专利汇可以提供Transparentizing agent for polyolefin resin, its production, and polyolefin resin composition having improved transparency专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To obtain an agent which transparentizes a polyolefin resin by lessening its reflection without causing its discoloration by incorporating a specified colorant in a specified dibenzylidene-polyhydric alcohol derivative by kneading or adsorption. SOLUTION: 0.001-0.5, desirable 0.01-0.2, more desirably 0.05-0.1 pt.wt. at least water-soluble colorant or colorant (e.g. naphthol black) soluble in a water- miscible polar solvent (e.g. methyl alcohol) and being dark-colored is incorporated in 100 pts.wt. dibenzylidene-polyhydric alcohol derivative comprising a product of condensation of 2mol of a (nucleus-substituted) benzaldehyde, desirable a compound represented by the formula (wherein R is H, a 1-6C alkyl, a 1-6C alkoxyl or a halogen and is desirable H, CH3 , C2 H5 or Cl; and k is 1-3, desirably 1 or 2) with 1mol of a pentahydric or hexahydric alcohol, desirably sorbitol by kneading or adsorption.,下面是Transparentizing agent for polyolefin resin, its production, and polyolefin resin composition having improved transparency专利的具体信息内容。
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリオレフイン系樹脂に対する透明化剤、その製造方法及び透明性が改良されたポリオレフイン系樹脂組成物に関する。
【0002】更に詳細には、本発明は、ポリオレフイン系樹脂、例えばポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、或はプロピレン又はエチレンと、他の少量のα−オレフインとの共重合体樹脂の透明性を向上させる透明化剤、その製造方法及びかかる透明化剤が配合されることにより透明性が改良されたポリオレフイン系樹脂組成物に関する。
【0003】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】近年、ポリオレフイン系樹脂、殊にポリプロピレン樹脂には透明化剤が多く使用され、大きな発展を見せている。 本発明者が過去に開発したジベンジリデンソルビトール又は核置換ジベンジリデンソルビトールは極めて安全な透明化剤として最近では全世界的に広く使用されている。 本発明者が開発したジベンジリデンソルビトール及び核置換ジベンジリデンソルビトールをポリオレフイン系樹脂の透明化剤として用いる技術の一部は、例えば特公昭61
−17833号公報、特公昭61−48536号公報、
特公昭64−413号公報、特公平4−24375号公報等に開示されている。 これらのジベンジリデンソルビトール又は核置換ジベンジリデンソルビトール系透明化剤を以下ソルビトール系透明化剤とも言う。
【0004】これらのソルビトール系透明化剤を用いる従来技術のポリオレフイン系樹脂組成物(以下その代表例としてポリプロピレン樹脂組成物について説明する場合もある)は、その厚みが大になるとやはり白さが目立ち、反射によつてその透明性が損なわれるという欠点を有する。 かような欠点を改良するために、最近に至つて、多くの添加剤を併用したり、新しい開発品も生じているが、未だに満足すべき技術は確立されていない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、特公昭59
−3493号公報および特公昭60−17216号公報に記載したとおり、ジベンジリデンソルビトール誘導体で水溶性の色素を水不溶化し、このようにして得られた水不溶性色素を熱可塑性樹脂に配合して着色された熱可塑性樹脂を作ることに成功した。
【0006】本発明者はこのようにジベンジリデンソルビトール及び核置換ジベンジリデンソルビトール類は水溶性色素と緊密に混和ないし親和して、染着されることに着目し、ソルビトール系透明化剤を適宜の色素、好ましくは暗色系の色調を有する水溶性色素又は水と混和性の極性溶媒に可溶性の色素を用いて極めて薄く着色を施すことができること、そしてかように極めて薄く適宜の色調、好ましくは暗色系の色調に着色したソルビトール系透明化剤の適宜の少量をポリオレフイン系樹脂になるべく均一に配合すると、ポリオレフイン系樹脂を着色することなく、該樹脂の反射を著しく軽減し、該樹脂を透明化することができることを発見した。 そこで、本発明の目的は、従来使用されている前記のジベンジリデンソルビトール又は核置換ジベンジリデンソルビトールを用いる透明化剤に改良を加えて、上記のような欠点を補い、透明性がさらに改良された透明化剤、その製造方法及びかかる改良された透明化剤を配合することにより、
透明性が改良されたポリオレフイン系樹脂組成物を提供することにある。
【0007】本発明によれば、上記の目的は、(A)
ベンツアルデヒド又は核置換ベンツアルデヒド2モルと、5価又は6価の多価アルコール1モルとの縮合生成物であるジベンジリデン−多価アルコール誘導体100
重量部に対して、少なくとも、(B) 水溶性色素又は水と混和性の極性溶媒に可溶性の色素0.001〜0.5
重量部が混和又は吸着されていることを特徴とするポリオレフイン系樹脂に対する透明化剤により達成される。
【0008】また、本発明によれば、上記目的は、
(A) ベンツアルデヒド又は核置換ベンツアルデヒド2モルと、5価又は6価の多価アルコール1モルとの縮合生成物であるジベンジリデン−多価アルコール誘導体100重量部に対して、水性媒体中において、カチオン性、アニオン性又は両性界面活性剤の存在下で、少なくとも、(B) 水溶性色素又は水と混和性の極性溶媒に可溶性の色素0.001〜0.5重量部を混和又は吸着せしめ、該ベンジリデン−多価アルコール誘導体(A)に該水溶性色素又は水と混和性の極性溶媒に可溶性の色素(B)が混和又は吸着されたものを、水性媒体から分離し、乾燥することを特徴とするポリオレフイン系樹脂に対する透明化剤の製造方法により達成される。
【0009】さらに、本発明によれば、上記目的は、 (1) ポリオレフイン系樹脂100重量部に対して、 (2) 下記組成の透明化剤、すなわち(A) ベンツアルデヒド又は核置換ベンツアルデヒド2モルと、5価又は6価の多価アルコール1モルとの縮合生成物であるジベンジリデン−多価アルコール誘導体100重量部に対して、少なくとも、(B) 水溶性色素又は水と混和性の極性溶媒に可溶性の色素0.001〜0.5重量部が混和又は吸着されている透明化剤0.01〜3重量部が配合されていることを特徴とする透明性が改良されたポリオレフイン系樹脂組成物により達成される。
【0010】以下、本発明について詳しく説明する。
【0011】本発明のポリオレフイン系樹脂に対する透明化剤は、(A) ベンツアルデヒド又は核置換ベンツアルデヒド2モルと、5価又は6価の多価アルコール1
モルとの縮合生成物であるジベンジリデン−多価アルコール誘導体100重量部に対して、少なくとも、(B)
水溶性色素又は水と混和性の極性溶媒に可溶性の色素0.001〜0.5重量部が混和又は吸着されていることを特徴とするポリオレフイン系樹脂に対する透明化剤である。
【0012】好ましくは、本発明のポリオレフイン系樹脂に対する透明化剤は、(A) ベンツアルデヒド又は核置換ベンツアルデヒド2モルと、5価又は6価の多価アルコール1モルとの縮合生成物であるジベンジリデン−多価アルコール誘導体100重量部に対して、少なくとも、(B) 水溶性色素又は水と混和性の極性溶媒に可溶性の色素0.01〜0.2重量部が混和又は吸着されていることを特徴とするポリオレフイン系樹脂に対する透明化剤である。
【0013】より好ましくは、本発明のポリオレフイン系樹脂に対する透明化剤は、(A) ベンツアルデヒド又は核置換ベンツアルデヒド2モルと、5価又は6価の多価アルコール1モルとの縮合生成物であるジベンジリデン−多価アルコール誘導体100重量部に対して、少なくとも、(B) 水溶性色素又は水と混和性の極性溶媒に可溶性の色素0.05〜0.1重量部が混和又は吸着されていることを特徴とするポリオレフイン系樹脂に対する透明化剤である。
【0014】本発明で使用するジベンジリデン−多価アルコール誘導体を形成するのに用いられるベンツアルデヒド又は核置換ベンツアルデヒドは、下記式(1)
【0015】
【化1】
【0016】式中、Rは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子で、同一でも異つてもよく、kは1〜3の正の整数である、で示される化合物である。 上記式(1)においてR
が水素原子以外の置換基又はハロゲン原子で置換されているものを置換ベンツアルデヒドと呼ぶ。
【0017】本発明においては、上記式(1)において、Rが水素原子、メチル基、エチル基又は塩素原子であり、kが1又は2のものが好ましい。 さらに、上記式(1)においてRがメチル基、エチル基又は塩素原子であり、かつkが1のものが特に好適である。
【0018】また本発明で使用するジベンジリデン−多価アルコール誘導体を形成するのに用いられる5価又は6価の多価アルコールとしては、炭素数5の5価アルコール又は炭素数6の6価アルコール、特に炭素数6の6
価アルコールが好適である。 炭素数6の6価アルコールとしては、ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、タリトール、アロズルシトール等が好ましく、特に下記式(2)、
【0019】
【化2】
【0020】で表わされるソルビトールが好適である。
【0021】6価アルコールとしては、ソルビトールが好ましいが、これに他の炭素数6の6価アルコールが少量混合したものでもよい。
【0022】また、炭素数5の5価アルコールとしては、アラビトール(アラビツト)、リビトール又はキシリトール等を用いることができる。
【0023】本発明で用いるジベンジリデン−多価アルコール誘導体は、上記の如きベンツアルデヒド又は核置換ベンツアルデヒド2モルと、5価又は6価の多価アルコール1モルとの縮合生成物であるジベンジリデン−多価アルコール誘導体であり、これらの具体例及び製造法は、前記特公昭61−17833号公報、特公平4−2
4375号公報等に詳細に記述されている。
【0024】また、これらの公報に記載されているとおり、本発明で使用するジベンジリデン−多価アルコール誘導体としては、上記のベンツアルデヒド又は核置換ベンツアルデヒド2モルと、5価又は6価の多価アルコール1モルとの縮合物に、その10重量%以下、特に5重量%以下、さらに好ましくは2重量%以下の少量であれば、ベンツアルデヒド又は核置換ベンツアルデヒド3モルと、6価の多価アルコール1モルとの縮合生成物、例えばトリ−(核置換又は未核置換)ベンジリデンソルビトール等が混合されてもよい。
【0025】本発明で使用する最も代表的なジベンジリデン−多価アルコール誘導体は、下記式(3)、
【0026】
【化3】
【0027】式中、R 1及びR 2は同一でも、異つてもよく、それぞれ水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又はハロゲン原子であり、m
とnは同一でも、異つてもよく、1ないし3の正の整数を示す、で示される化合物であり、上記式(3)において、m及びnが1又は2、特に1であり、R 1及びR 2がそれぞれ水素原子、メチル基、エチル基又は塩素原子であるもの、特にR 1及びR 2の少くとも一方がメチル基又は塩素原子であるものが好ましく、かつR 1及びR 2がフエニル基のパラ位に置換したものが特に好適である。
【0028】上記式(3)で示されるジベンジリデン−
多価アルコール誘導体の具体的な例としては下記の化合物があげられる。
【0029】1,3−ベンジリデン−2,4−ベンジリデン−ソルビトール、1,3−p−メチルベンジリデン−
2,4−p−メチルベンジリデン−ソルビトール、1,3
−p−エチルベンジリデン−2,4−p−エチルベンジリデン−ソルビトール、1,3−p−クロルベンジリデン−2,4−p−メチルベンジリデン−ソルビトール、
1,3−p−メチルベンジリデン−2,4−p−エチルベンジリデン−ソルビトール、1,3−p−エチルベンジリデン−2,4−p−メチルベンジリデン−ソルビトール、1,3−ベンジリデン−2,4−p−メチルベンジリデン−ソルビトール、1,3−p−メチルベンジリデン−2,4−ベンジリデン−ソルビトール、1,3−ベンジリデン−2,4−p−エチルベンジリデン−ソルビトール、1,3−p−エチルベンジリデン−2,4−ベンジリデン−ソルビトール、1,3−ベンジリデン−2,4−p
−クロルベンジリデン−ソルビトール、1,3−p−クロルベンジリデン−2,4−ベンジリデン−ソルビトール、1,3−p−クロルベンジリデン−2,4−p−クロルベンジリデン−ソルビトール、1,3−p−エチルベンジリデン−2,4−p−クロルベンジリデン−ソルビトール、1,3−p−クロルベンジリデン−2,4−p−
エチルベンジリデン−ソルビトール、1,3−(2,3−
ジメチルベンジリデン)−2,4−(2,3−ジメチルベンジリデン)−ソルビトール、1,3−(2,4−ジメチルベンジリデン)−2,4−(2,4−ジメチルベンジリデン)−ソルビトール、1,3−(2,5−ジメチルベンジリデン)−2,4−(2,5−ジメチルベンジリデン)
−ソルビトール、1,3−(2,6−ジメチルベンジリデン)−2,4−(2,6−ジメチルベンジリデン)−ソルビトール、1,3−(3,4−ジメチルベンジリデン)−
2,4−(3,4−ジメチルベンジリデン)−ソルビトール、1,3−(3,5−ジメチルベンジリデン)−2,4
−(3,5−ジメチルベンジリデン)−ソルビトール、
1,3−(2,4,6−トリメチルベンジリデン)−2,4
−(2,4,6−トリメチルベンジリデン)−ソルビトール、1,3−(2,3−ジエチルベンジリデン)−2,4
−(2,3−ジエチルベンジリデン)−ソルビトール、
1,3−(2,4−ジエチルベンジリデン)−2,4−
(2,4−ジエチルベンジリデン)−ソルビトール、1,
3−(2,5−ジエチルベンジリデン)−2,4−(2,
5−ジエチルベンジリデン)−ソルビトール、1,3−
(2,6−ジエチルベンジリデン)−2,4−(2,6−
ジエチルベンジリデン)−ソルビトール、1,3−(3,
4−ジエチルベンジリデン)−2,4−(3,4−ジエチルベンジリデン)−ソルビトール、1,3−(3,5−ジエチルベンジリデン)−2,4−(3,5−ジエチルベンジリデン)−ソルビトール、1,3−ベンジリデン−2,
4−ベンジリデンキシリトール、1,3−p−メチルベンジリデン−2,4−p−メチルベンジリデンキシリトール、1,3−p−クロルベンジリデン−2,4−p−クロルベンジリデンキシリトール、1,3−ベンジリデン−2,4−ベンジリデンマンニトール、1,3−p−メチルベンジリデン−2,4−p−メチルベンジリデンマンニトール、1,3−p−クロルベンジリデン−2,4−p
−クロルベンジリデンマンニトール。
【0030】本発明で用いる水溶性色素又は水と混和性の極性溶媒に可溶性の色素はいかなる色の色素でもよいが、暗色系の色素であることが好ましい。
【0031】本発明で用いる暗色系の色素として、例えば黒色、青色、褐色、紫色、緑色、赤色等の暗色系の色素を挙げることができる。
【0032】2種又はそれ以上の種類の水溶性色素又は水と混和性の極性溶媒に可溶性の色素を用いることもできる。
【0033】水と混和性の極性溶媒としては、低級アルコール、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、
グリコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、低級脂肪酸エステル、例えば酢酸メチル、ケトン、例えばアセトン、メチルエチルケトン、並びにジメチルホルムアミドを例示することができる。
【0034】本発明で用いる水溶性色素又は水と混和性の極性溶媒に可溶性の色素は、水又は水と混和性の極性溶媒に溶解する色素のみならず、水又は水と混和性の極性溶媒中でコロイド状態になりうる色素、例えば含金属染料を包含する。
【0035】暗色系の色素でない2種以上の色素を組合せて暗色系の色素として使用することも可能である。
【0036】また、本発明で用いる水溶性色素又は水と混和性の極性溶媒に可溶性の色素はジベンジリデン−多価アルコール誘導体に混和又は吸着させるときに形成される色素であつてもよい。
【0037】例えば白髪染めとして用いることができる色素、例えばp−フエニレンジアミン硫酸塩と硫酸p−
アミノフエノールから形成される色素も本発明において使用することができる。
【0038】本発明で用いる水溶性色素又は水と混和性の極性溶媒に可溶性の色素はポリオレフイン系樹脂の溶融温度で分解しない程度の耐熱性を有することが望ましい。 また本発明で用いる水溶性色素又は水と混和性の極性溶媒に可溶性の色素はポリオレフイン系樹脂の使用環境において堅牢性(耐候性)を有することが望ましい。
【0039】さらに本発明で用いる水溶性色素又は混和性の耐性溶媒に可溶性の色素は、ポリオレフイン系樹脂の用途に応じて、安全性の上から食品用色素、医薬品用色素又は化粧品用色素であることが望ましい。
【0040】本発明で使用することができる水溶性色素又は水と混和性の極性溶媒に可溶性の色素として、下記の色素を例示することができる。
【0041】 色素名 C.I.No.ダイレクトブラツクXA ダイレクトブラツク 2〜159 ナフトールブルーブラツク アシツドブラツク 1 アルフアズリンFG アシツドブルー 9 カルバンスレンブルー バツトブルー 6 インジゴカルミン アシツドブルー 74 ブリリアントブルーFCF アシツドブルー 9 インジゴ バツトブルー 1 アリズロールパープル アシツドバイオレツト 43 ビオラミンB アシツドバイオレツト 9 ニユーコクシン フードレツド 102 フアーストグリーンFCF フードグリーン 3 サンセツトイエローFCF フードイエロー 5 ネオザポンブラツクX51 ソルベントブラツク 27 ネオザポンバイオレツト506 ソルベントバイオレツト 2 ネイビーブルー2RB ソルベントブルー 53 オラゾールブルーGN ソルベントブルー 67 オラゾールブラツクRL ソルベントブラツク 29 オラゾールブラウン2GL ソルベントブラウン 42 フタロシアニンブルー ピグメントブルー 15 インジゴカルミンアルミニウムレーキ ピグメントブルー 63 上記ネオザポンはドイツ BASF社、ネイビーとオラゾールはスイス チバ・ガイギー社の商品名である。
【0042】本発明においては、水溶性色素又は水と混和性の極性溶媒に可溶性の色素は、ジベンジリデン−多価アルコール誘導体100重量部に対して、0.001
〜0.5重量部、好ましくは0.01〜0.2重量部、より好ましくは0.05〜0.1重量部用いることができる。
【0043】本発明のポリオレフイン系樹脂に対する透明化剤の製造方法は、(A) ベンツアルデヒド又は核置換ベンツアルデヒド2モルと、5価又は6価の多価アルコール1モルとの縮合生成物であるジベンジリデン−
多価アルコール誘導体100重量部に対して、水性媒体中において、カチオン性、アニオン性又は両性界面活性剤の存在下で、少なくとも、(B) 水溶性色素又は水と混和性の極性溶媒に可溶性の色素0.001〜0.5重量部を混和又は吸着せしめ、該ベンジリデン−多価アルコール誘導体(A)に該水溶性色素又は水と混和性の極性溶媒に可溶性の色素(B)が混和又は吸着されたものを、水性媒体から分離し、乾燥することを特徴とするポリオレフイン系樹脂に対する透明化剤の製造方法である。
【0044】上記の製造方法を実施する場合、上記(A)のジベンジリデン−多価アルコール誘導体は疎水性であるから、そのままでは水溶性色素又は水と混和性の極性溶媒に可溶性の色素(B)を均一に混和又は吸着させることは極めて困難である。
【0045】しかし、本発明者の研究により、水性媒体中において、カチオン性、アニオン性又は両性界面活性剤、特に好ましくはカチオン性界面活性剤の存在下で、
上記ジベンジリデン−多価アルコール誘導体(A)に対して、水溶性色素又は水と混和性の極性溶媒に可溶性の色素(B)を撹拌、混合すると、ジベンジリデン−多価アルコール誘導体(A)に対して、上記の(B)成分が極めて均一にかつ良好な効率で、混和又は吸着されることが分つた。
【0046】上記の界面活性剤、特にカチオン性界面活性剤としては市販の如何なるものでもよい。
【0047】カチオン活性剤としては、例えば、食品、
化粧品に使用されているものが好ましい。 その例として、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(F2−40E、日本油脂製)、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド(カチオンVB、日本油脂製)、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド(カチオンAB、日本油脂製)、アルキルイミダゾリン4級塩(カチオンAR−4、日本油脂製)を挙げることができる。
【0048】界面活性剤、特にカチオン性界面活性剤の添加量は、例えばソルビトール系透明剤100重量部に対し0.1〜3重量部であり、好ましくは0.5〜2重量部である。 この活性剤は0.1重量部以下でも吸着に時間が掛かるだけで不都合はない。 ただ3重量部より多いと吸着はするが泡が発生して濾過が困難となることがあるので好ましくない。
【0049】本発明の透明性が改良されたポリオレフイン系樹脂組成物は、 (1) ポリオレフイン系樹脂100重量部に対して、 (2) 下記組成の透明化剤、すなわち(A) ベンツアルデヒド又は核置換ベンツアルデヒド2モルと、5価又は6価の多価アルコール1モルとの縮合生成物であるジベンジリデン−多価アルコール誘導体100重量部に対して、少なくとも、(B) 水溶性色素又は水と混和性の極性溶媒に可溶性の色素0.001〜0.5重量部が混和又は吸着されている透明化剤0.01〜3重量部が配合されていることを特徴とする透明性が改良されたポリオレフイン系樹脂組成物である。
【0050】好ましくは、本発明の透明性が改良されたポリオレフイン系樹脂組成物は、 (1) ポリオレフイン系樹脂100重量部に対して、 (2) 下記組成の透明化剤、すなわち(A) ベンツアルデヒド又は核置換ベンツアルデヒド2モルと、5価又は6価の多価アルコール1モルとの縮合生成物であるジベンジリデン−多価アルコール誘導体100重量部に対して、少なくとも、(B) 水溶性色素又は水と混和性の極性溶媒に可溶性の色素0.01〜0.2重量部が混和又は吸着されている透明化剤0.01〜3重量部が配合されていることを特徴とする透明性が改良されたポリオレフイン系樹脂組成物である。
【0051】より好ましくは、本発明の透明性が改良されたポリオレフイン系樹脂組成物は、 (1) ポリオレフイン系樹脂100重量部に対して、 (2) 下記組成の透明化剤、すなわち(A) ベンツアルデヒド又は核置換ベンツアルデヒド2モルと、5価又は6価の多価アルコール1モルとの縮合生成物であるジベンジリデン−多価アルコール誘導体100重量部に対して、少なくとも、(B) 水溶性色素又は水と混和性の極性溶媒に可溶性の色素0.05〜0.1重量部が混和又は吸着されている透明化剤0.01〜3重量部が配合されていることを特徴とする透明性が改良されたポリオレフイン系樹脂組成物である。
【0052】上記製造方法は既に製品化されたソルビトール系透明化剤を使用する方法であるが、本発明の透明化剤の製造方法は、ソルビトール系透明化剤の一般的に行われている製造の過程で必ず行われる中和、水洗の工程の間で行うことができ、この場合ソルビトール系透明化剤は水系のスラリーとして処理されているからメチルアルコールを省くことが出来る。
【0053】本発明の透明化剤は、ポリオレフイン系樹脂100重量部に対して、0.05〜1重量部、殊に0.
1〜0.6重量部配合するのが好適である。
【0054】本発明で使用することができるポリオレフイン系樹脂としては、線状オレイン系樹脂(ポリマー)
が好ましい。
【0055】かようなポリオレフイン系樹脂としてはエチレン、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン等のC
2 〜C 20のα−オレフインのホモポリマー;またはエチレン又はプロピレンと少なくとも1種のC 3 〜C 20のα
−オレフイン又はC 2 〜C 20のアセチレン性不飽和モノマー又はC 4 〜C 18のジオレフインのインターポリマーであり得る。
【0056】本発明で使用するポリオレフイン系樹脂を形成する好ましいモノマーは、C 2 〜C 10のα−オレフイン、特にエチレン、プロピレン、イソブチレン、1−
ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン及び1−オクテンが挙げられる。 他の好ましいモノマーは、
スチレン、ハロゲン又はアルキル置換スチレン類、テトラフルオロエチレン、ビニルベンゾシクロブタン、1,
4−ヘキサジエン及びナフテン類(例えば、シクロペンテン、シクロヘキセン及びシクロオクテン)等である。
【0057】本発明のポリオレフイン系樹脂組成物には、一般に使用されるポリオレフイン系樹脂用の添加剤として酸化防止剤、中和剤、紫外線吸収剤、光安定剤、
滑剤、帯電防止剤、また他の核剤等を添加することができる。
【0058】本発明の透明化剤とポリオレフイン系樹脂との配合は、公知の方法を用いて行なうことができる。
【0059】例えば、本発明の透明化剤の粉末は、そのままポリプロピレン樹脂、低密度のポリエチレン等に常法通り添加してペレツト化することによつて配合することができる。
【0060】本発明の、(A) ベンツアルデヒド又は核置換ベンツアルデヒド2モルと、5価又は6価の多価アルコール1モルとの縮合生成物であるジベンジリデン−多価アルコール誘導体100重量部に対して、少なくとも、(B) 水溶性色素又は水と混和性の極性溶媒に可溶性の色素0.001〜0.5重量部が混和又は吸着されていることを特徴とするポリオレフイン系樹脂に対する透明化剤は、ジベンジリデン−多価アルコール誘導体からなる従来の透明化剤と較べて、ポリオレフイン系樹脂に対してより大きな透明化効果を与える。
【0061】また本発明の透明化剤は、原料としてすべて化粧品、食品原料基準のものを使用することができるから環境にも適合し、安全に製造することができる。
【0062】そして本発明の透明化剤は、ポリオレフイン系樹脂に対する分散性と溶解性にすぐれ、透明性の良好な成型品を与えるから、ポリオレフイン系樹脂組成物の付加価値が上昇し、経済効果も大きい。
【0063】本発明を以下の実施例および比較例により具体的に説明する。
【0064】実施例および比較例の中でのすべての部およびパーセントは、特にことわりがなければ重量によるものである。
【0065】
【実施例】 実施例1 (1) 透明化剤Aの調製ジベンジリデンソルビトール(DBS)20部にメチルアルコール15部を加えてDBSをメチルアルコールで湿らせてから、水64部を加えて混合し、次いでリグロシンブラツク0.006部を加えてよく撹拌し、グレー(灰色)のスラリーを調製した。
【0066】カチオン界面活性剤(カチオンVB、日本油脂(株)製の食品、化粧料用界面活性剤)1部を上記のスラリーに添加して約10分間撹拌し、透明化剤Aを固形物として調製した。
【0067】透明化剤Aの固形物をフイルタープレスで濾過し、水洗し、固形物と水分を分離し、固形物を乾燥後粉砕した。 水分にはリグロシンブラツクが全く混入することなく無色透明の水分として分離され、色素はすべてジベンジリデンソルビトールに吸着された。 乾燥した固形物はやや灰色がかつたケーキ状のものであつた。
【0068】これを微粉砕して粉末状の透明化剤Aを得た。
【0069】(2) 透明化剤Aを含有するポリプロピ
レン樹脂組成物のヘイズの測定ポリプロピレン樹脂(ユニオンポリマー(株)によつて市販されているチツソポリプロピレン樹脂K−801
7)100部に透明化剤A0.3部を添加し、山城精機(株)製の成形機を用いて、成形温度230℃で厚さ1.5mmのポリプロピレン樹脂組成物の板を成形した。
【0070】成形した板について、JIS K−710
5に準拠してヘイズ(曇価)を測定した。 厚さ1.5m
mの板のヘイズは35%であつた。
【0071】 比較例1 ジベンジリデンソルビトール(DBS)を含有するポリ
プロピレン樹脂組成物のヘイズの測定比較例1は、実施例1(1)で調製した透明化剤Aの代りに、ジベンジリデンソルビトール(DBS)を用いて実施例1(2)と同様に、次のとおり行なつた。
【0072】ポリプロピレン樹脂(ユニオンポリマー(株)によつて市販されているチツソポリプロピレン樹脂K−8017)100部にジベンジリデンソルビトール(DBS)0.3部を添加し、山城精機(株)製の成形機を用いて、成形温度230℃で厚さ1.5mmのポリプロピレン樹脂組成物の板を成形した。
【0073】成形した板について、JIS K−710
5に準拠してヘイズ(曇価)を測定した。 厚さ1.5m
mの板のヘイズは39%であつた。
【0074】 参考例1 透明化剤を含有しないポリプロピレン樹脂のヘイズの測
定上記ポリプロピレン樹脂に透明化剤を添加することなく、山城精機(株)製の成形機を用いて、成形温度23
0℃で厚さ1.5mmのポリプロピレン樹脂の板を成形した。
【0075】成形した板について、JIS K−710
5に準拠してヘイズを測定した。 厚さ1.5mmの板のヘイズは52%であつた。
【0076】実施例1及び比較例1で得られたポリプロピレン樹脂組成物のヘイズを、参考例1で得られたポリプロピレン樹脂のヘイズとともに、表Aに示す。
【0077】表 A 例の種類 ポリプロピレン 厚さ1.5mm 及び番号 樹脂(組成物) の板のヘイズ(%)実施例1 透明化剤Aを含有 35 比較例1 DBSを含有 39 参考例1 透明化剤を含有せず 52 表Aから、本発明の透明化剤Aを含有するポリプロピレン樹脂組成物(実施例1)は、ジベンジリデンソルビトール(DBS)を含有するポリプロピレン樹脂組成物(比較例1)及び透明化剤を含有しないポリプロピレン樹脂(参考例1)と較べてヘイズが小さい(透明性がよい)ことがわかる。
【0078】 実施例2 (1) 透明化剤Bの調製 1,3−p−メチルベンジリデン−2,4−p−クロルベンジリデンソルビトール(MBCBS)20部にメチルアルコール15部を加えてMBCBSをメチルアルコールで湿らせてから、水64部を加えて混合し、次いでナフトールブラツク0.01部を加えてよく撹拌し、青味がかつたグレーのスラリーを調製した。
【0079】カチオン界面活性剤(カチオンF2−40
E、日本油脂(株)製)0.8部を上記のスラリーに添加して約10分間撹拌し、透明化剤Bを固形物として調製した。
【0080】透明化剤Bの固形物をフイルタープレスで濾過し、水洗し、固形物と水分を分離し、固形物を乾燥後粉砕した。 水分にはナフトールブラツクが全く混入することなく無色透明の水分として分離され、色素はすべて1,3−p−メチルベンジリデン−2,4−p−クロルベンジリデンソルビトールに吸着された。 乾燥した固形物はやや青味がかつたグレーのケーキ状のものであつた。
【0081】これを微粉砕して粉末状の透明化剤Bを得た。
【0082】(2) 透明化剤Bを含有するポリプロピ
レン樹脂組成物のヘイズの測定ポリプロピレン樹脂(ユニオンポリマー(株)によつて市販されているチツソポリプロピレン樹脂K−801
7)100部に透明化剤B0.3部を添加し、山城精機(株)製の成形機を用いて、成形温度230℃で厚さ1.5mmのポリプロピレン樹脂組成物の板を成形した。
【0083】成形した板について、JIS K−710
5に準拠してヘイズ(曇価)を測定した。 厚さ1.5m
mの板のヘイズは14%であつた。
【0084】本実施例で得られた板は透明性が極めて良好であつた。
【0085】 比較例2 1,3−p−メチルベンジリデン−2,4−p−クロルベ
ンジリデンソルビトール(MBCBS)を含有するポリ
プロピレン樹脂組成物のヘイズの測定比較例2は、実施例2(1)で調製した透明化剤Bの代りに、1,3−p−メチルベンジリデン−2,4−p−クロルベンジリデンソルビトール(MBCBS)を用いて実施例2(2)と同様に、次のとおり行なつた。
【0086】ポリプロピレン樹脂(ユニオンポリマー(株)によつて市販されているチツソポリプロピレン樹脂K−8017)100部に1,3−p−メチルベンジリデン−2,4−p−クロルベンジリデンソルビトール(MBCBS)0.3部を添加し、山城精機(株)製の成形機を用いて、成形温度230℃で厚さ1.5mmのポリプロピレン樹脂組成物の板を成形した。
【0087】成形した板について、JIS K−710
5に準拠してヘイズ(曇価)を測定した。 厚さ1.5m
mの板のヘイズは17%であつた。
【0088】実施例2及び比較例2で得られたポリプロピレン樹脂組成物のヘイズを、参考例1で得られたポリプロピレン樹脂のヘイズとともに、表Bに示す。
【0089】表 B 例の種類 ポリプロピレン 厚さ1.5mm 及び番号 樹脂(組成物) の板のヘイズ(%)実施例2 透明化剤Bを含有 14 比較例2 MBCBSを含有 17 参考例1 透明化剤を含有せず 52 表Bから、本発明の透明化剤Bを含有するポリプロピレン樹脂組成物(実施例2)は、1,3−p−メチルベンジリデン−2,4−p−クロルベンジリデンソルビトール(MBCBS)を含有するポリプロピレン樹脂組成物(比較例2)及び透明化剤を含有しないポリプロピレン樹脂(参考例1)と較べてヘイズが小さい(透明性がよい)ことがわかる。
【0090】 実施例3 (1) 透明化剤Cの調製 1,3−p−メチルベンジリデン−2,4−ベンジリデンソルビトール(MBBS)20部にエチルアルコール1
5部を加えてMBBSをエチルアルコールで湿らせてから、水64部を加えて混合し、次いでブリリアントブルー0.02部を加えてよく撹拌し、薄い青色のスラリーを調製した。
【0091】カチオン界面活性剤(カチオンAR−4、
日本油脂(株)製)0.6部を上記のスラリーに添加して約10分間撹拌し、透明化剤Cを固形物として調製した。
【0092】透明化剤Cの固形物をフイルタープレスで濾過し、水洗し、固形物と水分を分離し、固形物を乾燥後粉砕した。 水分にはブリリアントブルーが全く混入することなく無色透明の水分として分離され、色素はすべて1,3−p−メチルベンジリデン−2,4−ベンジリデンソルビトールに吸着された。 乾燥した固形物は薄い青色のケーキ状のものであつた。
【0093】これを微粉砕して粉末状の透明化剤Cを得た。
【0094】(2) 透明化剤Cを含有するポリプロピ
レン樹脂組成物のヘイズの測定ポリプロピレン樹脂(ユニオンポリマー(株)によつて市販されているチツソポリプロピレン樹脂K−801
7)100部に透明化剤C0.3部を添加し、山城精機(株)製の成形機を用いて、成形温度230℃で厚さ1.5mmのポリプロピレン樹脂組成物の板を成形した。
【0095】成形した板について、JIS K−710
5に準拠してヘイズ(曇価)を測定した。 厚さ1.5m
mの板のヘイズは20%であつた。
【0096】 比較例3 1,3−p−メチルベンジリデン−2,4−ベンジリデン
ソルビトール(MBBS)を含有するポリプロピレン樹
脂組成物のヘイズの測定比較例3は、実施例3(1)で調製した透明化剤Cの代りに、1,3−p−メチルベンジリデン−2,4−ベンジリデンソルビトール(MBBS)を用いて実施例3
(2)と同様に、次のとおり行なつた。
【0097】ポリプロピレン樹脂(ユニオンポリマー(株)によつて市販されているチツソポリプロピレン樹脂K−8017)100部に1,3−p−メチルベンジリデン−2,4−ベンジリデンソルビトール(MBB
S)0.3部を添加し、山城精機(株)製の成形機を用いて、成形温度230℃で厚さ1.5mmのポリプロピレン樹脂組成物の板を成形した。
【0098】成形した板について、JIS K−710
5に準拠してヘイズ(曇価)を測定した。 厚さ1.5m
mの板のヘイズは25%であつた。
【0099】実施例3及び比較例3で得られたポリプロピレン樹脂組成物のヘイズを、参考例1で得られたポリプロピレン樹脂のヘイズとともに、表Cに示す。
【0100】表 C 例の種類 ポリプロピレン 厚さ1.5mm 及び番号 樹脂(組成物) の板のヘイズ(%)実施例3 透明化剤Cを含有 20 比較例3 MBBSを含有 25 参考例1 透明化剤を含有せず 52 表Cから、本発明の透明化剤Cを含有するポリプロピレン樹脂組成物(実施例3)は、1,3−p−メチルベンジリデン−2,4−ベンジリデンソルビトール(MBB
S)を含有するポリプロピレン樹脂組成物(比較例3)
及び透明化剤を含有しないポリプロピレン樹脂(参考例1)と較べてヘイズが小さい(透明性がよい)ことがわかる。
【0101】 実施例4 (1) 透明化剤Dの調製ジベンジリデンソルビトール(DBS)20部にエチルアルコール10部を加えてDBSをエチルアルコールで湿らせてから、水69部を加えて混合し、次いでブリリアントブルー0.004部、ニューコクシン0.002部およびサンセットイェローFCF0.0005部を加えてよく撹拌し、薄い紫黒色のスラリーを調製した。
【0102】カチオン界面活性剤(カチオンアーカードC50、ライオン油脂(株)製)0.9部を上記のスラリーに添加して約10分間撹拌し、透明化剤Dを固形物として調製した。
【0103】透明化剤Dの固形物をフイルタープレスで濾過し、水洗し、固形物と水分を分離し、固形物を乾燥後粉砕した。 水分にはブリリアントブルー、ニューコクシンおよびサンセットイェローFCFが全く混入することなく無色透明の水分として分離され、色素はすべてジベンジリデンソルビトールに吸着された。 乾燥した固形物はやや紫黒色がかつたケーキ状のものであつた。
【0104】これを微粉砕して粉末状の透明化剤Dを得た。
【0105】(2) 透明化剤Dを含有するポリプロピ
レン樹脂組成物のヘイズの測定ポリプロピレン樹脂(ユニオンポリマー(株)によつて市販されているチツソポリプロピレン樹脂K−801
7)100部に透明化剤D0.3部を添加し、山城精機(株)製の成形機を用いて、成形温度230℃で厚さ1.5mmのポリプロピレン樹脂組成物の板を成形した。
【0106】成形した板について、JIS K−710
5に準拠してヘイズ(曇価)を測定した。 厚さ1.5m
mの板のヘイズは34%であつた。
【0107】 比較例4 ジベンジリデンソルビトール(DBS)を含有するポリ
プロピレン樹脂組成物のヘイズの測定比較例4は、実施例4(1)で調製した透明化剤Dの代りに、ジベンジリデンソルビトール(DBS)を用いて実施例4(2)と同様に、次のとおり行なつた。
【0108】ポリプロピレン樹脂(ユニオンポリマー(株)によつて市販されているチツソポリプロピレン樹脂K−8017)100部にジベンジリデンソルビトール(DBS)0.3部を添加し、山城精機(株)製の成形機を用いて、成形温度230℃で厚さ1.5mmのポリプロピレン樹脂組成物の板を成形した。
【0109】成形した板について、JIS K−710
5に準拠してヘイズ(曇価)を測定した。 厚さ1.5m
mの板のヘイズは39%であつた。
【0110】実施例4及び比較例4で得られたポリプロピレン樹脂組成物のヘイズを、参考例1で得られたポリプロピレン樹脂のヘイズとともに、表Dに示す。
【0111】表 D 例の種類 ポリプロピレン 厚さ1.5mm 及び番号 樹脂(組成物) の板のヘイズ(%)実施例4 透明化剤Dを含有 34 比較例4 DBSを含有 39 参考例1 透明化剤を含有せず 52 表Dから、本発明の透明化剤Dを含有するポリプロピレン樹脂組成物(実施例4)は、ジベンジリデンソルビトール(DBS)を含有するポリプロピレン樹脂組成物(比較例4)及び透明化剤を含有しないポリプロピレン樹脂(参考例1)と較べてヘイズが小さい(透明性がよい)ことがわかる。
【0112】 実施例5 (1) 透明化剤Eの調製メチルアルコール10部にネオザポンブル−807
(C.I.ブルー70、BASF社製)0.01部を加え、さらに水68部を加えて薄い青色の透明液を調製した。
【0113】上記の透明液に1,3−p−メチルベンジリデン−2,4−p−クロルベンジリデンソルビトール(MBCBS)20部とカチオン界面活性剤(カチオンVB、日本油脂(株)製)1部を加えて撹拌し、透明化剤Eを僅かに青味を帯びたスラリー中の固形物として調製した。
【0114】透明化剤Eの固形物をフイルタープレスで濾過し、水洗し、固形物と水分を分離し、固形物を乾燥後粉砕した。 水分にはネオザポンブル−807が全く混入することなく無色透明の水分として分離され、色素はすべて1,3−p−メチルベンジリデン−2,4−p−クロルベンジリデンソルビトールに吸着された。 乾燥した固形物はやや青味がかつたケーキ状のものであつた。
【0115】これを微粉砕して粉末状の透明化剤Eを得た。
【0116】(2) 透明化剤Eを含有するポリプロピ
レン樹脂組成物のヘイズの測定ポリプロピレン樹脂(ユニオンポリマー(株)によつて市販されているチツソポリプロピレン樹脂K−801
7)100部に透明化剤E0.3部を添加し、山城精機(株)製の成形機を用いて、成形温度230℃で厚さ1.5mmのポリプロピレン樹脂組成物の板を成形した。
【0117】成形した板について、JIS K−710
5に準拠してヘイズ(曇価)を測定した。 厚さ1.5m
mの板のヘイズは14%であつた。
【0118】 比較例5 1,3−p−メチルベンジリデン−2,4−p−クロルベ
ンジリデンソルビトール(MBCBS)を含有するポリ
プロピレン樹脂組成物のヘイズの測定比較例5は、実施例5(1)で調製した透明化剤Eの代りに、1,3−p−メチルベンジリデン−2,4−p−クロルベンジリデンソルビトール(MBCBS)を用いて実施例5(2)と同様に、次のとおり行なつた。
【0119】ポリプロピレン樹脂(ユニオンポリマー(株)によつて市販されているチツソポリプロピレン樹脂K−8017)100部に1,3−p−メチルベンジリデン−2,4−p−クロルベンジリデンソルビトール(MBCBS)0.3部を添加し、山城精機(株)製の成形機を用いて、成形温度230℃で厚さ1.5mmのポリプロピレン樹脂組成物の板を成形した。
【0120】成形した板について、JIS K−710
5に準拠してヘイズ(曇価)を測定した。 厚さ1.5m
mの板のヘイズは19%であつた。
【0121】実施例5及び比較例5で得られたポリプロピレン樹脂組成物のヘイズを、参考例1で得られたポリプロピレン樹脂のヘイズとともに、表Eに示す。
【0122】表 E 例の種類 ポリプロピレン 厚さ1.5mm 及び番号 樹脂(組成物) の板のヘイズ(%)実施例5 透明化剤Fを含有 14 比較例5 MBCBSを含有 19 参考例1 透明化剤を含有せず 52 表Eから、本発明の透明化剤Eを含有するポリプロピレン樹脂組成物(実施例5)は、1,3−p−メチルベンジリデン−2,4−p−クロルベンジリデンソルビトール(MBCBS)を含有するポリプロピレン樹脂組成物(比較例5)及び透明化剤を含有しないポリプロピレン樹脂(参考例1)と較べてヘイズが小さい(透明性がよい)ことがわかる。
【0123】 実施例6 (1) 透明化剤Fの調製ジベンジリデンソルビトール(DBS)20部を、イソプロピルアルコール15部と水64部の混合物に加えてよく撹拌し、スラリーを調製した。
【0124】次に、カチオン界面活性剤(カチオンF2
−40E、日本油脂製)0.8部を上記スラリーに加え、更にフタロシアニンブルー0.2部を加えて30分間撹拌し、透明化剤Fを固形物として調製した。
【0125】透明化剤Fの固形物をフイルタープレスで濾過し、水洗し、固形物と水分を分離し、固形物を乾燥後粉砕した。 水分にはフタロシアニンブルーが全く混入することなく無色透明の水分として分離され、色素はすべてジベンジリデンソルビトールに吸着された。 乾燥した固形物は淡い青紫色のケーキ状のものであつた。
【0126】これを微粉砕して粉末状の透明化剤Fを得た。
【0127】(2) 透明化剤Fを含有するポリエチレ
ン樹脂組成物のヘイズの測定ポリエチレン樹脂(住友化学工業製造の低密度ポリエチレン樹脂G−806)100部に透明化剤F 0.3部を添加し、山城精機(株)製の成形機を用いて、成形温度190℃で厚さ1.5mmのポリエチレン樹脂組成物の板を成形した。
【0128】成形した板について、JIS K−710
5に準拠してヘイズ(曇価)を測定した。 厚さ1.5m
mの板のヘイズは30%であつた。
【0129】 比較例6 ジベンジリデンソルビトール(DBS)を含有するポリ
エチレン樹脂組成物のヘイズの測定比較例6は、実施例6(1)で調製した透明化剤Fの代りに、ジベンジリデンソルビトール(DBS)を用いて実施例6(2)と同様に、次のとおり行なつた。
【0130】ポリエチレン樹脂(住友化学工業製造の低密度ポリエチレン樹脂G−806)100部にジベンジリデンソルビトール(DBS)0.3部を添加し、山城精機(株)製の成形機を用いて、成形温度190℃で厚さ1.5mmのポリエチレン樹脂組成物の板を成形した。
【0131】成形した板について、JIS K−710
5に準拠してヘイズ(曇価)を測定した。 厚さ1.5m
mの板のヘイズは35%であつた。
【0132】 参考例2 透明化剤を含有しないポリエチレン樹脂のヘイズの測定上記ポリエチレン樹脂に透明化剤を添加することなく、
山城精機(株)製の成形機を用いて、成形温度190℃
で厚さ1.5mmの上記ポリエチレン樹脂の板を成形した。
【0133】成形した板について、JIS K−710
5に準拠してヘイズを測定した。 厚さ1.5mmの板のヘイズは48%であつた。
【0134】実施例6及び比較例6で得られたポリエチレン樹脂組成物のヘイズを、参考例2で得られたポリエチレン樹脂のヘイズとともに、表Fに示す。
【0135】表 F 例の種類 ポリエチレン 厚さ1.5mm 及び番号 樹脂(組成物) の板のヘイズ(%)実施例6 透明化剤Fを含有 30 比較例6 DBSを含有 35 参考例2 透明化剤を含有せず 48 表Fから、本発明の透明化剤Fを含有する低密度ポリエチレン樹脂組成物(実施例6)は、ジベンジリデンソルビトール(DBS)を含有するポリエチレン樹脂組成物(比較例6)及び透明化剤を含有しないポリエチレン樹脂(参考例2)と較べてヘイズが小さい(透明性がよい)ことがわかる。
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