貼付材

阅读:442发布:2024-02-24

专利汇可以提供貼付材专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且弾性繊維、好ましくはポリウレタン弾性繊維から形成した布帛からなる支持体層(a1)と、合成樹脂を含有する通気性を有する、好ましくは発泡した粘着剤層(a2)とからなる粘着テープ(a)、及び、該合成樹脂を含有する通気性を有する、好ましくは発泡した粘着剤層(a2)に隣接する柔軟性のあるフィルム層(b1)、好ましくはポリウレタンフィルム層と、ハイドロコロイド組成物層(b2)とからなるパッド層(b)を備える貼付材。,下面是貼付材专利的具体信息内容。

弾性繊維から形成した布帛からなる支持体層(a1)と、合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤層(a2)とからなる粘着テープ(a)、及び、 該合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤層(a2)に隣接する柔軟性のあるフィルム層(b1)と、ハイドロコロイド組成物層(b2)とからなるパッド層(b) を備える貼付材。前記柔軟性のあるフィルム層(b1)が、ポリウレタンフィルム層である請求項1記載の貼付材。前記支持体層(a1)における弾性繊維が、平均繊維径が3〜25μmのポリウレタン弾性繊維である請求項1記載の貼付材。前記支持体層(a1)における布帛が、不織布、織布または編布である請求項1記載の貼付材。前記粘着剤層(a2)に含有される合成樹脂が、アクリル系樹脂である請求項1記載の貼付材。前記粘着テープ(a)の透湿度が、2000g/m2・24hr以上である請求項1記載の貼付材。前記柔軟性のあるフィルム層(b1)の厚みが、5〜45μmの範囲である請求項1記載の貼付材。前記ハイドロコロイド組成物層(b2)が、 i)ポリイソブチレン、ポリイソプレン、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、アクリル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、及びシリコーン系エラストマーからなる群より選ばれる少なくとも一種であるエラストマー成分;と、 ii)カルボキシメチルセルロース、デキストリン、ペクチン、ゼラチン、ポリアクリル酸ナトリウム、及びポリビニルピロリドンからなる群より選ばれる少なくとも一種である吸湿性物質;とを含有する請求項1記載の貼付材。前記ハイドロコロイド組成物層(b2)が、薬剤を含有するものである請求項1記載の貼付材。前記ハイドロコロイド組成物層(b2)の皮膚面に対する粘着が、0.3〜2N/15mmである請求項1記載の貼付材。前記粘着テープ(a)の面積に対する前記パッド層(b)の面積の比が、5〜50%である請求項1記載の貼付材。前記粘着テープ(a)の通気度が、0.2〜35秒/300cm3である請求項1記載の貼付材。さらに剥離紙(c)を備える請求項1記載の貼付材。前記柔軟性のあるフィルム層(b1)が、充填剤を10〜60質量%含有する請求項1記載の貼付材。

弾性繊維から形成した布帛からなる支持体層(a1)と、合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤層(a2)とからなる粘着テープ(a)、及び、 該合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤層(a2)に隣接する柔軟性、伸縮性、防性及び透湿性を有するフィルム層(b1)と、ハイドロコロイド組成物層(b2)とからなるパッド層(b) を備える貼付材であって、 (i)該粘着テープ(a)の通気度が、0.05〜60秒/300cm3であり、かつ、 (ii)該フィルム層(b1)の透湿度が、1000g/m2・24hr以上である貼付材。前記柔軟性、伸縮性、防水性及び透湿性を有するフィルム層(b1)が、0.01〜10μmの微細孔を設けたポリエチレンフィルム層、炭酸カルシウムを含有させ延伸加工したポリエチレンフィルム層、またはポリウレタンフィルム層である請求項1記載の貼付材。前記柔軟性、伸縮性、防水性及び透湿性を有するフィルム層(b1)が、ポリウレタンフィルム層である請求項1記載の貼付材。前記支持体層(a1)における弾性繊維が、平均繊維径が3〜25μmのポリウレタン弾性繊維である請求項1記載の貼付材。前記支持体層(a1)における布帛が、不織布、織布または編布である請求項1記載の貼付材。前記粘着剤層(a2)に含有される合成樹脂が、アクリル系樹脂である請求項1記載の貼付材。前記柔軟性、伸縮性、防水性及び透湿性を有するフィルム層(b1)の透湿度が、2000g/m2・24hr以上である請求項1記載の貼付材。前記柔軟性、伸縮性、防水性及び透湿性を有するフィルム層(b1)の厚みが、5〜45μmの範囲である請求項1記載の貼付材。前記ハイドロコロイド組成物層(b2)が、 i)ポリイソブチレン、ポリイソプレン、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、アクリル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、及びシリコーン系エラストマーからなる群より選ばれる少なくとも一種であるエラストマー成分;と、 ii)カルボキシメチルセルロース、デキストリン、ペクチン、ゼラチン、ポリアクリル酸ナトリウム、及びポリビニルピロリドンからなる群より選ばれる少なくとも一種である吸湿性物質;とを含有する請求項1記載の貼付材。前記ハイドロコロイド組成物層(b2)が、薬剤を含有するものである請求項1記載の貼付材。前記ハイドロコロイド組成物層(b2)の皮膚面に対する粘着力が、0.3〜2N/15mmである請求項1記載の貼付材。前記粘着テープ(a)の面積に対する前記パッド層(b)の面積の比が、5〜50%である請求項1記載の貼付材。前記粘着テープ(a)の通気度が、0.2〜35秒/300cm3である請求項1記載の貼付材。さらに剥離紙(c)を備える請求項1記載の貼付材。前記柔軟性、伸縮性、防水性及び透湿性を有するフィルム層(b1)が、充填剤を10〜60質量%含有する請求項1記載の貼付材。

说明书全文

本発明は、医療分野、特に切り傷、すり傷、さし傷、かき傷、靴ずれ等の創傷及び軽度の熱傷の治癒の促進、痛みの軽減、湿潤環境の維持、または保護の目的で用いられる貼付材に関し、特に救急絆創膏に適する貼付材に関する。

創傷の治療を行う際、従来は創傷面を乾燥させることに重点を置いた治療が行われてきた。ところが近年、創傷面を湿潤状態にすることにより治癒が促進されることが見いだされ、「ウェットヒーリング」または「モイストヒーリング」として広く認知されるようになり、これを利用した創傷治療材が種々開発されている。比較的早期に開発されたハイドロコロイド創傷被覆材は、疎性の樹脂基材中に、親水性コロイドを分散させ、コロイドが、傷口に出てくる滲出液を吸収することにより、適度な湿潤状態を維持するよう設計されている。例えば、ハイドロコロイドドレッシング材と呼ばれるものは、創傷からの滲出液を吸収することができる。

ハイドロコロイドドレッシング材は、支持体布帛または支持体フィルムの片面に体液吸液性と皮膚接着性を兼ね備えるハイドロコロイドの膏体層を設けたものである(特許文献1)。膏体層は、その吸液性によって貼付部位から滲出する体液を速やかに吸収するだけでなく、粘着性を備えているため、貼付部位の皮膚面形状に次第に密着する。該ハイドロコロイドの膏体層と裏打ち材とからなるパッドを粘着シートの粘着剤層の中央域に載置してなる貼付材(以下、「救急絆創膏」ということがある。)も知られている(特許文献2)。

しかし、従来のハイドロコロイドドレッシング材等は、それ自体で皮膚に接着する機能を持たせなければならないため、必要以上の接着で皮膚に接着させることになり、この結果、皮膚から剥離するときに痛みを伴うことがあるため、改良の余地があった。

すなわち、創傷部の保護と治癒及び健常皮膚の状態維持という点で、i)創傷部の湿潤環境を維持し、正常な皮膚は過度な湿潤環境にしない、ii)創傷部に密着することができるとともに、創傷部を傷つけず、貼付中の動きで剥がれず、パッド部位サイドからの水の浸入を防ぐことができるような粘着力を有する、iii)皮膚から剥離するときの痛みが小さい、などの特性を備える貼付材が、求められていた。

特開2000−37413号公報

特開2002−639号公報

本発明の課題は、創傷部は湿潤環境を維持し、正常な皮膚は過度な湿潤環境にならず、貼付材を剥離するとき、創傷部及び正常皮膚部ともに痛みが小さく、創傷回りの正常な皮膚を変形させず、日常生活レベルの水の使用によるハイドロコロイド部への水の浸入を防止することができる救急絆創膏などの貼付材を提供することにある。

本発明者らは、上記の課題を解決することについて鋭意研究した結果、支持体層と粘着剤層とからなる粘着テープの材料、及び、ハイドロコロイドの層を備えるパッド層の構成を特定のものとすることにより課題を解決できることを見いだし、本発明を完成した。

すなわち、本発明によれば、弾性繊維から形成した布帛からなる支持体層(a1)と、合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤層(a2)とからなる粘着テープ(a)、及び、該合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤層(a2)に隣接する柔軟性のあるフィルム層(b1)と、ハイドロコロイド組成物層(b2)とからなるパッド層(b)を備える貼付材が提供される。

また、本発明によれば、実施の態様として、以下(1)〜(13)の貼付材が提供される。

(1)前記柔軟性のあるフィルム層(b1)が、ポリウレタンフィルム層である前記の貼付材。

(2)前記支持体層(a1)における弾性繊維が、平均繊維径が3〜25μmのポリウレタン弾性繊維である前記の貼付材。

(3)前記支持体層(a1)における布帛が、不織布、織布または編布である前記の貼付材。

(4)前記粘着剤層(a2)に含有される合成樹脂が、アクリル系樹脂である前記の貼付材。

(5)前記粘着テープ(a)の透湿度が、2000g/m2・24hr以上である前記の貼付材。

(6)前記柔軟性のあるフィルム層(b1)の厚みが、5〜45μmの範囲である前記の貼付材。

(7)前記ハイドロコロイド組成物層(b2)が、 i)ポリイソブチレン、ポリイソプレン、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、アクリル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、及びシリコーン系エラストマーからなる群より選ばれる少なくとも一種であるエラストマー成分;と、 ii)カルボキシメチルセルロース、デキストリン、ペクチン、ゼラチン、ポリアクリル酸ナトリウム、及びポリビニルピロリドンからなる群より選ばれる少なくとも一種である吸湿性物質;とを含有する前記の貼付材。

(8)前記ハイドロコロイド組成物層(b2)が、薬剤を含有するものである前記の貼付材。

(9)前記ハイドロコロイド組成物層(b2)の皮膚面に対する粘着力が、0.3〜2N/15mmである前記の貼付材。

(10)前記粘着テープ(a)の面積に対する前記パッド層(b)の面積の比が、5〜50%である前記の貼付材。

(11)前記粘着テープ(a)の通気度が、0.2〜35秒/300cm3である前記の貼付材。

(12)さらに剥離紙(c)を備える前記の貼付材。

(13)前記柔軟性のあるフィルム層(b1)が、充填剤を10〜60質量%含有する前記の貼付材。

本発明によれば、弾性繊維から形成した布帛からなる支持体層(a1)と、合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤層(a2)とからなる粘着テープ(a)、及び、該合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤層(a2)に隣接する柔軟性のあるフィルム層(b1)と、ハイドロコロイド組成物層(b2)とからなるパッド層(b)を備える貼付材であることによって、創傷部は湿潤環境を維持し、正常な皮膚は過度な湿潤環境にならず、貼付材を皮膚から剥離するときの痛みがなく、創傷回りの正常な皮膚を変形させず、日常生活レベルの水の使用によるハイドロコロイド部への水の浸入を防止することができる貼付材が提供されるという効果が奏される。

本発明の貼付材の一例の略断面図である。

本発明の貼付材は、弾性繊維から形成した布帛からなる支持体層(a1)と、合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤層(a2)とからなる粘着テープ(a)、及び、該合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤層(a2)に隣接する柔軟性のあるフィルム層(b1)と、ハイドロコロイド組成物層(b2)とからなるパッド層(b)を備える貼付材である。

1.弾性繊維から形成した布帛からなる支持体層(a1) 本発明の貼付材において、粘着テープ(a)は、支持体層と粘着剤層とから形成される。粘着テープ(a)を形成する支持体層は、弾性繊維から形成した布帛からなる支持体層(a1)である。

弾性繊維から形成した布帛としては、ポリウレタン弾性繊維、ポリアクリル弾性繊維、ポリエステル弾性繊維、ゴム弾性繊維、その他の弾性繊維を用いた不織布、織布または編布を使用することができる。弾性繊維として、好ましくは、ポリウレタン弾性繊維である。また、布帛として、好ましくは、不織布である。弾性繊維としては、平均繊維径が、通常3〜25μm、好ましくは4〜20μm、より好ましくは5〜15μmの範囲のものを使用することができる。したがって、支持体層(a1)における弾性繊維は、平均繊維径が3〜25μmのポリウレタン弾性繊維であることが、特に好ましい。また、弾性繊維から形成した布帛は、目付が、通常20〜300g/m2、好ましくは25〜250g/m2、より好ましくは30〜200g/m2の範囲であり、厚みが、通常50〜500μm、好ましくは80〜450μm、より好ましくは120〜400μmの範囲である。布帛からなる支持体層(a1)の厚みが500μmを超えると、貼付材が、皮膚の動きに追随しにくくなり、短期間で皮膚から剥離したり、貼付中の違和感が増えたりすることがある。支持体層(a1)の厚みが50μm未満であると、貼付材の強度が不足し、また、短期間で皮膚から剥離することがある。

支持体層(a1)として、特に好ましく使用されるポリウレタン弾性繊維から形成した不織布としては、例えば、ポリウレタン弾性繊維が積層され、その弾性繊維の接触点が該弾性繊維自体によって接合されているようなもので、タピルス(登録商標、タピルス株式会社製)、エスパンシオーネ(登録商標、KBセーレン株式会社製)その他の市販品も好適に使用できる。

弾性繊維から形成する不織布は、公知の不織布の製造方法であるメルトブロー法、スパンボンド法、エアレイド法、ニードルパンチ法などを採用することができる。また、不織布は、そのままで、またはエンボス加工した後、巻き取られ、不織布となる。

弾性繊維から形成した不織布等の布帛には、必要に応じて、通常使用される添加剤、例えば紫外線吸収剤、老化防止剤、充填剤、顔料、着色剤、難燃剤、帯電防止剤などを添加することができる。これらの添加剤は、繊維の原料に配合してもよいし、不織布等の布帛に表面処理を行って添加してもよく、透湿性を損なわない限り、その種類に応じて通常の量で用いられる。

また、弾性繊維から形成した不織布等の布帛に、該弾性繊維と親和性及び接着性がある合成樹脂を含浸させてもよい。該合成樹脂には、弾性繊維と接着できるように適宜の接着剤を混合して使用することができ、ポリウレタン弾性繊維やポリアクリル弾性繊維から形成した不織布の場合には、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂を使用すると該不織布等の布帛の繊維(フィラメント)との接着性がよい。

2.合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤層(a2) 〔粘着剤〕 本発明の貼付材において、粘着テープ(a)は、支持体層と粘着剤層とから形成される。粘着テープ(a)を形成する粘着剤層は、合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤層(a2)である点に特徴を有する。

粘着剤層(a2)を形成する粘着剤に含有される合成樹脂は、皮膚刺激性が低いものであれば特に制限はなく、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系、ゴム系、ポリビニルアルコール系、ポリアミド系、ポリ酢酸ビニル系、その他の合成樹脂を含有する粘着剤を使用することができる。これらの粘着剤の中でも、アクリル系樹脂からなるアクリル系粘着剤;ポリエーテル系ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン等のウレタン系粘着剤;オルガノポリシロキサン、アルキルアリールポリシロキサン等のシリコーン系粘着剤;ポリイソブチレン、ブチルゴム、スチレン・ブタジエン共重合体(SBR)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)やSBRの水素添加物等のゴム系粘着剤;が好ましく用いられる。アクリル系粘着剤が、粘着性及び皮膚刺激性の観点から、特に好ましい。

アクリル系粘着剤に含有されるアクリル系樹脂としては、炭素数が1〜15、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜10の範囲内であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの単独重合体、または、2種以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重合体、あるいは、該(メタ)アクリル酸アルキルエステルの1種以上と、これと共重合可能な他のモノマーの1種以上とを共重合してなる共重合体が挙げられる。

(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル等のアクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸イソアミル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸イソオクチル、メタクリル酸イソノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ドデシル等のメタクリル酸アルキルエステル;等が挙げられる。

(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な他のモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸等のカルボキシル基含有単量体;アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等の水酸基含有単量体;アクリル酸メトキシジエチレングリコール、メタクリル酸メトキシジエチレングリコール、アクリル酸メトキシジプロピレングリコール、メタクリル酸メトキシジプロピレングリコール、アクリル酸エトキシジエチレングリコール等の(メタ)アクリル酸アルコキシポリアルキレングリコールエステル;N,N−ジメチルアミノメチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N−t−ブチルアミノエチルアクリレート等のアミノ基含有単量体;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有単量体;グリシジルメタクリレート等のグリシジル基含有単量体;酢酸ビニル等のビニルエステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル;スチレン等のビニル芳香族化合物;塩化ビニル;ビニルピロリドン等のビニル系単量体などが挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な他のモノマーとして好ましいのは、酢酸ビニルである。なお、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び「メタクリル」を総称する表現である(以下、同様。)。アクリル系樹脂において、(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、通常50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70〜97質量%、更に好ましくは75〜95質量%の割合で用いられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な他のモノマーは、通常50質量%以下、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30〜3質量%、更に好ましくは25〜5質量%の割合で用いられる。

アクリル系樹脂は、特に製造方法が限定されず、一般に採用される溶液重合法、懸濁重合法または乳化重合法により製造することができる。

これら粘着剤は、粘着特性を調整するために、所望により、粘着付与剤を配合することができる。粘着付与剤としては、例えば、テルペン系、テルペンフェノール系、クマロンインデン系、スチレン系、ロジン系、キシレン系、フェノール系、石油系などの粘着付与樹脂を挙げることができる。また、アクリル系樹脂には、必要に応じて、さらに、ポリイソシアネート、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、過酸化物、金属キレート化合物等の架橋剤;軟化剤、充填剤、酸化防止剤などを添加することができる。これらの粘着付与剤は、多くの場合、アクリル系樹脂100質量部に対して、20質量部以下、好ましくは15質量部以下を用いることができる。また、添加剤は、同じく10質量部以下、より好ましくは0.01〜5質量部、添加剤の種類によっては、更に好ましくは0.02〜2質量部の割合で用いることができる。

〔合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤層〕 本発明の貼付材における粘着剤層は、合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤層(a2)である。該合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤層(a2)は、それ自体は公知のものであり、JIS P8117に準拠して、ガーレー式デンソメーター(テスター産業株式会社)を使用して測定した通気度が60秒/300cm3以下の粘着剤である。粘着剤層の通気度は、より好ましくは0.05〜50秒/300cm3、更に好ましくは0.1〜40秒/300cm3、特に好ましくは0.2〜35秒/300cm3である。粘着剤層(a2)自体の通気性を測定することはできないため、不織布や織布など、粘着剤層(a2)以上の通気性がある材料と積層した状態で測定を行った値を、粘着剤層(a2)の通気性とする。粘着剤層(a2)の通気度の測定は、具体的には、以下のとおりである。すなわち、5cm×5cmの大きさに裁断した粘着テープ(a)〔支持体層(a1)及び粘着剤層(a2)とからなる。〕を、締付板(土台)に貼付する。締付板を透過する面積は645.16mm2とする。ガーレー式デンソメーターの内側シリンダーを引き出し、ストッパーにセットした後、締付板の間に試験片を締め付ける。内側シリンダーを静かに下降させ、300cm3の空気量が通過する秒数を測定して得た粘着テープ(a)の通気度を、粘着剤層(a2)の通気度(秒/300cm3)とする。したがって、特に好ましい粘着テープ(a)の通気度は、0.2〜35秒/300cm3である。

粘着剤層として、合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤で形成した粘着剤層(a2)を用いることにより、該粘着剤層及び貼付材の通気性やクッション性が良好となり、また、皮膚に対する追従性が向上して、皮膚への密着性が良好となる。本発明における合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤層(a2)は、通常の方法で得ることができる。具体的には、粘着剤と、空気、窒素ガス、炭酸ガス等の物理的発泡剤や分解型の化学発泡剤、水溶液や有機溶剤とを混合した後に、剥離紙に塗工し、あるいは、粘着剤を、あらかじめ水溶液や有機溶剤を塗布または散布した剥離紙に塗工し、次いで、加熱を行って、発泡または気化作用を利用する発泡方法のほか、塗工後の未乾燥の粘着剤表面に霧状の水分を塗布して、微細な孔を形成する方法、粘着剤を糸状・繊維状に剥離紙上に吐出する方法などが挙げられ、これらの方法により、合成樹脂中に多数の微細な孔を有する粘着剤層が形成される。微細かつ均一な孔を形成することができる観点から、より好ましくは発泡による方法である。合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤層(a2)は、発泡倍率が、通常1.1〜10倍、好ましくは1.2〜8倍、より好ましくは1.5〜6倍、更に好ましくは2〜5倍の範囲であり、密度が、通常0.1〜0.9g/cm3、好ましくは0.12〜0.8g/cm3、より好ましくは0.15〜0.6g/cm3、更に好ましくは0.2〜0.5g/cm3の範囲である。合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤層(a2)は、通常支持体層(a1)の一方の面の全面に設けられるが、所望により、支持体層(a1)の全面に設けず、一部分に設けることもできる。合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤層(a2)の厚みは、特に限定されないが、通常10〜200μm、好ましくは15〜150μm、より好ましくは20〜100μmの範囲である。

3.粘着テープ(a) 本発明の貼付材は、弾性繊維から形成した布帛からなる支持体層(a1)と、合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤層(a2)とからなる粘着テープ(a)を備えるものである。

〔粘着テープ(a)の透湿度〕 本発明の貼付材は、弾性繊維から形成した布帛からなる支持体層(a1)と、合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤層(a2)とからなる粘着テープ(a)の透湿度が、2000g/m2・24hr以上であることが好ましく、貼付材を皮膚面に貼付したとき、発汗により剥離したり、かぶれが生じたりすることが効果的に抑制される。粘着テープ(a)の透湿度は、より好ましくは2500g/m2・24hr以上、更に好ましくは3000g/m2・24hr以上、特に好ましくは3500g/m2・24hr以上である。粘着テープ(a)の透湿度の上限は、通常50000g/m2・24hr程度である。粘着テープ(a)の透湿度は、弾性繊維から形成した布帛からなる支持体層(a1)と、合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤層(a2)とからなる粘着テープ(a)について、JIS Z0208の(塩化カルシウム法)に従って、温度40℃、相対湿度90%の測定条件で測定したものである。具体的には、粘着テープ(a)の粘着剤層側の雰囲気を温度40℃、相対湿度90%に調節し、他面側には約15gの吸湿剤(塩化カルシウム)を置いて、試料を通過した水分を吸収させ、吸湿剤の質量変化量を1m2、24時間当りに換算して透湿度とする。

〔粘着テープ(a)の粘着力〕 本発明の貼付材における粘着テープ(a)の粘着力、具体的には、合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤層(a2)の粘着剤の粘着力は、対ユポ粘着力(剥離力)として、好ましくは0.5〜4.2N/15mm、より好ましくは0.7〜3.5N/15mm、更に好ましくは0.8〜3.1N/15mmの範囲内であることが望ましい。粘着テープ(a)の粘着力が、この範囲内であることにより、本発明の貼付材を皮膚面に貼付した場合、十分な貼付性能を備え、貼付中に位置ずれが生じたりしないとともに、該貼付材を剥離するときには、皮膚の創傷部位はもちろん、創傷回りの正常な皮膚表面を剥離したり、かぶれを発生したりするおそれがない。また、上記の粘着力とすることで、パッド層(b)を形成するポリウレタンフィルムとの接着を良好なものにし、投錨性が十分担保されるため、貼付材の使用中にパッド層(b)がずれるなどの不都合がない。

粘着テープ(a)の粘着力の測定方法は以下のとおりである。すなわち、粘着テープ(a)を、幅15mm×長さ15mm以上、好ましくは100mmの所定の長さに裁断して試験片とする。一方、ベークライト製試験パネルに、ユポ(登録商標)FPG−130 (株式会社ユポ・コーポレーション製の合成紙) を両面テープで貼り付けて対ユポ粘着力試験パネルを作製する。試験片を対ユポ粘着力試験パネルに押しつけて貼着させた後、2kgのローラーで圧着速さ300mm/分、圧着回数1往復で貼着させて試験片を調製する。貼着してから20分間経過した後、JIS Z0237に準拠し、剥離度180°、剥離速度300mm/分の条件で、粘着力を測定する。

4.粘着テープ(a)の製造方法 本発明の貼付材における粘着テープ(a)は、弾性繊維から形成した布帛からなる支持体層(a1)と、合成樹脂を含有する通気性を有する、好ましくは発泡した粘着剤層(a2)とからなる。粘着テープ(a)の製造方法は、特に限定されないが、弾性繊維から形成した不織布等の布帛からなる支持体層(a1)の上に、粘着剤となる合成樹脂の溶液またはエマルションを直接塗工し、該粘着剤を発泡させることによって、発泡した合成樹脂を含有する粘着剤層(a2)を形成してもよい。また、シリコーン系剥離剤等を塗布した工程紙上に、粘着剤となる合成樹脂の溶液またはエマルションを塗工し、該粘着剤を発泡させることによって、発泡した合成樹脂を含有する粘着剤層(a2)を形成した後に、弾性繊維から形成した不織布等の布帛からなる支持体層(a1)と積層する方法を採用することもできる。粘着剤層(a2)が、支持体層(a1)の全面に設けられない場合、その他所望により、粘着剤となる合成樹脂の溶液またはエマルションの塗工を、点状、縞状その他のパターンによって行えばよい。

5.パッド層(b) 本発明の貼付材は、柔軟性のあるフィルム層(b1)と、ハイドロコロイド組成物層(b2)とからなるパッド層(b)を備えるものである。パッド層(b)は、あらかじめ形成した柔軟性のあるフィルム層(b1)とハイドロコロイド組成物層(b2)とを、接着その他の方法により一体化させてもよいし、後述するように、柔軟性のあるフィルム上に上記ハイドロコロイド組成物を押し出すことによって、柔軟性のあるフィルム層(b1)と一体となったハイドロコロイド組成物層(b2)を形成して、パッド層(b)を得てもよい。

6.柔軟性のあるフィルム層(b1) 本発明の貼付材におけるパッド層(b)を形成する柔軟性のあるフィルム層(b1)は、前記の合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤層(a2)に隣接する柔軟性のあるフィルム層(b1)である。すなわち、弾性繊維から形成した不織布等の布帛からなる支持体層(a1)と反対側の面に、柔軟性のあるフィルム層(b1)を備えるものである。柔軟性のあるフィルム層(b1)は、前記の合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤層(a2)と、後述のハイドロコロイド組成物層(b2)との間にあって、ハイドロコロイド組成物層(b2)が吸収した水分を前記の粘着テープ(a)側に移行させる高透湿性を備えるとともに、該ハイドロコロイド組成物層(b2)を支持する強度と伸縮性とを併せ備え、かつ、貼付材外部からの水分の浸入を防止する機能を有する裏打ち材である。

したがって、該柔軟性のあるフィルム層(b1)は、前記した粘着テープ(a)の透湿度の測定方法と同様の方法により測定した透湿度が1000g/m2・24hr以上であることが好ましく、より好ましくは2000g/m2・24hr以上、更に好ましくは3000g/m2・24hr以上、特に好ましくは3500g/m2・24hr以上である。粘着剤層の透湿度の上限は、通常10000g/m2・24hr程度、多くの場合8000g/m2・24hr程度である。

柔軟性のあるフィルム層(b1)とは、皮膚に対する追従性があり、貼付材を皮膚に密着させることが可能な程度に柔軟なフィルムから形成されたフィルム層である。柔軟性のあるフィルム層(b1)を形成する素材は、従来から公知の素材を用いることができるが、熱可塑性の樹脂で、ヒト皮膚に対する安全性が確認されており、フィルム状としたときに、柔軟性、伸縮性が認められ、日常防水性があり、高透湿性の機能を備えるものを用いることが好ましい。具体的には、LLDPE、LDPE等のポリエチレン製のフィルムに0.01〜10μm程度の微細孔を設けたものや、炭酸カルシウム等を含有させ、所望により延伸加工したもののほか、ポリウレタンを素材とするポリウレタンフィルムが好ましい。特に、柔軟性のあるフィルム層(b1)をポリウレタンフィルム層とすると、引張り応力が他の素材よりも優れるため、関節などの稼動部付近の皮膚の創傷部にも柔軟に適合するので、より好ましい。ポリウレタンフィルム層を形成するためのポリウレタンは、ポリエーテル系ポリウレタンまたはポリエステル系ポリウレタンのいずれも使用することができる。ポリウレタンフィルムは、通常のポリウレタンフィルムの製造方法によって得ることができ、また、シルクロン(登録商標)NES85(大倉工業株式会社社製)、DINTEX(登録商標)FT1080−PE、DINTEXFT1881−PE(日本ユニポリマー株式会社製)、サンプレン(登録商標)HMP−17A(三洋化成工業株式会社製)等として、それぞれ入手可能であり、該ポリウレタンフィルムをポリウレタンフィルム層(b1)に用いることもできる。ポリウレタンフィルムの一方の表面または両面にコロナ処理や下塗り処理などを行ってもよい。

また、柔軟性のあるフィルム層(b1)は、充填剤を含有することもできる。充填剤としては、シリカ、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム等が挙げられ、充填剤の含有により、該柔軟性のあるフィルム層(b1)の前記粘着テープ(a)の粘着剤層(a2)に対する粘着力が向上する。この結果、貼付材を皮膚から剥離するときに、パッド層(b)が皮膚に残存してしまうことを確実に防止することができる。柔軟性のあるフィルム層(b1)中の充填剤の含有量は、通常10〜60質量%、好ましくは20〜55質量%、好ましくは30〜50質量%である。特に、該柔軟性のあるフィルム層(b1)がポリウレタンフィルム層であり、充填剤として、シリカを含有する場合は、水仕事や入浴等により、貼付材が湯水に触れても、前記の粘着力の低下が少ないので好ましい。

〔柔軟性のあるフィルム層(b1)の粘着剤層(a2)に対する粘着力〕 前記柔軟性のあるフィルム層(b1)の前記粘着テープ(a)の粘着剤層(a2)に対する粘着力は、以下の方法に従って剥離力を測定することにより評価することができる。すなわち、粘着テープ(a)を、幅15mm以上×長さ15mm以上、好ましくは70mmの所定の長さに裁断して試験片とする。一方、ベークライト製試験パネルに、幅15mm以上×長さ20mm以上の大きさを持つパッド層(b)〔柔軟性のあるフィルム層(b1)及びハイドロコロイド組成物層(b2)とからなる。〕のハイドロコロイド組成物層(b2)の面を貼り付けて、粘着テープ(a)の粘着剤層(a2)を、前記柔軟性のあるフィルム層(b1)上に押し付けて貼着させた後、2kgのローラーで圧着速さ300mm/分、圧着回数1往復で貼着させて試験片を調製する。貼着してから20分間経過した後、JIS Z0237に準拠して、剥離角度180°、剥離速度300mm/分の条件で粘着力を測定する(以下、「乾燥剥離力」ということがある。単位:N/15mm。n=3の平均値)。一方、前記のように貼着してから20分間、温度42℃に保った湯浴中に試験片を浸漬した後に、余分な水分をふき取り、剥離角度180°、剥離速度300mm/分の条件で剥離力を測定する(以下、「湯浴浸漬後剥離力」ということがある。単位:N/15mm。n=3の平均値)。本発明の貼付材は、乾燥剥離力が、通常1.5〜3N/15mmの範囲であり、好ましくは2.2〜2.9N/15mm、より好ましくは2.3〜2.8N/15mm、更に好ましくは2.4〜2.7N/15mmの範囲であり、また、湯浴浸漬後剥離力が、通常1.5〜2.9N/15mmの範囲であり、好ましくは2〜2.8N/15mm、より好ましくは2.2〜2.7N/15mm、更に好ましくは2.4〜2.6N/15mmの範囲である。また、乾燥剥離力に対する乾燥剥離力と湯浴浸漬後剥離力との差分の比率である湿潤低下率(以下、単に「低下率」ということがある。単位:%)は、通常9%以下であり、好ましくは7.5%以下、より好ましくは6%以下、更に好ましくは4%以下であることが望まれる。

柔軟性のあるフィルム層(b1)の厚みは、通常5〜45μm、好ましくは6〜40μm、より好ましくは7〜35μmである。厚みが小さすぎると、強度と水分の浸入防止機能が不足し、製造時の取り扱い性が悪化するおそれがある。厚みが大きすぎると、貼付材全体としての高透湿性が発揮されず、また伸縮性が不足するおそれがある。

7.ハイドロコロイド組成物層(b2) 本発明の貼付材におけるパッド層(b)を形成するハイドロコロイド組成物層(b2)は、前記の柔軟性のあるフィルム層(b1)の合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤層(a2)と反対側の面に設けられる。

〔ハイドロコロイド組成物〕 本発明の貼付材におけるハイドロコロイド組成物層(b2)に含有されるハイドロコロイド組成物とは、例えば、アクリル系、シリコーン系、ウレタン系、ポリ酢酸ビニル系、天然ゴム系、合成ゴム系等の粘着性を有する高分子材料に、例えば、カルボキシメチルセルロース、カラヤガム、デキストリン、ペクチン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム等の吸液性、特に吸水性を有する親水性高分子化合物を吸湿性物質(以下、「吸収剤」ということがある。)として加えてなるものである。

粘着性を有する高分子材料としては、皮膚刺激性及び保形性の観点から、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)等の合成ゴムやアクリル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、及びシリコーン系エラストマー等のエラストマーを主成分とするものが好ましく、特に好ましくはSISが用いられ、市販品として、クインタック3421(登録商標、日本ゼオン株式会社製)等がある。これらの材料は、1種または2種以上を用いることができる。

粘着性を有する高分子材料には、該ハイドロコロイド組成物層(b2)に適度な粘着性を付与するために、粘着付与樹脂を添加することができる。好ましい粘着付与樹脂としては、ロジンエステル樹脂、テルペン系樹脂、脂環族系樹脂、及び、それらの水添物が挙げられ、市販品として、アルコンP125(登録商標、荒川化学工業株式会社製の水素化石油樹脂)等がある。粘着付与樹脂は、粘着性を有する高分子材料100質量部に対して、通常200質量部以下、好ましくは190質量部以下、より好ましくは180質量部以下の添加量とする。また、粘着性を有する高分子材料には、更に軟化剤(可塑剤)を添加することができる、好ましい軟化剤としては、流動パラフィンなどの石油系軟化剤;液状ポリイソプレン、ポリブテン、ポリイソブチレンなどの液状ゴム系軟化剤;フタル酸エステル、アジピン酸エステル等の二塩基酸エステル系可塑剤;ポリエチレングリコール、クエン酸エステル等のその他の可塑剤;などが挙げられる。軟化剤の添加量は、粘着性を有する高分子材料100質量部に対して、通常100質量部以下、好ましくは90質量部以下、より好ましくは80質量部以下の添加量とする。

吸湿性物質としては、カルボキシメチルセルロース(以下、「CMC」ということがある。)、デキストリン、ペクチン、ゼラチン、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、グアーガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カルシウム、カラギーナン、コラーゲン等が好ましく用いられる。CMCの市販品としては、セロゲンF−3H(登録商標、第一工業製薬株式会社製)等がある。

粘着性を有する高分子材料と吸湿性物質との、特に好ましい組み合わせは、 i)ポリイソブチレン、ポリイソプレン、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、アクリル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、及びシリコーン系エラストマーからなる群より選ばれる少なくとも一種であるエラストマー成分;と、 ii)カルボキシメチルセルロース、デキストリン、ペクチン、ゼラチン、ポリアクリル酸ナトリウム、及びポリビニルピロリドンからなる群より選ばれる少なくとも一種である吸湿性物質;とを含有するハイドロコロイド組成物層(b2)である。

吸湿性物質は、ハイドロコロイド組成物中において、粘着性を有する高分子材料25〜90質量%に対して、75〜10質量%となるように含有させることができる。好ましくは前記高分子材料30〜85質量%に対して、吸湿性物質70〜15質量%、より好ましくは前記高分子材料35〜80質量%に対して、吸湿性物質65〜20質量%となる含有量であり、特に好ましくは前記高分子材料40〜75質量%に対して、吸湿性物質60〜25質量%となるように、吸湿性物質を含有させることが、吸液性、特に吸水性、創傷部位との接着性、及び適度な保形性(側面からの膏体のはみだし防止性)の観点から望ましい。高分子材料が、必要に応じて添加する粘着付与樹脂及び/または軟化剤を含有する場合は、高分子材料と、粘着付与樹脂及び/または軟化剤との合計量に対して、吸湿性物質を、前記した高分子材料と吸湿性物質との含有比率と同様の比率で含有させるようにすればよい。

ハイドロコロイド組成物には、前記粘着性を有する高分子材料及び吸湿性物質のほかに、通常5質量%以下の他の任意成分を含有させることができる。例えば、酸化防止剤、脱臭剤、芳香剤を含有させることができる。内部凝集力を高めるために架橋剤を適宜含有させてもよい。

特に、該ハイドロコロイド組成物層(b2)は、創傷部位に接触するものであることから、薬理学上有効な薬剤を所要量含有させてもよい。ハイドロコロイド組成物に含有させる薬理学上有効な薬剤としては、抗生物質、殺菌剤や抗菌剤(アクリノール、塩化ベンザルコニウム、銀系化合物等)、消毒剤、抗炎症剤及び皮膚保護剤などが挙げられ、これらは通常3質量%以下、好ましくは2質量%以下の含有量でもよい。さらに、ハイドロコロイド組成物には、該組成物中1質量%以下の物理的補強剤(粘着性を有する高分子材料等とフアンデル・ワールズ結合を形成する。)を含有させることもでき、例えば、カーボンブラツク、ポリアラミド類、水和化シリカ類等が挙げられる。

ハイドロコロイド組成物層(b2)の厚みは、通常100μm〜2mm、好ましくは150μm〜1.5mm、より好ましくは200μm〜1mmの範囲である。厚みが小さすぎると、創傷部位からの浸出液の吸収が不足することがあり、厚みが大きすぎると、伸縮性が悪くなり、貼付時に創傷部位にストレスを与えるなどの不具合がある。

ハイドロコロイド組成物層(b2)は、前記のハイドロコロイド組成物を、加熱しながら混合し、得られた混合物を押し出し、ロールまたはプレス成形して所望厚みの成形物とし、該成形物を所定の寸法及び形状に切り出すことによって製造することができる。また、前記柔軟性のあるフィルム層(b1)を形成するポリウレタンのフィルム上に上記ハイドロコロイド組成物を押し出すことによって、柔軟性のあるフィルム層(b1)と一体となったハイドロコロイド組成物層(b2)を形成することもできる。

〔ハイドロコロイド組成物層(b2)の吸水率〕 パッド層(b)を形成するハイドロコロイド組成物層(b2)としては、自重の50〜400質量%の吸水率(吸液率)を有するものを採用することが好ましい。吸水率は、より好ましくは100〜250質量%である。吸水率は、パッド層(b)を形成するハイドロコロイド組成物層(b2)を温度37℃の生理食塩水中に24時間浸漬する前後の質量から算出したものである。吸水率が小さすぎると、創傷部位から滲出する体液を充分に吸収しきれず、周囲に体液が漏れ、衣服を汚したり、健常皮膚部への多量の水分により悪い影響を及ぼすことがある。吸水率が大きすぎると、多くのハイドロコロイド組成物層(b2)が体液を吸収しすぎて軟化し、創傷部位を含む貼付皮膚面に残留するおそれが生じることもある。

〔ハイドロコロイド組成物層(b2)の粘着力〕 パッド層(b)を形成するハイドロコロイド組成物層(b2)は、創傷部位を含む貼付皮膚面に貼付されるものであり、創傷部位及び健常皮膚に損傷を与えることなく剥離できるものでなければならないこと、及び背面に配置される柔軟性のあるフィルム層(b1)に対する投錨性を良好に保つ必要があることから、所定の粘着力を有することが望ましい。したがって、ハイドロコロイド組成物層(b2)の粘着力は、皮膚面に対する粘着力と、対ユポ粘着力とを測定して、評価する。

ハイドロコロイド組成物層(b2)の皮膚面に対する粘着力は、好ましくは0.3〜2N/15mm、より好ましくは0.4〜1.5N/15mm、更に好ましくは0.5〜1N/15mmの範囲である。また、好ましくは、皮膚面に対するハイドロコロイド組成物層(b2)の粘着力を、皮膚面に対する粘着テープ(a)の粘着力より小さくすることにより、創傷部位及び健常皮膚に損傷を与えることなく貼付材を剥離することができる。皮膚面に対するハイドロコロイド組成物層(b2)の粘着力の測定方法は、以下のとおりである。すなわち、幅15mm×長さ15mm以上、好ましくは70mmの所定の長さに裁断したハイドロコロイド組成物層(b2)〔あらかじめ形成したハイドロコロイド組成物層(b2)でもよいし、柔軟性のあるフィルム層(b1)と一体となったハイドロコロイド組成物層(b2)でもよい。〕を支持テープに固定し、該支持テープの反対側の面にあるハイドロコロイド組成物層(b2)を、所定人数の被験者の前腕内側部位 (肘から手首方向に向かって30〜65%の範囲とする。) に貼付し、手のひらを10秒間押し当てて圧着する。貼付してから20分間経過した後、JIS Z0237に準拠し、剥離角度90°、剥離速度100mm/分の条件で、粘着力を測定する。

柔軟性のあるフィルム層(b1)に対する投錨性を良好に保つために、ハイドロコロイド組成物層(b2)の対ユポ粘着力は、好ましくは0.3〜4N/15mm、より好ましくは0.4〜3.5N/15mm、更に好ましくは0.5〜3N/15mmの範囲である。また、好ましくは、ハイドロコロイド組成物層(b2)の対ユポ粘着力を、粘着テープ(a)の対ユポ粘着力より小さくすることにより、貼付材を皮膚面から剥離するときに、粘着テープ(a)からのパッド層(b)の脱落を防止することができる。ハイドロコロイド組成物層(b2)の対ユポ粘着力の測定方法は、以下のとおりである。すなわち、ハイドロコロイド組成物層(b2)〔あらかじめ形成したハイドロコロイド組成物層(b2)でもよいし、柔軟性のあるフィルム層(b1)と一体となったハイドロコロイド組成物層(b2)でもよい。〕を支持テープに固定し、幅15mm×長さ15mm以上、好ましくは、70mmに裁断して試験片とする。一方、ベークライト製試験パネルに、ユポ(登録商標)FPG−130 (株式会社ユポ・コーポレーション製の合成紙) を両面テープで貼り付けて対ユポ粘着力試験パネルを作製する。試験片を対ユポ粘着力試験パネルに押しつけて貼着させた後、2kgのローラーで圧着速さ300mm/分、圧着回数1往復で貼着させて試験片を調製する。貼着してから20分間経過した後、JIS Z0237に準拠し、剥離角度90°、剥離速度100mm/分の条件で、粘着力を測定する。

8.貼付材 本発明の貼付材は、弾性繊維から形成した布帛からなる支持体層(a1)と、合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤層(a2)とからなる粘着テープ(a)、及び、該合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤層(a2)に隣接する柔軟性のあるフィルム層(b1)と、ハイドロコロイド組成物層(b2)とからなるパッド層(b)を備える貼付材である。

本発明の貼付材は、上記(a1)〜(b2)の各層を順に積層してなる貼付材であって、特に、 (1)弾性繊維から形成した布帛からなる支持体層(a1)を備えることにより、伸縮性、透湿性、皮膚への追随性及び引張強度に優れた貼付材を提供することができ、 (2)合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤層(a2)を備えることにより、透湿性、通気性、クッション性及び皮膚への追随性に優れ、皮膚刺激性が少ない貼付材を提供することができ、 (3)柔軟性のあるフィルム層(b1)を、合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤層(a2)に隣接させ、ハイドロコロイド組成物層(b2)を積層してパッド層(b)を形成することにより、ハイドロコロイド組成物層(b2)が、創傷部位からの浸出液や貼付材の外部環境からの水分によって崩壊することがなく、 (4)特に、粘着テープ(a)は、弾性繊維から形成した布帛からなる支持体層(a1)と、合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤層(a2)とからなることから、通常、パッド層(b)より伸張性に富んでおり、その結果、皮膚面への貼付と皮膚面からの剥離操作が容易となり、また、貼付中の皮膚の屈曲に追随しやすくなるので、 透湿性、日常防水性、皮膚への追随性及び引張強度に優れ、健常な皮膚の白化を防ぎ、皮膚刺激性が少ない貼付材を提供することができる。

更に詳述すると、ハイドロコロイド組成物層(b2)で吸収された創傷部位からの過剰な浸出液は、該パッド層上面に配置した柔軟性のあるフィルム層(b1)により、横方向に拡散され、該柔軟性のあるフィルム層(b1)周辺に移動し、合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤層(a2)、及び、弾性繊維から形成した布帛からなる支持体層(a1)により、速やかに外界に揮散される。よって、正常な皮膚は、前記の過剰な浸出液をほとんど保持しないため、貼付材の剥離時に健常な皮膚が白化することを防ぐことができる。

また、すり傷、かき傷、靴ずれなど、浸出液が比較的少ない創傷がある皮膚面に貼付する場合は、ハイドロコロイド組成物層(b2)は、適度な粘着性を有しているため、傷とその周辺の皮膚を覆うように接着する。その結果、該ハイドロコロイド組成物層(b2)が、浸出液を吸収することによって、適度に粘着力が低下するので、創傷部位の湿潤環境が整えられる。一方、パッド層(b)より外側に位置する健常な皮膚は、弾性繊維から形成した布帛からなる支持体層(a1)と合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤層(a2)からなる粘着テープ(a)が、高透湿性であるため、24時間程度皮膚に貼付した場合でも皮膚からの水分の蒸散を妨げることに起因する皮膚の白化を防ぐことができる。

また、ハイドロコロイド組成物層(b2)の背面には、柔軟性のあるフィルム層(b1)が積層されているため、手洗い、食器洗い、入浴など、日常の生活活動で水を使用する場面においても、パッド層(b)への水の侵襲を防ぐことができるので、該ハイドロコロイド組成物層(b2)が必要以上に吸水して膨張することがない。

〔ハイドロコロイド組成物層(b2)の面積〕 貼付材を貼付する皮膚における損傷部位及び健常な皮膚を保護する観点から、パッド層(b)の面積を、粘着テープ(a)の面積に対して、好ましくは5〜50%の面積比、より好ましくは8〜47%、特に好ましくは10〜45%の面積比とすることが望ましい。なお、弾性繊維から形成した布帛からなる支持体層(a1)と合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤層(a2)の面積、及び、柔軟性のあるフィルム層(b1)とハイドロコロイド組成物層(b2)の面積は、通常同一である。粘着テープ(a)とパッド層(b)との面積比を、上記の比率とすることによって、ハイドロコロイド組成物層(b2)が、皮膚の創傷部位を湿潤環境に保つことができ、かつ、該ハイドロコロイド組成物層(b2)自体が皮膚に強く接着する必要がないため、貼付材を剥離するときの痛みや皮膚の損傷を抑えることができる。

したがって、ハイドロコロイド組成物層(b2)の面積、すなわちパッド層(b)の面積が異なる貼付材を用意することによって、創傷の大きさに合わせて、最適な貼付材を選択することができる。基本的には、対象となる傷より若干大きめで、かつ正常な皮膚をなるべく覆わない程度の大きさの該パッド層を備える貼付材を選択すればよい。本発明の貼付材は、切りキズ、擦りキズ、刺しキズ、掻きキズ、靴ずれ等の創傷がある皮膚に、好ましく適用することができる。

また、弾性繊維から形成した布帛からなる支持体層(a1)、合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤層(a2)、柔軟性のあるフィルム層(b1)、及びハイドロコロイド組成物層(b2)の各層の厚みは、先に述べたとおりであるが、貼付材を皮膚面に貼付するときのハイドロコロイド組成物層(b2)の端縁部のめくれを防ぎ、かつ、貼付するときや貼付継続中に皺などが生じずに皮膚面に充分に密着固定させるために、該ハイドロコロイド組成物層(b2)の厚みを端縁に向かって徐々に薄くなるように傾斜させておくことが好ましい。

〔実用評価〕 貼付材の実用評価として、以下の方法により、皮膚のムレ、剥離時の皮膚への接着強さ、及び総合評価を行うことができる。具体的には、貼付材を、20〜50歳代の成人の複数名を被験者とし、指の第1関節に、パッド層(b)を手の甲側として貼付し、試験中に、水仕事(皿洗い等)や入浴を義務づけて、貼付してから24時間経過後の状態を観察して評価する。

(1)貼付部位の皮膚のムレ 被験者において、24時間貼付後の貼付材の貼付部位の皮膚のふやけを下記の基準で評価する。 A: 被験者のほぼ全員に、皮膚のふやけがない。 B: 被験者のうち若干名に、皮膚のふやけが認められる。 C: 被験者の過半数に、皮膚のふやけが認められる。

(2)剥離時の皮膚への接着強さ 貼付材を皮膚から剥がすときのパッド層(b)の皮膚への接着強さ(剥離時のパッド剥離強さ)について、下記の基準で評価する。 適度: 被験者のほぼ全員が、皮膚への付着性がほどよいと感じる。 強い: 被験者の過半数が、皮膚への付着性が若干強いと感じる。 痛い: 被験者の過半数が、皮膚への付着性が強く剥離時に痛いと感じる。

(3)貼付感 貼付材の貼付直後、指の第1関節に貼付材を貼付したまま指を数度曲げ伸ばしし、その感触を下記の基準で評価する。 A: 被験者のほぼ全員が、曲げ伸ばしに抵抗感がない。 B: 被験者のうち半数程度が、曲げ伸ばしに少し抵抗を感じる。 C: 被験者の過半数が、曲げ伸ばしで抵抗感がある。

(4)総合評価 貼付後に、『付着性(貼付のしやすさ)』、『皮膚のふやけ』及び『剥離時の皮膚への接着強さ』から総合的に、各被験者が以下の5段階の評価点で評価し、被験者の平均値を求めて、総合評価とする。 5: 良い 4: やや良い 3: 普通 2: やや悪い 1: 悪い

9.剥離紙(c) 本発明の貼付材は、さらに、剥離紙(c)を備えるものとすることができる。剥離紙(c)は、通常、前記ハイドロコロイド組成物層(b2)の前記柔軟性のあるフィルム層(b1)と反対側の面、したがって、前記合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤層(a2)の前記弾性繊維から形成した布帛からなる支持体層(a1)と反対側の面に積層される。本発明の貼付材は、合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤層(a2)及びハイドロコロイド組成物層(b2)に対向して、剥離紙(c)を配置することにより、該剥離紙(c)が粘着剤の表面を覆った状態のものとして供給されることが好ましい。剥離紙(c)は、貼付材の分野で慣用されているものを用いることができ、例えば、剥離剤を塗布して剥離処理した上質紙、グラシン紙等の紙基材やポリエステルフィルム等を用いることができる。剥離紙(c)は、貼付材の全体を1枚で覆う寸法及び形状のものでもよく、貼付材の面積より大きいものでもよい。また、剥離紙(c)は、2枚以上に区分されたものでもよく、該2枚以上の区分された剥離紙(c)の少なくとも1つに折り返し部を設けてもよい。さらに、ハイドロコロイド組成物層(b2)の一部以上を覆う1枚の剥離紙(c)、及び該パッド層周辺の粘着テープ(すなわち、弾性繊維から形成した布帛からなる支持体層(a1)、及び合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤層(a2)上に2枚以上の剥離紙(c)を配置して、合計3枚以上に区分された剥離紙(c)とすることもできる。また、剥離紙(c)を形成するために塗布する剥離剤の選択、並びに、合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤層(a2)及びハイドロコロイド組成物層(b2)の選択などにより、粘着テープ(a)と剥離紙との剥離力を、パッド層(b)と剥離紙との剥離力より大きくすることによって、貼付材からの剥離紙の剥離を容易として、取り扱い性を向上させるとともに、貼付材からのパッド層の脱落を防止することが好ましい。

10.貼付材の製造方法 本発明の貼付材の製造方法は、特に限定されず、従来の貼付材の製造方法で作製することができる。例えば、シリコーン系剥離剤等を塗布した工程紙上に、粘着剤となる合成樹脂の溶液またはエマルションを塗工し、該粘着剤を発泡させることによって、合成樹脂を含有する通気性を持つ、好ましくは発泡した粘着剤層(a2)を形成した後に、弾性繊維から形成した布帛からなる支持体層(a1)と積層する方法によって、粘着テープ(a)を用意することができる。一方、柔軟性のあるフィルム層(b1)と、その上に形成したハイドロコロイド組成物層(b2)とを適切な大きさに裁断し、前記の粘着テープ(a)上の略中央に配置し、通常は、更に剥離紙(c)を配置して、絆創膏の形状(通常、小判形)等に裁断して、貼付材を得る。通常は、後の工程で室温において、紙、プラスチックフィルム、またはそれらの複合材で形成された包装紙中に貼付材を封入して製品となる。

以下に実施例及び比較例を示して本発明を更に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。実施例及び比較例における物性または特性の測定方法は、以下のとおりである。

〔透湿度〕 粘着テープ(a)及び柔軟性のあるフィルム層(b1)の透湿度は、JIS Z0208の(塩化カルシウム法)に従って、温度40℃、相対湿度90%の測定条件で測定した。

〔粘着テープ(a)の通気度〕 粘着テープ(a)の通気度は、JIS P8117に準拠して、ガーレー式デンソメーター(テスター産業株式会社)を使用して測定した。具体的には、5cm×5cmの大きさに裁断した粘着テープ(a)を、剥離紙がある場合は該剥離紙を剥がして、締付板(土台)に貼付した。締付板を透過する面積は645.16mm2とした。ガーレー式デンソメーターの内側シリンダーを引き出し、ストッパーにセットした後、締付板の間に試験片を締め付け、内側シリンダーを静かに下降させ、300cm3の空気量が通過する秒数を測定して、通気度(秒/300cm3)とした。測定は、600秒間経過まで行い、600秒間経過時に300cm3の空気量が通過しない場合は、通気度(秒/300cm3)を、「>600(秒/300cm3)」とした。

〔粘着テープ(a)の粘着力〕 粘着テープ(a)の粘着力は、幅15mm×長さ100mmに裁断した粘着テープ(a)を試験片とした。一方、ベークライト製試験パネルに、ユポ(登録商標)FPG−130 (株式会社ユポ・コーポレーション製の合成紙) を両面テープで貼り付けて対ユポ粘着力試験パネルを作製した。試験片をこの試験パネルに押しつけて貼着させた後、2kgのローラーで圧着速さ300mm/分、圧着回数1往復で貼着させて試験片を調製した。貼着してから20分間経過した後、JIS Z0237に準拠し、剥離角度180°、剥離速度300mm/分の条件で、対ユポ粘着力を測定した。

〔ハイドロコロイド組成物層(b2)の粘着力〕 ハイドロコロイド組成物層(b2)の粘着力は、以下の方法により、1)皮膚面に対する粘着力と、2)対ユポ粘着力とを測定して、評価した。 1)皮膚面に対するハイドロコロイド組成物層(b2)の粘着力は、以下の方法によって測定した、すなわち、あらかじめ形成したハイドロコロイド組成物層(b2)を幅15mm×長さ70mmに裁断して、支持テープに固定し、該ハイドロコロイド組成物層(b2)を、成人男子3名の被験者の前腕内側部位 (肘から手首方向に向かって30〜65%の範囲とした。) に貼付し、手のひらを10秒間押し当てて圧着した。貼付してから20分間経過した後、JIS Z0237に準拠し、剥離角度90°、剥離速度100mm/分の条件で、粘着力を測定した。 2)ハイドロコロイド組成物層(b2)の対ユポ粘着力は、以下の方法によって測定した、すなわち、ハイドロコロイド組成物層(b2)〔柔軟性のあるフィルム層(b1)と一体となったハイドロコロイド組成物層(b2)を使用した。〕を支持テープに固定し、幅15mm×長さ70mmに裁断して試験片とした。一方、ベークライト製試験パネルに、ユポ(登録商標)FPG−130 (株式会社ユポ・コーポレーション製の合成紙) を両面テープで貼り付けて対ユポ粘着力試験パネルを作製した。試験片をこの試験パネルに押しつけて貼着させた後、2kgのローラーで圧着速さ300mm/分、圧着回数1往復で貼着させて試験片を調製した。貼着してから20分間経過した後、JIS Z0237に準拠し、剥離角度90°、剥離速度100mm/分の条件で、粘着力を測定した。

〔実用評価〕 貼付材の実用評価として、以下の方法により、皮膚のムレ、剥離時の皮膚への接着強さ、及び総合評価を行った。具体的には、実施例及び比較例の貼付材を、20〜50歳代の成人男子3名の被験者の指の第1関節に、パッド層(b)を手の甲側として貼付し、試験中に、水仕事(皿洗い等)や入浴を義務づけて、貼付してから24時間経過後の状態を観察して評価した。

(1)貼付部位の皮膚のムレ 24時間貼付後の貼付材の貼付部位の皮膚のふやけを下記の基準で評価した。 A: 3名の被験者の全員に、皮膚のふやけがない。 B: 3名の被験者のうち1〜2名に、皮膚のふやけが認められる。 C: 3名の被験者の全員に、皮膚のふやけが認められる。

(2)剥離時の皮膚への接着強さ 貼付材を皮膚から剥がすときのパッド層(b)の皮膚への接着強さ(剥離時のパッド剥離強さ)について、下記の基準で評価した。 適度: 3名の被験者の全員が、皮膚への付着性がほどよいと感じる。 強い: 3名の被験者のうち1〜2名が、皮膚への付着性が若干強いと感じる。 痛い: 3名の被験者の全員が、皮膚への付着性が強く剥離時に痛いと感じる。

(3)貼付感 貼付材の貼付直後、指の第1関節に貼付材を貼付したまま指を数度曲げ伸ばしし、その感触を下記の基準で評価した。 A: 3名の被験者の全員が、曲げ伸ばしに抵抗感がない。 B: 3名の被験者のうち1〜2名が、曲げ伸ばしに少し抵抗を感じる。 C: 3名の被験者の全員が、曲げ伸ばしで抵抗感がある。

(4)総合評価 貼付後に、『付着性(貼付のしやすさ)』、『皮膚のふやけ』及び『剥離時の皮膚への接着強さ』から総合的に、各被験者が以下の5段階の評価点で評価し、3名の被験者の平均値を求めて、総合評価とした。 5: 良い 4: やや良い 3: 普通 2: やや悪い 1: 悪い

[パッド層の形成] ハイドロコロイド組成物として、SIS〔クインタック3421(登録商標、日本ゼオン株式会社製)〕、CMC〔セロゲンF−3H(登録商標、第一工業製薬株式会社製)〕、粘着付与樹脂〔アルコンP125(登録商標、荒川化学工業株式会社製の水素化石油樹脂)〕及び流動パラフィン(和光純薬工業株式会社製)を、表1に示す配合とし、ニーダーにて均一に混合した後、押出し加工機からシリコーン処理した工程紙上に押し出して、厚み0.33mmのハイドロコロイド組成物層(b2)を形成した。該ハイドロコロイド組成物層(b2)に、ポリエーテル系ポリウレタンエラストマー溶液〔セイコー化成株式会社製、ラックスキン(登録商標)US2268〕を、片面シリコーン処理した75μm厚のポリエステルフィルムの、シリコーン処理した表面に、乾燥後厚みが10μmとなるように塗布し、乾燥して得たポリエーテル系ウレタンフィルムをラミネートして、柔軟性のあるフィルム層としてポリウレタンフィルム層(b1)を形成した後、両面の剥離紙(工程紙及びポリエステルフィルム)を除いてパッド層(b)を得た。

[実施例1] 数平均分子量が2000のポリヘキサメチレンジオールと4,4−ジフェニルメタンジイソシアネートと1,4−ブタンジオールを2軸重合機で溶融重合して、ショアA硬度90のポリエーテルポリウレタン弾性体を得た。このポリウレタンを、溶融ブロー紡糸し、得られた溶融繊維群をネットコンベヤ上に落として、目付65g/m2のメルトブロー不織布(厚み240μm)を得た。不織布を形成するポリウレタン弾性繊維の平均繊維径は、10.6μmであった。得られたポリウレタン弾性繊維不織布に、内部強度を向上させるため、ポイント加熱圧着法により加熱エンボス加工を施して、貼付材の支持体層(a1)とした。加熱圧着スポットは、MD(マシン方向)及びCD(幅方向)とも1.4mmピッチとした。

一方、アクリル系粘着剤〔アクリル酸2−エチルヘキシル・酢酸ビニル・アクリル酸(87/10/3)100質量部と、エポキシ系架橋剤(テトラッドX、三菱ガス化学株式会社製)0.03質量部とを反応させたもの〕を、乾燥後の厚みが40μmとなるように、シリコーン処理した工程紙に塗工し、通気性処理として、未乾燥の塗布面に蒸留水を噴霧した後、130℃で加熱して、微細な孔を形成させ、通気性を有するアクリル系樹脂からなる粘着剤層(a2)を形成した後、上記ポリウレタン弾性繊維不織布に貼り合わせて粘着テープ(a)を製造した。

配合1のハイドロコロイド組成物層(b2)を備えるパッド層(b)を、あらかじめ幅13mm、長さ22mmにカッティングし、ポリウレタンフィルム層(b1)が、前記粘着テープ(a)から工程紙を剥離して露出させた通気性を有するアクリル系樹脂からなる粘着剤層(a2)と対向するようにして、縦12mm、横50mmの間隔を開けながら該粘着剤層(a2)の上に載置した。続いて、シリコーン系樹脂で剥離処理したグラシン紙からなる剥離紙(c)で、粘着テープ(a)及びパッド層(b)を覆い、幅25mm、長さ72mmの角にRをとった略矩形に、パッド層(b)が略中心に位置するようにしながら打ち抜いて、貼付材を得た。粘着テープ(a)の面積に対するパッド層(b)の面積の比は、約16%であった。

得られた貼付材は、きめの細かい外観をもち、柔軟で、通気性、収縮性に優れており、そして、貼付後の外観が良好で、指に巻いた場合に巻締まりが良く、貼りごこちが良好で、フィット性に優れたものであった。この貼付材について、貼付材を構成する粘着テープ(a)の透湿度及び通気度、粘着剤層(a2)及びハイドロコロイド組成物層(b2)の粘着力を測定した結果と、実用評価の結果を表2に示す。

[実施例2] 支持体層(a1)として、上記のポリウレタン弾性繊維不織布に代えて、目付100g/m2のメルトブロー不織布(厚み370μm)を用いたことを除いて、実施例1と同様にして、粘着テープ(a)を製造し、更に貼付材を得た。得られた貼付材について、貼付材を構成する粘着テープ(a)の透湿度及び通気度、粘着剤層(a2)及びハイドロコロイド組成物層(b2)の粘着力を測定した結果と、実用評価の結果を表2に示す。

[実施例3] パッド層(b)を形成するハイドロコロイド組成物層(b2)を、配合2の組成物に変更したことを除いて、実施例1と同様にして、貼付材を得た。得られた貼付材について、貼付材を構成する粘着テープ(a)の透湿度及び通気度、粘着剤層(a2)及びハイドロコロイド組成物層(b2)の粘着力を測定した結果と、実用評価の結果を表2に示す。

[実施例4] 支持体層(a1)として、ポリウレタン弾性繊維不織布に代えて、ポリウレタン弾性繊維の編布(目付178g/m2)を用いたことを除いて、実施例1と同様にして、粘着テープ(a)を製造し、更に貼付材を得た。得られた貼付材について、貼付材を構成する粘着テープ(a)の透湿度及び通気度、粘着剤層(a2)及びハイドロコロイド組成物層(b2)の粘着力を測定した結果と、実用評価の結果を表2に示す。

[比較例1] 上記の通気性を有するアクリル系樹脂からなる粘着剤層(a2)に代えて、実施例1で行った通気性処理を行わずにアクリル系樹脂からなる粘着剤層を用いたことを除いて、実施例1と同様にして、粘着テープを製造し、更に貼付材を得た。この貼付材は、合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤層(a2)を備えていない。得られた貼付材について、貼付材を構成する粘着テープの透湿度及び通気度、粘着剤層及びハイドロコロイド組成物層(b2)の粘着力を測定した結果と、実用評価の結果を表2に示す。

[比較例2] 支持体層として、上記のポリウレタン弾性繊維不織布に代えて、ポリウレタンフィルム(目付33.5g/m2)を用いたことを除いて、実施例1と同様にして、粘着テープを製造し、更に貼付材を得た。得られた貼付材について、貼付材を構成する粘着テープの透湿度及び通気度、粘着剤層(a2)及びハイドロコロイド組成物層(b2)の粘着力を測定した結果と、実用評価の結果を表2に示す。

[比較例3] 実施例1におけるポリウレタンフィルム層(b1)であるポリエーテル系ポリウレタンフィルム(厚み10μm)に代えて、ポリエステルフィルム〔ポリエチレンテレフタレートフィルム(ルミラー(登録商標)、東レ株式会社製、厚み25μm)を用いたことを除いて、実施例1と同様にして、粘着テープを製造し、更に貼付材を得た。得られた貼付材について、貼付材を構成する粘着テープの透湿度及び通気度、粘着剤層(a2)及びハイドロコロイド組成物層(b2)の粘着力を測定した結果と、実用評価の結果を表2に示す。

[比較例4] 実施例1の貼付材において、パッド層を形成するハイドロコロイド組成物を、配合3の組成物に変更するとともに、ポリウレタンフィルム層(b1)を備えないことを除いて、実施例1と同様にして、粘着テープを製造し、更に貼付材を得た。得られた貼付材について、貼付材を構成する粘着テープの透湿度及び通気度、粘着剤層(a2)及びハイドロコロイド組成物層(b2)の粘着力を測定した結果と、実用評価の結果を表2に示す。

[比較例5] フィルムの支持体のほぼ全面にハイドロコロイド組成物が積層されている市販の貼付材(粘着テープに相当する層を備えていない。)につき、粘着力を測定した結果と、実用評価の結果を表2に示す。なお、通気度を測定したところ、600秒/300cm3を超過していた。

表2の結果から、弾性繊維から形成した不織布や編布である布帛からなる支持体層(a1)と、合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤層(a2)とからなる粘着テープ(a)、及び、該合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤層(a2)に隣接するポリウレタンフィルム層(b1)と、ハイドロコロイド組成物層(b2)とからなるパッド層(b)を備える実施例1〜4の貼付材は、貼付材としての粘着力及び強度に優れ、さらに、通気性や実用評価が良好であることが分かった。

これに対して、粘着剤層として、合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤層(a2)を備えず、通気性処理を行わない非通気性アクリル系樹脂からなる粘着剤層を備える比較例1の貼付材は、貼付材の通気性が悪く、皮膚のムレが生じやすく、実用評価が低いことが分かった。支持体層として、弾性繊維から形成した布帛を備えず、ポリウレタンフィルムを備える比較例2の貼付材は、目付が小さいにもかかわらず、通気性がなく、皮膚のムレが生じ、実用評価が低いことが分かった。また、合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤層(a2)に隣接するポリウレタンフィルム層(b1)に代えて、ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレート)層を備える比較例3の貼付材は、実用評価において、3名の被験者の全員が、貼付時に、指を曲げ伸ばしすると、少し抵抗感が感じられることを指摘し、貼付感が悪かった。これは、パッド層の柔軟性がなくなったためと推察され、本発明におけるポリウレタンフィルム層(b1)以外の、柔軟性が損なわれるフィルムを使用した場合は同じ結果になることが示唆された。さらに、パッド層の粘着力が高いハイドロコロイド組成物層から形成された比較例4の貼付材は、貼付材剥離時に、皮膚への付着性が強く感じられた。またウレタンフィルムをハイドロコロイド背面に配さないため、水仕事を行うとハイドロコロイドが吸水し、膨潤して実用性に難があった。さらにまた、比較例4の貼付材については、皮膚刺激を指摘する被験者があった。比較例5は、3名の被験者の全員が、剥離時に皮膚への付着性が強く痛みを感じたと指摘した。

さらに、4名の被験者(成人男性)の左右ひざに対して、ミニルーター用真鍮製ワイヤーブラシを用いて均等に微出血を生じるまで擦過傷をつけた箇所に、実施例1及び比較例5の貼付材を適用し、浸出液が少なくなってきた4日間経過後に、貼付材を剥離したところ、実施例1の貼付材は、4名の被験者中4名が、容易に剥離することが可能であったが、比較例5の貼付材は、再出血は発生しなかったものの、4名の被験者中3名が、剥離時に創部周辺の著しい痛みを感じたと回答した。

〔柔軟性のあるフィルム層(b1)の粘着剤層(a2)に対する粘着力の評価〕 前記柔軟性のあるフィルム層(b1)の前記粘着テープ(a)の粘着剤層(a2)に対する粘着力を、以下の実施例5及び6に従って剥離力を測定することにより評価した。

[実施例5] 実施例1で製造したと同じ粘着テープ(a)、及び、パッド層(b)をそれぞれ調製した。パッド層(b)は、柔軟性のあるフィルム層(b1)であるポリウレタンフィルム層及びハイドロコロイド組成物層(b2)とからなる。該パッド層(b)を、幅20mm×長さ70mm以上の面積の略長方形に裁断し、ハイドロコロイド組成物層(b2)側をベークライト樹脂板上に固定し、あらかじめ幅15mm×長さ70mmに裁断した粘着テープ(a)の粘着剤層(a2)を、前記ポリウレタンフィルム層上に指で軽く押し付けて貼着させた後、2kgのローラーで圧着速さ300mm/分、圧着回数1往復で貼着させて試験片を調製した。貼着してから20分間経過した後、JIS Z0237に準拠して、剥離角度180°、剥離速度300mm/分の条件で乾燥剥離力を測定した(単位:N/15mm。n=3の平均値)。一方、前記のように貼着してから20分間、温度42℃に保った湯浴中に試験片を浸漬した後に、余分な水分をふき取り、剥離角度180°、剥離速度300mm/分の条件で湯浴浸漬後剥離力を測定した(単位:N/15mm。n=3の平均値)。また、乾燥剥離力及び湯浴浸漬後剥離力の値から、低下率を算出した。結果を表3に示す。

[実施例6] 実施例5で使用したパッド層(b)〔柔軟性のあるフィルム層(b1)であるポリウレタンフィルム層及びハイドロコロイド組成物層(b2)とからなる。〕に代えて、柔軟性のあるフィルム層(b1)である、シリカ〔富士シリシア化学株式会社製、サイリシア350、平均粒子径3.9μm)を40質量%含有するポリウレタンフィルム層と、ハイドロコロイド組成物層(b2)とからなるパッド層(b)を調製したことを除いて、実施例5と同様にして、乾燥剥離力及び湯浴浸漬後剥離力を測定し、これらの値から、低下率を算出した。なお、シリカを含有するポリウレタンフィルム層とハイドロコロイド組成物層(b2)との投錨性には何らの支障もなかった。結果を表3に示す。

表3から、柔軟性のあるフィルム層(b1)である、充填剤(シリカ)を40質量%含有するポリウレタンフィルム層及びハイドロコロイド組成物層(b2)とからなる実施例6のパッド層(b)は、該シリカを含有するポリウレタンフィルム層の、前記粘着テープ(a)の粘着剤層(a2)に対する乾燥剥離力及び湯浴浸漬後剥離力が、シリカを含有しないポリウレタンフィルム層及びハイドロコロイド組成物層(b2)とからなる実施例5のパッド層(b)におけるポリウレタンフィルム層についての剥離力より、いずれも大きいことが分かり、更に、剥離力の低下率が小さいことが分かった。このことから、柔軟性のあるフィルム層(b1)が充填剤を10〜60質量%含有する実施例6の貼付材は、貼付材を皮膚から剥離するときに、パッド層(b)が皮膚に残存してしまうことを確実に防止することができるものであることが分かった。

本発明は、弾性繊維から形成した布帛からなる支持体層(a1)と、合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤層(a2)とからなる粘着テープ(a)、及び、該合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤層(a2)に隣接する柔軟性のあるフィルム層(b1)と、ハイドロコロイド組成物層(b2)とからなるパッド層(b)を備える貼付材であることによって、創傷部は湿潤環境を維持し、正常な皮膚は過度な湿潤環境にならず、貼付材を皮膚から剥離するときの痛みがなく、創傷回りの正常な皮膚を変形させず、日常生活レベルの水の使用によるハイドロコロイドの崩壊を防止することができる貼付材を提供することができるので、産業上の利用可能性が高い。

a1: 弾性繊維から形成した布帛からなる支持体層 a2: 合成樹脂を含有する通気性を有する粘着剤層 a: 粘着テープ b1: 柔軟性のあるフィルム層 b2: ハイドロコロイド組成物層 b: パッド層 c: 剥離紙

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