首页 / 专利库 / 皮革加工 / 合成皮 / 大腸ガンのプロバイオティクスによる防止および処置

大腸ガンのプロバイオティクスによる防止および処置

阅读:1发布:2020-07-06

专利汇可以提供大腸ガンのプロバイオティクスによる防止および処置专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且【課題】大腸腫瘍形成の発症を防止し、延ばし、またはその進行を抑える方法の提供。 【解決手段】B.フラギリス、B.シータイオタオミクロン、B.ブルガータス等バクテロイデス属細菌と双性イオン性多糖やビタミンD類が含まれる組成物を対象に施与して消化管内 微 生物 叢の組成を対象において調整する方法。 【選択図】図1,下面是大腸ガンのプロバイオティクスによる防止および処置专利的具体信息内容。

大腸腫瘍形成の発症を、大腸腫瘍形成の危険性が認められる対象において防止し、延ば し、またはその進行を抑えるにあたり、 消化管内生物叢の組成を、バクテロイデス属細菌が含まれる組成物を対象に施与する ことを介して対象において調整すること を含む、方法。バクテロイデス属細菌は、B.フラギリス、B.シータイオタオミクロン、B.ブルガータス 、またはそれらの混合物である、請求項1の方法。組成物は、プロバイオティック組成物、ニュートラスーティカル組成物、ファーマスー ティカル組成物、またはそれらの混合物である、請求項1または2の方法。組成物には、双性イオン性多糖類(ZPS)、ビタミンD、またはそれらの組合せが含まれ る、請求項1〜3のいずれか一項の方法。組成物は糞便移植を介して施与される、請求項1〜4のいずれか一項の方法。組成物は経口投与を介して施与される、請求項1〜4のいずれか一項の方法。組成物は、断続的に、定期的に、連続的に、または長期的に施与される、請求項1〜6の いずれか一項の方法。炎症促進性サイトカイン、ケモカイン、および/または誘導型一酸化窒素合成酵素(iNO S)の発現レベルを、消化管内微生物叢の組成を対象において調整した後、対象において 測定することが含まれる、請求項1〜7のいずれか一項の方法。炎症促進性サイトカインは、TNFα、IL-6、IL-17A、およびIL-23からなる群より選ばれ る、請求項8の方法。ケモカインは、単球走化性タンパク質1(MCP-1)、マクロファージ炎症性タンパク質2 (MIP-2)、ケモカインリガンド(KC)からなる群より選ばれる、請求項8または9の方法 。大腸の状態で対象を判断することが含まれる、請求項1〜10のいずれか一項の方法。大腸の状態は腸の炎症性状態である、請求項11の方法。腸の炎症性状態は、炎症性腸疾患(IBD)、クローン病(CD)、および潰瘍性大腸炎(U C)からなる群より選ばれる、請求項12の方法。腸の炎症性状態はUCである、請求項12の方法。対象の大腸腫瘍形成の危険性を評価することが含まれる、請求項1〜14のいずれか一項 の方法。対象の大腸腫瘍形成の危険性を評価することには、対象の大腸ガンの系統群歴を探すこ と、大腸ガンに関係する遺伝子変異を対象において識別すること、ディスバイオシスにつ いて対象においてテストすること、またはそれらの組合せが含まれる、請求項15の方法。ディスバイオシスには、プロテウス・ミラビリスおよび/またはクレブシエラ・ニュー モニアエの過剰出現が含まれる、請求項16の方法。消化管内微生物叢の組成を調整された対象の腫瘍のない時間は、消化管内微生物叢の組 成を調整されていない一以上の対象における基準の腫瘍のない時間に比べて増加する、請 求項1〜17のいずれか一項の方法。消化管内微生物叢の組成を調整された対象における一以上の腫瘍の合計のサイズは、消 化管内微生物叢の組成を調整されていない一以上の対象における基準の合計腫瘍サイズに 比べて減少する、請求項1〜18のいずれか一項の方法。消化管内微生物叢の組成を調整された対象における腫瘍の合計数は、消化管内微生物叢 の組成を調整されていない一以上の対象における基準の合計腫瘍数に比べて減少する、請 求項1〜19のいずれか一項の方法。消化管内微生物叢の組成を調整された対象における一以上の腫瘍の合計サイズは、処置 前に比べて変わらないか、またはより一層遅いペースでしか変化しない、請求項1〜20の いずれか一項の方法。消化管内微生物叢の組成を調整された対象における腫瘍の合計数は、処置前に比べて変 わらないか、または減少する、請求項1〜21のいずれか一項の方法。大腸腫瘍形成の発症を、大腸腫瘍形成の危険性がある対象において防止し、延ばし、ま たはその進行を抑えるにあたり、 双性イオン性多糖類(ZPS)が含まれるファーマスーティカル組成物の治療上有効な量 を対象に施与すること を含む、方法。ZPSは細菌由来である、請求項23の方法。ZPSは腸内細菌由来である、請求項23の方法。ZPSはバクテロイデス属細菌由来である、請求項23の方法。バクテロイデス属細菌は、B. フラギリス、B. シータイオタオミクロン、またはB. ブ ルガータスである、請求項26の方法。ZPSはポリサッカライドA(PSA)である、請求項23〜27のいずれか一項の方法。ファーマスーティカル組成物には、バクテロイデス属細菌、ビタミンD、またはそれら の組合せが含まれる、請求項23〜28のいずれか一項の方法。大腸の状態で対象を判断することが含まれる、請求項23〜29のいずれか一項の方法。大腸の状態は腸の炎症性状態である、請求項30の方法。腸の炎症性状態は、炎症性腸疾患(IBD)、クローン病(CD)、および潰瘍性大腸炎(U C)からなる群より選ばれる、請求項31の方法。腸の炎症性状態はUCである、請求項31の方法。対象の大腸腫瘍形成の危険性を評価することが含まれる、請求項23〜33のいずれか一項 の方法。対象の大腸腫瘍形成の危険性を評価することには、対象の大腸ガンの系統群歴を探すこ と、大腸ガンに関係する遺伝子変異を対象において識別すること、ディスバイオシスにつ いて対象においてテストすること、またはそれらの組合せが含まれる、請求項34の方法。ディスバイオシスには、プロテウス・ミラビリスおよび/またはクレブシエラ・ニュー モニアエの過剰出現が含まれる、請求項35の方法。ファーマスーティカル組成物は対象に経口投与される、請求項23〜36のいずれか一項の 方法。炎症促進性サイトカイン、ケモカイン、および/または誘導型一酸化窒素合成酵素(iNO S)の発現レベルを、ファーマスーティカル組成物が対象に施与された後、対象において 測定することが含まれる、請求項23〜37のいずれか一項の方法。炎症促進性サイトカインは、TNFα、IL-6、IL-17A、およびIL-23からなる群より選ばれ る、請求項38の方法。ケモカインは、単球走化性タンパク質1(MCP-1)、マクロファージ炎症性タンパク質2 (MIP-2)、およびケモカインリガンド(KC)からなる群より選ばれる、請求項38または3 9の方法。ファーマスーティカル組成物を施与された対象の腫瘍のない時間は、ファーマスーティ カル組成物が施与されていない一以上の対象における基準の腫瘍のない時間に比べて増加 する、請求項23〜40のいずれか一項の方法。ファーマスーティカル組成物を施与された対象における一以上の腫瘍の合計サイズは、 ファーマスーティカル組成物が投与されていない一以上の対象における基準の合計腫瘍サ イズに比べて減少する、請求項23〜41のいずれか一項の方法。ファーマスーティカル組成物を施与された対象における一以上の腫瘍の合計数は、ファ ーマスーティカル組成物が施与されていない一以上の対象における基準の合計腫瘍数に比 べて減少する、請求項23〜42のいずれか一項の方法。ファーマスーティカル組成物を施与された対象における一以上の腫瘍の合計サイズは、 処置前に比べて変わらないか、またはより一層遅いペースでしか変化しない、請求項23〜 43のいずれか一項の方法。ファーマスーティカル組成物を施与された対象における腫瘍の合計数は、処置前に比べ て変わらないか、または減少する、請求項23〜44のいずれか一項の方法。大腸ガンを対象において処置または改善するにあたり、 大腸ガンをもつ対象における消化管内微生物叢の組成を調整すること を含む、方法。大腸ガンで対象を判断する、請求項46の方法。大腸ガンは大腸炎関連大腸ガンである、請求項47の方法。大腸ガンは炎症性腸疾患(IBD)の合併症である、請求項47の方法。対象の消化管内微生物叢の組成を調整することには、バクテロイデス属細菌が含まれる 組成物を対象に施与することが含まれる、請求項46〜49のいずれか一項の方法。バクテロイデス属細菌は、B. フラギリス、B. シータイオタオミクロン、B. ブルガー タス、またはそれらの混合物である、請求項50の方法。組成物は、プロバイオティック組成物、ニュートラスーティカル組成物、ファーマスー ティカル組成物、またはそれらの混合物である、請求項50または51の方法。組成物には、ZPS、ビタミンD、またはそれらの組合せが含まれる、請求項50〜52のいず れか一項の方法。組成物は糞便移植を介して施与される、請求項50〜53のいずれか一項の方法。組成物は経口投与を介して施与される、請求項50〜53のいずれか一項の方法。ある大腸の状態をもつ対象の胃腸(GI)障害を和らげるにあたり、 対象の大腸の状態を定めること、および GI障害を、消化管内微生物叢の組成を対象において調整することによって対象において 和らげること を含む、方法。大腸の状態は大腸ガンである、請求項56の方法。大腸ガンは大腸炎関連大腸ガンである、請求項57の方法。大腸ガンは炎症性腸疾患(IBD)の合併症である、請求項57の方法。大腸の状態は腸の炎症性状態である、請求項56の方法。腸の炎症性状態は、IBD、クローン病(CD)、および潰瘍性大腸炎(UC)からなる群よ り選ばれる、請求項60の方法。腸の炎症性状態はIBDである、請求項60の方法。

大腸炎に関連する大腸腫瘍形成以外の大腸腫瘍形成の発症を防止し、延ばし、またはその進行を抑えるために有効な量においてポリサッカライド(A)(PSA)を含む、大腸腫瘍形成の危険性が認められる対象における大腸腫瘍形成の発症を防止し、延ばし、またはその進行を抑えることにおける使用のための組成物であって、 ポリサッカライドA(PSA)の構造には、繰返し単位{ →3) α-d-AAT Galp(1→4)-[β-d-Galf(1→3)] α-d-GalpNAc(1→3)-[4,6-ピルバート]-β-d-Galp(1→}が含まれ、 AATGalはアセトアミド-アミノ-2,4,6-トリデオキシガラクトースであり、ガラクトピラノシル残基は、O-4およびO-6に及ぶピルバートにより修飾される、組成物。組成物は、プロバイオティック組成物、ニュートラスーティカル組成物、ファーマスーティカル組成物、またはそれらの混合物である、請求項1に記載の使用のための組成物。組成物は経口投与を介して施与される、請求項1または2に記載の使用のための組成物。組成物は、断続的に、定期的に、連続的に、または長期的に施与される、請求項1−3のいずれか一項に記載の使用のための組成物。組成物は、対象の大腸腫瘍形成の危険性を評価した後に施与される、請求項1−4のいずれか一項に記載の使用のための組成物。対象の大腸腫瘍形成の危険性の評価は、対象の大腸ガンの系統群歴を探すこと、大腸ガンに関係する遺伝子変異を対象において識別すること、ディスバイオシスについて対象においてテストすること、またはそれらの組合せにより実行され、任意選択的に、ディスバイオシスには、プロテウス・ミラビリスおよび/またはクレブシエラ・ニューモニアエの過剰出現が含まれる、請求項5に記載の使用のための組成物。組成物の施与は、組成物が施与されない一以上の対象における基準の腫瘍のない時間に比べて増加した、対象の腫瘍のない時間を提供する、請求項1−6のいずれか一項に記載の使用のための組成物。組成物を施与された対象における一以上の腫瘍の合計サイズは、組成物が施与されていない一以上の対象における基準の合計腫瘍サイズに比べて減少する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の使用のための組成物。組成物を施与された対象における一以上の腫瘍の合計数は、組成物が施与されていない一以上の対象における基準の合計腫瘍数に比べて減少する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の使用のための方法。PSAは分離されたPSAであり、随意に、PSAはB.フラギリスから分離される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の使用のための組成物。組成物にはB.フラギリス細菌が含まれる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の使用のための組成物。組成物にはさらに、ビタミンDが含まれる、請求項1〜11のいずれか一項に記載の使用のための組成物。PSAは、少なくとも0.1mgから1000mgの容量で施与される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の使用のための組成物。大腸腫瘍形成は、遺伝性非ポリポーシス大腸ガン(HNPCC)、ガードナー症候群と関係する大腸ガン、家族性腺腫性ポリポーシス(FAP)と関係する大腸ガン、大腸腺ガン、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍、原発性大腸リンパ腫、平滑筋肉腫、メラノーマ、扁平上皮ガン、およびそれらの組合せからなる群より選ばれる、請求項1〜13のいずれか一項に記載の使用のための組成物。PSAを含む組成物の有効量が施与された対象における腫瘍の合計数は、PSAが含まれる組成物を施与されていない一以上の対象における基準の合計腫瘍数に比べて少なくとも10%だけ減少する、請求項9に記載の使用のための組成物。組成物は、一以上の治療剤と組み合わせた施与用である、請求項1に記載の使用のための組成物。組成物および一以上の治療剤は、同時施与または任意の順序での連続施与用である、請求項16に記載の使用のための組成物。組成物および一以上の治療剤は、長期的施与または断続的施与用である、請求項16に記載の使用のための組成物。

说明书全文

優先権主張出願への参照による組込み 本出願はアメリカ合衆国法典第35巻-特許第119条(e)の下に2013年5月10日付け出願の 米国仮出願第61/822126号に対し優先権を主張し、ここに参照することによって明示的に その全体を組み込む。

連邦支援のR&Dに関する記述 この発明は国立衛生研究所により認められたDK078938に基づく政府の支持で行われた。 政府は本発明において一定の権利をもつ。

シークエンスリスティングへの言及 本出願は電子化形式においてシークエンスリスティングと併せて出願してある。シーク エンスリスティングはSEQLISTING.TETと題し、2014年5月8日付け作成のファイルとして提 供し、それは4Kbのサイズである。シークエンスリスティングの電子化形式における情報 は、ここに参照することによってその全体を組み込む。

本発明の分野 本出願は概して大腸ガンの防止および処置の分野に関する。

関連技術の記載 大腸ガンは、世界における第三番目に最も一般的な悪性腫瘍であり、および炎症性腸疾 患(IBD)は人間における大腸ガンのリスクを増加させる。慢性炎症、腸のガンの病因は 未だ解明されていないが、それは消化管内生物叢に対する不適切な応答によって炎症性 および抗炎症性の応答間の免疫バランスの混乱の結果でありうると考えられる。慢性的腸 炎中に産生される炎症性サイトカインおよびケモカインは、その後、結腸腫瘍形成を惹起 し、および促進することがありうる。

Bacteroides fragilis(バクテロイデス・フラギリス、バクテロイデス・フラジリス) またはその免疫調節分子のポリサッカライドA(PSA)によるマウスの経口的処置を伴うマ ウスのコロニー形成は、十分に確立されたCD4+ CD45Rb移入モデルを用いる実験的大腸炎 の発生に対して保護することが示された〔Mazmanian(マズマニアン)ら、Nature(ネイ チャー)453:620-625(2008)〕。

B.フラギリス、およびB.フラギリスのポリサッカライドA(PSA)は、大腸炎関連大腸ガ ンの発生から、対象を、たとえば、炎症性サイトカイン、ケモカインおよび誘導型一酸化 窒素合成酵素(iNOS)の発現を抑制することによって保護するために使用することができ る。若干の実施態様では、大腸腫瘍形成を防止および処置する方法は、プロバイオティッ クアプローチを使用して提供される。

一態様では、本方法は、大腸腫瘍形成の危険性が認められる対象における大腸腫瘍形成 の発症を防止し、延ばし、またはその進行を抑えるために提供され、それには、バクテロ イデス属細菌が含まれる組成物を対象に投与することを介して対象における消化管内微生 物叢の組成を調整することが含まれる。

若干の実施態様では、バクテロイデス属は、一以上のB.フラギリス、B. thetaiotaomic ron(シータイオタオミクロン)、B. vulgatus(ブルガータス)、またはそれらの混合物 である。若干の実施態様では、本組成物は、プロバイオティック組成物、ニュートラスー ティカル組成物、ファーマスーティカル組成物、またはそれらの混合物である。若干の実 施態様において、組成物には、一以上の双性イオン性多糖類(ZPS)、ビタミンD、または それらの組合せが含まれる。若干の実施態様において、組成物は糞便の移植を介して施与 される。若干の実施態様において、組成物は経口投与を介して施与される。

いくらかの実施態様において、本組成物は、断続的に、定期的に、連続的に、または長 期的に施与される。

いくらかの実施態様において、本方法には、対象において消化管内微生物叢の組成が調 整される前および/またはその後に、炎症促進性サイトカイン、ケモカイン、および/また は誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)の発現レベルを対象において測定することが含まれ る。いくらかの実施態様では、炎症促進性サイトカインはTNFα、IL-6、IL-17A、およびI L-23からなる群より選ばれる。いくらかの実施態様では、ケモカインは、単球走化性タン パク質1(MCP-1)、マクロファージ炎症性タンパク質2(MIP-2)、ケモカインリガンド( KC)からなる群より選ばれる。

いくらかの実施態様では、本方法には、大腸の状態で対象を判断することが含まれる。 いくらかの実施態様では、大腸の状態は腸の炎症性状態である。いくらかの実施態様では 、腸の炎症性状態は、炎症性腸疾患(IBD)、クローン病(CD)、および潰瘍性大腸炎(U C)からなる群より選ばれる。いくらかの実施態様では、腸の炎症性状態はUCである。

いくらかの実施態様では、本方法には、対象の大腸腫瘍形成の危険性を評価することが 含まれる。いくらかの実施態様では、対象の大腸腫瘍形成の危険性を評価することには、 対象の大腸ガンの系統群歴を探すこと、大腸ガンに関係する遺伝子変異を対象において識 別すること、ディスバイオシスについて対象においてテストすること、またはそれらの組 合せが含まれる。いくらかの実施態様では、ディスバイオシスには、Proteus mirabilis (プロテウス・ミラビリス)および/またはKlebsiella Pneumonia(クレブシエラ・ニュ ーモニアエ、クレブシエラ炎桿菌)の過剰出現が含まれる。

いくらかの実施態様では、消化管内微生物叢の組成を調整された対象の腫瘍のない時間 は、消化管内微生物叢の組成を調整されていない一以上の対象における基準の腫瘍のない 時間に比べて増加する。いくらかの実施態様では、消化管内微生物叢の組成を調整された 対象における一以上の腫瘍の合計サイズは、消化管内微生物叢の組成を調整されていない 一以上の対象における基準の合計腫瘍サイズに比べて減少する。いくらかの実施態様では 、消化管内微生物叢の組成を調整された対象における腫瘍の合計数は、消化管内微生物叢 の組成を調整されていない一以上の対象における基準の合計腫瘍数に比べて減少する。い くつらの実施態様では、消化管内微生物叢の組成が調整された対象における一以上の腫瘍 の合計サイズは、処置前に比べて変わらないか、またはより一層遅いペースでしか変化し ない。いくらかの実施態様では、消化管内微生物叢の組成を調整された対象における腫瘍 の合計数は、処置前に比べて変わらないか、または減少する。

また、ここでは、大腸腫瘍形成の危険性がある対象において大腸腫瘍形成の発症を防止 し、延ばし、またはその進行を抑えるための方法を提供し、それには、双性イオン性多糖 類(ZPS)が含まれるファーマスーティカル組成物の治療上有効な量を対象に施与するこ とが含まれる。

いくらかの実施態様では、ZPSは細菌に由来するものである。いくらかの実施態様では 、ZPSは消化管内細菌に由来する。いくらかの実施態様では、ZPSはバクテロイデス属細菌 に由来する。いくらかの実施態様では、バクテロイデス属細菌は、B.フラギリス、B.シー タイオタオミクロン、B.ブルガータスである。いくらかの実施態様では、ZPSはポリサッ カライドA(PSA)である。いくらかの実施態様では、ファーマスーティカル組成物には、 バクテロイデス属細菌、ビタミンD、またはそれらの組合せが含まれる。

いくらかの実施態様では、本方法には、大腸の状態で対象を判断することが含まれる。 いくらかの実施態様では、大腸の状態は腸の炎症性状態である。いくらかの実施態様では 、腸の炎症性状態は、炎症性腸疾患(IBD)、クローン病(CD)、および潰瘍性大腸炎(U C)からなる群より選ばれる。いくらかの実施態様では、腸の炎症性状態はUCである。

いくらかの実施態様では、本方法には、対象の大腸腫瘍形成の危険性を評価することが 含まれる。いくらかの実施態様では、対象の大腸腫瘍形成の危険性を評価することには、 対象の大腸ガンの系統群歴を探すこと、大腸ガンに関係する遺伝子変異を対象において識 別すること、ディスバイオシスについて対象においてテストすること、またはそれらの組 合せが含まれる。いくらかの実施態様では、ディスバイオシスには、プロテウス・ミラビ リスおよび/またはクレブシエラ・ニューモニアエの過剰出現が含まれる。

いくらかの実施態様では、ファーマスーティカル組成物は対象に経口投与される。

いくらかの実施態様では、本方法には、ファーマスーティカル組成物が対象に施与され た後、炎症促進性サイトカイン、ケモカイン、および/または誘導型一酸化窒素合成酵素 (iNOS)の発現レベルを対象において測定することが含まれる。いくらかの実施態様では 、炎症促進性サイトカインは、TNFα、IL-6、IL-17A、およびIL-23からなる群より選ばれ る。いくらかの実施態様では、ケモカインは、単球走化性タンパク質1(MCP-1)、マクロ ファージ炎症性タンパク質2(MIP-2)、ケモカインリガンド(KC)からなる群より選ばれ る。

いくらかの実施態様では、ファーマスーティカル組成物を施与された対象の腫瘍のない 時間は、ファーマスーティカル組成物が施与されていない対象における基準の腫瘍のない 時間に比べて増加する。いくらかの実施態様では、ファーマスーティカル組成物を施与さ れた対象における一以上の腫瘍の合計サイズは、ファーマスーティカル組成物が投与され ていない一以上の対象における基準の合計腫瘍サイズに比べて減少する。いくらかの実施 態様では、ファーマスーティカル組成物を施与された対象における一以上の腫瘍の合計数 は、ファーマスーティカル組成物が投与されていない一以上の対象における基準の合計腫 瘍数に比べて減少する。いくらかの実施態様では、ファーマスーティカル組成物を施与さ れた対象における一以上の腫瘍の合計サイズは、処置前に比べて変わらないか、またはよ り一層遅いペースでしか変化しない。いくらかの実施態様では、ファーマスーティカル組 成物を施与された対象における腫瘍の合計数は、処置前に比べ変わらないか、または減少 する。

別の態様において、本方法は、大腸ガンを対象において処置または改善するために提供 され、それには、消化管内微生物叢の組成を、大腸ガンをもつ対象において調整すること が含まれる。

いくらかの実施態様では、本方法には、大腸ガンで対象を判断することが含まれる。い くらかの実施態様では、大腸ガンは大腸炎関連大腸ガンである。いくらかの実施態様では 、大腸ガンは炎症性腸疾患(IBD)の合併症である。

いくらかの実施態様では、対象の消化管内微生物叢の組成を調整することには、バクテ ロイデス属細菌が含まれる組成物を対象に施与することが含まれる。いくらかの実施態様 では、バクテロイデス属細菌は、B.フラギリス、B.シータイオタオミクロン、B.ブルガー タス、またはそれらの混合物である。いくらかの実施態様において、本組成物は、プロバ イオティック組成物、ニュートラスーティカル組成物、ファーマスーティカル組成物、ま たはそれらの混合物である。いくらかの実施態様において、組成物には、ZPS、ビタミンD 、またはそれらの組合せが含まれる。

いくらかの実施態様では、組成物は糞便移植を介して施与される。いくらかの実施態様 において、組成物は経口投与を介して施与される。

さらなる態様では、本方法は、ある大腸の状態をもつ対象の胃腸(GI)障害を和らげる ために提供され、それには、対象の大腸の状態を定めること、および消化管内微生物叢の 組成を対象において調整することによって、GI障害を対象において和らげることが含まれ る。

いくらかの実施態様では、大腸の状態は大腸ガンである。いくらかの実施態様では、大 腸ガンは大腸炎関連大腸ガンである。いくらかの実施態様では、大腸ガンは炎症性腸疾患 (IBD)の合併症である。

いくらかの実施態様では、大腸の状態は腸の炎症性状態である。いくらかの実施態様で は、腸の炎症性状態は、IBD、クローン病(CD)、および潰瘍性大腸炎(UC)からなるよ り選ばれる。いくらかの実施態様では、腸の炎症性状態はIBDである。

アゾキシメタン(AOM)/デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)処理したマウスのB.フラギリスを伴うコロニー形成が、B.フラギリスΔPSA(PSAを産生するために必要な遺伝子だけのB.フラギリスでの変異)を伴いコロニー形成したマウスまたはコントロール群に比較して大腸ガンの発生から保護することを示す。(A)B.フラギリスまたはB.フラギリスΔPSAをマウスに経口投与し、およびDSS処理中の重量損失をモニターした。PBSまたはB.フラギリスΔPSAコロニー形成を伴うマウスは、B.フラギリスのコロニー形成を有するマウスと比較して、第三のDSS処理期間中に有意に増加した体重減少を示した。(B、C)B.フラギリスコロニー形成したマウスにおける腫瘍の数および腫瘍サイズの和はまた、コントロールおよびB.フラギリスΔPSAコロニー形成群に比較して減少した。

大腸ガン発生中の炎症促進性サイトカインおよびシグネチャー遺伝子の発現に対するB.フラギリスのコロニー形成の効果を示す。(A)コントロール、B.フラギリスでコロニー形成したマウス、およびB.フラギリスΔPSAでコロニー形成したマウスの中でのTNF-αレベルの比較。(B)コントロール、B.フラギリスでコロニー形成したマウス、およびB.フラギリスΔPSAでコロニー形成したマウスの中でのIL-6レベルの比較。(C)コントロール、B.フラギリスでコロニー形成したマウス、およびB.フラギリスΔPSAでコロニー形成したマウスの中でのIL-17Aレベルの比較。(D)コントロール、B.フラジリスでコロニー形成したマウス、B.フラギリスΔPSAでコロニー形成したマウスの中でのMCP-1レベルの比較。(E)コントロール、B.フラジリスでコロニー形成したマウス、およびB.フラギリスΔPSAでコロニー形成したマウスの中でのMIP-2レベルの比較。(F)コントロール、B.フラギリスでコロニー形成したマウス、B.フラギリスΔPSAでコロニー形成したマウスの中でのKCレベルの比較。(G)コントロール、B.フラジリスでコロニー形成したマウス、およびB.フラギリスΔPSAでコロニー形成したマウスの中でのiNOSレベルの比較。

TLR2シグナリングがマウスにおける大腸ガンの発生からのB.フラギリスによる保護の原因であることを示す。(A)B.フラギリスでコロニー形成したWTマウスは、PBS処理した WTマウスに比較して著しく減少した重量損失を示したが、その一方で、TLR2

-/-マウスはB.フラギリスのコロニー形成に関係なく、重量損失の類似の程度を示した。(B)遠位結腸における腫瘍の数は、B.フラギリスでコロニー形成したWTマウスではPBSで処理したWTマウスと比較して著しく減少したが、その一方で、TLR2

-/-マウスは、B.フラギリスのコロニー形成に関係なく、遠位結腸において腫瘍の同様の数を発生した。(C)より一層多くの腫瘍は、B.フラギリスのコロニー形成の有無にかかわらずWTと比較してTLR2

-/-マウスの近位結腸において見出された。

好適例の詳細な記載

以下の詳細な説明では、添付の図面を参照し、それはここでの一部を形成する。詳細な 説明、図面、および請求の範囲に記載の例示的な実施態様は制限されることは意味しない 。他の実施態様が利用されてもよいし、および他の変形は、ここに提示される主題の精神 または範囲から離れることなく、なされうる。本開示の態様は、概してここに記載され、 そして図に示すように、多種多様の異なる構成において配置され、置換され、組み合わさ れ、分離され、および設計することができ、それらのすべてのことが明確にここで予期さ れることは容易に理解されるであろう。

一般的技術

本発明の実践には、他に示されない限り、分子生物学(組換え技術を含む)、微生物学 、細胞生物学、生化学、免疫学、および薬理学を採用し、それらはこの技術分野の熟練の 範囲内である。そのような技術は、文献、たとえば、Molecular Cloning(モレキュラー ・クローニング):A Laboratory Manual(ラボラトリー・マニュアル)、2nd ed.(第2 版)〔Sambrook et al.(サンブルックら)、1989〕;Oligonucleotide Synthesis(オリ ゴヌクレオチド・シンセシス)〔M. J. Gait(ゲイト)、ed.(編)、1984〕;Animal Ce ll Culture(アニマル・セル・カルチャー)〔R. I. Freshney(フレッシュネイ)、ed. 、1987〕;Methods in Enzymology(メソッヅ・イン・エンザイモロジー)〔Academic Pr ess, Inc. (アカデミック・プレス社)〕;Current Protocols in Molecular Biology( カレント・プロトコル・イン・モレキュラー・バイオロジー)〔F. M. Ausubel(オーズ ベル)ら、eds.、1987、およびperiodic updates(定期的更新)〕;PCR: The Polymeras e Chain Reaction(PCR:ザ・ポリメラーゼ・チェイン・リアクション)〔Mullis(マリ ス)ら、eds.、1994〕;およびRemington(レミントン)、The Science and Practice of Pharmacy(ザ・サイエンス・アンド・プラクティス・オブ・ファーマシー)、20th ed. (第20版)、〔Lippincott(リッピンコット)、Williams & Wilkins(ウィリアムズ&ウ ィルキンス)2003〕のようなものにおいて十分に説明されている。

定義

特に規定しない限り、ここで使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が 属する技術における通常の技量の者によって普通に理解されるのと同じ意味をもつ。たと えば、Dictionary of Microbiology and Molecular Biology(ディクショナリー・オブ・ ミクロバイオロジー・アンド・モレキュラー・バイオロジー)2nd ed.(第二版)〔Singl eton(シングルトン)et al.、J. Wiley & Sons(J. ワイリー&サンズ)1994〕参照。こ こで言及するすべての特許、出願、公表された出願および他の刊行物は、参照することに よってその全体として組込まれる。このセクションに記載される規定が、ここに参照する ことによって組込まれる特許、出願、公表された出願および他の刊行物に記載された規定 に反し、またはそうでなければ不整合がある場合、このセクションに記載の規定はここに 参照することによって組み込まれる規定よりも優先する。

本開示の目的のために、次に以下の用語を規定する。

この出願では、単数形の使用は、特に別段の断りがない限り、またはしない限り、本開 示に照らして当業者によって理解されるように、複数形を含むことができ、単数形は単に 機能上の実施態様である。このように、たとえば、「a(ある一つの)」は一よりも多く を意味することができ、および「一実施態様」は本記載が多数の実施態様に適用されるこ とを意味することができる。さらに、この出願において、「および/または」は、「およ び」の包括的な意味と、あるいはまた、「または」の排他的な意味の両方がリスト(含ま れるもの)に適用されることを意味する。よって、リスティング(リストの内容)は、リ ストの項目のすべての可能な組合せが含まれるようにし、また、他の項目から、排他的に 、各項目を含めるようにも読まれるべきである。この用語の付加は、用語「および」また は「または」単独での使用に任意の特定の意味を示すことを意図するものではない。その ような用語の意味は特定の開示を読めば当業者には明らかであろう。

ここで使用する用語「対象」は、脊椎動物、たとえば、哺乳動物などのようなものであ る。用語「哺乳動物」は、哺乳綱に属する個体として規定され、および制限されないが、 人間、家畜および農場動物、および動物園の、スポーツの、またはペットの動物が含まれ 、たとえば、ヒツジ、イヌ、ウマ、ネコまたはウシなどのようなものである。好ましい実 施態様において、対象はヒトである。

ここで使用する用語「処置」は、ペイシェント(受動体、患者も含む)によって明らか にされる疾患、障害または生理学的状態に応じて行われる臨床的介入に言及する。処置の 目的としては、制限されないが、症状の軽減または防止、疾患、障害、または状態の進行 または悪化の減速または停止および疾患、障害または状態の寛解(remission)の一また はそれよりも多く(一以上)を含むことができる。若干の実施態様では、処置はガンのペ イシェント、特に大腸(結腸直腸)ガンを患う患者に対して行われる臨床的介入に言及し うる。いくらかの実施態様では、「処置」は、治療的な処置および予防的または防止的手 段の両方に言及する。処置を必要とするものには、既に疾患または障害または望ましくな い生理学的状態によって影響されるもの、ならびに疾患または障害または望ましくない生 理学的状態が防止されるべきものが含まれる。たとえば、いくらかの実施態様では、処置 は、たとえば、IBDなどのような腸の炎症性状態をもつ対象が含まれる対象の大腸腫瘍形 成の発症を防止し、延ばし、またはその進行を抑えることができる。ここで用いるように 、用語「防止」は、大腸ガンの発症を無効にし、延ばし、またはその進行を抑える任意の 活動に言及する。このことは、第一、第二および第三の防止レベルで行われ、そこでは、 a)第一の防止は、大腸ガンの発生を回避し、b)第二の防止の活動は、大腸ガンの処置の 初期段階を目的とし、それによって大腸ガンの進行および症状の出現を防止するために介 入のための機会が増加し、およびc)第三の防止は、既に確立された大腸ガンの悪影響を 、たとえば、機能を回復させること、および/または任意の大腸ガンまたは関連する合併 症を抑えることによって減少させる。

ここに用いられるように、用語「ニュートラスーティカル(neutraceutical、栄養補助 の、栄養補助食物)」は、健康上の利点を提供する食材(たとえば、強化食物またはダイ エタリーサプリメントなどのようなもの)に言及する。

ここに用いられる用語「プロバイオティクス」は、生きた微生物に言及し、それは、十 分な量で施与するとき、宿主に健康上の利益を与えることがある。プロバイオティクスは 食物およびダイエタリーサプリメントで利用可能である(たとえば、制限されないが、カ プセル、タブレット、および粉体)。プロバイオティクスを含む食物の非制限的な例には 、酪農製品が含まれ、たとえば、ヨーグルト、発酵乳および未発酵乳、スムージー、バタ ー、クリーム、ホムス、紅茶キノコ(kombucha)、サラダドレッシング、味噌、テンペ、 栄養物バー(nutrition bars)、および若干のジュースおよび大豆飲料などのようなもの である。いくらかの実施態様では、プロバイオティクスは自然に存在することができる。

用語「双性(「両性」とも言う)イオン性多糖類(ZPS)」は、ここに使用されるよう に、グリコシド(glicosidic)結合によって一緒に結合した一以上の単糖類が含まれる、 合成または自然のポリマーを示し、および少なくとも一の正に荷電した部分および少なく とも一の負に荷電した部分が含まれる。双性イオン性多糖類には、制限されないが、任意 の長さのポリマー、単糖またはニ糖のポリマーから単糖の数百または数千を含むポリマー までのものが含まれる。若干の実施態様において、双性イオン多糖類は繰返し単位を含む ことができ、そこでは、各繰返し単位は二から十個の単糖、正に荷電した部分(たとえば 、遊離の正に荷電したアミノ部分)および負に荷電した部分(たとえば、スルホナート、 サルファート、ホスファートおよびホスホナートのようなもの)が含まれる。いくらかの 実施態様では、ZPSは約500Da(ダルトン)から約2,000,000Daまでの分子量をもつことが できる。いくらかの実施態様では、ZPSは、約200から約2500までの分子量をもつことがで きる。ZPSsは、自然の供給源から、そして特に細菌源から、たとえば、精製することによ って分離することができる。模範的なZPSsには、制限されないが、B.フラギリスからのPS AおよびPSB、Staphylococcus aureus(スタフィロコッカス・アウレウス、黄色ブドウ球 菌)からのCP5/CD8、およびStreptococcus pneumonia(ストレプトコッカス・ニューモニ エ、肺炎球菌)からのSp1/CP1が含まれる。ZPSsはまた、化学的または生化学的方法によ り、ならびに熟練者によって認識可能なすべての組換え微生物技術によって生産すること ができる。したがって、それらの方法および技術をさらに詳細にここに説明することはし ない。

用語「多糖類A」(またはPSA、またはPSAリガンド)は、ここに使用するようにして、B .フラジリスのPSA遺伝子座およびその派生物によって生成する分子を示し、それには、制 限されないが、繰返し単位{3→)α-d-AAT Galp(1→4)-[β-d-Galf(1→3)]α-d-GalpNAc(1 →3)-[4,6-ピルバート]-β-d- Galp( 1→} のポリマーが含まれ、そこでは、AATGalはア セトアミド-アミノ-2,4,6-トリデオキシガラクトースであり、およびガラクトピラノシル 残基は、O-4およびO-6に及ぶピルバート置換基により修飾される。用語「派生物」は、こ こに使用されるように第一の多糖類(例は、PSA)に関し、第一の多糖類に構造的に関連 する第二の多糖類を示し、および第一の多糖類に存在しない機能が導入され、その一方で 第一の多糖類の化学的特性、生物学的特性、または双方を保持される修飾によって、第一 の多糖類から誘導可能である。したがって、PSAの派生した多糖類は、通常、繰返し単位 、または元の多糖類には存在しない追加機能に関係するか、または関係しないことがある 一以上の繰返し単位のサッカリド(saccharidic)成分の修飾によって、元の多糖類から とは異なる。しかしながら、PSAの派生した多糖類は、ここにPSAの抗炎症活性に関連して 記載される一以上の機能的活性を保持する。

ここに用いる用語「ビタミンD」は、脂溶性プロホルモンのグループの任意の一または 組合せが含まれ(D1-D5:25 D、1,25D、以下を参照)、それは、カルシウムおよびリンの 吸収および代謝を促す。ビタミンDの五形態、ビタミンD1、D2、D3、D4、D5が発見された 。人間に最も重要であるように見える二つの形態がビタミンD2(エルゴカルシフェロール )およびD3(コレカルシフェロール)である。人間のためのビタミンDは、日光曝露、食 物およびサプリメントから得られる。それは生物学的に不活性であり、それで、体内で活 性になるために二つのヒドロキシル化反応を受ける必要がある。この用語にはまた、1,25 -ジヒドロキシコレカルシフェロールまたは1,25-ジヒドロキシビタミン(「1,25-D」)が 含まれえ、それはビタミンDの活性形態であると考えられる。1,25 Dはその前駆体25-ヒド ロキシビタミンD(D-25)から、CYP27B1遺伝子、(NG_007076.1ホモ・サピエンス)CYP27 B1によってコードされる酵素の1α-ヒドロキシラーゼ(「CYP27B1」)によって導かれる 。

ここに使用されるように、用語「サイトカイン」は、免疫システムの細胞の活性を調節 する分泌タンパク質またはその活性フラグメント(活性断片)またはその変形物(変異体 )に言及する。サイトカインの例には、制限されないが、インターロイキン、インターフ ェロン、ケモカイン、腫瘍壊死因子、免疫細胞前駆体のためのコロニー刺激因子、および その他同種類のものなどが含まれる。

本開示を通して、本発明の様々な態様が範囲の形式で提示される。これは、範囲の形式 での記載が、便宜および簡潔さのために過ぎず、そして本発明の範囲に対する柔軟性のな い制限として解釈すべきではないことを理解すべきである。したがって、範囲の記載は、 具体的には、すべての可能な部分的な範囲(sub-ranges)ならびにその範囲内の個々の数 値を開示していると考えるべきである。たとえば、1から6までのような範囲の説明は、た とえば、1から3まで、1から4まで、1から5まで、2から4まで、2から6まで、3から6まで、 などのような部分的な範囲、ならびにその範囲内の個々の数値、たとえば、1、2、3、4、 5、および6を具体的に開示してあると考えられるべきである。このことは、範囲の広さに かかわらず適用される。

本発明の他の目的、利点および特色は、添付の図面と併せて以下の明細書から明らかに なるであろう。

大腸腫瘍形成の防止

本発明者らは、B.フラギリスでコロニー形成したマウスが、アゾキシメタン(AOM)/デ キストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘発大腸ガンモデルを使用して、B.フラギリスΔPSAを 伴うマウスまたはコントロールマウスよりも有意に少ない大腸腫瘍しか発生させなかった ことを観察した。本知見は、特に顕著であり、それは、B.フラギリスがマウスモデルにお けるDSS誘発大腸炎に対して効かなかったからである(データは示していない)。炎症性 サイトカインおよび結腸ホモジネートのシグネチャー遺伝子(特徴遺伝子)は、大腸ガン の発生の間B.フラギリスのコロニー形成(細菌叢)によってダウンレギュレートされた。 いかなる特定の理論に拘束されることはないが、トール(Toll)様受容体(TLR)2シグナ ル伝達が、腫瘍の発達からB.フラギリスコロニー形成マウスを保護するために能がある と考えられる。

したがって、一つの態様において、本発明は、対象における大腸腫瘍形成の発症を予防 し、延ばし、またはその進行を抑えるための方法を提供する。いくらかの実施態様におい て、本方法には、消化管内微生物叢の組成を対象において調整することが含まれる。いく らかの実施態様において、対象は人間である。

いくらかの実施態様では、大腸腫瘍形成は腸の炎症性状態に関連することができる。い くらかの実施態様では、大腸腫瘍形成は大腸炎またはIBDに関連してもよい。慢性炎症は 、腫瘍形成のための既知の危険因子であり、および疫学的データは、ヒトガンの発生率の 15%までが炎症と関連していることを示唆する〔Mantovani(マントバーニ)ら、Nature 454:436-444(2008)〕;Kuper(クーパー)ら、J. Intern. Med(ジャーナル・オブ・ インターナル・メディシン)248:171-183(2000)〕。炎症によって誘起された大腸ガン は慢性IBDを伴う患者において発生し〔Jawad(ジャウェド)ら、Recent Results Cancer Rec.(リーセント・リザルツ・イン・キャンサー・リサーチ)185: 99-115(2011)〕、 それはカスパーゼ-1およびNLRC4によって調節されることが示された〔Hu(フー)ら、Pro c. Natl. Acad. Sci.(プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ ・サイエンシーズ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステーツ・オブ・アメリカ)107:21635-2 1640(2010)〕。たとえば、IL-6およびTNF-αなどのような活性酸素種および慢性上皮露 出(chronic epithelial exposure)または炎症性刺激の慢性的な形成(Chronic formati on)は、腫瘍形成に関与している〔Coussens(クセンス)&Werb(ウェルバ)、Nature 4 20:860-867(2002);Popivanova(ポピバノバ)ら、J. Clin. Invest.(ザ・ジャーナ ル・オブ・クリニカル・インベスティゲーション)118:560-570(2008);Becker(ベッ カー)ら、Immunity(イミュニティー)21:491-501(2004);Bollrath(ボウルラス) ら、Cancer Cell(キャンサー・セル)15:91-102(2009);Grivennikov(グリベニコフ )ら、Cancer Cell 15:103-113(2009)〕。多数の腸の炎症状態は、当業者に知られ、 制限されないが、以下のものが含まれ、大腸炎、IBD、クローン病、潰瘍性大腸炎および 全大腸炎である。炎症の重症度および炎症の長い時間は大腸ガン腫瘍形成の危険性(リス ク)増加につながりがあった〔Xie(シエ)&Itzkowitz(イツコイッツ)、World J. Gas troenterol(ワールド・ジャーナル・オブ・ガストロエンテロロジー)14:378-89(2008 );Triantafillidis(トリアンタフィリディス)ら、Anticancer Res(アンチキャンサ ー・リサーチ)29 :2727-37(2009)〕。

ここに開示する防止方法のために、大腸腫瘍形成のリスクが高い対象を選定することが 望ましい場合がある。いくつかの実施態様では、大腸腫瘍形成の可能性を増加させる既知 の危険因子は、ここに開示される防止方法について対象の適合性を評価するために使用す ることができる。これらの危険因子には、制限されないが、大腸炎の持続時間、大腸炎の 範囲や程度、大腸ガンの系統群(家族)歴、およびいくらかの研究によれば、初期の疾患 発症およびより一層厳しい活動性炎症、結腸障害のより一層大きな程度、原発性硬化性胆 管炎、IBD発症の若い齢、逆流性回腸炎(backwash ileitis)、異形成の履歴、などが含 まれる。高まった異形成病変は、また異形成関連病変または塊(DALM)、またはフラット 異形成病変として知られ、大腸炎関連大腸ガン(colitis-associated colorectal cancer )を発生する対象の可能性を大幅に高めることがある。さらに、多数の遺伝子的症候群は 、たとえば、遺伝性非ポリポーシス大腸ガン〔HNPCCまたはリンチ(Lynch)症候群〕、ガ ードナー症候群および家族性大腸腺腫症(FAP)などのような大腸ガンのより一層高い比 率と関連することが知られている。

炎症の重症度または対象における異形成またはガンの判断(原因分析、診断)/ステー ジング(病期分類)は、多数の技術を用いて評価することができ、それらには、制限され ないが、組織学、内視鏡検査、大腸内視鏡検査、色素内視鏡検査、生検、などが含まれる 。炎症の評価または異形成もしくはガンの判断/病期分類のために、多重の生検標本が必 要になることがある。いくらかの実施態様では、少なくとも1、2、3、4、5、10、15、20 、25、30またはそれらよりも多くの生検標本が対象から採取される。

大腸腫瘍形成に対する対象の感受性を増加させることがありうる別の危険因子は、消化 管内微生物叢の組成である。腸内微小環境におけるシフト(転換)は、ディスバイオシス (腸内菌共生バランス失調、腸内毒素症)として知られる微生物叢においての変化につな がる可能性があり、それは順番に、腸の炎症および大腸腫瘍形成に対する感受性を増加さ せることがありうる〔Mazmanianら、Nature 453:620-625(2008);Garrett(ギャレッ ト)ら、Cancer Cell 16:208-19(2009)〕。プロテウス・ミラビリスおよび/またはク レブシエラ・ニューモニアエは、自発的にディスバイオシスおよび大腸炎を発生するマウ スで過剰出現される(over-represented)ことが見出された〔Garrettら、Cell Host Mic robe(セル・ホスト・アンド・マイクローブ)8:292-300(2010)〕。他のディスバイオ シス状態で、大腸ガン腫瘍形成に寄与することができるものには、制限されないが、セグ メント化された糸状菌(SFB)、Helicobacter hepaticus(ヘリコバクター・ヘパティカ ス)、Helicobacter pylori(ヘリコバクター・ピロリ)、アクチノバクテリア(放線菌 門)またはPtoteobacteria(プトテオバクテリア)の増加したコロニー形成、および/ま たはFirmicutes(ファーミキューテス門)またはバクテロイデス属細菌の減少したコロニ ー形成が含まれる。大腸腫瘍形成に寄与することができるディスバイオシスもまた共生細 菌の遺伝子的変異を含むことができる。たとえば、B.フラギリスにおける共生コロニー形 成因子(ccf)遺伝子の欠失は、マウスにおけるコロニー形成の欠陥をもたらすことが示 された〔Lee(リー)ら、Nature 501:426-29(2013)〕。

若干の実施態様では、危険因子の組合せ、たとえば、遺伝子的危険因子、腸の炎症性状 態、および/または消化管内微生物叢などのようなものは、大腸腫瘍形成に対する対象の 感受性を評価するために組み合わせることができる。大腸腫瘍形成の危険性が高いとして 認められる対象は、ここに開示される防止方法を用いて処理することができる。いくらか の実施態様において、たとえば、IBDなどのような、腸の炎症性状態を有する対象は、こ こに開示される防止方法を用いて処置することができる。いくらかの実施態様においては 、潰瘍性大腸炎を有する対象は、ここに開示の防止方法で処置することができる。いくら かの実施態様では、慢性的IBD、すなわち、7、8、9、10、20、30、40またはそれらよりも 長い間IBDをもつ対象は、ここに開示される防止方法を用いて処置することができる。

いくらかの態様では、大腸腫瘍形成の既知の分子バイオマーカーは、ここに開示される 防止方法で処置される大腸腫瘍形成の増加した危険性がある対象を識別するために使用さ れうる。多数のバイオマーカーは大腸腫瘍形成に寄与しうるとして、この分野でよく知ら れ、それには、制限されないが、APC、β-カテニン、TP53、TGF-β、DCC(大腸ガンで削 除)、SMAD、AXIN1、AXIN2、TCF7L2、またはNKD1、KRAS、RAF、およびPI3K、PTEN、CTNNB 1、FAM123B、SOX9、ATM、およびARID1A、ACVR2A、TGFBR2、MSH3、MSH6、SLC9A9、TCF7L2 、およびBRAF、MYC、などが含まれる。TP53変形物、Cox-2、異数性、hMLH1のメチル化、p 16INK4a、およびE-カドヘリンプロモーター、マイクロサテライト不安定性(MSI)、シア リルTn、異質性のTP53損失(LOH)、DCC、c9src、k-ras、およびAPCは大腸炎関連大腸ガ ンで発生することが示された〔Itzkowitz & Harpaz(ハルパツ)、Gastroenterology( ガストロエンテロロジー) 126:1634-1648(2004)〕。いくらかの実施態様では、分子 バイオマーカーは、処置中の対象における大腸ガンの進行(またはその欠如)をモニター するために使用することができる。

ここに使用されるように、「大腸腫瘍形成を防止し、延ばし、または抑えること」には 、制限されないが、異形成または大腸ガンの発症を延ばすこと、初期段階からより一層進 行した段階にまでの大腸ガンの進行を遅らせること、良性腫瘍の悪性腫瘍への転換を遅ら せ、または防止すること、腫瘍の転移を遅らせ、または防止すること、等が含まれうる。 大腸腫瘍形成はまた、手術、化学療法、放射線療法、等によって誘発される寛解後の大腸 ガンの再発にも言及することができる。いくつかの実施態様では、ここに開示される方法 は、前ガン、たとえば、管状腺腫、大腸絨毛腺腫(colorectal villous adenoma)、また は結腸ポリープなどのようなものの発生を防止し、または遅延させるために用いることが できる。いくらかの実施態様において、ここに開示される方法を用いて処置される対象は 、管状腺腫、大腸絨毛腺腫、または結腸ポリープの発生についてテストされる。大腸ガン の発生は腫瘍出芽(tumor budding)を参照することができる。いくらかの実施態様にお いて、ここに開示される方法で処置される対象は、腫瘍出芽について試験される。大腸ガ ンの病期分類はWHO組織、UICCおよびAJCCからのTNM病期分類システムに従って行うことが できる。生検標本は病理学的に、異形成について陰性、不定、低度の異形成、高度の異形 成、または浸潤性ガンとして等級付けされる。いくらかの実施態様において、ここに開示 される方法で処置される対象は、大腸ガンのステージのために病理学的に等級付けされる 。

この技術において通常の技量の者は、様々なパラメータが、ここに開示する方法の防止 的効果を特徴付けるために用いられうることを理解することができるべきである。たとえ ば、防止的効果は処置される対象についての腫瘍のない期間、処置される対象における腫 瘍の合計数、処置される対象における腫瘍の合計重量、またはそれらの組合せとして特徴 付けることができる。いくらかの実施態様においては、ここに開示される方法で処置され る対象は、処置された対象においての腫瘍のない期間、腫瘍の合計数、腫瘍の合計重量、 またはそれらの組合せについて評価される。いくらかの実施態様において、腫瘍は、遠位 結腸、近位結腸、またはその両方の腫瘍であってもよい。防止的効果を特徴付けるために 、基準値は、ここに開示される方法を用いて処置されていない一以上のコントロール対象 に基づいて確立することができる。いくらかの実施態様では、処置された対象は、基準と 比べて腫瘍のない期間において、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約3 5%、約40%、約45%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%、約200%、 約300%、約400%、約500%またはそれらよりも多くの増加を示すことができる。いくら かの実施態様では、処置された対象は、基準と比べて腫瘍の合計数において、約5%、約1 0%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約60%、約7 0%、約80%、約90%、約95%、約99%または約100%、またはこれらの値のいずれか二つ の間の範囲の減少を示すことができる。いくらかの実施態様では、処置前と比べて、処置 された対象は、腫瘍の合計重量において、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約3 0%、約35%、約40%、約45%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約9 9%または約100%、またはこれらの値のいずれか二つの間の範囲の減少を示すことができ る。いくらかの実施態様では、処置された対象は、その処置前と比べて、腫瘍の合計数に おいて、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、 約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約99%または約100%、またはこれ らの値のいずれか二つの間の範囲の減少を示すことができる。いくらかの実施態様では、 処置された対象は、その処置前と比べて、腫瘍の合計重量において、約5%、約10%、約1 5%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約60%、約70%、約8 0%、約90%、約95%、約99%または約100%、またはこれらの値のいずれか二つの間の範 囲の減少を示すことができる。

大腸ガン以外の、他のタイプのガンまたはガン様疾患、たとえば、小腸腺ガン、肛門の 扁平上皮ガン、胆管ガン、肝胆道ガン、およびたとえば、白血病、造血性ガン、リンパ腫 、骨髄性白血病などのような血液悪性腫瘍などのようなものはまた、ここに開示される方 法によって防止し、遅延させ、軽減し、または処置することができる。

消化管内微生物叢の調整

人間は、健康および疾患の調節に重要な役割を果たす、非常に豊富で、かつ、多様性の ある微生物と共に、コロニー形成される。共生微生物叢のディスバイオシスは、IBD、肥 満および心血管疾患を含むいくつかのヒトの病気の病因に関わる〔Blumberg(ブラムバー グ)およびPowrie(パウリー)、Sci. Transl. Med.(サイエンス・トランスレーショナ ル・メディシン)4:137rv7(2012);Clemente(クレメンテ)ら、Scand. J. Gastroent erol.(スカンジナビアン・ジャーナル・オブ・ガストロエンテロロジー)47:943-50(2 012)〕。

若干の実施態様では、大腸腫瘍形成は、大腸ガンを発生し易い対象における消化管内微 生物叢の組成を調整することを通して防止され、遅延され、または抑えることができる。 消化管内微生物叢の組成の調整は、消化管内における細菌の組成を変化させることを言う 。対象における消化管内微生物叢の組成の調整は、たとえば、糞便移植〔また、糞便微生 物叢移植(FMT)、糞便細菌(製剤)療法またはスツール移植として知られる〕によって 達成することができる。糞便移植には、レシピエント(例は、IBDに罹患している対象) に対して、健康なドナー、たとえば、IBDを伴わない対象からの糞便細菌の移植のプロセ スが含まれることができる。糞便移植の手順には、ドナーからのレシピエントへの細菌の 糞便フローラ(糞便叢)の単一または多重の注入(例は、浣腸によるもの)を含めること ができる。いくらかの実施態様において、ここに開示される方法は、大腸ガンにかかり易 い対象における消化管内微生物叢の組成を調整することから本質的になる。いくらかの実 施態様において、ここに開示される方法は、大腸ガンにかかり易い対象における消化管内 微生物叢の組成を調整することからなる。いくらかの実施態様において、ここに開示され る方法は、他のファーマスーティカル(薬剤、薬)(または群)、例は、抗生物質、抗炎 症薬(または群)または化学療法剤、例は、5-フルオロウラシル、カペシタビン、オキサ リプラチン、イリノテカン、等と組み合わされない。

いくらかの実施態様では、対象における消化管微生物叢の組成を調整することは、細菌 が含まれる組成物、たとえば、バクテロイデス属細菌が含まれる組成物を対象に施与する ことを含む。いくらかの実施態様においては、バクテロイデス属細菌には、B.フラギリス 、B.シータイオタオミクロン(テタイオタオミクロン)、B.ブルガータス)、またはそれ らの混合物が含まれる。いくらかの実施態様において、組成物は、B.フラギリスおよびB. シータイオタオミクロンを含むことができる。いくらかの実施態様において、組成物は、 B.フラギリスおよびB.ブルガータスを含んでもよい。いくらかの実施態様において、組成 物は、B. シータイオタオミクロンおよびB.ブルガータスを含んでもよい。いくらかの実 施態様では、バクテロイデス属細菌はB.フラギリスであることができる。細菌が含まれる 組成物、たとえば、バクテロイデス属細菌が含まれる組成物は、様々な経路を介して対象 に施与することができる。たとえば、組成物は、経口投与、直腸投与、経皮投与、鼻腔内 投与または吸入を介して対象に施与することができる。いくらかの実施態様では、組成物 は経口的に対象に施与される。細菌、たとえば、バクテロイデス属細菌などのようなもの が含まれる組成物はまた、様々な形態であってもよい。たとえば、組成物は、プロバイオ ティック組成物、栄養補助食物、薬剤組成物、またはそれらの混合物であることができる 。

いくらかの実施態様では、組成物はプロバイオティック組成物である。ヒトおよび動物 の対象のための各施与量には、好ましくは、望ましい効果を生成するのに十分な量におい て算出された細菌の所定量が含まれる。実際の剤形は、採用される特定の細菌および達成 すべき効果に依存するであろう。細菌が含まれる組成物は、たとえば、バクテロイデス属 細菌が含まれる組成物は、単独で、または一以上の追加的なプロバイオティクス、栄養補 助食物、または治療剤と組み合わせて施与することができる。一以上の更なる追加的なプ ロバイオティクス、栄養補助食物、または治療剤「と組み合わせて」の施与には、同時( 一緒に)および任意の順序での連続施与の両方が含まれる。施与は、特に、疾患状態での 変化または任意の望ましくない副作用の観点から、監督医師により適切とみなされるよう に、長期にわたるか、または断続することができる。「長期にわたる」施与は、連続的様 式で組成物を施与することに言及し、その一方「断続」施与は、中断して行われる処置を 指す。

処置される対象の消化管内微生物叢の組成は、処置期間の前に、間に、またはその後に モニターすることができる。様々なモニタリング技術が当業者に知られている。たとえば 、シーケンシング(配列決定)、PCRまたはマイクロアレイ分析は、消化管内微生物叢に 存在する細菌の種および量を識別するために用いることができる。また特に、細菌抗原に 結合する抗体を用いるELISAアッセイは、消化管内微生物叢における細菌の種を識別およ び定量するために使用されうる。いくらかの実施態様では、細菌が含まれる組成物、たと えば、バクテロイデス属細菌が含まれる組成物を施与することは、また、消化管内細菌叢 の組成のモニタリングからの結果に応じて調整することができる。たとえば、施与された 細菌組成物が十分に細菌のコロニー形成の正常な状態を復元する場合、組成物のさらなる 施与は、さらなるモニタリングの結果を考慮して中断させることができる。

いくらかの実施態様では、細菌が含まれる組成物、たとえば、バクテロイデス属細菌が 含まれる組成物を施与することはまた、対象の腸の炎症性状態に応じて調節することがで きる。菌組成物の施与は、腸の炎症性疾患、たとえば、IBD、クローン病、潰瘍性大腸炎 などのようなものが、恒久的に治癒されるか、または寛解に入る場合、中断することがで きる。対象の腸の炎症性状態は、多数の技術で、制限されないが、組織学、内視鏡、大腸 内視鏡、色素内視鏡検査、生検、などを含めたものを使用して評価することができる。い くらかの実施態様において、多重の生検標本を必要とすることがある。いくらかの実施態 様では、少なくとも1、2、3、4、5、10、15、20、25、30またはそれらよりも多くの生検 標本は、対象から採取される。

ここに開示される方法において、細菌、たとえば、バクテロイデス属細菌(例は、B.フ ラギリス)の量は、処置を必要とする対象に施与され、たとえば、齢、体重、対象の反応 、処置される対象の状態;腸の炎症性状態、IBD、またはIBDの一以上の症状を伴う病理学 的状態の種類および重症度;細菌が含まれる組成物の形態;および施与の経路;および必 要なレジメンなどのような種々のパラメータに応じて定めることができる。状態の重症度 は、たとえば、部分的には、標準的な予後評価方法(standard prognostic evaluation m ethod)によって評価することができる。たとえば、細菌の量は、処置を必要とする対象 に施与するための有効量を決定するために滴定することができる。当業者は、主治医が、 どのように、およびいつ、毒性または臓器機能不全に起因して細菌の投与を終了、中断ま たは調整するかを知るであろうことを理解するであろう。逆に、主治医は、また、臨床反 応が適切でなかった場合、より一層高いレベルに処置を調整することを知るであろう(毒 性を排除して)。

たとえば、細菌は、少なくとも103 CFU、随意に少なくとも104CFU、随意に少なくとも1 05CFU、随意に少なくとも106CFU、随意に少なくとも107CFU、随意に少なくとも108CFU、 または随意に少なくとも109CFUの用量で施与することができる。いくらかの実施態様にお いて、細菌は、103から1012CFUの用量、随意に104から1011CFUの用量、随意に105から101 0CFUの用量、随意に106から1010CFUの用量、または随意に107から1010 CFUまでの用量で 投与されることができる。いくらかの実施態様では、細菌は随意に107から1010CFUの用量 で施与されうる。いくらかの実施態様では、細菌は随意に5×109から7×1010CFUの用量で 施与されうる。

いくらかの実施態様では、処置される対象は人間であることができる。いくらかの実施 態様では、処置される対象は非ヒト哺乳動物であってもよい。上述のものに匹敵するプロ グラムは獣医学において使用することができる。

プロバイオティクス処置に対する対象の感受性を評価するための方法は、ここに提供さ れる。これらの方法には、以下のものが含まれ:対象においてB.フラギリス反応代謝(産 )物のレベルを定めること;および、対象におけるB.フラギリス反応代謝物のレベルを、 腸の炎症性疾患に罹患している対象における代謝物の基準レベルに比較することであり、 そこでは、対象における代謝物の血中レベル(血中濃度)および基準レベルの間の実質的 な同一性は、対象が、プロバイオティック処置、たとえば、B.フラギリスのプロバイオテ ィック処置に感受性であることを示す。いくらかの実施態様では、方法には、対象におい て二以上のB.フラギリス反応代謝物のレベルを定めること;および、対象における二以上 のB.フラギリス反応代謝物の各々のレベルを、二以上のB.フラギリス反応代謝物の各々の 基準レベルに比較することであり、そこでは、対象における代謝物の血中レベルおよび基 準レベルの間の実質的な同一性は、プロバイオティクス処置に対する対象の感受性の増加 を示す。

代謝物のレベルは、対象の循環における代謝物のレベルであることができる。たとえば 、代謝物のレベルは、対象の血液または他の体液〔例は、脳脊髄液、胸水(胸膜腔内液) 、羊水、精液、または唾液〕における代謝物のレベルである。いくらかの実施態様におい て、代謝物のレベルは対象における代謝物の血中レベルである。代謝物の血中レベルは、 たとえば、代謝物の血清レベルまたは血しょうレベルであることができる。いくらかの実 施態様では、代謝物のレベルは対象における代謝物の尿レベルである。

B.フラギリス反応代謝物

ここに用いられるように、用語「B.フラギリス反応代謝物」は、そのレベルがB.フラギ リス処置によって変えられることが定められた代謝物に言及する。たとえば、代謝物のレ ベルは、B.フラギリス処置後、対象の循環において変えられることができる。いくらかの 実施態様では、代謝物のレベルは、B.フラギリス処置後、対象の血液、血清、血しょう、 体液(例は、脳脊髄液、胸水、羊水、精液、または唾液)、尿、および/または糞便にお いて変えられる。B.フラギリス反応代謝物は、B.フラギリス処置後、レベルにおいて増加 または減少させることができる。

ここに開示されるように、B.フラギリス反応代謝物は、対象、たとえば、腸の炎症性状 態を患う対象における代謝物の処置前のレベルを、B.フラギリス処置後の対象における代 謝物のレベルと比較することによって定めることができる。当業者であれば、代謝物のレ ベルにおける変動が個体間に存在しえ、およびB.フラギリス反応代謝物についての基準レ ベルが、比較のために腸の炎症性状態を患う対象の集団において代謝物のレベルを表す値 として確立することができることを理解するであろう。

B.フラギリス反応代謝物の非制限的な例を表1に提供する。

ここに開示される消化管内微生物叢の組成を調整する方法は、抗炎症効果をもつ他の薬 および/またはダイエタリーサプリメント、たとえば、アスピリンまたは他のNSAID、5-ア ミノサリチル酸(5-ASA)、全身性ステロイド、局所ステロイド、6-メルカプトプリンま たはアザチオプリンなどのようなものと組み合わせることができる。ホラート(葉酸)サ プリメント、ウルソジオールおよび他の抗酸化剤、スタチンはまた、ここに開示される消 化管内細菌叢の組成を調整する方法と組み合わせて用いることができる。いくらかの態様 において、ここに開示される消化管内微生物叢の組成を調整する方法はビタミンDと組み 合わせてもよい。ビタミンDは、IBDに対するB.フラギリスおよびPSAの保護効果を高める ことが知られた(米国特許出願公開第2013/0064859号、その内容はここに参照することに より、その全体が、明示的に組み込まれる)。

双性イオン性多糖類

PSAは、実験的マウスモデルにおけるB.フラギリスのコロニー形成の抗大腸炎活性に、 ならびに大腸炎誘発性大腸ガンのマウスモデルでのB.フラギリスのコロニー形成による大 腸ガンの腫瘍形成(tumorignensis)の防止に寄与することが示された。精製されたPSAは また、炎症促進性(pro-inflammatory、炎症性)IL-17産生を抑制し、およびIL-10発現の 誘導を通して腸の炎症を防止することが示された。

したがって、さらにここに、対象において大腸腫瘍形成を防止し、遅延させ、または低 減する方法が提供され、それには、大腸腫瘍形成を防止し、大腸腫瘍形成の発症を遅らせ 、または大腸腫瘍形成の進行を抑えるために、双性イオン性多糖類(ZPS)が含まれる薬 剤組成物の治療上有効な量を対象に対して施与することが含まれる。いくらかの実施態様 では、薬剤組成物は一よりも多くのZPSsを含んでもよい。

B.フラギリス、S.アウレウス、およびS. ニューモニアエ・タイプ1の株から分離された 細菌ZPSsは細菌糖質の異常グループを表す。正および負に帯電した双方の基を含むZPSsは ユニークな免疫学的特性をもち:17kDaほど小さな分子はインビトロ(in vitro)で強力 なCD4+T細胞応答を誘発し、およびZPS活性化T細胞は、実験的な腹腔内膿瘍形成に対する 保護を与える〔Kalka-Moll(カルカ-モール)ら、J. Immunol.(ジャーナル・オブ・イム ノロジー)164:719-24(2000);米国特許出願公開第2013/0039949号、それらの内容は 、ここに参照することにより明示的にその全体が組み込まれる〕。B.フラギリスのポリッ サッカライドA(PSA)は、ここに使用されるように、たとえば、米国特許第5679654号明 細書において開示されるような、B.フラギリスの莢膜ポリサッカライド(多糖類)Aに言 及し、その内容は、ここに参照することにより明示的にその全体が組み込まれる。この多 糖類は、各繰り返し単位において一つのカチオン性遊離アミンおよび一つのアニオン性カ ルボキシラートが含まれる四糖類の繰り返し単位をもつ。〔Tzianabos(ツィアナボス) ら、J. Biol. Chem.(ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー);267:1 8230-5(1992);米国特許第5679654号および5700787号明細書〕。PSAはまた、PSA1とし ても知られる。

ここに使用されるように、ZPSは、いくらかの実施態様において、一定の構造的特色を もつ自然に発生する多糖類に言及し、それには、繰返し単位の存在が含まれ、それぞれが 少なくとも一つの正に荷電した部分および少なくとも一つの負に荷電した部分を有する。 ここに使用されるように、ZPSは、一実施態様において、繰返し単位の存在を含む構造的 特色が含まれるように修飾された多糖類に言及し、それぞれは少なくとも一つの正に荷電 した部分および少なくとも一つの負に荷電した部分を有する。

いくらかの実施態様では、ZPSsは、複数の繰返し単位をもち、そこでは、各繰返し単位 には、二から十の単糖類および正に荷電した遊離アミノ部分およびカルボキシラート、ホ スファート、ホスホナート、スルファート、およびスルホナートからなる群より選ばれる 負に荷電した部分が含まれる。本発明において有用なZPSsの分子量は、典型的には、500D aおよび2,000,000Daの間の分子量をもつが、より一層小さい、およびより一層大きい多糖 類を使用することもできる。たとえば、多糖類は、一または二糖単位ほど小さいことがで きる。いくらかの実施態様では、一つの非アセチル化アミノ糖および一つウロン酸だけが 含まれる二糖類は、T細胞増殖を刺激するのに十分である。

使用することができる多糖類は、いくらかの実施態様では、必要な荷電基を含む多糖類 で自然に発生するものが含まれる。たとえば、米国特許第8206726号明細書を参照し、そ の内容は、ここに参照することによって明示的にその全体が組み込まれる。自然に発生す る多糖類に加えて、少なくとも一つのN-アセチル糖および少なくとも一つのウロン酸(負 に荷電したカルボキシル基を有する糖)から構成される多糖類の繰り返し単位は、本発明 の免疫応答を生成するように修飾することができる。脱N-アセチル化することができる分 子には、Salmonella typhi(サルモネラ・ティフィ、チフス菌)の莢膜多糖類(VI抗原) 、E. coli(エシェリキア・コリ、大腸菌)K5莢膜多糖類、S.アウレウス5型莢膜多糖類、 B群ストレプトコッカス(連鎖球菌)III型莢膜多糖類、およびRhizobium meliloti(エン シフェル・メリロティ、リゾビウム・メリロティ)エキソポリサッカライドIIが含まれる 。これらの多糖類およびそれらの修飾は、米国特許第5679654号明細書に記載されており 、その内容はその全体がここに組み込まれる。

いくらかの実施態様では、ここに開示されるZPSが含まれる薬剤組成物は、ビタミンDと 組み合わせることができる。

ZPSは、皮下、経皮、経口、非経口、腹腔内、静脈内、動脈内、経皮的、舌下、筋肉内 、直腸、経頬側(transbuccally)、鼻腔内、リポソームにより(liposomally)、吸入を 介して、膣内、眼内(intraoccularly)、局所デリバリーを介して(たとえば、カテーテ ルまたはステントによる)、皮下的、脂肪内(intraadiposally)、関節内、または髄腔 (くも膜下腔)内に投与することができる。ZPSはまた、徐放剤形で投与することができ る。

ここに開示される方法では、ZPS、たとえば、大腸腫瘍形成のリスクのある対象に施与 される、PSAの量は、たとえば、齢、体重、対象の応答、処置される対象の状態;腸の炎 症性状態、IBDの種類および重症度、またはIBDの一以上の徴候を有する病理学的状態;ZP Sが含まれる組成物の形態;施与の経路;および必要なレジメン、などのような様々なパ ラメータに応じて定めることができる。状態の重症度は、たとえば、標準的な予後評価方 法によって部分的には評価することができる。たとえば、ZPSの量は、処置を必要とする 対象に対して施与するための有効な量を定めるために滴定することができる。当業者は、 主治医が、どのように、いつ、毒性または器官機能不全に起因し、細菌の施与を終了し、 中断したり、または調整したりするかを知るであろうことを理解するであろう。逆に、主 治医はまた、臨床応答が適切でなかった場合はより一層高いレベルに処置を調整すること を知っているであろう(毒性を排除する)。

たとえば、ZPSは、少なくとも0.01μg、随意に少なくとも0.1μg、随意に少なくとも1 μg、随意に少なくとも0.5μg、随意に少なくとも1μg、随意に少なくとも5μg、随意に 少なくとも10μg、随意に少なくとも50μg、随意に少なくとも100μg、随意に少なくとも 500μg、または随意に少なくとも1mgの用量で施与することができる。いくらかの実施態 様では、ZPSは、1μgから1000mgまでの用量で、随意に0.005-500mgの用量で、随意に0.01 -200mgの用量で、随意に0.05-100mgの用量で、随意に0.1-50mgの用量で、随意に1-20mgの 用量で、随意に0.1-5mgの用量で、または随意に約1-5mgの用量で施与することができる。 いくらかの実施態様では、ZPSは1μgから10mgの用量で施与される。いくらかの実施態様 では、ZPSは25μgから1mgの用量で施与される。

いくらかの実施態様では、処置される対象は人間であることができる。いくらかの実施 態様では、処置される対象は非ヒト哺乳動物であってもよい。上述のものに匹敵するプロ グラムを獣医学において使用することができる。

様々な薬組成物およびそれらの調製および使用のための技術は、本開示に照らして当業 者に知られるであろう。適切な薬理学的組成および関連する管理技術の詳細なリストにつ いては、ある者は、ここに詳述する教示を参照することができ、それはさらに、たとえば 、Reminton(レミントン)の、The Science and Practice of Pharmacy(ザ・サイエンス ・アンド・プラクティス・オブ・ファーマシー)、20th ed.(第20版)、〔Lippincott, Williams & Wilkins 2003(リッピンコット、ウィリアムズ&ウィルキンス2003 )〕など のようなテキストによって補足されてもよい。任意の慣習的な媒体または薬剤が活性化合 物と不適合である範囲を除き、そのような使用が組成物において意図される。

ここに使用される言葉使い「薬学的に許容可能なキャリヤ(担体)」は、薬剤施与に適 合する、任意の、およびすべての溶媒、分散媒体、コーティング、等張剤および吸収遅延 剤、およびその他同種類のものを含むことが意図される。「薬学的に許容可能な塩」は、 非毒性の、生物学的に耐えられる、またはそうでなければ対象への施与のために生物学的 に適している、ここに示される化合物の遊離酸または塩基の塩を意味することを意図する 。概して、Berge(ベルゲ)ら、J. Pharm. Sci.(ジャーナル・オブ・ファーマシューテ ィカル・サイエンシーズ)、1977、66、1-19を参照。好適な薬学的に許容される塩は、薬 理学的に効果的で、および過度の毒性、刺激、またはアレルギー反応を伴わずに対象の組 織と接触させるのに適するものである。ここに記載の化合物は、十分に酸性の基、十分に 塩基性の基、官能基の両方のタイプ、各タイプの一よりも多くを所有することができ、そ して従って薬学的に許容可能な塩が形成されるように、多数の無機または有機塩基、およ び無機および有機酸と反応しうる。

薬学的に許容可能な塩の例には、スルファート(硫酸塩)、ピロスルファート、ビスル ファート(重硫酸塩)、スルファイト(亜硫酸塩)、ビスルファイト(亜硫酸水素塩)、 ホスファート(リン酸塩)、モノハイドロゲン-ホスファート(一水素リン酸塩)、ジヒ ドロゲンホスファート(dihydrogenphosphates、二水素リン酸塩)、メタホスファート( メタリン酸塩)、ピロホスファート(ピロリン酸塩)、クロライド(塩化物)、ブロマイ ド(臭化物)、ヨージド(ヨウ化物)、アセタート(酢酸塩)、プロピオナート(プロピ オン酸塩)、デカノアート(デカン酸塩)、カプリラート(カプリル酸塩)、アクリラー ト(アクリル酸塩)、ホルマート(ギ酸塩)、イソブチラート(イソ酪酸塩)、カプロア ート(カプロン酸塩)、ヘプタノアート(ヘプタン酸塩)、プロピオラート(プロピオル 酸塩)、オキサラート(シュウ酸塩)、マロナート(マロン酸塩)、スクシナート(コハ ク酸塩)、スベラート(スベリン酸塩)、セバカート(セバシン酸塩)、フマラート(フ マル酸塩)、マレアート(マレイン酸塩)、ブチン-1,4-ジオアート、ヘキシン-1,6-ジオ アート、ベンゾアート(安息香酸塩)、クロロベンゾアート(クロロ安息香酸塩)、メチ ルベンゾアート(安息香酸メチル)、ジニトロベンゾアート(ジニトロ安息香酸塩)、ヒ ドロキシベンゾアート(ヒドロキシ安息香酸塩)、メトキシベンゾアート(メトキシ安息 香酸塩)、フタラート(フタル酸塩、フタル酸エステル類)、スルホナート(スルホン酸 塩)、メチルスルホナート(メチルスルホン酸塩)、プロピルスルホナート(プロピルス ルホン酸塩)、ベシラート(ベシル酸塩)、キシレンスルホナート(キシレンスルホン酸 塩)、ナフタレン-1-スルホナート(スルホン酸塩)、ナフタレン-2-スルホナート(スル ホン酸塩)、フェニルアセタート(フェニル酢酸塩)、フェニルプロピオナート(プロピ オン酸塩)、フェニルブチラート(フェニル酪酸塩)、シトラート(クエン酸塩)、ラク タート(乳酸塩)、γ-ヒドロキシブチラート(酪酸塩)、グリコラート(グリコール酸 )、タルトラート(酒石酸塩)、およびマンデラート(マンデル酸塩)が含まれる。

ここに用いるように、用語「治療上効果的な量」または「効果的な量」は、細胞、組織 、または対象に対し単独またはさらなる治療剤と組み合わせて施与されるとき、大腸腫瘍 形成の発症を防止し、延ばし、またはその進行を抑えるのに有効である治療剤の量に言及 する。さらに、治療上効果的な用量は、徴候の改善、例は、関連する医学的状態の処置、 治癒、防止または改善、またはそのような状態の処置、治癒、防止または改善の速度での 増加をもたらすのに十分な治療上の薬剤の量に言及する。単独で施与される個々の活性成 分に適用されるとき、治療上有効な用量はその成分単独を意味する。組合せに適用される とき、治療上有効な用量は、組み合わせて、連続的に、または同時に施与するかにかかわ らず、治療効果をもたらす活性成分の組み合わせた量を指す。特に、有効量は、大腸腫瘍 形成を抑制または減少させる量である。

大腸ガンの処置

別の態様において、本発明はここに、対象における大腸ガンを処置または改善するため の方法を提供し、それには、大腸ガンをもつ対象における消化管内微生物叢の組成を調整 することが含まれる。いくらかの実施態様において、ここに開示される方法は、大腸ガン をもつ対象において消化管内微生物叢の組成を調整することから本質的に構成される。い くらかの実施態様において、ここに開示される方法は、大腸ガンをもつ対象において消化 管内微生物叢の組成を調整することからなる。いくらかの実施態様では、ここに開示され る方法は、他の薬剤(または群)、例は、抗生物質、抗炎症薬(または群)または化学療 法剤、例は、5-フルオロウラシル、カペシタビン、オキサリプラチン、イリノテカン、な どと組み合わされない。

いくらかの実施態様において、対象は、大腸炎関連大腸ガンで判断される。たとえば、 対象は、大腸ガンの判断前にIBDの履歴をもっていてもよい。しかしながら、大腸ガンの 他のタイプも意図され、制限されないが、HNPCC、ガードナー症候群に関連する大腸ガン 、FAPに関連する大腸ガン、大腸腺ガン、消化管(胃腸)カルチノイド腫瘍、消化管間質 腫瘍、原発性大腸リンパ腫(primary colorectal lymphoma)、平滑筋肉腫、メラノーマ 、扁平上皮ガン、等が含まれる。

大腸ガンの様々な段階での対象は、今回の開示される方法で処理することができる。た とえば、対象は、目下に開示の方法を用いて、前ガン状態または腫瘍出芽段階で、異形成 の段階で、腫瘍が粘膜下組織に侵入する前または後に、腫瘍が筋固有層(muscularis pro pria)に侵入する前または後に、腫瘍が漿膜下組織に侵入またはそれを越える前または後 に、腫瘍が隣接する器官に侵入する前または後に、腫瘍が臓側腹膜(腹膜)を穿孔する前 または後に、転移前または後に、(外科)手術、放射線療法または化学療法の前または後 に、寛解前または後、など処置することができる。

いくらかの実施態様では、対象において消化管内微生物叢(腸内細菌叢)の組成を調整 することには、細菌を含む組成物、たとえば、バクテロイデス属細菌が含まれる組成物を 、対象に施与することが含まれる。いくらかの実施態様において、バクテロイデス属細菌 には、B.フラギリス、B.シータイオタオミクロン、B.ブルガータス、またはそれらの混合 物が含まれる。いくらかの実施態様において、組成物には、B.フラギリスおよびB.シータ イオタオミクロンが含まれうる。いくらかの実施態様において、組成物には、B.フラギリ スおよびB.ブルガータスが含まれうる。いくらかの実施態様において、組成物には、B.シ ータイオタオミクロンおよびB.ブルガータスが含まれうる。いくらかの実施態様では、バ クテロイデス属細菌はB.フラギリスであることができる。細菌を含む組成物、たとえば、 バクテロイデス属細菌を含む組成物は、様々な経路を介して対象に施与することができる 。たとえば、組成物は、経口投与、直腸投与、経皮投与、鼻腔内投与または吸入を介して 対象に施与することができる。いくらかの実施態様では、組成物は、経口的に対象に施与 される。細菌、たとえば、バクテロイデス属細菌などのようなものを含む組成物は、また 、様々な形態であってもよい。たとえば、組成物は、プロバイオティック組成物、栄養補 助食物、薬剤組成物、またはそれらの混合物であることができる。

様々なパラメータは、ここに開示する方法の治療上の効果を特徴付けるために使用する ことができる。たとえば、治療上の効果は、処置される対象における腫瘍増殖の遅延また は停止、処置された対象における腫瘍の数または質量での減少、処置された対象での腫瘍 の侵入性の損失(loss of invasiveness)、またはこれらの組合せとして特徴付けられう る。いくらかの実施態様において、腫瘍は、遠位結腸、近位結腸、またはその双方の腫瘍 でありうる。治療上の効果を特徴付けるために、基準値は、ここに開示される方法で処置 されていないコントロール対象または処置前の処置される対象に基づいて確立することが できる。いくらかの実施態様では、処置された対象は、基準値と比較して腫瘍増殖におい て、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50 %、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約99%または約100%、またはこれらの 値のいずれか二つの間の範囲の減少を示しうる。いくらかの実施態様では、処置された対 象は、基準値に比較して、腫瘍数または腫瘍質量において、約5%、約10%、約15%、約2 0%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約60%、約70%、約80%、約9 0%、約95%、約99%または約100%、またはこれらの値のいずれか二つの間の範囲の減少 を示しうる。いくらかの実施態様では、処置された対象は、基準値と比較して、腫瘍の侵 入性において、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約4 5%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約99%または約100%、または これらの値のいずれか二つの間の範囲の減少を示すことができる。

大腸ガン以外、たとえば、小腸腺ガン、肛門の扁平上皮細胞ガン、胆管ガン、肝胆道ガ ン、およびたとえば、白血病、造血性のガン、リンパ腫、骨髄性白血病などのような血液 悪性腫瘍などのような他のタイプのガンまたはガンのような疾患もまた、ここに開示され る方法によって処置することができる。

いくらかの実施態様において、本方法には、大腸ガンのタイプ、大腸ガンの発達歴、デ ィスバイオシスの存在、またはそれらの組合せに基づき、処置を必要とする対象を識別す ることが含まれる。いくらかの実施態様において、組成物には、ビタミンD、ZPS、または それらの組合せが含まれる。いくらかの実施態様において、組成物は、経口的に、糞便移 植を介して、等で施与される。いくらかの実施態様では、組成物は、一度に、断続的に、 長期的に(慢性的に)、または連続的に施与することができる。

ここに開示される方法において、細菌、たとえば、バクテロイデス属細菌(例は、B.フ ラギリス)の量は、処置を必要とする対象に施与され、たとえば、対象の齢、体重、反応 、処置される対象の状態;大腸ガンのタイプおよび重症度;細菌が含まれる組成物の形態 ;施与の経路;および必要なレジメンなどのような種々のパラメータに応じて定めること ができる。大腸ガンの重症度は、たとえば、標準的な予後評価方法によって部分的には評 価することができる。たとえば、細菌の量は、処置が必要な対象に施与するのに有効な量 を定めるために滴定することができる。当業者は、主治医が、毒性または臓器機能不全に より、どのように、およびいつ、細菌の施与を終了し、中断したり、または調整したりす ることを知るであろうと理解するであろう。逆に、主治医は、また、臨床応答が適切でな かった場合は、より一層高いレベルに処置を調整することを知るであろう(毒性を排除す る)。

胃腸(GI)障害緩和

さらなる態様において、本発明は、ここに、ある大腸状態をもつ対象の胃腸(GI)障害 (GIディストレス)〔gastrointestinal (GI) distress〕を和らげ(緩和)るための方法 を提供し、それには:対象の大腸状態を定めること;および対象において消化管微生物叢 の組成を調整することにより対象におけるGI障害を和らげることが含まれる。いくらかの 実施態様において、ここに開示される方法は、ある大腸状態をもつ対象における消化管内 微生物叢の組成を調整することから本質的に構成される。いくらかの実施態様において、 ここに開示される方法は、ある大腸状態をもつ対象における消化管内微生物叢の組成を調 整することからなる。いくらかの実施態様において、ここに開示される方法は、他の薬剤 (または群)、たとえば、抗生物質、抗炎症薬(または群)または化学療法剤、たとえば 、5-フルオロウラシル、カペシタビン、オキサリプラチン、イリノテカン、などと組み合 わされない。

いくらかの実施態様では、GI障害には、腹部痙攣(腹部疝痛)、慢性下痢、便秘、腸透 過性、またはそれらの組合せが含まれる。いくらかの実施態様では、方法には、対象にお ける腸透過性を低減することが含まれることができる。

いくらかの実施態様では、対象の消化管内微生物叢の組成を調整することには、細菌が 含まれる組成物、たとえば、バクテロイデス属細菌が含まれる組成物を対象に施与するこ とが含まれる。いくらかの実施態様では、バクテロイデス属細菌には、B.フラギリス、B. シータイオタオミクロン、B.ブルガータス、またはそれらの混合物が含まれる。いくらか の実施態様において、組成物には、B.フラギリスおよびB.シータイオタオミクロンが含ま れうる。いくらかの実施態様において、組成物には、B.フラギリスおよびB.ブルガータス が含まれうる。いくらかの実施態様において、組成物には、B.シータイオタオミクロンお よびB.ブルガータスが含まれうる。いくらかの実施態様では、バクテロイデス属細菌はB. フラギリスであることができる。細菌を含む組成物、たとえば、バクテロイデス属細菌を 含む組成物は、様々な経路を介して対象に施与することができる。たとえば、組成物は、 経口投与、直腸投与、経皮投与、鼻腔内投与または吸入を介して対象に施与することがで きる。いくらかの実施態様において、組成物は、経口的に対象に施与される。細菌、たと えば、バクテロイデス属細菌などのようなものを含む組成物は、また、様々な形態であっ てもよい。たとえば、組成物は、プロバイオティック組成物、栄養補助食物、製薬上組成 物、またはそれらの混合物であることができる。

いくらかの実施態様では、本方法には、腹部痙攣、慢性下痢、便秘、腸透過性、または それらの組合せに基づいて、処置の必要な対象を識別することが含まれる。いくらかの実 施態様において、組成物には、ビタミンD、ZPS、またはそれらの組合せが含まれる。いく らかの実施態様では、組成物は、経口的、糞便移植、等を介して施与される。いくらかの 実施態様では、組成物は、一度に、断続的に、長期的に、または連続的に施与してもよい 。

ここに開示される方法において、細菌、たとえば、バクテロイデス属細菌(例は、B.フ ラギリス)の量は、処置の必要な対象に施与されるが、種々のパラメータ、たとえば、対 象の齢、体重、応答、処置される対象の状態;大腸ガンの種類および重症度;細菌が含ま れる組成物の形態;施与経路;および必要なレジメンなどのようなものに応じて決定する ことができる。大腸ガンの重症度は、たとえば、標準的な予後評価の方法によって部分的 には評価することができる。たとえば、細菌の量は、処置が必要な対象に施与するための 有効な量を決定するために滴定することができる。当業者は、主治医が、毒性または臓器 機能不全に起因し、どのようにして、およびいつ、細菌の施与を終了するか、中断したり 、調整したりするかを知るであろうことを理解するであろう。逆に、主治医はまた、臨床 応答が適切でなかった場合は、より一層高いレベルに処置を調整することを知るであろう (毒性を排除する)。

上述の実施態様のいくらかの態様は、以下の例で更に詳細に開示されるが、それらは本 開示の範囲を制限することを意図するものではない。

実験材料および方法

次の実験方法を以下に説明する例1-5のために使用した。

動物およびAOM-誘発大腸ガン

アゾキシメタン(AOM)/デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)-誘導大腸癌のマウスモデ ルを、PSAが、大腸炎誘発性大腸腫瘍形成からマウスを保護することができるかどうかを 研究するために使用した。DSS施与の三サイクルを伴う単一のAOM注入は大腸炎由来腫瘍の 発達を擬態する大腸癌を誘導するために使用された。マウスは、AOM注入前一週から開始 して実験の終了まで、B.フラギリスまたはB.フラギリスΔPSAで週三回経口的に処理した 。初期のAOM腹腔内注入後、2.5%DSSを、飲料水において、続いて6日間、通常の飲料水に 与えた。マウスは、25日目で2.5%DSS水を有する第二のDSSサイクルに6日間、および55日 目に1.5%DSS水で3回目のサイクルに4-6日間供した。マウスはAOM注入後81日に殺した。

B.フラギリスのコロニー形成アッセイ

糞便サンプルは、B.フラギリスまたはビヒクル(媒介物)による処置の開始後1、2およ び3週間でマウスから無菌的に採取する。DNAを、糞便サンプルからQIAamp DNA Stool Min i Kit(スツールミニキット)〔Qiagen(キアゲン)〕を用いて分離する。50ngのDNAは、 B.フラギリス特異的プライマー5' TGATTCCGCATGGTTTCATT 3'(配列番号1)および5' CGAC CCATAGAGCCTTCATC 3'(配列番号2)、およびユニバーサル16Sプライマー5' ACTCCTACGGGA GGCAGCAGT 3'(配列番号3)および5' ATTACCGCGGCTGCTGGC 3'(配列番号4)を用いてqPCR (定量PCR)のために、Odamaki(オダマキ)ら、Appl. Environ. Microbiol.(アプライ ド・アンド・エンバイロンメンタル・マイクロバイオロジー)74:6814-17(2008)に従 い使用される。

例1 B.フラギリスでのコロニー形成は大腸ガンの発生からマウスを保護する。

結腸直腸癌の発生中のB.フラギリスのコロニー形成およびPSAの役割を検討するために 、8週齢のマウスに、経口的にB.フラギリスまたはB.フラギリスΔPSAを与え、およびDSS 水処置中に体重損失をモニターした。PBSまたはB.フラギリスΔPSAで処置したマウスは、 B.フラギリスを有するマウスと比較して、DSS処置の第三サイクル中に著しく増加した体 重損失を示した(図1A)。それは、結腸炎誘発性結腸直腸癌の発生中のB.フラギリスのコ ロニー形成およびPSAの保護効果を示す。B.フラギリスのコロニー形成マウスにおける腫 瘍の数および腫瘍サイズ(大きさ)の和も、コントロールおよびB.フラギリスΔPSAグル ープに比較して大幅に減少した(図1Bおよび1C)。これらの結果は、B.フラギリスのコロ ニー形成がPSA依存的様式において結腸炎誘発性結腸直腸腫瘍形成に対してマウスを保護 することを示す。この知見は特に顕著であり、それは、B.フラギリスがDSS誘発結腸炎に 対してマウスモデルにおいて保護を与えなかったからである(データは示さず)。

例2 B.フラギリスのコロニー形成は大腸ガンの発生中の炎症性サイトカインおよびシグネチ ャー遺伝子の発現を抑制する。

単球走化性タンパク質1(MCP-1)、マクロファージ炎症性(macrophage inflammatory 、マクロファージ炎症性)タンパク質2(MIP-2)およびKC(ケモカインリガンド1;CXCL1 とも呼ばれる)は、多くの場合、炎症の間に観察されるキーとなるケモカインである。誘 導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)の発現は結腸発癌の間に観察される。B.フラギリスまた はB.フラギリスΔPSAコロニー形成マウスの結腸ホモジネートからの炎症性(proinflamma tory、炎症促進性)サイトカイン、ケモカインおよびiNOSの発現レベルを調べた。B.フラ ギリスのコロニー形成マウスからの結腸組織は、未処理コントロールおよびB.フラギリス ΔPSAのコロニー形成マウスと比較して、有意に低いレベルのTNFα、IL-6、IL-17A、MCP- 1、MIP-2、KCおよびiNOSを発現した(図2)。それは、B.フラギリスのコロニー形成およ びPSAが結腸癌の発生中の炎症促進性サイトカイン、ケモカインおよびiNOSの発現レベル を調節することを示す。

例3 TLR2シグナリングは、B.フラギリスのコロニー形成による大腸ガンの発生からの保護の ために必要である。

B.フラジリスのPSAは、炎症反応を調節するためにTLR2シグナリングを利用することが 示された〔Wang(ワン)ら、J. Exp. Med.(ザ・ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル ・メディシン)203:2853-63(2006)〕。TLR2シグナリングは、それがB.フラギリスによ ってコロニー形成されたマウスにおける結腸癌の発生での保護のために必要とされるかど うかを確かめるために試験した。B.フラギリスによるWTマウスのコロニー形成は、PBS処 理したマウスと比較して有意に減少した重量損失を示し、その一方で、TLR2-/-マウスはB .フラギリスのコロニー形成に関係なく類似の程度の重量損失を示した(図3A)。遠位結 腸における腫瘍の数は、PBSで処理したWTマウスと比較して、B.フラギリスでコロニー形 成したWTマウスにおいて大幅に減少し、一方で、TLR2-/-マウスは、B.フラギリスのコロ ニー形成に関係なく、遠位結腸において腫瘍の同様の数を発発した(図3B)。より一層多 くの腫瘍は、WTと比較して、B.フラギリスのコロニー形成を伴うか、または伴わないTLR2 -/-のマウスの近位結腸で見出された(図3C)。これらの結果は、B.フラギリスのコロニ ー形成により結腸炎誘発性結腸癌からの保護が、TLR2シグナル伝達経路を通してであるこ とを示す。

例4 マウスにおける大腸炎誘発性大腸腫瘍形成(tumorigenensis)のPSAによる防止。

結腸炎誘発性結腸直腸癌の発生中のPSAの保護効果を調べるために、8週齢のマウスに経 口的にPSAまたはPBSを与え、そしてDSS水処理の間の重量損失について監視する。PBSで処 置したマウスは、PSAで処置したマウスと比較して、DSS処理の第3のサイクルの間に有意 に増加した重量損失を示す。PSA処置したマウスにおける腫瘍の数および腫瘍サイズの和 はまた、コントロールマウスと比較して有意に減少する。

例5 B.フラギリスのコロニー形成によるマウスにおける大腸炎関連大腸ガンの処置。

結腸炎関連結腸直腸癌でのB.フラギリスのコロニー形成の影響を調べるために、AOM / DSS誘発結腸癌または遺伝子操作IBDマウスモデルを使用する〔たとえば、Tong(トング) ら、Chin. J. Cancer(チャイニーズ・ジャーナル・オブ・キャンサー)30:450-62(201 1)参照、その内容は、ここに参照することにより明示的にその全体が組み込まれる〕。 結腸直腸癌をもつマウスは、糞便移植または経口投与によりB.フラギリスでコロニー形成 される。マウスのB.フラギリスのコロニー形成は処置中に監視される。結腸直腸癌の状況 は、腫瘍のサイズ、腫瘍の数、腫瘍の増殖、腫瘍の寛解、および転移への進行、その他を 含めて、記録され、および処置およびコントロール群の間で比較される。

例6 B.フラギリスのコロニー形成による慢性潰瘍性大腸炎患者の大腸腫瘍形成(tumorigene nsis)の防止。

慢性潰瘍性結腸炎と診断されたペイシェントは、消化管内微生物叢の組成を調整するこ とによる結腸直腸腫瘍形成での防止効果を決定するために、B.フラギリスで処理される。 B.フラギリスはペイシェントに経口投与される。ペイシェントのコントロール群をプラセ ボで処理する。ペイシェントの腸内細菌叢の組成は処置期間を通してモニターされる。B. フラギリスの施与は、B.フラギリスによるペイシェントの結腸の好首尾のコロニー形成の 後に中断される。結腸直腸腫瘍形成の状況は、腫瘍の発症、腫瘍のタイプ、腫瘍のサイズ 、腫瘍の数、および処置レジメンに対する応答またはその欠如を含め、記録され、および 処置およびコントロール群の間で比較される。

例7 PSAによる慢性潰瘍性大腸炎ペイシェントでの大腸腫瘍形成の防止。

慢性潰瘍性結腸炎と診断されたペイシェントは、結腸直腸腫瘍形成でのPSAの防止効果 を決定するために、PSAの薬剤組成物で処置される。経口投与は、ペイシェントへのPSAの 薬剤組成物を導入するために使用される。ペイシェントのコントロール群はプラセボで処 置される。結腸直腸腫瘍形成の状況は、腫瘍の発症、腫瘍のタイプ、腫瘍のサイズ、腫瘍 の数、および処置レジメンに対する応答またはその欠如を含め、記録され、そして処置お よびコントロール群の間で比較される。

本発明の前述の説明および例の詳細特定の好ましい実施態様はまた本発明によって企図 される最良の形態を説明する。しかしながら、上記のものがテキストにどのように表示さ れるかの詳細に関係なく、本発明は多くの方法で実践されてもよく、および本発明は、添 付の請求の範囲およびその任意の均等物に従って解釈されるべきであると理解されるであ ろう。本出願を上記で詳細に説明してきたが、種々の改変が本発明の精神から離れること なくなされうることは当業者によって理解されるであろう。

ここに引用されるすべての参考文献は、以下を含め、制限されないが、公開の、および 未公開の特許出願、特許、教科書、文献参照、およびその他同種類のものなどは、それら がまだである限り、ここに参照することによってその全体が組み込まれる。組み込まれた 文献および類似の材料の一以上が、本明細書において含まれる開示で、制限されないが、 定義された用語、用語の用法、説明された技術、またはその種の他のものなどを含めて、 それとは異なるか、または矛盾する範囲内においては、本明細書が任意のそのような矛盾 する材料に取って代わり、および/またはそれに優先されることが意図される。

高效检索全球专利

专利汇是专利免费检索,专利查询,专利分析-国家发明专利查询检索分析平台,是提供专利分析,专利查询,专利检索等数据服务功能的知识产权数据服务商。

我们的产品包含105个国家的1.26亿组数据,免费查、免费专利分析。

申请试用

分析报告

专利汇分析报告产品可以对行业情报数据进行梳理分析,涉及维度包括行业专利基本状况分析、地域分析、技术分析、发明人分析、申请人分析、专利权人分析、失效分析、核心专利分析、法律分析、研发重点分析、企业专利处境分析、技术处境分析、专利寿命分析、企业定位分析、引证分析等超过60个分析角度,系统通过AI智能系统对图表进行解读,只需1分钟,一键生成行业专利分析报告。

申请试用

QQ群二维码
意见反馈