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Method for producing fermented feed for lactating cow, and fermented feed for lactating cow obtained by the method

阅读:232发布:2024-02-16

专利汇可以提供Method for producing fermented feed for lactating cow, and fermented feed for lactating cow obtained by the method专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To provide fermented feed for lactating cow highly containing nonfibrous carbohydrate (NFC) enough to supplement the amount of energy taken by a highly-lactating cow, and also hardly causing ruminal acidosis. SOLUTION: There are provided the method for producing fermented feed for lactating cow includes storing lactating cow feed raw material containing 30-70 mass% of moisture and ≥36 mass% of non-fibrous carbohydrate per dry mass in a hermetically-sealed condition to ferment the raw material, wherein 2.0-10.0 mass% of calcium carbonate per the dried mass of the lactating cow feed raw material is further added to the lactating cow feed raw material, and fermented feed for lactating cow produced by the method. COPYRIGHT: (C)2011,JPO&INPIT,下面是Method for producing fermented feed for lactating cow, and fermented feed for lactating cow obtained by the method专利的具体信息内容。

  • 水分が、30〜70質量%であり、且つ非繊維性炭水化物含量が、乾燥質量あたり36質量%以上である泌乳牛用飼料原料を密封貯蔵し、発酵させる泌乳牛用発酵飼料の製造方法において、
    前記泌乳牛用飼料原料に、更に、前記泌乳牛用飼料原料乾燥質量あたり2.0〜10.0質量%の炭酸カルシウムを添加することを特徴とする泌乳牛用発酵飼料の製造方法。
  • 前記非繊維性炭水化物含量が、乾燥質量あたり36〜65質量%である請求項1に記載の泌乳牛用発酵飼料の製造方法。
  • 前記炭酸カルシウムの添加量が、前記泌乳牛用飼料原料乾燥質量あたり3.0〜8.0質量%である請求項1又は2に記載の製造方法。
  • 前記泌乳牛用飼料原料に、更に、前記泌乳牛用飼料原料乾燥質量あたり0.5〜5.0質量%の炭酸水素ナトリウムを添加する請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  • 前記泌乳牛用飼料原料に、更に、前記泌乳牛用飼料原料乾燥質量あたり0.1〜1.0質量%の酸化マグネシウムを添加する請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  • 前記泌乳牛用飼料原料が、完全混合飼料(TMR)原料である請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  • 前記密封貯蔵する期間が1〜8週間である請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  • 請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法によって製造されたことを特徴とする泌乳牛用発酵飼料。
  • 说明书全文

    本発明は、サイレージ、発酵TMR(Total Mixed Ration:完全混合飼料)等の泌乳用発酵飼料、特に非繊維性炭化物(NFC:Non Fibrous Carbonhydrate)含有量の高い発酵飼料であって、ルーメンアシドーシス(第一胃過酸症)が生じ難い発酵飼料の製造方法、及びその製造方法により得られる泌乳牛用発酵飼料に関する。

    年間産乳量が高い高泌乳牛では、採食によるエネルギー摂取量が多く必要となる。 一般に、泌乳量増加によるエネルギー摂取量の必要量は採食量の増加だけでは補えないため、澱粉、糖類等の含有量が高い穀類等を多給することで、採食飼料中の非繊維性炭水化物(NFC)含量を高める必要がある。

    しかしながら、NFC含量が過剰に高い飼料を採食すると、ルーメンアシドーシス等の泌乳牛の健康に害を及ぼすおそれがある。 ルーメンアシドーシスは、第一胃過酸症ともいい、発酵し易い澱粉、糖類等の炭水化物に富む穀類、青刈り作物等を一時に大量に摂取した際に起こる第一胃発酵異常と定義されている。 即ち、発酵し易い穀類の大量摂取により、ルーメン(第一胃)内の生物叢が乱れて、乳酸菌群が急激に増加し、乳酸や揮発性脂肪酸が著しく生成し、牛の緩衝能や吸収能力を上回り、ルーメンpHが低下することである。

    非特許文献1によると、ルーメンアシドーシス等を予防するため、飼料中のNFC含量は36〜44%を上限とすべきとされており、高泌乳牛においてはエネルギー不足になることがある。

    一方、泌乳牛用の飼料として、サイレージや発酵TMR(Total Mixed Ration:完全混合飼料)等の発酵法によって製造される泌乳牛用発酵飼料がある。 サイレージは、一定水分を含有させた牧草・飼料作物や食品副産物等のサイレージ原料を密封貯蔵し、嫌気的条件下で原料に含まれる糖分と乳酸菌等により乳酸発酵等させることで、乳酸・酢酸等の有機酸を生成させて製造する貯蔵用飼料である。 また、発酵TMRは、泌乳牛に必要な全ての栄養素を含むように選定した複数の飼料原料(TMR(Total Mixed Ration:完全混合飼料))を混合、あるいは加水混合し、乳酸発酵等させたもので(特許文献1)、酪農家が給餌し易く、保存性に優れ、乳牛の泌乳能力を十分発揮させ易いものである。

    しかしながら、このような飼料についても高泌乳牛用の飼料とする場合は、上記と同様な問題が生じ、高いNFC含量にした場合は、ルーメンアシドーシスが生じるおそれがある。

    特開2003−274867号公報

    NRC乳牛飼養標準(2001年第7版)37〜38頁

    従って、本発明の目的は、高泌乳牛のエネルギー摂取量を補うことができ、且つルーメンアシドーシスが生じ難い泌乳牛用発酵飼料の製造方法、及びこれにより得られる泌乳牛用発酵飼料を提供することにある。

    上記目的は、水分が、30〜70質量%であり、且つ非繊維性炭水化物(NFC)含量が、乾燥質量あたり36質量%以上である泌乳牛用飼料原料を密封貯蔵し、発酵させる泌乳牛用発酵飼料の製造方法において、前記泌乳牛用飼料原料に、更に、前記泌乳牛用飼料原料乾燥質量あたり2.0〜10.0質量%の炭酸カルシウムを添加することを特徴とする泌乳牛用発酵飼料の製造方法によって達成される。

    炭酸カルシウムは、水に難溶性のためルーメンのpHを上昇させる効果に乏しく、ルーメンアシドーシスの予防や治療のためには有用ではない。 従って、炭酸カルシウムは、一般に泌乳牛のカルシウム充足のために、飼料の微量添加物として使用されている。 本発明においては、ルーメンアシドーシスの予防のために推奨されるNFC含量以上の、高いNFC含量である泌乳牛用飼料原料に対して、一般に、泌乳牛が必要とするカルシウム量の2倍以上に相当する炭酸カルシウムを添加し、密封貯蔵することによりサイレージ化(発酵TMR化)させることを特徴としている。 これにより、乳酸発酵等により生産された乳酸、酢酸等の有機酸が、炭酸カルシウムと反応し、乳酸カルシウム、酢酸カルシウム等の有機酸塩が生成する。

    炭酸カルシウムは、中性pHにおいては水に難溶性であるため、発酵処理前の段階では、原料のpHが上昇して発酵を阻害することが無く、密封貯蔵開始後、発酵中に有機酸が生成し、飼料原料のpHが低下するとともに、徐々に溶解し、有機酸と反応し有機酸塩を生成する点が有用である。 この有機酸塩の生成により、発酵中の飼料原料のpH低下が抑制されるため、密封貯蔵中に、別途pH制御の操作をすることなく乳酸菌等による発酵が進み、有機酸の生産量、即ち有機酸塩の生産量を増大させることができる。 有機酸塩は、泌乳牛のルーメンアシドーシスの原因にはならず、血中に速やかに吸収され、エネルギー源として機能する。 従って、本発明の製造方法により、高いNFC含量を有し、高泌乳牛のエネルギー摂取量を効率的に補うことができ、且つルーメンアシドーシスが生じ難い泌乳牛用発酵飼料を容易に製造することができる。

    本発明の製造方法の好ましい態様は以下の通りである。
    (1)前記非繊維性炭水化物含量が、乾燥質量あたり36〜65質量%である。 本発明の発酵飼料の製造方法においては、泌乳牛のルーメンアシドーシスの原因とならない有機酸塩を生成し、ルーメンアシドーシスを予防するために上限とされるNFC含量を、好ましくは20質量%以下のレベルで高めることができる。 従って、本発明におけるNFC含量は上記範囲が好ましい。
    (2)炭酸カルシウムの含有量が、前記泌乳牛用飼料原料乾燥質量あたり3.0〜8.0質量%である。 泌乳牛のカルシウムの摂取量を考慮すると上記範囲が好適である。 即ち上記範囲であれば、泌乳牛へ給与する飼料の全量又は一部(半量以上)を本発明により得られた泌乳牛用発酵飼料としても泌乳牛へのカルシウム給与量として問題が生じない。
    (3)前記泌乳牛用飼料原料に、更に、前記泌乳牛用飼料原料乾燥質量あたり0.5〜5.0質量%の炭酸水素ナトリウムを添加する。 これにより、乳酸ナトリウム等の有機酸ナトリウムが生成され、泌乳牛用発酵飼料中の有機酸塩含量を、更に増加させることができる。 炭酸水素ナトリウムは、水に溶解するが、両性の化合物であるため、発酵処理前においても発酵の問題になる程のpHの変化は生じない。 炭酸水素ナトリウム含量は、0.5〜4.0質量%がより好ましい。
    (4)前記泌乳牛用飼料原料に、更に、前記泌乳牛用飼料原料乾燥質量あたり0.1〜1.0質量%の酸化マグネシウムを添加する。 これにより、更に乳酸マグネシウム等の有機酸マグネシウムが生成され、泌乳牛用発酵飼料中の有機酸塩含量を増加することができる。 酸化マグネシウムは、中性pHの水に難溶性であるため、炭酸カルシウムと同様に、発酵処理前は原料のpHを変化させず、有機酸の発生とともに溶解して有機酸塩を生成する。 酸化マグネシウム含量は、0.1〜0.8質量%がより好ましい。
    (5)前記泌乳牛用飼料原料が、完全混合飼料(TMR)原料である。
    (6)前記密封貯蔵する期間が1〜8週間である。

    また、上記目的は、本発明の製造方法によって製造されたことを特徴とする泌乳牛用発酵飼料によっても達成される。

    本発明の製造方法により得られた泌乳牛用発酵飼料は、泌乳牛のルーメンアシドーシスの原因にならず、泌乳牛の血中に速やかに吸収されうる有機酸塩含量が高いため、高泌乳牛のエネルギー摂取量を効率的に補うことができ、且つルーメンアシドーシスが生じ難い泌乳牛用発酵飼料である。

    本発明によれば、高いNFC含量を有する泌乳牛用飼料原料から、泌乳牛のルーメンアシドーシスの原因にならず、泌乳牛の血中に速やかに吸収されうる有機酸塩含量が高い泌乳牛用発酵飼料を容易に製造できるので、泌乳牛、特に高泌乳牛のエネルギー摂取量を効率的に補うことができ、且つルーメンアシドーシスが生じ難い泌乳牛用発酵飼料を提供することができる。

    人工ルーメン試験における培養液(人工ルーメン)のpHの変化を示す図である(実施例3及び比較例2)。

    人工ルーメン試験における培養液(人工ルーメン)のpHの変化を示す図である(実施例4及び5、並びに比較例3)。

    以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
    本発明において、泌乳牛用発酵飼料とは、水分を約30%以上含有させた牧草・飼料作物や食品副産物等のウェットな泌乳牛用飼料原料を密封貯蔵し、嫌気的条件下で乳酸発酵等させることで、製造する貯蔵用飼料であり、泌乳牛用飼料の一部に使用するサイレージ、及び泌乳牛に必要な全ての栄養素を含むように選定した飼料原料を発酵させた、いわゆる発酵TMR(Total Mixed Ration:完全混合飼料)を含む。

    本発明において、使用される泌乳牛用飼料原料は、水分を30〜70質量%含み、且つ非繊維性炭水化物(NFC)含量が泌乳牛用飼料原料乾燥質量あたり、36質量%以上である。 水分は、飼料濃度とハンドリングの点で35〜65質量%が好ましく、40〜60質量%が更に好ましい。 水分は飼料原料由来の水分に、水道水等を加えて調整する。

    NFC含量は、飼料中の糖、澱粉、ペクチン、有機発酵物等の総量を示すものである。 一般に、NFC含量(%)=100−(粗蛋白質(%)+粗脂肪(%)+中性デタージェント繊維(NDF)(%)+灰分(%))で算出される(通常、分析法上NDFに含まれる繊維と結合した蛋白質分を補正する)。 なお、NDFは総繊維を示し、中性デタージェントに不溶な繊維画分を言い、セルロース、ヘミセルロース、リグニン等を含むものである。

    NFCは、泌乳牛のルーメン微生物のエネルギー源である。 微生物がNFCを資化することにより、微生物が生成した酢酸、プロピオン酸等の有機酸が泌乳牛のエネルギー源となるとともに、飼料中の蛋白質が多量の菌体蛋白に変換されることになる。 菌体蛋白は、泌乳牛の小腸で消化され、乳蛋白や体蛋白に利用される。 従って、高泌乳牛には、高いNFC含量の飼料を給与することが必要になる。 しかし、上述の通り、泌乳牛に、高いNFC含量の飼料が給与された場合、ルーメン中の乳酸菌群が急激に増加し、乳酸や揮発性脂肪酸が著しく生成することによりルーメンアシドーシスが生じるおそれがある。 非特許文献1によると、NFC含量は、上記NDF含量、特に粗飼料由来のNDF含量に応じて、推奨される上限があるとされている。 ここで、粗飼料由来のNDFとは、アルファルファ等の牧草やトウモロコシサイレージ等の繊維含量が高く、いわゆる物理性の高い飼料原料由来のNDFを言う。 これらは長い咀嚼時間や反芻の刺激による唾液の分泌量の増加や、ルーメン運動を維持することができ、ルーメンアシドーシスを抑制するものである。 そして、非特許文献1では、ルーメンアシドーシスを予防するためには、飼料原料乾燥質量あたり、粗飼料由来のNDF含量の下限値が15、16、17、18、19質量%の場合に、NFC含量の上限値として、それぞれ36、38、40、42、44質量%とすべきとしている(44質量%の場合は、特定の場合のみと注記されている)。

    本発明においては、特に高泌乳牛にできるだけ高いエネルギー源を給与するため、NFC含量が、乾燥質量あたり36質量%以上である泌乳牛用飼料原料を使用し、密封貯蔵し、発酵させる際に、泌乳牛用飼料原料に、更に、前記泌乳牛用飼料原料乾燥質量あたり2.0〜10.0質量%の炭酸カルシウムを添加することで、NFCの一部を乳酸カルシウム等の有機酸カルシウムに変換させ、ルーメンアシドーシスが生じ難い泌乳牛用発酵飼料を製造できる。

    本発明において、泌乳牛用飼料原料中のNFC含量は、乾燥質量あたり36質量%以上であれば良い。 発酵により、ルーメンアシドーシスの原因とならない有機酸塩に変換できる量を考慮すると、上記のルーメンアシドーシスを予防するために上限とされるNFC含量を、好ましくは20質量%以下、更に好ましくは3〜20質量%のレベルで高めることができるので、NFC含量は泌乳牛用飼料原料乾燥質量あたり、36〜65質量%が好ましい。

    本発明における炭酸カルシウム添加量は、例えば、本発明の泌乳牛用発酵飼料の製造方法で製造した飼料のみを泌乳牛に給与する場合、一般に泌乳牛が必要とするカルシウム量の2倍以上に相当する(通常、給与飼料乾燥質量あたり約0.5〜1.0%)。 炭酸カルシウムは、中性pHにおいては水に難溶性であるため、発酵処理前の段階では、原料のpHが上昇して発酵を阻害することが無い。 そして、密封貯蔵後、発酵中に有機酸が生成し、飼料原料のpHが低下するとともに、炭酸カルシウムが徐々に溶解し、有機酸と反応し有機酸カルシウムを生成する。 この有機酸カルシウムの生成により、発酵中の飼料原料のpH低下が抑制されるため、密封貯蔵中に、別途pH制御の操作をすることなく乳酸菌等による発酵が進み、有機酸の生産量、即ち有機酸カルシウムの生産量を増大させることができる。 この有機酸カルシウムは、泌乳牛のルーメンアシドーシスの原因にはならず、血中に速やかに吸収され、エネルギー源として機能するので、高泌乳牛のエネルギー摂取量を効率的に補うことができる。

    更に、本発明の製造方法により得られる泌乳牛用発酵飼料中の乳酸カルシウム等の有機酸カルシウムは、速やかに泌乳牛の血中に吸収されるため、カルシウム吸収率も上昇させることができる。 これにより、血中の陽イオン含量が上昇し、血液及び尿のpHを上昇させる。 一般に、血液のpHは7.35〜7.45で、その調節のために、尿のpHは5〜9と変動する。 従って、血液、尿のpHを上昇させることは、一概に好ましいものと言えるわけではない。 但し、本発明の製造方法により得られる泌乳牛用発酵飼料のようなNFC含量が高い飼料の場合は、一般に有機酸の生成により、血液のpHの低下が生じる場合が多く、血中の陽イオンの増加は好ましいと言える。

    本発明において、炭酸カルシウムの添加量は、泌乳牛用飼料原料乾燥質量あたり2〜10質量%であれば良く、発酵飼料のNFC含量、目標の有機酸塩生成量及びその他の栄養成分との関係で自由に設定できる。 この範囲であれば、牛の嗜好性や、発酵飼料品質に問題は生じない。 カルシウムは過剰給与の問題が少ないミネラルであるが、特に給与飼料の1.8%程度であれば問題ないとされている(NRC乳牛飼養標準(2001年第7版)106頁)。 泌乳牛に飼料を給与する際に、本発明の製造方法による泌乳牛用発酵飼料を、どの程度の割合で給与するかによっても好ましい含有量の範囲を設定することができる。 例えば、本発明の泌乳牛用発酵飼料の製造方法で製造した飼料を泌乳牛に1日の給与量の全量又は一部(半量以上)給与する場合、他の飼料原料中のカルシウム含有量も考慮すると炭酸カルシウムの添加量は、泌乳牛用飼料原料の乾燥質量あたり3.0〜8.0質量%(カルシウムとして1.2〜3.2質量%)が好ましい。

    また、本発明においては、前記泌乳牛用飼料原料に、更に、前記泌乳牛用飼料原料乾燥質量あたり0.5〜5.0質量%の炭酸水素ナトリウム(重曹とも言う)を添加することが好ましい。 これにより、乳酸ナトリウム等の有機酸ナトリウムが生成され、泌乳牛用発酵飼料中の有機酸塩含量を更に増加させることができる。 炭酸水素ナトリウムは、水に溶解するが、両性の化合物であるため、緩衝作用が強く、発酵処理前においても発酵の問題になる程のpHの変化は生じない。 従って、発酵処理中に生成した有機酸が、飼料原料中のナトリウムイオンと反応し、有機酸ナトリウムが生成する。 炭酸水素ナトリウム添加量は、上記範囲であれば、牛の嗜好性や、発酵飼料品質に問題は生じない。 泌乳牛のナトリウム摂取量を考慮すると、例えば、本発明の泌乳牛用発酵飼料の製造方法で製造した飼料を泌乳牛に1日の給与量の全量又は一部(半量以上)給与する場合、炭酸水素ナトリウムの添加量は、泌乳牛用飼料原料の乾燥質量あたり0.5〜4.0質量%がより好ましい。 炭酸水素ナトリウムは、泌乳牛のルーメンアシドーシスの抑制のために泌乳牛へ直接給与されるものでもあるが、本発明における、泌乳牛用発酵飼料の製造方法にも有効に使用できる。

    また、本発明においては、前記泌乳牛用飼料原料に、更に、前記泌乳牛用飼料原料乾燥質量あたり0.1〜1.0質量%の酸化マグネシウムを添加することが好ましい。 これにより、更に乳酸マグネシウム等の有機酸マグネシウムが生成され、泌乳牛用発酵飼料中の有機酸塩含量を増加することができる。 酸化マグネシウムは、中性pHの水に難溶性であるため、炭酸カルシウムと同様に、発酵前は原料のpHを変化させず、有機酸の発生とともに溶解して有機酸マグネシウムを生成する。 酸化マグネシウムの添加量は、上記範囲であれば、牛の嗜好性や、発酵飼料品質に問題は生じない。 泌乳牛のマグネシウム摂取量を考慮すると、例えば、本発明の泌乳牛用発酵飼料の製造方法で製造した飼料を泌乳牛に1日の給与量の全量又は一部(半量以上)給与する場合、酸化マグネシウムの添加量は、泌乳牛用飼料原料の乾燥質量あたり0.1〜0.8質量%がより好ましい。

    本発明による製造方法において、泌乳牛用発酵飼料中に生成する有機酸塩の量としては、特に制限はない。 炭酸カルシウム等の添加量や、牛の嗜好性の点から泌乳牛用発酵飼料の乾燥質量あたり、5〜20質量%が好ましく、5〜15質量%が更に好ましい。

    本発明における泌乳牛用飼料原料は、本発明の製造方法を阻害するもの(例えば、乳酸発酵を阻害するもの等)でなければ、特に制限はない。 例えば、(圧片)トウモロコシ、ソルガム、オーチャードグラス、チモシー、アルファルファ、イタリアンライグラス、アカクローバー等の牧草・飼料作物、ビール粕、ふすま、大豆粕豆腐粕等の食品副産物、小麦ストロー、稲わら等の農業副産物、尿素、アンモニア等の窒素化合物、本発明において必須成分として添加する炭酸カルシウム、任意成分として添加する炭酸水素ナトリウム、酸化マグネシウム以外の、炭酸亜鉛、硫酸鉄等のミネラル、微生物製剤、酵素剤等の添加剤、及びそれらが予め配合された配合飼料等を使用することができる。 これらの泌乳牛用飼料原料は、泌乳牛へ飼料を給与する際に、本発明の製造方法により得られた泌乳牛用発酵飼料のみを給与する場合は、完全混合飼料(TMR)原料を使用して製造する。 また、本発明の製造方法により得られた泌乳牛用発酵飼料の他に、粗蛋白、粗脂肪等の栄養成分を調整するために他の飼料と混合する場合は、給与する飼料の組成(特に、本発明で得られる泌乳牛用発酵飼料の給与割合)に合わせて、飼料原料の水分、NFC含量、NDF含量(粗飼料由来のNDF含量)、粗蛋白質、粗繊維、灰分等を調整する。 必要に応じて、各飼料原料を破砕、細断等して使用する。 泌乳牛用飼料原料は、給与する際に再混合が不要で使用し易い点で、完全混合飼料(TMR)原料であることが好ましい。 なお、TMR原料を用いて製造した後、得られた泌乳牛用発酵飼料の品質に合わせて、各栄養成分を調整するために他の飼料原料を配合することもできる。

    本発明において、NFCを含む原料としては、糖、澱粉、ペクチン類を含有していれば、その種類に特に制限はなく、トウモロコシ、ソルガム、エンバク等の飼料作物でも、ビール粕等の食品副産物でも良い。 また、これらの原料の形態も砕片状、ペレット状、粒状、粉状等、特に制限はなく、含有するNFCが、乳酸菌等の微生物により発酵される形態であれば、特に制限はない。 微生物に十分に利用され易いように、破砕した原料が好ましい。

    発酵は、別途微生物製剤を添加しても良いが、一般に、小麦ストロー、稲わら等の飼料原料に付着している乳酸菌等で十分行われる。

    本発明における泌乳牛用飼料原料を密封貯蔵し、発酵させる期間には特に制限はなく、通常のサイレージや発酵TMRの製造期間で良い。 従って、水分、NFC含有量、炭酸カルシウム添加量、貯蔵温度等により、所望の有機酸塩生成量、及び所望の品質の泌乳牛用発酵飼料を製造できる期間を任意に設定することができる。 原料コスト及び貯蔵コストとの兼ね合いで、密封貯蔵期間は1〜8週間が好ましい。

    本発明において、密封貯蔵は実用上密封できる容器であれば、どのような容器で行っても良い。 例えば、大型のサイロでも良く、プラスチック製のコンテナで行っても良い。 また、容器内で一定の嫌気的条件を形成できれば良く、厳密な意味での密封でなくても良い。 特に、発酵による二酸化炭素等のガス発生を考慮すると、通気口を設け、ガス抜き用バルブを設けても良く、通気口の出口を水封しても良い。

    上述の本発明の製造方法によって製造された本発明の泌乳牛用発酵飼料は、NFCの一部が、泌乳牛のルーメンアシドーシスの原因にならない有機酸塩に変換されているので、高いNFC含量を有し、且つルーメンアシドーシスが生じ難い泌乳牛用発酵飼料である。 本発明の泌乳牛用発酵飼料中の有機酸塩は泌乳牛の血中に速やかに吸収され、泌乳牛のエネルギー源となる。 また、本発明の泌乳牛用発酵飼料中の乳酸カルシウム等の有機酸カルシウムは、速やかに泌乳牛の血中に吸収されるため、カルシウム吸収率も上昇させることができる。 これにより、血中の陽イオン含量が上昇し、血液及び尿のpHを上昇させる。 一般に、血液のpHは7.35〜7.45で、その調節のために、尿のpHは5〜9と変動する。 従って、血液、尿のpHを上昇させることは、一概に好ましいものと言えるわけではない。 但し、本発明の泌乳牛用発酵飼料のようなNFC含量が高い飼料の場合は、一般に有機酸の生成により、血液のpHの低下が生じる場合が多く、血中の陽イオンの増加は好ましいと言える。

    本発明の泌乳牛用発酵飼料中の有機酸塩の量としては、特に制限はない。 製造に使用する炭酸カルシウム等の含有量や、牛の嗜好性等の点から泌乳牛用発酵飼料の乾燥質量あたり、5〜20質量%が好ましく、5〜15質量%が更に好ましい。

    本発明の泌乳牛用発酵飼料は、単独で、泌乳牛に給与しても良く、必要に応じて、粗蛋白、粗脂肪等の栄養成分を調整するために他の飼料と混合して給与しても良い。 本発明の泌乳牛用発酵飼料の給与飼料中の配合量は、どのような量でも良い。 一般に、乾燥質量を基準として10〜100質量%が好ましく、25〜100質量%が更に好ましく、特に50〜100質量%が好ましい。

    次に本発明を実施例にて具体的に説明する。
    1. 泌乳牛用発酵飼料の調製 表1に示した配合の実施例1及び2、並びに比較例1の泌乳牛用飼料原料及び炭酸カルシウム等の塩類を混合し、ポリエチレン袋にそれぞれ1.5kg詰め込み、密封し、30℃、14日間貯蔵し、発酵させた。 表2に飼料原料乾燥質量あたりの各成分の含有率及び塩類の添加量を示した。 表2の通り実施例1は、飼料原料乾燥質量あたり、炭酸カルシウムを4.1質量%添加し、実施例2は飼料原料乾燥質量あたり、炭酸カルシウムを4.1質量%、炭酸水素ナトリウムを1.7質量%、酸化マグネシウムを0.4質量%添加した。 比較例は炭酸カルシウム等を添加しないものを用いた。

    表3に密封貯蔵後に得られた、各実施例及び比較例の発酵飼料のpH、有機酸、エタノール含量等の分析値を示した。 各試験区は2反復試験を行い、平均値を示した。

    密封貯蔵中の発酵により生成される有機酸は、主として乳酸及び酢酸である。 実施例1及び実施例2における、有機酸の総量は、比較例1と比較して、それぞ0.73%、1.43%増加した。 これは、実施例1及び2においては、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、酸化マグネシウムが緩衝剤として働き、pHの低下が抑えられ、乳酸菌による乳酸、酢酸の生成が比較例1より良好に進み、有機酸(塩)が増加したものと考えられる。 また、酸度については、実施例1及び2が、比較例1と比較して、それぞれ0.74%、1.44%減少していた。 これは炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、酸化マグネシウムにより有機酸が中和されたためと考えられる。 これは、実施例1及び2のpHが比較例1よりも高いことからも判断できる。

    以上により、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、酸化マグネシウムを加えることで、澱粉、糖のようにルーメンpHを低下させることがない乳酸カルシウム、乳酸ナトリウム、乳酸マグネシウム等の有機酸塩が、本発明の泌乳牛用発酵飼料(発酵TMR)において生成されていることが認められた。

    2. 泌乳牛用発酵飼料の人工ルーメン試験(1)泌乳牛用発酵飼料の調製 表4に示した配合の実施例3、4及び5の泌乳牛用飼料原料及び塩類を混合し、ポリエチレン袋にそれぞれ1.5kg詰め込み、密封し、30℃、14日間貯蔵し、発酵させた。 また、比較例2及び3として、それぞれ実施例3及び4の配合の泌乳牛用飼料原料及び塩類を混合し、無発酵のものを用いた。 表5に飼料原料乾燥質量あたりの各成分の含有率、及び塩類の添加量を示した。 表5の通り実施例3は、飼料原料乾燥質量あたり、炭酸カルシウムを9.1質量%添加し、実施例4は、飼料原料乾燥質量あたり、炭酸カルシウムを4.1質量%添加し、実施例5は、飼料原料乾燥質量あたり、炭酸カルシウムを4.1質量%、炭酸水素ナトリウムを1.7質量%、酸化マグネシウムを0.4質量%添加した。

    表6に密封貯蔵後に得られた、各実施例及び比較例の発酵飼料のpH、有機酸、エタノール含量等の分析値を示した。

    (2)人工ルーメン試験(in vitro試験)
    ルーメンカニューレ装着牛より採取したルーメン液と人工唾液を1:1で混合した培養液(人工ルーメン)50mlに、各飼料を1g加え、24時間二酸化炭素通気嫌気条件下で培養した。 定期的にサンプリングを行い、培養液(人工ルーメン)のpHを測定した。 各処理区2反復行った。

    表7及び図1に実施例3及び比較例2の結果を示した。 発酵処理した実施例3は、発酵処理していない比較例2に比較して、培養液のpHが常に高い値を示した。 比較例2は澱粉等の発酵性の成分が実施例3より多く、培養中に有機酸の生成が高いため、pHが低下したものと考えられた。 一方、実施例3では、発酵性の成分が乳酸カルシウム等の有機酸カルシウムに変換されているので、培養液のpH低下が抑制されたものと考えられた。 なお、比較例2にも炭酸カルシウムが配合されているが、炭酸カルシウムが中性域のpHでは溶解度が低いため、緩衝作用は働かないものと考えられた。

    表8及び図2に実施例4及び5、並びに比較例3の結果を示した。 実施例3及び比較例2の場合と同様に、発酵処理した実施例4及び5は、発酵処理していない比較例3に比較して、培養液のpHが常に高い値を示した。 実施例4は実施例3よりも炭酸カルシウムの配合量を低くしたものであるが、上述の実施例3と同様な結果が得られた。 実施例5は、更に、炭酸水素ナトリウム及び酸化マグネシウムを配合したものであるが、実施例4より高いpHを示した。

    以上により、本発明の泌乳牛用発酵飼料は、ルーメン内のpH低下を抑制するために有効である可能性が認められた。

    3. 泌乳牛用発酵飼料の牛への給与試験(1) 供試飼料の調製 表9に示した配合の実施例6及び比較例4の泌乳牛用飼料原料を混合し、ポリエチレン袋に各350kg詰め込み、密封し、30℃で14日間貯蔵し、発酵させた。 実施例6は炭酸カルシウムを乾燥質量あたり9.5質量%添加した。 比較例4は炭酸カルシウムを添加しないものを用いた。

    表10に得られた泌乳牛用発酵飼料のpH、有機酸含量、エタノール含量を示した。 表10の通り、実施例6は比較例4と比較し、乳酸、酢酸含量の合計として5.86%増加した。 また、pHは5.94と高く、乳酸カルシウム、酢酸カルシウムが生成したことが認められた。

    (2)牛への給与試験 表11に供試牛の経歴及び給与方式を示した。 牛5頭を用い、反転法で実施例6及び比較例4の発酵飼料を制限給与した。 有機酸カルシウムの血中への吸収性の評価の一つとして、各供試牛の尿のpHを測定し、実施例6の飼料を給与した期間、及び比較例4の飼料を給与した期間の各供試牛における尿pHの差を求めた。 尿のpHは各供試牛より各期終了時採尿し、pHメータにて測定した。

    表12に試験結果を示した。 供試牛5頭中、4頭が実施例6の飼料の給与期間の方が尿のpHが高く、平均で0.3高い値を示した。 従って、本発明の実施例6の泌乳牛用発酵飼料におけるカルシウムの血液への吸収性、即ち有機酸カルシウムの血液への吸収性が高いことが示唆された。

    なお、本発明は上記の実施の形態及び実施例の構成に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々変形が可能である。

    特に高泌乳牛のエネルギー摂取量を効率的に補うことができ、且つルーメンアシドーシスが生じ難い泌乳牛用発酵飼料を提供することができる。

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