素透過率と水蒸気透過率を測定した。

実施例2と比較例1を比較すると、酸素、水蒸気とも透過率は実施例2が低く、ガスバリア性が高いことがわかる。実施例4と比較例2を比べると高湿度の酸素透過率において、実施例のガスバリア性が高いことがわかる。 また、通常、高湿度におけるガスバリア性は、低湿度におけるそれと比べて性能が低下することが知られているが、実施例4においては低下の程度が比較例より小さく、バリア材としての利用可能性を高めている結果を示している。 比較例3は、膨潤性の層状ケイ酸塩を使用しているため、高湿度での酸素透過率が非常に高く、また、水蒸気透過率もポリアミド6単体よりも悪化していることがわかる。 さらに、図面1、及び2の比較から、本願発明により得られるガスバリア材においては、フィラーの分散が良好な結果であった。

<条件> ミキサーユニット KF15V 混練温度 240℃ 軸回転数 210rpm 混練時間 5分 混練物をプレス成形して膜厚約40μmのフィルムを作製し、酸素透過率、水蒸気透過率の測定、TEM観察を行った。

(酸素透過率の測定) MOCON社製model 1/20にて23℃ 0%RH(相対湿度)、及び90%RHの条件で測定した。膜厚30μm換算で算出した。 結果を表1に示す。なお、参考例として、粉末状物質を含有しないナイロンを用いた場合を、参考例とした (水蒸気透過率の測定) Illonois社製model7011にて40℃ 90%RHの条件で測定した。膜厚30μm換算で算出した結果を表1に示す。 (TEM観察) エポキシ樹脂で試料を包埋後、クライオミクロトーム(設定温度:−140℃)で薄片試料を作製し、TEM観察(日本電子製JEM−2200FS 加速電圧200kV)を行った。 実施例1の結果を図1、比較例2の結果を図2に示す。

本発明の粉末状物質を含有する樹脂組成物から得られるフィルム、及び成形体は優れたガスバリア性を有するので、ガスバリア性が要求される各種包装材として広範に用いることができる。

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