专利汇可以提供Semiconductor device, its manufacturing method and coil spring cutting jig and coil spring feeding jig for use therein专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a semiconductor device having a flip-chip structure of high connection reliability in which occurrence of incomplete connection due to difference of thermal expansion between a functional element device and a circuit device can be prevented, a connection body of a circuit board and a functional element device rejected in electrical inspection after temporary connection can be reconnected easily after separated temporarily, and low thermal resistance can be ensured even when a large power consuming function element device having simple structure and a low package cost is used, to provide its manufacturing method, and a coil spring cutting jig and a coil spring feed jig for use therein.
SOLUTION: A metal layer 3 is provided on the surface layer of the surface circuit board electrode 5 of a circuit board 6, a metal layer 3 is provided on the surface layer of the chip electrode 2 of a function element chip 1, a vertical coil spring 4 is connected with the surface circuit board electrode 5 and the chip electrode 2 through respective metal layers 3, and the surface circuit board electrode 5 is flip-chip connected with the chip electrode 2 through the vertical coil spring 4.
COPYRIGHT: (C)2002,JPO,下面是Semiconductor device, its manufacturing method and coil spring cutting jig and coil spring feeding jig for use therein专利的具体信息内容。
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフリップチップ接続構造を有し接続信頼性の向上を図った半導体装置、その製造方法並びにその製造に使用するコイルスプリング切断治具及びコイルスプリング供給治具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、フリップチップ接続構造を持つ半導体装置においては、パッケージングの際に使用される材料の熱膨張差に起因する接続バンプへの応力集中を防止することが重要な課題となっている。
【0003】特開平9−321170号公報には、機能素子デバイス(半導体素子)を基板に搭載して封止材で封止し、前記封止材と前記基板との間の熱膨張差により前記基板の形状が反った場合でも前記基板を前記マザーボードに確実に接続するために、前記基板と前記基板を実装するマザーボードとの間に弾性伝導体を設ける技術が開示されている。
【0004】しかしながら、この技術においては、機能素子デバイスと基板との間の接続信頼性は改善されないという問題点がある。
【0005】また、特開平5−160198号公報に示されている半導体装置は、応力集中防止を目的として複雑な構造体を形成している。 図27は、特開平5−16
0198号公報に示されている半導体装置の構成を示す断面図である。 この半導体装置においては、図27に示すように、下面に配線57が設けられた搭載基板63上に、搭載基板63に接着された有機多層配線基板62が設けられ、有機多層配線基板62の上面には電極61が設けられている。 また、有機多層配線基板62の上方には両面に電極54が形成された弾性配線基板55が設けられ、弾性配線基板55の下面に設けられた電極54と有機多層配線基板62の電極61との間にはバンプ60
が設けら、電極54はバンプ60を介して電極61に接続されている。 弾性配線基板55において、弾性配線基板55の上面に設けられた電極54と下面に設けられた電極54とは相互に千鳥状に配置されている。
【0006】更に、弾性配線基板55の上方には、下面に電極52を具備する機能素子デバイス51が設けられ、弾性配線基板55の上面に設けられた電極54と電極52との間にはバンプ53が設けられ、電極54はバンプ53を介して電極52に接続されている。 更にまた、放熱板を兼ねたキャビティー構造のキャップ64が機能素子デバイス51の上面に絶縁性の弾性材56を介して接着されており、キャップ64は搭載基板63に接着層65を介して接着されている。 キャップ64は有機多層基板62、弾性配線基板55及び機能素子デバイス51を覆っており、キャップ64及び搭載基板63によりキャビティー66を形成している。
【0007】特開平5−160198号公報に記載されている半導体装置においては、このような構造とすることにより、搭載基板63とキャップ64との間に搭載された機能素子デバイス51を搭載基板63に電気的及び機械的に接続するバンプ53及びバンプ60に対して応力が集中することを防止している。 これは、キャップ6
4と搭載基板63との間の熱膨張差が、絶縁性の弾性材56、バンプ53、弾性配線基板55、バンプ60及び有機多層配線基板62並びに接着層65によって吸収されることを意図しているためである。
【0008】しかしながら、特開平5−160198号公報に開示されている半導体装置においては、バンプへの応力集中を吸収するための構造が極めて複雑になっている。 その結果、部品構造が複雑になり、製造プロセスが複雑且つ多工程化しパッケージコストが高くなるという問題点がある。 また、ヒートシンク付きの高消費電力機能素子デバイスのパッケージでは、機能素子デバイス51をメタルによって直接ヒートシンク(キャップ6
4)に接続できないため、熱抵抗が高くなるという問題点がある。
【0009】また、従来のC4(Controlled collapse
chip connection)技術等のフリップチップ接続では、
はんだ又は金等からなる金属バンプを機能素子デバイス(半導体素子)の接続パッド上に形成し、対応する回路基板の接続電極に対して金属接合するように熱及び荷重を加えている。 従って、従来のC4技術等のフリップチップ接続構造を持つ半導体装置においては、金属バンプが機能素子デバイスの接続パッド及び回路基板の接続電極の両者に対して固層拡散により接続されているため、
機能素子デバイスを回路基板に接続した後の電気検査(導通試験)において、機能素子デバイス又は機能素子デバイスと回路基板の接続部分に不良が発見された場合は、機能素子デバイスと回路基板との接続体を再度加熱して、金属バンプを溶融させるか又は活性な状態にして機能素子デバイスを回路基板から引き剥がしている。 この加熱及び引き剥がしにより、剥離後の機能素子デバイス及び回路基板の電極に損傷を与えると共に、剥離後のバンプの形状を維持することが難しいため、一旦引き剥がした機能素子デバイス及び回路基板を再度接続することが困難となる。 一旦引き剥がした機能素子デバイス及び回路基板を再接続する場合には、バンプの除去及び電極の洗浄が必要となり、これらの処理を行っても、再接続後の機能素子デバイス及び回路基板は信頼性が低下するという問題点がある。 この問題点は特開平5−160
198号公報に開示された技術によっても解消されていない。
【0010】特開平7−161865号公報には、前述の機能素子デバイスと回路基板との再接合に伴う損傷を回避することを目的として、機能素子デバイス(半導体素子)をフレームに固定し、この機能素子デバイス及びフレームをパッケージ本体に搭載し、このパッケージ本体に複数のピン穴を設け、このピン穴内に導電性のピン端子及びこのピン端子とパッケージ本体との間に配置され前記ピン端子を前記パッケージ本体から突出させる方向に付勢する圧縮コイルばねを設けている。 これにより、圧縮コイルばねの作用により前記ピン端子が回路基板上に形成された接続電極に押圧され、はんだを使用せずに前記接続ピンを前記接続電極に接続することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の技術には以下に示すような問題点がある。 特開平7−1
61865号公報に開示されている技術においては、特開平5−160198号公報に開示された技術と同様に、半導体装置の構造が複雑になるという問題点がある。 このため、半導体装置のコストが上昇すると共に、
半導体装置を小型化することが困難になる。 また、機能素子デバイスとフレームとの間の熱膨張差及び機能素子デバイスとパッケージ本体との間の熱膨張差に起因する接続不良を防止することができない。
【0012】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、機能素子デバイスと回路基板との間の熱膨張差に起因する接続不良の発生を防止でき、仮接続後の電気検査において不良となった機能素子デバイスと回路基板との接続体を一旦分離した後再度接続することが容易で、構造が単純でパッケージコストが低く、高消費電力用機能素子デバイスを使用する場合においても低熱抵抗化が可能な接続信頼性が高いフリップチップ接続構造を持つ半導体装置、その製造方法並びにその製造に使用するコイルスプリング切断治具及びコイルスプリング供給治具を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る半導体装置は、複数の接続パッドを備えた機能素子デバイスと、この機能素子デバイスがフリップチップ接続される複数の接続電極を備えた回路基板と、前記接続パッドと前記接続電極との間に設けられて両者を接続するコイルスプリングと、を有することを特徴とする。
【0014】本発明においては、機能素子デバイスと回路基板との間の接続に従来のバンプの代わりにコイルスプリングを使用しているため、このコイルスプリングの伸縮により機能素子デバイスと回路基板との間の熱膨張差に起因する応力集中を吸収することができる。 このため、構造が簡単で、パッケージコストが低いフリップチップ接続構造を備えた半導体装置が得られる。 また、熱膨張差を考慮する必要がないため、ヒートシンクを機能素子デバイスに直接接合することができ、高消費電力用機能素子デバイスを使用する場合においても低熱抵抗化が可能となる。 更に、はんだ等のバンプを使用しないため、機能素子デバイスを回路基板に接続した後の電気検査により、機能素子デバイス又は機能素子デバイスと回路基板との間の接続部分に不良が発見された場合においても、加熱することなく機能素子デバイスを回路基板から引き剥がすことが可能である。 このため、これらの引き剥がされた機能素子デバイス及び回路基板を再度接続することが容易になり、再接続後も接続信頼性が高いフリップチップ接続構造を有する半導体装置が得られる。
【0015】また、少なくとも1個の前記コイルスプリングの軸方向を、前記回路基板における前記機能素子デバイスに対向する面に実質的に垂直とすることができる。 これにより、特に、前記回路基板における前記機能素子デバイスに対向する面に実質的に垂直な方向の応力をより効果的に緩和することができる。 また、前記軸方向を、前記回路基板における前記機能素子デバイスに対向する面に実質的に平行とすることもできる。 これにより、前記回路基板における前記機能素子デバイスに対向する面に実質的に平行な方向に働く応力をより効果的に緩和できると共に、電気的ノイズが少ない接続を実現でき、また、前記接続パッドとコイルスプリングとの間の接続点及び前記接続電極とコイルスプリングとの間の接続点が多数になるため、接続信頼性がより向上する。
【0016】なお、コイルスプリングは機能素子デバイス間の接続に使用されていてもよく、回路基板間、マザーボード間及び回路基板とマザーボードとの間の接続に使用されていてもよい。
【0017】本発明に係る半導体装置の製造方法は、接続パッドを備えた機能素子デバイスが複数個形成されたウェハにおいて、1列に配列した前記接続パッド毎にこれらの接続パッド上にコイルスプリングをその軸方向が前記配列方向に実質的に平行になるように配置しこのコイルスプリングを前記接続パッドに接続する工程と、前記ウェハ上にレジストを塗布し露光及び現像を行い前記接続パッド間に開口部を形成し前記接続パッド間において前記コイルスプリングを露出させる工程と、前記コイルスプリングの前記露出部をエッチングにより除去する工程と、前記レジストを除去する工程と、前記ウェハを前記機能素子デバイス毎に切り分ける工程と、切り分けられた前記機能素子デバイスを前記コイルスプリングを介して回路基板の接続電極に接続する工程と、を有することを特徴とする。
【0018】本発明においては、ウェハ上にこのウェハ表面に形成された複数の接続パッドに渡るコイルスプリングを接続した後、このコイルスプリングを各接続パッドに対応した所定の長さに切り分けることにより、微細で取り扱いが困難なコイルスプリングを簡便に効率よく機能素子デバイスに接続することができる。
【0019】本発明に係る他の半導体装置の製造方法は、接続電極を備えた回路基板において、1列に配列した前記接続電極毎にこれらの接続電極上にコイルスプリングをその軸方向が前記配列方向に実質的に平行になるように配置しこのコイルスプリングを前記接続電極に接続する工程と、前記回路基板上にレジストを塗布し露光及び現像を行い前記接続電極間に開口部を形成し前記接続電極間において前記コイルスプリングを露出させる工程と、前記コイルスプリングの前記露出部をエッチングにより除去する工程と、前記レジストを除去する工程と、前記接続電極を前記コイルスプリングを介して機能素子デバイスの接続パッドに接続する工程と、を有することを特徴とする。
【0020】本発明に係る更に他の半導体装置の製造方法は、接続パッドを備えた機能素子デバイスが複数個形成されたウェハにおいて、1列に配列した前記接続パッド毎にこれらの接続パッド上にコイルスプリングをその軸方向が前記配列方向に実質的に平行になるように配置しこのコイルスプリングを前記接続パッドに接続する工程と、前記接続パッド間における前記コイルスプリングをレーザ光により切断する工程と、前記ウェハを前記機能素子デバイス毎に切り分ける工程と、前記切り分けられた機能素子デバイスを前記コイルスプリングを介して回路基板の接続電極に接続する工程と、を有することを特徴とする。
【0021】本発明に係る更に他の半導体装置の製造方法は、接続電極を備えた回路基板において1列に配列した前記接続電極毎にこの接続電極上にコイルスプリングをその軸方向が前記配列方向に実質的に平行になるように配置しこのコイルスプリングを前記接続電極に接続する工程と、前記接続電極間における前記コイルスプリングをレーザ光により切断する工程と、前記接続電極を前記コイルスプリングを介して機能素子デバイスの接続パッドに接続する工程と、を有することを特徴とする。
【0022】本発明に係る更に他の半導体装置の製造方法は、シリコンテンプレートを用意し、前記接続パッド又は前記接続電極がこのシリコンテンプレートに対向するように前記ウェハ又は前記回路基板を前記シリコンテンプレート上に配置するときに、前記ウェハ表面又は前記回路基板表面における前記コイルスプリングが配置される予定の領域に整合するように前記シリコンテンプレート表面にV字形の溝を形成する工程と、このV字形の溝に前記接続パッド又は前記接続電極の幅以下長さに切断されたコイルスプリングを配置する工程と、このコイルスプリングに前記接続パッド又は前記接続電極が当接するように前記ウェハ又は前記回路基板を前記シリコンテンプレート上に配置する工程と、前記コイルスプリングを前記接続パッド又は前記接続電極に接続する工程と、を有することを特徴とする。
【0023】本発明においては、各接続パッド又は各接続電極に対応するようにシリコンテンプレート表面に任意の方向に伸びるV字形の溝を形成することにより、コイルスプリングの位置を精度よく調整できると共に、コイルスプリングの軸方向を接続パッド又は接続電極毎に個別に調節することができる。 これにより、各接続パッド及び各接続電極に加わる応力を最適に緩和することができる。
【0024】本発明に係る更に他の半導体装置の製造方法は、コイルスプリングを所定の長さに切断する切断工程と、切断された前記コイルスプリングをウェハ状の機能素子デバイスの各接続パッド上に配置する配置工程と、このコイルスプリングを前記接続パッドに接続する接続工程と、前記ウェハを前記機能素子デバイス毎に切り分けるダイシング工程と、切り分けられた前記機能素子デバイスの接続パッドを前記コイルスプリングを介して回路基板の接続電極に接続し前記機能素子デバイスを前記回路基板に搭載する搭載工程と、を有することを特徴とする。
【0025】本発明においては、コイルスプリングをウェハ表面の複数の接続パッドに接続した後、ウェハをダイシングすることにより、半導体装置を効率良く製造することができる。
【0026】本発明に係る更に他の半導体装置の製造方法は、コイルスプリングを所定の長さに切断する切断工程と、切断された前記コイルスプリングを回路基板の接続電極上に配置する配置工程と、前記コイルスプリングを前記接続電極に接続する接続工程と、前記接続電極を前記コイルスプリングを介して機能素子デバイスの接続パッドに接続し前記機能素子デバイスを前記回路基板に搭載する搭載工程と、を有することを特徴とする。
【0027】本発明に係る更に他の半導体装置の製造方法は、コイルスプリングを所定の長さに切断し第1及び第2のコイルスプリングを形成する切断工程と、機能素子デバイスの各接続パッド上に前記第1のコイルスプリングをその軸方向が前記機能素子デバイスにおける前記接続パッドが設けられている面に実質的に垂直になるように配置すると共に回路基板の接続電極上に前記第2のコイルスプリングをその軸方向が前記回路基板における前記接続電極が設けられている面に実質的に垂直になるように配置する配置工程と、前記第1のコイルスプリングを前記接続パッドに接続すると共に前記第2のコイルスプリングを前記接続電極に接続する接続工程と、前記第1のコイルスプリングを前記第2のコイルスプリングに絡ませることにより両者を接続させる工程と、前記機能素子デバイスの電気試験を行う工程と、前記機能素子デバイスが良品である場合は前記第1及び第2のコイルスプリングを加熱し前記第1のコイルスプリングを前記第2のコイルスプリングに接合し、前記機能素子デバイスが不良品である場合は前記第1のコイルスプリングを前記第2のコイルスプリングから引き離す工程と、を有することを特徴とする。
【0028】本発明においては、第1及び第2のコイルスプリングを相互に機械的に絡ませることにより、機能素子デバイスを回路基板に仮接続することができ、この仮接続後に電気検査を行い、機能素子デバイス又は機能素子デバイスと回路基板との接続部分に不良が発見された場合は前述の相互に絡んだ前記第1及び第2のコイルスプリングをほどくことにより、機能素子デバイス及び回路基板からなる接続体を加熱し損傷を与えることなく、機能素子デバイスを回路基板から引き剥がすことができる。 このため、これらの引き剥がされた機能素子デバイス及び回路基板を再度接続することが容易になり、
再接続後も接続信頼性が高いフリップチップ接続構造を有する半導体装置を得ることができる。
【0029】本発明に係るコイルスプリング切断治具は、機能素子デバイス又は回路基板に接続するコイルスプリングを切断するコイルスプリング切断治具であって、内部の高さが前記コイルスプリングの外径より大きい箱体を有し、この箱体の少なくとも1つの側面に内径が前記コイルスプリングの外径よりも大きい前記コイルスプリングを入出する孔部が複数個1列に設けられ、前記箱体における前記側面に実質的に直交し前記孔部の配列方向に実質的に平行な側面に外部からレーザ光を導入して前記コイルスプリングを切断する前記配列方向と実質的に平行に延びるスリット状の開口部が所定の間隔で設けられていることを特徴とする。
【0030】本発明においては、前記箱体にコイルスプリングを収納し、この箱体の外部からレーザ光を照射することにより、多数のコイルスプリングを効率的に所定の長さに切断することができる。
【0031】本発明に係る他のコイルスプリング切断治具は、機能素子デバイス又は回路基板に接続するコイルスプリングを切断するコイルスプリング切断治具であって、内径がコイルスプリングの外径よりも大きくレーザ光を透過する透明材料からなるコイルスプリングを収納する複数のパイプと、この複数のパイプを収納し連結するパイプホルダーと、を有することを特徴とする。
【0032】本発明においては、コイルスプリングを前記パイプに収納したまま切断することにより、多数のコイルスプリングを効率的に所定の長さに切断することができると共に、切断後のコイルスプリングを配列させたまま保持することができ、切断後のコイルスプリングの取り扱いを容易にすることができる。
【0033】本発明に係るコイルスプリング供給治具は、コイルスプリングを機能素子デバイスの接続パッド上又は回路基板の接続電極上に供給するコイルスプリング供給治具であって、内径が前記コイルスプリングの外径よりも大きく上下に開口部を備えた複数のガイド穴を具備する筐体と、この筐体の下部に取り付けられ前記各ガイド穴に嵌入可能な複数のピンを具備する押し上げピンと、を有し、前記ガイド穴は前記機能素子デバイスにおける接続パッドの位置又は前記回路基板における接続電極の位置に整合するように配置されていることを特徴とする。
【0034】本発明においては、機能素子デバイスにおける接続パッドの位置又は回路基板における接続電極の位置に整合するように配置された複数のガイド穴に、夫々複数のコイルスプリングを収納し、この収納されたコイルスプリングの最下部を前記押し上げピンにより押圧することによりコイルスプリングを押し上げ、各ガイド穴の上部に設けられた開口部から1個ずつコイルスプリングを突出させることができるため、複数の接続パッド又は複数の接続電極に同時にコイルスプリングを供給することができ、また、この供給を連続的に行うことができる。 更に、本発明のコイルスプリング供給治具を前述のコイルスプリング切断治具と共に使用することにより、前記コイルスプリング切断治具に収納された複数のコイルスプリングを配列させたままコイルスプリング供給治具に移し替えることができるため、半導体装置の製造をより効率的に行うことができる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について添付の図面を参照して具体的に説明する。 先ず、本発明の第1の実施例について説明する。 図1は本実施例に係る半導体装置46aの構成を示す側面図である。 図1に示す半導体装置46aにおいては、回路基板6が設けられ、回路基板6の上面には複数の表回路基板電極5が設けられ、表回路基板電極5の上層には厚さ0.01乃至0.1μm程度のメタル層3が形成されている。 メタル層3の上には縦型コイルスプリング4が設けられ、メタル層3を介して表回路基板電極5に接続されている。 縦型コイルスプリング4はらせん状のスプリングであり、
その軸方向は回路基板6の表面に垂直な方向(以下、垂直方向という)に平行である。
【0036】縦型コイルスプリング4上には機能素子チップ1が設けられており、機能素子チップ1の下面には複数のチップ電極2が設けられ、チップ電極2の下層にはメタル層3が形成され、チップ電極2はメタル層3を介して縦型コイルスプリング4に接続されている。 このように、機能素子チップ1はチップ電極2、縦型コイルスプリング4及び表回路基板電極5を介して回路基板6
にフリップチップ接続されている。 機能素子チップ1
は、Si、GaAs、LiTaO 3 、LiNbO 3又は水晶等からなる基材に配線を形成したものである。 また、
回路基板6には、プリント基板、フレキシブル基板等の有機基板又はアルミナ基板、ガラスセラミックス基板、
ガラス基板等のセラミックス基板が好適であるが、それらに限定されない。 メタル層3には、Ti及びPdからなる薄膜層、Cr及びPdからなる薄膜層、Cr及びC
uからなる薄膜層等が好適であり、また、導電性接着材層を設けてもよい。
【0037】次に、本実施例に係る半導体装置46aの製造に使用するカット治具29及びコイルホルダー37
について説明する。 図2(a)乃至(c)は本実施例に係る半導体装置46aの製造において使用するカット治具29の構成を示し、(a)は平面図、(b)は断面図、(c)は正面図である。 カット治具29は、長さがチップ電極2の幅の数倍以上の長さである連続的なコイルスプリング(以下、連続コイルスプリング31という)を機能素子チップ1(図1参照)のチップ電極2
(図1参照)の幅又は機能素子チップ1と回路基板6
(図1参照)との間の距離に相当する長さに切断し、多数の個片化されたコイルスプリング(図示せず)を形成するためのものである。
【0038】図2(a)乃至(c)に示すように、カット治具29には内部の高さが連続コイルスプリング31
の外径よりも大きい箱体43が設けられ、箱体43の1
つの側面43aには、直径が連続コイルスプリング31
の外径よりも少し大きい複数個の治具穴32が、機能素子チップ1(図1参照)のチップ電極2(図1参照)の形成ピッチに対応して1列に配列して形成されている。
また、側面43aと直角をなし、治具穴32の配列方向に平行な箱体43の側面、即ち、上面43bには、治具穴32の配列方向に伸びるスリット状の細い治具開口部30が設けられている。 治具開口部30は複数個が周期的に設けられており、この周期はチップ電極2の幅又は機能素子チップ1と回路基板6との間の距離にほぼ等しい。
【0039】図3(a)及び(b)は、本実施例に係るコイルスプリング供給治具であるコイルホルダー37の構成を示す断面図であり、(a)はコイルホルダー37
に個片化されたコイルスプリング44を収納する動作を示し、(b)はコイルホルダー37から機能素子チップ1にコイルスプリング44を供給する動作を示す。 ホルダー37は、個片化されたコイルスプリング44を機能素子チップ1又は回路基板(図1参照)へ供給し、縦型コイルスプリング4を形成するための治具である。
【0040】図3(a)に示すように、コイルホルダー37には、筐体45が設けられ、筐体45には、円筒形の形状を持ち底面の直径がコイルスプリング44の外径よりもやや大きい複数個のガイド穴36が、相互に平行に配列され設けられている。 ガイド穴36の周期は、図2(a)乃至(c)に示すカット治具29における治具穴32の周期に等しく、従って、チップ電極2の周期に等しい。 ガイド穴36は筐体45を貫通しており、ガイド穴36の両端部には夫々上部開口部36a及び下部開口部36bが設けられている。 筐体45は、各ガイド穴36に複数個のコイルスプリング44を収納することによりコイルスプリング44を保持するものである。 また、筐体45の下部にはストッパー38が取り付けられている。 ストッパー38は、ガイド穴36に収納したコイルスプリング44が下部開口部36bから落下しないようにするものである。 ストッパー38は板状の基材3
8aと基材38aの片面のガイド穴36に整合する位置に設けられガイド穴36に嵌入可能な複数の突起部38
bとから構成されている。 ストッパー38は突起部38
bを下部開口部36bに嵌入させることにより、筐体4
5に対して固定されている。
【0041】また、ストッパー38は筐体45に対して着脱可能であり、筐体45にはストッパー38の代わりに押し上げピン40を取り付けることもできる。 図3
(b)に示すように、押し上げピン40は、板状の形状を持つ基材40aと基材40aの片面のガイド穴36に整合する位置に設けられガイド穴36に嵌入可能な複数のピン40bとから構成される。 押し上げピン40は、
下部開口部36bよりガイド穴36に挿入され、ガイド穴36に収納されたコイルスプリング44の下端部を押圧することによってコイルスプリング44を押し上げ、
コイルスプリング44をガイド穴36の上部開口部36
aより突出させるものである。
【0042】次に、本実施例に係る半導体装置46aの製造方法について説明する。 図2(a)乃至(c)に示すように、先ず、カット治具29の箱体43に治具穴3
2を介して連続コイルスプリング31を挿入する。 その後、箱体43の上面43bの上方からYAG又は炭酸ガスレーザー等のレーザ光28を治具開口部30の位置にスキャンするか上面43bの全面に照射して、レーザ光28を治具開口部30を介して箱体43の内部に導入する。 これにより、箱体43内に収納されている連続コイルスプリング31を個片に切断し、個片化された複数のコイルスプリング44(図3(a)参照)を形成する。
【0043】次に、図3(a)に示すように、コイルホルダー37の下部にストッパー38を取り付ける。 次に、コイルホルダー37における上部開口部36aの位置がカット治具29の治具穴32(図2(c)参照)の位置に整合するように、コイルホルダー37の上部開口部が設けられている面をカット治具29の側面43aに当接させ、カット治具29の箱体43に収納されているコイルスプリング44を治具穴32及び上部開口部43
aを介してコイルホルダー37のガイド穴36に移し替える。 このとき、各ガイド穴36には夫々複数個のコイルスプリング44が収納され、ガイド穴36の軸方向に沿って1列に積み重ねられている。
【0044】次に、図3(b)に示すように、コイルホルダー37の筐体45からストッパー38を取り外し、
代わりに押し上げピン40を筐体45に取り付ける。
【0045】図4は、機能素子チップ1が多数形成されているウェハ24の構成を示す平面図である。 ウェハ2
4においては、機能素子チップ1が多数形成されており、各機能素子チップ1の表面にはバリアメタルが形成されたチップ電極2が複数設けられている。
【0046】図3(b)に示すように、ウェハ24を吸着保持しながらウェハ24に対して加熱、加圧及び位置決めを行う加熱吸着ヘッド39により、ウェハ24を吸着し、コイルホルダー37の上方に位置決めする。 次に、コイルホルダー37において、押し上げピン40を上方に移動させることによって、ピン40bによりガイド穴36内に1列に積み重ねられたコイルスプリング4
4の最下部を押圧し、コイルスプリング44を押し上げる。 これにより、各ガイド穴36の最上部に配置されているコイルスプリング44が各ガイド穴36の上部開口部36aより突出する。
【0047】次に、この突出したコイルスプリング44
をウェハ24における機能素子チップ1のチップ電極2
に当接させ、加熱吸着ヘッド39によりメタル層3を加熱リフローしコイルスプリング44をチップ電極2に接合し、チップ電極2上に縦型コイルスプリング4を形成する。 この動作を繰り返すことにより、ウェハ24の多数の機能素子チップ1上に縦型コイルスプリング4を形成する。
【0048】次に、ウェハ24をダイシングし、各機能素子チップ1に切り分ける。 図5はこのようにして形成された表面に縦型コイルスプリング4を有する機能素子チップ1の構成を示す側面図である。 機能素子チップ1
の表面に複数のチップ電極2が設けられ、チップ電極2
の上層にはメタル層3が設けられ、縦型コイルスプリング4がメタル層3を介してチップ電極2に接続されている。
【0049】次に、図5に示すような機能素子チップ1
の縦型コイルスプリング4を、図1に示すように、表面にメタル層3が形成された表回路基板電極5を有する回路基板6におけるメタル層3に当接させる。 その後、表回路基板電極5上のメタル層3を加熱リフローし、縦型コイルスプリング4をメタル層3を介して表回路基板電極5に接続する。 これにより、半導体装置46aを得ることができる。
【0050】本実施例においては、機能素子チップ1が回路基板6に縦型コイルスプリング4によって接続されているため、機能素子チップ1を構成する材料と回路基板6を構成する材料との熱膨張差によって生じる接続部への応力集中を縦型コイルスプリング4のスプリング特性によって吸収でき、接続信頼性が高いフリップチップ接続構造を得ることができる。 また、機能素子チップ1
及び回路基板6の材料選定を熱膨張係数差を考慮することなく行うことができるため、半導体装置の設計自由度が増大し、設計が容易となる。
【0051】また、カット治具29により、連続コイルスプリング31を一括して切断し個片化されたコイルスプリング44を形成できるため、長さが揃ったコイルスプリング44を高精度且つ高効率に製造することができる。
【0052】更に、コイルホルダー37により、微細なコイルスプリング44を効率よく簡便に機能素子チップ1のチップ電極2上に供給することができる。 これにより、複数のコイルスプリング44を機能素子チップ1に一括して接続することができるため、縦型コイルスプリング4を効率よく低コストで形成することができる。
【0053】なお、本実施例においては、機能素子チップ1上に縦型コイルスプリング4を形成した後に、ウェハ24を各機能素子チップ1にダイシングする例を示したが、ウェハ24を各機能素子チップ1にダイシングした後に、機能素子チップ1上に縦型コイルスプリング4
を形成してもよい。
【0054】また、本実施例においては、機能素子チップ1上に縦型コイルスプリング4を形成し、その後、縦型コイルスプリング4を回路基板6に接続する例を示したが、本実施例において示した方法と同様の方法により、回路基板6の表回路基板電極5上に縦型コイルスプリング4を形成し、その後、縦型コイルスプリング4に機能素子チップ1を接続してもよい。
【0055】更に、本実施例においては、コイルスプリング44をメタル層3に加熱リフローにより接続する例を示したが、熱圧着、超音波又はスクラブ等により接続してもよい。
【0056】次に、本発明の第2の実施例について説明する。 図6は本実施例に係る半導体装置46bの構成を示す側面図である。 また、図7(a)は半導体装置46
bにおけるコイルスプリング67の形状を示す平面図であり、(b)はその側面図である。 図6に示すように、
半導体装置46bにおいては、図1に示した前記第1の実施例に係る半導体装置46aにおける縦型コイルスプリング4の代わりに、1ピッチ以下の長さに切断されたコイルスプリング67が配置され、機能素子チップ1のチップ電極2を回路基板6の表回路基板電極5に接続している。
【0057】図7(a)及び(b)に示すように、コイルスプリング67の軸方向から見たその両端部の間の角度(以下、中心角θという)は360°以下である。 即ち、コイルスプリング67の形状は、軸方向から見ると中心角360℃以下の扇形の外周をなし、軸方向に垂直な方向から見るとV字形になっている。 半導体装置46
bにおけるコイルスプリング67以外の構成は、前記第1の実施例の半導体装置46aと同一である。
【0058】コイルスプリング67は、例えば図2
(a)乃至(c)に示すカット治具29により、連続コイルスプリング31を1ピッチ以下の長さに切断することにより形成される。 本実施例に係る半導体装置46b
の製造方法におけるコイルスプリング67以外の製造方法は、前記第1の実施例に係る半導体装置46aの製造方法と同一である。
【0059】本実施例によれば、コイルスプリング67
の長さを1ピッチ以下とすることにより、前記第1の実施例と比較して、機能素子チップ1と回路基板6との間においてインダクタンスの発生が少なく電気的ノイズが少ない接続が可能となる。
【0060】また、図8は本実施例の変形例に係る半導体装置46cの構成を示す側面図である。 半導体装置4
6cにおいては、図6に示す半導体装置46bにおけるコイルスプリング67の代わりに、コイルスプリング6
8が設けられている。 コイルスプリング68は、コイルスプリング67をその軸方向が回路基板6の表面に対して平行な方向(以下、水平方向という)になるように配置したものである。 これにより、半導体装置46cにおいては、半導体装置46bと比較して、機能素子チップ1と回路基板6との間において、インダクタンスの発生がより少なく電気的ノイズがより少ない接続が可能となる。
【0061】次に、本発明の第3の実施例について説明する。 図9は本実施例に係る半導体装置46dの構成を示す側面図である。 半導体装置46dは、図1に示す半導体装置46aにマザーボード9が接続された構成となっている。 半導体装置46dにおいては、マザーボード9が設けられ、マザーボード9の上面にはマザーボード電極8が設けられ、マザーボード電極8の上層には厚さ0.01乃至0.1μm程度のメタル層3が形成されている。 マザーボード9は、機能素子チップ1が接続された回路基板6を搭載するためのものである。 マザーボード9の上方には回路基板6が設けられ、回路基板6の上面及び下面には夫々複数の表回路基板電極5及び裏回路基板電極7が形成され、表回路基板電極5の上層及び裏回路基板電極7の下層には厚さ0.01乃至0.1μm
程度のメタル層3が形成されている。 マザーボード電極8と裏回路基板電極7との間には縦型コイルスプリング4が設けられ、その両端部はマザーボード電極8の上層のメタル層3及び裏回路基板電極7の下層のメタル層3
に夫々接続されている。 縦型コイルスプリング4はらせん状のスプリングであり、その軸方向は垂直方向に平行である。
【0062】また、表回路基板電極5の上層に形成されたメタル層3上には、別の縦型コイルスプリング4が設けられ、メタル層3を介して表回路基板電極5に接続されている。 縦型コイルスプリング4上には機能素子チップ1が設けられており、機能素子チップ1の下面には複数のチップ電極2が設けられ、チップ電極2の下層にはメタル層3が形成され、チップ電極2はメタル層3を介して縦型コイルスプリング4に接続されている。 このように、機能素子チップ1はチップ電極2、縦型コイルスプリング4及び表回路基板電極5を介して回路基板6にフリップチップ接続されている。
【0063】なお、本実施例における機能素子チップ1、回路基板6及びメタル層3を構成する材料は、前記第1の実施例と同様である。
【0064】次に、本実施例に係る半導体装置46dの製造に使用するカット治具47について説明する。 図1
0(a)及び(b)はカット治具47の構成を示し、
(a)は断面図、(b)は正面図である。 カット治具4
7は、図2(a)乃至(c)に示すカット治具29と同様に、連続コイルスプリング31を図9に示す機能素子チップ1のチップ電極2の幅若しくは機能素子チップ1
と回路基板6との間の距離に相当する長さ又はマザーボード電極8の幅若しくは回路基板6とマザーボード9との間の距離に相当する長さに切断し、図3(a)に示す多数の個片化されたコイルスプリング44を形成するためのものである。
【0065】図10(a)及び(b)に示すように、カット治具47においては、パイプホルダー35が設けられ、パイプホルダー35の内部には、コイルスプリング44の外径よりも少し大きい内径を有する複数のカット治具用透明パイプ33が相互に平行に1列に配列して設けられており、その配列のピッチは機能素子チップ1のチップ電極2の形成ピッチと同じである。 パイプホルダー35及びカット治具用透明パイプ33はレーザ光28
を透過させる透明物質により構成されている。 また、カット治具用透明パイプ33は形状は直管状であり、両端部に開口部を有し、内部がパイプ穴34となっている。
【0066】次に、本実施例に係る半導体装置46dの製造方法について説明する。 先ず、図10に示すように、カット治具47のパイプ穴34に連続コイルスプリング31を挿入する。 次に、カット治具用透明パイプ3
3の側面に直交する方向からパイプホルダー35に、カット治具用透明パイプ33の軸方向に所定のピッチで、
レーザ光28を照射する。 レーザ光28の照射方法は、
カット治具用透明パイプ33の軸方向に多数列配置されたレーザ光28をカット治具用透明パイプ33の軸直交方向にスキャンさせるか、又は、カット治具用透明パイプ33の軸直交方向に延びるスリット状の開口部を有する遮蔽マスク(図示せず)を、パイプホルダー35におけるレーザ光28が照射する面を覆うように配置し、レーザ光28をこの遮蔽マスクの全面に照射する。 このとき、レーザ光28は、パイプホルダー35及びカット治具用透明パイプ33を透過して連続コイルスプリング3
1に到達し、連続コイルスプリング31を切断し、図3
(a)に示す個片にカットされたコイルスプリング44
を形成する。
【0067】次に、図3(a)及び(b)に示すコイルホルダー37の上部開口部36aをカット治具47のパイプ穴34に当接させ、カット治具47のパイプ穴34
に収納されているコイルスプリング44をコイルホルダー37のガイド穴36に移し替える。
【0068】次に、図3(b)及び図9に示すように、
前記第1の実施例と同様な方法でコイルホルダー37を使用して、コイルスプリング44をマザーボード9のマザーボード電極8上に接続し、マザーボード電極8上に縦型コイルスプリング4を形成する。 次に、縦型コイルスプリング4上に回路基板6を配置し、回路基板6の下面に形成されメタル層3を備える裏回路基板電極7を縦型コイルスプリング4の上端部に接続する。
【0069】次に、前記第1の実施例と同様な方法により、回路基板6上に縦型コイルスプリング4を形成し、
この上に機能素子チップ1を配置し、機能素子チップ1
のチップ電極2を回路基板6上の縦型コイルスプリング4に接続する。 このようにして、本実施例に係る半導体基板46dが形成される。
【0070】本実施例の半導体装置46dは、機能素子チップ1と回路基板6との間及び回路基板6とマザーボード9との間に縦型コイルスプリング4が設けられているため、機能素子チップ1と回路基板6との間及び回路基板6とマザーボード9との間の熱膨張差に起因する応力を緩和することができる。 これにより、機能素子チップ1と回路基板6との間及び回路基板6とマザーボード9との間の接続信頼性が向上すると共に、半導体装置の設計自由度が増大する。
【0071】また、本実施例においては、カット治具4
7を使用しているため、コイルスプリング44を精度よく一括して形成することができる。 また、カット治具4
7のパイプ穴34に収納された多数のコイルスプリング44を、そのままコイルホルダー37に移し替えることにより、微細であるため取り扱いが困難なコイルスプリング44を容易に取り扱うことが可能となる。
【0072】なお、本実施例においては、連続コイルスプリング31を切断してコイルスプリング44を形成するためにカット治具47を使用する例を示したが、図2
(a)乃至(c)に示すカット治具29を使用してもよい。 また、前記第1及び第2の実施例において、カット治具47を使用することもできる。
【0073】次に、本発明の第4の実施例について説明する。 図11は本実施例に係る半導体装置46eの構成を示す側面図である。 半導体装置46eは、図1に示す前記第1の実施例に係る半導体装置46aにおける縦型コイルスプリング4の代わりに横型コイルスプリング1
0を設けた構成となっている。 横型コイルスプリング1
0は、コイルスプリング44を軸方向を水平方向にして配置し、機能素子チップ1を横型コイルスプリング10
を介して回路基板6に接続したものである。 半導体装置46eにおける横型コイルスプリング10以外の構成は、図1に示す前記第1の実施例に係る半導体装置46
aの構成と同一である。
【0074】次に、本実施例に係る半導体装置46eの製造方法について説明する。 図12(a)乃至(c)
は、半導体装置46eの製造方法を工程順に示す側面図である。 先ず、図4に示すウェハ24における機能素子チップ1上に、図12(a)に示すようにチップ電極2
を形成し、チップ電極2の上層にメタル層3を形成する。 次に、メタル層3上に、コイルスプリング連結リード25により連結された複数の横型コイルスプリング1
0をその軸方向を機能素子チップ1の表面に平行な方向、即ち水平方向になるように配置し、メタル層3を加熱リフローすることにより横型コイルスプリング10をチップ電極2に接続する。
【0075】次に、図12(b)に示すように、機能素子チップ1上に、チップ電極2、メタル層3及びコイルスプリング連結リード25により連結された複数の横型コイルスプリング10を覆うように感光性レジスト26
を塗布する。 次に、感光性レジスト26を露光及び現像することによって、コイルスプリング連結リード25を感光性レジスト26から露出させる。
【0076】次に、図12(c)に示すように、エッチングを行い、コイルスプリング連結リード25を除去し各横型コイルスプリング10を分離する。 このとき、横型コイルスプリング10は感光性レジスト26によりエッチングから保護される。 次に、感光性レジスト26を除去し、ウェハ24をダイシングし、各機能素子チップ1に切り分ける。
【0077】次に、図11に示すように、横型コイルスプリング10に回路基板6を接続することにより、半導体装置46eが形成される。
【0078】本実施例の半導体装置46eにおける機能素子チップ1、回路基板6及びメタル層3の材料は前記第1の実施例と同様である。 また、本実施例においては、横型コイルスプリング10をメタル層3に加熱リフローにより接続する例を示したが、熱圧着、超音波又はスクラブ等により接続してもよい。
【0079】本実施例においては、機能素子チップ1が回路基板6に横型コイルスプリング10によって接続されているため、機能素子チップ1と回路基板6との間の熱膨張差によって生じる接続部分への応力集中を横型コイルスプリング10のスプリング特性によって吸収でき、機能素子チップ1と回路基板6との間のフリップチップ接続の信頼性を向上させることができる。 また、これにより、機能素子チップ1及び回路基板6の材料選定が容易となる。
【0080】また、前記第1の実施例と比較して、横型コイルスプリング10がチップ電極2及び表回路基板電極5に夫々複数の点において接続されるため、水平方向の応力をより効果的に吸収できると共に、横型コイルスプリング10とチップ電極2及び表回路基板電極5との間の接続信頼性がより向上する。 また、横型コイルスプリング10における電気的ノイズの発生が少ない。
【0081】更に、本実施例においては、前述の如く、
複数のチップ電極2上にコイルスプリングリード25により連結された横型コイルスプリング10を同時に接合し、その後コイルスプリングリード25を除去することにより、各チップ電極2上に横型コイルスプリング10
を一括して効率良く低コストで形成することができる。
【0082】次に、本発明の第5の実施例について説明する。 図13は本実施例に係る半導体装置46fの構成を示す側面図である。 半導体装置46fの構成は、図9
に示す前記第3の実施例に係る半導体装置46dにおける縦型コイルスプリング4を横型コイルスプリング10
に置き換えたものである。 半導体装置46fにおける横型コイルスプリング10以外の構成は半導体装置46d
の構成と同一である。
【0083】次に、本実施例に係る半導体装置46fの製造方法について説明する。 図14は半導体装置46f
の製造方法を示す側面図である。 先ず、図4に示すウェハ24における機能素子チップ1上に、図14に示すようにチップ電極2を形成し、チップ電極2の上層にメタル層3を形成する。 次に、メタル層3上に、コイルスプリング連結リード25により連結された複数の横型コイルスプリング10をその軸方向が水平方向になるように配置し、メタル層3を加熱リフローすることにより横型コイルスプリング10をチップ電極2に接続する。
【0084】次に、YAG又は炭酸ガスレーザー等のレーザ光28をコイルスプリング連結リード25に照射することにより、コイルスプリング連結リード25を切断し、各横型コイルスプリング10を分離する。 次に、ウェハ24をダイシングし、各機能素子チップ1に切り分ける。
【0085】一方、図14に示す方法と同様の方法により、マザーボード9上に設けられたマザーボード電極8
(図9参照)上に横型コイルスプリング10を形成する。
【0086】次に、図13に示すように、マザーボード9上に回路基板6を配置し、マザーボード電極8上の横型コイルスプリング10に回路基板6の裏回路基板電極7を接続する。 次に、前述の工程により横型コイルスプリング10を形成した機能素子チップ1を回路基板6上に配置し、横型コイルスプリング10を回路基板6の表回路基板電極5に接続し、半導体装置46fを形成する。
【0087】本実施例によれば、マザーボード9を回路基板6に横型コイルスプリング10を介して接続することにより、マザーボード9と回路基板6との間の熱膨張差を横型コイルスプリング10により吸収し接続信頼性を向上させると共に、前記第3の実施例における半導体装置46dと比較して、水平方向の応力をより効果的に吸収でき、電気的ノイズが少なく、接続信頼性がより優れた半導体装置を得ることができる。
【0088】また、本実施例においては、コイルスプリング連結リード25をレーザ光28により切断することにより、前記第4の実施例と比較して、コイルスプリング連結リード25の切断に要する工程を簡略化することができる。
【0089】なお、本実施例においては、コイルスプリング連結リード25をレーザ光28により切断する方法を示したが、前記第4の実施例において示したコイルスプリング連結リード25をエッチングにより切断する方法によって、半導体装置46fを製造してもよい。 また、前記第4の実施例における半導体装置46eを、本実施例において示したコイルスプリング連結リード25
をレーザ光28により切断する方法によって製造することも可能である。
【0090】図15は、本実施例の変形例における半導体装置の製造方法を示す模式図である。 図15に示すように、本変形例においては、予め、横型コイルスプリング10における接続部分、即ち、図15におけるめっき部分48に、濡れ性が良好な金属をめっきする。 めっきする金属は、Au、Cu、Rd、Ag、Sn、Pdからなる群より選択される1種の金属若しくは2種以上の金属からなる合金又はSnとPbとの2層膜等が好適である。 めっきの膜厚は0.2乃至10μm程度が好適である。 また、めっき方法には電解めっき法、ディップ法又は蒸着法等がある。 これにより、横型コイルスプリング10とチップ電極2、表回路基板電極6、裏回路基板電極6及びマザーボード電極8との接続をより良好にすることができる。
【0091】次に、本発明の第6の実施例について説明する。 図16は本実施例に係る半導体装置46gの構成を示す側面図である。 半導体装置46gの構成は、図1
に示す前記第1の実施例に係る半導体装置46aにおける縦型コイルスプリング4の一部を横型コイルスプリング10に置き換え、また、回路基板6をマザーボード9
に置き換えたものである。 半導体装置46gにおいては、マザーボード9が設けられ、マザーボード9の上面に複数のマザーボード電極8が形成され、マザーボード電極8の上層にメタル層3が形成されている。 また、一部のマザーボード電極8上には縦型コイルスプリング4
が設けられ、残りのマザーボード電極8上には横型コイルスプリング10が設けられている。 更に、縦型コイルスプリング4又は横型コイルスプリング10上には、下面にチップ電極2が形成された機能素子チップ1が設けられている。 機能素子チップ1のチップ電極2は下層にメタル層3が形成され、縦型コイルスプリング4又は横型コイルスプリング10を介してマザーボード電極8に接続されている。 なお、機能素子チップ1及びメタル層3を構成する材料は、前記第1の実施例と同一である。
【0092】次に、本実施例に係る半導体装置46gの製造方法について説明する。 図17は本実施例に係る半導体装置46gの製造方法を示す断面図である。 図17
に示すように、リソグラフィー技術及び異方性エッチング技術により、シリコン基板の表面にV溝41を形成し、表面にV溝41を有するシリコンテンプレート42
を作製する。 このとき、V溝41の配列パターンは機能素子チップ1におけるチップ電極2の配列パターンを反転させたパターンとする。
【0093】次に、シリコンテンプレート42のV溝4
1の一部にコイルスプリング連結リード25により連結された横型コイルスプリング10を軸方向が水平方向になるように配置する。 次に、図3(b)に示す吸着ホルダー39を使用して、下面にチップ電極2が形成された機能素子チップ1を吸着し、横型コイルスプリング10
上に位置決めしてチップ電極2を横型コイルスプリング10に当接させ、チップ電極2の表層に形成されているメタル層3を加熱リフローすることにより、一部のチップ電極2を横型コイルスプリング10に接続する。
【0094】次に、図12(b)及び(c)に示す方法又は図14に示す方法により、コイルスプリング連結リード25を切断する。
【0095】次に、前記第1の実施例に示した方法により、残りのチップ電極2上に縦型コイルスプリング4を形成する。 このようにして形成した横型コイルスプリング10及び縦型コイルスプリング4をマザーボード9のマザーボード電極8に接続し、図16に示す半導体装置46gを形成する。
【0096】本発明においては、機能素子チップ1がマザーボード9に縦型コイルスプリング4及び横型コイルスプリング10によって接続されているため、機能素子チップ1及びマザーボード9の材料の熱膨張差によって生じ、接続部の位置によりその大きさ及び方向が異なる応力が、縦型コイルスプリング4及び横型コイルスプリング10のスプリング特性によって最適に吸収できるため、機能素子チップ1とマザーボード9との間のフリップチップ接続の信頼性が向上する。 また、機能素子チップ1及びマザーボード9の材料選定が容易となる。
【0097】また、本実施例においては、表面にV溝4
1が形成されたシリコンテンプレート42を使用することにより、横型コイルスプリング10の位置決めを高精度に行うことができる。 これにより、横型コイルスプリング10を機能素子チップ1へ高精度に一括して接続することができる。
【0098】なお、本実施例において示したシリコンテンプレート42を使用する方法は、前記第4及び第5の実施例に適用することもできる。 また、この方法により、機能素子チップ1だけでなく、マザーボード9及び回路基板6に横型コイルスプリング10を接続することもできる。
【0099】次に、本発明の第7の実施例について説明する。 図18は本実施例に係る半導体装置46hの構成を示す側面図である。 図18に示すように、半導体装置46hにおいては、機能素子チップ1とマザーボード9
とが、2種類以上且つ2方向以上のコイルスプリングによりフリップチップ接続されている。 即ち、チップ電極2はマザーボード電極8に、縦型コイルスプリング4、
他の縦型コイルスプリング69及び横型コイルスプリング10により電気的及び機械的に接続されている。
【0100】図19は縦型コイルスプリング69の形状を示す側面図である。 図19に示すように、縦型コイルスプリング69は、半径が異なる2つの部分、即ち、小半径部69a及び大半径部69bを有している。 本実施例に係る半導体装置46hの製造方法は、前記第6の実施例において示した製造方法と同一である。
【0101】本実施例においては、機能素子チップ1とマザーボード9とを2種類以上且つ2方向以上のコイルスプリングにより接続することにより、接続部の位置により大きさ及び方向が異なる接続部への応力集中を効果的に緩和することができる。 また、複数のコイルスプリングを無方向的に配置すると、フリップチップ接続後の半導体装置全体から接続部分に加えられる応力を、いずれの方向に対しても等方的に緩和することができる。
【0102】図20(a)及び(b)は、本実施例の変形例におけるコイルスプリングの形状を示す側面図である。 図20(a)に示すコイルスプリング70aは、3
本の横型コイルスプリング10を連結して3角形状を形成している。 また、図20(b)に示すコイルスプリング70bは、4本の横型コイルスプリング10を連結して4角形状を形成している。 本変形例においては、図1
8に示す半導体装置46hを製造する工程において、チップ電極2上にコイルスプリング70a及び70bを接続し、接続後コイルスプリング70a及び70bを切断する。 これにより、軸方向が異なる複数の横型コイルスプリング10をチップ電極2に一括して接続することができる。 なお、本変形例における半導体装置の構成は、
図18に示す半導体装置46hの構成と同一である。
【0103】また、図21(a)乃至(c)及び図22
(a)乃至(c)は本実施例の他の変形例における縦型コイルスプリングの形状を示す模式図である。 図21
(a)に示す狭ピッチコイルスプリング71は縦型コイルスプリング4と比較してピッチが狭くなっている。 図21(b)に示す広ピッチコイルスプリング72は縦型コイルスプリング4と比較してピッチが広くなっている。 図21(c)に示す間欠コイルスプリング73はコイル部73aと直線部73bとから構成されている。 図22(a)に示す間欠コイルスプリング74もコイル部74aと直線部74bとから構成されているが、軸方向から見た直線部74bの位置が間欠コイルスプリング7
3とは異なっている。 図22(b)に示す間欠コイルスプリング75は、狭ピッチ部75a、広ピッチ部75b
及び直線部75cから構成されている。 図22(c)に示す間欠コイルスプリング76は、コイルの半径が周期的に連続的に変化している。 このような種々の形状のコイルスプリングを使用することにより、コイルスプリングのばね定数を一定値ではなく、コイルスプリングに印加される応力の大きさ及び方向により最適に変化させることが可能となる。
【0104】次に、本発明の第8の実施例について説明する。 図23は本実施例に係る半導体装置46iの構成を示す側面図である。 半導体装置46iは、図9に示す半導体装置46dにおける回路基板6とマザーボード9
との間の縦型コイルスプリング4の代わりに導電性バンプ11を設けたものである。 半導体装置46iにおける導電性バンプ11以外の構成は、半導体装置46dと同一である。
【0105】回路基板6とマザーボード9との間の熱膨張差に起因する応力があまり大きくない場合には、本実施例に示すように、回路基板6とマザーボード9とを導電性バンプ11により接続することにより、キャリアー基板6とマザーボード9との間の耐震性を向上させることが可能となる。 これにより、耐震性及び接続信頼性が高いフリップチップ接続構造を有する半導体装置が得られると共に、機能素子チップ1、回路基板6及びマザーボード9の構造及び材料等の選定が容易となる。 なお、
本実施例においては、機能素子チップ1と回路基板6との接続に縦型コイルスプリング4を使用する例を示したが、横型コイルスプリングを使用してもよい。
【0106】次に、本発明の第9の実施例について説明する。 図24は本実施例に係る半導体装置46jの構成を示す断面図である。 図24に示すように、半導体装置46jにおいては、図11に示す半導体装置46eにヒートシンク12が取り付けられた構成となっている。 即ち、回路基板6上に横型コイルスプリング10が設けられ、横型コイルスプリング10上に機能素子チップ1が設けられ、機能素子チップ1は横型コイルスプリング1
0を介して回路基板6に接続されている。 そして、機能素子チップ1の裏面、即ち、横型コイルスプリング10
が接続されていない側の面には、ヒートシンク12が高熱伝導性樹脂、ハンダ又はAu−Si等の接合材(図示せず)を介して接合されている。 このとき使用する接合材は、必ずしも熱膨張係数が低い材料又は熱膨張係数がバンプ接続材料の熱膨張係数に整合した材料である必要はなく、任意の特性のものでよい。
【0107】また、ヒートシンク12と回路基板6とのパッケージ構造は、ヒートシンク12と回路基板6との間隔調整のためのスペーサー14をボルト13によって固定した構造となっている。 即ち、ヒートシンク12と回路基板6との間にはスペーサ−14が配置されており、ボルト13が回路基板6及びスペーサー14をこの順に貫通してヒートシンク12に達するように設けられ、回路基板6及びスペーサー14をヒートシンク12
に連結させている。 更に、ヒートシンク12、スペーサ−14及び回路基板6によって封止された空間は不活性ガスによって充填されている。
【0108】本実施例においては、ヒートシンク12を機能素子チップ1の裏面に直接接合することにより、機能素子チップ1が高消費電力型機能素子であっても、機能素子チップ1が発熱する熱をヒートシンク12により効果的に放出することができる。 また、ヒートシンク1
2と回路基板6との間及び機能素子チップ1と回路基板6との間の熱膨張差による応力が横型コイルスプリング10によって吸収されるため、これらの応力について考慮する必要がない構造となっている。 そのため、熱膨張差を考慮してスペーサー14の寸法及び材料等を微妙に調整することが不要になる。 これにより、機能素子チップ1、回路基板6及びヒートシンク12等の構造の選択肢が増えると共に、実装が容易となり、ヒートシンク付き半導体装置の構造の単純化が可能となると共に、パッケージコストが低い高消費電力型機能素子を搭載したフリップチップ型半導体装置を得ることができる。 なお、
横型コイルスプリング4の代わりに縦型コイルスプリングを使用しても何ら差し支えない。
【0109】次に、本発明の第10の実施例について説明する。 図25は本実施例に係る半導体装置46kの構成を示す断面図である。 図25に示すように、半導体装置46kにはキャビティー15aを有するパッケージ1
5が設けられている。 パッケージ15のキャビティー1
5aの底部には回路基板6が搭載されている。 回路基板6上には横型コイルスプリング10が設けられ、横型コイルスプリング10上には機能素子チップ1が設けられ、機能素子チップ1は横型コイルスプリング10を介して回路基板6に接続されている。 回路基板6と機能素子チップ1との間の構成は図11に示す半導体装置46
eの構成と同一である。
【0110】また、機能素子チップ1の裏面、即ち、横型コイルスプリング10が接続されていない側の面には、ヒートシンク12が高熱伝導性樹脂、ハンダ又はA
u−Si等の接合材(図示せず)を介して接合されている。 このとき使用する接合材は、必ずしも熱膨張係数が低い材料又は熱膨張係数がバンプ接続材料の熱膨張係数に整合した材料である必要はなく、任意の特性のものでよい。
【0111】更に、半導体装置46kのパッケージ構造は、ヒートシンク12をパッケージ15に接着又は機械的に接合した構造となっており、パッケージ15は複数のリードピン16を備え、リードピン16は回路基板6
に接続されている。 また、ヒートシンク12及びパッケージ15により封止された空間は不活性ガスによって充填されている。
【0112】本実施例における半導体装置46kは、キャビティー15aを有するパッケージ15を使用することにより、図24に示す前記第9の実施例に係る半導体装置46jと比較して、単純な構成とすることができる。 また、機能素子チップ1、回路基板6、ヒートシンク12及びパッケージ15における熱膨張差に起因する応力が横型コイルスプリング10によって吸収されるため、これらの応力について考慮する必要がない構造となっている。 そのため、熱膨張差を考慮してパッケージ1
5のキャビティー15aの深さ寸法及び材料等の微妙な調整が不要となり、機能素子チップ1、回路基板6、ヒートシンク12等の構造を単純化でき、実装が容易となる。 なお、コイルスプリングは縦型であっても何ら差し支えない。
【0113】次に、本発明の第11の実施例について説明する。 図26(a)及び(b)は本実施例に係る半導体装置の構成及び製造方法を示す側面図である。 本実施例の半導体装置においては、図26(b)に示すように、機能素子チップ1が回路基板6に2本の縦型コイルスプリング4及び69により接続されている。 本実施例の半導体装置における縦型コイルスプリング4及び69
以外の構成は、図1に示す前記第1の実施例に係る半導体装置46aの構成と同一である。
【0114】本実施例における半導体装置の製造方法について説明する。 先ず、図26(a)に示すように、前記第1の実施例に示した方法と同様の方法により、縦型コイルスプリング69を機能素子チップ1のチップ電極2にメタル層3を介して接続する。 また、同様に、縦型コイルスプリング4を回路基板6の表回路基板電極5にメタル層3を介して接続する。
【0115】次に、縦型コイルスプリング4と縦型コイルスプリング69とが相互に押圧されるように、機能素子チップ1及び回路基板6に垂直方向の荷重を印加し、
更に、水平方向にスクラブ又は振動を加える。 これにより、縦型コイルスプリング4と縦型コイルスプリング6
9とが相互に絡み合う。
【0116】この結果、図26(b)に示すように、垂直方向の荷重を除去した状態であっても、縦型コイルスプリング4及び縦型コイルスプリング69は、互いに元の形に戻ろうとする弾性力により電気的に接続された状態となる。
【0117】この状態において機能素子チップ1の内部及び機能素子チップ1と回路基板6との間の接続について電気検査を行う。 この電気検査により接続部分が電気的に接続されていないことが確認された場合には、機能素子チップ1及び回路基板6に相互に離れるように上下逆向きの力を与え、互いに絡み合っている縦型コイルスプリング4及び縦型コイルスプリング69を引き剥がす。
【0118】これに対して、電気検査の結果、接続部分が電気的に導通が取れていることを確認できた場合は、
機能素子チップ1及び回路基板6を加熱し縦型コイルスプリング4を縦型コイルスプリング69に接合して半導体装置を形成する。
【0119】本実施例の製造方法によれば、電気検査の結果、接続部分が電気的に接続されていないことが確認された場合には、機能素子チップ1及び回路基板6に熱を加えることなく、機能素子チップ1を回路基板6から容易に引き剥すことができる。 このため、引き剥がされた機能素子チップ1及び回路基板6は損傷を受けることなく、再度接続することができる。
【0120】なお、本実施例においては、機能素子チップ1と回路基板6との接続に縦型コイルスプリング4及び縦型コイルスプリング69を使用する例を示したが、
使用する縦型コイルスプリングはこれらに限定されず、
例えば、図19(a)及び(b)、図21(a)乃至(c)並びに図22(a)乃至(c)に示す狭ピッチコイルスプリング71、広ピッチコイルスプリング72、
間欠コイルスプリング73乃至76等から任意に選択することができる。
【0121】なお、本発明においては、コイルスプリングを形成するワイヤの断面形状は特に限定されないが、
例えば、円形、楕円形、正方形、長方形、三角形又は台形であることができる。
【0122】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
フリップチップ接続構造を有する半導体装置において、
機能素子デバイスを回路基板に電気的及び機械的に接続する手段としてバンプではなくコイルスプリングを使用することにより、従来大きな問題となっていた機能素子デバイスと回路基板との間の熱膨張差に起因するバンプへの応力集中をコイルスプリングにより吸収することができる。 その結果、バンプへの応力集中を考慮した構造、プロセス及び材料を検討する必要がなくなり、構造及びプロセスが簡単で、パッケージコストが低く、しかも信頼性が高いフリップチップ接続構造を有する半導体装置を得ることができる。 また、高消費電力用機能素子デバイスを使用する場合においても、機能素子デバイスを直接ヒートシンクに接続することができるため、最高レベルの低熱抵抗化が可能な半導体装置を得ることができる。 更に、電気検査で不良となった機能素子デバイスと回路基板とからなる接続体に対して、熱を加えずに機能素子デバイスを回路基板又はマザーボード等から機械的に引き剥がすことができるため、これらの引き剥がされた機能素子デバイス及び回路基板に損傷を与えることを防止でき、一旦引き剥がされた機能素子デバイス及び回路基板を再度接続することが容易になり、再接合された機能素子デバイス及び回路基板の接続信頼性を向上させることができる。
【図1】本発明の第1の実施例に係る半導体装置の構成を示す側面図である。
【図2】(a)乃至(c)は、本実施例に係る半導体装置の製造方法において使用するカット治具29の構成を示し、(a)は平面図、(b)は断面図、(c)は正面図である。
【図3】(a)及び(b)は、本実施例に係るコイルスプリング供給治具であるコイルホルダー37の構成を示す断面図である。
【図4】本実施例に係る半導体装置において機能素子チップ1が多数形成されているウェハ24の構成を示す平面図である。
【図5】本実施例における機能素子チップ1の構成を示す側面図である。
【図6】本発明の第2の実施例に係る半導体装置46b
の構成を示す側面図である。
【図7】(a)はコイルスプリング67の形状を示す平面図であり、(b)はその側面図である。
【図8】本実施例の変形例に係る半導体装置46cの構成を示す側面図である。
【図9】本発明の第3の実施例に係る半導体装置46d
の構成を示す側面図である。
【図10】(a)及び(b)はカット治具47の構成を示し、(a)は断面図、(b)は正面図である。
【図11】本発明の第4の実施例に係る半導体装置46
eの構成を示す側面図である。
【図12】(a)乃至(c)は、半導体装置46eの製造方法を工程順に示す側面図である。
【図13】本発明の第5の実施例に係る半導体装置46
fの構成を示す側面図である。
【図14】半導体装置46fの製造方法を示す側面図である。
【図15】本実施例の変形例における半導体装置の製造方法を示す側面図である。
【図16】本発明の第6の実施例に係る半導体装置46
gの構成を示す側面図である。
【図17】本実施例に係る半導体装置46gの製造方法を示す断面図である。
【図18】本発明の第7の実施例に係る半導体装置46
hの構成を示す側面図である。
【図19】縦型コイルスプリング69の形状を示す側面図である。
【図20】(a)及び(b)は、本実施例の変形例におけるコイルスプリングの形状を示す側面図である。
【図21】(a)及び(b)は、本実施例の他の変形例におけるコイルスプリングの形状を示す側面図である。
【図22】(a)乃至(c)は本実施例の他の変形例における縦型コイルスプリングの形状を示す側面図である。
【図23】本発明の第8の実施例に係る半導体装置46
iの構成を示す側面図である。
【図24】本発明の第9の実施例に係る半導体装置46
jの構成を示す断面図である。
【図25】本発明の第10の実施例に係る半導体装置4
6kの構成を示す断面図である。
【図26】(a)及び(b)は本発明の第11の実施例に係る半導体装置の構成及び製造方法を示す側面図である。
【図27】従来の半導体装置の構成を示す断面図である。
1;機能素子チップ 2;チップ電極 3;メタル層 4;縦型コイルスプリング 5;表回路基板電極 6;回路基板(キャリアー基板) 7;裏回路基板電極 8;マザーボード電極 9;マザーボード 10;横型コイルスプリング 11;導電性バンプ 12;ヒートシンク 13;ボルト 14;スペーサー 15;パッケージ 15a;キャビティー 16;リードピン 24;ウェハ 25;コイルスプリング連結リード 26;感光性レジスト 28;レーザ光 29;カット治具 30;治具開口部 31;連続コイルスプリング 32;治具穴 33;カット治具用透明パイプ 34;パイプ穴 35;パイプホルダー 36;ガイド穴 36a;上部開口部 36b;下部開口部 37;コイルホルダー 38;ストッパー 38a;基材 38b;突起部 39;加熱吸着ヘッド 40;押し上げピン 40a;基材 40b;ピン 41;V溝 42;シリコンテンプレート 43;箱体 43a;箱体43の側面 43b;箱体43の上面 44;コイルスプリング 45;筐体 46a乃至k;半導体装置 47;カット治具 48;めっき部分 51;機能素子デバイス 52;電極 53;バンプ 54;電極 55;弾性配線基板 56;絶縁性の弾性材 57;配線 60;バンプ 61;電極 62;有機多層配線基板 63;搭載基板 64;キャップ 65;接着層 66;キャビティー 67;コイルスプリング 68;コイルスプリング 69;縦型コイルスプリング 69a:小半径部 69b;大半径部 70a、b;コイルスプリング 71;狭ピッチコイルスプリング 72;広ピッチコイルスプリング 73乃至76;間欠コイルスプリング 73a、74a;コイル部 73b、74b、75c;直線部 75a;狭ピッチ部 75b;広ピッチ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 7識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/92 602R 604A 23/12 P (72)発明者 高橋 信明 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 北城 栄 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 嶋田 勇三 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 Fターム(参考) 5E344 AA01 BB06 CD11 DD03 DD10 EE11 5F044 KK01 KK17 KK19 LL00 LL13 QQ02 QQ04
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