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Epoxy resin composition for fiber-reinforced composite material

阅读:713发布:2024-02-22

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  • 骨格にリンを含むリン含有エポキシ樹脂と、
    ジシアンジアミドと、
    1,1'−(4−メチル−1,3−フェニレン)ビス(3,3−ジメチル尿素)と、下記式(1)で示されるフェニル−ジメチル尿素と、下記式(2)で示されるメチレン−ジフェニル−ビスジメチル尿素との少なくとも1つを含む硬化促進剤と、
    を含み、
    前記リン含有エポキシ樹脂のリン含有量は、エポキシ樹脂組成物中に1.0質量%以上5.0質量%以下であることを特徴とする繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
  • 前記硬化促進剤の含有量は、前記リン含有エポキシ樹脂とその他のエポキシ樹脂との質量の和100質量部に対して1質量部以上15質量部以下であることを特徴とする請求項1に記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
  • フェノキシ樹脂を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
  • 前記フェノキシ樹脂の含有量は、前記リン含有エポキシ樹脂とその他のエポキシ樹脂との質量の和100質量部に対して、5質量部以上40質量部以下であることを特徴とする請求項3に記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
  • 請求項1から4の何れか1項に記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を強化繊維に含浸させてなることを特徴とするプリプレグ。
  • 说明书全文

    本発明は、硬化性および難燃性に優れた炭素繊維強化複合材料を与えると共に、貯蔵安定性に優れた繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物に関する。

    エポキシ樹脂をはじめとする熱硬化性樹脂をマトリックス樹脂とした繊維強化複合材料、特に炭素繊維を用いた炭素繊維強化複合材料は、軽量性と優れた学特性から航空機や車両などの構造材料、コンクリート構造物の補強、ゴルフクラブ、テニスラケット、釣り竿などのスポーツ分野などをはじめ幅広い分野で使用されている。 また、炭素繊維強化複合材料は、優れた力学特性のみならず、炭素繊維が導電性を有し、その複合材料が優れた電磁波遮断性を有することから、ノートパソコンやビデオカメラなどの電子電気機器の筐体などにも使用され、筐体の薄肉化、機器の重量軽減などに役立っている。 このような炭素繊維強化複合材料は、熱硬化性樹脂を強化繊維に含浸して得られるプリプレグを積層して得られることが多い。

    かかる用途に用いられるプリプレグに要求される諸特性としては、耐熱性、耐衝撃性といった成型物の物性が優れていることはもちろん、同時に室温での貯蔵安定性に優れ、所定の硬化条件(硬化温度、硬化時間など)において適正に硬化することなどが挙げられる。

    また、繊維強化複合材料の様々な用途の中で、特に航空機や車両などの構造材料や建築材料などにおいては、火災によって材料が着火燃焼しないように材料に難燃性を有することが求められている。 電子電気機器においても装置内部からの発熱や外部が高温にさらされることにより、筐体や部品などが発火し燃焼する事故を防ぐために、材料の難燃化が求められている。

    炭素繊維強化複合材料に難燃性を付与するため、従来、ハロゲン難燃剤が用いられていた。 ハロゲン難燃剤として、例えば、臭素に代表されるハロゲンをエポキシ樹脂中に有するハロゲン化エポキシ樹脂、あるいは、ハロゲン化エポキシ樹脂に三酸化アンチモン(Sb 23 )を難燃剤に用いることで難燃性を付与した難燃性エポキシ樹脂組成物などが用いられていた。 ハロゲン化エポキシ樹脂に三酸化アンチモンを含めることで、気相においてラジカルトラップ、空気遮断効果が大きく、高い難燃効果が得られる。

    これらのハロゲン難燃剤は少量の配合で優れた難燃性を有する反面、燃焼時にハロゲン化素や有機ハロゲン化物等の有毒ガスを発生する可能性があり、人体や自然環境に悪影響をおよぼす可能性がある。 また、ハロゲン難燃剤と共に使用される三酸化アンチモンは有害であるため、取り扱いに注意を必要とする。 また、三酸化アンチモンは粉体毒性があるため、人体、環境に対する影響を考慮すると、三酸化アンチモンは樹脂組成物中に全く含まないことが好ましい。 そのため、ハロゲンや三酸化アンチモンを含有せずとも優れた難燃性を示す非ハロゲンでの難燃化が進められている。

    このような流れの中で、ハロゲン難燃剤に代わる難燃剤として、赤リン、リン酸エステルといったリン系化合物や、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムといった金属酸化物などを組み合わせたエポキシ樹脂組成物が広く検討されている(例えば、特許文献1参照)。 特許文献1には、エポキシ樹脂と、アミン系硬化剤と、リン化合物とを含み、リン原子の濃度を所定範囲とすることで、難燃性および力学特性に優れ、燃焼時にハロゲンガスを発生することがなく、繊維複合材料として好適に用いることができる炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物が記載されている。

    国際公開第2005/082982号パンフレット

    ここで、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂に、代替難燃剤としてリン系化合物や金属酸化物を含める場合、十分な難燃性を得るにはリン系化合物や金属酸化物は多量に添加する必要があった。 しかし、リン系化合物や金属酸化物を多量に添加すると、エポキシ樹脂組成物を硬化して得られる硬化物の強度が低下するなど硬化物の物性が低下する、という問題がある。

    また、一般に120℃程度の低温での硬化性が上がると、反応性が良くなり、貯蔵安定性の低下につながる。 そのため、従来の炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を航空機用などのプリプレグとして用いる場合、120℃程度の温度でも硬化可能であって、貯蔵安定性に優れたエポキシ樹脂組成物であることが必要である。

    そのため、従来の技術では、人体、環境に対する影響を考慮しつつ、物性に優れると共に良好な難燃性を有する硬化物を得ることは困難であった。 よって、難燃性エポキシ樹脂組成物として、120℃程度で硬化可能であって、環境面に配慮しつつ、貯蔵安定性に優れると共に、良好な難燃性および優れた物性を備えた硬化物が得られる難燃性エポキシ樹脂組成物は見出されていないのが現状である。

    本発明は、前記問題に鑑み、120℃で硬化可能であって、環境面に配慮され、貯蔵安定性に優れると共に、良好な難燃性及び優れた物性を有する硬化物を得ることができる繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。

    本発明は、次に示す(1)〜(5)である。
    (1) 骨格にリンを含むリン含有エポキシ樹脂と、
    ジシアンジアミドと、
    1,1'−(4−メチル−1,3−フェニレン)ビス(3,3−ジメチル尿素)と、下記式(1)で示されるフェニル−ジメチル尿素と、下記式(2)で示されるメチレン−ジフェニル−ビスジメチル尿素との少なくとも1つを含む硬化促進剤と、
    を含み、
    前記リン含有エポキシ樹脂のリン含有量は、エポキシ樹脂組成物中に1.0質量%以上5.0質量%以下であることを特徴とする繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。

    (2) 前記硬化促進剤の含有量は、前記リン含有エポキシ樹脂とその他のエポキシ樹脂との質量の和100質量部に対して1質量部以上15質量部以下であることを特徴とする上記(1)に記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。


    (3) フェノキシ樹脂を含むことを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。


    (4) 前記フェノキシ樹脂の含有量が、前記リン含有エポキシ樹脂とその他のエポキシ樹脂との質量の和100質量部に対して、5質量部以上40質量部以下であることを特徴とする上記(3)に記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。


    (5) 上記(1)から(4)の何れか1つに記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を強化繊維に含浸させてなることを特徴とするプリプレグ。

    本発明によれば、120℃で硬化可能であって、環境面に配慮され、貯蔵安定性に優れると共に、良好な難燃性及び優れた物性を有する硬化物を得ることができる。

    図1は、垂直燃焼試験の状態を示す図である。

    以下、この発明について詳細に説明する。 なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本発明が限定されるものではない。 また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。 さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。

    本実施形態に係る繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物(以下、「本実施形態の組成物」という。)は、骨格にリンを含むリン含有エポキシ樹脂と、ジシアンジアミドと、硬化促進剤と、を含み、120℃で硬化可能であることを特徴とする繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物である。

    <リン含有エポキシ樹脂>
    リン含有エポキシ樹脂は、下記式(3)で示される化合物からなる。

    (式中、nは1以上の整数である。Xは下記式(I)、(II)または(III)で示される基であり、式(3)中の(n+2)個のXはそれぞれ同じであっても異なってもよい。ただし、当該エポキシ樹脂中の全Xのうちの少なくとも1つは前記式(I)または(II)で示される基であり、少なくとも1つは前記式(III)で示される基である。Yは−Hまたは−CH

    3であり、式(3)中の(n+2)個のYはそれぞれ同じであっても異なってもよい。)

    式(3)中、nは1以上の整数であり、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましい。 10以下であれば耐熱性と流動性のバランスに優れる。

    リン含有エポキシ樹脂は、式(3)中の(n+2)個のXのうちの一部が前記式(I)または(II)で示される基であり、一部が前記式(III)で示される基である化合物のみから構成されてもよく、式(3)中の(n+2)個のXのうちの一部または全部が前記式(I)または(II)で示される基である化合物と、全部が前記式(III)で示される基である化合物との混合物であってもよい。

    リン含有エポキシ樹脂は、市販品を用いてもよいし、公知の製造方法により合成したものを用いてもよい。 市販品としては、たとえば、東都化成株式会社製の「FX−289Z1」、「FX−0921」などが挙げられる。 リン含有エポキシ樹脂の製造方法としては、たとえば、式(3)中の(n+2)個のXのすべてが式(III)で示される基であるエポキシ樹脂(たとえばフェノールノボラック型エポキシ樹脂またはクレゾールノボラック型エポキシ樹脂)に、下記式(4)で表される化合物(9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナントレン−10−オキサイド(以下、DOPOということがある。))を高温・触媒存在下で反応させる方法が挙げられる。 このとき、DOPOの使用量は、反応後、原料のエポキシ樹脂中のエポキシ基の一部が残存する量とする。

    本実施形態の組成物中に含まれるリン含有エポキシ樹脂は1種でも2種以上でもよい。

    リン含有エポキシ樹脂のリン含有率は、エポキシ樹脂組成物中に1.0質量%以上5.0質量%以下が好ましく、より好ましくは1.3質量%以上3質量%以下である。 リン含有エポキシ樹脂のリン含有率が高いほど、得られる樹脂組成物の硬化物の難燃性が向上するが、リン含有率が高すぎると、低温での硬化性の低下を引き起こす場合がある。 一方、リン含有エポキシ樹脂のリン含有率が低いほど、得られる樹脂組成物の難燃性が低下する。 そこで、リン含有エポキシ樹脂のリン含有率を上記範囲内とすることで、本実施形態の組成物から得られるプリプレグなどの硬化物の難燃性および耐熱性を向上させることができる。

    本実施形態の組成物におけるリン含有エポキシ樹脂の配合量は、エポキシ樹脂組成物中に含まれる、リン含有エポキシ樹脂以外の他のエポキシ樹脂(後述するビスF型エポキシ樹脂、ビスA型エポキシ樹脂、その他のエポキシ樹脂等)の合計量100質量部に対し、75質量部以上95質量部以下が好ましく、80質量部以上90質量部以下がより好ましい。 75質量部以上とすることで、エポキシ樹脂組成物のリン含有率が高まり、充分な難燃性を付与することができる。 95質量部以下であれば、エポキシ樹脂組成物に適度な粘性、取扱性を付与することができる。 よって、リン含有エポキシ樹脂の配合量が上記範囲内であると、樹脂硬化物の靭性と耐熱性と難燃性を高度にそれぞれ達成できる。

    (その他のエポキシ樹脂)
    本実施形態の組成物は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、リン含有エポキシ樹脂以外の他のエポキシ樹脂を含有することができる。 このようなエポキシ樹脂として、たとえば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、アミノフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、イソシアネート変性エポキシ樹脂等が挙げられる。 ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が挙げられる。 これらはいずれか1種を単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。 中でもビスフェノール型エポキシ樹脂が好ましい。

    <ジシアンジアミド>
    ジシアンジアミドは、エポキシ樹脂の硬化剤として用いられる。 一般に、硬化剤は、エポキシ樹脂を硬化させうるものであればどのような構造のものでもよく、公知の硬化剤が使用可能である。 硬化剤の具体例としては、アミン、酸無水物、ノボラック樹脂、フェノール、メルカプタン、ルイス酸アミン錯体、オニウム塩、イミダゾールなどが挙げられる。 これらの中でも、アミン型の硬化剤が好ましい。 アミン型の硬化剤としては、例えば、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等の芳香族アミン、脂肪族アミン、イミダゾール誘導体、ジシアンジアミド、テトラメチルグアニジン、チオ尿素付加アミンなど、およびそれらの異性体、変成体を用いることができる。 これらのなかでもジシアンジアミドは、プリプレグの保存性に優れるため特に好ましく、本実施形態では、エポキシ樹脂用の硬化剤として用いられる。

    本実施形態の組成物におけるジシアンジアミドの配合量は、硬化剤以外のエポキシ樹脂組成物のエポキシ当量に対する硬化剤の活性水素当量の比が0.5以上1以下となる量が好ましく、0.6以上0.8以下がより好ましい。 0.5以上にすることで充分に硬化することができる。 1以下にすることで硬化物の靭性を高くできる。

    <硬化促進剤>
    本実施形態の組成物に含有される硬化促進剤は、本実施形態の組成物を硬化させるための縮合触媒である。 硬化促進剤は、硬化剤として用いられるジシアンジアミドの硬化反応を促進する効果を有する。 本実施形態の組成物に用いられる硬化促進剤は、ジシアンジアミドの硬化反応を促進する効果を有するものであれば特に限定されるものではなく、従来公知の硬化促進剤を用いることができる。 硬化促進剤として、例えば、1,1'−(4−メチル−1,3−フェニレン)ビス(3,3−ジメチル尿素)、下記式(1)で示されるフェニル−ジメチル尿素、下記式(2)で示されるメチレン−ジフェニル−ビスジメチル尿素、3−フェニル−1,1−ジメチル尿素、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素(DCMU)、3−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−1,1−ジメチル尿素等の尿素誘導体、三級アミン、イミダゾール化合物、フェニルジメチルウレア(PDMU)等のウレア化合物、三フッ化モノエチルアミン、三塩化アミン錯体等のアミン錯体などが挙げられる。 硬化促進剤はこれらを単独で用いてもよく、2種以上を混合してもよい。

    本実施形態では、なかでも特に好ましい硬化促進剤としては、1,1'−(4−メチル−1,3−フェニレン)ビス(3,3−ジメチル尿素)、上記式(1)で示されるフェニル−ジメチル尿素、上記式(2)で示されるメチレン−ジフェニル−ビスジメチル尿素を挙げることができる。

    本実施形態の組成物に含有される硬化促進剤の含有量は、リン含有エポキシ樹脂とその他のエポキシ樹脂との質量の和100質量部に対して1質量部以上15質量部以下であり、好ましくは3質量部以上10質量部以下である。 硬化促進剤の含有量が上記範囲内であると、得られる本発明の組成物の速硬化性がより向上すると共に、得られる本発明の組成物が硬化後のガラス転移温度Tgが高くなり、硬化後の耐久性もより良好となる。

    <フェノキシ樹脂>
    本発明の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物は、フェノキシ樹脂を含むことが、組成物の強靭性を向上させる点と、未硬化の組成物の粘度を制御して作業性を向上させることができる点で好ましい。 フェノキシ樹脂とは、ビスフェノール類とエピクロルヒドリンより合成されるポリヒドロキシポリエーテルで熱可塑性樹脂である。

    本実施形態の組成物に含まれるフェノキシ樹脂は、下記式(5)で示されるフェノキシ樹脂を含む。

    式(5)中、Mは、C(CH

    3

    2 、CH

    2 、SO

    2から選ばれる少なくとも1つであって、2種以上の共重合体であってもよい。

    フェノキシ樹脂としては、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂、ビスフェノールF型フェノキシ樹脂、ビスフェノールA型とビスフェノールF型のフェノキシ樹脂、ビスフェノールS型フェノキシ樹脂などが使用可能である。

    このようなフェノキシ樹脂の質量平均分子量は、10000〜100000であることが好ましく、20000〜70000であることが、組成物に強靭性を付与できる点で、より好ましい。

    フェノキシ樹脂の含有量は、リン含有エポキシ樹脂とその他のエポキシ樹脂との和100質量部に対して、5質量部以上40質量部以下であることが好ましく、より好ましくは10質量部以上30質量部以下である。 フェノキシ樹脂の含有量が、5質量部以上であれば、靭性を付与することができると共に、樹脂流れを制御(流れ過ぎ防止)することができる。 また、フェノキシ樹脂の含有量が、40質量部以下であれば、プリプレグとして用いた際に、樹脂のタック(表面ベタツキ)、ドレイプ(形状に追従する柔軟性)、耐熱性、耐溶剤性等を保持することができる。

    このように、本実施形態の組成物は、リン含有エポキシ樹脂と、ジシアンジアミドと、硬化促進剤と、を含み、120℃で硬化可能である繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物である。 本実施形態の組成物によれば、120℃で硬化可能であって、人体や自然環境に悪影響をおよぼすことなく環境面に配慮され、貯蔵安定性に優れると共に、良好な難燃性及び優れた物性を有する硬化物とすることができ、難燃性及び信頼性に優れた硬化物を得ることができる。

    従来では、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂に、リン系化合物や金属酸化物を多量に添加することで、十分な難燃性を得ることが可能であった。 しかし、リン系化合物を多量に添加すると、耐熱性や強度等の低下を引き起こしていた。 また、金属酸化物を多量に添加した場合でも、強度が低下するなど得られる硬化物の物性の低下を引き起こしていた。 また、臭素などハロゲンを含むハロゲン化エポキシ樹脂に難燃剤としてSb 23を用いる場合、Sb 23は少量(例えば3質量%程度)で、物性の低下を引き起こすことなく、高い難燃性を付与することができる難燃性エポキシ樹脂組成物が得られていた。 しかし、樹脂組成物を燃焼して硬化させる際に、ハロゲン化水素や有機ハロゲン化物等の有毒ガスを発生する可能性があり、人体、環境に対する影響を考慮すると、Sb 23などは積極的に使用することなく、優れた難燃性を示す繊維強化複合材料用などのエポキシ樹脂組成物を開発する必要があった。

    これに対し、本実施形態の組成物では、人体や自然環境に悪影響をおよぼすことなく環境面に配慮され、貯蔵安定性に優れると共に、本実施形態の組成物から得られる硬化物は、良好な難燃性を有すると共に、高い強度を有するなど物性に優れ、信頼性の高い硬化物を得ることが可能である。

    本実施形態の組成物は、上記のリン含有エポキシ樹脂、ジシアンジアミド、硬化促進剤、他のエポキシ樹脂およびフェノキシ樹脂の他に、必要に応じて本発明の目的を損なわない範囲で、添加剤を含むことができる。 添加剤としては、例えば、可塑剤、充填剤、反応性希釈剤、硬化触媒、チクソトロピー性付与剤、シランカップリング剤、顔料、染料、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、乾性油、接着性付与剤、分散剤、脱水剤、紫外線吸収剤、溶剤などが挙げられる。 これらの中の2種類以上を含有してもよい。

    本実施形態の組成物の製造方法は特に限定されず、例えば従来公知の方法で製造することができる。 例えば、リン含有エポキシ樹脂、ジシアンジアミド、硬化促進剤およびフェノキシ樹脂および必要に応じてフェノキシ樹脂や可塑剤等のその他の成分を、室温で均質に混合することで得ることができる。 各成分の混合方法としては、三本ロールミル、プラネタリミキサー、ニーダー、万能かくはん機、ホモジナイザー、ホモディスパーなどの混合機を用いる方法が挙げられる。

    本実施形態の組成物は、上述の通り、120℃で硬化可能であるため、例えば航空機用などのプリプレグ(マトリックス樹脂と補強繊維とを組み合わせた複合材料用前駆体)用樹脂として好適に用いることができる。

    <プリプレグ>
    本実施形態の組成物は、強化繊維に含浸させてプリプレグとして使用することができる。 強化繊維としては、特に制限は無く、炭素繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維、高強度ポリエステル繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、窒化珪素繊維、スチール繊維などの各種の無機繊維または有機繊維を用いることができる。 中でも難燃性の観点から、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、窒化珪素繊維が好ましい。 強化繊維の形態としては、一方向に引き揃えてもよく、織物、またノンクリンプファブリックでもよい。

    プリプレグは、本実施形態の組成物と前記強化繊維とを用いて、公知の方法で製造することができる。

    <繊維強化複合材料>
    繊維強化複合材料は、前記プリプレグを加熱により硬化させることにより得られる。

    以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明する。 ただし、本発明はこれらに限定されない。

    <エポキシ樹脂組成物の作製>
    表1に示すエポキシ樹脂とフェノキシ樹脂を、140℃で2時間混合し、均一に溶解させた。 70℃に降温した後に硬化剤、硬化促進剤を所定の質量部配合し、均一に混合し、各組成物を作製した。

    <プリプレグの作製>
    ガラス織物(繊維目付104g/m 2 )に、樹脂含有量45%(樹脂重量85g/m 2 )となるよう含浸させて、プリプレグを作製した。

    <試験方法>
    上記のようにして得られたプリプレグを用いて貯蔵安定性を評価した。 また、このプリプレグをオートクレーブにて120℃、2時間硬化させて得られた硬化物(繊維強化複合材料)を用いて、燃焼試験、ガラス転移温度Tg、圧縮強度および圧縮弾性を各々測定した。

    [貯蔵安定性]
    貯蔵安定性は、得られたプリプレグを室温に14日間暴露した後のタック(粘着力)の有無を25℃の環境下で指触にて評価した。 タックは以下の基準で触手により評価した。
    ○:板状体の表面に十分な粘着力が感じられたもの×:板状体の表面にやや粘着力が感じられたものまたはほぼ粘着力が感じられなかったもの

    [難燃性]
    プリプレグを6枚積層し、オートクレーブにて硬化した繊維強化複合材料を、7.62cm×30.48cmに裁断して試験片を作製した。 作製した試験片を用いて垂直燃焼試験により難燃性を評価した。 図1は、垂直燃焼試験の状態を示す図である。 図1に示すように、試験片11を垂直に固定し、バーナー12で試験片11の真下から火を60秒間当てた後、延焼の長さLを測定した。 延焼の長さLが、15.24cm以下の場合には、耐熱性が良好であると判断した。

    [ガラス転移温度Tg]
    オートクレーブ硬化物を3mm×3mmに裁断し、熱機械分析装置(TMA:Thermal Mechanical Analysis)を用いて、ガラス転移温度を求めた。 ガラス転移温度Tgは120℃以上であれば耐熱性が良好であると判断した。
    [圧縮強度、圧縮弾性率]
    プリプレグを21枚積層し、オートクレーブにて硬化した繊維強化複合材料より、ASTM D695にしたがって、試験片を作製し、圧縮強度、圧縮弾性率の試験を行った。 圧縮強度が500MPa以上であれば圧縮強度は良好であると判断し、圧縮弾性率が20GPa以上であれば、圧縮弾性率は良好であると判断した。

    表1に示す各実施例および比較例の各成分の詳細は以下のとおりである。
    ・リン含有エポキシ樹脂1:商品名「TX−0921」、東都化成社製 ・リン含有エポキシ樹脂2:商品名「FX−289z1」、東都化成社製 ・リン含有エポキシ樹脂3:商品名「FX−289FA」、東都化成社製 ・ビスフェノールF型エポキシ樹脂:商品名「YDF−170」、東都化成社製 ・ビスフェノールA型エポキシ樹脂:商品名「YD−128」、東都化成社製 ・フェノールノボラックエポキシ樹脂:商品名「jER152」、JER社製 ・フェノキシ樹脂:商品名「YP−75」、東都化成社製 ・ジシアンジアミド:商品名「DICY−15」、JER社製 ・硬化促進剤1:3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素、商品名「DCMU」、保土ヶ谷化学社製 ・硬化促進剤2:1,1'−(4−メチル−1,3−フェニレン)ビス(3,3−ジメチル尿素)、商品名「DYHARD UR500」、Evonik社製 ・硬化促進剤3:1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、商品名「1B2PZ」、四国化成社製 ・硬化促進剤4:上記式(1)で示されるフェニル−ジメチル尿素、商品名「DYHARD UR300」、Evonik社製 ・硬化促進剤5:上記式(2)で示されるメチレン−ジフェニル−ビスジメチル尿素、商品名「オミキュアU−52」、CVC Specialty Chemicals社製

    表1に示す結果から明らかなように、実施例1〜3では、プリプレグは、120℃で硬化し、室温に14日間暴露した後であってもプリプレグの板状体の表面に十分な粘着性が感じられた。 また、プリプレグを硬化させて得られた繊維強化複合材料は、延焼の長さも15.2cm以下であり、圧縮強度は500MPa以上であり、圧縮弾性率は20GPa以上であった。 よって、実施例1〜6により得られる繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物は、120℃で硬化可能であり、貯蔵安定性に優れ、この繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物から得られる硬化物は良好な難燃性を有すると共に、強度が高く保持され、物性に優れていた。

    一方、比較例1では、プリプレグは120℃程度で硬化し、繊維強化複合材料は得られたが、難燃性は低かった。 また、比較例2では、硬化温度が120℃程度では繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物は未硬化であった。 また、比較例3では、プリプレグは120℃程度で硬化し、繊維強化複合材料は得られたが、室温に14日間暴露した後ではプリプレグの板状体の表面に粘着性は感じられなかった。 また、比較例4、5では、硬化温度が120℃程度では繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物は硬化し、室温に14日間暴露した後ではプリプレグの板状体の表面に粘着性は感じられた。 しかし、プリプレグに軽い変形を加えると表面に亀裂が入り、溶剤(MEK)に浸漬すると表層が軟化し、Tgも87〜100の範囲内の値で、明確なピークは確認しづらくばらつきが大きかったことから、120℃程度で繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を硬化しても硬化は不十分であるといえる。 この結果より、比較例1〜5により得られる繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物は、120℃では未硬化か硬化不十分であり、この繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物から得られる硬化物は難燃性が悪く、強度も維持できず物性に劣っていた。 また、このエポキシ樹脂組成物は120℃で硬化できても得られた硬化物の貯蔵安定性は悪かった。 よって、比較例1〜5により得られる繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物では、120℃で硬化可能としつつ、貯蔵安定性に優れると共に、良好な難燃性及び優れた物性を有するプリプレグ、繊維強化複合材料を得ることはできないといえる。

    また、各繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂の硬化剤としてジシアンジアミドを用い、ハロゲン化エポキシ樹脂やリン系化合物を用いていないため、従来より一般に用いられている繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物に比べ人体や自然環境に対する影響を小さくできる。

    よって、実施例1〜6の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物は、120℃で硬化可能としつつ、貯蔵安定性に優れ、人体に対して影響を小さくすることができ、このエポキシ樹脂組成物から得られる硬化物は良好な難燃性を有すると共に、高い強度を有するなど優れた物性を有することから、プリプレグとしての信頼性、安全性を高めることができる。 従って、本実施形態の組成物は、120℃で硬化可能であって、貯蔵安定性に優れ、かつ環境面に配慮され安全であると共に、本実施形態の組成物から得られるプリプレグは難燃性が良好であって、高い強度を有するなど物性に優れることから、航空機や車両などの構造材料や建築材料用などの繊維強化複合材料として好適に用いることができる。

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