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無電解めっき方法、及びセラミック基板

阅读:885发布:2024-02-28

专利汇可以提供無電解めっき方法、及びセラミック基板专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且セラミック 基板 において、銀焼結体配線パターンの表面を 脱脂 及び活性化する脱脂・活性化処理工程、銀焼結体配線パターンの表面に触媒を付与する触媒化工程、銀焼結体配線パターンの表面に多層の無電解めっき皮膜を形成する無電解めっき多層皮膜処理工程を備える無電解めっき方法であって、脱脂・活性化処理工程と触媒化工程との間に、脱脂・活性化処理工程後の銀焼結体配線パターンの表面に存在するガラス成分上に銀を凝析させる銀凝析処理工程をさらに備え、触媒化工程は、銀凝析処理工程で凝析された銀にも触媒を付与する。,下面是無電解めっき方法、及びセラミック基板专利的具体信息内容。

セラミックからなる絶縁基材と銀焼結体配線パターンとから構成されるセラミック基板において、 上記銀焼結体配線パターンの表面を脱脂及び活性化する脱脂・活性化処理工程、 上記脱脂・活性化処理工程後の上記銀焼結体配線パターンの表面に触媒を付与する触媒化工程、 上記触媒が付与された上記銀焼結体配線パターンの表面に多層の無電解めっき皮膜を形成する無電解めっき多層皮膜処理工程 を備える無電解めっき方法であって、 上記脱脂・活性化処理工程と上記触媒化工程との間に、上記脱脂・活性化処理工程後の上記銀焼結体配線パターンの表面に存在するガラス成分上に銀を凝析させる銀凝析処理工程をさらに備え、 上記触媒化工程は、上記銀凝析処理工程で凝析された上記銀にも上記触媒を付与する 無電解めっき方法。上記無電解めっき多層皮膜処理工程は、 上記触媒が付与された上記銀焼結体配線パターンの表面に無電解ニッケル皮膜を形成する無電解ニッケルめっき工程、 上記無電解ニッケルめっき皮膜上に無電解パラジウムめっき皮膜を形成する無電解パラジウムめっき工程、及び 上記無電解パラジウムめっき皮膜上に置換型無電解金めっき皮膜を形成する置換型無電解金めっき工程 を含む請求項1に記載の無電解めっき方法。上記無電解ニッケルめっき工程と上記無電解パラジウムめっき工程との間に、ガラスセラミックス上に形成された微粒子を、ガラスエッチング液で溶解させることで除去するガラスエッチング処理工程をさらに含む請求項2に記載の無電解めっき方法。上記無電解めっき多層皮膜処理工程は、 上記触媒が付与された上記銀焼結体配線パターンの表面に無電解ニッケル皮膜を形成する無電解ニッケルめっき工程、 上記無電解ニッケルめっき皮膜上に置換型無電解金めっき皮膜を形成する置換型無電解金めっき工程、及び 上記置換型無電解金めっき皮膜上に還元型無電解金めっき皮膜を形成する還元型無電解金めっき工程 を含む請求項1に記載の無電解めっき方法。上記無電解ニッケルめっき工程と上記置換型無電解金めっき工程との間に、ガラスセラミックス上に形成された微粒子を、ガラスエッチング液で溶解させることで除去するガラスエッチング処理工程をさらに含む請求項4に記載の無電解めっき方法。上記銀凝析処理工程は、 還元剤として、第1の還元剤としてリン酸化合物、有機酸、第2の還元剤として無機化合物を用い、 銀凝析処理液として、上記第1の還元剤のいずれか、または上記第1の還元剤と上記第2の還元剤とを組み合わせたものを用いる 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の無電解めっき方法。上記リン酸化合物は、次亜リン酸、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウムである請求項6に記載の無電解めっき方法。上記有機酸は、ギ酸、クエン酸である請求項6に記載の無電解めっき方法。上記無機化合物は、塩化鉄(II)、硫酸鉄(II)、チオ硫酸ナトリウムである請求項6に記載の無電解めっき方法。セラミックからなる絶縁基材と銀焼結体配線パターンとから構成されるセラミック基板において、 上記銀焼結体配線パターンの表面に存在するガラス成分上には、凝析した銀が粒状に点在しており、 上記ガラス成分と上記ガラス成分上に点在した上記銀とを含む上記銀焼結体配線パターン上に形成されたニッケルめっき膜と、 上記ニッケルめっき膜上に形成されたパラジウムめっき膜と、 上記パラジウムめっき膜上に形成された金めっき膜と、 を有する セラミック基板。セラミックからなる絶縁基材と銀焼結体配線パターンとから構成されるセラミック基板において、 上記銀焼結体配線パターンの表面に存在するガラス成分上には、凝析した銀が粒状に点在しており、 上記ガラス成分と上記ガラス成分上に点在した上記銀とを含む上記銀焼結体配線パターン上に形成されたニッケルめっき膜と、 上記ニッケルめっき膜上に形成された金めっき膜と、 を有する セラミック基板。上記銀焼結体配線パターンの表面に存在するガラス成分上に粒状に点在した上記銀の粒径は、10〜100nmである 請求項10または請求項11に記載のセラミック基板。

セラミックからなる絶縁基材と銀焼結体配線パターンとから構成されるセラミック基板において、 上記銀焼結体配線パターンの表面を脱脂及び活性化する脱脂・活性化処理工程、 上記脱脂・活性化処理工程後の上記銀焼結体配線パターンの表面に触媒を付与する触媒化工程、 上記触媒が付与された上記銀焼結体配線パターンの表面に多層の無電解めっき皮膜を形成する無電解めっき多層皮膜処理工程 を備える無電解めっき方法であって、 上記脱脂・活性化処理工程と上記触媒化工程との間に、銀凝析処理液による溶解処理および再析出処理を施すことで、上記脱脂・活性化処理工程後の上記銀焼結体配線パターンの表面に存在するガラス成分中に含まれている銀を、上記ガラス成分上に選択的に再析出させる銀凝析処理工程をさらに備え、 上記触媒化工程は、上記銀凝析処理工程で再析出された上記銀にも上記触媒を付与する 無電解めっき方法。上記無電解めっき多層皮膜処理工程は、 上記触媒が付与された上記銀焼結体配線パターンの表面に無電解ニッケル皮膜を形成する無電解ニッケルめっき工程、 上記無電解ニッケルめっき皮膜上に無電解パラジウムめっき皮膜を形成する無電解パラジウムめっき工程、及び 上記無電解パラジウムめっき皮膜上に置換型無電解金めっき皮膜を形成する置換型無電解金めっき工程 を含む請求項1に記載の無電解めっき方法。上記無電解ニッケルめっき工程と上記無電解パラジウムめっき工程との間に、ガラスセラミックス上に上記再析出処理を施すことで形成された微粒子を、ガラスエッチング液で溶解させることで除去するガラスエッチング処理工程をさらに含む請求項2に記載の無電解めっき方法。上記無電解めっき多層皮膜処理工程は、 上記触媒が付与された上記銀焼結体配線パターンの表面に無電解ニッケル皮膜を形成する無電解ニッケルめっき工程、 上記無電解ニッケルめっき皮膜上に置換型無電解金めっき皮膜を形成する置換型無電解金めっき工程、及び 上記置換型無電解金めっき皮膜上に還元型無電解金めっき皮膜を形成する還元型無電解金めっき工程 を含む請求項1に記載の無電解めっき方法。上記無電解ニッケルめっき工程と上記置換型無電解金めっき工程との間に、ガラスセラミックス上に上記再析出処理を施すことで形成された微粒子を、ガラスエッチング液で溶解させることで除去するガラスエッチング処理工程をさらに含む請求項4に記載の無電解めっき方法。上記銀凝析処理工程は、 還元剤として、第1の還元剤としてリン酸化合物、有機酸、第2の還元剤として無機化合物を用い、 上記銀凝析処理液として、上記第1の還元剤のいずれか、または上記第1の還元剤と上記第2の還元剤とを組み合わせたものを用いる 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の無電解めっき方法。上記リン酸化合物は、次亜リン酸、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウムである請求項6に記載の無電解めっき方法。上記有機酸は、ギ酸、クエン酸である請求項6に記載の無電解めっき方法。上記無機化合物は、塩化鉄(II)、硫酸鉄(II)、チオ硫酸ナトリウムである請求項6に記載の無電解めっき方法。セラミックからなる絶縁基材と銀焼結体配線パターンとから構成されるセラミック基板において、 上記銀焼結体配線パターンの表面に存在するガラス成分上には、銀が粒状に点在しており、 上記ガラス成分と上記ガラス成分上に点在した上記銀とを含む上記銀焼結体配線パターン上に形成されたニッケルめっき膜と、 上記ニッケルめっき膜上に形成されたパラジウムめっき膜と、 上記パラジウムめっき膜上に形成された金めっき膜と、 を有する セラミック基板。セラミックからなる絶縁基材と銀焼結体配線パターンとから構成されるセラミック基板において、 上記銀焼結体配線パターンの表面に存在するガラス成分上には、銀が粒状に点在しており、 上記ガラス成分と上記ガラス成分上に点在した上記銀とを含む上記銀焼結体配線パターン上に形成されたニッケルめっき膜と、 上記ニッケルめっき膜上に形成された金めっき膜と、 を有する セラミック基板。上記銀焼結体配線パターンの表面に存在するガラス成分上に粒状に点在した上記銀の粒径は、10〜100nmである 請求項10または請求項11に記載のセラミック基板。

说明书全文

この発明は、電子部品パッケージや配線基板として用いられるセラミック基板、特に、LTCC基板の配線パターンの表面にめっき皮膜を形成する無電解めっき方法、及びセラミック基板に関するものである。

従来、半導体素子、キャパシタや抵抗など、受動素子を複数個搭載するマルチチップモジュールのパッケージ用配線基板には、セラミック基板が多用されている。セラミック基板には、低温で焼成された低温焼成ガラスセラミック基板(LTCC基板)などが用いられている。この場合、低温焼成ガラスセラミック基板の低温とは、850℃から1000℃の温度範囲を示す。このLTCC基板は、ガラスセラミックから成る絶縁基材と金属材料(例えば、銀)を主成分とする焼結体からなる配線パターン(銀焼結体配線パターン)とから構成されている。

このようなLTCC基板の銀焼結体配線パターンは、半導体素子や受動素子とワイヤボンディングで電気的に接続され、はんだを介して外部電気回路である樹脂製のプリント基板に接続される。一般的に、配線パターンの表面には、接続に必要なワイヤボンディング性とはんだ付け性の両方の特性を満足するような多層の無電解めっき皮膜が施されている。多層の無電解めっき皮膜には、ニッケルめっき膜と、金めっき膜と、近年ではパラジウムめっき膜とが知られている。

LTCC基板の銀焼結体配線パターンに選択的にニッケル、金、及びパラジウムめっき皮膜を形成する方法の一つとして、無電解めっきが広く用いられている。一般的に、無電解めっきの工程は、表面活性化工程、触媒化工程、及び無電解ニッケルめっき等の多層のめっき皮膜を形成させる複数の無電解めっき工程を含む複数の工程から構成される。

従来、LTCC基板の銀焼結体配線パターンの表面にめっき皮膜を形成するとき、基板燃成時に銀焼結体配線パターンの表面にガラス成分が形成される、ガラス浮きと呼ばれる現象が生じるおそれがあることが知られている。ガラス浮きが生じると、ガラス成分上にニッケルめっきが形成されない無めっき状態が生じるおそれ、または、めっきの厚みにばらつきが生じてしまうおそれがある。

従来、このような無めっき状態を抑制する方法として、例えば、表面活性化工程と触媒化工程との間に、還元剤を含む前処理剤により、無電解めっきを施すめっき対象面に存在するガラス成分を除去する工程を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。

特開2005−68489号公報

しかしながら、特許文献1に示されている従来の無電解めっき方法には、以下のような課題がある。 銀焼結体配線パターン中に含まれるガラス成分の含有量は、使用する銀焼結体配線パターンとLTCC基板との組み合わせで異なることが一般的である。使用する銀焼結体配線パターンとLTCC基板との組み合わせによっては、ガラス浮きにより銀焼結体配線パターンの表面に形成されるガラス成分の大きさが異なる。ガラス成分の大きさが、1μmを超えると、ガラス成分の除去ができないおそれがある。また、ガラス成分が除去できないことにより、ガラス成分上にニッケルめっきが形成されない無めっきが発生するおそれがある。

また、1μm〜5μmを超えるガラス成分を除去したことにより、銀焼結体配線パターンの表面に窪みが生じるおそれがある。さらに、銀焼結体配線パターンの表面に窪みが生じることにより、めっき皮膜分布がばらつくおそれ、または、めっき皮膜中に空隙が発生するおそれがある。さらに、めっき皮膜中に空隙が発生することにより、無電解めっき時に使用しためっき液や洗浄液が空隙内に取り込まれ、その分が、はんだ接合時に気化し、はんだ接合不良となるおそれがある。これにより、モジュールの信頼性の低下につながってしまう。

この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、ニッケルめっき膜の無めっき、めっき皮膜中の空隙の形成、及びこれに伴うはんだ接合不良を抑制し、モジュール信頼性の向上を図った無電解めっき方法、及びセラミック基板を得ることを目的とする。

この発明による無電解めっき方法では、セラミックからなる絶縁基材と銀焼結体配線パターンとから構成されるセラミック基板において、銀焼結体配線パターンの表面を脱脂及び活性化する脱脂・活性化処理工程、脱脂・活性化処理工程後の銀焼結体配線パターンの表面に触媒を付与する触媒化工程、触媒が付与された銀焼結体配線パターンの表面に多層の無電解めっき皮膜を形成する無電解めっき多層皮膜処理工程を備える無電解めっき方法であって、脱脂・活性化処理工程と触媒化工程との間に、脱脂・活性化処理工程後の銀焼結体配線パターンの表面に存在するガラス成分上に銀を凝析させる銀凝析処理工程をさらに備え、触媒化工程は、銀凝析処理工程で凝析された銀にも触媒を付与する。

また、この発明によるセラミック基板では、セラミックからなる絶縁基材と銀焼結体配線パターンとから構成されるセラミック基板において、銀焼結体配線パターンの表面を脱脂及び活性化する脱脂・活性化処理工程、脱脂・活性化処理工程後の銀焼結体配線パターンの表面に存在するガラス成分上に銀を凝析させる銀凝析処理工程、銀凝析処理工程後の銀焼結体配線パターンの表面に触媒を付与する触媒化工程、及び触媒が付与された銀焼結体配線パターンの表面に多層の無電解めっき皮膜を形成する無電解めっき多層皮膜処理工程を備える無電解めっき方法よって多層の無電解めっき皮膜が形成される。

この発明による無電解めっき方法によれば、脱脂・活性化処理工程と触媒化工程との間に、銀焼結体配線パターンの表面に存在するガラス成分上に銀を凝析させる銀凝析処理工程を含むので、ニッケルめっき膜の無めっき、めっき皮膜中の空隙の形成、及びこれに伴うはんだ接合不良を抑制し、モジュール信頼性の向上を図った無電解めっき方法、及びセラミック基板を得ることができる。

この発明の実施の形態1のプロセスフローを示す図である。

この発明の実施の形態1で使用するガラスセラミック配線基板を示す断面図である。

図2の銀焼結体配線パターンの表面に形成されたガラス成分部分の銀凝析処理工程後の状態を示す拡大図である。

この発明の銀凝析処理工程後の銀焼結体配線パターン表面を示す電子顕微鏡写真である。

触媒化工程後の銀焼結体配線パターンの表面に無電解ニッケルめっき工程を行った後の状態を示す断面図である。

図5の銀焼結体配線パターンの表面に形成されたガラス成分部分を示す拡大図である。

図5の状態の銀焼結体配線パターンの表面に無電解パラジウムめっき工程を行った後の状態を示す断面図である。

図7の状態の銀焼結体配線パターンの表面に置換型無電解めっき工程を行った後の状態を示す断面図である。

この発明の実施の形態2のプロセスフローを示す図である。

この発明の実施の形態3のプロセスフローを示す図である。

図9の銀焼結体配線パターンの表面に置換型無電解金めっき工程及び還元型無電解金めっき工程を行った後の状態を示す断面図である。

この発明の実施の形態4のプロセスフローを示す図である。

実施の形態1. 図1は、この発明の実施の形態1のプロセスフローを示す図である。図1において、ガラスセラミック配線基板における無電解めっき方法は、銀焼結体配線パターンの表面に脱脂・活性化工程(ステップS101)、触媒化工程(ステップS103)、無電解ニッケルめっき工程(ステップS1041)、無電解パラジウムめっき工程(ステップS1042)、及び置換型無電解金めっき工程(ステップS1043)を備え、脱脂・活性化工程と触媒化工程との間に銀凝析処理工程(ステップS102)を行う方法である。

無電解ニッケルめっき工程(ステップS1041)、無電解パラジウムめっき工程(ステップS1042)、及び置換型無電解金めっき工程(ステップS1043)をまとめて、無電解めっき多層皮膜処理工程(ステップS104)としている。

図2は、本発明の実施の形態1で使用するガラスセラミック配線基板を示す断面図である。図2に示すように、一般に、ガラスセラミック配線基板(LTCC基板)は、ガラスセラミックである絶縁基材1と金属焼結体配線パターン2とから構成される。ガラスセラミックは、二酸化ケイ素、アルミナ等で構成された酸化物系セラミックであることが好ましい。金属焼結体配線パターン2は、所望の電子部品パッケージや配線基板により適宜、設計する。また、金属焼結体配線パターン2を形成する金属焼結体として、無電解めっきを施す電子部品等に要求される特性を満足するよう選択する。この発明では、金属焼結体として、銀を含む銀パラジウム合金を用いている。

以下、金属焼結体配線パターン2を銀焼結体配線パターン2と称す。銀焼結体配線パターン2の表面には、ガラス成分3が形成されている。

次に、各工程を詳しく説明する。

<脱脂・活性化工程> 先ず、ステップS101の脱脂・活性化工程において、銀焼結体配線パターン2の表面から、有機物や酸化膜等を除去する。

<銀凝析処理工程> 次に、図3を用いて銀凝析処理工程を説明する。図3は、図2の銀焼結体配線パターン2の表面に形成されたガラス成分3部分の銀凝析処理工程後の状態を示す拡大図である。

図3に示すように、ステップS102の銀凝析処理工程において、銀焼結体配線パターン2に損傷を与えずに、銀焼結体配線パターン2の表面上に存在するガラス成分3中の銀成分を溶解し、銀粒子4をガラス成分3上に再析出させる。即ち、銀凝析処理工程は、ステップS101で、それぞれの脱脂・活性化処理液に浸漬され、洗浄・活性化された銀焼結体配線パターン2の表面に存在するガラス成分3上に銀粒子4を凝析させる工程である。

この発明の発明者は、触媒付与前に銀凝析処理液で銀焼結体配線パターン2の表面を処理することにより、図3に示すように、銀焼結体配線パターン2の表面に存在するガラス成分3上に選択的に銀粒子4を凝析させることができるという性質を見出した。

銀凝析処理工程に使用する銀凝析処理液としては、例えば、1〜10wt%の還元剤に錯化剤として5〜15wt%のクエン酸、リンゴ酸、コハク酸等を含み、硫酸または水酸化ナトリウムを用いてpHを4〜6に調整した銀凝析処理液等が使用できる。

この還元剤としては、例えば、第1の還元剤のいずれか、または第1の還元剤と第2の還元剤とを組み合わせて用いることが好ましい。第1の還元剤としては、リン酸化合物、有機酸を用いることが好ましい。また、第2の還元剤としては、無機化合物を用いることが好ましい。

リン酸化合物としては、次亜リン酸、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウムを用いることが好ましい。

有機酸としては、ギ酸またはクエン酸を用いることが好ましい。

無機化合物としては、塩化鉄(II)、硫酸鉄(II)またはチオ硫酸ナトリウムを用いることが好ましい。

より好ましくは、第1の還元剤として、1〜10wt%に調整した次亜リン酸、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、1〜10wt%に調整したギ酸、クエン酸を用いることが好ましい。また、第2の還元剤として、1〜100ppmに調整した塩化鉄(II)、硫酸鉄(II)、チオ硫酸ナトリウムを用いることが好ましい。

銀凝析処理条件において、LTCC基板を銀凝析処理液に浸漬する浸漬時間は、触媒付与液、ニッケルめっき処理液の液温、処理時間、液濃度などにも影響されるため、特に限定されないが、通常、1〜10分間が好ましい。また、液温は、銀凝析が可能であれば特に限定されないが、銀凝析効率の観点から、80℃〜90℃に調整しておくことが好ましい。

銀凝析処理液を用いる場合は、上記温度範囲で用いることが好ましいが、LTCC基板の状態にあわせて適宜、液温を調整して用いてもよい。銀凝析処理液の液性は、酸性である。

ガラス浮きにより銀焼結体配線パターン2の表面上に形成されたガラス成分3中には、焼成により拡散した銀成分が存在している。銀凝析処理液によるガラス成分3表面の微量エッチングにより露出した銀成分は、銀凝析処理液の酸性により溶解、イオン化する。銀凝析処理液に溶解した銀は、図3に示すように、銀焼結体配線パターン2周辺に存在するガラス成分3上に選択的に析出する。この析出したものが、銀粒子4である。銀凝析処理液に溶解した銀は、短時間で再析出にいたるため、処理液中に銀が拡散することはない。

つまり、銀成分は、瞬時に溶解・再析出し、ほぼ選択的に銀焼結体配線パターン2の表面に存在するガラス成分3と銀焼結体配線パターン2の周辺1〜10μmの白板(ガラス)部位とにのみ選択的に析出する。図4は、この発明の銀凝析処理工程後の銀焼結体配線パターン表面を示す電子顕微鏡写真である。図4では、右上に、ガラス成分3が、存在している。また、全体にわたって白い点のように見えるものが、凝析した銀粒子4である。

銀粒子4は、図4に示すように、ガラス成分3上に粒状に析出している。また、銀粒子4の粒径は、10〜100nmになっている。

<触媒化工程> 次に、ステップS103の触媒化工程において、パラジウム等を含む触媒液に浸漬し、銀焼結体配線パターン2の表面にパラジウム触媒を付与する。また、銀凝析処理工程において、銀配線パターン表面上に析出した銀粒子4にも、パラジウム触媒が付与される。

次に、ステップS104の無電解めっき多層皮膜処理工程を行う。

<無電解ニッケルめっき工程> 先ず、図5及び図6を用いて無電解ニッケルめっき工程を説明する。図5は、触媒化工程後の銀焼結体配線パターン2の表面に無電解ニッケルめっき工程を行った後の状態を示す断面図である。また、図6は、図5の銀焼結体配線パターン2の表面に形成されたガラス成分3部分を示す拡大図である。

ステップS1041の無電解ニッケルめっき工程において、図5に示すように、銀焼結体配線パターン2の表面に無電解ニッケルめっき皮膜5を形成する。このとき、図6に示すように、ガラス成分3上に析出した銀粒子4は、無電解ニッケルめっき皮膜5中に形成されている状態になっている。

この工程に用いる無電解ニッケルめっき液には、無電解ニッケルめっきのための従来公知のめっき液が使用できる。例えば、金属塩として2wt%の硫酸ニッケル、還元剤として2wt%の次亜リン酸ナトリウム、錯化剤として10wt%のクエン酸、リンゴ酸、コハク酸等を含み、硫酸または水酸化ナトリウムを用いてpHを4.5に調整しためっき液等が使用できる。この発明において特に断らない限りwt%は、調整した溶液全体に対する値をいう。

無電解ニッケルめっき条件において、LTCC基板の無電解ニッケルめっき液への浸漬時間と液温とは、所望の膜厚の無電解ニッケル皮膜を得るように、適宜、設定できる。例えば、液温80℃、めっき時間20分とすることで、4μm程度の無電解ニッケル皮膜が得られる。

<無電解パラジウムめっき工程> 次に、図7を用いて無電解パラジウムめっき工程を説明する。図7は、図5の状態の銀焼結体配線パターン2の表面に無電解パラジウムめっき工程を行った後の状態を示す断面図である。

ステップS1042の無電解パラジウムめっきにおいて、図7に示すように、無電解ニッケルめっき工程(S1041)において形成された無電解ニッケルめっき皮膜5上に無電解パラジウムめっき皮膜6を形成する。この工程に用いる無電解パラジウムめっき液には、従来から用いられている、次亜リン酸系、亜リン酸系、ギ酸塩系パラジウムめっき液が使用できる。例えば、次亜リン酸系の液では、金属塩として塩化パラジウム、酢酸パラジウム等のパラジウム化合物、還元剤として次亜リン酸ナトリウム、錯化剤としてエチレンジアミン四酢酸等のアミン化合物、及びpH調整剤等を含むめっき液を用いる。

無電解パラジウムめっき条件において、LTCC基板の無電解パラジウムめっき液への浸漬時間と液温とは、所望の膜厚の無電解パラジウムめっき皮膜6を得るように、適宜、設定できる。例えば、次亜リン酸系の無電解パラジウムめっき液を使用した場合、液温50℃、めっき時間5分とすることで、0.1μmの無電解パラジウムめっき皮膜6が得られる。

<置換型無電解めっき工程> 次に、図8を用いて置換型無電解めっき工程を説明する。図8は、図7の状態の銀焼結体配線パターン2の表面に置換型無電解めっき工程を行った後の状態を示す断面図である。

ステップS1043の置換型無電解金めっき工程において、図8に示すように、無電解パラジウムめっき工程により形成された無電解パラジウムめっき皮膜6上に置換型無電解金めっき皮膜7を形成する。この工程に用いる置換型無電解金めっき液には、従来から用いられている、シアン系、亜硫酸金系の金めっき液が使用できる。例えば、シアン系のめっき液としては、金属塩としてシアン化金カリウム、錯化剤としてエチレンジアミン四酢酸、クエン酸等、及びpH調整剤等を含むめっき液が使用できる。また、亜硫酸金系のめっき液としては、金属塩として亜硫酸金ナトリウム等、錯化剤として亜硫酸ナトリウム、エチレンジアミン等を含むめっき液が使用できる。

置換型無電解めっき条件において、LTCC基板の置換型無電解金めっき液への浸漬時間と液温とは、所望の膜厚の置換金めっき皮膜を得るように、適宜、設定できる。例えば、シアン系の置換型無電解金めっき液を使用した場合、液温90℃、めっき時間10分とすることで、0.05μmの置換型金めっき皮膜が得られる。このようにして、図8に示すガラスセラミック基板が得られる。

即ち、ステップS101〜S104で得られるガラスセラミック基板には、図8に示すように、ガラス成分3上に析出した銀粒子4とガラス成分3とを含む銀焼結体配線パターン2上にニッケルめっき皮膜5が形成され、ニッケルめっき皮膜5上にパラジウムめっき皮膜6が形成され、パラジウムめっき皮膜6上に置換型金めっき皮膜7が形成されている。

上記無電解めっき処理後、実装工程として、LTCC基板へのワイヤボンディング処理及びはんだ付け等の処理が行われる。

このような無電解めっき方法では、脱脂・活性化工程と触媒化工程との間に金属凝析処理工程を行い、銀焼結体配線パターン2の表面のガラス成分3上に銀粒子4を析出させているので、析出した銀粒子4に触媒を付与することができる。これにより、無電解ニッケルめっき時の無めっきを抑制することができる。また、無電解ニッケルめっき工程において、銀焼結体配線パターン2へのニッケルめっきが良好となる。さらに、銀焼結体配線パターン2の表面に窪みが生じることを防ぐことができる。

また、銀焼結体配線パターン2の表面に窪みが生じることを防ぐことができるので、めっき皮膜中の空隙の形成を防ぐことができる。これにより、めっきの際に使用しためっき液や洗浄液が空隙内に取り込まれ、その水分がはんだ接合時に気化し、はんだ接合不良となることを抑制することができる。これらのことにより、LTCC基板モジュールの信頼性の向上を得ることができる。

また、銀凝析処理液として、第1の還元剤としては、リン酸化合物、有機酸を用い、第2の還元剤としては、無機化合物を用いてpHを4〜6に調整した特定の濃度に調整している銀凝析処理液を用いているので、銀焼結体配線パターン2の表面のガラス成分3への銀の凝析をより確実なものにすることができる。これにより、めっき皮膜中の空隙の形成及び無めっきの発生を抑制する効果を高めることができる。

さらに、めっき皮膜のアンカー効果により、銀焼結体配線パターン2とめっき皮膜との密着の向上が可能となる。これにより、LTCC基板モジュールの信頼性の向上を得ることができる。

以上のように、実施の形態1によれば、脱脂・活性化工程と触媒化工程との間に金属凝析処理工程を行っている。この結果、銀焼結体配線パターンの表面のガラス成分に銀が凝析されるので、ガラス浮きに起因した無めっき状態を抑制することができる。従って、ニッケルめっき膜の無めっき、めっき皮膜中の空隙の形成、及びこれに伴うはんだ接合不良を抑制し、モジュール信頼性の向上を得ることができる。

実施の形態2. 図9は、この発明の実施の形態2のプロセスフローを示す図である。先の実施の形態1では、脱脂・活性化工程、銀凝析処理工程、触媒化工程、無電解ニッケルめっき工程、無電解パラジウムめっき工程、置換型無電解金めっき工程の順番で無電解めっきを行う方法を説明した。これに対し、実施の形態2では、先の実施の形態1に加えて、無電解ニッケルめっき工程と無電解パラジウムめっき工程との間にガラスエッチング工程を行う場合について説明する。

先の実施の形態1の銀焼結体配線パターン2間において、パターン間が狭い、例えば、10μm以内である場合、析出した銀に無電解パラジウムめっき工程でパラジウムが異常析出し、パターン間の短絡が発生する懸念がある。そこで、本実施の形態2では、無電解ニッケルめっき工程と無電解パラジウムめっき工程との間で、エッチング処理を実施する。その他の構成は、先の実施の形態1と同様である。

図9において、ステップS201の脱脂・活性化工程は、先の実施の形態1の図1のステップS101と同様の工程である。

また、次のステップ202の銀凝析処理工程は、先の実施の形態1の図1のステップS102と同様の工程である。

さらに、次のステップS203の触媒化工程は、先の実施の形態1の図1のステップS103と同様の工程である。

また、ステップS204の無電解めっき多層皮膜処理工程の無電解ニッケルめっき工程(ステップS2041)、無電解パラジウムめっき工程(ステップS2042)及び置換型無電解金めっき工程(ステップS2043)は、順に、先の実施の形態1の図1のステップS104のステップS1041、ステップS1042及びステップS1043と同様の工程である。

ただし、本実施の形態2におけるプロセスフローでは、ステップS2041及びステップS2042の間に、ステップS2044のガラスエッチング処理工程が加えられている点が、先の実施の形態1におけるプロセスフローと異なっている。そこで、このステップS2044について、以下に、詳細に説明する。

<ガラスエッチング処理工程> ステップS2044のガラスエッチング処理工程では、銀焼結体配線パターン2の表面に損傷を与えずに、パターン間のガラスセラミック上に形成されたパターン間の短絡の原因となる微粒子を、ガラスエッチング液で溶解させることで除去する。

微粒子とは、例えば、配線パターンを構成する金属焼結体由来の平均粒径が0.05μm〜0.5μm程度の金属の微粒子である。この例では、金属焼結体が銀パラジウム合金である場合の、銀微粒子が例示される。

ガラスエッチング処理工程に使用するガラスエッチング液としては、無機酸、フッ化物、アルカリ金属水酸化物のいずれかを含むガラスエッチング液を用いることが好ましい。

例えば、無機酸としては塩酸または硫酸を用いることが好ましく、フッ化物としては、フッ化水素またはフッ化アンモニウムを用いることが好ましく、アルカリ金属水酸化物としては水酸化ナトリウムを用いることが好ましい。

より好ましくは、2〜6wt%に調整した塩酸または5〜15wt%に調整した硫酸、0.1〜0.5wt%に調整したフッ化水素酸または0.5〜1.0wt%に調整したフッ化アンモニウム水溶液、2〜6wt%に調整した水酸化ナトリウム水溶液のいずれかを用いることが好ましい。このように、特定の濃度に調整することにより、微粒子の除去効果を著しく増すことができる。

ガラスエッチング処理条件において、LTCC基板を上記ガラスエッチング液に浸漬する浸漬時間は、ガラスエッチング液の液温などにも影響されるため、特に限定されないが、通常、3〜5分間とすることが好ましい。

無機酸またはアルカリ金属水酸化物を含むガラスエッチング液を用いる場合は、その液性が強酸性、強アルカリ性であるため、40℃以上で使用することにより、通常、フッ化物以外では溶解が困難であるガラスを効率よく溶解させることができる。液温は、エッチングが可能であれば特に限定されないが、エッチング効率および配線パターンの保護等の点から、40℃〜60℃に調整しておくことがより好ましい。

ガラスエッチング処理の液温と時間の組み合わせとしては、例えば、4wt%の水酸化ナトリウム水溶液をガラスエッチング液として使用する場合、液温40〜60℃、処理時間3〜5分であることが好ましい。

また、フッ化物を含むガラスエッチング液を用いる場合は、室温で処理することができるが、適宜、液温を調整して用いてもよい。

フッ化物は、ガラスエッチングによる微粒子除去とガラスセラミック表面の撥水化を行なうことが可能であり、そのため、パラジウムの異常析出を抑制できる。ガラスセラミックは、一般にケイ酸塩を主成分とした酸化物であり、その最表面は、水酸基で終端化されているため親水性であり、反応性が高いものである。

しかし、フッ化物を含むガラスエッチング液、例えば、フッ化水素酸を用いた処理により、ガラスセラミックス中に含まれるケイ素の水酸基終端は、水素終端化される。このため、ガラスセラミック表面は、水酸基終端の場合に比べて疎水性となり、反応性が低下する。フッ化物の使用により、パラジウムの異常析出の原因となる大部分の微粒子は、無機酸、アルカリ金属水酸化物エッチング液と同様、ガラスセラミックの溶解、リフトオフにより除去される。

フッ化物処理により除去されなかった微粒子が存在した場合でも、ガラスセラミック表面全体は、上記水素終端化により撥水作用を有し、反応性が低くなる。これにより、次工程における無電解パラジウムめっき液との接触、反応が妨げられ、微粒子上にパラジウムが析出することはない。

また、上記の他にガラスエッチング液として、強酸性の有機酸、例えば、マレイン酸、アルカリ性が強い炭酸ナトリウムも利用できる。これらのガラスエッチング液を用いる場合、ガラスエッチング液の濃度、エッチング処理の液温や浸漬時間等は、上記無機酸、アルカリ金属水酸化物、またはフッ化物を含むエッチング液の場合と同様に、適宜、調整すればよい。

なお、実施の形態2において、ガラスエッチング液は、実質的に、シアンおよび硫黄を含有しないものとする。実質的にとは、シアンおよび硫黄により、所望の導体パターンに損傷を与える、不活性化、及び腐食を誘発するおそれがないことをいう。

また、実施の形態2において、撥水とは、水酸基終端よりも疎水性であり、反応性が低下していることをいい、ぬれ測定により示される値により、その撥水性(疎水性)を比較することができる。フッ化物処理は、ガラスエッチングとガラスセラミック表面の不活性化という二重の効果により、パラジウムの異常析出を抑制することが可能である。

さらに、実施の形態2において、ガラスエッチング処理工程は、ガラスエッチング液にガラスセラミック基板を浸漬した状態で、超音波処理に付することにより、除去効果を著しく増すことができる。また、このように超音波処理を行なう場合は、浸漬時間は、通常よりも短く設定することができる。

このように、ステップS201〜S204で得られるガラスセラミック基板は、先の実施の形態1と同様のものである。即ち、図8に示すように、ガラスセラミック基板には、ガラス成分3上に析出した銀粒子4とガラス成分3とを含む銀焼結体配線パターン2上にニッケルめっき皮膜5が形成され、ニッケルめっき皮膜5上にパラジウムめっき皮膜6が形成され、パラジウムめっき皮膜6上に置換型金めっき皮膜7が形成されている。また、ガラス成分3上に析出した銀粒子4は、ニッケルめっき皮膜5中に形成されている。

以上のように、実施の形態2による無電解めっき方法では、無電解ニッケルめっき工程と無電解パラジウムめっき工程との間にガラスエッチング工程を行い、析出した銀にパラジウムが析出することを防止することができる。これにより、パターン間の短絡を防止することができる。

実施の形態3. 図10は、この発明の実施の形態3のプロセスフローを示す図である。先の実施の形態1では、無電解めっき多層皮膜処理工程を無電解ニッケルめっき工程、無電解パラジウムめっき工程、置換型無電解金めっき工程の順番で無電解めっきを行う方法を説明した。これに対し、実施の形態3では、無電解めっき多層皮膜処理工程を無電解ニッケルめっき工程、置換型無電解金めっき工程、還元型無電解金めっき工程の順番で無電解めっきを行う方法について説明する。その他の構成は、先の実施の形態1と同様である。

図10において、ステップS301、ステップS302、及びステップS303は、順に、先の実施の形態1の図1のステップS101、ステップS102、及びステップS103と同様の工程である。

次に、無電解めっき多層皮膜処理工程ステップS304を行う。

先ず、ステップS3041の無電解ニッケルめっき工程を行う。ステップS3041は、先の実施の形態1の図1のステップS1041と同様の工程である。

<置換型無電解金めっき工程> 次に、図11を用いて置換型無電解金めっき工程を説明する。図11は、図9の銀焼結体配線パターン2の表面に置換型無電解金めっき工程及び還元型無電解金めっき工程を行った後の状態を示す断面図である。

ステップS3042の置換型無電解金めっき工程において、図11に示すように、無電解ニッケルめっき工程において形成された無電解ニッケルめっき皮膜5上に置換型無電解金めっき皮膜7を形成する。ステップS3042の置換型無電解金めっき工程は、前工程が先の実施の形態1と異なるが、先の実施の形態1に示されているステップS1042と同様の工程であり、同様の置換型金めっき液を用いる。

<還元型無電解金めっき工程> 次に、ステップS3043の還元型無電解金めっき工程において、図11に示すように、置換型無電解金めっき工程において形成された置換型無電解金めっき皮膜7上に還元型無電解金めっき皮膜8を形成する。還元型無電解金めっき皮膜8の形成に用いられる還元型無電解金めっき液には、従来から用いられている、シアン系、亜硫酸金系の金めっき液が使用できる。

シアン系の還元型無電解金めっき液としては、例えば、金の供給源としてシアン化金カリウム、錯化剤としてシアン化カリウム等、還元剤として水酸化ナトリウム、ジメチルアミンボラン等を含み、pHを13に調整しためっき液や、還元型亜硫酸金めっき液としては、金の供給源として亜硫酸金ナトリウム、錯化剤として亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、還元剤としてアスコルビン酸等を含み、pH7に調製しためっき液等を用いる。

還元型無電解金めっき条件において、LTCC基板の還元型無電解金めっき液の浸漬時間と液温とは、所望の膜厚の無電解金めっき皮膜を得るように、適宜、設定できる。例えば、シアン系の還元型無電解金めっき液を使用した場合、液温80℃、めっき時間30分とすることで、0.7μmの無電解金めっき皮膜が得られる。なお、通常、還元型無電解金めっき皮膜8は、置換型無電解金めっき皮膜7よりも厚みに幅を持たすことが可能である。例えば、還元型無電解金めっき皮膜8は、0.1μm〜1.0μmとすることができる。このようにして、図11に示すガラスセラミック基板が得られる。

このように、ステップS301〜S304で得られるガラスセラミック基板には、図11に示すように、ガラス成分3上に析出した銀粒子4とガラス成分3とを含む銀焼結体配線パターン2上にニッケルめっき皮膜5が形成され、ニッケルめっき皮膜5上に置換型無電解金めっき皮膜7が形成され、置換型無電解金めっき皮膜7上に還元型金めっき皮膜8が形成されている。また、ガラス成分3上に析出した銀粒子4は、ニッケルめっき皮膜5中に形成されている。

めっき処理後の実装工程時に、先の実施の形態1及び先の実施の形態2に示すNi/Pd/Auめっき膜では、実装工程によっては、ワイヤボンディングプル強度の低下やはんだ濡れ性の低下等の懸念がある。しかし、このような実施の形態3の無電解めっき方法では、無電解めっき多層皮膜処理工程を、無電解ニッケルめっき工程、無電解パラジウムめっき工程、置換型無電解金めっき工程に限定されず、無電解ニッケルめっき工程、置換型無電解金めっき工程、還元型無電解金めっき工程としている。

ここで、銀焼結体配線パターン2の表面に形成されるめっき皮膜は、Ni/Pd/Auめっき膜に限られず、Ni/Pd/Auめっき膜では対応できない実装工程に対応可能である。これにより、実装条件を拡大することができる。

以上のように、実施の形態3によれば、無電解めっき方法の最終工程に還元型無電解金めっきを施しているので、金めっき皮膜を厚く施すことができる。また、無電解めっき多層皮膜処理工程は、一つの方法に限定されていないので、多層からなるめっき膜の種類も限定されない。これらにより、多種多様な基板に対して、実装条件を拡大することができる。

実施の形態4. 図12は、この発明の実施の形態4のプロセスフローを示す図である。先の実施の形態3では、脱脂・活性化工程、金属凝析処理工程、触媒化工程、無電解ニッケルめっき工程、置換型無電解金めっき工程、還元型無電解金めっき工程の順番で無電解めっきを行う方法について説明した。これに対し、本実施の形態4では、先の実施の形態3に加えて、置換型無電解金めっき工程と還元型無電解金めっき工程との間にガラスエッチング工程を行う場合について説明する。

先の実施の形態2同様、銀焼結体配線パターン2において、パターン間が狭い、例えば、10μm以内である場合、析出した銀に置換型無電解金めっき工程で金が異常析出し、パターン間の短絡が発生する懸念がある。これに対し、本実施の形態4では、置換型無電解金めっき工程と還元型無電解金めっき工程との間で、エッチング処理を実施する。その他の構成は、先の実施の形態3と同様である。

図12において、ステップS401、ステップS402、及びステップS403は、順に、先の実施の形態3の図10のステップS301、ステップS302、及びステップS303と同様の工程である。

また、ステップS404の無電解めっき多層皮膜処理工程の無電解ニッケルめっき工程(ステップS4041)、置換型無電解金めっき工程(ステップS4042)及び還元型無電解金めっき処理工程(ステップS4043)は、順に、先の実施の形態3の図10のステップS304のステップS3041、ステップS3042及びステップS3043と同様の工程である。

ただし、本実施の形態4におけるプロセスフローでは、ステップS4041及びステップS4042の間に、ステップS4044のガラスエッチング処理工程が加えられている点が、先の実施の形態3におけるプロセスフローと異なっている。そこで、このステップS4044について、以下に、詳細に説明する。

ステップS4044のガラスエッチング処理工程は、先の実施の形態2の図9のステップS2044と同様の工程であり、同様のガラスエッチング液を用いる。

このように、ステップS401〜S404で得られるガラスセラミック基板は、先の実施の形態3と同様のものである。即ち、図11に示すように、ガラス成分3上に析出した銀粒子4とガラス成分3とを含む銀焼結体配線パターン2上にニッケルめっき皮膜5が形成され、ニッケルめっき皮膜5上に置換型無電解金めっき皮膜7が形成され、置換型無電解金めっき皮膜7上に還元型金めっき皮膜8が形成されている。また、ガラス成分3上に析出した銀粒子4は、ニッケルめっき皮膜5中に形成されている。

このような無電解めっき方法によれば、金の異常析出を抑制することができる。これにより、パターン間の短絡を防ぐことができる。

以上のように、実施の形態4による無電解めっき方法では、先の実施の形態2と先の実施の形態3との効果を同時に得ることができる。

なお、上記実施の形態1〜4の各工程の間には、LTCC基板を純水に浸漬して洗浄する純水洗浄処理工程を含む。また、純水洗浄処理工程は、純水により、およそ1分間洗浄することが好ましい。

また、銀凝析処理工程は、銀凝析処理液にLTCC基板を浸漬した状態で超音波処理に付することにより、銀凝析効果を著しく増すことができる。これは、超音波処理により、ガラス成分3の溶解が促進され、また、ガラス成分3の溶解により溶出した銀成分が銀凝析処理液に溶解、飽和状態にあるため、超音波振動により、再析出を促進するためである。さらに、このように超音波処理を行う場合、浸漬時間は、通常よりも短く設定することができる。

さらに、上記実施の形態1〜4における無電解めっき方法は、LTCC基板に限らず、多種多様な基板に対して応用可能である。

また、上記実施の形態1〜4における無電解めっき膜は、Ni/Pd/Auめっき膜及びNi/Auめっき膜に限らず、多層のめっき皮膜を構成することができる。

表1は、実施の形態1、実施の形態2及び比較例に対応するLTCC基板を用いた実施例の実施条件及び結果を示す表である。表2は、実施の形態3及び実施の形態4に対応するLTCC基板を用いた実施例の実施条件及び結果を示す表である。表3は、実施の形態1に対応するアルミナセラミック基板を用いた実施例の実施条件及び結果を示す表である。表4は、実施の形態3に対応するアルミナセラミック基板を用いた実施例の実施条件及び結果を示す表である。表5は、この発明による実施例1〜36及び比較例1〜2における、パラジウムまたは金のパターン間異常析出状態を示す表である。

以下、実施例を挙げてこの発明をより詳細に説明するが、この発明は、これらに限定されるものではない。

(実施例1〜6:実施の形態1) 幅20mm、長さ20mm、厚さ500μmのガラスセラミックからなる絶縁基材1と銀を主成分とする金属焼結体で構成されたLTCC基板を使用した。上記LTCC基板を、上記実施の形態1において説明した方法で脱脂・活性化処理工程、銀凝析処理工程、及びパラジウム付与の触媒形成工程を行なった。脱脂・活性化処理工程においては、イートレックス72(EEJA(株)製)を使用して脱脂処理をした後、1分間の純水洗浄、その後、イートレックス62(EEJA(株)製)を使用して活性化処理を行った。

純水に上記基板を浸漬し、1分間放置した後、取り出し、実施の形態1において説明した銀凝析処理工程に従い、銀凝析処理液、液温、処理時間、超音波処理の有無、超音波時間を、変化させて銀焼結体配線パターン2の表面のガラス成分3上に銀粒子4を凝析させた。変化条件は、表1に示すように、銀凝析処理液の第1の還元剤は、5wt%、第2の還元剤は、10ppmとし、液温は、85℃とした。また、凝析時間、ガラスエッチング、及び超音波処理は、下記条件から組み合わせている。 凝析時間は、1、5、10分 ガラスエッチングは、あり、なし 超音波処理は、ある、なし その後、純水に上記基板を浸漬し1分間放置した後、取り出し、レクトロレスAC−2(EEJA(株)製)に1分間浸漬した。その後、純水に1分間浸漬し放置する洗浄工程を施し、前処理工程とした。

次に、実施の形態1に説明した成膜方法に従い、ニッケルめっき液としてレクトロレスNP7600(EEJA(株)製)を用い、該めっき液を85℃に昇温し、この液温で20分間上記基板を浸漬した。これにより、金属焼結体からなる銀焼結体配線パターン2上に、厚さ4μmの無電解ニッケルめっき皮膜5を形成した。

そして、水洗処理を1分間行なった後、実施の形態1において説明した無電解パラジウムめっき工程を施し、無電解パラジウムめっき皮膜6を0.1μm、その後、無電解金めっき工程を施し、無電解金めっき皮膜7を0.05μm形成した。無電解パラジウムめっき工程においては、レクトロレスPd2000S(EEJA(株)製)を用いて、液温50℃の条件として10分間浸漬した。

また、無電解金めっき工程においては、レクトロレスFX−5(EEJA(株)製)を用いて、液温85℃の条件で5分間浸漬した。なお、各めっき皮膜の厚みは、蛍光X線膜厚測定装置を用いて測定した。

(実施例7〜12:実施の形態2) 実施例1と同じLTCC基板を用いて、実施例1と同様に脱脂・活性化処理、パラジウム付与などの前処理工程を施した。その後、実施の形態2に従い、無電解ニッケルめっき工程後、水洗処理を1分間行った後、実施の形態2において説明したガラスエッチング工程に従い、ガラスエッチング処理を行った。その後、無電解パラジウム工程、置換型無電解金めっき工程を実施した。各工程において用いた試薬は、実施例1と同様とした。

(実施例13〜18:実施の形態3) 実施例1と同じLTCC基板を用いて、実施例1と同様に脱脂・活性化処理、パラジウム付与などの前処理工程を施した。その後、実施の形態3に従い、無電解ニッケルめっき工程後、水洗処理を1分間行った。その後、実施の形態3において説明した無電解金めっき工程を施し、水洗処理を1分間行った後、実施の形態3において説明した還元型無電解金めっき工程を施し、還元型無電解金めっき皮膜8を0.1μm形成した。還元型無電解めっき工程においては、レクトロレスFX−5(EEJA(株)製)を用いて、液温85℃の条件として10間浸漬した。その他、各工程において使用した薬液は、実施例1と同様とした。

(実施例19〜24:実施の形態4) 実施例1と同じLTCC基板を用いて、実施例1と同様に脱脂・活性化処理、パラジウム付与などの前処理工程を施した。その後、実施の形態4に従い、無電解ニッケルめっき工程後、水洗処理を1分間行った後、実施の形態4において説明したガラスエッチング工程に従い、ガラスエッチング処理を行った。その後、無電解金めっき工程、還元型無電解金めっき工程を実施した。各工程において用いた試薬は、実施例1と同様とした。

(実施例25〜30:実施の形態1) 幅20mm、長さ20mm、厚さ500μmのアルミナセラミックからなる絶縁基材1と銀を主成分とする金属焼結体で構成されたアルミナセラミック基板を使用した。上記アルミナセラミック基板を、上記実施の形態1に即して、脱脂・活性化処理においては、800−SD、ME−C((株)ワールドメタル製)を使用して脱脂・活性化処理を行った。

純水に上記基板を浸漬し、1分間放置した後、取り出し、以後は実施の形態1に即し、実施例1と同様に、凝析処理、パラジウム付与の前処理工程を施した。その後、実施の形態1に従い、無電解ニッケルめっき工程後、水洗処理を1分間行った後、無電解パラジウム工程、置換型無電解金めっき工程を実施した。各工程において使用した試薬は、脱脂・活性化工程を除き、実施例1と同様とした。

(実施例31〜36:実施の形態3) 実施例25と同じアルミナセラミック基板を用いて、実施例25と同様に脱脂・活性化処理、パラジウム付与などの前処理工程を施した。その後、実施の形態3に従い、無電解ニッケルめっき工程後、水洗処理を1分間行った。その後、実施の形態3において説明した無電解金めっき工程を施し、水洗処理を1分間行った後、実施の形態3において説明した還元型無電解金めっき工程を施した。各工程において使用した薬液は、実施例1と同様とした。

(比較例1) 実施例1と同じLTCC基板を用いて、無電解めっきを行なった。実施例1との相違は、銀凝析処理工程を省略したことであり、他は実施例1と全く同じ条件である。

(比較例2) 実施例13と同じLTCC基板を用いて、無電解めっきを行なった。実施例13との相違は、銀凝析処理工程を省略したことであり、他は実施例13と全く同じ条件である。

表5に示す空隙の有無は、無電解めっき後、配線パターンをFIB(収束イオンビーム)にて断面加工し、SIM(走査イオン顕微鏡法)観察(100〜500倍)により判断した。10箇所のガラス成分3を調査し、ガラス成分3の真上にある空隙の数をカウントした。

表5に記す評価結果から明らかなように、銀凝析処理工程を行なわずに無電解めっきを行なった比較例1、2では、ニッケルめっき皮膜5中に空隙が発生したのに対し、本発明の実施の形態1〜4に対応する銀凝析処理工程を実施した実施例1〜36では、ニッケルめっき皮膜5中の空隙はほとんど認められなかった。

また、表5に示すパラジウムまたは金のパターン間異常析出状態の有無は、実体顕微鏡観察(100〜500倍)により判断した。異常析出が観測範囲の0%以上〜10未満%である場合は、異常析出なしとし、表5に○と記した。また、異常析出が観測範囲の10以上%〜50未満%である場合は、一部発生(短絡が生じない程度)であり、表5に△と記した。異常析出が観測範囲の50%を超える場合は、ほぼ全面に発生しており、表5に×と記した。

以上のように、この発明の実施の形態1〜4および実施例について説明を行なったが、上記実施の形態1〜4及び実施例の構成を適宜組み合わせることも可能である。

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