首页 / 专利库 / 作物管理 / 土球 / 熱伝導性複合材料および放熱シート

熱伝導性複合材料および放熱シート

阅读:232发布:2020-05-08

专利汇可以提供熱伝導性複合材料および放熱シート专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且【課題】 樹脂マトリクスが持つ諸物性を保持しつつ、高い熱伝導性、特に成形品の厚み方向への高い熱伝導性を具備した複合材料およびこれを用いた放熱シートの提供。 【解決手段】 本発明の複合材料は、シート状樹脂マトリクス中に、熱伝導性粒子が分散混合されている複合材料であって、前記複合材料の、表裏2つの表面に前記熱伝導性粒子単体の表面が露出していることを特徴とする。好ましい態様としては、前記樹脂マトリクスの厚さは、10μm〜30mmであり、前記複合材料に含まれる前記熱伝導性粒子の配合量は、10vol%以上74vol%以下である。 【選択図】 なし,下面是熱伝導性複合材料および放熱シート专利的具体信息内容。

シート状樹脂マトリクス中に、熱伝導性粒子が分散混合されている複合材料であって、前記複合材料の、表裏2つの表面に前記熱伝導性粒子単体の表面が露出していることを特徴とする複合材料。前記樹脂マトリクスの厚さが、10μm〜30mmであることを特徴とする請求項1に記載の複合材料。前記複合材料に含まれる前記熱伝導性粒子の配合量が、10vol%以上74vol%以下の条件を満たす範囲内で分散混合されてなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の複合材料。 (前記熱伝導性粒子が、セルロースナノファイバー、炭素繊維、Si、SiC、アルミニウム酸化物、窒化アルミニウム、立方晶窒化ホウ素、六方晶窒化ホウ素、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、ダイヤモンドおよび各種金属の粉末やワイヤの単独粒子および/またはこれらの凝集粒子および/または前記熱伝導性粒子が土台となる球状微粒子表面に固定されて被覆層を形成している複合フィラーから選ばることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の複合材料。前記樹脂マトリクスの樹脂が、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリシルセスキオキサン系樹脂およびこれらの複合組成からなる請求項1〜4のいずれかに記載の複合材料。請求項1〜5のいずれかに記載の複合材料を用いることを特徴とする放熱シート。前記放熱シートが、異なる最長部長さを有する熱伝導性粒子が分散混合されている少なくとも2種以上の放熱シートを3層以上に重ねたものであって、かつ、熱伝導性粒子の最長部長さが小さい方の熱伝導性粒子を含む放熱シートが、当該積層物の上下方向の最表面に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の放熱シート。

说明书全文

本発明は、樹脂の柔軟性を有しつつシート状成形品の厚み方向への高い熱伝導性を具備した複合材料の製造方法およびこれを用いた放熱シートに関するものである。

電気自動車やハイブリッド自動車が普及期に入るに伴い、駆動モータの電制御装置であるパワーモジュールの性能向上が求められている。また世界的な温暖化に伴い、従来比較的温暖とされていた国や地域でもしばしば異常高温(異常気象)となり、人的被害が多発するようになってきた。対策の一つとしてエアーコンディショナーの利用があり、その電力制御にもパワーモジュールが利用されることから、今後の急速な需要拡大が予想される。パワーモジュールには低消費電力、高耐圧が求められ、モジュールの小型化に伴う高温動作への信頼性確保も同時に必要とされている。これら要求特性を満たすため従来のSi系素子に代わりSiC系素子への置き換えが企図されているが、200℃以上の高温領域での安定動作を担保するためには、SiC系素子が発する熱を効果的に排熱する必要がある(非特許文献1)。このためSiC系素子そのもの以外に、周辺部品(例えば放熱シート等)にもこれまで以上の高熱伝導や高耐熱性が要求されている。

一方、パワーモジュールに限らず、動作周波数の大きなCPUを用いる高度なデジタルデバイスも小型化/軽量化に伴い排熱が困難となり、Si系素子の安定動作環境を逸脱する場合も多くなっている。このため、主として周辺部品に高い熱伝導性が求められる事情は、上記パワーモジュールの場合と同様である。

これらの熱伝導性周辺部品は、一般的に賦形性に優れる有機高分子材料を用いて成形された状態で必要な部位に組込まれて使用されるが、有機材料は本質的に熱伝導性に乏しいため、通例、熱伝導性に優れた他素材(熱伝導性フィラー)を分散混合した樹脂組成物として利用される。これは樹脂組成物中に熱伝導性フィラーが連続して存在することで熱伝導パスが形成されることを期待するものである。しかし簡単な計算からも、熱伝導性フィラー同士の界面に僅かな厚さの有機相が介在するだけでも、熱移動には多大な影響を及ぼし、結果として成形品を通過する熱流束は大幅に低減されることが分かる。現実の熱伝導性樹脂組成物成形品の性能も、期待ほどの熱を通過させることができずに当該部品自体が二次的な熱源となってしまう。

係る不具合を解消するための最も一般的な対策は、熱伝導性フィラーの配合量を増やし、樹脂マトリクス中で熱伝導性フィラー同士が直接コンタクトする確率を高めるというものである。しかし、期待される効果を得るには熱伝導性フィラー配合量は少なくとも50vol%を超える量は必要であり、熱伝導性フィラーを混合した樹脂組成物の材料物性は樹脂マトリクス本来の性能とは大きく異なるものとなる。特に機械物性や耐衝撃性などが大幅に低下し、賦形性にも影響を及ぼすことは公知である。

そこで熱伝導性フィラーの配合量増大を伴わずに、フィラー同士の接触頻度を上げるための考え方として、既製の粒径が異なる熱伝導性フィラーを混合して粒度分布を変えること(特許文献1)、熱伝導性フィラーと樹脂マトリクス成分との濡れ性を上げ両者間の熱抵抗を下げる(特許文献2)、熱伝導性フィラーの凝集構造を崩し樹脂組成物内での分散状態を改変する(特許文献3)や熱伝導性を有する繊維状フィラーと塊状フィラーの混合物を用いて樹脂組成物内にネットワーク構造を形成する(特許文献4)等のフィラー種類や構造面からの改善検討がなされている。

一方、熱伝導性フィラーを単一素材から準備するのではなく、熱伝導性フィラー表面に異なる無機化合物を付着させた無機フィラー複合体(特許文献5)や熱伝導性フィラーそのものの形態異方性を低減する方法(特許文献6)等のアプローチも提案されている。しかしながら、前記した数々の改良検討では、成形後の樹脂組成物中での熱伝導パス、特に流動方向と垂直方向での熱伝導パスの再現性に乏しく、必ずしも熱伝導性フィラー配合量を低減できないため良好な対策とは言い難いがないのが現状である。

また、より本質的な対策として、複数の熱伝導性フィラーからなる熱伝導パス形成を指向せず、熱伝導性部品成形体に期待される熱移動方向を1個の熱伝導性素材が貫通することで、フィラー界面の接触の問題を回避するコンセプトも提示されている(特許文献7)。当該文献内に開示されている方向性伝熱基板であれば大きな熱流束が期待されるが、ヒートシンクとの一体構造とは言え、それ自身の容積増大や形状自由度に乏しく、前記した熱伝導性の周辺部品への転用はそのままでは難しい。

特開2017−14445号公報

特開2015−108058号公報

特開2012−255055号公報

特開2018−21156号公報

WO2013−039103号公報

特開2016−216318号公報

特開平8−32188号公報

http://pr.fujitsu.com/jp/news/2017/11/30.html

樹脂マトリクスが持つ諸物性を保持しつつ、高い熱伝導性、特に成形品の厚み方向への高い熱伝導性を具備した複合材料およびこれを用いた放熱シートを提供することを目的とする。

本願発明者等は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、下記に示す発明を完成するに至った。 〔1〕 シート状樹脂マトリクス中に、熱伝導性粒子が分散混合されている複合材料であって、前記複合材料の、表裏2つの表面に前記熱伝導性粒子単体の表面が露出していることを特徴とする複合材料。 〔2〕 前記樹脂マトリクスの厚さが、10μm〜30mmであることを特徴とする前記〔1〕に記載の複合材料。 〔3〕 前記複合材料に含まれる前記熱伝導性粒子の配合量が、10vol%以上74vol%以下の条件を満たす範囲内で分散混合されてなることを特徴とする前記〔1〕又は前記〔2〕に記載の複合材料。 〔4〕 前記熱伝導性粒子が、セルロースナノファイバー、炭素繊維、Si、SiC、アルミニウム酸化物、窒化アルミニウム、立方晶窒化ホウ素、六方晶窒化ホウ素、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、ダイヤモンドおよび各種金属の粉末やワイヤの単独粒子および/またはこれらの凝集粒子および/または前記熱伝導性粒子が土台となる球状微粒子表面に固定されて被覆層を形成している複合フィラーから選ばることを特徴とする前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の複合材料。 〔5〕 前記樹脂マトリクスの樹脂が、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリシルセスキオキサン系樹脂およびこれらの複合組成からなる前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の複合材料。 〔6〕 前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の複合材料を用いることを特徴とする放熱シート。 〔7〕 前記放熱シートが、異なる最長部長さを有する熱伝導性粒子が分散混合されている少なくとも2種以上の放熱シートを3層以上に重ねたものであって、かつ、熱伝導性粒子の最長部長さが小さい方の熱伝導性粒子を含む放熱シートが、当該積層物の上下方向の最表面に配置されていることを特徴とする前記〔6〕に記載の放熱シート。

ここで、熱伝導性粒子の「最長部長さ」とは、その形状の特徴を最も示す所(長いところ)の距離とする。球状であれば直径、立方体を含む多面体であれば最も大きな頂点間距離、紡錘状であれば長径、板状であれば投影面の長径、繊維状であれば繊維長(厳密には、繊維直径と繊維長からなる三形の長辺になるが、本願では繊維長で代用できる)となる。

本発明の熱伝導性複合材料では、1個の熱伝導性粒子がシート状成形品の表裏2つの面に露出していることで、当該シート成形品の表側と裏側を貫通する熱伝導パスが既に形成されている。熱伝導性粒子の最長部長さがシート状の樹脂マトリクスの厚みよりもはるかに小さいような通常の熱伝導性樹脂組成物は、成形品の表側と裏側の間に複数個の熱伝導性微粒子が存在し、それら微粒子同士の界面にはマトリクス樹脂による有機層が介在する。この場合、シート成形品の表側と裏側を貫通する熱伝導パスは形成しえない。従って本願発明のシート成形品は、その内部の熱移動に際して有機成分由来の熱抵抗が一切なく、熱伝導性粒子本来の熱伝導率に準じた熱流束が期待できる。

さらに、確実な熱伝導パスがあることにより、想定される熱流束の大きさに応じて熱伝導性粒子の配合量を減ずる方向に調節できるだけの樹脂組成物組成上の自由度を生む。その結果として、従来の複合材料に比べてフィラーが局在化するため、マトリクス樹脂の単独相の体積が大きくなり、樹脂本来の性能を保持しやすい。柔軟性の高いマトリクス樹脂を組み合わせるような場合、特にその柔軟性が損なわれることなく複合材料成形品が得られるメリットがある。

本発明の実施形態について詳細に説明する。

(熱伝導性粒子) 本発明に用いる熱伝導性粒子は、熱伝導性がよければ特に制限はないが、その形状から大別して粒子状のものと線状のものに分けることができる。粒子状熱伝導性粒子は、樹脂マトリクスの厚さが比較的薄い場合に適しており、好ましくは厚さ10μm〜500μmの場合に用いるのが良く、線状熱伝導性粒子は、樹脂マトリクスの厚さが比較的厚い場合に適しており、好ましくは厚さ100μm〜30mmの場合に用いるのが良い。

代表的な粒子状の熱伝導性粒子を例示すると、アルミニウム酸化物、窒化アルミニウム、立方晶窒化ホウ素、六方晶窒化ホウ素、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、ダイヤモンドおよび各種金属粉が例示される。これらの一次粒子または凝集粒子が、本発明における微粒子1層を構成する熱伝導性粒子となる。 代表的な線状の熱伝導性粒子を例示すると、セルロースナノファイバー、炭素繊維、金属ワイヤが例示される。

さらに、前記した熱伝導性粒子が、熱伝導性粒子とそれとは異なる材質からなる球状微粒子(以下、土台粒子と記す)とからなる複合フィラーであって、熱伝導性粒子が土台粒子表面に固定されて被覆層を形成している構造を有していてもよい。土台粒子としては、サイズに自由度が高いガラスビーズ、シリカビーズや各種ポリマービーズが例示され、中空、多孔体であっても中実であってもよい。これら土台粒子の表面が前記熱伝導性粒子の凝集堆積等によって被覆されてなる複合フィラーであれば、熱伝導性粒子として本発明の複合材料に用いる際に、最長部長さを要求に応じて調節することも可能であり、また耐熱性の点で問題を生じない範囲で材質を選べば、複合材料の低比重化にも貢献しうるので好ましい。これら複合フィラーの作成は、例えば、土台粒子と熱伝導性粒子を所定量混合してえた分散液による噴霧乾燥などにより得ることができる。この際に後述の粒子サイズの制約を受けるのは、複合フィラーとしての最長部長さである。

ここまでに述べた熱伝導性粒子の1個の大きさ(最長部長さ)は10μm以上であり、そのバラツキが中心値の±20%以内入っていることが好ましい。最長部長さは後述する熱伝導性複合材料の放熱シートに要求される厚さに合わせることになるため、上限は本発明を実施する際に利用する熱伝導性粒子あるいは熱伝導性複合フィラーの土台粒子の最長部長さに依存する。一方、熱伝導性粒子あるいは熱伝導性複合フィラーがもつ大きさのバラつきには注意する必要がある。要求される最長部長さの大きさに依存して好ましいバラツキは変わりうるが、最長部長さが10μmである場合には、±5%以下であることが望ましく、最長部長さが100μmを超える場合には±10%であっても大きな支障はない。いずれも本発明の実施の形態である放熱シートが取り付けられる発熱体(パワーモジュールやCPU、MPU、GPUの半導体チップ等)の形状や表面状態に合わせて設定する必要がある。

(複合材料) 本発明の複合材料は、シート状樹脂マトリクス中に、熱伝導性粒子が分散混合されている複合材料であって、前記複合材料の、表裏2つの表面に前記熱伝導性粒子単体の表面が露出していることを特徴とする。 本発明の複合材料は、厚さに比べて面積が大きいシート状の形状であり、その面積の大きさは用途によって決まる。半導体チップそのものの冷却を目的とする場合、そのサイズは20mm×20mm程度が標準的な大きさとして例示できる。一方でパワーモジュールのようなモジュール化された半導体部品の冷却であれば、より大きな面積が必要になる。

次に、シートを構成する樹脂マトリクスの厚さは10μm〜30mmである。樹脂マトリクスの厚さが、10μmより薄いと、シート状の複合材料の作成に際して、表裏2面に熱伝導性粒子を露出させる工程が煩雑となり好ましくない。また、樹脂マトリクスの厚さが30mmより厚くなると、本願発明の実施の形態である放熱シート用途としては実用上厚すぎ、本来、発熱体とヒートシンクを熱的に結合するための部品であることを考慮すると好ましくない。より好ましい、樹脂マトリクスの厚さは、50μm〜10mmである。これらの範囲内であれば、工業的に入手可能な熱伝導性粒子を好適に用いることができ、それらの露出のための工程も簡便なものとなる。

マトリクス樹脂部表面に露出している熱伝導性粒子は、前記複合材料の、表裏2つの表面に前記熱伝導性粒子単体の表面が露出していることが必要である。これにより表裏2面を貫通する形で熱伝導性フィラー(熱伝導性粒子)が配置され、同方向での高い熱伝導性が発現する。一方で表裏2面意外の端面への露出は必須ではなく、むしろ端面での熱伝導性粒子の露出によりマトリクス樹脂から見れば、切欠きが存在することになり、複合材料全体が大きく変形した際の破断開始点になりうることから好ましくない。従って、端面での露出は可能な限り避けるように熱伝導性粒子を分散混合することが望まれる。

次に、複合材料に含まれる熱伝導性粒子量は、10vol%以上74vol%以下の配合量であることが好ましい。

複合材料に含まれる熱伝導性粒子量の配合量が、多すぎると複合材料がシートを形成することが困難となるため、74vol%以下の配合量であることが好ましい。 また、下限値には特別な制約はないが、成形品の一部にしか熱伝導性フィラーが存在しない場合、期待される熱流束は低くなり敢えて本発明の手法を用いずとも既製品を用いて対処すればよい。10%未満では所望の性能が発揮できず、好ましくは50%以上の配合が必要である。 配合量は、より好ましくは、20vol%以上60vol%以下であり、更に好ましくは、30vol%以上60vol%以下である。発熱体からの熱流束を直ちによって、マトリクス樹脂そのものも加熱される一方で、マトリクス部の熱容量が必要以上に大きくなってしまうことは好ましくないことから熱伝導性粒子の配合量は大きい方が望ましいが、最密充填に近い状態に熱伝導性粒子を配列することが必ずしも必要ではないことから、製造工程に大きな負担をもたらさない60vol%が実質的な配合量の上限として好ましい。

(樹脂マトリクス) 本発明の複合材料を構成するもう一方の成分であるマトリクス樹脂には、硬化性樹脂であるアクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリシルセスキオキサン系樹脂やこれらの複合組成からなる樹脂および熱可塑性樹脂も用いることができる。これらの選定には、樹脂の耐熱性(熱分解温度)を基準に、本発明の実施の形態である放熱シートが取付られる発熱体の想定温度に応じて選択することになるが、高い熱流束を要求されるパワーモジュール等への接続を前提とする用途であれば、少なくともシリコーン樹脂やポリシルセスキオキサン系樹脂などのケイ素系骨格を有する硬化物であることが求められる。

シリコーン樹脂は200℃程度以上の耐熱性を有し、低硬度から高硬度体まで様々に調節が可能、官能基の変更による粘着性付与もでき、多様な成形手法に対応できる等本発明に好適に用いることができる。また、ポリシルセスキオキサン系樹脂であれば、かご型からラダー型構造に至るポリシルセスキオキサン部構造やポリシルセスキオキサン部を連結する架橋部の構造等を制御(ソフトセグメント導入、ハードセグメント導入や両者のバランス化を図る等)することにより、>230℃以上の耐熱性、様々な弾性率への対応等、マトリクスとして本質的な性能をシリコーン系以上に高く設計することができるので好ましい。

一方で、定常状態での排熱量が大きくない場合であれば、耐熱性の点で劣るアクリル樹脂やエポキシ樹脂もしくは熱可塑性樹脂などであっても構わないが、本発明の複合材料の形状を作れる加工方法(例えば、コンプレッション成形とインサート成形の組合せ等)との摺合せが必要である。

以下に、本発明の複合材料の製造方法について説明する。

本発明の複合材料は、熱伝導性粒子が樹脂マトリクスに埋没することなく、当該複合材料の、少なくとも端面以外の表裏2つの表面にその一部がそれぞれ露出していることが必要である。従って、係る構造を再現よく作成する方法も重要となる。樹脂マトリクスの極めて薄い薄膜が熱伝導性粒子表面に存在し、その露出状態が阻害されることでも熱流束の大幅な低下となる。以下の方法はこれを回避するための方法として例示したものである。

本発明の複合材料の製造方法の一つ例示をすると、熱伝導性粒子1個の最長部長さより大きな厚さを有する樹脂マトリクス中に、当該熱伝導性粒子が分散混合され、必要に応じて硬化あるいは冷却されて固化した複合材料成形品を作成後、端面以外の表裏2つの表面を物理的な研磨や電子線等の照射によるエッチング処理により、熱伝導性粒子の一部を露出させる方法がある。熱伝導性粒子の露出に当たっては溶解や融解等の処理も可能であるが、前記したように極めて薄い有機層が残留しても熱伝導性には悪影響を及ぼす場合がある。処理後の熱伝導性粒子表面の残留有機成分の確認が必須となる。

次に、他の方法として、熱伝導性粒子1個の最長部長さよりも小さい距離を保持した平行平板間に形成された空間に、当該熱伝導性粒子が分散配置された状態で、未硬化の樹脂組成物または適切な熱可塑性樹脂を流入させ、硬化あるいは冷却して固化させた後、平行平板を取り除いて複合材料成形品を得る方法もある。この場合、平行平板にはテフロン(登録商標)やシリコーンゴム等の高硬度シートが好適に用いられ、これらシートの全面に均等に荷重を印加することで、熱伝導性粒子がシートに喰い込んだ状態となり、その最長部長さよりも小さい平行平板間距離を得、結果的に熱伝導性粒子の一部が露出した成形品となる。平行平板の硬度や弾性率および厚さと荷重の組合せによって、得られる露出の程度はある程度調節することができる。 工業的にはコンプレッション成形機の利用が好適である。

一方で、熱伝導性粒子の最長部長さが大きくなり、繊維状に近づく場合には前述の手法では複合材料を作ることが難しい。予め有限長に切断または折り曲げ加工した繊維状熱伝導性粒子を一定量束ねた「部品」を作成し、これを各繊維の長手方向と垂直な面に立てた状態で、樹脂マトリクスとなる硬化性組成物あるいは熱可塑性樹脂に含浸することで作成できる。この時、樹脂マトリクスに含浸される「部品」の数とその分布に制約はない。例えば、直径の大きな「部品」1個(ただしこの「部品」には多数の繊維状熱伝導微粒子が仕込まれている)を所定量の樹脂マトリクスに含浸させて得る構造体でもよいし、直径の小さな「部品」を多数用いて、前記した最長部長さが小さい熱伝導性粒子を配合してなる複合材料を得る際の、配合量の考え方に準じて配置し、所定量の樹脂マトリクスに含浸させている構造体でも良い。いずれにせよ、硬化後あるいは冷却後の樹脂マトリクス成形品の端面以外の表裏2つの表面に前記「部品」が露出していることが必要である。露出面の作成には、前記した手法の利用が考えられる。

本発明の構成を満たす複合材料を放熱部品として利用する場合、複合材料シートの厚みが大きくなることが想定され、厚さの増大に伴い熱伝導性粒子や熱伝導性複合フィラーの最長部長さを大きくすることが必要になる。現実的な材料としては線状の熱伝導性粒子を利用することになり、各種金属ワイヤ、セルロースナノファイア—、カーボンファイバー、カーボンナノチューブや土台となる繊維状物質(例えば、グラスファイバーなどを前記した熱伝導性粒子で被覆した複合繊維等)が利用できる、

前記した熱伝導性複合材料シートの厚みが大きくなる場合、そのままでヒートシンク等の機能を具備した方が放熱性の点で効率的である。そこで、係る複合材料の構造を利用したヒートシンク構造の形成が望ましい。当該複合材料の端面以外の表裏2面の内の一方に露出している繊維状の熱伝導性粒子が微粒子1個の表面積の、平均して20%以上が露出している状態を作ればよい。具体的には複合材料のマトリクス部厚みを繊維長に比して小さく(繊維状熱伝導性粒子の露出の程度を大きく)すればよく、外観上は剣山のような状態となる。ヒートシンクとしての性能を高めるとすれば、この露出の程度は大きいほどよく、少なくとも繊維状熱伝導性粒子の1個当たりの表面積の20%以上が露出していることが望ましく、50%以上であってもよい。この数値は20%未満であれば、ヒートシンクとしての性能が乏しくなり、好ましくない。

特に、熱伝導性複合材料シートの厚みが大きくなる場合、樹脂マトリクスが低硬度もしくあは低弾性率の耐熱性樹脂と組み合わせることで、下地の形状追従性を付与することが出来る。繊維状の高熱伝導性粒子を束にして立てる構造は、変形性に乏しく硬くなるが、本発明では柔軟な樹脂マトリクスを繊維状の熱伝導性粒子の間に充填することで、複合材料成形品全体としての柔軟性も確保することが出来る。樹脂マトリクスが低弾性率であれば塑性変形的な挙動、弾性率が大きければ可逆性のある変形挙動となる。さらに、これら束を必要に応じて一つの熱伝導性粒子と見なし、樹脂マトリクス内に分散混合するという考え方を導入することで、複合材料成形品全体の柔軟性を高められ多様なアプリションへの適用が可能となる。

(放熱シート) 前述のように、本発明の構成を満たす複合材料はシート状であるので、そのまま利用すれば発熱体とヒートシンク等の間に挟む放熱シートとして利用できる。しかし、フィラーサイズが小さな均一分散体とは異なり、熱伝導性粒子の大きさが大きく、その数が限られている本発明の構成では、放熱シートして十分な下地形状追従性が発揮できず、この部分が熱抵抗となる可能性がある。これを回避するためには、最長部長さの異なる熱伝導性粒子あるいは熱伝導性複合フィラーを用いた複合材料のシートを複数準備し、これらを厚さ方向に積層することで放熱シートとしての厚みを稼ぎ下地形状追従性を確保することが好ましい。

本発明の熱伝導性複合材料のシートを積層して放熱シートする場合、少なくとも2準の最長部長さを有する熱伝導性粒子を準備し、それぞれを用いてなるシート状複合材料を積層することが望ましい。その際に、最長部長さの大きさに応じて段階的に、すなわち相対的に小さな最長部長さを有する熱伝導性粒子を含むシート状複合材料が放熱シートの表裏の表面寄りに配置されてなるように表裏対称に積層し、さらに、熱伝導性粒子の配合量も同じ方向に大きくなるように設計することで、シート間の熱伝導パスが確実に形成できるようになる。

以下に実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されるものではない。

<シート状複合材料1(S−1)> 市販のc−BN(立方晶窒化ホウ素、グローバルダイヤモンド社製 FBN−300,420μmφ)の所定量を底面積が100mm×100mm以上あるテフロン(登録商標)トレーの上に拡げ、振とう機(アズワン社製MPX−96A)上に固定し、ゆっくりと振動させながら、シリコーン樹脂製のヘラを併用しながらc−BN微粒子を一層厚さで展開した。その後、5mm厚さ、外形寸法が前記したテフロン(登録商標)トレーの底面積と同じテフロン(登録商標)シートを展開したc−BN層の上から静かに置き、さらに2mm厚さ(同形状)のステンレス板を重ねた上に1kgの錘を置いた。これにより、テフロン(登録商標)トレーとテフロン(登録商標)シートの間にc−BNが挟まれてなる空間を作った。 次に、マトリクス樹脂としてエポキシ樹脂(三菱ケミカル社製 エピコート828)、エポキシ樹脂硬化剤(日立化成社製HN−2000)、反応性希釈材(ナガセケムテックス社製 デナコールEX−141)および硬化触媒を所定量混合した熱硬化性組成物を前記したテフロン(登録商標)トレーとテフロン(登録商標)シートの間にc−BNが挟まれてなる空間に静かに流し込み、必要に応じて、超音波振動を印加しながら脱泡を行った。 その後、80℃、4時間の硬化処理を行った後、樹脂マトリクス部の厚さが380μmであり、c−BNが露出したシート状複合材料1(S−1)を得た。

<シート状複合材料2(S−2)> 前記S−1と同じc−BNの所定量を底面積が100mm×100mm以上あるテフロン(登録商標)トレーの上に拡げ、振とう機(アズワン社製MPX−96A)上に固定し、ゆっくりと振動させながら、シリコーン樹脂製のヘラを併用しながらc−BN微粒子を一層厚さで展開した。その後、50μm厚さ、外形寸法が前記したテフロン(登録商標)トレーの底面積と同じテフロン(登録商標)フィルムを展開したc−BN層の上から静かに置いた。これにより、テフロン(登録商標)トレーとテフロン(登録商標)フィルムの間にc−BNが挟まれてなる空間を作った。 次に、マトリクス樹脂としてエポキシ樹脂(三菱ケミカル社製 エピコート828)、エポキシ樹脂硬化剤(日立化成社製HN−2000)、反応性希釈材(ナガセケムテックス社製 デナコールEX−141)および硬化触媒を所定量混合した熱硬化性組成物を前記したテフロン(登録商標)トレーに静かにとテフロン(登録商標)シートの間にc−BNが挟まれてなる空間に静かに流し込み、必要に応じて、超音波振動を印加しながら脱泡を行った。 その後、80℃、4時間の硬化処理を行った後、樹脂マトリクス部の厚さが450μmであり、c−BNが露出していないシート状複合材料2(S−2)を得た。

<シート状複合材料3(S−3)> 市販のc−BN(立方晶窒化ホウ素、グローバルダイヤモンド社製 FBN−300,)を用いたほかは、前記した<シート状複合材料1>と同様の手順を経て、樹脂マトリクス部の厚さが80μmであり、c−BNが露出したシート状複合材料3(S−3)を得た。

<シート状複合材料4(S−4)> 市販の銅ワイヤ(Coining社製 OW−225,150μmφ)を18mmずつに切断し、両面粘着テープ(3M社製 9415PC,0.06mmt)上に片端の位置を両面粘着テープの端部に一致させるように相互の位置を合わせて横並びに並べた。得られた簾状の銅ワイヤ集合体をロールして巻物状にし、最終手的に直径が15mmになるまで巻き取った。 次に、マトリクス樹脂としてエポキシ樹脂(三菱ケミカル社製 エピコート828)、エポキシ樹脂硬化剤(日立化成社製HN−2000)、反応性希釈材(ナガセケムテックス社製 デナコールEX−141)および硬化触媒を所定量混合した熱硬化性組成物を準備し、 直径50mmのテフロン(登録商標)製シャーレに3mmの深さに張り込み、前記した銅ワイヤからなる巻物の両面粘着テープが取りついた側と反対側を当該熱硬化性組成物に浸漬して、倒れないように固定した。必要に応じて超音波振動を印加しながら脱泡を行った。 その後、80℃、4時間の硬化処理を行った後、樹脂マトリクスのブロックから突出した銅ワイヤからなる巻物のうち両面粘着テープが張付いている端から10mmの部分を切り落とし、樹脂マトリクス部の厚さが3mmであり、そこから5mmの高さの銅ワイヤが剣山のように突き出たシート状複合材料(S−4)を得た。

<シート状複合材料2(S−5)> 市販の銅ワイヤ(Coining社製 OW−225,150μmφ)を3mmずつに切断し、両面粘着テープ(3M社製 9415PC,0.06mmt)上に、片端の位置を両面粘着テープの端部に一致させるように相互の位置を合わせて横並びに並べた。得られた簾状の銅ワイヤ集合体をロールして巻物状にし、最終手的に直径が15mmになるまで巻き取った。その後、銅ワイヤが含まれていない粘着テープ部分を切り落とし、厚さが約3mmの巻物を作り、直径50mmのテフロン(登録商標)製シャーレの底から2mmの位置に浮かせて固定した。 次に、マトリクス樹脂としてエポキシ樹脂(三菱ケミカル社製 エピコート828)、エポキシ樹脂硬化剤(日立化成社製HN−2000)、反応性希釈材(ナガセケムテックス社製 デナコールEX−141)および硬化触媒を所定量混合した熱硬化性組成物を準備し、前記のテフロン(登録商標)製シャーレに8mmの深さに張り込み、前記した銅ワイヤからなる巻物を当該熱硬化性組成物に浸漬した。必要に応じて超音波振動を印加しながら脱泡を行った。 その後、80℃、4時間の硬化処理を行った後、樹脂マトリクスの中に銅ワイヤの巻物が包埋された構造となるシート状複合材料2(S−5)を得た。

(性能評価) <熱特性の評価> 本願発明の熱伝導性複合材料およびそれを用いた各種の成形体の熱伝導率は、その形状形態面から安定な測定が難しい。そのため簡易的な非接触型温度測定装置を組み立て、非検体を熱源に接触させた後の、熱源と反対側の表面温度の時間変化を計測した。すなわち、ホットプレート(アズワン社製 HPP−411型)を予め90℃に設定し、一定温度に到達後に所定のサンプルを所定位置に置く。このとき、サンプル直上600mmの位置に放射温度計センサ部(FLIR社製 FLIR ONE for iOS)を設置し、前記したサンプルがホットプレート上に設置されたと同時、時間計測を開始、30秒間隔でサンプルの温度変化を追跡した。定常状態に到達後のサンプル表面温度とホットプレート温度の差が小さいほど高い放熱性が発揮できると共に、定常状態に至るまでの時間が短いほど、放熱性が高くかつ温度変化の激しい熱源の放熱への動的な対応能力に優れることを意味する。

前記したS−1,S−2,S−3について、それぞれ熱特性を評価したところ、定常状態までの到達時間はそれぞれ0.25分以下、4分および0.1分以下と有意な差があった。また定常状態での温度はそれぞれ77℃、68℃および80℃と有意を見出した。表1にまとめて掲げる。

〔実施例1〕 S−1およびS−3を用い、S−1を上下からS−3で挟んだ積層シート(S−3/S−1/S−3)準備した。熱特性の評価には、ホットプレート接触面と反対側の放射温度計観測面に厚さ5mmのアルミブロックを積み、これをヒートシンクと見立てた際の温度変化を追跡した。

〔実施例2〕 S−4をそのままホットプレート上に設置し、その後のホットプレート接触面と反対側のヒートシンク様構造部の温度変化を放射温度計によって追跡した。

〔比較例1〕 S−2およびS−3を用い、S−2を上下からS−3で挟んだ積層シート(S−3/S−2/S−3)を準備した。熱特性の評価には、ホットプレート接触面と反対側の放射温度計観測面に厚さ5mmのアルミブロックを積み、これをヒートシンクと見立てた際の温度変化を追跡した。

〔比較例2〕 S−5をそのままホットプレート上に設置し、その後のホットプレート接触面と反対側のヒートシンク様構造部の温度変化を放射温度計によって追跡した。

S−1、S−2、S−3,実施例1〜2、比較例1〜2の組成および性能評価結果をまとめて表1に示した。

表1より、実施例1では短時間(熱源接触後1分)で定常状態に到達し、その温度も熱源温度に近い80℃近傍を観測したが、比較例1では、定常状態到達にまで6分を要し、かつ到達温度も熱源温度よりも20℃以上低かった。これは高い熱伝導率を有する熱伝導性フィラーを用いても、十分な熱伝導パスが形成されない場合には熱流束が大きくならず、放熱シートとしての性能も乏しくなることが分かる。

表1より、実施例2ではブロック状であるにもかかわらず3分で定常状態に到達し、その時の温度も熱源温度に近いものであった。一方で、比較例2では定常状態にまで長時間を要し(18分)、さらに到達温度も低かった。連続的な熱伝導パスを予め作っておくことに相当する実施例2でも、熱伝導の阻害要因となる樹脂成分の影響を長距離にわたって受けることなく、熱流束を大きく維持できることが分かる。

本発明の熱伝導性複合材料を構成部品とした放熱シートは、高い熱移送能力を有する樹脂製成形品や接着剤等をもたらすことが出来る。今後の利用拡大が期待される自動車や空調用のパワー半導体の封止材や放熱材あるいは放熱フィンとの接着材等への利用が期待される。

高效检索全球专利

专利汇是专利免费检索,专利查询,专利分析-国家发明专利查询检索分析平台,是提供专利分析,专利查询,专利检索等数据服务功能的知识产权数据服务商。

我们的产品包含105个国家的1.26亿组数据,免费查、免费专利分析。

申请试用

分析报告

专利汇分析报告产品可以对行业情报数据进行梳理分析,涉及维度包括行业专利基本状况分析、地域分析、技术分析、发明人分析、申请人分析、专利权人分析、失效分析、核心专利分析、法律分析、研发重点分析、企业专利处境分析、技术处境分析、专利寿命分析、企业定位分析、引证分析等超过60个分析角度,系统通过AI智能系统对图表进行解读,只需1分钟,一键生成行业专利分析报告。

申请试用

QQ群二维码
意见反馈