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排ガスの熱回収システム

阅读:680发布:2020-05-12

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廃熱ボイラが備えられた排ガスの流通路に設けられ、400℃を超え1500℃以下の高温の排ガスを対象とする熱回収システムであって、 外管としてセラミックス管Caが用いられ、該セラミックス管を構成する全成分100質量(重量)%に対してSiCを90質量(重量)%以上の主成分とするとともに、内管として一端が閉塞したシングルエンド型の2重管Daが用いられ、前記セラミックス管Caと前記2重管Daの間隙に形成された緩衝部に空気層が最小となるように緩衝材が挿入された3重管を有し、該2重管Daの内部に気体または液体の熱媒体Maが流通可能な流路を有する第1熱交換部が、前記廃熱ボイラの上流側であって前記セラミックス管Caの耐熱温度以下の前記排ガスの流通路に設けられ、該緩衝材が炭素材,グラファイト,炭化ケイ素あるいは金属酸化物を素材とする熱伝導率が高く耐熱性を有する素材を用い、 外管としてセラミックス管を構成する全成分100質量(重量)%に対してSiCを90質量(重量)%以上含むセラミックス管Cbが用いられ、一端が閉塞したシングルエンド型の2重管を構成し、該2重管の内部に気体または液体の熱媒体Mbが流通可能な流路を有する第2熱交換部が、前記廃熱ボイラの下流側の前記排ガスの流通路に設けられ、 前記第1熱交換部において、排ガスとの熱交換によって加熱された前記熱媒体Maを介して高温領域の排ガスの温熱が回収され、前記廃熱ボイラの適正温度まで排ガスの温度を低下させ、 前記第2熱交換部において、排ガスとの熱交換によって加熱された前記熱媒体Mbを介して低温領域の排ガスの温熱が回収され、 前記第2熱交換部において、前記廃熱ボイラから供出される排ガス中の分量と飽和水蒸気曲線から求まる排ガス露点または排ガスの排ガス露点を基準に、前記セラミックス管Cb表面の一部分の温度が該排ガスの露点以下となる低温領域まで冷却するとともに、他の部分に露点以上となる高温部分が形成されるようにして、該高温部分における酸成分の凝縮防止または凝縮が発生した場合にはこれを蒸散させることができる部分を形成するように前記熱媒体Mbの温度および流量が設定され、かつ前記排ガスの熱回収システムから供出される排ガス温度が、該排ガスの露点以上とされる、ことを特徴とする排ガスの熱回収システム。前記緩衝部に圧センサまたは/および温度センサを設け、前記3重管の外管の異常な状態を検出することを特徴とする請求項1記載の排ガスの熱回収システム。前記第2熱交換部から取り出され、加温された熱媒体Mbの少なくとも一部を、前記第1熱交換部の2重管Daに導入される熱媒体Maおよび/または廃熱ボイラの熱媒体Mcとして利用することを特徴とする請求項1または2に記載の排ガスの熱回収システム。

说明书全文

本発明は、排ガスのシステムに関し、特に、約400℃を超える高温の排ガスを対象とする排ガスの熱回収システムにおいて有用である。

加熱炉、熱処理炉、焼却炉等の工業用炉からは、数100℃〜1000℃を超える高温の排ガスが排出される。こうした排ガスは大きなエネルギー源であることから、如何に効率よく熱回収を行うかという課題と向き合いながら、温熱として熱回収され、具体的に、蒸気を発生させて発電用に、あるいは燃焼用空気の加熱用等に利用されている。また、同時に、含有する酸成分や粉塵等を如何に処理して無害化をするかが大きな課題となっている。

例えば、メンテナンスを容易にし、その熱交換チューブの変形、破損を容易に防止できるようにすると共に、寿命を向上させることを目的として、図7のような工業用炉の排熱回収装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。具体的には、煙道の途中に設けられる筒体101の上壁部にレキュペレータ102a,102bの上部ヘッダ104,105を支持し、該上部ヘッダから下部ヘッダ106に連なる複数本の熱交換チューブ107を筒体内に垂下し、該レキュペレータに燃焼用空気を循環させることにより該煙道を通って排出される排ガスの顕熱により該燃焼用空気が予熱されるようにした排熱回収装置において、筒体の下部側壁に扉112によって開閉可能なるダスト清掃口111を設け、該ダスト清掃口から該筒体の底面と下部ヘッダとの間隙110a,110bに溜まるダストを排出し得るようにする。ここで、108a,108bは開口、109a,109bはピット、110は支持縁、114a,114bはレンガを示す。

特開2007−017029号公報

しかしながら、上記のような排熱回収装置等では、次のような問題が生じる。 (i)上記のように非常に高温(約800〜1500℃)の排ガスは、電用の蒸気発生用や燃焼用空気の加熱用の温熱として好適である。反面、例えば約250℃以下の低温の排ガスからの熱回収は、熱回収効率が悪いことから、そうした低温状態まで熱回収された排ガスは、そのまま排出されることが多かった。しかしながら、こうした熱回収装置を含む排ガス処理システムや工業用炉を含む製造プロセス全体のエネルギー効率の観点からは、未回収の温熱は無視できず、その効率的な熱回収が大きな課題となっていた。 (ii)特に、廃熱ボイラが備えられた排ガス処理装置における熱回収システムにあっては、廃熱ボイラの上流側での排ガス温度を適正温度約400℃以下とする必要があるとともに、約400℃を超える高温領域での効率的な熱回収、および約400℃を超える高温領域から廃熱ボイラの下流側での約250℃以下の低温領域までの広い温度領域における効率的な熱回収が大きな課題となっていた。 (iii)工業用炉からの排ガスには硫黄化合物等酸成分が含まれており、腐食性がある。従って、熱交換器の直接排ガスが接する部分には耐腐食性の高い部材を用いる必要がある。特に、上記(i)における低温状態は、排ガス中に発生する硫酸ミスト等凝縮性の酸成分の露点以下の温度条件に相当することから、通常の耐腐食性の素材では長期間の使用はできなかった。一方、熱交換器は、その熱交換効率の確保するために、排ガスの温熱を熱媒体に伝達し易い素材を用いる必要がある。また、熱交換効率を向上させるためには、接触表面積を大きくする等特有の構成を有することから加工性の高い素材が好ましい。こうした条件を確保するには、特殊な素材を用いることが要求され、特に酸成分の露点以下の条件での使用ができる素材の選択は、大きな課題であった。 (iv)また、排ガスの露点以下の低温条件においては、発生した水滴や硫酸ミスト等の酸ミストが粉塵と結合・凝集して成長した粒子等によって、接ガス部分の腐食や細部の閉塞等を生じることがある。低温条件での熱回収時においては、こうした状況を生じないような熱回収処理を行う必要があり、従前からの課題であった。

本発明の目的は、上記従来技術の有する問題点に鑑みて、約400℃を超える高温の排ガスからの熱回収を効率よく行い、排ガスの熱回収を高温領域から低温領域まで効率よく行うことができる熱回収システムを提供することである。また、長期使用が可能で安全性の高い熱回収システムであり、排ガスの露点に対応した排ガス処理を行うことができる熱回収システムを提供することである。

本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、以下に示す排ガスの熱回収システムによって上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。

本発明は、廃熱ボイラが備えられた排ガスの流通路に設けられ、約400℃を超え約1500℃以下の高温の排ガスを対象とする熱回収システムであって、 外管としてセラミックス管Caが用いられ、該セラミックス管を構成する全成分100質量(重量)%に対してSiCを90質量(重量)%以上の主成分とするとともに、内管として一端が閉塞したシングルエンド型の2重管Daが用いられ、前記セラミックス管Caと前記2重管Daの間隙に形成された緩衝部に空気層が最小となるように緩衝材が挿入された3重管を有し、該2重管Daの内部に気体または液体の熱媒体Maが流通可能な流路を有する第1熱交換部が、前記廃熱ボイラの上流側であって前記セラミックス管Caの耐熱温度以下の前記排ガスの流通路に設けられ、該緩衝材が炭素材,グラファイト,炭化ケイ素あるいは金属酸化物を素材とする熱伝導率が高く耐熱性を有する素材を用い、 外管としてSiCを主成分としたセラミックス管Cbが用いられ、一端が閉塞したシングルエンド型の2重管を構成し、該2重管の内部に気体または液体の熱媒体Mbが流通可能な流路を有する第2熱交換部が、前記廃熱ボイラの下流側の前記排ガスの流通路に設けられ、 前記第1熱交換部において、排ガスとの熱交換によって加熱された前記熱媒体Maを介して高温領域の排ガスの温熱が回収され、前記廃熱ボイラの適正温度まで排ガスの温度を低下させ、 前記第2熱交換部において、排ガスとの熱交換によって加熱された前記熱媒体Mbを介して低温領域の排ガスの温熱が回収されることを特徴とする。

従前、非常に高温(800〜1500℃)の排ガスからの熱回収処理は、熱回収効率の高い廃熱ボイラを用いてより熱回収率の向上を図ることが多く、廃熱ボイラの耐熱性やその処理能力範囲の限界から、約400℃を超える高温領域あるいは約250℃以下の低温領域での排ガスの熱回収については、高い効率が望めなかった。本発明は、こうした課題に対して、約400℃を超える高温領域について外管をセラミックス管とする3重管構造の熱交換部(第1熱交換部)を用い、約250℃以下の低温領域について外管をセラミックス管とする2重管構造の熱交換部(第2熱交換部)を用いることによって、高温領域から低温領域まで効率よく排ガスの熱回収を行うことができる熱回収システムを可能とした。具体的には、3重管構造の第1熱交換部の内部を流通する熱媒体Maを介して約400℃を超える高温領域の排ガスの温熱を回収して廃熱ボイラの適正温度約400℃以下まで排ガスを低下させ、廃熱ボイラによって約250℃以下に低下した約250℃以下の低温領域の排ガスに対して2重管構造の第2熱交換部の内部を流通する熱媒体Mbを介して温熱を回収する熱回収システムを構成することによって、排ガスの熱回収を高温領域から低温領域まで効率よく行うことを可能にした。

本発明は、上記排ガスの熱回収システムであって、前記緩衝部に圧力センサまたは/および温度センサを設けることを特徴とする。 本発明に係る排ガスの熱回収システムにおいては、約400℃を超える高温領域の排ガス流通路に設けられた第1熱交換部の適正な動作が、後段の廃熱ボイラおよび第2熱交換部の適正な機能を確保することができる。従って、第1熱交換部の、特に直接高温領域の排ガスに接触する外管の異常な状態(クラックあるいは外管外周表面への付着物の発生等)を検知し、その保守・点検を確実に行うことが要求される。本発明は、第1熱交換部の緩衝部に圧力センサまたは/および温度センサを設け、外管のクラック等に伴う緩衝部の圧力・温度の変化,外管外周表面への付着物の発生に伴う緩衝部と排ガスとの温度差の低下等を検知することによって外管の異常な状態を検出することができる。また、熱媒体の調整温度の異常に伴う緩衝部の温度変化は、熱回収効率の低下の原因となる。緩衝部の温度変化を検知することによって、外管の異常だけではなく、熱媒体の異常温度を検出することができる。

本発明は、上記排ガスの熱回収システムであって、前記第2熱交換部において、前記廃熱ボイラから供出される排ガス中の水分量または排ガス露点を基準に、前記セラミックス管Cb表面の一部分の温度が該排ガスの露点以下となる低温部分とこれに近接し露点以上となる高温部分が形成されるように前記熱媒体Mbの温度および流量が設定され、かつ供出される排ガス温度が、該排ガスの露点以上とされることを特徴とする。 従前、工業用炉等からの排ガス処理プロセスにおいては、排ガス中に含まれるダストや硫黄化合物(特に硫酸ミスト)等の凝縮性の酸成分または/および水分の処理とともに、排ガスが有する温熱を低温領域(例えば250℃以下)まで効率よく熱回収することは非常に難しかった。本発明の検証過程における以下の知見(a)〜(e)を基に、本発明の排ガスの熱回収システムにおいて、廃熱ボイラの下流側に第2熱交換部を配設することによって、排ガスからの熱回収を効率よく行うことができ、かつ排ガスの露点に対応した排ガス処理を行うことができることを見出した。 (a)排ガスの温度(露点)に対応した熱回収処理を行うことによって、低温領域まで効率よく熱回収することができる。つまり、熱回収用の低温熱媒体の温度制御が容易な特性およびセラミックス管表面温度を排ガスの露点近傍まで低下させた場合に熱回収効率が最大となるとの知見を利用して、排ガスの露点以下の低温領域まで熱回収部分(セラミックス管表面)を冷却し、その内部を流通する熱媒体を介して熱回収を行うことによって、効率よくかつ安定的に排ガスの温熱を回収することができる。 (b)また、SiCを主成分としたセラミックス管を用いた熱交換器を適用することによって、酸ミスト等の発生があっても腐食されることなく、長期使用が可能で安全性の高い熱回収装置を構成することができる。従って、回収された熱媒体の温熱を、低温条件において精度の高い温度制御が要求される低温ボイラ用温水作製用等の温熱として利用することができる。 (c)内部に熱媒体が流通可能な流路を有する熱交換部においては、内部の熱媒体は外部の排ガスの温熱と熱交換によって導入部から徐々に温度上昇が生じ、熱交換部表面に温度差(温度分布)が生じる。つまり、熱交換部表面の一部において排ガスの露点以下(最大量の温熱を吸収することができる)になるまで冷却することができる部分を形成するとともに、他の部分を露点以上にすることによって他の部分における酸成分の凝縮を防止し、もし凝縮が発生した場合にはこれを蒸散させることができる部分を形成することによって、供出される排ガス温度を露点以上に設定し、熱交換部表面における酸成分の凝集や酸成分と粉塵等の凝集の形成を防止することができる。 (d)このとき、一端が閉塞したシングルエンド型の2重管型のセラミックス管を用い、2重管の内管または外管のいずれかを流通した最も低温の熱媒体と排ガスを熱交換させ、熱交換部表面の一部において排ガスの露点以下になるまで排ガスを低温化させることによって、最大量の温熱を回収することができる。 (e)また、個々のセラミックス管における熱回収効率は、導入される熱媒体の流量の増加に伴い上昇するとともに、所定の流量以上において熱回収効率上昇速度の低下、さらに熱回収効率の低下を生じる(後述するように、その相関をグラフ化すると排ガスの露点近傍を最大とする熱回収効率の変曲点を生じる)。セラミックス管の表面における排ガス中の水分または酸成分の結露に伴う凝縮潜熱、比熱が大きい液滴の発生に伴う温熱吸収、およびセラミックス管の表面における液膜の発生に伴う熱伝達率の低下、によるものと推察させる。また、このとき、セラミックス管から導出される熱媒体の温度は、熱媒体の低流量域からの流量の増加に伴い、徐々に低下するとともに、上記変曲点に対応する流量以上の領域において、その低下勾配が大きくなる(後述するように、その相関をグラフ化すると、上記熱回収効率の変曲点近傍において熱媒体の温度の変曲点を生じる)との知見を得た。

本発明は、上記排ガスの熱回収システムであって、前記第2熱交換部から取り出され、加温された熱媒体Mbの少なくとも一部を、前記第1熱交換部の2重管Daに導入される熱媒体Maおよび/または廃熱ボイラの熱媒体Mcとして利用することを特徴とする。 本発明に係る排ガスの熱回収システムによって効率よく回収された排ガスの温熱は、第1熱交換部から取り出される非常に高温の気体または液体の熱媒体、廃熱ボイラから取り出される比較的高温の気体または液体の熱媒体、および第2熱交換部から取り出される低温の気体または液体の熱媒体を介して、発電エネルギーや温熱源等として利用される。しかしながら、第2熱交換部から大きな熱量を回収するには大量の熱媒体を供給する必要がある一方、取り出された熱媒体の温度は比較的低温を維持していることからバイナリ発電等に用いたとしても余剰の熱源となる可能性がある。本発明は、加温されつつも比較的低温の第2熱交換部から取り出された熱媒体Mbの一部を、第1熱交換部の熱媒体Maあるいは廃熱ボイラの熱媒体Mcとして用いることによって、熱媒体自体を有効に活用することができ、不要な温熱の廃棄をなくした結果、高温領域から低温領域まで効率よく熱回収を行うことができる。

本発明に係る排ガスの熱回収システムの基本的な構成を例示する概略図

本発明に係る排ガスの熱回収システムを構成する第1,第2熱交換部を例示する概略図

排ガス流路に挿入されたセラミックス管の表面温度と排ガス露点との関係を例示する概略図

本発明に係る排ガス熱回収システムの検証結果を例示する概略図

本発明に係る排ガス熱回収システムの基本構成例の実施形態を例示する概略図

本発明に係る排ガス熱回収システムの他の構成例を示す概略図

従来技術に係る工業用炉の排熱回収装置を例示する概略図

本発明に係る排ガスの熱回収システム(以下「本システム」という)は、廃熱ボイラが備えられた排ガスの流通路に設けられ、約400℃を超える高温の排ガスを対象とし、 廃熱ボイラの上流側であってセラミックス管Caの耐熱温度以下の排ガスの流通路に、3重管構造を有し熱媒体Maを用いる第1熱交換部が設けられ、廃熱ボイラの下流側の排ガスの流通路に、2重管構造を有し熱媒体Mbを用いる第2熱交換部が設けられ、 第1熱交換部において、熱媒体Maを介して高温領域の排ガスの温熱が回収され、廃熱ボイラの適正温度まで排ガスの温度を低下させ、第2熱交換部において、熱媒体Mbを介して低温領域の排ガスの温熱が回収されることを特徴とする。 こうした構成の排ガスの熱回収システムを用いることによって、排ガスの熱回収を高温領域から低温領域まで効率よく行うことができ、かつ排ガスの露点に対応した排ガス処理を行うことができる。以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。

<本発明に係る排ガスの熱回収システムの基本構成> 図1は、本システム1の基本的な概略全体構成を例示する(第1構成例)。工業用炉等(図では溶解炉を例示する)から供出された排ガスGが、冷却処理等の前置処理された後、高温領域(約400〜800℃)の排ガスとして、排ガス流通路に設けられた本システム1に対して供給される。本システム1は、排ガスの流通路の上流側から、第1熱交換部10,廃熱ボイラ20,第2熱交換部30が設けられ、それぞれ排ガスとの熱交換によって加熱された熱媒体Ma,熱媒体Mc,熱媒体Mbを介して高温領域から低温領域の排ガスの温熱が回収される。本システム1で熱回収された排ガスGは、脱硫処理,集塵処理され清浄化された後、煙突から排出される。また、熱媒体Ma,熱媒体Mc,熱媒体Mbは、タンク40から、それぞれタンク40a,タンク40c,タンク40bを介して第1熱交換部10,廃熱ボイラ20,第2熱交換部30に供給され、蒸気(液体を含む)として供出される。各熱媒体Ma,Mc,Mbとして水を用いた場合には、タンク40から軟水器Wに供給され軟水化された水を用いることによって、流路における結晶物の発生を防止することができる。

本システム1において処理対象となる排ガスGは、高温領域(約400〜800℃)の排ガスであり、二酸化炭素や酸素および窒素等の安定なガス成分を含むとともに、凝縮性の酸成分または/および水分を含有する場合がある。具体的には、加熱炉や熱処理炉等の工業用炉からの凝縮性の酸成分ミスト(例えば硫酸ミストSO3等の酸ミスト)または/水分を含有する排ガスGが対象となる場合がある。こうした排ガスGは、高エネルギーを有するとともに、多くの酸ミストまたは/および水分が含まれることから、効率よくかつ安定的に熱回収するには、その露点に対応した排ガス処理が必要となる場合がある。具体的には、脱硫処理によって酸成分の低減処理(酸成分の露点の低下)と同時に露点を下げ(除害処理)、かつ供出される排ガス温度が、該排ガスの露点以上とされることによって効率よくかつ安定的に熱回収することが好ましい。特に、後述するように、本システム1の第2熱交換部30において、セラミックス管Cb表面温度を排ガスの露点近傍まで低下させた場合、熱回収効率が最大となるとの知見から、排ガス中の水分量または排ガス露点を基準に、セラミックス管Cb表面の一部分の温度がこうした条件となるように熱媒体の温度および流量が設定されることが好ましい。また、酸ミスト等の発生し易い温度以下に冷却処理する場合には、酸ミストによる腐食および酸ミストと粉塵との結合・凝集を防止するように、耐食性素材の利用および微細粒子までの除塵処理が好ましい。

〔第1熱交換部〕 第1熱交換部10は、図2(A)に例示するように、外管としてSiCを主成分としたセラミックス管Caが用いられ、内管として一端が閉塞したシングルエンド型の2重管Daが用いられ、セラミックス管Caと2重管Daの間隙に形成された緩衝部11に熱伝導率が高く耐熱性の緩衝材が挿入された3重管構造を有し、該2重管Daの内部に気体または液体の熱媒体Maが流通可能な流路12を有する。高温領域の排ガスGとの接触は、耐熱性のみならず耐蝕性をも要求され、ステンレス鋼等金属材料では長期的に直接排ガスGと接触する使用には耐えることができない。本システム1は、こうした課題を解消するために外管としてセラミックス管Caを用い、熱伝導率が高く耐熱性の緩衝材を介して内管として熱媒体Maが流通可能な流路12を有するシングルエンド型の2重管Daを用いることによって、効率よく熱回収を行うと同時に長期的な使用にも十分に耐えうる第1熱交換部10を構成した。

ここで、セラミックス管Caは、SiCを主成分(ここでいう主成分とは、セラミックス管を構成する全成分100質量(重量)%に対して、90質量(重量)%以上占める成分であり、95質量(重量)%以上であることが好適である。)としたセラミックス素材(例えばクアーズテック社製、商品名CERASIC[登録商標]−B)を用い、例えば半球状の一端部を有し、他端部から2重管Daを挿入し緩衝部11の形成が可能な円筒形状とすることが好ましい。約400℃を超える高温領域の排ガスGと接触にも耐えうる耐熱性および熱伝導性に優れるとともに、本システム1の使用に必要な強度(耐熱衝撃性)を確保することができる。また、SiCを主成分としたセラミックス管Caを用いることによって、酸ミスト等の発生があっても腐食されることない耐食性を有し、長期使用が可能で安定な熱交換効率を確保することができる熱回収システムを構成することができる。

緩衝部11に充填される緩衝材は、熱伝導率が高く耐熱性を有する素材が好ましい。具体的には、炭素材,グラファイト,炭化ケイ素あるいは金属酸化物(例えば酸化マグネシウム等)などを用いることができる。また、粉末状または微粒子状の緩衝材が好ましく、緩衝部11中の空気層を最小にすることによってより高い熱伝導率を確保し、セラミックス管Caからの温熱を効率よく2重管Daに伝達することができる。本システムにおける検証では、後述するように、特に、緩衝材として粉末状のグラファイトを充填した緩衝部11が好ましいとの実証結果を得た。

ここで、緩衝部11に圧力センサまたは/および温度センサ(図示せず)を設けることが好ましい。継続的あるいは断続的に約400℃を超える高温領域の排ガスGと接触するセラミックス管Caには、熱応力だけではなく熱衝撃も加わる非常に過酷な条件で長期間使用されることがある。長期間のこうした条件での使用により蓄積された熱歪は、セラミックス管Caのクラックを引き起こす可能性があり、発生した破れ目からは緩衝部11への高温の排ガスGの浸透が生じる可能性がある。従って、予め緩衝部11に圧力センサ・温度センサを設けることによって、緩衝部11の圧力・温度の変化を伴うセラミックス管Caのクラック等を検知することができる。また、長期間の高温領域の腐食成分や凝集成分等を含む排ガスGと接触するセラミックス管Caの外周表面には、多様な付着物が蓄積され、こうした付着物の存在はセラミックス管Caの熱伝達機能の低下を招く。緩衝部11と排ガスGとの温度差の低下を検知することによって、熱回収効率に大きく寄与するセラミックス管Caの異常な状態を検出することができる。さらに、熱媒体Maの流量や温度の調整異常は緩衝部11の温度変化を招来し、熱回収効率の異常の原因となる。供給源での熱媒体Maの流量や温度を検知するだけではなく、緩衝部11の温度変化を検知することによって、セラミックス管Ca内部を流通する熱媒体Maの異常を検出することができる。

また、ここでいう「シングルエンド型の2重管」Daとは、外管の一端が閉塞した構成で、外管および内管を例えば鉄やステンレス等の耐熱性材料で構成された2重管をいう。セラミックス管Ca内部に設けられ直接排ガスGと接触することがないことから、耐熱性材料であれば強い耐食性が要求されず、幅広く熱伝導性が高く、加工性のよい材料を選択することができる。内管内部から低温の熱媒体Maを供給し、内管外周部と外管内部との中間を流通させて、あるいは逆に内管外周部と外管内部との中間から低温の熱媒体Maを供給・流通させ、内管内部を流通させて、緩衝部11からの温熱を効率よく回収することができる。熱媒体Maとしては、熱容量の大きな液体の熱媒体が好ましく、例えば市水や井戸水等を用いることによって、低温条件において精度の高い温度制御を行うことができる。また、大きな蒸発潜熱(凝縮熱)を利用して効率の良い熱回収を行うことができる。

〔廃熱ボイラ〕 本システム1に用いる廃熱ボイラ20は、図7に例示した熱回収装置同様、多数設けられた水管群を備えるとともに、高温の排ガスGとの接触で発生した熱媒体Mcの高圧の蒸気によってドラムやタービン等を回転させる機構を有する。水管群の構成等の制限から廃熱ボイラ20としての耐熱温度は、約250〜400℃となる。本システム1においては、第1熱交換部10によって低温下された排ガスGを供給することによって耐熱温度を確保するとともに、第1熱交換部10の機能を調整し、廃熱ボイラ20を最適条件の温度で動作させることによって、さらに高い熱回収効率をえることができる。熱媒体Mcとしては、上記熱媒体Ma同様、熱容量の大きな液体の熱媒体として例えば市水や井戸水等を用いることができる。

〔第2熱交換部〕 第2熱交換部30は、図2(B)に例示するように、外管としてSiCを主成分としたセラミックス管Cbが用いられ、一端が閉塞したシングルエンド型の2重管を構成し、該2重管の内部に気体または液体の熱媒体Mbが流通可能な流路31を有する。排ガスGとの熱交換によって加熱された熱媒体Mbを介して低温領域の排ガスGの温熱が回収される。このとき、流通路に導入される排ガス中の水分量または排ガス露点を基準に、セラミックス管表面の一部分の温度が排ガスGの露点以下となる低温部分とこれに近接し露点以上となる高温部分が形成されるように熱媒体Mの温度および流量が設定され、かつ本システム1から供出される排ガス温度が、排ガスGの露点以上とされることによって、排ガスGからの熱回収を効率よく行うことができ、かつ排ガスGの露点に対応した排ガス処理を行うことができる。

セラミックス管Cbは、上記セラミックス管Caと同じ素材を用いることができる。耐熱性,耐食性および熱伝導性に優れるとともに、本システム1の使用に必要な強度を確保することができる。また、SiCを主成分としたセラミックス管Caを用いることによって、低温領域において排ガスG中の酸ミスト等の発生があっても腐食されることなく、長期使用が可能で安定な熱交換効率を確保することができる熱回収システムを構成することができる。内管として上記2重管Da同様、例えば鉄やステンレス等の耐熱性材料を用いることができる。また、セラミックス管Cbは、一端が閉塞したシングルエンド型の2重管を形成することが好ましい。例えば半球状の一端部を有し、他端部から内管を挿入し熱媒体Mbの導入・流通が可能な円筒形状とすることが好ましい。内管内部から低温の熱媒体Mbを供給し、内管外周部と外管内部との中間を流通させて、あるいは逆に内管外周部と外管内部との中間から低温の熱媒体Mbを供給・流通させ、内管内部を流通させて、熱媒体Mbを最も低温条件で排ガスGと熱交換させることによって、低温領域の排ガスGであっても、その温熱を最大量回収することができる。このとき、排ガスGの温度が比較的高温の場合、熱媒体Mbが排ガスGの温熱を回収した後の内管または外管のいずれかにおいて気化するように設定することも可能である。熱媒体Mbの気化熱として大きな温熱を回収することによって、排ガスGからの熱回収をより効率よく行うことができる。熱媒体Mbとしては、上記熱媒体Ma同様、熱容量の大きな液体の熱媒体として例えば市水や井戸水等を用いることによって、低温条件において精度の高い温度制御を行うことができる。

具体的には、図2(B)に例示するように、排ガスの流通路の上方からセラミックス管Cbが挿入された場合において、内管32から導入された熱媒体Mb(例えば10〜20℃)がセラミックス管Cbの内部流路を流通して導出され、セラミックス管Cbの管壁を介して所定温度(例えば200〜300℃)の排ガスGが有する温熱が回収処理される。回収された温熱は、熱媒体Mbまたは他の媒体を介して、温水作製用等の温熱として利用される。このとき、回収される熱量は、導入された熱媒体Mbの所定の流量範囲において、熱媒体Mbの流量によって制御することができる。具体的には、セラミックス管Cbは、内管32から内部流路下部に導出された低温の熱媒体Mbによって冷却され、セラミックス管Cbの表面の下部(以下「表面下部」という)30aが最も低温となり(例えば80℃)、上方に従い、表面中央部30b(例えば90℃)、表面上部30c(例えば100℃)と順次温度が上昇する。ここで、熱媒体Mbの流量を増加させ、表面下部30aの温度を排ガスGの露点(例えば60℃)以下とすることによって、排ガスGの温熱を最大量吸収することができる。セラミックス管Cb外表面における凝縮水の発生・付着は、該外表面からの放熱・排ガスによる移送を阻害することから、熱媒体Mbによる排ガスGの温熱の回収効率は、セラミックス管外表面温度が排ガスGの露点近傍のときに最大となると解され、後述する実機での検証において実証された。つまり、排ガスG中の水分量または排ガスGの露点を基準に、熱媒体Mbの温度・流量を制御することによって、排ガスGの温熱の回収効率を最大とすることができる。また、表面下部30a以外のセラミックス管Cbの表面温度はこれよりも高く、そこでの酸成分の凝縮を防止し、また凝縮が発生した場合にはこれを蒸散させることによって、供出される排ガス温度を露点以上に設定し、酸成分の凝集や酸成分と粉塵等の凝集の形成を防止することができる。

一方、排ガスの流通路の下方からセラミックス管Cbが挿入された場合(図示せず)においては、熱媒体Mbが内管32の外周部から導入され、セラミックス管Cbの内部流路を流通して内管32を介して導出されることによって、これと同等の効果を得ることができる。このとき、セラミックス管Cbの表面下部に排ガスの露点以下の低温部分が形成され、セラミックス管Cbの表面上部に排ガスの露点以上の温度となる高温部分が形成され、排ガスとの熱交換により高い温熱回収を行うことができる。

また、排ガスの流通路の上方からセラミックス管Cbが挿入され、内管32の外周部から導入された熱媒体Mbがセラミックス管Cbの内部流路を流通して内管32を介して導出された場合(図示せず)においても同様に、排ガスGが有する温熱が回収処理される。このとき、当初の熱媒体Mbの流量条件において、セラミックス管Cbは、セラミックス管Cb表面上部30cが最も低温となり(例えば80℃)、下方に従い、表面中央部30b(例えば90℃)、表面下部30a(例えば100℃)と順次温度が上昇する。ここで、熱媒体Mbの流量を増加させ、表面上部30cの温度を排ガスGの露点(例えば60℃)以下とすることによって、排ガスの温熱を最大量吸収することができる。つまり、排ガスG中の水分量または排ガスGの露点を基準に、熱媒体Mbの温度・流量を制御することによって、排ガスGの温熱の回収効率を最大とすることができる。また、表面上部30c以外のセラミックス管Cbの表面温度はこれよりも高く、そこでの酸成分の凝縮は発生せず、また凝縮が発生した場合にはこれを蒸散させることによって、供出される排ガス温度を露点以上に設定し、酸成分の凝集や酸成分と粉塵等の凝集の形成を防止することができる。特に、排ガスの流通路の上方からセラミックス管Cbを挿入した場合には、表面上部30cにおいて凝縮した酸成分は自重による自然落下及び排ガスの流れによって、さらに温度が上昇した表面中央部30bおよび表面下部30aに移動し、再び気化・蒸散し、酸成分の凝集や酸成分と粉塵等の凝集の形成を防止することができる。

また、排ガスの流通路の下方からセラミックス管Cbが挿入された場合(図示せず)において、熱媒体Mbが内管32から導入され、内管32を介してセラミックス管Cbの上方および内部流路を流通して内管32外周部の下方から導出されることによって、これと同等の効果を得ることができる。このとき、内管32から導入された低温の熱媒体Mbが、セラミックス管Cbの内部流路の上方から下方に流通されることによって、セラミックス管Cbの表面上部に排ガスの露点以下の低温部分が形成され、セラミックス管Cbの表面下部に排ガスの露点以上の温度となる高温部分が形成され、排ガスとの熱交換により高い温熱回収を行うことができる。

こうした機能は、本発明における上記知見(c)を基に、本システム1の構成において得られるものである。具体的には、排ガス流路に配設された第2熱交換部30において、排ガスGの露点を例えば55〜60℃とした場合のセラミックス管Cbの表面温度と排ガスGの露点との関係によって実証することができる。図3は、55〜60℃の飽和水分量を有する197℃の排ガスGが流通する場合におけるセラミックス管Cbの表面温度と排ガスGの露点(水分濃度:kg/kg)との関係を例示する。セラミックス管Cbの表面温度が60℃以上の表面(Te)には、水分(酸成分)の凝縮はなく、凝縮した成分が存在した場合には、気化・蒸散する。表面温度が55〜60℃近傍の表面(Td)には、酸成分の凝縮が生じるが、凝縮した成分が凝集し拡大することはなく、気化・蒸散することもない。表面温度が55℃以下の表面(Tc)には、酸成分の凝縮が生じ、凝縮した成分が存在した場合、凝集し拡大する。つまり、表面温度が55℃近傍まで低下するように、セラミックス管Cb内部を流通する熱媒体Mbによって熱回収を図ることによって、酸成分の凝縮を抑えながら最大量の温熱を回収することができる。また、図3(A)に例示するように、セラミックス管Cbの表面下部が55〜60℃近傍の表面(Td)に対応するように設定することによって、凝縮した酸成分の凝集・拡大を防止することができる一方、図3(B)に例示するように、セラミックス管Cbの表面上部が55℃以下の表面(Tc)に対応するように設定することによって、表面中央部が55〜60℃近傍の表面(Td)に対応し、表面下部が60℃以上の表面(Te)に対応することから、表面(Tc)において凝縮した酸成分は、表面(Td)を介して表面(Te)において気化・蒸散させることができる。つまり、後者の構成の方が、前者に比較してより表面温度を低く設定し、熱回収量を多くすることができる。

〔本システムの特性の検証〕 (1)第1熱交換部および第2熱交換部の基本特性 上記図2(A),(B)の構成を有する第1熱交換部10,第2熱交換部30について、所定温度の熱媒体Ma,Mbを導入した場合における「熱流量」,「熱流密度」および「熱伝達率」を検証した。 (i)検証条件 排ガス流路(断面かまぼこ型:断面積2.9m2)に、 (i−1)排ガスG温度460〜495℃条件で、高温領域用第1熱交換部として、1つのセラミックス管Ca(外径φ116mm×内径φ96mm,有効長1198mm),内管Da(2重管構造のSUS管:外径φ90mm×内径φ73mm,有効長900mm)および緩衝材としてグラファイトを配設し、熱媒体Maとして水温14℃の水を流量約2.5〜4.5L/min供給し、 (i−2)排ガスG温度190℃条件で、低温領域用第2熱交換部として、10本のセラミックス管Cb(2重管の外径φ90mm×内径φ73mm,有効長900mm)を配設し、熱媒体Mbとして水温14℃の水を流量約1.2L/min(1本あたり)供給し、 熱流量(kW),熱流密度(kW/m2)および熱伝達率(λ)を測定・演算した。 なお、 (ii)検証結果 検証結果を、下表1に例示する。緩衝部に充填されたセラミックス管Caにおいて、予測通り良好な熱流量,熱流密度および熱伝達率の結果を得られ、高温領域での大きな回収熱量を得ることができた。特に充填無しの状態とは大きく相違した。一方、充填材料によって少しバラつきの発生が見られた。グラファイトが高い熱回収機能を有することが期待できる。また、セラミックス管Cbにおいて、良好な熱流量,熱流密度および熱伝達率の結果を得られ、低温領域において大きな回収熱量を得ることが期待できる。

(2)第2熱交換部の特性 上記図2(B)の構成を有する第2熱交換部30について、所定温度の熱媒体Mbを導入した場合における「熱媒体Mbの流量と回収熱量の相関」および「熱媒体Mbの流量とセラミックス管Cb出口の熱媒体Mbの温度の相関」を検証した。 (i)検証条件 排ガス流路に10本のセラミックス管Cbを配設し、各セラミックス管Cbに対して熱媒体Mbを排ガスGと並流または向流方向に流した場合を設定した。ここで、排ガス流路(断面積0.72m2:半径0.48mの円筒)に、外径φ90mm×内径φ76mm,有効長900mmからなる2重管のセラミックス管Cbを配設し、モル比「O2:N2:H2O=10:70:20」からなる排ガスG(露点約60℃)を流量15,000Nm3/h,温度197℃で導入し、熱媒体Mbとして温度18℃の水を流量約0.5〜1.4L/minで供給し、熱媒体Mbの流量とセラミックス管Cb出口の熱媒体Mbの温度を測定した。回収熱量は、セラミックス管Cb出入り口の熱媒体Mbの温度差と熱媒体Mbの流量から演算した。 (ii)検証結果 検証結果を、図4および図5に例示する。図4は「熱媒体Mbの流量と回収熱量の相関」を示し、図5は「熱媒体Mbの流量とセラミックス管Cb出口の熱媒体Mbの温度の相関」を示す。領域aおよびbにおいて、セラミックス管Cb表面に凝縮物が発生していることが確認された。図4に例示するように、熱媒体Mbの供給流量1.2L/min近傍において、回収熱量が最大値を示す相関結果を得た。また、図5に例示するように、熱媒体Mbの供給流量1.3L/min近傍において、セラミックス管Cb出口の熱媒体Mbの温度が急激に低下する相関結果を得るとともに、その変曲点近傍は、排ガスの露点約60℃に対応する温度であるとの結果を得た。なお、本検証では、特定条件の排ガスG条件で実証結果を例示したが、いくつかの排ガスG条件において同様な実証結果を得ることができた。

こうした検証結果から、既述のように、 (a)図4に例示する結果から、熱媒体Mbの流量を増加させ、セラミックス管Cb表面温度を排ガスGの露点(例えば55〜60℃)近傍まで低下させた場合に、熱回収効率が最大となるとの知見を得た。 これを利用して、熱媒体Mbの流量を調整し、セラミックス管Cb表面の一部分において排ガスGの露点以下の低温領域まで熱回収部分(セラミックス管Cb表面)を冷却し、その内部を流通する熱媒体Mbを介して熱回収を行うことによって、効率よくかつ安定的に排ガスGの温熱を回収することができる。排ガスGの特性に対応して、セラミックス管Cbを用いた熱交換器が有する機能を有効に活かることによって、非常に高い熱回収効率を確保することができる。

また、上記検証結果から、既述のように、 (e)図5に例示する結果から、熱媒体Mbの流量を増加させ、セラミックス管Cb表面温度を低下させた場合に、ほぼ一定の傾きを有していたセラミックス管Cb出口の熱媒体Mbの温度変化が、排ガスGの露点(例えば55〜60℃)近傍において急激に傾きが変化するとの知見を得た。 これを利用して、セラミックス管Cb出口の熱媒体Mbの温度を監視し、熱媒体Mbの流量を調整することによって、セラミックス管Cb表面の一部分において排ガスGの露点以下の低温領域まで冷却できているかを推定することができ、その内部を流通する熱媒体Mbを介して熱回収を行うことによって、効率よくかつ安定的に排ガスGの温熱を回収することができる。また、熱媒体Mbの流量に対するセラミックス管Cb出口の熱媒体Mbの温度変化を監視することによって、排ガス中の水分量の変化に対応した最適な熱媒体Mbの流量を調整することができる。熱交換器において熱媒体Mbにより回収された温熱を監視することによって間接的に熱媒体Mbの流量と熱回収効率の最適な相関条件を把握することができ、熱媒体Mbの流量調整によって非常に高い熱回収効率を確保することができる。

〔本システムの他の構成例〕 本システムにおいて、図6に例示するように、第2熱交換部30から取り出され、加温された熱媒体Mbの少なくとも一部を、第1熱交換部10の2重管Daに導入される熱媒体Maおよび/または廃熱ボイラの熱媒体Mcとして利用することを特徴とする(第2構成例)。第2熱交換部30から取り出された熱媒体Mbの温度は比較的低温を維持していること、および低温領域において大きな熱量を回収するには比較的大量の熱媒体Mbを供給する必要があり、第2熱交換部30から供出される熱媒体Mbの量も大きいことから、高温の排ガスGとの熱交換用熱媒体として使用することが可能である。加温されつつも比較的低温の第2熱交換部から取り出された熱媒体Mbの一部を、第1熱交換部の熱媒体Maあるいは廃熱ボイラの熱媒体Mcとして用いることによって、熱媒体自体を有効に活用することができ、不要な温熱の廃棄をなくした結果、高温領域から低温領域まで効率よく熱回収を行うことができる。また、図においては、第1熱交換部10から供出された高温の蒸気または液体は、蒸発缶に供給され、発電,プラント用蒸気または温水利用設備等に用いられ、第2熱交換部30から供出された低温の蒸気または液体は、バイナリ発電に供給され照明や各種設備電源等に用いられる。

また、図6に例示するように、第2構成例に係る本システムと並行に、異なる熱媒体を用いて高温領域および低温領域において熱回収を行い、オペレーション用媒体として使用する熱回収システムを構成することができる。具体的には、空気等熱容量の小さな気体を、排気ガスGの流路の高温領域および低温領域に設けられた熱交換部の熱媒体として導入し、迅速に加温された気体を取り出すことができる。図によれば、高温領域において熱交換された気体(空気)は、そのまま高温の燃焼用空気として利用され、低温領域において熱交換された気体(空気)は、そのまま集塵装置のエアヒータとして利用される構成を例示する。むろん、こうした構成に限定されず、熱媒体の種類や組み合わせを変えることによって、高温領域および低温領域に設けられた熱交換部から様々な仕様の熱媒体として取り出すことができ、様々な用途に利用することができる。本システム1は、排ガスGが保有する熱エネルギーを効率よく取り出すことによって、より有用なエネルギーとすることができる。

1 本発明に係る排ガスの熱回収システム(本システム) 10 第1熱交換部 11 緩衝部 12 流路 20 廃熱ボイラ 30 第2熱交換部 Ca,Cb セラミックス管 Da 2重管 G 排ガス Ma,Mb,Mc 熱媒体

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