方法

阅读:738发布:2020-05-14

专利汇可以提供方法专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且本発明は、タバコ 植物 又はタバコ細胞培養物のスクロースエステル含有量を増加させる方法であって、ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を阻害することにより前記タバコ植物又はタバコ細胞培養物を改変するステップを含む方法を提供する。本発明は、本発明に基づき取得可能なタバコ植物又はタバコ細胞培養物、並びにタバコ細胞、タバコ植物、タバコ 植物繁殖 材料 、採取された葉、加工されたタバコ、又はタバコ製品のスクロースエステル含有量を増加させるためのジテルペン合成遺伝子の使用も提供する。,下面是方法专利的具体信息内容。

タバコ植物若しくはその一部、又はタバコ細胞培養物のスクロースエステル含有量を増加させる方法であって、ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を阻害することにより、前記タバコ植物又はタバコ細胞培養物を改変するステップを含む、前記方法。タバコ植物若しくはその一部、又はタバコ細胞培養物のスクロースエステル含有量を増加させるためのジテルペン合成遺伝子の使用。スクロースエステル含有量が増加しているタバコ植物若しくはその一部、タバコ植物繁殖材料、タバコ葉、カットされ採取されたタバコ葉、加工されたタバコ葉、又はカットされ加工されたタバコ葉、又はタバコ細胞培養物を生成する方法であって、ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を阻害するように前記タバコを改変するステップを含む、前記方法。ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を阻害するように改変されなかったタバコ植物又はタバコ細胞培養物との比較において、スクロースエステル含有量が増加している、請求項1〜3のいずれかに記載の方法又は使用。非改変植物又は非改変タバコ細胞培養物との比較において、スクロースエステル含有量の増加を実現するように改変されたタバコ植物若しくはその一部、又はタバコ細胞培養物であって、前記改変が、ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現の阻害である、前記タバコ植物又はその一部。請求項5に記載のタバコ植物又はタバコ細胞培養物から取得可能なタバコ植物繁殖材料(例えば、植物の種子)。ジテルペン合成遺伝子が、シクラーゼ2遺伝子(CYC2)、CBTolシクラーゼ、又はテルペンシンターゼ3−8である、請求項1〜4のいずれかに記載の方法若しくは使用、請求項5に記載のタバコ植物若しくはタバコ細胞培養物、又は請求項6に記載のタバコ植物繁殖材料。ジテルペン合成遺伝子の発現がRNA干渉(RNAi)を使用して阻害される、請求項1〜4及び7のいずれかに記載の方法又は使用、請求項5又は7に記載のタバコ植物若しくはその一部、又はタバコ細胞培養物、或いは請求項6又は7に記載のタバコ植物繁殖材料。シクラーゼ2遺伝子(CYC2)の発現が、前記シクラーゼ2遺伝子(CYC2)のエクソン1の少なくとも一部分、エクソン2の少なくとも一部分、及びエクソン3の少なくとも一部分を含むddRNAi DNAコンストラクトを使用して阻害される、請求項8に記載の方法、使用、タバコ植物、又はタバコ植物繁殖材料、又はタバコ細胞培養物。CBTolシクラーゼ遺伝子の発現が、前記CBTolシクラーゼ遺伝子のエクソン4の少なくとも一部分、イントロン4、エクソン5、イントロン5、エクソン6、イントロン6、及びエクソン7の少なくとも一部分を含むddRNAi DNAコンストラクトを使用して阻害される、請求項8に記載の方法、使用、タバコ植物、又はタバコ植物繁殖材料、又はタバコ細胞培養物。テルペンシンターゼ3−8遺伝子の発現が、前記テルペンシンターゼ3−8遺伝子の少なくともヌクレオチド1497〜1517を含むddRNAi DNAコンストラクトを使用して阻害され、但しナンバリングが配列番号3とのアライメントにより決定される、請求項8に記載の方法、使用、タバコ植物、又はタバコ植物繁殖材料、又はタバコ細胞培養物。テルペンシンターゼ3−8遺伝子の発現が、前記テルペンシンターゼ3−8遺伝子の少なくともヌクレオチド884〜904を含むddRNAi DNAコンストラクトを使用して阻害され、但しナンバリングが配列番号3とのアライメントにより決定される、請求項8に記載の方法、使用、タバコ植物、又はタバコ植物繁殖材料、又はタバコ細胞培養物。タバコ植物のスクロースエステル含有量が、ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を阻害するように改変されなかったタバコ植物又はタバコ細胞培養物と比較して、改変されたタバコ植物又はタバコ細胞培養物において少なくとも2倍高い、請求項1〜4及び7〜12のいずれかに記載の方法若しくは使用、又は請求項5及び7〜12のいずれかに記載のタバコ植物若しくはその一部、又はタバコ細胞培養物。タバコ植物を生育させるための、請求項5及び7〜13のいずれかに記載のタバコ植物若しくはその一部の使用。タバコ産業製品を製造するための、請求項5及び7〜13のいずれかに記載のタバコ植物若しくはその一部、又はタバコ細胞培養物の使用。作物を成長させるための、請求項5及び7〜13のいずれかに記載のタバコ植物又はその一部の使用。タバコ葉(例えば、加工された(好ましくは乾燥させた)タバコ葉)を製造するための、請求項5及び7〜13のいずれかに記載のタバコ植物又はその一部の使用。請求項5及び7〜13のいずれかに記載のタバコ植物、又は請求項6〜13のいずれかに記載の繁殖材料から繁殖させたタバコ植物から取得可能なタバコ植物、又は請求項14〜17のいずれかに記載の使用により取得されたタバコ植物から取得可能な、タバコ植物の採取された葉。カットされ採取された葉である、請求項18に記載のタバコ植物の採取された葉。i)請求項14〜17のいずれかに記載の使用から取得可能なタバコ植物から取得可能であるか、 ii)請求項5及び7〜13のいずれかに記載のタバコ植物を加工することにより取得可能であるか、 iii)請求項6〜13のいずれかに記載のタバコ植物繁殖材料から繁殖させたタバコ植物から取得可能であるか、又は iv)請求項18又は19に記載のタバコ植物の採取された葉を加工することにより取得可能である、 加工されたタバコ葉(好ましくは非生存性の加工されたタバコ葉)。タバコが、乾燥、発酵、加熱殺菌、又はその組合せにより加工される、請求項20に記載の加工されたタバコ葉。カットされ加工されたタバコ葉である、請求項20又は21に記載の加工されたタバコ葉。請求項5及び7〜13のいずれかに記載の植物若しくはその一部、又はその抽出物、或いは請求項5及び7〜13のいずれかに記載のタバコ細胞培養物から作製される乾燥したタバコ材料。請求項23に記載の乾燥したタバコ材料を含むタバコブレンド。i)請求項5及び7〜13のいずれかに記載のタバコ植物若しくはその一部、又は請求項5及び7〜13のいずれかに記載のタバコ細胞培養物、 ii)請求項6〜13のいずれかに記載のタバコ植物繁殖材料から繁殖させたタバコ植物又はその一部、 iii)請求項18又は19に記載のタバコ植物の採取された葉、 iv)請求項19〜22のいずれかに記載の加工されたタバコ葉、 v)請求項23に記載の乾燥したタバコ材料、或いは vi)請求項24に記載のタバコブレンド、 から調製されるタバコ産業製品。タバコ製品が、可燃性の喫煙物品である、請求項25に記載のタバコ産業製品。タバコ製品が、無煙タバコ製品である、請求項25に記載のタバコ産業製品。タバコ製品が、非可燃性エアゾール供給システム、例えばタバコ加熱デバイス又はエアゾール発生デバイス等である、請求項25に記載のタバコ産業製品。請求項5及び7〜13のいずれかに記載の植物若しくはその一部、又はその抽出物(例えば、タバコ抽出物)、或いは請求項5及び7〜13のいずれかに記載のタバコ細胞培養物、或いは請求項23に記載の乾燥したタバコ材料、或いは請求項24に記載のタバコブレンドを含む可燃性の喫煙物品、非可燃性エアゾール供給システム、無煙タバコ製品、又はタバコ加熱デバイス。説明及び図面を参照しながら本明細書に実質的に記載される方法、タバコ葉、タバコ植物、タバコ植物繁殖材料、採取された葉、加工されたタバコ、タバコ製品、使用、又はその組み合わせ。

タバコ植物若しくはその一部、又はタバコ細胞培養物のスクロースエステル含有量を増加させる方法であって、ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を阻害することにより、前記タバコ植物又はタバコ細胞培養物を改変するステップを含む、前記方法。タバコ植物若しくはその一部、又はタバコ細胞培養物のスクロースエステル含有量を増加させるためのジテルペン合成遺伝子の使用。スクロースエステル含有量が増加しているタバコ植物若しくはその一部、タバコ植物繁殖材料、タバコ葉、カットされ採取されたタバコ葉、加工されたタバコ葉、又はカットされ加工されたタバコ葉、又はタバコ細胞培養物を生成する方法であって、ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を阻害するように前記タバコを改変するステップを含む、前記方法。ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を阻害するように改変されなかったタバコ植物又はタバコ細胞培養物との比較において、スクロースエステル含有量が増加している、請求項1〜3のいずれかに記載の方法又は使用。ジテルペン合成遺伝子が、シクラーゼ2遺伝子(CYC2)、CBTolシクラーゼ、又はテルペンシンターゼ3−8である、請求項1〜4のいずれかに記載の方法若しくは使用。ジテルペン合成遺伝子の発現がRNA干渉(RNAi)を使用して阻害される、請求項1〜5のいずれかに記載の方法又は使用。シクラーゼ2遺伝子(CYC2)の発現が、前記シクラーゼ2遺伝子(CYC2)のエクソン1の少なくとも一部分、エクソン2の少なくとも一部分、及びエクソン3の少なくとも一部分を含むddRNAi DNAコンストラクトを使用して阻害される、請求項6に記載の方法又は使用。CBTolシクラーゼ遺伝子の発現が、前記CBTolシクラーゼ遺伝子のエクソン4の少なくとも一部分、イントロン4、エクソン5、イントロン5、エクソン6、イントロン6、及びエクソン7の少なくとも一部分を含むddRNAi DNAコンストラクトを使用して阻害される、請求項6に記載の方法又は使用。テルペンシンターゼ3−8遺伝子の発現が、前記テルペンシンターゼ3−8遺伝子の少なくともヌクレオチド1497〜1517を含むddRNAi DNAコンストラクトを使用して阻害され、但しナンバリングが配列番号3とのアライメントにより決定される、請求項6に記載の方法又は使用。テルペンシンターゼ3−8遺伝子の発現が、前記テルペンシンターゼ3−8遺伝子の少なくともヌクレオチド884〜904を含むddRNAi DNAコンストラクトを使用して阻害され、但しナンバリングが配列番号3とのアライメントにより決定される、請求項6に記載の方法又は使用。非改変植物又は非改変タバコ細胞培養物との比較において、スクロースエステル含有量の増加を実現するように改変されたタバコ植物若しくはその一部、又はタバコ細胞培養物であって、前記改変が、ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現の阻害であり、前記ジテルペン合成遺伝子が、シクラーゼ2遺伝子(CYC2)又はテルペンシンターゼ3−8である、前記タバコ植物若しくはその一部、又はタバコ細胞培養物。請求項7〜10のいずれかで定義するddRNAiコンストラクトを含むタバコ植物若しくはその一部、又はタバコ細胞培養物。請求項11又は12に記載のタバコ植物又はタバコ細胞培養物から取得可能なタバコ植物繁殖材料(例えば、植物の種子)。タバコ植物のスクロースエステル含有量が、ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を阻害するように改変されなかったタバコ植物又はタバコ細胞培養物と比較して、改変されたタバコ植物又はタバコ細胞培養物において少なくとも2倍高い、請求項1〜4及び5〜10のいずれかに記載の方法若しくは使用、又は請求項11若しくは12に記載のタバコ植物若しくはその一部、又はタバコ細胞培養物。タバコ植物を生育させるための、請求項11に記載のタバコ植物又はその一部の使用。タバコ産業製品を製造するための、請求項11、12及び14のいずれかに記載のタバコ植物若しくはその一部、又はタバコ細胞培養物の使用。作物を成長させるための、請求項11、12及び14のいずれかに記載のタバコ植物又はその一部の使用。タバコ葉(例えば、加工された(好ましくは乾燥させた)タバコ葉)を製造するための、請求項11、12及び14のいずれかに記載のタバコ植物又はその一部の使用。請求項11、12及び14のいずれかに記載のタバコ植物、又は請求項13に記載の繁殖材料から繁殖させたタバコ植物から取得可能なタバコ植物、又は請求項15〜18のいずれかに記載の使用により取得されたタバコ植物から取得可能な、タバコ植物の採取された葉。カットされ採取された葉である、請求項19に記載のタバコ植物の採取された葉。i)請求項15〜18のいずれかに記載の使用から取得可能なタバコ植物から取得可能であるか、 ii)請求項11、12及び14のいずれかに記載のタバコ植物を加工することにより取得可能であるか、 iii)請求項13に記載のタバコ植物繁殖材料から繁殖させたタバコ植物から取得可能であるか、又は iv)請求項19又は20に記載のタバコ植物の採取された葉を加工することにより取得可能である、 加工されたタバコ葉(好ましくは非生存性の加工されたタバコ葉)。タバコが、乾燥、発酵、加熱殺菌、又はその組み合わせにより加工される、請求項21に記載の加工されたタバコ葉。カットされ加工されたタバコ葉である、請求項21又は22に記載の加工されたタバコ葉。請求項11、12及び14のいずれかに記載の植物若しくはその一部、又はその抽出物から、或いは請求項11、12及び14のいずれかに記載のタバコ細胞培養物から作製される乾燥したタバコ材料。請求項24に記載の乾燥したタバコ材料を含むタバコブレンド。i)請求項11、12及び14のいずれかに記載のタバコ植物若しくはその一部、又は請求項11、12及び14のいずれかに記載のタバコ細胞培養物、 ii)請求項13に記載のタバコ植物繁殖材料から繁殖させたタバコ植物又はその一部、 iii)請求項19又は20に記載のタバコ植物の採取された葉、 iv)請求項20〜23のいずれかに記載の加工されたタバコ葉、 v)請求項24に記載の乾燥したタバコ材料、或いは vi)請求項25に記載のタバコブレンド、 から調製されるタバコ産業製品。タバコ製品が、可燃性の喫煙物品である、請求項26に記載のタバコ産業製品。タバコ製品が、無煙タバコ製品である、請求項26に記載のタバコ産業製品。タバコ製品が、非可燃性エアゾール供給システム、例えばタバコ加熱デバイス又はエアゾール発生デバイス等である、請求項26に記載のタバコ産業製品。請求項11、12及び14のいずれかに記載の植物若しくはその一部、又はその抽出物(例えば、タバコ抽出物)、或いは請求項11、12及び14のいずれかに記載のタバコ細胞培養物、或いは請求項24に記載の乾燥したタバコ材料、或いは請求項25に記載のタバコブレンドを含む可燃性の喫煙物品、非可燃性エアゾール供給システム、無煙タバコ製品、又はタバコ加熱デバイス。

说明书全文

本発明は、タバコの香りを改善することに関し、特にタバコ植物中のスクロースエステル含有量に関する。特に、本発明は、タバコ植物中のスクロースエステル含有量を増加させることに関する。より具体的には、本発明は、ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を阻害する方法及び使用、並びにタバコ植物及びその下流生成物(例えば、繁殖材料、採取された(harvested)葉、加工された(processed)タバコ、タバコ製品)に関する。

植物のトリコームは、表皮の伸長を含む特殊化した構造であり、多くの植物のアリエル表面に見出され得る。その形態は、種間はもとより、植物器官上のその場所、そのサイズ及び密度を含む種内でも異なる。それは、昆虫、病原生物、及び草食動物に対する最善の防御を提供し、また降霜条件及び有風条件等の環境に対する保護を提供すると考えられている。トリコームは腺性及び分泌性生成物であり得、その主要機能は、植物表面において保存される、又は揮発する害虫若しくは花粉媒介者相互作用性の化学物質を産生することであり得る。そのような植物のトリコームは、経済上及び商業上の重要性を有する天然物を製造するための工場として機能する。有利には、分泌される化合物は、トリコーム腺においてのみ生成され、周辺キューティクルの下方にある腺細胞外部に蓄積する。したがって、滲出物は植物を非侵襲性溶媒中に浸漬することにより容易且つ完全に回収可能である。滲出物質が植物の外部に実質的に蓄積するからである。植物のトリコーム二次滲出物組成の操作は、昆虫耐性を増強するのに使用され(参照として本明細書に組み込まれているWang et al. Nature Biotechnology 19, 371-374(2001))、また腺性トリコームの代謝的エンジニアリングがエッセンシャルオイルの品質を強化するのに使用されている(参照として本明細書に組み込まれているMahmoud and Croteau Proc Natl Acad Sci U S A. 2001 Jul 17;98(15):8915-20. Epub 2001 Jun 26)。

いくつかのタバコ品種は、高バイオマス及び高い滲出物蓄積能の両方を保持する。例えば、実験的なタバコ系統T.I.1068は、腺トリコーム滲出物として乾燥葉重量の最大17%を生成し得る(参照として本明細書に組み込まれているWagner, G.J 1991 Plant Physiology 96, 675-679)。トリコーム腺性滲出物のほぼ72%がジテルペノイドであり、またほぼ24%がスクロースエステルである。

スクロースエステルの最も豊富な天然供給源は、タバコ植物であると思われる。糖(スクロース又はグルコース)とエステル化し得るアシル基及びアシル基の組合せには多くの可能性があることから、糖エステルは化合物の複雑な混合物である。このような化合物は、それを産生するタバコ葉の粘着性のテクスチャーに主に関係する(参照として本明細書に組み込まれているKandra, L. and G.J. Wagner, Archives Biochem. Biophys. 265 (1988) 425-432)。スクロースエステルは、トルコタバコ煙の重要な香り成分である3−メチル吉草酸及び3−メチル酪酸の前駆体であり(参照として本明細書に組み込まれているKandra, L., et al. Eur. J. Biochem. 188 (1990) 385-391)、さらに3−メチル吉草酸は、タバコに「トルコ風味」をもたらすと言われている。

T.I.1068トリコーム滲出物は、センブレノイド及びラブダノイドジテルペノイドを主に含有する。CBTジオール(α及びβ位置異性体)、シス−アビエノール、及びラブデンジオールは、滲出物重量の約60、10、及び0.6%をそれぞれ占める。T.I.1068トリコーム滲出物のジテルペン及びCBTジオールの主要なジテルペンコンポーネントについて、その一般的な合成経路を図2に示す。葉緑体のメチルエリトリトールホスフェート(MEP,methyl-erythritol-phosphate)経路は、ジテルペン合成用のゲラニルゲラニルピロリン酸(GGPP,geranylgeranyl pyrophosphate)を供給する。

タバコの官能特性又は知覚特性は、タイプが異なれば顕著に変化し、そして遺伝的差異を含む要因の複雑性により影響を受ける。タバコの抗真菌特性及び官能特性は、スクロースエステル含有量と関連すると考えられている。タバコの独特のアロマ及び香りプロファイルは、あるレベルで乾燥させた葉に存在する独特の香り及びアロマ化合物、又はこのような化合物の前駆体の結果であり、そしてスクロースエステル含有物を含み得る。

トルコタバコ(時にオリエンタルタバコと呼ばれる)は望ましい官能特性を有し、それはきわめて芳香性で、マイルドな香りを有する葉が小型化した多様なタバコであり、そして含有するニコチン量はその他のタバコ品種よりも少ない。測定可能な量のスクロースエステルが、タバコの乾燥/エージングプロセスを経ても残存し、したがって、市販のトルコ(又はオリエンタル)タバコの不可欠な成分として現れることが確認されている(参照として本明細書に組み込まれているM. Ashraf-Khorassani,et al. Contributions to tobacco Research Vol 21: 7; October 2005)。さらに、スクロースエステルは、トルコタバコ煙内の芳香性カルボン酸の前駆体であり、したがって、トルコタバコの重要な香りコンポーネントである(参照として本明細書に組み込まれているArrendale, R.F., et al., J. Agric. Food Chem. 38 (1990) 75-85)。

天然のスクロースエステルには、分子内のエステル化の程度及びエステル官能性の分布に起因して分析上の難問が存在する。スクロース分子内には、アシル基を有し得る4つの部位(例えば、1次が1箇所、2次が3箇所)がグルコース(GLU,glucose)環上に存在し;またフルクトース(FRU,fructose)環上には別の4部位(例えば、1次が2箇所、2次が2箇所)が見出され得る。今日まで、エステルの酸部分の同定は、スクロースメチル/ブチルエステル又はスクローストリメチルシリル(TMS,trimethylsilyl)誘導体のガスクロマトグラフィー−マススペクトロメトリー(GC−MS,gas chromatography - mass spectrometry)、及び液体クロマトグラフィー−マススペクトロメトリー(LC−MS,liquid chromatography-mass spectrometry)によっている(参照として本明細書に組み込まれているSlocombe et al. Plant Physiol. 148, 1830-1846を参照)。より高分子量の炭化素誘導体を取り込むための努力において、高温ガスクロマトグラフィー(GC,gas chromatography)が検討されたが、ほとんど奏功しなかった(参照として本明細書に組み込まれているKarrer, R., et al., J. High Resolu. Chromatogr. 15 (1992) 585-589)。エステルの酸加水分解及び遊離したカルボン酸の再誘導体化によりデータが取得され、それに由来するスクロースエステル上のアシル置換パターンに関する推定が報告されているが、しかしこのアプローチでは、異なる解釈が成り立ち得る。

Wang et al. Nature Biotechnology 19, 371-374(2001)

Mahmoud and Croteau Proc Natl Acad Sci U S A. 2001 Jul 17;98(15):8915-20. Epub 2001 Jun 26

Wagner, G.J 1991 Plant Physiology 96, 675-679

Kandra, L. and G.J. Wagner, Archives Biochem. Biophys. 265 (1988) 425-432

Kandra, L., et al. Eur. J. Biochem. 188 (1990) 385-391

M. Ashraf-Khorassani,et al. Contributions to tobacco Research Vol 21: 7;October 2005

Arrendale, R.F., et al., J. Agric. Food Chem. 38 (1990) 75-85

Slocombe et al. Plant Physiol. 148, 1830-1846

Karrer, R., et al., J. High Resolu. Chromatogr. 15 (1992) 585-589

本明細書において教示するジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を阻害することにより、スクロースエステル含有量が増加したタバコを生成するようにタバコを改変すれば、タバコ植物は商業的に望ましい特性を有するようになり、そのタバコ植物によって、顕著な香り(及び/又はアロマ及び/又はテイスト)の特徴、例えばトルコタバコに見出される特徴等が生成可能であることを驚くべきことに見出した。これにより、タバコ製品の消費者が追い求める優れた香り(及び/又はアロマ及び/又はテイスト)の特徴を有するタバコ製品が製造可能となる。

本発明者らは、特定の二次化合物を生成する特殊化したトリコーム腺細胞における炭素流動の制御及び経路について調査した。本発明者らの1つの目的は、トリコーム滲出物の化学的性質(chemistry)を改変してジテルペン含有量を変化させるために、トリコーム腺ジテルペン代謝を最適化することであった。同一条件下で繁殖させた野生型植物カウンターパートと比較して、滲出物中のスクロースエステル含有量の増加を意外にも示した植物系統の細胞株を構築した。植物系統は、CBTol(シンターゼ)及びテルペンシンターゼ3−8の形成を触媒する酵素を標的とした。テルペンシンターゼ3−8は、いくつかの実施形態において、シス−アビエノールシンターゼと呼ばれる場合もある。

本発明者らは、ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を阻害することにより、タバコ植物のスクロースエステル含有量を増加させる方法を驚くべきことに決定した。本発明以前には、ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現の阻害が、特に収率及びその他の商業的に望ましい特性を改善しつつ、スクロースエステル含有量を増加させるのに使用され得ることは知られていなかった。

1つの態様によれば、本発明は、タバコ植物若しくはその一部、又はタバコ細胞培養物のスクロースエステル含有量を増加させる方法であって、ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を阻害することにより、前記タバコ植物又はタバコ細胞培養物を改変するステップを含む方法を提供する。

別の態様では、タバコ植物若しくはその一部、又はタバコ細胞培養物のスクロースエステル含有量を増加させるためのジテルペン合成遺伝子の使用が提供される。

本発明は、別の態様では、スクロースエステル含有量が増加しているタバコ植物若しくはその一部、タバコ植物繁殖材料、タバコ葉、カットされ採取されたタバコ葉、加工されたタバコ葉、又はカットされ加工されたタバコ葉、又はタバコ細胞培養物を生成する方法であって、ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を阻害するために、前記タバコを改変するステップを含む方法を提供する。

別の態様では、ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を阻害するように改変されなかったタバコ植物又はタバコ細胞培養物との比較においてスクロースエステル含有量が増加している、本発明による方法又は使用が提供される。

別の態様では、改変がジテルペン合成遺伝子の活性又は発現の阻害である、非改変植物又は非改変タバコ細胞培養物との比較において、スクロースエステル含有量の増加を実現するように改変されているタバコ植物若しくはその一部、又はタバコ細胞培養物が提供される。

1つの態様では、本発明によるタバコ植物又はタバコ細胞培養物から取得可能なタバコ植物繁殖材料(例えば、植物の種子)が提供される。

本発明は、別の態様では、ジテルペン合成遺伝子が、シクラーゼ2遺伝子(CYC2,cyclase 2)、CBTolシクラーゼ、又はテルペンシンターゼ3−8である、方法又は使用、タバコ植物、又はタバコ植物繁殖材料、又はタバコ細胞培養物を提供する。

本発明は、1つの態様では、ジテルペン合成遺伝子が、シクラーゼ2遺伝子(CYC2)である、方法又は使用、タバコ植物、又はタバコ植物繁殖材料を提供する。

本発明は、1つの態様では、ジテルペン合成遺伝子がCBTolシクラーゼである、方法又は使用、タバコ植物、又はタバコ植物繁殖材料を提供する。

本発明は、1つの態様では、ジテルペン合成遺伝子が、テルペンシンターゼ3−8である、方法又は使用、タバコ植物、又はタバコ植物繁殖材料を提供する。

本発明は、別の態様では、ジテルペン合成遺伝子の発現がRNA干渉(RNAi,RNA interference)を使用して阻害される、本発明による方法又は使用、タバコ植物若しくはその一部、又はタバコ植物繁殖材料、又はタバコ細胞培養物を提供する。

1つの態様では、シクラーゼ2遺伝子(CYC2)の発現が、シクラーゼ2遺伝子(CYC2)のエクソン1の少なくとも一部分、エクソン2の少なくとも一部分、及びエクソン3の少なくとも一部分を含むddRNAi DNAコンストラクトを使用して阻害される、方法、使用、タバコ植物、又はタバコ植物繁殖材料、又はタバコ細胞培養物が提供される。

1つの態様では、方法、使用、タバコ植物、又はタバコ植物繁殖材料、又はタバコ細胞培養物が提供され、その場合、シクラーゼ2遺伝子(CYC2)の発現がdsRNAを使用して阻害され、該dsRNAは、細胞内の内在性の経路により、RNA誘導サイレンシング複合体(RISC,RNA-induced silencing complex)に対して、シクラーゼ2遺伝子(CYC2)のエクソン1の少なくとも一部分、エクソン2の少なくとも一部分、及びエクソン3の少なくとも一部分に対応するmRNAに結合するように導く一本鎖短干渉RNA(siRNA,single stranded short interfering RNA)に変換される。1つの態様では、一本鎖siRNAは、シクラーゼ2遺伝子(CYC2)のエクソン1の少なくとも一部分、エクソン2の少なくとも一部分、及びエクソン3の少なくとも一部分に対応するmRNAに対して相補的な配列を有するアンチセンス(又はガイド)ストランドを生成する。

1つの態様では、CBTolシクラーゼ遺伝子の発現が、CBTolシクラーゼ遺伝子のエクソン4の少なくとも一部分、イントロン4、エクソン5、イントロン5、エクソン6、イントロン6、及びエクソン7の少なくとも一部分を含むddRNAi DNAコンストラクトを使用して阻害される、本発明による方法、使用、タバコ植物、又はタバコ植物繁殖材料、又はタバコ細胞培養物が提供される。

別の態様では、本発明による方法、使用、タバコ植物、又はタバコ植物繁殖材料、又はタバコ細胞培養物が提供されるが、その場合、CBTolシクラーゼ遺伝子の発現がdsRNAを使用して阻害され、該dsRNAは、細胞内の内在性の経路により、RNA誘導サイレンシング複合体(RISC)に対して、CBTolシクラーゼのエクソン4の少なくとも一部分、イントロン4、エクソン5、イントロン5、エクソン6、イントロン6、及びエクソン7の少なくとも一部分に対応するmRNAに結合するように導く一本鎖siRNAに変換される。1つの態様では、一本鎖siRNAは、CBTolシクラーゼ遺伝子のエクソン4の少なくとも一部分、エクソン5、エクソン6、及びエクソン7の少なくとも一部分に対応するmRNAに対して相補的な配列を有するアンチセンス(又はガイド)ストランドを生成する。

1つの態様では、テルペンシンターゼ3−8遺伝子の発現が、配列番号3の少なくともヌクレオチド1497〜1517に対応する配列を含むddRNAi DNAコンストラクトを使用して阻害される、本発明による方法、使用、タバコ植物、又はタバコ植物繁殖材料、又はタバコ細胞培養物が提供される。

別の態様では、テルペンシンターゼ3−8遺伝子の発現が、配列番号3の少なくともヌクレオチド1497〜1517に対応する配列を含む人工的マイクロRNAi(amiRNAi,artificial micro RNAi)を使用して阻害される、本発明による方法、使用、タバコ植物、又はタバコ植物繁殖材料、又はタバコ細胞培養物が提供される。

1つの態様では、テルペンシンターゼ3−8遺伝子の発現が、配列番号3の少なくともヌクレオチド884〜904に対応する配列を含むddRNAi DNAコンストラクトを使用して阻害される、本発明による方法、使用、タバコ植物、又はタバコ植物繁殖材料、又はタバコ細胞培養物が提供される。

別の態様では、テルペンシンターゼ3−8遺伝子の発現が、配列番号3の少なくともヌクレオチド884〜904に対応する配列を含む人工的マイクロRNAi(amiRNAi)を使用して阻害される、本発明による方法、使用、タバコ植物、又はタバコ植物繁殖材料、又はタバコ細胞培養物が提供される。

1つの態様では、タバコ植物のスクロースエステル含有量は、ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を阻害するように改変されなかったタバコ植物又はタバコ細胞培養物と比較して、改変されたタバコ植物又はタバコ細胞培養物において少なくとも2倍(好適には少なくとも3倍)高い、本発明の方法若しくは使用、本発明のタバコ植物若しくはその一部、又は本発明のタバコ植物繁殖材料若しくはタバコ細胞培養物が提供される。

1つの態様では、タバコ植物を育成させるための、本発明のタバコ植物又はその一部の使用が提供される。

別の態様では、本発明は、タバコ産業製品を製造するための、本発明のタバコ植物若しくはその一部、又はタバコ細胞培養物の使用を提供する。

別の態様では、作物を栽培するための、本発明のタバコ植物又はその一部の使用が提供される。

1つの態様では、本発明は、本発明による植物若しくはその一部、又はその抽出物、或いは本発明によるタバコ細胞培養物から作製される乾燥したタバコ材料を提供する。

別の態様では、本発明による前記乾燥したタバコ材料を含むタバコブレンドが提供される。

1つの態様では、タバコ葉(例えば、加工された(好ましくは乾燥した)タバコ葉)を製造するための、本発明のタバコ植物又はその一部の使用が提供される。

別の態様では、本発明の、又は本発明の繁殖材料から繁殖させたタバコ植物から取得可能な、又は本発明の使用により取得されたタバコ植物から取得可能な、タバコ植物の採取された葉が提供される。

1つの態様では、カットされ採取された葉である、本発明のタバコ植物の採取された葉が提供される。

本発明は、別の態様では、 i)本発明の使用から取得可能なタバコ植物から取得可能であるか、 ii)本発明のタバコ植物を加工することにより取得可能であるか、 iii)本発明のタバコ植物繁殖材料から繁殖させたタバコ植物から取得可能であるか、又は iv)本発明のタバコ植物の採取された葉を加工することにより取得可能である、 加工されたタバコ葉(好ましくは非生存性の加工されたタバコ葉)を提供する。

1つの態様では、タバコが、乾燥、発酵、加熱殺菌、又はその組合せにより加工される、本発明の加工されたタバコ葉が提供される。

1つの態様では、カットされ加工されたタバコ葉である、本発明の加工されたタバコ葉が提供される。

本発明は、別の態様では、 i)本発明のタバコ植物若しくはその一部、又は本発明のタバコ細胞培養物、 ii)本発明のタバコ植物繁殖材料から繁殖させたタバコ植物又はその一部、 iii)本発明のタバコ植物の採取された葉、 iv)本発明の加工されたタバコ葉、 から調製されるタバコ産業製品を提供する。

1つの態様では、タバコ製品が喫煙物品である、本発明のタバコ産業製品が提供される。

別の態様では、タバコ製品が無煙タバコ製品である、本発明のタバコ産業製品が提供される。

1つの態様では、タバコ製品が、タバコ加熱デバイス、例えばエアゾール発生デバイス等である、本発明のタバコ産業製品が提供される。

1つの態様では、本発明による植物若しくはその一部、又はその抽出物(例えば、タバコ抽出物)、或いは本発明によるタバコ細胞培養物;或いは本発明による乾燥したタバコ材料;或いは本発明によるタバコブレンドを含む喫煙物品、無煙タバコ製品、又はタバコ加熱デバイスが提供される。

1つの態様では、説明及び図面を参照しながら本明細書に実質的に記載される方法、タバコ葉、タバコ植物、タバコ植物繁殖材料、採取された葉、加工されたタバコ、タバコ製品、使用、又はその組合せが提供される。

本発明の実施形態を、添付図面を参照しながら、例示目的に限定してここに記載する。

スクロースエステルの一般構造を示す図である。

プラスチド内のジテルペン合成経路の概略を示す図である。

遺伝子導入系統と対比して屋外栽培した対照の未乾燥(green)葉分析結果を提示するグラフを示す図である。個々の植物の化学的性質は、量の少ないものから多いものの順番で配置されている。

遺伝子導入系統と対比して、対照内の総スクロースエステル含有量を提示するグラフを示す図である。

対照と対比して、系統GW−3におけるスクロースエステルの富化を実証するグラフを示す図である。スクロースエステル含有量は、総主要滲出化合物に占める割合(%)として表わす。

対照と対比して、系統GW−3におけるシス−アビエノールの富化を実証するグラフを示す図である。シス−アビエノール含有量は、総主要滲出化合物に占める割合(%)として表わす。

以下に記載する配列番号1を示す図である。

以下に記載する配列番号2を示す図である。

以下に記載する配列番号3を示す図である。

以下に記載する配列番号4を示す図である。

以下に記載する配列番号5を示す図である。

以下に記載する配列番号6を示す図である。

以下に記載する配列番号7を示す図である。

以下に記載する配列番号8を示す図である。

以下に記載する配列番号9を示す図である。

以下に記載する配列番号10を示す図である。

以下に記載する配列番号11を示す図である。

配列表 本明細書及び対応する配列表全体を通じて使用される配列識別子の概要を以下の通り提示する。

配列番号1は、CBTolシクラーゼ遺伝子をコードするヌクレオチド配列に対応する。このヌクレオチド配列はGenbank:AY049090において注釈付けされている。

配列番号2はポリペプチドCBTolシクラーゼのアミノ酸配列に対応する。

配列番号3は、cDNA遺伝子配列、すなわちニコチアナ・タバカム(Nicotiana tabacum)由来のテルペンシンターゼ3−8遺伝子のコーディング配列に対応する。完全長cDNA遺伝子配列は、Genbank:AY528645において注釈付けされている。

配列番号4は、ニコチアナ・タバカム由来のポリペプチドテルペンシンターゼ3−8のアミノ酸配列に対応する。

配列番号5は、5’→3’の順番で、配列AF401234に由来する54番〜716番ヌクレオチド(CYC2 mRNAの完全コーディング配列であり、配列番号9のヌクレオチドナンバリングに対応する)からなるセンスフラグメント;ヘアピンループとしての部分的なGUS Aフラグメント(787番〜1812番ヌクレオチド);及びセンスフラグメントの逆相補鎖を含む。図では、下線付きの配列は、787番〜1812番ヌクレオチドに由来するGUS Aフラグメント(AF502128)に対応する。センス方向のCYC2 mRNAに由来する54〜716ヌクレオチド配列(AF401234は配列番号9に対応)は、AY495694由来の下記のゲノム配列(AY495694はCYC2遺伝子のゲノム配列であり、配列番号8に対応する):ヌクレオチド1〜25、1番エクソン(ヌクレオチド26〜271)、2番エクソン(ヌクレオチド1253〜1529)、及び3番エクソンの最初から115個のヌクレオチド(ヌクレオチド2366〜2480)に対応するが、ヌクレオチドのナンバリングは配列番号8のナンバリングに対応する。配列番号5はdsRNAをコードし、そしてdsRNAを生成するために、ddRNAi DNAコンストラクト(本明細書では、GW1と呼ぶときがある)で使用される。

配列番号6は、センス及びアンチセンス方向でエクソン4の部分配列、イントロン4、エクソン5、イントロン5、エクソン6、イントロン6、及び部分的なエクソン7を含み、GUSスペーサーにより分離したニコチアナ・タバカムのCBTolシクラーゼ遺伝子由来の配列を含む。部分的な遺伝子の各要素を以下の順番で図に示す:N.タバカムシクラーゼ遺伝子(AY049090)、部分的なエクソン4−フォワード方向のヌクレオチド2854〜ヌクレオチド4175、部分的なエクソン4、イントロン4(太字)、エクソン5、イントロン5(太字)、エクソン6、イントロン6(太字)、部分的なエクソン7(配列番号1のヌクレオチド2854〜4175に対応);その後に786〜1816(下線部)のGUSループ−部分的なGUS A遺伝子(Genbank受託番号AF502128);その後にN.タバカムシクラーゼ遺伝子(AY049090)と同一であるが、但し逆相補(逆相補を影付きで示す)の配列。この配列は、dsRNAをコードし、そしてdsRNAを生成させるためにddRNAi DNAコンストラクト(本明細書では、GW3と呼ぶときがある)で使用される。

配列番号7は、ニコチアナ・タバカム由来のテルペンシンターゼ3−8遺伝子からの21個のヌクレオチド配列、及びシロイヌナズナ属(Arabidopsis)のmiRNA168配列と一致する配列を含む。配列は、シロイヌナズナ属のmiRNA168aに対応し、第1及び第2のイタリック体の配列は、テルペンシンターゼ3−8遺伝子AY528645由来の21個のヌクレオチド配列に対応する(1497〜1517nt)。第1のイタリック体の配列(強調されている)は逆相補方向である。第2のイタリック体の配列(下線部)は、フォワード方向であり、及び3つの改変(太字)を有する。配列は、amiRNAiをコードし、amiRNAiを生成させるために、ddRNAi DNAコンストラクト(本明細書では、GW2と呼ぶときがある)で使用される。

配列番号8は、シクラーゼ2遺伝子(CYC2)のゲノム配列に対応する。このヌクレオチド配列はGenbank:AY495694において注釈付けされている。

配列番号9は、Genbank:(AF401234)において注釈付けされているシクラーゼ2遺伝子(CYC2)のmRNAの完全コーディング配列に対応する。

配列番号10は、シクラーゼ2遺伝子(CYC2)配列番号9によりコードされるポリペプチドのアミノ酸配列に対応する。

配列番号11は、ニコチアナ・タバカム由来のテルペンシンターゼ3−8遺伝子からの21個のヌクレオチド配列、及びシロイヌナズナ属のmiRNA168a配列と一致する配列を含む。配列は、シロイヌナズナ属のmiRNA168a配列に対応し、第1及び第2のイタリック体の配列は、テルペンシンターゼ3−8遺伝子AY528645に由来する逆相補の21個のヌクレオチド配列に対応する(884〜904nt)。第1のイタリック体の配列(強調されている)は逆相補方向である。第2のイタリック体の配列(下線部)は、フォワード方向であり、及び改変(太字)を有する。配列はamiRNAiをコードし、そしてamiRNAiを生成させるために、ddRNAi DNAコンストラクト(本明細書では、GW5と呼ぶときがある)で使用される。

詳細な説明 初めて、本発明者らは、タバコ内のジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を阻害することにより、タバコ植物のスクロースエステル含有量を増加させることができることを明らかにした。理論に拘泥するものではないが、ジテルペン合成遺伝子を阻害すると、その結果、ジテルペン形成のための炭素利用が低下し、したがって、スクロースエステルの生成が増強されると考えられている。

1つの実施形態では、本発明は、タバコ植物のスクロースエステル含有量を増加させる方法であって、ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を阻害することにより、前記タバコ植物を改変するステップを含む方法を提供する。

好適には、本発明で使用されるジテルペン合成遺伝子は、シクラーゼ2遺伝子(CYC2)であり得る。好適には、本発明で使用されるジテルペン合成遺伝子は、CBTolシクラーゼ遺伝子であり得る。好適には、本発明で使用されるジテルペン合成遺伝子は、テルペンシンターゼ3−8遺伝子であり得る。

用語「増加している(increasing)」は、本明細書においては、本発明の製品(例えば、植物、その一部(例えば、葉)、加工された葉、又はタバコ製品)内のスクロースエステルの濃度及び/又は総含有量が、本発明に基づき改変されなかった同等の製品と比較してそれより高いことを意味するのに使用される。

本明細書で定義する用語「同等の製品」とは、本発明により改変されなかったが、しかしその他の関連するすべての特質(例えば、植物の種、生育条件、タバコを加工する方法等)が同一であったタバコ植物に由来する製品である。本発明による同等の製品は、ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を阻害するように改変されなかったタバコ植物から取得可能な(obtainable)又は取得された(obtained)タバコ植物若しくはその一部、例えばタバコ葉、採取された葉、カットされ採取された葉、加工されたタバコ葉、又はタバコ植物繁殖材料、又はタバコ製品、又はその組合せ等を意味し得る。同等の製品は対照としても知られている場合もある。1つの実施形態では、同等の製品は、活性又は発現が阻害されたジテルペン合成遺伝子を含まない製品である。

本明細書で定義する用語「非改変植物」は、ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を阻害するように本発明により改変されなかったが、その他の関連するすべての特質が同一であった(例えば、植物の種、生育条件、タバコを加工する方法等)タバコ植物である。1つの実施形態では、非改変植物は、活性又は発現が阻害されたジテルペン合成遺伝子を含まない植物である。

さらなる態様では、スクロースエステル含有量は未乾燥葉から測定される。さらなる態様では、スクロースエステル含有量は、乾燥した葉、例えば空気乾燥、熱風乾燥、火力乾燥、又は天日乾燥した葉から測定される。さらなる態様では、スクロースエステル含有量は、熱風乾燥した葉から測定される。さらなる態様では、スクロースエステル含有量は、空気乾燥した葉から測定される。

用語「スクロースエステル含有量」は、本明細書においては、スクロースエステルとして分類される化合物の群全体の濃度及び/又は総含有量を意味するのに使用される。タバコ中に一般的に存在するスクロースエステルは、図1に示す式により表わすことができる。

スクロースエステルの濃度及び/又は総含有量を決定するための、当技術分野において公知の任意の方法が使用され得る。スクロースエステル(SE,sucrose ester)を分析する1つの好ましい方法は、鹸化によりスクロースから遊離したアシル基の分析、その後のGC−MSによるそのブチルエステルの分析と関係する。この方法による分析は、スクロースエステル量において強力な定量法を提供する。代替法は、葉表面積1cm2当たりのスクロースのμgを測定することによるスクロースエステルの分析と関係する。スクロースエステル含有量の決定は、タバコ葉において評価可能である。スクロースエステル含有量を分析するための適する方法は、例えばガムサンプルをオーバーナイト、22℃で80%メタノール中に配置して鹸化する鹸化ステップを含み得る。次に、サンプルは、ヘキサンと水の間で分配し得る。サンプルを分配するために、サンプルは、例えばN2の下で最初に乾燥されてもよく、次にn−BuOH及びH2SO4が添加可能である。サンプルは、パルスボルテックスする前に、110°まで1時間加熱され得る。抽出を行い、別のチューブに移すために乾燥サンプルをCHCl3に溶解し、そしてN2下で乾燥することができる。サンプルは、ジメチルホルムアミド(DMF,dimethyl formamide)及びビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセタミドに溶解可能である。サンプルは、例えば70°において誘導体化した後、室温まで冷却され得る。誘導体化されたサンプルは、次にGC−MSにより分析可能である。溶出した化合物は、そのリテンションタイムにより、及びMSプロファイルを標準と比較することにより同定することができる。

1つの実施形態では、スクロースエステル含有量が増加している本発明のタバコ植物により取得可能な又は取得されたタバコ植物、タバコ植物繁殖材料、タバコ葉、採取された葉、カットされ採取された葉、加工されたタバコ葉、カットされ加工されたタバコ葉、タバコ製品、又はその組合せを製造する方法であって、ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を阻害するように前記タバコを改変するステップを含む方法が提供される。スクロースエステル含有量の増加は、タバコ植物、タバコ植物繁殖材料、タバコ葉、採取された葉、カットされ採取された葉、加工されたタバコ葉、カットされ加工されたタバコ葉、タバコ製品、又はその組合せ内のスクロースエステル含有量を、同等の製品と比較することにより決定され得る。

好適には、スクロースエステル含有量は、タバコ植物、例えば改変されたタバコ植物において増加し得る。好適には、スクロースエステル含有量は、タバコ葉(例えば、改変されたタバコ植物に由来するタバコ葉)において増加し得る。好適には、スクロースエステル含有量は、採取された葉(例えば、改変されたタバコ植物に由来する採取されたタバコ葉)において増加し得る。好適には、スクロースエステル含有量は、カットされ採取された葉(例えば、改変されたタバコ植物に由来するカットされ採取されたタバコ葉)において増加し得る。好適には、スクロースエステル含有量は、加工されたタバコ葉(例えば、改変されたタバコ植物に由来する加工されたタバコ葉)において増加し得る。好適には、スクロースエステル含有量は、カットされ加工されたタバコ葉(例えば、改変されたタバコ植物に由来するカットされ加工されたタバコ葉)において増加し得る。好適には、スクロースエステル含有量は、乾燥したタバコ葉(例えば、改変されたタバコ植物に由来するタバコ葉)のトリコーム滲出物において増加し得る。好適には、スクロースエステル含有量は、未乾燥のタバコ葉(例えば、改変されたタバコ植物に由来するタバコ葉)の抽出物において増加し得る。好適には、スクロースエステル含有量は、タバコ製品(例えば、改変されたタバコ植物又はその一部から製造されるタバコ製品)において増加し得る。好適には、スクロースエステル含有量は、上記製品又はその組合せのうちの任意の1つにおいて増加し得る。

1つの実施形態では、スクロースエステル含有量は、乾燥したタバコ葉(例えば、改変されたタバコ植物に由来するタバコ葉)のトリコーム滲出物において増加している。

1つの実施形態では、スクロースエステル含有量は、未乾燥のタバコ葉(例えば、改変されたタバコ植物に由来するタバコ葉)において増加している。

1つの実施形態では、タバコ植物又はその一部のスクロースエステル含有量は、類似した生育条件下で生育したが、ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を阻害するように改変されなかったタバコ植物又はその一部のスクロースエステル含有量とそれぞれ比較したとき、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10倍増加し得る。好適には、スクロースエステル含有量は、約2倍〜約10倍、好ましくは約3倍〜約10倍、好適には約3倍〜約5倍増加し得る。

1つの実施形態では、方法又は使用は、ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を阻害するように改変されなかったタバコ植物又はその一部との比較において、より具体的には、導入された阻害が存在しないタバコ植物による発現と比較して又はそれに対して、スクロースエステル含有量の増加を引き起こす。

一実施形態では、タバコ植物又はその一部は、ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を阻害するように改変されなかったタバコ植物又はその一部とそれぞれ比較したとき、スクロースエステル含有量の増加を実現するように改変されている。

用語「改変すること」又は「改変された」とは、本明細書で使用する場合、変更された又は変化したタバコ植物を意味する。本発明は、植物を遺伝的に改変する又は植物を非遺伝的に改変する技術を使用する植物の改変を含む。そのような方法は当技術分野において周知されており、また遺伝的改変技術の例として、形質転換、遺伝子導入、シスジェニクス、及び遺伝子編集法が挙げられる。非遺伝的改変技術の例として、高速中性子変異誘発、化学的変異誘発、及びモダン集団解析アプローチが挙げられる。1つの実施形態では、用語「改変すること」とは、阻害されたジテルペン合成遺伝子を有する天然のバリアントを選択すること、及びそのような特性又は遺伝子を商業的に望ましい特性を有する第2の植物内に、交配により組み込むことを意味する。

用語「阻害すること」(例えば、ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を阻害すること)とは、本明細書で使用する場合、ジテルペン合成遺伝子の活性若しくは発現が、同等の製品内の遺伝子の遺伝子活性若しくは発現と比較して低下若しくは減少していること、又はジテルペン合成遺伝子により生成されるタンパク質の量若しくは活性が低下していることを意味する。

1つの実施形態では、用語「阻害すること」(例えば、ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を阻害すること)とは、本明細書で使用する場合、ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現が、同等の製品内の遺伝子の遺伝子活性又は発現と比較して低下していることを意味する。

ジテルペン合成遺伝子の「活性」又は「機能」は、ジテルペンの生合成において機能するその能力に関する。ジテルペン合成遺伝子の活性又は機能は、ジテルペン合成の直接的な生成物を測定することにより、すなわちジテルペンのレベルを測定することにより決定可能である。滲出物コンポーネントは、アセトニトリルで葉又はリーフディスクを洗浄することにより測定され得る。洗浄物はローターエバポレーションにより濃縮されて油性の残留物が得られる。残留物は、トリメチルシリル(TMS)エステルを形成するために、次に誘導体化可能である(参照として本明細書に組み込まれているSeverson et al. 1985. J. Agric. Food Chem. 33, 870-875の記載に従い)。TMS誘導体は、次にマススペクトロメトリーと連結したガスクロマトグラフィー(GC−MS,gas chromatography coupled to mass spectrometry)により分離及び分析可能である。溶出した化合物は、Wangら(2001)(前出、参照として本明細書に組み込まれている)に記載されるように、そのリテンションタイムにより、及びMSプロファイルを標準と比較することにより同定可能である。1つの実施形態では、ジテルペン合成遺伝子の直接的な生成物は、シス−アビエノール、α−CBT−オール、β−CBT−オール、α−CBT−ジオール、β−CBT−ジオール、又はラブデンジオールであり得る。

特定のジテルペン合成遺伝子の活性は、遺伝子の転写を測定することにより測定可能である。転写測定方法は当技術分野において周知されており、特にノーザンブロット、RNA−Seq、in situハイブリダイゼーション、DNAマイクロアレイ、及びRT−PCRが挙げられる。或いは、遺伝子の活性は、遺伝子産物、例えば前記遺伝子によりコードされるタンパク質のレベルを測定することにより間接的に測定され得る。

遺伝子の活性又は発現は、転写、翻訳、すなわちタンパク質発現のレベル、又はジテルペン合成遺伝子によりコードされるタンパク質の活性を意味し得る。本発明の1つの態様によれば、遺伝子発現は、転写及び/又は翻訳を阻害することにより阻害され得る。1つの実施形態では、遺伝子の活性又は発現は、転写のレベル、すなわち生成されるmRNAの量、又は翻訳、すなわち生成されるタンパク質のレベル又は量を意味し得る。

発現及び/又は機能の阻害、抑制、又は阻止 ジテルペン合成遺伝子の発現又は機能を阻害又は抑制又は阻止するための当技術分野において公知の任意の方法が本方法で使用され得る。

例として、本方法は、 ・配列番号2、配列番号4、若しくは配列番号11として示すアミノ酸配列、又はそれらに対して少なくとも70%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする核酸配列に変異を起こさせるステップ; ・配列番号2、配列番号4、若しくは配列番号11として示すアミノ酸配列、又はそれらに対して少なくとも70%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むタンパク質の発現制御に寄与する制御領域(例えば、プロモーター及びエンハンサー)に変異を起こさせるステップ; ・配列番号2、配列番号4、若しくは配列番号11として示すアミノ酸配列、又はそれらに対して少なくとも70%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする核酸配列のレベルを低下させるアンチセンスRNA、siRNA、又はmiRNAを提供するステップ、 を含み得る。

上記アプローチのそれぞれは、配列番号2、配列番号4、若しくは配列番号11として示すアミノ酸配列、又はそれらに対して少なくとも70%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むタンパク質の発現又は機能の低下又は阻止を引き起こす。

本明細書で用いる場合、用語「変異」は、天然の遺伝的バリアント又は工学的改変バリアントを含む。特に、用語「変異」とは、配列番号2、配列番号4、若しくは配列番号11として表わされる配列と比較して、アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列内、若しくはアミノ酸配列内の変化、又はそれらに対して少なくとも70%の配列同一性を有し、タンパク質の発現若しくは機能を抑制するアミノ酸配列を意味する。

好ましい実施形態では、植物内に存在する、配列番号2、配列番号4、若しくは配列番号11として示す配列、又はそれらに対して少なくとも70%の配列同一性を有する配列を含むタンパク質をコードする核酸配列の各コピーは、本明細書で定義するように変異する(例えば、植物内で前記タンパク質をコードする遺伝子の各ゲノムコピーが変異する)。例えば、N.タバカム(N. tabacum)の異質四倍体ゲノム内の遺伝子の各コピーは、変異し得る。

好ましい実施形態では、本発明による植物又は植物細胞は、変異についてホモ接合性である。

1つの実施形態では、好ましくは、本発明による植物又は植物細胞は、変異した核酸のみを発現する。換言すれば、いくつかの実施形態では、内在性の(又は内在性で機能的な)タンパク質は、本発明による植物内に存在しない。換言すれば、内在性タンパク質が存在したとしても、不活性化した形態及び/又はトランケーションされた形態であるのが好ましい。

1つの実施形態では、本方法は、配列番号1、配列番号3、若しくは配列番号8として示す配列、又はそれらに対して少なくとも70%の同一性を有する核酸配列内に変異を起こさせるステップを含み得る。

変異は、配列番号2、配列番号4、若しくは配列番号11として示すアミノ酸配列、又はそれらに対して少なくとも70%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする核酸配列が、完全に又は部分的に欠損するように、さもなければ非機能的にするように、植物ゲノムを変化させる可能性がある。

変異は、配列番号2、配列番号4、若しくは配列番号11として示すアミノ酸配列、又はそれらに対して少なくとも70%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする核酸配列を中断させる可能性がある。

中断は、核酸配列が転写及び/又は翻訳されないようにする可能性がある。

核酸配列は、例えば、タンパク質の翻訳が低下する又は阻止されるように核酸配列のATG開始コドンを欠損させる、さもなければ変化させることにより中断され得る。

核酸配列は、タンパク質の発現を低下させる、若しくは阻止する、又はタンパク質輸送に影響を及ぼす1若しくは2以上のヌクレオチド変化(複数可)を含み得る。例えば、タンパク質の発現は、1若しくは2以上の未成熟終止コドン、フレームシフト、スプライス変異体、又はオープンリーディングフレーム内の非許容性のアミノ酸置換の導入により低下し得る又は阻止され得る。

未成熟終止コドンとは、終止コドンをオープンリーディングフレームに導入し、そして全アミノ酸配列の翻訳を阻止する変異を意味する。未成熟終止コドンは、TAG(「amber」)、TAA(「ochre」)、又はTGA(「opal」又は「umber」)コドンであり得る。

フレームシフト変異(フレーミングエラー又はリーディングフレームシフトとも呼ばれる)は、3で割り切れない、核酸配列内のいくつかのヌクレオチドのインデル(挿入又は欠損)により引き起こされた変異である。コドンによる遺伝子発現がトリプレットによるものであることから、挿入又は欠損は、リーディングフレームを変化させる可能性があり、オリジナルとは完全に異なる翻訳を引き起こす。フレームシフト変異は、多くの場合、変異の後ろのコドンが、異なるアミノ酸をコードするように読み取られてしまう原因となる。フレームシフト変異は、未成熟終止コドンの導入を一般的に引き起こす。

スプライス変異体は、メッセンジャーRNA前駆体から成熟メッセンジャーRNAへのプロセシング期間中にスプライシングが生ずる特異的部位においていくつかのヌクレオチドの挿入、欠損、又は変化を引き起こす。スプライシング部位が欠損すると、その結果、成熟mRNA内に1又は2以上のイントロンが残留することとなり、異常タンパク質の生成を引き起こす可能性がある。

非許容性のアミノ酸置換とは、タンパク質の機能の低下又は削剥を引き起こすタンパク質内の非同義的アミノ酸置換の原因となる変異を意味する。

核酸配列に変異をもたらす当技術分野において公知の任意の方法は、本方法で利用可能である。例えば、相同的な組換えが利用可能であり、そのような組換えでは、関連する核酸配列(複数可)を変異させ、そして植物又は植物細胞を形質転換するのに使用されるベクターが作製される。変異した配列を発現する組換え植物又は植物細胞が、次に選択され得る。

1つの実施形態では、変異は、配列番号2、配列番号4、若しくは配列番号11として示すアミノ酸配列、又はそれらに対して少なくとも70%の配列同一性を有する配列を含むタンパク質に非許容性のアミノ酸置換を導入する。

1つの実施形態では、変異は、配列番号2、配列番号4、若しくは配列番号11として示すタンパク質、又はそれらに対して少なくとも70%の配列同一性を有する配列に関連して、タンパク質の活性を低下させる。

1つの実施形態では、変異は、レベル又は発現を変化させないが、配列番号2、配列番号4、若しくは配列番号11として示すタンパク質、又はそれらに対して少なくとも70%の配列同一性を有する配列に関連して、タンパク質の活性を低下させる。

核酸配列は、完全に又は部分的に欠損し得る。欠損は、連続的であり得る、又は複数のセクションの配列を含み得る。欠損は、核酸配列が機能的タンパク質をもはやコードしないように、十分な量のヌクレオチド配列を取り除くのが好ましい。欠損は、例えば核酸配列のコーディング部分の少なくとも50、60、70、80、又は90%を除去し得る。

欠損は、ジテルペン合成遺伝子の1又は2以上のドメインを除去し得る。欠損は、全部であり得、この場合同等の非改変型植物の対応するゲノムと比較したとき、核酸配列のコーディング部分の100%が存在しない。

植物内の核酸配列を欠損させる方法は、当技術分野において公知である。例えば、相同的な組換えが利用可能であり、同法では、関連する核酸配列(複数可)が欠如しており、植物又は植物細胞を形質転換するのに使用されるベクターが構築される。配列の新規の部分を発現する組換え植物又は植物細胞が、次に選択され得る。

いくつかの実施形態では、ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現は、本発明に基づき改変されなかったタバコ植物内のジテルペン合成遺伝子の活性又は発現と比較したとき、少なくとも約10%、20%、30%、又は40%、好適には少なくとも約50%、60%、70%、より好適には少なくとも約80%、90%、95%、又は100%阻害され得る又は低下し得る。

好ましい実施形態では、ジテルペン合成遺伝子は、活性又は発現を実質的に有し得ない、すなわち植物は、好ましくはジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を阻害するように改変されなかった植物と比較したとき、約1%未満(好適には約0.1%未満)の活性又は発現を含み得ることを意味する。

ジテルペン合成遺伝子とは、本明細書で使用する場合、ジテルペンの生成に関与するあらゆる遺伝子を指す。好適には、ジテルペン合成遺伝子は、植物ジテルペン合成遺伝子である。そのような遺伝子は、直接的にはジテルペンを生成する生合成経路の一部であり得る、又は例えば代謝前駆体を提供することにより、生合成経路に間接的に供給され得る。ジテルペン合成遺伝子は、特殊な(二次)代謝又は一般(一次)代謝に関与し得る。1つの実施形態では、本明細書で使用されるジテルペン合成遺伝子とは、特殊な(二次)代謝に関与する遺伝子を指す。好適には、本発明で使用されるようなジテルペン合成遺伝子は、シクラーゼ2遺伝子(CYC2)、CBTolシクラーゼ、及びテルペンシンターゼ3−8からなるジテルペン合成遺伝子の群から選択され得る、又はシクラーゼ2遺伝子(CYC2)、CBTolシクラーゼ、若しくはテルペンシンターゼ3−8のうちの任意の1つと相同である。好適には、本発明で使用されるようなジテルペン合成遺伝子は、シクラーゼ2遺伝子(CYC2)、CBTolシクラーゼ、及びテルペンシンターゼ3−8からなるジテルペン合成遺伝子の群から選択され得る。

好適には、本発明で使用されるようなジテルペン合成遺伝子は、シクラーゼ2遺伝子(CYC2)である。好適には、本発明で使用されるようなジテルペン合成遺伝子は、CBTolシクラーゼである。好適には、本発明で使用されるようなジテルペン合成遺伝子は、テルペンシンターゼ3−8である。

1つの実施形態では、本明細書で引用するジテルペン合成遺伝子は、シクラーゼ2遺伝子(CYC2)であり、 i)配列番号8又は配列番号9として本明細書に示すポリヌクレオチド配列、又は ii)ジテルペン合成遺伝子をコードする、i)に示すポリヌクレオチド配列の機能的断片、又は iii)配列番号10として本明細書に示すアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、又は iv)高度に厳密な条件の下で、上記i)、ii)、若しくはiii)において教示するポリヌクレオチドにハイブリダイズすることができるポリヌクレオチド配列、又は v)上記i)、ii)、若しくはiii)に示すポリヌクレオチドと少なくとも70%(好ましくは85%、より好ましくは90%)の同一性を有するポリヌクレオチド配列、又は vi)遺伝子コードの縮重に起因して、i)、ii)、若しくはiii)に示すポリヌクレオチドと異なるポリヌクレオチド配列 を含むポリヌクレオチド配列によりコードされ得る。

1つの実施形態では、本明細書で引用するジテルペン合成遺伝子は、CBTolシクラーゼであり、 i)配列番号1として本明細書に示すポリヌクレオチド配列、又は ii)ジテルペン合成遺伝子をコードする、i)に示すポリヌクレオチド配列の機能的断片、又は iii)配列番号2として本明細書に示すアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、又は iv)高度に厳密な条件の下で、上記i)、ii)、若しくはiii)において教示するポリヌクレオチドにハイブリダイズすることができるポリヌクレオチド配列、又は v)上記i)、ii)、若しくはiii)に示すポリヌクレオチドと少なくとも70%(好ましくは85%、より好ましくは90%)の同一性を有するポリヌクレオチド配列、又は vi)遺伝子コードの縮重に起因して、i)、ii)、若しくはiii)に示すポリヌクレオチドと異なるポリヌクレオチド配列 を含むポリヌクレオチド配列によりコードされ得る。

1つの実施形態では、本明細書で引用するジテルペン合成遺伝子は、テルペンシンターゼ3−8であり、 i)配列番号3として本明細書に示すポリヌクレオチド配列、又は ii)ジテルペン合成遺伝子をコードする、i)に示すポリヌクレオチド配列の機能的断片、又は iii)配列番号4として本明細書に示すアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、又は iv)高度に厳密な条件の下で、上記i)、ii)、若しくはiii)において教示するポリヌクレオチドにハイブリダイズすることができるポリヌクレオチド配列、又は v)上記i)、ii)、若しくはiii)に示すポリヌクレオチドと少なくとも70%(好ましくは85%、より好ましくは90%)の同一性を有するポリヌクレオチド配列、又は vi)遺伝子コードの縮重に起因して、i)、ii)、若しくはiii)に示すポリヌクレオチドと異なるポリヌクレオチド配列 を含むポリヌクレオチド配列によりコードされ得る。

1つの実施形態では、本発明に基づき用いられるジテルペン合成遺伝子は、タバコ植物にとって内在性であり得る。

本明細書において「内在性」遺伝子という場合、それは、その天然の形態で植物に見出されるような(すなわち、ヒトの介入が一切存在しない)対象遺伝子を指すだけでなく、その後植物に(再)導入される単離された形態の同一遺伝子(又は実質的に相同な核酸/遺伝子)(導入遺伝子)も指す。例えば、そのような導入遺伝子を含有する遺伝子導入植物は、導入遺伝子発現の実質的な低下、及び/又は内在性遺伝子の発現の実質的な低下と遭遇し得る。単離された遺伝子は生物から単離され得る、又は例えば、化学合成による人工物であり得る。

別の実施形態では、本発明に基づき用いられるジテルペン合成遺伝子は、タバコ植物にとって外因性であり得る。

遺伝子が本発明に基づき用いられるジテルペン合成遺伝子であるか判断するために、当業者は、遺伝子がジテルペンを生成する能力を有するか判断することができる。本明細書において上記したようなジテルペンの含有量を測定することができる。要するに、ジテルペン含有量を測定する方法は、アセトニトリルを用いて葉又はリーフディスクを洗浄することにより1枚の葉又は複数の葉から滲出物を収集するステップを含み得る。洗浄物から得られた残留物は、次にトリメチルシリル(TMS)エステルを形成するために誘導体化可能である(参照として本明細書に組み込まれているSeverson et al. 1985(前出)の記載に従い)。TMS誘導体は、次にマススペクトロメトリーと連結したガスクロマトグラフィー(GC−MS)により分離及び分析可能である。溶出した化合物は、そのリテンションタイムにより、及びMSプロファイルを標準と比較することにより同定可能である。

本発明は、植物のスクロースエステル含有量を増加させるためのジテルペン合成遺伝子の使用も提供する。

遺伝子の発現又は遺伝子産物を減少させる方法は、当技術分野において十分に文書化されている。

1つの実施形態では、ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現は、当技術分野において公知の任意の方法により阻害され得る。好適には、シクラーゼ2遺伝子(CYC2)、CBTolシクラーゼ、及びテルペンシンターゼ3−8からなるジテルペン合成遺伝子の群から選択されるジテルペン合成遺伝子の活性又は発現は、当技術分野において公知の任意の方法により阻害され得る。好適には、シクラーゼ2遺伝子(CYC2)の活性又は発現は、当技術分野において公知の任意の方法により阻害され得る。好適には、CBTolシクラーゼの活性又は発現は、当技術分野において公知の任意の方法により阻害され得る。好適には、テルペンシンターゼ3−8の活性又は発現は、当技術分野において公知の任意の方法により阻害され得る。

ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を阻害する方法として、RNA干渉、アンチセンス若しくはセンスコサプレッション(参照として本明細書に組み込まれているWang and Wagner 2003, Planta Volume 216, Issue 4, pp 686-691を参照)、遺伝子編集、又は標的変異誘発を挙げることができる。1つの実施形態では、ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現の阻害は、遺伝子編集の使用により達成され得る。遺伝子編集は、当技術分野において公知の任意の方法を使用しては実施され得る。いくつかの非限定的な例が本明細書に提示されている。

1つの実施形態では、ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現の阻害は、CRISPR−Cas9システムの使用を含め、CRISPRを含む遺伝子編集法を使用して達成され得る。CRISPR/Cas9ゲノム編集ツール、例えばClontech社(Avenue du President Kennedy 78100 Saint-Germain-en-Laye、フランス)製の「Guide-it」等が市販されている。

遺伝子編集の別の方法として、キットとして市販されている(例えば、Addgene社製、1Kendall Sq. Ste. B7102, Cambridge, MA 02139、米国)、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN,transcription activator-like effector nuclease)技術の使用が挙げられる。1つの実施形態では、ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現の阻害は、TALENを使用して達成され得る。

別の実施形態では、方法は、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、例えばSigma-Aldrich社から入手可能なCompoZr(登録商標)Zinc Finger Nuclease Technology等の使用を含み得る。別の実施形態は、SilvaらのCurr Gene Ther. Feb 2011; 11(1): 11-27に記載されている(その教示が参照として本明細書に組み込まれている)メガヌクレアーゼの使用(又はさらなる方法)を含み得る。

1つの実施形態では、ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を阻害する方法は、標的変異誘発であり得る。標的変異誘発の任意の方法が使用され得る。1つの実施形態では、方法は、オリゴヌクレオチド指定変異誘発(ODM,oligonucleotide-directed mutagenesis)、例えば、Keygene社(Agro Business Park 90, 6708 PW Wageningen、オランダ)から入手可能なKeyBase(登録商標)等であり得る。別の実施形態では、ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現の阻害は、コンストラクト又はベクター(例えば、プラスミド)の使用により達成され得る。

本発明の遺伝子コンストラクトは、宿主細胞においてジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を阻害するのに適し得る発現カセットの形態であり得る。遺伝子コンストラクトは、それがベクターに組み込まれることなく宿主細胞に導入され得る。例えば、核酸分子であり得る遺伝子コンストラクトは、リポソーム又はウイルス粒子内に組み込まれ得る。或いは、精製された核酸分子(例えば、ヒストンを含まないDNA又はネイキッドDNA)が、適する手段、例えば直接エンドサイトーシスによる取り込みにより宿主細胞内に直接挿入され得る。遺伝子コンストラクトは、トランスフェクション、感染、微量注射、細胞融合、プロトプラスト融合、又は弾道衝撃法により、宿主対象(例えば、植物)の細胞内に直接導入され得る。或いは、本発明の遺伝子コンストラクトは、パーティクルガン法を使用して宿主細胞内に直接導入され得る。

或いは、遺伝子コンストラクトは、適する宿主細胞内で発現させるために、組換えベクターを含み得る、又はその中に内包され得る。組換えベクターは、プラスミド、コスミド、又はファージであり得る。そのような組換えベクターは、本発明の遺伝子コンストラクトを用いて宿主細胞を形質転換するのに、及びその中で発現カセットを複製するのにきわめて有用である。当業者は、本発明の遺伝子コンストラクトは、発現を目的として多くの種類のバックボーンベクターと組み合わせ可能であることを認識している。バックボーンベクターは、バイナリーベクター、例えば大腸菌(E.coli)及びアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)の両方において複製可能であるバイナリーベクターであり得る。例えば、適するベクターは、pBINプラスミド、例えばpBIN19等であり得る(Bevan M., 1984, Nucleic Acids Research 12:8711-21)。

組換えベクターは、ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を阻害する配列に付加して、様々なその他の機能的要素を含み得る。例えば、ベクターは、プロモーターを含み得る。さらに、組換えベクターは、宿主細胞の細胞基質内で自律的に複製するように設計され得る。この場合、DNA複製を誘発又は制御する要素が、組換えベクター内で必要とされ得る。或いは、組換えベクターは、それが宿主細胞のゲノムに一体化するように設計され得る。この場合、標的を定めた組み込み(例えば、相同的組換えによる)になじむDNA配列が想定される。

組換えベクターは、クローニングプロセスにおいて選択マーカーとして、すなわちトランスフェクト又は変換された細胞の選択を可能にする、及び異種のDNAを取り込んだベクターを内包する細胞の選択を可能にするために使用され得る遺伝子をコードするDNAも含み得る。ベクターは、コーディング配列の発現を制御することと関係するDNA、又は発現したポリペプチドを宿主細胞の特定部分、例えばトリコーム若しくは腺性トリコームへと向けるためのDNAも含み得る。したがって、ベクターは、選択マーカー遺伝子(例えば、抗生物質耐性遺伝子);ポリペプチド終了シグナル;及びタンパク質標的配列(例えば、輸送ペプチド)からなる群から選択される少なくとも1つの追加の要素を含み得る。

1つの実施形態では、方法又は使用は、RNAiを使用してジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を阻害することを含み得る。1つの実施形態では、RNAi法は、miRNA、例えば人工的マイクロRNA(amiRNA)を使用する。1つの実施形態では、RNAi法は、siRNAを使用する。1つの実施形態では、RNAi法は、dsRNAを使用する。

1つの実施形態では、方法又は使用は、干渉オリゴヌクレオチドを使用してジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を阻害するステップを含み得る。1つの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、RNAベースである。1つの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、RNA干渉(RNAi)、例えばdsRNAiである。1つの実施形態では、方法は、ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を阻害するRNAi分子、例えばdsRNAiを用いてタバコ植物の細胞を形質転換するステップを含み得る。

1つの実施形態では、ジテルペン合成遺伝子の発現がRNAi(例えば、dsRNAi)を使用して阻害されるタバコ植物及びタバコ植物繁殖材料が提供される。方法は、変換された細胞からタバコ植物を再生するステップを含み得る。

RNAi(例えば、dsRNAi)分子は、形質転換植物内で、ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を、RNAi分子を用いて変換されなかった野生型植物内のポリペプチドの濃度と比較して、少なくとも30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%若しくはそれ超、又は100%減少させる能力を有し得る。1つの実施形態では、RNAi分子は、形質転換植物内で、ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を30%〜100%、好ましくは40%〜100%、より好ましくは90%〜100%減少させる能力を有し得る。

ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現は、当技術分野において公知の任意の方法により阻害され得る。好適には、シクラーゼ2遺伝子(CYC2)、CBTolシクラーゼ、及びテルペンシンターゼ3−8からなるジテルペン合成遺伝子の群から選択されるジテルペン合成遺伝子の活性又は発現は、当技術分野において公知の任意の方法により阻害され得る。

好適には、方法は、細胞内の内在性経路により小分子又は短分子干渉RNA(siRNA)に変換されるヘアピン構造を形成するRNAをコードするddRNAi DNAコンストラクトを用いてタバコ植物の細胞を形質転換するステップを含み得る。

好適には、シクラーゼ2遺伝子(CYC2)の活性又は発現は、当技術分野において公知の任意の方法により阻害され得る。1つの実施形態では、シクラーゼ2遺伝子(CYC2)の配列は、配列番号8に定める通りである。1つの実施形態では、シクラーゼ2遺伝子(CYC2)のアミノ酸配列は、配列番号10に定める通りである。シクラーゼ2遺伝子(CYC2)の発現は、CRISPR−Cas9システム、RNA干渉(RNAi)、アンチセンス若しくはセンスコサプレッション、遺伝子編集、又は標的変異誘発の使用を含め、CRISPRを含む遺伝子編集法を含む任意の方法により阻害され得る。1つの実施形態では、シクラーゼ2遺伝子(CYC2)の活性又は発現は、RNAiにより阻害され得る。シクラーゼ2遺伝子(CYC2)の活性又は発現は、miRNA、siRNA、dsRNA、又はshRNAを使用するRNAiにより阻害され得る。

1つの実施形態では、シクラーゼ2遺伝子(CYC2)の活性又は発現を阻害する方法は、シクラーゼ2遺伝子(CYC2)のエクソン1の少なくとも一部分、エクソン2の少なくとも一部分、及びエクソン3の少なくとも一部分を標的とする。好ましい実施形態では、方法は、シクラーゼ2遺伝子(CYC2)のエクソン1の少なくとも一部分、エクソン2の少なくとも一部分、及びエクソン3の少なくとも一部分を標的とする。1つの実施形態では、方法は、シクラーゼ2遺伝子(CYC2)のエクソン1の少なくとも一部分、エクソン2の少なくとも一部分、及び3番エクソンの最初から115個のヌクレオチドを標的とする。1つの実施形態では、方法は、シクラーゼ2遺伝子(CYC2)のヌクレオチド1〜25、ヌクレオチド26〜271(エクソン1)、ヌクレオチド1253〜1529(エクソン2)、及び3番エクソンの最初から115個のヌクレオチド(ヌクレオチド2366〜2480)を標的とし、但しナンバリングは配列番号8とのアライメントにより決定される。

先行する実施形態のいずれかにおいて、シクラーゼ2遺伝子(CYC2)の活性又は発現は、CRISPR−Cas9システムの使用を含め、CRISPRを含む遺伝子編集法を使用して阻害され得る。先行する実施形態のいずれかにおいて、シクラーゼ2遺伝子(CYC2)の活性又は発現は、RNAi法を使用して阻害され得る。

好適には、CBTolシクラーゼ遺伝子の活性又は発現は、当技術分野において公知の任意の方法により阻害され得る。1つの実施形態では、CBTolシクラーゼ遺伝子の配列は、配列番号1に定める通りである。1つの実施形態では、CBTolシクラーゼのアミノ酸配列は、配列番号2に定める通りである。CBTolシクラーゼ遺伝子の発現は、CRISPR−Cas9システム、RNA干渉(RNAi)、アンチセンス又はセンスコサプレッション、遺伝子編集、又は標的変異誘発の使用を含め、CRISPRを含む遺伝子編集法を含む任意の方法により阻害され得る。1つの実施形態では、CBTolシクラーゼ遺伝子の活性又は発現は、RNAiにより阻害され得る。CBTolシクラーゼ遺伝子の活性又は発現は、miRNA、siRNA、dsRNA、又はshRNAを使用するRNAiにより阻害され得る。

別の実施形態では、CBTolシクラーゼ遺伝子の活性又は発現を阻害する方法は、CBTolシクラーゼのエクソン4の少なくとも一部分、イントロン4、エクソン5、イントロン5、エクソン6、イントロン6、及びエクソン7の少なくとも一部分を標的とする。好ましい実施形態では、方法は、CBTolシクラーゼ遺伝子のエクソン4の少なくとも一部分、イントロン4、エクソン5、イントロン5、エクソン6、イントロン6、及びエクソン7の少なくとも一部分を標的とする。1つの実施形態では、方法は、CBTolシクラーゼ遺伝子のヌクレオチド5’−2854〜4175−3’を標的とし、但しナンバリングは配列番号1とのアライメントにより決定される。

先行する実施形態のいずれかにおいて、CBTolシクラーゼ遺伝子の活性又は発現は、CRISPR−Cas9システムの使用を含め、CRISPRを含む遺伝子編集法を使用して阻害され得る。先行する実施形態のいずれかにおいて、CBTolシクラーゼ遺伝子の活性又は発現は、RNAi法を使用して阻害され得る。

好適には、テルペンシンターゼ3−8遺伝子の活性又は発現は、当技術分野において公知の任意の方法により阻害され得る。1つの実施形態では、テルペンシンターゼ3−8遺伝子の配列は、配列番号3に定める通りである。1つの実施形態では、テルペンシンターゼ3−8のアミノ酸配列は、配列番号4に定める通りである。テルペンシンターゼ3−8遺伝子の発現は、CRISPR−Cas9システム、RNA干渉(RNAi)、アンチセンス若しくはセンスコサプレッション、遺伝子編集、又は標的変異誘発の使用を含め、CRISPRを含む遺伝子編集法を含む任意の方法により阻害され得る。1つの実施形態では、テルペンシンターゼ3−8遺伝子の活性又は発現は、RNAiにより阻害され得る。テルペンシンターゼ3−8遺伝子の活性又は発現は、miRNA、siRNA、dsRNA、又はshRNAを使用するRNAiにより阻害され得る。1つの実施形態では、テルペンシンターゼ3−8遺伝子の活性又は発現を阻害する方法は、テルペンシンターゼ3−8遺伝子の少なくともヌクレオチド1497〜1517を標的とし、但しナンバリングは配列番号3とのアライメントにより決定される。1つの実施形態では、テルペンシンターゼ3−8遺伝子の活性又は発現を阻害する方法は、テルペンシンターゼ3−8遺伝子の少なくともヌクレオチド884〜904を標的とし、但しナンバリングは配列番号3とのアライメントにより決定される。好ましい実施形態では、RNAi法は、テルペンシンターゼ3−8遺伝子のヌクレオチド884〜904を標的とし、但しナンバリングは配列番号3とのアライメントにより決定される。

先行する実施形態のいずれかにおいて、テルペンシンターゼ3−8遺伝子の活性又は発現は、CRISPR−Cas9システムの使用を含め、CRISPRを含む遺伝子編集法を使用して阻害され得る。先行する実施形態のいずれかにおいて、テルペンシンターゼ3−8遺伝子の活性又は発現は、RNAi法を使用して阻害され得る。

1つの実施形態では、方法は、送達ベクター内にパッケージされた、dsRNAをコードするヌクレオチド配列又はamiRNAをコードするヌクレオチド配列を含むDNAにより導かれるRNA干渉(ddRNAi,DNA-directed RNA interference)コンストラクトを用いてタバコ植物の細胞を形質転換するステップを含み得る。

1つの実施形態では、RNAi分子は、ddRNAi DNAコンストラクトによりコードされるdsRNAである。

1つの実施形態では、RNAi分子は、ddRNAi DNAコンストラクトによりコードされるamiRNAである。1つの実施形態では、本発明は、ジテルペン合成遺伝子の発現を阻害するdsRNAをコードするように設計されたddRNAi DNA配列を含むコンストラクトを提供する。

別の実施形態では、本発明は、ジテルペン合成遺伝子の発現を阻害するamiRNAをコードするように設計されたddRNAi DNA配列を含むコンストラクトを提供する。

コンストラクトは、ベクターに含まれ得る。好適には、ベクターはプラスミドであり得る。

1つの実施形態では、本発明で使用されるベクターは、アグロバクテリウム属に基づくプラスミドpKYLX71:35S2である。このプラスミドは、Anらにより記載されるpGA471プラスミドに基づく(参照として本明細書に組み込まれているAn, G. et al. 1985 EMBO J. 4, 277-284)。別の実施形態では、本発明で使用されるベクターは、pCAMBIA2300である。pCAMBIAベクターバックボーンは、pPZPベクターに由来する。

用語「DNAにより導かれるRNA干渉(ddRNAi)」とは、本明細書で使用する場合、細胞の内在性RNA干渉(RNAi)経路を活性化させるのに使用されるDNAコンストラクトを意味する。好適には、このコンストラクトは、変換されると1つ又は複数の標的遺伝子のサイレンシングを引き起こす自己相補性RNA、例えば、二本鎖のRNA(dsRNA,double stranded RNA)、又は一本鎖RNA(ssRNA,single stranded RNA)、又は短鎖ヘアピンRNA(shRNA,short-hairpin RNA)、又はマイクロRNA(例えば、人工的マイクロRNA−amiRNA)を発現するように設計される。有利には、ddRNAiの使用とは、発現したRNA(例えば、dsRNA又はamiRNA)が継続的に生成され、これにより被標的遺伝子の長期サイレンシングを実現することができることを意味する。対照的に、細胞に直接投与される低分子干渉RNA(siRNA,small interfering RNA)(例えば、本発明に基づくddRNAi DNAコンストラクトから継続に発現しない)は、細胞内で代謝回転し、遺伝子を一時的にサイレンシングさせるにすぎない。

1つの実施形態では、方法又は使用は、ddRNAi DNAコンストラクトから発現するdsRNAを使用してジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を阻害するステップを含み得る。

別の実施形態では、方法又は使用は、ddRNAi DNAコンストラクトから発現するamiRNAを使用してジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を阻害するステップを含み得る。

したがって、1つの実施形態では、ジテルペン合成遺伝子の発現がddRNAi DNAコンストラクトを使用して阻害されるタバコ植物及びタバコ植物繁殖材料、タバコ葉、カットされ採取された葉、加工されたタバコ葉、又はカットされ加工されたタバコ葉が提供される。好適には、ddRNAi DNAコンストラクトは、植物のゲノムDNAに組み込まれ得る。タバコ植物、タバコ植物繁殖材料、タバコ葉、カットされ採取された葉、加工されたタバコ葉、又はカットされ加工されたタバコ葉は、ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を阻害するdsRNA又はamiRNAを発現するddRNAi DNAコンストラクトを含み得る。ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を阻害するdsRNA又はamiRNAを発現するddRNAi DNAコンストラクトを含むタバコ植物、タバコ植物繁殖材料、タバコ葉、カットされ採取された葉、加工されたタバコ葉、又はカットされ加工されたタバコ葉は、ddRNAi DNAコンストラクトを含まないタバコ植物、タバコ植物繁殖材料、タバコ葉、カットされ採取された葉、加工されたタバコ葉、又はカットされ加工されたタバコ葉と比較して、スクロースエステル含有量が増加し得る。

ddRNAi DNAコンストラクトは、ジテルペン合成遺伝子の全部又は一部を含み得る。コンストラクトは、ジテルペン合成遺伝子のエクソン及び/又はイントロンを含み得る。ddRNAi DNAコンストラクトは、転写されるとヘアピンRNA構造を生成する部分的な遺伝子配列を含み得る。ddRNAi DNAコンストラクトによりコードされるRNAは、イントロンヘアピン構造若しくはGUSヘアピン構造を有し得る、又は単一の完全長RNAであり得る。本明細書に記載するように、本発明者らは、タバコ植物中のスクロースエステル含有量を増加させる際に使用される、ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を阻害するRNAi分子の驚くべき有効性を実証した。

用語「エクソン」とは、本明細書で使用する場合、イントロンがRNAスプライシングにより除去された後に、遺伝子により生成される最終的な成熟RNAをコードする遺伝子の部分を意味する。

用語「イントロン」とは、本明細書で使用する場合、最終的なRNA生成物の成熟期間中にRNAスプライシングにより除去される、遺伝子内のヌクレオチド配列を意味する。

用語「少なくとも〜の一部分」又は「部分的な配列」とは、本明細書で使用する場合、少なくとも5、10、15、20、25、30、40、45、50、60、70、80、90、100、120、140、160、180、200、220、240、260、280、300、400、又は少なくとも500個の連続したヌクレオチドを含む配列を意味する。例えば、ddRNAi DNAコンストラクトは、エクソンの少なくとも一部分を含む場合があり、該コンストラクトは前記エクソンに由来する100個の連続したヌクレオチドを含む。

用語「〜に対応するmRNA」とは、本明細書で使用する場合、RNAはDNAと同一の配列を有すること、すなわちヌクレオチドの配列は、mRNA配列及びDNA配列の両方において同一であることを意味するが、但しRNAでは、チミン(T)がウラシル(U)に置き換わり、そしてデオキシリボースがリボースに置換されている点を除く。

ddRNAi DNAコンストラクトは、シクラーゼ2遺伝子(CYC2)の発現を阻害するのに使用され得る。1つの実施形態では、シクラーゼ2遺伝子(CYC2)の配列は、配列番号8に定める通りである。1つの実施形態では、シクラーゼ2遺伝子(CYC2)によりコードされるポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番号10に定める通りである。好適には、ddRNAi DNAコンストラクトは、シクラーゼ2遺伝子(CYC2)の全部又は一部を含み得る。

1つの実施形態では、ddRNAi DNAコンストラクトは、シクラーゼ2遺伝子(CYC2)の少なくともエクソン1の部分、エクソン2の少なくとも一部分、及びエクソン3の少なくとも一部分を含み得る。好適には、ddRNAi DNAコンストラクトは、シクラーゼ2遺伝子(CYC2)のエクソン1の少なくとも一部分、エクソン2の少なくとも一部分、及び3番エクソンの最初から115個のヌクレオチドを含み得る。好適には、ddRNAi DNAコンストラクトは、シクラーゼ2遺伝子(CYC2)のヌクレオチド1〜25、ヌクレオチド26〜271(エクソン1)、ヌクレオチド1253〜1529(エクソン2)、及び3番エクソンの最初から115個のヌクレオチド(ヌクレオチド2366〜2480)を含み得るが、但しナンバリングは配列番号8とのアライメントにより決定される。好適には、ddRNAi DNAコンストラクトは、配列番号5に定める配列を含み得る。

ddRNAi DNAコンストラクトは、CBTolシクラーゼ遺伝子の発現を阻害するのに使用され得る。1つの実施形態では、CBTolシクラーゼ遺伝子の配列は、配列番号1に定める通りである。1つの実施形態では、CBTolシクラーゼのアミノ酸配列は、配列番号2に定める通りである。好適には、ddRNAi DNAコンストラクトは、CBTolシクラーゼ遺伝子の全部又は一部を含み得る。

別の実施形態では、ddRNAi DNAコンストラクトは、CBTolシクラーゼ遺伝子のエクソン4の少なくとも一部分、イントロン4、エクソン5、イントロン5、エクソン6、イントロン6、及びエクソン7の少なくとも一部分を含み得る。好適には、ddRNAi DNAコンストラクトは、CBTolシクラーゼ遺伝子のヌクレオチド5’−2854〜4175−3’を含み得るが、但しナンバリングは配列番号1とのアライメントにより決定される。好適には、ddRNAi DNAコンストラクトは、配列番号6に定める配列を含み得る。

ddRNAi DNAコンストラクトは、テルペンシンターゼ3−8遺伝子の発現を阻害するのに使用され得る。好適には、ddRNAi DNAコンストラクトは、テルペンシンターゼ3−8遺伝子の全部又は一部を含み得る。好適には、ddRNAi DNAコンストラクトは、テルペンシンターゼ3−8遺伝子の少なくともヌクレオチド1497〜1517を含み得るが、但しナンバリングは配列番号3とのアライメントにより決定される。1つの実施形態では、テルペンシンターゼ3−8遺伝子の配列は、配列番号3に定める通りである。1つの実施形態では、テルペンシンターゼ3−8のアミノ酸配列は、配列番号4に定める通りである。好適には、ddRNAi DNAコンストラクトは、配列番号7に定める配列を含み得る。好適には、ddRNAi DNAコンストラクトは、テルペンシンターゼ3−8遺伝子の少なくともヌクレオチド884〜904を含み得るが、但しナンバリングは配列番号3とのアライメントにより決定される。好適には、ddRNAi DNAコンストラクトは、配列番号11に定める配列を含み得る。

dsRNAをコードするddRNAi DNAコンストラクトの配列は、1つの実施形態では、配列番号7に定める配列を含み得る。配列番号7を含むddRNAi DNAコンストラクトから発現するdsRNAは、ジテルペン合成遺伝子の活性若しくは発現を阻害する、又はジテルペン合成遺伝子を下方制御するのに使用され得るが、但し該ジテルペン合成遺伝子はシクラーゼ2遺伝子(CYC2)である。

dsRNAをコードするddRNAi DNAコンストラクトの配列は、別の実施形態では、配列番号8に定める配列を含み得る。配列番号8を含むddRNAi DNAコンストラクトから発現するdsRNAは、ジテルペン合成遺伝子の活性若しくは発現を阻害する、又はジテルペン合成遺伝子を下方制御するのに使用され得るが、但し該ジテルペン合成遺伝子はCBTolシクラーゼ遺伝子である。

amiRNAをコードするddRNAi DNAコンストラクトの配列は、1つの実施形態では、配列番号9に定める配列を含み得る。配列番号9を含むddRNAi DNAコンストラクトから発現するamiRNAは、ジテルペン合成遺伝子の活性若しくは発現を阻害する、又はジテルペン合成遺伝子を下方制御するのに使用され得るが、但し該ジテルペン合成遺伝子は、テルペンシンターゼ3−8遺伝子である。

本明細書で使用される用語「GW1」又は「GW−1」は、シクラーゼ2遺伝子(CYC2)のエクソン1の少なくとも一部分、エクソン2の少なくとも一部分、及び3番エクソンの最初から115個のヌクレオチドを含むddRNAi DNAコンストラクトを意味し得る。

本明細書で使用される用語「GW2」又は「GW−2」は、テルペンシンターゼ3−8遺伝子の少なくともヌクレオチド1497〜1517を含むddRNAi DNAコンストラクトを意味し得るが、但しナンバリングは配列番号3とのアライメントにより決定される。

本明細書で使用される用語「GW3」又は「GW−3」は、CBTolシクラーゼ遺伝子のエクソン4の少なくとも一部分、イントロン4、エクソン5、イントロン5、エクソン6、イントロン6、及びエクソン7の少なくとも一部分を含むddRNAi DNAコンストラクトを意味し得る。

本明細書で使用される用語「GW5」又は「GW−5」は、テルペンシンターゼ3−8遺伝子の少なくともヌクレオチド884〜904を含むddRNAi DNAコンストラクトを意味し得るが、但しナンバリングは配列番号3とのアライメントにより決定される。

したがって、本発明のddRNAi DNAコンストラクトは、dsRNAをコードするヌクレオチド配列を含み得るが、但しdsRNAをコードする配列は、配列番号5若しくは8に実質的に記載されるヌクレオチド配列、又はその機能的なバリアント若しくは断片である。

好適には、本発明のddRNAi DNAコンストラクトは、dsRNAをコードするヌクレオチド配列を含み得るが、但しdsRNAコーディング配列は、配列番号5に実質的に記載されるヌクレオチド配列、又はその機能的なバリアント若しくは断片である。

好適には、本発明のddRNAi DNAコンストラクトは、dsRNAをコードするヌクレオチド配列を含み得るが、但しdsRNAコーディング配列は、配列番号6に実質的に記載されるヌクレオチド配列、又はその機能的なバリアント若しくは断片である。

別の実施形態では、本発明のddRNAi DNAコンストラクトは、amiRNAをコードするヌクレオチド配列を含み得るが、但しamiRNAコーディング配列は、配列番号9に実質的に記載されるヌクレオチド配列である。

ddRNAi DNAコンストラクトのバリアント又は断片が生成するように、dsRNA(例えば、配列番号7)又はamiRNA(例えば、配列番号9)をコードする配列を改変し、その配列が、ジテルペン合成遺伝子の発現を阻害又は下方制御するようになおも機能し、それによりタバコ植物のスクロース含有量を増加させることは、当業者にとって比較的容易に理解されるということが認識される。ddRNAi DNAコンストラクトの機能的なバリアント及び断片は、ジテルペン合成遺伝子によりコードされるmRNAのレベルが、同一条件下で生育した対応する野生型植物細胞内の同一のジテルペン合成遺伝子mRNAのレベルを下回り低下しているかどうか決定する標準的な検査技術を使用することにより、容易に識別され得る。そのような技術の例は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR,polymerase chain reaction)である。当業者は、ジテルペン合成遺伝子によりコードされるポリペプチドの濃度は、標準的な技術、例えば酵素結合免疫吸着測定法(ELISA,Enzyme-linked immunosorbent assay)、蛍光活性化セルソーティング、ウェスタンブロッティング、又はクロマチン免疫沈降法(ChIP,Chromatin Immunoprecipitation)等を使用することにより、野生型植物及び遺伝子導入植物において直接測定され得ることを認識する。

別の実施形態では、タバコ細胞、タバコ植物若しくはその一部、及び/又は植物繁殖材料は、ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を阻害するコンストラクトを含み得る。好ましい実施形態では、コンストラクトは、ddRNAi DNAコンストラクトであり、より好ましくは、ddRNAi DNAコンストラクトは、シクラーゼ2遺伝子(CYC2)、CBTolシクラーゼ遺伝子、又はテルペンシンターゼ3−8遺伝子の活性又は発現を阻害するRNAiモジュールを含む。

さらなる実施形態では、タバコ細胞、タバコ植物若しくはその一部、及び/又は植物繁殖材料は、 i)配列番号5、配列番号6、又は配列番号7、配列番号11として本明細書に示すポリヌクレオチド配列、又は ii)機能的断片がジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を阻害する、i)に示すポリヌクレオチド配列の断片、又は iii)上記i)又はii)に示すポリヌクレオチドと少なくとも70%(好ましくは85%、より好ましくは90%)の同一性を有するポリヌクレオチド配列、 を含み得る。

1つの実施形態では、ポリヌクレオチド配列は、配列番号5、配列番号6、又は配列番号7、又は配列番号11と少なくとも80%の同一性を有し得る。好適には、ポリヌクレオチド配列は、配列番号5、配列番号6、又は配列番号7、又は配列番号11と少なくとも90%の同一性を有し得る。好適には、ポリヌクレオチド配列は、配列番号5、配列番号6、又は配列番号7、又は配列番号11と少なくとも95%の同一性(より好適には少なくとも99%の同一性)を有し得る。

有利な実施形態では、ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現の阻害は、タバコ植物のスクロースエステル含有量の増加、及び同時にタバコ植物のその他の香りコンポーネントにおいてその1又は2以上の変化を引き起こす可能性がある。ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現の阻害は、スクロースエステル含有量の増加、及びジテルペン含有量の変化を引き起こす可能性がある。スクロースエステル含有量の増加は、シス−アビエノール、ラブデンジオール、及びCBT−オール含有量からなる群から選択される香り化合物において、その1又は2以上の増加を伴う可能性がある。

スクロースエステル含有量の増加は、シス−アビエノール含有量の増加及びラブデンジオール含有量の増加を伴う可能性がある。別の実施形態では、スクロースエステル含有量の増加は、ラブデンジオール含有量の増加を伴う可能性がある。スクロースエステル含有量の増加は、CBT−オールの増加及び高シス−アビエノール含有量を伴う可能性がある。

1つの実施形態では、本発明の方法は、トルコ風の滲出物の化学的性質を有するバーレイ種又は熱風乾燥葉を生成する。好ましくは、バーレイ種又は熱風乾燥葉は、ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現が阻害されていない同等のバーレイ種又は熱風乾燥植物よりもトルコ風タバコに類似した化学的性質を有する。

1つの実施形態では、本発明によるタバコ植物又はその一部は、本発明に基づき改変されたバーレイ種又は熱風乾燥植物である。1つの実施形態では、本発明は、トルコ風の滲出物の化学的性質を有するように、本発明に基づき改変されたバーレイ種又は熱風乾燥植物に関する。1つの実施形態では、本発明によるタバコ植物(例えば、改変されたタバコ植物)は、オリエンタル又はトルコタバコ植物ではない。

1つの実施形態では、タバコ植物又はその一部は乾燥される。1つの実施形態では、タバコ植物又はその一部は、乾燥、例えば空気乾燥、熱風乾燥、火力乾燥、又は天日乾燥される。さらなる態様では、タバコ植物又はその一部は熱風乾燥される。さらなる態様では、タバコ植物又はその一部は空気乾燥される。

熱風乾燥は当技術分野において周知されており、火室又はガス燃料供給システムにより供給される熱風でタバコを乾燥させるプロセスを指す。このプロセスは、乾燥の過程全体にわたり、ゆっくりと温度を上げながら、タバコを煙に曝露することなく加熱乾燥する。この方法は、糖度が高いタバコを生成し、また中〜高レベルのニコチンを有する。スミスのタバコ収蔵室(Smith Tobacco Barn)は、従来型の熱風乾燥式タバコ収蔵室の例である。

空気乾燥したタバコとして、バーレイ種、メリーランド、及びダークタバコが挙げられる。共通因子として、乾燥は、加熱及び湿度において主に人工的供給源が用いられないことが挙げられる。バーレイタバコは、淡〜暗褐色であり、油分が多く、そして糖分は低い。バーレイタバコは、収蔵室内で空気乾燥される。主要なバーレイ種栽培国として、アルゼンチン、ブラジル、イタリア、マラウィが挙げられ、また米国のバーレイ種タバコ植物には、例えばClay402、Clay403、Clay502、Ky14、Ky907、Ky910、Ky8959、NC2、NC3、NC4、NC5、NC2000、TN86、TN90、TN97、R610、R630、R711、R712、NCBH129、Bu21xKy10、HB04P、Ky14xL8、Kt200、Newton98、Pedigo561、Pf561、及びVa509が含まれる。

メリーランドタバコは、非常にフワフワしており、燃焼特性が良好で、低ニコチンであり、そしてニュートラルなアロマを有する。主要なメリーランド種栽培国として、米国及びイタリアが挙げられる。空気乾燥したダークタバコは、空気乾燥したダークタバコに中程度の褐色〜暗褐色及び異なるアロマを付与するその発酵プロセスにより、その他の種類から主に区別される。その葉の糖含有量は低いが、しかしニコチン含有量は高い。空気乾燥したダークタバコは、噛みタバコ及び嗅ぎタバコの製造で主に使用される。火力乾燥したダークタバコの主要な栽培地域は、米国のテネシー州、ケンタッキー州、及びバージニア州である。

好ましい実施形態では、本発明のタバコは、少なくとも3−メチルバレレートアセチル化スクロースエステルをトルコ風のタバコと同量含有する。

「トルコ風の滲出物の化学的性質」とは、本発明の植物により生成された滲出物が、トルコタバコに認められるものと類似した滲出物の化学的性質を有することを意味する。トルコ(又はオリエンタル)タバコ、例えばN.タバカム変種サムスン(Samsun)の化学的性質は、R. Seversonら(1985)(前出、参照として本明細書に組み込まれている)により特徴づけられている。トルコタバコは、低レベルのCBT−ジオール、高レベルのCBTの酸化生成物、及び高レベルの3−メチル吉草酸含有スクロースエステルを含有することが公知である。したがって、本発明は、トルコタバコ風トリコーム滲出物を含むより高いバイオマスタバコ植物を有利に提供する。

1つの実施形態では、増量した3−メチルバレレートスクロースエステルを含むタバコ植物が提供される。タバコ植物は、本発明により改変されなかったタバコ植物、すなわちジテルペン合成遺伝子の阻害が導入されなかった植物との比較において、増量した3−メチルバレレートスクロースエステルを含み得る。好ましくは、本発明のタバコ系統は、ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を阻害するように改変されなかった対照タバコ植物に対して、少なくとも2倍の3−メチルバレレートスクロースエステルを含有する。さらなる態様では、本発明のタバコ植物は、少なくともトルコタイプタバコと同量の3−メチルバレレートを含有する。

有利には、本発明のタバコ植物は、屋外において正常に生育する。1つの実施形態では、CBTolシンターゼノックダウン植物は、有利には、トルコタバコと同様にCBTジオールが低く、シス−アビエノールが高く、3−メチル吉草酸含有スクロースエステルが高いが、しかしトルコタイプとは異なり、本発明のCBTolシンターゼノックダウン植物は、トルコタバコ植物よりも多くのバイオマスを生成し得る。トルコタバコタイプの場合、収率は、一般的に600〜1100ポンド/エーカーの範囲である。

用語「機能的断片」とは、本明細書で使用する場合、ポリヌクレオチドと同様に機能する能力を有するポリヌクレオチドの一部分を指す。例えば、ポリヌクレオチドがジテルペン合成遺伝子である場合、機能断片はジテルペン合成遺伝子として機能する能力を有さなければならず、例えば、機能的断片はジテルペン合成遺伝子の活性を保持する。機能的断片は、完全長ポリヌクレオチドの活性のレベル以上の活性のレベルを有し得る。ポリヌクレオチドがdsRNA又はamiRNAをコードする場合には、機能的断片は、ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を阻害する能力を有さなければならない。

1つの実施形態では、機能的断片は、少なくとも50、75、100、150、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000個の連続したヌクレオチドを含む、本明細書において議論されるようなジテルペン合成遺伝子の一部分であり得る。いくつかの実施形態では、機能的断片は、本明細書において議論されるジテルペン合成遺伝子の少なくとも150個のヌクレオチドを含み得る。機能的断片がddRNAi DNAコンストラクトの機能的断片である1つの実施形態では、機能的断片は、少なくとも50、75、100、150、200、又は250個の連続したヌクレオチドを含む、本明細書において議論されるようなRNAiの一部分であり得る。

用語「遺伝子コードの縮重」とは、本明細書で使用する場合、アミノ酸を規定する3コドンの組合せの重複性として表わされる、ポリペプチド配列をコードするコドンにおける冗長性を指す。例えば、イソロイシンアミノ酸を有するポリペプチドをコードするmRNA分子では、イソロイシンは、AUU、AUC、又はAUAによりコードされ得る。これは、RNAをコードするDNA分子は、複数の配列を有し得るが、得られるポリペプチドはなおも同一の配列を有することを意味する。換言すれば、ヌクレオチド配列に多形性が認められても、同一のポリペプチド産物をコードし得る。これは、1つの核酸配列は、第2の配列に対して配列同一性が非常に低くても、同一のポリペプチド配列をコードする配列を含み得ることを意味する。

本発明の方法及び使用は、少なくとも1つのジテルペン合成遺伝子の阻害を含む。阻害は、当業者にとって公知の任意の手段により達成され得る。

本発明のいくつかの実施形態では、プロモーターが提供され得る。本発明で使用されるプロモーターは、構成型プロモーター、セネッセンス特異的プロモーター、組織特異的プロモーター、発生学的に制御されたプロモーター、及び誘導性プロモーターからなる群から選択される1又は2以上であり得る。1つの実施形態では、プロモーターは、構成型プロモーターであり得る。

遺伝子はすべての細胞型において同一レベルで発現されない可能性はあるものの、構成型プロモーターは、植物の発育期間中に植物の様々な部分全体にわたり、連続的に遺伝子の発現を指示する。公知の構成的プロモーターの例として、カリフラワーモザイクウイルス35S転写物(Odell JT, Nagy F, Chua NH. (1985). Identification of DNA sequences required for Activity of the cauliflower mosaic virus 35S promoter, Nature. 313 810-2)、及びライスアクチン1遺伝子(Zhang W, McElroy D, Wu R. (1991))に付随するプロモーターが挙げられ、これらは本明細書において参照として組み込まれている。遺伝子導入ライス植物内のライスAct15’領域の活性(参照として本明細書に組み込まれている、Plant Cell 3 1155-65)、及びトウモロコシユビキチン1遺伝子(Cornejo MJ, Luth D, Blankenship KM, Anderson OD, Blechl AE. (1993)、Activity of a maize ubiquitin promoter in transgenic rice. Plant Molec. Biol. 23 567-81(参照として本明細書に組み込まれている))の分析。構成的プロモーター、例えばカーネーションエッチドリングウイルス(CERV,Carnation Etched Ring Virus)プロモーター等(参照として本明細書に組み込まれている、Hull R, Sadler J, LongstaffM (1986)。The sequence of carnation etched ring virus DNA: comparison with cauliflower mosaic virus and retroviruses。参照として本明細書に組み込まれている、EMBO Journal, 5(2):3083-3090)。

構成型プロモーターは、カーネーションエッチドリングウイルス(CERV)プロモーター、カリフラワーモザイクウイルスプロモーター(CaMV35Sプロモーター)、ライスアクチン1遺伝子又はトウモロコシユビキチン1遺伝子に由来のプロモーターから選択され得る。好適には、プロモーターは、CERVプロモーターであり得る。

或いはいくつかの実施形態では、プロモーターは、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV 35Sプロモーター)でなくてもよい。1つの実施形態では、プロモーターは、セネッセンス特異的プロモーターであり得る。「セネッセンス特異的プロモーター」(SAG,senescence-specific promoter)は、老化関連遺伝子の発現を制御することと関連するプロモーターであり得る。したがって、プロモーターは、それが老化した組織においてコーディング配列(すなわち、遺伝子)と作動可能に連結しており、その連結が実質的に排他的である該コーディング配列の発現を制限し得る。したがって、セネッセンス特異的プロモーターは、植物組織の老化が進行するときに限って3’タンパク質コード領域の発現が実質的に生ずるように、発生学的に制御された様式で、植物組織において遺伝子発現を優先的に促進する能力を有するプロモーターであり得る。老化は、植物のより若い部分、例えば種子等ではなく、植物のより古い部分、例えばより古い葉等で生ずる傾向を有するものと認識される。

非常に多くの老化関連遺伝子を発現することが公知である植物の一例として、シロイヌナズナ属が挙げられる。したがって、プロモーターは、シロイヌナズナ属内の老化関連遺伝子から単離され得る。参照として本明細書に組み込まれているGepsteinら(The Plant Journal, 2003, 36, 629-642)は、モデルとしてシロイヌナズナ属を使用して、SAGとそのプロモーターの詳細な試験を実施した。遺伝子コンストラクトは、この文献で開示されているSAGのいずれかに由来するプロモーターを含み得る。例えば、適するプロモーターは、SAG12、SAG13、SAG101、SAG21、及びSAG18、又はその機能的なバリアント若しくは機能的断片からなる群から選択され得る。

1つの実施形態では、プロモーターは、SAG12又はSAG13プロモーターであり得る。1つの実施形態では、プロモーターは、当業者にとって公知のSAG12プロモーター又はその機能的なバリアント若しくは断片であり得(Gan & Amasino, 1997, Plant Physiology, 113: 313-319)、これは参照として本明細書に組み込まれている。適するプロモーター及びその配列は、国際公開第2010/097623号に見出され得る(参照として本明細書に組み込まれている)。

別の実施形態では、プロモーターは、組織特異的プロモーターであり得る。組織特異的プロモーターは、植物の1つの(又はいくつかの)部分内にある遺伝子の発現を、通常そのような植物の部分の寿命全体にわたり指示するプロモーターである。組織特異的プロモーターのカテゴリーには、特異性が絶対的ではないプロモーターも一般的に含まれる、すなわち、該プロモーターは、好ましい組織以外の組織内においても低レベルの発現を指示し得る。いくつかの組織特異的プロモーターは当技術分野において公知であり、ジャガイモ塊茎内で発現しているパタチン遺伝子、及び小麦、大麦、又はトウモロコシの胚乳内で発現している高分子量グルテニン遺伝子に付随するプロモーターを含む。このようなプロモーターのいずれも、本発明で使用され得る。

好適には、組織特異的プロモーターは、葉特異的プロモーターであり得る。好適には、葉特異的プロモーターは、ASYMMETRIC LEAVES1(AS1)を含み得る。特に好ましい実施形態では、組織特異的プロモーターは、根特異的プロモーターではない。

別の実施形態では、プロモーターは、発生制御型プロモーターであり得る。発生制御型プロモーターは、植物の発育期間中の特定の時期において、1又は2以上の植物の部分に存在する遺伝子の発現変化を指示する。遺伝子は、その他の時期に、異なる(通常より低い)レベルで当該植物の部分内で発現し得るが、またその他の植物の部分においても発現し得る。

1つの実施形態では、プロモーターは、誘導性プロモーターであり得る。誘導性プロモーターは、インデューサーに反応して遺伝子の発現を指示する能力を有する。インデューサーが存在しない場合には、遺伝子は発現しない。インデューサーは、プロモーター配列に直接作用し得る、又はリプレッサー分子の効果を和らげることにより作用し得る。インデューサーは、化学物質、例えば代謝物、タンパク質、増殖制御因子、又は毒性元素等、生理学的ストレス、例えば熱、傷害、若しくは浸透圧等、又は病原体若しくは害虫がもたらす作用の間接的結果であり得る。発生制御型プロモーターは、植物の生活環の特定の時点において、植物により産生される内在性インデューサー、又は環境上の刺激に応答する誘導性プロモーターの特定のタイプとして記載される場合もある。公知の誘導性プロモーターの例として、例えば参照として本明細書に組み込まれている、Warner SA, Scott R, Draper J.(1993)(Isolation of an asparagus intracellular PR gene (AoPR1) wound-responsive promoter by the inverse polymerase chain reaction and its characterization in transgenic tobacco. Plant J. 3 191-201)等により記載される傷害反応、参照として本明細書に組み込まれている、Benfey&Chua(1989)(Benfey, P.N., and Chua, N-H. (1989) Regulated genes in transgenic plants. Science 244 174-181)により開示される温度応答と関連したプロモーター、及び参照として本明細書に組み込まれている、Gatz(1995)(Gatz, C. (1995) Novel inducible/repressible gene expression systems. Methods in Cell Biol. 50 411-424)により記載されるような化学的に誘発されたプロモーターが挙げられる。

したがって、1つの実施形態では、プロモーターは、CERVプロモーター、カリフラワーモザイクウイルス35Sプロモーター(完全な又はトランケーションされた)、リブロース二リン酸カルボキシラーゼ遺伝子プロモーター、エンドウマメ・プラストシアニンプロモーター、ノパリン合成酵素プロモーター、クロロフィルr/b結合プロモーター、高分子量グルテニンプロモーター、α、β−グリアジンプロモーター、ホルデインプロモーター、及びパタチンプロモーターからなる群から選択され得る。

1つの実施形態では、プロモーターは、CaMV35Sプロモーター又は重複したエンハンサー領域又はダブルエンハンサー領域を有する改変された35Sプロモーターであり得る(参照として本明細書に組み込まれているR. Kay et al. Science. 1987 Jun 5;236(4806):1299-302)。

組換えベクターは、クローニングプロセスにおいて選択マーカーとして使用され得る、すなわちトランスフェクトされた又は変換された細胞の選択を可能にする、及び異種のDNAを組み込んだベクターを内包する細胞の選択を可能にする遺伝子をコードするDNAも含み得る。ベクターは、コーディング配列の発現を制御することと関係する、又は発現したポリペプチドを宿主細胞の特定の部分、例えば葉緑体へと向けるためのDNAも含み得る。したがって、ベクターは、選択マーカー遺伝子(例えば、抗生物質耐性遺伝子);ポリペプチド終了シグナル;及びタンパク質標的配列(例えば、葉緑体輸送ペプチド)からなる群から選択される少なくとも1つの追加の要素を含み得る。

適するマーカー遺伝子の例として、抗生物質耐性遺伝子、例えばカナマイシン、ジェネテシン(G418)、及びハイグロマイシン(npt−II、hyg−B)に対する耐性を付与する遺伝子等;除草剤耐性遺伝子、例えばホスフィノトリシン及びスルホンアミドに基づく除草剤に対する耐性を付与する遺伝子等(それぞれbar及びsuI;EP−A−242246、EP−A−0249637);及びスクリーニング可能なマーカー、例えばベータ−グルクロニダーゼ(GB2197653)、ルシフェラーゼ、及び緑色蛍光タンパク質(GFP,green fluorescent protein)等が挙げられる。マーカー遺伝子は第2のプロモーターにより制御される場合もあり、該プロモーターは、種子の中にあっても、またなくてもよいが、細胞内での発現を可能にし、これにより植物の任意の発達段階において、マーカーを含有する細胞又は組織の選択を可能にする。適する第2のプロモーターは、アグロバクテリウム属のノパリンシンターゼ遺伝子のプロモーターであり、また35Sカリフラワーモザイクウイルス(CaMV,cauliflower mosaic virus)転写物をコードする遺伝子に由来するプロモーターである。但し、任意のその他の適する第2のプロモーターも使用され得る。

商業的に望ましい特性 用語「商業的に望ましい特性」として、例えば、収率、成熟した植物の高さ、採取可能な葉の数、平均節間長、カッター葉の長さ、カッター葉の幅、品質、非生物的(例えば干ばつ)ストレス耐性、除草剤耐性、及び/又は生物的(例えば、昆虫、細菌、又は菌類)ストレス耐性等の特性が挙げられる。

本明細書で教示する用語「商業的に望ましい特性」とは、類似した屋外条件において生育させたときに、干ばつ耐性、害虫耐性、成熟した植物の高さ、採取可能な葉の数、平均節間長、カッター葉の長さ、カッター葉の幅、及び収率からなる群から選択される特性において、同等の植物の熱風乾燥された親に認められる前記特性と同等の1又は2以上の特性を意味する。

別途規定しない限り、本明細書で使用されるタバコ収率とは、標準的な農学的実践法及び乾燥実践法を経た後の、標準的な屋外条件下における、1エーカー当たりの乾燥したタバコ葉の重量に基づき計算される乾燥した葉の収率を意味する。

1つの態様では、本発明のタバコ植物は、類似した屋外条件において生育させたとき、同等の植物の収率に対して、その50%〜150%の間、55%〜145%の間、60%〜140%の間、65%〜135%の間、70%〜130%の間、75%〜125%の間、80%〜120%の間、85%〜115%の間、90%〜110%の間、95%〜105%、50%〜100%の間、55%〜100%の間、60%〜100%の間、65%〜100%の間、70%〜100%の間、75%〜100%の間、80%〜100%の間、85%〜100%の間、90%〜100%の間、95%〜100%の間、100%〜150%の間、105%〜150%の間、110%〜150%の間、115%〜150%の間、120%〜150%の間、125%〜150%の間、130%〜150%の間、135%〜150%の間、140%〜150%の間、又は145%〜150%の間の収率を有する。

別の態様では、本発明のタバコ植物の収率は、類似した屋外条件で生育させたとき、同等の植物の収率のほぼ1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、又は3.0倍である。

別の態様では、本発明のタバコ植物の収率は、類似した屋外条件で生育させたとき、熱風乾燥された同等の植物の収率と同等である。

1つの態様では、本発明のタバコ植物は、1エーカー当たり約1200〜3500ポンドの間、1300〜3400ポンドの間、1400〜3300ポンドの間、1500〜3200ポンドの間、1600〜3100ポンドの間、1700〜3000ポンドの間、1800〜2900ポンドの間、1900〜2800ポンドの間、2000〜2700ポンドの間、2100〜2600ポンドの間、2200〜2500ポンドの間、及び2300〜2400ポンドの間からなる群から選択される収率を実現する。

別の態様では、本発明のタバコ植物は、1エーカー当たり約1200〜3500ポンドの間、1300〜3500ポンドの間、1400〜3500ポンドの間、1500〜3500ポンドの間、1600〜3500ポンドの間、1700〜3500ポンドの間、1800〜3500ポンドの間、1900〜3500ポンドの間、2000〜3500ポンドの間、2100〜3500ポンドの間、2200〜3500ポンドの間、2300〜3500ポンドの間、2400〜3500ポンドの間、2500〜3500ポンドの間、2600〜3500ポンドの間、2700〜3500ポンドの間、2800〜3500ポンドの間、2900〜3500ポンドの間、3000〜3500ポンドの間、及び3100〜3500ポンドの間からなる群から選択される収率を実現する。

さらなる態様では、本発明のタバコ植物は、1エーカー当たり約1200〜3500ポンドの間、1200〜3400ポンドの間、1200〜3300ポンドの間、1200〜3200ポンドの間、1200〜3100ポンドの間、1200〜3000ポンドの間、1200〜2900ポンドの間、1200〜2800ポンドの間、1200〜2700ポンドの間、1200〜2600ポンドの間、1200〜2500ポンドの間、1200〜2400ポンドの間、1200〜2300ポンドの間、1200〜2200ポンドの間、1200〜2100ポンドの間、1200〜2000ポンドの間、1200〜1900ポンドの間、1200〜1800ポンドの間、1200〜1700ポンドの間、1200〜1600ポンドの間、1200〜1500ポンドの間、及び1200〜1400ポンドの間からなる群から選択される収率を実現する。

タバコ植物 本発明は、タバコ植物並びにタバコ細胞と関連する方法、使用、タバコ植物、及び植物繁殖材料を提供する。

用語「タバコ」とは、本明細書で用いる場合、タバコ製品の製造で使用されるニコチアナ属の植物を意味する。適する「タバコ」植物の非限定的な例として、N.タバカム及びN.ルスチカ(例えば、N.タバカム L.、LA B21、LN KY171、Tl 1406、バスマ、ガルパオ、ペリケ、ベインハルト1000−1、及びペチコ)が挙げられる。

1つの実施形態では、適するタバコ植物は任意のN.タバカム種であり得る。

別の実施形態では、適するタバコ植物は非タバカム種であり得る。

タバコ材料は、バーレイ品種として一般的に知られているニコチアナ・タバカム種の品種、フルー又はブライト品種、及びダーク品種に由来し得、又はそれらから取得され得る。いくつかの実施形態では、タバコ材料は、バーレイ、バージニア、又はダークタバコ植物に由来する。タバコ植物は、バーレイタバコ、レアタバコ、スペシャリティタバコ、膨化タバコ等から選択され得る。

タバコ栽培品種及びエリートタバコ栽培品種の使用も、本明細書において検討される。本明細書で使用されるタバコ植物は、したがってタバコ品種又はエリートタバコ栽培品種であり得る。特に有用なニコチアナ・タバカム品種として、バーレイタイプ、ダークタイプ、及び熱風乾燥タイプのタバコが挙げられる。

いくつかの実施形態では、タバコ植物は、例えば下記の品種のうちの1又は2以上から選択され得る:N.タバカム L栽培品種T.I.1068、N.タバカムAA37−1、N.タバカムB13P、N.タバカム・クサンシ(N.tabacum Xanthi)(ミッチェル-モール(Mitchell-Mor))、N.タバカムKT D#3ハイブリッド107、N.タバカムBel−W3、N.タバカム79−615、N.タバカム・サムスンホルムズ(Samsun Holmes)NN、N.タバカムBU21×N.タバカム・ホジャパラド(Hoja Parado)の交配に由来するF4、ライン97、N.タバカムKTRDC#2ハイブリッド49、N.タバカムKTRDC#4ハイブリッド1 10、N.タバカム・バーレイ21、N.タバカムPM016、N.タバカムKTRDC#5KY160SI、N.タバカムKTRDC#7FCA、N.タバカムKTRDC#6TN86SI、N.タバカムPM021、N.タバカムK149、N.タバカムK326、N.タバカムK346、N.タバカムK358、N.タバカムK394、N.タバカムK399、N.タバカムK730、N.タバカムKY10、N.タバカムKY14、N.タバカムKY160、N.タバカムKY17、N.タバカムKY8959、N.タバカムKY9、N.タバカムKY907、N.タバカムMD609、N.タバカム・マクネイル(McNair)373、N.タバカムNC2000、N.タバカムPG01、N.タバカムPG04、N.タバカムP01、N.タバカムP02、N.タバカムP03、N.タバカムRG1 1、N.タバカムRG17、N.タバカムRG8、N.タバカム・スペイト(Speight)G−28、N.タバカムTN86、N.タバカムTN90、N.タバカムVA509、N.タバカムAS44、N.タバカム・バンケット(Banket)A1、N.タバカム・バスマドラマ(Basma Drama)B84/31、N.タバカム・バスマIジクナ(Basma I Zichna)ZP4/B、N.タバカム・バスマクサンシ(Basma Xanthi)BX2A、N.タバカム・バテク(Batek)、N.タバカム・ベスキジェンバー(Besuki Jember)、N.タバカムC104、N.タバカム・コーカー(Coker)319、N.タバカム・コーカー347、N.タバカム・クリオロミシオネロ(Criollo Misionero)、N.タバカムPM092、N.タバカム・デルクレスト(Delcrest)、N.タバカム・ジェベル(Djebel)81、N.タバカムDVH405、N.タバカム・ガルパオコマム(Galpao Comum)、N.タバカムHB04P、N.タバカム・ヒックスブロードリーフ(Hicks Broadleaf)、N.タバカム・カバクラクエラッソナ(Kabakulak Elassona)、N.タバカムPM102、N.タバカム・クツァゲ(Kutsage)E1、N.タバカムKY14×L8、N.タバカムKY171、N.タバカムLA BU21、N.タバカム・マクネイル944、N.タバカムNC2326、N.タバカムNC71、N.タバカムNC297、N.タバカムNC3、N.タバカムPVH03、N.タバカムPVH09、N.タバカムPVH19、N.タバカムPVH21 10、N.タバカム・レッドロシアン(Red Russian)、N.タバカム・サムスン(Samsun)、N.タバカム・サプラク(Saplak)、N.タバカム・シンマバ(Simmaba)、N.タバカム・タルガー(Talgar)28、N.タバカムPM132、N.タバカム・ウィスリカ(Wislica)、N.タバカム・ヤヤルダグ(Yayaldag)、N.タバカムNC4、N.タバカムTRマドーレ(Madole)、N.タバカム・プリレップ(Prilep)HC−72、N.タバカム・プリレップP23、N.タバカム・プリレップPB156/1、N.タバカム・プリレップP12−2/1、N.タバカム・ヤカ(Yaka)JK−48、N.タバカム・ヤカJB125/3、N.タバカムTI−1068、N.タバカムKDH−960、N.タバカムTI−1070、N.タバカムTW136、N.タバカムPM204、N.タバカムPM205、N.タバカム・バスマ(Basma)、N.タバカムTKF4028、N.タバカムL8、N.タバカムTKF2002、N.タバカムTN90、N.タバカムGR141、N.タバカム・バスマクサンシ、N.タバカムGR149、N.タバカムGR153、及びN.タバカム・ペティットハバナ(Petit Havana)。

品種又は栽培品種の非限定的な例は、BD64、CC101、CC200、CC27、CC301、CC400、CC500、CC600、CC700、CC800、CC900、コーカー176、コーカー319、コーカー371ゴールド、コーカー48、CD263、DF91 1、DT538LCガルパオタバコ、GL26H、GL350、GL600、GL737、GL939、GL973、HB04P、HB04P LC、HB3307PLC、ハイブリッド403LC、ハイブリッド404LC、ハイブリッド501LC、K149、K326、K346、K358、K394、K399、K730、KDH959、KT200、KT204LC、KY10、KY14、KY160、KY17、KY171、KY907、KY907LC、KTY14×L8LC、リトルクリッテンデン(Little Crittenden)、マクネイル373、マクネイル944、msKY14×L8、ナロウリーフマドーレ(Narrow Leaf Madole)、ナロウリーフマドーレLC、NBH98、N−126、N−777LC、N−7371LC、NC100、NC102、NC2000、NC291、NC297、NC299、NC3、NC4、NC5、NC6、NC7、NC606、NC71、NC72、NC810、NC BH129、NC2002、ニールスミスマドーレ(Neal Smith Madole)、OXFORD207、PD7302LC、PD7309LC、PD7312LC’Periq’e’タバコ、PVH03、PVH09、PVH19、PVH50、PVH51、R610、R630、R7−11、R7−12、RG17、RG81、RG H51、RGH4、RGH51、RS1410、スペイト168、スペイト172、スペイト179、スペイト210、スペイト220、スペイト225、スペイト227、スペイト234、スペイトG−28、スペイトG−70、スペイトH−6、スペイトH20、スペイトNF3、TI1406、TI1269、TN86、TN86LC、TN90、TN97、TN97LC、TN D94、TN D950、TR(トムロッソン(Tom Rosson))マドーレ、VA309、VA359、AA37−1、B13P、クサンシ(ミッチェル-モール)、Bel−W3、79−615、サムスンホルムズNN、KTRDCナンバー2ハイブリッド49、バーレイ21、KY8959、KY9、MD609、PG01、PG04、P01、P02、P03、RG1 1、RG8、VA509、AS44、バンケットA1、バスマドラマB84/31、バスマIジクナZP4/B、バスマクサンシBX2A、バテク、ベスキジェンバー(Besuki Jember)、C104、コーカー347、クリオロミシオネロ、デルクレスト、ジェベル81、DVH405、ガルパオコマム、HB04P、ヒックスブロードリーフ、カバクラクエラッソナ、クツァゲE1、LA BU21、NC2326、NC297、PVH21 10、レッドロシアン、サムスン、サプラク、シンマバ、タルガー28、ウィスリカ、ヤヤルダグ、プリレップHC−72、プリレップP23、プリレップPB156/1、プリレップP12−2/1、ヤカJK−48、ヤカJB125/3、TI−1068、KDH−960、TI−1070、TW136、バスマ、TKF4028、L8、TKF2002、GR141、バスマクサンシ、GR149、GR153、ペティットハバナである。上記これらの低コンバーター亜品種も、たとえ本明細書で特に識別されないとしても検討される。

タバコ植物はバーレイ種であり得る。

1つの実施形態では、タバコ植物は、N.タバカム L.であり、最も好ましい実施形態では、タバコ植物は、N.タバカム L栽培品種T.I.1068である。

1つの実施形態では、植物繁殖材料は、本発明のタバコ植物から取得可能であり得る。「植物繁殖材料」とは、本明細書で用いる場合、さらなる植物が生成し得る、植物から得られるあらゆる植物由来物質を意味する。好適には、植物繁殖材料は種子であり得る。

1つの実施形態では、本発明のタバコ細胞、タバコ植物、及び/又は植物繁殖材料は、阻害された又は下方制御されたジテルペン合成遺伝子を含み得る。別の実施形態では、タバコ細胞、タバコ植物、及び/又は植物繁殖材料は、本発明によるコンストラクト又はベクターを含み得る。別の実施形態では、タバコ細胞、タバコ植物、及び/又は植物繁殖材料は、本発明による方法により取得可能であり得る(例えば、取得され得る)。

好適には、本発明によるタバコ植物又はその一部は、ジテルペン合成遺伝子の発現を阻害するように改変されなかったタバコ植物又はその一部と比較して、少なくとも1つのジテルペン合成遺伝子の発現低下を含み得る。

1つの実施形態では、本発明に基づくタバコ植物又はその一部分は、本発明のタバコ細胞を含む。別の実施形態では、植物繁殖材料は、本発明のタバコ植物から取得可能であり得る(例えば、取得され得る)。

1つの実施形態では、タバコ製品の製造のための上記実施形態において提供されるようなタバコ細胞の使用が提供される。さらに、タバコ植物を育成するための、本明細書に記載するタバコ植物の使用が提供される。

本発明は、別の実施形態では、タバコ製品の製造のための、上記実施形態のタバコ植物の使用も提供する。別の実施形態では、作物を成長させるための、本発明のタバコ植物の使用が提供される。1つの実施形態では、本発明によるジテルペン合成遺伝子の使用は、タバコ植物の滲出物の化学的性質に変化をもたらす可能性がある。

1つの実施形態では、本発明によるジテルペン合成遺伝子の使用は、タバコ植物のスクロースエステル含有量の増加を引き起こす可能性がある。別の実施形態では、ジテルペン合成遺伝子の使用(例えば、その阻害)は、スクロースエステルのトリコーム滲出物濃度の増加、並びにCBT−オール、シス−アビエノール、及びラブデンジオールのうちの1又は2以上の含有量の増加を引き起こす可能性がある。好適には、これは、野生型植物と比較して、植物がジテルペン合成遺伝子発現の減少を示すときに観察され得る。

1つの実施形態では、本発明は、タバコ細胞培養物(例えば、インビトロ培養における)を提供する。タバコ細胞培養物は、タバコ細胞懸濁培養物であり得る。インビトロで培養されたこのようなタバコ細胞は、例えば、従来型のタバコ粒子、シュレッド、細かくカットされた若しくは長くカットされたタバコラミナに対する代替物として、添加成分として、又は代替物及び添加物の両方としてタバコ製品に組み込まれ得る。

1つの実施形態では、タバコ製品を製造するためのタバコ細胞培養物、例えば本発明による採取された及び/又は加工されたタバコ細胞培養物、又はそれからの抽出物の使用が提供される。

インビトロ培養物から採取されたタバコ細胞は、例えば粉末を生成するために乾燥、例えば凍結乾燥され得る。

当業者は、タバコ細胞のインビトロ培養を確立するための公知の方法について認識している。例示目的に限定して下記の方法が使用され得る:目的とするタバコ植物から種子を収集し、そしてその外部を滅菌して望ましくない生物を取り除き、前記種子を栽植して目的とするタバコ植物に生育させ、外植片として使用するためにタバコ植物から(例えば、タバコの茎から)組織を取り出し、タバコ外植片からカルス培養物を確立し、該カルス培養物から細胞懸濁培養物を確立し、そして培養材料(例えば、タバコ細胞を含む)を採取してタバコ細胞培養物を生成するステップ。

タバコ細胞は、濾過、例えば減圧濾過を含む様々な方法により採取され得る。サンプルは、水を添加することによりフィルター内で洗浄され、そして残りの液体は濾過、例えば減圧濾過により除去され得る。 採取されたタバコ細胞培養物は、さらなる加工、例えば空気乾燥及び/又は凍結乾燥等の乾燥の対象となり得る。採取されたタバコ細胞培養物又は乾燥した採取されたタバコ細胞培養物又はそれからの抽出物は、本発明によるタバコ製品に組み込まれ得る。

製品 本発明は、本発明によるタバコから取得可能な、又は取得された製品も提供する。ジテルペン合成遺伝子活性又は発現が阻害されており、そして増加したスクロースエステル含有量を含むタバコ植物から取得可能な又は取得された製品が提供される。

本明細書で使用する場合、用語「タバコ産業製品」は、可燃性の喫煙物品、例えばシガレット、シガリロ、シガー、パイプ又は手巻きシガレット用のタバコ等(タバコ、タバコ派生品、膨化タバコ、再構成されたタバコ、タバコ代用品又はその他の喫煙可能物質に基づくかどうかを問わない)、不燃性のエアゾール供給システム、例えば燃焼せずに基材から化合物を放出する加熱製品、例えば電子シガレット、タバコ加熱製品等、及び基材の複合物からエアゾールを生成するハイブリッドシステム、例えば液体又はゲル又は固体の基質を含有するハイブリッドシステム、並びにこのようなエアゾール供給システム内で使用されるエアゾール化可能な基材等;及びエアゾールを含まない送達物品、例えばロゼンジ、ガム、パッチ等、呼吸可能な粉末を含む物品、及び無煙タバコ製品、例えばスヌース及びスナッフ等が含まれるように意図されており、該エアゾールを含まない送達物品は、ニコチンを送達する場合もあれば、送達しない場合もある。

好適には、タバコ産業製品は、本発明に基づくタバコ植物又はその一部から調製され得る(例えば、含み得る)。

好適には、タバコ産業製品は、本発明に基づくタバコ細胞培養物から調製され得る。

好適には、タバコ産業製品は、本発明に基づくタバコ植物繁殖材料から繁殖させたタバコ植物又はその一部から調製され得る(例えば、含み得る)。

好適には、タバコ産業製品は、本発明に基づくタバコ植物の採取された葉から調製され得る(例えば、含み得る)。

好適には、タバコ産業製品は、本発明に基づく加工されたタバコ葉から調製され得る(例えば、含み得る)。

好適には、タバコ産業製品は、本発明に基づく乾燥したタバコ材料から調製され得る(例えば、含み得る)。

好適には、タバコ産業製品は、本発明に基づくタバコブレンドから調製され得る(例えば、含み得る)。

1つの実施形態では、タバコ産業製品は、シガレット、シガリロ、及びシガーからなる群から選択される可燃性の喫煙物品である。

1つの実施形態では、タバコ産業製品は、可燃性の喫煙物品、例えばフィルター、フィルターロッド、フィルターロッドセグメント、タバコ、タバコロッド、タバコロッドセグメント、スピル等、添加物放出コンポーネント、例えばカプセル、糸、ビーズ等、ペーパー、例えばプラグラップ、チッピングペーパー又はシガレットペーパー等のうちの1又は2以上のコンポーネントを含む。

1つの実施形態では、タバコ産業製品は、非可燃性のエアゾール供給システムである。

1つの実施形態では、タバコ産業製品は、非可燃性エアゾール供給システム、例えばヒーターやエアゾール化可能な基質等のうちの1又は2以上のコンポーネントを含む。

1つの実施形態では、エアゾール供給システムは、ベーピングデバイスとしても知られている電子的シガレットである。

1つの実施形態では、電子シガレットは、ヒーター、ヒーターに電力を供給する能力を有する電源、エアゾール化可能な基質、例えば液体又はゲル等、筐体を含み、またマウスピースを含んでもよい。

1つの実施形態では、エアゾール化可能な基質は、基質容器内に収納される。1つの実施形態では、基質容器は、ヒーターと組み合わされる、又はそれを含む。

1つの実施形態では、タバコ産業製品は、基材を燃焼させずに加熱することにより、1又は2以上の化合物を放出させる加熱製品である。基材は、例えば、ニコチンを含有してもまた含有しなくてもよい、タバコ又はその他の非タバコ製品であり得るエアゾール化可能な材料である。1つの実施形態では、加熱製品はタバコ加熱製品である。

1つの実施形態では、加熱製品は電子素子である。

1つの実施形態では、タバコ加熱製品は、ヒーター、ヒーターに電力を供給する能力を有する電源、エアゾール化可能な基質、例えば固体又はゲル材料等を含む。

1つの実施形態では、加熱製品は非電子的物品である。

1つの実施形態では、加熱製品は、エアゾール化可能な基質、例えば固体又はゲル材料等、及び電子的手段を一切用いず、チャコール等の燃焼材料を燃焼させること等により、エアゾール化可能な基質に加熱エネルギーを供給する能力を有する熱源を含む。

1つの実施形態では、加熱製品は、エアゾール化可能な基質を加熱することにより生み出されるエアゾールを濾過する能力を有するフィルターも含む。

いくつかの実施形態では、エアゾール化可能な基材は、蒸気若しくはエアゾール発生剤、又は保水物質、例えばグリセロール、プロピレングリコール、トリアセチン、若しくはジエチレングリコール等を含み得る。

1つの実施形態では、タバコ産業製品は、基材の複合物を燃焼ではなく加熱することによりエアゾールを生成するハイブリッドシステムである。基材は、例えばニコチンを含有しても、また含有しなくてもよい固体、液体、又はゲルを含み得る。1つの実施形態では、ハイブリッドシステムは、液体又はゲル基質、及び固体基質を含む。固体基質は、例えばニコチンを含有してもまた含有しなくてもよいタバコ又はその他の非タバコ製品であり得る。1つの実施形態では、ハイブリッドシステムは、液体又はゲル基質及びタバコを含む。

別の実施形態では、製品は、ジテルペン合成遺伝子活性又は発現を阻害する、本発明のddRNAi DNAコンストラクト及び増加したスクロースエステル含有量を含み得る。

1つの実施形態では、タバコ葉を製造するための、本発明のタバコ植物の使用が提供される。好適には、タバコ葉は、加工工程等の下流の用途に供され得る。したがって、1つの実施形態では、上記実施形態の使用は、加工されたタバコ葉を提供し得る。好適には、タバコ葉は、乾燥工程、発酵工程、加熱殺菌工程、又はそれらの組合せの対象となり得る。

別の実施形態では、タバコ葉はカットされ得る。いくつかの実施形態では、タバコ葉は、乾燥工程、発酵工程、加熱殺菌工程、又はそれらの組合せに供される前又は後においてカットされ得る。

1つの実施形態では、本発明は採取された本発明のタバコ植物の葉を提供する。1つの実施形態では、採取された葉は、ジテルペン合成遺伝子活性又は発現が阻害され、及びスクロースエステル含有量が増加しているタバコ植物から取得可能であり得る。さらなる実施形態では、採取された葉は、本発明の繁殖材料から繁殖させたタバコ植物から取得可能であり得る(例えば、取得され得る)。別の実施形態では、本発明の方法又は使用から取得可能な採取された葉が提供される。好適には、採取された葉は、カットされ採取された葉であり得る。いくつかの実施形態では、採取された葉は、生存性のタバコ細胞を含み得る。いくつかの実施形態では、採取された葉は、生存性のタバコ細胞を含まない。その他の実施形態では、採取された葉は、さらなる加工の対象となり得る。

一部のタバコ植物は、葉柄をカットすること、及びすべての葉を同時に採取することにより採取され得る(例えば、バーレイ種のタバコと同様に)。その他のタバコ植物(例えば、熱風乾燥したタバコ)は、葉が熟成する際に個々の葉が葉柄から除去されるプライミング等のプロセス内のいくつかのステージにおいて採取され得る。

加工されたタバコ葉も提供される。加工されたタバコ葉は、本発明のタバコ植物から取得可能であり得る。好適には、加工されたタバコ葉は、本発明の方法及び/又は使用のいずれかに基づき取得されたタバコ植物から取得可能であり得る。1つの実施形態では、加工されたタバコ葉は、好ましくは対照葉と比較したとき、すなわち本発明により改変されなかったタバコ植物に由来する葉と比較したとき、ジテルペン合成遺伝子活性又は発現が阻害され、そしてスクロースエステル含有量が増加しているタバコ植物から取得可能であり得る。加工されたタバコ葉は、ジテルペン合成遺伝子活性又は発現の低下、及び増加したスクロースエステル含有量を含み得る。

別の実施形態では、加工されたタバコ葉は、本発明によるタバコ植物繁殖材料から繁殖させたタバコ植物から取得可能であり得る。本発明の加工されたタバコ葉は、採取された本発明の葉を加工することにより取得可能である。

用語「加工されたタバコ葉」とは、本明細書で用いる場合、当技術分野においてタバコが供される1又は2以上の加工ステップを経たタバコ葉を意味する。「加工されたタバコ葉」は、生存細胞を含まない又は実質的に含まない。

用語「生存細胞」とは、増殖することができ、及び/又は代謝的に活性である細胞を意味する。したがって、細胞が生存していないと言われる場合には、「非生存性」とも呼ばれ、その場合、細胞は生存細胞の特徴を示さない。

用語「実質的に生存しない細胞」とは、全細胞のうち約5%未満が生存していることを意味する。全細胞のうち、好ましくは約3%未満、より好ましくは約1%未満、なおいっそうより好ましくは約0.1%未満が生存している。

1つの実施形態では、加工されたタバコ葉は、乾燥工程、発酵工程、加熱殺菌工程のうちの1又は2以上により加工され得る。好適には、加工されたタバコ葉は乾燥工程により加工され得る。タバコ葉は、当技術分野において公知の任意の方法により乾燥され得る。1つの実施形態では、タバコ葉は、空気乾燥、火力乾燥、熱風乾燥、及び天日乾燥からなる群から選択される乾燥法のうちの1又は2以上により乾燥され得る。好適には、タバコ葉は空気乾燥され得る。好適には、タバコ葉は熱風乾燥され得る。

1つの実施形態では、本発明による加工された葉は、本発明に基づき改変されなかった同等の製品(例えば、加工された葉)と比較して、増加したスクロースエステル含有量を含む。

1つの態様では、本発明による空気乾燥された葉は、本発明に基づき改変されなかった同等の製品(例えば、空気乾燥された葉)と比較して、増加したスクロースエステル含有量を含む。

好適には、スクロースエステル含有量は、葉柄カットされた空気乾燥植物の下部1/3葉において測定され得る。好適には、スクロースエステル含有量は、葉柄カットされた空気乾燥植物の中間1/3葉において測定され得る。好適には、スクロースエステル含有量は、葉柄カットされた空気乾燥植物の上部1/3葉において測定され得る。

「下部葉」とは、本明細書で使用する場合、植物の下側三分の一内の葉(例えば、植物の基部に最も近い葉)を指し、「上部葉」とは、本明細書で使用する場合、植物の上側三分の一内の葉(例えば、植物の基部から最も離れた葉)を指す。「中間の葉」とは、本明細書で使用する場合、下部位置と上部位置の間に位置する植物の中央三分の一(例えば、下部葉及び上部葉の中間に位置する葉)を意味する。

好適には、本発明による葉柄カットされた空気乾燥植物の下部1/3葉は、本発明に基づき改変されなかった同等の製品(例えば、葉柄カットされた空気乾燥植物の下部1/3葉)と比較して、増加したスクロースエステル含有量を含み得る。好適には、本発明による葉柄カットされた空気乾燥植物の中間1/3葉は、本発明に基づき改変されなかった同等の製品(例えば、葉柄カットされた空気乾燥植物の中間1/3葉)と比較して、増加したスクロースエステル含有量を含み得る。好適には、本発明による葉柄カットされた空気乾燥植物の上部1/3葉は、本発明に基づき改変されなかった同等の製品(例えば、葉柄カットされた空気乾燥植物の上部1/3葉)と比較して、増加したスクロースエステル含有量を含み得る。

1つの態様では、本発明による熱風乾燥した葉は、本発明に基づき改変されなかった同等の製品(例えば、熱風乾燥した葉)と比較して、増加したスクロースエステル含有量を含む。

好適には、スクロースエステル含有量は、熱風乾燥した植物の第1のプライミングにおいて測定され得る。好適には、スクロースエステル含有量は、熱風乾燥した植物の第2(或いは中間)のプライミングにおいて測定され得る。好適には、スクロースエステル含有量は、熱風乾燥した植物の第3(或いは最終)のプライミングにおいて測定され得る。

本明細書で使用する場合、「プライミング」とは、タバコ植物からの葉の除去を指す。これは、熱風乾燥した植物の成熟した又は熟した葉の除去を指す場合もある。

「第1のプライミング」とは、本明細書で使用する場合、タバコ植物から最初に採取される葉を指す(例えば、タバコ植物の最下部から得られる葉)。「第2の(又は中間のプライミング)プライミング」とは、本明細書で使用する場合、初回プライミング後にタバコ植物から採取される葉(例えば、タバコ植物の中間部から得られる葉)を指す。「第3(又は最終)のプライミング」とは、本明細書で使用する場合、タバコ植物から最後に採取される葉(例えば、タバコ植物の最上部から得られる葉)を指す。

好適には、本発明による熱風乾燥した植物の葉の第1のプライミングは、本発明に基づき改変されなかった同等の製品(例えば、熱風乾燥した植物の葉の第1のプライミング)と比較して、増加したスクロースエステル含有量を含み得る。好適には、本発明による熱風乾燥した植物の葉の第2(又は中間)のプライミングは、本発明に基づき改変されなかった同等の製品(例えば、熱風乾燥した植物の葉の第2(又は中間)のプライミング)と比較して、増加したスクロースエステル含有量を含み得る。好適には、本発明による熱風乾燥した植物の葉の第3(又は最終)のプライミングは、本発明に基づき改変されなかった同等の製品(例えば、熱風乾燥した植物の葉の第3(又は最終)のプライミング)と比較して、増加したスクロースエステル含有量を含み得る。

一般的に、空気乾燥は、十分に換気された収蔵室内でタバコ葉を吊り下げ、そして放置乾燥することにより達成される。これは、4〜8週間にわたり通常実施される。空気乾燥は、バーレイ種のタバコに特に適する。

好適には、タバコ葉は火力乾燥され得る。火力乾燥は、大型の収蔵室内でタバコ葉を吊り下げ、その収蔵室内で、連続的又は間欠的に弱く煙らせながら広葉樹の炎を継続することにより一般的に達成され、その乾燥は、プロセス及びタバコに応じて3日間〜10週間を通常要する。

別の実施形態では、タバコ葉は熱風乾燥され得る。熱風乾燥は、タバコ葉をタバコスティック上に糸で吊るし、そしてそれを乾燥収蔵室内のタイアーポールから吊り下げる工程を含み得る。収蔵室は、外部供給式の火室から通ずる煙道を通常有する。これにより、一般的に、煙に曝露されないで加熱乾燥させたタバコが得られる。通常、温度は乾燥工程の過程全体にわたりゆっくりと上昇し、全プロセスに約1週間を要する。

好適には、タバコ葉は天日乾燥され得る。この方法は、むき出しのタバコの天日への曝露を一般的に含む。

好適には、加工されたタバコ葉は発酵工程により加工され得る。発酵は、当技術分野において公知の任意の方式で実施可能である。一般的に、発酵期間中に、タバコ葉は、湿気を保持するために、例えば黄麻布でくるまれたスタック状(バルク状)の乾燥タバコに積層される。葉内に残留する水とタバコの重量が組み合わさって自然の熱が生成し、タバコを熟成させる。バルク中心部の温度は毎日モニタリングされる。いくつかの方法では、毎週、バルク全体が開放される。次に葉を取り出して振動及び湿度を与え、そして内側の葉が外側に来るように、また底部にあった葉がバルクの最上部に配置されるようにバルクを回転させる。これにより、バルク全体を通じて均等な発酵が保証される。葉の上のさらなる湿気に加え、葉それ自体が実際に回転することで熱が生成し、タバコに本来含まれるアンモニアが放出され、そしてニコチンが低下する一方、色の深みも増し、またタバコのアロマも良化する。一般的に、発酵プロセスは、タバコの品種、葉上の葉柄の位置、厚さ、及び葉の使用目的に応じて最長6カ月継続する。

好適には、加工されたタバコ葉は、加熱殺菌により加工され得る。加熱殺菌工程は、タバコ葉が、無煙タバコ製品、最も好ましくはスヌースを製造するのに用いられる場合、特に好ましい可能性がある。タバコ葉の加熱殺菌は、当技術分野において公知の任意の方法により実施され得る。例えば、加熱殺菌は、その教示が参照により本明細書に組み込まれる、J Fould, L Ramstrom, M Burke, K Fagerstrom. Effect of smokeless tobacco (snus) on smoking and public health in Sweden. Tobacco Control (2003) 12: 349-359に詳記するように実施され得る。

スヌースの製造期間中、加熱殺菌は、タバコが蒸気で24〜36時間加熱処理されるプロセス(約100℃の温度に達する)により一般的に実施される。これにより、ほぼ無菌の製品がもたらされ、また理論に束縛されるものではないが、この結果のひとつとして、さらなるTSNA形成が制限されるものと考えられている。

1つの実施形態では、加熱殺菌は蒸気式加熱殺菌であり得る。

いくつかの実施形態では、加工されたタバコ葉はカットされ得る。加工されたタバコ葉は、加工前又は後でカットされ得る。好適には、加工されたタバコ葉は、加工後にカットされ得る。

いくつかの実施形態では、タバコ植物、採取されたタバコ植物の葉、及び/又は加工されたタバコ葉は、ニコチンを抽出するのに利用可能である。ニコチンの抽出は、当技術分野において公知の任意の方法を用いて実現され得る。例えば、タバコからニコチンを抽出する方法は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第2,162,738号明細書に教示されている。

1つの態様では、本発明は、本発明によるタバコ植物若しくはその一部、又は本発明によるタバコ細胞培養物から作製された乾燥したタバコ材料を提供する。

別の態様では、本発明は、本発明によるタバコ植物若しくはその一部から、又は本発明によるタバコ細胞培養物から作製されたタバコ材料を含むタバコブレンドを提供する。1つの態様では、本発明は、本発明による乾燥したタバコ材料を含むタバコブレンドを提供する。

好適には、本発明によるタバコブレンドは、本発明によるタバコ植物若しくはその一部から、又は本発明によるタバコ細胞培養物から得られるタバコについて、そのほぼ10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%含み得る。好適には、タバコブレンドは、本発明によるタバコ植物若しくはその一部から、又は本発明によるタバコ細胞培養物から得られるタバコについて、そのほぼ10%含み得る。好適には、タバコブレンドは、本発明によるタバコ植物若しくはその一部から、又は本発明によるタバコ細胞培養物から得られるタバコについて、そのほぼ20%含み得る。好適には、タバコブレンドは、本発明によるタバコ植物若しくはその一部から、又は本発明によるタバコ細胞培養物から得られるタバコについて、そのほぼ30%含み得る。好適には、タバコブレンドは、本発明によるタバコ植物若しくはその一部から、又は本発明によるタバコ細胞培養物から得られるタバコについて、そのほぼ40%含み得る。好適には、タバコブレンドは、本発明によるタバコ植物若しくはその一部から、又は本発明によるタバコ細胞培養物から得られるタバコについて、そのほぼ50%含み得る。好適には、タバコブレンドは、本発明によるタバコ植物若しくはその一部から、又は本発明によるタバコ細胞培養物から得られるタバコについて、そのほぼ60%含み得る。好適には、タバコブレンドは、本発明によるタバコ植物若しくはその一部から、又は本発明によるタバコ細胞培養物から得られるタバコについて、そのほぼ70%含み得る。好適には、タバコブレンドは、本発明によるタバコ植物若しくはその一部から、又は本発明によるタバコ細胞培養物から得られるタバコについて、そのほぼ80%含み得る。好適には、タバコブレンドは、本発明によるタバコ植物若しくはその一部から、又は本発明によるタバコ細胞培養物から得られるタバコについて、そのほぼ90%含み得る。

1つの態様では、本発明のタバコブレンド製品では、本発明によるタバコ植物若しくはその一部、又は本発明によるタバコ細胞培養物から乾燥したタバコが、乾燥重量として少なくとも約5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、又は95パーセントを占める。

好適には、乾燥したタバコ材料は空気乾燥され得る。好適には、乾燥したタバコ材料は熱風乾燥され得る。好適には、乾燥したタバコ材料は天日乾燥され得る。

本発明によるタバコ製品又は喫煙物品は、本発明によるタバコ材料(例えば、乾燥したタバコ材料)を含み得る。

別の態様では、本発明は、タバコ製品を提供する。本発明によるタバコ製品は、ブレンドされたタバコ製品であり得る。1つの実施形態では、タバコ製品は、本発明のタバコ植物又はその一部から調製され得る。1つの実施形態では、タバコ製品は、ジテルペン合成遺伝子活性又は発現が阻害されており、そしてスクロースエステル含有量が増加しているタバコ植物から調製され得る。タバコ製品は、低下したジテルペン合成遺伝子の活性又は発現及び増加したスクロースエステル含有量を含み得る。好適には、タバコ植物又はその一部分は、本発明によるタバコ植物繁殖材料から繁殖され得る。

用語「その一部分」とは、タバコ植物の文脈において本明細書で用いる場合、タバコ植物の一部分を意味する。好ましくは、「その一部分」とはタバコ植物の葉である。

別の実施形態では、タバコ製品は、採取された本発明の葉から調製され得る。さらなる実施形態では、タバコ製品は、加工された本発明のタバコ葉から調製され得る。好適には、タバコ製品は、乾燥工程、発酵工程、及び/又は加熱殺菌工程のうちの1又は2以上により加工されたタバコ葉から調製され得る。好適には、タバコ製品はカットされたタバコ葉を含み得るが、上記実施形態にしたがって加工されてもよい。

1つの実施形態では、タバコ製品は喫煙物品であり得る。本明細書で用いる場合、用語「喫煙物品」は、タバコ、タバコ派生品、膨化タバコ、再構成タバコ、又はタバコ代用品に基づき、喫煙可能な製品、例えば巻きタバコ、シガレット、シガー、及びシガリロ等を含み得る。

別の実施形態では、タバコ製品は無煙タバコ製品であり得る。用語「無煙タバコ製品」とは、本明細書で用いる場合、喫煙する及び/又は燃焼させるように意図されないタバコ製品を意味する。1つの実施形態では、無煙タバコ製品として、スヌース、嗅ぎ煙草、噛みタバコ等を挙げることができる。

さらなる実施形態では、タバコ製品は、タバコ加熱デバイス又はハイブリッドデバイス又はe−シガレット等であり得る。一般的に、加熱デバイス又はハイブリッドデバイスでは、熱源の内部、近傍、又は下流に位置し得る、物理的に分離したエアゾール形成基質又は材料に、熱源から熱を移動させることによりエアゾールが生成される。喫煙期間中、熱源からの熱移動により揮発性化合物がエアゾール形成基材から放出され、そして喫煙物品を通じて吸引された空気中に取り込まれる。放出された化合物が冷やされると、凝縮してエアゾールを形成し、ユーザーにより吸入される。

消費用のエアゾール発生物品及びデバイス、又はタバコ喫煙用の加熱デバイスは、当技術分野において公知である。そのようなデバイスとして、例えば、電気加熱式エアゾール発生デバイスを挙げることができ、同デバイス内では、エアゾール発生デバイスの1又は2以上の電気発熱要素からタバコ加熱デバイスのエアゾール形成基材に熱を移動させることにより、エアゾールが発生する。好適には、タバコ加熱デバイスは、エアゾール発生デバイスであり得る。

好ましくは、タバコ加熱デバイスは、非燃焼加熱式デバイスであり得る。非燃焼加熱式デバイスは、当技術分野において公知であり、またタバコを燃焼させるのではなく、加熱することにより化合物を放出させる。非燃焼加熱式デバイスの適する例として、参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2013/034459号パンフレット、又は英国特許第2515502号明細書に教示するものが該当し得る。

1つの実施形態では、タバコ加熱デバイスのエアゾール形成基材は、本発明に基づくタバコ製品であり得る。

1つの実施形態では、タバコ加熱デバイスは、ハイブリッドデバイスであり得る。

ポリヌクレオチド/ポリペプチド/コンストラクト 本発明の特定の実施形態では、ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を阻害するコンストラクトは、プロモーターの指示下に置かれた植物細胞中に形質変換(transformed)され得る。本発明の特定の実施形態では、dsRNA又はamiRNAを発現してジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を阻害するddRNAi DNAコンストラクトは、プロモーターの指示下に置かれた植物細胞中に形質変換され得る。

コンストラクトは、適するベクター、例えば植物形質転換ベクターによって本発明による植物に導入され得る。植物形質転換ベクターは、5’−3’の転写方向で、プロモーター配列、ジテルペン合成遺伝子を標的とする、好ましくはシクラーゼ2遺伝子(CYC2)、CBTolシクラーゼ、又はテルペンシンターゼ3−8を標的とするddRNAi DNAコンストラクト配列を含む発現カセットを含み得るが、イントロンも含んでもよく、またRNAポリメラーゼに対する終止シグナル及びポリアデニラーゼに対するポリアデニル化シグナルを含む3’非翻訳転写終結配列を含んでもよい。プロモーター配列は、1又は2以上のコピー内に存在し得るが、またそのようなコピーは、上記プロモーター配列と同一、又はそのバリアントであり得る。転写終結コドン配列は、植物、細菌、又はウイルスの遺伝子から取得され得る。適する転写終結コドン配列は、例えば、エンドウマメrbcS E9転写終結コドン配列、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)のノパリンシンターゼ遺伝子に由来するnos転写終結コドン配列、及びカリフラワーモザイクウイルスに由来する35S転写終結コドン配列である。当業者は、その他の適する転写終結コドン配列を容易に認識する。

本発明のコンストラクトは、プロモーターの強度を高める遺伝子発現増強機構も含み得る。そのようなエンハンサーエレメントの例として、エンドウ豆プラストシアニン遺伝子のプロモーターの部分に由来するエレメントが挙げられ、また参照として本明細書に組み込まれている国際特許出願第97/20056号の主題でもある。適するエンハンサーエレメントは、例えば、アグロバクテリウム・ツメファシエンスのノパリンシンターゼ遺伝子に由来するnosエンハンサーエレメント、及びカリフラワーモザイクウイルス由来の35Sエンハンサーエレメントであり得る。

これらの制御領域は、プロモーターDNA配列と同一の遺伝子に由来し得る、或いはニコチアナ・タバカム若しくはその他の生物、例えばナス科(Solanaceae)の植物から得られる、又はヤコウカ亜科(subfamily Cestroideae)から得られる異なる遺伝子に由来し得る。すべての制御領域は、変換される組織の細胞内で動作する能力を有するべきである。

プロモーターDNA配列は、本発明で使用される配列をコードする対象遺伝子と同一の遺伝子(例えば、プロモーターの指令を受けることとなる遺伝子、例えば本発明の調節解除された硝酸レダクターゼをコードする遺伝子)に由来し得る、或いはニコチアナ・タバカム若しくはその他の生物から、例えばナス科の植物、又はヤコウカ亜科から得られる異なる遺伝子に由来し得る。

発現カセットは、基本的植物形質転換ベクター、例えばpBIN19プラス、pBI101、pKYLX71:35S2、pCAMBIA2300等、又は当技術分野において公知のその他の適する植物形質転換ベクターに組み込まれ得る。発現カセットに付加して、植物形質転換ベクターは、形質転換プロセスに必要な配列を含む。そのような配列は、アグロバクテリウム属vir遺伝子、1若しくは2以上のT−DNA境界配列、及び選択マーカー、又は遺伝子導入植物細胞を識別するその他の手段を含み得る。

用語「植物形質転換ベクター」とは、インビボ又はインビトロで発現する能力を有するコンストラクトを意味する。好ましくは、発現ベクターは、生物のゲノムに組み込まれる。用語「組み込まれる」には、好ましくは、ゲノムへの安定な組込みが含まれる。

植物を形質転換する技術は当技術分野において周知されており、例えば、アグロバクテリウム媒介型の形質転換を含む。遺伝子改変植物の構築における基本的な原則は、挿入された遺伝物質の安定的維持が得られるように、植物ゲノム内に遺伝情報を挿入することである。一般技術のレビューは、参照として本明細書に組み込まれている、Potrykus(Annu Rev Plant Physiol Plant Mol Biol [1991] 42:205-225)、及びChriston(AgroFood-Industry Hi-Tech March/April1994 17-27)による文献に見出され得る。

一般的に、アグロバクテリウム媒介型形質転換では、外来の所望のDNA、すなわちddRNAi DNAコンストラクトを担持するバイナリーベクターを、アグロバクテリウムと標的植物から得た外植片との同時培養により適するアグロバクテリウム系統から標的植物に移動させる。形質転換植物組織は、次に選択培地上で再生するが、同選択培地は、選択マーカー及び植物成長ホルモンを含む。代替法として、フローラルディップ法(参照として本明細書に組み込まれている、Clough & Bent, 1998 Plant J. 1998 Dec;16(6):735-43)が挙げられ、同法により、インタクトな植物の花芽がキメラ遺伝子を含有するアグロバクテリウム系統の懸濁液と接触することとなり、そして結実後、形質転換された個々の植物を発芽させ、そして選択培地上で成長させることにより識別される。アグロバクテリウムによる植物組織の直接感染は単純な技法であり、幅広く採用されているが、同法は参照として本明細書に組み込まれている、Butcher D. N. et al., (1980), Tissue Culture Methods for Plant Pathologists, eds.: D. S. Ingrams and J.P. Helgeson, 203-208に記載されている。

さらに適する形質転換方法として、例えば、ポリエチレングリコール、又はエレクトロポレーション技術、粒子衝突、マイクロインジェクション、及びシリコンカーバイドファイバーの使用等を用いたプロトプラスト中への直接遺伝子移入法が挙げられる。シリコンカーバイドホイスカー技術を含むバリスティック形質転換法を用いた植物の形質転換は、参照として本明細書に組み込まれている、Frame B R、Drayton P R、Bagnaall S V、Lewnau C J, Bullock W P、Wilson H M、Dunwell J M、Thompson J A & Wang K (1994)で教示されている。シリコンカーバイドホイスカー媒介式形質転換による、結実能力のある遺伝子導入トウモロコシ植物の製造は、参照として本明細書に組み込まれている、The plant Journal 6: 941-948に教示されており、またウイルス形質転換技術は、例えば、Meyer P、Heidmmm I & Niedenhof I (1992)に教示されている。植物用のベクター系としてのキャッサバモザイクウイルスの使用は、参照として本明細書に組み込まれている、Gene 110: 213-217に教示されている。植物の形質転換に関するさらなる教示は、参照として本明細書に組み込まれている、欧州特許第A−0449375号明細書に見出され得る。

さらなる態様では、本発明は、ddRNAi DNAコンストラクトを担持するベクター系、及び植物等の生物のゲノムにベクター系を導入するステップに関する。ベクター系は、1つのベクターを含み得るが、2つのベクターを含んでもよい。2ベクターの場合、ベクター系は、バイナリーベクター系と通常呼ばれる。バイナリーベクター系は、参照として本明細書に組み込まれている、Gynheung Anetal, (1980), Binary Vectors, Plant Molecular Biology Manual A3, 1-19においてさらに詳細に記載されている。

植物細胞を形質転換するために広範に採用されている1つの系は、アグロバクテリウム・ツメファシエンスに由来するTiプラスミド、又はアグロバクテリウム・リゾゲネス(Agrobacterium rhizogenes)に由来するRiプラスミドを使用する。参照として本明細書に組み込まれている、Anetal., (1986), Plant Physiol. 81, 301-305 and Butcher D. N. et al., (1980), Tissue Culture Methods for Plant Pathologists, eds.: D. S. Ingrams and J.P. Helgeson, 203-208。植物を対象とした本発明による所望の外因性遺伝子導入法をそれぞれ実施した後、さらなるDNA配列の存在及び/又は挿入が必要となり得る。植物細胞を形質転換するためのT−DNAの使用について集中的に研究されており、参照として本明細書に組み込まれている、欧州特許第A−120516号明細書; Hoekema, in: The Binary Plant Vector System Offset-drukkerij Kanters B. B., Amsterdam, 1985, Chapter V; Fraley, et al., Crit. Rev. Plant Sci., 4:1-46; and Anetal., EMBO J (1985) 4:277-284に記載されている。

ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を阻害するdsRNA又はamiRNAを発現するddRNAi DNAコンストラクトで変換された植物細胞は、必要な増殖因子、例えばアミノ酸、植物ホルモン、ビタミン等が供給された、適する培養培地内で細胞を培養すること等による周知の組織培養法に基づき増殖し、維持され得る。

本発明に関連する用語「遺伝子導入植物」には、本発明によるddRNAi DNAコンストラクトを含む任意の植物が含まれる。したがって、遺伝子導入植物は、本発明によるddRNAi DNAコンストラクトで変換された植物である。好ましくは、遺伝子導入植物は、本発明によれば、ジテルペン合成遺伝子活性又は発現阻害、及びスクロースエステル含有量増加を示す。用語「遺伝子導入植物」は、本来の環境内にある天然型のヌクレオチドコーディング配列が、やはりその本来の環境内に存在するその天然のプロモーターの制御下に置かれているとき、それらの配列をカバーしない。

1つの態様では、本発明によるddRNAi DNAコンストラクト、植物形質転換ベクター、又は植物細胞は、単離された形態である。用語「単離された」とは、配列が生来的に自然において付随し、また自然において見出されるような少なくとも1つのその他のコンポーネントから、配列が少なくとも実質的に遊離していることを意味する。

1つの態様では、本発明によるddRNAi DNAコンストラクト、植物形質転換ベクター、又は植物細胞は、精製された形態である。用語「精製された」とは、比較的純粋な状態にある、例えば、少なくとも約90%純粋、又は少なくとも約95%純粋、又は少なくとも約98%純粋であることを意味する。

用語「ヌクレオチド配列」とは、本明細書で使用する場合、オリゴヌクレオチド配列又はポリヌクレオチド配列、並びにそのバリアント、相同体、断片、及び誘導体(例えば、その一部分等)を指す。ヌクレオチド配列は、ゲノム起源又は合成起源又は組換え起源であり得、センス又はアンチセンスストランドに対応するしないに関わらず、二本鎖又は一本鎖であり得る。

本発明に関連して、用語「ヌクレオチド配列」には、ゲノムDNA、cDNA、合成DNA、及びRNAが含まれる。好ましくは、該用語は、DNA、より好ましくは本発明をコードするcDNA配列を意味する。

好ましい実施形態では、本発明と関係し、そして本発明の範囲そのものに含まれる場合のヌクレオチド配列、すなわちジテルペン合成遺伝子には、天然型のヌクレオチド配列がその本来の環境内にあり、そしてやはりその本来の環境内にあるその生来的に付随する配列(複数可)と連結されているときには、そのような天然型のヌクレオチド配列が含まれる。呼びやすくするために、この好ましい実施形態を「天然型のヌクレオチド配列」と呼ぶものとする。こうしたことから、用語「天然型のヌクレオチド配列」とは、その本来の環境内にあるヌクレオチド配列全体であって、やはりその本来の環境内にある生来的に付随するプロモーター全体と作動的に連結している場合におけるヌクレオチド配列全体を意味する。

一般的に、本発明の範囲に含まれるRNAi分子は、組換えDNA技術を使用して調製される(すなわち、組換えDNA)。但し、本発明の代替的実施形態では、ヌクレオチド配列は、当技術分野において周知の化学的方法を使用して全部又は一部について合成され得る(本明細書において参照として組み込まれているCaruthers MH et al., (1980) Nuc Acids Res Symp Ser 215-23 and Horn T et al., (1980) Nuc Acids Res Symp Ser 225-232を参照)。

本明細書で定義するようなジテルペン合成遺伝子として特別な特性を有するタンパク質、又は改変に適するタンパク質をコードするヌクレオチド配列が、前記タンパク質を産生する任意の細胞又は生物から識別及び/又は単離及び/又は精製され得る。ヌクレオチド配列を識別及び/又は単離及び/又は精製するための様々な方法が、当技術分野において周知されている。例として、適する配列が識別及び/又は単離及び/又は精製されたら、ある1つの配列についてより多くを調製するPCR増幅技術が使用され得る。

さらなる例として、ゲノムDNA及び/又はcDNAライブラリーが、酵素を産生する生物から得られる染色体DNA又はメッセンジャーRNAを使用して構築され得る。酵素のアミノ酸配列が公知の場合には、標識されたオリゴヌクレオチドプローブが合成され、そして生物から調製されたゲノムライブラリーから、酵素をコードするクローンを識別するのに使用され得る。或いは、別の公知の酵素遺伝子と相同である配列を含有する標識されたオリゴヌクレオチドプローブが、酵素をコードするクローンを識別するのに使用される。後者の場合、ハイブリダイゼーション及び厳格性が低い洗浄条件が使用される。

なおもさらなる代替形態では、酵素をコードするヌクレオチド配列が、確立された標準法、例えば参照として本明細書に組み込まれているBeucage S.L. et al., (1981) Tetrahedron Letters 22, p 1859-1869により記載されているホスホロアミダイト法、又は参照として本明細書に組み込まれている Matthesらの(1984) EMBO J. 3, p 801-805により記載される方法により合成的に調製され得る。ホスホロアミダイト法では、オリゴヌクレオチドが、例えば自動DNA合成装置内で合成され、精製され、アニーリングされ、ふさわしいベクター内にライゲート及びクローン化される。

本明細書で使用する場合、用語「アミノ酸配列」は、用語「ポリペプチド」、及び/又は用語「タンパク質」と同義である。いくつかの事例では、用語「アミノ酸配列」は、用語「ペプチド」と同義である。いくつかの事例では、用語「アミノ酸配列」は、用語「酵素」と同義である。

本発明は、本明細書で定義する特別な特性を有するポリペプチドのアミノ酸配列(複数可)とある程度の配列同一性又は配列相同性を有する配列、又は任意のヌクレオチド配列、すなわちそのようなポリペプチドをコードするジテルペン合成遺伝子の使用も含む(以後「相同的配列(複数可)」と呼ぶ)。本明細書では、用語「相同的」とは、対象アミノ酸配列及び対象ヌクレオチド配列と所定の相同性を有する実体を意味する。本明細書では、用語「相同性」は、「同一性」に同じであり得る。

相同的アミノ酸配列及び/又はヌクレオチド配列及び/又は断片は、機能的活性を保持し、及び/又はジテルペン合成遺伝子の活性を増強するポリペプチドを提供及び/又はコードすべきである。一般的に、相同的配列は、例えば対象アミノ酸配列と同一の活性部位等を含む、又は同一の活性部位をコードする。相同性は、類似性(すなわち、類似した化学特性/機能を有するアミノ酸残基)に関しても検討され得るが、本発明の文脈においては、配列同一性に関して相同性という表現を用いるのが好ましい。

1つの実施形態では、相同的配列には、対象配列と比較して1又は複数の付加、欠損、及び/又は置換を有する、アミノ酸配列又はヌクレオチド配列が含まれると考えられる。

相同性、又は同一性の比較は、目視により、又はより一般的には、容易に入手可能な配列比較プログラムを用いて実施され得る。このような市販のコンピュータープログラムは、2又は3以上の配列の間の相同性の割合(%)を計算することができる。相同性の割合(%)又は同一性の割合(%)は、連続した配列について計算され得る、すなわち一方の配列が他方の配列とアラインメントされ、そして一方の配列内の各アミノ酸が他方の配列内の対応するアミノ酸と一度に1残基ずつ直接比較される。これは「非ギャップ」アラインメントと呼ばれる。一般的に、そのような非ギャップアラインメントは、残基数が比較的短い場合にのみ実施される。

これは、非常に単純で、一貫性のある方法であるが、例えば、1つの挿入又は欠損以外は同一である配列の対において、それ以降のアミノ酸残基がアラインメントから排除される原因となり、したがってグローバルアラインメントを実施したときに、相同性の割合(%)の著しい低下を引き起こす可能性があるという点が考慮されない。したがって、ほとんどの配列比較法は、挿入及び欠損の可能性を考慮して、全体的な相同性スコアに対して不当にペナルティーを科さない最適なアラインメントを生成するように設計される。これは、局所的相同性を最大化させるように、配列アラインメント内に「ギャップ」を挿入することにより達成される。

但し、このより複雑な方法は、同数の同一のアミノ酸について、ギャップができる限り少なくなるように配列アラインメントを行い、2つの比較される配列間においてより高い関連性を反映させることにより、多くのギャップを有するスコアよりも高いスコアを実現するように、アラインメント内に生ずる各ギャップに対して「ギャップペナルティー」を割り振る。ギャップの存在に対して比較的高いコスト、及びギャップ内の後続する各残基に対してより小さなペナルティーを科す「アフィンギャップコスト」が一般的に用いられる。これは、最も一般的に用いられるギャップスコアリングシステムである。高いギャップペナルティーにより、もちろん、ギャップがより少ない最適化されたアラインメントが得られる。ほとんどのアラインメントプログラムは、ギャップペナルティーの修正を可能にする。但し、配列比較用にそのようなソフトウェアを用いる場合、デフォルト値を使用するのが好ましい。

最大相同率(%)の計算は、したがってギャップペナルティーを考慮しつつ、最適なアラインメントの生成を最初に必要とする。そのようなアラインメントを実施するのに適するコンピュータープログラムは、Vector NTI(Invitrogen Corp.社)である。配列比較を実施することができるソフトウェアの例として、例えば、BLASTパッケージ(Ausubel et al. 1999 Short Protocols in Molecular Biology, 4th Ed - Chapter 18を参照)、BLAST2(FEMS Microbiol Lett 1999 174(2): 247-50; FEMS Microbiol Lett 1999 177(1): 187-8 and tatiana@ncbi.nlm.nih.govを参照)、FASTA(Altschul et al. 1990 J. Mol. Biol. 403-410)、及びAlignXが挙げられるが、但しこれらに限定されない。少なくともBLAST、BLAST2、及びFASTAが、オフライン及びオンラインサーチに利用可能である(Ausubel et al. 1999, pages 7-58 to 7-60を参照)。

最終的な相同性の割合(%)は、同一性に関して測定可能であるが、アラインメントプロセスそのものは、一般的にオールオアナッシングの対比較に基づかない。むしろ、化学的類似性又は進化距離に基づき各ペアワイズ比較に対してスコアを割り振る、スケール化類似性スコアマトリックスが一般的に用いられる。一般的に用いられるそのようなマトリックスの例は、BLOSUM62マトリックス−BLASTパッケージプログラムのデフォルトマトリックスである。Vector NTIプログラムは、パブリックデフォルト値、又は供給される場合にはカスタムシンボル比較表のいずれかを一般的に使用する(さらに詳しくは、ユーザーマニュアルを参照)。いくつかの用途では、Vector NTIパッケージ用のデフォルト値を使用するのが好ましい。

或いは、相同性の割合(%)は、CLUSTALに類似したアルゴリズムに基づき、Vector NTI(Invitrogen Corp.社)内の複数のアラインメント特性を用いて計算され得る(Higgins DG & Sharp PM (1988), Gene 73(1), 237-244)ソフトウェアが最適なアラインメントを生成したら、相同性の割合(%)、好ましくは配列同一性の割合(%)を計算することが可能である。ソフトウェアは、一般的に配列比較の一環としてこの計算を行い、そして数値結果を生成する。

配列同一性を決定するときに、ギャップペナルティーを使用する場合、好ましくは、ペアワイズアラインメント用として、下記のパラメーターが使用される:

1つの実施形態では、CLUSTALは、上記で定義されたギャップペナルティー及びギャップエクステンションセットと共に利用可能である。いくつかの実施形態では、BLAST又はCLUSTALアラインメントで用いられるギャップペナルティーは、これまでに詳記したギャップペナルティーとは異なる可能性がある。当業者は、BLAST及びCLUSTALアラインメントを実施するための標準パラメーターは定期的に変化し得るが、またBLAST又はCLUSTALアラインメントアルゴリズムについて詳記された標準パラメーターに基づきしかるべきパラメーターを、その時に選択することができるものと認識する。

好適には、ヌクレオチド配列に関して同一性の程度は、少なくとも20個の連続したヌクレオチドにおいて、好ましくは少なくとも30個の連続したヌクレオチドにおいて、好ましくは少なくとも40個の連続したヌクレオチドにおいて、好ましくは少なくとも50個の連続したヌクレオチドにおいて、好ましくは少なくとも60個の連続したヌクレオチドにおいて、好ましくは少なくとも100個の連続したヌクレオチドにおいて決定され、該ヌクレオチド配列は、ddRNAi DNAコンストラクトをコードする。ヌクレオチド配列に関して同一性の程度は、少なくとも10個の連続したヌクレオチドにおいて、好ましくは20個の連続したヌクレオチド、好ましくは少なくとも30個の連続したヌクレオチドにおいて、好ましくは少なくとも40個の連続したヌクレオチドにおいて、好ましくは少なくとも50個の連続したヌクレオチドにおいて、好ましくは少なくとも60個の連続したヌクレオチドにおいて、好ましくは少なくとも100個の連続したヌクレオチドにおいて決定される。

好適には、ヌクレオチド配列に関する同一性の程度は、配列全体にわたり決定され得る。

配列は、サイレント変化を引き起こし、機能的に同等の物質を生み出すアミノ酸残基の欠損、挿入、又は置換を有し得る。計画的なアミノ酸置換は、物質の二次的結合活性が保持される限り、残基の極性、電荷、溶解度、疎水性、親水性、及び/又は両親媒性における類似性に基づいてなし得る。例えば、負電荷を有するアミノ酸として、アスパラギン酸及びグルタミン酸が挙げられる;正電荷を有するアミノ酸として、リジン及びアルギニンが挙げられる;並びに類似した親水性値を有する無荷電極性頭部基を備えるアミノ酸として、ロイシン、イソロイシン、バリン、グリシン、アラニン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、及びチロシンが挙げられる。

保存的置換は、例えば、下記の表に基づきなし得る。第2の列の同一ブロック内、及び好ましくは第3の列の同一行内のアミノ酸は、相互に置換し得る:

本発明は、生じる可能性がある相同的置換(置換及び交換は、いずれも既存のアミノ酸残基と代替残基とが相互に交換することを意味するために本明細書で用いられる)、すなわち似た者同士の置換、例えば塩基性には塩基性、酸性には酸性、極性には極性等の置換も含む。1つのクラスの残基から別のクラスに、また或いは非天然のアミノ酸、例えばオルニチン(以後、Zと呼ぶ)、ジアミノ酪酸オルニチン(以後Bと呼ぶ)、ノルロイシンオルニチン(以後Oと呼ぶ)、ピリイルアラニン、チエニルアラニン、ナフチルアラニン、及びフェニルグリシン等の組み込みを含め、相同的ではない置換も生じる可能性がある。

交換は、非天然アミノ酸によってもなされる可能性があり、非天然アミノ酸として、アルファ*及びアルファ−二置換型*アミノ酸、N−アルキルアミノ酸*、乳酸*、天然アミノ酸のハロゲン化合物誘導体、例えばトリフルオロチロシン*、p−Cl−フェニルアラニン*、p−Br−フェニルアラニン*、p−I−フェニルアラニン*、L−アリル−グリシン*、β−アラニン*、L−α−アミノ酪酸*、L−γ−アミノ酪酸*、L−α−アミノイソ酪酸*、L−ε−アミノカプロン酸#、7−アミノヘプタン酸*、L−メチオニンスルホン#*、L−ノルロイシン*、L−ノルバリン*、p−ニトロ−L−フェニルアラニン*、L−ヒドロキシプロリン#、L−チオプロリン*、フェニルアラニン(Phe)のメチル誘導体、例えば4−メチル−Phe*、ペンタメチル−Phe*等、L−Phe(4−アミノ)#、L−Tyr(メチル)*、L−Phe(4−イソプロピル)*、L−Tic(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボキシル酸)*、L−ジアミノプロピオン酸#、及びL−Phe(4−ベンジル)*が含まれる。*の表記は上記考察のために(相同的又は相同的ではない置換に関連して)利用されており、誘導体の疎水的性質を表し、一方、#は誘導体の親水性の性質を表し、#*は、両親媒性の特徴を表すのに利用されている。

バリアントのアミノ酸配列は、アミノ酸スペーサー、例えばグリシン又はβ−アラニン残基等に付加して、アルキル基、例えば、メチル、エチル、又はプロピル基等を含む、配列内の任意の2つのアミノ酸残基の間に挿入され得る、好適なスペーサー基を含み得る。さらなる変化形態は、ペプトイド形態内の1又は2以上のアミノ酸残基の存在と関係し、当業者には十分に理解される。誤解を回避するために、α炭素置換基がα炭素ではなく残基の窒素原子上にあるようなバリアントのアミノ酸残基を指すのに「ペプトイド形態」が用いられる。ペプトイド形態のペプチドを調製する方法は、当技術分野、例えばSimon RJ et al., PNAS (1992) 89(20), 9367-9371 and Horwell DC, Trends Biotechnol. (1995) 13(4), 132-134において公知である。

本発明で使用されるヌクレオチド配列は、合成ヌクレオチド又は改変されたヌクレオチドをその中に含み得る。オリゴヌクレオチドに対するいくつかの異なる種類の改変が当技術分野において公知である。これには、分子の3’及び/又は5’末端におけるメチルホスホネート及びホスホロチオエートバックボーン、及び/又はアクリジン若しくはポリリジン鎖の付加が含まれる。本発明の目的に照らせば、本明細書に記載するヌクレオチド配列は、当技術分野において利用可能な任意の方法により改変され得るものと理解される。そのような改変は、本発明のヌクレオチド配列のインビボでの活性又は寿命を増強するために実施され得る。

本発明は、本発明の核酸配列に対して相補的な配列、又は本発明の配列若しくはそれと相補的な配列とハイブリダイズする能力を有する配列も含む。用語「ハイブリダイゼーション」は、本明細書で用いる場合、「核酸のストランドが塩基対形成を通じて、相補鎖と結合するプロセス」、並びにポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術で実施されるような増幅プロセスが含まれるものとする。

本発明は、本発明のヌクレオチド配列にハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列とも関連する(本明細書に提示するヌクレオチド配列の相補的な配列を含む)。好ましくは、ハイブリダイゼーションは、厳密な条件下で決定される(例えば、50℃及び0.2×SSC{1×SSC=0.15MのNaCl、0.015Mのクエン酸Na3、pH7.0})。より好ましくは、ハイブリダイゼーションは、高度に厳密な条件下で決定される(例えば、65℃及び0.1×SSC{1×SSC=0.15MのNaCl、0.015Mのクエン酸Na3、pH7.0})。

1つの態様では、本発明で使用される配列は合成配列−すなわち、インビトロでの化学的合成又は酵素的合成により調製された配列である。それには宿主生物に対する最適なコドン利用を用いて作製された配列が含まれるが、但しこれに限定されない。

用語「発現ベクター」とは、インビボ又はインビトロで発現する能力を有するコンストラクトを意味する。1つの実施形態では、本発明のベクターはdsRNAを発現する。1つの実施形態では、本発明のベクターはamiRNAを発現する。好ましくは、発現ベクターは、適する宿主生物のゲノムに組み込まれる。用語「組み込まれる」は、好ましくはゲノムへの安定な組込みをカバーする。

本発明のヌクレオチド配列はベクター内に存在し得るが、該ベクター内では、該ヌクレオチド配列が適する宿主生物にヌクレオチド配列を発現させる能力を有する制御配列と作動可能に連結している。本発明で使用されるddRNAi DNAコンストラクトは、本発明のポリペプチドの発現を実現するために、本明細書に記載するような適する宿主細胞に変換され得る。ベクター、例えばプラスミド、コスミド、又はファージベクターの選択は、それが導入される宿主細胞に多くの場合依存する。ベクターは、例えばRNA生成用としてインビトロで使用され得る、又は宿主細胞のトランスフェクト、変換、形質導入、若しくは感染用として使用され得る。

したがって、さらなる実施形態では、本発明は、本発明のヌクレオチド配列を複製可能なベクターに導入し、該ベクターを適合性のある宿主細胞に導入し、そしてベクターの複製を引き起こす条件下で宿主細胞を増殖させることにより、本発明のヌクレオチド配列を作製する方法を提供する。ベクターは、対象となる宿主細胞内で該ベクターの複製を可能にするヌクレオチド配列をさらに含み得る。そのような配列の例として、プラスミドpUC19、pACYC177、pUB110、pE194、pAMB1、及びpIJ702の複製起点が挙げられる。

いくつかの出願では、本発明で使用されるヌクレオチド配列は、選択された宿主細胞等にヌクレオチド配列を発現させる能力を有する制御配列と作動可能に連結している。例として、本発明は、そのような制御配列と作動可能に連結した本発明のヌクレオチド配列を含むベクターをカバーする、すなわちベクターは発現ベクターである。

用語「作動可能に連結した」とは、記載されているコンポーネントが、その意図した方式でそれが機能するのを可能にする関係にあるような配置関係を意味する。コーディング配列と「作動可能に連結した」制御配列は、コーディング配列の発現が対照配列と適合性を有する条件下で実現するようにライゲートされる。

用語「制御配列」には、プロモーター及びエンハンサー及びその他の発現制御シグナルが含まれる。用語「プロモーター」は、当技術分野の通常の意味合い、例えばRNAポリメラーゼ結合部位で使用される。dsRNA又はamiRNAをコードするddRNAi DNAコンストラクト内のヌクレオチド配列は、少なくともプロモーターと作動可能に連結し得る。

用語「コンストラクト」は、「カセット」又は「ベクター」等の用語と同義であり、それには、プロモーターと直接的又は間接的に連結した、本発明に基づき使用されるヌクレオチド配列が含まれる。

間接的な連結の例として、適するスペーサー基、例えばプロモーターと本発明のヌクレオチド配列の中間に位置する、Sh1−イントロン又はADHイントロン等のイントロン配列の提供が挙げられる。同じことは、直接的又は間接的な連結を含む本発明と関連して、用語「融合した」についてもいえる。いくつかのケースでは、該用語は、タンパク質をコードするヌクレオチド配列が野生型遺伝子プロモーターと通常通りに付随している天然の組合せであって、それらが両方共にその本来の環境内にある場合の組合せをカバーしない。ddRNAi DNAコンストラクトは、遺伝子コンストラクトの選択を可能にするマーカーさえも含有する又は発現する場合がある。

植物を形質転換するのに使用される一般的な技術のレビューは、参照として本明細書に組み込まれているPotrykus (Annu Rev Plant Physiol Plant Mol Biol [1991] 42:205-225)、及びChristou (Agro-Food-Industry Hi-Tech March/April 1994 17-27)による文献に見出され得る。植物の形質転換に関するさらなる教示は、参照として本明細書に組み込まれている欧州特許第A−0449375号に見出され得る。

別途規定しない限り、本明細書で用いるすべての技術的及び科学的用語は、本開示が属する技術分野の当業者により一般的に理解される意味と同一の意味を有する。Singleton, et al., DICTIONARY OF MICROBIOLOGY AND MOLECULAR BIOLOGY, 20 ED., John Wiley and Sons, New York (1994)、及びHale & Marham, THE HARPER COLLINS DICTIONARY OF BIOLOGY, Harper Perennial, NY (1991)は、本開示で使用される用語の多くについて、当業者に一般的なディクショナリーを提供する。

本開示は、本明細書に開示する例示的な方法及び材料に限定されず、また本明細書に記載するものと類似した又は同等のあらゆる方法及び材料は、本開示の実施形態を実践又は試験するのに利用可能である。数値の範囲には、範囲を規定する数字も含まれる。別途明示しない限り、核酸配列はいずれも、左から右に5’→3’の向きで記載されており、アミノ酸配列は、左から右にアミノ基→カルボキシ基の向きでそれぞれ記載されている。

本明細書に提示される表題は、本明細書を全体的に参照することにより理解され得る本開示の様々な態様又は実施形態を限定するものではない。したがって、直下で定義する用語は、本明細書を全体的に参照することにより、さらに完全に定義される。

アミノ酸は、本明細書ではアミノ酸の名称、3文字略号、又は1文字略号を用いて表される。用語「タンパク質」には、本明細書で用いる場合、タンパク質、ポリペプチド、及びペプチドが含まれる。本明細書で用いる場合、用語「アミノ酸配列」は、用語「ポリペプチド」及び/又は用語「タンパク質」と同義である。いくつかの事例では、用語「アミノ酸配列」は、用語「ペプチド」と同義である。いくつかの事例では、用語「アミノ酸配列」は、用語「酵素」と同義である。

用語「タンパク質」及び「ポリペプチド」は、本明細書では交換可能に用いられる。本開示及び特許請求の範囲では、アミノ酸残基について、従来方式の1文字及び3文字コードが使用され得る。アミノ酸の3文字コードは、IUPACIUB生化学命名法に関する合同委員会(JCBN,Joint Commission on Biochemical Nomenclature)に準拠して規定される通りである。またポリペプチドは、遺伝子コードの縮重に起因して、1を超えるヌクレオチド配列によりコードされ得るものとやはり理解される。

用語のその他の定義も、本明細書全体を通じて提示され得る。例示的な実施形態がより詳細に記載する前に、本開示は、記載されている特定の実施形態に限定されない、したがって、当然ながら変化する可能性もあると理解される。また、本明細書で用いる用語は、特定の実施形態を記載する目的に限定され、そして本開示の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ制限されるので、制限するようには意図されないものとやはり理解される。

ある範囲の値が提示される場合、その内容について別途明確な指示がない限り、下限の単位の10分の1まで、当該範囲の上限及び下限の間の中間的な値それぞれも特に開示されるものと理解される。記載された任意の値の間のより狭い範囲のそれぞれ、又は記載された範囲内の中間的な値、及び当該記載された範囲内の任意のその他の記載された値、又は中間的な値は本開示に含まれる。これらのより狭い範囲の上限及び下限は、該範囲に独立して含まれる又はそれから除外され得る、並びにいずれか一方若しくは両方の限界がより狭い範囲に含まれる、又はそのいずれも含まれない場合の各範囲も本開示に含まれ、記載された範囲内において、特に除外された任意の限界が設けられる。一方又は両方の限界が、記載された範囲に含まれる場合、そのような含まれる限界の一方又は両方を除いた範囲も本開示に含まれる。

本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いる場合、単数形の「a」、「an」、及び「the」には、その内容について別途明確な指示がない限り、複数形の指示物が含まれることに留意しなければならない。したがって、例えば、「酵素」又は「硝酸レダクターゼ」を指す場合、それには、複数のそのような候補薬剤、及び当業者にとって公知のその同等物等が含まれる。

本明細書で議論される公開資料は、本出願の出願日に先立つそれらの開示のためにもっぱら提供される。本明細書内のいずれも、そのような公開資料が、本明細書に添付される特許請求の範囲に対する先行技術に該当するとした承認として解釈されない。

長所 有利には、ジテルペン合成遺伝子の活性又は発現を阻害すれば、タバコ植物のスクロースエステル含有量が増加する。理論に拘泥するものではないが、ジテルペン形成のための炭素利用が低下すれば、スクロースエステルの生成が強化されると考えられる。有利には、本発明の方法は、高バイオマス植物である好ましい「トルコ風」の化学的性質を有するタバコ植物の生産を可能にする。有利には、本発明は、望ましいタバコ煙の化学的性質及び非燃焼加熱式製品に有用な化学的性質を提供する。本発明は、下記の図及び実施例を参照しながら、例示目的に限定して以下に記載される。 [実施例]

遺伝子導入コンストラクト、GW1、GW2、GW3、GW5の調製 本発明者らは、転写後遺伝子サイレンシング戦略(PTGS,posttranscriptional gene silencing strategy)を使用して、植物トリコームの二次代謝を精査し、トリコーム発現遺伝子がスクロースエステル含有量に及ぼす効果を評価する試みを行った。シクラーゼ2遺伝子(CYC2)、CBTolシクラーゼ、及びテルペンシンターゼ3−8の機能を、RNAiを使用して評価した。コンストラクトを調製し、植物を再生する方法は、従来の分子クローニング技術(Sambrook et al. 1989 Molecular cloning: a laboratory manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York)と共に、Wang及びWagner(2003年)(前出、参照として本明細書に組み込まれている)に詳細に記載されている。

遺伝子導入コンストラクトGW1−シクラーゼ2遺伝子(CYC2)の発現を阻害する このddRNAi DNAコンストラクトを、シクラーゼ2遺伝子(CYC2)に基づいて設計した。CYC2のmRNAの完全コーディング配列は、AF401234として注釈付けされている。ゲノム配列は、AY495694として注釈付けされている。GW1植物を作り出すのに使用されるコンストラクトは次のように構成される:5’→3’の順番で、配列AF401234に由来する54番〜716番ヌクレオチドから得られるセンス断片;ヘアピンループとして部分的なGUS A断片(787番〜1812番ヌクレオチド)、但しGUS Aの注釈番号はAF502128である;及びCYC2センス断片の逆相補鎖。該コンストラクトは、CYC2 mRNA(AF401234)に由来するヌクレオチド54〜716をセンス方向で含む。この配列は、ゲノム配列(AY495694)に由来するヌクレオチド位置に対応する:ヌクレオチド1〜25、ヌクレオチド26〜271(エクソン1)、ヌクレオチド1253〜1529(エクソン2)、及び3番エクソンの最初から115個のヌクレオチド(ヌクレオチド2366〜2480)。プラスミドpKYLX71-35S2は、遺伝子コンストラクトで使用されるバイナリーベクターであった(Wangら(2001)、前出、参照として本明細書に組み込まれている)。GW1コンストラクトインサートの配列を、配列番号5に定める。

遺伝子導入コンストラクトGW2−テルペンシンターゼ3−8遺伝子の発現を阻害する このddRNAi DNAコンストラクトを、miRNA168一次転写物(EU549055.1;GI:171195398)(5’−127〜535−3’)に基づいて設計したが、その場合、196〜216を、オリジナルの配列(Genbank:AY528645、配列番号3に示すヌクレオチド位置に対応する)に対して逆相補のヌクレオチド1497からの21個のヌクレオチドと置換し、そしてヌクレオチド279〜299を、フォワード方向のオリジナル鎖からの21個のヌクレオチドと置換したが、但しエリア1497〜1517を使用したときには、3つの塩基が改変された。5’−HindIII、及び3’−EcoRI制限部位に隣接するモジュール延長部を2X35Sプロモーター及び35Sターミネーターの間に挿入した。2X35S prom−miRNAi3−8及び35Sターミネーターを含有した延長モジュールを、バイナリーベクターpCAMBIA2300の複数のクローニング部位(MCS,multiple cloning site)に導入した。組換えベクター(KmR)を、A.ツメファシエンス、GV3101(RifR、GmR)に挿入した。コロニーを三種抗生物質(Km、Rif、Gen)上で選択した。アグロバクテリウム形質転換は、プラスミドPCRにより確認した。GW2コンストラクトインサートの配列を配列番号7に定める。

遺伝子導入コンストラクトGW3−CBTolシクラーゼ遺伝子の発現を阻害する このddRNAi DNAコンストラクトを、N.タバカムのシクラーゼ遺伝子(AY049090)に基づいて設計した。この二本鎖RNAiモジュールを下記の方法で構築した:N.タバカムのシクラーゼ遺伝子(AY049090)に由来する部分的な配列(部分的なエクソン4、完全なイントロン4、エクソン5、イントロン5、エクソン6、イントロン6、及び部分的なエクソン7からなる、フォワード及びリバース方向での配列番号1の5’−2854〜4175−3’)。フォワードストレッチとリバースストレッチの間のスペーサーは、部分的なGUS A遺伝子(5’−786〜1816−3’)であった。プラスミドpCAMBIA2300は、この遺伝子コンストラクトで使用されるバイナリーベクターであった。GW3コンストラクトインサートの配列を配列番号6に定める。

遺伝子導入コンストラクトGW5−テルペンシンターゼ3−8遺伝子の発現を阻害する このddRNAi DNAコンストラクトを、miRNA168一次転写物(EU549055.1;GI:171195398)(5’−127〜535−3’)に基づいて設計したが、その場合、196〜216を、オリジナルの配列(Genbank:AY528645、配列番号3に示すヌクレオチド位置に対応する)に対して逆相補のヌクレオチド884からの21個のヌクレオチドと置換し、そしてヌクレオチド279〜299を、フォワード方向のオリジナルの鎖からの21個のヌクレオチドと置換したが、但しエリア884〜904を使用したとき、センス鎖の4塩基を改変した。5’−HindIII、及び3’−EcoRI制限部位に隣接するモジュール延長部を、2X35Sプロモーターと35Sターミネーターの間に挿入した。2X35S prom−miRNAi3−8及び35Sターミネーターを含有した延長モジュールをバイナリーベクターpCAMBIA2300の複数のクローニング部位(MCS)に導入した。組換えベクター(KmR)を、A.ツメファシエンス、GV3101(RifR、GmR)に挿入した。コロニーを三種抗生物質(Km、Rif、Gen)上で選択した。アグロバクテリウム形質転換は、プラスミドPCRにより確認した。GW5コンストラクトインサートの配列を配列番号11に定める。

T.I.1068のAgro形質転換及び再生 N.タバカムのT.I.1068種子を、KTRDC種子コレクションから取得し、そして表面を70%EtOH、1分間、次に5%(v/v)Chloroxで滅菌処理し、そして次に滅菌水で3回洗浄した。植物を、PLANTCON(登録商標)容器(MP Biomedicals社、LLC)内、インビトロで生育させ、そして形質転換用の外植片ストックとして使用した。すべてのコンストラクトをアグロバクテリウム媒介式の形質転換によりタバコ栽培品種T.I.1068に導入し、そして導入遺伝子の存在は、PCRにより確認した。A.ツメファシエンス形質転換を、一部改変して参照として本明細書に組み込まれている、Horschらが記載するHorsch RB, Fry JE, Hoffmann NL, Eichholtz D, Rogers SG, Fraley RT (1985) Science 227:1229-1231に従い本質的に実施した。アグロバクテリウムを、50mg/lのKm、50mg/lのRif、及び35mg/lのGmを含有するLB培地上、オーバーナイトで生育させた(GW1、GW2)。GW3では、KmをHyg(55mg/l)に置換した。

無菌生育植物(45日齢)から得たカットされた葉の小片(1cm2)を、細菌(1×108cfu/ml)を用いて暗光、2日間イノキュレーションし、次にブロッティング乾燥し、そしてGamborg B−5ビタミン(Sigma-Aldrich Co. LTD社、Irvine、英国)、3%スクロース、1mg/lのBAP、並びに200mg/lのKm(又はGW3では55mg/lのHyg)、及び400mg/lのセフォタキシムが補充された0.05mg/lのNAAが補充されたMS培地に移した。約1カ月後、小片の端部において小植物体を形成し、そして同一の培地上で1回継代した後、小植物体を、同一の、但しホルモンが除去され、抗生物質は半分に低下した培地に移した。発根した植物を、生育室内の施肥されたPro-Mix(Premier Horticulture Inc.社、カナダ)に移した。個々の形質転換体をGC−MSにより分析し、そして望ましい変化を有する形質転換体を、T1世代のさらなる分析用として自己播種した。

屋外栽培対照と遺伝子導入系統の未乾燥葉分析 屋外テスト用の各系統の調製及び屋外テストデザイン T3又はT2植物の自家受粉から生成した系統GW1及びGW2から得た種子を表面滅菌処理し、そしてGamborg B−5ビタミン(Sigma-Aldrich Co. LTD社、Irvine、英国)、3%のスクロース、及びKm(200mg/l)が補充されたMS培地上、インビトロで発芽させた。GW3種子を、表面滅菌処理し、そしてHyg(55mg/l)を含有した培地上で発芽させた。1カ月後、小植物体を、温室内のフロートトレイ(施肥されたPro-Mix(Premier Horticulture Inc.社、カナダ)に移し、そして屋外に移植する前7〜8週間生育させた。標準的な屋外実践法を使用し、また必要に応じて潅注を使用した。熱風及び空気乾燥物(バーレイ種の場合)の採取及び収集をほぼ4.5カ月後に完了した。熱風乾燥ステップには下記事項が含まれた:85〜100°F、94%RHでの48時間着色;100〜120°F、54%RHでの24時間予乾;120〜135°F、40%RHでの30時間葉乾燥;135〜168°F、22%RHでの40時間茎乾燥。

GC−MSによるTMS誘導体としての滲出物コンポーネントの測定 未乾燥葉測定では、2枚のリーフディスク(直径2cm)を、各植物の中位葉の葉層中間部からカットした。ディスクを、アセトニトリル(5ml)で30秒間洗浄した。洗浄物を真空ローターエバポレーションにより濃縮して、油性の残留物を得た。Seversonら(1985)(前出、参照として本明細書に組み込まれている)の記載に本質的に従い、以下のように残留物を誘導体化してトリメチルシリル(TMS)エステルを形成した:アセトニトリル洗浄物を蒸発乾燥させ、1mlのCHCl3に溶解し、1.5mlのGCバイアルに移し、そして40℃、N2流下で乾燥させた。誘導体化したサンプルを1mlのジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、そして50μlのビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセタミド(BSTFA,[bis(trimethylsilyl) trifluoroacetamide])、及び内部標準センブレンとして24μgのセンブレンを各バイアルに添加した。サンプルを70℃で45分間誘導体化し、室温まで冷却し、そして分析した。

TMS誘導体を、フィルム厚0.25μm及び直径0.25mmの30.0m Agilentキャピラリーカラム19091J−413を使用して、GC−MS(HP5973MS及び自動サンプルラーインジェクターを備えたHP6890 GC)により分離及び分析した。ヘリウムがキャリヤガスであり、その流量は1.8ml/分で一定であり、また注入温度は250℃であった。TMSエステル誘導体を測定するためのオーブンプログラムは以下の通りであった:初期温度180℃、2.0分間;280℃まで1分当たり8℃の速度、保持時間9.5分。総ランタイムは24.0分であった。溶出した化合物を、そのリテンションタイムにより、及びMSプロファイルを標準と比較することにより同定した。ジテルペノイドは、シス−アビエノール〜βCBT−ジオールにつき6〜8分;ジテルペノイド酸化生成物につき8〜13.5分;スクロースエステルにつき17〜22.5分において溶出した。熱風及び空気乾燥した組織のコンポーネント測定では、代表的な葉の6.14×6.14cmの小片(未乾燥組織のリーフディスク、12枚と同等)を乾燥組織からカットし、そしてアセトニトリルで洗浄した。未乾燥葉分析で使用した葉と同一の葉を使用して、空気及び熱風乾燥物について、1系統及び1対照当たり10〜16個の複製サンプルを調製した(リーフパンチ)。TMS誘導体としての化学分析用サンプルの調製は上記の通りであったが、またスクロースエステルのアシル基については下記の通りであった。

すべての化合物及び内部標準について積分したピーク面積を記録し、そしてそれぞれの相対的な量を全体に占める割合(%)として計算した。スクロースエステルタイプの非常に多くのピークについて、それを1つにまとめて総ピーク面積とした。

1植物当たりの平均葉数、1植物当たりの葉の未乾燥重量(green weight)、及び対照と遺伝子導入系統の1植物当たりの総滲出物重量を、下記の表1に示す。データは、摘花後19日目において、系統毎に3つの植物を平均したものである(摘花とはタバコの花の除去を指す)。

コンストラクトGW2及びGW5(T0)、及びそのT1及びT2世代に関するGC−MSの結果は同一であった;いずれもラブデンジオールが非常に高く、そしてCBT−ジオールとシス−アビエノールが低かった。冗長性を回避するために、コンストラクトGW2のみを使用して屋外作業を実施した。

表1は、1植物当たりの平均葉数、1植物当たりの葉の未乾燥重量がテストした遺伝子導入系統間で類似していたこと、及び対照植物と類似していたことを示す。

屋外栽培した対照と遺伝子導入系統の未乾燥葉分析 未乾燥葉滲出物化学分析を摘花直後に実施し、そして各系統において屋外における滲出物の化学的性質は温室内の植物に認められたものと類似していたこと、及び化学的性質における植物間の変動は、屋外における対照及び各系統について約25〜30%であったことが明らかとなった(図3を参照)。グラフ上の各ポイントは、1つの植物からのデータを表す。図3に提示するデータは、下記事項を示している: ・系統GW1及びGW3ではシス−アビエノールが増えている ・系統GW2では、ラブデンジオールが増えている

スクロースエステルアシル組成の測定 使用した方法は、Seversonら(1985)(前出、参照として本明細書に組み込まれている)の方法から改変されている。30mlのCorexガラスチューブ内のガムサンプル、5〜10mgに対してKOH(1M)を含む80%のMeOH、0.5mlを添加し、そして22℃、オーバーナイトで放置して鹸化する。サンプルを次にN2下で乾燥し、その後にn−BuOH、1ml及び濃H2SO4、3滴を添加した。サンプルを次に110℃で1時間加熱し、その後コンポーネントをパルス式ボルテックスミキサー(それぞれ10パルス、1.5秒)を使用してヘキサンと水の間(各1.5ml)で分配する。6〜7回の抽出を行った(水相がリトマス試験紙で中性となるまで)。水相は、K2SO4、H2SO4、及び糖を含有し、そしてヘキサン相は、アシル基のブチルエステルを含む。ヘキサンを1.5mlのGCバイアルに移し、そして同一のカラムを使用してGC−MSにより分析する(TMSの場合も同様)。ヘリウムがキャリヤガスであり、その流量は1.8ml/分で一定であり、また注入温度は250℃であった。ブチルエステル誘導体を測定するためのオーブンプログラムは以下の通りであった:初期温度90℃、3.0分間;160℃まで1分当たり3℃の速度、保持時間2分、250℃まで1分当たり15℃の速度、保持時間5分。総ランタイムは39.33分であった。

図4のデータは、対照と比較したとき、系統GW1及びGW3(シス−アビエノールを多く含む)もまたスクロースエステル収率の増強を示すことを明確に示している。グラフ上の各ポイントは1つの植物からのデータを表す。アシル組成は不変であり、したがってこのような系統は、高レベルのシス−アビエノール及び高い3−メチル吉草酸前駆体が存在するという点においてトルコタバコ又はオリエンタルタバコと類似しているが、しかし有利なことに、それらは比較的高バイオマスの植物により産生される。

図4は下記事項を示している: ・高シス−アビエノール系統(GW1及びGW3)では、対照に対してスクロースエステルが大幅に増えている。 ・GW2系統(高ラブデンジオール)では、スクロースエステルも上昇した。

未乾燥対熱風乾燥した屋外タバコ、並びに未乾燥対空気乾燥したタバコにおける滲出物コンポーネント RNAi系統を屋外で生育させ、T2又はT3について特性は安定であった。熱風及び空気乾燥物(バーレイ種の場合)の採取及び収集をほぼ4.5カ月後に完了した。熱風乾燥ステップには実施例3に記載するように下記事項が含まれた:85〜100°F、94%RHでの48時間着色;100〜120°F、54%RHでの24時間予乾;120〜135°F、40%RHでの30時間葉乾燥;135〜168°F、22%RHでの40時間茎乾燥。

表面積に基づいて滲出物コンポーネントを再計算するのに、図3及び図4で作成したTMSクロマトグラムと同一のクロマトグラムを使用し、表2及び表3にμg/cm2として表す(未乾燥対熱風乾燥物、及び未乾燥対空気乾燥物)。計算は、既知量の内部標準センブレンとの比較に基づき、ピーク応答はすべての化合物について同一であると仮定した。表2に示す化合物量は、対照について20個の未乾燥植物、並びに系統GW1〜3について34〜36個の未乾燥植物及び10〜14個の乾燥した植物の平均値±それらの各標準偏差、を表わす。

表2に示すデータは、熱風乾燥しても、対照植物のスクロースエステル滲出物コンポーネントは増加しないが、コンストラクトGW1、GW2、又はGW3を含む遺伝子導入植物のスクロースエステル含有量は確かに増加することを示している。熱風乾燥は、コンストラクトGW1、GW2、又はGW3を含む遺伝子導入植物のLD含有量も増加させた。熱風乾燥は、すべてのタバコのシス−アビエノール含有量を増加させた。

データは、熱風乾燥は、未乾燥タバコと比較して、GW2遺伝子導入植物の滲出物コンポーネントのα−CBT−ジオール含有量を増加させることを示している。対照植物のα−CBT−ジオール含有量は、熱風乾燥によっても増加するが、その程度はより小さい。データは、熱風乾燥は、未乾燥タバコと比較して、GW2遺伝子導入植物の滲出物コンポーネントのβ−CBT−ジオール含有量を増加させることも示している。対照植物のβ−CBT−ジオール含有量は、熱風乾燥により影響を受けない。

酸化生成物が遺伝子導入系統で増加した。

表3(下記)に示す化合物量は、対照について平均20個の未乾燥植物、並びに系統GW1〜3について34〜36個の未乾燥植物及び8〜16個の乾燥した植物の平均値±それらの各標準偏差を表わす。

下記の表3に示すデータは、空気乾燥は対照植物のスクロースエステル滲出物コンポーネントを増加させないが、しかし、コンストラクトGW1、GW2、又はGW3を含む遺伝子導入植物のスクロースエステル含有量をわずかながら確かに増加させることを示している。スクロースエステル含有量は、遺伝子導入系統において空気乾燥しても安定である。データは、熱風乾燥は、未乾燥タバコと比較して、GW2遺伝子導入植物の滲出物コンポーネントのα−CBT−ジオール含有量(遺伝子導入物内のマイナーなコンポーネントである)を増加させることも示している。対照植物のα−CBT−ジオール含有量は、熱風乾燥により影響を受けない。

データは、空気乾燥は、未乾燥タバコと比較して、GW2遺伝子導入植物の滲出物コンポーネントのβ−CBT−ジオール含有量を増加させることを示している。対照植物のβ−CBT−ジオール含有量も熱風乾燥によりやはり増加するが、しかしその程度はより少ない。空気乾燥は、コンストラクトGW1、GW2、又はGW3を含む遺伝子導入植物のLD含有量も増加させた。空気乾燥は、対照及びGW1又はGW3を含むタバコのシス−アビエノール含有量も増加させた。

酸化生成物が遺伝子導入系統で増加した。

ジテルペノイド組成及びスクロースエステルのアシル組成の分析 ジテルペノイド組成及びスクロースエステルアシル組成を、実施例3に記載するように測定した。本発明者らは、遺伝子導入系統内のジテルペノイド組成とスクロースエステル組成を、対照のT.I.1068、及び天日乾燥したトルコタイプの市販タバコと比較した。天日乾燥した市販タバコは、プレスされた葉として本発明者らに送付された。遺伝子導入タバコ系統について示すデータは、10〜14個の間の植物の平均値を示す一方、T.I.1068対照は16個の植物における平均値を示す。

下記の市販トルコタイプを比較分析した: A=オリエンタル、供給業者:Socotab EOOD社、2013年の収穫品 B=トルコ−Samsun、2013年の収穫品、SMALグレード C=トルコ−IXMIR、2013年の収穫品、YZALグレード

表4 ジテルペノイド含有物の滲出物組成分析を参照。 表4(下記)のデータは、熱風乾燥した遺伝子導入系統GW1、GW2、及びGW3は、対照及び/又は試験したトルコ植物と比較して、スクロースエステル含有量が高いことを示している。

表5 スクロースエステルアシル基組成の滲出物組成分析を参照。 遺伝子導入タバコ系統について示すデータは、4〜8個の間の植物の平均値を示す一方、T.I.1068対照は10個の植物における平均値を示す。表5(下記)のデータは、遺伝子導入タバコ系統GW1、GW2、及びGW3のスクロースエステルアシル組成は、トルコタイプタバコの組成と類似している、すなわち3−Meバレリックアシル基に富んでいることを示す。

GW3表面化学分析 未乾燥屋外サンプル、空気乾燥したサンプル、及び熱風乾燥したサンプルの分析を実施した。可能であれば、リーフパンチを採集して未乾燥屋外データを得る場合、屋外で葉のマーキング及びナンバリングすることにより、同一の葉に由来するサンプルにおいてすべて実施した。空気又は熱風乾燥後、未乾燥/空気乾燥物及び未乾燥/熱風乾燥物が直接比較可能なように、同一の番号が付された葉をサンプリングした。下記の表は、未乾燥サンプル対熱風乾燥サンプル、及び未乾燥サンプル対空気乾燥サンプルの結果を示す。データは、葉1cm2当たりのマイクログラムに標準化された。

未乾燥、又は熱風乾燥物、又は空気乾燥物の後のカッコ内の数値は、どのくらいの数の独立したサンプルを分析し、そして平均値を導出するのに使用したかを表わす。例えば、対照の未乾燥(20)とは20個の独立したサンプルを意味する。これらの平均値は、その下の標準偏差と共に提示される、例えば、対照の未乾燥(2)の場合、6.695±3.834。

未乾燥〜熱風乾燥物のデータは、対照及びGW3−高シス−アビエノールの各系統に関する。このデータは、シス−アビエノールは未乾燥〜熱風乾燥において大幅に減少し、このシスは、GW3−高シス−アビエノール系統について最も右側のカラムに示すように、ある「酸化生成物」に分解した可能性があることを示している。このデータは、GW3の未乾燥〜熱風乾燥物においてラブデンジオールが増加したことも示している。この変化は比例的であり、例えば未乾燥〜熱風乾燥においてシスが低下したとき(μg/cm2)、ラブデンジオールは比例的に増加した。GW3の未乾燥〜熱風乾燥において、「酸化型」のカラムの数値も実質的に増加したことに留意すること。さらに、CBTジオールは、未乾燥〜熱風乾燥において大幅に変化せず、またスクロースエステル量は、対照の未乾燥〜熱風において大幅に変化しなかった;一方、GW3系統では有意に増加した(+4.7)。別の分析(図示せず)では、スクロースエステルが安定であることから予想されるように、未乾燥〜熱風乾燥においてアシル基組成の定性的な変化は認められないことが示唆された。未乾燥〜空気乾燥のデータは、未乾燥〜空気乾燥における変化は、未乾燥〜熱風乾燥で観測された変化よりも小さいことを示している。酸化型のみが、おそらくはシス−アビエノール分解に起因して実質的に増加しているように見えた。

図5は、スクロースエステル含有量は、対照と比較して、遺伝子導入系統GW−3内で増えたことを実証する。スクロースエステル含有量は、総主要滲出化合物に占める割合(%)として表わされる。図6は、シス−アビエノール含有量は、対照と比較して、遺伝子導入系統GW−3内で増えたことを実証する。シス−アビエノール含有量は、総主要滲出化合物に占める割合(%)として表わされる。

熱風乾燥及び空気乾燥した2016年の屋外タバコの滲出物コンポーネント RNAi系統を屋外で生育させ、T2又はT3について特性は安定であり、これを採取した。熱風乾燥した植物を、2016年に3回のプライミングとして採取した。2016年トライアルでは、空気乾燥植物を葉柄カットし、空気乾燥し、そして分析前に下部1/3葉、中間部1/3葉、及び上部1/3葉に分離した。これは、商業生産で使用される一般的アプローチの模倣であった。

結論 表7のデータは、2016年の熱風乾燥した屋外タバコにおいて、対照と比較して系統GW1〜3ではスクロースエステルが増えたことを示している。

結論 表8のデータは、2016年の空気乾燥した屋外タバコにおいて、対照と比較して系統GW1〜3ではスクロースエステルが増えたことを示している。

上記明細書に記載するすべての公開資料は、本明細書に参照として組み込まれる。記載されている本発明の方法及びシステムについて、本発明の範囲及び精神から逸脱しないその様々な修飾形態及び変更形態は、当業者にとって明白である。本発明は特定の好ましい実施形態に関連して記載されているが、主張されるような本発明は、そのような特定の実施形態に不当に限定されるべきでないと理解すべきである。確かに、本発明を実施するに当たり、生化学及びバイオテクノロジー、又は関連分野の当業者にとって、記載するモードの様々な改変は明らかであるが、そのような改変も下記の特許請求の範囲内であるように意図される。

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