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Glass composition for magnetic disk substrate and magnetic disk substrate

阅读:400发布:2024-02-24

专利汇可以提供Glass composition for magnetic disk substrate and magnetic disk substrate专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To obtain a glass composition for magnetic disk substrate and a magnetic disk substrate capable of easily molding, easily grinding after the crystallization by heating and chemically strengthening by ion exchange after molding and grinding and excellent in chemical durability, mechanical strength, heat resistance, surface smoothness, surface flatness and small in the deterioration of magnetic film property. SOLUTION: The glass composition for magnetic disk substrate has a composition of by wt.%, 66-80 SiO2 , 5-15 Al2 O3 , 3-8.5 Li2 O, 0-3 Na2 O, 0-3 K2 O, 0.5-8 TiO2 , 3.5-8 ZrO2 , 0.5-3 P2 O5 , 0-2 Sb2 O3 and 0-2 Sb2 O3 as oxides and has a theoretical optical basicity of,下面是Glass composition for magnetic disk substrate and magnetic disk substrate专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】酸化物として、 SiO 2 :66〜80重量% Al 23 :5〜15重量% Li 2 O :3〜8.5重量% Na 2 O :0〜3重量% K 2 O :0〜3重量% 但し、Li 2 O+Na 2 O+K 2 O:3〜10重量% TiO 2 :0.5〜8重量% ZrO 2 :3.5〜8重量% P 25 :0.5〜3重量% Sb 23 :0〜2重量% As 23 :0〜2重量% の組成を有し、理論的光学的塩基性度が0.548以下であることを特徴とする磁気ディスク基板用ガラス組成物。
  • 【請求項2】酸化物として、 SiO 2 :66〜75重量% Al 23 :5.5〜10重量% Li 2 O :4〜8.5重量% Na 2 O :0〜2重量% K 2 O :0〜2重量% 但し、Li 2 O+Na 2 O+K 2 O:4〜9重量% TiO 2 :2〜6重量% ZrO 2 :3.8〜6.5重量% P 25 :1〜2.5重量% Sb 23 :0〜2重量% As 23 :0〜2重量% の組成を有し、理論的光学的塩基性度が0.548以下であることを特徴とする磁気ディスク基板用ガラス組成物。
  • 【請求項3】酸化物として、 SiO 2 :66〜75重量% Al 23 :5.5〜7.5重量% Li 2 O :5〜8.5重量% Na 2 O :0〜2重量% K 2 O :0〜2重量% 但し、Li 2 O+Na 2 O+K 2 O:5〜9重量% TiO 2 :2〜4重量% ZrO 2 :4.1〜6重量% P 25 :1〜2.5重量% Sb 23 :0〜1重量% As 23 :0〜1重量% の組成を有し、理論的光学的塩基性度が0.548以下であることを特徴とする磁気ディスク基板用ガラス組成物。
  • 【請求項4】請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の磁気ディスク基板用ガラス組成物を、成形、研磨後、3
    50℃から550℃の間の温度で、ガラス表面層のアルカリ金属イオンを、イオン半径がより大きいアルカリ金属イオンでイオン交換し、強化したことを特徴とする磁気ディスク基板。
  • 【請求項5】請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の磁気ディスク基板用ガラス組成物を、成形、熱処理、研磨して作製された、主結晶相がLi 2 O・2SiO 2及びスポジュメンの内の少なくとも1種であることを特徴とする磁気ディスク基板。
  • 【請求項6】酸化物として、 SiO 2 :66〜80重量% Al 23 :5.5〜10重量% Li 2 O :3〜8.5重量% Na 2 O :0〜3重量% K 2 O :0〜3重量% 但し、Li 2 O+Na 2 O+K 2 O:3〜10重量% TiO 2 :0.5〜8重量% ZrO 2 :3.5〜8重量% P 25 :0.5〜3重量% Sb 23 :0〜2重量% As 23 :0〜2重量% の組成を有するガラス組成物を、成形、熱処理、研磨して作製された、主結晶相がLi 2 O・2SiO 2及びスポジュメンの内の少なくとも1種であることを特徴とする磁気ディスク基板。
  • 【請求項7】結晶化度の合計が20容量%以上である請求項5又は請求項6記載の磁気ディスク基板。
  • 【請求項8】粉末法によるガラスの水溶出試験で、重量減少が6×10 -7 g/cm 2・h以下である請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の磁気ディスク基板用ガラス組成物。
  • 【請求項9】粉末法によるガラス又は結晶化ガラスの水溶出試験で、重量減少が6×10 -7 g/cm 2・h以下である請求項4乃至請求項7のいずれかに記載の磁気ディスク基板。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク基板用ガラス組成物及び磁気ディスク基板に関する。 さらに詳しくは、本発明は、容易に成形することができ、ガラス熱処理によって主結晶相としてLi 2 O・2SiO 2及びスポジュメンの内の少なくとも1種を析出させた後にも、容易に研磨加工することができ、あるいは成形、研磨後、ガラスをイオン交換することにより化学強化でき、優れた化学的耐久性、機械的強度、耐熱性、表面平坦性、表面平滑性を有するコンピューターのハードディスクなどに適した磁気ディスク基板を作製するための磁気ディスク基板用ガラス組成物及び該組成物から得られる磁気ディスク基板に関する。

    【0002】

    【従来の技術】磁気ディスクは、主としてコンピューターなどの記録媒体として使用されている。 従来、磁気ディスク基板材料としてアルミニウム合金が使用されているが、近年、磁気ディスクの小型化、薄型化、高記録密度化の流れの中で、高平坦性、高平滑性への要望が高まっており、アルミニウム合金では対応しきれないため、
    これに変わる磁気ディスク基板材料が必要になっている。 磁気ディスク基板に必要な特性は、ディスク表面の平坦性、平滑性や、ディスク基板の高強度、高硬度、化学的耐久性、耐マイグレーション性、耐熱性などであるが、アルミニウム合金は強度、硬度が劣るため、ディスクの厚みを厚くし、表面を硬化する必要がある。 ディスクの厚みを薄くすると、うねりが発生し平坦度が悪化するため、磁気ヘッドがディスクに衝突する回数が多くなり、ディスクの塑性変形を招き、データ破壊が起こる。
    従って、フライングハイト(磁気ヘッドと磁気ディスクの隙間)を小さくすることができないため、記録密度が上がらないという問題が生じる。 また、磁性膜が白金系になると、アルミニウム合金基板と磁性膜の間に電位が発生し、電界腐食を引き起こすため、磁性膜が侵されるといった現象を引き起こす。 これらのアルミニウム合金の問題点を解決する基板材料として、磁気ディスク用ガラス基板が開発されている。 磁気ディスク用ガラス基板は、大別するとイオン交換タイプと、結晶化ガラスタイプとの2つに分けられる。 イオン交換タイプの磁気ディスク用ガラス基板は、一般的にガラス中に多量のアルカリ成分を有しており、アルカリ成分が基板表面に移動して磁気膜特性を悪化させる現象をしばしば引き起こす。
    結晶化ガラスタイプの磁気ディスク用ガラス基板は、アルミニウム合金基板やイオン交換タイプのガラス基板の欠点を補うべく開発されたものであり、これまでに種々のガラス組成物が提案されている。 特開昭62−725
    47号公報、特開平4−144938号公報、特開平6
    −329440号公報、特開平7−157331号公報などに提案されているLi 2 O−SiO 2系結晶化ガラスは、ガラス組成物中に多量のアルカリ成分を含んだものである。 このようなガラス組成物は、析出結晶中にある程度のアルカリ成分が取り込まれることによってアルカリイオンの移動を抑えるが、結晶でないマトリックスガラス中にも相当量のアルカリ成分が残存するため、イオン交換タイプと同様にアルカリマイグレーションにより磁気膜特性を悪化させるおそれがあり、今後の薄膜化への対応が困難である。 特に、特開昭62−72547号公報に提案されているLi 2 O・SiO 2 (リチウムメタシリケート)結晶は、化学的耐久性が非常に悪く、アルカリマイグレーションにより磁気膜特性を悪化させるおそれがある。 特開平6−329439号公報に提案されているLi 2 O−Al 23 −SiO 2系結晶化ガラスは、
    1550℃以上の高温溶融が必要であり、溶融、成形が容易ではない。 また、特開平7−247138号公報に提案されているLi 2 O−Al 23 −SiO 2系結晶化ガラスは、ガラス組成中のSiO 2成分が少ないため、化学的耐久性が劣るという欠点がある。

    【0003】

    【発明が解決しようとする課題】本発明は、容易に成形することができ、ガラスの熱処理による結晶化後、容易に研磨加工することができ、あるいは成形、研磨後、ガラスをイオン交換することにより化学強化でき、優れた化学的耐久性、機械的強度、耐熱性、表面平滑性、表面平坦性を有し、アルカリマイグレーションによる磁気膜特性の劣化の少ない磁気ディスク基板を作製するための磁気ディスク基板用ガラス組成物及び磁気ディスク基板を提供することを目的としてなされたものである。

    【0004】

    【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ガラスの理論的光学的塩基性度が0.548以下であり、イオン交換による強化が可能であり、熱処理した場合は主結晶相としてLi 2 O・2SiO 2及びスポジュメンの内の少なくとも1種の結晶が析出する特定組成のガラス組成物が、容易に成形、研磨加工することができ、しかも磁気ディスク基板としたときの化学的特性及び物理的特性に優れることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。 すなわち、本発明は、(1)酸化物として、
    SiO 2 :66〜80重量%、Al 23 :5〜15重量%、Li 2 O:3〜8.5重量%、Na 2 O:0〜3重量%、K 2 O:0〜3重量%、但し、Li 2 O+Na 2 O+
    2 O:3〜10重量%、TiO 2 :0.5〜8重量%、
    ZrO 2 :3.5〜8重量%、P 25 :0.5〜3重量%、Sb 23 :0〜2重量%、As 23 :0〜2重量%
    の組成を有し、理論的光学的塩基性度が0.548以下であることを特徴とする磁気ディスク基板用ガラス組成物、(2)酸化物として、SiO 2 :66〜75重量%、Al 23 :5.5〜10重量%、Li 2 O:4〜8.
    5重量%、Na 2 O:0〜2重量%、K 2 O:0〜2重量%、但し、Li 2 O+Na 2 O+K 2 O:4〜9重量%、
    TiO 2 :2〜6重量%、ZrO 2 :3.8〜6.5重量%、P 25 :1〜2.5重量%、Sb 23 :0〜2重量%、As 23 :0〜2重量%の組成を有し、理論的光学的塩基性度が0.548以下であることを特徴とする磁気ディスク基板用ガラス組成物、(3)酸化物として、
    SiO 2 :66〜75重量%、Al 23 :5.5〜7.5
    重量%、Li 2 O:5〜8.5重量%、Na 2 O:0〜2
    重量%、K 2 O:0〜2重量%、但し、Li 2 O+Na 2
    O+K 2 O:5〜9重量%、TiO 2 :2〜4重量%、Z
    rO 2 :4.1〜6重量%、P 25 :1〜2.5重量%、
    Sb 23 :0〜1重量%、As 23 :0〜1重量%の組成を有し、理論的光学的塩基性度が0.548以下であることを特徴とする磁気ディスク基板用ガラス組成物、
    (4)第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の磁気ディスク基板用ガラス組成物を、成形、研磨後、350℃
    から550℃の間の温度で、ガラス表面層のアルカリ金属イオンを、イオン半径がより大きいアルカリ金属イオンでイオン交換し、強化したことを特徴とする磁気ディスク基板、(5)第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の磁気ディスク基板用ガラス組成物を、成形、熱処理、研磨して作製された、主結晶相がLi 2 O・2Si
    2及びスポジュメンの内の少なくとも1種であることを特徴とする磁気ディスク基板、(6)酸化物として、
    SiO 2 :66〜80重量%、Al 23 :5.5〜10重量%、Li 2 O:3〜8.5重量%、Na 2 O:0〜3重量%、K 2 O:0〜3重量%、但し、Li 2 O+Na 2
    +K 2 O:3〜10重量%、TiO 2 :0.5〜8重量%、ZrO 2 :3.5〜8重量%、P 25 :0.5〜3重量%、Sb 23 :0〜2重量%、As 23 :0〜2重量%の組成を有するガラス組成物を、成形、熱処理、研磨して作製された、主結晶相がLi 2 O・2SiO 2及びスポジュメンの内の少なくとも1種であることを特徴とする磁気ディスク基板、(7)結晶化度の合計が20容量%以上である第(5)項又は第(6)項記載の磁気ディスク基板、(8)粉末法によるガラスの溶出試験で、重量減少が6×10 -7 g/cm 2・h以下である第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の磁気ディスク基板用ガラス組成物、及び、(9)粉末法によるガラス又は結晶化ガラスの水溶出試験で、重量減少が6×10 -7 g/cm 2
    h以下である第(4)項乃至第(7)項のいずれかに記載の磁気ディスク基板、を提供するものである。

    【0005】

    【発明の実施の形態】本発明の磁気ディスク基板用ガラス組成物は、酸化物として、SiO 2 :66〜80重量%、Al 23 :5〜15重量%、Li 2 O:3〜8.5重量%、Na 2 O:0〜3重量%、K 2 O:0〜3重量%、
    但し、Li 2 O+Na 2 O+K 2 O:3〜10重量%、T
    iO 2 :0.5〜8重量%、ZrO 2 :3.5〜8重量%、
    25 :0.5〜3重量%、Sb 23 :0〜2重量%、
    As 23 :0〜2重量%の組成を有し、理論的光学的塩基性度が0.548以下である。 本発明の磁気ディスク基板用ガラス組成物は、必要に応じて、B 23 :0〜5
    重量%、MgO:0〜8重量%、CaO:0〜5重量%、SrO:0〜5重量%、BaO:0〜5重量%、Z
    nO:0〜5重量%、PbO:0〜3重量%などの酸化物を含有せしめることができる。 本発明組成物において、SiO 2はガラス形成酸化物であり、ガラスを熱処理する場合は、主結晶相であるLi 2 O・2SiO 2及びスポジュメン(Li 2 O・Al 23・4SiO 2 )の構成成分である。 SiO 2の含有量が66重量%未満であると、ガラスの理論的光学的塩基性度を0.548以下にすることが困難になり、化学的耐久性が悪化する上に、
    結晶化する場合は上記の結晶が析出し難くなるおそれがある。 SiO 2の含有量が80重量%を超えると、溶融温度が上がりすぎて生産が困難になるおそれがある。 S
    iO 2の含有量は、生産性を考慮すると、66〜75重量%であることがより好ましい。 本発明組成物において、Al 23はガラス中間酸化物であり、ガラスを熱処理する場合は、主結晶相であるスポジュメンの構成成分である。 Al 23の含有量が5重量%未満であると、化学的耐久性が悪化する。 Al 23の含有量が15重量%
    を超えると、溶融温度が高くなり生産が困難になるおそれがある。 Al 23の含有量は、化学的耐久性や生産性を考慮すると、5.5〜10重量%であることがより好ましく、5.5〜7.5重量%であることがさらに好ましい。

    【0006】本発明組成物において、Li 2 Oは融剤としての役割を果たすと共に、ガラスをイオン交換し、強化する場合は、アルカリ金属イオンの中で最も小さいイオンなので、ナトリウムやカリウムなどのイオン半径がより大きいアルカリ金属イオンとイオン交換してガラスを強化し得る成分であり、ガラスを熱処理する場合は、
    主結晶相であるLi 2 O・2SiO 2及びスポジュメンの構成成分である。 Li 2 Oの含有量が3重量%未満であると、溶融温度が高くなりすぎる上に、イオン交換し、
    強化する場合は、イオン交換し難く、特性が向上しないおそれがある。 また、ガラスを熱処理する場合は、Li
    2 O・2SiO 2及びスポジュメン結晶が析出し難くなるおそれがある。 Li 2 Oの含有量が8.5重量%を超えると、ガラスの理論的光学的塩基性度を0.548以下にし難く、化学的耐久性及び耐マイグレーション性を悪化させ、磁気膜特性に悪影響を与えるおそれがある。 Li
    2 Oの含有量は、生産性、イオン交換量、化学的耐久性や耐マイグレーション性を考慮すると、4〜8.5重量%であることがより好ましく、5〜8.5重量%であることがさらに好ましい。 本発明組成物において、Na 2
    O及びK 2 Oは融剤であり、組成物の溶融性を改良するとともに、Na 2 Oはカリウムなどのナトリウムよりイオン半径がより大きいアルカリ金属イオンとイオン交換してガラスを強化し得る成分である。 磁気ディスク基板の化学的耐久性、耐マイグレーション性を考慮すると、
    Li 2 Oのみを単独で使用するよりも、これらのアルカリ成分をLi 2 Oと併用し、複数種のアルカリ成分を使用することにより化学的耐久性の低下やアルカリマイグレーションを防ぐことが好ましい。 Na 2 O又はK 2 Oの含有量が3重量%を超えるか、あるいは、Li 2 O+N
    2 O+K 2 Oの合計の含有量が10重量%を超えると、
    ガラスの理論的光学的塩基性度を0.548以下に保つことが困難になり、磁気ディスク基板の化学的耐久性が低下するとともに耐マイグレーション性も低下するおそれがある。 Na 2 O及びK 2 Oのそれぞれの含有量は、化学的耐久性、耐マイグレーション性やガラスの理論的光学的塩基性度を考慮すると、2重量%以下であることがより好ましい。 また、Li 2 O+Na 2 O+K 2 Oの合計量は4〜9重量%であることがより好ましく、5〜9重量%であることがさらに好ましい。

    【0007】本発明組成物において、TiO 2 、ZrO 2
    及びP 25は、結晶化促進剤としての役割を果たす。 さらに、TiO 2は融剤としての役割や、レーザーテクスチャーを行う場合には、敏感にレーザー光と反応して磁気ディスク基板表面の構造変化を誘起する重要な成分としての役割も果たす。 TiO 2の含有量が0.5重量%未満であると、結晶化促進剤としての効果、融剤としての効果及びレーザー反応成分としての効果が乏しく、また、TiO 2の含有量が8重量%を超えると、ガラス成形時に失透しやすくなるおそれがある。 TiO 2の含有量は、結晶化促進剤としての効果、融剤としての効果、
    レーザー反応成分としての効果及び失透性を考慮すると、2〜6重量%であることがより好ましく、2〜4重量%であることがさらに好ましい。 ZrO 2は化学的耐久性を顕著に向上させる働きも有するが、ZrO 2の含有量が3.5重量%未満であると、化学的耐久性の向上が認められないおそれがある。 ZrO 2の含有量が8重量%を超えると、ガラス中に溶けきれず、未溶融物となるおそれがある。 ZrO 2の含有量は、結晶化促進剤としての効果、化学的耐久性や溶融性を考慮すると、3.
    8〜6.5重量%であることがより好ましく、4.1〜6
    重量%であることがさらに好ましい。 P 25は融剤としての働き、特にZrO 2の難溶融性を著しく改善する働きもあるが、P 25の含有量が0.5重量%未満であると、結晶化促進剤としての効果及びZrO 2の難溶融性の改善効果が乏しく、また、P 25の含有量が3重量%
    を超えると溶融ルツボの腐食量が増大するおそれがある。 P 25の含有量は、結晶化促進剤としての効果、融剤としての効果、特にZrO 2の難溶融性の改善効果及びルツボの腐食性を考慮すると、1〜2.5重量%であることがより好ましい。 本発明組成物において、Sb 2
    3及びAs 23は、ガラス溶融時の清澄剤としての役割を果たす。 Sb 23若しくはAs 23を単独で用いる場合、又は併用する場合の含有量が0.1重量%未満であると、清澄剤としての作用に乏しくなるおそれがあるが、2重量%以下で十分清澄効果を発揮する。 As 23
    は清澄剤としてSb 23と併用又は単独で用いることができるが、環境の点からは使用しないことが好ましい。
    Sb 23 +As 23の合計量は、清澄効果を考慮すると0.2〜1重量%であることがより好ましい。

    【0008】本発明組成物に必要に応じて含有せしめることができるB 23 、ZnO及びPbOは、融剤としての働きを有する。 B 23の含有量が5重量%を超えると、化学的耐久性を悪化させ、熱処理する場合は結晶化を抑制するおそれがある。 B 23の含有量は、3.5重量%以下であることがより好ましい。 ZnOは化学的耐久性を向上させる働きを有するが、ZnOの含有量が5
    重量%を超えると、熱処理する場合は析出結晶量が少なくなるおそれがある。 ZnOの含有量は、4.5重量%
    以下であることがより好ましい。 PbOは融剤として顕著な働きがあるが、環境の点からは使用しないことが好ましい。 PbOを使用する場合は、その含有量が3重量%を超えると、化学的耐久性を悪化させ、また、熱処理する場合は析出結晶量が少なくなるおそれがある。 Pb
    Oの含有量は、1.5重量%以下であることがより好ましい。 本発明組成物に必要に応じて含有せしめることができるMgO、CaO、SrO及びBaOは、ガラス修飾酸化物であり、作業温度幅を広げる働きがある。 特に、MgOは化学的耐久性を向上させる働きを有する。
    MgOの含有量が8重量%を超えるか、又はCaO、S
    rO若しくはBaOの含有量が5重量%を超えると、ガラスが安定になりすぎて析出結晶量が少なくなるおそれがある。 析出結晶量を考慮すると、MgOの含有量は5
    重量%以下であることがより好ましく、CaO、Sr
    O、BaOの含有量は、それぞれ3重量%以下であることがより好ましい。 また、磁気ディスク基板のテクスチャーには、ひとつの方法としてレーザー光などを使用する場合がある。 その場合は、使用する光の波長に吸収を有するCo、Mn、V、Cr、Cu、Au、Ag、P
    t、Mo、Ni、Fe、Te、Ce、Se、Nd、P
    r、Sm、Er、Sなどの元素又はこれらの元素を含む化合物を、磁気ディスクとしての特性に悪影響を与えない範囲で、ガラス組成中に含有させることができる。

    【0009】本発明の磁気ディスク基板用ガラス組成物は、理論的光学的塩基性度が0.548以下である。 ガラス組成物の理論的光学的塩基性度がこのように低いと、ガラス中に少量のアルカリが含まれていても磁気ディスク基板に必要かつ重要な特性である化学的耐久性に優れており、信頼性の高い磁気ディスク基板を得ることができる。 本発明において、磁気ディスク基板用ガラス組成物の理論的光学的塩基性度は、0.544以下であることがより好ましく、0.540以下であることがさらに好ましい。 ガラスの理論的光学的塩基性度(The
    oretical OpticalBasicity)
    とは、J. A. DuffyとM. D. Ingramが、
    1975年に、Journal of Inorgan
    ic and Nuclear Chemistry、
    第37巻、1203頁、及び、Physics and
    Chemistry of Glasses、第16巻、
    第6号、119頁に発表した論文に掲載されたものであり、ガラスの理論的光学的塩基性度Λは次式により計算される。 Λ=Σ{(z i ×r i )/2γ i } …(1) 式中のz iは各酸化物成分中のカチオンiの酸化数を、
    iはガラス中の全酸素数に対する各酸化物成分中に存在する、すなわちガラス中に存在するカチオンiの数を、γ iはカチオンiの塩基性度調整パラメーターを表す。 ここでγ iはL. Paulingの電気陰性度χ iから、次式により求めることができる。 γ i =1.36×
    (χ i −0.26)したがって、ガラスの理論的光学的塩基性度Λは、次式により表される。 Λ=Σ{(z i ×r i )/(2.72×χ i −0.707)} …(2) 例として、SiO 2 :72.0モル%、Al 23 :3.6
    モル%、Li 2 O:10.3モル%、K 2 O:1.0モル%、TiO 2 :3.4モル%、ZrO 2 :2.1モル%、P
    25 :1.0モル%、MgO:3.0モル%、CaO:
    2.1モル%、ZnO:1.5モル%の組成を有するガラスについて、Λを計算する。 χ iについては、「化学便覧基礎編、改訂3版」(丸善、昭和59年発行)II−5
    89頁に記載されているPaulingの電気陰性度の値を用いる。 z iの値は酸化物の構造より、χ iの値はP
    aulingの電気陰性度として、第1表のごとく求められる。

    【0010】

    【表1】

    【0011】次にr iの値を求める。 r iの値を求めるために、まずガラス中の全酸素数を計算する。 全酸素数は、ガラスを構成している各酸化物の酸素数の和として、下記のごとく求められる。

    各カチオンのr

    iは、得られた全酸素数を1としたときの各カチオンの数として求めることができる。 例えば、


    SiO

    2については次式から求められる。 SiO

    2 :(0.720×1)/1.887=0.3816 各カチオンのr

    iについて、上記のごとく計算した結果を第2表に示す。

    【0012】

    【表2】

    【0013】第1表に示したz i 、χ iの値及び第2表に示したr iの値を理論的光学的塩基性度の式(2)に代入して計算すると、上記のガラス組成物の理論的光学的塩基性度は0.5337となる。 本発明の磁気ディスク基板用ガラス組成物は、ガラスを溶融、成形、研磨加工後、例えば、NaNO 3やKNO 3などの溶融塩中にガラスを浸漬するなど公知の方法により、イオン交換し、強化を行うことができる。 処理温度は、NaNO 3やKN
    3などの融点よりも高い約350℃から、ガラス組成物のガラス転移温度よりも低い約550℃の間の温度で行う。 また、イオン交換処理時間は、10時間以上とすることが好ましい。 イオン交換処理により、ガラス表面層のリチウムイオンが、イオン半径のより大きいナトリウムイオンやカリウムイオンなどと交換され、また、ガラス中にNa 2 Oが含まれている場合は、ナトリウムイオンが、イオン半径のより大きいカリウムイオンなどと交換される。 これらのイオン交換により、ガラス表面に圧縮応層が形成されるため、強度が高い強化ガラス磁気ディスク基板を得ることができる。 本発明の磁気ディスク基板用ガラス組成物は、熱処理することにより、主結晶相としてLi 2 O・2SiO 2及びスポジュメンの内の少なくとも1種が析出する。 Li 2 O・2SiO 2結晶は棒状であり、機械的強度の高い結晶であるが、結晶サイズが1μmを超えると研磨加工性が悪化するため、T
    iO 2 、ZrO 2 、P 25などの適度な結晶化促進剤の使用及び適切な結晶化処理により、結晶サイズを1μm以下にすることが好ましく、0.5μm以下にすることがより好ましい。 スポジュメン結晶は粒状結晶であり、T
    iO 2 、ZrO 2 、P 25などの結晶化促進剤の使用及び適切な結晶化処理により、Li 2 O・2SiO 2結晶と同程度の微細な結晶を均一に得ることができる。 今後の磁気ディスクに要求される高記録密度化を達成するためには、平滑度の極めて高い、ディスク基板の面精度が必要になる。 その場合は、Li 2 O・2SiO 2結晶が主結晶相で、スポジュメン結晶が析出しないことが好ましい。
    Li 2 O・2SiO 2結晶が主結晶相でありスポジュメン結晶が析出しない場合には、結晶化処理前に比べ残存ガラスマトリックス中のAl 23成分比が高くなるため、
    ガラス相の化学的耐久性が高くなる。 その結果、結晶相とマトリックスガラス相の化学的耐久性の差が少なくなるため、両相の研磨スピードの差が小さく、Li 2 O・
    2SiO 2の微細結晶が析出した結晶化ガラスから、極めて表面平滑度の高いディスク基板を得ることができる。 一方、スポジュメン結晶が多量に析出する場合は、
    結晶化処理前に比べ残存ガラスマトリックス中のAl 2
    3成分比が減少するため、ガラス相の化学的耐久性がやや劣るとともに、スポジュメン結晶の化学的耐久性がLi 2 O・2SiO 2結晶よりも高いため、結晶相とマトリックスガラス相の化学的耐久性の差が大きくなる。 その結果、両相の研磨スピードの差が若干大きくなり、研磨と同時にテクスチャー形成が可能となる。 従って、スポジュメン結晶の量及びサイズ、スポジュメン結晶とL
    2 O・2SiO 2結晶の比率を制御することにより、極めて平滑な基板表面から用途に応じた所望のテクスチャーを形成した基板表面まで、自由に得ることができる。
    また、スポジュメン結晶とLi 2 O・2SiO 2結晶の比率を制御することにより、磁気ディスク基板の熱膨張係数を80×10 -7 /℃〜110×10 -7 /℃の間で制御することも可能である。 Li 2 O・2SiO 2結晶が最大量の結晶相となるのは、最終の結晶化処理温度を約72
    0℃以下にした場合であり、スポジュメン結晶が最大量の結晶相となるのは、最終の結晶化処理温度を約730
    ℃以上した場合である。 本発明の磁気ディスク基板においては、主結晶相であるLi 2 O・2SiO 2及びスポジュメン結晶とその他の結晶の合計の結晶化度は、粉末X
    線回折による検量線法で、20容量%以上であることが好ましい。 結晶化度の合計が20容量%未満であると、
    磁気ディスク基板として満足のいく機械的強度が得られないおそれがある。

    【0014】本発明の磁気ディスク基板用ガラス組成物は、熱処理した場合、主結晶相以外に副結晶相としてリチウム長石(Li 2 O・Al 23・6SiO 2 )、α−クオーツ、β−クリストバライト(SiO 2 )などが析出する場合があるが、これらの副結晶相の析出によって、
    本発明組成物の特性は損なわれない。 α−クォーツは、
    約650℃から析出し始め、スポジュメン結晶が析出し始めると結晶量が下がる挙動を示す。 本発明の磁気ディスク基板用ガラス組成物は、粉末法によるガラスの水溶出試験で、重量減少が6×10 -7 g/cm 2・h以下であることが好ましい。 粉末法によるガラスの水溶出試験で、重量減少が6×10 -7 g/cm 2・h以下であれば、
    ガラス中に少量のアルカリが含まれていても、磁気ディスク基板に必要かつ重要な特性である化学的耐久性に優れ、信頼性の高い磁気ディスク基板を得ることができる。 粉末法によるガラスの水溶出試験での重量減少は、
    4×10 -7 g/cm 2・h以下であることがより好ましく、2×10 -7 g/cm 2・h以下であることがさらに好ましい。 本発明の磁気ディスク基板は、粉末法によるガラス又は結晶化ガラス(以下まとめて「ガラス」と記す。)の水溶出試験で、重量減少が6×10 -7 g/cm 2
    ・h以下であることが好ましい。 粉末法によるガラスの水溶出試験で、重量減少が6×10 -7 g/cm 2・h以下であれば、ガラス中に少量のアルカリが含まれていても、磁気ディスク基板に必要かつ重要な特性である化学的耐久性に優れ、信頼性の高い磁気ディスク基板となる。 粉末法によるガラスの水溶出試験での重量減少は、
    4×10 -7 g/cm 2・h以下であることがより好ましく、2×10 -7 g/cm 2・hであることがさらに好ましい。

    【0015】本発明でいう粉末法によるガラス又は結晶化ガラス(以下まとめて「ガラス」と記す。)の水溶出試験方法について説明する。 まず、ガラスを乳鉢などで粉砕する。 粉砕されたガラス粉末を目の開きが1.70m
    mと0.85mmの標準篩でふるい、1.70mmを通り0.8
    5mmの上に残ったガラス粉末を試料とする。 このガラス粉末を、ジエチルエーテルの入ったビーカーに入れ、超音波洗浄を2〜3分かけ、白濁した液を捨てる。 ジエチルエーテルを用いた超音波洗浄をもう1度繰り返したのち、メタノールを用いて超音波洗浄を2〜3分かけ、液を捨てる。 その後、ガラス粉末をビーカーに入れたまま120℃で1時間乾燥し、デシケータ内で放冷する。 洗浄されたガラス粉末を、表面積が同一になるように、あらかじめ測定した比重と同数値のグラム数だけ秤取し、
    70メッシュ(0.21mm)の白金製の籠に入れる。 白金製の籠に入れたままメタノールの入ったビーカーに浸け、超音波洗浄を2〜3分かけた後、白金製の籠をビーカーから引き出し、120℃で1時間乾燥し、デシケータ内で放冷する。 放冷されたガラス粉末入りの白金製の籠を、10 -5 g単位まで秤量する。 次にテフロン製の容器に秤量したガラス粉末入りの白金製の籠を入れ、次いでイオン交換水100mlを入れ、テフロン製のふたで密閉する。 これをあらかじめ80℃にしておいた恒温器に入れ、66時間放置して耐水試験をする。 66時間後、
    テフロン製の容器からガラス粉末の入った白金製の籠を取り出し、メタノール中で2〜3分超音波洗浄する。 超音波洗浄後、120℃で1時間乾燥させ、デシケータ内で放冷する。 放冷されたガラス粉末入りの白金製の籠を、10 -5 g単位まで秤量し、耐水試験前後の重量から、重量減少を求める。 重量減少と、あらかじめ比表面積計を用いて測定した表面積の値から、1cm 2 、1時間当たりの重量減少を計算する。 また、1種類のガラスに対し3回試験を繰り返し、その平均値をガラスの水溶出試験の重量減少とする。

    【0016】本発明の磁気ディスク基板は、本発明の磁気ディスク基板用ガラス組成物を成形し、イオン交換して強化する場合は研磨後にイオン交換して作製し、また結晶化の場合は熱処理後に研磨して作製した磁気ディスク基板である。 ガラス組成物の成形方法には特に制限はなく、例えば、原料をタンク窯で加熱して溶解、あるいは直接通電することにより溶融し、プレス成形、あるいは鋳込み−スライス成形などにより成形することができる。 成形品の処理方法には特に制限はなく、例えば、熱処理の場合は、はじめに比較的低温で熱処理して多数の結晶核を発生せしめたのち、温度を上げて結晶を成長させることが、微細な結晶を得る上で好ましい。 処理を終えた成形品の研磨方法には特に制限はなく、例えば、合成ダイヤモンド、酸化ケイ素、炭化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭化ホウ素、c−BNなどの合成砥粒や、天然ダイヤモンド、酸化セリウムなどの天然砥粒を用いて、公知の方法により研磨することができる。 本発明の磁気ディスク基板用ガラス組成物を使用することにより、イオン交換した場合も、また、熱処理した場合も、高強度、高硬度で化学的耐久性、耐熱性に優れた磁気ディスク基板を得ることができる。 本発明組成物は、理論的光学的塩基性度が0.548以下と低いため、高い化学的耐久性を達成することができ、また耐マイグレーション性にも優れているため、磁気膜特性を最善に保つことができる。

    【0017】

    【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。 なお、実施例及び比較例において使用した原料は、SiO 2 、Al(OH) 3 、Li 2
    3 、Na 2 CO 3 、K 2 CO 3 、TiO 2 、ZrO 2 、Al
    PO 4 、Sb 23 、As 23 、H 3 BO 3 、Mg(OH) 2
    CaCO 3 、SrCO 3 、BaCO 3 、ZnO及びPbO
    である。 また、実施例及び比較例において、結晶相、結晶化度、抗折強度及び算術平均粗さRaは、下記の方法により測定した。 (1)結晶相 得られた研磨成形体を、X線回折装置を用いて測定した。 (2)結晶化度 はじめに、求めようとする結晶相の検量線を作成した。
    例えば、スポジュメン結晶の場合は、スポジュメンの組成であるLi 2 O:Al 23 :SiO 2 =1:1:4となるように、Li 2 CO 3 、Al(OH) 3及びSiO 2を秤量し、イソプロピルアルコールを加えて24時間湿式混合した。 その後、イソプロピルアルコールを除去し、X線回折ピーク強度の増加がなくなるまで焼結してスポジュメン結晶を作製した。 このスポジュメン結晶を粉砕し、
    結晶が析出していない母ガラス粉末と種々の割合で混合して、X線回折でのメインピーク4本についてピーク強度を測定し、検量線を作成した。 ガラスを溶融、成形、
    熱処理、研磨後、結晶化度測定サンプルとした。 測定サンプルをX線回折で測定し、あらかじめ作成した検量線から結晶化度を求めた。 (3)抗折強度 ガラス成形体を熱処理したのちJIS R 1601に準じて加工し、又は、JIS R 1601に準じて加工したのちイオン交換処理し、3点曲げにより抗折強度を測定した。 (4)算術平均粗さRa 得られた研磨成形体を、原子間力顕微鏡(Digita
    l Instruments社製)を用いて表面観察を行った。 サンプル表面中で5カ所をランダムに選び、1
    カ所当たり10μm×10μmの視野中でランダムに4
    本の線を引き、それぞれのRaを算出した。 これら合計20カ所の平均を、算術平均粗さRaとした。 実施例1 ガラス組成が、SiO 2 :70.0重量%、Al 23
    6.0重量%、Li 2 O:8.0重量%、TiO 2 :2.5
    重量%、ZrO 2 :4.0重量%、P 25 :1.8重量%、Sb 23 :0.2重量%、B 23 :2.0重量%、C
    aO:2.0重量%、BaO:1.5重量%及びZnO:
    2.0重量%となるよう各成分原料を秤量、混合した。
    このガラスの組成をモル%表示すると、SiO 2 :69.
    87モル%、Al 23 :3.53モル%、Li 2 O:1
    6.05モル%、TiO 2 :1.88モル%、ZrO 2
    1.95モル%、P 25 :0.76モル%、Sb 23
    0.04モル%、B 23 :1.72モル%、CaO:2.
    14モル%、BaO:0.59モル%及びZnO:1.4
    7モル%となり、このガラス組成物の理論的光学的塩基性度は、0.5395である。 混合した原料を電気炉中の白金ルツボに投入して1,450℃で5時間溶融し、
    均質になるよう撹拌したのち、50×50×5mmの板状に成形し、除歪、冷却してガラス成形体を得た。 このガラス成形体を、600℃で3時間、続いて800℃で2
    時間熱処理して、ガラス中に結晶を析出させた。 さらに、成形体の表面を平均粒径10μmの炭化ケイ素砥粒を用いて30分間ラッピングし、さらに平均粒径1μm
    の酸化セリウム砥粒で15分間ポリッシュして研磨成形体を得た。 この研磨成形体は、結晶相1がスポジュメンであり、結晶相2はLi 2 O・2SiO 2であり、結晶相3はα−クオーツであった。 結晶化度は、スポジュメンが21容量%、Li 2 O・2SiO 2が16容量%、α−
    クオーツが14容量%であった。 また、粉末法による結晶化ガラスの水溶出試験における重量減少は4.1×1
    -7 g/cm 2・hであり、抗折強度は270MPaであり、算術平均粗さRaは18.0Åであった。 実施例2〜7 実施例1と同様にして、組成に応じて1,400〜1,5
    30℃で3〜24時間溶融して得たガラス組成物を成形し、第3表に示す条件で熱処理して得られた結晶化ガラス成形体を、実施例1と同様に研磨した。 得られた研磨成形体について、結晶相、結晶化度、粉末法による結晶化ガラスの水溶出試験における重量減少、抗折強度及び算術平均粗さRaを測定した。 結果を第3表に示す。 実施例8 ガラス組成が、SiO 2 :70.0重量%、Al 23
    6.0重量%、Li 2 O:8.0重量%、TiO 2 :2.5
    重量%、ZrO 2 :4.0重量%、P 25 :1.8重量%、Sb 23 :0.2重量%、B 23 :2.0重量%、C
    aO:2.0重量%、BaO:1.5重量%及びZnO:
    2.0重量%となるよう各成分原料を秤量、混合した。
    このガラスの組成をモル%表示すると、SiO 2 :69.
    87モル%、Al 23 :3.53モル%、Li 2 O:1
    6.05モル%、TiO 2 :1.88モル%、ZrO 2
    1.95モル%、P 25 :0.76モル%、Sb 23
    0.04モル%、B 23 :1.72モル%、CaO:2.
    14モル%、BaO:0.59モル%及びZnO:1.4
    7モル%となり、このガラス組成物の理論的光学的塩基性度は、0.5395である。 混合した原料を電気炉中の白金ルツボに投入して1,450℃で5時間溶融し、
    均質になるよう撹拌したのち、50×50×5mmの板状に成形し、除歪、冷却してガラス成形体を得た。 このガラス成形体を、570℃で3時間、続いて670℃で2
    時間熱処理して、ガラス中に結晶を析出させた。 さらに、成形体の表面を平均粒径10μmの炭化ケイ素砥粒を用いて30分間ラッピングし、さらに平均粒径1μm
    の酸化セリウム砥粒で15分間ポリッシュして研磨成形体を得た。 この研磨成形体は、結晶相1がLi 2 O・2
    SiO 2であり、結晶相2はα−クオーツであった。 結晶化度は、Li 2 O・2SiO 2が20容量%、α−クオーツが19容量%であった。 また、粉末法による結晶化ガラスの水溶出試験における重量減少は3.8×10 -7
    g/cm 2・hであり、抗折強度は230MPaであり、
    算術平均粗さRaは7.0Åであった。 実施例9〜15 実施例8と同様にして、組成に応じて1,400〜1,5
    30℃で3〜24時間溶融して得たガラス組成物を成形し、第3表に示す条件で熱処理して得られた結晶化ガラス成形体を、実施例8と同様に研磨した。 得られた研磨成形体について、結晶相、結晶化度、粉末法による結晶化ガラスの水溶出試験における重量減少、抗折強度及び算術平均粗さRaを測定した。 結果を第3表に示す。 実施例16 ガラス組成が、SiO 2 :70.0重量%、Al 23
    6.0重量%、Li 2 O:8.0重量%、TiO 2 :2.5
    重量%、ZrO 2 :4.0重量%、P 25 :1.8重量%、Sb 23 :0.2重量%、B 23 :2.0重量%、C
    aO:2.0重量%、BaO:1.5重量%及びZnO:
    2.0重量%となるよう各成分原料を秤量、混合した。
    このガラスの組成をモル%表示すると、SiO 2 :69.
    87モル%、Al 23 :3.53モル%、Li 2 O:1
    6.05モル%、TiO 2 :1.88モル%、ZrO 2
    1.95モル%、P 25 :0.76モル%、Sb 23
    0.04モル%、B 23 :1.72モル%、CaO:2.
    14モル%、BaO:0.59モル%及びZnO:1.4
    7モル%となり、このガラス組成物の理論的光学的塩基性度は、0.5395である。 混合した原料を電気炉中の白金ルツボに投入して1,450℃で5時間溶融し、
    均質になるよう撹拌したのち、50×50×5mmの板状に成形し、除歪、冷却してガラス成形体を得た。 このガラス成形体の表面を平均粒径10μmの炭化ケイ素砥粒を用いて30分間ラッピングし、さらに平均粒径1μm
    の酸化セリウム砥粒で15分間ポリッシュして研磨成形体を得た。 この研磨成形体を、450℃に保った溶融硝酸ナトリウム浴に48時間浸漬して、ガラス表面層のリチウムイオンをナトリウムイオンでイオン交換し、研磨成形体を化学強化した。 この研磨成形体は、粉末法によるガラスの水溶出試験における重量減少は4.0×10
    -7 g/cm 2・hであり、抗折強度は280MPaであり、算術平均粗さRaは6.5Åであった。 実施例17〜18 実施例16と同様にして、ガラス組成物を成形、研磨して得られた研磨成形体を、第3表に示す条件でイオン交換し、化学強化した。 得られた研磨成形体について、粉末法によるガラスの水溶出試験における重量減少、抗折強度及び算術平均粗さRaを測定した。 結果を第3表に示す。

    【0018】

    【表3】

    【0019】

    【表4】

    【0020】

    【表5】

    【0021】

    【表6】

    【0022】

    【表7】

    【0023】

    【表8】

    【0024】実施例1〜7の、本発明のガラス組成物から、成形、熱処理、研磨によって作製された研磨成形体は、すべてスポジュメン結晶相を20容量%以上有し、
    粉末法による結晶化ガラスの水溶出試験における重量減少は4.6×10 -7 g/cm 2・h以下であり、抗折強度は200MPa以上であり、算術平均粗さRaは23.0Å
    以下であって、磁気ディスク基板として好ましい特性を備えている。 実施例8〜14の、本発明のガラス組成物から、成形、熱処理、研磨によって作製された研磨成形体は、すべてLi 2 O・2SiO 2結晶相を13容量%以上有し、粉末法による結晶化ガラスの水溶出試験における重量減少は3.8×10 -7 g/cm 2・h以下であり、抗折強度は210MPa以上であり、算術平均粗さRaは10.5Å以下であって、磁気ディスク基板として好ましい特性を備えている。 また、実施例15の、本発明のガラス組成物から、成形、熱処理、研磨によって作製された研磨成形体は、理論的光学的塩基性度は0.548
    を超えているが、Li 2 O・2SiO 2結晶相を23容量%有し、粉末法による結晶化ガラスの水溶出試験における重量減少は5.3×10 -7 g/cm 2・hであり、抗折強度は210MPaであり、算術平均粗さRaは7.3Åであって、磁気ディスク基板として好ましい特性を備えている。 さらに、実施例16〜18の、本発明のガラス組成物から、成形、研磨、イオン交換強化によって作製された研磨成形体は、すべて粉末法によるガラスの水溶出試験における重量減少は4.0×10 -7 g/cm 2・h以下であり、抗折強度は240MPa以上であり、算術平均粗さRaは6.5Å以下であって、磁気ディスク基板として好ましい特性を備えている。 比較例1 ガラス組成が、SiO 2 :82.0重量%、Al 23
    5.5重量%、Li 2 O:6.5重量%、TiO 2 :0.5
    重量%、ZrO 2 :4.0重量%、P 25 :0.5重量%、Sb 23 :0.2重量%及びMgO:0.8重量%となるよう各成分原料を秤量、混合した。 このガラスの組成をモル%表示すると、SiO 2 :80.32モル%、A
    23 :3.18モル%、Li 2 O:12.80モル%、
    TiO 2 :0.37モル%、ZrO 2 :1.91モル%、P
    25 :0.21モル%、Sb 23 :0.04モル%及びM
    gO:1.17モル%となり、このガラス組成物の理論的光学的塩基性度は、0.5233である。 混合した原料を電気炉中の白金ルツボに投入して加熱したが、Si
    2の量が多いために、1,550℃に達しても溶融しなかった。 比較例2 ガラス組成が、SiO 2 :72.0重量%、Al 23
    3.0重量%、Li 2 O:10.5重量%、K 2 O:2.0
    重量%、ZrO 2 :3.0重量%、P 25 :1.8重量%、Sb 23 :0.2重量%、B 23 :3.5重量%、M
    gO:2.0重量%及びBaO:2.0重量%となるよう各成分原料を秤量、混合した。 このガラスの組成をモル%表示すると、SiO 2 :68.44モル%、Al 23
    1.68モル%、Li 2 O:20.08モル%、K 2 O:
    1.21モル%、ZrO 2 :1.39モル%、P 25 :0.
    72モル%、Sb 23 :0.04モル%、B 23 :2.8
    7モル%、MgO:2.83モル%及びBaO:0.74
    モル%となり、このガラス組成物の理論的光学的塩基性度は、0.5494である。 混合した原料を電気炉中の白金ルツボに投入して1,450℃で5時間溶融し、均質になるよう撹拌したのち、50×50×5mmの板状に成形し、除歪、冷却してガラス成形体を得た。 このガラス成形体を、570℃で3時間、続いて780℃で2時間熱処理して、ガラス中に結晶を析出させた。 さらに、
    成形体の表面を平均粒径10μmの炭化ケイ素砥粒を用いて30分間ラッピングし、さらに平均粒径1μmの酸化セリウム砥粒で15分間ポリッシュして研磨成形体を得た。 この研磨成形体は、Li 2 Oの量が多くAl 23
    の量が少ないために、理論的光学的塩基性度が大きく、
    粉末法による結晶化ガラスの水溶出試験における重量減少は6.5×10 -7 g/cm 2・hとやや大きかった。 比較例3 ガラス組成が、SiO 2 :58.0重量%、Al 23
    7.0重量%、Li 2 O:7.0重量%、K 2 O:2.0重量%、TiO 2 :2.0重量%、ZrO 2 :4.0重量%、
    25 :1.8重量%、Sb 23 :0.2重量%、B
    23 :4.0重量%、MgO:5.0重量%、BaO:
    6.0重量%及びZnO:3.0重量%となるよう各成分原料を秤量、混合した。 このガラスの組成をモル%表示すると、SiO 2 :59.67モル%、Al 23 :4.2
    4モル%、Li 2 O:14.48モル%、K 2 O:1.31
    モル%、TiO 2 :1.55モル%、ZrO 2 :2.01モル%、P 25 :0.78モル%、Sb 23 :0.04モル%、B 23 :3.55モル%、MgO:7.67モル%、
    BaO:2.42モル%及びZnO:2.28モル%となり、このガラス組成物の理論的光学的塩基性度は、0.
    5564である。 混合した原料を電気炉中の白金ルツボに投入して1,450℃で5時間溶融し、均質になるよう撹拌したのち、50×50×5mmの板状に成形し、除歪、冷却してガラス成形体を得た。 このガラス成形体の表面を平均粒径10μmの炭化ケイ素砥粒を用いて30
    分間ラッピングし、さらに平均粒径1μmの酸化セリウム砥粒で15分間ポリッシュして研磨成形体を得た。 この研磨成形体を、360℃に保った溶融硝酸ナトリウム浴に72時間浸漬して、ガラス表面層のリチウムイオンをナトリウムイオンでイオン交換し、研磨成形体を化学強化した。 この研磨成形体は、粉末法によるガラスの水溶出試験における重量減少は17.5×10 -7 g/cm 2
    hと大きかった。 比較例4 ガラス組成が、SiO 2 :66.0重量%、Al 23 :1
    0.0重量%、Li 2 O:8.0重量%、TiO 2 :3.0
    重量%、ZrO 2 :3.5重量%、P 25 :0.8重量%、Sb 23 :0.2重量%、B 23 :1.0重量%及びMgO:7.5重量%となるよう各成分原料を秤量、混合した。 このガラスの組成をモル%表示すると、SiO
    2 :63.23モル%、Al 23 :5.65モル%、Li 2
    O:15.42モル%、TiO 2 :2.16モル%、Zr
    2 :1.64モル%、P 25 :0.32モル%、Sb 2
    3 :0.04モル%、B 23 :0.83モル%及びMg
    O:10.71モル%となり、このガラス組成物の理論的光学的塩基性度は、0.5544である。 混合した原料を電気炉中の白金ルツボに投入して1,450℃で5
    時間溶融し、均質になるよう撹拌したのち、50×50
    ×5mmの板状に成形し、除歪、冷却してガラス成形体を得た。 このガラス成形体の表面を平均粒径10μmの炭化ケイ素砥粒を用いて30分間ラッピングし、さらに平均粒径1μmの酸化セリウム砥粒で15分間ポリッシュして研磨成形体を得た。 この研磨成形体を、400℃に保った溶融硝酸ナトリウム浴に72時間浸漬して、ガラス表面層のリチウムイオンをナトリウムイオンでイオン交換し、研磨成形体を化学強化した。 この研磨成形体は、粉末法によるガラスの水溶出試験における重量減少は9.9×10 -7 g/cm 2・hと大きかった。 比較例1〜
    4の結果を、まとめて第4表に示す。

    【0025】

    【表9】

    【0026】

    【表10】

    【0027】第4表の結果から、本発明の磁気ディスク基板用ガラス組成物と異なる組成のガラス組成物を用いた比較例1〜3においては、ガラスの溶融が不可能であったり、あるいは、磁気ディスク基板の作製が可能であっても、熱処理によって結晶化させた後も水溶出試験における重量減少を十分に小さくすることができず、また、イオン交換によって水溶出試験における重量減少の小さい磁気ディスク基板とすることができない。 また、
    比較例4の磁気ディスク基板用ガラス組成物は、本発明の組成物の組成範囲内にはあるが、理論的光学的塩基性度が大きいために、イオン交換強化した磁気ディスク基板は、水溶出試験における重量減少が大きい。

    【0028】

    【発明の効果】本発明のガラス組成物は、容易に成形することができ、研磨加工後ガラス表面層のアルカリ金属イオンをイオン半径がより大きいアルカリ金属イオンでイオン交換し、ガラスを化学強化することにより、あるいは、熱処理によって主結晶相をLi 2 O・2SiO 2及び/又はスポジュメンとして結晶化したのち、研磨加工することにより、優れた化学的耐久性、機械的強度、表面平滑性、表面平坦性、耐熱性を有し、アルカリマイグレーションによる磁気膜特性の劣化の少ない磁気ディスク基板とすることができる。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栗山 育夫 兵庫県西宮市浜松原町2番21号 山村硝子 株式会社内 (72)発明者 若林 肇 兵庫県西宮市浜松原町2番21号 山村硝子 株式会社内

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