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n型シリコン単結晶インゴットの製造方法、n型シリコンウェーハの製造方法、および、n型シリコンウェーハ

阅读:1017发布:2020-06-17

专利汇可以提供n型シリコン単結晶インゴットの製造方法、n型シリコンウェーハの製造方法、および、n型シリコンウェーハ专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且【課題】面方位が(111)面のn型シリコンウェーハの面内抵抗のばらつきを抑制可能、かつ、このようなn型シリコンウェーハを高歩留まりで得ることが可能なn型シリコン単結晶インゴットの製造方法を提供すること。 【解決手段】チョクラルスキー法により、シリコン融液にドーパントを添加したドーパント添加融液41から結晶方位が のn型シリコン単結晶インゴット6を引き上げる引き上げ工程を備え、引き上げ工程は、引き上げ中のn型シリコン単結晶インゴット6とドーパント添加融液41との固液界面Sが下凸形状となるように、n型シリコン単結晶インゴット6を引き上げる。 【選択図】図2,下面是n型シリコン単結晶インゴットの製造方法、n型シリコンウェーハの製造方法、および、n型シリコンウェーハ专利的具体信息内容。

チョクラルスキー法により、シリコン融液にドーパントを添加したドーパント添加融液から結晶方位が<111>のn型シリコン単結晶インゴットを引き上げる引き上げ工程を備え、 前記引き上げ工程は、引き上げ中の前記n型シリコン単結晶インゴットと前記ドーパント添加融液との固液界面が下凸形状となるように、前記n型シリコン単結晶インゴットを引き上げることを特徴とするn型シリコン単結晶インゴットの製造方法。請求項1に記載のn型シリコン単結晶インゴットの製造方法において、 前記引き上げ工程は、 前記n型シリコン単結晶インゴットの直胴部の直径をD、 前記固液界面の外縁の位置を0、 引き上げ方向を正方向として、 前記固液界面中央の高さHが−0.0933D以上−0.02D以下の下凸形状となるように、前記n型シリコン単結晶インゴットを引き上げることを特徴とするn型シリコン単結晶インゴットの製造方法。請求項1または請求項2に記載のn型シリコン単結晶インゴットの製造方法において、 前記引き上げ工程は、引き上げ中の前記n型シリコン単結晶インゴットを囲繞するように配置された冷体により、前記n型シリコン単結晶インゴットを冷却することを特徴とするn型シリコン単結晶インゴットの製造方法。請求項1に記載のn型シリコン単結晶インゴットの製造方法において、 前記引き上げ工程は、 前記ドーパント添加融液の液面位置における坩堝の内径をA、 前記液面からの前記坩堝の深さをBとして、 B/Aが0.5以下となる量の前記ドーパント添加融液を前記坩堝に収容し、前記ドーパント添加融液から前記n型シリコン単結晶インゴットを引き上げることを特徴とするn型シリコン単結晶インゴットの製造方法。請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のn型シリコン単結晶インゴットの製造方法において、 前記n型シリコン単結晶インゴットの径方向における面内抵抗のばらつきΔρが8%以下となるように、前記引き上げ工程を行うことを特徴とするn型シリコン単結晶インゴットの製造方法。請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のn型シリコン単結晶インゴットの製造方法で製造されたn型シリコン単結晶インゴットを、その中心軸に対して直交する方向に切断することで、面方位が(111)面のn型シリコンウェーハを切り出すスライス工程を備えることを特徴とするn型シリコンウェーハの製造方法。面方位が(111)面のn型シリコンウェーハであって、 中心を0%の位置、外縁を100%の位置とした場合に、 0%の位置から20%の位置までの領域を第1領域、 20%の位置から80%の位置までの領域を第2領域、 60%の位置から100%の位置までの領域を第3領域として、 前記第3領域の抵抗率の平均値が、前記第2領域の抵抗率の最大値より小さく、かつ、前記第1領域の抵抗率の最小値より大きいことを特徴とするn型シリコンウェーハ。

说明书全文

本発明は、n型シリコン単結晶インゴットの製造方法、n型シリコンウェーハの製造方法、および、n型シリコンウェーハに関する。

ツェナーダイオードの製造には、ドーパントが高濃度にドーピングされたn型シリコンウェーハが用いられる。このようなn型シリコンウェーハとしては、ドーパントの高濃度拡散による結晶の格子均整を保つために、通常、面方位が(111)面のものが用いられる。

ツェナーダイオードの特性の一つとして、動作電圧区分が細かく分かれ、しかも個々の動作電圧範囲が非常に狭いことが挙げられる。このような特性を有するツェナーダイオードを高い歩留まりで製造するためには、一枚のn型シリコンウェーハでの面内抵抗のばらつきを抑制する必要がある。 しかしながら、面方位が(111)面のn型シリコンウェーハは、面内抵抗分布を均一にすることが困難であるいう問題がある。

一方、面方位が(100)面のシリコンウェーハにおいて、面内抵抗のばらつき改善を目的として、シリコン単結晶インゴットの引き上げ時に、結晶回転数を大きくする技術が知られている。 そこで、結晶方位が<100>のシリコン単結晶インゴットの技術を、<111>のシリコン単結晶インゴットの引き上げに適用して面内抵抗ばらつきの改善を図ることが考えられる。 しかし、結晶方位が<111>のシリコン単結晶インゴットの引き上げ時に、結晶回転数を通常よりも高回転とすることで、面内抵抗ばらつきを一定の準で改善することはできるが、半導体デバイスメーカからの要望水準を満たすレベルの面内抵抗ばらつきを達成することはできない。 半導体デバイスメーカからの要望水準を満たすためには、結晶回転数をより高回転にする必要があるが、製造装置の仕様を超えるため、製造装置の改造が必要となる。また、結晶回転数を通常よりもより高回転すると、シリコン単結晶インゴットの引き上げ中に結晶変形(結晶の真円性が失われ、花びら状に変形する)が生じてしまい、高品質のシリコン単結晶インゴットの製造ができないという問題も生じる。

一方で、面方位が(111)面のn型シリコンウェーハの面内抵抗ばらつきを改善する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。 特許文献1の方法では、<111>結晶軸に対して中心軸が1〜6°傾斜したシリコン単結晶インゴットを育成し、このシリコン単結晶インゴットからシリコンウェーハの切り出す際に、上記傾斜度に対応する角度で切断することで、シリコンウェーハの面内抵抗ばらつきの改善を図っている。

特開平11−186121号公報

しかしながら、上記特許文献1に記載の方法では、切り出されたシリコンウェーハが楕円板状となるので、真円板状のシリコンウェーハにするために余分な外径加工工程が発生する。また、単結晶を斜めに切断するので、1本の単結晶から得られるシリコンウェーハの枚数が少なくなり、生産歩留りを低くする要因となる。

本発明の目的は、面方位が(111)面のn型シリコンウェーハの面内抵抗のばらつきを抑制可能、かつ、このようなn型シリコンウェーハを高歩留まりで得ることが可能な、n型シリコン単結晶インゴットの製造方法、n型シリコンウェーハの製造方法、および、n型シリコンウェーハを提供することにある。

本発明者らは、面方位が(111)面のn型シリコンウェーハの面内抵抗のばらつきを抑制することについて、鋭意検討した結果、n型シリコンウェーハの面内抵抗のばらつきと、単結晶引き上げ時の固液界面の形状とに相関があることを見出し、本発明を完成させた。

本発明のn型シリコン単結晶インゴットの製造方法は、チョクラルスキー法により、シリコン融液にドーパントを添加したドーパント添加融液から結晶方位が<111>のn型シリコン単結晶インゴットを引き上げる引き上げ工程を備え、前記引き上げ工程は、引き上げ中の前記n型シリコン単結晶インゴットと前記ドーパント添加融液との固液界面が下凸形状となるように、前記n型シリコン単結晶インゴットを引き上げることを特徴とする。

本発明によれば、引き上げ工程において、引き上げ中のn型シリコン単結晶インゴットとドーパント添加融液との固液界面が下凸形状となるように制御することにより、n型シリコン単結晶インゴットにおける径方向の面内抵抗のばらつきを抑制できる。 この面内抵抗のばらつきを抑制できるメカニズムは、明らかでないが、以下のように推測できる。 (1)結晶方位が<111>のn型シリコン単結晶インゴットでは、単結晶(シリコンウェーハ)の中心でファセット成長が起こるため、ドーパントが多く取り込まれて抵抗率が下がる。 (2)チョクラルスキー法によるシリコン単結晶インゴットの引き上げでは、固液界面を下凸形状にすると、単結晶の中心の抵抗率が上がり、特に磁場をかけない場合に抵抗率が上がる傾向がある。 以上のことから、結晶方位が<111>のn型シリコン単結晶インゴットを引き上げるときに、固液界面を下凸形状にすることで、(1)、(2)に示す作用が相殺され、n型シリコン単結晶インゴットの面内抵抗のばらつきを抑制できると推測できる。 したがって、上記特性を有するn型シリコン単結晶インゴットを、その中心軸に対して直交する方向に切断することで、面内抵抗のばらつきが小さくかつ面方位が(111)面のn型シリコンウェーハを得ることができる上、特許文献1に記載の方法と比べて1本のn型シリコン単結晶インゴットから得られるn型シリコンウェーハの枚数を多くすることができる。

本発明のn型シリコン単結晶インゴットの製造方法では、前記引き上げ工程は、前記n型シリコン単結晶インゴットの直胴部の直径をD、前記固液界面の外縁の位置を0、引き上げ方向を正方向として、前記固液界面中央の高さHが−0.0933D以上−0.02D以下の下凸形状となるように、前記n型シリコン単結晶インゴットを引き上げることが好ましい。 この発明によれば、固液界面中央の高さが上記範囲内を満たす下凸形状となるように引き上げ工程を制御することで、n型シリコン単結晶インゴットにおける径方向の面内抵抗のばらつきをより抑制できる。その結果、面内抵抗のばらつきがより小さいn型シリコンウェーハを得ることができる。

本発明のn型シリコン単結晶インゴットの製造方法では、前記引き上げ工程は、引き上げ中の前記n型シリコン単結晶インゴットを囲繞するように配置された水冷体により、前記n型シリコン単結晶インゴットを冷却することが好ましい。 この発明によれば、引き上げ中のn型シリコン単結晶インゴットを水冷体により冷却するだけの簡単な方法で、n型シリコン単結晶インゴットの引き上げ方向の温度勾配が大きくなり、固液界面を下凸形状に制御することができる。

本発明のn型シリコン単結晶インゴットの製造方法では、前記引き上げ工程は、前記ドーパント添加融液の液面位置における坩堝の内径をA、前記液面からの前記坩堝の深さをBとして、B/Aが0.5以下となる量の前記ドーパント添加融液を前記坩堝に収容し、前記ドーパント添加融液から前記n型シリコン単結晶インゴットを引き上げることが好ましい。 この発明によれば、少量のドーパント添加融液からn型シリコン単結晶インゴットを引き上げることで、固液界面が下凸形状を形成し易い対流を引き上げ中のドーパント添加融液に形成することができる。したがって、ドーパント添加融液の収容量を調整するだけの簡単な方法で、固液界面を下凸形状に制御することができる。

本発明のn型シリコン単結晶インゴットの製造方法では、前記n型シリコン単結晶インゴットの径方向における面内抵抗のばらつきΔρが8%以下となるように、前記引き上げ工程を行うことが好ましい。 本発明によれば、上記特性を有するn型シリコン単結晶インゴットから切り出されたn型シリコンウェーハを、ツェナーダイオードの製造に使用することで、ツェナーダイオードの品質のばらつきを抑制できる。 なお、面内抵抗のばらつき評価には、RRG(Radial Resistivity Gradient)が主に用いられる。RRGとは、一枚のシリコンウェーハ面内の任意の位置で測定した抵抗率の中の最大値と最小値の差を、最小値で除した値を百分率で表したものである。すなわち、抵抗率の最大値をρmax、最小値をρminとすると、RRGは、下記式(1)で表される。 RRG=(ρmax−ρmin)/ρmin×100(%)…(1)

本発明のn型シリコンウェーハの製造方法は、上述のn型シリコン単結晶インゴットの製造方法で製造されたn型シリコン単結晶インゴットを、その中心軸に対して直交する方向に切断することで、面方位が(111)面のn型シリコンウェーハを切り出すスライス工程を備えることを特徴とする。 本発明のn型シリコンウェーハは、面方位が(111)面のn型シリコンウェーハであって、中心を0%の位置、外縁を100%の位置とした場合に、0%の位置から20%の位置までの領域を第1領域、20%の位置から80%の位置までの領域を第2領域、60%の位置から100%の位置までの領域を第3領域として、前記第3領域の抵抗率の平均値が、前記第2領域の抵抗率の最大値より小さく、かつ、前記第1領域の抵抗率の最小値より大きいことを特徴とすることを特徴とする。

本発明の一実施形態に係る単結晶引き上げ装置の概略構成を示す模式図。

引き上げ中のn型シリコン単結晶インゴットとドーパント添加融液との固液界面形状の説明図。

本発明の実施例1におけるn型シリコン単結晶インゴットの直胴位置と引き上げ速度との関係を示すグラフ。

前記実施例1における直胴位置と固液界面の凸形状高さおよびRRGとの関係を示すグラフ。

前記実施例1における固液界面の凸形状高さとRRGとの関係を示すグラフ。

本発明の実施例3における上凸形状部分および下凸形状部分から得られたn型シリコンウェーハの抵抗分布を示すグラフ。

以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。 〔単結晶引き上げ装置の構成〕 まず、単結晶引き上げ装置の構成について説明する。 単結晶引き上げ装置1は、図1に示すように、単結晶引き上げ装置本体3と、図示しないドーピング装置と、図示しない制御部とを備える。 単結晶引き上げ装置本体3は、チャンバ30と、このチャンバ30内に配置された坩堝31と、この坩堝31に熱を放射して加熱する加熱部32と、引き上げ部としての引き上げケーブル33と、断熱筒34と、シールド36と備える。

チャンバ30内には、制御部の制御により、上部に設けられた導入部30Aを介して、上方から下方に向かって不活性ガス、例えば、アルゴンガスが所定のガス流量で導入される。また、チャンバ30内の圧(炉内圧力)は、制御部により制御可能となっている。

坩堝31は、シリコンウェーハの原料である多結晶のシリコンを融解し、シリコン融液4とするものである。坩堝31は、有底の円筒形状の石英坩堝311と、この石英坩堝311の外側に配置され、石英坩堝311を収納する黒鉛坩堝312とを備えている。坩堝31は、所定の速度で回転する支持軸37に支持されている。 加熱部32は、坩堝31の外側に配置されており、坩堝31を加熱して、坩堝31内のシリコンを融解する。 引き上げケーブル33は、例えば坩堝31上部に配置された図示しない引き上げ駆動部に、一端が接続されている。また、引き上げケーブル33は、他端に、種子結晶を保持するシードホルダ38、または、図示しないドーピング装置が適宜取り付けられる。引き上げケーブル33は、引き上げ駆動部の駆動により回転可能に構成されている。この引き上げケーブル33は、制御部による引き上げ駆動部の制御により、所定の引き上げ速度で上昇する。 断熱筒34は、坩堝31および加熱部32の周囲を取り囲むように配置されている。 シールド36は、加熱部32から上方に向かって放射される輻射熱を遮断する熱遮蔽用シールドである。このシールド36は、シリコン融液4の表面を覆うように設置されている。このシールド36は、下端側の開口部が上端側の開口部より小さくなった円錐形状となっている。

ドーピング装置は、固体状態の揮発性ドーパントを揮発させて、坩堝31内のシリコン融液4にドープさせてドーパント添加融液41を生成するためのものである。本実施形態のドーパントとしては赤リンが挙げられる。なお、ドーピング装置としては、筒状部の下端部をシリコン融液4に浸漬させて、赤リンをシリコン融液4に添加する構成や、筒状部の下端部をシリコン融液4から離間させて、揮発した赤リンをシリコン融液4に吹き付けることで、赤リンをシリコン融液4に添加する構成を適用できる。 制御部は、作業者の設定入力に基づいて、チャンバ30内のガス流量、炉内圧力、引き上げケーブル33の引き上げ速度を適宜制御して、n型シリコン単結晶インゴット6製造時の制御をする。

〔n型シリコンウェーハの製造方法〕 次に、単結晶引き上げ装置1を用いて、面方位が(111)面のn型シリコンウェーハを製造する方法について説明する。 n型シリコンウェーハの製造工程は、チョクラルスキー法により結晶方位が<111>のn型シリコン単結晶インゴットを引き上げる引き上げ工程と、n型シリコン単結晶インゴットをその中心軸に対して直交する方向に切断することで、面方位が(111)面のn型シリコンウェーハを切り出すスライス工程とを備える。 以下、各工程について詳細に説明する。

<引き上げ工程> 先ず、単結晶引き上げ装置1のチャンバ30内にポリシリコン素材を入れた石英坩堝311を設置する。その後、制御部の制御により、ポリシリコン素材を加熱して融解させた後、チャンバ30内のガス流量および炉内圧力を所定の状態にして、シリコン融液4にn型ドーパントとしての赤リンを添加して、シリコン融液4に赤リンを含有させる。これにより、ドーパント添加融液41が生成される。このとき赤リンの添加量は、n型シリコン単結晶インゴット6から切り出したn型シリコンウェーハの抵抗率が、0.001Ω・cm以上3.5Ω・cm以下となるような量である。

この後、単結晶引き上げ装置1の制御部は、作業者の設定入力に基づいて、種子結晶を融液に浸漬した後、所定の引き上げ速度で引き上げて、n型シリコン単結晶インゴット6を製造する。このときの種子結晶は、結晶方位が<111>のn型シリコン単結晶インゴットから切り出されたものである。

本実施形態では、引き上げ速度を一般的な製造条件よりも低速にして、n型シリコン単結晶インゴット6を引き上げる。このように引き上げ速度を低速とすることで、結晶成長速度が下がり、図1に示すように、引き上げ中のn型シリコン単結晶インゴット6とドーパント添加融液41との固液界面Sが下凸形状となる状態で、n型シリコン単結晶インゴット6を引き上げることができる。固液界面Sを下凸形状にするための引き上げ速度は、好ましくは0.35mm/min以上0.60mm/min以下、より好ましくは0.35mm/min以上0.45mm/min以下である。

また、図2に示すように、n型シリコン単結晶インゴット6の直胴部の直径をD、固液界面Sの外縁S1の位置を0、引き上げ方向を正方向として、n型シリコン単結晶インゴット6とドーパント添加融液41との固液界面Sの中央の高さHが−0.0933D以上−0.02D以下の下凸形状となるように、n型シリコン単結晶インゴット6を引き上げることが好ましい。特に、直胴部の全域において、上記条件を満たすように引き上げることが好ましい。

上記条件を満たす引き上げ工程を行うことにより、径方向における面内抵抗のばらつきΔρ(RRG)が8%以下であり、結晶方位が<111>のn型シリコン単結晶インゴットを得ることができる。

<スライス工程> 次に、図示しないワイヤソーを用いて、n型シリコン単結晶インゴットから面方位が(111)面のn型シリコンウェーハを切り出す。 この切り出しの際、n型シリコン単結晶インゴットを、その中心軸に対して直交する方向に切断する。これにより、RRGが8%以下と小さくかつ面方位が(111)面のn型シリコンウェーハを得ることができる。また、この面方位が(111)面のn型シリコンウェーハは、中心を0%の位置、外縁を100%の位置とした場合に、0%の位置から20%の位置までの領域を第1領域、20%の位置から80%の位置までの領域を第2領域、60%の位置から100%の位置までの領域を第3領域として、第3領域の抵抗率の平均値が、第2領域の抵抗率の最大値より小さく、かつ、第1領域の抵抗率の最小値より大きい特性を有している。

〔他の実施形態〕 なお、本発明は上記実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の改良ならびに設計の変更などが可能である。 上記実施形態では、引き上げ速度を遅くすることで固液界面が下凸形状となるように制御したが、これに限定されない。 例えば、引き上げ中のn型シリコン単結晶インゴット6を、図1に二点鎖線で示すように、これを囲繞するように配置された水冷体50により冷却することで、固液界面Sを下凸形状に制御してもよい。 また、いわゆるマルチ引き上げ法によってn型シリコン単結晶インゴット6を引き上げることで、固液界面Sを下凸形状となるように制御してもよい。具体的には、図1に二点鎖線で示すように、ドーパント添加融液41の液面41Aの位置における坩堝31の内径をA、液面41Aからの坩堝31の深さをBとして、B/Aが0.5以下となる量のドーパント添加融液41を収容し、このドーパント添加融液41からn型シリコン単結晶インゴット6を引き上げてもよい。その後、1本のn型シリコン単結晶インゴット6を製造する毎に坩堝31にシリコン多結晶原料とドーパントとを追加して、次のn型シリコン単結晶インゴット6を製造してもよい。 また、上記の方法を組み合わせることで、固液界面Sが下凸形状となるように制御してもよい。

また、上記実施形態では、n型のドーパントとして赤リンを使用した例を説明したが、ドーパントはこれに限定されない。例えばドーパントとして、アンチモン、ヒ素などを使用することができる。 その他、本発明の実施の際の具体的な手順、及び構造等は本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等としてもよい。

次に、本発明を実施例および比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。なお、以下において、n型シリコン単結晶インゴット、n型シリコンウェーハを、単に、シリコン単結晶インゴット、シリコンウェーハと称して説明する。

〔実施例1:固液界面形状とシリコンウェーハの面内抵抗のばらつきとの相関調査〕 まず、チョクラルスキー法により、肩部、直胴部、テール部を有するシリコン単結晶インゴットを製造した。 この製造に際し、図3に示すように、引き上げ速度を直胴部の位置に応じて制御した。この制御では、直胴部の0mm(直胴部上端)の位置から200mmの位置にかけては、引き上げ速度をほぼ直線的に遅くし、200mmの位置から直胴部下端の位置にかけては、引き上げ速度を一般的な速度よりも遅い0.4mm/minで一定にした。このように制御した理由は、引き上げ速度を変化させることで、ドーパント添加融液の対流が変化し、固液界面の形状を制御できると考えたからである。 なお、他の製造条件は以下の通りである。 ドーパント :赤リン 赤リン濃度 :インゴットから切り出したシリコンウェーハの抵抗率が 0.7mΩ・cm以上2.0mΩ・cm以下となる濃度 インゴット直径:150mm 直胴部の長さ :1000mm 磁場の印加 :なし

次に、上記条件で製造したシリコン単結晶インゴットの直胴部を、中心軸に直交する方向に切断し、複数の円筒状ブロックを作成した。そして、この円筒状ブロックを中心軸を通る位置で縦方向(中心軸方向)に切断し、その切断面をX線で撮影して固液界面の形状を確認した。その結果を図4に示す。なお、図4に示す「固液界面の凸形状高さ」とは、固液界面の外縁の位置を0、引き上げ方向を正方向とした場合の、固液界面中央の高さを意味する。 図4に示すように、固液界面の形状は、直胴部の400mmの位置では水平(高さ0mm)であり、400mmより上端側では上凸形状であり、400mmより下端側では下凸形状であった。 このことから、引き上げ速度を遅くすることで、固液界面の形状を下凸形状に制御できることが確認できた。

次に、上記条件で製造した別のシリコン単結晶インゴットの直胴部から、真円板状の複数のシリコンウェーハを切り出し、RRGを評価した。RRGの評価は、シリコンウェーハの中心を通る直線上の複数の位置で抵抗値を測定し、この測定結果に基づいて行った。その結果を図4に示す。 図4に示すように、固液界面が下凸形状の場合のRRGは、上凸形状の場合のRRGよりも小さいことがわかった。 また、図4に示す結果を用いて、固液界面の凸形状高さとRRGとの相関を調べたところ、図5に示す結果が得られた。この図5の結果から、固液界面の下凸形状の高さを、−4mm以下にすることで、RRGが8%以下になることがわかる。

ここで、図5の結果から、下凸形状の高さが高いほどRRGが小さくなると推測できるが、高さを高くした場合に別の問題が発生することも考えられる。そこで、下凸形状の高さの下限値を調べるために、高さが−15mm、−16mmのサンプルを作成して評価したところ、有転位化が発生することがわかった。 以上のことから、直径が150mmのシリコン単結晶インゴットを製造する場合、固液界面の下凸形状の高さを、−14mm以上−4mm以下にすることで、RRGが8%以下になることが確認できた。

また、上記の結果は、シリコン単結晶インゴットの直径が150mmの場合であるが、他の直径の場合でも、固液界面の凸形状高さとRRGとの間には同様の相関があると考えられる。 したがって、シリコン単結晶インゴットの直径がDmmの場合、固液界面の下凸形状の高さを、−0.0933D(−14mm/150mm)以上−0.02D(−4mm/150mm)以下にすることで、RRGが8%以下になると考えられる。

〔実施例2:実施例1の調査で得られた結果の検証〕 まず、表1に示す条件で、実験例1のシリコン単結晶インゴットを製造した。この製造に際し、直胴部の上端領域、中央領域、下端領域における固液界面の形状が表1に示す形状になるように、引き上げ速度を制御した。また、ドーパントとして赤リンを添加し、磁場の印加は行わなかった。 そして、上端領域、中央領域、下端領域における固液界面の中央の高さ、固液界面の形状、凸形状比率、RRGを上記実施例1と同様の方法で調べた。 その結果を表1に示す。 なお、表1中、「直胴部の上端領域」とは、直胴部の上端を0%、下端を100%の位置とした場合、5%以上30%未満の領域である。また、「中央領域」、「下端領域」とは、それぞれ30%以上60%未満の領域、60%以上90%未満の領域である。(領域の定義をご教示ください)また、「凸形状比率」とは、固液界面中央の高さHを直胴部の直径Dで除した値である。

実験例1の結果から、凸形状比率が−0.0933以上−0.02以下の条件を満たす下端領域では、RRGが8%以下となり、上記条件を満たさない上端領域、中央領域では、RRGが8%を超えた。すなわち、凸形状比率とRRGとの相関は実施例1の結果と同様であった。

また、直胴部上端の抵抗率をそれぞれ0.02Ω・cm、0.5Ω・cm、4Ω・cmとし、引き上げ速度を変更したこと以外は、実験例1と同じ条件で、実験例2,3,4のシリコン単結晶インゴットを製造し、実験例1と同様の評価を行った。 表1に示すように、直胴部上端の抵抗率が0.02Ω・cm(2mΩ・cm)以上4Ω・cm以下の範囲では、抵抗率が変わっても、凸形状比率とRRGとの相関は実施例1の結果と同様であった。また、この結果から、直胴部上端の抵抗率が2mΩ・cm未満、あるいは4Ω・cmを超える場合でも、同様の結果が得られると推測できる。

また、直胴部の長さを600mmとし、引き上げ速度を変更したこと以外は、実験例1と同じ条件で、実験例5のシリコン単結晶インゴットを製造し、実験例1と同様の評価を行った。 表1に示すように、直胴部の長さが変わっても、凸形状比率とRRGとの相関は実施例1の結果と同様であった。また、この結果から、直胴部の長さが600mm未満、あるいは1000mmを超える場合でも、同様の結果が得られると推測できる。

また、直胴部の直径をそれぞれ200mm、200mm、100mm、100mmとし、引き上げ速度を変更したこと以外は、実験例1と同じ条件で、実験例6,7,8,9のシリコン単結晶インゴットを製造し、実験例1と同様の評価を行った。 表1に示すように、直胴部の直径にかかわらず、凸形状比率とRRGとの相関は実施例1の結果と同様であった。また、この結果から、直胴部の直径が100mm未満、あるいは200mmを超える場合でも、同様の結果が得られると推測できる。

以上のことから、直胴部の直径、直胴部の長さ、直胴部上端の抵抗率にかかわらず、凸形状比率H/Dが−0.0933以上−0.02以下となるように固液界面形状を制御することで、RRGが8%以下のシリコンウェーハを得られることがわかった。

〔実施例3:固液界面形状とシリコンウェーハの面内抵抗分布との相関調査〕 実施例1のRRG評価に用いたシリコンウェーハのうち、固液界面が上凸形状(凸形状高さが5mm)の部分から切り出したシリコンウェーハ(実験例10)、および、下凸形状(凸形状高さが−5mm)の部分から切り出したシリコンウェーハ(実験例11)の抵抗分布を図6に示す。以下において、シリコンウェーハの中心を0%の位置、外縁を100%の位置とした場合における、0%の位置から20%の位置までの領域を第1領域、20%の位置から80%の位置までの領域を第2領域、60%の位置から100%の位置までの領域を第3領域と称して説明する。

図6に示すように、上凸形状部分から得られた実験例10では、第3領域の抵抗率の平均値が第2領域の抵抗率の最大値および第1領域の抵抗率の最小値よりも大きいことがわかった。 一方、下凸形状部分から得られた実験例11では、第3領域の平均値が、第2領域の最大値より小さく、かつ、第1領域の最小値より大きいという特徴的な抵抗分布を有していることがわかった。 以上のように、実験例11に示される特徴的な抵抗分布がRRGに良好な結果をもたらし、RRGを8%以下とすることができることがわかった。すなわち、結晶方位が<111>であること、直径Dに対する固液界面中央の高さHが一定以上の大きさを持つ下凸形状であることが複合的に作用して、特徴的な面内抵抗率分布を形成し、その結果、RRGを8%以下にすることができることがわかった。

4…シリコン融液、6…n型シリコン単結晶インゴット、31…坩堝、41…ドーパント添加融液、41A…液面、50…水冷体、S…固液界面。

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