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Semiconductor laser

阅读:929发布:2024-01-05

专利汇可以提供Semiconductor laser专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PURPOSE: To provide a semiconductor laser of a structure, wherein a recombination current in light guide layers under a high-temperature environment is inhibited leaving as an optical confinement coefficient is held without reducing the coefficient and an oscillation takes place in a low threshold current over a wide range covering from room temperature to a high temperature.
CONSTITUTION: An N-type light guide layer 16 and a P-type light guide layer 18 having a conduction band lower end Ec higher than that of barrier layers 10 with an electronic energy as a reference are respectively provided on one side of the sides of a quantum well active layer 14 formed by laminating alternately the burrier layers 10 and well layers 12 and on the other side of the layer 14 in such a way as to hold the layer 14 between them and an N-type clad layer 20 and a P-type clad layer 22 are respectively provided on the outsides of these layers 16 and 18. A hole blocking layer 24, whose valence band upper end Ev is higher than that of the layer 16 with the energy of a hole as a reference, is provided at the boundary between the layers 14 and 16.
COPYRIGHT: (C)1994,JPO&Japio,下面是Semiconductor laser专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 n型クラッド層と、前記n型クラッド層上に形成されたn型光ガイド層と、前記n型光ガイド層上に形成され、井戸層とバリア層とが交互に積層された量子井戸活性層と、前記量子井戸活性層上に形成されたp型光ガイド層と、前記p型光ガイド層上に形成されたp型クラッド層とを有する半導体レーザ装置において、 前記量子井戸活性層と前記n型光ガイド層との境界又は前記量子井戸活性層との境界近傍の前記n型光ガイド層中に、n型又はi型のホールブロック層が設けられ、 前記ホールブロック層の価電子帯上端のエネルギー準位Ev が、前記n型光ガイド層及び前記バリア層の価電子帯上端のエネルギー準位Ev よりもホールのエネルギーを基準として高くなっていることを特徴とする半導体レーザ装置。
  • 【請求項2】 請求項1記載の半導体レーザ装置において、 前記p型光ガイド層の伝導帯下端のエネルギー準位Ec
    が、前記バリア層の伝導帯下端のエネルギー準位Ec よりも電子のエネルギーを基準として高くなっていることを特徴とする半導体レーザ装置。
  • 【請求項3】 請求項1又は2記載の半導体レーザ装置において、 前記n型光ガイド層の屈折率が、前記バリア層の屈折率よりも大きくなっていることを特徴とする半導体レーザ装置。
  • 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の半導体レーザ装置において、 前記ホールブロック層に、引張歪が加わっていることを特徴とする半導体レーザ装置。
  • 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載の半導体レーザ装置において、 前記ホールブロック層の伝導帯下端のエネルギー準位E
    c が、電子に対するポテンシャル障壁となる高さより低くなっていることを特徴とする半導体レーザ装置。
  • 【請求項6】 請求項1乃至4のいずれかに記載の半導体レーザ装置において、 前記ホールブロック層の厚さが、電子がトンネル効果によって透過する厚さであることを特徴とする半導体レーザ装置。
  • 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかに記載の半導体レーザ装置において、 前記量子井戸活性層が、歪量子井戸活性層であることを特徴とする半導体レーザ装置。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明は半導体レーザ装置に係り、特に光通信や光インターコネクション等の光源として用いられる量子井戸レーザ装置に関する。 半導体レーザ装置は、光ファイバによる情報伝送等に用いられているが、その適用領域を従来の幹線系から光加入者系や光LAN(Local Area Network)等へ広げていくためには、室温から高温環境下に至る広い温度範囲において発振閾値電流が低い半導体レーザ装置が要求されている。

    【0002】

    【従来の技術】従来、低閾値電流特性をもつ半導体レーザ装置を実現するために、活性層に量子井戸構造を導入し、光の閉じ込めとキャリアの閉じ込めを分離したSC
    H(Separate-Confinement Heterostructure)構造を用いた量子井戸レーザ装置が用いられている。

    【0003】図7(a)、(b)は、代表的なSCH構造の量子井戸レーザ装置の電流注入時のバンド構造を示すエネルギーバンド図である。 図7(a)において、バリア層80と井戸層82とが交互に積層された量子井戸活性層84を挟んで、n型光ガイド層86及びp型光ガイド層88が設けられている。 また、これらn型及びp
    型光ガイド層86、88の外側には、n型及びp型光ガイド層86、88のバンドギャップエネルギーEg よりも大きなバンドギャップエネルギーEg をもつn型クラッド層90及びp型クラッド層92がそれぞれ設けられている。

    【0004】ここで、量子井戸活性層84の井戸層82
    のバンドギャップエネルギーEg とn型及びp型クラッド層90、92のバンドギャップエネルギーEg との中間のバンドギャップエネルギーEg をもつ量子井戸活性層84のバリア層80とn型及びp型光ガイド層86、
    88を設けるのは、キャリアはバリア層80と井戸層8
    2とのバンドギャップエネルギー差で井戸層82に閉じ込めるのに対し、光はn型及びp型光ガイド層86、8
    8とn型及びp型クラッド層90、92との屈折率差で閉じ込めるためである。 このようにして、キャリアと光の閉じ込めを分離することで、井戸層82に閉じ込められる光エネルギーの割合を示す光の閉じ込め係数Γを高めることにより、レーザ発振に必要な利得係数を減少させて、閾値電流を小さくすることが可能となる。

    【0005】

    【発明が解決しようとする課題】このようなSCH構造の量子井戸レーザ装置において、室温付近での閾値電流は、主に量子井戸活性層84の井戸層82への光閉じ込めによって決定される。 しかし、高温環境下では、井戸層82のキャリアがバリア層80へ、更にn型及びp型光ガイド層86、88へ溢れ出て、これらの層で再結合を起こす。 そしてこれら井戸層82以外の層での再結合電流、特に体積の大きいn型及びp型光ガイド層86、
    88でのキャリアの再結合電流が大きな要因となって閾値電流を上昇させる。

    【0006】図7(a)に示すバリア層80とn型及びp型光ガイド層86、88とのバンドギャップエネルギーが等しい通常のSCH構造で、上記の井戸層82のキャリアがn型及びp型光ガイド層86、88へ溢れ出ることを抑制するために、井戸層82とバリア層80並びにn型及びp型光ガイド層86、88とのバンドギャップエネルギー差が大きくなるようなバンドラインアップをとると、井戸層82への光閉じ込めが小さくなってしまい、室温での閾値電流が上昇してしまう。

    【0007】即ち、通常のSCH構造では、量子井戸活性層84の井戸層82とバリア層80並びにn型及びp
    型光ガイド層86、88とのバンドギャップエネルギー差を小さくして光の閉じ込め係数Γを高めようとすると、n型及びp型光ガイド層86、88に溢れ出たキャリアの再結合によって、高温環境下での閾値電流が上昇し、反対に、バンドギャップエネルギー差を大きくして井戸層82へのキャリア閉じ込めを図ろうとすると、井戸層82への光閉じ込めが小さくなって、室温での閾値電流が上昇してしまうという問題があった。

    【0008】また、図7(a)のn型光ガイド層86及びp型光ガイド層88の代わりに、図7(b)に示されるような、階段状又は連続的に屈折率が変化するn型光ガイド層94及びp型光ガイド層96をもつGRIN
    (Graded Index)−SCH構造の量子井戸レーザ装置も作製されている。 しかし、このGRIN−SCH構造の量子井戸レーザ装置においても、n型及びp型光ガイド層94、96のバンドギャップエネルギーEg を量子井戸活性層84との境界のすぐ近くから大きくすると、キャリアの溢れる領域を量子井戸活性層84の近傍に抑制することができるものの、屈折率が急俊に小さくなってしまうため、量子井戸活性層84の井戸層82への光の閉じ込めは減少してしまう。 反対に、バンドギャップエネルギーEg の変化を緩和すると、状況は通常のSCH
    構造の場合と同様になってしまう。

    【0009】従って、従来の量子井戸レーザ装置においては、通常のSCH構造、GRIN−SCH構造のいずれを採用しても、このように量子井戸活性層84への光の閉じ込めと高温環境下での井戸層82近傍へのキャリアの閉じ込めとを同時に実現することは困難であった。
    そこで本発明は、光閉じ込め係数Γを低下させることなく保持したままで、高温環境下での光ガイド層でのキャリアの再結合電流を抑制し、室温から高温に至る広い範囲において低閾値電流で発振する半導体レーザ装置を提供することを目的とする。

    【0010】

    【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理図を説明するための量子井戸レーザ装置のバンド構造を示すエネルギーバンド図である。 バリア層10と井戸層12
    とが交互に積層された量子井戸活性層14を挟んで、一方にn型光ガイド層16が設けられており、他方にバリア層10の伝導帯下端のエネルギー準位Ec (以下、
    「伝導帯下端Ec 」と略す)よりも電子のエネルギーを基準として高い伝導帯下端Ec をもつp型光ガイド層1
    8が設けられている。 即ち、このp型光ガイド層18
    は、バリア層10からの伝導帯のバンドオフセットΔE
    c が電子のエネルギーを基準として正となる材料からなっている。

    【0011】また、このn型光ガイド層16の外側には、このn型光ガイド層16のバンドギャップエネルギーEg よりも大きいバンドギャップエネルギーEg をもつn型クラッド層20が設けられ、またp型光ガイド層18の外側には、このp型光ガイド層18及びバリア層10のバンドギャップエネルギーEg よりも大きいバンドギャップエネルギーEg をもつp型クラッド層22が設けられている。

    【0012】そして量子井戸活性層14とn型光ガイド層16との境界に、その価電子帯上端のエネルギー準位Ev (以下、「価電子帯上端Ev 」と略す)がn型光ガイド層16の価電子帯上端Ev よりもホールのエネルギーを基準として高くなっているホールブロック層24が設けられている。 即ち、このホールブロック層24は、
    バリア層10及びn型光ガイド層16からの価電子帯のバンドオフセットΔEv がホールのエネルギーを基準として正となる材料からなっている点に本発明の大きな特徴がある。

    【0013】

    【作用】一般に、キャリアを量子井戸層近傍に閉じ込めようとする場合、電子とホールとでは状況がかなり異なる。 電子はホールに比べて有効質量が軽いので障壁をトンネルし易く、更に擬フェルミレベルが量子井戸活性層を挟む光ガイド層の伝導帯下端Ec 近くまで上がっているために、高いエネルギーを持つ電子が多い。 従って、
    電子に対するポテンシャル障壁を設けても、その厚さが薄いとそのポテンシャル障壁をトンネルする電子が生じ、その高さが低いとバリアの上を越える電子が生じてしまう。 これに対して、ホールは電子に比べて有効質量が重く、かつ擬フェルミレベルは光ガイド層の価電子帯上端Ev から離れている為、即ち状況が反対であるため、電子よりも比較的容易に量子井戸層近傍に閉じ込めることができる。

    【0014】本発明では、量子井戸活性層14とn型光ガイド層16との境界に設けたホールブロック層24の価電子帯上端Ev が、量子井戸活性層14のバリア層1
    0及びn型光ガイド層16の価電子帯上端Ev よりもホールのエネルギーを基準として高くなっていることにより、ホールに対するポテンシャル障壁となって、高温環境下で量子井戸活性層14の井戸層12から溢れたホールはバリア層10までに留められ、n型光ガイド層16
    へ溢れ出ることは抑制される。 その結果、n型光ガイド層16での再結合電流を抑えることができる。

    【0015】尚、ホールブロック層24を設ける位置は、量子井戸活性層14とn型光ガイド層16との境界に限定されず、この境界近傍のn型光ガイド層14中であっても、ホールに対するポテンシャル障壁となる効果を発揮することができる。 また、このホールブロック層24には、引張歪が加わっていることが望ましい。 この場合、引張歪が加わっていないときには価電子帯頂上で縮退していたヘヴィホールバンドとライトホールバンドの縮退が解けて分離し、バリア層10でキャリア数の多いヘヴィホールに対するポテンシャル障壁が高くなり、
    且つ伝導帯のバンドオフセットΔEc と価電子帯のバンドオフセットΔEv の比ΔEc /ΔEv が大きくなるため、より有効にn型光ガイド層16へのホールの侵入を抑えることができる。

    【0016】また、ホールブロック層24の伝導帯下端Ec が、電子に対するポテンシャル障壁となる高さより低くなっていることが望ましい。 例えば、ホールブロック層24の伝導帯下端Ec がn型光ガイド層16の伝導帯下端Ec とほぼ等しいか、或いはn型光ガイド層16
    の伝導帯下端Ec より低くなっていれば、n型クラッド層20から注入された電子の走行を阻害することもないからである。

    【0017】また、ホールブロック層24の伝導帯下端Ec が、n型光ガイド層16に存在する電子に対するポテンシャル障壁となる高さであっても、そのホールブロック層24の厚さが、ホールがトンネルすることを阻止するのに十分に厚く、且つ電子がトンネルするのに十分に薄いものであればよい。 この場合も、n型クラッド層20から注入された電子は容易に量子井戸活性層14に達するからである。

    【0018】更に、本発明では、p型光ガイド層18の伝導帯下端Ec がバリア層10及びn型光ガイド層16
    の伝導帯下端Ec よりも電子のエネルギーを基準として高いため、電子に対するポテンシャル障壁となって、高温環境下で量子井戸活性層14の井戸層12から溢れ出た電子はバリア層10までに留められ、p型光ガイド層18へ溢れ出ることは抑制される。 その結果、p型光ガイド層18での再結合電流を抑えることができる。

    【0019】尚、p型光ガイド層18の伝導帯下端Ec
    を高くするために、そのバンドギャップエネルギーEg
    を大きくすると、屈折率が小さくなり、光閉じ込めの低下を招くが、その光閉じ込めの低下はp型光ガイド層1
    8よりも屈折率の大きいn型光ガイド層16の存在によって緩和することができる。 特に、ホールブロック層2
    4を設けたことによって量子井戸活性層14の井戸層1
    2から溢れたホールをバリア層10までに留めることが可能となったため、n型光ガイド層16の価電子帯上端Ev をバリア層10の価電子帯上端Ev よりもホールのエネルギーを基準として低くすることもできる。 従って、n型光ガイド層16の屈折率を大きくするためにバンドギャップエネルギーEg をバリア層10のそれより小さくしても、n型光ガイド層16におけるキャリアの再結合は増大せず、光閉じ込めのみを増大させることが可能となる。

    【0020】このようにして、光閉じ込め係数Γを低下させることなく保持したまま、キャリアを井戸層12近傍に閉じ込めることができることにより、高温でもn型光ガイド層16及びp型光ガイド層18でのキャリアの再結合を抑えることができるため、室温から高温に至るまでの広い範囲において低閾値電流で発振することができる。

    【0021】

    【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。 図2(a)は本発明の第1の実施例による量子井戸レーザ装置を示す断面図、図2(b)はそのバンド構造を示すエネルギーバンド図である。 n型InP基板30上に、厚さ1μmのn型InPクラッド層32及び厚さ0.13μm、バンドギャップ波長λg =1.25
    μmのn型InGaAsP光ガイド層34が順に積層され、このn型InGaAsP光ガイド層34上に、厚さ10nm、バンドギャップ波長λg =1.1μmのn型InGaAsPホールブロック層36が形成されている。

    【0022】また、n型InGaAsPホールブロック層36上には、厚さ10nm、バンドギャップ波長λg
    =1.25μmのi型InGaAsPバリア層38と厚さ7nmのi型In 0.53 Ga 0.47 As井戸層40とが交互に積層されて4層の多重量子井戸構造をなす量子井戸活性層42が形成されている。 更に、この量子井戸活性層42上には、厚さ0.16μm、バンドギャップ波長λg =1.1μmのp型InGaAsP光ガイド層4
    4、厚さ2μmのp型InPクラッド層46、及びバンドギャップ波長λg =1.25μmのp型InGaAs
    Pコンタクト層48が順に積層されている。 また、図示はしないが、p型InGaAsPコンタクト層48上には、p側電極が形成され、n型InP基板30底面には、n側電極が形成されている。

    【0023】このように第1の実施例によれば、n型I
    nGaAsP光ガイド層34と量子井戸活性層42との境界に設けたn型InGaAsPホールブロック層36
    の価電子帯上端Ev が、n型InGaAsP光ガイド層34及びi型InGaAsPバリア層38の価電子帯上端Ev よりもホールのエネルギーを基準として高くなっていることにより、ホールに対するポテンシャル障壁となり、量子井戸活性層42のi型In 0.53 Ga 0.47 As
    井戸層40から溢れたホールがn型InGaAsP光ガイド層34へ溢れ出ることを抑制することができ、n型InGaAsP光ガイド層34での再結合電流を抑えることができる。

    【0024】また、p型InGaAsP光ガイド層44
    の伝導帯下端Ec がi型InGaAsPバリア層38の伝導帯下端Ec よりも電子のエネルギーを基準として高くなっていることにより、電子に対するポテンシャル障壁となり、量子井戸活性層42のi型In 0.53 Ga 0.47
    As井戸層40から溢れた電子がp型InGaAsP光ガイド層44へ溢れ出ることを抑制することができ、p
    型InGaAsP光ガイド層44での再結合電流を抑えることができる。

    【0025】これにより、上記図7(b)に示した従来のGRIN−SCH構造の量子井戸レーザ装置では5%
    に達しない井戸層への光閉じ込め係数Γを5.1%に向上させることができた。 そしてこの光閉じ込め係数Γの向上と共に、高温環境下でもキャリアの閉じ込めを保持することができるため、室温から高温に至る広い範囲において閾値電流を下げることができる。

    【0026】尚、上記第1の実施例においては、ホールブロック層が量子井戸活性層とn型光ガイド層との境界に設けられているが、このホールブロック層を設ける位置は量子井戸活性層とn型光ガイド層との境界近傍のn
    型光ガイド層中であってもよい。 但し、ホールブロック層が量子井戸活性層とn型光ガイド層との境界から離れるにしたがって、量子井戸活性層とホールブロック層との間のn型光ガイド層においてキャリアの再結合が生じるため、ホールブロック層は量子井戸活性層とn型光ガイド層との境界か、或いはできるだけ境界の近傍に設けることが望ましい。

    【0027】次に、本発明の第2の実施例による量子井戸レーザ装置を、図3を用いて説明する。 図3(a)は第2の実施例による量子井戸レーザ装置を示す断面図、
    図3(b)はそのバンド構造を示すエネルギーバンド図である。 尚、上記図2に示す量子井戸レーザ装置と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。

    【0028】第2の実施例は、上記図2に示す第1の実施例におけるn型InGaAsP光ガイド層34の代わりに、厚さ0.13μm、バンドギャップ波長λg =
    1.35μmのn型InGaAsP光ガイド層50を用い、n型InGaAsP光ガイド層50の屈折率をi型InGaAsPバリア層38の屈折率よりも大きくしたものである。 その結果、n型InGaAsP光ガイド層50の価電子帯上端Evがi型InGaAsPバリア層38の価電子帯上端Ev よりもホールのエネルギーを基準として低くなっている。

    【0029】このようなバンドラインアップでは、通常の場合、n型InGaAsP光ガイド層50におけるキャリアの再結合が増大するが、n型InGaAsPホールブロック層36によってホールがn型InGaAsP
    光ガイド層50に溢れ出ることを抑制するため、n型I
    nGaAsP光ガイド層50のバンドギャップエネルギーEg をi型InGaAsPバリア層38のバンドギャップエネルギーEg よりも小さくしても、キャリアの再結合は増大しない。 そしてn型InGaAsP光ガイド層50のバンドギャップエネルギーEg を小さくして、
    その屈折率が大きくなった分、光閉じ込めを大きくすることができる。

    【0030】このように第2の実施例によれば、屈折率価がi型InGaAsPバリア層38のそれよりも大きく、バンドギャップエネルギーEg がi型InGaAs
    Pバリア層38のそれよりも小さいn型InGaAsP
    光ガイド層50を用いることにより、量子井戸活性層4
    2のi型In 0.53 Ga 0.47 As井戸層40への光閉じ込め係数Γを更に5.3%にまで大きくすることができた。 そしてこの光閉じ込め係数Γの増大と共に、キャリアをi型In 0.53 Ga 0.47 As井戸層40近傍に閉じ込めたままにすることができるため、更に低閾値化を実現することができる。

    【0031】次に、本発明の第3の実施例による量子井戸レーザ装置を、図4を用いて説明する。 図4(a)は第3の実施例による量子井戸レーザ装置を示す断面図、
    図4(b)はそのバンド構造を示すエネルギーバンド図である。 尚、上記図2に示す量子井戸レーザ装置と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。

    【0032】第3の実施例は、上記図2に示す第1の実施例におけるn型InGaAsPホールブロック層36
    に引張歪を加え、n型InGaAsP歪ホールブロック層52としたものである。 このように第3の実施例によれば、n型InGaAsP歪ホールブロック層52が引張歪をもつことにより、価電子帯頂上でもヘヴィホール(hh)バンドとライトホール(lh)バンドが分離し、図中の破線で示すように、キャリア数の多いヘヴィホール(hh)に対するポテンシャル障壁がライトホール(lh)
    に対するポテンシャル障壁よりも高くなる。

    【0033】また、n型InGaAsP歪ホールブロック層52のn型InGaAsP光ガイド層34及びi型InGaAsPバリア層38とのバンドオフセットΔE
    c 、ΔEv において、格子整合する場合に比べると、価電子帯側のバンドオフセットΔEv と伝導帯側のバンドオフセットΔEc の比ΔEv /ΔEc が大きくなる。 従って、より有効にホールを閉じ込めることができ、更に低閾値化を実現することができる。

    【0034】次に、本発明の第4の実施例による量子井戸レーザ装置を、図5を用いて説明する。 図5は第4の実施例による量子井戸レーザ装置を示す断面図である。
    尚、上記図2に示す量子井戸レーザ装置と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。

    【0035】第4の実施例は、上記図2に示す第1の実施例におけるi型InGaAsPバリア層38とi型I
    0.53 Ga 0.47 As井戸層40とが交互に積層された量子井戸活性層42の代わりに、厚さ10nm、バンドギャップ波長λg =1.25μmのi型InGaAsPバリア層54と厚さ3nmのi型In 0.62 Ga 0.38 As井戸層56とが交互に積層されて4層の多重量子井戸構造をなす歪量子井戸活性層58を用いたものである。

    【0036】このように第4の実施例によれば、歪量子井戸活性層58を活性層として用いることにより、レーザ発振に必要なキャリア密度を低下させることができ、
    従って更に低閾値化を実現することができる。 尚、上記第1〜第4の実施例におけるホールブロック層は、量子井戸活性層又は歪量子井戸活性層のバリア層とn型光ガイド層との境界に形成されているが、井戸層とn型光ガイド層との境界に形成してもよい。 但し、この場合、ホールブロック層に接する井戸層におけるキャリアのエネルギー準位に変動が生じることに留意する必要がある。

    【0037】次に、本発明の第5の実施例による量子井戸レーザ装置を、図6を用いて説明する。 図6は第5の実施例による量子井戸レーザ装置を示す断面図である。
    第5の実施例は、上記図2〜図5に示す第1〜第4の実施例がInP系によって構成されているのに対し、Ga
    As系によって構成されているものである。

    【0038】即ち、n型GaAs基板60上に、厚さ1
    μmのn型Al 0.3 Ga 0.7 Asクラッド層62及び厚さ0.06μmのn型Al 0.15 Ga 0.85 As光ガイド層64が順に積層され、このn型Al 0.15 Ga 0.85 As光ガイド層64上に、厚さ10nmのi型In 0.5 Ga
    0.5 Pホールブロック層66が形成されている。 また、
    i型In 0.5 Ga 0.5 Pホールブロック層66上には、
    2層の厚さ10nmのi型Al 0.15 Ga 0.85 Asバリア層68が厚さ5nmのi型GaAs井戸層70を挟んで単一量子井戸構造をなす量子井戸活性層72が形成されている。

    【0039】更に、この量子井戸活性層72上には、厚さ0.08μmのp型Al 0.25 Ga 0.75 As光ガイド層74、厚さ2μmのp型Al 0.3 Ga 0.7 Asクラッド層76、及びp型GaAsコンタクト層78が順に積層されている。 このように第5の実施例によれば、GaA
    s系の量子井戸レーザ装置においてもi型In 0.5 Ga
    0.5 Pホールブロック層66を設けることにより、上記第1〜第4の実施例におけるInP系の量子井戸レーザ装置の場合と同様の効果を奏することができる。

    【0040】尚、上記第1〜第5の実施例においては、
    活性層として、多重量子井戸構造又は単一量子井戸構造の無歪の量子井戸活性層や歪量子井戸活性層を用いているが、こうした量子井戸構造の代わりに、量子細線や量子箱を用いてもよい。 この場合、キャリアの閉じ込め次元が増加することによって状態密度が変化し、レーザ発振に寄与しないキャリアを減少させることができるため、更なる低閾値化を実現することができる。

    【0041】また、上記第1〜第5の実施例においては、ホールブロック層が、いわゆるタイプIのストラッドリング(straddling)型のヘテロ接合となっており、
    電子に対しても小さなポテンシャル障壁を形成しているが、いわゆるタイプIIのスタッガード(staggered )型のヘテロ接合をなすホールブロック層であってもよい。
    この場合、ホールブロック層は、電子に対するポテンシャル障壁を形成することなく、ホールに対してのみポテンシャル障壁となり、電子をホールブロック層で妨げることなく井戸層に注入することができる。

    【0042】また、このホールブロック層の導電型は、
    n型又はi型を用いているが、いずれの導電型を用いても、ホールに対するポテンシャル障壁となって量子井戸活性層の量子井戸層にホールを閉じ込める機能を発揮することができる。 更に、上記第1〜第5の実施例においては、p型光ガイド層として、量子井戸活性層のバリア層の伝導帯下端Ec よりも電子のエネルギーを基準として高い伝導帯下端Ec をもつ単一組成の層を用いているが、このp型光ガイド層を、上記図7(b)に示したような多層構造のGRIN−SCH構造のp型光ガイド層を用いてもよい。 この構造を採用するかどうかは、量子井戸活性層の量子井戸層へのキャリア閉じ込めと光閉じ込めとの調整による。

    【0043】

    【発明の効果】以上のように本発明によれば、n型クラッド層と、n型光ガイド層と、井戸層とバリア層とが交互に積層された量子井戸活性層と、p型光ガイド層と、
    p型クラッド層とが順に形成された半導体レーザ装置において、量子井戸活性層とn型光ガイド層との境界又はその境界近傍のn型光ガイド層中に、n型光ガイド層及びバリア層の価電子帯上端のエネルギー準位Ev よりもホールのエネルギーを基準として高い価電子帯上端のエネルギー準位Ev をもつホールブロック層が設けられていることにより、このホールブロック層がホールに対するポテンシャル障壁となって、井戸層から溢れたホールがn型光ガイド層へ溢れ出ることを抑制し、n型光ガイド層での再結合電流を抑えることができる。

    【0044】また、p型光ガイド層の伝導帯下端のエネルギー準位Ec が、バリア層の伝導帯下端のエネルギー準位Ec よりも電子のエネルギーを基準として高くなっていることにより、井戸層から溢れた電子がp型光ガイド層へ溢れ出ることを抑制し、p型光ガイド層での再結合電流を抑えることができる。 このため、光閉じ込め係数Γを低下させることなく保持したままで、キャリアを井戸層近傍に閉じ込めて、n型光ガイド層及びp型光ガイド層でのキャリアの再結合を抑制することができ、従って室温から高温に至る広い範囲において半導体レーザ装置を低閾値電流で発振することが可能となる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明の原理図を説明するための量子井戸レーザ装置のバンド構造を示すエネルギーバンド図である。

    【図2】本発明の第1の実施例による量子井戸レーザ装置を示す断面図及びそのバンド構造を示すエネルギーバンド図である。

    【図3】本発明の第2の実施例による量子井戸レーザ装置を示す断面図及びそのバンド構造を示すエネルギーバンド図である。

    【図4】本発明の第3の実施例による量子井戸レーザ装置を示す断面図及びそのバンド構造を示すエネルギーバンド図である。

    【図5】本発明の第4の実施例による量子井戸レーザ装置を示す断面図である。

    【図6】本発明の第5の実施例による量子井戸レーザ装置を示す断面図である。

    【図7】従来のSCH構造の量子井戸レーザ装置のバンド構造を示すエネルギーバンド図である。

    【符号の説明】

    10…バリア層 12…井戸層 14…量子井戸活性層 16…n型光ガイド層 18…p型光ガイド層 20…n型クラッド層 22…p型クラッド層 24…ホールブロック層 30…n型InP基板 32…n型InPクラッド層 34…n型InGaAsP光ガイド層 36…n型InGaAsPホールブロック層 38…i型InGaAsPバリア層 40…i型In 0.53 Ga 0.47 As井戸層 42…量子井戸活性層 44…p型InGaAsP光ガイド層 46…p型InPクラッド層 48…p型InGaAsPコンタクト層 50…n型InGaAsP光ガイド層 52…n型InGaAsP歪ホールブロック層 54…i型InGaAsPバリア層 56…i型In 0.62 Ga 0.38 As井戸層 58…歪量子井戸活性層 60…n型GaAs基板 62…n型Al 0.3 Ga 0.7 Asクラッド層 64…n型Al 0.15 Ga 0.85 As光ガイド層 66…i型In 0.5 Ga 0.5 Pホールブロック層 68…i型Al 0.15 Ga 0.85 Asバリア層 70…i型GaAs井戸層 72…量子井戸活性層 74…p型Al 0.25 Ga 0.75 As光ガイド層 76…p型Al 0.3 Ga 0.7 Asクラッド層 78…p型GaAsコンタクト層 80……バリア層 82…井戸層 84…量子井戸活性層 86…n型光ガイド層 88…p型光ガイド層 90…n型クラッド層 92…p型クラッド層 94…n型光ガイド層 96…p型光ガイド層

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