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Hydrogen storage feed system

阅读:662发布:2024-02-15

专利汇可以提供Hydrogen storage feed system专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a hydrogen storage feed system which uses the hydrogen addition reaction of a hydrogen storage body composed of an aromatic compound and the dehydrogenation reaction of a hydrogen feed body composed of the hydrogenation derivative of the aromatic compound, and which has excellent operational stability and high efficiency. SOLUTION: The hydrogen storage feed system 1 comprises: a raw material storage tank 2 storing a hydrogen storage body composed of an aromatic compound or a hydrogen feed body composed of the hydrogenation derivative of the aromatic compound; a catalyst 31 promoting the hydrogen addition reaction of the hydrogen storage body or the dehydrogenation reaction of the hydrogen feed body; a catalyst heater 32 for heating the catalyst 31; an injector 5 mistily jetting the hydrogen storage body or the hydrogen feed body toward the catalyst 31; a raw material heater 70 heating the hydrogen storage body or the hydrogen feed body jetted from the injector 5; and a recovery apparatus 8 recovering a product by the catalyst reaction. COPYRIGHT: (C)2005,JPO&NCIPI,下面是Hydrogen storage feed system专利的具体信息内容。

  • 芳香族化合物からなる水素貯蔵体又は上記芳香族化合物の水素化誘導体からなる水素供給体を収容する原料貯蔵タンクと、
    上記水素貯蔵体の水素付加反応又は上記水素供給体の脱水素反応を促進する触媒と、
    該触媒を加熱するための触媒ヒータと、
    上記触媒に向けて上記水素貯蔵体又は上記水素供給体を霧状に噴射するインジェクタと、
    該インジェクタから噴射する上記水素貯蔵体又は上記水素供給体を加熱する原料ヒータと、
    触媒反応による生成物を回収する回収装置とを有してなることを特徴とする水素貯蔵供給システム。
  • 請求項1において、上記原料ヒータは、上記インジェクタと一体的に設けてあることを特徴とする水素貯蔵供給システム。
  • 請求項1において、上記原料ヒータは、上記原料貯蔵タンクから上記インジェクタに向けて上記水素貯蔵体又は上記水素供給体を供給する配管に配設してあることを特徴とする水素貯蔵供給システム。
  • 請求項1〜3のいずれか1項において、上記水素貯蔵供給システムは、上記原料ヒータを制御する原料ヒータ制御手段を有してなり、該原料ヒータ制御手段は、上記インジェクタから噴射する上記水素貯蔵体又は上記水素供給体の温度が上記触媒の活性温度に略一致するよう上記原料ヒータを制御するように構成してあることを特徴とする水素貯蔵供給システム。
  • 請求項4において、上記水素貯蔵供給システムは、上記インジェクタの噴射動作を制御する噴射信号を出力する噴射制御手段を有してなり、上記原料ヒータ制御手段は、上記噴射制御手段が出力する上記噴射信号に連動して上記原料ヒータを制御するように構成してあることを特徴とする水素貯蔵供給システム。
  • 請求項1〜5のいずれか1項において、上記インジェクタは、平均粒子径が1000μmより大きく1500μm以下の霧状の上記水素貯蔵体又は上記水素供給体を噴射するように構成してあることを特徴とする水素貯蔵供給システム。
  • 請求項1〜5のいずれか1項において、上記インジェクタは、平均粒子径が1μm以上5μm未満の霧状の上記水素貯蔵体又は上記水素供給体を噴射するよう構成してあることを特徴とする水素貯蔵供給システム。
  • 請求項1〜7のいずれか1項において、上記インジェクタは、内燃機関に使用する燃料噴射用のインジェクタであることを特徴とする水素貯蔵供給システム。
  • 说明书全文

    本発明は、低コストで、安定性、効率性に優れた素貯蔵供給システムに関する。

    近年、内燃機関等に代わるクリーンな動源として水素燃料を利用する燃料電池システムが注目を浴びている。
    しかしながら、水素は常温において気体であり、かつ、可燃性物質でもあるため、貯蔵や運搬が難しく取扱いにも極めて注意を要する。

    水素を貯蔵、供給する方法としては、例えば、芳香族化合物からなる水素貯蔵体の水素付加反応と、該芳香族化合物の水素化誘導体からなる水素供給体の脱水素反応との少なくとも一方を利用して水素の貯蔵又は供給を行う方法がある。 そして、この芳香族化合物を利用して構成された水素貯蔵供給システムがある。
    該水素貯蔵供給システムは、水素を供給する際、霧状にしたシクロヘキサンやメチルシクロヘキサンやデカリン等の水素供給体を触媒成分を担持してなる触媒に供給して水素を発生させる。 一方、水素を貯蔵する際は、霧状にしたベンゼン、トルエン、ナフタレン等の水素貯蔵体を水素雰囲気内の触媒に供給して水素を貯蔵するように構成してある(例えば、特許文献1参照。)。

    上記の水素貯蔵供給システムは、安全性、貯蔵能力にも優れており、コスト面でも有利である。
    しかし、このシステムでは、触媒に供給する水素貯蔵体又は水素供給体の噴霧粒子径によって効率が大きく変動したり、触媒反応が停止してしまうおそれがあった。
    すなわち、上記噴霧粒子径が小さすぎる場合には、上記触媒成分と接触する原料の量が不足して十分な反応が得られないおそれがある。 また、上記噴霧粒子径が大きすぎる場合には、上記触媒が冷却されてその温度が低下し、触媒反応が途中で停止するおそれがある。

    特願2002−187702号公報

    本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであり、芳香族化合物からなる水素貯蔵体の水素付加反応と、該芳香族化合物の水素化誘導体からなる水素供給体の脱水素反応とを利用した水素貯蔵供給システムにおいて、動作安定性に優れ、高効率の水素貯蔵供給システムを提供することを目的とする。

    本発明は、芳香族化合物からなる水素貯蔵体又は上記芳香族化合物の水素化誘導体からなる水素供給体を収容する原料貯蔵タンクと、
    上記水素貯蔵体の水素付加反応又は上記水素供給体の脱水素反応を促進する触媒と、
    該触媒を加熱するための触媒ヒータと、
    上記触媒に向けて上記水素貯蔵体又は上記水素供給体を霧状に噴射するインジェクタと、
    該インジェクタから噴射する上記水素貯蔵体又は上記水素供給体を加熱する原料ヒータと、
    触媒反応による生成物を回収する回収装置とを有してなることを特徴とする水素貯蔵供給システムにある(請求項1)。

    本発明の水素貯蔵供給システムは、上記インジェクタから噴射する上記水素貯蔵体又は上記水素供給体を加熱する上記原料ヒータを有してなるシステムである。
    そのため、上記水素貯蔵供給システムでは、予め、加熱した上記水素貯蔵体又は水素供給体を上記触媒に供給することができ、それ故、上記水素貯蔵体又は水素供給体を供給する際の上記触媒の温度低下を抑制することができる。
    したがって、例えば、比較的大径の噴霧粒子を上記触媒に供給した場合であっても、触媒反応を安定して維持できる。 そしてそれ故、上記水素貯蔵供給システムでは、大径の噴霧粒子と上記触媒との接触により両者の接触面積を拡大して触媒反応量を向上することができる。

    また、上記インジェクタから上記水素貯蔵体又は水素供給体を噴射する場合に予め上記水素貯蔵体又は水素供給体を加熱すれば、その霧化特性を向上して小径の噴霧粒子を流速高く噴射することができる。 加熱により熱エネルギーを与えることで、上記噴霧粒子内の分子が活発に活動し、霧化し易くなるためである。
    そのため、上記水素貯蔵供給システムでは、例えば、上記インジェクタから小径の噴霧粒子を大量に上記触媒に供給でき、これにより触媒反応量を高く維持することができる。

    以上のように本発明の水素貯蔵供給システムは、上記触媒に供給する上記水素貯蔵体又は水素供給体の噴霧粒子径の大小によらず安定した触媒反応を得られる効率の高いシステムである。
    なお、上記触媒とは、触媒成分を担持する担体に触媒成分を担持させたものである。

    本発明の水素貯蔵供給システムでは、上記触媒を構成させる上記触媒成分としては、ニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、モリブデン、レニウム、タングステン、バナジウム、オスミウム、クロム、コバルト及び鉄等の少なくとも1種の金属を用いることができる。
    また、上記触媒成分を担持する担体としては、活性炭、カーボンナノチューブ、モレキュラシーブ、ゼオライト、シリカゲル又はアルミナ等を適用することができる。
    また、上記芳香族化合物としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ナフタレン、メチルナフタレン、アントラセン、ビフェニル、フェナンスレン及びそれらのアルキル誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物を用いることができる。

    また、上記原料ヒータは、上記インジェクタと一体的に設けてあることが好ましい(請求項2)。
    この場合には、上記インジェクタと一体の上記原料ヒータが発生する熱により上記水素貯蔵体又は水素供給体を効率良く加熱することができる。
    なお、上記原料ヒータは、上記インジェクタに内蔵することもでき、上記インジェクタに外挿して取り付けることもできる。

    また、上記原料ヒータは、上記原料貯蔵タンクから上記インジェクタに向けて上記水素貯蔵体又は上記水素供給体を供給する配管に配設してあることが好ましい(請求項3)。
    この場合には、上記原料ヒータが発生する熱により、上記インジェクタに供給する上記水素貯蔵体又は水素供給体を予め加熱することができる。
    なお、上記配管ヒータとしては、上記配管の内部に収容する構造のほか、上記配管の外周に配設する構造とすることができる。

    また、上記水素貯蔵供給システムは、上記原料ヒータを制御する原料ヒータ制御手段を有してなり、該原料ヒータ制御手段は、上記インジェクタから噴射する上記水素貯蔵体又は上記水素供給体の温度が上記触媒の活性温度に略一致するよう上記原料ヒータを制御するように構成してあることが好ましい(請求項4)。
    ここで、上記触媒の活性温度とは、触媒を活性させ触媒反応を促進し得る温度をいう。 そして、上記水素貯蔵体又は水素供給体の温度を上記触媒の活性温度に略一致させた場合には、上記水素貯蔵体又は上記水素供給体の供給による上記触媒の温度変動を抑制して、該触媒が不活性状態に遷移するおそれを少なくできる。

    また、上記水素貯蔵供給システムは、上記インジェクタの噴射動作を制御する噴射信号を出力する噴射制御手段を有してなり、上記原料ヒータ制御手段は、上記噴射制御手段が出力する上記噴射信号に連動して上記原料ヒータを制御するように構成してあることが好ましい(請求項5)。
    この場合には、上記噴射信号に連動して上記原料ヒータの制御を実施することにより、上記インジェクタから噴射する上記水素貯蔵体又は水素供給体を効率良く加熱することができる。
    なお、上記噴射信号に連動して上記原料ヒータを制御するとは、例えば、上記噴射信号に同期して上記原料ヒータへの供給電力を大きくするような制御を意味する。 さらに、例えば、上記噴射制御手段と上記原料制御手段とを一体的に構成する場合には、上記噴射信号に先立って上記原料ヒータへの供給電力を大きくし、該原料ヒータを予熱しておく等の制御を実施することもできる。

    また、上記インジェクタは、平均粒子径が1000μmより大きく1500μm以下の霧状の上記水素貯蔵体又は上記水素供給体を噴射するように構成してあることが好ましい(請求項6)。
    この場合には、上記のように平均粒子径が大きい霧状の上記水素貯蔵体等を噴射すると上記触媒の温度が低下するおそれがあるため、噴射する上記水素貯蔵体等を予め加熱しておき上記触媒の温度低下を抑制するという上記本発明の効果が特に有効になる。

    また、上記インジェクタは、平均粒子径が1μm以上5μm未満の霧状の上記水素貯蔵体又は上記水素供給体を噴射するよう構成してあることが好ましい(請求項7)。
    この場合には、上記のように平均粒子径を小さくすると霧化特性が悪化して、効率良く上記触媒に上記水素貯蔵体等を供給できなくなるおそれがあるため、予め加熱することで上記水素貯蔵体等の分子運動を活発にし、その霧化特性を向上するという上記本発明の効果が特に有効になる。
    そのため、例えば、上記のごとく小径の噴霧粒子を上記インジェクタから上記触媒に向けて大量に供給でき、これにより触媒反応量を向上することができる。

    また、上記インジェクタは、内燃機関に使用する燃料噴射用のインジェクタであることが好ましい(請求項8)。
    この場合には、上記インジェクタの有する優れた耐久性のため、上記水素貯蔵供給システムは長年に渡ってその性能を発揮し得る。 さらに、上記インジェクタによれば、精度高く上記水素貯蔵体又は上記水素供給体を噴射できるため、このインジェクタを利用した上記水素貯蔵供給システムは制御が容易である。

    (実施例1)
    本例の水素貯蔵供給システム1について図1〜図4を用いて説明する。
    本例の水素貯蔵供給システム1は、図1に示すごとく、芳香族化合物からなる水素貯蔵体又は上記芳香族化合物の水素化誘導体からなる水素供給体を収容する原料貯蔵タンク2と、上記水素貯蔵体の水素付加反応又は上記水素供給体の脱水素反応を促進する触媒31と、該触媒31を加熱するための触媒ヒータ32と、上記触媒31に向けて上記水素貯蔵体又は上記水素供給体を霧状に噴射するインジェクタ5と、該インジェクタ5から噴射する上記水素貯蔵体又は上記水素供給体を加熱する原料ヒータ70と、触媒反応による生成物を回収する回収装置8とを有してなるシステムである。
    以下に、この内容について詳しく説明する。

    本例の上記水素貯蔵供給システム1は、水素貯蔵体としてのトルエンに水素を貯蔵する水素付加反応と、水素供給体としてのメチルシクロヘキサンから水素を生成する脱水素反応とを切り換えて実施できるように構成したシステムである。
    これに代えて、水素付加反応又は脱水素反応のいずれかのみを実施するようにシステムを構成することもできる。 この場合には、システムを簡素に構成することができる。

    上記原料貯蔵タンク2は、上記水素貯蔵体又は上記水素供給体(以下、適宜原料等と記載する。)を貯蔵するタンク状の容器である。 本例の原料貯蔵タンク2は、水素貯蔵体としてのトルエン又は、水素供給体としてのメチルシクロヘキサンを貯蔵するように構成してある。
    この原料貯蔵タンク2には、ポンプ21を介して上記インジェクタ5に連接する配管を接続してある。 そして、ポンプ21は、原料貯蔵タンク2内の原料を加圧してインジェクタ5に供給するように構成してある。

    上記触媒31は、図1に示すごとく、担体としてのハニカムシート状の活性炭素地(図示略)に、触媒成分としての10重量%の白金(Pt)を担持させた触媒体であり、反応容器3の底部付近に配設してある。
    上記触媒ヒータ32は、抵抗加熱体としてのニクロム線よりなる。 この触媒ヒータ32は、触媒31を支持するアルミ製のヒータ格納部315の内部に配置してある。 そして、触媒ヒータ32は、ヒータ格納部315を介した熱伝導により触媒31を加熱するように構成してある。
    ここで、本例の触媒31には、触媒温度を検知する熱電対(図示略)を配置してあり、図示しない制御装置は、上記熱電対の計測温度に基づいて触媒ヒータ32への供給電力をフィードバック制御するように構成してある。
    なお、本例の制御装置は、触媒ヒータ32だけでなく、原料ヒータ31及びインジェクタ5を並列して制御できるように構成してある。

    そして、本例の制御装置は、水素付加反応を生じさせる際には、触媒31の温度を約60〜300℃に制御し、脱水素反応を生じさせる際には、触媒31の温度を約220〜400℃に制御するように構成してある。 すなわち、本例の触媒31が活性する温度は、水素付加反応では約60〜300℃の範囲にあり、脱水素反応では約220〜400℃の範囲にある。

    上記インジェクタ5は、図1に示すごとく、上記触媒31、上記触媒ヒータ32と共に反応容器3に配設してある。 そして、上記水素貯蔵供給システム1は、上記反応容器3内で触媒反応を生じるように構成してある。
    このインジェクタ5は、図1及び図2に示すごとく、原料供給配管を接続するジョイント部522を有してなり、ポンプ21を介して原料貯蔵タンク2に配管接続してある。 そして、このインジェクタ5は、噴射制御手段としての上記制御装置(図示略)が出力する噴射信号に基づいて原料等よりなる噴霧粒子を均一性高く噴射し、触媒31表面に液膜を形成するように構成してある。

    インジェクタ5は、図2に示すごとく、上記原料ヒータ70を外挿してなり、予め加熱した原料等よりなる平均粒子径(ザウター平均粒子径)50μm未満の噴霧粒子を噴射するように構成してある。
    そして、加熱した原料等を噴射するように構成したインジェクタ5によれば、上記噴霧粒子を触媒31(図1)に向けて噴射した際にも触媒31の温度を低下させるおそれを抑制して触媒反応を安定的に継続させることができる。
    なお、加熱した原料等を噴射するように構成した本例のインジェクタ5によれば、1000μmを超えて1500ミクロン以下の大径の噴霧粒子を触媒31(図1)に向けて噴射することも可能である。 予め、加熱した原料等よりなる噴霧粒子によれば、触媒31の温度を低下させるおそれを抑制して触媒反応を安定的に継続させることができる。

    一方、加熱した原料等は霧化特性に優れている。 そのため、本例の50μmの噴霧粒子に代えて、5μmに満たない小径の噴霧粒子をインジェクタ5から流速高く、大量に噴射することも可能である。
    それ故、本例の水素貯蔵供給システム1では、インジェクタ5から1μm以上5μm未満の小径の噴霧粒子を大量に噴射して効率良く触媒反応を生じさせることも可能である。

    ここで、本例のインジェクタ5の構成について説明する。 該インジェクタ5は,図2に示すごとく,ソレノイドを含む駆動部(図示略)と、インジェクションノズル65を含む噴射ノズル部61とを有してなる自動車の内燃機関に用いるインジェクタである。
    上記駆動部は、外部供給される電力により伸縮動作を行うように構成してある。 そして、上記インジェクタ5は、駆動部の伸縮動作によりインジェクションノズル65から原料等を噴射できるように構成してある。

    上記噴射ノズル部61は,図2に示すごとく,インジェクションノズル65と,該インジェクションノズル65に内挿したノズルニードル615と,噴射する燃料を蓄える原料溜まり612とを有している。
    インジェクションノズル65は,軸芯と同軸に穿孔されたニードル穴650を有している。 そして,このニードル穴650はインジェクションノズル65の先端において噴孔611として開口している。
    上記ノズルニードル615は,先端側が小径な2段の略円柱形状を呈しており,直径が変化する段部616が上記原料溜まり612に位置するよう上記ニードル穴650内に収容されている。 また,ノズルニードル615は,その球状を呈する先端部613により,インジェクションノズル65先端の噴孔611を開閉するように構成してある。

    上記ノズルニードル615は,上記駆動部の伸縮動作により進退するように構成してある。
    そして、上記噴射ノズル部61は、図2に示すごとく,ノズルニードル615の後退により噴孔611が開口して霧状の原料が噴射され、ノズルニードル615の前進により噴孔611が閉じられるように構成してある。

    特に、本例のインジェクタ5では、噴射ノズル部61における原料溜まり612の外周にリング状のセラミックヒータである原料ヒータ70を隙間なく外挿してある。
    そして、上記インジェクタ5は、原料ヒータ70が発生する熱量により、原料溜まり612内の原料等を加熱できるように構成してある。
    この原料ヒータ70は、原料ヒータ制御手段としての上記制御装置により制御されるように構成してある。 そして、該制御装置は、反応容器3の噴射空間に配設した熱電対(図示略)より入力した計測温度に基づいて原料ヒータ70を制御するように構成してある。

    本例では、インジェクタ5から噴射する原料等の温度を、上記触媒31の活性温度と略一致させるように制御装置を構成してある。 すなわち、制御装置は、水素付加反応では噴射する水素貯蔵体の温度が約60〜300℃になるように制御し、脱水素反応では噴射する水素供給体の温度が約220〜400℃になるように制御するように構成してある。

    なお、原料ヒータとしては、本例の燃料溜まり612の外周に配置する構成に代えて、図3に示すごとく、原料ヒータ71をインジェクションノズル65に外挿することもできる。 また、図4に示すごとく、端部に原料ヒータ72を内挿した略円筒状のホルダ720をインジェクションノズル65に外挿し、噴孔611付近に原料ヒータ72を位置させることもできる。
    さらに、原料ヒータをインジェクタ5に組み込み、内蔵させることも可能である。

    また、インジェクタ5、触媒31等を収容する反応容器3は、図1に示すごとく、電磁弁よりなるバルブ96を介して上記回収装置8に配管接続されていると共に、電磁弁よりなるバルブ97を介して水素供給手段(図示略)に配管接続されている。
    バルブ96は、反応容器3内の生成物を回収装置8に導くのに用いるバルブである。 すなわち、水素とトルエンとによる水素付加反応ではメチルシクロヘキサンを流動させ、メチルシクロヘキサンの脱水素反応ではトルエンと水素を流動させるよう構成してある。
    また、バルブ97は、水素供給手段から供給されてくる水素を反応容器3内に導入するためのバルブであり、反応容器3内で水素付加反応を生じさせる際に開状態とするよう構成してある。

    上記回収装置8は、同図に示すごとく、反応容器3から送気されてくるトルエン又はメチルシクロヘキサンを完全に液化させて回収タンク85に回収すると共に、水素を精製分離する装置である。
    この回収装置8は、反応容器3から送気されてくる生成物の冷却を行う蒸気凝縮器81と、水素を分離する水素抽出器82と、上記回収タンク85とからなる。
    上記蒸気凝縮器81は、冷却水により冷却されたらせん状細管811を有してなる。 また、上記水素抽出器82は、水素中の液滴を分離する活性炭や水素セパレータ膜等の水素分離フィルタ821を有してなる。

    蒸気凝縮器81では、発生した水素と芳香族化合物及び水素化芳香族化合物との気液分離を効率的に実現するため、冷却水温度を−20〜20℃に調節してある。
    なお、回収装置8は、水素抽出器82を省略して構成することも可能である。 しかし、高純度(99.9%以上)の精製分離を行うためには、上記水素抽出器82を配置することが有効である。

    上記回収タンク85は、蒸気凝縮器81と配管接続されている。 そして、蒸気凝縮器81で冷却されて液化したメチルシクロヘキサン又はトルエンは、回収タンク85に送られて回収される。
    このとき、液化せず気体のままの水素は、回収タンク85を経由して該回収タンク85に配管接続された水素抽出器82に送気されることになる。

    水素抽出器82内に配設した活性炭や水素セパレータ膜からなる水素分離フィルタ821は、質量が軽く、拡散速度が大きい水素ガスのみを選択的に通過させる。 そして、分離された水素は、水素放出側バルブ92を通って外部、例えば、住宅用燃料電池システム等に供給可能である。
    ここで、本例の水素貯蔵供給システム1は、水素放出側バルブ92に隣接配置した流量計93を用いて水素の発生量を測定できるように構成してある。

    次に、上記の水素貯蔵供給システム1の動作(水素付加反応、脱水素反応)について、図1を用いて説明する。
    第1に、トルエンへの水素付加反応により水素を貯蔵する場合の水素貯蔵供給システム1の動作について説明する。
    ここでは、まず、触媒31の温度が250℃前後となるように触媒ヒータ32を制御しておき、バルブ97を開いて水素供給手段から反応容器3へ水素を供給する。
    その後、バルブ97を閉じると共に、コンプレッサ31を作動させて原料貯蔵手段2から反応容器3に供給するトルエンを加圧する。 そして、反応容器3では、インジェクタ5から触媒31に向けて平均粒子径50μmの霧状のトルエンを噴射する。

    なお、本例では、インジェクタ5から噴射するトルエンの温度が100℃前後となるように原料ヒータ70を制御した。 そして、1秒毎に0.015mlのトルエンを反応容器3に供給した。
    このときの10分後のトルエンからメチルシクロヘキサンへの転化率は55%であった。

    反応容器3では、水素とトルエンとの間の水素付加反応に伴なって気体状のメチルシクロヘキサンが生成する。 このメチルシクロヘキサンは、その後、回収装置8の蒸気凝縮器81で冷却されて液状となり回収タンク85内に蓄えられる。
    一方、反応容器3から流出した未反応の水素は、回収タンク85を経由して水素抽出器82に流入することになる。 なお、回収タンク85から反応容器3に戻る配管経路を形成し、未反応の水素を循環使用できるように構成することもできる。

    第2に、メチルシクロヘキサンの脱水素反応により水素を供給する場合の水素貯蔵供給システム1の動作について説明する。
    ここでは、まず、触媒31の温度が300℃前後になるよう触媒ヒータ32を制御しながら、ポンプ21を作動させて原料貯蔵タンク2から反応容器3に供給するメチルシクロヘキサンを加圧する。 そして、反応容器3においては、インジェクタ5から触媒31に向けて平均粒子径50μmの霧状のメチルシクロヘキサンを噴射する。

    なお、本例では、インジェクタ5から噴射するメチルシクロヘキサンの温度が100℃前後となるように原料ヒータ70を制御した。 そして、1秒毎に、0.015mlのメチルシクロヘキサンを反応容器3に供給した。
    このときの10分後の水素生成速度は0.41リットル/分であり、メチルシクロヘキサンからトルエンへの転化率は72%であった。

    反応容器3では、脱水素反応に伴なって気体状のトルエンと水素が生成することになる。 生成したトルエンは、回収装置8の蒸気凝縮器81で冷却されて液状となり回収タンク8内に蓄えられる。 一方、生成した水素は、水素抽出器82により精製され、外部に供給される。

    以上のように本例の水素貯蔵供給システム1では、インジェクタ5から噴射する原料等を予め加熱することで触媒31の活性状態を安定的に維持して、効率良く触媒反応を生じさせることができる。
    なお、本例では、触媒31には触媒成分として白金を担持したが、これに代えて、ニッケル、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、モリブデン、レニウム、タングステン、バナジウム、オスミウム、クロム、コバルト、及び鉄等の貴金属類等を適用することができる。 さらに、触媒31に担持する金属は、1種のみの単一金属でも良く、2種以上の金属を併用してもよい。
    ここで、例示した金属のうち、白金、タングステン、レニウム、モリブデン、ロジウム、バナジウムは、活性、安定性、取り扱い性等の面から特に好ましい。

    触媒31における金属の担持率は、担体に対して通常0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜20重量%である。
    また、2種以上の金属を用いる複合金属系触媒の場合は、主金属成分に対して添加金属の添加量が、原子比で0.001〜10、特に0.01〜5であることが好ましい。 なお、主金属成分と添加金属との組み合わせとしては、白金、パラジウム、ルテニウム等の主金属成分に対して、イリジウム、レニウム、ニッケル、モリブデン、タングステン、ルテニウム、バナジウム、オスミウム、クロム、コバルト、鉄等の添加金属とするのが良い。

    一方、活性金属を担持する担体としては、例えば、活性炭、カーボンナノチューブ、モレキュラシーブ、ゼオライト等の多孔質担体、又はシリカゲル、アルミナ等を用いるのが好ましい。
    さらに、上記担体の形状は、顆粒状、シート状、織布状、ハニカム状、メッシュ状、ポーラス状等、使用形態に合わせて様々な形態とすることができる。
    さらに、本発明に用いられる芳香族化合物としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ナフタレン、メチルナフタレン、アントラセン、ビフェニル、フェナスレン等の芳香族炭化水素化合物、又はそれらのアルキル誘導体を適用することができる。 特に、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン等は、優れた反応効率を呈する。

    また、本例の構成に代えて、上記触媒31の計測温度に基づき上記原料ヒータ70をフィードバック制御することもできる。 すなわち、原料等をインジェクタ5から噴射した際の触媒31の温度変動を抑制するように原料ヒータ70を制御すれば良い。
    さらに、インジェクタ5に噴射信号を出力する噴射制御手段と、原料ヒータ70を制御する原料ヒータ制御手段とを一体的に構成してなる上記制御装置によれば、上記インジェクタ5の噴射信号と連動して、上記原料ヒータ70(図2)、71(図3)、72(図4)を制御することができる。
    すなわち、上記原料ヒータ70、71に対しては、インジェクタ5による噴射動作に先だって上記原料ヒータ70、71の発熱量が大きくなるように制御すると効率良く原料等を加熱することができる。 また、原料ヒータ72に対しては、インジェクタ5に出力する噴射信号と同期して上記原料ヒータ72へ制御信号を出力すれば、インジェクタ5の噴孔611から噴射された霧状の原料等を確実に加熱できる。

    (実施例2)
    本例は、実施例1の水素貯蔵供給システムを基にして、原料ヒータの配設方法を変更した例である。 この内容について、図5及び図6を用いて説明する。
    本例の原料ヒータ75、76は、同図に示すごとく、原料貯蔵タンク2からインジェクタ5へ原料等を供給する配管に配設してある。

    図5に示すごとく、配管ヒータ75は、ガラス繊維よりなる帯状の布の中にニクロム線を組み込んだリボンヒータよりなる。 そして、本例の配管ヒータ75は、銅よりなる配管の外周に上記リボンヒータを巻き付けてなる。
    また、図6に示すごとく、配管ヒータ76は、棒状のセラミックヒータよりなる。 そして、本例の配管ヒータ76は、配管のエルボー部761に穿孔した取り付けネジ穴から配管内へ挿入配置するように構成してある。 この配管ヒータ76によれば、配管内を流動する原料等を直接的、効率良く加熱することができる。

    なお、その他の構成及び作用効果については実施例1と同様である。

    (実施例3)
    本例は、実施例1の水素貯蔵供給システムについて、触媒温度及び水素生成量の変動を調べた例である。 この内容について、図7を用いて説明する。
    本例では、同図に示すごとく、実施例1の脱水素反応の試験条件の下でインジェクタからメチルシクロヘキサンを噴射する噴射タイミングと、触媒温度と、水素生成量とを示したものである。
    なお、同図中、横軸は時間Tを表し、縦軸は、それぞれインジェクタ開度、触媒温度、水素生成量を示してある。
    さらに、同図には、原料等を加熱する本例の水素貯蔵供給システムの優位性を明確にするため、原料等を加熱しないときの触媒温度及び水素生成量を破線で示してある。

    同図中の実線に示すごとく、実施例1の水素貯蔵供給システムでは、触媒温度の変動が抑制されている。 このシステムでは、インジェクタから触媒に向けて原料を噴射したときにも触媒温度が低下するおそれが少ない。
    そのため、同図から明らかなように、実施例1の水素貯蔵供給システムでは、原料を加熱しない場合(破線で示す。)と比べて水素生成量を大きくすることができる。

    実施例1における、水素貯蔵供給システムの構成を示すブロック図。

    実施例1における、インジェクタの構造を示す断面図。

    実施例1における、その他のインジェクタの構造を示す断面図。

    実施例1における、その他のインジェクタの構造を示す断面図。

    実施例2における、原料ヒータを示す断面図。

    実施例2における、その他の原料ヒータを示す断面図。

    実施例3における、インジェクタ開度と触媒温度と水素生成量との関係を示すグラフ。

    符号の説明

    1 水素貯蔵供給システム 2 原料貯蔵タンク 3 反応容器 31 触媒 32 触媒ヒータ 5 インジェクタ 70、71、72、75、76 原料ヒータ 8 回収装置 81 蒸気凝縮器 82 水素抽出器 85 回収タンク

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