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Method for culturing virus-infected cell

阅读:440发布:2021-07-05

专利汇可以提供Method for culturing virus-infected cell专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PURPOSE: To provide a method for efficiently increasing the yield of a virus by devising the oxygen feed into a culture medium for the liquid culture of a virus-infected cell.
CONSTITUTION: The liquid culture of a virus-infected cell is carried out. In the process, pure oxygen gas is solely fed from an oxygen feed pipe into a space above the liquid surface of a culture solution in a culture vessel. Thereby, an atmosphere consisting wholly of the pure oxygen gas or consisting essentially of the oxygen gas is formed to cover the liquid surface of the culture solution therewith. At this time, the feed of the pure oxygen gas from the oxygen feed pipe into the atmosphere is controlled to thereby maintain the content of the dissolved oxygen in the culture medium at a value of ≤20% based on the saturation content of the dissolved oxygen in the culture medium during the initial culture period from the time of inoculating the virus into the cell to the time of starting logarithmic growth phase of the virus with the proviso that the content of the dissolved oxygen is maintained at a constant value or a nearly constant value satisfying the oxygen demand of the cell. Furthermore, the value is kept at ≥50% based on the saturation content of the dissolved oxygen in the culture medium with the proviso that the content of the dissolved oxygen is maintained at a constant value or a nearly constant value of lower than 100% during the subsequent logarithmic growth phase or thereafter.
COPYRIGHT: (C)1994,JPO&Japio,下面是Method for culturing virus-infected cell专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 ウイルスの接種後にウイルスに感染された宿主細胞を含有している液体培地を収容している培養槽内でウイルス感染細胞の培養液の液面上の空間中に純酸素ガスを単独に酸素ガス供給管から吹き込んで供給することにより、純酸素ガスより専らなる雰囲気又は主体の酸素ガスと該培養液から自然に蒸散する少量の水蒸気、少量の炭酸ガス及び少量の他種ガスとよりなる雰囲気を形成して該雰囲気で培養液の液面を被覆し、しかもこの際に純酸素ガスの供給流による攪乱作用で培養液の液面が波立つことがないように防止しながら前記の雰囲気を培養液の液面上に維持し、さらに純酸素ガスの供給量を加減すること及び(又は)純酸素ガスの供給を間歇的に行うことにより酸素ガス供給管から上記の雰囲気への純酸素ガスの供給を制御し、そしてこの純酸素ガスの供給の制御により、前記の培養液の液相、すなわち培地中の溶存酸素量を、宿主細胞へのウイルスの接種時からウイルスの対数増殖期の開始時期までのウイルス培養の初期には培地の飽和溶存酸素量の20%以下の値、但し宿主細胞の酸素需要量を満たす値に一定又は殆んど一定に維持し、またそれ以後のウイルスの対数増殖期中及びそれ以降には培地の溶存酸素量を飽和溶存酸素量の50
    %以上、但し100%より低い値に一定又は殆んど一定に維持することを特徴とするウイルス感染細胞の液体培養方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明は、ウイルス感染細胞の培養によるウイルスの生産を行うため、動物、植物又は生物の細胞、また特別には昆虫細胞の如き生物の細胞を宿主細胞として用いるウイルス感染細胞の液体培養方法に関するものであり、詳しくは、前記の生物細胞にウイルスを接種して感染させ、ウイルスの感染により代謝活性が高まった宿主細胞にエネルギー源や栄養源を速やかに供給することを可能にし、これにより、培養中のウイルス感染細胞の代謝系を好適に長い時間維持することができ、ウイルス生産量を増大できるウイルス感染細胞の改良された培養方法に関する。 本発明の方法では、培養中のウイルス感染細胞の呼吸に必要とされる酸素の速やかな供給を計るために培養液への酸素ガスの供給を制御して培養液の液相、すなわち培地中の溶存酸素濃度を経時的に調整する手段が利用される。

    【0002】

    【従来の技術】動物細胞及び植物細胞(以下、単に動植物細胞と略すこともある)や、動植物の器官又は組織細胞の培養ならびに微生物の細胞、特に昆虫細胞の培養において、またウイルスに感染された動植物細胞の培養においても、液体培地中への必要な酸素の供給は酸素を含む気体を液体培地中に通気して気泡の形で混合して行われる方法が多い。 しかしながら、この通気培養方法では、気泡として加えた酸素含有ガスと細胞との接触により細胞が酸素中毒や機械的剪断応により発育の阻害を受けることが知られている。 培養槽内でたとえば酸素を含む気体の液体培地中への通気量を増やし、気泡の攪拌作用により培地中へ酸素を拡散させて酸素濃度を培地中で均一化する方法では、培地内に生じた気泡により細胞の生育及び増殖が著しく阻害されることが多い。

    【0003】別の方法として培養槽内で酸素を含む気体を液体培地中へ通気せずに培地の表面に吹き付ける方法も提案されているが、この方法では、培地中での実効的な酸素の供給量を増やすために吹き出しノズルの形状を改良する(特開昭62−195276号公報)などして培地表面への気体吹き付け量を多くしたり、追加的に行う機械的攪拌により培地表面を波立たせて液体表面積を広くし、酸素を含む気体からの酸素の培地本体への溶け込み量を増加させる工夫が必要とされる。 この液体培地表面への酸素含有気体の吹き付け方法でも、攪拌を強く行ない酸素の供給効率を高めると、培養中の細胞に対して攪拌による剪断力が働き細胞の生育と増殖が著しく妨げられる。 従って、前記の従来技術による酸素供給法をとる限り、ウイルスの生産の目的でウイルス感染細胞の培養を行う場合には、ウイルス生産の効率は悪い。

    【0004】このように従来法では不都合な点を有するため、かかる欠点のないウイルス感染細胞の培養法の開発が望まれている。

    【0005】

    【発明が解決しようとする課題】本発明は、ウイルス感染した細胞の生育を良く維持できるように酸素の供給を制御し、かつウイルス感染細胞の生存期間を長くしてウイルスの収穫量も高い利点をもつウイルスに感染された動植物細胞の液体培養方法を提供することを目的とする。

    【0006】

    【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した目的を達成するために鋭意研究を行った。 先づ、培養槽内での動植物の液体培養方法における培地への酸素供給法として知られる酸素含有気体の培地中通気方法と、培地表面吹き付け方法と、培地表面を高濃度酸素を含む雰囲気で覆う方法との相対的な長所、短所を調べるために、一定組成の液体培地を用いてウイルス感染がない状態での細胞の培養時での培地中の溶存酸素量を種々の値で但し培養中は一定に維持した条件下で細胞の培養を行い、そして培養時間の経過につれての培養中の生細胞の個数の経時的な変動を計測する実験を、前記の培地中通気方法、並びに培地表面吹き付け方法及び培地表面を酸素含有気体で被覆する方法について行った。

    【0007】また、細胞培養時での培地中の溶存酸素量を培養初期の期間中には比較的低い又は高い値に維持し且つ培養初期の以後には比較的高い又は低い値に増加又は減少するように変動させた条件下で細胞の培養を行い、そして培養時間の経過につれての培養中の生細胞の個数の経時的変動を計測する実験も行った。 しかも、これらの実験では、純酸素ガスや空気や、酸素−窒素混合ガスを供給した。

    【0008】こうして得られた多数の実験結果を総括的に検討すると、純酸素ガスを用いて、培地表面を被覆する雰囲気を形成させる方式の方が酸素と他のガスとの混合ガスを供給する方式よりも全体的にみて優れた結果を与え得ることが知見された。

    【0009】そこで、純酸素ガスを供給することにより、培地表面を被覆する酸素含有雰囲気を形成させる方法の場合について、純酸素ガスの供給ノズルから出る酸素ガス流の供給速度(容積/時間)、方向、供給ノズルのガス噴出口と培地表面との間の距離、等の種々の条件因子を変えながら、培養中の培地中の溶存酸素濃度の経時的変化、並びに培養細胞数の経時的変化を計測する実験を行った。

    【0010】得られた多数の実験結果を比較して検討すると、総括的には、ノズルから供給された純酸素ガス流が衝突することによって液体培地の表面が波立ちを起こすことのないような仕方で純酸素ガスを供給する方式が他の場合に比べて優れた結果を与えることが知見された。

    【0011】更にまた重要なことには、これらの多数の実験を通して、新しい液体培地へ接種された細胞が接種時点から細胞対数増殖期の開始時期に至る培養初期中に必要とする細胞の単位個数当りの酸素消費量(細胞の酸素需要量、O 2 、μ1/時間)は、細胞対数増殖期に入った後の対数増殖期中の細胞が必要とする細胞の単位個数当りの酸素消費量(細胞の酸素需要量、O 2 、μ1/
    時間)に比べて約半分にすぎないことが知見された。 この知見を通じて、細胞の対数増殖期中では、この期間での培養中の細胞の酸素需要を満たすが但し酸素中毒を起こさない程度の溶存酸素濃度を培地中に維持することが必要であるけれども、培養初期中には、より低い値で溶存酸素濃度を培地中に維持すれば済み、このことがむしろ細胞の植え痛みを防ぐことに役立つことが認められた。

    【0012】これらの知見に基づいて、大約すると、細胞がウイルスに感染されてない場合には、動植物細胞、
    特に昆虫細胞の液体培養を行うに当り、液体培地を収容する培養槽内の培地の表面を覆う雰囲気を、酸素ガスを単独に供給し、換言すれば、純酸素ガスを供給することにより形成し、しかも供給された酸素ガスの流れの衝突又は攪乱作用により液体培地の表面が波立ちを起こすことのない条件下で純酸素ガスを供給するようにし、更に純酸素ガスの供給を加減及び(又は)断続することにより、培地内の溶存酸素量を細胞の接種時から細胞の対数増殖期に入るまでの間では或る低い値に維持するが、細胞の対数増殖期およびそれ以降には或る高い値に維持することにより、細胞の対数増殖期の開始を早め、対数増殖期を長く保つことができ、よって培養細胞の収穫量を高め得ることを見出した。

    【0013】従って、本発明者らは、先に、培養される細胞を接種してある液体培地を収容している培養槽内で培養液の液面上の空間中に純酸素ガスを単独に酸素ガス供給管から吹き込んで供給することにより、純酸素ガスより専らなる雰囲気又は主体の酸素ガスと培養液から自然に蒸散する少量の蒸気、少量の炭酸ガス及び少量の他種ガスとよりなる雰囲気を形成して該雰囲気で培養液の液面を被覆し、しかもこの際に純酸素ガスの供給流による攪乱作用で培養液の液面が波立つことがないように防止しながら前記の雰囲気を培養液の液面上に維持し、
    さらに純酸素ガスの供給量を加減すること及び(又は)
    純酸素ガスの供給を間歇的に行うことにより酸素ガス供給管から上記の雰囲気への純酸素ガスの供給を制御し、
    そしてこの純酸素ガスの供給の制御により、培地中の溶存酸素量を、細胞の接種時から細胞の対数増殖期の開始時期までの培養初期には培地の飽和溶存酸素量の20%
    以下の値、但し細胞の酸素需要量を満たす値に一定又は殆んど一定に維持し、またそれ以後の細胞対数増殖期中及びそれ以降には培地の溶存酸素量を飽和溶存酸素量の50%以上、但し100%より低い値に一定又は殆んど一定に維持することを特徴とする生物細胞の深部液体培養方法を提案した(特願平3−279627号参照)。

    【0014】次いで、本発明者らは、先に提案した生物細胞の液体培養方法に係る発明に際して得られた諸知見を考慮に入れながら、ウイルスの生産の目的のために、
    ウイルス感染した細胞を液体培地中で培養する場合のウイルス感染細胞の培養中の細胞の酸素消費量(酸素需要量)の経時変化について研究した。 その研究においては、例えば、宿主細胞としてヨトウガ由来の培養細胞ラインを用い且つこれに感染、増増すべきウイルスとして核多体病ウイルスを用い、核多角体病ウイルスに感染されたヨトウガ由来細胞を培養中の感染細胞の酸素消費量の経時変化と、ウイルス非感染の細胞の酸素消費量の経時変化とを比較してみた。

    【0015】すなわち、核多角体病ウイルスに感染したヨトウガ由来培養細胞の培養過程で、培養中のウイルス感染細胞の酸素の消費量はレシピロメーターを用い測定した結果、宿主細胞へのウイルス接種時およびウイルス感染初期である培養1日目のウイルス感染直後の細胞に比べ、ウイルスの対数増殖期に当る培養3日目のウイルス感染細胞は、それの酸素消費量が2.5倍量であることが知見され、さらにウイルス非感染の細胞の細胞対数増殖期の酸素消費量よりも約50%増加することが知見された。

    【0016】これらの知見から、ウイルス感染細胞の培養時の細胞への酸素供給条件としては、ウイルスの接種時からウイルスの対数増殖期までを少なく、ウイルスの対数増殖期以後に多量に酸素を細胞へ与えること及びウイルス非感染細胞の培養における細胞対数増殖期の酸素需要量に比べてより多量に酸素を供給することが必要であると認められた。 これらの必要条件に合う酸素供給法を検討した結果、先に提案した発明と同様に、培養槽内の気体部分に酸素ガスを単独で供給する方法により、培養中のウイルス感染細胞への酸素ガスの害作用をきわめて低減でき、発泡を生ずることなく培養液を攪拌し、培地の必要酸素濃度まで酸素を速やかに供給することができることを見いだした。

    【0017】従って、要するに、本発明によると、ウイルスの接種後にウイルスに感染された宿主細胞を含有している液体培地を収容している培養槽内でウイルス感染細胞の培養液の液面上の空間中に純酸素ガスを単独に酸素ガス供給管から吹き込んで供給することにより、純酸素ガスより専らなる雰囲気又は主体の酸素ガスと該培養液から自然に蒸散する少量の水蒸気、少量の炭酸ガス及び少量の他種ガスとよりなる雰囲気を形成して該雰囲気で培養液の液面を被覆し、しかもこの際に純酸素ガスの供給流による攪乱作用で培養液の液面が波立つことがないように防止しながら前記の雰囲気を培養液の液面上に維持し、さらに純酸素ガスの供給量を加減すること及び(又は)純酸素ガスの供給を間歇的に行うことにより酸素ガス供給管から上記の雰囲気への純酸素ガスの供給を制御し、そしてこの純酸素ガスの供給の制御により、前記の培養液の液相、すなわち培地中の溶存酸素量を、宿主細胞へのウイルスの接種時からウイルスの対数増殖期の開始時期までのウイルス培養の初期には培地の飽和溶存酸素量の20%以下の値、但し宿主細胞の酸素需要量を満たす値に一定又は殆んど一定に維持し、またそれ以後のウイルスの対数増殖期中及びそれ以降には培地の溶存酸素量を飽和溶存酸素量の50%以上、但し100%
    より低い値に一定又は殆んど一定に維持することを特徴とするウイルス感染細胞の液体培養方法が今回、提供される。

    【0018】以下に本発明の方法の実施法について詳細に説明する。

    【0019】本発明の方法で用いる培養槽としては、円筒状、球状など攪拌に適するものであれば従来慣用の竪型、横型のいずれの型でもよい。 また本法では、液体培地を培養過程中に攪拌機で攪拌してもよく、その攪拌の方法は、細胞の培養に適する攪拌手段であれば、培養槽中心に回転軸をもつプロペラ方式、ポンプによる培地循環方式のいずれの方式でもよい。

    【0020】本発明の方法で培養されるウイルス感染細胞は、動物細胞、植物細胞、植物器官、微生物の細胞の何れでもよい。 また、細胞としては浮遊性、付着依存性のいずれでもよい。 例えば昆虫細胞を本発明の方法で培養する場合には、培地に接種すべき昆虫細胞は、任意の昆虫についてその体の任意の部分を切り取り、プロテアーゼで処理することによって細胞を1つずつ分離して得られるものであり得る。 しかし、細胞の入手の容易さとその性質が固定化されていて公知であり取扱いも簡易であり、また継代培養を続けうる公知の細胞系統(セルライン)の方が利用しやすい。

    【0021】このために、従来知られている昆虫細胞のセルライン、例えばヨトウガ脂肪体由来細胞のセルラインであるSES−MaBr−1株、SES−MaBr−
    2株、SES−MaBr−3株、SES−MaBr−4
    株、同血球由来細胞のセルラインであるNIAS−Ma
    Br−32株、NIAS−MaBr−92株、NIAS
    −MaBr−93株などを用いることが培養結果の再現性の点からも有利である。

    【0022】また、ヨトウガ由来細胞(4H)株は、S
    ES−MaBr−4株をNo. 8培地で、またヨトウガ由来細胞(93H)株は、NIAS−MaBr−93株をNo. 8培地(特開昭63−148983号公報)でそれぞれに順化継代培養して得られる昆虫細胞セルラインとして知られるが、これらも本法で培養できる。

    【0023】本発明で使用しうるウイルスとしては、細胞培養により増殖できるウイルスであることができ、特に昆虫細胞に感染する任意のウイルス、例えば核多角体病ウイルス、顆粒病ウイルス、細胞質多角体病ウイルスなどの作物の食害昆虫に感染して生物学的に駆除できる昆虫ウイルスが挙げられる。

    【0024】本法で使用しうる液体培地としては、胎児血清含有MM培地〔Contrib . Boyel Jhompson Inst
    . 第22巻第435頁〜第460頁(1964)〕及びNo. 8培地などが挙げられるが、前記した生物細胞が成育できる液体培地であるならば、用いる細胞にあわせていずれの液体培地でも使用できる。

    【0025】本発明の方法を行うに当っては、培地を培養槽に注入後に培養液より上方の空間に充分量のチッ素ガスを吹き込み、空気を追い出しておく。 次いで、培養槽の上部に設けた酸素ガス供給管を通して純酸素ガスを供給し窒素ガスと置換させる。 純酸素ガスは市販の培養用品位のものを用い、無菌フィルターにより除菌したものを用いる。

    【0026】酸素ガスの供給管のノズル出口は、培養槽内の気層部分に直接吹き込め、培養液表面を波立たせない位置であれば、特に位置、吹き出し口の形状、吹き出し口の数は制限されるものではない。 細胞へのウイルスの接種は、培地が後記される値の溶存酸素量に達した時点で行ってもよいし、あるいは予めウイルス接種した細胞を、培地が後記される値の溶存酸素量に達した時点で植えてもよい。

    【0027】酸素ガスの供給量は、培養槽の気層部分の体積と、培養槽に収容された培地の体積、培養中のウイルス感染細胞の酸素消費量により異なるが、5リットル容量の培養槽では酸素ガス流量計の動かない程度から1
    リットル/hぐらいの範囲となるようにする。 培地の溶存酸素量は培地中の宿主細胞へのウイルスの接種時からウイルスの対数増殖期の開始時期までのウイルス培養の初期中には飽和溶存酸素量の20%以下、望ましくは1
    0〜15%の値に維持する。 ウイルスの増殖率が明らかに向上してウイルス量が急速に高まるウイルスの対数増殖期の開始時期およびそれ以降では、溶存酸素量を飽和溶存酸素量の50%以上、望ましくは60〜80%の範囲で維持する。

    【0028】培養槽には、培養液の上方の空間から気体を抜出す排気管が設けられるが、この排気管には、培養液の蒸散による培地液量の減少を防ぐためのコンデンサーを設置して水蒸気を凝縮して培養槽内へ戻すことが好ましい。 また培養槽による細胞の培養に必要な一般的な設備、たとえば温度センサー、pHセンサー、pH調整装置等は適宜設置する。

    【0029】以下に本発明を試験例及び実施例によってさらに説明する。

    【0030】 試験例1培養槽内の気層部分に酸素ガスを単独で吹き込みながら但し培養液中には通気せずに後記の表1に示した組成をもつNo. 8培地中でウイルス無接種の状態でヨトウガ由来培養細胞(4H株)を10日間(240時間)培養した。 なお、培養液中の溶存酸素量は培養2日目まで(培養時間48時間目まで)は飽和溶存酸素量の15%
    の値に一定に維持し、培養3日目(培養時間72時間目)より60%の値に維持した。 この培養過程における培養細胞の酸素の消費量(酸素需要量、μ1/時)をレシピロメーターを用い測定した(培養液を細胞と一緒に一部、試料として抜取り、経時的に計量した)。 その結果を表2に示す。 培養初期中にある細胞接種1日目(培養時間24時間目)の細胞は、対数増殖期中にすでに入った培養3日目(培養時間72時間目)の細胞の酸素消費量の約1/2量を要するだけで済むことが認められた。

    【0031】

    【表1】 No. 8培地の組成塩化ナトリウム 7.0g/1 塩化カリウム 0.2g/1 塩化マグネシウム六水和物 0.1g/1 塩化カルシウム二水和物 0.2g/1 D−グルコース 4.0g/1 ラクトアルブミン水解物 (Nutritional Biocheimicals Corp社製) 6.5g/1 イーストレート(粉末酵母)(Difco社製) 5.0g/1 pH 6.5±0.2

    【表2】

    試験例2試験例1で得られた培養日数、10日目のヨトウガ由来培養細胞(4H株)の培養液(細胞濃度:62.0×1


    5細胞/ml)を取出し、細胞を培養液から分離して新しいNo. 8培地中に懸濁した(細胞の接種)。 その後、直ちにヨトウガ由来培養細胞(4H株)を含むN


    o. 8培地へヨトウガ核多角体病ウイルスの浮遊液を加え、培養細胞へ該ウイルスを接種した。

    【0032】試験例1の場合と同様に、培養液中の溶存酸素量は飽和溶存酸素量の15%の値に一定に維持しながら、ウイルス感染細胞を培養し続けた。

    【0033】試験例1と同様の方法で、ウイルス感染した培養細胞の酸素の消費量(酸素需要量、μl/時)をレシピロメーターで測定した。 その結果を表3に示す。

    【0034】

    【表3】

    表3の結果について、ウイルス接種細胞の培養0日目(ウイルス接種の直后)では、細胞の酸素消費量(μl


    /hr/1×10

    5細胞当り)は0.6であり、ウイルス培養1日目には0.4と低下したが、これは新しい培地への細胞の植え痛みとウイルス接種との影響によると認められる。 ウイルス接種細胞の培養3日目(ウイルス対数増殖期に相当)では、細胞酸素消費量が1.5に増加し、培養0日目の0.6に比べて約2.5倍に増加したことが認められる。

    【0035】更に、表3の培養3日目の酸素消費量の1.5の値を、試験例1の表2に示されたウイルス非感染細胞の培養日数3日目(細胞の対数増殖期)における酸素消費量の値、0.9に比べると、約50%以上、増加したことが認められる。

    【0036】 実施例1表1に示された組成の培地(No.8培地)を調製し、
    これを滅菌後、ガラス製小型の培養ジャー(5リットル容量、ニューブランズイック社製)に3.5リットルあて分注した。 ジャーの上方空間の気相に窒素ガスを充分吹き込んで空気を追出した後、酸素ガスを吹き込み窒素ガスと置換させた。 酸素ガスの供給量を加減して、溶存酸素計で測定しながら培地の溶存酸素量を飽和溶存酸素量の15%の値に調整して設定した。 その後、この培地にあらかじめスピンナーボトルで培養したヨトウガ由来細胞(4H株)を2×10 5個/mlの接種量で接種した。 培養を27℃、攪拌速度60rpmで開始して6日間行なった。

    【0037】細胞培養開始後6日目の細胞濃度は5×1
    5個/mlであった。 そしてこの細胞培養液にヨトウガ核多角体病ウイルスの多角体(10 9個)を0.1モル濃度の炭酸ナトリウム水溶液に溶解して得られたウイルス浮遊液100mlを加えて接種した。 ウイルス接種後、攪拌速度60rpmで温度27℃で12日間培養を行なった。 ウイルス接種細胞の培養開始後3日間にわたり培地の溶存酸素量を溶存酸素計で測定しながら飽和溶存酸素量の15%になるように酸素ガスをジャーの気層部分に通気速度を調節して吹き込み、ウイルス接種から4日目より後は60%になるように供給した。 ウイルス感染細胞の培養12日後にはウイルス多角体を生産している細胞の率は20%となり、ウイルス多角体の生産量は、1.2×10 10個/lであった。 その結果を後記の表4に示す。

    【0038】 対照例1培地の溶存酸素量をウイルスの接種時の当初から飽和溶存酸素量の15%の値に一定に維持したままウイルス感染細胞を12日間培養した以外は実施例1に準じて培養を行なった。 その結果を表4に示した。

    【0039】ウイルス感染細胞の培養12日後には多角体を生産している細胞の率は2%であり、多角体の生産量は6.5×10 8個/lにしかならなかった。

    【0040】 対照例2培地の溶存酸素量をウイルスの接種時の当初から飽和溶存酸素量の60%の値に一定に維持したままウイルス感染細胞を12日間培養した以外は実施例1に準じて培養を行なった。 その結果を表4に示す。

    【0041】ウイルス感染細胞の培養3日後に細胞濃度は1×10 5個/ml以下に低下し、ウイルス感染細胞の培養12日後には多角体を生産している細胞の率は1
    %以下であり、多角体の回収は困難であった。

    【0042】 対照例3空気に酸素ガス、窒素ガス、炭酸ガスを混合した気体を純酸素ガスの代りに用い、培地中に1リットル/分の通気速度で吹き込んだ以外は実施例1に準じて培養を行なった。 但し、ウイルス接種後3日間は混合ガスの通気により培地の溶存酸素量を飽和溶存酸素量の15%に維持して培養し、その後は60%に高めて培養した。 しかし、混合ガスの通気では培地の溶存酸素量を飽和溶存酸素量の60%に維持することができず、培養するに従い溶存酸素量は徐々に低下し、培養中期に測定限界値より以下になった。 その結果を表4に示した。

    【0043】ウイルス多角体を生産している細胞の率は3%であり、多角体の生産量は8.4×10 8個/lにしかならなかった。

    【0044】

    【表4】

    実施例2表1に示された組成に準じて調製した培地(No.8培地)を調製し、滅菌後ガラス製小型ジャー(5l容量平底 いわしや製)に3.6lを分注しチッ素ガスを5l


    吹き込んだ。 これに実施例1に準じて得たウイルス接種4日後のヨトウガ核多角体病ウイルス感染細胞培養液を遠心分離(300rpm)して細胞を除いた培地の上澄液400mlを加えて接種した。

    【0045】培地の溶存酸素量を飽和溶存酸素量の10
    %に調整後、この培地にあらかじめスピンナーボトルで培養したヨトウガ由来細胞(4H株)を初発濃度5×1
    5個/mlになるように加えて接種した。 マリンタイプのインペラーを用い、攪拌速度120rpmで温度2
    7℃で14日間培養を行なった。 培養開始後3日間培地の溶存酸素量を溶存酸素計で測定しながら飽和溶存酸素量の10%になるように酸素ガスをジャーの気体部分に通気速度1l/hで吹き込み、その後は80%になるように供給した。 培養14日後には多角体を生産している細胞の率は18%であり、多角体の生産量は1×10 10
    個/lであった。

    【0046】対照例として、実施例2と同様に、但し培養開始後培地の溶存酸素量を飽和溶存酸素量の10%一定になるように酸素を供給したが、培養12日後には多角体を生産している細胞の率は1%以下であり、多角体の回収は困難であった。

    【0047】また、別の対照例として、実施例2と同様に、但し培養開始後培地の溶存酸素量を飽和溶存酸素量の80%一定になるように酸素を供給したが、培養3日後に細胞濃度は1×10 5個/ml以下に低下した。 培養12日後には多角体を生産している細胞の率は1%以下であり、多角体の回収は困難であった。

    【0048】さらに別の対照例として、酸素ガスの代わりに空気を用いたほかは上記実施例2に準じて行い、空気を1.2l/分の速度で吹き込んで、培地中の溶存酸素量を培養初期は飽和溶存酸素量の10%、培養中期以後飽和溶存酸素量の80%になるように培養したが、培養中期には培地の溶存酸素量を飽和溶存酸素量の80%
    に保つことが出来ず、多角体を生産している細胞の率は1%以下であった。 多角体の生産量は1×10 8個/l
    以下であった。

    【0049】

    【発明の効果】本発明は、上述したように、ウイルス接種時および、ウイルス感染初期においては培地中の溶存酸素量を低くし、ウイルスが対数増殖期にあるときは多量の酸素を供給することにより多量のウイルスを感染増殖させることができる。 また、酸素、窒素、炭酸ガスの混合気体でなく純酸素ガスを用いることにより多量の酸素を必要とする時期に速やかに必要量を供給することができる。 さらに培養槽内の気体部分に酸素ガスを吹き込みながら培養を行なう方法により、酸素ガスの細胞への害作用がきわめて少なく、発泡を生ずることなく培養液を攪拌し、酸素を速やかに供給することができる。 このように本発明によれば、培養細胞でのウイルスの感染増殖を効率的に行わせ、大量のウイルス生産が行える。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 5識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:91)

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