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Method for manufacturing phase shift mask

阅读:1031发布:2020-10-01

专利汇可以提供Method for manufacturing phase shift mask专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a phase shift mask blank in which processing steps can be reduced without sacrifice of process accuracy, and to provide a method for manufacturing a phase shift mask.SOLUTION: The method for manufacturing a phase shift mask includes steps of: preparing a mask blank, which includes a phase shift film 30 comprising a material containing a silicon, an etching mask film 10 comprising a material containing chromium, and a light-shielding film 20 comprising a material containing tantalum, successively layered on a light-transmitting substrate; dry etching the light-shielding film by using chlorine-based gas and using a resist film as a mask; dry etching the etching mask film by using mixture gas of chlorine-based gas and oxygen gas and using the resist film or the light-shielding film as a mask; and dry etching the phase shift film by using fluorine-based gas and using the etching mask film as a mask.,下面是Method for manufacturing phase shift mask专利的具体信息内容。

  • 透光性基板上に、ケイ素を含有する材料からなる位相シフト膜と、クロムを含有する材料からなるエッチングマスク膜と、タンタルを含有する材料からなる遮光膜が順に積層したマスクブランクを準備する工程と、
    位相シフトパターンを備えたレジスト膜をマスクとし、塩素系ガスを用いたドライエッチングを行い、前記遮光膜に位相シフトパターンを形成する工程と、
    前記位相シフトパターンを備えたレジスト膜または遮光膜をマスクとし、塩素系ガスと酸素ガスの混合ガスを用いたドライエッチングを行い、前記エッチングマスク膜に位相シフトパターンを形成する工程と、
    遮光パターンを備えたレジスト膜を前記遮光膜上に形成する工程と、
    フッ素系ガスを用いたドライエッチングを行い、前記位相シフトパターンを備えたエッチングマスク膜をマスクにして前記位相シフト膜に位相シフトパターンを形成するとともに、前記遮光パターンを備えたレジスト膜をマスクにして前記遮光膜に遮光パターンを形成する工程と、
    前記遮光パターンを備えたレジスト膜または遮光膜をマスクとし、塩素系ガスと酸素ガスの混合ガスを用いたドライエッチングを行い、前記エッチングマスク膜に遮光パターンを形成する工程とを有することを特徴とする位相シフトマスクの製造方法。
  • 前記遮光膜は、タンタル単体、またはタンタルに窒素、炭素、水素およびホウ素から選ばれる1以上の元素を含有する材料からなることを特徴とする請求項1記載の位相シフトマスクの製造方法。
  • 前記遮光膜は、膜厚が、15nmから50nmであることを特徴とする請求項1または2に記載の位相シフトマスクの製造方法。
  • 前記エッチングマスク膜は、クロム単体、またはクロムに酸素、窒素、炭素、水素から選ばれる1以上の元素を含有する材料からなることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の位相シフトマスクの製造方法。
  • 前記エッチングマスク膜は、膜厚が、5nmから40nmであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の位相シフトマスクの製造方法。
  • 前記位相シフト膜は、ケイ素を含む材料からなることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の位相シフトマスクの製造方法。
  • 前記位相シフト膜は、遷移金属シリサイドの酸化物、窒化物、酸窒化物、酸化炭化物、窒化炭化物、酸窒化炭化物を含有する材料からなることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の位相シフトマスクの製造方法。
  • 前記遮光膜は、窒化タンタルを含有する材料からなる遮光層と、前記遮光層の上面に積層する反射防止層とからなることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の位相シフトマスクの製造方法。
  • 前記反射防止層を有する遮光膜を備えるマスクブランクは、シート抵抗が500Ω/□以下であることを特徴とする請求項8記載の位相シフトマスクの製造方法。
  • 说明书全文

    本発明は、半導体デバイス等の製造において使用されるフォトマスクブランク、フォトマスク及びその製造方法等に関する。

    半導体デバイス等の微細化は、性能、機能の向上(高速動作や低消費電化等)や低コスト化をもたらす利点があり、微細化はますます加速されている。 この微細化を支えているのがリソグラフィー技術であり、転写用マスクは、露光装置、レジスト材料とともにキー技術となっている。
    近年、半導体デバイスの設計仕様でいうハーフピッチ(hp)45nm〜32nm世代の開発が進められている。 これはArFエキシマレーザー露光光(以下、ArF露光光)
    の波長193nmの1/4〜1/6に相当している。 特にhp45nm以降の世代では従来の位相シフト法、斜入射照明法や瞳フィルター法などの超解像技術(Resolution Enhan
    cement Technology:RET)と光近接効果補正(Optical Proximity Correction : OPC)技術の適用だけでは不十分となってきており、超高NA技術(液浸リソグラフィ)や二重露光法(ダブルパターニング)が必要となってきている。

    ところで、半導体製造に必要な回路パターンは、複数のフォトマスク(レチクル)パターンによって半導体ウェハに順次露光される。 例えば、所定のレチクルがセットされた縮小投影露光装置は、ウエハ上の被投影領域を次々とずらしながら繰り返しパターンを投影露光する(ステップ・アンド・リピート方式)。 または、レチクルとウエハを投影光学系に対して同期走査し、繰り返しパターンを投影露光する(ステップ・アンド・スキャン方式)。 これにより、半導体ウェハ内に所定個数分の集積回路チップ領域を形成する。
    フォトマスク(レチクル)は、転写パターンを形成した領域と、その外周の領域と、を有する。 この外周領域、即ちフォトマスク(レチクル)における四つの辺に沿った周縁の領域は、フォトマスク(レチクル)上の転写パターンをウエハ上の被投影領域を次々とずらしながら順次露光する際に、集積回路チップの形成数を増やす目的で、互いの外周領域が重なるようにして露光、転写される。 このような重ね露光によるウエハ上レジスト感光を防ぐ目的で、フォトマスクの外周領域には遮光帯(遮光体の帯、遮光体リング)をマスク加工にて作製する。

    位相シフト法は、位相シフト部を透過する露光光に対して所定の位相差を生じさせ、光の干渉作用を利用して転写パターンの解像度を向上させる手法である。
    位相シフト法により解像性を向上させたフォトマスクとしては、石英基板をエッチング等により掘り込んでシフター部を設ける基板掘り込みタイプと、基板上に形成した位相シフト膜をパターニングしてシフター部を設けるタイプとがある。

    基板掘り込み(彫り込み)タイプのフォトマスクとして、レベンソン型位相シフトマスク、エンハンサー型位相シフトマスク、クロムレス位相シフトマスクなどがある。 クロムレス位相シフトマスクには、ライン上の遮光層を完全に除去したタイプと、ライン上の遮光層をパターニングしたタイプ(いわゆるゼブラタイプ)とがある。 レベンソン型位相シフトマスクやクロムレス位相シフトマスクの転写領域の遮光層を完全に除去したタイプは、Alternative phase shifter とも称され、位相シフト部を通過する露光光は概ね100
    %透過されるタイプの位相シフトマスクブランクである。 エンハンサー型位相シフトマスクは、遮光部と、透過率制御部(位相360°反転=0°)、ガラスを掘り込んだ180
    °反転部が設けられる。 いずれのタイプにおいても、フォトマスク(レクチル)における四つの辺に沿った周縁の領域(外周領域)には、遮光帯を形成する必要がある。
    このようなクロムレス位相シフトマスクを製造するためのフォトマスクブランクは、透明基板上に、Crからなる遮光層とCrOからなる低反射層を積層したCrO/Cr遮光膜を有するものが知られておりであり、トータルの膜厚は、70〜100nmである(例えば、特許文献1の[0005]欄参照)。 また、クロムレス位相シフトマスクの製造プロセスは、遮光膜パターンをエッチングマスクにして基板の堀り込みを行うと共に、前記遮光膜パターンの形成に用いたレジストパターンを除去した後、再度レジストを塗布し、
    露光、現像を行って遮光膜を残す箇所を保護した後、不要な箇所の遮光膜をエッチングによって除去し、基板外周領域の遮光帯と、必要に応じ転写領域の遮光パターンと、を有するフォトマスクを得る。 つまり、遮光膜は、エッチングマスク(ハードマスクともいう)
    としての機能と、遮光帯や遮光パターンを形成するための層としての機能(遮光機能を確保する機能)と、を兼用する。
    一般に、フォトマスクのCDパフォーマンスの改善には、遮光膜とそれを形成するためのレジストの薄膜化が有効である。 しかし、遮光膜を薄膜化すると、OD値(光学濃度)
    が減少してしまう。 上述のCrO /Cr遮光膜では、一般に必要とされているOD=3
    を達成するために、60nm程度のトータルの膜厚が最低限必要であり、大幅な薄膜化は困難である。 また、遮光膜が薄膜化できないと、レジストとの選択比が原因でレジストも薄膜化することができない。 したがって、大きなCDの改善を望むことができない。
    この対応策として、特許文献1の方法が提案されている。 この方法は、遮光機能層とエッチングマスク層とを別材料で構成することによって、上記要求を満たそうとするものである。
    特許文献1の方法は、層構成が、例えば、基板/Cr系第2エッチングマスク膜/Mo
    Si系遮光膜/Cr系第1エッチングマスク膜(兼反射防止膜)のように、基板から最も遠い最表面の第1エッチングマスク膜にCr系の材料を使用している(特許文献1[00
    38]欄等参照)。 これにより、第1エッチングマスク膜の上面に塗布されるレジスト膜は、最低限、第1エッチングマスク膜にパターンを転写できればよく、レジスト膜のある程度の薄膜化を図ることはできている。 しかし、Cr系材料の第1エッチングマスク膜は、塩素と酸素の混合ガスでドライエッチングする必要があり、レジストとの選択比が低い(レジストの消費量が多い。)。 このため、レジストの膜厚の大幅な薄膜化(レジスト膜厚200nm以下、さらには150nmの実現)が難しく、マスク上のパターン解像性を約65nm以下、更には50nm以下という高精度を実現するには、CD精度も十分とは言いがたく問題がある。
    また、特許文献1の方法は、層構成が、MoSi系遮光膜の上下に2つのCr系のエッチングマスク膜が設けられた構成となっていることから、フォトマスクブランクを製造する際のプロセスが煩雑になるという問題がある。
    さらに、層構成が多いため加工プロセスが煩雑になるという問題もある。 例えば、この方法の層構成は、基板/Cr系第2エッチングマスク膜/MoSi系遮光膜/Cr系第1
    エッチングマスク膜(兼反射防止膜)のブランクを用いる必要があり(特許文献1[00
    38]欄等参照)、層構成が多いため加工プロセスが煩雑になるという問題がある。

    上記したことは、例えば、例えば、基板/MoSi系位相シフト膜/Cr系第2エッチングマスク膜/MoSi系遮光膜/Cr系第1エッチングマスク膜(兼反射防止膜)のブランクを用いる場合においても同様であり(特許文献2[0174]欄等参照)、層構成が多いため加工プロセスが煩雑になるという問題がある。
    また、MoSi系材料を使用する遮光膜は、薬品洗浄に対する耐性(特にアンモニア過に対する耐性)が低い。 また、温水洗浄(例えば、90℃の温水での洗浄)に対する耐性も低く、フォトマスクを作製した後の洗浄について問題がある。

    特開2007−241136号公報

    特開2007−241065号公報

    本発明は、加工精度を犠牲にすることなく、加工プロセスを軽減できるフォトマスクブランク及びフォトマスクの製造方法等の提供を目的とする。
    本発明は、加工精度を犠牲にすることなく、層構成を低減できるフォトマスクブランク及びフォトマスクの製造方法等の提供を目的とする。
    また、本発明は、互いに密接に関連する以下の4つの課題(1)〜(4)を少ない層構成で達成したフォトマスクブランク及びフォトマスクの製造方法等の提供を目的とする。
    (1)マスク上のパターンの解像性約65nm以下、更には50nm以下の実現、
    (2)遮光膜又は遮光膜とその上下の層で構成される遮光部、の光学濃度OD>3の確保、
    (3)レジストの薄膜化によるレジストパターンの幅に対する高さ(厚さ)の比3以下の実現(レジスト膜厚200nm以下、更には150nmの実現)によるレジストパターンの倒れ防止。
    (4)EBレジストを塗布する膜の導電性の確保。
    (5)フォトマスクブランクから作製したフォトマスクの薬品洗浄に対する耐性、温水洗浄に対する耐性の向上。

    本発明者は、特許文献1に記載の方法、例えば、基板/Cr系第2エッチングマスク膜/MoSi系遮光膜/Cr系第1エッチングマスク膜(兼反射防止膜)のように、レジスト膜パターンを転写するエッチングマスク膜にCr系の薄膜を使用するのではなく、Ta
    を主成分とする遮光膜を適用して、レジスト膜パターンを遮光膜に直接転写することによって上記目的を達成できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
    本発明では、例えば、ハーフトーン型もしくはガラス掘り込み型位相シフトマスクにおいて、Crを主成分とする薄膜層、Taを主成分とする遮光層、Ta酸化物を主成分とする反射防止層を順次積層させた遮光膜を有するブランクスを使用する。
    Crを主成分とする薄膜層は、フッ素系ガスでは実質的にドライエッチングされないことから、ハーフトーン位相シフト膜もしくはガラス基板をフッ素系ガスを用いてエッチングする際のエッチングマスク(ハードマスクともいう)として機能する。 Ta酸化物を主成分とする反射防止層は、塩素系ガスと酸素ガスの混合ガスには実質的にドライエッチングされず、しかもTaは酸化しやすい材料であり、塩素と酸素の混合ガスでは酸化してしまい、実質的にドライエッチングされないことから、Crを主成分とする薄膜層を塩素系ガスと酸素ガスの混合ガスを用いてエッチングする際のハードマスクとして機能する。 レジスト膜は、塩素系ガスと酸素ガスの混合ガスに比べ、Ta系遮光膜をドライエッチングする際に使用するフッ素系ガスに対するエッチング耐性が高く、レジスト膜の薄膜化が図れ、Ta系遮光膜にパターンを転写する際の加工精度も高めることができる。
    Taを主成分とする遮光層およびTa酸化物を主成分とする反射防止層は位相シフトパターンを形成するためのフッ素系ガスを用いたエッチングにより除去され、位相シフトパターン形成後にはCrを主成分とする薄膜層のみが残存する。 このため、フォトマスクを作製する際の加工プロセスも軽減できる。
    本発明の効果を下記に示す。
    (1)Ta系膜をCr系膜エッチングのハードマスクとし、微細パターン作製に必要なレジスト薄膜化を可能とする。 同時に十分な遮光性能(OD)を維持する。
    (2)位相シフトパターン形成時のフッ素系ガスを用いたエッチングによりTa系膜が除去され、残ったCr系膜は、塩素系ガスと酸素ガスの混合ガスによるドライエッチング、
    又は硝酸第二アンモニウムセリウム等の薬液により、位相シフトパターンにダメージを与えることなく除去可能である。
    (3)反射防止層をTa酸化膜とすることにより、MoSiON等の反射防止膜で問題となる、温水やアルカリに対する耐性を向上させる。

    本発明は、以下の構成を有する。
    (構成1)
    透光性基板に、透過する露光光に対して所定の位相差を生じさせる位相シフト部を設けた位相シフトマスクを作製するためのフォトマスクブランクであって、
    前記位相シフト部は、位相シフト部を設けていない部分の透光性基板を透過する露光光に対し、所定の位相差を生じさせる掘込深さで前記透光性基板の表面から掘り込んだ掘込部であり、
    前記透光性基板を掘り込む側の表面には、塩素系ガスで実質的にドライエッチングされ、
    フッ素系ガスで実質的にドライエッチングされない材料で形成され、前記掘込部をドライエッチングで形成するときに少なくとも前記掘込深さに到達するまでエッチングマスクとして機能するエッチングマスク膜と、
    該エッチングマスク膜の表面にタンタルを主成分とした材料で形成され、透光性基板の掘込部を形成するドライエッチング時に同時に除去可能な膜厚の遮光膜とを有することを特徴とするフォトマスクブランク。
    (構成2)
    透光性基板に、透過する露光光に対して所定の位相差を生じさせる位相シフト部を設けた位相シフトマスクを作製するためのフォトマスクブランクであって、
    前記位相シフト部は、透過する露光光に対して所定量の位相変化を与える位相シフト膜であり、
    該位相シフト膜の表面には、塩素系ガスで実質的にドライエッチングされ、フッ素系ガスで実質的にドライエッチングされない材料で形成され、少なくともドライエッチングによって位相シフト膜に転写パターンが形成されるまでエッチングマスクとして機能するエッチングマスク膜と、
    該エッチングマスク膜の表面にタンタルを主成分とした材料で形成され、位相シフト膜に転写パターンを形成するドライエッチング時に同時に除去可能な膜厚の遮光膜とを有することを特徴とするフォトマスクブランク。
    (構成3)
    前記遮光膜は、
    窒化タンタルを主成分とする遮光層と、
    該遮光層の上面に積層する酸化タンタルを主成分とする反射防止層とからなることを特徴とする構成1または2のに記載のフォトマスクブランク。
    (構成4)
    前記遮光膜は、膜厚が、15nmから40nmであることを特徴とする構成1から3いずれかに記載のフォトマスクブランク。
    (構成5)
    前記エッチングマスク膜は、
    クロム、窒化クロム、酸化クロム、窒化酸化クロム、酸化炭化窒化クロムのいずれかを主成分とする材料で形成されていることを特徴とする構成1から4のいずれかに記載のフォトマスクブランク。
    (構成5)
    前記エッチングマスク膜は、膜厚が、5nmから40nmであることを特徴とする構成1から5のいずれかに記載のフォトマスクブランク。
    (構成7)
    前記位相シフト膜は、
    モリブデンシリサイド、モリブデンシリサイドの窒化物、モリブデンシリサイドの酸化物、モリブデンシリサイドの窒化酸化物のいずれかを主成分とする材料で形成されていることを特徴とする構成2から6のいずれかに記載のフォトマスクブランク。
    (構成8)
    前記位相シフト膜は、
    シリコン酸化物またはシリコン酸化窒化物を主成分とする材料で形成される位相調整層と、
    タンタルまたはタンタル−ハフニウム合金を主成分とする透過率調整層とからなることを特徴とする構成2から6のいずれか1項に記載のフォトマスクブランク。
    (構成9)
    構成1から8の何れかに記載のフォトマスクブランクを用いて作製されるフォトマスク。

    本発明によれば、加工精度を犠牲にすることなく、加工プロセスを軽減できるフォトマスクブランク及びフォトマスクの製造方法等を提供できる。
    また、本発明によれば、加工精度を犠牲にすることなく、層構成を低減できるフォトマスクブランク及びフォトマスクの製造方法等を提供できる。
    また、本発明によれば、互いに密接に関連する以下の4つの課題(1)〜(4)を少ない層構成で達成したフォトマスクブランク及びフォトマスクの製造方法等を提供できる。
    (1)マスク上のパターンの解像性約65nm以下、更には50nm以下の実現、
    (2)遮光膜又は遮光膜とその上下の層で構成される遮光部、の光学濃度OD>3の確保、
    (3)レジストの薄膜化によるレジストパターンの幅に対する高さ(厚さ)の比3以下の実現(レジスト膜厚200nm以下、更には150nmの実現)によるレジストパターンの倒れ防止、
    (4)EBレジストを塗布する膜の導電性の確保。
    (5)フォトマスクブランクから作製したフォトマスクの薬品洗浄に対する耐性、温水洗浄に対する耐性の向上。

    以下、本発明を詳細に説明する。
    本発明のフォトマスクブランクは、
    透光性基板に、透過する露光光に対して所定の位相差を生じさせる位相シフト部を設けた位相シフトマスクを作製するためのフォトマスクブランクであって、
    前記位相シフト部は、位相シフト部を設けていない部分の透光性基板を透過する露光光に対し、所定の位相差を生じさせる掘込深さで前記透光性基板の表面から掘り込んだ掘込部であり、
    前記透光性基板を掘り込む側の表面には、塩素系ガスで実質的にドライエッチングされ、
    フッ素系ガスで実質的にドライエッチングされない材料で形成され、前記掘込部をドライエッチングで形成するときに少なくとも前記掘込深さに到達するまでエッチングマスクとして機能するエッチングマスク膜と、
    該エッチングマスク膜の表面にタンタルを主成分とした材料で形成され、透光性基板の掘込部を形成するドライエッチング時に同時に除去可能な膜厚の遮光膜とを有することを特徴とする(構成1)。
    このような構成によれば、タンタルを主成分とした材料で形成され、透光性基板の掘込部を形成するドライエッチング時に同時に除去可能な膜厚の遮光膜は、透光性基板の掘込部を形成するドライエッチング時に同時に除去される。 したがって、加工プロセスを軽減できる。
    また、タンタル系遮光膜を用いることによって、その上に形成されるレジストに関し、
    微細パターン作製に必要なレジストの薄膜化が可能となる。 タンタル系遮光膜のエッチングガスに対してレジストの耐性が高いためである。
    さらに、このフォトマスクブランクから作製したフォトマスクは、薬品洗浄や温水洗浄に対する耐性を高くできる。 タンタル系遮光膜は、薬品洗浄に対する耐性(特にアンモニア過水に対する耐性)や、温水洗浄に対する耐性が高いためである。

    図1は、本発明の第1の実施形態に係るフォトマスクブランクの一例を示す。
    図1に示すフォトマスクブランクは、基板堀り込みタイプの位相シフトマスクの作製に用いられる。
    このフォトマスクブランクは、透明基板1の表面に、エッチングマスク層10、Ta系遮光層21とTa系反射防止層22からなるTa系遮光層20、レジスト膜50をこの順で備える。
    基板堀り込みタイプの位相シフトマスクの一例を、図4(9)に示す。

    本発明の他のフォトマスクブランクは、
    透光性基板に、透過する露光光に対して所定の位相差を生じさせる位相シフト部を設けた位相シフトマスクを作製するためのフォトマスクブランクであって、
    前記位相シフト部は、透過する露光光に対して所定量の位相変化を与える位相シフト膜であり、
    該位相シフト膜の表面には、塩素系ガスで実質的にドライエッチングされ、フッ素系ガスで実質的にドライエッチングされない材料で形成され、少なくともドライエッチングによって位相シフト膜に転写パターンが形成されるまでエッチングマスクとして機能するエッチングマスク膜と、
    該エッチングマスク膜の表面にタンタルを主成分とした材料で形成され、位相シフト膜に転写パターンを形成するドライエッチング時に同時に除去可能な膜厚の遮光膜とを有することを特徴とする(構成2)。
    このような構成によれば、タンタルを主成分とした材料で形成され、位相シフト膜に転写パターンを形成するドライエッチング時に同時に除去可能な膜厚の遮光膜は、位相シフト膜に転写パターンを形成するドライエッチング時に同時に除去される。 したがって、加工プロセスを軽減できる。
    また、タンタル系遮光膜を用いることによって、その上に形成されるレジストに関し、
    微細パターン作製に必要なレジストの薄膜化が可能となる。
    さらに、タンタル系遮光膜を用いることによって、このフォトマスクブランクから作製したフォトマスクは、薬品洗浄や温水洗浄に対する耐性を高くできる。

    図2は、本発明の第2の実施形態に係るフォトマスクブランクの一例を示す。
    図2に示すフォトマスクブランクは、基本的に基板を堀り込まず、ハーフトーン型位相シフト膜によって位相シフト部を形成するタイプの位相シフトマスクの作製に用いられる。
    このフォトマスクブランクは、透明基板1の表面に、ハーフトーン型位相シフト膜30
    、エッチングマスク膜10、Ta系遮光層21とTa系反射防止層22からなるTa系遮光層20、レジスト膜50をこの順で備える。
    このタイプの位相シフトマスクの一例を、図6(9)に示す。 このタイプの位相シフトマスクでは、図6(9)に示すように、基板1上に、ハーフトーン位相シフト膜パターン30aを有する。

    本発明の第3の実施形態に係るフォトマスクブランクの一例を、本発明の第2の実施形態の説明で用いた図2を代用して説明する。
    第3の実施形態に係るフォトマスクブランクは、ハーフトーン型位相シフト膜を備え、
    さらに基板を堀り込むことで高透過率の位相シフト部を形成するタイプの位相シフトマスクの作製に用いられる。
    このフォトマスクブランクは、透明基板1の表面に、ハーフトーン型位相シフト膜30
    、エッチングマスク層10、Ta系遮光層21とTa系反射防止層22からなるTa系遮光層20、レジスト膜50をこの順で備える。
    このタイプの位相シフトマスクの一例を、図8(10)に示す。 このタイプの位相シフトマスクでは、図8(10)に示すように、基板の堀込部1a上に、厚さを薄く構成したハーフトーン位相シフト膜パターン30aを形成してなる位相シフト部を有する。 第2の実施形態で示したような単層の位相シフト膜では、露光光に対して所定量の位相差(位相シフト量)を生じさせることと、露光光に対して所定の透過率に制御することを両立するには、所定以上の膜厚が必要となる。 そこで、この第3の実施形態に係るフォトマスクブランクでは、単層の位相シフト膜の膜厚を薄くすることで、露光光に対する高透過率を実現し、さらに、膜厚を薄くすることで不足する分の位相シフト量を、ハーフトーン位相シフト膜パターン30aが形成されない基板露出部分にその不足する位相シフト量に見合う深さで掘込部1aを設けることで、露光光に対して所定の位相差を与えることを実現している。

    図3は、本発明の第4の実施形態に係るフォトマスクブランクの一例を示す。
    図3に示すフォトマスクブランクは、基板堀り込み無しタイプであり、かつ、高透過率のハーフトーン型位相シフト膜を備えることで高透過率の位相シフト部を形成するタイプの位相シフトマスクの作製に用いられる。 高透過率を得るためハーフトーン型位相シフト部を位相制御層と透過率制御層の2層で構成する。
    このフォトマスクブランクは、透明基板1の表面側に、位相制御層32と透過率制御層31とからなるハーフトーン型位相シフト膜30、エッチングマスク膜10、Ta系遮光層21とTa系反射防止層22からなるTa系遮光層20、レジスト膜50をこの順で備える。
    このタイプの位相シフトマスクの一例を、図9(10)に示す。 このタイプの位相シフトマスクでは、図9(10)に示すように、基板1上に、位相制御層32と透過率制御層31とからなるハーフトーン型位相シフト膜30のパターン30aを有する。

    本発明において、タンタルを主成分とした材料としては、例えば、タンタル単体や、タンタルに酸素、窒素、炭素、水素、ホウ素、珪素などからなる元素を少なくとも1種を含む材料(タンタルを含む材料)、などのタンタル系材料を用いることができる。
    本発明において、タンタルを主成分とした材料で形成される遮光膜の膜構造としては、
    上記膜材料からなる複数層構造とすることが多いが、単層とすることもできる。 複数層構造では、異なる組成で段階的に形成した複数層構造や、連続的に組成が変化した膜構造とすることができる。

    本発明において、エッチングマスク膜は、塩素系ガス(塩素系ガスと酸素ガスの混合ガスの場合を含む)で実質的にドライエッチングされ、フッ素系ガスで実質的にドライエッチングされない材料(以下、所定の材料という)で形成され、少なくともフッ素系ガスによるドライエッチングによって位相シフト膜に転写パターンが形成されるまでエッチングマスクとして機能することが必要である。 このようなエッチングマスク膜としては、クロム、ハフニウム、ジルコニウムや、これらの元素を含む合金、又は上記元素や上記合金を含む材料(例えば、上記元素や上記合金を含む材料に加え、酸素、窒素、珪素、炭素の少なくとも一つを含む膜)からなる膜が挙げられる。
    また、エッチングマスク膜には、微細構造や耐久性を調整するため、塩素系ガス(塩素系ガスと酸素ガスの混合ガスの場合を含む)でエッチングされる、モリブデン、チタン、
    バナジウム、シリコンなどからなる元素を少なくとも1種含む、クロム系材料、ハフニウム系材料、ジルコニウム系材料を用いてもよい。

    本発明において、エッチングマスク層は、基板や他の層ダメージを与えずに、ドライエッチング又はウエットエッチングにより、剥離できることが好ましい。
    本発明において、エッチングマスク膜の基板や他の層に対するエッチング選択比(エッチングマスク膜のエッチング速度/基板や他の層のエッチング速度)は1/5以下であることが好ましい。

    本発明において、位相シフト膜は、フッ素系ガスで実質的にドライエッチングされ、塩素系ガスで実質的にドライエッチングされない材料で形成されていることが好ましい。
    本発明において、位相シフト膜としては、例えば、珪素を含む珪素含有膜を用いることができる。 珪素含有膜としては、珪素膜や、珪素とクロム、タンタル、モリブデン、チタン、ハフニウム、タングステンの金属を含む金属シリサイド膜、さらに、珪素膜や金属シリサイド膜に、酸素、窒素、炭素の少なくとも一つを含む膜が挙げられる。
    本発明において、位相シフト膜としては、例えば、遷移金属シリサイド酸化物、遷移金属シリサイド窒化物、遷移金属シリサイド酸窒化物、遷移金属シリサイド酸化炭化物、遷移金属シリサイド窒化炭化物又は遷移金属シリサイド酸窒化炭化物を主成分とする膜を用いることができる。 位相シフト膜としては、例えば、モリブデン系(MoSiON、M
    oSiN、MoSiO等)、タングステン系(WSiON、WSiN、WSiO等)、シリコン系(SiN、SiON等)、などのハーフトーン膜を用いることができる。
    本発明において、位相シフト膜としては、例えば、主に露光光の位相を制御する位相調整層と、主に露光光の透過率を制御する機能を有すると透過率調整層との2層からなるハーフトーン膜を用いることができる 本発明において、位相シフト膜としては、例えば、主に露光光の位相を制御する位相調整層と、主に露光光の透過率を制御する機能を有すると透過率調整層との2層からなるハーフトーン膜を用いることができる(特開2003−322947号公報参照)。 ここで、透過率調整層の材料としては、金属及びシリコンのうちから選ばれる一種又は二種以上からなる膜、あるいはそれらの酸化物、窒化物、酸窒化物、炭化物等を用いることができ、具体的には、アルミニウム、チタン、バナジウム、クロム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ランタン、タンタル、タングステン、シリコン、ハフニウムから選ばれる一種又は二種以上の材料からなる膜あるいはこれらの窒化物、酸化物、酸窒化物、炭化物なとが挙げられる。 また、位相調整層としては、酸化珪素、窒化珪素、酸窒化珪素など珪素を母体とした薄膜が紫外領域での露光光に対して、比較的高い透過率を得やすいという点から好ましい。

    本発明において、前記遮光膜は、窒化タンタルを主成分とする遮光層と、該遮光層の上面に積層する酸化タンタルを主成分とする反射防止層とからなることが好ましい(構成3
    )。
    このような構成によれば、酸素を実質的に含まない塩素系ガスでドライエッチング可能な材料で形成されるTaN系遮光層と、該遮光層の上面に形成され、塩素系ガスで実質的にドライエッチングされず、フッ素系ガスでドライエッチング可能である材料で形成されるTaO系表面反射防止層とでタンタル系遮光膜を構成できる。 そして、TaO系反射防止層上に接して形成されるレジストパターンをマスクにしてタンタル系遮光膜をフッ素系ガスでドライエッチングする際に、薄いTaO系反射防止層だけをエッチングすればよいので、タンタル系遮光膜(TaN系遮光層/TaO系反射防止層)をフッ素系ガスでドライエッチングする場合に比べ、レジスト膜厚を薄くすることができ、TaO系反射防止層の加工精度の向上を図ることが可能となる。
    また、TaO系反射防止層パターンをマスクにしてTaN系遮光層を酸素を実質的に含まない塩素系ガスでドライエッチングする際に、TaO系反射防止層は塩素系ガスで実質的にドライエッチングされない、即ちエッチングマスクとしての機能が高い。 したがって、TaN系遮光層の加工精度の向上を図ることが可能となる。
    さらに、タンタル系遮光膜(TaN系遮光層/TaO系反射防止層)のパターンは、その下に接して形成されるエッチングマスク膜(例えばCr系薄膜層)を塩素系ガス(例えばCl +O )を用いてエッチングする際のエッチングマスクとしての機能が高い。 したがって、エッチングマスク膜(例えばCr系薄膜層)の加工精度の向上を図ることが可能となる。
    上記のことから本発明は、主遮光層とその上に形成される反射防止層が、双方共に下層に対するエッチングマスク層として機能すること、つまり、2以上のエッチングマスク層を積層した構造(形態)を有する遮光膜を有すること、を特徴とするフォトマスクブランク及びフォトマスクの製造方法等を提供できる。
    上記のことから本発明は、エッチングマスク層と、その上に形成される主遮光層と、その上に形成される反射防止層、の3つの層がいずれも下層に対するエッチングマスク層として機能すること、つまり、3層以上のエッチングマスク層を積層した構造(形態)を有する加工層兼遮光機能層を有すること、を特徴とするフォトマスクブランク及びフォトマスクの製造方法等を提供できる。

    上記に加え、構成3によれば、反射防止層をTa酸化膜とすることにより、MoSiO
    N等の反射防止膜で問題となる、温水やアルカリに対する耐性を向上させることができる。
    上記に加え、構成3によれば、金属であるTa系遮光層を有することにより、反射防止層に接して形成される電子線レジストを電子線描画する際にチャージアップしない程度に導電性を付与できる。
    本発明において、反射防止層を形成した基板のシート抵抗は500Ω/□以下であることが好ましい。

    本発明において、前記遮光膜は、膜厚が、15nmから50nmであることが好ましい(構成4)。
    上限に関しては、位相シフトパターン形成時のフッ素系ガスを用いたエッチングによりタンタル系遮光膜(例えばTaN系遮光層/TaO系反射防止層)が除去可能な膜厚とするためである。
    下限に関しては、光学濃度の確保や、チャージアップ防止層としての機能を確保するためである。

    本発明において、前記エッチングマスク膜は、クロム、窒化クロム、酸化クロム、窒化酸化クロム、酸化炭化窒化クロムのいずれかを主成分とする材料で形成されていることが好ましい(構成5)。
    このような構成によれば、エッチングマスク層を薄膜化できる。 また、加工精度に優れる。 さらに、エッチングマスク膜の上下に接して形成される層に対するエッチング選択性が高く、不要となったエッチングマスク膜を基板や他の層にダメージを与えず除去可能である。
    本発明において、前記エッチングマスク膜は、例えば、クロム単体や、クロムに酸素、
    窒素、炭素、水素からなる元素を少なくとも1種を含む材料(Crを含む材料)、などのクロム系材料を用いることができる。
    エッチングマスク層の膜構造としては、上記膜材料からなる単層とすることが多いが、
    複数層構造とすることもできる。 また、複数層構造では、異なる組成で段階的に形成した複数層構造や、連続的に組成が変化した膜構造とすることができる。
    エッチングマスク層の材料としては、上記のうちでも、酸化炭化窒化クロム(CrOC
    N)が、応力の制御性(低応力膜を形成可能)の観点から、好ましい。

    本発明において、前記エッチングマスク膜は、膜厚が、5nmから40nmであることが好ましい(構成6)。
    このような構成によれば、加工精度に優れる。 また、位相シフト膜のエッチングマスクとして機能する。

    本発明において、前記位相シフト膜は、モリブデンシリサイド、モリブデンシリサイドの窒化物、モリブデンシリサイドの酸化物、モリブデンシリサイドの窒化酸化物のいずれかを主成分とする材料で形成されている態様とすることができる(構成7)。
    このような構成によれば、例えば、ArF露光光に対する透過率が3%〜20%程度のハーフトーン位相シフトマスクが得られる。

    本発明において、前記位相シフト膜は、
    シリコン酸化物またはシリコン酸化窒化物を主成分とする材料で形成される位相調整層と、
    タンタルまたはタンタル−ハフニウム合金を主成分とする透過率調整層とからなる態様とすることができる(構成8)。
    このような構成によれば、例えば、基板堀り込み無しで、ArF露光光に対する透過率が20%以上の高透過率タイプのハーフトーン位相シフトマスクを得ることが可能となる。

    本発明のフォトマスクは、上記本発明に係るフォトマスクブランクを用いて作製される(構成9)。
    このような構成によれば、上記構成1〜8と同様の作用効果を有するフォトマスクが得られる。

    本発明のフォトマスクの製造方法は、上記本発明に係るフォトマスクブランクを用いるフオトマスクの製造方法であって、
    レジスト膜パターンをマスクとして前記遮光膜のドライエッチングを行い、遮光膜パターンを形成する工程と、
    前記遮光膜パターンをマスクとして前記エッチングマスク膜のドライエッチングを行い、エッチングマスク膜パターンを形成する工程と、
    エッチングマスク膜パターンをマスクとして前記透光性基板のドライエッチングを行い、所定の位相差を生じさせる掘込深さで前記透光性基板の表面から掘り込んだ掘込部を形成する工程とを有することを特徴とする。
    このような方法によれば、上記構成1〜8と同様の作用効果を有するフォトマスクが、
    製造工程の効率良く、得られる。

    本発明の他のフォトマスクの製造方法は、上記本発明に係るフォトマスクブランクを用いるフォトマスクの製造方法であって、
    レジスト膜パターンをマスクとして前記遮光膜のドライエッチングを行い、遮光膜パターンを形成する工程と、
    前記遮光膜パターンをマスクとして前記エッチングマスク膜のドライエッチングを行い、エッチングマスク膜パターンを形成する工程と、
    前記エッチングマスク膜パターンをマスクとして前記位相シフト膜のドライエッチングを行い、位相シフト膜パターンを形成する工程とを有することを特徴とする。
    このような構成によれば、上記構成1〜8と同様の作用効果を有するフォトマスクが、
    製造工程の効率良く、得られる。

    本発明において、クロム系薄膜のドライエッチングには、塩素系ガスと酸素ガスとを含む混合ガスからなるドライエッチングガスを用いることが好ましい。 この理由は、クロムと酸素、窒素等の元素とを含む材料からなるクロム系薄膜に対しては、上記のドライエッチングガスを用いてドライエッチングを行うことにより、ドライエッチング速度を高めることができ、ドライエッチング時間の短縮化を図ることができ、断面形状の良好な遮光性膜パターンを形成することができるからである。 ドライエッチングガスに用いる塩素系ガスとしては、例えば、Cl 2、 SiCl 4、 HCl、CCl 、CHCl 等が挙げられる。

    本発明において、基板の堀り込みや、珪素を含む珪素含有膜や、金属シリサイド系薄膜、のドライエッチングには、例えば、SF 、CF 、C 、CHF 等の弗素系ガス、これらとHe、H 、N 、Ar、C 、O 等の混合ガス、或いはCl 、C
    Cl 等の塩素系のガス又は、これらとHe、H 、N 、Ar、C 等の混合ガスを用いることができる。

    本発明において、レジストは化学増幅型レジストであること好ましい。 高精度の加工に適するためである。
    本発明は、レジスト膜厚200nm以下、更にはレジスト膜厚150nmをねらった世代のフォトマスクブランクに適用する。
    本発明において、レジストは電子線描画用のレジストであること好ましい。 高精度の加工に適するためである。
    本発明は、電子線描画によりレジストパターンを形成する電子線描画用のフォトマスクブランクに適用する。

    本発明において、基板としては、合成石英基板、CaF 基板、ソーダライムガラス基板、無アルカリガラス基板、低熱膨張ガラス基板、アルミノシリケートガラス基板などが挙げられる。

    本発明において、フォトマスクブランクには、前記の各種位相シフトマスクブランク、
    レジスト膜付きマスクブランクが含まれる。
    本発明において、フォトマスクには、前記の各種位相シフトマスク、が含まれる。 フォトマスクにはレチクルが含まれる。 位相シフトマスクには、位相シフト部が基板の堀り込みによって形成される場合を含む。

    以下、本発明の実施例及び比較例を示す。 なお、各実施例中の遮光膜やエッチングマスク膜、位相シフト膜等の各膜は、成膜法としてスパッタリング法で行われ、スパッタ装置としてDCマグネトロンスパッタ装置を用いて成膜された。 ただし、本発明を実施するにあたっては、特にこの成膜法や成膜装置に限定されるわけではなく、RFマグネトロンスパッタ装置等、他の方式のスパッタ装置を使用してもよい。

    (実施例1)実施例1は、基板に掘込部を形成してなる位相シフト部を備えるタイプの位相シフトマスクの作製に用いられるフォトマスクブランク及びフォトマスクの製造方法に関する。
    [フォトマスクブランクの作製]
    図4を参照して、本発明の第1実施例によるフォトマスクブランク及びフォトマスクの製造方法について説明する。
    まず、石英からなる基板を鏡面研磨し所定の洗浄を施すことにより、6インチ×6インチ×0.25インチの透光性基板1を得た(図4(1))。
    次に、透光性基板1上に、DCマグネトロンスパッタ装置を用いて、エッチングマスク膜10を形成した(図4(1))。 具体的には、クロムターゲットを使用し、導入ガス及びその流量:Ar=18sccm、CO =18sccm,N =10sccm、スパッタ電力:1.7kWの条件で、CrOCNを20nmの膜厚で形成した。 このときCrO
    CN膜の膜応力は極力低く(好ましくは膜応力が実質ゼロ)となるよう調整した。

    次に、上記でエッチングマスク膜10を形成した基板1を、DCマグネトロンスパッタ装置に導入する。 スパッタ装置内を2×10 −5 (Pa)以下に排気した後、スパッタ装置内にXeとN との混合ガスを導入する。 このとき、Xeの流量は12.7sccm、
    の流量は10sccmに調整した。 スパッタリングターゲットにはTaを用いた。 ガスの流量が安定した後、DC電源の電力を1.5kWに設定し、エッチングマスク膜10
    上に厚み24nmのタンタル窒化層(TaN)21を成膜した(図4(1))。
    次に、タンタル窒化層(TaN)21を成膜した基板1をスパッタ装置内に保持したまま、流量90sccmのArガスと、流量34.7sccnのO ガスとを混合した混合ガスをスパッタ装置内に導入し、続いてDC電源の電力を0.7kWに設定し、タンタル窒化層(TaN)21上に、厚み10nmのタンタル酸化層(TaO)22を積層した(
    図4(1))。
    上記のようにして、タンタル窒化層(TaN)21とタンタル酸化層(TaO)22とを積層してなるタンタル系膜20を作製した。

    上記のように作製した、遮光膜20の膜面における反射率(表面反射率)は、ArF露光光(波長193nm)において25.7%であった。 また、ArF露光光における光透過率は0.1%であった。 AES分析(オージェ電子分光分析)を行ったところ、タンタル窒化層(TaN)21のN含有量は23at%であった。 タンタル酸化層(TaO)2
    2のO含有量は65at%であった。
    尚、タンタル酸化層(TaO)22を形成した段階における試料についてシート抵抗を測定したところ、85Ω/□であった。

    [フォトマスクの作製]
    図4(1)に示すように、上記で作製したブランクを用い、まず、タンタル酸化層(T
    aO)22の上に、電子線描画(露光)用化学増幅型ポジレジスト50(FEP171:
    富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)をスピンコート法により膜厚が150
    [nm]となるように塗布した。
    次に、レジスト膜50に対し、電子線描画装置を用いて所望のパターンの描画を行った後、所定の現像液で現像してレジストパターン50aを形成した(図4(2))。
    次に、レジストパターン50aをマスクとして、TaNとTaOとを積層してなるタンタル系膜20のドライエッチングを行い、タンタル系膜パターン20a(タンタル窒化層(TaN)パターン21a/タンタル酸化層(TaO)パターン22a)を形成した(図4(3))。 このとき、ドライエッチングガスとして、CHF を用いた。
    次に、レジストパターン50a及びタンタル系膜パターン20aをマスクとして、クロム系のエッチングマスク膜10のドライエッチングを行い、クロム系のエッチングマスク膜パターン10aを形成した(図4(4))。 このとき、ドライエッチングガスとして、
    Cl とO の混合ガス(Cl :O =4:1)を用いた。
    次に、図4(5)に示すように、不要となったレジストパターン50aを剥離し、その後、電子線描画(露光)用化学増幅型ポジレジスト51(FEP171:富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)をスピンコート法により膜厚が150[nm]となるように再度塗布した。
    次に、レジスト膜51に対し、電子線描画装置を用いて所望のパターンの描画を行った後、所定の現像液で現像してレジストパターン51aを形成した(図4(6))。 ここで、レジストパターン51aは、基板の外周領域に遮光帯を形成する目的や、大面積の遮光部パッチ、透過率制御を行うためのゼブラパターンを形成する目的で形成される。
    次に、クロム系のエッチングマスク膜パターン10aをマスクにして、透光性基板1を、CHF ガスを用いてドライエッチングを行い、基板堀り込みタイプの位相シフトパターン(位相シフト部)を得た(図4(7))。 このとき、ArF露光光(193nm)において180°の位相差が得られる深さ(具体的には170nmの深さ)、透光性基板1
    をエッチングして、透光性基板1に堀込部1aを形成し、位相シフトパターン(位相シフト部)を設ける。 このドライエッチングの過程において、タンタル窒化層(TaN)パターン21a/タンタル酸化層(TaO)パターン22aは順次ドライエッチングによって消失し、透光性基板1のエッチング終了時点でレジストパターン51aのない部分のTa
    O/TaN膜は消失する(図4(7))。 この理由は、TaO/TaNの合計膜厚34n
    mに対して、透光性基板1のエッチング深さ170nmが十分に深く、エッチング時間が十分に長いためである。
    次に、レジストパターン51aのない部分のエッチングマスクパターン10aを、Cl
    とO の混合ガス(Cl :O =4:1)でドライエッチングによって剥離する(図4(8))。
    次いで、レジストパターン51aを剥離し(図4(9))、所定の洗浄を施してフォトマスク100を得た。

    [評価]
    上記実施例1で得られたフォトマスクを評価した。
    その結果、フォトマスク上に形成される基板堀り込みタイプの位相シフトパターン(位相シフト部)の解像性に関しては、50nmの位相シフトパターンの解像が可能であった。
    これと同時に、クロム系のエッチングマスク膜10とタンタル系膜20とを積層してなる遮光部のArF露光光における光透過率は0.1%であり、光学濃度OD=3.0を確保できた。

    なお、この実施例1のフォトマスクの作製プロセスでは、レジストパターン50aを、
    エッチングマスク膜パターン10aが形成された後(図4(4)と(5)のプロセスの間)に剥離しているが、タンタル系膜パターン20aを形成するエッチングが終了後(図4
    (3)と(4)のプロセスの間)に剥離するようにしてもよい。 加工精度がさらに向上する。
    また、実施例1の図4(7)に示す態様は、基板堀り込みタイプの位相シフトパターンに、クロム系の遮光性材料からなるエッチングマスクパターン10aを有する、いわゆるゼブラタイプと似たフォトマスクが得られる。 但し、この場合、クロム系の遮光性材料からなるエッチングマスクパターン10aの光学濃度は3未満である。

    (実施例2)実施例2は、基板に掘込部を形成してなる位相シフト部を備えるタイプの位相シフトマスクの作製に用いられるフォトマスクブランク及びフォトマスクの製造方法に関する。 第2実施例は、上記第1実施例と比べ、タンタル窒化層(TaN)21の成膜条件、その膜厚、そのエッチングガスの点で相違する。
    [フォトマスクブランクの作製]
    図5を参照して、本発明の第2実施例によるフォトマスクブランク及びフォトマスクの製造方法について説明する。
    まず、石英からなる基板を鏡面研磨し所定の洗浄を施すことにより、6インチ×6インチ×0.25インチの透光性基板1を得た(図5(1))。
    次に、透光性基板1上に、DCマグネトロンスパッタ装置を用いて、エッチングマスク膜10を形成した(図5(1))。 具体的には、クロムターゲットを使用し、導入ガス及びその流量:Ar=18sccm、CO =18sccm,N =10sccm、スパッタ電力:1.7kWの条件で、CrOCNを20nmの膜厚で形成した。 このときCrO
    CN膜の膜応力は極力低く(好ましくは膜応力が実質ゼロ)となるよう調整した。

    次に、上記でエッチングマスク膜10を形成した基板1を、DCマグネトロンスパッタ装置に導入する。 スパッタ装置内を2×10 −5 (Pa)以下に排気した後、スパッタ装置内にXeとN との混合ガスを導入する。 このとき、Xeの流量は12.9sccm、
    の流量は5sccmに調整した。 スパッタリングターゲットにはTaを用いた。 ガスの流量が安定した後、DC電源の電力を1.5kWに設定し、エッチングマスク膜10上に厚み23nmのタンタル窒化層(TaN)21を成膜した(図5(1))。
    次に、タンタル窒化層(TaN)21を成膜した基板1をスパッタ装置内に保持したまま、流量90sccmのArガスと、流量34.7sccnのO ガスとを混合した混合ガスをスパッタ装置内に導入し、続いてDC電源の電力を0.7kWに設定し、タンタル窒化層(TaN)21上に、厚み10nmのタンタル酸化層(TaO)22を積層した(
    図5(1))。
    上記のようにして、タンタル窒化層(TaN)21とタンタル酸化層(TaO)22とを積層してなるタンタル系膜20を作製した。

    上記のように作製した、遮光膜20の膜面における反射率(表面反射率)は、ArF露光光(波長193nm)において25.3%であった。 また、ArF露光光における光透過率は0.1%であった。 AES分析(オージェ電子分光分析)を行ったところ、タンタル窒化層(TaN)21のN含有量は15at%であった。 タンタル酸化層(TaO)2
    2のO含有量は65at%であった。
    尚、タンタル酸化層(TaO)22を形成した段階における試料についてシート抵抗を測定したところ、90Ω/□であった。

    [フォトマスクの作製]
    図5(1)に示すように、上記で作製したブランクを用い、まず、タンタル酸化層(T
    aO)22の上に、電子線描画(露光)用化学増幅型ポジレジスト50(FEP171:
    富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)をスピンコート法により膜厚が150
    [nm]となるように塗布した。
    次に、レジスト膜50に対し、電子線描画装置を用いて所望のパターンの描画を行った後、所定の現像液で現像してレジストパターン50aを形成した(図5(2))。
    次に、エッチングガスとしてCHF を用い、レジストパターン50aをマスクとして、タンタル酸化層(TaO)22のドライエッチングを行い、タンタル酸化層(TaO)
    パターン22aを形成した(図5(3))。
    続いて、エッチングガスとしてCl を用い、レジストパターン50a及びタンタル酸化層(TaO)パターン22aをマスクとして、タンタル窒化層(TaN)21のドライエッチングを行い、タンタル窒化層(TaN)パターン21aを形成した(図5(4))

    次に、レジストパターン50a及びタンタル系膜パターン20a(タンタル窒化層(T
    aN)パターン21a/タンタル酸化層(TaO)パターン22a)をマスクとして、クロム系のエッチングマスク膜10のドライエッチングを行い、クロム系のエッチングマスク膜パターン10aを形成した(図5(5))。 ドライエッチングガスとして、Cl とO の混合ガス(Cl :O =4:1)を用いた。
    次に、図5(6)に示すように、不要となったレジストパターン50aを剥離し、その後、電子線描画(露光)用化学増幅型ポジレジスト51(FEP171:富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)をスピンコート法により膜厚が150[nm]となるように再度塗布した。
    次に、レジスト膜51に対し、電子線描画装置を用いて所望のパターンの描画を行った後、所定の現像液で現像してレジストパターン51aを形成した(図5(7))。 ここで、レジストパターン51aは、基板の外周領域に遮光帯を形成する目的や、大面積の遮光部パッチ、透過率制御を行うためのゼブラパターンを形成する目的で形成される。
    次に、クロム系のエッチングマスクパターン10aをマスクにして、透光性基板1を、
    CHF ガスを用いてドライエッチングを行い、基板堀り込みタイプの位相シフトパターン(位相シフト部)を得た(図5(8))。 このとき、ArF露光光(193nm)において180°の位相差が得られる深さ(具体的には170nmの深さ)、透光性基板1をエッチングして、透光性基板1に堀込部1aを形成し、位相シフトパターン(位相シフト部)を設ける。 このドライエッチングの過程において、タンタル窒化層(TaN)パターン21a/タンタル酸化層(TaO)パターン22aは順次ドライエッチングによって消失し、透光性基板1のエッチング終了時点でレジストパターン51aのない部分のTaO
    /TaN膜は消失する(図5(8))。 この理由は、TaO/TaNの合計膜厚34nm
    に対して、透光性基板1のエッチング深さ170nmが十分に深く、エッチング時間が十分に長いためである。
    次に、レジストパターン51aのない部分のエッチングマスクパターン10aを、Cl
    とO の混合ガス(Cl :O =4:1)でドライエッチングによって剥離する(図5(9))。
    次いで、レジストパターン51aの剥離し(図5(10))、所定の洗浄を施してフォトマスク100を得た。

    [評価]
    上記実施例2で得られたフォトマスクを評価した。
    その結果、フォトマスク上に形成される基板堀り込みタイプの位相シフトパターン(位相シフト部)の解像性に関しては、50nmの位相シフト膜パターンの解像が可能であった。
    これと同時に、クロム系のエッチングマスク膜10とタンタル系膜20とを積層してなる遮光膜30及び遮光膜パターン30aのArF露光光における光透過率は0.1%であり、光学濃度OD=3.0を確保できた。
    なお、この実施例2のフォトマスクの作製プロセスでは、レジストパターン50aを、
    エッチングマスク膜パターン10aが形成された後(図5(5)と(6)のプロセスの間)に剥離しているが、タンタル酸化層(TaO)パターン22aを形成するエッチングが終了後(図5(3)と(4)のプロセスの間)に剥離するようにしてもよい。 加工精度がさらに向上する。

    (実施例3)実施例3は、基本的に基板を堀り込まず、ハーフトーン型位相シフト膜によって位相シフト部を形成するタイプの位相シフトマスクの作製に用いられるフォトマスクブランク及びフォトマスクの製造方法に関する。
    [フォトマスクブランクの作製]
    図6を参照して、本発明の第3実施例によるフォトマスクブランク及びフォトマスクの製造方法について説明する。
    まず、石英からなる基板を鏡面研磨し所定の洗浄を施すことにより、6インチ×6インチ×0.25インチの透光性基板1を得た(図6(1))。
    次に、透光性基板1上に、モリブデン(Mo)とシリコン(Si)の混合ターゲット(
    Mo:Si=1:9[原子%])を用いて、アルゴン(Ar)と窒素(N )の混合ガス雰囲気(Ar:N =10:90[体積%]、圧力0.3[Pa])中で、反応性スパッタリングを行うことにより、膜厚68[nm]のMoSiN系の半透光性の位相シフト膜30を成膜した(図6(1))。 このとき、位相シフト膜30の膜厚は、ArF露光光(
    波長193nm)で180°の位相差が得られるように調整した。 位相シフト膜30のA
    rF露光光(波長193nm)に対する透過率は、6%であった。
    次に、位相シフト膜30上に、DCマグネトロンスパッタ装置を用いて、エッチングマスク膜10を形成した(図6(1))。 具体的には、クロムターゲットを使用し、導入ガス及びその流量:Ar=18sccm、CO =18sccm,N =10sccm、スパッタ電力:1.7kWの条件で、CrOCNを15nmの膜厚で形成した。 このときC
    rOCN膜の膜応力は極力低く(好ましくは膜応力が実質ゼロ)となるよう調整した。

    次に、上記でエッチングマスク膜10を形成した基板1を、DCマグネトロンスパッタ装置に導入する。 スパッタ装置内を2×10 −5 (Pa)以下に排気した後、スパッタ装置内にXeとN との混合ガスを導入する。 このとき、Xeの流量は12.7sccm、
    の流量は5sccmに調整した。 スパッタリングターゲットにはTaを用いた。 ガスの流量が安定した後、DC電源の電力を1.5kWに設定し、エッチングマスク膜10上に厚み10nmのタンタル窒化層(TaN)21を成膜した(図6(1))。
    次に、タンタル窒化層(TaN)21を成膜した基板1をスパッタ装置内に保持したまま、流量90sccmのArガスと、流量34.7sccnのO ガスとを混合した混合ガスをスパッタ装置内に導入し、続いてDC電源の電力を0.7kWに設定し、タンタル窒化層(TaN)21上に、厚み10nmのタンタル酸化層(TaO)22を積層した(
    図6(1))。
    上記のようにして、タンタル窒化層(TaN)21とタンタル酸化層(TaO)22とを積層してなるタンタル系膜20を作製した。

    上記のように作製した、遮光膜20の膜面における反射率(表面反射率)は、ArF露光光(波長193nm)において26.2%であった。 また、ArF露光光における光透過率は0.1%であった。 AES分析(オージェ電子分光分析)を行ったところ、タンタル窒化層(TaN)21のN含有量は23at%であった。 タンタル酸化層(TaO)2
    2のO含有量は65at%であった。
    尚、タンタル酸化層(TaO)22を形成した段階における試料についてシート抵抗を測定したところ、160Ω/□であった。

    [フォトマスクの作製]
    図6(1)に示すように、上記で作製したブランクを用い、まず、タンタル酸化層(T
    aO)22の上に、電子線描画(露光)用化学増幅型ポジレジスト50(PRL009:
    富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)をスピンコート法により膜厚が120
    [nm]となるように塗布した。
    次に、レジスト膜50に対し、電子線描画装置を用いて所望のパターンの描画を行った後、所定の現像液で現像してレジストパターン50aを形成した(図6(2))。
    次に、レジストパターン50aをマスクとして、TaNとTaOとを積層してなるタンタル系膜20のドライエッチングを行い、タンタル系膜パターン20a(タンタル窒化層(TaN)パターン21a/タンタル酸化層(TaO)パターン22a)を形成した(図6(3))。 ドライエッチングガスとして、CHF を用いた。
    次に、レジストパターン50a及びタンタル系膜パターン20aをマスクとして、クロム系のエッチングマスク膜10のドライエッチングを行い、クロム系のエッチングマスク膜パターン10aを形成した(図6(4))。 ドライエッチングガスとして、Cl とO
    の混合ガス(Cl :O =4:1)を用いた。
    次に、図6(5)に示すように、不要となったレジストパターン50aを剥離し、その後、電子線描画(露光)用化学増幅型ポジレジスト51(FEP171:富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)をスピンコート法により膜厚が150[nm]となるように再度塗布した。
    次に、レジスト膜51に対し、電子線描画装置を用いて所望のパターンの描画を行った後、所定の現像液で現像してレジストパターン51aを形成した(図6(6))。 このとき、レジストパターン51aは、遮光膜パターンを残す部分に形成する。
    次に、クロム系のエッチングマスクパターン10aをマスクにして、位相シフト膜30
    を、2種類のフッ素系ガスを用いてドライエッチングを行い、位相シフト膜パターン(位相シフト部)30aを形成した(図6(7))。 このとき、タンタル酸化層(TaO)パターン22aがエッチングにより消失するまでは、CHF ガスとHeガスの混合ガスでドライエッチングする。 タンタル酸化層(TaO)パターン22a消失後は、SF ガスとHeガスの混合ガスでドライエッチングする。 ドライエッチングの過程において、タンタル窒化層(TaN)パターン21a/タンタル酸化層(TaO)パターン22aは順次ドライエッチングによって消失し、位相シフト膜30のエッチング終了時点でレジストパターン51aのない部分のTaO/TaN膜は消失する(6(7))。 この理由は、Ta
    O/TaNの合計膜厚20nmに対して、MoSiN系位相シフト膜30の膜厚68nm
    が十分に厚く、エッチング時間が十分に長いためである。
    次に、レジストパターン51aのない部分のエッチングマスクパターン10aを、Cl
    とO の混合ガス(Cl :O =4:1)でドライエッチングによって剥離する(図6(8))。
    次いで、レジストパターン51aの剥離し(図6(9))、所定の洗浄を施してフォトマスク100を得た。

    [評価]
    上記実施例3で得られたフォトマスクを評価した。
    その結果、フォトマスク上に形成される位相シフト膜パターン(位相シフト部)30a
    の解像性に関しては、40nmの位相シフト膜パターンの解像が可能であった。
    これと同時に、クロム系のエッチングマスク膜10とタンタル系膜20とを積層してなる遮光膜30及び遮光膜パターン30aのArF露光光における光透過率は0.1%であり、光学濃度OD=3.0を確保できた。
    なお、この実施例3のフォトマスクの作製プロセスでは、レジストパターン50aを、
    エッチングマスク膜パターン10aが形成された後(図6(4)と(5)のプロセスの間)に剥離しているが、タンタル系膜パターン20aを形成するエッチングが終了後(図6
    (3)と(4)のプロセスの間)に剥離するようにしてもよい。 加工精度がさらに向上する。

    (実施例4)実施例4は、基本的に基板を堀り込まず、ハーフトーン型位相シフト膜によって位相シフト部を形成するタイプの位相シフトマスクの作製に用いられるフォトマスクブランク及びフォトマスクの製造方法に関する。 第4実施例は、上記第3実施例と比べ、
    タンタル窒化層(TaN)21の膜厚、そのエッチングガスの点で相違する。
    [フォトマスクブランクの作製]
    図7を参照して、本発明の第4実施例によるフォトマスクブランク及びフォトマスクの製造方法について説明する。
    まず、石英からなる基板を鏡面研磨し所定の洗浄を施すことにより、6インチ×6インチ×0.25インチの透光性基板1を得た(図7(1))。
    次に、透光性基板1上に、モリブデン(Mo)とシリコン(Si)の混合ターゲット(
    Mo:Si=1:9[原子%])を用いて、アルゴン(Ar)と窒素(N )と酸素(O
    )の混合ガス雰囲気(Ar:N :O =10:80:10[体積%]、圧力0.3[
    Pa])中で、反応性スパッタリングを行うことにより、膜厚89[nm]のMoSiO
    N系の半透光性の位相シフト膜30を成膜した(図7(1))。 このとき、位相シフト膜30の膜厚は、ArF露光光(波長193nm)で180°の位相差が得られるように調整した。 位相シフト膜30のArF露光光(波長193nm)に対する透過率は、15%
    であった。
    次に、位相シフト膜30上に、DCマグネトロンスパッタ装置を用いて、エッチングマスク膜10を形成した(図7(1))。 具体的には、クロムターゲットを使用し、導入ガス及びその流量:Ar=18sccm、CO =18sccm,N =10sccm、スパッタ電力:1.7kWの条件で、CrOCNを15nmの膜厚で形成した。 このときC
    rOCN膜の膜応力は極力低く(好ましくは膜応力が実質ゼロ)となるよう調整した。

    次に、上記でエッチングマスク膜10を形成した基板1を、DCマグネトロンスパッタ装置に導入する。 スパッタ装置内を2×10 −5 (Pa)以下に排気した後、スパッタ装置内にXeとN との混合ガスを導入する。 このとき、Xeの流量は12.7sccm、
    の流量は5sccmに調整した。 スパッタリングターゲットにはTaを用いた。 ガスの流量が安定した後、DC電源の電力を1.5kWに設定し、エッチングマスク膜10上に厚み12nmのタンタル窒化層(TaN)21を成膜した(図7(1))。
    次に、タンタル窒化層(TaN)21を成膜した基板1をスパッタ装置内に保持したまま、流量90sccmのArガスと、流量34.7sccnのO ガスとを混合した混合ガスをスパッタ装置内に導入し、続いてDC電源の電力を0.7kWに設定し、タンタル窒化層(TaN)21上に、厚み10nmのタンタル酸化層(TaO)22を積層した(
    図7(1))。
    上記のようにして、タンタル窒化層(TaN)21とタンタル酸化層(TaO)22とを積層してなるタンタル系膜20を作製した。

    上記のように作製した、遮光膜20の膜面における反射率(表面反射率)は、ArF露光光(波長193nm)において26.2%であった。 また、ArF露光光における光透過率は0.1%であった。 AES分析(オージェ電子分光分析)を行ったところ、タンタル窒化層(TaN)21のN含有量は15at%であった。 タンタル酸化層(TaO)2
    2のO含有量は65at%であった。
    なお、タンタル酸化層(TaO)22を形成した段階における試料についてシート抵抗を測定したところ、150Ω/□であった。

    [フォトマスクの作製]
    図7(1)に示すように、上記で作製したブランクを用い、まず、タンタル酸化層(T
    aO)22の上に、電子線描画(露光)用化学増幅型ポジレジスト50(FEP171:
    富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)をスピンコート法により膜厚が150
    [nm]となるように塗布した。
    次に、レジスト膜50に対し、電子線描画装置を用いて所望のパターンの描画を行った後、所定の現像液で現像してレジストパターン50aを形成した(図7(2))。
    次に、エッチングガスとしてCHF を用い、レジストパターン50aをマスクとして、タンタル酸化層(TaO)22のドライエッチングを行い、タンタル酸化層(TaO)
    パターン22aを形成した(図7(3))。
    続いて、エッチングガスとしてCl を用い、レジストパターン50a及びタンタル酸化層(TaO)パターン22aをマスクとして、タンタル窒化層(TaN)21のドライエッチングを行い、タンタル窒化層(TaN)パターン21aを形成した(図7(4))

    次に、レジストパターン50a及びタンタル系膜パターン20a(タンタル窒化層(T
    aN)パターン21a/タンタル酸化層(TaO)パターン22a)をマスクとして、クロム系のエッチングマスク膜10のドライエッチングを行い、クロム系のエッチングマスク膜パターン10aを形成した(図7(5))。 ドライエッチングガスとして、Cl とO の混合ガス(Cl :O =4:1)を用いた。
    次に、図7(6)に示すように、不要となったレジストパターン50aを剥離し、その後、電子線描画(露光)用化学増幅型ポジレジスト51(FEP171:富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)をスピンコート法により膜厚が150[nm]となるように再度塗布した。
    次に、レジスト膜51に対し、電子線描画装置を用いて所望のパターンの描画を行った後、所定の現像液で現像してレジストパターン51aを形成した(図7(7))。 このとき、レジストパターン51aは、遮光膜パターンを残す部分に形成する。
    次に、クロム系のエッチングマスクパターン10aをマスクにして、位相シフト膜30
    を、SF ガスを用いてドライエッチングを行い、位相シフト膜パターン(位相シフト部)30aを形成した(図7(8))。 このとき、ドライエッチングの過程において、タンタル窒化層(TaN)パターン21a/タンタル酸化層(TaO)パターン22aは順次ドライエッチングによって消失し、位相シフト膜30のエッチング終了時点でレジストパターン51aのない部分のTaO/TaN膜は消失する(図7(8))。 この理由は、T
    aO/TaNの合計膜厚22nmに対して、MoSiON系位相シフト膜30の膜厚89
    nmが十分に厚く、エッチング時間が十分に長いためである。
    次に、レジストパターン51aのない部分のエッチングマスクパターン10aを、Cl
    とO の混合ガス(Cl :O =4:1)でドライエッチングによって剥離する(図7(9))。
    次いで、レジストパターン51aの剥離し(図7(10))、所定の洗浄を施してフォトマスク100を得た。

    [評価]
    上記実施例4で得られたフォトマスクを評価した。
    その結果、フォトマスク上に形成される位相シフト膜パターン(位相シフト部)30a
    の解像性に関しては、50nmの位相シフト膜パターンの解像が可能であった。
    これと同時に、クロム系のエッチングマスク膜10とタンタル系膜20とを積層してなる遮光膜30及び遮光膜パターン30aのArF露光光における光透過率は0.1%であり、光学濃度OD=3.0を確保できた。
    なお、この実施例4のフォトマスクの作製プロセスでは、レジストパターン50aを、
    エッチングマスク膜パターン10aが形成された後(図7(5)と(6)のプロセスの間)に剥離しているが、タンタル酸化層(TaO)パターン22aが形成するエッチングが終了後(図7(3)と(4)のプロセスの間)に剥離するようにしてもよい。 加工精度がさらに向上する。

    (薬液耐性試験)
    TaO膜、TaN膜、MoSiON膜の温水及びアルカリ(アンモニア過水)に対する耐性を調べた。

    TaN膜は、実施例1と同様にして基板上に形成した。 具体的には、合成石英基板上に、Taターゲットを用い、Xeの流量:12.7sccm、N の流量:10sccm、
    DC電源の電力:1.5kWの条件で、反応性スパッタリングを行うことにより、膜厚5
    0[nm]のTaN膜を成膜した。
    TaO膜は、実施例1と同様にして基板上に形成した。 具体的には、合成石英基板上に、Taターゲットを用い、Arの流量:90sccm、O の流量:34.7sccm、
    DC電源の電力:0.7kWの条件で、反応性スパッタリングを行うことにより、膜厚5
    0[nm]のTaO膜を成膜した。
    MoSiON膜は、合成石英基板上に、モリブデン(Mo)とシリコン(Si)の混合ターゲット(Mo:Si=1:9[原子%])を用いて、アルゴン(Ar)と窒素(N
    )と酸素(O )の混合ガス雰囲気(Ar:N :O =10:80:10[体積%]、
    圧力0.3[Pa])中で、反応性スパッタリングを行うことにより、膜厚50[nm]
    のMoSiON膜を成膜した。

    薬液耐性試験の条件を以下に示す。
    (1)アルカリ(アンモニア過水)耐性試験の条件・使用薬液:アンモニア水(NH OH):29%ELグレード(関東化学(株)社製)
    過酸化水素水(H ):30%ELグレード(関東化学(株)社製)
    ・薬液混合比;NH OH:H :H O=1:1:5(体積比)
    ・処理時間:上記薬液にて60min浸漬処理(2)温水耐性試験の条件・純水温度:90°C
    ・処理時間:60min浸漬処理

    薬液耐性試験の結果を下記表1に示す。

    例えば、特許文献1及び2に記載のMoSi系遮光膜(例えばMoSi主遮光層/Mo


    SiON反射防止層)における反射防止層であるMoSiONは、温水、アルカリ耐性が不十分で、MoSi系遮光膜のパターンに段差が発生する。


    本発明の実施例では、反射防止層にTa酸化物を用いており、MoSiONと比較して温水、アルカリ耐性が優れている。

    (参考例1)
    透光性基板/MoSi系ハーフトーン位相シフト膜/Cr系遮光膜/EBレジストの位相シフトマスクブランクを用いる場合や、透光性基板/Cr系遮光膜/EBレジストの基板堀込タイプの位相シフトマスク形成用のブランクを用いる場合においては、Cr系遮光膜/EBレジストの組み合わせであり、Cr系遮光膜のエッチングガスである塩素ガスと酸素ガスの混合ガスによってEBレジストがある程度エッチングされるため、200nm
    以下の厚さにEBレジストを薄膜化することは困難である。
    これに対し、本発明ではタンタル系膜/EBレジストの組み合わせにより、タンタル系膜のエッチングガスであるフッ素系ガスによってEBレジストは耐性を有するため、20
    0nm以下の厚さにEBレジストを薄膜化することが可能となる。 これと同時に、Cr系エッチングマスク膜/タンタル系膜の構成によって、遮光部(遮光膜)の光学濃度(OD
    )を維持しつつ前記レジストの薄膜化が可能となる。

    (参考例2)
    透光性基板/MoSi系ハーフトーン位相シフト膜/Ta系遮光膜(例えばTaN/T
    aO)/EBレジストの位相シフトマスクブランクを用いる場合や、透光性基板/Ta系遮光膜(例えばTaN/TaO)/EBレジストの基板堀込タイプの位相シフトマスク形成用のブランクを用いる場合においては、Ta系遮光膜(例えばTaN/TaO)は、フッ素系ガスでエッチングされるため、同じくフッ素系ガスでエッチングされる、MoSi
    系ハーフトーン位相シフト膜や透光性基板に対するエッチングマスク(ハードマスク)として機能しない。
    これに対し、本発明ではCr系層を挿入することにより、MoSi系ハーフトーン位相シフト膜や透光性基板に対するエッチングマスク(ハードマスク)として機能を付加する。

    (参考例3)
    透光性基板/MoSi系ハーフトーン位相シフト膜/Ta系遮光膜(例えばTaHf又はTaZr/TaO)/EBレジストの位相シフトマスクブランクを用いる場合や、透光性基板/Ta系遮光膜(例えばTaHf又はTaZr/TaO)/EBレジストの基板堀込タイプの位相シフトマスク形成用のブランクを用いる場合においては、TaにHfもしくはZrを添加することでフッ素系ガスを用いたエッチングに対するハードマスク機能を付加しているが、TaHfを除去する場合はMoSi系ハーフトーン位相シフト膜やQZ
    基板へのダメージが避けられない。
    具体的には、TaHfをドライエッチングで除去する場合、TaHf金属はCl ガスでエッチングできるが、TaHf金属は空気中で酸化しやすく、物理エッチング効果を強くしないと除去できない。
    一方、TaHfをウェットエッチングで除去する場合、フッ酸もしくは熱苛性ソーダを用いる必要があり、透光性基板もしくはMoSiONハーフトーン膜のダメージが避けられない。
    本発明では、MoSi系ハーフトーン位相シフト膜や透光性基板から位相シフトパターンを作製するフッ素系ガスを用いたエッチング時にTa系薄膜を除去し、残ったCr系膜をCl +O によるドライエッチング、又は硝酸第二アンモニウムセリウム等でウエットエッチングできるため、位相シフトパターンへのダメージを回避できる。

    (実施例5)実施例5は、ハーフトーン型位相シフト膜を備え、さらに基板を堀り込むことで高透過率の位相シフト部を形成するタイプの位相シフトマスクの作製に用いられるフォトマスクブランク及びフォトマスクの製造方法に関する。
    [フォトマスクブランクの作製]
    図8を参照して、本発明の第5実施例によるフォトマスクブランク及びフォトマスクの製造方法について説明する。
    まず、石英からなる基板を鏡面研磨し所定の洗浄を施すことにより、6インチ×6インチ×0.25インチの透光性基板1を得た(図8(1))。
    次に、透光性基板1上に、モリブデン(Mo)とシリコン(Si)の混合ターゲット(
    Mo:Si=1:9[原子%])を用いて、アルゴン(Ar)と窒素(N )の混合ガス雰囲気(Ar:N =10:90[体積%]、圧力0.3[Pa])中で、反応性スパッタリングを行うことにより、膜厚30[nm]のMoSiN系の半透光性の位相シフト膜30を成膜した(図8(1))。 このとき、位相シフト膜30のArF露光光(波長19
    3nm)における透過率は20%であり、高透過率であった。
    次に、位相シフト膜30上に、DCマグネトロンスパッタ装置を用いて、エッチングマスク膜10を形成した(図8(1))。 具体的には、クロムターゲットを使用し、導入ガス及びその流量:Ar=18sccm、CO =18sccm,N =10sccm、スパッタ電力:1.7kWの条件で、CrOCNを20nmの膜厚で形成した。 このときC
    rOCN膜の膜応力は極力低く(好ましくは膜応力が実質ゼロ)となるよう調整した。

    次に、上記でエッチングマスク膜10を形成した基板1を、DCマグネトロンスパッタ装置に導入する。 スパッタ装置内を2×10 −5 (Pa)以下に排気した後、スパッタ装置内にXeとN との混合ガスを導入する。 このとき、Xeの流量は12.9sccm、
    の流量は5sccmに調整した。 スパッタリングターゲットにはTaを用いた。 ガスの流量が安定した後、DC電源の電力を1.5kWに設定し、エッチングマスク膜10上に厚み23nmのタンタル窒化層(TaN)21を成膜した(図8(1))。
    次に、タンタル窒化層(TaN)21を成膜した基板1をスパッタ装置内に保持したまま、流量90sccmのArガスと、流量34.7sccnのO ガスとを混合した混合ガスをスパッタ装置内に導入し、続いてDC電源の電力を0.7kWに設定し、タンタル窒化層(TaN)21上に、厚み10nmのタンタル酸化層(TaO)22を積層した(
    図8(1))。
    上記のようにして、タンタル窒化層(TaN)21とタンタル酸化層(TaO)22とを積層してなるタンタル系膜20を作製した。

    上記のように作製した、遮光膜20の膜面における反射率(表面反射率)は、ArF露光光(波長193nm)において25.3%であった。 また、ArF露光光における光透過率は0.1%であった。 AES分析(オージェ電子分光分析)を行ったところ、タンタル窒化層(TaN)21のN含有量は15at%であった。 タンタル酸化層(TaO)2
    2のO含有量は65at%であった。
    尚、タンタル酸化層(TaO)22を形成した段階における試料についてシート抵抗を測定したところ、85Ω/□であった。

    [フォトマスクの作製]
    図8(1)に示すように、上記で作製したブランクを用い、まず、タンタル酸化層(T
    aO)22の上に、電子線描画(露光)用化学増幅型ポジレジスト50(FEP171:
    富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)をスピンコート法により膜厚が150
    [nm]となるように塗布した。
    次に、レジスト膜50に対し、電子線描画装置を用いて所望のパターンの描画を行った後、所定の現像液で現像してレジストパターン50aを形成した(図8(2))。
    次に、エッチングガスとしてCHF を用い、レジストパターン50aをマスクとして、タンタル酸化層(TaO)22のドライエッチングを行い、タンタル酸化層(TaO)
    パターン22aを形成した(図8(3))。
    続いて、エッチングガスとしてCl を用い、レジストパターン50a及びタンタル酸化層(TaO)パターン22aをマスクとして、タンタル窒化層(TaN)21のドライエッチングを行い、タンタル窒化層(TaN)パターン21aを形成した(図8(4))

    次に、レジストパターン50a及びタンタル系膜パターン20a(タンタル窒化層(T
    aN)パターン21a/タンタル酸化層(TaO)パターン22a)をマスクとして、クロム系のエッチングマスク膜10のドライエッチングを行い、クロム系のエッチングマスク膜パターン10aを形成した(図8(5))。 ドライエッチングガスとして、Cl とO の混合ガス(Cl :O =4:1)を用いた。
    次に、図8(6)に示すように、不要となったレジストパターン50aを剥離し、その後、電子線描画(露光)用化学増幅型ポジレジスト51(FEP171:富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)をスピンコート法により膜厚が150[nm]となるように再度塗布した。
    次に、レジスト膜51に対し、電子線描画装置を用いて所望のパターンの描画を行った後、所定の現像液で現像してレジストパターン51aを形成した(図8(7))。 このとき、レジストパターン51aは、遮光膜パターンを残す部分に形成する。
    次に、クロム系のエッチングマスクパターン10aをマスクにして、ハーフトーン位相シフト膜30、並びに、透光性基板1を、CHF ガスを用い、順次、ドライエッチングを行い、ハーフトーン位相シフト膜パターン30a、並びに、透光性基板1に堀込部1a
    をそれぞれ形成し、位相シフトパターン(位相シフト部)を得た(図8(8))。 このとき、ハーフトーン位相シフト膜パターン30aと基板堀込部1aとを合わせて180°の位相差が得られる深さ(具体的には96nmの深さ)に基板を堀込んだ。
    このドライエッチングの過程において、タンタル窒化層(TaN)パターン21a/タンタル酸化層(TaO)パターン22aは順次ドライエッチングによって消失し、QZ基板のエッチング終了時点でレジストパターン51aのない部分のTaO/TaN膜は消失する(図8(8))。 この理由は、TaO/TaNの合計膜厚34nmに対して、ハーフトーン位相シフト膜30の膜厚30nmとQZのエッチング深さ96nmとの合計が126
    nmと十分に大きく、エッチング時間が十分に長いためである。
    次に、レジストパターン51aのない部分のエッチングマスクパターン10aを、Cl
    とO の混合ガス(Cl :O =4:1)でドライエッチングによって剥離する(図8(9))。
    次いで、レジストパターン51aの剥離し(図8(10))、所定の洗浄を施してフォトマスク100を得た。

    [評価]
    上記実施例5で得られたフォトマスクを評価した。
    その結果、フォトマスク上に形成される、ハーフトーン型位相シフト膜を備え、さらに基板を堀り込むことで形成された高透過率の位相シフト部の解像性に関しては、50nm
    の位相シフト部の解像が可能であった。
    これと同時に、ハーフトーン位相シフト膜30、クロム系のエッチングマスク膜10、
    タンタル系膜20とを積層してなる遮光部のArF露光光における光透過率は0.1%であり、光学濃度OD=3.0を確保できた。
    なお、この実施例5のフォトマスクの作製プロセスでは、レジストパターン50aを、
    エッチングマスク膜パターン10aが形成された後(図8(5)と(6)のプロセスの間)に剥離しているが、タンタル酸化層(TaO)パターン22aが形成するエッチングが終了後(図8(3)と(4)のプロセスの間)に剥離するようにしてもよい。 加工精度がさらに向上する。
    また、この実施例5のフォトマスクの作製プロセスでは、タンタル酸化層(TaO)パターン22aをエッチングガスとしてCHF を用いて形成し、タンタル窒化層(TaN
    )パターン21aをエッチングガスとしてCl を用いて形成しているが、これに代えて、タンタル酸化層(TaO)パターン22aとタンタル窒化層(TaN)パターン21a
    とをエッチングガスとしてCHF を用いて連続で形成してもよい。

    (実施例6)実施例6は、基板堀り込みなしタイプであり、かつ、高透過率のハーフトーン型位相シフト膜を備えることで高透過率の位相シフト部膜パターンを形成する位相シフトマスクの作製に用いられるフォトマスクブランク及びフォトマスクの製造方法に関する。
    [フォトマスクブランクの作製]
    図9(1)に示すように、透光性基板1としてサイズ6インチ、厚さ0.25インチの合成石英基板を用い、透光性基板1上に、TaHfからなる透過率調整層31とSiO
    Nからなる位相調整層32の積層膜からなる高透過率タイプのハーフトーン位相シフト膜30を形成した。 具体的には、Ta:Hf=80:20(原子%比)のターゲットを用い、、Arをスパッタリングガスとして、タンタル及びハフニウムからなる膜(TaHf膜:膜中のTaとHfの原子%比は約80:20)31を8nmの膜厚で形成し、次いで、
    Siターゲットを用い、アルゴン(Ar)と窒素(N )と酸素(O )の混合ガス雰囲気(Ar:N :O =20:57:23[体積%])中で、反応性スパッタリングを行うことにより、膜厚83[nm]のSiON32を成膜した。 このとき、ハーフトーン位相シフト膜30は、露光波長193nmに対して180°の位相差が得られるように、各層の厚さを調整した。 ハーフトーン位相シフト膜30の透過率は、露光波長193nmに対して20%で高透過率であった。
    次に、位相シフト膜30上に、DCマグネトロンスパッタ装置を用いて、エッチングマスク膜10を形成した(図9(1))。 具体的には、クロムターゲットを使用し、導入ガス及びその流量:Ar=18sccm、CO =18sccm,N =10sccm、スパッタ電力:1.7kWの条件で、CrOCNを15nmの膜厚で形成した。 このときC
    rOCN膜の膜応力は極力低く(好ましくは膜応力が実質ゼロ)となるよう調整した。

    次に、上記でエッチングマスク膜10を形成した基板1を、DCマグネトロンスパッタ装置に導入する。 スパッタ装置内を2×10 −5 (Pa)以下に排気した後、スパッタ装置内にXeとN との混合ガスを導入する。 このとき、Xeの流量は12.7sccm、
    の流量は10sccmに調整した。 スパッタリングターゲットにはTaを用いた。 ガスの流量が安定した後、DC電源の電力を1.5kWに設定し、エッチングマスク膜10
    上に厚み14nmのタンタル窒化層(TaN)21を成膜した(図9(1))。
    次に、タンタル窒化層(TaN)21を成膜した基板1をスパッタ装置内に保持したまま、流量90sccmのArガスと、流量34.7sccnのO ガスとを混合した混合ガスをスパッタ装置内に導入し、続いてDC電源の電力を0.7kWに設定し、タンタル窒化層(TaN)21上に、厚み10nmのタンタル酸化層(TaO)22を積層した(
    図9(1))。
    上記のようにして、タンタル窒化層(TaN)21とタンタル酸化層(TaO)22とを積層してなるタンタル系膜20を作製した。

    上記のように作製した、遮光膜20の膜面における反射率(表面反射率)は、ArF露光光(波長193nm)において25.9%であった。 また、ArF露光光における光透過率は0.1%であった。 AES分析(オージェ電子分光分析)を行ったところ、タンタル窒化層(TaN)21のN含有量は23at%であった。 タンタル酸化層(TaO)2
    2のO含有量は65at%であった。
    なお、タンタル酸化層(TaO)22を形成した段階における試料についてシート抵抗を測定したところ、185Ω/□であった。

    [フォトマスクの作製]
    図9(1)に示すように、上記で作製したブランクを用い、まず、タンタル酸化層(T
    aO)22の上に、電子線描画(露光)用化学増幅型ポジレジスト50(FEP171:
    富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)をスピンコート法により膜厚が150
    [nm]となるように塗布した。
    次に、レジスト膜50に対し、電子線描画装置を用いて所望のパターンの描画を行った後、所定の現像液で現像してレジストパターン50aを形成した(図9(2))。
    次に、エッチングガスとしてCHF を用い、レジストパターン50aをマスクとして、タンタル酸化層(TaO)22のドライエッチングを行い、タンタル酸化層(TaO)
    パターン22aを形成した(図9(3))。
    続いて、エッチングガスとしてCl を用い、レジストパターン50a及びタンタル酸化層(TaO)パターン22aをマスクとして、タンタル窒化層(TaN)21のドライエッチングを行い、タンタル窒化層(TaN)パターン21aを形成した(図9(4))

    次に、レジストパターン50a及びタンタル系膜パターン20a(タンタル窒化層(T
    aN)パターン21a/タンタル酸化層(TaO)パターン22a)をマスクとして、クロム系のエッチングマスク膜10のドライエッチングを行い、クロム系のエッチングマスク膜パターン10aを形成した(図9(5))。 ドライエッチングガスとして、Cl とO の混合ガス(Cl :O =4:1)を用いた。
    次に、図9(6)に示すように、不要となったレジストパターン50aを剥離し、その後、電子線描画(露光)用化学増幅型ポジレジスト51(FEP171:富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)をスピンコート法により膜厚が150[nm]となるように再度塗布した。
    次に、レジスト膜51に対し、電子線描画装置を用いて所望のパターンの描画を行った後、所定の現像液で現像してレジストパターン51aを形成した(図9(7))。 このとき、レジストパターン51aは、遮光膜パターンを残す部分に形成する。
    次に、エッチングガスとしてフッ素系ガス(SF とHeの混合ガス)を用い、クロム系のエッチングマスクパターン10aをマスクにして、SiON位相調整層32のドライエッチングを行い、SiON位相調整層パターン32aを形成した(図9(8))。 このドライエッチングの過程において、タンタル窒化層(TaN)パターン21a/タンタル酸化層(TaO)パターン22aは順次フッ素系ガスによるドライエッチングによって消失し、SiON位相調整層32のエッチング終了時点でレジストパターン51aのない部分のTaO/TaN膜は消失する(図9(8))。 この理由は、TaO/TaNの合計膜厚24nmに対して、SiON位相調整層32の膜厚83nmが十分に厚く、エッチング時間が十分に長いためである。
    次に、エッチングガスとしてCl ガスを用い、クロム系のエッチングマスクパターン10a等をマスクにして、TaHf透過率調整層31のドライエッチングを行い、TaH
    f透過率調整層パターン32aを形成した(図9(9))。
    次に、エッチングガスとしてCl とO の混合ガス(Cl :O =4:1)を用い、
    クロム系のエッチングマスクパターン10aを除去した(図9(10))。
    次いで、レジストパターン51aの剥離し(図9(11))、所定の洗浄を施して、T
    aHf透過率調整層パターン32aとSiON位相調整層パターン32aとを積層した構造の位相シフト膜パターン(位相シフト部)30aを有するフォトマスク100を得た。

    [評価]
    上記実施例6で得られたフォトマスクを評価した。
    その結果、フォトマスク上に形成される位相シフト膜パターン(位相シフト部)30a
    の解像性に関しては、50nmの位相シフト膜パターンの解像が可能であった。
    これと同時に、ハーフトーン位相シフト膜30、クロム系のエッチングマスク膜10、
    タンタル系膜20とを積層してなる遮光部のArF露光光における光透過率は0.1%であり、光学濃度OD=3.0を確保できた。
    なお、この実施例6のフォトマスクの作製プロセスでは、レジストパターン50aを、
    エッチングマスク膜パターン10aが形成された後(図9(5)と(6)のプロセスの間)に剥離しているが、タンタル酸化層(TaO)パターン22aが形成するエッチングが終了後(図9(3)と(4)のプロセスの間)に剥離するようにしてもよい。 加工精度がさらに向上する。
    また、この実施例6のフォトマスクの作製プロセスでは、タンタル酸化層(TaO)パターン22aをエッチングガスとしてCHF を用いて形成し、タンタル窒化層(TaN
    )パターン21aをエッチングガスとしてCl を用いて形成しているが、これに代えて、タンタル酸化層(TaO)パターン22aとタンタル窒化層(TaN)パターン21a
    とをエッチングガスとしてCHF を用いて連続で形成してもよい。

    以上、本発明を実施形態や実施例を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は、上記実施形態や実施例に記載の範囲には限定されない。 上記実施形態や実施例に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることは、当業者に明らかである。 その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。

    本発明の第1の実施形態に係るマスクブランクの一例を示す模式的断面である。

    本発明の第2、第3の実施形態に係るマスクブランクの他の例を示す模式的断面である。

    本発明の第4の実施形態に係るマスクブランクの一例を示す模式的断面である。

    本発明の実施例1に係るマスクの製造工程を説明するための模式的断面である。

    本発明の実施例2に係るマスクの製造工程を説明するための模式的断面である。

    本発明の実施例3に係るマスクの製造工程を説明するための模式的断面である。

    本発明の実施例4に係るマスクの製造工程を説明するための模式的断面である。

    本発明の実施例5に係るマスクの製造工程を説明するための模式的断面である。

    本発明の実施例6に係るマスクの製造工程を説明するための模式的断面である。

    1 基板10 エッチングマスク膜20 タンタル系遮光膜30 位相シフト膜50 レジスト膜100 マスク

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