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光学部材および光学機器

阅读:23发布:2024-01-11

专利汇可以提供光学部材および光学機器专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且【課題】梱包保管形態におけるシロキサン系汚染物が存在する環境と屋外暴露環境のいずれにおいても長期間親 水 性を維持することのできる光学部材を提供する。また、防曇性に優れた光学機器を提供する。さらに、上記の光学部材を製造するための光学部材の製造方法を提供する。 【解決手段】基材と、該基材上に多孔質層とを有する光学部材であって、該多孔質層がシリカ粒子を有し、該多孔質層の表面の該シリカ粒子が有するシラノール基が、特定の 原子 数および特定の親水基を有する2価の有機基が有する官能基により置換されており、該多孔質層の表面におけるシラノール基に対する、該2価の有機基のモル比(2価の有機基/シラノール基)が0.25より大きく1.5以下の範囲内である光学部材。前記光学部材を有する光学機器。基材と、該基材上に多孔質層とを有する光学部材の製造方法であって、塗工液塗布工程と、乾燥硬化工程と、有機鎖置換工程とを有する。 【選択図】図1,下面是光学部材および光学機器专利的具体信息内容。

基材と、該基材上に多孔質層とを有する光学部材であって、 該多孔質層がシリカ粒子を有し、 該多孔質層の表面の該シリカ粒子が有するシラノール基が、2価の有機基が有する官能基で置換された構造を有し、 該2価の有機基の分子鎖の原子数が3以上10以下であり、 該2価の有機基が親基を有し、該多孔質層の表面におけるシラノール基に対する、該2価の有機基のモル比(2価の有機基/シラノール基)が0.25より大きく1.5以下の範囲内であることを特徴とする光学部材。前記親水基が、ヒドロキシ基、アルデヒド基、ニトリル基、ニトロ基、カルボキシル基、スルホン基、アミノ基、ホスホン酸基からなる群より選択される少なくとも1つの基である請求項1に記載の光学部材。前記官能基が、シロキシ基である請求項1または2に記載の光学部材。前記シリカ粒子は、粒子径が5nm以上100nm以下の球状シリカ粒子または/および粒子の短径が5nm以上30nm以下で長径が30nm以上200nm以下である鎖状シリカ粒子である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光学部材。前記シリカ粒子が互いにバインダーで結合されている請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光学部材。前記バインダーがシロキサン結合を含んでいることを特徴とする請求項5に記載の光学部材。前記基材がアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂またはガラスである請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光学部材。請求項1乃至7のいずれか1項に記載の光学部材を有する光学機器。撮像部と、前記撮像部を覆うカバーと、を備えており、前記カバーが前記光学部材である請求項8に記載の光学機器。基材と、該基材上に多孔質層とを有する光学部材の製造方法であって、 シリカ粒子と、溶媒とを含有する塗工液を該基材上に塗布する塗工液塗布工程と、 該塗工液を塗布した該基材を乾燥および/または硬化させる乾燥硬化工程と、 親水基と、官能基とを有する2価の有機基の前駆物質を含有する溶液を用い、該シリカ粒子が有するシラノール基を該官能基で置換する有機鎖置換工程と、を有し、 該有機鎖置換工程において、該多孔質層の表面におけるシラノール基に対する該2価の有機基の比(2価の有機基/シラノール基)が0.25より大きく1.5以下の範囲内となるように反応条件を制御し、 該2価の有機基の分子鎖の原子数が3以上10以下であり、 該2価の有機基が末端に該親水基を有する、ことを特徴とする光学部材の製造方法。前記親水基が、ヒドロキシ基、アルデヒド基、ニトリル基、ニトロ基、カルボキシル基、スルホン基、アミノ基、ホスホン酸基からなる群より選択される少なくとも1つの基である請求項10に記載の光学部材の製造方法。前記乾燥硬化工程の後に前記有機鎖置換工程を設ける請求項10または11に記載の光学部材の製造方法。前記官能基が、ヒドロキシシリル基またはアルコキシシリル基である請求項10乃至12のいずれか1項に記載の光学部材の製造方法。

说明书全文

本発明は光学部材および監視カメラ等の光学機器に関する。

現在、店舗、ホテル、銀行、駅などの様々な場所において防犯等の目的により監視カメラが使用されている。監視カメラ本体には様々な環境からの保護を目的としてカメラカバーがつけられており、透明性や耐衝撃性の観点からアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂材料が用いられている。監視カメラは屋外に設置される場合も多く、雨天時は滴が球状にカメラカバーに付着して曇りとなり、撮影画像に悪影響を及ぼす。そのため、カメラカバー表面に親水膜を形成し、水滴が付着した際にも水滴を液膜化させることで防曇効果を高めて、雨天時の撮影画像への悪影響を軽減する技術が知られている。

監視カメラの製品梱包形態はカメラ本体とカメラカバーが同一梱包内で梱包されて保管・輸送されることが一般的である。その際にカメラ本体を構成している部品、とりわけゴム部品から疎水性のシロキサン系汚染物が発生する。シロキサン系汚染物は、揮発性の高い3〜10量体の環状シロキサンであり、特に4量体および5量体の環状シロキサンが多い。このシロキサン系汚染物がカメラカバー表面の親水膜表面に吸着することによって親水性が劣化する。また、監視カメラの屋外暴露環境においては太陽光と雨に長期間さらされることで親水膜が変質・劣化しやすく、屋外環境にある疎水性の有機系汚染物等を吸着することにより親水性が劣化する。以上のことから、カメラカバーに形成された親水膜としては、製品梱包形態におけるシロキサン系汚染物が存在する環境とカメラ設置後の屋外暴露環境のいずれにおいても親水性を維持することが求められる。

特許文献1には、シリカ粒子の凹凸表面に極性の低いオルガノシラン(ポリアルキレンオキシド基、アルキル基、アルケニル基およびアリール基等の官能基を含む)を薄く塗布することで防曇性能や防汚効果を向上させる防曇物品が記載されている。

特開平11−100234号公報

特許文献1では極性の低いオルガノシランを用いることで防曇性能および防汚効果を高めているが、極性の低いオルガノシランを用いると親水性が低くなる。そのため、防曇効果が十分に得られないという課題があった。

上記課題を解決するため、本発明は梱包保管形態におけるシロキサン系汚染物が存在する環境と屋外暴露環境のいずれにおいても長期間親水性を維持することのできる表面を有する光学部材を提供することを目的としたものである。

本発明に係る光学部材は、基材と、該基材上に多孔質層とを有する光学部材であって、該多孔質層がシリカ粒子を有し、該多孔質層の表面の該シリカ粒子が有するシラノール基が、2価の有機基が有する官能基で置換された構造を有し、該2価の有機基の分子鎖の原子数が3以上10以下であり、該2価の有機基が親水基を有し、前記多孔質層の表面におけるシラノール基に対する、該2価の有機基のモル比(2価の有機基/シラノール基)が0.25より大きく1.5以下の範囲内であることを特徴とする。 また、本発明に係る光学機器は、前記光学部材を有することを特徴とする。

さらに、本発明に係る光学部材の製造方法は、基材と、該基材上に多孔質層とを有する光学部材の製造方法であって、シリカ粒子と、溶媒とを含有する塗工液を該基材上に塗布する塗工液塗布工程と、該塗工液を塗布した該基材を乾燥および/または硬化させる乾燥硬化工程と、親水基と、官能基とを有する2価の有機基の前駆物質を含有する溶液を用い、該シリカ粒子が有するシラノール基を該官能基で置換する有機鎖置換工程と、を有し、該有機鎖置換工程において、該多孔質層の表面におけるシラノール基に対する該2価の有機基の比(2価の有機基/シラノール基)が0.25より大きく1.5以下の範囲内となるように反応条件を制御し、該2価の有機基の分子鎖の原子数が3以上10以下であり、該2価の有機基が末端に該親水基を有することを特徴とする。

本発明によれば、梱包保管形態におけるシロキサン系汚染物が存在する環境と屋外暴露環境のいずれにおいても長期間親水性を維持することのできる光学部材が提供される。 また、本発明によれば、防曇性に優れた光学機器が提供される。 さらに、本発明によれば上記の光学部材を製造するための光学部材の製造方法が提供される。

(a)は本発明に係る光学部材の一実施形態の構成を示す模式図であり、(b)は本発明に係る光学部材の一実施形態が有する多孔質層の表面のシリカ粒子を示す模式図である。

本発明に係る撮像装置の一例である、監視カメラの概要図である。

以下、本発明について詳細に説明する。 [光学部材] 図1(a)は、本発明に係る光学部材の一実施形態を示す模式図である。図1(a)に示すように、光学部材1は基材2の上に多孔質層3を有し、多孔質層3はシリカ粒子4とバインダー5を有している。バインダー5からなる部分の中には複数の空隙6が形成されている。

多孔質層3のシリカ粒子4同士はバインダー5で化学的に、あるいは物理的に結合されている。また、図1(b)に示すように、多孔質層の表面のシリカ粒子が有するシラノール(Si−OH)基の一部が、2価の有機基が有する官能基で置換された構造を有し、該2価の有機基は原子数が3以上10以下の分子鎖を有している。また、前記2価の有機基は末端に親水基を有する。図1(b)では、2価の有機基が有する官能基の例としてシロキシ基を有する場合の結合を示している。

シロキサン系汚染物が存在する環境において、シリカ粒子が有するシラノール基と置換された官能基が有する2価の有機基は立体障害となり、粒子表面のシラノール基へのシロキサン系汚染物の付着を抑制し、親水性の維持に寄与すると考えられる。そのため、多孔質層の表面のシリカ粒子が有するシラノール基と置換された官能基を有する2価の有機基は原子数が3以上10以下の分子鎖を有している。2価の有機基の原子数が3以上であることで立体障害となり、シラノール基へのシロキサン系汚染物の付着を抑制することができる。また、原子数が10以下であることで、2価の有機基部分の疎水性による多孔質層表面の疎水化、および屋外暴露環境において2価の有機基部が分解し、2価の有機基が有する親水基が失われることによる多孔質層表面の疎水化を抑制することができる。 2価の有機基としては、例えば、アルキル基、ジアルキルエーテル基等が挙げられる。

2価の有機基が有する親水基は、シロキサン系汚染物と結合しない基である。前記親水基は、例えば、ヒドロキシ基、アルデヒド基、ニトリル基、ニトロ基、カルボキシル基、スルホン基、アミノ基、ホスホン酸基からなる群より選択される少なくとも1つの基とすることができる。 また、多孔質層表面の親水性を高く保つために、親水基は2価の有機基の末端に結合している。 親水基を有する2価の有機基は、主鎖の原子数が3以上10以下であれば、分枝鎖を有していても良い。

光学部材の親水性を高めるために、2価の有機基は末端以外の場所にもさらに親水基を有しても良い。そのような親水基としては、本発明の効果を妨げない限り、いかなる親水基を用いることもできる。2価の有機基が末端以外の場所に有する親水基は、例えば、ヒドロキシ基、アルデヒド基、ニトリル基、イミノ基、ニトロ基、ケトン基、カルボキシル基、スルホン基、アミノ基、ホスホン酸基からなる群より選択される少なくとも1つの基とすることができる。

シラノール基と置換される官能基としては、例えば、シロキシ基、ヒドロキシ基、アルデヒド基、ニトリル基、イミノ基、ニトロ基、ケトン基が挙げられる。特に、導入の容易さの観点から、シロキシ基が好ましい。

前記光学部材の表面から検出されるシラノール基に対する2価の有機基のモル比(2価の有機基/シラノール基)は、0.25より大きく1.5以下の範囲であることが好ましい。シラノール基に対する2価の有機基のモル比(2価の有機基/シラノール基)が0.25より大きければ梱包保管形態におけるシロキサン系汚染物のシリカ粒子表面への付着を効果的に抑制することができる。また、シラノール基に対する2価の有機基のモル比(2価の有機基/シラノール基)が1.5以下であれば、シリカ粒子が有するシラノール基による高い親水性を維持することができる。さらに、屋外暴露環境において2価の有機基部が分解し、2価の有機基が有する親水基が失われることによる多孔質層表面の疎水化を抑制することができる。多孔質表面におけるシラノール基に対する2価の有機基のモル比は、TOF−SIMS等により定性分析した後、X線光電子分光法(XPS)によって分析することで定量できる。

本発明に係る光学部材は、シロキサン系汚染物を発生する部材と共に梱包され、防曇性能を求められる他の光学部材に用いることができる。このような他の光学部材の例としては、光学フィルム、光学フィルター、センサー、反射防止板、監視カメラ用カバー等の保護カバー、ヘルメットのシールド等を挙げることができる。

以下、本発明に係る光学部材の各構成要素について詳細に説明する。 <基材> 基材としてはアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂ならびにポリエステル樹脂、またはガラス等を用いることができる。基材2の形状は限定されることはなく、板状であってもフィルム状であってもよく平面、曲面またはドーム形状であっても良い。

<多孔質層> 基材上の多孔質層はシリカ粒子を有する。シリカ粒子同士はバインダーで結合されていることが好ましい。バインダーからなる部分の中に形成される空隙に含まれる空気(屈折率1.0)により多孔質層の屈折率はシリカ粒子自体の屈折率より低い。空隙は単独の孔であったり、連通孔であったりしてもよい。 シリカ粒子を含む多孔質層の膜厚は350nm以上2000nm以下であることが好ましい。層の厚さを350nm以上2000nm以下とすることで、屋外暴露環境にある疎水性の有機系汚染物等を多孔質層内部に取り込み、層表面の親水性を維持することができる。 多孔質層表面の水に対する接触(以下接触角という)は、光学部材として高い防曇性を具備する観点から30°未満であることが好ましい。

<シリカ粒子> シリカ粒子は、粒子径5nm以上100nm以下の球状シリカ粒子、または/および粒子の短径が5nm以上30nm以下で長径が30nm以上200nm以下である鎖状シリカ粒子であることが好ましい。球状シリカ粒子および鎖状シリカ粒子は、それぞれ単独で使用してもよいし、混ぜて使用しても良い。球状シリカ粒子の粒子径や鎖状シリカ粒子の短径および長径が前述の範囲であれば、ヘイズが発生しない程度にシリカ粒子間の空隙を大きく保つことができる。そのため、屋外暴露環境にある疎水性の有機系汚染物等を多孔質層内部に取り込むことで親水性を維持することができ、光透過性にも優れる光学部材を実現することができる。

ここでシリカ粒子の粒子径とは、平均フェレ径である。平均フェレ径は透過電子顕微鏡像によって観察したものを画像処理することによって測定することができる。画像処理方法としては、image Pro PLUS(メディアサイバネティクス社製)など市販の画像処理を用いることができる。所定の画像領域において、必要であれば適宜コントラスト調整を行い、粒子測定によって各粒子の平均フェレ径を測定し、平均値を算出し、求めることができる。また鎖状シリカ粒子は溶媒に分散した溶液であれば、動的光散乱法で測定することで、短径と長径の粒子径を求めることができる。

シリカ粒子は、Al2O3、TiO2、ZnO2およびZrO2などの金属酸化物と混合して用いることができる。 多孔質層表面を親水性にする観点から、シリカ粒子としては表面にシラノール基が残存していることが好ましい。 先に述べたように、多孔質層表面のシリカ粒子が有するシラノール基の一部を2価の有機基が有する官能基で置換することにより、シラノール基と2価の有機基とが存在する多孔質層表面を得ることができる。

<バインダー> バインダーはシリカ粒子間でシロキサン結合を形成して、シリカ粒子同士を結合する材料により形成されることが好ましい。そのような材料としては、アルコキシシランの加水分解縮合物を用いることがシリカ粒子との親和性が高く、より好ましい。アルコキシシランの加水分解縮合物はアルコキシシランを加水分解した後、縮合することにより調製することができる。

アルコキシシランの加水分解縮合物の前駆体であるアルコキシシランは水に相溶しないため、反応初期はアルコキシシランと水の二層が分離した状態である。反応が進むと、アルコキシ基の加水分解によりアルコキシシランがシラノール化し、水層に溶解するため、均一に混合する。アルコキシシランの加水分解縮合物を含む溶液の調製のためには、アルコキシシランに対して水を5から20当量用いることが好ましい。加水分解を進めるために触媒として酸または塩基を加えてもよい。触媒としては硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、アンモニア、ホスフィン酸、ホスホン酸からなる群より選択される1種または2種以上の酸または塩基を含む触媒を1質量%以下の濃度で用いることが好ましい。アルコキシシランの加水分解縮合物の調製の際には、反応温度は、5℃より高く30℃以下にすることが好ましい。反応温度が5℃より高いと、アルコキシシランの加水分解縮合物の加水分解が短い時間で完了するため生産性が高くなる。また、反応温度を30℃以下にすることで、アルコキシシランの加水分解物の縮合反応が適度に進行し、アルコキシシランの加水分解縮合物の過度の成長を抑制できる。このため、多孔質層中のシリカ粒子間に形成される空隙のサイズを適度な大きさとすることができ、散乱を抑制することができる。

アルコキシシランの加水分解と縮合反応の進行度は、アルコキシシランの加水分解縮合物の平均粒子径で評価することができる。アルコキシシランと水を含む反応溶液を、動的光散乱法で測定した際の、アルコキシシランの加水分解縮合物の平均粒子径が8nmから30nmであることが好ましい。また、平均粒子径は、8nmから15nmであることがより好ましい。

アルコキシシランとしては、例えば、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシランなどのメチル基が修飾された3官能シランや、テトラエトキシシランなどの4官能シランを挙げることができる。また、アルコキシシランは、1種または2種以上のアルコキシシランを用いてもよく、上記3官能シランおよび4官能シランを混合して用いても良い。シリカ粒子とのシロキサン結合を形成する確率を高くするために特にテトラエトキシシランを用いることが好ましい。 バインダーの含有量は多孔質層に対して2質量%以上30質量%以下が好ましく、3質量%以上20質量%以下がより好ましい。

<製造方法> 次に本発明に係る光学部材の製造方法についてその一例を説明する。 本発明に係る光学部材の製造方法は、塗工液塗布工程と、乾燥硬化工程と、有機鎖置換工程とを有する。塗工液塗布工程は、シリカ粒子と、溶媒とを含有する塗工液を基材上に塗布する工程である。また、乾燥硬化工程は、塗工液を塗布した基材を乾燥および/または硬化させる工程である。さらに、有機鎖置換工程は、親水基と、官能基とを有する2価の有機基の前駆物質を含有する溶液を用いシリカ粒子が有するシラノール基を官能基で置換する工程である。

(塗工液塗布工程) 基材は、上で述べた本発明に係る光学部材が有する基材と同様のものを用いることができる。 塗工液の含有するシリカ粒子としては、粒子径は5nm以上100nm以下の球状シリカ粒子または粒子の短径が5nm以上30nm以下で長径が30nm以上200nm以下である鎖状シリカ粒子が好ましい。 塗工液中のシリカ粒子の濃度は、多孔質層の膜厚が350nm以上2000nm以下の範囲に入るように成膜できる限り特に制限はなく、溶媒、成膜条件によって適宜選択することができるが、特には2質量%以上20質量%以下であることが好ましい。 塗工液は、シリカ粒子の分散性を向上させるためにシランカップリング剤や界面活性剤等の添加剤を含んでも良い。ただし、これらの添加剤とシリカ粒子の表面のシラノール基が反応するとシリカ粒子とバインダーとの結合が弱くなり、多孔質層の耐摩耗性が低下する。そのため、シランカップリング剤や、界面活性剤等の添加剤の濃度はシリカ粒子100質量部に対して10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましい。

塗工液は、シリカ粒子を溶媒に分散させた分散液と、バインダーを形成する成分を含有するバインダー溶液とを混合した溶液としても良い。バインダーを形成する成分は粒子間でシロキサン結合を形成することができるアルコキシシランの加水分解縮合物であることが好ましい。アルコキシシランの加水分解縮合物は、先に述べた様に、その前駆体であるアルコキシシランを加水分解縮合することによって調製される。 アルコキシシランとしては、例えば、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシランなどのメチル基が修飾された3官能シランや、テトラエトキシシランなどの4官能シランを挙げることができる。また、アルコキシシランは、上記3官能シランと4官能シランを混合して用いても良い。シラノール基を増やすことで粒子の接点でシロキサン結合を形成する確率が高まり、多孔質層の強度が高くなるために特に4官能シランを用いることが好ましい。 またバインダーを形成する成分の濃度はシリカ粒子の濃度に応じて適宜選択することができる。シリカに換算したときのシリカ粒子に対する、バインダーを形成する成分の重量比が3質量%以上15質量%以下であることが好ましい。3質量%以上であれば多孔質層として好適な強度が得られ、15質量%以下であれば屋外暴露環境においてもクラックの発生を避けることができる。

塗工液およびバインダー溶液に用いることができる溶媒は、原料が均一に溶解または分散し、かつ反応物が析出しない溶媒であれば良い。例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチルプロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、シクロペンタノール、2−メチルブタノール、3−メチルブタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−メチル−1—ペンタノール、2−エチルブタノール、2,4−ジメチル−3−ペンタノール、3−エチルブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノールなどの1価のアルコール類。エチレングリコール、トリエチレングリコールなどの2価以上のアルコール類。メトキシエタノール、エトキシエタノール、プロポキシエタノール、イソプロポキシエタノール、ブトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−プロポキシ−2−プロパノールなどのエーテルアルコール類。ジメトキシエタン、ジグライム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテルのようなエーテル類。ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類。n−ヘキサン、n−オクタン、シクロヘキサン、シクロペンタン、シクロオクタンのような各種の脂肪族系ないしは脂環族系の炭化水素類。トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの各種の芳香族炭化水素類。アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどの各種のケトン類。クロロホルム、メチレンクロライド、四塩化炭素、テトラクロロエタンのような、各種の塩素化炭化水素類。N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルフォルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、エチレンカーボネートのような、非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。溶媒は2種類以上を混ぜて使用することもできる。

塗工液は、ディップコート法、スピンコート法、スプレーコート法、スリットコート法、印刷法など、公知の手法を用いて基材の表面に塗布することができる。 立体的に複雑な形状を有する光学部材を製造する場合、均一な膜厚にするためにスピンコートが好ましい。

(乾燥硬化工程) 乾燥硬化工程では乾燥機、ホットプレート、電気炉などを用いることができる。乾燥および硬化を行う場合の温度は20℃以上200℃以下であることが好ましい。乾燥および硬化の温度が20℃以上であれば溶媒が残留せず、多孔質層として最適な強度が得られ、また、200℃以下であればクラックの発生を避けることができる。乾燥および硬化の温度は150℃以下であることがより好ましい。

基材上に塗工液とバインダー溶液を順に塗布する場合、シリカ粒子を含む塗工液を塗布した後に、乾燥硬化工程を設けてもよい。

また、形成する多孔質層を所望の膜厚にするために上述の塗工液塗布工程および乾燥硬化工程を複数回繰り返してもよい。 乾燥硬化工程において、シリカ粒子はバインダーで化学結合、あるいは直接結合され、単一の層が形成される。

(有機鎖置換工程) 有機鎖置換工程は、乾燥硬化工程の前に設けても良いし、後に設けても良い。乾燥硬化工程の前に有機鎖置換工程を設ける場合、塗工液および/またはバインダー溶液に、親水基と、官能基とを有する2価の有機基の前駆物質を含有する溶液(以下、有機鎖置換液ともいう)を混合し、シラノール基を官能基で置換する反応を行う。このとき、シラノール基を官能基で置換する反応は、塗工液塗布工程の前でもよいし、後でも良い。また、乾燥硬化工程の後に有機鎖置換工程を設ける場合は、乾燥硬化工程で形成された層の上に、有機鎖置換液を塗布し、シラノール基を官能基で置換する反応を行う。多孔質層の強度と置換効率の観点から、乾燥硬化工程の後に有機鎖置換工程を設けることが好ましい。

前駆物質が有する2価の有機基としては、例えば、アルキル基、ジアルキルエーテル基等が挙げられる。前駆物質が有する2価の有機基は、末端に親水基を有する。 また、前駆物質が有する2価の有機基の分子鎖の原子数は3以上10以下である。2価の有機基と結合した親水基は、例えば、ヒドロキシ基、アルデヒド基、ニトリル基、ニトロ基、カルボキシル基、スルホン基、アミノ基、ホスホン酸基からなる群より選択される少なくとも1つの基とすることができる。 前駆物質が有する官能基としては、例えば、ヒドロキシシリル基、アルコキシシリル基、ヒドロキシ基、アルデヒド基、ニトリル基、イミノ基、ニトロ基、ケトン基が挙げられる。特に、シラノール基との反応性の観点から、加水分解縮合反応をするヒドロキシシリル基またはアルコキシシリル基であることが好ましい。すなわち、前駆物質としては、オルガノシラン化合物であることが好ましい。 有機鎖置換溶液には塗工液およびバインダー溶液と相溶性の高い溶媒を用いてもよい。

乾燥硬化工程で形成された層の上に、有機鎖置換液を塗布する方法は、特に制限はなく、例えばディップコート法、スピンコート法、スプレーコート法、スリットコート法、印刷法など、公知の手法を用いることができる。シラノール基との反応効率の観点から、ディップコート法が好ましい。

有機鎖置換工程において、多孔質層の表面のシラノール基に対する2価の有機基のモル比(2価の有機基/シラノール基)が0.25より大きく1.5以下の範囲内となるように反応条件を制御することが好ましい。例えば、ディップコート法で親水基を有する2価の有機基の前駆物質を含有する溶液を塗布する場合であれば、浸漬時間を3秒以上300時間以下とすることが好ましく、24時間以上300時間以下がより好ましい。浸漬時間が3秒以上であれば、加水分解縮合反応を十分に行うことができ、300時間以下であれば未反応のシラノール基を十分に残すことができる。親水基を有する2価の有機基の前駆物質を含有する溶液の温度を高くすることで、加水分解縮合反応を促進させ、浸漬時間を短縮することが可能である。

有機鎖置換工程の後に溶媒を除去するための乾燥をさらに行ってもよい。ここで、有機鎖置換工程の後に乾燥硬化工程を行っていない場合は、多孔質層の形成に必要な条件で行う乾燥硬化工程が、溶媒の除去を行う乾燥を兼ねることが好ましい。

[光学機器] 本発明に係る光学機器は、上で述べた本発明に係る光学部材を有する。このような光学機器の例としては、屋外用ディスプレイ、スチールカメラ、ビデオカメラ、監視カメラ等の各種撮像装置、双眼鏡、望遠鏡、太陽電池等が挙げられる。 図2は、本発明に係る撮像装置の一例である、監視カメラの概要図である。 監視カメラ10は、カメラ部(撮像部)100にて撮像して得られる映像データを、コントローラ122とデータを転送する手段120を介してネットワークに出する。また、コントローラ122を介して、データを保存する保存手段121へ転送することで、映像データを保存することができる。前記データを転送する手段120、データを保存する保存手段121、およびコントローラ122は、外部からの衝撃や水分の侵入を防ぐために、外装130にて覆われている。また、カメラ部100も外部からの衝撃や水分の侵入を防ぐために、カメラカバー110にて覆われている。 カメラカバー110には、図1の本発明に係る光学部材が用いられる。すなわち、カメラカバー110は、基材2の上に、シリカ粒子4とバインダー5とを含む多孔質層3を有している。カメラ部100での撮像を可能とするため、基材には透明な部材が用いられる。基材の材料としては、衝撃に対して強いポリカーボネート樹脂や、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂が好適である。

以下、実施例により本発明を具体的に説明する。ただし本発明はかかる実施例に限定されるものではない。 (各溶液の調製) (1)分散液 鎖状シリカ粒子の2−プロパノール(IPA)分散液(日産化学工業株式会社製;IPA−ST−UP(商品名);平均粒子径:12nm・固形分濃度15質量%)500gに1−エトキシ−2−プロパノールを加えながらIPAを留去した。これにより、固形分濃度10質量%の鎖状シリカ粒子の1−エトキシ−2−プロパノール分散液750gを調製した。 (2)バインダー溶液 ケイ酸エチル(東京化成工業株式会社製)62.6gと1−エトキシ−2−プロパノール36.8gの溶液に、0.01mol/Lの希塩酸54gを徐々に加え、室温で5時間攪拌し、固形分濃度11.8質量%のバインダー溶液を調製した。 (3)塗工液 上記で調整した鎖状シリカ粒子の1−エトキシ−2−プロパノール分散液750gに、上記バインダー溶液63gを徐々に加えた後、室温で2時間攪拌して鎖状シリカ粒子分散液を調製した。 (4)有機鎖置換液1 スルホン基を有したシランカップリング剤である3−(トリヒドロキシシリル)−1−プロパンスルホン酸(SIT8378.3 アヅマックス社製)10gに純水40gを加えて希釈し、有機鎖置換液1を調製した。 (5)有機鎖置換液2 カルボン酸基の前駆物質を有するシランカップリング剤である(3−トリエトキシシリルプロピル)コハク酸無水物(SIT8192.6 アヅマックス社製)8gに0.1重量%のリン酸を6g、エタノールを12g加えて希釈し、有機鎖置換液2を調製した。なお、リン酸はコハク酸を開環させるために添加した。 (6)有機鎖置換液3 アミノ基を有するシランカップリング剤である3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン(A0774 東京化成工業株式会社製)10gに純水40gを加えて希釈し、有機鎖置換液3を調製した。 (7)有機鎖置換液4 ホスホン酸基を有するシランカップリング剤であるメチルホスホン酸3−(トリヒドロキシシリル)プロピルナトリウム(SIT8378.5 アヅマックス社製)10gに純水40gを加えて希釈し、有機鎖置換液4を調製した。 (8)有機鎖置換液5 n−プロピルトリメトキシシラン(チッソ社製)を0.01gに対し、10gのポリグリセロールメタクリレート(キシダ化学社製)を添加し、有機鎖置換液5を調製した。 (9)有機鎖置換液6 ヒドロキシポリエチレンオキシプロピルトリエトキシシラン(SIH6188.0 アヅマックス社製)を有機鎖置換液6とした。 (10)プライマー溶液 3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン(A0774 東京化成工業株式会社製)0.1gを1−メトキシ−2−プロパノール(関東化学製 特級)100gを加えて室温で10分間撹拌し、プライマー溶液を調製した。 上述した分散液、有機鎖置換液ならびにプライマー溶液を用いて、以下の実施例および比較例に係る光学部材を作製した。

(実施例1) 直径(φ)50mm厚さ4mmのポリカーボネート基材(nd=1.58、νd=30.2)にプライマー溶液を0.4mL滴下し、1500rpmで30秒スピンコートを行った。その後、熱風循環オーブン中90℃で10分間加熱した。続いて塗工液を0.4mL滴下し、2000rpmで20秒スピンコートを行った後、熱風循環オーブン中90℃で15分間加熱した。さらに、有機鎖置換液1に10日間浸漬させた後、引き上げ、乾燥空気を吹き付けて部材上から有機鎖置換液1を除去し、実施例1に係る光学部材を得た。

(実施例2) 実施例1において、有機鎖置換液1に10日間浸漬させる代わりに、3日浸漬させたこと以外は実施例1と同様にして実施例2に係る光学部材を作製した。

(実施例3) 実施例1において、有機鎖置換液1に10日間浸漬させる代わりに、有機鎖置換液2に3日浸漬させたこと以外は実施例1と同様にして実施例3に係る光学部材を作製した。

(実施例4) 実施例1において、有機鎖置換液1に10日間浸漬させる代わりに、有機鎖置換液3に3日浸漬させたこと以外は実施例1と同様にして実施例4に係る光学部材を作製した。

(実施例5) 実施例1において、有機鎖置換液1に10日間浸漬させる代わりに、有機鎖置換液4に3日浸漬させたこと以外は実施例1と同様にして実施例5に係る光学部材を作製した。

(比較例1) 実施例1と同様にしてプライマー溶液の塗布、加熱後塗工液を塗布し、加熱したポリカーボネート基材を、有機鎖置換液5に浸漬させ、すぐに毎分5cmの速度で引きあげた。その後、熱風循環オーブン中90℃で10分加熱した。さらに乾燥空気を吹き付けて部材上に付着している有機鎖置換液5を除去し、比較例1に係る光学部材を作製した。

(比較例2) 有機鎖置換液1を1500rpmで30秒スピンコートにより塗布した後、熱風循環オーブン中90℃で15分加熱して比較例2に係る光学部材を作製した。

(比較例3) 実施例1において、有機鎖置換液1に10日間浸漬させる代わりに、有機鎖置換液6に3日浸漬させたこと以外は実施例1と同様にして、比較例3に係る光学部材を作製した。

(比較例4) 実施例1において、有機鎖置換を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして、比較例4に係る光学部材を作製した。

(比較例5) 実施例1において、有機鎖置換液1を50℃に加熱し30日浸漬させること以外は実施例1と同様にして、比較例5に係る光学部材を作製した。

〔光学部材の評価〕 上記実施例および比較例で得られた光学部材について以下の方法により評価をおこなった。 (1)官能基の種類およびアルキル基の炭素数の確認 TOF−SIMS(ION−TOF社製 TOF−SIMSIV)を用い、1次イオンGa+、および加速電圧25kVで光学部材の多孔質層表面を測定し、多孔質層表面のシリカ粒子に結合している官能基の種類およびアルキル基の炭素数を確認した。

(2)多孔質層の表面のシラノール基に対する2価の有機基のモル比(2価の有機基/シラノール基)の算出 光学部材の多孔質層の表面について、まずTOF−SIMSにより定性分析した後、X線光電子分光法(XPS)によって分析することで定量した。XPS(アルバック・ファイ社製 Quantera SXM)を用いた測定において、X線の出力20kV−100Wとした。多孔質層表面を100μm×100μmの範囲でX線により走査し、発生した光電子を分光した。得られた各元素のピークについてバックグラウンド処理を行った。その後、TOF−SIMSの定性分析より得られたシラノール基と有機鎖置換された有機基それぞれのピークにおける面積強度からシラノール基と2価の有機基のとのモル比(2価の有機基/シラノール基)を算出した。

(3)接触角の測定全自動接触角計(協和界面科学株式会社製 DM−701)を用い、23℃50%RHの環境で純水2μLの液滴を光学部材の多孔質層表面に接触した時の接触角を測定した。接触角が30°未満であればA、30°以上であればBとして評価した。 光学部材を作製した直後の接触角を初期評価とした。

(3−1)シロキサン系汚染物が存在する環境での保管試験 恒温恒湿試験機(エスペック株式会社 PL−2KP)を用い、試験機の槽内を温度60℃、湿度90%の環境とした。さらに、槽内に希釈した環状4量体シロキサン(D4)を入れた容器を設置し、各実施例および比較例に係る光学部材を槽内に500時間放置した。放置後、各光学部材の多孔質層表面について、上記で述べたように接触角を測定し、評価を行った。

(3−2)屋外暴露環境試験 キセノンウェザーメーター(スガ試験機株式会社製 スーパーキセノンウェザーメーター CX75)を試験に用いた。各実施例および比較例に係る光学部材を試験機内に設置し、光照射強度を180W/m2として、光照射と放水を18分、光照射のみを1時間42分を1サイクルとして、合計300サイクルの計600時間試験した。試験後、各光学部材の多孔質層表面について、上記で述べたように接触角を測定し、評価を行った。

各実施例および比較例に係る光学部材についての評価結果を表1に示す。

本発明の要件を満たす実施例1〜5に係る光学部材は、初期、シロキサン系汚染物が存在する環境並びに屋外暴露環境のいずれにおいても、多孔質層表面の親水性が維持された。 比較例1に係る光学部材は、シラノール基が極性の低い親水基を有するアルキル基で置換された構造を有している。比較例1の光学部材は、初期および屋外暴露環境では親水性は維持されたものの、シロキサン系汚染物が存在する環境での保管においてシロキサンの付着により親水性が悪化した。 比較例2に係る光学部材は、シラノール基に対する2価の有機基のモル比が低くなっている。そのため、シリカ粒子が有するシラノール基により初期および屋外暴露環境では親水性を有していたが、シロキサン系汚染物が存在する環境での保管においてはシロキサンの付着により親水性が悪化した。 比較例3に係る光学部材は、アルキル基の炭素数が10以上であり、アルキル基部の疎水性により、初期の接触角が大きくなった。シロキサン系汚染物が存在する環境および屋外暴露環境では、初期よりもさらに接触角が大きくなった。 比較例4に係る光学部材は有機鎖置換が行われていないため、初期および屋外暴露環境では、接触角が低く、優れた親水性を示した。しかし、その分シロキサン系汚染物が存在する環境下でシロキサンが付着しやすく、親水性が大きく低下してしまった。 比較例5に係る光学部材は、シラノール基に対する2価の有機基のモル比が高くなっている。そのため、シリカ粒子が有するシラノール基による高い親水性を維持することができず初期の親水性も低く、また屋外暴露環境において2価の有機鎖部分の分解によりさらに親水性が悪化した。

1 光学部材 2 基材 3 多孔質層 4 シリカ粒子 5 バインダー 6 空隙

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