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ホスファチジルイノシトール3−キナーゼのイソインドリノンインヒビター

阅读:266发布:2024-01-20

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式: を有する化合物またはその薬学的に許容され得る塩であって、ここで: X1は、NまたはCHであり; X2は、N、CHまたはC−CH3であり; R1は、フェニル環、5〜6員ヘテロアリール環、ピリドン環、または9〜10員縮合二環式のヘテロアリールもしくは複素環式環系から選択され、ここで、前記環または環系の各々は、独立して存在する1個または2個のR1aで必要に応じて置換され、前記ヘテロアリールまたは複素環式環の各々は、窒素、酸素または硫黄から選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を有し; R1aは、クロロ、フルオロ、C1−8脂肪族、−(CH2)0−2C3−6脂環式、窒素、酸素もしくは硫黄から選択される最大2個のヘテロ原子を有する−(CH2)0−2−5〜6員複素環式、−CN、−C(O)C1−4脂肪族、−C(O)NH(C1−4脂肪族)、−C(O)N(C1−4脂肪族)2、−C(O)OC1−4脂肪族、−S(O)2NH(C1−4脂肪族)、−S(O)2N(C1−4脂肪族)2または−S(O)2C1−4脂肪族であり、ここで、R1aの前記脂肪族または脂環式の最大3個の隣接していない炭素原子は、−O−、−S−または−N(R1b)−で置換され得、R1aの前記脂肪族、脂環式または複素環式の各々は、必要に応じてかつ独立して、最大4個のJRで置換され; 各JRは、独立して、フルオロ、オキソ、−(CH2)0−2CN、−(CH2)0−2CF3、−C(O)R1b、−C(O)N(R1b)2、−C(O)O(R1b)、−N(R1b)2、−N(R1b)C(O)R1b、−(CH2)0−2OR1b、フェニルもしくは5〜6員ヘテロアリール、4−6ヘテロシクリルまたは9−11縮合二環式のヘテロアリールもしくはヘテロシクリルであり、前記ヘテロアリールまたはヘテロシクリル環の各々は、窒素、酸素または硫黄から選択される最大3個の原子を有し、前記脂環式、フェニル、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルの各々は、最大2個のR1cで必要に応じて置換され; 各R1bは、独立して、素、C1−8脂肪族、−(CH2)0−1C3−6脂環式、またはNもしくはOから選択される最大2個のヘテロ原子を有する−(CH2)0−1C4−6複素環式から選択されるか、または2つのR1bが、それらが結合している原子と一体となって、5〜6員複素環式環を形成し、ここで、脂肪族、脂環式または複素環式の各々は、最大3個のF原子または最大2個の−OH、−C1−2アルキルもしくは−OC1−2アルキル基で必要に応じて置換され; 各R1cは、独立して、フルオロ、クロロ、C1−4脂肪族、−(CH2)0−2OH、−CN、−C(O)C1−4脂肪族または−C(O)OC1−4脂肪族であり; R2は、水素、F、Cl、CF3、C1−2脂肪族、C3−4脂環式、−N(CH3)2、−N(CH2)3、−OCF3、−OCHF2または−OC1−2脂肪族であり; R3は、水素、C1−6脂肪族、C3−6脂環式、NもしくはOから選択される1個もしくは2個の原子を有するC4−7ヘテロシクリル、−(CH2)0−1CF3、−OH、−OC1−6脂肪族、−OC3−6脂環式、1つの酸素原子を有する−OC3−6ヘテロシクリル、−O(CH2)2OC1−2脂肪族もしくは−OC1−2アルキルC(O)OC1−3脂肪族、またはベンジルであり;そして R4は、水素またはC1−6アルキルであるか;またはR3およびR4は、それらが結合している炭素と一体となって、3〜6員脂環式環、NもしくはOから選択される最大2個の原子を有する3〜6員複素環式環、またはC2アルケニルを形成し、ここで、R3、R4、またはR3とR4とが一体となったときの前記脂肪族、脂環式もしくはヘテロシクリルの各々は、最大3個のF原子、または最大2個のC1−2アルキル、−C(O)C1−4アルキル、−C(O)OC1−4アルキル、−OHもしくは−OC1−2アルキル基で必要に応じて置換され; Aは、NまたはCRAであり; Bは、NもしくはCRBであるか、またはA=Bは、硫黄原子であり; Cは、NまたはCRCであり; Dは、NまたはCRDであり; Eは、NまたはCREであり、ここで、A、B、C、DまたはEのうちの2個以下が、Nであり; RAは、水素、CH3またはOCH3であり; RBは、水素、F、Cl、C1−3脂肪族、−(CH2)0−1CF3、−(CH2)0−1CHF2または−O(CH2)0−1CF3であり; RCは、水素、F、Cl、C1−3脂肪族、−(CH2)0−1CF3、−(CH2)0−1CHF2、N(R1b)2、−OH、−O(CH2)0−1CF3または−OC1−8脂肪族であり、ここで、前記脂肪族の最大2個の隣接していない炭素原子は、−O−で置換され得; RDは、水素、フルオロ、クロロ、C1−4脂肪族、−C(O)OH、−C(O)OC1−4脂肪族、−C(O)N(R1b)2、−CN、−C(RD1)=N−OR1b、−N(R1b)2、−N(RD1)C(O)C1−4脂肪族、−N(RD1)C(O)フェニル、−N(RD1)S(O)2C1−4脂肪族、−N(RD1)S(O)2N(R1b)2、−N(RD1)S(O)2フェニル−OH、−OC1−8脂肪族、−O(CH2)0−1C3−6脂環式、−SC1−4脂肪族、−S(O)C1−4脂肪族、−S(O)2C1−4脂肪族または−S(O)2N(R1b)2であり;ここで、RDの前記脂肪族、脂環式または複素環式の最大2個の隣接していない炭素原子は、−O−で置換され得、RDの前記脂肪族、脂環式またはフェニルの各々は、最大5個のフッ素原子で置換され得るか;またはRDおよびRCは、それらが結合している原子と一体となって、フェニル環またはピリジル環を形成し; 各RD1は、独立して、水素またはC1−2アルキルであり;そして REは、水素、F、Cl、−NHC(O)C1−8脂肪族、−OH、−OC1−2脂肪族、−(CH2)0−1CF3、−(CH2)0−1CHF2、C1−3脂肪族、C3−4脂環式、N(R1b)2、アゼチジン−1−イルであり、 ただし、 (i)X1がNであり、X2がCHであり、AがCRAであり、BがNであり、CがCRCであり、そしてDがCRDである場合、Eは、CREではなく、 (ii)R3およびR4は、同時に水素ではなく、 (iii)R1が必要に応じて置換されたフェニルである場合、R3は、水素ではなく、 (iv)R1が必要に応じて置換されたフェニルであり、R3がC1−6アルキルである場合、R4は、水素ではない、 化合物またはその薬学的に許容され得る塩。RDが、水素、フルオロ、クロロ、C1−4脂肪族、−(CH2)0−1CF3、−C(O)N(R1b)2、−CN、−N(R1b)2、−NHC(O)C1−8脂肪族、−OH、−O(CH2)0−1CF3、−O(CH2)0−1CHF2、−O(CH2)0−1CH2F、−OC1−8脂肪族、−O(CH2)0−1C3−6脂環式、−SC1−8脂肪族、−S(O)2C1−8脂肪族、−S(O)2N(R1b)2であり;ここで、RDの前記脂肪族、脂環式または複素環式の最大2個の隣接していない炭素原子は、−O−で置換され得るか、またはRDおよびRCは、それらが結合している原子と一体となって、フェニル環またはピリジル環を形成し; R3が、水素、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、−(CH2)0−1CF3、−OH、−OC1−6アルキル、−OC3−6シクロアルキル、1つの酸素原子を有する−OC3−6ヘテロシクリル、−O(CH2)2OC1−2アルキルもしくは−OC1−2アルキルC(O)OC1−3アルキルまたはベンジルであり;そして R4が、水素またはC1−6アルキルであるか;またはR3およびR4が、それらが結合している炭素と一体となって、3〜6員シクロアルキル環、1つの酸素原子を有する3〜6員複素環式環を形成し、ここで、R3、R4、またはR3とR4とが一体となったときの前記アルキル、シクロアルキルもしくはヘテロシクリルの各々は、最大2個のF、C1−2アルキルまたは−OC1−2アルキルで必要に応じて置換される、 請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。各R1bが、独立して、水素、C1−4脂肪族またはC3−6脂環式から選択され; RBが、水素、F、Cl、−OCF3、−OC1−2脂肪族、−CF3またはC1−2脂肪族であり; RCが、水素、F、Cl、C1−3脂肪族、−(CH2)0−1CF3、−N(R1b)2、−OH、−OCF3または−OC1−8脂肪族であり; RDが、水素、フルオロ、クロロ、C1−4脂肪族、(CH2)0−1CF3、−C(O)NHC1−8脂肪族、−CN、−N(R1b)2、−NHC(O)C1−8脂肪族、−OH、−OCF3、−OCHF2、−OC1−8脂肪族、−O(CH2)0−1C3−6脂環式、−SC1−8脂肪族、−S(O)2C1−8脂肪族、−S(O)2N(R1b)2であり;ここで、RDの前記脂肪族または脂環式の最大2個の隣接していない炭素原子は、−O−で置換され得るか、またはRDおよびRCは、それらが結合している原子と一体となって、フェニル環またはピリジル環を形成し; REが、水素、F、Cl、−NHC(O)C1−8脂肪族、−OH、−OCF3、−OC1−2脂肪族、CF3、C1−2脂肪族、C3−4脂環式、N(CH3)2、アゼチジン−1−イルであり; R2が、水素、F、Cl、CF3、C1−2脂肪族、C3−4脂環式、−N(CH3)2、−N(CH2)3、−OCF3または−OC1−2脂肪族であり; R3が、水素、C1−2アルキル、−OH、−OC1−2アルキル、−O(CH2)2OC1−2アルキルまたは−OC1−2アルキルC(O)OC1−2アルキルであり;そして R4が、水素またはC1−2アルキルである、 請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。R1が、N、OまたはSから選択される1〜3個のヘテロ原子を有し、かつ1個または2個のR1a基で必要に応じて置換される、5員ヘテロアリール環である、請求項1から3のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。R1が、必要に応じて置換されるピラゾール−4−イル、ピラゾール−3−イル、イミダゾール−4−イル、1,2,3−トリアゾール−4−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,2,5−トリアゾール−3−イル、1,3−チアゾール−4−イル、1,3−チアゾール−2−イル、1,2−チアゾール−5−イル、1,2−イソオキサゾール−3−イルである、請求項4に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。R1が、 から選択される、請求項5に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。R1が、 から選択される、請求項5に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。R1が、 から選択される、請求項5に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。R1が、 であり; R2が、CH3であり; R3が、水素、C1−2アルキル、OHまたはOCH3であり; R4が、水素またはCH3であり; RCが、水素であり;そして RDが、−OC1−2アルキルまたは−OC3−5シクロアルキルであり、各々は、最大3個のフッ素原子で必要に応じて置換される、 請求項5に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。R1が、1−(2,2−ジフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イルまたは1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イルである、請求項9に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。R1が、1〜3個の窒素を有し、かつ1個または2個のR1a基で必要に応じて置換される、6員ヘテロアリール環である、請求項2から3のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。式: を有する化合物またはその薬学的に許容され得る塩であって、ここで: X1は、NまたはCHであり; X2は、N、CHまたはC−CH3であり; R1が、1〜3個の窒素を有し、かつ1個または2個のR1a基で必要に応じて置換される、6員ヘテロアリール環であり; R1aは、クロロ、フルオロ、C1−8脂肪族、−(CH2)0−2C3−6脂環式、窒素、酸素もしくは硫黄から選択される最大2個のヘテロ原子を有する−(CH2)0−2−5〜6員複素環式、−CN、−C(O)C1−4脂肪族、−C(O)NH(C1−4脂肪族)、−C(O)N(C1−4脂肪族)2、−C(O)OC1−4脂肪族、−S(O)2NH(C1−4脂肪族)、−S(O)2N(C1−4脂肪族)2または−S(O)2C1−4脂肪族であり、ここで、R1aの前記脂肪族または脂環式の最大3個の隣接していない炭素原子は、−O−、−S−または−N(R1b)−で置換され得、R1aの前記脂肪族、脂環式または複素環式の各々は、必要に応じてかつ独立して、最大4個のJRで置換され; 各JRは、独立して、フルオロ、オキソ、−(CH2)0−2CN、−(CH2)0−2CF3、−C(O)R1b、−C(O)N(R1b)2、−C(O)O(R1b)、−N(R1b)2、−N(R1b)C(O)R1b、−(CH2)0−2OR1b、フェニルもしくは5〜6員ヘテロアリール、4−6ヘテロシクリルまたは9−11縮合二環式のヘテロアリールもしくはヘテロシクリルであり、前記ヘテロアリールまたはヘテロシクリル環の各々は、窒素、酸素または硫黄から選択される最大3個の原子を有し、前記脂環式、フェニル、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルの各々は、最大2個のR1cで必要に応じて置換され; 各R1bは、独立して、水素、C1−8脂肪族、−(CH2)0−1C3−6脂環式、またはNもしくはOから選択される最大2個のヘテロ原子を有する−(CH2)0−1C4−6複素環式から選択されるか、または2つのR1bが、それらが結合している原子と一体となって、5〜6員複素環式環を形成し、ここで、脂肪族、脂環式または複素環式の各々は、最大3個のF原子または最大2個の−OH、−C1−2アルキルもしくは−OC1−2アルキル基で必要に応じて置換され; 各R1cは、独立して、フルオロ、クロロ、C1−4脂肪族、−(CH2)0−2OH、−CN、−C(O)C1−4脂肪族または−C(O)OC1−4脂肪族であり; R2は、水素、F、Cl、CF3、C1−2脂肪族、C3−4脂環式、−N(CH3)2、−N(CH2)3、−OCF3、−OCHF2または−OC1−2脂肪族であり; R3は、水素、C1−6脂肪族、C3−6脂環式、NもしくはOから選択される1個もしくは2個の原子を有するC4−7ヘテロシクリル、−(CH2)0−1CF3、−OH、−OC1−6脂肪族、−OC3−6脂環式、1つの酸素原子を有する−OC3−6ヘテロシクリル、−O(CH2)2OC1−2脂肪族もしくは−OC1−2アルキルC(O)OC1−3脂肪族、またはベンジルであり;そして R4は、水素またはC1−6アルキルであるか;またはR3およびR4は、それらが結合している炭素と一体となって、3〜6員脂環式環、NもしくはOから選択される最大2個の原子を有する3〜6員複素環式環、またはC2アルケニルを形成し、ここで、R3、R4、またはR3とR4とが一体となったときの前記脂肪族、脂環式もしくはヘテロシクリルの各々は、最大3個のF原子、または最大2個のC1−2アルキル、−C(O)C1−4アルキル、−C(O)OC1−4アルキル、−OHもしくは−OC1−2アルキル基で必要に応じて置換され; Aは、NまたはCRAであり; Bは、NもしくはCRBであるか、またはA=Bは、硫黄原子であり; Cは、NまたはCRCであり; Dは、NまたはCRDであり; Eは、NまたはCREであり、ここで、A、B、C、DまたはEのうちの2個以下が、Nであり; RAは、水素、CH3またはOCH3であり; RBは、水素、F、Cl、C1−3脂肪族、−(CH2)0−1CF3、−(CH2)0−1CHF2または−O(CH2)0−1CF3であり; RCは、水素、F、Cl、C1−3脂肪族、−(CH2)0−1CF3、−(CH2)0−1CHF2、N(R1b)2、−OH、−O(CH2)0−1CF3または−OC1−8脂肪族であり、ここで、前記脂肪族の最大2個の隣接していない炭素原子は、−O−で置換され得; RDは、水素、フルオロ、クロロ、C1−4脂肪族、−C(O)OH、−C(O)OC1−4脂肪族、−C(O)N(R1b)2、−CN、−C(RD1)=N−OR1b、−N(R1b)2、−N(RD1)C(O)C1−4脂肪族、−N(RD1)C(O)フェニル、−N(RD1)S(O)2C1−4脂肪族、−N(RD1)S(O)2N(R1b)2、−N(RD1)S(O)2フェニル−OH、−OC1−8脂肪族、−O(CH2)0−1C3−6脂環式、−SC1−4脂肪族、−S(O)C1−4脂肪族、−S(O)2C1−4脂肪族または−S(O)2N(R1b)2であり;ここで、RDの前記脂肪族、脂環式または複素環式の最大2個の隣接していない炭素原子は、−O−で置換され得、RDの前記脂肪族、脂環式またはフェニルの各々は、最大5個のフッ素原子で置換され得るか;またはRDおよびRCは、それらが結合している原子と一体となって、フェニル環またはピリジル環を形成し; 各RD1は、独立して、水素またはC1−2アルキルであり;そして REは、水素、F、Cl、−NHC(O)C1−8脂肪族、−OH、−OC1−2脂肪族、−(CH2)0−1CF3、−(CH2)0−1CHF2、C1−3脂肪族、C3−4脂環式、N(R1b)2、アゼチジン−1−イルであり、 ただし、X1がNであり、X2がCHであり、AがCRAであり、BがNであり、CがCRCであり、そしてDがCRDである場合、Eは、CREではない、 化合物またはその薬学的に許容され得る塩。R1が、必要に応じて置換されるピリジニル基である、請求項11または12に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。R1が、 であり; R2が、CH3であり; R3が、水素、C1−2アルキル、OHまたはOCH3であり; R4が、水素またはCH3であり; RCが、水素、F、Cl、C1−3脂肪族、(CH2)0−1CF3、−OCF3または−OC1−8脂肪族であり;そして RDが、−C(O)NHC1−8脂肪族である、 請求項13に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。R1が、 から選択される、請求項14に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩および薬学的に許容され得るキャリア、佐剤またはビヒクルを含む、薬学的組成物。多発性硬化症を処置するための薬剤、抗炎症剤、免疫調節剤または免疫抑制剤から選択される治療薬をさらに含む、請求項16に記載の組成物。前記治療薬が、ベータインターフェロン、グラチラマー、ナタリズマブまたはミトキサントロンである、請求項17に記載の組成物。多発性硬化症、癲癇、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン病または筋萎縮性側索硬化症から選択される脳または脊髄の自己免疫疾患または炎症性疾患から選択される疾患または状態を処置するかまたはその重症度を下げるための組成物であって、請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物またはその塩あるいはそれらの薬学的組成物を含む、組成物。前記疾患または障害が、多発性硬化症である、請求項19に記載の組成物。前記組成物が、追加の治療薬とともに投与されることを特徴とし、ここで、前記追加の治療薬は、処置される疾患に対して適切であり、前記追加の治療薬は、単回投与形態として前記組成物とともに投与されるか、または複数回投与形態の一部として前記組成物とは別個に投与される、請求項19に記載の組成物。前記追加の治療薬が、多発性硬化症を処置するのに有用であり、ベータインターフェロン、グラチラマー、ナタリズマブまたはミトキサントロンから選択される、請求項21に記載の組成物。生物学的サンプルにおいてPI3Kγキナーゼ活性を阻害するための組成物であって、前記組成物は、請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物または前記化合物を含む組成物を含む、組成物。

说明书全文

発明の技術分野 本発明は、ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ(PI3K)のインヒビターとして有用な化合物に関する。本発明はまた、本発明の化合物を含む薬学的に許容され得る組成物、および様々な障害の処置においてその組成物を使用する方法も提供する。

発明の背景 PI3Kは、イノシトール環の3’−OHにおける膜脂質ホスファチジルイノシトール(PI)のリン酸化を触媒して、PI3−リン酸[PI(3)P、PIP]、PI3,4−二リン酸[PI(3,4)P2、PIP2]およびPI3,4,5−三リン酸[PI(3,4,5)P3、PIP3]を生成する脂質キナーゼのファミリーである。PI(3,4)P2およびPI(3,4,5)P3は、様々な細胞内のシグナル伝達タンパク質に対するリクルートメント部位として作用し、そしてそれらは、原形質膜の細胞質面に向かって細胞外のシグナルに応答するシグナル伝達複合体を形成する。

これまでに、4種類のクラスI PI3Kを含む8種類の哺乳動物PI3Kが同定されている。クラスIaには、PI3Kα、PI3KβおよびPI3Kδが含まれる。クラスIa酵素のすべてが、SH2ドメインを含むp85アダプターサブユニットに会合された触媒サブユニット(p110α、p110βまたはp110δ)を含むヘテロ二量体複合体である。クラスIa PI3Kは、チロシンキナーゼシグナル伝達を介して活性化され、細胞の増殖および生存に関与する。PI3KαおよびPI3Kβは、種々のヒト癌の腫瘍形成にも関係づけられている。したがって、PI3KαおよびPI3Kβの薬理学的インヒビターは、様々なタイプの癌の処置に有用である。

クラスIb PI3Kの唯一のメンバーであるPI3Kγは、p101調節サブユニットに会合される触媒サブユニットp110γからなる。PI3Kγは、ヘテロ三量体Gタンパク質のβγサブユニットとの会合を介してGタンパク質共役レセプター(GPCR)によって制御される。PI3Kγは、主に造血細胞および心筋細胞において発現され、炎症およびマスト細胞の機能に関与する。したがって、PI3Kγの薬理学的インヒビターは、種々の炎症性疾患、アレルギーおよび循環器疾患の処置に有用である。

いくつかのPI3Kインヒビターが開発されているが、様々な障害および疾患、特に、中枢神経系(CNS)に影響を及ぼす障害および疾患を処置するための、PI3Kを阻害するさらなる化合物が必要とされている。したがって、血液脳関門(BBB)を透過するPI3Kのインヒビターとして有用なさらなる化合物の開発が望まれるだろう。

発明の要旨 本発明の化合物およびその薬学的に許容され得る組成物が、PI3K、特にPI3Kγのインヒビターとして有効であると見出された。したがって、本発明は、一般式:

を有する化合物またはその薬学的に許容され得る塩(ここで、A、B、C、D、E、X1、X2、R1、R2、R3およびR4の各々は、本明細書中で定義されるとおりである)を特徴とする。

本発明はまた、式Iの化合物および薬学的に許容され得るキャリア、佐剤またはビヒクルを含む薬学的組成物も提供する。これらの化合物および薬学的組成物は、CNSの自己免疫疾患および炎症性疾患を含む種々の障害を処置するのに、またはその重症度を下げるのに有用である。

本発明によって提供される化合物および組成物は、生物学的現象および病理学的現象におけるPI3Kの研究;そのようなキナーゼによって媒介される細胞内シグナル伝達経路の研究;および新規キナーゼインヒビターの比較評価にも有用である。 一実施形態において、例えば、以下の項目が提供される。 (項目1) 式:

を有する化合物またはその薬学的に許容され得る塩であって、ここで: X1は、NまたはCHであり; X2は、N、CHまたはC−CH3であり; R1は、フェニル環、5〜6員ヘテロアリール環、ピリドン環、または9〜10員縮合二環式のヘテロアリールもしくは複素環式環系から選択され、ここで、前記環または環系の各々は、独立して存在する1個または2個のR1aで必要に応じて置換され、前記ヘテロアリールまたは複素環式環の各々は、窒素、酸素または硫黄から選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を有し; R1aは、クロロ、フルオロ、C1−8脂肪族、−(CH2)0−2C3−6脂環式、窒素、酸素もしくは硫黄から選択される最大2個のヘテロ原子を有する−(CH2)0−2−5〜6員複素環式、−CN、−C(O)C1−4脂肪族、−C(O)NH(C1−4脂肪族)、−C(O)N(C1−4脂肪族)2、−C(O)OC1−4脂肪族、−S(O)2NH(C1−4脂肪族)、−S(O)2N(C1−4脂肪族)2または−S(O)2C1−4脂肪族であり、ここで、R1aの前記脂肪族または脂環式の最大3個の隣接していない炭素原子は、−O−、−S−または−N(R1b)−で置換され得、R1aの前記脂肪族、脂環式または複素環式の各々は、必要に応じてかつ独立して、最大4個のJRで置換され; 各JRは、独立して、フルオロ、オキソ、−(CH2)0−2CN、−(CH2)0−2CF3、−C(O)R1b、−C(O)N(R1b)2、−C(O)O(R1b)、−N(R1b)2、−N(R1b)C(O)R1b、−(CH2)0−2OR1b、フェニル もしくは5〜6員ヘテロアリール、4−6ヘテロシクリルまたは9−11縮合二環式のヘテロアリールもしくはヘテロシクリルであり、前記ヘテロアリールまたはヘテロシクリル環の各々は、窒素、酸素または硫黄から選択される最大3個の原子を有し、前記脂環式、フェニル、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルの各々は、最大2個のR1cで必要に応じて置換され; 各R1bは、独立して、素、C1−8脂肪族、−(CH2)0−1C3−6脂環式、またはNもしくはOから選択される最大2個のヘテロ原子を有する−(CH2)0−1C4−6複素環式から選択されるか、または2つのR1bが、それらが結合している原子と一体となって、5〜6員複素環式環を形成し、ここで、脂肪族、脂環式または複素環式の各々は、最大3個のF原子または最大2個の−OH、−C1−2アルキルもしくは−OC1−2アルキル基で必要に応じて置換され; 各R1cは、独立して、フルオロ、クロロ、C1−4脂肪族、−(CH2)0−2OH、−CN、−C(O)C1−4脂肪族または−C(O)OC1−4脂肪族であり; R2は、水素、F、Cl、CF3、C1−2脂肪族、C3−4脂環式、−N(CH3)2、−N(CH2)3、−OCF3、−OCHF2または−OC1−2脂肪族であり; R3は、水素、C1−6脂肪族、C3−6脂環式、NもしくはOから選択される1個もしくは2個の原子を有するC4−7ヘテロシクリル、−(CH2)0−1CF3、−OH、−OC1−6脂肪族、−OC3−6脂環式、1つの酸素原子を有する−OC3−6ヘテロシクリル、−O(CH2)2OC1−2脂肪族もしくは−OC1−2アルキルC(O)OC1−3脂肪族、またはベンジルであり;そして R4は、水素またはC1−6アルキルであるか;またはR3およびR4は、それらが結合している炭素と一体となって、3〜6員脂環式環、NもしくはOから選択される最大2個の原子を有する3〜6員複素環式環、またはC2アルケニルを形成し、ここで、R3、R4、またはR3とR4とが一体となったときの前記脂肪族、脂環式もしくはヘテロシクリルの各々は、最大3個のF原子、または最大2個のC1−2アルキル、−C(O)C1−4アルキル、−C(O)OC1−4アルキル、−OHもしくは−OC1−2アルキル基で必要に応じて置換され; Aは、NまたはCRAであり; Bは、NもしくはCRBであるか、またはA=Bは、硫黄原子であり; Cは、NまたはCRCであり; Dは、NまたはCRDであり; Eは、NまたはCREであり、ここで、A、B、C、DまたはEのうちの2個以下が、Nであり; RAは、水素、CH3またはOCH3であり; RBは、水素、F、Cl、C1−3脂肪族、−(CH2)0−1CF3、−(CH2)0−1CHF2または−O(CH2)0−1CF3であり; RCは、水素、F、Cl、C1−3脂肪族、−(CH2)0−1CF3、−(CH2)0−1CHF2、N(R1b)2、−OH、−O(CH2)0−1CF3または−OC1−8脂肪族であり、ここで、前記脂肪族の最大2個の隣接していない炭素原子は、−O−で置換され得; RDは、水素、フルオロ、クロロ、C1−4脂肪族、−C(O)OH、−C(O)OC1−4脂肪族、−C(O)N(R1b)2、−CN、−C(RD1)=N−OR1b、−N(R1b)2、−N(RD1)C(O)C1−4脂肪族、−N(RD1)C(O)フェニル、−N(RD1)S(O)2C1−4脂肪族、−N(RD1)S(O)2N(R1b)2、−N(RD1)S(O)2フェニル−OH、−OC1−8脂肪族、−O(CH2)0−1C3−6脂環式、−SC1−4脂肪族、−S(O)C1−4脂肪族、−S(O)2C1−4脂肪族または−S(O)2N(R1b)2であり;ここで、RDの前記脂肪族、脂環式または複素環式の最大2個の隣接していない炭素原子は、−O−で置換され得、RDの前記脂肪族、脂環式またはフェニルの各々は、最大5個のフッ素原子で置換され得るか;またはRDおよびRCは、それらが結合している原子と一体となって、フェニル環また はピリジル環を形成し; 各RD1は、独立して、水素またはC1−2アルキルであり;そして REは、水素、F、Cl、−NHC(O)C1−8脂肪族、−OH、−OC1−2脂肪族、−(CH2)0−1CF3、−(CH2)0−1CHF2、C1−3脂肪族、C3−4脂環式、N(R1b)2、アゼチジン−1−イルである、 化合物またはその薬学的に許容され得る塩。 (項目2) RDが、水素、フルオロ、クロロ、C1−4脂肪族、−(CH2)0−1CF3、−C(O)N(R1b)2、−CN、−N(R1b)2、−NHC(O)C1−8脂肪族、−OH、−O(CH2)0−1CF3、−O(CH2)0−1CHF2、−O(CH2)0−1CH2F、−OC1−8脂肪族、−O(CH2)0−1C3−6脂環式、−SC1−8脂肪族、−S(O)2C1−8脂肪族、−S(O)2N(R1b)2であり;ここで、RDの前記脂肪族、脂環式または複素環式の最大2個の隣接していない炭素原子は、−O−で置換され得るか、またはRDおよびRCは、それらが結合している原子と一体となって、フェニル環またはピリジル環を形成し; R3が、水素、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、−(CH2)0−1CF3、−OH、−OC1−6アルキル、−OC3−6シクロアルキル、1つの酸素原子を有する−OC3−6ヘテロシクリル、−O(CH2)2OC1−2アルキルもしくは−OC1−2アルキルC(O)OC1−3アルキルまたはベンジルであり;そして R4が、水素またはC1−6アルキルであるか;またはR3およびR4が、それらが結合している炭素と一体となって、3〜6員シクロアルキル環、1つの酸素原子を有する3〜6員複素環式環を形成し、ここで、R3、R4、またはR3とR4とが一体となったときの前記アルキル、シクロアルキルもしくはヘテロシクリルの各々は、最大2個のF、C1−2アルキルまたは−OC1−2アルキルで必要に応じて置換される、 項目1に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。 (項目3) 各R1bが、独立して、水素、C1−4脂肪族またはC3−6脂環式から選択され; RBが、水素、F、Cl、−OCF3、−OC1−2脂肪族、−CF3またはC1−2脂肪族であり; RCが、水素、F、Cl、C1−3脂肪族、−(CH2)0−1CF3、−N(R1b)2、−OH、−OCF3または−OC1−8脂肪族であり; RDが、水素、フルオロ、クロロ、C1−4脂肪族、(CH2)0−1CF3、−C(O)NHC1−8脂肪族、−CN、−N(R1b)2、−NHC(O)C1−8脂肪族、−OH、−OCF3、−OCHF2、−OC1−8脂肪族、−O(CH2)0−1C3−6脂環式、−SC1−8脂肪族、−S(O)2C1−8脂肪族、−S(O)2N(R1b)2であり;ここで、RDの前記脂肪族または脂環式の最大2個の隣接していない炭素原子は、−O−で置換され得るか、またはRDおよびRCは、それらが結合している原子と一体となって、フェニル環またはピリジル環を形成し; REが、水素、F、Cl、−NHC(O)C1−8脂肪族、−OH、−OCF3、−OC1−2脂肪族、CF3、C1−2脂肪族、C3−4脂環式、N(CH3)2、アゼチジン−1−イルであり; R2が、水素、F、Cl、CF3、C1−2脂肪族、C3−4脂環式、−N(CH3)2、−N(CH2)3、−OCF3または−OC1−2脂肪族であり; R3が、水素、C1−2アルキル、−OH、−OC1−2アルキル、−O(CH2)2OC1−2アルキルまたは−OC1−2アルキルC(O)OC1−2アルキルであり;そして R4が、水素またはC1−2アルキルである、 項目1に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。 (項目4) 式:

を有する項目1に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩であって、ここで:X1は、CHまたはNであり; R1は、フェニル環、5員ヘテロアリール環、6員ヘテロアリール環または9もしくは10員縮合二環式のヘテロアリールもしくは複素環式環系から選択され、ここで、前記環または環系の各々は、独立して存在する1個または2個のR1aで必要に応じて置換され、前記ヘテロアリールまたは複素環式環の各々は、窒素、酸素または硫黄から選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を有し; R1aは、クロロ、フルオロ、C1−6脂肪族、C3−6脂環式、−CN、−C(O)R1b、−C(O)N(R1b)2、−C(O)O(R1b)または−OR1bであり、ここで、前記脂肪族または脂環式の各々は、最大3個のJRで必要に応じて置換され; 各JRは、独立して、フルオロ、オキソ、−CN、−C(O)R1b、−C(O)N(R1b)2、−C(O)O(R1b)、−N(R1b)2、−N(R1b)C(O)R1b、−OR1b、または窒素、酸素もしくは硫黄から選択される最大3個の原子を有する5員のヘテロアリールもしくはヘテロシクリルであり; 各R1bは、独立して、水素、C1−4脂肪族またはC3−6脂環式から選択され; R2は、水素、F、Cl、CF3またはCH3であり; Bは、Nであり; Cは、CRCであり、ここで、RCは、水素、フルオロ、クロロ、C1−3脂肪族、CF3、−OCF3または−OC1−2脂肪族であり;そして Dは、CRDであり、ここで、RDは、フルオロ、クロロ、C1−3脂肪族、CF3、−OCF3または−OC1−2脂肪族である、 項目1に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。 (項目5) X1がNである、項目4に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。 (項目6) R2がCH3である、項目5に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。 (項目7)

が、置換ピリジン−3−イルである、項目6に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。 (項目8) 式:

を有する項目1に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩であって、ここで、R1は、

であり、ここで、 R1aは、−CNもしくは最大3個のF原子もしくは最大2個のCH3で必要に応じてかつ独立して置換される−C1−4アルキル、−OC1−2アルキルまたは−OH基であり; R2は、C1−2アルキルであり; R3は、水素、−OH、−OC1−4アルキル、または最大2個の−OH基で必要に応じて置換されるC1−4アルキルであり; R4は、水素もしくはCH3であるか、またはR3およびR4は一体となって、最大2個のOH基で必要に応じて置換されるC3−6シクロアルキル環、またはC1−4アルキル、−C(O)C1−4アルキルもしくはC(O)OC1−4アルキルで必要に応じて置換される1つの酸素原子または窒素原子を有する4〜6員複素環式環を形成し; RCは、水素、F、C1−2アルキルまたは−OC1−2アルキルであり;そして RDは、−ORD1、−C(O)N(RD1)RD2、−S(O)2N(RD1)RD2、−S(O)1−2RD2、−N(RD1)S(O)2RD2または−N(RD1)S(O)2N(RD1)RD2であり、ここで、 RD1は、水素またはC1−2アルキルであり、RD2は、C1−4アルキル、−(CH2)0−1C3−6シクロアルキル、または最大2個の酸素原子もしくは窒素原子を有する−(CH2)0−1C4−6ヘテロシクリルであり、アルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクリルの各々は、最大3個のF原子または最大2個の−OH基で必要に応じて置換される、 項目1に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。 (項目9) R1aが、最大3個のフッ素原子で必要に応じて置換されるC1−2アルキルである、項目8に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。 (項目10) R1aが、CNで必要に応じて置換されるC1−4アルキルである、項目8に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。 (項目11) R2がCH3である、項目8に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。 (項目12) R3およびR4の少なくとも1つが水素でない、項目8に記載の化合物またはその薬学的な許容され得る塩。 (項目13) R3およびR4の各々がCH3である、項目12に記載の化合物またはその薬学的な許 容され得る塩。 (項目14) R3およびR4が一体となって、C1−4アルキル、−C(O)C1−4アルキルまたは−C(O)OC1−4アルキルで必要に応じて置換される1つの酸素原子または窒素原子を有する4〜6員複素環式環を形成する、項目12に記載の化合物またはその薬学的な許容され得る塩。 (項目15) R1が、N、OまたはSから選択される1〜3個のヘテロ原子を有し、かつ1個または2個のR1a基で必要に応じて置換される、5員ヘテロアリール環である、項目1から14のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。 (項目16) R1が、必要に応じて置換されるピラゾール−4−イル、ピラゾール−3−イル、イミダゾール−4−イル、1,2,3−トリアゾール−4−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,2,5−トリアゾール−3−イル、1,3−チアゾール−4−イル、1,3−チアゾール−2−イル、1,2−チアゾール−5−イル、1,2−イソオキサゾール−3−イルである、項目15に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。 (項目17) R1が、

から選択される、項目16に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。 (項目18) R1が、

から選択される、項目16に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。 (項目19) R1が、

から選択される、項目16に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。 (項目20) R1が、

であり; R2が、CH3であり; R3が、水素、C1−2アルキル、OHまたはOCH3であり; R4が、水素またはCH3であり; RCが、水素であり;そして RDが、−OC1−2アルキルまたは−OC3−5シクロアルキルであり、各々は、最大3個のフッ素原子で必要に応じて置換される、 項目16に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。 (項目21) R1が、1−(2,2−ジフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イルまたは1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イルである、項目20に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。 (項目22) R1が、1〜3個の窒素を有し、かつ1個または2個のR1a基で必要に応じて置換される、6員ヘテロアリール環である、項目1から14のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。 (項目23) R1が、必要に応じて置換されるピリジニル基である、項目22に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。 (項目24) R1が、

であり; R2が、CH3であり; R3が、水素、C1−2アルキル、OHまたはOCH3であり; R4が、水素またはCH3であり; RCが、水素、F、Cl、C1−3脂肪族、(CH2)0−1CF3、−OCF3または−OC1−8脂肪族であり;そして RDが、−C(O)NHC1−8脂肪族である、 項目23に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。 (項目25) R1が、

から選択される、項目24に記載の化合物またはその薬学的な許容され得る塩。 (項目26) RCおよびRDの各々が、−OCH3である、項目6から14のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。 (項目27) RDが、−C(O)OH、−C(O)N(R1b)2、−CN、−S(O)2C1−8脂肪族または−S(O)2N(R1b)2である、項目8から14のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的な許容され得る塩。 (項目28) RCおよびRDの各々が、独立して、水素、フルオロ、クロロ、C1−3脂肪族、CF3、−OCF3、−OCHF2または−OC1−2脂肪族であり、ここで、RCおよびRDの少なくとも1つは、水素でない、項目8から14のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。 (項目29) RCが、水素であり、RDが、最大3個のF原子で必要に応じて置換される−OC1−3アルキルである、項目28に記載の化合物またはその薬学的な許容され得る塩。 (項目30)

が:

から選択される、項目8から14のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的な許容され得る塩。 (項目31) 前記化合物が、表1から選択される化合物である、項目1に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。 (項目32) 項目1に記載の化合物および薬学的に許容され得るキャリア、佐剤またはビヒクルを含む、薬学的組成物。 (項目33) 多発性硬化症を処置するための薬剤、抗炎症剤、免疫調節剤または免疫抑制剤から選択される治療薬をさらに含む、項目32に記載の組成物。 (項目34) 前記治療薬が、ベータインターフェロン、グラチラマー、ナタリズマブまたはミトキサントロンである、項目33に記載の組成物。 (項目35) 多発性硬化症、癲癇、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン病または筋萎縮性側索硬化症から選択される脳または脊髄の自己免疫疾患または炎症性疾患から選択される疾患または状態を処置するかまたはその重症度を下げる方法であって、該方法は、項目1から14もしくは31のいずれか1項に記載の化合物またはその塩あるいはそれらの薬学的組成物を前記患者に投与する工程を包含する、方法。 (項目36) 前記疾患または障害が、多発性硬化症である、項目35に記載の方法。 (項目37) 前記患者に追加の治療薬を投与する追加の工程を包含する、項目35に記載の方法であって、ここで、前記追加の治療薬は、処置される疾患に対して適切であり、前記追加の治療薬は、単回投与形態として前記化合物もしくは組成物とともに投与されるか、または複 数回投与形態の一部として前記化合物もしくは組成物とは別個に投与される、項目35に記載の方法。 (項目38) 前記追加の治療薬が、多発性硬化症を処置するのに有用であり、ベータインターフェロン、グラチラマー、ナタリズマブまたはミトキサントロンから選択される、項目37に記載の方法。 (項目39) 生物学的サンプルにおいてPI3Kγキナーゼ活性を阻害する方法であって、該方法は、前記生物学的サンプルを、項目1から14もしくは31のいずれか1項に記載の化合物または前記化合物を含む組成物と接触させる工程を包含する、方法。

発明の詳細な説明 定義および一般的な用語 本明細書中で使用されるとき、別段示されない限り、以下の定義が適用されるものとする。本発明の目的上、化学元素は、Periodic Table of the Elements,CAS versionおよびHandbook of Chemistry and Physics,75th Ed.1994に従って特定される。さらに、有機化学の通則は、“Organic Chemistry,”Thomas Sorrell,University Science Books,Sausalito:1999および“March’s Advanced Organic Chemistry,”5th Ed.,Smith,M.B.and March,J.,eds.John Wiley & Sons,New York:2001(これらの内容全体が本明細書で参考として援用される)に記載されている。

規定された立体化学中心を伴って描かれている化合物は、立体化学的に純粋であるが、なおも絶対立体化学は不確定である。そのような化合物は、RまたはS配置を有し得る。そのような絶対立体化学の割当(absolute assignment)が決定されている場合、キラル中心は、その図においてRまたはSと表示される。

本明細書中に記載されるとき、本発明の化合物は、概して上に図示されたように、または本発明の特定のクラス、サブクラスおよび種によって例示されるように、1つ以上の置換基で必要に応じて置換され得る。句「必要に応じて置換される」は、句「置換または非置換(の)」と交換可能に使用されることが認識されるだろう。通常、用語「置換される」は、用語「必要に応じて」が前に付くか付かないかに関係なく、特定の置換基のラジカルによる、所与の構造における1つ以上の水素ラジカルとの置き換えのことを指す。別段示されない限り、必要に応じて置換される基は、その基の置換可能な位置の各々において置換基を有し得る。所与の構造内の2つ以上の位置が、特定の群から選択される2つ以上の置換基で置換され得るとき、その置換基は、各位置において、同じであってもよいし、異なってもよい。

本明細書中に記載されるとき、用語「必要に応じて置換される」がリストの前に付くとき、前記用語は、その後に続くそのリストの中の置換可能な基のすべてについて言及している。例えば、Xが、ハロゲン;必要に応じて置換されるC1−3アルキルまたはフェニルである場合;Xは、必要に応じて置換されるアルキルまたは必要に応じて置換されるフェニルのいずれであってもよい。同様に、「必要に応じて置換される」の後にリスト続く場合、別段示されない限り、前記用語はまた、先のリストの中の置換可能な基のすべてについて言及している。例えば:Xが、ハロゲン、C1−3アルキルまたはフェニルであり、ここで、Xが、JXで必要に応じて置換される場合、C1−3アルキルとフェニルの両方が、JXで必要に応じて置換されてよい。当業者に明らかであるように、H、ハロゲン、NO2、CN、NH2、OHまたはOCF3などの基は、置換可能な基でないので、それらは含められないだろう。置換基のラジカルまたは構造が、特定されていないかまたは「必要に応じて置換される」と定義されていない場合、その置換基のラジカルまたは構造は、非置換である。

本発明が想定する置換基の組み合わせは、好ましくは、安定な化合物または化学的にあり得る化合物を形成する組み合わせである。用語「安定」は、本明細書中で使用されるとき、それらの生成、検出、ならびに好ましくは、それらの回収、精製、および本明細書中に開示される目的の1つ以上のための使用を可能にする条件に供されたときに実質的に変化しない化合物のことを指す。いくつかの実施形態において、安定な化合物または化学的にあり得る化合物は、水分の非存在下で、または他の化学的に反応性の条件ではない場合に、40℃以下の温度で少なくとも1週間維持されたときに実質的に変化しない化合物である。

用語「脂肪族」または「脂肪族基」は、本明細書中で使用されるとき、完全に飽和しているかまたは1つ以上の不飽和単位を含む、直鎖(すなわち、非分枝状)または分枝状の置換または非置換炭化水素鎖のことを意味する。別段明記されない限り、脂肪族基は、1〜20個の炭素原子を含む。いくつかの実施形態において、脂肪族基は、1〜10個の炭素原子を含む。他の実施形態において、脂肪族基は、1〜8個の炭素原子を含む。なおも他の実施形態において、脂肪族基は、1〜6個の炭素原子を含み、さらに他の実施形態において、脂肪族基は、1〜4個の炭素原子を含む。適当な脂肪族基としては、直鎖または分枝状の置換または非置換アルキル、アルケニルまたはアルキニル基が挙げられるが、これらに限定されない。脂肪族基のさらなる例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、イソブチル、ビニルおよびsec−ブチルが挙げられる。用語「アルキル」および接頭辞「アル(alk)−」は、本明細書中で使用されるとき、直鎖と分枝状の両方の飽和炭素鎖を包含する。用語「アルキレン」は、本明細書中で使用されるとき、二価の飽和の直鎖または分枝鎖の炭化水素基のことを表し、メチレン、エチレン、イソプロピレンなどによって例示される。用語「アルキリデン」は、本明細書中で使用されるとき、二価の直鎖アルキル連結基のことを表す。用語「アルケニル」は、本明細書中で使用されるとき、1つ以上の炭素−炭素二重結合を含む一価の直鎖または分枝鎖の炭化水素基のことを表す。用語「アルキニル」は、本明細書中で使用されるとき、1つ以上の炭素−炭素三重結合を含む一価の直鎖または分枝鎖の炭化水素基のことを表す。

用語「脂環式」(または「炭素環」)とは、完全に飽和しているかまたは1つ以上の不飽和単位を含むが、芳香族ではなく、残りの分子に対する単一の結合点を有する、単環式のC3−C8炭化水素または二環式のC8−C12炭化水素のことを指し、ここで、前記二環式環系における任意の個別の環は、3〜7個のメンバーを有する。適当な脂環式基としては、シクロアルキル、シクロアルケニルおよびシクロアルキニルが挙げられるが、これらに限定されない。脂肪族基のさらなる例としては、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチルおよびシクロヘプテニルが挙げられる。

用語「複素環」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロ脂環式」または「複素環式」は、本明細書中で使用されるとき、その環系における少なくとも1つの環が、同じかまたは異なる1つ以上のヘテロ原子を含み、完全に飽和しているかまたは1つ以上の不飽和単位を含むが芳香族ではなく、残りの分子に対する単一の結合点を有する、単環式、二環式または三環式の環系のことを指す。いくつかの実施形態において、「複素環」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロ脂環式」または「複素環式」基は、3〜14個の環メンバーを有し、ここで、1つ以上の環メンバーは、酸素、硫黄、窒素またはリンから独立して選択されるヘテロ原子であり、その環系における各環は、3〜8個の環メンバーを含む。

複素環式環の例としては、以下の単環:2−テトラヒドロフラニル、3−テトラヒドロフラニル、2−テトラヒドロチオフェニル、3−テトラヒドロチオフェニル、2−モルホリノ、3−モルホリノ、4−モルホリノ、2−チオモルホリノ、3−チオモルホリノ、4−チオモルホリノ、1−ピロリジニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル、1−テトラヒドロピペラジニル、2−テトラヒドロピペラジニル、3−テトラヒドロピペラジニル、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、1−ピラゾリニル、3−ピラゾリニル、4−ピラゾリニル、5−ピラゾリニル、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−ピペリジニル、2−チアゾリジニル、3−チアゾリジニル、4−チアゾリジニル、1−イミダゾリジニル、2−イミダゾリジニル、4−イミダゾリジニル、5−イミダゾリジニル;および以下の二環:3−1H−ベンゾイミダゾール−2−オン、3−(1−アルキル)−ベンゾイミダゾール−2−オン、インドリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、ベンゾチオラン、ベンゾジチアンおよび1,3−ジヒドロ−イミダゾール−2−オンが挙げられるが、これらに限定されない。

用語「ヘテロ原子」は、酸素、硫黄、窒素、リンもしくはケイ素(窒素、硫黄またはリンの任意の酸化型を含む);任意の塩基性窒素の四級化型;または複素環式環の置換可能な窒素、例えば、N(3,4−ジヒドロ−2H−ピロリルにおけるようなもの)、ΝΗ(ピロリジニルにおけるようなもの)またはNR+(N−置換ピロリジニルにおけるようなもの)のうちの1つ以上のことを意味する。

用語「不飽和」は、本明細書中で使用されるとき、ある部分が、1つ以上の不飽和単位を有することを意味する。

用語「アルコキシ」または「チオアルキル」は、本明細書中で使用されるとき、酸素原子(「アルコキシ」)または硫黄原子(「チオアルキル」)を介して主要な炭素鎖に結合する、先に定義されたようなアルキル基のことを指す。

用語「ハロアルキル」、「ハロアルケニル」および「ハロアルコキシ」は、場合に応じて1つ以上のハロゲン原子で置換された、アルキル、アルケニルまたはアルコキシのことを意味する。用語「ハロゲン」は、F、Cl、BrまたはIのことを意味する。

単独で使用されるか、または「アラルキル」、「アラルコキシ」もしくは「アリールオキシアルキル」におけるようなより大きな部分の一部として使用される、用語「アリール」とは、合計6〜14個の環メンバーを有する単環式、二環式または三環式の炭素環系のことを指し、ここで、前記環系は、残りの分子に対する単一の結合点を有し、その環系における少なくとも1つの環は、芳香族であり、その環系における各環は、3〜7個の環メンバーを含む。用語「アリール」は、用語「アリール環」と交換可能に使用され得る。アリール環の例としては、フェニル、ナフチルおよびアントラセンが挙げられる。

単独で使用されるか、または「ヘテロアラルキル」もしくは「ヘテロアリールアルコキシ」におけるようなより大きな部分の一部として使用される、用語「ヘテロアリール」とは、合計5〜14個の環メンバーを有する単環式、二環式および三環式の環系のことを指し、ここで、前記環系は、残りの分子に対する単一の結合点を有し、その環系における少なくとも1つの環は、芳香族であり、その環系における少なくとも1つの環は、窒素、酸素、硫黄またはリンから独立して選択される1つ以上のヘテロ原子を含み、その環系における各環は、3〜7個の環メンバーを含む。用語「ヘテロアリール」は、用語「ヘテロアリール環」または用語「複素環式芳香族」と交換可能に使用され得る。

ヘテロアリール環のさらなる例としては、以下の単環:2−フラニル、3−フラニル、N−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリル、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、N−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、ピリダジニル(例えば、3−ピリダジニル)、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、テトラゾリル(例えば、5−テトラゾリル)、トリアゾリル(例えば、2−トリアゾリルおよび5−トリアゾリル)、2−チエニル、3−チエニル、ピラゾリル(例えば、2−ピラゾリル)、イソチアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、ピラジニル、1,3,5−トリアジニル、および以下の二環:ベンゾイミダゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチオフェニル、インドリル(例えば、2−インドリル)、プリニル、キノリニル(例えば、2−キノリニル、3−キノリニル、4−キノリニル)およびイソキノリニル(例えば、1−イソキノリニル、3−イソキノリニルまたは4−イソキノリニル)が挙げられる。

いくつかの実施形態において、アリール(アラルキル、アラルコキシ、アリールオキシアルキルなどを含む)またはヘテロアリール(ヘテロアラルキル、ヘテロアリールアルコキシなどを含む)基は、1つ以上の置換基を含み得る。アリール基またはヘテロアリール基の不飽和炭素原子上の適当な置換基としては:ハロゲン;C1−4脂肪族、−OH;−ORo;−SHo;−SRo;1,2−メチレンジオキシ;1,2−エチレンジオキシ;フェニル(Ph);−O(Ph);−(CH2)1−2(Ph);−CH=CH(Ph);−NO2;−CN;−NH2;−NH(Ro);−N(Ro)2;−NHC(O)Ro;−NRoC(O)Ro;−NHC(S)Ro;−NRoC(S)Ro;−NHC(O)NH2;−NHC(O)NH(Ro);−NHC(O)N(Ro)2;−NRoC(O)NH(Ro);−NRoC(O)N(Ro)2;−NHC(S)NH2;−NHC(S)N(Ro)2;−NHC(S)NH(Ro);−NRoC(S)NH(Ro);−NRoC(S)N(Ro)2;−NHC(O)ORo;−NRoC(O)ORo;−C(O)OH;−C(O)ORo;−C(O)Ro;−C(S)Ro;−C(O)NH2;−C(O)NH(Ro);−C(O)N(Ro)2;−C(S)NH2;−C(S)NH(Ro);−C(S)N(Ro)2;−OC(O)NH2;−OC(O)NH(Ro);−OC(O)N(Ro)2;−OC(O)Ro;−C(NORo)H;−C(NORo)Ro;−S(O)2Ro;−S(O)3Ro;−S(O)3H;−S(O)2NH2;−S(O)2NH(Ro);−S(O)2N(Ro)2;−S(O)Ro;−NHS(O)2Ro;−NRoS(O)2Ro;−N(ORo)Ro;−(CH2)0−2NHC(O)Ro;−L−Ro;−L−N(Ro)2;−L−SRo;−L−ORo;−L−(C3−10脂環式)、−L−(C6−10アリール)、−L−(5〜10員ヘテロアリール)、−L−(5〜10員ヘテロシクリル)、オキソ、C1−4ハロアルコキシ、C1−4ハロアルキル、−L−NO2、−L−CN、−L−OH、−L−CF3が挙げられるか;または同じ炭素上または異なる炭素上の2つの置換基が、それらが結合している炭素または介在炭素と一体となって、5〜7員の飽和、不飽和または部分的に飽和の環を形成し、ここで、Lは、C1−6アルキレン基であり、ここで、最大3個のメチレン単位が、−NH−、−NRo−、−O−、−S−、−C(O)O−、−OC(O)−、−C(O)CO−、−C(O)−、−C(O)NH−、−C(O)NRo−、−C(=N−CN)、−NHCO−、−NRoCO−、−NHC(O)O−、−NRoC(O)O−、−S(O)2NH−、−S(O)2NRo−、−NHS(O)2−、−NRoS(O)2−、−NHC(O)NH−、−NRoC(O)NH−、−NHC(O)NRo−、−NRoC(O)NRo、−OC(O)NH−、−OC(O)NRo−、−NHS(O)2NH−、−NRoS(O)2NH−、−NHS(O)2NRo−、−NRoS(O)2NRo−、−S(O)−または−S(O)2−で置き換えられ、存在するRoはそれぞれ、必要に応じて置換されるC1−6脂肪族、非置換の5〜6員のヘテロアリールもしくは複素環式環、フェニルまたは−CH2(Ph)から独立して選択されるか、あるいは同じ置換基上または異なる置換基上の独立して存在する2個のRoは、各Ro基が結合している原子と一体となって、5〜8員のヘテロシクリル、アリールもしくはヘテロアリール環、または3〜8員シクロアルキル環を形成し、ここで、前記ヘテロアリールまたはヘテロシクリル環は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する。Roの脂肪族基上の非限定的な随意の置換基としては、−NH2、−NH(C1−4脂肪族)、−N(C1−4脂肪族)2、ハロゲン、C1−4脂肪族、−OH、−O(C1−4脂肪族)、−NO2、−CN、−C(O)OH、−C(O)O(C1−4脂肪族)、−O(ハロC1−4脂肪族)またはハロC1−4脂肪族が挙げられ、ここで、前述のRoのC1−4脂肪族基の各々は、非置換である。

いくつかの実施形態において、脂肪族基もしくはヘテロ脂肪族基または非芳香族複素環式環は、1つ以上の置換基を含み得る。脂肪族基もしくはヘテロ脂肪族基または非芳香族複素環式環の飽和炭素上の適当な置換基は、アリール基またはヘテロアリール基の不飽和炭素について上で列挙された置換基から選択され、さらに、それらには、以下の=O、=S、=NNHR*、=NN(R*)2、=NNHC(O)R*、=NNHC(O)O(アルキル)、=NNHS(O)2(アルキル)または=NR*が含まれ、ここで、各R*は、水素または必要に応じて置換されるC1−8脂肪族から独立して選択される。R*の脂肪族基上の随意の置換基は、−NH2、−NH(C1−4脂肪族)、−N(C1−4脂肪族)2、ハロゲン、C1−4脂肪族、−OH、−O(C1−4脂肪族)、−NO2、−CN、−C(O)OH、−C(O)O(C1−4脂肪族)、−C(O)NH2、−C(O)NH(C1−4脂肪族)、−C(O)N(C1−4脂肪族)2、−O(ハロ−C1−4脂肪族)およびハロ(C1−4脂肪族)から選択され、ここで、前述のR*のC1−4脂肪族基の各々は、非置換であるか;または同じ窒素上の2つのR*は、その窒素と一体となって、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5〜8員のヘテロシクリル環またはヘテロアリール環を形成する。

いくつかの実施形態において、非芳香族複素環式環の窒素上の随意の置換基としては、−R+、−N(R+)2、−C(O)R+、−C(O)OR+、−C(O)C(O)R+、−C(O)CH2C(O)R+、−S(O)2R+、−S(O)2N(R+)2、−C(=S)N(R+)2、−C(=NH)−N(R+)2または−NR+S(O)2R+が挙げられ;ここで、R+は、水素、必要に応じて置換されるC1−6脂肪族、必要に応じて置換されるフェニル、必要に応じて置換される−O(Ph)、必要に応じて置換される−CH2(Ph)、必要に応じて置換される−(CH2)1−2(Ph);必要に応じて置換される−CH=CH(Ph);または酸素、窒素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する非置換の5〜6員のヘテロアリールもしくは複素環式環であるか、または同じ置換基上もしくは異なる置換基上の独立して存在する2個のR+は、各R+基が結合している原子と一体となって、5〜8員のヘテロシクリル、アリールもしくはヘテロアリール環または3〜8員シクロアルキル環を形成し、ここで、前記ヘテロアリールまたはヘテロシクリル環は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する。R+の脂肪族基上またはフェニル環上の随意の置換基は、−NH2、−NH(C1−4脂肪族)、−N(C1−4脂肪族)2、ハロゲン、C1−4脂肪族、−OH、−O(C1−4脂肪族)、−NO2、−CN、−C(O)OH、−C(O)O(C1−4脂肪族)、−O(ハロ(C1−4脂肪族))またはハロ(C1−4脂肪族)から選択され、ここで、前述のR+のC1−4脂肪族基の各々は、非置換である。

上で詳述されたように、いくつかの実施形態において、独立して存在する2個のRo(またはR+、もしくは本明細書中で同様に定義される他の任意の可変部分)は、各可変部分が結合している原子と一体となって、5〜8員のヘテロシクリル、アリールもしくはヘテロアリール環または3〜8員シクロアルキル環を形成し得る。独立して存在する2個のRo(またはR+、もしくは本明細書中で同様に定義される他の任意の可変部分)が、各可変部分が結合している原子と一体となるときに形成される例示的な環としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:a)独立して存在する2個のRo(またはR+、もしくは本明細書中で同様に定義される他の任意の可変部分)が、同じ原子に結合していて、その原子と一体となって形成する環、例えば、N(Ro)2(ここで、両方のRoが、窒素原子と一体となって、ピペリジン−1−イル基、ピペラジン−1−イル基またはモルホリン−4−イル基を形成する);およびb)独立して存在する2個のRo(またはR+、もしくは本明細書中で同様に定義される他の任意の可変部分)が、異なる原子に結合していて、それらの原子の両方と一体となって形成する環(例えば、フェニル基が、2個のORoで置換されている場合、

これらの2個のRoは、それらが結合している酸素原子と一体となって、縮合6員酸素含有環:

を形成する)。独立して存在する2個のRo(またはR+、もしくは本明細書中で同様に定義される他の任意の可変部分)が、各可変部分が結合している原子と一体となるとき、他の種々の環が形成され得ること、および上で詳述された例が、限定することを目的としていないことが認識されるだろう。

いくつかの実施形態において、アルキルまたは脂肪族鎖のメチレン単位は、必要に応じて別の原子または基で置き換えられる。そのような原子または基の例としては、−NRo−、−O−、−S−、−C(O)O−、−OC(O)−、−C(O)CO−、−C(O)−、−C(O)NRo−、−C(=N−CN)、−NRoCO−、−NRoC(O)O−、−S(O)2NRo−、−NRoS(O)2−、−NRoC(O)NRo−、−OC(O)NRo−、−NRoS(O)2NRo−、−S(O)−または−S(O)2−(ここで、Roは、本明細書中で定義される)が挙げられ得るが、これらに限定されない。別段明記されない限り、随意の置き換えにより、化学的に安定な化合物が形成される。随意の原子または基の置き換えは、その鎖内とその鎖のいずれかの末端(すなわち、結合点および/または末端の両方)との両方において生じ得る。2つの随意の置き換えは、それによって化学的に安定な化合物がもたらされる限り、鎖内で互いに隣接することもある。別段明記されない限り、置き換えが末端で生じる場合、その置き換え原子は、その末端のHに結合している。例えば、−CH2CH2CH3の1つのメチレン単位が、必要に応じて−O−で置き換えられる場合、得られる化合物は、−OCH2CH3、−CH2OCH3または−CH2CH2OHであり得る。

本明細書中に記載されるとき、多環系(multiple−ring system)内の1つの環の中心に向かって置換基から描かれる結合は(下記に示されるように)、その多環系内の任意の環の置換可能な任意の位置における置換基での置換を表している。例えば、構造aは、構造bに示される位置のいずれかにおける可能な置換を表している。

これは、随意の環系(点線によって表され得る環系)と縮合した多環系にも適用される。例えば、構造cでは、Xは、環Aと環Bの両方に対する随意の置換基である。

しかしながら、多環系内の2つの環が各々、各環の中心から描かれる異なる置換基を有する場合、別段明記されない限り、各置換基は、それが結合している環における置換だけを表す。例えば、構造dでは、Yは、環Aだけに対する随意の置換基であり、Xは、環Bだけに対する随意の置換基である。

用語「保護基」は、本明細書中で使用されるとき、合成手順中の望ましくない反応から官能基(例えば、アルコール、アミン、カルボキシル、カルボニルなど)を保護することを目的としている基を表す。通常使用される保護基は、Greene and Wuts,Protective Groups In Organic Synthesis,3rd Edition(John Wiley & Sons,New York,1999)(本明細書中で参考として援用される)に開示されている。窒素保護基の例としては、アシル基、アロイル基またはカルバミル基(例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ピバロイル、t−ブチルアセチル、2−クロロアセチル、2−ブロモアセチル、トリフルオロアセチル、トリクロロアセチル、フタリル、o−ニトロフェノキシアセチル、α−クロロブチリル、ベンゾイル、4−クロロベンゾイル、4−ブロモベンゾイル、4−ニトロベンゾイルおよびキラル補助剤(例えば、保護されたまたは保護されていない、D−アミノ酸、L−アミノ酸またはD,L−アミノ酸(例えば、アラニン、ロイシン、フェニルアラニンなど)));スルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニル、p−トルエンスルホニルなど);カルバメート基(例えば、ベンジルオキシカルボニル、p−クロロベンジルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、2−ニトロベンジルオキシカルボニル、p−ブロモベンジルオキシカルボニル、3,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、3,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、2,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、2−ニトロ−4,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、3,4,5−トリメトキシベンジルオキシカルボニル、1−(p−ビフェニリル)−1−メチルエトキシカルボニル、α,α−ジメチル−3,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、ベンズヒドリルオキシカルボニル、t−ブチルオキシカルボニル、ジイソプロピルメトキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、エトキシカルボニル、メトキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、2,2,2,−トリクロロエトキシカルボニル、フェノキシカルボニル、4−ニトロフェノキシカルボニル、フルオレニル−9−メトキシカルボニル、シクロペンチルオキシカルボニル、アダマンチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、フェニルチオカルボニルなど)、アリールアルキル基(例えば、ベンジル、トリフェニルメチル、ベンジルオキシメチルなど)およびシリル基(例えば、トリメチルシリルなど)が挙げられる。好ましいN保護基は、ホルミル、アセチル、ベンゾイル、ピバロイル、t−ブチルアセチル、アラニル、フェニルスルホニル、ベンジル、t−ブチルオキシカルボニル(Boc)およびベンジルオキシカルボニル(Cbz)である。

用語「プロドラッグ」は、本明細書中で使用されるとき、インビボにおいて式Iの化合物または表1に列挙されている化合物に変換される化合物のことを表す。そのような変換は、例えば、血液中での加水分解、または血液もしくは組織におけるプロドラッグ型から親型への酵素変換に影響され得る。本発明の化合物のプロドラッグは、例えば、エステルであり得る。本発明においてプロドラッグとして利用され得るエステルは、フェニルエステル、脂肪族(C1−C24)エステル、アシルオキシメチルエステル、炭酸エステル、カルバミン酸エステルおよびアミノ酸エステルである。例えば、OH基を含む本発明の化合物は、そのプロドラッグ型においてこの位置でアシル化され得る。他のプロドラッグ型としては、ホスフェート(例えば、親化合物のOH基のホスホン酸化(phosphonation)から生じるホスフェート)が挙げられる。プロドラッグの徹底的な議論は、T.Higuchi and V.Stella,Pro−drugs as Novel Delivery Systems,A.C.S.Symposium SeriesのVol.14,Edward B.Roche,ed.,Bioreversible Carriers in Drug Design,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987およびJudkinsら、Synthetic Communications 26(23):4351−4367,1996(これらの各々は本明細書中で参考として援用される)に提供されている。

別段述べられない限り、本明細書中で示される構造は、その構造のすべての異性体(例えば、鏡像異性体、ジアステレオ異性体および幾何異性体(または配座異性体));例えば、各不斉中心に対するRおよびS配置、(Z)および(E)二重結合異性体、ならびに(Z)および(E)配座異性体を含むことも意図される。ゆえに、本発明の化合物の単一の立体化学異性体、ならびに鏡像異性体、ジアステレオ異性体および幾何異性体(または配座異性体)の混合物は、本発明の範囲内である。

別段述べられない限り、本発明の化合物のすべての互変異性体は、本発明の範囲内である。さらに、別段述べられない限り、本明細書中に示される構造は、同位体が富化された1種以上の原子が存在するという点でのみ異なる化合物を含むことも意図される。例えば、ジュウテリウムもしくはトリチウムでの水素の置き換え、または13Cもしくは14Cが富化された炭素での炭素の置き換え以外は本構造を有する化合物は、本発明の範囲内である。そのような化合物は、例えば、分析ツール、生物学的アッセイにおけるプローブ、または治療上のプロファイルが改善されたPI3Kインヒビターとして有用である。

本発明の化合物の説明 1つの態様において、本発明は、式I:

を有する化合物またはその薬学的に許容され得る塩を特徴とし、ここで: X1は、NまたはCHであり; X2は、N、CHまたはC−CH3であり; R1は、フェニル環、5〜6員ヘテロアリール環、ピリドン環、または9〜10員縮合二環式のヘテロアリールもしくは複素環式環系から選択され、ここで、前記環または環系の各々は、独立して存在する1個または2個のR1aで必要に応じて置換され、前記ヘテロアリールまたは複素環式環の各々は、窒素、酸素または硫黄から選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を有し; R1aは、クロロ、フルオロ、C1−8脂肪族、−(CH2)0−2C3−6脂環式、窒素、酸素または硫黄から選択される最大2個のヘテロ原子を有する−(CH2)0−2−5〜6員複素環式、−CN、−C(O)C1−4脂肪族、−C(O)NH(C1−4脂肪族)、−C(O)N(C1−4脂肪族)2、−C(O)OC1−4脂肪族、−S(O)2NH(C1−4脂肪族)、−S(O)2N(C1−4脂肪族)2または−S(O)2C1−4脂肪族であり、ここで、R1aの前記脂肪族または脂環式の最大3個の隣接していない炭素原子は、−O−、−S−または−N(R1b)−で置換され得、R1aの前記脂肪族、脂環式または複素環式の各々は、必要に応じてかつ独立して、最大4個のJRで置換され; 各JRは、独立して、フルオロ、オキソ、−(CH2)0−2CN、−(CH2)0−2CF3、−C(O)R1b、−C(O)N(R1b)2、−C(O)O(R1b)、−N(R1b)2、−N(R1b)C(O)R1b、−(CH2)0−2OR1b、フェニルもしくは5〜6員ヘテロアリール、4−6ヘテロシクリルまたは9−11縮合二環式のヘテロアリールもしくはヘテロシクリルであり、前記ヘテロアリールまたはヘテロシクリル環の各々は、窒素、酸素または硫黄から選択される最大3個の原子を有し、前記脂環式、フェニル、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルの各々は、最大2個のR1cで必要に応じて置換され; 各R1bは、独立して、水素、C1−8脂肪族、−(CH2)0−1C3−6脂環式、またはNもしくはOから選択される最大2個のヘテロ原子を有する−(CH2)0−1C4−6複素環式から選択されるか、または2つのR1bが、それらが結合している原子と一体となって、5〜6員複素環式環を形成し、ここで、脂肪族、脂環式または複素環式の各々は、最大3個のF原子または最大2個の−OH、−C1−2アルキルもしくは−OC1−2アルキル基で必要に応じて置換され; 各R1cは、独立して、フルオロ、クロロ、C1−4脂肪族、−(CH2)0−2OH、−CN、−C(O)C1−4脂肪族または−C(O)OC1−4脂肪族であり; R2は、水素、F、Cl、CF3、C1−2脂肪族、C3−4脂環式、−N(CH3)2、−N(CH2)3、−OCF3、−OCHF2または−OC1−2脂肪族であり; R3は、水素、C1−6脂肪族、C3−6脂環式、NもしくはOから選択される1個もしくは2個の原子を有するC4−7ヘテロシクリル、−(CH2)0−1CF3、−OH、−OC1−6脂肪族、−OC3−6脂環式、1つの酸素原子を有する−OC3−6ヘテロシクリル、−O(CH2)2OC1−2脂肪族もしくは−OC1−2アルキルC(O)OC1−3脂肪族、またはベンジルであり;そして R4は、水素またはC1−6アルキルであるか;またはR3およびR4は、それらが結合している炭素と一体となって、3〜6員脂環式環、NもしくはOから選択される最大2個の原子を有する3〜6員複素環式環、またはC2アルケニルを形成し、ここで、R3、R4、またはR3とR4とが一体となったときの前記脂肪族、脂環式もしくはヘテロシクリルの各々は、最大3個のF原子、または最大2個のC1−2アルキル、−C(O)C1−4アルキル、−C(O)OC1−4アルキル、−OHもしくは−OC1−2アルキル基で必要に応じて置換され; Aは、NまたはCRAであり; Bは、NもしくはCRBであるか、またはA=Bは、硫黄原子であり; Cは、NまたはCRCであり; Dは、NまたはCRDであり; Eは、NまたはCREであり、ここで、A、B、C、DまたはEのうちの2個以下が、Nであり; RAは、水素、CH3またはOCH3であり; RBは、水素、F、Cl、C1−3脂肪族、−(CH2)0−1CF3、−(CH2)0−1CHF2または−O(CH2)0−1CF3であり; RCは、水素、F、Cl、C1−3脂肪族、−(CH2)0−1CF3、−(CH2)0−1CHF2、N(R1b)2、−OH、−O(CH2)0−1CF3または−OC1−8脂肪族であり、ここで、前記脂肪族の最大2個の隣接していない炭素原子は、−O−で置換され得; RDは、水素、フルオロ、クロロ、C1−4脂肪族、−C(O)OH、−C(O)OC1−4脂肪族、−C(O)N(R1b)2、−CN、−C(RD1)=N−OR1b、−N(R1b)2、−N(RD1)C(O)C1−4脂肪族、−N(RD1)C(O)フェニル、−N(RD1)S(O)2C1−4脂肪族、−N(RD1)S(O)2N(R1b)2、−N(RD1)S(O)2フェニル−OH、−OC1−8脂肪族、−O(CH2)0−1C3−6脂環式、−SC1−4脂肪族、−S(O)C1−4脂肪族、−S(O)2C1−4脂肪族または−S(O)2N(R1b)2であり;ここで、RDの前記脂肪族、脂環式または複素環式の最大2個の隣接していない炭素原子は、−O−で置換され得、RDの前記脂肪族、脂環式またはフェニルの各々は、最大5個のフッ素原子で置換され得るか;またはRDおよびRCは、それらが結合している原子と一体となって、フェニル環またはピリジル環を形成し; 各RD1は、独立して、水素またはC1−2アルキルであり;そして REは、水素、F、Cl、−NHC(O)C1−8脂肪族、−OH、−OC1−2脂肪族、−(CH2)0−1CF3、−(CH2)0−1CHF2、C1−3脂肪族、C3−4脂環式、N(R1b)2、アゼチジン−1−イルである。

1つの実施形態において、化合物は、式Iを有し、RDは、水素、フルオロ、クロロ、C1−4脂肪族、−(CH2)0−1CF3、−C(O)N(R1b)2、−CN、−N(R1b)2、−NHC(O)C1−8脂肪族、−OH、−O(CH2)0−1CF3、−O(CH2)0−1CHF2、−O(CH2)0−1CH2F、−OC1−8脂肪族、−O(CH2)0−1C3−6脂環式、−SC1−8脂肪族、−S(O)2C1−8脂肪族、−S(O)2N(R1b)2であり;ここで、RDの前記脂肪族、脂環式または複素環式の最大2個の隣接していない炭素原子は、−O−で置換され得るか、またはRDおよびRCは、それらが結合している原子と一体となって、フェニル環またはピリジル環を形成し;R3は、水素、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、−(CH2)0−1CF3、−OH、−OC1−6アルキル、−OC3−6シクロアルキル、1つの酸素原子を有する−OC3−6ヘテロシクリル、−O(CH2)2OC1−2アルキルもしくは−OC1−2アルキルC(O)OC1−3アルキルまたはベンジルであり;そしてR4は、水素またはC1−6アルキルであるか;またはR3およびR4は、それらが結合している炭素と一体となって、3〜6員シクロアルキル環、1つの酸素原子を有する3〜6員複素環式環を形成し、ここで、R3、R4、またはR3とR4とが一体となったときの前記アルキル、シクロアルキルもしくはヘテロシクリルの各々は、最大2個のF、C1−2アルキルまたは−OC1−2アルキルで必要に応じて置換される。

別の実施形態において、化合物は、式Iを有し、各R1bは、独立して、水素、C1−4脂肪族またはC3−6脂環式から選択され;RBは、水素、F、Cl、−OCF3、−OC1−2脂肪族、−CF3またはC1−2脂肪族であり;RCは、水素、F、Cl、C1−3脂肪族、−(CH2)0−1CF3、−N(R1b)2、−OH、−OCF3または−OC1−8脂肪族であり;RDは、水素、フルオロ、クロロ、C1−4脂肪族、(CH2)0−1CF3、−C(O)NHC1−8脂肪族、−CN、−N(R1b)2、−NHC(O)C1−8脂肪族、−OH、−OCF3、−OCHF2、−OC1−8脂肪族、−O(CH2)0−1C3−6脂環式、−SC1−8脂肪族、−S(O)2C1−8脂肪族、−S(O)2N(R1b)2であり;ここで、RDの前記脂肪族または脂環式の最大2個の隣接していない炭素原子は、−O−で置換され得るか、またはRDおよびRCは、それらが結合している原子と一体となって、フェニル環またはピリジル環を形成し;REは、水素、F、Cl、−NHC(O)C1−8脂肪族、−OH、−OCF3、−OC1−2脂肪族、CF3、C1−2脂肪族、C3−4脂環式、N(CH3)2、アゼチジン−1−イルであり;R2は、水素、F、Cl、CF3、C1−2脂肪族、C3−4脂環式、−N(CH3)2、−N(CH2)3、−OCF3または−OC1−2脂肪族であり;そしてR3は、水素、C1−2アルキル、−OH、−OC1−2アルキル、−O(CH2)2OC1−2アルキルまたは−OC1−2アルキルC(O)OC1−2アルキルであり;そしてR4は、水素またはC1−2アルキルである。

1つの実施形態において、化合物は、式II:

またはその薬学的に許容され得る塩を有し、ここで: X1は、CHまたはNであり; R1は、フェニル環、5員ヘテロアリール環、6員ヘテロアリール環、または9もしくは10員縮合二環式のヘテロアリールもしくは複素環式環系から選択され、ここで、前記環または環系の各々は、独立して存在する1個または2個のR1aで必要に応じて置換され、前記ヘテロアリールまたは複素環式環の各々は、窒素、酸素または硫黄から選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を有し; R1aは、クロロ、フルオロ、C1−6脂肪族、C3−6脂環式、−CN、−C(O)R1b、−C(O)N(R1b)2、−C(O)O(R1b)または−OR1bであり、ここで、前記脂肪族または脂環式の各々は、最大3個のJRで必要に応じて置換され; 各JRは、独立して、フルオロ、オキソ、−CN、−C(O)R1b、−C(O)N(R1b)2、−C(O)O(R1b)、−N(R1b)2、−N(R1b)C(O)R1b、−OR1b、または窒素、酸素もしくは硫黄から選択される最大3個の原子を有する5員のヘテロアリールもしくはヘテロシクリルであり; 各R1bは、独立して、水素、C1−4脂肪族またはC3−6脂環式から選択され; R2は、水素、F、Cl、CF3またはCH3であり; Bは、Nであり; Cは、CRCであり、ここで、RCは、水素、フルオロ、クロロ、C1−3脂肪族、CF3、−OCF3または−OC1−2脂肪族であり;そして Dは、CRDであり、ここで、RDは、フルオロ、クロロ、C1−3脂肪族、CF3、−OCF3または−OC1−2脂肪族である。

式IIの化合物の1つの実施形態において、X1は、Nである。

式IIの化合物の1つの実施形態において、R2は、CH3である。

さらなる実施形態において、

は、置換ピリジン−3−イルである。

別の態様において、本発明は、式I−A:

を有する化合物またはその薬学的に許容され得る塩を特徴とし、ここで、 R1は、

であり、ここで、 R1aは、必要に応じてかつ独立して、−CN、最大3個のF原子、または最大2個のCH3、−OC1−2アルキルもしくは−OH基で置換される−C1−4アルキルであり;R2は、C1−2アルキルであり; R3は、水素、−OH、−OC1−4アルキル、または最大2個の−OH基で必要に応じて置換されるC1−4アルキルであり; R4は、水素もしくはCH3であるか、またはR3およびR4は一体となって、最大2個のOH基で必要に応じて置換されるC3−6シクロアルキル環、またはC1−4アルキル、−C(O)C1−4アルキルもしくはC(O)OC1−4アルキルで必要に応じて置換される、1つの酸素原子もしくは窒素原子を有する4〜6員複素環式環を形成し; RCは、水素、F、C1−2アルキルまたは−OC1−2アルキルであり;そして RDは、−ORD1、−C(O)N(RD1)RD2、−S(O)2N(RD1)RD2、−S(O)1−2RD2、−N(RD1)S(O)2RD2または−N(RD1)S(O)2N(RD1)RD2であり、ここで、 RD1は、水素またはC1−2アルキルであり、RD2は、C1−4アルキル、−(CH2)0−1C3−6シクロアルキル、または最大2個の酸素原子もしくは窒素原子を有する−(CH2)0−1C4−6ヘテロシクリルであり、アルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクリルの各々は、最大3個のF原子または最大2個の−OH基で必要に応じて置換される。

1つの実施形態において、R1aは、最大3個のフッ素原子で必要に応じて置換されるC1−2アルキルである。

別の実施形態において、R1aは、CNで必要に応じて置換されるC1−4アルキルである。

別の実施形態において、R2は、CH3である。

別の実施形態において、R3およびR4のうちの少なくとも1つは、水素でない。

さらなる実施形態において、R3およびR4の各々は、CH3である。

さらに別の実施形態において、R3およびR4は一体となって、C1−4アルキル、−C(O)C1−4アルキルまたは−C(O)OC1−4アルキルで必要に応じて置換される、1つの酸素原子または窒素原子を有する4〜6員複素環式環を形成する。

式I、IIまたはI−Aの化合物のいずれかに対する別の実施形態において、R1は、N、OまたはSから選択される1〜3個のヘテロ原子を有し、かつ1個または2個のR1a基で必要に応じて置換される、5員ヘテロアリール環である。例としては、必要に応じて置換される、ピラゾール−4−イル、ピラゾール−3−イル、イミダゾール−4−イル、1,2,3−トリアゾール−4−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,2,5−トリアゾール−3−イル、1,3−チアゾール−4−イル、1,3−チアゾール−2−イル、1,2−チアゾール−5−イル、1,2−イソオキサゾール−3−イル環系が挙げられる。

別の実施形態において、R1は、

から選択される。

別の実施形態において、R1は、

である。

なおも別の実施形態において、R1は、

である。

別の実施形態において、R1は、

から選択される。

さらに別の実施形態において、R1は、

である。

式I、IIまたはI−Aの化合物のいずれかに対する1つの実施形態において、 R1は、

であり; R2は、CH3であり; R3は、水素、C1−2アルキル、OHまたはOCH3であり; R4は、水素またはCH3であり; RCは、水素であり;そして RDは、−OC1−2アルキルまたは−OC3−5シクロアルキル(各々、最大3個のフッ素原子で必要に応じて置換される)である。

さらなる実施形態において、R1は、1−(2,2−ジフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イルまたは1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イルである。

式I、IIまたはI−Aの化合物のいずれかに対する1つの実施形態において、R1は、1〜3個の窒素を有し、かつ1個または2個のR1a基で必要に応じて置換される、6員ヘテロアリール環である。さらなる実施形態において、R1は、必要に応じて置換されるピリジル環である。

さらなる実施形態において、 R1は、

であり、 R2は、CH3であり; R3は、水素、C1−2アルキル、OHまたはOCH3であり; R4は、水素またはCH3であり; RCは、水素、F、Cl、C1−3脂肪族、(CH2)0−1CF3、−OCF3または−OC1−8脂肪族であり;そして RDは、−C(O)NHC1−8脂肪族である。

別の実施形態において、R1は、

から選択される。

式I、IIまたはI−Aの化合物のいずれかに対する1つの実施形態において、RDは、−C(O)OH、−C(O)N(R1b)2、−CN、−S(O)2C1−8脂肪族または−S(O)2N(R1b)2である。

別の実施形態において、RCおよびRDの各々は、独立して、水素、フルオロ、クロロ、C1−3脂肪族、CF3、−OCF3、−OCHF2または−OC1−2脂肪族であり、RCおよびRDのうちの少なくとも1つは、水素でない。

別の実施形態において、RCは、水素であり、RDは、最大3個のF原子で必要に応じて置換される−OC1−3アルキルである。さらなる実施形態において、RCは、水素であり、RDは、−OCH3、−OCH2CH3、−OCF3、−OCH2CF3、OCHF2またはOCH2CHF2である。

別の実施形態において、RCおよびRDの各々は、−OCH3である。

1つの実施形態において、

は:

から選択される。

別の実施形態において、R3およびR4は、介在炭素原子と一体となって、NまたはOから選択される1つの原子を有する4〜6員複素環式環を形成する。

別の実施形態において、本発明は、表1に列挙される化合物の群から選択される化合物を特徴とする。

本発明はまた、本発明の化合物および薬学的に許容され得るキャリア、佐剤またはビヒクルを含む薬学的組成物も特徴とする。

1つの実施形態において、上記組成物は、多発性硬化症を処置するための薬剤、抗炎症剤、免疫調節剤または免疫抑制剤から選択される治療薬を含む。そのような追加の治療薬の例としては、ベータインターフェロン、グラチラマー(glatiramir)、ナタリズマブまたはミトキサントロンが挙げられる。

別の実施形態において、本発明は、式I、IIもしくはI−Aの化合物またはその薬学的組成物を患者に投与することによって、その患者におけるPI3Kキナーゼ活性を阻害する方法を特徴とする。さらなる実施形態では、PI3Kα、PI3KβまたはPI3KγよりもPI3Kγが選択的に阻害される。さらなる実施形態では、PI3Kα、PI3KβおよびPI3KγよりもPI3Kγが選択的に阻害される。

別の実施形態において、本発明は、式I、IIもしくはI−Aの化合物またはその薬学的組成物を患者に投与することによって、その患者における多発性硬化症、癲癇、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン病または筋萎縮性側索硬化症から選択される脳または脊髄の自己免疫疾患または炎症性疾患から選択される疾患または状態を処置するかまたはその重症度を下げる方法を特徴とする。

さらなる実施形態において、上記疾患または障害は、多発性硬化症である。

別の実施形態において、上記処置方法は、本発明の化合物または組成物および追加の治療薬を患者に投与する工程を包含し、ここで、上記追加の治療薬は、処置される疾患に対して適切であり、単回投与形態として本化合物もしくは組成物とともに投与されるか、または複数回投与形態の一部として本化合物もしくは組成物とは別個に投与される。そのような追加の治療薬の例は、多発性硬化症の処置に有用な治療薬(例えば、ベータインターフェロン、グラチラマー、ナタリズマブまたはミトキサントロン)である。

本発明はまた、生物学的サンプルを、式I、IIもしくはI−Aの化合物または前記化合物を含む組成物と接触させる工程を包含する、インビトロにおいて前記生物学的サンプル中のPI3Kγキナーゼ活性を阻害する非治療的方法も特徴とする。

本発明の化合物の組成物、製剤および投与 別の実施形態において、本発明は、本明細書中に記載される任意の式またはクラスの化合物を含む薬学的組成物を提供する。さらなる実施形態において、本発明は、表1の化合物を含む薬学的組成物を提供する。さらなる実施形態において、その組成物は、追加の治療薬をさらに含む。

別の実施形態によると、本発明は、本発明の化合物またはその薬学的に許容され得る誘導体、および薬学的に許容され得るキャリア、佐剤またはビヒクルを含む組成物を提供する。1つの実施形態において、本発明の組成物中の化合物の量は、生物学的サンプルまたは患者においてPI3K、特に、PI3Kγを測定可能な程度に阻害するのに有効な量である。別の実施形態において、本発明の組成物中の化合物の量は、PI3Kαを測定可能な程度に阻害するのに有効な量である。1つの実施形態において、本発明の組成物は、そのような組成物を必要とする患者に投与するために製剤化される。さらなる実施形態において、本発明の組成物は、患者に経口投与するために製剤化される。

用語「患者」は、本明細書中で使用されるとき、動物、好ましくは、哺乳動物、最も好ましくは、ヒトのことを意味する。

本発明のある特定の化合物が、処置のための遊離型で、または適切な場合はその薬学的に許容され得る誘導体として、存在し得ることも認識されるだろう。本発明によると、薬学的に許容され得る誘導体としては、薬学的に許容され得るプロドラッグ、塩、エステル、そのようなエステルの塩、または必要としている患者に投与したときに、本明細書中に別途記載されるような化合物またはその代謝産物もしくは残留物を直接もしくは間接的に提供することができる他の任意の付加物もしくは誘導体が挙げられるがこれらに限定されない。本明細書中で使用されるとき、用語「阻害活性のあるその代謝産物または残留物」は、その代謝産物または残留物もまた、PI3Kのインヒビターであることを意味する。

本明細書中で使用されるとき、用語「薬学的に許容され得る塩」とは、妥当な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激作用、アレルギー反応など無しにヒトおよび下等動物の組織と接触させて使用することに適した塩のことを指す。

薬学的に許容され得る塩は、当該分野で周知である。例えば、S.M.Bergeらは、J.Pharmaceutical Sciences,66:1−19,1977(本明細書中で参考として援用される)に薬学的に許容され得る塩を詳細に記載している。本発明の化合物の薬学的に許容され得る塩には、適当な無機酸および有機酸ならびに無機塩基および有機塩基から得られるものが含まれる。薬学的に許容可能な無毒性の酸付加塩の例は、無機酸(例えば、塩化水素酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸)もしくは有機酸(例えば、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸またはマロン酸)と形成されるか、または当該分野において使用される他の方法(例えば、イオン交換)を用いることによって形成される、アミノ基の塩である。他の薬学的に許容され得る塩としては、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが挙げられる。適切な塩基から得られる塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩およびN+(C1−4アルキル)4塩が挙げられる。本発明はまた、本明細書中に開示される化合物の任意の塩基性窒素含有基の四級化も想定する。水溶性もしくは油溶性または水分散性もしくは油分散性の生成物は、そのような四級化によって得られることがある。代表的なアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが挙げられる。さらなる薬学的に許容され得る塩としては、適切であるとき、対イオンを用いて形成される無毒性のアンモニウムカチオン、四級アンモニウムカチオンおよびアミンカチオン(例えば、ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、C1−8スルホン酸塩およびアリールスルホン酸塩)が挙げられる。

上に記載したように、本発明の薬学的に許容され得る組成物は、さらに、薬学的に許容され得るキャリア、佐剤またはビヒクルを含み、それらには、本明細書中で使用されるとき、特定の所望の剤形にふさわしいすべての溶媒、希釈剤または他の液体ビヒクル、分散促進剤または懸濁促進剤、界面活性剤、等張剤、増粘剤または乳化剤、保存剤、固体結合剤、潤滑剤などが含まれる。Remington:The Science and Practice of Pharmacy,21st edition,2005,ed.D.B.Troy,Lippincott Williams & Wilkins,PhiladelphiaおよびEncyclopedia of Pharmaceutical Technology,eds.J.Swarbrick and J.C.Boylan,1988−1999,Marcel Dekker,New York(これらの各々の内容は、本明細書中で参考として援用される)には、薬学的に許容され得る組成物の製剤化およびそれらを調製するための公知の手法において使用される様々なキャリアが開示されている。任意の従来のキャリア媒体が、本発明の化合物と配合禁忌である(例えば、任意の望ましくない生物学的作用をもたらすことによって、またはそうでなければ薬学的に許容され得る組成物の他の任意の構成要素と有害な様式で相互作用することによって、配合禁忌である)場合を除いて、その使用は、本発明の範囲内であると企図される。

薬学的に許容され得るキャリアとして働き得る材料のいくつかの例としては、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン)、緩衝物質(例えば、リン酸塩、グリシン、ソルビン酸またはソルビン酸カリウム)、植物性飽和脂肪酸の部分的グリセリド混合物、水、塩または電解質、例えば、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート、ろう、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、羊毛脂、糖(例えば、ラクトース、グルコースおよびスクロース);デンプン(例えば、トウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプン);セルロースおよびその誘導体(例えば、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース);トラガント末;麦芽;ゼラチン;タルク;賦形剤(例えば、カカオバターおよび坐剤用ろう);油(例えば、落花生油、綿実油;ベニバナ油;ゴマ油;オリーブ油;トウモロコシ油およびダイズ油);グリコール;例えば、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコール;エステル(例えば、オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル);寒天;緩衝剤(例えば、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム);アルギン酸;発熱物質非含有水;等張食塩水;リンガー溶液;エチルアルコールおよびリン酸緩衝液、ならびに他の無毒性で適合性の潤滑剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム)、ならびに着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味料、香味料および芳香剤が挙げられるが、これらに限定されず、保存剤および酸化防止剤もまた、処方者の判断に従って本組成物中に存在し得る。

本発明の組成物は、経口的に、非経口的に、吸入スプレーによって、局所的に、経直腸的に、経鼻的に、頬側に、経膣的に、または埋め込み型レザバーを介して、投与され得る。用語「非経口」は、本明細書中で使用されるとき、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑液嚢内、胸骨内、鞘内、眼内、肝臓内、病巣内、硬膜外、脊髄内および頭蓋内への注射または注入の手法を含む。好ましくは、本組成物は、経口的に、腹腔内に、または静脈内に投与される。本発明の組成物の滅菌された注射可能な形態は、水性または油性の懸濁液であり得る。これらの懸濁液は、適当な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を使用して、当該分野で公知の手法に従って製剤化され得る。滅菌された注射可能な調製物は、無毒性の非経口的に許容され得る希釈剤または溶媒中の滅菌された注射可能な溶液または懸濁液、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液でもあり得る。使用されてもよい許容され得るビヒクルおよび溶媒としては、水、リンガー溶液および等張性塩化ナトリウム溶液がある。さらに、滅菌された固定油も、溶媒または懸濁化媒体として従来から使用されている。

この目的のために、合成モノグリセリドまたは合成ジグリセリドを含む任意の無刺激性の固定油が使用され得る。オレイン酸などの脂肪酸およびそのグリセリド誘導体は、天然の薬学的に許容され得る油(例えば、オリーブ油またはひまし油)、特に、それらのポリオキシエチル化された改変物のような注射可能物の調製において有用である。これらの油性の溶液または懸濁液はまた、長鎖アルコール希釈剤または分散剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、またはエマルジョンおよび懸濁液を含む薬学的に許容され得る剤形の製剤化において通常使用される同様の分散剤)も含み得る。他の通常使用される界面活性物質(例えば、Tweens、Spansおよび他の乳化剤)、または薬学的に許容され得る固体、液体もしくは他の剤形の製造において通常使用されるバイオアベイラビリティ向上剤もまた、製剤化の目的で使用され得る。

本発明の薬学的に許容され得る組成物は、任意の経口的に許容され得る剤形(カプセル、錠剤、水性の懸濁液または溶液が挙げられるがこれらに限定されない)で経口投与され得る。経口使用するための錠剤の場合、通常使用されるキャリアとしては、ラクトースおよびトウモロコシデンプンが挙げられる。代表的には、ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤も加えられる。カプセル形態での経口投与の場合、有用な希釈剤としては、ラクトースおよび乾燥トウモロコシデンプンが挙げられる。経口使用のために水性懸濁液が必要とされるとき、活性成分は、乳化剤および懸濁剤と組み合わされる。所望であれば、ある特定の甘味料、香味料または着色剤を加えてもよい。

あるいは、本発明の薬学的に許容され得る組成物は、直腸投与用の坐剤の形態で投与され得る。これらは、室温では固体であるが直腸温度では液体であるがゆえに、直腸内で融解して薬物を放出する適当な非刺激性の賦形剤と薬剤を混合することによって調製され得る。そのような材料としては、カカオバター、蜜ろうおよびポリエチレングリコールが挙げられる。

本発明の薬学的に許容され得る組成物は、特に、処置の標的が局所的適用によって容易に到達できる領域または器官(眼、皮膚または下部腸管の疾患を含む)を含むとき、局所的にも投与され得る。適当な局所用製剤は、これらの領域または器官の各々に対して容易に調製される。

下部腸管に対する局所的適用は、直腸用の坐剤製剤(上記を参照のこと)または適当な浣腸製剤において実施され得る。局所用経皮パッチもまた使用され得る。

局所的適用の場合、薬学的に許容され得る組成物は、1つ以上のキャリア中に懸濁または溶解した活性な構成要素を含む適当な軟膏として製剤化され得る。本発明の化合物の局所的投与用のキャリアとしては、鉱油、流動ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ろうおよび水が挙げられるが、これらに限定されない。あるいは、薬学的に許容され得る組成物は、1つ以上の薬学的に許容され得るキャリアに懸濁または溶解した活性な構成要素を含む適当なローションまたはクリームとして製剤化され得る。適当なキャリアとしては、鉱油、ソルビタンモノステアレート、ポリソルベート60、セチルエステルろう、セテアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水が挙げられるが、これらに限定されない。

眼に使用する場合、薬学的に許容され得る組成物は、塩化ベンジルアルコニウム(benzylalkonium chloride)などの保存剤を含むかまたは含まない、例えば、pH調整された等張性の滅菌された食塩水もしくは他の水溶液中の微粉化された懸濁液として、または好ましくは、pH調整された等張性の滅菌された食塩水もしくは他の水溶液における溶液として、製剤化され得る。あるいは、眼に使用する場合、薬学的に許容され得る組成物は、ペトロラタムなどの軟膏として製剤化され得る。本発明の薬学的に許容され得る組成物はまた、鼻へのエアロゾルまたは吸入によって投与され得る。そのような組成物は、医薬製剤の分野で周知の手法に従って調製され、ベンジルアルコールもしくは他の適当な保存剤、バイオアベイラビリティを高める吸収促進剤、フルオロカーボン、および/または他の従来の可溶化剤もしくは分散剤を使用して食塩水中の溶液として調製され得る。

最も好ましくは、本発明の薬学的に許容され得る組成物は、経口投与のために製剤化される。

経口投与用の液体剤形としては、薬学的に許容され得るエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ剤およびエリキシル剤が挙げられるが、これらに限定されない。活性な化合物に加えて、その液体剤形は、当該分野において通常使用される不活性な希釈剤(例えば、水または他の溶媒)、可溶化剤および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにそれらの混合物を含み得る。経口組成物は、不活性な希釈剤のほかに、佐剤(例えば、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味料、香味料ならびに芳香剤)も含み得る。

注射可能な調製物、例えば、滅菌された注射可能な水性または油性の懸濁液は、適当な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を使用して公知の技術に従って製剤化され得る。滅菌された注射可能な調製物は、無毒性の非経口的に許容され得る希釈剤または溶媒中の滅菌された注射可能な溶液、懸濁液またはエマルジョン、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液でもあり得る。使用されてもよい許容され得るビヒクルおよび溶媒としては、水、リンガー溶液,U.S.P.および等張性塩化ナトリウム溶液がある。さらに、滅菌された固定油も、溶媒または懸濁化媒体として従来から使用されている。この目的のために、合成モノグリセリドまたは合成ジグリセリドを含む任意の無刺激性の固定油が使用され得る。さらに、オレイン酸などの脂肪酸が、注射可能物の調製において使用される。

注射可能な製剤は、例えば、細菌保持フィルターでの濾過によって、または使用前に滅菌水もしくは他の滅菌された注射可能な媒体中に溶解もしくは分散し得る滅菌固体組成物の形態の滅菌剤を組み込むことによって、滅菌され得る。

本発明の化合物の作用を延長するために、しばしば、皮下注射または筋肉内注射からの化合物の吸収を遅延させることが望ましい。これは、水溶性に乏しい結晶性または非晶質の材料の液体懸濁液を使用することによって達成され得る。また、その化合物の吸収速度は、その溶解速度に依存し、そしてその溶解速度は、結晶サイズおよび結晶形態に依存し得る。あるいは、油性ビヒクルにおけるその化合物の溶解または懸濁は、非経口的に投与される化合物の形態の吸収を遅らせる。注射可能なデポー形態は、ポリラクチド−ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中でその化合物のマイクロカプセルマトリックス(microencapsule matrices)を形成することによって作製される。化合物とポリマーとの比および使用される特定のポリマーの性質に応じて、化合物の放出速度が制御され得る。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)およびポリ(酸無水物)が挙げられる。注射可能なデポー製剤は、本化合物を、体組織と適合性のリポソームまたはマイクロエマルジョンに捕捉することによっても調製される。

直腸または膣に投与するための組成物は、好ましくは、本発明の化合物を、適当な非刺激性の賦形剤またはキャリア(例えば、カカオバター、ポリエチレングリコール、または外界温度では固体であるが体温では液体であるがゆえに、直腸腔もしくは膣腔において融解し、活性な化合物を放出する坐剤用ろう)と混合することによって調製され得る坐剤である。

経口投与用の固体剤形としては、カプセル、錠剤、丸剤、散剤および顆粒剤が挙げられる。そのような固体剤形において、活性な化合物は、少なくとも1つの不活性な薬学的に許容され得る賦形剤もしくはキャリア(例えば、クエン酸ナトリウムまたは第二リン酸カルシウム)、ならびに/またはa)充填剤または増量剤(例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよびケイ酸)、b)結合剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロースおよびアカシア)、c)吸湿剤(例えば、グリセロール)、d)崩壊剤(例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプンまたはタピオカデンプン、アルギン酸、ある特定のシリケートおよび炭酸ナトリウム)、e)溶解遅延剤(例えば、パラフィン)、f)吸収促進剤(例えば、四級アンモニウム化合物)、g)湿潤剤(例えば、セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロール)、h)吸収剤(例えば、カオリンおよびベントナイト粘土)、およびi)滑沢剤(例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムおよびそれらの混合物)と混合される。カプセル、錠剤および丸剤の場合、それらの剤形は、緩衝剤も含み得る。

同様のタイプの固体組成物は、ラクトースまたは乳糖のような賦形剤、ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどを使用する軟および硬ゼラチンカプセルにおける充填剤としても使用され得る。錠剤、糖衣錠、カプセル、丸剤および顆粒剤の固体剤形は、コーティングおよびシェル(例えば、腸溶コーティング、および医薬製剤分野において周知の他のコーティング)を用いて調製され得る。それらは、必要に応じて乳白剤(opacifying agent)を含み得、また、必要に応じて遅延様式で、活性成分を腸管のある特定の部分だけで放出するかまたは腸管のある特定の部分で優先的に放出する組成であり得る。使用され得る包埋組成物の例としては、ポリマー物質およびろうが挙げられる。同様のタイプの固体組成物は、ラクトースまたは乳糖のような賦形剤、ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどを使用する軟および硬ゼラチンカプセルにおける充填剤としても使用され得る。

活性な化合物はまた、上で述べたような1種以上の賦形剤とともにマイクロカプセル化された形態であり得る。錠剤、糖衣錠、カプセル、丸剤および顆粒剤の固体剤形は、コーティングおよびシェル(例えば、腸溶コーティング、放出制御コーティングおよび医薬製剤分野において周知の他のコーティング)を用いて調製され得る。そのような固体剤形において、活性な化合物は、少なくとも1つの不活性な希釈剤(例えば、スクロース、ラクトースまたはデンプン)と混和され得る。そのような剤形は、通常の慣行のとおりに、不活性な希釈剤以外の追加の物質、例えば、打錠潤滑剤および他の打錠補助剤(例えば、ステアリン酸マグネシウムおよび微結晶性セルロース)も含み得る。カプセル、錠剤および丸剤の場合、それらの剤形は、緩衝剤も含み得る。それらは、必要に応じて乳白剤を含み得、また、必要に応じて遅延様式で、活性成分を腸管のある特定の部分だけで放出するかまたは腸管のある特定の部分で優先的に放出する組成であり得る。使用され得る包埋組成物の例としては、ポリマー物質およびろうが挙げられる。

本発明の化合物の局所的投与用または経皮的投与用の剤形としては、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、粉末、溶液、スプレー、吸入剤またはパッチが挙げられる。活性な構成要素は、薬学的に許容され得るキャリア、および、必要とされ得る場合、任意の必要とされる保存剤または緩衝剤と、無菌条件下で混和される。眼用の製剤、点剤および点眼剤もまた、本発明の範囲内であることが企図される。さらに、本発明は、経皮パッチの使用を企図し、その経皮パッチは、身体に対して化合物の制御された送達を提供するという追加の利点を有する。そのような剤形は、適切な媒体中に化合物を溶解させるかまたは分散させることによって作製され得る。皮膚を横断する化合物のフラックスを増加させるために吸収促進剤も使用され得る。その速度は、速度制御膜を提供することによって、またはポリマーマトリックスもしくはゲルに化合物を分散させることによって、制御され得る。

本発明の化合物は、好ましくは、投与を容易にするために、および投薬量を均一にするために、投薬単位形態(dosage unit form)として製剤化される。「投薬単位形態」という表現は、本明細書中で使用されるとき、処置される患者にとって適切な薬剤の物理的に分離した単位のことを指す。しかしながら、本発明の化合物および組成物の1日あたりの総使用量は、妥当な医学的判断の範囲内で主治医によって決定され得ることが理解されるだろう。任意の特定の患者または生物に対する個別の有効量レベルは、種々の因子(処置される障害および障害の重症度;使用される特定の化合物の活性;使用される特定の組成物;患者の年齢、体重、全般的な健康状態、性別および食物;使用される特定の化合物の投与時間、投与経路および排出速度;処置の持続時間;使用される特定の化合物と併用してまたは同時に使用される薬物、ならびに医学分野において周知の類似の因子を含む)に依存し得る。

組成物を単回投与形態として生成するためにキャリア材料と組み合され得る本発明の化合物の量は、処置される宿主、特定の投与様式に応じて変わり得る。好ましくは、その組成物は、これらの組成物を受ける患者に0.01〜100mg/kg体重/日の投薬量のインヒビターが投与され得るように製剤化されるべきである。

処置されるかまたは予防される特定の状態または疾患に応じて、その状態を処置するかまたは予防するために通常投与される追加の治療薬もまた、本発明の組成物中に存在してもよい。本明細書中で使用されるとき、特定の疾患または状態を処置するかまたは予防するために通常投与される追加の治療薬は、「処置される疾患または状態に対して適切である」と知られている。追加の治療薬の例は、下記に提供される。

本発明の組成物中に存在する追加の治療薬の量は、その治療薬を唯一の活性な薬剤として含む組成物として通常投与され得る量を超えないだろう。好ましくは、ここで開示されている組成物中の追加の治療薬の量は、その薬剤を唯一の治療的に活性な薬剤として含む組成物中に通常存在する量の約50%〜100%の範囲であり得る。

本発明の化合物および組成物の使用 本発明の1つの態様において、本発明は、患者の脳または脊髄における、PI3Kが介在する状態または疾患を処置するかまたはその重症度を下げる方法を特徴とする。用語「PI3Kが介在する疾患」は、本明細書中で使用されるとき、PI3Kアイソフォームが関与することが知られている任意の疾患または他の有害な状態のことを意味する。1つの実施形態において、PI3Kアイソフォームは、PI3Kγである。

したがって、1つの実施形態において、本発明は、中枢神経系のPI3Kγが介在する疾患を処置する方法を特徴とする。そのような状態としては、中枢神経系の炎症性疾患および自己免疫関連疾患が挙げられるがこれらに限定されない。したがって、本発明は、患者の中枢神経系の自己免疫疾患または炎症性疾患から選択される状態の疾患を処置するかまたはその重症度を下げる方法を提供し、その方法は、前記患者に本発明の化合物または組成物を投与する工程を包含する。

さらなる実施形態において、本発明の化合物は、PI3Kγアイソフォームの阻害について選択的である。1つの実施形態において、本発明の化合物は、PI3Kγアイソフォームの阻害について、インビトロアッセイにおいてPI3Kアルファアイソフォームよりも少なくとも20倍選択的である。別の実施形態において、本発明のPI3Kγ選択的化合物は、インビトロアッセイにおいて、アルファ、ベータおよびデルタアイソフォームの各々よりもガンマアイソフォームを少なくとも3倍阻害する。別の実施形態において、本発明のPI3Kγ選択的化合物は、インビトロアッセイにおいて、アルファ、ベータおよびデルタアイソフォームの各々よりもガンマアイソフォームを少なくとも5倍阻害する。さらに別の実施形態において、本発明のPI3Kγ選択的化合物は、インビトロアッセイにおいて、アルファ、ベータおよびデルタアイソフォームの各々よりもガンマアイソフォームを少なくとも10倍阻害する。

別の実施形態において、本発明は、中枢神経系の炎症性疾患もしくは炎症性障害または自己免疫疾患もしくは自己免疫障害を処置するかまたはその重症度を下げる方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、中枢神経系の炎症性疾患もしくは炎症性障害または自己免疫疾患もしくは自己免疫障害の症状を処置するかまたはその重症度を下げる方法を提供する。さらなる実施形態において、本発明は、神経炎症を処置する方法を提供する。そのような疾患または障害としては、多発性硬化症、横断性脊髄炎、進行性多巣性白質脳症、髄膜炎、脳炎、脊髄炎、脳脊髄炎、頭蓋内膿瘍もしくは脊髄内膿瘍、頭蓋内静脈洞の静脈炎もしくは血栓性静脈炎、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン病、ピック病、筋萎縮性側索硬化症、HIV I型痴呆、前頭側頭型痴呆、または外傷性脳損傷もしくは外傷性脊髄損傷が挙げられるがこれらに限定されない。

PI3Kγは、ミクログリアなどの常在細胞の活性化を特徴とする疾患または障害において重要であるとも報告されている。Jinら、2010,Biochemical and Biophysical Research Communications 399:458−464を参照のこと。ミクログリアは、損なわれていない状態の血液脳関門(BBB)に対する損傷を増加させることがあり、また、活性酸素種または炎症促進性サイトカインおよび他の神経毒の放出によってニューロンの生存を危険にさらすことがある。ミクログリアの活性化の阻害は、虚血性脳卒中後、ならびに多発性硬化症などの他の神経血管性障害後の脳を保護し得る。

本発明の化合物または組成物は、1つ以上の追加の治療薬とともに投与され得、ここで、その追加の治療薬は、処置される疾患に対して適切であり、その追加の治療薬は、単回投与形態として本発明の化合物または組成物とともに投与されるか、または複数回投与形態の一部として本化合物または組成物とは別個に投与される。その追加の治療薬は、本発明の化合物と同時に、または別の時点で、投与され得る。後者の場合、投与は、例えば、6時間、12時間、1日間、2日間、3日間、1週間、2週間、3週間、1ヶ月間または2ヶ月間、ずらされ得る。

本発明の化合物と組み合わされ得る化学療法剤または他の抗増殖剤の非限定的な例としては、タキサン、アロマターゼインヒビター、アントラサイクリン、微小管標的化薬、トポイソメラーゼ毒薬(topoisomerase poison drugs)、標的化されたモノクローナル抗体もしくはポリクローナル抗体、分子標的または酵素のインヒビター(例えば、キナーゼインヒビター)、またはシチジンアナログが挙げられる。1つの実施形態において、追加の化学療法剤は、アムサクリン、アナストロゾール、アスパラギナーゼ、AvastinTM(ベバシズマブ)アザチオプリン、ビカルタミド、ブレオマイシン、カンプトテシン、カルムスチン、クロラムブシル、シクロホスファミド、シタラビン(araC)、ダウノルビシン(daunonibicin)、ダクチノマイシン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、エピルビシン、エポチロン、エトポシド、エキセメスタン、フルダラビン、5−フルオロウラシル(5−FU)、フルタミド、GemzarTM(ゲムシタビン)、GleevecTM(イマチニブ(imatanib))、HerceptinTM(トラスツズマブ)、イダルビシン、イホスファミド、インターフェロン、インターロイキン、イリノテカン、レトロゾール、ロイプロリド、ロムスチン、ロバスタチン、メクロレタミン、メゲストロール、メルファラン、6−メルカプトプリン、メトトレキサート(MTX)、ミモシン(minosine)、マイトマイシン、ミトキサントロン、ナベルビン、ノコダゾール、白金誘導体(例えば、シスプラチン、カルボプラチンおよびオキサリプラチン)、ラロキシフェン、タモキシフェン、TaxotereTM(ドセタキセル)、TaxolTM(パクリタキセル)、テニポシド、トポテカン、腫瘍壊死因子(TNF)、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビンまたはZoladexTM(ゴセレリン)である。別の化学療法剤は、G−CSF(顆粒球コロニー刺激因子)などのサイトカインでもあり得る。さらに別の実施形態において、本発明の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩、プロドラッグ、代謝産物、アナログもしくは誘導体は、外科術、放射線治療または標準的な化学療法の併用(例えば、以下に限定されないが、CMF(シクロホスファミド、メトトレキサートおよび5−フルオロウラシル)、CAF(シクロホスファミド、アドリアマイシンおよび5−フルオロウラシル)、AC(アドリアマイシンおよびシクロホスファミド)、FEC(5−フルオロウラシル、エピルビシンおよびシクロホスファミド)、ACTまたはATC(アドリアマイシン、シクロホスファミドおよびパクリタキセル)またはCMFP(シクロホスファミド、メトトレキサート、5−フルオロウラシルおよびプレドニゾン))と組み合わせて投与され得る。

追加の治療薬には、多発性硬化症(MS)を処置するのに有用な治療薬、例えば、ベータインターフェロン(例えば、Avonex(登録商標)およびRebif(登録商標))、グラチラマー(Copaxone(登録商標))、Tysabri(登録商標)(ナタリズマブ)、Betaseron(登録商標)(IFNβ)およびミトキサントロンも含まれる。

本発明は、生物学的サンプルを本発明の化合物または組成物と接触させる工程を包含する、生物学的サンプルにおいてPI3Kキナーゼ活性を阻害する方法を提供する。用語「生物学的サンプル」は、本明細書中で使用されるとき、生存している生物以外のサンプルのことを意味し、それらとしては、細胞培養物またはその抽出物;哺乳動物から得られた生検材料またはその抽出物;および血液、唾液、尿、便、精液、涙液もしくは他の体液またはそれらの抽出物が挙げられるがこれらに限定されない。生物学的サンプルにおけるキナーゼ活性、特に、PI3Kキナーゼ活性の阻害は、当業者に公知の種々の目的にとって有用である。そのような目的の例としては、生物学的検体の貯蔵および生物学的アッセイが挙げられるが、これらに限定されない。1つの実施形態において、生物学的サンプルにおいてPI3Kキナーゼ活性を阻害する方法は、非治療的方法に限定される。

本発明の化合物の調製 本明細書中で使用されるとき、すべての省略形、シンボルおよび慣例は、現代の科学文献において使用されているものと一致する。例えば、Janet S.Dodd,ed.,The ACS Style Guide:A Manual for Authors and Editors,2nd Ed.,Washington,D.C.:American Chemical Society,1997を参照のこと。以下の定義は、本明細書中で使用される用語および省略形を説明している: ATP アデノシン三リン酸 ブライン 飽和NaCl水溶液 Cp*RuCl(cod) クロロ(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(シクロオクタジエン)ルテニウム(II) DCM ジクロロメタン DIEA ジイソプロピルエチルアミン DMA ジメチルアセトアミド DMAP 4−ジメチルアミノピリジン DMF ジメチルホルムアミド DMSO メチルスルホキシド dppfPdCl2 1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセンジクロロ−パラジウム・ジクロロメタン DTT ジチオトレイトール EDCI 1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド ESMS エレクトロスプレー質量分析 Et2O エチルエーテル EtOAc 酢酸エチル EtOH エチルアルコール HATU 2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート HEPES 4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸 HPLC 高速液体クロマトグラフィー LC−MS 液体クロマトグラフィー−質量分析 m−CPBA メタ−クロロ過安息香酸 Me メチル MeOH メタノール MTBE メチルt−ブチルエーテル MC メチルセルロース NMP N−メチルピロリジン PBS リン酸緩衝食塩水 Pd(Cy)3Cl2 ジクロロ−ビス(トリシクロヘキシルホスホラニル)パラジウム(II) Ph フェニル RTまたはrt 室温(20℃〜25℃) tBu 第三級ブチル TCA トリクロロ酢酸 THF テトラヒドロフラン TEA トリエチルアミン 一般的な合成手順 通常、本発明の化合物は、本明細書中に記載される方法または当業者に公知の他の方法によって調製され得る。

実施例1.式Iの化合物の一般的な調製法 式Iの化合物は、スキーム1の経路A〜Kに示されるように調製され得、ここで、A、B、C、D、E、X1、X2、R1およびR2の各々は、説明の他の箇所に記載されているとおりであり、R3およびR4の各々は、Hである。このスキームの経路Aに示されるように、XがCHである式Iの化合物の場合、式A1のハロゲン化アリールを、N−ブロモスクシンイミド(NBS)で処理することによって、式A2のブロモアルキル化合物が生成される。続いて、そのブロモアルキル化合物と式A3のアミンとの反応により、式A4の5−ハロイソインドリノンが生成される。適切なパラジウム触媒の存在下での式A4の化合物と式A5のボロン酸またはボロネートとの反応により、X1およびX2の各々がCHである式Iの化合物が生成される。ハロゲン化アリールまたはハロゲン化ヘテロアリールからボロネートまたはボロン酸を調製するための手順は、Boronic Acids,ISBN:3−527−30991−8,Wiley−VCH,2005(Dennis G.Hall,editor)に記載されている。一例を挙げれば、そのハロゲンは、臭素であり、そのボロネートは、臭化アリールまたは臭化ヘテロアリールを、4,4,5,5−テトラメチル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,3,2−ジオキサボロランと反応させることによって調製される。その後のカップリング反応において、そのように形成されたボロネートまたはボロン酸は、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセンジクロロ−パラジウム・ジクロロメタン(dppfPdCl2)の存在下で、ハロゲン化アリールまたはハロゲン化ヘテロアリールと反応され得る。

経路Bに示されるように、上で概説された工程の順序は、まず、式A1の化合物をA5の化合物と反応させた後、アルキルブロミドA7が形成され、次いで、そのアルキルブロミドを式A3のアミンと反応させることにより、XがCHであり、R5が水素である式Iの化合物が生成されるように、変更され得る。

スキーム1,経路AおよびB。

経路Cに示されるように、X1がNである式Iの化合物を調製するために、式A8の化合物を1,3,5−トリクロロ−1,3,5−トリアジナン−2,4,6−トリオンと反応させることにより、式A9のクロロアルキル化合物が形成され得る。次いで、式A9の化合物を、メタ−クロロ過安息香酸などの酸化剤で処理することにより、式A10のN−オキシドが形成され、続いてそれをオキシ塩化リンで処理することにより、式A11の塩化ピリジルが生成される。式A11の化合物と式A3のアミンとの反応により、式A12の5−クロロアザイソインドリノンが生成される。適切なパラジウム触媒の存在下での式A12の化合物と式A5のボロン酸またはボロネートとの反応によって、X1がNであり、X2がCHまたはC−CH3である式Iの化合物が生成される。

スキーム1,経路C。

X1がCHまたはNであり、X2がNであり、R3およびR4の各々が水素である式Iの化合物は、経路Dに示されるように、経路Cについて記載された様式と類似の様式でも調製され得る。

スキーム1,経路D。

X1がCHであり、X2がNであり、R3およびR4の各々が水素である式Iの化合物は、経路Eに示されるように示されるように調製され得る。したがって、式R1−NH2のアミンを、ハロメチルアセチレンと反応させることにより、式A18の化合物が生成され、次いでそれをカルボキシアセチレンと反応させることにより、式A19の化合物が生成され得る。クロロ(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(シクロオクタジエン)ルテニウム(II)の存在下でエチルカルボンイソシアナチデートとの反応により、式A20の化合物が生成される。そのエトキシエステルの酸性加水分解および脱炭酸の後、オキシ塩化リンによるクロロピリジンの形成によって、式A21の化合物が生成される。触媒的クロスカップリング条件下での式A4のボロネートとの反応により、式Iの化合物が生成される。

スキーム1,経路E。

ハロゲン化アリールまたはハロゲン化ヘテロアリールを使用することによりR1が導入される式Iの化合物は、経路Fに示されるように調製され得る。したがって、式A23のアミド(式A22の化合物のアミノ分解によって調製される)を、銅またはパラジウム触媒の存在下で、塩化アリール、臭化アリール、ヨウ化アリールまたはアリールトリフレートと反応させることにより、式Iの化合物が生成される。

スキーム1,経路F。

経路Gに示されるように、R1が置換ピラゾールである式Iの化合物は、塩基性条件下で式A25の化合物を式R1a−X(ここでXはハライドまたはスルホネート脱離基である)のアルキル化剤と反応させることによっても調製され得る。

スキーム1,経路G。

経路Hに示されるように、式A26のピロロピリジンジオンとZn/酢酸などの還元剤との反応により、式A27のアルコールが生成される。続いて、これらのアルコールを、塩基の存在下でアルキル化剤(例えば、Lは、スルホネートまたはハライドなどの脱離基であり、R3’は、脂肪族基、脂環式基または複素環式基である)を用いてアルキル化することにより、式A28の化合物が生成され得る。次いで、式A28の化合物をメタ−クロロ過安息香酸などの酸化剤で処理することにより、式A29のN−オキシドが形成され、続いてそれをオキシ塩化リンで処理することにより、式A30の塩化ピリジルが生成される。Pdによって媒介されるクロスカップリング反応における式A5のボロネートまたはボロン酸との反応により、R3がエーテル結合した部分であり、R4が水素である式Iの化合物が生成される。エナンチオマーまたはジアステレオマーの混合物が存在するとき、そのような混合物は、超臨界流体クロマトグラフィーなどの分割方法によって分離され得る。

スキーム1,経路H。

経路Iに示されるように、式A26のピロロピリジンジオンとグリニャール試薬との反応の後、式A31を有する中間体化合物の脱水および水素化によって、式A32の化合物が生成される。次いで、式A32の化合物をメタ−クロロ過安息香酸などの酸化剤で処理することにより、式A33のN−オキシドが形成され、続いてそれを、オキシ塩化リンで処理することにより、式A34の塩化ピリジルが生成される。Pdによって媒介されるクロスカップリング反応における式A5のボロネートまたはボロン酸との反応により、エナンチオマーの混合物として式Iの化合物が生成される。そのような混合物は、超臨界流体クロマトグラフィーなどの分割方法によって分離され得る。

スキーム1,経路I。

経路Jに示されるように、R3もR4も水素でない式Iの化合物は、式A35の化合物を非求核性の強塩基で処理した後、少なくとも2当量のアルキル化剤と反応させることによって調製され得る。

スキーム1,経路J。

スキーム1の経路Kに示されるように、R3およびR4ならびに介在炭素が環を形成する式Iの化合物は、式A35の化合物を非求核性の強塩基で処理した後、1当量のビス−アルキル化剤と反応させることによって、調製され得る。

スキーム1,経路K。

以下の代表的な実施例は、本発明の化合物の調製についての詳細を提供する。

実施例2.3−エトキシ−2−メトキシ−5−ブロモピリジン(化合物2004)の調製 スキーム2の工程2−iに示されるように、100mLのDMF中のNaH(4.0g,鉱油中60%,0.1mol)の懸濁液に、10mLの無水エチルアルコール(4.6g,0.1mol)/DMF溶液を室温にて加えた。水素ガスが発生した後、その反応混合物を室温にて30分間撹拌し、得られたエトキシド溶液を、60℃の100mLのDMF中の3,5−ジブロモピリジン(11.84g,0.05mol,Aldrich Chemical Co.から入手)の溶液に移した。その反応物を60℃で4時間撹拌し、次いで、室温に戻した。ブラインおよび酢酸エチルを加え、有機相を分離し、MgSO4で乾燥し、濾過し、揮発性物質を減圧下で除去した。得られた粗材料を、所望の生成物を20%酢酸エチル/ヘキサン類で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーで精製することにより、3−ブロモ−5−エトキシピリジンを得た(化合物2001,4.25g,42%収率):

3−ベンジルオキシ−5−ブロモピリジンを類似の手順によって調製した:

あるいは、スキーム2の工程2−iiに示されるように、3−ブロモ−5−ヒドロキシピリジン(100mg,0.57mmol,Aldrich Chemical Co.から入手)をDMF(3mL)で希釈した。炭酸カリウム(158.8mg,1.15mmol)を加えた後、ブロモエタン(62.6mg,42.6μL,0.57mmol)を加えた。その混合物を60℃に温め、一晩撹拌した。冷却した後、その混合物を酢酸エチルに溶解させ、2M NaOHで洗浄した後、水で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、揮発性物質を減圧下で除去した。得られた粗3−ブロモ−5−エトキシピリジン(化合物2001)をさらに精製することなく使用した。以下の化合物を類似の手順によって生成した:3−ブロモ−5−プロポキシピリジン,ESMS(M+H)218.19/216.19;3−ブロモ−5−ブチルピリジン,ESMS(M+H)230.22/232.22;3−ブロモ−5−(シクロヘキシルメトキシ)ピリジン,ESMS(M+H)270.2/272.22;3−(2−フルオロエトキシ)−5−ブロモピリジン,ESMS(M+H)220.14/222.14;3−(2,2−ジフルオロエトキシ)−5−ブロモピリジン;および3−(2−エチルブトキシ)−5−ブロモピリジン,ESMS(M+H)258.33/256.33。

スキーム2の工程2−iiiに示されるように、3−クロロペルオキシ安息香酸(9.426g,42.06mmol)を、室温の200mLのDCM中の3−ブロモ−5−メトキシピリジン(4.25g,21mmol)に加えた。その反応物を一晩撹拌し、その混合物を200mLの2N NaOHおよび2×200mLのブラインで洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、揮発性物質を減圧下で除去することにより、3−ブロモ−5−エトキシピリジン,1−オキシドを得た(化合物2002,4.4g):

スキーム2の工程2−ivに示されるように、オキシ塩化リン(48.02g,403.6mmol)を室温で700mLのDCM中の3−ブロモ−5−エトキシピリジン,1−オキシド(4.4g,20.18mmol)に加えた。その反応混合物を室温にて一晩撹拌した。ブラインを加えた後、有機相を分離し、MgSO4で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。その濃縮物をシリカゲルのパッドで濾過し、そのパッドを酢酸エチルで溶出することによって、生成物を精製した。揮発性物質を減圧下で除去することにより、5−ブロモ−2−クロロ−3−エトキシピリジンを得た(化合物2003,4.3g,85.6%):

スキーム2の工程2−vに示されるように、40.51mLの25%MeONa/MeOH溶液を5−ブロモ−2−クロロ−3−エトキシピリジン(4.3g,17.27mmol)に加えた。その反応混合物を2時間還流した。冷却した後、その混合物に酢酸エチルおよびブラインを加えた。有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発させた。シリカゲルクロマトグラフィーでの精製の後、5−ブロモ−3−エトキシ−2−メトキシピリジン(化合物2004,2.1g,50%収率)が得られた:

以下の化合物を類似の手順によって合成した:5−ブロモ−3−イソプロポキシ−2−メトキシピリジン:

;5−ブロモ−2−エトキシ−3−メトキシピリジン:ESMS(M+H)232,234;5−ブロモ−3−メトキシ−2−プロポキシピリジン:ESMS(M+H)246,248;5−ブロモ−2−イソプロポキシ−3−メトキシピリジン:ESMS(M+H)246,248;5−ブロモ−2−(2,2−ジフルオロエトキシ)−3−メトキシピリジン:ESMS(M+H)268,270;5−ブロモ−2,3−ジエトキシピリジン:ESMS(M+H)246,248;5−ブロモ−2−(2,2−ジフルオロエトキシ)−3−エトキシピリジン:ESMS(M+H)282,284;5−ブロモ−3−エトキシ−2−プロポキシピリジン:ESMS(M+H)260,262;5−ブロモ−3−エトキシ−2−イソプロポキシピリジン:ESMS(M+H)260,262;5−ブロモ−3−(2−フルオロエトキシ)−2−メトキシピリジン:ESMS(M+H)250,252;5−ブロモ−2−メトキシ−3−プロポキシピリジン:ESMS(M+H)246,248;5−ブロモ−2−メトキシ−3−(2−メトキシエトキシ)ピリジン:ESMS(M+H)262,264;5−ブロモ−3−(2,2−ジフルオロエトキシ)−2−メトキシピリジン:

5−ブロモ−2−エトキシ−3−イソプロポキシピリジン:

5−ブロモ−3−ブトキシ−2−メトキシピリジン:ESMS(M+H)260,262;5−ブロモ−2−メトキシ−3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン:ESMS(M+H)286,288;および5−ブロモ−2−エトキシ−3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン:ESMS(M+H)300,302。

5−メトキシ−3−ブロモピリジン、5−ジフルオロメトキシ−3−ブロモピリジン、2−アミノ−3−ジフルオロメトキシ−5−ブロモピリジン、2,3−ジメトキシ−5−ブロモピリジン、2−エトキシ−3−メトキシ−5−ブロモピリジン、2−(2−メトキシエトキシ)−3−メトキシ−5−ブロモピリジン、2−(2−エトキシエトキシ)−3−メトキシ−5−ブロモピリジン、2−(2−プロピルオキシエトキシ)−3−メトキシ−5−ブロモピリジン、2−(2−エトキシブトキシ)−3−メトキシ−5−ブロモピリジン、2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)−3−メトキシ−5−ブロモピリジン、2,3−ジエトキシ−5−ブロモピリジン、2−メトキシ−3−プロポキシ−5−ブロモピリジン、2−メトキシ−3−(2−メトキシエトキシ)−5−ブロモピリジン、2−メトキシ−3−(2−ブトキシエトキシ)−5−ブロモピリジン、2−メトキシ−3−(3−メトキシプロピルオキシ)−5−ブロモピリジン、2−メトキシ−3−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)−5−ブロモピリジンおよび2−メトキシ−3−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)−5−ブロモピリジンもまた、スキーム2に示された手順と類似の手順によって調製した。

スキーム2。

実施例3(a).5−ブロモ−3−(ジフルオロメトキシ)−2−メトキシピリジン(化合物2010)の調製 スキーム3(a)の工程3(a)−iに示されるように、2−クロロ−3−ヒドロキシピリジン(化合物2005,2.0g,15.4mmol,Aldrich Chemical Co.から入手)を、クロロジフルオロ酢酸ナトリウム(4.71g,30.9mmol,Lancaster Synthesis,Inc.から入手)および無水炭酸カリウム(2.56g;18.5mmol)とともに40mLのDMFおよび5.0mLの水に溶解させた。その反応混合物を油浴内で、100℃で2時間加熱した。別の当量のクロロジフルオロ酢酸ナトリウムおよび1.2当量の炭酸カリウムを加え、加熱をさらに2.0時間続けた。この時点の後に、反応物を冷却し、揮発性物質を減圧下で除去した。残渣をブラインと酢酸エチルとに分配し、有機相をブラインで1回以上洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、揮発性物質を減圧下で除去した。その生成物を、ヘキサン類/DCMからDCMのグラジエントで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーで精製することにより、2−クロロ−3−(ジフルオロメトキシ)ピリジンを白色固体として得た(化合物2006,2.0g,72%収率):ESMS(M+H)180;

スキーム3(a)の工程3(a)−iiに示されるように、過剰量のナトリウム金属を20mLの無水メタノールに溶解させ、無水メタノール中の2−クロロ−3−(ジフルオロメトキシ)ピリジン(2.0g,11.1mmol)を加えた。その反応混合物を密閉容器内で、100℃で6時間撹拌した。揮発性物質を減圧下で除去し、残渣をEtOAcとブラインとに分配した。そのブラインをEtOAcで抽出し、合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、揮発性物質を減圧下で除去した。その生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(DCM)で精製することにより、3−(ジフルオロメトキシ)−2−メトキシピリジンを無色油状物として得た(化合物2007,1.1g,56%収率:ESMS(M+H)176。

スキーム3(a)の工程3(a)−iiiに示されるように、3−(ジフルオロメトキシ)−2−メトキシピリジン(270mg,1.54mmol)を5mLのDCMに溶解させ、ヘプタン中のBBr3(540μL;1275mg;4.10mmol)を加えた。その反応混合物を窒素雰囲気下、室温にて10分間撹拌し、還流し、次いで、さらに4時間撹拌した。その混合物を冷却し、水を加えることにより、反応物をクエンチした。pHを炭酸水素ナトリウムで7〜8に調整し、有機相を分離し、水層をNaClで飽和させ、DCMで2回以上抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、揮発性物質を減圧下で除去した。その生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(DCMから5%MeOH/DCMのグラジエント)で精製することにより、3−(ジフルオロメトキシ)ピリジン−2−オールを白色固体として得た(化合物2008,986mg,97%収率):ESMS(M+H)162。

スキーム3(a)の工程3(a)−ivに示されるように、3−(ジフルオロメトキシ)ピリジン−2−オール(986mg;6.12mmol)を25mLの氷酢酸に溶解させ、酢酸ナトリウム(79mg;9.6mmol)を加えた。その混合物を氷浴内で冷却し、10mLの氷酢酸中の臭素(780μL;1.63g;10.22mmol)を10分間にわたって加えた。その反応物を10〜15℃で30分間撹拌した。揮発性物質を減圧下で除去し、残渣をブライン/飽和炭酸ナトリウム溶液と酢酸エチルとに分配した。ガスの発生が止んだ後、有機層と水層とを分離し、水溶液をEtOAcでさらに3回抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、揮発性物質を減圧下で除去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで2回精製することにより(まず、DCMから10%MeOH/DCMのグラジエント、次いで、1:1EtOAc/ヘキサン類)、5−ブロモ−3−(ジフルオロメトキシ)ピリジン−2−オールを薄黄色粉末として得た(化合物2009,810mg,55%収率):ESMS(M+H)241.9/243.9;

スキーム3(a)の工程3(a)−vに示されるように、5−ブロモ−3−(ジフルオロメトキシ)ピリジン−2−オール(300mg;1.25mmol)を5mLのクロロホルムに溶解させた。炭酸銀(690mg;2.5mmol)およびヨウ化メチル(780μL;1.77g;12.5mmol)を加え、その混合物を室温にて一晩撹拌した。その反応混合物を珪藻土で濾過し、その珪藻土をさらにCHCl3で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮することにより、油状物を得て、それをシリカゲルクロマトグラフィーで精製することにより、5−ブロモ−3−(ジフルオロメトキシ)−2−メトキシピリジンを白色固体として得た(化合物2010,250mg,78%収率):ESMS(M+H)254/256;

スキーム3(a)。

実施例3(b).5−ブロモ−2−エトキシ−3−メトキシピリジン(化合物2011)および5−ブロモ−2,3−ジメトキシピリジン(化合物2012)の調製 スキーム3(b)の工程3(b)−iに示されるように、5−ブロモ−2−クロロ−3−メトキシピリジン(1.0g,4.5mmol,実施例2における化合物2003と同じ様式で、3−ブロモ−5−メトキシピリジンから出発して調製した)をナトリウムエトキシド/エタノール溶液(5.05mL,21%w/v,13.5mmol)で処理し、その反応混合物に100℃で20分間マイクロ波を照射した。水を加え、エタノールを減圧下で蒸発させた。得られた水溶液をDCMおよびエーテルで抽出した後、合わせた抽出物をMgSO4で乾燥した。濾過した後、揮発性物質を減圧下で除去することにより、5−ブロモ−2−エトキシ−3−メトキシピリジンを得た(化合物2011),0.72g,69%収率):ESMS(M+H)232.32/234.23。スキーム3(b)の工程3(b)−iiに示されるように、化合物2012(ESMS(M+H)218.32/220.23)を、エタノール中のナトリウムエトキシドの代わりにメタノール中のナトリウムメトキシドを用いて化合物2011と同じ様式で調製した。

スキーム3(b)。

実施例4(a).3−エトキシ−2−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(化合物2014)の調製 スキーム4(a)の工程4(a)−iに示されるように、ヨードエタン(13.69g,7.021mL,87.75mmol)を、200mLのDMF中の、5−ブロモ−2−メチルピリジン−3−オール(5.5g,29.25mmol)およびK2CO3(12.13g,87.75mmol)に加えた。その混合物を70℃で一晩撹拌し、その混合物に飽和NaHCO3を加えた。その混合物をEtOAc(3×)で抽出し、合わせた有機相を水(3×)およびブラインで洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥した後、その混合物を濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を中圧シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中30%EtOAc)で精製することにより、5−ブロモ−3−エトキシ−2−メチルピリジンを得た(化合物2013,4.6g,65%収率):ESMS(M+H)216.18;

スキーム4(a)の工程4(a)−iiに示されるように、5−ブロモ−3−エトキシ−2−メチルピリジン(4.16g,19.25mmol)、4,4,5,5−テトラメチル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,3,2−ジオキサボロラン(5.866g,23.10mmol)およびKOAc(5.668g,57.75mmol)を、200mLのジオキサン中で混合した。その混合物を、N2を用いて1時間脱気し、次いで、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセンジクロロ−パラジウム・ジクロロメタン(162.6mg,0.1925mmol)を加え、その混合物をN2下、80℃で16時間加熱した。室温に冷却した後、その混合物にMTBEを加え、次いでそれを、Florisil(登録商標)に通した。溶媒を減圧下で除去することにより、灰色固体を得て、それをヘキサン類と共に摩砕することにより、3−エトキシ−2−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジンを得た(化合物2014,4.05g,80%収率):

スキーム4(a)。

実施例4(b).N−エチル−2−メトキシ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ニコチンアミド(化合物2016)の調製 スキーム4(b)の工程4(b)−iに示されるように、HATU(8.194g,2.55mmol)およびDIPEA(5.570g,7.507mL,43.10mmol)を、DMF(50mL)中の5−ブロモ−2−メトキシピリジン−3−カルボン酸(5g,21.55mmol)の溶液に加えた。得られた溶液を10分間撹拌した後、エタンアミン塩酸(1.757g,2.196mL,21.55mmol)を加えた。得られた溶液を室温で5時間撹拌した。その反応混合物に水(100mL)および酢酸エチル(100mL)を加えた。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン中の0〜2%メタノールのグラジエント)で精製することにより、5−ブロモ−N−エチル−2−メトキシニコチンアミドをオフホワイトの固体として得た(化合物2015,3.4g):

スキーム4(b)の工程4(b)−iiに示されるように、密閉されたチューブに、ビス(ジピナコラト)ジボロン(3.332g,13.12mmol)、ジクロロ−ビス(トリシクロヘキシルホスホラニル)パラジウム(484.2mg,0.6560mmol)、KOAc(3.863g,39.36mmol)および2−メチルテトラヒドロフラン(52.46mL)を入れた。その混合物を10分間脱気し、次いで、油浴内で、125℃で12時間加熱した。HPLCにより、その反応は完了したとみられた。フロリジルでの濾過によりワークアップをし、減圧濃縮した。黄色油状物をヘキサン類と共に摩砕することにより、オフホワイトの固体が沈殿した。真空濾過によって収集し、高減圧下で一定質量(4.7g)になるまで乾燥した。

スキーム4(b)。

実施例5.2−[4−[5−(5,6−ジメトキシ−3−ピリジル)−1−オキソ−イソインドリン−2−イル]ピラゾール−1−イル]アセトニトリル(化合物3)の調製 スキーム5の工程5−iに示されるように、メチル4−ブロモ−2−(ブロモメチル)ベンゾエート(化合物2018,2.08g,6.75mmol,1−(4−ブロモ−2−メチルフェニル)エタノンとNBSとを反応させることによって調製される)、1H−ピラゾール−4−アミン(561mg,6.75mmol)およびDIEA(873mg,1.18mL,6.75mmol)をDMF(7.78mL)中で混合し、110℃で90分間加熱した。その反応混合物をMeOH(60mL)で希釈し、得られた白色の結晶性固体を濾集し、真空乾燥することにより、5−ブロモ−2−(1H−ピラゾール−4−イル)イソインドリン−1−オンを得た(化合物2019,1.21g,4.35mmol,64%収率):ESMS(Μ+Η)279.99。

スキーム5の工程5−iiに示されるように、5−ブロモ−2−(1H−ピラゾール−4−イル)イソインドリン−1−オン(1.2g,4.32mmol)を、密閉されたチューブ内で、DMF(10mL)中の炭酸セシウム(1.69g,5.18mmol)と混合し、その溶液に窒素ガスを5分間通して泡立てた。2−ヨードアセトニトリル(1.08g,468μL,6.47mmol)を加え、そのチューブを密閉し、油浴内で18時間、110℃に加熱した。追加のヨードアセトニトリルを加え(0.5mL)、その反応混合物をさらに24時間加熱した。その反応混合物をH2O/EtOAcに注ぎ込み、得られた暗褐色固体を濾集した。その固体をMeOH、次いで、ジエチルエーテルで洗浄することにより、2−[4−(5−ブロモ−1−オキソ−イソインドリン−2−イル)ピラゾール−1−イル]アセトニトリルを得た(化合物2020,920mg,2.9mmol,67%収率):ESMS(M+H)319.04;

スキーム5の工程5−iiiに示されるように、2,3−ジメトキシ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン[化合物2021,376mg,1.42mmol;5−ブロモ−2,3−ジメトキシピリジンと4,4,5,5−テトラメチル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,3,2−ジオキサボロランとを反応させることにより調製される]、2−[4−(5−ブロモ−1−オキソ−イソインドリン−2−イル)ピラゾール−1−イル]アセトニトリル(450mg,1.42mmol)および炭酸セシウム(925mg,2.84mmol)を、密閉されたチューブにおいてDMSO(7.5mL)に溶かした。その溶液に窒素ガスを5分間通して泡立て、dppfPdCl2(141mg,0.17mmol)を加え、その容器を密閉した。その反応混合物を50分間にわたって100℃に加熱した。冷却した後、その混合物をEtOAc/H2Oに注ぎ込み、得られた薄黒い固体材料を濾過して除去し、有機相をフロリジルのプラグに通した。濾液を減圧下で固体に濃縮し、残渣をMeOHに懸濁させ、固体を濾集することにより、2−[4−[5−(5,6−ジメトキシ−3−ピリジル)−1−オキソ−イソインドリン−2−イル]ピラゾール−1−イル]アセトニトリルを固体として得た(化合物3,323mg,57%収率):ESMS(M+H)376.28;

スキーム5。

実施例6.2−(4−(5−(5,6−ジメトキシピリジン−3−イル)−7−メチル−1−オキソイソインドリン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)アセトニトリル(化合物48)の調製 スキーム6の工程6−iに示されるように、2,3−ジメトキシ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(化合物2021,920mg,3.47mmol)、メチル4−ブロモ−2,6−ジメチル−ベンゾエート(844mg,3.47mmol)およびCs2CO3(2.26g,6.94mmol)を、密閉されたチューブ内でDMSO(12mL)に溶かした。その溶液に窒素ガスを5分間通して泡立て、dppfPdCl2(141mg,0.174mmol)を加え、その容器を密閉した。その反応混合物を窒素雰囲気下、90℃で60分間加熱した。冷却した後、その混合物をEtOAc/水に注ぎ込んだ。有機相を水、ブラインで洗浄し、Florisil(登録商標)のプラグに通し、減圧下で濃縮することにより、固体を得た。その固体をMeOHに懸濁させ、濾集することにより、メチル4−(5,6−ジメトキシ−3−ピリジル)−2,6−ジメチル−ベンゾエートを得た(化合物2022,310mg)。濾液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(0〜50%EtOAc/hex)で精製することにより、さらなる400mgの化合物2022を得た(総収量710mg,2.4mmol,68%収率)。この化合物をそのままその後の反応において使用した。

スキーム6の工程6−iiに示されるように、化合物2022(710mg,2.36mmol)をCCl4(20mL)およびK2CO3(651mg,4.71mmol)に溶解させ、NBS(461mg,2.59mmol)および過酸化ベンゾイル(57mg,0.24mmol)を加えた。その反応混合物を4時間加熱還流した。室温に冷却した後、その反応混合物を濾過し、固体をCCl4で洗浄した。濾液を減圧下で油状物に濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製することにより、メチル2−(ブロモメチル)−4−(5,6−ジメトキシ−3−ピリジル)−6−メチル−ベンゾエートを得た(化合物2023,685mg,純度約70%)。この化合物をそのままその後の反応において使用した。

スキーム6の工程6−iiiに示されるように、1H−ピラゾール−4−アミン(149mg,1.79mmol)、メチル2−(ブロモメチル)−4−(5,6−ジメトキシ−3−ピリジル)−6−メチル−ベンゾエート(680mg,1.79mmol)およびDIEA(231mg,312μL,1.79mmol)をDMF(5mL)中で混合し、6時間にわたって90℃に加熱し、16時間にわたって室温に冷却した。その反応混合物をEtOAc/水に溶かし、有機層を水、ブラインで洗浄し、乾燥し、減圧下で濃縮することにより、泡状物を得た。その泡状物をDCM/MeOH中で再結晶させた。得られた固体を濾集し、DCMで洗浄し、真空乾燥することにより、5−(5,6−ジメトキシ−3−ピリジル)−7−メチル−2−(1H−ピラゾール−4−イル)イソインドリン−1−オンを得た(化合物2024,115mg)。再結晶からの濾液を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(20〜100%EtOAc/hex)で精製することにより、さらなる88mgの化合物2024を得た(総収量203mg,0.66mmol,32%収率):ESMS(Μ+Η)351.26;

スキーム6の工程6−ivに示されるように、5−(5,6−ジメトキシ−3−ピリジル)−7−メチル−2−(1H−ピラゾール−4−イル)イソインドリン−1−オン(88mg,0.25mmol)を、Cs2CO3(123mg,0.38mmol)とともにDMF(2mL)に溶解させた。2−ブロモアセトニトリル(45mg,0.38mmol)を加え、その反応混合物を室温で一晩撹拌した。その反応混合物をMeOH/H2O/EtOAcで希釈し、得られた白色固体を濾集し、水、MeOHおよびEt2Oで順次洗浄し、真空乾燥することにより、2−(4−(5−(5,6−ジメトキシピリジン−3−イル)−7−メチル−1−オキソイソインドリン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)アセトニトリルを得た(化合物48,30mg,0.077mmol,29%収率):ESMS(Μ+Η)390.29;

スキーム6。

実施例7.2−(4−(7−クロロ−5−(5,6−ジメトキシピリジン−3−イル)−1−オキソイソインドリン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)アセトニトリル(化合物58)の調製 スキーム7の工程7−iに示されるように、密閉されたチューブ内にて、2,3−ジメトキシ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(503mg,1.9mmol)、メチル4−ブロモ−2−クロロ−6−メチル−ベンゾエート(500mg,1.9mmol)およびCs2CO3(1.24g,3.8mmol)をDMSO(7mL)中で混合した。その溶液に窒素ガスを5分間通して泡立て、dppfPdCl2(78mg,0.1mmol)を加え、その容器を密閉した。その反応混合物を窒素雰囲気下、60分間90℃で加熱した。冷却した後、その混合物をEtOAc/水に注ぎ込んだ。有機層を水、ブラインで洗浄し、Florisil(登録商標)のプラグに通し、減圧下で濃縮した。得られた油状物をシリカゲルクロマトグラフィー(0〜50%EtOAc/ヘキサン類)で精製することにより、メチル2−クロロ−4−(5,6−ジメトキシ−3−ピリジル)−6−メチル−ベンゾエートを得た(化合物2025,367mg,1.14mmol,60%収率):ESMS(M+H)322.12。

スキーム7の工程7−iiに示されるように、メチル2−クロロ−4−(5,6−ジメトキシ−3−ピリジル)−6−メチル−ベンゾエート(365mg,1.13mmol)をCCl4(20mL)に溶解させ、NBS(162mg,0.907mmol)を加えた。その反応混合物を3時間加熱還流し、この時点でK2CO3(150mg)およびさらなるNBS(60mg)を加えた。その反応混合物をさらに6時間加熱した。この時点において、HPLC解析は、約30%の出発物質(化合物2025)が、化合物2026に変換されたことを示した。さらなるNBS(60mg)を加え、その反応混合物をさらに6時間還流した後、混合物を室温で一晩静置した。この時点において、HPLC解析は、約50%の出発物質が生成物に変換されたことを示唆した。その反応混合物を濾過し、CCl4で洗浄し、濾液を減圧下で濃縮することにより、粗2−(4−(7−クロロ−5−(5,6−ジメトキシピリジン−3−イル)−1−オキソイソインドリン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)アセトニトリル(化合物2026)を油状物として得て、これをそのままその後の反応において使用した。

スキーム7の工程7−iiiに示されるように、工程7−iiから得られた化合物2026をDMF(5mL)に溶解させ、2−(4−アミノピラゾール−1−イル)アセトニトリル(100mg,0.82mmol)およびDIEA(226mg,304μL,1.75mmol)を加えた。その反応混合物を4時間にわたって80℃に加熱し、室温に冷却し、一晩静置した。その混合物をEtOAc/水(1:1、160mL)に注ぎ込んだ。有機層を水で洗浄し、乾燥し、減圧下で濃縮することにより、残渣を得て、それをMeOH(20mL)で処理したところ、固化した。その固体を濾集し、EtOAc(30mL)に溶かし、加熱還流した。室温に冷却した後、結晶性生成物を濾集し、真空乾燥することにより、2−(4−(7−クロロ−5−(5,6−ジメトキシピリジン−3−イル)−1−オキソイソインドリン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)アセトニトリルを得た(化合物58,68mg,0.17mmol,15%収率):ESMS(Μ+Η)410.3;

スキーム7。

実施例8.2−(4−(2−(5,6−ジメトキシピリジン−3−イル)−5−オキソ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6(7H)−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)アセトニトリル(化合物25)の調製 スキーム8の工程8−iに示されるように、国際特許出願公開番号WO2006/095159の手順に従って、オキシ塩化リン(45mL)中のエチル2−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキシレート(5.92g,32.6mmol)の混合物を、90℃で1時間加熱した。冷却した後、その反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣に氷水を加えた後、28%水酸化アンモニウムを加えることにより、pHを7に調整した。得られた白色固体を濾集し、氷水で洗浄し、高減圧下で乾燥することにより、エチル6−クロロ−2−メチルニコチネートを得た(化合物2027,6.18g,94.7%収率):ESMS(M+1)200.19;

スキーム8の工程8−iiに示されるように、アセトニトリル/水の混合物(3:1,90mL)中の、エチル6−クロロ−2−メチルピリジン−3−カルボキシレート(化合物2027,4.0g,20mmol)と、2,3−ジメトキシ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(化合物2021,5.84g,22mmol)と、Pd(PPh3)4(1.15g,1mmol)と、炭酸ナトリウム(6.37g,60mmol)との混合物を、窒素雰囲気下、90℃で4時間加熱した。冷却した後、揮発性物質を減圧下で除去し、残渣をDCMに溶解させた。水で洗浄した後、有機相を乾燥し(Na2SO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(0〜20%EtOAc/ヘキサン類)で精製することにより、エチル5’,6’−ジメトキシ−6−メチル−2,3’−ビピリジン−5−カルボキシレートを得た(化合物2028,5.8g,95.7%収率):ESMS(M+1)303.41;

スキーム8の工程8−iiiに示されるように、CCl4(75mL)中の化合物2029(4.4g,14.6mmol)の溶液に、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN,239mg,1.46mmol)およびNBS(1.7g,9.55mmol)を加えた。その混合物を窒素雰囲気下、80℃で1.5時間撹拌した。その反応混合物を濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(20%EtOAc/ヘキサン類)で精製することにより、出発物質とエチル5’,6’−ジメトキシ−6−ブロモメチル−2,3’−ビピリジン−5−カルボキシレート(化合物2029,4.44g,純度約60%)との混合物を得た:ESMS(M+1)381.4,383.19。その生成物をそのままその後の反応において使用した。

スキーム8の工程8−ivに示されるように、DMF(40mL)中の上記混合物(化合物2029,2.2g,純度約60%)の溶液を、0℃でDMF(20mL)中の2−(4−アミノ−1H−ピラゾール−1−イル)アセトニトリル(844mg,6.9mmol)および炭酸ナトリウム(732mg,6.9mmol)の懸濁液に2時間にわたって滴下した。滴下が完了した後、その反応混合物を0℃で2時間撹拌し、80℃で15時間加熱した。さらなる炭酸ナトリウム(732mg)を加え、その反応混合物を90℃でさらに7時間加熱した。冷却した後、その混合物を水に注ぎ込んだところ、沈殿物が形成された。その固体を濾集し、メチルt−ブチルエーテルで洗浄し、高減圧下で乾燥することにより、2−(4−(2−(5,6−ジメトキシピリジン−3−イル)−5−オキソ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6(7H)−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)アセトニトリルを得た(化合物25,450mg)。

スキーム8。

実施例9.2−(5,6−ジメトキシピリジン−3−イル)−4−メトキシ−6−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オン(化合物88)の調製 スキーム9の工程9−iに示されるように、エチル4,6−ジヒドロキシ−2−メチルピリジン−3−カルボキシレート(Accla Biochem Inc.)を50mLのPOCl3に懸濁させ、窒素雰囲気下、5時間90℃に加熱した。その反応混合物を冷却し、減圧下で濃縮した。薄黒い油状物に撹拌しながら氷を加えた後、酢酸エチルおよび水を加えた。有機相を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過した後、揮発性物質を減圧下で除去し、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製することにより、エチル4,6−ジクロロ−2−メチルニコチネートを淡黄色油状物として得た(化合物2030,62%収率):ESMS(Μ+Η)234/236/238;

スキーム9の工程9−iiに示されるように、化合物2030(500mg,2.14mmol)および2,3−ジメトキシ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(化合物2021,566mg,2.14mmol)を10mLのDMEに溶解させ、それに窒素を5分間流した。窒素を流し続けつつ、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(250mg,0.2136mmol)を加えた。飽和2M K2CO3水溶液(2.2mL)(窒素を流したもの)を加え、その混合物を1.5時間にわたって70℃に加熱した。揮発性物質を減圧下で除去し、残渣を水および2mLの1.0N HClで処理した。沈殿物が形成され、それをEtOAcと水とに分配した。有機相を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、揮発性物質を減圧下で除去した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(DCM−25%EtOAc/DCM)で精製することにより、エチル4−クロロ−5’,6’−ジメトキシ−6−メチル−2,3’−ビピリジン−5−カルボキシレート(化合物2031,650mg,90%収率)の白色−ベージュの固体を得た:ESMS(M+1)337/339;

スキーム9の工程9−iiiに示されるように、化合物2031(650mg,1.93mmol)を無水メタノールに溶解させ、それに3.0mLの新たに調製された2.54Mナトリウムメトキシドを加えた。その反応物を窒素雰囲気下、60℃で16時間加熱した。室温に冷却した後、揮発性物質を減圧下で除去し、残渣を水とEtOAcとに分配した。有機相を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、揮発性物質を減圧下で除去した。シリカゲルクロマトグラフィーで精製することにより、エチル4,5’,6’−トリメトキシ−6−メチル−2,3’−ビピリジン−5−カルボキシレート(化合物2032,200mg,32%収率)を白色固体として得た:ESMS(M+1)319;

スキーム9の工程9−ivに示されるように、化合物2032(200mg,0.628mmol)およびNBS(112mg,0.63mmol)を15mLのCCl4に加え、その溶液を窒素で5分間パージした。過酸化ベンゾイル(20モル%)を加え、その反応混合物を窒素下、65℃で16時間加熱した。さらなる1当量のNBSおよび0.3当量の過酸化ベンゾイルを加え、さらに1時間加熱を続けた。炭酸カリウム(1.0g)を酸スカベンジャーとして加え、加熱をさらに24時間続けた。その反応混合物を冷却し、綿栓で濾過し、揮発性物質を減圧下で除去した。残渣をDCMに溶かし、シリカゲルのプラグに通し、それをさらなるDCMで溶出した。EtOAcで溶出することにより、粗生成物を回収し、それをさらにシリカゲルクロマトグラフィー(DCM−1:1EtOAc/DCMで精製することにより、エチル6−(ブロモメチル)−4,5’,6’−トリメトキシ−2,3’−ビピリジン−5−カルボキシレートを得た(化合物2033,87mgの白色固体:ESMS(M+1)397/399。

スキーム9の工程9−vに示されるように、化合物2033(100mg,0.252mmol)、1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−4−アミノピラゾール(42mg,0.25mmol)およびDIEA(65mg,0.5mmol)を4mLのDMFに溶解させ、110℃で3時間加熱した。その反応混合物を冷却し、水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機相を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物をシリカゲルのプラグに通し、それを5%EtOH/EtOAcで溶出した。濾液をシリカゲルクロマトグラフィー(5%MeOH/DCM−7.5%MeOH/DCM)で精製することにより、2−(5,6−ジメトキシピリジン−3−イル)−4−メトキシ−6−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オン(化合物88,11mg,9%収率)をベージュの固体として得た:ESMS(M+1)450。

スキーム9。

実施例10.4−クロロ−2−(5,6−ジメトキシピリジン−3−イル)−6−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オン(化合物82)および2−(5,6−ジメトキシピリジン−3−イル)−4−エチル−6−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オン(化合物182)の調製 スキーム10の工程10−iおよび10−iiに示されるように、化合物2032から化合物88への変換と同様の様式で、化合物2031を化合物82に変換した。

スキーム10の工程10−iiiに示されるように、4−クロロ−2−(5,6−ジメトキシピリジン−3−イル)−6−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オン(化合物82,75mg,0.165mmol)および脱気された2M炭酸ナトリウム水溶液(826μL,1.65mmol)を10mLのトルエンに懸濁させた。その反応混合物を窒素で5分間パージし、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(38mg,0.033mmol]を加えた後、THF中の2Mトリエチルボレート溶液(992μL,1.0mmol)を加えた。その反応容器を密閉し、80℃で14時間加熱した。その反応混合物を冷却し、揮発性物質を減圧下で除去した。残渣をEtOAc/DCM1:1に溶解させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。その生成物を分取薄層クロマトグラフィーで精製することにより、2−(5,6−ジメトキシピリジン−3−イル)−4−エチル−6−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オンを得た(化合物182,1.1mg):ESMS(M+1)448。

スキーム10。

実施例11.2−(5,6−ジメトキシピリジン−3−イル)−3−メチル−6−(1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オン(化合物238)の調製 スキーム11の工程11−iに示されるように、2,5−ジメチルニコチン酸(化合物2034,519mg,3.43mmol)を、マイクロ波用バイアル内で1,1,1−トリエトキシエタン(5.57g,6.29mL,34.3mmol)に溶解させた。その反応混合物を5分間、150℃に加熱した。30mLのDCMで希釈した後、有機相を10mLの飽和NaHCO3で洗浄した。有機層を相分離器に通し、次いで、減圧下で濃縮することにより、エチル2,5−ジメチルニコチネート(化合物2035,390mg,63%収率)を黄色油状物として得た:ESMS(M+1)179.89;

スキーム11の工程11−iiに示されるように、化合物2035(354mg,1.98mmol)および1,3,5−トリクロロ−1,3,5−トリアジナン−2,4,6−トリオン(689mg,2.96mmol)をDCM(1.8mL)中で混合した。室温で18時間撹拌した後、その混合物を、各々20mLの飽和炭酸ナトリウムおよびジクロロメタンで希釈した。有機相を分離し、飽和炭酸ナトリウムで洗浄し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、エチル2−(クロロメチル)−5−メチルニコチネート(化合物2036,465mg)を淡黄色油状物として得た:ESMS(M+1)213.86。

スキーム11の工程11−iiiに示されるように、化合物2036(465mg,2.18mmol)を40mlバイアルに入れ、DCM(4.35mL)で希釈し、3−クロロベンゼンカルボペルオキソ酸(m−CPBA,551mg,2.39mmol)を撹拌しながら室温にて加えた。18時間後、その混合物を30mLのDCMで希釈し、飽和炭酸ナトリウム(3×5mL)で洗浄し、ブラインで洗浄した。有機相を相分離器に通し、減圧下で濃縮乾固することにより、エチル2−(クロロメチル)−3−(エトキシカルボニル)−5−メチルピリジン1−オキシドを得た(化合物2037,318mg,1.38mmol,63%収率):ESMS(M+1)230.14。この材料をそのままその後の反応において使用した。

スキーム11の工程11−ivに示されるように、化合物2037(318mg,1.385mmol)をオキシ塩化リン(4.25g,2.58mL,27.7mmol)に溶解させた。その反応混合物を窒素雰囲気下、18時間90℃に加熱した。その混合物を減圧下で濃縮乾固させ、5mLのDCMで希釈し、5mLの水で洗浄した。有機相を相分離器に通し、揮発性物質を減圧下で除去した。シリカゲルクロマトグラフィーで精製することにより、エチル6−クロロ−2−(クロロメチル)−5−メチルニコチネートを得た(化合物2038,78mg,0.314mmol,22.7%):ESMS(M+1)248.17;

スキーム11の工程11−vに示されるように、化合物2038(76mg,0.306mmol)を1mLのDMFに溶解させ、1mLのDMF中の1H−ピラゾール−4−アミン(63.6mg,0.766mmol)およびDIEA(59.4mg,801μL,0.46mmol)の撹拌溶液に滴下した。その反応物を室温で2時間撹拌し、次いで、80℃で一晩加熱した。10mLのメタノールを加えた後、その混合物を冷却することにより、固体を得た。その固体を濾集し、3mLのメタノールで洗浄した。その固体を高減圧下で一晩乾燥することにより、2−クロロ−3−メチル−6−(1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オンを得た(化合物2039,35mg,0.141mmol,46%収率)。ESMS(M+1)249.08。

スキーム11の工程11−viに示されるように、2,3−ジメトキシ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(化合物2028,45mg,0.169mmol)、1M炭酸ナトリウム(281μL,0.281mmol)および化合物2039(35mg,0.141mmol)を3mLのDMFにスラリーとして溶かした。その混合物を、窒素を用いて30分間脱気し、Pd(PPh3)4(32.5mg,0.028mmol)を加えた。その混合物を、窒素を用いてさらに5分間脱気し、次いで、密閉バイアル中で、80℃で18時間加熱した。さらなるメタノールを加えた後、DCMで希釈した。有機相を、Na2CO3の飽和溶液で洗浄し、相分離器に通し、減圧下で濃縮乾固させた。その生成物を逆相HPLC(10〜90%アセトニトリル/水)で精製することにより、2−(5,6−ジメトキシピリジン−3−イル)−3−メチル−6−(1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オンを得た(化合物238,18.8mg,0.052mmol,37%収率);ESMS(M+1)352.26;

スキーム11。

実施例12.2−(5,6−ジメトキシピリジン−3−イル)−4−メチル−6−(1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オン(化合物135)の調製 スキーム12の工程12−iに示されるように、DMF/アセトニトリル/水(1:1:0.5)中の、化合物2021(111mg,0.42mmol)と、炭酸ナトリウム(97mg,0.91mmol)と、2−クロロ−4−メチル−6−(1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オン(化合物2040,104mg,0.42mmol;実施例11の工程11−vにおける化合物2039の調製と同様の様式でエチル6−クロロ−2−(クロロメチル)−4−メチルニコチネートから調製される)との脱気された混合物に、Pd(PPh3)4(50mg,0.04mmol)を加えた。その反応混合物を密閉チューブ内で、90℃で48時間加熱した。水(5mL)を加え、その混合物を室温にて30分間撹拌した。濾過した後、収集された固体をMeOHおよびEtOAcで洗浄し、EtOAc中で超音波処理し、次いで、濾集することにより、2−(5,6−ジメトキシピリジン−3−イル)−4−メチル−6−(1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オン(化合物135,100mg,66%収率)を淡緑色固体として得た:ESMS(Μ+Η)352.4;

スキーム12。

実施例13.2−(5,6−ジメトキシピリジン−3−イル)−4−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オン(化合物2043)の調製 スキーム13の工程13−iに示されるように、エチル6−クロロ−2−(クロロメチル)−4−メチルニコチネート(化合物2041,5.11g,20.6mmol;実施例11における化合物2038の調製と同様の様式で2,5−ジメチルニコチン酸から調製される)をメタノール(30.6mL)に溶解させた。7Mアンモニア/MeOH(21.3mL,149mmol)を加えた後、水酸化アンモニウム(18.7g,20.8mL,533mmol)を加えた。その反応混合物を室温で一晩撹拌し、形成した沈殿物を濾集し、高減圧下で乾燥することにより、2−クロロ−4−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オンを得た(化合物2042,2.6g,14.2mmol,69%収率):ESMS(M+1)183.29;

スキーム13の工程13−iiに示されるように、2−クロロ−4−メチル−6,7−ジヒドロピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オン(2.54g,13.91mmol)、1M炭酸ナトリウム(27.82mmol)および2,3−ジメトキシ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(4.43g,16.7mmol)をDMF(216mL)中でスラリーにした。その反応混合物に30分間、窒素を流した。Pd(PPh3)4(1.607g,1.391mmol)を加え、さらに5分間、窒素を流し続けた。次いで、その反応混合物を80℃で16時間加熱した。その混合物を1Lの酢酸エチルおよび350mLの飽和NaHCO3で希釈した。沈殿物が分液漏斗内で形成し、それを濾集し、EtOAc、水およびエチルエーテルで洗浄した。その固体を高減圧下で一晩乾燥することにより、2−(5,6−ジメトキシ−3−ピリジル)−4−メチル−6,7−ジヒドロピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オンを得た(化合物2043,3.82g,13.38mmol,96%収率):ESMS(M+H)286.29;

スキーム13。

実施例14.2−(5,6−ジメトキシピリジン−3−イル)−6−(5−メチルチオフェン−2−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オン(化合物252)の調製 スキーム14の工程14−iに示されるように、2−(5,6−ジメトキシ−3−ピリジル)−6,7−ジヒドロピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オン(化合物2044,100mg,0.37mmol;実施例13の工程13−iに示されるように化合物2029のアミノ分解によって調製される)、2−ヨード−5−メチル−チオフェン(99mg,54μL,0.44mmol)および炭酸セシウム(240mg,0.737mmol)をねじぶた付きの小チューブに量り入れた。その反応混合物に窒素を15分間流した。CuI(14.0mg,0.074mmol)およびN,N’−ジメチルエタン−1,2−ジアミン(6.5mg,7.8μL,0.073mmol)を加え、さらに5分間、窒素を流し続けた。そのチューブを密閉し、内容物を100℃で18時間加熱した。室温に冷却した後、その反応混合物を20mLの水で希釈し、沈殿物を濾集した。その固体を水で洗浄し、メタノールで洗浄し、次いで、6mLのDMSOに溶かした。逆相HPLCで精製することにより、2−(5,6−ジメトキシピリジン−3−イル)−6−(5−メチルチオフェン−2−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オンを得た(化合物252,31.6mg,0.084mmol,23%収率):ESMS(Μ+Η)368.01;

スキーム14。

実施例15.2−(5,6−ジメトキシピリジン−3−イル)−7,7−ジメチル−6−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オン(化合物311)の調製 スキーム15の工程15−iに示されるように、DMF(500μL)中の、2−(5,6−ジメトキシピリジン−3−イル)−6−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オン(化合物115,20mg,0.047mmol,実施例8に示された様式と同様の様式で化合物2029と1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−アミンとを反応させることによって調製される)の溶液に、ヨードメタン(17mg,0.119mmol)を加えた後、NaH(6mg,鉱油中60%w/w)を加えた。その反応物を室温で2時間撹拌し、NaHCO3の飽和水溶液(1mL)でクエンチし、DCM(3×2mL)で抽出した。有機相を濃縮し、粗残渣を分取シリカゲル薄層クロマトグラフィー(100%EtOAc)で精製することにより、2−(5,6−ジメトキシピリジン−3−イル)−7,7−ジメチル−6−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オン(化合物346,11.2mg,50%収率)を白色固体として得た::ESMS(Μ+Η)447.87;

スキーム15。

実施例16.(S)−2−(6−エトキシ−5−メトキシピリジン−3−イル)−7−メチル−6−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オン(化合物354)および(R)−2−(6−エトキシ−5−メトキシピリジン−3−イル)−7−メチル−6−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オン(化合物355)の調製 スキーム16の工程16−iに示されるように、0℃のDCM(120mL)中の2,2,2−トリフルオロエタノール(26.54g,19.33mL,265mmol)およびピリジン(20.99g,21.46mL,265mmol)の溶液に、DCM(150mL)中のトリフルオロメチルスルホニルトリフルオロメタンスルホネート(74.85g,44.6mL,265mmol)の溶液を、滴下漏斗を介して45分間にわたって加えた。滴下が完了した後、その反応混合物をさらに15分間撹拌し、次いで、水(400mL)でクエンチした。有機相を水(400mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過することにより、2,2,2−トリフルオロエチルトリフルオロメタンスルホネート(化合物2045)を得て、それをそのまま使用した。スキーム16の工程16−iiに示されるように、化合物2045の溶液を、氷水浴内で、冷却されたK2CO3(61.11g,442.2mmol)を含むDMF(200mL)中の4−ニトロ−1H−ピラゾール(25g,221.1mmol)の溶液に25分間にわたって加えた。添加が完了したら、冷却浴を除去し、その反応混合物を23℃で16時間撹拌した。有機相を水(500mL)で洗浄し、水性の洗浄液をDCM(150mL)で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られたDMF含有濃縮物をEtOAc:ヘキサン類(1:1、500mL)で希釈し、水(3×250mL)、ブライン(200mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮することにより、4−ニトロ−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピラゾール(化合物2046,40.4g,207.1mmol,93.65%収率)を黄褐色固体として得た:

スキーム16の工程16−iiiに示されるように、Parrボトル内のEtOH(600mL)中の化合物2046(40.4g,207.1mmol)の溶液に、パラジウム(10g,9.397mmol)(Pd/C,乾燥ベースで10wt%,湿式,Degussaタイプ)を加えた。その混合物を50p.s.i.の水素ガス下に置き、23℃で40分間振盪した。その反応混合物をCorning 0.22μmPES膜に通し、濾液を濃縮することにより、1−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピラゾール−4−アミン(化合物2047,33.94g,205.6mmol,99.24%収率)を赤味を帯びた透明油状物として得た:

スキーム16の工程16−ivに示されるように、23℃のTHF(204.6mL)中の化合物2047(7.16g,43.36mmol)に、フロ[3,4−b]ピリジン−5,7−ジオン(6.465g,43.36mmol)を加えた後、DMAP(52.97mg,0.4336mmol)を加えた。その反応混合物を50℃で撹拌した。3時間後、無水酢酸(8.853g,8.182mL,86.72mmol)を加え、その反応混合物を70℃でさらに1.5時間加熱した。冷却した後、その反応混合物を濃縮し、残渣をDCMと飽和NaHCO3水溶液(各100mL)とに分配した。水層をDCM(50mL)で抽出し、合わせた有機相を飽和NaHCO3水溶液(100mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を熱EtOAc/ヘキサン類から再結晶することにより、6−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5,7(6H)−ジオン(化合物2048,6.07g,20.49mmol,47.27%)を黄色針状晶として得た:ESMS(Μ+Η)297.23;

スキーム16の工程16−vに示されるように、窒素雰囲気下、−78℃のTHF(500mL)中の化合物2048(5.69g,19.21mmol)に、臭化メチルマグネシウム(16.95g,THF/トルエン(1:3)中1.4M溶液の16.46mL,23.05mmol)をゆっくり加えた。−78℃で1時間撹拌した後、その反応物を0℃に温め、さらに1時間撹拌した。その反応物を飽和NH4Cl水溶液(100mL)でクエンチした。15分間撹拌した後、その混合物を減圧下で部分的に濃縮し、水(150mL)とEtOAc(200mL)とに分配した。有機相をブライン(150mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、濃縮することにより、7−ヒドロキシ−7−メチル−6−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オン(化合物2049,5.77g,18.48mmol,96.2%収率)を黄色固体として得た:ESMS(Μ+Η)313.23;

スキーム16の工程16−viに示されるように、23℃のDCM(170mL)中の化合物2049(5.77g,18.48mmol)に、Et3N(7.48g,10.30mL,73.9mmol)を加えた後、塩化メタンスルホニル(MsCl,3.18g,2.15mL,27.7mmol)を加えた。20分間撹拌した後、EtOH(6mL)を加え、任意の過剰量のMsClをクエンチするために、撹拌を10分間続けた。その反応混合物を飽和NaHCO3水溶液(300mL)とDCM(50mL)とに分配した。水層をDCM(150mL)で抽出し、合わせた有機相を乾燥し(MgSO4)、濾過し、EtOH(200mL)と混合した。得られた溶液(7−メチレン−6−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オン,化合物2050を含む)を減圧下でおよそ100mLに濃縮し、さらなるEtOH(250mL)で希釈した。スキーム16の工程16−viiに示されるように、Pd/C(乾燥ベースで10wt%,湿式,Degussaタイプ,2.85g)を加え、その反応混合物を水素雰囲気下、1時間撹拌した。解析から、出発物質から生成物への不完全な変換が示されたので、その混合物を濾過し、新たな触媒(3.0g)で処理し、次いで、水素雰囲気下、23℃で90分間撹拌した。その触媒を濾過により除去し、得られた溶液を減圧下で濃縮することにより、7−メチル−6−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オンを得た(化合物2051,5.532g,18.67mmol,100%収率):ESMS(Μ+Η)297.23;

NMR解析は、微量の過還元材料が示すが、粗生成物をそのままその後の反応において使用した。

スキーム16の工程16−viiiに示されるように、CHCl3(58.20mL)中の化合物2051(5.532g,18.67mmol)の溶液に、m−CPBA(6.903g,28.00mmol)を加えた。その反応混合物を23℃で2日間撹拌した。その反応混合物を飽和NaHCO3水溶液とDCM(各100mL)とに分配し、水層をDCM(100mL)で抽出した。合わせた有機相を乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を中圧シリカゲルクロマトグラフィー(DCM中の0〜15%MeOH)で精製することにより、7−メチル−5−オキソ−6−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン1−オキシド(化合物2052,3.47g,11.11mmol,59.5%収率)を白色固体として得た:ESMS(Μ+Η)313.23;

スキーム16の工程16−ixに示されるように、85℃のCHCl3(10mL)中の化合物2052(3.47g,11.11mmol)に、POCl3(17.04g,10.36mL,111mmol)を加えた。85℃において2.5時間後、その反応混合物をトルエン(30mL)で処理し、次いで、濃縮することにより、暗紫色ガラス状油状物を得て、それをDCMと飽和NaHCO3水溶液(各300mL)とに分配した。不溶性の薄黒い材料が観察された。水層をDCM(3×150mL)で抽出し、合わせた有機相を乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を中圧シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン類中の0〜80%EtOAc)で精製することにより、2−クロロ−7−メチル−6−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オン(化合物2053,1.20g,3.64mmol,32.8%収率)を黄褐色固体として得た:ESMS(Μ+Η)331.19;

スキーム16の工程16−xに示されるように、化合物2053(366mg,1.107mmol)、2−エトキシ−3−メトキシ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(371mg,1.328mmol)、Na2CO3(352mg,3.32mmol)およびPd(PPh3)4(64mg,0.055mmol)に、DMF(12mL)を加えた後、水(3mL)を加えた。反応容器から空気を抜き、反応容器を水素雰囲気下にし、100℃に温めた(砂浴)。18時間後、その反応混合物をEtOAcと水(各100mL)とに分配した。有機相を水(2×80mL)、ブライン(80mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を熱EtOAc(20mL)に溶解させ、次いで、ヘキサン類(20mL)で処理した。23℃で2.5時間静置した後、得られた沈殿物を濾集し、真空乾燥することにより、(S)−2−(6−エトキシ−5−メトキシピリジン−3−イル)−7−メチル−6−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オン(化合物354)と(R)−2−(6−エトキシ−5−メトキシピリジン−3−イル)−7−メチル−6−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オン(化合物355)との混合物(347mg,0.7583mmol,68.50%)をオフホワイトの針状晶として得た:ESMS(Μ+Η)448.39;

これらの2つの化合物を、改質剤(modifier)としてDMFを用いてWhelk−O−1(登録商標)(Regis Technologies,Inc.)カラムにおける超臨界流体クロマトグラフィーで分離することにより、個別のエナンチオマーを得た。

スキーム16。

実施例17.2−(5,6−ジメトキシピリジン−3−イル)−7−メトキシ−6−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オン(化合物256)の調製 スキーム17の工程17−iに示されるように、23℃のAcOH(30mL)中の6−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5,7(6H)−ジオン(化合物2048,2.32g,7.832mmol)に、Zn(2.561g,39.16mmol)を加えた。23℃で20分間撹拌した後、その反応混合物をガラスフリットで濾過し、濾液を濃縮した。残渣を、熱EtOH(40mL)に溶解/懸濁させた。得られた混合物を冷却し、Et2O(50mL)で処理した。得られた沈殿物を濾集し、母液を減圧下で濃縮し、得られた固体を熱EtOH(20mL)およびEt2Oから再結晶させることにより、さらなる7−ヒドロキシ−6−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オン(化合物2055,合計1.61g)を黄色固体として得た:ESMS(Μ+Η)299.26;

スキーム17の工程17−iiに示されるように、23℃のDCM(20mL)およびTHF(10mL)中の化合物2055(1.16g,3.890mmol)の溶液/懸濁液に、TEA(1.58g,2.17mL,15.56mmol)を加えた後、MsCl(668mg,452μL,5.84mmol)を加えた。出発物質は、10分間のうちに溶解し始めた。1時間後、メタノール(10mL)を加えた。さらに2時間撹拌した後、その混合物を減圧下で濃縮した。残渣をDCMと飽和NaHCO3水溶液(各100mL)とに分配し、水層をDCM(50mL)で抽出した。合わせた有機相を乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を中圧シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン類中の0〜100%EtOAc)で精製することにより、7−メトキシ−6−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オン(化合物2056,0.82g,2.63mmol,67.5%収率)を白色固体として得た:ESMS(Μ+Η)313.29;

スキーム17の工程17−iiiに示されるように、CHCl3(10mL)中の化合物2056(0.82g,2.63mmol)の溶液に、mCPBA(777mg,3.15mmol)を加えた。その反応物を23℃で5分間撹拌し、59℃に温め(砂浴)、59℃で24時間、次いで、23℃でさらに3日間撹拌した。中圧シリカゲルクロマトグラフィー(DCM中の0〜15%MeOH)で精製することにより、7−メトキシ−5−オキソ−6−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン1−オキシド(化合物2057,628mg,1.91mmol,73%収率)を白色固体として得た:ESMS(Μ+Η)329.23;

スキーム17の工程17−ivに示されるように、化合物2057(620mg,1.89mmol)にCHCl3(3.5mL)を加えた後、POCl3(5.79g,3.52mL,37.8mmol)を加えた。その反応混合物を90℃に加熱した(砂浴)。1.8時間後、トルエン(10mL)を加え、次いで、その溶液を減圧下で濃縮することにより、過剰量のPOCl3を除去した。残渣をDCMと飽和NaHCO3水溶液(各100mL)とに分配し、水層をDCM(50mL)で抽出した。合わせた有機相を乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮し、残渣を中圧シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン類中の0〜65%EtOAc)で精製することにより、2−クロロ−7−メトキシ−6−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オン(化合物2058,275mg,0.79mmol,42%収率)を透明油状物として得た:ESMS(Μ+Η)347.18;

スキーム17の工程17−vに示されるように、化合物2058(293mg,0.85mmol)、2,3−ジメトキシ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(269mg,1.01mmol)、Na2CO3(179mg,1.69mmol)およびPd(PPh3)4(98mg,0.085mmol)に、DMF(10mL)を加えた後、水(2mL)を加えた。反応容器から空気を抜き、反応容器を窒素雰囲気下にし、次いで、110℃に温めた(砂浴)。16時間後、その反応混合物をEtOAcと水(各100mL)とに分配した。有機相を水(70mL)、ブライン(70mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をEtOAc(7mL)に溶解/懸濁させ、50℃の水浴内でかき混ぜながら40分間加熱した。得られた混合物をヘキサン類(5mL)で処理し、50℃でさらに5分間かき混ぜた。23℃に冷却した後、得られた固体を濾集し、1:1(EtOAc:ヘキサン類,5mL)で洗浄することにより、2−(5,6−ジメトキシピリジン−3−イル)−7−メトキシ−6−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オン(化合物256)をエナンチオマーの混合物として得た:ESMS(Μ+Η)450.44;

スキーム17。

実施例18.2−(5,6−ジメトキシピリジン−3−イル)−7−(2−メトキシエトキシ)−6−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オン(化合物336)の調製 スキーム18の工程18−iに示されるように、CHCl3(80mL)およびMeOH(40mL)中の7−ヒドロキシ−6−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オン(化合物2055,4.35g,14.6mmol)に、mCPBA(5.39g,21.9mmol)を加えた。24時間撹拌した後、さらなるmCPBA(1.26g,7.30mmol)を加えた。さらに16時間撹拌した後、得られた沈殿物を濾集し、DCM(10mL)およびEt2O(20mL)で洗浄することにより、7−ヒドロキシ−5−オキソ−6−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン1−オキシド(化合物2059,2.49g)を白色固体として得た:ESMS(Μ+Η)315.25;

スキーム18の工程18−iiに示されるように、MeCN(10mL)中の化合物2059(312mg,0.99mmol)に、K2CO3(686mg,4.96mmol)を加えた後、POCl3(761mg,463μL,4.96mmol)を加えた。その反応混合物を窒素雰囲気下、24時間還流し、次いで、ガラスフリットで濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、次いで、DCM(60mL)と水(10mL)と飽和NaHCO3水溶液(50mL)とに分配した。水層をDCM(50mL)で抽出し、合わせた有機相を乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を中圧シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン類中の0〜60%EtOAc)で精製することにより、2,7−ジクロロ−6−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オン(化合物2060,150mg,0.43mmol,43%)を白色固体として得た:

スキーム18の工程18−iiに示されるように、DMF(6mL)中の化合物2060(180mg,0.5127mmol)に、2,3−ジメトキシ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(化合物2021,163mg,0.62mmol)、Na2CO3(217mg,2.05mmol)、Pd(PPh3)4(30mg,0.026mmol)および2−メトキシエタノール(1.5mL,19.0mmol)を加えた。反応容器から空気を抜き、反応容器を窒素雰囲気下にし、次いで、100℃に温めた(砂浴)。16時間後、その反応混合物をEtOAcと水(各100mL)とに分配した。有機相を減圧下で濃縮し、残渣をDMSO(5mL)に溶解させ、逆相HPLC(0.1%TFA緩衝液を含む10〜90%MeCN水溶液)で精製することにより、2−(5,6−ジメトキシピリジン−3−イル)−7−(2−メトキシエトキシ)−6−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オン(化合物336,55mg)を白色凍結乾燥物として得た:ESMS(Μ+Η)494.39;

スキーム18。

実施例19.メチル2−(2−(5,6−ジメトキシピリジン−3−イル)−5−オキソ−6−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−7−イル)アセテート(化合物307)の調製 スキーム19の工程19−iに示されるように、7−ヒドロキシ−6−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オン(化合物2055,1.75g,5.87mmol)およびメチル2−トリフェニルホスホラニリデンアセテート(2.06g,6.16mmol)に、トルエン(23mL)およびTHF(12mL)を加えた。その反応混合物を加熱還流し、そこで2.5時間保持した。冷却した後、その反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を中圧シリカゲルクロマトグラフィー(DCM中の0〜7.5%EtOH)で精製することにより、メチル2−(5−オキソ−6−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−7−イル)アセテート(化合物2061,2.25g,6.35mmol)を透明油状物として得た:ESMS(Μ+Η)355.29。その生成物は、少量のトリフェニルホスフィンオキシドを含んでいたが、そのままその後の反応で使用した。

スキーム19の工程19−iiに示されるように、CHCl3(32mL)中の化合物2061(2.08g,5.89mmol)に、mCPBA(2.17g,8.80mmol)を加え、その反応混合物を2時間還流し、冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を中圧シリカゲルクロマトグラフィー(DCM中の0〜12%EtOH)で精製することにより、7−(2−メトキシ−2−オキソエチル)−5−オキソ−6−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン1−オキシド(化合物2062,1.31g,3.55mmol,60%収率)を白色固体として得た:ESMS(M+H)371.35;

スキーム19の工程19−iiiに示されるように、化合物2062(1.06g,2.86mmol)に、POCl3(13.17g,8.00mL,85.9mmol)を加えた。その反応混合物を90℃で2.5時間加熱した(砂浴)後、POCl3を減圧下で除去した。残渣を飽和NaHCO3水溶液とDCM(各100mL)とに分配し、水層をDCM(50mL)で抽出した。合わせた有機相を乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を中圧シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン類中の0〜100%EtOAc)で精製することにより、メチル2−(2−クロロ−5−オキソ−6−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−7−イル)アセテート(化合物2063,378mg,0.97mmol,34%収率)を白色固体として得た:ESMS(Μ+Η)389.33;

スキーム19の工程19−ivに示されるように、化合物2063(375mg,0.965mmol)、2,3−ジメトキシ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(化合物2021,307mg,1.16mmol)、Na2CO3(205mg,1.93mmol)、Pd(PPh3)4(112mg,0.0965mmol)に、DMF(12mL)を加えた後、水(2.5mL)を加えた。反応容器から空気を抜き、反応容器を窒素雰囲気下にし、次いで、110℃に温めた(砂浴)。18時間後、その反応混合物を冷却し、EtOAcと水(各100mL)とに分配した。有機相をブライン(50mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を熱EtOAc(20mL)に懸濁させ、60℃で45分間かき混ぜることにより、均一な懸濁液を得て、それを23℃で24時間静置した。得られた固体を濾集し、温DMSO(50mL)に溶解させ、0.45ミクロンPTFE膜(シリンジフィルター)で濾過した。濾液を水(5mL)で処理し、得られた沈殿物を濾集し、水(10mL)で洗浄し、温MeCN(5mL)に懸濁させ、水(5mL)で処理した。得られた懸濁液を凍結し、凍結乾燥することにより、メチル2−(2−(5,6−ジメトキシピリジン−3−イル)−5−オキソ−6−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−7−イル)アセテート(化合物307,195mg,0.38mmol,39%収率)を白色固体として得た:ESMS(Μ+Η)491.86;

スキーム19。

実施例20.6−(1−(2−(1H−ピラゾール−1−イル)エチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−2−(5,6−ジメトキシピリジン−3−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オン(化合物171)の調製 スキーム20の工程20−iに示されるように、2−(5,6−ジメトキシピリジン−3−イル)−6−(1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オン[化合物70,100mg,0.2964mmol,実施例12に示されたような化合物135の調製と同様の様式で2−クロロ−6−(1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オンおよび2,3−ジメトキシ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(化合物2021)から調製される]および炭酸セシウム(193mg,0.593mmol)を、スターラーバー(stir bar)を備えたコニカルマイクロ波用バイアルに量り入れた。DMF(1.05mL)を加えた後、1−(2−クロロエチル)ピラゾール(77mg,0.593mmol)を加えた。そのバイアルを密閉し、120℃で15分間加熱した。水(3mL)を加え、得られた沈殿物を濾集し、5mLの水で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮した。収集した固体および濾液の濃縮からの残渣の各々を、可溶化するまでDMSOで希釈し、逆相HPLCで精製することにより、6−(1−(2−(1H−ピラゾール−1−イル)エチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−2−(5,6−ジメトキシピリジン−3−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オンを得た(化合物171,22mg,0.05mmol,17%収率):ESMS(Μ+Η)432.0;

スキーム20。

実施例21.6−(5,6−ジメトキシピリジン−3−イル)−4−メチル−2−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン(化合物243)の調製 スキーム21の工程21−iに示されるように、窒素雰囲気下の1−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピラゾール−4−アミン(2.01g,12.2mmol)および炭酸カリウム(3.364g,24.34mmol)が入った丸底フラスコに、DMF(15mL)を加えた後、3−ブロモプロパ−1−イン(1.45g,1.09mL,12.2mmol)を加えた。その反応混合物を室温にて18時間撹拌した。水およびEtOAcを加え、水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機相をブライン、水で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc,1:1)で精製することにより、N−(プロパ−2−イニル)−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−アミン(化合物2064,1.19g、48%収率)を橙色固体として得た:

スキーム21の工程21−iiに示されるように、DCM(20mL)中の化合物2064(1.19g,5.88mmol)の溶液に、DIEA(2.28g,3.07mL,17.6mmol)、ブタ−2−イン酸(544mg,6.47mmol)およびDMAP(36mg,0.29mmol)を加えた。その反応混合物を氷浴内で冷却し、EDCI(1.05g,6.76mmol)を加え、3分後に冷浴を除去した。その反応混合物を室温にて18時間撹拌した後、水およびDCMを加え、層を分離した。水層をDCMで抽出し、合わせた有機相をブライン、水で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc,1:1)で精製することにより、N−(プロパ−2−イニル)−N−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)ブタ−2−インアミド(化合物2065,650mg,41%収率)を白色固体として得た:

スキーム21の工程21−iiiに示されるように、乾燥1,2−ジクロロエタン(3mL)中の、エチルN−(オキソメチレン)カルバメート(385mg,345μL,3.34mmol)およびCp*RuCl(cod)(21mg,0.056mmol)の溶液に、1,2−ジクロロエタン(6mL)中の化合物2065(303mg,1.11mmol)の溶液を窒素下、室温にて25分間にわたって加えた。その反応混合物を65℃で1時間加熱し、次いで、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc,1/1グラジエントから0/1)で精製することにより、エチル4−メチル−3,6−ジオキソ−2−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−5(6H)−カルボキシレート(化合物2066,179mg,41%収率)を白色固体として得た:

スキーム21の工程21−ivに示されるように、THF(10mL)中の化合物2066(614mg,1.58mmol)の溶液に、室温にてHCl(6M,10mL)を加えた。その反応混合物を一晩加熱還流し、次いで、減圧下で濃縮した。その残渣に、オキシ塩化リン(15mL,161mmol)を加え、その反応混合物を窒素雰囲気下、95℃で3時間加熱した。その混合物を冷却し、減圧下で濃縮した後、氷を加え、それに続いて、30分後にEtOAcを加えた。水層をEtOAcで抽出し、合わせた有機相をブラインで洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc,1:1)で精製することにより、6−クロロ−4−メチル−2−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン(化合物2067,356mg,68%)を白色固体として得た:ESMS(Μ+Η)330.90。

スキーム21の工程21−ivに示されるように、化合物2067(129mg,0.390mmol)および化合物2021(134mg,0.51mmol)をDMFおよび炭酸ナトリウム(1M,0.780mmol)に溶かし、30分間、その溶液に窒素を通して泡立てた。テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(23mg,0.020mmol)を加え、その反応混合物に窒素をさらに5分間流し、次いで、110℃で一晩加熱した。反応物を室温に冷却した後、EtOAcおよび水を加えた。水層をEtOAcで抽出し、合わせた有機相を乾燥し(硫酸ナトリウム)、珪藻土で濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc)で精製することにより、6−(5,6−ジメトキシピリジン−3−イル)−4−メチル−2−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン(化合物243,137mg;77%収率)を白色固体として得た。

スキーム21。

実施例22.2−(5,6−ジメトキシピリジン−3−イル)−7−メチル−6−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オン(化合物254)の調製 スキーム22の工程22−iに示されるように、冷却器が取り付けられた1L丸底フラスコに、2,6−ジクロロピリジン−3−カルボン酸(10.0g,52.1mmol)、2,3−ジメトキシ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(化合物2021,13.81g,52.1mmol)、Pd(PPh3)4(3.01g,2.60mmol)、Na2CO3(16.56g,156mmol)、ジオキサン(250mL)および水(100mL)を入れた。そのフラスコから1分間空気を抜き、その混合物をN2雰囲気下に置いた。その混合物を110℃で16時間加熱し、その後、沈殿物が形成された。その反応混合物を冷却し、分液漏斗に移した。Na2CO3(200mLの10wt%水溶液)を加えた後、水(100mL)およびEtOAc(500mL)を加えた。沈殿物/エマルジョンはそのまま残り、主に水層に局在化した。その水層を分離し、EtOAc(300mL)で洗浄し、次いで、濃HCl(約50mL)で慎重にpH2に酸性化した。得られた沈殿物を濾集し、水(50mL)で洗浄した。湿固体を、補助のEtOH(200mL)と共に1Lフラスコに移し、次いで、蒸発乾固させた。その固体残渣をEtOAc(120mL)に溶解/懸濁させ、次いで、ヘキサン類(120mL)で処理した。得られた固体を濾集し、ヘキサン類(50mL)で洗浄し、減圧下で乾燥することにより、2−クロロ−6−(5,6−ジメトキシ−3−ピリジル)ピリジン−3−カルボン酸(化合物2068,11.99g,78%収率)をオフホワイトの固体として得た:ESMS(M+H)295.27;

スキーム22の工程22−iiに示されるように、23℃のDMF(150mL)中の、1−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピラゾール−4−アミン(化合物2047,5.78g,35.0mmol)、2−クロロ−6−(5,6−ジメトキシ−3−ピリジル)ピリジン−3−カルボン酸(化合物2068,9.38g,31.8mmol)およびHBTU(13.28g,35.0mmol)の溶液に、DIEA(12.35g,16.64mL,95.52mmol)を加えた。その反応混合物を2時間撹拌し、次いで、EtOAc(400mL)と水(400mL)とに分配した。有機層を分離し、水(400mL)、10%Na2CO3水溶液(300mL)、ブライン(300mL)、ブラインと2N HCl(300mL,20mL)とを合わせたもの、およびブライン(300mL)で洗浄した。次いで、有機層をEtOAc(150mL)およびEtOH(70mL)で希釈し、かき混ぜながら75℃に温めることにより、透明溶液を得た。まだ温かいままで、その溶液をMgSO4で処理し、濾過した。減圧下で濃縮した後、残渣をEtOAc(200mL)に溶解/懸濁させ、80℃で1時間回転させることにより、均一な懸濁液を得た。ヘキサン類(200mL)を加え、得られた懸濁液を23℃で14時間静置した。沈殿物を濾集し、ヘキサン類(100mL)で洗浄して、真空乾燥した後、2−クロロ−6−(5,6−ジメトキシ−3−ピリジル)−N−[1−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピラゾール−4−イル]ピリジン−3−カルボキサミド(化合物2069,11.32g,80%収率)を白色固体として得た:ESMS(M+H)442.50;

スキーム22の工程22−iiiに示されるように、250mLのParr容器に、2−クロロ−6−(5,6−ジメトキシ−3−ピリジル)−N−[1−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピラゾール−4−イル]ピリジン−3−カルボキサミド(化合物2069,5.00g,11.32mmol)、PdCl2(CH3CN)2(147mg,0.566mmol)およびジシクロヘキシル−[2−(2,4,6−トリイソプロピルフェニル)フェニル]ホスファン(378mg,0.792mmol)を入れた。その混合物に窒素を3分間通して泡立て、次いで、トリエチルアミン(5.727g,7.888mL,56.60mmol)を加えた後、エチニル(トリメチル)シラン(3.34g,4.80mL,34.0mmol)を加えた。その容器を密閉し、100℃に温めた。14時間後、その反応混合物を23℃に冷却し、EtOAc(300mL)と水(300mL)とに分配した。有機層を分離し、水(300mL)、飽和NaHCO3水溶液(200mL)、ブライン(300mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を中圧シリカゲルクロマトグラフィーによってヘキサン類中の0〜100%EtOAcで精製することにより、3.7gの黄褐色固体を得た。その固体をEtOAc(15mL,熱,70℃)に溶解させ、次いで、ヘキサン類(30mL)で処理した。得られた懸濁液を回転させ、氷水浴内で40分間冷却し、次いで、沈殿物を濾集し、ヘキサン類(30mL)で洗浄することにより、6−(5,6−ジメトキシ−3−ピリジル)−N−[1−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピラゾール−4−イル]−2−(2−トリメチルシリルエチニル)ピリジン−3−カルボキサミド(化合物2070,3.14g,55%)を淡黄色固体として得た:ESMS(M+H)504.63;

スキーム22の工程22−ivに示されるように、23℃のEtOH(18.5mL)中の6−(5,6−ジメトキシ−3−ピリジル)−N−[1−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピラゾール−4−イル]−2−(2−トリメチルシリルエチニル)ピリジン−3−カルボキサミド(化合物2070,540mg,1.07mmol)の溶液に、EtONa(EtOH中1.3M溶液の165μL,0.214mmol)を滴下した。25分後、得られたスラリーを0℃に冷却し、0℃で10分間撹拌した後、そのスラリーを濾過し、収集した固体を氷冷EtOH(3×10mL)で洗浄して、真空乾燥した後、2−(5,6−ジメトキシ−3−ピリジル)−7−メチレン−6−[1−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピラゾール−4−イル]ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オン(化合物2071,436mg,93%)を淡黄色固体として得た:ESMS(M+H)432.52;

スキーム22の工程22−vに示されるように、THF(20mL)中の2−(5,6−ジメトキシ−3−ピリジル)−7−メチレン−6−[1−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピラゾール−4−イル]ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オン(化合物2071,436mg,1.01mmol)の溶液に、Pd/C(200mg,乾燥ベースで10wt%,湿式,Degussaタイプ)を加えた。反応容器から空気を抜き、次いで、反応容器をH2(バルーン)の雰囲気下にした。2.5時間撹拌した後、その反応混合物をシリカのパッドで濾過し、THF(80mL)で洗浄した。得られた濾液を減圧下で濃縮し、残渣をEtOAc(6mL)で処理した。加熱還流して均一な懸濁液を得た後、ヘキサン類(10mL)を加えた。得られた懸濁液を0℃(氷水浴)に冷却し、0℃で5分間保持し、濾過により沈殿物を収集することにより、2−(5,6−ジメトキシ−3−ピリジル)−7−メチル−6−[1−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピラゾール−4−イル]−7H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オン(化合物254,300mg,68%)を淡黄褐色固体として得た:ESMS(Μ+Η)434.44;

スキーム22。

実施例23.2’−(5−メトキシピリジン−3−イル)−4’−メチル−6’−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)スピロ[シクロプロパン−1,7’−ピロロ[3,4−b]ピリジン]−5’(6’H)−オン(化合物651)の調製 スキーム23の工程23−iに示されるように、1,2−ジブロモエタン(369.3mg,169.4μL,1.966mmol)を、室温でDMF(12mL)中の2−クロロ−4−メチル−6−[1−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピラゾール−4−イル]−7H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−5−オン(500mg,1.512mmol,1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−4−アミノピラゾールと化合物2041との反応から調製される)の撹拌溶液に加えた後、NaH(133mg,3.326mmol,鉱油中60wt%分散液)を加えた。その反応混合物を室温にて30分間撹拌し、0℃に冷却し、飽和NaHCO3(10mL)でクエンチした。その反応混合物をDCM(3×10mL)で抽出し、合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残渣を中圧シリカゲルクロマトグラフィー(0〜50%EtOAc/ヘキサン類)で精製することにより、2’−クロロ−4’−メチル−6’−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)スピロ[シクロプロパン−1,7’−ピロロ[3,4−b]ピリジン]−5’(6’H)−オンを得た(化合物2073,250mg,47%収率):ESMS(Μ+Η)358.0。

スキーム23の工程23−iiに示されるように、酢酸カリウム(20.64mg,0.2103mmol)およびPd(PPh3)4(16.20mg,0.01402mmol)を、DMF(383.6μL)およびH2O(127.9μL)中の化合物2073(50mg,0.1402mmol)および3−メトキシ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(化合物2074,49.44mg,0.2103mmol)の溶液に加えた。その溶液を脱気し、次いで、マイクロ波によって1時間、100℃に加熱した。その反応物を濃縮し、残渣を中圧シリカゲルクロマトグラフィー(0〜100%EtOAc/ヘキサン類)で精製することにより、2’−(5−メトキシピリジン−3−イル)−4’−メチル−6’−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)スピロ[シクロプロパン−1,7’−ピロロ[3,4−b]ピリジン]−5’(6’H)−オン(化合物651,30mg,47%収率)を白色固体として得た:ESMS(Μ+Η)430.59。

適切な中間体(必要があれば保護されたもの)を使用して、化合物832、833、957および966も同様の手順によって調製した。この手順は、化合物311の調製について実施例15に記載された手順に対する代替手順としても使用された。

スキーム23。

実施例24.2−(5−メトキシ−3−ピリジル)−4−メチル−6−[1−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピラゾール−4−イル]スピロ[ピロロ[3,4−b]ピリジン−7,3’−テトラヒドロフラン]−5−オン(化合物972)の調製 スキーム24の工程24−iに示されるように、トリメチルシリルシアニド(4.241g,5.700mL,42.75mmol)を、0℃のAcOH(45mL)中の1−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピラゾール−4−アミン(7.059g,42.75mmol)およびテトラヒドロフラン−3−オン(3.68g,42.75mmol)の溶液に注射器を介して30秒間にわたって加えた。その反応混合物をゆっくり23℃に温めた。16時間撹拌した後、その混合物を、1:1の水酸化アンモニウム:氷(200mL)に加え、DCM(2×200mL)で抽出した。有機相を乾燥し(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮した。残渣を中圧シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン類中0〜100%EtOAc)で精製することにより、3−[[1−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピラゾール−4−イル]アミノ]テトラヒドロフラン−3−カルボニトリル(化合物2075,3.66g,14.07mmol,32.91%収率)を茶色油状物として得た:ESMS(M+H)261.32;

スキーム24の工程24−iiに示されるように、0℃のDCM(12mL)中のブタ−2−イン酸(833.6mg,9.915mmol)の溶液に、1−クロロ−N,N,2−トリメチル−プロパ−1−エン−1−アミン(1.325g,1.312mL,9.915mmol)を加えた。40分間撹拌した後、その反応混合物を−78℃に冷却し、DCM(12mL)中の、3−[[1−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピラゾール−4−イル]アミノ]テトラヒドロフラン−3−カルボニトリル(化合物2075,1.72g,6.610mmol)およびDIEA(2.563g,3.454mL,19.83mmol)の溶液を加えた。その反応混合物を0℃(氷水浴)に温め、1時間後、その混合物を23℃に温めた。23℃において30分後、その反応混合物を水とEtOAc(各100mL)とに分配した。有機相を分離し(不溶性の沈殿物が存在する)、水、次いで、ブライン(各100mL)で洗浄し、乾燥し(硫酸マグネシウム)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を中圧シリカゲルクロマトグラフィー(0〜80%EtOAc/ヘキサン類)で精製することにより、N−(3−シアノテトラヒドロフラン−3−イル)−N−[1−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピラゾール−4−イル]ブタ−2,3−ジエンアミド(化合物2076,1.48g)を黄色油状物として得た:ESMS(M+H)327.20;

スキーム24の工程24−iiiに示されるように、23℃のTHF(50mL)中のジtert−ブチルプロパンジオエート(3.579g,3.705mL,16.55mmol)の溶液に、NaH(496.4mg,12.41mmol)を加えた。20分間撹拌した後、THF(50mL)中の化合物2076(2.70g,8.275mmol)の溶液を加えた。1時間後、その反応物を飽和塩化アンモニウム水溶液(100mL)でクエンチし、水とEtOAc(各150mL)とに分配した。有機相を分離し、1N HCl(10mLの水溶液)を含むブライン(200mL)で洗浄し、ブライン(150mL)で洗浄し、乾燥し(硫酸マグネシウム)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を中圧シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン類中の0〜100%EtOAc)で精製することにより、中間体tert−ブチル4’−メチル−2’,5’−ジオキソ−6’−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−1’,2’,4,5,5’,6’−ヘキサヒドロ−2H−スピロ[フラン−3,7’−ピロロ[3,4−b]ピリジン]−3’−カルボキシレート(2.03g,4.334mmol)を淡黄色固体として得た:ESMS(Μ+Η)469.31;

スキーム24の工程24−ivに示されるように、tert−ブチル4’−メチル−2’,5’−ジオキソ−6’−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−1’,2’,4,5,5’,6’−ヘキサヒドロ−2H−スピロ[フラン−3,7’−ピロロ[3,4−b]ピリジン]−3’−カルボキシレート(2.00g,4.270mmol)を、23℃のDCM(25mL)に溶かし、TFA(25mL)を加えた。30分後、その反応混合物をトルエン(80mL)で処理し、減圧下で濃縮することにより、4’−メチル−2’,5’−ジオキソ−6’−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−1’,2’,4,5,5’,6’−ヘキサヒドロ−2H−スピロ[フラン−3,7’−ピロロ[3,4−b]ピリジン]−3’−カルボン酸(化合物2077,1.776g,4.307mmol,52.37%全収率)をオフホワイトの固体として得た:ESMS(Μ+Η)413.32;

スキーム24の工程24−vに示されるように、MeCN(10mL)中の化合物2077(1.77g,4.293mmol)の懸濁液に、LiOH二水和物(270.2mg,6.440mmol)を加えた後、水(10mL)を加えた。5分間撹拌した後、NBS(802.4mg,4.508mmol)を加えた。NBSを加えた後の合計40分後、その反応混合物をEtOAcと水(各100mL)とに分配した。水層を1N HCl水溶液(8mL)で処理することにより、白色沈殿物を得た。得られた懸濁液を濃縮し、残渣を熱EtOH(25mL)中で温浸することにより、懸濁液を得て、それを水(25mL)で処理し、23℃で2時間静置した。次いで、沈殿物を濾集し、水(20mL)で洗浄した。固体を減圧下で乾燥することにより、3’−ブロモ−4’−メチル−6’−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−4,5−ジヒドロ−2H−スピロ[フラン−3,7’−ピロロ[3,4−b]ピリジン]−2’,5’(1’H,6’H)−ジオン(化合物2078,1.65g,3.690mmol,85.94%収率)をオフホワイトの固体として得た:ESMS(Μ+Η)447.17;

スキーム24の工程24−viに示されるように、23℃のEtOH(50mL)中の化合物2078(1.65g,3.690mmol)の懸濁液に、トリエチルアミン(1.120g,1.543mL,11.07mmol)を加えた後、Pd/C(430mg,0.4041mmol)(乾燥ベースで10wt%,Degussaタイプ,湿式)を加えた。反応容器から空気を抜き、反応物の雰囲気を水素ガスで置き換えた。16時間撹拌した後、その反応混合物をMeOHおよびDCM(各50mL)で処理し、次いで、珪藻土で濾過し、続いてその珪藻土をDCM:MeOH(4:1、100mL)で洗浄した。合わせた濾液を減圧下で濃縮することにより、4−メチル−6−[1−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピラゾール−4−イル]スピロ[1H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−7,3’−テトラヒドロフラン]−2,5−ジオンを白色固体として得て(化合物2079,2g,トリエチルアミン不純物)、それをそのままその後の反応で使用した:ESMS(Μ+Η)369.30;

スキーム24の工程24−viiに示されるように、DCM(30mL)中の化合物2079(1.359g,3.69mmol,工程24−viにおける100%変換に基づく推定質量の出発物質)の溶液/懸濁液に、DIEA(1.431g,1.929mL,11.07mmol)を加えた後、N−(5−クロロ−2−ピリジル)−1,1,1−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)−メタンスルホンアミド(Commin試薬(Commin’s reagent),1.594g,4.059mmol)を加えた。その反応混合物は、<10分で均質になる。3時間撹拌した後、さらなるCommin’s試薬(400mg)を加え、その反応混合物をさらに90分間撹拌した。その混合物を濃縮し、DCM(15mL)においてシリカゲルクロマトグラフィーカラムに直接充填し、中圧シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン類中の0〜50%EtOAc)で精製した。回収した生成物にはCommin試薬が混入していたので、それをDCM(100mL)に溶解させ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄し、乾燥し(硫酸マグネシウム)、濾過し、減圧下で濃縮することにより、4’−メチル−5’−オキソ−6’−(1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−4,5,5’,6’−テトラヒドロ−2H−スピロ[フラン−3,7’−ピロロ[3,4−b]ピリジン]−2’−イルトリフルオロメタンスルホネート(化合物2080,1.757g,3.436mmol,93.14%)を黄色油状物として得た:ESMS(Μ+Η)501.24;

スキーム24の工程24−viiiに示されるように、マイクロ波反応容器に、化合物2080、3−メトキシ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(121.4mg,0.5164mmol)、炭酸ナトリウム(136.8mg,1.291mmol)、DMF(5mL)および水(2.5mL)を入れた。その反応混合物に窒素流を5分間通し、次いで、Pd(PPh3)4(24.87mg,0.02152mmol)を加えた。混合物に窒素ガスをさらに3分間通して泡立て、次いで、その反応容器を蓋で密閉し、105℃に加熱した(砂浴)。この温度において16時間後、その反応混合物をEtOAcと水(各100mL)とに分配した。有機相を分離し、ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥し(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮した。残渣を中圧シリカゲルクロマトグラフィー(DCM中の0〜8%EtOH)で精製することにより、粗生成物を得て、それを熱EtOAc(2mL)に溶解/懸濁させ、ヘキサン類(3mL)で処理し、23℃で30分間静置した。得られた沈殿物を濾集し、減圧下で乾燥することにより、2−(5−メトキシ−3−ピリジル)−4−メチル−6−[1−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピラゾール−4−イル]スピロ[ピロロ[3,4−b]ピリジン−7,3’−テトラヒドロフラン]−5−オン(化合物972,87mg,0.1866mmol,43%収率)をオフホワイトの固体として得た:ESMS(M+H)460.35;

適切な中間体を使用して、化合物978および989を同様の手順によって生成した。

スキーム24。

表1は、式Iの化合物についての分析による特徴付けのデータを提供している(空欄は、その試験が行われなかったことを示す)。 表1

本発明の化合物の生物学的アッセイ 実施例25.PI3K阻害アッセイ Beckman Coulter製のBiomek FXを使用して、100%DMSO中の本発明の化合物の10段階の2.5倍段階希釈物の各々の1.5μLを、96ウェルポリスチレンプレート[Corning,Costar Item No.3697]の個別のウェル(本明細書中以後、「試験ウェル」)に加えた。また、1つの試験ウェルには、化合物を含まない1.5μLのDMSOを入れた。別のウェルに、当該酵素を完全に阻害すると知られている濃度の、DMSO中のインヒビターを入れた(本明細書中以後、「バックグラウンドウェル」)。Titertek Multidropを使用して、50μLのReaction Mix[100mM HEPES pH 7.5、50mM NaCl、10mM DTT、0.2mg/mL BSA、60μΜホスファチジルイノシトール(4,5)二リン酸 ジC16(PI(4,5)P2;Avanti Polar Lipids、Cat.No.840046P)および目的のPI3Kアイソフォーム(アイソフォーム濃度については表3を参照のこと)]を各ウェルに加えた。反応を開始するために、50μLのATP Mix[20mM MgCl2、6μΜ ATP(100μCi/μモル33P−ATP)]を各ウェルに加えた後、それらのウェルを25℃で30分間インキュベートした。各ウェル内の最終濃度は、50mM HEPES 7.5、10mM MgCl2、25mM NaCl、5mM DTT、0.1mg/mL BSA、30μΜ PI(4,5)P2、3μΜ ATPおよび目的のPI3Kアイソフォーム(表2を参照のこと)だった。各ウェル内の化合物の最終濃度は、10μΜ〜1nMの範囲だった。

表2

インキュベート後、50μLの停止液[30%TCA/水、10mM ATP]を加えることによって、各ウェル内の反応をクエンチした。次いで、クエンチされた各反応混合物を96ウェルガラスファイバーフィルタープレート[Corning,Costar Item No.3511]に移した。そのプレートを、真空濾過し、改良されたBio−Tek Instruments ELX−405 Auto Plate Washer中で150μLの5%TCA/水で3回洗浄した。各ウェルに50μLのシンチレーション液を加え、そのプレートをPerkin−Elmer TopCountTM NXT液体シンチレーションカウンター上で読み出すことにより、阻害値に相当する33Pカウントを得た。

バックグラウンドウェルに対する値を、各試験ウェルに対して得られた値から減算し、そのデータをMorrison and Stone,Comments Mol.Cell Biophys.2:347−368,1985に記載されている競合的強結合(competitive tight binding)Ki式に当てはめた。

以下の各化合物は、PI3Kγの阻害について0.1マイクロモル濃度未満のKiを有する:

以下の各化合物は、PI3Kγの阻害について0.1マイクロモル濃度〜0.49マイクロモル濃度のKiを有する:

以下の各化合物は、PI3Kγの阻害について、0.5マイクロモル濃度〜2.5マイクロモル濃度のKiを有する:

実施例26.ミクログリア活性化アッセイ 雌C57Bl/6Jマウス(7週齢)をJackson Laboratory(Maine,US)から購入した。動物を、げっ歯類用の固形飼料および水を自由に摂取できる状態で1週間、標準的な実験室条件(12時間明期)に順応させた。すべての手順は、National Institute of Health Guidelines for the care and Use of Laboratory Animalsに従い、IACUCCによって承認されたものだった。エンドトキシンであるリポ多糖(LPS)(大腸菌011:B4,cat#437627)をCalbiochemから購入した。LPSを0.05mg/mlの濃度でPBS緩衝液に溶解させ、凍結アリコートとして保存した。研究の開始時に、3日間連続でマウスにLPS(0.5mg/kg)を腹腔内(i.p.)注射した。VRT化合物による治療的処置を、2回目のLPS投与とともに開始し、この研究中ずっと維持した。化合物を1日に2回で合計4回、胃管栄養法により経口的に投薬した。最後のLPSの注射の24時間後かつ最後のVRT投薬の2時間後に、動物をCO2窒息により屠殺した。

屠殺後、速やかに脳を取り出し、10%中性緩衝ホルマリン中で一晩固定した。次いで、脳を通例の組織学的検査のために自動処理装置(Shandon Excelsior ES,Thermo Scientific)において処理し、パラフィンに包埋した。Ventana Benchmark System(Ventana Medical Systems Inc,Tucson,AZ)において、1:800の希釈で予め希釈しておいたIba1に対する抗体(Wako chemical USA)を用いて5μm切片に対してIHC解析を行った。3,3’−ジアミノベンジジン(DAB)を発色基質として使用し、スライドをヘマトキシリンで対比染色した。

Aperio ScanScope Slide Scanner(Aperio Technologies,Vista,CA)を用いてデジタル画像を捕捉した。画像を20×光学倍率で捕捉し、ソフトウェアDefiniens Developer XDを用いて解析した。静止ミクログリアと比較したときの活性化された細胞の異なる形態学的特徴を考慮して活性化されたミクログリア細胞を計数するアルゴリズムを作成した。化合物の有効性を、ビヒクルコントロールに対する活性化されたミクログリアの数の減少率として算出した。化合物271の場合、10mg/kgでの1日2回の投薬において、39パーセントの減少が観察された。化合物568の場合、10mg/kgでの1日2回の投薬において、活性化されたミクログリアの数の44〜60パーセントの範囲の減少が、3つの別個の実験において観察された。化合物410の場合、5mg/kgでの1日2回の投薬において、活性化されたミクログリアの数の23〜33パーセントの範囲の減少が、3つの別個の実験において観察された。

前述の本発明は、理解を明らかにするために例示および実施例によっていくらか詳細に説明されてきたが、当業者には、本発明の教示に鑑みて、添付の請求項の精神または範囲から逸脱することなく本発明に対してある特定の変更および改変が行われ得ることが容易に明らかになるだろう。

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