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ペプチド合成方法

阅读:525发布:2020-05-08

专利汇可以提供ペプチド合成方法专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且本発明は、液相ペプチド合成法であって、担体(Tag)を用いたFmoc法において、Tag−ペプチド成分の固液分離(濃縮、固液分離、及び乾燥操作)を行わずに不純物を除去することにより、工程時間の短縮及びTag−ペプチド成分の固形化のための貧溶媒の使用を削減することを目的とする。以下の工程a〜d:a.有機溶媒又は有機溶媒の 混合液 中で、担体保護されたアミノ酸、担体保護ペプチド又は担体保護アミノ酸アミドと、N−Fmoc保護アミノ酸又はN−Fmoc保護ペプチドとを縮合して、N−Fmoc−担体保護ペプチドを得る工程、b.縮合反応後の反応液に 水 溶性アミンを添加する工程、c. 水溶性 アミンの存在下で保護されたアミノ基からFmocを脱保護する工程、及びd.反応液に酸を添加して中和し、さらに酸性水溶液を添加して洗浄した後、分液し、水層を除去し、有機層を得る工程、を含むペプチド合成方法が提供された。,下面是ペプチド合成方法专利的具体信息内容。

液相ペプチド合成方法であって、以下の工程a〜d: a.有機溶媒又は有機溶媒の混合液中で、液相ペプチド合成用担体で保護された(担体保護)アミノ酸、担体保護ペプチド又は担体保護アミノ酸アミドと、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)基でアミノ基が保護された(N−Fmoc保護)アミノ酸又はN−Fmoc保護ペプチドとを縮合して、N−Fmoc−担体保護ペプチドを得る工程、 b.縮合反応後の反応液に溶性アミンを添加する工程、 c.水溶性アミンの存在下で保護されたアミノ基からFmoc基を脱保護する工程、及び d.反応液に酸を添加して中和し、さらに酸性水溶液を添加して洗浄した後、分液し、水層を除去し、有機層を得る工程 を含むペプチド合成方法、 ここで、 前記液相ペプチド合成用担体は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドに直接又はリンカーを介して結合して、それらを水に不溶性にする化合物であって分子量300以上の化合物であり、 前記担体保護アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドは、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドが有する一又は複数個のアミノ基、一又は複数個のカルボキシル基、一又は複数個のチオール基、及び一又は複数個の水酸基からなる群より選ばれるいずれか一つの基に、直接又はリンカーを介して該担体が結合しているアミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドであり、かつ、 工程b及び工程cにおける水溶性アミンは、同じでも異なってもよい。前記液相ペプチド合成用担体が、 下記の構造を有する化合物: (式中、R1及びR5は、水素原子であり、R2、R3及びR4は、炭素数が8〜30のアルコキシ基である。また、式中、RXは、下記式で表され、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する基である、 (ここでR7は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、又はアルコキシ置換ベンジル基を表し、R6は水素原子、フェニル基、又はアルコキシ置換フェニル基を表す) なお、上記式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 下記の構造を有する化合物: (式中、R2、R4及びR5は、水素原子であり、R1及びR3は、炭素数が12〜30のアルコキシ基である。また、式中、RYは、下記式で表され、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する基である、 (ここでR7は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、又はアルコキシ置換ベンジル基を表し、R6は水素原子、フェニル基、又はアルコキシ置換フェニル基を表す) なお、上記式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、及び 下記の構造を有する化合物: (式中、R1、R3及びR5は、水素原子であり、R2及びR4は、炭素数が12〜30のアルコキシ基である。また、式中、RZは、下記式で表され、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する基である、 (ここでR7は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、又はアルコキシ置換ベンジル基を表し、R6は水素原子、フェニル基、又はアルコキシ置換フェニル基を表す) なお、上記式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 からなる群より選ばれる化合物に由来する担体である、請求項1に記載のペプチド合成方法。前記液相ペプチド合成用担体が、 下記の構造を有する化合物: (式中、Xは、−CH2ORa(ここで、Raは、水素原子、ハロゲノカルボニル基又は活性エステル型保護基を示す)、—CH2NHRb(ここで、Rbは、水素原子、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又はアラルキル基を示す)、ハロゲノメチル基、アジ化メチル基、ホルミル基、又はオキシムを示し、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する基であり;R1、R2、R3、R4、及びR5のうち少なくとも一つは、以下の式: −O−R6−Xa−A で表される基を示し、残余の基は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示し;R6は、炭素数1から16の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、Xaは、O又はCONRc(ここで、Rcは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す)を示し、 Aは、式(1)〜式(11)のいずれかを表し、 (ここで、R7、R8及びR9は、同じでも異なってもよく、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基を示し、R10は、単結合又は炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、R11、R12及びR13は、同じでも異なってもよく、炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示す。) なお、上記式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 で表される化合物に由来する担体である請求項1に記載のペプチド合成方法。前記液相ペプチド合成用担体が、 一般式(V) [式中、環Aは芳香族環を示し;Yはヒドロキシル基、ブロモ基、クロロ基であり;Ra、Rb及びRcは独立してそれぞれ脂肪族炭化水素基を有する有機基、水素原子又は電子吸引性基を示し、かつRa、Rb及びRcの少なくとも1つは脂肪族炭化水素基を有する有機基であり;環A、B及びCは独立してそれぞれ電子吸引性基を有していてもよい]、又は 一般式(V’): [式中、環Aは芳香族環を示し;Yはヒドロキシル基、ブロモ基又はクロロ基であり;nは1〜19の整数を表し;Rc’は脂肪族炭化水素基を有する2価の有機基であり;環A,B及びCは独立してそれぞれ脂肪族炭化水素基を有する有機基及び電子吸引性基から選ばれる1種以上を有してもよく;環Aが複数存在する場合の各環Aはそれぞれ同一でも異なっていてもよく;Yが複数存在する場合の各Yはそれぞれ同一でも異なっていてもよく;Rc’が複数存在する場合の各Rc’はそれぞれ同一でも異なっていてもよい、 ここで、脂肪族炭化水素基を有する2価の有機基は、式(a): (式中、Xaは存在しないか、又は−O−、−S−、−NHCO−あるいは−CONH−を示し;Rdは炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示し;k1は1〜10の整数を示し;Rdが複数存在する場合の各Rdはそれぞれ同一でも異なっていてもよく;Xaが複数存在する場合の各Xaはそれぞれ同一でも異なっていてもよい)で表される基であり、 脂肪族炭化水素基を有する有機基は、フルオレン化合物の2位及び/又は7位に存在する、式(b): (式中、*は結合位置を示し;X1が−O−であり;R1が炭素数5〜60の脂肪族炭化水素基であり;m1が1である)で表される基、 式(c): (式中、*は結合位置を示し;X2、X2’、X2’’及びX2’’’が−O−であり;R2及びR4は独立してそれぞれ炭素数5〜60の脂肪族炭化水素基であり;R3は炭素数5〜60の脂肪族炭化水素基を有する有機基であり;n1、n2、n3及びn4が1であり;m2が1である)で表される基、及び 式(d): (式中、*は結合位置を示し;X8が−O−を示し;m3が2又は3であり;n5が1であり;n6が3であり;X7が−O−であり;m3個のR12が独立してそれぞれ炭素数4〜30のアルキル基である)で表される基からなる群より選ばれる1種以上の基である] で表されるフルオレン化合物、 (なお、上記各式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 に由来する担体である請求項1に記載のペプチドの合成方法。前記液相ペプチド合成用担体が、 一般式(W) [式中、Yはヒドロキシル基又は−NHR基(Rは水素原子、アルキル基又はアラルキル基を示す)を示し;Raは、 式(a): [式中、*は、結合位置を示し;m1は、1〜10の整数を示し;m1個のX1は、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−、−COO−、−OCONH−、−NHCO−又はCONH−を示し;R1及びm1個のR2は、独立してそれぞれ、炭素数5以上の2価の脂肪族炭化水素基を示し;かつR3は、水素原子、又は式(W’): (式中、*は、結合位置を示し;n個のRbは、独立してそれぞれ、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、又は1個以上のハロゲン原子で置換されてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示し;かつnは、0〜4の整数を示す)で表される基である。]で表される基; 式(b): (式中、*は結合位置を示し;m2は、1又は2を示し;n1、n2、n3及びn4は、独立してそれぞれ、0〜2の整数を示し;m2個のX2、m2個のX2’及びm2個のX2’’は、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−,−COO−,−OCONH−、−NHCO−又は−CONH−を示し;m2個のR4及びm2個のR6は、独立してそれぞれ、炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示し;R5は、炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基; 式(c): (式中、*は結合位置を示し;m3は、0〜15の整数を示し;n5は0〜11の整数を示し;n6は0〜5の整数を示し;m3個のX3は、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−,−COO−,−OCONH−、−NHCO−又は−CONH−を示し;かつm3個のR7は、独立してそれぞれ、水素原子、メチル基又は炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示す)で表される基;及び 式(d): (式中、*は、結合位置を示し;n7個のX4は、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−,−S−、−COO−、−OCONH−、−NHCO−又は−CONH−を示し;R8は、2価の脂肪族炭化水素基を示し;n7個のR9は、独立してそれぞれ、1価の脂肪族炭化水素基を示し;n7は、1〜5の整数を示し;かつArは、アリーレン基を示す。)で表される基からなる群より選ばれる脂肪族炭化水素基を有する有機基を示し、当該有機基中の総炭素数が30以上であり;n個のRbは、独立してそれぞれ、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、又は1個以上のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示し;かつnは、0〜4の整数を示す。] で表されるベンジル化合物、 (なお、上記式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 に由来する担体である請求項1に記載のペプチドの合成方法。前記液相ペプチド合成用担体が、 一般式(X) [式中、Yは、ヒドロキシル基又は−NHR基(Rは水素原子、アルキル基又はアラルキル基を示す)を示し;k及びlは、独立してそれぞれ、0〜5の整数を示し、ただし、k+lは0ではなく;k個のRa及びl個のRbは、独立してそれぞれ、 式(a): (式中、*は結合位置を示し;m1は、1〜10の整数を示し;m1個のX1は、独立してそれぞれ、存在しないか、あるいは−O−、−S−,−COO−,−OCONH−又は−CONH−を示し;m1個のR1は、独立してそれぞれ、炭素数5以上の2価の脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基、 式(b): (式中、*は結合位置を示し;m2は、1〜2の整数を示し;m2個のn1、n2、n3及びn4は、独立してそれぞれ、0〜2の整数を示し;m2個のX2、m2個のX2’、m2個のX2’’’及びm2個のX2’’は、独立してそれぞれ、存在しないか、あるいは−O−、−S−,−COO−,−OCONH−又は−CONH−を示し;m2個のR2及びR4は、独立してそれぞれ、水素原子、メチル基又は炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示し;R3は、炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示す。) で表される基、及び 式(e): (式中、*は結合位置を示し;m3は、0〜15の整数を示し;n5は0〜11の整数を示し;n6は0〜5の整数を示し;X2は存在しないか、あるいは−O−、−S−、−NHCO−若しくは−CONH−を示し;m3個のX7は、独立してそれぞれ、存在しないか、あるいは−O−、−S−,−COO−,−OCONH−、−NHCO−又は−CONH−を示し;m3個のR12は、独立してそれぞれ、水素原子、メチル基又は炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示す)で表される基 からなる群より選ばれる炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を有する有機基を示し、ここで、k+l個の脂肪族炭化水素基を有する有機基における、全脂肪族炭化水素基の合計の炭素数が16以上であり;環AはRaに加えてさらに置換基を有していてもよく;環BはRbに加えてさらに置換基を有していてもよい。] で表されるジフェニルメチル化合物; 又は、 一般式(Y) [式中、k個のQは、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−、−C(=O)O−,−C(=O)NH−又は−NH−を示し;k個のRaは、独立してそれぞれ、分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、総分岐鎖数が3以上であって、かつ総炭素数14以上300以下である有機基を示し;kは、1〜4の整数を示し;R1は、水素原子であるか、あるいはZが下記式(a)で表される基である場合には、R2と一緒になって単結合を示して、環Bとともにフルオレン環を形成していてもよく;環Aは、R1,k個のQRa、及びC(X)(Y)Zに加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、及び1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群より選ばれる1以上の置換基を有していてもよく;Xは、水素原子又はフェニル基を示し;Yはヒドロキシル基又は−NHR基(Rは水素原子、アルキル基又はアラルキル基を示す)を示し;かつZは、水素原子又は式(a): (式中、*は結合位置を示し;mは、0〜4の整数を示し;m個のQは、前記と同意義を示し;m個のRbは、独立してそれぞれ、分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、総分岐鎖数が3以上であって、かつ総炭素数14以上300以下である有機基を示し;R2は、水素原子を示すか、又はR1と一緒になって単結合を示して、環Aと共にフルオレン環を形成してもよく;かつ環Bは、m個のQRb、及びR2に加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、及び1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群より選ばれる1以上の置換基を有していてもよい)で表される基を示し; 前記Ra及びRbにおける分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、総分岐鎖数が3以上であって、かつ総炭素数14以上300以下である有機基が、式(b): (式中、*は、隣接原子との結合位置を示し;R3及びR4は、独立してそれぞれ、水素原子又はC1−4アルキル基をしめし;X1は、単結合、C1−4アルキレン基又は酸素原子を示す。但し、R3及びR4がともに水素原子であることはない。)で表される同一又は異なる2価の基を3以上有する基である。] で表される分岐鎖含有芳香族化合物; (なお、上記各式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 に由来する担体である請求項1に記載のペプチド合成方法。前記液相ペプチド合成用担体が、 (式中、Xはハロゲンであり、Yは8〜12の整数であり、Zは17〜29の整数である。)、 (式中、Xは、それぞれ独立に7〜21の整数である。)、 (式中、Xは、それぞれ独立に11〜29の整数である。)、及び [式中、k個のQは、独立してそれぞれ−O−を示し;k個のRaは、独立してそれぞれ、下記式(Z): [式中、*はQとの結合位置を示し;n0は2〜40の整数を示し;n0個のR5及びR6は、独立してそれぞれ、水素原子又はC1−4アルキル基(但し同時に水素原子になることは無く)を示し;n0個のX2は、独立してそれぞれ、単結合又はC1−4アルキレン基を示し;かつR7は水素原子又はC1−4アルキル基を示し;R8は、C1−4アルキル基を示す]で表される基であり;kは、1〜4の整数を示し;R1は、水素原子であるか、あるいはZが下記式(a)で表される基である場合には、R2と一緒になって単結合を示して、環Bとともにフルオレン環を形成していてもよく;Xは、水素原子又はフェニル基を示し;Yはヒドロキシル基又は−NHR基(Rは水素原子、アルキル基又はアラルキル基を示す)を示し;かつ Zは、水素原子又は式(a): (式中、*は結合位置を示し;mは、0〜4の整数を示し;m個のQは、前記と同意義を示し;m個のRbは、独立してそれぞれ、上記式(Z)である基を示し;R2は、水素原子を示すか、又はR1と一緒になって単結合を示して、環Aと共にフルオレン環を形成してもよく;かつ環Bは、m個のQRb、及びR2に加えて、さらに1個以上のハロゲン原子で置換されていてもよい)で表される基である]で表される分岐鎖含有芳香族化合物、 (なお、上記各式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基、チオール基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 からなる群より選ばれる化合物に由来する担体である請求項1に記載のペプチド合成方法。前記液相ペプチド合成用担体が、 下記の構造を有する化合物: (式中、R1及びR3は、炭素数が18〜22のアルコキシ基であり、RYは、下記式で表され、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する基である、 (ここでR7は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基を表す))、 なお、上記式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 で表される化合物に由来する担体である請求項1に記載のペプチド合成方法。前記液相ペプチド合成用担体が、 (3,4,5−トリオクタデシルオキシベンジルアルコール)、 (2,4−ジドコシルオキシベンジルアルコール)、 (2,4−ジドコシルオキシベンズアルデヒド)、 (2,4−ジドコシルオキシベンジルアミン)、 (N−エチル−2,4−ジドコシルオキシベンジルアミン)、 (3,5−ジドコシルオキシベンジルアルコール)、 (2,4−ジ(11’−トリイソプロピルシリルオキシウンデシルオキシ)ベンジルアルコール) (2,4−ジ(11’−t−ブチルジフェニルシリルオキシウンデシルオキシ)ベンジルアルコール) (式中、Xは、F又はClである。) (2−(3’,4’,5’−トリオクタデシルオキシベンジル)−4−メトキシベンジルアルコール)、 (ビス(4−ドコシルオキシフェニル)メチルアミン)、 (2,4−ジ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアルコール)、 (3,4,5−トリ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアルコール)、 (ビス[4−(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)フェニル]メチルアミン)、 及び (N−エチル−ビス[4−(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)フェニル]メチルアミン) (なお、上記各式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基、チオール基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 からなる群より選ばれる化合物に由来する担体である請求項1に記載のペプチド合成方法。前記液相ペプチド合成用担体が、 (式中、Xは、F又はClである)、 (N−エチル−2,4−ジ(11’−トリイソプロピルシリルオキシウンデシルオキシ)ベンジルアミン)、 (N−エチル−2,4−ジ(11’−t−ブチルジフェニルシリルオキシウンデシルオキシ)ベンジルアミン)、 (N−エチル−2−(3’,4’,5’−トリオクタデシルオキシベンジルオキシ)−4−メトキシベンジルアミン)、 (N−エチル−ビス(4−ドコシルオキシフェニル)メチルアミン)、 (2,4−ジ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアミン)、及び (N−エチル−2,4−ジ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアミン) (なお、上記各式は、アミノ酸又はペプチドのカルボキシル基に結合する前の状態で示している) からなる群より選ばれる化合物に由来する担体である請求項1に記載のペプチド合成方法。前記有機溶媒又は有機溶媒の混合液が、THF、DMF、シクロヘキサン、CPME,MTBE、2−メチルTHF、4−メチルTHP、酢酸イソプロピル、N−メチルピロリドン及びDCMからなる群より選ばれる少なくとも一つの有機溶媒又それらの2以上の混合液である、請求項1〜10のいずれか一つに記載のペプチド合成方法。前記水溶性アミンが、1級又は2級のアミノ基を少なくとも1つ持つ2価以上の水溶性アミンである、請求項1〜11のいずれか一つに記載のペプチド合成方法。前記水溶性アミンが、1−メチルピペラジン、4−アミノピペリジン、ジエチレントリアミン、トリアミノエチルアミン、1−エチルピペラジン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、エチレンジアミン及びピペラジンからなる群より選ばれる、請求項12に記載のペプチド合成方法。工程bにおける水溶性アミンのアミン当量が、工程aの縮合反応後に理論上残存するアミノ酸当量に対して1〜10当量の量である、請求項1〜13のいずれか一つに記載のペプチド合成方法。工程cにおける水溶性アミンのアミン当量が、系に存在するFmoc基の量に対して、5〜30当量である、請求項1〜14のいずれか一つに記載のペプチド合成方法。工程dの酸性水溶液のpHが、1〜5である、請求項1〜15のいずれか一つに記載のペプチド合成方法。前記工程より得られた担体保護ペプチドを用いて、前記工程の繰り返しを1回以上行うことを含む、請求項1〜16のいずれか一つに記載のペプチド合成方法。前記工程をワンポットで行う、請求項1〜17のいずれか一つに記載のペプチド合成方法。以下の配列:H−dArg−Arg−Pro−Hyp−Gly−Thi−Ser−dTic−Oic−Arg—OHのペプチドを合成するための、請求項1〜18のいずれか一つに記載のペプチド合成方法の使用。

液相ペプチド合成方法であって、以下の工程a〜d: a.有機溶媒又は有機溶媒の混合液中で、液相ペプチド合成用担体で保護された(担体保護)アミノ酸、担体保護ペプチド又は担体保護アミノ酸アミドと、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)基でアミノ基が保護された(N−Fmoc保護)アミノ酸又はN−Fmoc保護ペプチドとを縮合して、N−Fmoc−担体保護ペプチドを得る工程、 b.縮合反応後の反応液に2価以上の水溶性アミンを添加する工程、 c.2価以上の水溶性アミンの存在下で保護されたアミノ基からFmoc基を脱保護する工程、及び d.反応液に酸を添加して中和し、さらに酸性水溶液を添加して洗浄した後、分液し、水層を除去し、有機層を得る工程、 を含むペプチド合成方法、 ここで、 前記液相ペプチド合成用担体は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドに直接又はリンカーを介して結合して、それらを水に不溶性にする化合物であって分子量300以上の化合物であり、 前記担体保護アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドは、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドが有する一又は複数個のアミノ基、一又は複数個のカルボキシル基、一又は複数個のチオール基、及び一又は複数個の水酸基からなる群より選ばれるいずれか一つの基に、直接又はリンカーを介して該担体が結合しているアミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドであり、かつ、 工程b及び工程cにおける2価以上の水溶性アミンは、同じでも異なってもよい。前記液相ペプチド合成用担体が、 下記の構造を有する化合物A: (式中、R1及びR5は、水素原子であり、R2、R3及びR4は、炭素数が8〜30のアルコキシ基である。また、式中、RXは、下記式で表され、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する基である、 (ここでR7は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、又はアルコキシ置換ベンジル基を表し、R6は水素原子、フェニル基、又はアルコキシ置換フェニル基を表す) なお、上記式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 下記の構造を有する化合物B: (式中、R2、R4及びR5は、水素原子であり、R1及びR3は、炭素数が12〜30のアルコキシ基である。また、式中、RYは、下記式で表され、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する基である、 (ここでR7は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、又はアルコキシ置換ベンジル基を表し、R6は水素原子、フェニル基、又はアルコキシ置換フェニル基を表す) なお、上記式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 下記の構造を有する化合物C: (式中、R1、R3及びR5は、水素原子であり、R2及びR4は、炭素数が12〜30のアルコキシ基である。また、式中、RZは、下記式で表され、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する基である、 (ここでR7は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、又はアルコキシ置換ベンジル基を表し、R6は水素原子、フェニル基、又はアルコキシ置換フェニル基を表す) なお、上記式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 下記の構造を有する化合物D: (式中、Xは、−CH2ORa(ここで、Raは、水素原子、ハロゲノカルボニル基又は活性エステル型保護基を示す)、—CH2NHRb(ここで、Rbは、水素原子、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又はアラルキル基を示す)、ハロゲノメチル基、アジ化メチル基、ホルミル基、又はオキシムを示し、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する基であり;R1、R2、R3、R4、及びR5のうち少なくとも一つは、以下の式: −O−R6−Xa−A で表される基を示し、残余の基は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示し;R6は、炭素数1から16の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、Xaは、O又はCONRc(ここで、Rcは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す)を示し、 Aは、式(1)〜式(11)のいずれかを表し、 (ここで、R7、R8及びR9は、同じでも異なってもよく、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基を示し、R10は、単結合又は炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、R11、R12及びR13は、同じでも異なってもよく、炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示す。) なお、上記式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 下記の一般式(V)で表される化合物E1又は下記の一般式(V’)で表される化合物E2:E1: [式中、環Aは芳香族環を示し;Yはヒドロキシル基、ブロモ基、クロロ基であり;Ra、Rb及びRcは独立してそれぞれ脂肪族炭化水素基を有する有機基、水素原子又は電子吸引性基を示し、かつRa、Rb及びRcの少なくとも1つは脂肪族炭化水素基を有する有機基であり;環A、B及びCは独立してそれぞれ電子吸引性基を有していてもよい]、 又はE2: [式中、環Aは芳香族環を示し;Yはヒドロキシル基、ブロモ基又はクロロ基であり;nは1〜19の整数を表し;Rc’は脂肪族炭化水素基を有する2価の有機基であり;環A,B及びCは独立してそれぞれ脂肪族炭化水素基を有する有機基及び電子吸引性基から選ばれる1種以上を有してもよく;環Aが複数存在する場合の各環Aはそれぞれ同一でも異なっていてもよく;Yが複数存在する場合の各Yはそれぞれ同一でも異なっていてもよく;Rc’が複数存在する場合の各Rc’はそれぞれ同一でも異なっていてもよい]、 (ここで、脂肪族炭化水素基を有する2価の有機基は、式(a): (式中、Xaは存在しないか、又は−O−、−S−、−NHCO−あるいは−CONH−を示し;Rdは炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示し;k1は1〜10の整数を示し;Rdが複数存在する場合の各Rdはそれぞれ同一でも異なっていてもよく;Xaが複数存在する場合の各Xaはそれぞれ同一でも異なっていてもよい)で表される基であり、 脂肪族炭化水素基を有する有機基は、フルオレン化合物の2位及び/又は7位に存在する、式(b): (式中、*は結合位置を示し;X1が−O−であり;R1が炭素数5〜60の脂肪族炭化水素基であり;m1が1である)で表される基、 式(c): (式中、*は結合位置を示し;X2、X2’、X2’’及びX2’’’が−O−であり;R2及びR4は独立してそれぞれ炭素数5〜60の脂肪族炭化水素基であり;R3は炭素数5〜60の脂肪族炭化水素基を有する有機基であり;n1、n2、n3及びn4が1であり;m2が1である)で表される基、及び 式(d): (式中、*は結合位置を示し;X8が−O−を示し;m3が2又は3であり;n5が1であり;n6が3であり;X7が−O−であり;m3個のR12が独立してそれぞれ炭素数4〜30のアルキル基である)で表される基からなる群より選ばれる1種以上の基である)、 で表されるフルオレン化合物、 (なお、上記各式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 下記の一般式(W)で表される化合物F: [式中、Yはヒドロキシル基又は−NHR基(Rは水素原子、アルキル基又はアラルキル基を示す)を示し;Raは、 式(a): [式中、*は、結合位置を示し;m1は、1〜10の整数を示し;m1個のX1は、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−、−COO−、−OCONH−、−NHCO−又はCONH−を示し;R1及びm1個のR2は、独立してそれぞれ、炭素数5以上の2価の脂肪族炭化水素基を示し;かつR3は、水素原子、又は式(W’): (式中、*は、結合位置を示し;n個のRbは、独立してそれぞれ、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、又は1個以上のハロゲン原子で置換されてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示し;かつnは、0〜4の整数を示す)で表される基である。]で表される基; 式(b): (式中、*は結合位置を示し;m2は、1又は2を示し;n1、n2、n3及びn4は、独立してそれぞれ、0〜2の整数を示し;m2個のX2、m2個のX2’及びm2個のX2’’は、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−,−COO−,−OCONH−、−NHCO−又は−CONH−を示し;m2個のR4及びm2個のR6は、独立してそれぞれ、炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示し;R5は、炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基; 式(c): (式中、*は結合位置を示し;m3は、0〜15の整数を示し;n5は0〜11の整数を示し;n6は0〜5の整数を示し;m3個のX3は、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−,−COO−,−OCONH−、−NHCO−又は−CONH−を示し;かつm3個のR7は、独立してそれぞれ、水素原子、メチル基又は炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示す)で表される基;及び 式(d): (式中、*は、結合位置を示し;n7個のX4は、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−,−S−、−COO−、−OCONH−、−NHCO−又は−CONH−を示し;R8は、2価の脂肪族炭化水素基を示し;n7個のR9は、独立してそれぞれ、1価の脂肪族炭化水素基を示し;n7は、1〜5の整数を示し;かつArは、アリーレン基を示す。)で表される基からなる群より選ばれる脂肪族炭化水素基を有する有機基を示し、当該有機基中の総炭素数が30以上であり;n個のRbは、独立してそれぞれ、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、又は1個以上のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示し;かつnは、0〜4の整数を示す。] で表されるベンジル化合物、 (なお、上記式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 下記の一般式(X)で表される化合物G: [式中、Yは、ヒドロキシル基又は−NHR基(Rは水素原子、アルキル基又はアラルキル基を示す)を示し;k及びlは、独立してそれぞれ、0〜5の整数を示し、ただし、k+lは0ではなく;k個のRa及びl個のRbは、独立してそれぞれ、 式(a): (式中、*は結合位置を示し;m1は、1〜10の整数を示し;m1個のX1は、独立してそれぞれ、存在しないか、あるいは−O−、−S−,−COO−,−OCONH−又は−CONH−を示し;m1個のR1は、独立してそれぞれ、炭素数5以上の2価の脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基、 式(b): (式中、*は結合位置を示し;m2は、1〜2の整数を示し;m2個のn1、n2、n3及びn4は、独立してそれぞれ、0〜2の整数を示し;m2個のX2、m2個のX2’、m2個のX2’’’及びm2個のX2’’は、独立してそれぞれ、存在しないか、あるいは−O−、−S−,−COO−,−OCONH−又は−CONH−を示し;m2個のR2及びR4は、独立してそれぞれ、水素原子、メチル基又は炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示し;R3は、炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示す。) で表される基、及び 式(e): (式中、*は結合位置を示し;m3は、0〜15の整数を示し;n5は0〜11の整数を示し;n6は0〜5の整数を示し;X2は存在しないか、あるいは−O−、−S−、−NHCO−若しくは−CONH−を示し;m3個のX7は、独立してそれぞれ、存在しないか、あるいは−O−、−S−,−COO−,−OCONH−、−NHCO−又は−CONH−を示し;m3個のR12は、独立してそれぞれ、水素原子、メチル基又は炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示す)で表される基 からなる群より選ばれる炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を有する有機基を示し、ここで、k+l個の脂肪族炭化水素基を有する有機基における、全脂肪族炭化水素基の合計の炭素数が16以上であり;環AはRaに加えてさらに置換基を有していてもよく;環BはRbに加えてさらに置換基を有していてもよい。]、 下記の一般式(Y)で表される化合物H: [式中、k個のQは、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−、−C(=O)O−,−C(=O)NH−又は−NH−を示し;k個のRaは、独立してそれぞれ、分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、総分岐鎖数が3以上であって、かつ総炭素数14以上300以下である有機基を示し;kは、1〜4の整数を示し;R1は、水素原子であるか、あるいはZが下記式(a)で表される基である場合には、R2と一緒になって単結合を示して、環Bとともにフルオレン環を形成していてもよく;環Aは、R1,k個のQRa、及びC(X)(Y)Zに加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、及び1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群より選ばれる1以上の置換基を有していてもよく;Xは、水素原子又はフェニル基を示し;Yはヒドロキシル基又は−NHR基(Rは水素原子、アルキル基又はアラルキル基を示す)を示し;かつZは、水素原子又は式(a): (式中、*は結合位置を示し;mは、0〜4の整数を示し;m個のQは、前記と同意義を示し;m個のRbは、独立してそれぞれ、分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、総分岐鎖数が3以上であって、かつ総炭素数14以上300以下である有機基を示し;R2は、水素原子を示すか、又はR1と一緒になって単結合を示して、環Aと共にフルオレン環を形成してもよく;かつ環Bは、m個のQRb、及びR2に加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、及び1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群より選ばれる1以上の置換基を有していてもよい)で表される基を示し; 前記Ra及びRbにおける分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、総分岐鎖数が3以上であって、かつ総炭素数14以上300以下である有機基が、式(b): (式中、*は、隣接原子との結合位置を示し;R3及びR4は、独立してそれぞれ、水素原子又はC1−4アルキル基をしめし;X1は、単結合、C1−4アルキレン基又は酸素原子を示す。但し、R3及びR4がともに水素原子であることはない。)で表される同一又は異なる2価の基を3以上有する基である。] で表される分岐鎖含有芳香族化合物; (なお、上記各式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 からなる群より選ばれる化合物に由来する担体である請求項1に記載のペプチド合成方法。前記液相ペプチド合成用担体が、 下記の構造を有する化合物: (式中、R1及びR5は、水素原子であり、R2、R3及びR4は、炭素数が8〜30のアルコキシ基である。また、式中、RXは、下記式で表され、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する基である、 (ここでR7は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、又はアルコキシ置換ベンジル基を表し、R6は水素原子、フェニル基、又はアルコキシ置換フェニル基を表す) なお、上記式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 下記の構造を有する化合物: (式中、R2、R4及びR5は、水素原子であり、R1及びR3は、炭素数が12〜30のアルコキシ基である。また、式中、RYは、下記式で表され、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する基である、 (ここでR7は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、又はアルコキシ置換ベンジル基を表し、R6は水素原子、フェニル基、又はアルコキシ置換フェニル基を表す) なお、上記式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、及び 下記の構造を有する化合物: (式中、R1、R3及びR5は、水素原子であり、R2及びR4は、炭素数が12〜30のアルコキシ基である。また、式中、RZは、下記式で表され、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する基である、 (ここでR7は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、又はアルコキシ置換ベンジル基を表し、R6は水素原子、フェニル基、又はアルコキシ置換フェニル基を表す) なお、上記式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 からなる群より選ばれる化合物に由来する担体である、請求項1に記載のペプチド合成方法。前記液相ペプチド合成用担体が、 下記の構造を有する化合物: (式中、Xは、−CH2ORa(ここで、Raは、水素原子、ハロゲノカルボニル基又は活性エステル型保護基を示す)、—CH2NHRb(ここで、Rbは、水素原子、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又はアラルキル基を示す)、ハロゲノメチル基、アジ化メチル基、ホルミル基、又はオキシムを示し、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する基であり;R1、R2、R3、R4、及びR5のうち少なくとも一つは、以下の式: −O−R6−Xa−A で表される基を示し、残余の基は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示し;R6は、炭素数1から16の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、Xaは、O又はCONRc(ここで、Rcは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す)を示し、 Aは、式(1)〜式(11)のいずれかを表し、 (ここで、R7、R8及びR9は、同じでも異なってもよく、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基を示し、R10は、単結合又は炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、R11、R12及びR13は、同じでも異なってもよく、炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示す。) なお、上記式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 で表される化合物に由来する担体である請求項1に記載のペプチド合成方法。前記液相ペプチド合成用担体が、 一般式(V) [式中、環Aは芳香族環を示し;Yはヒドロキシル基、ブロモ基、クロロ基であり;Ra、Rb及びRcは独立してそれぞれ脂肪族炭化水素基を有する有機基、水素原子又は電子吸引性基を示し、かつRa、Rb及びRcの少なくとも1つは脂肪族炭化水素基を有する有機基であり;環A、B及びCは独立してそれぞれ電子吸引性基を有していてもよい]、又は 一般式(V’): [式中、環Aは芳香族環を示し;Yはヒドロキシル基、ブロモ基又はクロロ基であり;nは1〜19の整数を表し;Rc’は脂肪族炭化水素基を有する2価の有機基であり;環A,B及びCは独立してそれぞれ脂肪族炭化水素基を有する有機基及び電子吸引性基から選ばれる1種以上を有してもよく;環Aが複数存在する場合の各環Aはそれぞれ同一でも異なっていてもよく;Yが複数存在する場合の各Yはそれぞれ同一でも異なっていてもよく;Rc’が複数存在する場合の各Rc’はそれぞれ同一でも異なっていてもよい]、 ここで、脂肪族炭化水素基を有する2価の有機基は、式(a): (式中、Xaは存在しないか、又は−O−、−S−、−NHCO−あるいは−CONH−を示し;Rdは炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示し;k1は1〜10の整数を示し;Rdが複数存在する場合の各Rdはそれぞれ同一でも異なっていてもよく;Xaが複数存在する場合の各Xaはそれぞれ同一でも異なっていてもよい)で表される基であり、 脂肪族炭化水素基を有する有機基は、フルオレン化合物の2位及び/又は7位に存在する、式(b): (式中、*は結合位置を示し;X1が−O−であり;R1が炭素数5〜60の脂肪族炭化水素基であり;m1が1である)で表される基、 式(c): (式中、*は結合位置を示し;X2、X2’、X2’’及びX2’’’が−O−であり;R2及びR4は独立してそれぞれ炭素数5〜60の脂肪族炭化水素基であり;R3は炭素数5〜60の脂肪族炭化水素基を有する有機基であり;n1、n2、n3及びn4が1であり;m2が1である)で表される基、及び 式(d): (式中、*は結合位置を示し;X8が−O−を示し;m3が2又は3であり;n5が1であり;n6が3であり;X7が−O−であり;m3個のR12が独立してそれぞれ炭素数4〜30のアルキル基である)で表される基からなる群より選ばれる1種以上の基である、 で表されるフルオレン化合物、 (なお、上記各式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 に由来する担体である請求項1に記載のペプチドの合成方法。前記液相ペプチド合成用担体が、 一般式(W) [式中、Yはヒドロキシル基又は−NHR基(Rは水素原子、アルキル基又はアラルキル基を示す)を示し;Raは、 式(a): [式中、*は、結合位置を示し;m1は、1〜10の整数を示し;m1個のX1は、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−、−COO−、−OCONH−、−NHCO−又はCONH−を示し;R1及びm1個のR2は、独立してそれぞれ、炭素数5以上の2価の脂肪族炭化水素基を示し;かつR3は、水素原子、又は式(W’): (式中、*は、結合位置を示し;n個のRbは、独立してそれぞれ、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、又は1個以上のハロゲン原子で置換されてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示し;かつnは、0〜4の整数を示す)で表される基である。]で表される基; 式(b): (式中、*は結合位置を示し;m2は、1又は2を示し;n1、n2、n3及びn4は、独立してそれぞれ、0〜2の整数を示し;m2個のX2、m2個のX2’及びm2個のX2’’は、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−,−COO−,−OCONH−、−NHCO−又は−CONH−を示し;m2個のR4及びm2個のR6は、独立してそれぞれ、炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示し;R5は、炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基; 式(c): (式中、*は結合位置を示し;m3は、0〜15の整数を示し;n5は0〜11の整数を示し;n6は0〜5の整数を示し;m3個のX3は、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−,−COO−,−OCONH−、−NHCO−又は−CONH−を示し;かつm3個のR7は、独立してそれぞれ、水素原子、メチル基又は炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示す)で表される基;及び 式(d): (式中、*は、結合位置を示し;n7個のX4は、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−,−S−、−COO−、−OCONH−、−NHCO−又は−CONH−を示し;R8は、2価の脂肪族炭化水素基を示し;n7個のR9は、独立してそれぞれ、1価の脂肪族炭化水素基を示し;n7は、1〜5の整数を示し;かつArは、アリーレン基を示す。)で表される基からなる群より選ばれる脂肪族炭化水素基を有する有機基を示し、当該有機基中の総炭素数が30以上であり;n個のRbは、独立してそれぞれ、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、又は1個以上のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示し;かつnは、0〜4の整数を示す。] で表されるベンジル化合物、 (なお、上記式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 に由来する担体である請求項1に記載のペプチドの合成方法。前記液相ペプチド合成用担体が、 一般式(X) [式中、Yは、ヒドロキシル基又は−NHR基(Rは水素原子、アルキル基又はアラルキル基を示す)を示し;k及びlは、独立してそれぞれ、0〜5の整数を示し、ただし、k+lは0ではなく;k個のRa及びl個のRbは、独立してそれぞれ、 式(a): (式中、*は結合位置を示し;m1は、1〜10の整数を示し;m1個のX1は、独立してそれぞれ、存在しないか、あるいは−O−、−S−,−COO−,−OCONH−又は−CONH−を示し;m1個のR1は、独立してそれぞれ、炭素数5以上の2価の脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基、 式(b): (式中、*は結合位置を示し;m2は、1〜2の整数を示し;m2個のn1、n2、n3及びn4は、独立してそれぞれ、0〜2の整数を示し;m2個のX2、m2個のX2’、m2個のX2’’’及びm2個のX2’’は、独立してそれぞれ、存在しないか、あるいは−O−、−S−,−COO−,−OCONH−又は−CONH−を示し;m2個のR2及びR4は、独立してそれぞれ、水素原子、メチル基又は炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示し;R3は、炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示す。) で表される基、及び 式(e): (式中、*は結合位置を示し;m3は、0〜15の整数を示し;n5は0〜11の整数を示し;n6は0〜5の整数を示し;X2は存在しないか、あるいは−O−、−S−、−NHCO−若しくは−CONH−を示し;m3個のX7は、独立してそれぞれ、存在しないか、あるいは−O−、−S−,−COO−,−OCONH−、−NHCO−又は−CONH−を示し;m3個のR12は、独立してそれぞれ、水素原子、メチル基又は炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示す)で表される基 からなる群より選ばれる炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を有する有機基を示し、ここで、k+l個の脂肪族炭化水素基を有する有機基における、全脂肪族炭化水素基の合計の炭素数が16以上であり;環AはRaに加えてさらに置換基を有していてもよく;環BはRbに加えてさらに置換基を有していてもよい。] で表されるジフェニルメチル化合物; 又は、 一般式(Y) [式中、k個のQは、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−、−C(=O)O−,−C(=O)NH−又は−NH−を示し;k個のRaは、独立してそれぞれ、分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、総分岐鎖数が3以上であって、かつ総炭素数14以上300以下である有機基を示し;kは、1〜4の整数を示し;R1は、水素原子であるか、あるいはZが下記式(a)で表される基である場合には、R2と一緒になって単結合を示して、環Bとともにフルオレン環を形成していてもよく;環Aは、R1,k個のQRa、及びC(X)(Y)Zに加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、及び1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群より選ばれる1以上の置換基を有していてもよく;Xは、水素原子又はフェニル基を示し;Yはヒドロキシル基又は−NHR基(Rは水素原子、アルキル基又はアラルキル基を示す)を示し;かつZは、水素原子又は式(a): (式中、*は結合位置を示し;mは、0〜4の整数を示し;m個のQは、前記と同意義を示し;m個のRbは、独立してそれぞれ、分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、総分岐鎖数が3以上であって、かつ総炭素数14以上300以下である有機基を示し;R2は、水素原子を示すか、又はR1と一緒になって単結合を示して、環Aと共にフルオレン環を形成してもよく;かつ環Bは、m個のQRb、及びR2に加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、及び1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群より選ばれる1以上の置換基を有していてもよい)で表される基を示し; 前記Ra及びRbにおける分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、総分岐鎖数が3以上であって、かつ総炭素数14以上300以下である有機基が、式(b): (式中、*は、隣接原子との結合位置を示し;R3及びR4は、独立してそれぞれ、水素原子又はC1−4アルキル基をしめし;X1は、単結合、C1−4アルキレン基又は酸素原子を示す。但し、R3及びR4がともに水素原子であることはない。)で表される同一又は異なる2価の基を3以上有する基である。] で表される分岐鎖含有芳香族化合物; (なお、上記各式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 に由来する担体である請求項1に記載のペプチド合成方法。前記液相ペプチド合成用担体が、 (式中、Xはハロゲンであり、Yは8〜12の整数であり、Zは17〜29の整数である。)、 (式中、Xは、それぞれ独立に7〜21の整数である。)、 (式中、Xは、それぞれ独立に11〜29の整数である。)、及び [式中、k個のQは、独立してそれぞれ−O−を示し;k個のRaは、独立してそれぞれ、下記式(Z): [式中、*はQとの結合位置を示し;n0は2〜40の整数を示し;n0個のR5及びR6は、独立してそれぞれ、水素原子又はC1−4アルキル基(但し同時に水素原子になることは無く)を示し;n0個のX2は、独立してそれぞれ、単結合又はC1−4アルキレン基を示し;かつR7は水素原子又はC1−4アルキル基を示し;R8は、C1−4アルキル基を示す]で表される基であり;kは、1〜4の整数を示し;R1は、水素原子であるか、あるいはZが下記式(a)で表される基である場合には、R2と一緒になって単結合を示して、環Bとともにフルオレン環を形成していてもよく;Xは、水素原子又はフェニル基を示し;Yはヒドロキシル基又は−NHR基(Rは水素原子、アルキル基又はアラルキル基を示す)を示し;かつ Zは、水素原子又は式(a): (式中、*は結合位置を示し;mは、0〜4の整数を示し;m個のQは、前記と同意義を示し;m個のRbは、独立してそれぞれ、上記式(Z)である基を示し;R2は、水素原子を示すか、又はR1と一緒になって単結合を示して、環Aと共にフルオレン環を形成してもよく;かつ環Bは、m個のQRb、及びR2に加えて、さらに1個以上のハロゲン原子で置換されていてもよい)で表される基である]で表される分岐鎖含有芳香族化合物、 (なお、上記各式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基、チオール基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 からなる群より選ばれる化合物に由来する担体である請求項1に記載のペプチド合成方法。前記液相ペプチド合成用担体が、 下記の構造を有する化合物: (式中、R1及びR3は、炭素数が18〜22のアルコキシ基であり、RYは、下記式で表され、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する基である、 (ここでR7は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基を表す))、 なお、上記式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 で表される化合物に由来する担体である請求項1に記載のペプチド合成方法。前記液相ペプチド合成用担体が、 (3,4,5−トリオクタデシルオキシベンジルアルコール)、 (2,4−ジドコシルオキシベンジルアルコール)、 (2,4−ジドコシルオキシベンズアルデヒド)、 (2,4−ジドコシルオキシベンジルアミン)、 (N−エチル−2,4−ジドコシルオキシベンジルアミン)、 (3,5−ジドコシルオキシベンジルアルコール)、 (2,4−ジ(11’−トリイソプロピルシリルオキシウンデシルオキシ)ベンジルアルコール) (2,4−ジ(11’−t−ブチルジフェニルシリルオキシウンデシルオキシ)ベンジルアルコール) (式中、Xは、F又はClである。) (2−(3’,4’,5’−トリオクタデシルオキシベンジル)−4−メトキシベンジルアルコール)、 (ビス(4−ドコシルオキシフェニル)メチルアミン)、 (2,4−ジ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアルコール)、 (3,4,5−トリ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアルコール)、 (ビス[4−(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)フェニル]メチルアミン)、 及び (N−エチル−ビス[4−(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)フェニル]メチルアミン) (なお、上記各式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基、チオール基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 からなる群より選ばれる化合物に由来する担体である請求項1に記載のペプチド合成方法。前記液相ペプチド合成用担体が、 (式中、Xは、F又はClである)、 (N−エチル−2,4−ジ(11’−トリイソプロピルシリルオキシウンデシルオキシ)ベンジルアミン)、 (N−エチル−2,4−ジ(11’−t−ブチルジフェニルシリルオキシウンデシルオキシ)ベンジルアミン)、 (N−エチル−2−(3’,4’,5’−トリオクタデシルオキシベンジルオキシ)−4−メトキシベンジルアミン)、 (N−エチル−ビス(4−ドコシルオキシフェニル)メチルアミン)、 (2,4−ジ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアミン)、及び (N−エチル−2,4−ジ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアミン) (なお、上記各式は、アミノ酸又はペプチドのカルボキシル基に結合する前の状態で示している) からなる群より選ばれる化合物に由来する担体である請求項1に記載のペプチド合成方法。前記有機溶媒又は有機溶媒の混合液が少なくとも一つの水溶性有機溶媒を含む、請求項1〜11のいずれか一つに記載のペプチド合成方法。前記有機溶媒又は有機溶媒の混合液が、THF、DMF、シクロヘキサン、CPME,MTBE、2−メチルTHF、4−メチルTHP、酢酸イソプロピル、N−メチルピロリドン及びDCMからなる群より選ばれる少なくとも一つの有機溶媒又それらの2以上の混合液である、請求項1〜12のいずれか一つに記載のペプチド合成方法。前記2価以上の水溶性アミンが、1級又は2級のアミノ基を少なくとも1つ持つ2価以上の水溶性アミンである、請求項1〜13のいずれか一つに記載のペプチド合成方法。前記2価以上の水溶性アミンが、1−メチルピペラジン、4−アミノピペリジン、ジエチレントリアミン、トリアミノエチルアミン、1−エチルピペラジン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、エチレンジアミン及びピペラジンからなる群より選ばれる、請求項14に記載のペプチド合成方法。工程bにおける2価以上の水溶性アミンのアミン当量が、工程aの縮合反応後に理論上残存するアミノ酸当量に対して1〜10当量の量である、請求項1〜15のいずれか一つに記載のペプチド合成方法。工程cにおける2価以上の水溶性アミンのアミン当量が、系に存在するFmoc基の量に対して、5〜30当量である、請求項1〜16のいずれか一つに記載のペプチド合成方法。工程dの酸性水溶液のpHが、1〜5である、請求項1〜17のいずれか一つに記載のペプチド合成方法。前記工程より得られた担体保護ペプチドを用いて、前記工程の繰り返しを1回以上行うことを含む、請求項1〜18のいずれか一つに記載のペプチド合成方法。前記工程をワンポットで行う、請求項1〜19のいずれか一つに記載のペプチド合成方法。以下の配列:H−dArg−Arg−Pro−Hyp−Gly−Thi−Ser−dTic−Oic−Arg—OHのペプチドを合成するための、請求項1〜20のいずれか一つに記載のペプチド合成方法の使用。液相ペプチド合成方法であって、以下の工程a〜d: a.有機溶媒又は有機溶媒の混合液中で、液相ペプチド合成用担体で保護された(担体保護)アミノ酸、担体保護ペプチド又は担体保護アミノ酸アミドと、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)基でアミノ基が保護された(N−Fmoc保護)アミノ酸又はN−Fmoc保護ペプチドとを縮合して、N−Fmoc−担体保護ペプチドを得る工程、 b.縮合反応後の反応液に2価以上の水溶性アミンを添加してアミノ酸活性エステルをスカベンジする工程、 c.2価以上の水溶性アミンの存在下で脱Fmoc試薬を添加し保護されたアミノ基からFmoc基を脱保護する工程、及び d.反応液に酸を添加して中和し、さらに酸性水溶液を添加して洗浄した後、分液し、水層を除去し、有機層を得る工程、 を含むペプチド合成方法、 ここで、 前記液相ペプチド合成用担体は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドに直接又はリンカーを介して結合して、それらを水に不溶性にする化合物であって分子量300以上の化合物であり、 前記担体保護アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドは、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドが有する一又は複数個のアミノ基、一又は複数個のカルボキシル基、一又は複数個のチオール基、及び一又は複数個の水酸基からなる群より選ばれるいずれか一つの基に、直接又はリンカーを介して該担体が結合しているアミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドであり、かつ、 工程b及び工程cにおける2価以上の水溶性アミンは、同じでも異なってもよい。前記液相ペプチド合成用担体が、 下記の構造を有する化合物A: (式中、R1及びR5は、水素原子であり、R2、R3及びR4は、炭素数が8〜30のアルコキシ基である。また、式中、RXは、下記式で表され、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する基である、 (ここでR7は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、又はアルコキシ置換ベンジル基を表し、R6は水素原子、フェニル基、又はアルコキシ置換フェニル基を表す) なお、上記式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 下記の構造を有する化合物B: (式中、R2、R4及びR5は、水素原子であり、R1及びR3は、炭素数が12〜30のアルコキシ基である。また、式中、RYは、下記式で表され、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する基である、 (ここでR7は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、又はアルコキシ置換ベンジル基を表し、R6は水素原子、フェニル基、又はアルコキシ置換フェニル基を表す) なお、上記式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 下記の構造を有する化合物C: (式中、R1、R3及びR5は、水素原子であり、R2及びR4は、炭素数が12〜30のアルコキシ基である。また、式中、RZは、下記式で表され、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する基である、 (ここでR7は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、又はアルコキシ置換ベンジル基を表し、R6は水素原子、フェニル基、又はアルコキシ置換フェニル基を表す) なお、上記式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 下記の構造を有する化合物D: (式中、Xは、−CH2ORa(ここで、Raは、水素原子、ハロゲノカルボニル基又は活性エステル型保護基を示す)、—CH2NHRb(ここで、Rbは、水素原子、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又はアラルキル基を示す)、ハロゲノメチル基、アジ化メチル基、ホルミル基、又はオキシムを示し、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する基であり;R1、R2、R3、R4、及びR5のうち少なくとも一つは、以下の式: −O−R6−Xa−A で表される基を示し、残余の基は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示し;R6は、炭素数1から16の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、Xaは、O又はCONRc(ここで、Rcは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す)を示し、 Aは、式(1)〜式(11)のいずれかを表し、 (ここで、R7、R8及びR9は、同じでも異なってもよく、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基を示し、R10は、単結合又は炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、R11、R12及びR13は、同じでも異なってもよく、炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示す。) なお、上記式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 下記の一般式(V)で表される化合物E1又は下記の一般式(V’)で表される化合物E2:E1: [式中、環Aは芳香族環を示し;Yはヒドロキシル基、ブロモ基、クロロ基であり;Ra、Rb及びRcは独立してそれぞれ脂肪族炭化水素基を有する有機基、水素原子又は電子吸引性基を示し、かつRa、Rb及びRcの少なくとも1つは脂肪族炭化水素基を有する有機基であり;環A、B及びCは独立してそれぞれ電子吸引性基を有していてもよい]、 又はE2: [式中、環Aは芳香族環を示し;Yはヒドロキシル基、ブロモ基又はクロロ基であり;nは1〜19の整数を表し;Rc’は脂肪族炭化水素基を有する2価の有機基であり;環A,B及びCは独立してそれぞれ脂肪族炭化水素基を有する有機基及び電子吸引性基から選ばれる1種以上を有してもよく;環Aが複数存在する場合の各環Aはそれぞれ同一でも異なっていてもよく;Yが複数存在する場合の各Yはそれぞれ同一でも異なっていてもよく;Rc’が複数存在する場合の各Rc’はそれぞれ同一でも異なっていてもよい]、 (ここで、脂肪族炭化水素基を有する2価の有機基は、式(a): (式中、Xaは存在しないか、又は−O−、−S−、−NHCO−あるいは−CONH−を示し;Rdは炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示し;k1は1〜10の整数を示し;Rdが複数存在する場合の各Rdはそれぞれ同一でも異なっていてもよく;Xaが複数存在する場合の各Xaはそれぞれ同一でも異なっていてもよい)で表される基であり、 脂肪族炭化水素基を有する有機基は、フルオレン化合物の2位及び/又は7位に存在する、式(b): (式中、*は結合位置を示し;X1が−O−であり;R1が炭素数5〜60の脂肪族炭化水素基であり;m1が1である)で表される基、 式(c): (式中、*は結合位置を示し;X2、X2’、X2’’及びX2’’’が−O−であり;R2及びR4は独立してそれぞれ炭素数5〜60の脂肪族炭化水素基であり;R3は炭素数5〜60の脂肪族炭化水素基を有する有機基であり;n1、n2、n3及びn4が1であり;m2が1である)で表される基、及び 式(d): (式中、*は結合位置を示し;X8が−O−を示し;m3が2又は3であり;n5が1であり;n6が3であり;X7が−O−であり;m3個のR12が独立してそれぞれ炭素数4〜30のアルキル基である)で表される基からなる群より選ばれる1種以上の基である)、 で表されるフルオレン化合物、 (なお、上記各式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 下記の一般式(W)で表される化合物F: [式中、Yはヒドロキシル基又は−NHR基(Rは水素原子、アルキル基又はアラルキル基を示す)を示し;Raは、 式(a): [式中、*は、結合位置を示し;m1は、1〜10の整数を示し;m1個のX1は、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−、−COO−、−OCONH−、−NHCO−又はCONH−を示し;R1及びm1個のR2は、独立してそれぞれ、炭素数5以上の2価の脂肪族炭化水素基を示し;かつR3は、水素原子、又は式(W’): (式中、Yはヒドロキシル基又は−NHR基(Rは水素原子、アルキル基又はアラルキル基を示す)を示し;*は、結合位置を示し;n個のRbは、独立してそれぞれ、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、又は1個以上のハロゲン原子で置換されてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示し;かつnは、0〜4の整数を示す)で表される基である。]で表される基; 式(b): (式中、*は結合位置を示し;m2は、1又は2を示し;n1、n2、n3及びn4は、独立してそれぞれ、0〜2の整数を示し;m2個のX2、m2個のX2’及びm2個のX2’’は、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−,−COO−,−OCONH−、−NHCO−又は−CONH−を示し;m2個のR4及びm2個のR6は、独立してそれぞれ、炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示し;R5は、炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基; 式(c): (式中、*は結合位置を示し;m3は、0〜15の整数を示し;n5は0〜11の整数を示し;n6は0〜5の整数を示し;m3個のX3は、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−,−COO−,−OCONH−、−NHCO−又は−CONH−を示し;かつm3個のR7は、独立してそれぞれ、水素原子、メチル基又は炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示す)で表される基;及び 式(d): (式中、*は、結合位置を示し;n7個のX4は、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−,−S−、−COO−、−OCONH−、−NHCO−又は−CONH−を示し;R8は、2価の脂肪族炭化水素基を示し;n7個のR9は、独立してそれぞれ、1価の脂肪族炭化水素基を示し;n7は、1〜5の整数を示し;かつArは、アリーレン基を示す。)で表される基からなる群より選ばれる脂肪族炭化水素基を有する有機基を示し、当該有機基中の総炭素数が30以上であり;n個のRbは、独立してそれぞれ、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、又は1個以上のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示し;かつnは、0〜4の整数を示す。] で表されるベンジル化合物、 (なお、上記式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 下記の一般式(X)で表される化合物G: [式中、Yは、ヒドロキシル基又は−NHR基(Rは水素原子、アルキル基又はアラルキル基を示す)を示し;k及びlは、独立してそれぞれ、0〜5の整数を示し、ただし、k+lは0ではなく;k個のRa及びl個のRbは、独立してそれぞれ、 式(a): (式中、*は結合位置を示し;m1は、1〜10の整数を示し;m1個のX1は、独立してそれぞれ、存在しないか、あるいは−O−、−S−,−COO−,−OCONH−又は−CONH−を示し;m1個のR1は、独立してそれぞれ、炭素数5以上の2価の脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基、 式(b): (式中、*は結合位置を示し;m2は、1〜2の整数を示し;m2個のn1、n2、n3及びn4は、独立してそれぞれ、0〜2の整数を示し;m2個のX2、m2個のX2’、m2個のX2’’’及びm2個のX2’’は、独立してそれぞれ、存在しないか、あるいは−O−、−S−,−COO−,−OCONH−又は−CONH−を示し;m2個のR2及びR4は、独立してそれぞれ、水素原子、メチル基又は炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示し;R3は、炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示す。) で表される基、及び 式(e): (式中、*は結合位置を示し;m3は、0〜15の整数を示し;n5は0〜11の整数を示し;n6は0〜5の整数を示し;X2は存在しないか、あるいは−O−、−S−、−NHCO−若しくは−CONH−を示し;m3個のX7は、独立してそれぞれ、存在しないか、あるいは−O−、−S−,−COO−,−OCONH−、−NHCO−又は−CONH−を示し;m3個のR12は、独立してそれぞれ、水素原子、メチル基又は炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示す)で表される基 からなる群より選ばれる炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を有する有機基を示し、ここで、k+l個の脂肪族炭化水素基を有する有機基における、全脂肪族炭化水素基の合計の炭素数が16以上であり;環AはRaに加えてさらに置換基を有していてもよく;環BはRbに加えてさらに置換基を有していてもよい。]、 下記の一般式(Y)で表される化合物H: [式中、k個のQは、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−、−C(=O)O−,−C(=O)NH−又は−NH−を示し;k個のRaは、独立してそれぞれ、分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、総分岐鎖数が3以上であって、かつ総炭素数14以上300以下である有機基を示し;kは、1〜4の整数を示し;R1は、水素原子であるか、あるいはZが下記式(a)で表される基である場合には、R2と一緒になって単結合を示して、環Bとともにフルオレン環を形成していてもよく;環Aは、R1,k個のQRa、及びC(X)(Y)Zに加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、及び1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群より選ばれる1以上の置換基を有していてもよく;Xは、水素原子又はフェニル基を示し;Yはヒドロキシル基又は−NHR基(Rは水素原子、アルキル基又はアラルキル基を示す)を示し;かつZは、水素原子又は式(a): (式中、*は結合位置を示し;mは、0〜4の整数を示し;m個のQは、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−、−C(=O)O−,−C(=O)NH−又は−NH−を示し;m個のRbは、独立してそれぞれ、分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、総分岐鎖数が3以上であって、かつ総炭素数14以上300以下である有機基を示し;R2は、水素原子を示すか、又はR1と一緒になって単結合を示して、環Aと共にフルオレン環を形成してもよく;かつ環Bは、m個のQRb、及びR2に加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、及び1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群より選ばれる1以上の置換基を有していてもよい)で表される基を示し; 前記Ra及びRbにおける分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、総分岐鎖数が3以上であって、かつ総炭素数14以上300以下である有機基が、式(b): (式中、*は、隣接原子との結合位置を示し;R3及びR4は、独立してそれぞれ、水素原子又はC1−4アルキル基をしめし;X1は、単結合、C1−4アルキレン基又は酸素原子を示す。但し、R3及びR4がともに水素原子であることはない。)で表される同一又は異なる2価の基を3以上有する基である。] で表される分岐鎖含有芳香族化合物; (なお、上記各式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 からなる群より選ばれる化合物に由来する担体である請求項1に記載のペプチド合成方法。前記液相ペプチド合成用担体が、 下記の構造を有する化合物: (式中、R1及びR5は、水素原子であり、R2、R3及びR4は、炭素数が8〜30のアルコキシ基である。また、式中、RXは、下記式で表され、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する基である、 (ここでR7は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、又はアルコキシ置換ベンジル基を表し、R6は水素原子、フェニル基、又はアルコキシ置換フェニル基を表す) なお、上記式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 下記の構造を有する化合物: (式中、R2、R4及びR5は、水素原子であり、R1及びR3は、炭素数が12〜30のアルコキシ基である。また、式中、RYは、下記式で表され、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する基である、 (ここでR7は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、又はアルコキシ置換ベンジル基を表し、R6は水素原子、フェニル基、又はアルコキシ置換フェニル基を表す) なお、上記式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、及び 下記の構造を有する化合物: (式中、R1、R3及びR5は、水素原子であり、R2及びR4は、炭素数が12〜30のアルコキシ基である。また、式中、RZは、下記式で表され、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する基である、 (ここでR7は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、又はアルコキシ置換ベンジル基を表し、R6は水素原子、フェニル基、又はアルコキシ置換フェニル基を表す) なお、上記式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 からなる群より選ばれる化合物に由来する担体である、請求項1に記載のペプチド合成方法。前記液相ペプチド合成用担体が、 下記の構造を有する化合物: (式中、Xは、−CH2ORa(ここで、Raは、水素原子、ハロゲノカルボニル基又は活性エステル型保護基を示す)、—CH2NHRb(ここで、Rbは、水素原子、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又はアラルキル基を示す)、ハロゲノメチル基、アジ化メチル基、ホルミル基、又はオキシムを示し、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する基であり;R1、R2、R3、R4、及びR5のうち少なくとも一つは、以下の式: −O−R6−Xa−A で表される基を示し、残余の基は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示し;R6は、炭素数1から16の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、Xaは、O又はCONRc(ここで、Rcは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す)を示し、 Aは、式(1)〜式(11)のいずれかを表し、 (ここで、R7、R8及びR9は、同じでも異なってもよく、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基を示し、R10は、単結合又は炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、R11、R12及びR13は、同じでも異なってもよく、炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示す。) なお、上記式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 で表される化合物に由来する担体である請求項1に記載のペプチド合成方法。前記液相ペプチド合成用担体が、 一般式(V) [式中、環Aは芳香族環を示し;Yはヒドロキシル基、ブロモ基、クロロ基であり;Ra、Rb及びRcは独立してそれぞれ脂肪族炭化水素基を有する有機基、水素原子又は電子吸引性基を示し、かつRa、Rb及びRcの少なくとも1つは脂肪族炭化水素基を有する有機基であり;環A、B及びCは独立してそれぞれ電子吸引性基を有していてもよい]、又は 一般式(V’): [式中、環Aは芳香族環を示し;Yはヒドロキシル基、ブロモ基又はクロロ基であり;nは1〜19の整数を表し;Rc’は脂肪族炭化水素基を有する2価の有機基であり;環A,B及びCは独立してそれぞれ脂肪族炭化水素基を有する有機基及び電子吸引性基から選ばれる1種以上を有してもよく;環Aが複数存在する場合の各環Aはそれぞれ同一でも異なっていてもよく;Yが複数存在する場合の各Yはそれぞれ同一でも異なっていてもよく;Rc’が複数存在する場合の各Rc’はそれぞれ同一でも異なっていてもよい]、 ここで、脂肪族炭化水素基を有する2価の有機基は、式(a): (式中、Xaは存在しないか、又は−O−、−S−、−NHCO−あるいは−CONH−を示し;Rdは炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示し;k1は1〜10の整数を示し;Rdが複数存在する場合の各Rdはそれぞれ同一でも異なっていてもよく;Xaが複数存在する場合の各Xaはそれぞれ同一でも異なっていてもよい)で表される基であり、 脂肪族炭化水素基を有する有機基は、フルオレン化合物の2位及び/又は7位に存在する、式(b): (式中、*は結合位置を示し;X1が−O−であり;R1が炭素数5〜60の脂肪族炭化水素基であり;m1が1である)で表される基、 式(c): (式中、*は結合位置を示し;X2、X2’、X2’’及びX2’’’が−O−であり;R2及びR4は独立してそれぞれ炭素数5〜60の脂肪族炭化水素基であり;R3は炭素数5〜60の脂肪族炭化水素基を有する有機基であり;n1、n2、n3及びn4が1であり;m2が1である)で表される基、及び 式(d): (式中、*は結合位置を示し;X8が−O−を示し;m3が2又は3であり;n5が1であり;n6が3であり;X7が−O−であり;m3個のR12が独立してそれぞれ炭素数4〜30のアルキル基である)で表される基からなる群より選ばれる1種以上の基である、 で表されるフルオレン化合物、 (なお、上記各式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 に由来する担体である請求項1に記載のペプチドの合成方法。前記液相ペプチド合成用担体が、 一般式(W) [式中、Yはヒドロキシル基又は−NHR基(Rは水素原子、アルキル基又はアラルキル基を示す)を示し;Raは、 式(a): [式中、*は、結合位置を示し;m1は、1〜10の整数を示し;m1個のX1は、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−、−COO−、−OCONH−、−NHCO−又はCONH−を示し;R1及びm1個のR2は、独立してそれぞれ、炭素数5以上の2価の脂肪族炭化水素基を示し;かつR3は、水素原子、又は式(W’): (式中、Yはヒドロキシル基又は−NHR基(Rは水素原子、アルキル基又はアラルキル基を示す)を示し;*は、結合位置を示し;n個のRbは、独立してそれぞれ、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、又は1個以上のハロゲン原子で置換されてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示し;かつnは、0〜4の整数を示す)で表される基である。]で表される基; 式(b): (式中、*は結合位置を示し;m2は、1又は2を示し;n1、n2、n3及びn4は、独立してそれぞれ、0〜2の整数を示し;m2個のX2、m2個のX2’及びm2個のX2’’は、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−,−COO−,−OCONH−、−NHCO−又は−CONH−を示し;m2個のR4及びm2個のR6は、独立してそれぞれ、炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示し;R5は、炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基; 式(c): (式中、*は結合位置を示し;m3は、0〜15の整数を示し;n5は0〜11の整数を示し;n6は0〜5の整数を示し;m3個のX3は、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−,−COO−,−OCONH−、−NHCO−又は−CONH−を示し;かつm3個のR7は、独立してそれぞれ、水素原子、メチル基又は炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示す)で表される基;及び 式(d): (式中、*は、結合位置を示し;n7個のX4は、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−,−S−、−COO−、−OCONH−、−NHCO−又は−CONH−を示し;R8は、2価の脂肪族炭化水素基を示し;n7個のR9は、独立してそれぞれ、1価の脂肪族炭化水素基を示し;n7は、1〜5の整数を示し;かつArは、アリーレン基を示す。)で表される基からなる群より選ばれる脂肪族炭化水素基を有する有機基を示し、当該有機基中の総炭素数が30以上であり;n個のRbは、独立してそれぞれ、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、又は1個以上のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示し;かつnは、0〜4の整数を示す。] で表されるベンジル化合物、 (なお、上記式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 に由来する担体である請求項1に記載のペプチドの合成方法。前記液相ペプチド合成用担体が、 一般式(X) [式中、Yは、ヒドロキシル基又は−NHR基(Rは水素原子、アルキル基又はアラルキル基を示す)を示し;k及びlは、独立してそれぞれ、0〜5の整数を示し、ただし、k+lは0ではなく;k個のRa及びl個のRbは、独立してそれぞれ、 式(a): (式中、*は結合位置を示し;m1は、1〜10の整数を示し;m1個のX1は、独立してそれぞれ、存在しないか、あるいは−O−、−S−,−COO−,−OCONH−又は−CONH−を示し;m1個のR1は、独立してそれぞれ、炭素数5以上の2価の脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基、 式(b): (式中、*は結合位置を示し;m2は、1〜2の整数を示し;m2個のn1、n2、n3及びn4は、独立してそれぞれ、0〜2の整数を示し;m2個のX2、m2個のX2’、m2個のX2’’’及びm2個のX2’’は、独立してそれぞれ、存在しないか、あるいは−O−、−S−,−COO−,−OCONH−又は−CONH−を示し;m2個のR2及びR4は、独立してそれぞれ、水素原子、メチル基又は炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示し;R3は、炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示す。) で表される基、及び 式(e): (式中、*は結合位置を示し;m3は、0〜15の整数を示し;n5は0〜11の整数を示し;n6は0〜5の整数を示し;X2は存在しないか、あるいは−O−、−S−、−NHCO−若しくは−CONH−を示し;m3個のX7は、独立してそれぞれ、存在しないか、あるいは−O−、−S−,−COO−,−OCONH−、−NHCO−又は−CONH−を示し;m3個のR12は、独立してそれぞれ、水素原子、メチル基又は炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示す)で表される基 からなる群より選ばれる炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を有する有機基を示し、ここで、k+l個の脂肪族炭化水素基を有する有機基における、全脂肪族炭化水素基の合計の炭素数が16以上であり;環AはRaに加えてさらに置換基を有していてもよく;環BはRbに加えてさらに置換基を有していてもよい。] で表されるジフェニルメチル化合物; 又は、 一般式(Y) [式中、k個のQは、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−、−C(=O)O−,−C(=O)NH−又は−NH−を示し;k個のRaは、独立してそれぞれ、分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、総分岐鎖数が3以上であって、かつ総炭素数14以上300以下である有機基を示し;kは、1〜4の整数を示し;R1は、水素原子であるか、あるいはZが下記式(a)で表される基である場合には、R2と一緒になって単結合を示して、環Bとともにフルオレン環を形成していてもよく;環Aは、R1,k個のQRa、及びC(X)(Y)Zに加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、及び1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群より選ばれる1以上の置換基を有していてもよく;Xは、水素原子又はフェニル基を示し;Yはヒドロキシル基又は−NHR基(Rは水素原子、アルキル基又はアラルキル基を示す)を示し;かつZは、水素原子又は式(a): (式中、*は結合位置を示し;mは、0〜4の整数を示し;m個のQは、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−、−C(=O)O−,−C(=O)NH−又は−NH−を示し;m個のRbは、独立してそれぞれ、分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、総分岐鎖数が3以上であって、かつ総炭素数14以上300以下である有機基を示し;R2は、水素原子を示すか、又はR1と一緒になって単結合を示して、環Aと共にフルオレン環を形成してもよく;かつ環Bは、m個のQRb、及びR2に加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、及び1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群より選ばれる1以上の置換基を有していてもよい)で表される基を示し; 前記Ra及びRbにおける分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、総分岐鎖数が3以上であって、かつ総炭素数14以上300以下である有機基が、式(b): (式中、*は、隣接原子との結合位置を示し;R3及びR4は、独立してそれぞれ、水素原子又はC1−4アルキル基をしめし;X1は、単結合、C1−4アルキレン基又は酸素原子を示す。但し、R3及びR4がともに水素原子であることはない。)で表される同一又は異なる2価の基を3以上有する基である。] で表される分岐鎖含有芳香族化合物; (なお、上記各式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 に由来する担体である請求項1に記載のペプチド合成方法。前記液相ペプチド合成用担体が、 (式中、Xはハロゲンであり、Yは8〜12の整数であり、Zは17〜29の整数である。)、 (式中、Xは、それぞれ独立に7〜21の整数である。)、 (式中、Xは、それぞれ独立に11〜29の整数である。)、及び [式中、k個のQは、独立してそれぞれ−O−を示し;k個のRaは、独立してそれぞれ、下記式(Z): [式中、*はQとの結合位置を示し;n0は2〜40の整数を示し;n0個のR5及びR6は、独立してそれぞれ、水素原子又はC1−4アルキル基(但し同時に水素原子になることは無く)を示し;n0個のX2は、独立してそれぞれ、単結合又はC1−4アルキレン基を示し;かつR7は水素原子又はC1−4アルキル基を示し;R8は、C1−4アルキル基を示す]で表される基であり;kは、1〜4の整数を示し;R1は、水素原子であるか、あるいはZが下記式(a)で表される基である場合には、R2と一緒になって単結合を示して、環Bとともにフルオレン環を形成していてもよく;Xは、水素原子又はフェニル基を示し;Yはヒドロキシル基又は−NHR基(Rは水素原子、アルキル基又はアラルキル基を示す)を示し;かつ Zは、水素原子又は式(a): (式中、*は結合位置を示し;mは、0〜4の整数を示し;m個のQは、独立してそれぞれ−O−を示し;m個のRbは、独立してそれぞれ、上記式(Z)である基を示し;R2は、水素原子を示すか、又はR1と一緒になって単結合を示して、環Aと共にフルオレン環を形成してもよく;かつ環Bは、m個のQRb、及びR2に加えて、さらに1個以上のハロゲン原子で置換されていてもよい)で表される基である]で表される分岐鎖含有芳香族化合物、 (なお、上記各式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基、チオール基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 からなる群より選ばれる化合物に由来する担体である請求項1に記載のペプチド合成方法。前記液相ペプチド合成用担体が、 下記の構造を有する化合物: (式中、R1及びR3は、炭素数が18〜22のアルコキシ基であり、RYは、下記式で表され、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する基である、 (ここでR7は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基を表す))、 なお、上記式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 で表される化合物に由来する担体である請求項1に記載のペプチド合成方法。前記液相ペプチド合成用担体が、 (3,4,5−トリオクタデシルオキシベンジルアルコール)、 (2,4−ジドコシルオキシベンジルアルコール)、 (2,4−ジドコシルオキシベンズアルデヒド)、 (2,4−ジドコシルオキシベンジルアミン)、 (N−エチル−2,4−ジドコシルオキシベンジルアミン)、 (3,5−ジドコシルオキシベンジルアルコール)、 (2,4−ジ(11’−トリイソプロピルシリルオキシウンデシルオキシ)ベンジルアルコール) (2,4−ジ(11’−t−ブチルジフェニルシリルオキシウンデシルオキシ)ベンジルアルコール) (式中、Xは、F又はClである。) (2−(3’,4’,5’−トリオクタデシルオキシベンジル)−4−メトキシベンジルアルコール)、 (ビス(4−ドコシルオキシフェニル)メチルアミン)、 (2,4−ジ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアルコール)、 (3,4,5−トリ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアルコール)、 (ビス[4−(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)フェニル]メチルアミン)、 及び (N−エチル−ビス[4−(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)フェニル]メチルアミン) (なお、上記各式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基、チオール基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 からなる群より選ばれる化合物に由来する担体である請求項1に記載のペプチド合成方法。前記液相ペプチド合成用担体が、 (式中、Xは、F又はClである)、 (N−エチル−2,4−ジ(11’−トリイソプロピルシリルオキシウンデシルオキシ)ベンジルアミン)、 (N−エチル−2,4−ジ(11’−t−ブチルジフェニルシリルオキシウンデシルオキシ)ベンジルアミン)、 (N−エチル−2−(3’,4’,5’−トリオクタデシルオキシベンジルオキシ)−4−メトキシベンジルアミン)、 (N−エチル−ビス(4−ドコシルオキシフェニル)メチルアミン)、 (2,4−ジ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアミン)、及び (N−エチル−2,4−ジ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアミン) (なお、上記各式は、アミノ酸又はペプチドのカルボキシル基に結合する前の状態で示している) からなる群より選ばれる化合物に由来する担体である請求項1に記載のペプチド合成方法。工程aにおいて、担体保護アミノ酸、担体保護ペプチド又は担体保護アミノ酸アミドと、N−Fmoc保護アミノ酸又はN−Fmoc保護ペプチドとの縮合を縮合剤の存在下で行う、請求項1〜11のいずれか一つに記載のペプチド合成方法。前記有機溶媒又は有機溶媒の混合液が少なくとも一つの水溶性有機溶媒を含む、請求項1〜12のいずれか一つに記載のペプチド合成方法。前記有機溶媒又は有機溶媒の混合液が、THF、DMF、シクロヘキサン、CPME,MTBE、2−メチルTHF、4−メチルTHP、酢酸イソプロピル、N−メチルピロリドン及びDCMからなる群より選ばれる少なくとも一つの有機溶媒又それらの2以上の混合液である、請求項1〜13のいずれか一つに記載のペプチド合成方法。前記2価以上の水溶性アミンが、1級又は2級のアミノ基を少なくとも1つ持つ2価以上の水溶性アミンである、請求項1〜14のいずれか一つに記載のペプチド合成方法。前記2価以上の水溶性アミンが、1−メチルピペラジン、4−アミノピペリジン、ジエチレントリアミン、トリアミノエチルアミン、1−エチルピペラジン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、エチレンジアミン及びピペラジンからなる群より選ばれる、請求項15に記載のペプチド合成方法。工程bにおける2価以上の水溶性アミンのアミン当量が、工程aの縮合反応後に理論上残存するアミノ酸当量に対して1〜10当量の量である、請求項1〜16のいずれか一つに記載のペプチド合成方法。工程cにおける2価以上の水溶性アミンのアミン当量が、系に存在するFmoc基の量に対して、5〜30当量である、請求項1〜17のいずれか一つに記載のペプチド合成方法。工程dの酸性水溶液のpHが、1〜5である、請求項1〜18のいずれか一つに記載のペプチド合成方法。前記工程より得られた担体保護ペプチドを用いて、前記工程の繰り返しを1回以上行うことを含む、請求項1〜19のいずれか一つに記載のペプチド合成方法。前記工程をワンポットで行う、請求項1〜20のいずれか一つに記載のペプチド合成方法。以下の配列:H−dArg−Arg−Pro−Hyp−Gly−Thi−Ser−dTic−Oic−Arg—OHのペプチドを合成するための、請求項1〜21のいずれか一つに記載のペプチド合成方法の使用。

说明书全文

本発明は、液相ペプチド合成において、縮合反応時に残存するアミノ酸活性エステル及びFmoc(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)基の脱保護反応時に発生するジベンゾフルベン(DBF)の除去を効率的に行う方法などに関する。

ペプチド合成技術には、固相ペプチド合成法(SPPS法)と液相ペプチド合成法(LPPS法)がある。固相ペプチド合成法は、原理的に、アミノ酸伸長反応の各段階で精製することができない。また、合成コストが高く、そのため、少量生産に向いている。一方、液相ペプチド合成法は、大量生産に汎用されているが、ペプチド鎖が長くなると、ペプチド伸長反応が難しくなり、長鎖のペプチド合成に課題がある。 そこで、溶解状態と不溶化(結晶化)状態を可逆的に繰り返すことができる担体を用いてペプチド合成を行うことが提案されている。溶解状態と不溶化状態を可逆的に繰り返すことができる担体として、様々な化合物が提案されている。例えば、本発明者らにより提案されている長鎖脂肪酸を導入したベンジル化合物(特許文献1〜4:(1)特開2003−183298号公報、(2)特開2004−059509号公報、(3)WO2007/034812号公報、(4)WO2007/122847号公報)、又は、さらに長鎖脂肪酸の末端にケイ素を導入し有機溶媒への溶解性を向上させたベンジル化合物(特許文献5:WO2017/038650号公報)、あるいは、長鎖脂肪酸を導入したフルオレン化合物(特許文献6:WO2010/104169号公報)、長鎖脂肪酸を導入したジフェニルメタン化合物(特許文献7:WO2010/113939号公報)、ベンジル型の化合物(特許文献8:WO2011/078295号公報)、分岐型の化合物(特許文献9:WO2012/029794号公報)がある。

ペプチド合成では、ペプチド伸長反応においてアミノ酸残基の欠落が起こるという問題があり、上記の担体を用いた場合においても問題となっている。アミノ酸残基の欠落の解決策として、アミノ酸及び縮合剤の当量を増やすということが行われている。しかしながら、その結果として、アミノ酸縮合反応時に、本質的にアミノ酸活性エステルが残存するという問題が生じる。反応液中に残存した過剰のアミノ酸活性エステルは、N末端の脱保護時にダブルヒットを引き起こすという問題が生じる。ダブルヒットとは、目的のペプチドにさらにアミノ酸残基が一つ以上余分に挿入されることを意味する。ダブルヒットの結果、不純物ペプチドの副生を招き、目的のペプチドの純度が低くなるという問題を生じる。また、ダブルヒットの結果生じた不純物ペプチドを除去して、目的のペプチドのみを単離・精製することは、一般に困難で煩雑な工程となる。その結果、目的のペプチドの収率が落ちるという問題がある。

上記のアミノ酸活性エステルの問題を解決するために、アミノ酸縮合反応後、脱保護前に、ペプチドを担体とともに結晶化し、固液分離により不純物を除くという方法が行われている(例えば、特許文献1〜5)。しかし、固液分離は、結晶化工程を含むため工程が煩雑で時間がかかり、さらに、洗浄工程で大量の洗浄溶媒を必要とするという問題がある。さらに、担体を結晶化するための晶析操作では、活性エステルを洗浄で完全に除去できない場合がある。また、特許文献1〜5に記載の方法は、脱Fmoc後においても、固液分離を行っている。

脱保護前に洗浄によりアミノ酸活性エステルを反応系から取り除く他の方法として、保護基としてベンジルオキシカルボニル基(Cbz又はZ)又はt−ブチルオキシカルボニル基(Boc)を用いた液相ペプチド合成法において、反応系中に残存する活性エステルを除去するために、β−アラニン−OBzなどのアニオン成分をもつアミンをスカベンジャーとして添加する方法が提案されている(特許文献10:特開2003−55396号公報)。しかしながら、保護基としてCbzを用いた場合は、ペプチド配列にMetやCysがあると、脱保護触媒が失活してしまい適用できない。また、この方法では、保護基としてFmocを用いる方法(以下、単にFmoc法という場合がある)で発生するジベンゾフルベン(DBF)の除去が困難であるため、Fmoc法に適用することが困難である。

保護基としてBocを用いた液相ペプチド合成法において、反応系中に残存するアミノ酸活性エステルを除去するために、アルカリ(例えば、5%炭酸ナトリウム水溶液)で活性エステルを加水分解しながら液−液抽出でアミノ酸成分を取り除く方法が提案されている(特許文献11:WO2007/099656号公報)。しかしこの方法でのpH=11以上のアルカリが強い条件では、エピマー化が起こる恐れがあり、また、アルカリ加水分解での活性エステルの不活化は、活性エステル種によっては困難でダブルヒットの可能性が残る。そのため、この方法では、高純度合成が困難になる。加えて、この方法ではFmoc法で発生するDBFの除去が困難であるため、Fmoc法に適用が困難である。

また、本発明者らにより、縮合反応後の反応系に、スカベンジャーとして、第一級又は第二級の炭素数が1〜14であるアルキルアミン又は芳香族アミン、あるいはヒドロキシルアミンを添加してアミノ酸活性エステルをクエンチする方法が提案されている(特許文献12:WO2016/140232号公報)。

Fmocを用いたペプチド合成反応においては、Fmoc基を脱保護する反応時に、DBFが生じる。Fmocの除去試薬(例えば、ピペリジンやDBUその他のアミン)とスカベンジャーを用いた場合は、DBF誘導体として、DBFとピペリジン、又はDBFとDBFスカベンジャーの結合体(DBF−捕捉体)が生じる。反応系にDBFが残ると、後に続くペプチド合成で副反応が発生するため、それらを効率的に除くことが望まれている。

脱Fmoc時に、アルキルチオール又は固相チオールを共存させて、DBFをスカベンジし、次いで、エーテルを用いて晶析したペプチド成分を固液分離することにより、不純物であるDBFやDBF誘導体を取り除く方法が報告されている(非特許文献1:James E. Sheppeck II ら, Tetrahedorn Letters 41(28):5329-5333 (2000))。しかし、この方法は、脱Fmoc時に発生するDBFを除去するための方法に限定されており、連続ペプチド合成にはそのままでは適応できない。

また、脱Fmoc後に得られる反応混合物を二酸化炭素と接触させることにより、ピペリジンによって生じたDBF−ピペリジンスカベンジ体を炭酸塩とした後、除去する方法が報告されている(特許文献13:WO2010/016551号公報)。しかし、ろ過等の工程が必要となり、ワンポット合成には不適である。

さらに、固形化しない担体(Tag)を用いたFmoc法において、アミノ酸活性エステルをチオールシリカでスカベンジ、又はアルカリ水で分解後、脱Fmoc反応時にω−チオールカルボン酸を共存させ、それにDBFをスカベンジさせ、アルカリ水溶化することで、アルカリ水洗浄で不要物を除去する方法が報告されている(特許文献14:WO2013/089241号公報)。しかしこの方法においては、アミノ酸活性エステルをアルカリ加水分解する場合は特許文献11と同様の問題が起きる。また、チオールで活性エステルをスカベンジすると、スカベンジ体のチオールエステルが一種の活性エステルであるため脱Fmoc後に発生するアミノ基を攻撃しダブルヒット体を形成する可能性がある。さらにアルカリ性分液では、脂溶性側鎖保護基を有するアミノ酸スカベンジ体の溶解性が悪く、除去が困難であり、ダブルヒット体、アミノ酸のω−チオールカルボン酸スカベンジ体の縮合物等の不純物が発生する可能性がある。

脱Fmoc後に中和を行い、そのままでアミノ酸の縮合を行い、固液分離によって不要物を除去する方法が報告されている(特許文献15:WO2012/165546号公報)。この方法においては、縮合反応後に不要物を固液分離で除去する必要がある。

特開2003−183298号公報

特開2004−059509号公報

WO2007/034812号公報

WO2007/122847号公報

WO2017/038650号公報

WO2010/104169号公報

WO2011/078295号公報

WO2012/029794号公報

WO2010/113939号公報

特開2003−55396号公報

WO2007/099656号公報

WO2016/140232号公報

WO2010/016551号公報

WO2013/089241号公報

WO2012/165546号公報

James E. Sheppeck II ら, Tetrahedorn Letters 41(28):5329-5333 (2000)

本発明は、液相ペプチド合成法であって、担体(Tag)を用いたFmoc法において、Tag−ペプチド成分の固液分離(濃縮、固液分離、及び乾燥操作)を行わずに不純物を除去することにより、工程時間の短縮及びTag−ペプチド成分の固形化のための貧溶媒の使用を削減することを目的とする。

本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意検討を行った結果、特定のスカベンジャーを用いることにより、縮合反応時に発生するアミノ酸活性エステルを不活性化して脱Fmoc時にアミノ酸のダブルヒットを防げるとともに、脱Fmoc時に生じるDBFを捕捉し、それらの不純物(不活性化した活性エステル及び捕捉したDBF)を、固液分離操作を用いることなく、反応系から除去できることを見いだし、本発明を完成した。本発明は以下のものを含む。

[1]液相ペプチド合成方法であって、以下の工程a〜d: a.有機溶媒又は有機溶媒の混合液中で、液相ペプチド合成用担体で保護された(以下、「担体保護」という)アミノ酸、担体保護ペプチド又は担体保護アミノ酸アミドと、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)基でアミノ基が保護された(以下、「N−Fmoc保護」という)アミノ酸又はN−Fmoc保護ペプチドとを縮合して、N−Fmoc−担体保護ペプチドを得る工程(以下、本発明の縮合反応工程という場合がある)、 b.縮合反応後の反応液に水溶性アミンを添加する工程(以下、本発明のスカベンジ反応工程という場合がある)、 c.水溶性アミンの存在下で保護されたアミノ基からFmoc基を脱保護する工程(以下、本発明の脱Fmoc反応工程という場合がある)、及び d.反応液に酸を添加して中和し、さらに酸性水溶液を添加して洗浄した後、分液し、水層を除去し、有機層を得る工程(以下、本発明の酸性水溶液洗浄工程という場合がある) を含むペプチド合成方法、 ここで、 前記液相ペプチド合成用担体は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドに直接又はリンカーを介して結合して、それらを水に不溶性にする化合物であって分子量300以上の化合物であり、 前記担体保護アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドは、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドが有する一又は複数個のアミノ基、一又は複数個のカルボキシル基、一又は複数個のチオール基、及び一又は複数個の水酸基からなる群より選ばれるいずれか一つの基に、直接又はリンカーを介して該担体が結合しているアミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドであり、かつ、 工程b及び工程cにおける水溶性アミンは、同じでも異なってもよい。 [2]前記液相ペプチド合成用担体が、 下記の構造を有する化合物(本願明細書中では「Ka」という場合がある):

(式中、R1及びR5は、水素原子であり、R2、R3及びR4は、炭素数が8〜30、好ましくは12〜22のアルコキシ基である。また、式中、RXは、下記式で表され、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する基である、

(ここでR7は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、又はアルコキシ置換ベンジル基を表し、R6は水素原子、フェニル基、又はアルコキシ置換フェニル基を表す) なお、上記式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 下記の構造を有する化合物(本願明細書中では「Kb」という場合がある):

(式中、R2、R4及びR5は、水素原子であり、R1及びR3は、炭素数が12〜30、好ましくは18〜22のアルコキシ基である。また、式中、RYは、下記式で表され、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する基である、

(ここでR7は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、又はアルコキシ置換ベンジル基を表し、R6は水素原子、フェニル基、又はアルコキシ置換フェニル基を表す) なお、上記式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、及び 下記の構造を有する化合物(本願明細書中では「Kc」という場合がある):

(式中、R1、R3及びR5は、水素原子であり、R2及びR4は、炭素数が12〜30、好ましくは18〜22のアルコキシ基である。また、式中、RZは、下記式で表され、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する基である、

(ここでR7は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、又はアルコキシ置換ベンジル基を表し、R6は水素原子、フェニル基、又はアルコキシ置換フェニル基を表す) なお、上記式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 からなる群より選ばれる化合物に由来する担体である、 上記[1]に記載のペプチド合成方法。

[3]前記液相ペプチド合成用担体が、 下記の構造を有する化合物(本願明細書中では「KS」という場合がある):

(式中、Xは、−CH2ORa(ここで、Raは、水素原子、ハロゲノカルボニル基又は活性エステル型保護基を示す)、—CH2NHRb(ここで、Rbは、水素原子、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又はアラルキル基を示す)、ハロゲノメチル基、アジ化メチル基、ホルミル基、又はオキシムを示し、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する基であり;R1、R2、R3、R4、及びR5のうち少なくとも一つは、以下の式: −O−R6−Xa−A で表される基を示し、残余の基は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示し;R6は、炭素数1から16の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、Xaは、O又はCONRc(ここで、Rcは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す)を示し、 Aは、式(1)〜式(11)のいずれかを表し、

(ここで、R7、R8及びR9は、同じでも異なってもよく、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基を示し、R10は、単結合又は炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、R11、R12及びR13は、同じでも異なってもよく、炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示す) なお、上記式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 で表される化合物に由来する担体である、 上記[1]に記載のペプチド合成方法。 [4] 前記液相ペプチド合成用担体が、 一般式(V)

[式中、環Aは芳香族環を示し;Yはヒドロキシル基、ブロモ基、クロロ基であり;Ra、Rb及びRcは独立してそれぞれ脂肪族炭化水素基を有する有機基、水素原子又は電子吸引性基を示し、かつRa、Rb及びRcの少なくとも1つは脂肪族炭化水素基を有する有機基であり;環A、B及びCは独立してそれぞれ電子吸引性基を有していてもよい]、又は 一般式(V’):

[式中、環Aは芳香族環を示し;Yはヒドロキシル基、ブロモ基又はクロロ基であり;nは1〜19の整数を表し;Rc’は脂肪族炭化水素基を有する2価の有機基であり;環A,B及びCは独立してそれぞれ脂肪族炭化水素基を有する有機基及び電子吸引性基から選ばれる1種以上を有してもよく;環Aが複数存在する場合の各環Aはそれぞれ同一でも異なっていてもよく;Yが複数存在する場合の各Yはそれぞれ同一でも異なっていてもよく;Rc’が複数存在する場合の各Rc’はそれぞれ同一でも異なっていてもよい]、 ここで、脂肪族炭化水素基を有する2価の有機基は、式(a):

(式中、Xaは存在しないか、又は−O−、−S−、−NHCO−あるいは−CONH−を示し;Rdは炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示し;k1は1〜10の整数を示し;Rdが複数存在する場合の各Rdはそれぞれ同一でも異なっていてもよく;Xaが複数存在する場合の各Xaはそれぞれ同一でも異なっていてもよい)で表される基であり、 脂肪族炭化水素基を有する有機基は、フルオレン化合物の2位及び/又は7位に存在する、式(b):

(式中、*は結合位置を示し;X1が−O−であり;R1が炭素数5〜60の脂肪族炭化水素基であり;m1が1である)で表される基、 式(c):

(式中、*は結合位置を示し;X2、X2’、X2’’及びX2’’’が−O−であり;R2及びR4は独立してそれぞれ炭素数5〜60の脂肪族炭化水素基であり;R3は炭素数5〜60の脂肪族炭化水素基を有する有機基であり;n1、n2、n3及びn4が1であり;m2が1である)で表される基、及び 式(d):

(式中、*は結合位置を示し;X8が−O−を示し;m3が2又は3であり;n5が1であり;n6が3であり;X7が−O−であり;m3個のR12が独立してそれぞれ炭素数4〜30のアルキル基である)で表される基からなる群より選ばれる1種以上の基である] で表されるフルオレン化合物、 (なお、上記各式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 に由来する担体である上記[1]に記載のペプチド合成方法。

[5] 前記液相ペプチド合成用担体が、 一般式(W)

[式中、Yはヒドロキシル基又は−NHR基(Rは水素原子、アルキル基又はアラルキル基を示す)を示し;Raは、 式(a):

[式中、*は、結合位置を示し;m1は、1〜10の整数を示し;m1個のX1は、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−、−COO−、−OCONH−、−NHCO−又は−CONH−を示し;R1及びm1個のR2は、独立してそれぞれ、炭素数5以上の2価の脂肪族炭化水素基を示し;かつR3は、水素原子、又は式(W’):

(式中、*は、結合位置を示し;n個のRbは、独立してそれぞれ、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、又は1個以上のハロゲン原子で置換されてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示し;かつnは、0〜4の整数を示す)で表される基である。]で表される基; 式(b):

(式中、*は結合位置を示し;m2は、1又は2を示し;n1、n2、n3及びn4は、独立してそれぞれ、0〜2の整数を示し;m2個のX2、m2個のX2’及びm2個のX2’’は、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−,−COO−,−OCONH−、−NHCO−又は−CONH−を示し;m2個のR4及びm2個のR6は、独立してそれぞれ、炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示し;R5は、炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基; 式(c):

(式中、*は結合位置を示し;m3は、0〜15の整数を示し;n5は0〜11の整数を示し;n6は0〜5の整数を示し;m3個のX3は、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−,−COO−,−OCONH−、−NHCO−又は−CONH−を示し;かつm3個のR7は、独立してそれぞれ、水素原子、メチル基又は炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示す)で表される基;及び 式(d):

(式中、*は、結合位置を示し;n7個のX4は、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−,−S−、−COO−、−OCONH−、−NHCO−又は−CONH−を示し;R8は、2価の脂肪族炭化水素基を示し;n7個のR9は、独立してそれぞれ、1価の脂肪族炭化水素基を示し;n7は、1〜5の整数を示し;かつArは、アリーレン基を示す。)で表される基からなる群より選ばれる脂肪族炭化水素基を有する有機基を示し、当該有機基中の総炭素数が30以上であり;n個のRbは、独立してそれぞれ、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、又は1個以上のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示し;かつnは、0〜4の整数を示す。] で表されるベンジル化合物、 (なお、上記式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 に由来する担体である上記[1]に記載のペプチド合成方法。

[6]前記液相ペプチド合成用担体が、 一般式(X)

[式中、Yは、ヒドロキシル基又は−NHR基(Rは水素原子、アルキル基又はアラルキル基を示す)を示し;k及びlは、独立してそれぞれ、0〜5の整数を示し、ただし、k+lは0ではなく;k個のRa及びl個のRbは、独立してそれぞれ、 式(a):

(式中、*は結合位置を示し;m1は、1〜10の整数を示し;m1個のX1は、独立してそれぞれ、存在しないか、あるいは−O−、−S−,−COO−,−OCONH−又は−CONH−を示し;m1個のR1は、独立してそれぞれ、炭素数5以上の2価の脂肪族炭化水素基を示す。)で表される基、 式(b):

(式中、*は結合位置を示し;m2は、1〜2の整数を示し;m2個のn1、n2、n3及びn4は、独立してそれぞれ、0〜2の整数を示し;m2個のX2、m2個のX2’、m2個のX2’’’及びm2個のX2’’は、独立してそれぞれ、存在しないか、あるいは−O−、−S−,−COO−,−OCONH−又は−CONH−を示し;m2個のR2及びR4は、独立してそれぞれ、水素原子、メチル基又は炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示し;R3は、炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示す。) で表される基、及び 式(e):

(式中、*は結合位置を示し;m3は、0〜15の整数を示し;n5は0〜11の整数を示し;n6は0〜5の整数を示し;X2は存在しないか、あるいは−O−、−S−、−NHCO−若しくは−CONH−を示し;m3個のX7は、独立してそれぞれ、存在しないか、あるいは−O−、−S−,−COO−,−OCONH−、−NHCO−又は−CONH−を示し;m3個のR12は、独立してそれぞれ、水素原子、メチル基又は炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示す)で表される基からなる群より選ばれる炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を有する有機基を示し、ここで、k+l個の脂肪族炭化水素基を有する有機基における、全脂肪族炭化水素基の合計の炭素数が16以上であり;環AはRaに加えてさらに置換基を有していてもよく;環BはRbに加えてさらに置換基を有していてもよい。] で表されるジフェニルメチル化合物; 又は、 一般式(Y)

[式中、k個のQは、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−、−C(=O)O−,−C(=O)NH−又は−NH−を示し;k個のRaは、独立してそれぞれ、分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、総分岐鎖数が3以上であって、かつ総炭素数14以上300以下である有機基を示し;kは、1〜4の整数を示し;R1は、水素原子であるか、あるいはZが下記式(a)で表される基である場合には、R2と一緒になって単結合を示して、環Bとともにフルオレン環を形成していてもよく;環Aは、R1,k個のQRa、及びC(X)(Y)Zに加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、及び1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群より選ばれる1以上の置換基を有していてもよく;Xは、水素原子又はフェニル基を示し;Yはヒドロキシル基又は−NHR基(Rは水素原子、アルキル基又はアラルキル基を示す)を示し;かつZは、水素原子又は式(a):

(式中、*は結合位置を示し;mは、0〜4の整数を示し;m個のQは、前記と同意義を示し;m個のRbは、独立してそれぞれ、分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、総分岐鎖数が3以上であって、かつ総炭素数14以上300以下である有機基を示し;R2は、水素原子を示すか、又はR1と一緒になって単結合を示して、環Aと共にフルオレン環を形成してもよく;かつ環Bは、m個のQRb、及びR2に加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、及び1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群より選ばれる1以上の置換基を有していてもよい)で表される基を示し; 前記Ra及びRbにおける分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、総分岐鎖数が3以上であって、かつ総炭素数14以上300以下である有機基が、式(b):

(式中、*は、隣接原子との結合位置を示し;R3及びR4は、独立してそれぞれ、水素原子又はC1−4アルキル基を示し;X1は、単結合、C1−4アルキレン基又は酸素原子を示す。但し、R3及びR4がともに水素原子であることはない。)で表される同一又は異なる2価の基を3以上有する基である。] で表される分岐鎖含有芳香族化合物; (なお、上記各式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 に由来する担体である上記[1]に記載のペプチド合成方法。

[7]前記液相ペプチド合成用担体が、

(式中、Xはハロゲンであり、Yは8〜12の整数であり、Zは17〜29の整数である)、

(式中、Xは、それぞれ独立に7〜21の整数である)、

(式中、Xは、それぞれ独立に11〜29の整数である)、及び

[式中、k個のQは、独立してそれぞれ−O−を示し;k個のRaは、独立してそれぞれ、下記式(Z):

[式中、*はQとの結合位置を示し;n0は2〜40の整数を示し;n0個のR5及びR6は、独立してそれぞれ、水素原子又はC1−4アルキル基(但し同時に水素原子になることは無く)を示し;n0個のX2は、独立してそれぞれ、単結合又はC1−4アルキレン基を示し;かつR7は水素原子又はC1−4アルキル基を示し;R8は、C1−4アルキル基を示す]で表される基を示し;kは、1〜4の整数を示し;R1は、水素原子であるか、あるいはZが下記式(a)で表される基である場合には、R2と一緒になって単結合を示して、環Bとともにフルオレン環を形成していてもよく;Xは、水素原子又はフェニル基を示し;Yはヒドロキシル基又は−NHR基(Rは水素原子、アルキル基又はアラルキル基を示す)を示し;かつ Zは、水素原子又は式(a):

(式中、*は結合位置を示し;mは、0〜4の整数を示し;m個のQは、前記と同意義を示し;m個のRbは、独立してそれぞれ、上記式(Z)である基を示し;R2は、水素原子を示すか、又はR1と一緒になって単結合を示して、環Aと共にフルオレン環を形成してもよく;かつ環Bは、m個のQRb、及びR2に加えて、さらに1個以上のハロゲン原子で置換されていてもよい)で表される基を示す。]で表される分岐鎖含有芳香族化合物、 (なお、上記各式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基、チオール基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 からなる群より選ばれる化合物に由来する担体である上記[1]に記載のペプチド合成方法。

[8]前記液相ペプチド合成用担体が、 下記の構造を有する化合物:

(式中、R1及びR3は、炭素数が18〜22のアルコキシ基であり、RYは、下記式で表され、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する基である、

(ここでR7は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基を表す)、 なお、上記式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 で表される化合物に由来する担体である上記[1]に記載のペプチド合成方法。 [9]前記液相ペプチド合成用担体が、

(3,4,5−トリオクタデシルオキシベンジルアルコール)、

(2,4−ジドコシルオキシベンジルアルコール)、

(2,4−ジドコシルオキシベンズアルデヒド)、

(2,4−ジドコシルオキシベンジルアミン)、

(N−エチル−2,4−ジドコシルオキシベンジルアミン)、

(3,5−ジドコシルオキシベンジルアルコール)、

(2,4−ジ(11’−トリイソプロピルシリルオキシウンデシルオキシ)ベンジルアルコール)、

(2,4−ジ(11’−t−ブチルジフェニルシリルオキシウンデシルオキシ)ベンジルアルコール)、

(式中、Xは、F又はClである)、

(2−(3’,4’,5’−トリオクタデシルオキシベンジル)−4−メトキシベンジルアルコール)、

(ビス(4−ドコシルオキシフェニル)メチルアミン)、

(2,4−ジ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアルコール)、

(3,4,5−トリ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアルコール)、

(ビス[4−(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)フェニル]メチルアミン)、及び

(N−エチル−ビス[4−(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)フェニル]メチルアミン) (なお、上記各式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基、チオール基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で示している)、 からなる群より選ばれる化合物に由来する担体である上記[1]に記載のペプチド合成方法。 [10]前記液相ペプチド合成用担体が、

(式中、Xは、F又はClである)、

(N−エチル−2,4−ジ(11’−トリイソプロピルシリルオキシウンデシルオキシ)ベンジルアミン)、

(N−エチル−2,4−ジ(11’−t−ブチルジフェニルシリルオキシウンデシルオキシ)ベンジルアミン)、

(N−エチル−2−(3’,4’,5’−トリオクタデシルオキシベンジルオキシ)−4−メトキシベンジルアミン)、

(N−エチル−ビス(4−ドコシルオキシフェニル)メチルアミン)、

(2,4−ジ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアミン)、及び

(N−エチル−2,4−ジ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアミン)、 (なお、上記各式は、アミノ酸又はペプチドのカルボキシル基に結合する前の状態で示している) からなる群より選ばれる化合物に由来する担体である、上記[1]に記載のペプチド合成方法。

[11]前記有機溶媒又は有機溶媒の混合液が、THF、DMF、シクロヘキサン、CPME,MTBE、2−メチルTHF、4−メチルTHP、酢酸イソプロピル、DCM、及びN−メチルピロリドンからなる群より選ばれる少なくとも一つの有機溶媒又それらの2以上の混合液である、[1]〜[10]のいずれか一つに記載のペプチド合成方法。 [12]前記水溶性アミンが、1級又は2級のアミノ基を少なくとも1つ持つ2価以上の水溶性アミンであり、好ましくは、1−メチルピペラジン、4−アミノピペリジン、ジエチレントリアミン、トリアミノエチルアミン、1−エチルピペラジン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、エチレンジアミン及びピペラジン、より好ましくは、1−メチルピペラジン、4−アミノピペリジン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、及びジエチレントリアミン、さらに好ましくは、1−メチルピペラジンからなる群より選ばれる、上記[1]〜[11]のいずれか一つに記載のペプチド合成方法。 [13]工程bにおける水溶性アミンのアミン当量が、工程aの縮合反応後に理論上残存するアミノ酸当量に対して1〜10当量(好ましくは1〜6当量、より好ましくは1〜4当量)の量である、上記[1]〜[12]のいずれか一つに記載のペプチド合成方法。 [14]工程cにおける水溶性アミンのアミン当量が、系に存在するFmoc基の量に対して、5〜30当量(好ましくは5〜20当量、より好ましくは10〜20当量)である、上記[1]〜[13]のいずれか一つに記載のペプチド合成方法。 [15]工程dの酸性水溶液のpHが、1〜5(好ましくは1〜4、さらに好ましくは1〜3)である、上記[1]〜[14]のいずれか一つに記載のペプチド合成方法。 [16]前記工程より得られた担体保護ペプチドを用いて、前記工程の繰り返しを1回以上行うことを含む、上記[1]〜[15]のいずれか一つに記載のペプチド合成方法。 [17]前記工程をワンポットで行う、上記[1]〜[16]のいずれか一つに記載のペプチド合成方法。 [18]以下の配列:H−dArg−Arg−Pro−Hyp−Gly−Thi−Ser−dTic−Oic−Arg—OH(配列番号1)のペプチドを合成するための、上記[1]〜[17]のいずれか一つに記載のペプチド合成方法の使用。

本発明のペプチド合成方法は、簡便な手段で、反応系中に存在するアミノ酸活性エステルの問題とDBFの問題を同時に解決するとともに、固液分離操作を削減することができる。本発明によれば、ペプチド合成の工程時間を短縮することができ、また、固液分離操作を削減することにより、溶媒の使用を削減できる。

以下、本発明を、例示的な実施態様を例として、本発明の実施において使用することができる好ましい方法及び材料とともに説明する。 なお、文中で特に断らない限り、本明細書で用いるすべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に一般に理解されるのと同じ意味をもつ。また、本明細書に記載されたものと同等又は同様の任意の材料及び方法は、本発明の実施において同様に使用することができる。 また、本明細書に記載された発明に関連して本明細書中で引用されるすべての刊行物及び特許は、例えば、本発明で使用できる方法や材料その他を示すものとして、本明細書の一部を構成するものである。

本明細書中で、「X〜Y」という表現を用いた場合は、下限としてXを、上限としてYを含む意味で用いる。本明細書において「約」とは、±10%を許容する意味で用いる。

本発明の方法で合成されるペプチドの構成単位となるアミノ酸は、天然のアミノ酸又は非天然のアミノ酸のいずれもよく、L型又はD型のいずれのアミノ酸でもよく、また、それらのアミノ酸が混合したものでもよい。非天然アミノ酸としては、特に制限されず、公知の非天然の任意のアミノ酸、又は、公知の技術を参照して任意の修飾を加えたアミノ酸を用いてもよい。 公知の非天然アミノ酸としては、これに限定されないが、例えば、N−メチル修飾アミノ酸、N−2,4−ジメトキシベンジル修飾アミノ酸、α—メチルアラニン、D−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸、及び、L−オクタヒドロインドリン−2−カルボン酸を挙げることができる。 また、天然の又は非天然のアミノ酸に、任意の修飾を加えたアミノ酸も本発明の方法において用いることができる。任意の修飾としては、特に制限されず、アミノ酸合成に関わる技術分野において、公知又は慣用の技術を用いてアミノ酸に付加できる修飾であれば制限なく用いることができる。例えば、低分子の有機化合物の付加、リン酸化、ビオチン化、PEG化、糖鎖修飾、蛍光修飾を挙げることができる。

本発明の一つの態様において、本発明は、特定の液相ペプチド合成用担体で保護されたアミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドと、N−Fmoc保護アミノ酸又はペプチドを縮合する工程、縮合反応後残存する活性エステルをクエンチする工程、縮合したN−Fmoc−担体保護ペプチドからFmoc基を脱保護する工程、並びに、反応液を酸で中和し次いで酸性水溶液で洗浄する工程を含むペプチドの合成方法において、縮合工程の後及びFmoc基を脱保護する工程において水溶性アミンを用いることを特徴とするペプチド合成方法である。 本発明の別の態様において、本発明は、上記のペプチド合成方法をワンポットで行うペプチド合成方法である。 本発明のまた別の態様において、本発明は、上記ペプチド合成方法を連続して行うペプチド合成方法である。 本発明のその他の態様において、本発明は、上記ペプチド合成方法において、アミノ酸又はペプチドのカルボキシル基と結合し得る反応基としてアミノ基を含む反応基を有する担体を用いることにより、カルボキシル基末端がアミド化されたペプチドを得るためのペプチド合成方法である。

本発明のペプチド合成方法を以下に説明する。 1.N−Fmoc保護アミノ酸及びペプチド 9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)基でアミノ基が保護されたアミノ酸(N−Fmoc保護アミノ酸)又はN−Fmoc保護ペプチドとは、アミノ酸又はペプチドのアミノ基がFmoc基で保護されており、一方、カルボキシル基は保護されておらず反応性であるアミノ酸又はペプチドを意味する。アミノ酸又はペプチドが1以上のアミノ基を有する場合は、少なくとも一つのアミノ基がFmoc基で保護されていれば良い。 なお、N−Fmoc保護アミノ酸又はペプチドが、水酸基、アミノ基、グアニジル基、カルボキシル基、チオール基、インドール基、イミダゾール基等の反応性に富む官能基を有する場合、これらの官能基にペプチド合成で用いられる一般的な保護基が導入されていてもよく、反応終了後の任意の時点で、必要に応じて保護基を除去することで目的化合物を得ることができる。 水酸基の保護基としてはtBu基、Trt基、Bz基、アセチル基、シリル基等が挙げられ、アミノ基の保護基としては、Boc基、Fmoc基、Cbz基、Trt基、Mmt基、ivDde基等が挙げられ、グアニジル基の保護基としては、Pbf基、Pmc基、ニトロ基等が挙げられ、カルボキシル基の保護基としてはtBu基、メチル基、エチル基、Bz基等が挙げられ、チオール基の保護基としては、Trt基、Acm基、tBu基、S−tBu基等が挙げられ、インドール基の保護基としては、Boc基等が挙げられ、イミダゾール基の保護基としては、Boc基、Bom基、Bum基、Trt基等を挙げることができる。

2.担体保護アミノ酸、ペプチド及びアミノ酸アミド 液相ペプチド合成用担体で保護されたアミノ酸(担体保護アミノ酸)又は担体保護ペプチドとは、アミノ酸又はペプチドの反応基の一つが以下に記載の液相ペプチド合成用担体により直接又はリンカーを介して保護されており、少なくとも一つのアミノ基が反応性の状態であるアミノ酸又はペプチドをいう。好ましくは、アミノ酸又はペプチドのカルボキシル基が以下に記載の液相ペプチド合成用担体で保護され、一方、アミノ基は保護されておらず反応性である。 担体保護アミノ酸アミドとは、アミノ酸アミドの少なくとも一つのアミド基が以下に記載の液相ペプチド合成用担体により直接又はリンカーを介して保護され、少なくとも一つのアミノ基は保護されておらず反応性であるアミノ酸アミドをいう。 なお、担体保護アミノ酸、担体保護ペプチド、又は担体保護アミノ酸アミドが、水酸基、アミノ基、グアニジル基、カルボキシル基、チオール基、インドール基、イミダゾール基等の反応性に富む官能基を有する場合、これらの官能基にペプチド合成で用いられる一般的な保護基が導入されていてもよく、反応終了後に、必要に応じて保護基を除去することで目的化合物を得ることができる。 水酸基の保護基としてはtBu基、Trt基、Bz基、アセチル基、シリル基等が挙げられ、アミノ基の保護基としては、Boc基、Fmoc基、Cbz基、Trt基、Mmt基、ivDde基等が挙げられ、グアニジル基の保護基としては、Pbf基、Pmc基、ニトロ基等が挙げられ、カルボキシル基の保護基としてはtBu基、メチル基、エチル基、Bz基等が挙げられ、チオール基の保護基としては、Trt基、Acm基、tBu基、S−tBu基等が挙げられ、インドール基の保護基としては、Boc基等が挙げられ、イミダゾール基の保護基としては、Boc基、Bom基、Bum基、Trt基等を挙げることができる。

3.液相ペプチド合成用担体 本発明で用いる液相ペプチド合成用担体とは、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドに直接又はリンカーを介して結合して、それらを水に不溶性にする化合物であって分子量300以上の化合物である。本発明で用いる担体は、これに限定されないが、好ましくは、担体が溶解している溶媒の組成変化により、溶解状態と不溶化(結晶化又はオイル化)状態とが可逆的に変化する特性を有する化合物である。なお、本発明のペプチド合成方法の実施態様において、担体が不溶化することは必要ではなく、また、担体が不溶化するような溶媒の組成変化を行うことも必要ではない。 これに限定されないが、本発明のペプチド合成方法に用いる担体保護アミノ酸、担体保護ペプチド又は担体保護アミノ酸アミドを調製する工程において、担体を固体化(例えば、結晶化)してもよいし、また、本発明のペプチド合成方法により得られた有機層(有機溶媒又は有機溶媒の混合物の層)に溶解した担体保護ペプチドを回収する工程において、担体を固体化(例えば、結晶化)してもよい。 本発明で用いる液相ペプチド合成用担体は、好ましくは、以下に記載の担体化合物から由来する担体である。以下、本発明で用いることができる担体の構造を、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基、チオール基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する前の状態で説明する。

3−1.担体化合物A 下記の構造を有する化合物(本願明細書中では「Ka」という場合がある):

(式中、R1及びR5は、水素原子であり、R2、R3及びR4は、炭素数が8〜30のアルコキシ基である。また、式中、RXは、下記式で表され、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する基である、

(ここでR7は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、又はアルコキシ置換ベンジル基を表し、R6は水素原子、フェニル基、又はアルコキシ置換フェニル基を表す))。 上記式中、R2、R3及びR4は、より好ましくは炭素数が8〜22、さらに好ましくは炭素数が12〜18のアルコキシ基である。 上記式中、RXは、好ましくはヒドロキシメチル基、アミノメチル基、メルカプトメチル基であり、より好ましくはヒドロキシメチル基である。 上記式に含まれる化合物で、好ましいものは3,4,5−トリオクタデシルオキシベンジルアルコール、3,4,5−トリオクタデシルオキシベンジルアミン、3,4,5−トリオクタデシルオキシベンジルチオールであり、より好ましいものは3,4,5−トリオクタデシルオキシベンジルアルコール、3,4,5−トリオクタデシルオキシベンジルアミンであり、よりさらに好ましいものは下記式で表される3,4,5−トリオクタデシルオキシベンジルアルコールである。

アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーへの上記化合物(Ka)の結合は、ペプチド合成において一般的に用いられる方法を本発明においても制限なく用いることができ、例えば、DIPCIを用いたエステル化により行うことができる。

3−2.担体化合物B 下記の構造を有する化合物(本願明細書中では「Kb」という場合がある):

(式中、R2、R4及びR5は、水素原子であり、R1及びR3は、炭素数が12〜30のアルコキシ基である。また、式中、RYは、下記式で表され、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する基である、

(ここでR7は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、又はアルコキシ置換ベンジル基を表し、R6は水素原子、フェニル基、又はアルコキシ置換フェニル基を表す))。 上記式中、R1及びR3は、好ましくは炭素数が18〜22のアルコキシ基である。 上記式中、RYは、好ましくはヒドロキシメチル基、アミノメチル基、メルカプトメチル基であり、より好ましくはヒドロキシメチル基又はアミノメチル基である。 上記式中、他の好ましいものは、下記の構造を有する化合物:

(式中、R1及びR3は、炭素数が18〜22のアルコキシ基であり、RYは、下記式で表され、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する基である、

(ここでR7は水素原子、炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基を表す))である。 上記式に含まれる具体的化合物で、好ましいものは2,4−ジドコシルオキシベンジルアルコール、2,4−ジドコシルオキシベンジルアミン、2,4−ジドコシルオキシベンジルチオール、N−エチル−2,4−ジドコシルオキシベンジルアミンであり、より好ましいものは下記式で表される2,4−ジドコシルオキシベンジルアルコール、

又は、下記式で表される2,4−ジドコシルオキシベンジルアミン、

又は、下記式で表されるN−エチル−2,4−ジドコシルオキシベンジルアミンである。

アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーへの上記化合物(Kb)の結合は、ペプチド合成において一般的に用いられる方法を本発明においても制限なく用いることができ、例えば、DIPCIを用いたエステル化により行うことができる。

3−3.担体化合物C 下記の構造を有する化合物(本願明細書中では「Kc」という場合がある):

(式中、R1、R3及びR5は、水素原子であり、R2及びR4は、炭素数が12〜30のアルコキシ基である。また、式中、RZは、下記式で表され、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する基である、

(ここでR7は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、又はアルコキシ置換ベンジル基を表し、R6は水素原子、フェニル基、又はアルコキシ置換フェニル基を表す))。 上記式中、R2及びR4は、好ましくは炭素数が18〜22のアルコキシ基である。 上記式中、RZは、好ましくはヒドロキシメチル基、アミノメチル基、メルカプトメチル基であり、より好ましくはヒドロキシメチル基である。 上記式に含まれる化合物で好ましいものは、3,5−ジドコシルオキシベンジルアルコール、3,5−ジドコシルオキシベンジルアミン、3,5−ジドコシルオキシベンジルチオールであり、より好ましいものは3,5−ジドコシルオキシベンジルアルコール、3,5−ジドコシルオキシベンジルアミンであり、よりさらに好ましいものは下記式で表される3,5−ジドコシルオキシベンジルアルコールである。

アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーへの上記化合物(Kc)の結合は、ペプチド合成において一般的に用いられる方法を本発明においても制限なく用いることができ、例えば、DIPCIを用いたエステル化により行うことができる。

3−4.担体化合物D 下記の構造を有する化合物(本願明細書中では「KS」という場合がある):

(式中、Xは、−CH2ORa(ここで、Raは、水素原子、ハロゲノカルボニル基又は活性エステル型保護基を示す)、—CH2NHRb(ここで、Rbは、水素原子、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又はアラルキル基を示す)、ハロゲノメチル基、アジ化メチル基、ホルミル基、又はオキシムを示し、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーに結合する基であり;R1、R2、R3、R4、及びR5のうち少なくとも一つは、以下の式: −O−R6−Xa−A で表される基を示し、残余の基は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示し;R6は、炭素数1〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、Xaは、O又はCONRc(ここで、Rcは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す)を示し; Aは、式(1)〜式(11)のいずれかを表し、

(ここで、R7、R8及びR9は、同じでも異なってもよく、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基を示し、R10は、単結合又は炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、R11、R12及びR13は、同じでも異なってもよく、炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示す。)。 上記式中、Xは、好ましくは、−CH2ORa(ここで、Raは、水素原子、ハロゲノカルボニル基又は活性エステル型保護基を示す)、—CH2NHRb(ここで、Rbは、水素原子、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又はアラルキル基を示す)、又はハロゲノメチル基である。 上記式中、R6は、好ましくは炭素数2〜16、より好ましくは炭素数が6〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基である。 上記式に含まれる化合物で、好ましいものは、下記式で示される2,4−ジ(11’−トリイソプロピルシリルオキシウンデシルオキシ)ベンジルアルコール、2,4−ジ(11’−t−ブチルジフェニルシリルオキシウンデシルオキシ)ベンジルアルコール、N−エチル−2,4−ジ(11’−トリイソプロピルシリルオキシウンデシルオキシ)ベンジルアミン、又はN−エチル−2,4−ジ(11’−t−ブチルジフェニルシリルオキシウンデシルオキシ)ベンジルアミンである。

アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーへの上記化合物(KS)の結合は、ペプチド合成において一般的に用いられる方法を本発明においても制限なく用いることができ、例えば、DIPCIを用いたエステル化により行うことができる。

3−5.担体化合物E 下記の構造を有する化合物(本願明細書中では「KJ1」という場合がある): 一般式(V):

[式中、環Aは芳香族環を示し;Yはヒドロキシル基、ブロモ基、クロロ基であり;Ra、Rb及びRcは独立してそれぞれ脂肪族炭化水素基を有する有機基、水素原子又は電子吸引性基を示し、かつRa、Rb及びRcの少なくとも1つは脂肪族炭化水素基を有する有機基であり;環A、B及びCは独立してそれぞれ電子吸引性基を有していてもよい]、又は 一般式(V’):

[式中、環Aは芳香族環を示し;Yはヒドロキシル基、ブロモ基又はクロロ基であり;nは1〜19の整数を表し;Rc’は脂肪族炭化水素基を有する2価の有機基であり;環A,B及びCは独立してそれぞれ脂肪族炭化水素基を有する有機基及び電子吸引性基から選ばれる1種以上を有してもよく;環Aが複数存在する場合の各環Aはそれぞれ同一でも異なっていてもよく;Yが複数存在する場合の各Yはそれぞれ同一でも異なっていてもよく;Rc’が複数存在する場合の各Rc’はそれぞれ同一でも異なっていてもよい]、 ここで脂肪族炭化水素基を有する2価の有機基は、 式(a):

(式中、Xaは存在しないか、又は−O−、−S−、−NHCO−あるいは−CONH−を示し;Rdは炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示し;k1は1〜10の整数を示し;Rdが複数存在する場合の各Rdはそれぞれ同一でも異なっていてもよく;Xaが複数存在する場合の各Xaはそれぞれ同一でも異なっていてもよい)で表される基であり、 脂肪族炭化水素基を有する有機基は、フルオレン化合物の2位及び/又は7位に存在する、 式(b):

(式中、*は結合位置を示し;X1が−O−であり;R1が炭素数5〜60の脂肪族炭化水素基であり;m1が1である)で表される基、 式(c):

(式中、*は結合位置を示し;X2、X2’、X2’’及びX2’’’が−O−であり;R2及びR4は独立してそれぞれ炭素数5〜60の脂肪族炭化水素基であり;R3は炭素数5〜60の脂肪族炭化水素基を有する有機基であり;n1、n2、n3及びn4が1であり;m2が1である)で表される基、及び 式(d):

(式中、*は結合位置を示し;X8が−O−を示し;m3が2又は3であり;n5が1であり;n6が3であり;X7が−O−であり;m3個のR12が独立してそれぞれ炭素数4〜30のアルキル基である)で表される基、 からなる群より選ばれる1種以上の基である] で表されるフルオレン化合物。 上記式に含まれる化合物で、好ましいものは、下記式で表される。

(式中、Xはハロゲンであり、Yは8〜12の整数であり、Zは17〜29の整数である)、又は、

(式中、Xはハロゲンであり、Yは18〜22の整数である)。 上記式中、Xは、好ましくはF又はClであり、より好ましくはFである。 最も好ましいものは下記式で表される。

(式中、XはF又はClである)、又は、

(式中、Xは、F又はClである)。

アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基、チオール基又は水酸基、あるいはリンカーへの上記化合物(KJ1)の結合は、ペプチド合成において一般的に用いられる方法を本発明においても制限なく用いることができ、例えば、塩基触媒によるエステル化により行うことができる。

3−5.担体化合物F 下記の構造を有する化合物(本願明細書中では「KJ2」という場合がある):

[式中、Yはヒドロキシル基又は−NHR基(Rは水素原子、アルキル基又はアラルキル基を示す)を示し;Raは、 式(a):

[式中、*は、結合位置を示し;m1は、1〜10の整数を示し;m1個のX1は、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−、−COO−、−OCONH−、−NHCO−又は−CONH−を示し;R1及びm1個のR2は、独立してそれぞれ、炭素数5以上の2価の脂肪族炭化水素基を示し;かつR3は、水素原子、又は式(W’):

(式中、*は、結合位置を示し;n個のRbは、独立してそれぞれ、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、又は1個以上のハロゲン原子で置換されてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示し;かつnは、0〜4の整数を示す)で表される基である。]で表される基;、 式(b):

(式中、*は結合位置を示し;m2は、1又は2を示し;n1、n2、n3及びn4は、独立してそれぞれ、0〜2の整数を示し;m2個のX2、m2個のX2’及びm2個のX2’’は、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−,−COO−,−OCONH−、−NHCO−又は−CONH−を示し;m2個のR4及びm2個のR6は、独立してそれぞれ、炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示し;R5は、炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示す)で表される基; 式(c):

(式中、*は結合位置を示し;m3は、0〜15の整数を示し;n5は0〜11の整数を示し;n6は0〜5の整数を示し;m3個のX3は、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−,−COO−,−OCONH−、−NHCO−又は−CONH−を示し;かつm3個のR7は、独立してそれぞれ、水素原子、メチル基又は炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示す)で表される基;及び 式(d):

(式中、*は、結合位置を示し;n7個のX4は、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−,−S−、−COO−、−OCONH−、−NHCO−又は−CONH−を示し;R8は、2価の脂肪族炭化水素基を示し;n7個のR9は、独立してそれぞれ、1価の脂肪族炭化水素基を示し;n7は、1〜5の整数を示し;かつArは、アリーレン基を示す)で表される基からなる群より選ばれる脂肪族炭化水素基を有する有機基を示し、当該有機基中の総炭素数が30以上であり;n個のRbは、独立してそれぞれ、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、又は1個以上のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示し;かつnは、0〜4の整数を示す]で表されるベンジル化合物。 上記式に含まれる化合物で、好ましいものは、下記式で表される。

(式中、Xは、独立してそれぞれ7〜21の整数であり、Yはヒドロキシル基又は−NHR基(Rは水素原子、アルキル基又はアラルキル基を示す)を示す)を示す)。 最も好ましいものは下記式で表される、2−(3’,4’,5’−トリオクタデシルオキシベンジル)−4−メトキシベンジルアルコール、又はN−エチル−2−(3’,4’,5’−トリオクタデシルオキシベンジルオキシ)−4−メトキシベンジルアミンである。

アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基又は水酸基、あるいはリンカーへの上記化合物(KJ2)の結合は、ペプチド合成において一般的に用いられる方法を本発明においても制限なく用いることができ、例えば、DIPCIによるエステル化により行うことができる。

3−6.担体化合物G 下記の構造を有する化合物(本願明細書中では「KJ3」という場合がある):

[式中、Yは、ヒドロキシル基又は−NHR基(Rは水素原子、アルキル基又はアラルキル基を示す)を示し;k及びlは、独立してそれぞれ、0〜5の整数を示し、ただし、k+lは0ではなく;k個のRa及びl個のRbは、独立してそれぞれ、 式(a):

(式中、*は結合位置を示し;m1は、1〜10の整数を示し;m1個のX1は、独立してそれぞれ、存在しないか、あるいは−O−、−S−,−COO−,−OCONH−又は−CONH−を示し;m1個のR1は、独立してそれぞれ、炭素数5以上の2価の脂肪族炭化水素基を示す)で表される基、 式(b):

(式中、*は結合位置を示し;m2は、1〜2の整数を示し;m2個のn1、n2、n3及びn4は、独立してそれぞれ、0〜2の整数を示し;m2個のX2、m2個のX2’、m2個のX2’’’及びm2個のX2’’は、独立してそれぞれ、存在しないか、あるいは−O−、−S−,−COO−,−OCONH−又は−CONH−を示し;m2個のR2及びR4は、独立してそれぞれ、水素原子、メチル基又は炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示し;R3は、炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示す) で表される基、及び 式(e):

(式中、*は結合位置を示し;m3は、0〜15の整数を示し;n5は0〜11の整数を示し;n6は0〜5の整数を示し;X2は存在しないか、あるいは−O−、−S−、−NHCO−若しくは−CONH−を示し;m3個のX7は、独立してそれぞれ、存在しないか、あるいは−O−、−S−,−COO−,−OCONH−、−NHCO−又は−CONH−を示し;m3個のR12は、独立してそれぞれ、水素原子、メチル基又は炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を示す)で表される基 からなる群より選ばれる炭素数5以上の脂肪族炭化水素基を有する有機基を示し、ここで、k+l個の脂肪族炭化水素基を有する有機基における、全脂肪族炭化水素基の合計の炭素数が16以上であり;環AはRaに加えてさらに置換基を有していてもよく;環BはRbに加えてさらに置換基を有していてもよい。] で表されるジフェニルメチル化合物。 上記式に含まれる化合物で、好ましいものは、下記式で表される。

(式中、Xは、それぞれ独立に11〜29の整数であり、Yは−NHR基(Rは水素原子、アルキル基又はアラルキル基を示す)を示す)。 最も好ましいものは下記式で表される、ビス(4−ドコシルオキシフェニル)メチルアミン、又はN−エチル−ビス(4−ドコシルオキシフェニル)メチルアミンである。

アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基への上記化合物(KJ3)の結合は、ペプチド合成において一般的に用いられる方法を本発明においても制限なく用いることができ、例えば、DIPCI/HOBtによるアミド化により行うことができる。

3−7.担体化合物H 下記の構造を有する化合物(本願明細書中では「KJ4」という場合がある):

[式中、k個のQは、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−、−C(=O)O−,−C(=O)NH−又は−NH−を示し;k個のRaは、独立してそれぞれ、分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、総分岐鎖数が3以上であって、かつ総炭素数14以上300以下である有機基を示し;kは、1〜4の整数を示し;R1は、水素原子であるか、あるいはZが下記式(a)で表される基である場合には、R2と一緒になって単結合を示して、環Bとともにフルオレン環を形成していてもよく;環Aは、R1,k個のQRa、及びC(X)(Y)Zに加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、及び1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群より選ばれる1以上の置換基を有していてもよく;Xは、水素原子又はフェニル基を示し;Yはヒドロキシル基又は−NHR基(Rは水素原子、アルキル基又はアラルキル基を示す)を示し;かつZは、水素原子又は式(a):

(式中、*は結合位置を示し;mは、0〜4の整数を示し;m個のQは、前記と同意義を示し;m個のRbは、独立してそれぞれ、分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、総分岐鎖数が3以上であって、かつ総炭素数14以上300以下である有機基を示し;R2は、水素原子を示すか、又はR1と一緒になって単結合を示して、環Aと共にフルオレン環を形成してもよく;かつ環Bは、m個のQRb、及びR2に加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、及び1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群より選ばれる1以上の置換基を有していてもよい)で表される基を示し; 前記Ra及びRbにおける分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、総分岐鎖数が3以上であって、かつ総炭素数14以上300以下である有機基が、式(b):

(式中、*は、隣接原子との結合位置を示し;R3及びR4は、独立してそれぞれ、水素原子又はC1−4アルキル基を示し;X1は、単結合、C1−4アルキレン基又は酸素原子を示す。但し、R3及びR4がともに水素原子であることはない)で表される同一又は異なる2価の基を3以上有する基である]であらわされる分岐鎖含有芳香族化合物。 上記式に含まれる化合物で、好ましいものは、下記式で表される。

[式中、k個のQは、独立してそれぞれ−O−を示し;k個のRaは、独立してそれぞれ、下記式(Z):

[式中、*はQとの結合位置を示し;n0は2〜40の整数を示し;n0個のR5及びR6は、独立してそれぞれ、水素原子又はC1−4アルキル基(但し同時に水素原子になることは無く)を示し;n0個のX2は、独立してそれぞれ、単結合又はC1−4アルキレン基を示し;かつR7は水素原子又はC1−4アルキル基を示し;R8は、C1−4アルキル基を示す]で表される基を示し; kは、1〜4の整数を示し;R1は、水素原子であるか、あるいはZが下記式(a)で表される基である場合には、R2と一緒になって単結合を示して、環Bとともにフルオレン環を形成していてもよく;Xは、水素原子又はフェニル基を示し;Yはヒドロキシル基又は−NHR基(Rは水素原子、アルキル基又はアラルキル基を示す)を示し;かつZは、水素原子又は式(a):

(式中、*は結合位置を示し;mは、0〜4の整数を示し;m個のQは、前記と同意義を示し;m個のRbは、独立してそれぞれ、上記式(Z)である基を示し;R2は、水素原子を示すか、又はR1と一緒になって単結合を示して、環Aと共にフルオレン環を形成してもよく;かつ環Bは、m個のQRb、及びR2に加えて、さらに1個以上のハロゲン原子で置換されていてもよい)で表される基を示す。]で表される分岐鎖含有芳香族化合物。 上記式に含まれる化合物で、さらに好ましいものは、下記式で表される2,4−ジ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアルコール、

、又は、下記式で表される3,4,5−トリ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアルコール、

、又は、下記式で表される2,4−ジ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアミン、

、又は、下記式で表されるN−エチル−2,4−ジ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアミン、

、又は、下記式で表されるビス[4−(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)フェニル]メチルアミン、

、又は、下記式で表されるN−エチル−ビス[4−(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)フェニル]メチルアミンである。

アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基への上記化合物(KJ4)の結合は、ペプチド合成において一般的に用いられる方法を本発明においても制限なく用いることができ、例えば、DIPCI/HOBtによるアミド化により行うことができる。

4.リンカー 本発明で用いる担体保護アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドは、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドが有するアミノ基、カルボキシル基、チオール基又は水酸基に、直接又はリンカーを介して上記担体が結合している。 ここでいうリンカーとは、リンカーの一方が、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドが有する一又は複数個のアミノ基、一又は複数個のカルボキシル基、一又は複数個のチオール基、及び一又は複数個の水酸基からなる群より選ばれるいずれか一つの基と結合し、他方が担体と結合する2つの反応基をもつ有機基である。好ましくは、本発明で用いることができるリンカーは、分子量が約2000以下(好ましくは約1500以下、より好ましくは約1000以下)の有機基であって、反応基として、同じでも異なってもよく、アミノ基、カルボキシル基、及びハロメチル基からなる群より選ばれる少なくとも2つの基を分子内にもつ化合物である。これらに限定されないが、例えば、以下の化合物を挙げることができる。

(式中、Yは1〜6、好ましくは1〜4の整数である)。

(式中、Xはハロゲン原子、好ましくは、塩素又は臭素である)。

(式中、Zは2〜40、好ましくは2〜35、より好ましくは、2〜28の整数である)。 (上記リンカーの構造式は、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドのカルボキシル基、アミノ基、チオール基又は水酸基に結合する前の状態かつ担体と結合する前の状態を示す)。

上記リンカーを含む担体保護アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドの調製は、リンカーへの結合の順番は特に限定されず、上記リンカーの一方をアミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドに結合した後に他方を担体に結合しても良く、あるいは、上記リンカーの一方を担体に結合した後に他方をアミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドに結合してもよい。 上記リンカーの一方とアミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドとの結合は、互いに結合するリンカーの基及びアミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドの基に応じて、公知の方法を適宜参照して行うことができる。例えば、これに限定されないが、DIPCI/HOBtによるアミド化を挙げることができる。 上記リンカーの一方と担体との結合は、互いに結合するリンカーの基及び担体の基に応じて、公知の方法を適宜参照して行うことができる。例えば、これに限定されないが、DIPCIによるエステル化を挙げることができる。

5.溶媒 本発明の方法において用いる溶媒は、特に制限されず、液相ペプチド合成において用いられる溶媒を用いることができる。溶媒としては、これに限定されないが、例えば、THF、DMF、シクロヘキサン、CPME,MTBE、2−メチルTHF、4−メチルTHP、酢酸イソプロピル、クロロホルム、ジクロロメタン、N−メチルピロリドンを挙げることができ、好ましくは、THF、DMF、シクロヘキサン、CPME,MTBE、2−メチルTHF、4−メチルTHP、酢酸イソプロピル、N−メチルピロリドンである。さらに、上記溶媒の2種以上の混合溶媒でもよい。

本発明のペプチド合成方法に用いる出発物質の調製のために、又は、本発明のペプチド合成方法を用いて合成したペプチドを回収するために、担体を固体化(結晶化)する場合は、極性溶媒を用いる。用いる極性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、プロピオニトリル、DMF、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、水等、ならびにこれら2種以上の混合溶媒が挙げられる。中でも、メタノール又はアセトニトリルが好適に使用される。

6.ペプチドの合成方法 本発明のペプチド合成方法は、縮合反応工程、Fmoc基の脱保護工程、及び担体保護ペプチドの回収工程までの一連の工程を、固液分離操作を行うことなく連続して行うことができる、さらに、合成工程で発生する不純物を分液分離により軽減又は除去することができる。そのため、連続ペプチド合成方法として適している。 本発明のペプチド合成方法によるペプチドの合成は以下の工程を含む。 (i)縮合反応工程 有機溶媒又は有機溶媒の混合液中で、縮合剤の存在下、担体保護アミノ酸、担体保護ペプチド又は担体保護アミノ酸アミドと、N−Fmoc保護アミノ酸又はN−Fmoc保護ペプチドとを縮合して、N−Fmoc−担体保護ペプチドを得る工程、 (ii)スカベンジ反応工程 縮合反応後の反応液に、水溶性アミン(以下、アミンスカベンジャーと呼ぶ場合がある)を添加して、アミノ酸活性エステルのスカベンジ体を形成する工程、 (iii)脱Fmoc工程 水溶性アミンの存在下で保護されたN末端からFmoc基を脱保護する工程、及び (iv)酸性水溶液洗浄工程 反応液に酸を添加して中和し、さらに酸性水溶液を添加し洗浄した後、分液し、水層を除去する工程。

上記工程は、担体保護アミノ酸、担体保護ペプチド又は担体保護アミノ酸アミド、N−Fmoc−担体保護ペプチドの固形化(結晶化)を伴う固液分離操作を必要としないので、ワンポットで行うことができる。 さらに、上記工程を行うことにより、合成反応の開始時に比べアミノ酸又はペプチドが付加された担体保護ペプチドが有機層に溶解された状態で回収できる。また、担体保護ペプチドが溶解した有機層からは不純物が軽減又は除去されているので、そのままの状態で、次のペプチド合成反応を続けて行うことができる。 よって、本発明のペプチド合成方法の一つの態様として、上記工程(i)〜(iv)の工程を必要回数繰り返す工程からなる、ペプチド合成方法を挙げることができる。本発明の方法を用いることにより、連続するペプチド合成をワンポットで行うことができる。

本発明のペプチド合成方法の工程(i)における担体保護アミノ酸、担体保護ペプチド又は担体保護アミノ酸アミドは、用いる担体に応じ、ペプチド合成において用いられる公知の方法を適宜参照して作製することができる。以下、担体保護アミノ酸を例にして説明する。例えば、担体は、アミノ酸のカルボキシル基、アミノ基、チオール基又は水酸基に、直接又はリンカーを介して結合させることができる。これに限定されないが、例えば、担体化合物をTHF等の溶媒に溶解し、N−Fmoc保護アミノ酸、及び縮合剤、例えば、DIPCIを添加して縮合を行い、アミノ酸のカルボキシル基に担体が結合した中間体であるN−Fmoc−担体保護アミノ酸を作製できる。又は、担体化合物をTHF等の溶媒に溶解し、Boc保護アミノ酸、及び縮合剤、例えば、DIPCIを添加して縮合を行い、アミノ酸のカルボキシル基に担体が結合した中間体であるN−Boc−担体保護アミノ酸を作製できる。

作製されたN−Fmoc−担体保護アミノ酸又はN−Boc−担体保護アミノ酸は、好ましくは、固形化(結晶化)させて回収することにより、高純度で得ることができる。例えば、これに限定されないが、N−Fmoc/Boc−担体保護アミノ酸を含んだ反応液を、減圧下で留去し、次いで、残渣に、N−Fmoc−担体保護アミノ酸又はN−Boc−担体保護アミノ酸が固形化(結晶化)する溶媒、例えば、メタノールやアセトニトリルを添加して析出させ、沈殿物をろ過した後、溶媒で懸洗を行い、得られた固形物を乾燥してN−Fmoc/Boc−担体保護アミノ酸として得ることができる。

このようにして得られたN−Fmoc−担体保護アミノ酸、又はN−Boc−担体保護アミノ酸はペプチド合成において用いられる、公知の方法を適宜参照してN末端保護基を除去することで、担体保護アミノ酸を作製することができる。例えば、これに限定されないが、N−Fmoc−担体保護アミノ酸はTHF等の溶媒に溶解し、DBU、ピペラジン等の脱Fmoc試薬を添加して脱Fmoc反応を行い、作製できる。又はN−Boc−担体保護アミノ酸はCPME等の溶媒に溶解し、TFA等の脱Boc試薬を添加して脱Boc反応を行い、担体保護アミノ酸が作製できる。

もう一つの態様として、アミノ酸のアミノ基に担体を結合させる方法として、これに限定されないが、担体化合物をTHF等の溶媒に溶解し、あらかじめカルボキシル基を保護したアミノ酸、及び還元剤、例えば、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウムを添加して還元的アミノ化反応を行い、アミノ酸のアミノ基に担体が結合した担体保護アミノ酸を作製できる。

このようにして得られた担体保護アミノ酸は、溶液状態で調製できるので、そのままの状態で、本発明の工程(iv)と同様の酸性水溶液洗浄工程に供することが可能であり、酸性水溶液洗浄を行った後の担体保護アミノ酸を、本発明の方法の工程(i)の原料として本発明の方法に用いることができる。かかる場合は、担体保護アミノ酸の調製工程も含めて、ワンポットでのペプチド合成が可能である。

また得られた担体保護アミノ酸は、固形化(結晶化)させて回収することもでき、それにより、高純度で得ることができる。例えば、これに限定されないが、担体保護アミノ酸を含んだ反応液を、減圧下で留去し、次いで、残渣に、担体が固形化(結晶化)する溶媒、例えば、メタノールやアセトニトリルを添加して析出させ、沈殿物をろ過した後、溶媒で懸洗を行い、得られた固形物を乾燥して担体保護アミノ酸として得ることができる。

このようにして得た担体保護アミノ酸を出発物質として、本発明のペプチド合成方法に用いることができる。 よって、本発明のペプチド合成方法の一つの態様として、上記工程(i)〜(iv)の前に、担体保護アミノ酸の調製工程をさらに含むペプチド合成方法を挙げることができる。

本発明のペプチド合成方法を用いて得た担体保護ペプチドは、ペプチド合成分野で用いられている公知の方法を用いて回収できる。例えば、結晶化させることにより溶媒中から回収できる。例えば、これに限定されないが、得られた担体保護ペプチドを含んだ有機層を、減圧下で溶媒留去し、次いで、残渣に、貧溶媒、例えば冷アセトニトリルを添加して析出させ、沈殿物をろ過した後、溶媒で懸洗を行い、得られた固形物を乾燥して合成した担体保護ペプチドを得ることができる。 よって、本発明のペプチド合成方法の一つの態様として、上記工程(i)〜(iv)の後に、担体保護ペプチドを晶析・分離する工程を含むペプチド合成方法を挙げることができる。

以下、それぞれの工程について説明する。なお、以下の説明においては、担体保護ペプチドとN−Fmoc保護アミノ酸を例として記載しているが、担体保護ペプチドは、本発明において用いることができる担体保護アミノ酸、担体保護ペプチド又は担体保護アミノ酸アミドの例示であり、N−Fmoc保護アミノ酸は、本発明において用いることができるN−Fmoc保護アミノ酸又はN−Fmoc保護ペプチドの例示である。

6−1.縮合反応工程 本工程では、溶媒中において、担体保護ペプチドと、N−Fmoc保護アミノ酸と、縮合剤(好ましくは縮合剤及び活性化剤)とを混合することによって、アミノ酸残基数が伸長したN−Fmoc−担体保護ペプチドが得られる。 各成分の添加の方法や順序は、特に制限なく行うことができ、ペプチド合成における縮合工程において通常用いられている方法を用いることができる。

担体保護ペプチドに対する、N−Fmoc保護アミノ酸の使用量は、担体保護ペプチドに対して、通常1.01〜4当量、好ましくは1.03〜3当量、より好ましくは1.05〜2当量、さらに好ましくは1.1〜1.5当量である。この範囲より少ないと、未反応の担体保護ペプチドが残りやすく、アミノ酸の欠落を起こし易くなる。本発明のペプチド合成方法では、未反応のアミノ酸の活性エステルをその後に添加する水溶性アミンでスカベンジして(捕獲して)不活性化することができる。そのため、より多くのN−Fmoc保護アミノ酸を用いても、従来の方法に比べ残存の問題が生じない。

縮合剤としては、ペプチド合成において一般的に用いられる縮合剤が、本発明においても制限なく用いることができ、これに限定されないが、例えば、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホニウムクロリド(DMT−MM)、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)、O−(6−クロロベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU(6−Cl))、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)、O−(6−クロロベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TCTU)、(1−シアノ−2−エトキシ−2−オキソエチリデンアミノオキシ)ジメチルアミノ−モルホリノ−カルベニウムヘキサフルオロリン酸塩(COMU)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIPCI)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(WSC)を挙げることができ、好ましくは、DMT−MM、HBTU、HATU、又はCOMUである。縮合剤の使用量は、担体保護ペプチドに対して、通常1〜4当量、好ましくは1〜2当量、より好ましくは1.05〜1.3当量である。

縮合工程において、反応を促進し、ラセミ化などの副反応を抑制するために、好ましくは、活性化剤が添加される。ここで活性化剤とは、縮合剤との共存化で、アミノ酸を、対応する活性エステル、対称酸無水物などに導いて、ペプチド結合(アミド結合)を形成させやすくする試薬である。活性化剤としては、ペプチド合成において一般的に用いられる活性化剤が、本発明においても制限なく用いることができ、例えば、HOBt、HOCt、HOAt、HOOBt、HOSu、HOPht、HONb、ペンタフルオロフェノール、シアノ(ヒドロキシイミノ)酢酸エチル(Oxyma)等を挙げることができ、好ましくは、HOBt、HOOBt、HOCt、HOAt、HONb、HOSu、Oxymaである。活性化剤の使用量は、担体保護ペプチドに対して、通常1〜4当量、好ましくは1〜2当量、より好ましくは1.05〜1.3当量である。 縮合工程で使用する溶媒は、ペプチド合成において一般的に用いられる溶媒が、本発明においても制限なく用いることができ、これに限定されないが、例えば、前記した溶媒が例示される。溶媒の使用量は、担体保護ペプチド等を溶解した濃度が、通常0.1mM〜1Mとなる量であり、好ましくは1mM〜0.5Mとなる量である。

反応温度は、ペプチド合成において一般的に用いられる温度が、本発明においても用いられ、例えば、通常−20〜40℃、好ましくは0〜30℃の範囲内である。反応時間(1サイクルの時間)は、通常0.5〜30時間である。

6−2.スカベンジ反応工程 本発明のペプチド合成方法は、アミノ酸の縮合反応工程の後に、水溶性アミンを反応系に添加して、未反応のアミノ酸活性エステルをスカベンジ(捕獲)することを特徴とする。水溶性アミンはアミノ酸活性エステルと結合してスカベンジ体を形成し、活性エステルを不活性化する。本明細書においては、本発明で用いる水溶性アミンを、アミンスカベンジャーと称する場合がある。 本発明において用いることができるスカベンジャーとしての水溶性アミンは、好ましくは、1級又は2級のアミノ基を少なくとも1つ持つ2価以上の水溶性アミンであり、例えば、1−メチルピペラジン、4−アミノピペリジン、ジエチレントリアミン、トリアミノエチルアミン、1−エチルピペラジン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、エチレンジアミン、ピペラジンを挙げることができ、好ましくは、1−メチルピペラジン、4−アミノピペリジン、ジエチレントリアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、エチレンジアミンであり、より好ましくは、1−メチルピペラジン、4−アミノピペリジン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、ジエチレントリアミンであり、さらに好ましくは、1−メチルピペラジンである。 工程(ii)における水溶性アミンの添加量は、理論上残存するアミノ酸当量に対して、通常1〜10当量、好ましくは1〜6当量、より好ましくは1〜4当量である。アミンの添加量がこの範囲より少ないと、アミノ酸活性エステルのスカベンジ(捕獲)が不充分となり、残存したアミノ酸活性エステルと次工程(iii)の際に再生したアミノ基が反応するダブルヒットが起こり、純度、収率を低下させ、一方、この範囲より多いと、同時に脱Fmoc反応が進行し、残存しているアミノ酸活性エステルが再生したアミノ基と反応するダブルヒットが起こり、純度、収率を低下させる。 本発明のペプチド合成方法においては、次の工程であるN−Fmoc−担体保護ペプチドからのFmoc基の除去を、反応系中のアミノ酸活性エステルをアミンスカベンジャーによりスカベンジ(捕獲)してスカベンジ体を形成させた後に行う。これにより、脱Fmoc反応時においては、反応液中のアミノ酸活性エステルが不活性化されており、それらを反応系から取り除かなくても脱保護時にアミノ酸のダブルヒットを防ぐことができる。また、水溶性アミンに捕捉されたアミノ酸活性エステルは、後の洗浄工程において容易に除去できる。

6−3.脱Fmoc工程 本発明のペプチド合成方法においては、水溶性アミンの存在下で、N−Fmoc−担体保護ペプチドからのFmoc基の除去を行う。本工程においては、水溶性アミンを反応系に追加で添加する。本工程において用いることができる水溶性アミンは、好ましくは、1級又は2級のアミノ基を少なくとも1つ持つ2価以上の水溶性アミンであり、例えば、1−メチルピペラジン、4−アミノピペリジン、ジエチレントリアミン、トリアミノエチルアミン、1−エチルピペラジン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、エチレンジアミン、ピペラジンを挙げることができ、好ましくは、1−メチルピペラジン、4−アミノピペリジン、ジエチレントリアミンであり、より好ましくは、1−メチルピペラジンである。本工程における水溶性アミンは、工程(ii)(スカベンジ反応工程)で添加した水溶性アミンと同じでも異なってもよい。 本工程(iii)において添加する水溶性アミンの当量は、系に存在するFmoc基の量に対して、5〜30当量、好ましくは5〜20当量、より好ましくは10〜20当量である。アミンの添加量がこの範囲より少ないと、脱Fmoc反応により生じるDBFのスカベンジ(捕獲)が不充分となり、不純物を後の酸性水溶液洗浄工程で除去しにくくなり、一方、この範囲より多いと、中和に要する酸の量が増大し、それに伴う中和工程によって副反応(分解、ラセミ化)が起き、純度低下、収率減少の原因となる。 本工程は水溶性アミンの存在下で脱Fmoc反応を行うが、系に存在する水溶性アミンが脱Fmoc試薬としての機能を有する場合は、他の脱Fmoc試薬を系に添加しなくてもよい。一方、効率よく脱Fmoc反応を行うために他の脱Fmoc試薬を系に添加してもよい。脱Fmoc試薬としての機能を有する水溶性アミンとして、例えば、上記で例示した水溶性アミンを挙げることができる。好ましくは、本工程では、水溶性アミンとともに脱Fmoc試薬が添加される。 本工程において水溶性アミンとともに脱Fmoc試薬を反応系に添加する場合は、水溶性アミンと脱Fmoc試薬の添加は、同時に系に添加してもよく、あるいは、水溶性アミンを系に添加した後、脱Fmoc試薬を添加してもよい。ここでいう、同時とは、本技術分野における反応において同時と考えられる範囲内で前後して添加することを含む意味である。なお、水溶性アミンを系に添加した後に脱Fmoc試薬を添加する場合、添加間隔の時間は、操作やその他の要因を考慮して、適宜調整できる。 N末端からのFmoc基の除去は、ペプチド合成において一般的に用いられる除去方法が、必要に応じて適宜変更して本発明において用いることができる。本発明において用いることができる脱Fmoc試薬としては、これに限定されないが、例えば、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン(DBN)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]−オクタン(DABCO)、トリエチルアミン、トリブチルアミンを挙げることができ、好ましくは、DBUである。 脱Fmoc反応時には、DBFが生じるが、本工程で添加した水溶性アミンは、これらの不純物をスカベンジ(捕捉)することができる。水溶性アミンに捕捉されたDBFは、後の酸性水溶液洗浄工程において容易に除去できる。

6−4.酸性水溶液洗浄工程 工程(iv)の中和工程により、系に存在する過剰な塩基、スカベンジ体を塩に変え、それらの水溶性を向上させることができる。中和に使用する酸としては、反応液中の塩基を中和できるものであれば特に限定されないが、例えば、塩化水素、リン酸、酢酸、硫酸等の水溶液が挙げられる。例えば、塩酸を用いる場合は、これに限定されないが、1N〜12N、好ましくは2N〜12N、より好ましくは5N〜12Nの塩酸を添加する。 ここでいう中和とは、反応液が中性のpHになれば良く、pHが7.0以下になってもよい。 工程(iv)においては、酸で中和した反応中和液に、さらに、酸性水溶液を加え、洗浄し、次いで、分液して、水層を廃棄し、有機層を回収する。これにより、酸性水溶液に溶解性の不純物を除くことができる。 用いる酸性水溶液は、特に限定されないが、例えば、塩酸水、希硫酸、リン酸水溶液、酢酸水溶液が挙げられ、好ましくは、塩酸水である。酸性水溶液のpHは、1〜5、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3である。 洗浄に用いる酸性水溶液は、添加量は洗浄効果を示す限り特に制限がないが、反応液に対して、0.1〜3倍量、好ましくは0.5〜2倍量、より好ましくは0.8〜1.5倍量で用いることができる。 洗浄、分液、水層の廃棄工程は、回数に制限なく、1回でもよくまた複数回行ってもよい。回数は、反応系中の化合物の種類や不純物の量、及び目的に応じて、適宜選択される。

本発明においては、工程(iv)の酸性水溶液の洗浄により不純物を除くことができる。酸性水溶液の分液操作により、例えば、H2N−AAx−アミン(スカベンジャー)結合体、縮合剤分解物、pH調整塩基、DBF−アミン(スカベンジャー)結合体、アミン(スカベンジャー)、脱Fmoc試薬などの不純物を除去することができ、不純物が軽減又は除去された反応系に溶解した担体保護ペプチドを得ることができる。 また、水溶液を用いた分液操作は、簡便であり、工程時間の短縮に寄与する。更には、固液分離操作が必要でなく担体保護ペプチドの固形化のための貧溶媒の使用を削減できる。 なお、本発明の方法を用いた連続するペプチド合成では、最後のサイクルにおいて、脱Fmoc工程後に、酸で中和した後、担体保護ペプチドを固形化(結晶化)して、固液分離操作を用いて担体保護ペプチドを回収してもよいが、不純物のより完全な除去の観点より、酸性水溶液による洗浄を行うのが好ましい。

本発明のペプチド合成方法は、縮合工程及び脱Fmoc工程において生じる不純物を軽減又は除去するための酸性水溶液での洗浄工程を含むが、担体保護ペプチドを有機溶媒中に溶解された状態で回収することを妨げない限り、他の洗浄工程を追加してもよい。例えば、弱塩基性水溶液での洗浄や食塩水での洗浄を挙げることができる。また、食塩水での洗浄に代えて無水硫酸ナトリウム等の脱水剤を加えて脱水することもできる。弱塩基性水溶液での洗浄は、例えば、pH8〜12(好ましくは8〜10)の炭酸水素ナトリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、又は炭酸カリウム水溶液での洗浄を挙げることができる。

7.担体保護ペプチドの晶析・分離工程 本発明の方法で合成した担体保護ペプチドは、工程(iv)の酸による中和後、好ましくは工程(iv)の酸性水溶液による分液操作の後に、不溶化して(例えば、結晶化又はオイル化させて)分離することができる。又は、本発明の方法を用い、工程(i)〜(iv)を必要回数繰り返して合成した担体保護ペプチドは、工程(i)の後、N末端を脱保護しない場合は工程(iii)を行わず、工程(i)以降の任意の工程後に不溶化して分離することができる。不溶化は、担体保護ペプチドが溶解している溶媒の組成変化により溶解状態と不溶化(結晶化又はオイル化)状態とが可逆的に変化する特性を有する担体を用いるペプチド合成分野において公知の方法を適宜参考にして行うことができ、例えば、担体保護ペプチドが溶解している溶液の組成を変化させることにより行うことができる。不溶化させるための条件は、用いる担体の種類や合成された担体保護ペプチドの種類や長さに応じて、適宜選択できる。例えば、これに限定されないが、以下のような溶媒組成変化手段を挙げることができる。

溶液組成を変化させる手段としては、担体保護ペプチドが溶解している溶液の組成を変化させることのできる手段であれば、特に制限されるものではない。溶液組成を変化させる好ましい手段としては、例えば、担体保護ペプチドが溶解している溶液にそのまま、又は溶液の溶媒を濃縮した後、貧溶媒を加えて晶析する手段が挙げられる。ここで、濃縮とは、溶媒の一部又は全部を留去、例えば減圧下で溶媒留去することをいう。その後、析出した結晶を、例えばろ過や遠心分離により分離することができる。分離した結晶は、好ましくは有機溶媒で洗浄することにより、場合により結晶と一緒に分離された不純物等を結晶化した担体保護ペプチドから完全に除去できる。本発明の方法で合成した担体保護ペプチドは不純物が十分に除去されているが、さらにこれらの操作をすることにより完全に不純物を除去できる。 本発明における貧溶媒は、担体保護ペプチドが貧溶、すなわち、担体保護ペプチドが溶解しにくい、又は溶解しない溶媒をいう。担体保護ペプチドが溶解しにくい、又は溶解しないとは、担体保護ペプチドの溶解度が25℃において1質量%未満となる常温で液状の溶媒であればよく、アセトニトリル、任意割合の含水アセトニトリル、メタノール、任意割合の含水メタノール、水であることが好ましい。 本発明の方法を用いた連続ペプチド合成の最後のサイクルにおいては、工程(iv)の酸による中和後、好ましくは工程(iv)の酸性水溶液による分液操作の後に、本晶析・分離工程を行うことにより、より純度が高い合成した担体保護ペプチドを回収できる。

8.担体脱保護工程 担体脱保護は、本発明の方法で合成した担体保護ペプチドにおいて、ペプチドに直接又はリンカーを介して結合した担体を、切り離すことにより行う。 担体が直接、ペプチドに結合している場合は、担体脱保護は、合成したペプチドのカルボキシル基、アミノ基、アミド基又は水酸基に結合した担体を除去(脱保護)することによって行うことができる。 担体の除去の方法は特に限定はなく、公知の脱保護法を使用すればよいが、好ましくは酸処理により行われる。例えば、TFAを用いた脱保護法を用いることができ、より具体的には、Kaを用いた場合は50〜100%トリフルオロ酢酸で、Kbを用いた場合は1〜100%トリフルオロ酢酸で、Kcを用いた場合は95〜100%トリフルオロ酢酸で、担体Dを用いた場合は、1〜100%トリフルオロ酢酸で、担体E及び担体Fを用いた場合は1〜100%トリフルオロ酢酸で、担体Gを用いた場合は95〜100%トリフルオロ酢酸で、担体Hを用いた場合は1〜100%トリフルオロ酢酸で脱保護するのが好ましい。 本発明の方法において、担体がリンカーを介してペプチドに結合している場合は、担体の脱保護は、(i)リンカーとペプチドの間の結合を切断することにより行う、又は、(ii)リンカーと担体の間の結合を切断することにより行う、のいずれでもよい。後者の場合は、ペプチドはリンカーをもった状態で担体から切り離され、末端又は側鎖がリンカーにより修飾されたペプチドを得ることができる。 (i)の場合における担体脱保護は、これに限定されないが、例えば、エステル結合又はアミド結合によりリンカーとペプチドが結合している場合は、TFAを用いた脱保護法により行うことができる。 (ii)の場合における担体脱保護は、上記の直接結合した場合における脱保護法を用いることができる。

9.C末端修飾ペプチドの合成 C末端のアミド化は、生物活性があるペプチドで頻繁に見られる修飾であり、例えば、カルシトニン、カストリン、セクレチン、ホルモン放出因子などを挙げることができる。本発明のペプチド合成方法を用いて、アミノ基を含む反応基を有する担体を使用することにより、C末端がアミド化されたペプチドを効率良く合成することができる。 例えば、本発明の方法において、任意のアミノ酸又はペプチドのカルボキシル基末端に、カルボキシル基と結合するアミノ基を反応性基として持つリンカーを介して担体が結合、又は直接、保護担体として以下の何れかの担体(以下、アミド担体という場合がある)が結合した担体保護アミノ酸又はペプチドを用いることにより、C末端がアミド化された、例えば、アミノ基やアミノアルキル基で修飾されたペプチドを得ることができる。

アミド担体としては、上記した担体において、反応基にアミノ基又はアルキルアミノ基を有する担体を挙げることができる。 これに限定されないが、例えば、以下の担体を挙げることができる。 9−1.担体化合物A、B又はC 上記担体化合物であるA(Ka)、B(Kb)、又はC(Kc)において、反応基が以下で表される担体を挙げることができる。

(ここでR7は水素原子、炭素数1〜6、好ましくは1〜3のアルキル基を表し、R6は水素原子を表す)。

9−2.担体化合物D 上記担体化合物であるD(KS)において、反応基が以下で表される担体を挙げることができる。 —CH2NHRb(ここで、Rbは、水素原子、炭素数1〜6、好ましくは1〜3の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又はアラルキル基を示す)。

9−3.担体化合物G 上記担体化合物であるG(KJ3)において、反応基が以下で表される担体を挙げることができる。 Yが−NHR基(Rは水素原子、アルキル基又はアラルキル基を示す)。

9−4.担体化合物H 上記担体化合物であるH(KJ4)において、反応基が以下で表される担体を挙げることができる。 Yが−NHR基(Rは水素原子、アルキル基又はアラルキル基を示す)。

上記の何れかの担体を用いた本発明の方法により、アミノ基又はアルキルアミノ基でC末端が修飾されたペプチドを得ることができる。これに限定されないが、例えば、C末端のプロリンがアミノエチル化されたペプチドを得ることができる。C末端のアミド化は、生物活性があるペプチドで頻繁に見られる修飾であるので、本発明の一態様として、アミド担体を用いた本発明の方法は、それらのペプチドの合成において有用である。

本発明のペプチド合成方法を用いて得られたペプチドは、ペプチド合成で常用される方法に従って、単離精製することができる。例えば、反応混合物を抽出洗浄、晶析、クロマトグラフィーなどによって、目的物であるペプチドを単離精製することができる。

本発明のペプチド合成方法により製造されるペプチドの種類は特に限定されないが、ペプチドのアミノ酸残基数が、例えば、数十以下程度であることが好ましい。本発明のペプチド合成方法によって得られるペプチドは、既存の又は未知の合成ペプチドや天然ペプチドと同様に、様々な分野、例えばこれに限定されないが、医薬、食品、化粧品、電子材料等の分野に利用できる。

以下、下記に示された配列のペプチドを例として合成方法を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。 (ペプチドA)H−Pyr−His—Trp−Ser−Tyr−dLeu−Leu−Arg−Pro−NHEt(配列番号2) (ペプチドB)H−dArg−Arg−Pro−Hyp−Gly−Thi−Ser−dTic−Oic−Arg—OH(配列番号1)

本明細書中及び以下の実施例においては、下記の略号を用いた。 AAs:1以上の任意のアミノ酸残基 AAx:任意のアミノ酸残基 Boc:tert−ブトキシカルボニル COMU:(1−シアノ−2−エトキシ−2−オキソエチリデンアミノオキシ)ジメチルアミノ−モルホリノ−カルベニウムヘキサフルオロリン酸塩 CPME:シクロペンチルメチルエーテル dArg:D−アルギニン D−Arg:D−アルギニン dLeu:D−ロイシン dTic:D−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸 D−Tic:D−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸 DBU:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン DCM:ジクロロメタン DIPCI:ジイソプロピルカルボジイミド DIPEA:N,N−ジイソプロピルエチルアミン DMAP:N,N−ジメチル−4−アミノピリジン DMF:N,N−ジメチルホルムアミド DMT−MM:4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホニウム クロリド DTT:ジチオトレイトール Fmoc:9−フルオレニルメチルオキシカルボニル HATU:O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート HBTU:O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート HOAt:1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール HOBt:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール Hyp:trans−4−ヒドロキシ−L−プロリン Ka:3,4,5−トリオクタデシルオキシベンジル Kb:2,4−ジドコシルオキシベンジル Kc:3,5−ジドコシルオキシベンジル Me:メチル MTBE:メチルtert−ブチルエーテル NMP:N−メチルピロリドン Oic:L−オクタヒドロインドリン−2−カルボン酸 Oxyma:シアノ(ヒドロキシイミノ)酢酸エチル Pbf:2,2,4,6,7−ペンタメチルジヒドロベンゾフラン−5−スルホニル Pyr:ピログルタミン酸 Su:スクシンイミジル tBu:tert−ブチル TFA:トリフルオロ酢酸 TFE:2,2,2−トリフルオロエタノール THF:テトラヒドロフラン THP:テトラヒドロピラン Thi:β—(2−チエニル)−L−アラニン TIS:トリイソプロピルシラン Trt:トリフェニルメチル

以下に本実施例で用いた脱Fmoc一般合成法を示す。担体化合物としてKbを用いた場合を例として記載するが、本発明の方法で用いることができる担体化合物は、Kbに限定されない。また、各試薬の添加量も、一例を示しているに過ぎず、これに限定されるものではない。 (1)脱Fmoc一般合成法

出発原料をTHF:DMF(9/1)の混合液に18v/wになるよう溶解し、ピペリジン(1.5equiv)及びDBU(1.0equiv)を加えて室温で10分間攪拌した。氷冷しながら6N塩酸(3.50equiv)を加えて減圧下溶媒を留去した。残渣にアセトニトリルを加えて析出した沈殿物をろ過し、さらにアセトニトリル懸洗を行い、得られた固形物を減圧乾燥し、脱Fmoc体を得た。

以下に本発明の方法で用いた縮合脱保護法を示す。担体化合物としてKbを用いた場合を例として記載するが、本発明の方法で用いることができる担体化合物は、Kbに限定されない。また、各試薬の添加量も、一例を示しているに過ぎず、これに限定されるものではない。 (2)アミンスカベンジャー(水溶性アミン)を用いた1pot縮合脱保護法

出発原料をTHF:DMF(9/1)の混合液に18v/wになるように溶解し、Fmoc−AAx−OH(1.30equiv)、COMU(1.25equiv)、及びDIPEA(2.30equiv)を加えて室温で30分間攪拌した。水溶性アミンとして、1−メチルピペラジン(0.45equiv)を加えて室温で30分間撹拌した。1−メチルピペラジン(20.0equiv)及びDBU(7.0equiv)を加えて室温で10分間撹拌した。6N塩酸(49.50equiv)を加えた反応液に、THF(0.8v/w)、0.1N塩酸(18v/w)を加え、洗浄、分液し、水層を廃棄した。さらに、0.5N炭酸水素ナトリウム水溶液(18v/w)を加え、洗浄、分液し、水層を廃棄し、アミノ酸縮合物を溶液で得た。

以下に本発明の方法で用いた担体をペプチドから脱保護する(切り離す)方法を示す。担体化合物としてKbを用いた場合を例として記載するが、本発明の方法で用いることができる担体化合物は、Kbに限定されない。また、各試薬の添加量も、一例を示しているに過ぎず、これに限定されるものではない。 (3)Kb保護基一般脱保護法

(ここでRは水素原子又はアミノ基を保護するために常用される保護基を示す) 原料をDCM:TFE:TFA(90/9/1)の混合液に19.75v/wになるよう溶解し、室温で30分間攪拌した。沈殿物をろ過し、ろ液にDIPEAをTFAの1.0equivになるように加え、0.01N塩酸(18v/w)を加え、洗浄、分液し、水層を廃棄した。得られた有機層にジイソプロピルエーテルを加え減圧下留去した。残渣にジイソプロピルエーテルを加えて析出した沈殿物を懸洗し、得られた固形物を減圧乾燥し、脱Kb保護体を得た。

以下、本発明の方法を用いたペプチド合成を示す。 以下の明細書の記載における「v/w」なる表現は、一連のペプチド合成反応において、出発原料を基準にした場合の添加する溶媒の量を示している。 実施例1:Kb−OHを用いた、H−Pyr−His—Trp−Ser−Tyr−dLeu−Leu−Arg−Pro−NHEt(配列番号2)の合成 化合物1(Fmoc−Arg(Pbf)−OKb)の合成

2,4−ジドコシルオキシベンジルアルコール(「Kb−OH」と表記する)(10.0g,13.20mmol)を脱水THF(132mL)に溶解し、Fmoc−Arg(Pbf)−OH (12.85g,19.80mmol,1.50equiv)、DIPCI (3.06ml,19.80mmol,1.5equiv)、及びDMAP(80.7mg,0.66mmol,0.05equiv)を加えて室温で30分間攪拌した。反応液を減圧下留去した。残渣にメタノールを加えて析出した沈殿物をろ過し、メタノール懸洗を行い、さらにアセトニトリル懸洗を2回行った。得られた固形物を減圧乾燥し、化合物1(18.33g, quant)を得た。

化合物2(HCl・H−Arg(Pbf)−OKb)の合成

化合物1に対し脱Fmoc一般合成法を行い、化合物2(19.85g,quant)を得た。

化合物3(H−His(Trt)−Trp(Boc)−Ser(tBu)−Tyr(tBu)−dLeu−Leu−Arg(Pbf)−OKb(配列番号3))の合成

化合物2に対し、以下のアミノ酸を、アミンスカベンジャー(水溶性アミン)を用いた1pot縮合脱保護法を繰り返す方法で導入し、化合物3を溶液で得た。 1残基目:Fmoc−Leu−OH 2残基目:Fmoc−dLeu−OH 3残基目:Fmoc−Tyr(tBu)−OH 4残基目:Fmoc−Ser(tBu)−OH 5残基目:Fmoc−Trp(Boc)−OH 6残基目:Fmoc−His(Trt)−OH

化合物4(Pyr−His(Trt)−Trp(Boc)−Ser(tBu)−Tyr(tBu)−dLeu−Leu−Arg(Pbf)−OKb(配列番号4))の合成

得られた化合物3溶液にDMFを理論収量に対し1.8v/wになるように加えた。H−Pyr−OH(3.30g,25.55mmol)、COMU(7.0g,16.26mmol,1.25equiv)、DIPEA(5.10ml,29.28mmol,2.25equiv)を加えた。得られた混合液を室温で30分間攪拌した。得られた反応液に1−メチルピペラジン(0.45equiv)を加えて室温で5分間撹拌した。0.01N塩酸(18v/w)を加え、洗浄、分液し、水層を廃棄した。得られた有機層を減圧下で溶媒留去した。残渣にアセ卜ニ卜リルを加えて析出した沈殿物をろ過し、さらにアセ卜ニ卜リル懸洗を行い、得られた固形物を減圧乾燥し、化合物4(28.78g, 87.50%)を得た。

化合物5(Pyr−His(Trt)−Trp(Boc)−Ser(tBu)−Tyr(tBu)−dLeu−Leu−Arg(Pbf)−OH(配列番号5))の合成

化合物4(20.0g,7.90mmol)に対しKb保護基一般脱保護法に供し、化合物5(14.39g,quant)を得た。

化合物6(Pyr−His(Trt)−Trp(Boc)−Ser(tBu)−Tyr(tBu)−dLeu−Leu−Arg(Pbf)−Pro−NHEt(配列番号6))の合成

化合物5(6.20g,3.45mmol)をTHFに16.2v/wになるように溶解し、DMF1.8v/wに溶解させたH−Pro−NHEt・HCl(0.80g,4.5mmol,1.3equiv)を加えた。DMT−MM・2H2O(1.84g,6.05mmol,1.75equiv)、DIPEA (2.41ml,13.83mmol,4.0equiv)を加えた。得られた混合液を氷冷しながら60分間攪拌した。得られた反応液にシクロヘキサン(18v/w)、0.01N塩酸(18v/w)を加え、洗浄、分液し、水層を廃棄した。得られた有機層を減圧下で溶媒留去した。残渣にジイソプロピルエーテルを加えて析出した沈殿物をろ過し、さらにジイソプロピルエーテルで懸洗を行い、得られた固形物を減圧乾燥し、化合物6(5.33g, 80.51%)を得た。

化合物7(Pyr−His−Trp−Ser−Tyr−dLeu−Leu−Arg−Pro−NHEt(配列番号2))の合成

化合物6(5.33g,2.78mmol)をTFA/TIS/水(90/1/9)の混合液92mlに溶解し、DTT(3.70g,40mg/ml)を加え、3時間室温で撹拌した。反応液を、セライ卜を用いてろ過し、ろ過残渣をメタノールで洗浄、ろ過し、得られたろ液にトルエン(混合液量)を加え、減圧下で溶媒留去した。残渣に冷MTBEを加えて析出した沈殿物をろ過し、さらにMTBE懸洗、ヘキサン懸洗を行い、得られた固形物を減圧乾燥し、化合物7(4.21g, quant,HPLC純度76.28%)を得た。

実施例2.(ペプチドB)H−dArg−Arg−Pro−Hyp−Gly−Thi−Ser−dTic−Oic−Arg—OH(配列番号1)の合成 化合物1(Fmoc−Arg(Pbf)−OKb)の合成

2,4−ジドコシルオキシベンジルアルコール(「Kb−OH」と表記する)(1.5g,1.98mmol)を脱水THF(20mL)に溶解し、Fmoc−Arg(Pbf)−OH(1.93g,2.97mmol,1.5equiv)、DIPCI(0.46ml,2.97mmol,1.5equiv)、及びDMAP(12mg,0.1mmol,0.05equiv)を加えて室温で30分間攪拌した。反応液を減圧下留去した。残渣にメタノールを加えて析出した沈殿物をろ過し、メタノール懸洗を行い、さらにアセトニトリル懸洗を2回行った。得られた固形物を減圧乾燥し、化合物1(2.75g,quant.)を得た。

化合物8(H−Arg(Pbf)−OKb)の合成

化合物1に対し、ピペリジンの代わりに1−メチルピペラジンを用いて、脱Fmoc一般合成法を行い、塩酸水、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄して化合物8の溶液を得た。

化合物9(H−Arg(Pbf)−Pro−Hyp−Gly−Thi−Ser(tBu)−dTic−Oic−Arg(Pbf)−OKb(配列番号7))の合成

化合物8に対し、以下のアミノ酸を順次縮合させ、その都度アミンスカベンジャーを加えてから脱保護操作を行い、塩酸水、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄を行う1pot縮合脱保護法を繰り返すことにより、化合物9の溶液を得た。 1残基目:Fmoc−Oic−OH 2残基目:Fmoc−dTic−OH 3残基目:Fmoc−Ser(tBu)−OH 4残基目:Fmoc−Thi−OH 5残基目:Fmoc−Gly−OH 6残基目:Fmoc−Hyp−OH 7残基目:Fmoc−Pro−OH 8残基目:Fmoc−Arg(Pbf)−OH

化合物10(Boc−dArg(Pbf)−Arg(Pbf)−Pro−Hyp−Gly−Thi−Ser(tBu)−dTic−Oic−Arg(Pbf)−OKb(配列番号8))の合成

化合物9の溶液にBoc−dArg(Pbf)−OH(1.36g,2.57mmol,1.30equiv.)、COMU(1.06g,2.48mmol,1.25equiv.)、DIPEA (0.78ml,4.45mmol,2.25equiv.)を加えた。得られた混合液を室温で30分間攪拌した。得られた反応液に1−メチルピペラジン(0.45equiv.)を加えて室温で5分間撹拌した。0.1N塩酸水(42ml)、続いて0.5N 炭酸水素ナトリウム水溶液(42ml)でそれぞれ洗浄、分液操作を行い、得られた有機層を減圧下で溶媒留去した。残渣にアセ卜ニ卜リルを加えて析出した沈殿物をろ過し、さらにアセ卜ニ卜リル懸洗を行い、得られた固形物を減圧乾燥し、化合物10(4.77g, 81.4%)を得た。

化合物11(4TFA・H−dArg−Arg−Pro−Hyp−Gly−Thi−Ser−dTic−Oic−Arg−OH(配列番号1))の合成 化合物10(3.00g,1.01mmol)をTFA/TIS/水(90/1/9)の混合液50mlに溶解し、4時間室温で撹拌した。反応液をセライ卜でろ過し、酢酸洗浄液とあわせて減圧下で溶媒留去した。残渣に冷MTBEを加えて析出した沈殿物をろ過して取得した後、MTBE懸洗、続いてヘキサン懸洗を行い、得られた固形物を減圧乾燥し、化合物11(1.61g,90.4%、HPLC純度84.93%)を得た。

実施例3:Kb−NHEt担体を用いた、H−Pyr−His—Trp−Ser−Tyr−dLeu−Leu−Arg−Pro−NHEt(配列番号1)の合成 化合物12の合成

N−エチル−2,4−ジドコシルオキシベンジルアミン(「EtNKb」と表記する)(12.5g,15.23mmol)をTHF/DMF(9/1)に18v/wとなるように溶解し、Fmoc−Pro−OH/H2O(7.04g,19.80mmol,1.30equiv)、COMU(8.15g,19.04mmol,1.25equiv)、及びDIPEA(8.62ml,49.49mmol,3.30equiv)を加えて室温で15分間攪拌した。1−メチルピペラジン(0.45equiv)を加えて室温で10分間撹拌した。1−メチルピペラジン(20.0equiv)及びDBU(7.0equiv)を加えて室温で10分間攪拌した。氷冷しながら6N塩酸(50.70equiv)を加えた反応液にシクロヘキサン(4.5v/w)、0.1N塩酸(18v/w)を加え、洗浄、分液し、水層を廃棄した。さらに0.5N炭酸水素ナトリウム水溶液(18v/w)を加え、洗浄、分液し、水層を廃棄し、化合物12を溶液で得た。

化合物13(H−His(Trt)−Trp(Boc)−Ser(tBu)−Tyr(tBu)−dLeu−Leu−Arg(Pbf)−Pro−EtNKb(配列番号9))の合成

化合物12溶液に対し、以下のアミノ酸を、アミンスカベンジャー(水溶性アミン)を用いた1pot縮合脱保護法を繰り返す方法で導入し、化合物13を溶液で得た。 1残基目:Fmoc−Arg(Pbf)−OH 2残基目:Fmoc−Leu−OH 3残基目:Fmoc−dLeu−OH 4残基目:Fmoc−Tyr(tBu)−OH 5残基目:Fmoc−Ser(tBu)−OH 6残基目:Fmoc−Trp(Boc)−OH 7残基目:Fmoc−His(Trt)−OH

化合物14(Pyr−His(Trt)−Trp(Boc)−Ser(tBu)−Tyr(tBu)−dLeu−Leu−Arg(Pbf)−Pro−EtNKb(配列番号10))の合成

得られた化合物13溶液にH−Pyr−OH(2.95g,22.84mmol,1.50equiv)、COMU(9.46g,22.08mmol,1.45equiv)、DIPEA(6.50ml,37.31mmol,2.50equiv)を加えた。得られた混合液を室温で15分間攪拌した。得られた反応液に1−メチルピペラジン(0.65equiv)を加えて室温で10分間撹拌した。氷冷しながら6N塩酸(3.10equiv)を加えて中和し、次いで、0.1N塩酸(18v/w)を加え、洗浄、分液し、水層を廃棄した。さらに0.5N炭酸水素ナトリウム水溶液(18v/w)を加え、洗浄、分液し、水層を廃棄した。得られた有機層を減圧下で溶媒留去した。残渣に冷アセ卜ニ卜リルを加えて析出した沈殿物をろ過し、さらにアセ卜ニ卜リル懸洗を行い、得られた固形物を減圧乾燥し、化合物14(36.93g,90.83%)を得た。

化合物7(Pyr−His−Trp−Ser−Tyr−dLeu−Leu−Arg−Pro−NHEt(配列番号2))の合成

化合物14(5.00g)をTFA/TIS/水(90/1/9)の混合液93.6mlに溶解し、DTT(1.87g,20mg/ml)を加え、3時間室温で撹拌した。反応液をセライ卜でろ過し、ろ過残渣をメタノールで洗浄、ろ過し、得られたろ液の濃縮残渣に冷MTBEを加えて析出した沈殿物をろ過し、さらにMTBE懸洗を2回、ヘキサン懸洗を行い、得られた固形物を減圧乾燥し、化合物7(2.45g,93.0%,HPLC純度95.18%)を得た。

比較例1:脱Fmoc反応後に担体を固体化する固液分離法を用いて、以下のペプチドを合成した。 (ペプチドB)H−dArg−Arg−Pro−Hyp−Gly−Thi−Ser−dTic−Oic−Arg—OH(配列番号1)の合成 化合物101(Fmoc−Arg(Pbf)−OKa)の合成 国際特許公開公報WO2007/034812の記載に従い、化合物101を合成した。

Ka−OH 50.0g(54.7 mmol,1.0 eq.)及びFmoc−Arg(Pbf)−OH 53.3g(82.1mmol,1.5 eq.)を用い、化合物101 83.5gを得た。収率98.8%

化合物102(HCl・H−Arg(Pbf)−OKa)の合成 国際特許公開公報WO2007/034812の記載に従い、化合物101から102を合成した。

Fmoc−Arg(Pbf)−OKa(化合物102)81.6gから化合物102 73.0gを得た。収率quant.

化合物103(HCl・H−Oic−Arg(Pbf)−OKa)の合成

予め洗浄乾燥した3L 4つ口フラスコにTHF/DMF(9/1)(13v/w)及びHCl・H−Arg(Pbf)−OKa(化合物102)71.0g(52.3 mmol,1.0eq.)、及びFmoc−Oic−OH(1.50eq)を加えて溶解した。得られた溶液に、内温30℃以下でDMT−MM(1.45eq)を添加した。さらにDIPEA(5.00eq)を添加し、30分撹拌し、反応させた。TLCで反応終了を確認したのち、得られた反応液にプロピルアミン(1.80eq)を添加し、30分撹拌した。得られた反応液にピペリジン(1.5eq.),DBU(7.0eq.)を加え,室温にて10分間撹拌後,TLCで原料消失を確認した。得られた反応液を0〜10℃冷却下,6N HCl(15.3eq.)を加えた。得られた溶液にTHF(5.0v/w)を加えた。さらに、0.01N−HCl(10.0v/w)、酢酸エチル(5.0v/w)を添加し、10分間撹拌し、5分間静置し、下層を排出した。得られた上層に水:飽和食塩水=9:1溶液(10.0v/w)を加え10分撹拌し、撹拌を止め5分静置し下層を排出した。この操作をさらにもう一度行った。得られた有機層に硫酸マグネシウム(1.0w/w)を加え、30分撹拌した。得られた懸濁液を濾過し、残渣をTHF(5.0v/w)で2回洗浄した。得られた濾液にDMF(1.1v/w)を添加し、留去液が16.1v/wになるまで40℃で減圧濃縮した。予め洗浄乾燥した2L容器に得られた残渣にTHF(2.00v/w)を用いて移送した。得られた溶液にアセトニトリル(10.9 v/w)を添加し、30分撹拌した。得られた懸濁液を濾過し、ケーキをアセトニトリル(3.00v/w)で2回洗浄した。予め洗浄した反応器に得られたケーキを移送し、アセトニトリル(10.9v/w)を添加し、30分撹拌した。得られた懸濁液を濾過し、得られたケーキをアセトニトリル(3.00v/w)で2回洗浄した。得られたケーキを40℃で13時間減圧乾燥を行い、化合物103 75.8gを得た。収率96.1%

化合物104(HCl・H−D−Tic−Oic−Arg(Pbf)−OKa(配列番号11))の合成

HCl・H−Oic−Arg(Pbf)−OKa(化合物103)73.5 g(48.7mmol,1.0 eq.)及びFmoc−D−Tic−OH 29.2g(78.4mmol,1.50eq)を用い、化合物103の合成と同様にして、化合物104 78.8gを得た。収率96.9%。

化合物105(HCl・H−Ser(tBu)−D−Tic−Oic−Arg(Pbf)−OKa(配列番号12))の合成

HCl・H−D−Tic−Oic−Arg(Pbf)−OKa(化合物104)78.5 g (47.0mmol,1.0 eq.)及びFmoc−Ser(tBu)−OH 27.1g(70.6mmol,1.50eq)を用い、化合物103の合成と同様にして、化合物105 83.1gを得た。収率97.5%

化合物106(HCl・H−Thi−Ser(tBu)−D−Tic−Oic−Arg(Pbf)−OKa(配列番号13))の合成

HCl・H−Ser(tBu)−D−Tic−Oic−Arg(Pbf)−OKa(化合物105)82.5 g(45.5 mmol,1.0 eq.)及びFmoc−Thi−OH 26.9g(68.3mmol,1.50eq)を用い、化合物103の合成と同様にして、化合物106 87.7gを得た。収率98.1%

化合物107(HCl・H−Gly−Thi−Ser(tBu)−D−Tic−Oic−Arg(Pbf)−OKa(配列番号14))の合成

HCl・H−Thi−Ser(tBu)−D−Tic−Oic−Arg(Pbf)−OKa(化合物106)87.5g(44.6 mmol,1.0 eq.)及びFmoc−Gly−OH 26.9g(66.9mmol,1.50eq)を用い、化合物103の合成と同様にして、化合物107 87.3gを得た。収率96.9%

化合物108(HCl・H−Hyp−Gly−Thi−Ser(tBu)−D−Tic−Oic−Arg(Pbf)−OKa(配列番号15))の合成

HCl・H−Gly−Thi−Ser(tBu)−D−Tic−Oic−Arg(Pbf)−OKa(化合物107)87.0g(43.0 mmol,1.0 eq.)及びFmoc−Hyp−OH 22.8g(64.5mmol,1.50eq)を用い、化合物103の合成と同様にして、化合物108 89.4gを得た。収率97.2%

化合物109(HCl・H−Pro−Hyp−Gly−Thi−Ser(tBu)−D−Tic−Oic−Arg(Pbf)−OKa(配列番号16))の合成

HCl・H−Hyp−Gly−Thi−Ser(tBu)−D−Tic−Oic−Arg(Pbf)−OKa(化合物108)89.0g(41.7 mmol,1.0 eq.)及びFmoc−Pro−OH 21.1g(62.5mmol,1.50eq)を用い、化合物103の合成と同様にして、化合物109 89.9gを得た。収率96.6%

化合物110(HCl・H−Arg(Pbf)−Pro−Hyp−Gly−Thi−Ser(tBu)−D−Tic−Oic−Arg(Pbf)−OKa(配列番号17))の合成

HCl・H−Pro−Hyp−Gly−Thi−Ser(tBu)−D−Tic−Oic−Arg(Pbf)−OKa(化合物109)89.5g(40.1 mmol,1.0eq.)及びFmoc−Arg(Pbf)−OH 39.0g(60.1mmol,1.50eq)を用い、化合物103の合成と同様にして、化合物110 101.9gを得た。収率96.3%

化合物111(HCl・H−D−Arg(Pbf)−Arg(Pbf)−Pro−Hyp−Gly−Thi−Ser(tBu)−D−Tic−Oic−Arg(Pbf)−OKa(配列番号18))の合成

HCl・H−Arg(Pbf)−Pro−Hyp−Gly−Thi−Ser(tBu)−D−Tic−Oic−Arg(Pbf)−OKa(化合物110)101g(38.4 mmol,1.0eq.)及びFmoc−D−Arg(Pbf)−OH 37.4g(57.6mmol,1.50eq)を用い、化合物103の合成と同様にして、化合物111 112.1gを得た。収率96.0%

化合物11(4TFA・H−D−Arg−Arg−Pro−Hyp−Gly−Thi−Ser−D−Tic−Oic−Arg−OH(配列番号1))の合成

予め洗浄乾燥した2L 4つ口フラスコにTFA/TIS/H2O=90/1/9混合溶液 550 mL(10v/w)を添加し、HCl・H−D−Arg(Pbf)−Arg(Pbf)−Pro−Hyp−Gly−Thi−Ser(tBu)−D−Tic−Oic−Arg(Pbf)−OKa(化合物111)55g(18.0mmol,1.0eq.)を加え、TFA/TIS/H2O=90/1/9混合溶液 50mL(0.91v/w)で洗いこんだ。得られた溶液を、内温23.5〜31.5℃で4時間撹拌し、反応させた。得られた反応液にハイフロスーパーセル55g(1.00w/w)を加え、撹拌し懸濁させた。ハイフロスーパーセル55.0g(1.00w/w)を150φ桐山ロートにプレコートさせ、反応液を濾過した。濾過残渣を酢酸 193mL(3.5v/w)で洗浄した。さらに濾過残渣を酢酸110mLで2回洗浄し、濃縮した。濾液、及び洗浄液を合わせ、さらに酢酸13.8mL(0.25v/w)で洗いこみ、0℃に冷却した。得られた溶液に−20℃に冷却した MTBE 3440mL(62.5v/w)を10分かけて添加し、35分撹拌した。得られた懸濁液を濾過し、得られたケーキを、MTBE 110mL(2.0v/w)で洗浄した。得られたケーキをビーカーに移し、MTBE 1380mL(25.0v/w)を加え、10分間撹拌した。得られた懸濁液を濾過し、得られたケーキを、MTBE 110mL(2.0v/w)で洗浄した。得られたケーキをビーカーに移し、n−Hexane 1030mL(18.8v/w)を加え、5分間撹拌した。得られた懸濁液を濾過し、得られたケーキを、n−Hexane 55mL(2.0v/w)で洗浄した。得られたケーキを室温で15時間減圧乾燥を行い、4TFA・H−D−Arg−Arg−Pro−Hyp−Gly−Thi−Ser−D−Tic−Oic−Arg−OH(配列番号2) 23.2gを得た。収率73.2%。純度 (HPLC) 85.9%。 比較例においては、担体保護ペプチドを固形化し、ろ過、乾燥をいう工程が必要となり、操作が煩雑な上、多量の有機溶媒を必要とし、更には、乾燥工程のために工程時間が長くなる。

各種塩基によるKb−NHEt担体を用いた、化合物16(H−Leu−Arg−Pro−NHEt(配列番号19))の合成 実施例4:化合物15(H−Leu−Arg(Pbf)−Pro−NHEt(配列番号20))の1−Methylpiperazineによる合成

HCl・H−EtNKb(1.76g, 2.00mmol)を用い、実施例3と同様にして、以下のアミノ酸を導入し、化合物15を溶液で得た。 1残基目:Fmoc−Pro−OH 2残基目:Fmoc−Arg(Pbf)−OH 3残基目:Fmoc−Leu−OH 得られた溶液に0.5N炭酸水素ナトリウム水溶液(18v/w)を加え、洗浄、分液し、水層を廃棄した。次いで、0.01N塩酸水(8v/w)を加え、さらに6N塩酸水でpH=3に調整後、分液し、水層を廃棄した。得られた有機層を減圧下で溶媒留去した。残渣に冷アセ卜ニ卜リルを加えて析出した沈殿物をろ過し、さらにアセ卜ニ卜リル懸洗を行い、得られた固形物を減圧乾燥し、化合物15(2.95g,quant,HPLC純度96.29%)を得た。

実施例5:化合物16(H−Leu−Arg−Pro−NHEt(配列番号19))の合成

化合物15(2.97g)をTFA/TIS/水(90/1/9)の混合液75.6mlに溶解し、DTT(1.51g,20mg/ml)を加え、3時間室温で撹拌した。反応液をセライ卜でろ過し、ろ過残渣をメタノールで洗浄、ろ過し、得られたろ液の濃縮残渣に冷MTBEを加えた。析出した沈殿物をろ過し、さらにMTBE懸洗を2回行い、得られた固形物を水に溶解し、未溶解物を濾別した。さらに未溶解物を水で洗浄、濾別した。得られたろ液を合わせて減圧乾燥し、化合物16(1.02g,93.5%,HPLC純度93.89%)を得た。

実施例6:化合物16のDiethylenetriamineによる合成

HCl・H−EtNKb(1.76g, 2.00mmol)より、実施例4と同様に(但し、使用塩基を1−MethylpiperazineからDiethylenetriamineに変更)して、化合物15(1.85g,63.6%,HPLC純度95.54%)を得た。さらに、得られた化合物15(2.24g)を用いて実施例5同様にして、化合物16(1.05g,quant,HPLC純度86.60%)を得た。

実施例7:化合物16のN,N−Dimethylethylenediamineによる合成

HCl・H−EtNKb(1.76g, 2.00mmol)より、実施例4と同様に(但し、使用塩基を1−MethylpiperazineからN,N−Dimethylethylenediamineに変更)して、化合物15(2.55g,87.6%, HPLC純度95.38%)を得た。さらに、得られた化合物15(2.39g)を用いて実施例5と同様にして、化合物16(1.21g,quant,HPLC純度81.22%)を得た。

実施例8:化合物16の4−Aminopyperidineによる合成

HCl・H−EtNKb(1.76g, 2.00mmol)より、実施例4と同様に(但し、使用塩基を1−Methylpiperazineから4−Aminopyperidineに変更)して、化合物15(2.72g,93.5%, HPLC純度96.63%)を得た。さらに、得られた化合物15(2.63g)を用いて実施例5と同様にして、化合物16(0.96g,97.0%,HPLC純度92.75%)を得た。

実施例9:化合物16のEthylenediamineによる合成

HCl・H−EtNKb(1.76g, 2.00mmol)より、実施例4と同様に(但し、使用塩基を1−MethylpiperazineからEthylenediamineに変更)して、化合物15(2.43g,83.5%, HPLC純度94.85%)を得た。さらに、得られた化合物15(2.22g)を用いて実施例5と同様にして、化合物16(0.93g,quant,HPLC純度89.93%)を得た。 塩基種による違いを以下の表にまとめた。

2,4−ジ(11’−トリイソプロピルシリルオキシウンデシルオキシ)ベンジルアルコールを用いた化合物23(Pyr−His−Trp−Ser−Tyr−dLeu−Leu−Arg−OH(配列番号21))の合成

実施例10:化合物17(1−ブロモ−11−トリイソプロピルシリルオキシウンデカン)の合成

1−ブロモウンデカノール(2.51g, 10mmol)を用いて、特許第6116782号実施例(1−a)と同様に行い、化合物17(4.07g, 9.99mmol, 99.9%)を得た。

実施例11:化合物18(2,4−ジ(11’−トリイソプロピルシリルオキシ)ベンズアルデヒドの合成

2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド(0.34g, 2.46mmol)を用いて、特許第6116782号実施例(1−b)と同様に行い、化合物18(1.78g, 2.25mmol, 91.5%)を得た。

実施例12:化合物19(2,4−ジ(11’−トリイソプロピルシリルオキシウンデシルオキシ)ベンジルアルコール(「2,4−ジ(11’−トリイソプロピルシリルオキシウンデシルオキシ)ベンジル基」を、以下「KS1」と称することもある)の合成

2,4−ジ(11’−トリイソプロピルシリルオキシウンデシルオキシベンズアルデヒド(1.76g, 2.22mmol)を用いて、特許第6116782号実施例(1−c)と同様に行い、化合物19(1.65g, 2.08mmol, 93.7%)を得た。

実施例13:化合物20(H−Arg(Pbf)−O−KS1)の合成

2,4−ジ(11’−トリイソプロピルシリルオキシウンデシルオキシベンジルアルコール(1.00g, 1.26mmol)を用いて、特許第6116782号実施例(1−c)と同様(但し、Fmoc−Gly−OHの代わりに、Fmoc−Arg(Pbf)−OHを用いて)に行い、化合物20溶液を得た。得られた溶液を減圧濃縮、乾固し、化合物20(1.515g, 1.26mmol, Quant)を得た。

実施例14:化合物21(H−His(Trt)−Trp(Boc)−Ser(tBu)−Tyr(tBu)−dLeu−Leu−Arg(Pbf)−O−KS1(配列番号22))の合成

実施例13で得られた化合物20に対し、以下のアミノ酸を、アミンスカベンジャー(水溶性アミン)を用いた1pot縮合脱保護法を繰り返す方法で導入し、化合物21を溶液で得た。 1残基目:Fmoc−Leu−OH 2残基目:Fmoc−dLeu−OH 3残基目:Fmoc−Tyr(tBu)−OH 4残基目:Fmoc−Ser(tBu)−OH 5残基目:Fmoc−Trp(Boc)−OH 6残基目:Fmoc−His(Trt)−OH

実施例15:化合物22(Pyr−His(Trt)−Trp(Boc)−Ser(tBu)−Tyr(tBu)−dLeu−Leu−Arg(Pbf)−O−KS1(配列番号23))の合成

得られた化合物21溶液にDMFを理論収量に対し1.8v/wになるように加えた。H−Pyr−OH(0.213g,1.64mmol)、COMU(0.675g,1.58mmol)、DIPEA(0.505ml,2.90mmol)を加えた。得られた混合液を室温で30分間攪拌した。得られた反応液に1−メチルピペラジン(0.45equiv)を加えて室温で5分間撹拌した。6N塩酸を加え中和し、さらに0.1N塩酸を理論収量の18v/wになるように加え、洗浄、分液し、水層を廃棄した。得られた有機層に0.1N塩酸と同量の0.5N重曹水溶液を加え、洗浄、分液し、水層を廃棄した。得られた有機層を減圧下で溶媒留去し、化合物22(1.09g, 33.7%)を得た。

実施例16:化合物23(Pyr−His−Trp−Ser−Tyr−dLeu−Leu−Arg−OH)(配列番号21)の合成

化合物22(1.00g,2.78mmol)をTFA/TIS/水(90/1/9)の混合液92mlに溶解し、DTT(3.70g,40mg/ml)を加え、3時間室温で撹拌した。反応液を、セライ卜を用いてろ過し、ろ過残渣をメタノールで洗浄、ろ過した。得られたろ液にトルエン(混合液量)を加え、減圧下で溶媒留去した。残渣に冷MTBEを加えて析出した沈殿物をろ過し、さらにMTBE懸洗、ヘキサン懸洗を行い、得られた固形物を減圧乾燥し、化合物23(4.21g, quant,HPLC純度76.28%)を得た。

2,7−ジドコシルオキシ−9−(3−フルオロフェニル)−9−ブロモフルオレンを用いた化合物23(Pyr−His−Trp−Ser−Tyr−dLeu−Leu−Arg−OH)(配列番号21)の合成

実施例17:化合物24(2,7−ジドコシルオキシ−9−フルオレノン)の合成

2,7−ジヒドロキシ−9−フルオレノン(1.00g, 4.71mmol)を用いて、特許第6092513号実施例2の2−1と同様に行い、化合物24(4.25g、 ドコシルブロミド混合物)を得た。

実施例18:化合物25(2,7−ジドコシルオキシ−9−(3−フルオロフェニル)−9−フルオレノール)の合成

実施例17で得られた化合物24(1.80g, 2.00mmol)を用いて、特許第6092513号実施例1の1−2と同様(但し4−クロロフェニルマグネシウムブロマイドの代わりに、3−フルオロフェニルマグネシウムブルマイドを用いて)に行い、化合物25(1.55g, 1.68mmol, 83.8%)を得た。

実施例19:化合物26(2,7−ジドコシルオキシ−9−(3−フルオロフェニル)−9−ブロモフルオレン(「2,7−ジドコシルオキシ−9−(3−フルオロフェニル)−9−ブロモフルオレニル基」を、以下「Fl基」と称することもある))の合成

2−ドコシロキシ−9−(4−クロロフェニル)−9−フルオレノールの代わりに実施例18で得られた化合物25(1.80g, 2.00mmol)を用いて、特許第6092513号実施例1の1−3と同様にして、化合物26(1.55g, 1.68mmol, 83.8%)を得た。

実施例20:化合物27(Fmoc−Arg(Pbf)−Fl)の合成

2,7−ジドコシルオキシ−9−(3−フルオロフェニル)−9−ブロモフルオレン(0.90g, 0.91mmol)を用いて、特許第6092513号実施例6と同様(但しZ−Ala−OHの代わりに、Fmoc−Arg(Pbf)−OHを用いた。)に行い、化合物27(1.03g, 0.663mmol, 73.0%)を得た。

実施例21:化合物28(H−Arg(Pbf)−O−Fl)の合成

化合物27(0.900g, 0.578mmol)に対し、ピペリジンの代わりに1−メチルピペラジンを用いて、上記した脱Fmoc一般合成法を行い、次いで、塩酸水、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄して化合物28の溶液を得た。

実施例22:化合物29(H−His(Trt)−Trp(Boc)−Ser(tBu)−Tyr(tBu)−dLeu−Leu−Arg(Pbf)−O−Fl(配列番号24))の合成

化合物28対し、以下のアミノ酸を、アミンスカベンジャー(水溶性アミン)を用いた1pot縮合脱保護法を繰り返す方法で導入し、化合物29を溶液で得た。 1残基目:Fmoc−Leu−OH 2残基目:Fmoc−dLeu−OH 3残基目:Fmoc−Tyr(tBu)−OH 4残基目:Fmoc−Ser(tBu)−OH 5残基目:Fmoc−Trp(Boc)−OH 6残基目:Fmoc−His(Trt)−OH

実施例23:化合物30(Pyr−His(Trt)−Trp(Boc)−Ser(tBu)−Tyr(tBu)−dLeu−Leu−Arg(Pbf)−O−Fl(配列番号25))の合成

得られた化合物29溶液にDMFを理論収量に対し1.8v/wになるように加えた。H−Pyr−OH(0.097g,0.75mmol)、COMU(0.310g,0.723mmol)、DIPEA(0.232ml,1.33mmol)を加えた。得られた混合液を室温で30分間攪拌した。得られた反応液に1−メチルピペラジン(0.45equiv)を加えて室温で5分間撹拌した。得られた有機層を減圧下で溶媒留去した。残渣にアセ卜ニ卜リルを加えて析出した沈殿物をろ過し、さらにアセ卜ニ卜リル懸洗を行い、得られた固形物を減圧乾燥し、化合物30(0.999g, 0.37mmol, 64.6%)を得た。

実施例24:化合物23(Pyr−His−Trp−Ser−Tyr−dLeu−Leu−Arg−OH)(配列番号21)の合成

化合物30(5.33g,2.78mmol)をTFA/TIS/水(90/1/9)の混合液92mlに溶解し、DTT(3.70g,40mg/ml)を加え、3時間室温で撹拌した。反応液を、セライ卜を用いてろ過し、ろ過残渣をメタノールで洗浄、ろ過した。得られたろ液にトルエン(混合液量)を加え、減圧下で溶媒留去した。残渣に冷MTBEを加えて析出した沈殿物をろ過し、さらにMTBE懸洗、ヘキサン懸洗を行い、得られた固形物を減圧乾燥し、化合物23(4.21g, quant,HPLC純度76.28%)を得た。

2,4−ジ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアルコールを用いた化合物23(Pyr−His−Trp−Ser−Tyr−dLeu−Leu−Arg−OH)(配列番号21)の合成

実施例25:化合物31(2,3−ジヒドロフィトール(「2,3−ジヒドロフィチル基」を、以下「Phy」と称することがある)の合成

フィトール(10g, 33.7mmol)をメタノールに溶解させ、Pt/C(2%, 1.00g)を懸濁させて水素雰囲気下で一晩撹拌した。反応終了後、濾過してPt/Cを除去し、ろ液を濃縮して化合物31を得た。これは精製することなく次の反応に用いた。

実施例26:化合物32(2,3−ジヒドロフィチルブロミド)の合成

化合物31(33.7mmol)を48%臭化水素酸(100ml)に懸濁し、濃硫酸(0.17mL)を滴下して100℃で一晩撹拌した。反応混合液を室温に冷却後ヘキサン(200mL)で抽出し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(70mL)で2回、20%食塩水(25mL)で1回洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ液の溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ショートカラム、ヘキサンのみ)で精製し、化合物32(10.41g, 28.8mmol, 85% vs. フィトール)を得た。

実施例27:化合物33(2,4−ジ(2’,3’−ジヒドロフィチル)ベンジルアルコール(「2,4−ジ(2’,3’−ジヒドロフィチル)ベンジル基」を、以下「KJ1」と称することがある))の合成

2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド(237mg, 1.716mmol)を用いて、特許第5929756号の実施例1と同様にして、化合物33(1.16g, 1.66mmol, 96.9%)を得た。

実施例28:化合物34(Fmoc−Arg(Pbf)−O−KJ1)の合成

2,4−ジ(11’−トリイソプロピルシリルオキシウンデシルオキシベンジルアルコール(1.76g, 2.22mmol)を用いて特許第5929756号の実施例23と同様にして、ただし、Fmoc−Ser(tBu)−OHの代わりにFmoc−Arg(Pbf)−OHを用いて化合物34溶液を得た。得られた溶液を濃縮し、化合物34(1.65g, 2.08mmol, 93.7%)を得た。

実施例29:化合物35(H−Arg(Pbf)−O−KJ1)の合成

化合物34に対し、ピペリジンの代わりに1−メチルピペラジンを用いて、上記した脱Fmoc一般合成法を行い、次いで、塩酸水、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄して化合物35の溶液を得た。

実施例30:化合物36(H−His(Trt)−Trp(Boc)−Ser(tBu)−Tyr(tBu)−dLeu−Leu−Arg(Pbf)−O−KJ1(配列番号26))の合成

化合物35対し、以下のアミノ酸を、アミンスカベンジャー(水溶性アミン)を用いた1pot縮合脱保護法を繰り返す方法で導入し、化合物36を溶液で得た。 1残基目:Fmoc−Leu−OH 2残基目:Fmoc−dLeu−OH 3残基目:Fmoc−Tyr(tBu)−OH 4残基目:Fmoc−Ser(tBu)−OH 5残基目:Fmoc−Trp(Boc)−OH 6残基目:Fmoc−His(Trt)−OH

実施例31:化合物37(Pyr−His(Trt)−Trp(Boc)−Ser(tBu)−Tyr(tBu)−dLeu−Leu−Arg(Pbf)−O−KJ1(配列番号27))の合成

得られた化合物36溶液にDMFを理論収量に対し1.8v/wになるように加えた。H−Pyr−OH(3.30g,25.55mmol)、COMU(7.0g,16.26mmol,1.25equiv)、DIPEA(5.10ml,29.28mmol,2.25equiv)を加えた。得られた混合液を室温で30分間攪拌した。得られた反応液に1−メチルピペラジン(0.45equiv)を加えて室温で5分間撹拌した。0.01N塩酸(18v/w)を加え、洗浄、分液し、水層を廃棄した。得られた有機層を減圧下で溶媒留去した。残渣にアセ卜ニ卜リルを加えて析出した沈殿物をろ過し、さらにアセ卜ニ卜リル懸洗を行い、得られた固形物を減圧乾燥し、化合物37(28.78g, 87.50%)を得た。

実施例32:化合物23(Pyr−His−Trp−Ser−Tyr−dLeu−Leu−Arg−OH)(配列番号21)の合成

化合物37(5.33g,2.78mmol)をTFA/TIS/水(90/1/9)の混合液92mlに溶解し、DTT(3.70g,40mg/ml)を加え、3時間室温で撹拌した。反応液を、セライ卜を用いてろ過し、ろ過残渣をメタノールで洗浄、ろ過した。得られたろ液にトルエン(混合液量)を加え、減圧下で溶媒留去した。残渣に冷MTBEを加えて析出した沈殿物をろ過し、さらにMTBE懸洗、ヘキサン懸洗を行い、得られた固形物を減圧乾燥し、化合物23(4.21g, quant,HPLC純度76.28%)を得た。

(N−エチル−(Bis(4−ドコシルオキシフェニル))メチルアミンを用いた化合物7(Pyr−His−Trp−Ser−Tyr−dLeu−Leu−Arg−Pro−NHEt)(配列番号2)の合成

実施例33:化合物38(4,4’−ジドコシルオキシベンゾフェノン)の合成

4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン(2.14g, 10mmol)を用いて、特許第5768712号実施例4の4−1と同様にして、化合物38(7.91g、 95.2%)を得た。

実施例34:化合物39(4,4’−ジドコシルオキシフェニルベンゾヒドロール)の合成

化合物38(7.91g, 9.52mmol)を用いて、特許第5768712号の実施例4の4−2と同様にして、化合物39(7.72g, 9.26mmol, 97.3%)を得た。

実施例35:化合物40(N−エチル−(Bis(4−ドコシルオキシフェニル))メチルアミン(N−エチル−(Bis(4−ドコシルオキシフェニル))メチルアミノ基を以下NEt−KJ3と称することもある))の合成

TIPS4−Dpm−OH(C10−CONH−CH(CH2)2)の代わりに化合物39(0.833g, 1.00mmol)、さらにプロピルアミンの代わりにエチルアミン塩酸塩(5mmol)、さらにDIPEA(8mmol)を用いて、特許第6283774号実施例9の(1)及び(2)と同様にして、化合物40(0.829g、 96.6%)を得た。

実施例36:化合物41(Fmoc−Arg(Pbf)−NEt−Kj3)の合成

Fmoc−Pro−OH(0.354g, 1.05mmol)をトルエン14mLに溶解し、DMF(10.8μL, 0.14mmol)、次いで塩化チオニル(91μL, 1.26mmol)を加え、40℃に加温し、2時間撹拌した。さらに塩化チオニル(45.5μL, 0.63mmol)を加え1時間撹拌した。得られた反応液を減圧濃縮した。残渣にトルエン7mLを加え減圧濃縮することを2回繰り返した。得られた残渣を室温に冷却後、ジクロロメタン14mLを加え溶解させ、DIPEA(244μL, 1.4mmol)を加え溶解させた。得られた混合液に実施例35で得られた化合物40(0.601g, 0.7mmol)を加え、1時間撹拌した。得られた反応液を減圧濃縮し、アセトニトリル20mLを加え、得られたスラリー液を濾過し、粗化合物41を得た。得られた粗化合物41をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相ジクロロメタン)に供し、目的物分画を集め濃縮し、化合物41(0.58g, 0.53mmol, 75.1%)を得た。

実施例37:化合物42(H−Pro−NEt−KJ3)の合成

化合物41(0.500g, 0.424mmol)に対し、ピペリジンの代わりに1−メチルピペラジンを用いて、上記した脱Fmoc一般合成法を行い、次いで、塩酸水、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄して化合物EEの溶液を得た。

実施例38:化合物43(H−His(Trt)−Trp(Boc)−Ser(tBu)−Tyr(tBu)−dLeu−Leu−Arg(Pbf)−Pro−NEt−KJ3(配列番号28))の合成

化合物42対し、以下のアミノ酸を、アミンスカベンジャー(水溶性アミン)を用いた1pot縮合脱保護法を繰り返す方法で導入し、化合物43を溶液で得た。 1残基目:Fmoc−Arg(Pbf)−OH 2残基目:Fmoc−Leu−OH 3残基目:Fmoc−dLeu−OH 4残基目:Fmoc−Tyr(tBu)−OH 5残基目:Fmoc−Ser(tBu)−OH 6残基目:Fmoc−Trp(Boc)−OH 7残基目:Fmoc−His(Trt)−OH

実施例39:化合物44(Pyr−His(Trt)−Trp(Boc)−Ser(tBu)−Tyr(tBu)−dLeu−Leu−Arg(Pbf)−Pro−NEt−KJ3(配列番号29))の合成

得られた化合物43溶液にDMFを理論収量に対し1.8v/wになるように加えた。H−Pyr−OH(53mg,0.41mmol, 1.45eq)、COMU(171mg,0.40mmol,1.40equiv)、DIPEA(0.12ml,0.69mmol,2.5equiv)を加えた。得られた混合液を室温で30分間攪拌した。得られた反応液に1−メチルピペラジン(0.6equiv)を加えて室温で5分間撹拌した。0.1N塩酸(18v/w)を加え、洗浄、分液し、水層を廃棄した。得られた有機層を減圧下で溶媒留去した。残渣にアセ卜ニ卜リルを加えて析出した沈殿物をろ過し、さらにアセ卜ニ卜リル懸洗を行い、得られた固形物を減圧乾燥し、化合物44(0.998g, 64.6%,HPLC純度86.10%)を得た。

実施例40:化合物7(Pyr−His−Trp−Ser−Tyr−dLeu−Leu−Arg−Pro−NHEt)(配列番号2)の合成

化合物44(0.10g,0.037mmol)をTFA/TIS/水(90/1/9)の混合液1.23mlに溶解し、DTT(25mg,20mg/ml)を加え、3時間室温で撹拌した。反応液を、セライ卜を用いてろ過し、ろ過残渣をメタノールで洗浄、ろ過した。得られたろ液にトルエン(混合液量)を加え、減圧下で溶媒留去した。残渣に冷MTBEを加えて析出した沈殿物をろ過し、さらにMTBE懸洗、ヘキサン懸洗を行い、得られた固形物を減圧乾燥し、化合物7(19mg, 47.5%,HPLC純度94.93%)を得た。

実施例41:化合物49(TFA・H−Ser−Pro−Leu−Gln−OH(配列番号30))の合成

化合物45(Fmoc−Gln(Trt)−OKb)の合成

2,4−ジドコシルオキシベンジルアルコール(「Kb−OH」と表記する)(1.0g,1.32mmol)を脱水THF(13mL)に溶解し、Fmoc−Gln(Trt)−OH(1.21g,1.98mmol,1.5equiv)、DIPCI(0.307ml,1.98mmol,1.5equiv)、及びDMAP(8.3mg,0.066mmol,0.05equiv)を加えて室温で30分間攪拌した。反応液を減圧下留去した。残渣にメタノールを加えて析出した沈殿物をろ過し、メタノール懸洗を行い、さらにアセトニトリル懸洗を2回行った。得られた固形物を減圧乾燥し、化合物45(1.77g, 99.5%)を得た。

化合物46(H−Gln(Trt)−OKb)の合成

化合物45に対し、DMFの代わりにNMP、ピペリジンの代わりに1−メチルピペラジンを用いて、上記した脱Fmoc一般合成法を行い、次いで、塩酸水、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄して化合物46の溶液を得た。

化合物47(H−Pro−Leu−Gln(Trt)−OKb(配列番号31))の合成

化合物46に対し、以下のアミノ酸を順次縮合させ、その都度アミンスカベンジャーを加えてから脱保護操作を行い、塩酸水、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄を行う1pot縮合脱保護法を繰り返すことにより、化合物47の溶液を得た。 1残基目:Fmoc−Leu−OH 2残基目:Fmoc−Pro−OH

化合物48(Boc−Ser(tBu)−Pro−Leu−Gln(Trt)−OKb(配列番号32))の合成

化合物47の溶液にBoc−Ser(tBu)−OH(0.445g,1.70mmol,1.30equiv.)、COMU(0.702g,1.64mmol,1.25equiv.)、DIPEA (0.571ml,3.3mmol,2.5equiv.)を加えた。得られた混合液を室温で30分間攪拌した。0.1N塩酸水(10ml)、続いて0.5N 炭酸水素ナトリウム水溶液(10ml)でそれぞれ洗浄、分液操作を行い、得られた有機層を減圧下で溶媒留去した。残渣にアセ卜ニ卜リルを加えて析出した沈殿物をろ過し、さらにアセ卜ニ卜リル懸洗を行い、得られた固形物を減圧乾燥し、化合物48(1.83g, 88.4%)を得た。

化合物49(TFA・H−Ser−Pro−Leu−Gln−OH(配列番号30))の合成 化合物48(0.50g,0.32mmol)をTFA/TIS/水(95/2.5/2.5)の混合液15.8mlに溶解し、3時間室温で撹拌した。反応液をセライ卜でろ過し、残渣をTFAで洗浄し、ろ液と洗浄液とあわせて減圧下で溶媒留去した。残渣に冷MTBEを加えて析出した沈殿物をろ過して取得した後、MTBE懸洗を2回行い、得られた固形物を減圧乾燥し、化合物49(0.14g,78.3%、HPLC純度84.93%)を得た。

上記の詳細な記載は、本発明の目的及び対象を単に説明するものであり、添付の特許請求の範囲を限定するものではない。添付の特許請求の範囲から離れることなしに、記載された実施態様に対しての、種々の変更及び置換は、本明細書に記載された教示より当業者にとって明らかである。

本発明のペプチド合成方法は、簡便な手段で、反応系中に存在するアミノ酸活性エステルの問題とDBFの問題を同時に解決するとともに、固液分離操作を削減することができる。本発明によれば、ペプチド合成の工程時間を短縮することができ、また、固液分離操作を削減することにより、溶媒の使用を削減できる。また、本発明により合成されたペプチドはアミノ酸の欠落やダブルヒットの問題が少なく、本発明の方法によれば高収率・高品質のペプチドを合成できる。

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