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Reactor core and its fuel assembly

阅读:345发布:2020-06-27

专利汇可以提供Reactor core and its fuel assembly专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PURPOSE:To provide a core and fuel assembly proper for using excess MOX fuel rod by mixing in MOX fuel assembly. CONSTITUTION:When excess MOX fuel rod is dispersively loaded in a part of MOX fuel assembly, plutonium enrichment distribution is made as close as possible to the original fuel assembly. If the plutonium enrichment of the original MOX fuel is P1 and that of the excess MOX fuel rod is P2, P2 is arranged in low neutron flux region when P1 P2.,下面是Reactor core and its fuel assembly专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 ウラン燃料棒およびプルトニウム富化度が異なる複数種類の第1群のMOX燃料棒で構成された燃料集合体Aと、ウラン燃料棒および第1群のMOX燃料棒および第1群のMOX燃料棒よりも燃料棒製造後の経過時間が長い第2群のMOX燃料棒で構成された燃料集合体Bとが混合装荷された原子炉炉心において、前記燃料集合体BにおいてP2なる核分裂性プルトニウム富化度をもつ第2群のMOX燃料棒が、燃料集合体AにおいてP2に最も近いP1なる核分裂性プルトニウム富化度をもつ第1群のMOX燃料棒の占める位置の中で、P
    2がP1より大きい場合は熱中性子束が最も低い位置に配置され、P2がP1より小さい場合は熱中性子束が最も高い位置に配置されていることを特徴とする原子炉炉心。
  • 【請求項2】 ウラン燃料棒およびプルトニウム富化度が異なる複数種類の第1群のMOX燃料棒で構成された燃料集合体Aと、ウラン燃料棒および第1群のMOX燃料棒および第1群のMOX燃料棒よりも燃料棒製造後の経過時間が長い第2群のMOX燃料棒で構成された燃料集合体Bとが混合装荷された原子炉炉心において、前記燃料集合体Bにおける第2群のMOX燃料棒が最外周位置を除く位置のみに配置されているか、または燃料集合体Bにおける最外周位置のMOX燃料棒が全て第2群のMOX燃料棒で構成されていることを特徴とする原子炉炉心。
  • 【請求項3】 ウラン燃料棒およびプルトニウム富化度が異なる複数種類のMOX燃料棒で構成された燃料集合体において、前記プルトニウム富化度が異なる全ての種類のMOX燃料棒が、燃料集合体の最外周を除く位置に少なくとも1本配置されていることを特徴とする燃料集合体。
  • 【請求項4】 ウラン燃料棒およびプルトニウム富化度が異なる複数種類のMOX燃料棒で構成された燃料集合体において、前記プルトニウム富化度が異なる全ての種類のMOX燃料棒が、燃料集合体断面内において制御棒の中心軸に向かう対角線上に少なくとも1本配置されていることを特徴とする燃料集合体。
  • 【請求項5】 ウラン燃料棒および第1群のMOX燃料棒および第1群のMOX燃料棒よりも燃料棒製造後の経過時間が長い第2群のMOX燃料棒で構成された燃料集合体において、チャンネルボックスの対角線を境界にして燃料集合体の水平断面を制御棒側と非制御棒側に分割した場合、前記第2群のMOX燃料棒が前記制御棒側よりも非制御棒側に多く配置されていることを特徴とする燃料集合体。
  • 【請求項6】 ウラン燃料棒およびプルトニウム富化度が異なる複数種類の第1群のMOX燃料棒で構成された燃料集合体Aと、ウラン燃料棒および第1群のMOX燃料棒よりも燃料棒製造後の経過時間が長い第2群のMO
    X燃料棒で構成された燃料集合体Cとが混合装荷された原子炉炉心において、前記燃料集合体Cにおける各々の第2群のMOX燃料棒の核分裂性プルトニウム富化度が、第1群のMOX燃料棒のうち燃料集合体Aの同じ位置に配置されているMOX燃料棒の核分裂性プルトニウム富化度に最も近いことを特徴とする原子炉炉心。
  • 【請求項7】 核分裂性プルトニウム同位体重量割合(Puf/Pu)が燃料集合体Aより低いかまたは等しい前記燃料集合体Cが、炉心最外周から3層目よりも内部に配置され、かつ原子炉の運転中に制御棒が挿入されるコントロール・セルに隣接しない位置に配置されることを特徴とする請求項6記載の原子炉炉心。
  • 【請求項8】 ウラン燃料棒およびプルトニウム富化度が異なる複数種類の第1群のMOX燃料棒で構成された燃料集合体Aと、ウラン燃料棒および第1群のMOX燃料棒よりも燃料棒製造後の経過時間が長い第2群のMO
    X燃料棒で構成された燃料集合体Cとが混合装荷された原子炉炉心において、前記ウラン燃料棒の本数が前記燃料集合体Aと前記燃料集合体Cで異なるか、またはMO
    X燃料棒を核分裂性プルトニウム富化度の大きさ順に配列した場合に、各富化度に属する燃料棒の本数の構成割合が前記燃料集合体Aと前記燃料集合体Cで異なることを特徴とする原子炉炉心。
  • 【請求項9】 ウラン燃料棒およびプルトニウム富化度が異なる複数種類の第1群のMOX燃料棒で構成された燃料集合体Aと、ウラン燃料棒および第1群のMOX燃料棒よりも燃料棒製造後の経過時間が長い第2群のMO
    X燃料棒で構成された燃料集合体Cとが混合装荷された原子炉炉心において、可燃性毒物入りウラン燃料棒の本数が前記燃料集合体Aと前記燃料集合体Cとにおいて異なることを特徴とする原子炉炉心。
  • 【請求項10】 核分裂性プルトニウム同位体重量割合(Puf/Pu)が燃料集合体Aより高い請求項6記載の燃料集合体C、または請求項8または請求項9に記載の燃料集合体Cが、原子炉の運転中に制御棒が挿入されるコントロール・セルに隣接する位置、または炉心最外周ないし炉心最外周から3層目の位置に配置されていることを特徴とする請求項6、または請求項8あるいは請求項9に記載の原子炉炉心。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明は、沸騰原子炉炉心および燃料集合体に係り、特にウランとプルトニウムの混合燃料を充填したMOX燃料棒を備えた沸騰水型原子炉の燃料集合体およびこの燃料集合体を装荷した原子炉炉心に関する。

    【0002】

    【従来の技術】一般に、沸騰水型原子炉等の軽水炉の炉心においては、主としてウラン酸化物を燃料ペレットに焼き固めて燃料被覆管に詰めた燃料棒を、スペーサによって格子状に束ねチャンネルボックスで包囲して組み立てた燃料集合体を炉心部内に装荷している。

    【0003】図23は、従来のこの種のウラン燃料集合体を示すもので、図中、符号aはウラン燃料集合体のチャンネルボックスであり、このチャンネルボックスa内には、二酸化ウランのみからなるウラン燃料棒bと可燃性毒物入りガドリニア燃料棒cとが8行8列に配置され、
    燃料棒が4本分引き抜かれた中央部には大径のウォータロッドdが配置される。 また、チャンネルボックスaの外側には、非沸騰水が流れる水ギャップ領域eがある。

    【0004】ウラン燃料棒bの核燃料は、天然ウランからウラン235 を濃縮した濃縮ウランであるが、その濃度(ウラン235 の重量割合)の異なるものが数種類使用されている。 図23中においては、燃料棒中に符号1,2,
    3,4を付した4種類のウラン燃料棒bが用いられている。

    【0005】また、ガドリニア入り燃料棒cは、ガドリニウム酸化物(Gd 23 ) をウラン酸化物と混合して形成されており、大きな中性子吸収面積を有することから、初期の反応度を制御するために用いられている。 図
    23においては、燃料棒中に符号Gを付した10本のガドリニア入り燃料棒cが用いられている。

    【0006】ところで、図23に示したウラン燃料集合体は原子炉の炉心部に装荷され、所定期間運転された後、
    使用済み燃料となり、この使用済燃料は数年間冷却された後、再処理される。 再処理時に回収されるウランおよびプルトニウムは、再び軽水炉の核燃料としてリサイクルすることによって、ウラン資源の節約を図ることができる。

    【0007】その中のプルトニウムを軽水炉にリサイクルすることは、プルサーマルと呼ばれ、欧米では早くから実施された経験がある。 プルサーマルにおいて、プルトニウムは酸化物の形で母材となるウラン酸化物と混合され、混合酸化物(MOX)としてペレット状に焼き固められる。 このペレットは燃料被覆管内に装填されてM
    OX燃料棒となる。 この燃料棒を束ねチャンネルボックスで包囲してMOX燃料集合体を構成している。

    【0008】この燃料集合体は再び軽水炉に装荷され核燃料として使用される。 燃料としてのプルトニウムは、
    同位体元素としては表1に示すものがある。

    【0009】

    【表1】

    【0010】なお、表1において、σ γは2200m/s の中性子に対する(n,γ)反応断面積、I γは(n,γ)
    反応の実効共鳴積分、σ は2200m/s の中性子に対する(n,f)反応断面積、I は(n,f)反応の実効共鳴積分である。 また、表1中に*印を付した同位体元素は核分裂性元素である。

    【0011】表1において、 241 Amはプルトニウム同位体元素ではないが、 241 Puが半減期14.7年でベータ崩壊することにより生成されるものである。 以下ではプルトニウム同位体元素に241 Amも含めて考慮することにする。

    【0012】MOX燃料棒使用時の問題点の1つとして、MOX燃料の場合は、プルトニウムの同位体元素割合(以後、プルトニウム組成と略称)を固定することが難しいことが挙げられる。

    【0013】すなわち、MOX燃料は、使用済燃料を数年間冷却した後再処理しその際に回収されるプルトニウムを原料として作られているため、使用済燃料の履歴(初期濃縮度,取出燃焼度)および燃料棒製造後の経過時間によってプルトニウム組成が異なることになる。 しかし、燃料集合体ごとのプルトニウム組成が異なっていては、燃料設計および炉心管理が複雑となり過ぎる。

    【0014】そこで、現在では、1つの運転サイクルに装荷する燃料集合体のプルトニウム組成は、燃料製造時のプルトニウムを混合しMOX燃料棒を成型加工するなどにより、可能な限り同じ組成がとられるようにしている。 また、使用済燃料の履歴をある範囲内に限定することにより、プルトニウム組成の取り得る範囲を制限している。

    【0015】想定された範囲内のうちのどのようなプルトニウム組成の燃料集合体を用いても良好な炉心特性を保証するためには、プルトニウムの組成に応じた設計を行って集合体特性(反応度,局所ピーキング係数(LP
    F))をできるだけ合わせる必要がある。 プルトニウムの組成に応じた集合体設計を行う場合、以下の2点に注意を払う必要がある。

    【0016】(1)所要の運転期間を満足させるため、
    運転サイクル末期(EOC)の炉心平均燃焼度時の無限増倍率をほぼ一致させる。 (2)燃焼初期のLPFを同程度に揃える。

    【0017】一般に、核分裂性プルトニウム同位体割合が少ない(以下、低組成と略称)と、中性子吸収物質である240 Puや242 Puの割合が大きくなるため、
    (1)のようにEOC炉心平均燃焼度時の無限増倍率を一致させるためには、低組成ほど燃料集合体平均の核分裂性プルトニウム富化度(以下、Puf富化度と略称)
    を高くし、 240 Puや242 Puによる反応度損失を補償しなければならない。

    【0018】図24および表2および表3に3種類のプルトニウム組成をもつMOX燃料集合体の設計例を示す。
    図24は燃料集合体Aの水平断面を示す模式図で、図中チャンネルボックスa内の番号1はウラン燃料棒、2〜6
    はMOX燃料棒で、Gはガドリニア入り燃料棒を示し、
    表2に各番号の燃料棒のウラン濃縮度またはPuf富化度を示す。

    【0019】この図では、制御棒挿入側と非挿入側の水ギャップ幅が異なる(以下、D格子燃料と呼称)ため、
    同一濃縮度または同一Puf富化度であることを示す番号のパターン(以下、スプリット・パターンと呼称)
    が、水ギャップ領域eの幅が等しい場合(図23)に比べ非対象になっている。

    【0020】表3は3種類のプルトニウム組成のうち核分裂性プルトニウムおよび241 Amの重量割合を示している。 ただし、 238 Pu, 240 Pu, 242は省略する。

    【0021】表3において、低組成(62.1%Puf)は、の濃縮度2.2 %のウラン燃料を燃焼度28GWd/t で取出し5
    年冷却して燃料棒製造後2年が経過したものであり、標準組成(67.0%Puf) は、濃縮度3.0 %のウラン燃料を燃焼度28GWd/t で取出し5年間冷却して燃料棒製造後2年が経過したものであり、また、高組成(74.6%Puf) は、
    濃縮度3.0 %のウラン燃料を燃焼度20GWd/t で取出し5
    年間冷却して燃料棒製造後2年が経過したものである。

    【0022】

    【表2】

    【0023】

    【表3】

    【0024】表2に示したように、燃料集合体平均のP
    uf富化度は、低組成燃料で3.12%、標準組成燃料で2.
    90%、高組成燃料で2.69%となっており、低組成燃料ほど高くなっている。 また、個々の燃料棒のPuf富化度も同様に低組成燃料ほど高くなっており、Puf富化度が高い燃料棒ほどプルトニウム組成による差が顕著である。

    【0025】このプルトニウム組成の違いによるPuf
    富化度の違いは、後述するように、余剰燃料棒を使用する際に問題となる。 なお、ウラン燃料棒およびGd入りウラン燃料棒は燃料製造上の観点から共通設計となっている。

    【0026】図25に、これらの燃料集合体のボイド率40
    %での無限増倍率の燃焼変化を示す。 これより、燃焼初期からEOC炉心平均燃焼度時までは高組成燃料ほど無限増倍率が大きく、EOC炉心平均燃焼度時以降では低組成燃料ほど無限増倍率が大きくなっていることがわかる。

    【0027】燃焼初期では、中性子吸収物質である240
    Puや242 Puの割合が小さい高組成燃料の無限増倍率が大きく、燃焼後期では、核分裂性プルトニウムへの転換率が大きい( 238 Uから239 Puへの転換および240
    Puから241 Puへの転換がより進行する)低組成燃料の無限増倍率が大きく燃焼勾配が緩やかになる。

    【0028】一方、LPFの燃焼特性は図26のようになり、(2)のように燃焼初期のLPFを同程度に揃えた設計を行うと、燃焼が進むにつれて低組成燃料ほどLP
    Fが高くなる。 これは低組成燃料の方が集合体内部の中性子スペクトルの硬い位置の燃料棒の転換率が高くなり、燃焼後期の局所出が大きくなるためである。

    【0029】以上述べたような燃料設計を行うと、EO
    C炉心平均燃焼度時の無限増倍率を一致させているので、EOCの余剰反応度が等しくなり所要の運転期間を満足させることができる。 ただし、運転中の余剰反応度および炉停止余裕は、無限増倍率の燃焼特性の差により多少異なるが問題とはならない程度である。

    【0030】一方、熱的制限値である最大線出力密度については、一般に、ウラン燃料に比べてボイド係数が高いMOX燃料では運転サイクル初期で新燃料の軸方向出力分布が下方ピークとなり熱的に厳しくなる場合が多いが、燃焼初期のLPFを同程度に揃えているので、サイクルを通じて最も厳しくなる運転サイクル初期(BO
    C)の最大線出力密度を組成によらず同程度に抑えることができる。

    【0031】ところで、燃料集合体を製造する場合は、
    予備の燃料棒を作成しておく必要がある。 例えば図24に示したMOX燃料集合体の設計例は、番号1を付した1
    本のウラン燃料棒、番号2〜6を付した48本のMOX燃料棒、および符号Gを付した11本のガドリニア入り燃料棒で構成されている。

    【0032】ここで、1つの運転サイクルあたり60体の燃料集合体が装荷されるとし、3%の予備燃料棒を用意しておくと仮定すると、5種類のMOX燃料棒の予備燃料棒の本数は表4のようになる。

    【0033】

    【表4】

    【0034】実際にはこれら予備の燃料棒は極く一部だけが使用されるので、Puf富化度の異なる5種類のM
    OX燃料棒は、それぞれ、数本から数十本程度の余剰の燃料棒(以下、余剰燃料棒と呼ぶ)が残ることとなる。
    これらの余剰燃料棒を次の運転サイクル以降で用いる燃料集合体に使用することができれば、それだけ燃料経済性も向上する。

    【0035】従来までのウラン燃料の場合は、ある運転サイクルで予備の燃料棒が余ったとしても、次のサイクルの燃料集合体の設計が同じであれば、同じ濃縮度のウラン燃料棒として使用することができた。

    【0036】しかしながら、MOX燃料では運転サイクルが異なればプルトニウム組成が異り、また、燃料棒製造後の経過時間の長い余剰燃料棒ほど241 Amの蓄積が多く、中性子吸収体としての241 Amの効果(反応度の損失など)が大きくなる。 したがって、もとの燃料棒と余剰燃料棒のプルトニウム組成の違いによる効果、および余剰燃料棒の241 Amの蓄積量の違いによる効果を考慮して、余剰燃料棒の使用方法を考えておく必要がある。

    【0037】MOX燃料で余剰燃料棒を使用する場合、
    使用形態で考えると、もとの燃料集合体の一部に余剰燃料棒を混ぜて使う方法(少数分散装荷)と燃料集合体の大部分を余剰燃料棒で構成する方法(多数本集中装荷)
    に分けられる。

    【0038】余剰燃料棒の少数本分散装荷に関連する従来の技術は、例えば特開平5−142371号公報(以下、公開公報と記す)に開示されている。 この公開公報の技術は余剰燃料棒の使用に限らず、一般に1つの燃料集合体に複数のプルトニウム組成からなる燃料棒の配置方法に関するものである。

    【0039】すなわち、基本的には、燃料集合体周辺部または軸方向下部などのように熱中性子束の高いところに、低プルトニウム組成を配置すれば、運転サイクルを通じて出力分布の平坦化が実現できると述べている。 そこで、この公開公報の技術を余剰燃料棒の配置位置に適用した例について以下に示す。

    【0040】標準組成のMOX燃料棒からなる燃料集合体(図24および表2参照)の一部に、表3に示した燃料棒製造後3年経過した低組成または高組成の余剰燃料棒を配置した場合を考える。 燃料集合体平均の反応度をできるだけ保存するために、余剰燃料棒は、もとの燃料集合体の燃料棒のPuf富化度に最も近いところに配置し、スプリット・パターンは図24から変更しないとする。

    【0041】ここでは、仮に、25本の余剰燃料棒(表3
    で、2番の燃料棒を12本,3番の燃料棒を4本、4番を5本、5番を2本、6番を2本の計25本)を配置した。

    【0042】公開公報の技術では、熱中性子束の高いところに低組成の燃料棒を配置すればよいので、例えば、
    図27に示した標準組成の燃料集合体の局所出力分布を考慮して、低組成の余剰燃料棒は同一Puf富化度のグループ内で局所出力の高い図28の○印の位置に、高組成の余剰燃料棒は同一Puf富化度のグループ内で局所出力の低い図30の○印の位置に配置する。

    【0043】この場合、局所出力分布は図29および図31
    のようになり、余剰燃料棒を配置する前のもとの標準組成の燃料集合体におけるLPF(図27)により悪化する。

    【0044】これは、公開公報の技術ではPuf富化度はLPFを低減するように自由な値が採れたのに対し、
    MOX燃料集合体の余剰燃料棒のPuf富化度は、低組成または高組成の燃料集合体で決められた値に限定され、低組成燃料ほど燃料棒のPuf富化度が高くなっているからである。

    【0045】

    【発明が解決しようとする課題】上記公開公報に開示された従来の技術は、余剰燃料棒の少数本分散装荷の場合の使用方法として用いることができない。 したがって、
    余剰燃料棒の少数本分散装荷に適した使用方法を、新たに考える必要がある。

    【0046】一方、余剰燃料棒の多数本集中装荷の場合は、少数本分散装荷の場合に比べ1集合体あたりの241
    Amの蓄積量が多くなる。 例えば、図32は同じプルトニウム組成(標準組成)で燃料棒製造後の経過時間に4年の差がある2つの燃料集合体の無限増倍率(ボイド履歴は40%)の燃焼変化を示している。

    【0047】図32から明らかなように241 Amの効果によりEOC炉心平均燃焼度で1%Δk程度の反応度損失を生じている。 こうした低反応度特性をもつ燃料集合体の体数が増加すれば余剰反応度は低下するし、また、前記燃料集合体が集合体出力の低い位置に配置されれば、
    集合体出力がさらに低下し、その分、周囲の燃料集合体出力が増加するので炉心の径方向ピーキングが悪化することになる。

    【0048】したがって、低反応度特性を補償するような燃料集合体の設計変更や、低反応度特性をもつ燃料集合体の炉心装荷位置を、ある程度限定しておく必要がある。 本発明の目的は、ある運転サイクルで生じた余剰燃料棒を、それ以降の運転サイクルの燃料集合体の一部または全部に混ぜて使う場合に好適な炉心およびその燃料集合体を提供することにある。 この場合、特に、プルトニウムの組成の違いによる効果と、余剰燃料棒の241
    mの蓄積による効果の2つを考慮する必要がある。

    【0049】

    【課題を解決するための手段】上記目的を達成するための第1の発明は、ウラン燃料棒およびプルトニウム富化度が異なる複数種類の第1群のMOX燃料棒で構成された燃料集合体Aと、ウラン燃料棒および第1群のMOX
    燃料棒および第1群のMOX燃料棒よりも燃料棒製造後の経過時間が長い第2群のMOX燃料棒で構成された燃料集合体Bとが混合装荷された炉心において、燃料集合体BにおいてP2なる核分裂性プルトニウム富化度をもつ第2群のMOX燃料棒が、燃料集合体AにおいてP2
    に最も近いP1なる核分裂性プルトニウム富化度をもつ第1群のMOX燃料棒の占める位置の中で、P2がP1
    より大きい場合は熱中性子束が最も低い位置に配置され、P2がP1より小さい場合は熱中性子束が最も高い位置に配置されていることを特徴とする。

    【0050】第2の発明は、ウラン燃料棒およびプルトニウム富化度が異なる複数種類の第1群のMOX燃料棒で構成された燃料集合体Aと、ウラン燃料棒および第1
    群のMOX燃料棒および第1群のMOX燃料棒よりも燃料棒製造後の経過時間が長い第2群のMOX燃料棒で構成された燃料集合体Bとが混合装荷された原子炉炉心において、燃料集合体Bにおける第2群のMOX燃料棒が最外周位置を除く位置のみに配置されているか、または燃料集合体Bにおける最外周位置のMOX燃料棒が全て第2群のMOX燃料棒で構成されていることを特徴とする。

    【0051】第3の発明は、ウラン燃料棒およびプルトニウム富化度が異なる複数種類のMOX燃料棒で構成された燃料集合体において、プルトニウム富化度が異なる全ての種類のMOX燃料棒が、燃料集合体の最外周を除く位置に少なくとも1本配置されていることを特徴とする。

    【0052】第4の発明は、ウラン燃料棒およびプルトニウム富化度が異なる複数種類のMOX燃料棒で構成された燃料集合体において、前記プルトニウム富化度が異なる全ての種類のMOX燃料棒が、燃料集合体断面内において制御棒の中心軸に向かう対線上に少なくとも1
    本配置されていることを特徴とする。

    【0053】第5の発明は、ウラン燃料棒および第1群のMOX燃料棒および第1群のMOX燃料棒よりも燃料棒製造後の経過時間が長い第2群のMOX燃料棒で構成された燃料集合体において、チャンネルボックスの対角線を境界にして燃料集合体の水平断面を制御棒側と非制御棒側に分割した場合、前記第2群のMOX燃料棒が制御棒側よりも非制御棒側に多く配置されていることを特徴とする。

    【0054】第6の発明は、ウラン燃料棒およびプルトニウム富化度が異なる複数種類の第1群のMOX燃料棒で構成された燃料集合体Aと、ウラン燃料棒および第1
    群のMOX燃料棒よりも燃料棒製造後の経過時間が長い第2群のMOX燃料棒で構成された燃料集合体Cとが混合装荷された炉心において、燃料集合体Cにおける各々の第2群のMOX燃料棒の核分裂性プルトニウム富化度が、第1群のMOX燃料棒のうち燃料集合体Aの同じ位置に配置されているMOX燃料棒の核分裂性プルトニウム富化度に最も近いことを特徴とする。

    【0055】第7の発明は、核分裂性プルトニウム同位体重量割合が燃料集合体Aより低いかまたは等しい請求項6に記載の燃料集合体Cが、炉心最外周から3層目よりも内部に配置され、かつ原子炉の運転中に制御棒が挿入されるコントロール・セルに隣接しない位置に配置されていることを特徴とする。

    【0056】第8の発明は、ウラン燃料棒およびプルトニウム富化度が異なる複数種類の第1群のMOX燃料棒で構成された燃料集合体Aと、ウラン燃料棒および第1
    群のMOX燃料棒の燃料棒製造後の経過時間よりも長い第2群のMOX燃料棒で構成された燃料集合体Cとが混合装荷された炉心において、ウラン燃料棒の本数が燃料集合体Aと燃料集合体Cで異なるか、またはMOX燃料棒を核分裂性プルトニウム富化度の大きさ順に配置した場合に、各富化度に属する燃料棒の本数の構成割合が燃料集合体Aと燃料集合体Cで異なることを特徴とする。

    【0057】第9の発明は、ウラン燃料棒およびプルトニウム富化度が異なる複数種類の第1群のMOX燃料棒で構成された燃料集合体Aと、ウラン燃料棒および第1
    群のMOX燃料棒よりも燃料棒製造後の経過時間が長い第2群のMOX燃料棒で構成された燃料集合体Cとが混合装荷された炉心において、可燃性毒物入りウラン燃料棒の本数が燃料集合体Aと燃料集合体Cとにおいて異なることを特徴とする。

    【0058】第10の発明は、核分裂性プルトニウム同位体重量割合が燃料集合体Aより高い請求項6に記載の燃料集合体Cか、または請求項8または請求項9に記載の燃料集合体Cが、原子炉の運転中に制御棒が挿入されるコントロール・セルに隣接する位置、または炉心最外周ないし炉心最外周から3層目の位置に配置されていることを特徴とする。

    【0059】

    【作用】はじめに、余剰燃料棒の少数本分散装荷を対象とした第1の発明から第5の発明について説明する。 燃料集合体AのMOX燃料棒の一部を余剰燃料棒と置き換えて燃料集合体Bを作成する場合、燃料集合体BのLP
    Fを悪化させないためには、置換された燃料棒のPuf
    富化度(P1)と置換した余剰燃料棒のPuf富化度(P2)をできるだけ近くする必要がある。

    【0060】ただし、Puf富化度P2がP1より大きい場合は余剰燃料棒を置いた位置の局所出力が悪化する可能性があり、また、P2がP1より小さい場合は余剰燃料棒を置いた位置の局所出力が窪むことにより周囲の燃料棒の局所出力が増加する場合がある。

    【0061】したがって、Puf富化度がP1となっている何本かのMOX燃料棒のうちのどの位置に余剰燃料棒を配置するかを考慮しておかなければならない。 なお、余剰燃料棒の本数が少ない場合は241 Amによる反応度損失はわずかであるので、基本的にLPFの悪化にのみ注意を払えばよい。

    【0062】第1の発明においては、P2とP1は最も近く、かつ、P2がP1より大きい場合は、熱中性子束が最も低い位置に余剰燃料棒が配置されるので、余剰燃料棒を配置した位置の局所出力が悪化する可能性は小さくなる。

    【0063】一方、P2がP1より小さい場合は、熱中性子束が最も高い位置に余剰燃料棒が配置されるので、
    余剰燃料棒を配置した位置の局所出力の窪みがわずかとなり、それによって余剰燃料棒の周囲の局所出力が増加することは、ほとんど起こらなくなる。

    【0064】第2の発明は、第1の発明によっても燃料集合体BのLPFが悪化する場合に対処するもので、図
    24の燃料集合体の5番または6番の燃料棒のように燃料集合体の最外周位置にしか配置されない燃料棒がある場合に有効である。

    【0065】一般に、燃料集合体の最外周位置はPuf
    富化度変化に対する燃焼初期のLPF変化の感度が大きいので、最外周位置にPuf富化度の異なる余剰燃料棒を配置すると、余剰燃料棒自身または余剰燃料棒の周囲の燃料棒の局所出力が増加しLPFが悪化する可能性が高い。

    【0066】そこで、余剰燃料棒を燃料集合体Bの最外周位置を除く位置のみに配置するか、または、燃料集合体Bのすべての最外周位置をプルトニウム組成が等しくPuf富化度分布が十分に調整された余剰燃料棒で構成すれば、燃焼初期のLPFの増加を防ぐことができる。

    【0067】ただし、余剰燃料棒を燃料集合体Bの最外周位置を除く位置に配置した場合は、Puf富化度が低い余剰燃料棒を本来Puf富化度が高い燃料集合体中央部に配置することになるので、燃料集合体平均のPuf
    富化度が若干低下することになる。

    【0068】第3の発明は、第2の発明において燃料集合体Bの集合体平均Puf富化度が燃料集合体Aより低下する点を改良したもので、あらかじめ燃料集合体Aの中央部にすべての種類のPuf富化度をもつ燃料棒を少なくとも1本以上配置しておくので、P2のPuf富化度が低い余剰燃料棒を燃料集合体中央部に配置しても、
    燃料集合体平均のPuf富化度は低下しなくてすむ。

    【0069】第4の発明においては、もとの燃料集合体Aの対角線上に、すべての種類のPuf富化度もつ燃料棒を少なくとも1本以上配置しておくので、余剰燃料棒を奇数本配置する場合でも、対角線上に1本の余剰燃料棒を配置し残りの偶数本を対角線を挟む対称な位置に配置することが可能で、燃料集合体全体の局所出力分布の偏りを防ぎLPFの増加を抑えることができる。

    【0070】第5の発明においては、炉停止余裕が厳しい場合は余剰燃料棒の配置により低温時の制御棒価値を悪化させることは許されないので、中性子吸収効果の大きい241 Amの蓄積した余剰燃料棒を非制御棒側に配置することにより、制御棒価値の悪化を防止できる。

    【0071】次に、余剰燃料棒の多数本集中装荷を対象とした第6の発明から第10の発明について説明する。 燃料集合体AのMOX燃料棒の全部を余剰燃料棒と置き換えて燃料集合体Bを作成する場合、燃料集合体の設計を変更して241 Amによる反応度損失を補償するか、または、反応度特性の異なる燃料集合体の炉心装荷位置を限定して炉心特性への影響を小さくする必要がある。

    【0072】第6の発明においては、余剰燃料棒からなる燃料集合体CのPuf富化度分布を燃料集合体AのP
    uf富化度分布にできるだけ近くしたもので、燃料集合体Aでは既にLPFが十分に低減されるようにPuf富化度分布が調整してあるので、燃料集合体CでのLPF
    は増加することはほとんどない。

    【0073】第7の発明においては、第6の発明で燃料集合体Cのプルトニウム組成が燃料集合体Aより低い場合、または第6の発明で燃料集合体Cのプルトニウム組成が燃料集合体Aと同じで、 241 Amの蓄積量が大きい場合に、燃料集合体Aより低い反応度特性をもつ燃料集合体Cを集合体出力の大きい位置に装荷することにより、径方向ピーキングを低下させることができる。 また、炉停止余裕の厳しい位置に配置すれば、炉停止余裕を改善することも可能である。

    【0074】第8の発明は、 241 Amによる反応度損失を補償するためのもので、燃料集合体Cをウラン燃料棒と燃料製造後の経過時間が長い第2群のMOX余剰燃料棒で構成し、さらに、ウラン燃料棒の本数,濃縮度、または各富化度に属するMOX燃料棒本数の構成割合を調整することにより、燃料集合体Cの無限増倍率の燃焼特性を燃料集合体Aに近づけることができる。

    【0075】第9の発明も、第8の発明と同様の目的で、燃料集合体Cにおける可燃性毒物入りウラン燃料棒の本数を燃料集合体Aと変更することにより、特に、燃焼初期での反応度を調節できる。

    【0076】最後に、第10の発明は、第6の発明で燃料集合体Cのプルトニウム組成が燃料集合体Aより高い場合、または、第8または第9の発明において反応度特性を補償した場合に、燃料集合体Aと同程度または燃料集合体Aより高い反応度特性をもつ燃料集合体Cを燃料集合体を集合体出力の小さい位置に装荷することにより、
    燃料集合体Cの最大線出力密度が悪化することを防ぐことができる。

    【0077】

    【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。 図1は、第1の発明に係る燃料集合体Bの第1実施例を示し、標準組成(表3)からなる燃料集合体Aの一部の燃料棒を燃料棒製造後3年間経過した低組成(表3)の余剰燃料棒(○印)に置き換えて構成したものである。 各番号の濃縮度またはPuf富化度は表2に示した。

    【0078】余剰燃料棒は、本来、低組成燃料用に作られたもので、置換される燃料棒よりPuf富化度が高い。 そこで、図27に示した燃料集合体Aの局所出力分布を参考に各番号の燃料棒の中で熱中性子束が最小となる燃料棒から順に25本配置した。 なお、同じ番号の燃料棒はPuf富化度が等しいので、同じ番号内で出力値が最小となる燃料棒で熱中性子束が最小となる。 燃料集合体Bの燃焼初期の局所出力分布は図2のようになる。 LP
    Fで比較すると、もとの燃料集合体Aでは1.199 、本発明による燃料集合体Bでは1.192 となり、ほとんど変わらないことがわかる。

    【0079】図3は、第1の発明に係る燃料集合体Bの第2実施例を示し、標準組成(表3)からなる燃料集合体Aの一部の燃料棒を燃料製造後3年間経過した高組成(表3)の余剰燃料棒(○印)に置き換えて構成したものである。 ここで、各番号の濃縮度またはPuf富化度は表2に示した。

    【0080】余剰燃料棒は、高組成燃料用に作られており、置換される燃料棒よりPuf富化度が低いので、各番号の燃料棒の中で熱中性子束が最大となる燃料棒から順に25本配置した。 燃料集合体Bの燃焼初期の局所出力分布は図4のようになる。 LPFで比較すると、もとの燃料集合体Aでは1.199 、本実施例による燃料集合体B
    では1.180 となり、むしろやや改善されている。

    【0081】図1および図3より、標準組成に低組成の余剰燃料棒を配置する場合は熱中性子束の低いところに、標準組成に高組成の余剰燃料棒を配置する場合は中性子束の高いところに配置すればよいことがわかる。

    【0082】図5および図7は、第2の発明に係る燃料集合体Bの第1および第2実施例を示す。 この燃料集合体は、制御棒挿入側と非挿入側の水ギャップ幅が同じ場合(C格子燃料)の設計例である。

    【0083】はじめに、Pu組成に応じた3種類の燃料集合体A(図33参照)の濃縮度またはPuf富化度を表5に示す。 また、標準組成燃料の場合の燃焼初期の局所出力分布を図34に示す。 LPFは燃焼初期で1.258 である。 なお、図33は3種類のプルトニウム組成をもつC
    格子MOX燃料集合体を示し、図34は図33における燃焼初期の局所出力分布である。

    【0084】

    【表5】

    【0085】図5または図7に示す燃料集合体Bは、標準組成(表3)からなる燃料集合体Aの一部の燃料棒を燃料製造後3年経過した低組成または高組成(表3)の余剰燃料棒(○印)に置き換えて構成したものである。

    【0086】第1の発明に従うと、3番の低組成余剰燃料棒は3番の標準組成燃料棒のうち熱中性子束の低い位置の燃料棒と置換されることになるので、図35のような構成となり、余剰燃料棒自身が最大の局所出力を出しL
    PFは燃焼初期で1.283 (図36)となる。 図35は標準的なプルトニウム組成をもつC格子MOX燃料集合体の外周部に低組成の余剰燃料棒を配置した場合を示し、図36
    は図35における燃焼初期の出力分布を示している。

    【0087】また、3番の高組成余剰燃料棒は3番の標準組成燃料棒のうち熱中性子束の高い位置の燃料棒と置換されることになるので、図37のような構成となり、余剰燃料棒に隣接する最外周位置の燃料棒の局所出力が悪化しLPFは燃焼初期で1.271 (図38)となる。 図37は標準的なプルトニウム組成をもつC格子MOX燃料集合体の外周部に高組成の余剰燃料棒を配置した場合を示し、図38は図37における燃焼初期の出力分布を示している。

    【0088】したがって、図33の2番から4番までの燃料棒のようにもとの燃料集合体Aの最外周位置にしか配置されない燃料棒がある場合は、第1の発明に従ってP
    uf富化度の近い余剰燃料棒を最外周位置に配置すると、燃料集合体BのLPFが悪化する場合がある。

    【0089】一方、第2の発明に従って3番の低組成余剰燃料棒を集合体中央部に配置する(図5)と、LPF
    は燃焼初期で1.266 (図6)となり、燃料集合体の最外周位置に配置した場合(図36,LPF=1.283 )より改善される。

    【0090】ただし、3番の高組成余剰燃料棒を燃料集合体中央部に配置した場合(図7)は、燃焼初期のLP
    Fは1.269 (図8)となり、燃料集合体外周部に配置した場合(図38,LPF=1.271 )と比べて改善されてはいるもののその効果は小さい。

    【0091】なお、第3および第4実施例では、Puf
    富化度の高い燃料集合体中央部のMOX燃料棒をPuf
    富化度の低い余剰燃料棒と置換するので、集合体平均のPuf富化度が多少低くなる問題がある。

    【0092】図9または図11は、第2の実施例に係る燃料集合体Bの第3または第4実施例を示し、標準組成(表3)からなる燃料集合体Aの外周部の燃料棒をすべて燃料製造後3年経過した低組成または高組成(表3)
    の余剰燃料棒(○印)に置き換えて構成したものである。

    【0093】燃料集合体Bの燃焼初期の局所出力分布は図10または図12のようになり、LPFで比較すると、第1の発明に従った場合の1.283 (図36)、1.271 (図3
    8)に対して、本発明による燃料集合体Bで、低組成燃料棒に置換した場合は、1.268(図10)、高組成燃料棒に置換した場合は1.245 (図12)となっており、余剰燃料棒の本数が28本と多くなっているが、LPFは改善されている。

    【0094】以上のように、第2の発明は、第1の発明によっても燃料集合体BのLPFが悪化する場合、すなわち、燃料集合体Aにおいて最外周位置にしか配置されない種類の燃料棒がある場合に有効である。

    【0095】図13は第3の発明に係る燃料集合体の第1
    実施例を示し、第2の発明において集合体平均のPuf
    富化度が低下する問題を解決する1つの手段として、もとの燃料集合体Aにおいて最外周位置にしか配置されない種類の燃料棒をなくしたものである。

    【0096】本実施例は図33に示したC格子燃料集合体に代わるもので、各番号の燃料棒の濃縮度またはPuf
    富化度は表5に示した。 図13(a)では、Puf富化度の低い△印で示した2番から4番の燃料棒をあらかじめ燃料集合体Aの中央部に用意している。

    【0097】したがって、図13(b)に示した燃料集合体Bのように、何番のPuf富化度の余剰燃料棒がきても用意されている本数分は燃料集合体の中央部に配置でき、集合体平均のPuf富化度を大きく低下させることなく、燃焼初期のLPFの悪化を防ぐことができる。

    【0098】図14は、第4の発明に係る燃料集合体の第1実施例を示し、対角線上に2番から6番までの5種類すべてのMOX燃料棒を配置している。 本実施例は図24
    に示したD格子燃料集合体に代わるもので、各番号の燃料棒の濃縮度またはPuf富化度は表2に示した。

    【0099】本実施例により、余剰燃料棒を奇数本配置する場合でも、燃料集合体Bのように、制御棒の中心軸に向かう対角線上に1本の余剰燃料棒を配置すれば対角線を軸とした対称性は保たれるので、余剰燃料棒による出力分布の偏りを防ぐことができる。

    【0100】図15は、第5の発明に係る燃料集合体の第1実施例を示し、図33の標準組成をもつC格子燃料集合体の非制御棒側に燃料製造後6年の余剰燃料棒を集中配置している。 各番号の燃料棒の濃縮度またはPuf富化度は表5に示した。 本実施例により図39に示す余剰燃料棒を制御棒挿入側に集中配置した燃料集合体に比較して、冷温時の制御棒価値を 0.2%Δk/k 程度改善することができる。

    【0101】図16は、第6の発明に係る燃料集合体のL
    PFおよび無限増倍率の燃料特性を示す。 この図16は、
    燃料棒製造後の経過時間が2年間の標準組成をもつD格子燃料集合体Cと、燃料棒製造後の経過時間が6年間で低組成の余剰燃料棒で構成された図24に示すD格子燃料集合体Aの場合である。

    【0102】低組成の余剰燃料棒で構成された燃料集合体CのLPFは、燃料集合体Aで既にPuf富化度分布が十分に調整されているので、燃焼初期では燃料集合体Aとほとんど変わらないが、燃焼後では、図26と同様に低組成燃料集合体Cで大きくなっている。 図26は図24における燃料集合体の無限増倍率の燃焼特性を示している。 また、無限増倍率は、プルトニウム組成の違いおよび241 Amの蓄積による負の反応度効果で、燃料集合体Cの方が燃焼期間を通じて低くなる。

    【0103】図17は、第7の発明に係る原子炉炉心の第1実施例を示し、 548体の燃料集合体からなる炉心のうち回転対称な1/4炉心のうち、コントロール・セルおよび余剰燃料棒入り燃料集合体の装荷位置を示している。

    【0104】この実施例では、プルトニウム組成が燃料集合体Aより低く反応度特性が燃料集合体Aより低い燃料集合体C(○で示す)を図17に示したように、コントロール・セル(□内にハッチングで示す)に隣接しない位置、例えば、燃焼後の径方向ピーキングの厳しい位置または炉停止余裕の厳しい位置に4体(全炉心で16体)
    装荷している。

    【0105】この実施例により、図16に見られるような無限増倍率特性を利用して、余剰燃料棒入り燃料集合体の集合体出力を抑えて径方向ピーキングを低減するか、
    または、炉停止余裕を改善できる。 図16(a)はLPF
    の燃焼変化、図16(b)は無限増倍率の燃焼変化をそれぞれ示している。

    【0106】図18は、第8の発明に係る燃料集合体の第1実施例を示す。 各番号の濃縮度またはPuf富化度は表5の標準組成の場合であり、燃料集合体Cのコーナー部分のウラン燃料棒の濃縮度は図18(a)に示した。 ここで、図18(b)の燃料集合体Aは図33と同一である。

    【0107】本第8の発明は、 241 Amによる反応度損失をウラン燃料棒の本数またはMOX燃料棒の本数の構成割合を調整することにより補償したものである。

    【0108】図18では、燃料集合体Cをウラン燃料棒と燃料棒製造後の経過時間が6年間の余剰燃料棒で構成し、かつ、ウラン燃料棒を燃料集合体のコーナー部分に
    10本配置し、MOX燃料棒の本数の構成割合を変更している。

    【0109】これにより、図19に示すように、運転サイクル末期での炉心平均燃焼度時の無限増倍率を燃料集合体Aの場合と一致させることができる。 なお、燃料集合体Cでは、ウラン燃料棒の配置に伴い最外周のMOX燃料棒の配置を燃料集合体Aから変更し、燃焼初期のLP
    Fをできるだけ低くしている。 燃料集合体Aの1.258に対して、燃料集合体Cでは1.268 とやや増加している。

    【0110】図20は、第9の発明に係る燃料集合体の第1の実施例を示す。 各番号の濃縮度またはPuf富化度は表3の標準組成の場合に相当する。

    【0111】図32は標準的なプルトニウム組成をもつM
    OX燃料集合体において、燃料製造後の経過時間が2年の場合と6年の場合の燃料集合体の無限増倍率と燃焼度との関係を示している。 図32に示したように、 241 Am
    蓄積による負の反応度は燃焼初期で最も大きく、燃焼が進むとともに減少していく。

    【0112】そこで、集合体平均Puf富化度が2.77wt
    %の燃料集合体Aの無限増倍率にできるだけ近づくように、燃料集合体Cのガドリニア入り燃料棒の本数を減らし、さらにMOX燃料棒の本数の構成割合を変更して、
    集合体平均Puf富化度を2.90wt%まで、高めている。

    【0113】これにより、図21に示すように、燃焼期間を通じて241 Am蓄積蓄積の負の反応度効果を補償できる。 なお、燃焼初期のLPFは、燃料集合体Cで1.190
    、燃料集合体Aで1.215 となっており、あまり変わらない。

    【0114】なお、図18または図20はすべて標準組成の場合の実施例であるが、燃料集合体Aと燃料集合体Cのプルトニウム組成が異なる場合は、組成の違いによる効果も考慮して、ウラン燃料棒およびガドリニア入り燃料棒の本数、濃縮度、またはMOX燃料棒の本数の構成割合を調節する必要がある。

    【0115】図22は、第10の発明に係る原子炉炉心の第1実施例を示し、 548体の燃料集合体からなる炉心のうち回転対称な1/4炉心のうち、コントロール・セルおよび余剰燃料棒入り燃料集合体の装荷位置を示している。

    【0116】ここでは、第6の発明でプルトニウム組成が燃料集合体Aより高く反応度特性が燃料集合体Aより高い燃料集合体Cか、または図18および図20で示した反応度補償後の燃料集合体Cを、集合体出力の低い炉心最外周から3層目までの位置またはコントロール・セルに隣接する位置に装荷している。 これにより、余剰燃料棒入りの燃料集合体Cが熱的に厳しくなることを防止できる。

    【0117】なお、上記実施例では、燃料集合体においては、余剰燃料棒のプルトニウム組成または燃料棒製造後経過時間は1種類としたが2種類以上としてもよい。
    また、炉心においては、余剰燃料棒入りの燃料集合体は1種類としたが2種類以上としてもよい。

    【0118】

    【発明の効果】本発明によれば、ある運転サイクルで生じた余剰のMOX燃料棒を、それ以降の運転サイクルの燃料集合体の一部または全部に混ぜて使う場合に、プルトニウム組成の違いによる効果および241 Amによる効果を考慮して、余剰燃料棒の集合体における配置位置または余剰燃料棒入り燃料集合体の炉心における装荷位置を限定する、あるいは、余剰燃料棒入り燃料集合体の設計変更を行うことにより、余剰燃料棒入り燃料集合体が炉心特性に及ぼす影響を小さくできる。 その結果、余剰燃料棒を無駄にすることなく利用できるので、資源の有効利用が図れる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】第1の発明に係る燃料集合体Bの第1実施例を示す図。

    【図2】図1における燃料集合体の燃焼初期の局所出力分布を示す図。

    【図3】第1の発明に係る燃料集合体Bの第2実施例を示す図。

    【図4】図2における燃料集合体の燃焼初期の局所出力分布を示す図。

    【図5】第2の発明に係る燃料集合体Bの第1実施例を示す図。

    【図6】図5における燃料集合体の燃焼初期の局所出力分布を示す図。

    【図7】第2の発明に係る燃料集合体Bの第2実施例を示す図。

    【図8】図7における燃料集合体の燃焼初期の局所出力分布を示す図。

    【図9】第2の発明に係る燃料集合体Bの第3実施例を示す図。

    【図10】図9における燃料集合体の燃焼初期の局所出力分布を示す図。

    【図11】第2の発明に係る燃料集合体Bの第4実施例を示す図。

    【図12】図11における燃料集合体の燃焼初期の局所出力分布を示す図。

    【図13】第3の発明に係る燃料集合体の第1実施例で、(a)は燃料集合体Aを、(b)は燃料集合体Bをそれぞれ示す図。

    【図14】第4の発明に係る燃料集合体の第1実施例で、(a)は燃料集合体Aを、(b)は燃料集合体Bをそれぞれ示す図。

    【図15】第5の発明に係る燃料集合体の第1実施例を示す図。

    【図16】(a)は第6の発明に係る燃料集合体のLP
    Fの燃焼特性を示す特性図、(b)は同じく無限増倍率の燃焼特性を示す特性図。

    【図17】第7の発明に係る燃料集合体の第1実施例を示す1/4炉心構成図。

    【図18】第8の発明に係る燃料集合体の第1実施例で、(a)は燃料集合体Cを、(b)は燃料集合体Aをそれぞれ示す図。

    【図19】図18における燃料集合体の無限増倍率の燃焼変化を示す特性図。

    【図20】第9の発明に係る燃料集合体の第1実施例で、(a)は燃料集合体Cを、(b)は燃料集合体Aをそれぞれ示す図。

    【図21】図20における燃料集合体の無限増倍率の燃焼変化を示す特性図。

    【図22】第10の発明に係る原子炉炉心の第1実施例を示す1/4炉心構成図。

    【図23】従来のウラン燃料集合体を示す横断面図。

    【図24】3種類のプルトニウム組成をもつD格子MO
    X燃料集合体Aを示す図。

    【図25】図24における燃料集合体の無限増倍率の燃焼特性を示す特性図。

    【図26】図24における燃料集合体のLPFの燃焼特性を示す特性図。

    【図27】標準的なプルトニウム組成をもつD格子MO
    X燃料集合体の燃焼初期の局所出力分布を示す図。

    【図28】標準的なプルトニウム組成をもつMOX燃料集合体において、同一Puf富化度のグループ内で局所出力分布の高い位置に低組成の余剰燃料棒を配置した燃料集合体を示す図。

    【図29】図28における燃料集合体の燃焼初期の局所出力分布を示す図。

    【図30】標準的なプルトニウム組成をもつMOX燃料集合体において、同一Puf富化度のグループ内で局所出力分布の低い位置に高組成の余剰燃料棒を配置した燃料集合体を示す図。

    【図31】図30における燃料集合体の燃焼初期の局所出力分布を示す図。

    【図32】標準的なプルトニウム組成をもつMOX燃料集合体において、燃料製造後の経過時間が2年の場合と6年の場合の燃料集合体の無限増倍率と燃焼度との関係を比較した特性図。

    【図33】3種類のプルトニウム組成をもつC格子MO
    X燃料集合体を示す図。

    【図34】標準的なプルトニウム組成をもつC格子MO
    X燃料集合体の燃焼初期の局所出力分布を示す図。

    【図35】標準的なプルトニウム組成をもつC格子MO
    X燃料集合体の外周部に低組成の余剰燃料棒を配置した場合を示す図。

    【図36】図35における燃料集合体の燃焼初期の局所出力分布を示す図。

    【図37】標準的なプルトニウム組成をもつC格子MO
    X燃料集合体の外周部に高組成の余剰燃料棒を配置した場合を示す図。

    【図38】図37における燃料集合体の燃焼初期の局所出力分布を示す図。

    【図39】制御棒挿入側に余剰燃料棒を配置した燃料集合体を示す図。

    【符号の説明】

    a…チャンネルボックス、b…ウラン燃料棒、c…ガドリニア入り燃料棒、d…ウォータロッド、e…水ギャップ領域。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 博之 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内

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