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Semiconductor laser

阅读:622发布:2024-02-18

专利汇可以提供Semiconductor laser专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PURPOSE: To compensate for the decrease in the total gain of quantum well active layer by selecting at least one of the composition or the width of layer of quantum well layer at the side of p-type layer to have an effective band gap narrower than the effective band gap of at least one quantum well layer at the side of n-type layer.
CONSTITUTION: The semiconductor laser is provided with the active layer of a multiple quantum well structure 4 with at least two layers of InGaAsP quantum well layers 8a-e and a p-type layer 5 and n-type layer 3 putting the active layer between. So as to compensate for the change of peak wavelength of the gain when holes are unevenly injected, at least one of the composition or the width of the layer of quantum well layer 8e at the side of p-type layer is selected to have an effective band gap narrower than at least one of the effective band gap of the quantum well layer 8a at the side of n-type layer. Thus, the potential well for holes becomes deeper than the potential for electrons, resulting in reducing the oscillation threshold value of an MQW laser in which the holes are injected unevenly by the forward energization.
COPYRIGHT: (C)1994,JPO&Japio,下面是Semiconductor laser专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 少なくとも2層以上のInGaAsP系量子井戸層(8、18)を有する多重量子井戸構造(4、14)の活性層と、活性層を挟むp型層(5、1
    5)とn型層(3、13)を有する半導体レーザであって、 正孔の不均一注入による利得のピーク波長の変化を補償するように、p型層側の量子井戸層(8e、18c)の組成または層厚の少なくとも一方が、n型層側の少なくとも1つの量子井戸層(8a、18a)の実効的バンドギャップよりも狭い実効的バンドギャップを有するように選択されていることを特徴とする半導体レーザ。
  • 【請求項2】 前記n型層側の少なくとも1つの量子井戸層(8a、18a)が歪を有している請求項1記載の半導体レーザ。
  • 【請求項3】 前記量子井戸層がn型層側に近づくほど大きな歪量を有している請求項2記載の半導体レーザ。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明は、半導体レーザに関し、
    特に多重量子井戸構造の活性層を有するInGaAsP
    /InP系半導体レーザに関する。 なお、本明細書で「InGaAsP系」とは、InGaAsを含むものとする。 また、量子井戸層での伝導帯における基底エネルギ準位と価電子帯における基底エネルギ準位との間のエネルギ差を実効的バンドギャップと呼ぶ。

    【0002】半導体レーザは、小型、軽量、高信頼性、
    長寿命という特性を生かして、オプトエレクトロニクスのキーデバイスとして通信用、民生用に広く実用化されている。

    【0003】特に、InP基板上にInGaAsP系活性層を備えたInGaAsP/InP系半導体レーザは、発振波長が1.2〜1.5μm帯をカバーするため、石英系ファイバの最低損失領域と一致し、長距離光通信用光源として重要視されている。

    【0004】

    【従来の技術】光通信用光源として、半導体レーザに要求される特性は、発振モードの単一性や光出、高速変調時の安定性等、多岐に亘る。 現在、世界的に進められている幹線系通信から、さらに加入者系やLAN系という分岐系へ光ファイバ通信を拡大していくためには、光源として用いられる半導体レーザに広い温度範囲で安定して低閾値発振できる特性が求められている。

    【0005】低閾値発振の目的で注目されているものに量子井戸型レーザがある。 その層構造および量子井戸活性層のバンド構造を、図4に示す。 量子井戸型レーザは、従来のダブルヘテロ構造によるキャリアおよび光の空間的閉じ込めに加えて、キャリアのエネルギ的閉じ込め効果によって利得を増し、発振閾値を下げることができる。 通常は図示したように、複数の量子井戸層を有する多重量子井戸構造を活性層に用いることが多い。

    【0006】図4(A)は、一般に用いられている多重量子井戸型レーザの層構造を示す。 n型基板21上に、
    エピタキシャル成長技術を用いてn型クラッド層22、
    n型光閉じ込め層23、i型(アンドープ)多重量子井戸層(活性層)24、p型光閉じ込め層25、p型クラッド層26およびp型コンタクト層27が層状に堆積されている。

    【0007】光閉じ込め層23、25は、SCH(Sepa
    rate Confinement Heterostructure)層ともいわれる。
    各成長層は、通常n型基板21に格子整合しているが、
    最近意図的に格子不整合を導入した歪多重量子井戸構造も提唱されている。

    【0008】図4(B)に示すように、i型多重量子井戸層24は、複数の量子井戸層、たとえば3層の量子井戸層28a、28b、28cと量子井戸層を分離するバリア層、たとえば2層のバリア層29a、29bを含む。

    【0009】その電流注入時のエネルギ帯図は図4
    (C)のようになる。 図で、E cは伝導帯のバンド端のエネルギを、ΔE cは量子井戸層とバリア層のE cの差を、E vは価電子帯のバンド端のエネルギを、ΔE vは量子井戸層とバリア層のEvの差を、Egは量子井戸層のバンドギャップを示す。

    【0010】量子井戸層の幅は、電子のドブロイ波長以下の薄さ(通常数〜数十Å)に設定されている。 この結果、電子のとり得る準位は量子化され、量子準位に局在化された電子および正孔間で再結合輻射を生じる。

    【0011】1次元(厚さ)方向の量子化によりエネルギ状態密度が階段状になる。 このため、利得が増加して低閾値で発振し得る。 発振エネルギは、エネルギ準位の量子化によりバンドギャップEgより大きくなる。

    【0012】

    【発明が解決しようとする課題】比較的高温の環境下においても、量子井戸層に十分キャリアを閉じ込めておくには、量子井戸層のポテンシャル井戸は電子に対しても、また正孔に対しても十分深くならなければならない。

    【0013】しかるに、光通信用レーザであるInGa
    AsP/InP系レーザの場合、電子に対するポテンシャル井戸の深さ(図4(B)のΔE c )が、正孔に対するポテンシャル井戸の深さ(ΔE v )より浅い。 したがって、ΔE cを十分な大きさで確保すると、ΔE vは必要以上に大きくなる。

    【0014】この結果、順方向バイアスによってキャリアが量子井戸層に注入されると、p型層に近い量子井戸程多くの正孔が分布し、正孔濃度が各井戸層間で異なる分布を持つ。

    【0015】図1(A)、(B)を用いて説明すると、
    次のようになる。 今、4層のポテンシャル井戸を有する量子井戸活性層の各ポテンシャル井戸に均等に正孔が注入された理想的な場合には、単一量子井戸層の利得gは各量子井戸層で等しくなる。

    【0016】すなわち、正孔に対する各ポテンシャル井戸をW h1 、W h2 、W h3 、W h4 (ただし、番号はp層側から数えるものとする)とした時、各量子井戸層の利得g
    と波長λの関係を示す図は、図1(A)の中央の図のように与えられ、各量子井戸層で等しくなる。

    【0017】したがって、量子井戸活性層全体の総合利得Gは、単純に単一量子井戸層の利得gを4倍して、図1(A)の右側の図のように与えられることになる。 利得ピーク波長で利得は層数倍される。

    【0018】しかし、電子に対するポテンシャル井戸の深さを十分深くしたInGaAsP/InP系量子井戸活性層に正孔を注入すると、正孔に対するポテンシャル井戸が深いため、正孔はp層側に近いポテンシャル井戸程高濃度となるように不均一に分布する。 すなわち、正孔に対する各ポテンシャル井戸の正孔濃度をp i (i=
    1〜4)とすると、p 1 >p 2 >p 3 >p 4となる。

    【0019】この結果、図1(B)で示すように、各量子井戸層における利得gは波長に対して異なるピーク位置を示し、かつピーク値g max自体も井戸層毎に異なる。 ピークの波長位置が変わると、各量子井戸層の寄与を合計した量子井戸活性層の総合利得Gは、ピーク値G
    maxが図1(A)の場合より小さくなる。

    【0020】このことは、とりもなおさず、レーザ発振の閾値増大につながる。 不均一な正孔注入の問題点を回避するために、バリア層の厚みを減らして隣接する量子井戸層間をトンネル結合させ、バリア層を通過するトンネリングによって正孔濃度を均一化させようとする提案がある。

    【0021】しかし、この場合には、電子のポテンシャル井戸間でもトンネル結合が生じて、波動関数の広がりによるブロードニングのために電子準位がボケて量子井戸層による電子局在化の効果が薄れる。 この結果、閾値が上昇してしまう。

    【0022】本発明の目的は、正孔の不均一注入が引き起こす量子井戸活性層の総合利得Gの低下を補償できるInGaAsP/InP系多重量子井戸型レーザを提供することである。

    【0023】

    【課題を解決するための手段】本発明の半導体レーザは、少なくとも2層以上のInGaAsP系量子井戸層を有する多重量子井戸構造の活性層と活性層を挟むp型層とn型層を有する半導体レーザであって、正孔の不均一注入による利得のピーク波長の変化を補償するように、p型層側の量子井戸層の組成または層厚の少なくとも一方が、n型層側の少なくとも1つの量子井戸層の実効的バンドギャップよりも狭い実効的バンドギャップを有するように選択されていることを特徴とする。

    【0024】

    【作用】実効的バンドギャップが狭い量子井戸層には、
    正孔の不均一注入により、より多くの正孔が注入される。 このため、電子・正孔間の再結合輻射エネルギは上昇する。

    【0025】上昇した電子・正孔の再結合エネルギがよりn型層側の量子井戸層の電子・正孔間の再結合輻射エネルギと等しくなれば、利得のピーク波長が揃う。 このようにして、正孔の不均一注入による利得のピーク波長の変化を実効的バンドギャップの変化によって補償することができる。

    【0026】なお、実効的バンドギャップの変化は、量子井戸層の組成または層厚を調整することによって実行することができる。

    【0027】

    【実施例】図1は、本発明の半導体レーザの原理を説明するための図である。 ここで、半導体レーザの多重量子井戸層は、1例として4層の井戸を有しているものとする。 InGaAsP系材料の特性からΔE c <ΔE vである。 正孔に対するポテンシャル井戸層は、p層側から順にW h1 、W h2 、W h3 、W h4と表されている。

    【0028】図1(B)を用いて既に説明したように、
    このような多重量子井戸活性層においては、順方向バイアスが印加された時、p層側から注入される正孔濃度は、正孔に対する各ポテンシャル井戸の正孔濃度をp 1
    〜p 4とする時、p 1 >p 2 >p 3 >p 4と不均一に分布する。

    【0029】各ポテンシャル井戸の深さおよび幅が等しい従来の量子井戸層においては、この結果、各量子井戸層で発生する利得gが図1(B)のように不均一となり、総合利得Gは低くなる。

    【0030】図1(C)で示したポテンシャル井戸の深さが不均一な量子井戸層からなる多重量子井戸型レーザにおいては、各量子井戸の利得gのピーク波長を揃えることができる。

    【0031】すなわち、InGaAsP/InP系半導体レーザにおいては、ΔE c <ΔE vであるが、各量子井戸層のバンドギャップEg (n)が Eg (1) <Eg (2) <Eg (3) <Eg (4)に選定されている。

    【0032】このような選定は、各量子井戸層を構成するIn 1-x Ga x As y1-yの混晶比x、y(組成)
    を変化させることによって行なうことができる。 また、
    量子井戸層の幅を変えることによっても実効的バンドギャップを変化させることができる。

    【0033】各量子井戸層のバンドギャップEg
    (n)が、図1(C)に示すようにp型層側ほど狭くなっていると、不均一な正孔注入が生じた時、正孔濃度の不均一に伴う利得ピーク波長の差を補償することができる。

    【0034】この結果、正孔濃度の違いによる利得gのピーク値g maxの違いは存在するが、各井戸層でg max
    を与える波長を、図1(C)の中央の図のように揃えることができる。 したがって、各量子井戸層の利得gを加算した多重量子井戸活性層の総合利得Gは、図1(C)
    の右端のように大きくなる。

    【0035】総合利得Gの大きさは、各量子井戸層の利得ピークg maxを与える波長が完全に一致すれば、利得飽和の生じない範囲では、図1(A)右端に示す均一正孔注入の場合のGにほぼ一致するはずである。

    【0036】なお、実効的バンドギャップを変化させるために、各量子井戸層の厚さを変化させると、各井戸層毎にエネルギ状態密度が異なるため、環境温度の変化に対するキャリアのエネルギ分布の変化が井戸層毎に変わることになる。

    【0037】これに対し、同一層厚で組成を変えた場合には、エネルギ状態密度はどの井戸層においてもほぼ同じであるので、温度が変化しても利得のピーク波長を揃えることができる。

    【0038】なお、InP基板上にInGaAsP系材料で多重量子井戸構造を形成する場合、各量子井戸層の組成は以下のような条件を考慮して定めればよい。 In
    1-x Ga x As y1-yがInPに格子整合する条件は、 0.1894y−0.4184x+0.0130xy=
    0 と表される。

    【0039】また、InPに格子整合するInGaAs
    Pのバンドギャップエネルギ(Eg)は実験的に、 Eg (y) =1.35−0.72y+0.12y 2と求められている。 この2式を用いることにより、所望のEgに対してx、yを求めることができる。

    【0040】また、Egとバンドギャップ波長(λg)
    の関係は、 λg=hc/Eg (h:ブランク定数、c:光速) で表される。 たとえば、InPに格子整合し、バンドギャップ波長λg=1.2μmとなる組成は、In 0.78
    0.22 As 0.480.52となる。

    【0041】なお、量子井戸層の組成は、上記のInP
    基板に格子整合するものに限らない。 この場合、量子井戸層には二軸性の歪が加わり、組成の違いに歪による効果が加わってバンドギャップが変化する。 たとえば、I
    1-x Ga x As3元混晶の量子井戸層に引張歪を導入すると、引張歪の大きい量子井戸層程、電子と正孔の量子準位間エネルギを大きくすることができる。

    【0042】なお、歪を量子井戸層に導入することにより、より少ないキャリア濃度で所望の利得を与えることができる。 このため、歪多重量子井戸構造の活性層を用いると、発振閾値をより低くすることができる。

    【0043】図2は、本発明の1具体的実施例によるI
    nGaAsP/InP系多重量子井戸半導体レーザの製造工程の主要部を示す断面図である。 InP基板を用い、多重量子井戸構造の活性層をInGaAsP系半導体で構成する。

    【0044】まず、図2(A)に示すように、有機金属気相成長(MOCVD)法またはガスソース分子線エピタキシ(MBE)法を用いてSnまたはSドープn型I
    nP基板1上に、厚さ1μmのSドープn型InPクラッド層2、厚さ0.17μmのSドープn型In 0.85
    0.15 As 0.330.67光閉じ込め層3を成長し、その上にアンドープで厚さ10nmの4層のIn 0.85 Ga 0.15
    As 0.330.67バリア層と、アンドープで厚さ7nmの5層のInGaAsP量子井戸層を交互に積層したi型InGaAsP多重量子井戸(MQW)活性層4を形成する。

    【0045】さらに、活性層4の上に厚さ0.17μm
    のZnドープp型In 0.85 Ga 0.15 As 0.330.67光閉じ込め層5、厚さ2μmのZnドープp型InPクラッド層6をこの順序で連続的にエピタキシャル成長させる。

    【0046】なお、p型InPクラッド層6は、その一部のみをここで成長させ、残りを後に成長させてもよい。 各InGaAsP混晶層の組成は、全てInPに格子整合するように選択される。

    【0047】i型InGaAsPのMQW活性層4の5
    層の量子井戸層8a、8b、8c、8d、8eは、p型In 0.85 Ga 0.15 As 0.330.67光閉じ込め層5に近い程ポテンシャル井戸が深くなるように(バンドギャップが小さくなるように)組成が選択され、厚さ10nmのアンドープIn 0.85 Ga 0.15 As 0.330.67バリア層9
    a、9b、9c、9dと交互に配置される。

    【0048】量子井戸層の組成は、中央の8cがIn
    0.54 Ga 0.46 As 0.980.02 (λg=1.64μm)であり、電子・正孔の量子準位間遷移によって1.55μ
    mの光が輻射される組成となっている。 他の量子井戸層の組成は、図1(C)を用いて説明したように、正孔の不均一注入による影響を補償して各量子井戸層の利得g
    のピーク波長が1.55μmになるように選択する。

    【0049】厚さ10nmのバリア層は、隣接量子井戸層間でトンネル結合が生じ、キャリアがトンネリングするのを実質的に抑制できる厚みである。 また、バリア層と量子井戸層のΔE cは約0.15eV、ΔE vは約0.22eVであり、駆動時にキャリアを量子井戸層内に閉じ込めるために十分な高さのバリアとなっている。

    【0050】次に、図2(B)で示すように、メサエッチングを行ない、ストライプ構造を形成する。 まず、p
    型InPクラッド層6表面に堆積したSiO 2膜をホトリソグラフィの技術とエッチングによりパターニングし、ストライプ状のSiO 2マスク10を形成する。 次に、SiO 2マスク10をエッチングマスクとしてn型InPクラッド層2までメサエッチングする。

    【0051】次に、図2(C)に示すように、液相エピタキシ(LPE)等によりメサ側面の埋込成長を行なう。 図2(C)に示すように、まずp型InP(電流)
    狭窄層40を成長させ、続いてn型InP(電流)狭窄層41を選択成長させる。

    【0052】図2(B)のメサエッチングは、化学エッチング、化学エッチングとメルトバック、化学エッチングとドライエッチング等によって行なうことができる。
    また、図2(C)で示す埋込成長は、LPEの他、MO
    CVD法等の他の方法を用いて行なうこともできる。

    【0053】図2(D)に示すように、SiO 2マスク10を除去後、必要に応じてp型InPクラッド層6の残りの部分を成長し、その上に厚さ0.5μmのZnドープのp型In 0.72 Ga 0.28 As 0.60.4コンタクト層7を成長する。

    【0054】基板およびコンタクト層7上にn層側、p
    層側の電極42、43を形成すれば、レーザ素子ができあがる。 n層電極としては、たとえばAuGe/Au電極42を、またp層電極としては、たとえばTi/Pt
    /Au電極43をそれぞれ蒸着熱処理すればよい。 共振器として端面をへき開すれば、ファブリーペロ形レーザとなる。

    【0055】このレーザ素子をステムにマウントして順方向に通電すると、量子井戸層の組成が正孔の不均一濃度分布による利得のピーク波長のずれを打ち消すように調整されているので、MQW活性層全体の総合利得Gを高めることができる。 この結果、同一サイズ同一組成を有するMQW活性層を用いた場合に比べて1.55μm
    のレーザ発振閾値電流を約30%低減することができる。

    【0056】図2に示した実施例では、光閉じ込め層3、5の混晶組成はMQWのバリア層と同じとし、単一組成にした。 これは、いわゆる単純SCH(Separate C
    onfinement Heterostructure)である。

    【0057】しかし、光閉じ込め効率を検討して活性層に近い領域が最も屈折率が高く、クラッド層に近付くにつれて徐々に屈折率を低くするような傾斜型ヘテロ構造、いわゆるGRIN−SCH(Graded Index−SC
    H)を用いることもできる。 勿論、他の構造のヘテロ接合を用いてもよい。

    【0058】図3は、本発明の他の実施例である半導体レーザの層構造を示す断面図である。 この半導体レーザにおいては、歪多重量子井戸構造の活性層が用いられている。

    【0059】Snドープのn型InP基板11上に、M
    OCVD法等を用いて、厚さ1μmのSドープn型In
    Pクラッド層12、厚さ0.17μmのSドープのn型In 0.85 Ga 0.15 As 0.330.67 SCH層13、アンドープで3層のInGaAs量子井戸層18a、18b、
    18cとアンドープで2層のInGaAsPバリア層1
    9a、19bを交互に積層したi型InGaAsP/I
    nGaAs多重量子井戸(MQW)活性層14、厚さ0.17μmのZnドープのp型In 0.85 Ga 0. 15 As
    0.330.67 SCH層15、厚さ2μmのZnドープのp
    型InPクラッド層16および厚さ0.5μmのZnドープのp型In 0.72 Ga 0.28 As 0.60. 4コンタクト層17をこの順序で堆積する。

    【0060】i型InGaAsP/InGaAsMQW
    活性層14の量子井戸層18a〜18cは異なる組成を有し、歪多重量子井戸構造を構成する。 厚さ12nmのi型InGaAs量子井戸層18a〜18cは、InP
    より小さな格子定数となる組成を有しており、引張歪を受ける。

    【0061】その組成は1.53μmで発振し、かつ正孔の不均一注入による利得のピーク波長のずれを補償するように中央の量子井戸層18bでIn 0.35 Ga 0.65
    sであり、n層側量子井戸層18aはこれよりGaリッチ、p層側量子井戸層18cはこれよりInリッチの組成となっている。 量子井戸層18a、18cの組成は、
    量子井戸層の正孔濃度比に合わせて利得が最大になるように調整する。

    【0062】バリア層19a、19bは、隣接する量子井戸層間のトンネリングを実効的に禁止できる厚さ10
    nmのi型In 0.85 Ga 0.15 As 0.330.67からなり、
    InPに格子整合している。 各井戸層の引張歪量ξは、
    ξ 18a >ξ 18b >ξ 18cとなる。 InP格子整合するI
    nGaAs組成はIn 0.53 Ga 0.47 Asであり、バンドギャップEgは、Eg 18a >Eg 18b >Eg 18cとなる。

    【0063】なお、このような3元混晶では、組成を変化させれば必ず格子定数が変化し、歪多重量子井戸構造となる。 引張歪は、より少ないキャリア濃度で同じ利得効果を示すので、引張歪MQW活性層ではさらに閾値が下がる。

    【0064】図3に示す層構造も、図2に示したプロセス同様のプロセスで製造することができる。 この半導体レーザに順方向電流を流すと、各井戸層に注入される正孔濃度は、 p 18a <p 18b <p 18cと不均一に分布する。

    【0065】しかし、前記したように、歪量はn層側でより大きく、またバンドギャップもn層側でより大きい。 すなわち、同一正孔密度ならn層側でより高い利得が得られ、かつ利得ピーク波長がより短波長側になる。

    【0066】したがって、正孔の不均一注入の影響が打ち消されて、各量子井戸層の利得ピーク波長が1.53
    μmに揃うと同時に、利得ピーク波長における利得gも高まる。 この結果、総合利得Gがより大きくなり、レーザ発振の閾値電流密度が一層低下する。

    【0067】この実施例においては、InGaAs量子井戸層の歪量がそれぞれ異なる場合について述べたが、
    前述の実施例におけるInGaAsP量子井戸層に歪を持たせてもよい。 この場合は、印加歪量が各量子井戸層で等しくなるように組成調節することも、異なるように組成調節することもできる。

    【0068】また、上述の2つの具体的実施例では、各量子井戸層の組成を変化させてバンドギャップが、 Eg (n+1) >Eg (n) (ただし、n=1、2、…でp層側から数えた井戸層順序を示す)の関係を満足するようにしたが、井戸層の幅を変化させて実効的バンドギャップを変化させてもよい。 また、実効的バンドギャップが単調に変化するようにすればよく、隣接する量子井戸層が同一の実効的バンドギャップを有してもよい。

    【0069】以上、実施例を用いて本発明を説明したが、InGaAsP/InP系のMQW活性層において、少なくとも各量子井戸層の実効的バンドギャップがp層側からn層側に向かって単調増大するように組成を変化させ、正孔の不均一注入による利得のピーク波長の変化を補償するものであればよい。 さらに、量子井戸層に歪を与えれば閾値をさらに低減することもできる。

    【0070】本発明は、上述の実施例に制限されるものではない。 たとえば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。

    【0071】

    【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
    正孔に対するポテンシャル井戸が電子に対するポテンシャルより深く、順方向通電によって正孔が不均一に注入されるInGaAsP/InP系MQWレーザの発振閾値を低減することができる。

    【0072】また、歪量子井戸構造とすることによって発振閾値をさらに低減させることができる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】原理説明図である。 図1(A)は、理想的なM
    QWレーザの活性層の利得特性を示す線図、図1(B)
    は、現実のInGaAsP/InP系MQWレーザの活性層の利得特性を示す線図、図1(C)は、本発明の不均一深さ量子井戸層を有する活性層の利得特性を示す線図である。

    【図2】1実施例によるInGaAsP/InP系MQ
    Wレーザの製造工程主要部を示す断面図である。

    【図3】別の実施例によるInGaAsP/InP系M
    QWレーザの層構造断面を示す断面図である。

    【図4】従来の量子井戸型レーザの構成を示す図である。

    【符号の説明】

    1 n型InP基板 2 n型InPクラッド層 3 n型In 0.85 Ga 0.15 As 0.330.67光閉じ込め層 4 i型InGaAsP多重量子井戸(MQW)活性層 5 p型In 0.85 Ga 0.15 As 0.330.67光閉じ込め層 6 p型InPクラッド層 7 p型In 0.72 Ga 0.28 As 0.60.4コンタクト層 8a、8b、8c、8d、8e 量子井戸層 9a、9b、9c、9d バリア層 10 SiO 2マスク 11 n型InP基板 12 n型InPクラッド層 13 n型In 0.85 Ga 0.15 As 0.330.67 SCH層 14 i型InGaAsP/InGaAs多重量子井戸(MQW)活性層 15 p型In 0.85 Ga 0.15 As 0.330.67 SCH層 16 p型InPクラッド層 17 p型In 0.72 Ga 0.28 As 0.60.4コンタクト層 18a、18b、18c i型InGaAs量子井戸層 19a、19b i型InGaAsPバリア層 21 n型基板 22 n型クラッド層 23 n型光閉じ込め層 24 i型多重量子井戸層(活性層) 25 p型光閉じ込め層 26 p型クラッド層 27 p型コンタクト層 28a、28b、28c、28d 量子井戸層 29a、29b バリア層 40 p型InP狭窄層 41 n型InP狭窄層 42 AuGe/Au電極 43 Ti/Pt/Au電極

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