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変性された創傷包帯

阅读:1022发布:2020-05-30

专利汇可以提供変性された創傷包帯专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且本明細書に記載される実施形態は、組成物、基質、キット、包帯材料、および物品を含む創傷、例えば、慢性創傷または感染性創傷の検出のための化合物、ならびにそのような化合物を含有するシステムに関する。さらなる実施形態は、組成物中に含有される特異的基質の酵素的変換に基づく、診断アッセイにおいて、かつ慢性創傷もしくは感染性創傷の診断および/もしくは検出において、これらの組成物、キットおよびシステムを使用する方法に関する。さらなる実施形態は、複数のマーカーの発現に基づいて創傷を特徴付け、かつ慢性創傷または感染性創傷を罹患している患者を治療、管理、および追跡するためにそのような情報を使用する方法に関する。 【選択図】図14,下面是変性された創傷包帯专利的具体信息内容。

式Iの化合物を含む創傷包帯材料であって、 式I 式中、 Mが、ゲル形成ポリマーであり、 Rが、レポーター分子であり、 Lが、存在しないかまたは存在するかのいずれかのリンカーであり、Lは、存在する場合、MとRとを繋ぐ、創傷包帯対材料。前記Lが、存在しない、請求項1に記載の創傷包帯材料。前記Mが、Rと共有結合的または非共有結合的に接合している、請求項2に記載の創傷包帯材料。Lが、存在する、請求項1に記載の創傷包帯材料。前記リンカーLが、互いに独立して、MおよびRと共有結合的または非共有結合的に接合している、請求項4に記載の創傷包帯材料。前記レポーターが、酵素基質を含む、請求項1に記載の創傷包帯材料。前記酵素基質が、糖、多糖類、核酸、アミド、ペプチド、プロテイン、脂質、またはそれらの誘導体もしくはそれらの組み合わせである、請求項6に記載の創傷包帯材料。前記酵素基質が、糖、多糖類、アミド、ペプチド、プロテイン、またはそれらの誘導体もしくはそれらの組み合わせである、請求項7に記載の創傷包帯材料。前記ゲル形成ポリマーが、セルロース、カルボキシメチルセルロース、ペクチン、アルギン酸塩、キトサン、ヒアルロン酸、多糖類、もしくはガム由来ポリマー、またはそれらの誘導体、あるいはそれらの任意の混合物もしくは組み合わせから選択される、請求項1に記載の創傷包帯材料。前記ゲル形成ポリマーが、カルボキシメチルセルロースまたはその塩である、請求項9に記載の創傷包帯材料。前記ゲル形成ポリマーが、約200〜約4000個のモノマー単位を含む、請求項9に記載の創傷包帯材料。前記ゲル形成ポリマーが、約500〜約2000個のモノマー単位を含む、請求項11に記載の創傷包帯材料。Lが、エトキシル化多価アルコール、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリプロピレン、ポリアルキレングリコール、ポリアミン、またはそれらのエーテル、アミド、もしくはエステルである中性ポリマーを含む、請求項1に記載の創傷包帯材料。Lが、エトキシル化多価アルコール、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリプロピレン、ポリアルキレングリコール、ポリアミン、またはそれらのエーテル、アミド、もしくはエステルの2〜10個のモノマー単位を含む中性ポリマーである、請求項13に記載の創傷包帯材料。Lが、少なくとも1つのポリプロピレングリコール亜単位を含む、請求項13に記載の創傷包帯材料。前記レポーター分子が、検出可能な標識を含む、請求項1に記載の創傷包帯材料。前記検出可能な標識が、発光分子、化学発光分子、蛍光色素、蛍光消光剤、脂質、着色分子、放射性同位体、シンチラント、ビオチン、アビジン、ストレプトアビジン、プロテインA、プロテインG、抗体またはその断片、ポリヒスチジン、Ni2+、Flagタグ、mycタグ、重金属、および酵素からなる群から選択される、請求項16に記載の創傷包帯材料。前記レポーター分子が、フルオレセイン、ローダミン、テトラメチルローダミン、R−フィコエリトリン、Cy−3、Cy−5、Cy−7、テキサスレッド、ファーレッド、アロフィコシアニン(APC)、フルオレセインアミン、エオシン、ダンシル、ウンベリフェロン、5−カルボキシフルオレセイン(FAM)、2’7’−ジメトキシ−4’5’−ジクロロ−6−カルボキシフルオレセイン(JOE)、6カルボキシローダミン(R6G)、N、N、N’、N’−テトラメチル−6−カルボキシローダミン(TAMRA)、6−カルボキシ−X−ローダミン(ROX)、4−(4’−ジメチルアミノフェニルアゾ)安息香酸(DABCYL)、5−(2’−アミノエチル)アミノナフタレン−1−スルホン酸(EDANS)、4−アセトアミド−4’−イソチオシアナトスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、アクリジン、アクリジンイソチオシアネート、r−アミノ−N−(3−ビニルスルホニル)フェニルナフタルイミド−3,5、ジスルホネート(ルシファーイエローVS)、N−(4−アニリノ−1−ナフチル)マレイミド、アントラニルアミド、ブリリアントイエロー、クマリン、7−アミノ−4−メチルクマリン、7−アミノ−4−トリフルオロメチルクルアリン(クマリン151)、シアノシン、4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI)、5’,5’’−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI)、5’,5’’−ジブロモピロガロール−スルホンフタレイン(ブロモピロガロールレッド)、7−ジエチルアミノ−3−(4’−イソチオシアナトフェニル)−4−メチルクマリンジエチレントリアミンペンタアセタート、4,4’−ジイソチオシアナトジヒドロ−スチルベン−2,2’−ジスルホン酸、4,4’−ジイソチオシアナトスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、4−ジメチルアミノフェニルアゾフェニル−4’−イソチオシアネート(DABITC)、エオシンイソチオシアネート、エリスロシンB、エリスロシンイソチオシアネート、エチジウム、5−(4,6−ジクロロトリアジン−2−イル)アミノフルオレセイン(DTAF)、QFITC(XRITC)、フルオレサミン、IR144、IR1446、マラカイトグリーンイソチオシアネート、4−メチルウンベリフェロン、オルトクレゾールフタレイン、ニトロチロシン、パラローザニリン、フェノールレッド、B−フィコエリスリン、o−フタルジアルデヒド、ピレン、酪酸ピレン、スクシンイミジル1−酪酸ピレン、リアクティブレッド4、リサミンローダミンBスルホニルクロライド、ローダミンB、ローダミン123、ローダミンX、スルホローダミンB、スルホローダミン101、スルホローダミン101の塩化スルホニル誘導体、テトラメチルローダミン、リボフラビン、ロゾール酸、およびテルビウムキレート誘導体からなる群から選択される蛍光分子を含む、請求項15に記載の創傷包帯材料。前記レポーターが、検出可能な標識および消光剤分子を含む、請求項16に記載の創傷包帯材料。前記消光剤分子を含む前記レポーターが、酵素またはその生成物によって活性化される、請求項19に記載の創傷包帯材料。前記レポーター分子またはその一部分が、酵素との相互作用の際に放出される、請求項16に記載の創傷包帯材料。前記レポーターが、創傷特異的酵素に特異的な基質を含む、請求項16に記載の創傷包帯材料。前記創傷特異的酵素が、プロテアーゼである、請求項22に記載の創傷包帯材料。前記レポーターが、MMP−1(コラゲナーゼ)、MMP−2(ゼラチナーゼA)、MMP−3(ストメリシン1)、MMP−8(好中球コラゲナーゼ)、MMP−9(ゼラチナーゼB)、ヒト好中球エラスターゼ(HNE)、カテプシンG、ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子(uPA)、およびリゾチームからなる群から選択される創傷特異的酵素に特異的な基質を含む、請求項22に記載の創傷包帯材料。前記レポーターが、MMP−2およびMMP−9またはそれらの組み合わせに特異的な基質を含む、請求項24に記載の創傷包帯材料。請求項1に記載の包帯材料を含み、かつ担体をさらに含む、組成物。請求項26に記載の組成物を含む薬学的組成物であって、前記担体が、薬学的に許容される担体である、薬学的組成物。抗生物質化合物または創傷治癒ペプチドをさらに含む、請求項27に記載の薬学的組成物。前記抗生物質が、β−ラクタム、フルオロキノロン、アミノグリコシド、テトラサイクリン、グリシルサイクリン、およびポリミキシンからなる群から選択される、請求項28に記載の薬学的組成物。前記創傷治癒ペプチドが、線維芽細胞成長因子(FGF)または血小板由来成長因子(PDGF)である、請求項29に記載の薬学的組成物。創傷の状態を診断する方法であって、 前記創傷を請求項1に記載の創傷包帯材料と接触させて、前記レポーター分子の検出可能な信号への変換を可能にするステップと、 信号を検出するステップと、を含む、方法。前記レポーター分子の検出可能な信号への変換が、創傷特異的プロテアーゼによって実行される、請求項31に記載の方法。前記創傷特異的プロテアーゼが、MMP−1(コラゲナーゼ)、MMP−2(ゼラチナーゼA)、MMP−3(ストメリシン1)、MMP−8(好中球コラゲナーゼ)、MMP−9(ゼラチナーゼB)、ヒト好中球エラスターゼ(HNE)、カテプシンG、ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子(uPA)、およびリゾチームからなる群から選択される、請求項32に記載の方法。慢性創傷または感染性創傷の存在または非存在を判定するステップをさらに含む、請求項31に記載の方法。慢性創傷または感染性創傷の存在または非存在を判定する前記ステップが、前記創傷におけるパラメータを測定するステップと、前記測定されたパラメータを閾値レベルと比較するステップと、前記創傷における前記パラメータのレベルが前記閾値レベルよりも高い場合、前記創傷が、慢性もしくは感染性であると判定するステップと、を含む、請求項34に記載の方法。前記パラメータが、MMP−1(コラゲナーゼ)、MMP−2(ゼラチナーゼA)、MMP−3(ストメリシン1)、MMP−8(好中球コラゲナーゼ)、MMP−9(ゼラチナーゼB)、ヒト好中球エラスターゼ(HNE)、カテプシンG、ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子(uPA)、およびリゾチームからなる群から選択される創傷特異的プロテアーゼの量または活性である、請求項35に記載の方法。慢性創傷もしくは感染性創傷を治療する方法であって、請求項1に記載の包帯材料を前記対象に投与することを含み、前記包帯材料が、前記創傷に局所的もしくは経皮的に適用される、方法。Lが、存在せず、前記ゲル形成ポリマーMをレポーター領域Rに接合させて、それにより式M−Rの化合物を生成することを含み、MおよびRが、各々個々に、請求項1に記載されるとおりである、請求項1に記載の式Iの化合物を作製する方法。Lが、存在し、前記ゲル形成ポリマーMをリンカーLに接合させて、それにより前駆体化合物M−Lを生成することと、前記前駆体化合物M−Lをレポーター領域Rに接合させて、それにより式M−L−Rの化合物を生成することと、を含み、M、L、およびRが、各々個々に、請求項1に記載されるとおりである、請求項1に記載の式Iの前記化合物を作製する方法。Lが、存在し、前記リンカーLをレポーター領域Rに接合させて、それにより前駆体化合物L−Rを生成することと、前記前駆体化合物L−Rをゲル形成ポリマーMに接合させて、それにより式M−L−Rの化合物を生成することと、を含み、M、L、およびRが、各々個々に、請求項1に記載されるとおりである、請求項1に記載の式Iの前記化合物を作製する方法。以下、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 からなる群から選択される創傷包帯材料であって、n=200〜4000である、創傷包帯材料。式IIの化合物を含む創傷包帯材料であって、 式II 式中、 Mが、ゲル形成ポリマーであり、 PEPが、ペプチドおよび少なくとも1つのアミノ酸であり、 Lが、存在しないかまたは存在するかのいずれかのリンカーであり、Lは、存在する場合、MとPEPとを繋ぐ、創傷包帯材料。

说明书全文

関連出願の相互参照 本出願は、2016年3月30日に出願された、米国仮特許出願第62/315,567号の利益を主張するものであり、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれ、本明細書の一部をなす。

本明細書に記載される実施形態は、概して、創傷治癒に関し、具体的には、創傷の検出および治療のための組成物および方法に関する。

哺乳動物において、皮膚損傷は、治癒した創傷を生じる細胞性事象および生化学的事象の構成された複雑なカスケードを誘発する。創傷治癒は、複雑な動的過程であり、解剖学的連続性および機能の回復をもたらし、理想的に治癒した創傷は、正常な解剖学的構造、機能、および外観に戻った創傷である。典型的な創傷は、「滲出性」期、増殖期、修復期、および上皮成熟(Hatzら、Wound Healing and Wound Management、Springer−Verlag、Munich、1994)、または止血期、炎症期、増殖期、および再構成期(Nwomehら、Clin.Plast.Surg.1998、25、341)の4つの段階からなるモデルを介して治癒する。

残念なことに、慢性創傷および「感染性」創傷は、典型的には、治癒が困難である。慢性創傷には、例えば、静脈脚潰瘍、糖尿病性足潰瘍、および褥瘡が含まれる(Krasnerら、Chronic Wound Care:A Clinical Source Book for Healthcare Professionals、HMP Communications、2001)。慢性創傷を有する患者は、多大な注意を必要とし、創傷は、生活の質の低下につながることが多く、慢性創傷は、一部の患者が残りの人生にわたって対処しなければならない問題となり得る。患者の同時罹患率はまた、創傷治癒過程に有意な影響を及ぼし、その過程を制限し、さらには停止させ、ならびに生活の質の低下に寄与する因子となり得る。治癒が困難な創傷につながり得る因子には、病態生理学的問題、生物による感染、非生存組織の存在、組織灌流不良、慢性炎症状態、および糖尿病等の他の根底にある状態が含まれる(Bowlerら、Annals of Medicine 2002、34、419−427)。

多くの場合、慢性創傷は、細菌叢ならびに/または真菌およびウイルス等の病原体によってコロニー形成され、その場合、それらが感染する可能性がある。細菌による創傷の感染は、細菌が酵素および毒素を生成し、また創傷の治癒に必須の活性を有するマクロファージおよび線維芽細胞と栄養素および酸素を競合するので、治癒過程を遅延させる。したがって、感染は、侵入した細菌に有利な宿主/細菌平衡の乱れの徴候である。これは、全身敗血症反応を誘発し、また、創傷治癒に関与する複数の過程を阻害する。治癒の顆粒化期は、感染が沈静化した後にのみ開始されるだろう。

炎症期は、創傷治癒過程にとって特に重要であり、創傷部位における生化学反応は、治癒を促進するが、過剰プロテアーゼの生成による組織破壊も引き起こす。プロテアーゼは死んだ組織を破壊する上で重要な役割を果たすが、過剰では、生存組織に有害な影響も与え、さらなる炎症を引き起こす。 マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)、エラスターゼ、およびカテプシンG等のこれらのプロテイン分解酵素の放出は、好中球の過剰な刺激に関連することが多い。

プロテアーゼ活性の上昇は、創傷修復の遅延に関与しているようであり、創傷感染を予測する可能性がある。例えば、細胞によって分泌された細胞外分子の集合体である細胞外マトリックス(ECM)は、周囲細胞に対する構造的かつ生化学的な支持を提供し、過剰プロテアーゼ(例えば、MMP)活性により創傷部位で頻繁に枯渇し、フィブリノーゲンレベルの減衰により付随的に枯渇する。プロテアーゼ活性の増加はまた、成長因子の分解をもたらし、よって、治癒過程を阻害する。したがって、感染および他の問題は、慢性創傷において悪化し、創傷は、治療することが困難なままである(Yagerら、Wound Repair Regen 1997、5、23−32;Widgerowら、Wound Repair Regen 2011、19、287−291)。

創傷を評価する現在の方法は、医師の訓練および経験に依存する。創傷は、視覚的に評価される可能性があり、長さおよび深さの測定が行われ、デジタル写真は、創傷の視覚的状態およびサイズを追跡するために利用可能な場合に使用され得る(Krasnerら、上記)。臨床診療では、感染の診断は、局所的な痛み、熱、腫脹、排出、および赤みの存在等の間接的なパラメータに基づいている。炎症および排出等のこれらの臨床指標の多くは、創傷における感染の予測価値が低い。病院検査室での微生物学検査に続く創傷のスワブは、正しい抗生物質治療を処方するために、細菌のコロニー形成および菌株の同定を確認するための選択肢である。しかしながら、この過程は、時間がかかり、労働集約的である。感染の診断の遅延は、抗生物質の投与を遅延させる可能性があり、敗血症発症のリスクを高める可能性がある。

さらに、創傷治癒の測定のための客観的な技術は、ほとんどない。治癒創傷内の液体と比較した場合、MMPプロテアーゼレベルおよび活性が、慢性創傷の液体中に存在するという報告があるが(Liuら、Diabetes Care 2009、32、117−119;Bullenら、J.Investig Dermatol.1995、104、236−240)、これらの報告は、創傷が慢性になる限界を示唆していない。

よって、感度の高い特定の試薬および/またはキットを、科学的研究のために、また臨床応用において、例えば、そのような創傷によって特徴付けられる疾患、例えば、静脈性潰瘍、褥瘡褥瘡、および糖尿病性潰瘍の効率的かつ正確な診断および治療において、使用することを含む、ヒトおよび動物の対象内の慢性創傷および感染性創傷を同定するための、そのような特定の試薬、キット、およびアッセイ技術に対する、差し迫っているが満たされていない必要性が存在する。

本明細書に開示される技術は、感染性創傷および/または慢性創傷を検出する組成物および方法を提供する。開示される技術は、感染性創傷の検出の感度、精度、および特異性を高めることと、定性的および定量的測定の能を提供することと、感染性創傷の検出速度をその場で、かつ実時間で増加させることと、によって既存のアッセイを改善する。本明細書に記載されるアッセイおよび方法は、感染性創傷もしくは慢性創傷内に存在するバイオマーカーおよび/もしくはプローブを検出する特異的試薬の使用に部分的に基づいている。検出過程は、感染性創傷内に存在するが、非感染性創傷もしくは非慢性創傷ではないマーカーに特異的な試薬の使用を伴い得、検出ステップは、プローブがマーカーによって作用される場合に生成される信号(複数可)の定性的測定もしくは定量的測定を伴い得る。検出方法が創傷内に存在する酵素の検出を伴う実施形態では、プローブは、好ましくは、任意選択的に増幅され得る信号を生成する酵素に特異的な修飾酵素基質を含む。これにより、検出の効率および特異性が大幅に改善される。さらに、1つ以上の標的、例えば、創傷に特異的な酵素に各々特異的な複数の検出プローブを用いてもよい。これは、偽陽性(例えば、非特異的相互作用および/または標的冗長性による)の発生を最小にしながら、診断アッセイの効率および正確性の両方を最大にするのに大いに役立つ。さらに、本明細書中に開示される実験結果は、新規プローブおよびそれらに基づくアッセイ技術が、様々な種類の創傷を検出および特徴付けることができることを確認している。最後に、開示される技術の試薬は、慢性創傷の治療および管理を観察および評価するために、抗生物質、抗真菌剤等の治療分子と共に使用され得る。

一実施形態では、構造M−L−Rを含む式Iの化合物を含む創傷包帯材料であって、Mが、ゲル形成ポリマーであり、Rが、レポーター分子であり、Lが、存在しないかまたは存在するかのいずれかのリンカーであり、Lは、存在する場合、MとRとを繋ぐ、創傷包帯材料を本明細書に提供する。 別の実施形態では、構造M−Rを含む化合物であって、Mが、ゲル形成ポリマーであり、Rが、レポーター分子である、化合物を本明細書に提供する。

別の実施形態では、構造M−Rを含む化合物であって、Mが、ゲル形成ポリマーであり、Rが、レポーター分子であり、Mが、Rと共有結合的または非共有結合的に接合している、化合物を本明細書に提供する。

別の実施形態では、構造M−L−Rを含む式Iの化合物を含む創傷包帯材料であって、Mが、ゲル形成ポリマーであり、Rが、レポーター分子であり、Lが、互いに独立してMおよびRと共有結合的または非共有結合的に接合しているリンカーである、創傷包帯材料を本明細書に提供する。

別の実施形態では、構造M−L−Rを含む式Iの化合物を含む創傷包帯材料であって、Mが、ゲル形成ポリマーであり、Rが、レポーター分子であり、Lが、リンカーであり、レポーターRが、酵素基質を含む、化合物を本明細書に提供する。

別の実施形態では、構造M−L−Rを含む式Iの化合物を含む創傷包帯材料であって、Mが、ゲル形成ポリマーであり、Rが、レポーター分子であり、Lが、リンカーであり、レポーターRが、糖、多糖類、核酸、アミド、ペプチド、プロテイン、脂質、またはそれらの誘導体もしくはそれらの組み合わせである酵素基質を含む、創傷包帯材料を本明細書に提供する。特にこの実施形態の下では、基質は、糖、多糖類、アミド、ペプチド、もしくはプロテイン、またはそれらの誘導体である。特にこの実施形態の下では、基質は、アミノ酸または複数のアミノ酸を含むペプチドを含むペプチド基質(PEP)である。

別の実施形態では、構造M−L−Rを含む式Iの化合物を含む創傷包帯材料であって、Mが、ゲル形成ポリマーであり、Rが、レポーター分子であり、Lが、存在しないかもしくは存在するかのいずれかのリンカーであり、Lは、存在する場合、MとRとを繋ぎ、Mが、セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ペクチン、アルギン酸塩、キトサン、ヒアルロン酸、多糖類、もしくはガム由来ポリマー、またはそれらの誘導体、あるいはそれらの任意の混合物もしくは組み合わせから選択される、創傷包帯材料を本明細書に提供する。特にこの実施形態の下では、ポリマーは、カルボキシメチルセルロース(CMC)またはその塩である。

別の実施形態では、構造M−L−Rを含む式Iの化合物を含む創傷包帯材料であって、Mが、ゲル形成ポリマーであり、Rが、レポーター分子であり、Lが、存在しないかまたは存在するかのいずれかのリンカーであり、Lは、存在する場合、MとRとを繋ぎ、Mが、約200〜約4000個のモノマー単位を含む、創傷包帯材料を本明細書に提供する。特にこの実施形態の下では、Mは、約500〜約2000個のモノマー単位を含む。

別の実施形態では、構造M−L−Rを含む式Iの化合物を含む創傷包帯材料であって、Mが、ゲル形成ポリマーであり、Rが、レポーター分子であり、Lが、存在しないかもしくは存在するかのいずれかのリンカーであり、Lは、存在する場合、MとRとを繋ぎ、Lが、エトキシル化多価アルコール、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリプロピレン、ポリアルキレングリコール、ポリアミン、またはそれらのエーテル、アミド、もしくはエステルである、モノマーもしくは中性ポリマーを含む、創傷包帯材料を本明細書に提供する。特にこの実施形態の下では、Lは、エトキシル化多価アルコール、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリプロピレン、ポリアルキレングリコール、ポリアミン、またはそれらのエーテル、アミド、もしくはエステルの1〜10個のモノマー単位を含む。より具体的には、この実施形態の下では、Lは、少なくとも1つのポリプロピレングリコール亜単位を含む。

別の実施形態では、構造M−L−Rを含む式Iの化合物を含む創傷包帯材料であって、Mが、ゲル形成ポリマーであり、Rが、レポーター分子であり、Lが、存在しないかまたは存在するかのいずれかのリンカーであり、Lは、存在する場合、MとRとを繋ぎ、Rが、検出可能な標識を含む、創傷包帯材料を本明細書に提供する。特にこの実施形態の下では、検出可能な標識は、発光分子、化学発光分子、蛍光色素、蛍光消光剤、脂質、着色分子、放射性同位体、シンチラント、ビオチン、アビジン、ストレプトアビジン、プロテインA、プロテインG、抗体またはその断片、ポリヒスチジン、Ni2+、Flagタグ、mycタグ、重金属、および酵素からなる群から選択される。

別の実施形態では、構造M−L−Rを含む式Iの化合物を含む創傷包帯材料であって、Mが、ゲル形成ポリマーであり、Rが、レポーター分子であり、Lが、存在しないかまたは存在するかのいずれかのリンカーであり、Lは、存在する場合、MとRとを繋ぎ、Rが、フルオレセイン、ローダミン、テトラメチルローダミン、R−フィコエリトリン、Cy−3、Cy−5、Cy−7、テキサスレッド、ファーレッド、アロフィコシアニン(APC)、フルオレセインアミン、エオシン、ダンシル、ウンベリフェロン、5−カルボキシフルオレセイン(FAM)、2’7’−ジメトキシ−4’5’−ジクロロ−6−カルボキシルフルオレセイン(JOE)、6 カルボキシローダミン(R6G)、N、N、N’、N’−テトラメチル−6−カルボキシローダミン(TAMRA)、6−カルボキシ−X−ローダミン(ROX)、4−(4’−ジメチルアミノフェニルアゾ)安息香酸(DABCYL)、5−(2’−アミノエチル)アミノナフタレン−1−スルホン酸(EDANS)、4−アセトアミド−4’−イソチオシアナトスチルベン−2,2’ジスルホン酸、アクリジン、アクリジンイソチオシアネート、r−アミノ−N−(3−ビニルスルホニル)フェニルナフタルイミド−3,5、ジスルホネート(ルシファーイエローVS)、N−(4−アニリノ−1−ナフチル)マレイミド、アントラニルアミド、ブリリアントイエロー、クマリン、7−アミノ−4−メチルクマリン、7−アミノ−4−トリフルオロメチルクルアリン(クマリン151)、シアノシン、4’,6−ジアミニジノ−2−フェニルインドール(DAPI)、5’,5’’−ジアミニジノ−2−フェニルインドール(DAPI)、5’、5’’−ジブロモピロガロール−スルホンフタレイン(プロムピロガロールレッド)、7−ジエチルアミノ−3−(4’−イソチオシアナトフェニル)−4−メチルクマリンジエチレントリアミンペンタアセテート、4,4’−ジイソチオシアナトジヒドロ−スチルベン−2,2’−ジスルホン酸、4,4’−ジイソチオシアナトスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、4−ジメチルアミノフェニルアゾフェニル−4’−イソチオシアネート(DABITC)、エオシンイソチオシアネート、エリスロシンB、エリスロシンイソチオシアネート、エチジウム、5−(4,6−ジクロロトリアジン−2−イル)アミノフルオレセイン(DTAF)、QFITC(XRITC)、フルオレサミン、IR144、IR1446、マラカイトグリーンイソチオシアネート、4−メチルウンベリフェロン、オルトクレゾールフタレイン、ニトロチロシン、パラローザニリン、フェノールレッド、B−フィコエリトリン、o−フタルジアルデヒド、ピレン、ピレンブチレート、スクシンイミジル1−ピレンブチレート、リアクティブレッド4、リサミンローダミンBスルホニルクロライド、ローダミンB、ローダミン123、ローダミンX、スルホローダミンB、スルホローダミン101、スルホローダミン101のスルホニルクロライド誘導体、テトラメチルローダミン、リボフラビン、ロゾール酸、およびテルビウムキレート誘導体からなる群から選択される、蛍光分子を含む、創傷包帯材料を本明細書に記載する。

別の実施形態では、構造M−L−Rを含む式Iの化合物を含む創傷包帯材料であって、Mが、ゲル形成ポリマーであり、Rが、レポーター分子であり、Lが、存在しないかまたは存在するかのいずれかのリンカーであり、Lは、存在する場合、MとRとを繋ぎ、Rが、検出可能な標識および消光剤分子を含む、創傷包帯材料を本明細書に提供する。特にこの実施形態の下では、消光剤分子を含むレポーターは、酵素またはその生成物によって活性化される。

別の実施形態では、構造M−L−Rを含む式Iの化合物を含む創傷包帯材料であって、Mが、ゲル形成ポリマーであり、Rが、レポーター分子であり、Lが、存在しないかもしくは存在するかのいずれかのリンカーであり、Lは、存在する場合、MとRとを繋ぎ、レポーター分子もしくはその一部分が、酵素との相互作用の際に放出される、創傷包帯材料を本明細書に提供する。特にこの実施形態の下では、レポーター分子は、酵素との相互作用の際に放出される検出可能な標識を含む。

別の実施形態では、構造M−L−Rを含む式Iの化合物を含む創傷包帯材料であって、Mが、ゲル形成ポリマーであり、Rが、レポーター分子であり、Lが、存在しないかまたは存在するかのいずれかのリンカーであり、Lは、存在する場合、MとRとを繋ぎ、レポーター分子が、酵素によって作用されると生成物を形成する創傷特異的酵素に特異的な基質を含む、創傷包帯材料を本明細書に記載する。特にこの実施形態の下では、創傷特異的酵素は、プロテアーゼである。より具体的には、この実施形態の下では、レポーターは、MMP−1(コラゲナーゼ)、MMP−2(ゼラチナーゼA)、MMP−3(ストメリシン1)、MMP−8(好中球コラゲナーゼ)、MMP−9(ゼラチナーゼB)、ヒト好中球エラスターゼ(HNE)、カテプシンG、ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子(uPA)、およびリゾチームからなる群から選択される創傷特異的酵素に特異的な基質を含む。特にこの実施形態の下では、レポーターは、MMP−2およびMMP−9またはそれらの組み合わせに特異的な基質を含む。

別の実施形態では、構造M−L−Rを含む式Iの化合物を含む担体および創傷包帯材料を含む組成物であって、Mが、ゲル形成ポリマーであり、Rが、レポーター分子であり、Lが、存在しないかまたは存在するかのいずれかのリンカーであり、Lは、存在する場合、MとRとを繋ぐ、組成物を本明細書に提供する。特にこの実施形態の下では、組成物は、薬学的組成物である。より具体的には、この実施形態の下では、薬学的組成物は、抗生物質化合物または創傷治癒ペプチドを含む。特にこの実施形態の下では、抗生物質は、β−ラクタム、フルオロキノロン、アミノグリコシド、テトラサイクリン、グリシルサイクリン、およびポリミキシンからなる群から選択され、かつ/または創傷治癒ペプチドは、線維芽細胞成長因子(FGF)もしくは血小板由来成長因子(PDGF)である。

別の実施形態では、本明細書の上に記載されるような創傷包帯材料を含む物品を含む組成物を提供する。

別の実施形態では、本明細書で提供されるものは、診断を必要とする対象における創傷の状態を診断する方法であって、本明細書の上に記載されるような創傷包帯材料に創傷を接触させて、レポーター分子の検出可能な信号への変換を可能にすることと、信号を検出することと、を含む、方法を本明細書に提供する。特にこの実施形態の下では、レポーター分子の検出可能な信号への変換は、創傷特異的プロテアーゼ、例えば、MMP−1(コラゲナーゼ)、MMP−2(ゼラチナーゼA)、MMP−3(ストメリシン1)、MMP−8(好中球コラゲナーゼ)、MMP−9(ゼラチナーゼB)、ヒト好中球エラスターゼ(HNE)、カテプシンG、ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子(uPA)、およびリゾチームによって実行される。特にこの実施形態の下では、本方法は、慢性創傷または感染性創傷を診断することを含む。

別の実施形態では、診断を必要とする対象における創傷の状態を診断する方法であって、本明細書の上に記載されるような創傷包帯材料に創傷を接触させて、レポーター分子の検出可能な信号への変換を可能にすることと、創傷内の創傷特異的酵素の活性もしくはレベルであるパラメータを評価することと、パラメータを閾値レベルと比較することと、創傷内のパラメータのレベルが閾値レベルよりも高い場合、創傷が慢性もしくは感染性であると判定することと、を含む、方法を本明細書に記載する。この実施形態では、パラメータは、MMP−1(コラゲナーゼ)、MMP−2(ゼラチナーゼA)、MMP−3(ストメリシン1)、MMP−8(好中球コラゲナーゼ)、MMP−9(ゼラチナーゼB)、ヒト好中球エラスターゼ(HNE)、カテプシンG、ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子(uPA)、およびリゾチームからなる群から選択される創傷特異的プロテアーゼの量または活性である。特にこの実施形態の下では、診断方法は、その場で実施される。

別の実施形態では、治療を必要とする対象における創傷を治療する方法であって、本明細書の上に記載されるような創傷包帯材料に創傷を接触させることを含む、方法を本明細書に提供する。特にこの実施形態の下では、包帯材料は、創傷の部位に局所的または経皮的に適用される。

別の実施形態では、前述による式Iの化合物を作製するための方法であって、Lが、存在せず、ゲル形成ポリマーMをレポーター領域Rに接合することを含み、MおよびRが、各々個々に、先に記載されるとおりである、方法を本明細書に提供する。特にこの実施形態の下では、ゲル形成ポリマーMは、ペプチド結合、グリコシド結合、エステル結合、オキシエステル結合、アミデ結合、アミド結合、オキシアミド結合、エーテル結合、スルホニル結合、スルフィニル結合、スルホンアミド結合、アルコキシ結合、アルキルチオ結合、アルキルアミノ結合、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される共有結合を介してレポーター領域Rに接合している。特にこの実施形態の下では、ゲル形成ポリマーMは、グリコシド結合またはペプチド結合を介してレポーター領域Rに接合している。

別の実施形態では、前述による式Iの化合物を作製するための方法であって、Lが、存在し、ゲル形成ポリマーMをリンカーLに接合して、前駆体分子M−Lを生成することと、前駆体分子M−Lをレポーター領域Rに接合することと、を含み、M、L、およびRが、各々個々に、先に記載されるとおりである、方法を本明細書に提供する。特にこの実施形態の下では、ゲル形成ポリマーMは、リンカーLに接合し、かつ/またはリンカーLは、エステル結合、オキシエステル結合、アミデ結合、アミド結合、オキシアミド結合、エーテル結合、スルホニル結合、スルフィニル結合、スルホンアミド結合、アルコキシ結合、アルキルチオ結合、アルキルアミノ結合、またはそれらの組み合わせから選択される共有結合を介してレポーター領域Rに接合する。

別の実施形態では、前述による式Iの化合物を作製するための方法であって、Lが、存在し、リンカーLをレポーターRに接合して、前駆体分子L−Rを生成することと、前駆体分子L−Rをゲル形成ポリマーMに接合することと、を含み、M、L、およびRが、各々個々に、先に記載されるとおりである、方法を本明細書に提供する。特にこの実施形態の下では、ゲル形成ポリマーMは、リンカーLに接合し、かつ/またはリンカーLは、エステル結合、オキシエステル結合、アミデ結合、アミド結合、オキシアミド結合、エーテル結合、スルホニル結合、スルフィニル結合、スルホンアミド結合、アルコキシ結合、アルキルチオ結合、アルキルアミノ結合、またはそれらの組み合わせから選択される共有結合を介してレポーター領域Rに接合する。

別の実施形態では、構造M−L−PEP(式II)を含む化合物を含む創傷包帯材料であって、Mが、ゲル形成ポリマーであり、PEPが、ペプチドおよび少なくとも1つのアミノ酸であり、Lが、存在しないかまたは存在するかのいずれかのリンカーであり、Lは、存在する場合、MとPEPとを繋ぐ、創傷包帯材料を本明細書に提供する。

別の実施形態では、以下、

からなる群から選択され、 n=200〜4000である、創傷包帯材料を本明細書に提供する。

本主題技術の他の実施形態および構成は、以下の詳細な説明から当業者に容易に明らかになるであろうが、本主題技術の様々な構成が、実施例または例証として示され、かつ記載されることが理解される。実現されるように、本主題技術は、他の異なる構成が可能であり、それらのいくつかの詳細は、全て本主題技術の範囲から逸脱することなく、様々な他の点において変更可能である。したがって、図面および詳細な説明は、本質的に例証的であり、限定的ではないとみなされるべきである。

本開示を理解するために、本開示の実施形態および実施例が例証され、以下の説明と共に、本開示の原理を説明するのに役立つ添付の図面を参照して、実施例によってこれより説明されるだろう。

蛍光に基づく研究を使用したポリマー12の酵素効力の定量化を示す。

図1の蛍光に基づく研究において使用されるポリマー12サンプルの画像を示す。

周囲光の下で見られるようなサンプルを示す。

UV光の下で見られるようなサンプルを示す。

個々のサンプルの標識化を示す。

蛍光に基づく研究:PBS浸漬期間後の溶出液を使用したポリマー17(PBSにより前処理された)の酵素効力の定量化を示す。

蛍光に基づく研究:最初のPBS浸漬期間後にPBSに再懸濁された固体を使用したポリマー17(PBSにより前処置された)の酵素効力の定量化を示す。

患者A、F、およびG由来の細胞株に対するスクラッチモデル試験中の平均閉鎖時間(エラーバーはSDを示す)を示す。赤いバーは、サンプルを繊維の形態で強調表示し、青色のバーは、粉末形態でのサンプルを表す。

12、CMC−PEG−NH2粉末、患者A、0.066mg/mLスクラッチアッセイについての共焦点顕微鏡写真を示す。赤い点線は、スクラッチ領域を表し、線維芽細胞の増殖は、T=1h(チャネル内に細胞が存在しない)とT=68h(細胞がチャネルを充填している)との間で観察され得る。

1時間で観察される線維芽細胞の増殖を示す。

30時間で観察される線維芽細胞の増殖を示す。

50時間で観察される線維芽細胞の増殖を示す。

68時間で観察される線維芽細胞の増殖を示す。

12、CMC−PEG−NH2粉末、患者A、0.66mg/mLスクラッチアッセイについての共焦点顕微鏡写真を示す。赤い点線は、スクラッチ領域を表し、線維芽細胞の増殖は、T=1h(チャネル内に細胞が存在しない)とT=68h(細胞がチャネルを充填している)との間で観察され得る。

1時間で観察される線維芽細胞の増殖を示す。

30時間で観察される線維芽細胞の増殖を示す。

50時間で観察される線維芽細胞の増殖を示す。

68時間で観察される線維芽細胞の増殖を示す。

コラーゲンマトリックスモデルによる研究の結果を示し、プロットは、7日間にわたる格子径を示す−患者A。

コラーゲンマトリックスモデルによる研究の結果を示し、プロットは、7日間にわたる格子径を示す−患者F。

コラーゲンマトリックスモデルによる研究の結果を示し、プロットは、7日間にわたる格子径を示す−患者G。

コラーゲンマトリックスモデルによる研究の結果を示し、写真は、3日目および7日目の格子径における差を示す−患者A。

コラーゲンマトリックスモデルによる研究の結果を示し、写真は、3日目および7日目の格子径における差を示す−患者F。

コラーゲンマトリックスモデルによる研究の結果を示し、写真は、3日目および7日目の格子径における差を示す−患者G。

プロテアーゼの検出のための可能性のあるペプチド修飾CMCおよびLCシステムについての概略図を示し、(a)は、ホモトロピックLC整列(交差偏光レンズの下で見ると暗い)を示す最初のシステム設定を示し、(b)は、進行中の脂質を放出するペプチドの切断を示し、(c)は、LCと接触する切断された脂質を示し、平面LC再整列を開始する(交差偏光レンズの下で見ると着色されている)。

CMCゲルの適用時の液晶4’−n−ペンチル−4−シアノ−ビフェニル(5CB)充填TEM(透過電子顕微鏡法)グリッドを示す顕微鏡写真を示す。

CMCヒドロゲル−ホメオトロピックLC整列の適用前の5CB充填TEMグリッドを示す。

T=0でのCMCヒドロゲルの適用後の5CB充填TEMグリッド、平面LC整列への変化を示す。

T=2分でのCMCヒドロゲルの適用後(平面LC整列)(左パネル)およびT=5分でのCMCヒドロゲルの適用後(平面LC整列)(右パネル)の5CB充填TEMグリッドを示す。

T=10分でのCMCヒドロゲルの適用後(平面LC整列が保持されている)(左パネル)およびT=90分でのCMCヒドロゲルの適用後(平面LC整列が保持されている)(右パネル)の5CB充填TEMグリッドを示す。

以下、様々な態様を、より詳細にこれより説明しよう。しかしながら、そのような態様は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に記載される実施形態に限定されるものと解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が十分かつ完全であり、それらの範囲を当業者に完全に伝達するように提供されている。

この開示全体を通して、様々な特許、特許出願、および刊行物を参照している。これらの特許、特許出願、および刊行物の開示は、それらの全体において、本開示の日付現在のその当業者に知られているような先行技術をより完全に記載するために、参照によりこの開示内に組み込まれる。この開示は、引用される特許、特許出願、および刊行物とこの開示との間にいかなる矛盾がある場合に適用されるだろう。

I.定義 ある範囲の値が提供される場合、その範囲の上限と下限との間の各々の介在値およびその記載される範囲内の任意の他の記載値または介在値は、本開示内に包含されることが意図される。例えば、1μm〜8μmの範囲が記載されている場合、2μm、3μm、4μm、5μm、6μm、および7μm、ならびに1μm以上の範囲の値および8μm以下の範囲の値も明示的に開示されていることが意図される。

単数形の「1つ」、「1つ」、および「その」は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「ポリマー」への言及は、単一のポリマーならびに2つ以上の同じもしくは異なるポリマーを含み、「賦形剤」への言及は、単一の賦形剤ならびに2つ以上の同じもしくは異なる賦形剤を含む等である。

数値の直前の「約」という単語は、本開示の文脈上他に指示されないか、もしくはそのような解釈と矛盾しない限り、その値のプラスもしくはマイナス10%の範囲を意味し、例えば、「約50」は、45〜55を意味し、「約25,000」は、22,500〜27,500等を意味する。例えば、「約49、約50、約55等の数値のリストにおいて、「約50」は、前の値と後の値との間の間隔(複数可)の半分未満に延びる範囲、例えば、49.5超〜52.5未満を意味する。さらに、「約〜未満」の値または「約〜より大きい」値という語句は、本明細書で提供される「約」という用語の定義に鑑みて理解されるべきである。

「実質的に」もしくは「本質的に」とは、略全体的にもしくは完全に、例えば、ある所与の量の重量もしくは体積当たり、80%〜95%以上、例えば、少なくとも85%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.9%、もしくはそれより大きい%、または測定される任意の他のパラメータを意味する。「実質的に含まない」とは、ある所与の量の重量もしくは体積当たり、約1%〜約20%未満、例えば、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.5%未満、0.1%未満、もしくはそれ未満の%、または測定される任意の他のパラメータのレベルで存在する等、ある所与の量の略全体的にもしくは完全に存在しないことを意味する。いくつかの実施形態では、「実質的に含まない」とは、薬学的組成物の1〜5重量%以下のレベルで存在することを意味する。

II.創傷包帯に使用するための組成物およびシステム 創傷および創傷管理の治療および診断のための創傷包帯に使用されるべき変性された創傷包帯材料であって、使用時の創傷包帯材料が、その場での創傷内の上昇酵素レベルの存在を示す、修飾創傷包帯材料を本明細書に提供する。

本明細書で使用される場合、「創傷」は、組織構造の連続性または完全性の物理的破壊を指す。「創傷治癒」は、組織の完全性の回復を指す。これは、組織の完全性の部分的または完全な回復を指し得ることが理解されるであろう。よって、創傷の治療は、創傷治癒過程に関連する1つ以上の段階もしくは過程の促進、改善、進行、加速、もしくは別様に、進歩を指す。

創傷は、急性または慢性であり得る。褥瘡、静脈脚潰瘍、および糖尿病性足潰瘍を含む慢性創傷は、単に治癒しない創傷として記載され得る。慢性創傷の正確な分子病因は完全には理解されていないが、多因子性であると認められている。急性損傷中の常在細胞および移動細胞の正常な反応が損なわれると、これらの創傷は、炎症反応の延長、創傷細胞外マトリックス(ECM)再構成の不全、および再上皮化の障害によって特徴付けられる。

創傷は、例えば、打撲傷もしくは内部潰瘍等の皮膚の外部構造的完全性が維持されている任意の内部創傷、または外部創傷、特に皮膚創傷であり得、その結果、組織は、任意の内部もしくは外部の身体組織であり得る。一実施形態では、組織は、皮膚(例えば、ヒトの皮膚)であり、すなわち、創傷は、真皮創傷または表皮創傷等の皮膚創傷である。

ヒトの皮膚は、表皮および真皮の2つの異なる層から構成され、その下には皮下組織がある。皮膚の主な機能は、外的な外傷および病原性感染、感覚、および体温調節から内部器官および内部組織を保護することである。

皮膚の最外層である表皮は、およそ0.04mmの厚さで、無血管であり、4つの細胞型(ケラチノサイト、メラノサイト、ランゲルハンス細胞、およびメルケル細胞)から構成され、いくつかの上皮細胞層に層別化される。表皮の最内上皮層は、基底膜であり、基底膜は、真皮と直接接触し、表皮を真皮に固定する。皮膚に発生する全ての上皮細胞分裂は、基底膜で起こる。細胞分裂後、上皮細胞は、表皮の外部表面に向かって移動する。この移動中に、細胞は、質化として知られる過程を受け、それにより核が失われ、細胞は、丈夫で平らで耐性のある非生存細胞へと形質転換される。細胞が最外表皮構造、角質層、根底にある組織の乾燥を防止するのに役立つ乾燥した防性扁平細胞層に到達すると、移動が完了する。死んだ上皮細胞のこの層は、連続的に剥がされ、基底膜から表面に移動する角化細胞によって置換される。表皮上皮は無血管であるため、基底膜は、その栄養供給のために真皮に依存する。

真皮は、表皮に栄養を供給する高度に血管新生された組織層である。さらに、真皮は、神経終末、リンパ管、コラーゲンプロテイン、および結合組織を含有する。真皮は、およそ0.5mmの厚さであり、主に線維芽細胞およびマクロファージから構成される。これらの細胞型は、皮膚を含む全ての動物の結合組織に見られるプロテインであるコラーゲンの生成および維持に大きく関与している。コラーゲンは、主に皮膚の弾性の伸縮性質に関与している。コラーゲンが豊富な真皮の真下に見られる皮下組織は、皮膚の移動性、断熱性、カロリー保存性、およびその上の組織に対する血液を提供する。

創傷は、部分的な厚さの創傷または完全な厚い創傷である2つの一般的なカテゴリーのうちの1つに分類され得る。部分的な厚さの創傷は、真皮血管に損傷を与えない表皮および表在性真皮に限定される。完全な厚さの創傷は、真皮の破壊を伴い、真皮血管の破壊を伴う、より深い組織層に延びる。部分的な厚さの創傷の治癒は、上皮組織の単純な再生によって起こるだろう。完全な厚さの創傷における創傷治癒は、より複雑である。本明細書で企図される皮膚創傷は、部分的な厚さまたは完全な厚さの創傷のいずれかであり得る。

本明細書で企図される創傷には、切傷および裂傷、外科的切開もしくは創傷、穿刺、擦り傷、引っかき傷、圧迫創傷、擦傷、摩擦創傷(例えば、おしゃぶり、摩擦疱疹)、褥瘡潰瘍(例えば、圧力もしくは褥瘡);熱効果創傷(直接もしくは伝導のいずれか、対流、もしくは放射線を通した冷熱源および熱源による、ならびに電源による火傷)、化学的創傷(例えば、酸性もしくはアルカリ性の火傷)、または開いたもしくは無傷の腫物、皮膚発疹、染み、およびニキビを含む病原性の感染(例えば、ウイルス性、細菌性、もしくは真菌性)、潰瘍、慢性創傷、(下脚潰瘍および足潰瘍、静脈性脚潰瘍、および褥瘡等の糖尿病関連創傷を含む)、皮膚グラフト/移植ドナーおよびレシピエント部位、免疫反応状態、例えば、乾癬および湿疹、胃もしくは腸の潰瘍、口の潰瘍、損傷した軟骨もしくは骨、切断創傷および角膜病変を含む口腔創傷が含まれる。

創傷包帯材料およびそれらの製剤: 本明細書に記載される実施形態は、慢性創傷を診断および/または治療するために使用され得る変性された創傷包帯を提供する。包帯剤は、ゲル形成ポリマー、非ゲル形成繊維、またはそれらの組み合わせを含み得る。本明細書に記載される創傷包帯材料は、哺乳動物の創傷における1つ以上の酵素のレベルを検出する方法において使用される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される創傷包帯材料は、哺乳動物の慢性創傷を診断する方法において使用される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される創傷包帯材料は、哺乳動物の感染性創傷を診断する方法において使用される。他の実施形態では、本明細書に記載される創傷包帯材料は、哺乳動物の創傷を治療する方法において使用される。さらなる実施形態では、本明細書に記載される創傷包帯材料は、哺乳動物の慢性創傷を治療する方法において使用される。

いくつかの実施形態では、創傷包帯材料は、式Iの構造を有し、

式I 式中、Mがゲル形成ポリマーである場合、Rは、レポーター分子を含む領域であり、Lは、MとRとを繋ぐリンカーである。一実施形態では、リンカー(L)が存在する。別の実施形態では、リンカー(L)は存在せず、この場合、創傷包帯材料は、式M−Rの化合物を含み、MおよびRは、各々個々に、上に記載されるとおりである。

いくつかの実施形態では、創傷包帯材料は、式IIの構造を有し、

式II 式中、Mは、ゲル形成ポリマーであり、PEPは、レポーター分子および少なくとも1つのアミノ酸を含むペプチド領域であり、Lは、MとPEPとを繋ぐリンカーである。一実施形態では、リンカー(L)が存在する。別の実施形態では、リンカー(L)は存在せず、この場合、創傷包帯材料は、式M−Rの化合物を含み、MおよびRは、各々個々に、上に記載されるとおりである。

特定の実施形態では、式Iもしくは式IIの創傷包帯材料は、リンカーを含有せず、レポーター(R)もしくはペプチド(PEP)は、共有結合的もしくは非共有結合的のいずれかでゲル形成ポリマーと直接関連する。当該技術分野で理解されているように、共有結合は、結合した原子間での電子の共有を伴う。対照的に、非共有結合は、例えば、イオン相互作用、静電相互作用、水素結合相互作用、物理化学的相互作用、ファンデルワールス力、ルイス酸/ルイス塩基相互作用、またはそれらの組み合わせを含み得る。特に、リンカーが存在しないこのような場合、ペプチドは、共有結合相互作用を介してゲル形成ポリマーに付着または接合する。

「ペプチド」という用語は、ペプチドならびにペプチドの薬学的に許容される塩を含む。典型的には、ペプチドは、共有結合、例えば、ペプチド結合を介して互いに結合される複数のアミノ酸残基、例えば、2個、3個、4個、5個、6個、8個、10個以上のアミノ酸残基を含む。「アミノ酸残基」は、本開示のペプチドに組み込まれる個々のアミノ酸単位を意味する。本明細書中で使用される場合、「アミノ酸」という用語は、天然に存在するもしくは合成されたアミノ酸、ならびに天然に存在するアミノ酸と同様に機能するアミノ酸類似体、立体異性体、およびアミノ酸模倣物を意味する。この定義には、次のような天然アミノ酸が含まれる:1。ヒスチジン(His)2。イソロイシン(Ile)3。ロイシン(Leu)4。リジン(Lys)5。メチオニン(Met)6。フェニルアラニン(Phe)7。スレオニン(Thr)8。トリプトファン(Trp)9。バリン(Val)10。アルギニン(Arg)11。システイン(Cys)12。グルタミン(Gln)13。グリシン(Gly)14。プロリン(Pro)15。セリン(Ser)16。チロシン(Tyr)17。アラニン(Ala)18。アスパラギン(Asn)19。アスパラギン酸(Asp)20。グルタミン酸(Glu)21。セレノシステイン(Sec);非天然アミノ酸:シトルリン;シスチン;ガマ−アミノ酪酸(GABA);オルニチン;テアニンおよびベタイン等のアミノ酸誘導体;カルニチン;カルノシンクレアチン;ヒドロキシトリプトファン;ヒドロキシプロリン;N−アセチルシステイン;S−アデノシルメチオニン(SAM−e);タウリン;チラミン。例えば、システイン、セリン、トレオニン、リジン、アルギニン、アスパラギン酸/アスパラギン、グルタミン酸/グルタミン、グリシン、アラニン等の反応性側鎖を含有するアミノ酸が特に用いられ、

特定の実施形態では、ペプチドは、例えば、1つ以上のアミノ酸の追加、欠失、置換を介して、1つ以上のアミノ酸の誘導体化、または環化等を介して、修飾され得る。具体的には、ペプチドは、1つ以上のアミノ酸を追加、欠失、または置換することによって、カルボキシ末端(C末端)もしくはアミノ末端(N末端)で修飾される。具体的には、ペプチドは、少なくとも1つのアミノ酸、特に、反応性側鎖を含有するアミノ酸、例えば、システイン、セリン、トレオニン、リシン、アルギニン、アスパラギン酸/アスパラギン、グルタミン酸/グルタミン、グリシン、アラニン等を追加することによって、C末端で修飾され、反応性側鎖は、色素等の標識との接合に用いられ得る。特にこの実施態様の下では、ペプチドは、C末端に追加のシステインもしくはセリン残基を含有するように修飾され、システインの硫黄基もしくはセリンのヒドロキシル基は、蛍光色素とカップリングするために使用される。

特定の実施形態では、反応性側鎖、例えば、システインのSH基を含む追加のアミノ酸を含有するペプチドは、クリック化学反応によって色素にカップリングされ得る。ここで、1,2−アミノチオールと2−シアノベンゾチアゾール(CBT)との反応は、蛍光であるルシフェリンを作製するために使用され得る。次に、ルシフェリン蛍光は、洗浄後の分光測定によって定量化され得、1,2−アミノチオールを担持する分子の相対的存在を判定するために使用され得る。非1,2−アミノチオール担持プロテインの定量化が望ましい場合、対象となるプロテインを切断して、2−CBTに対して脆弱なN’Cysを有する断片を得ることができる。Liangら、J.Angew.Chem.、Int.Ed.、48,965,2009を参照されたい。

ゲル形成ポリマー(M): 式Iもしくは式IIの創傷包帯材料のいくつかの実施形態では、ゲル形成ポリマーは、セルロース、化学修飾セルロース、ペクチン、アルギン酸塩、キトサン、修飾キトサン、ヒアルロン酸、多糖類、もしくはガム由来ポリマー、またはそれらの誘導体、あるいはそれらの任意の混合物もしくは組み合わせから選択される化合物である。

式Iまたは式IIの創傷包帯材料のいくつかの実施形態では、ゲル形成ポリマーは、セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、酸化セルロース(もしくはその誘導体)、セルロースエチルスルホネート(CES)、ペクチン、アルギン酸塩、キトサン、修飾キトサン、ヒアルロン酸、多糖類、またはガム由来ポリマー、またはそれらの任意の組合せもしくは混合物を含む。

式Iまたは式IIの創傷包帯材料のいくつかの実施形態では、ゲル形成ポリマーは、セルロースまたは化学修飾セルロース、例えば、カルボキシメチルセルロース、酸化セルロースまたはその誘導体、セルロースエチルスルホネートである。

一実施形態では、ゲル形成ポリマーは、ポリマー化合物の誘導体、例えば、セルロース誘導体である。本明細書で使用される場合、「誘導体」という用語は、ゲル形成ポリマーの塩、アミド、エステル、エノールエーテル、エノールエステル、アセタール、ケタール、オルトエステル、ヘミアセタール、ヘミケタール、酸、塩基、溶媒和物、水和物、またはプロドラッグを含む。例えば、ポリマーがセルロースである場合、セルロースのヒドロキシル基(−OH)は、有用な特性を有する誘導体、例えば、セルロースエステルおよびセルロースエーテル(−OR)を形成するように、様々な試薬と部分的または完全に反応され得る。一実施形態では、セルロースの誘導体は、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびヒドロキシプロピルセルロースから選択される。そのような誘導体は、そのような誘導体化のための既知の方法を使用する当業者によって容易に調製され得る。特定の実施形態では、誘導体は、実質的な毒性作用を伴わずに動物もしくはヒトに投与することができ、薬学的に活性であるか、もしくはプロドラッグであるかのいずれかである。セルロース誘導体の代表的な種類は、米国特許第7,544,640号および同第9,561,188号に記載されている。

別の実施形態では、誘導体は、ポリマー化合物の塩、例えば、Li+、Na+、K+、Rb+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、またはBa2+、好ましくは、Na+、K+、Mg2+、Ca2+の塩である。ナトリウムまたはカルシウム塩等のセルロース、セルロースエステル、およびセルロースエーテルの塩は、当該技術分野において知られている。

いくつかの実施形態では、ゲル形成ポリマー化合物は、前述の化合物のうちの1つ以上の組み合わせまたは混合物を含有し得る。「組み合わせ」という用語には、1つ超の構成要素を含有する化合物が含まれ、これらは、互いに接合し得るか、または接合していなくてもよい。一実施形態では、ゲル形成ポリマー化合物は、例えば、共有結合または非共有結合相互作用を介して、互いに接合する前述の化合物のうちの1つ以上の組み合わせを含む。具体的な例として、ゲル形成ポリマーは、ペクチンとカルボキシメチルセルロースとの組み合わせを含み得る。Ninanら、Carbohydr Polym.2013 Oct 15;98(1):877−85;PMID:23987424を参照されたい。

いくつかの実施形態では、化合物は、前述のポリマー化合物の混合物を含む。「混合物」という用語は、それらが個々の特性を失う反応の発生を伴わない、2つ以上の物質の混ざり合った物を指す。例えば、化合物Aと化合物Bとの混合物は、化合物Aおよび化合物Bの任意の重量比を含む場合があり、その結果、混合物の総重量は、総計100%に達し、例えば、化合物A/化合物Bの重量比が、99:1であるか、または化合物A/化合物Bの重量比が、1:99である。典型的な混合物は、前述のポリマー化合物を約2個、3個、4個、5個以上含有し得る。

式Iもしくは式IIの創傷包帯材料のいくつかの実施形態では、ゲル形成ポリマーは、粉末もしくは繊維の形態、またはそれらの組み合わせである。式Iまたは式IIの創傷包帯材料のいくつかの実施形態では、ゲル形成ポリマーは、繊維の形態である。ゲル形成繊維は、吸湿性繊維であり、創傷滲出物の取り込み時に湿潤で、滑りやすく、またはゼラチン状になり、よって、周囲繊維が創傷に付着する傾向を低下させる。ゲル形成繊維は、滲出液の吸収時にそれらの構造的完全性を保持する種類のものであり得るか、またはそれらの繊維状形態を失って、構造のないゲルになる種類のものであり得る。ゲル形成繊維は、好ましくは、繊維1グラム当たり、少なくとも2グラムの0.9%生理食塩水の吸収性(自由膨潤法によって測定されるような)を有する。

いくつかの実施形態では、創傷包帯材料は、非ゲル形成繊維を含み得る。いくつかの実施形態では、非ゲル形成繊維は、セルロース繊維(例えば、綿もしくはリヨセル/テンセル)、ポリエステル、ナイロン、ビスコース、アラミド、アクリル、エラスタン(LYCRA)、ポリオレフィン、ポリラクチド、シルク、および天然もしくは合成ウールから選択される。いくつかの実施形態では、創傷包帯材料は、ゲル形成ポリマーおよび非ゲル形成繊維を含む。

式Iまたは式IIの創傷包帯材料のいくつかの実施形態では、ゲル形成ポリマーは、粉末の形態である。式Iまたは式IIの創傷包帯材料の特定の実施形態では、粉末ゲル形成ポリマーの置換度(DoS)が高いため、粉末ゲル形成ポリマーが、繊維状ゲル形成繊維よりも好ましい。式Iまたは式IIの創傷包帯材料のいくつかの実施形態では、繊維状ゲル形成繊維が、粉末ゲル形成ポリマーよりも好ましい。

式Iもしくは式IIの創傷包帯材料のいくつかの実施形態では、ゲル形成ポリマーは、少なくとも0.2、少なくとも0.3、少なくとも0.4、少なくとも0.5、少なくとも0.6、少なくとも0.7、少なくとも0.8、少なくとも0.9、少なくとも1.0、少なくとも1.1、少なくとも1.2、少なくとも1.3、少なくとも1.4、少なくとも1.5、少なくとも2.0以上のDoSを有する。DoSという用語は、当該技術分野において理解されている。例えば、各アンヒドログルコース(β−グルコピラノース)単位が3つの反応(ヒドロキシル)基を有するセルロース化学の状況では、したがって、DoSは、ゼロ(セルロース)〜3つ(完全に置換されたセルロース)の範囲であり得る。

リンカー(L): 創傷包帯材料がリンカーを含むいくつかの実施形態では、リンカーは、ゲル形成ポリマーに共有結合的または非共有結合的に付着され得る。当該技術分野で理解されているように、共有結合は、電子の共有を伴う。対照的に、非共有結合は、例えば、イオン相互作用、静電相互作用、水素結合相互作用、物理化学的相互作用、ファンデルワールス力、ルイス酸/ルイス塩基相互作用、またはそれらの組み合わせを含み得る。特に、リンカーは、共有結合相互作用を介してゲル形成ポリマーに付着または接合する。

一実施形態では、化学的リンカーは、2〜10個の炭素原子、具体的には4〜8個の炭素原子、または特に約4〜6個の炭素原子を有するカルボン酸である。

別の実施形態では、リンカーは、エトキシル化多価アルコール、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリプロピレン、ポリアルキレングリコール、それらのエーテル、アミド、およびエステルを含むポリアミンからなる群から選択されるモノマーまたは中性ポリマーである。

一実施形態では、中性ポリマーは、ポリプロピレンであるが、プロピレンを含むそのモノマーも使用され得る。ポリプロピレン(PP)は、その密度が低く、作製費用が低く、設計の柔軟性およびリサイクル性が高いため、マトリックス材料として最も重要で広く使用されているポリオレフィンのうちの1つである。ポリプロピレンは疎水性であるため、セルロース等の極性表面との相溶性がない場合がある。この問題は、ポリ(プロピレン−グラフト−無水マレイン酸)(PP−g−MA)等の官能化ポリプロピレンを複合体内に組み込むことによって解決することができ、カルボン酸無水物基は、セルロースに共有結合を提供し得る。Spoljaricら、Composites:Part A 40、791−799、2009を参照されたい。

一実施形態では、中性ポリマーリンカーは、ポリアルキレングリコールであるが、アルキレングリコールを含むそのモノマーも使用し得る。「ポリアルキレングリコール」という用語は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、およびポリブチレングリコール等の直鎖または分岐ポリアルキレングリコールポリマーを指す。ポリアルキレングリコール亜単位は、単一のポリアルキレングリコール単位である。例えば、ポリエチレングリコール亜単位の例は、鎖末端に水素で末端封鎖されたエチレングリコール、−O−CH2−CH2−O−、またはプロピレングリコール、−O−CH2−CH2−CH2−O−であろう。ポリ(アルキレングリコール)の他の例には、限定されないが、PEG、メトキシポリ(エチレングリコール)(mPEG)等のPEG誘導体、ポリ(エチレンオキシド)、PPG、ポリ(テトラメチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド−コ−プロピレンオキシド)等のPEG誘導体、またはそれらのコポリマーおよび組み合わせが含まれる。

別の実施形態では、中性ポリマーは、ポリアミンであるが、アミンを含むそのモノマーも使用することができる。「ポリアミン」という用語は、ポリアルキレンイミンのように、主鎖に組み込まれているか、またはポリビニルアミンのように、ペンダント基に組み込まれているかのいずれかの、モノマー単位中にアミン官能基を有するポリマーを指す。

特に、リンカーは、PEG、もしくはメトキシポリ(エチレングリコール)(mPEG)、ポリ(エチレンオキシド)、PPG、ポリ(テトラメチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド−コ−プロピレンオキシド)等のPEG誘導体、またはそれらのコポリマーおよび組み合わせである。

別の実施形態では、他の親水性もしくは疎水性リンカーもまた、それらが可撓性である限り、リンカー、例えば、二重結合もしくは環状構造を含有するか、または数個のみの二重結合もしくは環状構造を含有するリンカーとして使用され得る。代表的な例には、例えば、約2〜約20個の鎖原子の鎖長を有するポリアルキレン、ポリヒドロキシアルキレン、ポリアルキレンコハク酸塩、ポリラクチド等が含まれる。ポリアルキレングリコールの鎖長は、最低3単位(MW約150Da)から最大、例えば、約100(MW約5000)まで変動し得る。多糖類に対するポリアルキレングリコールの相対量は、必要な厚さおよび製品の必要な可撓性に依存して、約1/200〜約1/1、特に約1/50〜約1/1.5まで変化し得る。米国特許第9,089,614号および米国特許出願公開第2005/0079155号を参照されたい。

式Iもしくは式IIの創傷包帯材料のいくつかの実施形態では、リンカーLは、例えば、天然ポリマーの1〜約20個のモノマー単位、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個以上のモノマー単位を含む。特定の実施形態では、リンカーは、1〜約5のエチレングリコール単位もしくはそれらの誘導体、2〜約5のエチレングリコール単位もしくはそれらの誘導体、2〜約8のエチレングリコール単位もしくはそれらの誘導体、2〜約10のエチレングリコール単位もしくはそれらの誘導体、または5〜約10個のエチレングリコール単位もしくはそれらの誘導体を含む。

いくつかの実施形態では、リンカーLは、求核反応の生成物である化学的部分を含む。概して、「求核試薬」という用語は、単分子(「SN1」として知られる)または二分子(「SN2」)反応として脂肪族化学において一般的に起こるような脱離基(一般的に別の求核試薬)を置換することによって化合物と反応する反応性電子対を有する化学基を意味するものと当該技術分野で認識されている。求核試薬の例には、アミン、メルカプタン、およびアルコール等の非荷電化合物、ならびにアルコキシド、チオール、チオレート、カルバニオン、および様々な有機および無機アニオン等の荷電基が含まれる。例示的なアニオン性求核試薬には、とりわけ、アジド、シアン化物、チオシアン酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、またはクロロギ酸塩等の単純アニオン、ならびに重亜硫酸塩が含まれる。

いくつかの実施形態では、リンカーLは、マレイミド−チオール付加物を含む。マレイミドは、チオール含有物質、例えば、システイン等のチオール含有アミノ酸への接合に特に有用である。チオール基は、二重結合にわたって追加されることによってマレイミドと反応して、チオエーテルを形成する。マレイミドは、メチオニン、ヒスチジン、またはチロシンよりもシステインのチオールに対して選択的である。マレイミドとアミンとの反応は、通常、マレイミドとチオールとの反応よりも高いpHを必要とする。マレイミドの加水分解は、具体的にはpH8を超えるチオール修飾と著しく競合する。米国特許出願公開第2007/0087446号を参照されたい。

いくつかの実施形態では、Lは、ハロアセトアミド−チオール接合生成物を含む。ハロアセトアミド、例えば、ヨードアセトアミドまたはブロモアセトアミドもまた、アミノ酸のチオール基、例えば、システインと共有結合するために使用され得る。

いくつかの実施形態では、リンカーLは、マレイミドと同様に使用することができる、チオールまたはジスルフィドを含有する化合物を含む。Zalipskyら、Bioconjug.Chem.6,150−165,1995;Greenwaldら、Crit.Rev.Ther.Drug Carrier Syst.17、101−161、2000;およびHermanら、Macromol.Chem.Phys.195,203−209,1994を参照されたい。また、米国特許第7,432,330号も参照されたい。

レポーターおよびマーカー: いくつかの実施形態では、創傷包帯材料は、レポーター分子を含む領域を含む。具体的には、レポーターは、1つ以上の創傷特異的マーカー、例えば、創傷環境に見られる酵素に対する基質である。本明細書中で使用される場合、「創傷特異的酵素」は、創傷において差異的に発現される酵素である。「差異的発現」とは、酵素のレベルもしくは活性が、他の部位、例えば、正常組織もしくは周囲組織と比較して、創傷微小環境において、より高いかもしくは低いことを意味する。具体的には、差異的発現は、正常もしくは未損傷組織と比較して、創傷微小環境における酵素の発現もしくは活性のより高いレベルを示唆する。酵素の差異的発現は、慣例的手段によって分析することができる。例えば、サンプル中の酵素のレベルは、ELISAアッセイまたは他の免疫アッセイによって分析することができる。酵素の活性は、例えば、質量分析またはHPLCを使用して、基質の損失速度および/または生成物の形成速度を測定することによって分析することができる。そのような技術は、当該技術分野で知られており、実施例の項に記載されている。

一実施形態では、マーカーは、加水分解酵素、プロテアーゼ、エステラーゼ、およびペルオキシダーゼからなる群から選択される酵素である。

一実施形態では、マーカーは、加水分解酵素である。本明細書で使用される場合、「加水分解酵素」または「加水分解酵素」は、化学的結合の加水分解を触媒する酵素、例えば、エステラーゼおよびヌクレアーゼ(破壊エステル結合)、グリコラーゼ(グリコシドリンカーを破壊する)、ペプチダーゼ(ペプチド結合を破壊する)等である。

一実施形態では、マーカーは、プロテアーゼ酵素である。プロテアーゼは、配列特異的プロテアーゼまたは一般的プロテアーゼであり得る。具体的には、「配列特異的プロテアーゼ」という用語は、その消化のためのペプチドの特異的配列(例えば、カスパーゼ)を認識するプロテアーゼを意味し、ペプチドをその一端から順次分解するか、またはペプチドを配列非特異的な方法で消化する、一般的なプロテアーゼ(例えば、トリプシン)とは区別される。配列特異性については、ペプチド基質のアミノ酸配列は、4つ以上のアミノ酸(a.a.)残基を含み得る。認識部位および消化部位は、互いに近接していてもよい。

本明細書で使用される場合、「プロテアーゼに対する基質ペプチド」という用語は、そのプロテアーゼ活性に対する基質として、例えば、1つ以上の生成物へと切断され得る基質として、プロテアーゼによって認識されるプロテインのアミノ酸配列を含むペプチドを意味する。いくつかの実施形態では、創傷包帯材料は、複数のアミノ酸を含むペプチド配列を含むペプチド領域を含む。「複数」という用語は、2つ以上の単位、例えば、アミノ酸を意味するが、個々の単位は、構造的および/または機能的に異なる必要はない。

一実施形態では、ペプチドは、天然アミノ酸を含む。他の実施形態では、1つ以上の非天然アミノ酸を含む合成ペプチドもまた、使用され得る。

特定の実施形態では、それらの各々が特定の酵素に対して特異的である、複数の基質を使用し得る。特定の実施形態では、複数の基質であって、それらの各々が特定の酵素に対して特異的である、複数の基質を使用し得る。

一実施形態では、プロテアーゼ酵素は、エキソペプチダーゼまたはエンドペプチダーゼである。エキソペプチダーゼは、ペプチド鎖の末端付近の構造のみを分解し、エンドペプチダーゼは、ペプチド内の内部結合を切断することができる。これらのクラスはまた、システインプロテアーゼ、セリンプロテアーゼ、スレオニンプロテアーゼ、アスパラギン酸プロテアーゼ、グルタミン酸プロテアーゼ、メタロプロテアーゼ等の部分基にも分割される。各々は、ペプチド結合の加水分解によって特異的プロテイン結合を消化することができる。

一実施形態では、プロテアーゼは、創傷に特異的である。本明細書中で使用される場合、「創傷特異的プロテアーゼ」は、創傷において差異的に発現されるプロテアーゼである。「差異的発現」とは、プロテアーゼのレベルもしくは活性が、他の部位、例えば、正常組織もしくは周囲組織と比較して、創傷微小環境において、より高いかもしくは低いことを意味する。具体的には、差異的発現は、創傷微小環境におけるプロテアーゼの発現または活性のレベルが、非創傷組織と比較して、より高いことを示唆する。プロテアーゼの差異的発現は、慣例的手段によって分析され得る。例えば、サンプル中のプロテアーゼのレベルは、ELISAアッセイまたは他の免疫アッセイによって分析され得る。プロテアーゼの活性は、例えば、質量分析もしくはHPLCを使用して、ペプチド基質の損失速度および/もしくは生成物の形成速度を測定することによって分析され得る。そのような技術は、当該技術分野で知られており、実施例の項に記載されている。

一実施形態では、創傷特異的プロテアーゼは、MMP−1(コラゲナーゼ)、MMP−2(ゼラチナーゼA)、MMP−3(ストメリシン1)、MMP−8(好中球コラゲナーゼ)、MMP−9(ゼラチナーゼB)、ヒト好中球エラスターゼ(HNE)、カテプシンG、ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子(uPA)、およびリゾチームからなる群から選択される。

いくつかの実施形態では、基質は、コラゲナーゼに特異的なペプチド配列である。いくつかの実施形態では、基質は、MMP−2に特異的なペプチド配列である。いくつかの実施形態では、基質は、MMP−3に特異的なペプチド配列である。いくつかの実施形態では、基質は、好中球コラゲナーゼに特異的なペプチド配列である。いくつかの実施形態では、基質は、ゼラチナーゼに特異的なペプチド配列である。いくつかの実施形態では、基質は、ヒト好中球エラスターゼに特異的なペプチド配列である。いくつかの実施形態では、基質は、カテプシンGに特異的なペプチド配列である。いくつかの実施形態では、基質は、ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子に特異的なペプチド配列である。いくつかの実施形態では、基質は、リゾチームに特異的なペプチド配列である。いくつかの実施形態では、基質は、リゾチームによって切断される糖である。

特定の一実施形態では、創傷特異的プロテアーゼは、MMP−1、MMP−2、MMP−8、およびMMP−9(コラゲナーゼ)、またはそれらの組み合わせからなる群から選択されるマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)である。MMP−1(UNIPROT受託番号P03956[ヒト]およびQ9EPL5[マウス])は、間質性コラゲナーゼおよび線維芽細胞コラゲナーゼとしても知られている。MMP−2(UNIPROT受託番号P08253[ヒト]およびP33434[マウス])は、ゼラチナーゼとしても知られている。MMP−8(UNIPROT受託番号P22894[ヒト]およびO70138[マウス])は、PMNLコラゲナーゼ(MNL−CL)としても知られている。MMP−9(UNIPROT受託番号P14780[ヒト]およびP41245[マウス])は、ゼラチナーゼB(GELB)としても知られている。

特定の一実施形態では、MMPは、MMP−2もしくはMMP−9、またはそれらの組み合わせである。

いくつかの実施形態では、例えば、約6U/mL、約7U/mL、約8U/mL、約9U/mL、約10U/mL、約11U/mL、約12U/mL、約13U/mL、約14U/mL、約15U/mL、約16U/mL、約17U/mL、約18U/mL、約19U/mL、約20U/mL、約21U/mL、約22U/mL、約23U/mL、約24U/mL、約25U/mL以上の間の全ての値を含む、約5U/mL〜約30U/mLのマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)活性レベルは、慢性創傷感染を示す。当該技術分野で理解されているように、活性の単位(U)は、典型的には、酵素触媒活性を記載するために使用され、単位(U)は、1マイクロモル(μmole)の基質の1分当たりの変換を触媒する酵素の量を指す。よって、1酵素単位(U)=1μmol/分であり、μmolは、変換された基質の量を指す。

特定の一実施形態では、MMPは、MMP−2またはMMP−9であり、少なくとも10.5U/mLのMMP−2およびMMP−9活性レベルは、慢性創傷感染を示す。

MMPによって切断可能な任意のペプチドは、本明細書に記載される実施形態により使用され得る。例えば、この主題事項に対する参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第7,148,194号の表1を参照されたい。

表1は、様々な基質およびヒトMMPの異なるアイソフォームに対するそれらの特異性を示す。データは、参照により本明細書に組み込まれる、Nagaseら(「Substrate specificity of MMPs」、in Matrix Metalloproteinase Inhibitors in Cancer Therapy、Clendeninn&Appelt Eds.、Springer Science Media New York、2001)の表3に提示されている。 表1

*ND:判定されず。

別の実施形態では、本発明の創傷特異的プロテアーゼは、ヒト好中球エラスターゼ(HNE)(UNIPROT受託番号P08246[ヒト]およびQ3UP87[マウス])であり、キモトリプシンと同じファミリーのセリンプロテイナーゼであり、かつ広い基質特異性を有する。これは、炎症中に好中球およびマクロファージによって分泌され、細菌および宿主組織を破壊する。一実施形態では、HNEを検出するための基質は、コア配列アラニン−アラニン−プロリン−バリン(AAPV)を有する。別の実施形態では、HNEに対する基質は、Ala−Pro−Glu−Glu−Ile/Met−Arg−Arg−Gln(APEEI/MRRQ)(Kasperkiewiczら、PNAS USA、111(7):2518−2523,2014;Korkmazら、Methods Mol Biol.、844:125−138、2012)である。

いくつかの実施形態では、例えば、約6U/mL、約7U/mL、約8U/mL、約9U/mL、約10U/mL、約11U/mL、約12U/mL、約13U/mL、約14U/mL、約15U/mL、約16U/mL、約17U/約18U/mL、約19U/mL、約20U/mL、約21U/mL、約22U/mL、約23U/mL、約24U/mL、約25U/mL以上の間の全ての値を含む、約5U/mL〜約30U/mLのヒト好中球エラスターゼ活性レベルは、慢性創傷感染を示す。いくつかの実施形態では、少なくとも9.6のヒト好中球エラスターゼ活性レベルは、慢性創傷感染を示す。いくつかの実施形態では、少なくとも22.9U/mLのヒト好中球エラスターゼ活性レベルは、慢性創傷感染を示す。

MMPおよびHNE部分基は、創傷内のプロテインと相互作用するときに異なる機構を有し、したがって、予想されるように、各々が、創傷治癒の異なる阻害方法を有する。

別の実施形態では、創傷特異的酵素は、リゾチームである。リゾチーム(UNIPROT受託番号P61626[ヒト]およびP08905[マウス])は、グリコシド加水分解酵素であり、その主な機能は、細菌の細胞壁を破壊することである。これは、ペプチドグリカン中のN−アセチルムラミン酸とN−アセチル−D−グルコサミン残基との間の、また、キトデキストリン中のN−アセチル−Dグルコサミン残基間の、(1→4)−β−結合を加水分解する。リゾチームの天然基質は、細菌細胞壁のペプチドグリカン層である。しかしながら、ムレーン分解生成物を含む様々な低分子量基質、ならびに合成化合物が、様々な測光、同位体、および免疫学的リゾチームアッセイに対して使用されている。Holtjeら、EXS、75:105−10、1996。以下の低分子量リゾチーム基質は、米国ミズーリ州セントルイス所在のSigma Aldrich:4−メチルウンベリフェリルβ−D−N、N’、N’’−トリアセチル−キトトリオシド(Sigmaカタログ番号M5639)および4−ニトロフェニルβ−D−N、N’、N’’−トリアセチル−キトトリオシド(シグマカタログ番号N8638)から市販されている。

いくつかの実施形態では、例えば、約1100U/mL、約1200U/mL、約1300U/mL、約1400U/mL、約1500U/mL、約1600U/mL、約1700U/mL、約1800U/mL、約1900U/mL、約2000U/mL、約2100U/mL、約2200U/mL、約2300U/mL、約2400U/mL、約2500U/mL、約2600U/mL、約2700U/mL、約2800U/mL、約2900U/mL、約3000U/mL、約3250U/mL、約3500U/mL、約3750U/mL、約4000U/mL、約4250U/mL、約4500U/mL、約4750U/mL、約5000U/mL、約5250U/mL、約5500U/mL、約5750U/mL、約6000U/mL以上の間の全ての値を含む、約1000U/mL〜約10000U/mLのリゾチーム活性レベルは、慢性創傷感染を示す。いくつかの実施形態では、少なくとも4800U/mLのリゾチーム活性レベルは、慢性創傷感染を示す。

またさらなる実施形態では、創傷特異的酵素は、ペルオキシダーゼ、より具体的には、ミエロペルオキシダーゼ(MPO)である。MPO(UNIPROT受託番号P05164[ヒト]およびP11247[マウス])は、好中球顆粒球中に見られるペルオキシダーゼである。過酸化水素(H2O2)およびハロゲン化物(最も一般的には塩化物)の存在下で、次亜塩素酸塩、一重項酸素(1O2)、塩素(Cl2)、およびヒドロキシルラジカル(OH・)を生成する。MPOは、テトラメチルベンジジンまたは4−ベンゾイルアミノ−2,5−ジメトキシアニリンを使用して検出することができる。Andrewsら、Anal Biochem、127(2):346−50,1982;Klebanoffら、J.Leukocyte Biol.、77、598−625、2005を参照されたい。

またさらなる実施形態では、創傷特異的酵素は、アズロフィル顆粒内に保存されるキモトリプシンファミリーの3つのセリンプロテアーゼのうちの1つであるカテプシンG(UNIPROT受託番号P08311[ヒト]およびP28293[マウス])である。カテプシンG特異的基質は、配列Ala−Ala−Pro−PheまたはAla−Ala−Pro−Met(Sigma Aldrichカタログ番号S7388およびM7771)を有する。

いくつかの実施形態では、例えば、約15U/mL、約20U/mL、約25U/mL、約30U/mL、約35U/mL、約40U/mL、約45U/mL、約50U/mL、約55U/mL、約60U/mL、約65U/mL、約70U/mL、約75U/mL、約80U/mL、約85U/mL、約90U/mL、約95U/mL、約100U/mL、約110U/mL、約120U/mL以上の間の全ての値を含む、約10U/mL〜約100U/mLのカテプシンG活性レベルは、慢性創傷感染を示す。いくつかの実施形態では、少なくとも50U/mL、少なくとも40U/mL、少なくとも30U/mL、少なくとも20U/mL、少なくとも15U/mL、または少なくとも10U/mLのカテプシンG活性レベルは、慢性創傷感染を示す。

いくつかの実施形態では、創傷特異的酵素は、細胞外マトリックスの分解およびおそらく腫瘍細胞の移動および増殖に関与するセリンプロテアーゼであるウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子(UNIPROT受託番号P00749[ヒト]およびP06869[マウス])である。ウロキナーゼに特異的な基質は、基本モチーフArg−ValまたはLys−Valを有する。Rijkenら、Biochem Biophys Res Commun.、174(2):432−8,1991を参照されたい。

いくつかの実施形態では、1つ以上の酵素は、エステラーゼである。エステラーゼは、水と化学反応して、エステルを酸およびアルコールに分離する加水分解酵素である。特定の一実施形態では、エステラーゼの基質は、フルオレセインジアセテート−5−マレイミドである。

いくつかの実施形態では、組成物は、複数の酵素、例えば、前述の酵素の少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個以上を検出することができる基質を含む。そのような組成物は、例えば、同じゲルポリマーまたは異なるゲルポリマーに接合した複数の基材を含み得る。

特定の実施形態では、基質は、標識される。本明細書で使用される場合、「標識」という用語は、エピトープ結合剤または他の基質物質に付着された任意の物質を指し、物質は、検出方法によって検出可能である。好適な標識の非限定的な例には、発光分子、化学発光分子、蛍光色素、蛍光消光剤、着色分子、放射性同位体、シンチラント、ビオチン、アビジン、ストレプトアビジン、プロテインA、プロテインG、抗体もしくはそれらの断片、ポリヒスチジン、Ni2+、Flagタグ、mycタグ、重金属、および酵素(アルカリホスファターゼ、ペルオキシダーゼ、およびルシフェラーゼを含む)が含まれる。そのような方法は、当該技術分野においてよく知られている。

特定の実施形態では、基質は、検出可能な標識である標識により標識される。検出可能な標識は、その存在が直接的または間接的に確認され得る部分である。概して、標識の検出は、例えば、エネルギーの放出等の検出可能な信号の生成を伴う。標識は、化学的、ペプチド的、または核酸的性質のものであり得るが、これに限定されるものではない。使用される標識の性質は、実施される分析の性質、使用されるエネルギー源および検出器の種類、ならびにポリマー、分析物、プローブ、および一時的および二次的分析物特異的結合パートナーの種類を含む、様々な因子に依存するだろう。標識は、それが結合される成分と立体的かつ化学的に適合するべきである。

標識は、例えば、特定の波長の電磁放射線を放出および/または吸収するその能力によって、直接検出され得る。標識は、例えば、それ自体が特定の波長の光(例えば、FLAGエピトープ等のエピトープタグ、西洋ワサビペルオキシダーゼ等の酵素タグ等)を放出または吸収し得る別の部分を結合、回復、および場合によっては、切断するその能力によって、直接検出され得る。概して、検出可能な標識は、蛍光分子(例えば、フルオレセイン、ローダミン、テトラメチルローダミン、R−フィコエリトリン、Cy−3、Cy−5、Cy−7、テキサスレッド、ファーレッド、アロフィコシアニン(APC)、フルオレセインアミン、エオシン、ダンシル、ウンベリフェロン、5−カルボキシフルオレセイン(FAM)、2’7’−ジメトキシ−4’5’−ジクロロ−6−カルボキシフルオレセイン(JOE)、6カルボキシローダミン(R6G)、N、N、N’、N’−テトラメチル−6−カルボキシローダミン(TAMRA)、6−カルボキシ−X−ローダミン(ROX)、4−(4’−ジメチルアミノフェニルアゾ)安息香酸(DABCYL)、5−(2’−(アミノエチル)アミノナフタレン−1−スルホン酸(EDANS)、4−アセトアミド−4’−イソチオシアナトスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、アクリジン、アクリジンイソチオシアネート、r−アミノ−N−(3−ビニルスルホニル)フェニルナフタルイミド−3,5、ジスルホン酸(ルシファーイエローVS)、N−(4−アニリノ−1−ナフチル)マレイミド、アントラニルアミド、ブリリアントイエロー、クマリン、7−アミノ−4−メチルクマリン、7−アミノ−4−トリフルオロメチルクルアリン(クマリン151)、シアノシン、4’、6−ジアミジン(DAPI)、5’,5’’−ジブロモピロガロール−スルホンフタレイン(ブロモピロガロールレッド)、7−ジエチルアミノ−3−(4’−イソチオシアナトフェニル)−4−メチルクマリンジエチレントリアミンペンタアセテート、4,4’−ジイソチオシアナトジヒドロ−スチルベン−2,2’−ジスルホン酸、4,4’−ジイソチオシアナトスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、4−ジメチルアミノフェニルアゾフェニル−4’−イソチオシアネート(DABITC)、エオシンイソチオシアネート、エリスロシンB、エリスロシンイソチオシアネート、エチジウム、5−(4,6−ジクロロトリアジン−2−イル)アミノフルオレセイン(DTAF)、QFITC(XRITC)、フルオレサミン、IR144、IR1446、マラカイトグリーンイソチオシアネート、4−メチルウンベリフェロン、オルソクレゾールフタレイン、ニトロチロシン、パラローザニリン、フェノールレッド、B−フィコエリスリン、o−フタルジアルデヒド、ピレン、ピレンブチレート、スクシンイミジル1−ピレンブチレート、リアクティブレッド4(Cibacron(登録商標)Brilliant Red 3B−A)、リサミンローダミンBスルホニルクロライド、ローダミンB、ローダミン123、ローダミンX、スルホローダミンB、スルホローダミン101、スルホローダミン101のスルホニルクロライド誘導体、テトラメチルローダミン、リボフラビン、ロゾール酸、およびテルビウムキレート誘導体)、化学発光分子、生物発光分子、発色分子、放射性同位体(例えば、P32もしくはH3、14C、125Iおよび131I)、電子スピン共鳴分子(例えば、ニトロキシルラジカル等)、光学もしくは電子密度分子、電荷変換もしくは移動分子、電磁もしくは常磁性ビーズもしくは粒子等の電磁分子、半導体ナノ結晶もしくはナノ粒子(例えば、米国特許第6,207,392号に記載されており、Quantum Dot CorporationおよびEvident Technologiesから市販されている量子ドット)、コロイド金属、コロイド金ナノ結晶、核磁気共鳴分子等の直接検出可能な標識からなる群から選択され得る。

検出可能な標識はまた、酵素(例えば、アルカリホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、p−ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、リゾチーム、ホタルルシフェラーゼおよび細菌ルシフェラーゼ等のルシフェラーゼ(米国特許第4,737,456号);グルコースオキシダーゼ、ガラクトースオキシダーゼ、およびグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ等の糖質酸化酵素;HRP、ラクトペルオキシダーゼ、もしくはマイクロペルオキシダーゼ)等の色素前駆体を酸化するために過酸化水素を使用する酵素にカップリングされたウリカーゼおよびキサンチンオキシダーゼ等の複素環オキシダーゼ、酵素基質、アフィニティ分子、リガンド、レセプター、ビオチン分子、アビジン分子、ストレプトアビジン分子、抗原(例えば、FLAGもしくはHAエピトープ等のエピトープタグ)、ハプテン(例えば、ビオチン、ピリドキサール、ジゴキシゲニンフルオレセイン、およびジニトロフェノール)、抗体、抗体断片、マイクロビーズ等の間接的に検出可能な標識からなる群から選択され得る。抗体断片には、Fab、F(ab)2、Fd、およびCDR3領域を含む抗体断片が含まれる。

いくつかの実施形態では、基質は、FRET対を形成する、それぞれ、ドナーおよび受容体フルオロフォアと接合する。特定の二次抗体が結合されるか否かを判定するために、それが結合する分析物の同一性にかかわらず、FRETを、例えば、アレイ形式で使用することができる。代替的に、二次結合パートナーは、一次結合パートナーの標識化なしに、検出可能に標識され得る。二次的結合パートナーの標識化は、それに付着した核酸の配向を確立するためにも有用である。FRET単独では、一般に、1つの励起源(よって、波長)、および通常は1つの検出器のみが必要である。検出器は、ドナーまたは受容体フルオロフォアのいずれかの発光スペクトルに設定され得る。FRETがドナー蛍光の消光によって検出された場合、それは、ドナーフルオロフォア発光スペクトルに設定される。代替的に、受容体フルオロフォアの発光によってFRETが検出された場合、それは、受容体フルオロフォア発光スペクトルに設定される。いくつかの実施形態では、ドナーおよび受容体フルオロフォアの両方のFRET放出を検出することができる。さらに他の実施形態では、ドナーは偏光で励起され、両方の発光スペクトルの偏光が検出される。

一実施形態では、検出可能な標識は、FRETに基づくアッセイと適合する。FRETは、FRETフルオロフォア対の使用を必要とする。FRETフルオロフォア対は、互いに近接して位置付けられた場合に検出可能な信号を生成または除去するためにFRETを受けることができる2つのフルオロフォアである。ドナーの例には、Alexa488、Alexa546、BODIPY493、Oyster556、Fluor(FAM)、Cy3およびTMR(Tamra)が含まれる。受容体の例には、Cy5、Alexa594、Alexa647、およびOyster656が含まれる。Cy5は、一例として、Cy3、TMRまたはAlexa 546を有するドナーとして機能し得る。FRETは、互いに50〜100nm離間した蛍光最大値を有する任意のフルオロフォア対により可能であるべきである。

基質は、本明細書で考察されるバーコード標識化に加えて、配列非特異的な方法で標識され得る。例えば、ポリマーがDNA等の核酸である場合、その主鎖は、主鎖標識により染色され得る。核酸を配列非特異的な方法で標識する主鎖染色の例には、フェナントリジンおよびアクリジン等のインターカレーティング色素(例えば、臭化エチジウム、ヨウ化プロピジウム、ヨウ化ヘキシジド、ジヒドロエチジウム、エチジウムホモダイマー−1および−2、エチジウムモノアジド、ならびにACMA);インドールおよびイミダゾールのマイナーグローブバインダー(例えば、Hoechst 33258、Hoechst 33342、Hoechst 34580、およびDAPI);アクリジンオレンジ(またインターカレートすることができる)、7−AAD、アクチノマイシンD、LDS751、およびヒドロキシスチルバミジン等の種々の核酸染色が含まれる。前述の核酸染色の全ては、Molecular Probes等の供給業者から市販されている。

核酸染色のさらに他の例には、Molecular Probes社製の以下の色素:SYTOX BLUE、SYTOX GREEN、SYTOX ORANGE、POPO−1、POPO−3、YOYO−1、YOYO−3、TOTO−1、TOTO−3、JOJO−1、LOLO−1、BOBO−1、BOBO−3、PO−PRO−1、PO−PRO−3、BO−PRO−1、BO−PRO−3、TO−PRO−1、TO−PRO−3、TO−PRO−5、JO−PRO−1、LO−PRO−1、YO−PRO−1、YO−PRO−3、PICOGREEN、OLIGREEN、RIBOGREEN、SYBR GOLD、SYBR GREEN I、SYBR GREEN II、SYBR DX、SYTO−40、−41、−42、−43、−44、−45(BLUE)、SYTO−13、−16、−24、−21、−23、−12、−11、−20、−22、−15、−14、−25(緑色)、SYTO−81、−80、−82、−83、−84、−85(オレンジ色)、SYTO−64、−17、−59、−61、−62、−60、−63(赤色)等のシアニン色素が含まれる。

いくつかの実施形態では、レポーター分子は、発色団またはフルオロフォアを含む。さらなる実施形態では、発色団は、アゾ部分、ニトロ部分、トリアリールメタン部分、メチン、アントラキノン、ポリエン部分、またはフタロシアニンである。いくつかの実施形態では、レポーター分子は、色素である。色素は、限定されないが、ローダミン、クマリン、シアニン、キサンテン、ポリメチン、ピレン、ジピロメテンボロンジフルオリド、ナフタルイミド、フィコビリプロテイン、ペリジニウムクロロフィルプロテイン、それらの接合、およびそれらの組み合わせであり得ることが想定される。色素の非限定的な例には、フルオレセイン、6−FAM、ローダミン、テキサスレッド、カリフォルニアレッド、iFluor594、テトラメチルローダミン、カルボキシローダミン、カルボキシローダミン6F、カルボキシロードル、カルボキシローダミン110、カスケードブルー、カスケードイエロー、クマリン、Cy2(登録商標)、Cy3(登録商標)、Cy3.5(登録商標)、Cy5.5(登録商標)、Cy7(登録商標)、Cy−Chrome、DyLight350、DyLight405、DyLight488、DyLight549、DyLight594、DyLight633、DyLight649、DyLight680、DyLight750、DyLight800、フィコエリスリン、PerCP(ペリジニンクロロフィル−aプロテイン)、PerCP−Cy5.5、JOE(6−カルボキシ−4’、5’−ジクロロ−2’,7’−ジメトキシフルオレセイン)、NED、ROX(5−(および−6−)−カルボキシ−X−ローダミン)、HEX、ルシファーイエロー、マリンブルー、オレゴングリーン488、オレゴングリーン500、オレゴングリーン514、Alexa Fluor(登録商標)350、Alex Fluor(登録商標)430、Alexa Fluor(登録商標)488、Alexa Fluor(登録商標)532、Alexa Fluor(登録商標)546、Alexa Fluor(登録商標)568、Alexa Fluor(登録商標)594、Alexa Fluor(登録商標)633、Alexa Fluor(登録商標)647、Alexa Fluor(登録商標)660、Alexa Fluor(登録商標)680、7−アミノ−4−メチルクマリン−3−酢酸、BODIPY(登録商標)FL、BODIPY(登録商標)FL−Br2、BODIPY(登録商標)530/550、BODIPY(登録商標)558/568、BODIPY(登録商標)630/650、BODIPY(登録商標)650/665、BODIPY(登録商標)R6G、BODIPY(登録商標)TMR、BODIPY(登録商標)TR、それらの接合、ならびにそれらの組み合わせが含まれる。いくつかの実施形態では、レポーター分子は、ジメチルアミノアゾベンゼンスルホン酸(ダブシル)またはダブシル誘導体である。いくつかの実施形態では、レポーター分子は、フルオレセイン、フルオレセイン誘導体、またはフルオレセイン含有化合物である。

いくつかの実施形態では、レポーター分子は、脂質である。いくつかの実施形態では、脂質は、合成リン脂質誘導体である。いくつかの実施形態では、合成リン脂質誘導体は、DDPC、DLPC、DMPC、DPPC、DSPC、DOPC、POPC、またはDEPCである。いくつかの実施形態では、合成リン脂質誘導体は、DLPC、DMPC、またはDPPCである。いくつかの実施形態では、合成リン脂質誘導体は、DLPCである。いくつかの実施形態では、合成リン脂質誘導体は、DMPCである。いくつかの実施形態では、合成リン脂質誘導体は、DPPCである。

いくつかの実施形態では、レポーター分子は、酵素との接触時に創傷包帯材料から切断される検出可能な断片内に含まれる。いくつかの実施形態では、レポーター分子は、酵素との接触時に創傷包帯材料から切断される断片内に含まれない。いくつかの実施形態では、レポーター分子は、裸眼によって視覚化される。いくつかの実施形態では、レポーター分子は、UV光下で視覚化される。いくつかの実施形態では、レポーター分子は、蛍光灯を使用して視覚化される。

式Iの創傷包帯材料のいくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に、消光剤断片を含む。いくつかの実施形態では、消光剤断片は、レポーター分子が蛍光を発するのを防止する。いくつかの実施形態では、消光剤断片は、保護基である。いくつかの実施形態では、消光剤断片は、アセテート基である。

特定の実施形態では、1つ以上の酵素の標的配列を含有する変性された創傷包帯材料を本明細書に開示する。いくつかの実施形態では、酵素触媒切断は、検出可能な断片を放出する。検出可能な断片は、レポーター分子を含み得る。検出可能な断片のレベルの定性的もしくは定量的測定により、創傷における感染の存在もしくは非存在を判定することができる。

いくつかの実施形態では、酵素触媒切断は、検出不能な断片を放出する。いくつかの実施形態では、創傷包帯材料との酵素相互作用は、消光剤断片を切断し、創傷包帯材料に結合されたレポーター分子が蛍光を発することを可能にする。蛍光の定性的もしくは定量的測定は、創傷における感染の存在もしくは非存在の判定を可能にする。

特定の実施形態では、1つ以上のプロテアーゼの標的配列を含有するペプチド変性された創傷包帯材料を本明細書に開示する。酵素触媒切断は、検出可能な断片を放出する。検出可能なペプチド断片は、レポーター分子を含む。検出可能なペプチド断片のレベルの定性的もしくは定量的測定により、創傷における上昇プロテアーゼの存在もしくは非存在の判定が可能になる。

いくつかの実施形態では、酵素触媒切断は、検出不能な断片を放出する。いくつかの実施形態では、創傷包帯材料との酵素相互作用は、消光剤断片を切断し、創傷包帯材料に結合されたレポーター分子が蛍光を発することを可能にする。蛍光の定性的もしくは定量的測定は、創傷における感染の存在もしくは非存在の判定を可能にする。

式Iの創傷包帯材料のいくつかの実施形態では、Rは、消光剤断片を含む。いくつかの実施形態では、消光剤断片は、レポーター分子が蛍光を発するのを防止している。いくつかの実施形態では、消光剤断片は、保護基である。いくつかの実施形態では、消光剤断片は、アセテート基である。式Iの創傷包帯材料のいくつかの実施形態では、Rは、求核反応生成物である化学的部分を含む。いくつかの実施形態では、Rは、マレイミド−チオール付加物を含む。いくつかの実施形態では、Rは、ハロアセトアミド−チオール接合生成物を含む。いくつかの実施形態では、Rは、ハロアセトアミド接合生成物を含む。

いくつかの実施形態では、創傷包帯材料は、式Iaの構造を有し、

式Ia 式中、Rは、レポーター分子を含む領域であり、mは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30以上であり、nは、例えば、201、202、203等の間の全ての単位値を含む、200〜4000、例えば、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、2400、2500、2600、2700、2800、2900、3000、3100、3200、3300、3400、3500、3600、3700、3800、3900、4000から選択される整数である。さらなる実施形態では、nは、300〜3500から選択される整数である。またさらなる実施形態では、nは、400〜3200から選択される整数である。いくつかの実施形態では、Rは、レポーター分子および少なくとも1つのアミノ酸を含むペプチド領域である。

いくつかの実施形態では、創傷包帯材料は、式Ibの構造を有し、

式Ib 式中、Rは、レポーター分子を含む領域であり、nは、例えば、201、202、203等の間の全ての単位値を含む、200〜4000、例えば、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、2400、2500、2600、2700、2800、2900、3000、3100、3200、3300、3400、3500、3600、3700、3800、3900、4000から選択される整数である。さらなる実施形態では、nは、300〜3500から選択される整数である。またさらなる実施形態では、nは、400〜3200から選択される整数である。いくつかの実施形態では、Rは、レポーター分子および少なくとも1つのアミノ酸を含むペプチド領域である。いくつかの実施形態では、Rは、レポーター分子および1つのアミノ酸を含むペプチド領域である。

いくつかの実施形態では、創傷包帯材料は、式IIaの構造を有し、 式IIa 式中、Mは、セルロース、化学修飾セルロース、ペクチン、アルギン酸塩、キトサン、ヒアルロン酸、多糖類、もしくはガム由来ポリマー、またはそれらの任意の組み合わせから選択されるゲル形成ポリマーであり、PEPは、レポーター分子および少なくとも1つのアミノ酸を含むペプチド領域であり、Lは、MとPEPとを繋ぐリンカーであり、Lは、1つ以上のポリエチレングリコール亜単位もしくはポリプロピレン亜単位を含む。

いくつかの実施形態では、創傷包帯材料は、式IIbの構造を有し、

式IIb 式中、PEPは、レポーター分子および少なくとも1つのアミノ酸を含むペプチド領域であり、mは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30以上であり、nは、200〜4000から選択される整数である。さらなる実施形態では、nは、300〜3500から選択される整数である。またさらなる実施形態では、nは、400〜3200から選択される整数である。

いくつかの実施形態では、創傷包帯材料は、式IIcの構造を有し、

式IIc 式中、PEPは、レポーター分子および少なくとも1つのアミノ酸を含むペプチド領域であり、mは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30それ以上であり、nは、例えば、201、202、203等の間の全ての単位値を含む、200〜4000、例えば、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、2400、2500、2600、2700、2800、2900、3000、3100、3200、3300、3400、3500、3600、3700、3800、3900、4000から選択される整数である。さらなる実施形態では、nは、300〜3500から選択される整数である。またさらなる実施形態では、nは、400〜3200から選択される整数である。

組成物: 本明細書に記載される実施形態は、さらに、式Iまたは式IIの化合物を含有する組成物に関する。このような組成物は、従来の方法を使用して調製され得る。

いったん処方されると、式Iまたは式IIの化合物の得られたストック組成物は、従来の方法を使用して、例えば、担体、ゲル化剤、皮膚軟化剤、界面活性剤、湿潤剤、粘度増強剤、乳化剤等を使用して、所望の形態、例えば、ゲル、バーム、ローション、クリーム、ペースト、軟膏等へとさらに改変され得る。例えば、WO2011/126384およびWO2013/004953を参照されたい。

組成物中に使用するための担体には、限定されないが、水、グリセリン、ジグリセリン、グリセリン誘導体、グリコール、グリコール誘導体、糖、エトキシル化および/またはプロポキシル化エステルおよびエーテル、尿素、PCAナトリウム、アルコール、エタノール、イソプロピルアルコール、ならびにそれらの組み合わせが含まれ得る。一実施形態では、担体は、プロピレングリコールである。典型的には、組成物は、組成物の約1重量%〜組成物の約99.9重量%、より典型的には、組成物の約2重量%〜組成物の約95重量%、より典型的には、組成物の約5重量%〜組成物の約90重量%の量で担体を含有する。

熱可逆性ゲル化剤は、50℃等の昇温で親水性担体に可溶性、部分的に可溶性、または混和性である成分として定義され、本薬剤は、25℃に冷却されたときに担体を増粘する能力を有するが、基質への適用が必要な場合、50℃では粘性が低くなるだろう。好適な親水性担体には、水、グリコール、例えば、プロピレングリコールが含まれる。組成物中に使用するための熱可逆性ゲル化剤は、ステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等の脂肪酸の塩を含み得る。これらの塩は、組成物に追加され得るか、または脂肪酸を追加し、かつ適切な塩基で中和することによって、その場で生成され得る。組成物のその場での形成の例は、ステアリン酸および水酸化ナトリウムを提供して、ステアリン酸ナトリウムを生成することである。他の一般的な熱可逆性ゲル化剤には、例えば、PEG−20、PEG−150ジステアレート、PEG−150ペンタエリスリチルテトラステアレート、ジステアレス−75IPDI、ジステアレス−100IPDI、脂肪アルコール、例えば、セチルアルコール、ステアリン酸等の脂肪酸、ヒドロキシステアリン酸、およびそれらの誘導体、ならびにそれらの組み合わせ等のポリエチレングリコールおよび誘導体が含まれ得る。

担体および熱可逆性ゲル化剤に加えて、組成物は、様々な他の成分および構成要素を含有し得る。組成物内に含まれ得る他の成分の例は、皮膚軟化剤、ステロールもしくはステロール誘導体、天然および合成脂肪もしくは油、粘度増強剤、レオロジー改変剤、ポリオール、界面活性剤、アルコール、エステル、シリコン、粘土、デンプン、セルロース、微粒子、保湿剤、フィルム形成剤、スリップ改変剤、表面改変剤、皮膚保護剤、湿潤剤、日焼け止め剤等である。

薬学的組成物および/または調製物: 本明細書に記載される実施形態は、さらに、式Iもしくは式IIの前述の化合物のうちの1つ以上および担体を含む、薬学的組成物および/もしくは調製物に関する。「薬学的に許容される」という語句は、健全な医学的判断の範囲内で、妥当な利益/リスク比に見合う、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症を伴わない、ヒトおよび/もしくは他の哺乳動物の組織と接触して使用するのに好適な化合物、塩、組成物、剤形等を指すために本明細書で用いられる。いくつかの態様では、「薬学的に許容される」とは、連邦もしくは州政府の規制機関によって承認されているか、または哺乳動物(例えば、動物)、より具体的には、ヒトにおいて使用するための米国薬局方もしくは他の一般に認識されている薬局方に列挙されていることを意味する。

薬学的組成物は、当該技術分野で知られている任意の好適な手段によって調製され得る。このような組成物の例には、(a)局所適用、例えば、物品(例えば、ガーゼ、パッド、スワブ、包帯)、クリーム、軟膏、ゲル、ローション等、(b)非経口投与、例えば、滅菌溶液もしくは懸濁液としての皮下、筋肉内、もしくは静脈内注射、(c)経口投与、外部適用(例えば、水性および非水性溶液もしくは懸濁液を含むドレン)、錠剤、ボーラス、粉末、顆粒、飼料との混合のためのペレット、舌への適用のためのペースト等のために適合されるものが含まれる。

特定の実施形態では、薬学的組成物は、1つ以上の抗生物質を含み得る。本明細書で使用される場合、「抗生物質」または「抗菌剤」という用語は、微生物の成長を阻害するか、または微生物を破壊する物質を指す。好ましくは、抗生物質は、感染因子の病原性を抑制し、かつ/または感染性疾患を治療するのに有用である。抗生物質はまた、微生物、例えば、酵母または真菌によって生成される天然形態が構造的に修飾された半合成物質を指す。

好ましくは、抗生物質は、β−ラクタム(β−ラクタマーゼ阻害剤およびセファロスポリンを含む)、フルオロキノロン、アミノグリコシド、テトラサイクリン、および/もしくはグリシルサイクリン、および/もしくはポリミキシンからなる群から選択される。抗微生物剤の任意の組み合わせ、例えば、少なくとも1つのβ−ラクタムおよび少なくとも1つのフルオロキノロン;少なくとも1つのアミノグリコシドおよび1つのセファロスポリン;少なくとも1つのβ−ラクタムおよび1つのβ−ラクタマーゼ阻害剤はまた、任意選択的にアミノグリコシド等と共に、用いられ得る。

本明細書で使用される場合、「β−ラクタム」阻害剤という用語には、天然および半合成ペニシリンおよびペニシリン誘導体、例えば、ベンザチンペニシリン、ベンジルペニシリン(ペニシリンG)、フェノキシメチルペニシリン(ペニシリンV)、プロカインペニシリンおよびオキサシリン、メチシリン、ジクロキサシリンおよびフルクロキサシリン;テモシリン;アモキシシリンおよびアンピシリン;アズロシリン、カルベニシリン、チカルシリン、メズロシリンおよびピペラシリン;ビアペネム、ドリペネム、エルタペネム、イミペネム、メロペネム、パニペネムおよびPZ−601;セファレキシン、セファロチン、セファゾリン、セファクロール、セフロキシム、セファマンドール、セフォテタン、セフォキシチン、セフォタキシム、およびセフポキシム;セフェピムおよびセフピロム;セファドロキシル、セフィキシム、セフプロジル、セファレキシン、セファロチン、セフロキシム、セファマンドール、セフェピムおよびセフピロム;セフォキシチン、セフォテタン、セフメタゾールおよびフロモキセフ;チゲモナム、ノカルジシンAおよびタブトキシン;クラブラン酸、モクサラクタムおよびフロモキセフが含まれる。フルオロキノロンには、シプロフロキサシン、ガレノキサシン、ガチフロキサシン、ゲミフロキサシン、レボフロキサシン、およびモキシフロキサシンが含まれる。アミノグリコシドには、例えば、カナマイシン、アミカシン、トブラマイシン、ジベカシン、ゲンタマイシン、シソマイシン、ネチルマイシン、ネオマイシンB、ネオマイシンC、ネオマイシンE(パロモマイシン)、および合成誘導体クラリスロマイシンおよびアジスロマイシンを含むストレプトマイシンが含まれる。テトラサイクリンには、天然に生じる化合物(例えば、テトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、デメクロサイクリン)または半合成剤(例えば、ライムサイクリン、メクロシン、メタサイクリン、ミノサイクリン、ロリテトラサイクリン)が含まれる。グリシルサイクリン(例えば、ミノサイクリン/チゲサイクリン)は、テトラサイクリンに由来する。ポリミキシンには、例えば、ポリミキシンBおよびポリミキシンE(コリスチン)が含まれる。

特定の実施形態では、組成物は、0.1mg/mL、0.5mg/L、1mg/mL、2mg/mL、3mg/mL、4mg/mL、5mg/mL、6mg/mL、7mg/mL、8mg/mL、9mg/mL、10mg/mL、11mg/mL、12mg/mL、13mg/mL、14mg/mL、15mg/mL、16mg/mL、17mg/mL、18mg/mL、19mg/mL、20mg/mL、21mg/mL、22mg/mL、23mg/mL、24mg/mL、25mg/mL、26mg/mL、27mg/mL、28mg/mL、29mg/mL、30mg/mL、31mg/mL、32mg/mL、33mg/mL、34mg/mL、35mg/mL、36mg/mL、37mg/mL、38mg/mL、39mg/mL、40mg/mL、41mg/mL、42mg/mL、43mg/mL、44mg/mL、45mg/mL、50mg/mL、60mg/mL、70mg/mL、80mg/mL、90mg/mL、100mg/mL、150mg/mL、200mg/mL、250mg/mL、300mg/mL、400mg/mL、500mg/mL以上の濃度で抗体物質を含有し得る。例えば、イミペネムおよびエルタペネムは、50、30、20、15、10、5、および1mg/mLの濃度で使用され得る。

創傷包帯: 特定の実施形態では、本明細書に記載されるような創傷包帯材料、例えば、式Iまたは式IIの化合物を含む創傷包帯を本明細書に開示する。いくつかの実施形態では、創傷包帯は、本明細書に記載される創傷包帯材料、例えば、式Iまたは式IIの化合物から本質的になる。

一実施形態では、本明細書に開示される創傷包帯は、生体適合性、生分解性、非免疫原性であり、かつ商業的に容易に入手可能である。

一実施形態では、式Iもしくは式IIの化合物は、任意選択的に、医薬品を含有する、繊維粒子もしくは粉末粒子等の粒子の形態で提供される。具体的には、材料は、好ましくは、CMC繊維を含有する。

組成物は、好ましくは、包帯材料と他の化合物との緊密な混合物を含み得る。例えば、一実施形態では、緊密な混合物は、包帯材料と、溶媒等の好適な賦形剤との混合溶液もしくは分散液、またはこのような溶液もしくは分散液から溶媒を除去することによって生成される固体組成物を含む。この実施形態の下では、包帯材料は、材料の少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%、20重量%、30重量%、50重量%、75重量%、90重量%以上を構成する。特定の好ましい実施形態では、材料は、包帯材料から本質的になる。

材料の他の構成要素は、1つ以上の他の生体適合性多糖類、例えば、アルギン酸ナトリウムもしくはアルギン酸カルシウム等のアルギン酸塩、デンプングリコール酸ナトリウム等のデンプン誘導体、メチルセルロースもしくはカルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、またはヒアルロン酸もしくはその塩、コンドロイチン硫酸もしくはヘパラン硫酸等のグリコサミノグリカンの0〜25重量%、例えば、約1〜約20重量%を含み得る。材料はまた、フィブロネクチン、フィブリン、ラミニン、エラスチン、コラーゲン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、1つ以上の構造プロテインの最大約25重量%、例えば、約1〜約20重量%を含み得る。好ましくは、プロテインは、コラーゲンを含み、より好ましくは、コラーゲンから本質的になる。材料はまた、最大約20重量%、好ましくは、約2重量%〜約10重量%の水を含み得る。材料はまた、可塑剤、好ましくは、グリセロールまたはソルビトール等の多価アルコールの0〜40重量%、例えば、約5〜約25重量%を含有し得る。

特定の実施形態では、材料はまた、非ステロイド抗炎症剤(例えば、アセトアミノフェン)、ステロイド、局所麻酔剤、抗菌剤、もしくは成長因子(例えば、線維芽細胞成長因子もしくは血小板由来成長因子)等の1つ以上の治療創傷治癒剤の最大約10重量%、例えば、約0.01〜約5重量%、典型的には、約0.1〜約2重量%を含み得る。抗菌剤は、例えば、消毒剤、抗生物質、またはそれらの混合物を含み得る。好ましい抗生物質には、テトラサイクリン、ペニシリン、テラマイシン、エリスロマイシン、バシトラシン、ネオマイシン、ポリマイシンB、ムピロシン、クリンダマイシン、およびそれらの混合物が含まれる。好ましい防腐剤には、コロイド銀、材料を構成するアニオンポリマーのうちの1つ以上の塩を含む銀塩、スルファジアジン銀、クロルヘキシジン、ポビドンヨード、トリクロサン、スクラルファート、第4級アンモニウム塩、およびそれらの混合物を含む銀を含む。本発明によるこれらの薬用創傷包帯材料は、使用時に創傷包帯材料が破壊されたときに、治療剤の持続放出を提供する。

上の百分率の全ては、乾燥重量に基づいている。好ましくは、創傷包帯材料と他の補助剤および材料との重量比は、約1:99〜約99:1である。より好ましくは、重量比は、約1:9〜約9:1の範囲であり、より好ましくは、約4:1〜約1:4の範囲であり、さらにより好ましくは、約2:1〜約1:2の範囲である。

材料は、粉末、マイクロスフェア、フレーク、マット、またはフィルム等の任意の便利な形態であり得る。

特定の実施形態では、材料は、局所適用のための半固体またはゲル軟膏の形態である。

特定の実施形態では、材料は、慢性創傷への適用のための凍結乾燥または溶媒乾燥された生体吸収性スポンジの形態である。好ましくは、スポンジの平均細孔サイズは、10〜500μm、より好ましくは、約100〜300μmの範囲である。好適なスポンジは、式Iもしくは式IIの化合物を含む水性分散液を、好適な治療剤と共に凍結乾燥もしくは溶媒乾燥させることによって作製されている。

さらに他の実施形態では、材料は、連続的または断続的(例えば、穿孔)であり得る、可撓性フィルムの形態である。可撓性フィルムは、好ましくは、グリセロール等の可撓性にするための可塑剤を含む。

ある範囲の制御可能な特性を有する両方のゲル形成ポリマー、例えば、セルロース誘導体の利用可能性は、本発明の組成物の特性が例外的な程度にまで制御され得ることを意味する。特に、材料の生物学的吸収速度、多孔度、および密度を制御することができる。

一実施形態では、式Iもしくは式IIの化合物を含む組成物の活性層を含む、シート形態での創傷包帯材料を本明細書に提供する。活性層は、通常、使用時には創傷接触層であるが、いくつかの実施形態では、液体透過性トップシートによって創傷から分離され得る。一実施形態では、活性層の面積は、約1cm2〜約400cm2、具体的には、約4cm2〜約100cm2である。

別の実施形態では、創傷包帯材料は、活性層の創傷対面側とは反対側の活性層上に延在する裏当てシートをさらに含む。好ましくは、裏当てシートは、活性層の周りに幅1mm〜50mm、好ましくは、5mm〜20mmの周辺領域が延在して、いわゆるアイランド包帯を形成するように、活性層よりも大きい。そのような場合には、裏当てシートは、好ましくは、少なくともその周辺領域に感圧性の医療グレードの接着剤により被覆される。

包帯材料が裏当てシートを含む実施形態では、バックシートは、実質的に液体不透過性である。別の実施形態では、裏当てシートは、半透過性であり、例えば、裏当てシートは、好ましくは、水蒸気に対して透過性であるが、液体の水または創傷滲出物に対して透過性ではない。好ましくは、裏当てシートは、微生物不透過性でもある。好適な連続適合性裏当てシートは、好ましくは、37.5℃で、相対湿度差100%〜10%で、300〜5000g/m2/24時間、好ましくは、500〜2000g/m2/24時間の単独での裏当てシートの水蒸気透過速度(MVTR)を有するだろう。裏当てシートの厚さは、好ましくは、10〜1000マイクロメートル、より好ましくは、100〜500マイクロメートルの範囲である。

開口シートが包帯を通る水分移動を部分的に妨げるため、包帯全体のMVTRは、裏張りシートのみのMVTRよりも低い。

裏張りシートを形成するのに好適なポリマーには、ポリウレタンならびにポリアルコキシアルキルアクリレートおよびメタクリレートが含まれる。好ましくは、裏当てシートは、主に独立気泡である高密度ブロックポリウレタン発泡体の連続層を含む。好適な裏当てシート材料は、ポリウレタンフィルムである。

接着剤を含む裏当て層を含む創傷包帯では、接着剤層は、水蒸気透過性であり、かつ/または水蒸気の通過を可能にするようにパターン化されるべきである。接着剤層は、好ましくは、アイランド型創傷包帯に対して従来から使用されている種類の連続的な水蒸気透過性の感圧接着剤層、例えば、アクリレートエステルコポリマー、ポリビニルエチルエーテル、およびポリウレタンに基づく感圧接着剤である。ポリウレタンに基づく感圧接着剤は、選択的に使用され得る。

別の実施形態では、包帯は、活性層と保護シートとの間に構築され得る、多層吸収性物品のさらなる層を含み得る。例えば、これらの層は、使用中の活性層のための支持体を提供するために、開口プラスチックフィルムを含む場合があり、この場合、フィルム内の開口部は、好ましくは、ヒドロゲル層内の開口部と整合する。

またさらに、他の実施形態では、特に包帯が滲出創傷に使用される場合、包帯は、活性層と保護シートとの間に吸収層を含み得る。任意選択的な吸収層は、ガーゼ、不織布、超吸収剤、ヒドロゲル、およびそれらの混合物を含む、創傷治癒技術における創傷液、血清、または血液を吸収するために従来から使用されている層のうちのいずれかであり得る。好ましくは、吸収層は、開放気泡親水性ポリウレタン発泡体等の吸収性発泡体の層を含む。他の実施形態では、吸収層は、不織繊維ウェブ、例えば、ビスコースステープル繊維のカーディングされたウェブであり得る。

特定の実施形態では、創傷包帯は、取り外し可能なカバーシートによって保護され得る。カバーシートは、通常、可撓性熱可塑性材料から形成される。好適な材料には、ポリエステルおよびポリオレフィンが含まれる。好ましくは、カバーシートの接着剤に面する表面は、剥離面である。すなわち、カバーシートからのヒドロゲル層の剥離を助けるための、活性層に弱く付着しているのみの表面および裏当てシート上の接着剤。例えば、カバーシートは、フルオロポリマー等の非接着性プラスチックから形成され得るか、またはシリコンもしくはフルオロポリマー剥離被覆等の剥離被覆を備え得る。

一実施形態では、創傷包帯は、滅菌され、微生物不透過性容器内に包装される。

キット: 特定の実施形態では、開示される技術は、1つもしくは別個の区画内に、任意選択的に賦形剤、担体、もしくは油と共に、式Iもしくは式IIの化合物を含むキットを提供する。キットは、1つ以上の区画内に、追加の成分、例えば、ゲル化剤、皮膚軟化剤、界面活性剤、湿潤剤、粘度増強剤、乳化剤等をさらに含み得る。キットは、任意選択的に、創傷、例えば、慢性創傷もしくは感染性創傷を診断、検出、もしくは治療するための物品を処方するための説明書を含み得る。キットはまた、創傷の治療において、個々にまたは共にのいずれかで、構成要素を使用するための説明書を含み得る。

関連する実施形態では、開示される技術は、包装体、および前述の組成物を含む少なくとも1つの吸収性物品(上に記載される)を含むキットを提供する。代わりに、キットは、別々に、任意選択的に二次情報と共に、包装体内または包装体と共に使用可能な個々の構成要素を含み得る。

本明細書に開示される他の実施形態は、創傷の治療用の包帯の調製のための組成物の使用に関する。好ましくは、創傷は、慢性創傷、例えば、静脈性潰瘍、褥瘡褥瘡、および糖尿病性潰瘍からなる群から選択される創傷である。

表面: 開示される技術の実施形態は、式Iもしくは式IIの前述の化合物を含む表面をさらに提供し、レポーターもしくはペプチドは、パートナー、例えば、酵素への結合を可能にするように配向される。好ましくは、表面は、固体支持体の表面である。多数の多様な固体支持体が、当業者に知られている。有用な固体支持体には、寒天、アガロース、架橋アルギン酸、置換および架橋グアーガム、特に硝酸およびカルボン酸とのセルロースエステル、混合セルロースエステル、およびセルロースエーテル等の天然ポリマー炭水化物およびそれらの合成修飾、架橋、もしくは置換誘導体;架橋もしくは修飾ゼラチンを含むプロテインおよび誘導体等の窒素を含有する天然ポリマー;ラテックスおよびゴム等の天然炭化水素ポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、およびそれらの部分的に加水分解された誘導体、ポリアクリルアミド、ポリメタクリレートを含むビニルポリマー、ポリエステル、ポリアミド等の上の重縮合物のコポリマーおよびターポリマー、ならびにポリウレタンもしくはポリエポキシド等の他のポリマー等の好適な多孔構造により調製され得る合成ポリマー;硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、アルカリおよびアルカリ土類金属のケイ酸塩、アルミニウムおよびマグネシウムを含むアルカリ土類金属およびマグネシウムの硫酸塩もしくは炭酸塩等の多孔無機材料;および粘土、アルミナ、タルク、カオリン、ゼオライト、シリカゲル、もしくはガラス(これらの材料は、上のポリマー材料と共にフィルターとして使用され得る)等のアルミニウムまたはシリコン酸化物もしくは水和物;ならびに既存の天然ポリマー上の合成ポリマーのポリマー化を初期化することによって得られるグラフトコポリマー等の上のクラスの混合物もしくはコポリマーが含まれる。

一実施形態では、支持体は、アレイプレートのウェル、例えば、マイクロアレイである。そのようなアレイを構築するための方法は、当該技術分野、例えば、Caoら、Appl Environ Microbiol.、77(23):8219−8225、2011において知られている。式Iもしくは式IIの各化合物(もしくはレポーター単独)は、アレイ中の物理的欠陥に起因する不規則なデータを除去するために三重にスポットされ得る。

システム: 開示される技術の実施形態は、前述の組成物および/またはキットを含む診断システムをさらに提供する。

診断システムの様々な構成要素は、様々な形態で提供され得る。例えば、式Iまたは式IIの化合物(例えば、ペプチドレポーターを含有する化合物)は、凍結乾燥された試薬として提供され得る。これらの凍結乾燥された試薬は、凍結乾燥の前に予備混合され得、その結果、再構成されたときに、それらは、アッセイ中に使用する準備ができた構成要素の各々の適切な比率による完全な混合物を形成する。さらに、本発明の診断システムは、キットの凍結乾燥された試薬を再構成するための再構成試薬を含有し得る。

本明細書に記載される実施形態は、さらに、LC検出システムに関する。LC検出システムは、検出方法として5CB液晶(LC)の整列の変化の観察を利用する。このLC検出システムをCMC構造に適合させるために、切断されるペプチド配列の部分に、脂質が追加される。いったん放出された脂質は、5CBの整列変化を引き起こす。5CBの整列は、交差偏光レンズを通して検出することができ、暗から明への変化を示し、システムは、使用点まで正しい整列でのLCの含有を含み、また、検出および/または視覚化のための交差偏光レンズおよび顕微鏡の使用も伴い得る。

いくつかの実施形態では、創傷包帯は、式Iaの構造を有する創傷包帯材料を含み、

式Ia 式中、Rは、レポーター分子を含む領域であり、mは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10であり、nは、200〜4000から選択される整数である。さらなる実施形態では、nは、300〜3500から選択される整数である。またさらなる実施形態では、nは、400〜3200から選択される整数である。いくつかの実施形態では、Rは、レポーター分子および少なくとも1つのアミノ酸を含むペプチド領域である。

いくつかの実施形態では、創傷包帯は、式Ibの構造を有する創傷包帯材料を含み、

式Ib 式中、Rは、レポーター分子を含む領域であり、nは、200〜4000から選択される整数である。さらなる実施形態では、nは、300〜3500から選択される整数である。またさらなる実施形態では、nは、400〜3200から選択される整数である。いくつかの実施形態では、Rは、レポーター分子および少なくとも1つのアミノ酸を含むペプチド領域である。いくつかの実施形態では、Rは、レポーター分子および1つのアミノ酸を含むペプチド領域である。

別の態様では、式IIの構造を有する創傷包帯材料であって、

式II 式中、Mが、ゲル形成ポリマーであり、PEPが、レポーター分子および少なくとも1つのアミノ酸を含むペプチド領域であり、Lは、MとPEPとを繋ぐリンカーである、創傷包帯材料を含む創傷包帯を本明細書に提供する。

いくつかの実施形態では、創傷包帯は、式IIaの構造を有する創傷包帯材料を含み、

式IIa 式中、Mは、セルロース、化学修飾セルロース、ペクチン、アルギン酸塩、キトサン、修飾キトサン、ヒアルロン酸、多糖類、もしくはガム由来ポリマー、CES、酸化セルロース(もしくはその誘導体)、またはそれらの任意の組み合わせから選択されるゲル形成ポリマーであり、PEPは、レポーター分子および少なくとも1つのアミノ酸を含むペプチド領域であり、Lは、MとPEPとを繋ぐリンカーであり、Lは、1つ以上のポリエチレングリコール亜単位もしくはポリプロピレン亜単位を含む。

いくつかの実施形態では、創傷包帯は、式IIbの構造を有する創傷包帯材料を含み、

式IIb 式中、PEPは、レポーター分子および少なくとも1つのアミノ酸を含むペプチド領域であり、mは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10であり、nは、200〜4000から選択される整数である。さらなる実施形態では、nは、300〜3500から選択される整数である。またさらなる実施形態では、nは、400〜3200から選択される整数である。

いくつかの実施形態では、創傷包帯は、式IIcの構造を有する創傷包帯材料を含み、

式IIc 式中、PEPは、レポーター分子および少なくとも1つのアミノ酸を含むペプチド領域であり、mは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10であり、nは、200〜4000から選択される整数である。さらなる実施形態では、nは、300〜3500から選択される整数である。またさらなる実施形態では、nは、400〜3200から選択される整数である。

式Iもしくは式IIの化合物を作製する方法: 本明細書で提供される実施形態は、さらに、式Iもしくは式IIの化合物であって、それらの前駆体を含む式Iもしくは式IIの化合物を作製する方法に関する。「前駆体」という用語は、中間生成物または最終生成物を生成するための反応物として用いられる任意の化合物を含む。

一実施形態では、構造M−Rを含む式Iの化合物を作製する方法であって、Mが、セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、酸化セルロース(もしくはその誘導体)、セルロースエチルスルホネート(CES)、ペクチン、アルギン酸塩、キトサン、修飾キトサン、ヒアルロン酸、多糖類、もしくはガム由来ポリマー、またはそれらの任意の組み合わせもしくは混合物からなる群から選択される複数のモノマーを含むゲル形成ポリマーであり、Rが、例えば、共有結合を介して、ゲル形成ポリマーをレポーター分子に接合することを含む、レポーター分子である、方法を本明細書に提供する。一実施形態では、レポーターRは、創傷特異的マーカー、例えば、先に記載されるように、加水分解酵素等の創傷特異的酵素、より具体的には、プロテアーゼに対する基質である。この実施形態の下では、創傷特異的マーカーに対する基質は、例えば、アミノ酸、糖、ペプチド、多糖類、核酸、脂質、またはそれらの組み合わせを含む。

一実施形態では、ゲル形成ポリマーは、ペプチド、グリコシド、アミド、エステル、エーテル、無水物、または同様の結合を介してレポーター分子に接合する。本明細書で使用される場合、「ペプチド結合」は、一方の酸部分が他方のアミノ部分と反応して、2つのアミノ酸間のペプチド結合(−CO−NH−)を生成する、2つのアミノ酸間の縮合反応によって形成される。本明細書で使用される場合、「グリコシド結合」は、単糖類(もしくは単糖類に由来する分子)のヘミアセタールもしくはヘミケタール基と、アルコール等のいくつかの化合物のヒドロキシル基との間に形成される。グリコシド結合を含む物質は、グリコシドである。「グリコシド」という用語は、糖のヘミアセタール(もしくはヘミケタール)基と、−SR(チオグリコシド)、−SeR(セレノグリコシド)、−NR1R2(N−グリコシド)、もしくはさらには−CR1R2R3(C−グリコシド)等のヒドロキシル以外のいくつかの化学基との間に形成される結合を有する化合物も含むように、これより延長される。本明細書で使用される場合、「アミド」という用語は、−N(R1)−−C(=O)−−または−−C(=O)−−N(R1)−−のいずれかを指し、R1は、水素ならびに他の基を含むように本明細書で定義される。「置換アミド」という用語は、R1が水素ではない状況を指し、「未置換アミド」という用語は、R1が水素である状況を指す。「エステル」という用語は、少なくとも1つのヒドロキシル基がアルコキシ基で置換された酸(有機または無機)に由来する化合物を指す。エステルは、一般式−C(=O)−OR1またはR1−C(=O)−O−を有し、R1は、水素ならびに他の基を含むように定義される。「エステル」の代表的な種類には、限定されないが、カルボン酸、リン酸、ホスフィン酸、ホスホン酸、スルホン酸、スルフィン酸、およびボロン酸を含む、限定されないが、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、シクロアルキル、および酸性基のヘテロシクリルエーテルが含まれる。「スルホニル」という用語は、式−SO2−アルキルもしくは−SO2−アリールの基を表し、式中、「アルキル」は、直鎖部分、分岐部分、もしくは環状部分、またはそれらの組合せを有する飽和一価炭化水素基を含み、1〜20個の炭素原子、好ましくは、1〜5個の炭素原子を含有し、「アリル」は、ハロゲン基、ヒドロキシ、チオール、アミノ、ニトロ、シアノ、アシル、アシルオキシ、スルホニル、スルフィニル、アルキルアミノ、カルボキシ、エステル、エーテル、アミド、スルホン酸、スルホンアミド、アルキルチオ、オキシエステルから独立して選択される、1〜5個の置換基によって任意選択的に置換される、フェニルもしくはナフチル等の1つの水素の除去による芳香族炭化水素に由来する有機ラジカルを含む。「スルフィニル」という用語は、式−SO−アルキルまたは−SO−アリールの基を表し、式中、「アルキル」および「アリール」は上で定義されている。「スルホンアミド」という用語は、式−SO2NH2の基を表す。「オキシエステル」という用語は、式−O−COO−アルキルまたは−O−COO−アリールの基を意味し、式中、「アルキル」および「アリール」は、上で定義されている。「エーテル」という用語は、式アルキル−O−アルキルもしくはアルキル−O−アリールもしくはアリール−O−アリールの基を意味し、式中、「アルキル」および「アリール」は、上で定義されている。「アミド」という用語は、式−CONRR’の基を意味し、式中、RおよびR’は、水素、「アルキル」、または「アリール」から独立して選択される。「オキシアミド」という用語は、式−O−CONRR’の基を意味し、式中、RおよびR’は、水素、「アルキル」、または「アリール」から独立して選択される。本明細書で使用される場合、「アルコキシ」という用語は、−O−アルキル基を含み、「アルキル」は、上で定義されている。本明細書で使用される場合、「アルキルチオ」という用語は、アルキル基を含み、「アルキル」は、上で定義されている。本明細書で使用する場合、「アルキルアミノ」という用語は、−NHアルキルまたは−N(アルキル)2基を含み、「アルキル」は、上で定義されている。

グリコシド、ペプチド、エステル、オキシエステル、アミド、アミド、オキシアミド、エーテル、スルホニル、スルフィニル、スルホンアミド、またはアルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ等の他の結合を生成するための反応性部分を接合するための方法は、当該技術分野で知られており、実施例にさらに記載される。

別の実施形態では、構造M−L−Rを含む式Iの化合物を作製する方法であって、式中、MおよびRが、各々、先に記載されるとおりであり、Lが、中性ポリマーのモノマーもしくはポリマー、例えば、エトキシル化多価アルコール、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリプロピレン、ポリアルキレングリコール、ポリアミン、ならびにそれらのエーテル、アミド、およびエステルからなる群から選択されるポリマーであるリンカーである、方法を本明細書に提供する。

一実施形態では、Mは、第1のエステル、オキシエステル、アミド、アミド、オキシアミド、エーテル、スルホニル、スルフィニル、スルホンアミド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、または同様の結合を介して、Lに接合する。同様に、この実施形態の下では、リンカーLは、第2のエステル、オキシエステル、アミド、アミド、オキシアミド、エーテル、スルホニル、スルフィニル、スルホンアミド、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、または同様の結合を介して、レポーター領域Rに接合する。2つの結合は、同一であり得るか、または異なっていてもよく、例えば、Mは、エステル結合を介してLに接合し得、Lは、ペプチド結合を介してRに接合し得る。

一実施形態では、構造M−L−Rを有する式Iの化合物は、最初にゲル形成ポリマーMをリンカーLに接合して、前駆体M−Lを生成し、次に前駆体M−Lをレポーター領域Rに接合して、式Iの化合物を生成することによって合成される。

代わりに、構造M−L−Rを有する式Iの化合物は、最初にリンカーLをレポーター領域Rに接合して、前駆体L−Rを生成し、次にこれをゲル形成ポリマーMに接合して、式Iの化合物を生成することによって合成される。

またさらに、構造M−L−Rを有する式Iの化合物は、単一の反応チャンバまたは複数の反応チャンバ内で合成され得る。

式Iの化合物の合成に用いられる可能性のある反応スキームの代表的な逆合成の概要を以下に提示する:

逆合成スキームI

診断および治療方法: 一実施形態では、本明細書に記載される組成物、包帯材料、物品、キット、およびシステムは、創傷、特に慢性創傷もしくは感染性創傷の診断もしくは治療に有用である。任意の種類の創傷を診断および/または治療することができるが、実施形態は、創傷液を滲出させる創傷の診断および治療に特に好適である。例えば、創傷は、慢性創傷または急性創傷であり得る。慢性創傷の代表的な例には、例えば、静脈性潰瘍、褥瘡、褥瘡潰瘍、糖尿病性潰瘍、および未知病因の慢性潰瘍が含まれる。急性創傷の代表的な例には、おそらく意図的な手術切開の結果としての、例えば、急性外傷性裂傷が含まれる。

本明細書で使用される場合、「創傷液」という用語は、創傷の表面に存在するか、または吸引、吸収、もしくは洗浄によって創傷表面から除去される任意の創傷滲出液もしくは他の液体(好適には実質的に血液を含まない)を指す。判定、測定、もしくは定量化は、患者の体から除去された創傷液に対して好適に実行されるが、創傷液に対してその場で実施することもできる。「創傷液」という用語は、通常、創傷部位から離れた血液または組織の血漿を意味しない。創傷液は、哺乳動物の創傷液、好適にはヒトの創傷液である。

一実施形態では、診断方法は、式Iもしくは式IIの化合物、そのような化合物を含む包帯材料、そのような材料もしくは化合物を含む物品、そのような材料もしくは化合物を含むキット、または本明細書に記載されるそのような材料もしくは化合物を含むシステムを含む、少なくとも1つの組成物と創傷を接触させることと、創傷に関連するパラメータを測定することと、を含む。特定の実施形態では、測定されるパラメータは、創傷特異的加水分解酵素のレベルまたは活性である。具体的には、測定されるパラメータは、加水分解酵素の活性である。

前述の実施形態では、測定は、その場でまたはその場以外のいずれかで行うことができる。本明細書で使用される場合、「その場で」という用語は、周囲環境を含むシステムもしくはデバイスの文脈内で存在するか、もしくは起こる過程、事象、対象、もしくは構成要素、例えば、組成物、物品、システム、もしくはデバイスが接触している生物学的材料を指す。一例として、その場での反応は、ヒトの皮膚組織によって提供される構成要素(例えば、酵素を含有する創傷滲出液)を含む、デバイス(例えば、式Iもしくは式IIの化合物)内に存在する様々な構成要素の反応を指し得る。用語は、外部環境を指す、その場以外とは対照的である。

第2の実施形態では、測定は、例えば、本発明の装置またはデバイスにおける分析のために創傷から液体を除去する等、その場以外で実施される。

好適には、その場で測定が行われる。

1つの診断的実施形態では、本方法は、レポーター、例えば、創傷特異的酵素によって作用される基質の生成物のレベルを判定することを含む。より具体的には、本方法は、加水分解酵素生成物のレベルを判定することを含む。本明細書で使用される場合、「判定する」という用語は、当該加水分解酵素の活性もしくはレベルの数値を測定することと、活動もしくはレベルが所定の範囲を上回るか、もしくは下回るかを確立することと、および/または活動もしくはレベルの数値を対照標準と比較することと、を含む。対照標準は、非創傷部位もしくは健常な対象から得られた生検材料中の加水分解酵素のレベルもしくは活性を判定することを含み得る。

特定の一実施形態では、「判定する」という用語は、MMP−1(コラゲナーゼ)、MMP−2(ゼラチナーゼA)、MMP−3(ストメリシン1)、MMP−8(好中球コラゲナーゼ)、MMP−9(ゼラチナーゼB)、ヒト好中球エラスターゼ(HNE)、カテプシンG、ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子(uPA)、およびリゾチーム、もしくはそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの創傷特異的プロテアーゼのパラメータ(例えば、活性もしくはレベル)を測定することと、当該パラメータが第1の所定の閾値を超えた場合に確立することと、および/またはパラメータの数値を対照標準と比較することと、を含む。対照標準は、非創傷部位または健常な対象から得られた生検材料中のプロテアーゼのパラメータを判定することを含み得る。関連する実施形態では、「判定する」という用語は、複数の前述のプロテアーゼに関連するパラメータの加重平均(加重合計)が当該加重平均の所定の閾値を超えたかどうかを確立することを含む。

特定の一実施形態では、パラメータは、創傷液中の分析物(例えば、プロテアーゼ)の活性レベルである。典型的には、個々の分析物の活性は、単位/mLの言葉で表現される。

別の実施形態では、パラメータは、創傷液中の分析物(例えば、プロテアーゼ)のレベルである。典型的には、量という用語はまた、特定の分析物の活性を示す。

本明細書で使用される場合、「合わせ量」または「合わせ活性」という用語は、複数の値、例えば、多数の個々の分析物について得られた量に対する数学的関数の適用から生じる単一の数値を指す。例えば、「合わせ量」もしくは「合わせ活性」という用語は、個々の値の群の合計もしくは積を指し得る。典型的には、「合わせ量」または「合わせ活性」という用語は、個々の値の群の合計を指す。例えば、好適な実施形態では、エラスターゼの量は、エラスターゼ状活性(例えば、U/mL)を指し、メタロプロテイナーゼ(MMP)の量は、それぞれの分析物の全濃度(例えば、ng/mLでの)を指す。

本明細書で使用される場合、「定量化する」という用語は、実験誤差の限度内で、サンプル中の特定の分析物(複数可)または基質(複数可)の絶対的な数量を測定することを指す。

「マーカー」もしくは「分析物」という用語は、本明細書で定義される装置、デバイス、キット、もしくは方法を使用して同定もしくは判定される任意の化学物質を指す。本発明の装置、デバイス、キット、もしくは方法によって判定もしくは同定されたマーカーもしくは分析物は、前述の酵素の切断生成物である。

本明細書で使用される場合、「所定の範囲」という用語は、患者の特定のサブクラスを示す、当業者が理解するであろうデータ範囲またはプロファイルを指す。例えば、所定の範囲は、抗生物質治療等の特定の創傷治療に良好に反応するであろう創傷に典型的なデータ範囲またはプロファイルであり得る。代替的に、所定の範囲は、抗生物質治療等の特定の創傷治療に良好に反応しないであろう創傷に典型的なデータ範囲を好適に指し得る。

本明細書で使用される場合、「所定の閾値」という用語は、例えば、上でさらに説明されるように、既知の治癒創傷および非治癒創傷に対して判定されたレベルの統計的分析に基づく非治癒創傷を示す、当業者が判定するであろう最小レベルを指す。試験が臨床的に有用であるためには、高いプロテアーゼ活性を有する非治癒創傷が正しく同定されるように、閾値を適切なレベルに設定しなければならない。閾値を上げると、非治癒創傷のみが閾値を上回る可能性が高くなるだろう。しかしながら、閾値が過度に高いと、高レベルのプロテアーゼに起因する非治癒創傷は、同定されず、臨床的にはこれは、必要なプロテアーゼ調節治療を受けないことを意味するだろう。

本明細書で使用される場合、「対照標準」もしくは「対照群」という用語は、別のデータ点もしくはデータセットを定義もしくは正規化するために、参照もしくは比較として使用され得るデータセットもしくはプロファイルを指す。例えば、「対照群」もしくは「対照標準」という用語は、患者の特定のサブクラスを示すデータセットもしくはプロファイルであり得る。好適には、対照標準は、治癒創傷状態もしくは非治癒創傷状態を示すデータセットもしくはプロファイルであり得る。

好適には、本発明の他の態様もしくは実施形態では、「対照群」もしくは「対照標準」は、当業者が、創傷が抗生物質治療等の創傷治療に反応性もしくは非反応性である可能性が高いかどうかを判定することを可能にするための比較ツールとして使用することができるデータセットもしくはプロファイルであり得る。一実施形態では、対照標準は、創傷治療に良好に反応しない患者を示すデータセットまたはプロファイルである。典型的には、対照標準は、創傷治療に良好に反応する患者を示すデータセットまたはプロファイルである。本明細書に開示されるような創傷治療に良好に反応する傾向がある患者は、治療に良好に反応しない傾向がある患者よりも低い加水分解酵素の合わせ量または合わせ活性を示す。例えば、本明細書に開示されるような創傷治療に良好に反応する傾向がある患者は、少なくとも1つの創傷特異的加水分解酵素のより低い合わせ量を示す。

一実施形態では、閾値マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)活性は、例えば、約6U/mL、約7U/mL、約8U/mL、約9U/mL、約10U/mL、約11U/mL、約12U/mL、約13U/mL、約14U/mL、約15U/mL、約16U/mL、約17U/mL、約18U/mL、約19U/mL、約20U/mL、約21U/mL、約22U/mL、約23U/mL、約24U/mL、約25U/mL以上の間の全ての値を含む、約5U/mL〜約30U/mLであり、慢性創傷感染を示す。当該技術分野で理解されているように、活性の単位(U)は、典型的には、酵素触媒活性を記載するために使用され、単位(U)は、1マイクロモル(μmole)の基質の1分当たりの変換を触媒する酵素の量を指す。よって、1酵素単位(U)=1μmol/分であり、μmolは、変換された基質の量を指す。

一実施形態では、閾値ヒト好中球エラスターゼ活性は、例えば、約6U/mL、約7U/mL、約8U/mL、9U/mL、約10U/mL、約11U/mL、約12U/mL、約13U/mL、約14U/mL、約15U/mL、約16U/mL、約17U/mL、約18U/mL、約19U/mL、約20U/mL、約21U/mL、約22U/mL、約23U/mL、約24U/mL、約25U/mL以上の間の全ての値を含む、約5U/mL〜約30U/mLであり、慢性創傷感染を示す。

特定の一実施形態では、少なくとも9.6の閾値ヒト好中球エラスターゼ活性レベルは、慢性創傷感染を示す。いくつかの実施形態では、少なくとも22.9U/mLのヒト好中球エラスターゼ活性レベルは、慢性創傷感染を示す。

一実施形態では、例えば、約1100U/mL、約1200U/mL、約1300U/mL、約1400U/mL、約1500U/mL、約1600U/mL、約1700U/mL、約1800U/mL、約1900U/mL、約2000U/mL、約2100U/mL、約2200U/mL、約2300U/mL、約2400U/mL、約2500U/mL、約2600U/mL、約2700U/mL、約2800U/mL、約2900U/mL、約3000U/mL、約3250U/mL、約3500U/mL、約3750U/mL、約4000U/mL、約4250U/mL、約4500U/mL、約4750U/mL、約5000U/mL、約5250U/mL、約5500U/mL、約5750U/mL、約6000U/mL以上の間の全ての値を含む、約1000U/mL〜約10000U/mLの閾値リゾチーム活性レベルは、慢性創傷感染を示す。特定の一実施形態では、少なくとも4800U/mLのリゾチーム活性レベルは、慢性創傷感染を示す。

一実施形態では、例えば、約15U/mL、約20U/mL、約25U/mL、約30U/mL、約35U/mL、約40U/mL、約45U/mL、約50U/mL、約55U/mL、約60U/mL、約65U/mL、約70U/mL、約75U/mL、約80U/mL、約85U/mL、約90U/mL、約95U/mL、約100U/mL、約110U/mL、約120U/mL以上の間の全ての値を含む、約10U/mL〜約100U/mLの閾値カテプシンG活性レベルは、慢性創傷感染を示す。いくつかの実施形態では、少なくとも50U/mL、少なくとも40U/mL、少なくとも30U/mL、少なくとも20U/mL、少なくとも15U/mL、または少なくとも10U/mLのカテプシンG活性レベルは、慢性創傷感染を示す。

本明細書に開示される実施形態は、本明細書に記載される組成物、材料、物品、包帯、キット、および/もしくはシステムを使用する慢性創傷もしくは感染性創傷の治療に関する。治療的実施形態は、本発明の組成物、材料、物品、包帯、キット、システム、またはデバイスを、それらを必要とする対象に接触させることを含む。任意選択的に、本方法は、対象が治療に反応しているかどうかの判定を含み得る。

当業者であれば、創傷が「治療に反応性である」か否かを容易に識別することができるだろう。具体的には、当業者であれば、創傷治療、具体的には酸化セルロースを含む創傷包帯による治療に対する良好な反応もしくは不良な反応を予測するか、もしくは示す、本特許請求の範囲において同定されるプロテアーゼのレベルを容易に判定することができるだろう。本明細書で使用される場合、「反応性」および「反応物(複数可)」という用語は、創傷治療、具体的には薬剤、例えば、抗生物質による治療に良好に反応すると考えられる創傷を指す。同様に、「非反応性」および「非反応物(複数可)」は、創傷治療、具体的には薬剤、例えば、抗生物質による治療に良好に反応するとは考えられない創傷を指す。例えば、創傷治療の4週間後に50%より良好な創傷閉鎖を示す患者は、当該治療に反応性であると考えられる。

特定の実施形態では、患者は、本明細書に記載される組成物、物品、システム、またはデバイスにより同時に診断および治療され得る。本明細書で使用される場合、「同時に」という用語は、記載される目的、例えば、診断および治療を共に実施することを意味する。

特定の実施形態では、患者は、本明細書に記載される組成物、物品、システム、またはデバイスにより順次診断および治療され得る。本明細書で使用される場合、「順次」という用語は、記載される目的、例えば、診断および治療が、時間的もしくは空間的に分離されること、例えば、治療前の診断もしくは治療後の診断、またはそれらの組み合わせ、例えば、1番目の診断==>治療==>2番目の診断を意味する。

本明細書に記載される実施形態は、さらに、介護者または患者が、創傷が治癒していない可能性が高いかどうかを迅速かつ信頼可能に判定し、この判定に基づいて適切な治療を選択することを可能にする。例えば、非治癒創傷は、治癒を促進するために、特定の治療剤を含む創傷包帯等の特異的創傷包帯の適用を必要とする場合がある。したがって、本明細書に記載される実施形態は、創傷、例えば、慢性創傷もしくは感染性創傷の治療方法であって、創傷が治癒しているか、もしくは治癒していないかどうかを判定することと、続いて、治癒していない場合、治療剤を含む創傷包帯を創傷に適用することと、を含む、方法をさらに提供する。

本明細書に記載される実施形態は、感染性創傷の診断または検出のための方法およびアッセイを提供する。本方法は、細菌性感染因子の検出に好適である。一実施形態では、創傷をグラム陰性細菌に感染させる。典型的なグラム陰性細菌には、大腸菌、サルモネラ、シュードモナス、およびヘリコバクター、ならびに藍色細菌が含まれる。薬剤に関連して分類される場合、それらには、呼吸器系の障害を引き起こす緑膿菌およびインフルエンザ菌、泌尿器系の障害を引き起こす大腸菌およびミラビリス変形菌、および髄膜炎菌、カタラリス菌、および淋菌等の消化系および小球菌の障害を引き起こすピロリ菌およびゲルトネル菌が含まれる。

別の実施形態では、創傷をグラム陽性細菌に感染させる。「グラム陽性細菌」とは、テイコ酸(例えば、リポタイコ酸および/もしくは壁テイコ酸)または機能的に等価な糖ポリマー(例えば、ラムノ多糖類、テイクロン酸、アラビノガラクタン、リポマンナン、およびリポアラビノマンナン)を細菌の細胞壁中に含有する細菌もしくは複数の細菌を意味する。機能的に等価なグリコポリマーの非限定的な例は、Weidenmaierら、Nature、6:276−287、2008に記載されている。

細菌には、哺乳動物宿主(例えば、ウシ、ネズミ、ウマ、霊長類、ネコ、イヌ、およびヒトの宿主)に感染する病原性細菌が含まれる。このような病原性細菌の例には、例えば、バクテロイデス、クロストリジウム、ストレプトコッカス、ブドウ球菌、シュードモナス、ヘモフィルス、レジオネラ、抗酸菌、エシェリキア、サルモネラ、シゲラ、ビブリオ、またはリステリア等の細菌種のメンバーが含まれる。ヒト宿主中に疾患を引起こす病原性細菌のいくつかの臨床的に関連する例には、限定されないが、炭疽菌、セレウス菌、百日咳菌、ライム病ボレリア、ウシ流産菌、イヌ流産菌、マルタ熱菌、ブタ流産菌、カンピロバクター・ジエジユニ、クラミジア・ニューモニエ、オウム病クラミジア、クラミジア・トラコマチス、ボツリヌス菌、クロストリジウム・ディフィシレ、ウェルシュ菌、破傷風菌、ジフテリア菌、大便連鎖球菌、バンコマイシン耐性腸球菌、エンテロコッカス・フェシウム、大腸菌、腸管毒素原性大腸菌(ETEC)、病原性大腸菌、大腸菌O157:H7、野兎病菌、インフルエンザ菌、ピロリ菌、レジオネラ・ニューモフィラ、病原性レプトスピラ、リステリア菌、ハンセン菌、ヒト型結核菌、マイコプラズマ・ニューモニエ、淋菌、髄膜炎菌、プロテウス、緑膿菌、リケッチア・リケッチイ、チフス菌、ネズミチフス菌、ソンネ赤痢菌、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、スタフィロコッカス・サプロフィチカス、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(VSA)、ストレプトコッカス・アガラクティエ、炎連鎖球菌、化膿連鎖球菌、梅毒トレポネーマ、ビブリオコレラ、およびエルシニア・ペスティスが含まれる。

別の実施形態では、感染性細菌は、クロストリジウム・ディフィシル、カルバペネム耐性腸内細菌(CR−クレブシエラ属種;CR−E大腸菌)、および淋菌からなる群から選択される。別の実施形態では、感染性細菌は、多剤耐性アシネトバクター、薬剤耐性カンピロバクター、拡張スペクトルβ−ラクタマーゼ(ESBL)生成腸内細菌科、バンコマイシン耐性腸球菌、多剤耐性緑膿菌、薬剤耐性非チフス性サルモネラ、薬剤耐性チフス菌、薬剤耐性シゲラ、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、薬剤耐性肺炎連鎖球菌、および薬剤耐性結核からなる群から選択される。別の実施形態では、感染性細菌は、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌、エリスロマイシン耐性A群ストレプトコッカス、クリンダマイシン耐性B群ストレプトコッカスからなる群から選択される。

特定の実施形態では、慢性創傷または感染性創傷は、宿主対象中に見られる。好ましくは、宿主は、哺乳動物、例えば、げっ歯類、ヒト、家畜動物、コンパニオン動物、または非家畜もしくは野生動物である。一実施形態では、対象は、げっ歯類、例えば、マウス、ラット、モルモット等であり得る。別の実施形態では、対象は、家畜動物であり得る。好適な家畜動物の非限定的な例には、ブタ、ウシ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、ラマ、およびアルパカが含まれ得る。また別の実施形態では、対象は、コンパニオン動物であり得る。コンパニオン動物の非限定的な例には、イヌ、ネコ、ウサギ、およびトリ等のペットが含まれ得る。また別の実施形態では、対象は、動物園動物であり得る。本明細書で使用される場合、「動物園動物」は、動物園で見られ得る動物を指す。そのような動物には、非ヒト霊長類、大きなネコ、オオカミ、およびクマが含まれ得る。例示的な実施形態では、対象は、ヒトである。

一態様では、哺乳動物の創傷における1つ以上の酵素のレベルを検出する方法であって、(a)本明細書に記載される創傷包帯材料を哺乳動物の創傷と接触させて配置するステップと、(b)哺乳動物の創傷と接触している創傷包帯材料を1つ以上の参照サンプルと視覚的に比較するステップと、(c)哺乳動物の創傷と接触している創傷包帯材料中のレポーター分子の濃度の定性的判定を得るステップと、を含む、方法を本明細書に提供する。

いくつかの実施形態では、哺乳動物の創傷における1つ以上の酵素のレベルを検出する方法は、(a)本明細書に記載される創傷包帯材料を哺乳動物の創傷と接触させて配置するステップと、(b)哺乳動物の創傷と接触している創傷包帯材料を1つ以上の参照サンプルと視覚的に比較するステップと、(c)哺乳動物の創傷と接触している創傷包帯材料中のレポーター分子の濃度の定性的判定を得るステップと、から本質的になる。

別の態様では、哺乳動物の創傷における1つ以上の酵素のレベルを検出する方法であって、(a)本明細書に記載される創傷包帯材料を哺乳動物の創傷と接触させて配置するステップと、(b)哺乳動物の創傷と接触している創傷包帯材料中のレポーター分子の濃度の定量的判定を得るステップと、(c)定量的判定を1つ以上の参照サンプルと比較するステップと、を含む、方法を本明細書に提供する。

いくつかの実施形態では、哺乳動物の創傷における1つ以上の酵素のレベルを検出する方法は、(a)本明細書に記載される創傷包帯材料を哺乳動物の創傷と接触させて配置するステップと、(b)哺乳動物の創傷と接触している創傷包帯材料中のレポーター分子の濃度の定量的判定を得るステップと、(c)定量的判定を1つ以上の参照サンプルと比較するステップと、から本質的になる。

一態様では、哺乳動物の創傷における1つ以上のプロテアーゼのレベルを検出する方法であって、(a)本明細書に記載される創傷包帯材料を哺乳動物の創傷と接触させて配置するステップと、(b)哺乳動物の創傷と接触している創傷包帯材料を1つ以上の参照サンプルと視覚的に比較するステップと、(c)哺乳動物の創傷と接触している創傷包帯材料中のレポーター分子の濃度の定性的判定を得るステップと、を含む、方法を本明細書に提供する。

いくつかの実施形態では、哺乳動物の創傷における1つ以上のプロテアーゼのレベルを検出する方法は、(a)本明細書に記載される創傷包帯材料を哺乳動物の創傷と接触させて配置するステップと、(b)哺乳動物の創傷と接触している創傷包帯材料を1つ以上の参照サンプルと視覚的に比較するステップと、(c)哺乳動物の創傷と接触している創傷包帯材料中のレポーター分子の濃度の定性的判定を得るステップと、から本質的になる。

別の態様では、哺乳動物の創傷における1つ以上のプロテアーゼのレベルを検出する方法であって、(a)本明細書に記載される創傷包帯材料を哺乳動物の創傷と接触させて配置するステップと、(b)哺乳動物の創傷と接触している創傷包帯材料中のレポーター分子の濃度の定量的判定を得るステップと、(c)定量的判定を1つ以上の参照サンプルと比較するステップと、を含む、方法を本明細書に提供する。

いくつかの実施形態では、哺乳動物の創傷における1つ以上のプロテアーゼのレベルを検出する方法は、(a)本明細書に記載される創傷包帯材料を哺乳動物の創傷と接触させて配置するステップと、(b)哺乳動物の創傷と接触している創傷包帯材料中のレポーター分子の濃度の定量的判定を得るステップと、(c)定量的判定を1つ以上の参照サンプルと比較するステップと、から本質的になる。

別の態様では、哺乳動物の慢性創傷を診断するための方法であって、(a)本明細書に記載される創傷包帯材料を哺乳動物の創傷と接触させて配置するステップと、(b)哺乳動物の創傷と接触している創傷包帯材料を1つ以上の参照サンプルと視覚的に比較するステップと、(c)哺乳動物の創傷と接触している創傷包帯材料中のレポーター分子の濃度の定性的判定を得るステップと、を含む、方法を本明細書に提供する。

いくつかの実施形態では、哺乳動物の慢性創傷を診断するための方法は、(a)本明細書に記載される創傷包帯材料を哺乳動物の創傷と接触させて配置するステップと、(b)哺乳動物の創傷と接触している創傷包帯材料を1つ以上の参照サンプルと視覚的に比較するステップと、(c)哺乳動物の創傷と接触している創傷包帯材料中のレポーター分子の濃度の定性的判定を得るステップと、から本質的になる。

別の態様では、哺乳動物の慢性創傷を診断するための方法であって、(a)本明細書に記載される創傷包帯材料を哺乳動物の創傷と接触させて配置するステップと、(b)哺乳動物の創傷と接触している創傷包帯材料中のレポーター分子の濃度の定量的判定を得るステップと、(c)定量的判定を1つ以上の参照サンプルと比較するステップと、を含む、方法を本明細書に提供する。

いくつかの実施形態では、哺乳動物の慢性創傷を診断するための方法は、(a)本明細書に記載される創傷包帯材料を哺乳動物の創傷と接触させて配置するステップと、(b)哺乳動物の創傷と接触している創傷包帯材料中のレポーター分子の濃度の定量的判定を得るステップと、(c)定量的判定を1つ以上の参照サンプルと比較するステップと、から本質的になる。

別の態様では、哺乳動物の創傷を治療するための方法であって、(a)本明細書に記載される創傷包帯材料を哺乳動物の創傷と接触させて配置するステップと、(b)哺乳動物の創傷と接触している創傷包帯材料を1つ以上の参照サンプルと視覚的に比較するステップと、(c)哺乳動物の創傷と接触している創傷包帯材料中のレポーター分子の濃度の定性的判定を得るステップと、(d)哺乳動物に医療処置を施すステップであって、医療処置が、哺乳動物の創傷が慢性であることをレポーター分子の濃度が示す場合にのみ抗菌薬治療を含む、施すステップと、を含む、方法を本明細書に提供する。

いくつかの実施形態では、哺乳動物の創傷を治療するための方法は、(a)本明細書に記載される創傷包帯材料を哺乳動物の創傷と接触させて配置するステップと、(b)哺乳動物の創傷と接触している創傷包帯材料を1つ以上の参照サンプルと視覚的に比較するステップと、(c)哺乳動物の創傷と接触している創傷包帯材料中のレポーター分子の濃度の定性的判定を得るステップと、(d)哺乳動物に医療処置を施すステップであって、医療処置が、哺乳動物の創傷が慢性であることをレポーター分子の濃度が示す場合にのみ抗菌薬治療を含む、施すステップと、から本質的になる。

別の態様では、哺乳動物の創傷を治療するための方法であって、(a)本明細書に記載される創傷包帯材料を哺乳動物の創傷と接触させて配置するステップと、(b)哺乳動物の創傷と接触している創傷包帯材料中のレポーター分子の濃度の定量的判定を得るステップと、(c)哺乳動物の創傷と接触している創傷包帯材料を1つ以上の参照サンプルと比較するステップと、(d)哺乳動物に医療処置を施すステップであって、医療処置が、哺乳動物の創傷が慢性であることをレポーター分子の濃度が示す場合にのみ抗菌薬治療を含む、施すステップと、を含む、方法を本明細書に提供する。

いくつかの実施形態では、哺乳動物の創傷を治療するための方法は、(a)本明細書に記載される創傷包帯材料を哺乳動物の創傷と接触させて配置するステップと、(b)哺乳動物の創傷と接触している創傷包帯材料中のレポーター分子の濃度の定量的判定を得るステップと、(c)哺乳動物の創傷と接触している創傷包帯材料を1つ以上の参照サンプルと比較するステップと、(d)哺乳動物に医療処置を施すステップであって、医療処置が、哺乳動物の創傷が慢性であることをレポーター分子の濃度が示す場合にのみ抗菌薬治療を含む、施すステップと、を含む、方法から本質的になる。

好ましくは、診断および治療は、その場で実施される。したがって、本明細書に記載される実施形態は、容易で非侵襲的な方法で創傷の診断および治療を可能にする。例えば、診断は、実時間で行うことができ、治療は、感染性創傷もしくは患者に(全身的に)適用することができ、創傷治療の進行、例えば、創傷治癒に起因するレポーター分子によって生成される信号の消散を、実時間にわたって観察することができる。

本明細書に記載される構造、材料、組成物、および方法は、本発明の代表的な例であることが意図されており、本発明の範囲は、実施例の範囲によって限定されないことが理解されるだろう。当業者であれば、本発明は開示される構造、材料、組成物、および方法の変形例により実施される場合があり、そのような変形例は本発明の範囲内にあるものとみなされることを認識するだろう。

略語のリスト: 上でおよび本発明の説明の全体にわたって使用される場合、以下の略語は、別段の指示がない限り、以下の意味を有すると理解されるものとする:

以下の実施例に示すポリマーについて、nは、400〜3200から選択される整数である。

実施例1:ポリマー1の調製(CMC繊維を使用して)

カルボキシメチルセルロースナトリウム(NaCMC)繊維(443mg、1.08mmol)を脱イオン水(44ml)中に溶解して、1%溶液を得た。酸性化CMC(CMC−H)を提供するために、Dowex650C単層イオン交換樹脂を追加した。単層を濾過により除去し、次にpHが8〜9になるまで水酸化テトラブチルアンモニウム(TBAH)40%(水溶液)を追加した。得られた溶液を30分間撹拌した後、一晩凍結乾燥させた。凍結乾燥した材料(0.38g)を40mlの乾燥DMF中に窒素下で撹拌し、およそ1時間にわたって穏やかに加熱しながら溶解した。得られた溶液は曇っており、灰白色であった。溶液をおよそ4℃に冷却した。この撹拌溶液に、2−クロロ−N−メチルピリジニウムアイオダイド(CMP−1)(0.33g、1.3mmol)を追加した。この直後に、化合物1−b(0.5g、2mmol)も、3滴の乾燥DCMおよび数滴の乾燥トリエチルアミンと共に追加した。反応混合物を4℃に保持し、3時間撹拌した後、反応混合物は、より暗い略褐色になった。95%アセトン(水溶液)(80ml)をゆっくり追加し、4℃で20分間撹拌し、次に4℃で一晩保持した。得られた白色沈殿物を褐色溶液から濾過した。次に、材料を以下の方法によってアセトンで5回洗浄し、99.5%アセトンを40ml追加し、混合して、およそ1分間超音波処理し、アセトンを濾過して、固体生成物を回収した。これにより、固体で灰白色のスポンジ状の材料が生成された。残りのアセトンを減圧下で除去した。固体をエタノール(20mlx1)で、続いてアセトン(20mlx3)で洗浄した。各洗浄中、洗浄溶液を1分間超音波処理した後、濾過して固体を回収した。固体(化合物1−c)を高真空ロータリーエバポレーター上に45分間配置した。重量=0.288g。FTIR:3360、3320(N−H/O−H)、2875(C−H)、肩部を有する1650(BOCのアミドC=O)、1590(CMCのC=O)。

化合物1−cの溶解度を評価するために、以下の方法を行った: 化合物1−cを質量分析バイアルに秤量した(〜0.0013g/バイアル)。およそ1mlの必要な溶媒をバイアルに追加した。最初に、サンプルを、40℃で1分間穏やかに加熱した後、10秒間超音波処理した後、かつ室温で一晩放置した後に、以下の時点での溶解度について視覚的に評価した。データを以下に示す:xは、不溶性材料を示す。

化合物1−c(0.05g、0.11089mmol)を秤量し、できるだけ小断片に切断した。DCM中の10%TFAを追加し(10ml)、混合物を室温で1時間撹拌した。高真空ロータリーエバポレーターを使用して、揮発性溶媒および試薬を除去した。残りの固体を3回共沸混合物に供し、その沸点を低下させることによってあらゆる残りのTFAを除去し、トルエン(10mlx3)を固体生成物に追加し、撹拌した後、高真空ロータリーエバポレーターを使用して除去し、ポリマー1を灰白色の固体として提供した。重量=0.0524g。FTIR:3326(N−H/O−H)、2891(C−H)、1668(C=Oウレタン伸縮)。元素分析(TFA塩):炭素:予想約43%、実際=38.90%。水素:予想約5.8%、実際=5.43%。窒素:予想約4.4%、実際=0.28%。置換度は、0.28/4.38=0.06である。

ポリマー1の溶解度を、化合物1−cと同様の方法で測定した。データを以下に示す:xは、不溶性材料を示す。

ポリマー1のアミノ化の定性的判定を、ニンヒドリンに基づくカイザー試験を使用して評価した。3つの試薬を調製した:(1)10mlのEtOH中の500mg(0.5g)のニンヒドリン、(2)20mlのEtOH中の80gのフェノール、および(3)ピリジンにより100mLに希釈した2mlの0.001M KCN。ポリマー1のサンプル(10〜20mg)を丸底フラスコ内に配置した。各試薬3〜5滴をフラスコに追加した。フラスコを油浴および還流冷却器を使用して100℃に加熱し、5分間撹拌した。任意の色の変化が、視覚的に観察された。アミンの存在を示す、濃い青色/紫色が検出された。

実施例2:ポリマー2の調製

Fmoc−Phe−OH(0.0267g、0.069mmol)、HBTU(0.0262g、0.069mmol)、DIPEA(0.015ml、0.090mmol)、および乾燥DMF(0.82ml)の溶液を調製した。15mlのプラスチック分離カラムを10μmのポリエチレンフリットで設定し、ルアーチップを付着させた。ポリマー1(0.034g、0.097mmol)を、続いてアミノ酸溶液を、カラムに追加した。蓋をカラム上に配置し、さらにパラフィルムで密封した。カラムを血液ローター上に室温で一晩配置した。減圧を使用して溶液を排出し、固体生成物をEtOHで洗浄して、ポリマー2を白色固体として提供した。重量=0.0266g。カイザー試験を使用して、末端アミンが存在しないことを確認した。FTIR:3324(N−H/O−H)、3281(O−H)、2898(C−H)、1720(芳香族C=O)、1666(C=Oウレタン伸縮)、1660、(FmocのC=Oアミド伸縮)。

ポリマー2の溶解度を、化合物1−cと同様の方法で測定した。データを以下に示す:xは、不溶性材料を示す。

実施例3:ポリマー3の調製

ポリマー2をピペリジン:DMF(1:4v/v、6ml)の溶液中におよそ2時間配置した。次に、得られた脱保護生成物をEtOHで洗浄した後、カイザー試験を実施して、遊離アミンの存在を確認した。この脱保護生成物(0.080g、0.15mmol)を、10μmのポリエチレンフリットおよびルアーチップで設定した15mlのプラスチック分離カラムに追加した。Fmoc−Phe−OH(0.063g、0.16mmol)、HBTU(0.062g、0.16mmol)、DIPEA(0.23ml、1.8mmol)、および乾燥DMF(6ml)の溶液を調製し、カラムに追加した。蓋をカラム上に配置し、さらにパラフィルムで密封した。カラムを血液ローター上に室温で一晩配置した。減圧を使用して溶液を排出し、固体生成物をEtOH(10mlx3)で洗浄して、カップリング生成物を赤色固体として提供した。重量=0.0691g。カイザー試験を使用して、末端アミンが存在しないことを確認した。カップリング生成物をDCMで洗浄した。FTIR:3315(N−H/O−H)、2866(C−H)、1730(芳香族C=O)、1651+肩部(C=O、Fのアミド)および/または(F−FmocのC=Oアミド伸縮)、1587(C=Oウレタン伸縮)。

Fmoc基を除去するために、カップリング生成物をピペリジン:DMF(1:4v/v、6ml)の溶液中におよそ2時間配置した。次に、得られた脱保護生成物をEtOH(10mlx3)およびDCM(10ml)で洗浄して、ポリマー3を脆い赤色固体として提供した。重量=0.0638g、収率=62%。カイザー試験を使用して、末端アミンの存在を確認した。FTIR:3315(N−H/O−H)、2866(C−H)、1730極小ピーク(芳香族C=O)、1651肩部なし(C=O、Fのアミド)、1587(C=Oウレタン伸縮)。[注:FTIRは、少量のFmocが最終生成物上に残っていることを示唆する]。

実施例4:ポリマー4の調製 中間体4−cの合成

Fmoc−Lys−OH・HCl(0.0405g、0.100mmol)を丸底フラスコ中に配置し、1,4−ジオキサン:10%K2CO3(水溶液)(3ml)の5:2混合物を滴下で追加した。混合物を撹拌し、塩化メチレン(0.033g、0.10mmol)を混合物に追加し、次に室温で一晩雰囲気に開放した。溶液を150mlの水で希釈した。層を分離し、水層をジエチルエーテル(10mlx3)で抽出した。合わせた有機層を乾燥させ、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(10:90のMeOH/DCM)を使用して、粗材料を精製し、化合物4−cを提供した。1H NMR(400MHz、CD3ODを滴下したCDCl3)8.55、7.79、7.65、7.52、7.26、7.17、6.69、6.59、5.19、5.06、4.78、4.28、4.17、4.08、3.97、3.57、3.55、3.35、3.05、2.87、2.14、1.99、1.63、1.41、1.21、0.83、0.03。

ポリマー4の合成

化合物4−c(0.0160g、0.024mmol)、HBTU(0.00925g、0.0244mmol)、DIPEA(0.23ml、1.8mmol)、および乾燥DMF(6ml)の溶液を調製した。15mlのプラスチック分離カラムを、10μmのポリエチレンフリットおよびルアーチップで設定した。ポリマー3(0.0230g、0.084mmol)を、続いてアミノ酸溶液を、カラムに追加した。蓋をカラム上に配置し、さらにパラフィルムで密封した。カラムを血液ローター上に室温で一晩配置した。減圧を使用して溶液を排出し、固体生成物をEtOH(10mlx3)で洗浄して、カップリング生成物を赤色固体として提供し、これをDCMで洗浄した。カイザー試験を使用して、末端アミンが存在しないことを確認した。FTIR:3346(N−H/O−H)、2912(C−H)、1730(DabsylのC=C芳香族)、1652(C=O、アミノ酸のアミド)、1591(C=Oウレタン)。

カップリング生成物をピペリジン:DMF(1:4v/v)(6ml)の溶液中におよそ2時間配置した。次に、得られた脱保護生成物をEtOH(10mlx3)で、続いてDCM(10ml)で、洗浄して、ポリマー4を赤色/褐色の脆い固体として提供した。重量=0.0368g、収率=56%。カイザー試験を実施して、末端アミンの存在を確認した。FTIR:3335(N−H/O−H)、2918(C−H)、1651(C=O、アミノ酸のアミド、またはFmoc)、1589(C=Oウレタン)。

実施例5:ポリマー5の調製(粉末CMCを使用)

DoS 0.7(2.0g、8.33mmol)のナトリウムカルボキシメチルセルロース(NaCMC)を脱イオン水(180mL)中に溶解して、1%溶液を得た。Dowex650C単層イオン交換樹脂を、10分間撹拌しながら追加した。単層を濾過によって除去した後、pHが8〜9(3.5mL、36.14mmol)になるまで、水酸化テトラブチルアンモニウム(TBAH)40%(水溶液)を、0.1mLのアリコート中に追加した。得られた溶液を30分間撹拌した後、7日間凍結乾燥した。

凍結乾燥した材料を窒素雰囲気下で乾燥DMF(240mL)中に溶解し、撹拌して、およそ2時間にわたって穏やかに加熱することが必要であった。溶液をおよそ4℃に冷却した後、激しく撹拌しながら、2−クロロ−N−メチルピリジニウムアイオダイド(CMP−1)(1.5g、5.8mmol)を追加した。2,2’−(エチレンジオキシ)ビス(エチルアミン)(1.3567g、9.17mmol)を、乾燥トリエチルアミン(5mL)と共に反応物に追加した。反応物を4℃に保持し、最低3時間撹拌した後、95%エタノール(水溶液)(80mL)を追加して、4℃で10分間撹拌した。99%アセトン(200mL)を撹拌しながらゆっくり追加して、生成物を沈殿させ、これを濾過し、アセトン(3x200mL)で洗浄した。生成物を真空中で濃縮して、灰白色の固体を得た。重量=1.908g、収率=68%。FTIR:(v最大/cm−1)3267(N−H/O−H)、2916/2873(C−H)、1739(アセトン)、1650(C=O、カップリング生成物のアミド)、1588(CMCのC=O)、1401/1314/1257/1037。13C CP MAS NMR:CMC 0.7 DoS(出発物材料):δC(13,000Hz、CP MAS)61.7(C6)、74.5(C7、C2、C5)、82.5(肩部、C3)、97.0(C4)、103.3(C1)、177(C=O);CMC−PEGジアミン:δC(13,000Hz、CP MAS)13.4(C14)、20.1(割り当てなし)、23.4(割り当てなし)、30.6(C9)、61.7(C6)、70(肩部、C7)、74.5(C2、C5)、82.5(C3)、95(C4)、103.3(C1)、113(割り当てなし)、142(割り当てなし)、152(割り当てなし)、169.7(リンカーのC=O)、177.1(CMCのC=O)。元素分析:原料のDoSが0.7:質量306g/molであった場合の生成物の予想:C 45%、H 7%、N 6%;(d)実際:C 43%、H 7%、N 4%。したがって、全てのモノマーのうちのおよそ47%が置換され、これよりリンカー基を含有する。定性的カイザー試験:陽性であり、遊離アミンの存在を示す。570nmで得られたUVデータは、バリンに基づく較正曲線によると、4.6μmolのアミンと等価であった。

ポリマー5の溶解度を、化合物1−cと同様の方法で測定した。データを以下に示す:xは、不溶性材料を示す

実施例6:ポリマー6の調製

ポリマー5を乾燥DMF(6mL)中に20分間濾過管に浸漬した。化合物4−c(0.0416g、0.063mmol)およびHBTU(0.2893g、0.8571mmol)をDIPEA(0.2mL、0.8571mmol)と共に追加した。管を固定し、実験用ミキサーで室温で一晩回転させた。上清を濾過し、残りの固体をDMF(3x3mL)およびメタノール(3x5mL)で洗浄した後、真空中で乾燥させた。重量=0.1285g(収率45%)。カイザー試験を使用して、遊離アミンの存在を確認した。FTIR:3313(N−H、O−H)、2862(O−H)、1747(アミドのC=O)、1587(CMCのC=O)、1404/1315/1023。元素分析:炭素:予想51%、実際=40%。水素:予想5%、実際=6%。窒素:予想5%、実際=4%。

ポリマー6の溶解度を以下の方法で検査した。少量のポリマー6を2つの別個のガラス底ペトリ皿内に配置した。材料をpH4の一般実験用緩衝液またはpH9のK2HPO4/MgCl2緩衝液(各20μL)のいずれかで飽和させた。各々を、Zeiss Axioimager光学顕微鏡x10倍光学レンズ+眼球上の倍率10倍の下で見た。

両方のサンプルとも、緩衝液と接触してヒドロゲルを形成した。顕微鏡下で、粉末凝集体は、ゲル化しており、Dabsylの赤色を含有するようであった。いくつかの領域は、他の領域よりも色が濃縮されていたが、色分布は、サンプルにわたって見られた。この実験を、出発材料化合物4−cおよびポリマー5について繰り返した。ポリマー5のサンプル中には色が見えず、ヒドロゲル粉末構造が観察された。化合物4−cのサンプルは、全体にわたって赤色であり、ヒドロゲルを形成しなかった。

実施例7:ポリマー7の調製

脱イオン水(200mL)中に、カルボキシメチルセルロースナトリウム(NaCMC)粉末(2.0mg、8.3mmol、DoS=0.7)を、撹拌しながら60秒間超音波処理し、穏やかに30分間かけて加熱しながら溶解した。撹拌しながら、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(EDC)(1.92g、10.01mmol)を溶液に追加した。pHは8であることが判明し、1.0M HCl(3滴)を追加して、pH=6に調節した。L−システイン(0.50g、4.1mmol)を、撹拌しながら反応物に追加した。次に、pHは8であることが判明し、再びpH6(約1mL)に到達するように、HClを使用して調節した。反応物を撹拌して一晩放置した後、1M HCl(700mL)、次に1M HCl+1%NaCl(700mL)、次に0.5M HCl(700mL)に対して透析を実施し(12−14KDa Medicell透析膜)、それらの各々を10℃で60分間暗所で実施した。得られた溶液を凍結乾燥して、ポリマー7を提供した。FTIR:3296(N−H、O−H)、2972/2930(C−H)、2733(小)、2522(CのS−H)、2089(v小)、1730(CysのC=O酸)、1681(アミド)、1633(CMCのC=O)、1469(肩部)、1382/1346/1221/1107、1051。13C CP MAS NMR:14(C11)、18(割り当てなし)、24(割り当てなし)、43(C9)、58(割り当てなし)、62(C6)、74(C2、3、5、7)、82(C4)、103(C1)、173(アミドのC8カルボニル)。元素分析:原料のDoSが0.7:質量299g/molであった場合の生成物の予想:C 40%、H 6%、N 3%、S 6%、実際:C 34%、H 8%、N 8%、S 1.4%。したがって、全てのモノマーのうちの約16%は、リンカー基を含有する。

ポリマー7の溶解度を、化合物1−cと同様の方法で測定した。ポリマー7は、水、DMF、アセトン、MeOH、EtOH、およびDCM中に不溶性であることが判明した。

実施例8:ポリマー8の調製

ポリマー5(1.00g、2.86mmol)を微粉に粉砕し、DMF(25ml)と20分間混合した。室温で撹拌しながら、Fmoc−Cys(StBu)−OH(3.7g、8.6mmol)、HBTU(2.87g、8.57mmol)、およびDIPEA(1.10ml、8.57mmol)を追加し、空気に開放した(一晩の混合を促進するために、遠心管および実験用ローターを使用した)。混合物を30秒間超音波処理した後、一晩撹拌することを可能にした。固体を濾過し、DCM(20mLx5)およびMeOH(20mLx5)で洗浄した。得られた生成物を真空中で乾燥させて、化合物8−bを灰白色の固体として提供した。13C CP MAS NMR:20(割り当てなし)、30(C9)、32(C19)、39(C10、11、12、13)、47(C18、22)、55(C16)、61(C6)、70−74(広い、C2、3、5、7)、82(肩部、C4)、92(C17)、96(割り当てなし)、103(C1)、120(C24)、127(C25、26、27 )、141(C28)、145(肩部、C23)、157(C20、C=Oカルバメート)、171(アミドのC8カルボニル)、177(CMCのC8カルボニル)、191(割り当てなし)、221/227(可能な汚染物質)。

化合物8−b(0.5g)をピペリジン:DMF(20:80v/v)(10ml)の溶液中の実験用ローター上におよそ2時間配置した。次に、得られた脱保護生成物を、EtOH(50mLx3)およびDCM(50mLx3)で洗浄して、灰白色の固体として化合物8−cを提供した。この過程を繰り返して、Fmoc基を完全に除去した。

化合物8−c(0.30g、0.54mmol)を丸底フラスコに追加し、窒素ガスでパージした。トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)(0.307g、1.07mmol)を脱イオン水(1.3ml)中に溶解し、MeOH(2.6ml)と共に撹拌しながら反応物に追加した。本システムを室温で1時間撹拌しながら窒素下で保持した後、濾過し、以下の溶液:2:1MeOH/水(90ml)、1:2MeOH/水(90ml)、100%水(90ml)、100%MeOH(90ml)で洗浄した。得られた固体を真空中で乾燥させて、ポリマー8を灰白色の固体として提供した。この過程を繰り返して、ジスルフィドを完全に還元した。13C CP MAS NMR:30(C9、19)、39(C10、11、12、13)、47(C18、22)、54(C16)、60(C6)、70−74(広い、C2、3、5、7)、82(肩部、C4)、92(C17)、97(割り当てなし)、102(C1)、120(C24)、127(C25、26、27)、141(C28)、156(C20、C=Oカルバメート)、171(アミドのC8カルボニル)、177(CMCのC8カルボニル)、191(割り当てなし)、221(割り当てなし)。元素分析:原料のDoSが0.7:質量390g/molであった場合の生成物の予想:C 43%、H 6%、N 6%、S 5%、実際:C 46%、H 7%、N 4%、S 3.5%。したがって、全てのモノマーのうちのおよそ50%は、リンカー基を含有する。

実施例9:ポリマー9の調製

ポリマー5(1.0g、2.714mmol)を穏やかに加熱し、撹拌し、超音波処理しながら、PBS(25mL)に分散させた。反応容器を窒素ガスでパージした。Traut試薬(0.600g、4.304mmol)のPBS(50mL)中の溶液に、EDTA(0.044g、0.15mmol)を追加した。いったん完全に溶解したら、この溶液を反応混合物に追加し、これを窒素雰囲気下で室温で1時間撹拌した。得られた生成物を濾過によって分離し、PBS(3x10mL)およびメタノール(3x10mL)で洗浄した。次に、白色/灰白色の粉末状固体生成物を真空中で乾燥させ、窒素下で保存した。重量=1.2413g(91%)。Ellman試験からの黄色は、いくらかの遊離チオールが未反応の残りの出発物質中にまだ存在していたことを示す。定量性試験では、およそ0.06mmol/gのS−H基が存在した。FTIR:3315(N−H/O−H)、2957/2934/2870(C−H)、1644(C=O、カップリング生成物のアミド)、1593(CMCのC=O)、1412/1322/1022。2059cm−1でのS−Hに対して、非常に小さいピークがあった。δC(13,000Hz、CP MAS):176.7(C8、CMCのC=O)、172.2(C8、アミドのC=O)、156.0(C15、小ピーク)121.0、103.0(C1)、81.3(C7、肩部)、74.4(C2、C3、C4、C5)、61.7(C6)、38.9+肩部(C9、C10、C11、C12、C13、C14)。元素分析:原料のDoSが0.7:質量414gmol−1であった場合の生成物の予想:C 43%、H 7%、N 6%、S 4%。実際:C 40%、H 7%、N 4%。したがって、全てのモノマーのうちのおよそ47%は、リンカー基を含有する。

実施例10:ポリマー10の調製

ポリマー9(0.150g、0.316mmol)を丸底フラスコに秤量し、窒素でパージした。エルマン試薬(0.375g、0.947mmol)をPBS(20mL)中に溶解し、ポリマー9に追加した。反応物を室温で2時間撹拌した。中間体のジスルフィド生成物10−aを濾過し、PBS(3x20mL)およびメタノール(1x20mL)で洗浄した後、真空中で乾燥させて、中間体10−aを淡白/黄色粉末状固体として生成した。重量=0.133g(収率60%)。Ellman試験からの黄色は、いくらかの遊離チオールが未反応の残りの出発物質中にまだ存在していたことを示す。定量的試験では、およそ0.33mmol/gのS−H基が存在した。FTIR:3310(N−H/O−H)、2911/2875(C−H)、1727(C=Oカルボン酸)、1648(C=O、カップリング生成物のアミド)、1592(CMCのC=O)。およそ2059cm−1でのS−Hに対して、非常に小さいピークがあった。δC(10,000Hz、CP MAS):222.37(スピニング側バンド)、172.5の肩部(C8、CMCのC=O)、172.5(C8、アミドのC=O、エルマン試薬上の酸基のいくらかの可能性もある)、156.0(C15、小ピーク)123.7(スピニング側バンド)、144.5(エルマン試薬の芳香族領域)、103.0(C1)、96.79、82.25(C7、肩部)、74.5(C2、C3、C4、C5)、61.4(C6)、39.3+肩部(C9、C10、C11、C12、C13、C14)、32.2鋭いピーク(汚染物質の可能性あり)。元素分析:原料のDoSが0.7:質量553gmol−1であった場合の予想:C 43%、H 6%、N 6%、S 6%。実際:C 39%、H 6%、N 4%、S 1.45%。したがって、全てのモノマーのうちのおよそ17%は、リンカー基を含有する。

中間体のジスルフィド生成物10−a(0.1g、0.1422mmol)、メルカプト安息香酸(0.11g、0.7112mmol)およびメタノール:水(4:1の比、5mL)を合わせ、窒素雰囲気下室温で2時間撹拌した。得られた生成物を濾過し、メタノール(3x10mL)、DCM(3x10mL)で洗浄し、さらにメタノール(3x10mL)で洗浄した後、真空中で乾燥させて、ポリマー10を黄色固体粉末として生成した。重量=0.0821g(収率87%)。Ellman試験からの強い黄色は、いくらかの遊離チオールが未反応の残りの出発物質中にまだ存在する可能性があることを示す。定量的試験では、およそ2.97mmol/gのS−H基が存在した。FTIR:3293(N−H/O−H)、2910/2881/2849(C−H)、1718(C=Oカルボン酸)、1638(C=O、カップリング生成物のアミド)、1586(CMCのC=O)、1553。δC(10,000Hz、CP MAS):177.4(C8、CMCのC8、C=O)、171.9(C8、アミドのC=O、安息香酸の酸基のうちのいくらかである可能性もある)、130/143の小さく広いピーク、102.7(C1)、96.79、81.6(C7、肩部)、74.1(C2、C3、C4、C5)、62.5(C6)、39.0+肩部(C9、C10、C11、C12、C13、C14)、32.1鋭いピーク(汚染物質の可能性あり)。元素分析:原料のDoSが0.7:質量520gmol−1であった場合の生成物の予想:C 44%、H 6%、N 6%、S 6%。実際:C 37%、H 6%、N 3%。

さらなる洗浄シーケンスを水中で実施し、膨潤した(ヒドロゲル状の)状態で任意の副生物が構造体から確実に洗浄されるようにした。pH9リン酸緩衝液(100mL)、脱イオン水(20mL)、pH9リン酸緩衝液(5mL)、および最後にメタノール(20mL)を使用して、固体を洗浄し、次にこれを真空中で乾燥させて、ポリマー10を白色/クリーム色の固体粉末として提供した。重量=0.0482g(収率51%)。Ellman試験からの淡黄色は、いくらかの遊離チオールが未反応の残りの出発物質中にまだ存在する可能性があることを示す。定量的試験では、およそ0.31mmol/gのS−H基が存在した。FTIR:3267(N−H/O−H)、2904/2866(C−H)、2119小ピーク(S−H)、1638(C=O、カップリング生成物のアミド)、1587(CMCのC=O)、1547。元素分析:原料のDoSが0.7:質量520gmol−1であった場合の生成物の予想:C 44%、H 6%、N 6%、S 6%。実際:C 38%、H 6%、N 3%、S 0.65%。

ポリマー9および10の溶解度を、化合物1−cと同様の方法で測定した。データを以下に示す:xは、不溶性材料を示す

実施例11:ポリマー11の調製

撹拌子を用いて25mLのRBFにアミノフェニルフルオレセイン(0.005g、0.0180mmol)、HBTU(0.0136g、0.036mmol)、およびポリマー5(0.013g、0.036mmol)を追加し、N2(g)でパージした。乾燥DMF(5mL)を追加し、この反応物を、光から保護するために、箔で覆って一晩室温で撹拌した。反応溶液を濾過管を通して濾過し、DMFで数回洗浄した。上清は、オレンジ色を維持し、それを洗浄物と共に保持し、真空中で乾燥させた。固体生成物を回収し、真空下で乾燥させた。カップリングを最大にするために、上清および洗浄液がいくらかオレンジ色を帯びることを仮定して、上清および洗浄液から回収した固体を使用して、反応を繰り返した。重量=0.012g(収率43%)。FTIR:3367(N−H/O−H)、2932(C−H)、1702、1655(C=O、アミド)、1555肩部(CMCのC=O)、1494(APFの芳香族C−C)、1437/1413/1387/1308、1194(C−C)、1106(APFのC−O)、838(平面C−H曲げ外の芳香族)。

実施例12:ポリマー12の調製

最初に、形成された任意のジスルフィド結合を脱カップリングするために、ポリマー8をTCEPで処理した。TCEP(0.0243g、0.0848mmol、4当量)を水1mLに溶解し、ポリマー8(0.01g、0.0212mmol)に追加し、室温で30分間撹拌した。固体を濾過し、水(3x10mL)で洗浄し、凍結乾燥させて固体の灰白色/クリーム色の粉末を得、次にこれをDMF(3x10mL)で洗浄した。

化合物12−a(0.0108g、0.0212mmol、1当量)を3mLの乾燥DMF中に溶解し、N2(g)でパージしたポリマー8に追加した。この反応物を、光から保護するために、箔で覆って一晩室温で撹拌した。一晩撹拌した後、反応混合物は、赤色になり、濾過すると、非常に少量の白色固体材料(0.0022g)のみが回収された。溶液相を真空中で濃縮して、粗ポリマー12を赤色ワックス状固体として提供した。

生成物および出発材料が粗ポリマー12中に存在する可能性があり、したがって粗材料をさらに精製するために、洗浄液が必要であった。混合物は、ヘキサン、エタノール、およびクロロホルム中に不溶性であった。しかしながら、脱イオン水に浸漬し、穏やかに加熱し、超音波処理すると、上清は、オレンジ色になり、おそらく出発材料化合物12−aであった。この溶液を、以下のステップ5回:(1)脱イオン水(5mL)の追加、(2)撹拌しながらの穏やかな加熱、(3)1分間の超音波処理の3回の繰り返し、および(4)濾過カラムおよびフリットフィルターを通した濾過、に供した。さらに50mLの脱イオン水を固体サンプルを通して洗浄した。次にこれを濾過し、一晩凍結乾燥させて水を除去した。生成物の重量:0.01701g(収率85%)。FTIR:3347(N−H/O−H)、2915/2851(C−H)、1756(エステルのC=O/フルオレセインのC=O)、1716(エステルのC=O/フルオレセインのC=O)、1643(C=O、カップリング生成物のアミド)、1608(CMCのC=O/芳香族C=C伸縮)、1492(芳香族C=C伸縮)、1369(エステルのC−O伸縮)、1246(C−O伸縮)、1152(t−OH)、1110(エステルのC−O/−OH)、842(平面C−H曲げ外の芳香族)。

ポリマー12の酵素効率 酵素効力を、PBS(0.99mL)中の純粋なエステラーゼ(0.01mL)を混合することによって到達されるエステラーゼ(約50単位/mLで検査した。

蛍光顕微鏡法は、ポリマー12のサンプルと対照サンプル(酵素を含まないPBS中のポリマー12)との間に明確な観察可能な蛍光の差を示し、付着したフルオレセインからエステル基を放出するための酵素によるポリマーへの活性があることを実証した。

共焦点顕微鏡の使用は、ポリマー12と対照サンプルとの間の蛍光の差の視覚化をもたらした。顕微鏡設定:スマートゲイン=716v、スマートオフセット=−2.1%、倍率=x20、ピンホールサイズ=105.05μm。

酵素効力を定量化し、正確に判定するために、96ウェルプレートおよびプレートリーダー(励起を485nmに設定し、発光を590nmに設定し、かつゲインを1500に設定した、Fluostar Optima BMG Labtech)を使用して、さらなる実験を設定した。ポリマー12を320μLのPBS中に分散させ、ボルテックス混合した。40μLの懸濁液を8個のウェルに分注し、測定値をベースライン読み取り値とした。以下の溶液:PBS(弱酵素溶液)中のエステラーゼ58単位/mL、PBS(強酵素溶液)中のエステラーゼ116単位/mL、1M NaOH(水溶液)を調製した。

N=2ウェルは、40μLのPBSを試験分散液内に追加(対照群)しただけであった。

N=2ウェルは、40μLの弱酵素溶液を試験分散液内にピペット注入した。

N=2ウェルは、40μLの強酵素溶液を試験分散液内にピペット注入した。

N=2ウェルは、40μLの1M NaOH溶液を試験分散液内にピペット注入した。

最後のウェルに追加した直後に、別の蛍光読み取り値を記録し、その後、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、および60分後に記録を行った。次に、24時間後の読み取り値を得るために、プレートを覆い、一晩放置した。しかしながら、蛍光検出器は、その限界に到達しており、したがってこの時点で有意な結果に到達されなかった。表2および図1は、各時点での蛍光読み取り値からベースライン読み取り値を引いたもの(粒子懸濁液のみ)を示す。 表2

陰性対照群によって放出される蛍光は、1時間にわたってわずかに増加する。

予想どおり、弱エステラーゼ溶液および強エステラーゼ溶液に対する蛍光は、経時的に増加する。強エステラーゼ溶液は、約30分(機械の飽和点は、65000)で機器によって測定することができる最大蛍光強度に到達しているようである。図1は、最大30分間の強エステラーゼのプロットを示し、60分間全体にわたるこれおよび弱エステラーゼの傾向線をプロットしている。

この実験の後、各溶液(n=1のみ)をそのウェルからピペットで取り出し、裸眼で検査するために、ガラス底の顕微鏡内にピペット注入した。また、それを長い波長設定に設定されたUVチャンバ内に配置し、画像を捕捉した(図2a〜c)。

まとめると、この証拠は、合成方法が成功し、酵素切断ステップが、蛍光分光法によって定量化できる陽性反応を与えることを示唆する。ポリマー12のサンプルは、エステラーゼを追加しなくても蛍光を発しており、これはおそらく、カップリングが少し過度になされたことを示唆する。

実施例13:ポリマー13の調製(CMC繊維を使用)

DoSがおよそ0.2−0.3(1.97g、8.33mmol)のNaCMC繊維(2xAQUACEL包帯10x10cm)を手で小さく開いた繊維に分割し、エタノール/脱イオン水(80:20v/v)(180mL)中に分散させた。酸性化CMC(CMC−H)を提供するために、Dowex650C単層イオン交換樹脂を追加し、およそ30分間混合した。単層を濾過によって注意深く除去し、次にpHが8〜9になるまで、水酸化テトラブチルアンモニウム(TBAH)40%(水溶液)を追加した。得られた溶液を30分間撹拌した後、真空中で濃縮した。乾燥した材料を乾燥DMF(150mL)中に窒素下で溶解した。一晩撹拌することが必要であり、得られた溶液は、透明/黄色で非常に粘性であった。粘度を低下させるために、乾燥DMF(100mL)をさらに追加し、混合物を約4℃に冷却し、撹拌した後、2−クロロ−N−メチルピリジニウムアイオダイド(CMP−1)(1.4875g、5.8mmol)を追加した。この後直ぐに、乾燥トリエチルアミン(5mL)と共に、化合物5−b(1.3567g、9.17mmol)を追加した。反応物を4℃に保持し、一晩撹拌した。固体を濾過し、次にアセトン(3x100mL)、次にDMF(3x100mL)で洗浄し、洗浄ステップ中に、繊維が洗浄溶液中に分散するのを促進するために、超音波処理を実施した。固体を真空中でさらに乾燥して、ポリマー13を灰白色のふわふわした/粉末繊維として得た。重量=1.8365g(収率60%)。カイザー試験を使用して、末端アミンの存在を確認した(3.08μmolのアミンに相当する570nmでの読み取り値)。SS NMR:δ(10,000Hz、CP MAS)176.9(C=O)153.4、142.4、104.1(C1)、96.8(C4)、83.6(C3)、74.2(C7、C2、C5)、69.4(C6)、61.9(C6、肩部)。FTIR:3325(N−H/O−H)、2872(C−H)、1648(C=O、カップリング生成物のアミド)、1589(CMCのC=O)、1543、1408/1367/1265/1022。元素分析:原料のDoSが0.7:質量318gmol−1であった場合の生成物の予想:C 45%、H 7%、N 6%。実際:C 42.5%、H 7%、N 3%。したがって、全てのモノマーのうちのおよそ35%は、リンカー基を含有する。

ポリマー13の溶解度を、化合物1−cと同様の方法で測定した。データを以下に示す:xは、不溶性材料を示す。

実施例14:ポリマー14の調製

ポリマー13(0.250g、1.396mmol)を、窒素雰囲気下でRBフラスコ中に配置した。化合物14−a(90mg、0.679mmol)を窒素雰囲気下で乾燥DMF(5mL)中に溶解し、撹拌しながらポリマー13に追加した。反応混合物を、窒素雰囲気下で室温で90分間撹拌した後、濾過し、DMF(5x5mL)およびメタノール(5x5mL)で洗浄した。生成物を真空中で濃縮して、ポリマー14を灰白色の粉末状の固体として得た。重量=0.1852g(収率52%)。カイザー(Kaiser)試験を使用して、末端アミンの存在を確認した(1.86μmolのアミンに相当する570nmでの読み取り値)。FTIR:3251(N−H/O−H)、2915/2874(C−H)、1649(C=O、カップリング生成物のアミド)、1583(CMCのC=O)、1405/1316/1262/1020。元素分析:原料のDoSが0.7:質量519gmol−1であった場合の生成物の予想:C 48%、H 5.8%、N 5.6%。実際:C 42.8%、H 6.95%、N 4.25%。したがって、全てのモノマーのうちのおよそ53%は、リンカー基を含有する。

ポリマー14の溶解度を、化合物1−cと同様の方法で測定した。データを以下に示す:xは、不溶性材料を示す。

実施例15:ポリマー15の調製

ポリマー5−a(2.0gのNaCMCを使用して、実施例5と同様に調製)を、窒素下で乾燥DMF(150mL)に溶解した。透明な溶液を提供するために、1分間の超音波処理の複数回のサイクルに加えて、約2時間にわたって〜50℃までの撹拌および加熱が必要であった。この溶液を〜4℃に冷却し、撹拌した後、2−クロロ−N−メチルピリジニウムアイオダイド(CMP−1)(1.4875g、5.8mmol)を追加した。この溶液は、ビスコース「ゼリー」となって、激しく混合され、さらに20mLの乾燥DMFが追加され、これはゲルを分解および希釈した。この直後に、乾燥トリエチルアミン(5mL)と共に、4、7、10−トリオキサ−1、13−トリデカンジアミン(12.02g、2.02mL、9.17mmol)を追加した。反応物を4℃に保持し、一晩撹拌した。アセトン(100mL)を4℃に冷却し、反応混合物を、撹拌しながらゆっくりと滴下した。混合物を20mLのアリコートで濾過して、透明な白色ゲル状の固体を得た。この固体をアセトン(3x100mL)、エタノール(3x100mL)、水(1x100mL)、ヘキサン(1x100mL)、次に再び水(1x100mL)で洗浄した後、およそ15分間濃縮した。得られた生成物を3日間にわたって凍結乾燥して、ポリマー5−aを軽くふわふわした固体として提供した。重量=1.794g(収率49%)。カイザー(Kaiser)試験を使用して、末端アミンの存在を確認した(1.86μmolのアミンに相当する570nmでの読み取り値)。13C NMR(101MHz、なし)δ176.51(C8,CMCのC=O)、171.09(C8、アミドのC=O)、163.79(新規ピーク)、153.15、143、12、103.40(C1)、82.39(C7)、75.81/73.99/70.07(C2、C3、C4、C5)、60.81(C6)、42.54/36.84(C11、C12、C13、C14、C15、C16)、31.45(C9、C14)、28.25。FTIR:3239(N−H/O−H)、2865(C−H)、1650(C=O、カップリング生成物のアミド)、1586(CMCのC=O)、1404/1388/1315/1256/1053でのピーク。元素分析:原料のDoSが0.7:質量369gmol−1であった場合の生成物の予想:C 47.5%、H 7%、N 4%。実際:C 45.5%、H 7.4%、N 5.1%。したがって、全てのモノマーのうちのおよそ87.5%は、リンカー基を含有する。

実施例16:ポリマー16の調製

ポリマー15(1.000g、2.273mmol)を微粉に粉砕し、DMF(15mL)と20分間混合した。室温で撹拌しながら、化合物8−a(1.14g、2.639mmol)、HBTU(2.59g、6.82mmol)、およびDIPEA(1.19mL、6.82mmol)を追加し、空気に開放した(一晩の混合を促進するために、遠心管および実験用ローターを使用した)。混合物を30秒間超音波処理した後、一晩撹拌することを可能にした。固体を濾過し、DCM(5x20mL)およびメタノール(5x20mL)で洗浄した。得られたカップリングした中間体を真空中で乾燥させた。この中間体(850mg)を、ピペリジン:DMF(20:80v/v)(20mL)の溶液に追加し、混合物を1時間撹拌するために、窒素ガスでバブリングした後、固体を濾過し、エタノール(3x50mL)およびDCM(3x50mL)で洗浄した。次に、この過程を繰り返し、アミン中間体を真空中で乾燥させた。このアミン中間体をRBフラスコに追加し、窒素ガスでパージした。TCEP(428mg)を脱イオン水(2.6mL)中に溶解し、撹拌しながらアミン中間体に追加し、続いてメタノール(5.2mL)を追加した。このシステムを、室温で1時間撹拌しながら窒素下で保持した後、濾過し、以下の溶液:2:1メタノール:水(90mL)、100%水(90mL)、1:2メタノール:水(90mL)、100%水(90mL)、100%メタノール(90mL)で洗浄した。得られた固体を真空中で乾燥させて、ポリマー16を灰白色の粉末状の固体として提供した。重量=0.3537g(収率30%)。Ellman試験からの黄色は、遊離チオールが存在していたことを示す。FTIN:3349(N−H/O−H)、2917/2872(C−H)、1716(アセトン)、1650(C=O、カップリング生成物のアミド)、1593(CMCのC=O)、1539,1438/1313/1255/1028。δC(10,000Hz、CP MAS):171.8(C8、C19)156.5(Fmocの残留C=O)、142.3(Fmocの残留CHAr)、127.9(Fmocの残留CHAr)、120.08、103,3(C1)、82.6(C7)、74.5(C2、C3、C4、C5)、69.9(x)、61.5(C6)、49.5(C20)、36.37(C9、C18、C21)、29.52(C10−18)元素分析:原料のDoSが0.7:質量440.7gmol−1であった場合の生成物の予想:C 45%、H 7%、N 5.4%、S 4.1%。実際:C 47.1%、H 6.74%、N 4.11%、S 0.80%。したがって、全てのモノマーのうちのおよそ20%は、リンカー基を含有する。

溶解度評価は、ポリマー16がpH9緩衝液(K2HPO4/MgCl2)中にヒドロゲルを形成することを示す。

実施例17:ポリマー17の調製

最初に、形成された任意のジスルフィド結合を脱カップリングするために、ポリマー16をTCEPで処理した。TCEP(0.1685g、0.196mmol、4当量)を、水1mL中に溶解し、ポリマー16(0.0754g、0.147mmol)に追加し、室温で30分間撹拌した。固体を濾過し、水(3x10mL)で洗浄し、凍結乾燥させて固体の灰白色/クリーム色の粉末を得、次にこれをDMF(3x10mL)で洗浄した。

化合物12−a(0.0250g、0.049mmol、1当量)を2mLの乾燥DMF中に溶解し、N2(g)でパージしたポリマー16に追加した。この反応物を、光から保護するために、箔で覆って一晩室温で撹拌した。一晩撹拌した後、反応は、色を変化させなかった。灰白色の固体粉末を濾過し、以下のように、各ステップ:(1)脱イオン水(5mL)の追加、(2)撹拌しながらの穏やかな加熱、(3)1分間の超音波処理を3回、(4)濾過カラムおよびフリットフィルターを通した濾過、および(5)脱イオン水(20mL)でのさらなる洗浄、を各5回繰り返した。得られた固体を濾過し、3時間凍結乾燥させて、ポリマー17を灰白色生成物として提供した。重量=0.063g(収率44%)。FTIR:3315(N−H/O−H)、2911/2869(C−H)、1922、1756(エステルのC=O/フルオレセインのC=O)、1720(エステルのC=O/フルオレセインのC=O)、1647(C=O、カップリング生成物のアミド)、1591(CMCのC=O/芳香族C=C伸縮)、1420(芳香族C=C伸縮)、1366(エステルのC−O伸縮)、1248(C−O伸縮)、1050(エステルのC−O/−OH)、894(平面C−H結合外の芳香族)。δC(10,000Hz、CP MAS):171.0(C8、C19、C40)153.1(C22、C37)、141.7(C−CAr)、127.0(C−CAr)、102.4(C1)、81.9(C7、C33)、74.5(C2、C3、C4、C5)、68.6(C23、C34)、61.5(C6)、46.7(C20)、36.5(C9、C18)、32.1(C21)、29.5(C10−17)元素分析:原料のDoSが0.7:質量797.7gmol−1であった場合の生成物の予想:C 52%、H 5%、N 3.5%、S 2.1%。実際:C 42.8%、H 6.95%、N 4.02%、S 0.52%。したがって、全てのモノマーのうちのおよそ25%は、リンカー基を含有する。

ポリマー17の酵素効率 酵素効力は、エステラーゼ(純粋なエステラーゼ(0.01mL)をPBS(0.99mL)中に混合することによって達成される〜58単位/mL)で検査した。

酵素効力を定量化し、正確に判定するために、96ウェルプレートおよびプレートリーダー(励起が485nmに設定され、発光が590nmに設定され、ゲインが1500に設定された、Fluostar Optima BMG Labtech)を使用して、実験を設定した。サンプルの調製:0.4mgのポリマー17を、640μLのPBS中に24時間浸漬した。浸漬後、PBS溶液は変化せず、透明なままであった。混合物を遠心分離して、固体の大部分を除去し、この時点で、ポリマー17のサンプルは、ヒドロゲルになったようであった。次に、溶出液を濾過および分析し、追加の実験のために、固体ヒドロゲルを脇に保持した。各アリコートの前に、40μLの溶出液を、十分に混合しながらウェルに分注した。測定値をベースライン読み取り値とした。以下の溶液:PBS(弱酵素溶液)中のエステラーゼ58単位/mL、PBS(強酵素溶液)中のエステラーゼ116単位/mLを調製した。

N=4ウェルは、40μLのPBSを試験分散液内にのみ追加(対照群)した。

N=4ウェルは、40μLの弱酵素溶液を試験分散液内にピペット注入した。

N=4ウェルは、40μLの強酵素溶液を試験分散液内にピペット注入した。

最後のウェルに追加した直後に、別の蛍光読み取り値を記録し、その後、60秒毎に160分間記録を行った。図3は、各時点での蛍光読み取り値からベースライン値を引いたもの(粒子懸濁液のみ)を示す。機器は、この実験中に、以前と同じように飽和点に到達しなかった。予想どおり、弱エステラーゼ溶液および強エステラーゼ溶液の蛍光は、経時的に増加した。

陰性対照サンプル(酵素を含まないサンプル、PBSのみ)の蛍光は、経時的にわずかに増加した。

上の実験に加えて、固体の濾液を使用して、追加の対照実験を実施した。固体を、640μLのPBSに追加し、ボルテックス混合し、良好な分散が観察されるまで超音波処理した。上に記載される同じ速度論的方法を使用して、溶液を分析した(結果については図4を参照のこと)。まとめると、この証拠は、合成方法が成功し、酵素切断ステップが、蛍光分光法によって定量化できる陽性反応を与えることを示唆する。ポリマー17は、エステラーゼの非存在下ではポリマー12ほど蛍光性ではなく、ポリマーに蛍光標識がより付着していないことを示す。

実施例18:ポリマー18の調製

最初に、形成された任意のジスルフィド結合を脱カップリングするために、ポリマー8をTCEPで処理した。TCEP(0.0243g、0.0848mmol、4当量)を水1mL中に溶解し、ポリマー8(0.01g、0.0212mmol)に追加し、室温で30分間撹拌した。固体を濾過し、水(3x10mL)で洗浄し、凍結乾燥させて、固体の灰白色/クリーム色の粉末を得、次にこれをDMF(3x10mL)で洗浄した。

メトキシポリエチレングリコールマレイミド(化合物18−a)(0.01g、0.0543mmol、2.5当量)を、2mLの乾燥DMF中に溶解し、N2(g)でパージしたポリマー8に追加した。この反応物を、光から保護するために、箔で覆って一晩室温で撹拌した。一晩撹拌した後、反応混合物は、赤色になり、濾過すると、固相は存在しなかった。フィルターをDMF(5mL)ですすぎ、溶液を合わせ、真空中で還元して、透明/黄色油(重量=0.0106g)を得た。冷却した脱イオン水(2mL)を、油中に4℃でゆっくりと滴下し、次に凍結乾燥させて、灰白色/ピンクのワックス状固体としてポリマー18を得た。重量=6.42mg。非定量的カイザー試験は、遊離アミンが存在しないことを示した。FTIR:〜3350(小、N−H、O−H)、2881(C−H)、2740(C−H)、1964、1710(5員環ケトン)、1665(C=O、アミド)、1359(エステルのC−O伸縮)1240(C−O伸縮)、1145/1100(エステルのC−O/−OH)、842(平面C−H曲げ外の芳香族。

溶解度の評価は、クロロホルム、PBS、およびDMF中に容易に溶解することを示した。

実施例19:ポリマー19の調製

ポリマー5(300mg、0.81mmol)を微粉に粉砕し、DMF(20mL)と20分間混合した。Fmoc−Ala−OH(1.00g、2.31mmol)、HBTU(1.84g、4.86mmol)、EDC(100mg、0.52mmol)、およびDIPEA(6.2mL、4.86mmol)を、大きな遠心管に追加し、窒素でパージした。一晩の混合を促進するために、実験用ローターを使用した。固体を濾過し、DCM(5x20mL)およびメタノール(5x20mL)で洗浄した。得られた生成物を乾燥して、ポリマー19−aを灰白色の粉末として提供した。重量=0.2932g。陽性カイザー試験は、不完全なカップリングを示した。FTIR:3300(N−H/O−H)、2850(C−H)、1748(アミド)、1648(C=O、カップリング生成物のアミド)、1589(CMCのC=O)、1403/1022、896。

ポリマー19−a(207mg)を、ピペリジン:DMF(20:80v/v)(20mL)の溶液中に配置し、窒素ガスでパージし、1時間撹拌した後、固体を濾過し、エタノール(3x50mL)およびDCM(3x50mL)で洗浄した。次に、この過程を繰り返し、生成物を乾燥させて、ポリマー19を灰白色の粉末として提供した。重量=0.345g(収率60%)。陽性カイザー試験結果は、遊離アミンの存在を確認した。FTIR:3300(N−H/O−H)、2850(C−H)、1748(アミド)、1648(C=O、カップリング生成物のアミド)、1589(CMCのC=O)、1403/1022、896。

実施例20:ポリマー20の調製

ポリマー19(200mg、0.470mmol)を微粉に粉砕し、DMF(20mL)と20分間混合した。Fmoc−Ala−OH(0.439g、1.41mmol)、HBTU(0.539g、1.41mmol)、EDC(270mg、1.41mmol)、およびDIPEA(0.018mL、1.41mmol)を、大きな遠心管に追加し、窒素でパージした。一晩の混合を促進するために、実験用ローターを使用した。固体を濾過し、DCM(5x20mL)およびメタノール(5x20mL)で洗浄した。得られた生成物を乾燥して、ポリマー20−aを灰白色の粉末として提供した。重量=0.1576g。陽性カイザー試験結果は、不完全なカップリングを示した。FTIR:3300(N−H/O−H)、2900/2850(C−H)、1748(アミド)、1648(C=O、カップリング生成物のアミド)、1584(CMCのC=O)、1542()、1445/1403/1022、899でのピーク。

ポリマー20−a(158mg)を、ピペリジン:DMF(20:80v/v)、(20mL)の溶液中に配置し、窒素ガスでパージし、1時間撹拌した後、固体を濾過し、エタノール(3x50mL)およびDCM(3x50mL)で洗浄した。次に、この過程を繰り返し、生成物を乾燥させて、ポリマー20を灰白色の粉末として提供した。重量=0.1391g(収率58%)。陽性カイザー試験結果は、遊離アミンの存在を確認した。FTIR:3300(N−H/O−H)、2900/2850(C−H)、1748(アミド)、1648(C=O、カップリング生成物のアミド)、1584(CMCのC=O)、1403/1025、900でのピーク。

実施例21:ポリマー21の調製

ポリマー20(150mg、0.2785mmol)を微粉に粉砕し、DMF(20mL)と20分間混合した。Fmoc−Pro−OH(0.282g、0.836mmol)、HBTU(0.317g、0.8356mmol)、EDC(160mg、0.836mmol)、およびDIPEA(0.20mL、0.836mmol)を濾過カラム管に追加して、密封した。一晩の混合を促進するために、実験用ローターを使用した。固体を濾過し、DCM(5x20mL)およびメタノール(5x20mL)で洗浄した。得られた生成物を乾燥させて、ポリマー21−aを灰白色の粉末として提供した。重量=0.10967g。陽性カイザー試験結果は、未反応アミンの存在を示した。FTIR:3300(N−H/O−H)、2850(C−H)、1748(アミド)、1648(C=O、カップリング生成物のアミド)、1584(CMCのC=O)、1403/1025でのピーク。

ポリマー21−a(100mg)を、ピペリジン:DMF(20:80v/v)、(20mL)の溶液中に配置し、1時間撹拌した後、固体を濾過し、エタノール(3x50mL)およびDCM(3x50mL)で洗浄した。次に、この過程を繰り返し、生成物を乾燥させて、ポリマー21を灰白色の粉末として提供した。重量=0.08020g(収率47%)。陽性カイザー試験結果は、遊離アミンの存在を示した。FTIR:3300(N−H/O−H)、2850(C−H)、1748(アミド)、1648(C=O、カップリング生成物のアミド)、1584(CMCのC=O)、1453/1403/1024、962/906/841でのピーク。

実施例22:ポリマー22の調製

ポリマー21(100mg、0.165mmol)を微粉に粉砕し、DMF(10mL)と20分間混合した。Fmoc−Val−OH(0.167g、0.494mmol)、HBTU(0.187g、0.494mmol)、EDC(95mg、0.494mmol)、およびDIPEA(0.064mL、0.494mmol)を、濾過カラム管に追加して、密封した。一晩の混合を促進するために、実験用ローターを使用した。固体を濾過し、DCM(5x20mL)およびメタノール(5x20mL)で洗浄した。得られた生成物を乾燥させて、ポリマー22−aを灰白色の粉末として提供した。重量=0.0603g。陽性カイザー試験結果は、未反応アミンの存在を示した。

ポリマー22−a(60mg)を、ピペリジン:DMF(20:80v/v)、(20mL)の溶液中に配置し、1時間撹拌した後、固体を濾過し、エタノール(3x50mL)およびDCM(3x50mL)で洗浄した。次に、この過程を繰り返し、生成物を乾燥させて、ポリマー22を灰白色の粉末として提供した。重量=0.0553g(収率48%)。陽性カイザー試験結果は、遊離アミンの存在を示した。FTIR:3300(N−H/O−H)、2850(C−H)、1748(アミド)、1648(C=O、カップリング生成物のアミド)、1585(CMCのC=O)、1453/1403/1024/1095/1058、961、841でのピーク。

実施例23:ポリマー23の調製

ポリマー22(50mg、0.707mmol)を微粉に粉砕し、DMF(10mL)と20分間混合した。Fmoc−Cys(StBu)−OH(716mg、2.122mmol)、HBTU(805mg、2.122mmol)、EDC(407mg、2.122mmol)、およびDIPEA(0.274mL、2.122mmol)を、濾過カラム管に追加して、密封した。一晩の混合を促進するために、実験用ローターを使用した。固体を濾過し、DCM(5x20mL)およびメタノール(5x20mL)で洗浄した。得られた生成物を乾燥させて、ポリマー23−aを灰白色の粉末として提供した。重量=0.0253g。陽性カイザー試験結果は、未反応アミンの存在を示した。FTIR:3300(N−H/O−H)、2850(C−H)、1748(アミド)、1648(C=O、カップリング生成物のアミド)、1585(C=OのCMC)、1453/1403/1024/1095/1058/961、841。

ポリマー23−a(25mg)をTCEPの水(5mL)溶液中に配置し、室温で2時間撹拌した後、固体を濾過し、エタノール(3x50mL)およびDCM(3x50mL)で洗浄した。次に、この過程を繰り返し、生成物を乾燥させて、ポリマー23を灰白色の粉末として提供した。陽性カイザー試験結果は、遊離アミンの存在を示した。この材料を、さらなる特徴付けをせずに、実施例24で使用した。

実施例24:ポリマー24の調製

TCEP(0.0357g、0.125mmol、4当量)を1mLの水中に溶解し、ポリマー23(25.3mg、0.0312mmol)に追加し、混合物を室温で30分間撹拌した。固体を濾過し、水(10mLx3)で洗浄し、凍結乾燥させて、固体の灰白色/クリーム色の粉末を得、次にこれをDMF(10mLx3)で洗浄した。

フルオレセインジンアセテート−5−マレイミド(化合物12−a)(0.016g、0.0312mmol、1当量)を、3mLの乾燥DMF中に溶解し、N2(g)でパージした前処理ポリマー23に追加した。この反応物を、光から保護するために、箔で覆って一晩室温で撹拌した。一晩の混合を促進するために、実験用ローターを使用した。固体を濾過し、DCM(5x20mL)、水(5x20mL)、およびメタノール(5x20mL)で洗浄した。得られた生成物を乾燥させて、ポリマー24を灰白色の粉末として提供した。重量=0.0156g(収率32%)。FTIR:(v最大/cm−1)3286(N−H/O−H)、2872(C−H)、1722(アセトン)、1647(C=O、カップリング生成物のアミド)、1589(CMCのC=O)、1545(C−C Ar.フルオレセイン)、1409/1317/1250/1024/894。13C CP MAS NMR:CMC 0.7 DoS(出発物材料):δC(13,000Hz、CP MAS)61.7(C6)、74.5(C7、C2、C5)、82.5(肩部、C3)、97.0(C4)、103.3(C1)、177(C=O);CMC−PEGジアミン:δC(13,000Hz、CP MAS)13.4(C14)、20.1(割り当てなし)、23.4(割り当てなし)、30.6(C9)、61.7(C6)、70(肩部、C7)、74.5(C2、C5)、82.5(C3)、95(C4)、103.3(C1)、113(割り当てなし)、142(割り当てなし)、152(割り当てなし)、169.7(リンカーのC=O)、177.1(CMCのC=O)。

実施例25:ポリマー25の調製(繊維)

ポリマー13をDMF(30mL)と20分間混合した。室温で撹拌しながら、Fmoc−C(StBu)−OH(1.5g、3.5mmol)、HBTU(3.09g、8.14mmol)、およびDIPEA(1.05mL、8.14mmol)を追加し、空気に開放した(一晩の混合を促進するために、遠心管および実験用ローターを使用した)。一晩回転させた後、固体を濾過し、DCM(5x50mL)、メタノール(5x50mL)、および再びDCM(5x50mL)で洗浄した。得られた生成物を乾燥させて、ポリマー25を提供し、次の実施例(実施例26)で直接使用した。

実施例26:ポリマー26の調製

ポリマー26は、実施例12に記載されるものと類似の手順を使用して、調製した。外観:灰白色、粉末/固体。重量=1.258g(収率59%)。FTIR:3339(N−H/O−H)、2872(C−H)、1736(アセトン)、1648(C=O、カップリング生成物のアミド)、1549(CMCのC=O)、1419、1363、1313、1201。δC(10,000Hz、CP MAS):30(C9、19)、39(C10、11、12、13)、47(C18、22)、54(C16)、60(C6)、70−74(広い、C2、3、5、7)、83(肩部、C4)、92(C17)、97、104(C1)、120(C24)、128(C25、26、27)、142(C28)、156(小、C20、C=Oカルバメート)、171(アミドのC8カルボニル)。元素分析:原料のDoSが1であり、リンカー基への完全変換:質量781gmol−1であった場合の生成物の予想:C 55%、H 7%、N 5%、S 8%。実際:C 46%、H 7%、N 2%、S(実施されていない)。Sの態様をとり、リンカー基の%N可能(2/3.5)=57%のカップリング上に存在する%Nを計算する。Sの態様をとり、リンカー基の%N可能(2/3.5)=57%のカップリング上に存在する%Nを計算する。したがって、全てのモノマーのうちの〜40%は、リンカー基を含有する。

実施例27:ポリマー27の調製

乾燥DMF(2.0mL)中のアミノフェニルフルオレセイン(5mg、0.018mmol)およびHBTU(14mg、0.036mmol)の溶液を調製した。CMC−PEG−NH2(5−a)(0.13mg、0.036mmol)を反応混合物に追加し、箔カバーを使用して光から保護して、およそ24時間室温で撹拌した。生成物を濾過し、エタノール(10mLx3)およびDMF(5x10mL)で洗浄し、その後、真空中で濃縮して、固体の赤色/オレンジ色の生成物(27)(12.0mg、43%)を得た。FTIR(vmax/cm−1)3367(N−H/O−H)、2932(C−H)、1702(APFのアミド)、1655(CONH、カップリング生成物のアミド)、1555(HNCO、CMC)、1494、1437、1413、1387(Ar.C=C曲げ)、1106(OCHR、アルコキシAPF)、838、759、722、557(ar.CH曲げ)。

実施例28:ポリマー28の調製

任意の不要なジスルフィド結合を脱カップリングするために、DI水(1mL)中のTCEP(16.8mg、0.058mmol、4当量)と共に、CMC−Cys(7)(10mg、0.029mmol 1当量)を室温で1時間撹拌した。固体を濾過し、水(10mLx3)で洗浄し、凍結乾燥させ、次にDMF(10mLx3)で再び洗浄した。フルオレセインジアセテート−5−マレイミド(12−a)(11mg、0.029mmol、1当量)を、乾燥DMF(3mL)中に溶解し、窒素雰囲気下でCMC−CYSに追加した。反応物を、一晩室温で撹拌し、光から保護した。生成物を、水(3x100mL)およびDMF(1x100mL)で洗浄して、不透明なワックス状の固体(28)(0.017g、85%)を得た。FTIR(vmax/cm−1)3365(O−H)、2971/2910、(N−H、CH)2883(SH)、1728(COOH、酸)、1677(CONH、アミド)、1640(HNCO、ペプチド)、1598(HNCOO、CMC)、1409、1371(COO)、1307(ar.C=C曲げ)、1216、1019(CN、第3級アミン);水中に不溶性である溶解度、pH9リン酸緩衝液、および一般的な実験用溶媒(アセトン、メタノール、エタノール、THF、DCM、およびDMF)。

実施例29:ポリマー29の調製

CMC−PEG−NH2(15)(1.000g、2.27mmol)を微粉に粉砕し、DMF(15mL)と20分間混合した。室温で撹拌しながら、Fmoc−C(StBu)−OH(1.14g、2.639mmol、1.2当量)、HBTU(2.59g、6.8181mmol)、およびDIPEA(1.19mL、6.8181mmol)を追加し、一晩放置した。生成物を濾過し、DCM(5x20mL)およびメタノール(5x20mL)で洗浄し、次に真空中で還元した。次に、保護された生成物をStBu脱保護し、各脱保護ステップを各々3回繰り返した後、真空中で還元して、白色固体粉末(29−a)(0.236g、5%)を得た。固体状態の13C NMR(10,000MHz、CP MAS)176.52(CMC比のC−8)、171.84(C−8、C−19)、156.45、142.32、127.85−120.08(C−Ar、Fmoc)、113.93、103.26(C−1)、82.60(C−4)、74.50(C−2、C−3、C−5)、69.92(C−7)、61.45(C−6)、54.93(C−20) 49.52、47.30、41.58、38.72−23.08(C−9、C−10、C−11、C−12、C−13、C−14、C−15、C−16、C−17、C−18、C−20);FTIR(vmax/cm−1)3310(O−H)、2915(N−H、C−H)、2868(S−H)、1731(COOH、酸)、1650(CONH、カップリング生成物のアミド)、1592(HNCOO、CMC)、1538(HNCOO、ペプチド)、1441、1417、1361(COO)、1310(ar.C=C曲げ)、1252(アミドCO伸縮)、1031(CN、第3級アミン)、841;脱保護生成物に対するEA予想C:45.3%、H:7.5%、N:4.7%、S:7.1%、判明C:47.1%、H:7.8%、N:6.7%、S:10.1%、したがって、カップリング収率は、11%;水および一般的な実験用溶媒(アセトン、メタノール、エタノール、THF、DCM、およびDMF)中に不溶性であり、経時的にpH9リン酸塩緩衝液中に可溶性である溶解度;Ellmans試験陽性。

任意の不要なジスルフィド結合を脱カップリングするために、中間体(29−a)(75.4mg、0.147mmol、3当量)を、DI水(1mL)中のTCEP(168.5mg、0.196mmol、4当量)と共に、室温で1時間撹拌した。固体を濾過し、水(10mLx3)で洗浄し、凍結乾燥させ、次にDMF(10mLx3)で再び洗浄した。フルオレセインジアセテート−5−マレイミド(12−a)(25.0mg、0.049mmol、1当量)を、乾燥DMF(2mL)中に溶解し、窒素雰囲気下でCMC−PEG−NH−CYS(29−a)に追加した。反応物を、一晩室温で撹拌し、光から保護した。反応混合物を真空中で還元し、生成物を、水(〜75mL)で5回洗浄し、凍結乾燥させて、灰白色の粉末(29)(63.0mg、44%)を得た。固体状態の13C NMR(10,000MHz、CP MAS)176.38(CMC比のC−8)、171.00(C−8、C−19、C−38)、153.12(C−22)、141.67、135.49−、119.80 (C−Ar、フルオレセイン)、102.43(C−1)、81.92(C−4)、74.47(C−2、C−3、C−5)、70.30(C−7)、68.61、61.45(C−6)、46.73(C−42)、36.47−29.48(C−9、C−10、C−11、C−12、C−13、C−14、C−15、C−16、C−17、C−18、C−20);FTIR(vmax/cm−1)3315(O−H)、2911(N−H、C−H)、2869(S−H)、1922、1720(COOR、接合エステル、フルオレセイン)、1647(CONH、カップリング生成物のアミド)、1591(HNCOO、CMC)、1542(CONH、ペプチド)、1420、1366/1309、(Ar.C=C曲げ)、1248(C−O伸縮)、1213,1050(CN、第3級アミン)、842,581(ar.CH曲げ);EA予想C:51.1%、H:5.8%、N:3.7%、S:2.1%、判明C:42.8%、H:7.0%、N:4.0%、S:0.5%であり、したがって、カップリング収率は、24%である。

実施例30:ポリマー30の調製(繊維)

DoS0.3(2.0g、8.33mmol)のNaCMC繊維を、エタノール:脱イオン水(80:20v/v)(180mL)の溶液中に分散させて、1%懸濁液を得た。Dowex650C単層イオン交換樹脂を、30分間撹拌しながら追加した。単層を濾過により除去した後、pHが8〜9(3.0mL、1.16mmol)になるまで、水酸化テトラブチルアンモニウム(TBAH)40%(水溶液)を0.1mLアリコートで追加した。得られた溶液を30分間撹拌した後、真空中で還元した。フィルム状の材料を窒素雰囲気下で乾燥DMF(100mL)中に溶解し、撹拌し、一晩温和な加熱を必要とし、均一な質感を有する粘性のゲル状溶液を得た。溶液をおよそ4℃に冷却し、CMP−I(1.48g、5.8mmol)を、激しく撹拌しながら追加した。乾燥トリエチルアミン(3mL)と共に、2,2’−(エチレンジオキシ)ビス(エチルアミン)(1.36g、9.17mmol)を反応物に追加した。反応物を4℃に保持し、最低3時間撹拌した後、固体を濾過し、99%アセトン(3x100mL)およびDCM(3x100mL)で洗浄し、各洗浄サイクル中に1分間超音波処理を実施し、繊維塊が任意の汚染物質を解きほぐして放出するのを促した。生成物を真空中で還元して、白色繊維状の固体(30−a)(1.8g、60%)を得た。固体状態の13C NMR(10,000MHz、CP MAS)176.93(CMC比のC−8)、171.96(C−8)、153.41、142.40、104.11、(C−1)、96.80、83.55(C−4)、74.18(C−2、C−3、C−5)、69.39(C−7)、61.89(C−6)、40.48(広い、C−10、C−11、C−12、C−13、C−14); FTIR(vmax/cm−1)3325(O−H)、2872(N−H、C−H)、1648(CONH、カップリング生成物のアミド)、1589(HNCOO、CMC)、1543、1408、1367(CHO)、1314、1265(アミドCO伸縮)、1022(CN、第3級アミン)、896;EA予想C:41.7%、H:7.0%、N:2.3%、判明C:42.6%、H:6.3%、N:2.9%であり、したがって、カップリング収率は、127%であり、水および一般的な実験用溶媒(アセトン、メタノール、エタノール、THF、DCM、およびDMF)中に不溶性であり、経時的にpH9のリン酸緩衝液およびPBS中に可溶性である、溶解度;カイザー試験陽性、3.08μmolのアミン。

繊維形態でのCMC−PEG−NH2(30−a)(1.0g、2.86mmol)を、DMF(30mL)と20分間混合した。Fmoc−C(StBu)−OH(1.5g、3.5mmol)、HBTU(3.09g、8.14mmol)、およびDIPEA(1.10mL、8.57mmol)を、室温で撹拌しながら追加した。生成物を濾過し、DCM(5x50mL)、メタノール(5x50mL)、再びDCM(5x50mL)で洗浄し、次に真空中で還元して、白色固体粉末(30−b)(1.23g、59%)を得た。注:保護された生成物は、この段階では、FmocまたはStBu脱保護されていなかった。固体状態の13C NMR(10,000MHz、CP MAS)176.38(小ピーク、CMC比のC−8)、171.93(C−8、C−15)、156.28(C−20)、141.73、127.61−120.01(C−Ar、Fmoc)、104.17(C−1)、96.81、87.27、82.86(C−4)、74.29(C−2、C−3、C−5)、69.17(C−7)、62.17(C−6)、60.00(C−21)、54.22(C−16)、46.87(C−22)、46.87、39.36−29.49(C−10、C−11、C−12、C−13、C−14、C−17、C−19);FTIR(vmax/cm−1)3339(O−H)、2872(N−H、C−H)、1736(COOH、酸)、1648(CONH、カップリング生成物のアミド)、1549(HNCOO、CMC)、1419、1363(COO)、1201、1031(CN、第3級アミン)、841; EA予想C:44.6%、H:6.7%、N:1.6%、S:2.5%、判明C:46.0%、H:6.5%、N:2.2%、S:十分な材料が入手できず、水および一般的な実験用溶媒(アセトン、メタノール、エタノール、THF、DCM、およびDMF)中に不溶性であり、経時的にpH9リン酸塩緩衝液に可溶性である、溶解度;Ellmans試験陽性。

任意の不要なジスルフィド結合を脱カップリングするために、繊維形態でのCMC−PEG−Cys(Fmoc)StBu(30−b)(0.5965g、1.265mmol)を、DI水(3mL)中のTCEP(1.45g、5.060mmol、4当量)と共に、室温で30分間撹拌した。固体を濾過し、水(10mLx3)で洗浄し、凍結乾燥させ、次にDMF(10mLx3)で再び洗浄した。フルオレセインジアセテート−5−マレイミド(12−a)(0.125g、0.240mmol、1当量)を乾燥DMF(15mL)中に溶解し、窒素雰囲気下でCMC−PEG−NH−CYSに追加した。反応物を、一晩室温で撹拌し、光から保護した。反応混合物を真空中で還元し、生成物をDCM(3x50mL)、メタノール(3x50mL)で洗浄し、真空中で還元した。次に、灰白色の固体繊維を、穏やかに加熱し、撹拌し、超音波処理しながら水(5×75mL)で洗浄した後、濾過し、凍結乾燥して、灰白色の固体繊維(30)(1.10g、72%)を得た。固体状態の13C NMR(10,000MHz、CP MAS)174.88(CMC比のC−8)、172.30(C−8、C−15、C−34)、141.36,129.34−126.65(C−Ar、Fmoc、フルオレセイン)、104.58(C−1)、86.94、82.52(C−4)、78.56−72.96(C−2、C−3、C−5、C−7)、69.74、61.45、60.35(C−6)、38.69−21.02(C−9、C−10、C−11、C−12、C−13、C−14);FTIR(vmax/cm−1)3315(O−H)、2868(N−H、C−H)、1728(COOR、接合エステル、フルオレセイン)、1647(CONH、カップリング生成物のアミド)、1542(CONH、ペプチドカップリングのアミド、NHCOO CMC)、1419、1364(Ar.C=C曲げ)、1264(C−O伸縮)、1152(OCHR)、1018(CN第3級アミン)、879;EA予想C:50.9%、H:6.9%、N:5.5%、S:1.0%;判明C:30.8%、H:8.6%、N:1.3%、S:<0.3%であり、したがって、カップリング収率は、24%である。

実施例30:ポリマー31の調製

任意の不要なジスルフィド結合を脱カップリングするために、粉末形態でのCMC−PEG−NH−AAPVC(Fmoc)StBu(23−a)(525mg、439mmol)を、DI水中のTCEP(503.4mg、0.1756mmol、4当量)と共に、室温で30分間撹拌した。固体を濾過し、水(50mLx3)、メタノール(50mLx3)、エタノール(50mLx3)、次に再び水(50mLx3)で洗浄した後、凍結乾燥させ、次に再びDMF(50mLx3)で洗浄した。フルオレセイン−5−マレイミド(25mg、59mmol、0.1当量)を、乾燥DMF(70mL)中に溶解し、窒素雰囲気下でCMC−PEG−NH−AAPVC(Fmoc)に追加した。反応物を室温で3時間撹拌し、光から保護した。反応混合物を真空中で還元して、DCM(3x50mL)、メタノール(3x50mL)、DI水(3x50mL)、再びDCM(3x50mL)で、再びメタノール(3x50mL)およびメタノール(3x50mL)で洗浄し、真空中で還元して、灰白色の固体(31)(436mg、68%)を得た。固体状態の13C NMR(10,000MHz、CP MAS)176.70(CMC比のC−8、C−39、C−41)、171.39(C−8、C−15、C−18、C−21、C−26、C−30、C−45)、153.37(C−33、C−51)、142.19(C−36、C−37、C−Ar)、127.57−120.48(C−Ar)、103.85、(C−1)、102.63(C−Ar)、97.55、82.31(C−4)、74.34(C−2、C−3、C−5、C−7)、69.85(C−23)、60.80(C−6、C−27)、52.23−48.37(C−16、C−19、C−25、C−35)、42.10(C−9、C−14、C−38)、38.70−25.05(C−9、C−10、C−11、C−12、C−13、C−14)、18.45(C−17、C−20、C−29)、14.11;FTIR(vmax/cm−1)3340/3294(O−H)、2914/2862(N−H、C−H)、1737(COOH、酸)、1645(CONH、カップリング生成物のアミド/COOR、接合エステル、フルオレセイン)、1593(HNCOO、CMC)、1543(CONH、ペプチド)、1414、1375(COO)、1343(ar.C=C曲げ)、1262(C−O伸縮)、1230、1056(CN、第3級アミン/OCHR)、897、841、764、556(ar.CH曲げ);EA予想C:53.4%、H:6.0%、N:5.4%、S:1.5%、判明C:47.1%、H:6.7%、N:4.1%、S:0.8%であり、したがって、カップリング変換率は、52%である。

実施例32:ポリマー32の調製

任意の不要なジスルフィド結合を脱カップリングするために、粉末形態でのCMC−PEG−NH−AAPVC(Fmoc)StBu(23−a)(175mg、146mmol)を、DI水(23mL)中のTCEP(168mg、585mmol、4当量)と共に、室温で30分間撹拌した。固体を濾過し、水(50mLx3)、メタノール(50mLx3)、エタノール(50mLx3)、次に再び水(50mLx3)で洗浄した後、凍結乾燥させ、次に再びDMF(50mLx3)で洗浄した。N−ブロモフェニルマレイミド(37mg、0146mmol、1当量)を、乾燥DMF(20mL)中に溶解し、窒素雰囲気下でCMC−PEG−NH−AAPVC(Fmoc)に追加した。反応物を室温で3時間撹拌し、光から保護した。反応混合物を真空中で還元して、DCM(3x50mL)、メタノール(3x50mL)、DI水(3x50mL)、再びDCM(3x50mL)、再びメタノール(3x50mL)およびメタノール(3x50mL)で洗浄し、真空中で還元して、灰白色の固体(32)(129mg、69%)を得た。固体状態の13C NMR(10,000MHz、CP MAS)171.16(C−8、C−15、C−18、C−21、C−26、C−30、C−38、C−39)、153.33(C−32)、142.03、127.45−113.03(C−Ar、Fmoc、フルオレセイン)、102.74(C−1)、97.09、82.15(C−4)、74.39(C−2、C−3、C−5、C−7)、69.84、61.21、57.42(C−6、C−31)、47.91(C−16、C−19、C−27)、38.76−22.56(C−9、C−10、C−11、C−12、C−13、C−14)18.33−14.16(C−17、C−20、C−29);FTIR(vmax/cm−1)3322(O−H)、2901/2872(N−H、C−H)、2103、1788(COOH、酸)、1644(CONH、カップリング生成物のアミド/COOR、接合エステル、フルオレセイン)、1594(HNCOO、CMC)、1544/1514(CONH、ペプチド)、1349/1304(ar.C=C曲げ)、1251(C−O伸縮)、1230、1025(CN、第3級アミン/OCHR)、898、843、738、556(ar.CH曲げ);EA予想C:50.0%、H:6.1%、N:6.1%、S:1.8%、Br:4.3%、判明C:46.3%、H:6.7%、N:5.2%、S:0.33%、Br:検出されず、したがって、カップリング変換率は、17%である。

実施例33 プロテアーゼ/ペプチドの酵素切断 トリプシン、キモトリプシン、およびサーモリシン等の他のプロテアーゼを含む創傷特異的プロテアーゼの活性をアッセイした。トリプシンは、P1がLysまたはArgであり、P1’が非特異的である、P1−P1’を切断する(プロリンが続く場合を除く)。キモトリプシンは、P1が任意の芳香族アミノ残基、Trp、Tyr、またはPheであり、P1’が非特異的である、P1−P1’を切断する。サーモリシンは、P1が非特異的であり、P1’がLeu、Phe、Ile、Val、Met、Alaであり、P2’がProではない、P2−P1−P1’−P2’を切断するメタロエンドペプチダーゼである。

エステラーゼは、カルボン酸エステルのエステル結合を加水分解し、したがって、アミノ酸配列を特異的に加水分解するプロテアーゼとは異なる挙動を示す。酵素アッセイに使用される基質は、CMC−PEG−NH−Phe−Phe−Lys(Dabsyl)であり、酵素活性を、UV可視に基づく方法を使用して判定した。Phe−Phe−Lys(Dabsyl)配列は、キモトリプシンによって加水分解されるべきである。トリプシンは、この配列を切断すべきでないので、陰性対照群として使用された。

基質CMC−PEG−NH−Cys−マレイミドフルオレセインジアセテート上の酵素活性を、共焦点蛍光顕微鏡法を使用して分析した。固体粒子を、最初に単独で、次にエステラーゼ溶液(約50単位/mL)の追加後に見た。顕微鏡画像は、酵素溶液をサンプルに追加したときに観察される蛍光の増加を実証している。この方法を使用する利点は、粒子を可視化し、フルオレセインジアセテートとCMCポリマーとのカップリングを確認した酵素溶液の追加時の蛍光強度の差を観察できることである。代わりに、複数プレートリーダーを使用して、基質の切断を評価し、その結果をMichaelis−Menton動力学を用いて定量化し得る。

1つの実験では、CMC−PEG−NH−Cys−マレイミド−フルオレセインジアセテート粉末に対するエステラーゼの効果を測定した。まず、CMC−PEG−NH−Cys−マレイミド−フルオレセインジアセテート粉末(0.2mg)をPBS(320μL)中に分散させた。化合物を分散させるためには、超音波処理、ボルテックス混合、および穏やかな加熱が必要であった。40μLの基質懸濁液を、96ウェルプレートのウェルに追加し、次に、弱エステラーゼ溶液(58U/mL)、強エステラーゼ溶液(116U/mL)、またはPBS(陰性対照群)のいずれかを追加した(ウェル当たり40μL)。2時間にわたる5分間のサイクル期間を、蛍光測定のために選択した。

2つの異なる強度のエステラーゼ溶液を使用して、反応速度の任意の差を分析できることは興味深かった。蛍光強度の変化を、その後の各時点からのゼロ時点での読み取り値(ベースライン)を差し引くことによって計算した。

弱エステラーゼ溶液(58U/mL)および強エステラーゼ溶液(116U/mL)と共にインキュベートされたサンプルにおいて、増加した蛍光が観察され、これは経時的に増加した。強エステラーゼ溶液は、弱エステラーゼ溶液の速度の3.5倍の増加を示した後、約30分(45000単位の強度)で飽和点に到達した。

スペーサー長の効果 エステラーゼアッセイにおけるより長いPEG鎖長の効果を調査するために、蛍光測定値を、77(CMC−「より長い」PEG−NH−Cys(Fmoc)−マレイミドフルオレセインジアセテート)について記録した。この試験では、サンプル当たり4回の複製を実施し、2時間の期間にわたる1分間のサイクルを記録した。より短い基質と同様に、より長い基質(77)をエステラーゼと共にインキュベートすると、蛍光が検出される。116U/mL(強)エステラーゼサンプルは、40分後にピークに到達し、58U/mL(弱)エステラーゼサンプルは、80分後にピークに到達した。116U/mLエステラーゼ反応の速度は、58U/mLサンプルの速度の2倍であり、したがって、酵素濃度の倍増により、速度が倍増した。反応速度は、より短いPEGリンカー等価物の反応速度よりも有意に低かった。ペプチドのCMCへの装荷がより低かったので、この減少は、予想された。

繊維形態でのCMC−PEG−NH−Cys(Fmoc)−マレイミドフルオレセインジアセテート(82)をエステラーゼと共にインキュベートすることによっても、同様の結果が得られ、両方のエステラーゼ溶液(58および116U/mL)によると、より大きな酵素濃度での蛍光生成物の生成の時間およびより大きい速度で蛍光が増加する。

エラスターゼによるCMC−PEG−NH−AAPVC−マレイミドフルオレセイン(粉末、アルギン酸繊維および親水コロイド形態)の切断:AAPVペプチド配列は、AlaおよびValのP1に予測される切断部位を有するエラスターゼに対する基質である。このAAPV配列を含有した化合物について、エステラーゼアッセイと同様の方法で、エラスターゼアッセイを実施した。3つの形態:(a)粉末形態、(b)繊維形態での化合物を含む湿式紡糸アルギン酸塩、および(c)0.8%または8%のいずれかの化合物を含有する親水コロイドゲルの基質を試験した。

化合物単独でのエラスターゼとのインキュベーションは、経時的な蛍光の明らかな増加を示した。また、粉末形態でのCMC−PEG−NH−AAPVC−マレイミドフルオレセインを0.8%および8%装荷した親水コロイドゲルにエラスターゼ溶液を追加する効果を評価するために、同じ実験を実施した。結果は、対照群(親水コロイドゲルのみ)と比較した場合、修飾CMC装荷親水コロイドゲルに対する経時的な蛍光の増加を示した。より高い装荷レベル(8%)は、より低い装荷(0.8%)サンプルよりも有意に蛍光性であった。2つの異なる酵素強度を試験し、この場合、強エラスターゼ溶液(0.5mg/mL)を弱エラスターゼ溶液(0.1mg/mL)と比較して使用したときに、サンプルの蛍光は、わずかしか増加しなかった。これは、エラスターゼが0.1mg/mLでも過剰であり、修飾CMCの使用が、蛍光反応に対してより有意な効果を有することを示唆する。

切断断片のLC−MS分析 エラスターゼを粉末形態でのCMC−PEG−NH−AAPVC−マレイミドフルオレセインに追加するときに生成された断片を特徴付ける試みで、実験を設定した。エラスターゼ(PBS中0.5mg/mL)を78に追加し、37℃でインキュベートし、アリコートをいくつかの時点(1分〜3時間)にわたって回収し、液体窒素中で直ちに凍結することによって保存した。各解凍されたアリコートに対してHPLCを実施して、断片を分離し、次に質量分析法を実施して、その質量を分析した。分析は、エラスターゼとのインキュベーション中に切断された予想される断片の存在を確認した。予測どおり、切断部位は、AlaおよびValのP1にあった。さらに、Pro断片のいくつかの証拠があったが、これは、ProのP1位置にさらなる切断部位があることを示唆する。この結果は、蛍光光度計アッセイ中に記録された蛍光の増加と一致し、システムが特定の酵素を検出して、検出可能な信号を与えることができるという証拠をさらに構築する。

実施例34 細胞研究−医療デバイスの生体適合性 医療デバイスを設計する際に考えるべき重要な点は、その生物学的安全性、および細胞傷害性、感作性、血液適合性、発熱原性、移植性、遺伝毒性、発がん性、生殖・発生毒性、生分解性等の他の因子である。新規の材料とインビトロで成長した細胞との間の相互作用の研究は、これらの材料の毒性の良好な指標を与えることができ、したがって、これらの方法のアレイが使用される(Eisenbrandら、FoodChem.Toxicol.2002、40、193−236)。デバイスの最終用途に関連する身体の領域および機能に適した試験を行うためには、好適な細胞型を選択しなければならない。本方法は、定量的または純粋に視覚的であり得、現代の技術は、顕微鏡を介した細胞の経時的ビデオ撮像の使用等、細胞相互作用の洗練された視点を可能にする。

創傷治癒に関連する細胞:線維芽細胞は、創傷治癒過程において重要である。それらは、炎症期の後期段階中の損傷のおよそ24時間後に、創傷床に向かって移動し始める。それらは、MMPのようなプロテアーゼを含むメディエーターの生成によって、増殖期および上皮形成期全体にわたって創傷環境を改変する。最後に、線維芽細胞のレベルは、再構成段階で正常レベルに戻り、いったん新規の創傷細胞外マトリックスは、十分な強度に達成した(Bainbridgeら、J.Wound Care 2013、22、407−408)。したがって、線維芽細胞は、創傷治癒過程を模倣するときに好適な細胞株である。

使用されるインビトロ方法論では、生体適合性の初期の考え方に対してペプチド修飾CMC材料をスクリーニングするために、2つのインビトロ細胞方法を使用した。

ヒト真皮線維芽細胞の源および培養:ヒト真皮線維芽細胞は、先に適切な状態下で単離および保存されていた。

患者からインフォームドコンセントを得て、正常な線維芽細胞の培養物を得た。糖尿病、全身免疫抑制、または局所感染の証拠を有する患者は、研究から除外した。3つの患者細胞株:患者A、F、およびGが、この研究に対して利用可能であった。6mmの生検を、患者の大腿部から採取した。培養物は、標本の酵素分解後の単一細胞懸濁技術によって確立された。簡単に述べると、組織をディスパーゼ(2mg/mL、英国ルイス所在のBoehringer Mannheim社製)で一晩インキュベートして、皮膚組織から表皮組織を分離した。真皮組織標本を、細菌性クロストリジウムヒストリチカムAコラゲナーゼ(1mg/mL、Boehringer Mannheim)を利用して、一晩解離させた。線維芽細胞培養物を、L−グルタミン(2mM)、非必須アミノ酸(1x)、抗生物質(100U/mLのペニシンG、100mg/mLの硫酸ストレプトマイシン、0.25mg/mLのアンフォテリシンB)、および1%(v/v)のウシ胎児血清(FCS)を補充したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)を含有する線維芽細胞血清含有培地(F−SCM)中で維持した。培養物を、37℃、5%CO2加湿雰囲気中で維持した。コンフルエントに、線維芽細胞をトリプシン処理し、再播種した(T75フラスコ当たり1.5x105個の細胞)。

線維芽細胞スクラッチアッセイ方法論: スクラッチアッセイは、繊維芽細胞のコンフルエントな単層を平らな表面上で成長させ、次に、この表面を「引っかく」か、または「創傷を付けて」、繊維芽細胞の2つの領域を分離するチャネルを作製する技術である。サンプル溶液を細胞の頂部に追加し、細胞がどのように反応するかを見るために、共焦点顕微鏡法を使用して、経時的にチャネルを観察する(Liangら、Nat.Protocols 2007、2、329−333)。サンプルを含有する周囲領域が細胞を受け入れやすい場合、細胞は増殖および移動して、時間の経過中にチャネルを充填し、サンプルが受け入れられない場合、細胞は、移動せずに死滅するだろう。

ヒト真皮線維芽細胞を24ウェル組織培養プレート(1ウェル当たり2x104細胞)中に播種し、80〜90%コンフルエントに培養し、200μLピペットチップを用いて組織培養プラスチックの表面に沿って引っかくことによって、単層に創傷を付けた。単層をPBSで洗浄し、DMEM中に0.66mg/mLまたは0.066mg/mLで、化合物を追加した。次に、細胞にF−SCMを再供給し、Cell−IQシステムを有する共焦点顕微鏡の電動、加熱、およびガス処理段階での標準培養状態下で、インキュベートした。

画像は、20分毎に回収され、映像は、Cell−IQソフトウェアを利用して作製された。各細胞株、患者A、F、およびGについて、アッセイを3回完了した。

コラーゲンマトリックスモデル方法論: コラーゲンマトリックスモデルは、治癒の再構成期中の真皮を表すインビトロツールである。ここでは、一連の線維芽細胞集団コラーゲン格子(FPCL)を使用して、コラーゲンマトリックスの再構成に対するそれらの効果に関して、ペプチド修飾セルロースを対照群と比較した。正常な状態下では、線維芽細胞の再構成によりFPCLの直径が減少することが予想され、これは、細胞過程が正常に進行しており、「治癒」が起こり得ることを示す(Carlsonら、Wound Repair Regen.2004、12、134−147)。

トリプシン処理による培養由来の線維芽細胞を利用して、線維芽細胞集団コラーゲン格子(FPCL)を構築した。I型ラット尾部コラーゲンは、First Linkから購入した。1.5x105の線維芽細胞(750μLのF−SCM中)を、2xDMEM(40部の10xDMEM、10部分のNaHCO3(7.5%(w/v))、4部のL−グルタミン(200mM)、4部の非必須アミノ酸(100x)、140部のH20および5部のNaOH(1M)、3mL)、0.1M NaOH(750μL)、FCS(750μL)、2.25mLのI型コラーゲン(1.7mg/mL)、および試験化合物(0.66mg/mL)を含有する60mmの細菌学的プレートに追加した。コラーゲンのポリマー化を可能にするために、プレートを37℃で60分間インキュベートした。次に、それらをプレートの縁から取り外し、2mLのF−SCMを追加した。FPCLを、37℃、5%CO2加湿雰囲気中で維持した。

FPCL再構成過程中に、円形が保持され、FPCLの直径を3日目および7日目に測定することが可能になった。各サンプルについて、3つの異なる患者サンプル(n=3)由来の細胞に対して、実験を実施した。

7つの修飾CMC材料を、ベースラインとしてCMC粉末およびCMC繊維と共に試験した(表3)。

表3:インビトロ細胞試験中に分析される化合物

線維芽細胞スクラッチアッセイの結果: 概して、試験期間中、線維芽細胞は、生存したままであり、増殖して、スクラッチチャネルを充填した。結果(図5)は、繊維芽細胞がスクラッチチャネルを完全に閉鎖するのに要した時間を示す。図5に示すように、全てのサンプルは、70時間以内にチャネルを閉鎖した。CMC粉末サンプルは、これが創傷接触用途に使用するのに安全であると知られているので、参照として使用した。CMC−PEG−NH2繊維は、対照群よりも短い時間で引っかき傷が閉鎖した唯一のサンプルであった。CMC−PEG−NH2粉末の引っかき傷の閉鎖時間は、他の修飾CMCサンプル(約40〜60時間)と略等価であり、これは、細胞が繊維形態でのサンプルの物理的構造に対して何らかの選好性を有し得ることを示唆する。

0.066mg/mLの12、CMC−PEG−NH2粉末を含有する患者Aに対する引っかき傷(図6)、および0.66mg/mLの12、CMC−PEG−NH2粉末を含有する患者Aに対する引っかき傷(図7)は、両方とも、線維芽細胞が複製してチャネル内に移動したので、経時的に閉鎖した。これらの画像は、線維芽細胞がサンプルの不溶性またはより高濃度のサンプルによる影響を受けず、修飾CMC中およびその周りでなお繁殖することができることを示す。図6および図7は、患者A、F、およびG由来の全てのサンプルおよび細胞株にわたって実施された試験の略全ての観察結果を表している。3人の異なる患者から得られた試料を用いて試験を繰り返した場合、CMC−より長いPEG−NH2粉末(#83)は、1つの研究で異常な結果を生じたが、線維芽細胞は、増殖および移動した。

実施例35:コラーゲンマトリックスモデル コラーゲンマトリックスモデル研究中、線維芽細胞は、全てのサンプルにわたって生存したままであった。対照群と比較して、修飾CMCサンプルについて、83のCMC−より長いPEG−NH2粉末を除いて、わずかに少ない再構成のみが観察され、これは、他のサンプルと比較して、試験を通して限定された線維芽細胞の再構成のみを示した(図8、図9、および図10)。化合物83(CMC−より長いPEG−NH2粉末、7日目に約40mm〜60mmの格子径)と化合物12(CMC−PEG−NH2粉末、7日目に約15mm〜35mmの格子径)との間に、有意な差が観察され、その結果は、図8〜10から明らかである。図11〜13の写真から明らかな生データは、それぞれ、患者A(図11)、B(図12)、およびC(図13)から得られた細胞サンプル中の3日目および7日目での化合物12、83、81、74、78、80、CMC粉末、およびCMC繊維の各々の格子径に対する効果を実証している。

結論 本研究は、修飾CMC材料が線維芽細胞に対して有毒ではないことを実証している。また、繊維および粉末形態、より長いもしくはより短いPEGスペーサーリンカー、またはペプチドおよび検出可能な断片の追加の間に差異はなかった。線維芽細胞は、コラーゲンマトリックスモデル中の全ての場合において生存し、他の化合物と比較して減衰した効果を示した83のCMC−より長いPEG−NH2粉末を除いて、サンプルの大部分について、再構成は、対照群よりもわずかに低いのみであった。

実施例36 液晶(LC)研究 液晶実験設定 CMCゲルが5CB液晶上に配置された間、研究を実施し、偏光顕微鏡を使用して、アンカーリングを経時的に観察した。LC研究を設定するためには、LCを設定領域内に保持することを可能にし、偏光顕微鏡を使用して視覚化することを可能にするために、チャンバを作製する必要がある。5CBのTEMグリッド閉じ込めは、公開された研究(Nazarenkoら、Physical Review E 1999、60、R3495−R3497;Brakeら、Langmuir 2003、19、6436−6442)に従って実施された。

5CB−TEMグリッド実験システムを作製するために、第1に、ベースとして使用されるガラススライドは、好ましくは、グリース等の不純物を含まない。ガラスから全ての有機物を除去する強酸化剤であるピラニア溶液を使用して、洗浄を実施した。ピラニア溶液の強酸化性質のため、皮膚との接触を回避し、さらには爆発を避けるために、適切な安全予防措置が講じられた。

洗浄すべきガラスを含有する容器に、濃縮された硫酸(約30mL、98%グレード)を追加し、続いて過酸化水素(約10mL、30%)をゆっくり追加して、室温で1時間放置した。ピラニア溶液を注ぎ出し、ガラスを水およびアルコールで十分に洗浄した。最後に、ピラニア廃液を注意深く中和した。次に、ガラスをオクタデシルトリクロロシラン(OTS)で被覆した。OTSは、ガラススライド表面を被覆して、これを疎水性にするであろう、長鎖自己組織化両親媒性分子である。よって、5CBは、チャンバの基部に沿ってホメオトロピックアンカーリングと整列される。TEMグリッドをOTS被覆ガラス上に配置して、LC溶液用のグリッドを内部に保持した。キャピラリー管を使用して、TEMグリッドに5CBを注意深く追加し、グリッドの頂部に溶液のドームを形成するように、各グリッドが十分に充填されているが、過剰充填されないことを確実にした。TEMグリッドに5CBを追加する際、光学顕微鏡の交差偏光レンズを使用して、5CB整列をチェックした。5CBは、この段階ではホメオトロピックであるが、これは、OTS被覆ガラススライドとのLCの整列によるものである。

酵素検出の原理は、脂質、例えば、DLPCの放出時のLC配向の変化に依存する。このようにしてペプチド修飾CMCおよびLCを使用した、可能性のあるシステムを、図14に示す。この目的のために、図15は、CMCゲルの適用時の5CB充填TEMグリッドを示す顕微鏡写真を示す。

他の実施形態 前の実施例は、先の実施例で使用されたものに対して、開示された技術の一般的もしくは具体的に記載される反応物および/もしくは動作状態を置換することによって、繰り返すことができる。

前述の説明から、当業者は、開示された技術の本質的な特徴を容易に確認することができ、その主旨および範囲から逸脱することなく、開示された技術を様々な用途および状態に適合させるために、様々な変更および改変を行うことができる。

別段定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。開示された技術の実施もしくは試験において、本明細書に記載される方法および材料と同様もしくは等価な方法および材料を使用することができるが、好適な方法および材料は、前述の段落に記載されている。さらに、材料、方法、および実施例は、単なる例示的なものであり、限定することを意図するものではない。矛盾する場合、定義を含む本明細書が優先されるだろう。

本明細書で引用される全ての米国特許および公開または非公開の米国特許出願は、参考により組み込まれる。本明細書で引用される全ての公開された外国特許および特許出願は、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書で引用される全ての公開された参考文献、文書、写本、科学文献は、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書で引用されるNCBI、GENBANK、EBI、PUBMEDデータベースに関する全ての識別子および受託番号は、参照により本明細書に組み込まれる。 開示された技術の好ましい実施形態が本明細書に示され、かつ説明されているが、そのような実施形態が単なる例示として提供されていることは、当業者に明らかであろう。当業者には、数多くの変形例、変更例、および置換例が、これより生じるであろう。本明細書に記載される開示された技術の実施形態に対する様々な代替例が、開示された技術の実施において用いられ得ることが、理解されるべきである。以下の特許請求の範囲は、開示された技術の範囲を定義し、これらの特許請求の範囲の範囲内の方法および構造ならびにそれらの等価物が、それによって含まれることが意図される。

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