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前処理されたバイオマス由来の特殊活性炭

阅读:1发布:2020-06-22

专利汇可以提供前処理されたバイオマス由来の特殊活性炭专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且セルロース系またはリグノセルロース系バイオマスから糖の加 水 分解後に生成されるリグニン残渣から 活性炭 を製造するための方法、システム、及び組成物を提供する。該活性炭は、灰分及びイオウが少なく、酸素含量及びヨウ素価が高い。 【選択図】図1,下面是前処理されたバイオマス由来の特殊活性炭专利的具体信息内容。

前処理されたバイオマスのリグニン残渣から調製される活性炭であって、前記リグニン残渣が、サイズが約5ミクロン〜約150ミクロンの固体粒子を少なくとも50%含む、前記活性炭。乾燥灰分が3.0%未満である、請求項1に記載の活性炭。乾燥酸素含量が9%を超える、請求項1〜2のいずれか一項に記載の活性炭。乾燥イオウ含量が0.40%未満である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の活性炭。粉末活性炭(PAC)、粒状活性炭(GAC)、ペレット活性炭、(EAC)、押出機活性炭、ビーズ活性炭(BAC)、グラファイト、添着炭、またはそれらの組合せである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の活性炭。粒子径:約5ミクロン〜約40ミクロン、約5ミクロン〜約60ミクロン、約5ミクロン〜約180ミクロン、約100ミクロン未満、約200ミクロン未満、約170ミクロン未満、または約250ミクロン未満を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の活性炭。約5ミクロン〜約200ミクロンの範囲の粒子径を有するリグニン残渣から製造される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の活性炭。活性炭の調製方法であって: (a)反応区画を含む前処理システムにバイオマスを投入し; (b)前記バイオマスを前記反応区画内で、一定時間、高温にて、実質的に一定の温度で、酸、及び蒸気で前処理して前処理材料を生成し; (c)を加え、前記得られた可溶化前処理材料を中和し; (d)前記可溶化前処理材料を加水分解して高糖分加水分解生成物及びリグニン固体を生成し; (e)前記高糖分加水分解生成物から前記リグニン固体を分離し; (f)前記リグニン固体を乾燥、炭化、及び賦活して活性炭を製造することを含む、前記方法。前記加水分解が、酵素及び/または生体触媒によって行われる、請求項8に記載の方法。前記活性炭が、粉末活性炭(PAC)、粒状活性炭(GAC)、ペレット活性炭、(EAC)、押出機活性炭、(BAC)ビーズ活性炭、またはそれらの組合せである、請求項8〜9のいずれか一項に記載の方法。前記活性炭が、粒子径:約5ミクロン〜約40ミクロン、約5ミクロン〜約60ミクロン、約5ミクロン〜約180ミクロン、約100ミクロン未満、約200ミクロン未満、約170ミクロン未満、または約250ミクロン未満を有する、請求項8〜10のいずれか一項に記載の方法。前記活性炭が、約5ミクロン〜約10ミクロンの範囲の粒子径を有する、請求項8〜10のいずれか一項に記載の方法。前記リグニン固体の分離が、凝集、濾過、遠心分離、またはそれらの1つ以上の組合せによって行われる、請求項8〜12のいずれか一項に記載の方法。前記前処理されたバイオマス組成物の前記固体粒子の少なくとも50%が、約5ミクロン〜約150ミクロンのサイズである、請求項8〜13のいずれか一項に記載の方法。前記炭化が:約30秒〜約1分、約1分〜約5分、約5分〜約1時間、約1時間〜約24時間、約1時間〜約18時間、約1時間〜約12時間、約1時間〜約6時間、約2時間、約3時間、約4時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約13時間、約14時間、約15時間、約17時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、または約23時間の期間行われる、請求項8〜14のいずれか一項に記載の方法。前記賦活が、物理的または薬品賦活によって行われる、請求項8〜15のいずれか一項に記載の方法。前記活性炭が添着活性炭である、請求項8〜16のいずれか一項に記載の方法。前記炭化が:約150℃〜約300℃、約150℃〜約250℃、約150℃〜約200℃、約160℃、約170℃、約180℃、約190℃、約210℃、約220℃、約230℃、約240℃、約260℃、約270℃、約280℃、もしくは約290℃、もしくは約300℃、もしくは約350℃、もしくは約400℃、もしくは約450℃、もしくは約500℃、もしくは約550℃、もしくは約600℃、または約650℃の温度で行われる、請求項8〜17のいずれか一項に記載の方法。前記賦活が、ZnCl2、H3PO4、Na2CO3、K2CO3、KOH、CO2、またはアルカリ金属化合物を使用する、請求項8〜18のいずれか一項に記載の方法。前記前処理されたバイオマスの前記リグニン固体が、約100ミクロン〜約200ミクロンの固体粒子少なくとも50%を含む、請求項8〜19のいずれか一項に記載の方法。前記活性炭が、乾燥灰分3.0%未満を有する、請求項8〜20のいずれか一項に記載の方法。前記活性炭が、乾燥酸素含量9%超を有する、請求項8〜21のいずれか一項に記載の方法。前記活性炭が、乾燥イオウ含量0.40%未満を有する、請求項8〜22のいずれか一項に記載の方法。セルロース、ヘミセルロース、及びリグノセルロースを含むバイオマスから活性炭を製造するシステムであって: (a)前記バイオマスを前処理し、固体粒子、及び、C5及びC6ポリマー、モノマー、ならびにダイマーの混合物を含む前処理されたバイオマス組成物を得るための前処理ユニットであり: (i)水和バイオマス組成物を生成するための前記バイオマス組成物の非中性pHの水性媒体中での水和、 (ii)前記固体粒子を生成するための前記水和バイオマス組成物の機械的なサイズ縮小、及び (iii)固体粒子、及び、C5及びC6ポリマー、モノマー、及び/またはダイマーの混合物を含む、前記前処理されたバイオマス組成物を生成するために十分な時間、加圧下で前記水和バイオマス組成物を加熱することによるもの; (b)前記前処理されたバイオマス組成物から糖の流れ及びリグニン残渣を生成するための酵素的加水分解ユニットであり: (i)前記前処理されたバイオマス組成物を中和し、中性に近いpHの水性媒体を得ること;及び (ii)前記前処理されたバイオマス組成物をリグニン残渣及び糖の流れを生成するのに十分な時間1つ以上の酵素に接触させることによるもの; (c)前記リグニン残渣から前記糖の流れを分離するための分離ユニット; (d)前記リグニン残渣を炭化し、前記リグノセルロース残渣から木炭を生成する炭化ユニット;ならびに (e)前記木炭を賦活し、活性炭を製造する賦活ユニットを含む、前記システム。前記前処理されたバイオマスの前記固体粒子の少なくとも50%が、約5ミクロン〜約200ミクロンのサイズである、請求項24に記載のシステム。前記前処理されたバイオマスの前記固体粒子のすべてが、5mm未満のサイズである、請求項24に記載のシステム。前記前処理されたバイオマスの前記固体粒子のすべてが、1mm未満のサイズである、請求項24に記載のシステム。前記水和バイオマスが、乾燥バイオマス重量基準で約1%〜約20%の固体を含む、請求項24〜27のいずれか一項に記載のシステム。前記非中性pHの水性媒体が、約30℃〜約98℃である、請求項24〜28のいずれか一項に記載のシステム。前記バイオマスの酵素的加水分解が、約30分間〜約90時間である、請求項24〜29のいずれか一項に記載のシステム。前記非中性水性媒体が、乾燥バイオマス重量基準で約0.1%〜約5%v/wで酸または塩基を含む、請求項24〜30のいずれか一項に記載のシステム。機械的なサイズ縮小が、切断、磨砕、蒸気圧入、蒸気爆発、酸触媒蒸気爆発、アンモニア繊維/凍結爆発(AFEX)、またはそれらの組合せを含む、請求項24〜31のいずれか一項に記載のシステム。前記水和バイオマスの加熱が、約100℃〜約250℃の温度における、請求項24〜32のいずれか一項に記載のシステム。前記水和バイオマス組成物の加熱が、約100PSIG〜約600PSIGの圧で行われる、請求項24〜33のいずれか一項に記載のシステム。前記前処理が、連続運転モードで行われる、請求項24〜34のいずれか一項に記載のシステム。前記1つ以上の酵素が、1つ以上のヘミセルラーゼ及び/または1つ以上のセルラーゼを含む、請求項24〜35のいずれか一項に記載のシステム。前記バイオマス組成物が、アルファルファ、藻類、バガス、竹、ソルガム、トウモロコシ茎葉、トウモロコシ繊維、トウモロコシの穂軸、トウモロコシ穀粒、コーンマッシュ、コーンスティープリカー、コーンスティープソリッド、蒸留かす、乾燥蒸留可溶分、乾燥蒸留かす、濃縮蒸留可溶分、湿潤蒸留かす、可溶分を含む乾燥蒸留かす、ユーカリ、食品廃棄物、果物の皮、庭の残留物、草、穀物殻、組み換え作物、都市ごみ、オート麦の殻、ヤシ殻、堅果、堅果殻、紙、紙パルプ、プレーリーのウシクサ、ポプラ、もみ殻、種子殻、サイレージ、ソルガム、わら、サトウキビ、スイッチグラス、小麦、麦わら、小麦ふすま、脱デンプン小麦ふすま、柳、木材、おがくず、木材チップ、植物細胞、植物組織培養物、組織培養物、またはそれらの組合せを含む、請求項24〜36のいずれか一項に記載のシステム。前記活性炭が、粉末活性炭(PAC)、粒状活性炭(GAC)、押し出し活性炭(EAC)、ビーズ活性炭(BAC)、またはそれらの組合せである、請求項24〜37のいずれか一項に記載のシステム。前記活性炭が、粒子径:約5ミクロン〜約40ミクロン、約5ミクロン〜約30ミクロン、約5ミクロン〜約20ミクロン、約40ミクロン未満、約30ミクロン未満、約50ミクロン未満、約100ミクロン未満、または約200ミクロン未満を有する、請求項24〜38のいずれか一項に記載のシステム。前記活性炭が、約5ミクロン〜約10ミクロンの範囲の粒子径を有する、請求項24〜39のいずれか一項に記載のシステム。前記分離ユニットが、凝集、濾過、遠心分離、またはそれらの任意の組合せを用いて前記リグニン残渣から前記糖の流れを分離する、請求項24〜40のいずれか一項に記載のシステム。前記活性炭が、蒸気加熱によって賦活される、請求項24〜41のいずれか一項に記載のシステム。前記活性炭が、化学薬品またはガスによって賦活される、請求項24〜41のいずれか一項に記載のシステム。前記活性炭が、CO2もしくはKOH、NO ZnCl2、H3PO4、Na2CO3、K2CO3、及び一部のアルカリ金属化合物、またはそれらの組合せによって賦活される、請求項24〜43のいずれか一項に記載のシステム。前記賦活が、10秒〜2分、1分〜2分、約2分、約3分、約4分、約5分、約6分、約7分、約8分、約9分、約10分、約11分、約12分、約13分、約14分、約15分、約16分、約17分、約18分、約19分、約20分、約21分、約22分、約23分、約24分、約25分、約30分、約35分、約40分、約45分、または約50分の期間行われる、請求項24〜44のいずれか一項に記載のシステム。前記炭化が、約30秒〜約1時間、約1時間〜約48時間、約1時間〜約36時間、約1時間〜約24時間、約1時間〜約18時間、約1時間〜約12時間、約1時間〜約6時間、約2時間、約3時間、約4時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約13時間、約14時間、約15時間、約17時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、または約23時間の期間行われる、請求項24〜45のいずれか一項に記載のシステム。前記炭化が、約150℃〜約300℃、約150℃〜約250℃、約150℃〜約200℃、約160℃、約170℃、約180℃、約190℃、約210℃、約220℃、約230℃、約240℃、約260℃、約270℃、約280℃、もしくは約290℃、もしくは約300℃、もしくは約350℃、もしくは約400℃、もしくは約450℃、もしくは約500℃、もしくは約550℃、もしくは約600℃、または約650℃の温度で行われる、請求項24〜46のいずれか一項に記載のシステム。前記賦活が、約150℃〜約300℃、約150℃〜約250℃、約150℃〜約200℃、約160℃、約170℃、約180℃、約190℃、約210℃、約220℃、約230℃、約240℃、約260℃、約270℃、約280℃、約290℃、約300℃、約350℃、約400℃、約450℃、約500℃、約550℃、約600℃、約650℃、約700℃、約750℃、約800℃、約850℃、約900℃、約950℃、約1000℃、約1050℃、約1100℃、約1150℃、約1200℃、約1250℃、約1300℃、約1350℃、約1400℃、約1450℃、約1500℃、約1550℃、約1600℃、約1650℃、約1700℃、約1750℃、または約1800℃の温度で行われる、請求項24〜47のいずれか一項に記載のシステム。前記炭化が、真空下で行われる、請求項24〜48のいずれか一項に記載のシステム。

说明书全文

相互参照 [0001]本出願は、2015年9月16日に出願された米国仮出願第62/219,476号の利益を主張する。該仮出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。

発明の背景 [0002]現在のところ、発酵性のC6精糖の世界的供給のほとんどは、デンプンが豊富な再生可能原料を処理することによって得られている。この処理後に残る高リグニン残渣(リグニン材料)は今まで、有効な利用法がほとんど見出されていない産物である。活性炭は、活性化木炭または活性化石炭とも呼ばれ、その多孔性によってかなりの内部比表面積を呈する細孔構造の木炭製品である。それには、不要な物質の吸着等、多くの用途がある。本開示は、当技術分野で満たされていない要求に対処するとともに、リグノセルロース残渣からの特殊活性炭の製造に関する。

参照による援用 [0003]本明細書で言及されるすべての刊行物、特許、及び特許出願は、個々の刊行物、特許、または特許出願が具体的かつ個別に参照により組み込まれるように示された場合と同じ程度まで、参照により本明細書に組み込まれる。

図面の簡単な説明 [0004]本発明の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲に詳細に記載される。本発明の特徴及び利点のさらなる理解は、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を記載する以下の詳細な説明、及び添付の図面を参照することによって得られるであろう。

[0005]いくつかの段階の前処理工程の1つを示すブロック図であり、前処理及び加分解工程システムに入るバイオマス原料、それによる糖の加水分解産物(糖の流れ)の生成及びリグニン残渣の固体産物からの活性炭の製造を示す。

[0006]EE−634A2試料と比較して、異なる活性炭の細孔容積を比較している。

[0007]EE−634A2試料と比較して、各種活性炭の生の特性評価データを示すグラフである。

[0008]EE−634A2試料と比較して、各種活性炭の体積基準の微分特性曲線を示すグラフである。

EE−634A2試料と比較して、各種活性炭の体積基準の微分特性曲線を示すグラフである。


[0009]EE−634A2試料と比較して、各種活性炭のMTBEの吸着等温線を示すグラフである。

[0010]EE−634A2試料と比較して、各種活性炭のベンゼンの吸着等温線を示すグラフである。

EE−634A2試料と比較して、各種活性炭のフェノールの吸着等温線を示すグラフである。


[0011]EE−634A2試料と比較して、各種活性炭の細孔径分布を示すグラフである。




発明の詳細な説明 [0012]本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される、単数形「a」、「an」、及び「the」には、文脈が明らかに他を指示しない限り、複数の指示対象が含まれる。従って、例えば、「a purified monomer(精製されたモノマー)」への言及は、2つ以上の精製されたモノマーの混合物が含まれる。本明細書で使用される用語「comprising(含む)」は、「including(含む)」、「containing(含む)」、または「特徴とする」と同義であると同時に包括的またはオープンエンドであり、さらなる挙げられていない要素もしくは段階法を排除しない。


[0013]「約」とは、言及された数値表示プラスマイナス言及された数値表示の10%を意味する。例えば、約4という用語には、3.6〜4.4の範囲が含まれる。本明細書で使用される成分、反応条件、その他の量を表す、すべての数字は、すべての場合において「約」という用語で修飾されているとして理解されたい。従って、これとは異なる指示のない限り、本明細書に記載される数値パラメータは、得ようとする所望の特性に応じて変化し得る近似値である。最後に、本出願に対する優先権を主張する任意の出願における任意の特許請求の範囲に対する均等論の適用を制限するものではないが、各数値パラメータは、有効桁数及び通常の丸め方に照らして解釈されたい。


[0014]フレーズ「例えば」、「〜等」、「〜を含めて」等が本明細書で使用される場合、他に明記されない限り、フレーズ「制限なく」が続くと理解される。従って、「例えば、エタノール製造」は、「例えば、制限なくエタノール製造」を意味する。


[0015]緒言 [0016]活性炭は、活性化木炭または活性化石炭とも呼ばれ、その多孔性によってかなりの内部比表面積を呈する細孔構造の木炭製品である。それには、不要な物質の吸着等、多くの用途がある。従って、活性炭は、浄水、下水処理、ガス精製、カフェイン除去、金精製、ガスマスク及びレスピレータのフィルター、圧縮空気のフィルター、金属抽出、色度除去、医薬用途、スローリリース肥料用の窒素吸収、吸音、ならびに多くの他の用途に用いることができる。活性炭には非常に多くの用途があるため、さらなるタイプの製品及びその製造方法は、これらの用途を改善するには有益であろう。


[0017]活性炭1グラムの表面積は通常、約500m2であり、約200m2〜約2500m2に及ぶ。物理的に、活性炭はファンデルワールスまたはロンドン分散力によって物質に結合する。ヨウ素は特によく吸着され、そのヨウ素吸着容量は、全表面積及び活性度の標準指標として用いられる。mg/gレベルが高いほど、高い賦活度を示す。ヨウ素価は、残留濾液中のヨウ素濃度が0.02規定の場合の1グラムの炭素によって吸着されたヨウ素のミリグラムとして定義される。


[0018]活性炭中に残留するいくつかの物質は、その全体的な活性及びその再賦活電位を下げる場合がある。1つのかかる物質は灰である。活性炭中の灰レベルは、活性炭が望ましくない物質を吸着するために水溶液中で用いられる場合に特に重要になる。これは、Fe2O3等の金属酸化物が、灰を含んだ活性炭から浸出し、変色、重金属毒性、及び過剰な藻類増殖を引き起こす場合があるためである。


[0019]活性炭は、含炭素(炭素質)材料、例えば、ヤシ殻、チップ、おがくず、及び樹皮を含めた木材、堅果の殻、農業残渣、泥炭、石炭、亜炭、石油ピッチ等から製造することができる。第一に、純粋な炭素が加熱法、通常は熱分解によって抽出され得る。次いで、該材料を炭化後、CO2もしくは蒸気に曝露することによって、または酸系薬品処理によって、それを賦活することも、酸素で処理することもできる。


[0020]炭化に関しては、高炭素材料を小さい(材料の量の割に)炉に入れ、セ氏2000度までの極端な温度で焼くことができる。残るものは通常、初めの重さの20〜30パーセントであり、大部分は炭素と、ごく一部が無機灰からなる。これは、「コーキング」、すなわち、木炭から炭素系燃料の一種であるコークスを製造する方法とよく似ている。


[0021]賦活は、例えば、2つの方法のうちの1つ、すなわち、ガス化または薬品処理によって行うことができる。ガス化による賦活は、炭素を酸化するためにガスをポンプで送りながら、チャンバー内で炭素を直接加熱することを含む。酸化によって炭素が吸着しやすく、すなわち、化学物質に対して表面結合しやすくなる。熱分解は、不活性環境にて600〜900℃で行われる。次いで、900〜1200℃に加熱しながら含酸素ガスをポンプで送り、炭素表面に対する酸素の結合を引き起こす。薬品処理では、その工程は少し異なる。1つには、炭化と薬品賦活は同時に起こる。酸、塩基、または他の化学薬品の浴を調製し、材料を浸漬する。この浴を次いで450〜900℃、すなわち、ガス賦活に必要な温度よりずっと低い温度に熱する。炭素質材料は、ガス賦活よりはるかに速いペースで炭化され、その後賦活される。しかしながら、一部の加熱工程で、該浴からの微量元素の炭素への吸着が生じ、これが純粋でない、または効果のない活性炭をもたらす場合がある。


[0022]酸化の後、活性炭は、いくつかの分類可能な異なる特性の多くの様々な用途用に加工することができる。これらの分類の一部は、粉末活性炭(PAC)、粒状活性炭(GAC)、押し出し活性炭(EAC)、及びビーズ活性炭(BAC)である。


[0023]リグニン残渣は、バイオマスからの糖抽出の一般的な副産物である。糖は次いで、他の高エネルギー製品、例えば、エタノール、その他燃料、バイオプラスチック等の製造に使用される。リグニン残渣は、糖の加水分解及び抽出に使用される工程と装置のタイプによってかなり異なる。多くの場合、これら残渣は、活性炭の製造に用いることができ、特に特定の吸着用途に適している。


[0024]活性炭は、その生理化学的特性を各種工業用途のためにさらに改良するため、変更され、誘導体化され、もしくは変性され、またはいわゆる「賦活」された炭素の形態である。活性炭は通常、粒子径が小さく、その表面が、吸収のための表面積を増やす低容積の細孔で覆われている。工業用に使用される多くのタイプの活性炭があり、それらの製造に用いられる処理法に応じて、これらが様々な目的を果たす。活性炭は、無煙炭や瀝青炭等の原料から、ならびに、炭素が豊富であるが同様に糖、タンパク質、脂肪、油、及び他の化合物も含む生野菜や木質材料、例えば、ヤシ殻、木材チップ等から製造することができる。例えば、米国特許第8,926,932B2号を参照のこと。また、使用される木質原料の一部は、クラフト法、及び他の方法、これは、高リグニン残渣をもたらすが、高度にスルホン化される可能性があり、その場合リグニン分子の反応性部位がブロックされるものである方法によって生成される、パルプ及び製紙工業の副産物由来でもよい。活性炭は、骨等の動物性物質、レストランや他の食品廃棄物、及び屠体等からも生成することができる。


[0025]さらに、これらのタイプの方法のすべては、リグニン原料が植物全体であろうが一部であろうが、クラフト法の黒液等の化学的パルプ化工程による抽出工程、もしくは蒸気爆発、高温熱分解、または別の方法によって製造されようが、長い炭素繊維及び高灰分、ならびに多くの場合、熱分解の場合のように、細孔が少ない凝縮材料をもたらす可能性がある。例えば、米国公開第2015/0197424A1号を参照のこと。これらの方法で製造される活性炭は、多くの小さい細孔、低灰分及び低イオウ、ならびに多量の酸素含量を備えた活性炭の反応しやすさとは程遠い。本明細書に記載の方法は、より高度に多孔性であり、一様に有孔であり、多数の高エネルギー細孔を低灰分、高酸素、及び低イオウ含量で有する活性炭をもたらす。使用される酸加水分解工程は、従来の前処理工程よりはるかに速く効果的である可能性があり、さらなる加工段階で、他の不純物、例えば、酵素、酸、糖、及び他の残渣を除去することができ、炭化及び賦活に先立って精製されたリグニンを与える。これらの糖を用いて、有用な最終産物、例えば、バイオ燃料及びバイオプラスチック等を生成することができる。さらに、均質で一貫して小さい粒子径の出発材料(リグニン残渣が小さい粒子径を有することを保証する)は、セルロース及びヘミセルロースの除去によって得られる。


[0026]現在のところ、発酵性のC6精糖の世界的供給のほとんどは、デンプンが豊富な再生可能原料、例えば、トウモロコシ、米、キャッサバ、小麦、ソルガム、及び小数例では甘蔗糖(グルコースとフルクトースからなる)を処理することによって得られている。これらの原料からのC6精糖の製造は確立されており、デンプンが植物の特定の部分(主に種子)に集中し容易に単離すること及びアミラーゼ酵素を用いて単糖に加水分解することができるため、比較的単純である。糖化は低温で行われ、阻害物質及び分解産物が少ない。デンプンは通常、白色で不定形の粉末であり、妨害複合フェノール成分、酸、抽出物、または着色化合物を少しも含まない。たとえこれらが存在しても、それらは少量であるため、精製及びこれらの化合物を除去するのは容易である。これらの特性は、トウモロコシ精製業者及びデンプン加工会社が、アニオン交換カラム及び低濃度の金属イオン封鎖剤を用いて、低コストで、厳しい仕様内で高度に濃縮された精糖を提供することを可能にしている。しかしながら、糖の流れのほとんどを分離した後に残る残留高リグニン残渣(リグニン材料)は今まで、有効な利用法がほとんど見出されていない産物である。大部分については、バイオマスを前処理するために必要な熱及び圧力を生産するためのエネルギー源として、またはウシ及び他の家畜のための原料として焼却される。


[0027]木材を含めたリグノセルロース系バイオマスは、含まれる糖を解重合するために高温を必要とする場合があり、場合によっては、バイオマスを酵素加水分解に向けて準備するため、爆発及びさらに激しい蒸気(爆発)及び/または酸との反応を必要とする場合がある。C5及びC6糖は、リグニン、抽出物、及びフェノール成分中に天然に埋め込まれ、これらと架橋されている。高温及び高圧で、流れの中に混合糖、高灰分、リグニンの芳香族断片、阻害物質、及び酸が入ったリグニンと芳香族化合物の浸出をもたらすことができる。さらなる酵素的加水分解で、糖の大部分をさらにエタノールや別のアルコール、ならびに各種のその他生化学及びバイオ製品に加工することができる産物である貴重な原料に変換する。酵素的加水分解の後、リグニンを糖生成物から分離することができる。リグニン残渣の分離は、凝集、濾過、及び/または遠心分離、もしくは他の方法を介して達成することができる。抽出されたリグニン残渣は、極めて多孔質の構造を有することができ、少量の灰、酵素、イオウ、糖、及び他の生成物を含む場合がある。得られる高リグニン生成物は、典型的な炭素原料より低温で炭化し、これが炭化及び賦活されると、飲料水からの有機物の除去等の特殊な用途に特に適した活性炭を形成する。実際に、処理条件によって、生リグニン由来の活性炭は、水の有機物除去用のヤシ殻活性炭と同じかそれより良好に働く。さらに、理論に拘束されるものではないが、粒子径が小さいリグニンと組み合わせた低残留糖は、より小さくより均一な細孔径に寄与し、より大きな表面積の活性炭をもたらし、これは、有機物の吸着及び他の用途に適した小さく高エネルギーの細孔径の多くを有していると思われる。


[0028]本明細書及びそれに続く特許請求の範囲において、複数の用語に対して言及がなされるが、これらは、以下の意味を有すると定義されるものとする。 [0029]定義 [0030]「任意の」または「任意に」とは、続いて記載される事象または状況が生じても生じなくてもよく、また、該記載が、該事象または状況が生じる例及びそれが生じない例を含むことを意味する。例えば、「培地は任意にグルコースを含むことができる」というフレーズは、該培地が、成分としてグルコースを含んでも含まなくてもよく、該記載が、グルコースを含む培地及びグルコースを含まない培地の両方を含むことを意味する。


[0031]別段に特徴づけられない限り、本明細書で使用される技術用語及び科学用語は、当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。 [0032]「発酵性最終産物(fermentive end−product)」及び「発酵最終産物(fermentation end−product)」は、本明細書では互換的に用いられ、バイオ燃料、化学薬品、液体燃料として適する化合物、気体燃料、トリアシルグリセロール、試薬、化学原料、化学添加剤、加工助剤、食品添加物、バイオプラスチック及びバイオプラスチックの前駆体、ならびにその他の製品を含める。


[0033]発酵最終産物は、ポリオールまたは糖アルコール;例えば、メタノール、グリコール、グリセロール、エリトリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ソルビトール、ズルシトール、フシトール、イジトール、イノシトール、ボレミトール、イソマルト、マルチトール、ラクチトール、及び/またはポリグリシトールを含むことができる。


[0034]本明細書で使用される、用語「脂肪酸を含む材料」は、当業者に知られるその通常の意味を有し、1つ以上の脂肪酸部分を含む1つ以上の化合物及びこれら化合物の誘導体、ならびにこれら化合物の1つ以上を含む材料を含むことができる。1つ以上の脂肪酸部分を含む化合物の一般的な例としては、トリアシルグリセリド、ジアシルグリセリド、モノアシルグリセリド、リン脂質、リゾリン脂質、遊離脂肪酸、脂肪酸塩、石鹸、脂肪酸を含むアミド、脂肪酸と一価アルコールとのエステル、脂肪酸とグリコール等の多価アルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール等)とのエステル、脂肪酸とポリエチレングリコールのエステル、脂肪酸とポリエーテルのエステル、脂肪酸とポリグリコールのエステル、脂肪酸と糖のエステル、脂肪酸と他のヒドロキシ基含有化合物とのエステル等が挙げられる。


[0035]本明細書で使用される、用語「pH調節剤」は、当業者に知られるその通常の意味を有し、培養液もしくは培地のpHを高める、低下させる、または安定に保持する傾向がある任意の材料を含むことができる。pH調節剤は、酸、塩基、緩衝剤、または、pHを上げる、下げる、または安定に保持するために含まれる他の材料と反応する材料でよい。1つの実施形態では、2つ以上のpH調節剤、例えば、2つ以上の酸、2つ以上の塩基、1つ以上の酸と1つ以上の塩基、1つ以上の酸と1つ以上の緩衝剤、1つ以上の塩基と1つ以上の緩衝剤、または、1つ以上の酸と1つ以上の塩基と1つ以上の緩衝剤等を使用することができる。1つの実施形態では、緩衝剤は培養液もしくは培地中で、または別々に製造することができ、酸または塩基中でそれぞれ塩基または酸と少なくとも部分的に反応することによって成分として使用することができる。2つ以上のpH調節剤が利用される場合、それらは同時に加えることも異なる時点で加えることもできる。1つの実施形態では、1つ以上の酸と1つ以上の塩基を混合し、緩衝剤を生じる。1つの実施形態では、培地成分、例えば、炭素源または窒素源がpH調節剤として働く。適切な培地成分としては、高いもしくは低いpHを有するもの、または緩衝能を有するものが挙げられる。例示的な培地成分としては、残留する酸もしくは塩基を有する酸または塩基で加水分解された植物多糖、アンモニアが残留するアンモニア繊維爆発(AFEX)処理植物材料、乳酸、コーンスティープソリッドまたはリカーが挙げられる。


[0036]本明細書で使用される、用語「リグニン」は、当業者に知られるその通常の意味を有し、分子量が10,000ミクロンを超え、比較的疎水性で芳香族の性質である架橋された有機ラセミフェノールポリマーを含むことができる。それが抽出過程で断片化されること、及びその分子が偶発的に繰り返されると思われる様々なタイプの部分構造からなることから、その本来の重合度を測定することは困難である。様々な程度までメトキシ化された3つのモノリグノールモノマー、すなわち、p−クマリルアルコール、コニフェリルアルコール、及びシナピルアルコールがある。これらのリグノールは、それぞれ、p−ヒドロキシフェニル(H)、グアイアシル(G)、及びシリンギル(S)フェニルプロパノイドの形態でリグニンに組み込まれる。すべてのリグニンは、少量の不完全または変性モノリグノールを含み、その他のモノマーは非木本植物で顕著である。リグニンは、維管束植物及び非維管束植物ならびに一部の藻類の支持組織における構造材料の主な分類の1つである。リグニンは、特に木材及び樹皮における細胞壁の形成において、特に重要である。


[0037]本明細書で使用される、用語「熱分解」は、当業者に知られるその通常の意味を有し、一般に、炭素質材料の熱的分解を指す。熱分解では、完全燃焼に必要とされるよりは少ない酸素、例えば10%未満が存在する。いくつかの実施形態では、熱分解は酸素の非存在下で行うことができる。


[0038]本明細書で使用される、用語「灰」は、当業者に知られるその通常の意味を有し、一般に、燃焼過程後に残る任意の固体残渣を指し、これは揮発されず固体残渣として残り、その組成は限定されない。灰は、通常、金属酸化物、例えば、SiO2、CaO、Al2O3、及びK2O等が豊富である。「炭素含有灰」または「炭化灰」とは、少なくともいくらかの炭素含量を有する灰を意味する。飛散灰、別名燃料灰は、燃焼で生成される残渣の1つであり、煙道ガスに伴って上昇する微粒子を含む。上昇しない灰は、ボトムアッシュと呼ばれる。飛散灰は一般に、電気集塵装置または他の粒子濾過装置によって、煙道ガスが放出される前に捕集される。ボトムアッシュは通常、炉の底から取り出される。


[0039]本明細書で使用される、用語「植物多糖」は、当業者に知られるその通常の意味を有し、植物質に存在する糖及び糖誘導体の1つ以上のポリマーならびに糖ポリマーの誘導体、及び/または他のポリマー材料を含むことができる。例示的な植物多糖としては、セルロース、デンプン、ペクチン、及びヘミセルロースが挙げられる。他は、キチン、スルホン化多糖、例えば、アルギン酸、アガロース、カラギーナン、ポルフィラン、ファーセレラン、及びフノランである。一般に、該多糖は、2つ以上の糖単位または糖単位の誘導体を有し得る。該糖単位及び/または糖単位の誘導体は、規則的なパターンまたは別の方法で反復し得る。該糖単位は、ヘキソース単位もしくはペントース単位、またはそれらの組合せであり得る。該糖単位の誘導体は、糖アルコール、糖酸、アミノ糖等であり得る。該多糖は直鎖、分岐、架橋、またはそれらの混合でもよい。1つのタイプまたは分類の多糖は、別のタイプまたは分類の多糖に架橋され得る。


[0040]本明細書で使用される、用語「糖化」は、当業者に知られるその通常の意味を有し、生物が手近に利用できる低分子量種への植物多糖の変換を含むことができる。一部の生物については、これは、単糖、二糖、三糖、及び最大約7つのモノマー単位のオリゴ糖、ならびに同様のサイズの鎖の糖誘導体及び糖と糖誘導体の組合せへの変換を含む。


[0041]用語「SSF」及び「SHF」は当業者に既知である。「SSF」は、同時糖化発酵、すなわち、多糖またはオリゴ糖からの単糖への変換と同時に同じ発酵容器内で単糖がエタノール等の別の化学製品へと変換されることを意味する。「SHF」は、ポリマーの加水分解または糖化と発酵過程の物理的な分離を示す。


[0042]本明細書で使用される、用語「バイオマス」は、当業者に知られるその通常の意味を有し、バイオ燃料、化学製品、または他の製品に変換され得る1つ以上の炭素質の生物学的材料を含むことができる。本明細書で使用されるバイオマスは、用語「原料」と同義であり、コーンシロップ、モラセス、サイレージ、農業残渣(トウモロコシの茎、草、わら、穀物殻、バガス等)、堅果、堅果の殻、ヤシ殻、動物の排泄物(ウシ、家禽、及びブタ由来の肥料)、乾燥蒸留可溶分(DDS)、乾燥蒸留かす(DDG)、濃縮蒸留可溶分(CDS)、湿潤蒸留かす(DWG)、可溶分を含む乾燥蒸留かす(DDGS)、木質材料(木材または樹皮、おがくず、木材チップ、材木スラッシュ、及びミルスクラップ)、都市ごみ(古紙、再生トイレットペーパー、庭の刈り取った草等)、ならびにエネルギー作物(ポプラ、柳、スイッチグラス、アルファルファ、プレーリーのウシクサ、大型藻類を含めた藻類等)を含む。1つの例示的なバイオマス源は植物質である。植物質は、例えば、木本植物質、非木本植物質、セルロース系材料、リグノセルロース系材料、ヘミセルロース系材料、炭水化物、ペクチン、デンプン、イヌリン、フルクタン、グルカン、トウモロコシ、サトウキビ、草、スイッチグラス、ソルガム、高バイオマスソルガム、竹、藻類、及びこれらから得られる材料でよい。植物は、その天然の状態でも、例えば、細胞壁のセルロース系もしくはヘミセルロース系部分を増加させるように、または細胞壁成分の分離を高めるためのさらなる外因性もしくは内因性酵素を産生するように遺伝子組み換えされてもよい。植物質は、含まれる化学種、例えば、タンパク質、多糖、及び油を参照することによってさらに説明され得る。多糖としては、グルコース、フルクトース、ラクトース、ガラクツロン酸、ラムノース等を含めた各種単糖及び単糖誘導体のポリマーが挙げられる。植物質はまた、農業廃棄物の副産物または支流、例えば、搾りかす、コーンスティープリカー、トウモロコシの穂軸、トウモロコシ繊維、コーンスティープソリッド、蒸留かす、皮、ピット、発酵廃液、わら、材木、下水、ごみ、及び食べ残し等を含む。皮は、ミカンの皮、グレープフルーツの皮、オレンジの皮、ミカンの皮、ライムの皮、及びレモンの皮を含むがこれらに限定されない柑橘類でよい。これらの材料は、農場、森林、工業原料、家庭等に由来することができる。別の非限定的なバイオマスの例は、例えば、乳、骨、肉、脂肪、動物加工廃棄物、及び動物の排泄物を含めた動物質である。「原料」はしばしば、本明細書に記載のもの等の処理のために使用されるバイオマスを指すために用いられる。


[0043]培養液または溶液中の材料に言及する場合の「concentration(濃度)」は、一般に、生物によって生成されたか該培養液または溶液に加えられたかにかかわらず、すべての起源から存在している材料の量を指す。濃度は、可溶種にも不溶種にも言及することができ、「力価」についてと同様、培養液の液状部分または培養液の総体積のいずれかに言及される。「溶液中の糖のconcentration(濃縮)」等、溶液に言及する場合は、該用語は蒸発、濾過、抽出等を介して、液状部分を除去するまたは減少させることによって該溶液の1つ以上の成分を増加させることを示す。


[0044]本明細書で使用される、用語「生体触媒」は、当業者に知られるその通常の意味を有し、酵素及び微生物の溶液、懸濁液、及び混合物を含めた1つ以上の酵素及び/または微生物を含むことができる。いくつかの状況において、この単語は、酵素または微生物のいずれかの特定の機能を果たすための潜在的な用途を指し、他の状況においては、該単語は、該二者の複合用途を指し、他の状況では、該二者の一方のみを指す。該フレーズの状況とは、当業者に対して意図された意味を示す。例えば、生体触媒は、発酵微生物であり得る。


[0045]「前処理」または「前処理された」は、本明細書において、バイオマスの崩壊または拡張を達成し、該バイオマスが酵素及び/または微生物による攻撃の影響を受けやすくする任意の機械的、化学的、熱的、生化学的工程、または、複合段階においてか連続的に行われるかを問わず、これら過程の組合せを指すために使用され、放出された炭水化物ポリマーまたはオリゴマーのモノマーへの酵素的加水分解を含むことができる。1つの実施形態では、前処理は、セルロース分解酵素及び/または微生物にとってより利用しやすい植物バイオマスのセルロース及びヘミセルロースポリマーを生成するための、例えば、酸または塩基での処理によるリグニンの除去または崩壊を含む。1つの実施形態では、前処理は、セルロース系及び/またはヘミセルロース系材料の崩壊または拡張を含む。別の実施形態では、それはデンプンの放出及び/またはグルコースへの酵素的加水分解を指す場合がある。蒸気爆発、及びアンモニア繊維拡張(または爆発)(AFEX)は、周知の熱的/化学的手法である。酸、塩基、及び/または酵素を利用する方法を含めた加水分解を用いることができる。他の熱的、化学的、生化学的、酵素的手法もまた用いることができる。


[0046]「糖化合物」または「糖の流れ」は、本明細書において、溶解された、結晶化された、蒸発された、または一部溶解された主に単糖の糖を指すために使用され、ヘキソース及びペントース;糖アルコール;糖酸;糖アミン;共有結合もしくはイオン結合で直接または間接的に結合したこれらの2つ以上を含む化合物;及びそれらの混合物等であるがこれらに限定されない。この記述に含まれるのは、二糖;三糖;オリゴ糖;多糖;ならびに任意の長さの分岐及び/または直鎖の糖鎖である。糖の流れは、主にまたは実質的にC6糖、C5糖、またはC6糖及びC5糖の両方の様々な該糖の比での混合物からなる場合がある。C6糖は、6炭素分子骨格を有し、C5糖は5炭素分子骨格を有する。


[0047]「液体」組成物は固体を含んでもよく、「固体」組成物は液体を含んでもよい。液体組成物とは、材料が主に液体である組成物を指し、固体組成物とは、材料が主に固体であるものである。


説明 [0048]以下の説明及び実施例は、本開示のいくつかの例示的な実施形態を詳細に説明する。当業者は、本開示の多数の変形及び修正があり、これらがその範囲に包含されることを認識するであろう。従って、特定の例示的な実施形態の説明は、本開示の範囲を限定すると見なされるべきではない。


[0049]バイオマスからの炭水化物の抽出においては、リグニンは歓迎されない副産物であり、バイオマス成分の分離に困難と費用を追加している。植物材料におけるリグニンの量は変化に富んでいる。木材では、それは乾燥重量の約12〜39%の範囲である。


[0050]糖の製造のためのリグノセルロース系バイオマスの蒸気爆発及び/または酸加水分解には、費用がかかり、特殊な装置を必要とする場合がある。特に高温高圧下での該工程は、セルロース系バイオマス中に構造性炭水化物を放出することができ、結晶性セルロースを酵素的分解にさらすことができる。酸加水分解及びそれに続く酵素的加水分解(SHF)の副産物は、未発酵の炭水化物、リグニン、タンパク質、及び無機物の固体混合物であり、しばしば「リグニン残渣」と呼ばれる。乾燥重量基準で、該炭水化物部分は1〜30%まで変化し得る。該タンパク質成分は1〜5%に及び、無機物(灰)は1〜4%からなる。該混合物中には多少の残留酵素も存在する。しかしながら、最大構成要素はリグニンであり、これは、バイオマスのタイプならびに糖分離及び洗浄段階に応じて30〜90%に及ぶ。このことは、高リグニン残渣をもたらすSSF法にも当てはまる。


[0051]大部分、該リグニン残渣は家畜に餌として与えられるか、エネルギーを生成するために焼却されるかのいずれかである。 原料及び原料の前処理 [0052]1つの実施形態では、原料(バイオマス)は、セルロース系、ヘミセルロース系、及び/またはリグノセルロース系材料を含む。該原料は、農作物、作物残渣、樹木、木材チップ、おがくず、紙、厚紙、草、藻類、都市ごみ、及び他の起源に由来し得る。


[0053]セルロースは、グルコースの線状ポリマーであり、この場合グルコース単位はβ(1→4)結合で連結されている。ヘミセルロースは、グルコース、キシロース、マンノース、ガラクトース、ラムノース、及びアラビノースを含む複数の糖モノマーの分岐ポリマーであり、同様に存在するマンヌロン酸及びガラクツロン酸等の糖酸を有する場合がある。リグニンは、主にp−クマリルアルコール、コンフェリルアルコール(conferyl alcohol)、及びシナピルアルコールの架橋ラセミ高分子である。これら3種のポリマーは、植物バイオマス中のリグノセルロース系材料に同時に存在する。該3種のポリマーの異なる特徴が、この組合せの加水分解を困難にする可能性がある。これは、各ポリマーが他を酵素の攻撃から遮断する傾向があるためである。


[0054]1つの実施形態では、さらにバイオ燃料及びバイオ化学薬品を製造するために用いることができる糖の放出用の原料の前処理方法を提供する。該前処理段階は、機械的、熱的、圧力、化学的、熱化学的、及び/または生化学的処理方法を燃料ならびに化学薬品の製造用のバイオ工程に使用される前に含むことができるが、未処理のバイオマス材料も同様に該工程に使用することができる。機械的工程は、バイオマス材料がバイオ工程でより都合よく処理され得るように、また、該原料の表面積を増大させ、化学薬品/バイオ化学薬品/生体触媒との接触を促進することができるように、バイオマスの粒子径を小さくすることができる。機械的工程はまた、1つのタイプのバイオマス材料を別のものから分離することもできる。該バイオマス材料はまた、熱的及び/または化学的前処理に供し、植物ポリマーをより利用可能にすることもできる。多段階処理もまた用いることができる。


[0055]機械的工程としては、洗浄、浸漬、製粉、磨砕、減量、篩い分け、せん断、分粒、及び密度分類工程が挙げられるがこれらに限定されない。化学的工程としては、漂白、酸化、還元、酸処理、塩基処理、亜硫酸塩処理、酸性亜流酸塩処理、塩基性亜硫酸塩処理、アンモニア処理、及び加水分解が挙げられるがこれらに限定されない。熱的工程としては、殺菌、アンモニア繊維拡張または爆発(「AFEX」)、蒸気爆発、高温保持、加圧または非加圧、水の存在下または非存在下、及び凍結が挙げられるがこれらに限定されない。生化学的工程としては、遺伝子組み換え植物または生物によって産生される酵素を含めた酵素での処理、及び微生物での処理が挙げられるがこれらに限定されない。利用することができる各種酵素としては、セルラーゼ、アミラーゼ、β−グルコシダーゼ、キシラナーゼ、グルコナーゼ、及び他のポリサッカラーゼ;リゾチーム;ラッカーゼ、及び他のリグニン修飾酵素;リポキシゲナーゼ、ペルオキシダーゼ、及び他の酸化酵素;プロテアーゼ;ならびにリパーゼが挙げられる。該機械的、化学的、熱的、熱化学的、及び生化学的工程の1つ以上を組み合わせても別々に用いてもよい。かかる組合せ工程はまた、紙、セルロース製品、微結晶セルロース、及びセルロース誘導体の製造に用いられるものを含むことができ、パルプ化、クラフトパルプ法、酸性亜硫酸法を含むことができる。該原料は、バイオマス材料、例えば、セルロース系、ヘミセルロース系、またはリグノセルロース系材料等にこれら工程のうちの1つ以上を利用する設備からの支流または廃棄物流であり得る。例としては、製紙プラント、セルロース系プラント、蒸留プラント、木綿加工プラント、及び微結晶セルロースプラントが挙げられる。該原料はまた、セルロース含有またはセルロース誘導体含有廃棄物を含むことができる。該原料はまた、エタノールまたは他の製品を生体触媒等によって製造するための原料として製造または採取された、木材、草、トウモロコシ、デンプン、もしくは糖等のバイオマス材料を含むことができる。


[0056]別の実施形態では、方法は米国特許及び特許出願US20040152881、US20040171136、US20040168960、US20080121359、US20060069244、US20060188980、US20080176301、5693296、6262313、US20060024801、5969189、6043392、US20020038058、US5865898、US5865898、US6478965、5986133、またはUS20080280338に開示の前処理工程を利用することができる。これらの各々は、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。


[0057]別の実施形態では、AFEX法は、バイオマスの前処理に使用される。好ましい実施形態では、AFEX法は、エタノールもしくは他の製品への発酵用のセルロース系、ヘミセルロース系、またはリグノセルロース系材料の調製に使用される。該方法は通常、該原料をアンモニアと混合し、加圧下で加熱し、急激に圧力を開放することを含む。水は様々な量で含まれ得る。AFEX法は、多数の特許及び刊行物の主題となっている。


[0058]別の実施形態では、バイオマスの前処理は、水酸化カルシウムをバイオマスに添加し、バイオマスを分解されやすくすることを含む。前処理は、バイオマスへの水酸化カルシウムと水の添加で混合物を形成し、該混合物を比較的高温に維持することを含む。別の方法として、酸素及び酸素含有ガスからなる群から選択される酸化剤を加圧下、該混合物に加えることもできる。炭素の水酸化物処理の例は、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる、Holtzappleの米国特許第5865898号ならびにS. Kim and M. T. Holzapple, Bioresource Technology, 96, (2005) 1994に開示されている。


[0059]1つの実施形態では、バイオマスの前処理は、希酸加水分解を含む。希酸加水分解処理の例は、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる、T. A. Lloyd and C. E Wyman, Bioresource Technology, (2005) 96, 1967に開示されている。


[0060]別の実施形態では、バイオマスの前処理は、pH制御液体熱水処理を含む。pH制御液体熱水処理の例は、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる、N. Mosier et al., Bioresource Technology, (2005) 96, 1986に開示されている。


[0061]1つの実施形態では、バイオマスの前処理は、アンモニア水再生処理(ARP)を含む。アンモニア水再生処理の例は、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる、T. H. Kim and Y. Y. Lee, Bioresource Technology, (2005) 96, 2007に記載されている。


[0062]1つの実施形態では、上記方法は2つの段階、すなわち、洗浄流につながる前処理段階、及び加水分解物流を生成する前処理バイオマスの酵素的加水分解段階を有する。上記方法では、前処理段階が行われるpHは、酸加水分解、熱水前処理、蒸気爆発、またはアルカリ性試薬に基づく方法(AFEX、ARP、及び石灰前処理)を含む。希酸及び熱水処理法では主にヘミセルロースが溶解されるが、アルカリ性試薬を用いる方法では、前処理段階の過程でほとんどのリグニンが除去される。結果として、前者の方法における前処理段階からの洗浄流は主にヘミセルロース系の糖を含む一方、高pH法に関するこの流れは主にリグニンを有する。アルカリ系前処理法においては、それに続く残留バイオマスの酵素的加水分解は混合糖(C5及びC6)をもたらすが、低及び中性pH法からの加水分解物においては、グルコースが主な生成物である。1つの実施形態では、処理された材料は、不純物もしくは毒性化学物質を除去するため、またはさらに多糖を放出するために、カタラーゼもしくは別の同様の化学薬品、キレート剤、界面活性剤、及び他の化合物でさらに処理される。


[0063]1つの実施形態では、バイオマスの前処理は、イオン液体(IL)前処理を含む。バイオマスは、イオン液体とのインキュベーション、それに続くアルコールや水等の洗浄溶媒でのIL抽出によって前処理され得る。処理されたバイオマスは、その後、遠心分離または濾過によってイオン液体/洗浄溶媒溶液から分離され、糖化反応器または容器に送られ得る。イオン液体前処理の例は、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる、米国公開第2008/0227162号に開示されている。


[0064]別の実施形態では、方法は、米国特許第4600590号 Dale、米国特許第4644060号 Chou、米国特許第5037663号 Dale、米国特許第5171592号 Holtzapple et al.、米国特許第5939544号 Karstens et al.、米国特許第5473061号 Bredereck et al.、米国特許第6416621号 Karstens、米国特許第6106888号 Dale et al.、米国特許第6176176号 Dale et al.、PCT公開第WO2008/020901号 Dale et al.、Felix, A., et al.、 Anim. Prod. 51, 47−61 (1990).、 Wais, A.C., Jr., et al.、 Journal of Animal Science, 35, No. 1,109−112 (1972)に開示される前処理工程を利用することができる。これらは、参照することによりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。


[0065]前処理された原料のpHの調整は、アルカリ性もしくは酸性物質、または前処理の過程で使用もしくは生成された他の物質を除去するために該原料を1回以上洗浄(例えば、水で)することによって達成することができる。洗浄は、前処理された原料を等体積の水に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25回、またはそれ以上さらすことを含み得る。別の実施形態では、pH調節剤を添加することができる。例えば、酸、緩衝剤、または含まれる他の材料と反応する材料を加え、該原料のpHを調節することができる。1つの実施形態では、複数のpH調節剤、例えば、1つ以上の塩基、1つ以上の塩基と1つ以上の緩衝剤、1つ以上の酸、1つ以上の酸と1つ以上の緩衝剤、または1つ以上の緩衝剤等を用いることができる。複数のpH調節剤を利用する場合、それらは同時に添加しても異なる時点で添加してもよい。アルカリ性物質で処理された原料のその他の非限定的な例示的中和方法は、例えば、米国特許第4,048,341号;第4,182,780号;及び第5,693,296号に記載されている。


[0066]1つの実施形態では、1つ以上の酸を組み合わせて緩衝剤をもたらすことができる。pH調節剤として使用することができる適切な酸及び緩衝剤としては、微生物と混合可能な任意の液体または気体の酸が挙げられる。非限定的な例としては、ペルオキシ酢酸、硫酸、乳酸、クエン酸、リン酸、及び塩酸が挙げられる。いくつかの例では、pHは中性pHもしくは酸性pH、例えば、pH7.0、6.5、6.0、5.5、5.0、4.5、4.0、3.0、2.0、2.5、1.0、またはそれ未満に下げることができる。いくつかの実施形態では、pHは、約pH4.5〜約7.1、もしくは約4.5〜約6.9、もしくは約pH5.0〜約6.3、もしくは約pH5.5〜約6.3、もしくは約pH6.0〜約6.5、もしくは約pH5.5〜約6.9、または約pH6.2〜約6.7の範囲内に下げられ、及び/または維持される。


[0067]別の実施形態では、バイオマスは、高温及び/または高圧で前処理され得る。1つの実施形態では、バイオマスは、20℃〜400℃の範囲の温度で前処理される。別の実施形態では、バイオマスは、約20℃、25℃、30℃、35℃、40℃、45℃、50℃、55℃、60℃、65℃、80℃、90℃、100℃、120℃、150℃、200℃、250℃、300℃、350℃、400℃、またはそれより高い温度で前処理される。別の実施形態では、高温は、蒸気、熱水、または熱ガスの使用によってもたらされる。1つの実施形態では、蒸気は、バイオマスを含む容器内に注入され得る。別の実施形態では、該蒸気、熱水、または熱ガスは、それがバイオマスを加熱するがこれと直接接触しないように、容器のジャケットに注入され得る。


[0068]別の実施形態では、バイオマスは高圧で処理され得る。1つの実施形態では、バイオマスは、約1psi〜約30psiの範囲の圧力で前処理される。別の実施形態では、バイオマスは、圧力または約50psi、100psi、150psi、200psi、250psi、300psi、350psi、400psi、450psi、500psi、550psi、600psi、650psi、700psi、750psi、800psi、またはそれ以上で最大900psiまでで前処理される。いくつかの実施形態では、バイオマスは、バイオマスを含む容器に蒸気を注入することによって高圧で処理され得る。1つの実施形態では、該バイオマスは、アルカリもしくは酸処理または本明細書で提供される任意の他の処理方法の前または後に、真空状態に処理することができる。


[0069]1つの実施形態では、アルカリまたは酸で前処理されたバイオマスは、発酵に先立って洗浄(例えば、水(熱水もしくは冷水)またはアルコール等の他の溶媒(例えば、エタノール)で)、酸、塩基、もしくは緩衝剤(例えば、リン酸、クエン酸、ホウ酸、もしくは炭酸塩)でpHを中和、または乾燥される。1つの実施形態では、該乾燥段階を真空下で行って、水または他の溶媒の蒸発率を高めることができる。別の方法として、またはさらに、該乾燥段階は、高温、例えば、約20℃、25℃、30℃、35℃、40℃、45℃、50℃、55℃、60℃、65℃、80℃、90℃、100℃、120℃、150℃、200℃、250℃、300℃、またはそれ以上で行うことができる。


[0070]本発明の1つの実施形態では、前処理段階は、固体回収段階を含む。該固体回収段階は、前処理(例えば、酸もしくはアルカリ前処理)の間もしくは後、または乾燥段階の前でよい。1つの実施形態では、本発明の方法によって提供される固体回収段階は、液体と固体画分を分離するための凝集、遠心分離、篩、フィルター、スクリーン、または膜の使用を含む。1つの実施形態では、適切な篩孔径サイズは、約0.001ミクロン〜8mm、例えば、約0.005ミクロン〜3mmまたは約0.01ミクロン〜1mmに及ぶ。1つの実施形態では、篩孔サイズは、孔径約0.01ミクロン、0.02ミクロン、0.05ミクロン、0.1ミクロン、0.5ミクロン、1ミクロン、2ミクロン、4ミクロン、5ミクロン、10ミクロン、20ミクロン、25ミクロン、50ミクロン、75ミクロン、100ミクロン、125ミクロン、150ミクロン、200ミクロン、250ミクロン、300ミクロン、400ミクロン、500ミクロン、750ミクロン、1mm、またはそれ以上を有する。1つの実施形態では、バイオマス(例えば、トウモロコシ茎葉)は、発酵に先立って加工または前処理される。1つの実施形態では、前処理方法としては、バイオマスの粒子径の縮小、例えば、破砕、製粉、チップ化、粉砕、磨砕、または微粉化が挙げられるがこれらに限定されない。1つの実施形態では、バイオマスの粒子径の縮小は、篩い分け等のサイズ分離法、または、サイズを基に材料を分離するための当技術分野で知られる他の適切な方法を含むことができる。1つの実施形態では、サイズ分離で収率の向上をもたらすことができる。1つの実施形態では、より大きな粒子から微細に破砕されたバイオマス(例えば、約8mmより小さい直径、例えば、8、7.9、7.7、7.5、7.3、7、6.9、6.7、6.5、6.3、6、5.9、5.7、5.5、5.3、5、4.9、4.7、4.5、4.3、4、3.9、3.7、3.5、3.3、3、2.9、2.7、2.5、2.3、2、1.9、1.7、1.5、1.3、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、または0.1mmの粒子)の分離で、より大きな粒子を該サイズ縮小工程に戻すことが可能になり、これにより、処理されたバイオマスの最終的な収率を増加させる。1つの実施形態では、前処理に先立って、原料中に存在する約50%未満のリグニン成分を含み、かつ、前処理に先立って、原料中に存在する約60%を超えるヘミセルロース成分を含む前処理されたリグノセルロース系原料;ならびに5炭糖、例えば、キシロース、アラビノース、またはそれらの組合せ等、及び6炭糖、例えば、グルコース、ガラクトース、マンノース、またはそれらの組合せ等を発酵させることができる微生物を含む発酵性混合物を提供する。いくつかの例では、リグノセルロース系原料の前処理は、pHをアルカリ性の値に上昇させるアルカリ性物質、例えば、NaOHを添加することを含む。1つの実施形態では、NaOHは、該原料の重量基準で約0.5%〜約2%の濃度で添加される。1つの実施形態では、前処理はまた、キレート剤の添加も含む。


[0071]加水分解 [0072]1つの実施形態では、バイオマス加水分解ユニットは、バイオマスのバイオ燃料及び化学製品への変換にとって有用な利点を提供する。このユニットの1つの利点は、異なるバイオマス材料の混合物等の複数のタイプのバイオマスから単糖、または単糖及びオリゴ糖を製造するその能力であり、多糖及びより高分子量の糖をより低分子量の糖に加水分解することが可能である。1つの実施形態では、該加水分解ユニットは、前処理工程、ならびに、セルロース系及び/またはヘミセルロース系ポリマー由来のある濃度の単糖、もしくは単糖及びオリゴ糖もしくはいくつかの単糖、または単糖及びオリゴ糖を含む糖の流れの生成を促進する加水分解酵素を利用する。糖のモノマーまたはモノマー及びオリゴマーを製造するために前処理ならびに加水分解され得るバイオマス材料の例としては、セルロース系、ヘミセルロース系、リグノセルロース系材料;ペクチン、デンプン;木材;紙;農産物;森林廃棄物;樹木廃棄物;樹皮;おがくず、木材チップ、葉;草;ススキ;木本植物質;非木本植物質;炭水化物;デンプン;イヌリン;フルクタン;グルカン;トウモロコシ;トウモロコシの穂軸、トウモロコシ繊維、サトウキビ;ソルガム、他の草;竹、藻類、及びこれらの材料由来の材料が挙げられるがこれらに限定されない。非常に広い範囲の前処理方法及び加水分解酵素を使用するこの能力は、バイオマスの発酵において明確な利点を与える。様々な前処理条件及び酵素加水分解でバイオマスからの糖の抽出を向上させることができ、高収率、高生産性、高生成物選択性、及び/または発酵過程での糖の高変換効率が得られ、より純粋なリグニン残渣が得られる。


[0073]1つの実施形態では、酵素処理は、バイオマス中に含まれる各種高級糖(高分子量)を低級糖(低分子量)に加水分解するため、例えば、酵母等の生体触媒でエタノール、水素、または他の化学薬品、例えば、コハク酸、ギ酸、酢酸、及び乳酸を含めた有機酸を製造するための発酵に備えて使用される。これらの酵素及び/または加水分解産物は、燃料及び他の化学薬品を含めた各種製品を製造するための発酵に用いることができる。


[0074]1つの例では、バイオマス材料のエタノールへの変換工程には、バイオマス材料(例えば、「原料」)を前処理すること、前処理されたバイオマスを加水分解して多糖をオリゴ糖に変換すること、さらにオリゴ糖を単糖まで加水分解すること、ならびに単糖をバイオ燃料及び化学製品に変換することが含まれる。セルラーゼ、ポリサッカラーゼ、リパーゼ、プロテアーゼ、リグニナーゼ、及びヘミセルラーゼ等の酵素は、単糖が発酵の最終産物の生合成に使用することができるようにするのを助ける。利用することができるバイオマス材料としては、木本植物質、非木本植物質、おがくず、木材チップ、セルロース系材料、リグノセルロース系材料、ヘミセルロース系材料、炭水化物、ペクチン、デンプン、イヌリン、フルクタン、グルカン、トウモロコシ、トウモロコシ繊維、藻類、サトウキビ、他の草、スイッチグラス、バガス、麦わら、大麦わら、稲わら、トウモロコシの穂軸、竹、柑橘類の皮、ソルガム、高バイオマスソルガム、種皮、堅果、堅果の殻、及びこれらに由来する材料が挙げられる。最終産物はその後、所望の最終産物の特性が示す通り、分離及び/または精製される。いくつかの例では、糖アルコールや糖酸等の糖関連化合物も同様に利用することができる。


[0075]本発明の方法に使用される化学薬品は、容易に入手可能であり、商業的供給元、例えば、Sigma−Aldrich等から購入することができる。さらに、市販の酵素カクテル(例えば、Accellerase(商標)1000、CelluSeb−TL、CelluSeb−TS、Cellic(商標)、CTec、STARGEN(商標)、Maxalig(商標)、Spezyme.R(商標)、Distillase.R(商標)、G−Zyme.R(商標)、Fermenzyme.R(商標)、Fermgen(商標)、GC 212、もしくはOptimash(商標))または任意の他の市販の酵素カクテルは、Specialty Enzymes & Biochemicals Co.、Genencor、またはNovozymes等の供給業者から購入することができる。別の方法として、酵素カクテルは、例えば、真菌(例えば、Trichoderma、Saccharomyces、Pichia、白色腐朽菌等)、細菌(例えば、Clostridium、またはコリフォーム細菌、Zymomonas細菌、Sacharophagus degradans等)等の一種以上の生物を適切な培地で増殖させ、それから産生される酵素を採取することによって調製することができる。いくつかの実施形態では、該採取は、1段階以上の酵素精製を含み得る。


[0076]1つの実施形態では、バイオマスの処理は酵素加水分解を含む。1つの実施形態では、バイオマスは、酵素または酵素の混合物、例えば、エンドヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼ、セロビオヒドロラーゼ、セルラーゼ、ベータグルコシダーゼ、グリコシドヒドロラーゼ、グリコシルトランスフェラーゼ、リアーゼ、エステラーゼ、及び炭水化物結合モジュールを含むタンパク質で処理される。1つの実施形態では、該酵素または酵素の混合物は、明確な活性を備えた1つ以上の個別の酵素である。別の実施形態では、該酵素または酵素の混合物は、特定の触媒活性を備えた酵素ドメインであってもよい。例えば、複数の活性を備えた酵素は、例えば、グリコシドヒドロラーゼ、グリコシルトランスフェラーゼ、リアーゼ、及び/またはエステラーゼの触媒ドメイン等の複数の酵素ドメインを有することができる。


[0077]1つの実施形態では、多糖を分解する酵素がバイオマスの加水分解に使用され、これには、セルロースを分解する酵素、すなわち、セルラーゼが含まれ得る。一部のセルラーゼの例としては、ベータ−1,4−グルコシド結合を加水分解するエンドセルラーゼ及びエキソセルラーゼが挙げられる。


[0078]1つの実施形態では、多糖を分解する酵素がバイオマスの加水分解に使用され、これには、ヘミセルロースを分解する能力を有する酵素、すなわち、ヘミセルラーゼが含まれ得る。ヘミセルロースは、植物バイオマスの主な成分である可能性があり、ペントースとヘキソースの混合物、例えば、D−キシロピラノース、L−アラビノフラノース、D−マンノピラノース、Dグルコピラノース、D−ガラクトピラノース、D−グルコピラノシルウロン酸、及び他の糖を含む場合がある。1つの実施形態では、多糖を分解する酵素がバイオマスの加水分解に使用され、これには、ペクチンを分解する能力を有する酵素、すなわち、ペクチナーゼが含まれ得る。植物の細胞壁では、架橋セルロースのネットワークは、ペクチンのマトリクスに組み込まれ得るとともに、キシログルカン及び特定の構造タンパク質に共有結合で架橋され得る。ペクチンは、ホモガラクツロナン(HG)またはラムノガラクツロナン(RH)を含み得る。


[0079]1つの実施形態では、バイオマスの加水分解は、デンプンを加水分解することができる酵素を含む。デンプンを加水分解する酵素としては、アルファアミラーゼ、グルコアミラーゼ、ベータアミラーゼ、エキソ−アルファ−1,4−グルカナーゼ、及びプルラナーゼが挙げられる。


[0080]1つの実施形態では、バイオマスの加水分解は、キチンを加水分解する酵素を含み得るヒドロラーゼを含む。別の実施形態では、ヒドロラーゼは、地衣類を加水分解する酵素、すなわち、リケナーゼを含み得る。


[0081]1つの実施形態では、上記の方法のいずれによる前処理及び/または加水分解の後、該原料はセルロース、ヘミセルロース、可溶性オリゴマー、単糖、少糖、リグニン、揮発性物質、及び灰を含む。加水分解のパラメータを変更して、前処理された原料の成分の濃度を変化させることができる。例えば、1つの実施形態では、加水分解は、加水分解後に可溶性C5糖の濃度が低くなり、リグニンの濃度が高くなるように選択される。加水分解のパラメータの例としては、温度、圧力、時間、濃度、組成、及びpHが挙げられる。


[0082]1つの実施形態では、前処理及び加水分解のパラメータを変更し、前処理及び加水分解された原料の成分の濃度が、酵母や細菌微生物等の微生物での発酵に最適になるように、前処理された原料の成分の濃度を変化させる。


[0083]1つの実施形態では、前処理のパラメータを変更して遺伝子組み換え原料の成分、例えば、液胞内に貯蔵された酵素等の放出を促進し、生体触媒によって合成される酵素を増加させ、または補足し、加水分解及び発酵の過程で発酵性成分の最適な放出を生じさせる。


[0084]1つの実施形態では、前処理及び加水分解のパラメータは、前処理された原料における利用できるセルロースの濃度が、1%、5%、10%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、19%、20%、30%、40%、または50%になるように変更される。1つの実施形態では、前処理のパラメータは、前処理された原料における利用できるセルロースの濃度が25%〜35%になるように変更される。1つの実施形態では、前処理のパラメータは、前処理された原料における利用できるセルロースの濃度が10%〜20%になるように変更される。


[0085]1つの実施形態では、前処理のパラメータは、前処理された原料におけるヘミセルロースの濃度が、1%、5%、10%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、40%、または50%になるように変更される。1つの実施形態では、前処理のパラメータは、前処理された原料におけるヘミセルロースの濃度が5%〜40%になるように変更される。1つの実施形態では、前処理のパラメータは、前処理された原料におけるヘミセルロースの濃度が10%〜30%になるように変更される。


[0086]1つの実施形態では、前処理及び加水分解のパラメータは、前処理された原料における可溶性オリゴマーの濃度が、1%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%になるように変更される。可溶性オリゴマーの例としては、セロビオース及びキシロビオースが挙げられるがこれらに限定されない。1つの実施形態では、前処理のパラメータは、前処理された原料における可溶性オリゴマーの濃度が30%〜90%になるように変更される。1つの実施形態では、前処理及び/または加水分解のパラメータは、前処理された原料における可溶性オリゴマーの濃度が45%〜80%になるように変更される。1つの実施形態では、前処理及び/または加水分解のパラメータは、ヘミセルロース及び/またはC5モノマー及び/またはオリゴマーのほとんどが、C6/リグニン混合物の酵素的加水分解に先立って除去されるような変更である。


[0087]1つの実施形態では、前処理及び加水分解のパラメータは、前処理された原料における少糖の濃度が、1%、5%、10%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、19%、20%、30%、40%、または50%になるように変更される。1つの実施形態では、前処理及び加水分解のパラメータは、前処理された原料における少糖の濃度が0%〜20%になるように変更される。1つの実施形態では、前処理及び加水分解のパラメータは、前処理された原料における少糖の濃度が0%〜5%になるように変更される。少糖の例としては、C5及びC6モノマー及びダイマーが挙げられるがこれらに限定されない。


[0088]1つの実施形態では、前処理のパラメータは、前処理された及び/または加水分解された原料におけるリグニンの濃度が、1%、5%、10%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、19%、20%、30%、40%、または50%になるように変更される。


[0089]1つの実施形態では、前処理及び/または加水分解のパラメータは、前処理された及び/または加水分解された原料におけるフルフラール及び低分子量リグニンの濃度が、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、または1%未満になるように変更される。1つの実施形態では、前処理及び/または加水分解のパラメータは、前処理された及び/または加水分解された原料におけるフルフラール及び低分子量リグニンの濃度が1%〜2%未満になるように変更される。


[0090]1つの実施形態では、前処理及び/または加水分解のパラメータは、低濃度のヘミセルロース及び高濃度のリグニンを得るように変更される。1つの実施形態では、前処理及び/または加水分解のパラメータは、前処理された原料における当該成分の濃度が、生体触媒等の微生物での発酵に最適になるように、高濃度のヘミセルロース及び低濃度のリグニンを得るように変更される。


[0091]1つの実施形態では、これらの段階の2つ以上は、任意の時点で行うことができる。例えば、前処理された原料の加水分解及びオリゴ糖の加水分解は同時に行うことができ、単糖の燃料または化学薬品への高変換、及びより高濃度のリグニン残渣を目的として、これらのうちの1つ以上を同時に行うことができる。


[0092]別の実施形態では、酵素は、多糖を直接単糖に変換することができる。いくつかの例では、酵素は、多糖をオリゴ糖に加水分解することができ、該酵素または別の酵素が該オリゴ糖を単糖まで加水分解することができる。


[0093]別の実施形態では、酵素は、発酵に添加してもよいし、発酵に存在する微生物が産生してもよい。1つの実施形態では、発酵中に存在する微生物がいくつかの酵素を産生する。別の実施形態では、酵素は別に製造され、発酵に添加される。


[0094]別の実施形態では、本方法の酵素は、発酵法に用いられるバイオマス材料に適した様々な加水分解酵素を含む生体触媒によって産生される。1つの実施形態では、生体触媒は、存在する多糖の糖化に必要な酵素の産生を誘導及び/または促進するのに適切な条件下で培養される。これらの酵素の産生は、別の容器、例えば、シード発酵容器や他の発酵容器で、またはエタノール産生が生じる生産用発酵容器内で行われ得る。酵素が別の容器で産生される場合、それらは、例えば、細胞とともに生産用発酵容器に移されてもよいし、細胞間媒体を酵素とともに含む相対的無細胞溶液として該容器に移されてもよい。酵素が別の容器で産生される場合、加水分解または生産用発酵容器に添加する前に、それらを乾燥及び/または精製することもできる。酵素の産生に適した条件は、後続の発酵段階で当該細胞が加水分解することが見込まれるバイオマスを含む培地で細胞を培養することによって多くの場合管理される。フィチン酸塩、アミノ酸、及びペプチドが挙げられるがこれらに限定されない塩の補足物、成長因子、及び補助因子等のさらなる培地成分もまた、所望の産物の産生において、微生物が利用する酵素の産生を助けることができる。


[0095]バイオ燃料プラントならびにバイオ燃料及びリグニン残渣及び/または活性炭の製造工程 [0096]バイオマスからの燃料、化学薬品、及び活性炭の大量生産 [0097]一般に、微生物細胞を利用して大規模にバイオマスからリグニン、燃料、及び化学薬品の最終産物を製造するためにいくつかの基本的な方法が存在する。1つの方法では、第一に、高分子量炭水化物を含むバイオマス材料を低分子量炭水化物及び高濃度のリグニン残渣まで前処理及び加水分解し、その後、微生物細胞を利用して該低分子量炭水化物を発酵させて燃料または他の生成物を製造する。第二の方法では、バイオマス材料自体を機械的、化学的、及び/または酵素的な方法を用いて処理する。すべての方法において、バイオマスのタイプ及びその物理的発現に応じて、該工程のうちの1つは、湿式または乾式製粉による炭素質材料の製粉を含むことができ、材料のサイズを縮小し、表面積対体積率を高める(物理的変性)。原料の前処理に用いられるメカニズムのタイプに応じて、加水分解の過程でさらなるサイズの縮小が生じる可能性がある。例えば、バイオマスを物理的に加水分解するための一軸または二軸押出機の使用は、粒子径の低下を同様にもたらす。例えば、米国仮特許出願第62/089,704号に記載の工程を参照のこと。


[0098]1つの実施形態では、加水分解は、酸、例えば、ブレンステッド酸(例えば、硫酸もしくは塩酸)、塩基、例えば、水酸化ナトリウム、熱水過程、アンモニア繊維爆発法(「AFEX」)、石灰法、酵素、またはこれらの組合せを用いて達成され得る。バイオマスの加水分解及び/または蒸気処理は、多くの場合セルロース系及び木質材料を酵素にさらにさらしながら、例えば、バイオマスの多孔性及び/または表面積を増加させることができ、加水分解率ならびに糖及びリグニンの収率を高めることができる。加水分解後のリグニンの除去で、活性炭及び他の製品の製造用の低イオウ、低灰分、及び高多孔性のリグニン残渣をもたらすことができる。該リグニン残渣は、50%以上の固体粒子を含むことができる。原料組成に応じて、リグニン残渣は、サイズが約5ミクロン〜約150ミクロンの固体粒子を少なくとも50%含む。より一般的には、ただし原料組成に応じて、前処理されたバイオマスのリグニン残渣において、該リグニン残渣は、サイズが約5ミクロン〜約150ミクロンの固体粒子を少なくとも50%を含む。


[0099]1つの実施形態では、リグニン残渣から製造される活性炭は、ヘミセルロースに結合した炭素、セルロース、タンパク質、油、及び塩を含めた多くの非リグニン材料が加水分解及び分離過程で除去されるため、当初の原料と比較して相対的に高い炭素含量/単位質量を有する。バイオマスの通常の炭素含量は約50重量%を超えることはなく、残余のリグニン残渣は多くの要素が低減されるため、本明細書で提供される活性炭は通常、その重量の約半分超を炭素として含む。より一般的には、ただし原料組成に応じて、活性炭は、炭素を少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも96重量%、少なくとも97重量%、少なくとも98重量%、少なくとも99重量%含む。


[00100]バイオマス処理プラント及びバイオマスからの生成物の製造方法 [00101]1つの態様において、曝露及びバイオポリマーの分離の改良のためのバイオマスを調製するための前処理ユニット、高分子量炭水化物を含むバイオマス材料を加水分解するように構成された加水分解ユニット、ならびに生成物または複数の生成物及び関連する副産物ならびにリグニン副産物を分離するための1つ以上の生成物回収システムを含めた燃料もしくは化学薬品プラントまたはシステムを提供する。別の態様において、該前処理ユニットは、バイオマス組成物を非中性pHの水性媒体中で水和し、水和バイオマス組成物を生成し、該バイオマス組成物を加圧下で炭水化物モノマー及びオリゴマーならびにリグニン残渣を生成するのに十分な時間加熱しながらこれのサイズを小さくすることによって、固体粒子、C5及びC6ポリマー、モノマーならびにダイマーを含む前処理されたバイオマス組成物を製造する。別の態様において、固体副産物及び/または有毒不純物から低分子量炭水化物を精製する方法を提供する。


[00102]1つの態様において、該バイオマス処理プラントまたはシステムは、糖の流れ及びリグニン残渣を含む残留固体を生成する酵素的加水分解ユニットを含む。該酵素的加水分解は、pHを、最適なセルロース分解性及びヘミセルロース分解性の加水分解のため、pH4.5〜pH6.5の範囲、好ましくは約pH5.5に調整することによって前処理された加水分解産物を中和することから始まる。pH調整された加水分解産物を、次いで、単離された酵素または他の生体触媒で一定時間酵素的に加水分解し、炭水化物ポリマーをモノマーまで加水分解する。1つの実施形態では、生体触媒は、炭水化物ポリマーをオリゴマー及びモノマーまで加水分解する微生物を含む。リグニン残渣はさらに、この過程で結合炭水化物から分離される。


[00103]別の態様において、生成物または複数の生成物の製造方法であって、微生物の生体触媒細胞、ならびに、低分子量炭水化物ならびに前処理及び加水分解から未分離の固体及び/または他の液体を含むバイオマスフィードを培地中で混合すること、ならびに、該バイオマス材料を、上記の通りバイオ燃料、化学製品、または発酵の最終産物、例えば、エタノール、プロパノール、水素、コハク酸、リグニン、テルペノイド等を生成するのに十分な条件及び時間発酵させることを含む方法を提供する。該前処理されたバイオマスを、糖の流れ及びリグニン残渣を生成するのに十分な時間、該酵素混合物もしくは微生物、またはその両方と接触させる。


[00104]別の態様において、糖、タンパク質、生成した任意の産物、及び他の材料からリグニン残渣を分離する手段を含む分離ユニットを提供する。分離は、濾過、凝集、遠心分離等の手段によって行うことができる。


[00105]別の態様において、リグニン副産物及び残渣から高多孔性炭素を調製するための炭化ユニットを含み、さらに、該リグニン副産物及び残渣から生成される炭素を賦活する賦活ユニットを提供する炭素化学プラントを提供する。別の態様において、該炭素化学プラントは、リグニン副産物及びリグニン残渣が該炭素化学プラントに容易に移送されるように、該燃料または化学プラントの一部をなしている。別の態様において、該炭素化学プラントには、活性炭を、粉末活性炭(PAC)、粒状活性炭(GAC)、押し出し活性炭(EAC)、グラファイト、ペレットもしくはシリンダー、もしくはそれらの混合物、または別の形態に加工するための成形ユニットが設けられる。別の態様において、該炭素をさらに加工して添着活性炭を製造する。


[00106]別の態様において、本明細書に記載の工程のいずれかによって生成される生成物もまた本明細書に提供する。 [00107]このシステムを、該ユニットのすべてが、一方と他方が付着してはいないまでも物理的に接近するように構成し、生成物の移送のコストを下げることができる。例えば、該前処理、酵素的加水分解、分離、炭化、及び賦活ユニットはすべて、製材所または農業用地に位置することができる。単にバイオマスを前処理ユニットに移送するコストが実質的に除外されるだけでなく、該リグニン残渣が炭化及び賦活ユニットで加工され、ひいては該リグニン残渣の配送コストが解消される。従って、糖、糖製品、燃料、例えば、エタノール、及び他のバイオ化学薬品に加えて、同じ処理施設で多くの異なる用途の活性炭を製造することができる。


[00108]図1は、第一に、熱的/化学的加水分解ユニットにおいてバイオマスを高温高圧にて酸で処理することによる糖の流れ及びリグニン残渣をバイオマスから製造するための方法の例である。該バイオマスは、第一に熱水または蒸気の添加によって加熱され得る。該バイオマスは、水に懸濁されたバイオマスに気体の二酸化イオウをバブリングすることによって、または、予熱/予備蒸気処理/水の添加とともに、またはなしで、強酸、例えば、硫酸、塩酸、もしくは硝酸を添加することによって酸性化され得る。より弱い酸または有機酸、例えば、炭酸、シュウ酸、リンゴ酸等も使用することができる。酸性化の間、pHは低レベル、例えば、約5未満に維持される。温度及び圧力は、酸の添加後に上昇し得る。すでに酸性化ユニットにある酸に加えて、任意に、金属塩、例えば、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩化第二鉄、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸マグネシウム、またはこれらの混合物を加え、バイオマスの酸加水分解を促進することができる。該酸含浸バイオマスは、前処理ユニットの加水分解セクションに送ることができる。蒸気は、前処理ユニットの加水分解部に注入され、バイオマスと直接接触し、バイオマスを所望の温度及び/または圧力まで加熱する。蒸気の添加後のバイオマスの温度は、例えば、約130℃〜220℃であり得る。該酸加水分解物は、次いで該前処理ユニットのフラッシュタンク部に排出することができ、該タンク内に一定時間保持し、例えば、オリゴ糖及び単糖まで、該バイオマスをさらに加水分解することができる。他の方法を用いてバイオマスをさらに分解してもよい。加水分解物はその後、水の添加の有無にかかわらず、例えば、固形物濃度約10%〜約60%にて、該前処理反応器から取り出すことができる。


[00109]物理的な加水分解による前処理の後、バイオマスは、例えば、圧縮によってもしくは遠心分離によって、または、濾過によって、例えば、向流抽出器、洗浄プレス、フィルタープレス、加圧フィルター、スクリュー・コンベヤ抽出器、または真空ベルト抽出器を用いて、脱水及び/または多量の水で洗浄し、酸性化流体を除去してもよい。該酸性化流体は、さらなる処理、例えば、アルカリ(例えば、石灰)及びまたはアンモニア(例えば、リン酸アンモニウム)の添加の有無にかかわらず、例えば、前処理ユニットの酸性化部に再利用してもよいし、発酵に加えても、他の用途/処理のために回収してもよい。該酸性化流体の処理から生成物、例えば、石膏またはリン酸アンモニウムが得られる場合がある。


[00110]洗浄液を回収し、洗浄流内のC5糖を濃縮することができる。かかる点で、固体をC5流から分離することができ、該C5流はさらに精製される。 [00111]酵素または酵素の混合物、例えば、高分子量成分の加水分解において、セルロース、ヘミセルロース、ペクチン、及びデンプンの成分に対して活性な、エンドグルカナーゼ、エキソグルカナーゼ、セロビオヒドロラーゼ(CBH)、ベータグルコシダーゼ、グルコシドヒドロラーゼ、グリコシルトランスフェラーゼ、アルフィアミラーゼ(alphyamylase)、キチナーゼ、ペクチナーゼ、リアーゼ、及びエステラーゼを前処理の過程で添加して加水分解することができる。C5糖が独立して回収されない場合、それらは該流れの酵素的加水分解に含まれる。従って、酵素的加水分解は、極めて純粋なC6流または混合C5及びC6流を生成することができる。固体は次いで除去することができ、該C6または混合流を次いでさらに精製することができる。該糖の流れが濃縮されない場合、それは例えば、蒸発によってさらに濃縮され得る。


[00112]いくつかの実施形態では、単離された糖の流れは、pH約4〜約5.5、約4.5〜約5、約4、約4.5、約5、約6、約5.5、またはそれ以上を有する。 [00113]いくつかの実施形態では、炭水化物は:約1%w/v〜約60%w/v、約1%w/v〜約50%w/v、約1%w/v〜約40%w/v、約1%w/v〜約30%w/v、約1%w/v〜約20%w/v、約1%w/v〜約10%w/v、約2%w/v、約3%w/v、約4%w/v、約5%w/v、約6%w/v、約7%w/v、約8%w/v、約9%w/v、約15%w/v、約25%w/v、約35%w/v、または約40%w/vの量で該糖の流れに含まれる。


[00114]いくつかの実施形態では、単離された糖の流れは、C5糖、C6糖、またはそれらの組合せを含む。 [00115]いくつかの実施形態では、該糖の流れ内の糖の量は:約1%w/v〜約60%w/v、約1%w/v〜約50%w/v、約1%w/v〜約40%w/v、約1%w/v〜約30%w/v、約1%w/v〜約20%w/v、約1%w/v〜約10%w/v、約5%w/v、約15%w/v、約25%w/v、約35%w/v、約45%w/v、または約55%w/vである。


[00116]いくつかの実施形態では、セルロース、ヘミセルロース、及び/またはリグノセルロースを含むバイオマス組成物からC5及びC6糖を含む糖の流れを生成する方法を提供する。該方法は、以下を含む。


[00117](a)セルロース、ヘミセルロース、及び/またはリグノセルロースを含むバイオマス組成物を前処理し、固体粒子ならびに任意に、理論最大値の少なくとも50%である収率のC5モノマー及び/またはダイマーを含む前処理されたバイオマス組成物を得ること。この場合、前処理は、以下を含む。


[00118](i)該バイオマス組成物を非中性pHの水性媒体中で水和し、水和バイオマス組成物を生成すること、 [00119](ii)該固体粒子を生成するための該水和バイオマス組成物の機械的なサイズ縮小、ならびに [00120](iii)該任意の理論最大値の少なくとも50%である収率のC5モノマー及び/またはダイマーもしくはオリゴマーを含む、該前処理されたバイオマス組成物を生成するために十分な時間該水和バイオマス組成物を加熱すること。


[00121](b)該前処理されたバイオマス組成物を1つ以上の酵素とともにC6及びC5糖を含む組成物を生成するために十分な時間加水分解すること; [00122](c)該加水分解されたバイオマスの洗浄。実質的にC6及び/またはC5糖に対して濃縮された糖の流れの回収をもたらす。


[00123]いくつかの実施形態では、該前処理されたバイオマス組成物の少なくとも50%の固体粒子は、約3.0ミクロン〜約150ミクロンのサイズである。 [00124]いくつかの実施形態では、該前処理されたバイオマスのすべての固体粒子は、1.0mm未満のサイズである。


[00125]いくつかの実施形態では、該前処理されたバイオマスのすべての固体粒子は、.1mm未満のサイズである。 [00126]いくつかの実施形態では、該前処理されたバイオマス組成物はさらに、理論最大値の約25%未満の収率のグルコースを含む。


[00127]いくつかの実施形態では、該水和バイオマス組成物は、乾燥バイオマス重量基準で約10%〜約>40%の固体を含む。 [00128]いくつかの実施形態では、該非中性pHの水性媒体は、約70℃〜100℃超である。


[00129]いくつかの実施形態では、該バイオマス組成物の水和は、加水分解に先立って約1分〜約60分間である。 [00130]いくつかの実施形態では、該非中性水性媒体は、乾燥バイオマス重量基準で約0.1%〜約5%v/wで酸または塩基を含む。


[00131]いくつかの実施形態では、該非中性pHの水性媒体は、硫酸、ペルオキシ酢酸、乳酸、ギ酸、酢酸、クエン酸、リン酸、塩酸、亜硫酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、安息香酸、またはそれらの組合せである酸を含む。


[00132]いくつかの実施形態では、機械的なサイズ縮小は、切断、磨砕、蒸気圧入、蒸気爆発、酸触媒蒸気爆発、アンモニア繊維/凍結爆発(AFEX)、またはそれらの組合せを含む。


[00133]いくつかの実施形態では、該水和バイオマス組成物の加熱は、約100℃〜約250℃の温度においてである。 [00134]いくつかの実施形態では、該水和バイオマス組成物の加熱は、約100PSIG〜約750PSIG、より具体的には、400PSIG〜500PSIGの圧力で行われる。


[00135]いくつかの実施形態では、該収率のC5モノマー及び/またはダイマーを得るために十分な時間は、約10秒〜約30秒である。 [00136]いくつかの実施形態では、該バイオマス組成物の前処理はさらに、乾燥バイオマス重量基準で約10%〜約40%の固体になるまで該水和バイオマス組成物を脱水することを含む。


[00137]いくつかの実施形態では、加熱は、蒸気爆発、酸触媒蒸気爆発、アンモニア繊維/凍結爆発(AFEX)、またはそれらの組合せを含む。 [00138]いくつかの実施形態では、該前処理は、連続運転モードで行われる。


[00139]いくつかの実施形態では、該方法はさらに、加水分解に先立って、該前処理されたバイオマス組成物の含水率を乾燥バイオマス重量基準で約5%〜約30%の固体になるまで調整することを含む。


[00140]いくつかの実施形態では、該バイオマス組成物は、アルファルファ、藻類、バガス、竹、ソルガム、トウモロコシ茎葉、トウモロコシの穂軸、トウモロコシ繊維、トウモロコシ穀粒、コーンマッシュ、コーンスティープリカー、コーンスティープソリッド、蒸留かす、乾燥蒸留可溶分、乾燥蒸留かす、濃縮蒸留可溶分、湿潤蒸留かす、可溶分を含む乾燥蒸留かす、ユーカリ、食品廃棄物、果物の皮、庭の残留物、草、穀物殻、組み換え作物、都市ごみ、オート麦の殻、紙、紙パルプ、プレーリーのウシクサ、ポプラ、もみ殻、種子殻、アーモンドの殻、ピーナツの殻、ヤシ殻、サイレージ、ソルガム、わら、サトウキビ、スイッチグラス、小麦、麦わら、小麦ふすま、脱デンプン小麦ふすま、柳、木材、おがくず、木材チップ、植物細胞、植物組織培養物、組織培養物、またはそれらの組合せを含む。


[00141]いくつかの実施形態では、該糖の流れは、水、アルコール、酸、またはそれらの組合せを含み、該リグニン残渣は、リグニン、糖のモノマー、糖のオリゴマー、無機物、タンパク質、及び酵素を含む。


[00142]いくつかの実施形態では、該糖の流れは、該リグニン残渣の分離に先立って、酵素的加水分解に供される。 [00143]いくつかの実施形態では、該糖の流れ及びリグニン残渣は、バイオマスから得られる。


[00144]いくつかの実施形態では、該バイオマスは前処理される。 [00145]いくつかの実施形態では、上記実施形態のいずれか1つの方法によって生成される、単離された糖の流れ及びリグニン残渣を提供する。


[00146]いくつかの実施形態では、上記方法実施形態のいずれかの方法によって、C5及びC6糖からなる糖の流れならびにリグニン残渣を生成するためのシステムを提供する。


[00147]いくつかの実施形態では、該糖の流れからのリグニン残渣の分離は、凝集、濾過、遠心分離、またはそれらの任意の組合せを利用する。 [00148]活性炭の製造 [00149]該リグニン残渣はまた、任意の手段、例えば、乾燥、蒸発、凝集、濾過、遠心分離、またはこれらの方法の組合せ等によっても濃縮され得る。それらは通常、乾燥され、ペレット、レンガ状、または任意の所望の形に成形され得る。1つの実施形態では、該リグニン残渣は砕いて、または挽いて粉体にされ得る。


[00150]1つの実施形態では、該リグニン残渣を活性炭に変換するために炭化及び賦活するためのユニットを提供する。 [00151]別の実施形態では、濃縮されたリグニン残渣は、活性炭への変換のために異なる場所に送られる。


[00152]炭化及び賦活: [[00153]任意の形で、または粉体もしくは粒状で、リグニン残渣は、炉、例えば、回転炉において、流動床、ロータリーキルン、押出機、または適切な温度まで加熱する任意の他の手段を用いて炭化され、チャーを形成する。残渣は、少なくとも約200℃及び300℃超〜約700℃まで加熱される。好ましくは、該残渣は少なくとも200℃及び350℃未満に加熱される。


[00154]炭化サイクルの終盤、またはこのサイクルに続いて、該リグニン残渣はまた、好ましくは、該炉内で、800℃以上、好ましくは800℃〜1800℃に熱することによって賦活される。薬品賦活は、より低い約300℃〜900℃の範囲の温度で完了し得る。


[00155]炭素の多孔質構造が生成されると、これは通常、吸着剤になり得るように酸化を受ける。これは、例えば、2つのうちの1つの方法、すなわち物理的賦活または薬品賦活で行うことができる。


[00156]炭素の物理的賦活は、ガス、通常はCO2または蒸気をポンプで送り込みながら、チャンバー内で加熱することによって直接行われ得る。これは、酸化する目的で炭素を酸素にさらす。酸化された場合、該活性炭は、吸着しやすくなり得る。吸着とは、化学物質に対する表面結合の過程であり、これは、活性炭を、まさに液体及び気体から廃棄物及び毒性化学物質を濾過するのに効果的にするものである。物理的なガス処理に関しては、炭化熱処理工程は、不活性環境にて200〜900℃で行うことができる。その後、含酸素ガスを該環境にポンプで送り込み、700℃〜1200℃またはそれ以上に加熱し、炭素表面に酸素を結合させる。


[00157]薬品賦活では、該工程は炭素の物理的賦活とは少し異なる。1つには、炭化と薬品賦活は同時に起こる。1つの実施形態では、酸、塩基、または他の化学薬品の浴を調製し、材料を浸漬する。該材料は該化学薬品を吸収し、その後、炭素を賦活するために「化学的に満たされ」、物理的賦活に必要な温度よりはるかに低いセ氏温度400°〜900°に加熱することによってさらに乾燥される。薬品賦活に有用な化学薬品としては、ZnCl2、H3PO4、Na2CO3、K2CO3、及び一部のアルカリ金属化合物が挙げられるがこれらに限定されない。この工程では、すべてが物理的賦活よりはるかに速いペースで、炭素質材料が炭化され、ひいては賦活される。しかしながら、一部の加熱工程で、該浴からの微量元素の炭素への吸着が生じ、これは、蒸気、酸、二酸化炭素、及び/または煙道ガス等からなる群から選択される物質の存在下で純粋でない、または効果のない活性炭をもたらす場合がある。代わりの実施形態では、塩素もしくは同様のガスもしくは蒸気を高温で、または空気を低温で使用し、分離された凝集物を選択的に酸化及び賦活してもよい。該炭化及び賦活サイクルの完了時、活性炭は完成品として炉、キルン、流動床、もしくは他の炭化及び/または賦活手段から取り出される。


[00158]後処理 [00159]酸化の後、活性炭は、いくつかの分類可能な異なる特性の多くの異なる種類の用途用に加工され得る。例えば、粒状活性炭(GAC)は、粉末活性炭(PAC)より大きな粒子の砂状物であり、各々が異なる用途に使用され得る。他の種類としては、銀及びヨウ素等の異なる元素を含む添着炭、ならびにポリマー被覆炭素が挙げられる。添着活性炭の用途としては、ボトル入り水及び飲料の製造、飲料水の処理、地下水浄化、工業工程水、悪臭及び蒸気制御、ならびに廃水処理が挙げられる。


[00160]好ましくは、PACは、粒子径:約5ミクロン〜約40ミクロン、約5ミクロン〜約30ミクロン、約5ミクロン〜約20ミクロン、約40ミクロン未満、約30ミクロン未満、約20ミクロン未満、約10ミクロン未満、または約5ミクロン未満を有する。


[00161]いくつかの実施形態では、該活性炭は、粒子径:約5ミクロン〜約40ミクロン、約5ミクロン〜約30ミクロン、約5ミクロン〜約20ミクロン、約40ミクロン未満、約30ミクロン未満、約20ミクロン未満、約10ミクロン未満、または約5ミクロン未満を有する。


[00162]いくつかの実施形態では、該活性炭は、約5ミクロン〜約0.177mmの範囲の粒子径を有する。 [00163]いくつかの実施形態では、該炭化は、温度:約200℃〜約300℃、約250℃〜約350℃、約350℃〜約600℃、約600℃〜約800℃、または約850℃〜約900℃で行われる。


[00164]いくつかの実施形態では、該炭化は:30秒〜約1分、約1分〜約5分、約5分〜約1時間、約1時間〜約24時間、約1時間〜約18時間、約1時間〜約12時間、約1時間〜約6時間、約2時間、約3時間、約4時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約13時間、約14時間、約15時間、約17時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、または約23時間の期間行われる。


[00165]いくつかの実施形態では、炭化及び賦活は同時に行われる。 [00166]いくつかの実施形態では、炭化の加熱は、温度:約150℃〜約300℃、約150℃〜約250℃、約150℃〜約200℃、約160℃、約170℃、約180℃、約190℃、約210℃、約220℃、約230℃、約240℃、約260℃、約270℃、約280℃、もしくは約290℃、約300℃、約350℃、約400℃、約450℃、約500℃、約550℃、約600℃、約650℃、約700℃、約750℃、約800℃、約850℃、約900℃、約950℃、約1000℃、約1100℃、約1200℃、約1300℃、約1400℃、約1500℃、約1600℃、約1700℃、または約1800で行われる。


[00167]いくつかの実施形態では、炭化の加熱は真空下で行われる。 [00168]いくつかの実施形態では、該活性炭は、粉末活性炭(PAC)、粒状活性炭(GAC)、押し出し活性炭(EAC)、及びビーズ活性炭(BAC)、グラファイト、添着活性炭、またはそれらの組合せである。


[00169]いくつかの実施形態では、該活性炭は、粒子径:約5ミクロン〜約40ミクロン、約5ミクロン〜約30ミクロン、約5ミクロン〜約20ミクロン、約40ミクロン未満、約30ミクロン未満、約20ミクロン未満、約10ミクロン未満、または約5ミクロン未満を有する。


[00170]いくつかの実施形態では、該活性炭は、接触の前に加熱によって賦活される。 [00171]いくつかの実施形態では、該加熱は:約30秒〜約10分、約1分〜約20分、約20分〜約1時間、約1時間〜約48時間、約1時間〜約36時間、約1時間〜約24時間、約1時間〜約18時間、約1時間〜約12時間、約1時間〜約6時間、約2時間、約3時間、約4時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約13時間、約14時間、約15時間、約17時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、または約23時間の期間行われる。


[00172]いくつかの実施形態では、賦活は:約150℃〜約300℃、約150℃〜約250℃、約150℃〜約200℃、約160℃、約170℃、約180℃、約190℃、約210℃、約220℃、約230℃、約240℃、約260℃、約270℃、約280℃、もしくは約290℃、もしくは約300℃、もしくは約350℃、もしくは約400℃、もしくは約450℃、もしくは約500℃、もしくは約550℃、もしくは約600℃、または約650℃の温度で行われる。


[00173]いくつかの実施形態では、該加熱は真空下で行われる。 [00174]いくつかの実施形態では、機械的工程、加熱、酸加水分解、蒸気爆発、またはそれらの任意の組合せのうちの1つ以上によってバイオマスを前処理するように構成された前処理ユニット、糖ポリマーを糖モノマー及びオリゴマー、ひいては製品まで加水分解するように構成された酵素的加水分解ユニット、リグニン残渣から酵素的加水分解の生成物を分離するように構成された分離ユニット、リグニンを炭素(チャー)に変換するように構成された炭化ユニット、ならびに炭素(チャー)を活性炭に変換するように構成された活性炭ユニットを含むシステムを提供する。


[00175]いくつかの実施形態では、該システムはさらに、前処理ユニットの上流に、バイオマスが前処理ユニットに送られる前にバイオマスを洗浄し、コンディショニングし、水和するように構成された予備コンディショニングユニットを含む。


[00176]いくつかの実施形態では、該システムはさらに、加水分解ユニットの上流及び前処理ユニットの下流に、前処理されたバイオマスが該加水分解ユニットに送られる前に前処理されたバイオマスを洗浄するように構成された洗浄ユニットを含む。


[00177]別の態様において、本明細書に記載の工程のいずれかで生成される生成物を提供する。



[00178]以下の実施例は、特定の実施形態及び態様を説明するものであり、それらの範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。 [00179]実施例1. バイオマスの前処理 [00180]二軸押出機を用いて、各々トウモロコシ繊維で、224、695、1100、及び977時間の4つの連続運転を行った。押出機は、反応器壁を通した間接加熱で実験の終了まで運転した。プロセス熱を供給するため直接蒸気注入して押出機を通して最大300lb/時間(136kg/時間)の流量に到達した。選択された材料は耐酸性であった。このフィードを重量ベルトフィーダーで計量し、押出機のバレルを供給するクラマーフィーダー(crammer feeder)に流し込んだ。2本のスクリューは互いに噛み合い、蒸気及び硫酸が該押出機の円筒状バレルに接続された蒸気及び酸のポートを介して注入されたときに急速な熱及び物質移動をもたらした。この蒸気及び酸の供給ポートは、これらスクリューの逆流部分によって密封された。液圧操作の圧力制御弁をセラミック封止に取り付け、圧力は、この押出機の反応部位内でできる限り一定圧力を維持するように制御した。


[00181]固体を押出機の反応部にて、最大約10秒間、高温高圧及び低pHに曝露し、その後フラッシュタンク内に爆発させた。この反応部での滞留時間は、供給速度とスクリューの回転速度によって制御した。ポンプフィーダーにおけるスクリューの上のサージチャンバーは、フラッシュ容器として働き、ここで熱水が蒸発し、生成物を冷却し、フルフラール等のいくつかの低沸点の阻害物質を除去する。HMF及びフルフラール、すなわち転換阻害物質は、この前処理の過程で少量形成された(例えば、合計で乾燥前処理生成物の0.3〜0.5重量%)。


[00182]異なる酵素の混合物を用い、水の添加及びこの混合物を約pH5.0に中和した後、加水分解産物中で、残余のセルロース及びヘミセルロースを加水分解してC5及びC6糖にした。48〜56時間の酵素的加水分解に続いて、リグニンを含む残余の固体を凝集し、この可溶化糖から濾過によって分離した。残余のリグニン残渣を乾燥した。


[00183]実施例2. リグニン試料EE−643の活性炭への変換 [00184]リグニン残渣の試料を150℃で3時間加熱することで炭化した。この間に37.1重量%が失われた。150℃でさらに3時間で、さらに4.9%の重量減少となった。この乾燥材料を粉砕し、標準篩で篩い分けした。該試料の乾燥見かけ密度は0.3621g/ccであり、ディーン・スターク水分%は43.1であった。粉砕リグニン試料(108ml)を標準篩で篩い分けし、以下の分析を得た。






[00185]一般及び元素分析ならびに賦活データは以下の通りである。






[00186]これらの試料は極めて低い灰分及びイオウ含量ならびに高酸素含量を示す。 [00187]実施例3. リグニン試料EE−634 [00188]リグニン材料を実験室サイズのロータリーキルンで賦活し、試験方法に十分な材料を生成した。焼成をマッフル炉にて行い、より緊密に商業生産を再現した。ヨウ素価が1000及び500の材料を製造した。ヨウ素価のターゲット当たり7回のキルン実験を行った。賦活時間はヨウ素価1000に対して22分及びヨウ素価500に対して6分であった。


[00189]結果は以下の通りである。










[00190]賦活時間が長いほどヨウ素価は高くなる。22分の賦活は、最もよいヨウ素価1064の製品を生成した。その可能性はヨウ素価1,300〜1,500である。 [00191]臭化カルシウムをこの活性炭に加えて、市販品の気相水銀捕捉能力を向上させることができる。市販品には、臭化カルシウムを約5%重量/重量加えることができる。ヨウ素価500の製品は、気相水銀容量に関して市販品に対する基準の約95%であり、これは臭化カルシウムで向上させることができる。


[00192]実施例4. リグニン試料EE−634A2の気相比較 [00193]リグニン残渣の炭素質試料を、賦活のため、ワッフル状材料をステージ磨砕し、これを焼成し、その後様々な時間に基づいて850℃でプログレッシブシリーズ(progressive series)を蒸気賦活することによって調製した。この粒状活性炭(GAC)の一試料を、水相比較のための重量吸着エネルギー分布法(GAED)を用いる完全評価用に選択した。試料のリグニン(EE−634A2)は、見かけ密度(AD)0.265g/ccになるまで22分間賦活し、4つの賦活の中で最も高い活性(ヨウ素価1064mg/g)を有した。これを次いで4つの市販の炭素、すなわち、ヨウ素価約1200のBPL石炭系気相、BG−HHM木材系、CAL石炭系液相、及びPCBココナツ系炭素と比較した。ADは、ASTM D−2854−96を用いて測定し、体積基準の比較を可能にした。この試料は、コンディショニング(試料をアルゴン中240℃まで熱し、25分間保持する)で7重量パーセント超を失い、キルンからの放出時に多少の水重量が吸い上げられたことを示した。コンディショニングされた試料は、合計吸着細孔容積がCAL、すなわち、石炭系液相参照材料のそれの93%余りを示した。計算されたBET表面は703平方メートル/gであり、これは、PCB参照材料の約80%である。この試料の構造は、微分特性曲線に見られるように、BG−HHM木材系参照のそれにむしろ近く、大きな細孔領域で細孔構造が増加した。この試料は、MTBE、ベンゼン、及びフェノールの計算等温線についての他の参照試料と比較して、良好な微量容量活性でその最大の電位を示した。この6種の用途性能グラフにおいて、その最もよい性能は、特定の用途であるタイプIV(アセトン溶剤回収等の再生可能な微量負荷用途)、タイプV(水からトリクロロエタン等の微量負荷用途)、及びタイプVI(水から塩化ビニル等の超微量負荷用途)においてである。この賦活試験は、実験室規模の装置を用い、全収率約20%であったが、これは最適化試験ではない。


[00194]GAEDの結果 [00195]ワッフル状リグニン材料をステージ磨砕し、3×12メッシュに区分し、焼成し、その後850℃で4つの異なる時間賦活し、EE−634A1、EE−634A2、EE−634A3、及びEE−634A4を作成した。一試料をGAED(重量吸着エネルギー分布法)による水相比較の完全評価のために選択した。


[00196]試料EE−634A2は、GAEDを用いて完全特性曲線を測定することによって水相GAEDを完全評価した。見かけ密度(AD)0.265g/ccを用いて体積基準の結果を可能にした。炭素をその後様々な原料からなる4つの市販の賦活参照試料と比較した。


[00197]試料は、入手時は生の炭素状態であった。調製時、この材料を区分し、焼成し、その後850℃で賦活した。実際のGAED試験データの概要及び用いた条件をデータ要約の表1に示す。


[00198]リグニンEE−634A2試料は、コンディショニング(アルゴン中240℃まで熱し、25分間保持する)で7.44重量パーセントを失った。8パーセント未満の損失は、取り扱い及び保管の過程で外気からの少量の水分の吸い上げから保護されていた保存状態の良い試料を示す。この試料の重量減少は、明らかにキルンからの放出時の吸水によるものであった。この試料は、汚染物質にさらされる機会がなく、保護されており、新鮮で酸化されていなかった。すべての活性及び吸着容量を清浄な炭素基準で算出した。


[00199]試料の識別は以下の通りである:EE624A2:BPL石炭系気相;BG−HHM木材系;CAL石炭系液相;PCBココナツ系。 [00200]GAED実験は特徴をよく表していた。吸着及び脱着曲線間の差は、実験を通して小さく、それ故、ヒステリシスは存在せず、これは市販の活性炭にとっては当然のことであった。微分特性曲線及び累積特性曲線のデータのプロットは、図2、4A、及び4Bに体積基準の比較で示す。


[00201]表1






[00202]GAED生データ [00203]GAED(重量吸着エネルギー分布法)では、相対圧(等温基準)7桁及び炭素負荷3桁に及ぶ400を超える吸着及び脱着データ点を測定した。吸着質量はまた、炭素質量で割り、容易に比較するための負荷重量パーセントを求めた。この生データを図3にプロットした。240℃で、吸着ガスC134aすなわち1,1,1,2−テトラフルオロエタンを導入し、負荷が増加した。図3において、質量負荷は温度に対してプロットされているが、相対圧もまた変化していることに留意されたい。逐一変化した性能に影響を与えた3つの変数、すなわち蒸気圧、分圧、及び温度が存在した。


[00204]比較をより容易にするため、異なる温度及び相対圧での吸着/脱着点の大きなデータファイルを簡略化した。第一に、このデータを、全データ範囲に及ぶ30の等間隔の点を得るために補間した。次に、吸着及び脱着の結果を平均し、平衡値を得た(この試料については吸着と脱着の間の差は最小、すなわちヒステリシスなしであった)。y軸は、重量パーセントの代わりに、cc単位の吸着液体またはcc単位の細孔充填/100グラム炭素で、細孔容積の尺度に変換した。これら特性曲線の平均補間データを表1、ならびに図2、4A、及び4Bに示す。


[00205]性能予測モデル [00206]これらの曲線は、ポランニー吸着電位理論を用いて物理的吸着性能を予測するために必要な唯一の炭素関連の情報であった。これらの単一及び多成分、気相ならびに液相コンピュータモデルを用いて炭素性能を予測した。これらはPACSから入手可能である。性能予測を行うため、以下の多項式はこれら炭素試料を示す。






[00207]式中、yは、cc/100g炭素単位の細孔容積の常用対数であり、xは、cal/cc単位の吸着電位e/4.6Vであった。 [00208]6つのタイプの用途における性能 [00209]特定の用途に対する炭素の最も簡単な比較は、特定の条件、濃度、及びその用途に含まれる成分に対して性能予測計算を行うことであった。すべての物理的吸着用途は6つの用途タイプに分類することができる。表2a及び表2bの比較結果は、異なる用途タイプに使用するための異なる炭素の値を体積基準で示している。所定の用途タイプについては、これらの結果は特定の性能レベルを得るのに必要な炭素の量に関連している。従って、用途タイプの吸着性能cc/100gが2倍の炭素は、その用途タイプの性能レベルを達成するための炭素のポンドの半分を要する。


[00210]表2aは、体積基準及び重量基準でそれぞれ性能を比較し、6つの用途タイプについて、標準的な市販の炭素の性能に対する試料炭素の比較結果の値を示す。 [00211]






[00212] タイプI 再生可能な重負荷用途 タイプII 重負荷用途 タイプIII 中程度負荷用途 タイプIV 再生可能な微量負荷用途 タイプV 微量負荷用途 タイプVI 超微量負荷用途 [00213]吸着等温線 [00214]特性曲線はまた、上記のプログラムを用いて吸着等温線に変換される。図5はMTBE用(弱く吸着される材料)、図6Aはベンゼン(より強く吸着される種)、及び図6BはpH7でのフェノール(非常に強く吸着される材料)。計算された水相等温線のこれらのグラフは、この試料が、MTBE、ベンゼン、及びフェノールに対して、他の参照試料と比較して極めて良好な微量容量活性を有することを示した。


[00215]細孔径分布 [00216]Halseyによって修飾されたKelvin式を用いて、特性曲線データを計算されたBET表面積または細孔径分布に変換することができる。これは、性能評価の点では有用ではないが、活性炭を検討するにあたり、一部の受け手には、細孔半径及び一連の毛管径の概念がより親しみやすい。図7は、累積細孔径分布を示す。一点及び多点BET表面積をこれらの曲線から計算し、表1に示す。


[00217]用途性能試験は、この材料が特定の用途の性能予測計算を実行する方法を示している。タイプIV(アセトン溶媒回収等の再生可能な微量負荷用途)、タイプV(水からトリクロロエタン等の微量負荷用途)、及びタイプVI(水から塩化ビニル等の超微量負荷用途)は、この炭素の最高の性能の領域である。コンディショニングされた試料は、CAL石炭系液相参照材料の総吸着細孔容積の約93%を有した(表3)。計算されたBET表面積は、このGACが計算された表面積703平方メートル/g、すなわち、PCB参照材料の約80%を有することを示した(表1)。図4aの微分特性曲線は、この材料の構造がBG−HHM木材系参照のそれにむしろ近く、また、より大きな細孔領域で細孔構造が増加すること示した。


[00218]表3






[00219]本発明の好ましい実施形態を示し、本明細書に説明したが、当業者には、かかる実施形態がほんの一例として示されることが明らかであろう。当業者には、ここで多くの変形、変更、及び置換が本発明から逸脱することなく想起されるであろう。本明細書に記載の本発明の実施形態に対する様々な代替が本発明を実施する際に採用され得ることを理解されたい。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を定め、これら特許請求の範囲及びそれらの同等物の範囲内の方法及び構造は、それによって適用を受けていることが意図される。




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