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Plastic fat composition for rolling-in

阅读:1026发布:2020-08-12

专利汇可以提供Plastic fat composition for rolling-in专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a low-cost, low trans plastic fat composition with reduced trans fatty acid for rolling-in, which has a wide working temperature range for rolling in dough, allowing a croissant to be produced with excellent floating and meltability in the mouth with good flavor, and imparting the sweet aroma and rich taste of domestic butter.SOLUTION: The plastic fat composition for rolling-in comprises: a trans fatty acid content of 5 wt.% or less; and a storage elastic modulus of 70 or more for a shear strain of 0.1% relative to a storage elastic modulus of 100 for a shear strain of 0.01% measured at 5°C. In the entire plastic fat composition for rolling-in, 40 to 95 wt.% fat is contained. In the entire fat, 32 to 48 wt.% lard, 5 to 10 wt.% transesterified oil of palm stearin, 22 to 45 wt.% transesterified oil of mixed oil of laurin-based oil and palm-based oil, and 8 to 25 wt.% vegetable oil having a melting point of 25°C or lower. In the oil phase, 9 to 15 wt.% triglyceride represented by SSS, 2 to 8 wt.% triglyceride represented by SUS, and 40 to 50 wt.% total triglycerides represented by SSU and USU are contained. The oil in the oil phase has a rising melting point of 32 to 38°C. A laminar expanded food product is produced using the plastic fat composition for rolling-in.,下面是Plastic fat composition for rolling-in专利的具体信息内容。

  • トランス脂肪酸含量が5重量%以下であり、5℃で測定したShear Strain0.01%の貯蔵弾性率を100とした場合のShear Strain0.1%の貯蔵弾性率が70以上であるロールイン用可塑性油脂組成物であって、ロールイン用可塑性油脂組成物全体中油脂を40〜95重量%含有し、油脂全体中に豚脂を32〜48重量%、パームステアリンのエステル交換油を5〜10重量%、ラウリン系油脂とパーム系油脂との混合油のエステル交換油を22〜45重量%、及び融点25℃以下の植物油を8〜25重量%含有し、前記油相中にSSSで表わされるトリグリセリドを9〜15重量%、SUSで表わされるトリグリセリドを2〜8重量%、及びSSUとUSUで表されるトリグリセリドを合計で40〜50重量%含有し、且つ油相中の油脂の上昇融点が32〜38℃であるロールイン用可塑性油脂組成物。
    SSS:C 12 〜C 22の飽和脂肪酸(S)3残基が結合したトリ飽和脂肪酸グリ セリド SUS:C 12 〜C 22の飽和脂肪酸(S)2残基とC 16 〜C 22の不飽和脂 肪酸(U)1残基が結合したグリセリド(S2U)で、Uがβ位に結合してい る1,3−飽和−2−不飽和グリセリド SSU:C 12 〜C 22の飽和脂肪酸(S)2残基とC 16 〜C 22の不飽和脂 肪酸(U)1残基が結合したグリセリド(S2U)で、Uがα位に結合してお り、光学異性体を含む1,2−飽和−3−不飽和グリセリド USU:C 12 〜C 22の飽和脂肪酸(S)1残基とC 16 〜C 22の不飽和脂 肪酸(U)2残基が結合したグリセリド(SU2)で、Sがβ位に結合してい る1,3−不飽和−2−飽和グリセリド
  • 油相部中に乳脂肪のリパーゼ分解物をロールイン用可塑性油脂組成物全体中0.1〜0.7重量%含有し且つ水相部中に生クリームのリパーゼ分解物をロールイン用可塑性油脂組成物全体中0.003〜0.02重量%含有する請求項1に記載のロールイン用可塑性油脂組成物。
  • ロールイン用可塑性油脂組成物全体中に、無脂乳固形分を0.1〜0.53重量%及び乳糖を除く糖を0.2〜1.1重量%含有する請求項1又は2に記載のロールイン用可塑性油脂組成物。
  • シート状である請求項1〜3何れかに記載のロールイン用可塑性油脂組成物。
  • 請求項1〜4の何れかに記載のロールイン用可塑性油脂組成物を使用してなる層状膨化食品。
  • 说明书全文

    本発明は、製菓・製パンに用いるためのロールイン用可塑性油脂組成物に関する。

    従来からロールイン用可塑性油脂組成物には、素添加された大豆硬化油、魚油硬化油等のトランス型脂肪酸含量の多い油脂が多く使用されてきたが、近年トランス型脂肪酸の有害性が指摘されており、トランス型脂肪酸の含有量を減らすための取り組みがなされている。 しかしながら、トランス型脂肪酸を減らしたロールイン用可塑性油脂組成物では、硬化油を使用したロールイン用可塑性油脂組成物に比べて、生地に折り込む際の作業温度幅が狭かったり、出来上がったクロワッサンの口どけが悪かったり、風味が出にくいといった問題がある。 更に、近年乳原料価格の高騰を受けて、乳製品を使用しないロールイン用可塑性油脂組成物が開発されているが、天然のバターに比べるとバター本来の甘い香りが乏しく、且つコク味が弱いといった問題がある。

    そこで、豚脂系油脂とS 1 MS 2 (S 1 、S 2は飽和脂肪酸、Mはモノ不飽和脂肪酸)で表されるトリグリセリドを含有する油脂で構成されるコンパウンド結晶を含有するロールイン用油脂組成物が開示されている(特許文献1)。 しかしながら、豚脂系油脂を油相中で50重量%以上と多く使用するために、高温域においては生地にロールイン用油脂組成物が練り込まれ、折り込み作業性に劣り、前記問題を解決するには至っていない。

    また、パームステアリン1重量部に対し、ラードを1.0〜3.0重量部の比率で含有し、且つ、SFCが、10℃で20〜60%、20℃で10〜40%である油相を含む可塑性油脂組成物が開示されている(特許文献2)。 しかしながら、高融点のパームステアリンを多く配合するため、口どけと歯切れが悪く、前記問題を解決するに至っていない。

    風味の問題に関しては、乳脂とアルコール飲料との混合物に、リパーゼを加え、エステル交換とエステル化と加水分解を行う香味組成物(特許文献3)や生クリーム又はバターに、脱脂粉乳および水を加えて調製した基質にリパーゼ、プロテアーゼならびに乳酸菌を作用させるミルキー風味およびこく味を有する発酵乳フレーバー(特許文献4)が開示されている。 しかしながら、いずれの方法においても、乳っぽい風味は付与できるものの、バター本来の甘い香りとコク味を付与するには至っていない。

    特開2003−213289号公報

    特開2005−320445号公報

    特開2010−189513公報

    特開平03-127962公報

    本発明の目的は、トランス型脂肪酸を減らした低トランスロールイン用可塑性油脂組成物でありながら、生地に折り込む際の作業温度幅が広く、できあがったクロワッサンのウキや口どけを良くし、風味が出やすくしたロールイン用可塑性油脂組成物を安価に提供することを目的とする。 さらに、国産バターの甘い香りとコク味を付与できるロールイン用可塑性油脂組成物を提供することも目的とする。

    本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の油分量で、油相中に豚脂、パームステアリンのエステル交換油、ラウリン系油脂とパーム系油脂との混合油のエステル交換油及び特定の植物油を含有し、前記油相中にSSSで表わされるトリグリセリド、SUSで表わされるトリグリセリド及びSSUとUSUで表されるトリグリセリドを特定量含有し、且つ油相中の油脂の上昇融点を特定範囲内にすることで、トランス型脂肪酸を減らした低トランスロールイン用可塑性油脂組成物でありながら、生地に折り込む際の作業温度幅が広く、できあがったクロワッサンのウキや口どけを良くし、風味が出やすくできることを見出し、本発明を完成するに至った。

    即ち、本発明の第一は、トランス脂肪酸含量が5重量%以下であり、5℃で測定したShear Strain0.01%の貯蔵弾性率を100とした場合のShear Strain0.1%の貯蔵弾性率が70以上であるロールイン用可塑性油脂組成物であって、ロールイン用可塑性油脂組成物全体中油脂を40〜95重量%含有し、油脂全体中に豚脂を32〜48重量%、パームステアリンのエステル交換油を5〜10重量%、ラウリン系油脂とパーム系油脂との混合油のエステル交換油を22〜45重量%、及び融点25℃以下の植物油を8〜25重量%含有し、前記油相中にSSSで表わされるトリグリセリドを9〜15重量%、SUSで表わされるトリグリセリドを2〜8重量%、及びSSUとUSUで表されるトリグリセリドを合計で40〜50重量%含有し、且つ油相中の油脂の上昇融点が32〜38℃であるロールイン用可塑性油脂組成物に関する。 好ましい実施態様は、油相部中に乳脂肪のリパーゼ分解物をロールイン用可塑性油脂組成物全体中0.1〜0.7重量%含有し且つ水相部中に生クリームのリパーゼ分解物をロールイン用可塑性油脂組成物全体中0.003〜0.02重量%含有する上記記載のロールイン用可塑性油脂組成物に関する。 より好ましくは、ロールイン用可塑性油脂組成物全体中に、無脂乳固形分を0.1〜0.53重量%及び乳糖を除く糖を0.2〜1.1重量%含有する上記記載のロールイン用可塑性油脂組成物、更に好ましくは、シート状である上記記載のロールイン用可塑性油脂組成物、に関する。 本発明の第二は、上記記載のロールイン用可塑性油脂組成物を使用してなる層状膨化食品に関する。

    本発明に従えば、トランス型脂肪酸を減らした低トランスロールイン用可塑性油脂組成物でありながら、生地に折り込む際の作業温度幅が広く、できあがったクロワッサンのウキや口どけを良くして、国産バターの甘い香り風味が出やすくしたロールイン用可塑性油脂組成物を安価に提供することができる。

    以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。 本発明のロールイン用可塑性油脂組成物は、ロールイン用可塑性油脂組成物全体中、特定量の油分量であり、油相中に豚脂、パームステアリンのエステル交換油、ラウリン系油脂とパーム系油脂との混合油のエステル交換油を特定量含有し、且つ特定の植物油を特定量含有し、特定のトリグリセリド組成を有することで、トランス脂肪酸含量が特定量以下であり、5℃で測定したShear Strain0.01%の貯蔵弾性率を100とした場合のShear Strain0.1%の貯蔵弾性率が特定値以上であることを特徴とする。

    また、本発明のロールイン用可塑性油脂組成物は、水相を有するものであり、形態としては、油中水型乳化物、水中油型乳化物、二重乳化型乳化物が挙げられるが、油中水型もしくは油中水中油型乳化物であることが好ましい。 油中水型乳化物、油中水中油型乳化物タイプの可塑性油脂組成としては、マーガリン、ファットスプレッドが挙げられる。

    本発明のロールイン用可塑性油脂組成物全体中のトランス脂肪酸含量は、5重量%以下であることが好ましく、より好ましくは3重量%以下、更に好ましくは1重量%以下であり、実質的に含有しないことが最も好ましい。 ここでトランス脂肪酸を実質的に含有しないとは、水素添加した油脂原料を使用しないことである。 なお、油脂中のトランス脂肪酸含量は、AOCS Ce 1f−96に準じて測定できる。

    本発明において、ロールイン用可塑性油脂組成物の5℃で測定したShear Strain0.01%の貯蔵弾性率は、以下のように測定した値を言う。 測定装置として、Malvern社製「Kinexus Rotational Rheometer」を使用し、Lower geometryにPL65 S0962SS、Current geometryにPU20 SR0354SSを装着し、Set Temperatureを5℃、Frequencyを1Hz、Sample Decadeを10、Sample Gapを2mmの条件において、Shear Strainを0.01%〜10%まで貯蔵弾性率を走査するように設定して測定し、Shear Strainが0.01%の時の貯蔵弾性率を読みとる。

    そして、前記Shear Strainが0.01%の時の貯蔵弾性率値を100とした場合、Shear Strainが0.1%の時の貯蔵弾性率の相対値を算出する。 本発明のロールイン用可塑性油脂組成物に対して、5℃で測定した算出したShear Strainが0.1%の時の貯蔵弾性率の相対値は、70以上であることが好ましく、より好ましくは80以上、更に好ましくは90以上である。 前記相対値が70未満の場合は、折り込み作業時にコシ抜けし、生地に練りこまれてしまい、きれいな層状とならない場合があり好ましくない。 そして、前記相対値が70以上であれば、ロールイン用可塑性油脂組成物にコシがあり、折り込み作業時に良好な伸展性になるとともに、生地に練りこまれず、層状膨化食品においてパン目にならず、きれいな層を形成し、ウキがよくなる。

    本発明において、ロールイン用可塑性油脂組成物全体中には、油脂を40〜95重量%含有することが好ましく、より好ましくは50〜95重量%、更に好ましくは70〜95重量%、特に好ましくは80〜95重量%である。 油脂が40重量%未満では、ロールイン用可塑性油脂組成物としての好ましい物性を得ることができない場合がある。 油脂が95重量%を超えると、好ましい風味を付与するに十分な水溶性風味素材を添加することができない場合がある。

    本発明のロールイン用可塑性油脂組成物の油脂全体中には、豚脂を32〜48重量%含有することが好ましく、より好ましくは35〜45重量%である。 32重量%よりも少ないと、低温域でのロールイン用可塑性油脂組成物がワレやすくなり、折り込み作業性が劣る場合がある。 含有量が48重量%より多いと、高温域でロールイン用可塑性油脂組成物が生地に練り込まれ、折り込み作業性が劣る場合がある。

    本発明のロールイン用可塑性油脂組成物に用いるパームステアリンのエステル交換油とは、パーム油を分別して得られる上昇融点が44〜56℃、ヨウ素価が20〜50の硬質部をエステル交換して得られる油脂のことである。 パームステアリンのエステル交換油含有量は、油脂全体中5〜10重量%が好ましく、より好ましくは7〜10重量%である。 含有量が5重量%よりも少ないと生地に練り込まれやすかったり、ホイロ時に十分な保形性が得られず、綺麗な層状でボリュームのある層状膨化食品を得ることができなくなる場合がある。 含有量が10重量%より多いと高温域での折り込み作業性が劣ったり、口溶けの悪いクロワッサンになってしまう場合がある。

    エステル交換の方法は、特に制限はなく、通常の方法により行うことができ、合成触媒を使用した化学的エステル交換、リパーゼを触媒とした酵素的エステル交換のどちらの方法でも行うことができる。

    化学的エステル交換は、ランダムエステル交換とも言われ、ナトリウムメトキシド等の化学触媒を触媒として用いてエステル交換反応が行われる。 化学的エステル交換によるエステル交換反応は、位置特異性の乏しいエステル交換反応となる。 具体的には、常法に従って、原料油脂を十分に乾燥させ、触媒を原料油脂に対して0.1〜1質量%添加した後、減圧下、80〜120℃で0.5〜1時間攪拌しながら反応を行うことができる。 エステル交換反応終了後は、水洗にて触媒を洗い流した後、通常の食用油の精製工程で行われる脱色、脱臭処理を施すことができる。

    酵素的エステル交換は、リパーゼを触媒として用いて、常法に従ってエステル交換反応が行われる。 具体的には、リパーゼ粉末又は固定化リパーゼを原料油脂に対して0.02〜10重量%、好ましくは0.04〜5重量%添加した後、40〜80℃、好ましくは40〜70℃で0.5〜48時間、好ましくは0.5〜24時間攪拌しながら反応を行うことができる。 エステル交換反応終了後は、ろ過等によりリパーゼ粉末又は固定化リパーゼを除去後、通常の食用油の精製工程で行われる脱色、脱臭処理を施すことができる。

    前記リパーゼとしては、リパーゼ粉末やリパーゼ粉末をセライト、イオン交換樹脂等の担体に固定化した固定化リパーゼを使用することができる。 酵素的エステル交換によるエステル交換反応は、リパーゼの種類によって、位置特異性の乏しいエステル交換反応、1,3位特異性の高いエステル交換反応のどちらで行うこともできる。 位置特異性の乏しいエステル交換反応を行うことのできるリパーゼとしては、アルカリゲネス属由来リパーゼ(例えば、名糖産業株式会社製のリパーゼQLM、リパーゼPL等)、キャンディダ属由来リパーゼ(例えば、名糖産業株式会社製のリパーゼOF等)等が挙げられる。 1,3位特異性の高いエステル交換反応を行うことのできるリパーゼとしては、リゾムコールミーハイ由来の固定化リパーゼ(ノボザイムズ社製のリポザイムTLIM、リポザイムRMIM等)等が挙げられる。

    なお、前記パームステアリンのエステル交換油など油脂のヨウ素価は、「社団法人 日本油化学会 基準油脂分析試験法2.3.4.1−1996」の方法に従って、測定することができる。

    本発明のロールイン用可塑性油脂組成物に用いるラウリン系油脂とパーム系油脂との混合油のエステル交換油とは、構成脂肪酸中にラウリンを含むラウリン系油脂とパーム油及びパーム油の分別油との混合油をエステル交換して得られる油脂のことである。 エステル交換の方法は、特に制限はなく、通常の方法により行うことができる。

    前記ラウリン系油脂の具体例としては、パーム核油又はパーム核オレイン、ヤシ油が挙げられる。

    また、本発明におけるパーム系油脂の分別油の具体例としては、パームオレイン(パーム油を分別して得られる軟質部)、パームステアリン(パーム油を分別して得られる硬質部)、パームスーパーオレイン(パームオレインをさらに分別して得られる軟質部であり、スーパーオレインと呼ばれることもある)、パームトップオレイン(パームスーパーオレインをさらに分別して得られる軟質部)、パームミッドフラクション(パームオレインをさらに分別して得られる硬質部であり、PMFと呼ばれることもある)、ソフトパーム(パームステアリンをさらに分別して得られる軟質部)、ハードステアリン(パームステアリンをさらに分別して得られる硬質部)等が挙げられ、それらの群より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。 なお、パーム油を分別する方法は、特に制限はなく、溶剤分別、乾式分別、界面活性剤分別のいずれの方法を選択することもできる。

    ラウリン系油脂とパーム系油脂との混合油のエステル交換油の含有量は、油脂全体中22〜45重量%が好ましく、より好ましくは22〜40重量%である。 含有量が22重量%よりも少ないと生地に練り込まれやすくなったり、ホイロ時に十分な保形性が得られず、綺麗な層状でボリュームのある層状膨化食品を得ることができなくなる場合がある。 含有量が45重量%より多いと低温域でのロールイン用可塑性油脂組成物がワレやすくなり、折り込み作業性が劣ったり、口溶けの悪い層状膨化食品となる場合がある。

    本発明のロールイン用可塑性油脂組成物に用いる融点25℃以下の植物油脂とは、25℃にて流動性を有する油脂のことであり、例えば、大豆油、菜種油、コーン油、ひまわり油、紅花油、ごま油、綿実油、米油、オリーブ油、落花生油、亜麻仁油等が挙げられ、またそれらのステル交換、分別等の加工処理したものも用いることができ、それらの群より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。

    前記融点25℃以下の植物油脂の含有量は、油脂全体中8〜25重量%が好ましく、より好ましくは8〜23重量%である。 含有量が8重量%よりも少ないと低温域での折り込み時のロールイン用可塑性油脂組成物の伸展性が悪くなったり、口溶けの悪い層状膨化食品となる場合がある。 含有量が25重量%より多いと生地に練り込まれやすくなったり、ホイロ時に十分な保形性が得られず、綺麗な層状でボリュームのある膨化食品を得ることができなくなる場合がある。

    本発明のロールイン用可塑性油脂組成物は、前記油脂全体中、C 12 〜C 22の飽和脂肪酸(S)3残基が結合したトリ飽和脂肪酸グリセリド(以下、SSS)を9〜15重量%含有することが好ましく、より好ましくは11〜14重量%である。 含有量が9重量%より少ないと折り込み時に生地に練りこまれてしまい、良好な層状膨化食品ができない場合がある。 含有量が15重量%より多いとロールイン用可塑性油脂組成物を使用した層状膨化食品の口どけが悪くなる場合がある。

    また、前記油脂中において、C 12 〜C 22の飽和脂肪酸(S)2残基とC 16 〜C 22の不飽和脂肪酸(U)1残基が結合したグリセリドで、Uがβ位に結合している1,3−飽和−2−不飽和グリセリド(以下、SUS)を2〜8重量%含有することが好ましく、より好ましくは4〜8重量%である。 含有量が2重量%よりも少ないとロールイン用可塑性油脂組成物の物性が軟らかくなり、生地に練りこまれやすくなる場合がある。 含有量が8重量%より多いと低温保管時での物性の経時変化が大きく、かつ低温での物性がもろくなり、折り込み作業時に割れるといった問題が起きやすくなる場合がある。

    本発明におけるロールイン用可塑性油脂組成物は、油相中、SSUで示されるトリグリセライドとUSUで示されるトリグリセライドの合計含有量が、40〜50重量%であることが好ましく、より好ましくは40〜48重量%、さらに好ましくは41〜47重量%である。 前記合計量が40重量%より少ない又は50重量%より多くなると折り込み時の作業性が損なわれ、作業適用温度幅が狭くなる場合がある。

    前記SSUで表されるトリグリセリドとは、C 12 〜C 22の飽和脂肪酸(S)2残基とC 16 〜C 22の不飽和脂肪酸(U)1残基が結合したグリセリドの中でも、Uがα位に結合している1、2−飽和−3−不飽和グリセリドを示す。 また、前記USUで表されるトリグリセリドとは、C 12 〜C 22の飽和脂肪酸(S)1残基と不飽和脂肪酸(U)2残基が結合したグセリド(SU2)の中でも、Sがβ位に結合している1,3−不飽和―2―飽和グリセリドを示す。

    前記SSUで示されるトリグリセリドを含む油脂は、食用であれば特に制限することなく、使用することができるが、たとえばパーム系油脂、豚油、脂、魚油、やそれらの分別油やエステル交換油が示される。

    前記USUで示されるトリグリセリドを含む油脂としては、たとえば豚油や豚油分別油、1、3位特異性を持つリパーゼを用いて菜種油、大豆、コーン油などの液状油と菜種、大豆、コーン油、パーム油、パーム核油、牛脂、豚脂などを完全に水素添加した極度硬化油をエステルすることにより製造した油脂を挙げることができる。 価格の面から、特に豚脂や豚油分別油を使用することが好ましい。

    本発明油相中の油脂全体の上昇融点は、32〜38℃が好ましく、より好ましくは34〜37℃である。 ここで油脂の上昇融点は、「日本油化学会制定 基準油脂分析試験法 2.2.4.2(1996)1996年版」に準じて測定される。 上昇融点が32℃よりも低いと、作業時にやわらかすぎ、作業性が悪くなったり、ホイロ時に溶けてしまい、見た目と食感の悪い層状膨化食品に仕上がってしまったりする場合がある。 また38℃を超えると、食感が硬く、口溶けの悪い、層状膨化食品に仕上がってしまう場合がある。

    本発明のロールイン用可塑性油脂組成物の油相部に含まれる乳脂肪のリパーゼ分解物とは、乳脂肪を含む原料にリパーゼを反応させ、遊離させた脂肪酸を意味する。 乳脂肪を含む原料としては、チーズ、バター、生クリーム、牛乳、バターミルクおよび全脂粉乳等が挙げられ、これらの群から選ばれる少なくとも1種を使用することができる。 乳脂肪のリパーゼ分解物は油相中に含まれ、その含有量はロールイン可塑性油脂組成物全体中0.1〜0.7重量%が好ましく、より好ましくは0.21〜0.6重量%、さらに好ましくは0.31〜0.5重量%である。 含有量が0.1重量%より少ないと良好な風味を感じにくくなる場合があり、0.7重量%より多いと遊離脂肪酸の異味が感じられたり、コストが高くなる場合がある。

    また、これらリパーゼ分解前の乳脂肪を含む原料には、無脂乳固形分および糖類などを含んでも構わないが、乳脂肪を含む原料全体中に乳脂肪を50重量部以上、より好ましくは70重量部以上、更に好ましくは80重量部以上含有する。

    前記リパーゼとしては、動物、植物、生物から分離した酵素があり、例えば、アスペルギルス(Aspergillus)属、ムコール(Mucor)属、リゾープス(Rhizopus)属等の糸状菌、キャンディダ(Candida)属等の酵母、小山羊、小羊、小牛の口頭分泌線から採取されるオーラル・リパーゼ(Oral lipase)等が挙げられ、これらの群から選ばれる少なくとも1種以上を用いることができる。

    リパーゼによる乳脂肪を含む原料の分解は、一般に用いられている条件によって行うことができる。 例えば、乳脂肪を含む原料全体中の乳脂肪100重量部を攪拌しながら、そこへ水を0.01〜50重量部の範囲で加えたところに、さらにリパーゼ0.0001〜2重量部をリパーゼの10倍量の水に溶解、分散させたものを添加し、15〜70℃、好ましくは30〜50℃で0.1〜120時間の範囲で分解した後、酵素反応阻害剤を適当量使用したり、或いは加熱処理して酵素反応を停止すればよい。

    リパーゼによる乳脂肪の分解度は10〜80%が好ましく、より好ましくは15〜60%である。 乳脂肪の分解度が10%未満では本発明で期待するバターの好ましい風味が十分でない場合があり、また80%を超えると異味が感じられる場合があり望ましくない。 尚、乳脂肪の分解度とは、〔{(酸価)/(けん化価)}×100〕、によって求められる値を言う。 乳脂肪を含む原料をリパーゼ分解した後は、水溶性固形分や水分を分離除去することが好ましい。 その理由は、乳脂肪のリパーゼ分解物に水溶性固形分や水分が存在すると、風味が出にくくなる場合があるためである。

    本発明のロールイン用可塑性油脂組成物に用いる生クリームのリパーゼ分解物とは、生クリームにリパーゼを反応させ、遊離させた脂肪酸を意味する。 原料の生クリームは、市販されている生クリーム、すなわち生乳、牛乳または特別牛乳から乳脂肪分(18%以上)以外の成分を除去したものをそのまま用いることが出来る。 生クリームのリパーゼ分解物は水相中に含まれ、その含有量はロールイン用可塑性油脂組成物全体中0.003〜0.02重量%が好ましく、より好ましくは0.008〜0.0175重量%、さらに好ましくは0.01〜0.015重量%である。 含有量が0.003重量%より少ないと良好な風味を感じにくくなる場合があり、0.02重量%より多いと遊離脂肪酸の異味が感じられたり、コストが高くなる場合がある。

    前記リパーゼとしては、動物、植物、微生物から分離した酵素から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。 リパーゼによる生クリームの分解は、一般に用いられている条件によって行うことができる。 例えば、生クリーム全体量中の油脂分100重量部に対して、リパーゼ0.0001〜2重量部をリパーゼの約10倍量の水に溶解、分散させたものを添加し、15〜70℃、好ましくは30〜50℃で0.1〜120時間の範囲で分解した後、酵素反応阻害剤を適当量使用したり、或いは加熱処理して酵素反応を停止すればよい。 リパーゼによる生クリームの分解度は10〜80%が好ましく、より好ましくは15〜60%である。 生クリームの分解度が10%未満では本発明で期待するバターのコク味が十分でない場合があり、また80%を超えると異味が感じられる場合があり望ましくない。 尚、生クリームの分解度とは、〔{(酸価)/(けん化価)}×100〕、によって求められる値を言う。

    本発明のロールイン用可塑性油脂組成物には、無脂乳固形分を水相部に含有していることが好ましい。 ここで無脂乳固形分とは、乳製品に含まれている乳脂肪を除いた固形分のことを意味し、例えば、バターミルク、チーズ、クリームチーズ、濃縮ホエー,ホエー蛋白濃縮物などの乳清、生乳、牛乳、特別牛乳、生山羊乳、殺菌山羊乳、生めん羊乳、部分脱脂乳、脱脂乳、加工乳、乳飲料、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖練乳、無糖脱脂練乳、加糖練乳、加糖脱脂練乳、発酵乳、トータルミルクプロテイン、精製乳脂、調製乳脂等または上記載物の粉体が挙げられ、これらの群から選ばれた少なくとも1種を用いることができる。

    前記無脂乳固形分の含有量は、ロールイン可塑性油脂組成物全体中0.10〜0.53重量%が好ましく、より好ましくは0.15〜0.53重量%、さらに好ましくは0.20〜0.53重量%である。 含有量が0.10重量%より少ないと良好な風味を感じにくくなる場合があり、0.53重量%より多いとミルクっぽくなる場合がある。

    本発明のロールイン用可塑性油脂組成物には、糖類を水相部に含有していることが好ましい。 ここで糖類とは、乳原料に含まれる乳糖を除く全ての糖類を意味し、例えば、砂糖、果糖、ブドウ糖、水飴、還元水飴、はちみつ、異性化糖、転化糖、オリゴ糖(イソマルトオリゴ糖、還元キシロオリゴ糖、還元ゲンチオオリゴ糖、キシロオリゴ糖、ゲンチチオオリゴ糖、ニゲロオリゴ糖、テアンデオリゴ糖、大豆オリゴ糖等)、トレハロース、糖アルコール(マルチトール、エリスリトール、ソルビトール、パラチニット、キシリトール、ラクチトール等)、砂糖結合水飴等を挙げることができ、粉糖でも液糖でも構わない。 また更に甘味成分も糖類の代わりに用いることができる。 具体的にはアスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、アリテーム、ネオテーム、カンゾウ抽出物(グリチルリチン)、サッカリン、サッカリンナトリウム、ステビア抽出物、ステビア粉末等の甘味成分などが挙げられ、これらの群より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。

    前記糖類の含有量は、ロールイン可塑性油脂組成物全体中0.20〜1.10重量%が好ましく、より好ましくは0.50〜1.10重量%、さらに好ましくは0.60〜1.00重量%である。 含有量が0.20重量%より少ないと良好な風味を感じにくくなる場合があり、1.10重量%より多いと甘味が強く感じられる場合がある。

    本発明のロールイン用可塑性油脂組成物には、乳化剤を配合することもできる。 乳化剤としては、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリソルベート、縮合リシノレイン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等の合成乳化剤や、大豆レシチン、卵黄レシチン、大豆リゾレシチン、卵黄リゾレシチン、酵素処理卵黄、サポニン、植物ステロール類、乳脂肪球皮膜等の合成乳化剤でない乳化剤が挙げられ、これらの群より選ばれる少なくとも1種類を使用すればよい。

    前記乳化剤の配合量は、0.01〜5重量%であることが好ましく、0.05〜2重量%であることがより好ましく、0.1〜1重量%であることが更に好ましい。 0.01重量%より少ないと、乳化が不十分で水が分離する場合があり、5重量%より多いと乳化剤の苦味が感じられる場合がある。

    本発明のロールイン用可塑性油脂組成物は、その他の成分として、通常、ロールイン用可塑性油脂組成物に配合される成分を含有することができる。 例えば、増粘安定剤、食塩、塩化カリウム等の塩味剤、酢酸、乳酸、グルコン酸等の酸味料、糖アルコール類、ステビア、アスパルテーム等の甘味料、β‐カロテン、カラメル、紅麹色素等の着色料、トコフェロール、茶抽出物(カテキン等)、ルチン等の酸化防止剤、小麦蛋白や大豆蛋白といった植物蛋白、卵及び各種卵加工品、香料、調味料、pH調整剤、食品保存料、果実、果汁、コーヒー、ナッツペースト、香辛料、ココアマス、ココアパウダー、穀類、豆類、野菜類、肉類、魚介類等の食品素材や食品添加物などが挙げられる。

    前記増粘安定剤としては、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム、アルギン酸類、ペクチン、キサンタンガム、プルラン、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、寒天、グルコマンナン、ゼラチン、澱粉、化工澱粉等が挙げられる。

    なお、前記その他の成分の含量は、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下である。

    本発明のロールイン用可塑性油脂組成物は、シート状に成型されたものであることが好ましい。 シート状とした場合、幅は50〜1000mmであることが好ましく、長さは50〜1000mmであることが好ましく、厚さは1〜50mmであることが好ましい。

    本発明のロールイン用可塑性油脂組成物の製造例を以下に例示するが、特に制限されるものではなく、公知の方法により製造することができる。 具体的には、先ず、本発明の油脂組成物を含む油相を溶解し、必要により水相を混合乳化した後、冷却し、結晶化させることで製造することができる。 冷却、結晶化は、冷却可塑化させることが好ましい。

    冷却速度条件は、好ましくは−0.5℃/分以上、より好ましくは−5℃/分以上である。 この際、徐冷却より急冷却の方が好ましい。 冷却する機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えば、ボテーター、コンビネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレート型熱交換機等が挙げられる。 また、冷却する機器としては、開放型のダイアクーラーとコンプレクターとの組合せも挙げられる。

    また、油相の溶解後又は混合乳化後は、殺菌処理することが望ましい。 殺菌方法は、タンクでのバッチ式でも、プレート型熱交換機や掻き取り式熱交換機を用いた連続式でも構わない。

    本発明のロールイン用可塑性油脂組成物をシート状に成型する場合は、例えば混合乳化後、冷却し、可塑化した本発明の油脂組成物を、成型器に導入することで作製することができる。

    本発明のロールイン用可塑性油脂組成物は、層状膨化食品の作製に用いられる。 該層状膨化食品としては、具体的にデニッシュペストリー、クロワッサン、パイ等が挙げられる。 また、該層状膨化食品への本発明のロールイン用可塑性油脂組成物の配合量は、使用される食品の種類によって異なるが、本発明の効果を損なわない限り、特に制限されるものではない。

    本発明の層状膨化食品の製造方法は、本発明のロールイン用可塑性油脂組成物を用いること以外は、公知の原料を使用し、公知の配合、公知の方法により、製造することができる。

    本発明のロールイン用可塑性油脂組成物を用いて層状膨化食品を製造すると、ロールイン用可塑性油脂組成物は伸展性がよく、べたつきもないことから、作業性がよいものとなる。 また、本発明のロールイン用可塑性油脂組成物を用いて製造した層状膨化食品は、浮きがよく、ジューシー感を有するものとなる。

    以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。 なお、実施例において「部」や「%」は重量基準である。

    <油脂中のトランス脂肪酸含量の測定方法>
    油脂中のトランス脂肪酸含量は、AOCS Ce1f−96に準じて測定した。

    <油脂中のSSS、SSU、SUS及びUSU各含有量の測定方法>
    JAOCS, vol70 , No.11, pp.1111-1114(1993)を参考にしたガスクロマトグラフィー法によるSSS、S2U、SU2の全構成脂肪酸合計量と各構成脂肪酸の重量比を測定し、及びJ. High Resol. Chromatogr. , 18, pp.105-107(1995)を参考にした銀イオンカラム−高速液体クロマトグラフィーによるSSS、SSU、SUS及びUSUの組成比を測定した。 各測定値より、油脂中のSSS、SSU、SUS及びUSU各含有を算出した。

    <上昇融点の測定>
    油脂の上昇融点は、「日本油化学会制定 基準油脂分析試験法 2.2.4.2(1996)1996年版」に準じて測定した。

    <貯蔵弾性率の相対値の測定>
    測定装置として、Kinexus Rotational Rheometer(Malvern社製)を使用し、Lower geometryにPL65 S0962SS、Current geometryにPU20 SR0354SSを装着し、Set Temperatureを5℃、Frequencyを1Hz、Sample Decadeを10、Sample Gapを2mmの条件に設定し、Shear Strainを0.01%から10%までの貯蔵弾性率を測定した。 そして、Shear Strain0.01%の貯蔵弾性率に対するShear Strain0.1%の貯蔵弾性率の割合を貯蔵弾性率の相対値とした。

    <ロールイン用可塑性油脂組成物の作業性(伸展性)評価>
    実施例・比較例において、クロワッサンを作製した際、各所定の温度に温調したロールイン用可塑性油脂組成物の伸展性を、以下の基準に従って評価した。
    ◎:生地と共に薄く伸び、ひび割れがない。
    ○:生地と共に薄く伸び、少しひび割れがある。
    △:生地と共に伸びるが、大きくひび割れが起こり、あまり好ましくない。
    ×:生地と共に伸びず、大きくひび割れが起こり、好ましくない。

    <ロールイン用可塑性油脂組成物の作業性(コシ)評価>
    実施例・比較例でのクロワッサンの作製において、各所定の温度に温調したロールイン用可塑性油脂組成物を生地に折り込んだ際に、ロールイン用可塑性油脂組成物が生地を支えて縮みを抑える度合いをコシとして評価した。 その際の評価基準は以下の通りであった。
    ◎:生地の縮みが殆ど無く生地の触感も良好で好ましい。
    ○:生地にわずかな縮みはあるが良好で好ましい。
    △:生地にやや縮みが見られロールイン用可塑性油脂組成物が練りこまれる傾向があり好ましくない。
    ×:生地が縮みロールイン用可塑性油脂組成物が練りこまれ層が出ない状態で好ましくない。

    <クロワッサンの生地浮きの評価>
    実施例・比較例で作製したクロワッサンを短辺で切断し、断面を観察して、以下の評価基準で生地浮きを評価した。
    ◎:非常に生地浮きが良く、ほとんどの生地と生地の間に十分な隙間があり好ましい。
    ○:生地浮きが良く、生地と生地の間に隙間があり好ましい。
    △:生地浮きが悪く、生地と生地の間に十分な隙間の無い部分が多くあまり好ましくない。
    ×:生地浮きが悪く、ほとんどの生地と生地の間に十分な隙間が無く好ましくない。

    <クロワッサンの口溶け評価>
    実施例・比較例で作製したクロワッサンを、10人の熟練したパネラーに食べてもらい、以下の基準で口溶け評価し、それらの結果を集約した。
    ◎:口残りせず口溶け良好で好ましい。
    ○:わずかに口残りするが良好で好ましい。
    △:口残りがしてあまり好ましくない。
    ×:口の中に膜が張るように感じられ、且つ口溶け不良で好ましくない。

    <クロワッサンの風味評価>
    実施例・比較例で作製したクロワッサンを、10人の熟練したパネラーに食べてもらい、以下の基準で風味評価し、それらの結果を集約した。
    ◎:自然な国産バターの風味とコク味が強く感じられ好ましい。
    ○:自然な国産バターの風味とコク味が感じられ好ましい。
    △:自然な国産バターの風味とコク味が感じにくく、あまり好ましくない。
    ×:自然な国産バターの風味が感じられず、好ましくない。

    (製造例1) パームステアリンをエステル交換した油脂Aの作製 パームステアリン(ヨウ素価32.5、株式会社カネカ製):100重量部を、90℃、真空下で脱水を行った。 そこへナトリウムメチラート:0.30重量部を加え、90℃、窒素気流下で30分間ランダムエステル交換反応を行い、水を加えて反応停止後、水洗した。 次に、活性白土:3.0重量部を加え、減圧下で攪拌して20分後に全量濾過して油脂A(SSS含量28.7重量%、SSU含量29.6重量%、SUS含量14.8重量%、USU含量7.5重量%)を得た。

    (製造例2) ラウリン系油脂とパーム系油脂の混合油をエステル交換した油脂B−1の作製 パーム油(ヨウ素価:52、株式会社カネカ製):69重量部、パームステアリン(ヨウ素価:33、株式会社カネカ製):5重量部及びパーム核オレイン(ヨウ素価:25、株式会社カネカ製):26重量部を混合し、90℃、真空下で脱水を行った。 そこへナトリウムメチラート:0.30重量部を加え、90℃、窒素気流下で30分間ランダムエステル交換反応を行い、水を加えて反応停止後、水洗した。 次に、活性白土:3.0重量部を加え、減圧下で攪拌して20分後に全量濾過して油脂B−1(SSS含量18.0重量%、SSU含量27.6重量%、SUS含量13.8重量%、USU含量10.5重量%)を得た。

    (製造例3) ラウリン系油脂とパーム系油脂の混合油をエステル交換した油脂B−2の作製 パーム油の硬化油(ヨウ素価:10):23重量部、パームステアリン(ヨウ素価:33):47重量部及びパーム核オレイン:30重量部を混合し、90℃、真空下で脱水を行った。 そこへナトリウムメチラート:0.30重量部を加え、90℃、窒素気流下で30分間ランダムエステル交換反応を行い、水を加えて反応停止後、水洗した。 次に、活性白土:3.0重量部を加え、減圧下で攪拌して20分後に全量濾過して油脂B−2(SSS含量40.8重量%、SSU含量28.6重量%、SUS含量14.3重量%、USU含量4.9重量%)を得た。

    (油脂C(豚脂))
    精製豚脂(株式会社カネカ製)を油脂C(SSS含量2.8重量%、SSU含量21.0重量%、SUS含量0.9重量%、USU含量46.3重量%)として用いた。

    (油脂D(融点25℃以下の植物油))
    精製ナタネ油(株式会社カネカ社製)を油脂D(SSS含量0.0重量%、SSU含量0.0重量%、SUS含量0.0重量%、USU含量0.0重量%)として用いた。

    (製造例4) 乳脂肪のリパーゼ分解物 無塩バター(株式会社明治製)97.9重量部を溶解し、37℃に保持した後、リパーゼAY「アマノ」30DS(天野エンザイム株式会社製)0.1重量部を水2重量部溶解した溶液を加え、40℃で24時間攪拌しながら酵素反応処理を行った。 反応終了後、処理物を85℃で15分間加熱して酵素を失活させた後、50℃まで冷却し遠心分離で水相部を除去して、分解度65%の乳脂肪のリパーゼ分解物75重量%を得た。

    (製造例5) 生クリームのリパーゼ分解物 生クリーム(脂肪含有量35%、株式会社明治製)97.9重量部を85℃で15分間加熱殺菌し、40℃まで冷却後、名糖リパーゼMY(名糖産業株式会社製)0.15重量部を水2重量部溶解した溶液を加え、40℃で18時間攪拌しながら酵素反応処理を行った。 反応終了後、処理物を85℃で15分間加熱し酵素を失活させて、分解度55%の生クリームのリパーゼ分解物100重量部を得た。

    (製造例6) 発酵フレーバー 生クリーム(脂肪含有量35%、株式会社明治製)85重量部に水8.8重量部、脱脂粉乳(株式会社明治製)3重量部、食塩0.5重量部を加えて溶解し、80℃で10分間殺菌後、均質化処理した。 ここに、リパーゼAY「アマノ」30DS(天野エンザイム株式会社製)0.01重量部及びプロテアーゼM「アマノ」SD0.02重量%を水1.97重量部溶解した溶液を加え、マザースターター(10%脱脂粉乳培地に乳酸菌として、ストレプトコッカス・ジアセチラクチス(クリスチャン ハンセンス社製)を0.7重量部接種し、35℃で48時間反応後、均質化し90℃で30秒間殺菌して発酵フレーバーを得た。

    (実施例1〜10、比較例1〜8)ロールイン用可塑性油脂組成物の作製 表1に示す配合に従って、油相の原料を70℃で撹拌・混合して油相を調製した。 次に、表1に示す配合に従って、この原料を60℃で撹拌・混合して水相を調製した。 調製した油相に水相を混合して予備乳化を行った。 得られた予備乳化物を、コンビネーターを用いて急冷可塑化した後、レスティングチューブを通してシート状に成型することで、実施例1〜15及び比較例1〜8のロールイン用可塑性油脂組成物(RM1〜18)を得た。 得られたシート状のロールイン用可塑性油脂組成物の大きさは、幅220mm、長さ300mm、厚さ10mmであった。 なお、実施例1〜15のロールイン用可塑性油脂組成物のトランス脂肪酸含量は、全て1重量%未満であった。

    ロールイン用可塑性油脂組成物中の油相全体中のSSS、SUS、SSU+USUの含量、油相部の上昇融点、無脂乳固形分含量、糖含量、5℃で測定したShear Strain0.01%の貯蔵弾性率を100とした場合のShear Strain0.1%の貯蔵弾性率を表1,2にまとめた。

    (実施例11〜20、比較例9〜18) クロワッサンの作製 ロールイン用可塑性油脂組成物1〜18(RM1〜18)を用いて、表3の配合に従って、クロワッサンを以下のようにして作製した。 即ち、ロールイン用可塑性油脂組成物を除いた原料をミキサーにて低速3分間、中高速4分間ミキシングして捏ね上げ温度25℃とした。 室温で20分間生地を発酵させた後、生地を1℃で5時間冷却した。 この生地に15℃に温調したロールイン用可塑性油脂組成物を3つ折りで2回折り込み、1℃で10時間冷却した後3つ折りで1回折り込み、リバースシーターの厚みを2.5mmに調整して生地を伸ばした。 生地を成型後、35℃、湿度70%のホイロで60分間最終発酵し、200℃のオーブンで15分間焼成し、クロワッサンを得た。 使用したロールイン用可塑性油脂組成物1〜18(RM1〜18)については製パン時の作業性(伸展性、コシ)、得られたクロワッサンの食感、口溶け、風味を評価し、その結果を表4にまとめた。

    (実施例21〜26) クロワッサンの作製 実施例1〜3で作製したロールイン用可塑性油脂組成物(RM1〜3)を用いて、表3の配合に従って、その温調温度を10℃もしくは20℃に変更した以外は、実施例11と同様の方法にてのクロワッサンを作製した。 その結果を表5にまとめた。

    表1,2,4,5に示す実施例および比較例の評価結果から、本願発明によれば、トランス型脂肪酸を減らした低トランスロールイン用可塑性油脂組成物でありながら、生地に折り込む際の作業温度幅が広く、できあがったクロワッサンのウキや口どけを良くし、風味が出やすく、且つ国産バターの甘い香りとコク味を付与できるロールイン用可塑性油脂組成物を得られることが分かった。

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