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Artificial plantation, afforestation method and plantation method

阅读:155发布:2020-11-23

专利汇可以提供Artificial plantation, afforestation method and plantation method专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To reduce the damage of woods caused by ultraviolet rays.
SOLUTION: The species having polyploid such as triploid and tetraploid in chromosome number is selectively afforested to form an artificial plantation and to form the woods having ultraviolet resistance.
COPYRIGHT: (C)2002,JPO,下面是Artificial plantation, afforestation method and plantation method专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 多数性の染色体を有する苗木を植樹して形成されることを特徴とする人工林。
  • 【請求項2】 請求項1記載の人工林において、 前記苗木は、3倍体または4倍体などの倍数体であることを特徴とする人工林。
  • 【請求項3】 請求項1または2記載の人工林において、 前記苗木は、針葉樹の苗木であることを特徴とする人工林。
  • 【請求項4】 請求項3記載の人工林において、 前記針葉樹の苗木は、スギまたはヒノキの苗木であることを特徴とする人工林。
  • 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の人工林において、 前記苗木は、交配や突然変異などの多数性獲得手段により染色体の多数性が獲得されていることを特徴とする人工林。
  • 【請求項6】 多数生の染色体を有する苗木を選択して、植樹することを特徴とする植林方法。
  • 【請求項7】 請求項6記載の植林方法において、 前記苗木は、3倍体または4倍体などの倍数体であることを特徴とする植林方法。
  • 【請求項8】 請求項6または7記載の植林方法において、 前記苗木は、針葉樹の苗木であることを特徴とする植林方法。
  • 【請求項9】 請求項8記載の植林方法において、 前記針葉樹の苗木は、スギまたはヒノキであることを特徴とする植林方法。
  • 【請求項10】 請求項6ないし9のいずれか1項に記載の植林方法において、 前記苗木は、交配や突然変異などの多数性獲得手段により染色体の多数性が獲得されていることを特徴とする植林方法。
  • 【請求項11】 多数性の染色体を有する植物を選択的に植栽することにより、2倍体の植物からなる植生に比べて、紫外線に対する耐性が強い植生を人工的に形成することを特徴とする植栽方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、植林などの植栽技術に関し、特に、紫外線に強い樹木の苗木などを選択的に植栽して紫外線に対して耐性のある森林などの植生を確保する技術である。

    【0002】

    【従来の技術】近年、地球規模で紫外線の問題が論議されている。 特に、近年は、地球を取り巻く成層圏におけるオゾン層が破壊され、地球外からの紫外線がそのまま地球上に届き、地球上の生物に種々の悪影響を及ぼしていることが確認されている。

    【0003】例えば、人体では、紫外線の被照射量の増加に伴い皮膚ガンの症例増加が認められるなど、紫外線被害の増加が報告されている。 紫外線による被害は、紫外線により発生させられる活性酸素に基づくものと考えられる。 かかる活性酸素の種々の弊害については、本発明者でもある丹羽により長年に亙って、薬理学的、生化学的に研究されている。

    【0004】

    【発明が解決しようとする課題】従来、紫外線に基づく被害の実態は、主に、人体への影響を中心として研究されてきた。 しかし、本発明者らは、紫外線における影響が、森林にも重大な影響を及ぼしていることを突き止めた。

    【0005】森林被害に関しては、酸性雨の影響が、大きな原因として取り上げられている。 例えば、ドイツのシュバルツバルトでは、酸性雨により大量の樹木が立ち枯れとなった大きな被害が報告されている。 工場煙に含まれる硫黄酸化物などの酸性酸化物が雨滴に溶解して、酸性雨となるのである。

    【0006】本発明者らは、国内における森林の被害について、各地の山林などの現地踏破を繰り返して、被害の状況を観察した。 観察結果を詳細に検討するうちに、
    近年多く見られる森林内の立ち枯れなどの異常現象については、酸性雨以外の要因も強く働いている可能性があることに気付いた。 さらなる研究の結果、紫外線が森林被害の主因と考えられる場合もあることが分かった。

    【0007】森林被害における紫外線の影響については、未だ十分な研究はなされていない。 本発明者らは、
    かかる紫外線に対する森林被害の状況を目の当たりにして、かか被害を抑える対策を速やかに実行することが必要と考えた。 地球規模でオゾン層の破壊が進み、それにつれて紫外線の照射量が増加している現実を踏まえれば、種々の要因で森林被害が進むなか、森林の紫外線被害を抑えることは急務の課題である。 そのまま放置すれば、将来、世界規模で紫外線により森林が立ち枯れして、大規模な森林喪失が予測されるのである。

    【0008】本発明の目的は、紫外線による森林被害を抑えることにある。

    【0009】

    【課題を解決するための手段】本発明の人工林は、多数性の染色体を有する苗木を植樹して形成されることを特徴とする。 前記苗木は、3倍体または4倍体などの倍数体であることを特徴とする。 前記苗木は、針葉樹の苗木であることを特徴とする。 前記針葉樹の苗木は、スギまたはヒノキから選択された苗木であることを特徴とする。 前記苗木は、交配や突然変異などの多数性獲得手段により染色体の多数性が獲得されていることを特徴とする。

    【0010】本発明の植林方法は、多数生の染色体を有する苗木を選択して、植樹することを特徴とする。 前記苗木は、3倍体または4倍体などの倍数体であることを特徴とする。 前記苗木は、針葉樹の苗木であることを特徴とする。 前記針葉樹の苗木は、スギまたはヒノキの苗木であることを特徴とする。 前記苗木は、交配や突然変異などの多数性獲得手段により染色体の多数性が獲得されていることを特徴とする。 本発明の植栽方法は、多数性の染色体を有する植物を選択的に植栽することにより、2倍体の植物からなる植生に比べて、紫外線に対する耐性が強い植生を人工的に形成することを特徴とする。

    【0011】本明細書では、「多数性」とは、染色体数が種固有の固有基本数の整数倍となる3倍体以上の倍数性と、染色体数が種固有の固有基本数の整数倍よりも1
    〜数本多いか少なくなる異数性との両方を含む意味に使用する。 さらに、半数体、あるいは通常の植物に見られる2倍体の場合には、かかる「多数性」の意味する範疇には入らないものとする。

    【0012】

    【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて詳細に説明する。

    【0013】本発明の人工林、植林方法で使用する樹木の苗木は、紫外線に対して耐性(以下、簡単に紫外線耐性と言う場合もある)を有する苗木である。 かかる紫外線耐性を有する苗木を選択的に植樹することにより、紫外線耐性を持たせる人工林の形成ができる。

    【0014】かかる紫外線耐性を有する苗木の選定に際しては、多数性の染色体を有することを基準に苗木を選定すればよい。 ここで多数性とは、本明細書では前述の如く、3倍体以上の染色体数を有する場合を意味する。

    【0015】かかる選定基準は、本発明者らにより初めて提案されるものである。 多数性の染色体を有する樹木は、通常見られる2倍体の染色体を有する樹木より、紫外線に対して耐性を有している。 かかる紫外線耐性を有する苗木を植林することにより形成された人工林では、
    2倍体の染色体を有する樹木に見られる紫外線被害の発生が効果的に抑制されるのである。 立ち枯れや、常緑樹なのに落葉したり、落葉樹であっても落葉時期ではないのに早期に落葉するなどの紫外線に基づくと思われる異常現象を抑制することができるのである。

    【0016】以下、幾つかの樹木を例にとり、本発明の有効性について実施例により詳細に見当する。

    【0017】

    【実施例】本実施例では、次の(1)〜(3)に記載の植物の葉を採取して、採取した葉につき紫外線耐性(U
    V耐性と記載する場合もある)の試験を行った。 (1)稲 単子葉植物に属し、紫外線耐性を有していることが知られている稲の葉を比較のために試験対象とした。 本試験に使用した稲は、日本の四国の高知県土佐清市で生育した稲である。 採取箇所は、土佐清水市の異なる5箇所の地区から採取し、その各々に対して後記する酵素活性などの測定を行った。 (2)ゼンマイ(英名:osmund) 同様に土佐清水市で自生しているゼンマイの葉を試験対象とした。 ゼンマイは、シダ類に属し、植物進化論的には古い植物に属する。 シダ類では染色体の倍数化により環境適合性を獲得した例が多数報告されている。 (3)マツなどの裸子植物 紫外線に対して敏感な植物として知られる裸子植物の葉を試験対象とした。 本実施例では、表1〜4に示すように、日本の山地に自生するクロマツ(英名:Japanese b
    lack pine )、スギ( Japanese cedar )、ヒノキ( J
    apanese cypress )の葉を試験対象として採用した。 かかるクロマツ、スギ、ヒノキに関しては、表1〜4に、
    その採取地、試料ナンバーなどを明記した。

    【0018】クロマツに関しては、通常見かける紫外線に対して敏感なクロマツ(以下、対照クロマツと略称する場合がある)と、紫外線に対して耐性を有しているクロマツ(UV耐性マツと略称する場合がある)とに分けて、その各々について、表1に示すように、SOD活性( SOD activity )、GSH−Px活性( GSH-Px actv
    ity )、過酸化脂質量( Lipid peroxide levels)の試験を行った。

    【0019】また、表5、6に示すように、交配および突然変異による3倍体種、4倍体種についても試験を行った。

    【0020】

    【表1】

    【0021】

    【表2】

    【0022】

    【表3】

    【0023】

    【表4】

    【0024】上掲の表1では、紫外線耐性クロマツ(U
    V耐性クロマツ)と、紫外線に敏感な通常のクロマツ(対照クロマツ)とにおけるSOD活性( SOD activit
    y )、グルタチオンペルオキシダーゼ活性(GSH−P
    x活性: GSH-Px actvity )、過酸化脂質量( Lipid p
    eroxide levels)についてそれぞれ比較している。

    【0025】表2では、2倍体種と、3倍体種のヒノキにおける過酸化脂質量( Lipid peroxide levels)、S
    OD活性( SOD activity )、GSH−Px活性( GSH
    -Pxactvity )についてそれぞれ比較している。

    【0026】表3では、2倍体種、3倍体種、4倍体種のヒノキの精英樹におけるSOD活性( SOD activity
    )、GSH−Px活性( GSH-Px actvity )、過酸化脂質量( Lipid peroxide levels)についてそれぞれ比較している。

    【0027】表4では、2倍体種、3倍体種、4倍体種のスギの精英樹、稲の葉( rice leaf)、ゼンマイ(蕨、英名:osmund)におけるSOD活性( SOD activ
    ity )、GSH−Px活性( GSH-Px actvity )、過酸化脂質量( Lipid peroxide levels)についてそれぞれ比較している。

    【0028】後記する表5、6では、スギ、ヒノキの2
    倍体種、3倍体種、4倍体種の葉からの抽出物による過酸化脂質形成能、SOD活性をそれぞれ比較している。
    表5の試料添加量の欄では、簡単のために、試料を0.
    6gr/mlを加えた場合を×1で表示し、3.0gr/ml加えた場合を×5で、6.0gr/ml加えた場合を×10で表示してある。 なお、表6では、稲の葉のデータも比較のために併記してある。

    【0029】前記(1)〜(3)の植物に対して、それぞれ酵素活性の強さと、過酸化脂質量の測定を行った。
    測定した酵素活性は、SOD活性、グルタチオンペルオキシド(GSH−Px)活性、およびカタラーゼ活性( Catalase activity)である。 試験結果は、表1〜4
    に示すが、mean±SD表示とした。 なお、カタラーゼ活性については、稲以外の上記植物では殆ど測定できなかったため、その結果は表1〜4には示していない。

    【0030】過酸化脂質量は、紫外線によりドコサヘキサエン酸をTBA反応物質に変換するTBA反応を利用して測定した。

    【0031】前記試験対象植物の個々の植物の葉のホモジェネート( leaf homogenate)を試験用の試料として、次のように調製した。 上記(1)〜(3)の各々の植物から葉を採取する。 採取した葉をミルで粉末にする。 かかる粉末を、過酸化脂質形成能試験用の場合には95%のエタノールに、それ以外の試験用の場合には生理的食塩水に、それぞれ60mg/mlの割合になるように懸濁させる。 その後、この懸濁液に超音波(15秒間、
    15w)を照射する。

    【0032】照射後の懸濁液を遠心分離機(1300
    g)にかけて上澄を採取してこれを分割し、図1に示すように、一方を過酸化脂質測定用の試料に調製する。 他方の懸濁液を0.45μmメッシュのフィルタでろ過して、その一方をSOD活性測定用試料に、他方をカタラーゼ活性、GSH−Px活性の測定用試料に調製する。
    (SOD量の分析)上記要領で調製した試料を、O 2 -を生成するキサンチン−キサンチンオキシダーゼ( xanth
    ine-xanthine oxidase)を含む0.2mlの分析用混合物( assaymixture )に添加し、生成したO 2 -量を、フェリチトクロームC(III 型)の還元量から求める。 還元量は、ベックマン分光光度計を用いて波長550nmで測定した吸光度から算出する。

    【0033】試料中のSODの量は、チトクロームCを50%還元する量として定義し、その1単位を、unit/
    mg proteinで表示した。 なお、かかる還元量の測定に際しては、試料が、チトクロームCの還元を抑制するばかりでなく、O 2 -を介在することなく少量のチトクロームCをも直接的に還元するため、かかる直接還元量をも考慮して、実際のSOD活性の値を次式により算定した。

    【0034】unit={a−(b−c)}/(a/2) a:キサンチンオキシダーゼのみの添加に基づく吸光度 b:キサンチンオキシダーゼの存在下の葉のホモジェネートに基づく吸光度 c:キサンチンオキシダーゼを添加する前の葉のホモジェネートのみに基づく吸光度 (カタラーゼ活性の測定)カタラーゼ活性は、過酸化水素の還元速度により決定した。 還元速度は、ホモジェネートの存在下、12〜30秒間の還元速度を、分光光度計を使用して240nmの波長で測定する。 活性は、以下の式で求められる。

    【0035】 k=(2.3/18)×log (A 1 /A 2 ) A 1 :50mmol/Lのリン酸緩衝液3mlに溶解している10mmol/Lの過酸化水素と、0.1mlの葉のホモジェネートとからなる総量3.1mlの分析用混合物を、240
    nmで12秒間測定して得られる吸光度である。 A 2
    上記分析用混合物を、240nmで30秒間測定した場合の吸光度である。

    【0036】この分析に際しては、基質として使用されている過酸化水素の不安定さを考慮して、過酸化脂質を過ホウソ酸ナトリウムに置き換えて行った。 0.002
    〜0.05mlの試料を、0.05mol/L のリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)に懸濁させ、その状態で30
    ℃、5分間予備インキュベートする。 その後、0.2N
    の過ほう酸ナトリウムをキュベットに添加して反応を開始させ、そのデータを220nmで2〜3分測定した。 (GSH−Px活性の測定)GSH−Pxの測定は、ローレンス( Lawrence )−ブルク(Burk)の方法により測定した。 かかる方法では、GSH−Pxの活性は、グルタチオンリダクターゼによるNADPHの酸化に結び付けられている。 NADPHの酸化量は、37℃、34
    0nmの波長で、分光光度計により測定すればよい。

    【0037】分析用混合物は、50mmol/Lのリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)と、1mmol/Lのエチレンジアミン四酢酸と、1mmol/LのNaH 3と、0.2mmol/LのNADPHと、1mmol/Lのグルタチオンと、2単位のグルタチオンリダクターゼと、1.5mmol/Lのクメンペルオキシダーゼまたは10mmol/Lのテトラブチルペルオキシダーゼとから構成されている。

    【0038】上記構成の分析用混合物中に、葉のホモジェネートを総量1.0mlになるように添加する。 このようにして測定される酵素活性は、毎分当たりに酸化されるNADPHの量として表される。 ローリ( Lowry)らの方法に基づき、活性は、unit/mg protein として示される。 (過酸化脂質の分析)ポリ不飽和脂肪酸、4、7、1
    0、13、16、19−ドコサヘキサエン酸を、200
    倍に94%エタノールで希釈する。 この基質を入れた試験管に、ホモジェネートを種々の濃度で加え、各々に紫外線を照射する。 本実施例では、0.6、3.0、6.
    0mg/mlの3種の濃度で試験を行った。 その後、この溶液を蛍光分光光度法を用いて分析し、TBA物質を測定した。 励起光波長を515nmとし、エミッション波長を553nmとして測定した。 日立製のF−2000の分光光度計で測定した。

    【0039】測定結果は、mean±SEで表示した。
    TBA反応物質は、過酸化脂質量として把握される。 なお、有意差検定は、ステューデントのt−テストにより確認した。 (染色体の倍数性の確認)前記樹木の倍数性は、根端細胞( root ends cell ) を使用した染色体分析、または葉の細胞( leaves cell )を使用したフローサイトメトリー分析( flowcytometric analysis )により決定した。

    【0040】以下、上記試験に基づき得られた表1〜6
    までの結果について考察する。 表1〜4に示すように、
    稲やゼンマイの葉(表4参照)は、裸子植物のクロマツ、スギ、ヒノキの葉に比べて、顕著なSOD活性を示している。 特に、稲の葉は、GHS−Pxが、1.38
    41unit/gと高い活性を示し、SOD活性も、2941
    unit/gと極めて高い活性を示している。

    【0041】SOD活性の高さは、表4からも見られるように、試験したいずれの樹木の場合(表4に示す4倍体のスギの場合を除く)よりも高く、中には100倍以上も高い活性を示す場合があることが確認される。 ゼンマイの葉も、また表4に示すように、1394unit/gと高いSOD活性を示していた。

    【0042】一方、今回試験対象とした裸子植物の樹木では、紫外線耐性を有するクロマツが、通常のクロマツより、高いSOD活性を示していることが表1(p<
    0.01)から明らかである。 例えば、紫外線耐性を有するクロマツの場合には、SOD活性は、平均で413
    ±56unit/gで、通常のクロマツの平均値の240±3
    7unit/gのSOD活性よりも遥かに高いことが分かる。

    【0043】以上の結果から、紫外線耐性を有している場合には、高いSOD活性を有していることが確認できる。 そのため、SOD活性は、紫外線のダメージから樹木の身を護る何らかの役割を演じているものと考えることができる。

    【0044】また、表2〜3に示すように、個々の種の樹木の中でも、3倍体の種と4倍体の種とを比較すると4倍体の種の方が、特に、高いSOD活性を示していた。 スギの精英樹(試料名:神川スギ、Cr−38c)
    では、表4に示すように、他の樹木の場合よりも極めて高いSOD活性を示していた。 かかるスギでは、SOD
    活性の顕著な増加は、4倍体の染色体を有する個体において認められ、2倍体、3倍体ではかかるSOD活性の顕著な増加は見られなかった。

    【0045】次に、過酸化脂質の量に関しては、樹脂量の少ないスギが、他の樹木に比べて、極めて少ない過酸化脂質形成能を有していることが分かる。

    【0046】GSH−Pxに関しては、紫外線耐性を有するクロマツと、紫外線に敏感な通常の対照クロマツとの間では、差異は見られなかった(表1参照、p>0.
    05)。 このことは、紫外線耐性に関しては、GSH−
    Pxの酵素関与がないことを示唆している。

    【0047】

    【表5】

    【0048】

    【表6】

    【0049】過酸化脂質分析における過酸化脂質の形成に及ぼすホモジェネートの影響については、低濃度(例えば、0.6mg/ml)では過酸化物の形成を増進するが、高濃度(例えば、6mg/ml)では抑制することが分かる。 かかる傾向は、表5、6からも明らかである。

    【0050】また、表5、6からは、同じ4倍体同士の試料を相互に比較すると、SOD活性が高い試料程、低濃度における過酸化脂質の抑制効果が強くなることが分かる。 このことは、SOD活性は、細胞毒である過酸化脂質の産生を抑制する役割を果たしていることを示唆している。 すなわち、SOD活性が高くなる程、過酸化脂質の産生を抑制するものと考えられる。

    【0051】例えば、表5に示すスギの試料S−26、
    30、32、34、36、38と、表6に示すヒノキの試料H−6、9、10、11とは、1000unit/
    gよりも大きいSOD活性を有している。 そのうち、試料S−26、30、32、34、H−6、9、10の9
    例は、試料が低濃度(表中、×1の場合を参照)において、対照( control)より過酸化脂質の生成量が低いことが分かる。

    【0052】稲の葉では、かかる点に関しては、ホモジェネートの低濃度(表中の×1の項、参照)、高濃度(表中の×10の項、参照)にかかわらず、過酸化脂質の産生が促進されていた。 SOD活性は、GHS−Px
    活性、カタラーゼ活性と同様に高かった。 稲の葉は、今回試験した試料の内で、最も高い過酸化脂質の産生量を示していた。 また、稲の葉を除いてはカタラーゼ活性は殆ど検出されず、かかるデータを表中に示さなかった。

    【0053】一方、SOD活性が高い程、抗酸化機能が大きいことは、従来より知られており、SODが活性酸素の除去に大きな役割を果たしている。 活性酸素の産生という点に関しては、紫外線の存在は無視できない。 近年、オゾン層の破壊に伴う地球への紫外線照射の増加に基づき、酸素ラジカルの顕著な増加が確認されている。
    植物体でも人体などと同様であり、一般には、UVに照射され、引き続き高濃度の酸素ラジカルに曝されると、
    立ち枯れなどが起きる。

    【0054】しかし、紫外線耐性を有する樹木では、S
    OD活性が高いという本発明者らの試験結果から、SO
    Dなどの葉に含まれる多数の抗酸化剤が、自らの身を環境被害から護る役割を果たしているものと考えられる。
    いままで、かかる抗酸化剤が、樹木を取り巻く環境被害に対して、自らを護る役割を果たしているという点については一切の報告はなされておらず、本発明者らにより見出された新しい知見である。

    【0055】通常のマツと、紫外線耐性(UV耐性と略記する場合もある)を有するマツとで、その抗酸化能力を比較してみた。 従来も、GHS−Px活性が、酸素ラジカルに応答して誘導されることについては報告が見られたが、しかし、本発明者らの今回の試験からは、少なくともSOD活性における増加に匹敵する程の大きな変化は認められなかった。

    【0056】カタラーゼ活性については、樹木にも存在し、且つ酸素ラジカルにより誘因されることは以前に報告されてはいたが、今回の試験では、稲の葉以外では、
    確認することができなかった。 これは、ホモジェネート中のテルペンなどが影響を及ぼし、その活性化を抑制させているためと考えられる。

    【0057】ペルオキシダーゼなどのような酵素と同様に、ビタミンCなどの低分子量化合物が、樹木における抗酸化剤としての主な役割を担っていることは知られている。 本実施例では、低分子量化合物については実験を行っていないが、SODについては検討を行った。 SO
    Dは、強力な抗酸化剤であって、過剰な酸素ラジカルに対して自らの身を護るために葉に存在しているものである。

    【0058】次に、SOD活性と植物の染色体との関係を考察すると、染色体数が3倍体、4倍体の種の樹木では、特に、4倍体の染色体数を有する樹木は、高いSO
    D活性を有していることが、本発明者らの今回の試験によりにより初めて明らかにされた。 SOD活性の高さと、染色体の倍数性との関係については、従来より一切の考察はなされておらず、本発明者らにより見出された上記結果は、全く予測できなかったことである。

    【0059】SODと染色体の多数性との関係では、S
    ODをコード化する遺伝子座の数が増えることが、SO
    Dの存在量の増加をもたらすものとの予想が行える。 かかる点は、例えば、人のダウン症では、Cu、Zn−S
    OD遺伝子座を含む三染色体( trysomy )では、SOD
    量が、50%増加していることが報告されている事実からも首肯できる。

    【0060】しかし、本発明者らの実験では、3倍体、
    4倍体の種の各々の樹木では、SOD活性の増加は見られるものの、SOD自体の量の増加は確認できなかった。 すなわち、他の説明も可能ではあると思うが、おそらくは、SODの遺伝子座は、これらの個々の試料では増加はしてはいないのではないかと考えられる。

    【0061】また、紫外線耐性を有するとする稲の葉がスギ、クロマツ、ヒノキに比して高いSOD活性を有するだけでなく、試料の樹木より極めて高いGHS−Px
    活性を有することを示している。 さらに、樹木では検出することが殆どできなかったカタラーゼ活性についても、稲の葉では検出することができた。

    【0062】すなわち、このことは酸素ラジカルとUV
    光(紫外光)に対して、高い酵素活性を有することにより、単子葉植物が紫外線環境に対して高い環境適合性を獲得していることを示す。 例えば、シダ類は、裸子植物や被子植物などよりは遥かに原始的植物であるが、染色体数を多数性にすることにより環境への高い適合性を獲得してきた例が多く知られている。 かかる染色体の多数性を獲得することにより環境適合性を向上させることについては、近年、バクテリアでも報告されている。

    【0063】また、前記試験からは、紫外線耐性を有するスギ、ヒノキなどの場合には、3倍体、4倍体の染色体数を有することが確認されており、紫外線に敏感である裸子植物でも、紫外線(UV線)および酸素ラジカルに曝される時間の増加から、自らの染色体数の多数性によりSOD活性を増加させて、自らの身を護る、すなわち環境適合性を有した種も出現してきたものと考えられる。

    【0064】一方、紫外線耐性のクロマツは、染色体の多数性とは関係なく、通常のクロマツに比して、SOD
    を増加させることにより自らを護っているものと考えられる。 上述の染色体の多数性による手段は採用しなかったものと考えられる。 一般的には、増加したUV−B
    (280nm〜320nmのB領域紫外線)照射量が、
    必ずしも植物などの生体への酸化被害に結びつくというものではないことが知られており、クロマツの場合には、かかる説が該当する場合と考えられる。

    【0065】植物における染色体の多数性獲得手段に関しては、2通りの型がある。 一つは、自然交配あるいは人工交配などの交配であり、もう一つは、枝変わりなどの自然突然変異あるいはコルヒチンなどによる人為突然変異などの突然変異である。

    【0066】シダ類は、裸子植物や被子植物に比べて、
    既に染色体の多数性を獲得しているものが多い。 稲の葉などの単子葉植物は、マツ、スギ、ヒノキなどに比べて紫外線耐性を有していることも知られている。 本発明者らの試験でも、ゼンマイや稲の葉では双方とも、その他の樹木よりも高いSOD活性を有している。 裸子植物のマツ、スギ、ヒノキなどでも、本発明者らの試験により、実際の環境に対応すべく、SOD遺伝子が存在する染色体の数を多数性にして対応しようとしている様子が伺える。

    【0067】農業、園芸などの分野の文献からは、緑茶、リンゴ、バナナ、チューリップ、蘭などの品種改良において倍数体が多数利用されていることが分かる。 しかし、従来、スギ、マツなどの針葉樹では、かかる倍数体の種は、2倍体の通常の種に比べて良好な発育が見られず、林業における倍数体の価値については、殆ど注目目れなかった。

    【0068】本発明者らは、スギとヒノキの精英樹において、不稔性品種の中から自然の3倍体を細胞学的研究から見出した。 本発明者らの研究結果をも含めて、日本では、スギの精英樹の41のクローンと、ヒノキの精英樹の2つのクローンとから、それぞれ3倍体が確認されているに過ぎない。 因みに、「精英樹」とは、生育が良好で形質が優れたものを示している。

    【0069】本発明者らは、人工交配により、3倍体の種の作出を試みた。 かかる試みを、すなわち、スギと、
    ヒノキとの各々について、2倍体と4倍体との種の人工交配により行った。 このようにして得られた人為3倍体は、2倍体に比べて、生育が良好であることが確認された。 すなわち、従来の3倍体種とは異なり、良好な生育状況が確認されたのである。 かかる結果から、スギ、ヒノキについては、倍数体を利用した育成が可能であることを示している。

    【0070】また、高いSOD活性を有する4倍体の葉のホモジネートは、過酸化脂質分析において、過酸化脂質の産生を著しく抑制していた。 かかる事実は、樹木は、染色体を多数性化することにより、紫外線により誘起される酸素ラジカルに基づくダメージから身を護っていることを示唆している。

    【0071】樹脂が比較的に少ないスギは、4倍体種をのぞいては、他の樹木に比べて、低い過酸化脂質量と低いSOD活性を示していた。 かかる結果は、表2〜4により確認できる。 これらスギは樹脂が少ないため、樹脂から創出される過酸化脂質が少ないのだと見当をつけることができる。 つまり、低い過酸化脂質の産生量を処理するには、低いSOD活性量で十分なのものと考えられる。

    【0072】すなわち、スギにおいては、高いSOD活性は必要ないものと考えられる。 SOD活性を他の樹木に匹敵する程に高めて対応すべき程には、過酸化脂質の産生量が多くはないのである。

    【0073】本発明者らの研究により、オゾン層の破壊の近年の加速傾向に基づき発生する細胞毒の酸素ラジカルの増加に対して、樹木は見事なまでの適合性を示しているとが確認された。 シダ類は、裸子植物や被子植物よりも極めて古い種であり、不利な環境に対する高い適合性を、染色体を多数性化することにより獲得しているが、スギ、ヒノキなどの針葉樹でも、その子が紫外線耐性を有する種と、紫外線耐性を有しない種とを、染色体レベルで比較することにより、染色体を多数性にすることにより紫外線耐性を獲得している事実を見出した。 特に、3倍体、4倍体でこの傾向が確認された。

    【0074】また、種によっては、自然交配種では生育不良が見られる場合でも、あるいは不稔である場合でも、人工交配種で良好な生育性が確保される場合があることをも確認した。

    【0075】すなわち、スギ、ヒノキなどでもかかる多数性を環境適合性の手段として採用できることを示している。 すなわち、倍数体の子孫を生産する人工交配などは、UVにより誘起される酸素ラジカルの増加傾向に対して、紫外線被害から身を護る有効な方法といえるのである。

    【0076】本発明は、上記実施の形態に限定する必要はなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々変更しても構わない。

    【0077】例えば、上記説明では、針葉樹のスギ、ヒノキについて説明したが、広葉樹についても適用できるものである。 さらには、常緑樹、落葉樹であっても、適用できるものと考えられる。 また、染色体の多数性により紫外線耐性を獲得する点については、今回の実験のクロマツではその検証が行えなかったが、マツにも多数の種類があり、種類によっては染色体の多数性により紫外線耐性を獲得してる場合も当然にあるものと考えられる。

    【0078】また、染色体の倍数性を目安として種の選定を行うことにより、紫外線耐性の強い植物種を見出すことができると考えられる。 かかる植物を選択的に、日射量の多い地域に植栽することにより、紫外線耐性の強い植生を確保して、その追記における植物生態環境の保護を積極的に図ることもできる。

    【0079】さらに、上記説明では、3倍体、4倍体について説明したが、5倍体、6倍体などの高次倍数体でも同様の結果が得られるものと考えられる。

    【0080】

    【発明の効果】本発明の人工林は、紫外線に対して枯れるなどの被害が抑制されている。 そのため、オゾン層の破壊の進行などで紫外線の照射規模が地球規模で、万が一にも増加しても、人工林の確保を確保することができる。 本発明の植林方法を使用することにより、かかる紫外線耐性を有する人工林を形成することができる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明の効果を検証するための試料の調製方法を示すフロー図である。

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