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Oligo(phenyleneoxy) group-containing cyclic phosphazene compound modified with unsaturated carbonyl group, and production method of the same

阅读:878发布:2024-02-26

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  • 下記の式(1)で表される、不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物。
    式(1)中、nは1〜6の整数を示し、Aは下記のA1基およびA2基からなる群から選ばれた基を示し、かつ少なくとも一つがA2基である。
    A1基:炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基およびアリール基から選ばれる少なくとも一種の基が置換されていてもよい、炭素数6〜20のアリールオキシ基。
    A2基:下記の式(2)で示される不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基からなる群から選ばれる基。
    [式(2)中、E 〜E はそれぞれ独立の置換基であって、水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基、並びに炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基およびアリール基から選ばれる少なくとも一種の基が置換されてもよい炭素数6〜20のアリール基から選ばれる基であり、かつ少なくとも一つが下記の式(3)で示されるオリゴ(フェニレンオキシ)基である。
    式(3)中、qは1〜50の整数を示し、Yはアクリロイルオキシ基およびメタクリロイルオキシ基から選ばれる不飽和カルボニルオキシ基であり、E 〜E は、それぞれ独立の置換基であって、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基およびアルケニル基、並びに炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基およびアリール基から選ばれる少なくとも一種の基が置換されてもよい炭素数6〜20のアリール基から選ばれる基を示す。 ]
  • A2基が、不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換フェニレンオキシ基、不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換メチルフェニレンオキシ基、不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換ジメチルフェニレンオキシ基、不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換フェニレンオキシ基、不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換メチルフェニレンオキシ基および不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換ジメチルフェニレンオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つである、請求項1に記載の不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物。
  • 式(1)のnが1若しくは2である、請求項1および2に記載の不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物。
  • 式(1)において、(2n+4)個のAのうちの1〜(2n+2)個がA2基である、請求項1から3のいずれかに記載の不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物。
  • 式(1)のnが異なる二種以上のものを含んでいる、請求項1から4のいずれかに記載の不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物。
  • 下記の式(4)で表される、オリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物と、
    [式(4)中、mは1〜6の整数を示し、Gは下記のG1基およびG2基からなる群から選ばれた基を示し、かつ少なくとも一つがG2基である。
    G1基:炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基およびアリール基から選ばれる少なくとも一種の基が置換されていてもよい、炭素数6〜20のアリールオキシ基。
    G2基:下記の式(5)で示されるオリゴ(フェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基からなる群から選ばれる基。
    [式(5)中、E 10 〜E 14はそれぞれ独立の置換基であって、水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基、並びに炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基およびアリール基から選ばれる少なくとも一種の基が置換されてもよい炭素数6〜20のアリール基から選ばれる基であり、かつ少なくとも一つが下記の式(6)で示されるオリゴ(フェニレンオキシ)基である。
    式(3)中、tは1〜50の整数を示し、E 15 〜E 18は、それぞれ独立の置換基であって、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基およびアルケニル基、並びに炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基およびアリール基から選ばれる少なくとも一種の基が置換されてもよい炭素数6〜20のアリール基から選ばれる基を示す。 ]
    アクリル酸、メタクリル酸およびそれらの誘導体から選ばれる少なくとも一種の化合物とを反応させる工程からなる請求項1から5のいずれかに記載の不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物およびその製造方法。
  • 請求項1から5のいずれかに記載の不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物を単独若しくは二種類以上を混合してなる樹脂組成物。
  • 樹脂成分と、請求項1から5のいずれかに記載の不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物と、を含む樹脂組成物。
  • 前記樹脂成分が、エポキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、フェノキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、オキセタン樹脂、シアン酸エステル樹脂およびビスマレイミド−シアン酸エステル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項6に記載の樹脂組成物。
  • 請求項7から9のいずれかに記載の樹脂組成物からなる樹脂成形体。
  • 請求項10に記載の樹脂成形体を用いた電子部品。
  • 说明书全文

    本発明は、環状ホスファゼン化合物およびその製造方法、特に、不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物およびその製造方法に関する。

    産業用および民生用の機器並びに電気製品などの分野において、合成樹脂は、その加工性、耐薬品製、耐候性、電気的特性および機械的強度等の点で他の材料に比べて優位性を有するため、多用されており、近年、その使用量が増加している。 しかし、合成樹脂は、燃焼しやすい性質を有するため、難燃剤の付与が求められており、近年その要求性能が次第に高まっている。 このため、LSI等の電子部品の封止剤や基板等に使用されている樹脂組成物、例えばエポキシ樹脂組成物は、難燃化するために、ハロゲン含有化合物や、ハロゲン含有化合物と酸化アンチモンなどのアンチモン化合物との混合物が一般的な難燃剤として添加されている。 ところが、このような難燃剤を配合した樹脂組成物は、燃焼時や成形時等において。 環境汚染の恐れがあるハロゲン系ガスを発生する可能性がある。 また、ハロゲン系ガスは、電子部品の電気的特性や機械的特性を阻害する可能性があるため、最近では、合成樹脂用の難燃剤として、燃焼時や成型時等においてハロゲン系ガスが発生しにくい非ハロゲン系のもの、例えば、酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなどの金属水和系難燃剤やリン酸エステル系、縮合リン酸エステル系、リン酸アミド系、ポリリン酸アンモニウム系およびホスファゼン系などのリン系難燃剤が多用されるようになっている。

    このうち、金属水和物系難燃剤は、脱水熱分解の吸熱反応とそれに伴う水の放出が合成樹脂の熱分解や燃焼開始温度と重複した温度領域で起こることで難燃化効果を発揮するが、その効果を高めるためには樹脂組成物に対して多量に配合する必要がある。 このため、この種の難燃剤を含む樹脂組成物の成形品は、機械的強度が損なわれるという欠点がある。 一方、リン系難燃剤のうち、リン酸エステル系および縮合リン酸エステル系のものは、可塑効果を有するため、難燃性を高めるために樹脂組成物に対して多量に添加すると、樹脂成形品の機械的強度が低下するなどの欠点が生じる。 また、リン酸エステル系、リン酸アミド系およびポリリン酸アンモニウム系およびホスフィン酸アルミニウム系のものは、容易に加水分解することから、機械的および電気的な長期信頼性が要求される樹脂成形品の製造用材料においては実質的に使用が困難である。 これらに対し、ホスファゼン系の難燃剤は、他のリン系難燃剤に比べて可塑効果および加水分解性が小さく、樹脂組成物に対する添加量を大きくすることができるため、特許文献1〜5に記載のように、合成樹脂用の有効な難燃剤として多用されつつある。 しかし、ホスファゼン系の難燃剤は、樹脂組成物に対する添加量を増やすと、高温下における樹脂成形品の信頼性が低下する可能性がある。 具体的には、熱可塑性樹脂系の樹脂組成物の場合は、高温下においてその樹脂成形体からホスファゼン系の難燃剤がブリードアウト(溶出)し易く、また、熱硬化性樹脂系の樹脂組成物の場合は、高温下においてその樹脂成形品にフクレ等の変形が発生し、当該樹脂成形品が積層基板等の電気・電子分野において用いられる場合は変形によるショートを引き起こす可能性がある。

    そこで、ホスファゼン系の難燃剤は、高温下での樹脂成形品の信頼性(高温信頼性)を高めるための改良が検討されており、その例として、特許文献6〜8には、アクリロイルオキシ基若しくはメタクリロイルオキシ基を有するホスファゼン系化合物およびそれを用いた重合体が開示されている。 この種のホスファゼン系難燃剤は、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基が重合性を有するため、それ自体を単独で熱硬化樹脂として使用することができ、また、樹脂成形用の単量体成分の一部として用いることもできる。 そして、このホスファゼン系化合物の重合体およびこのホスファゼン系化合物を単量体の一部として得た重合体は、その成形体の高温信頼性が良好であり、しかも、ホスファゼン化合物による難燃性を有するため、電気、電子部品等の製品の樹脂材料としての利用が期待されている。 しかし、この種の重合物からなる樹脂成形体は本質的効果として求められる難燃性の点で不十分であり、また、機械的特性(特に高いガラス転移点)においても不十分である。

    一方、近年の情報通信分野で用いられる電子機器においては、信号の大容量化や高速化が進展していることから、高周波特性に優れ、配線数増加による高多層化に対応できるプリント配線板が要求されている。 このようなプリント配線板においては、MHz帯からGHz帯という高周波領域における信頼性を維持するために、良好な誘電特性、具体的には誘電率(ε)および誘電正接(tanδ)が低いことが必要になる。 誘電特性に優れたプリント配線板として、ポリフェニレンエーテル(PPE)の末端を(メタ)アクリレートで変性し、その樹脂組成物の硬化物を絶縁層として用いたもの(特許文献9〜11)が知られている。 このプリント配線板は、通常の(メタ)アクリレート樹脂組成物からなる絶縁層を用いたものに比べて、誘電率および誘電正接が低く、誘電特性は改善されているが、難燃性については不十分である。

    特開2000−103939号公報

    特開2004−83671号公報

    特開2004−210849号公報

    特開2005−248134号公報

    特開2007−45916号公報

    特開2001−335678号公報

    特開平8−193091号公報

    特開2008−78209号公報

    特開2003−252833号公報

    特開2003−252983号公報

    特開2004−59645号公報

    本発明の目的は、樹脂成形体の難燃性を効果的に高めることができ、樹脂成形体の電気特性、特に、誘電率(ε)および誘電正接(tanδ)が低く、しかも高温信頼性が高いホスファゼン化合物を実現することにある。

    本発明者らは、上述の課題を解決すべく研究を重ねた結果、反応性基、特に不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基を有する新規なホスファゼン化合物を含む樹脂組成物からなる成形体が、優れた電気特性および高温信頼性を保ちながら、同時に優れた難燃性を示しすことを見出した。

    本発明の不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物は、下記(1)で表されるものである。

    式(1)中、nは1〜6の整数を示し、Aは下記のA1基およびA2基からなる群から選ばれた基を示し、かつ少なくとも一つがA2基である。
    A1基:炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基およびアリール基から選ばれる少なくとも一種の基が置換されていてもよい、炭素数6〜20のアリールオキシ基。
    A2基:下記の式(2)で示されるオリゴ(フェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基からなる群から選ばれる基。

    式(2)中、E 〜E はそれぞれ独立の置換基であって、水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基、並びに炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基およびアリール基から選ばれる少なくとも一種の基が置換されてもよい炭素数6〜20のアリール基から選ばれる基であり、かつ少なくとも一つが下記の式(3)で示されるオリゴ(フェニレンオキシ)基である。

    式(3)中、qは1〜50の整数を示し、Yはアクリロイルオキシ基またはメタクリロイル基であり、E 〜E は、それぞれ独立の置換基であって、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基およびアルケニル基、並びに炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基およびアリール基から選ばれる少なくとも一種の基が置換されてもよい炭素数6〜20のアリール基から選ばれる基である。

    この不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物において好ましいA2基は、不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換フェニレンオキシ基、不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換フェニレンオキシ基、不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(メチルフェニレン)基置換メチルフェニレンオキシ基、不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(ジメチルフェニレン)基置換メチルフェニレンオキシ基、不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換ジメチルフェニレンオキシ基および不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換ジメチルフェニレンオキシ基から選ばれる少なくとも一つである。 また、この不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物は、好ましくは、式(1)のnが1若しくは2の化合物である。

    本発明の不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物は、好ましくは、式(1)において、(2n+4)個のAのうちの1〜(2n+2)個がA2基である。 さらに、本発明の不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物は、例えば、式(1)のnが異なる二種以上のものを含んでいる。

    本発明の製造方法は、本発明に係る不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物の製造方法に関するものであり、下記の式(4)で表される、オリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物と、アクリル酸、メタクリル酸若しくはそれらの誘導体とを反応させる工程を含んでいる。

    式(4)中、mは1〜6の整数を示し、Gは下記のG1基およびG2基からなる群から選ばれた基を示し、かつ少なくとも一つがG2基である。
    G1基:炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基およびアリール基から選ばれる少なくとも一種の基が置換されていてもよい、炭素数6〜20のアリールオキシ基。
    G2基:下記の式(5)で示されるオリゴ(フェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基からなる群から選ばれる基。


    式(5)中、E 10 〜E 14はそれぞれ独立の置換基であって、水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基、並びに炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基およびアリール基から選ばれる少なくとも一種の基が置換されてもよい炭素数6〜20のアリール基から選ばれる基であり、かつ少なくとも一つが下記の式(6)で示されるオリゴ(フェニレンオキシ)基である。


    式(6)中、tは1〜50の整数を示し、E 15 〜E 18は、それぞれ独立の置換基であって、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基およびアルケニル基、並びに炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基およびアリール基から選ばれる少なくとも一種の基が置換されてもよい炭素数6〜20のアリール基から選ばれる基である。

    本発明に係る樹脂組成物は、本発明の不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物を単独若しくは二種類以上を含んでいる。

    本発明に係る樹脂組成物は、樹脂成分と、本発明の不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物とを含んでいる。

    ここで用いられる樹脂成分は、例えば、エポキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、フェノキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、オキセタン樹脂、シアン酸エステル樹脂およびビスマレイミド−シアン酸エステル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種である。

    本発明の樹脂成形体は、本発明の樹脂組成物から成るものである。 また、本発明の電子部品は、本発明の樹脂成形体を用いたものである。

    本発明の不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物は、上述のような特定の構造を有するものであるため、樹脂成形体を形成するための樹脂組成物において用いられた場合、その電気特性、特に、低い誘電率および低い誘電正接を達成でき、高温での信頼性を損なわずに樹脂成形体の難燃性を効果的に高めることができる。

    本発明の不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物の製造方法は上述のような工程を含むものであるため、本発明に係る特定の構造を有する不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物を製造することができる。

    本発明の樹脂組成物は、本発明の不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物を難燃剤として含むため、実用的な難燃性を示し、電気特性において、特に、低誘電率および低誘電正接を達成でき、しかも高温信頼性に優れた樹脂成形体を得ることができる。

    本発明の樹脂成形体は、本発明の樹脂組成物から成るため、実用的な難燃性を示し、電気特性において、低誘電率および低誘電正接を達成でき、しかも高温信頼性に優れている。

    実施例1におけるゲルパーミエーションクロマトグラフィーの分析結果を示す図。

    不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物
    本発明の不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物は、下記の式(1)で表されるものである。

    式(1)において、nは、1から6の整数を示している。 但し、本発明の不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物は、式(1)のnが小さい化合物の方が後述する樹脂組成物に用いられた場合において樹脂成分との相溶性が高い。 このため式(1)のnは、1から4の整数が好ましく、1若しくは2が特に好ましい。 すなわち、この不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物として特に好ましいものは、nが1のシクロトリホスファゼン(3量体)を有する不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物およびnが2のシクロテトラホスファゼン(4量体)を有する不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物である。 また、不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物は、nが異なる二種以上のものの混合物であってもよい。

    式(1)において、Aは、下記のA1基およびA2基からなる群から選ばれた基を示している。 但し、Aのうちの少なくとも一つはA2基である。

    [A1基]
    炭素数が6〜20のアリールオキシ基。 このアリールオキシ基は、炭素数が1〜6のアルキル基、アルケニル基およびアリール基から選ばれる少なくとも一種の基が置換されていてもよい。

    このようなアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、メチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、エチルメチルフェノキシ基、ジエチルフェノキシ基、n−プロピルフェノキシ基、イソプロピルフェノキシ基、イソプロピルメチルフェノキシ基、イソプロピルエチルフェノキシ基、ジイソプロピルフェノキシ基、n−ブチルフェノキシ基、sec−ブチルフェノキシ基、tert−ブチルフェノキシ基、n−ペンチルフェノキシ基、n−ヘキシルフェノキシ基、エテニルフェノキシ基、1−プロペニルフェノキシ基、2−プロペニルフェノキシ基、イソプロペニルフェノキシ基、1−ブテニルフェノキシ基、sec−ブテニルフェノキシ基、1−ペンテニルフェノキシ基、1−ヘキセニルフェノキシ基、フェニルフェノキシ基、ナフチルオキシ基、アントリルオキシ基およびフェナントリルオキシ基等を挙げることができる。 このうち、フェノキシ基、メチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基、ジエチルフェノキシ基、2−プロペニルフェノキシ基、フェニルフェノキシ基およびナフチルオキシ基が好ましく、フェノキシ基、メチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基およびナフチルオキシ基が特に好ましい。

    [A2基]
    A2基:下記の式(2)で示されるオリゴ(フェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基からなる群から選ばれる基。

    式(2)中、E 〜E はそれぞれ独立の置換基であって、水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基、並びに炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基およびアリール基から選ばれる少なくとも一種の基が置換されてもよい炭素数6〜20のアリール基から選ばれる基であり、かつ少なくとも一つが下記の式(3)で示されるオリゴ(フェニレンオキシ)基である。

    式(3)中、qは1〜50の整数を示し、Yはアクリルロイルオキシおよびメタクリロイルオキシ基から選ばれる不飽和カルボニルオキシ基であり、E 〜E は、それぞれ独立の置換基であって、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基およびアルケニル基、並びに炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基およびアリール基から選ばれる少なくとも一種の基が置換されてもよい炭素数6〜20のアリール基から選ばれる基である。

    式(3)で示される不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基のフェニレンオキシ基の繰り返し数qは、1から50であるが、使用される樹脂成分や要求される難燃性の程度によって、適宜選択することができる。 例えば、使用される樹脂成分が燃焼しやすい場合、一緒に使用する不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基置換環状ホスファゼン化合物のフェニレンオキシ基の繰り返し数が小さいもの(qが小さいもの)を選択してリン含有率を高めることができ、一方、使用される樹脂成分が燃焼しにくい場合、フェニレンオキシ基の繰り返し数が大きいもの(qが大きいもの)を選択してリン含有率を下げることができ、樹脂組成物の難燃性を適宜調整することができる。

    A2基の具体例として、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2−メチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−4−メチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−5−メチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2−メチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−3−メチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2−アリルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−4−アリルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−5−アリルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2−アリルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−3−アリルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−4−フェニルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−5−フェニルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−3−フェニルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,4−ジメチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,5−ジメチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,3−ジメチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,5−ジメチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−3,5−ジメチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,4,5−トリメチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,3,5−トリメチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2−メチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−4−メチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−5−メチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2−メチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−3−メチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2−アリルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−4−アリルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−5−アリルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2−アリルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−3−アリルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−4−フェニルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−5−フェニルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−3−フェニルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,4−ジメチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,5−ジメチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,3−ジメチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,5−ジメチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−3,5−ジメチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,4,5−トリメチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,3,5−トリメチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2−メチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−4−メチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−5−メチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2−メチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−3−メチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2−アリルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−4−アリルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−5−アリルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2−アリルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−3−アリルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−4−フェニルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−5−フェニルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−3−フェニルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,4−ジメチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,5−ジメチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,3−ジメチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,5−ジメチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−3,5−ジメチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,4,5−トリメチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,3,5−トリメチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2−メチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−4−メチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−5−メチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2−メチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−3−メチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2−アリルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−4−アリルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−5−アリルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2−アリルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−3−アリルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−4−フェニルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−5−フェニルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−3−フェニルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,4−ジメチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,5−ジメチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,3−ジメチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,5−ジメチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−3,5−ジメチルフェニルオキシ基およびメタクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,4,5−トリメチルフェニルオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つのものである。

    上述のA2基として、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−4−メチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−5−メチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−3−メチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,4−ジメチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,5−ジメチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,3−ジメチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−3,5−ジメチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,4,5−トリメチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,3,5−トリメチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−4−メチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−5−メチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−3−メチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,4−ジメチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,5−ジメチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,3−ジメチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−3,5−ジメチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,4,5−トリメチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,3,5−トリメチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−4−メチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−5−メチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−3−メチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,4−ジメチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,5−ジメチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,3−ジメチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−3,5−ジメチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,4,5−トリメチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,3,5−トリメチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−4−メチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−5−メチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−3−メチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,4−ジメチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,5−ジメチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,3−ジメチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−3,5−ジメチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,4,5−トリメチルフェニルオキシ基およびメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,3,5−トリメチルフェニルオキシ基が好ましく、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−4−メチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−5−メチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−3−メチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,4−ジメチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,5−ジメチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,3−ジメチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−3,5−ジメチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,4,5−トリメチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,3,5−トリメチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−4−メチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−5−メチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−3−メチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,4−ジメチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,5−ジメチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,3−ジメチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−3,5−ジメチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,4,5−トリメチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,3,5−トリメチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−4−メチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−5−メチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−3−メチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,4−ジメチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,5−ジメチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,3−ジメチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−3,5−ジメチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,4,5−トリメチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,3,5−トリメチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−4−メチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−5−メチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−3−メチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,4−ジメチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,5−ジメチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,3−ジメチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−3,5−ジメチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,4,5−トリメチルフェニルオキシ基およびメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,3,5−トリメチルフェニルオキシ基が特に好ましい。

    式(1)において、Aは、(2n+4)個含まれており、このうちの少なくとも一つがA2基である。 したがって、式(1)で表される本発明の不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物は、次の形態に大別することができる。

    [形態1]
    (2n+4)個の全てのAがA2基のものである。 この場合、Aは、全てが同じA2基であってもよいし、二種以上のA2基であってもよい。

    このような形態の不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基置換環状ホスファゼン化合物として好ましいものは、式(1)のnが1である不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有シクロトリホスファゼン化合物、式(1)のnが2である不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有シクロテトラホスファゼン化合物、式(1)のnが3である不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有シクロペンタホスファゼン化合物および式(1)のnが4である不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有シクロヘキサホスファゼン化合物であって、Aの全てが、アクリロイルオキシー3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−4−メチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−5−メチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−3−メチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,4−ジメチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,5−ジメチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,3−ジメチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−3,5−ジメチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,4,5−トリメチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,3,5−トリメチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−4−メチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−5−メチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−3−メチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,4−ジメチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,5−ジメチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,3−ジメチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−3,5−ジメチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,4,5−トリメチルフェニルオキシ基、アクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,3,5−トリメチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−4−メチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−5−メチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−3−メチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,4−ジメチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,5−ジメチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,3−ジメチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−3,5−ジメチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,4,5−トリメチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,3,5−トリメチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−4−メチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−5−メチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−3−メチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,4−ジメチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,5−ジメチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,3−ジメチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−3,5−ジメチルフェニルオキシ基、メタクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,4,5−トリメチルフェニルオキシ基およびメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,3,5−トリメチルフェニルオキシ基からなるA2基群から選ばれた一種のA2基であるもの、並びに当該A2基群から選ばれた二種以上のA2基であるものである。 また、この形態の不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物は、これらの好ましい不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物の任意の混合物であってもよい。

    [形態2]
    (2n+4)個のAのうちの一部(すなわち、少なくとも一つ)がA2基であり、他のAがA1基からなる群から選ばれた基のものである。 この場合、A2基以外の他のAは、全てが同じA1基であってもよいし、二種以上のA1基または二種以上のA1基が混在したものであってもよい。

    この形態の不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物として好ましいものは、式(1)のnが1である不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有シクロトリホスファゼン化合物、式(1)のnが2である不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有シクロテトラホスファゼン化合物、式(1)のnが3である不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有シクロペンタホスファゼン化合物および式(1)のnが4である不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有シクロヘキサホスファゼン化合物であって、(2n+4)個のAのうちの1個〜(2n+2)個がA2基のもの並びにこれらの任意の混合物が好ましい。 この種の不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物は、本発明の他の形態の不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物に比べ、高温信頼性および機械的強度(特に高いガラス転移温度)がより優れた樹脂成形体を実現可能な点において有利である。

    このような好ましい不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有ホスファゼン化合物の具体例としては、式(1)のnが1である不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有シクロトリホスファゼン化合物、式(1)のnが2である不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有シクロテトラホスファゼン化合物、式(1)のnが3である不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有シクロペンタホスファゼン化合物および式(1)のnが4である不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有シクロヘキサホスファゼン化合物であって、Aが、A2基であるアクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基と、A1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−4−メチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−5−メチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−3−メチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,4−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,5−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,3−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−3,5−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,4,5−トリメチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,3,5−トリメチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−4−メチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−5−メチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−3−メチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,4−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,5−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,3−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−3,5−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,4,5−トリメチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,3,5−トリメチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−4−メチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−5−メチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−3−メチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,4−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,5−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,3−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−3,5−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,4,5−トリメチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,3,5−トリメチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−4−メチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−5−メチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−3−メチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,4−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,5−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,3−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−3,5−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,4,5−トリメチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,3,5−トリメチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−4−メチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−5−メチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−3−メチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,4−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,5−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,3−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−3,5−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,4,5−トリメチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,3,5−トリメチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−4−メチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−5−メチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−3−メチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,4−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,5−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,3−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−3,5−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,4,5−トリメチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,3,5−トリメチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−4−メチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−5−メチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−3−メチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,4−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,5−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,3−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−3,5−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−3−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,4,5−トリメチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,3,5−トリメチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−4−メチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−5−メチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−3−メチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,4−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,5−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,3−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−3,5−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−3−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,4,5−トリメチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,3,5−トリメチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのものおよびこれらの任意の混合物を挙げることができる。

    このうち、式(1)のnが1である不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有シクロトリホスファゼン化合物、式(1)のnが2である不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有シクロテトラホスファゼン化合物、式(1)のnが3である不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有シクロペンタホスファゼン化合物、式(1)のnが4である不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有シクロヘキサホスファゼン化合物であって、Aが、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−3−メチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,3−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−3,5−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,3,5−トリメチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−3−メチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,3−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−3,5−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,3,5−トリメチルフェニルオキシ基と、A1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−3−メチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,3−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−3,5−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,3,5−トリメチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−3−メチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,3−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−3,5−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,3,5−トリメチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−3−メチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,3−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−3,5−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,3,5−トリメチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−3−メチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,3−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−3,5−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,3,5−トリメチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−3−メチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,3−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−3,5−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(メチルフェニレンオキシ)基置換−2,3,5−トリメチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−3−メチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,3−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−3,5−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,3,5−トリメチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのものおよびこれらの任意の混合物がさらに好ましい。

    特に、式(1)のnが1である不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有シクロトリホスファゼン化合物、式(1)のnが2である不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有シクロテトラホスファゼン化合物、式(1)のnが3である不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有シクロペンタホスファゼン化合物、式(1)のnが4である不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有シクロヘキサホスファゼン化合物であって、Aが、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−3−メチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,3−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−3,5−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,3,5−トリメチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−3−メチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,3−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−3,5−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるアクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,3,5−トリメチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのものA2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−3−メチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,3−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−3,5−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,3,5−トリメチルフェニルオキシ基とA1基であるフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−3−メチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,3−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−3,5−ジメチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのもの、A2基であるメタクリロイルオキシ−4−オリゴ(ジメチルフェニレンオキシ)基置換−2,3,5−トリメチルフェニルオキシ基とA1基であるメチルフェノキシ基との組み合わせのものおよびこれらの任意の混合物が好ましい。

    本発明の不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物は、通常数平均分子量が、1,000〜10,000のものが好ましい。 数平均分子量が10,000を超えるとリン含有率が低下してしまい、後述する樹脂成形体に対して十分な難燃性を付与することが困難になる可能性がある。 逆に、数平均分子量が1,000未満の場合は、不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物が十分に置換していない可能性があるため、後述する樹脂成分の誘電率および誘電正接が高くなり、良好な電気特性を示さない可能性がある。

    不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物の製造方法 本発明の不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物は、特定のオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物と、アクリル酸、メタクリル酸若しくはそれらの誘導体とを反応して製造することができる。 以下、代表的な製造方法を説明する。

    (特定のオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物)
    この製造において用いられるオリゴ(フェニレンオキシ基)含有環状ホスファゼン化合物は、例えば、下記の式(4)で表されるものである。

    式(4)中、mは1〜6の整数を示す。 また、Gは下記のG1基およびG2基からなる群から選ばれた基を示す。 但し、(2m+4)個のGのうち少なくとも一つがG2基である。 したがって、式(4)で示されるオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物は、GのすべてがG2基であるものと、GとしてG1基およびG2基の両方を備えたものの二種類がある。

    G1基:炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基およびアリール基から選ばれる少なくとも一種の基が置換されていてもよい、炭素数6〜20のアリールオキシ基。
    G2基:下記の式(5)で示されるオリゴ(フェニレンオキシ)基置換フェニルオキシ基からなる群から選ばれる基。


    式(5)中、E 10 〜E 14はそれぞれ独立の置換基であって、水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基、並びに炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基およびアリール基から選ばれる少なくとも一種の基が置換されてもよい炭素数6〜20のアリール基から選ばれる基であり、かつ少なくとも一つが下記の式(6)で示されるオリゴ(フェニレンオキシ)基である。

    式(6)中、tは1〜50の整数を示し、E 15 〜E 18は、それぞれ独立の置換基であって、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基およびアルケニル基、並びに炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基およびアリール基から選ばれる少なくとも一種の基が置換されてもよい炭素数6〜20のアリール基から選ばれる基である。

    本発明の製造方法において用いられる式(4)で示されるオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物は、種々の方法により製造することができる。 以下、代表的な製造方法を説明する。

    <製造方法P−1>
    この製造方法は、特定のヒドロキシ基含有環状ホスファゼン化合物と特定のポリフェニレンエーテルとをラジカル開始剤の存在下での再分配反応して、該当するオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物を製造する方法である。

    (特定のヒドロキシ基含有環状ホスファゼン化合物)
    この製造方法で用いられる特定のヒドロキシ基含有環状ホスファゼン化合物は、下記の式(7)で示されるものである。

    式(7)中、kは1〜6の整数を示す。 また、Qは下記のQ1基およびQ2基からなる群から選ばれた基を示す。 但し、(2k+4)個のQのうち少なくとも一つがQ2基である。 したがって、式(7)で示されるヒドロキシ基含有環状ホスファゼン化合物は、QのすべてがQ2基であるものと、QとしてQ1基およびQ2基の両方を備えたものの2種類がある。

    Q1基:炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基およびアリール基から選ばれる少なくとも一種の基が置換されていてもよい、炭素数6〜20のアリールオキシ基。

    このようなアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、メチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、エチルメチルフェノキシ基、ジエチルフェノキシ基、n−プロピルフェノキシ基、イソプロピルフェノキシ基、イソプロピルメチルフェノキシ基、イソプロピルエチルフェノキシ基、ジイソプロピルフェノキシ基、n−ブチルフェノキシ基、sec−ブチルフェノキシ基、tert−ブチルフェノキシ基、n−ペンチルフェノキシ基、n−ヘキシルフェノキシ基、エテニルフェノキシ基、1−プロペニルフェノキシ基、2−プロペニルフェノキシ基、イソプロペニルフェノキシ基、1−ブテニルフェノキシ基、sec−ブテニルフェノキシ基、1−ペンテニルフェノキシ基、1−ヘキセニルフェノキシ基、フェニルフェノキシ基、ナフチルオキシ基、アントリルオキシ基およびフェナントリルオキシ基等を挙げることができる。 このうち、フェノキシ基、メチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基、ジエチルフェノキシ基、2−プロペニルフェノキシ基、フェニルフェノキシ基およびナフチルオキシ基が好ましく、フェノキシ基、メチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基およびナフチルオキシ基が特に好ましい。

    Q2基:下記の式(8)で示されるヒドロキシ基置換フェニルオキシ基からなる群から選ばれる基。

    式(8)中、L 〜L はそれぞれ独立の置換基であって、少なくとも一つが水酸基であり、残りが水素原子、または炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基およびアリール基から選ばれる基である。

    このようなヒドロキシル基置換アリールオキシ基としては、例えば、3−ヒドロキシフェノキシ基、4−ヒドロキシフェノキシ基、2−メチル−3−ヒドロキシフェノキシ基、4−メチル−3−ヒドロキシフェノキシ基、5−メチル−3−ヒドロキシフェノキシ基、2−メチル−4−ヒドロキシフェノキシ基、3−メチル−4−ヒドロキシフェノキシ基、2,4−ジメチル−3−ヒドロキシフェノキシ基、2,5−ジメチル−3−ヒドロキシフェノキシ基、2,3−ジメチル−4−ヒドロキシフェノキシ基、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェノキシ基、2−エチル−3−ヒドロキシフェノキシ基、4−エチル−3−ヒドロキシフェノキシ基、5−エチル−3−ヒドロキシフェノキシ基、2−エチル−4−ヒドロキシフェノキシ基、3−エチル−4−ヒドロキシフェノキシ基、4−フェニル−3−ヒドロキシフェノキシ基、5−フェニル−3−ヒドロキシフェノキシ基、3−フェニル−4−ヒドロキシフェノキシ基、4−アリル−3−ヒドロキシフェノキシ基、5−アリル−3−ヒドロキシフェノキシ基および3−アリル−4−ヒドロキシフェノキシ基が挙げることができる。 このうち、4−ヒドロキシフェノキシ基、2−メチル−4−ヒドロキシフェノキシ基、3−メチル−4−ヒドロキシフェノキシ基、2,3−ジメチル−4−ヒドロキシフェノキシ基、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェノキシ基、2−エチル−4−ヒドロキシフェノキシ基、3−エチル−4−ヒドロキシフェノキシ基、3−フェニル−4−ヒドロキシフェノキシ基および3−アリル−4−ヒドロキシフェノキシ基が好ましく、4−ヒドロキシフェノキシ基、3−メチル−4−ヒドロキシフェノキシ基および3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェノキシ基が特に好ましい。

    このようなヒドロキシ基含有環状ホスファゼンの製造方法は、各種の文献や特許、例えば、非特許文献1および2、並びに特許文献12から14に記載されている。 これらの方法に従い、製造することができる。

    PHOSPHAZENES,A WORLDWIDE INSIGHT,M. GLERIA,R. DE JAEGER著,2004年刊,NOVA SCIENCE PUBLISHERS INC. Alessandro Medici,Giancarlo Fantin,Paola Pedrini,Mario Gleria,and Francesco Minto,Macromolecules,25(10),2569,1992

    特開昭58−219190号公報

    特開2007−153747号公報

    特開2010−37240号公報

    このようなヒドロキシ基含有環状ホスファゼン化合物としては、例えば、式(7)のkが1のヒドロキシ基含有シクロトリホスファゼン化合物、式(7)のkが2のヒドロキシ基含有シクロテトラホスファゼン化合物、式(7)のkが3のヒドロキシ基含有シクロペンタホスファゼン化合物および式(7)のkが4のヒドロキシ基含有シクロヘキサホスファゼン化合物であって、前記、[形態1]に該当する、Qのすべてが3−ヒドロキシフェノキシ基のもの、Qのすべてが4−ヒドロキシフェノキシ基のもの、Qのすべてが3−メチル−4−ヒドロキシフェノキシ基のものおよびQのすべてが3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェノキシ基のもの、並びに、前記、[形態2]に該当する、QがQ2基である3−ヒドロキシフェノキシ基とQ1基であるフェノキシ基のもの、QがQ2基である3−ヒドロキシフェノキシ基とQ1基であるメチルフェノキシ基のもの、QがQ2基である3−ヒドロキシフェノキシ基とQ1基であるジメチルフェノキシ基のもの、QがQ2基である3−ヒドロキシフェノキシ基とQ1基であるナフチルオキシ基のもの、QがQ2基である4−ヒドロキシフェノキシ基とQ1基であるフェノキシ基のもの、QがQ2基である4−ヒドロキシフェノキシ基とQ1基であるメチルフェノキシ基のもの、QがQ2基である4−ヒドロキシフェノキシ基とQ1基であるジメチルフェノキシ基のもの、QがQ2基である4−ヒドロキシフェノキシ基とQ1基であるナフチルオキシ基のもの、QがQ2基である3−メチル−4−ヒドロキシフェノキシ基とQ1基であるフェノキシ基のもの、QがQ2基である3−メチル−4−ヒドロキシフェノキシ基とQ1基であるメチルフェノキシ基のもの、QがQ2基である3−メチル−4−ヒドロキシフェノキシ基とQ1基であるジメチルフェノキシ基のもの、QがQ2基である3−メチル−4−ヒドロキシフェノキシ基とQ1基であるナフチルオキシ基のもの、QがQ2基である3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェノキシ基とQ1基であるフェノキシ基のもの、QがQ2基である3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェノキシ基とQ1基であるメチルフェノキシ基のもの、QがQ2基である3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェノキシ基とQ1基であるジメチルフェノキシ基のもの、QがQ2基である3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェノキシ基と、Q1基であるナフチルオキシ基のものおよびこれら任意の混合物が挙げられる。 このうち、式(7)のkが1のヒドロキシ基含有シクロトリホスファゼン化合物、式(7)のkが2のヒドロキシ基含有シクロテトラホスファゼン化合物および式(7)のkが3のヒドロキシ基含有シクロペンタホスファゼン化合物であって、前記、[形態1]に該当する、Qのすべてが4−ヒドロキシフェノキシ基のもの、Qのすべてが3−メチル−4−ヒドロキシフェノキシ基のものおよびQのすべてが3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェノキシ基のもの、並びに、前記、[形態2]に該当する、QがQ2基である4−ヒドロキシフェノキシ基とQ1基であるフェノキシ基のもの、QがQ2基である4−ヒドロキシフェノキシ基とQ1基であるメチルフェノキシ基のもの、QがQ2基である4−ヒドロキシフェノキシ基とQ1基であるジメチルフェノキシ基のもの、QがQ2基である3−メチル−4−ヒドロキシフェノキシ基とQ1基であるフェノキシ基のもの、QがQ2基である3−メチル−4−ヒドロキシフェノキシ基とQ1基であるメチルフェノキシ基のもの、QがQ2基である3−メチル−4−ヒドロキシフェノキシ基とQ1基であるジメチルフェノキシ基のもの、QがQ2基である3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェノキシ基とQ1基であるフェノキシ基のもの、QがQ2基である3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェノキシ基とQ1基であるメチルフェノキシ基のもの、QがQ2基である3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェノキシ基とQ1基であるジメチルフェノキシ基のものおよびこれら任意の混合物が好ましく、特に、式(7)のkが1のヒドロキシ基含有シクロトリホスファゼン化合物および式(7)のkが2のヒドロキシ基含有シクロテトラホスファゼン化合物であって、前記、[形態1]に該当する、Qのすべてが4−ヒドロキシフェノキシ基のもの、並びに、前記、[形態2]に該当する、QがQ2基である4−ヒドロキシフェノキシ基とQ1基であるフェノキシ基のもの、QがQ2基である4−ヒドロキシフェノキシ基とQ1基であるメチルフェノキシ基のもの、QがQ2基である3−メチル−4−ヒドロキシフェノキシ基とQ1基であるフェノキシ基のもの、QがQ2基である3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェノキシ基とQ1基であるフェノキシ基のものおよびこれらの任意の混合物が好ましい。

    (特定のポリフェニレンエーテル類)
    この製造方法で用いられる特定のポリフェニレンエーテル類は、下記の式(9)で示されるものである。

    式(9)において、rは30〜1,000の整数を示す。 また、L 〜L は、水素原子、または炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルケニル基および炭素数6〜20のアリール基から選ばれる基である。 炭素数6〜20のアリール基は、炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基およびアリール基から選ばれる少なくとも一種の基が置換されていてもよい。

    式(9)で示されるポリフェニレンエーテル類の具体例としては、その単独重合体として、ポリ(2−メチル−1,4−フェニレン)エーテル等のポリ(メチルフェニレン)エーテル類、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル等のポリ(ジメチルフェニレン)エーテル類、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)エーテル等のポリ(メチルエチルフェニレン)エーテル類、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル等のポリ(ジエチルフェニレン)エーテル類、ポリ(2−エチル−6−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル等のポリ(エチルプロピルフェニレン)エーテル類、ポリ(2,6−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル等のポリ(ジプロピルフェニレン)エーテル類、ポリ(2−メチル−6−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル等のポリ(メチルプロピルフェニレン)エーテル類、ポリ(2−メチル−6−n−ブチル−1,4−フェニレン)エーテル等のポリ(メチルブチルフェニレン)エーテル類、ポリ(2−メチル−6−イソプロピル−1,4−フェニレン)エーテル等のポリ(メチルイソプロピルフェニレン)エーテル類、ポリ(2−エチル−6−イソプロピル−1,4−フェニレン)エーテル等のポリ(エチルイソプロピルフェニレン)エーテル類およびポリ(2−メチル−6−ヒドロキシエチル−1,4−フェニレン)エーテル等のポリ(メチルヒドロキシエチルフェニレン)エーテル類などのホモポリマーが挙げられる。 また、フェニレンエーテル構造を主単量体単位とする共重合体として、2,6−ジメチルフェノールとo−クレゾールとの共重合体並びに2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールおよびo−クレゾールとの共重合体が挙げられる。

    この中で、ポリ(2−メチル−1,4−フェニレン)エーテル等のポリ(メチルフェニレン)エーテル類、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル等のポリ(ジメチルフェニレン)エーテル類、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)エーテル等のポリ(メチルエチルフェニレン)エーテル類、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル等のポリ(ジエチルフェニレン)エーテル類および2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールおよびo−クレゾールとの共重合体が好ましく、ポリ(2−メチル−1,4−フェニレン)エーテル等のポリ(メチルフェニレン)エーテル類およびポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル等のポリ(ジメチルフェニレン)エーテル類が特に好ましい。

    また、特定のポリフェニレンエーテル類としては、2−(ジアルキルアミノメチル)−6−メチルフェニレンエーテルユニットや2−(N−アルキル−N−フェニルアミノメチル)−6−メチルフェニレンエーテルユニット等の官能基を有するフェニレンエーテルユニットを部分構造として含んでいるポリフェニレンエーテル類を用いることもできる。 このポリフェニレンエーテル類は式(9)で示されるポリフェニレンエーテル類と併用されてもよい。

    さらに、特定のポリフェニレンエーテル類としては、ラジカル開始剤の存在下での再分配反応を阻害しないものであれば、ポリフェニレンエーテル類の一部または全部が、エポキシ基、アミノ基、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、またはシリル基で官能化された変性ポリフェニレンエーテル類も用いることができる。 これらは2種類以上のものが併用されてもよい。 官能化された変性ポリフェニレンエーテル類の製造方法は、本発明の効果が得られるものであれば特に規定はない。 例えば、ラジカル開始剤の存在下または非存在下において、ポリフェニレンエーテル類に不飽和カルボン酸やその官能的誘導体を溶融混練して反応させることによって製造ができる。 また、ポリフェニレンエーテル類と不飽和カルボン酸やその官能誘導体とをラジカル開始存在下または非存在下で有機溶剤に溶かし、溶液下で反応させることによって製造することもできる。

    (オリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物の製造)
    オリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物は上述の特定のヒドロキシル基含有環状ホスファゼン化合物と、上述の特定のポリフェニレンエーテル類とをラジカル開始剤存在下において反応させることで製造することができる。

    この反応では、ポリフェニレンエーテル類がラジカル開始剤によりラジカル化され、また、そのラジカル化されたポリマー鎖が再分配反応によって切断されて活性化されたオリゴフェニレンエーテルが生成する。 このオリゴフェニレンエーテルは、ヒドロキシ基含有環状ホスファゼン化合物のヒドロキシ基と反応する。 これにより、目的のオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物を得ることができる。

    ここで用いられるラジカル開始剤は、種類が特に限定されるものではないが、例えば、各種の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリルやアゾビスイソバレロニトリル等のアゾ系化合物、および2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン(例えば、日本油脂株式会社の商品名「ビスクミル」)などを挙げることができる。 このうち、有機過酸化物を用いるのが好ましい。

    好ましい有機過酸化物としては、例えば、パーオキシエステル、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシケタールおよびシリルパーオキサイド等をあげることができる。

    パーオキシエステルとしては、例えば、クミルパーオキシネオデカエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシノエデカノエート、tert−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、L−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、L−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、tert−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tert−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサンtert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、tert−ヘキシルパーオキシベンゾエートおよびtert−ブチルパーオキシアセテート等を挙げることができる。

    ジアルキルパーオキサイドとしては、例えば、α,α'−ビス(tert−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3,2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサンおよびtert−ブチルクミルパーオキサイド等を挙げることができる。

    ハイドロパーオキサイドとしては、例えば、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドおよびクメンハイドロパーオキサイド等を挙げることができる。

    ジアシルパーオキサイドとしては、例えば、イソブチルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、スクシニックパーオキサイド、ベンゾイルパーオキシトルエンおよびベンゾイルパーオキサイド等を挙げることができる。

    パーオキシジカーボネートとしては、例えば、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシメトキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシルパーオキシ)ジカーボネート、ジメトキシブチルパーオキシジカーボネートおよびジ(3−メチル−3−メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネート等を挙げることができる。

    パーオキシケタールとしては、例えば、1,1−ビス(tert−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−(tert−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、および2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)デカン等を挙げることができる。

    シリルパーオキサイドとしては、例えば、tert−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、ビス(tert−ブチル)ジメチルシリルパーオキサイド、tert−ブチルトリビニルシリルパーオキサイド、ビス(tert−ブチル)ジビニルシリルパーオキサイド、トリス(tert−ブチル)ビニルシリルパーオキサイド、tert−ブチルトリアリルシリルパーオキサイド、ビス(tert−ブチル)ジアリルシリルパーオキサイドおよびトリス(tert−ブチル)アリルシリルパーオキサイド等を挙げることができる。

    これらのうち、特に好ましいものは、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3,2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチル)ヘキサンおよびα,α'−ビス(tert−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼンである。

    なお、有機過酸化物はそれぞれ単独で用いることができるが、2種以上のものを併用することもできる。

    この反応において、ヒドロキシ基含有環状ホスファゼン化合物の使用量は、ポリフェニレンエーテル類の100重量部に対して1〜300重量部に設定するのが好ましい。 ヒドロキシ基含有ホスファゼン化合物の使用量が300重量部を超える場合は、再分配反応が進行しすぎることから生成するオリゴフェニレンエーテルの数平均分子量が低下し、目的のオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物、すなわち、所定のG2基を備えたオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物が得られない可能性がある。 逆にヒドロキシ基含有環状ホスファゼン化合物の使用量が1重量部未満の場合は、再分配反応が十分進行しにくくなることから、生成するオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物、すなわち、所定のG2基を備えたオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物が得られない可能性がある。

    また、ラジカル開始剤の使用量は、ポリフェニレンエーテル類の100重量部に対して1〜30重量部に設定するのが好ましい、ラジカル開始剤の使用量が30重量部を超える場合は、再分配反応が進行しすぎることから生成するオリゴフェニレンエーテルの数平均分子量が低下し、オリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物、すなわち、所定のG2基を備えたオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物が得られない可能性がある。 逆に、ラジカル開始剤の使用量が1重量部未満の場合は、再分配反応が十分進行しにくくなることから生成するオリゴフェニレンエーテルの数平均分子量が大きくなり、目的のオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物、すなわち、所定のG2基を備えたオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物が得られない可能性がある。

    この反応は、通常、溶媒中で行うことができ、反応温度を80〜120℃に、また、反応時間を10〜180分間に設定するのが好ましい。 溶媒としては、例えば、トルエン、ベンゼンおよびキシレン等の芳香族炭化水素系溶媒やクロロホルム等を用いることができる。

    この製造方法においては、上述の再分配反応のためにポリフェニレンエーテル類(ホモポリマー)が生成し、その微量がオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物に混入する可能性がある。 このようなポリフェニレンエーテル類が混入していても、後述するエポキシ化反応に支障をなく用いることができるが、支障があればポリフェニレンエーテル類を取り除いて用いるのが好ましい。 オリゴ(フェニレンオキシ)基含有ホスファゼン化合物に混入しているポリフェニレンエーテル類を除去するための方法としては、例えば、分子量の差による限外濾過、溶解性の差による分別沈殿および蒸気圧の差による分子蒸留等が挙げられる。

    <製造方法P−2>
    本発明のオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物は、上記の製造方法P−1により製造できるが、一般的なポリフェニレンエーテル樹脂の製造方法に基づいて製造することができる。 この方法では、芳香族炭化水素溶媒または芳香族炭化水素とアルコールとの混合溶媒中において、製造方法P−1において用いられるものと同様のヒドロキシ基含有環状ホスファゼン化合物と、下記の一価のフェノール化合物とを、銅、マンガンまたはコバルトを含有する錯体触媒存在下で酸化重合することで、目的のオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物を製造することができる。

    ここで用いられる一価のフェノール化合物は、ヒドロキシ基含有環状ホスファゼン化合物のヒドロキシ基との反応および酸化重合により所定のG2基を形成可能なものであり、例えば、o−クレゾール、2,6−ジメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール、2−エチルフェノール、2−メチル−6−エチルフェノール、2,6−ジエチルフェノール、2−n−プロピルフェノール、2−エチル−6−n−プロピルフェノール、2−メチル−6−クロロフェノール、2−メチル−6−ブロモフェノール、2−メチル−6−イソプロピルフェノール、2−メチル−6−n−プロピルフェノール、2−エチル−6−ブロモフェノール、2−エチル−6−ブチルフェノール、2,6−ジ−n−プロピルフェノール、2−エチル−6−クロロフェノール、2−エチル−6−フェニルフェノール、2−フェニルフェノール、2,6−ジフェニルフェノール、2,6−ビス(4−フルオロフェニル)フェノール、2−メチル−6−トリルフェノールおよび2,6−ジトリルフェノール等を挙げることができる。 これらのフェノール化合物は2種以上のものを併用することもできる。

    また、酸化重合の時に用いられるアミン類としては、例えば、ジイソプロピルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジ−tert−ブチルアミン、ジ−tert−アリルアミン、ジシクロペンチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジフェニルアミン、p,p'−ジトリルアミン、m,m'−ジトリルアミン、エチル−tert−ブチルアミン、N,N'−ジ−tert−ブチルエチレンジアミン、メチルシクロヘキシルアミン、メチルフェニルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、n−ブチルジメチルアミン、ベンジルジメチルアミン、フェニルジメチルアミン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、トリフェニルアミン、N,N−ジメチルピペラジン、ピリジン、メチルピリジンおよび2,6−ジメチルピリジン等を挙げることができる。 これらのアミン類は2種以上のものを併用することができる。

    この製造方法は、オリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物にポリフェニレンエーテル類などが混入する可能性が低いため、前述の方法に比べて純度の高いオリゴ(フェニレンオキシ)基含有ホスファゼン化合物を製造することができる。

    <製造方法P−3>
    本発明のオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物は、芳香族炭化水素溶媒中において、水酸化ナトリウム水溶液、テトラブチルアンモニウム水素サルフェート等の相間移動触媒および空気の存在下で製造方法P−1において用いられるものと同様のヒドロキシ基含有環状ホスファゼン化合物とハロフェノール化合物とを反応することで製造することもできる。

    ここで用いられるハロフェノール化合物は、ヒドロキシ基含有環状ホスファゼン化合物のヒドロキシ基との反応および酸化重合により所定のA2基を形成可能なものであり、例えば、4−ブロモ−2−メチルフェノールや4−ブロモ−2,6−ジメチルフェノールを挙げることができる。 ハロフェノール化合物は、2種以上のものを併用することもできる。

    この製造方法は、目的物であるオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物にポリフェニレンエーテル類などが混入する可能性が低いため、製造方法P−1に比べて純度の高いオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物を製造することができる。

    (不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物の製造方法)
    不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物は、上述の製造方法にて得られたオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物とアクリル酸、メタクリル酸およびそれらの誘導体から選ばれる少なくとも一種の化合物とを反応させることで製造することができる。

    オリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物のヒドロキシ基をアクリロイルオキシ基若しくはメタクリロイルオキシ基に変換するための方法、すなわち、カルボン酸エステルの製造方法は、オリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物とアクリル酸およびメタクリル酸とを、塩酸および硫酸等の鉱酸、ベンゼンスルホン酸およびp−トルエンスルホン酸等の有機酸、塩化スズ、塩化亜鉛、塩化第二鉄および塩化アルミニウム等の金属ハロゲン化物等の触媒存在下、またはジシクロヘキシルカルボジイミド等の脱水縮合剤存在下で反応させることで得られる。 ここで用いる触媒および脱水縮合剤は一種または二種以上組み合わせてもよい。 また、オリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物とアクリル酸ハライドおよびメタクリル酸ハライドをトリエチルアミン、ピリジン等の第三級アミン類、炭酸カリウムおよび炭酸ナトリウム等のアルカリ金属塩等の塩基または合成ゼオライト等の吸着剤存在下で反応させることでも得られる。 その際、4−ジメチルアミノピリジン等の反応促進剤やメトキノン等の重合禁止剤を用いてもよい。

    上述のオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物とアクリル酸、メタクリル酸若しくはそれらの誘導体とを反応させる際の反応温度は、上述のいずれの方法によるか、或いは、反応生成物の熱安定性を考慮して適宜設定することができる。 但し、溶媒を用いて反応する場合は、通常、−20℃から溶媒の沸点までの温度範囲に反応温度を設定するのが好ましい。 一方、無溶媒で当該反応を実施する場合、反応温度は40から200℃の範囲に設定するのが好ましい。

    このようなオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物とアクリル酸若しくはメタクリル酸およびその誘導体との反応により得られる、目的とする不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物は、濾過、溶媒抽出、カラムクロマトグラフィーおよび再沈殿等通常の方法によって反応系から単離精製することができる。

    樹脂組成物 本発明の樹脂組成物は、本発明の不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物からなる難燃剤と樹脂成分とを含むものである。 本発明の不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物からなる難燃剤は、一種類のものが用いられてもよいし、二種以上のものが併用されてもよい。 また、樹脂成分としては、各種の熱可塑性樹脂若しくは熱硬化性樹脂を使用することができる。 これらの樹脂成分は、天然のものであってもよいし、合成のものであってもよい。

    ここで利用可能な熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリエチレン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、スチレン樹脂、耐衝撃性ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン樹脂(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン樹脂(MBS樹脂)、メチルメタクリレート−アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(MABS樹脂)、アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン樹脂(AAS樹脂)、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル(PPE)、変性ポリフェニレンエーテル、脂肪族系ポリアミド、芳香族系ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリチオエーテルスルホン、ポリエーテルスルホン並びに液晶ポリマー等を挙げることができる。 変性ポリフェニレンエーテルとしては、ポリフェニレンエーテルの一部または全部に、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、水酸基、無水ジカルボキシル基などの反応性官能基をグラフト反応や共重合など何らかの方法で導入したものが用いられる。 なお、本発明の樹脂組成物を電子機器用途、特に、OA機器、AV機器、通信機器および家電製品用の筐体や部品用の材料として用いる場合は、熱可塑性樹脂としてポリエステル樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル若しくはポリアミド等を用いるのが好ましい。

    一方、ここで利用可能な熱硬化性樹脂の具体例としては、ポリウレタン、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコン樹脂、オキセタン樹脂、ビスマレイミド樹脂、シアネートエステル樹脂、ポリベンズイミダゾール、ポリカルボジイミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミドおよびポリエステルイミド等のポリイミド系樹脂並びにエポキシ樹脂等を挙げることができる。 なお、本発明の樹脂組成物を電子部品用途、特に、各種IC素子の封止材、配線板の基板材料、層間絶縁材料や絶縁性接着材料等の絶縁材料、導電材料および表面保護材料として用いる場合は、熱硬化性樹脂として、ポリウレタン、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ビスマレイミド樹脂、シアネートエステル樹脂、ポリイミド系樹脂若しくはエポキシ樹脂等を用いるのが好ましい。

    上述の各種樹脂成分は、それぞれ単独で用いられてもよいし、必要に応じて二種以上のものが併用されてもよい。

    本発明の樹脂組成物において、不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物からなる難燃剤の使用量は、樹脂成分の種類、樹脂組成物の用途等の各種条件に応じて適宜設定することができるが、通常、固形分換算での樹脂成分100重量部に対して0.1〜50重量部に設定するのが好ましく、0.5〜40重量部に設定するのがより好ましく、1〜30重量部に設定するのがさらに好ましい。 不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物からなる難燃剤の使用量が0.1重量部未満の場合は、当該樹脂組成物からなる樹脂成形体が十分な難燃性を示さないおそれがある。 逆に、50重量部を超えると、樹脂成分本来の特性を損ない、当該特性による樹脂成形体が得られなくなるおそれがある。

    また、本発明の樹脂組成物は、樹脂成分の種類や樹脂組成物の用途等に応じ、その目的とする物性を損なわない範囲で、各種の添加剤を配合することができる。 利用可能な添加剤としては、例えば、天然シリカ、焼成シリカ、合成シリカ、アモルファスシリカ、ホワイトカーボン、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、ホウ酸亜鉛、錫酸亜鉛、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化モリブデン、モリブデン酸亜鉛、天然マイカ、合成マイカ、アエロジル、カオリン、クレー、タルク、焼成カオリン、焼成クレー、焼成タルク、ウオラストナイト、ガラス短繊維、ガラス微粉末、中空ガラスおよびチタン酸カリウム繊維等の無機充填剤、アラミド繊維またはポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール繊維等の有機繊維、シランカップリング剤などの充填材の表面処理剤、ワックス類、脂肪酸およびその金属塩、酸アミド類およびパラフィン等の離型剤、塩素化パラフィン、リン酸エステル、縮合リン酸エステル、リン酸アミド、リン酸アミドエステル、ホスフィネート、ホスフィネート塩、リン酸アンモニウムおよび赤リン等のリン系難燃剤、メラミン、メラミンシアヌレート、メラム、メレム、メロンおよびサクシノグアナミン等の窒素系難燃剤、シリコーン系難燃剤並びに臭素系難燃剤等の難燃剤、三酸化アンチモン等の難燃助剤、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のドリッピング防止剤、ベンゾトリアゾールなどの紫外線吸収剤、ヒンダートフェノール、スチレン化フェノールなどの酸化防止剤、チオキサントン系などの光重合開始剤、スチルベン誘導体などの蛍光増白剤、硬化剤、染料、顔料、着色剤、光安定剤、光増感剤、増粘剤、滑剤、消泡剤、レベリング剤、光沢剤、重合禁止剤、チクソ性付与剤、可塑剤並びに帯電防止剤等を挙げることができる。

    さらに、本発明の樹脂組成物は、熱重合性モノマー、熱重合性オリゴマー、光重合性モノマー、光重合性オリゴマー、放射線重合性モノマーおよび放射線重合性オリゴマーからなる重合性材料群から選ばれた少なくとも一つの重合性材料をさらに含んでいてもよい。 この場合、本発明の樹脂組成物は、これらの重合性材料と本発明の不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物からなる難燃剤との重合作用により、熱、紫外線、可視光線などの電磁波および電子ビーム等の電子線などのエネルギー線の照射により硬化させることができる。

    ここで用いられる上述の重合性材料としては、例えば、ビニル系化合物、ビニリデン系化合物、ジエン化合物、ラクトン、ラクタムおよび環状エーテル等の環状化合物、アクリル系化合物並びにエポキシ系化合物が挙げられる。 より具体的には、塩化ビニル、ブタジエン、スチレン、耐衝撃性ポリスチレン前駆体、アクリロニトリル−スチレン樹脂(AS樹脂)前駆体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)前駆体、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン樹脂(MBS樹脂)前駆体、メチルメタクリレート−アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(MABS樹脂)前駆体、アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン樹脂(AAS樹脂)前駆体、メチル(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート樹脂前駆体、エポキシ化油アクリレート樹脂前駆体、ウレタンアクリレート樹脂前駆体、ポリエステルアクリレート樹脂前駆体、ポリエーテルアクリレート樹脂前駆体、アクリルアクリレート樹脂前駆体、不飽和ポリエステル樹脂前駆体、ビニル/アクリレート樹脂前駆体、ビニルエーテル系樹脂前駆体、ポリエン/チオール樹脂前駆体、シリコンアクリレート樹脂前駆体、ポリブタジエンアクリレート樹脂前駆体、ポリスチリル(エチル)メタクリレート樹脂前駆体、ポリカーボネートアクリレート樹脂前駆体、光または熱硬化性ポリイミド樹脂前駆体、光または熱硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂前駆体、光または熱硬化性ケイ素含有樹脂前駆体、光または熱硬化性エポキシ樹脂前駆体、脂環式エポキシ樹脂前駆体、グリシジルエーテルエポキシ樹脂前駆体等を挙げることができる。 このうち、スチレン、ブタジエン、エポキシアクリレート樹脂前駆体、ウレタンアクリレート樹脂前駆体およびポリエステルアクリレート樹脂前駆体等が好ましい。 これらの重合性材料は、それぞれ単独で用いられてもよいし、二種以上が併用されてもよい。

    本発明の樹脂組成物を電気・電子分野用の材料、具体的には、LSI等の電子部品の封止剤や基板等に用いる場合、樹脂成分は、エポキシ樹脂が好ましい。 利用可能なエポキシ樹脂は、電気、電子分野において通常用いられている各種のものであり、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂およびナフトールノボラック型エポキシ樹脂等の、フェノール類とアルデヒド類との反応により得られるノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール−A型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノール−A型エポキシ樹脂、ビスフェノール−F型エポキシ樹脂、ビスフェノール−AD型エポキシ樹脂、ビスフェノール−S型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、アルキル置換ビフェノール型エポキシ樹脂、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン等のフェノール類とエピクロルヒドリンとの反応により得られるフェノール型エポキシ樹脂、トリメチロールプロパン、オリゴプロピレングリコールおよび水添ビスフェノール−A等のアルコール類とエピクロルヒドリンとの反応により得られる脂肪族エポキシ樹脂、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸若しくはフタル酸とエピクロルヒドリン若しくは2−メチルエピクロルヒドリンとの反応により得られるグリシジルエステル系エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタンやアミノフェノール等のアミンとエピクロルヒドリンとの反応により得られるグリシジルアミン系エポキシ樹脂、イソシアヌル酸等のポリアミンとエピクロルヒドリンとの反応により得られる複素環式エポキシ樹脂、グリシジル基を有するホスファゼン化合物、エポキシ変性ホスファゼン樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂並びにウレタン変性エポキシ樹脂等が挙げられる。 これらの中でも、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール−A型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂およびトリス(ヒドロキシフェニル)メタンとエピクロルヒドリンとの反応により得られるフェノール型エポキシ樹脂が好ましい。 これらのエポキシ樹脂は、それぞれ単独で使用してもよいし、二種以上のものが併用されてもよい。

    樹脂成分として上述のエポキシ樹脂を用いる場合(以下、「エポキシ樹脂組成物」という場合がある)、本発明の不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物からなる難燃剤がエポキシ樹脂組成物中に占める割合は、0.1〜80重量%が好ましく、0.5〜70重量%がより好ましい。 不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物からなる難燃剤の割合が0.1重量%未満の場合は、当該エポキシ樹脂組成物からなる樹脂成形体が十分な難燃性を示さないおそれがある。 逆に、80重量%を超えると、エポキシ樹脂成分本来の特性を損ない、当該特性による樹脂成形体が得られなくなるおそれがある。

    エポキシ樹脂組成物は、通常、硬化剤を含んでいる。 硬化剤は、エポキシ樹脂用の硬化剤として用いられるものであれば種類が特に限定されるものではないが、例えば、脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミンおよびポリアミドポリアミン等のポリアミン系硬化剤、無水ヘキサヒドロフタル酸および無水メチルテトラヒドロフタル酸等の酸無水物系硬化剤、フェノールノボラックおよびクレゾールノボラック等のフェノール系硬化剤、水酸基を有するホスファゼン化合物、三フッ化ホウ素等のルイス酸およびそれらの塩類並びにジシアンジアミド類等を挙げることができる。 これらは、それぞれ単独で用いてもよく、二種以上併用してもよい。

    エポキシ樹脂組成物において、硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して0.5〜1.5当量になるよう設定するのが好ましく、0.6〜1.2当量になるよう設定するのがより好ましい。

    硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物は、硬化促進剤を含んでいてもよい。 利用可能な硬化促進剤は、公知の種々のものであり、特に限定されるものではないが、例えば、2−メチルイミダゾールおよび2−エチルイミダゾール等のイミダゾール系化合物、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール等の第3アミン系化合物、トリフェニルホスフィン化合物等を挙げることができる。 硬化促進剤を用いる場合、その使用量は、エポキシ樹脂100重量部に対して0.01〜15重量部に設定するのが好ましく、0.1〜10重量部に設定するのがより好ましい。

    エポキシ樹脂組成物は、必要に応じて公知の反応性希釈剤や添加剤が配合されていてもよい。 利用可能な反応性希釈剤は、特に限定されるものではないが、例えば、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテルおよびアリルグリシジルエーテル等の脂肪族アルキルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレートおよび3級カルボン酸グリシジルエステル等のアルキルグリシジルエステル、スチレンオキサイドおよびフェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、p−s−ブチルフェニルグリシジルエーテルおよびノニルフェニルグリシジルエーテル等の芳香族アルキルグリシジルエーテル等を挙げることができる。 これらの反応性希釈剤は、それぞれ単独で用いられてもよいし、二種以上が併用されてもよい。 一方、添加剤としては、既述のようなものを用いることができる。

    上述のエポキシ樹脂組成物等の本発明の樹脂組成物は、各成分を均一に混合することにより得られる。 この樹脂組成物は、樹脂成分に応じて100〜250℃程度の温度範囲で1〜36時間放置すると、充分な硬化反応が進行し、硬化物を形成する。 例えば、エポキシ樹脂組成物は、通常、150〜250℃の温度で2〜15時間放置すると、充分な硬化反応が進行し、硬化物を形成する。 このような硬化過程において、本発明の不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物からなる難燃剤は、樹脂成分とともに反応、架橋し、硬化物中において安定に保持されることになるため、当該硬化物の高温信頼性を損ないにくい。 また、本発明の不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物からなる難燃剤は、そのような硬化物の機械的特性(特に、ガラス転移温度)を損なわずに、その難燃性を高めることができ、また、硬化物に対して低発煙性を付与することができる。 このため、本発明の樹脂組成物は、各種の樹脂成形体の製造用材料、塗料用、接着剤用およびその他の用途用として、広く用いることができる。 特に、本発明の樹脂組成物は、半導体封止用や回路基板(特に、金属張り積層板、プリント配線板用基板、プリント配線板用接着剤、プリント配線板用接着剤シート、プリント配線板用絶縁性回路保護膜、プリント配線板用導電ペースト、多層プリント配線板用封止剤、回路保護剤、カバーレイフィルム、カバーインク)形成用等の電気・電子部品の製造用材料として好適である。

    重合性組成物 本発明の重合性組成物は、本発明の不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物からなる難燃剤を含んでいる。 ここで用いられる不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物からなる難燃剤は、二種以上のものであってもよい。

    この重合性組成物は、通常、加熱または紫外線若しくは電子線などのエネルギー線の照射により、不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物からなる難燃剤の間での重合が進行し、重合体が得られる。 この重合性組成物を加熱により重合させる場合、重合開始剤を用いるのが好ましい。 ここで用いられる重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイドおよびジイソプロピルパーオキシジカーボネート等の過酸化物、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキシルニトリル、アゾビスシアノ吉草酸および2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等のアゾ系化合物等を挙げることができる。 重合性組成物を加熱により重合させる場合は、通常、有機溶媒中に不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物からなる難燃剤を添加し、これに重合開始剤を添加して加熱するこで重合反応を進行させる。 そして、反応終了後、溶媒および重合開始剤を濃縮・洗浄等の操作で除去すると、目的の重合体を得ることができる。 例えば、アクリロイルオキシ基若しくはメタクリロイルオキシ基を有する不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物からなる難燃剤の重合体を得る場合は、ベンゼン、トルエン、キシレン、エーテル、テトラヒドロフラン等の有機溶媒中において、ベンゾイルパーオキサイドを重合開始剤として使用し、50℃から溶媒の還流下の温度で1〜20時間反応を行う。 そして、反応終了後、溶媒および重合開始剤を濃縮・洗浄等の操作で除去すると、目的の重合体を得ることができる。

    一方、この重合性組成物をエネルギー線の照射により重合させる場合、光重合開始剤と、必要に応じて増感剤を用いるのが好ましい。 ここで用いられる光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、スルホニウム系光重合開始剤およびヨードニウム系光重合開始剤等を挙げることができる。 また、増感剤としては、例えば第三級アミン等が用いられる。 重合性組成物をエネルギー線の照射により重合させる場合は、通常、重合性組成物に対して光重合開始剤および必要に応じて増感剤を添加し、これに対して各種のエネルギー線を照射すると、目的の重合物を得ることができる。 例えば、アクリロイルオキシ基若しくはメタクリロイルオキシ基を有する不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物からなる難燃剤の重合物を得る場合は、重合性組成物に対してベンゾフェノンを光重合性開始剤として添加し、400ワットの高圧水銀ランプで紫外線を30秒間照射すると、目的の重合体を得ることが出来る。

    本発明の重合性組成物は、必要に応じ、本発明の不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物からなる難燃剤と共重合可能な他の重合性材料を含んでいてもよい。 ここで用いられる重合性材料は、特に限定されるものではないが、通常、芳香族ビニルモノマー、極性官能基含有ビニルモノマーおよびビニルエーテルモノマーなどのビニル基を有する化合物が好ましく用いられる。 これらの重合性材料は、二種以上のものが併用されてもよい。 芳香族ビニルモノマーとしては、例えば、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレンおよびブロモスチレン等が挙げられる。 このうち、スチレンが特に好ましい。 極性官能基含有ビニルモノマーとしては、例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、アクリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸メチル、メタアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタアクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタアクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタアクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、メタアクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、メタアクリル酸ノニル、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタアクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ビニルおよびメタアクリル酸ビニル等のアクリル酸エステル若しくはメタアクリル酸エステル並びに酢酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニルおよびステアリン酸ビニル等のビニルエステル等が挙げられる。 このうち、アクリロニトリル、アクリル酸メチルおよびメタアクリル酸メチルが特に好ましい。 ビニルエーテルモノマーとしては、通常、ジビニルエーテル類を用いるのが好ましい。

    さらに、本発明の重合性組成物は、必要に応じて公知の反応性希釈剤や添加剤を含んでいてもよい。 利用可能な反応性希釈剤は、特に限定されるものではないが、例えば、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテルおよびアリルグリシジルエーテル等の脂肪族アルキルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレートおよび3級カルボン酸グリシジルエステル等のアルキルグリシジルエステル、スチレンオキサイド、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、p−s−ブチルフェニルグリシジルエーテルおよびノニルフェニルグリシジルエーテル等の芳香族アルキルグリシジルエーテル等を挙げることができる。 これらの反応性希釈剤は、それぞれ単独で用いられてもよいし、二種以上が併用されてもよい。 一方、本発明の樹脂組成物において用いられるものと同様のものを用いることができる。

    なお、本発明の重合性組成物は、各成分を均一に混合することにより得られる。

    本発明の重合性組成物は、通常、150〜250℃の温度で2〜15時間加熱すると充分な硬化反応が進行し、硬化物(重合体)になるため、樹脂成形体を製造するための材料になり得る。 このようにして得られる硬化物は、耐熱特性、電気特性、機械的特性(特に、高いガラス転移温度および密着性)および高温信頼性に優れており、また、不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物からなる難燃剤に基づく優れた難燃性および低発煙性を示す。 このため、この重合性組成物は、各種の樹脂成形体の製造用材料、塗料用、接着剤用およびその他の用途用として、広く用いることができる。 特に、この重合性組成物は、半導体封止用や回路基板(特に、金属張り積層板、プリント配線板用基板、プリント配線板用接着剤、プリント配線板用接着剤シート、プリント配線板用絶縁性回路保護膜、プリント配線板用導電ペースト、多層プリント配線板用封止剤、回路保護剤、カバーレイフィルム、カバーインク)形成用等の電気・電子部品の製造用材料として好適である。

    以下に実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。 なお、以下において、「unit mol」の「unit」は、環状ホスファゼン化合物の最小構成単位、例えば、一般式(1)については(PNA )を意味し、一般式(4)については(PNG )を意味する。 一般式(7)において、Qが塩素の場合、その1unit molは115.87gである。 また、以下においては、特に断りがない限り、「%」および「部」とあるのは、それぞれ「重量%」および「重量部」を意味する。

    合成例および実施例等で得られたホスファゼン化合物は、 H−NMRスペクトルおよび31 P−NMRスペクトルの測定、CHN元素分析、IRスペクトルの測定、アルカリ溶融後の硝酸銀を用いた電位差滴定法による塩素元素(残留塩素)の分析、マイクロウエーブ湿式分解後のICP−AESによるリン元素の分析並びにTOF−MS分析の結果に基づいて同定した。 また、分子量(数平均分子量)は、JIS K7252−2008「プラスチック−サイズ排除クロマトグラフィーによる高分子の平均分子量及び分子量分布の求め方」に従い、Waters社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー「2695」、東ソー株式会社製のカラム「TSKgel Super HZM−M」(2本)およびWaters社製示差屈折計(DRI detector:商品名「2414」)を使用して、40℃にてテトラヒドロフラン0.25mL/分の条件で測定した。 ここで、測定対象物質の分子量は、6種類の標準ポリスチレン(分子量1,110,000、397,000、98,900、17,100、5,870および1,010)を用いて作成した較正曲線から算出した。

    また、オリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物の水酸基当量は以下の方法で測定した。

    水酸基当量(g/eq.:1当量のヒドロキシ基を含む樹脂の質量g)は、オリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物をクロロホルムに溶解後、0.1Nテトラエチルアンモニウムヒドロキシドのメタノール溶液を添加し、激しく撹拌後、318nmの吸光度を測定した。 0.1Nテトラエチルアンモニウムヒドロキシト゛のメタノール溶液を添加した場合と添加しない場合との吸光度の差から求めた。

    合成例1(形態2に係るオリゴ(フェニレンオキシ基含有環状ホスファゼン化合物の製造)
    温度計、撹拌機および冷却管を備え付けた3リットルの四つ口フラスコに、平均組成が[N (OC (CH OH) 2.1 (OC 3.9 ]のヒドロキシ基含有環状ホスファゼン化合物(100g,0.38unit mol)、旭化成ケミカルズ社製のポリフェニレンエーテル(670g、数平均分子量:17,000)およびトルエン(2,000mL)を加えて、90℃で加熱、溶解させ、その中に過酸化ベンゾイル(20g,0.082mol)を加えて90℃で1時間反応した。 そして、この反応混合物をメタノール(6,000mL)に投入して得られた沈殿物を濾別した。 その沈殿をメタノール(1,200mL)で洗浄後、減圧乾燥することで、オリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物744gを得た(収率96.6%)。 なお、収率はポリフェニレンエーテルが全てヒドロキシ基含有環状ホスファゼン化合物に再分配した場合を100%として算出した。 得られたオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物の分析結果は次のとおりである。

    H−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
    2.0〜2.2(267H),6.3〜6.6(89H),6.7〜7.3(19H)
    31 P−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
    三量体(P=N) 9.5〜10.0
    ◎水酸基当量 2,800g/eq. (理論値2,825g/eq.)
    ◎ゲルパーミエーションクロマトグラフィー:
    数平均分子量 5,900

    ゲルパーミエーションクロマトグラフィーの分析結果を図1に示す。 図において、反応開始前はポリフェニレンエーテルのピークが保持時間24.5分に検出されており、また、ヒドロキシ基含有環状ホスファゼン化合物のピークが保持時間30.4分に検出されている。 一方、反応開始1時間後には、保持時間24.5分および30.4分にピークは検出されず、保持時間25.8分に単一のピークが検出されている。 また、最終生成物(反応により得られた沈殿を濾別して洗浄したもの)については、25.9分に単一のピークとして検出されている。

    以上の分析結果から、この工程で得た生成物は、その構造は[N {OC (CH (OC (CH ) 20.2 OH} 2.1 (OC 3.9 ]の環状ホスファゼン化合物であることを確認した。

    合成例2(形態2に係るオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物の製造)
    温度計、撹拌機、空気導入管および冷却管を備え付けた3リットルの四つ口フラスコに、平均組成が[N (OC (CH OH) 2.1 (OC 3.9 ]のヒドロキシ基含有環状ホスファゼン化合物(100g,0.38unit mol)、塩化銅(I)(3.4g,0.034mol)、ジブチルアミン(200g,1.55mol)およびニトロベンゼン(1,500mL)を加えて、40℃に加熱した。 空気を吹き込みながら2,6−キシレノール(366.5g,3.00mol)のニトロベンゼン(1,000mL)溶液を6時間かけて滴下し、その後40℃で24時間反応した。 エチレンジアミン四酢酸を添加して反応を停止後、反応混合物を減圧濃縮した。 その濃縮残渣をメタノール(6,000mL)に投入して得られた沈殿物を濾別した。 その沈殿をメタノール(1,200mL)で洗浄後、減圧乾燥することで、オリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物375gを得た(収率88.6%)。 得られたオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物の分析結果は以下のとおりである。

    H−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
    2.0〜2.2(137H),6.3〜6.6(46H),6.7〜7.3(20H)
    31 P−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
    三量体(P=N) 9.5〜10.0
    ◎水酸基当量 1,500g/eq. (理論値1,564g/eq.)
    ◎ゲルパーミエーションクロマトグラフィー:
    数平均分子量 3,300

    以上の分析結果から、この工程で得た生成物は、その組成が[N {OC (CH (OC (CH ) 9.9 OH} 2.1 (OC 3.9 ]の環状ホスファゼン化合物であることを確認した。

    合成例3(形態2に係るオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物の製造)
    合成例1で使用したヒドロキシ基含有ホスファゼン化合物に替えて平均組成が[N (OC (CH )OH) 2.0 (OC 4.0 ]のヒドロキシ基含有環状ホスファゼン化合物(100g,0.40unit mol)を用いた以外は、合成例1と同様に操作し、オリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物744gを得た(収率96.6%)。 得られたオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物の分析結果は以下のとおりである。

    H−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
    2.0〜2.2(244H),6.3〜6.6(85H),6.7〜7.3(20H),
    31 P−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
    三量体(P=N) 9.6〜10.0
    ◎水酸基当量 2,900g/eq. (理論値2,804g/eq.)
    ◎ゲルパーミエーションクロマトグラフィー数平均分子量 5,800

    合成例1と同様に、反応開始1時間後にはヒドロキシ基含有環状ホスファゼン化合物のピークが消失し、仕込んだポリフェニレンエーテルのピークが低分子量側に変化して単一のピークとなった。

    以上の分析結果から、この工程で得た生成物は、その組成が[N {OC (CH )(OC (CH ) 20.9 OH} 2.0 (OC 4.0 ]の環状ホスファゼン化合物であることを確認した。

    合成例4(形態2に係るオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物の製造)
    温度計、撹拌機および冷却管を備え付けた3リットルの四つ口フラスコに、平均組成が[N (OC OH) 2.2 (OC 3.8 ]のヒドロキシ基含有環状ホスファゼン化合物(50g,0.21unit mol)、10%水酸化カリウム水溶液(3,750mL、6.68mol)及びフェリシアン化カリウム(395g、1.2mol)トルエン(1,000mL)を仕込み、内温20〜40℃で4−ブロモ−2,6−キシレノール(638g,3.17mol)のトルエン(1,200mL)溶液を3時間かけて滴下した。 反応混合物を同温度で1時間撹拌した後に、分液ロートに移して水層を分離した。 有機層を濃縮後、残渣をメタノール(5,000g)に投入して得られた沈殿物を濾別した。 その沈殿をメタノール(1,000g)で洗浄後、減圧乾燥してオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物(396g、収率92.1%)を得た。

    H−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
    2.0〜2.2(125H),6.3〜6.6(50H),6.7〜7.3(19H)
    31 P−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
    三量体(P=N) 9.6〜10.0
    ◎水酸基当量 1,500g/eq. (理論値1,473g/eq.)
    ◎ゲルパーミエーションクロマトグラフィー:
    数平均分子量 3,240

    以上の分析結果から、この工程で得た生成物は、その組成が[N {OC (OC (CH ) 9.5 OH} 2.2 (OC 3.8 ]の環状ホスファゼン化合物であることを確認した。

    合成例5(形態1に係るオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物の製造)
    温度計、撹拌機および冷却管を備え付けた3リットルの四つ口フラスコに、平均組成が[N (OC OH) ]のヒドロキシ基含有環状ホスファゼン化合物(100g,0.38unit mol)、数平均分子量18,000のポリフェニレンエーテル(旭化成ケミカルズ、670g)及びトルエン(1,200mL)およびn−プロパノール(600mL)を加えて、90℃で加熱、溶解した。 過酸化ベンゾイル(20g,0.082mol)を加えて90℃で60分反応した後、反応混合物をメタノール(6,000mL)に投入して得られた沈殿物を濾別した。 その沈殿をメタノール(1,200mL)で洗浄後、減圧乾燥してオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物(726g、収率94.3%)を得た。 なお、収率はポリフェニレンエーテルが全てヒドロキシ基含有環状ホスファゼン化合物に再分配した場合を100%として算出した。

    H−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
    2.0〜2.2(252H),6.3〜6.6(108H)
    31 P−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
    三量体(P=N) 9.6〜10.0
    ◎水酸基当量 1,000g/eq. (理論値972g/eq.)
    ◎ゲルパーミエーションクロマトグラフィー:
    数平均分子量 5,700

    合成例1と同様に、反応開始1時間後にはヒドロキシ基含有環状ホスファゼン化合物のピークが消失し、仕込んだポリフェニレンエーテルのピークが低分子量側に変化して単一のピークとなった。

    以上の分析結果から、この工程で得た生成物は、その組成が[N {OC (OC (CH ) 7.0 OH} ]の環状ホスファゼン化合物であることを確認した。

    合成例6(形態2に係るオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物の製造)
    合成例1で使用したヒドロキシ基含有ホスファゼン化合物に替えて平均組成が[NP(OC OH)(OC CH )] のヒドロキシ基含有環状ホスファゼン化合物(100g,0.38unit mol)を用いた以外は、合成例1と同様に操作し、オリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物740gを得た(収率96.1%)。 得られたオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物の分析結果は以下のとおりである。

    H−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
    2.0〜2.2(242H),6.3〜6.6(89H),6.7〜7.3(19H)
    31 P−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
    三量体(P=N) 9.6〜10.0
    ◎水酸基当量 1,900g/eq. (理論値1,967g/eq.)
    ◎ゲルパーミエーションクロマトグラフィー:
    数平均分子量 7,100

    合成例1と同様に、反応開始1時間後にはヒドロキシ基含有環状ホスファゼン化合物のピークが消失し、仕込んだポリフェニレンエーテルのピークが低分子量側に変化して単一のピークとなった。

    以上の分析結果から、この工程で得た生成物は、その組成が[NP{OC (OC (CH ) 14.2 OH}(OC CH )] の環状ホスファゼン化合物であることを確認した。

    合成例7(フェノキシ基全置換環状ホスファゼン化合物の製造)
    PHOSPHORUS−NITROGEN COMPOUNDS、H. R. ALLCOCK著、1972年刊、151頁、ACADEMIC PRESS社に記載されている方法に従い、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン81%とオクタクロロシクロテトラホスファゼン19%とのシクロホスファゼン混合物を用いて[N=P(OC と[N=P(OC との混合物(白色固体/融点:65〜112℃)を得た。

    実施例1(形態2に係る不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物の製造)
    温度計、撹拌機を取り付けた1リットルの4つ口フラスコに、窒素気流下、合成例1で製造したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物(100g,0.05unit mol)、アクリル酸クロライド(6.8g,0.08mol)、合成ゼオライト(3A)250gおよびメチルエチルケトン(700mL)を仕込み、還流下24時間撹拌した。 反応終了後、合成ゼオライトを濾過にて除去し、濾液を減圧濃縮することで不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物98g(収率96%)を得た。 この生成物の分析結果は以下の通りであった。

    ◎IRスペクトル(KBr Pellet,cm −1
    2737,1732,1634,1171
    H−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
    2.0〜2.2(267H),5.9〜6.1(4H),6.3〜6.6(91H),6.7〜7.3(19H)
    31 P−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
    三量体(P=N) 9.6〜10.0

    以上の分析結果から、この工程で得た生成物は、その構造は[N {OC (CH (OC (CH ) 20.2 OCOCHCH } 2.1 (OC 3.9 ]の不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物であることを確認した。

    実施例2(形態2に係る不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物の製造)
    温度計、撹拌機を取り付けた1リットルの4つ口フラスコに、窒素気流下、合成例2で製造したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物(100g,0.09unit mol)、アクリル酸クロライド(12.7g,0.14mol)、合成ゼオライト(3A)250gおよびメチルエチルケトン(700mL)を仕込み、還流下24時間撹拌した。 反応終了後、合成ゼオライトを濾過にて除去し、濾液を減圧濃縮することで不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物98g(収率95%)を得た。 この生成物の分析結果は以下の通りであった。

    ◎IRスペクトル(KBr Pellet,cm −1
    2737,1732,1634,1171
    H−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
    2.0〜2.2(137H),5.9〜6.1(4H),6.3〜6.6(48H),6.7〜7.3(20H)
    31 P−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
    三量体(P=N) 9.6〜10.0

    以上の分析結果から、この工程で得た生成物は、その構造は[N {OC (CH (OC (CH ) 9.9 OCOCHCH } 2.1 (OC 3.9 ]の不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物であることを確認した。

    実施例3(形態2に係る不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物の製造)
    温度計、撹拌機を取り付けた1リットルの4つ口フラスコに、窒素気流下、合成例3で製造したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物(100g,0.05unit mol)、アクリル酸クロライド(6.5g,0.07mol)、合成ゼオライト(3A)250gおよびメチルエチルケトン(700mL)を仕込み、還流下24時間撹拌した。 反応終了後、合成ゼオライトを濾過にて除去し、濾液を減圧濃縮することで不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物98g(収率97%)を得た。 この生成物の分析結果は以下の通りであった。

    ◎IRスペクトル(KBr Pellet,cm −1
    2737,1732,1634,1171
    H−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
    2.0〜2.2(257H),5.9〜6.1(4H),6.3〜6.6(90H),6.7〜7.3(20H)
    31 P−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
    三量体(P=N) 9.6〜10.0

    以上の分析結果から、この工程で得た生成物は、その構造は[N {OC (CH )(OC (CH ) 20.9 OCOCHCH } 2.1 (OC 3.9 ]の不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物であることを確認した。

    実施例4(形態2に係る不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物の製造)
    温度計、撹拌機を取り付けた1リットルの4つ口フラスコに、窒素気流下、合成例4で製造したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物(100g,0.09unit mol)、アクリル酸クロライド(12.7g,0.14mol)、合成ゼオライト(3A)250gおよびメチルエチルケトン(700mL)を仕込み、還流下24時間撹拌した。 反応終了後、合成ゼオライトを濾過にて除去し、濾液を減圧濃縮することで不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物99g(収率96%)を得た。 この生成物の分析結果は以下の通りであった。

    ◎IRスペクトル(KBr Pellet,cm −1
    2737,1732,1634,1171
    H−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
    2.0〜2.2(125H),5.9〜6.1(4H),6.3〜6.6(53H),6.7〜7.3(20H)
    31 P−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
    三量体(P=N) 9.6〜10.0

    以上の分析結果から、この工程で得た生成物は、その構造は[N {OC (OC (CH ) 9.5 OCOCHCH } 2.2 (OC 3.8 ]の不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物であることを確認した。

    実施例5(形態1に係る不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物の製造)
    温度計、撹拌機を取り付けた1リットルの4つ口フラスコに、窒素気流下、合成例5で製造したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物(100g,0.05unit mol)、アクリル酸クロライド(19.0g,0.21mol)、合成ゼオライト(3A)250gおよびメチルエチルケトン(700mL)を仕込み、還流下24時間撹拌した。 反応終了後、合成ゼオライトを濾過にて除去し、濾液を減圧濃縮することで不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物100g(収率96%)を得た。 この生成物の分析結果は以下の通りであった。

    ◎IRスペクトル(KBr Pellet,cm −1
    2737,1732,1634,1171
    H−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
    2.0〜2.2(252H),5.9〜6.1(12H),6.3〜6.6(114H)
    31 P−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
    三量体(P=N) 9.6〜10.0

    以上の分析結果から、この工程で得た生成物は、その構造は[N {OC (OC (CH ) 7.0 OCOCHCH } ]の不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物であることを確認した。

    実施例6(形態2に係る不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物の製造)
    温度計、撹拌機を取り付けた1リットルの4つ口フラスコに、窒素気流下、合成例6で製造したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物(100g,0.05unit mol)、アクリル酸クロライド(10.1g,0.11mol)、合成ゼオライト(3A)250gおよびメチルエチルケトン(700mL)を仕込み、還流下24時間撹拌した。 反応終了後、合成ゼオライトを濾過にて除去し、濾液を減圧濃縮することで不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物99g(収率96%)を得た。 この生成物の分析結果は以下の通りであった。

    ◎IRスペクトル(KBr Pellet,cm −1
    2737,1732,1634,1171
    H−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
    2.0〜2.2(91H),5.9〜6.1(2H),6.3〜6.6(33H),6.7〜7.3(4H)
    31 P−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
    三量体(P=N) 9.6〜10.0

    以上の分析結果から、この工程で得た生成物は、その構造は[NP{OC (OC (CH ) 14.6 OCOCHCH }(OC CH )] の不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物であることを確認した。

    実施例7(形態2に係る不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物の製造)
    実施例1で使用したアクリル酸クロライドに替えてメタクリル酸クロライド(7.9g,0.08mol)を用いた以外は、実施例1と同様に操作し、不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物99g(収率97%)を得た。 この生成物の分析結果は以下の通りであった。

    ◎IRスペクトル(KBr Pellet,cm −1
    2737,1732,1634,1171
    H−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
    1.9〜2.2(273H),5.6〜6.2(4H),6.3〜6.6(91H),6.7〜7.3(19H)
    31 P−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
    三量体(P=N) 9.6〜10.0

    以上の分析結果から、この工程で得た生成物は、その構造は[N {OC (CH (OC (CH ) 20.2 OCOC(CH )CH } 2.1 (OC 3.9 ]の不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物であることを確認した。

    実施例8(形態2に係る不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物の製造)
    実施例2で使用したアクリル酸クロライドに替えてメタクリル酸クロライド(14.7g,0.14mol)を用いた以外は、実施例2と同様に操作し、不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物100g(収率96%)を得た。 この生成物の分析結果は以下の通りであった。

    ◎IRスペクトル(KBr Pellet,cm −1
    2737,1732,1634,1171
    H−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
    2.0〜2.2(143H),5.6〜6.2(4H),6.3〜6.6(48H),6.7〜7.3(20H)
    31 P−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
    三量体(P=N) 9.6〜10.0

    以上の分析結果から、この工程で得た生成物は、その構造は[N {OC (CH (OC (CH ) 9.9 OCOC(CH )CH } 2.1 (OC 3.9 ]の不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物であることを確認した。

    実施例9(形態2に係る不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物の製造)
    実施例3で使用したアクリル酸クロライドに替えてメタクリル酸クロライド(7.4g,0.07mol)を用いた以外は、実施例3と同様に操作し、不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物99g(収率97%)を得た。 この生成物の分析結果は以下の通りであった。

    ◎IRスペクトル(KBr Pellet,cm −1
    2737,1732,1634,1171
    H−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
    2.0〜2.2(263H),5.6〜6.2(4H),6.3〜6.6(90H),6.7〜7.3(20H)
    31 P−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
    三量体(P=N) 9.6〜10.0

    以上の分析結果から、この工程で得た生成物は、その構造は[N {OC (CH )(OC (CH ) 20.9 OCOC(CH )CH } 2.1 (OC 3.9 ]の不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物であることを確認した。

    実施例10(形態2に係る不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物の製造)
    実施例4で使用したアクリル酸クロライドに替えてメタクリル酸クロライド(14.7g,0.14mol)を用いた以外は、実施例4と同様に操作し、不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物100g(収率96%)を得た。 この生成物の分析結果は以下の通りであった。

    ◎IRスペクトル(KBr Pellet,cm −1
    2737,1732,1634,1171
    H−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
    2.0〜2.2(132H),5.6〜6.2(4H),6.3〜6.6(53H),6.7〜7.3(20H)
    31 P−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
    三量体(P=N) 9.6〜10.0

    以上の分析結果から、この工程で得た生成物は、その構造は[N {OC (OC (CH ) 9.5 OCOC(CH )CH } 2.2 (OC 3.8 ]の不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物であることを確認した。

    実施例11(形態1に係る不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物の製造)
    実施例5で使用したアクリル酸クロライドに替えてメタクリル酸クロライド(21.9g,0.21mol)を用いた以外は、実施例5と同様に操作し、不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物98g(収率95%)を得た。 この生成物の分析結果は以下の通りであった。

    ◎IRスペクトル(KBr Pellet,cm −1
    2737,1732,1634,1171
    H−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
    2.0〜2.2(270H),5.6〜6.2(12H),6.3〜6.6(114H)
    31 P−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
    三量体(P=N) 9.6〜10.0

    以上の分析結果から、この工程で得た生成物は、その構造は[N {OC (OC (CH ) 7.0 OCOC(CH )CH } ]の不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物であることを確認した。

    実施例12(形態2に係る不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物の製造)
    実施例6で使用したアクリル酸クロライドに替えてメタクリル酸クロライド(11.6g,0.11mol)を用いた以外は、実施例6と同様に操作し、不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物98g(収率95%)を得た。 この生成物の分析結果は以下の通りであった。

    ◎IRスペクトル(KBr Pellet,cm −1
    2737,1732,1634,1171
    H−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
    2.0〜2.2(94H),5.6〜6.2(2H),6.3〜6.6(33H),6.7〜7.3(4H)
    31 P−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
    三量体(P=N) 9.6〜10.0

    以上の分析結果から、この工程で得た生成物は、その構造は[NP{OC (OC (CH ) 14.6 OCOC(CH )CH }(OC CH )] の不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物であることを確認した。

    実施例13〜24(樹脂組成物の調製)
    ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社の商品名「エピクロン850S」:エポキシ当量180)、数平均分子量(Mn)が約19,000のポリフェニレンエーテル樹脂(旭化成ケミカルズ株式会社製)および実施例1〜12で得られた不飽和カルボニル基で変性したオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物を表1に示す割合でトルエンに配合し、70℃に加熱したオイルバス中で30分撹拌して均一に溶解した。 さらに140℃のオイルバス中で2時間加熱してトルエンを除去し、次いで減圧濃縮機を用いて140℃、1mmHg以下の環境で2時間減圧乾燥することでトルエンを完全に除去した。

    得られた混合物を110℃に保ち、硬化剤としてジアミノジフェニルメタン1部と、硬化促進剤として2−エチル−4−メチルイミダゾール0.1部とを添加した。 この混合物を加熱しながら1分間充分に撹拌した後、型に流し込んだ。 そして、100℃、0MPaで2分間、130℃、1MPaで2分間、および180℃、3MPaで10分間の順に熱プレス機で硬化させた後、型から取りだし、最後に180℃で3時間硬化させることにより、記の評価項目に合わせた試験片を作製した。 得られた試験片について、難燃性、誘電特性および高温信頼性評価した結果を表1および表2に示す。 評価結果は次の通りである。

    (難燃性)
    アンダーライターラボラトリーズ(Underwriter's Laboratories Inc.)のUL−94規格垂直燃焼試験に基づき、長さ125mm、幅12.5mmおよび厚み1.5mmの試験片を用いて実施し、10回接炎時合計燃焼時間と燃焼時の滴下物による綿着火の有無により、V−0、V−1、V−2および規格外の四段階の難燃性クラスに分類判定した。 V−0が最高評価であり、V−1、V−2、規格外の順に評価が下がる。

    (高温信頼性:プレッシャークッカー試験、温度121℃、圧0.2MPa)
    長さ15mm、幅15mmおよび厚み3mmの試験片を蒸留水5mLとともに容量15mLのポリテトラフルオロエチレン製容器に入れ、更にこの容器を鋼鉄製の容器に入れ完全に密封した。 鋼鉄製の容器を121℃で100時間放置した後、試験片を取り出し、外観変化を観察した。 評価の基準は次の通りである。

    ○:環状ホスファゼン化合物のブリードアウトによる外観変化がなく、高温信頼性がある。
    ×:環状ホスファゼン化合物のブリードアウトによる外観変化があり、高温信頼性がない。

    (誘電特性)
    長さ50mm、幅50mmおよび厚さ2.0mmの試験片について、JIS C2138「比誘電率および誘電正接の測定方法」に従って周波数1GHzの比誘電率と誘電正接を測定した。

    比較例1〜2(樹脂組成物の調製)
    実施例1〜12で製造した環状ホスファゼン化合物に代えて、合成例7で製造した環状ホスファゼン化合物を使用した以外は、実施例13〜24と同様に操作し、樹脂組成物を得た。 そして、この樹脂組成物を実施例13〜24と同様の方法・条件にて成形、硬化し、硬化された樹脂シートを得た。 この樹脂シートについて、実施例13〜24と同様に難燃性、誘電特性、高温信頼性を評価した。 結果を表2に示す。







    表1および表2によると実施例13〜24の樹脂組成物は優れた難燃性および高温信頼性を示し、しかも優れた電気特性を有している。

    合成例8(2官能PPEオリゴマーの合成)
    撹拌機、温度計、還流冷却管および空気導入管を備えた2リットルのガラス製フラスコ中に、CuCl1.3g(0.012mol)、ジ−n−ブチルアミン70.7g(0.55mol)およびメチルエチルケトン500mlを仕込み、反応温度40℃にて撹拌を行い、予めメチルエチルケトン1,000mlに溶解させた4,4'−(1−メチルエチリデン)ビス(2,6−ジメチルフェノール)45.4g(0.16mol)と2,6−ジメチルフェノール58.6g(0.48mol)を2リットル/分の空気のバブリングを行いながら2時間かけて滴下し、さらに滴下終了後1時間、2リットル/分の空気のバブリングを続けながら撹拌を行った。 これにエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム水溶液を加え、反応を停止した。 その後、3%塩酸水溶液で3回洗浄を行った後、イオン交換水でさらに洗浄を行った。 得られた溶液を濃縮し、さらに減圧乾燥を行い、両末端にヒドロキシル基を有するPPEオリゴマーを100.9g得た。 このオリゴマーは、数平均分子量が860、重量平均分子量が1150、水酸基当量が454g/eq. であった。

    次に、撹拌機、温度計および還流冷却管を備えた1リットルのガラス製フラスコ中に、上記工程で得られた両末端にヒドロキシル基を有するPPEオリゴマー50g(水酸基0.11mol)、炭酸カリウム15.3gおよびアセトン400mlを仕込み、窒素下で3時間還流した。 その後、6−ブロモ−1−ヘキサノール22.1gを1時間かけて滴下し、滴下終了後に24時間還流した。 反応後、反応液を塩酸で中和し、多量の脱イオン水を加えて生成物を沈殿させ、トルエンを加えて抽出を行った。 得られた溶液を濃縮してメタノール中に滴下して再沈殿を行い、ろ過して固体を回収した後、減圧乾燥を行った。 これにより、両末端にヒドロキシルヘキシル基を有するPPEオリゴマー55.5gを得た。 このオリゴマーは、数平均分子量が1,045、重量平均分子量が1,390、水酸基当量が551g/eq. であった。

    次に、撹拌機、温度計および還流冷却管を備えた0.3リットルのガラス製フラスコ中に、上記工程で得られた両末端にヒドロキシルヘキシル基を有するPPEオリゴマー30g、アクリル酸クロライド6.0g、トリエチルアミントルエン7.0g、ハイドロキノン0.03gおよびトルエン100mlを仕込んだ。 そして、これを加熱還流して2時間反応した。 反応後、反応混合物を濃縮し、トルエン60mlを添加した。 これを2%塩酸で2回洗浄し、次に脱イオン水で3回洗浄した。 これにより、トルエンを減圧留去して両末端にアクリレート基を有するPPEオリゴマー30.3gを得た。 この両末端にアクリレート基を有するPPEオリゴマーは、数平均分子量が1,190、重量平均分子量が1,590であった。

    実施例25〜36(樹脂組成物の調製)
    合成例8で得られた両末端にアクリレート基を有するPPEオリゴマー45.0g、実施例1〜12で得られた環状ホスファゼン化合物15.0g、EO変性ビスフェノールAジアクリレート(新中村化学工業株式会社の商品名“NKエステル A−BPE−10”)5.0g、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.5gおよびトルエン60mlを混合・溶解した後、150℃で溶融、脱気して樹脂組成物を得た。 この樹脂組成物をシート状に成形し、これを6時間200℃で加熱した。 これにより、硬化された樹脂シートを得た。 この樹脂シートについて、実施例13〜24と同様にして燃焼性(難燃性)、高温信頼性および電気特性を測定した。 結果を表3および表4に示す。

    比較例3,4(樹脂組成物の調製)
    実施例1〜12で製造した環状ホスファゼン化合物に代えて、合成例7で製造した環状ホスファゼン化合物を使用した点を除いて実施例25〜36と同様に操作し、樹脂組成物を得た。 そして、この樹脂組成物を実施例25〜36と同様の方法・条件にて成形、硬化し、硬化された樹脂シートを得た。 この樹脂シートについて、実施例25〜36と同様に難燃性、誘電特性、高温信頼性を評価した。 結果を表4に示す。




















    表3および4から明らかなように、実施例25〜36の硬化シートは、比較例3および4のものに比べ、難燃性に優れ、高温信頼性および電気特性も優れている。

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