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Semiconductor device and its production

阅读:408发布:2024-01-04

专利汇可以提供Semiconductor device and its production专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PURPOSE:To control the absorption relaxation time of the semiconductor device which controls the absorption relaxation time of excitons by using the quantum interference by the Aharonov-Bohm effect with high accuracy from the outside. CONSTITUTION:The absorption relaxation time of the excitons is controlled by forming a first compd. semiconductor layer, a second compd. semiconductor layer having an energy gap smaller than the energy gap of this layer and a third compd. semiconductor layer having an energy gap larger than the energy gap of this layer on a substrate 1 formed continuously with a first slope 4, a first flat surface 2, a second slope 4, a second flat surface 2a and a third slope 4, forming a first quantum well on the first slope 4, a second quantum well on the first flat surface 2, a third quantum well on the second slope 4, a fourth quantum well on the second flat surface 2a and a fifth quantum well on the third slope 4 and drawing out the electrons and holes of the excitons formed by light with which the third quantum well is irradiated while controlling the quantity thereof by means of an electron wave interferometer and hole wave interferometer constituted on both sides thereof.,下面是Semiconductor device and its production专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 基板表面上に第1の化合物半導体層が形成され、第1の化合物半導体層の上に第1の化合物半導体層よりもエネルギーギャップが小さい第2の化合物半導体層が形成され、第2の化合物半導体層の上に第2の化合物半導体層よりもエネルギーギャップが大きい第3
    の化合物半導体層が形成されている量子井戸構造において、 量子井戸の幅が基板の場所によって異なり、幅が狭い量子井戸と幅が広い量子井戸層が交互に存在し、その結果、電子波または正孔波のチャネル数が異なる量子井戸が交互に連結して形成され、 光を照射する幅が狭い量子井戸の両側に電子波または正孔波の伝播を制御する電子波干渉計または正孔波干渉計が形成されていること、を特徴とする半導体装置。
  • 【請求項2】 幅が狭い第1の量子井戸、幅が広い第2
    の量子井戸、幅が狭い第3の量子井戸、幅が広い第4の量子井戸、幅が狭い第5の量子井戸からなる5つの量子井戸がこの順序で形成されていることを特徴とする請求項1に記載された半導体装置。
  • 【請求項3】 第1の量子井戸と第2の量子井戸の両側の障壁層には第1の導電型の不純物がドープされ、また、第4の量子井戸と第5の量子井戸の両側の障壁層には第1の導電型とは逆の第2の導電型の不純物がドープされて電子波干渉計あるいは正孔波干渉計が形成されており、第3の量子井戸はアンドープであることを特徴とする請求項2に記載された半導体装置。
  • 【請求項4】 第1の量子井戸と第2の量子井戸と第3
    の量子井戸と第4の量子井戸と第5の量子井戸が、それらの中心線が互いに180°より小さい角度で屈曲して連結されており、その結果一方向から光を照射した場合に特定の量子井戸のみにこの光が高強度で入射されることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1
    項に記載された半導体装置。
  • 【請求項5】 第1の化合物半導体層と第2の化合物半導体層の間、および、第2の化合物半導体層と第3の化合物半導体層の間の双方または一方に第2の化合物半導体層よりもエネルギーギャップが大きいアンドープの化合物半導体層が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された半導体装置。
  • 【請求項6】 障壁層に第1の導電型の不純物がドープされた第1の量子井戸を有する傾斜面と、障壁層に第2
    の導電型の不純物がドープされた第5の量子井戸を有する傾斜面にバイアス電圧を印加するための電極が形成され、また、障壁層に第1の導電型の不純物がドープされた第2の量子井戸を有する平坦面の第3の化合物半導体層の上と、障壁層に第2の導電型の不純物がドープされた第4の量子井戸を有する平坦面の第3の化合物半導体層の上にゲート電極が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載された半導体装置。
  • 【請求項7】 第1の量子井戸を形成する傾斜面と、第2の量子井戸を形成する平坦面と、第3の量子井戸を形成する傾斜面と、第4の量子井戸を形成する平坦面と、
    第5の量子井戸を形成する傾斜面をこの順で交互に連続して有する段差基板上に、各量子井戸の障壁層の一方となる第1の化合物半導体層を成長する工程と、 第1の化合物半導体層の、第1の量子井戸と、第2の量子井戸の障壁層の一方となる部分に第1の不純物をドープする工程と、 第2の化合物半導体層の、第4の量子井戸と、第5の量子井戸の障壁層の一方となる部分に第1導電型とは逆の第2の不純物をドープする工程と、 前記のように不純物をドープした第1の化合物半導体層の上に、第1の化合物半導体層よりもエネルギーギャップが小さい第2の化合物半導体層を形成する工程と、 第2の化合物半導体層の上に、第2の化合物半導体層よりもエネルギーギャップが大きい第3の化合物半導体層を形成する工程と、 該第3の化合物半導体層の、第1の量子井戸と、第2の量子井戸の障壁層の他方となる部分に第1の不純物をドープする工程と、 第3の化合物半導体層の、第4の量子井戸と、第5の量子井戸の障壁層の他方となる部分に第2の不純物をドープする工程と、を含むこと、を特徴とする半導体装置の製造方法。
  • 【請求項8】 第1導電型の不純物および第2導電型の不純物を集束イオンビーム(FIB)注入法により注入することを特徴とする請求項7に記載された半導体装置の製造方法。
  • 【請求項9】 p型の不純物がBe ++イオンであることを特徴とする請求項8に記載された半導体装置の製造方法。
  • 【請求項10】 n型の不純物がSi +イオンであることを特徴とする請求項8に記載された半導体装置の製造方法。
  • 【請求項11】 第1の化合物半導体層を成長する工程と第2の化合物半導体層を成長する工程の間、および、
    第2の化合物半導体層を成長する工程と第3の化合物半導体層を形成する工程の間の両方またはその一方に、第2の化合物半導体層よりもエネルギーギャップが大きいアンドープの化合物半導体層を形成する工程を加えることを特徴とする請求項7から請求項10までのいずれか1項に記載された半導体装置の製造方法。
  • 【請求項12】 障壁層に第1の導電型の不純物がドープされた第1の量子井戸を有する傾斜面と、障壁層に第2の導電型の不純物がドープされた第5の量子井戸を有する傾斜面にバイアス電圧を印加するための電極を形成する工程と、障壁層に第1の導電型の不純物がドープされた第2の量子井戸を有する平坦面の第3の化合物半導体層の上と、障壁層に第2の導電型の不純物がドープされた第4の量子井戸を有する平坦面の第3の化合物半導体層の上にゲート電極を形成する工程を加えることを特徴とする請求項7から請求項11までのいずれか1項に記載された半導体装置の製造方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明は、アハロノフ−ボーム効果(Aharonov−Bohm効果、以下AB効果と略称する)による量子干渉を用いて励起子の吸収緩和時間すなわち寿命を制御する半導体装置およびその製造方法に関する。

    【0002】

    【従来の技術】近年、高速光スイッチング素子として、
    量子井戸構造に光を照射することによって生成される励起子の光非線型性を用いた高速光半導体装置の研究が盛んに行われている。

    【0003】量子井戸構造においては、光励起キャリアの運動を2次元方向に制限できるため、室温においても励起子吸収を観測することができるが、生成された励起子が再結合緩和によって消滅するためにはナノ秒(n
    s)オーダーの時間を要し、高速光スイッチング素子としては不充分である。 そのため、従来から、この励起子の吸収緩和時間を高速化するためのいくつかの方法が提案されている。

    【0004】図7は、従来の電子と正孔の再結合中心によって励起子吸収緩和時間を短縮する方法の説明図であり、(A)は点欠陥によって励起子吸収緩和時間を短縮する方法、(B)は側壁の表面準位による電子と正孔の再結合によって励起子吸収緩和時間を短縮する方法を示している。 この図において、21はGaAs基板、22
    はGaAs/AlGaAs多重量子井戸、23はイオン、24は点欠陥、25は多重量子井戸細線、26は光、27は励起子である。

    【0005】従来から知られていた、電子と正孔の再結合中心によって励起子吸収緩和時間を短縮する一つの方法としては、点欠陥によって電子と正孔を再結合させて励起子吸収緩和時間を短縮する方法がある。 この方法を図7(A)によって説明すると、GaAs基板21の表面上にGaAsの超薄膜層とAlGaAsの超薄膜層を交互に成長してGaAs/AlGaAs多重量子井戸2
    2を形成する。

    【0006】そして、このGaAs/AlGaAs多重量子井戸22に、Ar等の不活性なイオン23を注入してGaAs/AlGaAs多重量子井戸22の中に点欠陥24を形成する。 この点欠陥24は、電子と正孔の再結合中心として作用し、励起子吸収緩和時間を短縮させる(例えば、Appl.Phys.Lett.,46,
    701(1985)参照)。

    【0007】従来知られていた、電子と正孔の再結合中心によって励起子吸収緩和時間を短縮する他の方法としては、側壁の表面準位によって電子と正孔を再結合させて励起子吸収緩和時間を短縮する方法がある。 この方法を図7(B)によって説明すると、GaAs基板21の表面上にGaAsの超薄膜層とAlGaAsの超薄膜層を交互に成長してGaAs/AlGaAs多重量子井戸構造を形成し、この多重量子井戸構造を、分離溝に相当する開口を有するエッチングマスクを用いて選択的にエッチングすることによって分割して複数のGaAs/A
    lGaAs多重量子井戸細線(または多重量子井戸箱)
    25を形成する。

    【0008】なお、励起子の発生を確保するため、Ga
    As/AlGaAs多重量子井戸細線25の大きさを、
    2次元励起子のボーア半径よりも大きくする。 この例においては、エッチングによって形成された側壁には表面準位が形成され、この表面準位が励起子の電子と正孔の再結合中心として作用する。

    【0009】このGaAs/AlGaAs多重量子井戸細線25に光26を入射すると励起子27が形成されるが、この励起子27が拡散によってGaAs/AlGa
    As多重量子井戸細線25の側壁まで移動すると、そこで側壁の表面準位によって電子と正孔が再結合し励起子は消滅する。 この方法によると、GaAs/AlGaA
    s多重量子井戸細線25またはGaAs/AlGaAs
    量子箱の寸法を選択することによって、励起子吸収緩和時間を調節することができる(例えば、Appl.Ph
    ys. Lett. ,59,1114(1991)参照)。

    【0010】図8は、従来の励起子の電子と正孔を除去することによって励起子吸収緩和時間を短縮する方法の説明図であり、(A)は量子井戸層に生成された励起子の電子と正孔を障壁層をトンネリングさせて除去することによって励起子吸収緩和時間を短縮する方法、(B)
    は電子親和が小さくエネルギーギャップが大きいバリア層で形成された励起子を隣接する電子親和力が大きくエネルギーギャップが小さいバリア層に移送して除去することによって励起子吸収緩和時間を短縮する方法を示している。

    【0011】この図において、31はGaAs基板、3
    2はバリア層、33は幅が狭い量子井戸層、34は幅が広い量子井戸層、35はバリア層、36は量子井戸層、
    37は量子井戸層の幅が狭い多重量子井戸領域、38は量子井戸層の幅が広い多重量子井戸領域、39は励起子、40は再結合中心である。

    【0012】従来の、励起子の電子と正孔を除去することによって励起子吸収緩和時間を短縮する一つの方法としては、幅が狭い(薄い)量子井戸層に生成された励起子の電子と正孔をその障壁層をトンネルさせて幅が広い(厚い)量子井戸層に移送して除去して励起子吸収緩和時間を短縮する方法がある。

    【0013】この方法においては、図8(A)の上段に示されているように、GaAs基板31の上にバリア層32を形成し、その上に幅が狭い(薄い)量子井戸層3
    3を形成し、その上にバリア層32を形成し、さらにその上に幅が広い(厚い)量子井戸層34を形成するという工程を数回ないし数十回繰り返してTBQ(Tunn
    eling Bi−Quamtum Well)を形成する。 このようにして、バリア層32を挟んで幅が狭い量子井戸層33と幅が広い量子井戸層34を交互に積層する。

    【0014】このTBQの概略的なバンド構造は図8
    (A)の下段に示されているが、幅が狭い量子井戸層3
    3内には高い量子準位が形成され、幅が広い量子井戸層34内には低い量子準位が形成される。 このTBQの幅が狭い量子井戸層33内で光吸収によって励起子が生成されると、その励起子は図に示されているように高いエネルギーレベルを示し、幅が広い量子井戸層34において、これらのエネルギーレベルに対応するレベルはより低エネルギー側に表れる。 したがって、幅が狭い量子井戸層33内に生成された励起子の電子はバリア層32をトンネルによって通過して幅が広い量子井戸層34へ移送されて除去されるため、励起子吸収緩和時間が短縮される(例えば、Appl.Phys.Lett.,5
    8,2393(1991)参照)。

    【0015】従来知られている、励起子の電子と正孔を除去することによって励起子吸収緩和時間を短縮する他の方法としては、電子親和力が小さくエネルギーギャップが大きいバリア層で形成された励起子を隣接する電子親和力が大きくエネルギーギャップが小さいバリア層に移送して除去して励起子吸収緩和時間を短縮する方法がある。

    【0016】この方法においては、図8(B)の上段に示されているように、電子親和力が小さくエネルギーギャップが大きい第1の半導体層によって形成されたバリア層35と、電子親和力が大きくエネルギーギャップが小さい第2の半導体層によって形成された量子井戸層3
    6を積層して多重量子井戸構造を形成しており、この多重量子井戸構造内に、幅が狭い量子井戸層を有する多重量子井戸領域37と、幅が広い量子井戸層を有する多重量子井戸領域38を形成する。

    【0017】そして、この多重量子井戸構造においては、図8(B)の下段の概略的なバンド構造図に示されているように、幅が狭い量子井戸層を有する多重量子井戸領域37は、幅が広い量子井戸層を有する多重量子井戸領域38よりも高い励起子エネルギーを有している。

    【0018】幅が狭い量子井戸層を有する多重量子井戸領域37では、励起子39を形成する電子および正孔のエネルギーが高く、これと比較して、幅が広い量子井戸層を有する多重量子井戸領域38では電子および正孔のエネルギーが低い。

    【0019】したがって、幅が狭い量子井戸層を有する多重量子井戸領域37に光を入射して量子井戸層36内に励起子を形成すると、この励起子はバリア層35によって行動を制限されるため、2次元的な行動を行う。 そして、形成された励起子39が拡散して幅が広い量子井戸層を有する多重量子井戸領域38との界面に到達すると、この幅が広い量子井戸層を有する多重量子井戸領域38に引き出され、エネルギー段差の存在によって幅が狭い量子井戸層を有する多重量子井戸領域37には戻らなくなる。

    【0020】このように、量子井戸層36中の励起子は、一般にエネルギーの低い方に移動する性質をもっているため、幅が狭い量子井戸層を有する多重量子井戸領域37中に光の照射によって形成された励起子は、幅が広い量子井戸層を有する多重量子井戸領域38に移動する。 このように、幅が狭い量子井戸層を有する多重量子井戸領域37から励起子は消滅し、幅が広い量子井戸層を有する多重量子井戸領域38における励起子吸収は緩和される。

    【0021】なお、この多重量子井戸構造において、幅が広い量子井戸層を有する多重量子井戸領域38内に、
    励起子を積極的に再結合させるための再結合中心40を形成し、幅が狭い量子井戸層を有する多重量子井戸領域37から移動してくる電子と正孔をここで再結合させることもできる。

    【0022】また、TBQの動作を高速化することを目的として、量子井戸構造に電界を印加して電子や正孔を引き抜く方法が提案されており、この方法によっても、
    励起子吸収緩和時間を短縮することができる。

    【0023】

    【発明が解決しようとする課題】このように、従来の光半導体装置においては、励起子吸収緩和時間を短縮する目的は達成されるが、その設計された構造によって励起子吸収緩和時間は一定値に決まり、その励起子吸収緩和時間を外部から調節することはできなかった。 前記のT
    BQに電界を印加する方法では、励起子吸収緩和時間を電界の大小によって、構造によって決まるTBQ本来の緩和時間から、それよりも短い時間へと変化させることはできるが、励起子の生成を安定に維持したままで、励起子吸収緩和時間を微細に精度よく調節することはできなかった。

    【0024】本発明は、励起子吸収緩和時間すなわち光スイッチング時間を外部から精度よく制御し、多方面への応用が可能な半導体装置を提供することを目的とする。

    【0025】

    【課題を解決するための手段】本発明にかかる半導体装置においては、基板表面上に第1の化合物半導体層を形成し、第1の化合物半導体層の上に第1の化合物半導体層よりもエネルギーギャップが小さい第2の化合物半導体層を形成し、第2の化合物半導体層の上に第2の化合物半導体層よりもエネルギーギャップが大きい第3の化合物半導体層を形成した量子井戸構造において、量子井戸の幅が基板の場所によって異なり、幅が狭い量子井戸と幅が広い量子井戸層が交互に存在し、その結果、電子波または正孔波のチャネル数が異なる量子井戸が交互に連結して形成され、光を照射する幅が狭い量子井戸の両側に電子波または正孔波の伝播を制御する電子波干渉計または正孔波干渉計を形成した構成を採用した。

    【0026】この場合、幅が狭い第1の量子井戸、幅が広い第2の量子井戸、幅が狭い第3の量子井戸、幅が広い第4の量子井戸、幅が狭い第5の量子井戸からなる5
    つの量子井戸をこの順序で形成することができる。

    【0027】またこの場合、第1の量子井戸と第2の量子井戸の両側の障壁層には第1の導電型の不純物をドープし、また、第4の量子井戸と第5の量子井戸の両側の障壁層には第1の導電型とは逆の第2の導電型の不純物をドープして電子波干渉計あるいは正孔波干渉計を形成し、第3の量子井戸には不純物をドープしないでアンドープにすることができる。

    【0028】またこの場合、第1の量子井戸と第2の量子井戸と第3の量子井戸と第4の量子井戸と第5の量子井戸を、それらの中心線が互いに180°より小さい度で屈曲するように連結し、その結果一方向から光を照射した場合に特定の量子井戸のみにこの光が高強度で入射されるようにすることができる。

    【0029】またこの場合、第1の化合物半導体層と第2の化合物半導体層の間、および、第2の化合物半導体層と第3の化合物半導体層の間の双方または一方に第2
    の化合物半導体層よりもエネルギーギャップが大きいアンドープの化合物半導体層を形成してこの近傍のエネルギーバンド構造を調節することができる。

    【0030】またこの場合、障壁層に第1の導電型の不純物がドープされた第1の量子井戸を有する傾斜面と、
    障壁層に第2の導電型の不純物がドープされた第5の量子井戸を有する傾斜面にバイアス電圧を印加するための電極を形成し、また、障壁層に第1の導電型の不純物がドープされた第2の量子井戸を有する平坦面の第3の化合物半導体層の上と、障壁層に第2の導電型の不純物がドープされた第4の量子井戸を有する平坦面の第3の化合物半導体層の上にゲート電極を形成することができる。

    【0031】そしてまた、本発明にかかる半導体装置の製造方法においては、第1の量子井戸を形成する傾斜面と、第2の量子井戸を形成する平坦面と、第3の量子井戸を形成する傾斜面と、第4の量子井戸を形成する平坦面と、第5の量子井戸を形成する傾斜面をこの順で交互に連続して有する段差基板上に、各量子井戸の障壁層の一方となる第1の化合物半導体層を成長する工程と、第1の化合物半導体層の、第1の量子井戸と、第2の量子井戸の障壁層の一方となる部分に第1の不純物をドープする工程と、第1の化合物半導体層の、第4の量子井戸と、第5の量子井戸の障壁層の一方となる部分に第1導電型とは逆の第2の不純物をドープする工程と、前記のように不純物をドープした第1の化合物半導体層の上に、第1の化合物半導体層よりもエネルギーギャップが小さい第2の化合物半導体層を形成する工程と、第2の化合物半導体層の上に、第2の化合物半導体層よりもエネルギーギャップが大きい第3の化合物半導体層を形成する工程と、該第3の化合物半導体層の、第1の量子井戸と、第2の量子井戸の障壁層の他方となる部分に第1
    の不純物をドープする工程と、第3の化合物半導体層の、第4の量子井戸と、第5の量子井戸の障壁層の他方となる部分に第2の不純物をドープする工程を採用した。

    【0032】この場合、第1導電型の不純物および第2
    導電型の不純物を集束イオンビーム(FIB)注入法により注入し、p型の不純物としてBe ++イオンを用い、
    n型の不純物としてSi +イオンを用いることができる。

    【0033】またこの場合、第1の化合物半導体層を成長する工程と第2の化合物半導体層を成長する工程の間、および、第2の化合物半導体層を成長する工程と第3の化合物半導体層を形成する工程の間の両方またはその一方に、第2の化合物半導体層よりもエネルギーギャップが大きいアンドープの化合物半導体層を形成する工程を加えることができる。

    【0034】

    【作用】本発明の半導体装置においては、光照射による励起子は主に幅が狭い(薄い)第3の量子井戸に生成される。 そして、平坦面に形成される第2の量子井戸と第4の量子井戸は、傾斜面に形成されている第3の量子井戸よりも厚くなるため、第3の量子井戸の幅は第2の量子井戸および第4の量子井戸の幅より狭くなり、その結果、第3の量子井戸の量子準位は第2の量子井戸あるいは第4の量子井戸の量子準位より高くなる。 したがって、第3の量子井戸に生成された励起子は第2の量子井戸と第4の量子井戸に移動する。

    【0035】この際、第1の量子井戸領域および第5の量子井戸領域には電極が形成され、正および負のバイアス電圧が印加されているために、励起子は電子と正孔に分かれ、電子は電子波として正電位の電極に向かい、正孔は正孔波として負電位の電極に向かって移動するが、
    本発明においては、この電子波と正孔波が正電位あるいは負電位の電極に向かって移動する量を外部から制御して、励起子吸収緩和時間を制御する点が最大の特徴である。

    【0036】このように、電子波と正孔波が正電位あるいは負電位の電極に向かって移動する量を制御する手段として、本発明の発明者が先に提案した半導体装置(特願平4−134822号明細書参照)の原理を用いた電子波干渉計と正孔波干渉計を用いる。 ここで、この電子波干渉計の概要を説明する。

    【0037】図9は、電子波干渉計の原理説明図であり、(A)はその構成、(B)はそのXX'線におけるバンドエネルギー図、(C)はそのYY'線におけるバンドエネルギー図である。 この図において、41は段差基板、41a,41cは傾斜面、41bは平坦面、42
    は第1の半導体層、43は第2の半導体層、44は第3
    の半導体層、45はソース領域、46はドレイン領域、
    47はソース電極、48はドレイン電極、49はゲート電極、50,51はn +型不純物領域、E cは伝導帯の下端、E fはフェルミ準位、E 0 ,E 1は電子の二次元サブバンド、D 1 ,D 2 ,D 3は電子の確率密度分布である。

    【0038】この電子波干渉計においては、傾斜面41
    aと平坦面41bを有する段差基板41の上に、第1の半導体層42を成長し、この第1の半導体層42の平坦部に集束イオンビーム法によりSiイオンを注入してn
    +型不純物領域50を形成し、再び、第1の半導体層4
    2よりもエネルギーギャップが小さい第2の半導体層4
    3と第2の半導体層43よりエネルギーギャップが大きい第3の半導体層44を順次成長し、この第3の半導体層44の平坦部の底部に集束イオンビーム法によりSi
    イオンを注入してn +型不純物領域51を形成し、第3
    の半導体層44の両端にAuGe/Auを蒸着して、第3の半導体層44と第2の半導体層43と第1の半導体層42と合金化して、ソース領域45とドレイン領域4
    6を形成し、このソース領域45とドレイン領域46にソース電極47とドレイン電極48を形成し、第3の半導体層44の平坦部の上にゲート電極49を形成して構成されている。

    【0039】この電子波干渉計においては、傾斜面のX
    X'線におけるエネルギーバンドは、第2の半導体層4
    3が薄いために、図9(B)に示されているように、第2の半導体層43の全面にわたって電子の二次元サブバンドE 0がフェルミ準位E fの下に形成され、電子の存在確率密度分布D 1は第2の半導体層43の中央に集中する。

    【0040】また、ゲート電極49の下の平坦面のY
    Y'線におけるエネルギーバンドは、第2の半導体層4
    3が厚く、また、その上下の第1の半導体層42にn +
    型不純物領域50が形成され、第3の半導体層44にn
    +型不純物領域51が形成されているために、図9
    (C)に示されているように、エネルギーバンドの曲がりが急峻になり、第2の半導体層43の第1の半導体層42の側の界面近傍と、第3の半導体層44の側の界面近傍の2か所において電子の二次元サブバンドE 0 ,E
    1がフェルミ準位E fの下に形成され、第2の半導体層43の第1の半導体層42側の界面近傍と、第3の半導体層44側の界面近傍の2か所に局在した電子の確率密度分布D 2 ,D 3を有することになる。

    【0041】したがって、ソース電極47とドレイン電極48によって第2の半導体層43を通して電流を流すと、電子波は第2の半導体層43の傾斜面においては1
    つのチャネルを通って伝播され、平坦面においては上下2つのチャネルを通って伝播されることになる。

    【0042】そして、第2の半導体層43の平坦面の上に形成されたゲート電極49に電圧を印加すると、このゲート電極49からの距離の差によって、第2の半導体層43を上下のチャネルに分かれて流れる電子波の位相に影響を与えるから、この電子波が傾斜面で合流する際に干渉を生じ、ゲート電極49に印加する電圧によってドレイン電極48に到達する電子波強度、すなわち、出力電流を制御することができる。

    【0043】上記の説明は、電子波干渉計に関するものであるが、第2の半導体層43を上下から挟んでいる第1の半導体層42と第3の半導体層44のn +型不純物領域50とn +型不純物領域51をp +型に代え、ゲート電極49の極性を逆にすることによって正孔波干渉計を形成することができる。 また、先に本発明の発明者が提案した他の形式の量子干渉トランジスタによっても、
    本発明の半導体装置において用いる電子波干渉計、正孔波干渉計を形成することができる。

    【0044】図10は、電子波干渉計または正孔波干渉計のゲート電圧と励起子吸収緩和時間の関係図である。
    この図の横軸は電子波干渉計または正孔波干渉計のゲート電圧(任意等間隔スケール)であり、縦軸は本発明の半導体装置の励起子吸収緩和時間(対数任意スケール)
    である。

    【0045】この図に示されているように、本発明の半導体装置において、第1の量子井戸と第2の量子井戸で構成される正孔波干渉計、および、第4の量子井戸と第5の量子井戸で構成される電子波干渉計のゲート電圧を変えることによって励起子吸収緩和時間を周期的に変えることができる。

    【0046】このように、本発明の半導体装置によると、励起子を生成する第3の量子井戸とソース電極、ドレイン電極の間に電子波干渉計および正孔波干渉計を形成したため、この電子波干渉計および正孔波干渉計のゲート電極に印加する電圧によってソース電極やドレイン電極に到達できる電子波強度、すなわち電子の量や正孔波強度すなわち正孔の量を調節することによって、励起子吸収緩和時間、すなわち光スイッチング時間を広い範囲で精度よく制御することができ、光スイッチ装置の設計の自由度を高くすることができ、励起子吸収緩和時間の広範な制御を積極的に用いることによってニューロコンピュータ等の高機能情報処理装置の実用化に寄与することが期待される。

    【0047】

    【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 (第1実施例)図1は、第1実施例の半導体装置の構成説明図である。 この図において、1はGaAs基板、
    2,2aは(100)面、4は(111)面、5はAl
    GaAs/AlAsミラー層、5aはAlAs層、5b
    はAlGaAs層、6はAlGaAs層、6a,8aは第1の量子井戸の障壁層となる部分、6b,8bは第2
    の量子井戸の障壁層となる部分、6c,8cは第3の量子井戸の障壁層となる部分、6d,8dは第4の量子井戸の障壁層となる部分、6e,8eは第5の量子井戸の障壁層となる部分、7はGaAs層、8はAlGaAs
    層、9はGaAs層、9aは第1の量子井戸の上部、9
    bは第2の量子井戸の上部、9dは第4の量子井戸の上部、9eは第5の量子井戸の上部、10aはAuGe/
    Auからなるソース電極、10eはAuGe/Auからなるドレイン電極、10b,10dはゲート電極である。 なお、この符号は、図2〜図6の符号と一致させたため一部に欠番がある。 この構成説明図によって、この実施例の半導体装置の構成を説明する。

    【0048】(100)面2を有するGaAs基板1の表面に、(100)面2,2aと約55°の角度をもつ(111)面4を有する段差を形成し、その上に、低屈折率層である例えば厚さが約66.5nmのAlAs層5aと、高屈折率層である例えば厚さが約67.8nm
    のAlGaAs層5bとを交互に成長させた所定波長の光に対して高い反射率を有する誘電体反射膜であるAl
    GaAs/AlAsミラー層5を形成し、その上に、厚さが50nm程度のAlGaAs層6を成長し、このA
    lGaAs層6の第1の量子井戸の障壁層となる部分6
    aと第2の量子井戸の障壁層となる部分6bにライン状にBe ++を注入して高濃度のp +型領域を形成し、第4
    の量子井戸の障壁層となる部分6dと第5の量子井戸の障壁層となる部分6eにライン状にSi +を注入して高濃度のn +型領域を形成し、その上に、GaAs層7を平坦部で25nm程度になるように成長する。 このとき、傾斜部では平坦部分の65%程度の厚さになるため、16nm程度成長する。

    【0049】さらにその上に、厚さ50nm程度のAl
    GaAs層8を成長し、第1の量子井戸の障壁層となる部分8aと第2の量子井戸の障壁層となる部分8bにライン状にBe ++を注入して高濃度のp +型不純物領域を形成し、第4の量子井戸の障壁層となる部分8dと第5
    の量子井戸の障壁層となる部分8eにライン状にSi +
    を注入して高濃度のn +型不純物領域を形成する。

    【0050】そしてさらにその上に、GaAs層9を成長し、第1の量子井戸の上部9aと、第5の量子井戸の上部9eに、第1の量子井戸と、第5の量子井戸の間にバイアス電圧を印加するためのオーミックコンタクト用のAuGe/Auからなるソース電極10aとドレイン電極10eを形成し、第2の量子井戸の上部9bと第4
    の量子井戸の上部9dに、Alを蒸着してゲート電極1
    0bおよび10dを形成する。

    【0051】この半導体装置において、傾斜面に形成されている第3の量子井戸にほぼ垂直に光を入射する。 このとき、第1の量子井戸と第5の量子井戸の表面と入射光の入射方向とは、ほぼ平行になるために、第1の量子井戸と第5の量子井戸への入射光量はほとんどゼロである。

    【0052】第2の量子井戸と第4の量子井戸の表面と入射光の入射方向とは鋭角であるために、第2の量子井戸と第4の量子井戸への入射光量は僅少である。 したがって、この半導体装置においては、特に、入射光を第3
    の量子井戸のみに入射させるための集光手段や遮光手段を設ける必要がない。

    【0053】先ず、この半導体装置の第3の量子井戸の量子井戸層であるGaAs層7に光パルスを照射して励起子を生成する。 この励起子を構成する正孔は負電位が印加されているソース電極10aの方向に移送され、電子は正電位が印加されているドレイン電極10eの方向に移送されるため消滅するが、励起子が生成されてから消滅するまでの時間が、ゲート電極10bおよび10d
    に印加される電圧によって異なる。

    【0054】次の光パルスを入射するとき励起子が存在すると、この光によって励起子が生成されずエネルギーを消費しないため、AlGaAs/AlAsミラー層によって反射される。 次の光パルスを入射するとき励起子が存在していないか、あるいは先の光の入射によって励起子が生成されても既に消滅している場合は、この入射光によって励起子が生成されるためにエネルギーを消費し、AlGaAs/AlAsミラー層によって反射される光は存在しなくなる。

    【0055】この半導体装置の入射光に対する反射光の有無を、光信号の2つの状態に対応させることによって、光スイッチング、光演算素子を構成することができ、しかも、この励起子の吸収緩和時間を外部からゲート電極に印加する電圧によって制御することができるため、前記のように設計の自由度を高め、またこの励起子の吸収緩和時間の制御性を積極的に用いることによって多機能の情報処理を実行することができる。

    【0056】以上説明した半導体装置は、入射光がAl
    GaAs/AlAsミラー層によって反射される現象を利用するものであったが、AlGaAs/AlAsミラー層を用いないで、入射光が第3の量子井戸を透過するか透過しないかの2つの状態によって演算等の情報処理を行うこともできる。

    【0057】(第2実施例)図2、図3、図4、図5
    は、第2実施例の半導体装置の製造工程説明図であり、
    (A)〜(H)は各工程を示している。 この図において、1はGaAs基板、2,2aは(100)面、3はレジストパターン、4は(111)面、5はAlGaA
    s/AlAsミラー層、5aはAlAs層、5bはAl
    GaAs層、6はAlGaAs層、6a,8aは第1の量子井戸の障壁層となる部分、6b,8bは第2の量子井戸の障壁層となる部分、6c,8cは第3の量子井戸の障壁層となる部分、6d,8dは第4の量子井戸の障壁層となる部分、6e,8eは第5の量子井戸の障壁層となる部分、7はGaAs層、8はAlGaAs層、9
    はGaAs層、9aは第1の量子井戸の上部、9bは第2の量子井戸の上部、9dは第4の量子井戸の上部、9
    eは第5の量子井戸の上部、10a,10eはAuGe
    /Auからなる電極、10b,10dはゲート電極である。 この工程説明図によって、第2実施例の半導体装置の製造方法を説明する。

    【0058】第1工程(図2(A)参照) (100)面2を有するGaAs基板1の表面に、光露光によりラインアンドスペースのレジストパターン3を形成する。

    【0059】第2工程(図2(B)参照) レジストパターン3をエッチングマスクにしてGaAs
    基板1を燐酸(H 3 PO 4 ):過酸化素(H 22
    =1:10のエッチング液によって、11℃でウェットエッチングを行う。 このエッチング工程によって、(1
    11)面4が現れ、順メサ状に形成される。 このとき(111)面4はエッチングされた後の(100)面2
    aに対して約55°の角度をもつ。 その後、レジストパターン3を除去する。

    【0060】第3工程(図3(C)参照) この図3(C)から後は、5つの量子井戸を形成する部分のみに着目して図示されている。 第1工程から第3工程までの工程によって(100)面と(111)面が5
    つ連続する段差が形成されたGaAs基板1の上に、分子線エピタキシー(MBE)法等を用いて、低屈折率層であるAlAs層5aと、高屈折率層であるAlGaA
    s層5bとを交互に成長して、高屈折率層と低屈折率層の積層構造による誘電体反射膜を形成する。

    【0061】このAlGaAs/AlAsミラー層5
    は、所定波長の光に対して高い反射率を有する。 AlG
    aAs/AlAsミラー層5内の、低屈折率層であるA
    lAs層の厚さは例えば約66.5nmであり、高屈折率層であるAlGaAs層の厚さは例えば約67.8n
    mである。 AlGaAs/AlAsミラー層5の上にA
    lGaAs層6を50nm程度成長する。 ここで一旦成長を中断する。

    【0062】第4工程(図3(D)参照) 成長を中断した後、このGaAs基板1を超高真空中で集束イオンビーム注入装置に移動し、AlGaAs層6
    のうち、第1の量子井戸の障壁層となる部分6aと第2
    の量子井戸の障壁層となる部分6bに、Be集束イオンビームを用いてライン状にBe ++を注入して高濃度のp
    +型領域を形成する。 このとき、第1の量子井戸の障壁層となる部分6aでのp型ドーピング量が1×10 18
    -3程度、第2の量子井戸の障壁層となる6bでのp型ドーピング量が1×10 19 cm -3程度になるようにドーズ量と注入時間を調整する。

    【0063】次いで、AlGaAs層6のうち、第4の量子井戸の障壁層となる部分6dと第5の量子井戸の障壁層となる部分6eに、Si集束イオンビームを用いてライン状にSi +を注入して高濃度のn +型領域を形成する。 このとき、第5の量子井戸の障壁層となる部分6
    eでのn型不純物量が1×10 17 cm -3程度、第4の量子井戸の障壁層となる部分6dでのn型ドーピング量が1×10 18 cm -3程度になるように、ドーズ量と注入時間を調整する。 なお、第3の量子井戸の障壁層となる部分6cには不純物を注入しない。

    【0064】第5工程(図4(E)参照) その後、再び、このGaAs基板1を超高真空中で成長室に戻し、MBE法を用いてGaAs層7を平坦部で2
    5nm程度成長する。 このとき、傾斜部では平坦部分の65%程度の厚さになるため、16nm程度成長することになる。 さらにその上に、厚さ50nm程度のAlG
    aAs層8を成長する。 ここでまた成長を中断し、Ga
    As基板1を超高真空中で集束イオンビーム注入装置に移動する。

    【0065】第6工程(図4(F)参照) 次いで、AlGaAs層8のうち、第1の量子井戸の障壁層となる部分8aと第2の量子井戸の障壁層となる部分8bに、Be集束イオンビームを用いてライン状にB
    ++を注入して高濃度のp +型不純物領域を形成する。
    このとき、第1の量子井戸の障壁層となる部分8aでのp型ドーピング量が1×10 18 cm -3程度、第2の量子井戸の障壁層となる部分8bでのp型ドーピング量が1
    ×10 19 cm -3程度になるようにドーズ量と注入時間を調整する。

    【0066】次いで、AlGaAs層8のうち、第4の量子井戸の障壁層となる部分8dと第5の量子井戸の障壁層となる部分8eに、Si集束イオンビームを用いてライン状にSi +を注入して高濃度のn +型不純物領域を形成する。 このとき、第5の量子井戸の障壁層となる部分8eでのn型不純物量が1×10 17 cm -3程度、第4の量子井戸の障壁層となる部分8dでのn型ドーピング量が1×10 18 cm -3程度になるように、ドーズ量と注入時間を調整する。 なお、第3の量子井戸の障壁層となる部分8cには不純物を注入しない。

    【0067】第7工程(図5(G)参照) その後、このGaAs基板1を超高真空中で成長室に戻し、MBE法を用いて前工程において形成したAlGa
    As層8の上にGaAs層9を成長する。

    【0068】第8工程(図5(H)参照) その後、GaAs層9のうち、第1の量子井戸の上部9
    aと、第5の量子井戸の上部9eに、第1の量子井戸と、第5の量子井戸の間にバイアス電圧を印加するためのオーミックコンタクト用のAuGe/Auからなる電極10aと10eを形成する。

    【0069】これらのAuGe/Auからなる電極10
    a,10eの形成方法としては、まず、GaAs層9のうち第1の量子井戸となる9aと第5の量子井戸となる9eの上にAuGeを20nm程度、さらにAuを30
    0nm程度蒸着した後に、450℃の温度に1分間程度加熱して合金化し、GaAs層7に達するアロイ領域を形成することにより、第1の量子井戸と第5の量子井戸にそれぞれオーミック電極を形成する。

    【0070】また、GaAs層9のうち、第2の量子井戸の上部9bと第4の量子井戸の上部9dには、Alを蒸着してゲート電極10bおよび10dを形成する。

    【0071】(第3実施例)図6は、第3実施例の半導体装置の構成説明図である。 この図における符号は、1
    1,12がノンドープAlGaAs層であるほかは図1
    において同符号を付して説明したものと同様である。 この実施例の半導体装置は、AlGaAs層6とGaAs
    層7の間にノンドープAlGaAs層11を挿入し、G
    aAs層7とAlGaAs層8の間にノンドープAlG
    aAs層12を挿入した点が第1実施例の半導体装置と異なるだけで他の構成は同じである。

    【0072】この場合、AlGaAs層6の第1の量子井戸の障壁層となる部分6aと第2の量子井戸の障壁層となる部分6bにライン状にBe ++を注入して高濃度のp +型領域を形成し、第4の量子井戸の障壁層となる部分6dと第5の量子井戸の障壁層となる部分6eにライン状にSi +を注入して高濃度のn +型領域を形成した後に、ノンドープAlGaAs層11を厚さ10nm程度成長し、その上にGaAs層7を成長する。

    【0073】また、ノンドープAlGaAs層12については、GaAs層7を成長した後、AlGaAs層を60nm程度成長し、イオン注入の際に50nm程度の深さまでイオンが入るようにし、イオンが到達しなかった残りの10nm程度をノンドープAlGaAs層12
    を残すことによって形成する。

    【0074】この実施例において、AlGaAs層6とGaAs層7の間にノンドープAlGaAs層11を挿入し、GaAs層7とAlGaAs層8の間にノンドープAlGaAs層12を挿入することによって、電子波干渉計および正孔波干渉計となる部分のエネルギーバンド構造を調整することができる。

    【0075】この実施例においては、ノンドープAlG
    aAs層11とノンドープAlGaAs層12を挿入した例を説明したが、この層を挿入する目的が電子波干渉計および正孔波干渉計となる部分のエネルギーバンド構造を調整することであるから、調整するエネルギーバンド構造によっては、ノンドープAlGaAs層11とノンドープAlGaAs層12の一つを省略することもあり得る。

    【0076】

    【発明の効果】以上説明したように、本発明によると電子波および正孔波の量子干渉効果を利用することにより、励起子吸収緩和時間、光スイッチング時間の広い範囲の精密な制御を可能にし、その結果、光スイッチング時間を一つの半導体装置において変化させることが可能になり、ニューロコンピュータ等多方面への応用技術分野において寄与するところが大きい。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】第1実施例の半導体装置の構成説明図である。

    【図2】第2実施例の半導体装置の製造工程説明図(1)であり、(A),(B)は各工程を示している。

    【図3】第2実施例の半導体装置の製造工程説明図(2)であり、(C),(D)は各工程を示している。

    【図4】第2実施例の半導体装置の製造工程説明図(3)であり、(E),(F)は各工程を示している。

    【図5】第2実施例の半導体装置の製造工程説明図(4)であり、(G),(H)は各工程を示している。

    【図6】第3実施例の半導体装置の構成説明図である。

    【図7】従来の電子と正孔の再結合中心によって励起子吸収緩和時間を短縮する方法の説明図であり、(A)は点欠陥によって励起子吸収緩和時間を短縮する方法、
    (B)は側壁の表面準位による電子と正孔の再結合によって励起子吸収緩和時間を短縮する方法を示している。

    【図8】従来の励起子の電子と正孔を除去することによって励起子吸収緩和時間を短縮する方法の説明図であり、(A)は量子井戸層に生成された励起子の電子と正孔を障壁層をトンネリングさせて除去することによって励起子吸収緩和時間を短縮する方法、(B)は電子親和力が小さくエネルギーギャップが大きいバリア層で形成された励起子を隣接する電子親和力が大きくエネルギーギャップが小さいバリア層に移送して除去することによって励起子吸収緩和時間を短縮する方法を示している。

    【図9】電子波干渉計の原理説明図であり、(A)はその構成、(B)はそのXX'線におけるバンドエネルギー図、(C)はそのYY'線におけるバンドエネルギー図である。

    【図10】電子波干渉計または正孔波干渉計のゲート電圧と励起子吸収緩和時間の関係図である。

    【符号の説明】

    1 GaAs基板 2,2a (100)面 3 レジストパターン 4 (111)面 5 AlGaAs/AlAsミラー層 5a AlAs層 5b AlGaAs層 6 AlGaAs層 6a,8a 第1の量子井戸の障壁層となる部分 6b,8b 第2の量子井戸の障壁層となる部分 6c,8c 第3の量子井戸の障壁層となる部分 6d,8d 第4の量子井戸の障壁層となる部分 6e,8e 第5の量子井戸の障壁層となる部分 7 GaAs層 8 AlGaAs層 9 GaAs層 9a 第1の量子井戸の上部 9b 第2の量子井戸の上部 9d 第4の量子井戸の上部 9e 第5の量子井戸の上部 10a AuGe/Auからなるソース電極 10e AuGe/Auからなるドレイン電極 10b,10d ゲート電極 11,12 ノンドープAlGaAs層

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