Mox fuel assemblies

阅读:705发布:2020-06-20

专利汇可以提供Mox fuel assemblies专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a MOX fuel assembly capable of improving the utility of plutonium by reducing the number of fuel rods without lowering the negative reactivity worth of whole fuel rods containing gadolinia and replacing the portion of the reduction of the gadolinia containing fuel rods with MOX fuel rods. SOLUTION: In the same line and neighboring row or the same row and neighboring line for 7 fuel rods replaced for arranging water rods in the fuel rods 15 arranged in 9 by 9 matrix, 6 uranium fuel rods 15b containing gadolinia are positioned. In the other position, 68 MOX fuel rods 15a are arranged. In this configuration, two groups of 3 uranium fuel rods 15b containing gadolinia being adjacent to each other are arranged in the diagonal direction in the 9 by 9 matrix putting 2 water rods 13, 13 in between.,下面是Mox fuel assemblies专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 複数行複数列の格子状に配列され核分裂性物質が充填された複数本の燃料棒と、これら格子状に配列された燃料棒のうち中央部領域近傍の複数本の燃料棒を置き換える形で配列された少なくとも1本のウォータロッドとを有し、前記複数本の燃料棒は、前記核分裂性物質としてウラン・プルトニウム混合酸化物燃料が充填された複数本の第1の燃料棒、前記核分裂性物質としてウラン・プルトニウム混合酸化物燃料が充填され軸方向長さが前記第1の燃料棒よりも短い複数本の第2の燃料棒、及び前記核分裂性物質としてウラン燃料が充填され可燃性毒物を含有する第3の燃料棒のうち、少なくとも第1及び第3の燃料棒を含み、軽水炉炉心に装荷されるMOX燃料集合体において、 前記第3の燃料棒のすべては、前記第2の燃料棒の配列位置及び前記ウォータロッドに置き換えられた複数本の燃料棒の配列位置のうち少なくとも一方の配列位置に対して、同行隣接列及び同列隣接行のうちいずれか一方の関係となる位置に配列されていることを特徴とするMO
    X燃料集合体。
  • 【請求項2】 請求項1記載のMOX燃料集合体において、前記格子状配列は9行9列であり、前記ウォータロッドは、中央部領域近傍の7本の燃料棒を置き換える形で前記9行9列配列の対角線方向に隣接して2本配列されており、前記第3の燃料棒は、前記7本の燃料棒位置に対して同行隣接列及び同列隣接行のうちいずれか一方の関係となる位置に、計6本配列されていることを特徴とするMOX燃料集合体。
  • 【請求項3】 請求項2記載のMOX燃料集合体において、前記6本の第3の燃料棒は、前記9行9列配列の対角線方向に互いに隣接する3本の燃料棒の組が、前記2
    本のウォータロッドを挟んで2組配列されていることを特徴とするMOX燃料集合体。
  • 【請求項4】 請求項1記載のMOX燃料集合体において、前記格子状配列は9行9列であり、前記ウォータロッドは、中央部領域近傍の7本の燃料棒を置き換える形で前記9行9列配列の対角線方向に隣接して2本配列されており、前記第2の燃料棒は、前記9行9列配列の最外周配列のすぐ内側の正方形状配列における、四隅位置及び各辺中点位置に計8本配列されており、前記第3の燃料棒は、前記ウォータロッドに置き換えられた7本の燃料棒位置及び前記8本の第2の燃料棒位置に対して、
    同行隣接列及び同列隣接行のうちいずれか一方の関係となる位置に、計14本配列されていることを特徴とするMOX燃料集合体。
  • 【請求項5】 請求項4記載のMOX燃料集合体において、前記8本の第2の燃料棒のうち、前記9行9列配列の最外周配列のすぐ内側の正方形状配列における四隅位置に配置された4本を、同径のウォータロッドに置き換えたことを特徴とするMOX燃料集合体。
  • 【請求項6】 請求項1記載のMOX燃料集合体において、前記複数本の第1及び第2の燃料棒のそれぞれは、
    軸方向に一様なプルトニウム富化度分布を有し、かつ、
    その平均プルトニウム富化度の値が、該複数本の第1及び第2の燃料棒全体で4種類以下となるように構成されていることを特徴とするMOX燃料集合体。
  • 【請求項7】 請求項1記載のMOX燃料集合体において、前記複数本の第1及び第2の燃料棒のそれぞれは、
    平均プルトニウム富化度の値が、該複数本の第1及び第2の燃料棒全体で複数種類となるように構成されており、かつ、各第2の燃料棒の平均プルトニウム富化度は、前記複数種類の平均プルトニウム富化度のうち、大きい方から2番目の値となっていることを特徴とするM
    OX燃料集合体。
  • 【請求項8】 請求項1記載のMOX燃料集合体において、前記第3の燃料棒は、燃料有効長をHとしたとき、
    有効長最下端からの距離が0〜(1/24)H及び(2
    3/24)H〜Hの範囲に、天然ウランからなる燃料ペレットが充填された領域を備えていることを特徴とするMOX燃料集合体。
  • 【請求項9】 請求項1記載のMOX燃料集合体において、前記複数の第3の燃料棒のそれぞれに添加される可燃性毒物の濃度は、該複数の第3の燃料棒全体で複数種類になっていることを特徴とするMOX燃料集合体。
  • 【請求項10】 9行9列の格子状に配列され核分裂性物質が充填された複数本の燃料棒と、これら格子状に配列された燃料棒のうち中央部領域近傍の7本の燃料棒を置き換える形で前記9行9列配列の対角線方向に隣接して配列された2本のウォータロッドとを有し、前記複数本の燃料棒は、前記核分裂性物質としてウラン・プルトニウム混合酸化物燃料が充填された複数本の第1の燃料棒、前記核分裂性物質としてウラン・プルトニウム混合酸化物燃料が充填され軸方向長さが前記第1の燃料棒よりも短い複数本の第2の燃料棒、及び前記核分裂性物質としてウラン燃料が充填され可燃性毒物を含有する第3
    の燃料棒を含み、軽水炉炉心に装荷されるMOX燃料集合体において、 前記第3の燃料棒は、前記7本の燃料棒位置に対して同行隣接列及び同列隣接行のうちいずれか一方の関係となる位置に配列されている6本と、前記9行9列配列の最外周配列のすぐ内側の正方形状配列における、四隅位置及びこれに対して同行隣接列及び同列隣接行のうちいずれか一方の関係となる位置に配列されている12本との、あわせて18本が配置されていることを特徴とするMOX燃料集合体。
  • 【請求項11】 9行9列の格子状に配列され核分裂性物質が充填された複数本の燃料棒と、これら格子状に配列された燃料棒のうち中央部領域近傍の7本の燃料棒を置き換える形で前記9行9列配列の対角線方向に隣接して配列された2本のウォータロッドとを有し、前記複数本の燃料棒は、前記核分裂性物質としてウラン・プルトニウム混合酸化物燃料が充填された複数本の第1の燃料棒、前記核分裂性物質としてウラン・プルトニウム混合酸化物燃料が充填され軸方向長さが前記第1の燃料棒よりも短い複数本の第2の燃料棒、及び前記核分裂性物質としてウラン燃料が充填され可燃性毒物を含有する第3
    の燃料棒を含み、軽水炉炉心に装荷されるMOX燃料集合体において、 前記第3の燃料棒は、前記7本の燃料棒位置に対して同行隣接列及び同列隣接行のうちいずれか一方の関係となる位置に配列されている6本と、前記9行9列配列の最外周配列のすぐ内側の正方形状配列における四隅位置に配列されている4本と、前記第2の燃料棒の配列位置に対して同行隣接列及び同列隣接行のうちいずれか一方の関係となる位置に配列されている8本の、あわせて18
    本が配置されていることを特徴とするMOX燃料集合体。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、沸騰原子炉に備えられる燃料集合体に係わり、特に、ウラン・プルトニウム混合酸化物燃料を備えたMOX燃料集合体に関する。

    【0002】

    【従来の技術】原子発電所の核燃料リサイクルとして、再処理によって取り出されたプルトニウムをウランと混合させたウラン・プルトニウム混合酸化物燃料(以下適宜、MOX燃料という)の利用が提唱されている。
    燃料サイクル費の低減を図るためには、プルトニウムの消費を高めるすなわちプルトニウムの使用率を高めることが好ましい。

    【0003】一方、近年、同様に燃料サイクル費の低減を図る観点から、ウラン燃料の高燃焼度化と並行する形で、MOX燃料の高燃焼度化が図られる傾向にある。 このようなMOX燃料の高燃焼度化の傾向が、(1)短尺燃料棒の採用、(2)ウォータロッドの太径化、(3)
    ガドリニア入り燃料棒本数の増加、をもたらすようになっている。 これらについて、以下順番に詳細を説明する。

    【0004】(1)短尺燃料棒の採用 一般に、燃料の高燃焼度化を図るためには、燃料の保有する反応度を高める必要がある。 したがって、ウラン燃料の高燃焼度化を図るためには、ウラン濃縮度のを増加させる必要があり、MOX燃料の高燃焼度化を図るためには、MOX燃料のプルトニウム富化度(以下適宜、単に富化度と呼ぶ)を増加させる必要がある。

    【0005】ここで、一般に燃料集合体にMOX燃料を充填すると、核分裂性物質であるプルトニウム239やプルトニウム241の熱中性子吸収断面積がウラン23
    5より大きいこと、プルトニウム240による中性子吸収がウラン238より大きいこと等により、ウラン燃料集合体よりも中性子スペクトルが硬くなる傾向がある。
    これに加えて、前述したようにMOX燃料の富化度を増加させると、これによっても中性子スペクトルの硬化が増す傾向が生じる。

    【0006】これに対する対策の1つとして、例えば8
    行8列の燃料棒配列(以下適宜、8×8配列という)の燃料集合体を9行9列の燃料棒配列(以下、9×9配列という)等の燃料集合体に変更することで、中性子スペクトルを軟らかくすることが考えられている。

    【0007】但しこのとき、9×9配列の燃料集合体に変更する際、単に燃料棒本数を増加させただけでは、本数増加による表面積の増大が気泡の抵抗を増やし、炉心の圧力損失が増加して熱水力安定性が悪化する等の課題が生じるので、燃料棒の一部に、軸方向長さが短い短尺燃料棒を使用し、圧力損失の増加を押さえるようにしている。

    【0008】(2)ウォータロッドの太径化 上記(1)で述べたような、MOX燃料における中性子スペクトル硬化に対するもう1つの対策として、ウォータロッドを太径化することで水(すなわち中性子の減速材)領域を増加し、中性子スペクトルを軟らかくすることが考えられている。

    【0009】なお、以上(2)の方策を講じてウラン燃料の高燃焼度化を図った公知技術例として、例えば、特開昭62−217186号公報に記載のものがある。

    【0010】(3)ガドリニア入り燃料棒本数の増加 上記(1)で前述したように、MOX燃料の高燃焼度化を図る際には燃料の反応度が高められていることから、
    余剰反応度を適切に制御するためには、燃料集合体に使用される可燃性中性子毒物のガドリニア入り燃料棒の本数を増加させる必要がある。

    【0011】

    【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記(1)〜(3)に関しては、いずれも、最終的にプルトニウムの使用率を低下させるという新たな課題が生じる。 すなわち、(1)短尺燃料棒の採用が行われるようになれば、その分MOX燃料が少なくなるので、プルトニウムの使用率を低下させることになる。 また、(2)
    ウォータロッドの太径化が行われるようになれば、ウォータロッドにより押しのけられる横断面積が増えるので、その分MOX燃料棒の燃料集合体に占める割合が減少して、プルトニウムの使用率を低下させることになる。 また、一般に、プルトニウムは強い中性子吸収体であることから、ガドリニア入り燃料棒にはウランが用いられるので、(3)ガドリニア入り燃料棒本数の増加が行われるようになれば、その分MOX燃料棒の燃料集合体に占める割合が減少し、プルトニウムの使用率を低下させることになる。

    【0012】このようなプルトニウムの使用率の低下を防止するためには、上記(1)〜(3)の方策のうちいずれか1つの方策を、プルトニウム使用率が低下しないように改良すればよい。

    【0013】本発明の目的は、ガドリニア入り燃料棒における全体の負の反応度価値を低下させることなくその本数を低減し、その低減分をMOX燃料棒に置き換えることにより、プルトニウムの使用率を向上できるMOX
    燃料集合体を提供することである。

    【0014】

    【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明によれば、複数行複数列の格子状に配列され核分裂性物質が充填された複数本の燃料棒と、これら格子状に配列された燃料棒のうち中央部領域近傍の複数本の燃料棒を置き換える形で配列された少なくとも1本のウォータロッドとを有し、前記複数本の燃料棒は、前記核分裂性物質としてウラン・プルトニウム混合酸化物燃料が充填された複数本の第1の燃料棒、前記核分裂性物質としてウラン・プルトニウム混合酸化物燃料が充填され軸方向長さが前記第1の燃料棒よりも短い複数本の第2の燃料棒、及び前記核分裂性物質としてウラン燃料が充填され可燃性毒物を含有する第3の燃料棒のうち、少なくとも第1及び第3の燃料棒を含み、軽水炉炉心に装荷されるMOX燃料集合体において、前記第3の燃料棒のすべては、前記第2の燃料棒の配列位置及び前記ウォータロッドに置き換えられた複数本の燃料棒の配列位置のうち少なくとも一方の配列位置に対して、同行隣接列及び同列隣接行のうちいずれか一方の関係となる位置に配列されていることを特徴とするMOX燃料集合体が提供される。

    【0015】軽水炉においては、水は冷却材としてだけではなく、中性子の減速材としても重要な役割を担っており、炉心内部の水とプルトニウム及びウランの体積比(=減速材対燃料比)が、核特性に影響を与える重要な要素となっている。 すなわち、減速材対燃料比は、高速中性子エネルギー及び共鳴中性子エネルギー領域での中性子吸収率に影響を与える。

    【0016】つまり、一般に、低濃縮ウランを用いる熱中性子炉では、熱外中性子の吸収反応の大半は、例えばPu240、U238のような親物質への捕獲反応であり、核分裂によるエネルギー発生と中性子の増倍には寄与しない。 しかしながら、減速材対燃料比が増加すると、核分裂中性子(平均約2MeVのエネルギーを有する)が熱中性子まで減速される割合が増加する。

    【0017】したがって、熱中性子炉では、減速材対燃料比を増加させて中性子スペクトルを軟らかくすることにより、熱中性子を増加させ、Pu239、Pu24
    1、U235への中性子吸収を増加させることができる。 そしてこれにより核分裂に寄与する中性子が増えるので、中性子束及び無限増倍率を大きくすることができる。 そしてこのようにして中性子束を大きくすることによって、強い熱中性子吸収体である可燃性毒物の負の反応度価値、すなわち、反応度に対して負の方向に働く効果もまた高めることができることになる。

    【0018】燃料集合体においては、減速材対燃料比が高くなる位置として、例えば、燃料チャンネルボックスの外側の水ギャップ、ウォータロッド、及び短尺燃料棒上部の水領域等が考えられる。

    【0019】本発明においては、可燃性毒物を含有する第3の燃料棒を、複数本の燃料棒を置き換えたウォータロッド位置又は短尺である第2の燃料棒の配列位置に対して同行隣接列又は同列隣接行、すなわち非常に近接した位置に配列する。 ここで、ウォータロッドは全領域が水であるのでこれに近いほど減速材対燃料比が高く、また第2の燃料棒については、短尺の燃料棒上方は水領域であるので同様にこれに近いほど減速材対燃料比が高い。

    【0020】したがって、第3の燃料棒の配列位置は中性子スペクトルが軟らかく、中性子束分布が高くなるので、結果として、第3の燃料棒に含有される可燃性毒物の負の反応度価値が高められる。 よってその分、可燃性毒物入りの第3の燃料棒の本数を従来より低減しても、
    従来と同等の反応度抑制効果を得ることができる。 好ましくは、前記MOX燃料集合体において、前記格子状配列は9行9列であり、前記ウォータロッドは、中央部領域近傍の7本の燃料棒を置き換える形で前記9行9列配列の対線方向に隣接して2本配列されており、前記第3の燃料棒は、前記7本の燃料棒位置に対して同行隣接列及び同列隣接行のうちいずれか一方の関係となる位置に、計6本配列されていることを特徴とするMOX燃料集合体が提供される。

    【0021】さらに好ましくは、前記MOX燃料集合体において、前記6本の第3の燃料棒は、前記9行9列配列の対角線方向に互いに隣接する3本の燃料棒の組が、
    前記2本のウォータロッドを挟んで2組配列されていることを特徴とするMOX燃料集合体が提供される。

    【0022】また好ましくは、前記MOX燃料集合体において、前記格子状配列は9行9列であり、前記ウォータロッドは、中央部領域近傍の7本の燃料棒を置き換える形で前記9行9列配列の対角線方向に隣接して2本配列されており、前記第2の燃料棒は、前記9行9列配列の最外周配列のすぐ内側の正方形状配列における、四隅位置及び各辺中点位置に計8本配列されており、前記第3の燃料棒は、前記ウォータロッドに置き換えられた7
    本の燃料棒位置及び前記8本の第2の燃料棒位置に対して、同行隣接列及び同列隣接行のうちいずれか一方の関係となる位置に、計14本配列されていることを特徴とするMOX燃料集合体が提供される。

    【0023】さらに好ましくは、前記MOX燃料集合体において、前記8本の第2の燃料棒のうち、前記9行9
    列配列の最外周配列のすぐ内側の正方形状配列における四隅位置に配置された4本を、同径のウォータロッドに置き換えたことを特徴とするMOX燃料集合体が提供される。 すなわちこれにより、減速材対燃料比を増加させボイド反応度係数絶対値を低減し過渡変化を緩和した配列構成に適用した場合も、可燃性毒物入り燃料棒の本数を従来より低減することができる。

    【0024】また好ましくは、前記MOX燃料集合体において、前記複数本の第1及び第2の燃料棒のそれぞれは、軸方向に一様なプルトニウム富化度分布を有し、かつ、その平均プルトニウム富化度の値が、該複数本の第1及び第2の燃料棒全体で4種類以下となるように構成されていることを特徴とするMOX燃料集合体が提供される。

    【0025】また好ましくは、前記MOX燃料集合体において、前記複数本の第1及び第2の燃料棒のそれぞれは、平均プルトニウム富化度の値が、該複数本の第1及び第2の燃料棒全体で複数種類となるように構成されており、かつ、各第2の燃料棒の平均プルトニウム富化度は、前記複数種類の平均プルトニウム富化度のうち、大きい方から2番目の値となっていることを特徴とするM
    OX燃料集合体が提供される。

    【0026】また好ましくは、前記MOX燃料集合体において、前記第3の燃料棒は、燃料有効長をHとしたとき、有効長最下端からの距離が0〜(1/24)H及び(23/24)H〜Hの範囲に、天然ウランからなる燃料ペレットが充填された領域を備えていることを特徴とするMOX燃料集合体が提供される。

    【0027】また好ましくは、前記MOX燃料集合体において、前記複数の第3の燃料棒のそれぞれに添加される可燃性毒物の濃度は、該複数の第3の燃料棒全体で複数種類になっていることを特徴とするMOX燃料集合体が提供される。

    【0028】また上記目的を達成するために、本発明によれば、9行9列の格子状に配列され核分裂性物質が充填された複数本の燃料棒と、これら格子状に配列された燃料棒のうち中央部領域近傍の7本の燃料棒を置き換える形で前記9行9列配列の対角線方向に隣接して配列された2本のウォータロッドとを有し、前記複数本の燃料棒は、前記核分裂性物質としてウラン・プルトニウム混合酸化物燃料が充填された複数本の第1の燃料棒、前記核分裂性物質としてウラン・プルトニウム混合酸化物燃料が充填され軸方向長さが前記第1の燃料棒よりも短い複数本の第2の燃料棒、及び前記核分裂性物質としてウラン燃料が充填され可燃性毒物を含有する第3の燃料棒を含み、軽水炉炉心に装荷されるMOX燃料集合体において、前記第3の燃料棒は、前記7本の燃料棒位置に対して同行隣接列及び同列隣接行のうちいずれか一方の関係となる位置に配列されている6本と、前記9行9列配列の最外周配列のすぐ内側の正方形状配列における、四隅位置及びこれに対して同行隣接列及び同列隣接行のうちいずれか一方の関係となる位置に配列されている12
    本との、あわせて18本が配置されていることを特徴とするMOX燃料集合体が提供される。 これにより、すなわち、ウラン量を増加させ原子炉運転期間の延長に対応可能とした配列構成に適用した場合も、可燃性毒物入りの第3の燃料棒の本数を従来より低減することができる。

    【0029】また上記目的を達成するために、本発明によれば、9行9列の格子状に配列され核分裂性物質が充填された複数本の燃料棒と、これら格子状に配列された燃料棒のうち中央部領域近傍の7本の燃料棒を置き換える形で前記9行9列配列の対角線方向に隣接して配列された2本のウォータロッドとを有し、前記複数本の燃料棒は、前記核分裂性物質としてウラン・プルトニウム混合酸化物燃料が充填された複数本の第1の燃料棒、前記核分裂性物質としてウラン・プルトニウム混合酸化物燃料が充填され軸方向長さが前記第1の燃料棒よりも短い複数本の第2の燃料棒、及び前記核分裂性物質としてウラン燃料が充填され可燃性毒物を含有する第3の燃料棒を含み、軽水炉炉心に装荷されるMOX燃料集合体において、前記第3の燃料棒は、前記7本の燃料棒位置に対して同行隣接列及び同列隣接行のうちいずれか一方の関係となる位置に配列されている6本と、前記9行9列配列の最外周配列のすぐ内側の正方形状配列における四隅位置に配列されている4本と、前記第2の燃料棒の配列位置に対して同行隣接列及び同列隣接行のうちいずれか一方の関係となる位置に配列されている8本の、あわせて18本が配置されていることを特徴とするMOX燃料集合体が提供される。

    【0030】

    【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。 本発明の第1の実施形態を図1及び図2により説明する。 本実施形態によるMOX燃料集合体の全体構造を表す縦断面図を図2に、図2中I−I
    水平横断面図を図1に示す。

    【0031】図1及び図2において、燃料集合体16
    は、9行9列の格子状に配列された燃料棒15と、中央部領域近傍の7本の燃料棒15を置き換える形で9行9
    列配列の対角線方向に隣接して2本配列された2本のウォータロッド13と、燃料棒15及びウォータロッド1
    3の上下端部を保持する上部タイプレート18及び下部タイプレート19と、燃料棒15の軸方向の複数箇所に配置され、燃料棒15及びウォータロッド13の相互間の間隙を適切な状態に保持する燃料スペーサ20と、上部タイプレート18に取り付けられ、スペーサ20で保持された燃料棒15の束の外周を取り囲むチャンネルボックス12等から構成される。

    【0032】上部タイプレート18には、図示しないチャンネルファスナが取り付けられている。 チャンネルボックス12近傍には、それに隣接するように十字型の制御棒(図示せず)が挿入されて反応度の調整が行われる。

    【0033】燃料棒15は、特に詳細を図示しないが、
    上部端栓及び下部端栓により両端を密封された被覆管内に、多数の燃料ペレットを充填したものである。 そして燃料棒15は、ウラン・プルトニウム混合酸化物燃料ペレット(MOX燃料ペレット)を充填したMOX燃料棒15aと、ウラン燃料ペレットを充填するとともにガドリニアが添加されたウラン燃料棒15bとから構成される。 すなわち、燃料棒15a,bは、これら燃料ペレットを、被覆管内のガスプレナム領域に配置されたスプリングが上下に押圧する構造となっている。

    【0034】MOX燃料棒15aのMOX燃料ペレットは、燃料物質であるPuO 2で主として構成され、核分裂物質である239 Pu及び241 Puを含んでおり、プルトニウム富化度が増加されたいわゆる高燃焼度化燃料となっている。 たMOX燃料棒15aは、軸方向に一様なプルトニウム富化度分布となっており、そして各MOX燃料棒15aのプルトニウム富化度の値は、MOX燃料棒15a全体で4種類以下となるように構成されている。

    【0035】またウラン燃料棒15bのウラン燃料ペレットは、燃料物質であるUO 2で主として構成され、核分裂物質である235 Uを含んでおり、ウラン濃縮度が増加されたいわゆる高燃焼度化燃料となっている。 またウラン燃料棒15bは、燃料有効長をHとしたとき、有効長最下端からの距離が0〜(1/24)H及び(23/
    24)H〜Hの範囲に、天然ウランからなる燃料ペレットが充填された領域を備えている。 さらに各ウラン燃料棒15bに添加されるガドリニアの濃度は、ウラン燃料棒15b全体で1種類であるか、若しくは2種類以上でもよい。

    【0036】そして図1に示されるように、9行9列に配置された燃料棒15のうち、ウォータロッド13を配置するために置き換えられた7本の燃料棒位置に対し同行隣接列若しくは同列隣接行となるような近接する位置には、ガドリニア入りのウラン燃料棒15bが6本配列され、その他の位置には68本のMOX燃料棒15aが配列されている。 このとき、6本のガドリニア入りウラン燃料棒15bは、9行9列配列の対角線方向に互いに隣接する3本の燃料棒の組が、2本のウォータロッド1
    3,13を挟んで2組配列されている。

    【0037】ウォータロッド13は、燃料棒15と同じ被覆管が用いられているが、燃料棒15の3.5本分の領域を占める太径のものとなっている。 また特に詳細を図示しないが、ウォータロッド13には、燃料物質は充填されず、被覆管の上部及び下部の側面に孔を設けることで、内部を沸騰しない冷却水が通過するようになっている。

    【0038】なお、沸騰水型原子炉(以下適宜、BWR
    という)の炉心は、燃料集合体16の4体に1本の割合で十字型の制御棒が挿入される構造である。 そしてBW
    R炉心には、挿入される制御棒に面するチャンネルボックス12の外側に形成される水ギャップの幅が、その反対側にあって制御棒に面しないチャンネルボックス12
    の外側に形成される水ギャップの幅よりも広くなっている炉心(いわゆるD格子炉心)と、これら2つの水ギャップの幅が等しい炉心(C格子炉心・S格子炉心・N格子炉心)とがある。 本実施形態の燃料集合体16は、後者の炉心に装荷される燃料集合体である。

    【0039】次に、本実施形態の作用効果を以下に説明する。 軽水炉においては、水は冷却材としてだけではなく、中性子の減速材としても重要な役割を担っており、
    炉心内部の水とプルトニウム及びウランの体積比(=減速材対燃料比)が、核特性に影響を与える重要な要素となっている。 すなわち、減速材対燃料比は、高速中性子エネルギー及び共鳴中性子エネルギー領域での中性子吸収率に影響を与える。

    【0040】つまり、一般に、低濃縮ウランを用いる熱中性子炉では、熱外中性子の吸収反応の大半は、例えばPu240、U238のような親物質への捕獲反応であり、核分裂によるエネルギー発生と中性子の増倍には寄与しない。 しかしながら、減速材対燃料比が増加すると、核分裂中性子(平均約2MeVのエネルギーを有する)が熱中性子まで減速される割合が増加する。

    【0041】したがって、熱中性子炉では、減速材対燃料比を増加させて中性子スペクトルを軟らかくすることにより、熱中性子を増加させ、Pu239、Pu24
    1、U235への中性子吸収を増加させることができる。 そしてこれにより核分裂に寄与する中性子が増えるので、中性子束及び無限増倍率を大きくすることができる。 そしてこのようにして中性子束を大きくすることによって、強い熱中性子吸収体である可燃性毒物(例えばガドリニア)の負の反応度価値、すなわち、反応度に対して負の方向に働く効果もまた高めることができることになる。

    【0042】本実施形態の燃料集合体16においては、
    ガドリニア入りウラン燃料棒15bをウォータロッド1
    3の位置に対して非常に近接した位置に配列する。 ここで、ウォータロッド13は全領域が水であるのでこれに近いほど減速材対燃料比が高くなる。 したがって、ガドリニア入りウラン燃料棒15bの配列位置は中性子スペクトルが軟らかく中性子束分布が高くなるので、結果として、MOX燃料棒15aにおけるプルトニウム富化度の増加やウラン燃料棒15bにおけるウラン濃縮度増加によって生じる、燃料棒15bのガドリニアによる反応度制御能力の低下を打ち消し、このガドリニアの負の反応度価値を高めることができる。 よってその分、ガドリニア入りウラン燃料棒15bを従来より低減した本数(例えば本実施形態では6本)としても、従来と同等の反応度抑制効果を得ることができる。 したがって、その本数低減分をMOX燃料棒15aに置き換えることで、
    従来よりも燃料集合体16に占めるMOX燃料棒15a
    の本数を増やす(例えば本実施形態では68本)ことができ、結果としてプルトニウムの使用率を向上することができる。

    【0043】本発明の第2の実施形態を図3〜図7により説明する。 本実施形態は、いわゆる短尺燃料棒を含む燃料集合体の実施形態である。 本実施形態によるMOX
    燃料集合体の下部領域(短尺燃料棒の存在する領域)における水平横断面図を図3に示す。 なお図3には、チャンネルボックスに隣接して挿入される制御棒も併せて示してある。 図3において、本実施形態の燃料集合体21
    6は、取出燃焼度45GWd/tを目標とした13ヶ月〜18ヶ月の運転に対応できるような燃料設計を想定しており、9行9列の格子状に配列された燃料棒215
    と、中央部領域近傍の7本の燃料棒215を置き換える形で9行9列配列の対角線方向に隣接して2本配列された2本のウォータロッド213と、燃料棒215の束の外周を取り囲むチャンネルボックス212とを備えている。 また特に図示しないが、第1の実施形態と同様に、
    後述する短尺燃料棒を除く燃料棒215の大部分及びウォータロッド213の上端部は上部タイプレートで保持され、また燃料棒215のすべて及びウォータロッド2
    13の下端部は下部タイプレートで保持され、燃料棒2
    15の軸方向の複数箇所には、燃料棒215及びウォータロッド213の相互間の間隙を適切な状態に保持する燃料スペーサが設けられている。 そして第1の実施形態同様、上部タイプレートにはチャンネルファスナが取り付けられ、チャンネルボックス212近傍には、それに隣接するように十字型の制御棒214が挿入されて反応度の調整が行われる。

    【0044】そして、燃料集合体216を構成する燃料棒215は、図3に示すように、燃料棒番号1〜6で示す6種類がある。 燃料棒番号1〜4で表される燃料棒2
    15は、燃料有効長Hの全範囲にそれぞれ富化度A,
    B,C,D重量%の核分裂性プルトニウムが充填されている長尺のMOX燃料棒である。 また燃料棒番号5で表される燃料棒215は、燃料有効長Hとして、有効長下端からの距離(1/24)H〜(15/24)Hの範囲に富化度B重量%の核分裂性プルトニウムが充填されている短尺のMOX燃料棒である。 このとき、MOX燃料の富化度の大小関係は、富化度の大きい方から、A,
    B,C,D重量%であり、軸方向に一様な富化度となっている。 すなわち、燃料棒番号5の燃料棒215は、大きい方から2番目のプルトニウム富化度の値となっている。

    【0045】一方、燃料棒番号6で表される燃料棒21
    5は、ガドリニア入りのウラン燃料棒であり、燃料有効長Hとして、有効長下端からの距離0〜(1/24)H
    及び(23/24)H〜Hの範囲に、天然ウランからなる燃料ペレットが充填された領域(天然ウランブランケット領域)が備えられており、また有効長下端からの距離(2/24)H〜(22/24)Hの範囲に、可燃性毒物であるガドリニアを含有している濃縮ウランが充填されている領域(濃縮ウラン領域)が備えられているウラン燃料棒である。 このとき、濃縮ウラン領域の235
    濃縮度はE重量%であり、ガドリニア濃度はF重量%である。 また、天然ウランブランケット領域の235 U濃縮度は0.71重量%である。 なお、ガドリニア濃度及び軸方向分布は、1種類であるが、それぞれの炉心において適宜、1種類または複数種類を選択してもよい。 以上説明したような、燃料棒番号1〜6の燃料棒に関する、
    プルトニウム富化度及びウラン濃縮度分布を概念的に表した図を図4に示す。

    【0046】またこれら燃料棒215は、特に詳細を図示しないが、第1の実施形態の燃料棒15と同様、上部端栓及び下部端栓により両端を密封された被覆管内に、
    多数の燃料ペレットを充填したものである。 MOX燃料棒215(燃料棒番号1〜5)は、ウラン・プルトニウム混合酸化物燃料ペレット(MOX燃料ペレット)を被覆管内のガスプレナム領域に配置されたスプリングが上下に押圧する構造となっている。 このときMOX燃料ペレットは、燃料物質であるPuO 2で主として構成され、核分裂物質である239 Pu及び241 Puを含んでおり、プルトニウム富化度が増加されたいわゆる高燃焼度化燃料となっている。 またガドリニア入りウラン燃料棒215(燃料棒番号6)は、ウラン燃料ペレットを被覆管内のガスプレナム領域に配置されたスプリングが上下に押圧する構造となっている。 このときウラン燃料ペレットは、燃料物質であるUO 2で主として構成され、核分裂物質である235 Uを含んでおり、すなわち、燃料有効長をHとしたとき、有効長最下端からの距離が0〜
    (1/24)H及び(23/24)H〜Hの範囲に、天然ウランからなる燃料ペレットが充填された領域を備えている。 さらに各ウラン燃料棒15bに添加されるガドリニアの濃度は、ウラン燃料棒15b全体で1種類であるか、若しくは2種類以上でもよい。

    【0047】そして図3に示されるように、9行9列に配置された燃料棒215のうち、燃料棒番号5で表される短尺燃料棒215は、9行9列配列の最外周配列のすぐ内側の正方形状配列における、四隅位置及び各辺中点位置に計8本配列されている。 また燃料棒番号6で表されるガドリニア入りのウラン燃料棒215は、それら短尺燃料棒215に対して同行隣接列若しくは同列隣接行となるような近接する位置に8本と、ウォータロッド2
    13を配置するために置き換えられた7本の燃料棒位置に対して同行隣接列若しくは同列隣接行となるような近接する位置に6本、合計で14本配列され、その他の位置には燃料棒番号1〜4で表されるMOX燃料棒215
    が図示のように配列されている。 なおこのとき、ウォータロッド213に隣接する6本のガドリニア入りウラン燃料棒215(燃料棒番号6)は、9行9列配列の対角線方向に互いに隣接する3本の燃料棒の組が、2本のウォータロッド213,213を挟んで2組配列されている。

    【0048】次に、本実施形態の作用効果を以下に説明する。 第1の実施形態において前述したように、熱中性子炉では、減速材対燃料比を増加させて中性子スペクトルを軟らかくすることにより、熱中性子を増加させ、P
    u239、Pu241、U235への中性子吸収を増加させることができる。 そしてこれにより核分裂に寄与する中性子が増えるので、中性子束及び無限増倍率を大きくすることができる。 そしてこのようにして中性子束を大きくすることによって、強い熱中性子吸収体である可燃性毒物の負の反応度価値、すなわち、反応度に対して負の方向に働く効果もまた高めることができることになる。

    【0049】本実施形態の燃料集合体216においては、ガドリニア入りウラン燃料棒215(燃料棒番号6)をウォータロッド213の位置及び短尺MOX燃料棒215(燃料棒番号5)の配列位置に対して非常に近接した位置に配列する。

    【0050】ここで、ウォータロッド213は全領域が水であるのでこれに近いほど減速材対燃料比が高く、また短尺MOX燃料棒215については、短尺の燃料棒上方は水領域であるので同様にこれに近いほど減速材対燃料比が高い。 したがって、ガドリニア入りウラン燃料棒215(燃料棒番号6)の配列位置は中性子スペクトルが軟らかく、中性子束分布が高くなる。 このことを図5
    を用いてさらに具体的に説明する。

    【0051】図5は、燃料集合体216の、短尺燃料棒215(燃料棒番号5)が存在する水平横断面上(有効長下端からの距離(1/24)H〜(15/24)Hの範囲)における、2本の太径ウォータロッド213,2
    13領域内の対角線方向線分OO'O”及び線分PP'
    (図1参照)上での熱中性子束分布を、各点O,O',
    O”,P,P”において解析計算した結果である。 なお、これら点O,O',O”,P,P”は、ウォータロッド213,213に置き換えられた7本の燃料棒21
    5の中心位置に相当する位置であり、また、熱中性子束分布は、前述した水平横断面上の熱中性子束を1.0に規格化したときの相対値で表している。 図5に示されるように、線分OO'O”の両端O及びO”における熱中性子束の値は0.97程度であるが、2本の太径ウォータロッド213,213間に挟まれる中点O'では約1.34と極めて高くなる。 そして、線分PP'の両端P及びP'における熱中性子束の値は、線分OO'O”
    の中点O'の高い値の影響を受けて、点O及び点O”の熱中性子束よりも高くなっている。したがって、この線分PP'の両端P及びP'に対して同行隣接列若しくは同列隣接行位置に配列された6本のガドリニア入りウラン燃料棒215(燃料棒番号6)は、熱中性子束の高い位置に配置されていることがわかる。

    【0052】また図5に示された結果から、水領域に近いほど熱中性子束の値が高くなることが容易に類推されるので、上方が水領域となる短尺のMOX燃料棒215
    (燃料棒番号5)に対して同行隣接列若しくは同列隣接行位置に配列された8本のガドリニア入りウラン燃料棒215(燃料棒番号6)も、熱中性子束の高い位置に配置されていることがわかる。

    【0053】以上のように、合計14本のガドリニア入りウラン燃料棒215(燃料棒番号6)の配列位置は中性子スペクトルが軟らかく中性子束分布が高くなるので、結果として、MOX燃料棒215(燃料棒番号1〜
    5)におけるプルトニウム富化度の増加によって生じる、ウラン燃料棒215(燃料棒番号6)のガドリニアによる反応度制御能力の低下を打ち消し、このガドリニアの負の反応度価値を高めることができる。 よってその分、ガドリニア入りウラン燃料棒215(燃料棒番号6)を従来より低減した本数(例えば本実施形態では1
    4本)としても、従来と同等の反応度抑制効果を得ることができる。 このことを図6及び図7を用いてさらに具体的に説明する。

    【0054】図6は、本実施形態のMOX燃料集合体2
    16の比較例として参照するMOX燃料集合体266の水平横断面図である。 本実施形態と同等の部材には同一の符号を付す。 図6に示すMOX燃料集合体266において、図3に示す本実施形態のMOX燃料集合体216
    と異なる点は、2本の太径ウォータロッド213,21
    3に近接して6本設けていたガドリニア入りウラン燃料棒215(燃料棒番号6)を、ウォータロッド213,
    213から少し離れた位置に8本配置したことである。
    これにともなって燃料棒番号1のMOX燃料棒215の本数が2本減っている。 その他の点は、本実施形態によるMOX燃料集合体216とほぼ同様である。

    【0055】上記比較例によるMOX燃料集合体266
    及び本実施形態によるMOX燃料集合体216の、下部領域(短尺燃料棒の存在する領域)における無限増倍率を、横軸に燃焼度をとって比較して図7に示す。 図7に示されるように、燃焼の進行にともない、両者の無限増倍率の値はほとんど同一のカーブを描きながら推移することがわかる。 よって、本実施形態によるMOX燃料集合体216によれば、ガドリニア入りウラン燃料棒21
    5(燃料棒番号6)を、従来構造に相当する比較例によるMOX燃料集合体266より2本低減しても、従来と同等の反応度抑制効果を得ることができる。

    【0056】したがって、本実施形態のMOX燃料集合体216によれば、そのガドリニア入りウラン燃料棒2
    15(燃料棒番号6)の本数低減分(2本)をMOX燃料棒215(燃料棒番号1〜5)に置き換えることで、
    従来よりも燃料集合体216に占めるMOX燃料棒21
    5(燃料棒番号1〜5)の本数を58本から60本に2
    本増やすことができるので、結果としてプルトニウムの使用率を向上することができる。

    【0057】なお、上記第2の実施形態においては、ガドリニア入りウラン燃料棒215(燃料棒番号6)には、天然ウランからなる燃料ペレットが充填されていたが、これに限られず、例えばウラン濃縮度が増加されたいわゆる高燃焼度化燃料のペレットが充填されていてもよい。 この場合も同様の効果を得る。

    【0058】本発明の第3の実施形態を図8により説明する。 本実施形態によるMOX燃料集合体316の下部領域(短尺燃料棒の存在する領域)における水平横断面図を図8に示す。 なお図8には、第2の実施形態同様、
    チャンネルボックスに隣接して挿入される制御棒も併せて示してある。 第2の実施形態と同等の部材には同一の符号を付す。 図8において、本実施形態の燃料集合体3
    16は、ウラン量の増加により運転期間の延長に対応可能な構造となっているものであり、図3に示された第2
    の実施形態の燃料集合体216と異なる点は、8本の短尺燃料棒215(燃料棒番号5)のうちの4本を、ガドリニア入りウラン燃料棒215(燃料棒番号6)に置き換えていることである。 その他の構造は、第2の実施形態とほぼ同様である。

    【0059】本実施形態によっても、第2の実施形態と同様の効果を得る。 すなわち、従来、ウラン量を増加させ原子炉運転期間の延長に対応可能とするために、ガドリニア入りウラン燃料棒215(燃料棒番号6)が比較的多数(例えば20本)設けられていたのを、その中の一部(本実施形態では6本)を中性子スペクトルが軟らかく中性子束分布が高いウォータロッド213,213
    近接位置に配置することにより、その近接配置されたウラン燃料棒215(燃料棒番号6)についてガドリニアの負の反応度価値を高めることができる。 よってその分、ガドリニア入りウラン燃料棒215(燃料棒番号6)全体の本数を従来よりも低減(例えば本実施形態では18本で2本低減可能)しても、従来と同等の反応度抑制効果を得ることができる。 したがって、その本数低減分をMOX燃料棒215(燃料棒番号1〜5)に置き換えることで、従来よりも燃料集合体316に占めるM
    OX燃料棒215(燃料棒番号1〜5)の本数を増やす(例えば本実施形態では56本)ことができるので、結果として従来構造よりプルトニウムの使用率を向上することができる。

    【0060】なお、上記構成の変形例として、8本のガドリニア入りウラン燃料棒215(燃料棒番号6)を、
    4本残る短尺燃料棒215(燃料棒番号5)を挟むように両隣に配置する構成もある。 このような構成の燃料集合体356を図9に示す。

    【0061】本発明による第4の実施形態を図10により説明する。 本実施形態によるMOX燃料集合体416
    の下部領域(短尺燃料棒の存在する領域)における水平横断面図を図10に示す。 なお図10には、第2及び第3の実施形態同様、チャンネルボックスに隣接して挿入される制御棒も併せて示してある。 第2及び第3の実施形態と同等の部材には同一の符号を付す。 図10において、本実施形態の燃料集合体416は、減速材対燃料比を増加させてボイド反応度係数絶対値を低減し、過渡変化を緩和可能な構造となっているものであり、図3に示された第2の実施形態の燃料集合体216と異なる点は、8本の短尺燃料棒215(燃料棒番号5)のうちの4本を、同径の長尺のウォータロッド413に置き換えていることである。 その他の構造は、第2の実施形態とほぼ同様である。

    【0062】本実施形態によっても、第2の実施形態と同様の効果を得る。 すなわち、従来、減速材対燃料比を増加させてボイド反応度係数絶対値を低減し、過渡変化を緩和可能とするために、4本のウォータロッド413
    を設けると共にガドリニア入りウラン燃料棒215(燃料棒番号6)が比較的多数(例えば16本)設けられていた構造において、ガドリニア入りウラン燃料棒215
    (燃料棒番号6)のすべてを、中性子スペクトルが軟らかく中性子束分布が高いウォータロッド213又はウォータロッド413の近接位置に配置することにより、ウラン燃料棒215(燃料棒番号6)中のガドリニアの負の反応度価値を高めることができる。 よってその分、ガドリニア入りウラン燃料棒215(燃料棒番号6)全体の本数を従来よりも低減(例えば本実施形態では14本で2本低減可能)しても、従来と同等の反応度抑制効果を得ることができる。

    【0063】したがって、その本数低減分をMOX燃料棒215(燃料棒番号1〜5)に置き換えることで、従来よりも燃料集合体416に占めるMOX燃料棒215
    (燃料棒番号1〜5)の本数を増やす(例えば本実施形態では56本)ことができるので、結果として従来構造よりプルトニウムの使用率を向上することができる。

    【0064】

    【発明の効果】本発明によれば、可燃性毒物を含有する第3の燃料棒を、短尺である第2の燃料棒の配列位置又は複数本の燃料棒を置き換えたウォータロッド位置に対して同行隣接列又は同列隣接行、すなわち非常に近接した位置に配置するので、中性子スペクトルが軟らかく、
    中性子束分布が高くなる。 よって結果として、第3の燃料棒に含有される可燃性毒物の負の反応度価値が高められ、その分、可燃性毒物入りの第3の燃料棒の本数を従来より低減しても、従来と同等の反応度抑制効果を得ることができる。 したがって、その本数低減分をMOX燃料棒に置き換えることで、燃料集合体に占めるMOX燃料棒の本数を従来よりも増やし、プルトニウムの使用率を向上することができる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明の第1の実施形態によるMOX燃料集合体の水平横断面図である。

    【図2】図1に示されたMOX燃料集合体の全体構造を表す縦断面図である。

    【図3】本発明の第2の実施形態によるMOX燃料集合体の下部領域(短尺燃料棒の存在する領域)における水平横断面図である。

    【図4】図3に示されたMOX燃料集合体に備えられた燃料棒に関する、プルトニウム富化度及びウラン濃縮度分布を概念的に表した図である。

    【図5】図3に示されたMOX燃料集合体の、短尺燃料棒が存在する水平横断面上における熱中性子束分布を解析計算した結果を表す図である。

    【図6】図3に示されたMOX燃料集合体の比較例として参照するMOX燃料集合体の水平横断面図である。

    【図7】図3に示されたMOX燃料集合体及び図6に示されたMOX燃料集合体の、下部領域(短尺燃料棒の存在する領域)における無限増倍率を比較して示した図である。

    【図8】本発明の第3の実施形態によるMOX燃料集合体の下部領域(短尺燃料棒の存在する領域)における水平横断面図である。

    【図9】図8に示された構成の変形例を表す水平横断面図である。

    【図10】本発明の第4の実施形態によるMOX燃料集合体の下部領域(短尺燃料棒の存在する領域)における水平横断面図である。

    【符号の説明】

    12 燃料チャンネルボックス 13 ウォータロッド 15 燃料棒 15a MOX燃料棒 15b ガドリニア入りウラン燃料棒 16 燃料集合体 18 上部タイプレート 19 下部タイプレート 20 燃料スペーサ 212 燃料チャンネルボックス 213 ウォータロッド 214 制御棒 215 燃料棒 216 燃料集合体 316 燃料集合体 413 ウォータロッド 416 燃料集合体

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 聡志 茨城県日立市幸町三丁目2番1号 日立エ ンジニアリング株式会社内 (72)発明者 持田 貴顕 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

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