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Drive circuit, active matrix substrate, and liquid crystal display device

阅读:736发布:2023-12-28

专利汇可以提供Drive circuit, active matrix substrate, and liquid crystal display device专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To actualize off-leak current of a TFT, required for a drive circuit configured with a TFT of a single conductivity type with simple manufacturing steps. SOLUTION: The impurity concentration of a source region 17 and a drain region 18 of a TFT 10 is set between 2×10 18 cm -3 and 2×10 19 cm -3 , whereby off-leak current of the TFT 10 can be sufficiently reduced even in a single gate structure. COPYRIGHT: (C)2010,JPO&INPIT,下面是Drive circuit, active matrix substrate, and liquid crystal display device专利的具体信息内容。

  • 単一導電型の薄膜トランジスタで構成された駆動回路であって、
    前記薄膜トランジスタのソース領域及びドレイン領域の不純物濃度が2×10 18 [cm −3 ]以上かつ2×10 19 [cm −3 ]以下である、
    ことを特徴とする駆動回路。
  • 前記薄膜トランジスタがpチャネル型である、
    ことを特徴とする請求項1記載の駆動回路。
  • 前記薄膜トランジスタは、ダブルゲート型、トリプルゲート型又はクァドラプルゲート型である、
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の駆動回路。
  • 前記薄膜トランジスタは、補助ゲート電極、補助ゲート絶縁膜、シリコン膜、ゲート絶縁膜及びゲート電極がこの順に積層された構造を有し、前記補助ゲート電極と前記ゲート電極とが電気的に短絡し、
    前記補助ゲート電極の少なくとも一部と前記シリコン膜に形成された前記ソース領域及び前記ドレイン領域の少なくとも一部とが前記補助ゲート絶縁膜を介して重なった構造を有する、
    ことを特徴とする請求項1、2又は3記載の駆動回路。
  • 前記薄膜トランジスタは、シリコン膜、ゲート絶縁膜及びゲート電極がこの順に積層された構造を有し、
    前記ゲート電極の少なくとも一部と前記シリコン膜に形成された前記ソース領域及び前記ドレイン領域の少なくとも一部とが前記ゲート絶縁膜を介して重なった構造を有する、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載の駆動回路。
  • ブートストラップ方式の走査回路からなるゲート線駆動回路である、
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項記載の駆動回路。
  • 複数のゲート線と、複数のデータ線と、前記複数のゲート線と前記複数のデータ線との各交点に形成された画素トランジスタと、前記複数のゲート線に駆動電圧を順次印加するゲート線駆動回路と、を備えたアクティブマトリクス基板において、
    前記ゲート線駆動回路が請求項1乃至6のいずれか一項記載の駆動回路である、
    ことを特徴とするアクティブマトリクス基板。
  • 前記画素トランジスタと前記ゲート線駆動回路を構成する薄膜トランジスタとがpチャネル型薄膜トランジスタであり、
    このpチャネル型薄膜トランジスタのソース領域及びドレイン領域の不純物濃度が2×10 18 [cm −3 ]以上かつ2×10 19 [cm −3 ]以下である、
    ことを特徴とする請求項7記載のアクティブマトリクス基板。
  • 電圧が印加される電圧印加端子と、
    この電圧印加端子に印加された電圧と前記ゲート線駆動回路から出力された電圧とを切り替えて前記ゲート線に供給するスイッチ部と、
    を備えたことを特徴とする請求項7又は8記載のアクティブマトリクス基板。
  • 前記駆動電圧よりも絶対値が高い電圧を出力する電源回路と、
    この電源回路から出力された電圧と前記ゲート線駆動回路から出力された電圧とを切り替えて前記ゲート線に供給するスイッチ部と、
    を備えたことを特徴とする請求項7又は8記載のアクティブマトリクス基板。
  • 前記駆動電圧を出力する第一の電源回路と、
    前記駆動電圧よりも絶対値が高い電圧を出力する第二の電源回路と、
    前記第一の電源回路から出力された電圧と前記第二の電源回路から出力された電圧とを切り替えて前記ゲート線駆動回路へ供給するスイッチ部と、
    を備えたことを特徴とする請求項7又は8記載のアクティブマトリクス基板。
  • 請求項7乃至11のいずれか一項記載のアクティブマトリクス基板と、
    このアクティブマトリクス基板に対向する対向基板と、
    この対向基板と前記アクティブマトリクス基板との間に狭持された液晶と、
    を備えたことを特徴とする液晶表示装置。
  • ソース領域及びドレイン領域の不純物濃度が2×10 18 [cm −3 ]以上かつ2×10 19 [cm −3 ]以下である薄膜トランジスタのゲート電極に、通常のオフ電圧を印加する前に、
    前記ゲート電極に前記通常のオフ電圧よりも絶対値が大きいオフ電圧を印加する、
    ことを特徴とする薄膜トランジスタのオフリーク電流低減方法。
  • 前記ゲート電極に前記通常のオフ電圧よりも絶対値が大きいオフ電圧を印加する際に、
    前記薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極との間には、一定電圧又は極性が反転するパルス電圧を印加する、
    ことを特徴とする請求項13記載の薄膜トランジスタのオフリーク電流低減方法。
  • 前記ゲート電極に前記通常のオフ電圧よりも絶対値が大きいオフ電圧を印加する際に、
    前記薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極のどちらか一方をフローティング状態とし、かつ前記通常のオフ電圧よりも絶対値が大きいオフ電圧をパルス電圧とする、
    ことを特徴とする請求項13記載の薄膜トランジスタのオフリーク電流低減方法。
  • 说明书全文

    本発明は、薄膜トランジスタで構成された駆動回路、それを用いたアクティブマトリクス基板及び液晶表示装置、並びに薄膜トランジスタのオフリーク電流低減方法に関する。 以下、「薄膜トランジスタ」を「TFT(Thin Film Transistor)」という。

    アクティブマトリクス型表示装置では、ガラスや石英などの透光性基板の上にTFTを形成し、そのTFTを画素のスイッチとして使用している。 画素のスイッチとしてのTFTは、所定の電圧を画素電極に書き込んだ後にオフになることにより、次の書き込みまで電圧を保持しなければならない。 しかし、TFTのオフリーク電流が大きいと、書き込んだ電圧がTFTを介して低下してしまうので、コントラストの低下等をもたらす。

    近年、画素トランジスタだけでなく一部の駆動回路等もガラス基板上に形成する技術の開発が進んでいる。 この技術では、画素トランジスタにnチャネル型又はpチャネル型のTFTを採用し、駆動回路にはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)回路を用いることが多い。 画素トランジスタは上述の電圧保持のために低オフリーク電流特性が要求されるが、駆動回路を構成するCMOS回路では一般に画素トランジスタほどの低オフリーク電流特性は要求されない。

    駆動回路にCMOS回路を用いる場合、画素トランジスタのオフリーク電流を低減するために、ソース領域又はドレイン領域に含まれる不純物を少なくする技術が知られている(例えば、特許文献1、2)。 画素トランジスタ及びCMOS駆動回路を同一基板上に形成するには、nチャネル型TFTとpチャネル型TFTとを形成するので、多くの工程を必要とする。 そこで、省プロセス化のために、画素トランジスタと同じ導電型のTFTのみを用いて、駆動回路を形成する技術が開発されている(例えば、特許文献3)。

    単一導電型のみで駆動回路を実現するためには、ブートストラップ方式と呼ばれる技術を用いることが多い。 この技術においては、後述するように、駆動回路のオフリーク電流が大きいと、意図した駆動電圧を出できないことが明らかとなった。 よって、単一導電型のTFTのみからなる駆動回路では、そのTFTのオフリーク電流も十分に低減する必要がある。 例えば、駆動回路をCMOSで形成する場合は、一般に、TFTのオフリーク電流が1×10 −6 [A]以下であれば、誤動作を抑えることが可能である。 これに対し、単一導電型のTFTのみで駆動回路を実現するブートストラップ方式では、TFTのオフリーク電流が少なくとも1×10 −8 [A]以下でなければ、意図した正常な電圧を出力できずに、誤動作を引き起こす危険性が増す。 よって、画素トランジスタ及び駆動回路を全て単一導電型のみのTFTで形成する場合、画素トランジスタだけでなく駆動回路のTFTのオフリーク電流の低減が必須である。

    シングルドレイン構造のTFTは、オフリーク電流が大きいという問題があった。 このオフリーク電流は、トランジスタのオフ状態に特にドレイン端電界が大きくなることにより、シリコンの価電子帯から伝導帯にトンネリング現象が起きるために生じる。 しかも、多結晶シリコンに特有のギャップ内準位を介したトンネリング現象がこれを助長するために、ガラス基板上に形成される多結晶シリコンTFTにおいてはオフリーク電流が特に大きいという問題がある。 この問題に対しては、一般に、ドレイン領域の端部すなわちチャネル領域とドレイン領域との間に、LDD(Lightly Doped Drain)領域を設けることにより、ドレイン端の電界を抑制して、オフリーク電流を低減している。

    しかし、LDD構造を実現する製造方法は、まずガラス基板上に下地膜を形成する工程と、その上にシリコン膜を堆積する工程と、レーザアニールなどの熱処理によりシリコン膜を多結晶化する工程と、その上にゲート絶縁膜を堆積する工程と、ソース領域及びドレイン領域を形成するために不純物をフォトレジストをマスクとしてドーピングする工程と、ゲート電極を形成する工程と、ゲート電極をマスクとしてソース領域及びドレイン領域と同極性の低濃度の不純物をドーピングしてLDD領域を形成する工程と、層間絶縁膜を形成する工程と、ソース領域、ドレイン領域及びLDD領域の不純物を活性化するための熱処理工程と、これらを素プラズマ中に曝して水素化する工程と、ソース領域、ドレイン領域及びゲート電極の上方に層間絶縁膜及びゲート絶縁膜にコンタクトホールを空け配線メタルを接続する工程と、からなる。 よって、LDD構造を実現するためには、少なくともゲート線形成後に活性化を行なう必要があり、活性化の温度はゲート材料の融点より低くしなければならない。

    また、オフリーク電流を低減するための他の技術として、単純にダブルゲート、トリプルゲートなど、ゲートを直列に並べ、各ゲート間にも不純物をドーピングする技術が知られている。 この構成は、トランジスタを直列に複数並べたものと等価であり、一つのトランジスタにかかるドレイン電圧を複数のトランジスタに分配してオフリーク電流を低減することを狙ったものである。 しかしながら、その技術では、オン状態においては特にドレイン電圧の分配が機能して耐圧の改善に効果があるものの、オフ状態においてはドレイン側のトランジスタに多くの電圧が分配されるのでリーク電流の低減には大きな効果が得にくい。

    特開2005−223347号公報

    特開2003−115498号公報

    特開2006−351165号公報

    Technical Digest of AM−FPD2007, pp. 227−230

    前述したように、シングルドレイン構造ではオフリーク電流が大きいので、これを抑制するためにLDD構造を採用することが多い。 この場合、次の二つの問題がある。 第一の問題は、LDD工程分が単純に工程数として増えることである。

    第二の問題は、ゲート形成後にゲート電極をマスクとして不純物をドーピングしてLDDを形成するので、それに伴う活性化のための熱処理、加えて水素化が、ゲート電極形成後に必要になることである。 その結果、ゲート形成後に活性化(熱処理)及び水素化をすることにより、ゲートの下部すなわちチャネル領域で、改質が不十分となる。 その理由は、ゲートの下部は熱応力等により一様でない応力が加わるため、及び水素ラジカルの拡散がゲート電極に阻害されるためである。

    一方、シングルドレイン構造すなわちLDDがない構造では、ソース領域及びドレイン領域の活性化(熱処理)を行なうだけでよいので、ゲート電極形成前に活性化及び水素化を行なうことができる。

    また、工程短縮による製造コストの低減を狙い、画素トランジスタと同一導電型のTFTのみで駆動回路も形成する構成では、画素トランジスタと駆動回路用のTFTの両者に対して、できるならば全てのTFTに対して、オフリーク電流を低減する必要がある。 CMOSの駆動回路では、少なくとも画素トランジスタだけに関してオフリーク電流の低減を行なえば十分であった。

    そこで、本発明の目的は、単一導電型のTFTからなる駆動回路に要求されるTFTのオフリーク電流を簡単な製造工程で実現し得る駆動回路等を提供することにある。

    本発明に係る駆動回路は、単一導電型の薄膜トランジスタで構成された駆動回路であって、前記薄膜トランジスタのソース領域及びドレイン領域の不純物濃度が2×10 18 [cm −3 ]以上かつ2×10 19 [cm −3 ]以下である、ことを特徴とする。

    本発明によれば、TFTのソース領域及びドレイン領域の不純物濃度を2×10 18 [cm −3 ]以上かつ2×10 19 [cm −3 ]以下とすることにより、シングルゲート構造でもTFTのオフリーク電流を十分に低減できるので、単一導電型のTFTからなる駆動回路に要求されるTFTのオフリーク電流を簡単な製造工程で実現できる。

    (第一実施形態)
    図1は、本発明の第一実施形態に係る駆動回路におけるTFTを示す断面図である。 図2は、図1のTFTと同じ基本構造を有するTFTに関する、オフリーク電流及びオン電流のS/D不純物濃度依存性を示すグラフである。 図3は、図1のTFTと同じ基本構造を有するTFTに関する、オフリーク電流及びオン電流のゲート構造依存性を示すグラフである。 以下、これらの図面に基づき説明する。 なお、「S/D」とは、「ソース領域及びドレイン領域」の略称である。

    図1に示すTFT10は画素トランジスタであるが、本実施形態の駆動回路はTFT10と同じ基本構造のTFTで構成されている。 すなわち、本実施形態の駆動回路は、単一導電型のTFT10で構成され、アクティブマトリクス基板29の一部となっている。 TFT10は、ソース領域17及びドレイン領域18の不純物濃度が2×10 18 [cm −3 ]以上かつ2×10 19 [cm −3 ]以下である。 また、TFT10は、シリコン膜14、ゲート絶縁膜15及びゲート電極16がこの順に積層された構造を有する。 ソース領域17及びドレイン領域18は、シリコン膜14に形成されている。 TFT10によって構成される駆動回路は、例えばブートストラップ方式の走査回路からなるゲート線駆動回路である。

    図2の縦軸は、オフリーク電流[A]及びオン電流[A]である。 縦軸の例えば1E−10は、1×10 −11を表す。 図2の横軸は、設定ドーズ量ではなく、シリコン膜14中に実効的にドーズされた実効不純物濃度[cm −3 ]である。 図2におけるTFTは、TFT10と同じように、pチャネル型かつシングルドレイン構造である。 そのTFTの寸法は、チャネル幅及びチャネル長がともに4[μm]、ゲート絶縁膜の膜厚が120[nm]、多結晶シリコン膜の膜厚が50[nm]である。 「オフリーク電流」は、ドレイン電圧が−10[V]かつゲート電圧が+5[V]のときのドレイン電流である。 「オン電流」は、ドレイン電圧が−10[V]かつゲート電圧が−10[V]のときのドレイン電流である。 また、使用した不純物はボロンである。

    図2から明らかなように、S/D不純物濃度を2×10 19 [cm −3 ]以下にすると、オフリーク電流が急激に減少する。 すなわち、S/D不純物濃度を2×10 19 [cm −3 ]以下にすることによる顕著な効果が示された。 また、S/D不純物濃度を2×10 18 [cm −3 ]以下にすると、オフリーク電流が約20[pA]以下となる反面、オン電流が著しく減少するので、トランジスタ動作に不具合を生じるおそれがある。 したがって、S/D不純物濃度は、2×10 18 [cm −3 ]以上かつ2×10 19 [cm −3 ]以下とすることが好ましい。

    このように、本実施形態によれば、TFT10のソース領域17及びドレイン領域18の不純物濃度を2×10 18 [cm −3 ]以上かつ2×10 19 [cm −3 ]以下とすることにより、シングルゲート構造でもTFT10のオフリーク電流を十分に低減できるので、単一導電型のTFT10からなる駆動回路に要求されるTFT10のオフリーク電流を簡単な製造工程で実現できる。 また、本実施形態のTFT10のようなシングルドレイン構造においては、光が照射された場合に発生する光リーク電流が、LDD構造に比べて小さいという利点がある。 すなわち、低S/Dドーズのシングルドレイン構造を採用することにより、光リーク電流も低減できるという効果がある。

    図3の縦軸は、オフリーク電流[A]及びオン電流[A]である。 図3の横軸は、左からシングルゲート構造、ダブルゲート構造及びトリプルゲート構造の各TFTである。 各TFTは、S/D不純物濃度が4×10 18 [cm −3 ]のpチャネル型である。 シングルゲート構造のTFTは、図1のTFT10と同じ基本構造を有する。 ダブルゲート構造のTFTは、ゲート電極が直列に二つ並んだ点を除き、シングルゲート構造のTFTと同じ構造である。 トリプルゲート構造のTFTは、ゲート電極が直列に三つ並んだ点を除き、シングルゲート構造のTFTと同じ構造である。 オフリーク電流及びオン電流の測定条件も、図2の場合と同じである。

    図3から明らかなように、シングルゲート構造に比べて、ダブルゲート構造及びトリプルゲート構造では、オフリーク電流を更に抑制できる。 なお、この結果から明らかなように、TFTは、クァドラプルゲート型、又はそれ以上のゲート電極数としてもよい。

    次に、TFT10の製造方法について、図1を用いて説明する。

    まず、透明な絶縁基板11の上に、下地窒化膜12、下地酸化膜13を順に積層し、その上にシリコン膜14を堆積する。 ここで必要に応じて、チャネル濃度を規定するための不純物を、シリコン膜14にイオンドーピング法を用いて導入してもよい。 続いて、シリコン膜14にレーザアニール等の熱処理を施すことにより、シリコン膜14を多結晶化する。 続いて、複数のトランジスタ間を電気的に分離するためにフォトエッチング技術を用いてシリコン膜14をアイランド形状に加工(パタンニング)した後に、ゲート絶縁膜15を堆積する。 続いて、ゲート電極材料を堆積しフォトエッチング技術を用いてゲート電極16を形成する。

    続いて、ゲート電極16をマスクとしてイオンドーピング法を用いて、シリコン膜14に低濃度のボロンを導入する。 このイオンドーピング法の条件は、加速電圧が80[keV]であり、設定ドーズ量が5×10 12 [cm −2 ]から2×10 14 [cm −2 ]の範囲である。 その結果、不純物濃度が1×10 18 [cm −3 ]から4×10 19 [cm −3 ]まで(好ましくは2×10 18 [cm −3 ]以上かつ2×10 19 [cm −3 ])のソース領域17及びドレイン領域18が形成される。

    続いて、層間絶縁膜19を堆積し、主にソース領域17及びドレイン領域18を活性化するために、450℃での熱処理を実施する。 続いて、基板全体を水素化プラズマ中に曝すことにより、水素化処理を実施する。 このとき、特に多結晶シリコンからなるシリコン膜14の粒界に存在するダングリングボンドの終端化、及びシリコン膜14とゲート絶縁膜15との界面に存在するダングリングボンドの終端化を促進し、電流伝達特性の改善を図る。 続いて、ソース領域17及びドレイン領域18の上にコンタクトホール20を形成し、その上に配線21,22及び絶縁膜23,24を形成する。 ソース領域17に接する配線21,22がソース電極27となり、ドレイン領域18に接する配線21,22がドレイン電極28となる。

    最後に、配線22の上にコンタクトホール25を形成し、その上に更に配線26を形成する。 これにより、TFT10を含むアクティブマトリクス基板29が完成する。

    上述の製造工程を用いて作製したpチャネル型のTFT10の特性は、図2及び図3に示した通りである。 この結果、実効ボロン濃度を2×10 19 [cm −3 ]以下にすることにより、TFT10のオフリーク電流を顕著に抑制できることがわかる。

    次に、本実施形態の駆動回路の作用及び効果について説明する。

    本実施形態では、pチャネル型の画素トランジスタ及びpチャネル型のTFTのみで構成される駆動回路の全てに対して、S/D不純物濃度を減少させたTFT10を用いる。 これにより、各TFT10のオフ状態においてドレイン端電界を小さくできるので、シリコンの価電子帯から伝導帯へのトンネリング現象を抑制できる。

    S/D不純物濃度とは、シリコン膜14中のソース領域17及びドレイン領域18に入っている不純物(ドーパント)濃度である。 TFT10によれば、ガラス基板上に形成される多結晶シリコンに特有のギャップ内準位を介したトンネリング現象も抑制することができ、結果としてチャネル領域14aとドレイン領域18との間にLDD領域を設けることなくオフリーク電流を低減することができる。 S/D不純物濃度を小さくすることにより、寄生抵抗が増大するので、むやみにS/D不純物濃度を小さくすることはできない。 しかし、例えば、ソース領域17及びドレイン領域18とゲート電極16とのオーバーラップを持たせることで、寄生抵抗の増加を抑制できる(第二実施形態参照)。

    このように、本実施形態によれば、画素トランジスタと同一導電型のTFTのみで駆動回路も形成する構成において、画素トランジスタと駆動回路のTFTとの両者に対して、できるならば全てのTFTに対して、S/D不純物濃度を2×10 19 [cm −3 ]以下とすることによりオフリーク電流を低減できる。 また、S/D不純物濃度が小さい条件でダブルゲート構造及びトリプルゲート構造を用いることにより、更にオフリーク電流を低減できる。

    オフリーク電流が大きいと、画素蓄積容量や画素容量に書き込んだ電圧が低下してしまいコントラストの低下、明点欠陥、暗点欠陥等をもたらしたり、ゲート線駆動回路等における誤動作を起こしたりする問題があった。 本実施形態の構成により、これらの問題を解消できる。 なお、S/D不純物濃度を更に減少させて2×10 18 [cm −3 ]以下とすると、オン電流が著しく減少するため、トランジスタ動作に不具合が生じる。

    上述したように、本実施形態によれば、低S/DドーズによりS/D不純物濃度を小さくしてドレイン端電界を抑制し、オフリーク電流を下げることができる。 しかしながら、これによりソース領域17及びドレイン領域18の電気抵抗が増大する。 つまり、寄生抵抗が増大することから、オン電流の低下が問題となる場合もある。 この問題をできる限り回避する一つの手法が、後述する第六及び第七実施形態におけるエイジングである。

    これ以外にもいくつかの方策を実施し得る。 第一に、チャネル領域14aの幅に比べてソース領域17及びドレイン領域18の幅を広げることにより、寄生抵抗をできる限り下げることである。 第二に、チャネル領域14aとソース領域17及びドレイン領域18との境界にあるジャンクション領域からコンタクトホール20までの距離を、製造公差による問題を回避できる程度まで、できる限り小さくすることである。 第三に、コンタクトホール20の径をできるだけ大きくすることである。 具体的には、コンタクトホール20の径を、チャネル幅と同等、望ましくはチャネル幅以上にすることである。 特に、コンタクトホール20の形状に関して、そのチャネル幅方向の長さをチャネル長方向の長さよりも大きくすることである。

    なお、本実施形態で使用した不純物は、ボロンであるが、もちろん他のIII族元素であってもよい。 TFT10は、pチャネル型としたが、nチャネル型としても同様の作用及び効果が得られる。

    (第二実施形態)
    図4は、本発明の第二実施形態に係る駆動回路におけるTFTを示す断面図である。 以下、この図面に基づき説明する。 なお、図1と同じ部分は同じ符号を付すことにより説明を省略する。

    図示するTFT30は画素トランジスタであるが、本実施形態の駆動回路はTFT30と同じ基本構造のTFTで構成されている。 すなわち、本実施形態の駆動回路は、単一導電型のTFT30で構成され、アクティブマトリクス基板39の一部となっている。 TFT30は、ソース領域17及びドレイン領域18の不純物濃度が2×10 18 [cm −3 ]以上かつ2×10 19 [cm −3 ]以下である。 また、TFT30は、シリコン膜14、ゲート絶縁膜15及びゲート電極36がこの順に積層された構造を有し、ゲート電極36の少なくとも一部とシリコン膜14に形成されたソース領域17及びドレイン領域18の少なくとも一部とがゲート絶縁膜15を介して重なった構造を有する。 そのため、ゲート絶縁膜15下のチャネルがソース領域17又はドレイン領域18と直接つながるので、ソース抵抗又はドレイン抵抗が低減されている。 TFT30によって構成される駆動回路は、例えばブートストラップ方式の走査回路からなるゲート線駆動回路である。

    次に、TFT30の製造方法について説明する。

    本実施形態では、ゲート電極36の形成前に、フォトレジストをマスクとして低濃度のボロンを導入し、ソース領域17及びドレイン領域18を形成している。 つまり、ゲート絶縁膜15の堆積前にフォトレジストをマスクとして、イオンドーピング法により低濃度のボロンを導入し、ソース領域17及びドレイン領域18を形成する。 このときの不純物濃度は、1×10 18 [cm −3 ]以上かつ4×10 19 [cm −3 ]以下、好ましくは2×10 18 [cm −3 ]以上かつ2×10 19 [cm −3 ]以下である。

    また、予めドーピング前に犠牲層を形成し、ドーピング後に犠牲層を除去するプロセスを付加してもよい。 その犠牲層の厚さは一般に薄く設定することにより、いわゆるスルー酸化膜が薄いため、イオンドーピングの加速電圧として例えば20[keV]を用いる。 これらの場合、ゲート電極36の形成前にソース領域17及びドレイン領域18を活性化するための450[℃]での熱処理、続いて水素化処理を実施してもよい。

    続いて、ゲート電極36を形成する。 このとき、ソース領域17及びドレイン領域18にゲート電極36をオーバーラップさせるので、ソース領域17及びドレイン領域18を形成する際のフォトレジストとゲート電極36を形成のためのフォトレジストとの位置合わせずれを低減できる、という副次的な効果も得られる。

    なお、本実施形態においても、第一実施形態と同様に、層間絶縁膜19を堆積した後に活性化処理及び水素化処理を行なってもよい。 これにより、TFT30を含むアクティブマトリクス基板39が完成する。

    このようにして製造したTFT30についても、横軸を実効ボロン濃度又はゲート構造としてオフリーク電流等を測定すると、図2及び図3と全く同じ特性が得られた、よって、TFT30においても、S/D不純物濃度が2×10 19 [cm −3 ]以下でオフリーク電流を顕著に抑制できた。

    これに加え、ソース領域17及びドレイン領域18のうち、ゲート電極36に対してゲート絶縁膜15を挟んでオーバーラップしている部分が、TFT30のオン状態において寄生抵抗にならない(抵抗が減少する)ため、オン電流の低下を抑制できる。 したがって、本実施形態によれば、オフリーク電流を抑制しつつ駆動能力の高いTFTを含む駆動回路を得ることができる。 本実施形態のその他の構成、作用及び効果は、第一実施形態と同じである。

    (第三実施形態)
    図5は、本発明の第三実施形態に係る駆動回路におけるTFTを示す断面図である。 以下、この図面に基づき説明する。 なお、図1と同じ部分は同じ符号を付すことにより説明を省略する。

    図示するTFT40は画素トランジスタであるが、本実施形態の駆動回路はTFT40と同じ基本構造のTFTで構成されている。 すなわち、本実施形態の駆動回路は、単一導電型のTFT40で構成され、アクティブマトリクス基板49の一部となっている。 TFT40は、ソース領域17及びドレイン領域18の不純物濃度が2×10 18 [cm −3 ]以上かつ2×10 19 [cm −3 ]以下である。 また、TFT40は、補助ゲート電極46、補助ゲート絶縁膜43、シリコン膜14、ゲート絶縁膜15及びゲート電極16がこの順に積層された構造を有し、補助ゲート電極46の少なくとも一部とシリコン膜14に形成されたソース領域17及びドレイン領域18の少なくとも一部とが補助ゲート絶縁膜43を介して重なった構造を有する。 補助ゲート電極46とゲート電極16とは、図示しない部分で導電体によって接続されることにより、電気的に短絡されている。 TFT10によって構成される駆動回路は、例えばブートストラップ方式の走査回路からなるゲート線駆動回路である。

    本実施形態では、低S/DドーズによるTFTのオン電流の低下を抑制するために、ゲート電極16の他に補助ゲート電極46を備えている。 補助ゲート電極46は、シリコン膜14を中心にしてゲート電極16と反対側に、補助ゲート絶縁膜43を介して設けられている。 つまり、ゲート電極16に印加する電圧と同じ電圧がもう一つの補助ゲート電極46にも印加されるようにした。 本実施形態によれば、シリコン膜14aのゲート電極16側に加えて補助ゲート電極46側にもチャネルが形成されることにより、ソース領域17及びドレイン領域18の不純物注入量を減らしても、オン電流の低下を抑制できる。 本実施形態のその他の構成、作用及び効果は、第一実施形態と同じである。

    (第四実施形態)
    図6は、本発明の第四実施形態に係る駆動回路におけるTFTを示す断面図である。 以下、この図面に基づき説明する。 なお、図4及び図5と同じ部分は同じ符号を付すことにより説明を省略する。

    図示するTFT50は画素トランジスタであるが、本実施形態の駆動回路はTFT50と同じ基本構造のTFTで構成されている。 すなわち、本実施形態の駆動回路は、単一導電型のTFT50で構成され、アクティブマトリクス基板59の一部となっている。 TFT50は、ソース領域17及びドレイン領域18の不純物濃度が2×10 18 [cm −3 ]以上かつ2×10 19 [cm −3 ]以下である。 また、TFT50は、補助ゲート電極46、補助ゲート絶縁膜43、シリコン膜14、ゲート絶縁膜15及びゲート電極36がこの順に積層された構造を有し、ゲート電極36の少なくとも一部とソース領域17及びドレイン領域18の少なくとも一部とがゲート絶縁膜15を介して重なった構造を有し、補助ゲート電極46の少なくとも一部とソース領域17及びドレイン領域18の少なくとも一部とが補助ゲート絶縁膜43を介して重なった構造を有する。 ソース領域17及びドレイン領域18は、シリコン膜14に形成されている。 補助ゲート電極46とゲート電極36とは、図示しない部分で導電体によって接続されることにより、電気的に短絡されている。 TFT50によって構成される駆動回路は、例えばブートストラップ方式の走査回路からなるゲート線駆動回路である。

    補助ゲート電極46は、シリコン膜14を中心にしてゲート電極36と反対側に、補助ゲート絶縁膜43を介して設けられている。 ゲート電極36は、ソース領域17及びドレイン領域18とゲート絶縁膜15を挟んでオーバーラップしている。 これにより、ゲート電極36にオン電圧を印加した場合は、オーバーラップしたソース領域17及びドレイン領域18のキャリア濃度が増加するので、ソース領域17及びドレイン領域18の抵抗が小さくなる。 本実施形態によれば、ソース領域17及びドレイン領域18の不純物注入量を減らしても、オン電流の低下を抑制できる。 本実施形態のその他の構成、作用及び効果は、第二及び第三実施形態と同じである。

    (第五実施形態)
    次に、本発明の第五実施形態に係るアクティブマトリクス基板及び液晶表示装置について、図7乃至図10に基づき説明する。

    図7に示す本実施形態のアクティブマトリクス基板8は、複数のゲート線G1〜Gnと、複数のデータ線S1〜Smと、複数のゲート線G1〜Gnと複数のデータ線S1〜Smとの各交点に形成された画素トランジスタ4と、複数のゲート線G1〜Gnに駆動電圧を順次印加するゲート線駆動回路2と、を基本的に備えている。 そして、ゲート線駆動回路2は、前述した第一乃至第四実施形態のいずれか一つの駆動回路である。 画素トランジスタ4とゲート線駆動回路2を構成するTFTとはpチャネル型TFTであり、このpチャネル型TFTのソース領域及びドレイン領域の不純物濃度は2×10 18 [cm −3 ]以上かつ2×10 19 [cm −3 ]以下である。

    図7に示す本実施形態の液晶表示装置9は、アクティブマトリクス基板8と、アクティブマトリクス基板8に対向する対向基板(共通電極9)と、対向基板とアクティブマトリクス基板8との間に狭持された液晶(画素容量6)と、を備えている。

    以下に、アクティブマトリクス基板8及び液晶表示装置9について、更に詳しく説明する。

    図7に示すように、アクティブマトリクス基板8は、画素部1と、ゲート線駆動回路2と、データ線駆動回路と3を有している。 これらの画素部1、ゲート線駆動回路2及びデータ線駆動回路3は、同一のガラス基板上にpチャネル型TFTのみで形成されている。

    画素部1には、相互に直交したゲート線G1〜Gnとデータ線S1〜Smが形成されている。 ゲート線G1〜Gnには、ゲート線駆動回路2の対応した端子がそれぞれ接続されている。 データ線S1〜Smには、データ線駆動回路3の対応した端子がそれぞれ接続されている。 画素部1内におけるゲート線G1〜Gnとデータ線S1〜Smとの各交点には、多結晶シリコンTFTである画素トランジスタ4と、画素蓄積容量5と、液晶からなる画素容量6とから構成される画素回路が配置されている。

    ゲート線駆動回路2は走査回路で構成されており、その走査回路は、画素トランジスタ4と同一の製造プロセスで作製されたpチャネル型TFTで構成されている。 ゲート線駆動回路2を構成する走査回路には、垂直スタートパルスST及びクロック信号が外部から入力され、前記走査回路が垂直スタートパルスSTをクロック信号に同期して1段ずつ位相シフトさせた出力信号を出力することにより、共通のゲート線に接続された画素回路が導通状態となってデータ線に出力される映像信号が画素回路に取り込まれる。

    次に、ゲート線駆動回路2の走査回路の構成を図8に示す。 図8に示すゲート線駆動回路2の走査回路には、外部から2本のクロック信号CL1,CL2と垂直スタートパルス信号STが入力される。 図8に示すゲート線駆動回路2の走査回路は、直列に接続された複数のシフトレジスタSR(SR1,SR2,SR3,SR4・・・)で構成されている。

    初段のシフトレジスタSR1には、垂直スタートパルス信号STが入力端子INに入力され、2段目以降のシフトレジスタSR2,SR3,SR4・・・には、前段の出力信号OUTが入力端子INに入力される。 また、各シフトレジスタSRには、2本のクロック信号CL1,CL2が入力される。

    初段のシフトレジスタSR1は、垂直スタートパルス信号STを位相シフトした出力信号OUT1をクロック信号CL1によって出力する。 次のシフトレジスタSR2は、シフトレジスタSR1の出力を位相シフトした出力信号OUT2をクロック信号C2によって出力する。 以下、同様にクロック信号に同期して出力が位相シフトされて、順々に垂直スタートパルス信号STが転送されていく。

    次にシフトレジスタSR1の内部回路を図9に示す。 図9には、初段のシフトレジスタSR1を図示したが、これ以降の段のシフトレジスタSR2,SR3,SR4・・・の構成は、入力される信号が変更されるだけであり、回路の構成は図9のシフトレジスタSR1と同じである。 具体的には、シフトレジスタSR2では、垂直スタートパルス信号STの代わりに前段の出力信号OUT1が入力端子INに入力し、クロック信号CL1の代わりにクロック信号CL2、クロック信号CL2の代わりにクロック信号CL1が入力する。 以降のシフトレジスタは、前段の出力信号OUTが入力端子INに入力し、1段進む毎にクロック信号が入れ変わりながら入力される。

    図9に示すシフトレジスタSR1は、8個のpチャネル型トランジスタTr1〜Tr8で構成される。 トランジスタTr3は、入力端子INに入力する垂直スタートパルス信号STがローレベルの時に導通状態となり、VSS電源の電圧をノードN1に供給する。 VSS電源の電圧がローレベルの電圧と同じ場合には、ノードN1には、ローレベルからしきい値Vt分上がった電圧が供給される。 ここでは、VSS電源の電圧は、ローレベルと同じ電圧としたが、違う電圧であっても良い。 また、VSS電源の電圧の代わりに、トランジスタTr3のゲート電極(入力端子IN)に入力する垂直スタートパルス信号STであっても良い。

    トランジスタTr5は、後段のシフトレジスタSR2からの出力信号OUT2がローレベルの時に導通状態となり、ノードN3には、ローレベルからしきい値Vt分上がった電圧が供給される。 トランジスタTr6は、クロック信号CL2がローレベルの時に導通状態となり、出力信号OUT1としてハイレベルの電圧(VDD電源の電圧)が供給される。 トランジスタTr7は、ノードN1の電圧が低い電圧(VSS+Vt又はローレベルより更に低いブートストラップ電圧)の時に導通状態となり、出力信号OUT1としてクロック信号CL1の電圧が供給される。

    トランジスタTr6,Tr7は、シフトレジスタSR1の出力端子に接続される容量性の負荷を駆動するので、その他のトランジスタTr1〜Tr5よりも一桁以上チャネル幅を大きく設定し、電流駆動能力を高くする。 トランジスタTr4は、垂直スタートパルス信号STがローレベルの時に導通状態となり、ノードN3には、ハイレベルの電圧が供給される。 トランジスタTr1,Tr2は、ノードN3の電圧がVSS+Vtの時に導通状態となり、ノードN1には、ハイレベルの電圧が供給される。 トランジスタTr8は、ノードN1の電圧が低い電圧(VSS+Vt又はローレベルより更に低いブートストラップ電圧)の時に導通状態となり、トランジスタTr1,Tr2の接続ノードであるノードN2には、出力信号OUT1としての電圧が供給される。

    トランジスタTr8によって、出力OUT1の電圧がノードN2に供給されることにより、トランジスタTr1,Tr2のソース・ドレイン間に印加される電圧が電源電圧以下(=ハイレベルとローレベルの電圧差)になる。 その他のトランジスタTr3〜Tr8のソース・ドレイン間に印加される電圧は、電源電圧以下であるので、全てのトランジスタTr1〜Tr8において電源電圧以下が満たされる。

    次に、シフトレジスタの動作を図10のタイミングチャートを用いて説明する。 図10において、クロック信号CL1,CL2及び垂直スタートパルス信号STのハイレベル電圧はVDDであり、ローレベル電圧はVSSである。

    図10を参照してシフトレジスタSR1の動作について説明する。 まず、図10の時刻t1において、垂直スタートパルス信号STがローレベルになると、トランジスタTr3,Tr4が導通状態になる。 これに伴って、ノードN1の電圧は、垂直スタートパルス信号STのローレベル電圧からしきい値Vt上がった電圧に変化する。 また、ノードN3はハイレベルになる。

    このとき、トランジスタTr7が導通状態になるが、クロック信号CL1がハイレベルであるため、出力信号OUT1はハイレベルを維持したままとなる。 また、クロック信号CL2がローレベルであるので、トランジスタTr6の方からもハイレベルの電圧が供給される。

    その後時刻t2になると、クロック信号CL1がローレベルに変化する。 すると、トランジスタTr7のゲート・ドレイン電極及びゲート・ソース電極間には容量が存在するため、それぞれの容量分を介したブートストラップ効果によりノードN1の電圧がVSS+Vtから更に低い電圧に下げられて、ローレベルよりも低い電圧になる。 この結果、トランジスタTr7のゲート・ソース間には、しきい値電圧以上の電圧が印加されることになり、トランジスタTr7は導通状態を維持し続けて、出力信号OUT1としてクロック信号CL1のローレベル電圧を供給する。

    その後時刻t3になると、後段の出力信号OUT2がローレベルに変化する。 すると、トランジスタTr5が導通状態になり、ノードN3の電圧は、ローレベル電圧からVt分上がったVSS+Vtの電圧にハイレベル電圧から変化する。 この結果、トランジスタTr1,Tr2が導通状態となり、ノードN1の電圧がローレベルからハイレベルに変化する。 この時、トランジスタTr7のゲート・ソース間電圧差はゼロになるので、トランジスタTr7は非導通状態となる。

    時刻t3以降、クロック信号CL2が一定の周期でトランジスタTr6に入力されるので、出力信号OUT1はハイレベルを維持する。 また、次のローレベルの垂直スタートパルス信号STが入力されるまで、ノードN3の電圧は、トランジスタTr1,Tr2のゲート容量によってVSS+Vtの電圧に維持するので、トランジスタTr1,Tr2は導通状態になっている。 このため、ノードN1の電圧は、次のローレベルの垂直スタートパルス信号STが入力される時刻t3から次の時刻t1までハイレベルの電圧にあるので、トランジスタTr7のゲート・ソース間電圧はゼロに設定され、トランジスタTr7は非導通状態になっている。

    以上説明したように、本駆動回路構成では、すべての時刻において、正電源(ハイレベル)から負電源(ローレベル)側に電流が流れる経路が存在しないので、低消費電力な回路になっている。

    以上、シフトレジスタSR1の動作について説明したが、シフトレジスタSR1以外のシフトレジスタSR2,SR3,SR4・・・においても、入力される信号は変わるが、全てシフトレジスタで同様の動作が実行される。 この結果、シフトレジスタによって垂直スタートパルス信号STが順々に位相シフトされて出力されていくことになる。

    ここで、ゲート線駆動回路2において、「ノードN3の電圧は、トランジスタTr1,Tr2のゲート容量によってVSS+Vtの電圧に維持する」と記述したが、トランジスタTr4又はTr5のオフリーク電流が大きいと、上記電圧の維持ができなくなり、誤動作を引き起こすことがわかった。 これに対し、本実施形態では、第一乃至第四実施形態のいずれかに係るpチャネル型TFTのみを使うことにより、ゲート線駆動回路2を構成するTFTのオフリーク電流を低減できるので、誤動作のない高品位なアクティブマトリクス基板8を作製できる。

    また、画素部1の画素トランジスタ4においても、画素蓄積容量5と画素容量6に電荷を十分に保持できるように、オフリーク電流が小さいという特性が要求される。 これに対し、本実施形態では、第一乃至第四実施形態のいずれかに係るpチャネル型TFTのみを使うことにより、全てのTFTに対してオフリーク電流を抑制できるので、表示むらやフリッカのない高品位なアクティブマトリクス基板8を作製できる。

    なお、本実施形態におけるアクティブマトリクス基板8は、pチャネル型TFTのみで構成したが、nチャネル型TFTのみで構成してもよい。 その場合も、本実施形態と同様の作用及び効果が得られる。 また、アクティブマトリクス基板8は、液晶に限らず、EL(Electroluminescence)などの他の表示装置に用いることもできる。

    (第六実施形態)
    図11は、第六実施形態に係るTFTのオフリーク電流低減方法の効果を示すグラフである。 以下、図1及び図11に基づき説明する。

    図1に示すTFT10を使って説明する。 ソース電極27とドレイン電極28の電位を一致させない状態で、ゲート電極16に深い(絶対値の大きな)オフ電圧を加えると、オフリーク電流が減少することが知られている(例えば非特許文献1参照)。 これは、強いドレイン端電界によって、ゲート絶縁膜15中に、又はゲート絶縁膜15とシリコン膜14との界面に、キャリアが注入又はトラップされ、その結果、その部分に正の固定電荷を生じるためである。 以降、本実施形態によるオフリーク低減を「エイジング効果」と呼ぶ。 つまり、予め深いオフ電圧をゲート電極16に印加しておくことにより、このエイジング効果が得られるので、オフリーク電流を低減させたTFT10を搭載したアクティブマトリクス基板を製造できる。

    また、ソース電極27とドレイン電極28との電圧差の極性が入れ替わった際には、その入れ替わった極性の電圧に対してオフリーク電流の低減効果が得られない。 そのため、ソース電極27及びドレイン電極28に印加する電圧を入れ替えて、同様のエイジングを実施するとよい。

    以下に、本実施形態のオフリーク電流低減方法について更に詳しく説明する。

    本実施形態のオフリーク電流低減方法は、TFT10のゲート電極16に通常のオフ電圧を印加する前に、ゲート電極16に通常のオフ電圧よりも絶対値が大きいオフ電圧を印加する。 このとき、ゲート電極16に通常のオフ電圧よりも絶対値が大きいオフ電圧を印加する際に、ソース電極27とドレイン電極28との間に一定電圧又は極性が反転するパルス電圧を印加する。

    図11において、縦軸はオフリーク電流及びオン電流を示し、横軸はオフ電圧を示す。 その横軸において、初期状態とは「通常のオフ電圧(一例としての+10[V])」を印加した場合であり、+15[V]及び+20[V]とは「通常のオフ電圧よりも絶対値が大きいオフ電圧」である。

    ここで、ソース電極27及びドレイン電極28のどちらか一方を電極Aとし、他方を電極Bとする。 まず、電極Aに0[V]及び電極Bに−10[V]の直流電圧を印加した状態で、ゲート電極16にオフ電圧を10秒間印加することによりエイジングを実施する。 続いて、電極A及び電極Bに印加する直流電圧を入れ替えて、電極Aに−10[V]及び電極Bに0[V]の直流電圧を印加した状態で、ゲート電極16にオフ電圧を10秒間印加することによりエイジングを実施する。 オフ電圧は、+10[V]、+15[V]及び+20[V]の三種類である。 この三種類のエイジングを実施したTFT10について、オフリーク電流及びオン電流を測定した結果を図11に示す。

    この結果から明らかなように、少なくとも、ソース電極27に0[V]、ドレイン電極28に−10[V]及びゲート電極16に+15[V]以上の直流電圧を10秒間印加し、ソース電極27及びドレイン電極28に印加する電圧を入れ替えて同様にオフ電圧を10秒間印加することにより、オフリーク電流を低減できることがわかる。

    このエイジング工程により、オフリーク電流が高いTFTに対してオフリーク電流が改善される。 また、このエイジング工程により、例えばS/D不純物濃度の設定が大きすぎたTFTのオフリーク電流も十分に改善できる。 エイジングのための電圧は、アクティブマトリクス基板の通常の駆動電圧よりも大きい。 つまり、通常の駆動によって徐々にオフリーク電流が低減することはないので、意図的にエイジングのための電圧を印加する必要がある。

    このエイジング工程では、ソース電極27とドレイン電極28とに印加する直流電圧を入れ替える方法に代えて、ソース電極27及びドレイン電極28に次のようなパルス電圧を印加してもよい。 例えば、電極Aが0[V]かつ電極Bが−10[V]になる時間が例えば1秒間であり、逆に電極Aが−10[V]かつ電極Bが0[V]になる時間が例えば1秒間である、周期的なパルス電圧である。 このパルス電圧をソース電極27とドレイン電極28に印加した状態で、ゲート電極16にオフ電圧を20秒間印加する。 この方法によれば、一度のシーケンスで所望の電圧印加を行なうことができる。

    なお、本実施形態のオフリーク電流低減方法の対象となるTFTは、第一乃至第四実施形態のいずれかのTFTでもよいが、これ以外のTFTでもよい。

    (第七実施形態)
    図12は、第七実施形態に係るTFTのオフリーク電流低減方法の効果を示すグラフである。 以下、図1及び図12に基づき説明する。

    図1に示すTFT10を使って説明する。 ソース電極27及びドレイン電極28のいずれかをフローティング状態にし、かつゲート電極16に深い(絶対値の大きな)オフ電圧をパルスで与えると、第六実施形態におけるエイジング効果と同様にオフリーク電流が低減する。 以下に、本実施形態のオフリーク電流低減方法について更に詳しく説明する。

    本実施形態のオフリーク電流低減方法は、TFT10のゲート電極16に通常のオフ電圧を印加する前に、ゲート電極16に通常のオフ電圧よりも絶対値が大きいオフ電圧を印加する。 このとき、ソース電極27及びドレイン電極28のどちらか一方をフローティング状態とし、かつ通常のオフ電圧よりも絶対値が大きいオフ電圧をパルス電圧とする。

    図12において、縦軸はドレイン電流を示し、横軸はゲート電圧を示す。 すなわち、図12は、TFTのゲート電圧−ドレイン電流特性である。 本実施形態に用いるTFTは、図12中に示す「エイジング(AC)フローティング」である。 図12中には、参考として、「初期状態」、「エイジング(DC)」及び「エイジング(AC)」の各TFTについても示している。

    ここで、ソース電極27及びドレイン電極28のどちらか一方を電極Aとし、他方を電極Bとする。 電極Aがフローティング状態である場合、フローティング状態でない電極Bを0[V]に固定し、ゲート電極16に+20[V]の直流電圧を印加しても、オフリーク電流は変化しない。 しかし、フローティング状態でない電極Bを0[V]に固定して、ロー電圧0[V]かつハイ電圧+20[V]からなるパルス電圧をゲート電極16に10秒間印加すると、ドレイン電極28が電極Aでも電極Bでもオフリーク電流を低減することができる。 本実施形態におけるその他の構成、作用及び効果は、第六実施形態と同じである。

    (第八実施形態)
    図13及び図14は本発明の第八実施形態に係るアクティブマトリクス基板を示すブロック図であり、図13は第一例、図14は第二例である。 以下、この図面に基づき説明する。 ただし、図7と同じ部分は同じ符号を付すことにより説明を省略する。

    図13のアクティブマトリクス基板60は、通常の駆動電圧よりも絶対値が高い電圧が印加される電圧印加端子61と、電圧印加端子61に印加された電圧とゲート線駆動回路2から出力された電圧とを切り替えてゲート線G1〜Gnへ供給するスイッチ部63と、を基本的に備えている。 また、アクティブマトリクス基板60は、通常の駆動電圧よりも絶対値が高い電圧が印加される電圧印加端子62と、電圧印加端子62に印加された電圧とデータ線駆動回路3から出力された電圧とを切り替えてデータ線S1〜Smへ供給するスイッチ部64と、を備えている。

    画素部1、ゲート線駆動回路2及びデータ線駆動回路3は、図7〜図10に示した第五実施形態と同じである。 スイッチ部63,64は、例えば他の回路と同じTFTによって実現できる。 スイッチ部63を構成する一つのスイッチは、例えば、接点aと接点bとの間を開閉する第一のTFTと、接点aと接点cとの間を開閉する第二のTFTとからなる。 これらのTFTのゲート電極に、他の回路から出力されるオン・オフ制御電圧が印加されると、各接点間が開閉される。 電圧印加端子61,63は、他の回路と同じ基板上に形成された導電体からなり、各スイッチの一つの接点に共通に接続され、アクティブマトリクス基板60の外から所定の電圧が印加される。

    第六及び第七実施形態に記述したエイジング方法は、基本的にソース電極、ドレイン電極及びゲート電極が形成された時点以降であればいつでも実施することができるが、パネル検査時に行なうとより効率が良い。 そこで、本実施形態では、電圧印加端子61,63及びスイッチ部62,64を用いて、画素部1に対して通常駆動を行なう場合とエイジング電圧印加を行なう場合とで信号入力経路を切り替えることにより、パネル検査時におけるエイジングを実現した。 このエイジングの対象となるのは、図7における画素トランジスタ4である。

    具体的な電圧印加シーケンスとしては、図示するように、スイッチ部62,64をエイジング電圧が入力される接点の状態にしておき、まず、電圧印加端子61にpチャネル型TFTをオンさせる電圧を印加し、電圧印加端子63に正の電圧Aを印加する。 次に、電圧印加端子61に通常駆動電圧より大きな正の電圧を印加しpチャネル型TFTをオフさせた後に電圧印加端子63に負の電圧Bを印加する。 この状態では、pチャネル型TFTのソース・ドレイン間に|A−B|の電圧がかかり、ゲートには電圧印加端子61に印加された電圧がかかるため、エイジング効果が得られる。

    図14のアクティブマトリクス基板65は、通常の駆動電圧よりも絶対値が高い電圧が印加される電圧印加端子61と、電圧印加端子61に印加された電圧とゲート線駆動回路2から出力された電圧とを切り替えてゲート線G1〜Gnへ供給するスイッチ部62と、を基本的に備えている。 ただし、図13における電圧印加端子63及びスイッチ部64は、省略されている。

    アクティブマトリクス基板65において、データ線駆動回路3が通常駆動におけるできる限り大きな電圧が出力されるような表示状態にしておくと、pチャネル型TFTのソース・ドレイン間に電位差が生じるため、電圧印加端子61に通常駆動電圧より大きな正の電圧を印加することでもエイジング効果が得られる。 アクティブマトリクス基板65のその他の構成、作用及び効果については、図13におけるアクティブマトリクス基板60と同じである。

    (第九実施形態)
    図15及び図16は本発明の第九実施形態に係るアクティブマトリクス基板を示すブロック図であり、図15は第一例、図16は第二例である。 以下、この図面に基づき説明する。 ただし、図7及び図13と同じ部分は同じ符号を付すことにより説明を省略する。

    図15のアクティブマトリクス基板70は、通常の駆動電圧よりも絶対値が高い電圧を出力する電源回路71と、電源回路71から出力された電圧とゲート線駆動回路2から出力された電圧とを切り替えてゲート線G1〜Gnへ供給するスイッチ部62と、を基本的に備えている。 また、アクティブマトリクス基板70は、通常の駆動電圧よりも絶対値が高い電圧を出力する電源回路72と、電源回路72から出力された電圧とデータ線駆動回路3から出力された電圧とを切り替えてデータ線S1〜Smへ供給するスイッチ部64と、を備えている。 電源回路71,72は、一般的な直流電源回路であるので、詳しい説明は省略する。

    前述したエイジング方法では環境温度が高くなると元に戻る(オフリークが増加する)ため、必要なときにいつでもエイジングを実施できるようにエイジング用の電源回路を搭載しておくことが望ましい。 そこで、本実施形態のアクティブマトリクス基板70は、電源回路71,72及びスイッチ部62,64を搭載し、スイッチ部62,64で通常駆動の信号と電源回路71,72の信号とを切り替えて画素部1に供給する。 これにより、パネル検査時のみならず任意のタイミングでエイジングを実施でき、例えば温度が上昇してエイジング効果が消失した場合においても、改めてエイジングを実施することが可能になる。 具体的なエイジング方法は、第八実施形態に準ずる。 アクティブマトリクス基板70のその他の構成、作用及び効果については、図13におけるアクティブマトリクス基板60と同じである。

    図16のアクティブマトリクス基板75は、通常の駆動電圧よりも絶対値が高い電圧を出力する電源回路71と、電源回路71から出力された電圧とゲート線駆動回路2から出力された電圧とを切り替えてゲート線G1〜Gnへ供給するスイッチ部62と、を基本的に備えている。 ただし、図15における電源回路72及びスイッチ部64は、省略されている。

    アクティブマトリクス基板75において、図14のアクティブマトリクス基板65の場合と同様、データ線駆動回路3が通常駆動におけるできる限り大きな電圧が出力させるような表示状態にしておき、電源回路71により通常の駆動電圧より大きな正の電圧を印加するようにしてもよい。 アクティブマトリクス基板75のその他の構成、作用及び効果については、図15におけるアクティブマトリクス基板70と同じである。

    (第十実施形態)
    図17は本発明の第十実施形態に係るアクティブマトリクス基板を示すブロック図である。 以下、この図面に基づき説明する。 ただし、図7と同じ部分は同じ符号を付すことにより説明を省略する。

    本実施形態のアクティブマトリクス基板80は、通常の駆動電圧を出力する電源回路81と、通常の駆動電圧よりも絶対値が高い電圧を出力する電源回路82と、電源回路81から出力された電圧と電源回路82から出力された電圧とを切り替えてゲート線駆動回路2へ供給するスイッチ部83と、を基本的に備えている。 また、アクティブマトリクス基板80は、通常の駆動電圧を出力する電源回路84と、通常の駆動電圧よりも絶対値が高い電圧を出力する電源回路85と、電源回路84から出力された電圧と電源回路85から出力された電圧とを切り替えてデータ線駆動回路3へ供給するスイッチ部86と、を備えている。

    本実施形態では、画素トランジスタだけでなく各駆動回路を構成するTFTに対しても、より簡便にかつより効果的にエイジングを行なう。 つまり、通常駆動時にゲート線駆動回路2に電圧を供給する電源回路81に加えて、ゲート線駆動回路2に大きな電圧を供給するもう一つの電源回路82を設け、電源回路81から出力された電圧と電源回路82から出力された電圧とをスイッチ部83を用いて切り替えてゲート線駆動回路2へ供給できるようにして、いつでもエイジングができる構成とした。

    電源回路81,82の各出力電圧は、例えば図9に記述したVSS、VDDとして利用される。 好ましくは、VSS、VDDに加えて、CL1、CL2、スタートパルス信号STとして利用される。 スイッチ部83は、例えば他の回路と同じTFTによって実現できる。 例えば、電源回路81,82の各出力電圧をVSSとして利用する場合、スイッチ部83は、電源回路81の出力端子とVSSの端子とを接続するTFTと、電源回路82の出力端子とVSSの端子とを接続するTFTとを含む。 具体的なエイジング方法は、第八実施形態に準ずる。 また、図9に示す出力信号OUT1を使うことにより、画素トランジスタのエイジングも実施できる。

    なお、電源回路81,82は、両方の機能を持つ単一の電源回路に置き変えて、制御信号により各電圧を切り替えて出力するようにしてもよい。 電源回路81,82は、一般的な直流電源回路であるので、詳しい説明を省略する。

    同様に、通常駆動時にデータ線駆動回路3に電圧を供給する電源回路84に加えて、データ線駆動回路3に大きな電圧を供給するもう一つの電源回路85を設け、電源回路84から出力された電圧と電源回路85から出力された電圧とをスイッチ部86を用いて切り替えてデータ線駆動回路3へ供給できるようにして、いつでもエイジングができる構成とした。 ただし、第八及び第九実施形態で述べたように、電源回路84,85及びスイッチ部86は必ずしも必要としない。

    (その他)
    以上説明したように、画素トランジスタとしてpチャネル型TFTを用い、かつ走査線を駆動する駆動回路等全てのTFTにpチャネル型のみを用いる構成において、全てのTFTのS/D不純物濃度を2×10 −19 [cm −3 ]以下にし、望ましくは全てのTFTに対して複数ゲートを直列に配置したマルチゲート構成にすること、及び更に望ましくはエイジングを実施するための駆動回路を搭載することで前述の課題を解決することができる。 また、製造公差の問題で、一部のTFTにおいて十分にオフリーク電流を低減することができなかった場合は、エイジングを実施することによりオフリーク電流を低減することができ、安定して問題を解消することができる。

    以上、上記各実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではない。 本発明の構成や詳細については、当業者が理解し得るさまざまな変更を加えることができる。 また、本発明には、上記各実施形態の構成の一部又は全部を相互に適宜組み合わせたものも含まれる。

    第一実施形態に係る駆動回路におけるTFTを示す断面図である。

    図1におけるTFTと同じ基本構造を有するTFTに関する、オフリーク電流及びオン電流のS/D不純物濃度依存性を示すグラフである。

    図1におけるTFTと同じ基本構造を有するTFTに関する、オフリーク電流及びオン電流のゲート構造依存性を示すグラフである。

    第二実施形態に係る駆動回路におけるTFTを示す断面図である。

    第三実施形態に係る駆動回路におけるTFTを示す断面図である。

    第四実施形態に係る駆動回路におけるTFTを示す断面図である。

    第五実施形態に係るアクティブマトリクス基板及び液晶表示装置を示すブロック図及び回路図である。

    図7におけるゲート線駆動回路を構成する走査回路を示すブロック図である。

    図8における走査回路を構成するシフトレジスタを示す回路図である。

    図9におけるシフトレジスタの動作を示すタイミングチャートである。

    第六実施形態に係るTFTのオフリーク電流低減方法の効果を示すグラフである。

    第七実施形態に係るTFTのオフリーク電流低減方法の効果を示すグラフである。

    第八実施形態に係るアクティブマトリクス基板の第一例を示すブロック図である。

    第八実施形態に係るアクティブマトリクス基板の第二例を示すブロック図である。

    第九実施形態に係るアクティブマトリクス基板の第一例を示すブロック図である。

    第九実施形態に係るアクティブマトリクス基板の第二例を示すブロック図である。

    第十実施形態に係るアクティブマトリクス基板を示すブロック図である。

    符号の説明

    1 画素部 2 ゲート線駆動回路 3 データ線駆動回路 4 画素トランジスタ 5 画素蓄積容量 6 画素容量 7 共通電極 8 アクティブマトリクス基板 9 液晶表示装置 SR シフトレジスタ 10,30,40,50 TFT
    11 絶縁基板 12 下地窒化膜 13 下地酸化膜 14 シリコン膜 14a チャネル領域 15 ゲート絶縁膜 16,36 ゲート電極 17 ソース領域 18 ドレイン領域 19 層間絶縁膜 20,25 コンタクトホール 21,22,26 配線 23,24 絶縁膜 27 ソース電極 28 ドレイン電極 29,39,49,59,60,65,70,75,80 アクティブマトリクス基板 43 補助ゲート絶縁膜 46 補助ゲート電極 61,62 電圧印加端子 63,64,83,86 スイッチ部 71,72,81,82,84,85 電源回路

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