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Byproduct having high oxidation stability formed in preparing soybean oil

阅读:152发布:2021-01-31

专利汇可以提供Byproduct having high oxidation stability formed in preparing soybean oil专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a byproduct having high oxidation stability formed in preparing high-oleic acid soybean oil.
SOLUTION: This byproduct is obtained by extraction of high-oleic acid soybeans which has high oxidation stability and is put to gene recombination so as to inhibit the synthesis of polyunsaturated fatty acids; wherein the high- oleic acid soybeans are such that the C18:1 (substantially free from any trans- fatty acid isomer) content of the fatty acid fraction in the soybean oil is >65 wt.%, a total of the C18:2 and C18:3 contents of the fatty acid fraction is,下面是Byproduct having high oxidation stability formed in preparing soybean oil专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 油中の脂肪酸部分の65%より高いC18:
    1(実質的にトランス脂肪酸異性体を含まない)含量、
    油中の脂肪酸部分の20%未満のC18:2およびC18:3
    を合わせた含量、ならびに50時間より大きい活性酸素誘導期を含んで成る高い酸化安定性を有する高オレイン酸大豆油であり、該酸化安定性が酸化防止剤の添加無しに達成される、高オレイン酸大豆油の調製中に生成される副産物。
  • 【請求項2】 副産物が、上昇したレベルのトコフェロールを含む脱臭蒸留物であり、請求項1に記載の油の酸化安定性が維持される請求項1に記載の副産物。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の分野】本発明は大豆油、そして特に高い酸化安定性を達成するために素化または酸化防止剤を加える必要がない高オレイン酸大豆油に関する。

    【0002】

    【発明の背景】大豆油は現在、世界中で最も多く使用されている植物油である。 しかし、大豆油は酸化に対して比較的不安定であるため、その使用は高度な酸化安定性が要求されない応用に限られている。 大豆油は高レベルのポリ不飽和脂肪酸を含むので、より高レベルのモノ不飽和および飽和脂肪酸を含有する油よりも酸化され易い。 油中の不飽和度が高いほど、油は悪臭を放つ(酸化される)ようになるだろう。 酸化は分解過程の結果として、風味が落ちて臭気を発生する。 高レベルのポリ不飽和脂肪酸を含む油は、高温で長時間の調理のように、高度な酸化安定性が要求される使用にはそれほど使用されない。

    【0003】大豆油の安定性を増大させるためには、幾つかの方法が利用できる。 通常使用される1つの方法は、接触的水素化であり、多数の二重結合の数を減らし、そして脂肪の融点を上げる方法である。 その結果、
    水素化により油の飽和脂肪酸含量も増加する。 酸化安定性を高める別の方法は、酸化防止剤の添加を通して行われる。

    【0004】これら各々の方法には1つ以上の欠点があり、例えば油の水素化は健康、環境および食品の品質への懸念と結び付いている。 油の水素化により知られている1つの結果は、冠状動脈性心臓病の危険性の上昇を含め、健康への悪影響を伴うトランス脂肪酸同位体の生成である[フードプロダクトデザイン(Food Product Desi
    gn)、1994年11月]。 酸化防止剤の場合は、得ることが大変高価なものもあり、そしてすべての酸化防止剤が高温に耐えられるわけではない。 さらに多くの場合、食品製造業者は表示に純粋な材料を望むならば、酸化防止剤が添加された油を使用したくはない。 このように酸化防止剤の添加を要することなく、高温下で高い酸化安定性を有する油が大変望ましい。

    【0005】1993年11月9日に、Carrickらに発効された米国特許第5,260,077号明細書では、天然の酸化防止剤であるトコフェロールの添加により、高オレイン酸含量のトリグリセリド油を安定化する方法を開示する。 高オレイン酸油とトコフェロールとの組み合わせは、たっぷりの油で揚げるために適する安定な組成物を生じる。

    【0006】1994年5月26日に公開された国際公開第94
    /11516号明細書は、脂肪酸不飽和化酵素をコードする核酸断片の単離および特性決定、ならびに改変された不飽和脂肪酸レベルを含む種子を生産するためのそれらの使用を開示する。

    【0007】1990年9月20日に公開された国際公開第90
    /10380号明細書は、総脂肪酸に対して少なくとも79重量パーセントのオレイン酸含量および2重量パーセント以下のエルカ酸含量を有する成熟ナタネの均一集団を開示する。 これらの種子は、高熱安定性を有する植物油を生じると言われている;この植物油は揚げ物用の油として使用することができる。

    【0008】1989年6月12日に公開された欧州特許出願公開第323,753号明細書は、総脂肪酸含量の重量に基づき、少なくとも79重量%のオレイン酸含量および2重量%以下のエルカ酸を有する成熟ナタネを開示する。 これらの種子に由来する油は、熱安定性が増していると言われている。

    【0009】「Clear Valley(商標)Canola Oil」技術報告 No.SA 2069(1995 カールギルフーズ:Cargill Food
    s)は、低レベルのリノレン酸を含み、そして酸化安定性が少なくとも25AOM時間の天然キャノーラ(canola)サラダ油を開示する。

    【0010】「ファン デン バージ デザイン(Van Den
    Bergh Design)NH」技術報告 No.FI93184は、高レベルのオレイン酸を含み、そして酸化安定性が少なくとも20
    AOM時間の天然キャノーラ油を開示する。

    【0011】「SVO トリスム(Trisum)80」テクニカルデータシートは、80%のオレイン酸を含み、そして酸化安定性が少なくとも35AOM時間の天然ヒマワリ油を開示する。 「SVO トリスム エクストラ(Trisum Extra)」テクニカルデータシートは、85%のオレイン酸を含み、そして酸化安定性が少なくとも60AOM時間の天然ヒマワリ油を開示する。 「SVO NH−ナチュラル(Natural)」テクニカル データ シートは、添加した天然のトコフェロール(0.2%)を含み、そして少なくとも60〜70AOM時間の酸化安定性を有する高オレイン酸(80%)ヒマワリ油の開示する。

    【0012】「クラフト フード イングレディエンツ
    ソーイ・LL(Kraft Food IngredientsSoy・LL)」テクニカルデータシートは、酸化安定性が23〜25時間の低リノレン酸大豆油を開示する。

    【0013】Warner, K.らは((1989) JAOCS 66 (4): 558-
    564)は、ダイズ、ヒマワリおよび低エルカ酸ナタネ油の風味および酸化安定性を開示する。 100℃で1、2または3日維持した非−水素化大豆油の酸化安定性は、それぞれ13.5、15.0、14.0AOM時間と報告されている。 Whit
    e,PJおよびMiller,LA((1989) JAOCS 65 (8): 1334-13
    38)は、低リノレン酸、高ステアリン酸および標準的な大豆油の酸化安定性を開示する。 Mounts, TLら((198
    9) JAOCS 65 (4): 624-628)は、改変された脂肪酸組成物が大豆油の安定性に及ぼす影響を開示する。

    【0014】米国特許第4,627,192号明細書は、80%以上のオレイン酸含量を有するヒマワリ種子を開示する。
    米国特許第4,743,402号明細書は、高オレイン酸ヒマワリ油を開示する。

    【0015】1989年1月13日に公開された仏国特許出願公開第2617675号明細書は、74〜84%のオレイン酸含量、および約2〜8%のリノール酸含量を有するアメリカホドイモ種子を開示する。 この低リノール酸含量は、
    高い保存安定性を確実にすることが報告されている。

    【0016】1991年8月22日に公開された国際公開第91
    /11906号明細書は、少なくとも80%のオレイン酸またはリノール酸含量を有するベニバナ種子を開示する。

    【0017】酸化安定性は、工業用の油の応用にとっても重要な特性である。 この問題は特に、高い不飽和度から劣化し易いトリグリセリドでは深刻である。 酸化はフリーラジカルの形成により始まるメカニズムを介して進行し、そしてトリグリセリド油では二重結合に隣接する高含量の活性メチレン基から、むしろ容易に起こる。 全体的な影響は、酸化に対する油の高い感受性であり、これは油が、潤滑化される装置または材料に存在する鉄および銅のような金属と接触することによりさらに複雑となる。 金属は酸化過程で触媒として作用し、油の分解を促進する。

    【0018】1996年12月3日にChasanらに発行された米国特許第5,580,482号明細書は、熱および酸素の影響に対して安定化された滑剤組成物を開示する。

    【0019】1995年5月9日にLalらに発行された米国特許第5,413,725号明細書は、モノ不飽和植物油ならびに高モノ不飽和植物油/生分解性基材および流体混合物の流動点降下剤を開示する。

    【0020】1995年3月21日にLangeらに発行された米国特許第5,399,275号明細書は、環境に優しい粘度指数改良組成物を開示する。

    【0021】

    【発明の要約】本発明は、高い酸化安定性を有する高オレイン酸大豆油を対象とし、これは油中の脂肪酸部分の
    65%より高いC18:1含量、油の脂肪酸部分の20%未満のC18:2およびC18:3を合わせた含量、ならびに50
    時間より大きい活性酸素法誘導期を含んでなり、ここで該酸化安定性は酸化防止剤を添加することなく達成される。 本発明の油は、ブレンドした油製品を作成するためのブレンド供給源として使用することができる。 これは食品の製造に使用できる。

    【0022】

    【発明の詳述】本発明は、高い酸化安定性を有する高オレイン酸大豆油に関し、これは65重量%より高いC18:
    1脂肪酸含量、20重量%未満のC18:2およびC18:3
    の脂肪酸含量を合わせたレベル、ならびに50時間より大きい活性酸素法を含んで成り、ここで該酸化安定性は酸化防止剤を添加することなく達成される。 「高い酸化安定性」を有する大豆油は、標準的な大豆油と比較した時に酸化分解に対する感受性が低い大豆油である。

    【0023】高オレイン酸のダイズ種子は、オレイン酸が油中の脂肪酸部分の65パーセントより多くを占め、好ましくは油中の脂肪酸部分の75パーセントより多くを占めるダイズ種子である。 好適な高オレイン酸大豆油の出発材料は、国際公開第94/11516号明細書に開示され、
    その開示は引用により本明細書に編入する。 本発明に使用するダイズは、以下の実施例1に記載する。

    【0024】本発明の高オレイン酸大豆油は、脂肪酸部分の65〜85%のC18:1含量、脂肪酸部分の20%未満のC18:2およびC18:3を合わせた含量を有する。 好ましくは本発明の油は、脂肪酸部分の約70%より高いC1
    8:1含量、脂肪酸の15%未満のC18:2およびC18:
    3を合わせた含量を有する。 さらに好ましくは本発明の油は、脂肪酸部分の約75%より高いC18:1含量、脂肪酸部分の10%未満のC18:2およびC18:3を合わせた含量を有する。 一層好ましくは本発明の油は、脂肪酸部分の約80%より高いC18:1含量、脂肪酸の10%未満のC18:2およびC18:3を合わせた含量を有する。

    【0025】本発明の特に有利な特徴は、高い酸化安定性を達成するために油の水素化または他の分別が必要無いことである。 さらに、天然の酸化防止剤様トコフェロールのような酸化防止剤を、安定性を増すために本発明の組成物に加える必要はない。

    【0026】酸化安定性を測定するために、当業者には多数の方法が周知である。 最もよく使用されている方法は、活性酸素法(Active Oxygen Method:AOM)である。 これは油に一定の高温(97.8℃)下で酸素を通し、
    そして分解を過酸化物の蓄積を測定することにより監視する、酸化促進法である。 終点、すなわち誘導期は、10
    0meq/kgの過酸化物価に到達するために必要な時間数により定められる。 すなわち、誘導期が長いほど油はより安定である。 ほとんどすべての市販されている油サンプルには、テクニカルデータシートの要素としてAOM誘導期が記入されている。

    【0027】本発明の高オレイン酸大豆油に関するAOM
    誘導期は、50時間より大きい。 好ましくはAOM誘導は75
    時間より大きく、最も好ましくは100時間またはさらに1
    40時間より大きい。

    【0028】市販の調理用油の安定性を評価するために現在、一般的に使用されている別の標準的方法は、酸化安定指数(Oxidative Stability Index:OSI)であり、この方法は米国、マサチューセッツ州、ロックランドのオムニオン社(Omnion, Inc.)により製造されている機械を使用して自動的に測定される。

    【0029】このOSI機は、110℃に加熱した油に気泡を通することにより作動する。 油が酸化されると、揮発性の有機酸、主にギ酸が形成され、これをセル中の蒸留水に集めることができる。 機械は蒸留水の伝導度を絶えず測定し、そして誘導期はこの伝導度が急激に上がり始めるのにかかる時間として決定される。 これら2つの方法から算出されるデータは常に直接的な関係を有するものではないが、ほとんどの油のOSI誘導期は一般的にAOMから算出された値の約半分である。

    【0030】本発明の高オレイン酸大豆油に関するOSI
    誘導期は、25時間より大きい。 好ましくはOSI誘導期の値は、50時間より大きく、最も好ましくは75時間より大きい。

    【0031】植物油は、高温での応用に使用されることが多い。 油の酸化は熱の存在で加速される。 揚げ物、ベーキング、炒め物等のような応用には、油がこのような条件に耐えられることが重要である。 場合によっては酸化防止剤を安定性の向上のために加えることができるが、すべての酸化防止剤が高温に耐えるわけではない。
    さらに多くの場合で、食品製造業者は表示に純粋な材料を所望するならば、酸化防止剤を添加した油を使用することを望まない。 したがって、いかなる添加物も存在せず、または他の処理をしなくても、高温下で酸化に対して安定な油が高度に望まれている。 油の過剰加熱はしばしば、油および酸化生成物の熱重合を導き、べたべたしたワニス状のこびりつきを加熱に使用した装置に生じ、
    そして油の過剰発泡をもたらす。 酸化の結果、油がさらされた条件に応じて、種々の分解生成物が形成する。 高温安定性は油を高温にさらし、そして望ましくない分解生成物の形成を監視することにより評価することができる。 これらには、揮発性および非揮発性の生成物を含み、そして炭化水素、アルコール、アルデヒド、ケトンおよび酸であり得る。 非揮発性成分はさらに、極性および重合化化合物に分類することができる。 分解された油に存在するこの極性および重合化化合物は、Lin,SS,
    1991、脂肪および油の酸化(Fats and oil oxidation)
    に記載されているように、逆相高性能液体クロマトグラフィーにより直接分析できる。 脂肪および油技術(Fats
    and Oils Technology)(Wan, PJ 編集)、第211〜232
    頁、Am. Oil. Chem. Soc. のイントロダクション。

    【0032】本発明の油は、種々の用途に使用できる。
    一般的に、酸化安定性は風味安定性と関連している。 本発明の油は、食品の製造に使用できる。 限定するわけではないが例としては、材料として、コーティングとして、サラダ油として、スプレー油として、炒め物用油としてならびに揚げ物用油としての使用がある。 限定するわけではないが油を使用する食品の例として、クラッカーおよびスナック食品、菓子製品、シロップおよびトッピング、ソースおよびグレービーソース、スープ、バターおよびパン用ミックス、ベーキング用ミックスおよびドウがある。 本発明の油を包含する食品は、この油により与えられる酸化に対する改良された安定性のために、
    長期間にわたってよりよい風味を維持することができる。

    【0033】本発明の油は、ブレンドされた油製品を作成するために、ブレンド供給源としても使用できる。 ブレンド供給源とは、本発明の油を他の植物油と混合して、他の油の脂肪酸組成、風味および酸化安定性といった特性を向上させることを意味する。 使用できる本発明の油の量は、最終的にブレンドされた油製品において達成することを想定する望ましい特性に依存するだろう。
    限定するわけではないがブレンド油製品の例には、マーガリン、ショートニング、揚げ物用油、サラダ油等がある。

    【0034】別の観点では、本発明の油はさらに水素化、分別、エステル基交換または油脂分解(加水分解)
    のような処理に供することができる。 さらに別の観点では、本発明は本発明の油の調製中に生成する副産物に関する。

    【0035】大豆油および脱脂大豆を調製するためのダイズ種子の抽出および処理は、ダイズ加工業で広く知られている。 一般的に、大豆油は油を持つ種子から可食性油生成物を抽出そして精製する一連の工程を使用して調製される。

    【0036】大豆油およびダイズ副産物は、以下の該略図に示す一般的工程を使用して調製される。

    【0037】

    【0038】ダイズ種子は、清浄化し、調質し、皮をむき、そしてフレークとし、これは油の抽出効率を上げる。 油抽出は通常、溶媒(ヘキサン)抽出により行うが、物理的圧縮および/または溶媒抽出を組み合わせて行うこともできる。 生成する油を原油と言う。 この原油は、リン脂質および他の極性および中性脂質複合体を水和することにより脱ガムすることができ、これによりそれらを非水和のトリグリセリド画分(大豆油)から容易に分離する。 この生成したレシチンガムは、さらに加工してケン化および剥離剤(粘着防止剤)として、種々の食品および工業用品に使用される、商業的に重要なレシチン製品を作ることができる。 脱ガムした油は不純物:
    主に遊離脂肪酸、色素および残存ガムを除去するために、さらに精製できる。 精製は、原油中の遊離脂肪酸と反応して石鹸を形成し、そしてホスファチドおよびタンパク質を水和する苛性アルカリを加えることにより行う。 水は、精製中に形成された石鹸の痕跡を洗い出すために使用する。 このソープストック副産物は直接、動物飼料に使用するか、または遊離脂肪酸を回収するために酸性を帯びさせることができる。 色は白土を用いて吸着を通して除去され、大部分のクロロフィルおよびカロチノイド化合物を除去する。 精製された油は水素化されて、種々の融解特性およびテクスチャーを有する脂肪を生じる。 ウインタリゼーション(分別)は、慎重に制御した冷却条件下での結晶化を通して、水素化された油からステアリンを除去するために使用できる。 主に真空下での水蒸気蒸留である脱臭は最終工程であり、そして油に臭気または風味を付与する化合物を除去するために組み入れらる。 トコフェロールおよびステロールのような他の価値ある副産物は、脱臭工程中に取り出すことができる。 これらの副産物を含有する脱臭蒸留物は、天然ビタミンEおよび他の高付加価値医薬品の生成のために販売することができる。 精製され、脱色され、(水素化、
    分別され)、そして脱臭された油および脂肪は包装され、そして直接販売されるか、あるいはより特殊化された製品にさらに加工することができる。 ダイズ種子加工、大豆油製造および副産物利用に関するより詳細な参照は、Erickson, 1995、ダイズ加工および利用の実践的ハンドブック(Practical Handbook of Soybean Process
    ing and Utilization)、米国油化学者学会(American Oi
    l Chemist's Society)および合衆国大豆委員会(United
    Soybean Board)から見いだすことができる。

    【0039】水素化は、不飽和脂肪酸の二重結合にニッケルのような触媒の援助により水素が付加される化学反応である。 高オレイン酸大豆油は、不飽和オレイン酸、
    リノール酸およびリノレン酸脂肪酸を含み、そしてこれら各々は水素化され得る。 水素化には、主に2つの効果がある。 第1は、不飽和脂肪酸含量の減少の結果、油の酸化安定性が増す。 第2に、脂肪酸の修飾により油の融点が上がり、室温で半−液体または固形の脂肪を生じるので、物理特性が変化する。

    【0040】水素化反応に影響を及ぼす多くの変数があり、これらは次に最終生成物の組成を改変させる。 圧温度、触媒の種類および濃度、撹拌および反応層の設計を含む操作条件は、その中でも制御できるより重要なパラメーターである。 不飽和度が低いものよりもむしろ不飽和度が高い脂肪酸を水素化するために、選択的な水素化条件を使用することができる。 大変軽い、またはブラシ(brush)水素化は、液体油の安定性を上げるためによく使用される。 さらなる水素化で、液体油を物理的に固体の油に転換する。 水素化の程度は、特定の最終生成物に計画された望ましい性能および融解特性に依存する。 ベーキング用製品の製造に使用される液体ショートニング、市販の揚げ物および炒め物調理に使用される固形脂肪およびショートニング、ならびにマーガリン製造用の基礎材料ストックは、数ある中でも水素化を通して形成され得る油および脂肪製品である。 水素化および水素化製品に関するより詳細な記載は、Patterson、HB
    W., 1994、脂肪および油の水素化:理論と実践(Hydrog
    enation of Fats and Oils:Theory and Practice)に見い出ことができる。 アメリカ油化学者学会(American Oi
    l Chemist's Society)。

    【0041】エステル基交換は、エステルと酸との間(アシドリシス)、エステルとアルコールとの間(アルコリシス)またはエステルとエステルとの間(エステル交換)の脂肪アシル部分の交換を称する。 エステル基交換反応は、化学的または酵素的方法により成される。 ランダムまたは直接的なエステル交換法により、脂肪酸組成を変化させることなくトリグリセリド分子上の脂肪酸を再配置する。 修飾したトリグリセリド構造は、改質された物理特性を有する脂肪を生じることができる。 リパーゼを使用する直接的なエステル基交換反応は、カカオ代用脂のような高付加価値の特殊製品のために、ますます興味がもたれている。 エステル基交換反応を使用して商業的に製造されている製品には、限定するわけではないが、ショートニング、マーガリン、カカオ代用脂、ならびに組織化(structured)脂質含有中鎖脂肪酸およびポリ不飽和脂肪酸がある。 エステル基交換はさらに、Hui,
    YW, 1996、Baileyの工業用油および脂肪製品(Indust
    rial Oil and Fat Products)、第4巻、ジョン ウィリー アンド サンズ(John Wiley & Sons)で検討されている。

    【0042】脂肪酸および脂肪酸メチルエステルは、植物油に由来するさらに重要な2つの含油化学品である。
    脂肪酸は、石鹸、中鎖トリグリセリド、ポリオールエステル、アルカノールアミド等のような多くの製品を製造するために使用されている。 植物油は、それらの対応する脂肪酸およびグリセリンに加水分解または分解することができる。 種々の油脂分解法から生成された脂肪酸は、粗で使用することができ、あるいはより多くは蒸留および分別により、画分または個々の脂肪酸に精製される。 精製された脂肪酸およびそれらの画分は、二量体および三量体の酸、二酸、アルコール、アミン、アミドおよびエステルのような広範な含油化学品に転換される。
    脂肪酸メチルエステルは、脂肪アルコール、アルカノールアミド、a−スルホン化メチルエステル、ジーゼルオイル成分等の沢山の含油化学品用の出発材料として、脂肪酸とますます置き換わっている。 グリセリンも植物油の分解または加水分解を使用してトリグリセリドを開裂することにより得られる。 脂肪酸および含油化学品の商業的用途に関するさらなる参照は、Erickson, DR,19
    95、ダイズ加工および利用の実践的ハンドブック(Pract
    ical Handbook of Soybean Processing and Utilizatio
    n)、アメリカ油化学者学会(American Oil Chemist's s
    ociety)および合衆国大豆委員会(United Soybean Boar
    d);Pryde, EH, 1979、脂肪酸。 アメリカ油化学者学会(American Oil Chemist's Society);Hui、YH,
    1996、Baileyの工業用油および脂肪製品(Industrial Oi
    l andFat Products)、第4巻、ジョン ウィリー アンド サンズ(John Wiley & Sons)に見い出すことができる。

    【0043】別の観点では、本発明は様々な最終的用途のための工業用滑剤として、圧媒液等として、工業的応用のための本発明の大豆油の工業的使用に関する。 滑剤用の基本流体として植物油の工業的使用は、長年知られてきた。 しかし、環境的に問題の地域での石油の使用について、環境的な関心から意識が高まった。 植物油は容易に生分解可能であり、毒性が低く、そして良好な滑剤特性を有する。 しかし、高い流動点および高温での急速な酸化により、それらの使用は限定される。 本発明の大豆油は本明細書で検討するようにポリ不飽和物が低く、
    そして高い酸化安定性および高温安定性を有するので、
    これらの特性が本発明の大豆油を工業用流体、すなわち工業用潤滑剤として、または作動液等として工業的応用に望ましいものとする。 工業用滑剤および圧媒液を作成するために使用できる添加剤は、市販されている。 実際、いくつかの添加剤が高オレイン酸植物油と共に使用するために特別に製剤された。 添加剤は一般的に酸化防止剤および発泡、摩耗、錆等を抑える物質を含む。

    【0044】工業用流体の酸化安定性を測定するための1つの一般的方法は、回転ボンベ酸化試験(ASTM D-227
    2)である。 回転ボンベ酸化試験を使用して、市販されている製品と比較した時の本発明の油の性能を、以下の実施例で説明する。

    【0045】

    【実施例】本発明をさらに以下の実施例で明らかにするが、その中で特に言及しないかぎり、すべての部は重量により、パーセントは(容量に対する)重量により、そして度は摂氏である。 これらの実施例は本発明の好適態様を示しているが、説明を目的とするためにのみ与えられると考えるべきである。 上記の検討およびこれらの実施例から、当業者は本発明の本質的特徴を確かめることができ、そしてそれらの精神および範囲から逸脱することなく、本発明を種々の用途および条件に合わせるために、本発明を種々に変更および修飾することがてきる。

    【0046】 実施例1 高オレイン酸ダイズオレイン酸が高く、しかもポリ不飽和脂肪酸が低い大豆油の調製には、油の化学処理を行う必要が無く、脂肪酸画分に高いオレイン酸含量を有するダイズを利用できることが必要である。 高オレイン酸ダイズは、オレオイル
    12-不飽和化酵素活性の組換え操作により調製された。
    ダイズ( Glycine max )にはこの活性に関する2つの遺伝子があり、その1つ(GmFad2-1)は発育中の種子でのみ発現する(Heppardら、(1996)Plant Physiol. 110: 311-
    319)。 この遺伝子の発現は、開花後19日目頃から始まる油の集積期間に増加し、そしてその遺伝子産物は大豆油中に見出されるポリ不飽和脂肪酸の合成の原因である。
    GmFad 2-1は、Okuley, J.ら(1994)Plant Cell 6: 147-1
    58および国際公開第94/11516号明細書に詳細に記載されている。 これはATCCからプラスミドpSF2-169K(AT
    CC寄託番号69092)の状態で入手可能である。 もう1つの遺伝子(GmFad 2-2)は、ダイズ植物の種子、葉、根および茎で一定レベルで発現し、そして12−不飽和化酵素遺伝子を「ハウスキーピング」している。 このFad2-2遺伝子産物は、細胞膜のポリ不飽和脂肪酸の合成の原因である。

    【0047】GmFad 2-1は、ダイズ( Glycine max )β−コングリシニン遺伝子のα'−サブユニットに由来する、
    強力な種子−特異的プロモーターの制御下に置かれている。 このプロモーターは、特徴遺伝子の高レベルな種子特異的発現を可能にする。 これは、 Glycine max β−コングリシニン貯蔵タンパク質のα'サブユニットの開始コドンの上流606bpに広がる。 このβ−コングリシニンプロモーター配列は、27ヌクレオチド位に差異を有する公開されたβ−コングリシニン遺伝子の対立遺伝子を表す(Doyleら、(1986)J. Biol. Chem. 261: 9228-9238)。
    これはトランスジェニック植物で種子特異的発現パターンを維持することが示された(Barkerら、(1988)Proc.
    Natl. Acad. Sci. 85: 458-462およびBeachyら、(198
    5)EMBO J.4:3047-3053)。 リーディングフレームは、インゲン( Phaseolus vulgaris )のファセオリン遺伝子に由来する3'断片で終結していた。 これはインゲン( Phaseo
    lus vulgaris )のファセオリン遺伝子の終止コドンの3'
    配列の1174bp長である(Doyleら、1986に記載されたクローンを起源とする)。

    【0048】GmFad 2-1のオープンリーディングフレーム(ORF)は、プロモーターに対してセンス方向であるので、センスGmFad 2-1 cDNAおよび内在性GmFad 2-1遺伝子を抑える遺伝子を生成する。 「センスサプレッション
    (sense suppression)」として知られているこの現象は、植物中の遺伝子を故意に止めるための効果的な方法であり、そして米国特許第5,034,323号明細書に記載されている。

    【0049】大腸菌( E . Coli )中のプラスミドの維持および複製のために、上記に記載されたGmFad 2-1転写単位を、プラスミドpGEM-9z(−)中でクローン化した(プロメガバイオテック:Promega Biotech、マジソン、ウィスコンシン州、米国)。

    【0050】形質転換したダイズ植物の同定には、大腸菌( E . Coli )由来のβ−グルクロニダーゼ遺伝子(GUS)
    を使用した。 使用したカセットは、3つのモジュールから成る:カリフラワーモザイクウイス 35S プロモーター、大腸菌( E . Coli )由来のβ−グルクロニダーゼ遺伝子(GUS)、およびアグロバクテリウム ツメファシエンス( Agrobacterium tumefacience )のTi−プラスミドのノパリンシンターゼ(NOS)遺伝子に由来する遺伝子ターミネーターを含有する0.77kb DNA断片である。 35Sプロモーターは、大部分の植物組織中で構成的な遺伝子発現のためのCaMVに由来する1.4kbプロモーター領域であり
    (Odellら、(1985)Nature 303: 810-812)、GUS遺伝子は酵素β−グルクロニダーゼをコードする1.85kb断片であり(Jeffersonら、(1986)PNAS USA 83: 8447-845
    1)、そしてNOSターミネーターは、ノパリンシンターゼコーディング領域の3'末端の一部分である(Fraley
    ら、(1983)PNAS US 80: 4803-4807)。 このGUSカセットを、GmFad 2-1/pGEM-9z(−)構造物中でクローン化し、そしてpBS43と命名した。

    【0051】プラスミドpBS43を、粒子衝撃法(particle
    bombardment)(Christouら、(1990)Trens Biotechno
    l. 8: 145-151)により、選良されたダイズ系A2396の分裂組織中で形質転換した。

    【0052】形質転換した植物の第1世代の群から、GU
    S活性を発現し、しかもPCRで評価した時にGmFad 2-1遺伝子に対して陽性の植物(イベント260-05)を選択した。 植物260-05の多数のR1種子から小片を取り、そして脂肪酸組成を調査した。 次にこの小片化した種子を植え、そして発芽させた。 ゲノムDNAは、成長した植物の葉から抽出し、そして制限酵素Bam HIで切断した。 ブロットはファセオリンプローブで釣り上げた。

    【0053】DNAハイブリダイゼーションパターンから、初めの形質転換において、GmFad 2-1構造物がダイズゲノム中の2つの異なる遺伝子座に組み込まれたことが明らかであった。 1つの遺伝子座(遺伝子座A)で、Gm
    Fad 2-1構造物は内在性GmFad 2-1遺伝子の抑制を引き起こし、約85%の相対オレイン酸含量をもたらした(種々の選良されたダイズでの約20%と比較して)。 遺伝子座Aでは、pBS43の2つのコピーが存在した。 DNAハイブリダイゼーションブロット上で、これは2つの共に分離している(cosegregating)バンドとして見えた。 もう1つの組み込み遺伝子座(遺伝子座B)で、GmFad 2-1は過剰発現しており、これによりオレイン酸含量は約4%まで減少していた。

    【0054】初めの形質転換体から生成した第4世代の分離系(R4植物)を、成熟するまで成長させた。 沈黙している(silencing)遺伝子座A(例えば、G94-1)のみを含むR4種子は、いかなる検出可能なGmFad 2-1 mRNAも開花後20日に回収したサンプル中に含まなかった(ノーザンブロットにより測定した時)。 GmFad 2-2 mRNAは対照と比較して幾らか減少していたが、抑制されてはいなかった。 このようにGmFad 2-1センス構築物は、GmFad 2
    -1遺伝子の発現を防止する所望の効果を有し、そしてこれにより種子のオレイン酸含量を増加させた。 GmFad 2-
    1 抑制(silencing)遺伝子座についてホモ接合性のすべての植物は、数世代にわたって同一のサザンブロットプロフィールを有した。 これは挿入物が安定であり、そして少なくとも4世代、ゲノム中の同じ位置であることを示している。 種々の世代の組換えダイズ植物および種子について、オレイン酸含量のまとめを以下の表1で示す。

    【0055】

    【表1】

    【0056】 a R0:1は、第1世代の形質転換体が自家受粉した後の種子から成長した種子および植物を示す。
    R1:2は、第2世代の形質転換体が自家受粉した後の種子から成長した種子および植物を示す。 R2:3は、
    第3世代の形質転換体が自家受粉した後の種子から成長した種子および植物を示す。 R3:4は、第4世代の形質転換体が自家受粉した後の種子から成長した種子および植物を示す。

    【0057】 実施例2 高オレイン酸大豆油の抽出および処理高オレイン酸および標準的な大豆油をそれぞれ、研究室ベンチまたは以下に記載する工業用の標準法を使用して商業的なパイロットプラントで調製した。 比較のために使用した他の高安定性油およびショートニングの市販品サンプルは、製造元から得、そして窒素下で凍結保存した。 これらのサンプルには、揚げ物用大豆油、透明液体ショートニング、ヘビィデューティーショートニング、
    低リノレン酸大豆油および高オレイン酸キャノーラ油が含まれた。 高オレイン酸トウモロコシ油は、上記に類似する工業的な標準条件を使用して調製された。

    【0058】 A部:油の大規模(パイロットプラント)
    処理収穫したダイズ(97.5kg)は、種子に水を噴霧することにより調質して、湿度を8.7%に上げた。 水および種子を約10分間ブレンドし、そして約21時間平衡化した。 調質した種子を3.5のクラッキングロールスケールに設定したFerrell- RossCracking Rollを使用して砕いた。 外皮は、0.8〜1.2インチの水の差圧を使用してKice Multi-
    アスピレーター6F6モデルで分離した。 吸引した大豆の身は、約40℃に加熱した2トレイSimon- Rosedowns調理器で10〜30分間加熱した。 温めたダイズの身を第2トレイに落とし、そして60〜75℃で15〜25分間加熱した。 煮たダイズの身は、ERおよびF.Turner Flaking Roll中で、約0.4mmの厚さのフレークとした。 生成したダイズフレークはヘキサンを用いて、Crown Iron Works LoopE
    xtractor(II型)中で、全滞留時間60分および約1.5:1
    (重量:重量)比の溶媒−対−固体比を使用して抽出した。 溶媒温度は50〜60℃であった。 ミセラ(ヘキサン/
    油混合物)は、Tetra- Laval Scraped SurfaceHeat Exc
    hangerを使用して脱溶媒し、続いて完全な脱溶媒化は研究室でロータリーエバポレーターを使用して行った。 原油を集め、そしてさらに処理するまで窒素下で維持した。

    【0059】原油は、以下の様式で水脱ガムした。 この油を60〜70℃に加熱し、そして2%の油容量に等しい容量の90℃の水を加え、そして75〜80℃で15分間混合し;
    固体を遠心により分離した。 脱ガム化油は、70〜80℃に加熱することにより精製した。 0.1%の脱ガム化油の容量に等しい容量の85%リン酸溶液を加え、そしてこの溶液を30分間混合した。 遊離脂肪酸を中和するために、十分なNaOHを16Beに達するまで加えた:さらに0.8重量/重量%の過剰なNaOHを加え、そして溶液を80〜85℃に加熱しながら30分間混合した。 固体を遠心により分離した。 油は75〜80℃に加熱し、そして95℃の水を10(重量/重量)%まで加え、80〜90℃で10分間混合し、そして遠心することにより水洗した。 水洗した油は、1200gの油を2リットルのParr反応槽に加え、そして脱色クレー
    (Clarion 470 SA; アメリカン コロイド社: American C
    olloid Co.)を真空下で0.5(重量/重量)%まで加え、
    そして110℃で30分間加熱した後に65℃に冷却することにより脱色した。 この油を取り出し、そして30gの「フィルターエイド(Filter aid)」を加え、そして油を濾過した。 これらの工程は、油が脱色されるまで繰り返した。 油は2200gを5リットルのガラス脱臭器に真空下で加え、そして100℃に加熱することにより脱臭した。 蒸気を3(重量/重量)%/時で加え、そして油を240℃
    とし、この温度で1時間連続的に散布した。 次に油を散布しながら70℃に冷却し、油を脱臭器から取り出した。
    脱臭中に、工業的な標準法を模するために30ppmのクエン酸を加えた。 脱臭された油を窒素下で凍結保存した。

    【0060】 B部:油の小規模(研究室)処理収穫したダイズを、マイクロ波で180°Fに加熱し、室温に冷却し、そしてRoskamp TRC 650-6 Crack and Roll
    を使用して砕いた。 ダイズの外皮をKice Aspiratorを使用して除去し、そして残りの身を180°Fに加熱し、そしてRoskamp TRC912 Flake and Rollを使用してフレークにした。 原油はガラス製の水外套管が付いた60℃に加熱された容器中で、45分間、約4:1の溶媒対固体比を使用して抽出した。 このヘキサン/油ミセラを回収し、
    そして抽出を繰り返した。 このミセラはロータリーエバポレーターを使用して脱溶媒化し、原油を得た。

    【0061】0.1(重量/重量)%の原油に等しい容量の85%リン酸溶液を加え、そして溶液を撹拌しながら65
    〜70℃に10分間加熱した。 温めた(60℃)NaOH(8%水溶液)を油に滴下して遊離脂肪酸を中和し、そしてH 3 PO
    4をさらに0.2(重量/重量)%過剰を用いて中和した。
    溶液を5分間撹拌し、そして固体を遠心により分離した。 油は、サンプルを90℃に加熱した時に、迅速に撹拌しながら熱水を20(容量/容量)%加えることにより水洗した。 油および水は、室温に10分間冷却され、そして次に遠心により分離された。 油は、85〜95℃で真空下にて
    30分間、大変激しい撹拌を使用して、あるいは全ての湿気(気泡、凝縮)が除去されるまで脱水する。 次に真空を窒素で破った。 油を2(重量/重量)%の活性白土(A
    OCS#Z1077)を加えることにより脱色し、そして溶液を85
    〜95℃で真空下にて30分間混合した後、80℃に冷却した。 真空を窒素で破り、そして1(重量/重量)%の珪藻土を加え、そして混合物は準備した珪藻土の床を通して濾過した。

    【0062】クエン酸を約50ppmまで加え、そして油を2
    40℃で蒸気(100gの油に対して4mLの水)を用いて、ガラス脱臭器中で約1時間脱臭した。 油は散布しながら80℃
    に冷却し、これを窒素下でさらに40℃に冷却した。 精製し、脱色し、そして脱臭した油を窒素雰囲気下で凍結保存した。

    【0063】 実施例3 組成分析実施例2で調製した油を、組成について以下に記載するように分析した。 油に関する組成データを表2に示す。

    【0064】 脂肪酸組成 :脂肪酸組成は、本質的にAOCS
    Ce 1c-89 に記載されている方法により測定した。 脂肪酸メチルエステルは、以下のように調製した。 10μlの油を1mLのヘキサンおよび0.25mLの3%ナトリウムメトキシド溶液と、30分間混合した。 酢酸(10%溶液を0.1m
    L)を加え、サンプルを混合し、そして遠心により層を分離した。 ヘキサン層から抽出した生成した脂肪酸メチルエステルを、ガスクロマトグラフィー(GC)により解析した。 ヒューレットパッカード(Hewlett Packard)589
    0GC(ウィルミントン、デラウエア州)は、SP2340カラム
    (60m、0.25mm ID、0.2ミクロンのフィルム厚)(スペルコ:Supelco、ベルホンテ、ペンシルバニア州)を装備していた。 カラム温度は注入時に150℃であり、そして40
    分間にわたって2℃/分で150〜200℃にプログラムされた。 注入器および検出器は、それぞれ215℃および230℃
    であった。

    【0065】 過酸化物価、遊離脂肪酸および色 :過酸化物価は、本質的にAOCS 法 Cd 8-53による滴定により測定し、そしてデータをミリ当量過酸化物/kg油で表した。 遊離脂肪酸価は、AOCS 法 Ca 5a-40により測定し、
    そしてデータは%遊離脂肪酸(オレイン酸として)で表した。 色はAOCS 法 Cc 13b-45に従い、Lovibond Tintom
    eterおよび5-1/4"管を使用して測定した。

    【0066】 トコフェロール含量 :トコフェロール含量は、ライニン インスツルメント(Rainin Instrument)
    Dynamax HPLCおよびMilton RoyスペクトロモニターUV検出器を備えたデータ獲得システムを使用して、標準相の
    HPLCにより決定した。 HPLC条件は:ウォーターズ(Wate
    rs)μPorasil 3.9×300mmシリカカラム(非結合、不定形)、1.5mL/分の流速のヘキサン/イソプロピルアルコール(98.5/1.5)の溶媒系であった。 各サンプルの全分析時間は7.0分であった。 HPLC分析用のサンプルは、9
    00μLのヘキサン/イソプロピルアルコール(98.5/1.5)
    を、100μLの精製し、脱色し、そして脱臭した油に加えることにより調製した。 40μLをHPLCに注入した。 吸収は295nmで監視した。 データをmgトコフェロール/100g
    油で表す。

    【0067】これらのデータは、本発明の大豆油および比較する植物油の組成分析を表す。 これら油の性能を、
    以下に記載する実施例でさらに評価する。

    【0068】

    【表2】

    【0069】 実施例4 酸化安定性実施例2で調製した高オレイン酸および標準大豆油を、
    AOMおよびOSIにより酸化安定性に関して評価した。 比較のために使用したすべての他の市販されている油は、OS
    Iのみで評価した。 OSIの測定は、110℃で酸化安定性装置(オムニオン社:Omnion Inc.ロックランド、マサチューセッツ州)を使用して、公式なAOCS法(AOCS法 Cd 1
    2b-92)を使用してなされた。 サンプルは2連で測定し、
    そして表すデータは各サンプルの平均値である。 AOM測定は、公式なAOCS法(Cd 12-57)を使用して成された。 この試験は、97.8℃で測定し、そして与える誘導期は試験した1kgの油あたり、100ミリ当量の過酸化物に到達するまでに必要な時間数を表す。

    【0070】図1は、高オレイン酸および標準大豆油の
    AOM結果を比較するグラフを表す。 標準大豆油の15時間と比較して、高オレイン酸大豆油に関する平均AOM誘導期は145時間であった。 グラフを作成するために使用した生データは表3に与える。 OSI測定から得た値は表4
    に示す。 標準大豆油の6.9時間と比較して、高オレイン酸大豆油は80.7時間のOSI誘導期を有した。

    【0071】

    【表3】

    【0072】

    【表4】

    【0073】 実施例5 高オレイン酸大豆油の高温安定性精製し、脱色し、そして脱臭した、実施例2で調製した高オレイン酸大豆油の高温安定性を、標準的な大豆油および他の市販の油サンプルと比較した。 安定性は、油を揚げ物温度にまで加熱し、そして極性およびポリマー分解生成物をHPLCにより監視することにより測定した。 図2(A)および2(B)に示すように、高オレイン酸大豆油は標準的な大豆油よりも少ない極性およびポリマー物質を生じた。

    【0074】 サンプル調製:油サンプル(5ml)は、PM
    C Dataplate 520 温度制御機およびタイマーで制御されたホットプレート上の、アルミニウムブロック中のガラス管内で加熱した。 油は毎日、190℃に10時間加熱し、
    そして再加熱する前に冷却した。 HPLC分析用の50μLのサンプルを、加熱の10、20、30、40、50および60時間後に集めた。 サンプルは−20℃で、アッセイできるまで保存した。

    【0075】 逆相高性能液体クロマトグラフィー:加熱した油の逆相HPLC分析に使用した方法は、Lin(1990)の方法に類似する。 HPLC分析の前に、50μLのサンプルを室温とし、そして950μLのイソプロピルアルコール/ヘキサン(20:80、容量/容量)溶液を加え、そしてサンプルをボルテックス混合した。 HPLCシステムは、ライニン インスツルメントのDynamax HPLCおよびデータ獲得システム、2つのRabbit-HP送液ポンプ、スペクトラフィジックス(Spectra Physics)のSP8880/8875 オートサンプラー、および254nmに設定したミルトンロイ(Milton R
    oy)分光計UVモニターから成った。 カラムは、ベックマン(Beckman)Ultrasphere 4.6×25cmであった。 勾配条件は、37分間にわたり40:60から90:10のイソプロパノール:メタノールへと変化させた。 生成したクロマトグラフは積分され、そして極性およびポリマー物質に相当するピーク下の面積を同定した。 データは全極性および全ポリマーピーク面積単位で表す。

    【0076】 実施例6 スカールオーブン試験本発明の高オレイン酸大豆油の酸化安定性も、スカールオーブン試験(SchaalOven Test)として知られている促進剤試験で測定した。 この試験に使用した油は、実施例2で調製したものであった。

    【0077】油のサンプル(15mL)を、30mLの時計皿付ビーカーに入れ、そして63℃の強制通気オーブン中に維持した。 酸化分解は、AOCS法 Cd8-53に従い滴定可能な過酸化等価物として測定される。 分析用のサンプルは、油の加熱中に様々な時間で集めた。 図3は、この試験の結果を示す。

    【0078】 実施例7 酸化安定性に及ぼすトコフェロールの存在または不在の
    影響 A部:標準的および高オレイン酸油の比較トコフェロールは天然に存在する酸化防止剤であり、そして種々の脂肪種子に様々な濃度で存在する。 抽出した油のトコフェロール含量も、油を調製するために使用する条件に応じても変動し得る。 具体的には多少のトコフェロールが、脱臭中に使用する時間および温度条件により油中に残り得る。 高オレイン酸および標準的な大豆油のトコフェロール含量は、変動するレベルが2種の油の安定性に影響を及ぼすかどうかを決定するために測定された。 これらのデータは表2にある。 高オレイン酸および標準的な大豆油は、総トコフェロール含量または個々のトコフェロールの比率において異ならなかった。 本明細書で使用した脱臭条件は典型的であったが、これらの値は供給元に応じて一般的に約100mg総トコフェロール/100g油の商業的に製造されている油から得られる値よりもいくぶん高い。 高オレイン酸ヒマワリ油、高オレイン酸トウモロコシ油および高オレイン酸キャノーラ油は全て、大豆油よりもやや低いトコフェロール含量を有し;これらの値は100gの油あたり46mg(ヒマワリ)から73
    mg(トウモロコシ)の範囲であった。

    【0079】表5の高オレイン酸大豆油および高オレイン酸ヒマワリ油は、酸化可能性に関して同様な脂肪酸組成を有する。 高オレイン酸大豆油(80.7)および高オレイン酸ヒマワリ油(34.3時間)に関するOSI誘導期の差異は、脂肪酸組成以外の因子のみが酸化速度に影響することを示唆している。 トコフェロールは、濃度に依存する強い酸化防止作用を発揮することが知られている。 大豆およびヒマワリ油は、存在する総トコフェロール含量および個々のトコフェロールの両方で異なった。 トコフェロールがOSIのおける差異の原因であるかどうかを決定するために、個々のトコフェロールを高オレイン酸大豆油中に存在するトコフェロールの相対比率および総量(表4)に加え戻した。 表5に表すように、高オレイン酸ヒマワリ油のOSIは、高オレイン酸大豆油中に存在する個々の、および総トコフェロールに合わせることにより、高オレイン酸大豆油のOSIまで上昇した。

    【0080】

    【表5】

    【0081】トコフェロールの効果は、低トコフェロール含量(高オレイン酸ヒマワリで見いだされるものに等しい)を含む高オレイン酸大豆油を作成し、そしてAOM
    により安定性を測定することによっても検討される。 この油は、精製、脱色した高オレイン酸大豆油の脱臭中の時間および温度の両方を変動させることにより調製した。 使用した温度は240℃および265℃であった。 脱臭時間は、0から360時間の範囲であった。 表6に脱臭条件、生成した油の組成およびAOM安定性を表す。

    【0082】

    【表6】

    【0083】トコフェロール含量は、高オレイン酸大豆油でかなり減少したが、表6からはAOM誘導期で測定したその酸化安定性は、最低トコフェロール含量のサンプルで25%以上は下がらなかった。 94時間の誘導期は、表4に掲げた比較可能ないかなる他の油に関するOSI値よりも有意に長かった。

    【0084】 実施例8 標準的および他オレイン酸大豆油の水素化この実施例では、本発明の他オレイン酸大豆油を水素化する利点を説明する。 高オレイン酸および標準的な大豆油は、以下に記載するような工業において標準的な方法を使用して水素化した。

    【0085】水素化反応は、0.04%のニッケル触媒(Nys
    osel 325、インゲルハード社:Engelhard Corp)、75ml
    の油、104℃、90psi水素下、オートクレーブエンジニア社(Autoclave Engineer,Inc)製の反応槽(EZE-Seal Reac
    tor)中で750rpmでの撹拌を使用して行った。 反応中の油の脂肪酸組成の変化は、屈折率により監視した。 油サンプルは、約95−45の範囲のヨウ素価(IVs)で集めた。 油はセライトを通して濾過し、そして上記条件を使用して脱臭した。 水素化油サンプルは、遊離脂肪酸、過酸化物、脂肪酸組成およびOSI誘導期について、上記の方法を使用して評価した。 各油サンプルの固体脂肪指数は、
    AOCS法 Cd 10-57を使用して測定した。 固体脂肪指数は、所定温度での固体含量の測定であり、そして脂肪の物理特性を特性決定するために重要である。

    【0086】

    【表7】

    【0087】水素化反応の基本油として高オレイン酸大豆油を使用することは、標準的な大豆油を使用することに優る幾つかの利点がある。 IVにより示すように、標準的な大豆油と比べた時に、高オレイン酸大豆油から任意の所定生成物を得るために必要な時間は有意に短い(図4)。 生成した水素化生成物には、低いトランス脂肪酸および実質的により長いOSI誘導期を含め、幾つかの利点もある。 図5では、水素化した標準的な大豆油生成物および種々の市販の脂肪と比較した、1つの水素化した高オレイン酸大豆油生成物に関する固形脂肪指数を表す。

    【0088】 実施例9 組成の関数としての高オレイン酸大豆油の安定性引き続き成長期間中に生育した高オレイン酸ダイズ種子から油を収穫し、そして油を抽出し、そして実施例2で説明した条件により処理した。 組成データは、実施例3
    に記載の方法を使用して得た。 これら生成物に由来する高オレイン酸大豆油は、脂肪酸組成、トコフェロール含量およびAOM/OSI誘導期について、表8に示すようにわずかに変動した。

    【0089】

    【表8】

    【0090】 実施例10 ブレンド供給源としての高オレイン酸大豆油 A部:標準的大豆油とのブレンド実施例2で調製した高オレイン酸大豆油を、標準的な大豆油と割合を変えながらブレンドし、そしてブレンドした油の酸化安定性をOSIにより評価した。 表9は、高オレイン酸大豆油とブレンドすることにより標準的な大豆油の酸化安定性の増加効果を示す。

    【0091】

    【表9】

    【0092】 B部:低リノレン酸大豆油とのブレンド実施例2で調製した高オレイン酸大豆油を、低リノレン酸大豆油とブレンドし、そして生成したブレンドを酸化安定性についてOSIにより評価した。 表10はブレンドの組成および酸化安定性を示す。

    【0093】

    【表10】

    【0094】 実施例11 工業用流体および圧媒液の応用における高オレイン酸大
    豆油使用の評価工業用流体および圧媒液への応用に使用する、本発明の油の性能を、市販されている工業用油製品の性能と、回転ボンベ酸化試験(RBOT)(ASTM D-2272)を使用して比較した。 この試験は、タービンの、油圧の、変圧器の、
    およびギアーの油の酸化特性を評価するために使用する。 試験装置は、150℃の浴中で水平から30°の度で軸のまわりを回転する加圧ボンベから成る。 市販の添加剤を含む、または含まない50グラムの試験油、および5
    gの水を、銅触媒コイルを含むボンベに入れる。 このボンベは、室温で最初に酸素で90psiに加圧する。 150℃の浴温度で、この圧は約200psiまで上昇する。 酸化が起こると圧が下がり、そして降下点は150℃で達成された最大圧から25psi下がった時に取る。 結果は25psiの損失にかかる時間(分)として報告し、以下の表11に示す。

    【0095】

    【表11】

    【0096】これらのデータは、高い酸化安定性が要求される工業用流体および圧媒液の応用において、本発明の油の優れた性能を示している。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】標準的な大豆油と比較して、高オレイン酸大豆油に関する活性酸素法試験を行っている間に生じた過酸化物価を表す。

    【図2】油の加熱中における、高オレイン酸および標準的大豆油中の極性物質(A)および(B)ポリマー物質の蓄積を表す。

    【図3】スカールオーブン試験(Schaal Oven test)において、高オレイン酸大豆油と標準的大豆油の性能を比較して示す。

    【図4】高オレイン酸および標準的大豆油の水素化から、ヨウ素価(IV)により示される等価生成物を作成するために必要な時間を比較して示す。

    【図5】他の脂肪と比較して、水素化した高オレイン酸大豆油の固体脂肪指数測定値表す。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B024 AA05 CA04 DA01 EA04 GA11 4B026 DC04 DG05 DH10 DP03 4H059 BB03 BB04 BB05 BC15 EA03

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