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養子免疫療法における抗原特異的T細胞と組み合わせた免疫チェックポイント調節剤の使用

阅读:818发布:2020-05-11

专利汇可以提供養子免疫療法における抗原特異的T細胞と組み合わせた免疫チェックポイント調節剤の使用专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且本明細書では、阻害性免疫チェックポイント阻害剤または刺激性免疫チェックポイント活性化剤をヒト患者に投与することと、サブドミナントHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せにより拘束されるT細胞系に由来する 抗原 特異的T細胞を含むヒト細胞の集団をヒト患者に投与することとを含む、ヒト患者を処置する方法が提供される。阻害性免疫チェックポイント阻害剤または刺激性免疫チェックポイント活性化剤の投与と組み合わせたヒト患者への治療的投与のために、そのようなT細胞系を選択する方法およびそのようなT細胞系が由来するT細胞ドナーを選択する方法もまた提供される。阻害性免疫チェックポイント阻害剤または刺激性免疫チェックポイント活性化剤を含む医薬組成物、およびサブドミナントHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系に由来する抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団もまた提供される。,下面是養子免疫療法における抗原特異的T細胞と組み合わせた免疫チェックポイント調節剤の使用专利的具体信息内容。

病原体またはがんを有するか、もしくは有する疑いのあるヒト患者を処置する方法であって、該方法が、 (1)阻害性免疫チェックポイント阻害剤を該ヒト患者に投与することと; (2)該病原体またはがんの抗原に特異的であり、該ヒト患者の疾患細胞によって発現される第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系に由来する抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団を該ヒト患者に投与することと を含み;該第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せが、該抗原の認識に基づいた、それぞれのHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞の活性に関して、該疾患細胞によって発現されるHLA対立遺伝子およびHLA対立遺伝子の組合せのうちのサブドミナントHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せである、 方法。前記阻害性免疫チェックポイント阻害剤が、プログラム細胞死1(PD1)、プログラム細胞死リガンド1(PD−L1)、プログラム細胞死リガンド1(PD−L2)、細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA4)、リンパ球活性化3(LAG3)、T細胞免疫グロブリンおよびムチンドメイン含有タンパク質3(TIM3)、T細胞活性化のVドメインIgサプレッサー(VISTA)、アデノシンA2a受容体(A2aR)、B7ホモログ3(B7−H3)、B7ホモログ4(B7−H4)、BおよびTリンパ球関連(BTLA)、インドールアミン−2,3−ジオキシゲナーゼ(IDO)、トリプトファン2,3−ジオキシゲナーゼ(TDO)、またはキラー細胞免疫グロブリン様受容体(KIR)の阻害剤である、請求項1に記載の方法。前記阻害性免疫チェックポイント阻害剤が、阻害性免疫チェックポイントに結合し、その活性を阻害する抗体である、請求項1または2に記載の方法。前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項3に記載の方法。前記阻害性免疫チェックポイント阻害剤がPD1の阻害剤である、請求項2に記載の方法。前記阻害性免疫チェックポイント阻害剤が、PD1に結合し、その活性を阻害するモノクローナル抗体である、請求項5に記載の方法。前記モノクローナル抗体が、ニボルマブ、ピディリズマブ、MEDI0680、またはペンブロリズマブである、請求項6に記載の方法。前記阻害性免疫チェックポイント阻害剤がPD−L1の阻害剤である、請求項2に記載の方法。前記阻害性免疫チェックポイント阻害剤が、PD−L1に結合し、その活性を阻害するモノクローナル抗体である、請求項8に記載の方法。前記モノクローナル抗体が、mpdl3280A、デュルバルマブ、アベルマブ、bms−936559、またはアテゾリズマブである、請求項9に記載の方法。病原体またはがんを有するか、もしくは有する疑いのあるヒト患者を処置する方法であって、該方法が、 (1)刺激性免疫チェックポイント活性化剤を該ヒト患者に投与することと; (2)該病原体またはがんの抗原に特異的であり、該ヒト患者の疾患細胞によって発現される第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系に由来する抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団を該ヒト患者に投与することと を含み;該第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せが、該抗原の認識に基づいた、それぞれのHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞の活性に関して、該疾患細胞によって発現されるHLA対立遺伝子およびHLA対立遺伝子の組合せのうちのサブドミナントHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せである、 方法。前記刺激性免疫チェックポイント活性化剤が、CD27、CD28、CD40、CD122、CD137、OX40、グルココルチコイド誘導TNFR関連タンパク質リガンド(GITR)、または誘導性T細胞共刺激因子(ICOS)の活性化剤である、請求項11に記載の方法。前記第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せが、前記ヒト患者への治療的投与に適しており、かつ、前記抗原の認識に基づいた、それぞれのHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞の活性に関して、前記疾患細胞によって発現されるHLA対立遺伝子およびHLA対立遺伝子の組合せのうちのサブドミナントHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せである、請求項1から12のいずれかに記載の方法。前記第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せが、表示に従って、前記疾患細胞によって発現される第2のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せに関連付けられている相対活性よりも低い前記抗原の認識に基づく相対活性の指標に関連付けられていることに基づいて、サブドミナントHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せとして分類され、該表示が(i)複数のHLA対立遺伝子および必要に応じてHLA対立遺伝子の組合せを同定し、(ii)各々が該抗原の少なくとも1つのエピトープを認識し、該複数における該HLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せのうちの複数の異なるものによって拘束されるT細胞系の相対活性の指標を開示し、該表示において、各々の同定されたHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せは、該HLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束される該T細胞系の相対活性のそれぞれの指標に関連付けられており、該相対活性は、該抗原の認識に基づく該T細胞系の既知の活性の相対量である、請求項1から13のいずれかに記載の方法。前記第2のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系が利用可能であり、前記ヒト患者への治療的投与に適している、請求項14に記載の方法。病原体またはがんを有するか、もしくは有すると疑われるヒト患者への、阻害性免疫チェックポイント阻害剤または刺激性免疫チェックポイント活性化剤の投与と組み合わせた治療的投与のためのT細胞系を選択する方法であって、該方法が、 該病原体またはがんの抗原の少なくとも1つのエピトープを認識し、該ヒト患者の疾患細胞によって発現される第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系を選択すること を含み、該第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せが、該抗原の認識に基づいた、それぞれのHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞の活性に関して、該疾患細胞によって発現されるHLA対立遺伝子およびHLA対立遺伝子の組合せのうちのサブドミナントHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せである、 方法。前記第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せが、前記ヒト患者への治療的投与に適しており、かつ、それぞれのHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞の活性に関して、前記疾患細胞によって発現されるHLA対立遺伝子およびHLA対立遺伝子の組合せのうちのサブドミナントHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せである、請求項16に記載の方法。前記第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せが、表示に従って、前記疾患細胞によって発現される第2のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せに関連付けられている相対活性よりも低い前記抗原の認識に基づく相対活性の指標に関連付けられていることに基づいて、サブドミナントHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せとして分類され、該表示が(i)複数のHLA対立遺伝子および必要に応じてHLA対立遺伝子の組合せを同定し、(ii)各々が該抗原の少なくとも1つのエピトープを認識し、該複数における該HLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せのうちの複数の異なるものによって拘束されるT細胞系の相対活性の指標を開示し、該表示において、各々の同定されたHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せは、該HLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束される該T細胞系の相対活性のそれぞれの指標に関連付けられており、該相対活性は、該抗原の認識に基づく該T細胞系の既知の活性の相対量である、請求項16または17に記載の方法。前記第2のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系が利用可能であり、前記ヒト患者への治療的投与に適している、請求項18に記載の方法。病原体またはがんを有するか、もしくは有すると疑われるヒト患者への、阻害性免疫チェックポイント阻害剤または刺激性免疫チェックポイント活性化剤の投与と組み合わせた治療的投与のためのT細胞系が由来するT細胞ドナーを選択する方法であって、該方法が、 (i)第1の複数のHLA対立遺伝子および必要に応じてHLA対立遺伝子の組合せを同定し、(ii)各々が該病原体または該がんの抗原の少なくとも1つのエピトープを認識し、該第1の複数における該HLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せのうちの複数の異なるものによって拘束されるT細胞系の生成の相対頻度の指標を開示する第1の表示を使用して、T細胞ドナーを選択すること を含み、該第1の表示において、各々の同定されたHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せがそれぞれのHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せにより拘束される該T細胞系の生成の相対頻度のそれぞれの指標と関連付けられており、 (A)選択された該T細胞ドナーが、該第1の表示において生成の最高の頻度の指標と関連付けられている、該ヒト患者の疾患細胞と共通の第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せを有し; (B)該選択されたT細胞ドナーの該第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せが、該抗原の認識に基づいた、それぞれのHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞の活性に関して、該疾患細胞によって発現されるHLA対立遺伝子およびHLA対立遺伝子の組合せのうちのサブドミナントHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せである、 方法。前記第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せが、第2の表示に従って、前記疾患細胞の第2のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せに関連付けられている相対活性よりも低い相対活性の指標に関連付けられていることに基づいて、サブドミナントHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せとして分類され、該第2の表示が(I)第2の複数のHLA対立遺伝子および必要に応じてHLA対立遺伝子の組合せを同定し、(II)各々が抗原の少なくとも1つのエピトープを認識し、該第2の複数におけるHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せのうちの複数の異なるものによって拘束されるT細胞系の相対活性の指標を開示し、該第2の表示において、各々の同定されたHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せは、該HLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束される該T細胞系の相対活性のそれぞれの指標に関連付けられており、該相対活性は、該抗原の認識に基づく該T細胞系の既知の活性の相対量である、請求項20に記載の方法。該T細胞ドナーが、該ヒト患者に対して同種異系である、請求項20または21に記載の方法。前記ヒト患者が移植ドナーからの移植のレシピエントとなっており、前記T細胞ドナーが該移植ドナーとは異なる第三者ドナーである、請求項22に記載の方法。病原体またはがんを有するか、もしくは有すると疑われるヒト患者への、阻害性免疫チェックポイント阻害剤または刺激性免疫チェックポイント活性化剤の投与と組み合わせた治療的投与のためのT細胞系を取得する方法であって、該方法が、 (a)請求項20から23のいずれかに記載の方法に従ってT細胞ドナーを選択することと; (b)該選択されたT細胞ドナーからT細胞系を生成することと を含み、該T細胞系が、第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束され、抗原の少なくとも1つのエピトープを認識する、 方法。病原体またはがんを有するか、もしくは有する疑いのあるヒト患者を処置する方法であって、 (a)請求項16から19のいずれかに記載の方法に従って該ヒト患者への治療的投与のためのT細胞系を選択することと; (b)抗原に特異的であり、該選択されたT細胞系に由来する抗原特異的T細胞を含む、ヒト細胞の集団を該ヒト患者に投与することと; (c)阻害性免疫チェックポイント阻害剤を該ヒト患者に投与することと を含む、方法。前記阻害性免疫チェックポイント阻害剤が、PD1、PD−L1、PD−L2、CTLA−4、LAG3、TIM−3、VISTA、A2AR、B7−H3、B7−H4、BTLA、IDO、TDO、またはKIRの阻害剤である、請求項25に記載の方法。前記阻害性免疫チェックポイント阻害剤が、阻害性免疫チェックポイントに結合し、その活性を阻害する抗体である、請求項25または26に記載の方法。前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項27に記載の方法。前記阻害性免疫チェックポイント阻害剤がPD1の阻害剤である、請求項25に記載の方法。前記阻害性免疫チェックポイント阻害剤が、PD1に結合し、その活性を阻害するモノクローナル抗体である、請求項29に記載の方法。前記モノクローナル抗体が、ニボルマブ、ピディリズマブ、MEDI0680、またはペンブロリズマブである、請求項30に記載の方法。前記阻害性免疫チェックポイント阻害剤がPD−L1の阻害剤である、請求項25に記載の方法。前記阻害性免疫チェックポイント阻害剤が、PD−L1に結合し、その活性を阻害するモノクローナル抗体である、請求項32に記載の方法。前記モノクローナル抗体が、mpdl3280A、デュルバルマブ、アベルマブ、bms−936559、またはアテゾリズマブである、請求項33に記載の方法。病原体またはがんを有するか、もしくは有する疑いのあるヒト患者を処置する方法であって、 (a)請求項16から19のいずれかに記載の方法に従って該ヒト患者への治療的投与のためのT細胞系を選択することと; (b)抗原に特異的であり、該選択されたT細胞系に由来する抗原特異的T細胞を含む、ヒト細胞の集団を該ヒト患者に投与することと; (c)刺激性免疫チェックポイント活性化剤を該ヒト患者に投与することと を含む、方法。前記刺激性免疫チェックポイント活性化剤が、CD27、CD28、CD40、CD122、CD137、OX40、GITR、またはICOSの活性化剤である、請求項35に記載の方法。前記T細胞系が、前記ヒト患者と同種異系のヒトドナーに由来する、請求項1から19および25から36のいずれかに記載の方法。前記ヒト患者が移植ドナーからの移植のレシピエントとなっており、前記ヒトドナーが該移植ドナーとは異なる第三者ドナーである、請求項37に記載の方法。前記ヒト患者の前記疾患細胞のHLA割り当てを確認するステップをさらに含む、請求項1から38のいずれかに記載の方法。前記確認するステップが、少なくとも4つのHLA遺伝子座をタイピングすることを含む、請求項39に記載の方法。T細胞の前記活性が、前記抗原を発現する細胞に対する前記T細胞のin vitro細胞傷害活性である、請求項1から19および25から40のいずれか一項に記載の方法。T細胞の前記活性が、前記病原体またはがんを有するヒト患者の処置における該T細胞のin vivo臨床的有効性である、請求項1から19および25から40のいずれか一項に記載の方法。前記第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束される前記T細胞系を生成するステップをさらに含む、請求項1から19および25から42のいずれか一項に記載の方法。前記第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束される前記T細胞系を生成する前記ステップが、前記抗原に対するT細胞のex vivo感作を含む、請求項43に記載の方法。前記T細胞系が、前記抗原に由来する1つもしくは複数のペプチドまたはタンパク質を負荷されてもおらず、それらを発現するように遺伝子操作されてもいない抗原提示細胞に対するin vitroの実質的な細胞傷害性を欠いている、請求項1から19および25から44のいずれか一項に記載の方法。前記抗原が病原体の抗原である、請求項1から45のいずれかに記載の方法。前記病原体がウイルス、細菌、真菌、蠕虫、または原生生物である、請求項46に記載の方法。前記病原体がウイルスである、請求項47に記載の方法。前記ウイルスがサイトメガロウイルス(CMV)である、請求項48に記載の方法。前記ウイルスがエプスタインバーウイルス(EBV)である、請求項48に記載の方法。前記ウイルスが、BKウイルス(BKV)、ジョン・カニンガムウイルス(JCV)、ヒトヘルペスウイルス、ヒトパピローマウイルス(HPV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、単純ヘルペスウイルス(HSV)、痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、メルケル細胞ポリオーマウイルス(MCV)、アデノウイルス(ADV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、インフルエンザウイルス、エボラウイルス、ポックスウイルス、ラブドウイルス、またはパラミクソウイルスである、請求項48に記載の方法。前記抗原ががんの抗原である、請求項1から45のいずれかに記載の方法。前記抗原がウィルムス腫瘍1(WT1)である、請求項52に記載の方法。(1)阻害性免疫チェックポイント阻害剤と; (2)病原体またはがんの抗原に特異的であり、第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系に由来する抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団と を含む医薬組成物であって、 該第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せが、該抗原の認識に基づいた、それぞれのHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞の活性に関してサブドミナントHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せである、 医薬組成物。前記阻害性免疫チェックポイント阻害剤が、PD1、PD−L1、PD−L2、CTLA−4、LAG3、TIM−3、VISTA、A2AR、B7−H3、B7−H4、BTLA、IDO、TDO、またはKIRの阻害剤である、請求項54に記載の医薬組成物。(1)刺激性免疫チェックポイント活性化剤と; (2)病原体またはがんの抗原に特異的であり、第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系に由来する抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団と を含む医薬組成物であって、 前記第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せが、該抗原の認識に基づいた、それぞれのHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞の活性に関してサブドミナントHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せである、 医薬組成物。前記刺激性免疫チェックポイント活性化剤が、CD27、CD28、CD40、CD122、CD137、OX40、GITR、またはICOSの活性化剤である、請求項56に記載の医薬組成物。前記第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せが、表示に従って、第2のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せに関連付けられている相対活性よりも低い前記抗原の認識に基づくより低い活性の指標に関連付けられていることに基づいて、サブドミナントHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せとして分類され、該表示が(i)複数のHLA対立遺伝子および必要に応じてHLA対立遺伝子の組合せを同定し、(ii)各々が抗原の少なくとも1つのエピトープを認識し、該複数におけるHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せのうちの複数の異なるものによって拘束されるT細胞系の相対活性の指標を開示し、該表示において、各々の同定されたHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せは、該HLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束される該T細胞系の相対活性のそれぞれの指標に関連付けられており、該相対活性は、該抗原の認識に基づく該T細胞系の既知の活性の相対量である、請求項54から57のいずれかに記載の医薬組成物。前記抗原が病原体の抗原である、請求項54から58のいずれかに記載の医薬組成物。前記病原体がウイルス、細菌、真菌、蠕虫、または原生生物である、請求項59に記載の医薬組成物。前記病原体がウイルスである、請求項60に記載の医薬組成物。前記ウイルスがCMVである、請求項61に記載の医薬組成物。前記ウイルスがEBVである、請求項61に記載の医薬組成物。前記ウイルスが、BKV、JCV、ヒトヘルペスウイルス、HPV、HBV、HCV、HSV、VZV、MCV、ADV、HIV、インフルエンザウイルス、エボラウイルス、ポックスウイルス、ラブドウイルス、またはパラミクソウイルスである、請求項61に記載の医薬組成物。前記抗原ががんの抗原である、請求項54から58のいずれかに記載の医薬組成物。前記抗原がWT1である、請求項65に記載の医薬組成物。前記T細胞系が、前記抗原に由来する1つもしくは複数のペプチドまたはタンパク質を負荷されてもおらず、それらを発現するように遺伝子操作されてもいない抗原提示細胞に対するin vitroの実質的な細胞傷害性を欠いている、請求項54から66のいずれか一項に記載の医薬組成物。

说明书全文

関連出願の引用 本願は、2017年2月7日に出願された米国仮特許出願第62/455,860号の利益を主張する。この出願は、その全体が、本明細書中に参考として援用される。

1. 分野 本明細書では、阻害性免疫チェックポイント阻害剤または刺激性免疫チェックポイント活性化剤をヒト患者に投与することと、サブドミナントHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せにより拘束されるT細胞系に由来する抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団をヒト患者に投与することとを含む、ヒト患者を処置する方法が提供される。阻害性免疫チェックポイント阻害剤または刺激性免疫チェックポイント活性化剤の投与と組み合わせたヒト患者への治療的投与のために、そのようなT細胞系を選択する方法およびそのようなT細胞系が由来するT細胞ドナーを選択する方法もまた提供される。阻害性免疫チェックポイント阻害剤または刺激性免疫チェックポイント活性化剤を含む医薬組成物、およびサブドミナントHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系に由来する抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団もまた提供される。

2. 背景 抗原特異的T細胞は、サイトメガロウイルス(CMV)感染症、エプスタインバーウイルス関連リンパ増殖性障害(EBV−LPD)、ならびにWT1(ウィルムス腫瘍1)陽性白血病および多発性骨髄腫などの感染症およびがんを処置するための養子免疫療法において使用することができる(例えば、Koehneら、2015年、Blood 126巻:98頁;Koehneら、2015年、Biol Blood Marrow Transplant 21巻:1663〜1678頁;O'Reillyら、2012年、Seminars in Immunology 22巻:162〜172頁;およびDoubrovinaら、2012年、Blood 119巻:2644〜2656頁を参照されたい)。 CMVに対するT細胞応答の評価により、このウイルスの最も免疫原性の高いタンパク質、すなわちCMVpp65およびIE1内のいくつかの免疫優性エピトープ、ならびにそれらの提示HLA対立遺伝子が同定されている。免疫優性エピトープを提示するHLA対立遺伝子は、特定のハプロタイプを共遺伝により受け継ぐ(co-inheriting)個体内に階層的順序で存在することが判明したため、ある特定のHLA対立遺伝子は、他のHLA対立遺伝子と共遺伝するとき、一貫して免疫優性T細胞応答を拘束する対立遺伝子である(国際特許出願公開第WO2016/073550号を参照されたい)。免疫優性エピトープを提示するHLA対立遺伝子の階層は、それらの機能的活性のレベルのみに基づいている。興味深いことに、HLAタンパク質に対するエピトープの結合の親和性と、免疫優性T細胞応答を誘発するそれらの能との間に相関関係はない(国際特許出願公開第WO2016/073550号を参照されたい)。サブドミナントT細胞応答に関連するHLA対立遺伝子によって拘束される抗原特異的T細胞の有効性を増強できる薬剤は探索されていない。 本明細書における参考文献の引用は、それが本開示に対する先行技術であるという承認として解釈されるべきではない。

国際公開第2016/073550号

Koehneら、2015年、Blood 126巻:98頁

Koehneら、2015年、Biol Blood Marrow Transplant 21巻:1663〜1678頁

O’Reillyら、2012年、Seminars in Immunology 22巻:162〜172頁

Doubrovinaら、2012年、Blood 119巻:2644〜2656頁

3. 発明の概要 一態様では、本明細書で提供されるのは、病原体またはがんを有するか、もしくは有する疑いのあるヒト患者を処置する方法であって、方法が、(1)阻害性免疫チェックポイント阻害剤をヒト患者に投与することと;(2)病原体またはがんの抗原に特異的であり、ヒト患者の疾患細胞によって発現される第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系に由来する抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団をヒト患者に投与することとを含み;第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せが、抗原の認識に基づいた、それぞれのHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞の活性に関して、疾患細胞によって発現されるHLA対立遺伝子およびHLA対立遺伝子の組合せのうちのサブドミナントHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せである、方法である。ある特定の実施形態では、第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せは、ヒト患者への治療的投与に適しており、かつ、抗原の認識に基づいた、それぞれのHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞の活性に関して、疾患細胞によって発現されるHLA対立遺伝子およびHLA対立遺伝子の組合せのうちのサブドミナントHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せである。

具体的な実施形態では、阻害性免疫チェックポイント阻害剤は、プログラム細胞死1(PD1)、プログラム細胞死リガンド1(PD−L1)、プログラム細胞死リガンド1(PD−L2)、細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA4)、リンパ球活性化3(Lymphocyte Activating 3)(LAG3)、T細胞免疫グロブリンおよびムチンドメイン含有タンパク質3(TIM3)、T細胞活性化のVドメインIgサプレッサー(VISTA)、アデノシンA2a受容体(A2aR)、B7ホモログ3(B7−H3)、B7ホモログ4(B7−H4)、BおよびTリンパ球関連(BTLA)、インドールアミン2,3−ジオキシゲナーゼ(IDO)、トリプトファン2,3−ジオキシゲナーゼ(TDO)、またはキラー細胞免疫グロブリン様受容体(KIR)の阻害剤である。

具体的な実施形態では、阻害性免疫チェックポイント阻害剤は、阻害性免疫チェックポイントに結合し、その活性を阻害する抗体である。具体的な実施形態では、抗体はモノクローナル抗体である。

具体的な実施形態では、阻害性免疫チェックポイント阻害剤はPD1の阻害剤である。具体的な実施形態では、阻害性免疫チェックポイント阻害剤は、PD1に結合し、その活性を阻害するモノクローナル抗体である。特定の実施形態では、モノクローナル抗体は、ニボルマブ、ピディリズマブ、MEDI0680、またはペンブロリズマブである。

具体的な実施形態では、阻害性免疫チェックポイント阻害剤はPD−L1の阻害剤である。具体的な実施形態では、阻害性免疫チェックポイント阻害剤は、PD−L1に結合し、その活性を阻害するモノクローナル抗体である。特定の実施形態では、モノクローナル抗体は、mpdl3280A、デュルバルマブ、アベルマブ、bms−936559、またはアテゾリズマブである。

別の態様では、本明細書で提供されるのは、病原体またはがんを有するか、もしくは有する疑いのあるヒト患者を処置する方法であって、方法が、(1)刺激性免疫チェックポイント活性化剤をヒト患者に投与することと;(2)病原体またはがんの抗原に特異的であり、ヒト患者の疾患細胞によって発現される第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系に由来する抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団をヒト患者に投与することとを含み;第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せが、抗原の認識に基づいた、それぞれのHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞の活性に関して、疾患細胞によって発現されるHLA対立遺伝子およびHLA対立遺伝子の組合せのうちのサブドミナントHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せである、方法である。ある特定の実施形態では、第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せは、ヒト患者への治療的投与に適しており、かつ、抗原の認識に基づいた、それぞれのHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞の活性に関して、疾患細胞によって発現されるHLA対立遺伝子およびHLA対立遺伝子の組合せのうちのサブドミナントHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せである。

具体的な実施形態では、刺激性免疫チェックポイント活性化剤は、CD27、CD28、CD40、CD122、CD137、OX40、グルココルチコイド誘導TNFR関連タンパク質リガンド(GITR)、または誘導性T細胞共刺激因子(ICOS)の活性化剤である。

具体的な実施形態では、第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せは、表示(representation)に従って、疾患細胞によって発現される第2のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せに関連付けられている相対活性よりも低い、抗原の認識に基づく相対活性の指標(an indication of relative activity)に関連付けられていることに基づいて、サブドミナントHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せとして分類され、この表示が(i)複数のHLA対立遺伝子および必要に応じてHLA対立遺伝子の組合せを同定し、(ii)各々が抗原の少なくとも1つのエピトープを認識し、上記複数におけるHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せのうちの複数の異なるもの(different ones)によって拘束されるT細胞系の相対活性の指標を開示し、表示において、各々の同定されたHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せは、HLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系の相対活性のそれぞれの指標に関連付けられており、相対活性は、抗原の認識に基づくT細胞系の既知の活性の相対量(relative measure)である。ある特定の実施形態では、第2のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系が利用可能であり、ヒト患者への治療的投与に適している。

別の具体的な態様では、本明細書に提供されるのは、病原体またはがんを有するか、もしくは有すると疑われるヒト患者への、阻害性免疫チェックポイント阻害剤または刺激性免疫チェックポイント活性化剤の投与と組み合わせた治療的投与のためのT細胞系を選択する方法であって、方法が、病原体またはがんの抗原の少なくとも1つのエピトープを認識し、ヒト患者の疾患細胞によって発現される第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系を選択することを含み、第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せが、抗原の認識に基づいた、それぞれのHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞の活性に関して、疾患細胞によって発現されるHLA対立遺伝子およびHLA対立遺伝子の組合せのうちのサブドミナントHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せである、方法である。ある特定の実施形態では、第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せは、ヒト患者への治療的投与に適しており、かつ、それぞれのHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞の活性に関して、疾患細胞によって発現されるHLA対立遺伝子およびHLA対立遺伝子の組合せのうちのサブドミナントHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せである。

具体的な実施形態では、第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せは、表示に従って、疾患細胞によって発現される第2のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せに関連付けられている相対活性よりも低い、抗原の認識に基づく相対活性の指標に関連付けられていることに基づいて、サブドミナントHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せとして分類され、この表示が(i)複数のHLA対立遺伝子および必要に応じてHLA対立遺伝子の組合せを同定し、(ii)各々が抗原の少なくとも1つのエピトープを認識し、上記複数におけるHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せのうちの複数の異なるものによって拘束されるT細胞系の相対活性の指標を開示し、活性の表示(the Representation of Activity)において、各々の同定されたHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せは、HLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系の相対活性のそれぞれの指標に関連付けられており、相対活性は、抗原の認識に基づくT細胞系の既知の活性の相対量である。ある特定の実施形態では、第2のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系が利用可能であり、ヒト患者への治療的投与に適している。

別の態様では、本明細書で提供されるのは、病原体またはがんを有するか、もしくは有する疑いのあるヒト患者を処置する方法であって、(a)本明細書に記載されるT細胞系を選択する方法に従ってヒト患者への治療的投与のためのT細胞系を選択することと;(b)抗原に特異的であり、選択されたT細胞系に由来する抗原特異的T細胞を含む、ヒト細胞の集団をヒト患者に投与することと;(c)阻害性免疫チェックポイント阻害剤をヒト患者に投与することとを含む、方法である。

具体的な実施形態では、阻害性免疫チェックポイント阻害剤は、プログラム細胞死1(PD1)、プログラム細胞死リガンド1(PD−L1)、プログラム細胞死リガンド1(PD−L2)、細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA4)、リンパ球活性化3(LAG3)、T細胞免疫グロブリンおよびムチンドメイン含有タンパク質3(TIM3)、T細胞活性化のVドメインIgサプレッサー(VISTA)、アデノシンA2a受容体(A2aR)、B7ホモログ3(B7−H3)、B7ホモログ4(B7−H4)、BおよびTリンパ球関連(BTLA)、インドールアミン2,3−ジオキシゲナーゼ(IDO)、トリプトファン2,3−ジオキシゲナーゼ(TDO)、またはキラー細胞免疫グロブリン様受容体(KIR)の阻害剤である。

具体的な実施形態では、阻害性免疫チェックポイント阻害剤は、阻害性免疫チェックポイントに結合し、その活性を阻害する抗体である。具体的な実施形態では、抗体はモノクローナル抗体である。

具体的な実施形態では、阻害性免疫チェックポイント阻害剤はPD1の阻害剤である。具体的な実施形態では、阻害性免疫チェックポイント阻害剤は、PD1に結合し、その活性を阻害するモノクローナル抗体である。特定の実施形態では、モノクローナル抗体は、ニボルマブ、ピディリズマブ、MEDI0680、またはペンブロリズマブである。

具体的な実施形態では、阻害性免疫チェックポイント阻害剤はPD−L1の阻害剤である。具体的な実施形態では、阻害性免疫チェックポイント阻害剤は、PD−L1に結合し、その活性を阻害するモノクローナル抗体である。特定の実施形態では、モノクローナル抗体は、mpdl3280A、デュルバルマブ、アベルマブ、bms−936559、またはアテゾリズマブである。

別の態様では、本明細書で提供されるのは、病原体またはがんを有するか、もしくは有する疑いのあるヒト患者を処置する方法であって、(a)本明細書に記載されるとおりのT細胞系を選択する方法に従ってヒト患者への治療的投与のためのT細胞系を選択することと;(b)抗原に特異的であり、選択されたT細胞系に由来する抗原特異的T細胞を含む、ヒト細胞の集団をヒト患者に投与することと;(c)刺激性免疫チェックポイント活性化剤をヒト患者に投与することとを含む、方法である。

具体的な実施形態では、刺激性免疫チェックポイント活性化剤は、CD27、CD28、CD40、CD122、CD137、OX40、グルココルチコイド誘導TNFR関連タンパク質リガンド(GITR)、または誘導性T細胞共刺激因子(ICOS)の活性化剤である。

別の態様では、本明細書に提供されるのは、病原体またはがんを有するか、もしくは有すると疑われるヒト患者への、阻害性免疫チェックポイント阻害剤または刺激性免疫チェックポイント活性化剤の投与と組み合わせた治療的投与のためのT細胞系が由来するT細胞ドナーを選択する方法であって、方法が、(i)第1の複数のHLA対立遺伝子および必要に応じてHLA対立遺伝子の組合せを同定し、(ii)各々が病原体またはがんの抗原の少なくとも1つのエピトープを認識し、第1の複数における前記HLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せのうちの複数の異なるものによって拘束されるT細胞系の生成の相対頻度の指標を開示する第1の表示を使用して、T細胞ドナーを選択することを含み、第1の表示において、各々の同定されたHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せがそれぞれのHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せにより拘束される前記T細胞系の生成の相対頻度のそれぞれの指標と関連付けられており、(A)選択されたT細胞ドナーが、第1の表示において生成の最高の頻度の指標と関連付けられている、ヒト患者の疾患細胞と共通の第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せを有し;(B)選択されたT細胞ドナーの第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せが、抗原の認識に基づいた、それぞれのHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞の活性に関して、疾患細胞によって発現されるHLA対立遺伝子およびHLA対立遺伝子の組合せのうちのサブドミナントHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せである、方法である。

具体的な実施形態では、第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せは、第2の表示に従って、疾患細胞の第2のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せに関連付けられている相対活性よりも低い相対活性の指標に関連付けられていることに基づいて、サブドミナントHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せとして分類され、この第2の表示が(I)第2の複数のHLA対立遺伝子および必要に応じてHLA対立遺伝子の組合せを同定し、(II)各々が抗原の少なくとも1つのエピトープを認識し、第2の複数におけるHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せのうちの複数の異なるものによって拘束されるT細胞系の相対活性の指標を開示し、第2の表示において、各々の同定されたHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せは、HLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系の相対活性のそれぞれの指標に関連付けられており、相対活性は、抗原の認識に基づくT細胞系の既知の活性の相対量である。

具体的な実施形態では、T細胞ドナーは、ヒト患者に対して同種異系である。具体的な実施形態では、ヒト患者は移植ドナーからの移植のレシピエントとなっており、T細胞ドナーは移植ドナーとは異なる第三者ドナーである。

別の態様では、本明細書に提供されるのは、病原体またはがんを有するか、もしくは有すると疑われるヒト患者への、阻害性免疫チェックポイント阻害剤または刺激性免疫チェックポイント活性化剤の投与と組み合わせた治療的投与のためのT細胞系を取得する方法であって、方法が、(a)本明細書に記載されるT細胞ドナーを選択する方法に従ってT細胞ドナーを選択することと、(b)選択されたT細胞ドナーからT細胞系を生成することとを含み、T細胞系が、第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束され、抗原の少なくとも1つのエピトープを認識する、方法である。

本明細書に記載される、処置する方法およびT細胞系を選択する方法の具体的な実施形態では、T細胞系は、ヒト患者と同種異系のヒトドナーに由来する。本明細書に記載される、処置する方法およびT細胞系を選択する方法の具体的な実施形態では、ヒト患者は移植ドナーからの移植のレシピエントとなっており、ヒトドナーは移植ドナーとは異なる第三者ドナーである。

本明細書に記載される、処置する方法およびT細胞系を選択する方法の具体的な実施形態では、T細胞の活性は、抗原を発現する細胞に対するT細胞のin vitro細胞傷害活性である。本明細書に記載される、処置する方法およびT細胞系を選択する方法の具体的な実施形態では、T細胞の活性は、病原体またはがんを有するヒト患者の処置におけるT細胞のin vivo臨床的有効性である。

本明細書に記載される、処置する方法およびT細胞系を選択する方法の具体的な実施形態では、本明細書に記載される、処置する方法またはT細胞系を選択する方法は、第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系を生成するステップをさらに含む。具体的な実施形態では、第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系を生成するステップは、抗原に対するT細胞のex vivo感作を含む。

本明細書に記載される、処置する方法およびT細胞系を選択する方法の具体的な実施形態では、T細胞系は、病原体またはがんの抗原に由来する1つもしくは複数のペプチドまたはタンパク質を負荷されてもおらず、それらを発現するように遺伝子操作されてもいない抗原提示細胞に対するin vitroの実質的な細胞傷害性を欠いている。

本明細書に記載される、処置する方法、T細胞系を選択する方法、ドナーを選択する方法、およびT細胞系を取得する方法の具体的な実施形態では、方法は、ヒト患者の疾患細胞のHLA割り当て(HLA assignment)を確認するステップをさらに含む。具体的な実施形態では、確認するステップは、少なくとも4つのHLA遺伝子座をタイピングすることを含む。

本明細書に記載される、処置する方法、T細胞系を選択する方法、ドナーを選択する方法、およびT細胞系を取得する方法の具体的な実施形態では、抗原は病原体の抗原である。具体的な実施形態では、病原体はウイルス、細菌、真菌、蠕虫、または原生生物である。

具体的な実施形態では、病原体はウイルスである。特定の実施形態では、ウイルスはサイトメガロウイルス(CMV)である。別の特定の実施形態では、ウイルスはエプスタインバーウイルス(EBV)である。別の特定の実施形態では、ウイルスは、BKウイルス(BKV)、ジョン・カニンガムウイルス(JCV)、ヒトヘルペスウイルス、ヒトパピローマウイルス(HPV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、単純ヘルペスウイルス(HSV)、痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、メルケル細胞ポリオーマウイルス(MCV)、アデノウイルス(ADV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、インフルエンザウイルス、エボラウイルス、ポックスウイルス、ラブドウイルス、またはパラミクソウイルスである。

本明細書に記載される、処置する方法、T細胞系を選択する方法、ドナーを選択する方法、およびT細胞系を取得する方法の具体的な実施形態では、抗原はがんの抗原である。具体的な実施形態では、抗原はウィルムス腫瘍1(WT1)である。

別の態様では、本明細書で提供されるのは、(1)阻害性免疫チェックポイント阻害剤と;(2)病原体またはがんの抗原に特異的であり、第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系に由来する抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団とを含む医薬組成物であって、第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せが、抗原の認識に基づいた、それぞれのHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞の活性に関してサブドミナントHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せである、医薬組成物である。

具体的な実施形態では、阻害性免疫チェックポイント阻害剤は、プログラム細胞死1(PD1)、プログラム細胞死リガンド1(PD−L1)、プログラム細胞死リガンド1(PD−L2)、細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA4)、リンパ球活性化3(LAG3)、T細胞免疫グロブリンおよびムチンドメイン含有タンパク質3(TIM3)、T細胞活性化のVドメインIgサプレッサー(VISTA)、アデノシンA2a受容体(A2aR)、B7ホモログ3(B7−H3)、B7ホモログ4(B7−H4)、BおよびTリンパ球関連(BTLA)、インドールアミン2,3−ジオキシゲナーゼ(IDO)、トリプトファン2,3−ジオキシゲナーゼ(TDO)、またはキラー細胞免疫グロブリン様受容体(KIR)の阻害剤である。

別の態様では、本明細書で提供されるのは、(1)刺激性免疫チェックポイント活性化剤と;(2)病原体またはがんの抗原に特異的であり、第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系に由来する抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団とを含む医薬組成物であって、第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せが、抗原の認識に基づいた、それぞれのHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞の活性に関してサブドミナントHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せである、医薬組成物である。

具体的な実施形態では、刺激性免疫チェックポイント活性化剤は、CD27、CD28、CD40、CD122、CD137、OX40、グルココルチコイド誘導TNFR関連タンパク質リガンド(GITR)、または誘導性T細胞共刺激因子(ICOS)の活性化剤である。

本明細書に記載される医薬組成物の具体的な実施形態では、第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せは、表示に従って、第2のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せに関連付けられている相対活性よりも低い、抗原の認識に基づくより低い活性の指標に関連付けられていることに基づいて、サブドミナントHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せとして分類され、この表示が(i)複数のHLA対立遺伝子および必要に応じてHLA対立遺伝子の組合せを同定し、(ii)各々が抗原の少なくとも1つのエピトープを認識し、上記複数におけるHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せのうちの複数の異なるものによって拘束されるT細胞系の相対活性の指標を開示し、表示において、各々の同定されたHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せは、HLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系の相対活性のそれぞれの指標に関連付けられており、相対活性は、抗原の認識に基づくT細胞系の既知の活性の相対量である。

本明細書に記載される医薬組成物の具体的な実施形態では、抗原は病原体の抗原である。具体的な実施形態では、病原体はウイルス、細菌、真菌、蠕虫、または原生生物である。

本明細書に記載される医薬組成物の具体的な実施形態では、病原体はウイルスである。特定の実施形態では、ウイルスはサイトメガロウイルス(CMV)である。別の特定の実施形態では、ウイルスはエプスタインバーウイルス(EBV)である。別の特定の実施形態では、ウイルスは、BKウイルス(BKV)、ジョン・カニンガムウイルス(JCV)、ヒトヘルペスウイルス、ヒトパピローマウイルス(HPV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、単純ヘルペスウイルス(HSV)、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、メルケル細胞ポリオーマウイルス(MCV)、アデノウイルス(ADV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、インフルエンザウイルス、エボラウイルス、ポックスウイルス、ラブドウイルス、またはパラミクソウイルスである。

本明細書に記載される医薬組成物の具体的な実施形態では、抗原はがんの抗原である。具体的な実施形態では、抗原はウィルムス腫瘍1(WT1)である。

本明細書に記載される医薬組成物の具体的な実施形態では、T細胞系は、病原体またはがんの抗原に由来する1つもしくは複数のペプチドまたはタンパク質を負荷されてもおらず、それらを発現するように遺伝子操作されてもいない抗原提示細胞に対するin vitroの実質的な細胞傷害性を欠いている。 4. 図面の簡単な説明

図1は、異なる処置条件下での腫瘍重量を示す。

図2は、実施例セクション6.2.2.3に記載されているとおり、それらのそれぞれのHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによってクラスター化された、HLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束される、免疫優性エピトープを提示する119のCMV特異的CTL系のバンク内の各T細胞系に対するインターフェロン−γ分泌CD3+細胞のパーセンテージを示す表示である。

5. 詳細な説明 本発明は、サブドミナントHLA対立遺伝子(またはHLA対立遺伝子の組合せ)によって拘束されるT細胞系に由来する抗原特異的T細胞を投与することと、免疫チェックポイント調節剤(すなわち、阻害性免疫チェックポイント阻害剤または刺激性免疫チェックポイント活性化剤)を投与することとを含む組合せ療法を使用するヒト患者を処置する方法に関する。本発明はさらに、そのようなT細胞系を選択する方法、そのようなT細胞系が由来するT細胞ドナーを選択する方法、およびそのような抗原特異的T細胞および免疫チェックポイント調節剤を含む医薬組成物に関する。本発明によれば、免疫チェックポイント調節剤は、サブドミナントHLA対立遺伝子(またはサブドミナントHLA対立遺伝子の組合せ)によって拘束される抗原特異的T細胞の効力を増強する。

HLA対立遺伝子(またはHLA対立遺伝子の組合せ)は、特定の抗原(目的の抗原)を発現する病原体もしくはがんを有する特定のヒト患者またはヒト患者集団に関して、HLA対立遺伝子(またはHLA対立遺伝子の組合せ)によって拘束されるT細胞が、ヒト患者またはヒト患者集団の疾患細胞によって発現されるすべてのHLA対立遺伝子(またはHLA対立遺伝子の組合せ)の中で、抗原の認識に基づいて最大のT細胞活性を有さないとき、「サブドミナント」と呼ばれる。T細胞活性は、好ましくは、特定のHLA対立遺伝子(またはHLA対立遺伝子の組合せ)により拘束されるT細胞の投与により得られるin vivo臨床的有効性であり、他の実施形態では、T細胞活性は、特定のHLA対立遺伝子(またはHLA対立遺伝子の組合せ)により拘束されるT細胞のin vitro活性(例えば、細胞傷害活性またはIFN−γ産生活性)であり得る。

5.1.処置する方法 一態様では、本明細書で提供されるのは、病原体またはがんを有するか、もしくは有する疑いのあるヒト患者を処置する方法であって、方法が、(1)阻害性免疫チェックポイント阻害剤をヒト患者に投与することと;(2)病原体またはがんの抗原に特異的であり、ヒト患者の疾患細胞によって発現される第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系に由来する抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団をヒト患者に投与することとを含み;第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せが、抗原の認識に基づいた、それぞれのHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞の活性に関して、疾患細胞によって発現されるHLA対立遺伝子およびHLA対立遺伝子の組合せのうちのサブドミナントHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せである、方法である。様々な実施形態では、ヒト患者は処置を必要とする。ある特定の実施形態では、第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せは、ヒト患者への治療的投与に適しており、かつ、抗原の認識に基づいた、それぞれのHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞の活性に関して、疾患細胞によって発現されるHLA対立遺伝子およびHLA対立遺伝子の組合せのうちのサブドミナントHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せである。

別の態様では、本明細書で提供されるのは、病原体またはがんを有するか、もしくは有する疑いのあるヒト患者を処置する方法であって、方法が、(1)刺激性免疫チェックポイント活性化剤をヒト患者に投与することと;(2)病原体またはがんの抗原に特異的であり、ヒト患者の疾患細胞によって発現される第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系に由来する抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団をヒト患者に投与することとを含み;第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せが、抗原の認識に基づいた、それぞれのHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞の活性に関して、疾患細胞によって発現されるHLA対立遺伝子およびHLA対立遺伝子の組合せのうちのサブドミナントHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せである、方法である。様々な実施形態では、ヒト患者は処置を必要とする。ある特定の実施形態では、第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せは、ヒト患者への治療的投与に適しており、かつ、抗原の認識に基づいた、それぞれのHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞の活性に関して、疾患細胞によって発現されるHLA対立遺伝子およびHLA対立遺伝子の組合せのうちのサブドミナントHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せである。

ヒト患者ががんを有するとき、疾患細胞はがん細胞である。ヒト患者が病原体を有するとき、疾患細胞は病原体に感染した細胞である。

抗原の認識に基づいた、それぞれのHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せにより拘束されるT細胞の活性は、同一の方法で生成されたT細胞系、例えばセクション5.4に記載される方法で生成されたT細胞系を使用して測定できる。

T細胞系には、T細胞以外の細胞が含まれていてもよい。しかしながら、好ましくは、T細胞系はT細胞が富化されている(例えば、70%を超える、75%を超える、80%を超える、85%を超える、90%を超える、95%を超える、または99%を超えるT細胞を含む)。T細胞系は、初代細胞の集合体(collection)または培養細胞の集合体であり得る。T細胞系の細胞は、単一の細胞または複数の細胞から発生させることができる。様々な実施形態では、T細胞系は単一のヒトドナーに由来する。

具体的な実施形態では、第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せは、表示(以下「活性の表示」)に従って疾患細胞によって発現される第2のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せに関連付けられている相対活性よりも低い、抗原の認識に基づく相対活性の指標に関連付けられていることに基づいて、サブドミナントHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せとして分類され、この表示が(i)複数のHLA対立遺伝子および必要に応じてHLA対立遺伝子の組合せを同定し、(ii)各々が抗原の少なくとも1つのエピトープを認識し、上記複数におけるHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せのうちの複数の異なるものによって拘束されるT細胞系の相対活性の指標を開示し、表示において、各々の同定されたHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せは、HLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系の相対活性のそれぞれの指標に関連付けられており、相対活性は、抗原の認識に基づくT細胞系の既知の活性の相対量である。具体的な実施形態では、第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せは、活性の表示に従って、抗原の認識に基づく、活性がないことの指標(indication)と関連付けられている。抗原の認識に基づく、活性がないことの指標は、活性の表示の生成において測定されるような検出可能な活性がないことであり得、または検出可能ではあるが当業者によって臨床的有効性がないことを示すとみなされる活性の指標であり得る。ある特定の実施形態では、第2のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系が利用可能であり、ヒト患者への治療的投与に適している。

具体的な実施形態では、第1のHLA対立遺伝子によってコードされるHLAタンパク質に結合する抗原のエピトープは、抗原のすべてのエピトープの中で第1のHLA対立遺伝子に対して最高の結合親和性を有する。具体的な実施形態では、エピトープは、第1のHLA対立遺伝子によって提示できるすべての抗原のすべてのエピトープの中で、第1のHLA対立遺伝子に対して最高の結合親和性を有する。

上述のように、一実施形態では、HLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せは、ヒト患者への治療的投与に適したHLA対立遺伝子およびHLA対立遺伝子の組合せの中での比較に基づいてサブドミナントであると決定される。T細胞は、それぞれのHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系が利用可能であり、治療的投与に適しているとき、ヒト患者への治療的投与に適している。例えば、細胞系試料に(または凍結後に細胞系試料を解凍した後に)、生細胞が含まれていないか、または少なすぎることが観察される場合、T細胞系は治療用投与に適していない。しかし、別の例として、活性の表示における相対活性が活性のin vitroまたはex vivoアッセイに基づいており、特定のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系のin vivo相対活性が活性の表示を生成するのに使用されたin vitroまたはex vivo相対アッセイと相関しないために、活性の表示における最高の相対活性が最高のin vivo相対活性ではないことが既知の場合、特定のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せ(これによりかかるT細胞系は拘束されている)は、治療的投与に適さないとみなされ得る。例えば、HLA−B35によって拘束されるT細胞系に由来するインターフェロン−γ分泌CD3+T細胞のパーセンテージは、はるかに高い相対活性を示すが、HLA−B35によって拘束されるT細胞系に関するヒト患者のCMV感染に対するin vivo活性は臨床効果がない(したがって、in vivo相対活性は無視できる)ことが観察されており、したがって、具体的な実施形態では、CMV感染症の処置の文脈において、HLA−B35によって拘束されるT細胞系は、治療的投与に適さないとみなされる。関連する具体的な実施形態では、特定のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系(複数可)が、病原体またはがんを有するヒト患者の処置において臨床効果がないことが既知の場合、その特定のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系は、治療的投与に適さないとみなされる。しかしながら、代替の具体的な実施形態では、本発明の組合せ療法がこのようなT細胞系の有効性を増強する可能性があるため、特定のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系(複数可)が、病原体またはがんを有するヒト患者の処置において臨床効果がないことが既知の場合でも、その特定のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系は、不適切とはみなされない(したがって、CMV感染症の処置の文脈で、HLA−B35によって拘束されるT細胞系は、これらの他の具体的な実施形態における治療的投与に不適切とはみなされない)。

別の態様では、本明細書で提供されるのは、病原体またはがんを有するか、もしくは有する疑いのあるヒト患者を処置する方法であって、(a)セクション5.2に記載される方法に従ってヒト患者への治療的投与のためのT細胞系を選択することと;(b)抗原に特異的であり、選択されたT細胞系に由来する抗原特異的T細胞を含む、ヒト細胞の集団をヒト患者に投与することと;(c)阻害性免疫チェックポイント阻害剤をヒト患者に投与することとを含む、方法である。

別の態様では、本明細書で提供されるのは、病原体またはがんを有するか、もしくは有する疑いのあるヒト患者を処置する方法であって、(a)セクション5.2に記載される方法に従ってヒト患者への治療的投与のためのT細胞系を選択することと;(b)抗原に特異的であり、選択されたT細胞系に由来する抗原特異的T細胞を含む、ヒト細胞の集団をヒト患者に投与することと;(c)刺激性免疫チェックポイント活性化剤をヒト患者に投与することとを含む、方法である。

本明細書に記載される態様および実施形態のいくつかの実施形態では、T細胞の活性(および活性の代表(a Representative of Activity)が使用される場合のT細胞系の相対活性)は、抗原に対する(例えば、抗原を発現する細胞に対する)、T細胞(または、場合によってはT細胞系)のin vitro抗原反応性(例えば、細胞傷害活性)である。T細胞(または場合によってはT細胞系)のin vitro抗原反応性(例えば、細胞傷害活性)は、セクション5.4.1に記載されるとおりに測定できる。本明細書に記載される態様および実施形態の他の実施形態では、T細胞の活性(および活性の代表が使用される場合のT細胞系の相対活性)は、病原体またはがんを有するヒト患者の処置におけるT細胞(または、場合によってはT細胞系)のin vivo臨床的有効性である。

活性の表示が使用される場合の具体的な実施形態では、処置する方法は、投与するステップの前に、セクション5.7に記載される方法を使用して活性の表示を生成するステップをさらに含む。

5.1.1. 投与および投与量 抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団の投与経路、阻害性免疫チェックポイント阻害剤または刺激性免疫チェックポイント活性化剤の投与経路、およびヒト患者に投与されるそれらのそれぞれの量は、病気の性質、ヒト患者の状態、および医師の知識に基づいて決定できる。一般的に、ヒト細胞の集団の投与は静脈内である。ある特定の実施形態では、処置する方法は、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団をヒト患者に注入することを含む。具体的な実施形態では、注入は、ボーラス静脈内注入によるものである。阻害性免疫チェックポイント阻害剤または刺激性免疫チェックポイント活性化剤は、これらに限定されないが、非経口、鼻腔内、気管内、経口、皮内、局所、筋肉内、腹腔内、経皮、静脈内、腫瘍内、結膜、皮下、およびの経路を含む様々な経路でヒト患者に投与され得る。具体的な実施形態では、阻害性免疫チェックポイント阻害剤または刺激性免疫チェックポイント活性化剤の投与は静脈内である。

具体的な実施形態では、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団は、単独で投与される場合、ヒト患者の処置に有効な用量(例えば、標準治療で使用される用量)よりも低い用量で投与される。具体的な実施形態では、阻害性免疫チェックポイント阻害剤または刺激性免疫チェックポイント活性化剤は、単独で投与される場合、ヒト患者の処置に有効な用量(例えば、標準治療で使用される用量)よりも低い用量で投与される。

いくつかの実施形態では、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団と阻害性免疫チェックポイント阻害剤または刺激性免疫チェックポイント活性化剤とは、ヒト患者が、2つの治療法の一方を、いまだ他方の療法の影響を受けているときに投与される場合、併せて(concurrently)、例えば、ほぼ同じ時、同じ日、同じ週、もしくは同じ処置サイクルで、または同様の投与スケジュール、または異なるが重複する投与スケジュールで投与される。具体的な実施形態では、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団と阻害性免疫チェックポイント阻害剤または刺激性免疫チェックポイント活性化剤とは、同時に投与される。他の実施形態では、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団と阻害性免疫チェックポイント阻害剤または刺激性免疫チェックポイント活性化剤とは、ヒト患者が、2つの治療法の一方を、他方の療法の影響をもはや受けていないときに投与される場合、別個に投与される。ある特定の実施形態では、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団と阻害性免疫チェックポイント阻害剤または刺激性免疫チェックポイント活性化剤とは、逐次的に投与される。

いくつかの実施形態では、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団と阻害性免疫チェックポイント阻害剤または刺激性免疫チェックポイント活性化剤とは、単一の組成物で投与される。他の実施形態では、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団と阻害性免疫チェックポイント阻害剤または刺激性免疫チェックポイント活性化剤とは、別々の組成物で投与される。

いくつかの実施形態では、処置する方法は、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団を、ヒト患者のkgあたり約1×105細胞よりも少ないまたはそれに等しい抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団の用量で、ヒト患者に投与することを含む。具体的な実施形態では、処置する方法は、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団を、ヒト患者のkgあたり約5×104細胞よりも少ないまたはそれに等しい抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団の用量で、ヒト患者に投与することを含む。別の具体的な実施形態では、処置する方法は、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団を、ヒト患者のkgあたり約1×104細胞よりも少ないまたはそれに等しい抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団の用量で、ヒト患者に投与することを含む。別の具体的な実施形態では、処置する方法は、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団を、ヒト患者のkgあたり約5×103細胞よりも少ないまたはそれに等しい抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団の用量で、ヒト患者に投与することを含む。別の具体的な実施形態では、処置する方法は、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団を、ヒト患者のkgあたり約1×103細胞よりも少ないまたはそれに等しい抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団の用量で、ヒト患者に投与することを含む。別の具体的な実施形態では、処置する方法は、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団を、ヒト患者のkgあたり約1×103〜5×103細胞の抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団の用量で、ヒト患者に投与することを含む。別の具体的な実施形態では、処置する方法は、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団を、ヒト患者のkgあたり約5×103〜1×104細胞の抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団の用量で、ヒト患者に投与することを含む。別の具体的な実施形態では、処置する方法は、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団を、ヒト患者のkgあたり約1×104〜5×104細胞の抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団の用量で、ヒト患者に投与することを含む。別の具体的な実施形態では、処置する方法は、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団を、ヒト患者のkgあたり約5×104〜1×105細胞の抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団の用量で、ヒト患者に投与することを含む。

他の実施形態では、処置する方法は、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団を、ヒト患者のkgあたり少なくとも1×105細胞の抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団の用量で、ヒト患者に投与することを含む。具体的な実施形態では、処置する方法は、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団を、ヒト患者のkgあたり約5×105細胞の抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団の用量で、ヒト患者に投与することを含む。別の具体的な実施形態では、処置する方法は、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団を、ヒト患者のkgあたり約1×106細胞の抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団の用量で、ヒト患者に投与することを含む。別の具体的な実施形態では、処置する方法は、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団を、ヒト患者のkgあたり約2×106細胞の抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団の用量で、ヒト患者に投与することを含む。別の具体的な実施形態では、処置する方法は、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団を、ヒト患者のkgあたり約3×106細胞の抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団の用量で、ヒト患者に投与することを含む。別の具体的な実施形態では、処置する方法は、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団を、ヒト患者のkgあたり約4×106細胞の抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団の用量で、ヒト患者に投与することを含む。別の具体的な実施形態では、処置する方法は、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団を、ヒト患者のkgあたり約5×106細胞の抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団の用量で、ヒト患者に投与することを含む。別の具体的な実施形態では、処置する方法は、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団を、ヒト患者のkgあたり約6×106細胞の抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団の用量で、ヒト患者に投与することを含む。別の具体的な実施形態では、処置する方法は、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団を、ヒト患者のkgあたり約1×107細胞の抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団の用量で、ヒト患者に投与することを含む。別の具体的な実施形態では、処置する方法は、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団を、ヒト患者のkgあたり約1×105〜5×105細胞の抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団の用量で、ヒト患者に投与することを含む。別の具体的な実施形態では、処置する方法は、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団を、ヒト患者のkgあたり約5×105〜1×106細胞の抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団の用量で、ヒト患者に投与することを含む。別の具体的な実施形態では、処置する方法は、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団を、ヒト患者のkgあたり約1×106〜2×106細胞の抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団の用量で、ヒト患者に投与することを含む。別の具体的な実施形態では、処置する方法は、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団を、ヒト患者のkgあたり約2×106〜5×106細胞の抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団の用量で、ヒト患者に投与することを含む。別の具体的な実施形態では、処置する方法は、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団を、ヒト患者のkgあたり約5×106〜1×107細胞の抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団の用量で、ヒト患者に投与することを含む。

ある特定の実施形態では、処置する方法は、毎週、上記の用量で、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団をヒト患者に投与することを含む。ある特定の実施形態では、処置する方法は、週に2回、上記の用量で、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団をヒト患者に投与することを含む。ある特定の実施形態では、処置する方法は、隔週、上記の用量で、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団をヒト患者に投与することを含む。ある特定の実施形態では、処置する方法は、3週ごとに、上記の用量で、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団をヒト患者に投与することを含む。

ある特定の実施形態では、処置する方法は、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団の少なくとも2用量をヒト患者に投与することを含む。具体的な実施形態では、処置する方法は、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団の2、3、4、5、または6用量をヒト患者に投与することを含む。具体的な実施形態では、処置する方法は、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団の2用量をヒト患者に投与することを含む。別の具体的な実施形態では、処置する方法は、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団の3用量をヒト患者に投与することを含む。別の具体的な実施形態では、処置する方法は、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団の4用量をヒト患者に投与することを含む。

具体的な実施形態では、処置する方法は、少なくとも連続2週間(例えば、連続2、3、4、5、または6週間)にわたって、1週間につき1用量の抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団の少なくとも2サイクル(例えば、2、3、4、5、または6サイクル)を、ヒト患者に投与することを含み、各サイクルは、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団が投与されないウォッシュアウト期間で分けられる。具体的な実施形態では、少なくとも連続2週間は連続2週間である。好ましい実施形態では、少なくとも連続2週間は連続3週間である。別の具体的な実施形態では、少なくとも連続2週間は連続4週間である。別の具体的な実施形態では、処置する方法は、連続3週間にわたって、1週間につき1用量の抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団の2、3、4、5、または6サイクルを、ヒト患者に投与することを含み、各サイクルは、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団が投与されないウォッシュアウト期間で分けられる。別の具体的な実施形態では、処置する方法は、連続3週間にわたって、1週間につき1用量の抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団の第1のサイクルを、ヒト患者に投与することを含み、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団が投与されないウォッシュアウト期間が後に続き、連続3週間にわたって、前記1週間につき1用量の抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団の第2のサイクルが後に続く。具体的な実施形態では、ウォッシュアウト期間は、少なくとも約1週間(例えば、約1〜6週間)である。具体的な実施形態では、ウォッシュアウト期間は、約1、2、3、または4週間である。具体的な実施形態では、ウォッシュアウト期間は、約2週間である。好ましい実施形態では、ウォッシュアウト期間は、約3週間である。別の具体的な実施形態では、ウォッシュアウト期間は、約4週間である。好ましくは、追加のサイクルは、前のサイクルが毒性を示していない(例えば、NCI CTCAE 4.0に従って等級付けされたグレード3〜5の重篤な有害事象がない)ときにのみ投与される。

具体的な実施形態では、処置する方法は、毎週、本明細書に記載される用量で抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団をヒト患者に継続的に投与することを含む(すなわち、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団が投与されない週がなく、したがって、ウォッシュアウト期間がない)。

ある特定の実施形態では、本明細書に記載される第1の投与レジメンが第1の期間にわたって実施され、その後、第2の期間に対して実施される本明細書に記載される第2の異なる投与レジメンが実施され、第1の期間と第2の期間は、必要に応じてウォッシュアウト期間で分けられる。具体的な実施形態では、ウォッシュアウト期間は、少なくとも約1週間(例えば、約1〜6週間)である。具体的な実施形態では、ウォッシュアウト期間は、約1、2、3、または4週間である。具体的な実施形態では、ウォッシュアウト期間は、約2週間である。好ましい実施形態では、ウォッシュアウト期間は、約3週間である。別の具体的な実施形態では、ウォッシュアウト期間は、約4週間である。好ましくは、第2の投与レジメンは、第1の投与レジメンが毒性を示していない(例えば、NCI CTCAE 4.0に従って等級付けされたグレード3〜5の重篤な有害事象がない)ときにのみ実施される。

「約」という用語は、通常の変動を許容するように解釈されるべきである。

5.1.2. 異なる細胞集団による連続処置 ある特定の実施形態では、上記の病原体またはがんを有するヒト患者を処置する方法は、セクション5.1.1に記載されるとおり抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の第1の集団をヒト患者に投与した後、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の第2の集団をヒト患者に投与することを含み、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の第2の集団における抗原特異的T細胞は、ヒト患者の疾患細胞と共有される、異なるHLA対立遺伝子(抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の第1の集団に含有される抗原特異的細胞を拘束しているHLA対立遺伝子とは異なる)により拘束される。具体的な実施形態では、病原体またはがんを有するヒト患者を処置する方法は、少なくとも連続2週間(例えば、連続2、3、4、5、または6週間)にわたって、1週間につき1用量の抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の第1の集団の第1のサイクルを投与することを含み、必要に応じて抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団がいずれも投与されないウォッシュアウト期間が後に続き、少なくとも連続2週間(例えば、連続2、3、4、5、または6週間)にわたって、1週間につき1用量の抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の第2の集団の第2のサイクルを投与することが後に続く。具体的な実施形態では、ウォッシュアウト期間は、少なくとも約1週間(例えば、約1〜6週間)である。具体的な施形態では、ウォッシュアウト期間は、約1、2、3、または4週間である。具体的な実施形態では、ウォッシュアウト期間は、約2週間である。好ましい実施形態では、ウォッシュアウト期間は、約3週間である。ある特定の実施形態では、ヒト患者は、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の第1の集団の投与後、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の第2の集団の投与前に、応答なし、不完全な応答、または最適以下の応答を有する(すなわち、ヒト患者は、処置を継続することにより依然として実質的な利益を有するが、最適な長期転帰の可能性は減少する)。

抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の第1および第2の集団はそれぞれ、前出のセクション5.1.1に記載されるとおり任意の経路および任意の投与レジメンによって投与することができる。

具体的な実施形態では、ヒト患者の疾患細胞と共有される異なるHLA対立遺伝子によってそれぞれ拘束される抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の2つの集団(すなわち、ヒト細胞の2つの集団における抗原特異的T細胞がそれぞれ拘束される)が連続して投与される。具体的な実施形態では、ヒト患者の疾患細胞と共有される異なるHLA対立遺伝子によってそれぞれ拘束される抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の3つの集団(すなわち、ヒト細胞の3つの集団における抗原特異的T細胞がそれぞれ拘束される)が連続して投与される。具体的な実施形態では、ヒト患者の疾患細胞と共有される異なるHLA対立遺伝子によってそれぞれ拘束される抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の4つの集団(すなわち、ヒト細胞の4つの集団における抗原特異的T細胞がそれぞれ拘束される)が連続して投与される。具体的な実施形態では、ヒト患者の疾患細胞と共有される異なるHLA対立遺伝子によってそれぞれ拘束される抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の4つより多い集団(すなわち、ヒト細胞の4つより多い集団における抗原特異的T細胞がそれぞれ拘束される)が連続して投与される。

5.2. T細胞系の選択 別の具体的な態様では、本明細書に提供されるのは、病原体またはがんを有するか、もしくは有すると疑われるヒト患者への、阻害性免疫チェックポイント阻害剤または刺激性免疫チェックポイント活性化剤の投与と組み合わせた治療的投与のためのT細胞系を選択する方法であって、方法が、病原体またはがんの抗原の少なくとも1つのエピトープを認識し、ヒト患者の疾患細胞によって発現される第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系を選択することを含み、第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せが、抗原の認識に基づいた、それぞれのHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞の活性に関して、疾患細胞によって発現されるHLA対立遺伝子およびHLA対立遺伝子の組合せのうちのサブドミナントHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せである、方法である。様々な実施形態では、ヒト患者は治療的投与を必要とする。ある特定の実施形態では、第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せは、ヒト患者への治療的投与に適しており、かつ、それぞれのHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞の活性に関して、疾患細胞によって発現されるHLA対立遺伝子およびHLA対立遺伝子の組合せのうちのサブドミナントHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せである。

ヒト患者ががんを有するとき、疾患細胞はがん細胞である。ヒト患者が病原体を有するとき、疾患細胞は病原体に感染した細胞である。

抗原の認識に基づいた、それぞれのHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せにより拘束されるT細胞の活性は、同一の方法で生成されたT細胞系、例えばセクション5.4に記載される方法で生成されたT細胞系を使用して測定できる。

T細胞系には、T細胞以外の細胞が含まれていてもよい。しかしながら、好ましくは、T細胞系はT細胞が富化されている(例えば、70%を超える、75%を超える、80%を超える、85%を超える、90%を超える、95%を超える、または99%を超えるT細胞を含む)。T細胞系は、初代細胞の集合体または培養細胞の集合体であり得る。T細胞系の細胞は、単一の細胞または複数の細胞から発生させることができる。様々な実施形態では、T細胞系は単一のヒトドナーに由来する。

具体的な実施形態では、第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せは、活性の表示に従って、疾患細胞によって発現される第2のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せに関連付けられている相対活性よりも低い、抗原の認識に基づく相対活性の指標に関連付けられていることに基づいて、サブドミナントHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せとして分類され、この活性の表示が(i)複数のHLA対立遺伝子および必要に応じてHLA対立遺伝子の組合せを同定し、(ii)各々が抗原の少なくとも1つのエピトープを認識し、上記複数におけるHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せのうちの複数の異なるものによって拘束されるT細胞系の相対活性の指標を開示し、活性の表示において、各々の同定されたHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せは、HLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系の相対活性のそれぞれの指標に関連付けられており、相対活性は、抗原の認識に基づくT細胞系の既知の活性の相対量である。具体的な実施形態では、第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せは、活性の表示に従って、抗原の認識に基づく、活性がないことの指標と関連付けられている。抗原の認識に基づく、活性がないことの指標は、活性の表示の生成において測定されるような検出可能な活性がないことであり得、または検出可能ではあるが当業者によって臨床的有効性がないことを示すと見なされる活性の指標であり得る。ある特定の実施形態では、第2のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系が利用可能であり、ヒト患者への治療的投与に適している。

具体的な実施形態では、第1のHLA対立遺伝子によってコードされるHLAタンパク質に結合する抗原のエピトープは、抗原のすべてのエピトープの中で第1のHLA対立遺伝子に対して最高の結合親和性を有する。具体的な実施形態では、エピトープは、第1のHLA対立遺伝子によって提示できるすべての抗原のすべてのエピトープの中で、第1のHLA対立遺伝子に対して最高の結合親和性を有する。

上述のように、一実施形態では、HLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せは、ヒト患者への治療的投与に適したHLA対立遺伝子およびHLA対立遺伝子の組合せの中での比較に基づいてサブドミナントであると決定される。T細胞は、それぞれのHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系が利用可能であり、治療的投与に適しているとき、ヒト患者への治療的投与に適している。例えば、細胞系試料に(または凍結後に細胞系試料を解凍した後に)、生細胞が含まれていないか、または少なすぎることが観察される場合、T細胞系は治療用投与に適していない。しかし、別の例として、活性の表示における相対活性が活性のin vitroまたはex vivoアッセイに基づいており、特定のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系のin vivo相対活性が活性の表示を生成するのに使用されたin vitroまたはex vivo相対アッセイと相関しないために、活性の表示における最高の相対活性が最高のin vivo相対活性ではないことが既知の場合、特定のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せ(これによりかかるT細胞系は拘束されている)は、治療的投与に適さないとみなされ得る。例えば、HLA−B35によって拘束されるT細胞系に由来するインターフェロン−γ分泌CD3+T細胞のパーセンテージは、はるかに高い相対活性を示すが、HLA−B35によって拘束されるT細胞系に関するヒト患者のCMV感染に対するin vivo活性は臨床効果がない(したがって、in vivo相対活性は無視できる)ことが観察されており、したがって、具体的な実施形態では、CMV感染症の処置の文脈において、HLA−B35によって拘束されるT細胞系は、治療的投与に適さないとみなされる。関連する具体的な実施形態では、特定のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系(複数可)が、病原体またはがんを有するヒト患者の処置において臨床効果がないことが既知の場合、その特定のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系は、治療的投与に適さないとみなされる。しかしながら、代替の具体的な実施形態では、本発明の組合せ療法がこのようなT細胞系の有効性を増強する可能性があるため、特定のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系(複数可)が、病原体またはがんを有するヒト患者の処置において臨床効果がないことが既知の場合でも、その特定のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系は、不適切とはみなされない(したがって、CMV感染症の処置の文脈で、HLA−B35によって拘束されるT細胞系は、これらの他の具体的な実施形態における治療的投与に不適切とはみなされない)。

本明細書に記載される態様および実施形態のいくつかの実施形態では、T細胞の活性(および活性の代表が使用される場合のT細胞系の相対活性)は、抗原に対する(例えば、抗原を発現する細胞に対する)、T細胞(または、場合によってはT細胞系)のin vitro抗原反応性(例えば、細胞傷害活性)である。T細胞(または場合によってはT細胞系)のin vitro抗原反応性(例えば、細胞傷害活性)は、セクション5.4.1に記載されるとおりに測定できる。本明細書に記載される態様および実施形態の他の実施形態では、T細胞の活性(および活性の代表が使用される場合のT細胞系の相対活性)は、病原体またはがんを有するヒト患者の処置におけるT細胞(または、場合によってはT細胞系)のin vivo臨床的有効性である。

活性の表示が使用される場合の具体的な実施形態では、T細胞系を選択する方法は、選択するステップの前に、セクション5.7に記載される方法を使用して活性の表示を生成するステップをさらに含む。

5.3. T細胞ドナーの選択 別の態様では、本明細書に提供されるのは、病原体またはがんを有するか、もしくは有すると疑われるヒト患者への、阻害性免疫チェックポイント阻害剤または刺激性免疫チェックポイント活性化剤の投与と組み合わせた治療的投与のためのT細胞系が由来するT細胞ドナーを選択する方法であって、方法が、(i)第1の複数のHLA対立遺伝子および必要に応じてHLA対立遺伝子の組合せを同定し、(ii)各々が病原体またはがんの抗原の少なくとも1つのエピトープを認識し、第1の複数における前記HLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せのうちの複数の異なるものによって拘束されるT細胞系の生成の相対頻度の指標を開示する第1の表示(以下、「頻度の表示」)を使用して、T細胞ドナーを選択することを含み、第1の表示において、各々の同定されたHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せがそれぞれのHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せにより拘束される前記T細胞系の生成の相対頻度のそれぞれの指標と関連付けられており、(A)選択されたT細胞ドナーが、第1の表示において生成の最高の頻度の指標と関連付けられている、ヒト患者の疾患細胞と共通の第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せを有し;(B)選択されたT細胞ドナーの第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せが、抗原の認識に基づいた、それぞれのHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞の活性に関して、疾患細胞によって発現されるHLA対立遺伝子およびHLA対立遺伝子の組合せのうちのサブドミナントHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せである、方法である。様々な実施形態では、ヒト患者は治療的投与を必要とする。

ヒト患者ががんを有するとき、疾患細胞はがん細胞である。ヒト患者が病原体を有するとき、疾患細胞は病原体に感染した細胞である。

抗原の認識に基づいた、それぞれのHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せにより拘束されるT細胞の活性は、同一の方法で生成されたT細胞系、例えばセクション5.4に記載される方法で生成されたT細胞系を使用して測定できる。

T細胞系には、T細胞以外の細胞が含まれていてもよい。しかしながら、好ましくは、T細胞系はT細胞が富化されている(例えば、70%を超える、75%を超える、80%を超える、85%を超える、90%を超える、95%を超える、または99%を超えるT細胞を含む)。T細胞系は、初代細胞の集合体または培養細胞の集合体であり得る。T細胞系の細胞は、単一の細胞または複数の細胞から発生させることができる。様々な実施形態では、T細胞系は単一のヒトドナーに由来する。

具体的な実施形態では、第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せは、活性の表示に従って、疾患細胞の第2のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せに関連付けられている相対活性よりも低い相対活性の指標に関連付けられていることに基づいて、サブドミナントHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せとして分類され、この活性の表示が(I)第2の複数のHLA対立遺伝子および必要に応じてHLA対立遺伝子の組合せを同定し、(II)各々が抗原の少なくとも1つのエピトープを認識し、第2の複数におけるHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せのうちの複数の異なるものによって拘束されるT細胞系の相対活性の指標を開示し、活性の表示において、各々の同定されたHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せは、HLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系の相対活性のそれぞれの指標に関連付けられており、相対活性は、抗原の認識に基づくT細胞系の既知の活性の相対量である。具体的な実施形態では、第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せは、活性の表示に従って、抗原の認識に基づく、活性がないことの指標と関連付けられている。抗原の認識に基づく、活性がないことの指標は、活性の表示の生成において測定されるような検出可能な活性がないことであり得、または検出可能ではあるが当業者によって臨床的有効性がないことを示すと見なされる活性の指標であり得る。

具体的な実施形態では、第1のHLA対立遺伝子によってコードされるHLAタンパク質に結合する抗原のエピトープは、抗原のすべてのエピトープの中で第1のHLA対立遺伝子に対して最高の結合親和性を有する。具体的な実施形態では、エピトープは、第1のHLA対立遺伝子によって提示できるすべての抗原のすべてのエピトープの中で、第1のHLA対立遺伝子に対して最高の結合親和性を有する。

具体的な実施形態では、T細胞ドナーは、ヒト患者に対して同種異系である。具体的な実施形態では、ヒト患者は移植ドナーからの移植のレシピエントとなっており、T細胞ドナーは移植ドナーとは異なる第三者ドナーである。別の具体的な実施形態では、ヒト患者は移植ドナーからの移植のレシピエントとなっており、T細胞ドナーは移植ドナーである。いくつかの実施形態では、移植は、末梢血幹細胞移植、骨髄移植、または臍帯血移植などの造血幹細胞移植(HSCT)である。他の実施形態では、移植は、腎臓移植、肝臓移植、心臓移植、腸移植、膵臓移植、肺移植、もしくは小腸移植、またはそれらの組合せ(例えば、心臓移植と肺移植の組合せ、または腎臓移植と膵臓移植の組合せ)などの実質臓器移植である。

活性の代表が使用される場合のいくつかの実施形態では、T細胞系の相対活性は、抗原の認識に基づいたT細胞系のin vitro抗原反応性(例えば、細胞傷害活性)である。T細胞系のin vitro抗原反応性(例えば、細胞傷害活性)は、セクション5.4.1に記載されるとおりに測定できる。活性の代表が使用される場合の他の実施形態では、T細胞系の相対活性は、病原体またはがんを有するヒト患者の処置におけるT細胞系のin vivo臨床的有効性である。

別の態様では、本明細書に提供されるのは、病原体またはがんを有するか、もしくは有すると疑われるヒト患者への、阻害性免疫チェックポイント阻害剤または刺激性免疫チェックポイント活性化剤の投与と組み合わせた治療的投与のためのT細胞系を取得する方法であって、方法が、(a)本明細書に記載されるT細胞ドナーを選択する方法に従ってT細胞ドナーを選択することと、(b)選択されたT細胞ドナーからT細胞系を生成することとを含み、T細胞系が、第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束され、抗原の少なくとも1つのエピトープを認識する、方法である。

具体的な実施形態では、T細胞ドナーを選択する方法は、選択するステップの前に、セクション5.8に記載される方法を使用して頻度の表示を生成するステップをさらに含む。

活性の表示が使用される場合の具体的な実施形態では、T細胞ドナーを選択する方法は、選択するステップの前に、セクション5.7に記載される方法を使用して活性の表示を生成するステップをさらに含む。

5.4. 抗原特異的T細胞の生成および特徴 治療的投与および/または活性の表示もしくは頻度の表示の生成に使用されるT細胞系は、本明細書に記載されるとおりに生成することができる。具体的な実施形態では、本明細書に記載される、処置する方法またはT細胞系を選択する方法は、第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系を生成するステップをさらに含む。

いくつかの実施形態では、第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系を生成するステップは、抗原に対するT細胞のex vivo感作を含む。以下に記載するex vivo感作ステップを実施する方法は、活性の表示または頻度の表示の生成に使用されるT細胞系を生成するためにも使用できることに留意されたい。

ex vivo感作ステップは、Koehneら、2000年、Blood 96巻:109〜117頁;Trivediら、2005年、Blood 105巻:2793〜2801頁;Haqueら、2007年、Blood 110巻:1123〜1131頁;Hasanら、2009年、J Immunol 183巻:2837〜2850頁;Feuchtingerら、2010年、Blood 116巻:4360〜4367頁;Doubrovinaら、2012年、Blood 120巻:1633〜1646頁;Doubrovinaら、2012年、Blood 119巻:2644〜2656頁;Leenら、2013年、Blood 121巻:5113〜5123頁;Papadopoulouら、2014年、Sci Transl Med 6巻:242ra83;Sukdolakら、2013年、Biol Blood Marrow Transplant 19巻:1480〜1492頁;Koehneら、2015年、Biol Blood Marrow Transplant 21巻:1663〜1678頁、または国際特許出願公開第WO2016/073550号に記載される方法などのex vivoでT細胞を刺激して抗原特異的にするための、当該技術分野で公知の任意の方法によって実施することができる。

具体的な実施形態では、ex vivo感作ステップは、T細胞を、抗原に由来する1つまたは複数の免疫原性ペプチドまたはタンパク質と(好ましくは、抗原提示細胞の存在下においても)共培養することを含む。具体的な実施形態では、ex vivo感作ステップは、T細胞を、抗原を提示する抗原提示細胞と共培養することを含む。

具体的な実施形態では、ex vivo感作ステップは、単離したPBMCを、抗原に由来する1つまたは複数の免疫原性ペプチドまたはタンパク質と、好ましくは抗原提示細胞の存在下においても、共培養することを含む。別の具体的な実施形態では、ex vivo感作ステップは、単離したPBMCを、抗原を提示する抗原提示細胞と共培養することを含む。PBMCは、Koehneら、2000年、Blood 96巻:109〜117頁;Trivediら、2005年、Blood 105巻:2793〜2801頁に記載されているようなFicoll−Hypaque遠心分離などによる、血液細胞からPBMCを単離するための当該技術分野で公知の任意の方法によって血液試料から単離できる。

具体的な実施形態では、ex vivo感作ステップは、T細胞が富化されている細胞集団を、抗原に由来する1つまたは複数の免疫原性ペプチドまたはタンパク質と、好ましくは抗原提示細胞の存在下においても、共培養することを含む。別の具体的な実施形態では、ex vivo感作ステップは、T細胞が富化されている細胞集団を、抗原を提示する抗原提示細胞と共培養することを含む。T細胞は、血液細胞から(例えば、PBMCから)T細胞を富化するための当該技術分野で公知の任意の方法によって富化できる。T細胞を富化するための非限定的な例示的な方法は、Koehneら、2000年、Blood 96巻:109〜117頁;Trivediら、2005年、Blood 105巻:2793〜2801頁;Hasanら、2009年、J Immunol 183巻:2837〜2850頁;およびKoehneら、2015年、Biol Blood Marrow Transplant 21巻:1663〜1678頁に見出すことができる。具体的な実施形態では、T細胞は、抗CD3抗体を使用して、PBMCを選別することによってPBMCから富化される。具体的な実施形態では、T細胞は、PBMCから接着単球およびナチュラルキラー細胞を枯渇させることによりPBMCから富化される。

ex vivo感作ステップで使用される抗原提示細胞は、樹状細胞、サイトカイン活性化単球、末梢血単核球(PBMC)、エプスタインバーウイルス形質転換Bリンパ芽球様細胞系細胞(EBV−BLCL細胞)、または人工抗原提示細胞(AAPC)などの抗原提示に適した任意の抗原提示細胞であり得る。具体的な実施形態では、抗原提示細胞は樹状細胞である。別の具体的な実施形態では、抗原提示細胞はPBMCである。別の具体的な実施形態では、抗原提示細胞はEBV−BLCL細胞である。別の具体的な実施形態では、抗原提示細胞はAAPCである。ある特定の実施形態では、抗原提示細胞は、T細胞系のドナーに由来する。抗原提示細胞は、Koehneら、2000年、Blood 96巻:109〜117頁;Koehneら、2002年、Blood 99巻:1730〜1740頁;Trivediら、2005年、Blood 105巻:2793〜2801頁;O'Reillyら、2007年、Immunol Res 38巻:237〜250頁;Hasanら、2009年、J Immunol 183巻:2837〜2850頁;Barkerら、2010年、Blood 116巻:5045〜5049頁;O'Reillyら、2011年、Best Practice & Research Clinical Haematology 24巻:381〜391頁;Doubrovinaら、2012年、Blood 120巻:1633〜1646頁;Doubrovinaら、2012年、Blood 119巻:2644〜2656頁;Koehneら、2015年、Biol Blood Marrow Transplant 21巻:1663〜1678頁、または国際特許出願公開第WO2016/073550号に記載される方法(複数可)などの、当該技術分野において公知の任意の方法によって取得できる。

具体的な実施形態では、抗原提示細胞は、抗原に由来する1つまたは複数の免疫原性ペプチドまたはタンパク質を負荷されている。抗原(複数可)に由来するペプチド(複数可)を抗原提示細胞に負荷する非限定的な例示的な方法は、Trivediら、2005年、Blood 105巻:2793〜2801頁;Hasanら、2009年、J Immunol 183巻:2837〜2850頁;および国際特許出願公開第WO2016/073550号に見出すことができる。具体的な実施形態では、抗原提示細胞は、抗原に由来する1つまたは複数の免疫原性ペプチドまたはタンパク質を組換え的に発現するように遺伝子操作されている。形質導入または形質転換など、タンパク質を発現させるために核酸ビヒクルを細胞に導入するための当該技術分野で公知の任意の適切な方法を使用して、抗原に由来する1つまたは複数の免疫原性ペプチドまたはタンパク質を組換え的に発現するための抗原提示細胞(antigen presenting call)を遺伝子操作することができる。

ある特定の実施形態では、1つまたは複数の免疫原性ペプチドまたはタンパク質は、抗原に由来する重複ペプチドのプールである。具体的な実施形態では、重複ペプチドのプールは、重複ペンタデカペプチドのプールである。ある特定の実施形態では、1つまたは複数の免疫原性ペプチドまたはタンパク質は、抗原に由来する1つまたは複数のタンパク質である。

具体的な実施形態では、T細胞系を生成するためにex vivo感作に使用されるT細胞は、T細胞系ドナー由来のCD34細胞集団に由来し、このCD34細胞集団は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2016年3月11日に出願された米国仮特許出願第62/307,240号に記載されている、G−CSF動員されたヒトドナー由来のT細胞を含むアフェレーシス集合体(例えば、白血球アフェレーシス集合体)においてCD34細胞からCD34+細胞を分離することを含む方法の生成物である。

具体的な実施形態では、T細胞系を生成するためにex vivo感作に使用されるT細胞は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2016年9月23日に出願された米国仮特許出願第62/399,311号に記載されているとおり、少なくとも50%の幹細胞様メモリT細胞(TSCM細胞)、少なくとも90%のTSCM細胞、少なくとも95%のTSCM細胞、少なくとも99%のTSCM細胞、または100%のTSCM細胞である。

他の実施形態では、第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系を生成するステップは、抗原に対して血清陽性のヒトドナー由来の血液細胞の集団からの、抗原に特異的である抗原特異的T細胞の蛍光標識細胞分取(FACS)を含む。具体的な実施形態では、血液細胞の集団は、ヒトドナーから取得された血液試料から単離された末梢血単核球(PBMC)である。蛍光標識細胞分取は、通常、選別ステップの前に抗原を認識する抗体で血液細胞の集団を染色することを含む、当該技術分野で公知の任意の方法によって実施することができる。

ある特定の実施形態では、T細胞系を生成するステップは、ex vivoで感作またはFACS選別されたT細胞を含む細胞集団を保存のために凍結保存することをさらに含む。

ある特定の実施形態では、本明細書に記載される、処置する方法は、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団をT細胞系から誘導することをさらに含む。具体的な実施形態では、抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団は、T細胞系の派(faction)である。別の具体的な実施形態では、T細胞系は凍結保存されており、誘導方法は、T細胞系またはその画分を解凍することと、必要に応じてT細胞系から解凍T細胞をin vitroで増やして治療的投与のためのヒト細胞の集団を生成することとを含む。別の具体的な実施形態では、T細胞系は凍結保存されておらず、誘導方法は、T細胞系からT細胞をin vitroで増やして治療的投与のためのヒト細胞の集団を生成することを含む。

本明細書に記載される方法の具体的な実施形態では、T細胞系は、ヒト患者と同種異系のヒトドナーに由来する。具体的な実施形態では、ヒト患者は移植ドナーからの移植のレシピエントとなっており、ヒトドナーは移植ドナーとは異なる第三者ドナーである。別の具体的な実施形態では、ヒト患者は移植ドナーからの移植のレシピエントとなっており、ヒトドナーは移植ドナーである。いくつかの実施形態では、移植は、末梢血幹細胞移植、骨髄移植、または臍帯血移植などの造血幹細胞移植(HSCT)である。他の実施形態では、移植は、腎臓移植、肝臓移植、心臓移植、腸移植、膵臓移植、肺移植、もしくは小腸移植、またはそれらの組合せ(例えば、心臓移植と肺移植の組合せ、または腎臓移植と膵臓移植の組合せ)などの実質臓器移植である。

本明細書に記載されるT細胞系は、好ましくは(1)病原体もしくはがんの抗原に由来する1つもしくは複数のペプチドもしくはタンパク質を負荷するか、またはそれらを発現するように遺伝子操作された、完全にもしくは部分的にHLA適合(T細胞系のヒトドナーに対して)の抗原提示細胞に対して実質的な抗原反応性(例えば、細胞傷害性)を示し、(2)実質的な同種反応性を欠き、ならびに/あるいは(3)ヒト患者の疾患細胞と共有するHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せにより拘束され、および/またはヒト患者の疾患細胞と少なくとも2つのHLA対立遺伝子(例えば、8つのHLA対立遺伝子のうち少なくとも2つ)を共有する。したがって、好ましくは、抗原反応性(例えば、細胞傷害性)、同種反応性、どのHLA対立遺伝子(複数可)にT細胞が拘束されるかなどの情報、および/またはT細胞系のHLAの割り当ては、ヒト患者への投与前に当該技術分野で公知の方法(例えば、Koehneら、2000年、Blood 96巻:109〜117頁;Trivediら、2005年、Blood 105巻:2793〜2801頁;Haqueら、2007年、Blood 110巻:1123〜1131頁;Hasanら、2009年、J Immunol 183巻:2837〜2850頁;Feuchtingerら、2010年、Blood 116巻:4360〜4367頁;Doubrovinaら、2012年、Blood 120巻:1633〜1646頁;Doubrovinaら、2012年、Blood 119巻:2644〜2656頁;Leenら、2013年、Blood 121巻:5113〜5123頁;Papadopoulouら、2014年、Sci Transl Med 6巻:242ra83;Sukdolakら、2013年、Biol Blood Marrow Transplant 19巻:1480〜1492頁;Koehneら、2015年、Biol Blood Marrow Transplant、21巻:1663〜1678頁、または国際特許出願公開第WO2016/073550号に記載される方法など)によって測定される。

5.4.1. 細胞傷害性および抗原反応性の他の測定 完全にまたは部分的にHLA適合(T細胞系のヒトドナーに対して)の抗原提示細胞に対するT細胞系の抗原反応性(例えば細胞傷害性)は、これに限定されないが、NagorsenおよびMarincola編、2005年、Analyzing T Cell Responses: How to Analyze Cellular Immune Responses against Tumor Associated Antigens、Springer Netherlandsに記載される方法など、T細胞媒介性抗原反応性(例えば、細胞傷害性)を測定するための当該技術分野で公知の任意のアッセイによって決定することができる。アッセイは、T細胞系を直接、そのアリコート、またはT細胞系の抗原反応性(例えば、細胞傷害性)を示す前駆細胞集団を使用して実施することができる。具体的な実施形態では、抗原反応性(例えば、細胞傷害性)は、Trivediら、2005年、Blood 105巻:2793〜2801頁、Hasanら、2009年、J Immunol 183巻:2837〜2850頁、Doubrovinaら、2012年、Blood 119巻:2644〜2656頁;Koehneら、2000年、Blood 96巻:109〜117頁、Werenら、J Immunol Methods、289巻:17〜26頁、Shafer-Weaverら、2003年、J Transl Med 1巻:14頁、またはNagorsenおよびMarincola編、2005年、Analyzing T Cell Responses:How to Analyze Cellular Immune Responses against Tumor Associated Antigens、Springer Netherlandsに記載されるような、標準的な51Cr放出アッセイ、IFN−γ産生アッセイ、CTL前駆体(CTLps)を測定する限界希釈アッセイ、パーフォリン放出アッセイ、グランザイムB放出アッセイ、またはCD107動員アッセイによって決定される。

ある特定の実施形態では、T細胞系は、病原体またはがんの抗原に由来する1つもしくは複数のペプチドまたはタンパク質を負荷するか、あるいはそれらを発現するように遺伝子操作された、完全にまたは部分的にHLA適合の抗原提示細胞に対してin vitroで実質的な抗原反応性(例えば、細胞傷害性)を示す(例えば、その実質的な溶解を示す)。好ましくは、完全にまたは部分的にHLA適合の抗原提示細胞は、完全にHLA適合の抗原提示細胞(例えば、ヒトドナーに由来する抗原提示細胞)である。具体的な実施形態では、T細胞系は、病原体またはがんの抗原に由来する1つもしくは複数のペプチドまたはタンパク質を負荷するか、あるいはそれらを発現するように遺伝子操作された、完全にまたは部分的にHLA適合の抗原提示細胞の、20%、25%、30%、35%、もしくは40%よりも多いか、またはそれらと等しい溶解を示す。具体的な実施形態では、T細胞系は、病原体またはがんの抗原に由来する1つもしくは複数のペプチドまたはタンパク質を負荷するか、あるいはそれらを発現するように遺伝子操作された、完全にまたは部分的にHLA適合の抗原提示細胞の20%よりも多いか、またはそれと等しい溶解を示す。

抗原反応性(例えば、細胞傷害性)アッセイで使用できる抗原提示細胞としては、これらに限定されないが、樹状細胞、フィトヘマグルチニン(PHA)−リンパ芽球、マクロファージ、抗体を生成するB細胞、EBV−BLCL細胞、および人工抗原提示細胞(AAPC)が挙げられる。

具体的な実施形態では、抗原反応性(例えば、細胞傷害性)アッセイで使用される完全または部分的にHLA適合の抗原提示細胞には、病原体またはがんの抗原に由来するペプチドのプールが負荷されている。ペプチドのプールは、例えば、病原体またはがんの抗原の配列にわたる重複ペプチド(例えば、ペンタデカペプチド)のプールであり得る。

5.4.2. 同種反応性 T細胞系の同種反応性は、これらに限定されないが、標準的な51Cr放出アッセイ、IFN−γ産生アッセイ、CTL前駆体(CTLps)を測定する限界希釈アッセイ、パーフォリン放出アッセイ、グランザイムB放出アッセイ、CD107動員アッセイ、または、セクション5.4.1に記載される任意の他の抗原反応性アッセイなど、T細胞媒介性抗原反応性(例えば、細胞傷害性)を測定するための、当該技術分野に公知の抗原反応性(例えば、細胞傷害性)アッセイを使用し、しかし病原体もしくはがんの抗原に由来する1つもしくは複数のペプチドもしくはタンパク質を負荷されてもおらず、それらを発現するように遺伝子操作されてもいない抗原提示細胞、および/あるいはHLA不適合(ヒト細胞の集団のヒトドナーに対して)の抗原提示細胞によって測定できる。アッセイは、T細胞系を直接、そのアリコート、またはT細胞系の同種反応性を示す前駆細胞集団を使用して実施することができる。実質的な同種反応性を欠くT細胞系に由来する抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団は、ヒト患者に投与されるとき、一般に移植片対宿主疾患(GvHD)をもたらさない。

ある特定の実施形態では、T細胞系は、病原体またはがんの抗原に由来する1つもしくは複数のペプチドまたはタンパク質を負荷されてもおらず、それらを発現するように遺伝子操作されてもいない抗原提示細胞に対するin vitroの実質的な抗原反応性(例えば、細胞傷害性)を欠いている。好ましい実施形態では、このような抗原提示細胞は、完全にまたは部分的にHLA適合の抗原提示細胞(ヒト血液細胞集団のヒトドナーに対して)(例えば、ヒト血液細胞集団のヒトドナーに由来する抗原提示細胞)である。具体的な実施形態では、T細胞系は、病原体またはがんの抗原に由来する1つもしくは複数のペプチドまたはタンパク質を負荷されてもおらず、それらを発現するように遺伝子操作されてもいない抗原提示細胞の15%、10%、5%、2%、もしくは1%未満、またはそれらと等しいものを溶解する。具体的な実施形態では、T細胞系は、病原体またはがんの抗原に由来する1つもしくは複数のペプチドまたはタンパク質を負荷されてもおらず、それらを発現するように遺伝子操作されてもいない抗原提示細胞の10%未満、またはそれと等しいものを溶解する。別の具体的な実施形態では、T細胞系は、病原体またはがんの抗原に由来する1つもしくは複数のペプチドまたはタンパク質を負荷されてもおらず、それらを発現するように遺伝子操作されてもいない抗原提示細胞の5%未満、またはそれと等しいものを溶解する。

ある特定の実施形態では、T細胞系は、HLA不適合(ヒト血液細胞集団のヒトドナーに対して)の抗原提示細胞に対するin vitroでの実質的な抗原反応性(例えば、細胞傷害性)を欠いている。いくつかの実施形態では、そのような抗原提示細胞は、病原体またはがんの抗原に由来する1つもしくは複数のペプチドまたはタンパク質を負荷するか、またはそれらを発現するように遺伝子操作されている。他の実施形態では、そのような抗原提示細胞は、病原体またはがんの抗原に由来する1つもしくは複数のペプチドまたはタンパク質を負荷されてもおらず、それらを発現するように遺伝子操作されてもいない。具体的な実施形態では、T細胞系は、HLA不適合(ヒト血液細胞集団のヒトドナーに対して)の抗原提示細胞の15%、10%、5%、2%、もしくは1%未満、またはそれらと等しいものを溶解する。具体的な実施形態では、T細胞系は、HLA不適合(ヒト血液細胞集団のヒトドナーに対して)の抗原提示細胞の10%未満、またはそれと等しいものを溶解する。別の具体的な実施形態では、T細胞系は、HLA不適合(ヒト血液細胞集団のヒトドナーに対して)の抗原提示細胞の5%未満、またはそれと等しいものを溶解する。

ある特定の実施形態では、T細胞系は、上述のとおり、病原体またはがんの抗原に由来する1つもしくは複数のペプチドまたはタンパク質を負荷されてもおらず、それらを発現するように遺伝子操作されてもいない抗原提示細胞に対するin vitroの実質的な抗原反応性(例えば、細胞傷害性)を欠き、上述のとおり、HLA不適合の抗原提示細胞に対するin vitroの実質的な抗原反応性(例えば、細胞傷害性)を欠いている。

同種反応性アッセイで使用できる抗原提示細胞としては、これらに限定されないが、樹状細胞、フィトヘマグルチニン(PHA)−リンパ芽球、マクロファージ、抗体を生成するB細胞、EBV−BLCL細胞、および人工抗原提示細胞(AAPC)が挙げられる。

5.4.3. HLA型 T細胞系のHLA割り当て(すなわち、HLA遺伝子座の型)および/またはヒト患者における疾患細胞のHLA割り当ては、HLA対立遺伝子をタイピングするための当該技術分野で公知の任意の方法によって確認(すなわち、タイピング)することができる。T細胞系の割り当ては、T細胞系を直接、そのアリコート、またはT細胞系のHLA割り当てを示す前駆細胞集団を使用して実施することができる。HLA割り当てを確認するための非限定的な例示的な方法は、ASHI Laboratory Manual、4.2版(2003年)、American Society for Histocompatibility and Immunogenetics;ASHI Laboratory Manual、Supplements 1(2006年) and 2(2007年)、American Society for Histocompatibility and Immunogenetics;Leffellら編、1997年、Handbook of Human Immunology、Boca Raton:CRC Press中のHurley、「DNA-based typing of HLA for transplantation.」;Dunn、2011年、Int J Immunogenet 38巻:463〜473頁;Erlich、2012年、Tissue Antigens、80巻:1〜11頁;Bontadini、2012年、Methods、56巻:471〜476頁;ならびにLangeら、2014年、BMC Genomics 15巻:63頁に見出すことができる。具体的な実施形態では、少なくとも4つのHLA遺伝子座(好ましくはHLA−A、HLA−B、HLA−C、およびHLA−DR)がタイピングされる。具体的な実施形態では、4つのHLA遺伝子座(好ましくはHLA−A、HLA−B、HLA−C、およびHLA−DR)がタイピングされる。別の具体的な実施形態では、6つのHLA遺伝子座がタイピングされる。別の具体的な実施形態では、8つのHLA遺伝子座がタイピングされる。

一般に、HLAタイピングには高解像度のタイピングが好ましい。高解像度のタイピングは、例えば、ASHI Laboratory Manual、4.2版(2003年)、American Society for Histocompatibility and Immunogenetics;ASHI Laboratory Manual、Supplements 1(2006年) and 2(2007年)、American Society for Histocompatibility and Immunogenetics; Flomenbergら、Blood、104巻:1923〜1930頁;Koeglerら、2005年、Bone Marrow Transplant、36巻:1033〜1041頁;Leeら、2007年、Blood 110巻:4576〜4583頁;Erlich、2012年、Tissue Antigens、80巻:1〜11頁;Lankら、2012年、BMC Genomics 13巻:378頁;またはGabrielら、2014年、Tissue Antigens、83巻:65〜75頁に記載されるような、当該技術分野に公知の任意の方法によって実施することができる。

ある特定の実施形態では、ヒト患者を処置する方法、T細胞系を選択する方法、またはT細胞ドナーを処置する方法は、ヒト患者の疾患細胞のHLA割り当てを確認するステップをさらに含む。具体的な実施形態では、ヒト患者における疾患細胞のHLA割り当ては、疾患細胞の起源(例えば、場合によってはヒト患者またはヒト患者の移植ドナー)をタイピングすることにより確認される。疾患細胞の起源は、例えば可変タンデムリピート(VTR)を分析すること(移植のレシピエントとドナーとを区別するために異なる人々の小DNA配列の固有のDNAシグネチャーを使用する方法である)によって、または移植のドナーとレシピエントの性別が異なる場合にはY染色体の有無を調べること(細胞遺伝学またはFISH(蛍光in situハイブリダイゼーション)によって実施される)によってなど、当該技術分野で公知の任意の方法で決定できる。

T細胞が拘束されているHLA対立遺伝子は、例えば、Trivediら、2005年、Blood 105巻:2793〜2801頁;Barkerら、2010年、Blood 116巻:5045〜5049頁;Hasanら、2009年、J Immunol、183巻:2837〜2850頁;Doubrovinaら、2012年、Blood 120巻:1633〜1646頁;Doubrovinaら、2012年、Blood 119巻:2644〜2656頁;または国際特許出願公開第WO2016/073550号に記載されるような、当該技術分野に公知の任意の方法によって決定することができる。決定は、T細胞系を直接、そのアリコート、またはT細胞系が拘束されているHLA対立遺伝子を示す前駆細胞集団を使用して実施することができる。

いくつかの実施形態では、T細胞系は、ヒト患者の疾患細胞と共有されるHLA対立遺伝子によって拘束される。他の実施形態では、T細胞系は、ヒト患者の疾患細胞と少なくとも2つのHLA対立遺伝子(例えば、8つのHLA対立遺伝子のうちの少なくとも2つ、例えば、2つのHLA−A対立遺伝子、2つのHLA−B対立遺伝子、2つのHLA−C対立遺伝子、および2つのHLA−DR対立遺伝子)を共有する。他の実施形態では、T細胞系は、ヒト患者の疾患細胞と共有されるHLA対立遺伝子によって拘束され、ヒト患者の疾患細胞と少なくとも2つのHLA対立遺伝子(例えば、8つのHLA対立遺伝子のうちの少なくとも2つ、例えば、2つのHLA−A対立遺伝子、2つのHLA−B対立遺伝子、2つのHLA−C対立遺伝子、および2つのHLA−DR対立遺伝子)を共有する。

5.5. 医薬組成物 別の態様では、本明細書で提供されるのは、(1)阻害性免疫チェックポイント阻害剤と;(2)病原体またはがんの抗原に特異的であり、第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系に由来する抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団とを含む医薬組成物であって、第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せが、抗原の認識に基づいた、それぞれのHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞の活性に関してサブドミナントHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せである、医薬組成物である。

別の態様では、本明細書で提供されるのは、(1)刺激性免疫チェックポイント活性化剤と;(2)病原体またはがんの抗原に特異的であり、第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系に由来する抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団とを含む医薬組成物であって、第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せが、抗原の認識に基づいた、それぞれのHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞の活性に関してサブドミナントHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せである、医薬組成物である。

医薬組成物の具体的な実施形態では、第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せは、活性の表示に従って、第2のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せに関連付けられている相対活性よりも低い、抗原の認識に基づくより低い活性の指標に関連付けられていることに基づいて、サブドミナントHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せとして分類され、この活性の表示が(i)複数のHLA対立遺伝子および必要に応じてHLA対立遺伝子の組合せを同定し、(ii)各々が抗原の少なくとも1つのエピトープを認識し、上記複数におけるHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せのうちの複数の異なるものによって拘束されるT細胞系の相対活性の指標を開示し、活性の表示において、各々の同定されたHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せは、HLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系の相対活性のそれぞれの指標に関連付けられており、相対活性は、抗原の認識に基づくT細胞系の既知の活性の相対量である。具体的な実施形態では、第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せは、活性の表示に従って、抗原の認識に基づく、活性がないことの指標と関連付けられている。抗原の認識に基づく、活性がないことの指標は、活性の表示の生成において測定されるような検出可能な活性がないことであり得、または検出可能ではあるが当業者によって臨床的有効性がないことを示すとみなされる活性の指標であり得る。

別の態様では、本明細書で提供されるのは、病原体またはがんを有するか、もしくは有する疑いのあるヒト患者への治療的投与のための医薬組成物であって、(1)阻害性免疫チェックポイント阻害剤と;(2)病原体またはがんの抗原に特異的であり、ヒト患者の疾患細胞によって発現される第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系に由来する抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団とを含み;第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せが、抗原の認識に基づいた、それぞれのHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞の活性に関して、疾患細胞によって発現されるHLA対立遺伝子およびHLA対立遺伝子の組合せのうちのサブドミナントHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せである、医薬組成物である。様々な実施形態では、ヒト患者は治療的投与を必要とする。ある特定の実施形態では、第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せは、ヒト患者への治療的投与に適しており、かつ、抗原の認識に基づいた、それぞれのHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞の活性に関して、疾患細胞によって発現されるHLA対立遺伝子およびHLA対立遺伝子の組合せのうちのサブドミナントHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せである。

別の態様では、本明細書で提供されるのは、病原体またはがんを有するか、もしくは有する疑いのあるヒト患者への治療的投与のための医薬組成物であって、(1)刺激性免疫チェックポイント活性化剤と;(2)病原体またはがんの抗原に特異的であり、ヒト患者の疾患細胞によって発現される第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系に由来する抗原特異的T細胞を含むヒト細胞の集団とを含み;第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せが、抗原の認識に基づいた、それぞれのHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞の活性に関して、疾患細胞によって発現されるHLA対立遺伝子およびHLA対立遺伝子の組合せのうちのサブドミナントHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せである、医薬組成物である。様々な実施形態では、ヒト患者は治療的投与を必要とする。ある特定の実施形態では、第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せは、ヒト患者への治療的投与に適しており、かつ、抗原の認識に基づいた、それぞれのHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞の活性に関して、疾患細胞によって発現されるHLA対立遺伝子およびHLA対立遺伝子の組合せのうちのサブドミナントHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せである。

ヒト患者ががんを有するとき、疾患細胞はがん細胞である。ヒト患者が病原体を有するとき、疾患細胞は病原体に感染した細胞である。

抗原の認識に基づいた、それぞれのHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せにより拘束されるT細胞の活性は、同一の方法で生成されたT細胞系、例えばセクション5.4に記載される方法で生成されたT細胞系を使用して測定できる。

T細胞系には、T細胞以外の細胞が含まれていてもよい。しかしながら、好ましくは、T細胞系はT細胞が富化されている(例えば、70%を超える、75%を超える、80%を超える、85%を超える、90%を超える、95%を超える、または99%を超えるT細胞を含む)。T細胞系は、初代細胞の集合体または培養細胞の集合体であり得る。T細胞系の細胞は、単一の細胞または複数の細胞から増殖させることができる。様々な実施形態では、T細胞系は単一のヒトドナーに由来する。

ヒト患者に対する治療的投与のための医薬組成物の具体的な実施形態では、第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せは、活性の表示に従って、ヒト患者の疾患細胞によって発現される第2のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せに関連付けられている相対活性よりも低い、抗原の認識に基づくより低い活性の指標に関連付けられていることに基づいて、サブドミナントHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せとして分類され、この活性の表示が(i)複数のHLA対立遺伝子および必要に応じてHLA対立遺伝子の組合せを同定し、(ii)各々が抗原の少なくとも1つのエピトープを認識し、上記複数におけるHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せのうちの複数の異なるものによって拘束されるT細胞系の相対活性の指標を開示し、活性の表示において、各々の同定されたHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せは、HLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系の相対活性のそれぞれの指標に関連付けられており、相対活性は、抗原の認識に基づくT細胞系の既知の活性の相対量である。具体的な実施形態では、第1のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せは、活性の表示に従って、抗原の認識に基づく、活性がないことの指標と関連付けられている。抗原の認識に基づく、活性がないことの指標は、活性の表示の生成において測定されるような検出可能な活性がないことであり得、または検出可能ではあるが当業者によって臨床的有効性がないことを示すとみなされる活性の指標であり得る。ある特定の実施形態では、第2のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系が利用可能であり、ヒト患者への治療的投与に適している。

上述のように、一実施形態では、HLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せは、ヒト患者への治療的投与に適したHLA対立遺伝子およびHLA対立遺伝子の組合せの中での比較に基づいてサブドミナントであると決定される。T細胞は、それぞれのHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系が利用可能であり、治療的投与に適しているとき、ヒト患者への治療的投与に適している。例えば、細胞系試料に(または凍結後に細胞系試料を解凍した後に)、生細胞が含まれていないか、または少なすぎることが観察される場合、T細胞系は治療用投与に適していない。しかし、別の例として、活性の表示における相対活性が活性のin vitroまたはex vivoアッセイに基づいており、特定のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系のin vivo相対活性が活性の表示を生成するのに使用されたin vitroまたはex vivo相対アッセイと相関しないために、活性の表示における最高の相対活性が最高のin vivo相対活性ではないことが既知の場合、特定のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せ(これによりかかるT細胞系は拘束されている)は、治療的投与に適さないとみなされ得る。例えば、HLA−B35によって拘束されるT細胞系に由来するインターフェロン−γ分泌CD3+T細胞のパーセンテージは、はるかに高い相対活性を示すが、HLA−B35によって拘束されるT細胞系に関するヒト患者のCMV感染に対するin vivo活性は臨床効果がない(したがって、in vivo相対活性は無視できる)ことが観察されており、したがって、具体的な実施形態では、CMV感染症の処置の文脈において、HLA−B35によって拘束されるT細胞系は、治療的投与に適さないとみなされる。関連する具体的な実施形態では、特定のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系(複数可)が、病原体またはがんを有するヒト患者の処置において臨床効果がないことが既知の場合、その特定のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系は、治療的投与に適さないとみなされる。しかしながら、代替の具体的な実施形態では、本発明の組合せ療法がこのようなT細胞系の有効性を増強する可能性があるため、特定のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系(複数可)が、病原体またはがんを有するヒト患者の処置において臨床効果がないことが既知の場合でも、その特定のHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系は、不適切とはみなされない(したがって、CMV感染症の処置の文脈で、HLA−B35によって拘束されるT細胞系は、これらの他の具体的な実施形態における治療的投与に不適切とはみなされない)。

本明細書に記載される態様の具体的な実施形態および実施形態では、第1のHLA対立遺伝子によってコードされるHLAタンパク質に結合する抗原のエピトープは、抗原のすべてのエピトープの中で第1のHLA対立遺伝子に対して最高の結合親和性を有する。具体的な実施形態では、エピトープは、第1のHLA対立遺伝子によって提示できるすべての抗原のすべてのエピトープの中で、第1のHLA対立遺伝子に対して最高の結合親和性を有する。

本明細書に記載される態様および実施形態のいくつかの実施形態では、T細胞の活性(および活性の代表が使用される場合のT細胞系の相対活性)は、抗原に対する(例えば、抗原を発現する細胞に対する)、T細胞(または、場合によってはT細胞系)のin vitro抗原反応性(例えば、細胞傷害活性)である。T細胞(または場合によってはT細胞系)のin vitro抗原反応性(例えば、細胞傷害活性)は、セクション5.4.1に記載されるとおりに測定できる。本明細書に記載される態様および実施形態の他の実施形態では、T細胞の活性(および活性の代表が使用される場合のT細胞系の相対活性)は、病原体またはがんを有するヒト患者の処置におけるT細胞(または、場合によってはT細胞系)のin vivo臨床的有効性である。

本明細書に記載される、医薬組成物、またはヒト患者への治療的投与のための医薬組成物は、好ましくは(1)病原体またはがんの抗原に由来する1つもしくは複数のペプチドまたはタンパク質を負荷するか、またはそれらを発現するように遺伝子操作された、完全にまたは部分的にHLA適合(T細胞系のヒトドナーに対して)の抗原提示細胞に対して実質的な抗原反応性(例えば、細胞傷害性)を示し、(2)実質的な同種反応性を欠き、ならびに/あるいは(3)ヒト患者の疾患細胞と共有するHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せにより拘束され、および/またはヒト患者の疾患細胞と少なくとも2つのHLA対立遺伝子(例えば、8つのHLA対立遺伝子のうち少なくとも2つ)を共有するT細胞系に由来する。したがって、セクション5.4に記載されるとおり、好ましくは、抗原反応性(例えば、細胞傷害性)、同種反応性、どのHLA対立遺伝子(複数可)にT細胞系が拘束されるかなどの情報、および/またはT細胞系のHLAの割り当ては、ヒト患者への投与前に当該技術分野で公知の方法(例えば、Koehneら、2000年、Blood 96巻:109〜117頁;Trivediら、2005年、Blood 105巻:2793〜2801頁;Haqueら、2007年、Blood 110巻:1123〜1131頁;Hasanら、2009年、J Immunol 183巻:2837〜2850頁;Feuchtingerら、2010年、Blood 116巻:4360〜4367頁;Doubrovinaら、2012年、Blood 120巻:1633〜1646頁;Doubrovinaら、2012年、Blood 119巻:2644〜2656頁;Leenら、2013年、Blood 121巻:5113〜5123頁;Papadopoulouら、2014年、Sci Transl Med 6巻:242ra83;Sukdolakら、2013年、Biol Blood Marrow Transplant 19巻:1480〜1492頁;Koehneら、2015年、Biol Blood Marrow Transplant 21巻:1663〜1678頁、または国際特許出願公開第WO2016/073550号に記載される方法など)によって測定される。

本明細書に記載される、医薬組成物、またはヒト患者への治療的投与のための医薬組成物は、薬学的に許容される担体をさらに含む。

薬学的に許容される担体は、T細胞および阻害性免疫チェックポイント阻害剤または刺激性免疫チェックポイント活性化剤の保存および/または治療的投与に適した任意の生理学的に許容される溶液であり得る。

また、本明細書では、上記の医薬組成物を1つまたは複数の容器に含むキットも提供される。

このような1つまたは複数の容器に必要に応じて付随するのは、医薬品または生物学的製品の製造、使用、または販売を規制する政府機関によって規定された形式の通知であり得、この通知はヒト投与のために製造、使用、または販売の該機関による承認を反映している。

本明細書に包含される医薬組成物およびキットは、本開示で提供されるヒト患者を処置する方法に従って使用することができる。

5.6. 免疫チェックポイント調節剤 5.6.1. 阻害性免疫チェックポイント阻害剤 阻害性免疫チェックポイント阻害剤は、阻害性免疫チェックポイント分子の活性を阻害または遮断する任意の医薬剤であり得る。具体的な実施形態では、活性は、阻害性免疫チェックポイント分子の天然の結合パートナーに結合することである。阻害性免疫チェックポイント分子が受容体である場合、活性は、リガンド結合活性であり得る。阻害性免疫チェックポイント分子がリガンドである場合、活性は、受容体結合活性であり得る。

具体的な実施形態では、阻害性免疫チェックポイント阻害剤は、プログラム細胞死1(PD1)、プログラム細胞死リガンド1(PD−L1)、プログラム細胞死リガンド1(PD−L2)、細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA4)、リンパ球活性化3(LAG3)、T細胞免疫グロブリンおよびムチンドメイン含有タンパク質3(TIM3)、T細胞活性化のVドメインIgサプレッサー(VISTA)、アデノシンA2a受容体(A2aR)、B7ホモログ3(B7−H3)、B7ホモログ4(B7−H4)、BおよびTリンパ球関連(BTLA)、インドールアミン2,3−ジオキシゲナーゼ(IDO)、トリプトファン2,3−ジオキシゲナーゼ(TDO)、またはキラー細胞免疫グロブリン様受容体(KIR)の阻害剤である。具体的な実施形態では、阻害性免疫チェックポイント阻害剤は、PD1、PD−L1、PD−L2、CTLA−4、LAG3、TIM−3、VISTA、A2AR、B7−H3、B7−H4、BTLA、IDO、またはTDOの阻害剤である。

阻害性免疫チェックポイント阻害剤は、抗体、小分子、またはオリゴヌクレオチド(アプタマー、shRNA、miRNA、siRNA、もしくはアンチセンスDNAなど)であり得る。具体的な実施形態では、阻害性免疫チェックポイント阻害剤は、がんもしくは病原体によって引き起こされる疾患の処置のため、米国食品医薬品局(FDA)または外国の対応する機関によって承認されている。

具体的な実施形態では、阻害性免疫チェックポイント阻害剤は、阻害性免疫チェックポイントに結合し、その活性を阻害する抗体である。阻害性免疫チェックポイント阻害剤になり得る抗体としては、これらに限定されないが、モノクローナル抗体(Fc最適化モノクローナル抗体を含む)、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、Fv、Fab、Fab’、F(ab’)2、ダイアボディ、線状抗体、単鎖抗体分子(例えば、scFv)などの抗原結合活性を保持する抗体断片、抗体断片から形成された多重特異性抗体、および抗体断片を含有する融合タンパク質が挙げられる。具体的な実施形態では、抗体はモノクローナル抗体である。好ましくは、抗体はヒト化抗体である。

具体的な実施形態では、阻害性免疫チェックポイント阻害剤はPD1の阻害剤である。具体的な実施形態では、阻害性免疫チェックポイント阻害剤は、PD1に結合し、その活性(例えば、リガンド結合活性)を阻害するモノクローナル抗体である。特定の実施形態では、モノクローナル抗体は、ニボルマブ、ピディリズマブ、MEDI0680、またはペンブロリズマブである。さらに特定の実施形態では、モノクローナル抗体はニボルマブである。別の具体的な実施形態では、PD1の阻害剤である阻害性免疫チェックポイント阻害剤は、AMP−224である。別の具体的な実施形態では、PD1の阻害剤である阻害性免疫チェックポイント阻害剤は、ピディリズマブである。別の具体的な実施形態では、PD1の阻害剤である阻害性免疫チェックポイント阻害剤は、ペンブロリズマブである。別の具体的な実施形態では、PD1の阻害剤である阻害性免疫チェックポイント阻害剤は、MEDI0680である。別の具体的な実施形態では、PD1の阻害剤である阻害性免疫チェックポイント阻害剤は、STI−A1110である。別の具体的な実施形態では、PD1の阻害剤である阻害性免疫チェックポイント阻害剤は、TSR−042である。別の具体的な実施形態では、PD1の阻害剤である阻害性免疫チェックポイント阻害剤は、AUR−012である。

具体的な実施形態では、阻害性免疫チェックポイント阻害剤はPD−L1の阻害剤である。具体的な実施形態では、阻害性免疫チェックポイント阻害剤は、PD−L1に結合し、その活性(例えば、受容体結合活性)を阻害するモノクローナル抗体である。特定の実施形態では、モノクローナル抗体は、mpdl3280A、デュルバルマブ、アベルマブ、bms−936559、またはアテゾリズマブである。別の具体的な実施形態では、PD−L1の阻害剤である阻害性免疫チェックポイント阻害剤は、RG7446である。別の具体的な実施形態では、PD−L1の阻害剤である阻害性免疫チェックポイント阻害剤は、STI−A1010である。

具体的な実施形態では、阻害性免疫チェックポイント阻害剤はB7−H3の阻害剤(例えば、MGA271)である。

具体的な実施形態では、阻害性免疫チェックポイント阻害剤はCTLA4の阻害剤(例えば、イピリムマブ)である。

具体的な実施形態では、阻害性免疫チェックポイント阻害剤はLAG3の阻害剤(例えば、BMS−986016)である。

具体的な実施形態では、阻害性免疫チェックポイント阻害剤はMSB−0020718Cである。

5.6.2. 刺激性免疫チェックポイント活性化剤 刺激性免疫チェックポイント活性化剤は、刺激性免疫チェックポイント分子の活性を活性化または促進する任意の医薬剤であり得る。具体的な実施形態では、活性は、刺激性免疫チェックポイント分子の天然の結合パートナーに結合することである。刺激性チェックポイント分子が受容体である場合、活性は、リガンド結合活性であり得る。刺激性チェックポイント分子がリガンドである場合、活性は、受容体結合活性であり得る。

具体的な実施形態では、刺激性免疫チェックポイント活性化剤は、CD27、CD28、CD40、CD122、CD137、OX40、グルココルチコイド誘導TNFR関連タンパク質リガンド(GITR)、または誘導性T細胞共刺激因子(ICOS)の活性化剤である。

刺激性免疫チェックポイント活性化剤は、例えば、リガンド、リガンド断片、または刺激性免疫チェックポイント分子のリガンドを含有する融合タンパク質(刺激性免疫チェックポイント分子が受容体であるとき)、または刺激性免疫チェックポイント活性化因子に結合してその活性を活性化するアゴニスト抗体であり得る。刺激性免疫チェックポイント活性化剤になり得る抗体としては、これらに限定されないが、モノクローナル抗体(Fc最適化モノクローナル抗体を含む)、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、Fv、Fab、Fab’、F(ab’)2、ダイアボディ、線状抗体、単鎖抗体分子(例えば、scFv)などの抗原結合活性を保持する抗体断片、抗体断片から形成された多重特異性抗体、および抗体断片を含有する融合タンパク質が挙げられる。具体的な実施形態では、抗体はモノクローナル抗体である。好ましくは、抗体はヒト化抗体である。具体的な実施形態では、刺激性免疫チェックポイント活性化剤は、がんもしくは病原体によって引き起こされる疾患の処置のため、米国食品医薬品局(FDA)または外国の対応する機関によって承認されている。

具体的な実施形態では、刺激性免疫チェックポイント活性化剤はOX40の活性化剤(例えば、MEDI0562またはMEDI6383)である。

具体的な実施形態では、刺激性免疫チェックポイント活性化剤はGITRの活性化剤(例えば、TRX518またはMK−4166)である。

具体的な実施形態では、刺激性免疫チェックポイント活性化剤はICOSの活性化剤(例えば、GSK3359609)である。

5.7. 活性の表示の生成 活性の表示は、複数のHLA対立遺伝子および必要に応じてHLA対立遺伝子の組合せを同定し、各々が病原体またはがんの抗原の少なくとも1つのエピトープを認識し、上記複数におけるHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せのうちの複数の異なるものによって拘束されるT細胞系の相対活性の指標を開示する。活性の表示では、各々の同定されたHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せは、HLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系の相対活性のそれぞれの指標と関連付けられており、相対活性は、抗原の認識に基づいたT細胞系の既知の活性の相対量である。

T細胞系の相対活性は、当該技術分野で公知の任意のin vitro、ex vivo、またはin vivoの方法により取得できる。

好ましい実施形態では、相対活性は、病原体またはがんを有するヒト患者の処置におけるT細胞系のin vivo臨床的有効性として測定される。そのような実施形態の具体的な態様では、相対活性は、T細胞系での処置後に完全寛解(CR)を達成する、病原体またはがんを有するか、もしくは有すると疑われるヒト患者のパーセンテージとして測定することができる。具体的な実施形態では、相対活性は、T細胞系での処置後にCRまたは部分寛解(PR)を達成する、病原体またはがんを有するか、もしくは有すると疑われるヒト患者のパーセンテージとして測定される。

いくつかの実施形態では、相対活性は、抗原の抗原性を示す1つまたは複数のペプチドを提示する抗原提示細胞で刺激した際の、各T細胞系に由来するインターフェロン−γ産生CD3+細胞のパーセンテージとして測定される。具体的な実施形態では、相対活性は、Koehne, G.ら、Blood、2002年、99巻:1730〜1740頁、またはWaldrop, S.L.ら、J Clin Invest、1997年、99巻:1739〜1750頁に記載されるような方法から修正された方法によって、またはそこに記載されるように測定される。

いくつかの実施形態では、相対活性は、当該技術分野で公知の方法、例えば、セクション5.4.1に記載される方法に従って実施される細胞傷害性アッセイにおいて、各T細胞系への曝露の際に溶解される病原体またはがんの抗原を発現する細胞のパーセンテージとして測定される。

本発明によれば、相対活性は、エピトープを提示するHLAタンパク質に対するそれぞれのT細胞系によって認識されるエピトープの結合親和性としては測定されない。

いくつかの態様では、活性の表示は、相対活性によってランク付けされる複数のHLA対立遺伝子および必要に応じてHLA対立遺伝子の組合せのリストである。いくつかの実施形態では、治療的使用のためのT細胞系は、リストの最高のランクが最大の相対活性の指標である、相対活性によってランク付けされる複数のHLA対立遺伝子および必要に応じてHLA対立遺伝子の組合せのリストを下って(going down)、ランクが最高ではないHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せを決定し(選択したT細胞系が特定のヒト患者で使用される場合、前記HLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せは、ヒト患者の疾患細胞によって発現されるHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せの中でランクが最高ではない)、決定されたHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せにより拘束されるT細胞を選ぶことによって選択される。例として、具体的な実施形態では、活性の表示は、実施例2の表6に示すリストである。

いくつかの態様では、活性の表示は、各々が相対活性のスコア指標に関連付けられている、複数のHLA対立遺伝子および必要に応じてHLA対立遺伝子の組合せを列挙するデータベース(例えば表)である。いくつかの実施形態では、治療的使用のためのT細胞系は、データベースの最高のスコアが最高の相対活性の指標である、各々が相対活性のスコア指標に関連付けられている、複数のHLA対立遺伝子および必要に応じてHLA対立遺伝子の組合せを列挙するデータベースを調べ、最高のスコアを有さないHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せを決定し(選択したT細胞系が特定のヒト患者で使用される場合、前記HLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せは、ヒト患者の疾患細胞によって発現されるHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せの中で最高のスコアを有さない)、そのHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せにより拘束されるT細胞を選ぶことによって選択される。具体的な実施形態では、このようなデータベースである活性の表示を使用するT細胞系の選択は、最初に、ヒト患者の疾患細胞によって発現されない、データベース中のHLA対立遺伝子およびHLA対立遺伝子の組合せを全て取り除き(除外し)、次いで、残ったものの中で、最高ではない相対活性の指標と関連付けられているHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せを決定し、次いで、決定されたHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系を選ぶことによって実施され得る。

いくつかの態様では、活性の表示は散布図である。ある特定の実施形態では、散布図の第1の軸は、複数のHLA対立遺伝子および必要に応じてHLA対立遺伝子の組合せにおけるHLA対立遺伝子および必要に応じてHLA対立遺伝子の組合せの複数の異なるものを表す。ある特定の実施形態では、散布図の第2の軸は、相対活性を表す。具体的な実施形態では、散布図の第2の軸は、抗原の抗原性を示す1つまたは複数のペプチドを提示する抗原提示細胞で刺激した際の、相対活性の指標が活性の表示に開示されている各T細胞系に由来するインターフェロン−γ分泌CD3+細胞のパーセンテージを表す。特定の実施形態では、刺激は、それぞれのT細胞系に対して自家であり、前記相対活性の指標として、抗原の抗原性を示す1つまたは複数のペプチドが負荷された抗原提示細胞によるものである。例として、具体的な実施形態では、活性の表示は、図2に示すとおりの散布図である。

いくつかの実施形態では、活性の表示はデータベースに保存されている。

様々な実施形態では、T細胞系を選択する方法はコンピュータで実施される。いくつかの実施形態では、T細胞系を選択する方法は、セクション5.9に記載されているコンピュータシステムを使用してコンピュータで実施される。いくつかの実施形態では、T細胞系を選択する方法は、セクション5.9に記載されているコンピュータ可読媒体を使用してコンピュータで実施される。

追加データが利用可能になると、追加データを使用して活性の表示を更新できる。

5.8. 頻度の表示の生成 頻度の表示は、複数のHLA対立遺伝子および必要に応じてHLA対立遺伝子の組合せを同定し、各々が病原体またはがんの抗原の少なくとも1つのエピトープを認識し、HLA対立遺伝子のうちの複数の異なるものによって拘束されるT細胞系の生成の相対頻度の指標を開示する。頻度の表示では、各々の同定されたHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せは、それぞれのHLA対立遺伝子またはHLA対立遺伝子の組合せによって拘束されるT細胞系の生成の相対的な頻度のそれぞれの指標に関連付けられている。

いくつかの態様では、頻度の表示は、相対頻度によってランク付けされる複数のHLA対立遺伝子および必要に応じてHLA対立遺伝子の組合せのリストであり、最高のランクが最高の生成の頻度の指標である。

いくつかの態様では、頻度の表示は、それぞれが、相対頻度のスコア指標に関連付けられている複数のHLA対立遺伝子を列挙するデータベース(例えば、表)であり、最高のスコアが最高の生成の頻度の指標である。

いくつかの実施形態では、頻度の表示はデータベースに保存されている。

様々な実施形態では、本開示において記載されるT細胞ドナーを選択する方法はコンピュータで実施される。いくつかの実施形態では、本開示において記載されるT細胞ドナーを選択する方法は、セクション5.9に記載されているコンピュータシステムを使用してコンピュータで実施される。いくつかの実施形態では、本開示において記載されるT細胞ドナーを選択する方法は、セクション5.9に記載されているコンピュータ可読媒体を使用してコンピュータで実施される。

追加データが利用可能になると、追加データを使用して頻度の表示を更新できる。

5.9. コンピュータシステムおよびコンピュータ可読媒体 様々な実施形態では、コンピュータシステムまたはコンピュータ可読媒体は、本開示において記載されるT細胞系を選択する方法のいずれか、およびT細胞ドナーを選択する方法のいずれかを実施するように構成される。

本明細書ではまた、病原体またはがんを有するか、もしくは有すると疑われるヒト患者への治療的投与のためのT細胞系を選択するためのコンピュータシステムも提供される。具体的な実施形態では、そのようなコンピュータシステムは:中央演算処理装置と;中央演算処理装置に結合されたメモリであって、本開示において記載されるT細胞系を選択する方法のいずれかまたはT細胞ドナーを選択する方法のいずれかのステップ(複数可)を実施するための命令を記憶するメモリとを含む。いくつかの実施形態では、コンピュータシステムは、中央演算処理装置と動作可能に通信する表示デバイスをさらに備える。

本開示において記載されるT細胞系を選択する方法のいずれか、またはT細胞ドナーを選択する方法のいずれかのステップ(複数可)を実施するためのコンピュータ実行可能命令を有するコンピュータ可読媒体もまた本明細書で提供される。

いくつかの実施形態では、コンピュータシステムまたはコンピュータ可読媒体にロードされるのは、当該技術分野で標準的なソフトウェアコンポーネントである。ソフトウェアコンポーネントは、本開示で記載されるT細胞系を選択する方法またはT細胞ドナーを選択する方法に従って、コンピュータシステムを集合的に機能させる。いくつかの実施形態では、コンピュータシステムまたはコンピュータ可読媒体にロードされるのは、当該技術分野で標準的なソフトウェアコンポーネントと、本発明に特有の1つまたは複数のコンピュータプログラム製品である。具体的な実施形態では、1つまたは複数のコンピュータプログラム製品は、本開示で記載されるT細胞系を選択する方法またはT細胞ドナーを選択する方法に従って、コンピュータシステムを機能させる。具体的な実施形態では、本発明に特有の1つまたは複数のコンピュータプログラム製品および当該技術分野で標準的なソフトウェアコンポーネントは、本明細書に記載されるT細胞系を選択する方法またはT細胞ドナーを選択する方法に従ってコンピュータシステムを集合的に機能させる。

5.10. 抗原特異性および患者 病原体またはがんの抗原は、非疾患細胞(例えば、病原体に感染していない細胞、または非がん性細胞)と比較して、疾患細胞(例えば、病原体に感染した細胞、またはがん性細胞)で発現が高いペプチドもしくはタンパク質、または非疾患細胞(例えば、病原体に感染していない細胞、または非がん性細胞)と比較して、疾患細胞(例えば、病原体に感染した細胞、またはがん性細胞)で固有に発現しているペプチドもしくはタンパク質であり得る。

いくつかの実施形態では、抗原は病原体の抗原である。様々な実施形態では、ヒト患者は病原体を有する。病原体は、ウイルス、細菌、真菌、蠕虫、または原生生物であり得る。

具体的な実施形態では、病原体はウイルスである。具体的な実施形態では、ウイルスはサイトメガロウイルス(CMV)である。具体的な実施形態の態様では、CMVの抗原は、CMV pp65またはCMV IE1である。具体的な実施形態の別の態様では、CMVの抗原は、CMV pp65である。別の具体的な実施形態では、ウイルスはエプスタインバーウイルス(EBV)である。具体的な実施形態の態様では、EBVの抗原は、EBNA1、EBNA2、EBNA3A、EBNA3B、EBNA3C、LMP1、またはLMP2である。具体的な実施形態の別の態様では、EBVの抗原は、EBNA1、LMP1、またはLMP2である。別の具体的な実施形態では、ウイルスは、BKウイルス(BKV)、ジョン・カニンガムウイルス(JCV)、ヘルペスウイルス(ヒトヘルペスウイルス−6もしくはヒトヒトヘルペスウイルス−8など)、ヒトパピローマウイルス(HPV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、単純ヘルペスウイルス(HSV)、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、メルケル細胞ポリオーマウイルス(MCV)、アデノウイルス(ADV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、インフルエンザウイルス、エボラウイルス、ポックスウイルス、ラブドウイルス、またはパラミクソウイルスである。

具体的な実施形態では、病原体は、マイコバクテリウムまたはChlamydia trachomatisなどの細菌である。具体的な実施形態では、病原体は、Cryptococcus neoformans、Pneumocystis jiroveci、カンジダ(Candida)、または侵襲性真菌などの真菌である。具体的な実施形態では、病原体は蠕虫である。具体的な実施形態では、病原体はToxoplasma gondiiなどの原生生物である。具体的な実施形態では、病原体は原生動物である。

具体的な実施形態では、ヒト患者は病原体の感染を有する。具体的な実施形態では、病原体はCMVであり、ヒト患者はCMV感染症(例えば、CMVウイルス血症、CMV網膜炎、CMV肺炎、CMV肝炎、CMV結腸炎、CMV脳炎、CMV髄膜脳炎、CMV陽性髄膜腫、またはCMV陽性多形性膠芽腫)を有する。別の具体的な施形態では、病原体はEBVであり、ヒト患者は、B細胞過形成、リンパ腫(例えば、B細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(例えば、例えば、高齢者におけるびまん性大細胞型B細胞リンパ腫)、T細胞リンパ腫、EBV陽性ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫)、多形性または単形性EBV−LPD、自己免疫性リンパ増殖性症候群、または混合PTLD(移植後リンパ増殖性障害)などの、EBV感染に起因するEBV陽性リンパ球増殖性障害(EBV−LPD)(例えば、EBV陽性移植後リンパ増殖性障害)を有する。別の具体的な実施形態では、病原体はEBVであり、ヒト患者はEBV陽性鼻咽頭癌を有する。別具体的な実施形態では、病原体はEBVであり、ヒト患者はEBV陽性胃がんを有する。別の具体的な実施形態では、病原体はEBVであり、ヒト患者はEBV陽性平滑筋肉腫を有する。別の具体的な実施形態では、病原体はEBVであり、ヒト患者はEBV陽性NK/Tリンパ腫を有する。別の具体的な実施形態では、病原体はEBVであり、ヒト患者はEBVウイルス血症を有する。

他の実施形態では、抗原はがんの抗原である。様々な実施形態では、ヒト患者はがんを有する。ある特定の実施形態では、抗原はウィルムス腫瘍1(WT1)である。

がんは、これらに限定されないが、以下のような血液がんであり得る:急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、有毛細胞白血病、T細胞前リンパ球性白血病、大顆粒リンパ球性白血病、成人T細胞白血病、形質細胞白血病、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、または多発性骨髄腫など。具体的な実施形態では、がんは多発性骨髄腫または形質細胞白血病である。具体的な実施形態の態様では、がんの抗原はWT1である。

がんはまた、これらに限定されないが、肉腫、癌、リンパ腫、胚細胞腫瘍、または芽細胞腫を含む、固形腫瘍がんであり得る。固形腫瘍がんは、これらに限定されないが、以下であり得る:乳房、肺、卵巣、胃、膵臓、喉頭、食道、精巣、肝臓、下腺、胆道、結腸、直腸、子宮頸部、子宮、子宮内膜、腎臓、膀胱、前立腺、甲状腺、脳、または皮膚のがんなど。

具体的な実施形態では、ヒト患者は成人(少なくとも16歳)である。別の具体的な実施形態では、ヒト患者は青年(12〜15歳)である。別の具体的な実施形態では、患者は小児(12歳未満)である。

具体的な実施形態では、ヒト患者は、以前の療法に対する抵抗性またはその不耐性により、病原体またはがんに対する以前の治療に失敗しており、以前の療法は、阻害性免疫チェックポイント阻害剤または刺激性免疫チェックポイント活性化剤と組み合わせた抗原特異的T細胞を含むヒト細胞集団による処置ではない。疾患は、応答がない場合、または応答が不完全な場合(応答が完全寛解に満たない場合)、または治療後に進行もしくは再発する場合、療法に対して抵抗性があるとみなされる。以前の療法は、場合によっては、当該技術分野で公知の抗ウイルス剤(例えば、抗ウイルス薬もしくは抗体)、または当該技術分野で公知の抗がん療法(例えば、化学療法もしくは放射線療法)であり得る。

6. 実施例 本明細書で提供されるある特定の実施形態は、次の非限定的な例によって説明される。

6.1. 実施例1:PD1阻害と組み合わせたドミナントおよびサブドミナントHLA対立遺伝子によって拘束される養子移入CMV特異的T細胞は、腫瘍異種移植片のin vivo阻害の改善を実証する 移植ドナーまたは第三者ドナー由来のCMV特異的T細胞(CMV−CTL)の養子移入は、HSCTレシピエントのCMV感染症を効果的に処置できる。臨床治験では、部分的に適合した第三者のCMV−CTLの注入により、持続的なCMV感染に対する高い奏効率が実証されている。in vitroで生成された、またはin vivoで直接選択されたT細胞は、特定のHLA対立遺伝子によって提示される1〜2個の免疫優性エピトープに対する特異性の顕著な優勢を示す。免疫優性HLA対立遺伝子は、サブドミナントHLA対立遺伝子と比較して、in vivoでのより高いT細胞機能活性と関連している。サブドミナントHLA対立遺伝子によって拘束されるT細胞の活性を増加させる薬剤は調査されていない。

HLA−A0201とHLA−A2402がヒトで共遺伝するとき、HLA−A0201はHLA−A2402よりも免疫優性であるため、応答性T細胞の優勢はHLA−A2402ではなくHLA−A0201に向けられる。本発明者らは、in vivoモデルを使用して、代用システムとして、CMVpp65を発現するように形質導入された結腸癌細胞(coca)を使用して、CMV−CTLの有効性を評価した。HLA−A0201+およびHLA−A2402+のヒト結腸癌細胞は、CMVpp65およびGFP−ホタルルシフェラーゼを発現するように形質導入された(cocapp65)。免疫優性HLA−A0201が提示するNLVエピトープ(A2−NLV)またはサブドミナントHLA−A2402が提示するQYDエピトープ(A24−QYD)のいずれかに応答するCMV−CTLは、HLA−A0201またはHLA−A2402、B7.1、LFA−3およびICAM1を発現するNIH 3T3人工抗原提示細胞を使用するin vitro刺激により、HLA−A0201とHLA−A2402とを共遺伝により受け継ぐドナーから生成された。腫瘍細胞(105個の細胞)を5〜6匹の群のNOD/Scid−IL2Rγc−/−マウス(NSGマウス)に右側腹部で皮下注射し、HLA−A0201またはHLA−A2402の発現を欠き、pp65を発現するメラノーマ細胞系(melpp65)の105個の細胞を、対照として左肩に注射した。2つの群は、それぞれマウスあたり106個の四量体+A2−NLVまたはA24−QYD CMV−CTLを静脈内投与し、各CMV−CTL処置群の一方には、CTL注入後2日目および7日目に2回の静脈内用量(200μg/用量)の抗PD1抗体(ニボルマブ)も投与した。対照群には、抗PD1を含むかもしくは含まないIL−2、またはHLA不適合のCMV−CTLを投与した。腫瘍増殖は、生物発光イメージングによってモニターした。

サブドミナントHLA−A2402が提示するQYDエピトープに応答するCMV−CTLは、対照と比較して有意なcocapp65成長抑制を誘導したが、いずれの動物の腫瘍も根絶しなかった。A24−QYD CMV−CTLの抗PD1抗体との組合せ処置は、5匹中2匹のマウスで完全なcocapp65根絶を誘導し、3匹のマウスにわずかな残存腫瘍があった。免疫優性HLA−A0201拘束CMV−CTLによる処置は、5匹中2匹のマウスで完全なcocapp65根絶を誘導し、サブドミナントHLA−A2402拘束CTL処置に比べて残存腫瘍が小さかった。抗PD1とA2−NLV CMV−CTLとの組合せ処置により、5匹のマウスのうち3匹でcocapp65根絶がもたらされ、2匹のマウスでわずかな腫瘍があった。腫瘍重量を測定した(図1を参照されたい)。まとめると、これらのデータは、PD1/PD−L1相互作用を遮断することで、免疫優性とサブドミナントHLA対立遺伝子拘束CMV−CTLの両方の抗ウイルス活性を相乗的に増加させることができるという証拠を提供する。

6.2. 実施例2:HLA対立遺伝子の階層の確立 実施例2は、本質的には国際特許出願公開第WO2016/073550号に記載されている通りである。

6.2.1. 方法: 6.2.1.1. CMV CTLバンクの確立: 全ての細胞製品は、標準操作手順(SOP)およびFDA準拠のプロトコールの下で、Memorial Sloan Ketteringがんセンター(MSKCC)のGMP施設で処理された。

6.2.1.1.1. 自家サイトカイン活性化単球(CAMS)の生成: 末梢血単核細胞(PBMC)は、フィコールハイパックを使用した密度勾配遠心分離により、血清陽性ドナーの血液から単離された。

1%自家血清を含むRPM−1640に懸濁した濃度107/mlのPBMCを6ウェル組織培養プレートに37℃で2時間接着させた後、非接着単核細胞を静かに除去した。接着単球は、ウェルあたり2mlの無血清IMDMで培養され、GM−CSF 2000IU(50μl)およびIL−4 1000U(25μl)のIL−4を1日おきに5日目まで補充した。5日目に、腫瘍壊死因子−α(SIGMA、St.Louis)を添加して、最終濃度10ng/mlを達成し、インターロイキン−1βを400IU/mlに、インターロイキン−6(R&D systems,Inc、Minneapolis、MN USA)を1000IU/mlに、プロスタグランジンE2(Calbiochem、La Jolla、CA USA)を25mm/mlにして、CAMSの最終成熟を誘導した。7日目に、成熟CAMSを採取し、FACSによりそれらのHLAクラスII、CD14および共刺激分子の発現に関して特徴付け、以下に詳述するとおりT細胞系の感作のために計数し、等分し、使用した。

6.2.1.1.2. 自家形質転換Bリンパ球細胞系(BLCL)の生成: 各ドナー由来のEBV−BLCLを、これまでに記載された(Koehne, G.ら、Blood、2000年、96巻:109〜117頁;Koehne, G.ら、Blood、2002年、99巻:1730〜1740頁)ようにEBV株B95.8をPBMCに感染させることにより生成した。細胞は、10%ウシ胎仔血清(FCS)およびアシクロビルを補充したRPMI 1640(Invitrogen,Inc、Carlsbad、CA USA)で維持された。

6.2.1.1.3. CMVpp65特異的T細胞の生成: T細胞は、接着単球の枯渇によって、続いて免疫磁気CD56プレコートマイクロビーズ(Miltenyi Biotech Inc.)によるCD56+細胞の免疫磁気分離を使用するナチュラルキラー細胞の枯渇によって、PBMCから分離された末梢血リンパ球から富化された。次いで、精製されたT細胞を、これまでに記載された(Trivedi, D.ら、Blood、2005年、105巻:2793〜2801頁)ように、重複するペンタデカペプチド(PL CAM)のGMPグレードプールを負荷した照射自家CAMSと共培養した。T細胞をIL−2(5〜40U/ml)の存在下で28〜40日間培養し、これまでに記載された(Trivedi, D.ら、Blood、2005年、105巻:2793〜2801頁)ように、20:1のエフェクター対刺激物質の比で、照射自家ペプチド負荷CAMSによって毎週再刺激した。

6.2.1.2. CMVpp65特異的T細胞の特徴付け: 6.2.1.2.1. 四量体分析: CMVpp65エピトープ特異的T細胞の割合は、それぞれペプチド配列NLVPMVATV、QYDPVAALFおよびTPRVTGGGAM(Beckman Coulter,Inc Fullerton、CA)を持つHLA A0201、A2402、およびB0702について、市販のCMVpp65 MHCペプチド四量体を使用するHLAペプチド四量体を使用して定量した。T細胞をCD3 FITC、CD8 PE、CD4 PerCP(BD Bioscience、San Jose、CA)およびAPCコンジュゲート四量体複合体と氷上で20分間インキュベートし、洗浄し、その後FACS(BD LSR II)で分析した。データは、Flowjoソフトウェア(Tree Star Inc、Ashland、OR)を使用して分析した。培養物内のCD4およびCD8+のT細胞の割合、ならびにHLA−ペプチド四量体に結合するCD3+およびCD8+のT細胞の割合を決定した。

6.2.1.2.2. TCR Vβレパートリー CMVペプチド−HLA四量体+T細胞は、製造元から提供された手順に従ってヒトTCRのVβ領域の24のサブファミリーに対する抗体を含有する市販のキット(IO Test(登録商標)Beta Mark、Beckman Coulter,Inc、France)を使用して、フローサイトメトリーによりTCR Vβレパートリーについて分析した(Wei, S.ら、Immunogenetics、1994年、40巻:27〜36頁)。

6.2.1.2.3. CMV特異的および同種反応性IFN−γ産生T細胞の定量 各CMV特異的T細胞系の発生の開始時およびいくつかの時点で、濃度1×106/mLのドナーTリンパ球を、CMVpp65ペプチドのプール(20ug/ml)を負荷した自家CAMSと、5:1のエフェクター対刺激細胞比で混合した。エフェクター細胞とペプチドをまったく負荷していないPBMCとを含有する対照チューブを並行して設定した。ブレフェルジンAを非刺激試料およびペプチド刺激試料に10μg/mL細胞の濃度で添加した。チューブを、加湿した5%CO2インキュベーター内で、37℃で一晩16時間インキュベートした。

バルクの非刺激培養物と刺激された培養物のアリコートを、モノクローナル抗体で染色するためにチューブに移した。細胞をアロフィコシアニン(APC)で標識した5μLのモノクローナル抗CD3および10μLの抗CD8ペリジンクロロフィルタンパク質(PerCP)または抗CD4 PerCP(BD Biosciences、San Jose、CA)で染色し、暗所において室温で20分間インキュベートした。2mLのリン酸緩衝食塩水(PBS)−ウシ血清アルブミン(BSA)−アジド(AZ)(PBS+0.5%BSA+0.1%AZ)で細胞を洗浄した。細胞を遠心分離し、上清を廃棄し、100μLの試薬A(Fix&Perm Cell Permeabilization Reagents A&B;Caltag Laboratories、Burlingame、CA)を各チューブに添加して細胞を固定した。次いで、これらの細胞を15分間インキュベートした。細胞をPBS+BSA+AZで洗浄し、透過処理のために100μLの試薬B(Caltag Laboratories)を添加した。10μLのマウスIgG1アイソタイプ対照フルオレセインイソチオシアネート(FITC)またはIFN−γFITC(BD PharMingen、San Diego、CA)モノクローナル抗体を添加することにより、細胞内染色を実施した。細胞を室温で20分間、暗所でインキュベートし、2回洗浄し、1%ホルマリンでさらに固定した。

続いて、10色対応の3つのレーザーを備えたLSR IIフローサイトメーター(BD Biosciences)を使用して染色および固定細胞を取得し、flowjoソフトウェアを使用して分析した。最初に細胞を前方および側方光散乱によって同定し、次いでCD3 APC対側方散乱ドットプロットでCD3+細胞をゲーティングした。複合ゲート(combined gate)で2万から5万の事象が取得された。細胞のさらなる同定のために、CD3+CD8+またはCD3+CD4+細胞のゲーティングを実施した。四分画マーカー(quadrant marker)は、非刺激対照およびアイソタイプ対照チューブの分析に基づいて確立された。

6.2.1.3. 異なるCMVpp65エピトープに対する抗ウイルスCD8+T細胞応答の定量 6.2.1.3.1. 重複する15aaペプチドのライブラリーを使用したエピトープマッピング Koehneら(Koehne, G.ら、Blood、2002年、99巻:1730〜1740頁)によって修正されたWaldropら(Waldrop, S.L.ら、J Clin Invest、1997年、99巻:1739〜1750頁)の技法に従って、目的のペプチドまたはペプチドプール(PL)を負荷した自家APCによる二次刺激により生成されたIFNγ陽性T細胞の数を測定することにより、CMV pp65内の特定のペプチドに対するT細胞応答を同定および定量した。重複ペプチドプールのグリッドにより、T細胞応答を誘導する特定のエピトープを同定した。T細胞ドナーに対して自家のペプチド負荷PBMC、T細胞ドナーに対して自家CAMS、またはT細胞ドナーに対して自家BLCLをAPCとして使用して、エピトープマッピングのために応答するT細胞を刺激した。

6.2.1.3.2. in vitro細胞傷害活性 全てのT細胞系は、これまでに記載された(Koehne, G.ら、Blood、2002年、99巻:1730〜1740頁;Trivedi, D.ら、Blood、2005年、105巻:2793〜2801頁)ように、標準的な51クロム放出アッセイを使用して、CMVpp65を負荷した標的を溶解する能力について評価された。全ての実験で使用される標的は、それぞれが所与のドナーのT細胞と単一のHLA対立遺伝子とを共有するEBV−BLCLのパネルからなっていた。これらの細胞は、所与の実験で指定されたように、CMVpp65ペプチドの完全なプール、もしくはその特定のサブプール、単一のペンタデカペプチド、またはその対立遺伝子によって提示されることが公知のCMV pp65九量体(例えば、HLA A0201に対してNLVPMVATV、HLA A2402に対してQYDPVAALF、ならびにHLA B0702に対してTPRVTGGGAMおよびRPHERNGFTV)(Trivedi, D.ら、Blood、2005年、105巻:2793〜2801頁;Hasan, A.N.ら、J Immunol、2009年、183巻:2837〜2850頁)を負荷された。共有されたHLA対立遺伝子によって提示されないペプチドを負荷した標的を対照として使用した。HLA拘束は、特定の共有されたHLA対立遺伝子に提示された同定されたペプチドエピトープでパルスされた標的に対する反応性、および他の共有された対立遺伝子を持つEBV BLCLまたは完全に不適合のEBV BLCLのいずれかに負荷されたペプチドに対する反応性の非存在によって同定された。

6.2.2. データ: 6.2.2.1. HLA対立遺伝子の多様なアレイを遺伝により受け継ぐ、遺伝子型が不均一なドナー集団から生成されたGMPグレードCMV CTLバンク 同種異系HSCTのレシピエントにおけるCMVウイルス血症の処置のためにドナー由来のCMVpp65特異的T細胞を使用した臨床治験の開始以来、7年間にわたって合計119のCMVpp65特異的CTL系が生成されている。

CTL系の生成に使用されたドナーのプールは、ニューヨークの多民族集団に広く行きわたった一般的なHLA対立遺伝子を代表する180種類の異なるHLA対立遺伝子を遺伝により受け継いだ。ドナーCTLプールのHLA対立遺伝子の分布はまた、白人、アジア人、黒人を含む各民族集団で表されるHLA対立遺伝子の頻度と密接に相関していたが、例外的に、HLA A0201およびB0702は過剰に表されていた:それぞれ33%対25%および21%対8.7%(表1)。119人のドナー間の遺伝性HLAクラス−I対立遺伝子の頻度の順序は次のとおりであった:A0201(n=39)、A0301(n=28)、B0702(n=25)、B 44(n=24)、HLA B 0801(n=22)、B 3501−11(n=19)、A1101(n=16)、A2402(n=14)、B 1501−17(n=14)、B 1801−07(n=12)、A 3201−03(n=11)、A3301−04(n=10)、B 4001−06(n=9)、およびA2601(n=9)、B 5701(n=9)。他のHLAクラス−I対立遺伝子は、HLA B 5201(n=8)、B 3801(n=6)、A6801−09(n=5)、B 5801(n=5)などの低頻度で表された。HLAクラス−II対立遺伝子の場合、一般集団での頻度が高いことから予想されるように、6つのHLA DRB1対立遺伝子が高度に表された(表1)。頻度順に、これらにはDRB1 1501−08、0401−32、0301−13、0701−04、1101−20、1301−34が含まれた。

6.2.2.2. CMVpp65特異的T細胞応答は、限られた数のHLAクラス−I対立遺伝子およびクラス−II対立遺伝子によって提示されるエピトープによって支配される 119のうち103(87%)のCTL系では、免疫優性T細胞応答はHLAクラス−I対立遺伝子によって拘束され、16のCTL系ではHLAクラス−II対立遺伝子によって拘束されていた。CTL系の54%で、免疫優性T細胞応答は3つのHLAクラス−I対立遺伝子;A0201(25%)、B 0702(21%)、およびB3501−11(8%)によって拘束されていた。免疫優性エピトープを提示する他の対立遺伝子には、HLA A 2402、B 4001、B 4006、B 4202、B 4204、B 4402、B 4403、DRB1 0401、および0404、DRB1 1101、DRB1 1202が含まれていた。したがって、このバンクで表される広範なクラス−Iおよびクラス−IIのHLA対立遺伝子にもかかわらず、これらの対立遺伝子のうち19のみが、免疫優性T細胞応答を誘発するエピトープを提示した。さらに、少しでも検出可能なレベルのT細胞応答は、バンクのドナーが遺伝により受け継いだ(inherited)180のHLA対立遺伝子のうち49のみによって提示されるエピトープに特異的であった。

6.2.2.3. 免疫優性エピトープを提示するHLA対立遺伝子は、特定のハプロタイプを共遺伝により受け継ぐ個体内に階層的順序で存在する バンク内のT細胞系の評価は、エピトープ特異的IFNγ+T細胞の定量およびそれらのHLA拘束の確認によって測定されるとおり、特定のHLA対立遺伝子によって提示されるエピトープが一貫してドミナントであることも実証した。これまでの研究は、HLA B0702によって提示されたCMVpp65のエピトープが、HLA A0201とB0702とを共遺伝により受け継ぐ(co-inheriting)患者においてドミナントであるという証拠を提供している(Lacey, S.F.ら、Hum Immunol、2003年、64巻:440〜452頁)。この一連の例では、HLA B0702は一貫して、HLA A0201を共遺伝により受け継いだ9人を含む、この対立遺伝子(100%)を遺伝により受け継ぐバンクの25人全てのドナーで免疫優性T細胞応答を拘束する対立遺伝子であった。したがって、HLA B0702によって拘束される応答は、遺伝した他のHLAクラス−Iおよびクラス−IIの対立遺伝子に関係なくドミナントであった。

一方で、HLA A0201を遺伝により受け継ぐ39人のドナーのうち30人(77%)では、免疫優性T細胞応答はHLA A0201によって拘束されていた。残りの9人のドナーは、HLA A0201とB0702とを共遺伝により受け継いだ人であり、これらの9人のドナーのそれぞれで、免疫優性T細胞応答はHLA B 0702によって拘束されていた。したがって、HLA A0201は、HLA B0702と共遺伝したときを除き、任意の他のHLAクラス−Iまたはクラス−IIの対立遺伝子と共遺伝したとき、免疫優性T細胞応答を拘束する対立遺伝子であった。例えば、HLA B44対立遺伝子を遺伝により受け継いだ22人のドナーのうち、わずか4人がこの対立遺伝子によって拘束される優性反応を誘発した。これらの対立遺伝子(B4401、B4402、B4403)がHLA A0201と共遺伝したとき、そのようなドナー12人中11人(91.6%)で、免疫優性CTL応答がHLA A0201によって拘束され、他のドナーもHLA B0702を共遺伝により受け継ぎ、HLA B0702拘束応答を誘発した。

HLA B 0702またはA0201を遺伝により受け継ぐドナーにおけるT細胞応答の顕著な他の特徴は、観察された応答がこれらの対立遺伝子によって提示されるエピトープのみに向けられていたという事実であった。対照的に、免疫優性エピトープに対する応答が他のHLA対立遺伝子によって拘束されるT細胞系では、他のエピトープに特異的であり、他のHLA対立遺伝子によって拘束されるT細胞のサブドミナント集団が共通して観察された。この分析により、図2に示すように、免疫優性エピトープを提示するHLA対立遺伝子の階層的クラスター化の認識が可能になった。

免疫優性エピトープを提示するHLA対立遺伝子の階層は、ペプチド刺激に応答するそれらの機能的活性のレベルのみに基づいていた。HLA結合に対するペプチドの親和性と免疫優性T細胞応答を誘発する能力との間に相関はなかった(表2)。

6.2.2.4. CMV CTLバンクを構成するエピトープレパートリーとHLA対立遺伝子は、多様な患者集団の処置に使用できる T細胞応答を誘発する免疫優性CMVpp65エピトープの非常に限られたレパートリーは、限られた数のHLA対立遺伝子によって提示されたGMPバンクを構成する119のCTL系内で発見された。T細胞の応答は、このような微細な特異性によって定義されていることを考えると、第三者の環境で抗原特異的T細胞を臨床的に有効にするには、選択したT細胞が、患者に共有されるHLA対立遺伝子によって提示されるエピトープに応答する必要があるかもしれない。これらのパラメーター内で、このバンクのCTLを使用して処置できる可能性のある民族的に多様な患者の割合を分析した。

Memorial Sloan−Katteringがんセンターで過去3〜5年にわたって実施された、HLA適合もしくはHLA不適合のいずれかの血縁者または非血縁者のドナー、および臍帯血ドナーからの一連の連続的T細胞枯渇移植が再調査された。センターでの一連の239のHLA適合の血縁者または非血縁者の移植では、そのような症例の86%で、患者と共有し、1〜2の追加のHLA対立遺伝子で適合するHLA対立遺伝子によって拘束されるCMV T細胞応答を持つCTL系を同定することができた。同様に、一連の137のHLA不適合移植、および70の臍帯血移植で、それぞれ症例の93%および81%で適切に拘束されるCTL系を同定することができた。したがって、このCTLバンクでのHLA対立遺伝子の広範な表示にもかかわらず、HLA対立遺伝子の限られたレパートリーによって拘束されるT細胞を同定し、この民族的に多様な群のほとんどの患者の処置に使用できる。

6.2.2.5. 新たに定義されたエピトープおよびHLA拘束基準を使用する移植ドナーまたは第三者ドナーからの処置のために選択されたCMV CTLの臨床活性 合計54人の評価可能な患者が、臨床感染または抗ウイルス薬に応答しなかった持続性ウイルス血症の処置としてCMV CTLを投与された。これらのうち、19人がHSCTドナー(NCTO1646645)からのCMVpp65特異的T細胞を投与され、35人が、2つを超えるHLA対立遺伝子適合の第三者ドナーからのT細胞を投与された。結果は表3および表4に要約する。この分析では、CRは臨床感染の除去および/または血液からの検出可能なCMVの除去として定義される。PRは、血液中の2log10を超えるCMVの減少として定義される。SDは、安定した臨床状態と、2log10未満のCMVの減少とを有する患者として定義される。PODは、ウイルス血症と臨床疾患の継続的な進行として定義される。

見てわかるように、HLA A201によって提示されたCMVpp65エピトープに特異的なT細胞を投与された19人の患者のうち、14人がCRまたはPRを達成した。HLA B0702によって提示された免疫優性エピトープに特異的なT細胞で処置された9人のうち、8人がCRを達成した。同様に、HLA A2402(N=2)およびB0801(N=3)によって拘束された免疫優性T細胞は、処置した5症例のそれぞれでCRをもたらした。

対照的に、HLA B35の対立遺伝子バリアントによって提示される免疫優性エピトープに特異的なCMVpp65特異的T細胞の7人中7人のレシピエントは応答しなかった。同様に、A2601(N=3)、A2407(N=1)、およびB5001(N=1)のエピトープに特異的な免疫優性T細胞は、感染を除去せず、ウイルス血症を軽減しなかった。

これらの結果は、特定のHLA対立遺伝子によって提示される免疫優性エピトープがin vivoでより優れた治療活性を有したT細胞を誘導し、したがってこれらの特定のHLA対立遺伝子が他のHLA対立遺伝子に比べて免疫優性であるという証拠を提供する。

HLA適合HSCTも提供した個体以外の個体で使用するためにバンクにCMVpp65特異的T細胞を含めることにも同意したドナーから移植を受けた患者はまた、遡及的に調査された。これは、通常2〜8×103個のT細胞/Kgレシピエント体重を含有するそのようなドナーからのT細胞枯渇移植はまた、血清陽性ドナーの血液中のIFNγ+CMV特異的T細胞の頻度が循環T細胞の0.1〜1%の範囲であるので、少数の免疫優性CMV特異的T細胞も提供するためであった。この初期分析の結果を表5に示す。

同様に、CMVpp65特異的T細胞で処置された患者に見られるように、HLA B0702およびA0201対立遺伝子を共有するドナーからの移植のレシピエントはCMV疾患を発症するリスクが低く、ウイルス血症(virema)は一貫して処置に応答した一方で、これらの対立遺伝子を欠くドナー由来の移植片を受けた患者は、明白な感染の有意な発生率を有した。これは同様に、HLA B0702またはA0201のいずれかを欠いたHLA B35のバリアントを持つ患者で特に観察された。

臨床データにより、ペプチド特異的T細胞応答を誘発するCMVpp65の免疫優性エピトープを提示するある特定のHLA対立遺伝子の階層を決定し(表6を参照されたい)、活性の表示の例を決定することができた。

したがって、HLA−A0201、HLA−B0801、およびHLA−B4401はサブドミナントHLA対立遺伝子である。

6.3. 実施例3:実施例2で確立されたHLA対立遺伝子階層に基づく抗PD1抗体との組合せ療法 患者はCMV感染を示す。患者はHLA−B0702+およびHLA−B0801+である。実施例2で確立し、表6に示したHLA階層によれば、HLA−B0801はHLA−B0702と比べてサブドミナントHLA対立遺伝子である(すなわち、HLA−B0801対立遺伝子により提示されるエピトープはHLA−B0702により提示されるエピトープと比べてサブドミナントエピトープである)。HLA−B0801によって拘束されるCTL系が選択され、ニボルマブの注入と組み合わせて患者に注入される。患者は、臨床評価および末梢血CMV DNAコピーの定量により、組合せ療法の前、最中、および後に応答をモニターされる。

7. 参照による組み込み 本明細書に引用された全ての参考文献は、各個々の刊行物または特許または特許出願が全ての目的のためにその全体の内容が参照により組み込まれるように具体的かつ個別に示されるのと同程度に、その全体の内容が全ての目的で本明細書に参照により組み込まれる。

当業者には明らかなように、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、本発明の多くの修正および変形をなすことができる。本明細書に記載された具体的な実施形態は例としてのみ提供され、本発明は、添付の特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲と共に、そのような特許請求の範囲の用語によってのみ限定されるべきである。

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