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Compositions and methods for prophylaxis and treatment of addictions

阅读:2发布:2021-06-28

专利汇可以提供Compositions and methods for prophylaxis and treatment of addictions专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a composition for treating or preventing addiction.SOLUTION: The composition comprises additional therapeutic agents selected from the group consisting of peroxisome proliferator-activated receptor gamma (PPARγ) agonist which is thiazolidinedione (TZD), as well as an opioid antagonist, a mixed opioid partial agonist/antagonist, antidepressant, antiepileptic drug, antiemetic drug, corticotropin releasing factor-1 (CRF-1) receptor antagonist, selective serotonin 3 (5-HT3) antagonist, 5-HT2A/2C antagonist, and cannabinoid 1 (CB1) receptor antagonist.,下面是Compositions and methods for prophylaxis and treatment of addictions专利的具体信息内容。

  • 嗜癖の治療または予防方法であって、以下のステップ:
    被験体が嗜癖を有するかまたは嗜癖を発症するリスクがあることを判定するステップ; および 嗜癖を治療または予防するために有効な量のペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマのアゴニスト(PPARγアゴニスト)を該被験体に投与するステップを含む方法。
  • 被験体が習慣性物質に嗜癖している、請求項1に記載の方法。
  • 被験体が、アルコール、ニコチン、マリファナ、マリファナ誘導体、オピオイドアゴニスト、ベンゾジアゼピン、バルビツレート、および精神刺激薬からなる群から選択される習慣性物質に嗜癖している、請求項2に記載の方法。
  • 習慣性物質がアルコールである、請求項3に記載の方法。
  • 習慣性物質がニコチンである、請求項3に記載の方法。
  • オピオイドアゴニストが、モルヒネ、メタドン、フェンタニル、スフェンタニルおよびヘロインからなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
  • 精神刺激薬が、コカイン、アンフェタミンまたはアンフェタミン誘導体である、請求項3に記載の方法。
  • 被験体が2種以上の習慣性物質に嗜癖している、請求項2に記載の方法。
  • 被験体が習慣性または強迫性行動に嗜癖している、請求項1に記載の方法。
  • 習慣性または強迫性行動が、病的賭博、病的過食、電子デバイスの病的使用、電子ビデオゲームの病的使用、電子通信デバイスの病的使用、携帯電話の病的使用、ポルノへの嗜癖、セックス嗜癖、強迫性障害、強迫性消費、拒食症、過食症、間欠性爆発性障害、病的盗癖、病的放火、抜毛症、強迫性過剰運動、および強迫性過剰労働からなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
  • PPARγアゴニストがチアゾリジンジオン(TZD)である、請求項1に記載の方法。
  • TZDが、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、シグリタゾン、トログリタゾン、エングリタゾン、リボグリタゾンおよびダルグリダゾンからなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
  • TZDがピオグリタゾンである、請求項12に記載の方法。
  • 嗜癖の治療または予防方法であって、嗜癖を有する被験体に、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマ(PPARγ)アゴニストおよび追加の治療物質を投与するステップを含み、該PPARγアゴニストおよび該追加の治療物質のそれぞれが嗜癖の有効な治療または予防に寄与する、方法。
  • 追加の治療物質が、オピオイドアンタゴニスト、混合オピオイド部分アゴニスト/アンタゴニスト、抗うつ薬、抗てんかん薬、制吐薬、コルチコトロピン放出因子-1 (CRF-1)受容体アンタゴニスト、選択的セロトニン-3 (5-HT3)アンタゴニスト、5-HT 2A/2Cアンタゴニスト、およびカンナビノイド-1 (CB1)受容体アンタゴニストからなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
  • オピオイドアンタゴニストがナルトレキソンまたはナルメフェンである、請求項15に記載の方法。
  • 抗うつ薬が、フルオキセチン、ミルタザピン、またはブプロピオンである、請求項15に記載の方法。
  • 抗てんかん薬が、トピラメート、レベチラセタム、およびガバペンチンからなる群から選択される、請求項15に記載の方法。
  • CRF-1受容体アンタゴニストがアンタラルミンである、請求項15に記載の方法。
  • 選択的セロトニン-3 (5-HT3)アンタゴニストがオンダンセトロンである、請求項15に記載の方法。
  • カンナビノイド-1 (CB1)受容体アンタゴニストがリモナバントまたはタナラバント(tanarabant)である、請求項15に記載の方法。
  • 混合オピオイドアゴニスト/アンタゴニストがブプレノルフィンである、請求項15に記載の方法。
  • 被験体が習慣性物質に嗜癖している、請求項14に記載の方法。
  • 被験体が、アルコール、ニコチン、マリファナ、マリファナ誘導体、オピオイドアゴニスト、ベンゾジアゼピン、バルビツレート、および精神刺激薬からなる群から選択される習慣性物質に嗜癖している、請求項23に記載の方法。
  • 習慣性物質がアルコールである、請求項24に記載の方法。
  • 習慣性物質がニコチンである、請求項24に記載の方法。
  • オピオイドアゴニストが、モルヒネ、メタドン、フェンタニル、スフェンタニルおよびヘロインからなる群から選択される、請求項24に記載の方法。
  • 精神刺激薬が、コカイン、アンフェタミンまたはアンフェタミン誘導体である、請求項24に記載の方法。
  • 被験体が2種以上の習慣性物質に嗜癖している、請求項24に記載の方法。
  • 習慣性物質がアルコールであり、かつ追加の治療物質がオピオイドアンタゴニストまたは混合オピオイドアンタゴニスト/部分アゴニストである、請求項24に記載の方法。
  • オピオイドアンタゴニストがナルトレキソンである、請求項30に記載の方法。
  • 混合オピオイド部分アゴニスト/アンタゴニストがブプレノルフィンである、請求項30に記載の方法。
  • 習慣性物質がニコチンであり、かつ追加の治療物質が抗うつ薬である、請求項23に記載の方法。
  • 抗うつ薬がブプロピオンである、請求項33に記載の方法。
  • 習慣性物質が精神刺激薬であり、かつ追加の治療物質が抗うつ薬である、請求項14に記載の方法。
  • 抗うつ薬がブプロピオンである、請求項35に記載の方法。
  • 被験体が2種以上の習慣性物質に嗜癖しており、かつ追加の治療物質がオピオイドアンタゴニストまたは混合オピオイド部分アゴニスト/アンタゴニストである、請求項14に記載の方法。
  • オピオイドアンタゴニストがナルトレキソンまたはナルメフェンである、請求項37に記載の方法。
  • 混合オピオイド部分アゴニスト/アンタゴニストがブプレノルフィンである、請求項37に記載の方法。
  • 被験体が習慣性または強迫性行動に嗜癖している、請求項14に記載の方法。
  • 習慣性または強迫性行動が、病的賭博、病的過食、電子デバイスの病的使用、電子ビデオゲームの病的使用、電子通信デバイスの病的使用、携帯電話の病的使用、ポルノへの嗜癖、セックス嗜癖、強迫性障害、強迫性消費、摂食障害、過食症、間欠性爆発性障害、病的盗癖、病的放火、抜毛症、強迫性過剰運動、および強迫性過剰労働からなる群から選択される、請求項40に記載の方法。
  • 習慣性物質の再発使用または習慣性もしくは強迫性行動の再発実施の予防方法であって、習慣性物質の使用または習慣性もしくは強迫性行動の実施の禁断期間、またはその制限もしくは減少の期間を経験した被験体に、有効量のペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマ(PPARγ)アゴニストを投与するステップを含む方法。
  • 追加の治療物質を被験体に投与するステップをさらに含み、該PPARγアゴニストおよび該追加の治療物質のそれぞれが再発使用または再発実施の有効な予防に寄与する、請求項42に記載の方法。
  • 習慣性物質の再発使用または習慣性もしくは強迫性行動の再発実施の治療方法であって、習慣性物質の使用または習慣性もしくは強迫性行動の実施の禁断期間、またはその制限もしくは減少の期間を経験した被験体に、有効量のペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマ(PPARγ)アゴニストを投与するステップを含む方法。
  • 追加の治療物質を被験体に投与するステップをさらに含み、該PPARγアゴニストおよび該追加の治療物質のそれぞれが再発使用または再発実施の有効な治療に寄与する、請求項44に記載の方法。
  • 習慣性物質の再発使用または習慣性もしくは強迫性行動の再発実施の予防方法であって、有効量のペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマ(PPARγ)アゴニストを被験体に投与するステップを含み、ここで該被験体は、以前に、有効量の抗嗜癖治療での治療に応答して習慣性物質の使用または習慣性もしくは強迫性行動の実施が減少するかまたは排除され、かつ該被験体は有効量の抗嗜癖治療をもはや受けていない、方法。
  • 追加の治療物質を被験体に投与するステップをさらに含み、該PPARγアゴニストおよび該追加の治療物質のそれぞれが再発使用の有効な予防に寄与する、請求項46に記載の方法。
  • 習慣性物質の再発使用または習慣性もしくは強迫性行動の再発実施の治療方法であって、有効量のペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマ(PPARγ)アゴニストを被験体に投与するステップを含み、ここで該被験体は、以前に、有効量の抗嗜癖治療での治療に応答して習慣性物質の使用または習慣性もしくは強迫性行動の実施が減少するかまたは排除され、かつ該被験体は有効量の抗嗜癖治療をもはや受けていない、方法。
  • 追加の治療物質を被験体に投与するステップをさらに含み、該PPARγアゴニストおよび該追加の治療物質のそれぞれが再発使用または再発実施の有効な治療に寄与する、請求項46に記載の方法。
  • 習慣性物質の再発使用を治療または予防する、請求項42〜49のいずれか一項に記載の方法。
  • 習慣性物質が、アルコール、ニコチン、マリファナ、マリファナ誘導体、オピオイドアゴニスト、ベンゾジアゼピン、バルビツレート、および精神刺激薬からなる群から選択される習慣性物質の群から選択される、請求項50に記載の方法。
  • 習慣性物質がアルコールである、請求項51に記載の方法。
  • 習慣性物質がニコチンである、請求項51に記載の方法。
  • オピオイドアゴニストが、モルヒネ、メタドン、フェンタニル、スフェンタニルおよびヘロインからなる群から選択される、請求項51に記載の方法。
  • 精神刺激薬が、コカイン、アンフェタミンまたはアンフェタミン誘導体である、請求項51に記載の方法。
  • 習慣性行動または強迫の再発実施を治療または予防する、請求項42〜49のいずれか一項に記載の方法。
  • 習慣性または強迫性行動が、病的賭博、病的過食、電子デバイスの病的使用、電子ビデオゲームの病的使用、電子通信デバイスの病的使用、携帯電話の病的使用、ポルノへの嗜癖、セックス嗜癖、強迫性障害、強迫性消費、摂食障害、過食症、間欠性爆発性障害、病的盗癖、病的放火、抜毛症、強迫性過剰運動、および強迫性過剰労働からなる群から選択される、請求項56に記載の方法。
  • PPARγアゴニストがチアゾリジンジオン(TZD)である、請求項42〜49のいずれか一項に記載の方法。
  • TZDが、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、シグリタゾン、トログリタゾン、エングリタゾン、リボグリタゾンおよびダルグリダゾンからなる群から選択される、請求項58に記載の方法。
  • TZDがピオグリタゾンである、請求項59に記載の方法。
  • 追加の治療物質が、オピオイドアンタゴニスト、混合オピオイド部分アゴニスト/アンタゴニスト、抗うつ薬、抗てんかん薬、制吐薬、コルチコトロピン放出因子-1 (CRF-1)受容体アンタゴニスト、選択的セロトニン-3 (5-HT3)アンタゴニスト、5-HT 2A/2Cアンタゴニスト、5-HT 2A/2Cアンタゴニスト、およびカンナビノイド-1 (CB1)受容体アンタゴニストからなる群から選択される、請求項43、45、47、および49のいずれか一項に記載の方法。
  • オピオイドアンタゴニストがナルトレキソンまたはナルメフェンである、請求項61に記載の方法。
  • 抗うつ薬が、フルオキセチン、ミルタザピン、またはブプロピオンである、請求項61に記載の方法。
  • 抗てんかん薬が、トピラメート、レベチラセタム、およびガバペンチンからなる群から選択される、請求項61に記載の方法。
  • CRF-1受容体アンタゴニストがアンタラルミンである、請求項61に記載の方法。
  • 選択的セロトニン-3 (5-HT3)アンタゴニストがオンダンセトロンである、請求項61に記載の方法。
  • カンナビノイド-1 (CB1)受容体アンタゴニストがリモナバントまたはタナラバントである、請求項61に記載の方法。
  • 混合オピオイドアゴニスト/アンタゴニストがブプレノルフィンである、請求項61に記載の方法。
  • PPARγアゴニストがピオグリタゾンであり、かつ追加の治療物質がナルトレキソンである、請求項43、45、47、および49のいずれか一項に記載の方法。
  • 再発使用または再発実施がストレス誘発性である、請求項42〜49のいずれか一項に記載の方法。
  • 被験体が、習慣性物質の使用の禁断期間、またはその制限もしくは減少の期間中に該習慣性物質からの生理的離脱を経験した、請求項42〜47のいずれか一項に記載の方法。
  • 被験体が、抗嗜癖治療に条件付けされたために、有効量の該抗嗜癖治療をもはや受けていない、請求項46〜49のいずれか一項に記載の方法。
  • 被験体が、抗嗜癖治療への曝露が減少するかまたは排除されているために、有効量の抗嗜癖治療をもはや受けていない、請求項46〜49のいずれか一項に記載の方法。
  • 習慣性物質からの生理的離脱と関連している1種以上の症状の軽減方法であって、習慣性物質からの生理的離脱を経験している被験体に、有効量のペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマ(PPARγ)アゴニストを投与するステップを含む方法。
  • 習慣性物質からの生理的離脱と関連している1種以上の症状の軽減方法であって、習慣性物質からの生理的離脱を経験している被験体に、有効量のペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマ(PPARγ)アゴニストおよび追加の治療物質を投与するステップを含み、ここで該PPARgアゴニストおよび該追加の治療物質のそれぞれが習慣性物質からの身体的離脱と関連している1種以上の症状の軽減に寄与する、方法。
  • PPARγアゴニストがチアゾリジンジオン(TZD)である、請求項74または請求項75に記載の方法。
  • TZDが、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、シグリタゾン、トログリタゾン、エングリタゾン、リボグリタゾンおよびダルグリダゾンからなる群から選択される、請求項76に記載の方法。
  • TZDがピオグリタゾンである、請求項56に記載の方法。
  • 追加の治療物質が、オピオイドアンタゴニスト、混合オピオイド部分アゴニスト/アンタゴニスト、抗うつ薬、抗てんかん薬、制吐薬、コルチコトロピン放出因子-1 (CRF-1)受容体アンタゴニスト、選択的セロトニン-3 (5-HT3)アンタゴニスト、5-HT 2A/2Cアンタゴニスト、およびカンナビノイド-1 (CB1)受容体アンタゴニストからなる群から選択される、請求項75に記載の方法。
  • ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマ(PPARγ)アゴニストおよび追加の治療物質を含む医薬組成物であって、該PPARγアゴニストおよび該追加の治療物質のそれぞれが嗜癖の有効な治療または予防に寄与する、医薬組成物。
  • PPARγアゴニストがチアゾリジンジオン(TZD)である、請求項80に記載の医薬組成物。
  • TZDが、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、シグリタゾン、トログリタゾン、エングリタゾン、リボグリタゾンおよびダルグリダゾンからなる群から選択される、請求項81に記載の医薬組成物。
  • TZDがピオグリタゾンである、請求項82に記載の医薬組成物。
  • 嗜癖が習慣性物質に対する嗜癖である、請求項80に記載の医薬組成物。
  • 習慣性物質が、アルコール、ニコチン、マリファナ、マリファナ誘導体、オピオイドアゴニスト、ベンゾジアゼピン、バルビツレート、および精神刺激薬からなる群から選択される、請求項84に記載の医薬組成物。
  • 嗜癖が習慣性または強迫性行動に対する嗜癖である、請求項80に記載の医薬組成物。
  • 習慣性または強迫性行動が、病的賭博、病的過食、電子デバイスの病的使用、電子ビデオゲームの病的使用、電子通信デバイスの病的使用、携帯電話の病的使用、ポルノへの嗜癖、セックス嗜癖、強迫性障害、強迫性消費、摂食障害、過食症、間欠性爆発性障害、病的盗癖、病的放火、抜毛症、強迫性過剰運動、および強迫性過剰労働からなる群から選択される、請求項86に記載の医薬組成物。
  • 追加の治療物質が、オピオイドアンタゴニスト、混合オピオイド部分アゴニスト/アンタゴニスト、抗うつ薬、抗てんかん薬、制吐薬、コルチコトロピン放出因子-1 (CRF-1)受容体アンタゴニスト、選択的セロトニン-3 (5-HT3)アンタゴニスト、5-HT 2A/2Cアンタゴニスト、およびカンナビノイド-1 (CB1)受容体アンタゴニストからなる群から選択される、請求項80に記載の医薬組成物。
  • オピオイドアンタゴニストがナルトレキソンまたはナルメフェンである、請求項88に記載の医薬組成物。
  • 抗うつ薬が、フルオキセチン、ミルタザピン、またはブプロピオンである、請求項88に記載の医薬組成物。
  • 抗てんかん薬が、トピラメート、レベチラセタム、およびガバペンチンからなる群から選択される、請求項88に記載の医薬組成物。
  • CRF-1受容体アンタゴニストがアンタラルミンである、請求項88に記載の医薬組成物。
  • 選択的セロトニン-3 (5-HT3)アンタゴニストがオンダンセトロンである、請求項88に記載の医薬組成物。
  • カンナビノイド-1 (CB1)受容体アンタゴニストがリモナバントまたはタナラバントである、請求項88に記載の医薬組成物。
  • 混合オピオイドアゴニスト/アンタゴニストがブプレノルフィンである、請求項88に記載の医薬組成物。
  • 習慣性物質がアルコールであり、かつ追加の治療物質がオピオイドアンタゴニストまたは混合オピオイドアンタゴニスト/部分アゴニストである、請求項80に記載の医薬組成物。
  • オピオイドアンタゴニストがナルトレキソンである、請求項96に記載の医薬組成物。
  • 混合オピオイド部分アゴニスト/アンタゴニストがブプレノルフィンである、請求項96に記載の医薬組成物。
  • 習慣性物質がニコチンであり、かつ追加の治療物質が抗うつ薬である、請求項80に記載の医薬組成物。
  • 抗うつ薬がブプロピオンである、請求項99に記載の医薬組成物。
  • 習慣性物質が精神刺激薬であり、かつ追加の治療物質が抗うつ薬である、請求項80に記載の医薬組成物。
  • 抗うつ薬がブプロピオンである、請求項101に記載の医薬組成物。
  • 習慣性物質が2種以上の習慣性物質を含み、かつ追加の治療物質がオピオイドアンタゴニストまたは混合オピオイド部分アゴニスト/アンタゴニストである、請求項80に記載の医薬組成物。
  • オピオイドアンタゴニストがナルトレキソンまたはナルメフェンである、請求項103に記載の医薬組成物。
  • 混合オピオイド部分アゴニスト/アンタゴニストがブプレノルフィンである、請求項103に記載の医薬組成物。
  • PPARγアゴニストがピオグリタゾンであり、かつ追加の治療物質がナルトレキソンである、請求項80に記載の医薬組成物。
  • アルコール嗜癖の治療に適した医薬組成物の単位剤形であって、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマ(PPARγ)アゴニストおよび追加の治療物質を含み、該PPARγアゴニストおよび該追加の治療物質を嗜癖の治療に有効な合計量で含み、かつ、該PPARγアゴニストおよび該追加の治療物質のそれぞれが嗜癖の有効な治療または予防に寄与するものである、単位剤形。
  • PPARγアゴニストがチアゾリジンジオン(TZD)である、請求項107に記載の単位剤形。
  • TZDが、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、シグリタゾン、トログリタゾン、エングリタゾン、リボグリタゾンおよびダルグリダゾンからなる群から選択される、請求項108のに記載単位剤形。
  • TZDがピオグリタゾンである、請求項109に記載の単位剤形。
  • 追加の治療物質が、オピオイドアンタゴニスト、混合オピオイド部分アゴニスト/アンタゴニスト、抗うつ薬、抗てんかん薬、制吐薬、コルチコトロピン放出因子-1 (CRF-1)受容体アンタゴニスト、選択的セロトニン-3 (5-HT3)アンタゴニスト、5-HT 2A/2Cアンタゴニスト、およびカンナビノイド-1 (CB1)受容体アンタゴニストからなる群から選択される、請求項107に記載の単位剤形。
  • オピオイドアンタゴニストがナルトレキソンまたはナルメフェンである、請求項111に記載の単位剤形。
  • 抗うつ薬が、フルオキセチン、ミルタザピン、またはブプロピオンである、請求項111に記載の単位剤形。
  • 抗てんかん薬が、トピラメート、レベチラセタム、およびガバペンチンからなる群から選択される、請求項111に記載の単位剤形。
  • CRF-1受容体アンタゴニストがアンタラルミンである、請求項111に記載の単位剤形。
  • 選択的セロトニン-3 (5-HT3)アンタゴニストがオンダンセトロンである、請求項111に記載の単位剤形。
  • カンナビノイド-1 (CB1)受容体アンタゴニストがリモナバントまたはタナラバントである、請求項111に記載の単位剤形。
  • 混合オピオイドアゴニスト/アンタゴニストがブプレノルフィンである、請求項111に記載の単位剤形。
  • PPARγアゴニストがピオグリタゾンであり、かつ追加の治療物質がナルトレキソンである、請求項107に記載の単位剤形。
  • 嗜癖の治療または予防に有用なキットであって、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマ(PPARγ)アゴニストを含む第一容器; および追加の治療物質を含む第二容器を含み、該PPARγアゴニストおよび該追加の治療物質のそれぞれが嗜癖の有効な治療または予防に寄与するものである、キット。
  • PPARγアゴニストがチアゾリジンジオン(TZD)である、請求項120に記載のキット。
  • TZDが、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、シグリタゾン、トログリタゾン、エングリタゾン、リボグリタゾンおよびダルグリダゾンからなる群から選択される、請求項121に記載のキット。
  • TZDがピオグリタゾンである、請求項122に記載のキット。
  • 追加の治療物質が、オピオイドアンタゴニスト、混合オピオイド部分アゴニスト/アンタゴニスト、抗うつ薬、抗てんかん薬、制吐薬、コルチコトロピン放出因子-1 (CRF-1)受容体アンタゴニスト、選択的セロトニン-3 (5-HT3)アンタゴニスト、5-HT 2A/2Cアンタゴニスト、およびカンナビノイド-1 (CB1)受容体アンタゴニストからなる群から選択される、請求項120に記載のキット。
  • オピオイドアンタゴニストがナルトレキソンまたはナルメフェンである、請求項124に記載のキット。
  • 抗うつ薬が、フルオキセチン、ミルタザピン、またはブプロピオンである、請求項124に記載のキット。
  • 抗てんかん薬が、トピラメート、レベチラセタム、およびガバペンチンからなる群から選択される、請求項124に記載のキット。
  • CRF-1受容体アンタゴニストがアンタラルミンである、請求項124のキット。
  • 選択的セロトニン-3 (5-HT3)アンタゴニストがオンダンセトロンである、請求項124に記載のキット。
  • カンナビノイド-1 (CB1)受容体アンタゴニストがリモナバントまたはタナラバントである、請求項124に記載のキット。
  • 混合オピオイドアゴニスト/アンタゴニストがブプレノルフィンである、請求項124に記載のキット。
  • PPARγアゴニストがピオグリタゾンであり、かつ追加の治療物質がナルトレキソンである、請求項120に記載のキット。
  • 習慣性物質がアルコールであり、かつ追加の治療物質がオピオイドアンタゴニストまたは混合オピオイドアンタゴニスト/部分アゴニストである、請求項120に記載のキット。
  • オピオイドアンタゴニストがナルトレキソンである、請求項133に記載のキット。
  • 混合オピオイド部分アゴニスト/アンタゴニストがブプレノルフィンである、請求項133に記載のキット。
  • 習慣性物質がニコチンであり、かつ追加の治療物質が抗うつ薬である、請求項120に記載のキット。
  • 抗うつ薬がブプロピオンである、請求項136に記載のキット。
  • 習慣性物質が精神刺激薬であり、かつ追加の治療物質が抗うつ薬である、請求項120に記載のキット。
  • 抗うつ薬がブプロピオンである、請求項138に記載のキット。
  • 習慣性物質が2種以上の習慣性物質を含み、かつ追加の治療物質がオピオイドアンタゴニストまたは混合オピオイド部分アゴニスト/アンタゴニストである、請求項120に記載のキット。
  • オピオイドアンタゴニストがナルトレキソンまたはナルメフェンである、請求項140に記載のキット。
  • 混合オピオイド部分アゴニスト/アンタゴニストがブプレノルフィンである、請求項140に記載のキット。
  • ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマ(PPARγ)アゴニストの1以上の単位剤形およびニコチンの1以上の単位剤形を含むキット。
  • ニコチンの1以上の単位剤形が異なる2以上の量のニコチンを含む、請求項143に記載のキット。
  • PPARγアゴニストがチアゾリジンジオン(TZD)である、請求項143に記載のキット。
  • TZDが、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、シグリタゾン、トログリタゾン、エングリタゾン、リボグリタゾンおよびダルグリダゾンからなる群から選択される、請求項145に記載のキット。
  • 習慣性治療物質に対して、被験体が嗜癖するようになることを予防するか、または被験体が嗜癖するようになる可能性を低減する方法であって、その必要がある被験体に習慣性治療物質、および有効量のペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマ(PPARγ)アゴニストを投与するステップを含み、ここで該PPARγアゴニストの有効量が、習慣性治療物質に対して被験体が嗜癖するようになることを予防するか、または被験体が嗜癖するようになる可能性を低減するために有効な量である、方法。
  • 追加の治療物質を被験体に投与するステップをさらに含み、ここで該PPARγアゴニストおよび該追加の治療物質のそれぞれが、習慣性治療物質に対して被験体が嗜癖するようになることを予防するか、または被験体が嗜癖するようになる可能性を低減することに寄与するものである、請求項147に記載の方法。
  • 習慣性治療物質がオピオイドアゴニストである、請求項147または請求項148に記載の方法。
  • 说明书全文

    関連出願への相互参照
    本出願は、2007年4月11日出願の米国仮特許出願第60/911,201号についての35 USC §119(e)に基づく利益を主張する。 この仮出願は参照によりその全体がここに組み入れられる。

    背景
    技術分野
    本発明は、概して、PPARγアゴニストを、単独で、または他の治療物質と組み合わせて使用する嗜癖の治療または予防に関する。

    関連技術の説明
    世界保健機構(WHO)は、悪影響を理解かつ経験しているにもかかわらず、物質を繰り返し使用することとして、物質嗜癖を定義する。 物質嗜癖は、慢性の再発性疾患であり、薬物使用に対する抑制の喪失、強迫性薬物探索および物質への渇望、負の影響にもかかわらず持続する使用、および物質に対する身体的および/または精神的依存を特徴とする。 物質嗜癖は、典型的に、耐性(tolerance)、離脱、強迫性薬物摂取行動、薬物探索行動、および再発の経過をたどる。 物質乱用および嗜癖は公衆衛生上の問題であり、凶悪犯罪および感染症の伝播に主要な役割を果たすことによって常用者および社会の両者に対して重大な社会的および経済的影響を与える。 習慣性物質には、アルコール、カフェイン、ニコチン、大麻(マリファナ)および大麻誘導体、オピエートおよび他のモルヒネ様オピオイドアゴニスト、例えばヘロイン、フェンシクリジンおよびフェンシクリジン様化合物、鎮静性イプノティック(ipnotics)、例えばベンゾジアゼピンおよびバルビツレート(barbiturates)および精神刺激薬、例えばコカイン、アンフェタミンおよびアンフェタミン関連薬物、例えばデキストロアンフェタミンおよびメチルアンフェタミンが含まれる。

    アルコールは世界的なレベルで最も一般に乱用される物質の1つである。 さらに、アルコール依存症は深刻な肝臓および循環器疾患を生じさせ、また、依存症を発生させ、その結果、家族の分裂、悲惨な事故および職務遂行能の低下を含めた深刻な精神障害、社会的問題および悪影響が生じる。 WHOによれば、アルコール消費は、世界中で、食道癌および肝癌、肝硬変、殺人、てんかん、および交通事故の20〜30%に関与する。 世界的に、アルコール乱用は毎年約180万人の死を生じさせる。 アルコール消費への強迫性行動が該障害の中核症状である。 近年、飲酒を抑制するだけでなく、アルコール渇望および再発をも抑制するようアルコール依存性患者を支援するいくつかのアプローチが調査されている(Monti et al., 1993; Volpicelli et al. 1992; O'Brien et al. 1997)。

    アルコール乱用に対するその潜在的治療効果に関して試験されている薬物、例えばナルトレキソン、アカンプロセート、オンダンセトロン、ジスルフィラム、ガンマヒドロキシブチラート(GHB)、およびトピラメートは、いくつかのクラスに属する(Volpicelli et al. 1992; O'Brien et al. 1997)。 これらの薬物療法薬のいくつか、例えばナルトレキソン、アカンプロセート、およびジスルフィラムは、一定の有用性を有することが証明されていて、アルコール依存症の治療に関して承認されている。 これらの薬物のうち、非選択的オピオイドアンタゴニストであるナルトレキソンは、現在、薬理学上の優れた基準となる薬物であると考えられる。 しかし、いくつかの有望な結果にもかかわらず、これらの薬物はナルトレキソンを含めていずれも、アルコール依存症において十分な効力を有さず、予後は依然として不良である。

    ニコチンは最も広く使用されている習慣性薬物の1つであり、ニコチン乱用は最も一般的な物質乱用形式である。 WHOは、世界中で12億5000万人の喫煙者が存在すると見積もっている。 それは15歳以上の世界人口の3分の1に相当する。 WHOはさらに、タバコ使用の直接的な結果として毎年500万人の死が生じると見積もっており、したがってニコチン乱用は世界中で最大の単一の予防可能な死因になる。 先進工業国では、癌の70〜90%、慢性呼吸器疾患の56〜80%、および循環器病の22%の症例がニコチン嗜癖のせいである。 タバコ喫煙は、米国だけで毎年430,000件の死を伴い、保健医療コストとして年間800億ドルを国に負担させると見積もられる。 タバコ使用は、肺、口、咽頭、喉頭、食道、(子宮)頸部、腎臓、尿管、および膀胱の癌を含めたすべての癌の3分の1の原因になる。 癌に起因する総死亡率は非喫煙者間より喫煙者間で2倍高い。 喫煙はまた、肺疾患、例えば慢性気管支炎および肺気腫を引き起こし; 喘息症状を悪化させ; 心疾患、例えばストローク(発作)、心発作、血管疾患、および動脈瘤のリスクを増加させる。 心疾患に起因する死の推定20%が喫煙のせいである。 喫煙する妊娠女性は、早産、流産、および低い出生時体重を有する乳児に関して非喫煙者より高いリスクにさらされる。

    ニコチン使用の結果、神経伝達物質ドーパミンのレベルが増加し、ドーパミンは、快感を調節しかつニコチンの消費願望を仲介する報酬経路を活性化する。 ニコチン離脱に伴う症状には、渇望、興奮、怒り、敵意、攻撃、疲労、うつ、および認知障害が含まれ、したがって乱用者はもっとニコチンを得ようとする。 環境上の条件付け要因および精神的ストレスへの曝露は、喫煙者のニコチン使用を刺激する追加の要因である。 繰り返しニコチンを使用すると耐性が発生し、同一の初期刺激を得るためにより高用量のニコチンが必要とされる。

    ニコチン嗜癖に関して開発されたほとんどの治療は再発の予防に関して程々の成功しか示しておらず、したがって禁煙の試みの失敗率は高い。 治療には、ニコチン置換品、抗うつ薬、抗過敏薬、および行動療法の使用が含まれる。

    薬物乱用に関する国立研究所(The National Institute on Drug Abuse)は、人口の約3分の1である7200万人のアメリカ人がマリファナを試したことがあると見積もっている。 マリファナ使用の急性作用には、記憶および学習上の問題、歪んだ認識、問題解決上の困難、協調運動障害、および心拍数の増加が含まれる。 長期乱用は、タバコ喫煙者での観察と同じ呼吸器の問題、例えば日々の咳、痰発生、肺感染リスクの増加、ならびに頭部、頸部および肺の癌を発生させる変化の増加を引き起こしうる。 マリファナ使用には、うつ病、不安、および業務上の問題が関連付けられている。 長期マリファナ使用は強迫性使用を伴う嗜癖を生じさせ、日々の活動を妨げる。 渇望および離脱症状、例えば興奮、攻撃性の増加、不眠、および不安は、常用者によるマリファナの使用中止を困難にする。 マリファナ嗜癖および再発の治療に利用可能な薬品治療は存在しない。

    WHOによれば、世界中で推定1300万人がオピエートを乱用し、それには900万人のヘロイン常用者が含まれる。 オピエート乱用者の25%超が、嗜癖するようになって10〜20年以内に、自殺、殺人、または感染症、例えばHIVおよび肝炎によって亡くなる。 耐性および身体依存は2〜3日以内に発症しうる。

    オピエート嗜癖の治療目標は、他のタイプの物質嗜癖と同様に、苦痛な離脱症状を最小にしかつ再発を予防しつつ、オピエートの使用を中断することである。 現在の治療は、習慣性薬物をオピオイド受容体アゴニストまたは混合アゴニスト/アンタゴニストの代替物で置換することを含む。 別のアプローチは、オピオイド受容体アンタゴニストを使用して、アゴニストの作用をブロックすることからなる。 アンタゴニストは疼痛または他の離脱症状からの解放をもたらさない; むしろ、それらは突然の離脱を引き起こしうる。 そしてその治療的使用は偶発的なオピオイドアゴニスト過剰投与の増加および死亡率の増加と関連付けられた。 受容体に低親和性のアゴニストを使用すれば深刻な離脱症状はほとんど生じないが、置換オピエートへの依存を生じさせうる。 また、多くの置換療法は3〜6か月かかり、常用者に途中で治療を中止する時間を与える。

    精神刺激薬、例えばコカインおよびアンフェタミンは、多幸感、覚醒の増加、および身体能力の増加をヒトにおいて生じさせる。 これらの物質は、まず、ドーパミン伝達を増加させるが、長期薬物使用はドーパミン活性を低下させ、脳報酬系の調節不全および便通異常を生じさせる。 WHOは、世界中で3300万人がアンフェタミンを乱用していると見積もっている。

    慢性コカイン乱用は、過刺激、頻脈、高血圧症、散瞳、筋肉のけいれん、不眠、極度の神経過敏、幻覚、偏執症、攻撃的行動、およびうつ病を生じさせうる。 過量のコカインは、振戦、けいれん、せん妄、および心臓不整脈および循環不全に起因する死を生じさせることがある。 デシプラミン、アマンタジンおよびブロモクリプチンはコカイン離脱症状を減少させることが示されている。

    アンフェタミン離脱症状には、EEG変化、疲労、および抑うつが含まれる。 耐性は経時的に発症し、頻脈、幻聴および幻視、妄想、不安反応、偏執性精神病、疲憊、錯乱、記憶喪失、および自殺傾向がある長期のうつ病を伴うことがある。 アンフェタミン嗜癖の現在の治療には、フェノチアジン、ハロペリドール、および幻覚に関してクロルプロマジンが含まれるが、これらの薬物の潜在的副作用には、体位性低血圧および深刻な錐体外路運動障害が含まれる。

    以前は、物質嗜癖の治療は行動治療が中心であったが、これらの非常に習慣的な多数の物質への依存は中断しがたい。 特に、アルコール、コカイン、およびヘロインへの嗜癖は慢性の再発性障害と考えられる。 また、複数の物質、例えばニコチン、ヘロイン、コカインおよびアルコールの同時乱用も一般的である。

    多数の嗜癖の持続的で慢性的な性質および高率の常習性は、薬物およびアルコール嗜癖の治療に関するかなりの難題を提示し、したがって再発の神経生物学的基礎の理解が嗜癖研究における中心的問題として浮上してきた。 再発の主因の中に情動的要因および環境要因(条件刺激)が列挙された。 例えば、特定のストレス条件、例えば失業および経済的困難、または以前にその使用と関連していた、アルコールの存在を予測させる刺激、例えば好きなワインのビンおよびバー等の環境が、治療済みの(detoxified)元アルコール依存者の再発を強く促すことが知られている。

    薬物およびアルコール嗜癖に伴う習慣性行動および再発への脆弱性の持続を説明する2つの主要な理論的見解が存在する。 それはホメオスタシス(homoeostatic)仮説および条件付け仮説である。

    ホメオスタシス仮説は神経適応変化(neuroadaptive changes)への再発リスクおよび神経内分泌恒常性の破壊に関し、それらは、不安、気分の調節不全および、急性離脱に付随して生じる身体症状の基礎となると考えられ、かつ「遅延性離脱(protracted withdrawal)」相と称されている期間中にかなりの期間持続しうる。 したがってこの考え方には、再発に関する動機付けの基礎として不快感および負の感情の軽減が関与する。

    条件付け仮説は、再発が薬物関連環境刺激への曝露に関連していることが多いという観察に基づく。 この考え方では、従来の条件付けを用いて薬物の報酬作用と関連付けられた特定の環境刺激が、薬物使用の再開のきっかけになる自覚的状態を誘発しうると考える。 ホメオスタシスおよび条件付け仮説は相互に排他的ではない。 実際、ホメオスタシスおよび条件付け要因は、薬物関連環境刺激への曝露が、恒常性障害によってもたらされる再発への脆弱性を増大させる点において、相加作用を発揮する可能性が高い。

    明らかに、当技術分野において、習慣性物質の嗜癖および再発使用を治療および予防するための新規方法の必要性が存在する。 本発明は、嗜癖および常習性(recividism)の治療および予防において有用な方法および医薬併用を提供することによってこれらの必要性を満たす。

    簡単な概要
    本発明は、概して、嗜癖および、習慣的使用または行動への再発の治療および予防のための、単独の、または1種以上の追加の治療物質と組み合わせたPPARγアゴニストの使用に関する。 したがって、本発明は、嗜癖の治療および予防、および習慣性物質の再発使用または習慣性もしくは強迫性行動の再発実施の治療および予防に有用な方法および関連組成物、単位剤形、およびキットを提供する。

    一実施形態では、本発明は、嗜癖の治療または予防方法であって、被験体が嗜癖を有するかまたは嗜癖を発症するリスクがあることを判定するステップ、および嗜癖の治療または予防に有効な量の、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマのアゴニスト(PPARγアゴニスト)を被験体に投与するステップを含む方法を含む。

    関連実施形態では、本発明は、嗜癖の治療または予防方法であって、嗜癖を有する被験体に、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマ(PPARγ)アゴニストおよび追加の治療物質を投与するステップを含み、該PPARγアゴニストおよび該追加の治療物質のそれぞれが嗜癖の有効な治療または予防に寄与する、方法を提供する。

    本発明の嗜癖の治療または予防方法の特定の実施形態では、PPARγアゴニストはチアゾリジンジオン(TZD)である。 特定の実施形態では、TZDは、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、シグリタゾン、トログリタゾン、エングリタゾン、リボグリタゾン、またはダルグリダゾン(darglidazone)である。 特定の実施形態では、追加の治療物質は、オピオイドアンタゴニスト、混合オピオイド部分アゴニスト/アンタゴニスト、抗うつ薬、抗てんかん薬、制吐薬、コルチコトロピン放出因子-1 (CRF-1)受容体アンタゴニスト、選択的セロトニン-3 (5-HT3)アンタゴニスト、5-HT 2A/2Cアンタゴニスト、またはカンナビノイド-1 (CB1)受容体アンタゴニストである。 特定の実施形態では、オピオイドアンタゴニストはナルトレキソンまたはナルメフェンである。 特定の実施形態では、抗うつ薬は、フルオキセチン、ミルタザピン、またはブプロピオンである。 特定の実施形態では、抗てんかん薬は、トピラメート、レベチラセタム、またはガバペンチンである。 一実施形態では、CRF-1受容体アンタゴニストはアンタラルミンである。 別の実施形態では、選択的セロトニン-3 (5-HT3)アンタゴニストはオンダンセトロンである。 特定の実施形態では、カンナビノイド-1 (CB1)受容体アンタゴニストはリモナバントまたはタナラバント(tanarabant)である。 一実施形態では、混合オピオイドアゴニスト/アンタゴニストはブプレノルフィンである。

    本発明の方法の特定の実施形態では、被験体は習慣性物質に嗜癖しているか、または習慣性物質の再発使用のリスクがある。 特定の実施形態では、習慣性物質は、アルコール、ニコチン、マリファナ、マリファナ誘導体、オピオイドアゴニスト、ベンゾジアゼピン、バルビツレート、または精神刺激薬である。 特定の実施形態では、オピオイドアゴニストは、モルヒネ、メタドン、フェンタニル、スフェンタニルおよびヘロインからなる群から選択される。 特定の実施形態では、精神刺激薬は、コカイン、アンフェタミンまたはアンフェタミン誘導体である。 さらに、被験体は2種以上の習慣性物質に嗜癖していてよく、医薬組成物、単位剤形、およびキットは2種以上の習慣性物質の嗜癖または再発使用の治療または予防に有用であってよい。

    本発明の他の実施形態では、被験体は習慣性もしくは強迫性行動に嗜癖しているか、または習慣性もしくは強迫性行動の再発実施のリスクがある。 特定の実施形態では、習慣性または強迫性行動は、病的賭博、病的過食、電子デバイスの病的使用、電子ビデオゲームの病的使用、電子通信デバイスの病的使用、携帯電話の病的使用、ポルノへの嗜癖、セックス嗜癖、強迫性障害、強迫性消費(compulsive spending)、摂食障害、過食症、間欠性爆発性障害、病的盗癖、病的放火、抜毛症、強迫性過剰運動(compulsive overexercising)、および強迫性過剰労働(compulsive overworking)である。 さらに、被験体は2種以上の習慣性または強迫性行動に嗜癖していてよく、医薬組成物、単位剤形、およびキットは2種以上の習慣性もしくは強迫性行動の嗜癖または再発使用の治療または予防に有用であってよい。

    本発明の任意の方法の特定の実施形態では、習慣性物質はアルコールであり、かつ追加の治療物質はオピオイドアンタゴニストまたは混合オピオイドアンタゴニスト/部分アゴニストである。 一実施形態では、オピオイドアンタゴニストはナルトレキソンである。 別の実施形態では、混合オピオイド部分アゴニスト/アンタゴニストはブプレノルフィンである。

    本発明の任意の方法の他の特定の実施形態では、習慣性物質はニコチンであり、かつ追加の治療物質は抗うつ薬である。 一実施形態では、抗うつ薬はブプロピオンである。

    本発明の任意の方法の別の特定の実施形態では、習慣性物質は精神刺激薬であり、かつ追加の治療物質は抗うつ薬である。 一実施形態では、抗うつ薬はブプロピオンである。

    任意の本発明の他の特定の実施形態では、被験体は2種以上の習慣性物質に嗜癖しており、かつ追加の治療物質はオピオイドアンタゴニストまたは混合オピオイド部分アゴニスト/アンタゴニストである。 特定の実施形態では、オピオイドアンタゴニストはナルトレキソンまたはナルメフェンである。 他の実施形態では、混合オピオイド部分アゴニスト/アンタゴニストはブプレノルフィンである。

    別の関連実施形態では、本発明は、習慣性物質の再発使用または習慣性もしくは強迫性行動の再発実施の予防方法であって、習慣性物質の使用または習慣性もしくは強迫性行動の実施の禁断期間、またはその制限もしくは減少の期間を経験している被験体に、有効量のペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマ(PPARγ)アゴニストを投与するステップを含む方法を提供する。 特定の実施形態では、被験体は、習慣性物質の使用の禁断期間、またはその使用制限もしくは使用減少の期間中に、または有効量の抗嗜癖治療をもはや受けていないことで、習慣性物質からの生理的離脱を経験している。 抗嗜癖治療は抗嗜癖薬であるか、または非薬物的治療、例えばカウンセリング、精神療法または催眠療法であってよい。

    関連実施形態では、本発明は、習慣性物質の再発使用または習慣性もしくは強迫性行動の再発実施の予防方法であって、習慣性物質の使用または習慣性もしくは強迫性行動の実施の禁断期間、またはその制限もしくは減少の期間を経験している被験体に、有効量のペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマ(PPARγ)アゴニストを投与するステップ、およびさらに、追加の治療物質を被験体に投与するステップを含み、該PPARγアゴニストおよび該追加の治療物質のそれぞれが再発使用または再発実施の有効な予防に寄与する、方法を含む。 特定の実施形態では、被験体は、習慣性物質の使用の禁断期間、またはその使用制限もしくは使用減少の期間中に、または有効量の抗嗜癖治療をもはや受けていないことで、習慣性物質からの生理的離脱を経験している。

    別の関連実施形態では、本発明は、習慣性物質の再発使用または習慣性もしくは強迫性行動の再発実施の治療方法であって、習慣性物質の使用または習慣性もしくは強迫性行動の実施の禁断期間、またはその制限もしくは減少の期間を経験している被験体に、有効量のペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマ(PPARγ)アゴニストを投与するステップを含む方法を提供する。 特定の実施形態では、被験体は、習慣性物質の使用の禁断期間、またはその使用制限もしくは使用減少の期間中に、または有効量の抗嗜癖治療をもはや受けていないことで、習慣性物質からの生理的離脱を経験している。

    別の実施形態では、本発明は、習慣性物質の再発使用または習慣性もしくは強迫性行動の再発実施の治療方法であって、習慣性物質の使用または習慣性もしくは強迫性行動の実施の禁断期間、またはその制限もしくは減少の期間を経験している被験体に、有効量のペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマ(PPARγ)アゴニストを投与するステップ、およびさらに、追加の治療物質を被験体に投与するステップを含み、該PPARγアゴニストおよび該追加の治療物質のそれぞれが再発使用または再発実施の有効な治療に寄与する、方法を含む。 特定の実施形態では、被験体は、習慣性物質の使用の禁断期間、またはその使用制限もしくは使用減少の期間中に、または有効量の抗嗜癖治療をもはや受けていないことで、習慣性物質からの生理的離脱を経験している。

    別の関連実施形態では、本発明は、習慣性物質の再発使用または習慣性もしくは強迫性行動の再発実施の予防方法であって、有効量のペルオキシソーム(peroxisone)増殖因子活性化受容体ガンマ(PPARγ)アゴニストを被験体に投与するステップを含み、該被験体では、以前に、有効量の抗嗜癖治療での治療に応答して習慣性物質の使用または習慣性もしくは強迫性行動の実施が減少するかまたは排除されており、かつ該被験体は有効量の抗嗜癖治療をもはや受けていない、方法を提供する。 特定の実施形態では、被験体は、抗嗜癖物質に条件付けされたがゆえに、有効量の抗嗜癖物質をもはや投与されていない。 特定の実施形態では、被験体は、抗嗜癖治療への曝露を減らしたかまたは排除したがゆえに、有効量の抗嗜癖治療をもはや受けていない。

    関連実施形態では、本発明は、習慣性物質の再発使用または習慣性もしくは強迫性行動の再発実施の予防方法であって、有効量のペルオキシソーム(peroxisone)増殖因子活性化受容体ガンマ(PPARγ)アゴニストを被験体に投与するステップ、ここで該被験体では、以前に、有効量の抗嗜癖治療での治療に応答して習慣性物質の使用または習慣性もしくは強迫性行動の実施が減少するかまたは排除されていて、かつ該被験体は有効量の抗嗜癖治療をもはや受けていない、およびさらに、追加の治療物質を被験体に投与するステップを含み、該PPARγアゴニストおよび該追加の治療物質のそれぞれが再発使用または再発実施の有効な予防に寄与する、方法を提供する。 特定の実施形態では、被験体は、抗嗜癖物質に条件付けされたがゆえに、有効量の抗嗜癖物質をもはや投与されていない。 特定の実施形態では、被験体は、抗嗜癖治療への曝露を減らしたかまたは排除したがゆえに、有効量の抗嗜癖治療をもはや受けていない。

    追加の実施形態では、本発明は、習慣性物質の再発使用または習慣性もしくは強迫性行動の再発実施の治療方法であって、有効量のペルオキシソーム(peroxisone)増殖因子活性化受容体ガンマ(PPARγ)アゴニストを被験体に投与するステップを含み、該被験体では、以前に、有効量の抗嗜癖治療での治療に応答して習慣性物質の使用または習慣性もしくは強迫性行動の実施が減少するかまたは排除されており、かつ該被験体は有効量の抗嗜癖治療をもはや受けていない、方法を含む。 特定の実施形態では、被験体は、抗嗜癖物質に条件付けされたがゆえに、有効量の抗嗜癖物質をもはや投与されていない。 特定の実施形態では、被験体は、抗嗜癖治療への曝露を減らしたかまたは排除したがゆえに、有効量の抗嗜癖治療をもはや受けていない。

    別の実施形態では、本発明は、習慣性物質の再発使用または習慣性もしくは強迫性行動の再発実施の治療方法であって、有効量のペルオキシソーム(peroxisone)増殖因子活性化受容体ガンマ(PPARγ)アゴニストを被験体に投与するステップ、ここで該被験体は、以前に、有効量の抗嗜癖治療での治療に応答して習慣性物質の使用または習慣性もしくは強迫性行動の実施が減少するかまたは排除されていて、かつ該被験体は有効量の抗嗜癖治療をもはや受けていない、およびさらに、追加の治療物質を被験体に投与するステップを含み、該PPARγアゴニストおよび該追加の治療物質のそれぞれが再発使用または再発実施の有効な治療に寄与する、方法を含む。 特定の実施形態では、被験体は、抗嗜癖物質に条件付けされたがゆえに、有効量の抗嗜癖物質をもはや投与されていない。 特定の実施形態では、被験体は、抗嗜癖治療への曝露を減らしたかまたは排除したがゆえに、有効量の抗嗜癖治療をもはや受けていない。

    本発明の再発使用または実施の治療または予防方法の任意の方法の特定の実施形態では、PPARγアゴニストはピオグリタゾンであり、かつ追加の治療物質はナルトレキソンである。

    本発明の再発使用または実施の治療または予防方法の任意の方法の特定の実施形態では、再発使用または再発実施はストレス誘発性である。

    別の実施形態では、本発明は、習慣性物質からの生理的離脱と関連している1種以上の症状の軽減方法であって、習慣性物質からの生理的離脱を受けている被験体に、有効量のペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマ(PPARγ)アゴニストを投与するステップを含む方法を提供する。

    関連実施形態では、本発明は、習慣性物質からの生理的離脱と関連している1種以上の症状の軽減方法であって、習慣性物質からの生理的離脱を受けている被験体に、有効量のペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマ(PPARγ)アゴニストおよび追加の治療物質を投与するステップを含み、該PPARγアゴニストおよび該追加の治療物質のそれぞれが習慣性物質からの身体的離脱(physical withdrawl)と関連している1種以上の症状の軽減に寄与する、方法を提供する。

    本発明に基づく、習慣性物質からの生理的離脱と関連している1種以上の症状の軽減方法の特定の実施形態では、PPARγアゴニストはチアゾリジンジオン(TZD)である。 特定の実施形態では、TZDは、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、シグリタゾン、トログリタゾン、エングリタゾン、リボグリタゾン、またはダルグリダゾンである。 特定の実施形態では、追加の治療物質は、オピオイドアンタゴニスト、混合オピオイド部分アゴニスト/アンタゴニスト、抗うつ薬、抗てんかん薬、制吐薬、コルチコトロピン放出因子-1 (CRF-1)受容体アンタゴニスト、選択的セロトニン-3 (5-HT3)アンタゴニスト、5-HT 2A/2Cアンタゴニスト、またはカンナビノイド-1 (CB1)受容体アンタゴニストである。

    別の実施形態では、本発明は、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマ(PPARγ)アゴニストおよび追加の治療物質を含み、該PPARγアゴニストおよび該追加の治療物質のそれぞれが嗜癖の有効な治療または予防に寄与する、医薬組成物を含む。 特定の実施形態では、PPARγアゴニストはチアゾリジンジオン(TZD)である。 特定の実施形態では、TZDは、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、シグリタゾン、トログリタゾン、エングリタゾン、リボグリタゾン、またはダルグリダゾンである。

    一実施形態では、医薬組成物は習慣性物質に対する嗜癖の治療に有効である。 特定の実施形態では、習慣性物質は、アルコール、ニコチン、マリファナ、マリファナ誘導体、オピオイドアゴニスト、ベンゾジアゼピン、バルビツレート、または精神刺激薬である。

    別の実施形態では、医薬組成物は習慣性または強迫性行動に対する嗜癖の治療に有効である。 特定の実施形態では、習慣性または強迫性行動は、病的賭博、病的過食、電子デバイスの病的使用、電子ビデオゲームの病的使用、電子通信デバイスの病的使用、携帯電話の病的使用、ポルノへの嗜癖、セックス嗜癖、強迫性障害、強迫性消費、摂食障害、過食症、間欠性爆発性障害、病的盗癖、病的放火、抜毛症、強迫性過剰運動、および強迫性過剰労働である。

    本発明の医薬組成物の特定の実施形態では、追加の治療物質は、オピオイドアンタゴニスト、混合オピオイド部分アゴニスト/アンタゴニスト、抗うつ薬、抗てんかん薬、制吐薬、コルチコトロピン放出因子-1 (CRF-1)受容体アンタゴニスト、選択的セロトニン-3 (5-HT3)アンタゴニスト、5-HT 2A/2Cアンタゴニスト、およびカンナビノイド-1 (CB1)受容体アンタゴニストである。 一実施形態では、オピオイドアンタゴニストはナルトレキソンまたはナルメフェンである。 一実施形態では、抗うつ薬は、フルオキセチン、ミルタザピン、またはブプロピオンである。 一実施形態では、抗てんかん薬は、トピラメート、レベチラセタム、およびガバペンチンからなる群から選択される。 一実施形態では、CRF-1受容体アンタゴニストはアンタラルミンである。 一実施形態では、選択的セロトニン-3 (5-HT3)アンタゴニストはオンダンセトロンである。 一実施形態では、カンナビノイド-1 (CB1)受容体アンタゴニストはリモナバントまたはタナラバントである。 一実施形態では、混合オピオイドアゴニスト/アンタゴニストはブプレノルフィンである。

    本発明の医薬組成物の特定の実施形態では、習慣性物質はアルコールであり、かつ追加の治療物質はオピオイドアンタゴニストまたは混合オピオイドアンタゴニスト/部分アゴニストである。 一実施形態では、オピオイドアンタゴニストはナルトレキソンである。 一実施形態では、混合オピオイド部分アゴニスト/アンタゴニストはブプレノルフィンである。

    本発明の医薬組成物の特定の実施形態では、習慣性物質はニコチンであり、かつ追加の治療物質は抗うつ薬である。 一実施形態では、抗うつ薬はブプロピオンである。

    本発明の医薬組成物の特定の実施形態では、習慣性物質は精神刺激薬であり、かつ追加の治療物質は抗うつ薬である。 一実施形態では、抗うつ薬はブプロピオンである。

    本発明の医薬組成物の特定の実施形態では、習慣性物質は2種以上の習慣性物質を含み、かつ追加の治療物質はオピオイドアンタゴニストまたは混合オピオイド部分アゴニスト/アンタゴニストである。 一実施形態では、オピオイドアンタゴニストはナルトレキソンまたはナルメフェンである。 一実施形態では、混合オピオイド部分アゴニスト/アンタゴニストはブプレノルフィンである。

    本発明の医薬組成物の特定の実施形態では、PPARγアゴニストはピオグリタゾンであり、かつ追加の治療物質はナルトレキソンである。

    別の関連実施形態では、本発明は、嗜癖の治療に適した医薬組成物の単位剤形を含み、該単位剤形はペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマ(PPARγ)アゴニストおよび追加の治療物質を含み、該単位剤形は嗜癖の治療に有効な合計量の該PPARγアゴニストおよび該追加の治療物質を含み、かつ、該PPARγアゴニストおよび該追加の治療物質のそれぞれは嗜癖の有効な治療または予防に寄与する。 特定の実施形態では、PPARγアゴニストはチアゾリジンジオン(TZD)である。 特定の実施形態では、TZDは、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、シグリタゾン、トログリタゾン、エングリタゾン、リボグリタゾン、またはダルグリダゾンである。 特定の実施形態では、追加の治療物質は、オピオイドアンタゴニスト、混合オピオイド部分アゴニスト/アンタゴニスト、抗うつ薬、抗てんかん薬、制吐薬、コルチコトロピン放出因子-1 (CRF-1)受容体アンタゴニスト、選択的セロトニン-3 (5-HT3)アンタゴニスト、5-HT 2A/2Cアンタゴニスト、またはカンナビノイド-1 (CB1)受容体アンタゴニストである。 一実施形態では、オピオイドアンタゴニストはナルトレキソンまたはナルメフェンである。 一実施形態では、抗うつ薬は、フルオキセチン、ミルタザピン、またはブプロピオンである。 一実施形態では、抗てんかん薬は、トピラメート、レベチラセタム、およびガバペンチンからなる群から選択される。 一実施形態では、CRF-1受容体アンタゴニストはアンタラルミンである。 一実施形態では、選択的セロトニン-3 (5-HT3)アンタゴニストはオンダンセトロンである。 一実施形態では、カンナビノイド-1 (CB1)受容体アンタゴニストはリモナバントまたはタナラバントである。 一実施形態では、混合オピオイドアゴニスト/アンタゴニストはブプレノルフィンである。

    本発明の単位剤形の特定の一実施形態では、PPARγアゴニストはピオグリタゾンであり、かつ追加の治療物質はナルトレキソンである。

    別の関連実施形態では、本発明は、嗜癖の治療または予防に有用なキットであって、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマ(PPARγ)アゴニストを含む第一容器; および追加の治療物質を含む第二容器を含み、該PPARγアゴニストおよび該追加の治療物質のそれぞれが嗜癖の有効な治療または予防に寄与する、キットを含む。 特定の実施形態では、PPARγアゴニストはチアゾリジンジオン(TZD)である。 特定の実施形態では、TZDは、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、シグリタゾン、トログリタゾン、エングリタゾン、リボグリタゾンまたはダルグリダゾンである。 特定の実施形態では、追加の治療物質は、オピオイドアンタゴニスト、混合オピオイド部分アゴニスト/アンタゴニスト、抗うつ薬、抗てんかん薬、制吐薬、コルチコトロピン放出因子-1 (CRF-1)受容体アンタゴニスト、選択的セロトニン-3 (5-HT3)アンタゴニスト、5-HT 2A/2Cアンタゴニスト、またはカンナビノイド-1 (CB1)受容体アンタゴニストである。 一実施形態では、オピオイドアンタゴニストはナルトレキソンまたはナルメフェンである。 一実施形態では、抗うつ薬は、フルオキセチン、ミルタザピン、またはブプロピオンである。 一実施形態では、抗てんかん薬は、トピラメート、レベチラセタム、およびガバペンチンからなる群から選択される。 一実施形態では、CRF-1受容体アンタゴニストはアンタラルミンである。 一実施形態では、選択的セロトニン-3 (5-HT3)アンタゴニストはオンダンセトロンである。 一実施形態では、カンナビノイド-1 (CB1)受容体アンタゴニストはリモナバントまたはタナラバントである。 一実施形態では、混合オピオイドアゴニスト/アンタゴニストはブプレノルフィンである。

    本発明のキットの特定の一実施形態では、PPARγアゴニストはピオグリタゾンであり、かつ追加の治療物質はナルトレキソンである。

    本発明のキットの特定の一実施形態では、習慣性物質はアルコールであり、かつ追加の治療物質はオピオイドアンタゴニストまたは混合オピオイドアンタゴニスト/部分アゴニストである。 一実施形態では、オピオイドアンタゴニストはナルトレキソンである。 一実施形態では、混合オピオイド部分アゴニスト/アンタゴニストはブプレノルフィンである。

    本発明のキットの特定の一実施形態では、習慣性物質はニコチンであり、かつ追加の治療物質は抗うつ薬である。 一実施形態では、抗うつ薬はブプロピオンである。

    本発明のキットの特定の一実施形態では、習慣性物質は精神刺激薬であり、かつ追加の治療物質は抗うつ薬である。 一実施形態では、抗うつ薬はブプロピオンである。

    本発明のキットの特定の一実施形態では、習慣性物質は2種以上の習慣性物質を含み、かつ追加の治療物質はオピオイドアンタゴニストまたは混合オピオイド部分アゴニスト/アンタゴニストである。 一実施形態では、オピオイドアンタゴニストはナルトレキソンまたはナルメフェンである。 一実施形態では、混合オピオイド部分アゴニスト/アンタゴニストはブプレノルフィンである。

    別の実施形態では、本発明は、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマ(PPARγ)アゴニストの1種以上の単位剤形およびニコチンの1種以上の単位剤形を含むキットを含む。 一実施形態では、ニコチンの1種以上の単位剤形は2種以上の異なる量のニコチンを含む。 一実施形態では、PPARγアゴニストはチアゾリジンジオン(TZD)である。 一実施形態では、TZDは、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、シグリタゾン、トログリタゾン、エングリタゾン、リボグリタゾンまたはダルグリダゾンである。

    追加の実施形態では、本発明は、習慣性治療物質に対して、被験体が嗜癖するようになることを予防するか、または被験体が嗜癖するようになる可能性を低減する方法であって、その必要がある被験体に習慣性治療物質、および有効量のペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマ(PPARγ)アゴニストを投与するステップを含み、該PPARγアゴニストの有効量が、習慣性治療物質に対して被験体が嗜癖するようになることを予防するか、または被験体が嗜癖するようになる可能性を低減するために有効な量である、方法を含む。 特定の実施形態では、本方法は、追加の治療物質を被験体に投与するステップをさらに含み、該PPARγアゴニストおよび該追加の治療物質のそれぞれは、習慣性治療物質に対して被験体が嗜癖するようになることを予防するか、または被験体が嗜癖するようになる可能性を低減することに寄与する。 一実施形態では、習慣性治療物質はオピオイドアゴニストである。

    本発明の方法の特定の実施形態では、被験体は習慣性物質に嗜癖しているか、または習慣性物質の再発使用のリスクがある。 種々の実施形態では、本発明の医薬組成物、単位剤形、およびキットは習慣性物質に対する嗜癖または習慣性物質の再発使用の治療または予防に有用である。 特定の実施形態では、習慣性物質は、アルコール、ニコチン、マリファナ、マリファナ誘導体、オピオイドアゴニスト、ベンゾジアゼピン、バルビツレート、または精神刺激薬である。 特定の実施形態では、オピオイドアゴニストは、モルヒネ、メタドン、フェンタニル、スフェンタニルおよびヘロインからなる群から選択される。 特定の実施形態では、精神刺激薬は、コカイン、アンフェタミンまたはアンフェタミン誘導体である。 さらに、被験体は2種以上の習慣性物質に嗜癖していてよく、医薬組成物、単位剤形、およびキットは2種以上の習慣性物質の嗜癖または再発使用の治療または予防に有用であってよい。

    本発明の他の実施形態では、被験体は習慣性もしくは強迫性行動に嗜癖しているか、または習慣性もしくは強迫性行動の再発実施のリスクがある。 種々の実施形態では、本発明の医薬組成物、単位剤形、およびキットは習慣性もしくは強迫性行動に対する嗜癖または習慣性もしくは強迫性行動の再発使用の治療または予防に有用である。 特定の実施形態では、習慣性または強迫性行動は、病的賭博、病的過食、電子デバイスの病的使用、電子ビデオゲームの病的使用、電子通信デバイスの病的使用、携帯電話の病的使用、ポルノへの嗜癖、セックス嗜癖、強迫性障害、強迫性消費、摂食障害、過食症、間欠性爆発性障害、病的盗癖、病的放火、抜毛症、強迫性過剰運動、および強迫性過剰労働である。 さらに、被験体は2種以上の習慣性または強迫性行動に嗜癖していてよく、医薬組成物、単位剤形、およびキットは2種以上の習慣性もしくは強迫性行動の嗜癖または再発使用の治療または予防に有用であってよい。

    図1は、Marchigian Sardinianアルコール嗜好性(msP)ラットのアルコール摂取に対する、10.0または30.0 mg/kgのピオグリタゾン(それぞれPio 10およびPio 30)の急性投与の効果を示すグラフである。 コントロールはビヒクルのみで処置した(Veh)。 値はアルコール摂取の平均±標準誤差を表す。 コントロールとの有意差を示す: *p<0.05。

    図2は、msPラットのアルコール摂取に対する、0.25 mg/kgのナルトレキソン(Ntx)単独の、またはそれを10.0もしくは30.0 mg/kgのピオグリタゾン(それぞれPio 10およびPio 30)と組み合わせた場合の急性投与の効果を示すグラフである。 コントロールは薬物のビヒクルで処置した(Veh+Veh)。 値はアルコール摂取の平均±標準誤差を表す。 コントロールとの有意差を示す: **p< 0.01および*p<0.05。

    図3A〜3Dは、msPラットのアルコール摂取に対する、10.0または30.0 mg/kgのピオグリタゾン(それぞれPio 10およびPio 30)の亜慢性投与の効果を示すグラフである。 コントロールは薬物ビヒクルで処置した(Veh)。 図3A〜3Cで示される値は、毎日の明/暗サイクルの暗期の開始から2時間(図3A); 8時間(図3B); および24時間(図3C)の時点で測定された毎日のアルコール摂取の平均±標準誤差を表す。 図3Dは、24時間間隔で測定された毎日の食物摂取を示す。 コントロールとの有意差を示す: *p<0.05。

    図3−1の続きである。

    図4A〜4Dは、msPラットのアルコール摂取に対する、0.25 mg/kgのナルトレキソン(Ntx)単独の、またはそれを10.0もしくは30.0 mg/kgのピオグリタゾン(それぞれPio 10およびPio 30)と組み合わせた場合の亜慢性投与の効果を示すグラフである。 コントロールは薬物ビヒクルで処置した(Veh + Veh)。 図4A〜4Cで示される値は、毎日の明/暗サイクルの暗期の開始から2時間(図4A); 8時間(図4B); および24時間(図4C)の時点で測定された毎日のアルコール摂取の平均±標準誤差を表す。 図4Dは、24時間間隔で測定された毎日の食物摂取を示す。 コントロールとの有意差を示す: *p<0.05。

    図4−1の続きである。

    図5は、ヨヒンビン誘発性のエタノール探索行動の再開に対するピオグリタゾンの効果を示す棒グラフである。 消去(extinction)(Ext)と比較して、ヨヒンビンは応答の顕著な再開を誘発し、それは、10.0および30.0 mg/kgのピオグリタゾン(それぞれPio 10および30)で前処置することによって顕著に減少した。 値は、有効レバー(active lever)での応答の平均(±標準誤差)数を表す。 コントロール(ピオグリタゾンビヒクル; Veh)との有意差を示す: **P<0.05。

    図6は、合図誘発性(cue-induced)のエタノール探索行動の再開に対するピオグリタゾンの効果の欠如を示す棒グラフである。 示される値は、有効または無効レバーでの応答の平均(±標準誤差)数を表す。 条件付け: 識別相の最後の10%アルコール(黒丸)および(白丸)セッションの応答。 消去(EXT): この相の最終日の応答。 再開: アルコール(S

    + /CS

    + )または水(S

    - /CS

    - )の入手可能性を予測させる刺激に曝露されたラットの応答。 Extとの有意差を示す: **P<0.01。

    図7は、WistarラットのFR1エタノール自己投与に対する、シグリタゾン5.0 (Cig 5)または20.0 mg/kg (Cig 20)またはそのビヒクル(Veh)での処置の効果を示すグラフである。 各レバー応答の結果、10%エタノール0.1 mlが送達された。 コントロール(Veh)との有意差を示す: *P<0.05。

    図8は、msPラットのアルコール摂取に対する、7.5または15.0 mg/kgのロシグリタゾン(Ros)の投与の効果を示すグラフである。 コントロールは薬物ビヒクルで処置した(Veh)。 値は、指定の時点でのアルコール摂取(g/kg)の平均±標準誤差を表す。 コントロールとの有意差を示す: **<0.01および*p<0.05。

    図9Aおよび9Bは、ピオグリタゾン誘発性のエタノール飲用の減少に対する、PPARγアンタゴニストGW9662での前処置の効果を示すグラフである。 図9Aは、msPラットのエタノール摂取に対する、単独投与GW9662 (GW)(1.0 および5.0 mg/kg)の効果を表す。 図9Bは、30 mg/kgピオグリタゾン(Pio)またはそのビヒクルを注射された動物に対するGW9662での前処置の効果を示す。 コントロール群には両薬物のビヒクルを投与した(Veh+Veh)。 値はアルコール摂取(g/kg)の平均±標準誤差を表す。 コントロールとの有意差を示す: **p< 0.01。

    図10は、ピオグリタゾン誘発性のエタノール飲用の減少に対する、ICV投与されたPPARγアンタゴニストGW9662での前処置の効果を示すグラフである。 MsPラットに、5.0μg/ラットのGW9662 (GW)単独、30 mg/kgのピオグリタゾン(Pio)単独またはそれらの組み合わせを投与した。 コントロール群には両薬物のビヒクルを投与した(Veh+Veh)。 値はアルコール摂取(g/kg)の平均±標準誤差を表す。 コントロールとの有意差を示す: *p<0.05および**p< 0.01。

    図11は、ヨヒンビン誘発性のアルコール探索の再開に対するナルトレキソン(Ntx)の効果を示すグラフである。 消去(Ext)と比較して、ヨヒンビンは応答の顕著な再開を誘発し、それは、0.25および1.0 mg/kgのナルトレキソンでの前処置によって改変されなかった。 値は、有効レバーでの応答の平均(±標準誤差)数を表す。 コントロール(0.0)との差異は有意でなかった。

    図12は、合図誘発性のアルコール探索の再開に対するナルトレキソン(Ntx)の効果を示すグラフである。 値は、有効レバーでの応答の平均(±標準誤差)数を表す。 条件付け: 識別相の最後の10%アルコール(黒丸)および水(白丸)セッションの応答。 消去(Ext): この相の最終日の応答。 再開: アルコール(S

    + /CS

    + )または水(S

    - /CS

    - )の入手可能性を予測させる刺激に曝露されたラットの応答。 0.25および1.0 mg/kgのナルトレキソンでの処置は合図誘発性のアルコール探索の再開を有意に減少させた; **p< 0.01。

    図13Aおよび13Bは、ヨヒンビン誘発性のアルコール探索の再開(図13A)または合図誘発性のアルコール探索の再開(図13B)に対する、ナルトレキソン(ntx)とピオグリタゾン(Pio)の組み合わせの効果を示すグラフである。 消去(Ext)と比較して、ヨヒンビンは応答の顕著な再開を誘発した。 ナルトレキソン(1.0 mg/kg)とピオグリタゾン(10および30 mg/kg)の組み合わせはヨヒンビン誘発性のアルコール探索の再開を顕著に阻害した(図13A)。 ピオグリタゾン(10.0および30.0 mg/kg)と組み合わせた1.0 mg/kgのナルトレキソンでの処置はまた、合図誘発性のアルコール探索の再開を顕著に減少させた。 条件付け: 識別相の最後の10%アルコール(黒丸)および水(白丸)セッションの応答。 消去(Ext): この相の最終日の応答。 再開: アルコール(S

    + /CS

    + )または水(S

    - /CS

    - )の入手可能性を予測させる刺激に曝露されたラットの応答。 値は、有効レバーでの応答の平均(±標準誤差)数を表す。 Extとの有意差を示す: *P<0.05, **p<0.01。

    図14は、msPラットのアルコール摂取に対する、10 mg/kgのピオグリタゾン(Pio)単独または3 mg/kgのフルオキセチン単独またはそれらの組み合わせの投与の効果を示すグラフである。 コントロールは薬物ビヒクルで処置した(Veh+Veh)。 値はアルコール摂取(g/kg)の平均±標準誤差を表す。 コントロールとの有意差を示す: *p<0.05および**p<0.01。

    図15は、msPラットのアルコール摂取に対する、10 mg/kgのピオグリタゾン(Pio)単独または5 mg/kgのミルタザピン単独またはそれらの組み合わせの投与の効果を示すグラフである。 コントロールは薬物ビヒクルで処置した(Veh+Veh)。 値はアルコール摂取(g/kg)の平均±標準誤差を表す。 コントロールとの有意差を示す: *p<0.05。

    図16は、msPラットのアルコール摂取に対する、10 mg/kgのピオグリタゾン(Pio)単独または30 mg/kgのトピラメート単独またはそれらの組み合わせの投与の効果を示すグラフである。 コントロールは薬物ビヒクルで処置した(Veh+Veh)。 値はアルコール摂取(g/kg)の平均±標準誤差を表す。 コントロールとの有意差を示す: *p<0.05。

    図17は、msPラットのアルコール摂取に対する、10 mg/kgのピオグリタゾン(Pio)単独または100 mg/kgのレベチラセタム(Leve)単独またはそれらの組み合わせの投与の効果を示すグラフである。 コントロールはビヒクルのみで処置した(Veh+Veh)。 値はアルコール摂取(g/kg)の平均±標準誤差を表す。 コントロールとの有意差を示す: *p<0.05および**p<0.01。

    図18は、msPラットのアルコール摂取に対する、10 mg/kgのピオグリタゾン(Pio)単独または30 mg/kgのガバペンチン単独またはそれらの組み合わせの投与の効果を示すグラフである。 コントロールはビヒクルで処置した(Veh+Veh)。 値はアルコール摂取(g/kg)の平均±標準誤差を表す。 コントロールとの有意差を示す: **p<0.01および*p<0.05。

    図19は、msPラットのアルコール摂取に対する、10 mg/kgのピオグリタゾン(Pio)単独または1.0 mg/kgのオンダンセトロン単独またはそれらの組み合わせの投与の効果を示すグラフである。 コントロールは薬物ビヒクルで処置した(Veh+Veh)。 値はアルコール摂取(g/kg)の平均±標準誤差を表す。 コントロールとの有意差を示す: **p<0.01および*p<0.05。

    図20は、msPラットのアルコール摂取に対する、10 mg/kgのピオグリタゾン(Pio)単独または15 mg/kgのアンタラルミン単独またはそれらの組み合わせの投与の効果を示すグラフである。 コントロールはビヒクルで処置した(Veh+Veh)。 値はアルコール摂取(g/kg)の平均±標準誤差を表す。 コントロールとの有意差を示す: *p<0.05および**p<0.01。

    図21は、Wistarラットのアルコール離脱スコアに対する、10および30 mg/kgのピオグリタゾン(Pio)の投与の効果を示すグラフである。 コントロールはアルコールビヒクルの経口投与を受けた。 値はトータル離脱スコアの平均±標準誤差を表す。 コントロールとの有意差を示す: **p<0.01。

    図22Aおよび22Bは、WistarラットのFR5コカイン自己投与に対する、10.0または30.0 mg/kgピオグリタゾン(それぞれ10または30)またはそのビヒクル(veh)での処置の効果を示すグラフである。 図22Aは、有効レバーでの報酬の数を示し、5回のレバー応答につき、1報酬(0.25 mg/ 0.1 mlのコカイン)の送達がもたらされる。 図22Bは残りの無効レバーでの応答数を示す。 コントロール(Veh)との有意差を示す: **p<0.01。

    図23Aおよび23Bは、WistarラットのFR5ニコチン自己投与に対する、ピオグリタゾン(30.0 mg/kg)またはそのビヒクル(veh)での処置の効果を示すグラフである。 図23Aは、有効レバーでの報酬の数を示し、5回のレバー応答につき、0.25 mg/ 0.03 mlのニコチンの送達がもたらされる。 図23Bは残りの無効レバーでの応答数を示す。 コントロール(Veh)との有意差を示す: *p<0.05。

    詳細な説明
    本発明は、主に、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマ(PPARγ)アゴニストが習慣性物質または行動についての嗜癖および再発使用の治療および予防に有用であるという本明細書中に記載の知見に基づく。 したがって、本発明は、嗜癖および再発使用の治療および予防のための方法および関連組成物、製剤、単位剤形およびキットであって、1種以上のPPARγアゴニストを、単独で、または1種以上の追加の治療物質と組み合わせて含み、該PPARγアゴニストおよび該追加の治療物質(群)のそれぞれが嗜癖の有効な治療または予防に寄与する、方法および関連組成物、製剤、単位剤形およびキットを提供する。

    本明細書中の実施例で実証されるように、種々の異なるチアゾリジンジオン(TZD)は、嗜癖の種々のモデルにおいて習慣性物質の摂取を減少させることが示された。 例えば、TZDであるピオグリタゾン、シグリタゾン、およびロシグリタゾンのそれぞれは、アルコール嗜癖のラットモデルにおいてエタノール消費を有意に減少させた(実施例1、3、7、および8)。 その効果はTZDの急性および亜慢性投与に関してともに明らかであった(実施例1および2)。 さらに、TZDは、コカイン嗜癖のラットモデル(実施例23)およびニコチン嗜癖のラットモデル(実施例24)においてコカイン使用を減少させることが示された。 このPPARγアゴニストの効果は、2種の異なるPPARγアゴニストを使用するPPARγ受容体の活性化によって媒介されることが示された(実施例9および10)。 さらに、糖尿病の治療のためにピオグリタゾンを使用するヒト患者の観察研究によって、このPPARγアゴニストがエタノール乱用の軽減に効果的であることが確認された(実施例22)。 これらのデータは、PPARγアゴニストを使用して、種々の異なる習慣性物質への嗜癖を治療および予防できることを確認する。

    さらに、本明細書中の実施例は、PPARγアゴニストを種々の異なる治療物質と組み合わせて使用すると、習慣性物質の摂取が実質的に減少したことを示す。 例えば、TZDであるピオグリタゾンでの急性または亜慢性処置によって、エタノール摂取に対する、オピオイドアンタゴニストであるナルトレキソンのインヒビター作用が増強されたことが示される(実施例2および4)。 これらのデータは、PPARγアゴニストをオピオイドアンタゴニストと組み合わせて使用すると、例えば相加的または相乗的に、嗜癖の治療または予防における効力が増加したことを示す。

    習慣性物質の使用の減少に加えて、PPARγアゴニストは習慣性物質の再発使用、または再開、を低減または予防することもできた。 実施例5で記載されるように、ピオグリタゾンでの処置は、ストレス誘発性のアルコール使用の再開を有意に減少させた。 しかし、興味深いことに、それは合図誘発性のアルコール使用の再開を有意には減少させなかった(実施例6)。 対照的に、オピオイドアンタゴニストであるナルトレキソンは、合図誘発性のアルコール使用の再開を減少させたが、ストレス誘発性のアルコール使用の再開を減少させなかった(実施例12および11)。 このデータは、PPARγアゴニストおよびオピオイドアンタゴニストの組み合わせが、習慣性物質の再発使用を予防するための向上した能力を有するという考えを支持する。 その理由は、そのような組み合わせがストレス誘発性および合図誘発性の再発使用をともに予防するからである。 実際、PPARγアゴニストであるピオグリタゾン、およびオピオイドアンタゴニストであるナルトレキソンの組み合わせでの処置の結果、ストレス誘発性および合図誘発性のアルコール使用の再開がともに有意に減少した(実施例13)。

    PPARγアゴニストはまた、嗜癖および再発使用の低減または予防において、他のクラスの治療物質と相乗的に働いた。 例えば、TZDであるピオグリタゾンを、種々の異なるクラスの抗うつ薬(例えばフルオキセチンおよびミルタザピン)と組み合わせて使用すると、エタノール嗜癖の動物モデルにおけるエタノール消費の低減に相乗的に働いた(実施例14および15)。 抗てんかん薬、例えばトピラメート、レベチラセタム、およびガバペンチンは、TZDと組み合わせると、エタノール摂取の低減に相乗作用を示し(実施例16〜18)、制吐薬、例えばセロトニン-3 (5-HT3)受容体選択的アンタゴニストであるオンダンセトロン、およびコルチコトロピン放出因子1受容体選択的アンタゴニストであるアンタラルミンもまた、TZDと組み合わせると、アルコール消費の低減に相乗作用を示した(実施例19および20)。

    興味深いことに、本明細書中の実施例に記載の実験では、PPARγアゴニストがアルコール嗜癖動物の離脱症状を有意に減少させることも示された(実施例21)。

    要約すれば、本発明は、PPARγアゴニストでの処置が嗜癖の治療および予防のための新規薬理学的アプローチであることを実証する。 その理由は、それがストレス曝露に関連する習慣性物質消費および常習性を減少させるからである。

    さらに、嗜癖の生理病理学がすべての乱用薬物に共通の特徴(すなわち薬物渇望、薬物要求によって引き起こされる強迫性行動、離脱、再発行動、神経損傷、認知障害)を有することを考慮すると、PPARγアゴニストが他の習慣性物質または行動への依存の治療にも有用であると考えることが合理的であり、該他の習慣性物質には、例えば、オピエート(モルヒネ、ヘロイン メタドン)、精神刺激薬(概してコカイン、メタンフェタミン、およびアンフェタミン関連化合物)、ニコチン、ガンマヒドロキシブチラート(GHB)、フェンシクリジン、およびフェンシクリジン誘導体、等が含まれる。

    PPARγアゴニストはオピオイドアンタゴニストとの組み合わせにおいても効力を示した; この2種の薬物を同時投与すると、エタノール飲用に対する効果に関して加算性が生じ、ストレス誘発性の再開に対するオピオイドアンタゴニストの効力が増強された。 同時投与療法では、特に早期の治療期間中の、TDZの神経保護性抗痙攣性および離脱軽減効果に注目することが特に重要である。 実際、オピオイドアンタゴニストは離脱症状のいかなる改善も生じさせない。 このことは、概して、これらの薬物の場合に報告されることが多い早期の治療離脱および低いコンプライアンスに寄与する。

    肝機能を正常化するTDZの能力はまた、併用治療アプローチの開発において正の影響を有するかもしれない。 実際、アルコール依存性患者の臨床状態は、概して、特に早期の解毒期間中に損なわれる。 ゆえに、疾病状態からの急速な回復および改善は治療維持を向上させうる。

    A. PPARγアゴニスト(群)を使用する嗜癖の治療および予防方法
    したがって、本発明は、嗜癖の治療または予防方法であって、嗜癖を有するかまたは嗜癖を発症するリスクがある被験体に1種以上のPPARγアゴニストを投与するステップを含む方法を含む。 種々の実施形態では、被験体は、非限定的に本明細書中に記載の任意の習慣性物質および行動を含む、習慣性物質または行動に嗜癖している。 被験体は物質または行動に身体的または生理的に依存しているか; 被験体は精神的に依存しているか; または被験体は身体的かつ精神的に依存していてよい。 被験体は1種または2種以上の習慣性物質または行動に嗜癖していてよい。

    本明細書中で使用される「治療する(treat)」および類似の単語、例えば「treatment」、「treating」等は、文脈上明らかに指定されない限り、有益なまたは所望の結果を得るためのアプローチであり、該結果は臨床結果を含み、かつ好ましくは臨床結果である。 治療は、場合により、疾患もしくは症状(例えば嗜癖、再発使用、離脱)の軽減もしくは改善、または疾患もしくは症状(例えば嗜癖 再発使用、離脱)の進行の遅延を含んでよい。

    本明細書中で使用される「予防する(prevent)」および類似の単語、例えば「prevention」、「preventing」等は、文脈上明らかに指定されない限り、疾患もしくは症状(例えば嗜癖、再発使用、離脱)の発症もしくは再発を予防するか、または疾患もしくは症状の徴候の出現もしくは再発を予防するためのアプローチであるか、または場合により、疾患もしくは症状の発症もしくは再発を遅延させるか、または疾患もしくは症状の徴候の出現もしくは再発を遅延させるためのアプローチである。

    概して、有効量のPPARγアゴニストを被験体に投与する。 本明細書中で使用される、物質、例えばPPARγアゴニストの「有効量」または「治療有効量」とは、所望の生物学的または精神的効果、例えば臨床結果を含む有益な結果に影響するために十分な量である。 例えば、本発明の方法を使用する嗜癖の治療の関連では、PPARγアゴニストの有効量は被験体に習慣性物質の使用を減少または中断させるために十分な量である。

    本発明の特定の実施形態では、PPARγアゴニストのみを被験体に投与し、他の実施形態では、PPARγアゴニストを追加の治療物質と組み合わせて被験体に投与する。 PPARγアゴニストおよび追加の治療物質のいずれかまたは両者の有効量は、いずれかが単独で投与される場合には、組み合わせて投与される場合と比べて異なるかもしれないことが理解される。 例えば、PPARγアゴニストおよび追加の治療物質が相乗的に作用する場合、PPARγアゴニストまたは追加の治療物質のいずれか単独によってもたらされる効果と同一の治療効果を達成するために、より少量のPPARγアゴニスト、より少量の追加の治療物質、またはより少量の両PPARγアゴニストまたは追加の治療物質しか必要とされない。 他の実施形態では、同量のPPARγアゴニストおよび追加の治療物質を使用して、PPARγアゴニストまたは追加の治療物質のいずれか単独によってもたらされる治療効果と比較して向上した治療効果を得る。 別の例として、下記実施例中のデータは、アルコールに嗜癖しかつPPARγアゴニストであるピオグリタゾンで治療された患者がうつ病の軽減を示し、本発明にしたがってPPARγアゴニストおよび抗うつ薬の組み合わせで嗜癖患者を治療すると、習慣性障害の治療の部分として、向上した抗うつ治療効果がもたらされることを示す。

    被験体は任意の動物であってよく、それには哺乳類、および特にヒトが含まれる。

    本発明の一態様では、被験体は、まず、医療提供者による診断検査、観察または分析によって、嗜癖を有するか、または嗜癖を発症するリスクがあると決定または診断される。 次いで、嗜癖の治療または予防のために、有効量のPPARγアゴニスト、または有効量のPPARγアゴニストおよび1種の追加の治療物質が被験体に投与される。 本発明の別の態様では、被験体は、まず、医療提供者の診断検査、観察または分析によって、嗜癖を有するか、または嗜癖を発症するリスクがあると決定または診断されるが、被験体は、糖尿病または他のインスリン障害を有するとは診断または決定されていない。 次いで、嗜癖の治療または予防のために、有効量のPPARγアゴニスト、または有効量のPPARγアゴニストおよび1種の追加の治療物質が被験体に投与される。 PPARγアゴニストの用量、またはPPARγアゴニストおよび1種の追加の治療物質の用量は、任意の他の障害または疾患に関してではなく嗜癖の治療または予防に関して、医師によって具体的に決定される。

    特定の態様では、嗜癖を治療または予防する主目的で、PPARγアゴニストを、単独で、または追加の治療物質と組み合わせて被験体に投与する。 本発明の方法の関連態様では、被験体は、以前に、嗜癖以外の任意の疾患または障害の治療または予防に関してPPARγアゴニストを投与されていない。 特に、特定の実施形態では、被験体は、以前に、インスリン抵抗性または糖尿病の治療のためにPPARγアゴニストを投与されていない。 別の関連実施形態では、被験体はインスリン抵抗性または糖尿病と診断されていない。

    本発明の種々の実施形態では、任意のPPARγアゴニストを被験体に投与してよく、それには下記の任意の具体的PPARγアゴニストが含まれる。 特定の実施形態では、PPARγアゴニストはTZDであり、それには任意の下記TZDが含まれる。 特定の実施形態では、TZDは、ピオグリタゾン、シグリタゾン、ロシグリタゾンまたはトロガリタゾン(trogalitazone)である。

    特定の実施形態では、被験体は、任意の身体的習慣性物質または習慣性もしくは強迫性行動に対して、嗜癖をわずらっているか、または嗜癖のリスクがある。 該身体的習慣性物質または習慣性もしくは強迫性行動には、例えば下記の任意のものが含まれる。 特定の実施形態では、被験体は、アルコール、コカイン、ニコチン、マリファナ、オピエートまたは他のオピオイドアゴニストまたはメタンペタミン(methampetamine)または他の精神刺激薬、またはフェンシクリジンおよびフェンシクリジン誘導体に嗜癖している。

    特定の実施形態では、被験体は、同一の、または異なる習慣性物質または習慣性もしくは強迫性行動に以前に嗜癖していた場合に、習慣性物質の使用または習慣性行動の実施に対する嗜癖または再発のリスクがあると考えられる。 特定の実施形態では、被験体は、習慣性物質または習慣性もしくは強迫性行動に、もはや身体的に嗜癖していなくても、精神的に嗜癖している場合に、習慣性物質の使用または習慣性行動の実施に対する嗜癖または再発のリスクがあると考えられる。

    特定の実施形態では、被験体は、疾患または障害を治療するために該患者に投与される治療物質、例えば鎮痛剤に嗜癖しているかまたは嗜癖するようになるリスクがある。 関連実施形態では、被験体は、習慣性治療物質、例えば鎮痛剤を乱用するリスクがある。 習慣性治療物質の乱用は、特定の実施形態では、その所定の用途以外のまたはそれに加えた理由での物質の使用を示すと理解される。 そのような状況では、習慣性治療物質とPPARγアゴニストの両者のみ、またはそれらを追加の治療物質と組み合わせて、被験体に投与してよい。 例えば、疼痛を患っているかまたは疼痛のリスクがある被験体に、オピオイドアゴニストおよびPPARγアゴニストまたはTZD、例えばピオグリタゾンを投与して、鎮痛をもたらし、かつオピオイドアゴニストに対する嗜癖を予防または治療することができる。 PPARγアゴニストは神経因性疼痛(neuropatic pain)および炎症反応を軽減することが示されている(例えばOliveira A. et al., Antinociceptive and antiedematogenic activities of fenofibrate, an agonist of PPAR alpha, and pioglitazone, an agonist of PPAR gamma, Eur J Pharmacol. 561(1-3):194-201 (2007)を参照のこと)ため、PPARγアゴニストはオピオイドアゴニストの鎮痛効果を増加または増強するかもしれない。

    種々の実施形態では、被験体が習慣性物質を使用しているのと同時に、被験体が習慣性物質の使用を中断した後に、または被験体が習慣性物質の使用を開始する前に、PPARγアゴニストを被験体に投与する。

    1. 習慣性物質
    嗜癖という用語は、個体の健康、精神状態または社会生活に対する有害な影響にもかかわらず、個体による、なんらかの特定の活動にたずさわることへの、再発性の強迫を説明するために使用される。 この用語は薬物嗜癖のための用語であることが多いが、他の強迫、例えば問題のある賭博、および強迫性過食に適用されることもある。 嗜癖の原因として提唱されている要因には、遺伝的、生物学的/薬理学的および社会的要因が含まれる。

    医学界は、現在、身体的(physical)または生理的(physiological)依存(離脱症状を特徴とする)と精神的(psychological)依存(単に嗜癖(addiction)と称されることもある)の、慎重な理論的区別を行っている。 現在、狭義には、嗜癖は「抑制不能な強迫的使用」と定義される。 患者または別の集団がわずらっている害悪、または患者または別の集団に対して加えられる損傷がない場合、それは、臨床的には、強迫的であると考えることができるが、定義によっては、それは「嗜癖」に分類されない。 実際、2種の嗜癖(生理的依存および精神的依存)は、常に区別が容易であるわけではない。 嗜癖は身体的および精神的部分をともに有することが多い。

    身体依存(または薬物依存)とは、薬物の習慣性使用に起因して生じる状態を表し、その状態では、負の身体的離脱症状が急激な中断に起因して生じる。 使用者が身体依存を発症するかもしれない習慣性物質の例には、ニコチン、オピオイド、バルビツレート、ベンゾジアゼピン、アルコール、すなわちエチルアルコール、GHB、およびメタカロンが含まれる。

    一般に乱用される興奮剤、例えばコカインまたはアンフェタミンクラスの薬物は顕著な身体依存を引き起こさないと考えられる。 しかし、極度の生理的嗜癖を生じさせるその可能性は、身体的に損傷を与えるようになる量を使用者に消費させうるが、生命をおびやかす離脱作用は観察されていない。

    本明細書中で使用される習慣性物質には、身体的もしくは精神的に、または身体的かつ精神的に被験体が嗜癖するようになりうる任意およびすべての物質が含まれる。 上記のように、嗜癖には、薬物等の化学物質、例えばエチルアルコール、ニコチン、またはコカインに対する嗜癖、ならびに他の行動に対する嗜癖、例えば病的賭博、病的過食、電子デバイス、例えばBlackBerry(登録商標)の病的使用、電子ビデオゲームの病的使用、電子通信デバイスの病的使用、携帯電話の病的使用、ポルノへの嗜癖、セックス嗜癖、強迫性障害、強迫性消費、摂食障害、過食症、間欠性爆発性障害、病的盗癖、病的放火、抜毛症、強迫性過剰運動、および強迫性過剰労働が含まれる。

    習慣性物質には、習慣性の気晴らしのための薬物、ならびに習慣性医薬品が含まれる。 習慣性物質の例には、非限定的に、アルコール、例えばエチルアルコール、ガンマヒドロキシブチラート(GHB)、カフェイン、ニコチン、大麻(マリファナ)および大麻誘導体、オピエートおよび他のモルヒネ様オピオイドアゴニスト、例えばヘロイン、フェンシクリジンおよびフェンシクリジン様化合物、鎮静性イプノティック(sedative ipnotics)、例えばベンゾジアゼピン、メタカロン、メクロカロン、エタクアロン(etaqualone)およびバルビツレートおよび精神刺激薬、例えばコカイン、アンフェタミンおよびアンフェタミン関連薬物、例えばデキストロアンフェタミンおよびメチルアンフェタミンが含まれる。 他の例には、LSD、プシロシビン、エクスタシーおよび他の幻覚発現物質が含まれる。 習慣性医薬品の例には、例えばベンゾジアゼピン、バルビツレート、および鎮痛剤、例えばアルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン ベンジルモルフィン、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、シクラゾシン、デソモルフィン、デキストロモラミド、デゾシン、ジアンプロミド、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルフィン、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアンブテン、ジオキサフェチルブチラート、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、エチルモルヒネ、エトニタゼン フェンタニル、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レバロルファン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、ロフェニタニル(lofenitanil)、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン、メトポン、モルヒネ、ミロフィン、ナルブフィン、ナルセイン、ニコモルフィン、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ナロルフィン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、アヘン、オキシコドン、オキシコンチン(OXYCONTIN)(登録商標)、オキシモルフォン、パパベレタム、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロフェプタジン(propheptazine)、プロメドール、プロペリジン、プロピラム、プロポキシフェン スフェンタニル、トラマドール、チリジン、その塩、前記医薬品のいずれかの混合物、混合μ-アゴニスト/アンタゴニスト、等が含まれる。

    特定の実施形態では、被験体はオピオイドアゴニストに嗜癖している。 用語「オピオイドアゴニスト」、「オピオイド」および「オピエート」は本明細書中で交換可能に使用され、その特性が、種々の程度で、アヘン様またはモルヒネ様である薬物群を示すために使用される。 それらの主な用途は疼痛軽減のための用途である。 これらの物質はオピオイド受容体に結合することによって働き、該受容体は主に中枢神経系および消化管に見出される。 オピエートもまた習慣性物質である。 オピエートには、アルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、アポモルヒネ、ベンジルモルフィン、ベータ-ヒドロキシ3-メチルフェンタニル、ベジトラミド、カルフェンタニル、クロニタゼン、コデイン、デソモルフィン、デキストロモラミド、ジアセチルモルフィン(ヘロイン)、ジアンプロミド、ジヒドロコデイン、ジヒドロエトルフィン、ジヒドロモルフィン、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアンブテン、ジオキサフェチルブチラート、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、エチルモルヒネ、エトニタゼン、エトルフィン、フェンタニル、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、LMM、レボルファノール、レボフェナシルモルファン(Ievophenacylmorphan)、ロフェンタニル、メペリジン、メタポン(metapon)、メタゾシン、メタドン、メタジルアセタート、メトポン、モルヒネ、ミロフィン、ナルセイン、ニコモルフィン、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、アヘン、オキシコドン、オキシモルフォン、パパベリン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロフェプタジン(propheptazine)、プロメドール、プロペリジン、プロポキシフェン、レミフェンタニル、スフェンタニル、テバイン、チルジン(tildine)、およびトラマドールが含まれる。

    天然に存在するオピエートには、コデイン、モルヒネ、ノスカピン、パパベリン、およびテバインが含まれる。 半合成オピオイドには、ジアセチルモルフィン、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、レボルファノール、メタポン、ナロルフィン、ナロキソン、ナルトレキソン、オキシコドン、オキシモルフォン、およびトラマドールが含まれる。 合成オピオイドには、エトヘプタジン、フェンタニル、レボルファノール、メペリジン、メタドン、フェナゾシン、プロポキシフェンおよびスフェンタニルが含まれる。

    オピエートの3つの広い分類は、フェナントレン、フェニルヘプチルアミン、およびフェニルピペリジンである。 フェナントレンの例には、コデイン、エトルピン(etorpine)、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、モルヒネ、オキシコドン、およびオキシモルフォンが含まれる。 フェニルヘプチルアミンの例には、ジメヘプタノール(dimeheptanol)、ジメノキサドール、ジピパノン、イソメタドン、メタドン、メタジルアセタート、およびプロポキシフェンが含まれる。 フェニルピペリジンの例には、アルフェンタニル(alfentanyl)、アルファプロジン、ベータ-プロメドール、カルフェンタニル(carfentanyl)、フェンタニル、ロフェンタニル、メペリジン、プロペリジン、およびスフェンタニルが含まれる。

    具体的な精神刺激薬には、一例として、アンフェタミン、コカイン、デキストロアンフェタミン、メタンフェタミン、ペモリン、およびメチレンジオキシメタンフェタミンが含まれる。

    被験体は単一の習慣性物質または行動に嗜癖していることもあるが、被験体は2種以上の習慣性物質または行動に嗜癖していることが多い。 2種以上の習慣性物質または習慣性行動への嗜癖は多重嗜癖と称される。

    2. PPARγアゴニスト
    ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)は核ホルモン受容体スーパーファミリーのリガンド活性化転写因子である。 現在、3種の別のPPARアイソフォーム、すなわちPPARα、PPARβ/δおよびPPARγが同定されている(Breidert et al., 2002; Feinstain et al. 2003)。 PPARα受容体アイソフォームは肝臓および腎臓で高度に発現され、脂肪酸異化を調節する; PPARβ/δは遍在的に発現され、種々の細胞プロセスの調節に関与し、該細胞プロセスには、脂肪細胞、ケラチノサイトおよびオリゴデンドロサイト分化が含まれる。 最後に、PPARγ受容体は脂肪組織およびマクロファージで主に発現され、脂肪組織およびマクロファージで、それらは、脂肪細胞分化、糖および脂質恒常性の調節および炎症反応のコントロールに関与する(Heneka et al. 1999; Landreth and Heneka 2001; Harris and Phipps 2002)。

    PPAR受容体の内因性リガンドは種々のクラスの不飽和脂肪酸化合物に属し、それには、ロイコトリエン、レチノイン酸代謝産物およびプロスタグランジンが含まれる。 例えば、PPARγ受容体は細胞質(cytoplasmatic)フラクションに主に存在し、15-デオッシ-Δ 12-14 -プロスタグランジンJ 2 (15-deossi-Δ 12-14 -prostaglandin J 2 )によって活性化される(Burstein 2005; Cernuda-Morollon, et al., 2002)。

    最近の研究では、種々の末梢組織に加えて、PPARβ/δおよびPPARγ受容体が中枢神経系(CNS)のニューロン、およびオリゴデンドロサイト(olygodendrocytes)で発現される(アストロサイトでは発現されない)ことも示されている。 これらの受容体の、脳での正確な役割はまだよく理解されていない(Kainu et al. 1994)。

    PPARγの活性化は興奮毒性プロセスおよび炎症性損傷に対する神経保護応答を媒介することが知られている(Butcher et al. 2002)。 これらの受容体の活性化は、認知能力の改善にも関連しており、てんかん発作に対する保護性の潜在能力を有する(Yu et al. 2008)。

    1997年に、新規クラスの薬物、チアゾリジンジオン(TZD)が日本で開発された。 元々、それらは抗酸化剤として開発された。 そして、特定のこれらの化合物はインスリン抵抗性および2型糖尿病の臨床治療に関して承認された。

    分子レベルでは、TDZはPPARγ受容体に高親和性で結合して、それを活性化する; これは、これらの分子がその治療効果を発揮する主要な機構として提唱されている。 現在、2種のTDZ化合物、ピオグリタゾン(Actos(登録商標))およびロシグリタゾン(Avandia(登録商標))がヒトの治療に臨床で使用されている。 ピオグリタゾンおよびピオグリタゾンの合成および製剤化方法ならびにピオグリタゾン組成物は米国特許第4,687,777号、第5,965,584号および第6,150,383号にさらに記載されている(該各文献の開示内容は参照によりここに組み入れられる)。 他の化合物(すなわちシグリタゾン、トログリタゾン、アレグリタザー(aleglitazar)、ムラグリタザル、テサグリタザル、およびラガグリタザル、等)は開発中である。 本発明での使用に好適なPPARγアゴニストには、選択的PPARγアゴニスト、例えばシグリタゾン、トログリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、エングリタゾン、リボグリタゾンおよびダルグリダゾンが含まれる。

    追加のクラスのPPARγアゴニストは二重作用性(dual-acting) PPARアゴニストである。 二重作用性PPARアゴニストは核の転写因子を活性化する新規化合物群である。 PPARαおよびPPARγの両受容体を活性化することによって、それらは、同時に、アテローム生成性のトリグリセリドを減少させ、心保護性HDlレベルを増加させ、かつインスリン抵抗性を改善する。 本発明での使用に好適な二重作用性PPARアゴニストの例には、テサグリタザル、アレグリタザー、ムラグリタザル、およびラガグリタザルが含まれる。

    本発明にしたがって使用できる追加のPPARγアゴニストには、非限定的に、以下の特許および特許出願: 米国特許第6,294,580号, 第7,067,530号, 第6,582,738号, 第6,794,154号, 第4,812,570号, 第4,775,687号, 第4,725,610号, 第4,582,839号, および第4,572,912号; ならびに米国特許出願公開第US2002/006942号, 第US2007/0299047号, 第US2004/0077525号, および第US2008/0045580号(該文献の開示内容は参照によりここに組み入れられる)に記載のものが含まれる。 本発明にしたがって使用できる二重PPARγアゴニストの例には、例えば米国特許出願第2007/037882号, 第US2006/0270722号, 第US2006/0211749号, 第US2006/0167045号, および第US2005/0014833号(該文献の開示内容は参照によりここに組み入れられる)に記載のものが含まれる。

    B. PPARγアゴニスト(群)を他の治療物質と組み合わせて使用する嗜癖の治療および予防方法
    本明細書中の実施例で実証されるように、PPARγアゴニストを1種以上の追加の治療物質と組み合わせて効果的に使用して嗜癖を治療または予防することができ、該嗜癖には、1種以上の下記習慣性物質および強迫性または習慣性行動に対する嗜癖が含まれる。 したがって、本発明は、嗜癖の治療または予防方法であって、習慣性物質に嗜癖している被験体に、1種以上のPPARγアゴニスト(群)および1種以上の追加の治療物質(群)を投与するステップを含み、該PPARγアゴニスト(群)および該追加の治療物質(群)のそれぞれが嗜癖の有効な治療または予防に寄与する、方法を含む。 一実施形態では、1種のPPARγアゴニストおよび1種の追加の治療物質を被験体に与えるかまたは投与する。 別の実施形態では、被験体は2種以上の習慣性物質に嗜癖している。 下記実施例によって実証されるように、PPARγアゴニストおよび別の治療物質の組み合わせは習慣性物質の嗜癖または再発使用の治療または予防において有益な相加的または相乗的効力を有する。 いくつかの実施形態では、追加の物質は別の抗嗜癖物質である。

    PPARγアゴニストおよび追加の治療物質は同時に(すなわち一斉に)投与するか、いずれかを他方より前に(すなわち逐次的に)投与してよい。 概して、PPARγアゴニストおよび追加の治療物質の両者は、すなわち習慣性物質または強迫性もしくは習慣性行動についての嗜癖の治療または予防、またはその再発使用(または再開)の予防において、治療上の利益を被験体にもたらすために十分な期間でかつレベルで被験体中に同時に存在する。 PPARγアゴニストおよび追加の治療物質は同一のまたは異なる投与経路によって投与してよい。 典型的に、PPARγアゴニストおよび追加の治療物質は、市販のまたは他の医薬組成物の投与についての標準的経路にしたがって、被験体にそれぞれ投与される。 一実施形態では、PPARγアゴニストおよび追加の治療物質は、両物質を含む組成物を使用して同時投与される。

    PPARγアゴニストと組み合わせて投与される追加の治療物質は、嗜癖の有効な治療または予防の態様に寄与する任意の治療物質であってよい。 例えば、追加の治療物質は、嗜癖を治療するために使用される薬物または習慣性物質からの生理的離脱に伴う副作用を軽減するために使用される薬物であってよい。 さらに、追加の治療物質は、脳のセロトニン神経伝達に影響する任意の薬物、例えば下記の選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、および三環系および四環系セロトニンおよびノルエピネフリン再取り込み阻害薬(SNRI)、およびセロトニンアゴニスト、例えばスマトリプタン、エルゴノビン、ジヒドロエルゴタミンおよびブスピロンであってよい。 特定の実施形態では、追加の治療物質は、オピオイドアンタゴニスト、例えば混合オピオイド部分アゴニスト/アンタゴニスト、抗うつ薬、抗てんかん薬、制吐薬、コルチコトロピン-放出因子-1 (CRF-1)受容体アンタゴニスト、選択的セロトニン-3 (5-HT3)アンタゴニスト、5-HT 2A/2Cアンタゴニスト、例えばミアンセリン、ミルタザピンおよびケタンセリン、またはカンナビノイド-1 (CB1)受容体アンタゴニストであり、それには、非限定的に、以下で具体的に記載される治療物質が含まれる。

    一実施形態では、習慣性物質はアルコールであり、かつ追加の治療物質はオピオイドアンタゴニストまたは混合オピオイドアンタゴニスト/部分アゴニストである。 特定の実施形態では、オピオイドアンタゴニストはナルトレキソンである。 別の実施形態では、混合オピオイド部分アゴニスト/アンタゴニストはブプレノルフィンである。

    一実施形態では、習慣性物質はアルコールであり、かつ追加の治療物質はトピラメートまたはレベチラセタムである。

    一実施形態では、習慣性物質はニコチンであり、かつ追加の治療物質は抗うつ薬である。 特定の実施形態では、抗うつ薬はブプロピオンである。

    一実施形態では、習慣性物質はコカインであり、かつ追加の治療物質はブプレノルフィンである。

    一実施形態では、習慣性物質は精神刺激薬であり、かつ追加の治療物質は抗うつ薬である。 特定の実施形態では、抗うつ薬はブプロピオンである。

    一実施形態では、被験体は2種以上の習慣性物質に嗜癖しており、かつ追加の治療物質はオピオイドアンタゴニストまたは混合オピオイド部分アゴニスト/アンタゴニストである。 特定の実施形態では、混合オピオイド部分アゴニスト/アンタゴニストはブプレノルフィンである。

    特定の実施形態では、以下の組み合わせを被験体に投与する: ピオグリタゾンおよびナルトレキソン; シグリタゾンおよびナルトレキソン; ロシグリタゾンおよびナルトレキソン; エングリタゾンおよびナルトレキソン; リボグリタゾンおよびナルトレキソン; ダルグリダゾンおよびナルトレキソン;ピオグリタゾンおよびフルオキセンチン(fluoxentine); シグリタゾンおよびフルオキセンチン; ロシグリタゾンおよびフルオキセンチン; エングリタゾンおよびフルオキセンチン; リボグリタゾンおよびフルオキセンチン; ダルグリダゾンおよびフルオキセンチン; ピオグリタゾンおよびミルタザピン; シグリタゾンおよびミルタザピン; ロシグリタゾンおよびミルタザピン; エングリタゾンおよびミルタザピン; リボグリタゾンおよびミルタザピン; ダルグリダゾンおよびミルタザピン; ピオグリタゾンおよびトピラメート; シグリタゾンおよびトピラメート; ロシグリタゾンおよびトピラメート; エングリタゾンおよびトピラメート; リボグリタゾンおよびトピラメート; ダルグリダゾンおよびトピラメート; ピオグリタゾンおよびレベチラセタム; シグリタゾンおよびレベチラセタム; ロシグリタゾンおよびレベチラセタム; エングリタゾンおよびレベチラセタム; リボグリタゾンおよびレベチラセタム; ダルグリダゾンおよびレベチラセタム; ピオグリタゾンおよびガバペンチン; シグリタゾンおよびガバペンチン; ロシグリタゾンおよびガバペンチン; エングリタゾンおよびガバペンチン; リボグリタゾンおよびガバペンチン; ダルグリダゾンおよびガバペンチン; ピオリタゾン(piolitazone)およびオンダンセトロン; シグリタゾンおよびオンダンセトロン; ロシグリタゾンおよびオンダンセトロン; エングリタゾンおよびオンダンセトロン; リボグリタゾンおよびオンダンセトロン; ダルグリダゾンおよびオンダンセトロン; ピオグリタゾンおよびアンタラルミン; シグリタゾンおよびアンタラルミン; ロシグリタゾンおよびアンタラルミン; エングリタゾンおよびアンタラルミン; リボグリタゾンおよびアンタラルミン; ダルグリダゾンおよびアンタラルミン。

    アルコール嗜癖の治療では、本発明にしたがって投与される組み合わせには、PPARγアゴニストおよびオピオイドアゴニストまたは混合オピオイドアンタゴニスト/部分アンタゴニスト、PPARγアゴニストおよび抗うつ薬、PPARγアゴニストおよびCB1受容体アンタゴニスト/インバースアゴニスト、PPARγアゴニストおよびバレニシクリン(varenicicline)、PPARγアゴニストおよびアカンプロセート、およびPPARγアゴニストおよびジスルフィラムが含まれる。

    精神刺激薬嗜癖の治療では、本発明にしたがって投与される組み合わせには、例えばPPARγアゴニストおよび抗うつ薬またはPPARγアゴニストおよび部分オピオイドアゴニスト/アンタゴニスト、例えばブプレノルフィンが含まれる。

    ニコチン嗜癖の治療には、本発明にしたがって投与される組み合わせには、例えばPPARγアゴニストおよび抗うつ薬、PPARγアゴニストおよびニコチン(置換物として、経口で、経皮的にまたは他の慣用製剤で)、PPARγアゴニストおよびオピオイドアンタゴニスト、PPARγアゴニストおよびCB1受容体アンタゴニスト/インバースアゴニスト、およびPPARγアゴニストおよびバレニシクリンが含まれる。

    多重物質(polysubstance)嗜癖の治療では、本発明にしたがって投与される組み合わせには、例えばPPARγアゴニストおよびオピオイドアゴニストまたは混合オピオイドアンタゴニスト/部分アンタゴニストが含まれる。

    賭博嗜癖の治療では、本発明にしたがって投与される組み合わせには、例えばPPARγアゴニストおよびおよび抗うつ薬またはPPARγアゴニストおよびドーパミン神経伝達に影響する物質、例えば直接または間接ドーパミンアンタゴニストが含まれる。

    PPARγアゴニストおよび追加の治療物質のいずれかまたは両者の有効量は、いずれかが単独で投与される場合より、組み合わせて投与される場合の方が減少するかもしれない。 例えば、PPARγアゴニストおよび追加の治療物質が相加的または相乗的に作用する場合、PPARγアゴニストまたは追加の治療物質のいずれか単独によってもたらされる効果と同一の治療効果を達成するために、より少量のPPARγアゴニスト、より少量の追加の治療物質、またはより少量の両PPARγアゴニストまたは追加の治療物質しか必要とされない。

    a. オピオイドアンタゴニスト
    オピオイドアンタゴニストは1種以上のオピオイド受容体に作用する。 少なくとも3つのタイプのオピオイド受容体、ミュー、カッパ、およびデルタオピオイド受容体が報告されており、オピオイドアンタゴニストは概してオピオイド受容体に対するその効果によって分類される。 オピオイドアンタゴニストは、中枢受容体、末梢受容体または両者と拮抗することができる。 ナロキソンおよびナルトレキソンは、一般に使用されるオピオイドアンタゴニスト薬物であり、それらはアゴニストより高親和性でオピオイド受容体に結合するが、受容体を活性化しない競合者である。 これは、受容体を効果的にブロックし、身体がオピエートおよびエンドルフィンに応答することを妨げる。

    多数のオピオイドアンタゴニストは純粋なアンタゴニストではなく、いくらかの弱いオピオイド部分アゴニスト効果をも生じさせ、また、オピオイド未処置の個体に高用量で投与されると鎮痛効果を生じさせることができる。 そのような化合物の例には、ナロルフィン、およびレバロルファンが含まれる。 しかし、これらの薬物由来の鎮痛効果は限定的であり、たいていカッパオピオイド受容体での作用のせいで、神経不安を伴いがちである。 それらは、オピオイド完全アゴニストを摂取しているか、または以前に使用していた人においてオピオイド離脱効果を誘発するため、これらの薬物はアンタゴニストであるとみなされる。

    ナロキソンは、部分アゴニスト効果を有さないオピオイドアンタゴニストの一例である。 代わりに、それはミューオピオイド受容体での弱いインバースアゴニストであり、オピオイド過量の治療のために使用される。

    本発明にしたがって使用できるオピオイドアンタゴニストの具体例には、アルビモパン、ビナルトルフィミン、ブプレノルフィン、シクラゾシン、シクロルファン、シプリジム(cypridime)、ジニコチナート、ベータ-フナルトレキサミン、レバロルファン、メチルナルトレキソン、ナルブフィン、ナリド(nalide)、ナルメフェン、ナルメキソン、ナロルフィン、ナロルフィンジニコチナート、ナロキソン、ナロキソナジン、ナルトレンドール(naltrendol)、ナルトレキソン、ナルトリンドール、オキシロルファン、およびペンタゾシンが含まれる。

    b. 抗うつ薬(Antidepressents)
    抗うつ薬(antidepressents)はうつ病の治療に使用される薬物である。 うつ病に関与すると考えられる3種の神経伝達物質は、セロトニン、ドーパミン、およびノルエピネフリンである。 特定のタイプの抗うつ薬は、それらの再吸収をブロックすることによって、脳において1種以上のこれらの神経伝達物質のレベルを増加させる。

    いくつかの異なるクラスの抗うつ薬が同定されており、それには、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、三環系および四環系セロトニンおよびノルエピネフリン再取り込み阻害薬(SNRI)、ノルエピネフリン再取り込み阻害薬(NRI)、ノルエピネフリンおよびドーパミン再取り込み阻害薬(NDRI)、アザスピロン(azaspirones)、モノアミンオキシダーゼインヒビター(MAOI)、および非定型抗うつ薬が含まれる。

    SSRIには、例えばセリクラミン、シタロプラム、クロミプラミン、シアノドチエピン(cyanodothiepin)、ダポキセチン(dapoxetine)、デュロキセチン(duloxetine)、エスシタロプラム(escitalopram)、フェモキセチン、フルオキセチン、フルボキサミン、イホキセチン、イミプラミン、インダルピン、インデロキサジン、リトキセチン、ロフェプラミン、ミアンセリン、ミルナシプラン、ミルタザピン、ネファザドン(nefazadone)、ノルトリプチリン、パロキセチン、セルトラリン、シブトラミン、トモキセチン、トラゾドン、ベンラファキシン、およびジメルジンが含まれる。

    アミトリプチリン、アモキサピン、ブトリプチリン、クロミプラミン、デメキシプチリン、デシプラミン、ジベンゼピン、ジメタクリン、ドチエピン、ドキセピン、イミプラミン、イプリンドール、ロフェプラミン、マプロチリン、メリトラセン、メタプラミン、ミアンセリン、ミルタズピン(mirtazpine)、ノルトリプチリン、プロピゼピン、プロトリプチリン、キヌプラミン、セチプチリン、チアネプチン、およびトリミプラミンはすべて三環系および四環系抗うつ薬である。

    SNRIには、例えばアモキサピン、アトモキセチン、ビシファジン、デシプラミン、デスベンラファキシン、デュロキセチン、マプロチリン、ミルナシプラン、ネファゾドン、レボキセチン、シブトラミン、およびベンラファキシンが含まれる。

    ニソキセチン、ノルトリプチリン、レボキセチン、タルスプラム、およびトモキセチンはすべてNRIの例である。

    NDRIには、例えばブプロピオン、ヒドロキシブプロピオン、およびテソフェンシンが含まれる。

    アザスピロンには、例えばブスピロン、ゲピロン、イプサピロン、タンドスピロン、およびチアスピロン(tiaspirone)が含まれる。 ブスピロンは、SSRI等の抗うつ薬とともに投与することができる抗不安薬(5-HT1自己受容体での部分アゴニスト)である。

    具体的なMAOIには、例えばアミフラミン、ブロファロミン、クロルジリン、アルファ-エチルトリプタミン、イプロクロジド、イプロニアジド、イソカルボキサジド、メバナジン、モクロベミド、ニアラミド、パージリン、フェネルジン、フェニプラジン、ピルリンドール、サフラジン、セレギリン、トロキサトン、およびトランルシプロミン(tranlcypromine)が含まれる。

    非定型抗うつ薬には、例えばアメセルギド、アミネプチン、ベナクチジン、ブプロピオン、クロザピン、フェゾラミン、レボプロチリン、リチウム、メジホキサミン、ミアンセリン、ミナプリン、オランザピン、オキサフロザン、オキシトリプタン、ロリプラム、テニロキサジン、トフェナシン、トラゾドン、トリプトファン、およびビロキサジンが含まれる。

    c. 抗てんかん薬
    抗てんかん薬(AED)とも称される抗痙攣薬は、てんかん発作および双極性障害の出現の予防に使用される多様な薬物群である。 AEDは、てんかん発作を開始させ、かつ/または脳内のてんかん発作の拡散を妨げるニューロンの急速かつ過剰の興奮(firing)を抑制し、起こりうる興奮毒性作用に対する保護を提供する。 該興奮毒性作用は脳損傷を導く。 多数の抗痙攣薬は、ナトリウムチャネル、カルシウムチャネル、AMPA受容体、またはNMDA受容体をブロックする。

    抗てんかん物質には、非限定的に、ベンゾジアゼピン、バルビツアート(barbituates)、バルプロエート、GABA系薬物、イミノスチリベン(iminostilibenes)、ヒダントイン、NMDAアンタゴニスト、ナトリウムチャネルブロッカーおよびスクシンアミド(succinamides)が含まれる。

    ベンゾジアゼピンには、例えばアルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、コルラゼパート(cholrazepate)、クロバザム、クロナゼパム、ジアゼパム、ハラザパム(halazapam)、ロラゼパム、オキサゼパム、およびプラゼパムが含まれる。

    抗てんかん薬として使用されるバルビツレートには、例えばアモバルビタール、メポバルビタール(mepobarbital)、メチルフェノバルビタール、ペントバルビタール、フェノバルビタール、およびプリミドンが含まれる。

    抗てんかん薬として使用されるバルプロエートには、例えばバルプロ酸ナトリウム、バルプロ酸、バルプロ酸セミナトリウム、およびバルプロミドが含まれる。

    抗てんかん性GABA系物質には、例えばガバペンチン、ロシガモン、プレガバリン、レチガビン、ルフィナマイド、およびビガバトリンが含まれる。

    カルバマゼピンおよびオクスカルバゼピンはイミノスチルベンの例である。

    ヒダントインには、例えばホスフェニトインナトリウム、メフェニトイン、およびフェニトインナトリウムが含まれる。

    NMDAアンタゴニスト、例えばハルコセラミド(harkoseramide)は抗てんかん薬として使用される。

    ナトリウムチャネルブロッカー、例えばラモトリジンも抗てんかん性物質である。

    スクシンイミドには、例えばエトスクシミド、メトスクシミド、およびフェンスクシミドが含まれる。

    他の抗てんかん薬には、アセタゾラミド、ブリベラセタム(briveracetam)、CBD大麻誘導体、エジシル酸クロムチアゾール(clomthiazole edisilate)、ジバルプロエクスナトリウム、フェルバメート、イソバレラミド(isovaleramide)、ラコサミド、ラモトリジン、レベチラセタム、メタンスルホンアミド、タラムパネル(talampanel)、チアガビン、トピラメート、サフィナミド、セレトラセタム、ソレトリド(soretolide)、スチリペントール、スルチアム、バルロセミド、およびゾニサミドが含まれる。

    d. 制吐薬
    制吐薬は嘔吐および吐き気に対して有効な薬物である。 制吐薬は、典型的に、動揺病(motion sickness)ならびにオピオイド鎮痛薬、一般麻酔薬、および化学療法の副作用を治療するために使用される。

    制吐薬の分類には、例えば5-ヒドロキシトリプタミン3 (5-HT3)受容体アンタゴニスト、ヒスタミン受容体アンタゴニスト、ドーパミン受容体アンタゴニスト、ムスカリン受容体アンタゴニスト、アセチルコリン受容体アンタゴニスト、カンナビノイド受容体アンタゴニスト、辺縁系インヒビター、NK-1受容体アンタゴニスト、コルチコステロイド、タキキニンアンタゴニスト、GABAアゴニスト、カンナビノイド、ベンゾジアゼピン、抗コリン薬、およびサブスタンスPインヒビターが含まれる。

    5-HT3受容体アンタゴニストには、例えばアロセトロン、アザセトロン、ベメセトロン、シランセトロン、ドラセトロン、グラニセトロン、インジセトロン、イタセトロン、オンダンセトロン、パロノセトロン、プロピセトロン(propisetron)、ラモセトロン、レンザプリド、トロピセトロン、およびザトセトロンが含まれる。

    コルチコステロイド(Coritcosteroid)制吐薬には、デキサメタゾンおよびメチルプレドニゾロンが含まれる。

    辺縁系(Lymbic system)インヒビターには、アルプラゾラム、ロラゼパム、およびミダゾラムが含まれる。

    ドーパミン受容体アンタゴニストには、ジフェンヒドラミン、ドロナビノール、ハロペリドール、メトクロプラミド、およびプロクロルペラジンが含まれる。

    制吐薬として使用されるNK-1受容体アンタゴニストには、アプレピタントおよびモルホリンが含まれ、GABAアゴニストの例はプロポフォールである。

    チエチルペラジンはヒスタミン受容体アンタゴニストの1タイプである。

    制吐薬として使用されるカンナビノイド受容体アンタゴニストには、ドロナビノール、ナビロン、リモナバント、タナラボウト(tanarabout)、およびテトラヒドロカンナビノールが含まれる。

    他の制吐薬の例には、アセチルロイシン、モノエタノールアミン、アリザプリド、ベンズキナミド、ビエタナウチン(bietanautine)、ブロモプリド、バクリジン、クロルプロマジン、クレボプリド、シクリジン、ジメンヒドリナート、ジフェニオドール(dipheniodol)、ドンペリドン、ドラニセトロン(dranisetron)、メクリジン、メタルタール(methalltal)、メトピマジン、オキシペンジル、ピパマジン、ピプリンヒドリナート(piprinhydrinate)、スコポラミン、チオプロペルザイン(thioproperzaine)、およびトリメトベンザミドが含まれる。

    e. カンナビノイド受容体アンタゴニスト
    カンナビノイド受容体はGタンパク質共役受容体スーパーファミリーの1クラスである。 そのリガンドはカンナビノイドとして知られている。 現在、2種のサブタイプ、CB1およびCB2が知られている。 CB1は主に脳で発現されるが、肺、肝臓、および腎臓でも発現され、CB2は主に免疫系および造血細胞で発現される。 また、内皮細胞およびCNSで発現される非CB1かつ非CB2の新規カンナビノイド受容体が存在すると考えられている。 カンナビノイド受容体アンタゴニストはCB1またはCB2受容体のいずれかに選択的であってよい。 本発明はCB1およびCB2受容体アンタゴニストのいずれかまたは両者の使用を想定する。

    習慣性物質(例えばアルコール、オピエート、デルタ(9)-テトラヒドロカンナビノール(デルタ(9)-THC)および精神刺激薬(ニコチンを含む))は、脳の内因性神経経路と相互作用することによって種々の慢性的に再発する障害を誘発する。 特に、それらは、中脳辺縁系ドーパミン脳報酬系を活性化する共通の特性を共有し、実質的にすべての乱用薬物は側坐核のドーパミンレベルを上昇させる。 カンナビノイド-1 (CB1)受容体はこの脳報酬回路で発現され、デルタ(9)-THCおよびニコチンのドーパミン放出作用をモジュレートする。

    CB1受容体アンタゴニストであるリモナバント(SR141716)は、動物において、デルタ(9)-THCのドーパミン放出および弁別的(discriminative)な、報酬を与える作用の両者をブロックする。 CB1受容体のブロックは、げっ歯類および霊長類のコカイン自己投与を減少させるためには概して無効であるが、コカインに関連した条件付け刺激およびコカイン起爆剤注射(cocaine priming injections)によって生じる、消滅したコカイン探索行動の再開を減少させる。 同様に、CB1受容体のブロックは、ニコチン関連刺激への再曝露によって誘発されるニコチン探索行動の減少に有効である。 ヒト臨床試験では、リモナバントはヒトにおいてデルタ(9)-THCの自覚効果をブロックし、元喫煙者において喫煙の再発を予防することが示された。

    カンナビノイド受容体CB1アンタゴニストの他の例には、SR141716A (リモナバント)、ロサナバント(rosanabant)、タラナバントおよびCP-945598が含まれる。

    C. 再発の治療および予防方法
    再発使用、または再開、とは、習慣性物質の使用または習慣性行動の実施の禁断期間、またはその制限または減少の期間後の、アルコールまたは別の習慣性物質の使用または習慣性行動の実施への回帰プロセスを表す。 特定の状況では、習慣性物質の再発使用とは、習慣性物質からの身体的離脱を経験している被験体による習慣性物質の使用への回帰を表す。 典型的に、被験体は、習慣性物質の無使用の期間または使用制限もしくは使用減少の期間中に習慣性物質からの身体的離脱を経験している。 一実施形態では、以前に、習慣性物質の使用を減少させるかまたは排除するための有効量の抗嗜癖物質での治療計画を経験しているが、有効量の抗嗜癖物質をもはや使用していない被験体において再発使用が生じる。 抗嗜癖物質には、嗜癖または離脱症状の治療または予防に使用される任意のおよびすべての物質が含まれる。

    アルコール依存症は、多数の他の嗜癖と同様に、高い常習率を特徴とする慢性再発性障害である。 再発行動を引き起こす2つの主要な要因はストレスおよび環境条件付け経験であり(O'Brien et al. 1997; Monti et al. 1993; Shaham et al. 1995)、それらは、おそらく、別個の脳機構を介してアルコール探索の再発を促す。 例えば、オピオイド依存機構を介する(または扁桃体の側底核でのドーパミン伝達の直接的変化を介する)中脳辺縁系ドーパミン系の活性化は、薬物関連の合図の作用を媒介するようであり(Liu and Wiess 2002; Ciccocioppo et al. 2001)、また、分界条核および正中縫線核内の視床下部外のCRFはストレス誘発性の、薬物探索行動の再開を媒介する可能性が高い(Erb et al 1998; Shaham et al. 1995; Le et al. 2000)。

    いくつかの証拠筋は、嗜癖の再発の根底にある分子機構が、異なるクラスの乱用薬物に共通していることを示唆する。 再発に関連する行動をとる薬物渇望および薬物に対する抑制の喪失はストレスおよび環境条件付け刺激の直接の影響下にあり; 薬物使用の再開に影響する2種の主要な要因である。

    慢性薬物乱用は、エタノールの急性の強化効果(reinforcing effects)にかかわる系内だけでなく、他の動機付け系、特に脳ストレス調節機構内でも神経適応性変化を生じさせる。 ストレスは薬物乱用の開始および維持における役割が立証されており、禁欲個体における再発の主要な決定要因である(Brown et al. 1995; Marlatt et al. 1985; McKay et al. 1995; Wallace 1989)。 また、薬物探索行動におけるストレスの重要性は動物文献で十分立証されている。 身体的、社会的、および情動性ストレスは、げっ歯類および非ヒト霊長類において、コカイン(Goeders et al. 1995; Haney et al. 1995; Ramsey and VanRee 1993; Ahmed and Koob 1997)、ヘロイン(Shaham and Stewart 2004)、およびエタノール(Nash et al. 1998; Mollenauer et al. 1993; Blanchard et al. 1987; Higley et al. 1991))の獲得を促すか、またはその自己投与を増加させうる。 ストレス性刺激は、消去後の薬物フリーの動物において、コカイン、ヘロイン、およびエタノール探索行動の再開を誘発することも示されており(Ahmed and Koob 1997; Shaham 1993; Shaham and Stewart 1995; le et al. 1998)、これらの知見は再発におけるストレスの役割に関する実験的支持を提供する。

    従来、ストレス関連薬物探索行動は、視床下部-下垂体-副腎(HPA)軸の活性化を介して媒介されると考えられてきた。 しかし、増えつつある証拠は、扁桃体の中心核(CeA)の非神経内分泌コルチコトロピン放出因子(CRF)系が、ストレスと関連する習慣性行動の調節に重要な独立した役割を果たすことを示唆する。 CeAは、CRF免疫反応細胞体、末端、および受容体に豊富であり、このニューロンのCRF系はストレス性刺激に対する行動性および情動性応答の媒介に関連付けられている(Dunn and Berridge 1990; Koob et al. 1994)。 例えば、拘束ストレスはCeA中の細胞外CRFレベルを上昇させ(Merlo Pich et al. 1995; Merali et al. 1998)、一方、CRF受容体アンタゴニストであるα-らせん状CRF9-41のCeA内注射は社会的および環境ストレス要因によって生じる不安の行動上の徴候を減少させる(Heinrichs et al. 1992; Swiergiel et al. 1993)。 不安およびストレス様の症状は薬物およびアルコール離脱症候群の中心となる。 ストレスの情動性および不安発生(anxiogenic)作用の調節におけるCeAのCRFニューロンの役割に関する証拠を考慮すると、乱用薬物からの離脱の不安発生およびストレス様の影響は同様にCeAのCRF系によって媒介される可能性が高い。

    CeA内のCRF系の活性の調節における変化が、依存症および強迫性薬物探索行動の発生に関与する決定的な神経適応性機構である。

    上で考察されるデータは、脳回路網における神経適応性変化およびストレス系の動揺が強迫性薬物探索行動および依存症の重要な要素であると特定する。 乱用薬物の長期の習慣的効力における別の重要な要因は、特定の環境刺激での、その報酬作用の条件付けである。 アルコールを含む乱用薬物の自覚効果と繰り返し関連付けられた環境合図は、薬物渇望(Childress et al. 1988; Ehrman et al. 1992; Monti et al. 1993; Pomerleau et al. 1983; Stormark et al. 1995)を誘起するか、または無意識下での行動応答を誘発する可能性があり(Miller and Gold 1994; Tiffany and Carter 1998)、それは最終的に再発を導く。 したがって、薬物関連刺激に対する学習された応答は、コカインおよび他の薬物嗜癖と関連する高率の再発に決定的に寄与する。

    ラットでの薬物関連環境合図への曝露と関連する薬物探索行動を研究するために開発されたオペラント反応-再開モデル(operant response-reinstatement models)から得られたデータは、コカイン(Weiss et al. 2000)、エタノール(Katner et al. 1999; Katner and Weiss 1999)、またはヘロイン(Gracy et al. 2000)の入手可能性を予測させる弁別刺激が、追加の薬物有効性の不存在下で、消滅していた薬物探索行動の強い再起を確実に誘発することを示す。 これらの刺激の反応-再開効果は、繰り返しの曝露によって消去に対する顕著な抵抗性を示し、コカインの場合には、数か月の強制禁断後に依然として観察されうる。 さらに、エタノールの場合、エタノールを予測させる弁別刺激によって誘発される薬物探索行動は、アルコール非嗜好性(NP)および非選択Wistarラットと比較して、遺伝的アルコール嗜好性Pラットにおいて増強されることがわかった(Weiss and Ciccocioppo 1999)。 この観察は、エタノール摂取の増加へ向かう遺伝的素因がエタノール合図の動機付け作用への高い感受性(すなわち行動がエタノールそのものによって直接強制されない条件下での薬物探索の増強)にも反映されることを示す。 総じて、これらの知見は、薬物関連刺激に対する学習された応答が再発に対する長期の脆弱性の重要な要因であるという仮説を強く支持する。

    ヒトでは、複数の決定要因が再発リスクに関与し、それらは相互作用している可能性が高い。 例えば、薬物合図への曝露は、依存個体の神経適応性変化に起因する遅延性離脱症状によってもたらされる再発への脆弱性を増大させる。 ストレスの動機付け効果と薬物関連合図の間には、再発リスクを悪化させる相互作用効果が存在することもある。 これらの問題に取り組む最近の成果では、エタノール関連合図の反応-再開効果とストレスの間の相加的相互作用を実際に実証することができ、かつこれらの効果がエタノール依存歴を有するラットにおいて増強されることが確認されている(Liu and Weiss 2000)。

    実験室では、α-2アドレナリン受容体アンタゴニストであるヨヒンビンを投与すると、薬物探索の再開が達成される。 脳ノルアドレナリン細胞の興奮および放出を増加させるヨヒンビンは薬理学的ストレス要因として作用する。 フットショックストレスおよびヨヒンビン誘発性の、薬物探索行動の再開は、ともに、ストレス誘発性アルコール再発を研究するための有効な実験モデルである(Lee et al. 2004; Le et al. 2000)。

    本明細書中の実施例で示されるように、PPARγアゴニストは習慣性物質の、ストレス誘発性の再発使用を顕著に減少させる(実施例5)。 さらに、ヒト患者では、TZDであるピオグリタゾンが一貫してOCDSスコアを減少させた(実施例22)。 アルコールに関する強迫および飲用衝動(OCDSスケールによって測定される)は再発の主要な予測因子である。 したがって、これらのデータはピオグリタゾンが抗再発特性を有することを示す。

    興味深いことに、結果は、条件付け要因によって誘発された再発をピオグリタゾンが顕著には予防しないことを示した。 興味深いことに、種々の報告は、非選択的オピエート受容体アンタゴニストであるナルトレキソンが、ヒトアルコール依存者でアルコール合図の付与によって誘発される飲用衝動を減少させ(Monti et al. 1993)、ラットでは、以前に薬物と対にされているレバーでの、消滅している応答を再開させるアルコール合図の効力を減少させる(Katner et al. 1999)ことを示している。 しかし、ナルトレキソンは、ストレスによって誘発される再発行動を減少させない((Le AD Psychopharmacology 1998)。

    これらの知見は、ピオグリタゾンおよびナルトレキソンの組み合わせの使用が、ストレスおよび条件付け要因の両者によって誘発された再発行動を減少させる相乗作用を生じさせるはずであろうことを示唆する。

    したがって、本発明は、2種以上の環境リスク要因(すなわちストレスおよび環境条件付け要因)の効果から個体を保護する治療方法および2種以上の環境リスク要因(すなわちストレスおよび環境条件付け要因)の効果から個体を保護する薬物の組み合わせを提供する。

    一実施形態では、本発明は、習慣性物質の、ストレス誘発性の再発使用の治療または予防方法であって、習慣性物質からの生理的離脱を経験している被験体にPPARγアゴニストを投与するステップを含む方法を提供する。

    関連実施形態では、本発明は、習慣性物質の再発使用または習慣性もしくは強迫性行動の再発実施の治療または予防方法であって、以前に、有効量の別の抗嗜癖治療への曝露に応答して、習慣性物質の使用または習慣性もしくは強迫性行動の実施が減少したか、または排除された被験体に、有効量のペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマ(PPARγ)アゴニストを投与するステップを含み、ここで該被験体は有効量の抗嗜癖治療をもはや受けていない、方法を含む。 抗嗜癖治療は抗嗜癖薬であるか、または非薬物的治療、例えばカウンセリング、精神療法または催眠療法であってよい。 再発使用はストレスによって引き起こされるかもしれない。

    特定の実施形態では、被験体が該物質に耐性になっており、以前に該嗜癖の治療に有効であった該抗嗜癖物質の血漿濃度がもはや有効でないために、該被験体は有効量の抗嗜癖物質にもはや曝露されていない。 他の実施形態では、被験体が、現在、より低い血漿濃度の該抗嗜癖物質に曝露されており、この低い血漿濃度が有効でないために、該被験体は有効量の抗嗜癖物質にもはや曝露されていない。

    本発明の方法の特定の実施形態では、被験体は、習慣性物質または習慣性もしくは強迫性行動の実施の禁断期間またはその使用制限もしくは使用減少期間を経験している。 この禁断期間または使用制限もしくは使用減少期間は、例えば少なくとも24時間、少なくとも48時間、少なくとも3日、少なくとも5日、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも1か月、少なくとも2か月、少なくとも4か月、少なくとも6か月、少なくとも9か月、少なくとも1年、少なくとも2年、または少なくとも5年であってよい。

    別の実施形態では、本発明は、習慣性物質の再発使用の治療または予防方法であって、該習慣性物質からの生理的離脱を経験している被験体にPPARγアゴニストおよびオピオイドアンタゴニストを投与するステップを含む方法を含む。

    別の実施形態では、本発明は、習慣性物質の再発使用の治療または予防方法であって、該習慣性物質からの生理的離脱を経験している被験体に、PPARγアゴニストおよびCB1アンタゴニスト、例えばジスルフィラム、トピラメート、レベチラセタム、SSRI、またはオンダンセトロンを投与するステップを含む方法を含む。

    特定の実施形態では、再発使用は、ストレス、環境条件付け要因、または両者によって引き起こされる。 好適なPPARγアゴニストの例は、TDZ、例えばピオグリタゾン、等である。 好適なオピオイド受容体アンタゴニストの一例はナルトレキソンである。

    本発明の方法は単一の習慣性物質に嗜癖している被験体において実施してよいが、2種以上の習慣性物質に嗜癖している被験体において使用してもよい。 同様に、これらの方法は、被験体が離脱を経験している習慣性物質の再発使用を予防するために使用することができるが、被験体が生理的離脱を経験している習慣性物質と異なる習慣性物質の再発使用または使用開始を予防するよう適応させることもできる。

    D. 離脱症状の軽減およびうつ病/不安の治療方法
    離脱/禁断症候群としても知られる離脱とは、身体依存を生じさせる薬物または習慣性物質を長期間、定期的に使用した後、急に中断するかまたは用量を減少させた場合に現れる特徴的徴候および症状を表す。 離脱症状は個体間でかなり変動しうるが、いくつかの共通点がある。 離脱と関連する脳機能障害は、うつ病、不安および渇望を特徴とすることが多く、極端な場合には、重大な損害にもかかわらず個体が薬物を継続する−嗜癖の定義−ように、または自殺さえするように駆り立てる手助けをしうる。

    心拍数および/または血圧の増加、発汗、および振戦は離脱の共通の徴候である。 より深刻な症状、例えば錯乱、てんかん発作、および幻視は深刻な緊急事態であり、緊急医療の必要性を示す。 離脱において致死になりうる、一般に乱用される物質は、アルコール、オピエート、ベンゾジアゼピン、およびバルビツレートのみである。 他の薬物、例えばニコチンまたは精神刺激薬からの急激な離脱は高体温およびフリーラジカル生成のせいで軽度〜中度の神経毒性副作用を悪化させうるが、生命をおびやかす合併症は非常にまれである。

    本明細書中の実施例で実証されるように、PPARγアゴニストは離脱症状を軽減する(実施例21)。 さらに、それらは、同様に離脱と関連している不安およびうつ病を軽減する(実施例22)。 これらのデータは、PPARγアゴニストをうまく使用して、うつ病および不安を含む離脱症状を軽減することができ、したがって被験体にとって離脱をより容易にし、かつ彼らが離脱プロセスを完了するよう促すことを示す。

    本発明は、習慣性物質の使用減少または使用中断と関連している1種以上の離脱症状を軽減する方法であって、習慣性物質からの生理的離脱を受けている被験体に、有効量のペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマ(PPARγ)アゴニストを投与するステップを含む方法を含む。

    PPARγアゴニストは、被験体が離脱を開始する前および/または離脱プロセスの期間中に該被験体に投与してよい。 関連方法では、被験体が減少量の習慣性物質を使用する期間にわたってPPARγアゴニストを被験体に投与する。 一実施形態では、身体的離脱が完了するまで、被験体は、PPARγアゴニストと同時に、段階的な減少量の習慣性物質を使用する。 そして被験体はPPARγアゴニストの使用を中断するか、または再発を予防するためにPPARγアゴニストの使用を継続する。 特定の一実施形態では、習慣性物質はニコチンであり、かつ被験体は、TZD、例えばピオグリタゾン等のPPARγアゴニストを、単独で、または別の治療物質と組み合わせて投与される期間にわたってニコチンの使用を減少させる。

    E. 医薬組成物、投与経路、単位剤形、キット
    本発明は、1種以上の追加の治療物質、例えばオピオイドアンタゴニスト、抗うつ薬、抗てんかん薬、制吐薬、およびCB1受容体アンタゴニストと組み合わされたPPARγアゴニスト、例えばピオグリタゾン等のTZDの組み合わせを使用する効力を立証した。 ゆえに、本発明は、1種以上のPPARγアゴニストおよび1種以上の追加の治療物質、例えばオピオイドアンタゴニスト、混合オピオイドアンタゴニスト/部分アゴニスト、抗うつ薬、抗てんかん薬、制吐薬、CRF1受容体アンタゴニストおよびCB1受容体アンタゴニストを含む組成物をさらに含む。

    特定の実施形態では、組成物は1種のPPARγアゴニストおよび1種の追加の治療物質を含む。 特定の一実施形態では、組成物はTZDおよび1種の追加の治療物質を含む。 特定の実施形態では、追加の治療物質はオピオイドアンタゴニストまたは混合オピオイドアンタゴニスト/部分アゴニストである。 一実施形態では、オピオイドアンタゴニストはナルトレキソンである。 別の実施形態では、混合オピオイド部分アゴニスト/アンタゴニストはブプレノルフィンである。 特定の実施形態では、追加の治療物質は抗うつ薬である。 特定の実施形態では、抗うつ薬はブプロピオンである。 特定の実施形態では、追加の治療物質は、抗てんかん薬、制吐薬、またはオピオイドアンタゴニストまたは混合オピオイド部分アゴニスト/アンタゴニストである。

    種々の実施形態では、組成物は以下の物質を含む: ピオグリタゾンおよびナルトレキソン; シグリタゾンおよびナルトレキソン; ロシグリタゾンおよびナルトレキソン; エングリタゾンおよびナルトレキソン; リボグリタゾンおよびナルトレキソン; ダルグリダゾンおよびナルトレキソン;ピオグリタゾンおよびフルオキセンチン; シグリタゾンおよびフルオキセンチン; ロシグリタゾンおよびフルオキセンチン; エングリタゾンおよびフルオキセンチン; リボグリタゾンおよびフルオキセンチン; ダルグリダゾンおよびフルオキセンチン; ピオグリタゾンおよびミルタザピン; シグリタゾンおよびミルタザピン; ロシグリタゾンおよびミルタザピン; エングリタゾンおよびミルタザピン; リボグリタゾンおよびミルタザピン; ダルグリダゾンおよびミルタザピン; ピオグリタゾンおよびトピラメート; シグリタゾンおよびトピラメート; ロシグリタゾンおよびトピラメート; エングリタゾンおよびトピラメート; リボグリタゾンおよびトピラメート; ダルグリダゾンおよびトピラメート; ピオグリタゾンおよびレベチラセタム; シグリタゾンおよびレベチラセタム; ロシグリタゾンおよびレベチラセタム; エングリタゾンおよびレベチラセタム; リボグリタゾンおよびレベチラセタム; ダルグリダゾンおよびレベチラセタム; ピオグリタゾンおよびガバペンチン; シグリタゾンおよびガバペンチン; ロシグリタゾンおよびガバペンチン; エングリタゾンおよびガバペンチン; リボグリタゾンおよびガバペンチン; ダルグリダゾンおよびガバペンチン; ピオリタゾンおよびオンダンセトロン; シグリタゾンおよびオンダンセトロン; ロシグリタゾンおよびオンダンセトロン; エングリタゾンおよびオンダンセトロン; リボグリタゾンおよびオンダンセトロン; ダルグリダゾンおよびオンダンセトロン; ピオグリタゾンおよびアンタラルミン; シグリタゾンおよびアンタラルミン; ロシグリタゾンおよびアンタラルミン; エングリタゾンおよびアンタラルミン; リボグリタゾンおよびアンタラルミン; ダルグリダゾンおよびアンタラルミン。

    本発明の組成物は医薬組成物または製剤として被験体に投与してよい。 特定の実施形態では、本発明の医薬組成物は、該組成物の被験体への投与を可能にする任意の形式であってよい。 例えば、組成物は、固体、液体または気体(エアロゾル)の形式であってよい。 典型的な投与経路には、非限定的に、経口、局所、非経口、舌下、経直腸、経膣、および鼻腔内が含まれる。 本明細書中で使用される非経口という用語には、皮下注射、静脈内、筋肉内、硬膜外、胸骨内注射または注入技術が含まれる。

    本発明にしたがって使用される医薬組成物は、PPARγアゴニスト、別の治療物質、および製薬的に許容される希釈剤、賦形剤、または担体を含む。 治療用途での「製薬的に許容される担体」は製薬技術分野において周知であり、例えばRemingtons Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co. (AR Gennaro edit. 1985)に記載されている。 例えば、生理的pHの滅菌生理食塩水およびリン酸緩衝生理食塩水を使用してよい。 保存剤、安定剤、色素および、さらには香味物質を医薬組成物中で提供してよい。 例えば、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸およびp-ヒドロキシ安息香酸のエステルを保存剤として加えてよい。 同上1449頁。 さらに、酸化防止剤および懸濁化剤を使用してもよい。 同上。

    本発明の医薬組成物は、概して、該組成物を被験体に投与した際に、組成物に含有される活性成分が生物によって利用可能であることを可能にするように製剤化される。 被験体に投与される組成物は1個以上の投与単位の形式をとってよく、例えば錠剤、カプセルまたはカシェは単一の投与単位であってよく、エアロゾル形式の本発明の物質の組み合わせを含む容器は複数の投与単位を収容してよい。

    特定の実施形態では、PPARγアゴニストおよび別の治療物質を含む組成物を、典型的には経口投与用の、1個以上の用量の錠剤製剤中で投与する。 錠剤製剤は、例えば即時放出製剤、制御放出製剤、または持続放出製剤であってよい。 一実施形態では、錠剤製剤は、PPARγアゴニストおよび別の治療物質を含む、有効量の組成物を含む。 特定の実施形態では、錠剤は、約1、5、10、20、30、50 100、150、200、250、または300 mgのPPARγアゴニスト、例えばピオグリタゾン、および約1、5、10、20、30、50 100、150、200、250、または300 mgの別の治療物質を含む。

    本発明はさらに、PPARγアゴニストおよび別の治療物質を含む医薬組成物の単位剤形を含む。 各単位剤形は、推奨量で使用されると、治療有効量の本発明の医薬組成物を含む。 例えば、単位剤形は、単一錠剤中に治療有効量を含むか、または2個以上の錠剤中に治療有効量を含み、処方された量が治療有効量を含むようになっていてよい。

    本明細書中に記載のいくつかのPPARγアゴニストおよび他の治療物質は、特定の用量でのヒトでの使用に関して承認されている。 本発明は、これらの物質の承認用量での使用または他の有効な用量での使用を想定する。 PPARγアゴニストと別の治療物質の組み合わせは相乗的効力を有することが実証されているため、単独で投与された場合のそれぞれの有効量と比較して、一緒に投与されると一方または両方の物質の有効量が減少するかもしれないことが理解される。 特定の実施形態では、0.1〜1000 mg/日、1〜1000 mg/日、10〜100 mg/日、または25〜50 mg/日の範囲の量でPPARγアゴニストを被験体に投与する。 一実施形態では、ピオグリタゾンを約30 mg/日で患者に投与する。

    表1は本発明で使用される代表的な物質を列挙し、これらの物質が他の適応に関して成人に通常投与される一日量を挙げる。 該用量は、嗜癖および再発使用または実施の治療または予防における本発明の方法にしたがった投与に有用であると考えられる。 特に指定されない限り、列挙されている用量は経口用量である。 これらの物質の用量は、嗜癖の治療または予防のため、または再発使用の治療または予防ために本発明にしたがってPPARγアゴニストと追加の治療物質の組み合わせで送達された場合に減少すると考えられる。 これらの減少は、常用量の10%まで、または常用量の20%まで、または常用量の3分の1まで、常用量の半分まで、または常用量の3分の2までであってよい。 例えば、ピオグリタゾンは、糖尿病の治療では、通常30 mg/日で投与されるが、該用量はアルコール依存症の治療に有効であることがわかった(実施例22)。 嗜癖の治療のために本発明にしたがって50 mg/日のナルトレキソンと組み合わせると、10〜15 mg/日のピオグリタゾンで治療効果が観察されると考えられる。

    特定の一実施形態では、本発明の医薬組成物の単位剤形は約30 mgのピオグリタゾンおよび約50 mgのナルトレキソンを含む。 この単位剤形は1個以上の錠剤から構成されていてよい。

    PPARγアゴニストと他の治療物質の特定の組み合わせは共製剤化(coformulation)に容易には適応可能でないかもしれない。 例えば、一方の物質は静脈内投与により適しており、もう一方の物質は経口投与により適しているかもしれない。 あるいは、2種の物質の血清半減期が、一方が他方よりも頻繁に投与しなければならないようになっているかもしれない。 したがって、本発明は、PPARγアゴニストの1種以上の単位剤形および別の治療物質の1種以上の単位剤形を含み、2種の単位剤形を治療有効様式で被験体に投与することができるようになっているキットを想定する。 特定の実施形態では、キットは以下の物質の単位剤形を含む: ピオグリタゾンおよびナルトレキソン; シグリタゾンおよびナルトレキソン; ロシグリタゾンおよびナルトレキソン; エングリタゾンおよびナルトレキソン; リボグリタゾンおよびナルトレキソン; ダルグリダゾンおよびナルトレキソン;ピオグリタゾンおよびフルオキセンチン; シグリタゾンおよびフルオキセンチン; ロシグリタゾンおよびフルオキセンチン; エングリタゾンおよびフルオキセンチン; リボグリタゾンおよびフルオキセンチン; ダルグリダゾンおよびフルオキセンチン; ピオグリタゾンおよびミルタザピン; シグリタゾンおよびミルタザピン; ロシグリタゾンおよびミルタザピン; エングリタゾンおよびミルタザピン; リボグリタゾンおよびミルタザピン; ダルグリダゾンおよびミルタザピン; ピオグリタゾンおよびトピラメート; シグリタゾンおよびトピラメート; ロシグリタゾンおよびトピラメート; エングリタゾンおよびトピラメート; リボグリタゾンおよびトピラメート; ダルグリダゾンおよびトピラメート; ピオグリタゾンおよびレベチラセタム; シグリタゾンおよびレベチラセタム; ロシグリタゾンおよびレベチラセタム; エングリタゾンおよびレベチラセタム; リボグリタゾンおよびレベチラセタム; ダルグリダゾンおよびレベチラセタム; ピオグリタゾンおよびガバペンチン; シグリタゾンおよびガバペンチン; ロシグリタゾンおよびガバペンチン; エングリタゾンおよびガバペンチン; リボグリタゾンおよびガバペンチン; ダルグリダゾンおよびガバペンチン; ピオリタゾンおよびオンダンセトロン; シグリタゾンおよびオンダンセトロン; ロシグリタゾンおよびオンダンセトロン; エングリタゾンおよびオンダンセトロン; リボグリタゾンおよびオンダンセトロン; ダルグリダゾンおよびオンダンセトロン; ピオグリタゾンおよびアンタラルミン; シグリタゾンおよびアンタラルミン; ロシグリタゾンおよびアンタラルミン; エングリタゾンおよびアンタラルミン; リボグリタゾンおよびアンタラルミン; ダルグリダゾンおよびアンタラルミン。

    一実施形態では、本発明は、PPARγアゴニストの単位剤形およびニコチンの単位剤形を含むキットを含む。 一実施形態では、ニコチンの単位剤形は、ニコチンの複数の異なる単位剤形を含み、ここでニコチンの異なる剤形は、嗜癖を克服しかつニコチンからの離脱を達成するために、期間にわたって順に摂取される減少量の剤形である。 ニコチンの単位剤形は、例えば皮膚パッチ、ガム、またはロゼンジの形式で存在してよい。

    以下の実施例は、種々の習慣性物質に関する嗜癖の治療および再発の予防のための種々のPPARγアゴニストの効果を実証するために実施されたいくつかの研究を記載する。 特定の実施例は、アルコール嗜癖を治療するために他の治療物質と組み合わせて使用されたPPARγアゴニストの効果を示す研究を記載する。 これらの研究は、十分に立証されている、アルコール乱用およびコカイン乱用に関する実験動物モデルを使用して実施された。

    実施例1〜21に記載のほとんどの研究は、Marchigian Sardinianアルコール嗜好性(msP)ラットと称される雄性の遺伝的に選択されたアルコール嗜好性ラットを使用して行われた。 これらの動物は、Camerino大学薬理科学・実験医学部(the Department of Pharmacological Sciences and Experimental Medicine of the University of Camerino)(Marche, Italy)において、Cagliari大学神経科学部(the Department of Neurosciences of the University of Cagliari, Italy)から提供された第13世代のSardinianアルコール嗜好性ラットから60世代繁殖された。 実験の時点で、ラットの体重は300〜350 gの範囲であった。 逆転12時間明/暗サイクル(午前9:00に消灯)で、20〜22℃の温度および45〜55%の湿度の部屋でラットを飼育した。 ラットは水道水および食物ペレット(4RF18, Mucedola, Settimo Milanese, Italy)を自由に入手できるようにした。 オペラント自己投与実験では、雄性の不均一Wistarラット(Charles River, Germany)を使用した。

    実験は午前9:30に実施した。 それは明/暗サイクルの暗期の開始時点である。 各実験で別の群の動物を使用した。 すべての手順は、実験動物の管理と使用に関する欧州指令(European Community Council Directive for Care and Use of Laboratory Animals)および実験動物の管理と使用に関する米国衛生研究所指針(National Institutes of Health Guide for the Care and Use of Laboratory Animals)に厳密にしたがって行った。

    ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、フルオキセチン、ミルタザピン、トピラメート、ガバペンチン(gabapentine)、オンダンセトロン(ondansetrone)、およびレベチラセタムは、市販供給元から購入した。 ヨヒンビンおよびシグリタゾンはSIGMA SRL(Mi, Italy)から購入した。 ナルトレキソンおよびGW9662はTOCRIS (UK)から入手した。

    ピオグリタゾンは、投与前に、蒸留水に懸濁して、得られた懸濁液を、投与時まで、持続攪拌下で維持した。 該薬物は1.0 ml/kgの量で胃管栄養法によって経口(OS)投与した。 ヨヒンビンは、蒸留水に溶解して、1.0 ml/kgの量で腹腔内(IP)投与した。 塩酸ナルトレキソンは、蒸留水に溶解して、1.0 ml/kgの量でIP投与した。 ロシグリタゾン、フルオキセチン、ミルタザピン、トピラメート、ガバペンチンおよびレベチラセタムは、蒸留水に懸濁して、得られた懸濁液を、投与時まで、持続攪拌下で維持した。 これらの薬物を1.0 ml/kgの量で胃管栄養法によって経口(OS)投与した。 ヨヒンビナ(Yohimbina)は、蒸留水に溶解して、1.0 ml/kgの量で腹腔内(IP)投与した。 GW9662は、5% DMSOおよび5% TWIN 80中で調製してIP (1 ml/kg)または脳室内(intacerebroventricularly)(ICV, 1μl/ラット)投与した。 アンタラルミンは、10 % TWIN 80中で調製してIP投与(1 ml/kg)した。 オンダンセトロンは、水性溶液中で調製してIP投与(1 ml/kg)した。

    実験の開始時点で、少なくとも15日間、24時間/日、msPラットに水と10% (v/v)アルコール間で自由選択させた。 金属製の飲み口を備えた目盛付き飲料チューブ(graduated drinking tubes)で液体を提供した。 左右の好みの発生を回避するためにアルコールおよび水の飲料チューブの位置(右側または左側)を毎日変更した。 水および食物は自由に入手可能にし、アルコールアクセス(入手可能な状態)は2時間/日に制限(実施例1および2)するか、または24時間/日で可能(実施例3および4)にした。 アルコール、水および食物の摂取を測定した。

    訓練および試験は、防音の通気環境の小室に配置された標準オペラントチャンバー(Med Associate)中で行った。 各チャンバーは、チャンバーのフロントパネルの中央にグリッドフロアの4 cm上に位置する飲料タンク(容量: 0.30 ml)、および飲料容器の3 cm右または左に位置する2つの可倒式レバーを備えていた。 フロントパネル上に位置するスピーカーおよびライトによって聴覚および視覚刺激を与えた。 マイクロコンピュータによって、液体の送達、聴覚および視覚刺激の付与、および行動データの記録を制御した。

    ラットを、固定比率1強化スケジュール(fixed-ratio 1 schedule of reinforcement)で1日30分のセッションで10%アルコール(v/v)を自己投与するように訓練した。 以前に報告(Economidou et al. 2006)されているように、各応答の結果、0.1 mlの液体が送達された。 最初の3日間は、0.2% (w/v)サッカリン溶液に対してレバー押しをラットに許容し、次いでサッカリンを漸減させることによって10%アルコールを自己投与するように訓練した(Weiss et al. 1993)。 訓練の最初の6日間は、0.2% (w/v)サッカリンを含有する5.0% (v/v)アルコール溶液に対してレバー押しをラットに許容した。 7日目から、アルコールの濃度を5.0%〜8.0%に次第に増加させ、そして最終的に10.0% (w/v)にし、サッカリンの濃度を相応に0%まで減少させた。

    合図誘発性の、アルコール探索行動の再開についての実験手順は、以下のように、3相: (1) 条件付け相; (2) 消去相; および(3) 再開相から構成された。

    条件付け相では、漸減手順(上記参照のこと)の完了時点で、1日30分のセッションで、10%アルコールと水を弁別するように動物を訓練した。 10%アルコール濃度での自己投与訓練で出発し、アルコール 対 水の入手可能性を予測させる弁別刺激(SD)をそれぞれアルコールおよび水の自己投与セッションの期間中に与えた。 アルコールに関する弁別刺激はオレンジ抽出物の匂い(S + )から構成され、水の入手可能性(すなわち報酬なし)はアニス抽出物(S - )によって示唆された。 嗅覚刺激は、それぞれの抽出物の6〜8滴をオペラントチャンバーの床敷き中に付着させることによって発生させた。 さらに、アルコールの送達を生じさせる各レバー押しは、5秒間のチャンバーのハウスライト照明(CS + )と対にされた。 水セッションの期間中の対応する合図は5秒間の音(70 dB)(CS - )であった。 これらの刺激の付与と同時に、5秒間のタイムアウト期間を実施し、この期間中は、応答を記録したが強化しなかった。 アルコール入手可能性に関するS +またはS -として働く嗅覚刺激をレバーの伸展前に1分間導入し、30分セッション全体にわたって存在させたままにした。 セッション間にチャンバーの床敷きを交換し、床敷きトレーを掃除した。 条件付け相の最初の3日間は、ラットにアルコールセッションのみを施した。 その後、アルコールおよび水セッションを訓練日を通じてランダムな順序で行い、すべてのラットがトータル10回のアルコールおよび10回の水セッションを受けるように制約を設けた。

    消去相では、最後の条件付け日の後、15日間連続で30分の消去セッションにラットを付した。 この相の期間中、レバーの伸展によってセッションを開始し、SDを与えなかった。 レバーでの応答は送達機構を駆動させたが、液体は送達されず、応答付随性合図(response-contingent cues)(ハウスライトまたは音)は与えられなかった。

    最後の消去セッションの後日、再開試験相を開始した。 この試験は、アルコールおよび水を入手可能にしなかったことを除き、条件付け相の期間中の条件と同一の条件下で30分継続した。 両レバーの伸展およびアルコールS +または水S -の対の刺激の付与によってセッションを開始した。 それぞれのSDはセッション全体の期間中は存在したままであり、以前に有効であったレバーでの応答にしたがって送達機構が駆動し、S +条件のCS +またはS -条件のCS - (音)が5秒間与えられた。 ラットを1日目にS - /CS -条件下で試験し、2日目にS + /CS +条件下で試験した。

    ストレス誘発性の、アルコール探索の再開についての実験手順は、以下のように、3相: (1) 訓練相; (2) 消去相; および(3) 再開相から構成された。

    訓練相では、漸減手順の完了後、FR1強化スケジュール下で1日30分のセッションで15日間、10% (v/v)アルコールを自己投与するようにmsPラットを訓練した。 注入期間中に、ハウスライトの刺激を5秒間オンにした(タイムアウト; TO)。 TO期間中のレバー押しはカウントされたが、追加の注入は生じなかった。

    消去相では、最後のアルコール自己投与セッション後、15日間連続で30分の消去セッションに動物を付した。 レバーでの応答は送達機構を駆動させたが、アルコールは送達されなかった。

    再開相では、最後の消去セッションの後日、ラットにヨヒンビン(1.25 mg/kg)を注射し、30分後にオペラントチャンバーに入れ、レバー押しを30分間モニターした。 脳ノルアドレナリン細胞興奮および放出を増加させるα-2アドレナリン受容体アンタゴニストであるヨヒンビンの投与は薬理学的ストレス要因として働き、アルコール探索の再発を促進することが知られている(Le et al. 2005)。

    データの分散分析(ANOVA)を使用して結果を評価した。 適切な場合には、ANOVAの後にpost-hoc検定を行った。 特に、アルコール摂取に対するピオグリタゾン、ナルトレキソンまたはそれらの組み合わせの急性投与の効果(実施例1および2)を、2つの群内要因(within factors)(時間および処置)を用いる2元配置分散分析によって評価した。 アルコール摂取に対するピオグリタゾン、ナルトレキソンまたはそれらの組み合わせの慢性投与の効果(実施例3および4)を、1つの群間要因(between factor)(処置)および2つの群間要因(日数および時間)の3元配置分散分析によって評価した。 アルコール探索の再開に対するピオグリタゾンの効果(実施例5および6)を、被験者内要因として薬物用量を使用する反復測定を用いる一元配置分散分析によって評価した。 Wistarラットのアルコール自己投与(実施例7)を、1群内要因(用量)を用いる一元配置分散分析によって研究した。 Post hoc分析はNewman-Keuls検定を使用して実行した。

    (実施例1)
    自発的エタノール摂取に対する急性ピオグリタゾン投与の効果
    まず、10% (w/v)アルコールを飲用するようにラットを1日24時間訓練する(水とエタノール間の自由選択)ことによって、自発的エタノール摂取に対する急性ピオグリタゾン投与の効果を実証した。 エタノール摂取の安定なベースライン(6〜8 g/kg bw; 1日)を得た後、アルコールアクセスを暗期の開始時点で1日2時間に制限した。 水および食物は自由に入手可能であった。

    安定なエタノール飲用ベースラインに達したら(制限的アクセス条件下でも同様)、被験者内カウンターバランスラテン方格法を使用してピオグリタゾン(0.0、10.0、30.0 mg/kg)の効果に関してラット(n=7)を試験した。 該方法では各動物にすべての薬物用量を投与した。 処置を開始する前に、3日間、ラットに胃管栄養投与法を仕込んだ。 その期間中は、ビヒクル(蒸留水)をラットに投与した。

    少なくとも3日間の間隔で処置を実行した。 各エタノール飲用実験前、エタノールへのアクセスの12時間前および1時間前の時点で2用量のピオグリタゾンまたはビヒクルをmsPラットに投与した。 暗期サイクルの開始時にすぐ、飲用実験を行った。 エタノールを入手可能にした30、60、90および120分間後の時点で、アルコール、水および食物摂取をモニターした。

    分散分析では、エタノール摂取に対する有意な治療効果の不存在が示されたF(2,6)= 1.22 NS]。 しかし、有意な処置-期間相互作用が検出された[F(6,18)= 6.87 p<0.01]。 図1に示されるように、post-hoc検定では、30 mg/kgのピオグリタゾンでの急性処置によって2時間の時点でエタノール消費が有意に減少するが、30、60、または90分の時点ではそうではないことが示された。 水および食物消費に対して有意な効果がないことによって、その選択効果が実証された(データは示していない)。

    (実施例2)
    自発的エタノール摂取に対するピオグリタゾンとナルトレキソンの急性投与の効果
    この実験では、PPARγアゴニストがエタノール摂取に対するオピオイドアンタゴニストの阻害作用を増強できることを実証するために、アルコール消費に対するピオグリタゾンおよびナルトレキソンの共投与の効果を試験した。 これらの研究で使用されたナルトレキソンの用量(0.25 mg/kg)は、以前に、同一実験条件下でmsPラットのエタノール摂取の減少にわずかに有効であることが示された(Ciccocioppo et al. 2007)。

    実施例1に記載されるように、研究のためにmsPラット(n=8)を調製した。 エタノール摂取の安定なベースラインを得た後、アルコールアクセスを暗期の開始時点で1日2時間に制限した。 水および食物は自由に入手可能であった。 エタノールへのアクセスの12時間前および1時間前の時点で投与されたピオグリタゾン(0.0、10.0、30.0 mg/kg)と、2回目のピオグリタゾン投与の2分後に注射されたナルトレキソン(0.0および0.25 mg/kg)の間の組み合わせの効果に関して動物を試験した。 被験者内カウンターバランスラテン方格法を使用して実験を行った。 該方法では各動物にすべての薬物用量を投与した。

    暗期サイクルの開始時点でこれらの実験を行い、エタノールを入手可能にした30、60、90および120分後の時点で、アルコール、ならびに水および食物摂取をモニターした。 水および食物摂取は種々の処置によってあまり改変されなかった。

    分散分析では、アルコール摂取に対する有意なトータルの治療効果[F(3,7)= 5.95 p<0.01]が示された。 図2に示されるように、post-hoc検定では、ナルトレキソンのみおよびナルトレキソン+ピオグリタゾンの両者が30、60、および90分の時点でエタノール摂取を有意に減少させることが実証された。 120分の時点では、ナルトレキソンのみおよびナルトレキソン+ピオグリタゾン(10 mg/kg)での処置は有意な効果を示さなかった。 対照的に、コントロールと比較して、ナルトレキソン+ピオグリタゾン(30 mg/kg)の共投与は120分の時点でも有意な効果を示した(p<0.05)。 このデータは、該2種の薬物を共投与するとそれらの効果が増強されるか、またはナルトレキソン効果の持続時間が増加することを示唆する。

    (実施例3)
    自発的エタノール摂取に対する亜慢性ピオグリタゾン投与の効果
    エタノール摂取についての安定なベースラインに達するまで、1日24時間、10% (v/v)アルコールを飲用するように訓練(水およびエタノール間の自由選択)されたラットを使用して、亜慢性ピオグリタゾン投与の効果を実証した。 この時点で、被験者間計画を使用して、エタノール摂取に対するピオグリタゾン(0.0、10.0、または30.0 mg/kg)の効果に関してmsPラット(N=9/群)を試験した。 該計画では、各群の動物に異なる用量の薬物を投与した。 処置を開始する前に、3日間、ラットに胃管栄養投与法を仕込んだ。 その期間中は、ラットにビヒクル(蒸留水)を投与した。

    ピオグリタゾン処置を7日連続で継続し、明/暗サイクルの暗期開始の12時間前および1時間前の時点で1日2回、薬物(またはビヒクル)を投与した。 2、8および24時間の時点で、アルコール、水および食物摂取をモニターした。 薬物処置期間の終了後にさらに3日間、液体および食物摂取をモニターした。

    亜慢性(7日間)のピオグリタゾン投与によって、msPラットの自発的エタノール摂取は有意に減少した。 分散分析では、有意なトータルの治療効果が示された[F (2,33)= 9.51; p<0.01]。 post-hoc検定によって示されるように、最高の薬物用量では処置の初日から効果が現れた(図3A、3Bおよび3C)。 該効果は処置期間中に次第に増加し、処置の4日目から出発して、両薬物用量(10および30 mg/kg)でエタノール摂取が有意に減少した。

    処置期間中、水消費はやや少なく、薬物処置によって有意には影響されなかった。 逆に、食物摂取(図3D)はピオグリタゾンによって有意に増加した[F (2,33) = 7.34 p < 0.01 ]。 該効果は最低用量(10 mg/kg)の薬物の投与後に、より高かった。 処置の終了時点で、ラットは薬物およびエタノール摂取の効果から次第に元に戻り、次第に処置前のレベルに戻った(データは示していない)。

    (実施例4)
    自発的エタノール摂取に対するピオグリタゾンとナルトレキソンの亜慢性投与の効果
    PPARγアゴニストがさらに、反復処置後のエタノール摂取に対するオピオイドアンタゴニストの阻害作用を増強できるかどうかを評価するために、アルコール消費に対するピオグリタゾンおよびナルトレキソンの慢性共投与の効果を研究した。 実施例2に記載の研究のように、msPラットのエタノール摂取の減少にわずかに有効であることが以前に示されているナルトレキソン用量(0.25 mg/kg)を使用した(Ciccocioppo et al. 2007)。 被験者間計画にしたがって、実施例3に記載されるように4群のmsPラット(N=9/群)を調製した。 具体的には、1日のエタノール消費の安定なベースラインに達したら、ナルトレキソンと組み合わされたピオグリタゾンの効果に関して、異なる群のmsPラットを試験した。 7日間連続で、明/暗サイクルの暗期開始の12時間前および1時間前の時点でmsPラットにピオグリタゾン処置(0.0、10.0、または30.0 mg/kg)を施し、2回目のピオグリタゾン投与の2分後にナルトレキソン(0.0および0.25 mg/kg)を注射した。 2、8および24時間の時点で、アルコール、水および食物摂取をモニターした。 薬物処置期間の終了後にさらに3日間、液体および食物摂取をモニターした。

    亜慢性(7日間)のナルトレキソンまたはナルトレキソン+ピオグリタゾンの投与によって、msPラットの自発的エタノール摂取は有意に減少した。 分散分析では、有意なトータルの治療効果が示された[F(3,32)=9.59 p<0.01]。 post-hoc検定(図4A、4Bおよび4C)によって示されるように、ナルトレキソンは2時間の時点でエタノール摂取を有意に減少させた(p<0.05)が、8および24時間の時点では、そうではなかった。 さらに、該効果は処置日の期間中に次第に減衰した。 代わりに、ピオグリタゾンとナルトレキソンで処置された動物では、試験されたすべての時点(2、8および24時間)で飲用が有意に減少した。 この効果は処置の全期間で有意なままであった。 これらの結果は、ピオグリタゾン(pioglidazone)およびナルトレキソンの共投与によって相加または相乗効果が生じることを示す。

    処置期間中、水消費はやや少なく、薬物処置によって有意には影響されなかった。 逆に、食物摂取はピオグリタゾンによって有意に増加した[F(3,32)= 5.34 p < 0.05](図4D)。 該効果は最低用量(10 mg/kg)の薬物の投与後に、より高かった。 処置の終了時点で、ラットは薬物の効果から次第に元に戻り、エタノール摂取は次第に処置前のレベルに戻った。

    (実施例5)
    ヨヒンビン誘発性の、アルコール探索の再開に対する急性ピオグリタゾン投与の効果
    ストレス誘発性の、アルコール探索の再発に対するTZDの効果を実証するために、10%エタノールの安定なベースラインを得た後、応答msPラット(n=10)を消去期間(14日間)に付した。 この期間中、エタノール応答は次第に減少した。 最後の消去セッションの後日、ラットを再開試験に付した。 再開試験の12時間前および1時間前の時点で、ピオグリタゾン(0.0、10.0、または30.0 mg/kg)で動物をOS処置した。 最後のピオグリタゾン投与の30分後にヨヒンビン(1.25 mg/kg, IP)を投与した。

    カウンターバランスラテン方格法にしたがってすべての薬物処置を動物に施した。 薬物試験間に3日の間隔を置き、その期間は、動物を消去セッションに付した。 再開試験では、有効および無効レバー応答を記録した。

    10% (v/v)アルコールに関する応答の安定なベースラインを15日間で確立した。 このアルコール自己投与相の後、消去訓練を開始した。 消去相の期間中、応答は次第に減少し、最後の消去日の値は16.1±3.9であった。 アルファ-2アドレナリン受容体アンタゴニストであるヨヒンビンを1.25 mg/kgの用量で腹腔内投与すると、アルコールに関するオペラント反応が有意に再開されたF(1,18)=22.78 p<0.01]。 分散分析によって示されるように、ピオグリタゾンで前処置すると、ヨヒンビンの効果が有意に減少した[F(2,9)=12.21, p<0.01] (図5)。 Post-hoc分析では、30 mg/kgのピオグリタゾンの投与後に再開の有意な阻害が示された(p<0.01)。

    ピオグリタゾンは、最低用量(10 mg/kg)で、ヨヒンビン効果を阻害する明らかな傾向を示した(p=0.07)。 無効レバー応答の分析によって、このレバーでの処置効果の不存在が示された。 このことは、アルコール探索再開の誘発におけるヨヒンビンの効果の選択性を示した。

    (実施例6)
    合図誘発性の、アルコール探索の再開に対する急性ピオグリタゾン投与の効果
    この実験では、合図誘発性の、アルコール使用の再発に対するTZDの効果を実証するために、FR-1強化スケジュールで1日30分のセッションで10%エタノールまたは水をオペラントで自己投与するようにmsPラット(n=14)を訓練した。 該スケジュールでは、各応答について、0.1 mlの液体の送達がもたらされた。 エタノールの入手可能性をオレンジ抽出物の匂いによって信号した。 それは弁別刺激として働いた。 さらに、エタノールの送達を生じさせる各レバー押しは、5秒間のハウスライトの照明(S + /CS + )と対にされた。 水の場合、アニスの匂いおよび5秒間の白色雑音をそれぞれ弁別および接触(contiguous)合図(S - /CS - )として用いた。 次いでラットを日ごとの消去セッションに付した。 その期間中は、レバー押しが次第に減少した。

    エタノールまたは水の入手可能性を予測させるが該液体は不存在である条件付け刺激に動物を再曝露することによって再開試験を行った。 再開試験の12時間前および1時間前にピオグリタゾン(0.0、10.0、30.0 mg/kg)を投与した。 明/暗サイクルの暗期の開始時点で実験を行った。 カウンターバランスラテン方格法にしたがってすべての薬物処置を動物に施し、再開セッション間に3日の間隔を置いた。 再開試験では、有効および無効レバー応答を記録した。

    動物がアルコールまたは水の入手可能性を弁別した条件付け相の全体を通して、ラットはアルコールに高レベルで応答した。 ANOVAでは、有意なトータルの条件付け効果が示された[F(1.28)= 41.89, p<0.01]。 弁別期間の最終日に、動物は30分間で約120回のレバー押し応答に達し、水に関する応答は20回であった。 消去期間に、レバー押しは次第に減少して、最後の消去日の5.87±1.07になった。 再開試験では、ANOVAによって、合図がアルコール探索に対する有意なトータルの効果を有することが示された[F(1.28)= 30.4, p<0.01]。 より詳細な分析では、消去の最終日と比較して、S + /CS +条件下で応答の強い再開(p<0.01)が示されたが、S - /CS -条件下ではそうではなかった。 図6に示されるように、アルコール探索の、条件付けされた再開はピオグリタゾンでの前処置によって有意には改変されなかった。 無効レバーでの応答は処置によって影響を受けなかった(データは示していない)。

    (実施例7)
    Wistraラットのエタノール自己投与に対するシグリタゾン投与の効果
    エタノール摂取に対するピオグリタゾンの効果を実証するためにこの研究を実施し、他のPPARγアゴニストにも拡張する。 構造的に異なるTDZであるシグリタゾンの、エタノール自己投与に対する効果を決定した。 さらに、ピオグリタゾンで観察された効果が他の実験的アルコール摂取モデルにまでおよぶことを検証するために、オペラント自己投与条件下で異種Wistarラットでこれらの研究を実施した。

    固定比率(FR)1強化スケジュール下で30分/日で、エタノールを自己投与するようにWistraラット(n=7)を訓練した。 安定なレベルの応答に達したら、被験者内カウンターバランス順序(ラテン方格法)において、自己投与セッションの開始30分前にシグリタゾン(0.0、5.0または20.0 mg/kg)をIP投与してラットを処置した。 有効および無効レバーに対する応答数を記録した。 自己投与セッション間に3日の間隔を置いた。

    エタノール自己投与期間に、Wistarラットは強いオペラントアルコール反応を獲得した。 この相の終了時点で、ラットはアルコールレバーを30分で平均30〜35回押した。 この時点で、動物をシグリタゾンでIP処置した。 結果は、シグリタゾン(ciclitazone)処置がエタノール自己投与を有意に減少させることを示した[F(2,6)=5.87 p<0.05]。 無効レバーでの応答は非常に低く、薬物処置によって影響されなかった[F(2,6)=1.52 NS]。 Post hoc検定では、最高用量の薬物の投与後にエタノール自己投与が有意に減少することが示された(図7)。

    (実施例8)
    自発的エタノール摂取に対する急性ロシグリタゾン投与の効果
    別のTZDであるロシグリタゾンがエタノール摂取を減少させる能力を実証した。 まず、1日24時間、10% (w/v)アルコールを飲用するようにmsPラットを訓練した(水とエタノールの間の自由選択)。 安定なエタノール飲用ベースライン(6〜8 g/kg/日)に達したら、被験者間計画を使用してロシグリタゾン(0.0、7.5および15 mg/kg)の効果に関してラット(n= 28)を試験した。 処置を開始する前に、3日間、ラットに胃管栄養投与法を仕込み、その期間は、ラットにビヒクル(蒸留水)を投与した。 エタノールへのアクセスの12時間前および1時間前の時点でロシグリタゾンを2回投与した。 暗期サイクルの開始時点で飲用実験を開始した。 エタノールを入手可能にしてから2、8および24時間後の時点で、アルコール、水および食物摂取をモニターした。

    分散分析では、エタノール摂取に対する有意な治療効果が示された[F(2,18)= 0.4 p<0.05]。 図8で示されるように、post-hoc Newman-Keuls検定では、15 mg/kgのロシグリタゾンで急性処置すると、2時間の時点でエタノール消費が有意に減少する(p<0.05)ことが示された。 エタノール飲用の阻害は24時間の時点で非常に顕著であった(p<0.01)。 水および食物消費に対して有意な効果がないことによって選択効果が実証された(データは示していない)。

    (実施例9)
    ピオグリタゾン誘発性の、エタノール摂取の減少に対するPPARγアンタゴニストGW9662のIP投与の効果
    この実験は、エタノール摂取に対するピオグリタゾンの効果がPPARγ受容体の活性化によって媒介されることを実証した。 エタノール摂取の安定なベースラインを得た後、ピオグリタゾン誘発性の、エタノール摂取の減少に対するGW9662の効果に関してmsPラット(n=22)を試験した。 エタノールへのアクセスの1時間前にOS投与される30 mg/kgのピオグリタゾンでラットを処置した。 ピオグリタゾン投与の30分後にGW9662をIP投与し、さらに30分間待った後にラットにエタノールアクセスを与えた。 処置の開始前に、3日間、胃管栄養法およびIP投与手順をラットに仕込んだ。 被験者間計画で実験を行った(n = 22)。 別の群のmsPラット(n=22)にGW9662のみを投与して、エタノール消費に対するPPARγ遮断の効果を実証した。 暗期サイクルの開始時点で飲用実験を開始した。 エタノールを入手可能してから2、8および24時間後の時点で、アルコール、水および食物摂取をモニターした。

    図9Aで示されるように、分散分析では、GW9662によるPPARγ受容体の遮断がmsPラットのエタノール飲用を改変しないことが示された[F(2,18)= 0.40 NS]。 しかし、分散分析では、ピオグリタゾンの投与後に、エタノール摂取に対する有意な治療効果が示されたF(3,24)= 18.64 p<0.01](図9B)。 Newman-Keuls検定では、30 mg/kgのピオグリタゾンで処置すると、8および24時間の時点でエタノール消費が有意に減少する(p<0.01)ことが示された。 GW9662で前処置すると、用量関連様式でピオグリタゾンの効果がブロックされた。 水および食物消費は薬物処置によって影響されなかった(データは示していない)。

    (実施例10)
    ピオグリタゾン誘発性の、エタノール摂取の減少に対するPPARγアンタゴニストGW9662のICV投与の効果
    この実験は、エタノール摂取に対するピオグリタゾンの効果が脳PPARγ受容体の活性化によって媒介されることを実証した。 このために、msPラット(n=6)をGW9662 (5μg/ラット)でICV処置して脳PPARγ受容体を選択的にブロックし、一方、ピオグリタゾン(30 mg/kg)をOS投与した。 被験者内カウンターバランスラテン方格法を使用して実験を導いた。 該方法では各動物にすべての薬物用量を投与した。

    暗期サイクルの開始時点で飲用実験を行い、エタノールを入手可能にしてから2、8および24時間後の時点で、アルコール、水および食物摂取をモニターした。

    分散分析では、エタノール摂取に対する有意な治療効果が示されたF(3,5)= 12.93 p<0.001]。 図10で示されるように、post-hoc Newman-Keuls検定では、30 mg/kgのピオグリタゾンで処置すると、2時間(p<0.05)、8時間(p<0.05)および24時間(p<0.01)の時点でエタノール消費が有意に減少することが示された。 GW9662のICV投与は、それ自体は、エタノール摂取に有意には影響しなかった。 しかしそれはピオグリタゾンの効果を完全に妨げた。 水および食物消費は薬物処置によって影響されなかった(データは示していない)。

    (実施例11)
    ヨヒンビン誘発性の、アルコール探索の再開に対する急性ナルトレキソン投与の効果
    ナルトレキソンが、ヨヒンビン誘発性の、アルコール使用の再開を減少させることができないことを実証した。 10%エタノールの安定なベースラインを得た後、応答msPラット(n=10)を消去期間(14日間)に付した。 該期間には、エタノール応答が次第に減少した。 最後の消去セッションの後日、ラットを再開試験に付した。

    ナルトレキソンが薬理学的ストレス要因ヨヒンビンの効果を妨げることができるかどうかを決定するために、再開試験の1時間前に動物(n=7)をオピオイドアンタゴニスト(0.0、0.25および1.0 mg/kg)でIP処置した。 ナルトレキソン投与の30分後にヨヒンビン(1.25 mg/kg, IP)を投与した。 カウンターバランスラテン方格法にしたがってすべての薬物処置を動物に施した。 薬物試験の間に3日の間隔を置き、その期間は動物を消去セッションに付した。 再開試験では、有効および無効レバー応答を記録した。

    10% (v/v)アルコールに関する応答の安定なベースラインを15日間で確立した。 このアルコール自己投与相の後、消去訓練を開始した。 消去相の期間は、応答が次第に減少した。 アルファ-2アドレナリン受容体アンタゴニストであるヨヒンビンを1.25 mg/kgの用量で腹腔内投与すると、アルコールに関するオペラント反応が有意に再開されたF(1,8)=19.99 p<0.01]。 分散分析によって示されるように、ナルトレキソンで前処置しても、ヨヒンビンの効果は有意には減少しなかった[F(2,8)=0.46, NS] (図11)。 無効レバー応答の分析によって、このレバーでの治療効果の不存在が示された(データは示していない)。 このことは、アルコール探索の再開を誘発する場合のヨヒンビンの効果の選択性を示す。

    (実施例12)
    合図誘発性の、アルコール探索の再開に対する急性ナルトレキソン投与の効果
    ナルトレキソンが、合図誘発性の、アルコール探索の再開を減少させる能力を実証した。 この実験では、FR-1強化スケジュールで1日30分のセッションにおいて10%エタノールまたは水をオペラントで自己投与するようにmsPラット(n=9)を訓練した。 この場合、各応答について、0.1 mlの液体の送達がもたらされた。 エタノールの入手可能性をオレンジ抽出物の匂いによって信号した。 それは弁別刺激として働いた。 さらに、エタノールの送達を生じさせる各レバー押しは、5秒間のハウスライトの照明(S + /CS + )と対にされた。 水の場合、アニスの匂いおよび5秒間の白色雑音(S - /CS - )をそれぞれ弁別および接触合図として用いた。 次いでラットを日ごとの消去セッションに付した。 その期間はレバー押しが次第に減少した。

    エタノールまたは水の入手可能性を予測させる条件付け刺激に該液体の不存在下で動物を再曝露することによって再開試験を行った。 再開試験の1時間前にナルトレキソン(0.0、0.25および1.0 mg/kg)を投与した。 明/暗サイクルの暗期の開始時点で実験を行った。 カウンターバランスラテン方格法にしたがってすべての薬物処置を動物に施し、再開セッションの間に3日の間隔を置いた。 再開試験では、有効および無効レバー応答を記録した。

    動物がアルコールまたは水の入手可能性を弁別した条件付け相の全体を通して、ラットはアルコールに高レベルで応答した。 消去期間中、レバー押しは次第に減少した。 再開試験では、ANOVAによって、合図がアルコール探索に対する有意なトータルの効果を有することが示された[F(1,8)= 36.31, p<0.01]。 より詳細な分析では、消去の最終日と比較して、S + /CS +条件下で応答の強い再開(p<0.01)が示されたが、S - /CS -条件下ではそうではなかった。 図12で示されるように、アルコール探索の、条件付けされた再開はナルトレキソンによって有意に減少した[F(2,8)= 15.90; p<0.01]。 Post-hoc分析では、試験された両用量(0.25および1.0 mg/kg)のオピオイドアンタゴニストがエタノール探索の再開を有意に減少させる(p<0.01)ことが示された。 無効レバーでの応答は処置によって影響を受けなかった(データは示していない)。

    (実施例13)
    ヨヒンビン誘発性および合図誘発性の、アルコール探索の再開に対するピオグリタゾンおよびナルトレキソンの共投与の効果
    アルコール探索の再開についての種々の誘発要因に対する、PPARγアゴニストであるピオグリタゾンとオピオイドアンタゴニストであるナルトレキソンの併用効果を決定した。

    ヨヒンビン誘発性の、エタノール探索の再開に関して、10%エタノール応答の安定なベースラインを得た後に、msPラット(n=9)を消去期間(14日間)に付した。 その期間はエタノール応答が次第に減少した。 最後の消去セッションの後日、ラットを再開試験に付した。

    ナルトレキソンとピオグリタゾンの組み合わせが薬理学的ストレス要因ヨヒンビンの効果を妨げることができるかどうかを評価するために、再開試験の1時間前に動物をオピオイドアンタゴニスト(1.0 mg/kg)でIP処置し、TDZ (30 mg/kg)でOS処置した。 ナルトレキソン/ピオグリタゾン投与の30分後にヨヒンビン(1.25 mg/kg, IP)を投与した。 カウンターバランスラテン方格法にしたがってすべての薬物処置を動物に施した。 薬物試験の間に3日の間隔を置き、その期間は、動物を消去セッションに付した。 再開試験では、有効および無効レバー応答を記録した。

    合図誘発性の、アルコール探索の再開に関して、FR-1強化スケジュールで1日30分のセッションにおいて10%エタノールまたは水をオペラントで自己投与するように別の群のmsPラット(n=10)を訓練した。 この場合、各応答について、0.1 mlの液体の送達がもたらされた。 エタノールの入手可能性をオレンジ抽出物の匂いによって信号した。 それは弁別刺激として働いた。 さらに、エタノールの送達を生じさせる各レバー押しは、5秒間のハウスライトの照明(S + /CS + )と対にされた。 水の場合、アニスの匂いおよび5秒間の白色雑音(S - /CS - )をそれぞれ弁別および接触合図として用いた。 次いでラットを日ごとの消去セッションに付した。 その期間はレバー押しが次第に減少した。

    エタノールまたは水の入手可能性を予測させる条件付け刺激に該液体の不存在下で動物を再曝露することによって再開試験を行った。 再開試験の1時間前にナルトレキソン(1.0 mg/kg)およびピオグリタゾンを共投与した。 明/暗サイクルの暗期の開始時点で実験を行った。 カウンターバランスラテン方格法にしたがってすべての薬物処置を動物に施し、再開セッションの間に3日の間隔を置いた。 再開試験では、有効および無効レバー応答を記録した。

    ヨヒンビン誘発性の、アルコール探索の再開では、15日間で、ラットは10% (v/v)アルコールに関する応答の安定なベースラインに達した。 この期間のアルコール自己投与相の後、消去訓練を開始した。 消去相の期間中は、応答が次第に減少した。 アルファ-2アドレナリン受容体アンタゴニストであるヨヒンビンを1.25 mg/kgの用量で腹腔内投与すると、アルコールに関するオペラント反応が有意に再開されたF(1,8)=12.86 p<0.01]。 分散分析によって示されるように、ナルトレキソンとピオグリタゾンで前処置すると、ヨヒンビンの効果は有意に減少した[F(2,8)=5.71, p<0.01] (図13A)。 無効レバー応答の分析によって、このレバーでの処置効果の不存在が示された。

    合図誘発性の、アルコール探索の再開では、msPラットはアルコールまたは水の入手可能性の弁別を迅速に習得した; ラットは高いレベルでアルコールに応答した。 消去期間中、レバー押しは次第に減少した。 再開試験では、ANOVAによって、合図がアルコール探索に対する有意なトータルの効果を有することが示された[F(1,9)= 31,83, p<0.01]。 より詳細な分析では、消去の最終日と比較して、S + /CS +条件下で応答の強い再開(p<0.01)が示されたが、S - /CS -条件下ではそうではなかった。 図13Bで示されるように、アルコール探索の、条件付けされた再開はナルトレキソンとピオグリタゾンの共投与によって有意に減少した[F(2,9)= 16,58; p<0.01]。 無効レバーでの応答は処置によって影響を受けなかった(データは示していない)。

    (実施例14)
    自発的エタノール摂取に対するピオグリタゾンとフルオキセチンの急性投与の効果
    この実験では、アルコール消費に対するピオグリタゾンとフルオキセチンの共投与の効果を研究して、PPARγアゴニスト、例えばTZD、および抗うつ薬、例えば選択的セロトニン取り込み阻害薬での共処置がエタノール摂取の阻害に関する相乗効果を有することを実証した。 このために、パイロット研究においてmsPラットのエタノール摂取を減少させなかった低用量のフルオキセチン(3.0 mg/kg, OS)を使用した。 また、それ自体はアルコール摂取に有意には影響しないピオグリタゾン用量(10 mg/kg, OS)を選択した。

    まず、1日24時間、10% (w/v)アルコールを飲用するようにmsPラットを訓練した(水とエタノールの間の自由選択)。 安定なエタノール飲用ベースライン(6〜8 g/kg/日)に達したら、被験者間計画において、ピオグリタゾン、フルオキセチンまたはそれらの組み合わせの効果に関してmsPラット(n= 34)を試験した。 薬物ビヒクルで処置されたラットはコントロールとして働いた。 処置を開始する前に、3日間、ラットに胃管栄養投与を仕込み、その期間は、ラットに薬物ビヒクル(蒸留水)を投与した。 エタノールへのアクセスの12時間前および1時間前の時点でピオグリタゾンおよびフルオキセチンを2回投与した。 暗期サイクルの開始時点で飲用実験を開始した。 エタノールを入手可能にしてから2、8および24時間後の時点で、アルコール、水、および食物摂取をモニターした。

    分散分析では、アルコール摂取に対する有意なトータルの治療効果[F(3,30)= 5.37 p<0.01]が示された。 図14で示されるように、post-hoc検定では、低用量の単独のピオグリタゾンまたは単独のフルオキセチンがmsPラットのエタノール摂取を有意には改変しないことが示された。 しかし、該2種の物質を共投与すると、2および8時間(p<0.01)、ならびに24時間(p<0.05)の時点で、エタノール消費が顕著に阻害された。 これらのデータは、該2種の薬物の共投与がエタノール飲用に関して相乗的阻害作用を発揮することを示唆する。

    薬物処置後に、食物摂取が増加するわずかな傾向(有意ではない)が観察された(データは示していない)。 水消費は非常に低く、薬物投与によって改変されなかった(データは示していない)。

    (実施例15)
    自発的エタノール摂取に対するピオグリタゾンとミルタザピンの急性投与の効果
    アルコール消費に対するピオグリタゾンとミルタザピンの共投与の効果を研究して、PPARγアゴニストおよびこの抗うつ薬での共処置がエタノール摂取の阻害に関して相乗効果を有することを実証した。 このために、パイロット研究においてmsPラットのエタノール摂取を減少させなかった低用量のミルタザピン(5.0 mg/kg, OS)を使用した。 また、それ自体はアルコール摂取に有意には影響しないようにピオグリタゾン用量(10 mg/kg, OS)を選択した。

    まず、1日24時間、10% (w/v)アルコールを飲用するようにmsPラットを訓練した(水とエタノールの間の自由選択)。 安定なエタノール飲用ベースライン(6〜8 g/kg/日)に達したら、被験者間計画において、ピオグリタゾン、ミルタザピンまたはそれらの組み合わせの効果に関してmsPラット(n= 34)を試験した。 薬物ビヒクルで処置されたラットはコントロールとして働いた。 処置を開始する前に、3日間、ラットに胃管栄養投与を仕込み、その期間は、ラットに薬物ビヒクル(蒸留水)を投与した。 エタノールへのアクセスの12時間前および1時間前の時点でピオグリタゾンおよびミルタザピンを2回投与した。 暗期サイクルの開始時点で飲用実験を開始した。 エタノールを入手可能にしてから2、8および24時間後の時点で、アルコール、水および食物摂取をモニターした。

    分散分析では、アルコール摂取に対する有意なトータルの治療効果[F(3,30)= 12.50 p<0.01]が示された。 図15で示されるように、post-hoc検定では、低用量の単独のピオグリタゾンまたは単独のミルタザピンがmsPラットのエタノール摂取を有意には改変しないことが示された。 しかし、該2種の物質を共投与すると、2および8時間の時点でエタノール消費が顕著に阻害された(p<0.05); 2時間の時点でのエタノール摂取の有意な減少はピオグリタゾン単独でも報告された(p<0.05)。 これらのデータは、該2種の薬物の共投与がエタノール飲用に関して相乗的阻害作用を発揮することを示唆する。

    薬物処置後に、食物摂取が増加する傾向(有意ではない)が観察された(データは示していない)。 水消費は非常に低く、薬物投与によって改変されなかった(データは示していない)。

    (実施例16)
    自発的エタノール摂取に対するピオグリタゾンとトピラメートの急性投与の効果
    この実験では、アルコール消費に対するピオグリタゾンとトピラメートの共投与の効果を研究して、PPARγアゴニストおよびこの抗てんかん薬での共処置がエタノール摂取の阻害に関して相乗効果を有することを実証した。 このために、パイロット研究においてmsPラットのエタノール摂取を減少させなかった低用量のトピラメート(30.0 mg/kg, OS)を使用した。 また、それ自体はアルコール摂取に有意には影響しないようにピオグリタゾン用量(10 mg/kg, OS)を選択した。

    まず、1日24時間、10% (w/v)アルコールを飲用するようにmsPラットを訓練した(水とエタノールの間の自由選択)。 安定なエタノール飲用ベースライン(6〜8 g/kg/日)に達したら、被験者間計画において、ピオグリタゾン、トピラメートまたはそれらの組み合わせの効果に関してmsPラット(n= 34)を試験した。 薬物ビヒクルで処置されたラットはコントロールとして働いた。 処置を開始する前に、3日間、ラットに胃管栄養投与を仕込み、その期間は、ラットに薬物ビヒクル(蒸留水)を投与した。 エタノールへのアクセスの12時間前および1時間前の時点でピオグリタゾンおよびトピラメートを2回投与した。 暗期サイクルの開始時点で飲用実験を開始した。 エタノールを入手可能にしてから2、8および24時間後の時点で、アルコール、水および食物摂取をモニターした。

    分散分析では、アルコール摂取に対する有意なトータルの治療効果[F(3,30)= 4.35 p<0.01]が示された。 図16で示されるように、post-hoc検定では、低用量の単独のピオグリタゾンまたは単独のトピラメートがmsPラットのエタノール摂取を有意には改変しないことが示された。 しかし、該2種の物質を共投与すると、2、8および24時間の時点でエタノール消費が顕著に阻害された(p<0.05); 2時間の時点でのエタノール摂取の有意な減少はトピラメート単独でも報告された(p<0.05)。 これらのデータは、該2種の薬物の共投与がエタノール飲用に関して相乗的阻害作用を発揮することを示唆する。

    薬物処置後に、食物摂取が増加する傾向(有意ではない)が観察された(データは示していない)。 水消費は非常に低く、薬物投与によって改変されなかった(データは示していない)。

    (実施例17)
    自発的エタノール摂取に対するピオグリタゾンとレベチラセタムの急性投与の効果
    アルコール消費に対するピオグリタゾンとレベチラセタムの共投与の効果を研究して、PPARγアゴニストおよびこの抗てんかん薬での共処置がエタノール摂取の阻害に関して相乗効果を有することを実証した。 このために、パイロット研究においてmsPラットのエタノール摂取を減少させなかった低用量のレベチラセタム(100.0 mg/kg, OS)を使用した。 また、それ自体はアルコール摂取に有意には影響しないようにピオグリタゾン用量(10 mg/kg, OS)を選択した。

    まず、1日24時間、10% (w/v)アルコールを飲用するようにmsPラットを訓練した(水とエタノールの間の自由選択)。 安定なエタノール飲用ベースライン(6〜8 g/kg/日)に達したら、被験者間計画において、ピオグリタゾン、レベチラセタムまたはそれらの組み合わせの効果に関してmsPラット(n= 33)を試験した。 薬物ビヒクルで処置されたラットはコントロールとして働いた。 処置を開始する前に、3日間、ラットに胃管栄養投与を仕込み、その期間は、ラットに薬物ビヒクル(蒸留水)を投与した。 エタノールへのアクセスの12時間前および1時間前の時点でピオグリタゾンおよびレベチラセタムを2回投与した。 暗期サイクルの開始時点で飲用実験を開始した。 エタノールを入手可能にしてから2、8および24時間後の時点で、アルコール、水および食物摂取をモニターした。

    分散分析では、アルコール摂取に対する有意なトータルの治療効果[F(3,29)= 3.76 p<0.05]が示された。 図17で示されるように、post-hoc検定では、低用量の単独のピオグリタゾンまたは単独のレベチラセタムがmsPラットのエタノール摂取を有意には改変しないことが示された。 対照的に、該2種の物質を共投与すると、2時間(p<0.01)、ならびに8および24時間(p<0.05)の時点で、エタノール消費が顕著に阻害された。 これらのデータは、該2種の薬物の共投与がエタノール飲用に関して相乗的阻害作用を発揮することを示唆する。

    食物および水消費は薬物投与によって改変されなかった(データは示していない)。

    (実施例18)
    自発的エタノール摂取に対するピオグリタゾンとガバペンチンの急性投与の効果
    アルコール消費に対するピオグリタゾンとガバペンチンの共投与の効果を研究して、PPARγアゴニストおよびこの抗てんかん薬での共処置がエタノール摂取の阻害に関して相乗効果を有することを実証した。 このために、パイロット研究においてmsPラットのエタノール摂取を減少させなかった低用量のガバペンチン(60.0 mg/kg, OS)を使用した。 また、それ自体はアルコール摂取に有意には影響しないようにピオグリタゾン用量(10 mg/kg, OS)を選択した。

    まず、1日24時間、10% (w/v)アルコールを飲用するようにmsPラットを訓練した(水とエタノールの間の自由選択)。 安定なエタノール飲用ベースライン(6〜8 g/kg/日)に達したら、被験者間計画において、ピオグリタゾン、ガバペンチンまたはそれらの組み合わせの効果に関してmsPラット(n= 36)を試験した。 薬物ビヒクルで処置されたラットはコントロールとして働いた。 処置を開始する前に、3日間、ラットに胃管栄養投与を仕込み、その期間は、ラットに薬物ビヒクル(蒸留水)を投与した。 エタノールへのアクセスの12時間前および1時間前の時点でピオグリタゾンおよびトピラアート(topiraate)を2回投与した。 暗期サイクルの開始時点で飲用実験を開始した。 エタノールを入手可能にしてから2、8および24時間後の時点で、アルコール、水および食物摂取をモニターした。

    分散分析では、アルコール摂取に対する有意なトータルの治療効果[F(3,7)= 3.31 p<0.05]が示された。 図18で示されるように、post-hoc検定では、低用量の単独のピオグリタゾンまたは単独のガバペンチンがmsPラットのエタノール摂取を有意には改変しないことが示された。 対照的に、該2種の物質を共投与すると、2および8時間の時点でエタノール消費が顕著に阻害された(p<0.05)。 これらのデータは、該2種の薬物の共投与がエタノール飲用に関して相乗的阻害作用を発揮することを示唆する。

    薬物処置後に、食物摂取が増加する傾向(有意ではない)が観察された(データは示していない)。 水消費は非常に低く、薬物投与によって改変されなかった(データは示していない)。

    (実施例19)
    自発的エタノール摂取に対するピオグリタゾンとオンダンセトロンの急性投与の効果
    アルコール消費に対するピオグリタゾンとオンダンセトロンの共投与の効果を研究して、PPARγアゴニストおよびこのセロトニン-3 (5-HT3)受容体選択的アンタゴニストでの共処置がエタノール摂取の阻害に関して相乗効果を有することを実証した。 このために、パイロット研究においてmsPラットのエタノール摂取を減少させなかった低用量のオンダンセトロン(1.0 mg/kg, IP)を使用した。 また、それ自体はアルコール摂取に有意には影響しないようにピオグリタゾン用量(10 mg/kg, OS)を選択した。

    まず、1日24時間、10% (w/v)アルコールを飲用するようにmsPラットを訓練した(水とエタノールの間の自由選択)。 安定なエタノール飲用ベースライン(6〜8 g/kg/日)に達したら、被験者間計画において、ピオグリタゾン、オンダンセトロン、またはそれらの組み合わせの効果に関してmsPラット(n= 36)を試験した。 薬物ビヒクルで処置されたラットはコントロールとして働いた。 処置を開始する前に、3日間、ラットに胃管栄養投与を仕込み、その期間は、ラットに薬物ビヒクル(蒸留水)を投与した。 エタノールへのアクセスの12時間前および1時間前の時点でピオグリタゾンおよびオンダンセトロンを2回投与した。 暗期サイクルの開始時点で飲用実験を開始した。 エタノールを入手可能にしてから2、8および24時間後の時点で、アルコール、水および食物摂取をモニターした。

    分散分析では、有意ではないトータルの治療効果[F(3,32)= 2.73 p<0.05]が示されたが、アルコール摂取に対する有意な処置期間の相互作用が観察された[F(6,64)= 2.29 p<0.0.5]。 図19で示されるように、post-hoc検定では、低用量の単独のピオグリタゾンまたは単独のオンダンセトロンがmsPラットのエタノール摂取を有意には改変しないことが示された。 しかし、該2種の物質を共投与すると、24時間の時点でエタノール消費が顕著に阻害された(p<0.05)。 水および食物消費は非常に低く、薬物投与によって改変されなかった(データは示していない)。 これらのデータは、該2種の薬物の共投与がエタノール飲用に関して相乗的阻害作用を発揮することを示唆する。

    (実施例20)
    自発的エタノール摂取に対するピオグリタゾンとアンタラルミンの急性投与の効果
    アルコール消費に対するピオグリタゾンとアンタラルミンの共投与の効果を研究して、PPARγアゴニストおよびこのコルチコトロピン放出因子CRF1受容体選択的アンタゴニストでの共処置がエタノール摂取の阻害に関して相乗効果を有することを実証した。 このために、パイロット研究においてmsPラットのエタノール摂取をわずかに減少させた低用量のアンタラルミン(15.0 mg/kg, IP)を使用した。 また、それ自体はアルコール摂取に有意には影響しないようにピオグリタゾン用量(10 mg/kg, OS)を選択した。

    まず、1日24時間、10% (w/v)アルコールを飲用するようにmsPラットを訓練した(水とエタノールの間の自由選択)。 安定なエタノール飲用ベースライン(6〜8 g/kg/日)に達したら、被験者間計画において、ピオグリタゾン、アンタラルミンまたはそれらの組み合わせの効果に関してmsPラット(n= 32)を試験した。 薬物ビヒクルで処置されたラットはコントロールとして働いた。 処置を開始する前に、3日間、ラットに胃管栄養投与を仕込み、その期間は、ラットに薬物ビヒクル(蒸留水)を投与した。 エタノールへのアクセスの12時間前および1時間前の時点でピオグリタゾンおよびアンタラルミンを2回投与した。 暗期サイクルの開始時点で飲用実験を開始した。 エタノールを入手可能にしてから2、8および24時間後の時点で、アルコール、水および食物摂取をモニターした。

    分散分析では、アルコール摂取に対する有意なトータルの治療効果[F(3,28)= 3.29 p<0.05]が示された。 図20で示されるように、post-hoc検定では、低用量の単独のピオグリタゾンまたは単独のアンタラルミンがmsPラットのエタノール摂取を有意には改変しないことが示された。 しかし、該2種の物質を共投与すると、8時間(p<0.01)および24時間(p<0.05)の時点でエタノール消費が顕著に阻害された; 8時間の時点でのエタノール摂取の有意な減少はアンタラルミン単独でも報告された(p<0.05)。 これらのデータは、該2種の薬物の共投与がエタノール飲用に関して相乗的阻害作用を発揮することを示唆する。

    水および食物消費は薬物投与によって改変されなかった(データは示していない)。

    (実施例21)
    アルコール離脱に対するピオグリタゾン投与の効果
    ラットにおいてアルコール離脱に対するピオグリタゾン投与の効果を決定した。 雄性Wistarラットを6日間の間欠性アルコール中毒に付した。 暗期中に、ラットに2.5〜3.0 g/kgの20%エタノールを4回経口投与した。 暗期の開始時点で最初のエタノール用量を投与した。 3時間間隔で他の3回の一日量を投与した。 明/暗サイクルの明期中には、ラットに注射しなかった。 標的血中アルコールレベルは250〜300 mg/dlであった。 6日間のこの処置後にラットは自然発生的な離脱を経験し、それは概して最後のエタノール注射の8〜14時間後の間で現れる。 離脱症状を評価する12時間および1時間前にピオグリタゾン(0.0、10および30 mg/kg)を2回投与した。 離脱の行動徴候には: (1) 腹内側遠位屈曲応答(ventromedial distal flexion response)の存在; (2) 尾部硬直/固縮(tail stiffness/rigidity); および(3) 振戦が含まれた(Schulteis et al.1995)。 3〜5分間の観察期間中に0〜2のスケールで各徴候を評価した(Macey et al., 1996; Schulteis, et al., 1995)。 すべての徴候を累積してトータルの離脱重症度スコアを得た。

    最後のエタノール投与の12時間後に、ピオグリタゾンビヒクルで処置された動物は顕著な離脱症状を示した。 分散分析では、尾部固縮を減少させるピオグリタゾン処置のトータルの効果が示された[F(4,25)= 11.98 p<0.001] (図21)。 post hoc検定では、両10 mg/kgおよび30 mg/kgのピオグリタゾンの投与後にアルコール離脱徴候が有意に減少し、尾部固縮(p<0.01)、振戦(p<0.01)、および腹内側肢退縮(ventromedial limb retraction)(p<0.01)の非常に有意な効果を伴うことが示された。 興味深いことに、離脱スコアの測定中に、ビヒクル処置群の7匹の動物のうちの2匹がけいれんを示した。 対照的に、ピオグリタゾンで処置された12匹のラットはいずれもてんかん発作を示さなかった。 これらのデータは、ピオグリタゾンがエタノール飲用の軽減を支援する(以前の実験を参照のこと)だけでなく、てんかん発作を含めたアルコール離脱症候群および関連症状を軽減または抑制する能力をも有することを示唆する。

    (実施例22)
    ヒトのアルコール乱用に対するピオグリタゾンの効果
    糖尿病の治療のためにピオグリタゾン(pioaglitazone)(Actos(登録商標))を使用するヒト患者についての観察研究を実施して、単独の、またはオピオイドアンタゴニストと組み合わせたPPARγアゴニストがエタノール乱用の軽減に有効であることを実証した。

    トータルで12人の患者が研究に参加した。 4人の患者(男性2人および女性2人)は精神療法のみを受け(コントロール; CRT); 4人の患者(男性)はナルトレキソン50 mg/日(NTX) +精神療法を受け; 4人の患者(男性3人および女性1人)はピオグリタゾン30 mg/日(Actos(登録商標); ACT) +精神療法を受けた。 患者の年齢は25〜45歳の範囲であった。 すべての患者は以前にアルコール解毒の失敗経験を有した。 主要な精神医学的共存症は特定されなかった。 Actos(登録商標)で処置された患者はすべて糖尿病と診断された。

    0時点(処置の開始直前)で種々の心理学的指標に関して患者をスコアした。 STAI Y-1質問紙(Questioner)を使用して不安を判定し; Obsessive Compulsive Drinking Scale質問紙を使用してアルコールに関する強迫を判定し; MADRS 10 Item質問紙を使用してうつ病を判定した。 また、毎日および毎週のエタノール消費をスコアリングした。 また不安、うつ病、および飲酒への強迫に関して、週1回、患者を検査した。

    さらに、0時点ならびに処置の4週間後(T1)および12週間後(T2)に患者の血液サンプルを採取した。 測定された血液学的パラメータには: 平均赤血球容積(MCV); ガンマ-GT; アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST); アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT); および糖鎖欠損トランスフェリン(carbohydrate-deficient transferring)(CDT)が含まれた。 MCVおよびCDTはエタノール消費のバイオマーカーであり、GGT、ALTおよびASTは肝機能のバイオマーカーである。

    データを分散分析によって解析し、その後、適切な場合、Newman-Keuls post hoc検定によって解析した。

    その結果、表2に示されるように、ピオグリタゾン(ACT)で処置された患者においてすべての血液パラメータの急速な正常化が示された。

    MCVおよびCDTの低下は、患者のエタノール飲用が2か月の薬物処置期間にわたって次第に減少することを示した。 GGT、ALTおよびASTの低下は肝機能の正常化を反映した。 ナルトレキソン処置患者(NTX)では、MCVおよびCDTの低下が同様に観察されたが、ピオグリタゾン群と比較して低い程度であった。 肝臓パラメータもまた、ナルトレキソンによって改善されたが、やはりピオグリタゾンの効果の方が顕著であった。 精神療法のみを受けたコントロール群は2か月の処置期間中にいかなる改善をも示さなかった。

    統計解析では、測定されたすべての血液パラメータに関するトータルの治療効果が示された(MCV, [F(2,9)= 89.7 P<0.0001]; GGT; [F(2,9)= 5328 P<0.0001]; ALT [F(2,9)= 52.57 P<0.0001]; AST [F(2,9)= 771 P<0.0001]; CDT [F(2,9)= 26.54 P<0.0001])。 post hoc検定では、全5種のバイオマーカーに関して、コントロール(精神療法のみ)と、ナルトレキソン(P<0.001)またはピオグリタゾン(poglitazone)(P<0.001)で処置された患者の間に統計学的差異(P<0.001)が存在することが示された。 ピオグリタゾンは、MCV (P<0.001)、GGT (P<0.001)およびALT (p<0.001)の値の減少に関してナルトレキソンより有効であった。 CDTおよびASTに関して、ナルトレキソンとピオグリタゾンの間で有意差は検出されなかった。

    また結果は、処置期間中に不安スコアが次第に低下することを示した。 表3に示されるようにピオグリタゾンは最も高い効果を示した。 コントロール患者(精神療法のみ)では、処置期間中に不安は減少しなかった。

    分散分析では、トータルの治療効果が示された([F(2,9)= 142.86 P<0.0001])。 post hoc検定では、コントロールと、ナルトレキソン(P<0.001)またはピオグリタゾン(poglitazone)(P<0.001)で処置された患者の間で統計学的有意差が示された。 ピオグリタゾンはナルトレキソンより有効であり、さらにピオグリタゾンとナルトレキソンの間の有意差が観察された(p<0.001)。

    また結果は、アルコールに関する強迫スコアが次第に低下することを示した。 ピオグリタゾンに関する該効果は非常に強かった。 それは表4に示される通りであった。 コントロール患者では、OCDSは処置前のレベルのままであった。

    分散分析では、トータルの治療効果が示された([F(2,9)= 329.27 P<0.0001])。 post hoc検定では、コントロールと、ナルトレキソン(P<0.001)またはピオグリタゾン(poglitazone)(P<0.001)で処置された患者の間で統計学的有意差が示された。 ピオグリタゾンはナルトレキソンより有効であり、さらにピオグリタゾンとナルトレキソンの間の有意差が観察された(p<0.001)。

    MADRSスケールの初期スコアでは、この患者集団が深刻な共存性(co-morbid)のうつ病を有さないことが示された。 ピオグリタゾンでの処置期間中、表5に示されるように、2週目の処置から出発してうつ病スコアは低下した。 3週目には、それはプラトーに達した。 しかし、床効果が急速なプラトーに寄与した可能性はある。

    分散分析では、トータルの治療効果が示された([F(2,9)= 42.12 P<0.0001])。 post hoc検定では、コントロールと、ナルトレキソンではなくピオグリタゾンで処置された患者の間で統計学的有意差が示された(P<0.001)。 ピオグリタゾンはナルトレキソンとも有意に異なった(p<0.001)。

    まとめると、この研究の経過中に決定された血液パラメータは、ピオグリタゾンまたはナルトレキソンで処置された患者における種々のアルコール飲用関連マーカーの正常化を示した。 ピオグリタゾンの場合の効果がより強かった。 精神療法のみを受けた患者は処置期間中に改善を示さなかった。 このことは、コントロールと薬物処置患者の間の差異が薬理学的介入に依存することを示す。

    アルコール乱用、不安およびうつ病の間に高い共存率が存在する。 これらの心的状態関連障害の症状は早期アルコール解毒期間中に悪化しがちであり、したがって患者のコンプライアンスの低下に寄与する。 この点において、ピオグリタゾンがアルコール依存性患者の不安および抑うつ症状を軽減することは非常に妥当である。 またこのことは、2か月の薬物投与後に、ピオグリタゾンを受けた全4人の患者が依然として処置中であったが、コントロール群の患者2人およびナルトレキソン群の1人が脱落した理由を説明することができる。 また、ピオグリタゾンが一貫してOCDSスコアを低下させたことは非常に妥当である。 アルコールに関する強迫および飲用への衝動(OCDSスケールによって測定される)は再発の主要な予測因子である。 したがって、これらのデータはピオグリタゾンが抗再発特性を有することを示す。

    コントロール(精神療法のみ)群におけるプラセボ治療の不存在は薬物処置の高い効力の一因となったかもしれない。 その理由は、ナルトレキソンの効果が、無作為化臨床試験(controlled randomized clinical trials)において通常報告される効果より高かったからである。 しかし、プラセボ効果はピオグリタゾンとナルトレキソンの効力間の差異を説明できない。 実際、この事例で、両群の患者は精神療法とともに薬理学的投薬を受けた。 この考察に基づくと、これらの研究においてピオグリタゾンの効果が、ある程度過大評価された可能性があることを排除することはできないが、アルコール乱用の抑制においてこの薬物が顕著な効力を有することは明らかであり、その効果はナルトレキソンより優れているかもしれない。

    (実施例23)
    コカイン自己投与に対するピオグリタゾンの効果
    コカイン嗜癖のラットモデルにおいて、コカイン使用を減少させるピオグリタゾンの能力を実証した。 塩酸コカイン(National Institute on Drug Abuse, Bethesda, MDから入手)を滅菌生理食塩水に0.25 mg/0.1 mlの濃度で溶解した。 薬物またはビヒクル溶液を4秒間にわたって0.1 mlの容量で注入した。 市販の供給元から入手したピオグリタゾンを蒸留水に懸濁し、得られた懸濁液を、投与時まで、持続攪拌下で維持した。 コカイン自己投与開始の12時間前および1時間前に胃管栄養法によってピオグリタゾンを経口(OS)投与した。

    研究所に到達した時点で180〜200 gの範囲の体重であった雄性Wistarラットを使用した。 湿度および温度管理(22℃)された飼育場で12時間:12時間の逆転明/暗サイクル(オン, 17:00; オフ, 05:00)で3群のラットを飼育した。 食物および水に自由にアクセスできる状態であった。 到着の1週間後、ラットを外科手術に付し、シラスティック(silastic)カテーテルを右頸静脈内に移植した。

    固定比率5強化スケジュールで1日2時間のセッションでコカインを自己投与するようにラット(n=6)を訓練した。 該スケジュールでは、各応答につき、0.25 mg/0.1 mlの液体コカイン溶液の送達がもたらされた。 応答の安定なベースライン(各単一ラットに関して算出される3日連続の10%未満の変動)に達するまでコカイン自己投与訓練を継続した。 この時点で、薬物試験を開始した。

    被験者内カウンターバランス順序(ラテン方格法)において、自己投与セッションの開始の12時間前および1時間前にOS投与されたピオグリタゾン(0.0、10.0または30.0 mg/kg)でラットを処置した。 有効および無効レバーに対する応答数を記録した。 薬物試験の間に3日の間隔を置いた。 これらの間隔中は、コカイン自己投与を継続してベースラインレバー応答を回復させた。

    1元配置要因内ANOVAおよびその後のNewman-Keuls post hoc検定を用いてコカイン自己投与に対するピオグリタゾン投与の効果を評価した。

    ピオグリタゾンでの処置はコカイン自己投与を有意に減少させた[F(2,5)=13.189 p<0.01]。 post hoc検定では、両10.0および30.0 mg/kgのピオグリタゾンで、コカイン自己投与の有意な(p<0.01)減少が示された(図22A)。 残りの無効レバーでの応答は非常に低く、ピオグリタゾン処置によって改変されなかった(図22B)。

    (実施例24)
    ニコチン使用に対するピオグリタゾンの効果
    ニコチン使用を減少させるPPARγアゴニストおよび抗うつ薬(antidepressent)の能力をニコチン嗜癖の動物モデルにおいて実証した。

    塩酸ブプロピオン(Sigma, Milan, Italy)を生理食塩水に溶解した。 酒石酸ニコチン(Sigma, Milan, Italy)を0.03 mg/0.1 ml遊離塩基の濃度で等張生理食塩水に溶解した。 ニコチン溶液のpHを希NaOHで7に調節した。 薬物またはビヒクル溶液を4秒間にわたって0.1 mlの容量で注入した。 ピオグリタゾンを市販の供給元から入手し; それを蒸留水に懸濁し、得られた懸濁液を、投与時まで、持続攪拌下で維持した。 ニコチン自己投与の開始の12時間前および1時間前の時点で、胃管栄養法によってピオグリタゾンを経口(OS)投与した。

    研究所に到達した時点で180〜200 gの範囲の体重であった雄性Wistarラットを使用した。 湿度および温度管理(22℃)された飼育場で12時間:12時間の逆転明/暗サイクル(オン, 17:00; オフ, 05:00)で3群のラットを飼育した。 食物および水に自由にアクセスできる状態であった。 到着の1週間後、ラットを外科手術に付し、シラスティック(silastic)カテーテルを右頸静脈内に移植した。

    固定比率5強化スケジュールで1日2時間のセッションでコカインを自己投与するようにラット(n=9)を1週間訓練した。 該スケジュールでは、5回の応答につき、0.25 mg/0.1 mlの液体コカイン溶液の送達がもたらされた。 コカイン訓練がうまく完了した後、コカインの送達をニコチン注入液の送達に変更することによってラットに0.03 mg/kg/注入用量でニコチンを自己投与させた。 応答の安定なベースライン(各単一ラットに関して算出される3日連続の20%未満の変動)が確立するまでニコチン自己投与訓練を継続した。 この時点で、薬物試験を開始した。

    被験者内カウンターバランス順序(ラテン方格法)において、自己投与セッションの開始の12時間前および1時間前にOS投与されたピオグリタゾン(0.0および30.0 mg/kg)でラットを処置した。 有効および無効レバーに対する応答数を記録した。 薬物試験の間に3日の間隔を置いた。 これらの間隔中は、ニコチン自己投与を継続してレバー応答ベースラインを回復させた。

    対応のあるt検定を用いて、ニコチン自己投与に対するピオグリタゾン投与の効果を評価した。 統計学的有意性をP<0.05に設定した。

    数日の訓練後、Wistarラットはニコチンに関する強いオペラント反応を獲得した。 図23Aで示されるように、30 mg/kgのピオグリタゾンでの処置はニコチン自己投与を有意に減少させた[t df8 =-2,70 p<0.05]。 残りの無効レバーでの応答は非常に低く、ピオグリタゾン処置によって改変されなかった(図23B)。 これらの結果は、PPARγアゴニストがニコチン使用を減少させるために有効であることを示す。

    (実施例25)
    ニコチン使用に対するピオグリタゾンおよび選択治療物質の効果
    ニコチン嗜癖のラットモデルにおいて、PPARγアゴニストが、他の治療物質、例えばブプロピオン、ニコチン置換製剤、ナルトレキソン、バレニシクリン(varenicicline)、およびCB1受容体アンタゴニスト/インバースアゴニスト、例えばリモナバント、ロソナバント(rosonabant)、タラナバント、およびCP-945598との組み合わせでニコチン使用を相乗的に減少させる能力を決定する。

    本質的に実施例23に記載されるように、オペラント自己投与パラダイムを使用して実験を行う(さらにBruijnzeel and Markou, 2003; Rauhut et al 2003を参照のこと)。 簡潔に言えば、静脈内ニコチン自己投与(0.03 mg/注入)のために永久シラスティックカテーテルを雄性Wistarラットの右頸静脈内に移植する。 オペラント自己投与チャンバーを使用して、固定比率5強化スケジュール(5回のレバー押しによって1回のニコチン注入を得る)下でニコチンを自己注入するようにラットを訓練する。 応答の安定なベースラインが確立するまでニコチン自己投与訓練を継続する。 この時点で、薬物試験を開始する。

    被験者内カウンターバランス順序(ラテン方格法)において、ブプロピオン、ニコチン(置換製剤; すなわちニコチンパッチ)、ナルトレキソン、バレニシクリン、またはリモナバントと組み合わされたピオグリタゾン(予測用量範囲5〜30.0 mg/kg)または他のPPRγアゴニストでラットを処置する。 PPRAγアゴニストとこれらの後者薬物の間の相乗作用を評価するために、各化合物の最低有効量をPPARγアゴニストとともに試験する。 ブプロピオンの用量範囲は10〜100 mg/OS投与であり; ナルトレキソンの用量範囲は0.25〜2.5 mg/kg IP投与であり; バレニクリンの用量範囲は0.25〜2.5 mg/kg IP投与であり; リモナバントの用量範囲は(0.1〜3.0 mg/kg IP投与)である(Bruijnzeel and Markou, 2003; Rauhut et al. 2003; Steensland P et al. 2007; Cohen et al. 2005)。 有効および無効レバーに対する応答数を記録する。 薬物試験の間に3日の間隔を置く。 これらの間隔中は、ニコチン自己投与を継続してレバー応答ベースラインを回復させる。

    データを分散分析によって解析し、次いで、適切な場合には、post hoc検定(Newman-KeulsまたはDunnets)によって解析する。 統計学的有意性はP < 0.05に設定する。 これらの実験では、PPARγアゴニストと任意の列挙薬物の組み合わせがニコチン自己投与の減少に相乗的に作用することが示され、それによって嗜癖を治療するためにPPARγおよび任意のこれらの薬物を使用する効力が実証されると予測される。

    (実施例26)
    コカイン使用に対するピオグリタゾンおよび抗うつ薬またはオピオイドアゴニスト(Agonost)/アンタゴニスト部分アゴニストの効果
    コカイン嗜癖のラットモデルにおいて、PPARγアゴニストが、抗うつ薬(anidepressants)、ブプロピオン、フルオキセチン、またはオピオイド部分(parial)アゴニストアゴニスト/アンタゴニスト、ブプレノルフィンとの組み合わせでコカイン使用を相乗的に減少させる能力を決定する。

    実施例23に記載されるようにオペラント自己投与パラダイムを使用して実験を行う(さらにGlatz et al. 2002; Peltier et al. 1993を参照のこと)。 簡潔に言えば、静脈内コカイン自己投与(0.25 mg/注入)のために永久シラスティックカテーテルを雄性Wistarラットの右頸静脈内に移植する。 オペラント自己投与チャンバーを使用して、固定比率5強化スケジュール(5回のレバー押しによって1回のコカイン注入を得る)下でコカインを自己注入するようにラットを訓練する。 応答の安定なベースラインが確立するまでコカイン自己投与訓練を継続する。 この時点で、薬物試験を開始する。

    被験者内カウンターバランス順序(ラテン方格法)において、ブプロピオン、フルオキセチン、またはブプレノルフィンと組み合わされたピオグリタゾン(予測用量範囲5〜30.0 mg/kg)または他のPPRγアゴニストでラットを処置する。 PPRAγアゴニストとこれらの後者薬物の間の相乗作用を評価するために、各化合物の最低有効量をともに試験する。 ブプロピオンの用量範囲は10.0〜100.0 mg/kg OS投与であり; フルオキセチンの用量範囲は3.0〜15.0 mg/kg OS投与であり; ブプレノルフィンの用量範囲は0.1〜5.0 mg/kg IP投与である(Glatz et al. 2002; Peltier et al. 1993; Sorge et al. 2005)。 有効および無効レバーに対する応答数を記録する。 薬物試験の間に3日の間隔を置く。 これらの間隔中は、ニコチン自己投与を継続してレバー応答ベースラインを回復させる。

    データを分散分析によって解析し、次いで、適切な場合には、post hoc検定(Newman-KeulsまたはDunnets)によって解析する。 統計学的有意性はP < 0.05に設定する。 これらの実験では、PPARγアゴニストと任意の列挙薬物の組み合わせがコカイン自己投与の減少に相乗的に作用することが示され、それによって嗜癖を治療するためにPPARγおよび任意のこれらの薬物を使用する効力が実証されると予測される。

    (実施例27)
    オピエート嗜癖の発生に対するピオグリタゾンの効果
    オピエート嗜癖のラットモデルにおいて、PPARγアゴニストがオピエート使用を減少させ、かつオピエート嗜癖を予防する能力を決定する。

    条件付け場所嗜好性装置および、モルヒネ誘発性の条件付け場所嗜好性を研究するために十分に確立されている手順を使用して実験を行う(Ciccocioppo et al. 2000)。 簡潔に言えば、2チャンバーの場所条件付け装置を使用して、モルヒネ効果とボックスの片側および生理食塩水ともう一方の側を関連付けるように雄性Wistarラットを訓練する。 複数群のラットを使用し、被験者間計画で実験を行う。 モルヒネビヒクルの注射前に、ピオグリタゾンビヒクルで動物を前処置する。 コントロール群には、両区画でモルヒネおよびピオグリタゾンビヒクルを投与する。

    6日間の条件付け期間にラットを条件付けする。 1日おきに、3回、3 mg/kgのモルヒネまたはそのビヒクルの皮下注射をラットに施す。 モルヒネの1時間前にピオグリタゾン(5.0〜30.0 mg/kg)を注射する。 条件付け期間には、ギロチンドアを閉じたままにし、ラットをボックスの1区画に1時間閉じ込める。 最後の条件付けセッションに続く日に、ラットにボックス全体を15分間探索させ、各区画中で費やされた時間を測定する。

    モルヒネ注射と関連付けられている区画中で費やされた時間からモルヒネビヒクルと関連付けられている区画中で費やされた時間を減算することによって、各ラットに関する場所嗜好性スコア(Δ時間と称される)を取得する。 Δ時間の値を統計解析に付する。 データを分散分析によって解析し、次いで、適切な場合には、post hoc検定(Newman-KeulsまたはDunnets)によって解析する。 統計学的有意性はP < 0.05に設定する。

    モルヒネは顕著な条件付け場所嗜好性を誘発し、ピオグリタゾンでの処置はモルヒネ誘発性の場所条件付けの獲得を減少させることが予測される(レビューに関して; Sanchis-Segura and Spanagel 2006を参照のこと)。 これらの結果は、PPARγアゴニストがオピオイドおよび、より具体的にはモルヒネに対する嗜癖の発生を予防する能力を実証する。

    上記の種々の実施形態を組み合わせて追加の実施形態を提供することができる。 本明細書中で参照され、かつ/または出願データシートに列挙されるすべての米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願および非特許文献は、参照によりその全体が本明細書中に組み入れられる。 実施形態の態様は、種々の特許、出願および刊行物の思想を利用してさらに追加の実施形態を提供するために必要であれば、改変することができる。

    上記の詳細な説明に照らして、前記変更および他の変更を実施形態に施すことができる。 概して、特許請求の範囲において、使用される用語は、明細書および特許請求の範囲で開示される特定の実施形態に請求項を限定すると解釈されるべきではなく、該請求項が権利を有する等価物の全範囲とともにすべての可能な実施形態を含むと解釈されるべきである。 したがって、特許請求の範囲はこの開示によって限定されない。

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