首页 / 专利库 / 环境工程 / 蒸散量 / 角層機能改善剤

層機能改善剤

阅读:686发布:2020-05-13

专利汇可以提供層機能改善剤专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且D−アルギニン、D−ヒスチジン、D−ロイシン、D−チロシン、D−バリン、D−アロスレオニン、D−リシン、D−トリプトファン、D−アロイソロイシン、D−アスパラギン、D−フェニルアラニン、及びD−グルタミンからなる群から選択される少なくとも一種のD−アミノ酸を有効成分とする 角 層機能改善剤。,下面是層機能改善剤专利的具体信息内容。

D−アルギニン、D−ヒスチジン、D−ロイシン、D−チロシン、D−バリン、D−アロスレオニン、D−リシン、D−トリプトファン、D−アロイソロイシン、D−アスパラギン、D−フェニルアラニン、D−グルタミン、及びD−スレオニンからなる群から選択される少なくとも1種のD−アミノ酸を有効成分とする層機能改善剤。角層機能改善が、角層分量の保持である、請求項1に記載の角層機能改善剤。前記D−アミノ酸が、D−アルギニン、D−ヒスチジン、D−ロイシン、D−バリン、D−アロスレオニン、D−リシン、D−トリプトファン、D−アロイソロイシン、D−アスパラギン、D−フェニルアラニン、D−グルタミン、及びD−スレオニンからなる群から選択される少なくとも1種であり、角層機能改善が、経表皮水分蒸散の抑制である請求項1に記載の角層機能改善剤。前記D−アミノ酸が、D−ヒスチジン、D−ロイシン、D−チロシン、D−リシン、D−トリプトファン、D−アロイソロイシン、D−アスパラギン、D−フェニルアラニン、D−グルタミン、及びD−スレオニンからなる群から選択される少なくとも1種であり、角層機能改善が、シワ面積率の低減である請求項1に記載の角層機能改善剤。D−アルギニン、D−ヒスチジン、D−ロイシン、D−チロシン、D−バリン、D−アロスレオニン、D−リシン、D−トリプトファン、D−アロイソロイシン、D−アスパラギン、D−フェニルアラニン、D−グルタミン、及びD−スレオニンからなる群から選択される少なくとも1種のD−アミノ酸を有効成分とする保湿能改善剤。前記D−アミノ酸が、D−ヒスチジン、D−ロイシン、D−リシン、D−トリプトファン、D−アロイソロイシン、D−アスパラギン、及びD−フェニルアラニンからなる群から選択される少なくとも1種である請求項5に記載の保湿能改善剤。前記D−アミノ酸が、D−ヒスチジン、D−ロイシン、D−リシン、D−トリプトファン、D−アロイソロイシン、及びD−フェニルアラニンからなる群から選択される少なくとも1種である請求項5又は6に記載の保湿能改善剤。D−アルギニン、D−ヒスチジン、D−ロイシン、D−バリン、D−アロスレオニン、D−リシン、D−トリプトファン、D−アロイソロイシン、D−アスパラギン、D−フェニルアラニン、D−グルタミン、及びD−スレオニンからなる群から選択される少なくとも1種のD−アミノ酸を有効成分とするバリア能改善剤。前記D−アミノ酸が、D−ヒスチジン、D−ロイシン、D−リシン、D−トリプトファン、D−アロイソロイシン、D−アスパラギン、及びD−フェニルアラニンからなる群から選択される少なくとも1種である請求項8に記載のバリア能改善剤。前記D−アミノ酸が、D−ヒスチジン、D−ロイシン、D−リシン、D−トリプトファン、D−アロイソロイシン、及びD−フェニルアラニンからなる群から選択される少なくとも1種のD−アミノ酸である請求項8又は9に記載のバリア能改善剤。D−ヒスチジン、D−ロイシン、D−チロシン、D−リシン、D−トリプトファン、D−アロイソロイシン、D−アスパラギン、D−フェニルアラニン、及びD−グルタミン、及びD−スレオニンからなる群から選択される少なくとも1種を有効成分とする小じわ予防又は改善剤。前記D−アミノ酸が、D−ロイシン、D−リシン、D−トリプトファン、及びD−アスパラギンからなる群から選択される少なくとも1種である請求項11に記載の小じわ予防又は改善剤。前記D−アミノ酸が、D−ロイシン、D−リシン、及びD−トリプトファンからなる群から選択される少なくとも1種である請求項11又は12に記載の小じわ予防又は改善剤。D−リシン、D−トリプトファン、D−アロイソロイシン、D−アスパラギン、及びD−フェニルアラニンからなる群から選択される少なくとも1種を有効成分とするフィラグリン、インボルクリン、ロリクリン、ケラチン10及びトランスグルタミナーゼ1から選ばれる少なくとも1種のタンパク質の遺伝子の発現促進剤。D−ヒスチジン、D−ロイシン、D−リシン、D−トリプトファン、D−アロイソロイシン、D−フェニルアラニン、及びD−スレオニンからなる群から選択される少なくとも1種を有効成分とするフィラグリンの産生促進剤。請求項1〜4のいずれか1項に記載の角層機能改善剤、請求項5〜7のいずれか1項に記載の保湿能改善剤、請求項8〜10のいずれか1項に記載のバリア能改善剤、請求項11〜13のいずれか1項に記載の小じわ予防又は改善剤、請求項14に記載の発現促進剤、又は請求項15に記載の産生促進剤を含む皮膚化粧料又は皮膚外用剤。ポリオール化合物、界面活性剤、高級アルコール、増粘剤、キレート剤、防腐剤及びシリコーンからなる群より選択される少なくとも1種の基剤を更に含む請求項16に記載の皮膚化粧料又は皮膚外用剤。剤形が、乳液、クリーム、化粧水、又はジェルである請求項16又は17に記載の皮膚化粧料又は皮膚外用剤。被検者の肌の角層水分量、シワ面積率、及び経表皮水分蒸散量からなる群から選ばれる少なくとも1種を測定して前記被検者の肌の保湿能、小じわの予防又は改善能、及びバリア能からなる群から選ばれる少なくとも1種を確認すること、 前記被検者の前記肌の測定部位から角層を採取すること、 前記角層に含まれる少なくとも1種のD−アミノ酸量を特定すること、 前記肌の保湿能、バリア能、及び小じわの予防又は改善能からなる群から選ばれる少なくとも1種と前記D−アミノ酸量との関係を、被検者の結果の間で比較すること を含む、D−アミノ酸による肌の評価方法。前記D−アミノ酸量の特定が、 前記角層に含まれるタンパク質量あたりのD−アミノ酸含有量の測定である請求項19に記載の評価方法。前記D−アミノ酸含有量の測定を、液体クロマトグラフ−タンデム型質量分析計により行う請求項19又は20に記載の評価方法。前記タンパク質量の測定をBCA法により行う請求項20又は21に記載の評価方法。前記D−アミノ酸が、D−アルギニン、D−ヒスチジン、D−ロイシン、D−プロリン、D−セリン、D−チロシン、D−バリン、D−アロスレオニン、D−アスパラギン酸、D−リシン、D−トリプトファン、D−アロイソロイシン、D−アスパラギン、D−フェニルアラニン、D−アラニン、D−グルタミン、D−グルタミン酸、及びD−メチオニンからなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項19〜22のいずれか1項に記載の評価方法。前記被検者が、20代から30代の女性であり、 前記D−アミノ酸が、D−アルギニン、D−ヒスチジン、D−ロイシン、D−プロリン、D−セリン、D−チロシン、D−バリン、D−アロスレオニン、D−アスパラギン酸、D−リシン、D−トリプトファン、D−アロイソロイシン、D−アスパラギン及びD−フェニルアラニンからなる群から選択される少なくとも1種であり、少なくとも保湿能を評価する、請求項23に記載の評価方法。前記被検者が、20代から30代の女性であり、 前記D−アミノ酸が、D−ヒスチジン、D−ロイシン、D−プロリン、D−セリン、D−バリン、D−アロスレオニン、D−アスパラギン酸、D−トリプトファン、D−アロイソロイシン、D−アスパラギン及びD−フェニルアラニンからなる群から選択される少なくとも1種であり、少なくともバリア能を評価する、請求項23に記載の評価方法。前記被検者が、40代から60代の女性であり、 前記D−アミノ酸が、D−アルギニン、D−ヒスチジン、D−ロイシン、D−プロリン、D−バリン、D−アロスレオニン、D−アスパラギン酸、D−リシン、D−トリプトファン、D−アロイソロイシン、D−アスパラギン、及びD−グルタミンからなる群から選択される少なくとも1種であり、少なくとも保湿能を評価する、請求項23に記載の評価方法。前記被検者が、40代から60代の女性であり、 前記D−アミノ酸が、D−アルギニン、D−ヒスチジン、D−ロイシン、D−プロリン、D−セリン、D−バリン、D−アロスレオニン、D−リシン、D−トリプトファン、D−アロイソロイシン、D−フェニルアラニン、及びD−グルタミンからなる群から選択される少なくとも1種であり、少なくともバリア能を評価する、請求項23に記載の評価方法。前記被検者が、20代から30代の女性であり、 前記D−アミノ酸が、D−ロイシン、D−チロシン、D−アスパラギン酸、D−リシン、D−トリプトファン、D−アスパラギン、及びD−グルタミンからなる群から選択される少なくとも1種であり、少なくとも小じわの予防又は改善能を評価する、請求項23に記載の評価方法。前記被検者が、40代から60代の女性であり、 前記D−アミノ酸が、D−アスパラギン酸及びD−リシンの少なくともいずれかであり、少なくとも小じわの予防又は改善能を評価する、請求項23に記載の評価方法。

说明书全文

本発明は、層における、内部で分を保持する保湿能、外界からの、ウイルス、細菌等の異物の侵入を抑制するバリア能、小じわの予防又は改善能等の機能を発揮し得る角層機能改善剤に関する。

角層には、内部で水分を保持する保湿能と、外界からの異物、ウイルス、細菌等の異物の侵入を抑制するバリア能等の機能がある。これらの機能に作用する物質として、皮脂、細胞間脂質、天然保湿因子等の生体成分が知られている。

皮膚組織の顆粒層内に貯蔵されているプロフィラグリンは、角化の際に脱リン酸化を経てフィラグリンに分解される。フィラグリンは、顆粒層から角層に移動して、ケラチン繊維と結合及び凝集し、ケラチンパターンを形成する。その後、フィラグリンは、ウロカニン酸等の低分子に分解されて、保水、紫外線吸収に関与する天然保湿因子となる。そのため、フィラグリンの産生が促進されるほど、その分解物である天然保湿因子の量が増えて、肌の保湿能が向上すると考えられる。 皮膚の代表的な加齢変化の一つであるシワの形成は、皮膚の乾燥による小じわ形成から始まると言われている。そのため、フィラグリンの産生が促進され皮膚の保湿能が向上すると、乾燥を抑制して、小じわの形成を抑制することができると考えられる。

角質細胞、角質細胞間に存在する細胞間脂質等の角層を構成する因子により、外界からの、ウイルス、細菌等の異物の侵入が抑制されている。そのため、角質細胞の数、大きさ等の条件が不十分であると、角層に隙間が生じ、バリア能が低下する。 ケラチン10等のケラチンとフィラグリンとが凝集した構造体を包含する角質細胞の周辺には、角質細胞の細胞膜を裏打ちするきわめて強靭で巨大な不溶性構造物である周辺帯が存在している。周辺帯の主な構造要素は、有棘細胞で産生されるインボルクリン、顆粒細胞で産生されるロリクリン等のタンパク質であり、これらがトランスグルタミナーゼ(TG)1等の酵素により架橋されている。そのため、フィラグリン、インボルクリン、トランスグルタミナーゼ1、ケラチン10、ロリクリンは、角質細胞の形成に強く影響し、肌のバリア能と関連すると考えられる。

フィラグリン、インボルクリン、トランスグルタミナーゼ1、ケラチン10、及びロリクリンの発現は、グリシルプロリン等特定のペプチド(特許文献1)、ヒハツ抽出物(特許文献2)により促進されることが報告されている。

表皮と真皮とを隔てる基底膜に多量に存在し、皮膚の構造及び機能に重要な役割を果たすと考えられているタンパク質であるラミニン332の産生を促進する化合物として、D−アラニン及びD−ヒドロキシプロリン等のD−アミノ酸化合物(特許文献3)が報告されている。

保湿効果等の効果を有し、なおかつ変臭、変色等の変質を生じない皮膚外用剤として、塩酸D−リシン等のD−アミノ酸と、キレート剤を含有する技術が報告されている(特許文献4参照)。また、皮膚バリア能に作用して肌荒れを軽減及び/又は防止することができる、安定かつ安全な経口組成物として、D−グルタミン酸と、その誘導体及び/又は塩から選択される少なくとも一種の化合物を含む技術が報告されている(特許文献5参照)。

国際公開第2014/175001号

特開2012−232920号公報

国際公開第2011/040082号

特開2012−006870号公報

国際公開第2011/040185号

しかし、グリシルプロリン等の特定のペプチド及びヒハツ抽出物のいずれも、フィラグリン等の保湿関連タンパク質の発現促進作用は弱く、保湿剤の有効成分として利用するには不十分であった。

特許文献3にはD−アスパラギン酸等のD−アミノ酸化合物を用いた場合、ラミニン332の産生促進効果は発現しないことが開示されている。また、皮膚におけるラミニン332以外のタンパク質の活性については記載も示唆もされていない。

特許文献4において、D−リシンは、キレート化合物を用いる際の変臭、変色等の変質を抑制するために使用されており、保湿効果は、D−リシン及びL−リシンの両化合物で発現している。そのため、ラセミ体のうち、D−リシンだけが選択的に保湿能に影響を及ぼすとは結論付けられていない。また、特許文献4の保湿効果は被検者の主観でしか判断されていない。 特許文献4には、D−グルタミン酸は、経口投与した場合に、TEWL値が低減することが記載されている。しかしながら、他の投与形態(例えば、スキンケア用品)で効果が発現されることは記載も示唆もされていない。 また、特許文献4及び5には、保湿能及びバリア能の両効能を向上し得ることは記載も示唆もされていない。

本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、角層における、内部で水分を保持する保湿能、外界からの、ウイルス、細菌等の異物の侵入を抑制するバリア能、小じわの予防又は改善能等の機能を発揮し得る角層機能改善剤を提供することを目的とする。

本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた。その結果、特定のD−アミノ酸が、保湿能関連タンパク質(フィラグリン)、バリア能関連タンパク質(フィラグリン、インボルクリン、トランスグルタミナーゼ1、ケラチン10、及びロリクリン)、小じわの予防又は改善能関連タンパク質(フィラグリン)の産生を促進することを見出し、斯かる知見に基づき本発明に到達した。 すなわち、本発明は、以下のとおりである。 〔1〕D−アルギニン、D−ヒスチジン、D−ロイシン、D−プロリン、D−セリン、D−チロシン、D−バリン、D−アロスレオニン、D−アスパラギン酸、D−リシン、D−トリプトファン、D−アロイソロイシン、D−アスパラギン、D−フェニルアラニン、D−アラニン、D−グルタミン、D−グルタミン酸、D−システイン、D−メチオニン及びD−スレオニン(以下、本明細書中、それぞれ「D−Arg」、「D−His」、「D−Leu」、「D−Pro」、「D−Ser」、「D−Tyr」、「D−Val」、「D−allo−Thr」、「D−Asp」、「D−Lys」、「D−Trp」、「D−allo−Ile」、「D−Asn」、「D−Phe」、「D−Ala」、「D−Gln」、「D−Glu」、「D−Cys」、「D−Met」、「D−Thr」と略記する)からなる群から選択される少なくとも1種のD−アミノ酸を有効成分とする角層機能改善剤。 〔2〕角層機能改善が、角層水分量の保持である、上記〔1〕に記載の角層機能改善剤。 〔3〕前記D−アミノ酸が、D−Arg、D−His、D−Leu、D−Pro、D−Ser、D−Val、D−allo−Thr、D−Asp、D−Lys、D−Trp、D−allo−Ile、D−Asn、D−Phe、D−Ala、D−Gln、D−Glu、D−Cys、D−Met、及びD−Thrからなる群から選択される少なくとも1種であり、角層機能改善が、経表皮水分蒸散の抑制である上記〔1〕に記載の角層機能改善剤。 〔4〕前記D−アミノ酸が、D−His、D−Leu、D−Pro、D−Tyr、D−Asp、D−Lys、D−Trp、D−allo−Ile、D−Asn、D−Phe、D−Ala、D−Gln、D−Glu、D−Cys、D−Met、及びD−Thrからなる群から選択される少なくとも1種であり、角層機能改善が、シワ面積率の低減である上記〔1〕に記載の角層機能改善剤。 〔5〕D−Arg、D−His、D−Leu、D−Pro、D−Ser、D−Tyr、D−Val、D−allo−Thr、D−Asp、D−Lys、D−Trp、D−allo−Ile、D−Asn、D−Phe、D−Ala、D−Gln、D−Glu、D−Cys、D−Met、及びD−Thrからなる群から選択される少なくとも1種のD−アミノ酸を有効成分とする保湿能改善剤。 〔6〕前記D−アミノ酸が、D−His、D−Leu、D−Lys、D−Trp、D−allo−Ile、D−Asn、及びD−Pheからなる群から選択される少なくとも1種である上記〔5〕に記載の保湿能改善剤。 〔7〕前記D−アミノ酸が、D−His、D−Leu、D−Lys、D−Trp、D−allo−Ile、及びD−Pheからなる群から選択される少なくとも1種である上記〔5〕又は〔6〕に記載の保湿能改善剤。 〔8〕D−Arg、D−His、D−Leu、D−Pro、D−Ser、D−Val、D−allo−Thr、D−Asp、D−Lys、D−Trp、D−allo−Ile、D−Asn、D−Phe、D−Ala、D−Glu、D−Cys、D−Met、D−Gln、及びD−Thrからなる群から選択される少なくとも1種のD−アミノ酸を有効成分とするバリア能改善剤。 〔9〕前記D−アミノ酸が、D−His、D−Leu、D−Lys、D−Trp、D−allo−Ile、D−Asn、及びD−Pheからなる群から選択される少なくとも1種である上記〔8〕に記載のバリア能改善剤。 〔10〕前記D−アミノ酸が、D−His、D−Leu、D−Lys、D−Trp、D−allo−Ile、及びD−Pheからなる群から選択される少なくとも1種のD−アミノ酸である上記〔8〕又は〔9〕に記載のバリア能改善剤。 〔11〕D−His、D−Leu、D−Tyr、D−Asp、D−Lys、D−Trp、D−allo−Ile、D−Asn、D−Phe、D−Ala、D−Glu、D−Gln、D−Cys、D−Met、及びD−Thrからなる群から選択される少なくとも1種を有効成分とする小じわ予防又は改善剤。 〔12〕前記D−アミノ酸が、D−Leu、D−Lys、D−Trp、及びD−Asnからなる群から選択される少なくとも1種である上記〔11〕に記載の小じわ予防又は改善剤。 〔13〕前記D−アミノ酸が、D−Leu、D−Lys、及びD−Trpからなる群から選択される少なくとも1種である上記〔11〕又は〔12〕に記載の小じわ予防又は改善剤。 〔14〕D−Asp、D−Lys、D−Trp、D−allo−Ile、D−Asn、D−Phe、D−Ala、及びD−Gluからなる群から選択される少なくとも1種を有効成分とするフィラグリン、インボルクリン、ロリクリン、ケラチン10、及びトランスグルタミナーゼ1から選ばれる少なくとも1種のタンパク質の遺伝子の発現促進剤。 〔15〕D−His、D−Leu、D−Pro、D−Asp、D−Lys、D−Trp、D−allo−Ile、D−Phe、D−Ala、D−Glu、D−Cys、D−Met、及びD−Thrからなる群から選択される少なくとも1種を有効成分とするフィラグリンの産生促進剤。 〔16〕上記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の角層機能改善剤、上記〔5〕〜〔7〕のいずれかに記載の保湿能改善剤、上記〔8〕〜〔10〕のいずれかに記載のバリア能改善剤、上記〔11〕〜〔13〕のいずれかに記載の小じわ予防又は改善剤、上記〔14〕に記載の発現促進剤、又は上記〔15〕に記載の産生促進剤を含む皮膚化粧料又は皮膚外用剤。 〔17〕ポリオール化合物、界面活性剤、高級アルコール、増粘剤、キレート剤、防腐剤及びシリコーンからなる群より選択される少なくとも1種の基剤を更に含む上記〔16〕に記載の皮膚化粧料又は皮膚外用剤。 〔18〕剤形が、乳液、クリーム、化粧水、又はジェルである上記〔16〕又は〔17〕に記載の皮膚化粧料又は皮膚外用剤。 〔19〕被検者の肌の角層水分量、シワ面積率、及び経表皮水分蒸散量からなる群から選ばれる少なくとも1種を測定して前記被検者の肌の保湿能、小じわの予防又は改善能、及びバリア能からなる群から選ばれる少なくとも1種を確認すること、 前記被検者の前記肌の測定部位から角層を採取すること、 前記角層に含まれる少なくとも1種のD−アミノ酸量を特定すること、 前記肌の保湿能、バリア能、及び小じわの予防又は改善能からなる群から選ばれる少なくとも1種と前記D−アミノ酸量との関係を、被検者の結果の間で比較すること を含む、D−アミノ酸による肌の評価方法。 〔20〕前記D−アミノ酸量の特定が、 前記角層に含まれるタンパク質量あたりのD−アミノ酸含有量の測定である上記〔19〕に記載の評価方法。 〔21〕前記D−アミノ酸含有量の測定を、液体クロマトグラフ−タンデム型質量分析計により行う上記〔19〕又は〔20〕に記載の評価方法。 〔22〕前記タンパク質量の測定をBCA法により行う上記〔20〕又は〔21〕に記載の評価方法。 〔23〕前記D−アミノ酸が、D−Arg、D−His、D−Leu、D−Pro、D−Ser、D−Tyr、D−Val、D−allo−Thr、D−Asp、D−Lys、D−Trp、D−allo−Ile、D−Asn、D−Phe、D−Ala、D−Gln、D−Glu、及びD−Metからなる群から選択される少なくとも1種を含む上記〔19〕〜〔22〕のいずれかに記載の評価方法。 〔24〕前記被検者が、20代から30代の女性であり、 前記D−アミノ酸が、D−Arg、D−His、D−Leu、D−Pro、D−Ser、D−Tyr、D−Val、D−allo−Thr、D−Asp、D−Lys、D−Trp、D−allo−Ile、D−Asn及びD−Pheからなる群から選択される少なくとも1種であり、少なくとも保湿能を評価する、上記〔23〕に記載の評価方法。 〔25〕前記被検者が、20代から30代の女性であり、 前記D−アミノ酸が、D−His、D−Leu、D−Pro、D−Ser、D−Val、D−allo−Thr、D−Asp、D−Trp、D−allo−Ile、D−Asn及びD−Pheからなる群から選択される少なくとも1種であり、少なくともバリア能を評価する、上記〔23〕に記載の評価方法。 〔26〕前記被検者が、40代から60代の女性であり、 前記D−アミノ酸が、D−Arg、D−His、D−Leu、D−Pro、D−Val、D−allo−Thr、D−Asp、D−Lys、D−Trp、D−allo−Ile、D−Asn、及びD−Glnからなる群から選択される少なくとも1種であり、少なくとも保湿能を評価する、上記〔23〕に記載の評価方法。 〔27〕前記被検者が、40代から60代の女性であり、 前記D−アミノ酸が、D−Arg、D−His、D−Leu、D−Pro、D−Ser、D−Val、D−allo−Thr、D−Lys、D−Trp、D−allo−Ile、D−Phe、及びD−Glnからなる群から選択される少なくとも1種であり、少なくともバリア能を評価する、上記〔23〕に記載の評価方法。 〔28〕前記被検者が、20代から30代の女性であり、 前記D−アミノ酸が、D−Leu、D−Tyr、D−Asp、D−Lys、D−Trp、D−Asn、及びD−Glnからなる群から選択される少なくとも1種であり、少なくとも小じわの予防又は改善能を評価する、上記〔23〕に記載の評価方法。 〔29〕前記被検者が、40代から60代の女性であり、 前記D−アミノ酸が、D−Asp及びD−Lysの少なくともいずれかであり、少なくとも小じわの予防又は改善能を評価する、上記〔23〕に記載の評価方法。 〔30〕前記比較の結果、肌の角層水分量、シワ面積率、及び経表皮水分蒸散量からなる群から選ばれる少なくとも1種とD−アミノ酸量との間に相関関係が確認された場合に、前記相関関係を被検者の肌の評価の指標として選抜することを更に含む、上記〔19〕〜〔29〕のいずれかに記載の評価方法。 〔31〕皮膚化粧料、皮膚外用剤、又はそれらの有効成分候補物質の投与前後の被検者の肌の測定部位の角層に含まれる、上記〔19〕に記載の評価方法で選抜された相関関係を構成するD−アミノ酸量を測定すること、及び、 前記D−アミノ酸量から前記相関関係に基づき投与前後の肌の角層水分量、シワ面積率、及び経表皮水分蒸散量からなる群から選ばれる少なくとも1種を特定し、比較すること を含む、皮膚化粧料又は皮膚外用剤の評価方法。 〔32〕皮膚化粧料又は皮膚外用剤の投与前後の被検者の肌の測定部位の角層に含まれる、上記〔19〕に記載の評価方法で選抜された相関関係を構成するD−アミノ酸量を測定すること、及び、 前記D−アミノ酸量から前記相関関係に基づき投与前後の肌の角層水分量、シワ面積率、及び経表皮水分蒸散量からなる群から選ばれる少なくとも1種を特定し、比較すること を含む、被検者への皮膚化粧料又は皮膚外用剤の有効性の評価方法。 本明細書中、アミノ酸を、慣用の3文字表記(例えば、「Asn」、「Gln」)に「L−」、「D−」、「D,L−」等の立体配置の接頭詞を付けて表すことがある。

本発明の角層機能改善剤は、角層における、内部で水分を保持する保湿能、外界からのウイルス、細菌等の異物の侵入を抑制するバリア能、小じわの予防又は改善能等の機能を発揮し得る。

図1は、D−Asn(実施例1)の保湿能・バリア能・小じわ予防又は改善能関連タンパク質遺伝子(フィラグリン)の増幅量(コントロールの増幅量に対する相対値)を示すグラフである。

図2は、D−Asn(実施例1)のバリア能関連タンパク質遺伝子(インボルクリン)の増幅量(コントロールの増幅量に対する相対値)を示すグラフである。

図3は、D−Asn(実施例1)のバリア能関連タンパク質遺伝子(ケラチン10)の増幅量(コントロールの増幅量に対する相対値)を示すグラフである。

図4は、D−Asn(実施例1)のバリア能関連タンパク質遺伝子(ロリクリン)の増幅量(コントロールの増幅量に対する相対値)を示すグラフである。

図5は、D−Asp(実施例2)の保湿能・バリア能・小じわ予防又は改善能関連タンパク質遺伝子(フィラグリン)の増幅量(コントロールの増幅量に対する相対値)を示すグラフである。

図6は、D−Asp(実施例2)のバリア能関連タンパク質遺伝子(インボルクリン)の増幅量(コントロールの増幅量に対する相対値)を示すグラフである。

図7は、D−Asp(実施例2)のバリア能関連タンパク質遺伝子(ケラチン10)の増幅量(コントロールの増幅量に対する相対値)を示すグラフである。

図8は、D−Asp(実施例2)のバリア能関連タンパク質遺伝子(ロリクリン)の増幅量(コントロールの増幅量に対する相対値)を示すグラフである。

図9は、D−Asp(実施例2)のバリア能関連タンパク質遺伝子(トランスグルタミナーゼ1)の増幅量(コントロールの増幅量に対する相対値)を示すグラフである。

図10は、20代から30代の女性において、角層中のD−Asp量と角層水分量との相関を示す図である。

図11は、20代から30代の女性において、角層中のD−Phe量と角層水分量との相関を示す図である。

図12は、40代から60代の女性において、角層中のD−allo−Ile量と角層水分量との相関を示す図である。

図13は、20代から30代の女性において、角層中のD−Asn量と経表皮水分蒸散量(TEWL)との相関を示す図である。

図14は、20代から30代の女性において、角層中のD−Phe量と経表皮水分蒸散量(TEWL)との相関を示す図である。

図15は、40代から60代の女性において、角層中のD−allo−Ile量と経表皮水分蒸散量(TEWL)との相関を示す図である。

図16は、20代から30代の女性において、角層中のD−Asn量とシワ面積率との相関を示す図である。

図17は、20代から30代の女性において、角層中のD−Gln量とシワ面積率との相関を示す図である。

図18は、40代から60代の女性において、角層中のD−Lys量とシワ面積率との相関を示す図である。

図19は、正常ヒト表皮角化細胞における、D−Asn、D−Asp、D−Lys、D−Phe、D−Trp、D−allo—Ile、D−Ala、D−Glu添加時の細胞生存率を示すグラフである。

図20は、D−His添加時の正常ヒト新生児表皮角化細胞におけるフィラグリン産生量を示すグラフである。

図21は、D−Leu添加時の正常ヒト新生児表皮角化細胞におけるフィラグリン産生量を示すグラフである。

図22は、D−Trp添加時の正常ヒト新生児表皮角化細胞におけるフィラグリン産生量を示すグラフである。

図23は、D−Ala添加時の正常ヒト新生児表皮角化細胞におけるフィラグリン産生量を示すグラフである。

図24は、D−allo−Ile添加時の正常ヒト新生児表皮角化細胞におけるフィラグリン産生量を示すグラフである。

図25は、D−Asp添加時の正常ヒト新生児表皮角化細胞におけるフィラグリン産生量を示すグラフである。

図26は、D−Glu添加時の正常ヒト新生児表皮角化細胞におけるフィラグリン産生量を示すグラフである。

図27は、D−Lys添加時の正常ヒト新生児表皮角化細胞におけるフィラグリン産生量を示すグラフである。

図28は、D−Phe添加時の正常ヒト新生児表皮角化細胞におけるフィラグリン産生量を示すグラフである。

図29は、D−Pro添加時の正常ヒト新生児表皮角化細胞におけるフィラグリン産生量を示すグラフである。

図30は、D−Cys添加時の正常ヒト新生児表皮角化細胞におけるフィラグリン産生量を示すグラフである。

図31は、D−Met添加時の正常ヒト新生児表皮角化細胞におけるフィラグリン産生量を示すグラフである。

図32は、D−Thr添加時の正常ヒト新生児表皮角化細胞におけるフィラグリン産生量を示すグラフである。

本明細書中、単に「剤」と表記するときは、角層機能改善剤、保湿能改善剤、バリア能改善剤、小じわ予防又は改善剤、遺伝子の発現促進剤、産生促進剤を総称するものとする。

[1.角層機能改善剤] 本明細書中、角層機能改善剤とは、皮膚に適用した際に、角層水分量を増やす又は保持する保湿能の向上、外界からの、ウイルス、細菌等の異物の侵入を抑制するバリア能の向上、及び、小じわの予防又は改善能の向上のうちのいずれかの効果を発揮し得るものをいう。 本明細書中、「保湿能」は、角層水分量の保持をいい、角層水分量が多いほど保湿能に優れる。また、「バリア能」は、経表皮水分蒸散の抑制をいい、経表皮水分蒸散量(以下、「TEWL」ともいう)が小さいほどバリア能に優れる。さらに、「小じわの予防又は改善」は、シワ面積率で評価され、シワ面積率が小さいほど小じわの予防又は改善能に優れる。

本発明の角層機能改善剤は、D−Arg、D−His、D−Leu、D−Pro、D−Ser、D−Tyr、D−Val、D−allo−Thr、D−Asp、D−Lys、D−Trp、D−allo−Ile、D−Asn、D−Phe、D−Ala、D−Gln、D−Glu、D−Cys、D−Met、及びD−Thrからなる群から選択される少なくとも1種のD−アミノ酸を有効成分とする。かかるアミノ酸は、角層機能改善としての保湿能(角層水分量の保持または増加)を発揮し得る。D−アミノ酸は、好ましくは、D−Arg、D−His、D−Leu、D−Tyr、D−Val、D−allo−Thr、D−Lys、D−Trp、D−allo−Ile、D−Asn、D−Phe、D−Gln、及びD−Thrからなる群から選択される少なくとも1種のD−アミノ酸であり、より好ましくは、D−His、D−Leu、D−Lys、D−Trp、D−allo−Ile、D−Asn、及びD−Pheからなる群から選択される少なくとも1種のD−アミノ酸であり、更に好ましくは、D−His、D−Leu、D−Lys、D−Trp、D−allo−Ile、及びD−Pheからなる群から選択される少なくとも1種のD−アミノ酸である。 また、D−アミノ酸は、D−Arg、D−His、D−Leu、D−Pro、D−Ser、D−Val、D−allo−Thr、D−Asp、D−Lys、D−Trp、D−allo−Ile、D−Asn、D−Phe、D−Ala、D−Gln、D−Glu、D−Cys、D−Met及びD−Thrからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、D−Arg、D−His、D−Leu、D−Val、D−allo−Thr、D−Lys、D−Trp、D−allo−Ile、D−Asn、D−Phe、D−Gln、及びD−Thrからなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。かかるアミノ酸は、角層機能改善としてのバリア能(経表皮水分蒸散の抑制)を発揮し得る。これらのD−アミノ酸の中でも、保湿能関連タンパク質遺伝子の発現を、又は前記タンパク質(好ましくはフィラグリン)の産生を促進することが実施例で実証されているので、D−His、D−Leu、D−Lys、D−Trp、D−allo−Ile、D−Asn、及びD−Pheからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、D−His、D−Leu、D−Lys、D−Trp、D−allo−Ile、及びD−Pheからなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。 D−アミノ酸が、D−His、D−Leu、D−Pro、D−Tyr、D−Asp、D−Lys、D−Trp、D−allo−Ile、D−Asn、D−Phe、D−Ala、D−Gln、D−Glu、D−Cys、D−Met、及びD−Thrからなる群から選択される少なくとも1種であることも好ましく、D−His、D−Leu、D−Tyr、D−Lys、D−Trp、D−allo−Ile、D−Asn、D−Phe、D−Gln、及びD−Thrからなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。かかるアミノ酸は、角層機能改善としての小じわの予防又は改善能(シワ面積率の低減)を発揮し得る。これらのD−アミノ酸の中でも、保湿能関連タンパク質遺伝子の発現を、又は前記タンパク質(好ましくはフィラグリン)の産生を促進することが実施例で実証されていることから、D−Leu、D−Lys、D−Trp、及びD−Asnからなる群から選択される少なくとも1種がさらに好ましく、D−Leu、D−Lys、及びD−Trpからなる群から選択される少なくとも1種がより好ましい。 本発明者らは、生体中にごく微量にしか含まれていないD−アミノ酸の含有量と肌の保湿能、バリア能、小じわの予防又は改善能に相関関係があることを見出した。そして、相関関係を見出したD−アミノ酸を用いて、保湿能、バリア能、小じわの予防又は改善能に関連するタンパク質の遺伝子発現量及びフィラグリンの発現量を検討したところ、タンパク質の遺伝子発現量及びフィラグリンの発現量に有意な増加がみられた。 従って、従来、ラセミ体としてのアミノ酸そのものが有効成分とみなされていたアミノ酸のうち、生体中にごく微量にしか含まれていないD−アミノ酸が、肌の保湿能、バリア能、小じわの予防又は改善能に関連するタンパク質の産生に強く影響し、有効成分として作用するという新規な知見を見出した。本発明の角層機能改善剤は、このような新規な知見に基づき、生体中にごく微量にしか含まれていないD−アミノ酸が有する顕著な効果を利用するものである。 なお、D−Cysは、L−Cysと同様に安定性が低い場合がある(特開2009−227660号公報)。また、D−Asp及びD−Gluは、溶解性を向上させるためにpHを高めに調整する必要が生じる場合がある。

アミノ酸には、光学異性体としてD体及びL体が存在する。このうち、天然のタンパク質は、L−アミノ酸がペプチド結合して構成されている。例えば、リモネンは、光学異性体で生理活性が異なるものが存在することが知られている。しかし、D−アミノ酸がL−アミノ酸で構成されるタンパク質に及ぼす影響について、現在のところ研究段階であり、体系的な理解はなされていない。

D−アミノ酸は、それらの塩であってもよい。塩としては薬学上許容される塩であればよい。例えば、カリウム塩、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、バリウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩、トリシクロヘキシルアンモニウム塩等のアンモニウム塩;モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、モノイソプロピルアルコールアミン塩、ジイソプロピルアルコールアミン塩、トリイソプロピルアルコールアミン塩等のアルカノールアミン塩が挙げられる。

D−アミノ酸の製法は特に限定されない。例えば、合成法、抽出法、酵素法、発酵法が挙げられる。また、D,L−アミノ酸のラセミ混合物を光学分割する方法も挙げられる。光学分割としては特に限定されなく、従来公知の方法(例えば、カンファースルホン酸等の光学分割剤を用いてジアステレオマー塩を調製し、溶解性の差を利用して分割する方法)で行えばよい。

角層機能改善は、角層水分量の保持、経表皮水分蒸散の抑制、及びシワ面積率の減少の少なくともいずれかであることが好ましい。角層水分量の保持は、例えば、コルネオメーター測定値又はSkicon測定値を上げることで評価し得る。経表皮水分蒸散の抑制は、例えば、TEWL値を下げることで評価し得る。シワ面積率は、例えば、目尻部のレプリカを作製し、機器によってシワ面積率を測定することで評価し得る。

[1−1.保湿能改善剤] 本発明の保湿能改善剤は、D−Arg、D−His、D−Leu、D−Pro、D−Ser、D−Tyr、D−Val、D−allo−Thr、D−Asp、D−Lys、D−Trp、D−allo−Ile、D−Asn、D−Phe、D−Ala、D−Gln、D−Glu、D−Cys、D−Met、及びD−Thrからなる群から選択される少なくとも一種のD−アミノ酸を有効成分とする。D−アミノ酸は、D−Arg、D−His、D−Leu、D−Tyr、D−Val、D−allo−Thr、D−Lys、D−Trp、D−allo−Ile、D−Asn、D−Phe、D−Gln及びD−Thrからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。これらのD−アミノ酸の中でも、保湿能関連タンパク質遺伝子の発現を、又は前記タンパク質(好ましくはフィラグリン)の産生を促進することが実施例で実証されているので、D−His、D−Leu、D−Asp、D−Lys、D−Trp、D−allo−Ile、D−Asn、D−Phe、D−Ala、D−Glu、D−Cys、D−Met、D−Thr、及びD−Proからなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましく、D−His、D−Leu、D−Lys、D−Trp、D−allo−Ile、D−Asn、及びD−Pheからなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましく、D−His、D−Leu、D−Lys、D−Trp、D−allo−Ile、及びD−Pheからなる群から選択される少なくとも1種であることが更に好ましい。D−Arg、D−Ser、D−Tyr、D−Val、D−allo−Thr、D−Glnについては、保湿能関連タンパク質(好ましくはフィラグリン)の産生を促進することが実施例で実証されていない。しかしながら、これらのD−アミノ酸の含有量と肌の保湿能に相関関係がみられることから、他の作用機序により保湿能を向上させる有効成分となることは十分に推測される。 本発明の保湿能改善剤は、必要に応じて上記のD−アミノ酸以外の保湿能改善成分を含有していてもよい。 上記のD−アミノ酸は、それらの塩であってもよく、D−アミノ酸の塩としては前述したことと同様である。

本発明の保湿能改善剤は、角層水分量を保持又は増やして保湿能を向上するという効果を奏する。フィラグリンは、顆粒層から角層に移動して、ケラチン繊維と結合及び凝集し、ケラチンパターンを形成した後、ウロカニン酸等の低分子に分解されて、保水、紫外線吸収に関与する天然保湿因子となることが知られている。天然保湿因子は細胞内の水と結合して保持するので、天然保湿因子が多いほど角層水分量を多くすることができる。従って、フィラグリンの産生を促進できれば、その分解物である天然保湿因子も多量に生じることになり、肌の保湿能が向上すると考えられる。

[1−2.バリア能改善剤] 本発明のバリア能改善剤は、D−Arg、D−His、D−Leu、D−Pro、D−Ser、D−Val、D−allo−Thr、D−Asp、D−Lys、D−Trp、D−allo−Ile、D−Asn、D−Phe、D−Ala、D−Glu、D−Cys、D−Met、D−Gln、及びD−Thrからなる群から選択される少なくとも一種のD−アミノ酸を有効成分とする。D−アミノ酸は、D−Arg、D−His、D−Leu、D−Val、D−allo−Thr、D−Lys、D−Trp、D−allo−Ile、D−Asn、D−Phe、D−Thr、及びD−Glnからなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。これらのD−アミノ酸の中でも、バリア能関連タンパク質(フィラグリン、インボルクリン、トランスグルタミナーゼ1、ケラチン10、及びロリクリン)の産生を促進することが実施例で実証されているので、D−アミノ酸は、D−Asp、D−Lys、D−Trp、D−allo−Ile、D−Asn、D−Phe、D−Ala、D−His、D−Leu、D−Glu、D−Cys、D−Met、D−Thr、及びD−Proからなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましく、D−Lys、D−Trp、D−allo−Ile、D−Asn、D−Phe、D−His、及びD−Leuからなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましく、D−His、D−Leu、D−Lys、D−Trp、D−allo−Ile、及びD−Pheからなる群から選択される少なくとも1種であることが更に好ましい。 D−Arg、D−Ser、D−Val、D−allo−Thr、D−Glnについては、バリア能関連タンパク質(フィラグリン、インボルクリン、トランスグルタミナーゼ1、ケラチン10、及びロリクリン)の産生を促進することが実施例で実証されていない。しかしながら、これらのD−アミノ酸の含有量と肌のバリア能に相関関係がみられることから、他の作用機序によりバリア能を向上させる有効成分となることは十分に推測される。 本発明のバリア能改善剤は、必要に応じて上記のD−アミノ酸以外のバリア能改善成分を含有していてもよい。 上記のD−アミノ酸は、それらの塩であってもよく、D−アミノ酸の塩としては前述したことと同様である。

本発明のバリア能改善剤は、外界からの、ウイルス、細菌等の異物の侵入を抑制するバリア能を向上するという効果を奏する。フィラグリン、インボルクリン、トランスグルタミナーゼ1、ケラチン10、及びロリクリンは、角質細胞を構成する主要因となるものであり、丈夫な角層を形成して角層に隙間が生じることを防止すると考えられる。

[1−3.小じわ予防又は改善剤] 本発明の小じわ予防又は改善剤は、D−His、D−Leu、D−Pro、D−Tyr、D−Asp、D−Lys、D−Trp、D−allo−Ile、D−Asn、D−Phe、D−Ala、D−Glu、D−Gln、D−Cys、D−Met、D−Thr、D−Pro、及びD−Gluからなる群から選択される少なくとも1種を有効成分とする。アミノ酸は、D−Leu、D−Tyr、D−Lys、D−Trp、D−allo−Ile、D−Asn、D−Phe、D−His、D−Gln、及びD−Thr、からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。これらのD−アミノ酸中でも、フィラグリンの産生を促進することが実施例で実証されているので、D−Asp、D−Lys、D−Trp、D−allo−Ile、D−Asn、D−Phe、D−Ala、D−Glu、D−His、D−Pro、D−Cys、D−Met、D−Thr、及びD−Leuからなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、D−Lys、D−Trp、D−Asn、及びD−Leuからなる群から選択される少なくとも1種がより好ましく、D−Lys、D−Trp、及びD−Leuからなる群から選択される少なくとも1種がさらに好ましい。D−Tyr、D−Glnについては、フィラグリンの産生を促進することが実施例で実証されていない。しかしながら、これらのD−アミノ酸の含有量とシワ面積率に相関関係がみられることから、他の作用機序により小じわを予防又は改善する有効成分となることは十分に推測される。 本発明の小じわ予防又は改善剤は、必要に応じて上記のD−アミノ酸以外の小じわ予防又は改善成分を含有していてもよい。 上記のD−アミノ酸は、それらの塩であってもよく、D−アミノ酸の塩としては前述したことと同様である。

本発明の小じわ予防又は改善剤は、小じわを予防又は改善し得るという効果を奏する。皮膚の代表的な加齢変化の一つであるシワの形成は、皮膚の乾燥による小じわ形成から始まると言われており、その対策として保湿向上が考えられる。フィラグリンは、上記したように、顆粒層から角層に移動して、ケラチン繊維と結合及び凝集し、ケラチンパターンを形成した後、ウロカニン酸等の低分子に分解されて、保水、紫外線吸収に関与する天然保湿因子となることが知られている。天然保湿因子は細胞内の水と結合して保持するので、天然保湿因子が多いほど角層水分量を多くすることができる。従って、フィラグリンの産生を促進できれば、その分解物である天然保湿因子も多量に生じることになり、肌の保湿能が向上するので、結果として、皮膚の乾燥による小じわ形成も予防又は改善し得る。

[1−4.角層機能関連タンパク質遺伝子の発現促進剤、及び保湿関連タンパク質産生促進剤] 本発明の角層機能関連タンパク質遺伝子の発現促進剤は、D−Asp、D−Lys、D−Trp、D−allo−Ile、D−Asn、D−Phe、D−Ala、及びD−Gluからなる群から選択される少なくとも1種、好ましくはD−Lys、D−Trp、D−allo−Ile、D−Asn、及びD−Pheからなる群から選択される少なくとも1種を有効成分とする。 また、本発明の角層機能関連タンパク質(例えば、フィラグリン)産生促進剤は、D−His、D−Leu、D−Pro、D−Asp、D−Lys、D−Trp、D−Allo−Ile、D−Phe、D−Ala、D−Glu、D−Cys、D−Met、及びD−Thrからなる群から選択される少なくとも1種のD−アミノ酸を有効成分とすることが好ましく、D−His、D−Leu、D−Lys、D−Trp、D−allo−Ile、D−Phe、及びD−Thrからなる群から選択される少なくとも1種のD−アミノ酸を有効成分とすることがより好ましい。 本明細書において、角層機能関連タンパク質は、フィラグリン、インボルクリン、ロリクリン、ケラチン10及びトランスグルタミナーゼ1から選ばれる少なくとも1種である。 フィラグリンは、保湿能に強く関連するタンパク質であり、天然保湿因子であるアミノ酸の供給源である。そのため、皮膚の乾燥による小じわ形成に関連するタンパク質である。また、ケラチンフィラメントが凝集し、丈夫なケラチンを構築するのにも寄与しているので、バリア能にも関連するタンパク質である。 インボルクリンは、バリア能に関連するタンパク質である。角層を構成するタンパク質の一種であり、丈夫な角層の形成に必須である。 ケラチン10は、バリア能に関連するタンパク質である。角層の主成分である。 ロリクリンは、バリア能に関連するタンパク質である。角層を構成するタンパク質の一種であり、丈夫な角層の形成に必須である。 トランスグルタミナーゼ1は、タンパク質を架橋する酵素である。丈夫な角層を形成するのに重要と考えられる。

[2.皮膚化粧料及び皮膚外用剤] 本発明の皮膚化粧料又は皮膚外用剤は、上記の剤の少なくとも1つを含む。本発明の剤の含有量は、皮膚化粧料及び皮膚外用剤の種類に応じて適宜調整すればよい。D−アミノ酸の合計量で換算した場合の好適な含有量の下限は、通常、0.01質量%以上であり、好ましくは0.1質量%以上であり、さらに好ましくは1質量%以上である。その上限は、通常、30質量%以下であり、好ましくは10質量%以下である。

本発明の皮膚化粧料及び皮膚外用剤は、ポリオール化合物、界面活性剤、高級アルコール、増粘剤、キレート剤、防腐剤及びシリコーンからなる群より選択される少なくとも1種の基剤を更に含んでもよく、含むことが好ましい。

(ポリオール化合物) ポリオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ブチルエチルプロパンジオール、ポリプロピレングリコール共重合体、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ソルビトールが挙げられる。中でも、ブチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、及びソルビトールからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。

(界面活性剤) 界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンオレイン酸エステル、高級脂肪酸石けん、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、N−アシルアミノ酸塩、アシルN−メチルタウリン塩等のアニオン界面活性剤;塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム等のカチオン界面活性剤;コカミドプロピルベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルアミドジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシ−N−ヒドロキシイミダゾリニウムベタイン等の両性界面活性剤;グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、レシチン誘導体(例えば、リゾレシチン)、ポリオキシエチレン型(例えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル等)、多価アルコールエステル型、エチレンオキシド・プロピレンオキシドブロック共重合体等の非イオン界面活性剤が挙げられる。中でも、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、レシチン誘導体、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、及びポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。

(高級アルコール) 高級アルコールとしては、例えば、セタノール、ベヘニルアルコール、イソヘキサデシルアルコールが挙げられる。中でも、ベヘニルアルコールが好ましい。

(増粘剤) 増粘剤としては、例えば、ポリアクリル酸、カラギーナン、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリオキシエチレングリコールジステアリン酸エステル、アクリル酸系ポリマー、セルロース系天然ポリマー、エタノール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ミリスチン酸カリウムが挙げられる。中でも、アクリル酸系ポリマー、キサンタンガム、及びセルロース系天然ポリマーからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。

(キレート剤) キレート剤としては、例えば、エチドロン酸、エデト酸三ナトリウム等のエチレンジアミン四酢酸(誘導体)が挙げられる。中でも、エチレンジアミン四酢酸が好ましい。

(防腐剤) 防腐剤としては、パラベン及びフェノキシエタノールの少なくともいずれかが好ましい。パラベンとしては例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベンが挙げられる。

(シリコーン) シリコーンとしては、例えば、メチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン、シクロペンタシロキサン、トリメチルシロキシケイ酸、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、シリコンフルイド、シリコーンゴム、シリコーン油が挙げられる。

本発明の皮膚化粧料又は皮膚外用剤は、上記以外の1又は2以上の他の基剤を含んでもよい。他の基剤は、通常の皮膚化粧料又は皮膚外用剤に用いられる基剤であればよく、例えば、油性基剤、水溶性基剤、乳化剤、安定化剤、pH調整剤、保存剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、他の機能性成分(生理活性成分)、トリエチルヘキサノイン等の香料、色素、溶剤、天然物抽出物、上記のD−アミノ酸以外のアミノ酸(誘導体)が挙げられる。

油性基剤としては、例えば、ヒマシ油、綿実油、胡麻油、ホホバ油、オリーブ油、カカオ脂等の植物油脂;モクロウ、液状ラノリン等のラノリン、キャンデリラロウ、ミツロウ、カルナウバロウ等のロウ;ワセリン、流動パラフィン、固形パラフィン等のパラフィン、スクワラン、オレフィンオリゴマー、プラスチベース等の高級炭化水素;ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸及びそれらのエステル;白灯油等のベースワックス;天然高分子、水添ポリイソブテンが挙げられる。

水溶性基剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体(例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カチオン化セルロース)、カルボキシビニルポリマー、エステル(例えば、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、ステアリルステアレート、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、2−エチルヘキサン酸トリグリセリド)が挙げられる。

乳化剤としては、例えば、ステアリルアルコール、グリセリルモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ジグリセリンモノステアリン酸エステル、ポリソルベート60、ミリストイルメチル−β−アラニン(フィトステリル/デシルテトラデシル)が挙げられる。

安定化剤としては、例えば、球状ポリアクリル酸アルキル粉末、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト、アスコルビン酸、ピロ亜硫酸ナトリウム、ジェランガム、ペクチンが挙げられる。 pH調整剤としては、例えば、リン酸塩緩衝剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミンが挙げられる。 保存剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸エチル、安息香酸ナトリウム、サリチル酸、ソルビン酸、亜硫酸水素ナトリウム、フェノキシエタノールが挙げられる。 紫外線吸収剤としては、例えば、ブチルメトキシベンゾイルメタン、パラジメチルアミノ安息香酸オクチル、パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル等の桂皮酸誘導体、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸エチルヘキシルが挙げられる。 紫外線散乱剤としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛が挙げられる。 溶剤としては、例えば、アルギニン水溶液、精製水が挙げられる。 色素としては、例えば、赤202、黄色4、青色1、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄が挙げられる。

他の機能性成分としては、例えば、コウジ酸、リン酸トリオレイル、スクワラン、エチルヘキサン酸セチル、トコフェロール、マイカ、ビス(N−ラウロイル−L−グルタミン酸・N−ラウロイル−サルコシン)ダイマージリノレイル、酢酸トコフェロール、チオタウリン、ハチミツ、ラウロイルサルコシンイソプロピル、ラウロイルリシン、タルク、ジブチルエチルヘキサノイルグルタミド、ジブチルラウロイルグルタミド、ベントナイト、タウリン、アルブチン、パンテノール、ナイアシンアミド、ピリドキシン塩酸塩、レチノール、カロチン、リボフラビン、ユビキノン、ヒアルロン酸ナトリウム、水溶性コラーゲン、コンドロイチン硫酸ナトリウム、乳酸稈菌、乳発酵液、ホエイ、ヨーグルトエキス、加水分解カゼインナトリウム、ダイズ発酵エキス、塩化ベンザルコニウム、トリクロサン、サリチル酸、クエン酸、ビサボロール、塩化カルシウム、カプリル酸グリセリル、ミネラルオイル、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、コカミドMEA、コカミドメチルMEA、ポリビニルピロリドン、ココアンホ酢酸ナトリウム、ポリクオタニウム、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドが挙げられる。 天然物抽出物としては、例えば、ラベンダーエキス、ペパーミントエキス、セージエキス、アニスエキス、バラエキス、ヒノキ水、ルイボスエキス、ラベンダー抽出物、クララエキスが挙げられる。 アミノ酸(誘導体)としては、例えば、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−バリン、L−フェニルアラニン、L−トリプトファン、L−アスパラギン酸、L−グルタミン酸ナトリウム、L−リシン(塩酸塩)、L−アルギニン、L−スレオニン、L−アラニン、L−プロリン、L−セリン、グリシン、アセチルグルタミン、L−ヒスチジン、ピリドキシルセリン、カルノシン、アセチルメチオニン、アセチルシステイン、ポリアスパラギン酸ナトリウム、シトルリン、オルニチン、ベタイン、L−チロシン、L−アスパラギン、L−メチオニンが挙げられる。 上記の他の基剤の含有量は、適宣設定すればよく、特に限定されるものではない。

本発明の皮膚化粧料又は皮膚外用剤の剤形は特に限定されないが、例えば、液体、ローション剤、軟膏剤、クリーム剤、プラスター、テープ製剤、粉末化粧水、ジェルが挙げられる。中でも、乳液、クリーム、化粧水、又はジェルが挙げられ、これらのいずれかであることが好ましい。

本発明の皮膚化粧料又は皮膚外用剤の使用部位は特に限定されなく、通常、皮膚、粘膜に適用される。中でも、好ましくは皮膚に使用される。そのため、本発明の皮膚化粧料又は皮膚外用剤の使用形態としては、例えば、水溶液、乳化物、粉末分散体、エマルジョン(水中油型、油中水型等)が挙げられる。より詳細には、液剤、油剤、ローション、ゲル、ゾル、乳液、懸濁液、クリーム、軟膏、貼付剤、スティック等が挙げられる。いわゆる化粧料としては、例えば、ローション、美容液等の化粧水;エモリエント乳液、ミルキーローション、ナリシング乳液、クレンジング乳液等の乳液;エモリエントクリーム、マッサージクリーム、クレンジングクリーム、メイクアップクリーム等のクリーム;スプレー;パック、ファンデーション、口紅、リップスティック、アイシャドウ、チーク、おしろい、カラーパウダー等のメイクアップ用化粧料、洗顔料、メイク落とし、ボディシャンプー、石鹸等の皮膚洗浄用化粧料が挙げられる。化粧料の他、医薬部外品、医薬品、食品(サプリメント、及び飲料を含む)として使用してもよい。

本発明の皮膚化粧料又は皮膚外用剤の乳液又はクリームとしての構成は、例えば、本発明の剤と、ポリオール群(ブチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、及びジプロピレングリコールからなる群から選択される少なくとも1種)と、界面活性剤群(グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、及びレシチン誘導体からなる群から選択される少なくとも1種)と、高級アルコール群(ベヘニルアルコール)と、増粘剤群(アクリル酸系ポリマー及びキサンタンガムの少なくともいずれか)と、キレート剤群(エチレンジアミン四酢酸)と、防腐剤群(パラベン及びフェノキシエタノールの少なくともいずれか)と、シリコーンと、を含有する構成が挙げられる。

本発明の皮膚化粧料又は皮膚外用剤の化粧水としての構成は、例えば、本発明の剤と、ポリオール群(ブチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、及びソルビトールからなる群から選択される少なくとも1種)と、界面活性剤群(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、及びポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種)と、増粘剤群(アクリル酸系ポリマー、キサンタンガム、及びセルロース系天然ポリマーからなる群から選択される少なくとも1種)と、キレート剤群(エチレンジアミン四酢酸)と、防腐剤群(パラベン及びフェノキシエタノールの少なくともいずれか)と、シリコーンと、を含有する構成が挙げられる。

本発明の皮膚化粧料又は皮膚外用剤のジェルとしての構成は、例えば、本発明の剤と、ポリオール群(ブチレングリコール、グリセリン、及びポリエチレングリコールからなる群から選択される少なくとも1種)と、界面活性剤群(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、及びポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種)と、増粘剤群(アクリル酸系ポリマー、キサンタンガム、及びセルロース系天然ポリマーからなる群から選択される少なくとも1種)と、キレート剤群(エチレンジアミン四酢酸)と、防腐剤群(パラベン及びフェノキシエタノールの少なくともいずれか)と、シリコーンと、を含有する構成が挙げられる。

本発明の保湿能改善剤は、角層水分量を保持又は増加する保湿作用を通じて、加齢、乾燥、皮膚疾患(例えば、アトピー性皮膚炎等)等の原因による肌荒れ、小じわ、かゆみなどの予防、抑制、治療用として利用が期待できる。 本発明のバリア能改善剤は、外界からの、ウイルス、細菌等の異物の侵入を抑制するバリア能改善作用を通じて、加齢、乾燥、皮膚疾患(アトピー性皮膚炎等)等の原因による肌荒れ、炎症、敏感肌などの予防、抑制、治療用として利用が期待できる。 本発明の小じわ予防又は改善剤は、シワ面積率の減少する小じわの予防又は改善作用を通じて、特に、乾燥による小じわの予防、抑制、治療用として利用が期待できる。

従って、本発明の角層機能改善剤、遺伝子の発現促進剤、皮膚化粧料又は皮膚外用剤は、角層水分量を保持又は増加する保湿作用、外界からの、ウイルス、細菌等の異物の侵入を抑制するバリア能改善作用、小じわの予防又は改善作用を通じて、加齢、乾燥、皮膚疾患(例えば、アトピー性皮膚炎等)等の原因による肌荒れ、小じわ、かゆみ、炎症、敏感肌などの予防、抑制、治療用として利用が期待できる。

[3.評価方法] 本発明の評価方法は、被検者の肌の角層水分量、シワ面積率、及び経表皮水分蒸散量からなる群から選ばれる少なくとも1種を測定して被検者の肌の保湿能、小じわの予防又は改善能、及びバリア能からなる群から選ばれる少なくとも1種を確認し、前記被検者の肌の測定部位から角層を採取すること、角層に含まれる少なくとも1種のD−アミノ酸量を特定すること、前記肌の保湿能、バリア能、及び小じわの予防又は改善能からなる群から選ばれる少なくとも1種と前記D−アミノ酸量との関係を、被検者の結果の間で比較することを含む、D−アミノ酸による肌の評価方法である。 本発明の評価方法は、大別すると、次の2つの実施態様がある。一実施態様は、肌の保湿能、バリア能、小じわの予防又は改善能と各成分との関係を、被検者(予備被検者)の結果の間で比較(同じ被検者の複数の結果の間での比較でもよいし、複数の異なる被検者の結果の間での比較でもよい)し、相関関係が確認された場合に、肌の外観とそのD−アミノ酸量との相関関係を被検者(予備被検者と同一でもよいし別でもよい)の肌の評価の指標として選抜する実施態様である。他の実施態様は、被検者に皮膚化粧料、皮膚外用剤、これらの候補物質等のサンプルを投与した前後の角層中のD−アミノ酸量を特定し、上記の相関関係に照らして得られた投与前後の肌の評価を比較して、サンプルの評価、又は、被検者の肌に対する有効性の評価を行う実施態様である。

被検者は、男性及び女性のいずれであってもよい。但し、肌の状態のケアに敏感であることから女性であることが好ましく、加齢による肌の状態のケアに関心を持ちはじめる20代から30代の女性、又は加齢による肌の状態のケアを行うことが多い40代から60代の女性が更に好ましい。

本発明の評価方法において、肌の保湿能は、通常、角層水分量で評価する。肌のバリア能は、通常、経表皮水分蒸散量(TEWL:Transepidermal Water Loss)で評価する。肌の小じわ予防又は改善能は、通常、シワ面積率により評価する。 表皮の最外層に存在する角層は、外部環境と体の中とを隔てるバリアの役割を果たす。そして、角層の質が肌の瑞々しさを決定づける要因となる。角層には細胞間脂質、天然保湿因子(NMF:Natural moisturizing factor)等の構成成分が存在しており、皮膚内部からの水分蒸発に加えて、角層自身が適度な水分を保持することで、皮膚表面の柔らかさ及び/又は滑らかさを保持している。角層水分量及びTEWLは、このような角層の質を評価する指標として用いられている。

皮膚の角層に存在する水分量である角層水分量の測定方法としては、例えば、高周波電流を用いて皮膚の電気インピータンスを測定する方法、例えば、3.5MHzの高周波電流を電極を通して皮膚に流してコンダクタンスを測るSkicon−200EX(ヤヨイ社製)、電気容量から水分量を推定するCorneometer(Courage+Khazaka Germany社製)等の機器を用いて測定する方法、赤外線スペクトルを用いる方法、マイクロ波を用いる方法、光音響による方法が挙げられる。中でも、皮膚表面のコンダクタンスを測定する方法が好ましい。角層水分量は多い方が保湿能に優れているといえる。

TEWLの測定方法としては、例えば、両端が開口した円筒式プローブの一方に皮膚を接触させ、プローブ内部に設置された温湿度センサを利用し、皮膚表面から蒸散する水分量を測定する方法が挙げられる。この方法を採用した測定装置として、Courage+Khazaka社のTewameter(登録商標)TM300がある。TEWLの値は小さい方がバリア能に優れているといえる。

シワ面積率の測定方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。SKIN CAST(アール・エス・アイ社製)を用いて、目尻部のレプリカを作製し、このレプリカをPrimos lite 1813(GFMesstechnik GmbH社製)を用いて測定し、付属のソフトウェアによりシワ面積率を算出することができる。シワ面積率が少ない方が小じわ予防又は改善能に優れると言える。 本発明の評価方法において、肌の各種機能の確認方法は、上記に限定されず、例えば、角層ターンオーバー日数、角層の有核細胞率等の指標を利用する従来公知の他の方法で確認することもできる。

肌の測定部位は特に限定されるものではない。但し、外部環境と体の中とをへだてるバリアの役割を果たす角層の評価を行う観点から、日常生活で外部にさらされる部位であることが好ましい。例えば、頬、腕が挙げられる。測定方法に応じて測定部位を変えてもよい。例えば、角層水分量又はTEWL値を測定する際は頬を測定し、シワ面積率の測定をする際は目尻で測定することができる。 測定箇所は、1か所であってもよく、2か所以上であってもよい。

角層は、肌の所定の測定部位から、テープストリッピング法等の従来公知の方法で採取すればよい。テープストリッピング法とは皮膚に粘着テープを貼り付けて、粘着テープを剥がすことにより、粘着面に付着した角層を採取する方法である。 角層の採取方法としては、例えば、測定部位に市販の粘着テープを押し付けてはがした際に、粘着テープに付着した角層を採取する方法が挙げられる。市販の粘着テープとしては、例えば、アサヒバイオメッド社製角質チェッカー、モリテックス社製角層シール、PROMOTOOL社製角質チェッカー(ディスクタイプW、ディスクタイプG、PROタイプ)、Integral社製Corneofix、3M社製透明テープ、3M社製透明両面テープ、ニチバン社製セロテープ(登録商標)が挙げられる。

D−アミノ酸量を特定する方法は、特に限定されず、例えば、直接法(プレカラム誘導体化した後、キラル固定相カラムによりクロマトグラフィーで分離する方法)、間接法(キラルな誘導体化試薬でジアステレオマーに誘導体化した後、逆相カラムによりクロマトグラフィーで分離する方法)が挙げられる。 直接法としては、例えば、NBD−Fでプレカラム蛍光誘導体化をした後、キラルカラムで分離して蛍光検出する方法が挙げられる。詳細には、“Comprehensive analysis of branched aliphatic D−amino acids in mammals using an integrated multi−loop two−dimensional column−switching high−performance liquid chromatographic system combining reversed−phase and enantioselective columns.” J Chromatogr A. 2007 Mar 2;1143(1−2):105−11. Hamase K, Morikawa A, Ohgusu T, Lindner W, Zaitsu K.を参照し得る。 間接法としては、例えば、OPAとキラルチオールで誘導体化して逆相カラムで分離し、蛍光検出する方法、DBD−PyNCSで誘導体化して逆相カラムで分離して、質量分析計で検出する方法が挙げられる。詳細には、“High−performance liquid chromatography analysis of naturally occurring D−amino acids in sake.” J Chromatogr B Analyt Technol Biomed Life Sci. 2011 Nov 1;879(29):3259−67. Gogami Y, Okada K, Oikawa T.“Determination of DL−amino acids, derivatized with R(−)−4−(3−isothiocyanatopyrrolidin−1−yl)−7−(N,N−dimethylaminosulfonyl)−2,1,3−benz oxadiazole, in nail of diabetic patients by UPLC−ESI−TOF−MS” J. Chromatogr. B, 879, 3220−3228 (2011). J.Z. Min, S. Hatanaka, H.F. Yu, T. Higashi, S. Inagaki, T. Toyo’okaを参照し得る。

特定対象であるD−アミノ酸の成分は、1種でも2種以上の組み合わせでもよく、D−Arg、D−His、D−Leu、D−Pro、D−Ser、D−Tyr、D−Val、D−allo−Thr、D−Asp、D−Lys、D−Trp、D−allo−Ile、D−Asn、D−Phe、D−Ala、D−Gln、D−Glu、及びD−Metを含むことが好ましい。 上記のより好ましいD−アミノ酸は、20代から30代、及び40代から60代の少なくともいずれかの年代の女性の肌の保湿能、バリア能、及び、小じわ予防又は改善能の少なくともいずれかと相関関係を有する成分であることが、本発明の相関評価方法から確認し得る。 本発明の評価方法の一実施態様により、特定のD−アミノ酸と肌の保湿能、バリア能、小じわ予防又は改善能との相関について新たな知見がもたらされる。そのため本発明の評価方法は、天然物に由来する成分等の皮膚化粧料、又は皮膚外用剤の開発へ応用し得る。

より詳細に、被検者の年代とD−アミノ酸の種類に関して以下のことが言える。被検者が、20代から30代の女性である場合、D−アミノ酸の成分は、D−Arg、D−His、D−Leu、D−Pro、D−Ser、D−Tyr、D−Val、D−allo−Thr、D−Asp、D−Lys、D−Trp、D−allo−Ile、D−Asn及びD−Pheからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。これにより少なくとも保湿能を評価することができる。

被検者が、20代から30代の女性である場合、D−アミノ酸の成分は、D−His、D−Leu、D−Pro、D−Ser、D−Val、D−allo−Thr、D−Asp、D−Trp、D−allo−Ile、D−Asn及びD−Pheからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。これにより、少なくともバリア能を評価することができる。

被検者が、40代から60代の女性である場合、D−アミノ酸の成分は、D−Arg、D−His、D−Leu、D−Pro、D−Val、D−allo−Thr、D−Asp、D−Lys、D−Trp、D−allo−Ile、D−Asn、及びD−Glnからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。これにより、少なくとも保湿能を評価することができる。

被検者が、40代から60代の女性である場合、D−アミノ酸の成分は、D−Arg、D−His、D−Leu、D−Pro、D−Ser、D−Val、D−allo−Thr、D−Lys、D−Trp、D−allo−Ile、D−Phe、及びD−Glnからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。これにより、少なくともバリア能を評価することができる。

被検者が、20代から30代の女性である場合、D−アミノ酸の成分は、D−Leu、D−Tyr、D−Asp、D−Lys、D−Trp、D−Asn、及びD−Glnからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。これにより、少なくとも小じわの予防又は改善能を評価することができる。

被検者が、40代から60代の女性である場合、D−アミノ酸の成分は、D−Asp及びD−Lysの少なくともいずれかであることが好ましい。これにより、少なくとも小じわの予防又は改善能を評価することができる。

D−アミノ酸量の特定方法は、特に限定されず、例えば、液体クロマトグラフィー(LC)又はガスクロマトグラフィー(GC)を用いる質量分析法、定量用酵素を用いる酵素法、バイオアッセイ法が挙げられる。 上述した中でも、D−アミノ酸の特定及び含有量の測定を同時に行うことができるので、液体クロマトグラフ−タンデム型質量分析計が好ましい。

D−アミノ酸量は、角層に含まれるタンパク質量あたりのD−アミノ酸含有量であることが好ましい。これにより、角層の採取方法に由来する実験誤差を低減することができる。 タンパク質量の測定方法は、特に限定されず、例えば、紫外吸収法、BCA法、ブラッドフォード法、ローリー法、ビューレット法等の分光光度計を用いた測定方法、電気泳動による測定方法が挙げられる。中でも、BCA法が好ましい。

本発明の評価方法によれば、角層水分量、TEWL、及びシワ面積率の少なくともいずれかと、D−アミノ酸量との関係が、複数の被検者から得られ、これらを比較することで、肌の保湿能、バリア能、若しくは、小じわ予防又は改善能の少なくともいずれかと相関するD−アミノ酸を特定し得る。比較方法は、特に限定されるものではなく、例えば、角層水分量、TEWL、シワ面積率等の測定値とD−アミノ酸量とをグラフにプロットする方法が挙げられる。

本発明の評価方法を用いることで、D−アミノ酸の含有量により肌の保湿能、バリア能、小じわ予防又は改善能を評価し得る。そのため、同一被検者を対象として、皮膚化粧料、皮膚外用剤等のサンプルを投与した前後において、相関関係が認められたD−アミノ酸の含有量を比較することで、対象者へのサンプルの有効性を確認できる。そのため、対象者に適切な皮膚化粧料又は皮膚外用剤であるか否かを確認する方法としても利用し得る。 本発明の評価方法の他の実施態様により、皮膚化粧料又は皮膚外用剤を投与する前後で、従来の測定方法のように角層水分量、TEWL、又はシワ面積率による短期的な評価のみならず、D−アミノ酸の含有量により長期的に肌の状態が改善されるか否かを評価することができる。

以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本実施例により本発明が限定されるものではない。

(角層水分量、TEWL及びシワ面積率の測定) 被検者(全員女性、年齢構成:20−30代 31名、40−60代 40名:合計人数 71名)は洗顔した後、恒温恒湿室(湿度40%、室温20℃)にて20分間馴化した。

馴化後、角層水分量はSkicon−200EX(ヤヨイ社製)を用いて、被検者の頬中央部で測定した。TEWL値はTewameter(登録商標)TM300(Courage+Khazaka Germany社製)を用いて、被検者の頬中央部で測定した。

角層水分量及びTEWL値の測定後、SKIN CAST(アール・エス・アイ社製)を用いて、目尻部のレプリカを作製した。その後、このレプリカをPrimos lite 1813(GFMesstechnik GmbH社製)を用いて測定し、付属のソフトウェアによりシワ面積率を算出した。

(テープストリッピング法による角層採取) 上記測定終了後、被検者の頬中央部に3cm×3cmにカットしたテープを貼付し、角層を採取した。1回目に採取した最表層の角層は分析には利用せず、2回目又は3回目に採取した角層を分析に利用した。

(D−アミノ酸抽出操作) 採取したテープは、コニカルチューブ(50ml)に入れて密閉し、−80℃にて保存した。採取したテープ(角層)を95%メチルアルコール水溶液を用いて超音波処理を2回繰り返し、水溶成分を抽出した。抽出液には内部標準液(D−Arg等複数種のD,L−アミノ酸安定同位体を含む)を添加した。得られたメチルアルコール水溶液を、遠心エバポレーターで乾固し、D−アミノ酸分析用のサンプルとした。

(D−アミノ酸の定量分析) 濃縮乾固したサンプルに50μLの水を添加してボルテックスミキサーで撹拌して再溶解し、サンプル溶液とした。20μLのサンプル溶液に、濃度200mMのほう酸緩衝液(pH8.8)を10μL加えて撹拌した後、5mg/mLの(R)−N−(hydroxysuccinimidyl carbamate)−β−(3−pyridyl)−alanine methyl ester/アセトニトリル溶液を20μL加えて室温で10分間反応させた。反応溶液に0.1M塩酸水溶液を60μL添加して分析サンプルとした。分析にはLC/MS/MSを用い、以下の条件で分析した。

(HPLC条件) 装置 :Nexera X2(島津製作所製) ガードカラム :Waters ACQUITY BEH C18 VanGuard(2.1×5mm、1.7μm) カラム :Waters ACQUITY UPLC BEH C18(2.1×100mm、1.7μm) 移動相A :10mM重炭酸アンモニウム水溶液(pH9.5) 移動相B :80%メタノール/水 流速 :0.5mL/min カラム温度 :50℃ サンプル注入量:1μL

グラジエント条件を表1に示す。

(質量分析計条件) 装置 :Triple Quad 6500(SCIEX) イオン化法 :ESI、 Positiveモード スキャンタイプ:SRM(Selected Reaction Monitoring)

トランジッションを表2に示す。

(タンパク質抽出) 水溶成分を抽出した後の上記テープをマイクロチューブに入れ、ヘキサンを用いて不溶画分を溶出した。テープを除去した後、不溶画分をヘキサンにて洗浄し、タンパク質定量分析用サンプルとした。

(タンパク質定量分析) 上記「D−アミノ酸抽出操作」にて利用したチューブ等に、NaOH(0.5mol/L)−SLS(0.05wt%)水溶液を加え、60分間、90℃で加熱した。これらの溶液に溶出されたタンパク質を定量した。

タンパク質の定量にはMicroBCA法を用い、サンプル溶液とMicroBCA溶液を同量加え、1時間、50℃で加熱振とう(1100rpm)した。分光器にて、吸光度(562nm)を測定してタンパク質を定量した。

(評価方法の実施例及び比較例) 表3に、被検者のD−アミノ酸の角層中の含有量と、角層水分量、TEWL値及びシワ面積率の相関を示す。相関係数の絶対値が0.4以上を「強い相関」として「A」と評価し、0.3以上を「中程度の相関」として「B」と評価し、0.2以上を「弱い相関」として「C」と評価した。

表3からわかるように、D−Asn、D−Asp、D−Lys、D−Trp、D−Leu、及びD−Glnの角層中の含有量は、若い女性及び年配女性の少なくともいずれかに対し、角層水分量、TEWL値、シワ面積率に相関が認められた。また、D−Phe、D−allo−Ile、D−Arg、D−His、D−Pro、D−Ser、D−Val及びD−allo−Thrの角層中の含有量は、若い女性及び年配女性の少なくともいずれかに対し、角層水分量、TEWL値に相関が認められた。さらに、D−Tyrの角層中の含有量は、若い女性に対し、角層水分量とシワ面積率に相関が認められた。

角層水分量の値と、D−アミノ酸の含有量と、を比較したプロットを図10〜12に記載する。図10〜12において、アミノ酸含有量は、上記「D−アミノ酸の定量分析」にて求めたアミノ酸含有量を上記「タンパク質定量分析」にて求めたタンパク質量で除した値である。

TEWLの値と、D−アミノ酸の含有量と、を比較したプロットを図13〜15に記載する。図13〜15において、アミノ酸含有量は、上記「D−アミノ酸の定量分析」にて求めたアミノ酸含有量を上記「タンパク質定量分析」にて求めたタンパク質量で除した値である。

シワ面積率と、D−アミノ酸の含有量と、を比較したプロットを図16〜18に記載する。図16〜18において、アミノ酸含有量は、上記「D−アミノ酸の定量分析」にて求めたアミノ酸含有量を上記「タンパク質定量分析」にて求めたタンパク質量で除した値である。

(角層機能改善剤の実施例1〜8) (正常ヒト表皮角化細胞を用いた、D−アミノ酸の「保湿・バリア能・小じわの予防又は改善能」に関する遺伝子発現試験) 正常ヒト表皮角化細胞(クラボウ社)をHuMedia KG2(クラボウ社)にて37℃、5%CO2、飽和蒸気下で培養した。コンフルエント状態になった細胞を、6ウェルプレートに3.0×105(細胞/well)の播種密度で播種した。

評価サンプルは、各D−アミノ酸を100μMあるいは500μMになるように上記培地にて調整したものを利用した。播種翌日、各評価サンプルを100μMあるいは500μMに調整し、各ウェル培地を交換した。48時間培養し、RN easy mini kit(キアゲン社)を用いて細胞からRNAを抽出し、High−Capacity cDNA Reverse Transcription Kit with RNase Inhibitor(サーモフィッシャー社)を用いてcDNAに合成した。このcDNAを鋳型にしてRT−PCR法(7500 fast system(サーモフィッシャー社))により、サンプル添加群とコントロール群とを比較して、フィラグリン、インボルクリン、ロリクリン、ケラチン10、トランスグルタミナーゼ1の遺伝子発現量を評価した。結果を表4に示す。表4中、FLGはフィラグリンを、IVLはインボルクリンを、K10はケラチン10を、LORはロリクリンを、TGMはトランスグルタミナーゼ1を示す。

表4からわかるように、D−Asp、D−Lys、D−Phe、D−Trp、D−allo−Ile及びD−Gluを使用することにより各標的遺伝子の発現量の増加が認められた。また、D−Alaを使用することによりフィラグリン、インボルクリン、ケラチン10、トランスグルタミナーゼ1の標的遺伝子それぞれの発現量の増加が認められた。さらに、D−Asnを使用することによりフィラグリン、インボルクリン、ケラチン10、ロリクリンの標的遺伝子それぞれの発現量の増加が認められた。

図1〜4は、D−Asn(実施例1)を用いた場合のフィラグリン、インボルクリン、ケラチン10、ロリクリンの増幅量(コントロールの増幅量に対する相対値)を示すグラフである。図5〜9は、D−Asp(実施例2)を用いた場合のフィラグリン、インボルクリン、ケラチン10、ロリクリン、トランスグルタミナーゼ1の増幅量(コントロールの増幅量に対する相対値)を示すグラフである(但し、図5及び9は500μM、図6〜8は100μM)。

これらの結果は、D−アミノ酸が保湿能、バリア能、小じわの予防又は改善能に寄与するタンパク質の産生を促進し、角層機能改善剤等の有効成分として有用であることを示している。

実施例9 (細胞毒性試験:ニュートラルレッド法) 正常ヒト表皮角化細胞を6ウェルプレートに播種し、翌日、D−アミノ酸(500μM)を、細胞の培養用培地にて調整したサンプルを添加した。48時間後、プレートから評価サンプル溶液を取り除き、各ウェルを2mlの細胞の培地を用いてリンスした。NR(ニュートラルレッド(クラボウ社))入り培地を2ml/wellで滴下し、2時間、37℃、5%CO2、飽和蒸気下で静置した。

培地(ニュートラルレッド入り)を捨て、洗浄固定液(2wt%塩化カルシウム溶液及び2wt%ホルマリン溶液を等量で混合)を2ml/well添加し、1分間静置後、洗浄固定液を取り除いた。NR抽出液(50容量%エチルアルコール、1容量%酢酸)2ml/wellを添加し、プレートシェイカーにて15分間震蕩した。生細胞へのNRの取り込みは、マイクロプレートリーダー(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)でNR抽出液の540nmの吸光度を測定することにより調べた。コントロール(サンプル添加なし)のNR抽出液の測定値(吸光度)を100%と規定した場合の、所定濃度の各サンプル添加細胞のNR抽出液の吸光度を相対%にすることにより、各サンプルの細胞毒性を算出した。結果を図19に示す。

図19からわかるように、評価した各D−アミノ酸は500μMにおいて細胞毒性がないことが認められた。細胞毒性の無い濃度において、D−アミノ酸が保湿能、バリア能、小じわの予防又は改善能等の各種肌改善効果に繋がる遺伝子発現の増減を誘導することを見出した。

実施例10 (フィラグリン産生促進試験) 正常ヒト新生児表皮角化細胞(倉敷紡績株式会社)をHuMedia−KG2(倉敷紡績株式会社)にて培養した。コンフルエントになった細胞をトリプシンにて剥がし、6ウェルプレートに15×104(細胞/ウェル)で播種した。翌日、細胞がプレートに接着後、各評価サンプル(コントロール(サンプル添加なし)、D−アミノ酸)及び塩化カルシウムを所定評価濃度(サンプルは0.5mM、1mMあるいは5mM。塩化カルシウムは1.3mM)を添加したHuMedia−KG2と交換し、5日間培養した。培養中、2日間あるいは3日間に一度、サンプル及び塩化カルシウムを添加したHuMedia−KG2で培地交換を行った。培養後、培地を取り除き、冷PBS(−)にて2回洗浄し、プロテアーゼインヒビターとフォスファターゼインヒビター(EzRIPA Lysis(アトー株式会社))を添加した抽出液(M−PER(Thermo Fisher Scientific社)を200μL/ウェルで各ウェルに添加し、マルチシェーカー(アズワン株式会社)にて400rpmで5分間振とうさせた。スクレーパーで細胞をかき集め、沈殿物を含めた液体全量に200μLの変性剤(EzApply(アトー株式会社)を添加後、振とう機(Bioer Technology社)にて1100rpm、100℃で5分間、加熱振とうした。得られた溶液を遠心分離機(株式会社トミー精工)で10000Gにて4℃で10分間遠心処理し、上澄みをウェスタンブロット用サンプルとした。ゲル1レーンあたり各ウェスタンブロット用サンプル10μL(プロフィラグリン)、又はウェスタンブロット用サンプルを20倍希釈した溶液5μL(GAPDH)をe−PAGEL 7.5%(ATTO社製)にアプライし、電気泳動装置(アトー株式会社)にて21mAの定電流で1時間泳動した。電気泳動後のゲルからPVDF膜に転写し、TBS−T(アトー株式会社)にて洗浄後、EzBlock BSA(アトー株式会社)を用いてブロッキングした。次に、1次抗体液(Anti Filaggrin (AKH1)抗体(Santa Cruz Biotechnology社)、Anti GAPDH(6C5)抗体(Santa Cruz Biotechnology社))にて抗原抗体反応を行った。2次抗体(Anti−IgG(H+L),Mouse,Goat−poly,HRP(KPL社))にて標識化し、化学発光法によりイメージアナライザー(Amersham社)でバンド強度(250−400kDa(プロフィラグリン),37kDa(GAPDH))を数値化した。プロフィラグリンの数値はGAPDHの数値で規格化したものを利用した。コントロール中のプロフィラグリン量を100%とした場合の、各サンプルのプロフィラグリン量を相対%にして算出した。結果を図20〜32に示す。 図20〜32から、各サンプルの添加により細胞のフィラグリン産生量が向上することがわかる。

(処方例1;美容液)

(処方例2;クリーム)

(処方例3;乳液)

(処方例4;口紅)

(処方例5;軟膏)

(処方例6;日焼け止め)

(処方例7;化粧水)

(処方例8;ジェリー状パック)

表12中、D−アミノ酸及びL−アミノ酸の詳細を表13に記す。

(処方例9;o/w型ファンデーション)

(処方例10;メイククレンジング)

(処方例11;洗顔フォーム)

(処方例12;ボディシャンプー)

高效检索全球专利

专利汇是专利免费检索,专利查询,专利分析-国家发明专利查询检索分析平台,是提供专利分析,专利查询,专利检索等数据服务功能的知识产权数据服务商。

我们的产品包含105个国家的1.26亿组数据,免费查、免费专利分析。

申请试用

分析报告

专利汇分析报告产品可以对行业情报数据进行梳理分析,涉及维度包括行业专利基本状况分析、地域分析、技术分析、发明人分析、申请人分析、专利权人分析、失效分析、核心专利分析、法律分析、研发重点分析、企业专利处境分析、技术处境分析、专利寿命分析、企业定位分析、引证分析等超过60个分析角度,系统通过AI智能系统对图表进行解读,只需1分钟,一键生成行业专利分析报告。

申请试用

QQ群二维码
意见反馈