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Electron wave element

阅读:176发布:2024-02-23

专利汇可以提供Electron wave element专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PURPOSE:To enhance performance of quantum interference element or other electron wave elements while allowing application to a spin logic circuit by injecting hot carriers in the direction where energy band of the electron or the hole is subjected to spin splitting thereby causing spin polarization and suppressing scattering between electrons in the electron wave element. CONSTITUTION:Hot carriers are injected while selecting a material and crystal orientation thereof such that the energy of the electron or the hole is different for upward and downward spin orientations. One or a plurality of fine channels, quantum wells, electron waveguides or quantum wires are arranged in parallel in both crystal orientations, where the energy of the electron or the hole is different, on a modulated dosage quantum well or heterojunction structure employing III-V semiconductor. Furthermore, a quantum wire or a fine channel is arranged, as a source electrode for injecting hot carriers, in the crystal orientation where the band of the electron or the hole is subjected to spin splitting.,下面是Electron wave element专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 上向きと下向きの両スピン配向に対する電子または正孔のエネルギーが異なるエネルギーを持つように物質と結晶方位を選び、ホットキャリアを注入するように構成したことを特徴とする電子波素子。
  • 【請求項2】 請求項1記載の電子波素子において、両スピン配向の電子または正孔のエネルギーが異なる結晶方位に細いチャネルまたは量子細線を1または複数平行に配置し、出力される電子がスピン偏極を持つようにしたことを特徴とする電子波素子。
  • 【請求項3】 請求項1記載の電子波素子において、ホットキャリアを注入するソース電極として両スピン配向の電子または正孔のエネルギーが異なる結晶方位に1つの細いチャネル、量子井戸、電子導波路または量子細線を配置すると共に、そのソース電極の先にさらに両スピン配向の電子または正孔のエネルギーが異なる結晶方位へチャネルまたは細線の幅を広げるか、あるいは2つ以上のチャネルを設け、広げられたチャネルまたは複数のチャネルの一部にゲート電極を重ね、さらにこれらの電子または正孔のチャネルをドレイン電極で再び結合することにより量子干渉素子を構成したことを特徴とする電子波素子。
  • 【請求項4】 請求項3記載の電子波素子をIII-V族半導体を用いた変調ドープ量子井戸またはヘテロ接合構造の上に形成したことを特徴とする電子波素子。
  • 【請求項5】 請求項1記載の電子波素子において、両スピン配向の電子または正孔のエネルギーが異なる結晶方位にまず細いチャネルまたは量子細線を配置し、その先に同じようなスピン分裂を持つ2つめのチャネルまたは量子細線を1または複数配置して2つめのチャネルまたは量子細線に加える電位によって電子または正孔の透過率を変調する量子干渉素子を構成したことを特徴とする電子波素子。
  • 【請求項6】 請求項5記載の電子波素子において、量子干渉素子をIII-V族半導体を用いた変調ドープ量子井戸またはヘテロ接合構造の上に形成したことを特徴とする電子波素子。
  • 【請求項7】 請求項1記載の電子波素子において、上向きスピンと下向きスピンをそれぞれ論理回路の「1」
    と「0」またはその逆の関係に対応させたことを特徴とする電子波素子。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明は、高速コンピュータや高速通信に利用される新規な電子波素子に関し、特に、電子波素子において大きさの限界を広げ、雑音や電損失の原因となる電子間散乱を抑えることを可能にするとともに、スピンを用いた論理素子としても応用が可能な電子波素子に関する。

    【0002】

    【従来の技術】電子波素子は、高速コンピュータの論理素子、通信システムのスイッチ素子、マイクロ波回路等への応用や、また、新規な量子干渉型論理素子やニューラル・ネットワークコンピュータのような新しいコンピュータへの応用も期待されている。

    【0003】多数キャリアを使った電子波素子としては、共鳴トンネルダイオード、表面超格子トランジスタ等の量子干渉素子、ホットエレクトロントランジスタ、
    変調ドープ構造電界効果トランジスタ等、種々の素子が研究され提案されている。

    【0004】Leo Esaki らの発明した共鳴トンネルダイオードは、電子の波としての特徴を利用した素子の例である(L. Esaki and R. Tsu, IBM J. Res. Develop. 14,
    61(1970); L. Esaki and R. Tsu, IBM Research Note
    RC-2418 (1969); L. Esaki,Phys. Rev. 109, 603 (195
    8); L. Esaki, Proc. IEEE 62, 825 (1974), and IEEE
    Trans. Electron Devices ED-23, 644 (1976)) 。

    【0005】量子干渉素子としては、従来より例えば「量子スタブ・トランジスタ」(Fernando Sols, M. Mac
    ucci, U. Ravaioli, K. Hess, Appl. Phys. Lett. 54,
    350(1989))、「電子導波路結合器」(N. Tsukada, AD
    Wieck, K. Ploog, Appl. Phys. Lett. 56, 2527 (199
    0))、「表面超格子構造量子干渉素子」(H. Sakaki, K.
    Wagatsuma, J. Hamasaki, S. Sito, Thin Solid Films
    36, 497(1976)) 、「電界変調型電子干渉計」(S.Datt
    a, MR Melloch, S. Bandyopadhyay, and MS Lunds
    trom, Appl. Phys. Lett. 48, 487 (1986)) 、「光変調型電子干渉計」(M.Yamanishi, Superlattices and Mic
    rostructures B6, 403 (1989)) 、(A. Shimizu, Physic
    al Review A 43, 3819 (1991)) 、「ゲート付きの量子細線」(AB Fowler and AM Hartstein, US Paten
    t 4,672,423 ) 、(AB Fowler, USPatent 4,550,330)
    その他、同様の素子が種々提案されている。

    【0006】ホットキャリアトランジスタ構造は、いくつかの研究チームにより1960年代に提案された金属ベースのトランジスタの概念を基に研究されている(J.
    R. Hayes and AFJ Levi, IEEE J. Quantum Electr
    on. 22, 1744, (1986); M. Heiblum, MI Nathan, D.
    C. Thomas, and CM Knoedler, Phys. Rev. Lett.5
    5, 2200 (1985); AP Long, PH Beton, KJ Kel
    ly, Semicond. Sci. Technol. 1, 63 (1986); S. Muto,
    K. Imamura, N. Yokoyama, S. Hiyamizu, andH. Nish
    i, Electron. Lett. 21, 555 (1985))。 ホットエレクトロンは、フェルミレベルより高いエネルギーを持つ電子であるが、ホットエレクトロントランジスタ構造の研究において主として問題点となった点は、不純物濃度の高いベース部分を通過するホットエレクトロンの電子間散乱が大きすぎることである。 そこで、ベース部分の散乱を少なくするため、2次元電子ガスベースのトランジスタが提案された(P. Matthews, MJ Kelly, DG Has
    ko, JEF Frost, DA Ritchie, GAC Jones,
    M. Pepper, and H. Ahmed, Semicond. Sci. Technol.
    7, B536 (1992)) 。

    【0007】一方、最近、電子スピン配向の変化を利用した電界効果トランジスタが提案された(Supriyo Datta
    and Biswajit Das, Appl. Phys. Lett. 56, 665 (199
    0))。 この提案では磁性体電極を通してスピン偏極された電子が注入される。

    【0008】また、スピンを利用した論理素子も提案されている。 このスピン論理素子は、例えば上向きのスピン↑を「1」、下向きのスピン↓を「0」に、またはその反対の関係に対応させるものである。

    【0009】

    【発明が解決しようとする課題】しかし、上記種々の量子干渉素子においては、素子のサイズや性能が電子間散乱により制限され、ホットエレクトロンを用いた電子導波路においても、高速信号処理への応用に期待が持たれているものの、電子間散乱のため性能は向上していない。 また、ホットエレクトロントランジスタも、198
    0年代を通して深く研究されたが、不純物濃度の高いベース部分を通るホット弾道電子の激しい電子間散乱のため期待した性能は得られなかった。 このように最近提案されている電子波素子では、電子間散乱が様々な意味で問題となっている。

    【0010】電子は、その属性の1つとして電子スピンを持っている。 電子スピンは、上向きのスピン↑と下向きのスピン↓の2つの配向があるが、通常の電子波素子ではこの電子スピンが素子機能に影響を及ぼすことはない。 また、電子スピンの変化を利用した電界効果トランジスタでは、スピン偏極電子が磁性体電極を通し注入されるが、この電極の作製技術に種々の問題があるため、
    まだ実用的な素子の実現には至っていない。

    【0011】本発明は、上記の課題を解決するものであって、量子干渉素子やホットエレクトロン電子導波路、
    ホットエレクトロントランジスタ等の多数キャリアを使った電子波素子における電子間散乱を低減し、その性能を改善することを目的とする。 本発明の他の目的は、スピン配向を利用したスピン論理素子に適用してスピン偏極したホットキャリアを注入することである。

    【0012】

    【課題を解決するための手段】そのために本発明は、上向きと下向きの両スピン配向に対する電子または正孔のエネルギーが異なるエネルギーを持つように物質と結晶方位を選び素子を形成し、ホットキャリアを注入するように構成したことを特徴とする。

    【0013】また、両スピン配向の電子または正孔のエネルギーが異なる結晶方位に細いチャネル、量子井戸、
    電子導波路または量子細線を1または複数平行に配置し、それらは、III-V族半導体を用いた変調ドープ量子井戸またはヘテロ接合構造の上に形成するとともに、必要に応じてその先に電子または正孔のエネルギーバンドのスピン分裂方向へさらに広めのチャネルまたは2つ以上のチャネルを設け、広めのチャネルまたは複数のチャネルの一部にゲート電極を上から重ね、各チャネルをドレイン電極で再び結合することを特徴とする。

    【0014】さらに、両スピン配向の電子または正孔のエネルギーが異なる結晶方位にまず細いチャネルまたは量子細線を配置し、その先に同じようなスピン分裂を持つ2つめのチャネルまたは量子細線を1または複数配置して量子干渉素子を構成し、それらは、III-V族半導体を用いた変調ドープ量子井戸またはヘテロ接合構造の上に形成したことを特徴とする。

    【0015】また、上向きスピンと下向きスピンをそれぞれ論理回路の「1」と「0」またはその逆の関係に対応させたことを特徴とする。

    【0016】

    【作用】本発明では、上向きと下向きの両スピン配向に対する電子または正孔のエネルギーが異なるエネルギーを持つように物質と結晶方位を選び素子を形成し、ホットキャリアを注入することにより、電子間散乱を低減することができ、量子干渉素子や他の電子波素子の性能を改善することができる。

    【0017】また、両スピン配向の電子または正孔のエネルギーが異なる方向に細いチャネル、量子井戸、電子導波路または量子細線を1または複数平行に配置し、ホットキャリアを注入すると、スピン分裂により素子から出力される電子または正孔はスピン偏極された状態となる。

    【0018】III-V族半導体を用いた変調ドープ量子井戸またはヘテロ接合構造の上に電子または正孔のバンドがスピン分裂する結晶方位に量子細線または細いチャネルを配置すると共に、そのソース電極の先に電子または正孔のエネルギーバンドのスピン分裂方向へさらに広めのチャネルか2つ以上のチャネルを設け、1または複数のチャネルの一部にゲート電極を上から重ね各チャネルをドレイン電極で再び結合することにより、ゲート電極に加えられた電圧は素子内の電子波動関数の一部の位相を変えてしまうため、量子干渉効果により素子の電子透過率を調節でき、さらにチャネル内のスピン分裂が電子間散乱をおさえるため、信号対雑音の比を大きくすることができる。

    【0019】また、両スピン配向の電子または正孔のエネルギーが異なる方向にまず細いチャネルまたは量子細線を配置し、その先に同じようなスピン分裂を持つ2つめのチャネルまたは量子細線を1または複数配置し、ホットキャリアを注入することにより、2つめのチャネルまたは量子細線に加えられた電圧により素子全体のキャリア透過率が調整される。 このとき、チャネル内のスピン分裂が電子間散乱をおさえることにより、全体として素子の電流透過率を高めることができる。

    【0020】本発明は、物質内の電子のバンドがスピン分裂していると、量子細線や量子井戸において電子間散乱確率が電子スピン配向に左右されるという発見に基づくものである。 つまり、本発明者は、量子細線や量子井戸内の電子がスピン配向によって異なる電子間散乱確率を持つことを見出した。 この現象は、素子の設計によって、例えば上向きのスピン↑の電子の方が下向きのスピン↓の電子よりも強く散乱されたり、その逆にスピン↓
    の電子の方が強く散乱されたりすることである。

    【0021】したがって、電子干渉計やその他の素子において、電子のバンドがスピン分裂している場合、例えば上向きのスピン↑の電子のみを利用すれば、電子間散乱を少なくし素子の性能を改善することができる。

    【0022】さらにもう1つの作用は、電子のバンドがスピン分裂した量子細線内に電子を注入すると電子はスピン偏極するので、磁性体電極を用いることなく電子スピンによる新規な論理素子を構成することができる。 すなわち、電子スピンの配向は電界を加えることにより制御できるので、スピン↑を「1」、スピン↓を「0」、
    またはその反対の関係として、これを利用することにより新規な論理回路を構築することができる。 以上の作用は、電子の場合に限らず正孔に対しても同様に生ずる。

    【0023】図1は電子バンドのスピン分裂と電子間散乱の様子およびスピン偏極によって散乱確率を低減する原理を説明するための図である。 III-V族化合物半導体の電子エネルギーバンドは、図1に示すように上向きのスピン↑と下向きのスピン↓からなる2つのスピン配向によって分裂している。 シリコンやゲルマニウムのバンドもヘテロ接合や界面付近ではスピン分裂していると考えられる。 スピン分裂があると、2つのスピン配向によって電子間散乱確率が異なり、図1ではスピン↑の電子pの散乱が減少し、スピン↓の電子の散乱が増加している例を示している。 これは、GaAsで〔110〕方位にある量子細線の場合である。 したがって、強いスピン分裂の方向にある素子は、一方のスピン配向に対してより散乱が小さくなる。

    【0024】上記の結果として本発明は、電子(正孔)
    のバンドがスピン分裂している電子波素子において電子(正孔)散乱距離と干渉距離が一方のスピン配向の電子(正孔)に対しては大きく、他方のスピン配向の電子(正孔)に対しては小さくなるという発見に基づく。 次に、この原理を説明し、続けて電子スピン偏極素子の動作を説明する。

    【0025】〔スピンに依存した量子細線内の電子間散乱確率の詳細な説明〕図2は種々のIII-V族半導体結晶内で〔110〕方位の電子エネルギーバンドのスピン分裂の大きさを示す図、図3は種々の結晶方位に配置したGaAsの量子細線中のスピン偏極した電子の電子間散乱距離を温度の関数として示す図である。

    【0026】まず、量子細線中の電子において、一方のスピン配向の電子間散乱が減少し他方のスピン配向の散乱が増加することを説明する。 なお、量子井戸中でも効果は弱いが同じ現象が見られる。

    【0027】一方のスピン配向の電子の散乱確率が減少する物理的理由は図1に示されている。 スピン↑のp点に置かれた電子とスピン↓のk点に置かれた2つめの電子との間の散乱確率は、

    【0028】

    【数1】Σ(占有確率)×|散乱行列要素| 2 ×(エネルギーと運動量保存に関係した要素) に比例する。

    【0029】したがって、散乱確率は電子間相互作用の強さを表す「散乱行列要素」と「占有確率」をかけたものに比例する。 「占有確率」は、

    【0030】

    【数2】(1−f p+q ↑)×f k ↓×(1−f kq ↓) であり、これは、図1に示すようにスピン↑の(p+
    q)点とスピン↓の(p−q)点の最終電子状態が両方とも空であり、スピン↓のk点には電子が存在するという確率を示す。 ここでは反平行スピンを持つ電子の散乱のみを議論する。 なぜなら、平行スピンの電子の散乱は、量子細線中では起こらず、また2次元量子井戸やヘテロ接合でも反平行スピンの場合よりも非常に弱いからである。

    【0031】「エネルギーと運動量保存に関係した要素」は、散乱に関与する電子の状態を制限する。 図1に示されているように、電子のバンドのスピン分裂の場合、スピン↑の(p+q)点の占有確率が増加し、スピン↓の(k−q)点とスピン↓のk点での占有確率が減少する。 したがって、スピン分裂により、散乱の「占有確率」がスピン↑の電子に対しては小さくなり、スピン↓の電子に対しては大きくなる。 このため信号がスピン↑の電子により送られる素子ならば、性能は向上し電子間散乱に起因する雑音は減る。

    【0032】この効果が有効であるためにはスピン分裂の大きさが熱エネルギーと同じぐらいか、または大きくなければならない。 すなわち、電子間散乱確率の改善が図れる温度範囲は、スピン分裂エネルギーにより決まるが、普通の物質では範囲が100Kぐらいまでである。
    図2において、はGaAs、はGaSb、はIn
    P、はInSbのそれぞれに対するスピン分裂エネルギーであり、図2に示すようにフェルミ波数が増加(キャリア濃度が増加)すると、有効な温度範囲が広くなる。 GaAsの〔110〕方位では、スピン分裂は1m
    eVから5meVの大きさなので、散乱の減少は50K
    ぐらいまでの温度範囲で起こると思われる。 他の物質ではもっと大きなスピン分裂を有しているものもあり[M.
    Cardona, NE Christensen, and G. Fasol, Physical
    Review B 38, 1806 (1988)]、また量子井戸または量子細線中では内部電界や外から電界を加えることによりスピン分裂を大きくすることができる。 このため、物質と結晶方位を慎重に選ぶことによりスピン分裂による電子間散乱確率をもっと高温でも低減することができる。

    【0033】量子細線中のスピン偏極した電子の電子間散乱距離を温度の関数として示したのが図3であり、方程式〔数1〕と〔数2〕に基づいた理論で計算したものである。 計算は、1つの例として(GaAs量子細線で〔110〕方位の場合)スピン↑の電子の散乱距離が増加し、結果的に素子の雑音特性と動作速度の向上が期待されることを示している。 スピン分裂エネルギーによる散乱特性の改善は低温で最も顕著となる。 スピン分裂が生じるように電子導波路を設計することにより、一方のスピン配向での電子間散乱を低減し、他方のスピン配向での電子間散乱を増大させることができる。 散乱確率の改善は、パラメータの適切な選択により1000倍以上にもなる。 だが、この効果はスピン分裂エネルギーの値に相当する温度以上では消えてしまう(この例では20
    K以上で無くなる)。 そこで、他の適当な物質を用いることやキャリア濃度の増加、または内部電界や外部電界を加えることによってスピン分裂を大きくすれば、この温度は室温まで上げられる。

    【0034】〔電子スピン偏極素子の作用〕図4は電子スピン偏極素子の動作を説明するための図であり、
    (a)はホットエレクトロンのスピン偏極素子を上から見た図、(b)は偏極素子の中心線に沿った電位分布を示す図、(c)は偏極素子を通過した距離に対し、スピン↑の電子の割合を示す図、(d)は偏極素子を通過した距離に対し、スピン↓の電子の割合を示す図である。

    【0035】発明者によるもう一つの発見は、スピン分裂のある量子細線中では一方のスピン↓の電子間散乱の方が他方のスピン↑の電子間散乱よりも非常に大きいと、スピン↓の電子がスピン↑の電子に変わってしまうということである。

    【0036】電子スピン偏極素子は、注入チャネル1と偏極チャネル2からなり、エネルギーバンドがスピン分裂する方向に電子が走行するように、例えばGaAs
    (100)表面では電子が〔110〕方位に走行するように、表面に対して特定の方位に素子を形成しなければならない。 動作時の各部分の電位分布をグラフで示したのが図4(b)である。 ホットエレクトロンは、注入チャネル1により過剰な運動エネルギーを持って偏極チャネル2の量子細線に注入される。 ここでは過剰なエネルギーをもつホットエレクトロンのみがスピン偏極される。 図4(c)と図4(d)に示すように、スピン↓の電子は、この変えられる。 したがって、この素子は、スピン偏極電子を電子干渉計、スピン論理素子、または他の電子波素子の中に注入するのに使うことができる。

    【0037】

    【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。

    【0038】〔実施例1〕図5は電子干渉計トランジスタによる本発明の電子波素子の1実施例を示す図、図6
    は図5に示す干渉計のソース・ドレイン電流対ゲート電圧特性を示す図、図7は集積回路やマイクロ波回路用の素子としての使用に適した電子干渉計トランジスタによる本発明の電子波素子の1実施例を示す図である。

    【0039】図5において、電子干渉計トランジスタは、GaAs/Al x Ga 1-x AsのHEMT(High E
    lectron Mobility Transistor:高電子移動度トランジスタ)構造11の上に金またはアルミニウムまたはチタン等のゲート12〜14をつけて形成される。 先ず、HE
    MT構造11を分子線エピタキシー(MBE)で成長させ、その上にゲート12〜14が電子ビームリソグラフィ法により形成されるが、同じ機能を持つ構造を光学リソグラフィやイオンビームリソグラフィ法で形成してもよい。

    【0040】ソース15・ドレイン16の形成は、必要な部分以外の表面伝導層をメサ・エッチングで取り除き、InをGaAs/Al x Ga 1-x As構造のソースとドレインの一部に合金拡散することによってオーミック電極を形成する。

    【0041】ゲート12〜14の形成では、まず、ホトレジストを塗布し、所定の領域に電子ビームを照射して現像し、その上に金等の薄膜を蒸着する。 続いて、不要部分の金等の薄膜をリフトオフ法で取り除く。

    【0042】図示のように本発明の電子干渉計トランジスタでは、ソースとドレインの各ゲート12、14は、
    0.3μmの狭いスプリットゲート電極を形成し、さらに負電圧を印加することによって、電子の通路を点に近い状態にまで絞るようにしている。 また、この中間のゲート13は、素子内を伝播する電子波の位相を調節するものである。 このようにソースとドレインを点に近い非常に狭い電極とすることにより、可干渉性をもった電子しか素子内を通過しないようにしている。

    【0043】上記電子波素子を動作させるには、−0.
    7V程度の電圧を加え、ソーススプリットゲート電極1
    2とドレインスプリットゲート電極14の下の電子を空にし、ソース15とドレイン16の両方に非常に狭い量子点電極を作る。 このようにすることによって、電子は、素子内を波として伝播するので、ゲート13に50
    mV程度の低い変調電圧を加え、電子波の一部の位相を調節すると、干渉効果により、電子透過率は、電子波の各部分の位相差に大きく依存する。 したがって、図6に示すようにゲート電圧の関数としてソース・ドレイン電流を調節することができる。 また、基本的には図5と同じ構造であるが、集積回路やマイクロ波回路への応用に適した構成を示したのが図7である。

    【0044】電子間散乱や他の散乱機構などは、電子波素子の電流に非干渉性成分をもたらす。 本発明の主要な構成は、電子のバンドのスピン分裂により電子間散乱がおさえられる方位に電子波素子を配置することであり、
    こうした配置の例として(100)面上GaAs/Al
    x Ga 1-x As変調ドープヘテロ接合の〔110〕や〔111〕の方位がある。 このスピン分裂による電子間散乱の減少が電子波素子特性の非干渉性の成分を減少させることを示したのが図6である。

    【0045】〔実施例2〕図8は量子細線型の電子スピン偏極素子の実施例を示す図である。 両スピン配向のホットエレクトロンが素子の注入チャネルから偏極チャネルに注入されるが、偏極チャネルから出てくる電子はスピン偏極され一方のスピン配向のみになる。 この素子は、スピン論理を基本にした素子や、種々の電子素子、
    光素子に利用できる。

    【0046】この素子は通常の電子ビームリソグラフィ技術によりGaAs/Al x Ga 1- x As変調ドープH
    EMT構造ウエーハー上に形成される。 この素子の動作原理を示したのが図4である。

    【0047】〔実施例3〕図9はスピン偏極素子と量子干渉素子を組み合わせた本発明の電子波素子の実施例を示す図であり、電子注入部としての量子点電極と、偏極器としての点電極と、ゲートと、検出部としての点電極からなる。 図10は図9と同じ機能をもつ電子干渉計トランジスタを示す図であり、マイクロ波集積回路用に適するように多少設計を変えたものである。

    【0048】スピン偏極素子と量子干渉素子は、両方ともエネルギーバンドがスピン分裂した結晶方位(例えば〔110〕方位)に配置する。 素子は通常の電子ビームリソグラフィ技術により移動度の高いGaAs/Al x
    Ga 1-x As変調ドープHEMT構造上に作られるが、
    他の形成方法や他の物質(例えばGa x In 1-x As/
    Al x In 1-x As)等を使うこともできる。 電子ビームリソグラフィとリフトオフ技術を繰り返し使うことにより、一連のスプリットゲート量子細線電極が素子の表面に作られる。 最初のゲートは電子注入部としてホットエレクトロンを偏極素子に注入する役目を果たす。 このホットエレクトロンは、最初スピン偏極されていないが、偏極器の中で偏極される。 スピン偏極された電子は、素子内を波として伝播し、ゲート電極で波の一部分の位相が変えられる。 ゲート電極に50mV程度の電圧を印加することにより、素子内に干渉効果を起こし、電流透過率が調節できるようになる。 この素子では、同じ向きにスピン偏極された電子しか注入されず、素子は偏極器と同じ方向に配置されているので、電子間散乱は大幅に減少し、非干渉性の電流成分が減少して量子干渉素子の特性が大きく向上する。

    【0049】

    【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明によれば、スピン分裂した量子細線中のホットキャリアに対して2つの効果を与えることができる。

    【0050】ひとつには、一方のスピン配向の電子間散乱を低減し、他方のスピン配向の電子間散乱を増加させることを可能とするものである。 また、散乱の多い一方のスピン配向を持つ電子(正孔)から散乱の少ない他方のスピン配向の電子(正孔)への変換を可能とし、ホットキャリアのスピン偏極が自然に生じる素子を提供することができる。

    【0051】もうひとつには、量子細線中の電子間散乱の減少により電子干渉計の非干渉性成分を減らしたり、
    量子干渉素子の雑音を少なくすることができる。 また、
    量子細線中でのホットキャリアの自然なスピン偏極により、他の素子へのスピン偏極電子または正孔の注入ができるスピン偏極素子の構成に利用でき、例えば、スピン↑を「1」、スピン↓を「0」として、スピン偏極された電子をスピン論理回路に使うことができる。

    【0052】さらに、上記の両効果を一緒にして雑音の非常に低い電子干渉計を形成することも可能である。 すなわち、本発明によりスピン偏極された電子をスピン分裂の大きい方向に形成された干渉計の中に注入すると、
    注入された電子と同スピン配向の電子に対して散乱が大幅に減少し、雑音も低減する。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】 電子バンドのスピン分裂と電子間散乱の様子およびスピン偏極によって散乱確率を低減する原理を説明するための図である。

    【図2】 種々のIII-V族半導体結晶内で〔110〕方位の電子エネルギーバンドのスピン分裂の大きさを示す図である。

    【図3】 種々の結晶方位に配置したGaAsの量子細線中のスピン偏極した電子の電子間散乱距離を温度の関数として示す図である。

    【図4】 電子スピン偏極素子の動作を説明するための図である。

    【図5】 電子干渉計トランジスタによる本発明の電子波素子の1実施例を示す図である。

    【図6】 図5に示す干渉計のソース・ドレイン電流対ゲート電圧特性を示す図である。

    【図7】 集積回路やマイクロ波回路用の素子としての使用に適した電子干渉計トランジスタによる本発明の電子波素子の1実施例を示す図である。

    【図8】 量子細線型の電子スピン偏極素子の実施例を示す図である。

    【図9】 スピン偏極素子と量子干渉素子を組み合わせた本発明の電子波素子の実施例を示す図である。

    【図10】 図9と同じ機能をもつマイクロ波集積回路に適した電子干渉計トランジスタを示す図である。

    【符号の説明】

    1…注入チャネル、2…偏極チャネル

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