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Method for continuously casting steel and cast slab produced by the method

阅读:742发布:2024-01-30

专利汇可以提供Method for continuously casting steel and cast slab produced by the method专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a continuous-casting method capable of preventing the deterioration of quality at the boundary part of a sequence casting.
SOLUTION: In the continuous-casting method, a cast-slab containing non-solidified part is rolling-reduced by using rolling-reduction pair set in the continuous-casting machine or the end part of the machine. When the sequence casting is performed, the molten steel weight in a tundish at the interval from the supplying stop of first charging of molten steel to the supplying start of after charging of molten steel secures ≥2/3 of the molten steel weight when the continuous-casting in the steady state is performed, and the lowering of the over-heat degree of the molten steel in the tundish, is restrained within ≤10°C at this timing. Further, the molten steel casting speed at the interval from the supplying stop of the first charging of molten steel to the supplying start of the after charging of molten steel secures the same casting speed as the casting speed in the steady state, and the rolling-reduction rate when the unsolidified part in the cast slab, in which the molten steel corresponding to the molten steel exists in the tundish, is cast at the interval from after supplying stop of the first charging of molten steel to the supplying start of the after charging of molten steel is made to target rolling-reduction rate or higher necessary to the discharge of non-solidified concentrating molten steel.
COPYRIGHT: (C)2011,JPO&INPIT,下面是Method for continuously casting steel and cast slab produced by the method专利的具体信息内容。

  • 未凝固部を含む鋳片を、連続鋳造機内または機端に配置した少なくとも1対の圧下ロール対を用いて圧下する連続鋳造方法であって、
    前チャージの取鍋内の溶鋼をタンディッシュ内に供給することを停止した直後に、後チャージの取鍋内の溶鋼をタンディッシュ内に供給開始し、同一鋼種または異鋼種の溶鋼の入った取鍋を繋ぐ連々鋳を実施する際に、
    該前チャージの溶鋼の供給停止から、該後チャージの溶鋼の供給開始までのタンディッシュ内の溶鋼重量を、定常状態で鋳造する該溶鋼重量の2/3以上とし、かつ、その間のタンディッシュ内の溶鋼過熱度の低下を10℃以内に抑制し、
    さらに、前記前チャージの溶鋼の供給停止から前記後チャージの溶鋼の供給開始までの鋳造速度を、定常状態で鋳造する鋳造速度と同じ速度とし、
    前記前チャージの溶鋼の供給停止から前記後チャージの溶鋼の供給開始までタンディッシュ内に存在した溶鋼に相当する溶鋼が鋳造された鋳片の未凝固部の圧下量を、未凝固濃化溶鋼の排出に必要な目標圧下量以上とすることを特徴とする連続鋳造方法。
  • 前記前チャージと前記後チャージとで、高温変形強度が相違する異鋼種の溶鋼の入った取鍋を繋ぐ連々鋳を実施する際に、
    前記前チャージの溶鋼の供給停止した直後に、前記後チャージの溶鋼を供給開始する時間経過にともない、タンディッシュ内における前記前チャージと前記後チャージの混合割合に比例して変化する高温変形強度に応じ、該タンディッシュ内に存在する前記前チャージと前記後チャージが混合した溶鋼に相当する溶鋼が鋳造された鋳片の未凝固部の圧下量を変更し、
    タンディッシュ内の溶鋼が前記後チャージのみとなった以降は、タンディッシュ内に存在した溶鋼に相当する溶鋼が鋳造された鋳片の未凝固部の圧下量は、前記後チャージの高温変形強度に応じた圧下量とし、かつ、未凝固濃化溶鋼の排出に必要な目標圧下量以上とすることを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造方法。
  • 说明书全文

    本発明は、複数チャージの溶鋼を連続して連続鋳造する連々鋳において、連々境界部における圧下の際も圧下量を低下させることなく、定常部と同様に連続的に中心偏析が低減され、安定した内部品質を有する鋳片を製造することのできる鋼の連続鋳造方法に関する。

    従来、連続鋳造鋳片の内部品質の改善を目的として、湾曲型または垂直曲げ型の連続鋳造機内に配置された圧下ロールを用いて、未凝固部を含む鋳片を圧下する技術(以下、「未凝固圧下技術」ともいう)が多数提案されてきた。 本発明者らも、特許文献1において、未凝固部を含む鋳片をバルジングさせた後に、連続鋳造機内において、圧下ロール対の下部ロールを鋳片の下側パスラインよりも突出させて鋳片を圧下する鋼の連続鋳造方法を提案した。

    鋳片の未凝固圧下においては、C、Mn、P、Sなどの偏析しやすい成分の濃化した溶鋼(以下、「未凝固濃化溶鋼」ともいう)が圧下により鋳造方向上流側に排出され、鋳片の厚さ方向中心部の成分偏析が改善される。

    本発明者らは、さらに、未凝固圧下および電磁攪拌を適用した連続鋳造方法による鋳片の内部品質の安定化技術について研究を重ねた結果、下記の知見を得た。 すなわち、圧下位置よりも上流側の未凝固部へ排出される未凝固濃化溶鋼が凝固シェルに捕捉され、特に鋳片の幅方向端部に散発的に高濃度の正偏析が残存し、時間の経過とともに濃化するという事実である。 したがって、長時間の鋳造にわたって安定した鋳片品質を維持するには、未凝固濃化溶鋼をさらに均一に分散させる必要がある。

    そこで、本発明者らは、特許文献2において、タンディッシュ内の溶鋼の過熱度に応じて鋳片の圧下量を調整することを提案し、特許文献3において、電磁攪拌によって未凝固濃化溶鋼を攪拌することを提案した。

    特許文献2に記載の技術は、タンディッシュ内の溶鋼の過熱度(ΔT)に応じて、鋳片の圧下量を調整するとともに、鋳片幅方向両端部に存在する成分偏析比が1.00以上、1.20以下である偏析帯の鋳片幅方向の各長さ(W)を、下記(1)式により表される関係を満足する範囲内とすることを特徴とする鋼の連続鋳造方法である。
    0≦W≦0.2×(Wo−2×d) ・・・・(1)

    特許文献2には、電磁を付与することにより、未凝固部の溶鋼を鋳片幅方向に攪拌する連続鋳造方法であって、電磁力を付与するための電磁攪拌装置を、鋳片圧下位置から、鋳造方向上流側に向かって9m以内の位置に配置する技術も記載されている。

    特許文献3に記載の技術は、未凝固部を含む連続鋳造鋳片を連続鋳造機内または機端に設置した圧下ロールを用いて圧下する前に、鋳片未凝固部の幅方向に一定時間で正逆に切り替わる交番電磁撹拌を行う連続鋳造方法において、1周期の電磁力により流動する未凝固溶鋼の幅方向の移動距離Wが撹拌位置の未凝固幅Wo以上になるように、鋳片の幅増減に応じて正逆交番撹拌の1周期の電磁力の電流印加時間を増減することを特徴とする省エネルギー型の連続鋳造方法である。

    ところで、複数チャージの溶鋼を連続して連続鋳造する連々鋳において鋳片圧下を継続することに関して、特許文献4では、軽圧下の連々鋳初期のチャージで、まだ連続鋳造機全体が昇温されていない状態での圧下遅れの影響を、鋳造速度で補正することが提案されている。

    特許文献4に記載の技術は、連々鋳の初期チャージ鋳片は冷えた連鋳機の中を通過するため、冷条件が同一でも後チャージより強冷になる結果鋳片厚が厚くなり、圧下を開始した凝固時期も遅れることから、これを調整するために、1対以上のロールにより鋳片を圧下しつつ引き抜く溶融金属の連続鋳造法において、軽圧下帯入り側の鋳片中心固相率を所定の値とするために、連々鋳の1チャージ目を定常状態の鋳造速度よりも速い鋳造速度で鋳造し、2チャージ目も定常状態の鋳造速度より速く、且つ、前記1チャージ目よりは遅い鋳造速度で鋳造することを特徴とする連続鋳造法である。

    しかし、特許文献4には、連々鋳境界部での溶鋼温度低下等に対応する方法については記載されていない。 したがって、特許文献4は、本発明者らが提案するような、大圧下を連々鋳境界部で安定に継続する技術的内容を提案するものではない。

    異鋼種連々鋳に関する技術として、特許文献5には一般的な連結治具を用いる方法が、特許文献6には連々鋳境界部で速度を低下させる方法が、特許文献7には連結治具を用いず溶鋼の成分変動域を極小化するためにタンディッシュ内溶鋼を減少させる方法が、それぞれ開示されている。

    特許文献5に記載の技術は、連続鋳造において異鋼種間の連々鋳を行うため、鋳型内溶湯中にシーケンスブロックを投入し、のちタンディッシュの前進および降下を行って同一タンディッシュにより他鍋からの異鋼種溶鋼の連々鋳を開始することを特徴とする異鋼種間の連々鋳を行う方法である。

    特許文献6に記載の技術は、異鋼種連々鋳における非定常部鋳片に圧下を加えるに際し、先鍋の鋳造末期における減速区間では下記(6−1)の方法で鋳片を圧下し、ピンチロール停止中は下記(6−2)の方法で鋳片を圧下し、ピンチロール停止後の再引抜過程では下記(6−3)の方法で鋳片を圧下し、次いで後鍋の鋳造初期の増速区間では、前記ピンチロール停止後の再引抜過程での圧下位置から定常圧下位置へと1対以上の圧下ロールを順次設定することにより、異鋼種連々鋳における非定常部鋳片の中心偏析を低減させることを特徴とする連鋳鋳片の軽圧下方法である。
    (6−1)鋼の連続鋳造において、鋳片のクレーターエンド近傍に複数対の軽圧下ロール群を配置して鋳片に圧下を加えるに際し、鋳造速度が定常速度に達するまでの鋳造初期の鋳片及び鋳造速度が定常速度から減速する鋳造末期の鋳片に対しては、軽圧下ロール群の内定常部鋳片に圧下を加えるロールよりもメニスカス側に近い1対以上のロールで圧下することにより、鋳造初期及び末期における非定常部鋳片の中心偏析を低減させることを特徴とする連鋳鋳片の軽圧下方法。
    (6−2)鋼の連続鋳造において、ピンチロールを一旦停止した鋳片に対して圧下を加えるに際し、ピンチロールの停止時間に応じたクレーターエンドの移動に合わせて定常圧下位置よりもメニスカス側に近い1対以上のロールで圧下することにより、停止中に凝固する非定常部鋳片の中心偏析を低減させることを特徴とする連鋳鋳片の軽圧下方法。
    (6−3)鋼の連続鋳造において、鋳造終了時にピンチロールを一旦停止した後の再引抜過程で鋳片に圧下を加えるに際し、ピンチロールの停止時間に応じたクレーターエンドの移動距離分だけ定常圧下位置よりもメニスカス側に近い1対以上のロールで圧下することにより、ピンチロール停止後の再引抜過程での非定常部鋳片の中心偏析を低減させることを特徴とする連鋳鋳片の軽圧下方法。

    特許文献7に記載の技術は、同一タンディッシュを使用して異鋼種を連々接続して連続鋳造する方法において、先行鋼種鋳片と後続鋼種鋳片との間に継ぎ手ブロックを用いることなく同一タンディッシュを使用して溶鋼の成分変動域を極小化させ溶鋼を接続することにより連々鋳を途切れさせることなく鋳造することを特徴とする連続鋳造法、およびこの方法において溶鋼の成分変動域の極小化はタンディッシュ内の保持重量を極限に減少させる方法である。

    しかし、特許文献5〜7のいずれも、本発明者らが提案するような、鋳造速度を低下させることなく、圧下を継続する技術内容を提案するものではない。

    特開2004−1079号公報(特許請求の範囲および段落[0015]〜[0023])

    特願2008−116548号(特許請求の範囲および段落[0023]〜[0026])

    特願2009−25593号(特許請求の範囲および段落[0019]〜[0021])

    特許第3091924号公報(特許請求の範囲および段落[0010]および[0014])

    特開昭62−158553号公報(特許請求の範囲、第2頁右上欄および左下欄)

    特開平4−33757号公報(特許請求の範囲、第2頁右下欄〜第3頁右上欄)

    特開2000−334548号公報(特許請求の範囲、段落[0009]および[0010])

    本発明者らは、上述の特許文献1で提案した連続鋳造方法による鋳片の生産効率をさらに高めるため、同一鋼種、または成分の異なる鋼種の連々鋳を、鋳片を圧下したまま行うことについて検討した。 その結果、以下の問題があることを知見した。

    通常、連々鋳では、あるチャージの取鍋の溶鋼のタンディッシュ内への供給が終了すると、次のチャージの取鍋の溶鋼の供給を開始する(以下、連続する2個のチャージのうち、前のチャージを「前チャージ」、後のチャージを「後チャージ」ともいう)までにタンディッシュ内の前チャージの溶鋼量が減少していく。 そのため、前チャージと後チャージとの境界部(以下、「連々鋳境界部」ともいう)ではタンディッシュ内の溶鋼温度が低下し、溶鋼温度から液相線温度を減じた値である溶鋼過熱度(ΔT)も低下する。 溶鋼過熱度が低下した場合、鋳片の高温変形強度が上昇するため、鋳片を圧下しても圧下量不足となる問題があった。

    また、鋼種が異なると高温変形抵抗、高温変形強度等、高温での鋳片の変形特性も異なり、連続鋳造における鋳片の未凝固圧下時の圧下量も異なる場合がある。 そのため、前チャージと後チャージとで高温変形特性の異なる鋼種の溶鋼を用いて連々鋳を行う場合には、連々鋳境界部では、溶鋼の組成および鋳片の高温変形特性は連続的に変化するため、鋳片の圧下量を連続的に変化させる必要がある。

    本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その課題は、連々鋳境界部において適切な鋳片の圧下が行われ、安定した品質を有する鋳片を製造できる連続鋳造方法を提供することにある。

    本発明者らは、上記課題について検討した結果、同一の鋼種または異なる鋼種を圧下したまま連々鋳造を行う際に、タンディッシュ内の溶鋼温度が過度に低下するのを抑制して必要な鋳片の圧下量を確保することを知見し、特に、高温変形抵抗の異なる鋼種を圧下したまま連々鋳造を行う際には、高温変形抵抗の変化に応じて圧下量を変更することを知見した。

    本発明は、この知見に基づいて完成されたものであり、下記(1)および(2)の鋼の連続鋳造方法を要旨としている。

    (1)未凝固部を含む鋳片を、連続鋳造機内または機端に配置した少なくとも1対の圧下ロール対を用いて圧下する連続鋳造方法であって、前チャージの取鍋内の溶鋼をタンディッシュ内に供給することを停止した直後に、後チャージの取鍋内の溶鋼をタンディッシュ内に供給開始し、同一鋼種または異鋼種の溶鋼の入った取鍋を繋ぐ連々鋳を実施する際に、該前チャージの溶鋼の供給停止から、該後チャージの溶鋼の供給開始までのタンディッシュ内の溶鋼重量を、定常状態で鋳造する該溶鋼重量の2/3以上とし、かつ、その間のタンディッシュ内の溶鋼過熱度の低下を10℃以内に抑制し、さらに、前記前チャージの溶鋼の供給停止から前記後チャージの溶鋼の供給開始までの鋳造速度を、定常状態で鋳造する鋳造速度と同じ速度とし、前記前チャージの溶鋼の供給停止から前記後チャージの溶鋼の供給開始までタンディッシュ内に存在した溶鋼に相当する溶鋼が鋳造された鋳片の未凝固部の圧下量を、未凝固濃化溶鋼の排出に必要な目標圧下量以上とすることを特徴とする連続鋳造方法。

    (2)前記前チャージと前記後チャージとで、高温変形強度が相違する異鋼種の溶鋼の入った取鍋を繋ぐ連々鋳を実施する際に、前記前チャージの溶鋼の供給停止した直後に、前記後チャージの溶鋼を供給開始する時間経過にともない、タンディッシュ内における前記前チャージと前記後チャージの混合割合に比例して変化する高温変形強度に応じ、該タンディッシュ内に存在する前記前チャージと前記後チャージが混合した溶鋼に相当する溶鋼が鋳造された鋳片の未凝固部の圧下量を変更し、タンディッシュ内の溶鋼が前記後チャージのみとなった以降は、タンディッシュ内に存在した溶鋼に相当する溶鋼が鋳造された鋳片の未凝固部の圧下量は、前記後チャージの高温変形強度に応じた圧下量とし、かつ、未凝固濃化溶鋼の排出に必要な目標圧下量以上とすることを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造方法。

    本発明において、「溶鋼過熱度」とは、実際に測定される溶鋼温度から平衡状態図等により求められる液相線温度を減じた温度差を意味し、ΔTとも表記する。

    「高温変形強度」とは、固相線温度から1200℃の間の温度での鋳片の降伏応力値を意味する。 鋳造条件の検討に用いる高温変形強度の値は、なるべく固相線温度に近い温度での降伏応力値が好ましい。 しかし、本発明者らは、鋼種間の相対的な高温変形強度の比較評価は、1200℃での高温引張試験による降伏応力値を用いてある程度行うことが可能であることを研究により知見した。 そのため、高温変形強度は上記範囲の温度での降伏応力値とする。

    本明細書の記載において、「連々鋳境界部でのタンディッシュ内溶鋼保持重量」とは、タンディッシュ内への前チャージの溶鋼の供給が終了または停止した後、タンディッシュ内への後チャージの溶鋼の供給を開始した時点のタンディッシュ内の溶鋼重量を意味し、かつ、「保持」とは、タンディッシュ内溶鋼重量の相当重量の溶鋼をタンディッシュから鋳型内に供給するまで保持することを意味する。

    「固相率」とは、鋳片の中心部における固相と液相の全体量に対する固相の割合を意味する。

    「成分偏析比」とは、鋳片の任意位置におけるC、Mn、P、Sなどの成分濃度C(質量%)を平均成分濃度Co(質量%)により除した値(C/Co)を意味する。 成分偏析比C/Coが1より大きい場合を「正偏析」と称し、母材平均濃度よりもその位置における成分濃度Cが高いことを意味する。 また、成分偏析比C/Coが1より小さい場合を「負偏析」と称し、母材平均濃度よりもその位置における成分濃度Cが低いことを意味する。

    また、以下の記述において、鋼の成分組成を表す「質量%」を、単に「%」とも表記する。

    本発明の鋼の連続鋳造方法によれば、連々鋳境界部において適切な圧下が行われる。 そのため、安定した品質を有する鋳片を連続して製造し、長尺スラブとして採取することができ、鋳片の生産性が向上する。 また、連々鋳境界部における鋳造速度を定常状態での鋳造速度と同じ速度とするため、鋳片の生産効率を低下させることがない。

    鋳片をバルジングさせながら、かつ下部圧下ロールを鋳片の下側パスラインよりも上方に突出させて本発明を実施するための垂直曲げ型連続鋳造機の縦断面の概略を示す図である。

    鋳片をバルジングさせずに、下部圧下ロールを鋳片の下側パスラインよりも上方に突出させて本発明を実施するための垂直曲げ型連続鋳造機の縦断面の概略を示す図である。

    マッピング分析用試料の切り出し位置を示す鋳片の横断面図である。

    タンディッシュ内の溶鋼過熱度ΔTと鋳片圧下量との関係を示すグラフである。

    連々鋳境界部における、タンディッシュ内溶鋼保持重量比率とタンディッシュ内溶鋼降下温度との関係を示すグラフである。

    タンディッシュ内溶鋼保持重量比率と、境界部圧下低下量との関係を示すグラフである。

    本発明の連続鋳造方法により、同一鋼種での連々鋳を行った場合の、連々鋳境界部における、(A)タンディッシュ内溶鋼保持重量の変化を示すグラフ、(B)タンディッシュ内ΔT降下温度の変化を示すグラフ、および(C)鋳片圧下量の変化を示すグラフである。

    本発明の連続鋳造方法により、異鋼種での連々鋳を行った場合の、連々鋳境界部における、(A)タンディッシュ内溶鋼保持重量の変化を示すグラフ、(B)タンディッシュ内ΔT降下温度の変化を示すグラフ、および(C)鋳片圧下量の変化を示すグラフである。

    本発明の連続鋳造方法は、未凝固部を含む鋳片を、連続鋳造機内または機端に配置した少なくとも1対の圧下ロール対を用いて圧下する連続鋳造方法であって、前チャージの取鍋内の溶鋼をタンディッシュ内に供給することを停止した直後に、後チャージの取鍋内の溶鋼をタンディッシュ内に供給開始し、同一鋼種または異鋼種の溶鋼の入った取鍋を繋ぐ連々鋳を実施する際に、該前チャージの溶鋼の供給停止から、該後チャージの溶鋼の供給開始までのタンディッシュ内の溶鋼重量を、定常状態で鋳造する該溶鋼重量の2/3以上とし、かつ、その間のタンディッシュ内の溶鋼過熱度の低下を10℃以内に抑制し、さらに、前記前チャージの溶鋼の供給停止から前記後チャージの溶鋼の供給開始までの鋳造速度を、定常状態で鋳造する鋳造速度と同じ速度とし、前記前チャージの溶鋼の供給停止から前記後チャージの溶鋼の供給開始までタンディッシュ内に存在した溶鋼に相当する溶鋼が鋳造された鋳片の未凝固部の圧下量を、未凝固濃化溶鋼の排出に必要な目標圧下量以上とすることを特徴とする連続鋳造方法である。

    1. 鋼の連続鋳造方法の基本構成 図1および図2は、いずれも本発明を実施するための垂直曲げ型連続鋳造機の縦断面の概略を示す図であり、図1は鋳片をバルジングさせながら、かつ下部圧下ロールを鋳片の下側パスラインよりも上方に突出させるもの、図2は鋳片をバルジングさせずに、下部圧下ロールを鋳片の下側パスラインよりも上方に突出させるものである。

    タンディッシュ1aには、取鍋(図示せず)から溶鋼が供給される。 タンディッシュ1aから浸漬ノズル1bを経て、鋳型3内に溶鋼湯面(メニスカス)2を形成するように注入された溶鋼4は、鋳型3およびその下方の図示しない二次冷却スプレーノズル群から噴射されるスプレー水により冷却され、凝固シェル5を形成して鋳片8となる。 鋳片8は、その内部に未凝固部10を保持したまま、従動ロール6aおよび駆動ロール6bからなるガイドロール群6によって支持されながら引き抜かれ、圧下ロール対7により圧下される。 圧下ロール対7を設置する位置は、連続鋳造機の内部または鋳造方向下流側の端部のいずれでもよい。

    連続鋳造の開始時には、無底の鋳型3の下部にダミーバー(図示せず)のヘッドを挿入して仮の底部とした後、鋳型3内に浸漬ノズル1bから溶鋼4を注入する。 そして、鋳型3内の溶鋼湯面2があらかじめ設定された位置に達し、かつ所定厚さの凝固シェル5が形成されると、ダミーバーの引き抜きを開始し、引き抜き速度を高めて、所定の鋳造速度(定常状態)に移行させる。

    ダミーバーは、単位ブロックをピン結合により連結した治具である。 ダミーバーの鋳型3への挿入方法には、上部から挿入する方法(トップ挿入方式)と、圧下ロール対7よりも鋳造方向下流側に配置されたピンチロール(図示せず)の後段側から挿入する方法(ボトム挿入方式)があり、ダミーバーの上端に位置するダミーバーヘッドが鋳型3内に配置される。 そして、鋳造を開始し、定常状態に移行したのち、ピンチロールの後段側で斜め上方に取り出される。

    図1および図2に示すように、圧下ロール対7の下側ロールは、鋳片の下側パスライン11よりも上方に突出しているため、圧下ロール対7の圧下力が鋳片8の曲げに消費されず、鋳片8の圧下のみに効果的に作用する。

    また、図1の連続鋳造機では、ガイドロール群6は、鋳片8の厚さ方向の間隔を所定値に制御できるように配置されている。 図1に示すように、B1−B2の区間において、ガイドロール群6の鋳片厚さ方向の間隔を拡大させて、内部に未凝固部10が存在する鋳片8をバルジングさせた後に、圧下ロール対7により圧下すると、未凝固濃化溶鋼を、鋳造方向上流側の未凝固部10中に十分に排出させることができるので、鋳片の中心偏析を抑制し、内部品質を向上させる上で好ましい。

    複数の取鍋からの溶鋼を引き継いで連続鋳造を行う連々鋳の場合、あるチャージ(前チャージ)の取鍋からタンディッシュへの溶鋼の供給が終了すると、その取鍋を退避させ、次のチャージ(後チャージ)の取鍋を移動し、セットした後、開口させてタンディッシュへの溶鋼の供給を開始する。 前チャージと後チャージとの境界部(連々鋳境界部)では、溶鋼成分が混合した部分を低減し、歩留まりを向上させるために、特に前チャージと後チャージとで溶鋼の鋼種が異なる場合には、タンディッシュ内の前チャージの溶鋼重量を減少させてから後チャージの溶鋼の注入を開始することが、通常行われている。

    2. 連々鋳境界部における連続鋳造方法 後述するように、タンディッシュ1a内の溶鋼量が減少して溶鋼過熱度(ΔT)が過度に低下すると、圧下ロール対7による鋳片8の圧下量が低下し、未凝固部10を有する鋳片8から未凝固濃化溶鋼を十分に排出できなくなり、鋳片に偏析が生じる恐れがある。

    この問題について本発明者らが検討した結果、タンディッシュ1a内の溶鋼重量を、定常状態の溶鋼重量の2/3以上とし、かつタンディッシュ1a内の溶鋼過熱度(ΔT)の低下を10℃以内とすることにより、未凝固濃化溶鋼の排出に必要な鋳片圧下量を得ることができることがわかった。

    そのため、本発明の連続鋳造方法による連々鋳では、前チャージと後チャージとで同一鋼種の場合および異鋼種の場合とも、前チャージの溶鋼の供給停止から、後チャージの溶鋼の供給開始までのタンディッシュ1a内の溶鋼重量を、定常状態の溶鋼重量の2/3以上とし、かつタンディッシュ1a内の溶鋼過熱度(ΔT)の低下を10℃以内とし、前チャージの溶鋼の供給停止から後チャージの溶鋼の供給開始までタンディッシュ1a内に存在した溶鋼に相当する溶鋼が鋳造された鋳片8の未凝固部10の圧下量を、未凝固濃化溶鋼の排出に必要な目標圧下量以上とする。

    これにより、未凝固部を有する鋳片から未凝固濃化溶鋼を排出でき、偏析の少ない優れた品質の鋳片を連続して製造し、長尺スラブとして採取できる。 さらに、前チャージの溶鋼の供給の停止から後チャージの溶鋼の供給開始までの鋳造速度を定常状態で鋳造する鋳造速度と同じ速度とすることにより、生産効率を低下させることなく鋳片を製造できる。

    また、前チャージと後チャージとで異なる鋼種について連々鋳を行う場合には、タンディッシュ1a内への前チャージの溶鋼を供給停止した直後に後チャージの溶鋼を供給開始してから時間経過にともない、タンディッシュ1a内における前チャージと後チャージの溶鋼の混合割合が変化する。 前チャージの鋼種と後チャージの鋼種とで高温変形強度が異なる場合には、この混合割合に比例して高温変形強度も変化する。

    そのため、高温変形強度の変化に応じて、タンディッシュ内に存在する前チャージの溶鋼と後チャージの溶鋼が混合した溶鋼に相当する溶鋼が鋳造された鋳片の未凝固部の圧下量を変更し、タンディッシュ内の溶鋼が後チャージのみとなった以降は、タンディッシュ内に存在した溶鋼に相当する溶鋼が鋳造された鋳片の未凝固部の圧下量を、後チャージの溶鋼が鋳造された鋳片の高温変形強度に応じた圧下量とし、かつ、未凝固濃化溶鋼の排出に必要な目標圧下量以上とする。 これにより、前チャージの鋼種と後チャージの鋼種とで高温変形強度が異なる場合においても、偏析の少ない優れた品質の鋳片を連続して製造できる。

    以下に、本発明を完成させるために行った試験および本発明の効果を確認するために行った試験について説明する。

    1. 試験方法1−1. 鋳造試験方法 前記図1および図2に示した垂直曲げ型の連続鋳造機を用いて鋳造試験を行った。 図1に示した連続鋳造機を用いた試験は、未凝固部を含む鋳片を、ロール圧下を行う前にバルジングさせる操作以外は、図2に示す連続鋳造機を用いた試験と同様の方法により実施した。 そのため、以下では図2に示す連続鋳造機を用いた鋳造試験について説明する。

    連続鋳造機の圧下ロール対7は、鋳型3内の溶鋼湯面2から鋳造方向に21.5m下流側の位置に一対設置した。 各圧下ロールの直径は470mmとし、最大圧下力は5.88×10 6 N(600tf)とした。

    鋳造試験には、鋼成分組成が、C:0.02〜0.20%、Si:0.04〜0.60%、Mn:0.50〜2.00%、P:0.020%以下、S:0.006%以下であり、必要強度を付与するためにNi、Cr、Mo等を添加した溶鋼を用い、厚さが300mm、幅が2250mmの鋳片を製造した。 鋳造速度は0.70m/minで一定とし、二次冷却比水量は0.53〜0.58L/kg−steelとした。

    ここで、図1に示すように、鋳片8をバルジングさせることにより鋳片厚さが変化する場合であっても、鋳片8の幅方向中央部の厚さに合わせて、鋳造速度を種々変化させた条件で伝熱および凝固計算を行うことにより、圧下ロール対7の位置において固相率が所定の値となる鋳造速度条件を算出し、この鋳造速度条件で鋳造試験を行えばよい。

    鋳造試験では、圧下ロール対7の位置に、未凝固部10を含み、所定の固相率を有する鋳片8の定常凝固部分が到達した時点で圧下ロール対7による未凝固圧下を開始した。 圧下開始後は、鋳片8の下側パスライン11から上方への下側圧下ロールの突出量が、下側圧下ロールによる鋳片の圧下量となる。

    1−2. 鋳片成分偏析の評価方法 図3は、マッピング分析用試料の切り出し位置を示す鋳片の横断面図である。 各鋳造試験により得られた鋳片から、鋳造方向に長さ150mmの鋳片サンプルを切り出した。 その鋳片サンプルから切り出した複数の板サンプルについて、マクロ組織を観察した後、図3に示す位置から、EPMAによるマッピング分析(以下、「MA分析」ともいう)用のMAサンプルを切り出した。

    MAサンプルは、鋳片厚さ方向の長さ100mm、鋳造方向の長さ40mm、厚さ(鋳片幅方向の長さ)9mmの直方体とし、鋳片の一方の短辺から鋳片幅方向に鋳片幅Wの1/4、1/2、および3/4の位置(図3において、それぞれ「1/4W」、「1/2W」および「3/4W」と記す)、ならびに両短辺側から160〜180mmの位置の鋳片厚さ方向の中心において偏析成分が濃化しやすい部分(図3において、いずれも「端部」と記す)の合計5箇所から切り出した。

    MA分析は、MAサンプルの鋳片厚さ方向中心部を含む鋳片厚さ方向に50mm、鋳片幅方向に20mmの長方形の範囲について行った。 ビーム径を50μmとしてMnの成分分布を求めた後、鋳片厚さ方向に2mm幅で線分析を行い、鋳片厚さ方向中心部におけるMn濃度Cを求め、このCの値を鋳込時のMnの平均濃度Coにより除して成分偏析比(C/Co)を算出した。

    2. 鋳片圧下量と溶鋼過熱度との関係 本発明者らは、上記鋳片の未凝固圧下鋳造試験を行い、鋳片圧下量に対するタンディッシュ内の溶鋼過熱度(ΔT)の影響について調査した。

    図4は、タンディッシュ内の溶鋼過熱度(ΔT)と鋳片圧下量との関係を示すグラフである。 上記調査の結果、鋳片圧下量と溶鋼過熱度との間に図4に示すように、鋳片圧下量の変化量が溶鋼過熱度の変化量と比例する関係があることがわかった。

    3. 連々鋳による連続鋳造の歩留まり向上 鋳片の未凝固圧下を鋳込みの終了まで継続すると、鋳片の末端から未凝固溶鋼が溢れ出てしまう。 そのため、未凝固溶鋼が溢れ出ないように鋳込みを終了させるには、鋳片の末端が鋳型から離脱する前に圧下ロールによる圧下を開放する必要がある。 圧下を開放して鋳造された鋳片は、圧下されていないため、偏析やポロシティが発生し、品質が低い。 そのため、製品として使用できず、歩留まりを低下させることとなる。

    本実施例の試験の場合、連続鋳造機の圧下ロール対7は、鋳型3内の溶鋼湯面2から鋳造方向に21.5m下流側の位置に一対設置されているため、鋳込み完了前の21.5m手前で圧下を開放する必要がある。

    厚さ300mm、幅2250mmの鋳片の1m当たりの質量は、鋳片の比重を7.8として、300mm×2250mm×1m×7.8g/cm 3 =52.65tであるため、タンディッシュ内に収容可能な1チャージ分の溶鋼量が300tである場合には、この鋳片の鋳込み長は約57.0mである。

    したがって、定常未凝固圧下鋳片部分、すなわち製品として使用できない部分の、鋳込み長に占める割合は、(57.0−21.5)÷57=0.6228…より、約62.3%となる。 すなわち、1チャージのみの連続鋳造では、歩留まりは62.3%である。

    2チャージの連々鋳では(57.0×2−21.5)÷(57.0×2)=0.8114…、3チャージの連々鋳では(57.0×3−21.5)÷(57.0×3)=0.8742…より、歩留まりはそれぞれ81.1%および87.4%である。 表1は、同様の計算により算出した、連々数と歩留まりの関係を示す表である。

    表1に示すように、この鋳造方法において連々鋳を行うと、連々数の増加にともなって歩留まりが向上し、生産効率が向上する。

    4. タンディッシュ内溶鋼重量と溶鋼温度および鋳片圧下量との関係 上記結果を踏まえ、本発明者らは、未凝固圧下を実施したまま同一鋼種で連続鋳造の連々鋳化について検討した。

    図5は、連々鋳境界部における、タンディッシュ内溶鋼保持重量比率とタンディッシュ内溶鋼降下温度との関係を示すグラフである。
    図6は、タンディッシュ内溶鋼保持重量比率と、境界部圧下低下量との関係を示すグラフである。

    タンディッシュ内溶鋼保持重量比率とは、連々鋳境界部においてタンディッシュ内で保持している溶鋼の重量を、定常状態においてタンディッシュ内で保持している溶鋼の重量で除した値である。 連々境界部タンディッシュ内溶鋼降下温度とは、連々鋳境界部においてタンディッシュ内で保持している溶鋼の温度から、定常状態においてタンディッシュ内で保持している溶鋼の温度を減じた値である。 境界部圧下低下量とは、定常状態における鋳片の圧下量から、連々鋳境界部における鋳片の圧下量を減じた値である。

    図5に示すように、タンディッシュ内溶鋼保持重量比率が低下すると、その低下量に比例して連々鋳境界部タンディッシュ内溶鋼降下温度が増大、すなわち連々鋳境界部においてタンディッシュ内で保持している溶鋼の温度が低下する。

    また、図6に示すように、タンディッシュ内溶鋼保持重量比率が低下すると、その低下量に比例して境界部圧下低下量が増大、すなわち連々鋳境界部において鋳片の圧下量が低下する。

    5. 未凝固濃化溶鋼の排出に必要な目標圧下量 本発明者らが、未凝固部を有する鋳片から未凝固部すなわち液相分を圧下により鋳造方向上流側へ完全に排出するための最低圧下量を伝熱凝固計算により推定したところ、約27mmである。 そして、連々鋳境界部分において27mmの圧下量を確保するには、図4の関係(ΔT約43℃で鋳片圧下量30mm、ΔT約33℃で鋳片圧下量27mm)から、定常状態からの溶鋼温度の低下を10℃以下にする必要がある。

    6. 本発明の連続鋳造方法による連々鋳6−1. 同一鋼種の場合 本発明の連続鋳造方法を用いた同一鋼種での連々鋳による未凝固圧下について説明する。 ここでは、前チャージの溶鋼を前溶鋼A1、後チャージの溶鋼を後溶鋼A2という。 また、定常状態のタンディッシュ内溶鋼保持重量を30tとし、これをタンディッシュ内溶鋼保持重量比率100%とする。

    図7は、本発明の連続鋳造方法により、同一鋼種での連々鋳を行った場合の、連々鋳境界部における、(A)タンディッシュ内溶鋼保持重量の変化を示すグラフ、(B)タンディッシュ内ΔT降下温度の変化を示すグラフ、および(C)鋳片圧下量の変化を示すグラフである。 タンディッシュ内ΔT降下温度とは、連々鋳境界部においてタンディッシュ内で保持している溶鋼のΔTから、定常状態においてタンディッシュ内で保持している溶鋼のΔTを減じた値である。

    図7(A)に示すように、連々鋳境界部では、取鍋からの前溶鋼A1の供給を終了するとタンディッシュ内溶鋼保持重量は次第に減少し、後溶鋼A2の供給を開始すると増加する。

    表2の比較例に示すように、連々鋳境界部において、タンディッシュ内溶鋼保持重量を10t(定常状態のタンディッシュ内溶鋼保持重量の1/3、すなわちタンディッシュ内溶鋼保持重量比率が33%)まで低下させると、図7(A)〜(C)に示す比較例のように、タンディッシュ内ΔT降下温度が17.0℃となり、鋳片圧下量は定常状態での圧下量30.0mmから最大で4.6mm減少して25.4mmとなった。 このタンディッシュ内ΔT降下温度と鋳片圧下量との関係は、図4の関係に従っている。

    そのため、比較例では鋳片の圧下量が不足し、鋳片中心部で未凝固濃化溶鋼を十分に排出できなかった。 比較例の連々鋳境界部における鋳片の横断面のマクロ組織をMA分析したところ、鋳片の厚さ方向中心部ではMn偏析度の最大値で1.3以上の偏析が残存していた。

    これに対して、表2の本発明例のように、連々鋳境界部において、タンディッシュ内溶鋼保持重量の最低値を20t(定常状態のタンディッシュ内溶鋼保持重量の2/3、すなわちタンディッシュ内溶鋼保持重量比率が67%)とすると、図7(A)〜(C)に示す本発明例のように、タンディッシュ内ΔT降下温度が8.5℃と10℃以下に抑制され、鋳片圧下量の低下は2.3mmとなり、鋳片圧下量は27.7mmを確保できた。

    そのため、定常状態で圧下された部分である定常部と同様に未凝固濃化溶鋼を鋳造方向上流側に完全に排出でき、Mn偏析度の最大値で約1.1と、偏析の少ない良好な品質を有する鋳片を連々鋳により得ることができた。

    6−2. 異鋼種の場合 本発明の連続鋳造方法を用いた異鋼種での連々鋳による未凝固圧下について説明する。 ここでは、前チャージの溶鋼を前溶鋼A、後チャージの溶鋼を後溶鋼Bという。 また、定常状態のタンディッシュ内溶鋼保持重量を30tとし、これをタンディッシュ内溶鋼保持重量比率100%とした。 前溶鋼Aとして引張強度800MPa級鋼、後溶鋼Bとして引張強度400MPa級鋼を用いた。 すなわち、後溶鋼Bの方が前溶鋼Aよりも鋳片の高温変形強度が低いものとした。

    図8は、本発明の連続鋳造方法により、異鋼種での連々鋳を行った場合の、連々鋳境界部における、(A)タンディッシュ内溶鋼保持重量の変化を示すグラフ、(B)タンディッシュ内ΔT降下温度の変化を示すグラフ、および(C)鋳片圧下量の変化を示すグラフである。

    図8(A)に示すように、連々鋳境界部では、取鍋からの前溶鋼Aの供給が終了するとタンディッシュ内溶鋼保持重量は次第に減少し、後溶鋼Bの供給を開始すると増加する。 ここまでは、上述の同一鋼種の場合と同様である。

    その後、鋳片の圧下荷重を均一に維持すると、図8(C)に示すように、タンディッシュ内の溶鋼が後溶鋼Bに順次入れ替わるに従って鋳片の高温変形強度が低下するため、圧下量が増大する。

    上述の同一鋼種の場合と同様に、表3の比較例に示すように、連々鋳境界部において、タンディッシュ内溶鋼保持重量を10tまで低下させると、図8(A)〜(C)に示す比較例のように、タンディッシュ内ΔT降下温度は10℃以上(17.0℃)となり、鋳片圧下量は前溶鋼Aの定常状態での圧下量30.0mmから最大で4.6mm減少して25.4mmとなった。 その結果、後溶鋼Bの鋳片に対する目標圧下量へ移行する前に、圧下不足となる部分が発生する。 その結果、鋳片の厚さ方向中心部ではMn偏析度の最大値で1.3以上の偏析が残存していた。

    これに対して、表3の本発明例のように、連々鋳境界部において、タンディッシュ内溶鋼保持重量の最低値を20tとすると、図8(A)〜(C)に示す本発明例のように、タンディッシュ内ΔT降下温度が8.5℃と10℃以下に抑制され、鋳片圧下量の大きな変動がなくなり、十分な圧下量を維持したまま前溶鋼Aから後溶鋼Bへの未凝固圧下量の移行を円滑に行うことができた。 そして、Mn偏析度の最大値で約1.1と、偏析の少ない良好な品質を有する鋳片を連々鋳により得ることができた。

    なお、偏析を低減するための未凝固溶鋼の排出、および圧着による中心ポロシティの低減の観点から、高温変形強度が小さい後溶鋼Bの鋳造でも、前溶鋼Aと同じ鋳片圧下量とするように、圧下量または鋳造速度を変更してもよいことは自明である。

    本発明の連続鋳造方法によれば、連々鋳境界部において適切な圧下が行われるため、安定した品質を有する鋳片を連続して製造し、長尺スラブとして採取することができる。 そのため、鋳片の生産性が向上する。 また、連々鋳境界部における鋳造速度を定常状態での鋳造速度と同じ速度とするため、鋳片の生産効率を低下させることがない。

    したがって、本発明の方法は、鋳片の製造に対して優れた効果を発揮する連続鋳造方法として、広く適用できる技術である。

    1a:タンディッシュ、1b:浸漬ノズル、 2:溶鋼湯面(メニスカス)、
    3:鋳型、 4:溶鋼、 5:凝固シェル、 6:ガイドロール群、
    6a:ガイドロール(従動ロール)、 6b:ガイドロール(駆動ロール)、
    7:圧下ロール対、 8:鋳片、 10:未凝固部、 11:下側パスライン

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