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バナジウム低減飲料の製造方法およびバナジウムの除去方法

阅读:1029发布:2020-06-06

专利汇可以提供バナジウム低減飲料の製造方法およびバナジウムの除去方法专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且【課題】 バナジウム除去効率に優れた、バナジウム低減飲料の製造方法と、バナジウム含有 水 溶液からバナジウムを除去する方法の提供。 【解決手段】 本発明によれば、飲料またはその原料液と、タンニン酸を担持してなる高分子基材とを 接触 させる工程を含んでなる、バナジウム含有量が低減された飲料の製造方法と、バナジウム含有水溶液からバナジウムを除去する方法であって、バナジウム含有水溶液と、タンニン酸を担持してなる高分子基材とを接触させる工程を含んでなる、バナジウムの除去方法が提供される。 【選択図】なし,下面是バナジウム低減飲料の製造方法およびバナジウムの除去方法专利的具体信息内容。

飲料またはその原料液と、タンニン酸を担持してなる高分子基材とを接触させる工程を含んでなる、バナジウム含有量が低減された飲料の製造方法。飲料またはその原料液が、バナジウムを含有する、請求項1に記載の製造方法。製造された飲料のバナジウム含有量30mg/100mL以下であり、ナトリウム含有量が0.4〜1.0mg/100mLである、請求項1または2に記載の製造方法。バナジウム含有量が低減された飲料が、容器詰め飲料である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。高分子基材が、ポリアミド樹脂である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。バナジウム含有溶液からバナジウムを除去する方法であって、バナジウム含有水溶液と、タンニン酸を担持してなる高分子基材とを接触させる工程を含んでなる、バナジウムの除去方法。バナジウム含有水溶液からバナジウムを回収する方法であって、バナジウム含有水溶液と、タンニン酸を担持してなる高分子基材とを接触させる工程と、前記高分子基材からバナジウムを回収する工程を含んでなる、バナジウムの回収方法。バナジウム含有水溶液が、海水地下水、河川水または湖沼水である、請求項7に記載の方法。バナジウムを回収する工程が、高分子基材を、中性再生剤、アルカリ性再生剤または酸性再生剤と接触させることにより行われる、請求項7または8に記載の方法。バナジウムを回収する工程が、1000℃以下で実施される、請求項7〜9のいずれか一項に記載の方法。タンニン酸を担持してなる高分子基材からなる、バナジウム吸着剤。

说明书全文

本発明は、バナジウム低減飲料の製造方法およびバナジウムの除去方法に関する。本発明はまた、バナジウムの回収方法およびバナジウム吸着剤に関する。

バナジウムは、糖尿病改善効果や美容効果等の健康機能性を有することが確認されており、機能性食品素材として注目されている。このため近年では、バナジウムを含有する飲食品が開発されている。一方、バナジウムは、飲料製造の分野においては香味劣化、異臭および沈殿といった飲料の品質に関わる問題を引き起こす原因物質でもある。

バナジウムは、溶液中においてはイオンとして存在しており、その性質を利用したバナジウムイオンの低減、除去および回収方法について、これまで様々な技術が開示されている。代表的な技術としては、バナジウム溶解水に陽イオン交換樹脂カラムを使用してバナジウムを低減する方法が挙げられる(特許文献1)。しかし、天然水等の水溶液中には複数の金属イオンが存在しており、バナジウムを選択的に低減または除去する方法が求められていた。一方で、バナジウムはレアメタルとして幅広く工業利用されており、需要を満たすためバナジウムを自然界から回収する方法が開発されている(特許文献2)。

特開2015−188848号公報

特開昭59−227728号公報

本発明は、バナジウム除去効率に優れた、バナジウム低減飲料の製造方法と、バナジウム含有水溶液からバナジウムを除去する方法を提供することを目的とする。本発明はまた、バナジウム含有水溶液からバナジウムを回収する方法と、バナジウム吸着剤を提供することを目的とする。

本発明者らは今般、放射線グラフト重合法によってタンニン酸を担持してなるナイロン繊維体を作製し、このナイロン繊維体とバナジウム含有水溶液とを接触させたところ、上記ナイロン繊維体が優れたバナジウム除去能を有すること、また該除去能がバナジウム選択的であることを見出した。本発明者らはまた、バナジウムを吸着した上記ナイロン繊維体を再生処理に付すことで、ナイロン繊維体に吸着したバナジウムを高効率で回収できることを確認した。本発明はこれらの知見に基づくものである。

本発明によれば以下の発明が提供される。 [1]飲料またはその原料液と、タンニン酸を担持してなる高分子基材とを接触させる工程を含んでなる、バナジウム含有量が低減された飲料の製造方法。 [2]飲料またはその原料液が、バナジウムを含有する、上記[1]に記載の製造方法。 [3]製造された飲料のバナジウム含有量30mg/100mL以下であり、ナトリウム含有量が0.4〜1.0mg/100mLである、上記[1]または[2]に記載の製造方法。 [4]バナジウム含有量が低減された飲料が、容器詰め飲料である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法。 [5]高分子基材が、ポリアミド樹脂である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。 [6]バナジウム含有水溶液からバナジウムを除去する方法であって、バナジウム含有水溶液と、タンニン酸を担持してなる高分子基材とを接触させる工程を含んでなる、バナジウムの除去方法。 [7]バナジウム含有水溶液からバナジウムを回収する方法であって、バナジウム含有水溶液と、タンニン酸を担持してなる高分子基材とを接触させる工程と、前記高分子基材からバナジウムを回収する工程を含んでなる、バナジウムの回収方法。 [8]バナジウム含有水溶液が、海水地下水、河川水または湖沼水である、上記[7]に記載の方法。 [9]バナジウムを回収する工程が、高分子基材を、中性再生剤、アルカリ性再生剤または酸性再生剤と接触させることにより行われる、上記[7]または[8]に記載の方法。 [10]バナジウムを回収する工程が、1000℃以下で実施される、上記[7]〜[9]のいずれかに記載の方法。 [11]タンニン酸を担持してなる高分子基材からなる、バナジウム吸着剤。

本発明によれば、タンニン酸を担持してなる高分子基材に飲料またはその原料液を接触させるだけで、高いバナジウム除去率でバナジウム含有量が低減された飲料を製造することができる。この高分子基材は繊維状等様々な形状に加工することができるとともに、ハンドリングの問題もなく、バナジウム含有量が低減された飲料を簡便に製造することができる点で有利である。また、タンニン酸を担持してなる高分子基材に吸着したバナジウムは高効率で回収できることから、本発明によれば自然界からレアメタルの一種であるバナジウムを効率的に回収できる点でも有利である。

発明の具体的説明

本発明によれば、バナジウム含有量が低減された飲料を製造することができる。ここで、「バナジウム」とは、遷移元素の一つであり、単体のバナジウムである金属バナジウムだけでなく、バナジウムイオンやバナジウム塩を含む意味で用いられるものとする。

バナジウムは、地殻中に広く分布し遷移元素としては5番目に多く存在する。例えば、富士山周辺の地下水にはバナジウムが0.1mg/L前後含まれており、海水には0.002mg/L含まれているとされる。地下水、河川水、湖沼水および工業用水は、水道水の水源となり、また、食品工業においては例えば清涼飲料水用原料水(以下、「原料水」ということがある。)の水源として利用される。飲料の製造には、原料水が用いられるため、製造された飲料には原料水に由来するバナジウムが含まれることがある。

本発明のタンニン酸を担持してなる高分子基材(以下、「本発明の高分子基材」ということがある。)と接触させる飲料および原料液は、バナジウムを含有するものとすることができる。本発明の製造方法において、高分子基材と接触させる飲料および原料液のバナジウム濃度の下限値は0.03mg/Lとすることができる。また、該バナジウム濃度の上限値は10mg/Lとすることができ、好ましくは1mg/Lである。該バナジウム濃度は、例えば、0.03〜10mg/Lとすることができ、好ましくは0.03〜1mg/Lである。

本発明の高分子基材と接触させる飲料および原料液と、本発明の製造方法により製造される飲料のバナジウム濃度の測定は、後記実施例に記載されるようにICP(inductively coupled plasma)質量分析法に従って市販の装置(例えば、7500ce、Agilent社製)を用いて測定してもよい。

本発明において「飲料」とは、例えば、清涼飲料(例えば、天然水、ナチュラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーター、ミネラルウォーター、ニアウォーター、スポーツドリンク、サイダー、コーラ、ジンジャーエール)、茶飲料(例えば、緑茶、紅茶、ウーロン茶、ブレンド茶)、醸造酒(例えば、ビールや発泡酒等の麦芽発酵飲料、日本酒、ワインやシードル等の果実酒、梅酒等のリキュール)、蒸留酒(例えば、ウイスキー、焼酎、ブランデー、チューハイ、ハイボール)、野菜飲料(例えば、トマトジュース、にんじんジュース、トマトミックスジュース、にんじんミックスジュース)、果実飲料(例えば、リンゴジュース、オレンジジュース、果汁入り飲料)、果実・野菜ミックスジュース、コーヒー飲料、穀物乳(例えば、豆乳、ライスミルク、ココナッツミルク、アーモンドミルク)、酢飲料(例えば、果実酢飲料)およびノンアルコールビールテイスト飲料が挙げられる。

本発明において「原料液」とは、例えば、原料水および各飲料の液体原料液が挙げられる。地下水、河川水、湖沼水および工業用水を水源とする原料水は、濾過、殺菌およびイオン交換等の処理を経て飲料に適した原料水(飲料用原料水)とされてもよく、本発明の高分子基材と接触させられる本発明の原料液は該処理工程前の原料水であっても、該水処理後の飲料用原料水であってもよい。飲料用原料水は、例えば、果汁・野菜汁等の希釈用水、コーヒー豆や茶葉等の抽出用水、スポーツドリンクや炭酸飲料等の調合用水および発酵飲料の醸造用水として用いられる。また、地下水等を水源とする一部の原料水は処理工程を経ることなく、ミネラルウォーター類の製造に用いることができる。

本発明において「原料液」は、上記に加えて、原料液に各種配合成分を添加して得られた調合液、原料液を使用して得られた抽出液、発酵前液、醸造後の発酵液を含む意味で用いられるものとする。

本発明の製造方法は、バナジウムの吸着素材として、タンニン酸を固定化してなる高分子基材を用いることを特徴とする。ここで、「タンニン酸」とは、広義のタンニン酸と狭義のタンニン酸であるm−ガロイル没食子酸(分子式:C14H10O9、分子量322.23、CAS番号:536−08−3)を含む意味で用いられる。広義のタンニン酸とは、多数のフェノール性水酸基を有する芳香族化合物の総称であり、フラバノールの誘導体である縮合型タンニンや、1個以上の没食子酸と糖(通常グルコース)がエステル結合した可溶性タンニンが挙げられるが、飲料またはその原料液に含まれるバナジウムを効率的に低減する観点から、好ましくは1個以上の没食子酸とグルコースがエステル結合した可溶性タンニン(タンニン酸、分子式:C76H52O46、分子量:1701.2、CAS番号:1401−55−4)を高分子基材に担持させることができる。

本発明の高分子基材は、例えば、エポキシ基を含有してなる重合性モノマーを高分子基材にグラフト重合させた後、形成されたグラフト鎖中のエポキシ基にタンニン酸を固定化することにより、タンニン酸を高分子基材上に担持させることができる。

高分子基材とのグラフト重合反応に供される重合性モノマーとしては、例えば、エポキシ基を含有する重合性モノマーが挙げられる。エポキシ基を含有する重合性モノマーとしては、例えば、グリシジルメタクリレート(GMA)、グリシジルアクリレート、グリシジルソルベート、グリシジルメタイタコナート、エチルグリシジルマレアート、グリシジルビニルスルホナートが挙げられる。

本発明においては、好ましくは放射線グラフト重合法、すなわち、放射線を基材に照射し、基材表面あるいは基材内部に生成したラジカルを利用して重合性モノマーを基材に重合させる方法によりグラフト重合を実施することができる。

高分子基材に照射する放射線は電離性放射線を用いることができ、例えば、α線、β線、γ線、電子線、中性子線等が挙げられるが、高分子基材の表面から深部まで透過する能を有するγ線および電子線が好ましい。放射線の照射条件は、適度な官能基密度が達成される限り特に限定されないが、脱酸素状態で、5〜200kGyとすることができ、好ましくは15〜100kGyである。反応系を脱酸素状態にするための方法は当業者に知られており、例えば、窒素等の不活性ガスを反応系にバブリングする等の処理を行うことができる。

高分子基材に電離性放射線を照射すると、高分子基材の表面および内部にラジカルが生成し、当該照射された基材を重合性モノマーと接触させると、発生したラジカルを開始点として該照射された基材にモノマーを重合させることができる。グラフト重合法には、基材を重合性モノマー溶液に浸漬してから電子線を照射する同時照射法と、基材に電子線を照射してから重合性モノマーに浸漬させる前照射法とがあるが、いずれであってもよい。また前照射法は、重合性モノマーの蒸気と基材とを接触させる気相グラフト重合法と、重合性モノマーの溶液と基材とを接触させる液相グラフト重合法とがあるが、いずれであってもよい。液相グラフト重合法では、例えば、重合性モノマーを含有する溶液中に高分子基材を浸漬して実施することができる。

ここで、高分子基材はグラフト重合反応が進行し、かつ、バナジウム低減処理に使用できる高分子基材であれば特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン)、ポリアミド系樹脂(例えば、ナイロン)およびセルロースが挙げられる。また、高分子基材の形状はバナジウム低減処理を効率的に行う観点から、繊維状、中空糸状、不織布状またはビーズ状の形態とすることができる。

高分子基材の単位質量当たりの、グラフト重合した重合性モノマーの割合(官能基密度)は、重合性モノマーやグラフト重合条件に応じ任意に設定することができる。また、高分子基材に対するグラフト重合した重合性モノマーの割合は、後記実施例において定義される「グラフト率」により特定してもよい。本発明の高分子基材におけるグラフト率は80%以下とすることができ、好ましくは40%以下である。また、高分子基材の単位質量当たりの、グラフト鎖に固定化したタンニン酸の割合(官能基密度)は、タンニン酸やグラフト重合条件に応じ任意に設定することができる。

本発明においては、上記のようにして重合性モノマーを高分子基材にグラフト重合させた後、形成されたグラフト鎖中のエポキシ基にタンニン酸を固定化させて、タンニン酸を担持してなる高分子基材を作製することができる。エポキシ基とタンニン酸との反応は常法に従って行うことができ、例えば、エポキシ基を有するモノマーをグラフト重合させてなる繊維体を1〜10質量%のタンニン酸溶液に浸漬し、60〜90℃、3〜46時間の条件で反応させることにより、タンニン酸を高分子基材上に担持させることができる。

本発明の高分子基材を、飲料またはその原料液と接触させる場合には、バナジウムが該高分子基材に吸着される限り高分子基材の形状や接触条件は特に制限されない。例えば、フィルタ状にした本発明の高分子基材や、本発明の高分子基材を充填したカラムに飲料またはその原料液を通液させることにより本発明の製造方法の接触工程を実施することができる。また、飲料またはその原料液と、本発明の高分子基材との接触時間と接触温度は、後記実施例を参照しつつ、除去すべきバナジウムの量に応じて適宜決定することができる。

本発明の製造方法によれば、バナジウム含有量が低減された飲料を製造することができる。ここで、「バナジウム含有量が低減された飲料」とは、本発明の高分子基材と接触させずに製造された飲料と比較してバナジウム含有量が低減された飲料を意味し、例えば、本発明の高分子基材と接触させずに製造された飲料のバナジウム含有量の90%以下(好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下)のバナジウム含有量を有する飲料が挙げられる。

本発明の製造方法では、飲料またはその原料液を本発明の高分子基材と接触させるが、飲料と接触させるか、その原料液と接触させるかは、バナジウムの除去率、製造効率、香味への影響等を考慮し、飲料ごとに決定することができる。例えば、清涼飲料を製造する場合には、希釈や調合に用いられる原料水や調合液を本発明の高分子基材と接触させることができ、ミネラルウォーター等の飲用水を製造する場合には容器詰めする原料水を本発明の高分子基材と接触させることができる。茶飲料やコーヒー飲料を製造する場合には、抽出や希釈に用いられる原料水のみならず、茶抽出液やコーヒー抽出液を本発明の高分子基材と接触させることができる。

また、発酵麦芽飲料や果実酒等の醸造酒を製造する場合には、醸造や希釈に用いられる原料水のみならず、発酵前液あるいは醸造後の発酵液を本発明の高分子基材と接触させることができる。また、果実飲料や野菜飲料を製造する場合には、希釈や調合に用いられる原料水のみならず、濃縮果汁や濃縮野菜汁を本発明の高分子基材と接触させることができる。

本発明の製造方法では、飲料またはその原料液と、本発明の高分子基材とを接触させること以外は、通常の飲料の製造手順に従って実施することができる。

例えば、清涼飲料を製造する場合には、本発明の高分子基材と接触させて得られた原料水(飲料用原料水)と、必要に応じて、通常の清涼飲料の製造に用いられる配合成分を添加することにより、各種清涼飲料を製造することができる。清涼飲料を製造する場合にはまた、原料水(飲料用原料水)に各種配合成分を添加して得られた調合液を本発明の高分子基材と接触させて、各種清涼飲料を製造することもできる。本発明の高分子基材はナトリウムやカリウムに対するバナジウムの吸着選択性が高いことから、アイソトニック飲料のようなナトリウムやカリウムを比較的豊富に含む飲料の調合液に本発明の高分子基材を適用した場合であっても、バナジウムを選択的に吸着し、ナトリウムやカリウムの濃度は殆ど変化しない点で有利である。上記配合成分としては、例えば、甘味料、酸味料、香料、色素、苦味料、保存料、酸化防止剤、増粘安定剤、乳化剤、食物繊維、pH調整剤、酵素、強化剤等の食品添加剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。

また、茶飲料やコーヒー飲料を製造する場合には、本発明の高分子基材と接触させて得られた原料水(飲料用原料水)を使用して茶抽出液やコーヒー抽出液を調製し、該抽出液に、必要に応じて、通常の茶飲料およびコーヒー飲料の製造に用いられる配合成分を添加することにより茶飲料やコーヒー飲料を製造することができる。上記茶抽出液とは、茶葉から抽出した茶抽出液のみならず、ポリフェノン(三井農林社製)や、サンフェノン(太陽化学社製)、およびテアフラン(伊藤園社製)等の市販品の茶エキスやパウダーを用いることができ、これらのエキスやパウダーを水や湯で溶解したものを使用してもよい。また、上記配合成分としては、例えば、甘味料、酸味料、香料、色素、苦味料、保存料、酸化防止剤、増粘安定剤、乳化剤、食物繊維、pH調整剤、酵素、強化剤等の食品添加剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。

また、発酵麦芽飲料や果実酒等の醸造酒を製造する場合には、本発明の高分子基材と接触させて得られた原料水(醸造用水)を使用して発酵前液を調製し、該発酵前液を常法に従って発酵させて得られた発酵液に、必要に応じて、通常の醸造酒の製造に用いられる配合成分を添加することにより醸造酒を製造することができる。上記配合成分としては、例えば、甘味料、酸味料、香料、色素、起泡・泡持ち向上剤、苦味料、保存料、酸化防止剤、増粘安定剤、乳化剤、食物繊維、pH調整剤、酵素、強化剤等の食品添加剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。

本発明の製造方法により製造された飲料が飲料水である場合、該飲料のバナジウム含有量は30mg/100mL以下(好ましくは3mg/100mL)とすることができ、ナトリウム含有量は0.4〜1.0mg/100mLとすることができる。

本発明により製造されたバナジウム含有量が低減された飲料は、上記接触工程や上記配合工程等に加え、充填工程、殺菌工程等の工程を経て容器詰め飲料として提供することができる。例えば、上記配合工程で得られた配合液を常法に従って殺菌し、容器に充填することができる。殺菌は容器への充填前であっても充填後であってもよい。充填工程および殺菌工程は当業界に公知であり、液種に応じて適宜決定することができる。

本発明により製造された飲料に使用される容器は、飲料の充填に通常使用される容器であればよく、液種に応じて適宜選択することができる。容器の例としては、金属缶、樽容器、プラスチック製ボトル(例えば、PETボトル、カップ)、紙容器、瓶、パウチ容器等が挙げられるが、好ましくは、金属缶・樽容器、プラスチック製ボトル(例えば、PETボトル)、瓶が挙げられる。バナジウムを含有する容器詰め飲料では長期間の保存によって混濁や沈殿等が発生するという問題があったが、本発明の製造方法ではバナジウムを効率的に除去できるため、容器詰め飲料の製造に好適である。

本発明の製造方法で使用する高分子基材はまた、繊維状等様々な形状に加工することができるため、ハンドリングの問題もなく、バナジウム含有量が低減された飲料を簡便に製造することができる。また、本発明の高分子基材との接触工程においては維持工程やろ過工程が不要なため、工程が単純化され、製造効率が向上する点でも有利である。さらに、本発明の高分子基材は固体状であるため、膨潤性の問題がない点でも有利である。

本発明の別の面によれば、飲料またはその原料液と、タンニン酸を担持してなる高分子基材とを接触させることを特徴とする、飲料またはその原料液においてバナジウム含有量を低減する方法が提供される。本発明のバナジウム含有量低減方法は、本発明の製造方法の記載内容に従って実施することができる。

本発明の別の面によればまた、バナジウム含有水溶液と、タンニン酸を担持してなる高分子基材とを接触させる工程を含んでなる、バナジウム除去方法が提供される。本発明のバナジウム除去方法は、本発明の製造方法の記載内容に従って実施することができるが、本発明の除去方法に適用されるバナジウム含有水溶液は、バナジウムを含有する水溶液である限り特に限定はされず、海水、地下水、河川水、湖沼水、工業用水、水道水を使用することができる。本発明の除去方法に適用されるバナジウム含有水溶液は、清涼飲料水用原料水の水源に利用する観点から、好ましくは、地下水、河川水、湖沼水、工業用水および水道水である。

本発明のさらに別の面によれば、バナジウム含有水溶液と、タンニン酸を担持してなる高分子基材とを接触させる工程と、前記高分子基材からバナジウムを回収する工程とを含んでなる、バナジウムの回収方法が提供される。

バナジウムは、バナジウム電池等の蓄電池、自動車鋼板、ターボエンジンタービン、核燃料被覆管、チタン合金添加物等の用途を有し、幅広く工業利用され、特に蓄電池の用途が期待されている。しかし、バナジウムはレアメタルの一種であることから日本国内生産量は殆ど無く、海外からの輸入品に頼っているのが現状である。また、バナジウムは、1890℃という高い融点を有するが故に、回収、精製、加工が非常に困難な素材である。本発明によれば、タンニン酸を担持してなる高分子基材を用いて、簡便、かつ、効率的にバナジウム含有水溶液からバナジウムを回収し、上記各種用途に利用することができる点で有利である。また、本発明の製造方法では飲料用原料水と接触させてタンニン酸を担持してなる高分子基材にバナジウムを吸着させるが、その際にバナジウムを吸着した高分子基材を利用してバナジウムを回収することもできる。

本発明の回収方法におけるバナジウム含有水溶液とタンニン酸を担持してなる高分子基材とを接触させる工程は、本発明の製造方法の記載内容に従って実施することができるが、本発明の回収方法に適用されるバナジウム含有水溶液は、バナジウムを含有する水溶液である限り特に限定はされず、海水、淡水、地下水、河川水、湖沼水、工業用水、水道水を使用することができる。本発明においては、バナジウムを効率よく回収する観点から、火山(活火山のみならず休火山を含む)周辺で採取される地下水を、本発明の回収方法のバナジウム含有水溶液として利用することができる。また、後記実施例に示される通り、本発明の高分子基材はバナジウムを選択的に吸着できることから、バナジウム等の様々な金属イオンを含有する海水等からバナジウムを選択的に回収することができる点で有利である。

本発明の回収方法において、高分子基材と接触させるバナジウム含有水溶液のバナジウム濃度の下限値は、バナジウムの回収が可能である限り特に限定されるものではないが、例えば、0.001mg/Lとすることができる。

本発明の回収方法における高分子基材からバナジウムを回収する工程は、例えば、バナジウム吸着後の高分子基材を再生剤と接触させることにより実施することができる。本発明の高分子基材と再生剤との接触により該高分子基材から脱離したバナジウムは、適宜必要な処理に付して上記の各種用途に使用することができるが、さらに精製工程に付して高純度のバナジウムを得てから上記の各種用途に使用してもよい。

使用済み高分子基材からバナジウムを脱離させる再生剤は、脱離能力があれば特に限定されるものではなく、中性再生剤、アルカリ性再生剤、酸性再生剤のいずれであってもよいが、回収したバナジウムを飲食品に利用する場合や、バナジウム吸着機能を再生させた高分子基材を飲食品のバナジウム除去に再利用する場合には、食品衛生上許容される再生剤を使用することが望ましい。中性再生剤としては、例えば、イオン交換水が挙げられ、アルカリ性再生剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム等の1種または2種以上のアルカリ成分を主成分とする水溶液が挙げられ、酸性再生剤としては、例えば、リン酸、塩酸、硝酸硫酸、次亜塩素酸等の無機酸およびクエン酸等の有機酸からなる群から選択される1種または2種以上の酸を主成分とする水溶液が挙げられる。

本発明の回収方法では、本発明の高分子基材からバナジウムを回収する工程を従来の回収方法と比べて低温で実施できるという特徴を有する。バナジウムを回収する工程の温度の下限は、例えば、0℃とすることができ、好ましくは10℃である。また、バナジウムを回収する工程の温度の上限は、例えば、1000℃とすることができ、好ましくは600℃であり、より好ましくは300℃である。バナジウムを回収する工程の温度は、例えば、0〜1000℃または10〜300℃である。

本発明の回収方法において、本発明の高分子基材からバナジウムを回収する工程は、高分子基材を0.1〜0.4Mの酸性再生剤(好ましくは塩酸溶液)と接触させることにより行うことができ、この場合の温度は0〜100℃または10〜100℃の範囲とすることができる。なお、バナジウムを本発明の高分子基材から溶離させる前に、0.1〜0.4Mよりさらに薄い0.01M程度の酸(好ましくは0.01M程度の塩酸)で高分子基材を洗浄することにより、カルシウムやマグネシウム等のアルカリ土類金属の大半を溶離させ、除去することができ、バナジウム溶離回収液のバナジウム純度を上げることができる。また、バナジウム含有水溶液がバナジウム以外の遷移金属を含む場合には、本発明の高分子基材を1M以上の酸性再生剤(好ましくは塩酸溶液)と接触させることにより、該遷移金属を溶離させ、回収することができる。

本発明の回収方法では、バナジウム吸着後の高分子基材を再生剤と接触させ、次いで、バナジウム吸着能が再生した高分子基材を得る工程を含んでいてもよい。本発明の回収方法では、バナジウムの吸着に使用した高分子基材を再生処理に付すことによって、バナジウムの吸着機能が再生した高分子基材を得ることができ、再生処理に付された該高分子基材を、再度、バナジウムの吸着に使用することができる。このように本発明の製造方法で使用する高分子基材は再生利用が可能であるので、繰り返し使え、廃棄が不要であるため、製造コストを低廉化できる点で有利である。

本発明の回収方法において、本発明の高分子基材からバナジウムを回収する工程は、バナジウムを吸着させた高分子基材を燃焼させ、その燃焼灰からバナジウムを回収してもよい。燃焼灰からのバナジウムの回収は公知の方法に従って実施することができるが、本発明では回収工程における燃焼の対象がバナジウムを吸着した高分子基材であるため、従来よりも低い温度の燃焼によりバナジウムを回収できる点で有利である。

本発明のさらに別の面によれば、タンニン酸を担持してなる高分子基材からなる、バナジウム吸着剤が提供される。本発明のバナジウム吸着剤は、本発明の製造方法、本発明の除去方法および本発明の回収方法に使用することができる。本発明のバナジウム吸着剤は、本発明の製造方法の記載内容と、本発明の除去方法の記載内容と、本発明の回収方法の記載内容に従って実施することができる。

以下の例に基づき本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。

例1:タンニン酸担持繊維体のバナジウム吸着能の検証 (1)タンニン酸担持繊維体の作製 基材となるナイロン繊維に20kGyのγ線を照射してラジカルを発生させた。照射済みナイロン繊維を、グリシジルメタクリレート(和光化学社製)(本明細書において「GMA」ということがある。)の10%メタノール溶液に浸漬し、40℃で2時間反応させてGMAグラフト重合繊維体を作製した。GMAグラフト重合繊維体のグラフト率は74%であった。

グラフト率は、基材に対するグラフト鎖の質量増加率であり、下記式に従って算出した。

次いで、GMAグラフト重合繊維体を、タンニン酸溶液(3質量%、溶媒:水/イソプロパノール=80/20(質量比))に、80℃、24時間浸漬させて、GMAグラフト鎖中のエポキシ基にタンニン酸を固定させて、基材1g当たり0.38mmolのタンニン酸を担持してなる繊維体(本明細書において「タンニン酸担持繊維体」ということがある。)を作製した。タンニン酸は五倍子タンニン(分子量:1701、ナカライテスク社製)を用いた。

(2)バナジウム含有飲用水へのタンニン酸担持繊維体処理 バナジウムを0.09ppm含有する飲用水(「富士山の天然水」、キリンビバレッジ社製、以下同様)に、上記(1)で得られたタンニン酸担持繊維体を、バナジウム含有飲用水に対して0(非添加)、0.05、1.00、5.00質量%となるように添加し、25℃で16時間接触させた。次いで、タンニン酸担持繊維体を除去し、タンニン酸担持繊維体で処理したバナジウム含有飲用水(以下、「繊維体処理水」ということがある、試験区1〜3)およびタンニン酸担持繊維体で処理しなかったバナジウム含有飲用水(対照区)を得た。

(3)バナジウムおよびミネラル成分の測定 上記(2)で得られたバナジウム含有飲用水のバナジウム、ナトリウム、カルシウム、カリウムおよびマグネシウムの濃度を測定した。各種濃度は、ICP質量分析法によりIPC-MS(7500ce、Agilent社製)を用いて測定した。

(4)結果 結果は表1に示される通りであった。

表1の結果から、タンニン酸担持繊維体は、バナジウムを選択的に吸着すること、また、バナジウム吸着能が高いことが確認された。また、タンニン酸担持繊維体は、ナトリウムやカリウムなどのミネラルは殆ど吸着しないことが確認された。

例2:タンニン酸担持繊維体を用いたバナジウムの単離 (1)タンニン酸担持繊維体の作製 タンニン酸担持繊維体は、例1(1)に記載の方法に従って作製した。

(2)タンニン酸担持繊維体によるバナジウム含有飲用水の処理 バナジウム含有飲用水に、上記(1)で得られたタンニン酸担持繊維体を、バナジウム含有飲用水に対し0.05質量%となるように添加し、25℃で16時間接触させた。次いで、タンニン酸担持繊維体を除去し、タンニン酸担持繊維体で処理したバナジウム含有飲用水(繊維体処理水)を得た。

(3)タンニン酸担持繊維体からのバナジウムの回収 次いで、酸溶離液として塩酸を用いて、上記(2)で得られたタンニン酸担持繊維体からバナジウムを回収した。具体的には、0.1M塩酸に対して0.05質量%のタンニン酸担持繊維体を、25℃で1時間浸漬させた。次いで、タンニン酸担持繊維体を除去して、酸溶離液を得た。なお、バナジウム以外の遷移金属は、タンニン酸担持繊維体を1M以上の塩酸に浸漬させることで溶離させることができた(データ示さず)。

(4)バナジウム濃度の測定 タンニン酸担持繊維体で処理していないバナジウム含有飲用水(以下「未処理水」という)並びに上記(2)で得られた繊維体処理水および上記(3)で得られた酸溶離液のバナジウム濃度は、例1(3)に記載の方法に従って測定した。なお、バナジウム濃度は、未処理水のバナジウム濃度を100としたときの各試料のバナジウム濃度を相対値(比)で示した。

(4)結果 結果は表2に示される通りであった。

表2の結果から、バナジウム含有飲用水をタンニン酸担持繊維体で処理すると、タンニン酸担持繊維体がバナジウムを吸着することにより、バナジウム含有飲用水中の24%のバナジウムが除去されることが確認された。また、バナジウムを吸着したタンニン酸担持繊維体を酸溶離液で処理すると、タンニン酸担持繊維体に吸着されたバナジウムの約80%が単離されることが確認された。以上の結果から、タンニン酸担持繊維体により効率的にバナジウムを吸着・除去できるとともに、吸着したバナジウムを効率的に回収できることが確認された。

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