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ポジ型フォトレジスト組成物

阅读:674发布:2023-12-29

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(A)ノボラック樹脂と、(B)感光剤とを含み、 前記(A)ノボラック樹脂が、フェノールに由来する単位を含み、pH12の塩基性溶液に可溶である(A1)ノボラック樹脂と、アルキルフェノールに由来する単位を含み、塩基性水溶液に対して、pH13では不溶であるが、pH13超において可溶なpHを有する(A2)ノボラック樹脂とを含み、 前記(A)ノボラック樹脂の質量に対する、前記(A1)ノボラック樹脂の質量の比率が50質量%超であり、 前記(B)感光剤が前記(A)ノボラック樹脂に該当しないナフトキノンジアジド基を有する化合物である、ポジ型フォトレジスト組成物。前記(A1)ノボラック樹脂が、フェノールに由来する単位のみからなる、請求項1に記載のポジ型フォトレジスト組成物。前記(A)ノボラック樹脂が有するフェノール性水酸基の一部において、前記フェノール性水酸基中の水素原子が、ナフトキノンジアジド基を含む基で置換されている、請求項1又は2に記載のポジ型フォトレジスト組成物。前記(A1)ノボラック樹脂のポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw)が、1000〜8000である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポジ型フォトレジスト組成物。さらに、大気圧下での沸点が180℃以上であり水溶性である(C)高沸点有機化合物を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポジ型フォトレジスト組成物。ナフトキノンジアジド基を有する(A’)ノボラック樹脂と、大気圧下での沸点が180℃以上であり水溶性である(C)高沸点有機化合物とを含む、ポジ型フォトレジスト組成物であって、 前記(A’)ノボラック樹脂が、(A)ノボラック樹脂が有するフェノール性水酸基の一部において、前記フェノール性水酸基中の水素原子がナフトキノンジアジド基を含む基で置換されたものであり、 前記(A)ノボラック樹脂が、フェノールに由来する単位を含み、pH12の塩基性水溶液に可溶である(A1)ノボラック樹脂を含み、 前記(A)ノボラック樹脂の質量に対する、前記(A1)ノボラック樹脂の質量の比率が50質量%超である、ポジ型フォトレジスト組成物。(A)ノボラック樹脂と、(B)感光剤と、大気圧下での沸点が180℃以上であり水溶性である(C)高沸点有機化合物とを含み、 前記(A)ノボラック樹脂が、フェノールに由来する単位を含み、pH12の塩基性水溶液に可溶である(A1)ノボラック樹脂を含み、 前記(A)ノボラック樹脂の質量に対する、前記(A1)ノボラック樹脂の質量の比率が50質量%超であり、 前記(B)感光剤がナフトキノンジアジド基を有する化合物である、ポジ型フォトレジスト組成物。(S)溶媒を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のポジ型フォトレジスト組成物。基板上に、請求項1〜8のいずれか1項に記載のポジ型フォトレジスト組成物からなる感光性膜を備える、感光性膜付基板。請求項1〜8のいずれか1項に記載のポジ型フォトレジスト組成物からなる感光性膜の位置選択的な露光と、 前記露光された感光性膜の現像と、を含む、パターン化されたレジスト膜の形成方法。前記現像が、pH12以下の塩基性水溶液を用いて行われる、請求項10に記載のパターン化されたレジスト膜の形成方法。前記塩基性水溶液が、濃度5質量%以下の炭酸ナトリウム水溶液である、請求項11に記載のパターン化されたレジスト膜の形成方法。

说明书全文

本発明は、ポジ型フォトレジスト組成物と、当該ポジ型フォトレジスト組成物からなる感光性膜を備える感光性膜付基板と、当該ポジ型フォトレジスト組成物を用いるパターン化されたレジスト膜の形成方法と、に関する。

MCP(Multi Chip Package)や、SiP(System in Package)等のマルチチップモジュールの製造方法として、シリコンやガラス等からなるインターポーザーに複数のICチップを実装した後、複数のICチップが実装されたインターポーザーをさらに、樹脂製のインターポーザーに実装する方法が検討されている。

しかし、この方法では、シリコンやガラス等からなるインターポーザーについて、高価であることや、ICチップの実装が難しい等の問題がある。 このため、ICチップを実装するインターポーザーとしても、樹脂製のインターポーザーの使用が検討されている。この場合、樹脂製のインターポーザー上に、銅等の金属からなる配線や端子を形成するために、レジストパターンを形成する必要がある。

樹脂基板上に配線や端子を形成する際にレジストパターンを形成する方法としては、ネガ型の感光性組成物からなるドライフィルムを用いて、安価な低pH(例えばpH12以下)の塩基性溶液を用いて現像する方法が一般的である。かかる現像液としては、例えば炭酸ナトリウム水溶液が使用される。しかし、ネガ型の感光性組成物を用いる場合には、解像性が不十分であったり、レジストパターンを樹脂基板から剥離させ難かったりする等の問題がある。

このため、上記の課題を解決する方法としては、解像性が良好であり、樹脂基板からの剥離が比較的容易であるポジ型の感光性組成物を用いてレジストパターンを形成する方法が挙げられる。 金属からなる配線や端子等を形成するために使用できるポジ型の感光性組成物としては、例えば、クレゾールノボラック樹脂等のアルカリ可溶性ノボラック樹脂と、感光剤と、ベンゾトリアゾール系化合物とを含む感光性組成物が知られている(特許文献1を参照)。

特開2010−170612号公報

ネガ型の感光性組成物のポジ型の感光性組成物への置き換えを念頭に入れると、炭酸ナトリウム水溶液等のpHの低い塩基性水溶液を用いて現像する場合でも、微細なレジストパターンを良好に解像できる必要がある。 しかし、特許文献1に記載のポジ型の感光性組成物は、pHの低い塩基性水溶液を現像液として用いる場合の解像性が、必ずしも十分でない。また、特許文献1に記載のポジ型の感光性組成物について、基板からの剥離性をさらに改良することが望まれる。 さらに、特許文献1に記載のポジ型の感光性組成物を用いて、pHの低い塩基性水溶液により現像してレジストパターンを形成する場合、スカムが発生しやすかったり、レジストパターンの断面を観察した場合に、レジスト部の側壁が基板に対して垂直又は略垂直である良好な形状のレジストパターンを形成し難かったりする問題がある。

本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものであり、低pHの塩基性水溶液を用いて現像を行う場合でも、スカムの発生を抑制しつつ、レジストパターンの断面を観察した場合に、レジスト部の側壁が基板に対して垂直又は略垂直である良好な形状を有し、且つ基板からの剥離が容易な、微細なレジストパターンを形成できる、ポジ型フォトレジスト組成物と、当該ポジ型フォトレジスト組成物からなる感光性膜を備える、感光性膜付基板と、当該ポジ型フォトレジスト組成物を用いるパターン化されたレジスト膜の形成方法とを提供することを目的とする。

本発明者らは、(A)ノボラック樹脂と(B)感光剤とを含むか、ナフトキノンジアジド基を含む(A’)ノボラック樹脂を含むポジ型感光性組成物において、pH12の塩基性水溶液に可溶である所定の構造の(A1)ノボラック樹脂を(A)ノボラック樹脂に所定量含有させるか、当該(A1)ノボラック樹脂を所定量含む(A)ノボラック樹脂に由来する(A’)ノボラック樹脂を用いることにより、上記の課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。

具体的には、本発明は以下のものを提供する。

本発明の第一の態様は、(A)ノボラック樹脂と、(B)感光剤とを含み、 (A)ノボラック樹脂が、フェノールに由来する単位を含み、pH12の塩基性水溶液に可溶である(A1)ノボラック樹脂を含み、 (A)ノボラック樹脂の質量に対する、(A1)ノボラック樹脂の質量の比率が50質量%超であり、 (B)感光剤がナフトキノンジアジド基を有する化合物である、ポジ型フォトレジスト組成物である。

本発明の第二の態様は、ナフトキノンジアジド基を有する(A’)ノボラック樹脂を含む、ポジ型フォトレジスト組成物であって、 (A’)ノボラック樹脂が、(A)ノボラック樹脂が有するフェノール性水酸基の一部において、フェノール性水酸基中の水素原子がナフトキノンジアジド基を含む基で置換されたものであり、 (A)ノボラック樹脂が、フェノールに由来する単位を含み、pH12の塩基性水溶液に可溶である(A1)ノボラック樹脂を含み、 (A)ノボラック樹脂の質量に対する、(A1)ノボラック樹脂の質量の比率が50質量%超である、ポジ型フォトレジスト組成物である。

本発明の第三の態様は、第一の態様又は第二の態様に係るポジ型フォトレジスト組成物からなる感光性膜を備える、感光性膜付基板である。

本発明の第四の態様は、第一の態様又は第二の態様に係るポジ型フォトレジスト組成物からなる感光性膜の位置選択的な露光と、 露光された感光性膜の現像と、を含む、パターン化されたレジスト膜の形成方法。

本発明によれば、低pHの塩基性水溶液を用いて現像を行う場合でも、スカムの発生を抑制しつつ、レジストパターンの断面を観察した場合に、レジスト部の側壁が基板に対して垂直又は略垂直である良好な形状を有し、且つ基板からの剥離が容易な、微細なレジストパターンを形成できる、ポジ型フォトレジスト組成物と、当該ポジ型フォトレジスト組成物からなる感光性膜を備える、感光性膜付基板と、当該ポジ型フォトレジスト組成物を用いるパターン化されたレジスト膜の形成方法とを提供することができる。

<<ポジ型フォトレジスト組成物>> ポジ型フォトレジスト組成物(以下、レジスト組成物とも記す。)は、以下説明する第一のポジ型フォトレジスト組成物、又は第二のポジ型フォトレジスト組成物である。

第一のポジ型フォトレジスト組成物は、(A)ノボラック樹脂と、(B)感光剤とを含む。(A)ノボラック樹脂は、(A1)ノボラック樹脂を含む。(A1)ノボラック樹脂は、フェノールに由来する単位を含み、且つpH12以下の塩基性水溶液に可溶である。 (A)ノボラック樹脂の質量に対する、(A1)ノボラック樹脂の質量の比率は50質量%超である。 そして、(B)感光剤は、ナフトキノンジアジド基を有する化合物である。

第二のポジ型フォトレジスト組成物は、ナフトキノンジアジド基を有する(A’)ノボラック樹脂を含む。 (A’)ノボラック樹脂は、(A)ノボラック樹脂が有するフェノール性水酸基の一部において、フェノール性水酸基中の水素原子がナフトキノンジアジド基を含む基で置換された樹脂である。 (A’)ノボラック樹脂の前駆体である(A)ノボラック樹脂は、(A1)ノボラック樹脂を含む。(A1)ノボラック樹脂は、フェノールに由来する単位を含み、且つpH12以下の塩基性水溶液に可溶である。 (A)ノボラック樹脂の質量に対する、(A1)ノボラック樹脂の質量の比率は50質量%超である。

以下、第一のポジ型フォトレジスト組成物と、第二のポジ型フォトレジスト組成物とについて順に説明する。

[第一のポジ型フォトレジスト組成物] 以下、第一のポジ型フォトレジスト組成物について、必須又は任意の成分と、ポジ型フォトレジスト組成物の調製方法とについて説明する。

<(A)ノボラック樹脂> (A)ノボラック樹脂(以下、(A)成分とも記す。)は、アルカリ可溶性ノボラック樹脂である。(A)ノボラック樹脂は、フェノールに由来する単位を含み、pH12の塩基性水溶液に可溶である(A1)ノボラック樹脂を必須に含有する。 ここで、ノボラック樹脂がpH12の塩基性水溶液に可溶であるとは、樹脂濃度20質量%のノボラック樹脂溶液(溶媒:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)により、膜厚1μmの樹脂膜を基板上に形成し、樹脂膜を20〜30℃のpH12の塩基性水溶液に1分間浸漬した際、0.1μm以上溶解する場合をいう。

(A)ノボラック樹脂中の(A1)ノボラック樹脂の量は50質量%超である。(A)ノボラック樹脂がかかる量の(A1)ノボラック樹脂を含むことにより、例えばpH12以下であるような低pHの塩基性現像液を用いる場合でも、第一のレジスト組成物を用いて、スカムの発生を抑制しつつ、レジスト部の側壁が基板に対して垂直又は略垂直である良好な形状の微細なレジストパターンを形成する事ができる。 (A)ノボラック樹脂中の(A1)ノボラック樹脂の量は、より形状の良好なレジストパターンを形成しやすいことから、55〜90質量%が好ましく、60〜80質量%がより好ましい。

(A1)ノボラック樹脂のポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw)は、低pHの塩基性水溶液に対する溶解性の観点から、1000〜30000が好ましく、3000〜20000がより好ましい。 (A1)ノボラック樹脂の分散度(質量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))は、2〜20が好ましく、3〜15がより好ましい。

(A)ノボラック樹脂は、(A1)ノボラック樹脂とともに、(A2)ノボラック樹脂を含むのが好ましい。(A2)ノボラック樹脂は、アルキルフェノールに由来する単位を含み、塩基性水溶液に対して、pH13では不溶であるが、pH13超において可溶なpHを有するノボラック樹脂である。

ここで、ノボラック樹脂がpH13の塩基性水溶液に不溶であるとは、樹脂濃度20質量%のノボラック樹脂溶液(溶媒:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)により、膜厚1μmの樹脂膜を基板上に形成し、樹脂膜を20〜30℃のpH13の塩基性水溶液に1分間浸漬した際、0.1μm未満しか溶解しない場合をいう。 また、ノボラック樹脂がpH13超において塩基性水溶液に対して可溶なpHを有するとは、pH13超の範囲において、樹脂濃度20質量%のノボラック樹脂溶液(溶媒:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)により、膜厚1μmの樹脂膜を基板上に形成し、樹脂膜を20〜30℃の塩基性水溶液に1分間浸漬する場合に、0.1μm以上溶解するような、塩基性水溶液のpHが存在することをいう。

(A)ノボラック樹脂が、(A2)ノボラック樹脂を含むと、低pHの塩基性水溶液を用いて現像する場合でも、第一のレジスト組成物を用いて、スカムの発生を抑制しつつ、レジスト部の側壁が基板に対して垂直又は略垂直である良好な形状の微細なレジストパターンを形成しやすい。

(A2)ノボラック樹脂のポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw)は、良好な形状のレジストパターンを形成しやすい点から、500〜30000が好ましく、1000〜20000がより好ましい。

(A)ノボラック樹脂が、(A2)ノボラック樹脂を含む場合、(A)ノボラック樹脂中の(A2)ノボラック樹脂の含有量は、1〜45質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましい。

第一のレジスト組成物において、(A)ノボラック樹脂は、本発明の目的を阻害しない範囲において、(A1)ノボラック樹脂及び(A2)ノボラック樹脂以外のノボラック樹脂を含んでいてもよい。 (A)ノボラック樹脂の質量における、(A1)ノボラック樹脂の質量と、(A2)ノボラック樹脂の質量との合計量の比率は、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、100質量%であるのが特に好ましい。

(A)ノボラック樹脂としては、特に限定されないが、フェノール類1モルに対して、縮合剤、例えば、アルデヒド類を0.5〜1.0モルの割合で、酸性触媒下で縮合反応させることにより得られるものが好ましい。 (A1)ノボラック樹脂は、所望する量のフェノールを含有するフェノール類を用いて調製される。(A2)ノボラック樹脂は、所望する量のアルキルフェノールを含むフェノール類を用いて調製される。

フェノール類としては、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール等のクレゾール類;2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール等のキシレノール類;o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール等のエチルフェノール類、2−イソプロピルフェノール、3−イソプロピルフェノール、4−イソプロピルフェノール、o−ブチルフェノール、m−ブチルフェノール、p−ブチルフェノール、p−tert−ブチルフェノール等のアルキルフェノール類;2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール等のトリアルキルフェノール類;レゾルシノール、カテコール、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、フロログリシノール等の多価フェノール類;アルキルレゾルシン、アルキルカテコール、アルキルハイドロキノン等のアルキル多価フェノール類(前記いずれのアルキル基も炭素数1〜4である)、α−ナフトール、β−ナフトール、ヒドロキシジフェニル、ビスフェノールA等が挙げられる。これらのフェノール類は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。

縮合剤としては、アルデヒド類及びケトン類が挙げられるが、アルデヒド類、中でも ホルムアルデヒド及びパラホルムアルデヒドが好ましい。

酸性触媒としては、特に限定されないが、例えば、塩酸、硫酸硝酸、リン酸、亜リン酸等の無機酸類、蟻酸、シュウ酸、酢酸、ジエチル硫酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸類、酢酸亜鉛等の金属塩類等が挙げられる。これらの酸性触媒は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。

(A1)ノボラック樹脂は、例えば、(A1)ノボラック樹脂中の、フェノールに由来する単位の量が50質量%以上となるような量のフェノールを含むフェノール類を用いて調製される。 (A1)ノボラック樹脂における、フェノールに由来する単位の含有量は、60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましく、90質量%以上が特に好ましく、100質量が最も好ましい。 つまり、(A1)ノボラック樹脂は、フェノールに由来する単位のみからなるのが最も好ましい。

(A1)ノボラック樹脂の調製に用いるフェノール類が含有してもよい、フェノール以外の化合物としては、(A1)ノボラック樹脂の塩基性水溶液に対する溶解性の点から、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、レゾルシノール、カテコール、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、及びフロログリシノール等が好ましい。

(A2)ノボラック樹脂は、アルキルフェノールを含むフェノール類を用いて調製される。アルキルフェノールとしては、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、2−イソプロピルフェノール、3−イソプロピルフェノール、4−イソプロピルフェノール、o−ブチルフェノール、m−ブチルフェノール、p−ブチルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、2,3,5−トリメチルフェノール、及び3,4,5−トリメチルフェノール等が挙げられる。 (A2)ノボラック樹脂の調製に使用されるフェノール類は、アルキルフェノールを2種以上組み合わせて含んでいてもよい。 (A2)ノボラック樹脂の調製に使用されるフェノール類におけるアルキルフェノールの含有量は、得られる(A2)ノボラック樹脂が、pH13超の塩基性水溶液に対して所望する溶解性を示すように、アルキルフェノールの種類に応じて決定される。 典型的には、(A2)ノボラック樹脂におけるアルキルフェノールに由来する単位の量は、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上が特に好ましく、100質量%が最も好ましい。

アルキルフェノールの中では、m−クレゾール及びp−クレゾールが好ましく、m−クレゾールとp−クレゾールとを併用するのがより好ましい。 また、(A2)ノボラック樹脂は、m−クレゾール及びp−クレゾールの混合物であるフェノール樹脂を用いて調製された樹脂が好ましい。 m−クレゾール及びp−クレゾールを含むフェノール類を用いて(A2)ノボラック樹脂を調製する場合、両者の配合比率を調整することによって、(A2)ノボラック樹脂を含む第一のレジスト組成物の感度、耐熱性等の諸特性を調節することができる。 m−クレゾールとp−クレゾールの配合比率は特に限定されないが、m−クレゾール/p−クレゾール=3/7〜8/2(質量比)が好ましい。

なお、(A)ノボラック樹脂が有するフェノール性水酸基の一部において、フェノール性水酸基中の水素原子が、ナフトキノンジアジド基を含む基で置換されていてもよい。ナフトキノンジアジド基を含む基は特に限定されないが、ナフトキノンジアジド基を有する(A)ノボラック樹脂の調製が容易である点から、ナフトキノンジアジドスルホニル基であるのが好ましい。

ナフトキノンジアジド基を有する(A)ノボラック樹脂は、例えば、ナフトキノンジアジド基を含む基がナフトキノンジアジドスルホニル基である場合、(A)ノボラック樹脂が有するフェノール性水酸基と、所定量のナフトキノンジアジドスルホニルクロライドとを縮合させることにより調製される。

なお、(A1)ノボラック樹脂、(A2)ノボラック樹脂、並びに(A1)ノボラック樹脂及び(A2)ノボラック樹脂以外のノボラック樹脂から選択される少なくとも1種の樹脂に、ナフトキノンジアジド基を導入した後に、ナフトキノンジアジド基を有する複数種のノボラック樹脂を、第一のレジスト組成物に配合してもよいし、ナフトキノンジアジド基を有するノボラック樹脂と、ナフトキノンジアジド基を有さないノボラック樹脂とをそれぞれ第一のレジスト組成物に配合してもよい。

(A)ノボラック樹脂における、フェノール性水酸基の水素原子がナフトキノンジアジドスルホニル基を含む基で置換されている割合は、好ましくは2〜10モル%、より好ましくは3〜7モル%、さらに好ましくは3〜5モル%である。

第一のレジスト組成物における(A)ノボラック樹脂の含有量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。(A)ノボラック樹脂の含有量は、第一のレジスト組成物の固形分の質量に対して、60〜95質量%が好ましく、70〜95質量%がより好ましく、80〜90質量%が特に好ましい。

<(B)感光剤> 第一のレジスト組成物は、(B)感光剤(以下、(B)成分とも記す。)を含む。(B)成分はナフトキノンジアジド基を有する化合物である。(B)成分としては、ナフトキノンジアジドエステル化物を挙げることができる。ナフトキノンジアジドエステル化物としては、一般にポジ型フォトレジスト組成物において、感光剤として用いられているものであれば、特に制限はなく、1種又は2種以上を任意に選択して用いることができる。 例えば下式(1)で表されるフェノール化合物と、ナフトキノンジアジドスルホン酸化合物とのエステル化物を使用することができる。

(式(1)中、R1〜R10はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、又は炭素原子数3〜6のシクロアルキル基を表す。 R12〜R15はそれぞれ独立に水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。 R11が水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基の場合は、Q1は水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基又は下式(2):

で表される残基であり、式(2)中、式中、R16及びR17はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、又は炭素原子数3〜6のシクロアルキル基を表し、cは1〜3の整数を示す。 Q1がR11の末端と結合する場合は、Q1はR11、及びQ1とR11との間の炭素原子とともに、炭素原子数3〜6のシクロアルキル基を表す。 a及びbは1〜3の整数を表し、d及びeは0〜3の整数を表す。 x及びyは0〜3の整数であって、x+y=0〜3である。)

式(1)で表されるフェノール化合物の中でも特に好ましい化合物としては、下式(3)で表される化合物が挙げられる。

また、以下に示すフェノール化合物と、ナフトキノンジアジドスルホン酸化合物とのエステル化物も好適に使用される。 式(3)で表される化合物以外の好ましいフェノール化合物としては、例えば: トリス(4−ヒドロシキフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−2,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン等のトリスフェノール型化合物; 2,4−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)−5−ヒドロキシフェノール、2,6−ビス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール等のリニア型3核体フェノール化合物; 1,1−ビス〔3−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル〕イソプロパン、ビス[2,5−ジメチル−3−(4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−ヒドロキシフェニル]メタン、ビス[2,5−ジメチル−3−(4−ヒドロキシベンジル)−4−ヒドロキシフェニル]メタン、ビス[3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル]メタン、ビス[3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)−4−ヒドロキシ−5−エチルフェニル]メタン、ビス[3−(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシベンジル)−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル]メタン、ビス[3−(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシベンジル)−4−ヒドロキシ−5−エチルフェニル]メタン、ビス[2−ヒドロキシ−3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)−5−メチルフェニル]メタン、ビス[2−ヒドロキシ−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−5−メチルフェニル]メタン、ビス[4−ヒドロキシ−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−5−メチルフェニル]メタン、ビス[2,5−ジメチル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−ヒドロキシフェニル]メタン等のリニア型4核体フェノール化合物; 2,4−ビス[2−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシベンジル)−5−メチルベンジル]−6−シクロヘキシルフェノール、2,4−ビス[4−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシベンジル)−5−メチルベンジル]−6−シクロヘキシルフェノール、2,6−ビス[2,5−ジメチル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−ヒドロキシベンジル]−4−メチルフェノール等のリニア型5核体フェノール化合物等のリニア型ポリフェノール化合物; ビス(2,3,−トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、2,3,4−トリヒドロキシフェニル−4’−ヒドロキシフェニルメタン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(2’,3’,4’−トリヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2−(2’,4’−ジヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−(3’−フルオロ−4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジメチルフェニル)プロパン等のビスフェノール型化合物; 1−[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、1−[1−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、等の多核枝分かれ型化合物; 1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等の縮合型フェノール化合物等が挙げられる。 これらは1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。

以上説明したフェノール性水酸基は、全部又は一部がエステル化されていればよく、エステル化は、常法により行うことができる。例えば、ナフトキノンジアジドスルホニルクロライドを以上説明したフェノール化合物と縮合させる方法が挙げられる。

例えば、フェノール化合物と、ナフトキノン−1,2−ジアジド−4(又は5)−スルホニルクロライドとを、ジオキサン、n−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン等の有機溶媒に所定量溶解し、ここにトリエチルアミン、トリエタノールアミン、ピリジン、炭酸アルカリ、炭酸水素アルカリ等の塩基性触媒を1種以上を加えて反応させ、得られた生成物を水洗、乾燥して、(B)成分として使用されるナフトキノンジアジドエステル化物を調製することができる。

ナフトキノンジアジドエステル化物におけるエステル化率は特に制限がないが、20〜80%が好ましく、より好ましくは30〜70%である。エステル化率が20%未満になると解像性が低下する。 なお、エステル化率とは、ナフトキノンジアジドエステル化合物の調製に用いる水酸基のモル数のうち、エステル化された水酸基の比率である。

(B)成分としては、以上説明したナフトキノンジアジドエステル化合物の他に、例えばポリヒドロキシベンゾフェノンや没食子酸アルキル等のフェノール化合物とナフトキノンジアジドスルホン酸化合物とのエステル化反応生成物等も用いることができる。 (B)成分における、ポリヒドロキシベンゾフェノンや没食子酸アルキル等のフェノール化合物に由来するナフトキノンジアジドエステル化合物の含有量は、80質量%以下、特には50質量%以下であることが、本発明の効果の向上の点から好ましい。

第一のレジスト組成物中の(B)成分の配合量は、感光剤の種類によって異なる。典型的には、(B)成分の含有量は、(A)成分の質量に対して、5〜40質量%が好ましく、10〜20質量%がより好ましい。

<(C)高沸点化合物> 第一のレジスト組成物は、所望により、大気圧下での沸点が180℃以上である(C)高沸点有機化合物(以下、(C)成分とも記す。)を含んでいてもよい。(C)成分の大気圧下での沸点は、200〜350℃が好ましい。さらに、(C)成分は水溶性を有するのが好ましい。 なお、(C)成分は、通常、大気圧下において液状である。このため、第一のレジスト組成物における固形分には(C)成分を含めない。 第一のレジスト組成物が、少なくとも1種の(C)成分を含むことにより、第一のレジスト組成物からなる膜における膜密度の偏りを小さくすることができる。 このため、(C)成分を含有する第一のレジスト組成物を用いると、低pHの塩基性水溶液を用いて現像する場合でも、スカムの発生を抑制しつつ、基板上、特に表面に段差のある基板上でも、パターン側壁の基板に対する垂直性に優れるレジストパターンを形成しやすい。 また、プリベーク処理、及びPEB(露光後加熱)処理の条件(加熱時間、加熱手段等)によらずに、良好なフォトレジストパターンの形成が可能となり好ましい。

(C)高沸点化合物としては、例えば酢酸ベンジル、サリチル酸イソアミル、サリチル酸メチル、サリチル酸ベンジル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジメチル、γ−ブチロラクトン、安息香酸エチル、安息香酸ブチル、安息香酸プロピル、安息香酸ベンジル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、1,3−オクチレングリコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラート、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコール、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、2−エチルヘキサン酸、カプリル酸、カプロン酸、カテコール、オクチルフェノール、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。 これらは単独でも、また2種以上混合して用いてもよい。中でも沸点が250〜350℃のものが好ましく、特にサリチル酸ベンジルは好適である。

第一のレジスト組成物における(C)高沸点化合物の含有量は、第一のレジスト組成物に含まれる(C)成分の質量と(S)溶媒の質量との合計の質量に対して、1〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。第一のレジスト組成物が、かかる範囲の量の(C)高沸点化合物を含む場合、特に、低pHの塩基性水溶液を用いて現像する場合でも、スカムの発生を抑制しつつ、パターン側壁の基板に対する垂直性に優れるレジストパターンを形成しやすい。

<(S)溶媒> 第一のレジスト組成物は、上記の各成分を適当な(S)溶媒に溶解して、溶液の形で用いることが好ましい。このような(S)溶媒としては、前述の(C)高沸点化合物に該当しない溶媒が使用される。つまり、第一のレジスト組成物において、(S)溶媒は、(C)成分を含まない溶媒成分として定義される。 (S)溶媒としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノン等のケトン類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、あるいはこれらのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル又はモノフェニルエーテル等の多価アルコール類、及びその誘導体;ジオキサンのような環式エーテル類;及び乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル等のエステル類を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。 (S)溶剤は単独で用いてもよいが、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

(S)溶剤の使用量は、例えば、第一のレジスト組成物の固形分濃度が20質量%以上65質量%以下である量が好ましい。なお、前述の通り、第一のレジスト組成物の固形分には(C)成分が含まれない。この場合、膜厚3μm以上の塗布膜を、スピンコート法により容易に形成しやすい。

<その他の成分> 第一のレジスト組成物は、以上説明した成分以外に、従来からポジ型のレジスト組成物に配合されている種々の添加剤を、その他の成分として含有していてもよい。その他の成分の具体例としては、感度向上剤(増感剤)、基板との密着性を向上させるための密着向上剤等が挙げられる。

・感度向上剤 感度向上剤としては、特に制限はなく、公知のものを用いることができる。 感度向上剤としては、例えばビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、1,4−ビス[1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]ベンゼン、2,4−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニルメチル)−6−メチルフェノール、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、1−[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、1−[1−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、2,6−ビス[1−(2,4−ジヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−メチルフェノール、4,6−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]レゾルシン、4,6−ビス(3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシフェニルメチル)ピロガロール、4,6−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニルメチル)ピロガロール、2,6−ビス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニルメチル)−4−メチルフェノール、2,6−ビス(3−メチル−4,6−ジヒドロキシフェニルメチル)−4−メチルフェノール、2,6−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニルメチル)−4−メチルフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等が好ましいものとして挙げられる。

・密着性向上剤 密着性向上剤としては、特開昭62−262043号公報、特開平11−223937号公報等に記載されている密着性向上剤を挙げることができる。 密着性向上剤の具体例としては、6−メチル−8−ヒドロキシキノリン、6−エチル−8−ヒドロキシキノリン、5−メチル−8−ヒドロキシキノリン、8−ヒドロキシキノリン、8−アセチルオキシキノリン、4−ヒドロキシプテリジン、2,4−ジヒドロキシプテリジン、4−ヒドロキシプテリジン−2−スルホン酸、2−エチル−4−ヒドロキシプテリジン、2−メチル−4−ヒドロキシプテリジン、1,10−フェナントロリン、5,6−ジメチル−1,10−フェナントロリン、3,8−ジメチル−1,10−フェナントロリン、3,8−ジヒドロキシ−1,10−フェナントロリン、5−カルボキシ−1,10−フェナントロリン、5,6−ジヒドロキシ−1,10−フェナントロリン、1,10−フェナントロリン−5−スルホン酸、4,4’−ジメチル−2,2’−ビピリジル、2,2’−ビピリジル、2,2’−ビピリジル−5−カルボン酸、5,5’−ジクロロ−2,2’−ビピリジル、3,3’−ジヒドロキシ−2,2’−ビピリジル、3,3’−ジメルカプト−2,2’−ビピリジル等が挙げられる。

また、特に環上に、下記化学式(4)、及び(5)で表される結合から少なくとも1つと、下記化学式(6)で表される結合から少なくとも1つとを有する芳香族性の複素環化合物を配合することにより、第一のレジスト組成物の基板に対する接着性を著しく高めることができる。

(式(5)中、R18は、水素原子又は炭素原子数1〜3のアルキル基を表す。)

(式(6)中、R19は、水酸基又は水酸基が置換した炭素原子数1〜5の直鎖又は分枝状のアルキル基を表す)

前記複素環化合物としては、例えば「有機化合物構造式インデックス」(昭和52年12月20日発行、丸善(株))のpp.362−401に記載されているインドール系化合物、インドリン系化合物、インジゴ系化合物等の窒素1原子の5員環骨格を有するもの;ピリジン系化合物、キノリン系化合物、ヒドロキノリン系化合物、イソキノリン系化合物、アクリジン系化合物、ベンゾキノリン系化合物、ナフトキノリン系化合物、フェナントロリン系化合物等の窒素1原子の6員環骨格を有するもの;ピラゾール系化合物、イミダゾール系化合物、イミダゾリン系化合物、ベンゾイミダゾール系化合物等の窒素2原子の5員環骨格を有するもの;ジアジン系化合物、ヒドロピリジン系化合物、ベンゾジアジン系化合物、ジベンゾジアジン系化合物等の窒素2原子の6員環骨格を有するもの;トリアゾール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物等の窒素3原子の5員環骨格を有するもの;トリアジン系化合物等の窒素3原子の6員環骨格を有するもの;テトラゾール、ペンテトラゾール等の窒素4原子の5員環骨格を有するもの;1,2,4,5−テトラジン等の窒素4原子の6員環骨格を有するもの;その他プリン系化合物、プテリジン系化合物、アロキサジン系化合物、2H−ピロール等が挙げられる。 これらの中でも、下式(7)で表される化合物は、スカムの発生を抑制し、且つ基板に対する接着性に優れたポジ型フォトレジスト組成物を提供できる点で好ましく、特に2−(2−ヒドロキシエチル)ピリジンは好ましい。

(式(7)中、kは1〜3の整数を表し、R20は水酸基又は水酸基が置換した炭素原子数1〜5の直鎖又は分枝状のアルキル基を表す)

第一のレジスト組成物における密着性向上剤の含有量は、第一のレジスト組成物の固形分の総質量に対して、0.1〜1.0質量%が好ましく、0.2〜0.7質量%がより好ましい。第一のレジスト組成物が、かかる範囲の量の密着性向上剤を含む場合、第一のレジスト組成物が基板に対して良好に密着しやすく、良好な解像性と、現像後のスカムの発生の抑制とを両立させやすい。

第一のレジスト組成物は、感度向上剤、及び密着性向上剤以外に、以下に説明する成分を含んでいてもよい。

第一のレジスト組成物は、解像性、露光余裕度、残膜率の向上を目的として、p−トルエンスルホン酸クロライド(PTSC)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、1,4−ビス〔1−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)イソプロピル〕ベンゼン、1,3−ビス〔1−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)イソプロピル〕ベンゼン等を含んでいてもよい。 第一のレジスト組成物におけるこれらの成分の含有量は、組成物の全質量に対して0.01〜10質量%程度の範囲内であるのがよい。

第一のレジスト組成物は、相溶性の添加剤、例えばハレーション防止のための紫外線吸収剤(例えば4−ジメチルアミノ−2’,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、5−アミノ−3−メチル−1−フェニル−4−(4−ヒドロキシフェニルアゾ)ピラゾール、4−ジメチルアミノ−4’−ヒドロキシアゾベンゼン、4−ジエチルアミノ−4’−エトキシアゾベンゼン、4,4’−ジエチルアミノアゾベンゼン、クルクミン等)や、ストリエーション防止のための界面活性剤(例えばフロラードFC−430、FC431(商品名、住友3M(株)製)、エフトップEF122A、EF122B、EF122C、EF126(商品名、トーケムプロダクツ(株)製)、メガファックR−08(大日本インキ化学工業(株)製)等のフッ素系界面活性剤)等を、本発明の目的に支障のない範囲で含んでいてもよい。

<第一のレジスト組成物の調製方法> 第一のレジスト組成物は、以上説明した各成分を、均一に撹拌、混合して調製される。第一のレジスト組成物を調製する際には、必要に応じてディゾルバー、ホモジナイザー、3本ロールミル等の分散機を用い分散、混合させてもよい。また、混合した後で、さらにメッシュ、メンブレンフィルター等を用いてろ過してもよい。

[第二のポジ型フォトレジスト組成物] 以下、第二のポジ型フォトレジスト組成物について、必須又は任意の成分と、ポジ型フォトレジスト組成物の調製方法とについて説明する。 なお、第一のレジスト組成物と同様に、第二のレジスト組成物においても、(S)溶媒は、(C)成分を含まない溶媒成分として定義され、第二のレジスト組成物の固形分には(C)成分が含まれない。

<(A’)ノボラック樹脂> 第二のレジスト組成物は、(A’)ノボラック樹脂(以下(A’)成分とも記す。)を必須に含む。(A’)ノボラック樹脂は、ナフトキノンジアジド基を有するノボラック樹脂である。 このため、(A’)ノボラック樹脂は、第二のレジスト組成物において、ノボラック樹脂としての役割と、前述の(B)感光剤としての役割とを兼ね備える。

(A’)ノボラック樹脂は、(A)ノボラック樹脂が有するフェノール性水酸基の一部において、フェノール性水酸基中の水素原子がナフトキノンジアジド基を含む基で置換された樹脂である。 (A’)ノボラック樹脂の前駆体である(A)ノボラック樹脂は、(A1)ノボラック樹脂を含む。(A1)ノボラック樹脂は、フェノールに由来する単位を含み、且つpH12以下の塩基性水溶液に可溶である。 つまり、(A1)ノボラック樹脂は、第一のレジスト組成物に含まれる(A1)ノボラック樹脂と同様である。

(A)ノボラック樹脂の質量に対する、(A1)ノボラック樹脂の質量の比率は50質量%超である。かかる比率で(A1)ノボラック樹脂を含む(A)ノボラック樹脂を用いて調製された(A’)ノボラック樹脂を用いることにより、例えばpH12以下であるような低pHの塩基性現像液を用いる場合でも、第一のレジスト組成物を用いて、スカムの発生を抑制しつつ、レジスト部の側壁が基板に対して垂直又は略垂直である良好な形状の微細なレジストパターンを形成する事ができる。

上記の通り、(A1)ノボラック樹脂は、フェノールに由来する単位を含むが、(A1)ノボラック樹脂におけるフェノールに由来する単位の好ましい含有量と、(A1)ノボラック樹脂が含んでいてもよいフェノールに由来する単位以外の単位の種類とは、第一のレジスト組成物に含まれる(A1)ノボラック樹脂と同様である。

(A’)ノボラック樹脂の前駆体である(A)ノボラック樹脂は、(A1)ノボラック樹脂とともに、(A2)ノボラック樹脂を含むのが好ましい。(A2)ノボラック樹脂は、第一のレジスト組成物について説明した(A2)ノボラック樹脂と同様の樹脂である。 (A)ノボラック樹脂における(A2)ノボラック樹脂の含有量と、(A)ノボラック樹脂における(A1)ノボラック樹脂の含有量と(A2)ノボラック樹脂の含有量との合成も、第一のレジスト組成物について説明した通りである。

(A’)ノボラック樹脂が、(A1)ノボラック樹脂と(A2)ノボラック樹脂とを含む(A)ノボラック樹脂に由来する樹脂である場合、低pHの塩基性水溶液を用いて現像する場合でも、第一のレジスト組成物を用いて、スカムの発生を抑制しつつ、レジスト部の側壁が基板に対して垂直又は略垂直である良好な形状の微細なレジストパターンを形成しやすい。

(A)ノボラック樹脂に、ナフトキノンジアジド基を含む基を導入して(A’)ノボラック樹脂を調製する方法は、第一のレジスト組成物について説明した、ナフトキノンジアジド基を有する(A)ノボラック樹脂の調製方法と同様である。

(A’)ノボラック樹脂における、フェノール性水酸基の水素原子がナフトキノンジアジドスルホニル基を含む基で置換されている割合は、好ましくは2〜10モル%、より好ましくは3〜7モル%、さらに好ましくは3〜5モル%である。

第二のレジスト組成物中の(A’)ノボラック樹脂の好ましい含有量は、第一のレジスト組成物中の(A)ノボラック樹脂の好ましい含有量と同様である。

<(B)感光剤> 第二のレジスト組成物は、前述の(A’)ノボラック樹脂を含有するため、必ずしも(B)感光剤を含んでいなくてもよい。しかし、第二のレジスト組成物は、(B)感光剤を含んでいてもよい。 第二のレジスト組成物が含んでいてもよい(B)感光剤の種類及び量は、第一のレジスト組成物と同様である。

<(C)高沸点化合物> 第二のレジスト組成物は、第一のレジスト組成物と同様の種類の(C)高沸点化合物を、第一のレジスト組成物と同様の量含んでいてもよい。

<(S)溶媒> 第二のレジスト組成物は、第一のレジスト組成物と同様の種類の(S)溶媒を、第一のレジスト組成物と同様の量含んでいてもよい。

<その他の成分> 第二のレジスト組成物は、第一のレジスト組成物について説明したのと同様の種類のその他の成分を、第一のレジスト組成物と同様の量含んでいてもよい。

<第二のレジスト組成物の調製方法> 第二のレジスト組成物は、第一のレジスト組成物と同様に調製できる。

<<感光性膜付基板>> 感光性膜付基板は、前述の第一のレジスト組成物又は第二のレジスト組成物からなる感光性膜を基板上に備える。 基板上に感光性膜を設ける方法は特に限定されない。例えば、基板上に、スピンナー等を用いて第一のレジスト組成物又は第二のレジスト組成物を塗布した後、乾燥させることで感光性膜を形成できる。 また、第一のレジスト組成物又は第二のレジスト組成物を用いて常法に従って調製された感光性のドライフィルムを、基板上に貼り付けることでも、基板上に感光性膜を設けることができる。 感光性膜の膜厚は特に限定されず、感光性膜を用いて形成されるレジストパターンの用途に応じて適宜決定される。典型的には、感光性膜の膜厚は1〜20μmが好ましく、3〜10μmがより好ましい。

基板の材質は特に限定されない。Si、Cu、Au、ガラス等の無機材料でもよく、樹脂のような有機材料であってもよい。 MCP(Multi Chip Package)や、SiP(System in Package)等のマルチチップモジュールの製造コスト低減や、マルチチップモジュールを製造する際のインターポーザー上へのICチップの実装のしやすさの点では、基板の材質は樹脂材料が好ましい。 樹脂製の基板を備える感光性膜付基板は、マルチチップモジュールの製造に使用されるICチップ実装用のインターポーザーとして好適に使用され得る。

<<パターン化されたレジスト膜の形成方法>> パターン化されたレジスト膜の形成方法は、第一のレジスト組成物又は第二のレジスト組成物からなる感光性膜の位置選択的な露光と、 前記露光された感光性膜の現像と、を含む。

感光性膜は、通常基板上に形成される。基板の材質、感光性膜の形成方法、及び感光性膜の膜厚は、感光性膜付基板について説明した内容と同様である。

以上のようにして形成された感光性膜に対して、所望するパターン形状に応じて、位置選択的な露光が行われる。位置選択的な露光は、例えば、遮光性のマスクを介して露光する方法等により行われる。 露光に使用される光源としては、例えば、波長365nm(i線)、405nm(h線)、435nm(g線)付近の光を発光する低圧水銀灯、高圧水銀灯、及び超高圧水銀灯等が挙げられる。

露光後、必要に応じて80℃から150℃の温度条件下、40秒間から600秒間、好ましくは60秒間から360秒間程度、感光性膜に対して露光後加熱(PEB)を施してもよい。

なお、露光に用いる活性線としては、上記低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯によるg線、h線、及びi線のほかにも、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、F2エキシマレーザー、極紫外線(EUV)、真空紫外線(VUV)、電子線(EB)、X線、及び軟X線等の放射線を用いることもできる。

次いで、露光された感光性膜の現像が行われる。現像液の種類は特に限定されず、従来からレジストパターン形成用に現像液として使用されている、種々の塩基性水溶液を現像液として使用することが出来る。

ネガ型の感光性組成物を用いるレジストパターンを形成するための設備、薬液をそのまま転用しやすい点からは、現像液としては、低pH(例えばpH12以下)の塩基性水溶液を用いるのが好ましい。低pHの塩基性水溶液としては、炭酸ナトリウム水溶液を用いるのが好ましい。炭酸ナトリウム水溶液について、炭酸ナトリウムの濃度は5質量%以下であるのが好ましい。

現像は、例えば20〜30℃の温度下で行われる。現像後に得られるパターン化されたレジスト膜は、純水等によりリンスされた後、乾燥される。 また、現像後に、パターン化されたレジスト膜に対してベーク処理(ポストベーク)を施してもよい。

以上説明した方法によれば、前述の第一のレジスト組成物又は第二のレジスト組成物を用いているので、低pHの塩基性水溶液を用いて現像を行う場合でも、スカムの発生を抑制しつつ、レジストパターンの断面を観察した場合に、レジスト部の側壁が基板に対して垂直又は略垂直である良好な形状を有し、且つ基板からの剥離が容易な、微細なレジストパターンを形成できる。

以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例1及び実施例4は参考例と読み替えるものとする。

〔調製例1〕 反応容器内のフェノール1000gに対して、濃度37質量%のホルマリン水溶液465gと、シュウ酸2gとを加えた。反応容器の内容物を、還流状態になるまで加熱した後、還流下に所定の分子量に達するまで重合反応を行った。次いで、大気圧下にて、反応容器の内温が170℃になるまで加熱して、反応容器の内容物を脱水した。さらに、減圧下に、反応容器の内温が200℃になるまで加熱して、反応容器の内容物から、水分及び残留モノマーを除いた。反応容器の内容物を、回収し、質量平均分子量8000のノボラック樹脂(NV1)を得た。NV1は、pH12の塩基性水溶液に可溶であった。

〔調製例2〕 反応容器に、m−クレゾールとp−クレゾールとの混合物(質量比、m−クレゾール:p−クレゾール=60:40)100gを仕込んだ。次いで、反応容器に、濃度37質量%のホルマリン水溶液465gと、シュウ酸2gとを加えた。反応容器の内容物を、還流状態になるまで加熱した後、還流下に所定の分子量に達するまで重合反応を行った。次いで、大気圧下にて、反応容器の内温が170℃になるまで加熱して、反応容器の内容物を脱水した。さらに、減圧下に、反応容器の内温が200℃になるまで加熱して、反応容器の内容物から、水分及び残留モノマーを除いた。反応容器の内容物を、回収し、質量平均分子量5900のノボラック樹脂(NV2)を得た。NV2は、pH13の塩基性水溶液に不溶であり、pH13超において塩基性水溶液に可溶なpHを有した。

〔調製例3〕 ノボラック樹脂(NV1)50gと、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロライド4g(0.015モル)と、反応容器に仕込んだ。反応容器に、ジオキサン162gを加えて、反応容器の内容物を溶解させた。次いで、滴下ロートからトリエチルアミン3.0g(0.030モル)を加えた後、反応容器の内容物を室温で1時間撹拌し続けた。 その後、反応容器内に塩酸1.63g(0.045モル)を加え、さらに室温で30分撹拌を続けた後、ろ別することで赤褐色の液体を得た。 得られた赤褐色の液体を、純水1リットルが入った2リットルビーカーに撹拌しながら加え、沈殿物を析出させた。 析出物をろ別し、得られた固形分をプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートに溶解させた後、溶液を濃縮し、NV1が有する全フェノール性水酸基の3.8モル%が1,2−ナフトキノンジアジドスルホニル基で置換されたノボラック樹脂(NV3)の濃縮液を得た。

〔実施例1〜4、及び比較例1〜3〕 実施例及び比較例では、(A)成分又は(A’)成分であるノボラック樹脂として、調製例1〜3で得られたNV1、NV2、及びNV3を用いた。 (B)成分としては、1−[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン1モルが有するフェノール性水酸基のうち、2モルの水酸基の水素原子が、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニル基で置換された感光剤を用いた。 (C)成分としては、γ−ブチロラクトン(大気圧下での沸点204℃)を用いた。 (S)溶媒としては、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートを用いた。

表1に示す種類及び量の(A)成分と、表2に示す量の(B)成分、及び(C)成分とを、固形分濃度が33質量%となるように、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートに溶解させて、実施例1〜4、及び比較例1〜3のポジ型フォトレジスト組成物を得た。

得られたポジ型フォトレジスト組成物を用いて、以下の方法に従って、解像性、スカムの発生、レジストパターンの側壁の基板に対する垂直性、及びレジストパターンの基板からの剥離性を評価した。これらの評価結果を表1に記す。

<解像性評価> ポジ型フォトレジスト組成物を、スピンナーを用いて銅基板上に塗布して塗布膜を形成した。塗布膜を100℃で240秒間乾燥させて、膜厚5μmの感光性膜を形成した。次いで、感光性膜に、所定の形状及び寸法のマスクを介して、縮小投影露光装置(NSR−2205I14E、株式会社ニコン製、NA=0.50)を用い、マスク寸法5μmのラインアンドスペースパターンが、マスク寸法通りに仕上がるように、0.1〜3秒間露光した。 次いで、露光された感光性膜を、23℃で濃度1.5質量%の炭酸ナトリウム水溶液に120秒間浸漬した後、30秒間の水リンスと乾燥とを行って、レジストパターンを得た。 形成されたレジストパターンを、光学顕微鏡及び電子走査顕微鏡(SEM)で観察し、所定の寸法のラインアンドスペースパターンが解像できている場合を○と判定し、所定の寸法のラインアンドスペースパターンを解像できなかった場合を×と判定した。

<スカムの発生の評価> 解像性評価の結果、○判定であった場合には、引続きレジストパターンをSEMにて観察して、以下の基準に従って、スカムの発生を評価した。 ◎:スカムの発生が観察されない。 ○:レジストパターン周辺部において少量のスカムの発生が観察された。 ×:レジストパターンの前面においてスカムの発生が観察された。

<レジストパターンの側壁の基板に対する垂直性の評価> 解像性評価の結果、○判定であった場合には、引続きレジストパターンの断面をSEMにて観察して、以下の基準に従って、レジストパターンの側壁の基板に対する垂直性を評価した。 垂直性の評価は、レジストパターンの断面を観察した際に、非レジスト部における基板の面方向と平行な方向の幅のうち最も大きな幅Wmaxと、最も小さな幅Wminとを計測し、WmaxとWminとを比較することにより行った。判定基準は以下の通りである。 ◎:Wmax−Wminの値が1μm以下である。 ○:Wmax−Wminの値が1μm超2μm以下である。 ×:Wmax−Wminの値が2μm超である。

<レジストパターンの基板からの剥離性の評価> 解像性の評価と同様にして、膜厚5μmの感光性膜を形成した。感光性膜を備える同基板を、23℃で、濃度1.0質量%の水酸化ナトリウム水溶液3分間浸漬した。浸漬後、基板を水洗した。水洗された基板の表面を光学顕微鏡により観察し、以下の基準に従って剥離性を判定した。 ○:基板上にレジスト(感光性膜)の残渣が観察されない。 △:基板上の一部にレジスト(感光性膜)の残渣が観察される。 ×:基板上の前面にレジスト(感光性膜)の残渣が観察される。

表1によれば、(A1)ノボラック樹脂を所定量含む(A)ノボラック樹脂を含有するか、(A1)ノボラック樹脂を所定量含む(A)ノボラック樹脂にナフトキノンジアジド基を導入した(A1’)ノボラック樹脂を含有するポジ型フォトレジスト組成物であれば、低pHの塩基性水溶液を用いて現像を行う場合でも、スカムの発生を抑制しつつ、レジストパターンの断面を観察した場合に、レジスト部の側壁が基板に対して垂直又は略垂直である良好な形状を有し、且つ基板からの剥離が容易な、微細なレジストパターンを形成できることが分かる。

また、実施例3によれば、ポジ型フォトレジスト組成物が(C)高沸点化合物を含有する場合、特にスカムを抑制しやすく、形状が良好なレジストパターンを形成しやすいことが分かる。

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