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発熱具

阅读:1015发布:2020-05-21

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よう素吸着性能308mg/g以下の酸化促進剤、被酸化性金属粉及びを含有する発熱性組成物ならびに香料を含有し、少なくとも前記発熱性組成物が通気性を有する収容袋に収容されてなる発熱具、ここで、前記発熱性組成物100重量部に対して香料が0.01〜1重量部であり、前記発熱性組成物中の酸化促進剤の配合割合が20〜30重量%である。前記発熱性組成物が更に水溶性塩類及び/または保水剤を含有する、請求項1に記載の発熱具。前記酸化促進剤が、カーボンブラック、黒鉛、活性炭、石炭、木炭、竹炭、アセチレンブラック及びコーヒーカス炭からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1または2に記載の発熱具。前記酸化促進剤のよう素吸着性能が250mg/g以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の発熱具。前記酸化促進剤が電気伝導性を有するものである、請求項1〜4のいずれかに記載の発熱具。前記通気性を有する収容袋に更に香料が収容されてなる、請求項1〜5のいずれかに記載の発熱具。前記香料が担体に担持されてなる、請求項1〜6のいずれかに記載の発熱具。

说明书全文

本発明は、発熱具に関する。より詳細には、本発明は、長期間保存した後であっても優れた芳香性が発揮できる発熱具に関する。

従来、使い捨てカイロは、身体の保温具として携帯性、安全性、簡便性等に優れており、また、安価であることから頻用されている。一般的な使い捨てカイロには空気の存在下で発熱する発熱性組成物が使用されており、この発熱原理によって保温効果を発揮している。また、これまでに、使い捨てカイロ等の前記発熱原理を利用した発熱具に賦香することが報告されている。

例えば、特許文献1には香料封入体が開示されている。当該香料封入体は、気密性を有する素材で形成された封入体が遮蔽シートで二分され、その一方に香料含浸体、他方に発熱組成物が収納され、二分された封入体のそれぞれの面に、通気孔と、この通気孔を覆う密閉材と、この密閉材と前記封入体とに介在する圧感接着剤層とが設けられており、使用時に当該圧感接着剤層を剥がすことによって、発熱原理を使用した芳香を楽しむものである。しかしながら、このような香料封入体では、密閉材や圧感接着剤層を使用時に手で容易に剥がすことができる程度の弱い接着で密着させて被覆させる必要がある一方で、このような弱い接着力では十分な気密性が得られず、従って、使用されるまでの保存中に芳香性が失われてしまい、使用時に所望の芳香性が得られない。

より気密性が高められた例として、特許文献2には、薬剤や香料が収納された通気性の内袋を非通気性の外袋に密封した芳香袋と、空気中の酸素と接触して発熱する発熱組成物が収納された通気性の内袋を非通気性の外袋に密封した発熱袋と、芳香袋の内袋と発熱袋の内袋を収納することが可能な通気性の包装体からなる芳香具が開示されており、芳香袋と発熱袋とが保存中に接触しないよう、それぞれ別々に非通気性の外袋に密封することが開示されている。しかしながら、この場合には、使用時に各々の外袋を開封した後に各々の内袋を通気性の包装体に収納するという手間を必須とし、また、通気性の包装体をわざわざ用意しなければならず経済的な不利益がある。また、引用文献3には小孔を備えた袋体内に発熱体を封入してなるカイロ本体と、非通気性を有し前記小孔を閉塞して前記袋体内の一部に易剥離可能に貼着され使用時に剥離される剥離シートと、前記袋体又は剥離シートに貼着され芳香剤を含浸した不織布とを有した使い捨てカイロが開示されている。しかしながら、特許文献3と同様に、当該使い捨てカイロも、使用時に剥離シートを剥がす等の手間を必須とする。

また、これらの手間を必須としない例として、例えば、特許文献4では、従来の使い捨てカイロの表面に薬剤や香料を含ませて、この薬剤や香料を、使い捨てカイロの発熱原理を応用して揮発、拡散を促進することが開示されている。しかしながら、一般的な使い捨てカイロには発熱性組成物中に活性炭が使用されているため、このように使い捨てカイロの表面に薬剤や香料を含ませた場合、取り扱いは簡便になるものの保存中に発熱性組成物中の活性炭によって薬剤や香料が吸着あるいは変調してしまい、十分な揮発、拡散効果が発揮できなくなる。

また、引用文献5には被酸化性金属と活性炭とを含む発熱部と、通気性を有し且つ発熱部を収容する袋体とを備え、特定の成分を含む香料組成物によって賦香された発熱具が開示されている。しかしながら、引用文献5では、芳香性を持続させる点から、使用できる香料の種類が著しく制限されている。

特開昭57−119753号公報

特開2004−180959号公報

特開2010−22405号公報

特開2001−218816号公報

特開2010−051690号公報

このことから、本発明は、長期間保存した後であっても使用時には所望の芳香性が発揮できる、より優れた発熱具を提供することを目的とする。

本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、発熱具において、よう素吸着性能500mg/g以下の酸化促進剤を使用することによって、発熱具への賦香のための香料と発熱性組成物とを接触する状態で共存させた場合であっても、長期間保存後の使用時において優れた芳香性を発揮でき、且つ、発熱具として十分な発熱効果を発揮できることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成されたものである。

すなわち、本発明は、下記に掲げる発明を提供する。 項1.よう素吸着性能500mg/g以下の酸化促進剤、被酸化性金属粉及びを含有する発熱性組成物ならびに香料を含有し、少なくとも前記発熱性組成物が通気性を有する収容袋に収容されてなる発熱具。 項2.前記発熱性組成物が更に水溶性塩類及び/または保水剤を含有する、項1に記載の発熱具。 項3.前記発熱性組成物中の酸化促進剤の配合割合が1〜30重量%である、項1または2に記載の発熱具。 項4.前記発熱性組成物100重量部に対して香料が0.0001〜5重量部含有されてなる、項1〜3のいずれかに記載の発熱具。 項5.前記発熱性組成物中の酸化促進剤100重量部に対して香料が0.0003〜500重量部含有されてなる、項1〜4のいずれかに記載の発熱具。 項6.前記酸化促進剤が、カーボンブラック、黒鉛、活性炭、石炭、木炭、竹炭、アセチレンブラック及びコーヒーカス炭からなる群より選択される少なくとも1種である、項1〜5のいずれかにに記載の発熱具。 項7.前記酸化促進剤のよう素吸着性能が400mg/g以下である、項1〜6のいずれかに記載の発熱具。 項8.前記酸化促進剤が電気伝導性を有するものである、項1〜7のいずれかに記載の発熱具。 項9.よう素吸着性能400mg/g以下且つ電気伝導性を有する酸化促進剤、被酸化性金属粉、水、水溶性塩類及び保水剤を含有する、請求項1〜8のいずれかに記載の発熱具。 項10.前記通気性を有する収容袋に更に香料が収容されてなる、項1〜9のいずれかに記載の発熱具。 項11.前記香料が担体に担持されてなる、項1〜10のいずれかに記載の発熱具。 項12.香料を含有する発熱具を製造するための、よう素吸着性能500mg/g以下の酸化促進剤、被酸化性金属粉及び水を含有する発熱性組成物の使用。 項13.前記香料、発熱具及び/または発熱組成物が、請求項1〜11のいずれかに記載される特徴を有するものである、請求項12に記載の使用。 項14.香料を含有する発熱具における香料由来の芳香性を持続させるための、よう素吸着性能500mg/g以下の酸化促進剤、被酸化性金属粉及び水を含有する発熱性組成物の使用。 項15.前記香料、発熱具及び/または発熱組成物が、請求項1〜11のいずれかに記載される特徴を有するものである、請求項14に記載の使用。 項16.よう素吸着性能500mg/g以下の酸化促進剤、被酸化性金属粉及び水を含有する発熱性組成物を用いることによって、香料を含有する発熱具における香料由来の芳香性を持続させる方法。 項17.前記香料、発熱具及び/または発熱組成物が、請求項1〜11のいずれかに記載される特徴を有するものである、請求項16に記載の方法。

本発明の発熱具によれば、よう素吸着性能500mg/g以下である酸化促進剤を使用することによって、長期間保存した後に使用した場合であっても、優れた芳香性を十分に発揮でき、且つ、発熱具として十分な発熱効果を発揮できる。

また、本発明の発熱具によれば、発熱具への賦香のための香料と発熱性組成物とが接触する状態で発熱具を保存した場合であっても、使用時に優れた芳香性を発揮できる。このことから、本発明の発熱具では、香料と発熱性組成物とを、これらが互いに接触した状態で存在させておくこともでき、これらが接触しない状態で存在させておくこともできる。

また、本発明の発熱具によれば、香料の種類も制限されないことから、所望の香料を広く用いることができる。

図1は、外袋に包装された、貼るタイプの発熱具の例示である。図1に例示される通気性を有する収容袋は、一方の面に通気性を有する部分、他方の面に通気性を有さない部分を備えている収容袋のモデル図である。

図2は、外袋に包装された、貼るタイプの発熱具の例示である。図2に例示される通気性を有する収容袋は、一方の面に通気性を有する部分、他方の面に通気性を有さない部分を備えている収容袋のモデル図である。図2において香料は粘着成分中に存在している。

図3は、外袋に包装された発熱具の例示である。図3に例示される通気性を有する収容袋は、一方の面に通気性を有する部分、他方の面に通気性を有さない部分を備えている収容袋のモデル図である。

本発明の発熱具は、よう素吸着性能500mg/g以下の酸化促進剤、被酸化性金属粉及び水を含有する発熱性組成物ならびに香料を含有し、少なくとも前記発熱性組成物が通気性を有する収容袋に収容されてなることを特徴とする。以下、本発明の発熱具について説明する。 発熱性組成物 本発明の発熱具は発熱性組成物を含有する。当該発熱性組成物は酸素の存在下で発熱するものであり、よう素吸着性能500mg/g以下の酸化促進剤、被酸化性金属粉及び水を含有する。

ここで、前記酸化促進剤は、よう素吸着性能が500mg/g以下であればよい。これは、空気を取り込むことによって発熱性組成物への、特に被酸化性金属粉への、酸素の供給を促進することを目的として使用される。当該酸化促進剤として、好ましくはよう素吸着性能が400mg/g以下、より好ましくはよう素吸着性能が350mg/g以下、更に好ましくはよう素吸着性能が300mg/g以下、特に好ましくはよう素吸着性能が250mg/g以下、特に更に好ましくはよう素吸着性能が200mg/g以下が例示される。よう素吸着性能の下限は特に制限されないが、理論的に0mg/gが例示される。

当該酸化促進剤としては、前記条件を満たし所望の効果が得られる限り制限されないが、カーボンブラック、黒鉛、活性炭、石炭、木炭、竹炭、アセチレンブラック、コーヒーカス炭が例示され、好ましくはカーボンブラック、活性炭、木炭、より好ましくはカーボンブラックが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。2種以上を組み合わせて使用する場合、その組み合わせたもの(例えば混合物)のよう素吸着性能が前記値を充足することが好ましい。各成分のよう素吸着性能は当業者であれば容易に知ることができ、また、よう素吸着性能はJISK1474法で規定される方法により測定、算出される。

また、本発明の発熱具は使用時に好適な温度となるように発熱すればよく、このような温度として32〜85℃程度が例示され、より好ましくは40〜70℃程度(JIS S4100(2007年)に基づく測定値)が例示される。より好ましい温度に一層効率よく発熱させる観点からは、酸化促進剤は電気伝導性を備えているものが好ましい。電気伝導性の有無は公知であり、一定以上の電気伝導性を備えている酸化促進剤としてはカーボンブラック、黒鉛、活性炭などが例示されるが、これらに限定されない。

なお、本発明において発熱具の発熱温度はJIS S4100(2007年)に基づき測定される。具体的には、JIS S4100(2007年)において定められた温熱部に所定の下敷剤及び被覆材を重ねて30℃に昇温させて±1℃で保持させ、一方、周囲温度と同じ雰囲気に2時間以上放置した発熱具を、使用方法に基づいて発熱させた後に、所定の方法に従って、発熱開始から所定の温度を超え最高温度を経過し所定の温度になるまでの時間等を測定することにより測定される。

また、所望の効果が得られる限り制限されないが、例えば発熱具を身体に装着して使用した際の快適性や酸素供給効率等の点から、酸化促進剤は粉末状、粒状、繊維状などの粉状であることが好ましく、これらは単独であっても2種以上を組み合わせてもよく、酸化促進剤の平均粒径として0.001〜1000μmが例示され、好ましくは0.005〜500μm、より好ましくは0.01〜200μmが挙げられる。

酸化促進剤の配合量は、所望の効果が得られる限り制限されないが、発熱性組成物中の酸化促進剤の配合割合として1〜30重量%が例示され、好ましくは3〜25重量%、より好ましくは5〜23重量%が挙げられる。

また、当該酸化促進剤の、後述される被酸化性金属粉に対する配合量も、所望の効果が得られる限り制限されないが、被酸化性金属粉100重量部に対して、酸化促進剤2〜60重量部が例示され、好ましくは5〜50重量部、より好ましくは10〜40重量部が挙げられる。

発熱性組成物に含有される被酸化性金属粉は、酸化されることによって発熱する金属粉であれば制限されないが、鉄粉、亜鉛粉、アルミニウム粉、マグネシウム粉、銅粉が例示され、好ましくは鉄粉が例示される。また、例えば、鉄粉として還元鉄粉、鋳鉄粉、アトマイズド鉄粉、電解鉄粉が例示される。これらは単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。

被酸化性金属粉は粉状、粒状、繊維状のいずれであってもよく、これらは単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。

また、所望の効果が得られる限り制限されないが、発熱具を身体に装着して使用した際の快適性や発熱効率等の点から、被酸化性金属粉の平均粒径として0.01〜1000μmが例示でき、好ましくは0.1〜500μm、より好ましくは0.5〜300μmが挙げられる。被酸化性金属粉の平均粒径は、標準ふるいを用いたJIS法等によって測定できる。

被酸化性金属粉の配合量は、所望の効果が得られる限り制限されないが、発熱性組成物中の被酸化性金属粉の配合割合として20〜80重量%が例示され、好ましくは40〜70重量%、より好ましくは45〜60重量%が挙げられる。

水としては、蒸留水、水道水、イオン交換水、純水、超純水、工業用水等を使用できる。

水の配合量も、所望の効果が得られる限り制限されないが、発熱性組成物中の水の配合割合として5〜50重量%が例示され、好ましくは10〜40重量%、より好ましくは15〜35重量%が挙げられる。

発熱性組成物には、前述する成分に加えて、更に必要に応じて水溶性塩類及び保水剤からなる群より選択される少なくとも1種を配合してもよい。

発熱性組成物に含有される水溶性塩類は、被酸化性金属粉の酸化を促進させるために配合され、所望の効果が得られる限り制限されないが、水溶性塩類としてナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属の塩酸塩や硫酸塩、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属の塩酸塩や硫酸塩、その他、鉄、銅、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、銀、バリウムなどの金属の塩酸塩や硫酸塩が好ましい。より好ましくは塩化カリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。水溶性塩類が配合されることにより、発熱具をより高温に発熱させ、その温度を一層長時間持続させることができる。特に、水溶性塩類は発熱具をより高温に発熱させる目的で使用できる。

水溶性塩類の配合量も、所望の効果が得られる限り制限されないが、発熱性組成物中の水溶性塩類の配合割合として0.1〜10重量%が例示され、好ましくは0.5〜7重量%、より好ましくは1〜5重量%が挙げられる。

保水剤は、水を保持できる機能を有するものであり、当該機能を有し、所望の効果が得られる限り制限されず、多孔質物質や吸水性樹脂等が例示される。保水剤として、バーミキュライト、パーライト、ケイ酸カルシウム、カオリン、タルク、スメクタイト、マイカ、ベントナイト、炭酸カルシウム、シリカゲル、アルミナ、ゼオライト、二酸化珪素、珪藻土などの天然および合成の無機物、パルプ、木粉(おがくず)、綿、ポリアクリル酸塩系樹脂、ポリスルホン酸塩系樹脂、無水マレイン酸塩系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリエチレンオキシド系樹脂、ポリアスパラギン酸塩系樹脂、ポリグルタミン酸塩系樹脂、ポリアルギン酸塩系樹脂、デンプン類、セルロース類などの天然および合成の有機物が例示され、好ましくはバーミキュライト、木粉、パルプ、ポリアクリル酸塩系樹脂、より好ましくはバーミキュライト、ポリアクリル酸塩系樹脂が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。保水剤が配合されることにより、発熱具をより高温に発熱させ、その温度を一層長時間持続させることができる。特に、保水剤は発熱具における発熱温度を一層長時間持続させる目的で使用できる。

また、所望の効果が得られる限り制限されないが、保水剤の平均粒径として0.1〜3000μmが例示でき、好ましくは0.5〜1000μm、より好ましくは1〜500μmが挙げられる。保水剤の平均粒径も、前述の被酸化性金属粉と同様にして測定される。

保水剤の配合量も、所望の効果が得られる限り制限されないが、発熱性組成物中の保水剤の配合割合として1〜20重量%が例示され、好ましくは3〜15重量%、より好ましくは5〜10重量%が挙げられる。

なお、これらにおいて特にバーミキュライト等の多孔質構造を備えるものは、保水剤としてのみならず、空気の通り道を提供するものとしての役割も果たし得る。

発熱性組成物には、前述する成分に加えて、更に必要に応じて、発熱性組成物に配合可能な他の成分を配合してもよい。このような成分としては、界面活性剤、水素発生抑制剤、増粘剤、賦形剤が例示されるがこれらに限定されない。

また、従来公知の発熱具では、発熱性組成物の一成分として、よう素吸着性能が500mg/gより大きい活性炭が酸化促進のために広く用いられてきた。本発明の発熱具においても、所望の効果が得られることを限度として、従来使用されてきた活性炭が含有されることを排除するものではない。好ましくは、発熱具の保存中に芳香性が失われたり変調することが一層抑制、防止される点から、本発明の発熱具に使用される発熱性組成物に従来使用されてきた吸着力の高い活性炭が含有される場合には、その含有量を保存中に芳香性が失われたり変調しない程度に少量とするか、あるいは、吸着力の高い活性炭は含有されない。また、より好ましくは、同様の観点から、本発明の発熱具では、従来使用されてきた吸着力の高い活性炭を保存中に芳香性が失われたり変調しない程度に少量とするか、あるいは、活性炭は含有されない。

発熱性組成物において、よう素吸着性能500mg/g以下の酸化促進剤、被酸化性金属粉及び水の合計量は、所望の効果が得られる限り制限されず、発熱性組成物における発熱温度が発熱具として好適な温度(例えば32〜85℃程度、JIS S4100に基づく測定値)となるように適宜設定すればよい。

本発明の発熱具に使用される発熱性組成物の一態様として、発熱性組成物中の配合割合が前記酸化促進剤1〜40重量%、被酸化性金属粉20〜80重量%及び水5〜50重量%が例示される。

また、本発明の発熱具に使用される発熱性組成物の別の一態様として、発熱性組成物中の配合割合が前記酸化促進剤1〜30重量%、被酸化性金属粉20〜80重量%、水溶性塩類0.1〜10重量%及び水5〜50重量%が例示される。

また、本発明の発熱具に使用される発熱性組成物の別の一態様として、発熱性組成物中の配合割合が前記酸化促進剤1〜30重量%、被酸化性金属粉20〜80重量%、保水剤1〜20重量%及び水5〜50重量%が例示される。

また、本発明の発熱具に使用される発熱性組成物の別の一態様として、発熱性組成物中の配合割合が前記酸化促進剤1〜30重量%、被酸化性金属粉20〜80重量%、水溶性塩類0.1〜10重量%、保水剤1〜20重量%及び水5〜50重量%が例示される。また、発熱性組成物中の配合割合が前記酸化促進剤5〜35重量%、被酸化性金属粉45〜60重量%、水溶性塩類1〜5重量%、保水剤5〜10重量%及び水15〜35重量%が例示される。

また、本発明の発熱具に使用される発熱性組成物の一態様として、よう素吸着性能500mg/g以下のカーボンブラック、鉄粉及び水を含有するものが例示される。本発明の発熱具に使用される発熱性組成物の別の一態様として、よう素吸着性能500mg/g以下のカーボンブラック、鉄粉、塩化ナトリウム及び水を含有するものが例示される。本発明の発熱具に使用される発熱性組成物の別の一態様として、よう素吸着性能500mg/g以下のカーボンブラック、鉄粉、吸水性樹脂及び/またはバーミキュライト、ならびに水を含有するものが例示される。本発明の発熱具に使用される発熱性組成物の別の一態様として、よう素吸着性能500mg/g以下のカーボンブラック、鉄粉、塩化ナトリウム、吸水性樹脂及び/またはバーミキュライト、ならびに水を含有するものが例示される。

また、前述する態様において、好ましくはよう素吸着性能0〜400mg/gの酸化促進剤を用いることであり、より好ましくはよう素吸着性能0〜350mg/g、更に好ましくはよう素吸着性能0〜300mg/g、特に好ましくはよう素吸着性能0〜250mg/g、特に更に好ましくはよう素吸着性能0〜200mg/gが挙げられる。また、これらにおいて酸化促進剤は、より好ましくは電気伝導性を有する。

発熱性組成物は、前記の配合成分を混合することにより調製される。発熱性組成物は、酸素存在下で調製してもよく、真空下または不活性ガス雰囲気下で調製してもよい。これらは従来公知の手順に従い調製できる。

本発明の発熱具では、前述のようによう素吸着性能500mg/g以下の酸化促進剤が使用されていることから、前述の説明に従い発熱性組成物を調製することによって、発熱具の保存中に芳香性が失われたり変調することを抑制、防止することができ、従って、長期間保存した後であっても、使用時に優れた芳香性を発揮でき、且つ、発熱具として十分な保温効果を発揮できる。

なお、本明細書において「含む」とは「実質的にからなる」という意味と、「からなる」という意味の両方をも包含する。 発熱性組成物を収容するための通気性を有する収容袋 本発明の発熱具において、前記発熱性組成物は、発熱性組成物を収容するための通気性を有する収容袋(以下、「発熱性組成物用の収容袋」と記載することがある)に収容されている。発熱性組成物を収容するための通気性を有する収容袋は、前記発熱性組成物を収容でき、通気性を有する限り制限されず、従来公知のものが使用できる。例えば、発熱性組成物用の収容袋として、発熱性組成物の漏出を防ぎ、発熱性組成物による発熱に対して耐久性があり、発熱具の使用感を良好にする点などを考慮して、例えば従来公知の使い捨てカイロに使用される通気性を有する袋等を使用できる。

本発明を限定するものではないが、より具体的な例として、発熱性組成物用の収容袋として、通気性を備えた樹脂フィルムが通気性を備えた織布または不織布に積層されてなる積層構造を備えているもの挙げられる。この場合、発熱性組成物用の収容袋の内側に通気性を備えた樹脂フィルムが、外側に通気性を備えた織布または不織布が配置される。

前記通気性を備えた樹脂フィルムに使用される樹脂としては、特に制限されないが、好ましくは熱可塑性樹脂が例示される。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が例示される。また、発熱具を身体に装着して使用する点からは、熱可塑性樹脂として好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。

本発明において使用される前記通気性を備えた樹脂フィルムは、前記樹脂により形成される樹脂フィルムにおいて通気性を確保するための細孔が少なくとも一部に設けられている。当該細孔は、発熱性組成物用の収容袋の内外に空気を通過させることができ、発熱性組成物の収容袋外への漏出を防止できる程度の大きさであれは制限されない。また、発熱具を身体に装着して使用する場合などでは使用時の発熱具の体感温度は発熱性組成物用の収容袋の通気度にも左右され得るため、使用時の発熱具の体感温度を考慮して、細孔の大きさ、形状、数を適宜決定すればよい。樹脂フィルムに細孔を設ける手段も従来公知であり、従来の手順に従って行うことができる。

また、前記通気性を備えた織布または不織布の繊維素材としては、ナイロン、ビニロン、ポリエステル、レーヨン、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、アセテート、ポリ塩化ビニル、ポリブチレンテレフタレート等の合成繊維、綿、麻、絹、紙等の天然繊維、また、合成繊維と天然繊維との混合繊維等が例示される。使用感の観点から、繊維素材としてはナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン等、より好ましくはナイロン、ポリエステルが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。当該織布または不織布は、発熱性組成物用の収容袋の内外に空気を通過させることができ、発熱性組成物の収容袋外への漏出を防止できる限り制限されないが、その目付は好ましくは25〜70g/m2が例示される。

通気性を備えた樹脂フィルムと前記通気性を備えた織布または不織布との積層は、得られた積層体が発熱性組成物用の収容袋としての強度を備え、通気性が確保されている限り制限されない。一例としてラミネート法によって積層でき、ラミネート法として熱接合により積層する方法、ホットメルト接着剤、アクリル系接着剤、またはウレタン系接着剤等の接着剤で積層する方法等が例示される。なお、これらの積層は、所望の効果が得られる限り、発熱性組成物用の収容袋の全面に形成されていてもよく、一部に積層されていてもよい。

また、発熱性組成物用の収容袋として市販のものを用いてもよい。

発熱性組成物用の収容袋の大きさや形状も、所望の効果が得られる限り制限されず、使用目的に応じて適宜決定すればよい。

また、例えば本発明の発熱具が衣服や皮膚等に貼って使用される場合には、本発明の発熱具と衣服や皮膚等とを剥離可能な力で固定するための粘着シートを、前記発熱性組成物用の収容袋の外側に設けることができる。このような粘着シートの一例としては、従来公知の、いわゆる衣服等への貼るタイプの使い捨てカイロに使用されている粘着シートや、皮膚等への直貼りタイプの粘着シートが例示される。このほかにも、本発明の発熱具に使用される発熱性組成物用の収容袋の外側には必要に応じて任意の粘着成分を備えさせてもよい。 香料 本発明の発熱具は香料を含有する。香料としては、用途や趣向性に応じて適宜決定すればよく制限されないが、精油等の天然香料を単独もしくは組み合わせて用いることもできるし、合成香料を単独もしくは組み合わせて用いることもできる。また、天然香料と合成香料を任意に組み合わせて調合香料として用いることもできる。天然香料(精油)としては、バニラ、ラベンダー、カモミール、ロージマリー、セージ、シトロネラ、ジンジャー、イランイラン、ユーカリ、ミント、ローズ、リリー、ライラック、ジャスミン、カルダモン、レモングラス、ゆず、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ、ネロリ、シダーウッド、サンダルウッド、アニス、キャラウェイ、アンバー、麝香、シベット、カストリウムなどが例示されるがこれらに限定されるものではない。合成香料としてはアセトフェノン、アルデヒドC6〜C16、アリルカプロネート、アミルシンナミックアルデヒド、アミルサリシレート、ベンズアルデヒド、ベンジルアセテート、ベンジルアルコール、ボルネオール、カンファー、シンナミクアルコール、シトラール、シトロネラール、シトロネロール、クマリン、ダマスコン、ジハイドロリナロール、ジハイドロミルセノール、ジフェニルオキサイド、エチル−2−メチルブチレート、エチルブチレート、オイゲノール、ゲラニオール、ゲラニルアセテート、フェニルエチルアルコール、ヘディオン、ヘキサノール、シス−3−ヘキサノール、α−ヘキシルシンナミックアルデヒド、イソアミルアセテート、リリアール、リモネン、リナロール、リナリルアセテート、l−メントール、メチルベンゾエート、メチルイオノン、メチルサリシレート、ネロール、α−ピネン、β−ピネン、ローズオキサイド、ターピネオール、γ−ノナラクトン、γ−ウンデカラクトン、バニリンなどが例示されるがこれらに限定されるものではない。発熱具において発生する熱によって芳香性をより高めることができる点から、香料としては、発熱性組成物が空気の存在下で発熱する温度(例えば32〜85℃程度)によって揮発できる香料がより好ましい。香料は液状、固形状等を問わない。

本発明の発熱具における香料の配合量も、所望の効果が得られる限り制限されないが、 発熱性組成物100重量部に対して香料が0.0001〜5重量部が例示され、好ましくは0.01〜1重量部、より好ましくは0.05〜0.6重量部が挙げられる。

また、前記発熱性組成物中のよう素吸着性能500mg/g以下の前記酸化促進剤100重量部に対して、香料が0.0003〜500重量部が例示され、好ましくは0.003〜100重量部、より好ましくは0.01〜50重量部、更に好ましくは0.17〜50重量部が挙げられる。

また、発熱性組成物中の前記被酸化性金属粉100重量部に対して香料が0.0001〜25重量部が例示され、好ましくは0.01〜5重量部、より好ましくは0.05〜2.5重量部が挙げられる。

本発明の発熱具に香料を含有させるにあたり、当該発熱具に香りを付与できる限り制限されないが、前記通気性を有する収容袋に更に香料が収容されていてもよく、当該収容袋外に存在してもよい。

より具体的には、本発明の発熱具に香料を含有させるにあたり、例えば、香料は前記発熱性組成物の各配合成分と混在されて収容袋に収容されていてもよく、香料は前記発熱性組成物用の収容袋の少なくとも一部に含まれていてもよく、また、香料を予め別のシートや任意の粘着成分等に含ませたり別の通気性を有する収容袋等に収容し、当該シート、粘着成分または収容袋等が前記発熱性組成物用の収容袋の内側及び/又は外側に配置されていてもよい。

香料を前記発熱性組成物中の各配合成分と混在させる場合、例えば、香料そのものを各配合成分と混合してもよく、また、界面活性剤等を用いて水等と香料とを混合することによって得られた混合物を前記各配合成分と混合してもよく、また、香料やこのような混合物を予め従来公知のマイクロカプセルに封入し、得られた封入マイクロカプセルを前記各配合成分と混合してもよく、また、香料や前記混合物を担体に担持させたのちに前記各配合成分と混合してもよい。前記発熱性組成物中の各配合成分への香料の付着をなるべく防止する点から、特に、前記酸化促進剤や被酸化性金属粉への香料の付着をなるべく防止する点から、例えば、香料は予め担体に担持させたのちに前記各配合成分と混合することが好ましい。このような担体としては、本発明の効果を妨げない限り制限されないが、シリカ、バーミキュライト、パーライト、フローライト、ゼオライト、微粒二酸化ケイ素、パルプ、プラスチック、ゴム、エラストマーなどが例示される。担体の粒径も、本発明の効果を妨げない限り制限されないが、平均粒径として0.1〜3000μm程度が例示でき、好ましくは0.5〜1000μm程度、より好ましくは1〜500μm程度が挙げられる。また、担体の配合量も本発明の効果を妨げない限り制限されない。

また、担持させる場合、例えば前記発熱性組成物に含有される成分に香料を担持させてもよい。発熱に対する影響の点から、前記発熱性組成物中の酸化促進剤及び被酸化性金属粉以外の成分に香料を担持させることが好ましい。例えば発熱性組成物が保水剤を含有する場合、好ましくは発熱性組成物に含有される保水剤に香料を担持させてもよい。

また、前述のように香料を前記発熱性組成物用の収容袋の少なくとも一部に含ませる場合、例えば、香料を予め収容袋に含浸させることによって含ませてもよく、収容袋を構成するフィルム、織布、不織布の少なくともいずれかに予め香料を練り込むことによって含ませてもよい。また、香料をマイクロカプセルに封入し、これを収容袋を構成するフィルム、織布、不織布の少なくともいずれかに付着等させることによって含ませても良い。

また、前述のように香料を予め別のシートや任意の粘着成分等に含ませたり別の通気性を有する収容袋等に収容し、当該シート、粘着成分または収容袋等を前記発熱性組成物用の収容袋の内側及び/又は外側に配置させる場合、例えばシートや粘着成分等としては従来公知のいわゆる貼るタイプの使い捨てカイロに使用されている粘着シートや直貼りタイプの粘着シート、これらに使用される粘着成分等が挙げられ、また、香料が予め収容される通気性を有する収容袋は、前述の発熱性組成物用の収容袋と同様のものが挙げられる。

このように、本発明の発熱具では、前記発熱性組成物においてよう素吸着性能500mg/g以下の酸化促進剤を含有していることから、酸化促進剤による香料の吸着が抑制、防止できる。このため、本発明の発熱具において香料と前記発熱性組成物とが互いに接触した状態で存在していても、酸素との接触が妨げられた環境下で発熱具が保存される限り、保存中にその芳香性が失われたり変調することを抑制、防止できる。このことから、本発明の発熱具では、香料と前記発熱性組成物とが互いに接触しないように配置させることは必須とされない。

更に、本発明の発熱具に含有される香料が、例えばラベンダー、カモミール等のリラックス効果を備えるものである場合には、本発明の発熱具は更にリラックス効果を備えるといえる。また、本発明の発熱具に含有される香料が、例えばユーカリオイル等の虫除け効果を備えるものである場合には、本発明の発熱具は更に虫除け効果を備えるといえる。このように、本発明の発熱具は使用される香料の特性に応じた効果(機能)を更に備えるものといえる。各香料の効果(機能)は従来公知である。

また、本発明の発熱具には、香料以外にも任意の成分を含有させることもできる。このような成分として、例えばピレスロイド、パラメンタン等の虫除け成分、トウガラシエキスやノニル酸ワニリルアミド等の温感成分をはじめ他のリラックス成分、前述のl−メントール、カンファーなどの清涼成分が挙げられ、本発明の効果を妨げない範囲で任意の成分を含有できる。これらの配合量等は本発明の効果を妨げない範囲で適宜設定すればよい。 発熱具 本発明の発熱具は、前記発熱性組成物と前記香料とを含有し、少なくとも前記発熱性組成物が通気性を有する収容袋に収容されてなる。本発明の発熱具は、前述のように調製された発熱性組成物を、前述の通気性を有する収容袋に収容するとともに、前述するように香料を含有させることによって、また、必要に応じて任意の成分を適宜含有させることによって、製造される。

このように製造された発熱具は、一般的には、酸素を透過させない非通気性の外袋に更に包装されて気密性が保持された状態で提供、保存される。本発明の発熱具は、酸素と接触することによって発熱性組成物が発熱するため、使用時まで発熱させないよう、発熱具が酸素と触れないように保存することが重要である。そして、本発明の発熱具は、使用時に前記外袋を開封して発熱具を外袋から取り出し、発熱性組成物と酸素を接触させることによって発熱させて使用すればよい。ここで使用される外袋としては酸素を透過させない非通気性の袋であれは特に制限されない。

このような発熱具は、保温、血行促進、疲労緩和、リラックスなどを目的として使用できることから、賦香された使い捨てカイロや賦香されたフェイスパックなどの保温具、血行促進具、疲労緩和具、温熱治療具などの美容、医療用具として使用でき、例えば目、首、肩、肘、背中、腰、膝、足など身体の所望の部位に適用できる。このほか、本発明の発熱具は芳香具、虫除け具、殺虫剤などとしても使用できる。また、本発明の発熱具はその適用対象として前記身体などに制限されず、食品などの身体以外の対象物を保温すること、対象物が冷える速度を緩和することなどを目的としても使用できる。また、本発明の発熱具は、前述のように香料の有する効果(機能)や任意の成分の有する効果(機能)に応じて、更なる付加価値を有する。

このように、本発明の発熱具は、特に発熱性組成物において、よう素吸着性能500mg/g以下の酸化促進剤を含有していることから、酸化促進剤による香料の吸着が抑制、防止できる。このため、酸素との接触が妨げられた環境下で発熱具が保存される限り、保存中に芳香性が失われたり変調することを抑制、防止することができ、従って、長期間保存した後であっても、使用時に優れた芳香性を発揮でき、更に発熱具として十分な保温効果を発揮できる。

また、本発明の発熱具によれば、発熱具への賦香のための香料と発熱性組成物とが接触する状態で発熱具を長期間保存した場合であっても、使用時に優れた芳香性を発揮できる。このことから、本発明の発熱具では、香料と発熱性組成物は、これらが互いに接触した状態で存在させておくこともでき、これらが接触しない状態で存在させておくこともできる。また、本発明の発熱具において、香料が、発熱性組成物と直接接することなく発熱性組成物用の収容袋の外側に配置され、これが非通気性の外袋に包装され保存されることによって、当該外袋内の空間には香気が充満し得る場合がある。このような場合であっても、本発明の発熱具によれば、発熱性組成物中の酸化促進剤による前記充満した香料(香気)の吸着が抑制、防止できる。従って、本発明によれば、香料と発熱性組成物との配置関係に制限されない、あらゆる構成の発熱具が得られる。

また、このような本発明の発熱具によれば、香料の種類も制限されないことから、所望の香料を広く用いることができる。

また、本発明の発熱具において一定以上の電気伝導性を有する酸化促進剤を使用することによって、一層効率よく発熱具としての発熱効果を発揮できる。また、本発明の発熱具において水溶性塩類及び/または保水剤を配合させた場合には、発熱具をより高温に発熱させ、その温度を一層長時間持続させることができる。水溶性塩類は特により高温に発熱させることを目的として用いることができ、保水剤は特に発熱具における発熱温度を一層長時間持続させることを目的として用いることができる。また、水溶性塩類と保水剤とを併用した場合には、より高温に発熱させることができ且つその温度を更に長時間持続させることができる。

また、これらのことから、本発明は、香料を含有する発熱具を製造するために、よう素吸着性能500mg/g以下の酸化促進剤、被酸化性金属粉及び水を含有する発熱性組成物を使用することを提供するものでもある。また、本発明は、香料を含有する発熱具における香料由来の芳香性を持続させるために、よう素吸着性能500mg/g以下の酸化促進剤、被酸化性金属粉及び水を含有する発熱性組成物を使用することを提供するものでもある。また、本発明は、よう素吸着性能500mg/g以下の酸化促進剤、被酸化性金属粉及び水を含有する発熱性組成物を用いることによって、香料を含有する発熱具における香料由来の芳香性を持続させる方法を提供するものである。これらにおいて、発熱具、発熱組成物、これらを構成するよう素吸着性能500mg/g以下の酸化促進剤、被酸化性金属粉、水、香料などといった各成分、その配合量、製造方法、適用方法等は、前述と同様に説明される。

以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。

実施例1 図1に示す構造の発熱具(発熱具1−1〜1−3)を以下の手順で製造し、各発熱具の保存後の香りの強度、保温効果について評価した。また、比較例として以下の比較発熱具1を製造し、同様の方法にて保存後の香りの強度、保温効果について評価した。 (1)発熱具の製造

発熱具1−1の製造 以下の手順で発熱具を製造した。

発熱性組成物として以下の成分を使用した。 <発熱性組成物> ・鉄粉(DOWA IPクリエイション株式会社製、商品名DKP、平均粒径100μm) ・カーボンブラック(三菱化学株式会社、商品名RCF、よう素吸着性能144mg/g、平均粒径0.075μm、電気伝導性あり) ・水 ・バーミキュライト(平均粒径約500μm) ・吸水性樹脂(アクリル酸重合体部分塩架橋物、平均粒径250μm) ・食塩 香料として、以下の香料を使用した。 <香料> ・カモミール(香料番号BR11880、小川香料株式会社製) 前記発熱性組成物の各成分と香料とを混合し、混合物を得た。ここで、鉄粉、カーボンブラック、水、バーミキュライト、吸水性樹脂、食塩、香料の配合割合はそれぞれ50重量%、20重量%、20重量%、5重量%、2.5重量%、2重量%、0.5重量%である。得られた混合物を、非通気性粘着シート(日東ライフテック株式会社製、商品名ニトタック)(図2中の5及び6)を一部に装着させた多孔質フィルム(日東ライフテック株式会社製、商品名ブレスロン)製の通気性の収容袋(130×95mm)(図2中の1)に収容して封をして、発熱具1−1を得た。その後、すばやく発熱具1−1を使い捨てカイロ用の非通気性の外袋に収納した。

発熱具1−2の製造 以下の手順で発熱具を製造した。

発熱性組成物として以下の成分を使用した。 <発熱性組成物> ・鉄粉(DOWA IPクリエイション株式会社製、商品名DKP、平均粒径100μm) ・カーボンブラック(三菱化学株式会社、商品名HCF、よう素吸着性能308mg/g、平均粒径0.016μm、電気伝導性あり) ・水 ・バーミキュライト(平均粒径約500μm) ・吸水性樹脂(アクリル酸重合体部分塩架橋物、平均粒径250μm) ・食塩 香料として、以下の香料を使用した。 <香料> ・カモミール(香料番号BR11880、小川香料株式会社製) 前記発熱性組成物の各成分と香料とを混合し、混合物を得た。ここで、鉄粉、カーボンブラック、水、バーミキュライト、吸水性樹脂、食塩、香料の配合割合はそれぞれ50重量%、20重量%、20重量%、5重量%、2.5重量%、2重量%、0.5重量%である。得られた混合物を、非通気性粘着シート(日東ライフテック株式会社製、商品名ニトタック)を一部に装着させた多孔質フィルム(日東ライフテック株式会社製、商品名ブレスロン)製の通気性の収容袋(130×95mm)に収容して封をして、発熱具1−2を得た。その後、すばやく発熱具1−2を使い捨てカイロ用の非通気性の外袋に収納した。

発熱具1−3の製造 以下の手順で発熱具を製造した。

発熱性組成物として以下の成分を使用した。 <発熱性組成物> ・鉄粉(DOWA IPクリエイション株式会社製、商品名DKP、平均粒径100μm) ・カーボンブラック(三菱化学株式会社、商品名HCF、よう素吸着性能400mg/g、平均粒径0.013μm、電気伝導性あり) ・水 ・バーミキュライト(平均粒径500μm) ・吸水性樹脂(アクリル酸重合体部分塩架橋物、平均粒径250μm) ・食塩 香料として、以下の香料を使用した。 <香料> ・カモミール(香料番号BR11880、小川香料株式会社製) 前記発熱性組成物の各成分と香料とを混合し、混合物を得た。ここで、鉄粉、カーボンブラック、水、バーミキュライト、吸水性樹脂、食塩、香料の配合割合はそれぞれ50重量%、20重量%、20重量%、5重量%、2.5重量%、2重量%、0.5重量%である。得られた混合物を、非通気性粘着シート(日東ライフテック株式会社製、商品名ニトタック)を一部に装着させた多孔質フィルム(日東ライフテック株式会社製、商品名ブレスロン)製の通気性の収容袋(130×95mm)に収容して封をして、発熱具1−3を得た。その後、すばやく発熱具1−3を使い捨てカイロ用の非通気性の外袋に収納した。

比較発熱具1の製造 以下の手順で発熱具を製造した。

発熱性組成物として以下の成分を使用した。 <発熱性組成物> ・鉄粉(DOWA IPクリエイション株式会社製、商品名DKP、平均粒径100μm) ・活性炭(フタムラ化学株式会社、商品名太閤活性炭、よう素吸着性能1050mg/g、平均粒経50μm、電気伝導性あり) ・水 ・バーミキュライト(平均粒径500μm) ・吸水性樹脂(アクリル酸重合体部分塩架橋物、平均粒径250μm) ・食塩 香料として、以下の香料を使用した。 <香料> ・カモミール(香料番号BR11880、小川香料株式会社製) 前記発熱性組成物の各成分と香料とを混合し、混合物を得た。ここで、鉄粉、活性炭、 水、バーミキュライト、吸水性樹脂、食塩、香料の配合割合はそれぞれ50重量%、 20重量%、20重量%、5重量%、2.5重量%、2重量%、0.5重量%である。得られた混合物を、非通気性粘着シート(日東ライフテック株式会社製、商品名ニトタック)を一部に装着させた多孔質フィルム(日東ライフテック株式会社製、商品名ブレスロン)製の通気性の収容袋(130×95mm)に収容して封をして、比較発熱具1を得た。その後、すばやく比較発熱具1を使い捨てカイロ用の非通気性の外袋に収納した。

(2)製造した発熱具の保存 製造したそれぞれの発熱具を、酸素存在下50℃の恒温槽で30日間保存した。この保存条件は、室温(25℃)で1.5年間保存した場合に該当する。

(3)保存後の発熱具の評価 前記保存後、外袋を開封して発熱具を取り出し、各発熱具の香り強さについて評価した。具体的には、被験者5名に、外袋から取り出した各発熱具の香りを嗅いでもらい、香りの強度について後述する1〜5までの5段階で評価させた。香りの強度はいずれも値が大きいほど評価が優れており、香りが強く残っていることを意味する。また、同時に、各発熱具において実用可能な程度に十分に発熱されているかどうかについても評価させた。 <香りの強度評価> 1:無臭 2:弱く匂う 3:匂う 4:強く匂う 5:非常に強く匂う

表1に示す結果から明らかなように、よう素吸着性能が高い活性炭を用いた発熱具では香気成分が吸着されてしまい、無臭になってしまうが、よう素吸着性能が低いカーボンブラックを用いた発熱具では香気が吸着されずに残っていた。また、発熱具1−1〜1−3のいずれも実施可能な程度に十分に発熱し、十分な保温効果を発揮できることが確認された。

実施例2 図1に示す構造の発熱具(発熱具2−1及び発熱具2−2)を以下の手順で製造し、各発熱具の保存後の香りの強度、保温効果について評価した。また、比較例として以下の比較発熱具2を製造し、同様の方法にて保存後の香りの強度、保温効果について評価した。また、前述の比較発熱具1についても同様に評価した。 (1)発熱具の製造

発熱具2−1の製造 以下の手順で発熱具を製造した。

発熱性組成物として以下の成分を使用した。 <発熱性組成物> ・鉄粉(DOWA IPクリエイション株式会社製、商品名DKP、平均粒径100μm) ・カーボンブラック(三菱化学株式会社、商品名RCF、よう素吸着性能144mg/g、平均粒径0.075μm、電気伝導性あり) ・活性炭(フタムラ化学株式会社、商品名太閤活性炭、よう素吸着性能1050mg/g、平均粒経50μm、電気伝導性あり) ・水 ・バーミキュライト(平均粒径500μm) ・吸水性樹脂(アクリル酸重合体部分塩架橋物、平均粒径250μm) ・食塩 香料として、以下の香料を使用した。 <香料> ・カモミール(香料番号BR11880、小川香料株式会社製) 前記発熱性組成物の各成分と香料とを混合し、混合物を得た。ここで、鉄粉、カーボンブラック、活性炭、水、バーミキュライト、吸水性樹脂、食塩、香料の配合割合はそれぞれ50重量%、18重量%、2重量%、20重量%、5重量%、2.5重量%、2重量%、0.5重量%である。得られた混合物を、非通気性粘着シート(日東ライフテック株式会社製、商品名ニトタック)を一部に装着させた多孔質フィルム(日東ライフテック株式会社製、商品名ブレスロン)製の通気性の収容袋(130×95mm)に収容して封をして、発熱具2−1を得た。発熱具2−1における酸化促進剤のよう素吸着性能は約240mg/gである。その後、すばやく発熱具2−1を使い捨てカイロ用の非通気性の外袋に収納した。

発熱具2−2の製造 以下の手順で発熱具を製造した。

発熱性組成物として以下の成分を使用した。 <発熱性組成物> ・鉄粉(DOWA IPクリエイション株式会社製、商品名DKP、平均粒径100μm) ・カーボンブラック(三菱化学株式会社、商品名RCF、よう素吸着性能144mg/g、平均粒径0.075μm、電気伝導性あり) ・活性炭(フタムラ化学株式会社、商品名太閤活性炭、よう素吸着性能1050mg/g、平均粒経50μm、電気伝導性あり) ・水 ・バーミキュライト(平均粒径500μm) ・吸水性樹脂(アクリル酸重合体部分塩架橋物、平均粒径250μm) ・食塩 香料として、以下の香料を使用した。 <香料> ・カモミール(香料番号BR11880、小川香料株式会社製) 前記発熱性組成物の各成分と香料とを混合し、混合物を得た。ここで、鉄粉、カーボンブラック、活性炭、水、バーミキュライト、吸水性樹脂、食塩、香料の配合割合はそれぞれ50重量%、15重量%、5重量%、20重量%、5重量%、2.5重量%、2重量%、0.5重量%である。得られた混合物を、非通気性粘着シート(日東ライフテック株式会社製、商品名ニトタック)を一部に装着させた多孔質フィルム(日東ライフテック株式会社製、商品名ブレスロン)製の通気性の収容袋(130×95mm)に収容して封をして、発熱具2−2を得た。発熱具2−2における酸化促進剤のよう素吸着性能は約370mg/gである。その後、すばやく発熱具2−2を使い捨てカイロ用の非通気性の外袋に収納した。

比較発熱具2の製造 以下の手順で発熱具を製造した。

発熱性組成物として以下の成分を使用した。 <発熱性組成物> ・鉄粉(DOWA IPクリエイション株式会社製、商品名DKP、平均粒径100μm) ・カーボンブラック(三菱化学株式会社、商品名RCF、よう素吸着性能144mg/g、平均粒径0.075μm、電気伝導性あり) ・活性炭(フタムラ化学株式会社、商品名太閤活性炭、よう素吸着性能1050mg/g、平均粒経50μm、電気伝導性あり) ・水 ・バーミキュライト(平均粒径500μm) ・吸水性樹脂(アクリル酸重合体部分塩架橋物、平均粒径250μm) ・食塩 香料として、以下の香料を使用した。 <香料> ・カモミール(香料番号BR11880、小川香料株式会社製) 前記発熱性組成物の各成分と香料とを混合し、混合物を得た。ここで、鉄粉、カーボンブラック、活性炭、水、バーミキュライト、吸水性樹脂、食塩、香料の配合割合はそれぞれ50重量%、10重量%、10重量%、20重量%、5重量%、2.5重量%、2重量%、0.5重量%である。得られた混合物を、非通気性粘着シート(日東ライフテック株式会社製、商品名ニトタック)を一部に装着させた多孔質フィルム(日東ライフテック株式会社製、商品名ブレスロン)製の通気性の収容袋(130×95mm)に収容して封をして、比較発熱具2を得た。比較発熱具2における酸化促進剤のよう素吸着性能は約600mg/gである。その後、すばやく比較発熱具2を使い捨てカイロ用の非通気性の外袋に収納した。

(2)製造した発熱具の保存 製造したそれぞれの発熱具を、酸素存在下50℃の恒温槽で30日間保存した。この保存条件は、室温(25℃)で1.5年間保存した場合に該当する。

(3)保存後の発熱具の評価 前記保存後、外袋を開封して発熱具を取り出し、各発熱具の香り強さについて評価した。具体的には、被験者5名に、外袋から取り出した各発熱具の香りを嗅いでもらい、香りの強度について後述する1〜5までの5段階で評価させた。香りの強度はいずれも値が大きいほど評価が優れており、香りが強く残っていることを意味する。また、同時に、各発熱具において実用可能な程度に十分に発熱されているかどうかについても評価させた。 <香りの強度評価> 1:無臭 2:弱く匂う 3:匂う 4:強く匂う 5:非常に強く匂う

表2に示す結果から明らかなように、発熱具2−1及び発熱具2—2においては保存後においても十分な芳香性が維持されていた。一方、比較発熱具2では半数以上の被験者が無臭であると評価した。また、比較発熱具1でも、全被験者が無臭であると評価し、望ましい芳香性は得られなかった。なお、いずれにおいても実施可能な程度に発熱し、十分な保温効果を発揮できることが確認された。

実施例3 実施例1の発熱具1−1において、香料として、カモミール(香料番号BR11880、小川香料株式会社製)だけでなく、フローラル(香料番号BR12942、小川香料株式会社製)、ローズ(香料番号OFR3386、長谷川香料株式会社製)、フルーティ(香料番号OFR3363、長谷川香料株式会社製)またはせっけん(香料番号BR3906、小川香料株式会社製)を用いた以外は同様にして、発熱具3−1〜3−5を製造した。香料として、カモミールを含有する発熱具を発熱具3−1、フローラルを含有する発熱具を発熱具3−2、ローズを含有する発熱具を発熱具3−3、フルーティを含有する発熱具を発熱具3−4、せっけんを含有する発熱具を発熱具3−5とした。

実施例3では、各発熱具の保存前及び保存後に外袋を開封して各発熱具を取り出し、各発熱具の香り強さ、香調の変化、温度、持続時間を評価した。具体的には、保存前(製造後24時間)に非通気性の外袋を開封して取り出した各発熱具の香りを被験者5名に嗅いでもらい、香りの強度を前述と同様にして1〜5までの5段階で評価し、また、外袋開封1時間後の温度を評価した。また、各発熱具を酸素存在下50℃の恒温槽で30日間保存した後に同様に外袋を開封し、同様に、香りの強度、開封1時間後の温度を評価するとともに、香調の変化、持続時間についても評価した。香りの強度は、前述と同様に、値が大きいほど評価が優れており、香りが強く残っていることを意味する。香調の変化は、開封後、被験者5名に各発熱具の香りを嗅いでもらい、次のように評価し、その値が小さいほど、保存前と保存後とで、匂いの変化が小さかったことを意味する。 <香調の変化> 1:全く変化していない 2:わずかに変化している 3:少し変化している 4:変化している 5:著しく変化している 外袋開封1時間後の温度は、JIS S4100(2007年)において定められた温熱部に所定の下敷剤及び被覆材を重ねて30℃に昇温させて±1℃で保持させ、一方、周囲温度と同じ雰囲気に放置した発熱具を使用方法に基づいて発熱させて測定した、外袋開封1時間後の値である。また、持続時間は、前記保存後に各発熱具の非通気性の外袋を開封後、各発熱具の温度が40℃以上を持続する時間(単位:時間)を測定した値である。前述のように酸素存在下50℃の恒温槽、30日間という保存条件は、室温(25℃)で1.5年間保存した場合に相当する。

表3に示す結果から明らかなように、50℃で30日間保存した後は保存前より香りの強度が弱くなる傾向にあるものの、保存後においても十分な芳香性が維持された。芳香の質も保存前後でわずかに変化している程度に留まり、大きな変化は認められなかった。また、各発熱具の発熱温度は55℃という十分に高い温度であり、これは保存前後で変わらず、いわゆるカイロなどの発熱具としても十分な保温効果を発揮できることが確認された。更に、各発熱具の所定温度の持続時間も14時間と十分に長く、発熱具として十分な保温持続時間を備えていることが確認された。

実施例4 実施例3において、カーボンブラックに代えて木炭(大林産業株式会社製、商品名素灰、よう素吸着性能63mg/g、平均粒経200μm、電気伝導性なし)を用いた以外は同様にして、試験を行った。香料として、カモミールを含有する発熱具を発熱具4−1、フローラルを含有する発熱具を発熱具4−2、ローズを含有する発熱具を発熱具4−3、フルーティを含有する発熱具を発熱具4−4、せっけんを含有する発熱具を発熱具4−5とした。

表4に示す結果から明らかなように、木炭を用いた場合も、50℃で30日間保存した後は保存前より香りの強度が弱くなる傾向にあるものの、保存後においても十分な芳香性が維持された。また、芳香の質も保存前後で大きな変化は認められなかった。また、各発熱具の発熱温度は45℃という高い温度であり、これは保存前後で変わらず、発熱具として十分な保温効果を発揮できることが確認された。各発熱具の温度の持続時間は4.4時間と長く、発熱具として十分な保温持続時間を備えていることが確認された。

実施例5 実施例3と同様にして前記発熱性組成物の各成分と香料とを混合し、混合物を得た。但し、本実施例では水溶性塩類(食塩)を用いることなく試験を行い、鉄粉、カーボンブラック、水、バーミキュライト、吸水性樹脂、香料の配合割合はそれぞれ51重量%、20.4重量%、20.4重量%、5.1重量%、2.6重量%、0.5重量%とした。 香料として、カモミールを含有する発熱具を発熱具5−1、フローラルを含有する発熱具を発熱具5−2、ローズを含有する発熱具を発熱具5−3、フルーティを含有する発熱具を発熱具5−4、せっけんを含有する発熱具を発熱具5−5とした。

表5に示す結果から明らかなように、水溶性塩類を用いない場合であっても、保存後は保存前より香りの強度が弱くなる傾向にあるものの、保存後も十分な芳香性が維持された。芳香の質も保存前後でわずかに変化している程度に留まり、大きな変化は認められなかった。また、各発熱具の発熱温度は51℃という十分に高い温度であり、これは保存前後で変わらず、発熱具として十分な保温効果を発揮できることが確認された。更に、各発熱具の所定温度の持続時間も3.2時間と長く、発熱具として十分な保温持続時間を備えていることが確認された。

実施例6 実施例3と同様にして前記発熱性組成物の各成分と香料とを混合し、混合物を得た。但し、本実施例では保水剤(吸水性樹脂及びバーミキュライト)を用いることなく試験を行い、鉄粉、カーボンブラック、水、食塩、香料の配合割合はそれぞれ54.1重量%、21.6重量%、21.6重量%、2.2重量%、0.5重量%とした。香料として、カモミールを含有する発熱具を発熱具6−1、フローラルを含有する発熱具を発熱具6−2、ローズを含有する発熱具を発熱具6−3、フルーティを含有する発熱具を発熱具6−4、せっけんを含有する発熱具を発熱具6−5とした。

表6に示す結果から明らかなように、保水剤を用いない場合であっても、保存後は保存前より香りの強度が弱くなる傾向にあるものの、保存後も十分な芳香性が維持された。芳香の質も保存前後で大きな変化は認められなかった。また、各発熱具の発熱温度は51℃という十分に高い温度であり、これは保存前後で変わらず、発熱具として十分な保温効果を発揮できることが確認された。更に、各発熱具の所定温度の持続時間も2.1時間と長く、発熱具として十分な保温持続時間を備えていることが確認された。

実施例7 実施例3と同様にして前記発熱性組成物の各成分と香料とを混合し、混合物を得た。但し、本実施例では水溶性塩類(食塩)及び保水剤(吸水性樹脂及びバーミキュライト)を用いることなく試験を行い、鉄粉、カーボンブラック、水、香料の配合割合はそれぞれ55.3重量%、22.1重量%、22.1重量%、0.5重量%とした。香料として、カモミールを含有する発熱具を発熱具7−1、フローラルを含有する発熱具を発熱具7−2、ローズを含有する発熱具を発熱具7−3、フルーティを含有する発熱具を発熱具7−4、せっけんを含有する発熱具を発熱具7−5とした。

表7に示す結果から明らかなように、水溶性塩類及び保水剤を用いない場合であっても、保存前より香りの強度が弱くなる傾向にあるものの、保存後も十分な芳香性が維持された。また、芳香の質も保存前後で大きな変化は認められなかった。また、各発熱具の発熱温度は41℃という高い温度であり、これは保存前後で変わらず、発熱具として十分な保温効果を発揮できることが確認された。各発熱具の温度の持続時間は1.5時間と長く、発熱具として十分な保温持続時間を備えていることが確認された。

なお、本実施例と前述の実施例5とは保水剤の有無の点で異なり、これらの結果を比較すると、発熱具7−1〜7−5(保水剤なし)より、発熱具5−1〜5−5(保水剤あり)において高温に発熱し、持続時間も長くなる傾向が認められた。このことから、保水剤はより高温への発熱、その温度の持続に寄与していることがわかった。また、本実施例と前述の実施例6とは水溶性塩類の有無の点で異なり、これらの結果を比較すると、発熱具7−1〜7−5(水溶性塩類なし)より、発熱具6−1〜6−5(水溶性塩類あり)においても高温に発熱し、持続時間も長くなる傾向が認められた。このことから、水溶性塩類はより高温への発熱、その温度の持続に寄与していることがわかった。また、本試験例、試験例5、試験例6の結果から、水溶性塩類を含有させた場合より、保水剤を含有させた場合において所定の温度をより長時間持続できる傾向が認められた。

実施例8 実施例7で用いたカーボンブラックに代えて、別の種類のカーボンブラック(三菱化学株式会社、商品名HCF、よう素吸着性能308mg/g、平均粒径0.016μm、電気伝導性あり)を用いた以外は実施例7と同様にして試験を行った。香料として、カモミールを含有する発熱具を発熱具8−1、フローラルを含有する発熱具を発熱具8−2、ローズを含有する発熱具を発熱具8−3、フルーティを含有する発熱具を発熱具8−4、せっけんを含有する発熱具を発熱具8−5とした。

表8に示す結果から明らかなように、水溶性塩類及び保水剤を用いない本実施例においても、保存後も十分な芳香性が維持されていた。また、芳香の質も保存前後で大きな変化は認められなかった。また、各発熱具の発熱温度は42℃という十分に高い温度であり、これは保存前後で変わらず、発熱具として十分な保温効果を発揮できることが確認された。更に、各発熱具の所定温度の持続時間も2時間と十分に長く、発熱具として十分な保温持続時間を備えていることが確認された。

実施例9 実施例7で用いたカーボンブラックに代えて、別の種類のカーボンブラック(三菱化学株式会社、商品名HCF、よう素吸着性能400mg/g、平均粒径0.013μm、電気伝導性あり)を用いた以外は実施例7と同様にして試験を行った。香料として、カモミールを含有する発熱具を発熱具9−1、ローズを含有する発熱具を発熱具9−2、フルーティを含有する発熱具を発熱具9−3、せっけんを含有する発熱具を発熱具9−4とした。

表9に示す結果から明らかなように、本実施例においても、保存後も十分な芳香性が維持されていた。また、芳香の質も保存前後で大きな変化は認められなかった。また、各発熱具の発熱温度は42℃という十分に高い温度であり、これは保存前後で変わらず、いわゆるカイロなどの発熱具として十分な保温効果を発揮できることが確認された。更に、各発熱具の所定温度の持続時間も2時間と十分に長く、発熱具として十分な保温持続時間を備えていることが確認された。

実施例10 実施例7において、カーボンブラック(三菱化学株式会社、商品名RCF、よう素吸着性能144mg/g、平均粒径0.075μm、電気伝導性あり)だけでなく更に活性炭(フタムラ化学株式会社、商品名太閤活性炭、よう素吸着性能1050mg/g、平均粒経50μm、電気伝導性あり)を用いた以外は実施例7と同様にして試験を行った。鉄粉、カーボンブラック、活性炭、水、香料の配合割合はそれぞれ55.3重量%、20.8重量%、1.3重量%、22.1重量%、0.5重量%とした。香料として、カモミールを含有する発熱具を発熱具10−1、フローラルを含有する発熱具を発熱具10−2、ローズを含有する発熱具を発熱具10−3、フルーティを含有する発熱具を発熱具10−4、せっけんを含有する発熱具を発熱具10−5とした。これらの発熱具における酸化促進剤のよう素吸着性能は約200mg/gである。

表10に示す結果から明らかなように、本実施例においても、保存後も十分な芳香性が維持されていた。また、芳香の質も保存前後で大きな変化は認められなかった。また、各発熱具の発熱温度は42℃という十分に高い温度であり、これは保存前後で変わらず、発熱具として十分な保温効果を発揮できることが確認された。更に、各発熱具の所定温度の持続時間も2時間と十分に長く、発熱具として十分な保温持続時間を備えていることが確認された。

実施例11 カーボンブラックと活性炭の配合量を変更した以外は実施例10と同様にして試験を行った。鉄粉、カーボンブラック、活性炭、水、香料の配合割合はそれぞれ55.3重量%、15.9重量%、6.2重量%、22.1重量%、0.5重量%とした。香料として、カモミールを含有する発熱具を発熱具11−1、フローラルを含有する発熱具を発熱具11−2、ローズを含有する発熱具を発熱具11−3、フルーティを含有する発熱具を発熱具11−4、せっけんを含有する発熱具を発熱具11−5とした。これらの発熱具における酸化促進剤のよう素吸着性能は約400mg/gである。

表11に示す結果から明らかなように、本実施例においても、保存後も十分な芳香性が維持されていた。また、芳香の質も保存前後で大きな変化は認められなかった。また、各発熱具の発熱温度は50℃という十分に高い温度であり、これは保存前後で変わらず、発熱具として十分な保温効果を発揮できることが確認された。更に、各発熱具の所定温度の持続時間も3時間と十分に長く、発熱具として十分な保温持続時間を備えていることが確認された。

比較発熱具3 カーボンブラックを用いない以外は実施例10と同様にして試験を行った。鉄粉、活性炭、水、香料の配合割合はそれぞれ55.3重量%、22.1重量%、22.1重量%、0.5重量%とした。香料として、カモミールを含有する比較発熱具を比較発熱具3−1、フローラルを含有する比較発熱具を比較発熱具3−2、ローズを含有する比較発熱具を比較発熱具3−3、フルーティを含有する比較発熱具を比較発熱具3−4、せっけんを含有する比較発熱具を比較発熱具3−5とした。

表12から明らかなように、本比較発熱具も、発熱具として十分な保温効果を発揮でき、且つ、十分な保温持続時間を備えていることが確認された。一方、保存することによって香りの強度が著しく低下し、無臭となった。また、無臭となったことから、香調変化を評価できなかった。

比較発熱具4 実施例10においてカーボンブラックと活性炭の配合量を変更し、香料としてカモミールを用いて、実施例10と同様にして試験を行った。鉄粉、カーボンブラック、活性炭、水、香料の配合割合はそれぞれ55.3重量%、11重量%、11重量%、22.2重量%、0.5重量%とした。比較発熱具4における酸化促進剤のよう素吸着性能は約600mg/gである。

表13から明らかなように、本比較発熱具も、発熱具として十分な保温効果を発揮でき、且つ、十分な保温持続時間を備えていることが確認された。一方、保存することよる大きな香調変化は認められなかったものの、保存によって香りの強度が著しく低下した。

実施例12 発熱具1−1〜1−3ならびに発熱具2−1及び2−2において、図1の構成に代えて図2または図3に示す構成の発熱具においても、前述と同様に優れた芳香効果及び発熱効果が発揮される。

1.通気性を有する収容袋(1aは通気性を有する部分、1bは非通気性の部分) 2.発熱性組成物 3.香料 4.非通気性の外袋 5.粘着剤 6.剥離紙

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