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Hydrogen storage feed system

阅读:411发布:2024-02-13

专利汇可以提供Hydrogen storage feed system专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a hydrogen storage feed system which uses the hydrogen addition reaction of a hydrogen storage body composed of an aromatic compound and a dehydrogenation reaction of a hydrogen feed body composed of the hydrogenation derivative of the aromatic compound, and which has excellent operational stability and high efficiency. SOLUTION: The hydrogen storage feed system 1 comprises: a raw material storage tank 2 storing a hydrogen storage body composed of an aromatic compound or a hydrogen feed body composed of the hydrogenation derivative of the aromatic compound; a catalyst 31 using a ceramic heater 310 being a heating element, as a catalyst carrier and having a catalytic component 319 carried on a carrying face 311 arranged at the outer surface of the ceramic heater; a raw material feed apparatus 5 feeding the hydrogen storage body or the hydrogen feed body toward the catalyst 31; and a recovery apparatus 8 recovering a product by the catalyst reaction in the catalyst 31. COPYRIGHT: (C)2005,JPO&NCIPI,下面是Hydrogen storage feed system专利的具体信息内容。

  • 芳香族化合物からなる水素貯蔵体又は上記芳香族化合物の水素化誘導体からなる水素供給体を収容する原料貯蔵タンクと、
    発熱体としてのセラミックスヒータを触媒担体として用い、その外表面に形成した担持面に触媒成分を担持させてなる触媒と、
    上記触媒に向けて上記水素貯蔵体又は上記水素供給体を供給する原料供給装置と、
    上記触媒における触媒反応による生成物を回収する回収装置とを有してなることを特徴とする水素貯蔵供給システム。
  • 請求項1において、上記セラミックスヒータは、発熱源である発熱抵抗体を被う第1のセラミックス層と、該第1のセラミックス層と一体をなし、上記担持面を形成する第2のセラミックス層とよりなる2層構造を形成していることを特徴とする水素貯蔵供給システム。
  • 請求項2において、上記第1のセラミックス層は緻密体を呈するセラミックス材料よりなり、上記第2のセラミックス層は多孔体を呈するセラミックス材料よりなることを特徴とする水素貯蔵供給システム。
  • 請求項2又は3において、上記第1のセラミックス層はα−アルミナよりなり、上記第2のセラミックス層はγ−アルミナよりなることを特徴とする水素貯蔵供給システム。
  • 請求項1〜4のいずれか1項において、上記供給装置は、平均粒子径が1000μmより大きく1500μm以下の霧状の上記水素貯蔵体又は上記水素供給体を噴射するように構成してなるインジェクタであることを特徴とする水素貯蔵供給システム。
  • 说明书全文

    本発明は、芳香族化合物を利用した素貯蔵供給システムに関する。

    近年、内燃機関等に代わるクリーンな動源として水素燃料を利用する燃料電池システムが注目を浴びている。
    しかしながら、水素は常温において気体であり、かつ、可燃性物質でもあるため、貯蔵や運搬が難しく取扱いにも極めて注意を要する。

    水素を貯蔵、供給する方法としては、例えば、芳香族化合物からなる水素貯蔵体の水素付加反応と、該芳香族化合物の水素化誘導体からなる水素供給体の脱水素反応とのいずれかを利用して水素の貯蔵又は供給を行う方法がある。 そして、芳香族化合物による水素付加反応又は脱水素反応の少なくともいずれかを利用して構成した水素貯蔵供給システムがある。

    この水素貯蔵供給システムは、外部に水素を供給するに当たっては、例えば、霧状にしたシクロヘキサンやメチルシクロヘキサンやデカリン等の水素供給体を触媒に供給して水素を発生させるように構成してある。 一方、水素を貯蔵するに当たっては、例えば、霧状にしたベンゼン、トルエン、ナフタレン等の水素貯蔵体を水素雰囲気内の触媒に供給して水素を貯蔵する(例えば、特許文献1参照。)。
    上記の水素貯蔵供給システムは、安全性を備え、貯蔵能力にも優れていると共に、コスト面でも有利なシステムである。

    しかしながら、上記従来の水素貯蔵供給システムでは、触媒に対する水素貯蔵体又は水素供給体の供給のしかたによって効率が大きく変動したり、最悪の場合には触媒反応が停止してしまうおそれがあった。
    例えば、上記触媒に向けて水素貯蔵体等を噴射する場合には、上記噴霧粒子径を大きくし過ぎたり噴霧量を多くし過ぎると、上記触媒が冷却されてその温度が低下して反応効率が低下したり、触媒反応が途中で停止するおそれがある。
    一方、上記噴霧粒子径を小さくすれば上記触媒温度の低下を抑制できるものの、上記触媒成分と接触する原料の量が不足して十分な触媒反応が得られなくなるおそれがある。

    特願2002−187702号公報

    本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであり、芳香族化合物からなる水素貯蔵体の水素付加反応又は、該芳香族化合物の水素化誘導体からなる水素供給体の脱水素反応を利用した水素貯蔵供給システムにおいて、動作安定性に優れ、高効率の水素貯蔵供給システムを提供することを目的とする。

    本発明は、芳香族化合物からなる水素貯蔵体又は上記芳香族化合物の水素化誘導体からなる水素供給体を収容する原料貯蔵タンクと、
    発熱体としてのセラミックスヒータを触媒担体として用い、その外表面に形成した担持面に触媒成分を担持させてなる触媒と、
    上記触媒に向けて上記水素貯蔵体又は上記水素供給体を供給する原料供給装置と、
    上記触媒における触媒反応による生成物を回収する回収装置とを有してなることを特徴とする水素貯蔵供給システムにある(請求項1)。

    本発明の水素貯蔵供給システムは、上記セラミックスヒータの表面である上記担持面に、直接、上記触媒成分を担持させた上記触媒を有してなる。
    そのため、上記水素貯蔵供給システムでは、触媒担体としての上記セラミックスヒータが発生する熱により効率良く上記触媒成分を加熱することができる。 すなわち、上記触媒では、触媒担体としての上記セラミックスヒータの熱を直接的に上記触媒成分に伝達できるため該触媒成分を速やかに昇温等することができると共に、制御上の遅れ時間やむだ時間等を短くできるため触媒温度の制御性に特に優れている。

    さらに、上記セラミックスヒータ自体を触媒担体として利用すれば、上記触媒全体の熱容量を格段に大きくできる。
    そのため、上記触媒に向けて上記水素貯蔵体又は上記水素供給体を供給した際に生じ得る上記触媒の温度低下を抑制できる。 それ故、上記触媒では、上記水素貯蔵体等を供給されたときにも不活性状態に陥るおそれが少ない。
    したがって、上記水素貯蔵供給システムでは、例えば、上記水素貯蔵体又は上記水素供給体を噴霧してなる大径の噴霧粒子を上記触媒に向けて多量に供給して、触媒反応量を拡大することが比較的容易である。

    以上のように本発明の水素貯蔵供給システムは、上記触媒の活性状態を安定的に維持し得る効率の高いシステムである。

    本発明の水素貯蔵供給システムでは、上記触媒を構成させる上記触媒成分としては、ニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、モリブデン、レニウム、タングステン、バナジウム、オスミウム、クロム、コバルト及び鉄等の少なくとも1種の金属を用いることができる。
    また、上記芳香族化合物としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ナフタレン、メチルナフタレン、アントラセン、ビフェニル、フェナンスレン及びそれらのアルキル誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物を用いることができる。

    また、上記セラミックスヒータは、発熱源である発熱抵抗体を被う第1のセラミックス層と、該第1のセラミックス層と一体をなし、上記担持面を形成する第2のセラミックス層とよりなる2層構造を形成していることが好ましい(請求項2)。
    この場合には、上記2層構造を構成する各層についてセラミックス材料の材質や組成や構造等を適宜、変更することで、上記発熱抵抗体を被覆する上記第1のセラミックス層及び上記触媒成分を担持する上記第2のセラミックス層を形成するのにそれぞれ最適なセラミックス材料を選択することができる。

    なお、上記第2のセラミックス層は、例えば、上記第1のセラミックス層の表面に塗布したスラリー状のセラミックス材料の焼成により、上記第1のセラミックス層と一体的に形成することができる。 その他、上記第2のセラミックス層を形成する板状の部材を準備しておき、この板状の部材を上記第1のセラミックス層の表面に接着剤等を用いて接着し、両者を一体的に形成することもできる。

    また、上記第1のセラミックス層は緻密体を呈するセラミックス材料よりなり、上記第2のセラミックス層は多孔体を呈するセラミックス材料よりなることが好ましい(請求項3)。
    この場合には、緻密体よりなる上記第1のセラミックス層により上記発熱抵抗体を密封することができると共に、多孔体(ポーラス構造を有するもの)よりなる上記第2のセラミックス層がなす上記担持面の表面積を拡大して、より多くの上記触媒成分を効率良く担持させることができる。
    また、上記触媒成分の担持効率を向上するための方法としては、上記第2のセラミックス層の表面である担持面の表面粗さを粗くして表面積を拡大することも有効である。

    また、上記第1のセラミックス層はα−アルミナよりなり、上記第2のセラミックス層はγ−アルミナよりなることが好ましい(請求項4)。
    この場合には、電気絶縁性、耐熱性に優れるα−アルミナよりなる上記第1のセラミックス層によって上記発熱抵抗体を被覆することで、上記セラミックスヒータの信頼性を高くすることができる。 そして、α−アルミナとの相性が良好なγ−アルミナによれば、α−アルミナよりなる上記第1のセラミックス層の表面に、γ−アルミナよりなる上記第2のセラミックス層を効率良く形成することができる。

    また、上記供給装置は、平均粒子径が1000μmより大きく1500μm以下の霧状の上記水素貯蔵体又は上記水素供給体を噴射するように構成してなるインジェクタであることが好ましい(請求項5)。
    この場合には、上記のように平均粒子径が大きい霧状の上記水素貯蔵体等を噴射すると上記触媒の温度が低下するおそれがあるため、上記触媒全体の熱容量を格段に大きくすることで上記触媒の温度低下を抑制するという上記本発明の効果が特に有効になる。

    さらに、上記のごとく上記セラミックスヒータが発生する熱により効率良く上記触媒成分を加熱できるように構成した上記触媒によれば、担持する上記触媒成分の温度が低下するおそれがある場合には、上記セラミックスヒータの熱を直接的に伝達して上記触媒成分を速やかに昇温等することができる。
    したがって、上記の場合には、上記水素貯蔵体又は上記水素供給体を噴霧してなる大径の噴霧粒子を上記触媒に向けて多量に供給して、触媒反応量を拡大することができる。

    (実施例1)
    本例の水素貯蔵供給システム1について、図1〜図3を用いて説明する。
    本例の水素貯蔵供給システム1は、図1に示すごとく、芳香族化合物からなる水素貯蔵体又は上記芳香族化合物の水素化誘導体からなる水素供給体を収容する原料貯蔵タンク2と、発熱体としてのセラミックスヒータ310を触媒担体として用い、その外表面に配置した担持面311に触媒成分319を担持させてなる触媒31と、該触媒31に向けて上記水素貯蔵体又は上記水素供給体を供給する原料供給装置5と、触媒31における触媒反応による生成物を回収する回収装置8とを有してなるシステムである。 なお、本例では、上記原料供給装置5としては、霧状の上記水素貯蔵体又は上記水素供給体を噴射するように構成したインジェクタ(以下、適宜インジェクタ5と記載する。)を適用した。
    以下に、この内容について詳しく説明する。

    本例の上記水素貯蔵供給システム1は、水素貯蔵体としてのトルエンに水素を貯蔵する水素付加反応と、水素供給体としてのメチルシクロヘキサンから水素を生成する脱水素反応とを切り換えて実施できるように構成したシステムである。
    これに代えて、水素付加反応又は脱水素反応のいずれかのみを実施するようにシステムを構成することもできる。 この場合には、システムを簡素に構成することができる。

    上記原料貯蔵タンク2は、上記水素貯蔵体又は上記水素供給体(以下、適宜原料等と記載する。)を貯蔵するタンク状の容器である。 本例の原料貯蔵タンク2は、水素貯蔵体としてのトルエン又は、水素供給体としてのメチルシクロヘキサンを貯蔵するように構成してある。 この原料貯蔵タンク2には、ポンプ21を経由して上記インジェクタ5に連接される配管を接続してある。

    上記触媒31は、図1に示すごとく、触媒担体としてのセラミックスヒータ310の外表面のうち、インジェクタ5に対面する担持面311に触媒成分319としての白金(Pt)を直接、担持させた触媒体である。 なお、本例では、触媒31は、上記インジェクタ5と対面するように反応容器3の底部付近に配設してある。

    上記セラミックスヒータ310は、図2に示すごとく、無機導電材料よりなる発熱抵抗体315と、絶縁部材であるアルミナ焼結体とからなるヒータであり、電力供給用の一対の電極端子(図示略)を外部に引き出してなる。
    上記アルミナ焼結体は、発熱抵抗体315を挟持するように形成したα−アルミナよりなる第1のセラミックス層316と、該第1のセラミックス層316と一体をなし、上記担持面311を形成するγ−アルミナよりなる第2のセラミックス層317とからなる。
    なお、本例では、担持面311にのみ上記第2のセラミックス層317を形成したが、これに代えて、第1のセラミックス層316の外表面全面に渡ってγ−アルミナよりなる第2のセラミックス層317を形成することもできる。

    上記第1のセラミックス層316は、緻密体を呈するアルミナ焼結体であり、この第1のセラミックス層316によれば絶縁性高く発熱抵抗体315を密封することができる。
    また、上記第2のセラミックス層317は、ポーラス構造の多孔体を呈するアルミナ焼結体であり、その表面に触媒成分319(図2)を効率良く担持することができる。

    また、上記発熱抵抗体315は、高温耐久性に優れるタングステンよりなる。 なお、発熱抵抗体315の材質は、本例のタングステンに限定されるものではなく、その他、ニクロム、銅ニッケル合金、銅マンガン合金等や、耐食性を重視してインコネルやハステロイ等を採用することができる。

    図2に示す上記の触媒31は、例えば、以下の製造方法に基づいて形成することができる。
    まず、触媒担体としてのセラミックスヒータ310を製造するに当たって、焼成によりα−アルミナ及びγ−アルミナを形成する第1のスラリーと、焼成により発熱抵抗体315を形成する第2のスラリーとを準備しておく。
    上記第1のスラリーは、所定の焼結助剤を含む水酸化アルミニウム原料を母材として、バインダ及び溶媒としてのトルエンを投入、混合して生成してなる。
    また、上記第2のスラリーは、タングステン90重量%と焼結助剤を含む水酸化アルミニウム10重量%を含む混合粉末体にバインダ及び溶媒を加えて生成してなる。

    まず、上記第1のスラリーを使用して、ドクターブレード法によりグリーンシート(図示略)を形成する。 そして、図3に示すごとく、該グリーンシートの表面におけるシート片301として打ち抜く領域に、図示しないシルクスクリーンを用いて上記第2のスラリーよりなる所定の形状の印刷パターン302を形成する。

    グリーンシートにおける印刷パターン302を形成した部分からセラミックスヒータ310の外形をなす所定の形状のシート片301を打ち抜く。 そして、その後、グリーンシートから上記印刷パターン302を形成してないシート片303を打ち抜いて、上記印刷パターン302を挟持するように上記シート片301、302を積層して積層体305を形成する。

    その後、炉内温度400〜800℃程度に保持した焼成炉(図示略)に上記の積層体305を投入して焼成すると、図2に示すごとく、上記第1のスラリーは、α−アルミナよりなる緻密体を呈する第1のセラミックス層316を形成する。 また、上記第2のスラリーは、焼成によりタングステンを形成する。
    そのため、上記積層体305を焼成すれば、相互に対面する第1のセラミックス層316の間にタングステンよりなる発熱抵抗体315を挟持してなる中間部材としてのセラミックスヒータ(図示略)を得る。 なお、該中間部材としてのセラミックスヒータは、図示しない一対の外部電極を介して発熱抵抗体315に電力を供給できるように構成してある。

    次に、この中間部材としてのセラミックスヒータの表面に、さらに、上記第1のスラリーを塗布し、その後、炉内温度を500〜800℃に保持した乾燥炉に投入して十分に乾燥させる。 上記第1のスラリーを500〜800℃に保持した乾燥させると、図2に示すごとく、多孔質状のγ−アルミナよりなる第2のセラミックス層317を形成できる。
    なお、本例では、第1のスラリーを塗布し、乾燥する手順を繰り返して行い、中間部材としてのセラミックスヒータの表面に厚さ300〜400μm程度の第2のセラミックス層317を形成してなるセラミックスヒータ310を作製した。

    上記のごとく塗布、乾燥を繰り返して上記第2のセラミックス層317を形成すれば、2層以上のγ−アルミナ層から形成された所定厚さの第2のセラミックス層317を、第1のセラミックス層316の表面上に効率良く一体的に形成することができる。
    なお、上記の第2のセラミックス層317の形成方法に代えて、予め、γ−アルミナよりなる平板状の部材を準備しておき、該平板状部材を上記中間部材としてのセラミックスヒータの表面に接着することもできる。 この場合、両者を接着する接着剤としては、α−アルミナ及びγ−アルミナと熱膨張率がほぼ等しく、かつ、熱伝導率が同等以上の接着剤を適用するのが良い。

    そして、本例の上記触媒31は、図2に示すごとく、上記セラミックスヒータ310に対して触媒担持処理を施し、触媒成分319としての白金4mgを上記第2のセラミックス層317に担持したものである。
    触媒担持処理としては、例えば、上記触媒成分319としての白金を溶解した水溶液中に上記のセラミックスヒータ310を浸し、上記担持面311をなす第2のセラミックス層317に白金を含浸させ、その後、焼成する処理方法を適用することができる。 この触媒担持処理方法によれば、触媒成分319としての白金を、ポーラス構造を呈する第2のセラミックス層317の表面に効率良く担持させることが可能である。

    また、本例の触媒31は、触媒成分319の温度を検知するための熱電対(図示略)を第2のセラミックス層317の内部に有してなり、図示しない制御装置は、上記熱電対の計測温度に基づいて発熱抵抗体315への供給電力をフィードバック制御するように構成してある。
    本例の制御装置は、水素付加反応を生じさせる際には、触媒31の温度を約60〜300℃に制御し、脱水素反応を生じさせる際には、触媒31の温度を約220〜400℃に制御するように構成してある。 本例の触媒31が活性する温度は、水素付加反応では約60〜300℃の範囲にあり、脱水素反応では約220〜400℃の範囲にあるからである。

    ここで、脱水素反応の場合の触媒31の活性温度が高い理由は、脱水素反応は吸熱反応であるため熱エネルギーをより多く必要とするからである。 一方、水素付加反応は、発熱反応であり、必要とする熱エネルギーが比較的小さいため触媒31の活性温度が比較的低くて済むのである。

    上記原料供給装置としてのインジェクタ5は、図1に示すごとく、上記触媒31と共に反応容器3に配設してある。 そして、上記水素貯蔵供給システム1は、上記反応容器3内で触媒反応を生じるように構成してある。
    このインジェクタ5は、図1に示すごとく、ポンプ21を介して原料貯蔵タンク2に配管接続してある。 そして、このインジェクタ5は、噴射制御手段としての上記制御装置(図示略)が出力する噴射信号に基づいて上記原料等よりなる噴霧粒子を均一性高く噴射するように構成してある。 特に、本例のインジェクタ5は、インジェクションノズル56から平均粒子径(ザウター平均粒子径)50μm未満の噴霧粒子を噴射するように構成してある。

    上記インジェクタ5としては、図1に示すごとく、ソレノイドを含む駆動部(図示略)と、インジェクションノズル56とを有してなる自動車の内燃機関に用いるインジェクタを適用した。 このインジェクタ5は、外部電力により伸縮動作を行う上記駆動部の伸縮動作に応じてインジェクションノズル56から原料を噴射するように構成してある。

    このインジェクタ5や触媒31等を収容する反応容器3は、図1に示すごとく、電磁弁よりなるバルブ96を介して上記回収装置8に配管接続されていると共に、電磁弁よりなるバルブ97を介して水素供給手段(図示略)に配管接続されている。
    バルブ96は、反応容器3内の生成物を回収装置8に導くのに用いるバルブである。 すなわち、水素とトルエンとによる水素付加反応ではメチルシクロヘキサンを流動させ、メチルシクロヘキサンの脱水素反応ではトルエンと水素を流動させる。
    また、バルブ97は、水素供給手段から供給されてくる水素を反応容器3内に導入するためのバルブであり、反応容器3内で水素付加反応を生じさせる際に開状態とするよう構成してある。

    上記回収装置8は、同図に示すごとく、反応容器3から送気されてくるトルエン又はメチルシクロヘキサンを完全に液化させて回収タンク85に回収すると共に、水素を精製分離する装置である。
    この回収装置8は、反応容器3から送気されてくる生成物の冷却を行う蒸気凝縮器81と、水素を分離する水素抽出器82と、上記回収タンク85とからなる。
    上記蒸気凝縮器81は、冷却水により冷却されたらせん状細管811を有してなる。 また、上記水素抽出器82は、水素中の液滴を分離する活性炭や水素セパレータ膜等の水素分離フィルタ821を有してなる。

    蒸気凝縮器81では、発生した水素と芳香族化合物及び水素化芳香族化合物との気液分離を効率的に実現するため、冷却水温度を−20〜20℃に調節してある。
    なお、回収装置8は、水素抽出器82を省略して構成することも可能である。 しかし、高純度(99.9%以上)の精製分離を行うためには、上記水素抽出器82を配置することが有効である。

    上記回収タンク85は、図1に示すごとく、蒸気凝縮器81と配管接続されている。 そして、蒸気凝縮器81で冷却されて液化したメチルシクロヘキサン又はトルエンは、回収タンク85に送られて回収される。
    このとき、液化せず気体のままの水素は、回収タンク85を経由して該回収タンク85に配管接続された水素抽出器82に送気されることになる。

    水素抽出器82内に配設した活性炭や水素セパレータ膜からなる水素分離フィルタ821は、水素ガスのみを選択的に通過させる。 そして、分離した水素は、水素放出側バルブ92を経由して、例えば、住宅用燃料電池システム等の外部システムに供給可能である。
    ここで、本例の水素貯蔵供給システム1は、図1に示すごとく、水素放出側バルブ92に隣接するように配置した流量計93を用いて水素の発生量を測定できるように構成してある。

    次に、上記の水素貯蔵供給システム1の動作(水素付加反応及び脱水素反応)について、図1を用いて説明する。
    第1に、トルエンへの水素付加反応により水素を貯蔵する場合の水素貯蔵供給システム1の動作について説明する。 ここでは、まず、触媒31の温度が250℃前後となるように発熱抵抗体315への供給電力を制御しながら、バルブ97を開いて水素供給手段から反応容器3へ水素を供給する。
    その後、バルブ97を閉じると共に、コンプレッサ31を作動させて原料貯蔵手段2から反応容器3に供給するトルエンを加圧する。 そして、反応容器3では、インジェクタ5から触媒31に向けて、平均粒子径50μm未満の霧状のトルエンを0.888秒毎に0.0148ミリリットルずつ噴射した。

    ここで、触媒担体であるセラミックスヒータ310の担持面311に、触媒成分319としての白金を担持した本例の触媒31は熱容量が大きく、また、上記セラミックスヒータ310の発熱を効率良く上記触媒成分319に伝達することができる。
    そのため、上記のごとく平均粒子径50μm未満であるトルエン粒子を供給した場合であっても、上記触媒31の温度低下を抑制でき、触媒成分319を不活性状態にさせるおそれが少ない。

    さらに、上記触媒31に対しては、平均粒子径500μm以上という大径のトルエン粒子を供給することもできる。 本例の触媒31は、上記のごとく熱容量が大きいため、上記触媒31の温度低下を抑制でき、触媒成分319を不活性状態にさせるおそれが少ないからである。
    また、仮に、上記触媒31の温度が低下した場合には、上記触媒担体であるセラミックスヒータ310の発熱により速やかに加熱、昇温できるため、触媒成分319が不活性状態に陥るのを未然に回避することができる。

    反応容器3では、水素とトルエンとの間の水素付加反応に伴って気体状のメチルシクロヘキサンが生成する。 このメチルシクロヘキサンは、その後、回収装置8の蒸気凝縮器81で冷却されて液状となり回収タンク85内に蓄えられる。 本例の上記条件のもと、10分後におけるトルエンからメチルシクロヘキサンへの転化率が31%になった。 ここで、この転化率とは、供給したトルエンに対する反応したトルエンの体積割合(%)を表す指標である。
    なお、未反応の水素は、反応容器3から流出し、回収タンク85を経由して水素抽出器82に流入することになる。 例えば、回収タンク85から反応容器3に戻る配管経路を形成すれば、未反応の水素を循環使用できるように構成することも可能である。

    第2に、メチルシクロヘキサンの脱水素反応により水素を供給する場合の水素貯蔵供給システム1の動作について説明する。 ここでは、まず、触媒31の温度が300℃前後になるよう発熱抵抗体315への供給電力を制御しながら、ポンプ21を作動させて原料貯蔵タンク2から反応容器3に供給するメチルシクロヘキサンを加圧する。 そして、反応容器3においては、インジェクタ5から触媒31に向けて、平均粒子径50μm未満の霧状のメチルシクロヘキサンを0.888秒毎に0.0148ミリリットルずつ噴射した。

    ここで、本例の触媒31は、上記のように触媒担体としてセラミックスヒータ310を用いているため、その熱容量は非常に大きくなっている。 また、触媒31では、セラミックスヒータ310の表面である担持面311に、触媒成分319としての白金を直接、担持してあるため、セラミックスヒータ310の発熱を効率良く上記触媒成分319に伝達することができる。
    そのため、上記のごとく平均粒子径50μm未満であるメチルシクロヘキサン粒子を供給した場合であっても、上記触媒31の温度低下を抑制でき、触媒成分319が不活性状態に遷移するおそれが少ない。

    さらに、上記触媒31に対しては、平均粒子径500μm以上という大径のメチルシクロヘキサン粒子を供給することもできる。 本例の触媒31は熱容量が大きいため、該触媒31の温度低下を抑制でき、触媒成分319が不活性状態に遷移するおそれが少ない。
    また、仮に、上記触媒31の温度が低下した場合には、上記触媒担体であるセラミックスヒータ310の発熱により速やかに加熱、昇温できるため、触媒成分319が不活性状態となるのを未然に回避することができる。

    反応容器3では、脱水素反応に伴なって気体状態のトルエンと水素が生成される。 生成したトルエンは、回収装置8の蒸気凝縮器81で冷却されて液状となり回収タンク8内に蓄えられる。 一方、生成した水素は、水素抽出器82により精製され、外部に供給される。 本例の上記条件のもとでは、10分後の水素生成速度は0.16リットル/分となり、メチルシクロヘキサンからトルエンへの転化率は28%となった。

    以上のように本例の水素貯蔵供給システム1は、発熱抵抗体315をアルミナ焼結体で被覆してなるセラミックスヒータ310の表面に、触媒成分319を直接、担持してなる触媒31を備えたシステムである。 この触媒31は熱容量が大きいため、原料等を供給した際の温度低下を抑制でき、その触媒反応を安定的に維持し得る。

    さらに、上記触媒31では、発熱抵抗体315が発生する熱を上記第1、第2のセラミックス層316、317を介して効率良く触媒成分319に伝達することができる。 そのため、仮に、触媒31の温度が低下しても、発熱抵抗体315への供給電力を大きくするように制御することで速やかに触媒31を昇温できる。 また、触媒31は、発熱抵抗体315への入力に対する触媒温度の応答時間が短く、調温制御性にも優れている。
    したがって、本例の触媒31によれば、その触媒温度を安定的に維持でき、触媒31の活性状態を安定的に保持して効率良く触媒反応を生じさせることができる。

    なお、本例では、触媒31には触媒成分319として白金を担持したが、これに代えて、ニッケル、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、モリブデン、レニウム、タングステン、バナジウム、オスミウム、クロム、コバルト及び鉄等の貴金属類等を適用することができる。 さらに、触媒31に担持する金属は、1種のみの単一金属でも良く、2種以上の金属を併用してもよい。 なお、ここで、例示した金属のうち、白金、タングステン、レニウム、モリブデン、ロジウム、バナジウムは、活性、安定性、取り扱い性等の面から特に好ましい。

    触媒31における金属の担持率は、第2のセラミックス層317をなすγ−アルミナ100重量%に対して0.1〜50重量%、より好ましくは0.5〜20重量%とするのが良い。 一方、2種以上の金属を用いる複合金属系触媒の場合は、主金属成分に対して添加金属の添加量が、原子比で0.001〜10、特に0.01〜5であることが好ましい。 なお、主金属成分と添加金属との組み合わせとしては、白金、パラジウム、ルテニウム等の主金属成分に対して、イリジウム、レニウム、ニッケル、モリブデン、タングステン、ルテニウム、バナジウム、オスミウム、クロム、コバルト、鉄等の添加金属とするのが良い。

    また、上記の触媒成分を担持する触媒担体としては、外表面に第2のセラミックス層317を形成した本例のセラミックスヒータ310に代えて、活性炭、カーボンナノチューブ、モレキュラシーブ、ゼオライト等の多孔質担体、又はシリカゲル等よりなる層をセラミックスヒータの外表面に形成してなる触媒担体を用いることもできる。

    さらに、本発明に用いられる芳香族化合物としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ナフタレン、メチルナフタレン、アントラセン、ビフェニル、フェナスレン等の芳香族炭化水素化合物、又はそれらのアルキル誘導体を適用することができる。 これらの芳香族化合物のうち、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン等は、特に優れた反応効率を実現し得る。

    (実施例2)
    本例は、実施例1の水素貯蔵供給システムを用いた脱水素反応実験の実施例を表1に示す。 なお、本例では、比較のため、従来型の水素貯蔵供給システムを用いた脱水素反応実験の結果を添付する表2に示してある。
    従来型の水素貯蔵供給システムは、図4に示すごとく、厚さ1mmのカーボンシート917を触媒担体として触媒成分919としての白金を83mg担持させた触媒91を有するシステムであり、該触媒91を除く構成は実施例1のシステムと略同一の仕様としてある。 そして、この水素貯蔵供給システムでは、平板状のセラミックスヒータ910の表面に向けて押し付けた状態で上記の触媒91を配置してある。

    実験は、噴霧時間1msの噴霧当たり、0.0148ミリリットルのメチルシクロヘキサンを噴霧するよう構成したインジェクタを用いて実施し、その噴霧周期(秒)を変更することで触媒に供給するメチルシクロヘキサンの噴霧速度(ミリリットル/分)を変更して行った。 なお、本例では、制御目標温度を300℃に設定した触媒に対して、平均粒子径50μm未満のメチルシクロヘキサンを供給した。

    本例では、上記各実験条件のもとで、白金1g当たりの水素発生速度(リットル/分)と、供給したメチルシクロヘキサンに対する反応したメチルシクロヘキサンのモル比(%)を表す転化率と、セラミックスヒータの実測温度(℃)とを調べた。
    そして、実施例1の水素貯蔵供給システムによる実験結果を表1に、従来型の水素貯蔵供給システムによる実験結果を表2に示す。

    表1と表2との比較によれば、実施例1のシステムの優位性を明確に把握することができる。
    すなわち、実施例1のシステムでは、触媒における触媒成分の担持量(白金4mg)が従来システムの1/20であるにも関わらず、従来システムと比べて約1/2以上の水素発生速度が得られている。 このことは、触媒成分1g当たりの水素発生速度が大きいという実施例1のシステムの優位性を顕著に表している。 例えば、噴霧速度を4ミリリットル/分に設定したときには、実施例1のシステムの水素発生速度は、従来システムの水素発生速度の12倍以上にも達している。

    実施例1のシステムにおいて触媒成分1g当たりの水素発生速度を大きくできる理由は、図5に示すごとく、メチルシクロヘキサンを噴霧したときの触媒温度の低下を抑制でき、触媒の活性状態を安定的に維持し得ることにある。 なお、同図は、横軸に時間軸を規定し、縦軸としてインジェクタ開度、触媒温度、水素発生速度の各項目を規定してグラフ化したものである。

    図5では、実施例1のシステムによる結果を実線として示し、比較のため、従来システムによる結果を破線として示している。
    従来システムについて得られた結果によれば、メチルシクロヘキサンを触媒91に向けて噴霧した際の触媒温度の低下幅が大きく、触媒の活性状態が不安定となるため、水素発生速度が十分に大きくならないことがわかる。

    ここで、実施例1のシステムにおいて触媒温度の低下が抑制できる理由は、上記のごとく触媒自体の熱容量が大きいことと、セラミックスヒータを触媒担体としてなる触媒では低下した触媒温度を効率的かつ速やかに昇温できることにある。 なお、このことは、表1と表2との比較において、実施例1のシステムではセラミックスヒータの発熱を効率良く触媒成分に伝達でき、触媒成分の制御目標温度とセラミックスヒータの実測温度との温度差を小さくできることからも明らかである。

    一方、従来システムでは、セラミックスヒータ910の表面と、触媒91との接触状態を完全に近づけることは容易ではなく、図4に示すごとく、両者の間に隙間が形成されてしまうことが多い。 なお、同図では、この状態をデフォルメして示してある。
    そのため、従来システムでは、セラミックスヒータ910と触媒91との間の熱抵抗が大きくなる傾向にある。 それ故、触媒91の調温制御の制御性でなく、触媒91の温度が不安定になるおそれがある。

    さらに、従来システムの触媒91は、触媒担体としての厚さ1mmのカーボンシート917に触媒成分919を担持させたものであり、触媒91全体の熱容量は小さい。
    そのため、従来システムでは、水素供給体を噴霧したときに触媒91の温度が変動し易い。 それ故、触媒91では、水素供給体の噴霧により触媒温度が低下し、その活性状態が不安定になるおそれが高い。

    以上のように、従来システムでは、触媒91の温度が変動し易いうえ、その調温制御性が良好ではない。 これに対して、実施例1のシステムでは、上記のごとく、触媒自体の熱容量が大きいのに加えて触媒の調温制御性が良好であるため、その活性状態を良好に維持でき触媒反応量を拡大できるのである。
    なお、その他の構成及び作用効果については実施例1と同様である。

    実施例1における、水素貯蔵供給システムの構成を示すブロック図。

    実施例1における、触媒の断面構造を示す断面図。

    実施例1における、セラミックスヒータの製造過程の一部を説明する説明図。

    実施例2における、従来システムの触媒の断面構造を示す断面図。

    実施例2における、インジェクタ開度と触媒温度と水素生成量との関係を示すグラフ。

    符号の説明

    1 水素貯蔵供給システム 2 原料貯蔵タンク 3 反応容器 31、91 触媒 310、910 セラミックスヒータ 311 担持面 315 発熱抵抗体 316 第1のセラミックス層 317 第2のセラミックス層 319 触媒成分 5 原料供給装置(インジェクタ)
    8 回収装置 81 蒸気凝縮器 82 水素抽出器 85 回収タンク

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