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ゾーン特性を有するバイオファブリケーションされた革製品

阅读:514发布:2020-05-16

专利汇可以提供ゾーン特性を有するバイオファブリケーションされた革製品专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且【課題】ゾーン特性を有するバイオファブリケーションされた材料、及びゾーン特性を有するバイオファブリケーションされた材料の製造方法の提供。 【解決手段】ゾーン特性を有するバイオファブリケーションされた材料を含む物品であり、その製造方法は、第1の材料を配置すること、前記第1の材料の隣に異なる特性を有する第2の材料を配置すること、前記2つの材料の上にコラーゲン 水 溶液を塗布すること、及び乾燥させることでゾーン特性を有する前記バイオファブリケーションされた材料を形成する。 【選択図】なし,下面是ゾーン特性を有するバイオファブリケーションされた革製品专利的具体信息内容。

ゾーン特性を有するバイオファブリケーションされた材料を含む、物品。前記バイオファブリケーションされた材料が組み換えコラーゲンを含む、請求項1に記載の物品。前記組み換えコラーゲンが、ウシ、ブタ、カンガルー、ヒツジ、ワニ、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項2に記載の物品。前記コラーゲンがIII型ウシ由来コラーゲンである、請求項3に記載の物品。前記ゾーン特性が、色、通気性、伸縮性、引き裂き強さ、柔軟性、剛性、耐摩耗性、加温もしくは冷却を可能にする熱伝導性、電磁特性、発光、反射率、抗菌性、抗真菌性、芳香性、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の物品。前記ゾーン特性が、層間、隣合わせ、及び異なる特性を有する別の材料に取り囲まれているある特性を有する少なくとも1つの材料、並びにこれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の物品。ゾーン特性を有するバイオファブリケーションされた材料の製造方法であって、 表面上に材料を配置すること、 前記第1の材料の隣に異なる特性を有する第2の材料を配置すること、 前記2つの材料の上にコラーゲン溶液を塗布すること、及び 乾燥させることでゾーン特性を有する前記バイオファブリケーションされた材料を形成すること、 を含む前記方法。前記第1の材料と前記第2の材料が繊維質材料である、請求項7に記載の方法。単一のコラーゲン水溶液が前記第1の材料と前記第2の材料の上に流し込まれる、請求項7に記載の方法。ゾーン特性を有するバイオファブリケーションされた材料の製造方法であって、 第1のコラーゲン水溶液を準備すること、 前記第1の水溶液とは異なる少なくとも1つの特性を有する第2のコラーゲン水溶液を準備すること、 前記2つの水溶液を塗布し、前記2つの水溶液を中心部分で一緒に流動させること、及び 乾燥させてゾーン特性を有する前記バイオファブリケーションされた材料を形成すること、 を含む前記方法。前記2つの水溶液が隣合わせで流し込まれる、請求項10に記載の方法。前記2つの水溶液がパターン化された様式で流し込まれる、請求項10に記載の方法。ゾーン特性を有するバイオファブリケーションされた材料の製造方法であって、 第1のコラーゲン水溶液を準備すること、 前記第1の水溶液とは異なる少なくとも1つの特性を有する第2のコラーゲン水溶液を準備すること、 前記第1の水溶液を流し込み、第1の層を乾燥させること、 前記第1の層の上に前記第2の水溶液を流し込むこと、及び 乾燥させてゾーン特性を有する前記バイオファブリケーションされた材料を形成すること、 を含む前記方法。

说明书全文

本発明は、ゾーン特性を有するバイオファブリケーションされた革材料を提供する。

革及び革様材料は、シャツ、パンツ、ドレス、スカート、コート、ブラウス、Tシャツ、セーター、靴、鞄、家具、毛布、カーテン、壁紙、テーブルクロス、自動車のシート及び内装などを製造するために使用されている。バイオファブリケーションされた新しい革材料が、同時係属出願である米国特許出願15/433,566(この内容は参照により本明細書に組み込まれる)の中で教示されている。この開示の中で利用されているバイオファブリケーションされたコラーゲン溶液は、様々な形状及びデザインの材料の製造だけでなく、材料を1つに接着させるためにもよく適している。他のバイオファブリケーションされた革材料が、2017年7月18日に出願された同時係属出願である米国特許出願番号第62/533,950(この内容は参照により本明細書に組み込まれる)の中で教示されている。

関連技術の記述 革及び革様材料は、長い間衣類及び履物のために使用されている。衣類及び履物は、伸縮性、引き裂き強さ、柔軟性、通気性などの異なる特性を、物品の異なる領域で必要とする場合がある。例えば、運動靴では、つま先に強い材料を有し、土踏まずに通気性材料を有することが有用な場合がある。本明細書において、通気性材料とは、空気及びまたは蒸気が材料を通過し得ることを意味する。通気性材料は、汗を逃がし、空気を流して冷却を与えることを可能にする。通気性は、公知の透湿度試験により測定することができる。1つの物品の中で異なる特性が望まれる場合、異種材料を1つに縫い合わせることが一般的である。異なる材料を1つに縫合、溶融、または溶接する必要をなくすために、異なる領域または区域で異なる特性(「ゾーン特性(zonal property)」)を有する材料が必要とされている。

欧州特許番号EP2721941には、ゾーン特性を有する履物が開示されている。ゾーン特性は、履物の異なる領域で異なる特性を有する生地を縫い合わせることによって得られる。異なる材料を1つに接合するために、材料を溶融または溶接することも公知である。参照文献の教示にもかかわらず、異なる材料を1つに縫合、溶融、または溶接する必要なしにゾーン特性を有する材料が継続的に必要とされている。

本発明は、ゾーン特性を有するバイオファブリケーションされた材料の製造方法、及びゾーン特性を有するバイオファブリケーションされた材料を提供する。

本明細書において、バイオファブリケーションされたという用語は、単離され新たな材料へと加工される原料を生物が製造することを意味する。ゾーン特性を得るためには、バイオファブリケーションされた材料は、隣接するゾーンの異種材料に接着される場合がある。この方法では、2つ以上のゾーンで異種支持材料を使用することができる。ゾーン特性を達成するための2つ目の方法は、最終製品の中で異なる特性を付与するために様々な組成または添加剤を有する液体のバイオファブリケーションされた材料の2つ以上のバッチを調製することであり、バッチを隣り合わせに流し込んで乾燥させることでゾーン特性を有するバイオファブリケーションされた材料を得ることができ、あるいはパターン化された(例えば同心円状のゾーンまたは埋め込まれたデザイン)様式で流し込むことができる。この方法では、2つのゾーンが互いに直接接着するように、流し込まれた液体のバイオファブリケーションされた材料が一緒に流動できることが有利である。別の実施形態においては、ゾーン特性は、層間で組成または添加剤を変化させることによって得られる。例えば、底部の層は抗菌特性を有する材料から構成されていてもよく、上部の層は耐摩耗特性を有する材料から構成されていてもよい。

好ましい実施形態においては、バイオファブリケーションされた材料は、遺伝子組み換えウシ由来コラーゲンを含み得る。

本発明のある実施形態においては、液体のバイオファブリケーションされた材料は、異種のバイオファブリケーションされた材料を1つに接合するためにも利用され得る。1つ以上の異種のバイオファブリケーションされた材料は、相手方の端部と隣り合わせで端部の間に隙間を有して配置されてもよく、バイオファブリケーションされた材料は、隙間を充填し対向する端部と重なるように流し込まれ、その後乾燥して材料の対向する端部を結合させることができる。

バイオファブリケーションされた材料によって被覆される材料は、バイオファブリケーションされた革、生地、木材、ベニヤ板、金属、プラスチック、またはこれらの組み合わせであってもよい。生地は、天然、合成、またはこれらの組み合わせであってもよく、また織布、不織布、編生地、またはこれらの組み合わせであってもよく、また1平方インチ当たり300本の糸から1平方フィート当たり1本の糸の範囲のメッシュを有していてもよく、あるいは直径11μm以上の孔径を有していてもよい。生地の繊維は、タンパク質、セルロース、またはこれらの組み合わせを含んでいてもよい。生地の端部はデボレ加工されていてもよい。

別の実施形態は、溶液で前処理されバイオファブリケーションされた材料で被覆された第1の材料と、バイオファブリケーションされた材料と一体に接着されている異種材料と、を含むゾーン特性を有する物品である。第1の材料は過ヨード酸塩溶液で前処理されたセルロース生地であってもよく、セルロース生地はビスコース、アセテート、リヨセル、竹のうちの1つ以上を含んでいてもよい。過ヨード酸塩前処理は、生地の25重量%〜100重量%の過ヨード酸塩を含んでいてもよく、またこれは、生地を過ヨード酸塩溶液に15分〜24時間曝し、グリコール(例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ブチレングリコール、またはこれらの組み合わせ)で過ヨード酸塩をクエンチし、生地を水ですすぎ、生地を乾燥することによって行われてもよい。生地は、天然、合成、またはこれらの組み合わせであってもよく、また織布、不織布、編生地、またはこれらの組み合わせであってもよく、また1平方インチ当たり300本の糸から1平方フィート当たり1本の糸の範囲のメッシュを有していてもよく、あるいは直径11μm以上の孔径を有していてもよい。生地の繊維は、タンパク質、セルロース、またはこれらの組み合わせを含んでいてもよい。生地の端部はデボレ加工されていてもよい。

生地は、0.5mg/ml〜10mg/mlのコラーゲン溶液を生地に塗布し、及び/または容器の中にコラーゲン溶液を注ぎ、容器を冷却し、溶液を混合し、溶液に緩衝液を添加してフィブリル化を生じさせ、生地を通して溶液を濾過し、生地と濾液を容器の中に入れ、混合することすることなどにより、コラーゲン溶液で前処理されていてもよい。

本明細書において、「ゾーン特性」という用語は、異なるゾーン(例えば領域または区域)を有する物品、(例えば本明細書で定義される衣類、ベルト、ハンドバッグ等)であって、ゾーンの1つ以上がそれに隣接する1つ以上のゾーンとは異なる少なくとも1つの特性を有するもののことを指す。ゾーンごとに異なり得る特性としては、限定するものではないが、色、通気性、伸縮性、引き裂き強さ、柔軟性、剛性、耐摩耗性、加温もしくは冷却を可能にする熱伝導性、電磁特性、発光、反射率、抗菌性、抗真菌性、芳香性、及びこれらの組み合わせが挙げられる。本発明の具体的な長所においては、異なる材料が1つに縫合、溶融、または溶接されることなしに物品がゾーン特性を付与される。本発明の別の利点は、例えば削ることにより革製品の厚さを変更する必要なしに、あるいは革製品が形成された後に別の構成要素を付加することにより特性を変更する必要なしに、物品がゾーン特性を付与されることである。

「コラーゲン」という用語は、天然、合成、半合成、または組み換え型のいずれかに関わらず、コラーゲンI型からXX型までを含む公知のコラーゲンの型のうちの任意の1つ、並びに任意の他のコラーゲンを指す。これには、本明細書に記載の全てのコラーゲン、修飾されたコラーゲン、及びコラーゲン様タンパク質が含まれる。この用語には、プロコラーゲン及びコラーゲン様タンパク質、またはモチーフ(Gly−X−Y)n(nは整数である)を含むコラーゲン性タンパク質も包含される。これには、コラーゲン及びコラーゲン様タンパク質の分子、コラーゲン分子の三量体、コラーゲンのフィブリル、並びにコラーゲンフィブリルの繊維が包含される。これは、化学的に、酵素的に、または遺伝子組み換えにより修飾されたフィブリル化可能なコラーゲンまたはコラーゲン様分子、並びにナノファイバーを構築することが可能な、コラーゲン、コラーゲン様分子、及びコラーゲン性分子のフラグメントも意味する。

いくつかの実施形態においては、コラーゲンまたはコラーゲン様タンパク質の中のリシンやプロリンなどのアミノ酸残基は、ヒドロキシル化されていなくてもよく、あるいは対応する天然のまたは未修飾のコラーゲンまたはコラーゲン様タンパク質よりも少ないまたは多い程度にヒドロキシル化されていてもよい。別の実施形態においては、コラーゲンまたはコラーゲン様タンパク質の中のアミノ酸残基は、グリコシル化されていなくてもよく、あるいは対応する天然のまたは未修飾のコラーゲンまたはコラーゲン様タンパク質よりも少ないまたは多い程度にグリコシル化されていてもよい。

コラーゲン組成物中のコラーゲンは、100%のウシ由来I型コラーゲンまたは100%のIII型ウシ由来コラーゲンなどの単一の型のコラーゲン分子を均一に含んでいてもよく、あるいはウシ由来I型とIII型分子の混合物などの、異なる種類のコラーゲン分子またはコラーゲン様分子の混合物を含んでいてもよい。そのような混合物は、0%超、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、または100%未満の個々のコラーゲンまたはコラーゲン様タンパク質成分を含んでいてもよい。この範囲には全ての中間の値が含まれる。例えば、コラーゲン組成物は、30%のI型コラーゲンと70%のIII型コラーゲンとを含んでいてもよく、あるいは33.3%のI型コラーゲンと33.3%のII型コラーゲンと33.3%のIII型コラーゲンとを含んでいてもよく、これらのコラーゲンのパーセンテージは組成物中のコラーゲンの合計質量またはコラーゲン分子の分子パーセンテージを基準とする。

「コラーゲンフィブリル」は、トロポコラーゲン(コラーゲン分子の三重らせん)からなるナノ繊維である。トロポコラーゲンには、三重らせん構造を示すトロポコラーゲン様構造も含まれる。本発明のコラーゲンフィブリルは、1nm〜1μmの範囲の直径を有し得る。例えば、本発明のコラーゲンフィブリルは、10〜1000nm、20〜500nm、または50〜100nmの範囲の平均または個々のフィブリル径を有し得る。この範囲には、全ての中間の値及び部分範囲が含まれる。本発明の実施形態のいくつかにおいては、コラーゲンフィブリルはネットワークを形成する。コラーゲンフィブリルは、バンド化されたパターンを示すフィブリルへと会合することができ、これらのフィブリルはフィブリルのより大きな凝集体へと会合することができる。いくつかの実施形態においては、コラーゲンまたはコラーゲン様フィブリルは、ウシまたは他の従来の革のトップグレインまたは表面層におけるものと同様の直径及び配向を有する。別の実施形態においては、コラーゲンフィブリルは、トップグレインを含む直径及び従来の革の真皮層の直径を有し得る。

「コラーゲン繊維」は、密に充填されており高度に繊維の方向に配向したコラーゲンフィブリルからなる。これは、1μm〜2mmまたは5μm〜500μmで直径が様々であってもよい。本発明のコラーゲンフィブリルのネットワークのいくつかの実施形態は、5μmより大きい直径を有するコラーゲン繊維を実質的な含有量で含まない。革のグレイン表面の組成は、より粗い繊維束を含む真皮のなどのより内側の部分とは異なっていてもよい。

「フィブリル化」は、コラーゲンフィブリルを生成するプロセスを意味する。これは、pHを上げることにより、またはコラーゲン溶液または懸濁液の塩濃度を調整することにより行うことができる。フィブリル化コラーゲンの形成では、コラーゲンは、1分〜24時間並びに全ての中間の値を含む、任意の適切な長さの時間、フィブリルを形成するためにインキュベートされてもよい。例えば、最小時間は少なくとも1分、少なくとも5分、少なくとも15分、少なくとも30分、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも5時間、及び少なくとも7.5時間である一方で、最大時間は最大24時間、最大18時間、最大15時間、最大12時間、及び少なくとも10時間、ならびにこれらの値によって規定される全ての部分範囲であることが想定される。

本明細書に記載のフィブリル化コラーゲンは、通常、平らなシート、湾曲した形状/シート、円柱、糸、及び複雑な形状などの任意の適切な形状及び/または厚さで形成されてもよい。これらのシート及び他の形態は、厚さ、幅、または長さを含む事実上任意の直線寸法を有し得る。厚さは、0.1〜2mmまたは0.2〜1mmの範囲であってもよい。幅は、0.5インチから10フィートまたはそれ以上の範囲であってもよい。長さは、0.5インチから10フィートまたはそれ以上であってもよい。

フィブリル化コラーゲンは、高次構造を、全く、あるいはある程度有意な量欠いていてもよい。好ましい実施形態においては、コラーゲンフィブリルはばらばらにされ、動物の皮膚で見られる大きなコラーゲン繊維を形成せず、バイオファブリケーションされた革に強くて均一な非異方性構造を与える。

別の実施形態においては、複数のコラーゲンフィブリルは束ねられるか高次構造へと整列されてもよい。バイオファブリケーションされた革の中のコラーゲンフィブリルは、0から1.0、または0.25から0.75もしくは0.5の範囲の配向指数を示すことができ、ここで0の配向指数は他のフィブリルと整列していないコラーゲンフィブリルを表し、1.0の配向指数は完全に整列したコラーゲンフィブリルを表す。この範囲には、全ての中間の値と部分範囲が含まれる。当業者は配向指数をよく認識しており、これはSizeland,et al.,J.Agric.Food Chem.61:887−892(2013)またはBasil−Jones,etal.,J.Agric.Food Chem.59:9972−9979(2011)への参照によっても組み込まれる。

バイオファブリケーションされた革様材料は、特定の種または品種の動物によって、あるいは特定の条件下で飼育された動物によって産生されるコラーゲンフィブリルの特性に類似したまたは模倣するコラーゲンフィブリルを含むようにフィブリル化及び加工されてもよい。

あるいは、天然革中のフィブリルと比較したフィブリルの直径、配向の程度、または架橋の程度を減少させるか増加させるなどによって天然にみられるものとは異なるコラーゲンフィブリルを得るために、フィブリル化及び加工の条件を選択することができる。

コラーゲンの架橋ネットワークは、ヒドロゲルと呼ばれる場合もあり、これはコラーゲンがフィブリル化される際に形成されてもよく、あるいはフィブリル化後にこれがネットワークを形成してもよい。いくつかの変形においては、コラーゲンをフィブリル化するプロセスは、ゲル状のネットワークも形成する。形成された後、フィブリル化コラーゲンネットワークは、クロム、アミン、カルボン酸、硫酸塩、亜硫酸塩、スルホン酸塩、アルデヒド、ヒドラジド、スルフヒドリル、ジアザリン、アリール−、アジド、アクリレート、エポキシド、またはフェノールを含む二官能性、三官能性、または多官能性の反応性基を有する分子を組み込むことによって更に安定化されてもよい。

フィブリル化されたコラーゲンネットワークは、他の薬剤(例えば重合可能なポリマーまたは他の適切な繊維)と重合されてもよく、これはマトリックスを更に安定化させ、望みの末端構造を得るために使用することができる。アクリルアミド、アクリル酸、及びそれらの塩を主体とするヒドロゲルは、逆懸濁重合を使用して調製することができる。本明細書に記載のヒドロゲルは、極性モノマーから調製することができる。使用されるヒドロゲルは、天然高分子ヒドロゲル、合成高分子ヒドロゲル、またはこれら2つの組み合わせであってもよい。使用されるヒドロゲルは、グラフト重合、架橋重合、水溶性ポリマーから形成されるネットワーク、放射線架橋などを使用して得ることができる。重合を促進するためにヒドロゲル組成物に少量の架橋剤が添加されてもよい。

平均または個々のコラーゲンフィブリルの長さは、バイオファブリケーションされた革の厚さ全体にわたって1〜1000μm、または5〜500μm、または10〜200μmの範囲であってもよい。これらの範囲には、全ての中間の値及び部分範囲が含まれる。

フィブリルは、それらの長さの50μmから500μm以上にわたって他のフィブリルと整列していてもよく、あるいは配向を少ししか示さないか全く示さなくてもよい。別の実施形態においては、複数のコラーゲンフィブリルが束ねられるか、高次構造へと整列していてもよい。

バイオファブリケーションされた革のコラーゲンフィブリル密度は、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、及び1,000mg/ccなどの全ての中間値を含む、約1〜1000mg/cc、好ましくは5〜500mg/ccの範囲、並びにこれらの中間の値によって定められる任意の部分範囲であってもよい。

バイオファブリケーションされた革の中のコラーゲンフィブリルは、一峰性、二峰性、三峰性、または多峰性の分布を示してもよく、例えば、バイオファブリケーションされた革は、2つの異なるモードのうちの1つの周りに配列された異なる範囲のフィブリル径をそれぞれ有する2つの異なるフィブリル調製物から構成されていてもよい。このような混合物は、バイオファブリケーションされた革に、異なる直径を有するフィブリルによって与えられる付加的な物理的特性、相乗的な物理的特性、または物理的特性のバランスを付与するように選択されてもよい。

天然の革製品は、革製品の重量を基準として150〜300mg/ccのコラーゲンを含み得る。バイオファブリケーションされた革は、100、150、200、250、300、または350mg/ccのコラーゲン濃度(これらの値によって定められる任意の部分範囲を含む)などの、バイオファブリケーションされた革の重量を基準として、従来の革と同様の含有量のコラーゲンまたはコラーゲンフィブリルを含み得る。

ヒドロゲルと呼ばれる場合もあるフィブリル化コラーゲンは、その最終用途に基づいて選択された厚さを有することができる。フィブリル化コラーゲンのより濃いまたはより濃縮された調製物は、通常は、より厚いバイオファブリケーションされた革を生成する。バイオファブリケーションされた革の最終的な厚さは、架橋、脱水、及び潤滑によって生じる収縮の前のフィブリル調製物の、わずか1、10、20、30、40、50、60、70、80、または90%(またはこれらの値によって規定される任意の範囲内)であってもよい。

「架橋」は、コラーゲン分子間の中での化学結合の形成(または再形成)を意味する。架橋反応はコラーゲン構造を安定化させ、場合によってはコラーゲン分子間にネットワークを形成する。限定するものではないが、クロムを主成分とするものなどの無機塩、ホルムアルデヒド、ヘキサメチレンジイソシアネート、グルタルアルデヒド、ポリエポキシ化合物、ガンマ線照射、及びリボフラビンを用いた紫外線照射などの、当該技術分野で公知の任意の適切な架橋剤を使用することができる。架橋は、任意の公知の方法によって行うことができる。例えば、Bailey et al.,Radiat.Res.22:606−621(1964)、Housley et al.,Biochem.Biophys.Res.Commun.67:824−830(1975)、Siegel,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.71:4826−4830(1974)、Mechanic et al.,Biochem.Biophys.Res.Commun.45:644−653(1971)、Mechanic et al.,Biochem.Biophys.Res.Commun.41:1597−1604(1970)、及びShoshan et al.,Biochim.Biophys.Acta 154:261−263(1968)を参照のこと。これらそれぞれは参照により組み込まれる。

架橋剤としては、イソシアネート、カルボジイミド、ポリ(アルデヒド)、ポリ(アジリシン)、無機塩、ポリ(エポキシ)、酵素、チイラン、フェノール類、ノボラック、レゾール、並びにアミノ酸側鎖(リシン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒドロキシプロリン、またはヒドロキシリシン等)と反応する化学的性質を有する他の化合物が挙げられる。

コラーゲンフィブリル間の化学的及び/または物理的架橋を促進するために、コラーゲンまたはコラーゲン様タンパク質を化学的に修飾してもよい。コラーゲン分子上のリシン、グルタミン酸、及びヒドロキシル基などの反応性基がコラーゲンのロッド状フィブリル構造から突出するため、化学的架橋が可能な場合がある。これらの基を含む架橋は、応下でコラーゲン分子が互いをすり抜けることを防ぎ、結果としてコラーゲン繊維の機械的強度を増加させる。化学的架橋反応の例としては、限定するものではないが、リシンのε−アミノ基との反応、またはコラーゲン分子のカルボキシル基との反応が挙げられる。トランスグルタミナーゼなどの酵素は、グルタミン酸とリシンとの間の架橋を生成して安定なγ−グルタミル−リシン架橋を形成するためにも使用され得る。隣接するコラーゲン分子の官能基間に架橋を生じさせることは当技術分野において公知である。架橋は、フィブリル化されたコラーゲンヒドロゲル由来材料から得られる物理的特性を調整するために本発明で実施することができるもう1つのステップである。

更に、フィブリル化されるもしくはフィブリル化されたコラーゲンは、架橋または潤滑されてもよい。コラーゲンフィブリルは、ネットワーク形成前、ネットワーク形成中、またはネットワークゲル形成中に、クロムもしくは少なくとも1つのアルデヒド基を含む化合物、または植物タンニンで処理することができる。架橋は、フィブリル化されたコラーゲン革を更に安定化させる。例えば、アクリルポリマーでの前処理の後にモリシマアカシア(Acacia Mollissima)などの植物性タンニンで処理したコラーゲンフィブリルは、増加した水熱安定性を示し得る。別の実施形態においては、フィブリル化されたコラーゲンの熱安定性、タンパク質分解抵抗性、及び機械的特性(ヤング率及び引張応力等)を増加させるために、グリセルアルデヒドが架橋剤として使用されてもよい。

コラーゲンフィブリルのネットワークを含むバイオファブリケーションされた材料は、従来の革のために使用されているなめし剤を含む架橋剤を0%から20%、または5%から15%もしくは10%含んでいてもよい。架橋剤は、バイオファブリケーションされた材料のコラーゲンフィブリルまたは他の成分と共有結合していてもよく、あるいはそれらと共有結合以外で会合していてもよい。好ましくは、バイオファブリケーションされた革は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10%を超えない架橋剤を含む。

「潤滑」は、脱水中に、脂肪、または他の疎水性化合物、またはフィブリル−フィブリル結合を調節もしくは制御する任意の物質などの潤滑剤を、コラーゲンを含む革またはバイオファブリケーションされた製品に塗布するプロセスを表す。革の美観の望ましい特徴は、材料の剛性または手触りである。この特性を得るために、フィブリル及び/または繊維間の水が媒介する水素結合は、潤滑剤の使用によって革の中で制限される。潤滑剤の例としては、脂肪、生物学的油、鉱油、合成油、タラ油、スルホン化油、ポリマー、有機官能性シロキサン、及び従来の革を加脂するために使用されている他の疎水性化合物または薬剤、並びにこれらの混合物が挙げられる。潤滑は、いくつかの点で天然革の加脂と類似しているが、バイオファブリケーションされた製品は、その製造方法、より均一な組成、及びより複雑でない組成のため、潤滑剤でより均一に処理することができる。

他の潤滑剤としては、界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、カチオン性高分子界面活性剤、アニオン性高分子界面活性剤、両親媒性ポリマー、脂肪酸、変性脂肪酸、非イオン性親水性ポリマー、非イオン性疎水性ポリマー、ポリアクリル酸、ポリメタクリル樹脂、アクリル樹脂、天然ゴム、合成ゴム、樹脂、両親媒性アニオン性ポリマー及びコポリマー、両親媒性カチオン性ポリマー及びコポリマー、並びにこれらの混合物、並びに水、アルコール、ケトン、及び他の溶媒中でのこれらのエマルジョンまたは懸濁液が挙げられる。

コラーゲンフィブリルを含有するバイオファブリケーションされた材料に潤滑剤を添加してもよい。潤滑剤は、フィブリルを動きやすくするか、可撓性、減少した脆性、耐久性、または耐水性などの革様特性を付与する、任意の量で組み込まれてもよい。潤滑剤の含有量は、バイオファブリケーションされた革の、約0.1〜60%、または10〜55%、または20〜55重量%の範囲であってよく、これらの値によって規定される全ての部分範囲が含まれる。

バイオファブリケーションされた革または材料の特性を変更するために、他の添加剤を添加してもよい。適切な添加剤としては、限定するものではないが、染料、顔料、香料、樹脂、布地用バインダー、及び微粒子が挙げられる。材料の伸縮性、強度、剛性、耐摩耗性、または柔軟性を変更するために樹脂を添加してもよい。適切な樹脂としては、限定するものではないが、エラストマー、アクリルコポリマー、ポリウレタンなどが挙げられる。適切なエラストマーとしては、限定するものではないが、スチレン、イソプレン、ブタジエンコポリマー(エラストマー等)、またはアクリル樹脂が挙げられる。樹脂は、(コラーゲンの重量を基準として)約5%〜200%、または約50%〜150%、または75%〜125%で使用されてもよい。樹脂の量は、最終製品にゾーン特性を付与するために材料全体にわたって変化させてもよい。

微粒子は、最終生成物を多孔質かつ通気性にするための細孔の形成を補助し得る。1つの例は、材料が形成された後に洗い流されて細孔が残るポロゲンのような微粒子である。この手法は、微孔性膜の形成において公知である。あるいは、微粒子は、最終製品にクッション性または柔軟性を付与し得る。微粒子は、組成物全体の0.1重量%〜10重量%、または1重量%〜5重量%で使用されてもよい。通気性を付与するためのもう1つの技術は、バイオファブリケーションされた材料をニードルパンチすることである。

最終製品の加温または冷却を可能にする熱伝導を付与するために、カーボンブラック、ナノフィラー、または類似の材料も添加されてもよい。これらの材料は、組成物全体の約0.01重量%〜約10重量%、または1重量%〜5重量%で使用されてもよい。

例えばタッチスクリーン用途のための手袋に有用な電磁的な利点を付与するために、還元型酸化グラフェン、並びにマルチ及びシングルウォールカーボンナノチューブなどの導電性材料が添加されてもよい。これらの材料は、組成物全体の約0.01重量%〜約10重量%、または1重量%〜5重量%で使用されてもよい。

発光材料、反射材料、抗菌剤、抗真菌剤、香料なども、本発明の材料中で有用な場合がある。これらの材料は、組成物全体の約0.01重量%〜約10重量%、または1重量%〜5重量%で使用されてもよい。抗菌剤、芳香剤、及び/または抗真菌剤は、当該技術分野で知られているように、延長された時間放出されるように粒子上に吸収されていてもよい。例えば、薬剤は、シクロデキストリン等の上に担持されていてもよい。

石英、トパーズ、スクロースなどの圧電材料も、本発明の材料中で有用な場合がある。これらの材料は、組成物全体の約0.01重量%〜約10重量%、または1重量%〜5重量%で使用されてもよい。

最終製品中で異なる特性を与える異なる樹脂、添加剤、または充填剤を用いて、バイオファブリケーションされた溶液または濃縮物の異なるバッチを調製してもよい。バッチが調製され、隣り合わせで流し込まれるか塗布され、一緒に流動され、その後乾燥されることで、ゾーン特性を有するバイオファブリケーションされた材料を形成することができる。

「脱水(dehydratingまたはdewatering)」は、フィブリル化コラーゲン含有水溶液、懸濁液、ゲル、またはヒドロゲルなどの、コラーゲンフィブリルと水とを含有する混合物から水を除去するプロセスを表す。水は、濾過、蒸発、凍結乾燥、溶媒交換、真空乾燥、対流乾燥、加熱、照射、もしくはマイクロ波によって、または水を除去するための他の公知の方法によって、除去することができる。更に、コラーゲンの化学的架橋は、中でもリシン、アルギニン、及びヒドロキシリシンなどの親水性アミノ酸残基を消費することによって、結合している水をコラーゲンから除去することが知られている。本発明者らは、アセトンが速やかにコラーゲンフィブリルを脱水し、また水和コラーゲン分子に結合している水も除去し得ることを見出した。脱水後のバイオファブリケーションされた材料または革の含水率は、好ましくはバイオファブリケーションされた革の60重量%超えない、例えば5、10、15、20、30、35、40、50、または60重量%を超えない。この範囲には全ての中間の値が含まれる。含水率は、25℃、1atmで、相対湿度を65%で平衡化することにより測定される。

「グレインテクスチャー」は、フルグレインレザー、トップグレインレザー、コレクテッドグレインレザー(人工グレインが利用されている場合)の質感、またはより粗いスプリットグレインレザーの質感と審美的または質的に似た革様の質感を表す。有利なことには、本発明のバイオファブリケーションされた材料は、革の表面のグレインに似た細かいグレインを付与するように調整することができる。バイオファブリケーションされた革様材料は、バイオファブリケーションされた材料に審美的特徴を付与するために、テクスチャード加工された表面全体にエンボス加工、デボス加工、または形成されていてもよい。

本発明の物品は、履物、衣類、手袋、家具、または自動車の内装、宝飾品、並びに他の革商品及び製品を含み得る。これには、限定するものではないが、オーバーコート、コート、ジャケット、シャツ、ズボン、パンツ、ショーツ、水着、下着、制服、エンブレムもしくは文字、衣装、ネクタイ、スカート、ドレス、ブラウス、レギンス、手袋、ミトン、靴、靴の構成部品(ソール、クォーター、前皮、カフ、細革、及びカウンター等)、ドレスシューズ、運動靴、ランニングシューズ、カジュアルシューズ、運動用、ランニング用、もしくは普段履き用の靴の構成部品(トウキャップ、トウボックス、アウトソール、ミッドソール、アッパー、紐、アイレット、カラー、ライニング、アキレスノッチ、ヒール、及びカウンター等)、ファッション用もしくは女性用の靴及びそれらの靴の構成部品(アッパー、アウターソール、トウスプリング、トウボックス、装飾、つま革、ライニング、靴下、インソール、プラットホーム、カウンター、及びヒールまたはハイヒール等)、ブーツ、サンダル、ボタン、サンダル、帽子、マスク、ヘッドギア、ヘッドバンド、ヘッドラップ、ベルトなどの衣類;ブレスレット、時計バンド、及びネックレスなどの宝飾品;手袋、傘、杖、財布、携帯電話、またはウェアラブルコンピュータカバー、財布、バックパック、スーツケース、ハンドバッグ、フォリオ、フォルダ、ボックス、及び他のパーソナル物品;アスレチック、スポーツ、ハンティング、またはレクリエーションの用具(ハーネス、馬勒、手綱、はみ、綱、ミット、テニスラケット、ゴルフクラブ、ポロ、ホッケー、またはラクロスの用具)、チェス盤やゲームボード、メディシンボール、キックボール、野球及び他の種類のボール、並びに玩具;装丁、ブックカバー、額縁、または手工芸品;椅子、ソファー、ドア、座席、オットマン、部屋の仕切り、コースター、マウスパッド、デスクブロッター、または他のパッド、テーブル、ベッド、床、壁、または天井のカバーリング、床材などの、家具、及び家庭、オフィス、または他の内装もしくは外装の装飾;座席、ヘッドレスト、内張り、パネル、ハンドル、操縦桿または制御装置のカバー、及び他の被覆材またはカバーなどの、自動車、ボート、航空機、及び他の車両製品が含まれる。

コラーゲンフィブリルのバイオファブリケーションされたネットワークまたはバイオファブリケーションされた革の物理的性質は、コラーゲンの種類、フィブリル化されたコラーゲンの濃度量、フィブリル化の程度、架橋、脱水、及び潤滑の選択によって選択または調整することができる。

多くの有利な特性は、得られるバイオファブリケーションされた材料または革に、強くて可撓性があり実質的に均一である特性を付与し得るコラーゲンフィブリルのネットワーク構造と関連する。本発明によるバイオファブリケーションされた革の好ましい物理的特性には、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15またはそれ以上のMPaの範囲の引張強さ、1、5、10、15、20、25、30%またはそれ以上の範囲の破断伸びによって決定される可撓性、4、5、6、7、8mmまたはそれ以上のISO 17235により決定される柔軟性、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1、4、1、5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0mmまたはそれ以上の範囲の厚さ、及び10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1、000mg/ccまたはそれ以上、好ましくは100〜500mg/ccのコラーゲン密度(コラーゲンフィブリル密度)が含まれる。上述の範囲には、列挙した値によって規定される全ての部分範囲及び中間の値が含まれる。

厚さ。その最終的な用途に応じて、バイオファブリケーションされた材料または革は任意の厚さを有していてもよい。その厚さは、好ましくは約0.05mm〜20mmの範囲、及び0.05、0.1、0.2、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、40、50mmまたはそれ以上などのこの範囲内の全ての中間の値であり、列挙された値によって規定される全ての部分範囲を含む。バイオファブリケーションされた革の厚さは、コラーゲンの含有量を調節することによって制御することができる。ゾーン特性を付与するためのもう1つの方法は、1つの材料内に様々な厚さを持たせることである。

弾性率。弾性率(別名ヤング率)は、力が加えられた際に弾性的に(すなわち非永久的に)変形されることに対する物体または物質の抵抗を測定する数である。物体の弾性率は、弾性変形領域における応力−歪み曲線の傾きとして定義される。堅い材料ほどより高い弾性率を有する。弾性率は、テクスチャーアナライザーを用いて測定することができる。ゾーン特性を付与するためのもう1つの方法は、材料全体にわたって異なる弾性領域を持たせることである。

バイオファブリケーションされた革は、少なくとも100kPaの弾性率を有し得る。これは、100kPa〜1,000MPaの範囲、及び0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、50、100、200、300、400、500、600、700、800、900、または1,000MPaなどのこの範囲内の任意の中間の値、並びにこれらの値によって規定される任意の部分範囲であってもよい。バイオファブリケーションされた革は、その緩和状態の長さから最大300%まで、例えば0%超、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、150%、200%、250%、または300%、及びその緩和状態の長さのこれらの値によって規定される任意の部分範囲まで、伸長でき得る。

引張強さ(別名極限引張強さ)は、サイズを縮めようとする荷重に耐える圧縮強さと反対に、引き延ばそうとする荷重に耐える材料または構造の能力である。引張強さは張力または引き離しに抵抗する一方で、圧縮強さは圧縮または押し込みに抵抗する。

バイオファブリケーションされた材料の試料は、Instron機を用いて引張強さについて試験することができる。クランプが試料の両端に取り付けられ、試料は破損するまで反対方向に引っ張られる。試料が少なくとも1MPaの引張強さを有する場合に優れた強度が証明される。バイオファブリケーションされた革は、少なくとも1kPaの引張強さを有し得る。これは、1kPa〜100MPaの範囲、及び1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、50、100、200、300、400、500kPA;0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、または100MPaなどのこの範囲内の任意の中間の値、並びにこれらの値によって規定される任意の部分範囲であってもよい。

引き裂き強さ(別名引き裂き抵抗)は、材料が引き裂きの影響にどれだけよく耐えることができるかの尺度である。しかし、より具体的には、これは、材料(通常はゴム)が張力下にあるときに切れ目の成長にどれだけよく抵抗するかであり、通常はkN/mで測定される。引き裂き抵抗は、ASTM D412法(引張強さ、弾性率、及び伸びの測定に用いるものと同じ)によって測定することができる。ASTM D624は、裂け目の形成(裂けの開始)に対する耐性及び裂け目の広がり(裂けの伝播)に対する耐性を測定するために使用することができる。これらの2つのうちのどちらが測定されるかに関わらず、試料は2つのホルダーの間に保持され、上述の変形が生じるまで均一な引っ張り力がかけられる。引き裂き抵抗は、その後、かけられた力を材料の厚さで除すことによって計算される。バイオファブリケーションされた革は、同じ架橋剤(複数可)または潤滑剤を使用して加工された同一の型のコラーゲン(例えばウシ由来I型またはIII型コラーゲン)を含む同じ厚さの従来のトップグレインまたは他の革よりも、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、100、150、または200%より大きい、及びこれらの値により規定される任意の部分範囲の、引き裂き抵抗を示し得る。バイオファブリケーションされた材料は、約1〜500Nの範囲の引き裂き強さ、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、または500、及びこの範囲内の任意の中間の引き裂き強さ及びこれらの値により規定される任意の部分範囲の引き裂き強さを有し得る。

柔軟性。ISO 17235:2015は、革の柔軟性を決定するための非破壊的な方法を規定する。これは、例えば靴のアッパーレザー、革張り、革商品の革、及びアパレルレザーなどの全ての軟質の革に適用可能である。バイオファブリケーションされた革は、ISO17235により決定される2、3、4、5、6、7、8、10、11、12mmまたはそれ以上及びこれらの値により規定される任意の部分範囲の柔軟性を有し得る。

グレイン。革のトップグレイン表面は、多くの場合その柔らかい質感と滑らかな表面のために最も望ましいと見なされる。トップグレインは、コラーゲンフィブリルの高度に多孔質のネットワークである。グレインの強度及び引き裂き抵抗は、多くの場合トップグレイン単独の実際の用途に関しての制約であり、従来の革製品は、多くの場合、はるかに粗いグレインを有する真皮で裏打ちされる。強くて均一な物理的特性または増加した厚さを伴って製造することができる本明細書に開示のバイオファブリケーションされた材料は、真皮の裏打ちを必要とせずにトップグレイン様製品を提供するために使用することができる。

他の成分の含有量。いくつかの実施形態においては、コラーゲンは、エラスチンまたは非構造動物タンパク質などの他の革成分を含まない。しかし、いくつかの実施形態においては、バイオファブリケーションされた革の中のアクチン、ケラチン、エラスチン、フィブリン、アルブミン、グロブリン、ムチン、ムチノイド、非コラーゲン構造タンパク質、及び/または非コラーゲン非構造タンパク質の含有量は、バイオファブリケーションされた革の0、1、2、3、4、5、6、7、8、9〜10重量%の範囲、及びこれらの値により規定される任意の部分範囲であってもよい。別の実施形態においては、アクチン、ケラチン、エラスチン、フィブリン、アルブミン、グロブリン、ムチン、ムチノイド、非コラーゲン構造タンパク質、及び/または非コラーゲン非構造タンパク質の含有量は、バイオファブリケーションされた革の0重量%超、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%、20重量%、またはそれ以上の範囲、及びこれらの値により規定される任意の部分範囲の量でバイオファブリケーションされた革の中に組み込まれてもよい。そのような成分は、フィブリル化、架橋、脱水、または潤滑の最中または後に導入されてもよい。

「革用染料」は、革またはバイオファブリケーションされた革を着色するために使用できる染料を指す。これらには、酸性染料、直接染料、レーキ、硫化染料、塩基性染料、及び反応性染料が含まれる。染料及び顔料は、バイオファブリケーションされた革の製造中に、コラーゲンフィブリルを含む懸濁液またはネットワークゲルの中などの、バイオファブリケーションされた革の前駆体に組み込むこともできる。

「充填材」。いくつかの実施形態においては、バイオファブリケーションされた革は、ミクロスフェアなどの、革の成分以外の充填材を含んでいてもよい。脱水されたフィブリルネットワークの組織化を制御する1つの方法は、脱水中にフィブリルを離間させた状態に保つ充填材料を含めることである。これらの充填材料としては、ナノ粒子、微粒子、またはなめし産業において一般的に使用されている合成タンニンなどの様々なポリマーが挙げられる。これらの充填材料は、最終的に脱水された革材料の一部であってもよく、あるいは充填材料は犠牲的であってもよい、すなわちこれらはより多孔質のフィブリルネットワークのために開放空間を残して分解または溶解してなくなる。これらの充填材の形状及び寸法は、脱水されたフィブリルネットワークの配向を制御するために使用されてもよい。

いくつかの実施形態においては、充填材は、高分子ミクロスフェア(複数可)、ビーズ(複数可)、繊維(複数可)、ワイヤ(複数可)、または有機塩(複数可)を含んでいてもよい。他の材料も、本発明によるバイオファブリケーションされた革またはコラーゲンフィブリルのネットワークの中に埋め込まれるか、または他の方法で組み込まれてもよい。これらとしては、限定するものではないが、織布繊維及び不織布繊維の両方、ならびに綿、羊毛、カシミア、アンゴラ、リネン、竹、靱皮、麻、大豆、シーセル、乳または乳タンパク質から製造された繊維、絹、スパイダーシルク、他のペプチドまたはポリペプチド(組み換え技術により製造されたペプチドまたはポリペプチド等)、キトサン、菌糸体、セルロース(バクテリアセルロース等)、木材(木質繊維等)、レーヨン、リヨセル、ビコース、抗菌糸(A.M.Y.)、Sorbtek、ナイロン、ポリエステル、エラストマー、スパンデックス、またはエラステイン、及び他のポリエステル−ポリウレタンコポリマー、カーボン(カーボン繊維及びフラーレン等)、ガラス(ガラス繊維及び不織布等)、ケイ素及びケイ素含有化合物、鉱物(鉱物粒子及び鉱物繊維等)、並びに金属または金属合金(鉄、鋼、鉛、金、銀、白金、銅、亜鉛、及びチタンを含むもの等)が挙げられ、これらは粒子、繊維、ワイヤ、またはバイオファブリケーションされた革への組み込みに好適な他の形態であってもよい。そのような充填材は、導電性材料、磁性材料、蛍光材料、生物発光材料、燐光材料もしくは他のフォトルミネセンス材料、またはこれらの組み合わせを含み得る。例えば本明細書に開示の化学的特性及び物理的特性を改変するために、これらの成分の混合物またはブレンド物がバイオファブリケーションされた革の中に埋め込まれるか組み込まれてもよい。

動物界では様々な形態のコラーゲンが見出されている。本明細書で使用されるコラーゲンは、脊椎動物及び無脊椎動物の両方を含む動物供給源、または合成供給源から得ることができる。コラーゲンは、既存の動物加工の副産物を供給源としていてもよい。動物供給源から得られたコラーゲンは、当該技術分野で公知の標準的な実験技術、例えば、Silva et.Al.,Marine Origin Collagens and its Potential Applications,Mar.Drugs,2014 Dec.,12(12);5881−5901)を使用して単離することができる。

本明細書に記載のコラーゲンは、バイオリアクター内で増殖させた細胞からなどの細胞培養技術によっても得ることができる。

コラーゲンは、組換えDNA技術によっても得ることができる。非ヒトコラーゲンをコードする構築物を、非ヒトコラーゲンを産生するために宿主生物中に組み込むことができる。例えば、Hansenula polymorpha、Saccharomyces cerevisiae、Pichia pastorisなどの酵母を宿主として用いてコラーゲンを産生することもできる。更に、近年、三重らせんコラーゲンの特徴であるシグネチャー(Gly−Xaa−Yaa)n反復アミノ酸配列を与える細菌ゲノムが同定されている。例えば、グラム陽性細菌であるStreptococcus pyogenesは、現在十分に同定されている構造及び機能特性を有している2つのコラーゲン様タンパク質であるScl1及びScl2を含んでいる。そのため、大規模な製造方法を確立するために、Scl1とScl2のいずれかの様々な配列を修飾した組換え大腸菌系で構築物を得ることが可能であろう。コラーゲンは、標準的なペプチド合成dcv技術によって得ることもできる。上述の手法のいずれかから得られたコラーゲンは、更に重合されてもよい。コラーゲン二量体及び三量体は、溶液中でのコラーゲン単量体の自己会合により形成される。

本発明で有用な材料としては、限定するものではないが、バイオファブリケーションされた材料、天然もしくは合成の織布、不織布、編生地、メッシュ生地、及びスペーサーファブリックが挙げられる。

コラーゲンフィブリルを保持するいずれの物質も、本発明で有用であり得る。通常、有用な生地は、1平方インチ当たり300本の糸から1平方フィート当たり1本の糸の範囲のメッシュ、または直径約11μm以上の孔径を有する。スパンレース材料も有用な場合がある。いくつかの実施形態においては、水溶性の生地が有用である。利用する場合、コラーゲンの溶液に曝露された生地の部分が溶解して生地に空隙または穴を形成し、コラーゲンが空隙または穴を充填する。水溶性生地は、典型的には、ポリビニルアルコール繊維から形成され、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート、及びデンプンなどの樹脂で被覆される。あるいは、空隙または穴は、天然または合成の織布、不織布、編生地、メッシュ生地、及びスペーサーファブリックなどの二次材料で被覆されていてもよい。

あるいは、生地に切り込まれている空隙または穴を塞ぐためにバイオファブリケーションされた材料を使用してもよい。空隙または穴のサイズは、付与されるデザインに応じて様々であってもよい。空隙または穴の形状は、デザインに応じて様々であってもよい。空隙または穴の適切な寸法は、約0.1インチ〜約5メートルまたは6インチ〜3メートル、または1フィート〜2メートルの範囲であってもよい。適切な形状としては、限定するものではないが、円形、正方形、長方形、三形、楕円形、卵形、及びブランドロゴが挙げられる。

いくつかの材料は、バイオファブリケーションされた材料の接着を改善するための前処理に役立つ。前処理は、コラーゲンコーティング、樹脂コーティング、生地のデボレ加工(バーンアウト法としても知られている)、薬品処理、またはこれらの組み合わせを含み得る。例えば、セルロース繊維から製造された材料のための薬品による前処理は、過ヨウ素酸塩(酸化剤)溶液処理を含み得る。適切なセルロース生地は、ビスコース、アセテート、リヨセル、竹、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。酸化剤はセルロース中の糖環を開き、コラーゲンが開環に結合することを可能にする。溶液中の酸化剤の濃度は、望まれる酸化の程度に依存する。一般に、酸化剤の濃度が高いほど、または反応時間が長いほど、より大きい酸化の程度が得られる。本発明のある実施形態においては、望まれる酸化レベルを達成するために酸化反応を望ましい時間実施することができる。酸化反応は、使用される酸化剤の種類に応じて様々な温度で行うことができる。本発明者らは、15分〜24時間の時間範囲にわたって室温で制御された酸化を使用することを選んだ。例えば、最短時間は少なくとも15分、少なくとも30分、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも5時間、及び少なくとも7.5時間である一方で、最長時間は最大24時間、最大18時間、最大15時間、最大12時間、及び少なくとも10時間、ならびにこれらの値により規定される全ての部分範囲を含むことが想定される。過ヨウ素酸ナトリウムの量は、生地の1重量%から50重量%、または2重量%から20重量%、もしくは10重量%の割合の範囲である。本明細書で使用される割合は、コラーゲンの重量%を基準とする添加剤の量を意味する。他の薬品による前処理は、Bioconjugate Techniques by Greg Hermansonの中で教示されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。

過ヨウ素酸塩をグリコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ブチレングリコール、またはこれらの組み合わせでクエンチし、水で生地をすすぎ、生地を乾燥させる。生地は、天然、合成、またはこれらの組み合わせであってもよく、織布、不織布、編生地、またはこれらの組み合わせであってもよく、また1平方インチ当たり300本の糸から1平方フィート当たり1本の糸の範囲のメッシュを有していてもよく、あるいは直径11μm以上の孔径を有していてもよい。生地の繊維は、タンパク質、セルロース、またはこれらの組み合わせを含んでいてもよい。生地の端部はデボレ加工されていてもよい。

生地は、0.5mg/ml〜10mg/mlのコラーゲン溶液を生地に塗布し、及び/または容器の中にコラーゲン溶液を注ぎ、容器を冷却し、溶液を混合し、溶液に緩衝液を添加してフィブリル化を生じさせ、生地を通して溶液を濾過し、生地と濾液を容器の中に入れ、混合することすることによる、などのコラーゲン溶液での前処理が行われてもよい。

本明細書に記載のバイオファブリケーションされた溶液は、本明細書で説明した任意の適切な非ヒトコラーゲン源及び/または組み合わせを含み得る。

本明細書に記載のコラーゲン材料の形成における最初の段階として、出発コラーゲン材料を溶液の中に入れ、フィブリル化してもよい。コラーゲンの濃度は、約0.1g/L〜10g/L、または5g/L〜10g/L、または10%の範囲であってもよい。コラーゲンのフィブリル化は、コラーゲン溶液に塩を導入することにより生じさせることができる。リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、塩化カリウム、及び塩化ナトリウムなどの塩または塩の組み合わせをコラーゲン溶液に添加すると、コラーゲン溶液のイオン強度が変化し得る。コラーゲンのフィブリル化は、より大きな水素結合、ファンデルワールス相互作用、及び共有結合による静電相互作用の増加の結果として生じ得る。適切な塩濃度は、例えば、約10mM〜5M、または100mM〜3M、または200mM〜1Mもしくは250mMの範囲であってもよい。

コラーゲンネットワークは、pHに対して非常に敏感な場合もある。フィブリル化工程の間、pHは直径及び長さなどのフィブリルの寸法を制御するように調節されてもよい。適切なpHは約5.5〜10の範囲であってもよい。濾過前のフィブリル化工程の後、溶液のpHは、約3.5〜10、例えば3.5〜7または3.5〜5の範囲のpHに調節される。コラーゲンフィブリルの全体の寸法及び組織化は、得られるフィブリル化コラーゲン由来の材料の靭性、伸張能力、及び通気性に影響を与えることになる。これは、異なる靱性、可撓性、及び通気性を必要とし得る様々な用途のためのフィブリル化コラーゲン由来の革を製造するために使用することができる。

脱水化されたフィブリルネットワークの組織化を制御する1つの方法は、フィブリルを乾燥中に離間させておく充填材料を含めることである。これらの充填材料としては、ナノ粒子、微粒子、ミクロスフェア、マイクロファイバー、またはなめし産業において一般的に使用されている様々なポリマーが挙げられる。これらの充填材料は、最終的に脱水された革材料の一部であってもよく、あるいは充填材料は犠牲的であってもよい、すなわちこれらはより多孔質のフィブリルネットワークのために開放空間を残して分解または溶解してなくなる。

コラーゲンまたはコラーゲン様タンパク質は、コラーゲンフィブリル間の化学的及び物理的な架橋を促進するために化学的に修飾されてもよい。コラーゲン様タンパク質は、米国特許出願US2012/0116053A1の中で教示されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。コラーゲン分子上のリシン、グルタミン酸、及びヒドロキシル基などの反応性基がコラーゲンのロッド状フィブリル構造から突出するため、化学的架橋が可能な場合がある。これらの基を含む架橋は、応力下でコラーゲン分子が互いにすり抜けることを防ぎ、その結果コラーゲン繊維の機械的強度を増加させる。化学的架橋反応の例としては、限定するものではないが、リシンのε−アミノ基との反応、またはコラーゲン分子のカルボキシル基との反応が挙げられる。

トランスグルタミナーゼなどの酵素は、グルタミン酸とリシンとの間の架橋を生成して安定なγ−グルタミル−リシン架橋を形成するためにも使用され得る。隣接するコラーゲン分子の官能基間に架橋を生じさせることは当技術分野において公知である。架橋は、フィブリル化されたコラーゲンヒドロゲル由来の材料から得られる物理的特性を調整するためにここで実施することができる別のステップである。

形成された後、フィブリル化コラーゲンのネットワークは、クロム、アミン、カルボン酸、硫酸塩、亜硫酸塩、スルホン酸塩、アルデヒド、ヒドラジド、スルフヒドリル、ジアザリン、アリール−、アジド、アクリレート、エポキシド、またはフェノーを含む二官能性、三官能性、または多官能性の反応性基を有する分子を組み込むことによって更に安定化されてもよい。

フィブリル化されたコラーゲンネットワークは、ヒドロゲルを形成するか繊維品質を有する他の薬剤(例えば重合可能なポリマーまたは他の適切な繊維)と重合されてもよく、これはマトリックスを更に安定化させ、望みの末端構造を得るために使用することができる。アクリルアミド、アクリル酸、及びこれらの塩を主体とするヒドロゲルを、逆懸濁重合を使用して調製することができる。本明細書に記載のヒドロゲルは、極性モノマーから調製することができる。使用されるヒドロゲルは、天然高分子ヒドロゲル、合成高分子ヒドロゲル、またはこれら2つの組み合わせであってもよい。使用されるヒドロゲルは、グラフト重合、架橋重合、水溶性ポリマーから形成されるネットワーク、放射線架橋などを使用して得ることができる。重合を促進するためにヒドロゲル組成物に少量の架橋剤が添加されてもよい。

コラーゲン溶液の粘度は、20℃で1cP〜50000cP、または1000cP〜40000cP、または5000cP〜10000cPの範囲であってもよい。溶液は、表面に注入、噴霧、塗装、または塗布することができる。粘度は、最終材料が形成される方法によって様々であってもよい。より高い粘度が望まれる場合には、カルボキシメチルセルロースなどの公知の増粘剤を溶液に添加することができる。あるいは、粘度を変化させるために溶液中のコラーゲンの量を調節することができる。

コラーゲン溶液における柔軟性は、例えばバイオファブリケーションされた革ひも材料または三次元材料の形成などの、前記コラーゲン溶液の堆積により全体が作られる新規な材料の製造を可能にする。ある意味では、コラーゲン溶液は、注入され、ピペットで入れられ、滴下され、ノズルを通して噴霧され、塗装またはパレット塗布(paletted)され、スクリーン印刷され、またはロボットにより塗布されてもよく、あるいは二次材料がコラーゲン溶液の中に浸漬されてもよい。テクスチャー表面は、材料の形成プロセスにおいて開口材料を利用することによって得ることができる。コラーゲン組成物は、マスキング、ステンシル、及び成形技術の使用も可能にする。バイオファブリケーションされた革溶液の塗布は、これが塗布される材料の特性の変更も可能にする。例えば、バイオファブリケーションされた革溶液は、最終材料をより強く、よりしなやかに、より堅く、より撓みやすく、より弾性的に、またはより柔らかくすることができる。

ある実施形態においては、コラーゲン溶液は水を除去して濃縮物を形成するために濾過される。濃縮物とは、粘性のある流動性材料を意味する。濃縮物は、1重量%〜30重量%、または2重量%〜20重量%、または3重量%〜10重量%、または4重量%〜8重量%のフィブリル化コラーゲンを含有する。この状態で、コラーゲンは、コラーゲン溶液とは異なる特性を付与する他の材料と混合することができる。例えば、濃縮物は、一軸もしくは二軸押出機などの押出機で混合することができる。押出機の中で濃縮物と混合することができる材料としては、樹脂、架橋剤、染料または顔料、加脂剤、繊維、バインダー、ミクロスフェア充填材などが挙げられる。濃縮物は、その高い粘度のため、例えばパレット塗布(palleting)などの様々な手法で異なる基材に塗布することができる。同じ材料を従来の手法を用いて混合することもできる。バインダーまたは接着剤の量は、1:3〜1:1(バインダー/接着剤対コラーゲン)、例えば1:2.5〜1:1,1:2〜1:1、1:2〜1:1.5、1:2.5〜1:10の範囲であってもよい。フィブリル化コラーゲン範囲の重量の下端の濃縮物を濾過して乾燥させてもよく、またフィブリル化コラーゲン範囲の重量の上端の濃縮物を乾燥させてもよい。

上述のように、上述の方法から得られるバイオファブリケーションされた革材料は、動物の皮から製造された革と同様の巨視的構造及び物理的特性を有し得る。動物の皮または皮膚が、フィブリル化コラーゲンを作製する際に使用されるコラーゲンの供給源であってもよいものの、通常、本明細書に記載のバイオファブリケーションされた革材料は、動物の皮または皮膚のシートまたは小片以外の供給源から得られ得る。コラーゲンまたはコラーゲン様タンパク質の供給源は、任意の動物(例えば哺乳類、魚)、またはより詳しくは培養された細胞/組織、供給源(特には微生物など)から単離されてもよい。

バイオファブリケーションされた革材料は、その中に含まれるフィブリルネットワークを安定化する薬剤を含むか、フィブリル化を促進する薬剤を含んでいてもよい。前のセクションで述べたように、望ましい特性(例えば強度、曲げ、伸び等)を有するフィブリル化されたコラーゲン材料を得るために、フィブリル化の前(または後)に、コラーゲン溶液に架橋剤(更なる安定化のため)、造核剤(フィブリル化を促進するため)、及び追加の重合剤(追加的な安定化のため)が添加されてもよい。

上述のように、脱水または乾燥の後、上で説明した方法から得られた人工的にバイオファブリケーションされた革材料は、20重量%未満、例えば15重量%未満、12.5重量%未満、または10重量%未満の含水量を有する。人工的にバイオファブリケーションされた革材料の含水量は、異なる目的及び望まれる特性のための革材料を得るために仕上げステップにおいて微調整されてもよい。

上述のように、これらのバイオファブリケーションされた革のいずれも、なめし加工(例えば植物(タンニン)、クロム、ミョウバン、ジルコニウム、チタン、鉄塩、またはそれらの組み合わせ、または任意の他の適切ななめし剤などのなめし剤を使用して)されてもよい。そのため、本明細書に記載の得られるバイオファブリケーションされた革材料のいずれにおいても、得られる材料は、ある割合(例えば0.01%〜10%の間)の残留なめし剤(例えばタンニン、クロム等)を含み得る。したがって、得られるバイオファブリケーションされた革材料中のコラーゲンフィブリルは、例えば劣化を抑えるための架橋など、なめし加工されるように修飾される。

バイオファブリケーションされた革材料は、表面テクスチャーを付与するために処理されてもよい。適切な処理としては、限定するものではないが、エンボス加工、デボス加工、モールドの充填、テクスチャー表面のコーティング、及び材料の下の開口板を用いた真空成形が挙げられる。当該技術分野で公知のように、エンボス加工及びデボス加工が行われる圧力及び温度は、望まれる質感及びデザインに応じて変動し得る。バイオファブリケーションされた革材料に、革産業で公知の表面コーティング及び仕上げを適用してもよい。あるいは、濃縮物を表面に塗布し、つまようじ、針などの道具を使用して先端を引き上げることにより、濃縮物を使用してテクスチャー表面を形成してもよい。

上述のように、本明細書に記載のバイオファブリケーションされた革を製造するための変形形態のいずれにおいても、脱水前に、コラーゲンがフィブリル化される際に、及び/またはフィブリル化が行われた後に別個に、材料がなめし加工(架橋)され得る。例えば、なめし加工には、アルデヒド(例えば、グルタルアルデヒド)及び/または任意の他のなめし剤を使用する架橋が含まれ得る。そのため、通常、なめし剤には、アルデヒド架橋剤、クロム、アミン、カルボン酸、硫酸塩、亜硫酸塩、スルホン酸塩、アルデヒド、ヒドラジド、スルフヒドリル、ジアジリンなどの任意のコラーゲンフィブリル架橋剤が含まれる。

バイオファブリケーションされた革材料を含む材料を製造するためのいくつかの方法は、材料を準備すること、コラーゲンとの結合に適するように材料を前処理すること、材料にコラーゲン溶液を塗布すること、及び乾燥することを含む。乾燥には、真空による水の除去、加熱空気乾燥、周囲温度での空気乾燥、ホットプレス、及び加圧乾燥が含まれ得る。前処理が必要とされる場合には、前処理は、材料の中に空隙または穴を切り込むこと、ある特定の繊維を化学的に除去すること、及び薬品もしくはコラーゲン溶液で材料を処理することのいずれかである。他の方法は、材料の前処理を必要としない。前処理が必要とされない場合、材料は部分的に水溶性であるか、またはコラーゲンを保持するが水を通過させるかのいずれかである。適切なメッシュサイズは、1平方インチ当たり300本の糸から1平方フィート当たり1本の糸の範囲である。本明細書において使用される生地への接着(bondedまたはbonding)という用語は、手で引っ張った際にバイオファブリケーションされた革が生地から容易に剥がれないように付着することを意味する。接着の有効性を試験するための適切な方法は、Instron(登録商標)材料試験機などの装置で行われる剥離強度試験である。機械のクリップがバイオファブリケーションされた革材料とそれが接着している材料に取り付けられ、材料が裂けるか剥がれるまでクリップが引き離される。引き裂き力はN/mmで報告される。適切な剥離強度は約0.5N/mm〜100N/mmの範囲であり、これらの間の全ての値及び範囲が含まれ、例えば、1、2、3、5、7.5、9、10、12.5、15、18.75、20、21、24.5、30、33.25、35、40、42.5、47.75、50、55、60、65、70、75、79、80、85、90、91、92、93、94、及び95、並びにこれらの値により規定される任意の部分範囲が含まれる。

本発明は、次の例示的な実施形態により表される。

[1]ゾーン特性を有するバイオファブリケーションされた材料を含む、物品。

[2]前記バイオファブリケーションされた材料が組み換えコラーゲンを含む、[1]の物品。

[3]前記組み換えコラーゲンが、ウシ、ブタ、カンガルー、ヒツジ、ワニ、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、[2]の物品。

[4]前記コラーゲンがIII型ウシ由来コラーゲンである、[3]の物品。

[5]前記ゾーン特性が、色、通気性、伸縮性、引き裂き強さ、柔軟性、剛性、耐摩耗性、加温もしくは冷却を可能にする熱伝導性、電磁特性、発光、反射率、抗菌性、抗真菌性、芳香性、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、[1]の物品。

[6]前記ゾーン特性が、層間、隣合わせ、及び異なる特性を有する別の材料に取り囲まれているある特性を有する少なくとも1つの材料から選択される、[1]の物品。

[7]ゾーン特性を有するバイオファブリケーションされた材料の製造方法であって、 表面上に材料を配置すること、前記第1の材料の隣に異なる特性を有する第2の材料を配置すること、前記2つの材料の上にコラーゲン水溶液を塗布すること、及び乾燥させることでゾーン特性を有する前記バイオファブリケーションされた材料を形成すること、を含む前記方法。

[8]前記第1の材料及び前記第2の材料が繊維質材料である、[7]の方法。

[9]単一のコラーゲン水溶液が前記第1の材料と前記第2の材料の上に流し込まれる、[7]の方法。

[10]ゾーン特性を有するバイオファブリケーションされた材料の製造方法であって、 第1のコラーゲン水溶液を準備すること、前記第1の水溶液とは異なる少なくとも1つの特性を有する第2のコラーゲン水溶液を準備すること、前記2つの水溶液を塗布し、前記2つの水溶液を中心部分で一緒に流動させること、及び乾燥させてゾーン特性を有する前記バイオファブリケーションされた材料を形成すること、を含む前記方法。

[11]前記2つの水溶液が隣合わせで流し込まれる、[10]の方法。

[12]前記2つの水溶液がパターン化された様式で流し込まれる、[10]の方法。

[13]ゾーン特性を有するバイオファブリケーションされた材料の製造方法であって、 第1のコラーゲン水溶液を準備すること、前記第1の水溶液とは異なる少なくとも1つの特性を有する第2のコラーゲン水溶液を準備すること、前記第1の水溶液を流し込み、第1の層を乾燥させること、前記第1の層の上に前記第2の水溶液を流し込むこと、及び乾燥させてゾーン特性を有する前記バイオファブリケーションされた材料を形成すること、を含む前記方法。

次の実施例は例示の目的のためである。請求項をこれらの中の詳細に限定すべきではない。

実施例1 A方向に0.0272955MPa/%、B方向に0.00719MPa/%のヤング率を有する1枚の不織布(直径3インチ、ポリエチレンテレフタレート)を購入した。A方向に4.897MPa/%、B方向に2.165MPa/%のヤング率を有する2枚目の織布(直径3インチ、ポリエチレンテレフタレート)を購入した。単位MPa/%は、%伸び当たりのメガパスカルであった。2枚の生地を半分に切断し、濾紙(Whatmanグレード1濾紙、Sigma Aldrich)の上かつ直径3インチのブフナー漏斗の内側で隣合わせに並べて配置した。フィブリル化され、架橋され、加脂されたコラーゲンの溶液(75mL)を生地及び濾紙の上に注ぎ、真空にした(25in Hg)。生地及びバイオファブリケーションされた材料をブフナー漏斗から取り出し、室温で24時間乾燥させた。バイオファブリケーションされた材料は、手で引っ張ったときに生地から容易に剥離しないように生地の表面上に接着した。ゾーン特性を有するバイオファブリケーションされた材料が形成された。織布を有しヤング率がより高い領域はより堅くて強い一方で、不織布を有しヤング率がより低い領域はより大きい伸びを有しより柔らかかった。

フィブリル化され、架橋され、加脂されたコラーゲンの溶液は、0.1NのHClに10g/Lでコラーゲンを溶解させ、500rpmで3時間撹拌することによって製造した。1重量部の10×PBSを9重量部のコラーゲンに添加することによりpHを7.2に調整し、溶液を350rpmで3時間撹拌した。10%のグルタルアルデヒド(コラーゲンの重量基準)を添加して1時間混合した。20%炭酸ナトリウムを加えてpHを10より上に維持し、溶液を350rpmで一晩撹拌した。翌日、フィブリルを遠心分離器で1回洗浄し、適切な体積まで再懸濁し、350rpmで混合した。その後、pHを10%ギ酸で7.0に調整した。次いで、50%の割合の40%のtruposol BENとtruposis Gの溶液(コラーゲンの重量基準)を加え、30分間混合した。10%のミクロスフェア(コラーゲンの重量基準)及び10%の黒色顔料(コラーゲンのの重量基準)を加え、30分間混合した。100%のHycar26652(コラーゲンの重量基準)を添加し、30分間混合した。最後に、ギ酸でpHを4に調整した。

実施例2 A方向に0.0272955MPa/%、B方向に0.00719MPa/%のヤング率を有する1枚の不織布(直径3インチ、ポリエチレンテレフタレート)を購入した。2枚目の織布(直径3インチ、ポリエチレンテレフタレート)は、A方向に4.897MPa/%、B方向に2.165MPa/%のヤング率を有していた。単位MPa/%は、%伸び当たりのメガパスカルであった。2枚の生地を半分に切断し、濾紙(Whatmanグレード1濾紙、Sigma Aldrich)の上かつ直径3インチのブフナー漏斗の内側で隣合わせに並べて配置した。フィブリル化され、架橋され、加脂されたコラーゲンの溶液(75mL)を生地及び濾紙の上に注ぎ、真空にした(25in Hg)。生地及びバイオファブリケーションされた材料をブフナー漏斗から取り出し、室温で24時間乾燥させた。バイオファブリケーションされた材料は、手で引っ張ったときに生地から容易に剥離しないように生地の表面上に接着した。ゾーン特性を有するバイオファブリケーションされた材料が形成された。織布を有しヤング率がより高い領域はより堅くて強い一方で、不織布を有しヤング率がより低い領域はより大きい伸びを有しより柔らかかった。

フィブリル化され、架橋され、加脂されたコラーゲンのペーストを、0.1NのHClに10g/Lでコラーゲンを溶解させ、500rpmで3時間撹拌することによって製造した。1重量部の10×PBSを9重量部のコラーゲンに添加することによりpHを7.2に調整し、溶液を350rpmで3時間撹拌した。10%のなめし剤(コラーゲンの重量基準、例えばグルタルアルデヒド)を添加して10分間混合した。20%炭酸ナトリウムを加えてpHを8.5より上に維持し、溶液を350rpmで一晩撹拌した。翌日、フィブリルを遠心分離器で1回洗浄し、適切な体積まで再懸濁し、350rpmで混合した。その後、pHを10%ギ酸で7.0に調整した。100%のHystretch v60樹脂(コラーゲンの重量基準)を加え、30分間混合した。100%の割合の20%のtruposol BEN(コラーゲンの重量基準)を加え、30分間混合した。10%のミクロスフェア(コラーゲンの重量基準)及び10%の白色顔料(コラーゲンの重量基準)を加え、10%のギ酸でpHを4.5に調整した。最後に、溶液を濾過し、濾液の重量が溶液重量の50%に達するたびに、3回、溶液を撹拌した。その後、この最終的なペースト100gを量り取り、100gの布地用バインダー(AquaBrite Black、Holden’s Screen Supplyから購入)に添加し、カフラモミキサーで1時間混合した。固体の最終濃度は10%、または1部の固体対9部の水であった。

実施例3 フィブリル化され、架橋され、加脂されたコラーゲンのペーストを、0.1NのHClに10g/Lでコラーゲンを溶解させ、500rpmで3時間撹拌することによって製造した。1重量部の10×PBSを9重量部のコラーゲンに添加することによりpHを7.2に調整し、溶液を350rpmで3時間撹拌した。10%のなめし剤(コラーゲンの重量基準、例えばグルタルアルデヒド)を添加して10分間混合した。20%炭酸ナトリウムを加えてpHを8.5より上に維持し、溶液を350rpmで一晩撹拌した。翌日、フィブリルを遠心分離器で1回洗浄し、適切な体積まで再懸濁し、350rpmで混合した。その後、pHを10%ギ酸で7.0に調整した。100%のHystretch v60樹脂(コラーゲンの重量基準)を加え、30分間混合した。100%の割合の20%の加脂液(コラーゲンの重量基準)を加え、30分間混合した。10%のミクロスフェア(コラーゲンの重量基準)及び10%の白色顔料(コラーゲンの重量基準)を加え、10%のギ酸でpHを4.5に調整した。最後に、溶液を濾過し、濾液の重量が溶液重量の50%に達するたびに、3回、溶液を撹拌した。その後、この最終的なペースト100gを量り取り、100gの布地用バインダー(AquaBrite Black、Holden’s Screen Supplyから購入)に添加し、カフラモミキサーで1時間混合した。固体の最終濃度は10%、または1部の固体対9部の水であった。

Hystretch v60をHycar 26552樹脂で置き換えたことを除いて、同じ材料を用いて同じ手順を使用して、第2のフィブリル化され、架橋され、加脂されたコラーゲンのペーストを製造した。2つのコラーゲンペーストを隣合わせで塗布し、中央部分で一体化させ、ゾーン特性を有するバイオファブリケーションされた材料を乾燥形成した。この際、Hystretch樹脂を有する側はより柔らかく、ひずみ当たりの応力が少ないであろう。

実施例4 長さ2フィート、幅2フィートの1枚の不織布(リヨセル50%及びオーガニックコットン50%)を、Simplifi Fabricから購入した。長さ2フィート、幅2フィートの2枚目の織布(綿)をWhaleysから購入した。2枚の生地を表面の上に乗せ、ここで、各材料片の2つの端部に1インチの隙間を開け、生地の下に濾紙が敷かれた大きいブフナー漏斗上の所定の位置に保持した。実施例1からのフィブリル化され、架橋され、加脂されたコラーゲンを生地及び濾紙の上に注ぎ、真空にした。生地及びバイオファブリケーションされた材料をブフナー漏斗から取り出し、室温で24時間乾燥させた。バイオファブリケーションされた革を、手で引っ張ったときに生地から容易に剥がれないように生地に接着した。ゾーン特性を有するバイオファブリケーションされた材料が形成された。織布を有しヤング率がより高い領域はより堅くて強い一方で、不織布を有しヤング率がより低い領域はより大きい伸びを有しより柔らかかった。

実施例5 長さ2フィート、幅2フィートの1枚の不織布(リヨセル50%及びオーガニックコットン50%)を、Simplifi Fabricから購入した。長さ2フィート、幅2フィートの2枚目の織布(綿)をWhaleysから購入した。2枚の生地をアセテートの上に乗せ、ここで、各材料片の2つの端部に1インチの隙間を開け、ラバーステンシル(1/16インチ、McMaster Carrから購入)と共に所定の位置に保持した。実施例2からのフィブリル化され、架橋され、加脂されたコラーゲンのペーストの溶液を生地の上に塗布した。生地及びバイオファブリケーションされた材料を室温で24時間乾燥させた。バイオファブリケーションされた革は、手で引っ張ったときに生地から容易に剥がれないように生地に接着した。ゾーン特性を有するバイオファブリケーションされた材料が形成された。織布を有しヤング率がより高い領域はより堅くて強い一方で、不織布を有しヤング率がより低い領域はより大きい伸びを有しより柔らかかった。

実施例6 1枚のセルロース生地(直径3インチの円形、リヨセル50%及びオーガニックコットン50%)をSimplifi Fabricから購入し、過ヨウ素酸ナトリウム溶液で処理した。過ヨウ素酸ナトリウム(生地の重量に対して25%の割合)を200mLの蒸留水に溶解し、生地を入れて一晩混合した。翌朝、生地をエチレングリコール(10mL)を用いてクエンチし、冷水ですすぎ、乾燥させた。2枚目のセルロース生地(直径3インチの円形、リヨセル50%及びオーガニックコットン50%)をSimplifi Fabricから購入した。2枚の生地を半分に切断し、直径3インチのブフナー漏斗の中で隣合わせに並べて配置した。ブフナー漏斗は、Sigma Aldrichから購入した濾紙(Whatmanグレード1濾紙)を有していた。実施例1からのフィブリル化され、架橋され、加脂されたコラーゲンの溶液(75mL)を生地及び濾紙の上に注ぎ、真空にした(25inHg)。生地及びバイオファブリケーションされた材料をブフナー漏斗から取り出し、室温で24時間乾燥させた。バイオファブリケーションされた革は、手で引っ張ったときに生地から容易に剥がれないように生地に接着した。ゾーン特性を有するバイオファブリケーションされた材料が形成された。未処理の領域は過ヨウ素酸塩で処理された領域よりも大きい接着強度を有するであろう。

実施例7 実施例2からのフィブリル化され、架橋され、加脂されたコラーゲンのペーストを、布地用バインダーを添加した後にPowerlix手持ち式泡立て器を用いて泡立てて空隙を生じさせた。実施例2からの第2のフィブリル化され、架橋され、加脂されたコラーゲンのペーストを使用した。2つのコラーゲンペーストを隣合わせに塗布し、中央部分で一体化させ、乾燥させることでシートを形成した。シートは、ゾーン特性を有するバイオファブリケーションされた材料を形成し、この中のポロゲンを有する側は通気性を与える開孔及び流路を有するであろう。

実施例8 1枚の不織布の上に、中心にMMの文字を有し文字の外側周囲に長方形の境界を有するステンシルを置いた。実施例2からのペーストを文字の周囲の境界に塗布した。ステンシルを外し、100°F脱水機の中に1〜3時間入れた。アセテートステンシルを不織布上に置き、ペーストが文字の中に流れ込むことを阻止した。部分的に乾燥した試料(300%の乾燥度)を、室温で10分間、5メートルトンでカーバープレスの中でプレスした。その後、実施例8のペーストを用いて文字を埋めた。ステンシルを外し、100F脱水機の中に1〜3時間入れた。アセテートステンシルを不織布上に置き、ペーストが境界に流れ込むことを阻止した。その後、部分的に乾燥した試料(300%の乾燥度)を、室温で10分間、5メートルトンでカーバープレスの中でプレスした。2つの領域は一体化して交わった。試料を室温で放置して完全に乾燥させた。色のゾーン特性を有するバイオファブリケーションされた材料が形成された。

実施例9 1枚の不織布の上に、中心にMMの文字を有し文字の外側周囲に長方形の境界を有するステンシルを置いた。実施例2からのペーストを文字の周囲の境界に塗布した。ステンシルを外し、100°F脱水機の中に1〜3時間入れた。その後、実施例8のペーストを用いて文字を埋め、試料を室温で放置して完全に乾燥させた。2つの領域は一体化して交わった。色のゾーン特性を有するバイオファブリケーションされた材料が形成された。

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