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銅−ガリウムスパッタリングターゲット

阅读:369发布:2023-12-29

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30〜68at%のGa含有量をもち且つ少なくとも1つのGa−及びCu−含有金属間化合物相を含むスパッタリングターゲットにおいて、 CuGa2の体積割合がCu9Ga4の体積割合を上回り、CuGa2/Cu9Ga4体積比率が2を上回ることを特徴とする、スパッタリングターゲット。30〜68at%のGa含有量をもち且つ少なくとも1つのGa−及びCu−含有金属間化合物相を含むスパッタリングターゲットにおいて、 平均微小硬さが、Ga−及びCu−含有金属間化合物相を含む領域において500HV0.01を下回り、且つ、CuGa2の体積割合がCu9Ga4の体積割合を上回り、CuGa2/Cu9Ga4体積比率が2を上回ることを特徴とする、スパッタリングターゲット。平均微小硬さが、Ga−及びCu−含有金属間化合物相を含む領域において500HV0.01を下回ることを特徴とする、請求項1に記載のスパッタリングターゲット。少なくとも90%のGaがCuGa2として存在することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のスパッタリングターゲット。Ga含有量が40〜68at%であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のスパッタリングターゲット。Cu含有量が80at%を上回り且つ純Cu及びGa−含有Cu混晶からなる群から選択されるCu−リッチ相を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のスパッタリングターゲット。Cu−リッチ相が純Cuであることを特徴とする、請求項6に記載のスパッタリングターゲット。30体積%を上回るCuGa2を含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のスパッタリングターゲット。アルカリ金属の群から選択される少なくとも1つの元素を合計で0.01〜5at%含むことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のスパッタリングターゲット。請求項1〜9のいずれか1項に記載のスパッタリングターゲットを製造する製造方法であって、 CuGa2−含有粒子を含んだ粉末混合物を生成するステップと、 前記粉末混合物を成形するステップと、 を少なくとも含み、 前記成形ステップが、圧と少なくとも一時的な電界の印加を用いた焼結により達成されることを特徴とする、製造方法。前記電界の作用により前記粉末混合物に直流電流を通すことを特徴とする、請求項10に記載の製造方法。前記粉末混合物が150〜250℃の焼結温度へ加熱されることを特徴とする、請求項10又は請求項11に記載の製造方法。50℃を越える温度範囲にある時間が60分より短いことを特徴とする、請求項10〜12のいずれか1項に記載の製造方法。請求項1〜9のいずれか1項に記載のスパッタリングターゲットを製造する製造方法であって、 CuGa2−含有粒子を含んだ粉末混合物を生成するステップと、 前記粉末混合物を成形するステップと、 を少なくとも含み、 前記成形ステップが、コールドスプレー法により達成されることを特徴とする、製造方法。10バールを上回る圧力のプロセスガスが先細末広ノズルで加速され、前記粉末混合物がこの先細末広ノズルの上流、中、又は下流で前記プロセスガス中に射出されて加速され、基板に堆積して成形体を形成することを特徴とする、請求項14に記載の製造方法。前記基板が、支持管の機能を担い、前記成形体が管状ターゲットを形成できるように構成されていることを特徴とする、請求項15に記載の製造方法。前記粉末混合物が、純Cu粒子及びCu混晶粒子のいずれか又は両方を含むことを特徴とする、請求項10〜16のいずれか1項に記載の製造方法。前記粉末混合物が、アルカリ金属を含有した粉末を含むことを特徴とする、請求項10〜17のいずれか1項に記載の製造方法。CuGa2−含有粒子が、金属間Cu−Ga相を含む領域において硬さ分布の1又は複数の最大値を有し、該最大値の少なくとも1つが4.5GPaを下回る押し込み硬さHITであることを特徴とする、請求項10〜18のいずれか1項に記載の製造方法。CuGa2−含有粒子がCuGa2のみを含むか、又は、CuGa2の体積割合がCu9Ga4の体積割合を上回ることを特徴とする、請求項10〜19のいずれか1項に記載の製造方法。請求項1〜9のいずれか1項に記載のスパッタリングターゲットを、太陽電池の薄膜を製造するために用いる、使用方法。

说明书全文

本発明は、30〜68at%(原子パーセント)のガリウム(Ga)成分を有し、Ga及び銅(Cu)を含有する相からなるスパッタリングターゲットに関する。本発明はさらに、その製造方法に関する。また、本発明はスパッタリングターゲットの使用方法に関する。

Cu−Gaスパッタリングターゲットは、例えば、銅−インジウム−ガリウムセレン化合物(短縮してCIGSと呼ばれるCu(In,Ga)(Se,S)2)薄膜を生成するために使用される。CIGS薄膜は高い吸収能を有し、それ故に薄膜太陽電池の吸収層用に期待される半導体材料である。そのバンドギャップエネルギーは、Ga濃度を変化させることで調整可能であり、三元CuInSe2の約1eVから三元CuGaS2の1.7eVまでの範囲に及ぶ。効果の正確なメカニズムは未だ最終的に確立されてはいないけれども、アルカリ金属のドーピングによって、太陽電池特性、殊に効率の改善が可能である。

pドープした吸収層の生成には各種の方法が使用される。この分野ではスパッタリングプロセスが確立されつつある。Cu−GaとInのスパッタリングターゲットを用いる場合、典型的には同時スパッタリングか又は順次スパッタリングが採用される。Cu−Gaスパッタリングターゲットの微細構造はこの分野で非常に重要である。Cu−Gaスパッタリングターゲットは、原理的には、融解法により、あるいは、粉末冶金法により製造することができる。しかしながら、融解を要するプロセスは、当該製造方法のもたらす粗い微細構造と結びついた比較的高いGa含有量に起因する金属間化合物相が、材料の極端な脆化を招くことから、低Ga含有量の場合にのみ適している。脆化は、特に、例えば巨視的亀裂や微視的亀裂といった材料中の欠陥と関連し得る。これら欠陥、そしてプロセスに関係したGa−リッチ(Ga-rich)偏析も、スパッタリング反応に悪影響を及ぼし、したがって薄膜品質にも逆効果となる。

Cu−Gaスパッタリングターゲットの粉末冶金製法としては、熱間等方圧加圧法(HIP)及びホットプレス(HP)が慣用技術である。しかし、これらプロセス技術はどちらも、高いプロセス温度又は長いプロセス時間を必要とし、その結果、30at%を上回るGa含有量の場合に、脆弱な金属間化合物相の形成を避けられない。

高Ga含有量のスパッタリングターゲットが、例えば特許文献1〜6に記載されている。これら特許文献に共通している認識は、Gaが主要素である相を避けるべきということである。本発明の意図では、「主要素」は、合金中の最も高い含有量の要素である。製造方法に起因して、ガンマ相(γ−相)−−これもその低Ga含有量(約34〜43at%)に由来するものが好ましい−−が、特許文献1〜6に従うスパッタリングターゲットにおいて形成される

本発明の意図では、用語「γ−相」に次の変態が含まれる(状態図で、図1参照): ・高温変態γ(Cu9Ga4) ・γ1−相(Cu9Ga4) ・γ2−相(Cu8.45Ga4.55) ・γ3−相(Cu7.5Ga5.85)

高温変態γ,γ123は、以下本文中でまとめてCu9Ga4と総称する。

Ga含有量が55at%を越えると、シータ相(θ−相)とも呼ばれるCuGa2が、平衡状態図に従って主Cu−Ga相として形成されることになる。本発明の意図では、「主Cu−Ga相」は、全Cu−Ga相の中の最も高い割合のCu−Ga相に当てはまる。名称CuGa2は以下本文を通してθ−相に使用される。

CuGa2及びCu9Ga4は金属間化合物相である。合金と対比して、金属間化合物相は、構成金属とは異なる格子構造をもつ。通常は、金属結合成分とより微少な原子結合及びイオン結合成分とを含む混合結合が存在する。

CuGa2相の形成は、包晶変態により254℃を越える温度からの冷却時に起こる(Cu9Ga4+融解物(融解物中のGa含有量=約95at%)→CuGa2)。しかし、この包晶反応が通例の冷却条件下で平衡に向かわず、代わってCu9Ga4相からのCuの抑制された外方拡散がGa−リッチ(Ga含有量75at%以上)非平衡相につながる。この非平衡相(偏析相と呼ばれることも多い)がCu9Ga4粒子を取り巻く。Cu9Ga4相の割合が、平衡条件下で予測される場合よりも極端に高くなる。Ga−リッチ非平衡相は、この相の融解点がかなり低いことから、スパッタリングプロセスにおいて局所融解につながり得る。

融解法、HIP及びHPによるCu−Gaスパッタリングターゲットの製法の他に、コールドスプレー法(CGS:Cold Gas Spraying)による成形も解説されている。CGSは、超音波ノズル(例えばラバールノズル:Laval Nozzle)とも呼ばれる先細末広ノズル(convergent-divergent nozzle)における膨張によってプロセスガスを高速に加速するコーティングプロセスである。このプロセスガスのジェット中に粉末粒子(コーティング材料)が射出され、他の溶射プロセスと違って事前の部分融解又は全融解をしなくとも、高密度で堅固に付着した層を衝突で基板に形成するだけの高速に、加速される。当該速度は、使用されるプロセスガス(例えば窒素(N)やヘリウム(He))とプロセスガス温度に大きく依存する。例えば、Nを使用する場合、900m/sのガス速度が可能であり、Heを使用する場合は2500m/sの速度が可能である。コーティング材料は通常、300〜1200m/sの速度に加速される。

Cu−GaスパッタリングターゲットのCGSは、特許文献7,8に記載がある。高いGa含有量のCu−Gaスパッタリングターゲットの場合、Gaが主にCu9Ga4として存在する粉末がCGSの場合であってもコーティング材料として使用される。Cu9Ga4は非常に高硬度である(押し込み硬さHIT=約7.6GPa)。この高硬度が、当該方法により製造されるスパッタリングターゲットにおいて不十分な密度、気孔、粒界亀裂、及び他の微細構造欠陥のいずれか1以上の原因となる。これが次には、スパッタリングターゲットの加工性及びスパッタリング反応に悪影響をもたらす。

特開2014−051712号

国際公開第2012/098722号

米国特許出願公開第2011/0284372号

中国特許出願公開第101906552号

中国特許出願公開第1719626号

特開2000−073163号

国際公開第2013/095070号

国際公開第2013/054521号

以上に鑑み、本発明は、上述のデメリットをもたないスパッタリングターゲットの提供を目的とする。具体的に言えば、本発明は、次にあげる特性の少なくとも1つを備えたスパッタリングターゲットの提供を目的とする: ・均一で一定のスパッタリング反応 ・スパッタリング中、気孔や亀裂などの欠陥において局所電弧発生が無いか非常に少ない ・75at%程度を越えるGa含有量の領域が無いことによるスパッタリング中の局所的部分融解の回避 ・良好な機械的加工性 ・低内部応力によりスパッタリング中の歪みが無いか非常に少ない ・良好な結合反応 ・簡単な再利用 ・低コスト

さらに言えば、上記の特性をもつスパッタリングターゲットの安価且つ信頼性の高い製造を可能にするプロセスが提供され得る。加えて、本発明は、スパッタリングターゲットの上記特性を大いに有効活用することの可能なスパッタリングターゲットの利用に至り得る。

上述した本発明の目的は、特許請求の範囲の独立項によって達成される。従属項には殊に有益な態様が示されている。

スパッタリングターゲットは、30〜68at%、好ましくは40〜68at%のGa含有量を有する。

本発明の上記目的は、次の2つの選択肢により達成される: 1.スパッタリングターゲットが、 ・Cu−及びGa−含有金属間化合物相としてCuGa2のみ 又は ・Cu9Ga4の体積割合よりも多い体積割合のCuGa2を含有する。 2.スパッタリングターゲットが、Ga−及びCu−含有金属間化合物相を含む領域において500HV0.01を下回る平均微小硬さを有する。 特に有益な態様では、スパッタリングターゲットは、上記選択肢1,2の特徴を両方とも有する。

さらに、Cu9Ga4に対するCuGa2の体積比率が好ましくは2を上回り、好適には5を上回る。CuGa2とCu9Ga4相の割合は、BSE−SEM(SEM:走査型電子顕微鏡、BSE:後方散乱電子)により1000倍に拡大して(基準サイズはポラロイド545フォーマット)研磨区域で測定される。化学相判別は、まずEDXにより実行される。画像分析は、CuGa2とCu9Ga4相に限定される。その他の微細構造(Cu粒子、Cu混晶粒子、気孔など)は全て除外される。Cu9Ga4とCuGa2粒子を区別するため、画像は、しきい値法により二値化される。このようにして、Cu9Ga4とCuGa2の面積割合を測定することが可能である。相割合の測定は、2以上の箇所で繰り返され、平均が計算される。次に、同じ測定手順が、第1シリーズの検体に対し90°回転(対象のスパッタリング表面に垂直の90°回転/回転軸)した研磨表面をもつ別の研磨区域、及びスパッタリング表面に平行の研磨表面をもつ研磨区域で、繰り返される。これら3シリーズの検体からのCu9Ga4又はCuGa2相の面積割合の平均が、その体積含有量に当てられる。

本発明によれば、主な金属間化合物相はCuGa2である。CuGa2は、254℃で分解融解する、熱力学的に安定した金属間化合物である。Cu−Gaの状態図(図1参照)によると、CuGa2相は、均質領域をもつ。これに続くのは、CuGa2相が、化学量論的化合物CuGa2よりも低含有量のCu又はGa及び高含有量のCu又はGaの両方をもち得るということである。

金属間化合物相は、典型的には、例えばCu9Ga4(約720HV0.01の微小硬さ)でもそうであるように、極めて高い硬度、強度及び脆性を有する。CuGa2を含有するスパッタリングターゲットは、したがって驚くことに、著しく低い硬度をもつ。このスパッタリングターゲットは、それ故、高い靭性とこれに伴う優れた機械的加工性を備える。

既述した本発明の利点は、好ましくは、Ga−及びCu−含有金属間化合物相を含む領域における平均微小硬さが500HV0.01を下回るときにも達成される。平均微小硬さは、好ましくは400HV0.01を、好適には300HV0.01を、下回る。開示する例の場合、200HV0.01を下回る最適値も達成可能である。

平均微小硬さは次のように測定される。最初に、研磨区域が生成され、当該研磨区域で微小硬さが測定される。相の割当は、EDXによる先行相判別を場合により利用した光学的微分によって実行される。Cu−Ga−含有金属間化合物相の微小硬さの測定は、ISO6507−1:2005に則って実施される。硬度値は、好ましくは、熱処理など他の後処理を一切施していない検体に基づく。金属間Cu−Ga相を含む10の異なる領域のそれぞれにおいて3つの圧痕が形成され、平均が測定される。

好ましくは、少なくとも90%のGaがスパッタリングターゲットにCuGa2相として存在する。したがって、10%を下回る残りはその他の形態(Cu−Ga混晶、他の金属間Cu−Ga相)で存在し得る。このパラメータは次のように測定される。まず、スパッタリングターゲットの総Ga含有量が、ICP−OESによる5個の試料の化学分析と平均の作成によって測定される。そしてCuGa2の体積割合が、上記測定シーケンスを使用したBSE−SEMによって測定される。CuGa2として存在するGa含有量は、CuGa2の体積割合から測定される。この含有量は、スパッタリングターゲット中のGa総含有量で割られ、CuGa2として存在するGaの割合がそれにより計算される。

スパッタリングターゲットのGa含有量がCuGa2相(約64〜約68at%)の均質領域にあれば、このときにはCu及びGaの全量がCuGa2として存在し得る。Ga含有量が約64at%以下であれば、スパッタリングターゲットは、CuGa2だけではなく、有益なことに80at%、好ましくは90at%、好適には95at%を上回るCu含有量をもつCu−リッチ相も、含有する。このことは、Cu−リッチ相が高い変形能力を有することを保証する。Cu−リッチ相は、好ましくは、Ga−含有Cu混晶又は純Cuである。最良の結果は、Cu−リッチ相が純Cuである場合に得ることができる。本発明の意図では、純Cuは、通常在る不純物を含んだCuである。

Ga−及びCuのみを含有した相を考察すると、スパッタリングターゲットの相組成として次の好適な可能性がある。 ・CuGa2のみ ・CuGa2+純Cu ・CuGa2+Ga−含有Cu混晶 ・CuGa2+純Cu+Ga−含有Cu混晶 ・CuGa2+他の金属間Cu−Ga相 ・CuGa2+純Cu+他の金属間Cu−Ga相 ・CuGa2+Ga−含有Cu混晶+他の金属間Cu−Ga相 又は ・CuGa2+純Cu+Ga−含有Cu混晶+他の金属間Cu−Ga相

有益なスパッタリングターゲットは、30体積%、好ましくは60体積%、好適には90体積%を上回るCuGa2を含む。別の金属間Cu−Ga相、具体例ではCu9Ga4の有益な割合は、15体積%、好ましくは10体積%、好適には5体積%を下回る。実施形態から分かるように、BSE−SEMによって検出可能なCu9Ga4の無いスパッタリングターゲットを製造することが可能であり、大変有益である。

最大割合で存在するCu−及びGa−含有金属間化合物相がCuGa2であるスパッタリングターゲットは、驚くことに、極めて均質なスパッタリング特性をもつ。さらに、本発明のスパッタリングターゲットは、実施形態において詳細に説明されるように、簡単、安価に、高信頼性で製造することができる。このスパッタリングターゲットは気孔及び亀裂をもたず、その結果、スパッタリング中、欠陥での局所電弧生成が回避される。スパッタリング中の局所的部分融解を招き得る偏析相(Ga含有量>約75at%)は存在しない。CuGa2は非常に柔らかいので、スパッタリングターゲットは比較的低い温度でも成形可能である。これにより、粒界偏析を確実に避けられる。さらに、このスパッタリングターゲットは優れた機械的加工性を示し、これにより、製造コスト及び表面品質の点で有利である。関係する全ての相が低い降伏点をもつので、内部応力が低い。このことは、スパッタリング中に材料の偏った剥離で生じる非対称の解放応力が少なくなることから、使用中のスパッタリングターゲットの寸法安定性に効果を発揮する。このスパッタリングターゲットは、融解法による簡単な方法で再利用可能である。融解物のGa濃度は、好ましくは、合金に対する純Gaの添加により適切な目標値に設定される。ここでは64〜68at%のGa含有量が好ましくは選択される。そして、例えば引き続いて新しいスパッタリングターゲットの製造に使用可能なCuGa2粉末が、既存の噴霧プロセスを用いて製造される。

さらに、スパッタリングターゲットは、アルカリ金属類から選択される少なくとも1つ元素も0.01〜5at%含み得る。複数種類のアルカリ金属がある場合、0.01〜5at%は総含有量を表す。好ましいアルカリ金属は、Li、Na及びKである。上述したように、アルカリ金属は、CIGS薄膜太陽電池の効率に効果がある。殊に優れたアルカリ金属をあげるとNaであり、有効なNa化合物がNa2SO4及びNaClである。したがってスパッタリングターゲットは、30〜68at%のGa、好適には40〜68at%のGa、必要に応じて1以上のアルカリ金属又は1以上のアルカリ金属化合物、当該アルカリ金属のスパッタリングターゲット含有量は0.01〜5at%、残余のCu及び通常在る不純物、を含むのが好ましい。スパッタリングターゲットがアルカリ金属化合物を含有する場合、そのアルカリ金属に加えて当該化合物中の別の元素、例えばS、Cl及びOのいずれか1つ以上も含有する。上記の通常在る不純物としては、Cu−Ga又はCu粉末を経てスパッタリングターゲットに入るFe、N、O及びCをあげることができる。Cu又はCu−Ga粉末中の典型的なO含有量は約500〜1500μg/gである。

CuGa2、そしてCu−リッチ相も、両者とも非常に簡単で効率良く成形又は高密度化可能であるから、本発明のスパッタリングターゲットは極めて高密度である。相対密度(基準パラメータ=論理密度)は好ましくは85%、好適には90%を上回る。95%以上の非常に有益な相対密度値でも達成可能であることが確認された。

特段に均一のスパッタリング反応を得る目的には、研磨区域で測定される平均粒子径が150μm、好ましくは90μm、好適には30μmを下回ることがCuGa2にとって有効である。本発明に係る製造技術は、非異型の相変態が無いまま進み、粒子成長を起こすこともないので、CuGa2粒子の径及び形状は、主として、使用するCuGa2粉末の粒径及び形状により決まる。好適には球形粉末が使用されるので、研磨区域内の粒子は好ましくは丸い形となる。Cu−リッチ相の径と形状も、使用する純Cu−又はCu混晶粉末の粒径により調節可能であり、スパッタリングターゲット中の当該純Cu−又はCu混晶相の平均粒子の径は好ましくは150μm、好適には100μmを下回る。50μmを下回る非常に有益な粒子の径も、微細な出発材料によって設定可能となる。Cu粉末も球形であるから、Cu粒子もまた好ましくは丸い。CuGa2粒子及び純Cu又はCu混晶粒子の少なくともいずれかの形状及び径は、スパッタリングターゲットの加工性に好ましい効果をもつ。純Cu又はCu混晶粒子は、好ましくは、金属間Cu−Ga相からなるマトリックス中に埋め込まれる。

さらに言うと、スパッタリングターゲットは、好ましくは平板状又は管状ターゲットの形態であり、後者が本発明の特に有益な実施形態の代表である。

上記本発明の目的は、30〜68at%、好ましくは40〜68at%のGa含有量をもつスパッタリングターゲットの製造方法によっても達成される。この方法は、本発明のスパッタリングターゲットを製造するために殊に最適である。

この方法は少なくとも次のステップを含む。 ・CuGa2−含有粒子を含む粉末混合物の生成 及び ・前記粉末混合物の成形

粒子がCuGa2を含有しているか否かを調べる定性的測定を、XRD及びEDXの両方を利用して実行することができる。XRD測定のために、次のJCPDS番号を相の指定に使用した: CuGa2:00−025−0275 Cu9Ga4:00−002−1253 Cu:00−004−0836

定量的相分析が、内部標準を使用するXRDにより実施される。CuGa2及びCu9Ga4の割合は、強度比較によって測定される。

上記方法は、次にあげる中の少なくとも1つの特徴をもつ: ・粉末混合物が純Cu及びCu混晶粒子のいずれか又は両方を含む。 ・粉末混合物がアルカリ金属を含有した粒子を含む。 ・CuGa2−含有粒子が、金属間Cu−Ga相を含んだ領域において硬さ分布の1又は複数の最大値をもち、少なくとも1つの最大値が4.5GPaを下回る押し込み硬さHITである。 ・CuGa2−含有粒子がCuGa2のみを含むか又はCuGa2の体積割合がCu9Ga4の体積割合を上回る。 ・成形は、圧力と少なくとも一時的な電界の印加を用いた焼結により達成される。 ・前記電界の作用により粉末混合物に直流電流を通す。 ・150〜250℃の焼結温度へ粉末混合物を加熱する。 ・50℃を上回る温度範囲にある時間が60分より短い。 ・成形は、コールドスプレー法により達成される。 ・コールドスプレー法において、10バール(bar)を上回る圧力のプロセスガスを先細末広ノズルで加速する。この先細末広ノズルの上流、中又は下流においてプロセスガス中に粉末混合物を射出して加速し、基板上に堆積させ成形体を形成する。 ・基板は、支持管としての機能をもち、成形体が管状ターゲットを形成できるように構成されている。

押し込み硬さHITの測定は次のように実施される。粉末研磨区域がまず準備される。押し込み硬さの測定は、バーコビッチ(Berkovich)圧子及びオリバーファー(Oliver and Pharr)の評価法を使用するISO14577(2002年版)に則って実施する。硬度値は、好ましくは、熱処理など他の後処理を一切受けていない検体と結びつく。金属間Cu−Ga相(ホワイト〜ライトグレー色)は、光学顕微鏡下であっても明確に純Cu又はCu混晶(それぞれブロンズ着色)から区別可能であるから、硬度の圧痕は、金属間Cu−Ga相内にのみ位置させられる。

平均押し込み硬さの測定は、次の条件下で実施される: 力:2.8mN 力の立ち上がり時間:5s 力をかける時間:2s 力を取り除く時間:5s

硬度グリッドが、金属間Cu−Ga相を含んだ各領域にそれぞれ配置される。金属間Cu−Ga相領域に十分なサイズがあれば、当該グリッドの長さ及び幅は10μmである。圧痕間の距離は2μmであり、これにより25の圧痕が1グリッドフィールドにつき形成される。この手順は、合計10個の金属間Cu−Ga相領域で実行される。この方法により測定される250の押し込み硬さ値から、硬さの度数分布が得られる。金属間Cu−Ga相を含む領域は、好ましくは、硬さ分布の1又は複数の最大値をもち、少なくとも1つの最大値が4.5GPaを下回る押し込み硬さHITである。4.5GPaを下回る押し込み硬さHITの少なくとも1つの最大値が好適には3GPaを下回るとより良い。金属間Cu−Ga領域が非常に小さい場合は、グリッドサイズを適当に小さくする。圧痕間の距離は2μmを維持する。測定する金属間Cu−Ga相領域の数は、合計押し込み硬さ値が同じく250となるように選択する。

本発明の方法は、粉末混合物の成形を含む。成形は、拡散がほとんど起きない条件下で好ましくは実行される。これは、例えばCuGa2及びCu粉末の混合物から得られた、状態図に従って平衡状態のCu9Ga4を含有する合金組成の場合に、平衡状態に相当する相が許容できないほどに生じ得ることを防ぐ。特に好ましい成形技術は、放電プラズマ焼結法及びコールドスプレー法である。実施形態に示すように、これらのプロセス技術を採用してCuGa2+純Cu混合物を使用した場合、平衡状態に相当するCu9Ga4が一切形成されない。

放電プラズマ焼結法(SPS)は、同義語「電界活性化焼結法(FAST)」又は「通電焼結法」の下でも知られている。この場合の高密度化は、圧力と少なくとも一時的な電界の印加で達成される。電界の作用が、好ましくは粉末混合物に直流電流を通し、その結果、ジュール効果で粉末混合物に熱が発生する。焼結温度は、好ましくは50〜包晶温度(=約254℃)より下であり、好適には150〜250℃である。圧力は、好ましくは5〜400MPa、好適には10〜200MPa、最適には15〜100MPaである。

SPSにおいて、粉末混合物は、黒鉛坩堝に入れられて2つの黒鉛パンチによって成形される。直流電流は、電界作用によって黒鉛坩堝と黒鉛パンチも通すのが好ましく、これにより、ジュール効果による加熱を黒鉛中に起こす。粉末の低硬度が、比較的低温及び低圧で極めて高い密度を達成することを可能にする。非常に効率的な高密度化と組み合わせたSPSにより可能となった焼結温度への急加熱が、拡散が起こり得る温度(50℃以上)の時間を非常に短くすることを可能にする。この時間は、60分、好ましくは30分、好適には15分を下回るのがよい。拡散及びこれに伴うCu9Ga4の形成はアレニウスの関係に従う温度と時間により決められるので、高密度化に必要な焼結温度が例えば高圧の場合などで低ければ、相対的に長い時間(60分を上回る)が有利である。

別の極めて有効な成形方法がコールドスプレー法(CGS)である。このために、複数のコーティングの層を基板上に堆積させる。層を堆積させた後、該基板は取り除くこともできるが、本発明の好適な態様では、スパッタリングターゲットのバックプレート又は支持管として利用する。好ましい基板材料は、言及すれば、具体的にはCu及びCu合金である。本発明に係る粉末混合物(=コーティング材料)は、好ましくは、先細末広ノズルの上流、中、又は下流においてプロセスガス(例えばN2、空気、He又はこれらの混合)の中に射出される。好適なノズル形状はラバールノズルである。プロセスガスは、10バール(bar)、好ましくは少なくとも20バール、好適には少なくとも30バールを越える圧力をもつのがよい。有益な範囲は10〜100バール、好ましくは20〜80バール、好適には30〜60バールである。この圧力範囲の上限は、現在利用可能な設備によりある程度決まる。より高いガス圧を可能にする設備が将来的に利用可能になれば、それ相応に限度はより高圧へ移り得る。使用されるプロセスガスに応じて、ガス速度は例えば900m/s(Nの場合)〜2500m/s(Heの場合)に達する。この場合のコーティング材料は、典型的には、300〜1200m/sの速度へ加速される。先細末広ノズルの上流でガスを加熱すると、ガスがノズル内で膨張するときにガスの流速が上がり、これにしたがって粒子速度も増加する。

コーティング材料の基板材料への付着及びコーティング材料の粒子間の結合が、CGSにより製造されるスパッタリングターゲットの品質を左右する。基本的には、コーティング材料/基板境界の領域における付着及びコーティング材料の粒子間における付着の両者とも、多くの物理的及び化学的付着メカニズムの相互作用であり、未だ完全には解明されていない場合もある。CGSにより製造されるスパッタリングターゲットが満足しなければならない重要な要件、例えばコーティングの個々の層間の良好な付着、低い有孔度及び十分な粒界強度は、各種のコーティング材料により、異なる度合いへ合わせられる。金属間Cu−Ga相を有し、押し込み硬さが低く、好ましくは十分なCuGa2を含有する粒子を含む粉末混合物の使用は、極めて均一なスパッタリング反応を備え、局所的電弧形成を示さない傾向にあり、75at%を越えるGa含有量の領域を一切もたず(スパッタリング中の局所的部分融解が無い)、そして機械的に非常に加工しやすい、スパッタリングターゲットを生む。加えて、安価な製造コスト及び簡単なリサイクルという利点がある。

本発明の粉末混合物が層品質に影響するメカニズムは、詳細には未だ解明されていない。しかし、多くのメカニズムの相互作用が、例えば衝突の場合における流動応力の削減、マイクロプラスチック流動作用の促進、低圧密又は向上した粒子の広がりといった役割を担う。

脆弱な材料の場合、コーティング材料の粒径が現在までのところ非常に小さく保たれているか、又は、付着に必要な粒子速度をこの方法において唯一達成できるHeがプロセスガスとして使用されている(あるいはこれら両方)。しかし、非常に細かい粉末はOの含有量が高く、CIGS太陽電池の場合に効率に悪影響を及ぼし得る。さらに、細かい粉末は、その流動挙動が良くないので、粉末輸送システムに障害を起こす可能性がある。また、基板上の衝突による粒子結合が、粗い粉末の場合に比べて非常に小さい粒径の粉末では少ない。この径の影響は、衝突により境界で局所的に放出される熱の急速な均一化といった動的効果に基づく。本発明に係る粉末混合物は、安価なプロセスガスと十分良好な流動挙動の粉末を使用する場合であっても、高品質のスパッタリングターゲットを得ることを可能にする。本発明のスパッタリングターゲットは、上述のように高い粒子速度を実現するプロセスガスHeだけではなく、N含有量が好ましくは50体積%、より好ましくは90体積%を越えるN−含有プロセスガスを使用する場合であっても、堆積させられる。プロセスガスNは、好適には他のガスと混ぜずに使用される。Nの使用は、本発明の経済的な実施を可能にする。

プロセスガスは、好ましくは、先細末広ノズルの上流で少なくとも1つのヒータを通過させる。これによりガス速度が上がって粒子速度も上げることができ、結果的に、成形体の特性に好影響をもたらす。この場合、粒子温度が254℃(=共晶温度)以下を維持することを保証しておく。

低いプロセス温度及び短時間高温のために、本発明の方法は、アルカリ金属又はアルカリ金属含有化合物を非常に微細な分布でスパッタリングターゲット中に導入することを可能にする。殊に好ましいアルカリ金属として、Naを特にとりあげることができ、Na2SO4及びNaClが特に有益なNa−含有化合物としてあげられる。短いプロセス時間と低いプロセス温度が、アルカリ金属/アルカリ金属含有化合物とCu又はGaとの間の望ましくない反応を防ぐ。

本発明の方法は、平板ターゲットのみならず管状ターゲットでも簡単な方法で製造することを可能にする。コールドスプレー法は、管状ターゲットを製造するのに特に適している。このために、好ましくは管を基板として使用する。管状基板は、好ましくはスパッタリングターゲットの支持管に相当する。このように支持管と一緒にされた管状ターゲットは、簡単な方法によって製造され得る。

成形プロセスの後、軽微な機械加工のみが必要である。必要に応じて熱処理も、内部応力を低減するために実施可能である。この熱処理は、好ましくは機械加工の前に実行される。

本発明の方法により製造されるスパッタリングターゲットは、次にあげる特性の少なくとも1つを好ましくは備える。 ・CuGa2の体積割合がCu9Ga4の体積割合よりも多い。 ・Ga−及びCu−含有金属間化合物相を含む領域における平均微小硬さが500HV0.01、好ましくは400HV0.01、好適には300HV0.01、最適には200HV0.01を下回る。 ・Gaの90%がCuGa2として存在する。 ・Ga含有量が40〜68at%である。 ・スパッタリングターゲットは、80at%を上回るCu含有量を有すると共に純Cu及びGa−含有Cu混晶からなる群から選択されるCu−リッチ相を含む。 ・Cu−リッチ相が純Cuである。 ・スパッタリングターゲットは、Cu9Ga4を、15体積%未満、好ましくは10体積%未満、好適には5体積%未満で含むか、最適には含まない。 ・スパッタリングターゲットは、CuGa2を、30体積%超過、好ましくは60体積%超過、好適には90体積%超過で含む。 ・CuGa2/Cu9Ga4体積比が2を上回るか、好ましくは5を上回る。 ・CuGa2が、研磨区域において150μmを下回る平均粒径の丸い粒の形態で存在する。 ・Cu−リッチ相が、研磨区域において150μmを下回る平均粒径で且つCu−Gaマトリックスに埋め込まれている丸い粒の形態で存在する。 ・スパッタリングターゲットは、0.01〜5at%のアルカリ金属、好ましくはNaを含有する。 ・スパッタリングターゲットの組成: *30〜68at%のGa、好ましくは40〜68at%のGa *必要に応じて1以上のアルカリ金属又は1以上のアルカリ金属化合物、スパッタリングターゲットのアルカリ金属含有量は0.01〜5at% *残余のCu及び通常在る不純物

本発明のスパッタリングターゲットは、太陽電池の薄膜を製造するのに特に適している。CuGa2が、スパッタリングにより堆積される層の中に驚くほど見つけられる。CuGa2が層中に導入されるメカニズムは、未解明である。CuGa2は分子としてスパッタされ、分子として層に導入されることが可能であると考えられる。一方で、Cu及びGaは原子の形態でスパッタされるが、再結合して熱力学的に安定したCuGa2を形成して堆積することが可能であると考えられる。

図1は、Cu−Ga状態図(出所:Subramanian P.R., Laughlin D.E.: ASM Alloy Phase Diagrams Center, P. Villars, editor-in-chief; H. Okamoto and K. Cenzual, section editors)を示す。

図2は、Ga含有量66at%、残余Cuの本発明に係るCu−Ga粉末の操作電子顕微鏡写真を示す。

図3は、Ga含有量66at%、残余Cu(図中に示す濃度は質量%)の本発明係るCu−Ga粉末に対するXRD測定の結果を示す。

図4は、Ga含有量58at%、残余Cuの本発明に係るCu−Gaスパッタリングターゲットの光学顕微鏡写真を示す。

本発明に関し、以下の実施例により詳述する。

検体は、以下の粉末から製造した: ・60質量%のCu及び40質量%のGaを含むCu−Ga粉末(Cu60質量%は62.20at%相当、Ga40質量%は37.80at%相当;当該粉末は以下の文脈においてCu62Ga38と呼ぶ):比較検体の製造用 ・48質量%のCu及び52質量%のGaを含むCu−Ga粉末(Cu48質量%は50.32at%相当、Ga52質量%は49.68at%相当;当該粉末は以下の文脈においてCu50Ga50と呼ぶ):本発明に係る検体の製造用 ・32質量%のCu及び68質量%のGaを含むCu−Ga粉末(Cu32質量%は34.05at%相当、Ga68質量%は65.95at%相当;当該粉末は以下の文脈においてCu34Ga66と呼ぶ):本発明に係る検体の製造用

粉末は、Arを使用して融解物を噴霧することによって製造した。この粉末において、かさ密度(bulk density)、タップ密度(tapped density)、流動性、フィッシャー法(FSSS)による粒子径、及びレーザ光散乱法による粒子径(d0.10,d0.50,d0.90)を測定した。その測定値を表1に示す。全ての粉末が、その製造方法により球形である(Cu34Ga66に関し、図2参照)。GDMS分析を実施して微量元素(痕跡元素)を測定した。ガス含有量及びC含有量は、それぞれ、熱抽出法及び燃焼分析法を使用して測定した。あげておくべき不純物は酸素である(Cu62Ga38:1186μg/g、Cu50Ga50:1064μg/g、Cu34Ga66:1266μg/g)。サンプルのC含有量は8〜18μg/gの範囲であり、H含有量は41〜59μg/gの範囲であった。他の不純物は全て50μg/g以下の値であった。押し込み硬さHITは粉末研磨区域で測定した。測定は、バーコビッチ圧子、オリバーファー(Oliver and Pharr)に従う評価法及び本明細書に詳述する手順を使用したISO14577(2002年版)に則って実施した。

Cu62Ga38は7.7GPaの押しこみ硬さ最大値を1つのみ有する。Cu50Ga50は3GPa及び7.5GPaの2つの最大値を有する。Cu34Ga66の最大値は2.8GPaである。

粒子径分布の上限領域にある大きい粒子の場合、微小硬さHV0.01を測定することも可能である。719HV0.01という値がCu62Ga38の場合に測定され、469HV0.01がCu50Ga50の場合に測定され、142HV0.01がCu34Ga66の場合に測定された。

相は、本明細書に詳述するXRDにより測定した。Cu62Ga38粉末の場合、Cu9Ga4相のみが検出可能であった。Cu50Ga50粉末は、48体積%のCu9Ga4相と52体積%のCuGa2相とを含む。Cu34Ga66粉末の場合は、CuGa2相のみが測定可能であった。Cu34Ga66に関する測定結果を図3に示す。

相変態を検討するために、DSC測定を実施した。Cu34Ga66は約260℃に吸熱ピークを表しており、これはCuGa2のCu9Ga4及び融解物への分解を示唆する。追加して、噴霧法により製造して粒子径d50が28μmである純Cu粉末も実験に使用した。

成形検体の製造:

1.熱間等方圧加圧法(HIP)による比較検体の製造: 本発明によるものではない検体を、Cu62Ga38粉末を使用してHIPにより製造した。粉末は、この目的のためにスチール缶に導入し、500℃の熱間等方圧で成形した。加熱率は5K/min、500℃保持時間は2時間、圧力は100MPaとした。成形した検体は、約2K/minで冷却した。成形した材料をワイヤーカットにより分けようと試みたが、材料の亀裂と欠けを生じた。本明細書に提示した相測定法により検出されたのはCu9Ga4相のみであった。成形体の密度は8.2g/cm3(論理密度の99%を上回る)であった。本明細書に詳述する通りに測定した微小硬さは、628HV0.01であった。

2.放電プラズマ焼結法(SPS)による比較検体の製造: 本発明によるものではない検体を、Cu62Ga38粉末を使用してSPSにより製造した。粉末は、この目的のために黒鉛器具に導入した。焼結工程を温度制御下で実行し、その温度は熱電対により測定した。検体は、DC電圧を印加して検体にジュール効果による発熱を生じさせることで、焼結した。 次の条件を設定した: 加熱率:10K/min 焼結温度:300及び450℃ 保持時間:10分 圧力:30MPa 300℃で焼結した検体は相対密度が81%であり、450℃で焼結した検体は相対密度が99.3%であった。いずれの検体も機械的に加工できなかった。本明細書に提示した相測定方法により検出されたのはCu9Ga4相のみであった。本明細書に示す通りに測定した微小硬さは611HV0.01であった。

3.放電プラズマ焼結法(SPS)による本発明に係る検体の製造: 表2にリストアップした粉末バッチをSPSにより高密度化した。そのプロセスパラメータを表3に示す。相対密度、Cu9Ga4対CuGa2の比率、CuGa2として存在するGa、及び微小硬さの各測定は、本明細書に示した方法を使用して実施した。その結果を表4に表す。検体の全てが機械的に加工可能であり、その加工性は、総GaがCuGa2として存在する検体の場合に最良であった。検体Bを例として光学顕微鏡写真を図4に示す。

本発明に係る検体の全てが非常に均一なスパッタリング反応を表した。以下に、検体Cについてスパッタリング試験を詳細に説明する。直径150mmのスパッタリングターゲットを実験に使用した。コーティング速度は、低い又は高いGa含有量の検体に匹敵するものであった。200Wの電力でコーティング速度は約100nm/min、400Wでは約260nm/min、600Wでは約325nm/minであった。200Wと400W(Ar圧力2.5×10−3ミリバール、5×10−3ミリバール、7.5×10−3ミリバール)でスパッタした層は、25MPaを下回る低い圧縮応力をもっていた。600W(Ar圧力2.5×10−3ミリバール、5×10−3ミリバール、7.5×10−3ミリバール)でスパッタした層は、25MPaを下回る低い引っ張り応力をもっていた。400Wで堆積させた層における相を、XRD測定によって検出した。ソーダ石灰ガラス上に堆積させた200nm厚の層を、走査型電子顕微鏡で観察した。この層は微細粒微小構造を有し、その粒径は電力を低くすると増加する。

4.コールドスプレー法(CGS)による比較検体の製造: Cu62Ga38(Cu9Ga4相のみ)及び純Cu粉末の混合物を使用して比較検体を製造した。この混合物のGa含有量は27at%であった。CGSパラメータは表5にまとめる。

450℃のプロセスガス温度において、Cu62Ga38粒子は基板に衝突して壊れた。この結果、亀裂形成とコーティングの個々の層間の剥離、そして気孔形成も生じた。さらには、化学分析してみると、Cu62Ga38粒子のほんの少しの割合のみが層中に組み込まれた(層のGa含有量9at%)ことが示された。残りは基板又は層表面に当たって跳ね返ったと見なすことができる。プロセスガス温度を800℃まで上げるとCu62Ga38粒子の組み込みには好適な効果を示すが、短時間でラバールノズルの詰まりを引き起こす。

5.コールドスプレー法(CGS)による本発明に係る検体の製造: Cu50Ga50粉末(CuGa2の体積割合>Cu9Ga4の体積割合)及び純Cu粉末の混合物、そしてCu34Ga66粉末(CuGa2−相のみ)及び純Cu粉末の混合物も使用して、本発明に係る検体を製造した。混合物のGa含有量は38at%(Cu50Ga50−含有混合物の場合)又は58at%(Cu34Ga66−含有混合物の場合)であった。CGSパラメータは表6にまとめる。

約10mmの壁厚をもつ高密度管区域を両粉末混合物により吹き付けることができた。200℃でアニール処理した後、当該管区域を機械的に加工した。この方法によって製造したスパッタリングターゲット区域は、使用時に支持管を担い得るスチール管への付着が良好であった。スパッタリングターゲットの表面に欠陥は無かった。この方法で製造したスパッタリングターゲットのGa含有量は、使用した粉末のGa含有量に相当していた。スパッタリングターゲットにおける相の割合は、粉末における相の割合に相当していた。初期調査のスパッタリング試験は、極めて均質のスパッタリング反応を示した。

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