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心臓組織を治療するシステム及び方法

阅读:0发布:2021-05-20

专利汇可以提供心臓組織を治療するシステム及び方法专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且心臓組織を治療するシステム又は方法のいくつかの実施例は、血流の再分配を提供する制御された期間の間、心臓血管を間欠的に閉塞するような形で操作される、制御システム及びカテーテル・デバイスを含むことができる。特定の実施例では、システムは、治療の累積作用の推定を提供するように構成することができる。例えば、システム又は方法のいくつかの実施例は、静脈系内の血流を間欠的に変更して心筋内の微小循環を誘発することによって、梗塞危険区域である心筋を治療することができ、また、梗塞サイズを低減する経過の測定値を示す累積用量値を出 力 することができる。,下面是心臓組織を治療するシステム及び方法专利的具体信息内容。

冠静脈洞閉塞カテーテルの少なくとも2つ以上の閉塞フェーズ中における冠静脈洞内の圧を示す、圧力センサ・データ信号を受信するセンサ信号入力と、 メモリ及びプロセッサを含む制御回路であって、前記圧力センサ・データ信号の格納されたデータ点に応答して、2つ以上の連続した閉塞フェーズにわたる冠静脈洞閉塞カテーテル治療の累積作用を示す、累積用量値を決定するように構成された、制御回路とを含む、心筋組織を治療するシステムの制御システム。前記制御回路が、前記累積用量値を使用して、前記2つ以上の連続した閉塞フェーズにわたって救済されてきた心筋組織の量を推定するように更に適合された、請求項1に記載の制御システム。前記累積用量値、前記救済されてきた心筋組織の量、又は両方を符号化する出力信号を出力するように構成された出力を更に備える、請求項1又は2に記載の制御システム。前記出力信号を受信するように構成され、前記計算された累積用量値、前記救済された心筋組織の推定量、又は両方を表示するように構成された表示ユニットを更に備える、請求項1から3までのいずれか一項に記載の制御システム。前記圧力センサ・データ信号の前記格納されたデータ点が、前記2つ以上の閉塞フェーズそれぞれに対する少なくとも1つのデータ点を含む、請求項1から4までのいずれか一項に記載の制御システム。前記圧力センサ・データ信号の前記格納されたデータ点が、前記一連の2つ以上の閉塞フェーズ中に測定された1つ以上の圧力最高値及び1つ以上の圧力最低値を含む、請求項1から5までのいずれか一項に記載の制御システム。前記制御システムが、前記プロセッサに前記累積用量値を計算させて、2つ以上の連続した閉塞フェーズにわたる冠静脈洞閉塞カテーテル治療の累積作用を示す数値を提供するように適合された、コンピュータ実行可能アルゴリズムを前記メモリに格納する、請求項1から6までのいずれか一項に記載の制御システム。前記制御システムが、(圧力)2×(時間)の単位を有する前記累積用量値、又は(圧力)×(時間)の単位を有する値を決定するように構成される、請求項1から7までのいずれか一項に記載の制御システム。前記制御システムが、前記救済された心筋組織の推定量と前記計算された累積用量値との間の所定の関係モデルに基づいて、前記救済された心筋組織の推定量を計算するように構成される、請求項2及び請求項3から8までのいずれか一項に記載の制御システム。前記救済された心筋組織の推定量が、前記計算された累積用量値との線形関係モデルに基づく推定心筋救済インデックスである、請求項9に記載の制御システム。前記制御システムが、1つの閉塞フェーズ及び1つの解放フェーズの各サイクル後に、前記計算された累積用量値、前記救済された心筋組織の推定量、又は両方を更新する、請求項1から10までのいずれか一項に記載の制御システム。前記表示ユニットが、前記計算された累積用量値、前記救済された心筋組織の推定量の両方、又は両方を同時に表示するタッチ・スクリーン・ユーザ・インターフェースを含む、請求項4又は請求項4及び請求項5から11までのいずれか一項に記載のシステム。前記制御システムが、前記閉塞フェーズの少なくとも1つの間の前記圧力センサ・データ信号の格納されたデータ点に応答して、前記制御システムのユーザ・インターフェースを介して、前記冠静脈洞閉塞カテーテルの前記閉塞デバイスの再位置決めを推奨することを示す警告を出力するように構成される、請求項1から12までのいずれか一項に記載のシステム。前記制御システムが、サンプル閉塞フェーズ中の脈動圧力パラメータが最低閾値未満であることの検出に応答して、前記閉塞デバイスの再位置決めの前記推奨を示す前記警告を出力する、請求項13に記載のシステム。前記圧力センサ・データ信号指示が、閉塞フェーズ中の収縮期圧と拡張期圧との間の差異を示し、前記制御回路が、前記圧力センサ・データ信号を使用して、前記閉塞フェーズ中の前記収縮期圧と前記拡張期圧との間の前記差異を決定し、前記閉塞フェーズ中の前記収縮期圧と前記拡張期圧との間の前記決定された差異に少なくとも基づいて、前記累積用量値を決定するように構成される、請求項1から14までのいずれか一項に記載の制御システム。前記圧力センサ・データ信号指示が、閉塞フェーズの収縮期圧プラトーと平均非閉塞圧力との間の差異を示し、前記制御回路が、前記圧力センサ・データ信号を使用して、閉塞フェーズの収縮期圧プラトーと平均非閉塞圧力との間の前記差異を決定し、閉塞フェーズの収縮期圧プラトーと平均非閉塞圧力との間の前記決定された差異に少なくとも基づいて、前記累積用量値を決定するように構成される、請求項1から15までのいずれか一項に記載の制御システム。前記制御回路が、膨張保持時間を決定し、前記決定された膨張保持時間に更に基づいて、前記累積用量値を決定するように構成される、請求項15又は16に記載の制御システム。調節可能な閉塞デバイスを備える遠位先端部分を含む冠静脈洞閉塞カテーテルと、 請求項1から17までのいずれか一項に記載の制御システムであって、閉塞フェーズ中に冠静脈洞を実質的に閉塞するために前記閉塞デバイスを選択的に活性化し、また解放フェーズ中に前記冠静脈洞を実質的に閉塞しないために前記閉塞デバイスを非活性化するように更に構成された、制御システムとを備える、心筋組織を治療するシステム。前記制御システムが、前記冠静脈洞閉塞カテーテルの前記閉塞デバイスの自動制御を提供するように更に構成される、請求項18に記載の心筋組織を治療するシステム。前記制御システムが、1つ以上の閉塞フェーズ中、1つ以上の解放フェーズ中、又は両方の前記冠静脈洞内の圧力を示す信号に基づいて、前記冠静脈洞閉塞カテーテルの前記閉塞デバイスの自動制御を提供するように更に構成される、請求項19に記載の心筋組織を治療するシステム。一連の2つ以上の閉塞フェーズにおける閉塞フェーズ中に閉塞カテーテルが冠静脈洞を実質的に閉塞していた後の、冠静脈洞圧を示す圧力センサ・データ信号を受信するステップと、 前記2つ以上の連続した閉塞フェーズにわたる冠静脈洞閉塞カテーテル治療の累積作用を示す、累積用量値を計算するステップとを含む、コンピュータ実装された方法。前記累積用量値を使用して、前記2つ以上の連続した閉塞フェーズの過程にわたって救済されてきた心筋組織の量を推定するステップを更に含む、請求項21に記載の方法。前記累積用量値、前記救済されてきた心筋組織の量、又は両方を符号化する出力信号の出力を提供するステップを更に含む、請求項21又は22に記載の方法。前記計算された累積用量値、前記計算された累積用量値に基づく前記救済された心筋組織の推定量、又は両方を表示するステップを更に含む、請求項24に記載の方法。冠静脈洞閉塞カテーテル治療の累積作用を示す前記累積用量値が各閉塞フェーズ後に更新される、請求項21から24までのいずれか一項に記載の方法。前記計算するステップが、(圧力)2×(時間)の単位の前記累積用量値、又は(圧力)×(時間)の単位を有する値を計算するステップを含む、請求項21から25までのいずれか一項に記載の方法。救済されてきた心筋組織の量を推定するステップが、前記一連の2つ以上の閉塞フェーズにおける各閉塞フェーズ後、前記救済された心筋組織の推定量と前記計算された累積用量値との間の所定の数学的関係に少なくとも部分的に基づいて、前記救済された心筋組織の推定量を計算するステップを含む、請求項22又は請求項22及び請求項23から26までのいずれか一項に記載の方法。前記救済された心筋組織の推定量が、前記救済された心筋組織の推定量と前記計算された累積用量値との間の線形関係に少なくとも部分的に基づいて計算される、請求項27に記載の方法。表示するステップが、前記計算された累積用量値及び前記救済された心筋組織の推定量の両方を同時に表示するステップを含む、請求項24又は請求項24及び請求項25から28までのいずれか一項に記載の方法。実行するとプロセッサに請求項21から29までのいずれか一項に記載の方法の動作を実施させる、命令を格納するコンピュータ可読媒体。閉塞フェーズ中に冠静脈洞を実質的に閉塞するために閉塞デバイスを選択的に活性化し、また解放フェーズ中に前記冠静脈洞を実質的に閉塞しないために前記閉塞デバイスを非活性化する、制御システムと、 少なくとも前記閉塞フェーズ中の前記冠静脈洞内の圧力を示す圧力センサ・データ信号を受信するセンサ信号入力とを備え、 前記制御システムが、前記閉塞フェーズの少なくとも1つの間の前記圧力センサ・データ信号に応答して、前記冠静脈洞閉塞カテーテルの前記閉塞デバイスの再位置決めを推奨することを示す警告を出力するように構成される、心筋組織を治療するシステムの制御システム。前記制御システムが、サンプル閉塞フェーズ中の脈動圧力パラメータが最低閾値未満であることの検出に応答して、前記閉塞デバイスの再位置決めの前記推奨を示す前記警告を出力する、請求項31に記載のシステム。前記制御システムが、前記閉塞フェーズそれぞれの間の前記圧力センサ・データ信号に応答して、救済されてきた心筋組織の量を示す累積用量値を決定するように構成される、請求項31又は32に記載のシステム。閉塞デバイス位置決め試験の閉塞フェーズ中に閉塞カテーテルが冠静脈洞を実質的に閉塞していた後の冠静脈洞圧力を示す、圧力センサ・データ信号を受信するステップと、 一連の複数の閉塞フェーズ中に測定された、少なくとも圧力最高値及び圧力最低値を示すデータを格納するステップと、 前記閉塞デバイス位置決め試験の前記閉塞フェーズ後、脈動圧力パラメータを計算するステップであって、前記脈動圧力パラメータが、前記閉塞デバイス位置決め試験の前記閉塞フェーズ中に測定された前記圧力最高値及び前記圧力最低値の前記データに少なくとも部分的に基づいて計算される、ステップと、 前記脈動圧力パラメータが最低閾値未満であることの検出に応答して、前記制御システムのユーザ・インターフェースを介して、前記冠静脈洞内において前記閉塞カテーテルを再位置決めすることの推奨を示す警告を出力するステップとを含む、方法。前記脈動圧力パラメータが前記最低閾値以上であることの検出に応答して、前記制御システムの前記ユーザ・インターフェースを介して、前記冠静脈洞内における前記閉塞カテーテルの位置が満足のいくものであることを確認するメッセージを出力するステップを更に含む、請求項34に記載の方法。前記冠静脈洞内における前記閉塞カテーテルの位置を確認する前記メッセージを出力した後、一連の複数の閉塞フェーズ中に前記冠静脈洞を間欠的に閉塞するように前記閉塞カテーテルを制御するステップと、 前記一連の複数の閉塞フェーズにおける各閉塞フェーズ後、梗塞サイズを低減する経過の測定値を示す累積用量値を計算するステップと、 前記累積用量値を計算した後、前記計算された累積用量値、前記計算された累積用量値に基づく救済された心筋組織の推定量、又は両方の更新された値を示すため、前記制御システムの前記ユーザ・インターフェースを更新するステップとを更に含む、請求項35に記載の方法。実行するとプロセッサに請求項34から36までのいずれか一項に記載の方法の動作を実施させる、命令を格納するコンピュータ可読媒体。調節可能な閉塞デバイスを備える遠位先端部分を含む冠静脈洞閉塞カテーテルと、 閉塞フェーズ中に冠静脈洞を実質的に閉塞するために前記閉塞デバイスを選択的に活性化し、また解放フェーズ中に前記冠静脈洞を実質的に閉塞しないために前記閉塞デバイスを非活性化する制御システムであって、少なくとも前記閉塞フェーズ中の前記冠静脈洞内の圧力を示す圧力センサ・データ信号を受信するセンサ信号入力を含む、制御システムとを備え、 前記制御システムが、前記閉塞フェーズそれぞれの間の前記圧力センサ・データ信号の格納されたデータ点に応答して、累積用量値を決定するように構成され、前記制御システムが、前記計算された累積用量値、前記計算された累積用量値に基づく救済された心筋組織の推定量、又は両方を示す表示ユニットを備える、心筋組織を治療するシステム。前記制御システムが、前記累積用量値を計算して、一連の前記閉塞フェーズにわたって血流を再分配する累積作用を示す数値を提供する、コンピュータ実行可能アルゴリズムを格納する、請求項38に記載のシステム。前記制御システムが、(圧力)2×(時間)の単位を有する前記累積用量値を決定するように構成される、請求項39に記載のシステム。前記制御システムが、前記救済された心筋組織の推定量と前記計算された累積用量値との間の所定の関係モデルに基づいて、前記救済された心筋組織の推定量を計算するように構成される、請求項39に記載のシステム。前記制御システムによって表示される前記救済された心筋組織の推定量が推定心筋救済インデックスであり、前記制御システムが、前記計算された累積用量値との線形関係モデルに基づいて前記推定心筋救済インデックスを計算する、コンピュータ実行可能アルゴリズムを格納する、請求項41に記載のシステム。前記制御システムが、1つの閉塞フェーズ及び1つの解放フェーズの各サイクル後に、前記計算された累積用量値、前記救済された心筋組織の推定量、又は両方を更新する、請求項38に記載のシステム。前記制御システムが、前記計算された累積用量値及び救済された心筋組織の推定量の両方を同時に表示するタッチ・スクリーン・ユーザ・インターフェースを含む、請求項43に記載のシステム。制御システムが、前記閉塞フェーズの少なくとも1つの間の前記圧力センサ・データ信号の格納されたデータ点に応答して、前記制御システムのユーザ・インターフェースを介して、前記冠静脈洞閉塞カテーテルの前記閉塞デバイスの再位置決めを推奨することを示す警告を出力するように構成される、請求項38に記載のシステム。前記制御システムが、サンプル閉塞フェーズ中の脈動圧力パラメータが最低閾値未満であることの検出に応答して、前記閉塞デバイスの再位置決めの前記推奨を示す前記警告を出力する、請求項45に記載のシステム。一連の複数の閉塞フェーズにおける閉塞フェーズ中に閉塞カテーテルが冠静脈洞を実質的に閉塞していた後の、冠静脈洞圧力を示す圧力センサ・データ信号を受信するステップと、 制御コンソールのコンピュータ可読メモリ・デバイスに、前記一連の複数の閉塞フェーズ中に測定された少なくとも圧力最高値及び圧力最低値を示すデータを格納するステップと、 前記一連の複数の閉塞フェーズにおける各閉塞フェーズ後、梗塞サイズを低減する経過の測定値を示す累積用量値を計算するステップであって、前記累積用量値が、前記一連の複数の閉塞フェーズ中に測定された前記圧力最高値及び前記圧力最低値の前記データに少なくとも部分的に基づいて計算される、ステップと、 前記一連の複数の閉塞フェーズにおける各閉塞フェーズ後、前記制御コンソールの表示デバイスに提示される前記計算された累積用量値、前記計算された累積用量値に基づく救済された心臓組織の推定量、又は両方の表示を更新するステップとを含む方法。前記計算するステップが、(圧力)2×(時間)の単位の前記累積用量値を計算するステップを含む、請求項47に記載の方法。前記一連の複数の閉塞フェーズにおける各閉塞フェーズ後、前記救済された心筋組織の推定量と前記計算された累積用量値との間の所定の数学的関係に少なくとも部分的に基づいて、前記救済された心筋組織の推定量を計算するステップを含む、請求項47に記載の方法。前記救済された心筋組織の推定量が、前記救済された心筋組織の推定量と前記計算された累積用量値との線形関係に少なくとも部分的に基づく、請求項49に記載の方法。前記表示を更新するステップが、前記計算された累積用量値及び前記救済された心筋組織の推定量の両方を前記表示デバイスに同時に表示するステップを含む、請求項47に記載の方法。調節可能な閉塞デバイスを備える遠位先端部分を含む冠静脈洞閉塞カテーテルと、 閉塞フェーズ中に冠静脈洞を実質的に閉塞するために前記閉塞デバイスを選択的に活性化し、また解放フェーズ中に前記冠静脈洞を実質的に閉塞しないために前記閉塞デバイスを非活性化する制御システムであって、少なくとも前記閉塞フェーズ中の前記冠静脈洞内の圧力を示す圧力センサ・データ信号を受信するセンサ信号入力を含む、制御システムとを備え、 前記制御システムが、前記閉塞フェーズの少なくとも1つの間の前記圧力センサ・データ信号の格納されたデータ点に応答して、前記制御システムのユーザ・インターフェースを介して、前記冠静脈洞閉塞カテーテルの前記閉塞デバイスの再位置決めを推奨することを示す警告を出力するように構成される、心筋組織を治療するシステム。前記制御システムが、サンプル閉塞フェーズ中の脈動圧力パラメータが最低閾値未満であることの検出に応答して、前記閉塞デバイスの再位置決めの前記推奨を示す前記警告を出力する、請求項52に記載のシステム。前記制御システムが、前記閉塞フェーズそれぞれの間の前記圧力センサ・データ信号の格納されたデータ点に応答して、梗塞サイズを低減する経過の測定値を示す累積用量値を決定するように構成される、請求項52に記載のシステム。閉塞デバイス位置決め試験の閉塞フェーズ中に閉塞カテーテルが冠静脈洞を実質的に閉塞していた後の冠静脈洞圧力を示す、圧力センサ・データ信号を受信するステップと、 閉塞デバイス制御システムのコンピュータ可読メモリ・デバイスに、一連の複数の閉塞フェーズ中に測定された、少なくとも圧力最高値及び圧力最低値を示すデータを格納するステップと、 前記閉塞デバイス位置決め試験の前記閉塞フェーズ後、脈動圧力パラメータを計算するステップであって、前記脈動圧力パラメータが、前記閉塞デバイス位置決め試験の前記閉塞フェーズ中に測定された前記圧力最高値及び前記圧力最低値のデータに少なくとも部分的に基づいて計算される、ステップと、 前記脈動圧力パラメータが最低閾値未満であることの検出に応答して、前記制御システムのユーザ・インターフェースを介して、前記冠静脈洞内において前記閉塞カテーテルを再位置決めすることの推奨を示す警告を出力するステップとを含む方法。前記脈動圧力パラメータが前記最低閾値以上であることの検出に応答して、前記制御システムの前記ユーザ・インターフェースを介して、前記冠静脈洞内における前記閉塞カテーテルの位置が満足のいくものであることを確認するメッセージを出力するステップを更に含む、請求項55に記載の方法。前記冠静脈洞内における前記閉塞カテーテルの位置を確認する前記メッセージを出力した後、一連の複数の閉塞フェーズ中に前記冠静脈洞を間欠的に閉塞するように前記閉塞カテーテルを制御するステップと、 前記一連の複数の閉塞フェーズにおける各閉塞フェーズ後、梗塞サイズを低減する経過の測定値を示す累積用量値を計算するステップと、 前記累積用量値を計算した後、前記計算された累積用量値、前記計算された累積用量値に基づく救済された心筋組織の推定量、又は両方の更新された値を示すため、前記制御システムの前記ユーザ・インターフェースを更新するステップとを更に含む、請求項56に記載の方法。

冠静脈洞閉塞カテーテルの少なくとも2つ以上の閉塞フェーズ中における冠静脈洞内の圧力を示す、圧力センサ・データ信号を受信するセンサ信号入力と、 メモリ及びプロセッサを含む制御回路とを含む、心筋組織を治療するシステムの制御システムにおいて、 前記制御回路(155)が、前記2つ以上の閉塞フェーズそれぞれに対する少なくとも1つのデータ点と、前記一連の2つ以上の閉塞フェーズ中に測定された1つ以上の圧力最高値及び1つ以上の圧力最低値とを含む、前記圧力センサ・データ信号の格納されたデータ点(213a〜d、214a〜d)に応答して、(圧力)2×(時間)の単位を有する累積用量値又は(圧力)×(時間)の単位を有すると共に、連続した閉塞フェーズの経過にわたって血流を再分配する累積作用を示す値を決定するように構成されることを特徴とする、制御システム。前記制御回路(155)が、前記累積用量値を使用して、前記2つ以上の連続した閉塞フェーズの経過にわたって救済されてきた心筋組織の量を推定するように更に適合され、前記制御システムが、前記計算された累積用量値、前記計算された累積用量値に基づく救済された心筋組織の推定量、又は両方を示す表示ユニットを含むことを特徴とする、請求項1に記載の制御システム。前記累積用量値、前記救済されてきた心筋組織の量、又は両方を符号化する出力信号を出力するように構成された出力を更に含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の制御システム。前記出力信号を受信するように構成され、前記計算された累積用量値、前記救済された心筋組織の推定量、又は両方を表示するように構成された、表示ユニット(142)を更に含むことを特徴とする、請求項1から3までのいずれか一項に記載の制御システム。前記制御システム(140)が、前記プロセッサ(152)に前記累積用量値を計算させて、2つ以上の連続した閉塞フェーズにわたる冠静脈洞閉塞カテーテル治療の累積作用を示す数値を提供するように適合された、コンピュータ実行可能アルゴリズムを前記メモリ(154)に格納することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか一項に記載の制御システム。前記制御システム(140)が、(圧力)2×(時間)の単位を有する前記累積用量値、又は(圧力)×(時間)の単位を有する値を決定するように構成されることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか一項に記載の制御システム。前記制御システム(140)が、前記救済された心筋組織の推定量と前記計算された累積用量値との間の所定の関係モデルに基づいて、前記救済された心筋組織の推定量を計算するように構成されることを特徴とする、請求項2から6までのいずれか一項に記載の制御システム。前記救済された心筋組織の推定量が、前記計算された累積用量値との線形関係モデルに基づく推定心筋救済インデックスであることを特徴とする、請求項7に記載の制御システム。前記制御システム(140)が、1つの閉塞フェーズ及び1つの解放フェーズの各サイクル後に、前記計算された累積用量値、前記救済された心筋組織の推定量、又は両方を更新することを特徴とする、請求項1から8までのいずれか一項に記載の制御システム。前記表示ユニット(142)が、前記計算された累積用量値、前記救済された心筋組織の推定量の両方、又は両方を同時に表示するタッチ・スクリーン・ユーザ・インターフェースを含むことを特徴とする、請求項1から9までのいずれか一項に記載の制御システム。前記制御システムが、前記閉塞フェーズの少なくとも1つの間の前記圧力センサ・データ信号の格納されたデータ点(213a〜d、214a〜d)に応答して、前記制御システム(140)のユーザ・インターフェースを介して、前記冠静脈洞閉塞カテーテル(120)の前記閉塞デバイスの再位置決めを推奨することを示す警告を出力するように構成されることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか一項に記載の制御システム。前記制御システムが、サンプル閉塞フェーズ中の脈動圧力パラメータが最低閾値未満であることの検出に応答して、前記閉塞デバイスの再位置決めの前記推奨を示す前記警告を出力することを特徴とする、請求項11に記載の制御システム。前記圧力センサ・データ信号指示が、閉塞フェーズ中の収縮期圧と拡張期圧との間の差異を示し、前記制御回路が、前記圧力センサ・データ信号を使用して、前記閉塞フェーズ中の前記収縮期圧と前記拡張期圧との間の前記差異を決定し、前記閉塞フェーズ中の前記収縮期圧と前記拡張期圧との間の前記決定された差異に少なくとも基づいて、前記累積用量値を決定するように構成されることを特徴とする、請求項1から12までのいずれか一項に記載の制御システム。前記圧力センサ・データ信号指示が、閉塞フェーズの収縮期圧プラトーと平均非閉塞圧力との間の差異を示し、前記制御回路が、前記圧力センサ・データ信号を使用して、閉塞フェーズの収縮期圧プラトーと平均非閉塞圧力との間の前記差異を決定し、閉塞フェーズの収縮期圧プラトーと平均非閉塞圧力との間の前記決定された差異に少なくとも基づいて、前記累積用量値を決定するように構成されることを特徴とする、請求項1から13までのいずれか一項に記載の制御システム。前記制御回路(155)が、膨張保持時間を決定し、前記決定された膨張保持時間に更に基づいて、前記累積用量値を決定するように構成されることを特徴とする、請求項13又は14に記載の制御システム。調節可能な閉塞デバイスを備える遠位先端部分を含む冠静脈洞閉塞カテーテルと、 請求項1から15までのいずれか一項に記載の制御システムと を備える、心筋組織を治療するシステムにおいて、閉塞フェーズ中に冠静脈洞を実質的に閉塞するために前記閉塞デバイス(122)を選択的に活性化し、また解放フェーズ中に前記冠静脈洞を実質的に閉塞しないために前記閉塞デバイス(122)を非活性化するように更に構成されることを特徴とする、システム。前記制御システム(140)が、前記冠静脈洞閉塞カテーテル(120)の前記閉塞デバイス(122)の自動制御を提供するように更に構成されることを特徴とする、請求項16に記載の心筋組織を治療するシステム。前記制御システムが、1つ以上の閉塞フェーズ中、1つ以上の解放フェーズ中、又は両方の前記冠静脈洞内の圧力を示す信号に基づいて、前記冠静脈洞閉塞カテーテル(120)の前記閉塞デバイスの自動制御を提供するように更に構成されることを特徴とする、請求項17に記載の心筋組織を治療するシステム。一連の2つ以上の閉塞フェーズにおける閉塞フェーズ中に閉塞カテーテル(120)が冠静脈洞を実質的に閉塞していた後の、冠静脈洞圧を示す圧力センサ・データ信号を受信するステップと、 前記2つ以上の連続した閉塞フェーズにわたる冠静脈洞閉塞カテーテル治療の累積作用を示す、累積用量値を計算するステップとを含む、コンピュータ実装された方法。前記累積用量値を使用して、前記2つ以上の連続した閉塞フェーズの過程にわたって救済されてきた心筋組織の量を推定するステップを更に含むことを特徴とする、請求項19に記載の方法。前記累積用量値、前記救済されてきた心筋組織の量、又は両方を符号化する出力信号を出力するステップを更に含むことを特徴とする、請求項19又は20に記載の方法。前記計算された累積用量値、前記計算された累積用量値に基づく前記救済された心筋組織の推定量、又は両方を表示するステップを更に含むことを特徴とする、請求項21に記載の方法。冠静脈洞閉塞カテーテル治療の累積作用を示す前記累積用量値が各閉塞フェーズ後に更新されることを特徴とする、請求項19から22までのいずれか一項に記載の方法。前記計算するステップが、(圧力)2×(時間)の単位の前記累積用量値、又は(圧力)×(時間)の単位を有する値を計算するステップを含むことを特徴とする、請求項19から23までのいずれか一項に記載の方法。救済されてきた心筋組織の量を推定するステップが、前記一連の2つ以上の閉塞フェーズにおける各閉塞フェーズ後、前記救済された心筋組織の推定量と前記計算された累積用量値との間の所定の数学的関係に少なくとも部分的に基づいて、前記救済された心筋組織の推定量を計算するステップを含むことを特徴とする、請求項20又は請求項20及び請求項21から24までのいずれか一項に記載の方法。前記救済された心筋組織の推定量が、前記救済された心筋組織の推定量と前記計算された累積用量値との間の線形関係に少なくとも部分的に基づいて計算されることを特徴とする、請求項25に記載の方法。表示するステップが、前記計算された累積用量値及び前記救済された心筋組織の推定量の両方を同時に表示するステップを含むことを特徴とする、請求項22又は請求項22及び請求項23から26までのいずれか一項に記載の方法。実行するとプロセッサ(152)に請求項19から27までのいずれか一項に記載の方法の動作を実施させる、命令を格納するコンピュータ可読媒体。

说明书全文

本明細書は、例えば、心臓内を流れる静脈血の間欠的閉塞を制御することによって、心臓組織を治療するシステム及び方法に関する。

心筋は冠状動脈を介して動脈血を受け取り、それによって血液は心筋組織を通過し栄養を与える。場合によっては、冠状動脈の閉塞により、心筋組織の一部分を流れる血流が失われるか又は低減される場合があり、それによって、適時に再灌流しない場合には虚血死危険区域が作り出される。虚血心筋組織の外傷は、適切な血流が欠乏していた組織へと血液が急激に再灌流されることによる再灌流障害によって悪化することもある。閉塞が除去されるか、又は別の方法で開かれて血流が再開した後、心筋組織の虚血部分(再灌流時の微小循環など)が、正常な血流が筋組織の虚血部分を通って戻ることができない程度まで損傷を受けることがある。

いくつかの従来システムは、逆行性灌流を通して虚血組織に血液を供給することによって、虚血心筋組織の修復又は治療を試みるものである。例えば、冠静脈洞は一時的に閉塞されることがあるので、その中の血液は、冠静脈洞から冠状静脈系を通って、それまで動脈側から血液を受け取っていなかった虚血筋組織に向かって逆流する。冠静脈洞の閉塞は圧上昇を引き起こし、結果として、それぞれの血管を介して境界域の虚血筋組織の毛細血管内へと静脈血が再分配されるので、その虚血域に対する栄養素の供給が改善される。閉塞がなくなって血液が冠静脈洞を通って正常に出るようになると、静脈血は流れ出し、それと同時に損傷組織からの代謝廃棄物が運び去られる。

間欠的冠静脈洞閉塞(「ICSO」)方法と呼ばれる場合が多い、静脈圧蓄積フェーズとそれに続くフローの再分配及び洗い流しのフェーズとを繰り返す組み合わせは、状況によっては、動脈血需要を改善し、微小循環障害を低減することによって微小循環を改善し、心保護的効果を提供し、虚血組織梗塞サイズを低減することがある。ICSO方法のタイミング(例えば、閉塞回数及び解放回数)が、モニタリングされた圧力測定値に基づいて制御される場合、方法は、圧力制御のICSO、即ち「PISCO」と呼ばれる場合が多い。PICSO方法の間に行われる閉塞フェーズをいつ開始し、いつ終了するかのタイミング、またしたがってその持続時間を制御するのに、コンピュータ実装された制御システムが使用されてもよい。

心臓組織を治療するシステム又は方法のいくつかの実施例は、例えば、心筋虚血区域又は虚血危険区域(AAR)に向かって血流を再分配する目的で、制御された期間の間心臓血管を間欠的に閉塞するように操作される、制御システム及びカテーテル・デバイスを含むことができる。特定の実施例では、治療の開始中、システムは、カテーテル・デバイスを活性化し、患者特性をモニタリングして、システムが、血液再分配の所望の程度を提供するのに十分な閉塞レベルに到達していることを、確認するように構成することができる。例えば、カテーテル・デバイスを最初に活性化した後における1つ以上の患者特性のモニタリングに応答して、システムは、カテーテル位置が満足できるものであること、又はカテーテル位置を調節すべきであることの指示を出力するように構成することができる。いくつかの実施例では、治療プロセス中、システムは、連続した閉塞期間にわたって提供される治療の累積量を表すパラメータを決定し表示するように構成することができる。1つの実例では、システムによって計算される累積量は、提供される治療の過程にわたって救済されてきたAAR心臓組織の推定量に相関させることができ、それによって、連続した閉塞期間の過程にわたってカテーテル・デバイスを使用するという医学的経過に関して、リアルタイムのフィードバックが施術者に提供される。そのため、AARの累積量又は推定量を、連続した閉塞期間の過程にわたって制御システムによって表示し、繰り返し更新することができ、それによって、カテーテル・デバイスを使用する治療プロセスを継続するか又は終了するかを施術者がより正確に判断することが容易になる。

本明細書に記載する特定の実施例は、心筋組織を治療するシステムのための制御システムを含んでもよい。制御システムは、冠静脈洞閉塞カテーテルの少なくとも2つ以上の閉塞フェーズ中における冠静脈洞内の圧力を示す、圧力センサ・データ信号(又は、冠静脈洞閉塞カテーテルの少なくとも2つ以上の閉塞フェーズ中における冠静脈洞内の身体特性を示す、別のセンサ・データ信号)を受信する、センサ信号入力を含んでもよい。また、制御システムは、メモリ及びプロセッサを含む制御回路を含んでもよい。制御回路は、圧力センサ・データ信号(又は別の身体特性センサ・データ信号)の格納されたデータ点に応答して、2つ以上の連続した閉塞フェーズにわたる冠静脈洞閉塞カテーテル治療の累積作用を示す、累積用量値を決定するように構成されてもよい。

他の実施例では、コンピュータ実装された方法は、一連の2つ以上の閉塞フェーズにおける閉塞フェーズ中に閉塞カテーテルが冠静脈洞を実質的に閉塞していた後の、冠静脈洞圧を示す圧力センサ・データ信号を受信することを含んでもよい。方法はまた、2つ以上の連続した閉塞フェーズにわたる冠静脈洞閉塞カテーテル治療の累積作用を示す、累積用量値を計算することを含んでもよい。

いくつかの実施例では、心筋組織を治療するシステムのための制御システムは、制御システム及びセンサ信号入力を含んでもよい。制御システムは、閉塞フェーズ中に冠静脈洞を実質的に閉塞するために閉塞デバイスを選択的に活性化するように構成され、また、解放フェーズ中に冠静脈洞を実質的に閉塞しないために閉塞デバイスを非活性化させるように構成されてもよい。センサ信号入力は、少なくとも閉塞フェーズ中の冠静脈洞内の圧力を示す圧力センサ・データ信号を受信するように構成されてもよい。制御システムは、閉塞フェーズの少なくとも1つの間における圧力センサ・データ信号に応答して、冠静脈洞閉塞カテーテルの閉塞デバイスの再位置決めを推奨することを示す警告を出力するように構成されてもよい。

本明細書に記載される更なる実施例では、方法は、閉塞デバイス位置決め試験の閉塞フェーズ中に閉塞カテーテルが冠静脈洞を実質的に閉塞していた後の冠静脈洞圧を示す、圧力センサ・データ信号を受信することを含んでもよい。方法はまた、一連の複数の閉塞フェーズ中に測定された、少なくとも圧力最高値及び圧力最低値を示すデータを格納することを含んでもよい。方法は更に、閉塞デバイス位置決め試験の閉塞フェーズ後、脈動圧力パラメータを計算することを含んでもよい。脈動圧力パラメータは、閉塞デバイス位置決め試験の閉塞フェーズ中に測定された、圧力最高値及び圧力最低値のデータに少なくとも部分的に基づいて計算されてもよい。方法はまた、脈動圧力パラメータが最低閾値未満であるという検出に応答して、制御システムのユーザ・インターフェースを介して、冠静脈洞内における閉塞カテーテルの再位置決めを推奨することを示す警告を出力することを含んでもよい。

心筋組織を治療するシステムのいくつかの実施例では、システムは、調節可能な閉塞デバイスを備える遠位先端部分を含む冠静脈洞閉塞カテーテルを含んでもよい。また、システムは、閉塞フェーズ中に冠静脈洞を実質的に閉塞するために閉塞デバイスを選択的に活性化し、解放フェーズ中に冠静脈洞を実質的に閉塞しないために閉塞デバイスを非活性化する、制御システムを含んでもよい。制御システムは、少なくとも閉塞フェーズ中における冠静脈洞内の圧力を示す圧力センサ・データ信号を受信する、センサ信号入力を含んでもよい。制御システムは、閉塞フェーズそれぞれの間の圧力センサ・データ信号の格納されたデータ点に応答して、累積用量値を決定するように任意に構成されてもよい。制御システムは、計算された累積用量値、計算された累積用量値に基づいた、救済された心筋組織の推定量、又はそれら両方を任意に示す、表示ユニットを含むことができる。

他の実施例では、方法は、一連の複数の閉塞フェーズにおける1つの閉塞フェーズ中に閉塞カテーテルが冠静脈洞を実質的に閉塞していた後の、冠静脈洞圧力を示す圧力センサ・データ信号を受信することを含んでもよい。方法はまた、一連の複数の閉塞フェーズ中に測定された少なくとも圧力最高値及び圧力最低値を示すデータを、制御コンソールのコンピュータ可読メモリ・デバイスに格納することを含んでもよい。方法は更に、一連の複数の閉塞フェーズにおける各閉塞フェーズ後に、梗塞サイズを低減する経過の測定値を示す累積用量値を計算することを含んでもよい。累積用量値は、一連の複数の閉塞フェーズ中に測定された圧力最高値及び圧力最低値のデータに少なくとも部分的に基づいて計算されてもよい。方法はまた、一連の複数の閉塞フェーズにおける各閉塞フェーズ後に、制御コンソールの表示デバイスに提示される計算された累積用量値、計算された累積用量値に基づいた、救済された心筋組織の推定量、又はそれら両方の表示を更新することを含んでもよい。

本明細書に記載する特定の実施例では、心筋組織を治療するシステムは、調節可能な閉塞デバイスを備える遠位先端部分を含む冠静脈洞閉塞カテーテルを含んでもよい。また、システムは、閉塞フェーズ中に冠静脈洞を実質的に閉塞するために閉塞デバイスを選択的に活性化し、解放フェーズ中に冠静脈洞を実質的に閉塞しないために閉塞デバイスを非活性化させる、制御システムを含んでもよい。制御システムは、少なくとも閉塞フェーズ中における冠静脈洞内の圧力を示す圧力センサ・データ信号を受信する、センサ信号入力を含んでもよい。任意に、制御システムは、閉塞フェーズの少なくとも1つの間における圧力センサ・データ信号の格納されたデータ点に応答して、制御システムのユーザ・インターフェースを介して、冠静脈洞閉塞カテーテルの閉塞デバイスの再位置決めを推奨することを示す警告を出力するように構成されてもよい。

いくつかの実施例では、方法は、閉塞デバイス位置決め試験の閉塞フェーズ中に閉塞カテーテルが冠静脈洞を実質的に閉塞していた後の、冠静脈洞圧力を示す圧力センサ・データ信号を受信することを含んでもよい。方法は更に、一連の複数の閉塞フェーズ中に測定された少なくとも圧力最高値及び圧力最低値を示すデータを、閉塞デバイス制御システムのコンピュータ可読メモリ・デバイスに格納することを含んでもよい。方法はまた、閉塞デバイス位置決め試験の閉塞フェーズ後に、脈動圧力パラメータを計算することを含んでもよい。脈動圧力パラメータは、閉塞デバイス位置決め試験の閉塞フェーズ中に測定された圧力最高値及び圧力最低値のデータに少なくとも部分的に基づいて計算されてもよい。方法は更に、脈動圧力パラメータが最低閾値未満であることの検出に応答して、制御システムのユーザ・インターフェースを介して、冠静脈洞内において閉塞カテーテルを再位置決めすることの推奨を示す、警告を出力することを含んでもよい。

本明細書に記載される実施例のいくつかは、次の利益の1つ以上を提供してもよい。第一に、制御システム及びカテーテル・デバイスの特定の実施例は、制御された期間にわたって、冠静脈洞又は他の心臓血管を間欠的に閉塞するように動作して、虚血しているか又は別の形で損傷している心筋組織に向かって血流を有効に再分配することができる。制御された期間は、カテーテル・デバイス、又は心臓で使用される別のセンサ・デバイスを使用して検出される入力信号(例えば、冠静脈洞圧力)に基づいて、制御システムによって正確に計算されてもよい。

第二に、制御システム及びカテーテル・デバイスのいくつかの実施例は、好ましくは冠静脈洞閉塞プロセスを開始する間、閉塞デバイス位置決め試験を実行して、カテーテルの閉塞デバイスが十分なレベルの再分配された血流を提供するように冠静脈洞内で位置決めされているか否かを示す、ユーザ・インターフェース通信を出力するように構成することができる。いくつかの状況では、(例えば、閉塞フェーズ中における冠静脈洞内の収縮期圧と拡張期圧との間の差異のモニタリングに応答して)不十分なレベルの閉塞が検出されたことを閉塞デバイス位置決め試験が示すと、制御システムは、制御システムのユーザ・インターフェースを介して、閉塞レベルを改善するための提案される動作を示すメッセージを出力することができる。制御システムのユーザ・インターフェースを介して提案されるそのような補正動作は、冠静脈洞に対してカテーテル・デバイスを再位置決めすること、又はカテーテル・デバイスを、異なるサイズ若しくは形状を有する別のカテーテル・デバイスに切り替えることなどを含むことができる。補正動作を実施した後、閉塞デバイスが十分なレベルの再分配された血流を提供するように冠静脈洞内で位置決めされていることを、制御システムが(例えば、制御システムのユーザ・インターフェースを介して)確認するまで、閉塞デバイス位置決め試験を繰り返すことができる。

第三に、制御システムの特定の実施例は、冠静脈洞内において連続した閉塞フェーズの期間にわたってカテーテル・デバイスを活性化させ非活性化させたときの、1つ以上の患者特性をモニタリングするように構成することができ、また、連続した閉塞フェーズの過程にわたって患者に施されてきた治療レベルを示す、累積量用値を計算するように構成することができる。かかるモニタリングされた患者特性は、例えば、(i)閉塞フェーズ中における収縮期圧と拡張期圧との間の差異、(ii)閉塞フェーズの収縮期圧プラトーと平均非閉塞圧との間の差異、及び(iii)閉塞フェーズの膨張保持時間の1つ以上を含むことができる。1つの非限定的な実例では、制御システムは、各閉塞フェーズ中における冠静脈洞圧測定値の格納されたデータ点に応答して、(圧力)2×時間の単位(更に詳細に後述する)で累積用量値を決定するように構成することができる。本明細書におけるいくつかの実施例では「PICSO量」と呼ばれる累積用量値は、新しい閉塞フェーズそれぞれで繰り返し更新される数値として、制御システムのユーザ・インターフェースに表示することができる。

第四に、いくつかの実施例では、制御システムによって決定された累積用量値を使用して、連続した閉塞フェーズの過程にわたって救済されてきたAAR心臓組織の量を合理的に推定することができる。そのため、制御システムのいくつかの実施例は、PICSO治療の過程にわたる累積用量値を、PICSO治療の推定効率値と相関させるように構成することができ、それは制御システムのユーザ・インターフェースを介して任意に表示されてもよい。例えば、いくつかの実施例では、システムは、PICSO治療中に生じる連続した閉塞フェーズの結果として、どの程度の心臓組織虚血危険区域が救済されてきたかを示す、推定された心筋救済インデックス(MSI)を計算し表示することができる。かかる状況では、制御システムは治療効率の推定数値をユーザに対して出力することができ、その値は新しい閉塞フェーズ毎にリアルタイムで任意に更新され、それによって、施術者がそれを使用して、PICSO治療プロセスをいつ停止すべきかを、情報を得た上で判断することができる。

第五に、特定の実施例では、制御システムは、患者の改善された結果を達成することができる追加のタイプの情報を、臨床医オペレータに提供するように構成することができる。例えば、PICSO治療の施行中におけるPICSO量の表示、PICSO量の計算に少なくとも部分的に基づいた推定MSI、又はそれらの組み合わせによって、患者の改善された結果を達成することができる有効で十分なレベルの治療を施すのを容易にすることができる。

本発明の1つ以上の実施例の詳細を、添付図面及び以下の記載において説明する。本発明の他の特徴、目的、及び利点は、記載及び図面から、また特許請求の範囲から明白となるであろう。

いくつかの実施例による、心臓の冠静脈洞内における非閉塞構成のカテーテル・デバイスを含む、心臓組織を治療するシステムを示す斜視図である。

いくつかの実施例による、閉塞構成のカテーテル・デバイスを含む図1のシステムを示す斜視図である。

図1のシステムのカテーテル・デバイス及びガイド部材を示す部分断面図である。

図3のカテーテル・デバイスの一部分を示す側面図である。

図3のカテーテル・デバイスの軸体部分を示す横断面図である。

図1のシステムの一部分を示す斜視図である。

図6のシステムの制御システムを示す図である。

図8A及び8Bは、図1のシステムを使用した心臓組織治療中に測定された冠静脈洞圧力値のグラフ・プロットの例を示す図である。

図9A及び9Bは、閉塞デバイス位置決め試験中の図1のシステムのグラフィック・ユーザ・インターフェースを含む、図1の制御システムの一部分を示す正面図である。

いくつかの実施例による、図1のシステムを使用する方法を示すプロセス・フロー図である。

(図1のシステムによって計算された)累積用量値を推定MSIと比較したグラフである。

いくつかの実施例による、累積用量値の更新値を出力する図1のシステムのグラフィック・ユーザ・インターフェースを含む、図1の制御システムの一部分を示す正面図である。

特定の実施例による、図1のシステムを使用する方法を示すプロセス・フロー図である。

様々な図面中の同様の参照符号は同様の要素を示す。

図1〜2を参照すると、心臓組織を治療するシステム100のいくつかの実施例は、冠静脈洞閉塞カテーテル120と、冠静脈洞閉塞カテーテル120を活性化させて心臓10の冠静脈洞20を間欠的に閉塞するように構成された、制御システム140とを含むことができる。カテーテル120は、冠静脈洞を間欠的に閉塞し、それによって心筋組織30に向かって静脈血流を再分配するように、非閉塞位置(図1)と閉塞位置(図2)との間で調節するように構成することができる。この実施例では、冠静脈洞閉塞カテーテル120は、遠位先端部分121及び近位部分131(図6)を含み、近位部分は、多数の流体又はセンサ・ラインを介して外部の制御システム140(図6)と接続するように構成された、近位側ハブ132を含む。更に詳細に後述するように、制御システム140は、冠静脈洞閉塞カテーテル120の遠位先端部分121における1つ以上の構成要素を操作すると共に、心臓性能パラメータ(例えば、冠静脈洞圧力、心電図(ECG)情報、若しくは心臓の血行力学的性能を示す別の測定されたパラメータ)を示すデータを提供する、1つ以上のセンサ信号を受信するのに用いられてもよい。いくつかの実施例では、制御システム140は、センサからのデータ入力に少なくとも部分的に基づいて、閉塞フェーズを解放する解放時間を決定する特定のアルゴリズムにしたがって、冠静脈洞を閉塞するようにカテーテル120を制御するように構成される。特定の実施例では、更に後述するように、制御システム140は、連続した閉塞フェーズの累積作用を示す累積用量値を計算するように構成され、また更に、制御システムのユーザ・インターフェース142は次に、累積用量値(本明細書では「PICSO量」と呼ばれる場合もある)、PICSO量の計算に部分的に基づいた推定MSI、又はそれら両方を表示することができる。PICSO治療中に制御システム140によって決定され出力されるこれらの値は、任意に、新しい閉塞フェーズ毎にリアルタイムで更新することができ、それによって、PICSO治療をいつ停止すべきかを施術者が決定するのを支援する、医療関連情報が施術者に提供される。

簡潔には、使用の際、冠静脈洞閉塞カテーテル120の遠位先端部分121を、心臓10の冠静脈洞20内に配置し、その後、冠静脈洞20から出て右心房11に入る血流を間欠的に閉塞するように活性化させることができる。冠静脈洞20のかかる閉塞の間、通常は冠静脈洞20から出ている静脈血流は、血液の妨害又は機能的心筋の損失によって損傷していた心筋組織30の一部分に再分配されてもよい。例えば、心筋組織30のその部分は、冠状動脈40内の閉塞35によって血流が不足する場合がある。その結果、局所動脈41を介した患部心筋組織30への動脈血流が実質的に低減され、それによって心筋組織30が虚血するか又は別の形で損傷する場合がある。更に、動脈血流が低減されるので、局所静脈21から出る静脈血流は同様に低減される。心臓10に沿った異なる領域に位置する他の静脈枝22は血流を受け取り続けてもよく、それによって、冠静脈洞20を通って出る静脈血流の供給が作り出される。いくつかの実施例では、冠静脈洞閉塞カテーテル120を冠静脈洞20内に送達し、その後、冠静脈洞20を間欠的に閉塞するように活性化させることができる(図2を参照)。かかる閉塞によって、静脈血流を局所静脈21に、次に、冠状動脈40の閉塞35によって血流が不足している心筋組織30の部分内へと再分配させることができる。そのため、心筋組織30が改善された栄養素の供給を受け取るように、虚血又は別の形で損傷した心筋組織30を、再分配された静脈血流で治療することができる。(図1〜2に示されるように、カテーテル120は、動脈閉塞35が修復又は除去されて、正常な冠状動脈血流を回復する前に、冠静脈洞20内に配備される。しかしながら、代替実施例では、カテーテル120を使用して冠静脈洞20を閉塞する直前に、又はその間に同時に、動脈閉塞35を修復又は除去することができる。)

更に図1〜2を参照すると、システム100は、任意に、患者の静脈系を通って右心房11内へと前進させられる、ガイド部材110を含んでもよい。この実施例のガイド部材110は、遠位端111(図1)と近位端112(図4)との間を延在する管腔を有するガイド・シースを備える。代替実施例では、ガイド部材110は、遠位端と近位端との間を延在する外表面を有するガイド・ワイヤの案内としての役割を果たすことができる。任意に、ガイド部材110は、遠位端111を操縦して静脈系を通して右心房11に入れるように、遠位端の配向を制御する操縦可能な機構を含む。また、ガイド部材110は、撮像素子を使用して前進中における遠位端の位置をモニタリングできるように、遠位端111に沿って1つ以上のマーカー・バンドを含むことができる。

ガイド部材110を右心房11内へと前進させた後、遠位端111は、冠静脈洞20又は冠静脈洞口に一時的に位置決めされてもよい。そこから、冠静脈洞閉塞カテーテル120の遠位先端部分121は、冠静脈洞20の内部で位置決めするため、ガイド部材110に沿って摺動可能に前進させることができる。ガイド部材110がガイド・シースを備える実施例では、冠静脈洞閉塞カテーテル120の遠位先端部分121は、冠静脈洞20に向かう前進中、管腔の内表面と摺動可能に係合することができる。ガイド部材110がガイド・ワイヤ構造を備える代替実施例では、冠静脈洞閉塞カテーテル120の遠位先端部分121は、冠静脈洞20に向かう前進中、ガイド・ワイヤの外表面を越えて摺動可能に前進することができる(例えば、カテーテル120の管腔125がガイド・ワイヤを越える)。冠静脈洞閉塞カテーテル120が冠静脈洞20に達した後、ガイド部材110の遠位端111を冠静脈洞20から後退させ、冠静脈洞閉塞カテーテル120の使用中における機械的支持のため、右心房11内に留めることができる。

更に図1を参照すると、冠静脈洞20内に位置決めされた冠静脈洞閉塞カテーテル120の遠位先端部分121は、この実施例では膨張式バルーン・デバイスの形態である、閉塞デバイス122を含む。閉塞デバイス122は、冠静脈洞20を閉塞し、それによって、動脈血流の不足によって損傷した心筋組織30内へと静脈血流を再分配するように活性化することができる。更に詳細に後述するように、膨張式バルーン・デバイス122は、冠静脈洞閉塞カテーテル120の内部管腔と流体連通し、それが次いで、制御システム140の空気圧サブシステムと連通することができる(図6)。そのため、制御システム140を用いて、冠静脈洞内のバルーン・デバイス122を膨張又は収縮させることができる。

遠位先端部分121はまた、閉塞デバイス122の遠位端の遠位側前方に位置決めされた、1つ以上の遠位側ポート129を含む。図示される実施例では、遠位側ポート129は、閉塞デバイス122の遠位端の遠位側前方に延在する可撓性の細長い軸体部分に沿って画成され、遠位側ポートの面の大部分又は全体は、全体的に径方向外側方向であり、遠位先端の周囲に沿って互いから実質的に均一に離隔される。更に詳細に後述するように、遠位側ポート129は全て、冠静脈洞閉塞カテーテル120を通って延在する単一のセンサ管腔(図5)と流体連通していてもよい。したがって、冠静脈洞の少なくとも1つのパラメータ(例えば、冠静脈洞圧力、又は後述するような血行力学的性能を示す他のパラメータ)を、遠位側ポート129と連通しているセンサ・デバイスを介してモニタリングすることができる。

次に図3〜5を参照すると、冠静脈洞閉塞カテーテル120はその遠位先端部分121に沿って閉塞デバイス122を支え、一方で近位側ハブ132は近位部分131に沿って配置される。上述したように、近位側ハブ132は、多数の流体又はセンサ・ライン133、134、及び135(図3)と、それに対応する、カテーテル120を通って延在する管腔123、124、及び125(図5)との間の接続界面としての役割を果たす。図3に示されるこの実施例では、センサ・ライン135は、カテーテル120を通って延在する中央管腔125として位置決めされる。センサ・ライン135は、冠静脈洞内の測定されたパラメータを示す入力信号を、制御システム140に通信するように構成することができる(図6〜7)。例えば、センサ・ラインは、センサ・デバイス(例えば、遠位側ポート129付近に装着される)を備えるか、又は別の形で、遠位側ポート129と制御システム140との間の通信路を備えることができる。そのため、カテーテル120は、流体圧力(例えば、冠静脈洞圧力)、流体温度(例えば、遠位側ポート129付近に位置決めされ、センサ・ライン135を介して制御システム140に接続された、温度センサを使用)、体積若しくは質量流量又はその流量変化(例えば、遠位側ポート129付近に位置決めされ、センサ・ライン135を介して制御システム140に接続された、流量センサを使用)、冠静脈洞血管の加速(例えば、遠位先端に沿って位置決めされ、センサ・ライン135を介して制御システム140に接続された、1つ以上の加速度計を使用)、冠静脈洞血管の変位(例えば、各心拍中の冠静脈洞血管の移動を検出する、超音波若しくは光学測定デバイスを使用)、或いは、心臓の血行力学的性能を示す別のパラメータ(例えば、冠静脈洞内若しくは他の血管内心電図(ECG)、収縮性測定など)など、冠静脈洞内の測定されたパラメータを示す少なくとも1つの入力信号を通信するように構成することができる。

この特定の実施例では、カテーテル120のセンサ・ライン135は冠静脈洞圧力を検出するように構成され、それは、遠位側ポート129付近に位置決めされた圧力センサを使用して、又はセンサ・ライン135を通る流体封入経路を使用して遂行することができる。例えば、少なくともセンサ・ライン135は、カテーテル120の中央管腔125からライン135の管腔までの流路を維持するように、ルアー・ロック137を使用して近位側ハブ132に接続される。

上述したように、システム100は、静脈系を通して心臓10内へと冠静脈洞閉塞カテーテル120を方向付けるのに使用される、ガイド部材110を含んでもよい。図3を参照すると、ガイド部材110は、近位端112(図4)から遠位端111(図1)まで延在する中央管腔を有するガイド・シースであってもよい。上述したように、ガイド部材110は、施術者が、静脈系を通して右心房内へとより容易にガイド部材110を前進させることができるように、操縦機構(例えば、鋼製ケーブル、形状記憶要素など)を備えてもよい。

更に図3〜5を参照すると、冠静脈洞閉塞カテーテル120の閉塞デバイス122は、膨張状態のときに所定の形状を有する膨張式バルーン・デバイスを備えてもよい。この実施例では、膨張式バルーン・デバイス122は、遠位方向に向かって狭くなる第1の円錐状部分と、近位方向に向かって狭くなる第2の円錐状部分と、円錐状部分間に配置される小さいほぼ円筒状のリム部分とを含む。円錐状部分それぞれの狭くなった端部は、バルーン・デバイス122からのガス漏れを防ぐシールを提供するように、カテーテル軸体と接続される。膨張状態では、円筒状リム部分の領域におけるバルーン・デバイス122の直径は、例えば、約6mm〜約40mm、約7mm〜約25mm、及び好ましくは約15mmである。バルーン・デバイスの長手方向長さは、例えば、約20mm〜約30mm、及び好ましくは約25mmである。任意に、冠静脈洞閉塞カテーテル120は、介入処置中は適切な撮像プロセスによって視認可能になるように、バルーン・デバイス122の内部に位置決めされた1つ以上のマーカー・バンドを備えることができる。

図5に示されるように、近位側ハブ132から遠位側に延在する冠静脈洞閉塞カテーテル120の軸体は、複数の管腔123、124、125、及び126を含むことができる。この実施例では、リング・セグメント状の管腔123は、バルーン・デバイス122の膨張及び排気のために、流体(例えば、この実施例ではヘリウム若しくは二酸化炭素)を供給及び放出する役割を果たす。他方の管腔123よりも小さいリング・セグメント状の管腔124は、同様に、バルーン・デバイス122の内部と連通し、バルーン・デバイス122内の流体圧力を測定する役割を果たす。この実施例の中央管腔125は冠静脈洞圧力を測定するのに用いられる。中央管腔125はカテーテル125の遠位側ポート129と流体連通しているので、冠静脈洞内の血圧は、中央管腔125を通って延在する流体封入経路に、また圧力センサ・デバイス136(図2)に転送される。或いは、小型圧力センサを、センサ・ワイヤ(例えば、電気若しくは光学)が制御システム140(図2)と連通するように中央管腔125を通って延在するようにして、遠位側ポート129に直接隣接させて位置決めすることができる。この実施例では、冠静脈洞閉塞カテーテル120の軸体は、円形断面を有する第4の管腔126を含む。1つ以上の追加のセンサ又はセンサ・ワイヤを、この第4の管腔内に位置決めすることができる。或いは、バルーン・デバイス122の領域でカテーテル軸体を通って延在するようにして、補剛ワイヤを第4の管腔126内に配置することができる。ニチノールなどの形状記憶材料で構成することができるか、又は圧電操縦/補剛要素を含むことができる補剛ワイヤは、遠位先端部分121を冠静脈洞20内へと送達するのを容易にするために使用することができる。

図4を更に詳細に参照すると、カテーテル120の遠位側ポート129は、バルーン・デバイス122の遠位端の前方で遠位側に配置され、カテーテル120の端部からほぼ径方向外側に面するように配向される。図示される実施例では、閉塞デバイス122の遠位端の前方で遠位側に延びる可撓性の細長い軸体部分に沿って画成されるような遠位側ポート129、及び任意に、遠位側ポート129を支える可撓性の細長い軸体部分は、バルーン・デバイス122の長手方向長さよりも長い長手方向長さにわたって延在してもよい。そのため、冠静脈洞閉塞カテーテル120の遠位側ポート129は、遠位端の一部分が冠静脈洞又は他の任意の血管の壁に当接している場合であっても、冠静脈洞内の流体圧力を正確に測定できるように構成することができる。この実施例では、遠位側ポート129は、可撓性の細長い軸体部分に沿って、また先細先端に沿って均等に離隔された3つ以上のポートを含み、それによって、ポート129のいくつかが冠静脈洞の壁に接して位置決めされている場合であっても、冠静脈洞内の流体圧力をポート129の1つ以上に印加することが可能になる。

次に図6〜7を参照すると、制御システム140は、冠静脈洞閉塞カテーテル120の閉塞デバイス122の自動制御を提供するように構成することができる。いくつかの実施例では、制御システム140は、特定のプロセスにしたがって冠静脈洞20内の閉塞を活性化又は非活性化するように、コンピュータ・メモリ・デバイスに格納されたコンピュータ可読命令を実行する、コンピュータ・プロセッサを含む。例えば、制御システム140は、同じ閉塞フェーズ中に検出された一連のリアルタイム測定値(例えば、この実施例では冠静脈洞圧力測定値)に応答して、冠静脈洞20内の閉塞フェーズを解放する(例えば、この実施例では、閉塞バルーン122を収縮させる)ように構成することができる。それに加えて、制御システム140は、施術者又は他のユーザに、冠静脈洞閉塞処置の経過及び心臓10の状態を示す時間依存の関連データを提供する、グラフィック・ユーザ・インターフェースを有する表示デバイス142を備える。そのため、ユーザは、グラフィック・ユーザ・インターフェース142を見ながら、冠静脈洞閉塞カテーテル120及び他の心臓治療機器(例えば、血管形成カテーテル、ステント送達器具など)を同時に扱うことによって、患者の状態、及び冠静脈洞20を間欠的に閉塞することの作用を容易にモニタリングすることができる。それに加えて、この実施例の制御システム140は、連続した閉塞フェーズの過程にわたって血流を再分配することの累積作用を示す、累積用量値を計算するように構成される。好ましくは、制御システム140によって計算された累積用量値は、連続した閉塞フェーズの経過にわたって救済されてきたAAR心臓組織の量を推定するのに有用である。かかる実施例では、制御システム140のユーザ・インターフェース142は、次に、累積用量値、累積用量値の計算に少なくとも部分的に基づいた推定MSI、又はそれら両方を表示することができる。PICSO治療中に制御システム140によって出力されるこれらの値は、新しい閉塞フェーズ毎に更新し表示することができ、それによって、施術者がPICSO治療をいつ停止すべきかを決定するのを支援する、医療関連の時間依存的情報が施術者に提供される。

図6に示されるように、冠静脈洞閉塞カテーテル120の近位部分131及び制御システム140は患者の体外に位置決めされ、一方で遠位先端部分121は冠静脈洞20内へと前進させられる。近位部分131は、一組の流体又はセンサ・ライン133、134、及び135を介して制御システム140に連結される、近位側ハブ132を含む。そのため、制御システム140は、冠静脈洞閉塞カテーテル120の遠位先端部分121にある閉塞構成要素122を活性化又は非活性化させ、一方で心臓性能パラメータ(例えば、冠静脈洞圧力、冠静脈洞内の流体温度、体積若しくは質量流量、体積若しくは質量流量の変化率、冠静脈洞血管の加速度、冠静脈洞血管の変位、冠静脈洞内若しくは他の血管内心電図(ECG)、体表面心電図(ECG)情報、収縮率、又は心臓の血行力学的性能を示す別の測定されたパラメータ)を示すデータを提供する、1つ以上のセンサ信号も受信することができる。

冠静脈洞閉塞カテーテル120の近位側ハブ132は、複数の流体又はセンサ・ライン133、134、及び135を、患者の静脈系内へと延在する冠静脈洞閉塞カテーテル120の部分と接続する役割を果たす。例えば、制御システム140と近位側ハブ132との間を延在する第1のライン133は流体ラインを備え、そこを通して加圧流体(例えば、へリム、別のガス、若しくは安定した液体)を送達して、閉塞構成要素を活性化させる(例えば、膨張式バルーン・デバイス122を膨張させる)ことができる。流体ライン133は、(図7に示されるように)ライン133が制御システム140に収容された空気圧サブシステム153と流体連通するようにして、制御システム140の対応するポート143(例えば、この実施例では、駆動管腔ポート)に接続される。近位側ハブ132は、第1のライン133を、冠静脈洞閉塞カテーテル120を通って膨張式バルーン・デバイス122まで延在するバルーン制御管腔123(図5)と接合する。

別の実例では、制御システム140と近位側ハブ132との間を延在する第2のライン134は、バルーン・デバイス122内の流体圧力を測定するように、膨張式バルーン・デバイス122の内部と流体連通しているバルーン・センサ・ラインを含む。近位側ハブ132は、第2のライン134を、冠静脈洞閉塞カテーテル120を通って膨張式バルーン・デバイス122まで延在するバルーン圧力管腔122(図5)と接合する。バルーン・デバイス122の圧力は、冠静脈洞20を過度に加圧されたバルーン・デバイスから保護するために用いられる安全機能の一部としての、制御システム140の内部制御回路155(図7)によってモニタリングされてもよい。バルーン・センサ・ライン134は、制御システム140内に配置された圧力センサがバルーン・デバイス122内の流体圧力を検出できるようにして、制御システム140の対応するポート144に接続される。或いは、圧力センサは、遠位先端部分121内に、又はセンサ・ワイヤのみが制御システム140の対応するポート144に接続するように、近位側ハブ132内に配置されてもよい。

近位側ハブはまた、制御システム140から延在する第3のライン135に接続する。上述したように、第3のラインは、(上述したような)入力信号を制御システム140に通信するのに用いられる、センサ・ラインとしての役割を果たすことができる。この特定の実施例では、第3のライン135は、バルーン・デバイス122を膨張させたとき、及び収縮させたときの両方において、冠静脈洞内の流体圧力を測定するのに使用される冠静脈洞圧力ラインを備えてもよい。近位側ハブ132は、第3のライン135を、冠静脈洞閉塞カテーテル120を通ってバルーン・デバイス122の前方にある遠位側ポート129まで延在する、冠静脈洞圧力管腔125(図4〜5)と接合する。この実施例では、冠静脈洞圧力管腔125、及び第3のライン135の少なくとも一部分は、第3のライン135の近位部分に沿って冠静脈洞20内の血圧を圧力センサ・デバイス136に転送する、流体封入経路(例えば、食塩若しくは別の生体適合性液体)として動作してもよい。圧力センサ・デバイス136は、圧力測定値(冠静脈洞圧力を示す)をサンプリングし、冠静脈洞圧力を示すセンサ信号をコントローラ・システム140の対応するポート145に出力し、それが内部制御回路155(図7)に入力される。更に詳細に後述するように、冠静脈洞圧力データは、グラフィック・ユーザ・インターフェース142によってグラフ形式156(図7を参照)で表示されるので、施術者又は他のユーザは、冠静脈洞20が閉塞状態及び非閉塞状態にある間の冠静脈洞圧力の傾向を容易にモニタリングすることができる。任意に、制御システム140のグラフィック・ユーザ・インターフェース142はまた、最高冠静脈洞圧力、最低冠静脈洞圧力、平均冠静脈洞値、又は全ての値を施術者が容易に見ることができるように、圧力測定数値157(図7を参照)を画面上に出力することができる。いくつかの代替実施例では、圧力センサ・デバイス136を制御システム140のハウジング内に統合して、第3のライン135が対応するポート145につながる流体封入経路であることができ、その場合、内圧センサ・デバイス(デバイス136に非常に類似)が圧力測定値をサンプリングし、冠静脈洞圧力を示す信号を出力する。更なる代替実施例では、第3のライン135は、カテーテル先端129に少なくとも部分的に装着された光ファイバー圧力センサから延在する、光ファイバー給電ラインを含むことができる。この光ファイバー給電ラインは、光学圧力センサを調整する信号を提供してもよい、信号調整構成要素(カテーテル先端129に装着されるか、又は制御システム140のハウジング内に統合される)に接続することができる。

更に図6〜7を参照すると、システム100は、制御システム140にECG信号を出力する1つ以上のECGセンサ139を含んでもよい。この実施例では、システム100は、心臓10に近接して患者の皮膚に接着される、一組のECGセンサ・パッド139(例えば、いくつかの実施例では3つのセンサ・パッド)を含む。ECGセンサ139は、制御システム140のハウジングに沿って、対応するポート149と噛合するケーブルを介して制御システム140に接続される。更に詳細に後述するように、ECGデータは、グラフィック・ユーザ・インターフェース142によってグラフ形式158(図7を参照)で表示されるので、施術者又は他のユーザは、冠静脈洞が閉塞状態及び非閉塞状態にある間の患者の心拍数及び他のパラメータを容易にモニタリングすることができる。任意に、制御システム140のグラフィック・ユーザ・インターフェース142はまた、心拍数(例えば、拍/分単位)を施術者が容易に見ることができるように、ECGセンサ・データに基づいた心拍数値データ159(図7を参照)を出力することができる。制御システム140によって受信されるECGセンサ信号はまた、閉塞期間の開始(例えば、バルーン・デバイス122を膨張させる開始時間)、及び非閉塞期間の開始(例えば、バルーン・デバイス122を収縮させる開始時間)を適切に計時するように、内部制御回路155(図7)によって使用される。それに加えて、制御システムは、冠血管内、血管内、又は冠静脈洞内の電気的ECG活性をモニタリングする、追加のECGセンサ信号能力を備えてもよい。これらの信号は、軸体139に沿った1つ若しくは複数の位置で、又は遠位側ポート129が位置する遠位端で測定されて、冠静脈洞閉塞カテーテル120から得られてもよい。別の方法として、又はそれに加えて、ECG活性は、動脈血管40からの冠血管内ECGなど、心臓内の別のカテーテルから提供されてもよい。

図7に示されるように、制御システム140のいくつかの実施例は、空気圧サブシステム153と通信する内部制御回路サブシステム155を含む。制御回路サブシステム155は、少なくとも1つのメモリ・デバイス154に格納された様々なソフトウェア・モジュールを実行するように構成された、1つ以上のプロセッサ152を含むことができる。プロセッサ152は、例えば、制御システム140の制御命令を実行するようにマザーボード上に配置される、マイクロプロセッサを含んでもよい。メモリ・デバイス154は、例えば、様々なソフトウェア・モジュールを格納した、1つ以上のディスク、RAMメモリ・デバイスなどを有する、コンピュータ・ハード・ドライブ・デバイスを含んでもよい。

いくつかの実施例では、制御回路サブシステム155のメモリ・デバイス154は、グラフィック・ユーザ・インターフェース142を制御するコンピュータ可読命令を含む、グラフィック・ユーザ・インターフェース・ソフトウェア・モジュールを格納する。これらのグラフィック・ユーザ・インターフェース制御命令は、インターフェース142(この実施例では、タッチ・スクリーン表示デバイスを含む)に、冠静脈洞圧力を示す圧力データ・グラフ156、冠静脈洞圧力数値データ157、ECGデータ・グラフ158、心拍数数値データ159、連続した閉塞フェーズそれぞれの後に計算された一連の累積用量値(図12に関して更に記載する、PICSO量グラフ160を提供するのに使用することができる)、治療タイマー161、及び推定MSI値162(図12に関して更に記載するように、新しい閉塞フェーズそれぞれの後に更新することができる)を表示させるように構成されてもよい。任意に、グラフィック・ユーザ・インターフェースは、3つを超えるグラフ156、158、及び160を画面上に表示するように構成することができる。例えば、いくつかの実施例では、グラフィック・ユーザ・インターフェースは、冠静脈洞圧力グラフ156、ECGデータ・グラフ158、PICSO量グラフ160、時間の関数として動脈圧を描写する第4のグラフ、及び別のデータ出力(例えば、血流量)を例証する第5のグラフなど、4つ以上の異なるグラフを同時に表示するように構成することができる。

更に、制御回路サブシステム155に格納されたグラフィック・ユーザ・インターフェース制御命令は、施術者若しくは他のユーザが異なるメニュー・オプションを選択するか、或いは患者情報又は他のデータを入力することを可能にする、多数の構成可能なタッチ・スクリーン・ボタン163、164、165、及び166を、インターフェース142に表示させるように構成されてもよい。それに加えて、グラフィック・ユーザ・インターフェース142は、いくつかのデータ入力を利用して、例えばPICSO量グラフ160及び推定MSI 162など、処置の状態に関する独自の決定因子を表示するように構成されてもよい。この情報は、提供される治療に基づいて心臓が改善しているときにそれを理解するように、またしたがって、治療をいつ終了するかを理解するように、ユーザをガイドしてもよい。

それに加えて、制御回路サブシステム155に格納されたグラフィック・ユーザ・インターフェース制御命令は、インターフェース142に、メッセージ又はコードの形態であることができる多数の1つ以上の警告(例えば、図9A及び9Bを参照)を表示させるように構成されてもよい。いくつかの実施例では、警告条件がある場合にそのどれを表示すべきかの判断は、メモリ・デバイス154に格納された患者安全モニタリング・ソフトウェア・モジュールによって完了することができる。

更に図7を参照すると、いくつかの実施例では、メモリ・デバイス154に格納された閉塞フェーズ及び解放フェーズソフトウェア・モジュール200は、プロセッサ152の1つ(埋込み型PCなど)によって実行すると、空気圧サブシステム153に、選択された時間にバルーン・デバイス122を活性化又は非活性化させる、コンピュータ可読命令を含むことができる。制御システム140は、冠静脈洞が閉塞状態及び非閉塞状態にある期間を計算し、また、所望の動作モードの最大限の臨床上の利益、即ち標的心臓組織中の微小循環を誘発する静脈側血流の変化を達成するために、各閉塞フェーズをいつ開始すべきか、また各閉塞フェーズをいつ終了すべきかを計算するように構成することができる。制御システム140は、様々なモニタリングされたパラメータを考慮に入れ、方法の各サイクルのタイミングがモニタリングされたパラメータに照らして適切であることができるように、タイミング決定をリアルタイムで行ってもよい。

解放フェーズの持続時間に達した後、プロセスは新しい閉塞フェーズを始めてもよい。この周期的プロセスは、数分又は数時間の長期間の間継続することができ、それによって、閉塞フェーズ及び解放フェーズの多数のサイクルがもたらされる。したがって、いくつかの実施例では、冠静脈洞閉塞カテーテル120(図1〜2)は、冠静脈洞(図1〜2)の間欠的な閉塞を継続し、それによって、心筋組織30の損傷部分へと静脈血流を再分配してもよい。冠静脈洞閉塞カテーテル120を使用して複数の閉塞フェーズを提供するための合計持続時間は、累積用量値、推定MSI(累積用量値の計算に少なくとも部分的に基づくことができる)、又はそれら両方を含む、ユーザ・インターフェース142を介して提示される関連データを施術者が見ることによって決定されてもよい。いくつかの実施例では、制御回路155は、プロセッサ152の1つによって実行されると、PICSO量グラフ160及び推定MSI 162など、処置の状態及び効率のインジケータを計算する、メモリ・デバイス154に格納されたコンピュータ可読命令を含むことができる。PICSO量値及び推定MSI 162の計算については、図8A、8B、及び11を参照して更に詳細に後述する。任意に、施術者は、冠静脈洞閉塞カテーテル120を使用する合計持続時間を決定する際に、入力センサ信号の傾向(例えば、図7のユーザ・インターフェース142に表示されるような冠静脈洞圧力測定値若しくはその派生物の傾向)、患者の血液中に存在する特定の生物マーカー(例えば、乳酸(虚血の場合に増加する)、カリウム(虚血組織のインジケータ)など)の測定値、又はそれらの組み合わせ若しくは別の入力信号を含む、追加の要因に依存してもよい。

メモリ・デバイス154に格納された患者安全モニタリング・ソフトウェア・モジュールは、プロセッサ152の1つによって実行されると、制御回路サブシステム155に、システム・センサのいずれか(例えば、圧力センサ)が選択された安全範囲外の測定値を出力したかを検出させる、コンピュータ可読命令を含むことができる。例えば、制御システム140に入力された冠静脈洞圧力信号が、選択された閾値を上回る冠静脈洞圧力を示している場合、制御回路サブシステム155は、グラフィック・ユーザ・インターフェース142に、文字メッセージ又はエラー・コードの形態の警告を表示させることができる。更に、いくつかの実施例では、制御回路サブシステム155は自動的に、空気圧サブシステムにバルーン・デバイス122を収縮させて、冠静脈洞20内の高圧圧力を即座に低減するようにしてもよい。

更に図7を参照すると、制御システム140の空気圧サブシステム153は、制御回路サブシステムに応答して、バルーン・デバイス122を速やかに膨張又は収縮させるように構成することができる。いくつかの実施例では、空気圧サブシステムは、ヘリウム若しくは二酸化炭素などの加圧ガスを収容したリザーバ、又は真空ポンプを含んでもよい。リザーバ及び真空ポンプは、一組の弁によって制御することができ、制御回路サブシステム155にフィードバックする一組の圧力センサによってモニタリングされる。かかる状況では、空気圧サブシステムは、1秒未満、約0.6秒未満、及び好ましくは約0.4秒未満で、冠静脈洞閉塞カテーテル120の遠位先端部分121においてバルーン・デバイス122を膨張又は収縮させるように構成することができる。

次に図8A及び8Bを参照すると、上述したように、制御システム140は、センサ信号入力212(例えば、冠静脈洞圧力センサなど)からデータを受信し、グラフィック・ユーザ・インターフェース142に、冠静脈洞圧力グラフ210などのデータのグラフを表示するように構成することができる。図8Aのグラフ210における上側のプロットは、一連の閉塞フェーズ215及び解放フェーズ225中の時間に伴う冠静脈洞圧力の変化の実例を示している。図8Aの下側のプロットは、時間に伴う冠静脈洞圧力の変化率である、上側のプロットの時間に基づいた派生物を示している。図8Bは、前後の解放フェーズ225と境界を接している閉塞フェーズ215の拡大図である。更に詳細に後述するように、いくつかの実施例では、グラフ210がそこから作成される冠静脈洞圧力データは、(i)システム100が、所望の治療の質を提供するように、有効で十分な閉塞レベルに到達していることを確認すること、並びに、(ii)推定MSI(心筋救済インデックス)に関して治療の効率を推定するのに使用することができる、PICSO量パラメータを計算することに使用することができる。

制御システム140は、システム100によって使用されているセンサからの入力信号の少なくとも一部をモニタリングし格納するように構成することができる。例えば、図8A及び8Bに示される実施例では、制御システム140は、各閉塞フェーズ215及び各解放フェーズ225中の一連の連続した心拍にわたって生じる、冠静脈洞圧力信号212の収縮期最高値(例えば、データ点214a〜dなどの圧力値など)及び拡張期最低値(例えば、データ点213a〜dなどの圧力値など)を少なくとも格納するように構成される。閉塞フェーズ215中の収縮期最高データ点(例えば、データ点214a〜c)に少なくとも部分的に基づいて、制御システム140は、閉塞フェーズ215中の一連の連続した心拍にわたって生じる圧力最高値に対する「曲線当てはめライン」又は「エンベロープ」曲線216を決定するように、曲線当てはめ動作を行うように構成することができる。同様に、閉塞フェーズ215中の拡張期最低データ点(例えばデータ点213a〜c)に基づいて、制御システム140は、閉塞フェーズ215中の一連の連続した心拍にわたって生じる圧力最低値に対する「曲線当てはめライン」又は「エンベロープ」曲線217を決定するように、曲線当てはめ動作を行うように構成することができる。曲線当てはめライン216及び217は、収縮期最高値及び拡張期最低値の漸近線又はプラトーの値を規定することができる。例えば、図8Bに示されるように、収縮期最高値の曲線当てはめライン216は収縮期プラトー圧221を規定する。同様に、拡張期最低値の曲線当てはめライン217は拡張期プラトー圧222を規定する。

収縮期プラトー圧221と拡張期プラトー圧222との間の圧力差は、本明細書では「脈動圧力」224と呼ばれるパラメータを定義する。この実施例では、各閉塞フェーズ215中に冠静脈洞内で生じる脈動圧力224は、制御システム140によって計算することができる。圧力パルスは心拍によって生成され、より高い脈動圧力224は、損傷した心筋組織30の微小循環に対するより高レベルの灌流を示す場合があり、それによって、一連の連続した閉塞フェーズ215にわたって治療をより効率的にすることができる。更に後述するように、損傷した心筋組織30の微小循環における血液の繰返し再分配は、状況によっては、心筋梗塞危険区域(AAR)の少なくとも一部分を救済するか又は別の形で回復することができる。この実施例では、救済区域は、心筋救済インデックス(MSI)によって定量的に示すことができる。治療の効率はまた、各閉塞フェーズ215の持続時間による影響を受ける。この実施例では、各閉塞フェーズ215の持続時間は、本明細書では「膨張保持時間」とも呼ばれ、それは、冠静脈洞が、活性化された閉塞デバイス(例えば、この実施例では、図2の膨張バルーン・デバイス122)によって実質的に閉塞される期間である。

制御システム140はまた、各解放フェーズ225中に検出された収縮期最高圧力及び拡張期最低圧力を平均することによって、収縮平均圧力223を計算するように構成することができる。例えば、図8Bに示されるように、拡張期最低値(例えば、データ点213dなど)を、解放フェーズ225中における収縮期最高値(例えば、データ点214bなど)と平均して、収縮平均圧力223を計算することができる。収縮平均圧力223は、冠静脈洞が閉塞されない解放フェーズ中における冠静脈洞内の平均圧力である。収縮期プラトー圧221と収縮平均圧力223との間の差は、本明細書では、包括的相対圧力低下226と呼ばれる。

冠静脈洞の閉塞が解放されると(例えば、閉塞フェーズ215から解放フェーズ225に移行すると)、閉塞フェーズ215中のように1つ以上の心臓静脈を通して再分配する傾向があるのではなく、閉塞されていた血流が再びその自然な方向で流れ始める。血液が解放フェーズ225中に流れ始めると、閉塞フェーズ215の結果として逆灌流されていた心筋区域で「洗い流し作用」が起こり得る。即ち、閉塞フェーズ215の結果として灌流を受け入れた心筋の灌流下区域からの細胞廃棄物を、解放フェーズ225の開始時及びその間に、血液がそれらの区域から冠静脈洞に向かって流れるにつれて洗い流すことができる。洗い流し作用は包括的相対圧力低下226によって増強されてもよい。いくつかの実施例では、制御システム140は、著しい洗い流し作用(例えば、冠静脈洞が非閉塞状態に戻った後の細胞廃棄物の除去を向上させる)を提供することができる、単一の心拍内の特定の時点で、閉塞フェーズ215を解放するように構成することができる。例えば、制御システム140は、心臓のほぼピーク収縮中の時点(例えば、収縮期圧が最高値の間)に閉塞フェーズ215の解放をトリガするように、ECG信号149(図6〜7)をモニタリングすることができる。

制御システム140は、(i)収縮期プラトー圧221、(ii)脈動圧力224、(iii)包括的相対圧力低下226、及び(iv)膨張保持時間を含む、各閉塞フェーズ/解放フェーズサイクルに対して上述したパラメータを決定するために、制御システム140によって使用することができる、冠静脈洞圧力測定値及び(任意に)他の身体特性(例えば、ECG)をモニタリングし格納するように構成される。任意に、膨張保持時間は、冠静脈洞圧力測定値からは決定されない、別個にモニタリングされた値であることができる。

本明細書に記載するように、制御システム140は、冠静脈洞圧力測定データを使用して累積用量値を計算するように構成することができる。好ましくは、制御システム140によって計算される累積用量値は、連続した閉塞フェーズの過程にわたって血流を再分配する累積作用を示すことができる。いくつかの実施例では、制御システム140によって計算される累積用量値は、連続した閉塞フェーズの過程にわたって救済されてきたAAR心臓組織の量を推定するのに有用である。かかる実施例では、制御システム140のユーザ・インターフェース142は、次に、累積用量値、累積用量値の計算に少なくとも部分的に基づいた推定MSI、又はそれら両方を表示することができる。PICSO治療中に制御システム140によって出力されるこれらの値は、新しい閉塞フェーズ毎に更新し表示することができ、それによって、施術者がPICSO治療をいつ停止すべきかを決定するのを支援する、医療関連の時間依存的情報が施術者に提供される。

制御システム140によって決定される累積用量値は、連続した閉塞フェーズの過程にわたって血流を再分配する累積作用を示す数値を提供する、選択されたアルゴリズムを使用して計算することができる。例えば、制御システム140によって決定される累積用量値は、次式の通り、本明細書では「PICSO量」と呼ばれるパラメータの数値表現を提供することができる。

式中、 PPP=脈動圧力 GRPD=包括的相対圧力低下、及び、 IHT=膨張保持時間である。 PICSO量の単位は(圧力)2×時間の単位である。例えば、PICSO量の単位は「mmHg2−分」などであることができる。上述したように、式#1にしたがって制御システム140によって計算されたPICSO量は、連続した閉塞フェーズの過程にわたって救済されてきたAAR心臓組織の量を合理的に推定するのに使用することができる。例えば、特定の状況では、PICSO量値は、推定MSI(図11に関連して更に詳細に後述する)とほぼ線形の関係を提供すると考えられる。代替例では、制御システム140によって決定される累積用量値は、次式の通り、本明細書では「PICSO量」と呼ばれるパラメータの数値表現を提供することができる。

式中、 SPP=収縮期プラトー圧、及び、 IHT=膨張保持時間である。 PICSO用量の単位は圧力を時間で乗算した単位である。例えば、PICSO用量の単位は「mmHg−分」などであることができる。いくつかの状況では、制御システム140によって計算されたPICSO値は、連続した閉塞フェーズの過程にわたって救済されてきたAAR心臓組織の概算量のインジケータであることができる。システム100によって提供される治療の程度及び効率を数値で提示するため、本明細書で提供されるパラメータの他の組み合わせも使用できることが想起される。

図示される実施例(図1、7、及び12)では、制御システム140は、新しい閉塞フェーズ215それぞれの後のPICSO量値を計算し、次に表示するように構成され、それは、数値の形態、図式的プロットの形態、又はそれら両方(フィールド160に示されるようなもの)で、ユーザ・インターフェース142を介して出力することができる。次に、ユーザ・インターフェース142を見ている施術者は、PICSO量値を使用して、システム100によって提供される治療の効率に関する施術者の理解を向上させることが可能になる。代替実施例では、PICSO用量の計算値を計算し、次に、システム100のグラフィック・ユーザ・インターフェース142上のPICSO量値の代わりに、又はそれに加えて表示することができる。

次に図9A及び9Bを参照すると、いくつかの実施例では、制御システム140は、例えば、冠静脈洞閉塞カテーテルが最初に冠静脈洞に挿入された後であって、自動PICSO治療プロセスが開始される前に、閉塞デバイス位置決め試験を行うように構成される。閉塞デバイス位置決め試験は、有利には、グラフィック・ユーザ・インターフェース142を介して、施術者に対して確認又は警告メッセージを出力することができる。この位置決めステップは、任意に、サンプル閉塞フェーズ中に十分な閉塞レベルがシステム100によって達成されているか否かを確認するために行うことができる。閉塞レベルは、例えば、閉塞デバイス122が膨張されたとき(図2を参照)に、冠静脈洞内で到達した圧力(例えば、収縮期最高値及び脈動圧力)を指すことができる。

システム100(カテーテル・デバイス120を含む)の図示される実施例では、施術者は、閉塞デバイス122(膨張させたとき)の周囲が冠静脈洞の内壁と係合し、それによって心臓静脈を通して静脈血を有効に再分配するように、冠静脈洞の心門付近に閉塞デバイス122の位置決めするよう試みることができる。制御システム140は、閉塞デバイス122が満足のいく位置に位置しているか否かを判断するように、1つ以上の患者特性(例えば、この実施例では、サンプル閉塞フェーズ中の冠静脈洞圧力測定値)を検出するように構成することができ、また更には、制御システム140は、いくつかの状況において閉塞デバイス122を再位置決めする提案をユーザに警告するように構成することができる。例えば、図9Aは、所望の閉塞レベルに到達しておらず、警告メッセージ171aが制御システム140から出力されているときの1つの実例を示している。別の実例では、図9Bは、所望の閉塞レベルに到達しており、閉塞デバイス122の満足のいく位置を確認する、別の警告メッセージ171bが制御システム140から出力されているときの1つの実例を示している。

図8Bに関連して上述したように、システム100によって提供される治療の効率は、いくつかの状況では、脈動圧力(収縮期プラトー圧から拡張期プラトー圧を減算)及び包括的相対圧力低下(収縮期プラトー圧から収縮平均圧力を減算)など、測定可能な圧力に基づくパラメータによって影響される場合がある。したがって、カテーテル120が冠静脈洞内で最初に位置決めされた後であって、閉塞デバイス位置決め試験の間、閉塞の1つ以上のサイクルを行ってかかるパラメータを決定し表示することができ、次に、制御システム140は、閉塞デバイス122の位置が満足のいくものか否かの判断を出力することができる。試験サイクルが不十分なレベルの閉塞を示す場合、臨床医オペレータは、システム100を使用して心臓組織治療プロセスを施し続けるのに先立って、閉塞レベルを改善する補正動作を行ってもよい。かかる補正動作は、閉塞デバイスを血管に対して再位置決めすること、又は閉塞デバイスを、患者の解剖学的形状とインターフェース接続するのにより適している異なるサイズ若しくは形状を有する別の閉塞デバイスに切り替えることを含むことができる。補正動作を実施した後、閉塞デバイス位置決め試験を繰り返して、心臓血管の有効で十分な閉塞レベルに到達しているかを確認することができ、それに到達していなかった場合、臨床医は、補正動作を再び行って閉塞レベルを改善してもよい。

図9A及び9Bは、閉塞デバイス位置決め試験の実行を完了して、冠静脈洞内における閉塞デバイス122の現在位置で、十分な閉塞レベルに到達しているか否かを確認した後の、制御システム140のユーザ・インターフェース・ディスプレイ142の実例を示している。図9Aは、十分な閉塞レベルに到達していないときの実例を示し、図9Bは、十分な閉塞レベルに到達しているときの実例を示している。閉塞デバイス位置決め試験の実行に先立って、閉塞デバイスは冠静脈洞(又は、閉塞が身体の異なる領域に関して意図される場合、患者の他の血管)に設置され、システム100は、上述したように患者の心臓組織に治療を施す準備ができている。閉塞デバイス位置決め試験が制御システム140によって実行される際に、閉塞デバイス122は制御システム140によって(所定の期間の間、又は閉塞フェーズ中に測定された圧力特性によって制御される可変期間の間)活性化され、センサ信号入力212a(例えば、冠静脈洞圧力センサ)は、制御システム140によってモニタリングされ、少なくとも1つの閉塞サイクルの間グラフィック・ユーザ・インターフェース142に表示される。収縮期最高値及び拡張期最低値などの圧力パラメータは、閉塞フェーズ及び解放フェーズ中、システム100によってモニタリングされる。かかるモニタリングされたパラメータから、収縮期プラトー圧、拡張期プラトー圧、脈動圧力224、収縮平均圧力223、及び包括的相対圧力低下226など、他のパラメータを計算することができる(図8Bを参照)。

いくつかの実施例では、閉塞デバイス位置決め試験の完了時、システム100は、モニタリング及び/又は計算された圧力に基づくパラメータを、十分な閉塞レベルを表す予め選択された値で確立される、所定の標的閾値レベルに対して比較することができる。以下の実例はこのことを例証するために提供される。いくつかの実施例では、脈動圧力224の閾値は最低閾値で確立されてもよい。脈動圧力224の最低閾値は、25mmHg以上、約25mmHg〜約50mmHgの範囲から選択された数値であってもよく、この特定の実施例では30mmHgであるように選択される。

かかる場合、閉塞デバイス位置決め試験が、30mmHg(この実施例の最低閾値)未満の脈動圧力224を有する試験閉塞フェーズをもたらしたとき、制御システム140は、低い脈動圧力172aが検出されており、閉塞デバイスの再位置決めが推奨されることを示す警告メッセージ171a(図9A)を、ユーザ・インターフェース142を介して出力するように構成される。この状況において、施術者は、構成可能なタッチ・スクリーン・ボタン163を活性化させて、冠静脈洞内で閉塞デバイス122を再位置決めするという施術者の意図を制御システム140に通知してもよい。次に、臨床医は、閉塞デバイス122の物理的な再位置決め、及び任意に、別の閉塞デバイス位置決め試験の再開に進んでもよい。或いは、施術者は、構成可能なタッチ・スクリーン・ボタン164を活性化させて、閉塞デバイス122を再位置決めせずにPICSO治療プロセスを続けるという施術者の意図を、システム100に通知してもよい。次に、臨床医は閉塞デバイスの物理的な再位置決めに進んでもよい。

或いは、閉塞デバイス位置決め試験が、閾値レベル例の30mmHg(この実施例の最低閾値)以上であるモニタリングされた脈動圧力224をもたらすと、制御システム140は、十分な脈動圧力172bが検出されていること、及び閉塞デバイス122の位置が満足のいくものであることを示す、警告メッセージ171b(図9B)を提供することができる。この状況では、施術者は、構成可能なタッチ・スクリーン・ボタン164を活性化させて、(閉塞デバイスを再位置決めせずに)閉塞デバイス位置決め試験を越えて治療プロセスを継続してもよい。閉塞デバイス位置決め試験のこの実例では、脈動圧力は決定圧力値として使用されたが、他の実施例では、他の圧力に基づく値又は値の組み合わせを使用して、閉塞が十分であるか否かを判断することができる。例えば、いくつかの実施例では、包括的相対圧力226(図8B)の低下をモニタリングし、所定の閾値と比較し、十分な閉塞レベルに到達しているか否かを判断するのに使用することができる。

次に図10を参照すると、制御システム140のいくつかの実施例は、閉塞デバイスが冠静脈洞内で満足のいく位置に位置するか否かを判断するプロセス300を実施するように構成することができる。特定の実施において、図10に示されるプロセス300を使用して、図9A及び9Bを参照して上述したような警告メッセージ171a〜bを出力することができる。

動作310で、プロセスは、(好ましくは、カテーテル120の閉塞デバイス122を最初に患者の冠静脈洞内に配置した後に)閉塞デバイス位置決め試験を開始することを含んでもよい。任意に、閉塞デバイス位置決め試験は、制御システム140のタッチ・スクリーン・インターフェース142にある1つ以上のボタンのユーザ入力に応答して開始することができる。この実施例の閉塞デバイス位置決め試験は、制御システム140によって自動的に制御されるような、少なくとも1つの閉塞フェーズ及び少なくとも1つの解放フェーズを実行することを含む。閉塞及び解放のサイクルが実行されている間、プロセス300は、1つ以上の患者特性(例えば、この実施例では、冠静脈洞内の収縮期最高圧力及び拡張期最低圧力など、圧力に基づく特性)が、制御システム140によって検出され格納される動作320に続く。プロセス300は、動作320からの検出された圧力に基づく特性が、脈動圧力などの1つ以上の圧力に基づくパラメータを計算する、動作330に続いてもよい(この実施例では、試験閉塞フェーズ中の収縮期プラトー圧と拡張期プラトー圧との間の差から計算される)。動作340で、プロセス300は、動作330からの計算された脈動圧力を所定の脈動圧力閾値と比較する。上述したように、脈動圧力の閾値は、25mmHg以上、約25mmHg〜約50mmHgの範囲から選択された、最低閾値であってもよい。計算された脈動圧力が所定の脈動圧力閾値未満である場合、プロセス300は動作350に移る。動作350で、制御システム140は、閉塞デバイスの再位置決めを推奨する警告メッセージをグラフィック・ユーザ・インターフェースに表示する。かかる状況では、プロセス300は、閉塞デバイスが冠静脈洞内で再位置決めされた後、動作310に戻ることができる。しかしながら、動作340で、動作330からの計算された脈動圧力が所定の脈動圧力閾値以上である場合、プロセス300は動作360に移る。動作360で、制御システム140は、閉塞デバイス性能が十分であることを示すメッセージをグラフィック・ユーザ・インターフェースに表示する。

図11を参照すると、本明細書に記載するシステムのいくつかの実施例では、制御システム140は、累積用量値(例えば、上述した「PICSO量」若しくは「PICSO用量」)を計算するのみではないように構成することができ、制御システム140はまた、計算されたPICSO量値又は他の累積用量値に少なくとも部分的に基づいて、連続した閉塞フェーズの過程にわたって救済されてきたAAR心臓組織の量を推定するように構成することができる。例えば、救済されてきたAAR心臓組織の推定量は、上述した心筋救済インデックス(MSI)にしたがって特徴付けることができ、それは、いくつかの状況では、制御システム140によって計算されるPICSO量値とほぼ線形の関係を有してもよい。例えば、制御システム140は、図11に示される1つの実例の線形モデルなどの線形モデル410にしたがって、計算されたPICSO量値から推定MSI値を決定する、アルゴリズムを格納することができる。この実例のプロットでは、異なるPICSO治療処置の間の様々なPICSO量値に対する多数のサンプル・データ点をプロットすることができ、次に、線形回帰又は別のモデリング技術を使用して、線形モデル410が決定される。(他の実施例では、図11に示されるデータ点を超える、より多数のデータ点又は異なるデータ点を使用して、PICSO量と推定MSIとの間の関係モデルを選択することができる。)そこから、線形モデル410を、制御システム140によって実行されるアルゴリズムの形態で実装し、それによって、計算されたPICSO量値に少なくとも部分的に基づいて、推定MSI値を提供することができる。本明細書の記載から、他の実施例では、推定MSIとPICSO量値との間の関係モデルは必ずしも線形モデルでなくてもよく、その代わりに、線形、放物線、漸近、又はそれらの組み合わせであってもよいことが理解されるべきである。本明細書の教示によれば、関係モデルは、複数の異なるPICSO処置を含む経験的データから決定することができ、関係モデルは次に、システム100の使用中に施術者に対して推定MSI値を出力するように、制御システム140によって格納された実行可能アルゴリズムの形態で実装することができる。

図11に示されるように、計算されたPICSO量(上記式#1)をこの実施例のMSI(下記式#3)に相関させる目的で、図11のプロットは、危険区域(AAR)から結果として得られる梗塞サイズを減算した差を、AARで除算したものとしてMSIを定義する。したがって、計算されたPICSO量と推定MSIとの間の関係モデル(図11に示される線形モデル410など)を決定する目的で、経験的データ点それぞれに対するMSIを次式のように計算することができる。 式#3:MSI=(AAR−IS)/AAR 式中、 MSI=心筋救済インデックス AAR=心筋梗塞危険区域、及び、 IS=治療後約3〜4か月の梗塞サイズである。 AARは、例えば、冠動脈の急性閉塞又は他のタイプの心臓事象(例えば、不安定狭心症、STEMI、NSTEMI、心不全など)後、約1週間未満の期間中にMRI(磁気共鳴映像法)によって見たときの、梗塞の危険がある心筋の割合である。MSIは、どの程度のAARが救済されているかの基準であり、治療後約3〜4か月の期間中にMRIによって見られる。例えば、ある個人が冠動脈の急性閉塞を経験し、約3日後に撮ったMRIによってAARが20%であることが明らかになり、4か月後の二回目のMRIによってISが心筋全体の10%であることが明らかになった場合、MSIは0.5(又は50%)に等しい。換言すれば、AARの半分が救済された。同様に、AARが全て救済された場合、MSIは1(1.0又は100%)となる。或いは、いずれのAARも救済されなかった場合、MSIはゼロ(0.0又は0%)となる。

更に図11を参照すると、プロット400は、いくつかの状況では、システム100を使用して特定のPICSO量の治療を施すことが、特定の推定MSIを提供する傾向になることを示している。この実例では、表400の線410は、約100mmHg2−分のPICSO量を施すことが、約0.5(又は50%)の推定MSIを提供する傾向になることを示す。またこの実例では、約300mmHg2−分のPICSO量を施すことが、約0.55(又は55%)の推定MSIを提供する傾向になる。

いくつかの実施例では、PICSO量と推定MSIとの間の関係モデルは、システム100の制御システム140によって格納され実行されるアルゴリズムの一部として実装することができ、それによって、制御システム140は、システム100の動作に基づいて、PICSO量及び推定MSIを同時に計算することができる。特定の実施例では、PICSO量及び推定MSIの計算値は、システム100のグラフィック・ユーザ・インターフェース142に表示することができ、これら2つの数値は、PICSO治療プロセス中の一連の閉塞フェーズにおける新しい閉塞フェーズ毎に繰り返し更新することができる。システム100の施術者は、PICSO量及び推定MSIなどの表示されたパラメータを使用して、システム100によって提供される治療の効率に関する臨床医の理解を向上し、どの程度PICSO治療を継続するかなどの治療の決定を通知してもよい。

次に図12を参照すると、制御システム140のいくつかの実施例は、PICSO量160及び推定MSI 162などの1つ以上の累積治療パラメータを出力する、グラフィック・ユーザ・インターフェース142を含むことができる。いくつかの状況では、施術者(例えば、この実施例では介入心臓専門医)は、PICSO量160及び/又は推定MSI 162の更新された値を容易に見ることができ、それによって、PICSO治療プロセスを停止できること(例えば、十分なレベルのPICSO量160及び/又は推定MSI 162がいつ得られるか)を判断する。

制御システム140は、上述したような式及び相関を使用して、PICSO量160及び推定MSI 162を計算するように構成することができる。例えば、PICSO量160パラメータは、上述の式#1を使用して、制御システム140によって計算することができる。上述したように、PICSO量160の計算は、(i)収縮期プラトー圧221、(ii)脈動圧力224、(iii)包括的相対圧力低下226、及び(iv)膨張保持時間を含む(図8Bを参照)、制御システム140によってモニタリングされる特性に基づくことができる。この実施例の制御システム140はまた、PICSO量値又は別の累積用量値に少なくとも部分的に基づいて、推定MSI 162を計算するように構成される。例えば、制御システム140は、PICSO量160と推定MSI 162との間の所定の関係モデル(図11に示した関係モデル410など)を使用して、推定MSI 162を計算することができる。

グラフィック・ユーザ・インターフェース142のこの例示の実施例では、PICSO量160はグラフ160a及び数値160bの両方で表示されるが、推定MSI 162は数値のみで表示される。代替実施例では、推定MSI 162はグラフでも表示されてもよい。それに加えて、PICSO量160及び/又は推定MSI 162の、(施術者によって入力されるか、別の形で制御システム140によって予め格納されるような)所定の標的レベル、或いは所定の標的レベルに到達していることを示すメッセージが、いくつかの実施例では表示されてもよい。

次に図13を参照すると、治療モニタリング・プロセス500のいくつかの実施例を、累積用量値(例えば、この実施例のPICSO量)、推定MSI、又はそれら両方を計算し出力するため、制御システム140によって実施することができる。治療モニタリング・プロセス500は、例えば、図11及び12に示されるようなPICSO量及び推定MSIを、ユーザ・インターフェース142を介して出力する(また、繰り返し更新する)のに実施することができる。

プロセスは、制御システム140が冠静脈洞閉塞カテーテルを制御して、閉塞期間(例えば、閉塞フェーズ)の間、冠静脈洞を実質的に閉塞する、動作510を含んでもよい。上述したように、治療の閉塞フェーズ(及び解放フェーズ)中、制御システム140は、収縮期圧最高値及び拡張期圧最低値など、冠静脈洞内の圧力に基づく特性をモニタリングすることができる。制御システム140は、閉塞フェーズ中の一連の連続した心拍にわたって生じる収縮期圧最高値及び拡張期圧最低値に対して曲線当てはめラインを決定するように、曲線当てはめ動作を行うように構成することができる。これらの曲線当てはめラインは、収縮期最高値及び拡張期最低値のプラトー値を定義する。制御システム140は、収縮期最高値プラトーと拡張期最低値プラトーとの間の差である、脈動圧力(例えば、図8Bの項目224)を計算することができる。制御システム140はまた、収縮平均圧力(例えば、図8Bの項目223)である、解放フェーズ中の収縮期圧及び拡張期圧の平均を計算するように構成することができる。更に、制御システム140は、収縮期最高値プラトーと解放フェーズにおける収縮期圧及び拡張期圧の平均との差である、包括的相対圧力低下(例えば、図8Bの項目226)を計算することができる。

プロセス500はまた、制御システム140がPICSO量パラメータ又は別の累積用量値(上述したようなもの)を計算する、動作520を含むことができる。この実施例では、PICSO量パラメータは、上記式#1を使用して、制御システム140によって計算することができる。後述するように、更新されたPICSO量は、少なくとも各閉塞及び解放サイクルを完了した後に、制御システム140によって計算することができる。上述したように、PICSO量値は累積用量値であり、したがって、(式#1によって説明されるような)PICSO治療の過程中の閉塞フェーズ及び解放フェーズの連続したサイクルの累積作用の原因となる。

プロセス500はまた、制御システム140が推定MSIパラメータを計算する、動作530を含むことができる。推定MSIパラメータは、PICSO量値又は別の累積用量値に少なくとも部分的に基づいて、制御システム140によって計算することができる。例えば、制御システム140は、PICSO量160と推定MSI 162との間の所定の関係モデル(図11に示される関係モデル410など)を使用して、推定MSI 162を計算することができる。更に詳細に後述するように、更新された推定MSIパラメータは、少なくとも各閉塞及び解放サイクルを完了した後に(例えば、PICSO量値が更新される毎に)、制御システム140によって計算することができる。

プロセス500はまた、制御システム140がグラフィック・ユーザ・インターフェース142上にPICSO量及び推定MSIの現在値を出力する、動作540を含むことができる。PICSO量及び推定MSI値の表示は、少なくとも各閉塞及び解放サイクルの後に、又は場合によってはより頻繁に、更新することができる。例えば、図12に示されるように、PICSO量は676.4mmHg2−分として表示され、推定MSIは70.3%として表示される。現在のPICSO量及び推定MSIの表示を提供することによって、制御システム140は、システム100によって施されているPICSO治療の経過を示す、意味がある時間依存的情報を施術者に提供する。いくつかの状況では、施術者は、ユーザ・インターフェース142によって表示されたPICSO量、ユーザ・インターフェース142によって表示された推定MSI、又はそれら両方に少なくとも部分的に基づいて、施している治療を停止するか又は継続するかを決定することができる。例えば、施術者は、推定MSIを所定の標的値と比較して、治療を終了するか又は継続するかを評価してもよい。

プロセス500はまた、制御システム140がシステム100を使用して、治療の終了を示すユーザ入力を受信する、動作550を含んでもよい。例えば、施術者が、ユーザ・インターフェース142によって表示されたPICSO量、ユーザ・インターフェース142によって表示された推定MSI、又はそれら両方を検討し、次に、PICSO治療中に十分な経過が達成されたか、又は他の理由でPICSO治療を終了すべきであると決定した場合、施術者は、制御システム140のタッチ・スクリーン・インターフェース142上の1つ以上のボタンを押して、治療プロセスを終了すべきであることを示すことができる。かかる状況では、プロセス500は、制御システム140が、動作550で受信したユーザ入力に応答して冠静脈洞の間欠的閉塞フェーズを停止する、動作560に続く。そこから、冠静脈洞閉塞カテーテル120は非活性化され、患者の心臓から撤回するように準備される。

かかるユーザ入力を(動作550で)制御システム140が受信していない(例えば、選択された期間内でユーザ入力が受信されていない)場合、プロセス500は動作510に戻り、そこで新しい閉塞及び解放サイクルを開始することができる。そのため、プロセス500は、新しい閉塞及び解放サイクルそれぞれに対して、新しく更新されたPICSO量値(又は他の累積用量値)及び新しく更新された推定MSI値を提供するように、繰り返し循環することができる。

本発明の多数の実施例について記載してきた。しかしながら、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正を行ってもよいことが理解されるであろう。したがって、他の実施例は以下の特許請求の範囲内にある。

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