【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、イメージ情報を大容量のファイル装置に格納して、このファイル装置から指定のイメージ情報を検索するときに見出しデータを利用する方式のイメージ情報管理システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば文書や図形のイメージ情報を外部記憶装置（ファイル装置）に格納し、必要に応じて所望のイメージ情報を検索するイメージ情報管理システムが開発されている。 外部記憶装置は通常では大容量の光ディスク装置やハードディスク装置である。

【０００３】イメージ情報管理システムは、通常ではイメージ情報を頁単位で管理し、多数の頁からなる一種の書類として扱っている。 このようなイメージ情報を頁単位で検索する場合に、各頁のイメージ情報の一部を見出しデータとして切り出し、この見出しデータを指定することにより所望のイメージ情報を求める方式がある。 見出しデータは通常では、一定サイズの矩形状のイメージデータである。

【０００４】イメージ情報管理システムは、検索モード時に見出しデータを一覧形式で表示画面に表示し、この表示画面から選択された見出しデータに対応する頁のイメージ情報を検索する。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】従来のイメージ情報管理システムは、検索モード時に一定サイズの矩形状の見出しデータを一覧形式で表示画面に表示し、この表示画面から選択された見出しデータに対応する頁のイメージ情報を検索する方式を採用している。 しかしながら、一覧形式の各見出しデータは全て一定サイズの矩形状であるため、表示画面には画一的に表示されることになる。
このため、ユーザが表示画面から所望のイメージ情報に対応する見出しデータを選択するときに、特に類似した見出しデータが存在する場合には識別が困難となる。

【０００６】本発明の目的は、見出しデータによりイメージ情報を検索する方式のイメージ情報管理システムにおいて、識別の容易な見出しデータを表示するようにして、イメージ情報の検索処理の効率化を図ることにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の第１は、イメージデータ、見出し元データおよび指定形状のマスクデータを含むイメージ情報を記憶するイメージ記憶手段、マスクデータに基づいて前記見出し元データの外形を変形した見出しデータを生成する見出しデータ生成手段、見出しデータを表示画面に表示する表示手段および見出しデータに対応する前記イメージデータをイメージ記憶手段から検索するイメージ検索手段を備えたイメージ情報管理システムである。

【０００８】本発明の第２は、イメージデータ、見出し元データおよび指定形状のマスクデータを含む頁単位のイメージ情報を記憶するイメージ記憶手段、マスクデータの外形を有し見出し元データとマスクデータの共通データから形成された各頁毎の見出しデータを生成する見出しデータ生成手段、各頁毎の見出しデータの一覧表示画面を表示する表示手段、各イメージデータのアクセス情報を記憶するアクセス用テーブル手段およびアクセス情報により指定された見出しデータに対応する前記イメージデータをイメージ記憶手段から検索するイメージ検索手段を備えたイメージ情報管理システムである。

【０００９】

【作用】本発明の第１では、イメージ記憶手段には、イメージデータ以外に、イメージデータの一部であって所定の形状を有する見出し元データおよび指定形状のマスクデータが格納される。 見出しデータ生成手段はマスクデータに基づいて見出し元データの外形を変形した見出しデータを生成する。 表示手段は生成された見出しデータを表示画面に表示する。 イメージ検索手段は表示画面に表示された見出しデータの指定に従って、見出しデータに対応するイメージデータをイメージ記憶手段から検索する。

【００１０】本発明の第２では、イメージ記憶手段には頁単位のイメージデータ以外に、各イメージデータ毎にイメージデータの一部であって所定の形状を有する見出し元データおよび指定形状のマスクデータが格納される。 見出しデータ生成手段は、見出し元データとマスクデータとに基づいて、マスクデータの外形を有し見出し元データとマスクデータの共通データから形成された各頁毎の見出しデータを生成する。 表示手段は生成された各頁毎の見出しデータの一覧表示画面を表示する。 イメージ検索手段は、一覧表示画面から指定された見出しデータに対応するアクセス情報をアクセス用テーブル手段から求めて、このアクセス情報により指定された見出しデータに対応するイメージデータをイメージ記憶手段から検索する。

【００１１】

【実施例】以下図面を参照して本発明の実施例を説明する。 図１は同実施例に係わるイメージ情報管理システムの要部を示すブロック図、図２は同実施例に係わる外部記憶装置の記憶内容を説明するための概念図、図３は同実施例の動作を説明するための概念図、図４は同実施例の動作を説明するためのフローチャートである。

【００１２】本システムは、システムの中央処理ユニットである制御装置（ＣＰＵ）１、入力装置２、表示装置３、印刷装置４、外部記憶装置５および内部記憶装置であるメインメモリ６を備えている。 ＣＰＵ１は各装置を制御して、イメージ情報の保存、検索等の管理処理を実行する装置であり、具体的にはマイクロプロセッサとＯ
Ｓ（オペレーティングシステム）からなる。 入力装置２
は、イメージ情報管理に必要な各種コマンドやデータを入力するための装置であり、具体的にはキーボード、ポインティング装置（マウス等）およびイメージ読取装置である。

【００１３】表示装置３と印刷装置４はシステムの出力ユニットである。 表示装置３は見出しデータの一覧表示画面や検索されたイメージデータを表示する例えばＣＲ
Ｔディスプレイ装置である。 印刷装置４は検索されたイメージデータを印刷するプリンタである。

【００１４】外部記憶装置５は例えば大容量の光ディスク装置やハードディスク装置からなるファイル装置であり、イメージデータやイメージ管理テーブル等を保存する。 メインメモリ６は、ＣＰＵ１が外部記憶装置５から検索したイメージデータを格納したり、見出しデータの一覧表示画面データ等を作成したり、外部記憶装置５をアクセスするためのアクセス用テーブルを格納するためのメモリである。

【００１５】次に、同実施例の動作を説明する。 （基本動作）本システムでは、ＣＰＵ１は入力装置２の入力操作に基づいて、作成したイメージデータまたは読取処理されたイメージデータを外部記憶装置５に保存する。 イメージデータは文書や図形等の画像情報である。
外部記憶装置５には、図２に示すように、イメージデータと共に、イメージ管理データ、見出し元データおよびマスクデータが記憶される。 ここでは、これらを含めてイメージ情報と称する。

【００１６】イメージ情報は、通常では頁単位に管理されており、位置情報により指定される記憶エリア５ａ〜
５ｄにそれぞれ格納される。 この位置情報とは、記憶装置５の記憶媒体であるディスク（光ディスクまたは磁気ディスク）をアクセスするための物理アドレスであり、
ＣＰＵ１からの論理アドレスに対応している。

【００１７】記憶エリア５ａに格納されたイメージ管理データは、各頁のイメージデータの位置情報やサイズ等を含む管理テーブルを構成している。 各頁のイメージデータは位置情報により指定された記憶エリア５ｂに格納されている。 各頁のイメージデータはそれぞれ、イメージの実体データ以外に個別管理データを有する。 個別管理データは、図２に示すように、イメージデータの一部であり所定サイズの矩形状の見出し元データＳＤの位置情報とマスクデータＭＤの位置情報を有する。

【００１８】見出し元データＳＤは、各頁のイメージデータから所定サイズの矩形状に切り出した部分イメージデータである。 マスクデータＭＤは、ユーザが指定する任意の形状からなり、見出し元データから見出しデータを作成するときの外形を決定するためのパターンデータである。 即ち、本システムでは、イメージデータを保存するときに、各頁のイメージデータの指定エリアから切り出した見出し元データＳＤと指定形状のマスクデータＭＤが、イメージデータと共に保存される。 ＣＰＵ１
は、保存したイメージ情報をイメージ管理データと個別管理データにより管理処理を実行する。 （検索動作）このようなシステムにおいて、保存されたイメージ情報から所望のイメージデータを検索する動作を説明する。 まず、入力装置２から検索モードが指示されると、ＣＰＵ１は記憶装置５に保存されたイメージデータから検索対象を特定するために、見出しデータを利用した選択モードをセットするための処理を実行する。
具体的には、ＣＰＵ１は、保存した各イメージデータに対応する見出しデータを作成して、一覧表示画面を表示装置３に表示する処理を行なう。

【００１９】ＣＰＵ１の制御により、記憶装置５は、図４のステップＳ１に示すように、記憶エリア５ａに格納されたイメージ管理データから所定の頁のイメージデータの位置情報が取り出す。 この取り出した位置情報により、イメージデータの記憶エリア５ｂをアクセスし、個別管理データを取り出す。 この個別管理データにより、
図２に示すように、所定の頁のイメージデータに対応する見出し元データＳＤとマスクデータＭＤをアクセスする（ステップＳ２）。

【００２０】ＣＰＵ１は、記憶装置５からアクセスされた見出し元データＳＤとマスクデータＭＤをメインメモリ６に格納し、両データＳＤ，ＭＤのビット単位のアンド（ＡＮＤ）処理を実行し、図３に示すように、見出しデータＡＤを作成する（ステップＳ３）。 この見出しデータＡＤは、マスクデータＭＤの外形と両データＳＤ，
ＭＤの共通データからなり、マスクデータＭＤに外形に応じて見出し元データＳＤの外形が変形されたイメージデータである。 ここでは、矩形状の見出し元データＳＤ
が、指定形状である例えば楕円形状のマスクデータＭＤ
により外形が変形されたことになる。

【００２１】ＣＰＵ１は作成した見出しデータＡＤをメインメモリ６の一覧表示エリア６ａに格納する（ステップＳ４）。 さらに、ＣＰＵ１はメインメモリ６に用意されたアクセス用テーブル６ｃに、見出しデータＡＤに対応するイメージデータの位置情報（記憶エリア５ｂのアドレス）をセットする（ステップＳ５）。 このような処理（ステップＳ１〜Ｓ５）を、イメージ管理データにより管理されているイメージデータの位置情報の取り出しが終了するまで繰り返す（ステップＳ６）。 ここで、頁単位のイメージデータが例えば数十枚の単位で、ファイル名毎の文書ファイルとして管理されていると仮定する。 ＣＰＵ１は、指定された文書ファイルの全頁のイメージデータに対応する見出しデータを、一覧表示エリア６ａに格納するまで処理を繰り返す。

【００２２】次に、ＣＰＵ１は見出しデータの一覧表示の準備が終了すると、選択モードを実行する（ステップＳ７）。 即ち、ＣＰＵ１は一覧表示エリア６ａに格納された各見出しデータを、表示装置３の表示画面に表示する（ステップＳ８）。 ここで、図３に示すように、表示装置３に表示された各見出しデータに対応するイメージデータの位置情報がアクセス用テーブル６ｃにセットされている。

【００２３】ユーザは表示装置３の表示画面から、所望のイメージデータに対応する見出しデータ（ここではＡ
Ｄとする）を選択し、入力装置２により表示画面上で指定する。 ＣＰＵ１は指定された見出しデータＡＤに対応する位置情報Ａ１を、アクセス用テーブル６ｃから求める（ステップＳ９）。 この位置情報Ａ１により、ＣＰＵ
１は記憶装置５の記憶エリア５ｂからイメージデータをアクセスし、メインメモリ６の所定エリア６ｂに展開する（ステップ１０）。 ＣＰＵ１は、メインメモリ６に展開されたイメージデータを表示装置３の画面に表示する。

【００２４】ユーザは、表示装置３の表示画面により、
所望のイメージデータを検索した否かを確認することになる。 そして、入力装置２の入力操作に応じて、ＣＰＵ
１は検索されたイメージデータに対する編集処理を実行する。 また、印刷装置４を制御して、表示装置３の表示画面に表示されたイメージデータや編集されたイメージデータを印刷する（ステップＳ１１）。

【００２５】このようにして、記憶装置５にイメージデータを保存するときに、見出し元データＳＤとマスクデータＭＤを用意し、検索モード時に見出し元データＳＤ
とマスクデータＭＤを利用してイメージデータに対応する見出しデータＡＤを作成する。 この見出しデータＡＤ
は、例えば矩形状である一定形状の見出し元データＳＤ
をマスクデータＭＤにより、変形したイメージデータある。 このため、各頁のイメージデータに対応する見出しデータを一覧表示した場合に、各見出しデータが同一形状の画一的な表示になることを防止することができる。

【００２６】したがって、ユーザは表示画面から所望のイメージデータに対応する見出しデータを容易に識別することができるため、結果的に検索処理の効率を向上することができる。 また、形状の変形だけでなく、マスクデータＭＤにより見出しデータのサイズを変化させれば、さらに識別効果を高めることが可能となる。 例えば検索頻度の高いイメージデータに対応する見出しデータを特徴のある形状と比較的大きいサイズに作成すれば、
そのイメージデータの検索効率を高めることができる。
また、イメージデータの内容に対応して、見出しデータの形状を設定すれば、単なる変形よりも識別効果を高めることが可能である。 さらに、各見出しデータを一覧表示エリア６ａに格納して表示画面に表示するときに、検索頻度の高いイメージデータに対応する見出しデータを画面上の見易い位置に配置することができる。

【００２７】

【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、見出しデータによりイメージ情報を検索する方式のイメージ情報管理システムにおいて、各イメージ情報に対応する見出しデータを一覧形式で表示画面に表示するときに、見出しデータ毎に異なる形状で表示することができる。 したがって、従来のような同一形状の画一的な表示ではないため、所望のイメージデータに対応する見出データの識別効果を高めることができる。 これにより、結果的に見出しデータによるイメージデータの検索を効率的に行なうことが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係わるイメージ情報管理システムの要部を示すブロック図。

【図２】同実施例に係わる外部記憶装置の記憶内容を説明するための概念図。

【図３】同実施例の動作を説明するための概念図。

【図４】同実施例の動作を説明するためのフローチャート。

【符号の説明】

１…制御装置（ＣＰＵ）、２…入力装置、３…表示装置、４…印刷装置、５…外部記憶装置、６…メインメモリ