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Sustained release delivery formulation of risperidone compound

阅读:567发布:2021-10-20

专利汇可以提供Sustained release delivery formulation of risperidone compound专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a sustained release delivery formulation of a risperidone compound.SOLUTION: There is provided a risperidone sustained release delivery system for treatment of medical conditions related to delusional insanity, schizophrenia, bipolar disorder, psychotic depression, obsessive-compulsive disorder, Tourette's syndrome, and autistic spectrum disorder. This sustained release delivery system includes a flowable composition that contains risperidone and its metabolite or prodrug, and an implant that contains risperidone and its metabolite or prodrug. The flowable composition can be injected into the tissues to clump together into a solid or gelled monolithic implant. The flowable composition includes a biodegradable thermoplastic polymer, an organic liquid, risperidone and its metabolite or prodrug.,下面是Sustained release delivery formulation of risperidone compound专利的具体信息内容。

  • 本願明細書に記載された発明。
  • 说明书全文

    (関連出願への相互参照)
    本願は、米国特許法第119条(e)項の下、2007年5月25日に出願された米国特許出願第60/940,340号への優先権を主張し、この米国仮特許出願は、本明細書中に参考として援用される。

    (発明の分野)
    本開示は、リスペリドン化合物によって改善される疾病を治療するためのリスペリドン徐放送達システムに関する。 本徐放送達システムは、リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグを含有する流動性組成物、およびリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグを含有するインプラントを含む。

    (発明の背景)
    リスペリドン(4−[2−[4−(6−フルオロベンゾ[d]イソオキサゾール−3−イル)−1−ピペリジル]エチル]−3−メチル−2,6−ジアザビシクロ[4.4.0]デカ−1,3−ジエン−5−オンとしても公知であり、商品名RISPERDAL(登録商標)で市販されている)は、非定型抗精神病薬である。 リスペリドンの化学構造を式(1)に示す。

    リスペリドンは、妄想精神病(統合失調症を含む)を治療するために最もよく使用されるが、リスペリドンは、双極性障害、精神病性うつ病、強迫性障害およびトゥーレット症候群の幾つかの形態を治療するためにも使用される。 リスペリドンは、低用量で自閉症スペクトラム障害を治療するためにも使用される。 統合失調症におけるリスペリドンの治療活性は、ドーパミン2型(D

    )受容体拮抗作用とセロトニン2型(5HT

    )受容体拮抗作用の組み合わせによって媒介されると考えられている。

    現在、非定型精神病薬の商業用徐放製品は、Janssen,L. P. によって市販されているRISPERDAL(登録商標)CONSTA(登録商標)である。 RISPERDAL(登録商標)CONSTA(登録商標)は、筋肉内投与用マイクロスフェア製剤であり、2週間にわたって治療レベルのリスペリドンを送達するためのものである。 しかし、大部分のマイクスフェア製品の固有の誘導期のため、患者は、最初の21日のRISPERDAL(登録商標)CONSTA(登録商標)治療をリスペリドンの日用量で補う必要がある。 RISPERDAL(登録商標)CONSTA(登録商標)の単回筋肉内注射および併用の1日1回のリスペリドン経口投与のおよそ3週間後、それらのマイクロスフェアは、患者が経口療法の日用量での補足を中止できる十分なリスペリドンを体循環に放出する。

    徐放送達システムにおいて使用されるリポソームおよびマイクロスフェアの主な限界は、概して、その剤形内に捕捉することができる薬物の限られた量である。 薬物を捕捉するために利用できる空間の量は、その微粒子の構造によって限定される。 さらに、注射のサイズは、患者の不快感によって制限される。

    他の徐放送達システム、例えば、固体生体分解性ロッドまたは非生体分解性レザバーは、概して手術移植を必要とする。 さらに、非生体分解性送達システムについては、空のレザバーを除去するために第二の外科手術手順を必要とする。

    リスペリドンのバイオアベイラビリティ増大をもたらす製品の開発が引き続き必要とされている。 特に、低いバイオアベイラビリティ、劣った放出動態、注射部位毒性、比較的大きな容量の注射、および不都合に短い放出期間という欠点のないリスペリドンの徐放性製剤を開発する必要がある。

    本発明は、約14日から約3ヶ月の期間にわたってリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグを送達することができる、リスペリドン徐放送達システムに関する。 本リスペリドン徐放送達システムは、リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの徐放のための流動性組成物およびゲルまたは固体インプラントを含む。 前記インプラントは、前記流動性組成物から生成される。 本リスペリドン徐放送達システムは、非常に高いバイオアベイラビリティおよび最小限の永久組織損傷リスク、ならびに典型的には筋肉壊死のリスクがないことを特徴とする、インサイチュでの1ヶ月および3ヶ月放出プロフィールを提供する。
    本発明は、例えば以下の項目を提供する。
    (項目1)
    (a)体液に少なくとも実質的に不溶性である生体分解性熱可塑性ポリマー;
    (b)生体適合性極性非プロトン性有機液体;および
    (c)リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグ
    を含む、流動性組成物。
    (項目2)
    前記有機液体が、アミド、エステル、カーボネート、ケトン、エーテル、スルホニル、またはこれらの任意の組み合わせを含み、および前記生体適合性極性非プロトン性液体が、全比率で不溶性から完全に可溶性の範囲の、性媒質または体液への溶解度を有する、項目1に記載の流動性組成物。
    (項目3)
    前記生体分解性熱可塑性ポリマーが、1つ以上のヒドロキシカルボン酸のポリエステルであるか、1つ以上のジオールと1つ以上のジカルボン酸を組み合わせたもののポリエステルである、項目1に記載の流動性組成物。
    (項目4)
    前記ヒドロキシカルボン酸が、ダイマーの形態である、項目3に記載の流動性組成物。 (項目5)
    前記ポリエステルが、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリカプロラクトン、それらのコポリマー、それらのターポリマー、またはそれらの任意の組み合わせである、項目4に記載の流動性組成物。
    (項目6)
    前記生体分解性熱可塑性ポリエステルが、カルボキシ末端基を有する50/50、55/45、75/25、85/15、90/10もしくは95/5 ポリ(DL−ラクチド−co−グリコリド)であるか、カルボキシ末端基を有さない50/50、55/45、75/25、85/25、90/10もしくは95/5 ポリ(DL−ラクチド−co−グリコリド)である、項目3に記載の流動性組成物。
    (項目7)
    前記末端カルボキシル基を有さない生体分解性熱可塑性ポリエステルが、ジオールで伸長される、項目6に記載の流動性組成物。
    (項目8)
    前記生体分解性熱可塑性ポリエステルが、前記流動性組成物の約10重量%から約95重量%で存在する、項目3に記載の流動性組成物。
    (項目9)
    前記生体分解性熱可塑性ポリエステルが、前記流動性組成物の約20重量%から約70重量%で存在する、項目8に記載の流動性組成物。
    (項目10)
    前記生体分解性熱可塑性ポリエステルが、前記流動性組成物の約30重量%から約60重量%で存在する、項目9に記載の流動性組成物。
    (項目11)
    前記生体分解性熱可塑性ポリエステルが、前記流動性組成物の約10,000ダルトンから約45,000ダルトンの平均分子量を有する、項目3に記載の流動性組成物。
    (項目12)
    前記生体分解性熱可塑性ポリエステルが、前記流動性組成物の約15,000ダルトンから約40,000ダルトンの平均分子量を有する、項目11に記載の流動性組成物。
    (項目13)
    前記生体分解性熱可塑性ポリエステルが、約10キロダルトンから約50キロダルトンの重量平均分子量、約1.4から約2.0の多分散度指数を有する非加水分解PLG低バーストコポリマーポリエステル材料であって、該材料から医薬4kDaから約10kDaの重量平均分子量および約1.4から約2.5の多分散度指数を特徴とするコポリマー画分が除去される、項目1に記載の流動性組成物。
    (項目14)
    前記生体適合性極性非プロトン性液体が、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、炭酸プロピレン、カプロラクタム、トリアセチン、またはこれらの任意の組み合わせを含む、項目1に記載の流動性組成物。
    (項目15)
    前記生体適合性極性非プロトン性液体が、N−メチル−2−ピロリドンである、項目14に記載の流動性組成物。
    (項目16)
    前記生体適合性極性非プロトン性液体が、前記流動性組成物の約10重量%から約90重量%で存在する、項目1に記載の流動性組成物。
    (項目17)
    前記生体適合性極性非プロトン性液体が、前記流動性組成物の約30重量%から約70重量%で存在する、項目16に記載の流動性組成物。
    (項目18)
    前記リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグが、前記流動性組成物中に少なくとも約0.001重量%の濃度で存在し、この上限が、該流動性組成物の中のリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの分散度の限度である、項目1に記載の流動性組成物。
    (項目19)
    前記リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグが、前記流動性組成物の約0.5重量%から約50重量%で存在する、項目18に記載の流動性組成物。
    (項目20)
    前記リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグが、前記流動性組成物の約1重量%から約30重量%で存在する、項目19に記載の流動性組成物。
    (項目21)
    皮下注射用製剤である、項目1に記載の流動性組成物。
    (項目22)
    約0.20mLから約2.0mLの体積を有する、項目21に記載の流動性組成物。
    (項目23)
    約0.30mLから約1.0mLの体積を有する、項目22に記載の流動性組成物。
    (項目24)
    月に約1回の投与用に調合される、項目21に記載の流動性組成物。
    (項目25)
    3ヶ月に約1回の投与用に調合される、項目21に記載の流動性組成物。
    (項目26)
    4ヶ月に約1回から6ヶ月に約1回の投与用に調合される、項目21に記載の流動性組成物。
    (項目27)
    前記リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグが、塩の形態であり、その塩対イオンが、医薬的に許容される有機酸または無機酸である、項目1に記載の流動性組成物。 (項目28)
    前記対イオンが、ポリカルボン酸である、項目27に記載の流動性組成物。
    (項目29)
    皮下注射されたとき、最小限の組織壊死しかもたらさない特性を有する、項目1に記載の流動性組成物。
    (項目30)
    (a)水性媒質または体液に少なくとも実質的に不溶性である生体分解性熱可塑性ポリマー;
    (b)生体適合性極性非プロトン性液体;および
    (c)リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグ
    を任意の順序で混合する段階を含み、該混合が、制御放出インプラントとして使用するための流動性組成物を形成するために有効な十分な期間にわたって行われる、制御放出インプラントとして使用するための流動性組成物を形成する方法。
    (項目31)
    前記生体分解性熱可塑性ポリマーと前記生体適合性極性非プロトン性液体を混合して混合物を形成し、該混合物を前記リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグと混合して流動性組成物を形成する、項目30に記載の方法。
    (項目32)
    (a)項目1に記載の組成物を患者の身体に注射する段階;および
    (b)前記生体適合性極性非プロトン性液体を放散させて、固体またはゲル状生体分解性インプラントを生じさせる段階
    を含む段階によって、該患者においてインサイチュで形成される生体分解性インプラント。
    (項目33)
    前記組成物が、有効量の生体分解性熱可塑性ポリマー;有効量の生体適合性極性非プロトン性液体;および有効量のリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグを含み、前記固体インプラントが、該固体インプラントが前記患者において生分解するにつれて経時的に、有効量のリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグを放出する、項目32に記載の生体分解性インプラント。
    (項目34)
    前記患者がヒトである、項目32に記載の生態分解性インプラント。
    (項目35)
    (a)項目1に記載の流動性組成物を患者の身体に注射する段階;および
    (b)前記生体適合性極性非プロトン性液体を放散させて固体またはゲル状生体分解性インプラントを生じさせる段階
    を含む、生存している患者においてインサイチュで生体分解性インプラントを形成する方法。
    (項目36)
    前記固体生体分解性インプラントが、前記患者において生分解するにつれて拡散、浸食、または拡散と侵食の組み合わせにより有効量のリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグを放出する、項目35に記載の方法。
    (項目37)
    (a)体液および生体適合性極性非プロトン性液体に少なくとも実質的に不溶性である生体分解性熱可塑性ポリマーを含む組成物を含む第一の容器;および
    (b)リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグを含む第二の容器
    を含むキット。
    (項目38)
    前記第一の容器が注射器である、項目37に記載のキット。
    (項目39)
    前記第二の容器が注射器である、項目37に記載のキット。
    (項目40)
    前記リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグが凍結乾燥される、項目37に記載のキット。
    (項目41)
    使用説明書をさらに含む、項目37に記載のキット。
    (項目42)
    前記第一の容器を前記第二の容器に接続することができる、項目37に記載のキット。 (項目43)
    前記第一の容器および前記第二の容器が、互いに直接接続されるようにそれぞれ構成されている、項目37に記載のキット。
    (項目44)
    (a)水性媒質または体液に少なくとも実質的に不溶性である生体分解性熱可塑性ポリマー;および
    (b)リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグ
    を含み、固体またはゲル状のモノリシック構造を有する、インプラント。
    (項目45)
    固体またはゲル状のマトリックスを有し、該マトリックスが外皮によって囲まれたコアを有する、項目44に記載のインプラント。
    (項目46)
    固体であり、微孔質である、項目45に記載のインプラント。
    (項目47)
    体液に、全比率で非常にわずかに可溶性から完全に可溶性であり、前記熱可塑性ポリエステルの少なくとも一部に少なくとも部分的に溶解する生体適合性有機液体をさらに含む、項目44に記載のインプラント。
    (項目48)
    前記生体適合性有機液体の量が、該インプラントの総重量の約5重量%未満である、項目47に記載のインプラント。
    (項目49)
    前記生体適合性有機液体の量が経時的に減少する、項目47に記載のインプラント。
    (項目50)
    前記コアが、約1から約1000マイクロメートルの直径の細孔を含有する、項目46に記載のインプラント。
    (項目51)
    前記外皮が、前記コア細孔のものより小さい直径の細孔を含有する、項目50に記載のインプラント。
    (項目52)
    前記外皮細孔が、前記コアと比較すると該外皮が機能的に無孔であるようなサイズのものである、項目51に記載のインプラント。
    (項目53)
    実質的に線形の累積放出プロフィールを有する、項目1に記載の流動性組成物。
    (項目54)
    病状を有する患者を治療するための方法であって、少なくとも実質的に水不溶性の生体分解性熱可塑性ポリマーおよび生体適合性極性非プロトン性有機液体と併用で有効量のリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグを患者に投与することを含み、該病状は、妄想精神病、統合失調症、双極性障害、精神病性うつ病、強迫性障害、トゥーレット症候群、自閉症スペクトラム障害またはこれらの任意の組み合わせを含む、方法。
    (項目55)
    前記病状の治療用に指定された別の公知医薬化合物との併用療法をさらに含む、項目54に記載の方法。
    (項目56)
    病状を有する患者を治療するための方法であって、リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグと生体分解性ポリマーとを含む生体分解性インプラントを生じさせるために項目1に記載の流動性組成物を患者に投与することを含み、前記インプラントが、1日につき約1から約16ミリグラム(mg)のリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグである、治療有効投薬量のリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグを送達する、方法。
    (項目57)
    前記治療有効投薬量のリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグが、1日につき約1から約5ミリグラム(mg)のリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグである、項目56に記載の方法。
    (項目58)
    前記治療有効投薬量が、前記インプラントの投与後約2日以内にリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの治療有効レベルに達する、項目56に記載の方法。
    (項目59)
    前記治療有効投薬量が、前記インプラントの投与の約1日後にリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの治療有効レベルに達する、項目56に記載の方法。
    (項目60)
    前記治療有効投薬量のリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグが、前記インプラントの投与後少なくとも15日の間送達される、項目56に記載の方法。
    (項目61)
    前記治療有効投薬量のリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグが、前記インプラントの投与後少なくとも約30日の間送達される、項目56に記載の方法。
    (項目62)
    前記治療有効投薬量のリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグが、前記インプラントの投与後少なくとも約45日の間送達される、項目56に記載の方法。
    (項目63)
    前記治療有効投薬量のリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグが、前記インプラントの投与後少なくとも約60日の間送達される、項目56に記載の方法。
    (項目64)
    前記病状が、妄想精神病、統合失調症、双極性障害、精神病性うつ病、強迫性障害、トゥーレット症候群、自閉症スペクトラム障害またはこれらの任意の組み合わせを含む、項目56に記載の方法。
    (項目65)
    前記患者がヒトである、項目56に記載の方法。

    本リスペリドン徐放送達システムとRISPERDAL(登録商標)CONSTA(登録商標)の間の幾つかの直接的比較を行った。 加えて、RISPERDAL(登録商標)CONSTA(登録商標)は、リスペリドンの放出前に特有の誘導期を示したのに対して、本徐放送達システムは、注射直後に治療範囲の血中レベルをもたらす。

    1つの実施形態において、リスペリドン徐放送達システムを提供する。 この送達システムは、流動性組成物および制御徐放インプラントを含む。 前記流動性組成物は、生体分解性熱可塑性ポリマー、生体適合性極性非プロトン性有機液体およびリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグを含む。 前記流動性組成物は、水、体液または他の水性媒質との接触によりインプラントに変換され得る。 1つの実施形態では、前記流動性組成物を体に注射し、するとそれがインサイチュで固体またはゲルインプラントになる。

    前記流動性組成物およびインプラントの熱可塑性ポリマーは、水性媒質または体液に少なくとも実質的に不溶性であり、または典型的にはそれらの媒質に完全に不溶性である。 前記熱可塑性ポリマーは、エステル基、無水物基、カーボネート基、アミド基、ウレタン基、ウレア基、エーテル基、エステルアミド基、アセタール基、ケタール基、オルトカーボネート基、および酵素的または加水分解反応によって加水分解され得る(すなわち、この加水分解作用によって生体内分解され得る)任意の他の有機官能基のような基によって連結された繰り返しモノマー単位のホモポリマー、コポリマーまたはターポリマーであり得る。 前記熱可塑性ポリマーは、約1個以上のヒドロキシカルボン酸残基、またはジオールおよびジカルボン酸残基の単位から成り得るポリエステルである場合があり、この場合、異なる残基の分布は、ランダムであることもあり、ブロックであることもあり、対になっていることもあり、または逐次的であることもある。 前記ポリエステルは、約1個以上のジオールと約1個以上のジカルボン酸の組み合わせである場合もある。 前記ヒドロキシカルボン酸は、ダイマーの形態である場合もある。

    前記生体分解性熱可塑性ポリマーがポリエステルであるとき、そのポリエステルは、例えば、第三のモノ−アルコールまたはポリオール成分が場合によっては組み込まれている、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリカプロラクトン、それらのコポリマー、それらのターポリマーまたはそれらの任意の組み合わせを含む。 さらに好ましくは、前記生体分解性熱可塑性ポリエステルは、第三のモノ−アルコールまたはポリオール成分が場合によっては組み込まれている、ポリラクチド、ポリグリコリド、それらのコポリマー、それらのターポリマー、またはそれらの組み合わせである。 さらに好ましくは、適する生体分解性熱可塑性ポリエステルは、カルボキシ末端基を有する約50/50 ポリ(ラクチド−co−グリコリド)(本明細書では以後PLG)であるか、カルボキシ末端基を有する75/25もしくは85/15 PLG、または約1個以上のモノ−アルコールもしくはポリオール単位を用いて配合されたそのようなPLGである。 モノ−アルコールまたはポリオールが、ポリエステルに組み込まれているとき、そのモノ−アルコールまたはポリオールは、そのポリマー鎖の第三の共有結合成分を構成する。 モノ−アルコールが組み込まれているとき、ポリエステルのカルボキシ末端は、そのモノ−アルコールでエステル化されている。 ポリオールが組み込まれているとき、それは、そのポリマーの鎖を伸長し、場合によってはポリエステルを分岐させる。 ポリオールは、そのポリオールの多数のヒドロキシル部分からポリエステル鎖が伸長するポリエステル重合点として機能し、それらのヒドロキシル部分は、そのポリエステル鎖のカルボキシル基によってエステル化されている。 ジオールを利用する実施形態については、ポリエステルは線状であり、両方のエステル化されたヒドロキシ基からポリエステル鎖が伸びている。 トリオールまたはより多価のポリオールを利用する実施形態については、ポリエステルは、線状である場合もあり、または分岐している場合もあり、ポリエステル鎖はそれらのエステル化ヒドロキシ基から伸びている。 適するポリオールとしては、例えば、脂肪族および芳香族ジオール、多糖類、例えばグルコース、ラクトース、マルトース、ソルビトール、トリオール、例えばグリセロール、脂肪アルコールなど、テトラオール、ペンタオール、ヘキサオールなどが挙げられる。

    前記生体分解性熱可塑性ポリマーは、任意の適する量で存在し得るが、但し、その生体分解性熱可塑性ポリマーが、水性媒質または体液に少なくとも実質的に不溶性であることを条件とする。 前記生体分解性熱可塑性ポリマーは、前記流動性組成物の約10重量%から約95重量%で存在し、好ましくは、前記流動性組成物の約20重量%から約70重量%で存在し、またはさらに好ましくは、前記流動性組成物の約30重量%から約60重量%で存在する。 好ましくは、前記生体分解性熱可塑性ポリマーは、約10,000ダルトン(Da)から約45,000ダルトン、またはさらに好ましくは約15,000ダルトンから約40,000ダルトンの平均分子量を有する。

    前記生体分解性熱可塑性ポリマーは、約10キロダルトン(kDa)から約50キロダルトンの重量平均分子量、約1.4から約2.0の多分散度指数を有する非加水分解PLG低バーストコポリマーポリエステル材料であって、この材料から約4kDaから約10kDaの重量平均分子量および約1.4から約2.5の多分散度指数を特徴とするコポリマー画分が除去されたポリエステル材料である場合もある。

    前記流動性組成物は、生体適合性極性非プロトン性有機液体も含む。 前記生体適合性極性非プロトン性液体は、アミド、エステル、カーボネート、ケトン、エーテル、スルホニル、または周囲温度で液体であり、極性であり、非プロトン性である任意の他の有機化合物であり得る。 前記生体適合性極性非プロトン性有機液体は、全比率で、体液に非常にわずかに可溶性から完全に可溶性であり得る。 前記有機液体は、一般に、水性媒質および体液への同様の溶解度プロフィールを有するであろうが、体液のほうが水性媒質より概して親油性である。 従って、水性媒質に不溶性である一部の有機液体は、体液には少なくともわずかに可溶性であろう。 有機液体のこれらの例は、有機液体の定義の中に包含される。

    好ましくは、前記生体適合性極性非プロトン性液体は、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、炭酸プロピレン、カプロラクタム、トリアセチン、またはこれらの任意の組み合わせを含む。 さらに好ましくは、前記生体適合性極性非プロトン性液体は、N−メチル−2−ピロリドンである。 好ましくは、前記極性非プロトン性有機液体は、前記組成物の約10重量%から約90重量%で存在し、または前記組成物の約30重量%から約70重量%で存在する。

    前記リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグは、前記流動性組成物中に少なくとも約0.001重量%の濃度で存在し、この上限が、その流動性組成物の中のリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの多分散度の限度である。 好ましくは、前記濃度は、前記流動性組成物の約0.5重量%から約50重量%であり、またはさらに好ましくは、前記流動性組成物の約1重量%から約30重量%である。

    前記流動性組成物中のリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグは、塩の形態である場合があり、その塩対イオンは、医薬的に許容される有機もしくは無機酸に由来するものであり得、または好ましくは、前記対イオンは、ポリカルボン酸であり得る。

    好ましくは、前記流動性組成物は、注射用送達システムとして調合される。 前記流動性組成物は、好ましくは、約0.20mLから約2.0mL、または好ましくは約0.30mLから約1.0mLの体積を有する。 前記注射用組成物は、好ましくは、6ヶ月に約1回まで、月に約1回、3ヶ月に約1回、または4ヶ月に約1回の投与用に調合される。 好ましくは、前記流動性組成物は、患者への注射に適する液体またはゲル組成物である。 前記流動性組成物は、皮下注射されたとき、最小限の組織壊死しか生じさせない特性を有する。

    賦形剤、放出調節剤、可塑剤、細孔形成剤、ゲル化液、非活性増量剤および他の成分も前記リスペリドン徐放送達システムに含めることができる。 前記流動性組成物を投与したとき、これらの追加の成分の一部、例えばゲル化液および放出調節剤、はそのインプラントとともに残るが、他のもの、例えば細孔形成剤、は、別途、有機液体とともに分散および/または拡散するであろう。

    1つの実施形態において、制御放出インプラントとして使用するための流動性組成物を形成するための方法を提供する。 この方法は、生体分解性熱可塑性ポリマー、生体適合性極性非プロトン性液体、およびリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグを任意の順序で混合することを含む。 前記生体分解性熱可塑性ポリマーは、水性媒質または体液に少なくとも実質的に不溶性であり得る。 これらの成分、それらの特性、および好ましい量は、上に開示したとおりである。 前記混合は、制御放出インプラントとして使用するための流動性組成物を形成するために有効な十分な期間にわたって行われる。 好ましくは、前記生体適合性熱可塑性ポリマーと前記生体適合性極性非プロトン性有機液体を混合して混合物を形成し、その混合物を前記リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグと併せて流動性組成物を形成する。 好ましくは、前記流動性組成物は、前記有機液体中のリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグおよび生体分解性熱可塑性ポリマーの溶液または分散液であり、特に好ましくは溶液である。 前記流動性組成物は、好ましくは、有効量の生体分解性熱可塑性ポリマー、有効量の生体適合性極性非プロトン性有機液体、および有効量のリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグを含む。 これらの成分、好ましい成分、それらの特性、および好ましい量は、上に開示したとおりである。

    1つの実施形態において、体液に少なくとも実質的に不溶性である生体分解性熱可塑性ポリマーと生体適合性極性非プロトン性有機液体とリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグとを含む流動性組成物を患者の身体に注射する段階、およびその生体適合性極性非プロトン性液体を放散させて固体またはゲル生体分解性インプラントを生じさせる段階を含む段階によって、患者においてインサイチュで形成される生体分解性インプラントを提供する。 前記流動性組成物は、有効量の生体分解性熱可塑性ポリマー、有効量の生体適合性極性非プロトン性液体、および有効量のリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグを含み、前記固体インプラントは、その固体インプラントが患者において生分解するにつれて経時的に有効量のリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグを放出し、ならびに場合によっては前記患者はヒトである。

    1つの実施形態において、生存している患者においてインサイチュで生体分解性インプラントを形成する方法を提供する。 この方法は、体液に少なくとも実質的に不溶性である生体分解性熱可塑性ポリマーと生体適合性極性非プロトン性有機液体とリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグとを含む流動性組成物を患者の身体内に注射すること、およびその生体適合性極性非プロトン性有機液体を放散させて固体またはゲル生体分解性インプラントを生じさせることを含む。 好ましくは、前記生体分解性固体またはゲルインプラントは、その固体またはゲルインプラントが患者において生分解するにつれて拡散、浸食、または拡散と侵食の組み合わせによって有効量のリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグを放出する。

    1つの実施形態において、リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグによって改善、治癒または予防される哺乳動物の疾病を治療または予防する方法を提供する。 この方法は、そのような治療が必要な患者(好ましくは、ヒトの患者)に、体液に少なくとも実質的に不溶性である生体分解性熱可塑性ポリマーと生体適合性極性非プロトン性有機液体とリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグとを含む流動性組成物の有効量を投与することを含む。

    1つの実施形態において、キットを提供する。 このキットは、第一の容器および第二の容器を含む。 第一の容器は、生体分解性熱可塑性ポリマーと生体適合性極性非プロトン性有機液体の組成物を含む。 前記生体分解性熱可塑性ポリマーは、水性媒質または体液に少なくとも実質的に不溶性である。 第二容器は、リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグを含む。 これらの成分、それらの特性、および好ましい量は、上で開示したとおりである。 好ましくは、第一の容器は注射器であり、および第二の容器は注射器である。 加えて、リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグを凍結乾燥することができる。 このキットは、好ましくは、例えば使用説明書を含む。 好ましくは、第一の容器を第二の容器に接続することができる。 さらに好ましくは第一の容器および第二の容器は、互いに直接接続されるようにそれぞれ構成されている。

    1つの実施形態において、固体またはゲルインプラントを提供する。 この固体またはゲルインプラントは、少なくとも生体適合性熱可塑性ポリマーおよびリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグから成り、体液に実質的に不溶性である。 前記生体分解性熱可塑性ポリマーは、水性媒質または体液に少なくとも実質的に不溶性であり得る。 リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグ、それ自体は、体液への少なくとも多少の溶解度を有するが、前記実質的に不溶性のインプラント内でそれが分離することにより、体内へのそのゆっくりとした徐放が可能となる。

    前記固体インプラントは、固体マトリックスまたは固体微孔質マトリックスであり、一方、前記ゲルインプラントは、ゲル状マトリックスである。 前記マトリックスは、外皮によって包囲されたコアである場合がある。 前記インプラントは、固体、且つ、微孔質である場合がある。 微孔質であるとき、そのコアは、好ましくは約1から約1000マイクロメートルの直径の細孔を含有する。 微孔質であるとき、その外皮は、好ましくはコアのものより小さい直径の細孔を含有する。 加えて、前記外皮細孔は、好ましくは、コアと比較するとその外皮が機能的に無孔であるようなサイズのものである。

    前記固体またはゲルインプラントは、例えば、上で説明したような賦形剤として機能することができる、または可塑剤、徐放プロフィール調節剤、乳化剤、および/またはリスペリドン、その代謝産物もしくはプロドラッグ用の分離担体として機能することができる、1つ以上の生体適合性有機物質を場合によっては含むことがある。

    前記生体適合性有機液体は、前記インプラントの有機物質としての役割を果たす場合もあり、および/または可塑剤、調節剤、乳化剤もしくは分離担体などの追加の機能をもたらす場合もある。 主要有機液体が混合、可溶化または分散化剤として作用し、追補有機液体がその流動性組成物およびインプラント内で追加の機能を提供するように、2つ以上の有機液体が流動性組成物中に存在する場合がある。 あるいは、他の成分のための混合、可溶化または分散化剤として役割を少なくとも果たすことができ、且つ、追加の機能も果たすことができる、1つの有機液体が存在する場合がある。 第二または追加の成分として、追加の種類の生体分解性有機液体が、一般に前記流動性組成物と合わせされ、投与された流動性組成物が凝固するとそのインプラントとともに残ることもある。

    可塑剤としての役割を果たすとき、その生体適合性有機物質は、可撓性、柔軟性、成形適性、および薬物放出変化などの特性をそのインプラントにもたらす。 調節剤としての役割を果たすとき、その生体適合性有機物質は、リスペリドン放出変化などの特性もそのインプラントにもたらす。 概して、可塑剤は、リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの放出速度を増し、一方、調節剤は、リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの放出速度を遅らせる。 また、可塑剤および速度調節剤として機能するこれら2種類の有機物質の間に構造的重複が存在する場合もある。

    乳化剤としての役割を果たすとき、その生体適合性有機物質は、前記流動性組成物内および前記インプラント内のリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの混合物の少なくとも一部の均一化を可能にする。

    分離担体としての役割を果たすとき、その生体適合性有機物質は、少なくとも一部はそのバーストを防止するために、ならびにその流動性組成物およびインプラントの他の成分による分解からリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグを切り離すために、リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの分子またはナノ粒子を封入、分離または別様に包囲するように機能するであろう。

    前記固体またはゲルインプラント中に場合によっては残る生体適合性有機物質の量は、好ましくは少量、例えば、その組成物の約0重量%(またはほぼ無視できる量)から約20重量%である。 加えて、前記固体またはゲルインプラント中に場合によっては存在する生体適合性有機物質の量は、好ましくは、経時的に減少する。

    前記固体インプラントは、例えば、全比率で、体液に非常にわずかに可溶性から完全に可溶性であり、且つ、前記熱可塑性ポリエステルの少なくとも一部を少なくとも部分的に溶解する、生体適合性有機液体を含む場合もあり、場合によっては、前記生体適合性有機液体の量は、そのインプラントの総重量の約5重量%未満であり、および場合によっては、前記生体適合性有機液体の量は、経時的に減少する。

    前記固体インプラントは、例えば、約1から約1000マイクロメートルの直径の細孔を含有するコアも含むことがあり、場合によっては、外皮は、前記コアの細孔のものより小さい直径の細孔を含有し、および場合によっては、前記外皮細孔は、コアと比較するとその外皮が機能的に無孔であるようなサイズのものである。

    1つの実施形態において、実質的に線形の累積放出プロフィールを有する流動性組成物を提供する。

    1つの実施形態において、妄想精神病、統合失調症、双極性障害、精神病性うつ病、強迫性障害、トゥーレット症候群、自閉症スペクトラム障害またはこれらの任意の組み合わせを含む病状を有する患者を治療するための方法を提供し、この方法は、少なくとも実質的に水不溶性の生体分解性熱可塑性ポリマーおよび生体適合性極性非プロトン性有機液体との組み合わせで有効量のリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグを患者に投与することを含む。 この治療方法は、例えば、前記疾病状態の治療用に指定された別の公知医薬化合物との併用療法を含む。

    1つの実施形態において、流動性組成物を患者に投与して、リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグと生体分解性ポリマーとを含む生体分解性インプラントを生じさせることを含む、ある病状を有する患者を治療するための方法を提供し、この場合、前記インプラントは、1日につき約1から約16ミリグラム(mg)のリスペリドン、その代謝産物もしくはプロドラッグ、または好ましくは1日につき約1mgから約5ミリグラム(mg)のリスペリドン、その代謝産物もしくはプロドラッグの治療有効投薬量を放出、送達する。

    リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの前記治療有効投薬量を、前記インプラントの投与後約2日以内に、または好ましくは前記インプラントの投与後約1日以内に得ることができる。

    リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの前記治療有効投薬量を、前記インプラントの投与後少なくとも約15日の間、または前記インプラントの投与後少なくとも約30日の間、または好ましくは前記インプラントの投与後少なくとも約45日の間、または好ましくは前記インプラントの投与後少なくとも約60日の間、送達することができる。

    前記病状としては、例えば、妄想精神病、統合失調症、双極性障害、精神病性うつ病、強迫性障害、トゥーレット症候群、および自閉症スペクトラム障害を挙げることができる。 個体はヒトでありえる。

    ラットにおける選択したATRIGEL(登録商標)製剤からのリスペリドンの24時間放出を示す。

    ラットにおける選択したATRIGEL(登録商標)製剤からのリスペリドンの24時間放出を示す。

    ラットにおける選択したATRIGEL(登録商標)製剤からのリスペリドンの28日放出を示す。

    ラットにおける活性リスペリドンの28日血漿濃度を示す。

    ラットにおける選択したATRIGEL(登録商標)製剤からのリスペリドンの28日放出を示す。

    ラットにおける活性リスペリドンの28日血漿濃度を示す。

    ラットにおける選択したATRIGEL(登録商標)製剤からのリスペリドンの28日放出を示す。

    ラットにおける活性リスペリドンの28日血漿濃度を示す。

    ラットにおける選択したATRIGEL(登録商標)製剤からのリスペリドンの28日放出を示す。

    ラットにおける活性リスペリドンの28日血漿濃度を示す。

    ラットにおける選択したATRIGEL(登録商標)製剤からのリスペリドンの28日放出を示す。

    ラットにおける活性リスペリドンの28日血漿濃度を示す。

    ラットにおける選択したATRIGEL(登録商標)製剤からのリスペリドンの28日放出を示す。

    ラットにおける活性リスペリドンの28日血漿濃度を示す。

    ウサギにおける50日リスペリドン/ATRIGEL(登録商標)薬物動態研究を示す。

    ウサギにおける35日リスペリドン/ATRIGEL(登録商標)薬物動態研究を示す。

    イヌにおける45日リスペリドン/ATRIGEL(登録商標)薬物動態研究を示す。

    イヌにおける45日リスペリドン/ATRIGEL(登録商標)薬物動態研究を示す。

    イヌにおける2mg、3mgおよび4mgのRISPERDAL(登録商標)錠剤経口日用量の薬物動態を示す。

    60mg、90mgおよび120mg用量でイヌに皮下投与した後のリスペリドン/ATRIGEL(登録商標)の薬物動態を示す。

    イヌに皮下注射した60mgリスペリドン/ATRIGEL(登録商標)製剤と2mg RISPERDAL(登録商標)錠剤経口日用量との薬物動態の比較を示す。

    イヌに皮下注射した90mgリスペリドン/ATRIGEL(登録商標)製剤と3mg RISPERDAL(登録商標)錠剤経口日用量との薬物動態の比較を示す。

    イヌに皮下注射した120mgリスペリドン/ATRIGEL(登録商標)製剤と4mg RISPERDAL(登録商標)錠剤経口日用量との薬物動態の比較を示す。

    2mg、3mgおよび4mg RISPERDAL(登録商標)錠剤経口日用量群の第0日および第30日における薬物動態を示す。

    イヌにおけるリスペリドン/ポリ(DL−ラクチド−co−カプロラクトン)/乳酸エチルの血漿リスペリドンレベルおよび関連薬理学的応答を示す。

    イヌにおけるリスペリドン/ポリ(DL−ラクチド−co−グリコリド)/乳酸エチルの血漿リスペリドンレベルおよび関連薬理学的応答を示す。

    イヌにおけるリスペリドン/ポリ(DL−ラクチド−co−カプロラクトン)/N−メチル−2−ピロリドンの血漿リスペリドンレベルおよび関連薬理学的応答を示す。

    イヌにおけるリスペリドン/ポリ(DL−ラクチド−co−グリコリド)/N−メチル−2−ピロリドンの血漿リスペリドンレベルおよび関連薬理学的応答を示す。

    定義 本出願において示す語およびフレーズは、別の指示がない限り、当業者にとって普通のそれらの意味を有する。 そのような普通の意味は、当該技術分野におけるそれらの使用を参照することにより、および一般的な科学辞書、例えば、WEBSTER'S NEW WORLD DICTIONARY、Simon & Schuster,New York,N. Y. ,1995、THE AMERICAN HERITAGE DICTIONARY OF THE ENGLISH LANGUAGE,Houghton Mifflin,Boston MA,1981、およびHAWLEY'S CONDENSED CHEMICAL DICTIONARY,14 th edition,Wiley Europe,2002を参照することにより、得ることができる。

    一定の用語の以下の説明は、網羅的ではなく例証的な意味を持つ。 これらの用語は、当該技術分野における慣用によって与えられるそれらの通常の意味を有し、加えて、次の説明を含む。

    本明細書において用いる場合、用語「および/または」は、それらの項目のいずれか1つ、それらの項目のいずれかの組み合わせ、またはこの用語が随伴するすべての項目を意味する。

    本明細書において用いる場合、単数形「1つの(a)」、[1つの(an)]および「その(the)」は、その文脈が明確に別様に指図していない限り、複数形の言及を含む。 従って、「1つの製剤(a formulation)」は、多数のそのような製剤を含むため、化合物Xの1つの製剤(a formulation)は、化合物Xの複数の製剤(formulations)を含む。

    本明細書において用いる場合、用語「許容される塩」は、親化合物がその酸または塩基を作ることによって修飾される場合の誘導体を指す。 適する許容される塩としては、アミンなどの塩基性残基の鉱酸または有機酸塩;カルボン酸などの酸性残基のアルカリまたは有機塩;およびこれらに類するものが挙げられるが、それらに限定されない。 許容される塩は、従来の非毒性塩または、例えば非毒性無機または有機酸から形成される親化合物の第四アンモニウム塩を含む。 例えば、そのような従来の非毒性塩としては、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸など、から誘導されるもの;および有機酸、例えば酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸など、から調製される塩が挙げられる。 特に、許容される塩としては、例えば、哺乳動物においてインビボで自然に発生する塩を挙げることができる。

    本明細書において用いる場合、用語「生体適合性」は、この用語が適用される材料、物質、化合物、分子、ポリマーまたはシステムが、それが妥当な用量および速度で投与される動物において重度の毒性、重度の有害生体反応または致死を引き起こさないであろうことを意味する。

    本明細書において用いる場合、用語「生体分解性」は、材料、物質、化合物、分子、ポリマーまたはシステムが、加水分解、酵素的なまたは別の代謝のための哺乳動物の生物学的プロセスによって、哺乳動物の体が同化または排除できる化学単位に開裂、酸化、加水分解または別様に分解されることを意味する。

    本明細書において用いる場合、用語「生体侵食性」は、材料、物質、化合物、分子、ポリマーまたはシステムが、哺乳動物の生物学的プロセスによって生体内分解または機械的に除去されて新しい表面が露出されることを意味する。

    本明細書において用いる場合、用語「治療有効量」は、基礎疾患または疾病を治療もしくは予防するために、または宿主における基礎疾患もしくは疾病に随伴する症状を治療するために有用な、リスペリドン、その代謝産物もしくプロドラッグ、その医薬的に許容される塩、その誘導体、またはそれらの任意の組み合わせの量を包含すると解釈する。 例えば、Chou and Talalay,Adv. Enzyme Regul. 22,27−55(1984)によって説明されているように、併用で投与されたときのリスペリドン、その代謝産物もしくプロドラッグ、その医薬的に許容される塩、またはその誘導体の効果が、単一薬剤として単独で投与されたときのリスペリドン、その代謝産物もしくプロドラッグ、その医薬的に許容される塩、またはその誘導体の付加的効果より大きい場合、相乗作用が存在する。 一般に、相乗作用は、リスペリドン、その代謝産物もしくはプロドラッグ、その医薬的に許容される塩、またはその誘導体の最適下濃度で最も明確に実証される。 個々の成分と比較して併用薬の低い細胞傷害性、増大された活性または何らかの他の有益な作用に関して相乗作用が存在することがある。

    本明細書において用いる場合、用語「流動性」は、「流動性」組成物を圧下で患者の身体内に輸送できる能力を指す。 例えば、流動性組成物は、水のように低い粘度を有する場合があり、注射器を使用して患者の皮下に注射することができる。 あるいは、流動性組成物は、ゲルのような高い粘度を有する場合があり、高圧注射器、カニューレ、針などのような高圧輸送器具によって患者に配置することができる。 前記組成物を患者に注射できる能力は、一般に、その組成物の粘度に依存するであろう。 従って、前記組成物は、その組成物を輸送器具(例えば、注射器)によって患者の身体内に押込むことができるように、水のように低いものからゲルのように高いものにわたる適する粘度を有する。

    本明細書において用いる場合、用語「ゲル」は、ゲル状、ゼリー様、またはコロイド状特性を有する物質を指す。 例えば、CONCISE CHEMICAL AND TECHNICAL DICTIONARY 4 th Edition,Chemical Publishing Co. ,Inc. ,p. 567,New York,NY(1986)参照。

    本明細書において用いる場合、用語「液体」は、剪断応力下で絶え間なく変形され続ける物質を指す。 例えば、CONCISE CHEMICAL AND TECHNICAL DICTIONARY 4 th Edition,Chemical Publishing Co. ,Inc. ,p. 707,New York,NY(1986)参照。

    本明細書において用いる場合、用語「患者」は、温血動物、および好ましくは哺乳動物、例えば、ネコ、イヌ、ウマ、ウシ、ブタ、マウス、ラットもしくは霊長類(ヒトを含む)などを指す。

    本明細書において用いる場合、用語「ポリマー」は、1つ以上の繰り返し化学官能基によって互いに共有結合された1つ以上の繰り返しモノマー残基単位の分子を指す。 この用語は、線状、分岐状、スター、ランダム、ブロック、グラフトなどのようなすべての重合形態を包含する。 それは、単一モノマーから成るホモポリマー、2つ以上のモノマーから成るコポリマー、3つ以上のポリマーから成るターポリマー、および3つより多くのモノマーから成るポリマーを包含する。 ポリマーの様々な形態が、1つより多くの繰り返しの共有結合された官能基を有する場合もある。 この用語は、ヒドロキシ酸ラクテートおよびグリコレートモノマー、またはヒドロキシ酸ラクチド−グリコリドダイマーから主として成る実質的に線状のポリマー(本明細書では「PLGコポリマー」とも呼ぶ)も指すことがあり、ならびに本明細書において指定する意味から逸脱することなく、ポリエステル骨格にまたは骨格内に共有結合で連結された追加の部分、例えばコア/開始剤基(例えば、ジオール、ヒドロキシ酸など)、キャッピング基(例えば、末端カルボキシル基のエステルなど)および他のペンダント基または連鎖延長基(その実質的に線状のポリエステル分子鎖を架橋する基を含む)を含む場合があるという了解のもとで、例えば、当該技術分野においてポリ(ラクテート−グリコレート)、ポリ(ラクテート(co)グリコレート)、ポリ(ラクチド−グリコリド)、ポリ(ラクチド(co)グリコリド)、PLG、PLGHなどと呼ばれる組成物も包含し得る。 PLGコポリマーは、本明細書においてこの用語を用いる場合、末端ヒドロキシル基を有する分子鎖、末端カルボキシル基を有する(すなわち、酸を末端に有する)分子鎖(時としてPLGHと呼ばれる)、および末端エステル基を有する(すなわち、キャップされた)分子鎖を含む。

    本明細書において用いる場合、用語「ポリエステル」は、連結基:−OC(=O)−または−C(=O)O−のモノマー繰り返し単位を少なくとも一部は含有するポリマーを指す。

    本明細書において用いる場合、用語「外皮」および外皮の「コア」およびマトリックスのコアは、そのマトリックスの断面が、そのマトリックスの外面と内部とを識別できる図を呈することを意味する。 その外面が外皮であり、その内部がコアである。

    本明細書において用いる場合、用語「熱可塑性」は、ポリマーに適用される場合、そのポリマーが、繰り返し、加熱により融解し、冷却により固化することを意味する。 ポリマー分子間の架橋が全くまたはわずかな程度にしか存在しないことを意味する。 これは、ポリマーが、加熱によりまたは類似の反応プロセスの適用により硬化または実質的に架橋し、加熱および冷却による溶融−固化サイクルをもはや受けないことを示す用語「熱硬化性」とは対照的である。

    本明細書において用いる場合、用語「治療すること」、「治療する」、または「治療」は、(i)病的状態(例えば、統合失調症)の発生を予防すること(例えば、予防);(ii)病的状態(例えば、統合失調症)を抑制することまたはその発現を阻止すること;および(iii)病的状態を軽減すること(例えば、統合失調症に随伴する症状を軽減すること)を含む。

    発明の説明 本発明は、リスペリドン徐放送達システムに関する。 本徐放送達システムは、流動性組成物およびゲルまたは固体インプラントを含む。 本送達システムは、リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグのインサイチュでの徐放をもたらす。 前記流動性組成物は、その使用によって徐放を遂行してインプラントを生じさせる。 前記インプラントは、小さいインプラント体積を有し、リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの長期送達をもたらす。 前記流動性組成物は、インサイチュでのインプラントの皮下形成を可能にし、組織壊死を殆どまたは全く生じさせない。 前記インサイチュインプラントは、そのインプラントがRISPERDAL(登録商標)CONSTA(登録商標)製品と比較して高いおよび長く続くリスペリドンの血中レベルを送達する点で、RISPERDAL(登録商標)CONSTA(登録商標)製品に比べて優れた結果を示す。 前記インサイチュインプラントは、注射直後に治療血漿リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグレベルを生じさせ、4から6週間、定常状態血漿レベルを維持する。 さらに、前記インサイチュインプラントは、RISPERDAL(登録商標)CONSTA(登録商標)製品で必要とされるような最初の21日間のRISPERADAL(登録商標)の追補的経口日用量を必要としない。

    もう1つの利点は、前記インサイチュインプラントが、より大きな患者コンプライアンスをもたらすであろうという点である。 RISPERDAL(登録商標)CONSTA(登録商標)は、2.0mL筋肉内注射として投与されるが、1つの実施形態は、約0.80mLの注射容量で皮下空間に注射される。 患者が多量(約2.0mL)の筋肉内注射より少量の皮下注射(約0.80mL以下)のほうを好むであろうことは当然のことと考えられる。

    1つの実施形態の別の利点としては、単純な製造プロセスおよび送達システムが挙げられる。 例えば、リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグを注射器に充填し、その注射器を封止し、薬物注射器全体を最後にガンマ線によって滅菌する。 使用する生体分解性ポリマーをN−メチル−2−ピロリドンに溶解し、第二のシリンジに充填する。 その注射器を封止し、その送達システムを最後にガンマ線によって滅菌する。 注射する時点で、それらの注射器をルアーロック接続によって連結させ、2つの注射器間での成分の循環によって製品を構成する。 このようにして、薬物は送達システムに組み込まれ、器具に殆ど取り残されない。

    対照的に、RISPERDAL(登録商標)CONSTA(登録商標)は、患者に注射する前にマイクロスフェア形成および封入プロセスによって製造される。

    前記流動性組成物は、生体分解性で少なくとも実質的に水不溶性の熱可塑性ポリマーと生体適合性極性非プロトン性有機液体とリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグとの組み合わせである。 前記極性非プロトン性有機液体は、全比率で事実上不溶性から完全に可溶性の範囲である体液への溶解度を有する。 好ましくは、前記熱可塑性ポリマーは、約1個以上のヒドロキシカルボン酸のまたは約1個以上のジオールとジカルボン酸の熱可塑性ポリエステルである。 特に好ましくは、前記熱可塑性ポリマーは、約1個以上のヒドロキシカルボキシルダイマー、例えばラクチド、グリコリド、ジカプロラクトンなど、のポリエステルである。

    本明細書に記載する具体的なおよび好ましい生体分解性熱可塑性ポリマーおよび極性非プロトン性溶媒;熱可塑性ポリマー、極性非プロトン性有機液体、およびリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの濃度;熱可塑性ポリマーの分子量;ならびに固体インプラントの成分の重量またはモル範囲は、例示的なものである。 それらは他の生体分解性ポリマーおよび極性非プロトン性有機液体;熱可塑性ポリマー、極性非プロトン性液体、およびリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの他の濃度;熱可塑性ポリマーの他の分子量;ならびに固体インプラント中の他の成分を除外しない。

    1つの実施形態において、制御徐放インプラントを生じさせる際に使用するために適する流動性組成物、その流動性組成物の形成方法、その流動性組成物の使用方法、その流動性組成物から形成される生体分解性徐放固体またはゲルインプラント、生体分解性インプラントのインサイチュでの形成方法、その生体分解性インプラントの使用による疾病の治療方法、およびその流動性組成物を含むキットを提供する。 好ましくは、前記流動性組成物を使用して、動物において生体分解性または生体侵食性微孔質インサイチュ形成インプラントを生じさせる。

    前記流動性組成物は、生体適合性極性非プロトン性有機液体およびリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグとの組み合わされて生体分解性熱可塑性ポリマーから構成されている。 前記生体分解性熱可塑性ポリマーは、水性媒質および/または体液に実質的に不溶性であり、生体適合性であり、患者の身体内で生体内分解および/または生体内侵食され得る。 前記流動性組成物は、液体またはゲルとして組織に投与することができ、インサイチュでインプラントを形成する。 あるいは、前記インプラントは、前記流動性組成物と水性媒質を併せることによってエクスビボで形成することができる。 この実施形態では、その予備形成インプラントを患者に外科手術によって施与することができる。 いずれの実施形態においても、前記流動性組成物が体液、水性媒質または水と接触してその流動性組成物から前記有機液体が放散、分散または浸出されると、前記熱可塑性ポリマーは凝固または固化して固体またはゲルインプラントを形成する。 この凝固または固化は、流動性組成物の他の成分、例えばリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグ、賦形剤、有機物質などを巻き込み、捕捉するので、それらは、そのゲル化または固化インプラントマトリックスの中に分散させた状態になる。 前記流動性組成物は、生体適合性であり、前記インプラントのポリマーマトリックスは、そのインプラント部位で実質的な組織刺激または壊死を生じさせない。 前記インプラントは、患者に維持されたレベルのリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグを送達する。 好ましくは、前記流動性組成物は、患者(例えば、ヒト)における注射に適する液体またはゲルであり得る。

    1つの実施形態は、リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの徐放性製剤のバイオアベイラビリティを驚くほど改善する。 加えて、1つの実施形態は、(a)比較的低容量の注射;(b)注射部位での改善された局所組織許容度;(c)筋肉内注射ではなく皮下注射を使用する機会;および(d)他の製品と比較して少ない頻度の注射をもたらす。

    他の徐放薬物送達技術から得られる製剤と比較すると、本リスペリドン徐放送達システムは、(a)最小限のバーストで優れた放出動態;(b)少ない頻度の注射で薬物放出期間増加;(c)著しく改善されたバイオアベイラビリティ;(d)小さい注射容量に起因する改善された局所組織許容度;および(e)筋肉内注射ではなく皮下注射を使用できる能力を提供する。 考え合わせると、これらの特徴が非常に有益なリスペリドン徐放送達システムを生じさせる。

    生体分解性熱可塑性ポリマー 前記流動性組成物は、固体、生体分解性熱可塑性ポリマー、リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグおよび生体適合性極性非プロトン性有機液体を併せることによって製造される。 前記流動性組成物は、治療の必要がある患者に注射器および針によって投与することができる。 任意の適する生体分解性熱可塑性ポリマーを利用することができるが、但し、その生体分解性熱可塑性ポリマーが、体液に少なくとも実質的に不溶性であることを条件とする。

    前記生体適合性、生体分解性、熱可塑性ポリマーは、連結基によって互いに接合されたポリマー鎖またはモノマー単位を形成する様々なモノマーから作ることができる。 前記熱可塑性ポリマーは、連結基、例えば、エステル、アミド、ウレタン、無水物、カーボネート、ウレア、エステルアミド、アセタール、ケタールまたはオルトカーボネート基、ならびに酵素的反応または加水分解反応によって加水分解され得る(すなわち、この加水分解作用によって生体内分解され得る)任意の他の有機官能基、によって接合されたモノマー単位を含有するポリマー鎖または骨格で構成されている。 前記熱可塑性ポリマーは、骨格連結基を形成することとなる反応基を含有する出発モノマーの反応によって一般に形成される。 例えば、アルコールとカルボン酸は、エステル連結基を形成するであろう。 イソシアネートとアミンまたはアルコールは、それぞれ、ウレアまたはウレタン連結基を形成するであろう。

    指定官能基を有する脂肪族、芳香族、またはアリールアルキル出発モノマーを使用して熱可塑性ポリマーを作ることができるが、但し、該ポリマーおよびそれらの分解生成物が生体適合性であることを条件とする。 熱可塑性ポリマーの形成に使用されるモノマーは、単一の素性のものである場合もあり、または多数の素性のものである場合もある。 結果として生ずる熱可塑性ポリマーは、1つのモノマーから、またはジオールと二酸を用いるときのような1セットのモノマーから形成されたホモポリマー、あるいは2つ以上から、または3つ以上から、または3つより多くのモノマーもしくはモノマーセットから形成されたコポリマー、ターポリマーまたはマルチポリマーであろう。 そのような出発モノマーの生体適合性の明細は当該技術分野において公知である。

    前記熱可塑性ポリマーは、水性媒質および体液に実質的に不溶性、好ましくは、そのような媒質および液に完全に不溶性である。 それらは、全比率で完全に可溶性から水不溶性にわたる水溶性を有する選択された有機液体に、溶解または分散させることもできる。 前記熱可塑性ポリマーは、生体適合性でもある。

    前記流動性組成物において使用されるとき、前記有機液体との組み合わせでの前記熱可塑性ポリマーは、その熱可塑性ポリマーの分子量および濃度に依存して、水のものに類似した低い粘度からペーストのものに類似した高い粘度まで様々である流動性組成物の粘度をもたらす。 概して、前記ポリマー組成物は、約10重量%から約95重量%、さらに好ましくは約20重量%から約70重量%、最も好ましくは約30重量%から約60重量%の熱可塑性ポリマーを含む。

    1つの実施形態において、前記生体分解性、生体適合性熱可塑性ポリマーは、線状ポリマーである場合もあり、分岐状ポリマーである場合もあり、またはそれらの組み合わせである場合もある。 1つの実施形態によると、任意の選択肢を利用することができる。 分岐状熱可塑性ポリマーを生じさせるために、1つの出発モノマーの多少の画分は、少なくとも三官能性、および好ましくは多官能性であり得る。 この多官能特性は、結果として生ずるポリマー鎖の少なくとも多少の分岐を生じさせる。 例えば、選択されたポリマーが、そのポリマー骨格に沿ってエステル連結基を含有するとき、出発モノマーは、通常、ヒドロキシカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸の環状ダイマー、ヒドロキシカルボン酸の環状トリマー、ジオール、またはジカルボン酸であろう。 従って、分岐状熱可塑性ポリマーを生じさせるために、熱可塑性ポリマーを形成するために重合させるモノマーの組み合わせの中に、トリオールまたはトリカルボン酸などの少なくとも多官能性である、出発モノマーの多少の画分を含める。 加えて、ポリマー分子1個につき1個より多くの多官能性単位、およびその重合反応の化学量論に依存して一般には多くの多官能性単位を前記ポリマーに組み込むことができる。 場合によっては、ポリマー分子1個につき少なくとも約1個の多官能性単位を前記ポリマーに組み込むこともできる。 いわゆるスターまたは分岐状ポリマーは、約1個の多官能性単位がポリマー分子に組み込まれたときに形成される。

    好ましい熱可塑性ポリエステルは、ヒドロキシカルボン酸などのモノマーまたはそれらのダイマーから形成することができる。 あるいは、ジカルボン酸とジオールから熱可塑性ポリエステルを形成することができる。 分岐状ポリエステルが所望される場合には、ジヒドロキシカルボン酸などの分岐性モノマーを、第一の種類の出発モノマーに含めることとなり、またはトリオールおよび/もしくはトリカルボン酸を、第二の種類の出発モノマーに含めることとなる。 同様に、分岐状またはスターポリエステルが所望される場合には、トリオール、テトラオール、ペンタオールまたはヘキサオール、例えばソルビトールまたはグルコースを、第一の種類の出発原料に含めることができる。 同じ原理がポリアミドにあてはまるであろう。 トリアミンおよび/または三酸を、ジアミンおよびジカルボン酸の出発モノマーに含めることとなる。 アミノジカルボン酸、ジアミノカルボン酸、またはトリアミンを、第二の種類の出発モノマー、アミノ酸に含めることとなる。 指定の官能基を有する任意の脂肪族、芳香族、またはアリールアルキル出発モノマーを使用して前記分岐状熱可塑性ポリマーを作ることができるが、但し、該ポリマーおよびそれらの分解生成物が生体適合性であることを条件とする。 そのような出発モノマーの生体適合性の明細は、当該技術分野において公知である。

    前記生体分解性熱可塑性ポリマーを作るために使用されるモノマーは、熱可塑性、生体適合性、および生体分解性であるポリマーまたはコポリマーを生じさせるであろう。 前記生体適合性熱可塑性分岐状ポリマーとしての使用に適する適切な熱可塑性、生体適合性、生体分解性ポリマーとしては、例えば、ポリエステル、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリカプロラクトン、ポリ無水物、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステルアミド、ポリジオキサノン、ポリアセタール、ポリケタール、ポリカーボネート、ポリオルトカーボネート、ポリオルトエステル、ポリホスホエステル、ポリホスファゼン、ポリヒドロキシブチラート、ポリヒドロキシバレレート、ポリアルキレンオキサレート、ポリアルキレンスクシネート、ポリ(リンゴ酸)、ポリ(アミノ酸)、および前述の材料のコポリマー、ターポリマー、組み合わせまたは混合物が挙げられる。 そのような生体適合性、生体分解性、熱可塑性ポリマーの適する例は、例えば、米国特許第4,938,763号、同第5,278,201号、同第5,324,519号、同第5,702,716号、同第5,744,153号、同第5,990,194号、同第6,461,631号、および同第6,565,874号に開示されている。

    前記ポリマー組成物は、例えば、それらのポリマーと他の生体適合性ポリマーとのポリマーブレンドも包含し得るが、但し、それらがその組成物の生体分解特性に望ましくない干渉をしないことを条件とする。 前記ポリマーとそのような他のポリマーのブレンドは、目標とされる薬物送達に望ましい正確な放出プロフィールまたはインプラントに望ましい正確な生体分解速度の計画にさらに大きな自由度をもたらすことができる。

    好ましい生体分解性熱可塑性ポリマーまたはコポリマーは、より低い結晶化度を有する、より疎水性であるものである。 これらのポリマーおよびコポリマーは、前記生体適合性有機液体に、高い水素結合度を有する高結晶性ポリマー(例えば、ポリグリコリド)より可溶性である。 望ましい溶解度パラメータを有する好ましい材料は、溶解度を向上させるためのより非晶質の領域を提供するようにグリコリドを伴うポリラクチド、ポリカプロラクトンおよびこれらのコポリマーである。 一般に、前記生体適合性、生体分解性熱可塑性ポリマーは、前記有機液体に実質的に可溶性であり、そのため、固形分約50〜60重量%以下の溶液、分散液、またはその混合物を作ることができる。 好ましくは、前記ポリマーは、概して前記有機液体に完全に可溶性であり、そのため、固形分約85〜98重量%以下の溶液、分散液、または混合物を作ることができる。 前記ポリマーは、水に少なくとも実質的に不溶性でもあり、そのため、水1mLにつき約0.1gのポリマーが水に溶解または分散するであろう。 好ましくは、前記ポリマーは、水に対して完全に不溶性であり、そのため、水1mLにつき約0.001gのポリマーが水に溶解または分散するであろう。 この好ましいレベルで、前記流動性組成物と完全水混和性有機液体は、ほぼ直ちに固体インプラントになるであろう。

    前記ポリマー組成物は、例えば、制御放出性製剤での使用に適合した生体適合性、生体分解性PLG低バーストコポリマー材料も含むことができ、この低バーストコポリマー材料は、約10キロダルトンから約50キロダルトンの重量平均分子量および約1.4から約2.0の多分散度指数を特徴とし、ならびにさらに、約4kDaから約10kDaの重量平均分子量および約1.4から約2.5の多分散度指数を特徴とするコポリマー画分(本明細書では以後「除去コポリマー画分」)をそこから分離したことを特徴とする。 前記PLG低バーストコポリマー材料は、より高い分子量のPLGコポリマー材料の加水分解生成物でない出発原料コポリマー材料を溶媒に溶解し、非溶媒で低バーストコポリマー材料を沈殿させることによって、より高い分子量のPLGコポリマー材料の加水分解段階なしで出発PLGコポリマー材料から調製される。 加水分解に決して付されていない出発原料に適用する場合のこのプロセスは、そのコポリマーに基づく低い初期バーストをはじめとする望ましい制御放出特性を付与するために有効な量の除去コポリマー画分を分離する。 これらの材料(PLGHpとしても公知)は、2007年2月15日に出願された、「LOW−BURST POLYMERS AND METHODS TO PRODUCE POLYMERS」と題する、本発明の譲渡人に譲渡された同時係属米国特許出願、出願番号60/901,435に開示されており、これは参照により本明細書に援用されている。

    場合によっては、前記送達システムは、非ポリマー材料とある量の熱可塑性ポリマーの組み合わせを含有する場合もある。 前記非ポリマー材料と熱可塑性ポリマーの組み合わせは、より凝集性のリスペリドン徐放送達システムを生じさせるように調整および計画することができる。

    有用な非ポリマー材料は、生体適合性であり、水および体液に実質的に不溶性であり、ならびに動物の体内で生体内分解および/または生体内侵食され得るものである。 前記非ポリマー材料は、有機液体に少なくとも部分的に可溶化され得る。 何らかの有機液体および他の添加剤を含有する流動性組成物において、流動性組成物と体液の接触によりその流動性組成物から有機液体成分が放散、分散または浸出すると、前記非ポリマー材料も凝固または固化して固体またはゲルインプラントを形成することができる。 非ポリマー材料を含む前記インプラントのすべての実施形態のマトリックスは、ゼラチン状から可塑性で成形適性、そして硬質、稠密固体にわたる粘稠度を有するであろう。

    前記送達システムにおいて使用することができる非ポリマー材料としては、一般には、例えば、上述の特性を有するいずれかのものが挙げられる。 適切で有用な非ポリマー材料としては、例えば、ステロール、例えばコレステロール、スチグマステロール、ベータ−シストステロールおよびエストラジオール;コレステリルエステル、例えばステアリン酸コレステリル、C 18 〜C 36モノ−、ジ−およびトリシルグリセリド、例えばモノオレイン酸グリセリル、モノリノール酸グリセリル、モノラウリン酸グリセリル、モノドコサン酸グリセリル、モノミリスチン酸グリセリル、モノデシレン酸グリセリル(glyceryl monodicenoate)、ジパルミチン酸グリセリル、ジドコサン酸グリセリル、ジミリスチン酸グリセリル、トリドコサン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、トリデシレン酸グリセリル、トリステアリン酸グリセリル、およびこれらの混合物;スクロース脂肪酸エステル、例えばジステアリン酸スクロースおよびパルミチン酸スクロース;ソルビタン脂肪酸エステル、例えばモノステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、およびトリステアリン酸ソルビタン;C 16 〜C 18脂肪アルコール、例えばセチルアルコール、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール、およびセトステアリルアルコール;脂肪アルコールと脂肪酸のエステル、例えばパルミチン酸セチルおよびパルミチン酸セテアリル;脂肪酸の無水物、例えば無水ステアリン酸;ホスファチジルコリン(レシチン)、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトールおよびそれらの溶解誘導体を含む、リン脂質;スフィンゴシンおよびその誘導体;スフィンゴミエリン(spingomyelins)、例えばステアリル、パルミトイルおよびトリコサニルスフィンゴミエリン;セラミド、例えばステアリルおよびパルミトイルセラミド;グリコスフィンゴリピド;ラノリンおよびラノリンアルコール;ならびにそれらの組み合わせおよび混合物が挙げられる。 好ましい非ポリマー材料としては、例えば、コレステロール、モノステアリン酸グリセリル、トリステアリン酸グリセリル、ステアリン酸、無水ステアリン酸、モノオレイン酸グリセリル、モノリノール酸グリセリル、およびアセチル化モノグリセリドが挙げられる。

    前記ポリマーおよび非ポリマー材料を選択して、および/または組み合わせて、インプラント部位内での生体内分解、生体内侵食および/または生体内吸収速度を制御することができる。 一般に、前記インプラントマトリックスは、約1週間から約12ヶ月の期間をかけて、好ましくは、約1週間から約4ヶ月の期間をかけて分解するであろう。

    熱可塑性ポリマー分子量 前記ポリマーの分子量は、前記インプラントからのリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの放出速度に影響を及ぼし得る。 これらの条件下では、前記ポリマーの分子量が増加するにつれて、前記システムからのリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの放出速度は低下する。 この現象は、リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの制御放出のためのシステムの作製に有利に用いることができる。 リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの比較的短時間の放出のためには、低分子量ポリマーを選択して、所望の放出速度を生じさせる。 リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの比較的長期間にわたる放出のためには、より高いポリマー分子量を選択することができる。 従って、選択された時間長にわたるリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの放出に最適なポリマー分子量範囲を用いて、リスペリドン徐放送達システムを製造することができる。

    様々な方法のいずれによってポリマーの分子量を変えてもよい。 方法の選択は、一般に、ポリマー組成物のタイプによって決まる。 例えば、加水分解によって生体内分解し得る熱可塑性ポリマーを使用する場合、その分子量は、例えばスチームオートクレーブ内での、制御された加水分解によって変えることができる。 概して、重合度は、例えば、反応基の数およびタイプならびに反応時間を変えることによって、制御することができる。

    前記熱可塑性ポリマーの分子量および/または固有粘度の制御は、前記インプラントの形成および性能に関係する要因である。 一般に、高い分子量および高い固有粘度を有する熱可塑性ポリマーほど、遅い分解速度および従って長い持続期間を有するインプラントを生じさせる。 送達システム配合後の熱可塑性ポリマーの分子量の変化および変動は、所望または予測された分解速度および持続時間とは実質的に異なる分解速度および持続期間を示すインプラントを形成させることとなろう。

    有用な熱可塑性ポリマーは、約1キロダルトン(kDa)から約1,000kDa、好ましくは約2kDaから約500kDa、さらに好ましくは約5kDaから約200kDa、および最も好ましくは約5kDaから約100kDaにわたる平均分子量を有し得る。 前記分子量は、固有粘度(「I.V.」と略記する;単位はデシリットル/グラムである)によって示すこともできる。 一般に、前記熱可塑性ポリマーの固有粘度は、その分子量および分解時間の尺度である(たとえば、高い固有粘度を有する熱可塑性ポリマーは、より高い分子量およびより長い分解時間を有する)。 好ましくは、前記熱可塑性ポリマーは、固有粘度によって示した場合、約0.05dL/gから約2.0dL/g(クロロホルム中で測定した場合)、さらに好ましくは約0.10dL/gから約1.5dL/gの分子量を有する。

    好ましいポリエステルの特性 前記流動性組成物の好ましい熱可塑性生体分解性ポリマーは、ポリエステルである。 一般に、ポリエステルは、約1個以上のヒドロキシカルボン酸残基の単位から成る場合があり、この場合、種々の単位の分布は、ランダムであることもあり、ブロックであることもあり、対になっていることもあり、または逐次的であることもある。 あるいは、ポリエステルは、約1個以上のジオールと約1個以上のジカルボン酸から成る場合がある。 その分布は、そのポリエステルを合成するために使用された出発原料、および合成プロセスに依存するであろう。 ブロックまたは逐次様式で分布している異なる対単位からなるポリエステルの一例は、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)である。 ランダム様式で分布している異なる不対単位から成るポリエステルの一例は、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)である。 適する生体分解性熱可塑性ポリエステルとしては、例えば、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリカプロラクトン、それらのコポリマー、それらのターポリマー、およびそれらの任意の組み合わせが挙げられる。 好ましくは、適する生体分解性熱可塑性ポリエステルは、ポリラクチド、ポリグリコリド、それらのコポリマー、それらのターポリマー、またはそれらの組み合わせである。

    ポリ(DL−ラクチド−co−グリコリド)の末端基は、重合方法に依存して、ヒドロキシル、カルボキシルまたはエステルのいずれかであり得る。 乳酸またはグリコール酸の重縮合は、末端ヒドロキシルおよびカルボキシル基を有するポリマーを生じさせるであろう。 環状ラクチドまたはグリコリドモノマーと水、乳酸またはグリコール酸との開環重合は、これらと同じ末端基を有するポリマーを生じさせるであろう。 しかし、一官能性アルコール、例えばメタノール、エタノールまたは1−ドデカノールでの環状モノマーの開環は、約1個のヒドロキシル基および約1個のエステル末端基を有するポリマーを生じさせるであろう。 環状モノマーとポリオール、例えばグルコース、1,6−ヘキサンジオールまたはポリエチレングリコールとの開環重合は、ヒドロキシル末端基を有するポリマーを生じさせるであろう。 ヒドロキシカルボン酸のダイマーとポリオールのそのような重合は、ポリマーの連鎖延長である。 前記ポリオールは、そのポリマーのエステル部分として組み込まれているヒドロキシル基から伸びるポリマー鎖との主要縮合点としての役割を果たす。 前記ポリオールは、炭素約2から約30個の長さのジオール、トリオール、テトラオール、ペンタオールまたはヘキサオールであり得る。 例としては、糖類、還元糖類、例えばソルビトール、ジオール、例えばヘキサン−1,6−ジオール、トリオール、例えばグリセロールまたは還元脂肪酸、および類似のポリオールが挙げられる。 一般に、アルコールまたはポリオールと共重合したポリエステルは、より長い持続期間のインプラントを生じさせるであろう。

    前記流動性組成物中に存在する好ましい生体分解性熱可塑性ポリエステルのタイプ、分子量および量は、概して、その制御徐放インプラントの所望の特性に依存するであろう。 例えば、生体分解性熱可塑性ポリエステルのタイプ、分子量および量は、リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグがその制御徐放インプラントから放出される時間長に影響を及ぼし得る。 具体的に言うと、1つの実施形態において、前記組成物を使用して、リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの1ヶ月徐放送達システムを調合することができる。 そのような実施形態における生体分解性熱可塑性ポリエステルは、カルボキシ末端基を有する50/50、55/45、75/25、85/15、90/10または95/5 ポリ(DL−ラクチド−co−グリコリド)、好ましくは、カルボキシ末端基を有する50/50 ポリ(DL−ラクチド−co−グリコリド)であり得;前記組成物の約20重量%から約70重量%で存在することができ;ならびに約10,000ダルトンから約45,000ダルトン、または好ましくは約15,000ダルトンから約40,000ダルトンの平均分子量を有することができる。

    1つの実施形態において、前記流動性組成物を、リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの3ヶ月徐放送達システムを生じさせるように調合することができる。 そのような実施形態における生体分解性熱可塑性ポリエステルは、カルボキシ末端基を有さない50/50、55/45、75/25、85/15、90/10または95/5 ポリ(DL−ラクチド−co−グリコリド);好ましくは、カルボキシ末端基を有さない75/25 ポリ(DL−ラクチド−co−グリコリド)であり得;前記組成物の約20重量%から約70重量%で存在することができ;ならびに約10,000ダルトンから約45,000ダルトン、または好ましくは約15,000ダルトンから約40,000ダルトンの平均分子量を有することができ;あるいは、前記流動性組成物の約20重量%から約70重量%の重量百分率で、および約10,000ダルトンから約45,000ダルトンまたは好ましくは約15,000ダルトンから約40,000ダルトンの平均分子量での、1,6−ヘキサンジオール連鎖延長剤を含有する85/15 ポリ(DL−ラクチド−co−グリコリド)であり得る。 場合によっては、末端カルボキシル基を有するいずれのポリエステルもジオール部分で延長することができる。

    1つの実施形態において、前記流動性組成物を、リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの3ヶ月徐放送達システムを生じさせるように調合することができる。 そのような実施形態における生体分解性熱可塑性ポリエステルは、約10キロダルトンから約50キロダルトンの重量平均分子量、約1.4から約2.0の多分散度指数を有する非加水分解PLG低バーストコポリマーポリエステル材料であって、この材料から約4kDaから約10kDaの重量平均分子量および約1.4から約2.5の多分散度指数を特徴とするコポリマー画分が除去された材料であり得る。

    極性非プロトン性有機溶媒 前記流動性組成物での使用に適する有機液体は、生体適合性であり、ならびに水性媒質、体液または水へのある範囲の溶解度を示す。 その範囲は、有機液体と水性媒質、体液または水との間の最初の接触時に全濃度で完全不溶性から、最初の接触時に全濃度で完全可溶性までを含む。

    水への有機液体の可溶性または不溶性は、溶解度ガイドとして用いることができ、概して、体液へのその水溶性または不溶性は、水へのその可溶性または不溶性と異なるであろう。 水と比べて、体液は、生理塩類、脂質およびタンパク質などを含有し、有機液体に対して異なる溶媒和能を有するであろう。 この現象は、水と比べて食塩水が示す古典的な「塩析」特性に類似している。 体液は、水と比べると類似した変動性を示すが、「塩析」因子とは対照的に、体液は、殆どの有機液体に対して水より高い溶媒和能を概して有する。 このより高い能力は、水と比べて大きい体液の親油性に一部起因し、体液の動的性質にも一部起因する。 生きている生物の場合、体液は、静的ではなく、むしろその生物の全身を移動する。 加えて、体液はその生物の組織によってパージまたは浄化されて、体液の内容物が除去される。 結果として、生組織の中の体液は、水に完全に不溶性である有機液体を除去、溶媒和または放散する。

    水、水性媒質および体液の間の溶解度の相違についての上述の理解に準じて、前記有機液体は、水に、それら2つを最初に併せたとき、完全に不溶性から完全に可溶性であり得る。 好ましくは、前記有機液体は、少なくともわずかに水溶性、さらに好ましくは中等度に水溶性、特にさらに好ましくは高水溶性、および最も好ましくは全濃度で水溶性である。 水性媒質および体液への前記有機液体の対応する溶解度は、水溶性によって示される傾向をたどる傾向があるだろう。 体液への有機液体の溶解度は、水へのものより高い傾向があるだろう。

    体液に不溶性からわずかに可溶性である有機液体を徐放送達システムの実施形態のいずれかにおいて使用すると、それは、移植された送達システムに、数秒から数週または数ヶ月にわたる期間をかけて水を浸透させるであろう。 このプロセスは、リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの送達速度を減少させる場合もあり、または増加させる場合もあり、ならびに流動性組成物の場合、それは、凝固または固化速度に影響を及ぼすであろう。 体液に中等度に可溶性から非常に可溶性である有機液体を前記送達システムの実施形態のいずれかにおいて使用すると、それは、数分から数日をかけて体液に拡散するであろう。 この拡散速度は、リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの送達速度を減少させる場合もあり、または増加させる場合もある。 高可溶性の有機液体を用いると、それらは、数秒から数時間の期間をかけて前記送達システムから拡散するであろう。 ある環境下では、この迅速な拡散が、少なくとも一部分、いわゆるバースト効果の原因となる。 バースト効果は、その送達システムの体内移植時のリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの一時的だが迅速な放出であり、その後、リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグは永続的にゆっくりと放出される。

    前記送達システムにおいて使用される有機液体としては、例えば、脂肪族、アリールおよびアルキル;周囲および生理的温度で液体または少なくとも流動性であり、官能基、例えば、アルコール、アルコキシ化アルコール、ケトン、エーテル、高分子エーテル、アミド、エステル、カーボネート、スルホキシド、スルホン、生体組織と適合性である任意の他の官能基、およびそれらの組み合わせを含有する、線状、環状および分岐状有機化合物が挙げられる。 前記有機液体は、好ましくは、極性非プロトン性、または極性プロトン性有機溶媒である。 好ましくは、前記有機液体は、約30から約1000の範囲の分子量を有する。

    水性液または体液に少なくともわずかに可溶性である好ましい生体適合性有機液体としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、(C 〜C 15 )アルコール、ジオール、トリオールおよびテトラオール、例えば、エタノール、グリセリン、プロピレングリコールおよびブタノール;(C 〜C 15 )アルキルケトン、例えば、アセトン、ジエチルケトンおよびメチルエチルケトン;モノ−、ジ−およびトリカルボン酸の(C 〜C 15 )エステルおよびアルキルエステル、例えば、酢酸2−エトキシエチル、酢酸エチル、酢酸メチル、乳酸エチル、酪酸エチル、マロン酸ジエチル、グルコン酸ジエチル(diethyl glutonate)、クエン酸トリブチル、コハク酸ジエチル、トリブチリン、ミリスチン酸イソプロピル、アジピン酸ジメチル、コハク酸ジメチル、シュウ酸ジメチル、クエン酸ジメチル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、および三酢酸グリセリル;(C 〜C 15 )アミド、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドおよびカプロラクタム;(C 〜C 20 )エーテル、例えば、テトラヒドロフランまたはソルケタール;トゥイーン、トリアセチン、デシルメチルスルホキシド、ジメチルスルホキシド、オレイン酸、1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン、N−メチル−2−ピロリドン、炭酸とアルキルアルコールのエステル、例えば、炭酸プロピレン、炭酸エチレンおよび炭酸ジメチル;アルキルケトン、例えば、アセトンおよびメチルエチルケトン;アルコール、例えば、ソルケタール、グリセロールホルマールおよびグリコフロール;ジアルキルアミド、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、およびジメチルスルホン;ラクトン、例えば、イプシロン−カプロラクトンおよびブチロラクトン;環状アルキルアミド、例えば、カプロラクタム;トリアセチンおよびジアセチン;芳香族アミド、例えば、N,N−ジメチル−m−トルアミド;ならびにそれらの混合物および組み合わせが挙げられる。 好ましい溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、乳酸エチル、炭酸プロピレン、ソルケタール、トリアセチン、グリセロールホルマール、イソプロピリデングリコール、およびグリコフロールが挙げられる。

    他の好ましい有機液体は、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、ジプロピレングリコール、トリブチリン、オレイン酸エチル、グリセリン、グリコフラール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸、ポリエチレングリコール、炭酸プロピレン、およびクエン酸トリエチルである。 最も好ましい溶媒は、それらの溶媒和能およびそれらの相溶性のため、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、トリアセチンおよび炭酸プロピレンである。

    前記流動性組成物中に存在する生体適合性有機液体のタイプおよび量は、下で詳細に説明するような制御放出インプラントの所望の特性に概して依存するであろう。 好ましくは、前記流動性組成物は、約10重量%から約90重量%、またはさらに好ましくは約30重量%から約70重量%の有機液体を含む。

    様々な有機液体への前記生体分解性熱可塑性ポリマーの溶解度は、それらの結晶性、それらの親水性、水素結合、および分子量に依存して異なるであろう。 通常、低分子量のポリマーのほうが、高分子量のポリマーより有機液体に容易に溶解するであろう。 結果として、様々な有機液体に溶解する熱可塑性ポリマーの濃度は、ポリマーのタイプおよびその分子量に依存して異なるであろう。 さらに、高分子量の熱可塑性ポリマーのほうが、低分子量の材料より高い溶液粘度をもたらす傾向があるであろう。

    有機液体が流動性組成物の一部を構成するとき、それは、生組織へのその徐放送達システムの容易な、非外科的配置を可能にする機能を果たす。 それは、インサイチュで形成されるインプラントへの流動性組成物の変換も助長する。 本発明の制限としての意味は持たないが、前記流動性組成物の変換は、その流動性組成物から周囲体液および組織への有機液体の放散、ならびに周囲組織からその流動性組成物への体液の注入の結果であると考えられる。 この変換中に、前記流動性組成物の中の熱可塑性ポリマーおよび有機液体は、ポリマーが豊富な領域とポリマーが乏しい領域に分割する。

    前記流動性組成物についての有機液体中の熱可塑性ポリマーの濃度は、有機液体1mLにつき約0.01gから飽和濃度にわたるであろう。 概して、前記飽和濃度は、固形分約80から約95重量%、または有機液体の重量が1mLあたりおよそ1gと仮定すると有機液体1mLにつき約4gから約5gの範囲であろう。

    ゆっくりと凝固する傾向があるポリマーについては、溶媒混合物を使用して凝固速度を増加させることができる。 本質的に、その溶媒混合物の1つの液体成分は、そのポリマーにとって良好な溶媒であり、その溶媒混合物の他の液体成分は、より不良な溶媒または非溶媒である。 それら2つの液体を、ポリマーが沈殿して生理環境における水などの非溶媒の量がほんのわずかに増加するが、依然として可溶性であるような比率で、混合する。 必然的に、溶媒系は、ポリマーと水の両方と混和性であろう。 そのような二元溶媒の一例は、N−メチル−2−ピロリドンとエタノールの使用である。 N−メチル−2−ピロリドン/ポリマー溶液へのエタノールの添加は、その凝固速度を増加させる。

    形成されたインプラントにとって、前記有機液体の存在は、次の特性をもたらす役割を果たし得る:可塑化、成形適性、可撓性、均一性増加または減少、生物活性物質の放出速度増加または減少、浸出、インプラントへの体液の流入の促進または遅延、患者の快適度、熱可塑性ポリマーと生物活性物質の相溶性など。 一般に、成形されたインプラント中の有機液体の濃度は、約0.001重量%から、約30重量%ほどにもわたることがある。 一般に、前記濃度は、形成されたインプラントの流動性組成物への逆戻りを生じさせる量より少ないであろう。 また、優先的には、前記有機液体は、前記熱可塑性ポリマーを実質的に溶解できるに至らない溶解能を示すように選択することができる。

    前記インプラントの可撓性は、前記有機液体などの添加剤がそのインプラント中で維持される場合には、その寿命を通して実質的に維持され得る。 そのような添加剤は、前記熱可塑性ポリマーのための可塑剤として作用することもでき、少なくとも一部はそのインプラント中に残存し得る。 これらの特性を有する1つのそのような添加剤は、低水溶性から水不溶性の有機液体である。 これらの可撓特性および可塑化特性をもたらすそのような有機液体を唯一の有機液体として前記送達システムに含めることができ、または中等度から高度に水溶性である有機液体に加えて含めることもできる。

    低水溶性または水不溶性の有機液体、例えば水中約5重量%以下の水溶液を形成するもの、は、可撓性、可塑化成分としての機能を果たすことができ、加えて、流動性組成物実施形態のための溶媒和成分として作用することができる。 そのような有機液体は、前記熱可塑性ポリマーのための可塑剤としての役割を果たすことができる。 有機液体がこれらの特性を有するとき、それは、「可塑剤」と呼ばれる有機液体のサブグループの構成員である。 この可塑剤は、インプラント組成物が体内移植されたとき、その患者にとってそれをより快適にするように、そのインプラント組成物の可撓性および成形適性に影響を及ぼす。 さらに、その可塑剤は、リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの徐放速度に対して影響を及ぼすので、そのインプラント組成物に組み込む可塑剤の性質によってその速度を増加させることができ、または減少させることができる。 一般に、可塑剤として作用する有機液体は、固体またはゲル熱可塑性マトリックス内での分子移動を助長すると考えられる。 この可塑化能力により、そのマトリックスのポリマー分子は互いに相対的に移動することができるようになって、可撓性および容易な成形適性が得られる。 この可塑化能力により、リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグも容易に移動することができるようになって、状況によって徐放速度にプラスまたはマイナスの影響を与える。

    高水溶性有機液体 一般に、中等度から高度に水溶性の有機液体は、特に、そのインプラントの形成後に可撓性が論点とならないときに、前記流動性組成物において使用することができる。 高水溶性有機液体の使用は、前記流動性組成物の直接挿入によって作られるインプラントの物理的特徴を有するインプラントを生じさせるであろう。

    流動性組成物における中等度から高度に水溶性の有機液体の使用は、その中の他の成分の均質な配合および混合を助長するであろう。 それは、エクスビボで形成されたインプラントの固体またはゲルの均質性および可撓性を助長するので、組織内の適切な切開部またはトローカル配置位置に容易にそのようなインプラントを挿入することができる。

    有用な高水溶性有機液体としては、例えば、置換複素環式化合物、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)および2−ピロリドン;(C 〜C 10 )アルカノール酸、例えば、酢酸および乳酸、ヒドロキシ酸のエステル、例えば、乳酸メチル、乳酸エチルおよびクエン酸アルキルなど;ポリカルボン酸のモノエステル、例えば、コハク酸モノメチル、およびクエン酸モノメチルなど;エーテルアルコール、例えば、グリコフロール、グリセロールホルマール、イソプロピリデングリコール、および2,2−ジメチル−1,3−ジオキソロン−4−メタノール;ソルケタール;ジアルキルアミド、例えば、ジメチルホルムアミドおよびジメチルアセトアミド;ジメチルスルホキシド(DMSO)およびジメチルスルホン;ラクトン、例えば、イプシロンカプロラクトンおよびブチロラクトン;環状アルキルアミド、例えば、カプロラクタム;ならびにそれらの混合物および組み合わせが挙げられる。 好ましい有機液体としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、乳酸エチル、グリコフロール、グリセロールホルマールおよびイソプロピリデングリコールが挙げられる。

    低水溶性有機液体/溶媒 上で説明したように、低水溶性のまたは水溶性でない有機液体(以後、低/無液体)も前記徐放送達システムにおいて使用することができる。 好ましくは、低/無液体は、可撓性のままである、押出し可能となる、長期放出などを有する、インプラントを有することが望ましいときに使用される。 例えば、生物活性物質の放出速度は、一部の状況下では、低/無液体の使用による影響を受けることがある。 概して、そのような状況は、インプラント生成物中での有機液体の保持、および可塑剤または速度調節剤としてのその機能を含む。

    適する低可溶性または不溶性有機液体としては、例えば、カルボン酸とアリールアルコールのエスエル、例えば、安息香酸ベンジル;(C 〜C 10 )アルキルアルコール;(C 〜C )アルキル(C 〜C )アルカノエート;カルボン酸とアルキルアルコールのエステル、例えば、炭酸プロピレン、炭酸エチレンおよび炭酸ジメチル、モノ−、ジ−およびトリカルボン酸のアルキルエスエル、例えば、酢酸2−エトキシエチル、酢酸エチル、酢酸メチル、酪酸エチル、マロン酸ジエチル、グルコン酸ジエチル(diethyl
    glutonate)、クエン酸トリブチル、コハク酸ジエチル、トリブチリン、ミリスチン酸イソプロピル、アジピン酸ジメチル、コハク酸ジメチル、シュウ酸ジメチル、クエン酸ジメチル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリメチルおよび三酢酸グリセリル;アルキルケトン、例えば、メチルエチルケトン;ならびに多少水溶性を有する液体有機化合物を含有する他のカルボニル、エーテル、カルボン酸エステル、アミドおよびヒドロキシが挙げられる。 生体適合性および医薬的許容性のため、炭酸プロピレン、酢酸エチル、クエン酸トリエチル、ミリスチン酸イソプロピル、および三酢酸グリセリルが好ましい。

    加えて、マトリックス形成材料に様々な溶解度をもたらす上述の高溶解性、低溶解性または不溶性有機液体の混合物を使用して、インプラントの寿命、生物活性物質放出速度および他の特性を変えることができる。 例としては、N−メチル−2−ピロリドンのみより疎水性の溶媒を生じさせる、N−メチル−2−ピロリドンと炭酸プロピレンの組み合わせ、およびN−メチル−2−ピロリドンのみより親水性の溶媒を生じさせる、N−メチル−2−ピロリドンとポリエチレングリコールの組み合わせが挙げられる。

    前記組成物に含めるための有機液体は、生体適合性であろう。 生体適合性は、その有機液体がその組成物から分散または拡散したときに、そのインプラント部位周辺に実質的な組織刺激または壊死を生じさせる結果とならないことを意味する。

    好ましい流動性組成物のための有機液体 熱可塑性ポリエステルが組み込まれている好ましい流動性組成物には、任意の適する極性非プロトン性有機液体を利用することができるが、但し、その適する極性非プロトン性溶媒が、全比率で完全に可溶性から極わずかに可溶性までの範囲内の体液への溶解度を示すことを条件とする。 適する極性非プロトン性有機液体は、例えば、ALDRICH HANDBOOK OF FINE CHEMICALS AND LABORATORY
    EQUIPMENT,Milwaukee,WI(2000)ならびに米国特許第5,324,519号、同第4,938,763号、同第5,702,716号、同第5,744,153号、および同第5,990,194号に開示されている。 適する極性非プロトン性液体は、流動性組成物が凝固または固化するように経時的に体内に拡散することができるであろう。 この拡散は、急速である場合もあり、または遅い場合もある。 生体分解性ポリマーのための極性非プロトン性液体が、非毒性であり、また別様に生体適合性であることも好ましい。

    前記極性非プロトン性液体は、好ましくは生体適合性である。 適する極性非プロトン性有機液体としては、例えば、アミド基、エステル基、カーボネート基、ケトン、エーテル、スルホニル基、またはそれらの組み合わせを有するものが挙げられる。

    好ましくは、前記極性非プロトン性有機液体は、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、炭酸プロピレン、カプロラクタム、トリアセチン、またはそれらの任意の組み合わせを含む。 さらに好ましくは、前記極性非プロトン性有機溶媒は、N−メチル−2−ピロリドンである。

    様々な極性非プロトン性液体への前記生体分解性熱可塑性ポリエステルの溶解度は、それらの結晶性、それらの親水性、水素結合、および分子量に依存して異なるであろう。 従って、前記生体分解性熱可塑性ポリエステルのすべてが、同じ極性非プロトン性有機液体に同じ程度に可溶性であるとは限らないが、それぞれの生体分解性熱可塑性ポリマーまたはコポリマーは、その適切な極性非プロトン性溶媒に可溶性であろう。 通常、低分子量のポリマーのほうが、高分子量のポリマーより容易に前記液体に溶解するであろう。 結果として、様々な液体に溶解したポリマーの濃度は、ポリマーのタイプおよびその分子量に依存して異なるであろう。 逆に言えば、通常、高分子量のポリマーのほうが、極低分子量のポリマーより早く凝固または固化する傾向があるだろう。 さらに、高分子量のポリマーのほうが、低分子量のポリマーより高い溶液粘度を生じさせる傾向があるだろう。

    例えば、乳酸の縮合によって形成された低分子量ポリ乳酸は、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解して、23ゲージ注射針を通って依然として容易に流れる約73重量%溶液を生じさせることとなるが、DL−ラクチドの付加重合によって形成された高分子量ポリ(DL−ラクチド)(DL−PLA)は、N−メチル−2−ピロリドンに約50重量%で溶解したときに同じ溶液粘度を生じさせる。 より高分子量のポリマー溶液は、水に入れると直ちに凝固する。 低分子量ポリマー溶液は、たとえより高濃度であったとしても、水に入れたときに非常にゆっくりと凝固する傾向がある。

    非常に高濃度の高分子量ポリマーを含有する溶液は、時として、より薄い溶液より遅く凝固または固化することも判っている。 高いポリマー濃度は、ポリマーマトリックス内からの溶媒の拡散を妨げ、その結果、そのマトリックスへの水の浸透を防止し、そこでポリマー鎖を沈殿させることがあると考えられる。 従って、溶媒がポリマー溶液から拡散でき、水がそのポリマーの中に入り込んでそのポリマーを凝固させることができる最適な濃度が存在する。

    熱可塑性ポリエステルが組み込まれている好ましい流動性組成物組成物のための極性非プロトン性有機液体の濃度および種類は、概して、その制御放出インプラントの所望の特性に依存するであろう。 例えば、生体適合性極性非プロトン性溶媒の種類および量は、リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグがその制御放出インプラントから放出される時間長に影響を及ぼし得る。

    具体的に言うと、1つの実施形態において、前記流動性組成物を使用して、リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの1ヶ月送達システムを調合することができる。 そのような実施形態における生体適合性極性非プロトン性溶媒は、好ましくはN−メチル−2−ピロリドンであり得、好ましくはその組成物の約30重量%から約70重量%で存在することができる。

    あるいは、もう1つの実施形態において、前記組成物を使用して、リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの3ヶ月送達システムを調合することができる。 そのような実施形態における生体適合性極性非プロトン性溶媒は、好ましくはN−メチル−2−ピロリドンであり得、好ましくはその組成物の約30重量%から約70重量%で存在することができる。

    リスペリドン リスペリドン(4−[2−[4−(6−フルオロベンゾ[d]イソオキサゾール−3−イル)−1−ピペリジル]エチル]−3−メチル−2,6−ジアザビシクロ[4.4.0]デカ−1,3−ジエン−5−オンとしても公知であり、商品名RISPERDAL(登録商標)で市販されている)は、ベンゾイソオキサゾール(benisoxazole)誘導体の化学クラスに属する向精神薬である。 リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグは、その非中和塩基性形態で、または有機もしくは無機酸の塩として投与することができる。 例としては、対イオン(対−イオン)が酢酸対イオン、プロピオン酸対イオン、酒石酸対イオン、マロン酸対イオン、クロライド対イオン、硫酸対イオン、ブロマイド対イオンならびに他の医薬的に許容される有機および無機酸対イオンである、リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの塩が挙げられる。

    リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグを使用前に加水分解する場合がある。 概して、リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグを水性溶液に溶解し、滅菌濾過し、注射器の中で凍結乾燥させることができる。 別のプロセスで、熱可塑性ポリマー/有機液体溶液を第二の注射器に充填することができる。 2つの注射器を互いに連結することができ、そして熱可塑性ポリマーと有機液体とリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグとを有効に混合し、それによって流動性組成物を形成するまで、それらの内容物を2つの注射器間で前後させることができる。 流動性組成物を一方の注射器に抜き取ることができる。 2つの注射器を切り離し、流動性組成物が入っている注射器に針を付ける。 その針を通して流動性組成物を体に注射することができる。 流動性組成物は、例えば、米国特許第5,324,519号、同第4,938,763号、同第5,702,716号、同第5,744,153号、および同第5,990,194号に記載されているように、または本明細書において説明するように調合し、患者に投与することができる。 投与すると、有機液体は放散し、残っているポリマーはゲル化または固化し、マトリックス構造が形成される。 前記有機液体は放散し、前記ポリマーは固化またはゲル化して、そのマトリックスの中にリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグを捕捉するまたは包み込むこととなる。

    前記インプラントからのリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの放出は、モノリシックポリマー器具からの薬物の放出についてのものと同じ一般的な法則に従うであろう。 このリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの放出は、そのインプラントのサイズおよび形状、そのインプラントの中のリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの充填量、リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグおよび特定のポリマーに関する浸透係数、ならびにそのポリマーの分解による影響を受け得る。 送達のために選択されたリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの量に依存して、薬物送達技術分野の技術者は、上記パラメータを調整して所望の放出速度および期間を生じさせることができる。

    前記徐放送達システムに組み込まれるリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの量は、所望の放出プロフィール、生物学的作用のために使用されるリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの濃度、および治療のためにリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグを放出しなければならない時間長に依存する。 注射針による注射に許容される溶液または分散液粘度に関するもの除き、前記徐放送達システムに組み込まれるリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの量の上限はない。 前記徐放送達システムに組み込まれるリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの下限は、そのリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの活性、および治療に必要な時間長に依存する。 具体的に言うと、1つの実施形態において、前記徐放送達システムを、リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの1ヶ月放出を生じさせるように調合することができる。 そのような実施形態において、リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグは、好ましくは、その組成物の約0.5重量%から約50重量%、好ましくは約1重量%から約30重量%で存在することができる。 あるいは、もう1つの実施形態において、前記徐放送達システムを、リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの3ヶ月送達を生じさせるように調合することができる。 そのような実施形態において、リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグは、好ましくは、その組成物の約0.5重量%から約50重量%、好ましくは約1重量%から約30重量%で存在することができる。 前記流動性組成物から形成されるゲルまたは固体インプラントは、そのマトリックス内に含まれているリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグを、そのインプラントからリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグが有効に使い尽くされるまで、制御された速度で放出するであろう。

    リスペリドンは、肝臓で大幅に代謝される。 その主代謝経路は、酵素、CYP 2D6、による9−ヒドロキシリスペリドンへのリスペリドンのヒドロキシル化による経路である。 副代謝経路は、N−脱アルキルを通過する。 主代謝産物、9−ヒドロキシリスペリドン、は、リスペリドンと同様の薬理活性を有する。 その結果として、この薬物(例えば、活性部分)の臨床効果は、リスペリドンと9−ヒドロキシリスペリドンの総合濃度に起因する。

    アジュバントおよび担体 前記徐放送達システムは、例えば、そのインプラントマトリックスからのリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの徐放速度を変えるために放出速度調節剤を含む場合がある。 放出速度調節剤の使用は、リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの放出を、その放出速度調節剤を伴わないインプラントマトリックスからのリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの放出と比較して、多桁の範囲で(例えば、1から10、さらに100まで)、好ましくは10倍変化まで、減少または増加させることができる。

    前記徐放送達システムへの疎水性ヘプタン酸エチルなどの疎水性放出速度調節剤の添加、および前記流動性組成物と体液の相互作用によるインプラントマトリックスの形成により、リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの放出速度を遅らせることができる。 ポリエチレングリコールなどの親水性放出速度調節剤は、リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの放出を増加させることができる。 有効量の放出速度調節剤と併用で前記ポリマー分子量の適切な選択により、前記インプラントマトリックスからのリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの放出速度および放出の程度を、例えば、比較的早くから比較的ゆっくりまで、変えることができる。

    有用な放出速度調節剤は、例えば、水溶性、水混和性、または水不溶性(すなわち、親水性から疎水性)である有機物質を含む。

    前記放出速度調節剤は、好ましくは、前記ポリマー分子および他の分子の(たとえそれらの分子が固体または高粘性状態であったとしても)互いにずれ動く自由度および能力を増大させると考えられる有機化合物である。 そのような有機化合物は、好ましくは、疎水性領域と親水性領域を含む。 放出速度調節剤は、前記徐放送達システムを調合するために使用されるポリマーと有機液体の組み合わせと相溶性であることが好ましい。 その放出速度調節剤が医薬的に許容される物質であることはさらに好ましい。

    有用な放出速度調節剤としては、例えば、脂肪酸、トリグリセリド、他のもの、例えば、疎水性化合物、有機液体、可塑化化合物および親水性化合物が挙げられる。 適する放出速度調節剤としては、例えば、モノ−、ジ−およびトリカルボン酸のエステル、例えば、酢酸2−エトキシエチル、酢酸メチル、酢酸エチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジブチル、アジピン酸ジメチル、コハク酸ジメチル、シュウ酸ジメチル、クエン酸ジメチル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸アセチルトリエチル、三酢酸グリセロール、セバシン酸ジ(n−ブチル)など;ポリヒドロキシアルコール、例えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ソルビトールなど;脂肪酸;グリセロールのトリエステル、例えば、トリグリセリド、エポキシ化大豆油、および他のエポキシ化植物油;ステロール、例えば、コレステロール;アルコール、例えば、(C 〜C 12 )アルカノール、2−エトキシエタノールなどが挙げられる。 前記放出速度調節剤は、単独で使用することができ、または他のそのような薬剤と併用することができる。 放出速度調節剤の適する組み合わせとしては、例えば、グリセリン/プロピレングリコール、ソルビトール/グリセリン、エチレンオキシド/プロピレンオキシド、ブチレングリコール/アジピン酸などが挙げられる。 好ましい放出速度調節剤としては、例えば、クエン酸ジメチル、クエン酸トリエチル、ヘプタン酸エチル、グリセリンおよびヘキサンジオールが挙げられる。

    前記流動性組成物に含まれる放出速度調節剤の量は、そのインプラントマトリックスからのリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの所望の放出速度によって変わるであろう。 好ましくは、前記徐放送達システムは、約0.5から約30%、好ましくは約5から約10%の放出速度調節剤を含有する。

    担体、特に分離単体として作用する他の固体アジュバントも、場合によっては、前記徐放送達システムと併用することができる。 これらとしては、例えば、添加剤または賦形剤、例えば、デンプン、スクロース、ラクトース、セルロース糖、マンニトール、マルチトール、デキストラン、ソルビトール、デンプン、寒天、アルジネート、キチン、キトサン、ペクチン、トラガカントゴム、アラビアゴム、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、合成もしくは半合成ポリマーもしくはグリセリド、および/またはポリビニルピロリドンが挙げられる。

    追加のアジュバントとしては、例えば、油、例えば、落花生油、ゴマ油、綿実油、トウモロコシ油およびオリーブ油、ならびに脂肪酸のエステル、例えば、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、脂肪酸グリセリドおよびアセチル化脂肪酸グリセリドが挙げられる。 アルコール、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、ヘキサデシルアルコール、グリセロール、およびプロピレングリコール(しかし、これらに限定されない)も挙げられる。 エーテル、例えば、ポリ(エチレングリコール)(しかし、これに限定されない);石油炭化水素、例えば、鉱物油およびワセリンも前記調合の際に使用することができる。 ペクチン、カルボマー、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、またはカルボキシメチルセルロースも挙げることができる。 これらの化合物は、リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグをコーティングして、流動性組成物の有機溶媒および他の成分とのその接触を防止することで、分離担体としての役割を果たすことができる。 分離担体として、これらの化合物は、流動性組成物のインサイチュでの凝固に随伴するバースト作用を減少させることにも役立つ。

    場合によっては、他の化合物、例えば、安定剤、抗菌剤、抗酸化物質、pH調節剤、バイオアベイラビリティ調節剤、およびこれらの組み合わせ(しかし、それらに限定されない)を含める。 乳化剤および界面活性剤、例えば、脂肪酸または非イオン性界面活性剤(天然または合成極性油、脂肪酸エステル、ポリオールエーテル、およびモノ−、ジ−またはトリ−グリセリドを含む)も含めることができる。

    インプラント インプラントを形成するとき、そのインプラントは、固体またはゲルの物理的状態を有する。 固体実施形態は、指の間で押しつぶすことによってそれらをたわませるもしくは曲げることができないほど硬質である場合もあり、または指の間で押しつぶすこと(すなわち、少ない力量)によって原形から圧縮するもしくはたわませることができるほど可撓性もしくは屈曲可能である場合もある。 ゲル実施形態は、粘稠度がゼリー様であり得、圧力下で流動するであろう。 前記熱可塑性ポリマーは、これらの実施形態においてマトリックスとして機能して、統一性を一体固体またはゲルにもたらし、および体内移植されたときに生物活性物質を制御放出することができる。

    前記熱可塑性ポリマーマトリックスは、好ましくは固体マトリックスであり、特に好ましくは微孔質である。 微孔質固体マトリックスの実施形態では、外皮に包囲されたコアが存在する。 前記コアは、好ましくは、約1から約1000マイクロメートルの直径の細孔を含有する。 前記外皮は、好ましくは、前記コア細孔のものより小さい直径の細孔を含有する。 加えて、前記外皮細孔は、好ましくは、コアと比較するとその外皮が機能的に無孔であるようなサイズのものである。

    前記インプラントのすべての成分は生体分解性であり、または体液によってそのインプラント部位から運び去られ得るもしくは体から除去され得るので、前記インプラントは、最終的には消失する。 概して、前記インプラント成分は、リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグが概して完全に放出された後、それらの生体内分解または消失を完了する。 熱可塑性ポリマーの構造、その分子量、インプラントの密度および多孔度、およびインプラントの体内位置、すべてが、その生体内分解および消失速度に影響を及ぼす。

    前記インプラントは、概して、患者の皮下に形成される。 患者にとって快適であるようにするために注射により適所でそれを成形することができる。 そのインプラント容積は、約0.25mLから約3mLの間のサイズであり得る。

    治療的使用 驚くべきことに、前記徐放送達システムは、RISPERDAL(登録商標)CONSTA(登録商標)製品よりリスペリドン送達の点で有効であることが判明した。 具体的に言うと、下の実施例に示すように、前記徐放送達システムで得られるリスペリドンの血中レベルは、0ナノグラム毎ミリリットル(ng/mL)から約500ng/mLである。

    一般に、リスペリドン、その代謝産物もしくはプロドラッグ、またはリスペリドン類似体の投与によって改善、治療、治癒または予防することができる任意の疾病を、前記流動性組成物の投与によって治療することができる。 これらの疾病は、精神的欠陥に関係する。 以下の特定の疾病状態は、そのような疾病の例示である。 これらは、有効量のリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグを送達するように調合された流動性組成物の適切で有効な投与によって、すべて治療することができる。 これらの疾病状態としては、統合失調症、双極性障害、精神病性うつ病、強迫性障害、トゥーレット症候群、および自閉症スペクトラム障害などが挙げられる。

    投薬量 投与される流動性組成物の量は、概して、その制御放出インプラントの所望の特性に依存するであろう。 例えば、流動性組成物の量は、リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグがその制御放出インプラントから放出される時間長に影響を及ぼし得る。 具体的に言うと、1つの実施形態において、前記組成物を使用して、リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの1ヶ月送達システムを調合することができる。 そのような実施形態では、約0.20mLから約2.0mLの流動性組成物を投与することができる。 あるいは、もう1つの実施形態において、前記組成物を使用して、リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの3ヶ月送達システムを調合することができる。 そのような実施形態では、約0.75mLから約1.0mLの流動性組成物を投与することができる。

    前記流動性組成物および結果として生ずるインプラントの中のリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの量は、治療すべき疾病、所望される持続期間長、およびそのインプラントのバイオアベイラビリティプロフィールに依存するであろう。 一般に、その有効量は、その患者の担当医の自由裁量および知識の範囲内であろう。 投与のためのガイドラインとしては、統合失調症、双極性障害、精神病性うつ病、強迫性障害、トゥーレット症候群、および自閉症スペクトラム障害に適用する場合、例えば、1日につき約1から約16ミリグラム(mg)のリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグ、好ましくは、1日につき約1から約5ミリグラム(mg)のリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの用量範囲が挙げられる。 1ヶ月の期間にわたるそのような徐放に有効な代表的な流動性組成物は、流動性組成物の総容量のmLあたり約3から約300mgのリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグを含有するであろう。 この注射容量は、インプラント1つにつき約0.2から約2.0mLにわたるであろう。 3ヶ月の期間のそのような徐放に有効な代表的な流動性組成物は、流動性組成物の総容量のmLあたり約9から約900mgのリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグを含有するであろう。 その注射容量は、インプラント1つにつき0.75から約1.0mLにわたるであろう。 上で論じたように、ポリマー配合物は、より長い徐放を得るための主要な要因であろう。

    すべての出版物、特許および特許書類は、あたかも個々に参照により援用されているかのごとく、参照により本明細書に援用されている。 さて、以下の非限定的な実施例を用いて本発明を例証しよう。

    以下の実施例は、流動性組成物としてリスペリトンと併用でポリ(ラクチド−co−グリコリド)およびN−メチル−2−ピロリドンのATRIGEL(登録商標)製剤を利用する。

    以下の実施例において、ATRIGEL(登録商標)/リスペリドンは、ATRIGEL(登録商標)/リスペリドン製剤を指し、ATRIGEL(登録商標)は、コロラド州、フォートコリンズのQLT−USAの登録商標である。 これらの実施例において使用したATRIGEL(登録商標)製品の特定の形態は、それらの実施例とともに提供する。 別の指示がない限り、ATRIGEL(登録商標)製品は、有機溶媒N−メチル−2−ピロリドン中の熱可塑性ポリマー・ポリ(ラクチド−co−グリコリド)(PLG)、熱可塑性ポリマー・1,6−へキサンジオールで伸長されたポリ(ラクチド−co−グリコリド)(PLGH)、またはPLGHpである。 RISPERDAL(登録商標)およびRISPERDAL(登録商標)CONSTA(登録商標)は、ニュージャージー州、タイタスヴィルのJanssen,L. P. の登録商標である。

    ATRIGEL(登録商標)薬物送達システムは、液体として注射することができる生体分解性ポリマー送達システムである。 その製剤を注射すると、ポリマーは、固化して薬物をカプセル封入する。 生体内分解プロセスが始まると、薬物がゆっくりと放出される。 このタイプの送達システムからの薬物の放出速度は、ポリマーのタイプおよび分子量ならびに構成製品の薬物充填量によって制御することができる。 従って、このシステムは、患者の要求にかなうように合わせることができる。

    ATRIGEL(登録商標)送達システムは、現在、米国食品医薬品局認可製品ELIGARD(商標)(酢酸ロイプロリドの1、3および4ヶ月皮下デポー製剤)およびATRIDOX(登録商標)(歯周ポケットに適用されるドキシサイクリン・ハイクラート)において使用されている。 これらの製品に関する臨床研究および市販後経験により、ATRIGEL(登録商標)送達システムそれ自体が十分に許容されること、および指定投与期間にわたって組み込まれた薬物の一貫した徐放をもたらすことは実証されている。

    加えて、下に提供する臨床結果によって実証されるように、本流動性組成物は、誘導期を有さず、継続的な治療血漿レベルを有する。 本1および3ヶ月流動性組成物は、現在市販されているRISPERDAL(登録商標)およびRISPERDAL(登録商標)CONSTA(登録商標)製品のこれらならびに幾つかの他の欠点に対処する代替薬物送達技術を提供する。

    これらの問題を解決するために本流動性組成物を使用するアプローチの利点としては、a)誘導時間なしでの迅速な治療応答;b)患者にやさしい皮下注射;c)より少ない痛み;d)筋肉損傷および瘢痕化なし;e)より小さなゲージの針;f)より少ない容量;g)投与が容易;h)速くて容易な調製;i)針の目詰まりなし;およびj)マイクロスフェアを使用する調製品とは異なり8週間まで除去可能が挙げられる。

    結果として、本流動性組成物は、リスペリドンをもたらす他の公知送達システムに比べて優れた薬物動態および高いバイオアベイラビリティを提供する。 これらの特徴は、特定の適応症にかかわらず、すなわちいずれのリスペリドン反応性疾患にも、改善を意味する。

    別の指示がない限り、本明細書および特許請求の範囲において用いている成分、特性、例えば分子量、反応条件などの量を示すすべての数は、すべての場合、用語「約」によって修飾されていると解釈するものとする。 従って、相反する指示がない限り、以下の明細書よび添付の特許請求の範囲において示す数値パラメータは、得ようと努める所望の特性に依存して変わることがある近似値である。 最低でも、および本特許請求の範囲と等価の教義の適用を制限しようとせず、それぞれの数値パラメータを、少なくとも、報告する有効数値の数値を考慮しておよび通常の丸め技術を適用することによって解釈しなければならない。

    本発明の広い範囲を示す数値範囲およびパラメータは近似値であるにといえども、特定の実施例に示す数値は、できる限り正確に報告する。 しかし、いずれの数値も、本質的に、それらのそれぞれの試験測定において見出される標準偏差に起因して必然的に一定の誤差を含有する。

    試験手順 PLGHを使用する被験物質調製手順 ポリマー溶液の調製 個々の20mLシンチレーションバイアルに既知量のそれぞれのポリマー固体を量り入れることによって、ポリマー保存溶液を調製した。 既知量のN−メチル−2−ピロリドンをそれぞれのポリマーに添加し、それらのバイアルを水平ボールミル上に配置した。 それらのバイアルを一晩回転させて、視覚的に透明なポリマー溶液(そのポリマーの溶解を示す)を生成した。 ガンマ線照射によって、そのポリマー溶液の滅菌を遂行した。

    被験物質注射器の準備 「B」注射器(オス型注射器)はリスペリドン粉末を収容しており、これは、1.25mL Becton Dickinson(BD)オス型注射器に薬物粉末を量り入れることによって準備した。 「A」注射器(メス型注射器)は、1.0mLメス型注射器にATRIGEL(登録商標)ポリマー保存溶液を量り入れることによって準備した。

    注射用の被験物質(再構成製剤)の調製 注射直前に、「A」注射器と「B」注射器を連結し、それらの内容物を一方の注射器から他方に90サイクル循環させることによって混合した。 最終的に、その混合製剤を注射のための投薬用オス型注射器に移した。 製剤の一部を回転混合した。 リスペリドンおよび選択したATRIGEL(登録商標)をシンチレーションバイアルに量り入れ、そのバイアルを水平ローラーミキサーに載せて、注射前に一晩回転させた。

    活性リスペリドン血漿分析のための血漿SPE抽出手順 この手順は、Price,M. ,Hoffman,D. ,Therapeutic Drug Monitoring,19,333−337(1997)から採用した。 6mLのメタノールで洗浄し、3mLの0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH6)で調質することによって、Bond Elute Certify LRC固相抽出カラムを準備した。 およそ1mLの血漿をその湿潤カラムに充填し、減圧せずに放置して濾過した。 真空に引くことによって3mLの1M酢酸でそれらのカラムを洗浄し、真空下で5分間乾燥させた。 それらのカラムを低真空で6mLのメタノールで洗浄し、約2分間、完全真空で乾燥させた。

    重力濾過を用いて酢酸エチル中の3%水酸化アンモニウム約2mLでサンプルを試験管に溶出させた。 試薬は毎日新たに作り、使用前に超音波処理した。 溶出物を42℃、窒素ガス流下で蒸発乾固させた。 ボルテックスにかけ、室温で10分間、約250rpmでロータリーシェーカーで振盪することにより、残留物を150μLの65/35 酢酸アンモニウム/アセトニトリル、pH5.4に溶解した。 その溶液のアリコートを高性能液体クロマトグラフィー分析用の高性能液体クロマトグラフィーバイアルに入れた。 下で説明するリスペリドン高性能液体クロマトグラフィー方法によってサンプルを分析した。

    リスペリドンおよび9−ヒドロキシ−リスペリドンの定量のための逆相高性能液体クロマトグラフィー方法 この高性能液体クロマトグラフィーは、以下の条件を有した:移動相:35:65 アセトニトリル:酢酸アンモニウム、pH5.4;流量:1.5mL/分;オートサンプラー温度:室温;カラム温度:室温;検出:275nm(UV);総実行時間:8分;注入容積:20μL;カラム:Phenomenex Luna C18 250×4.6mm、5μm;カラム保管:70/30 アセトニトリル/水;リスペリドンのおおよその保持時間:3分;および9−ヒドロキシ−リスペリドンのおおよその保持時間:2.4分。

    約2リットルの35:65 アセトニトリル:酢酸アンモニウム、pH5.4移動相については、約2.5gの酢酸アンモニウムを1300mLのH Oに添加し、700mLのアセトニトリルを添加し、混合して固体を溶解し、氷酢酸の添加によりpHを5.4±0.1に調整し、較正電極を用いてpHをモニターし、約5分間のその溶液の超音波処理によって脱ガスした。

    標準溶液調製は、次のとおりである:およそ10mgのリスペリドンを10mLの1:1 アセトニトリル/H Oに溶解することによって、標準保存溶液を作った。 10ppmから800ppmにわたる系列標準物質をその標準保存溶液から1:1 アセトニトリル/H Oで希釈した。

    インプラント回収研究のためのインプラント抽出手順 回収したインプラントおよび組織を少なくとも1時間、−86℃の冷凍器の中に置いた。 それらの冷凍サンプルを少なくとも4時間、凍結乾燥させた。 乾燥したサンプルを鋏で細断し、それぞれのサンプルの交差汚染を最小にした後、浄化した。 それらのサンプルを粉末のようになるまで細断した。 1%ポリエチレンイミンを伴う70:30 ジメチルスルホキシド/メタノールのおよそ5mLの抽出溶媒をそれぞれのサンプルに添加した。 それらのサンプルを一晩、約200rpmで、37℃で、オービタルシェーカーで混合した。 それらのサンプルを10分間、超音波処理した。 1.5mLの抽出物を3mLルアーロック注射器に充填し、0.2μm孔径フィルターによって清浄な試験管へと濾過した。 1mLの濾液を清浄な試験管に入れ、4mLの50:50 アセトニトリル/H Oを添加した。 その試験管を30秒間、ボルテックスにかけた。 約2mLの溶液を3mLルアーロック注射器に充填し、高性能液体クロマトグラフィーバイアルへと濾過した。 その溶液をリスペリドン高性能液体クロマトグラフィー方法によって分析した。

    実施例1
    ラットにおけるリスペリドン放出動態および薬物動態研究 実験手順 すべてのラット前臨床研究は、Sprague−Dawleyラットにおいて行った。 時間点1つにつき被験物質1つあたり5匹のラットに、上で説明した被験物質およそ100mgを背胸(DT)領域に完全麻酔下で筋肉内注射または皮下注射した。

    この研究過程の間に動物を顕性毒性について観察し、注射部位における発赤、出血、浮腫、分泌物、皮下出血および被験物質突出をはじめとする任意の存在する試験部位異常を観察し、記録した。 加えて、注射重量を投与時に記録し、投与時および終了時に体重を量り、記録した。

    選択した時間点で、被験物質1つあたり5匹のラットを麻酔し、心臓穿刺によって採血(約5mL)した。 ラベルを貼ったエチレンジアミン四酢酸カリウム管に血液を回収した。 その血液を10分間、3000rpmで遠心分離した。 その血漿画分をラベルを貼った5mLプラスチック培養チューブに移し、−86℃で保管した。 その血漿を、上で説明した「活性リスペリドン血漿分析のための血漿SPE抽出手順」に従って抽出した。

    それらの活性リスペリドン濃度を、上で説明した「リスペリドンおよび9−ヒドロキシリスペリドンの定量のための逆相高性能液体クロマトグラフィー方法」を用いて分析した。

    リスペリドンと9−ヒドロキシリスペリドンの両方に基づいて活性リスペリドン血漿濃度を計算した。 9−ヒドロキシリスペリドン、肝臓におけるリスペリドンの生体内変換の産物、は、親リスペリドンと同じ薬理活性および強度を有するので、リスペリドン投与の抗統合失調症療法をモニターするときにこれら2つのリスペリドン化合物を併用することは一般的である。

    血液採取後、動物を二酸化炭素で死亡させ、インプラントを回収した。 それらのインプラントを−86℃で冷凍し、少なくとも4時間、凍結乾燥させた。 乾燥したインプラントをインプラント抽出手順(上で説明した「インプラント回収研究のためのインプラント抽出手順」参照)に従って抽出し、リスペリドンの内容を、上で説明した「リスペリドンおよび9−ヒドロキシリスペリドンの定量のための逆相高性能液体クロマトグラフィー方法」を用いて分析した。

    24時間バースト研究についての結果および考察 ATRIGEL(登録商標)送達システムからの初期24時間リスペリドン放出またはバーストは、本開発プログラムにとって対象となるものであった。 そのシステムからのバーストを確実に制御し、ならびに28日間のリスペリドン徐放を生じさせる可能性がある製剤を確実に特定するために、ラットにおいて8つの24時間インビボ放出研究を行った。

    第一の24時間インビボ放出研究(実施例1.1)は、リスペリドン遊離塩基を使用して行い、これは、ポリマー濃度、ポリマー固有粘度およびそのポリマー中のラクチド対グリコリド比の役割を調査するために計画した。 初期放出は、ポリマー濃度(濃度が高いほどリスペリドンバーストが少ない)、ポリマーの固有粘度(固有粘度が高いほどバーストが少ない)およびラクチド対グリコリド比(ラクチド比が高いほどバーストが少ない)に依存することが判明した。 酸末端基とメチル末端基の差は小さく、標準偏差の範囲内である。 この研究により、結果として、さらなる評価の可能性のある候補として、N−メチル−2−ピロリドン中およそ40%の50/50 PLGH(InV 0.36)を含有するATRIGEL(登録商標)が特定された。 表1参照。

    次の3つのインビボ研究(実施例1.2、1.3および1.4)を、ATRIGEL(登録商標)送達システムにおけるリスペリドン塩を評価するために計画した。 アニオン性対−イオンでリスペリドン塩を形成することにより、リスペリドンの物理化学的特性、例えば、N−メチル−2−ピロリドンおよび水中での安定性およびそれらへの溶解度を変えた。 結局は、リスペリドンがATRIGEL(登録商標)とより相溶性になること、ならびにそのバーストを減少させることに役立つ。 表2は、調査したリスペリドン塩を示す。

    これらの結果は、実施例1.1において特定したもの(N−メチル−2−ピロリドン中およそ40%の50/50 PLGH(InV 0.36))と同じまたは類似のATRIGEL(登録商標)ビヒクルを使用して調査した。 これらの塩の24時間放出は、ATRIGEL(登録商標)製剤中の全リスペリドンの17から78%にわたった(表3〜5参照)。 パモ酸塩およびクエン酸塩は、調査したすべての塩のうち最大の有望性を示したが、いずれのリスペリドン塩もおよそ10%バーストという要件を満たさなかった。

    実施例1.5は、ATRIGEL(登録商標)製剤への賦形剤の添加を調査したものである。 クエン酸トリエチル、ヘプタン酸エチルおよびポリビニルピロリドンなどの賦形剤を、ATRIGEL(登録商標)システムからのリスペリドンのバースト制御を助長するためにATRIGEL(登録商標)送達システムに添加した。 この研究の結果は、これらの賦形剤の添加が10%未満にリスペリドンのバーストを制御する助けにはならなかったことを示している(表6参照)。

    実施例1.6および1.7は、皮下投与した、塩の形成および賦形剤の添加を伴わないリスペリドン遊離塩基を調査したものである。 ポリマー濃度、固有粘度およびラクチド対グリコリド比の影響を再び評価するために被験物質を選択した。 この研究結果は、実施例1.1の研究結果とよく一致していた。 (1)40% 50/50 PLGH(InV 0.36)および60%N−メチル−2−ピロリドン、(2)40% 50/50 ポリ(ラクチド−co−グリコリド)(InV 0.19)およ60%N−メチル−2−ピロリドン、(3)40% 50/50 ポリ(ラクチド−co−グリコリド)(InV 0.33)および60%N−メチル−2−ピロリドン、または(4)40% 65/35 PLGH(InV 0.37)および60%N−メチル−2−ピロリドンから成るATRIGEL(登録商標)製剤は、リスペリドンのバーストをおよそ10%に制御することが判明した。 実施例1.6および1.7のATRIGEL(登録商標)製剤からのリスペリドンの放出を図1および2に示す。 詳細なリスペリドン放出データおよび活性血漿濃度を実施例1.6については表7〜8に、および実施例1.7については表9〜10に列挙する。

    最後の24時間インビボ研究(実施例1.8)は、リスペリドンの放出に対するリスペリドン充填量の影響を調査するものであった。 リスペリドンを約15%および約20%重量百分率で評価した。 製剤中のリスペリドンの重量%は、24時間放出に対して有意な影響を及ぼすことが判明した(表11参照)。 8つの24時間インビボ研究から、ラットにおける28日の期間にわたるさらなる評価のために幾つかのリスペリドン/ATRIGEL(登録商標)製剤を特定した。

    28日ラット研究についての結果および考察 6つの28日および1つの14日ラット研究を行って、ATRIGEL(登録商標)送達システムからのリスペリドンの放出を評価した。 すべての製剤は、ラットに皮下注射した。 それぞれの被験物質の組成を表12に要約する。 これらの研究の再考は、多数の所見を示した:リスペリドンは、ATRIGEL(登録商標)インプラント中で28日間、安定であった。 リスペリドン血漿レベルは、ラットにおいて28日まで検出可能であった。 2つのATRIGEL(登録商標)組成物に懸濁させた15%(w/w)リスペリドンから成る2つの主要製剤を特定した。 これら2つのATRIGEL(登録商標)組成物は、(1)45%65/35 PLGH(InV=0.37dL/g)および55%N−メチル−2−ピロリドン;(2)25% 85/15 PLGH(InV 0.27dL/g)、20% 50/50 PLGH(InV 0.36dL/g)および55%N−メチル−2−ピロリドンである。 これら2つの製剤は、約10%の初期バースト、およびインプラント回収データに基づき28日にわたってリスペリドンのほぼゼロ次放出をもたらした。 すべての被験物質の薬物動態プロフィールは、投与後24時間の時点で最大活性リスペリドン血漿レベルを示し、そして第28日までゆっくりと低下した。 それら2つの主要製剤の血漿活性リスペリドンレベルは、第28日の時点で15ng/mLより高いままであった。 第0日から第28日の曲線下面積(AUC

    第0〜28日 )は、リスペリドン投薬量に比例した。

    実施例1.9


    10%リスペリドンを含有する6つのATRIGEL(登録商標)/リスペリドン製剤の28日放出動態および薬物動態をこの研究において判定した。 異なるポリマーを用いて調製した6つのATRIGEL(登録商標)送達ビヒクルを比較した。 インプラント回収結果を表13に要約し、放出プロフィールを図3に示す。 平均活性リスペリドン血漿濃度を表14および図4に提供する。

    組織顕微鏡評価は、28日間、すべての群において最小限の皮膚刺激しか示さなかった。 インプラントは、投与後1、4、7、14、21および28日の時点でラットから回収したとき、堅いことおよび断片化されていないことが判明した。

    このインプラント回収研究は、すべての製剤が注射の24時間後にリスペリドンを5.2%から12.3%放出したことおよび第14日までリスペリドンを放出した(70%〜90%)ことを示した。 第21および28日からの血漿リスペリドンの結果は、有意に低かった。 活性リスペリドンの血漿レベルは、第28日の時点で10ng/mL未満に減少し、これは許容され得なかった。

    結論として、50/50 PLGH(InV 0.36)ポリマーを用いて調製したリスペリドン/ATRIGEL(登録商標)製剤は、65/35 PLGH(InV 0.37)より急速にリスペリドンを放出した。 65/35 PLGH(InV 0.37)/N−メチル−2−ピロリドンを用いて調製した製剤は、28日にわたって最も有望なリスペリドン放出を示した。 ATRIGEL(登録商標)への2% 70/30 PLG/PEG5000(InV 0.79)の添加は、初期バーストを減少させた。

    実施例1.10
    この28日放出動態および薬物動態研究は、リスペリドン放出制御におけるポリマーの役割をさらに調査するために計画した。 10%リスペリドンを含有する6つのATRIGEL(登録商標)/リスペリドン製剤をこの研究において試験した。 最初の3つの製剤は、実施例1.9の結果に基づき65/35 PLGH(InV 0.37)に焦点を当てた。 インプラント回収結果を表15に要約し、放出プロフィールを図5に示した。 平均活性リスペリドン血漿濃度を表16に提供し、図6に示した。

    組織顕微鏡評価は、28日間、すべての群において最小限の皮膚刺激しか示さなかった。 インプラントは、投与後1、4、7、14、21および28日の時点でラットから回収したとき、堅いことおよび断片化されていないことが判明した。

    このインプラント回収研究は、すべての製剤の初期リスペリドン放出が18〜26%にわたったことおよび第14日の時点でリスペリドン用量の50〜75%を放出したことを示した。 第28の時点でのリスペリドン放出は、総用量の71〜98%にわたった。 すべての群について、第1日の時点での活性リスペリドンの血漿濃度は、50〜96ng/mLにわたり、第28日の時点では10ng/mL未満であった。

    65/35 PLGH(InV 0.37)に基づくATRIGEL(登録商標)送達システムへのPEG300または5% 70/30 PLG/PEG5000(InV 0.79)の添加は、実施例1.9と比較してリスペリドンの24時間バーストを増加させたが、初期バースト後の放出速度に対する影響はなかった(群I、IIおよびIII)。 75/25 PLGH(InV 0.45)および85/15 PLGH(InV 0.27)ポリマーは、10%初期バーストを実証せず、線形で遅いリスペリドン放出をもたらした。

    実施例1.11
    この28日放出動態および薬物動態研究では、65/35 PLG(InV 0.37)および50/50 ポリ(ラクチド−co−グリコリド)(InV 0.33)ポリマーを使用してリスペリドン充填の影響を調査した。 インプラント回収結果を表17に要約し、放出プロフィールを図7に示した。 平均活性リスペリドン血漿濃度を表18に提示し、図8に示した。

    組織顕微鏡評価は、すべての群において最小限の皮膚刺激しか示さなかった。 インプラントは、投与後1、4、7、14、21および28日の時点でラットから回収したとき、堅いことおよび断片化されていないことが判明した。

    この研究における被験物質は、このインプラント回収研究によって示しされるように、注射の24時間後にリスペリドンの9.5±3.0%(群II)から15.0±10.9%(群I)放出および第28日の時点で80.1±11.6%から99.7±0.3%にわたる放出を示した。 群II、40% 65/35PLGH(InV 0.37)/60%N−メチル−2−ピロリドンに懸濁させた20%リスペリドン、は、28日にわたって最高のリスペリドン放出を実証した。 すべての群において注射の24時間後に最大活性リスペリドン血漿濃度(C max )に達した。 その活性リスペリドン血漿濃度が減少し、28日にわたって13.8ng/mLより高く維持された。

    結論として、40% 65/35 PLGH(InV 0.37)および60%N−メチル−2−ピロリドンを用いて調製した送達システムに10%から25%リスペリドンを含有する製剤は、低い初期24時間バーストおよび28日間のリスペリドン徐放を生じさせた。 20%充填製剤は、28日間、最良の制御放出を示すようであった。 65/35 PLGH(InV 0.37)に基づくATRIGEL(登録商標)送達システムは、50/50 ポリ(ラクチド−co−グリコリド)(InV 0.33)と比較すると28日にわたってリスペリドン放出に対して良好な制御を実証した。 ラット血漿活性リスペリドン濃度とインプラントリスペリドン放出データの間に相関はなかった。 放出速度の低下が遅いほど、第14から28日における活性リスペリドン血漿濃度は高い。 AUC 第0〜28日は、リスペリドン投薬量に比例した。

    実施例1.14
    20%リスペリドンを含有する4つのATRIGEL(登録商標)/リスペリドン製剤をこの放出動態および薬物動態研究において評価した。 実施例1.11における最良の製剤(群II)を、精製65/35 PLGH(InV 0.37)を使用することによってさらに調査した。 遅速放出ポリマー 85/15 PLGH(InV 0.27)または75/25 PLGH(InV 0.45)への15% 50/50 PLGH(InV 0.36)のブレンドの効果も調査した。 インプラント回収結果を表19に要約し、放出プロフィールを図9に示した。 平均活性リスペリドン血漿濃度を表20に提供し、図10に示した。

    組織顕微鏡評価は、すべての群において最小限の皮膚刺激しか示さなかった。 回収したインプラントは、投与後1、4、7、14、21および28日の時点でラットから回収したとき、堅いことおよび断片化されていないことが判明した。

    この試験における被験物質は、このインプラント回収研究によって示されるように、注射後24時間の時点で15.0±7.5%(群I)から24.3±8.1(群III)リスペリドン放出および第28日の時点での76.6±13.1%から93.6±8.9%放出を示した。 すべての群において注射の24時間後に最大活性リスペリドン血漿濃度(C max )に達し、それは67〜119ng/mLにわたった。 その活性リスペリドン血漿濃度が減少し、28日にわたって16.5ng/mLより高く維持された。

    結論として、すべての被験物質は、28日にわたってリスペリドンの徐放をもたらし、この研究過程で16.5ng/mL以上の活性リスペリドン血漿濃度を示した。 実施例1.11と比較すると、65/35 PLGH(InV 0.37)の精製は、リスペリドンの初期放出を減少させたが、第1日の後の放出には影響を及ぼさなかった。 85/15
    PLGH(InV 0.27)への50/50 PLGH(InV 0.36)のブレンドは、第1日から第28日の有望なリスペリドン放出を示した。

    実施例1.15
    15%および20%リスペリドン充填での2つの選択したATRIGEL(登録商標)送達システムに焦点を当てて、28日放出研究を行った。 2つの選択したシステムは、(1)45% 65/35 PLGH(InV 0.37)/55%N−メチル−2−ピロリドンおよび(2)25% 85/15 PLGH(InV 0.27)+20% 50/50 PLGH(InV 0.36)/55%N−メチル−2−ピロリドンであった。 初期リスペリドン放出を減少させるために、増加させたポリマー負荷量を調合した。 インプラント回収結果を表21に要約し、放出プロフィールを図11に示す。 平均活性リスペリドン血漿濃度を表22に提示し、図12に示す。

    この試験における被験物質は、このインプラント回収研究によって示されるように、注射後24時間の時点で12.3±4.0%(群IV)から17.7±6.9(群I)リスペリドン放出および第28日の時点での91.5±4.0%から93.7±5.6%放出を示した。 すべての被験物質は、28日にわたってリスペリドンの線形放出を示した。 すべての群において注射の24時間後に最大活性リスペリドン血漿濃度(C

    max )に達し、それは95.1〜160.4ng/mLにわたった。 その活性リスペリドン血漿濃度が減少し、28日にわたって13.8ng/mLより大きく維持された。

    結論として、より低いリスペリドン充填量(15%)の製剤をを使用する、45% 65/35 PLGH(InV 0.37)および55%N−メチル−2−ピロリドンに基づく製剤は、20%リスペリドン充填量より良好な総合的薬物放出を示すようであった。 15%リスペリドン充填量で、25% 85/15 PLGH(InV 0.27)+20% 50/50 PLGH(InV 0.36)および55%N−メチル−2−ピロリドンを使用する製剤は、20%より良好にリスペリドン放出を制御するようであった。 これら2つのATRIGEL(登録商標)製剤間で大きなリスペリドン放出の差は得られなかった。 4つすべての製剤の曲線下面積(AUC 第0〜28日 )がリスペリドン投薬量に比例した。

    実施例1.12
    15%リスペリドン充填量を有する8つの被験物質をこの14日放出動態および薬物動態研究において評価した。 リスペリドン放出に対する38%から45%ポリマー(65/35 PLGH(InV 0.37))の濃度の影響を評価した。 インプラント回収結果を表23に要約し、平均活性リスペリドン血漿濃度を表24に提供する。

    組織顕微鏡評価は、この研究全体にわたって組織反応がほとんど顕著でなかったことを示した。 すべてのインプラントは、第1および14日の時点で堅く、また断片化されていなかった。 群VIII、第14日、からの1つのインプラントは、色がわずかにまだらであった。

    インプラント回収データは、8つの被験物品が、注射後24時間の時点で10.8±2.9%(群VIII)から22.0±10.7%(群V)リスペリドンおよび注射後14日の時点で66.9±3.2%(群IV)から80.6±8.9%(群V)を放出したことを示した。 群IVは、第1日の時点で13.3±5.3%放出および第14日の時点で66.9±3.2%放出と、この研究の中で最良のリスペリドン放出速度を提示した。 群IVのために使用した被験物質は、45% 65/35 PLGH(InV 0.37)および55%N−メチル−2−ピロリドンを用いて調製した送達システムに懸濁させた15%リスペリドンであった。 群Vを除いてすべての群の活性リスペリドン血漿濃度を分析した。 それらの活性リスペリドン血漿濃度は、注射後24時間の時点で53.5±3.6(群IV)から81.4±22.9ng/mL(群V)および注射後14日の時点で22.0±22.7(群I)から54.8±20.4ng/mL(群VII)にわたった。

    結論として、ATRIGEL(登録商標)送達システム中のポリマーの濃度は、リスペリドンの放出を制御する上での1つの要因であるようである。 リスペリドンの24時間初期放出は、ポリマー濃度の増加とともに減少した。 活性リスペリドンのラット血漿濃度とインプラント放出データの間の相関関係が得られた。 リスペリドンの24時間放出が多いほど、血漿中の活性リスペリドン濃度は高い。

    実施例1.13
    最後の28日放出および薬物動態研究は、前の研究における所見を確認するために行った。 加えて、リスペリドン負荷量とポリマー充填量の最良の組み合わせを評価した。 この研究においても最小限の皮膚刺激しか確認されなかった。 すべてのインプラントは、第1日から第28日まで、堅く、また断片化されていなかった。

    全般的に言えば、すべての製剤は、この28日研究の間、同様のリスペリドン線形徐放を示した。 インプラント回収研究は、注射後24時間の時点ですべての被験物質の10.5%(群IIおよびV)から17.3±7.0%(群I)リスペリドン放出、および第28日の時点で86.3±4.1%(群V)から98.6±1.0%(群IV)放出を示した。 すべての群において注射の24時間後に最大活性リスペリドン血漿濃度(C max )に達し、それは62.1(群III)から168.9ng/mL(群II)にわたった。 すべての群について、その活性リスペリドン血漿濃度は減少し、28日にわたって15.8ng/mL(群IV)より大きく維持された。 群IIおよびVは、第21日までは最良の放出プロフィールを示したが、第21日から第28日の間は非常に遅い放出を示した。 一方、第21日および第28日の時点でのこれらの群の血漿濃度は、30ng/mLより大きく、これはインプラント放出データと一致した。 実施例1.11、1.14および1.15における前の放出および薬物動態データと比較したこの研究からのデータは、この製剤からのリスペリドン放出が、依然として顕著であったこと、および薬物動態データが信頼できるものであったことを明示した。 インプラント回収結果を表25に要約し、放出プロフィールを図13に示した。 平均活性血漿リスペリドン濃度を表26に提示し、図14に示す。

    結論として、15%リスペリドン用量製剤は、より低い24時間初期バーストを生じさせた。 40%または45%のポリマー負荷量は、総合的なリスペリドン放出に対して最小の影響しか及ぼさなかったが、再構成製剤の注射可能性に対して大きな影響を及ぼした。 しかし、薬物およびポリマー充填量が多いほど、注射は難しい。 薬物充填量が多いほど、注射容量は小さい。 全製剤中の15%リスペリドン充填量およびATRIGEL(登録商標)送達システム中の45%ポリマー充填量が、より良好な調合の選択肢であるようである。 この研究における薬物動態データは、一般に、インプラント回収結果を支持した。

    実施例2
    ウサギにおける薬物動態研究 この研究の目的は、リスペリドン/ATRIGEL(登録商標)製剤およびRISPERDAL(登録商標)CONSTA(登録商標)製剤の薬物動態プロフィールを判定し、比較することであった。 ラットにおいて評価した様々なリスペリドン/ATRIGEL(登録商標)製剤研究の結果、45% 65/35 PLGHp(37kDa)/N−メチル−2−ピロリドン製剤に懸濁させた15%リスペリドンをさらなる開発のために選択した。 選択した製剤を、ニュージーランドホワイトラビットにて行った2つのウサギ前臨床研究において評価した。 その2つの研究が実施例2.1および2.2であった。 被験物質1つあたり5または10匹のウサギに、30、60または120mgのリスペリドンを含有する被験物質の全用量を皮下注射した。

    選択した時間点で、被験物質1つあたり5または10匹のウサギを辺縁静脈経由で採血(約3mL)した。 ラベルを貼ったEDTAカリウムチューブに血液を回収した。 その血液を10分間、3000rpmで遠心分離した。 ラベルを貼った5mLプラスチック培養チューブに血漿画分を移し、−86℃で保管した。 その血漿を、上で説明した「活性リスペリドン血漿分析のための血漿SPE抽出手順」に従って抽出した。 それらの活性リスペリドン濃度を、上で説明した「活性リスペリドン血漿分析のための血漿SPE抽出手順」を用いて分析した。 活性リスペリドン血漿濃度は、リスペリドンと9−ヒドロキシリスペリドンの両方に基づいて計算した。

    この研究の最終日に、ウサギを麻酔し、心臓穿刺によって採血し、即座に安楽死させた。 試験部位を直ちに切除し、巨視的組織反応について評価した。 インプラントを除去し、組織を物理的に創面切除し、沈降特性を詳細に記録した。 試験部位の代表写真を撮った。

    作業員が注射部位をそれぞれの時間点において発赤、出血、浮腫、分泌物、皮下出血および被験物質突出をはじめとする任意の異常について評価した。 加えて、作業員は、この研究期間の間、投与後に動物を顕性毒性の徴候について観察した。

    これら2つの研究は、(1)リスペリドン/ATRIGEL(登録商標)製剤のすべての用量が、投与後、最初の8時間以内のリスペリドンの初期バーストを示し、60および120mg用量製剤については第7から9日の時点で活性リスペリドンの第二の最大血漿濃度(C max )に達したこと、(2)3つすてべの用量について、曲線下面積(AUC)が用量に比例したこと、(3)活性リスペリドン血漿濃度が、3つすべての用量において第35日まで25ng/mLを超えており、その血漿レベルが第42日の時点で25ng/mLに降下し、第50日の時点ではほぼ0であったこと、(4)注射後1時間の時点で、50mgのRISPERDAL(登録商標)CONSTA(登録商標)が25ng/mLより大きい血漿濃度を示し、その血漿リスペリドン濃度が100ng/mLを超えたときには第22日までにその血漿リスペリドン濃度がほぼゼロに低下し、および血漿リスペリドン濃度は第35日の時点で12ng/mLに低下し、第42から50日にはほぼゼロに低下したこと、(5)30mgのリスペリドン/ATRIGEL(登録商標)のAUC 第0〜50日が、50mgのRISPERDAL(登録商標)CONSTA(登録商標)に匹敵したこと、および(6)3つすべての用量の薬物動態プロフィールが、反復可能であったことを示した。

    実施例2.3
    28日ラット研究から得た前のデータを評価するために、ウサギにおいて薬物動態研究を行った。 それらのラット研究から選択したリスペリドン/ATRIGEL(登録商標)製剤は、45% 65/35 PLGH(37kDa)および55%N−メチル−2−ピロリドンに懸濁させた15%リスペリドンであった。 ウサギにおける皮下用量は、この製剤からのリスペリドン30、60および120mgであった。 ウサギへの注射容量は、0.2.0.4および0.8mLであった。 50mg RISPERDAL(登録商標)CONSTA(登録商標)(2mL IM注射)の陽性対照もこの研究において使用した。 研究期間は50日であり、1、2、6、12時間、ならびに第1、3、7、14、22、28、35、42および45日のの時点で耳縁辺静脈経由で採血した。 第50日の時点で心臓穿刺による採血後、動物を安楽死させ、インプラント内に残存するリスペリドンの判定のためにインプラントを除去した。 その血漿を、上で説明した「活性リスペリドン血漿分析のための血漿SPE抽出手順」に従って抽出した。 それらの活性リスペリドン濃度を、上で説明した「リスペリドンおよび9−ヒドロキシリスペリドンの定量のための逆相高性能液体クロマトグラフィー方法」を用いて分析した。 それぞれの時間点での活性リスペリドン濃度を表27に列挙した。

    すべてのインプラントは小さく、第50日の時点では見つけられなった。 インプラント中の残存リスペリドンを、インプラント抽出および高性能液体クロマトグラフィー方法を用いて分析し、結果を表28に要約した。

    この研究においても皮膚刺激は全くまたは最小限にしか確認されなかった。 すべてのインプラントは第50日の時点では小さいか、または、見つけられなかった。 リスペリドン/ATRIGEL(登録商標)製剤のすべての用量は、この50日研究の最初の4時間以内に血漿中の初期活性リスペリドン濃度を示した。 60および120mg製剤については第7日の時点で第二のC

    maxに達した。 血漿リスペリドン濃度は用量に比例した。 このウサギ研究では第35日までにリスペリドン濃度が25ng/mLを超えた。 3つすべての用量について、血漿リスペリドン濃度は、第42日の時点で25ng/mL未満に降下し、第50日の時点ではほぼゼロであった。

    1時間の時点で、50mg RISPERDAL(登録商標)CONSTA(登録商標)注射は、25ng/mLより大きい血漿濃度を示した。 この14日製品についての血漿濃度は、その血漿リスペリドン濃度が100ng/mLを超えたときには第22日までにほぼゼロに低下した。 血漿リスペリドン濃度は、第35日の時点で12ng/mLに低下し、第42から50日にはほぼゼロに低下した このウサギ試験についてのそれぞれの製剤についての血漿濃度曲線下面積(AUC 第0〜50日 )、最高血漿リスペリドン濃度(C max )および時間(T )を表29に示した。 このウサギ研究において注射したすべての製剤についての薬物動態プロフィールを図15に示した。

    実施例2.4


    ウサギにおける第二の薬物動態研究を行って、前の50日ウサギ研究(実施例2.3)におけるデータを確認した。 ウサギにおける皮下用量は、選択した製剤中のリスペリドン30、60および120mgであった。 ウサギへの注射容量は、0.2、0.4および0.8mLであった。 研究期間は35日であり、第1、2、4、6、8および12時間および第1、2、4、9、16、22および30日の時点で耳縁辺静脈経由で血液採取した。 第35日の時点で、心臓穿刺による血液採取後、動物を安楽死させ、インプラント中に残存するリスペリドンを判定するためにインプラントを除去した。

    上で説明した「活性リスペリドン血漿分析のための血漿SPE抽出手順」に従って血漿を分析した。 上で説明した「リスペリドンおよび9−ヒドロキシリスペリドンの定量のための逆相高性能液体クロマトグラフィー方法」を用いて、活性リスペリドン濃度を分析した。 それぞれの時間点での活性リスペリドン濃度を表30に列挙した。

    すべてのインプラントは、第35日の時点で小さかった。 インプラント回収データを表31に列挙する。

    この研究においても皮膚刺激は全くまたは最小限にしか確認されなかった。 すべてのインプラントは、第35日の時点で小さかった。 リスペリドン/ATRIGEL(登録商標)製剤のすべての用量がこの35日研究の最初の8時間以内に血漿リスペリドンの初期バーストを示した。 それぞれの用量のリスペリドン濃度は用量依存性であり、血漿リスペリドンプロフィールは、60および120mgのリスペリドン用量について、この研究の第9日の時点でリスペリドンの第二のバーストを示した。 リスペリドン濃度は、このウサギ研究では第30日までに25ng/mLを超えていた。 血漿リスペリドン濃度は、リスペリドン/ATRIGEL(登録商標)の3つすべての用量について、第35日の時点で25ng/mL未満に降下した。

    このウサギの研究についてのそれぞれの製剤の曲線下面積(AUC 第0〜35日 )、最高血漿リスペリドン濃度(C max )および時間(T )を表32に示した。 このウサギの研究において注射したすべての製剤についての薬物動態プロフィールを図16に示した。

    実施例3


    イヌにおける薬物動態および薬力学 この研究の目的は、リスペリドン/ATRIGEL(登録商標)製剤の薬物動態プロフィールを判定すること、およびイヌにおいてその制吐効果を評価することであった。 実施例3では、選択したリスペリドン/ATRIGEL(登録商標)製剤をイヌにおいて薬力学および薬物動態について評価した。 このイヌ前臨床研究は、雄ビーグル犬において行った。 被験物質1つあたり6匹のイヌに、リスペリドン30または60mgでの被験物質の全用量を皮下注射した。 陰性および陽性対照として、それぞれ、1つの群にはATRIGEL(登録商標)送達システムを注射し、1つの群には、50mgで2mLのRISPERDAL(登録商標)CONSTA(登録商標)製剤を麻酔下で注射した。 研究期間は45日であり、1、2、6および8時間、ならびに第1、3、7、10、14、21、28、35、42および45日の時点で血液採取した。 第1、3、7、10、14、21、28、35、42および45日の時点で薬力学的研究も行った。

    特定の時間点で、それぞれのイヌからおよそ2〜3mLの血液をK EDTAチューブに採取した。 ラベルを貼った5mLプラスチック培養チューブに血漿画分を移し、−86℃で保管した。 上で説明した「活性リスペリドン血漿分析のための血漿SPE抽出手手順」に従って血漿を抽出した。 上で説明した「リスペリドンおよび9−ヒドロキシリスペリドンの定量のための逆相高性能液体クロマトグラフィー方法」を用いて、活性リスペリドン濃度を分析した。

    活性リスペリドン血漿濃度は、リスペリドンと9−ヒドロキシリスペリドンの両方に基づいて計算した。 リスペリドンと9−ヒドロキシリスペリドンの両方に基づいて活性リスペリドン濃度を計算し、表33に提示した。

    午後、指定の時間点で、それぞれのイヌにアポモルフィンを注射し、そのイヌの制吐効果をモニターして判定した。 血漿中のリスペリドンの特性は、嘔吐の予防である。

    作業員が注射部位をそれぞれの時間点において発赤、出血、浮腫、分泌物、皮下出血および被験物質突出をはじめとする任意の異常について評価した。 加えて、作業員は、この研究期間の間、投与後に動物を顕性毒性の徴候について観察した。

    上で説明した「活性リスペリドン血漿分析のための血漿SPE抽出手手順」に従って血漿を分析した。 上で説明した「リスペリドンおよび9−ヒドロキシリスペリドンの定量のための逆相高性能液体クロマトグラフィー方法」を用いて、活性リスペリドン濃度を分析した。 皮膚刺激が全くまたは最小限にしか確認されず、前のウサギ研究と一致した。

    リスペリドン/ATRIGEL(登録商標)製剤のこれら2つの用量は、この45日研究の最初の2時間以内に初期最大血漿リスペリドン濃度を示した。 それぞれの用量についてのリスペリドン濃度は用量依存性であり、30および60mgリスペリドン用量についての血漿リスペリドンプロフィールは、第10日の時点でリスペリドンの第二のバースト(51.0ng/mLおよび104.4ng/mL)を示した。 60mg用量についてのリスペリドン濃度は、このイヌの研究において第21日まで5ng/mLを超えていた。 血漿リスペリドンレベルは、第21日から第35日まで10ng/mL未満であった。 60mgリスペリドン製剤については第42および45日の時点でリスペリドン濃度は検出不能であった。 30mgリスペリドン/ATRIGEL(登録商標)群の血漿リスペリドンは、第21日の時点で5ng/mL未満を示し、第28日から第45日におけるリスペリドン濃度は、ほぼゼロであった。

    50mgRISPERDAL(登録商標)CONSTA(登録商標)群(群I)は、7.7ng/mLの初期血漿リスペリドン濃度を示した。 血漿リスペリドン濃度は、血漿中のリスペリドン濃度が11.4ng/mLの平均値に増加する第14日まで、この濃度以下であり続けた。 この生成物の最高血漿リスペリドン濃度(C max )は、第28日の時点で見出され、104.4ng/mLであった。 第42日の時点で血漿リスペリドン濃度は、11.4ng/mLに低下し、第45日の時点での血漿リスペリドン濃度は、4.8ng/mLでっあた。

    このイヌの研究についてのそれぞれの製剤の曲線下面積(AUC 第0〜45日 )、最高血漿リスペリドン濃度(C max )および時間(T )を表34に示した。 このイヌの研究において注射したすべての製剤についての薬物動態プロフィールを図17に示した。

    血漿中のリスペリドンについての薬力学を、血漿中のリスペリドンの制吐効果によって測定した。 前に説明した時間点で、イヌにアポモルフィンiv投与で注射した。 アポモルフィン投与後、そのイヌを15分間、嘔吐について観察し、嘔吐を示したイヌを陽性と記録した。 この試験の結果を表35に記録する。

    ATRIGEL(登録商標)群のすべてのイヌは、すべての時間点で嘔吐を有した。 30mg用量のリスペリドン/ATRIGEL(登録商標)群は、この研究の第21日まで嘔吐を示さなかった。 28日の時点で、33%のイヌが制吐効果を示した。 この群のイヌは、第35日から第45日まで0〜17%の制吐効果を示した。 60mg用量のリスペリドン/ATRIGEL(登録商標)は、第21日まで嘔吐を示さず、第28日の時点で83%のイヌにおいて制吐効果が実証された。 この群のイヌのうち50〜67%で第35日から第45日まで制吐効果が観察された。 50mg用量のRISPERDAL(登録商標)CONSTA(登録商標)は、第1日から第21日まで可変的な制吐効果を示した。 第28および35日の時点でのこれらのイヌについての制吐効果は、100%であった。 その効果は、第42日および第45日の時点で低下した。

    イヌについての薬物動態プロフィールは、観察された制吐効果と相関していた。 血漿リスペリドン濃度が高いほうが、イヌの嘔吐を防いだ。 30mg リスペリドン/ATRIGEL(登録商標)製剤は、第21日まで100%薬力学的活性を示し、第28日には33%に低下した。 第28日より後の時間点では、制吐効果はゼロであり、血漿リスペリドン濃度は検出不能であった。 60mg リスペリドン/ATRIGEL(登録商標)製剤は、第28日まで嘔吐に対してほぼ100%有効であり、この試験の終わり(第45日)まで多少の活性を示した。 RISPERDAL(登録商標)CONSTA(登録商標)製品は、この研究における第14から35日までその最高制吐活性を有した。 第42および35日の時点ではその薬力学的活性が低下していた。

    実施例4


    イヌにおける第二の薬物動態および薬力学的研究 実施例3のイヌの研究における低い血漿リスペリドン濃度および第28日の時点での100%に満たない制吐効果についての懸念から、第二のイヌの薬物動態および薬力学的研究(実施例4)は、リスペリドン/ATRIGEL(登録商標)送達システムのわずかな変更が初期放出を減少させるどうか、および薬物放出期間を増加させるかどうかを判定するために行った。 例えば、特定した65/35 PLGHp(37K)以外のポリマーを使用する3つのリスペリドン/ATRIGEL(登録商標)製剤を評価した。 それらの製剤としては、(1)60mgリスペリドン、(45% 75/25 PLGHp(37K)/N−メチル−2−ピロリドン中の15%リスペリドン)、(2)60mgリスペリドン、(45% 80/20 PLGHp(42K)/N−メチル−2−ピロリドン中の15%リスペリドン)、および(3)60mgリスペリドン(50% 65/35 ポリ(ラクチド−co−グリコリド)(Dod)(19K)/N−メチル−2−ピロリドン中の15%リスペリドン)が挙げられる。

    被験物質1つあたり6匹の雄ビーグル犬に60mgリスペリドンの被験物質の全用量を皮下注射した。 研究期間は45日であり、1、2、6および8時間ならびに第1、3、7、10、14、21、29、35、42および45日の時点で血液を採取した。 第1、3、7、10、14、21、29、35、42および45日の時点で薬力学的研究も行った。 血液採取/分析および薬力学的研究は、実施例3において説明したのと同じ手順に従って行った。

    作業員が注射部位をそれぞれの時間点において発赤、出血、浮腫、分泌物、皮下出血および被験物質突出をはじめとする任意の異常について評価した。 加えて、作業員は、この研究期間の間、投与後に動物を顕性毒性の徴候について観察した。 皮膚刺激は全くまたは最小限にしか確認されず、前の研究と一致した。

    すべての製剤は、この45日研究の最初の6時間以内に初期最大血漿リスペリドン濃度を示した。 血漿リスペリドンプロフィールは、群IおよびIIIについてそれぞれ第10日の時点で第二のバースト(70.0ng/mLおよび88.4ng/mL)を示した。 群IIには第二のバーストがなかった。 すべての製剤について、血漿活性リスペリドン濃度は、第29日まで12ng/mLを超えており、第42および45日の時点で検出可能なリスペリドンレベルを維持していた。

    このイヌの研究において注射したすべての製剤についての薬物動態プロフィールを図18に示し、詳細なデータを表36に提示した。

    このイヌの研究におけるそれぞれの製剤についての血漿濃度曲線下面積(AUC

    第0〜45日 )、最高血漿リスペリドン濃度(C

    max )および時間(T

    )を表37に示した。

    表38は、この研究の薬力学的結果を示したものである。 第3日および第10日に群Iの同じイヌがアポモルフィンの投与から14〜16分後に吐き、この群のもう1匹のイヌは、第42および45日に嘔吐を示し、他のすべてのイヌは、この研究全体を通して健常なままであった。 群IIでは、第42日と第45日の両日に吐いた1匹を除き、すべてのイヌが第45日まで制吐を示した。 これらの結果は、製剤群IおよびIIが経時的にゆっくりとリスペリドンを放出し、35日にわたってイヌにおいて効能のあるリスペリドンレベルで維持されたことを示している。 一部の動物(およそ16.6%)では第42日から活性リスペリドン濃度が低下し始め、制吐効果を維持できなかった。 群IIIのすべての動物が第29日までは健常であり、3匹のイヌは、第35および42日に制吐を示さず、第45日には4匹のイヌが制吐を示すことができなかった。 これらの結果は、製剤群IIIが、29日にわたってリスペリドンを効能のあるレベルで徐放する1ヶ月製剤であったことを示している。 しかし、群IIがこの研究全体を通して最高の制吐効果を示した。 全般的に言えば、3つの製剤すべてが、効能のある量のリスペリドンを経時的に徐放し、29日の最小効力を示した。

    実施例5


    イヌにおける第三の薬物動態および薬力学的研究 この研究の目的は、ヒトにおける投与を検証するために、経口対リスペリドン/ATRIGEL(登録商標)薬力学データを提供することであった。 例えば、45% 80/20 PLGHp(42K)/N−メチル−2−ピロリドンの送達ビヒクルに懸濁させた15%リスペリドンを含有するリスペリドン/ATRIGEL(登録商標)製剤を実施例4から選択し、この薬力動態および薬力学的イヌの研究においてさらに評価した。 60、90または120mgのリスペリドンを送達するこの選択した製剤に基づく3つの試験群(群IV、VおよびVI)を試験し、3つの対照群、2、3または4mgのリスペリドンを含有するRISPERDAL(登録商標)錠剤、(群I、IIおよびIII)と比較した。

    この研究では、被験物質1つあたり6匹のイヌに、およそ60、90および120mgのリスペリドンをそれぞれ送達する、およそ400、600および800μLの特定した製剤を皮下注射した。 対照物質1つあたり6匹のイヌが35日間、毎日、経口錠剤を摂取した。 研究期間は56日であり、6つすべての群について、1、2、4、6、8および12時間、ならびに第1、3、7、10、14、21、28、35および42日の時点で血液を採取した。 ATRIGEL(登録商標)群については第49および56日にも血液を採取した。 薬力学的研究は、第20、24、30および35日の時点で行った。 血液採取/分析および薬力学的研究は、実施例3において説明したのと同じ手順に従って行った。

    作業員が注射部位をそれぞれの時間点において発赤、出血、浮腫、分泌物、皮下出血および被験物質突出をはじめとする任意の異常について評価した。 加えて、作業員は、この研究期間の間、投与後に動物を顕性毒性の徴候について観察した。 皮膚刺激が全くまたは最小限にしか確認されず、前の研究と一致した。

    全般的に言えば、群IからIII(RISPERDAL(登録商標)錠剤群)は、投与後1時間の時点で血漿C maxを示し、第7日から第35日に定常血漿基底レベル(C min )に達した(図19および表39)。 第7日から第35日の群IからIIIのC minは、それぞれ、9.8、17.3および27.2ng/mLであった。 群IからIIIは、第35日の最後の経口投与後、第42日の時点でおよそ3ng/mLへの血漿リスペリドン濃度の低下を示した。 3つの群についての血漿リスペリドンC maxレベルおよび基底レベルC minは、用量に直接関係していると判定した。

    群IVからVI(リスペリドン/ATRIGEL(登録商標)群)は、注射後およそ2時間の時点で血漿リスペリドンC

    maxに達し、第3日から第42日までそのイヌの血漿中で定常状態(Css)に達していた(図20)。 第3日から第42日の群IVからVIの定常状態血漿リスペリドンレベル(Css)は、それぞれ、28.9、32.7および50.7ng/mLであった。 それらの血漿リスペリドンレベルは、3つすべてのATRIGEL(登録商標)群において第49から56日にゆっくりと低下した。 前記C

    maxおよび定常状態血漿レベル(Css)は、用量依存性であった。

    図21は、群I(20mg RISPERDAL(登録商標)群)と群IV(60mg
    リスペリドン/ATRIGEL(登録商標)群)の間の薬物動態比較を示したものである。 群IのC max (104.6±45.1ng/mL)は、群IVのもの(95.3±39.1ng/mL)より高かったが、C min (9.8ng/mL)は、第1日から第42日の群IVのCss(28.9ng/mL)より低く、第49日(14.3ng/mL)および第56日(110.0ng/mL)での濃度より低くさえあった。 市販の2mg RISPERDAL(登録商標)錠剤製剤のC maxおよびC min血漿リスペリドンレベルが、この用量レベルについて有効性を示す場合、この研究は、リスペリドン/ATRIGEL(登録商標)製剤から放出される活性血漿リスペリドン濃度が56日のこの研究を通して有効性要件を満たすことを示した。

    同じ結論を、群II(3mg RISPERDAL(登録商標)群)と群V(90mg
    リスペリドン/ATRIGEL(登録商標)群)の間の比較、ならびに群III(4mg RISPERDAL(登録商標)群)と群VI(120mg リスペリドン/ATRIGEL(登録商標)群)の間の比較から得るこができた。 薬物動態データを図22および23に図示した。

    第30日に、追加の6時間薬物動態研究を6つすべての群において行い、群IからIIIの結果を第0日における6時間薬物動態プロフィールと比較した(図24)。 群IおよびIIについては、投与の1時間後に血漿リスペリドンC maxに達し、群IIIは、投与後2時間の時点で血漿リスペリドンC maxを示した。 群IVからVIについては、すべての時間点での血漿濃度が定常状態レベル(Css)のままであった。 図24に示したように、第30日における群IからIIIの薬物動態プロフィールは、第0日における薬物動態プロフィールに近似していた。

    この報告におけるAUCおよびt1/2計算には、PharSightからのWinNonlin バージョン5.0.1ソフトウェアを使用した。 血漿データについての血管外インプットでの非区画モデルおよび線形台形計算を用いた。 ATRIGEL(登録商標)群の総AUC 第0〜56日は、それぞれの時間点で得られた平均血漿濃度に基づいて計算した。 第0日における平均薬物動態データに基づく35日間の単純加算を用いて、および第2日の時点でC minに達する血漿リスペリドン濃度を仮定して、RISPERDAL(登録商標)群の総AUC 第0〜42日を予測した。 この研究では第7日まで定常状態C minに達しなかったので、この予測は、総AUCを過大評価していた。 しかし、それらの差は、リスペリドンは吸収が早く排出が遅い薬物であるので、許容されるであろう。 第2日から第7日における血漿レベルもC minに非常に近かったので、この単純加算は、個々の1日1回の投与それぞれの後の薬物動態プロフィールを変えないであろう。

    表41は、この研究の薬力学結果を示したものである。 1日1回の錠剤投与のおよそ5時間後に嘔吐研究を行った。 群Iでは、第20日、第24日および第30日のそれぞれの時間点で1匹のイヌがアポモリフィン投与後に嘔吐し、群IIからVIにおける他のすべてのイヌは、第35日まで制吐を示した。 これらの結果は、2mg RISPERDAL(登録商標)は、わずかにしか有効性を示さなかったが、他のすべての群は、アポモルフィン誘発嘔吐の予防に有効であったことを示していた。

    群VI、2mg RISPERDAL(登録商標)の関連対照、60mg リスペリドン/ATRIGEL(登録商標)製剤群は、35日にわたってイヌにおいて効力のあるリスペリドンレベルで維持された。 これらの結果は、リスペリドン/ATRIGEL(登録商標)製剤が、経時的にリスペリドンを徐放すること、および関連比較錠剤群より良好な有効性を明示するこを示唆した。

    全般的に言えば、3つすべてのリスペリドン/ATRIGEL(登録商標)製剤が、経時的に血漿にリスペリドンを徐放し、血漿へのリスペリドンの初期放出後、第42日まで定常状態血漿リスペリドン濃度を維持した。 さらに、イヌにおけるリスペリドンの血漿レベルは、この研究の第35日までイヌを嘔吐のない状態で保つために有効であった。 加えて、これは、γ線照射を利用してB注射器内で滅菌リスペリドンを生じさせる初めての前臨床研究である。

    実施例6
    非PLGHポリマーを使用する比較例 ATRIGEL(登録商標)送達システム溶媒へのリスペリドンの溶解度 ATRIGEL(登録商標)送達システムにおいて使用される溶媒のうちの2つに、リスペリドンを、乾燥粉末として、溶解限度が達成されるまで様々な濃度で添加した。

    製剤の調製 リスペリドンに関して評価した様々なATRIGEL(登録商標)製剤は、2つの方法によって調製した:(1)特定の量のリスペリドンおよび溶媒をガラスバイアルに量り入れ、およそ五(5)分間攪拌し、生体分解性ポリマーを添加する方法;および(2)特定の量の生体分解性ポリマーおよび溶媒をガラスバイアルに量り入れ、そのポリマーが溶解するまで攪拌し、前記量のリスペリドンを添加する方法。

    インビトロ製剤放出 次のプロトコルを用いてそれぞれの製剤を三重重複で試験した:0.02%アジ化ナトリウムを用いて調製しpH7.4に調整したリン酸緩衝食塩水(PBS)の5mLアリコートを清浄な8mL褐色バイアルにピペットで添加した。 PBS溶液が入っているそれらのバイアルを振盪浴の中でおよそ2時間、37℃で調質した。 バイアルを振盪浴から取り出し、0.1mgの精度まで計量可能な化学てんびんで迅速にtarした。 試験すべき製剤を1mLポリプロピレン注射器に入れ、サンプル(30から60mg)をPBSレシービング液に沈殿させた。 そのバイアルを再び計量し、バイアルに量り入れた製剤の量を記録した。 密封テフロン(登録商標)キャップを有する37℃シェーカーの中にそのバイアルを入れた。

    それらの放出溶液を第1、2、3、5および7日後に、ならびにこの放出試験の最初の7日の後は48〜72時間間隔で取り出した。 それらの放出溶液は、分析するまで5℃で保管した。 それぞれのバイアル中に残っているPBS溶液は、逆さにすることによって取り出し、そのバイアルを空気により乾燥させ、5mLのPBS溶液をそのバイアルにピペットで添加し、次の時間間隔まで37℃の振盪浴にそのバイアルを戻した。 ポリマーのプラシーボ製剤および生体適合性溶媒を調製して、紫外線分析によりリスペリドンの判定への干渉を評価した。

    分析方法 レシービング液中のリスペリドンの濃度を275nmでの紫外線分光分析によって判定した。 100mLのPBS溶液におよそ11mg(0.1mgの位を四捨五入)のリスペリドンを溶解することによって、リスペリドンの標準物質を調製した。 4点曲線のために適切な希釈液を作った。 標準物質の線形回帰分析によって37.6の傾き、−0.6のy切片、および0.9999の回帰分析値を得た。 標準物質は、5℃でおよそ14日間、安定しているようである。 この方法によるリスペリドンの検出限界は、1.6μg/mLである。 PBS中の56.3μg/mLのリスペリドンは、276nmで最大吸収を有する。 275nmでの紫外線分析において2つの生体適合性溶媒、N−メチル−2−ピロリドンまたは乳酸エチル、からの明白な干渉はない。

    リスペリドンの分析のための高性能液体クロマトグラフィー方法は、3μmの粒径を有するRP18 Hypersil ODSカートリッジHP(Hewlett−Packard)を使用する。 このカラムは、3μmの粒径を有する10cm RP18 Hypersil ODSカラムであった。 このカラムは、ジイソプロピルアミンおよび35%アセトニトリルでpH8にした65% 0.01M NH PO の移動相を使用する。 流量は、1.5mL/分であり、薬物の検出は、紫外線分光分析によって行った。 リスペリドンの保持時間は、2.30分と2.45分の間であった。

    ポリマー製剤のリスペリドンについての分析 製剤の放出試験後の残留ポリマー中のリスペリドンの質量バランスは、25%アセトニトリル/75%メタノール溶液にその残留ポリマーを溶解し、同溶媒で希釈して嵩を増し、高性能液体クロマトグラフィーの275nmでの紫外線分光分析により分析することによって行った。 5℃で保管した原製剤中のリスペリドンの判定は、25%アセトニトリル/75%メタノールの溶媒混合物への既知重量の製剤の溶解、その後の高性能液体クロマトグラフィー分析によって行った。

    試行規模リスペリドン製剤の調製 20グラムバッチでのインビボ調査のためのおよび100gバッチでの安定性/滅菌試験のためのポリマー/リスペリドン製剤を調製した。 インビボ試験のためのクラス10,000のクリーンエリアにおいてガラス器具を使用して、20グラム規模の4つの製剤を調製した。 この製造プロセスは、重量ベースでの溶媒へのリスペリドンの添加を用いた。 十分に(およそ90分)攪拌した後、そのポリマーを前記溶液または混合物に添加し、2から16時間攪拌した。 一般に、ラクチド/グリコリドコポリマー(PLG)を含有する製剤は、約2時間攪拌した。 ラクチド/カプロラクトンコポリマー(PLC)を使用する製剤は、前記混合物にポリマーを溶解するために16時間以下、攪拌した。 それらの製剤を10mLポリプロピレン注射器に充填し、蓋をした。 すべての注射器は、試験を開始するまで5℃で維持した。

    安定性/滅菌試験1回につき八(8)つの100グラム製剤を、調製用の実験室用Rossミキサーを使用して調製した。 これらに用いたリスペリドン濃度は、5重量%から20重量%にわたった。 一般に、製剤は、Rossミキサーボールの中の計量済み溶媒に既知重量のリスペリドンを添加することによって調製した。 十分な混合時間の後、それらのポリマーを前記混合物または溶液に添加し、そのポリマーが完全に溶解するまで混合した。 これらの標準調製の例外は、ポリ(ラクチド−co−カプロラクトン)製剤であった。 ポリ(ラクチド−co−カプロラクトン)製剤は、より長い溶解時間を有した。 従って、このリスペリドン製剤の調製には、製剤調製前に16から24時間のポリ(ラクチド−co−カプロラクトン)製剤と溶媒(N−メチル−2−ピロリドンまたは乳酸エチル)との混合を用いることにした。 この手順を用いたすべての場合、リスペリドンをポリマー/溶媒溶液に乾燥粉末として添加した。

    製剤調製完了後、ガンマ線照射による無菌性評価ならびに/または−6℃、5℃および25℃での安定性評価の準備をするまで、全混合物または溶液をガラスジャーに移した。

    リスペリドン/ポリマー製剤の滅菌 試験のために調製した8つの製剤をガラスバイアルおよびガンマ線耐性ポリプロピレンコポリマー注射器の中で様々な照射線量レベルを用いて滅菌した。 それらの製剤に加えて、乾燥粉末としてのリスペリドン、ならびに乳酸エチルまたはN−メチル−2−ピロリドン中のリスペリドンの5%溶液も、注射器およびガラスバイアルの中で滅菌した。 乳酸エチルの滅菌も行った。

    動物研究 このプログラムにおいて開発したリスペリドン/ポリマー製剤を用いて3つのインビボ研究を行った。 第一の研究は、18ゲージ針を使用してイヌに4つの製剤を筋肉内注射することによって行った。 それぞれの動物においておよそ2.5mg/kgのリスペリドンを与えるようにそれらの異なる製剤の注射容量を調整した。 血液のサンプルをそれぞれのイヌから第1日の0、1および5時間の時点で採取し、アポモルフィン誘発によって示唆された場合には、続いて第2、5、8、12、15、19および22日に追加のサンプルを採取した。 この試験では、アポモルフィンを異なる時間間隔で注射し、イヌに嘔吐がないことは、それらの血漿レベルが、抗精神病活性の閾値より上であることを示す。 それらの血液サンプルを、高性能液体クロマトグラフィー方法によってリスペリドンおよびその主代謝産物、9−ヒドロキシリスペリドン、について分析した。

    第二の研究も、上で説明したのと同じ方法を用いて行った。 この研究では、インビトロ放出データにより2つの最も有望な製剤を試験した。 第三の研究は、評価のために開発した4つの製剤を使用して行った。 この研究では、それら4つの製剤をラットに筋肉内注射した。 注射後6および24時間の時点ならびに第3、5および7日にラットを犠牲にした。 ポリマーインプラントを回収し、残留組織をそれらのポリマーインプラントから取り除き、それらを凍結乾燥させた。 凍結乾燥後、それらのポリマーインプラントを粉砕し、25/75 アセトニトリル/メタノールで抽出した。 抽出溶液を濾過し、それらの溶液を紫外線分光分析によってリスペリドン含有量について分析した。 注射したポリマーの量および回収したポリマーの量に基づいてリスペリドンの放出パーセントを計算した。

    結果および考察 この結果および考察セクションは、リスペリドン用の液体ATRIGEL(登録商標)送達システムを開発するために使用した溶媒別にまとめる。

    生体適合性溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを用いるATRIGEL(登録商標)送達システム 溶解限度:
    溶解限度試験は、リスペリドンが5重量%までN−メチル−2−ピロリドンに可溶であることを示した。 従って、目標量(150mg=7.5重量%)のリスペリドンを含有するいずれのATRIGEL(登録商標)製剤も懸濁液であろう。 N−メチル−2−ピロリドンを用いるATRIGEL(登録商標)システムについては添加の順序が興味深いことも判明した。 リスペリドンを最初にN−メチル−2−ピロリドンに溶解し、その後、ポリマーを溶解した場合、製剤は、リスペリドン5重量%以下の溶液であった。 既に形成されたポリマー溶液にリスペリドンを添加した場合、その薬物は、5重量%レベルで可溶性ではなかった。

    インビトロ放出:
    多数のポリラクチド(PLA)、ラクチド/グリコリドコポリマー、およびラクチド/カプロラクトンコポリマーをN−メチル−2−ピロリドンとともに用いて、リスペリドンの制御放出のための製剤を開発した。 これらの製剤に使用したポリマー濃度および薬物濃度は、様々であった。 また、放出速度に影響を及ぼすために添加剤を利用した。 N−メチル−2−ピロリドンを用いて調製し、評価したた六十三(63)の製剤を表41に与える。

    ポリラクチド:


    40%ポリラクチド(IV=0.24dL/gおよびIV=0.36dL/g)中、5重量%および10重量%でリスペリドンを含有する製剤は、インビトロでの薬物のかなり速いバースト、および全薬物の40%が15日間で放出されるような相当遅い薬物放出を生じさせる。 20%リスペリドン製剤は、薬物の50%が30日間で放出される点でわずかに良好であったが、この高薬物負荷製剤の粘度は、注射できないほど高かった。 より低い分子量のポリラクチド(MW=2000、IV=0.11dL/g)およびより低いポリマー濃度(25%)に変えることによって、はるかに良好なインビトロ放出特性が得られた。 この20%リスペリドン製剤については、ほぼゼロ次放出プロフィールが得られ、薬物のおよそ98%が34日間で放出された。 第1日での初期バーストは27μg/(製剤のmg)であり、第1日から第30日までの1日あたりの放出は、3から4μg/mgであった。 ポリマーマトリックスに拡散したN−メチル−2−ピロリドンまたは水へのリスペリドンの溶解度を低下させるために、およびその後、バースト効果をさらにいっそう低下させるために、乳酸、エタノール、ヘプタン酸エチル、炭酸プロピレンおよびポリエチレングリコールなどの添加剤を0.5、1.0およ3.0重量%でその製剤に添加した。 試験したいずれの添加剤も、初期薬物放出に対して一切影響を及ぼさなかった。 しかし、25%から40%への低IVポリマー濃度の増加は、前に観察された27μg/(製剤のmg)から18.8μg/(製剤のmg)への初期バーストの有意な低下を示した。

    PLG:
    そのコポリマーが高いラクチド含有量を有するリスペリドンのポリ(ラクチド−co−グリコリド)製剤(85/15 ポリ(ラクチド−co−グリコリド)および65/35
    PLG)は、ポリラクチドホモポリマーについてのものに類似したインビトロ放出プロフィールをもたらし、初期バーストはかなり高く、その後の徐放レベルは低かった。 これらのプロフィールが58/50 ポリ(ラクチド−co−グリコリド)材料で得られた。 ほぼゼロ次放出がすべての製剤で得られ、薬物の約78から90%が30日間で放出された。 他のポリマー製剤からの放出が数日後に遅くなったのに対し、50/50 ポリマーは、約7日後に膨潤し、より大く、より一定した量のリスペリドンを放出するようであった。 IV=0.35dL/gを有する50/50 ポリ(ラクチド−co−グリコリド)、およびより低いIV=0.19dL/gを有する同ポリマーが、この効果を示した。 ほぼゼロ次放出速度は、50/50 ポリ(ラクチド−co−グリコリド)製剤のすべてで得られた。 これらは、5、10および20%薬物を有する製剤、ならびに25、30および40%ポリマーを有するものを含んだ。 観察された相違は、薬物充填量が高いほど、およびポリマー濃度が低い製剤ほど、もたらすバーストレベルが高い傾向があることだった。

    ポリ(ラクチド−co−カプロラクトン)
    N−メチル−2−ピロリドン中のポリ(ラクチド−co−カプロラクトン)を含有するリスペリドン製剤は、薬物のかなり高い初期バーストが観察された点および最初の週の後の放出速度が相当遅かった点で、ポリラクチドホモポリマーを用いて得られたものに類似していた。 10%リスペリドン製剤および20%リスペリドン製剤が、この効果を示した。 40%ポリマーを含有する同製剤についてはバースト効果が低減されたが、これらの製剤の粘度は適切に注射できないほど高かった。

    生体適合性溶媒として乳酸エチルを用いるATRIGEL(登録商標)送達システム 溶解限度:
    リスペリドンは、乳酸エチルに7.5重量%の濃度まで可溶であった。 しかし、ポリマーを製剤に5重量%添加したとき、それらのリスペリドン製剤は溶液のままであった。 N−メチル−2−ピロリドンを用いて得られた結果とは対照的に、ポリマーおよびリスペリドンの乳酸エチルへの添加の順序は、影響を及ぼさなかった。 5重量%の薬物充填量を有するすべてのポリマー製剤が溶液であった。 このATRIGEL(登録商標)システムにおける薬物充填量が高くなると懸濁液になった。

    インビトロ放出:
    N−メチル−2−ピロリドン研究での場合と同様に、多種多様なポリマー、ポリマー分子量、ポリマー濃度、薬物充填量、および添加剤を用いて、溶媒として乳酸エチルを有する製剤を調製した。 最初の努力は、溶液であり、容易に注射できる製剤を得ることを目指すものであった。 次の努力は、それらのポリマー製剤からの薬物の初期バーストを低減することに焦点を合わせた。 乳酸エチルを用いて調製し、評価した製剤を表42に与える。

    ポリラクチド:


    N−メチル−2−ピロリドンを用いて得たものに類似したIV=0.24dL/gおよびIV=0.37dL/gを有するポリラクチドを含有する第一の製剤は、有望ではなかった。 これらの製剤はいずれも、評価の7日間に薬物負荷量の20%より多くを放出せず、放出速度は一定していなかった。 低分子量ポリラクチド(MW=2000、IV=0.11dL/g)への変更により、放出速度を25日間、かなり一定したレベルで維持した点で、はるかに良好な結果が得られた。 しかし、薬物の初期バーストは依然として比較的高かった(30〜38μg/(製剤のmg))。 ポリマー濃度の上昇は、その初期バーストを10μg/mgに減少させ、19日までほぼ一定したリスペリドン放出を生じさせた。 この比較的低いバースト効果は、おそらく、より高いポリマー濃度およびより高い薬物充填量(これら両方の変更が、乳酸エチル溶媒へのリスペリドンの溶解度を低下させる)に起因する。 乳酸およびヘプタン酸エチル添加剤は、薬物の初期放出に対して影響を及ぼさなかった。

    PLG:
    ポリ(ラクチド−co−グリコリド)製剤中のリスペリドンでの最初の試験は、5%薬物負荷量、50/50 PLG、および40重量%のポリマー濃度を用いた。 これらの製剤の場合、薬物は溶液状態であった。 しかし、5℃で、リスペリドンが沈殿して懸濁液になった。 20%に薬物濃度を低下させることによって、その薬物を5℃でさえ溶液状態で維持することができた。 5%より高いリスペリドンレベルを有するいずれの製剤も懸濁液であった。 予想通り、20%ポリマー濃度を有する製剤は、薬物の高い初期バースト、その後、約14日間のかなり一定した放出を生じさせた。 この時より後は、放出速度が低レベルへと降下した。 40%ポリマー濃度を有する製剤は、20%ポリマー製剤より少ない初期バーストを生じさせたが、初期放出は依然として比較的高く、薬物の15〜20%が24時間のうちに放出された。 残りの薬物は、30日間、かなり一定した速度で放出された。 より高いラクチド含有量を有するポリ(ラクチド−co−グリコリド)(65/35〜85/15)は、バーストを減少させなかったが、乳酸およびヘプタン酸エチルを用いる製剤のものは遅らせた。

    ポリ(ラクチド−co−カプロラクトン):
    これらのポリマー中のリスペリドンの放出特性は、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)材料について得られたものと類似していた。 40%ポリマー濃度および様々なリスペリドン充填量での50/50 ポリ(ラクチド−co−カプロラクトン)を用いると、薬物の初期放出は約13から約20%であり、その後、かなり一定した放出が続いた。 しかし、30日間に放出された薬物の累積パーセントは、約75%であり、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)を用いて得られたものより低い値であった。 IV=0.63dL/gからIV=0.74dL/gへのポリ(ラクチド−co−カプロラクトン)の分子量の増加、および75/25へのラクチド含有量の増加は、初期バーストおよび30日後の累積放出を減少させた。 40%ポリマー製剤は、粘稠であった。 従って、ポリマー濃度を20%に減少させた。 他のポリマーと同様に、ポリマー濃度が低いほうが大きな薬物初期バーストおよび比較的速い残存薬物放出(一部のポリマーは、薬物の90%を20日間で放出する)を有する製剤を生じさせた。

    インビボ放出:
    第一のイヌの研究:
    調製した製剤すべてについてのこのプログラムの最初の2ヶ月間の評価に基づき、4つの製剤(実施例6−1、6−2、6−3および6−4)をイヌにおけるこの第一の研究のために選択した。 この時点ではインビトロとインビボの相関関係が利用できなかったので、様々な放出速度をもたらす製剤を選択した。 これらの製剤のすべてが30日までリスペリドンを放出し続け、あるものは他のものより大きなバースト効果を生じさせる。 乳酸エチル中の溶液である2つおよびN−メチル−2−ピロリドン中の懸濁液である2つを生じさせるために製剤も選択した。 溶媒タイプの影響ならびにそれらの溶媒への薬物の溶解度を評価した。 加えて、それらの製剤は3つの異なるポリマーと、他のもののうちの1つと同じであるが、より低い分子量を有する四番目のものから成った。 ポリマーの適合性およびことによると分解速度も評価することができた。

    それらの4つの製剤を用いて試験したイヌおけるアポモルフィン誘発の結果を表43〜44に与える。

    これらのデータは、乳酸エチルを用いる製剤が4〜7日間、イヌを防護したことを示している。 N−メチル−2−ピロリドン中の製剤は、14日まで活性を示した。 血液サンプルの薬物動態分析の結果を、それぞれ、表45〜48に与え、図25〜28に示す。

    これらのデータは、乳酸エチルを用いる2つの製剤が、およそ800〜1400ng/mLでの薬物の高い初期バーストを生じさせたこと、およびリスペリドンとその代謝産物の合計が活性に必要とされる10〜45mg/mLの最低レベルより下であるレベルに、薬物の血漿レベルが1週間以内にかなり急速に降下したことを示している。 N−メチル−2−ピロリドンを用いる2つの製剤は、はるかに少ないバーストを生じさせ、その薬物および代謝産物の血漿レベルは、およそ200ng/mLであった。 これら2つの製剤については、血漿レベルも約15から約19日間、最低値より上で維持され、はるかに一定した放出を示した。

    薬物動態(アポモリフィン誘発)データと薬力学データの両方が、4つの製剤についてのインビトロでの毎日の放出速度とかなりよく相関している。 リスペリドンのμgでのインビトロでの毎日の放出速度にイヌに注射した製剤の量(mg)を掛けると、イヌにおける日単位のリスペリドン放出(mg)を予測することができる。 そのデータは、イヌにおいて生体応答に必要とされるリスペリドンの最低日用量が約0.6mgであることを示唆している。 乳酸エチルを用いる両方の製剤が、初日に放出されると算出される大きな薬物量を示す。 実施例6−1、ポリ(ラクチド−co−カプロラクトン)ポリマー製剤、も、放出される薬物の量が第4日あたりに0.6mg未満に下がることを示す。 この製剤で得られた生体応答は、約4〜5日間であった。 ポリ(ラクチド−co−グリコリド)ポリマーを含有する他の乳酸エチル製剤(実施例6−4)は、第6日まで0.6mgを維持する。 そのリスペリドンレベルは、第16日までにこの値よりわずかに下に落ちる。 この製剤に対する生体応答は、第8日まで観察され、1匹のイヌは、第15日の時点で応答した。 N−メチル−2−ピロリドンを用いる2つの製剤は、そのリスペリドンレベルをはるかに長く維持する。 ポリ(ラクチド−co−カプロラクトン)を有する実施例6−2は、0.6mgのリスペリドンレベルを第13日まで維持する。 3匹すべてのイヌについて第8日の時点で生体応答が得られ、2匹は第15日まで応答した。 N−メチル−2−ピロリドンを用いるポリ(ラクチド−co−グリコリド)製剤は、0.6mgレベルを第20日まで維持すると算定された。 第15日の時点で生体応答が観察された。 この特定のポリマーは、インビボで急速に分解し、ならびにインビトロデータに基づいて予測されるより速く分断し、薬物を放出することがある。

    第二のイヌの研究 イヌにおける第一の研究からのデータは、リスペリドンおよびその代謝産物の最大許容血液レベルが75ng/mLと推定されるので、薬物の初期バーストの有意な減少を有する製剤が望ましいことを示した。 このレベルより上では、高血圧および他の副作用についての安全性の懸念が主な問題点となるだろう。 インビトロで試験した多くの製剤のうち、2つは、リスペリドンの低い初期バーストの要件を満たし、その後、38日間、一定して放出するようであった。 これらは、高いポリマー濃度(55%)を有する低分子量(MW=2000、IV=0.11dL/g)ポリラクチド製剤、およびIV=0.35dL/gを有する50/50 ポリ(ラクチド−co−グリコリド)製剤であった。 これら2つの製剤は、イヌにおいて試験した最初の4つの製剤からの薬物の初期インビトロ放出および1時間の時点での血漿レベルに基づく一連の計算からリスペリドンについての目標血漿レベル範囲を満たすと予測された。 例えば、インビトロで24時間の間に放出された薬物のパーセントにその製剤中の薬物の量を掛けると、初期に放出された薬物の量の値が得られる。 表49にイヌにおいて試験した最初の4つの製剤および追加の研究のために提案した2つの新たな製剤についてのこれらの値を与える。 イヌにおいて試験した最初の4つの製剤についてのこれらの初期インビトロ放出値のうちの十六(16)を、リスペリドンおよびその9−ヒドロキシル代謝産物についての1時間の時点での血漿レベルに対してプロットし、曲線を用いてインビトロ薬物放出とインビボ薬物放出の相関関係を得ることができる。 2つの新たな製剤についての初期インビトロ値をその二次多項式に挿入すると、ポリラクチド製剤についての1時間の時点での予測血漿レベルは、63.9ng/mLであり、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)製剤については31.1ng/mLである。 これらの血漿レベルは、15〜75ng/mLの目標範囲内に十分収まる。

    2つの新たな製剤を調製し、薬理学的応答(アポモルフィン誘発)とリスペリドン血漿レベルの薬物動態分析の両方を評価した。 結果は、表50〜51に示すようにアポモルフィン誘発に対する効果が約2週間見られた点で期待はずれであった。 また、動物の総体的観察結果は、試験の最初の4日間の間、動物がひどく落ち着いていたので、高率の薬物バーストが依然として得られていることを示唆していた。 乳酸エチルを含有する製剤については、腫瘍を生じさせる結果となる重度局所炎症に気づいた。 加えて、それらの被験製剤の粘度は、実際に使用するには高すぎると判断した。

    第二のイヌの研究からの結果は、予想外であった。 局所炎症反応は、以前、乳酸エチル溶媒では観察されなかった。 この研究における応答は、溶媒それ自体または低分子量ポリラクチドポリマーとの組み合わせの何らかの分解によって引き起こされたものであり得る。 これら2つの製剤については、イヌの鎮静によって示された(しかし、薬物動態分析によって確認していない)大きなバースト効果も予想外であり、調査を促した。 これらの製剤の調製方法が薬物の初期放出に影響を及ぼすことを発見した。 リスペリドン、溶媒およびポリマーを混合し、24時間放置して平衡させた後にインビトロで試験した製剤からの放出プロフィールを作成した。 ポリ(ラクチド−co−グリコリド)を有する製剤は、N−メチル−2−ピロリドンにリスペリドンを混入し、ポリマーが溶解するまで攪拌しながらポリマーを添加することによって、実際には調製した。 乳酸エチルを用いるポリラクチド製剤は、乳酸エチルにポリマーを溶解し、適切な混合を達成するために攪拌しながらリスペリドンを添加することによって調製した。 しかし、潜在的な保管安定性の問題のため、イヌにおけるこれら2つの製剤は、それぞれのポリマーを適切な溶媒に溶解し、それぞれのポリマー溶液を1本の注射器に入れることによって調製した。 粉末形態のリスペリドンを2本の別個の注射器に量り入れた。 それら4本の注射器を使用直前に連結させてポリマー溶液注射器にして2つの材料を混合した。 この方法によって製造した2つの製剤をインビトロで試験したとき、薬物の初期放出は、前の方法によって製造した同じ製剤によって示されたものより増加された。 この注射器混合法によって調製した両方の製剤は、ほぼ同じインビトロ放出を生じさせ、薬物の初期放出は、薬物血漿レベルを予測するための計算において用いた以前の約5から約10%ではなく、約12%であった。 72%の初期バーストでの薬物の血漿レベルは、200ng/mLより大きいと予測された。

    ラットにおけるインプラント回収研究:
    薬物の初期バーストを減少させようとして、およびインビトロ放出とインビボ放出の何らかの相関関係を得ようとして、製剤をラットに注射し、残留ポリマーの分析のために様々な時点で固体ポリマーインプラントを回収する研究を行った。 試験した4つの製剤を表52に与える。

    インプラント中の残留薬物に基づいて放出された薬物パーセントをそれぞれの製剤について判定した。 インプラントの回収が難しいため、データは非常に可変的であるが、それらは、乳酸エチル中の5%リスペリドンを有する製剤が薬物の高い初期放出を生じさせることを示している。 データは、疎水性添加剤の使用によってこの製剤での初期バーストを減少させることができることも示している。 データは、N−メチル−2−ピロリドン中のポリラクチドおよびポリ(ラクチド−co−グリコリド)製剤を用いると初期バーストがさらに大きく減少されることも示している。 これらの製剤のすべてが、研究室試験におけるものより高い薬物放出をインビトロで生じさせることに留意しなければならない。

    安定性および滅菌研究:
    所望のインビボ放出特性を有する製剤を得のが難しいため、種々の製剤を用いる安定プログラムを短期観察に限定した。 N−メチル−2−ピロリドン中のリスペリドンを含有する製剤は、物理的に安定でない懸濁液であり、例えば、それらは、評価したすべての薬物負荷量で約2日の短期間に沈降した。 加えて、リスペリドン/N−メチル−2−ピロリドン製剤は、5℃より上の温度で保管すると色彩不安定性の問題を示し、例えば、時間とともに黒ずんでくる傾向があった。

    リスペリドン/乳酸エチル製剤は、N−メチル−2−ピロリドンを用いるものより安定していた。 5%薬物を有する製剤は溶液であったが、5℃の保管条件で白色結晶を形成する傾向があった。 温めて室温に戻すと、それらの結晶は再び溶解した。 5%より上の薬物レベルを有する製剤も物理的に不安定な懸濁液であり、例えば、それらは、時間とともに沈降した。 しかし、乳酸エチル製剤は、5℃および室温でより良好な色彩安定性をもたらし、例えば、室温で1ヵ月後にそれらの製剤には色彩変化がなかった。

    乳酸エチルおよびN−メチル−2−ピロリドン中のリスペリドン(5%)の溶液およびリスペリドン単独であるような8つの製剤をガンマ線照射用に調製した。 線量レベルは、サンプルのそれぞれに対して30から33KGyであった。

    目視検査すると、N−メチル−2−ピロリドンを用いる滅菌リスペリドン/ポリマー製剤が入っている注射器およびガラスバイアルは、黄色であった滅菌していない対照と比較して、色が琥珀色から褐色であった。 ガラスバイアルと注射器の両方において、滅菌後、薬物それ自体に黄色/ベージュ色が観察された。 乳酸エチル中の5%リスペリドン製剤は、その無色対照サンプルと比較して黄色であり、N−メチル−2−ピロリドン中の5%リスペリドン製剤は、その非照射対照において観察された黄色と比較して褐色であった。

    製剤中のリスペリドンの分析は、上で説明した高性能液体クロマトグラフィー方法によって行った。 ガンマ線照射試験から得た注射器およびガラスバイアルを対照製剤とともに分析した。 結果を表53に報告する。 これらのサンプルを分析するために用いたアイソクラティックならびにグラジエント高性能液体クロマトグラフィー方法は、いずれの追加の化合物も検出できなかった。 ガンマ線を照射した注射器およびガラスバイアルにおいて観察された色彩変化の理由は、確定しなかった。

    5KGyから31KGyの種々の照射レベルを用いて安定性に対する線量レベルの影響を判定する第二系列の照射実験も行った。 これらの実験では、IV=0.35dL/gおよびIV=0.49dL/gを有する50/50 ポリ(ラクチド−co−グリコリド)をN−メチル−2−ピロリドンに30%濃度で溶解した。 これらをガンマ線照射ポリエチレン注射器に充填し、蓋をした。 リスペリドン粉末もガンマ線耐性ポリプロピレン注射器に充填し、蓋をした。 それらの材料を4つの異なるレベル:5.8KGy、18.3KGy、27.9KGyおよび31KGyでの照射に暴露した。 総体的な観察結果は、N−メチル−2−ピロリドン中のポリマー溶液が、照射レベルが増すにつれて透明からわずかに黄色へと徐々に変化したことであった。 加えて、最初に白色であったリスペリドンは、最低の照射レベルでベージュ色に変わり、照射レベルが増すにつれてその色が暗くなった。

    結論 結果は、リスペリドンをATRIGEL(登録商標)薬物送達システムに組込み、長期間にわたって制御された速度でそれを放出できることを示した。 リスペリドンを液体ポリマー送達システムに懸濁させた製剤は、最低の初期薬物バースト、および時の経過にともなって最大の徐放を生じさせるようであった。 これらの製剤は、N−メチル−2−ピロリドン中の50/50 ポリ(ラクチド−co−グリコリド)、および乳酸エチル中の低分子量ポリラクチドであった。 評価した2つの溶媒のうち、N−メチル−2−ピロリドンが最高の放出特性をもたらした。 一般に、比較的高いポリマー濃度での低分子量ポリマーの使用は、初期バーストを減少させ、薬物送達を持続させる傾向があった。 しかし、動物において試験した製剤のうち、リスペリドンの初期血漿濃度を低下させることができたものはなく、約2週間を過ぎても薬理作用を維持することができたものもなかった。

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