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Production of thin film semiconductor

阅读:298发布:2021-03-05

专利汇可以提供Production of thin film semiconductor专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To obtain a thin film semiconductor capable of constituting a single crystal silicon by forming an epitaxial semiconductor film by electric heating on a porous layer made on the surface of a semiconductor substrate and peeling the film. SOLUTION: The surface of a semiconductor substrate 10 is made porous to form a porous layer 20. An epitaxial semiconductor film 30 is formed on the porous layer 20 while electrically heating the semiconductor substrate 10 and the film is peeled through the porous layer 20 from the semiconductor substrate 10 to give the objective thin film semiconductor. In the production, the shape of the semiconductor substrate is preferably rectangular or square. Preferably porous layers are formed on both sides of the semiconductor substrate and epitaxial semiconductor films are simultaneously formed on these porous layers. A columnar semiconductor ingot cut out in the axial direction is preferable as the semiconductor substrate. Preferably the semiconductor is a quadratic prism, the four faces of the semiconductor substrate are made porous and epitaxial semiconductor films are simultaneously formed on the four faces.,下面是Production of thin film semiconductor专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】半導体基板の表面を多孔質化して多孔質層を形成する工程と、 該半導体基板に通電加熱しながら該多孔質層の上にエピタキシャル半導体膜を形成する工程と、 該エピタキシャル半導体膜を半導体基板から多孔質層を介して剥離する工程とを有することを特徴とする薄膜半導体の製造方法。
  • 【請求項2】半導体基板の形状が矩形又は正方形である請求項1記載の薄膜半導体の製造方法。
  • 【請求項3】半導体基板の両面に多孔質層を形成すると共に、エピタキシャル半導体膜をこれらの多孔質層に同時に形成する工程を有する請求項1記載の薄膜半導体の製造方法。
  • 【請求項4】半導体基板が、円柱状半導体インゴットを軸方向に切り出したものである請求項1記載の薄膜半導体の製造方法。
  • 【請求項5】半導体基板が4角柱状であり、この半導体基板の4面に多孔質層を形成すると共に、エピタキシャル半導体膜を同時にこの4面に形成する請求項1記載の薄膜半導体の製造方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、太陽電池などに好適に用いられる薄膜半導体の製造方法に関する。

    【0002】

    【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】太陽電池の課題は、低コスト、高変換効率、高信頼性、エネルギー回収年数が短いことなどである。 ところで、太陽電池は大面積化が必須であるが、現在、薄膜単結晶シリコンを形成する技術がないため、ステンレスやガラス板上に直接成膜できる薄膜多結晶シリコン太陽電池の開発が進められている。

    【0003】しかし、多結晶シリコンより、単結晶シリコンの方が太陽電池の課題を解決できる可能性が大きい。 本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、単結晶シリコンで構成できる薄膜半導体の製造方法を提供することを目的とする。

    【0004】

    【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するため、半導体基板の表面を多孔質化して多孔質層を形成する工程と、該半導体基板に通電加熱しながら該多孔質層の上にエピタキシャル半導体膜を形成する工程と、該エピタキシャル半導体膜を半導体基板から多孔質層を介して剥離する工程とを有することを特長とする薄膜半導体の製造方法を提供する。

    【0005】この場合、半導体基板の形状が矩形又は正方形であることが好ましい。 また、半導体基板の両面に多孔質層を形成すると共に、エピタキシャル半導体膜をこれらの多孔質層に同時に形成することが好ましい。 半導体基板として、円柱状半導体インゴットを軸方向に切り出したものであることが好ましい。 更に、半導体基板が4柱状であり、この半導体基板の4面に多孔質層を形成すると共に、エピタキシャル半導体膜を同時にこの4面に形成することが好ましい。

    【0006】本発明の薄膜半導体の製造方法は、単結晶シリコン等の半導体基板表面に、例えば陽極化成法により、多孔質層を形成し、半導体基板を通電加熱しながら多孔質層の上にエピタキシャル半導体膜を形成した後、
    このエピタキシャル半導体膜を、多孔質層が非常に脆いことを利用して半導体基板から剥離し、エピタキシャル薄膜半導体を製造するものである。

    【0007】この製造方法によれば、製造原料となる半導体基板は、表面が多孔質層を形成した分消耗するだけであるので、表面を研磨した後、繰り返し使用可能である。 従って、薄膜アモルファスシリコンよりも変換効率が高く、フレキシブルで、大面積の単結晶薄膜半導体を、安価に製作できる。

    【0008】また、通電加熱によりエピタキシャル半導体膜を形成するので、半導体基板だけを加熱すればよく、従来のサセプタを加熱する方法に比べて約1/50
    程度の電でエピタキシャル半導体膜を形成することができる。 しかも、サセプタ上に載置することなく、電極で挟んで例えば立設した状態でエピタキシャル半導体膜を形成できるため、半導体基板の両面、あるいは四角棒状の半導体基板を用いれば、四角の4面同時にエピタキシャル半導体膜を形成でき、生産性がよい。 そのため、
    低コスト、低エネルギーで製造できる。 その結果、エネルギー回収年数を低減できる。 また、基板に電流を流して加熱するため、電流を均一に流すには、基板の形状は、矩形状又は正方形が好ましい。 このような形状の半導体基板を形成するには、円柱状半導体インゴットを軸方向に切り出すことで、得ることができる。

    【0009】

    【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について具体的に説明するが、本発明は、下記の実施形態に限定されるものではない。 本発明の薄膜半導体の製造方法は、上述したように、半導体基板の表面を多孔質化して多孔質層を形成する工程と、該半導体基板に通電加熱しながら該多孔質層の上にエピタキシャル半導体膜を形成する工程と、該エピタキシャル半導体膜を半導体基板から多孔質層を介して剥離する工程とを有する。 以下、各工程について説明する。

    【0010】本発明方法で用いる半導体基板としては、
    シリコン多結晶、シリコン単結晶、GaAs単結晶等の化合物半導体など種々のものを用いることができる。 シリコン単結晶太陽電池などの製造には、シリコン単結晶が好適である。 半導体基板の形状としては、通常の円盤形ウエハは、均一な通電が望めないため好ましくなく、
    矩形状又は正方形状の基板が好ましい。 例えば円柱状の半導体インゴットをその軸方向(長さ方向)に切り出すことで、矩形状の半導体基板を得ることができる。 また、例えば4角柱状の基板も、その4面にエピタキシャル半導体膜を形成でき、生産性がよいため、好ましい形状である。 その他、例えば断面円弧状の半導体基板など、本発明方法は、種々の形状の半導体基板を用いることができる。

    【0011】半導体基板の不純物は、n型、p型、不純物を含まないものなど何れでもよい。 しかし、陽極化成への適用を考えると、p +型シリコン基板が望ましい。
    +型シリコン基板のホウ素濃度は約10 19 cm -3程度、抵抗が0.01〜0.02Ωcm程度が好ましい。
    +型シリコン基板を陽極化成すると、基板表面とほぼ垂直方向に細長く伸びた微細孔が形成され、結晶性を維持したまま多孔質化するため、望ましい多孔質層が形成できる。

    【0012】半導体基板表面を変化させて多孔質層を形成する方法は、例えば陽極化成法が好適である。 陽極化成の方法は、半導体基板を陽極としてフッ化素酸水溶液中で通電を行う方法であり、様々な手段が提案されているが、例えば伊藤らによる表面技術Vol. 46,N
    o. 5,p. 8−13,1995[多孔質Siの陽極化成]に示されたような、図1に示す2重セル法で行うことができる。 この方法は、2つの電解溶液槽の間に多孔質層を形成すべき半導体基板を配置し、両方の電解溶液層には、直流電源と接続された白金電極が設置されている。 両電解溶液槽に、例えばHF:C 25 OH=1:
    1の電解溶液を入れ、白金電極に直流電圧を印加し、半導体基板を陽極、白金を陰極とする。 これにより、半導体基板の一方の面が浸食されて多孔質化する。 多孔質層の形成は、板状の半導体基板を用いた場合はその両面、
    四角柱状の半導体基板を用いた場合はその全面に形成することが好ましい。 なお、2重セル法では、オーミック電極が不要になり、オーミックから不純物が入るおそれがない。

    【0013】この陽極化成の条件により、形成される多孔質層の構造が相当に変化し、それによって剥離の容易さ及びその上に形成されるエピタキシャル半導体膜の結晶性に大きな影響がある。 本発明においては、多孔率が異なる2層以上の層から構成される多孔質層を形成することが好ましい。 即ち、表面には、多孔率が低く、緻密な表面層を有し、内部側(半導体基板側)には多孔率が高い層(剥離層という場合がある)を有することが望ましい。 表面層により、良好な結晶性を有するエピタキシャル半導体膜を形成できると共に、得られたエピタキシャル半導体膜を剥離層を介して半導体基板から容易に剥離することができる。

    【0014】上記表面層と剥離層とを有する多孔質層を陽極化成により形成するには、電流密度が異なる2段階以上の多段階陽極化成法を採用することが望ましい。 まず、最表面に微細孔の口径の小さい多孔質層を作製するため、低電流密度で陽極化成を施す。 多孔質層の膜厚は時間に比例するので、所望する膜厚になるような時間で陽極化成を行う。 その後、かなり高い電流密度で陽極化成を行えば、最初に形成された多孔質層の下部に多孔率の大きい多孔質層が形成される。 多孔質層の内部に小さな多孔率の多孔質層と大きな多孔率の多孔質層が形成されるので、その付近には格子定数の違いにより大きな歪みが生じる。 この歪みがある値以上になると、多孔質層は2つに分離する。 よって、分離するかしないかというような境界条件付近の陽極化成条件で多孔質層を作製すれば、その上部にエピタキシャル半導体膜を形成した後、エピタキシャル半導体膜を容易に分離することができる。 低電流密度の陽極化成は、例えば0.5〜10m
    A/cm 2程度の電流密度で数分から数十分の時間、高電流密度の陽極化成は、例えば40〜300mA/cm
    2程度の電流密度で1〜10秒間、好適には3秒前後の時間で行うことが好ましい。

    【0015】上記のような2段階の陽極化成では、多孔質層内部の高多孔質層で発生した歪みが大変大きいため、多孔質層の表面まで歪みの影響が及ぶ。 表面に及んだ歪みは、この表面にエピタキシャル成長を行う際、エピタキシャル半導体膜に欠陥を生じさせる原因となるので、エピタキシャル半導体膜の結晶性に悪影響を及ぼす。 また、上記歪みにより、多孔質層の表面層に亀裂が生じることもある。

    【0016】そこで、最表面を形成する多孔率の小さい表面層と多孔率の高い剥離層との間にバッファー層として、2つの層から発生する歪みを緩和するような中間層を設けることが好ましい。 具体的には、最初に低電流密度の第1陽極化成を行い、次いで第1陽極化成よりもやや高い電流密度の第2陽極化成を行って、その後それらよりもずっと高い電流密度で第3陽極化成を行う。 この後エピタキシャル成長を行うと、結晶性のよいエピタキシャル半導体膜が成膜できる。 第1陽極化成の条件は、
    特に制限されないが、例えば0.5〜3mA/cm 2程度、第2陽極化成の電流密度は例えば3〜20mA/c
    2程度、第3陽極化成の電流密度は、例えば40〜3
    00mA/cm 2程度で行うことが好ましい。 例えば1
    mA/cm 2の電流密度で陽極化成を行うと、多孔率は約16%程度、7mA/cm 2の電流密度で陽極化成を行うと、多孔率は約26%、200mA/cm 2の電流密度で陽極化成を行うと、多孔率は約60〜70%程度になる。

    【0017】また、上記のように電流密度を3段階とした場合、第1陽極化成で形成される多孔率が低い表面層はそのまま低い多孔率を保ち、第2陽極化成で形成される多孔率がやや高いバッファー層は、表面層の下、即ち表面層と半導体基板の界面に形成され、これにより多孔質層は表面層とバッファー層の2層構成となる。 最後に第3陽極化成で形成される多孔率の高い剥離層は、原理は不明であるが、バッファー層の中間に形成される。

    【0018】上記のバッファー層の性能をより高めるため、バッファー層を2段以上にする多段階の陽極化成を行えば、最表面を形成する多孔率の小さい表面層と分離面を形成する多孔率の大きい剥離層との間の歪みがより緩和される。 よって、さらに結晶性のよいエピタキシャル半導体膜が形成できる。 具体的には、例えば4mA/
    cm 2で数分間陽極化成した後、10mA/cm 2で数分間陽極化成するような条件を採用することができる。

    【0019】また、例えば、バッファー層の電流密度を時間に対して漸次増大させるように傾斜的に行えば歪みがより緩和される。 例えば、1mA/cm 2から10m
    A/cm 2まで16分程度の時間で電流を漸次増大させる条件を採用することができる。

    【0020】ところで、分離面は、最後に行う多孔率の大きい剥離層とその直前に行う多孔率の小さいバッファー層との界面で格子定数の違いによる歪みが大きくかかることによって形成されるが、この最後の陽極化成を行うときに工夫をすると、分離面がより分離しやすくなる。 それは、最後の高電流密度の陽極化成で、例えば時間を3秒間一定に流すのではなく、1秒間流したら陽極化成をやめ、しばらく時間がたったら、例えば1分程度放置した後、同じ又は異なる高電流密度でまた1秒間流して陽極化成をやめ、またしばらく時間がたったら、例えば1分程度放置した後、再度同じ又は異なる高電流密度で1秒間流して陽極化成をやめるという間欠的に電流を流す方法である。 この方法を使用して適当な陽極化成条件を選ぶと、剥離層が半導体基板表面との界面に形成され、分離面は上記のようなバッファー層の内部ではなく、多孔質層と半導体基板との界面で分離される。 そして半導体基板側の表面は電界研磨される。

    【0021】そのため、多孔質層における歪みが生じる高多孔質層と表面とが最大限に離間し、バッファー層の効果が最大限に発揮されるため、良好な結晶性を有するエピタキシャル半導体膜を形成することができる。 また、バッファー層を薄くしてもよく、その結果、多孔質層を形成するための半導体基板の消耗を減らすことが可能である。

    【0022】最表面の多孔質層の微細孔を小さくする手段の一つとして、電解溶液中のHF濃度を濃くする方法がある。 これを利用して、まず最表面の多孔質層を形成する低電流陽極化成では、HF濃度の濃い電界溶液を使用する。 次にバッファー層となる多孔質層を形成した後、電解溶液のHF濃度を薄くしてから、最後に高電流密度の陽極化成を行う。 この多孔質層にエピタキシャル成長を行えば、上記の方法よりもさらに結晶性のよいエピタキシャル半導体膜が形成され、かつ、分離が容易な基板を製作することができる。

    【0023】この場合、最表面の多孔質層でHF濃度の濃い電界溶液、例えばHF:C 2 5 OH=2:1を使用して陽極化成を行った後、バッファー層を構成する陽極化成時にはそれよりやや薄いHF濃度の電解溶液、例えばHF:C 25 OH=1:1を使用して、そしてさらに電解溶液のHF濃度を薄くして、例えばHF:C 2
    5 OH=1:1〜1:2の電解溶液を用いて最後に高電流密度の陽極化成を行う。 このように、電界溶液のH
    F濃度は、最表面で使用した濃度から最後のポーラス層形成で使用した範囲内の濃度になるように変化させてよい。

    【0024】なお、上記の方法で最表面の多孔質層形成からバッファー層形成にかけて、電流密度を変化させるとき、一旦陽極化成をやめてから次の陽極化成を始めても形成できるが、電流を切らずに連続して電流密度を変化させてもよい。 また、陽極化成を行う際は、光を遮断して行うことが好ましい。 光を照射すると、多孔質層の表面に凹凸が多くなり、結晶性の良好なエピタキシャル半導体膜を得ることが困難になる。 なお、陽極化成されたシリコンの多孔質層は、可視発光素子として利用できる。 この場合、上記と逆に光を照射しながら陽極化成することが好ましく、これにより発光効率が上昇する。 更に、酸化させると、波長にブルーシフトが起こる。 また、半導体基板は、p型でもn型でもよいが、不純物を導入しない高抵抗のものの方が好ましい。

    【0025】以上の工程により、表面(片面又は両面、
    あるいは表面全部))に多孔質層が形成された半導体基板を得ることができる。 なお、多孔質層全体の膜厚は、
    特に制限されないが、1〜50μm、好適には3〜15
    μm、通常8μm程度の厚さとすることができる。 半導体基板をできる限り繰り返し使用する観点から、可能な限り薄くすることが好ましい。

    【0026】次のエピタキシャル成長工程の前に、多孔質層を処理することが好ましい。 この処理としては、水素ガス雰囲気下における水素アニールを挙げることができる。 この水素アニールにより、多孔質層の表面に形成された自然酸化膜の完全な除去、及び多孔質層中の酸素原子を極力除去することができ、多孔質層の表面が滑らかになり、良好な結晶性を有するエピタキシャル半導体膜を形成することができる一方、剥離層とバッファー層との界面の分離強度がいっそう弱くなる。 水素アニールは、例えば950〜1150℃程度の温度範囲で行うことができる。

    【0027】また、水素アニールの前に、多孔質層を低温酸化させると、多孔質層の内部は酸化されるので、水素ガス雰囲気中での熱アニールを施しても多孔質層には大きな構造変化が生じない。 つまり、多孔質層の表面にも剥離層からの歪みが伝わりにくくなり、良質な結晶性のエピタキシャル半導体膜を成膜することが可能である。 この低温酸化は、例えばドライで400℃で1時間程度の条件で行うことができる。

    【0028】次に、上記工程で製造した表面に多孔質層を有する半導体基板にエピタキシャル成長を行う。 単結晶半導体基板の表面に形成された多孔質層は、多孔質ながら結晶性を保っており、エピタキシャル成長可能である。 本発明においては、このエピタキシャル成長は、半導体基板に電流を流して半導体基板自体を発熱させながら、例えばCVD法によりエピタキシャル半導体膜を形成する。

    【0029】この通電加熱方法によりエピタキシャル成長させる装置の一例の概要を図2に示す。 この装置は、
    ステンレス又は石英性のチャンバ60内に、Ta電極6
    1がガスの流れ方向に立設し、Ta電極61とチャンバ60に取り付けられたカーボン電極61で半導体基板1
    0の両端部を挟み、図面で2枚の半導体基板10をガスの流れ方向と平行に配置する。 原料ガスは矢印の如くガス流入口からガス排気口に向かって半導体基板10に沿って流れる。 半導体基板10には直流電源からTa電極61とカーボン電極62を介して電流が供給され、加熱できるようになっている。 また、Ta電極61外面及びチャンバ60内面には熱反射板63が設けられている。

    【0030】エピタキシャル成長させる場合、半導体基板10に電流を流し、半導体基板を所定の温度に加熱しながら、例えばSiH 4ガスを流し、エピタキシャル成長させる。 半導体基板の加熱温度は、700〜1100
    ℃の温度で行うことができる。 これにより、半導体基板全面に同時にエピタキシャル半導体膜を形成することができる。 なお、通常、単結晶シリコンは、室温で抵抗が高く、電流が流れないため、400℃程度に予備加熱する必要があるが、p +型基板を用いれば、予備加熱の必要はなく、容易に1000℃以上に加熱することができる。

    【0031】この通電加熱方法は、従来のサセプタを加熱する方法と比較して、半導体基板のみを加熱すればよいので、大変省電力でエピタキシャル半導体膜を形成することができる。 例えば、従来の1/50程度の電力でエピタキシャル半導体膜を形成することができる。 また、サセプタ上に載置させる必要がなく、基板全面にエピタキシャル半導体膜が形成でき、基板の形状の自由度が大きいなどの利点がある。

    【0032】また、エピタキシャル半導体膜は、半導体基板と同じ物質でもよく、異なる物質でもよい。 例えば、単結晶シリコン半導体基板に形成した多孔質層上に、シリコンのエピタキシャル半導体膜を形成したり、
    GaAs等の化合物半導体のエピタキシャル半導体膜を成長させたり、更には、シリコンとシリコン化合物、例えばSi 1-y Ge y等とを適宜積層する等、種々の組み合わせが可能である。 一方、半導体基板として化合物半導体を用いて陽極化成を行えば、多孔質層を有する化合物半導体基板を製作することができる。 この多孔質層面に化合物半導体をエピタキシャル成長させれば、多孔質シリコン上にエピタキシャル成長させるよりも格子不整合が小さいので、さらに良好な結晶性をもつ薄膜化合物半導体を形成することができる 更に、不純物をエピタキシャル成長中に導入したり、あるいはイオン注入などで別途導入してもよい。 不純物の濃度、種類、更には膜厚も目的とする薄膜半導体の用途に応じて適宜選択することができ、例えば1〜50μm
    の厚さのエピタキシャル半導体膜を形成する。 例えば、
    半導体集積回路を薄膜半導体に形成する場合、半導体素子の動作層は数μm程度の厚さであるので、例えば5μ
    m程度の厚さに形成することが好ましい。

    【0033】単結晶シリコン薄膜半導体を太陽電池として用いる場合、例えば多孔質層側から順に、p +型エピタキシャル半導体層、p型エピタキシャル半導体層、及びn型エピタキシャル半導体層の順に成膜し、これらを有する複層エピタキシャル半導体膜を形成することが好ましい。 これらの層の不純物濃度、膜厚は特に制限されないが、例えばp +型エピタキシャル半導体層は、膜厚が0〜1μmの範囲、典型的には0.5μm程度、ホウ素濃度が10 18 〜10 20 cm -3の範囲、典型的には約1
    19 cm -3程度、p型エピタキシャル半導体層は、膜厚が1〜30μmの範囲、典型的には5μm程度、ホウ素濃度が10 14 〜10 17 cm -3の範囲、典型的には約10
    16 cm -3程度、n +型エピタキシャル半導体層は、膜厚が0.1〜1μmの範囲、典型的には0.5μm程度、
    リン又は砒素の濃度が10 18 〜10 20 cm -3の範囲、典型的には約10 19 cm -3程度とすることが好ましい。

    【0034】これらの不純物は、エピタキシャル半導体膜形成時に導入してもよく、あるいはイオン注入等で不純物を拡散させてもよい。 また、多孔質層側からp +型シリコン層、p型Si 1-x Ge xグレーディッド層、アンドープのSi 1-y Ge y 、n型Si 1-x Ge xグレーディッド層、及びn +型シリコン層の順にエピタキシャル半導体膜を形成するダブルへテロ構造の太陽電池とすることも可能である。 このダブルへテロ構造を構成する各層の典型的な例示としては、p +型シリコン層としては、不純物濃度が10 19 cm -3程度、膜厚が0.5μm
    程度、p型Si 1-x Ge xグレーディッド層としては、
    不純物濃度が10 16 cm -3程度、膜厚が1μm程度、アンドープのSi 1-y Ge yとしては、yが0.7、膜厚が1μm程度、n型Si 1-x Ge xグレーディッド層としては、不純物濃度が10 16 cm -3程度、膜厚が1μm
    程度、及びn +型シリコン層としては、不純物濃度が1
    19 cm -3程度、膜厚が0.5μm程度とすることが好ましい。 なお、p型、n型Si 1-x Ge xグレーディッド層中のGeの組成比xは、それぞれ両側に存するシリコン層のx=0からアンドープのSi 1- y Ge yのyまで、漸次増大するようにすることが好ましい。 これにより、各階面において格子常数が整合することから、良好な結晶性を得ることができる。

    【0035】このようなダブルヘテロ構造の太陽電池では、その中央のアンドープのSi 1- y Ge yにキャリア及び光を有効に閉じこめることができるため、高い変換効率を得ることができる。 以上のように、エピタキシャル半導体膜を、例えば半導体基板の両面に形成した後、
    このエピタキシャル半導体膜を半導体基板から剥離し、
    そのまま薄膜半導体として使用することも可能である。

    【0036】好ましい方法としては、エピタキシャル半導体膜に対して半導体基板に多孔質層を介して弱く固着した状態のまま、例えば太陽電池として必要な処理を行い、例えば基板と接合して基板とエピタキシャル半導体膜とを一体化させた後、半導体基板から一体に剥離する方が好ましい。

    【0037】以下、太陽電池を構成する工程を説明する。 この工程は、半導体基板からエピタキシャル半導体膜を剥離した後行ってもよく、半導体基板と一体化した状態のまま行ってもよい。 上記のように複層シリコンエピタキシャル半導体膜を、例えば半導体基板の両面に形成した後、例えば表面に酸化膜を例えば熱酸化により、
    10〜200nm程度の膜厚で形成する。 そして、必要により、エピタキシャル半導体膜表面の酸化膜をフォトリソグラフィ技術を用いて配線層のパターンに形成する。 あるいは、エピタキシャル半導体膜との接続が必要な個所にだけ、開口させてもよい。 その後、アルミニウムなどの配線層を構成する金属等を、例えば印刷法、あるいは蒸着し、更に配線層のパターンにエッチングする方法等により、表面に形成し、電極を設ける。 なお、酸化膜の代わりに、又は酸化膜と共に、反射防止膜を形成してもよい。

    【0038】また、例えば透明樹脂フィルム又はシートに太陽電池用の回路の配線を形成し、エピタキシャル半導体膜上に形成した電極と対応した電極を形成したプリント基板を予め用意しておく。 また、プリント基板ではなく通常の透明樹脂シート又はフィルムでもよい。

    【0039】そして、エピタキシャル半導体膜の電極とプリント基板の電極とを貼り合わせる。 このとき、両者の電極間相互は、例えば半田により接着する。 また、電極以外の部分は、エポキシ樹脂などの透明接着剤を用いて接着できる。 このように、プリント基板と薄膜単結晶シリコンとを貼り合わせることは、従来不可能であったが、本発明においては、極めて容易に行うことができる。

    【0040】プリント基板を貼り合わせた後、プリント基板と半導体基板との間に引っ張るような応力を加えることにより、多孔質層の剥離層が破壊し、エピタキシャル半導体膜をプリント基板側に貼り合わせたまま容易に半導体基板から剥離することができる。 これにより、プリント基板表面に薄膜半導体太陽電池が設けられた太陽電池を、半導体基板の両面に形成した場合は2枚得ると共に、再利用可能な半導体基板を分離することができる。

    【0041】なお、4角柱状の半導体基板を用いた場合は、図5に示すように、断面正方形(矩形状でもよい)
    の半導体基板10aの4面に、多孔質層20とエピタキシャル半導体膜30とをそれぞれ形成する。 エピタキシャル半導体膜の剥離面には、多孔質層が一部残る場合がある。 この多孔質層は、例えば多孔質層と単結晶のエッチングレートが異なる溶液を用いてエッチングにより除去してもよく、あるいはそのまま残しておくことも可能である。 好ましくは剥離面をそのまま残し、ここに、例えば銀ペースト等の金属膜を形成し、太陽電池裏面とのオーミックコンタクトをとることができる。 また、この金属膜は反射膜としても機能し、高効率変換に寄与する。 この金属膜に、必要により、太陽電池の裏面電極となると共に、保護膜としても機能する金属板を貼り合わせてもよく、また、樹脂などの保護層を形成しても勿論よい。

    【0042】上記例では、エピタキシャル半導体膜に樹脂シート又はフィルムを貼り付ける例を説明したが、例えば太陽電池付き窓ガラスを製造する場合、窓ガラスを構成するガラス板にエピタキシャル半導体膜を貼り付け、しかる後、半導体基板を剥離する方法も採用することができる。

    【0043】一方、分離された半導体基板は、その表面を研磨あるいはエッチングしてして再び使用可能である。 例えば1回の太陽電池の製作に消費される基板の厚さは約3〜20μm程度であるため、10回の繰り返し使用でも消費される厚さは約30〜200μmである。
    そのため、高価な単結晶の半導体基板を繰り返し使用できるので、本発明方法は、極めて低コスト、かつ低エネルギーで太陽電池を製造することができる。 なお、半導体基板表面に消費した分のエピタキシャル成長を行えば、永久に同一の半導体基板を用いることができ、更に低コスト、低エネルギーで太陽電池を製造することができる。

    【0044】以上のように製造された太陽電池は、エピタキシャル半導体膜が薄くフレキシブルであるので、ある程度柔軟性を有する。 そのため、自動車などの曲面を有する面にも貼ることが可能である。 また、光電変換効率に優れた単結晶であるため、単位面積当たりの発電量が従来のアモルファスシリコンより優れている。 しかも、低エネルギーで製造されているので、エネルギー回収年数も大幅に短縮することが可能である。

    【0045】

    【実施例】薄膜単結晶Si太陽電池を図3に示す製造プロセスにより作成した。 (a)まず、矩形状の高濃度ボロンドープの単結晶Si
    基板(0.01〜0.02Ωcm)10を、円柱状インゴットから長さ方向に切り出した。 (b)次に、その表面に陽極化成を施して多孔質化させる。 陽極化成の方法は、図1に示したような装置を用いて、2重セル法により作製する。 多孔質層が作製される側の槽には電界溶液としてHF:C 25 OH=1:1
    を、その反対側の槽の電界溶液にもHF:C 25 OH
    =1:1を注入した。 これらの電界溶液槽でSi基板をはさみ、それぞれの電界溶液槽内に電極として設置したPt電極間に電流を流した。 電流密度は、まず1mA/
    cm 2の低電流で8分間通電させ、図4(a)に示すように、多孔率の低い表面層21を形成した。 一旦通電を止めた後、次に電流密度が7mA/cm 2で8分間通電を行い、図4(b)に示すように、中間層22を形成した。 さらに一旦通電を止めた後、電流密度を200mA
    /cm 2と高くして3秒間通電を行い、図4(c)に示すように、高多孔質層23を形成した。 これにより、表面層21、中間層22、高多孔質層23から構成される多孔質層20を得た。 多孔質層20の合計の厚さは約1
    0μmである。 多孔質層の内部では、ある部分がSi基板から剥離されるかされないかという非常に弱い強度となり、かろうじて多孔質層がSi基板とつながっているという基板を作製することができた。

    【0046】また、基板10の裏面にも同じ方法で多孔質層20を2重セル法で形成した。 (c)その後、図2に示したような常圧Siエピタキシャル成長装置を用いて、この基板をH 2雰囲気中で11
    00℃で30分熱アニールを行った。 H 2アニールにより、多孔質層20の表面は滑らかになり、多孔質層の内部では7mA/cm 2の低電流密度で形成された多孔質層と、200mA/cm 2の高電流密度で形成された高多孔質層の界面付近において、分離強度がよりいっそう弱くなった。 その後、SiH 4ガスとB 26ガスを用いた高濃度ボロンドープのSiエピタキシャル成長を半導体基板の両面に対して2分間行った。 この後低濃度のB 2 6ガスを用いて低濃度ボロンドープのSiエピタキシャル成長を17分間行った。 さらにこの後PH 3ガスを用いてリンドープのSiエピタキシャル成長を2分間行った。 これにより多孔質層20の表面上には、膜厚0.5μm、ホウ素濃度10 19 /cm -3のP +層と、膜厚5μm、ホウ素濃度10 16 /cm -3のP -層と、膜厚2μm、リン濃度10 19 /cm -3のN層の3層構造をもつエピSi30が、半導体基板10両面に形成された。
    この3層構造は太陽電池の素子として使用されることになる。 (d)両面のエピタキシャル半導体膜30に無反射膜4
    1をコーティングした後、電極42を印刷法で形成した。 透明接着剤43を塗布して、透明プラスチック基板44で半導体基板を挟んで太陽電池素子と接着した。 このとき、接着剤43の強度は、多孔質層の分離強度よりも強いものを使用した。 (e)一方のプラスチック基板44を引っ張り、多孔質層20とエピタキシャル半導体膜30とを半導体基板1
    0から剥離する。 次いで、もう一方のプラスチック基板44を引っ張り、同様にエピタキシャル半導体膜30を剥離する。 これにより、2枚の薄膜太陽電池が形成できた。 (f)そして、多孔質層と単結晶のエッチングレートが異なる溶液を用いてエッチングにより多孔質層を除去し、電極46を印刷法により形成した後、他のプラスチック基板47を貼り付けて、図3(f)に示すような太陽電池を得た。 分離されたSi基板10は、再利用して、太陽電池をまた作製する。

    【0047】

    【発明の効果】本発明の薄膜半導体の製造方法によれば、大面積の単結晶薄膜半導体を容易にかつ安価に製造することができる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】陽極化成に用いる2重セル式の装置の概要を示す構成図である。

    【図2】通電方式のエピタキシャル成長装置の構成を示す概念図である。

    【図3】(a)〜(f)は、本発明にかかる太陽電池を製造する工程を示す一部斜視図を含む断面図である。

    【図4】(a)〜(c)は、陽極化成の工程を示すそれぞれ断面図である。

    【図5】半導体基板として四角柱状のものを用いた場合の多孔質層とエピタキシャル半導体膜の形成を示す断面図である。

    【符号の説明】

    10…半導体基板、20…多孔質層、21…表面層、2
    2…中間層 23…高多孔質層、42…電極、44…プラスチック基板

    フロントページの続き (51)Int.Cl. 6識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 31/04 H01L 31/04 X

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