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C7−フルオロ置換テトラサイクリン化合物

阅读:1041发布:2020-10-10

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構造式II: により表わされる化合物または薬学的に許容できるその塩であって、式中、 Xは、素、−(C1−C7)アルキル、カルボシクリル、アリールおよびヘテロアリールから選択され、 R1およびR2はそれぞれ、水素、(C1−C7)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル(C1−C4)アルキル、(C1−C7)アルコキシ(C1−C4)アルキル、(C3−C6)シクロアルコキシ(C1−C4)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル、アリール、アリール(C1−C4)アルキル、アリールオキシ(C1−C4)アルキル、アリールチオ(C1−C4)アルキル、アリールスルフィニル(C1−C4)アルキル、アリールスルホニル(C1−C4)アルキルおよび−O−(C1−C7)アルキルから独立して選択され、あるいは R1およびR2は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、単環式もしくは二環式ヘテロアリール、または単環式、縮合二環式、橋かけ二環式もしくはスピロ二環式複素環を形成し、前記ヘテロアリールまたは複素環は、N、OおよびSから独立して選択される1つまたは2つの追加のヘテロ原子を任意で含み、 RFは、水素、(C1−C7)アルキル、カルボシクリル、アリールおよびヘテロアリールから選択され、 R1およびR2により表わされる基の各アルキル、シクロアルキル、アルコキシおよびシクロアルコキシ部分ならびにNR1R2が一緒になったものにより表わされる各複素環は、(C1−C4)アルキル、ハロ、−OH、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、(C1−C4)アルキルスルフィニル、(C1−C4)アルキルスルホニル、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキルおよび−N(R3)(R4)からなる群から独立して選択される1つ以上の置換基により任意で置換されており、 R1およびR2により表わされる基の各アリール、アリールオキシ、アリールチオ、アリールスルフィニルおよびアリールスルホニル部分ならびにNR1R2が一緒になったものにより表わされる各ヘテロアリールは、(C1−C4)アルキル、ハロ、−OH、(C1−C4)アルコキシ、−S−(C1−C4)アルキル、−S(O)(C1−C4)アルキル、−S(O)2(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキル、−N(R3)(R4)、−CN、ハロ(C1−C4)アルキルおよびハロ(C1−C4)アルコキシからなる群から独立して選択される1つ以上の置換基により任意で置換されており、 R3およびR4はそれぞれ、−Hおよび(C1−C4)アルキルからなる群から独立して選択され、R3およびR4により表わされる(C1−C4)アルキルは、(C1−C4)アルキル、ハロ、−OH、(C1−C4)アルコキシおよび(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキルからなる群から独立して選択される1つ以上の置換基により任意で置換されており、 XおよびRFにより表わされる基の各カルボシクリル、アリール、またはヘテロアリールは、ハロ、−(C1−C4)アルキル、−OH、=O、−O−(C1−C4)アルキル、−(C1−C4)アルキル−O−(C1−C4)アルキル、ハロ置換−(C1−C4)アルキル、ハロ置換−O−(C1−C4)アルキル、−C(O)−(C1−C4)アルキル、−C(O)−(フルオロ置換−(C1−C4)アルキル)、−S(O)m−(C1−C4)アルキル、−N(RG)(RG)およびCNから独立して選択される1つ以上の置換基により任意かつ独立して置換されており、 mは、1または2であり、 各RGは、水素または(C1−C4)アルキルであり、RGにより表わされる基の各アルキルは、−(C1−C4)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル、ハロ、−OH、−O−(C1−C4)アルキルおよび(C1−C4)アルキル−O−(C1−C4)アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基により任意かつ独立して置換されており、 但し、前記化合物は、 ではない、化合物または薬学的に許容できるその塩。前記化合物は、以下の構造式 により表わされる化合物または薬学的に許容できるその塩であって、式中、 R1およびR2はそれぞれ、水素、(C1−C7)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル(C1−C4)アルキル、(C1−C7)アルコキシ(C1−C4)アルキル、(C3−C6)シクロアルコキシ(C1−C4)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル、アリール、アリール(C1−C4)アルキル、アリールオキシ(C1−C4)アルキル、アリールチオ(C1−C4)アルキル、アリールスルフィニル(C1−C4)アルキル、およびアリールスルホニル(C1−C4)アルキルから独立して選択され、あるいは R1およびR2は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、単環式もしくは二環式ヘテロアリール、または単環式、縮合二環式、橋かけ二環式もしくはスピロ二環式複素環を形成し、前記ヘテロアリールまたは複素環は、N、OおよびSから独立して選択される1つまたは2つの追加のヘテロ原子を任意で含む、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。R1は、水素または(C1−C4)アルキルである、請求項2に記載の化合物。R2は、(C1−C7)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル(C1−C4)アルキル、(C1−C7)アルコキシ(C1−C4)アルキル、フェニル、フェニル(C1−C4)アルキル、(C3−C6)シクロアルキルおよびハロ(C1−C4)アルキルから選択され、R2により表わされる基の各アルキル、アルコキシおよびシクロアルキル部分は、(C1−C4)アルキルおよびハロからなる群から独立して選択される1つ以上の置換基により任意で置換されており、R2により表わされる基の各フェニル部分は、(C1−C4)アルキル、ハロ、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキル、−CN、ハロ(C1−C4)アルキルおよびハロ(C1−C4)アルコキシからなる群から独立して選択される1つ以上の置換基により任意で置換されている、請求項2または3に記載の化合物。R1は、水素、メチルおよびエチルから選択される、請求項2〜4のいずれか1項に記載の化合物。R2は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、フェニル、ベンジル、−(CH2)2−O−CH3、−(CH2)3−OCH3、−C(CH3)3、−CH(CH3)2、−CH2C(CH3)3、−CH2CH(CH3)2、−CH2−CF3、−(CH2)2−CH2Fおよび−(CH2)nCH3からなる群から選択され、nは、0、1、2、3、4、5または6であり、R2により表わされるフェニルまたはベンジル基は、(C1−C4)アルキル、ハロゲン、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキル、−CN、ハロ(C1−C4)アルキルおよびハロ(C1−C4)アルコキシからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基により任意で置換されている、請求項5に記載の化合物。R2は、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、−(CH2)2−O−CH3、−C(CH3)3、−CH(CH3)2、−CH2−CF3、−CH2CH(CH3)2、−CH3および−CH2CH3から選択される、請求項6に記載の化合物。R1およびR2は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、単環式もしくは二環式ヘテロアリール、または単環式、縮合二環式、橋かけ二環式もしくはスピロ二環式複素環を形成し、前記ヘテロアリールまたは複素環は、N、OおよびSから選択される1つの追加のヘテロ原子を任意で含み、前記複素環は、(C1−C4)アルキル、ハロ、−OH、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、(C1−C4)アルキルスルフィニル、(C1−C4)アルキルスルホニル、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキルおよび−N(R3)(R4)からなる群から独立して選択される1つ以上の置換基により任意で置換されており、前記ヘテロアリールは、(C1−C4)アルキル、ハロ、−OH、(C1−C4)アルコキシ、−S−(C1−C4)アルキル、−S(O)(C1−C4)アルキル、−S(O)2(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキル、−N(R3)(R4)、−CN、ハロ(C1−C4)アルキルおよびハロ(C1−C4)アルコキシからなる群から独立して選択される1つ以上の置換基により任意で置換されている、請求項2に記載の化合物。R1およびR2は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、アゼチジン、ピロリジン、モルホリン、ピペリジン、オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール、イソインドリンおよびアザビシクロ[3.1.0]ヘキサンからなる群から選択される複素環を形成し、前記複素環は、(C1−C4)アルキル、ハロゲン、−OH、(C1−C4)アルコキシ、−S−(C1−C4)アルキル、−S(O)(C1−C4)アルキル、−S(O)2(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキルおよび−N(R3)(R4)からなる群から独立して選択される1つ以上の置換基により任意で置換されている、請求項8に記載の化合物。前記複素環が、ハロゲン、メトキシ、ヒドロキシ、メトキシメチルまたはジメチルアミノ基により任意で置換されている、請求項9に記載の化合物。a)R1は、メチルであり、R2は、シクロプロピルである、 b)R1は、水素であり、R2は、シクロプロピルである、 c)R1は、水素であり、R2は、シクロブチルである、 d)R1は、メチルであり、R2は、シクロブチルである、 e)R1は、水素であり、R2は、シクロプロピルメチルである、 f)R1は、水素であり、R2は、シクロブチルメチルである、 g)R1は、水素であり、R2は、ベンジルである、 h)R1は、水素であり、R2は、メトキシプロピルである、 i)R1は、水素であり、R2は、メトキシエチルである、 j)R1は、水素であり、R2は、フェニルである、 k)R1は、メチルであり、R2は、t−ブチルである、 l)R1は、水素であり、R2は、t−ブチルである、 m)R1は、水素であり、R2は、メチルである、 n)R1は、水素であり、R2は、エチルである、 o)R1は、水素であり、R2は、プロピルである、 p)R1は、水素であり、R2は、ブチルである、 q)R1は、水素であり、R2は、ペンチルである、 r)R1は、水素であり、R2は、ヘキシルである、 s)R1は、水素であり、R2は、ヘプチルである、 t)R1は、メチルであり、R2は、メチルである、 u)R1は、水素であり、R2は、イソプロピルである、 v)R1は、水素であり、R2は、2,2−ジメチルプロピルである、 w)R1は、水素であり、R2は、トリフルオロエチルである、 x)R1は、水素であり、R2は、2−メチルプロピルである、 y)R1は、水素であり、R2は、3−フルオロプロピルである、 z)R1は、エチルであり、R2は、エチルである、 a1)R1は、水素であり、R2は、水素である、 b1)R1は、水素であり、R2は、シクロペンチルである、 c1)R1は、メチルであり、R2は、シクロペンチルである、もしくは d1)R1は、メチルであり、R2は、プロピルである、 化合物または上記のいずれかの薬学的に許容できる塩である、請求項2に記載の化合物。R1およびR2は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、 a)アゼチジン−1−イル、 b)3−フルオロアゼチジン−1−イル、 c)3−メチルアゼチジン−1−イル、 d)3−メトキシアゼチジン−1−イル、 e)モルホリン−4−イル、 f)3−フルオロピロリジン−1−イル、 g)3−ヒドロキシピロリジン−イル、 h)3−N,N−ジメチルアミノピロリジン−1−イル、 i)2−メトキシメチルピロリジン−1−イル、 j)ピペリジン−1−イル、 k)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−2−イル、 l)イソインドリン−2−イル、もしくは m)3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル、 または上記のいずれかの薬学的に許容できる塩から選択される基を形成する、請求項2に記載の化合物。R1は、水素または(C1−C4)アルキルであり、 R2は、(C1−C7)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル(C1−C4)アルキル、(C1−C7)アルコキシ(C1−C4)アルキル、フェニル、フェニル(C1−C4)アルキル、(C3−C6)シクロアルキルおよびハロ(C1−C4)アルキルから選択され、R2により表わされる基の各アルキル、アルコキシおよびシクロアルキル部分は、(C1−C4)アルキルおよびハロからなる群から独立して選択される1つ以上の置換基により任意で置換されており、R2により表わされる基の各フェニル部分は、(C1−C4)アルキル、ハロ、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキル、−CN、ハロ(C1−C4)アルキルおよびハロ(C1−C4)アルコキシからなる群から独立して選択される1つ以上の置換基により任意で置換されており、あるいは R1およびR2は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、単環式もしくは二環式ヘテロアリール、または単環式、縮合二環式、橋かけ二環式もしくはスピロ二環式複素環を形成し、前記ヘテロアリールまたは複素環は、N、OおよびSから選択される1つの追加のヘテロ原子を任意で含み、前記複素環は、(C1−C4)アルキル、ハロ、−OH、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、(C1−C4)アルキルスルフィニル、(C1−C4)アルキルスルホニル、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキルおよび−N(R3)(R4)からなる群から独立して選択される1つ以上の置換基により任意で置換されており、前記ヘテロアリールは、(C1−C4)アルキル、ハロ、−OH、(C1−C4)アルコキシ、−S−(C1−C4)アルキル、−S(O)(C1−C4)アルキル、−S(O)2(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキル、−N(R3)(R4)、−CN、ハロ(C1−C4)アルキルおよびハロ(C1−C4)アルコキシからなる群から独立して選択される1つ以上の置換基により任意で置換されている、請求項2に記載の化合物。R1は、水素、メチル、エチル、メトキシまたはtert−ブトキシであり、 R2は、(C1−C7)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル(C1−C4)アルキル、(C1−C7)アルコキシ(C1−C4)アルキル、フェニル、(C3−C6)シクロアルキルおよびフルオロ(C1−C4)アルキルから選択され、または R1およびR2は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、ピロリジニル、モルホリニル、アゼチジニル、ピペリジニル、オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロリル、イソインドリニル、インダゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリルおよびテトラゾリルから選択される環を形成し、R1およびR2とそれらが結合する窒素原子と一緒になったものにより形成される前記環は、フルオロ、−OH、−OCH3またはN(CH3)2により任意で置換されている、請求項1に記載の化合物。R1は、水素、メチルまたはエチルであり、 R2は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、2,2−ジメチルプロピル、t−ブチル、イソブチル、n−ペンチル、(C4−C6)シクロアルキル、(C3−C5)シクロアルキルメチル、メトキシエチルおよび2−フルオロエチルから選択され、または、 R1およびR2は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、テトラゾリルもしくはオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロリルから選択される環を形成し、R1およびR2とそれらが結合する窒素原子と一緒になったものにより形成される前記環は、フルオロにより任意で置換されている、請求項2に記載の化合物。薬学的に許容できる担体または希釈剤と、請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物またはその塩とを含む医薬組成物。細菌により引き起こされる感染を治療または予防するための医薬の製造における、請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩の使用。前記感染は、グラム陽性生物により引き起こされる、請求項17に記載の使用。前記グラム陽性生物は、ブドウ球菌属(Staphylococcus spp.)、レンサ球菌属(Streptococcus spp.)、プロピオニバクテリウム属(Propionibacterium spp.)、腸球菌属(Enterococcus spp.)、バチルス属(Bacillus spp.)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium spp.)、ノカルジア属(Nocardia spp,)、クロストリジウム属(Clostridium spp.)、アクチノバクテリア属(Actinobacteria spp.)およびリステリア属(Listeria spp.)からなる群から選択される、請求項18に記載の使用。前記感染は、グラム陰性生物により引き起こされる、請求項17に記載の使用。前記グラム陰性生物は、エンテロバクター科(Enterobactericeae)、バクテロイデス科(Bacteroidaceae)、ビブリオ科(Vibrionaceae)、パスツレラ属(Pasteurellae)、シュードモナス科(Pseudomonadaceae)、ナイセリア科(Neisseriaceae)、リケッチア(Rickettsiae)、モラクセラ科(Moraxellaceae)、プロテウス族(Proteeae)の任意の種、アシネトバクター属(Acinetobacter spp.)、ヘリコバクター属(Helicobacter spp.)およびカンピロバクター属(Campylobacter spp.)からなる群から選択される、請求項20に記載の使用。前記感染は、リケッチア(rickettsiae)、クラミジア(chlamydiae)、レジオネラ属(Legionella spp.)、およびマイコプラズマ属(Mycoplasma spp.)からなる群から選択される生物により引き起こされる、請求項17に記載の使用。前記感染は、皮膚感染症、気道感染症、または院内感染である、請求項17に記載の使用。前記感染は腹腔内感染である、請求項17に記載の使用。前記感染は尿路感染症である、請求項17に記載の使用。前記細菌は炭疽菌(Bacillus anthracis)である、請求項19に記載の使用。前記細菌は、大腸菌、炎桿菌(Klebsiella pneumonia)、ペスト菌(Yersinia pestis)、または野兎病菌である、請求項20に記載の使用。請求項1に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩は、単独で投与されることが意図される、請求項17に記載の使用。請求項2に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩は、1つ以上のさらなる治療剤と組み合わせて投与されることが意図される、請求項17に記載の使用。請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩と薬学的に許容できる担体または希釈剤を混合する工程を含む、請求項16記載の組成物の製造方法。

说明书全文

本発明は、C7−フルオロ置換テトラサイクリン化合物に関する。

関連出願の相互参照 本出願は、2008年8月8日出願の米国仮特許出願第61/188,307号明細書の利益を主張する。上記出願の全教示内容が、本明細書に参考文献として援用される。

テトラサイクリンは、人間および動物用薬剤に広く使われている幅広い抗菌剤である。発酵または半合成によるテトラサイクリンの総生産量は、1年あたり数千メートルトンとなる。

米国特許第5,929,055号明細書

テトラサイクリンの治療目的での使用が広がるにつれ、非常に感染し易い細菌種の中にも、これらの抗生物質に耐性が現れてきた。従って、他のテトラサイクリン応答疾病または疾患に対して、改善された抗菌活性および薬効を有する新たなテトラサイクリン類似体が必要とされている。

即ち、本発明の要旨は、 〔1〕構造式(A)

により表わされる化合物、または薬学的に許容できるその塩であって、式中、 Xは、素、−(C1−C7)アルキル、カルボシクリル、アリールおよびヘテロアリールから選択され、 Yは、水素、−(C1−C7)アルキル、カルボシクリル、−(C1−C4)アルキレン-N(RA)(RB)、−(C1−C4)アルキレン−N(RF)−C(O)−[C(RD)(RE)]0−4−N(RA)(RB)、−CH=N−ORA、−N(RA)(RB)、−N(RF)−C(O)−[C(RD)(RE)]1−4−N(RA)(RB)、−N(RF)−C(O)−N(RA)(RB)、−N(RF)−C(O)−(C1−C6)アルキル、−N(RF)−C(O)−ヘテロシクリル、−N(RF)−C(O)−ヘテロアリール、−N(RF)−C(O)カルボシクリル、−N(RF)−C(O)−アリール、−N(RF)−S(O)m−(C1−C4)アルキレン−N(RA)(RB)、−N(RF)−S(O)m−(C1−C4)アルキレン−カルボシクリルおよび−N(RF)−S(O)m−(C1−C4)アルキレン−アリールから選択され、 XおよびYの少なくとも1つは水素でなく、 各RAおよびRBは、水素、(C1−C7)アルキル、−O−(C1−C7)アルキル、−(C0−C6)アルキレン−カルボシクリル、−(C0−C6)アルキレン−アリール、−(C0−C6)アルキレン−ヘテロシクリル、−(C0−C6)アルキレン−ヘテロアリール、−(C1−C6)アルキレン−O−カルボシクリル、−(C1−C6)アルキレン−O−アリール、−(C1−C6)アルキレン−O−ヘテロシクリル、−(C1−C6)アルキレン−O−ヘテロアリール、−S(O)m−(C1−C6)アルキル、−(C0−C4)アルキレン−S(O)m−カルボシクリル、−(C0−C4)アルキレン−S(O)m−アリール、−(C0−C4)アルキレン−S(O)m−ヘテロシクリルおよび−(C0−C4)アルキレン−S(O)m−ヘテロアリールから独立して選択され、または RAおよびRBは、結合する窒素原子と併せて、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールを形成し、複素環またはヘテロアリールは、N、SおよびOから独立して選択される1〜4つの追加のヘテロ原子を任意で含み、 各RDおよび各REは、水素、(C1−C6)アルキル、カルボシクリル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリールまたは自然発生アミノ酸側鎖部分から独立して選択され、または RDおよびREは結合する炭素原子と併せて、3〜7員環のカルボシクリルまたは4〜7員環のヘテロシクリルを形成し、RDおよびREにより形成された前記ヘテロシクリルは、N、SおよびOから独立して選択される1〜2つの追加のヘテロ原子を任意で含み、 RFは、水素、(C1−C7)アルキル、カルボシクリル、アリールおよびヘテロアリールから選択され、 mは、1または2、 各カルボシクリル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、ハロ、−(C1−C4)アルキル、−OH、=O、−O−(C1−C4)アルキル、−(C1−C4)アルキル−O−(C1−C4)アルキル、ハロ置換−(C1−C4)アルキル、ハロ置換−O−(C1−C4)アルキル、−C(O)−(C1−C4)アルキル、−C(O)−(フルオロ置換−(C1−C4)アルキル)、−S(O)m−(C1−C4)アルキル、−N(RG)(RG)およびCNから独立して選択される1つ以上の置換基により任意かつ独立して置換されており、 RA、RB、RDおよびREにより表わされる基の各アルキルは、ハロ、−(C1−C4)アルキル、−OH、−O−(C1−C7)アルキル、−(C1−C4)アルキル−O−(C1−C4)アルキル、フルオロ置換−(C1−C4)アルキル、−S(O)m−(C1−C4)アルキルおよび−N(RG)(RG)から独立して選択される1つ以上の置換基により任意かつ独立して置換されており、 各RGは、水素または(C1−C4)アルキル、RGにより表わされる基の各アルキルは、−(C1−C4)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル、ハロ、−OH、−O−(C1−C4)アルキルおよび(C1−C4)アルキル−O−(C1−C4)アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基により任意かつ独立して置換されている化合物、 〔2〕前記化合物は、以下の構造式

により表わされる化合物、または薬学的に許容できるその塩であって、式中、 R1およびR2は、水素、(C1−C7)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル(C1−C4)アルキル、(C1−C7)アルコキシ(C1−C4)アルキル、(C3−C6)シクロアルコキシ(C1−C4)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル、アリール、アリール(C1−C4)アルキル、アリールオキシ(C1−C4)アルキル、アリールチオ(C1−C4)アルキル、アリールスルフィニル(C1−C4)アルキル、アリールスルホニル(C1−C4)アルキルおよび−O−(C1−C7)アルキルからそれぞれ独立して選択され、または R1およびR2は、結合する窒素原子と併せて、単環式または二環式ヘテロアリール、または単環式、溶融二環式、架橋二環式またはスピロ二環式複素環を形成し、前記ヘテロアリールまたは複素環は、N、OおよびSから独立して選択される1つまたは2つの追加のヘテロ原子を任意で含み、 R1およびR2により表わされる基の各アルキル、シクロアルキル、アルコキシおよびシクロアルコキシ部分およびNR1R2により表わされる各複素環は併せて、(C1−C4)アルキル、ハロ、−OH、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、(C1−C4)アルキルスルフィニル、(C1−C4)アルキルスルホニル、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキルおよび−N(R3)(R4)からなる群から独立して選択される1つ以上の置換基により任意で置換されており、 R1およびR2により表わされる基の各アリール、アリールオキシ、アリールチオ、アリールスルフィニルおよびアリールスルホニル部分およびNR1R2により表わされる各ヘテロアリールは併せて、(C1−C4)アルキル、ハロ、−OH、(C1−C4)アルコキシ、−S−(C1−C4)アルキル、−S(O)(C1−C4)アルキル、−S(O)2(C1−C4)アルキル、(C1−−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキル、−N(R3)(R4)、−CN、ハロ(C1−C4)アルキルおよびハロ(C1−C4)アルコキシからなる群から独立して選択される1つ以上の置換基により任意で置換されており、 R3およびR4は、−Hおよび(C1−C4)アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、R3およびR4により表わされる(C1−C4)アルキルは、(C1−C4)アルキル、ハロ、−OH、(C1−C4)アルコキシおよび(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキルからなる群から独立して選択される1つ以上の置換基により任意で置換されている〔1〕に記載の化合物、 〔3〕前記化合物は、以下の構造式

により表わされる化合物、または薬学的に許容できるその塩であって、式中、 R1およびR2は、水素、(C1−C7)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル(C1−C4)アルキル、(C1−C7)アルコキシ(C1−C4)アルキル、(C3−C6)シクロアルコキシ(C1−C4)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル、アリール、アリール(C1−C4)アルキル、アリールオキシ(C1−C4)アルキル、アリールチオ(C1−C4)アルキル、アリールスルフィニル(C1−C4)アルキル、アリールスルホニル(C1−C4)アルキルからそれぞれ独立して選択され、または R1およびR2は、結合する窒素原子と併せて、単環式または二環式ヘテロアリール、または単環式、溶融二環式、架橋二環式またはスピロ二環式複素環を形成し、前記ヘテロアリールまたは複素環は、N、OおよびSから独立して選択される1つまたは2つの追加のヘテロ原子を任意で含む〔2〕に記載の化合物、 〔4〕R1は、水素または(C1−C4)アルキルである〔3〕に記載の化合物、 〔5〕R2は、(C1−C7)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル(C1−C4)アルキル、(C1−C7)アルコキシ(C1−C4)アルキル、フェニル、フェニル(C1−C4)アルキル、(C3−C6)シクロアルキルおよびハロ(C1−C4)アルキルから選択され、R2により表わされる基の各アルキル、アルコキシおよびシクロアルキル部分は、(C1−C4)アルキルおよびハロからなる群から独立して選択される1つ以上の置換基により任意で置換されており、R2により表わされる基の各フェニル部分は、(C1−C4)アルキル、ハロ、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキル、−CN、ハロ(C1−C4)アルキルおよびハロ(C1−C4)アルコキシからなる群から独立して選択される1つ以上の置換基により任意で置換されている〔3〕または〔4〕に記載の化合物、 〔6〕R1は、水素、メチルおよびエチルから選択される〔3〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の化合物、 〔7〕R2は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、フェニル、ベンジル、−(CH2)2−O−CH3、−(CH2)3−OCH3、−C(CH3)3、−CH(CH3)2、−CH2C(CH3)3、−CH2CH(CH3)2、−CH2−CF3、−(CH2)2−CH2Fおよび−(CH2)nCH3からなる群から選択され、nは、0、1、2、3、4、5または6であり、R2により表わされるフェニルまたはベンジル基は、(C1−C4)アルキル、ハロゲン、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキル、−CN、ハロ(C1−C4)アルキルおよびハロ(C1−C4)アルコキシからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基により任意で置換されている〔6〕に記載の化合物、 〔8〕R2は、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、−(CH2)2−O−CH3、−C(CH3)3、−CH(CH3)2、−CH2−CF3、−CH2CH(CH3)2、−CH3および−CH2CH3から選択される〔7〕に記載の化合物、 〔9〕R1およびR2は、結合する窒素原子と併せて、単環式または二環式ヘテロアリール、または単環式、溶融二環式、架橋二環式またはスピロ二環式複素環を形成し、前記ヘテロアリールまたは複素環は、N、OおよびSから選択される1つの追加のヘテロ原子を任意で含み、前記複素環は、(C1−C4)アルキル、ハロ、−OH、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、(C1−C4)アルキルスルフィニル、(C1−C4)アルキルスルホニル、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキルおよび−N(R3)(R4)からなる群から独立して選択される1つ以上の置換基により任意で置換されており、前記ヘテロアリールは、(C1−C4)アルキル、ハロ、−OH、(C1−C4)アルコキシ、−S−(C1−C4)アルキル、−S(O)(C1−C4)アルキル、−S(O)2(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキル、−N(R3)(R4)、−CN、ハロ(C1−C4)アルキルおよびハロ(C1−C4)アルコキシからなる群から独立して選択される1つ以上の置換基により任意で置換されている〔3〕に記載の化合物、 〔10〕R1およびR2は、結合する窒素原子と併せて、アゼチジン、ピロリジン、モルホリン、ピペリジン、オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール、イソインドリンおよびアザビシクロ[3.1.0]ヘキサンからなる群から選択される複素環を形成し、前記複素環は、(C1−C4)アルキル、ハロゲン、−OH、(C1−C4)アルコキシ、−S−(C1−C4)アルキル、−S(O)(C1−C4)アルキル、−S(O)2(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキルおよび−N(R3)(R4)からなる群から独立して選択される1つ以上の置換基により任意で置換されている〔9〕に記載の化合物、 〔11〕前記複素環が、ハロゲン、メトキシ、ヒドロキシ、メトキシメチルまたはジメチルアミノ基により任意で置換されている〔10〕に記載の化合物、 〔12〕a)R1は、メチル、R2は、シクロプロピル、 b)R1は、水素、R2は、シクロプロピル、 c)R1は、水素、R2は、シクロブチル、 d)R1は、メチル、R2は、シクロブチル、 e)R1は、水素、R2は、シクロプロピルメチル、 f)R1は、水素、R2は、シクロブチルメチル、 g)R1は、水素、R2は、ベンジル、 h)R1は、水素、R2は、メトキシプロピル、 i)R1は、水素、R2は、メトキシエチル、 j)R1は、水素、R2は、フェニル、 k)R1は、メチル、R2は、t−ブチル、 l)R1は、水素、R2は、t−ブチル、 m)R1は、水素、R2は、メチル、 n)R1は、水素、R2は、エチル、 o)R1は、水素、R2は、プロピル、 p)R1は、水素、R2は、ブチル、 q)R1は、水素、R2は、ペンチル、 r)R1は、水素、R2は、ヘキシル、 s)R1は、水素、R2は、ヘプチル、 t)R1は、メチル、R2は、メチル、 u)R1は、水素、R2は、イソプロピル、 v)R1は、水素、R2は、2,2−ジメチルプロピル、 w)R1は、水素、R2は、トリフルオロエチル、 x)R1は、水素、R2は、2−メチルプロピル、 y)R1は、水素、R2は、3−フルオロプロピル、 z)R1は、エチル、R2は、エチル、 a1)R1は、メチル、R2は、メチル、 b1)R1は、水素、R2は、水素、 c1)R1は、水素、R2は、シクロペンチル、 d1)R1は、メチル、R2は、シクロペンチル、または e1)R1は、メチル、R2は、プロピル、 または上記のいずれかの薬学的に許容できるその塩である〔3〕に記載の化合物、 〔13〕R1およびR2は、結合する窒素原子と併せて、 a)アゼチジン−1−イル、 b)3−フルオロアゼチジン−1−イル、 c)3−メチルアゼチジン−1−イル、 d)3−メトキシアゼチジン−1−イル、 e)ピロリジン−1−イル、 f)モルホリン−4−イル、 g)3−フルオロピロリジン−1−イル、 h)3−ヒドロキシピロリジン−イル、 i)3−N,N−ジメチルアミノピロリジン−1−イル、 j)2−メトキシメチルピロリジン−1−イル、 k)ピペリジン−1−イル、 l)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−2−イル、 m)イソインドリン−2−イル、 n)3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル、 または上記のいずれかの薬学的に許容できるその塩から選択される群を形成する〔3〕に記載の化合物、 〔14〕R1は、水素または(C1−C4)アルキルであり、 R2は、(C1−C7)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル(C1−C4)アルキル、(C1−C7)アルコキシ(C1−C4)アルキル、フェニル、フェニル(C1−C4)アルキル、(C3−C6)シクロアルキルおよびハロ(C1−C4)アルキルから選択され、R2により表わされる基の各アルキル、アルコキシおよびシクロアルキル部分は、(C1−C4)アルキルおよびハロからなる群から独立して選択される1つ以上の置換基により任意で置換されており、R2により表わされる基の各フェニル部分は、(C1−C4)アルキル、ハロ、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキル、−CN、ハロ(C1−C4)アルキルおよびハロ(C1−C4)アルコキシからなる群から独立して選択される1つ以上の置換基により任意で置換されており、 R1およびR2は、結合する窒素原子と併せて、単環式または二環式ヘテロアリール、または単環式、溶融二環式、架橋二環式またはスピロ二環式複素環を形成し、前記ヘテロアリールまたは複素環は、N、OおよびSから選択される1つの追加のヘテロ原子を任意で含み、前記複素環は、(C1−C4)アルキル、ハロ、−OH、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、(C1−C4)アルキルスルフィニル、(C1−C4)アルキルスルホニル、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキルおよび−N(R3)(R4)からなる群から独立して選択される1つ以上の置換基により任意で置換されており、前記ヘテロアリールは、(C1−C4)アルキル、ハロ、−OH、(C1−C4)アルコキシ、−S−(C1−C4)アルキル、−S(O)(C1−C4)アルキル、−S(O)2(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキル、−N(R3)(R4)、−CN、ハロ(C1−C4)アルキルおよびハロ(C1−C4)アルコキシからなる群から独立して選択される1つ以上の置換基により任意で置換されている〔3〕に記載の化合物、 〔15〕R1は、水素、メチル、エチル、メトキシまたはtert−ブトキシであり、 R2は、(C1−C7)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル(C1−C4)アルキル、(C1−C7)アルコキシ(C1−C4)アルキル、フェニル、(C3−C6)シクロアルキルおよびフルオロ(C1−C4)アルキルから選択され、 R1およびR2は、結合する窒素原子と併せて、ピロリジニル、モルホリニル、アゼチジニル、ピペリジニル、オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロリル、イソインドリニル、インダゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリルおよびテトラゾリルから選択される環を形成し、結合する窒素原子と併せて、R1およびR2により形成された前記環は、フルオロ、−OH、−OCH3またはN(CH3)2により任意で置換されている〔2〕に記載の化合物、 〔16〕R1は、水素、メチルまたはエチルであり、 R2は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、2,2−ジメチルプロピル、t−ブチル、イソブチル、n−ペンチル、(C4−C6)シクロアルキル、(C3−C5)シクロアルキルメチル、メトキシエチルおよび2−フルオロエチルから選択され、または、 R1およびR2は、結合する窒素原子と併せて、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、テトラゾリルまたはオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロリルから選択される環を形成し、結合する窒素原子と併せて、R1およびR2により形成された前記環は、フルオロにより任意で置換されている〔3〕に記載の化合物、 〔17〕薬学的に許容できる担体または希釈剤と、〔1〕〜〔16〕のいずれか1項に記載の化合物またはその塩とを含む医薬組成物、 〔18〕対象に、〔1〕〜〔16〕のいずれか1項に記載の化合物またはその塩を、有効量で投与することを含む、対象における感染または定着を処置または予防する方法、 〔19〕前記感染は、グラム陽性菌により引き起こされる〔18〕に記載の方法、 〔20〕前記グラム陽性菌は、ブドウ球菌属(Staphylococcus spp.)、レンサ球菌属(Streptococcus spp.)、プロピオニバクテリウム属(Propionibacterium spp.)、腸球菌属(Enterococcus spp.)、バチルス属(Bacillus spp.)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium spp.)、ノカルジア菌属(Nocardia spp,)、クロストリジウム属(Clostridium spp.)、アクチノバクテリア属(Actinobacteria spp.)およびリステリア属(Listeria spp.)からなる群から選択される〔19〕に記載の方法、 〔21〕前記感染は、グラム陰性菌により引き起こされる〔18〕に記載の方法、 〔22〕前記グラム陰性菌は、エンテロバクター科(Enterobactericeae)、バクテロイデス科(Bacteroidaceae)、ビブリオ科(Vibrionaceae)、パスツレラ属(Pasteurellae)、シュードモナス科(Pseudomonadaceae)、ナイセリア科(Neisseriaceae)、リケッチア(Rickettsiae)、モラクセラ科(Moraxellaceae)、プロテアエ(Proteeae)の任意の種、アシネトバクター属(Acinetobacter spp.)、ヘリコバクター属(Helicobacter spp.)およびカンピロバクター属(Campylobacter spp.)からなる群から選択される〔21〕に記載の方法、 〔23〕前記感染は、リケッチア(rickettsiae)、クラミジア(chlamydiae)、レジオネラ属(Legionella spp.)、マイコプラズマ属(Mycoplasma spp.)および任意のその他細胞内病原菌からなる群から選択される細菌により引き起こされる〔18〕に記載の方法、 〔24〕前記感染は、2つ以上の細菌により引き起こされる〔18〕に記載の方法、 〔25〕前記感染は、1つ以上の抗生物質に耐性のある細菌により引き起こされる〔18〕に記載の方法、 〔26〕前記感染は、テトラサイクリンまたはテトラサイクリン抗生物質の第1および第2世代のいずれかのメンバーに耐性のある細菌により引き起こされる〔25〕に記載の方法、 〔27〕前記感染は、メチシリンまたはβ−ラクタムクラスの任意の抗生物質に耐性のある細菌により引き起こされる〔25〕に記載の方法、 〔28〕前記感染は、バンコマイシンに耐性のある細菌により引き起こされる〔25〕に記載の方法、 〔29〕前記感染は、キノロンまたはフルオロキノロンに耐性のある細菌により引き起こされる〔25〕の方法、 〔30〕前記感染は、チゲサイクリンに耐性のある細菌により引き起こされる〔25〕に記載の方法 に関する。

本発明により、C7−フルオロ置換テトラサイクリン化合物が提供される。

本発明は、構造式(A)

により表わされる化合物、または薬学的に許容できるその塩であって、式中、 Xは、水素、−(C1−C7)アルキル、カルボシクリル、アリールおよびヘテロアリールから選択され、 Yは、水素、−(C1−C7)アルキル、カルボシクリル、−(C1−C4)アルキレン−N(RA)(RB)、−(C1−C4)アルキレン−N(RF)−C(O)−[C(RD)(RE)]0−4−N(RA)(RB)、−CH=N−ORA、−N(RA)(RB)、−N(RF)−C(O)−[C(RD)(RE)]1−4−N(RA)(RB)、−N(RF)−C(O)−N(RA)(RB)、−N(RF)−C(O)−(C1−C6)アルキル、−N(RF)−C(O)−ヘテロシクリル、−N(RF)−C(O)−ヘテロアリール、−N(RF)−C(O)カルボシクリル、−N(RF)−C(O)−アリール、−N(RF)−S(O)m−(C1−C4)アルキレン−N(RA)(RB)、−N(RF)−S(O)m−(C1−C4)アルキレン−カルボシクリルおよび−N(RF)−S(O)m−(C1−C4)アルキレン−アリールから選択され、 XおよびYの少なくとも1つは水素でなく、 各RAおよびRBは、水素、(C1−C7)アルキル、−O−(C1−C7)アルキル、−(C0−C6)アルキレン−カルボシクリル、−(C0−C6)アルキレン−アリール、−(C0−C6)アルキレン−ヘテロシクリル、−(C0−C6)アルキレン−ヘテロアリール、−(C1−C6)アルキレン−O−カルボシクリル、−(C1−C6)アルキレン−O−アリール、−(C1−C6)アルキレン−O−ヘテロシクリル、−(C1−C6)アルキレン−O−ヘテロアリール、−S(O)m−(C1−C6)アルキル、−(C0−C4)アルキレン−S(O)m−カルボシクリル、−(C0−C4)アルキレン−S(O)m−アリール、−(C0−C4)アルキレン−S(O)m−ヘテロシクリルおよび−(C0−C4)アルキレン−S(O)m−ヘテロアリールから選択され、または RAおよびRBは、結合する窒素原子と併せて、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールを形成し、複素環またはヘテロアリールは、N、SおよびOから独立して選択される1〜4の追加のヘテロ原子を任意で含み、 各RDおよび各REは、水素、(C1−C6)アルキル、カルボシクリル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリールまたは自然発生アミノ酸側鎖部分から独立して選択され、または RDおよびREは結合する炭素原子と併せて、3〜7員環のカルボシクリルまたは4〜7員環のヘテロシクリルを形成し、RDおよびREにより形成されたヘテロシクリルは、N、SおよびOから独立して選択される1〜2つの追加のヘテロ原子を任意で含み、 RFは、水素、(C1−C7)アルキル、カルボシクリル、アリールおよびヘテロアリールから選択され、 mは、1または2、 各カルボシクリル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、ハロ、−(C1−C4)アルキル、−OH、=O、−O−(C1−C4)アルキル、−(C1−C4)アルキル−O−(C1−C4)アルキル、ハロ置換−(C1−C4)アルキル、ハロ置換−O−(C1−C4)アルキル、−C(O)−(C1−C4)アルキル、−C(O)−(フルオロ置換−(C1−C4)アルキル)、−S(O)m−(C1−C4)アルキル、−N(RG)(RG)およびCNから独立して選択される1つ以上の置換基により任意かつ独立して置換されており、 RA、RB、RDおよびREにより表わされる基の各アルキルは、ハロ、−(C1−C4)アルキル、−OH、−O−(C1−C7)アルキル、−(C1−C4)アルキル−O−(C1−C4)アルキル、フルオロ置換−(C1−C4)アルキル、−S(O)m−(C1−C4)アルキルおよび−N(RG)(RG)から独立して選択される1つ以上の置換基により任意かつ独立して置換されており、 各RGは、水素または(C1−C4)アルキル、RGにより表わされる基の各アルキルは、−(C1−C4)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル、ハロ、−OH、−O−(C1−C4)アルキルおよび(C1−C4)アルキル−O−(C1−C4)アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基により任意かつ独立して置換されている化合物に関する。

本発明の他の実施形態は、構造式(II)

により表わされる化合物、または薬学的に許容できるその塩であって、式中、 R1およびR2は、水素、(C1−C7)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル(C1−C4)アルキル、(C1−C7)アルコキシ(C1−C4)アルキル、(C3−C6)シクロアルコキシ(C1−C4)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル、アリール、アリール(C1−C4)アルキル、アリールオキシ(C1−C4)アルキル、アリールチオ(C1−C4)アルキル、アリールスルフィニル(C1−C4)アルキル、アリールスルホニル(C1−C4)アルキルおよび−O−(C1−C7)アルキルからそれぞれ独立して選択され、または R1およびR2は、結合する窒素原子と併せて、単環式または二環式ヘテロアリール、または単環式、縮合二環式、橋かけ二環式またはスピロ二環式複素環を形成し、ヘテロアリールまたは複素環は、N、OおよびSから独立して選択される1つまたは2つの追加のヘテロ原子を任意で含み、 R1およびR2により表わされる基の各アルキル、シクロアルキル、アルコキシおよびシクロアルコキシ部分およびNR1R2により表わされる各複素環は併せて、(C1−C4)アルキル、ハロ、−OH、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、(C1−C4)アルキルスルフィニル、(C1−C4)アルキルスルホニル、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキルおよび−N(R3)(R4)からなる群から独立して選択される1つ以上の置換基により任意で置換されており、 R1およびR2により表わされる基の各アリール、アリールオキシ、アリールチオ、アリールスルフィニルおよびアリールスルホニル部分およびNR1R2により表わされる各ヘテロアリールは併せて、(C1−C4)アルキル、ハロ、−OH、(C1−C4)アルコキシ、−S−(C1−C4)アルキル、−S(O)(C1−C4)アルキル、−S(O)2(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキル、−N(R3)(R4)、−CN、ハロ(C1−C4)アルキルおよびハロ(C1−C4)アルコキシからなる群から独立して選択される1つ以上の置換基により任意で置換されており、 R3およびR4は、−Hおよび(C1−C4)アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、R3およびR4により表わされる(C1−C4)アルキルは、(C1−C4)アルキル、ハロ、−OH、(C1−C4)アルコキシおよび(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキルからなる群から独立して選択される1つ以上の置換基により任意で置換されている化合物に関する。XおよびRFについての値は、構造式(A)で上記したとおりである。

本発明の他の実施形態は、構造式(I)

により表わされる化合物、または薬学的に許容できるその塩であって、式中、 R1およびR2は、水素、(C1−C7)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル(C1−C4)アルキル、(C1−C7)アルコキシ(C1−C4)アルキル、(C3−C6)シクロアルコキシ(C1−C4)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル、アリール、アリール(C1−C4)アルキル、アリールオキシ(C1−C4)アルキル、アリールチオ(C1−C4)アルキル、アリールスルフィニル(C1−C4)アルキル、アリールスルホニル(C1−C4)アルキルからそれぞれ独立して選択され、または R1およびR2は、結合する窒素原子と併せて、単環式または二環式ヘテロアリール、または単環式、縮合二環式、橋かけ二環式またはスピロ二環式複素環を形成し、ヘテロアリールまたは複素環は、N、OおよびSから独立して選択される1つの追加のヘテロ原子を任意で含み、変数の残りは、構造式(II)で上記したとおりである化合物に関する。

本発明の他の実施形態は、薬学的に許容できる担体または希釈剤と、構造式(A)、(II)または(I)により表わされる化合物または薬学的に許容できるその塩とを含む医薬組成物に関する。医薬組成物は、対象の感染を処置する等の治療に用いられる。

本発明の他の実施形態は、対象に、構造式(A)、(II)または(I)により表わされる化合物または薬学的に許容できるその塩を、有効量で、投与することを含む、対象における感染を処置する方法である。

本発明の他の実施形態は、対象に、構造式(A)、(II)または(I)により表わされる化合物または薬学的に許容できるその塩を、有効量で、投与することを含む、対象における感染を予防する方法である。

本発明の他の実施形態は、対象における感染を処置する薬剤を製造するための、構造式(A)、(II)または(I)により表わされる化合物または薬学的に許容できるその塩の使用である。

本発明の他の実施形態は、対象における感染を予防する薬剤を製造するための、構造式(A)、(II)または(I)により表わされる化合物または薬学的に許容できるその塩の使用である。

本発明の他の実施形態は、対象における感染を処置または予防する等治療のための、構造式(A)、(II)または(I)により表わされる化合物または薬学的に許容できるその塩の使用である。

本発明は、構造式(A)により表わされる化合物または薬学的に許容できるその塩に関する。構造式(A)の変数についての値および選択肢の値は、以下のとおり定義される。

Xは、水素、−(C1−C7)アルキル、カルボシクリル、アリールおよびヘテロアリールから選択される。一実施形態において、Xは水素である。変形実施形態において、Xは、−(C1−C7)アルキルである。あるいは、Xは、−(C1−C4)アルキルである。他の実施形態において、Xは、カルボシクリルである。他の変形実施形態において、Xは、アリールまたはヘテロアリールである。他の変形実施形態において、Xはフェニルである。

Yは、水素、−(C1−C7)アルキル、カルボシクリル、−(C1−C4)アルキレン−N(RA)(RB)、−(C1−C4)アルキレン−N(RF)−C(O)−[C(RD)(RE)]0−4−N(RA)(RB)、−CH=N−ORA、−N(RA)(RB)、−N(RF)−C(O)−[C(RD)(RE)]1−4−N(RA)(RB)、−N(RF)−C(O)−N(RA)(RB)、−N(RF)−C(O)−(C1−C6)アルキル、−N(RF)−C(O)−ヘテロシクリル、−N(RF)−C(O)−ヘテロアリール、−N(RF)−C(O)カルボシクリル、−N(RF)−C(O)−アリール、−N(RF)−S(O)m−(C1−C4)アルキレン−N(RA)(RB)、−N(RF)−S(O)m−(C1−C4)アルキレン−カルボシクリルおよび−N(RF)−S(O)m−(C1−C4)アルキレン−アリールから選択され、ただし、XおよびYの少なくとも1つは水素でない。一実施形態において、Yは、水素、−(C1−C7)アルキル、−(C1−C4)アルキレン−N(RA)(RB)、−(C1−C4)アルキレン−N(RF)−C(O)−[C(RD)(RE)]0−4−N(RA)(RB)、−CH=N−ORA、−N(RA)(RB)、−N(RF)−C(O)−[C(RD)(RE)]1−4−N(RA)(RB)、−N(RF)−C(O)−N(RA)(RB)、−N(RF)−C(O)−(C1−C6)アルキル、−N(RF)−C(O)−ヘテロシクリル、−N(RF)−C(O)−ヘテロアリール、−N(RF)−C(O)カルボシクリル、−N(RF)−C(O)−アリール、−N(RF)−S(O)m−(C1−C4)アルキレン−N(RA)(RB)、−N(RF)−S(O)m−(C1−C4)アルキレン−カルボシクリルおよび−N(RF)−S(O)m−(C1−C4)アルキレン−アリールから選択され、ただし、XおよびYの少なくとも1つは水素でない。一実施形態において、Yは、水素、−(C1−C7)アルキル、−(C1−C4)アルキレン−N(RA)(RB)、−(C1−C4)アルキレン−N(RF)−C(O)−[C(RD)(RE)]0−4−N(RA)(RB)、−CH=N−ORA、−N(RA)(RB)、−N(RF)−C(O)−[C(RD)(RE)]1−4−N(RA)(RB)、−NH−C(O)−C(RD’)(RE)−N(RA)(RB)、−N(RF)−C(O)−N(RA)(RB)、−N(RF)−C(O)−(C1−C6)アルキル、−N(RF)−C(O)−ヘテロシクリル、−N(RF)−C(O)−ヘテロアリール、−N(RF)−C(O)カルボシクリル、−N(RF)−C(O)−アリール、−N(RF)−S(O)m−(C1−C4)アルキレン−N(RA)(RB)、−N(RF)−S(O)m−(C1−C4)アルキレン−カルボシクリルおよび−N(RF)−S(O)m−(C1−C4)アルキレン−アリールから選択される。他の実施形態において、Yは、水素、−(C1−C7)アルキル、−(C1−C4)アルキレン−N(RA)(RB)、−(C1−C4)アルキレン−NH−C(O)−(CH2)0−1−N(RA)(RB)、−N(RA)(RB)、−NH−C(O)−カルボシクリル、−NH−C(O)−アリール、−NH−C(O)−ヘテロシクリル、−NH−C(O)−ヘテロアリール、−NH−C(O)−N(RA)(RA)、−N(RF’)−C(O)−CH2−N(RA)(RB)、−NH−C(O)−C(RD’)(RE)−N(RA)(RB)および−NH−S(O)m−(C1−C4)アルキレン−N(RA)(RB)から選択される。あるいは、上記したYにより表わされる−(C1−C7)アルキルは、(C1−C4)アルキルである。さらに他の実施形態において、Yは、−N(RA)(RB)、−N(H)−C(O)−カルボシクリル、−N(H)−C(O)−アリール、−N(H)−C(O)−複素環および−N(H)−C(O)−ヘテロアリールから選択される。あるいは、Yは、−NH−C(O)−CH2−N(RA)(RB)である。より具体的には、−NH−C(O)−CH2−N(RA)(RB)におけるRAおよびRBは、それぞれ、R1およびR2である。

各RAおよびRBは、水素、(C1−C7)アルキル、−O−(C1−C7)アルキル、−(C0−C6)アルキレン−カルボシクリル、−(C0−C6)アルキレン−アリール、−(C0−C6)アルキレン−ヘテロシクリル、−(C0−C6)アルキレン−ヘテロアリール、−(C1−C6)アルキレン−O−カルボシクリル、−(C1−C6)アルキレン−O−アリール、−(C1−C6)アルキレン−O−ヘテロシクリル、−(C1−C6)アルキレン−O−ヘテロアリール、−S(O)m−(C1−C6)アルキル、−(C0−C4)アルキレン−S(O)m−カルボシクリル、−(C0−C4)アルキレン−S(O)m−アリール、−(C0−C4)アルキレン−S(O)m−ヘテロシクリルおよび−(C0−C4)アルキレン−S(O)m−ヘテロアリールから独立して選択され、または RAおよびRBは、結合する窒素原子と併せて、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールを形成し、複素環またはヘテロアリールは、N、SおよびOから独立して選択される1〜4つの追加のヘテロ原子を任意で含む。一実施形態において、各RAは、水素およびメチルから独立して選択され、RBは、水素、(C1−C7)アルキル、−(C0−C6)アルキレン−カルボシクリル、−(C0−C6)アルキレン−アリール、−(C0−C6)アルキレン−ヘテロアリール、−S(O)m−(C1−C6)アルキル、−(C0−C4)アルキレン−S(O)m−カルボシクリル、−(C0−C4)アルキレン−S(O)m−アリール、−(C0−C4)アルキレン−S(O)m−複素環および−(C0−C4)アルキレン−S(O)m−ヘテロアリールから選択され、または、RAおよびRBは、窒素原子と併せて、複素環を形成し、複素環は、=Oおよび−N(RG)(RG)により任意で置換されている。他の実施形態において、RAは水素であり、RBは、(C1−C4)アルキルおよび−S(O)2−CH3から選択され、または、RAおよびRBは、併せて、4〜7員環の複素環を形成する。

各RDおよび各REは、水素、(C1−C6)アルキル、カルボシクリル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリールまたは自然発生アミノ酸側鎖部分から独立して選択され、または、RDおよびREは結合する炭素原子と併せて、3〜7員環のカルボシクリルまたは4〜7員環のヘテロシクリルを形成する。RDおよびREにより形成されたヘテロシクリルは、N、SおよびOから独立して選択される1〜2つの追加のヘテロ原子を任意で含む。一実施形態において、RDおよび各REは両方共−Hである。

RFは、水素、(C1−C7)アルキル、カルボシクリル、アリールおよびヘテロアリールから選択される。一実施形態において、RFは、水素である。他の実施形態において、RFは、水素、(C1−C7)アルキル、アリールおよびヘテロアリールから選択される。他の実施形態において、RFは、水素、(C1−C7)アルキルおよびフェニルから選択される。他の実施形態において、RFは、水素、(C1−C4)アルキルおよびフェニルから選択される。

RD’は、(C1−C6)アルキル、カルボシクリル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルおよび自然発生アミノ酸側鎖部分から選択され、またはRD’およびREは結合する炭素原子と併せて、3〜7員環のカルボシクリルまたは4〜7員環のヘテロシクリルを形成し、RD’およびREにより形成されたヘテロシクリルは、N、SおよびOから独立して選択される1〜2つの追加のヘテロ原子を任意で含む。一実施形態において、RD’およびREは結合する炭素原子と併せて、(C3−C7)シクロアルキルを形成する。

mは1または2である。一実施形態において、mは2である。

上述した各カルボシクリル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール(例えば、Y、RA、RB、RD、RD’およびREにより表わされる基)は、ハロ、−(C1−C4)アルキル、−OH、=O、−O−(C1−C4)アルキル、−(C1−C4)アルキル−O−(C1−C4)アルキル、ハロ置換−(C1−C4)アルキル、ハロ置換−O−(C1−C4)アルキル、−C(O)−(C1−C4)アルキル、−C(O)−(フルオロ置換−(C1−C4)アルキル)、−S(O)m−(C1−C4)アルキル、−N(RG)(RG)およびCNから独立して選択される1つ以上の置換基により任意かつ独立して置換されている。一実施形態において、各カルボシクリル、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、ハロ、−(C1−C4)アルキル、ハロ置換−(C1−C4)アルキル、−(O)−(C1−C4)アルキルおよび−N(RG)(RG)から独立して選択される1つ以上の置換基により任意かつ独立して置換されている。他の実施形態において、各カルボシクリル、アリール、ヘテロアリールまたは複素環は、−CH3、フルオロおよび-N(CH3)2から独立して選択される1つ以上の置換基により任意かつ独立して置換されている。

上述した各アルキル(例えば、Y、RA、RB、RD、RD’、RE、RFおよびRF’により表わされる基の)は、ハロ、−(C1−C4)アルキル、−OH、−O−(C1−C7)アルキル、−(C1−C4)アルキル−O−(C1−C4)アルキル、フルオロ置換−(C1−C4)アルキル、−S(O)m−(C1−C4)アルキルおよび−N(RG)(RG)から独立して選択される1つ以上の置換基により任意かつ独立して置換されている。一実施形態において、各アルキル基(例えば、YまたはRBにより表わされる基の)は、ハロ、−OHおよび−N(RG)(RG)から独立して選択される1つ以上の置換基により任意かつ独立して置換されている。

各RGは、水素または(C1−C4)アルキル、RGにより表わされる基の各アルキルは、−(C1-C4)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル、ハロ、−OH、−O−(C1−C4)アルキルおよび(C1−C4)アルキル−O−(C1−C4)アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基により任意かつ独立して置換されている。一実施形態において、RGにより表わされる基の各アルキルは、(C3−C6)シクロアルキルにより任意かつ独立して置換されている。

本明細書で用いる際、RAおよびRBが、結合する窒素原子と併せて、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールを形成するとき、−NRARBにより表わされるヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、RAおよびRBが結合する窒素原子に隣接するヘテロ原子を有する環系を含むことができる。例えば、−NRARBは、これらに限られるものではないが、以下の環系とすることができる。

同様に、RDおよびRE、またはRD’およびREが、結合する炭素原子と併せて、ヘテロシクリルを形成するとき、ヘテロシクリルは、RDおよびRE、またはRD’およびREが結合する炭素原子に隣接するヘテロ原子を有する環系を含むことができる。

本発明は、構造式(I)または(II)により表わされる化合物または薬学的に許容できるその塩に関する。構造式(I)または(II)の変数についての値および選択肢の値は、以下のとおり定義される。

R1は、水素、(C1−C7)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル(C1−C4)アルキル、(C1−C7)アルコキシ(C1−C4)アルキル、(C3−C6)シクロアルコキシ(C1−C4)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル、アリール、アリール(C1−C4)アルキル、アリールオキシ(C1−C4)アルキル、アリールチオ(C1−C4)アルキル、アリールスルフィニル(C1−C4)アルキル、アリールスルホニル(C1−C4)アルキルおよび−O−(C1−C7)アルキルから選択される。R1により表わされる基の各アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールチオ、アリールスルフィニルおよびアリールスルホニル部分は、構造式(I)について上に定義した1つ以上の独立して選択される置換基により任意で置換することができる。あるいは、R1は、水素、(C1−C7)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル(C1−C4)アルキル、(C1−C7)アルコキシ(C1−C4)アルキル、(C3−C6)シクロアルコキシ(C1−C4)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル、アリール、アリール(C1−C4)アルキル、アリールオキシ(C1−C4)アルキル、アリールチオ(C1−C4)アルキル、アリールスルフィニル(C1−C4)アルキルおよびアリールスルホニル(C1−C4)アルキルから選択される。他の変形において、R1は、−H、(C1−C7)アルキルまたは−O−(C1−C4)アルキルである。他の変形において、R1は、−Hまたは(C1−C7)アルキルである。他の変形において、R1は、−H、メチルまたはエチルである。さらに他の変形において、R1は、−OCH3または−OC(CH3)3である。

R2は、水素、(C1−C7)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル(C1−C4)アルキル、(C1−C7)アルコキシ(C1−C4)アルキル、(C3−C6)シクロアルコキシ(C1−C4)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル、アリール、アリール(C1−C4)アルキル、アリールオキシ(C1−C4)アルキル、アリールチオ(C1−C4)アルキル、アリールスルフィニル(C1−C4)アルキル、アリールスルホニル(C1−C4)アルキルおよび−O−(C1−C7)アルキルから選択される。R2により表わされる基の各アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アリールおよびアリールオキシ部分は、構造式(I)について上に定義した1つ以上の独立して選択される置換基により任意で置換することができる。あるいは、R2は、水素、(C1−C7)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル(C1−C4)アルキル、(C1−C7)アルコキシ(C1−C4)アルキル、(C3−C6)シクロアルコキシ(C1−C4)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル、アリール、アリール(C1−C4)アルキル、アリールオキシ(C1−C4)アルキル、アリールチオ(C1−C4)アルキル、アリールスルフィニル(C1−C4)アルキルおよびアリールスルホニル(C1−C4)アルキルから選択される。あるいは、R2は、(C1−C7)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル(C1−C4)アルキル、(C1−C7)アルコキシ(C1−C4)アルキル、フェニル、フェニル(C1−C4)アルキル、(C3−C6)シクロアルキルおよびハロ(C1−C4)アルキルから選択され、R2により表わされる基の各アルキル、アルコキシおよびシクロアルキル部分は、(C1−C4)アルキルおよびハロからなる群から独立して選択される1つ以上の置換基により任意で置換されており、R2により表わされる基の各フェニル部分は、(C1−C4)アルキル、ハロ、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキル、−CN、ハロ(C1−C4)アルキルおよびハロ(C1−C4)アルコキシからなる群から独立して選択される1つ以上の置換基により任意で置換されている。他の変形において、R2は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、フェニル、ベンジル、−(CH2)2−O−CH3、−(CH2)3−OCH3、−C(CH3)3、−CH(CH3)2、−CH2C(CH3)3、−CH2CH(CH3)2、−CH2−CF3、−(CH2)2−CH2Fおよび−(CH2)nCH3からなる群から選択され、nは、0、1、2、3、4、5または6であり、R2により表わされるフェニルまたはベンジル基は、(C1−C4)アルキル、ハロ、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキル、−CN、ハロ(C1−C4)アルキルおよびハロ(C1−C4)アルコキシからなる群から独立して選択される1つ以上の置換基により任意で置換されている。他の変形において、R2は、(C1−C4)アルキル、ハロ、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキル、−CN、ハロ(C1−C4)アルキルおよびハロ(C1−C4)アルコキシからなる群から独立して選択される1つ以上の置換基により任意で置換されたフェニルまたはベンジル基である。他の変形において、R2は、非置換フェニルまたはベンジルである。他の変形において、R2は、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、−(CH2)2−O−CH3、−C(CH3)3、−CH(CH3)2、−CH2−CF3、−CH2CH(CH3)2、−CH3および−CH2CH3から選択される。

あるいは、R1およびR2は、結合する窒素原子と併せて、単環式または二環式ヘテロアリール、または単環式、縮合二環式、橋かけ二環式またはスピロ二環式複素環も形成することができ、ヘテロアリールまたは複素環は、R1およびR2が結合するN原子に加えて、N、OおよびSから独立して選択される1つまたは2つの追加のヘテロ原子を任意で含む。ヘテロアリールまたは複素環は、構造式(I)について上述した1つ以上の独立して選択される置換基により、任意で置換することができる。あるいは、ヘテロアリールまたは複素環は、N、OおよびSから選択される1つの追加のヘテロ原子を含む。あるいは、R1およびR2は、結合する窒素原子と併せて、アゼチジン、ピロリジン、モルホリン、ピペリジン、オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール、イソインドリンおよびアザビシクロ[3.1.0]ヘキサンからなる群から選択される複素環を形成し、複素環は、(C1−C4)アルキル、ハロゲン、−OH、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、(C1−C4)アルキルスルフィニル、(C1−C4)アルキルスルホニル、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキルおよび−N(R3)(R4)からなる群から独立して選択される1つ以上の置換基により任意で置換されている。より具体的な実施形態において、これらの複素環は、ハロゲン、(C1−C4)アルコキシ、ヒドロキシ、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキルおよび−N(R3)(R4)からなる群から独立して選択される1つ以上の置換基により任意で置換されている。他の変形実施形態において、これらの複素環は、ハロゲン、メトキシ、ヒドロキシ、メトキシメチルおよびジメチルアミノからなる群から独立して選択される1つ以上の置換基により任意で置換されている。あるいは、R1およびR2は、結合する窒素原子と併せて、ピロリジニル、モルホリニル、アゼチジニル、ピペリジニル、オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロリル、イソインドリニル、インダゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリルおよびテトラゾリルから選択される環を形成し、結合する窒素原子と併せて、R1およびR2により形成される環は、ハロゲン、(C1−C4)アルコキシ、ヒドロキシ、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキルおよび−N(R3)(R4)により任意で置換されている。より具体的には、結合する窒素原子と併せて、R1およびR2により形成される環は、フルオロ、−OH、−OCH3またはN(CH3)2により任意で置換されている。

R3およびR4は、−Hおよび(C1−C4)アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、R3およびR4により表わされる(C1−C4)アルキルは、(C1−C4)アルキル、ハロ、−OH、(C1−C4)アルコキシおよび(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキルからなる群から独立して選択される1つ以上の置換基により任意で置換されている。あるいは、R3およびR4は、両方共メチルである。他の変形において、R3およびR4は、両方共−Hである。さらに他の変形において、R3およびR4は、それぞれ、非置換(C1−C4)アルキルである。

第1の変形実施形態において、本発明の化合物は、構造式(I)または(II)により表わされる化合物または薬学的に許容できるその塩であり、式中、 R1は、−Hまたは(C1−C4)アルキルであり、 R2は、(C1−C7)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル(C1−C4)アルキル、(C1−C7)アルコキシ(C1−C4)アルキル、フェニル、フェニル(C1−C4)アルキル、(C3−C6)シクロアルキルおよびハロ(C1−C4)アルキルから選択され、R2により表わされる基の各アルキル、アルコキシまたはシクロアルキル部分は、(C1−C4)アルキルおよびハロからなる群から独立して選択される1つ以上の置換基により任意で置換されており、R2により表わされる基の各フェニル部分は、(C1−C4)アルキル、ハロ、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキル、−CN、ハロ(C1−C4)アルキルおよびハロ(C1−C4)アルコキシからなる群から独立して選択される1つ以上の置換基により任意で置換されている。あるいは、R2は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、フェニル、ベンジル、−(CH2)2−O−CH3、−(CH2)3−OCH3、−C(CH3)3、−CH(CH3)2、−CH2C(CH3)3、−CH2CH(CH3)2、−CH2−CF3、−(CH2)2−CH2Fおよび−(CH2)nCH3からなる群から選択され、nは、0、1、2、3、4、5または6であり、R2により表わされるフェニルまたはベンジル基は、(C1−C4)アルキル、ハロ、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキル、−CN、ハロ(C1−C4)アルキルおよびハロ(C1−C4)アルコキシからなる群から独立して選択される1つ以上の置換基により任意で置換されている。他の変形において、R2により表わされるフェニルまたはベンジル基は、非置換である。さらに他の変形において、R2は、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、−(CH2)2−O−CH3、−C(CH3)3、−CH(CH3)2、−CH2−CF3、−CH2CH(CH3)2、−CH3および−CH2−CH3から選択される。

第2の変形実施形態において、構造式(I)または(II)により表わされる化合物について、R1は、水素、メチルまたはエチルであり、R2についての値および変形値は、第1の変形実施形態で上述したとおりである。

第3の変形実施形態において、構造式(I)または(II)により表わされる化合物について、R1は、水素、(C1−C7)アルキルまたは−O−(C1−C7)アルキルであり、R2は、(C1−C7)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル(C1−C4)アルキル、(C1−C7)アルコキシ(C1−C4)アルキル、フェニル、(C3−C6)シクロアルキルおよびフルオロ(C1−C4)アルキルから選択され、またはR1およびR2は、結合する窒素原子と併せて、ピロリジニル、モルホリニル、アゼチジニル、ピペリジニル、オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロリル、イソインドリニル、インダゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリルおよびテトラゾリルから選択される環を形成し、結合する窒素原子と併せて、R1およびR2により形成された環は、フルオロ、−OH、−OCH3またはN(CH3)2により任意で置換されている。より具体的には、R1は、水素、メチル、エチル、メトキシまたはtert−ブトキシである。

第4の変形実施形態において、構造式(I)または(II)により表わされる化合物について、R1は、水素、メチルまたはエチルであり、R2は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、2,2−ジメチルプロピル、t−ブチル、イソブチル、n−ペンチル、(C4−C6)シクロアルキル、(C3−C5)シクロアルキルメチル、メトキシエチルおよび2−フルオロエチルから選択され、または、R1およびR2は、結合する窒素原子と併せて、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、テトラゾリルまたはオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロリルから選択される環を形成し、結合する窒素原子と併せて、R1およびR2により形成された環は、フルオロにより任意で置換されている。

第5の変形実施形態において、構造式(A)により表わされる化合物について、Xが、水素のとき、Yは、水素、−(C1−C4)アルキル、−(C1−C4)アルキレン−N(RA)(RB)、−(C1−C4)アルキレン−N(RF)−C(O)−[C(RD)(RE)]0−4−N(RA)(RB)、−CH=N−ORA、−N(RA)(RB)、−N(RF)−C(O)−[C(RD)(RE)]1−4−N(RA)(RB)、−NH−C(O)−C(RD’)(RE)−N(RA)(RB)、−N(RF)−C(O)−N(RA)(RA)、−N(RF)−C(O)−(C1−C6)アルキル、−N(RF)−C(O)−ヘテロシクリル、−N(RF)−C(O)−ヘテロアリール、−N(RF)−C(O)カルボシクリル、−N(RF)−C(O)−アリール−N(RF)−S(O)m−(C1−C4)アルキレン−N(RA)(RB)、−N(RF)−S(O)m−(C1−C4)アルキレン−カルボシクリル、−N(RF)−S(O)m−(C1−C4)アルキレン−アリールから選択され、 RD’は、(C1−C6)アルキル、カルボシクリル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルおよび自然発生アミノ酸側鎖部分から選択され、または RD’およびREは結合する炭素原子と併せて、3〜7員環のカルボシクリルまたは4〜7員環のヘテロシクリルを形成し、RD’およびREにより形成されたヘテロシクリルは、N、SおよびOから独立して選択される1〜2つの追加のヘテロ原子を任意で含む。

RF’は、(C1−C7)アルキル、カルボシクリル、アリールおよびヘテロアリールから選択される。変数の残りについての値および変形値は、構造式(A)で上述したとおりである。あるいは、RF’は、(C1−C4)アルキルおよびフェニルから選択され、変数の残りは、第5の変形実施形態で上述したとおりである。

第6の変形実施形態において、構造式(A)により表わされる化合物について、Xは、水素、メチル、エチルおよびフェニルから選択され、Yは、水素、−(C1−C4)アルキル、−(C1−C4)アルキレン−N(RA)(RB)、−(C1−C4)アルキレン−NH−C(O)−(CH2)0−1−N(RA)(RB)、−N(RA)(RB)、−NH−C(O)−カルボシクリル、−NH−C(O)−アリール、−NH−C(O)−ヘテロシクリル、−NH−C(O)−ヘテロアリール、−NH−C(O)−N(RA)(RA)、−N(RF’)−C(O)−CH2−N(RA)(RB)、−NH−C(O)−C(RD’)(RE)−N(RA)(RB)および−NH−S(O)m−(C1−C4)アルキレン−N(RA)(RB)から選択され、または Xは、メチル、エチルおよびフェニルから選択され、Yは、−NH−C(O)−CH2−N(RA)(RB)であり、 各RAは、水素およびメチルから独立して選択され、 RBは、水素、(C1−C7)アルキル、−(C0−C6)アルキレン−カルボシクリル、−(C0−C6)アルキレン−アリール、−(C0−C6)アルキレン−ヘテロアリール、−S(O)m−(C1−C6)アルキル、−(C0−C4)アルキレン−S(O)m−カルボシクリル、−(C0−C4)アルキレン−S(O)m−アリール、−(C0−C4)アルキレン−S(O)m−複素環および−(C0−C4)アルキレン−S(O)m−ヘテロアリールから選択され、または、 RAおよびRBは、共通の窒素原子に結合しているとき、窒素原子と併せて、複素環を形成し、複素環は、=Oおよび−N(RG)(RG)により任意で置換されており、 RD’およびREは結合する炭素原子と併せて、(C3−C7)シクロアルキルを形成し、および mは、1または2、 各カルボシクリル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、ハロ、−(C1−C4)アルキル、ハロ置換−(C1−C4)アルキル、−O−(C1−C4)アルキルおよび−N(RG)(RG)から独立して選択される1つ以上の置換基により任意かつ独立して置換されており、 YまたはRBにより表わされる基の各アルキル部分は、ハロ、−OHおよび−N(RG)(RG)から独立して選択される1つ以上の置換基により任意かつ独立して置換されており、 RGは、水素または(C1−C4)アルキル、RGにより表わされる基の各アルキルは、(C3−C6)シクロアルキルにより任意かつ独立して置換されている。変数の残りは、第5の変形実施形態で上記したとおりである。

第7の変形実施形態において、構造式(A)により表わされる化合物について、Xは、水素およびメチルから選択され、 Yは、−N(RA)(RB)、−N(H)−C(O)−カルボシクリル、−N(H)−C(O)−アリール、−N(H)−C(O)−複素環および−N(H)−C(O)−ヘテロアリールから選択され、または、 Xは、メチルであり、 Yは、−NH−C(O)−CH2−N(RA)(RB)であり、 RAは、水素であり、 RBは、(C1−C4)アルキルおよび−S(O)2−CH3から選択され、または、RAおよびRBは、併せて、4〜7員環の複素環を形成し、各カルボシクリル、アリール、ヘテロアリールまたは複素環は、−CH3、フルオロおよび−N(CH3)2から独立して選択される1つ以上の置換基により任意かつ独立して置換されている。

第8の変形実施形態において、構造式(A)により表わされる化合物について、Yは、

であり、環Aは、4〜7員環のヘテロシクリルを表わし、R3’は、水素または(C1−C6)アルキルである。変数の残りについての値および変形値は、構造式(A)で上述したとおりである。より具体的には、環Aは、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニルまたはオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロリルからなる群から選択され、そのそれぞれが、ハロ、−(C1−C4)アルキル、ハロ置換−(C1−C4)アルキル(例えば、−CF3)、−OH、−O−(C1−C4)アルキルまたは−N(RG)(RG)からなる群から独立して選択される1つ以上の置換基により任意で置換されており、式中、RGは、水素または(C1−C4)アルキルである。さらにより具体的には、上述した環Aは、1つ以上のフルオロにより任意で置換されている。

第9の変形実施形態において、構造式(A)により表わされる化合物について、Yは、−NH−C(O)−ヘテロアリールである。変数の残りについての値および変形値は、構造式(A)で上述したとおりである。より具体的には、−NH−C(O)−ヘテロアリール中のヘテロアリールは、チエニル、ピリジニル、ピロリル、オキサゾリル、ピラゾリルおよびチアゾリルからなる群から選択され、そのそれぞれが、−(C1−C4)アルキル、ハロ置換−(C1−C4)アルキル(例えば、−CF3)、−OH、−O−(C1−C4)アルキルおよび−N(RG)(RG)からなる群から独立して選択される1つ以上の置換基により任意で置換されており、式中、RGは、水素または(C1−C4)アルキルである。より具体的には、ピロリルおよびピラゾリルは、環中のN原子がメチル基により任意で置換されている。

第10の変形実施形態において、構造式(A)により表わされる化合物について、Yは、−NH−C(O)−フェニルである。変数の残りについての値および変形値は、構造式(A)で上述したとおりである。より具体的には、−NH−C(O)−フェニル中のフェニルは、−(C1−C4)アルキル、ハロ置換−(C1−C4)アルキル(例えば、−CF3)、−OH、−O−(C1−C4)アルキルおよび−N(RG)(RG)からなる群から独立して選択される1つ以上の置換基により任意で置換されており、式中、RGは、水素または(C1−C4)アルキルである。より具体的には、−NH−C(O)−フェニル中のフェニルは、−CF3、−OCH3および−N(CH3)2から独立して選択される1つ以上の置換基により任意で置換されている。

第11の変形実施形態において、構造式(A)により表わされる化合物について、Yは、−NH−S(O)2−(C1−C6)アルキル、−NH−S(O)2−フェニル、−NH−S(O)2−ヘテロアリールにより表わされる。変数の残りについての値および変形値は、構造式(A)で上述したとおりである。より具体的には、Yにより表わされる基中のフェニル、ヘテロアリールまたはアルキルは、−(C1−C4)アルキル、ハロ置換−(C1−C4)アルキル(例えば、−CF3)、−OH、−O−(C1−C4)アルキルおよび−N(RG)(RG)からなる群から独立して選択される1つ以上の置換基により任意で置換されており、式中、RGは、水素または(C1−C4)アルキルである。

第12の変形実施形態において、構造式(A)により表わされる化合物について、Yは、−N(RA)(RB)により表わされ、式中、RAおよびRBは、水素、(C1−C7)アルキル、−(C1−C4)アルキル−(C3−C6)シクロアルキルからそれぞれ独立して選択され、式中、(C1−C7)アルキルは、−N(RG)(RG)により任意で置換されており、式中、RGは、水素または(C1−C4)アルキルである。変数の残りについての値および変形値は、構造式(A)で上述したとおりである。

第13の変形実施形態において、構造式(A)により表わされる化合物について、Yは、−(CH2)−N(RA)(RB)により表わされ、式中、RAおよびRBは、水素、(C1−C7)アルキル、−(C1−C4)アルキル−(C3−C6)シクロアルキルからそれぞれ独立して選択され、またはRAおよびRBは、結合する窒素原子と併せて、ヘテロシクリルを形成し、式中、RAまたはRBにより表わされる(C1−C7)アルキルは、−N(RG)(RG)により任意かつ独立して置換されており、式中、RGは、水素または(C1−C4)アルキル、RGにより表わされる(C1−C4)アルキルは、−Fにより任意で置換されている。変数の残りについての値および変形値は、構造式(A)で上述したとおりである。

第14の変形実施形態において、構造式(A)により表わされる化合物について、Yは、−CH2−NH−C(O)−(CH2)0−1−N(RA)(RB)により表わされ、式中、RAおよびRBは、水素、(C1−C7)アルキル、−(C1−C4)アルキル−(C3−C6)シクロアルキルからそれぞれ独立して選択される。変数の残りについての値および変形値は、構造式(A)で上述したとおりである。

本発明の化合物を、以下の表に示す化合物または薬学的に許容できるその塩ならびに以下の実施例1〜12に記載した化合物または薬学的に許容できるその塩により実証する。

「アルキル」は、指定数の炭素原子を有する飽和脂肪族の分岐または直鎖の一価炭化水素ラジカルを意味する。このように、「(C1−C7)アルキル」は、鎖状または分岐配置で1〜7つの炭素原子を有するラジカルを意味する。「(C1−C7)アルキル」は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルおよびヘプチルを含む。「置換アルキル」の好適な置換基としては、これらに限られるものではないが、−ハロゲン、−OH、(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、(C1−C4)アルキルスルフィニル、(C1−C4)アルキルスルホニル、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキルおよび−N(R3)(R4)が挙げられ、式中、R3およびR4は、上述したとおりである。

「シクロアルキル」は、指定数の炭素原子を有する飽和脂肪族環状炭化水素ラジカルを意味する。(C3−C6)シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルを含む。「置換シクロアルキル」の好適な置換基としては、ハロゲン、−OH、(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、(C1−C4)アルキルスルフィニル、(C1−C4)アルキルスルホニル、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキルおよび−N(R3)(R4)(式中、R3およびR4は、上述したとおりである)が挙げられる。

「複素環」は、N、OまたはSから独立して選択される1、2または3つのヘテロ原子を含有する4〜12員環の部分不飽和または飽和複素環を意味する。1つのヘテロ原子がSのとき、任意で、一または二酸素化(すなわち、−S(O)−または−S(O)2−)することができる。複素環は、単環式、縮合二環式、橋かけ二環式またはスピロ二環式複素環とすることができる。

単環式複素環としては、これらに限られるものではないが、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ヘキサヒドロピリミジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、モルホリン、チオモルホリン、チオモルホリン1,1−ジオキシド、テトラヒドロ−2H−1,2−チアジン、テトラヒドロ−2H−1,2−チアジン1,1−ジオキシド、イソチアゾリジン、イソチアゾリジン1,1−ジオキシドが例示される。

縮合二環式複素環は、共通する2つの近接する環原子を有する2つの環を持つ。第1の環は、単環式複素環であり、第2の環は、シクロアルキル、部分不飽和炭素環、フェニル、ヘテロアリールまたは単環式複素環である。例えば、第2の環は、(C3−C6)シクロアルキル、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルである。あるいは、第2の環は、フェニルである。縮合二環式複素環としては、これらに限られるものではないが、インドリン、イソインドリン、2,3−ジヒロドロ−1H−[d]オキサゾール、2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾール、2,3−ジヒドロベンゾ[d]チアゾール、オクタヒドロベンゾ[d]オキサゾール、オクタヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール、オクタヒドロベンゾ[d]チアゾール、オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンおよび3−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタンが例示される。

スピロ二環式複素環は、共通する1つのみの環原子を有する2つの環を持つ。第1の環は、単環式複素環であり、第2の環は、シクロアルキル、部分不飽和炭素環または単環式複素環である。例えば、第2の環は、(C3−C6)シクロアルキルである。スピロ二環式複素環としては、これらに限られるものではないが、アザスピロ[4.4]ノナン、7−アザスピロ[4.4]ノナン、アザスピロ[4.5]デカン、8−アザスピロ[4.5]デカン、アザスピロ[5.5]ウンデカン、3−アザスピロ[5.5]ウンデカンおよび3,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカンが例示される。

橋かけ二環式複素環は、共通する3つ以上の近接する環原子を有する2つの環を持つ。第1の環は、単環式複素環であり、他方の環は、シクロアルキル((C3−C6)シクロアルキル等)、部分不飽和炭素環または単環式複素環である。橋かけ二環式複素環としては、これらに限られるものではないが、アザビシクロ[3.3.1]ノナン、3−アザビシクロ[3.3.1]ノナン、アザビシクロ[3.2.1]オクタン、3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン、6−アザビシクロ[3.2.1]オクタンおよびアザビシクロ[2.2.2]オクタン、2−アザビシクロ[2.2.2]オクタンが例示される。

複素環が、R1およびR2が結合する窒素原子以外のN原子を含有するとき、N原子は、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルにより置換することができ、そのそれぞれは、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルキル、アルキル等により任意で置換することができる。複素環は、オキソ基(C=O)により任意で置換することができ、オキソ置換複素環としては、これらに限られるものではないが、チオモルホリン1−オキシド、チオモルホリン1,1−ジオキシド、テトラヒドロ−2H−1,2−チアジン1,1−ジオキシドおよびイソチアゾリジン1,1−ジオキシド、ピロリジン−2−オン、ピペリジン−2−オン、ピペラジン−2−オンおよびモルホリン−2−オンが挙げられる。複素環のその他任意の置換基としては、(C1-C4)アルキル、ハロ、−OH、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、(C1−C4)アルキルスルフィニル、(C1−C4)アルキルスルホニル、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキル、−N(R3)(R4)、ハロ(C1−C4)アルキルおよびハロ(C1−C4)アルコキシが挙げられる。

「ヘテロアリール」は、5〜12員環の単環ヘテロ芳香族単環または二環ラジカルを意味する。ヘテロアリールは、N、OおよびSから独立して選択される1、2または3つのヘテロ原子を含む。ヘテロアリールとしては、これらに限られるものではないが、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,5−チアジアゾール、1,2,5−チアジアゾール1−オキシド、1,2,5−チアジアゾール1,1−ジオキシド、1,3,4−チアジアゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジンおよびテトラゾールが挙げられる。二環ヘテロアリール環としては、これらに限られるものではないが、ビシクロ[4.4.0]およびビシクロ[4.3.0]縮合環系、例えば、インドリジン、インドール、イソインドール、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンズチアゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、シンノリン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン、1,8−ナフチリジンおよびプテリジンが挙げられる。

「炭素環」は、4〜12員環の飽和または不飽和脂肪族環状炭化水素環を意味する。

「アルコキシ」は、酸素結合原子を通して付加したアルキルラジカルを意味する。「アルコキシ」はまた、−O−アルキルと表現することもできる。例えば、(C1−C4)アルコキシはまた、−O−(C1−C4)アルキルと表現することもできる。「(C1−C4)−アルコキシ」には、メトキシ、エトキシ、プロポキシおよびブトキシが含まれる。

「アルキルチオ」は、硫黄結合原子により付加したアルキルラジカルを意味する。「アルキルチオ」はまた、−S−アルキルと表現することもできる。例えば、「(C1−C4)アルキルチオ」はまた、−S−(C1−C4)アルキルと表現することもできる。「(C1−C4)−アルキルチオ」には、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオおよびブチルチオが含まれる。

「アルキルスルフィニル」は、−S(O)−結合基により付加したアルキルラジカルを意味する。「アルキルスルフィニル」はまた、−S(O)−アルキルと表現することができる。例えば、「(C1−C4)アルキルスルフィニル」はまた、−S(O)−(C1−C4)アルキルと表現することができる。「(C1−C4)−アルキルスルフィニル」には、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニルおよびブチルスルフィニルが含まれる。

「アルキルスルホニル」は、−S(O)2−結合基により付加したアルキルラジカルを意味する。「アルキルスルホニル」はまた、−S(O)2−アルキルと表現することができる。例えば、「(C1−C4)アルキルスルフィニル」は、−S(O)2−(C1−C4)アルキルと表現することができる。「(C1−C4)−アルキルスルホニル」には、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニルおよびブチルスルホニルが含まれる。

ハロアルキルおよびハロシクロアルキルは、モノ、ポリおよびパーハロアルキル基を含み、各ハロゲンは、フッ素、塩素および臭素から独立して選択される。ハロアルキルおよびハロシクロアルキルはまた、ハロ−置換アルキルおよびハロ−置換シクロアルキルとそれぞれ呼ぶこともできる。

「シクロアルコキシ」は、酸素結合原子を通して付加したシクロアルキルラジカルを意味する。「シクロアルコキシ」はまた、−O−シクロアルキルと表現することもできる。例えば、「(C3−C6)シクロアルコキシ」はまた、−O−(C3−C6)シクロアルキルと表現することができる。「(C3−C6)シクロアルコキシ」には、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシおよびシクロヘキシルオキシが含まれる。

「アリール」は、芳香族単環式または多環式(例えば、二環式または三環式)炭素環式系を意味する。一実施形態において、「アリール」は、6〜12員環の単環式または二環式系である。アリール系には、これらに限られるものではないが、フェニル、ナフタレニル、フルオレニル、インデニル、アズレニルおよびアントラセニルが含まれる。

「アリールオキシ」は、酸素結合原子を通して付加したアリール部分を意味する。「アリールオキシ」はまた、−O−アリールと表現することもできる。アリールオキシには、これらに限られるものではないが、フェノキシが含まれる。

「アリールチオ」は、硫黄結合原子により付加したアリール部分を意味する。「アリールチオ」はまた、−S−アリールと表現することもできる。アリールチオには、これらに限られるものではないが、フェニルチオが含まれる。

「アリールスルフィニル」は、−S(O)−結合基により付加したアリール部分を意味する。「アリールスルフィニル」はまた、−S(O)−アリールと表現することもできる。アリールスルフィニルには、これらに限られるものではないが、フェニルスルフィニルが含まれる。

「アリールスルホニル」は、−S(O)2−結合基により付加したアリール部分を意味する。「アリールスルホニル」はまた、−S(O)2−アリールと表現することもできる。アリールスルホニルには、これらに限られるものではないが、フェニルスルホニルが含まれる。

「ヘテロ」とは、環系の少なくとも1つの炭素原子員を、N、SおよびOから選択される少なくとも1つのヘテロ原子で置換することを指す。「ヘテロ」はまた、非環式系における少なくとも1つの炭素原子員の置換も指す。ヘテロ環系またはヘテロ非環系は、ヘテロ原子により置換された1、2または3つの炭素原子員を有していてもよい。

本明細書で用いる「ハロゲン」または「ハロ」とは、フッ素、塩素、臭素またヨウ素を指す。

本明細書で用いるシクロアルキルアルキルは、−アルキレン−シクロアルキルと表現することができる。例えば、(C3−C6)シクロアルキル(C1−C4)アルキルは、−(C1−C4)アルキレン−(C3−C6)シクロアルキルと表現することができる。

本明細書で用いるアルコキシアルキルは、−アルキレン−O−アルキルと表現することができる。例えば、(C1−C7)アルコキシ(C1−C4)アルキルは、−(C1−C4)アルキレン−O−(C1−C7)アルキルと表現することができる。

本明細書で用いるシクロアルコキシアルキルは、−アルキレン−O−シクロアルキルと表現することができる。例えば、(C3−C6)シクロアルコキシ(C1−C4)アルキルは、−(C1−C4)アルキレン−O−(C3−C6)アルキルと表現することができる。

本明細書で用いるアリールアルキルは、−アルキレン−アリールと表現することができる。例えば、アリール(C1−C4)アルキルは、−(C1−C4)アルキレン−アリールと表現することができる。

本明細書で用いるアリールオキシアルキルは、−アルキレン−O−アリールと表現することができる。例えば、アリールオキシ(C1−C4)アルキルは、−(C1−C4)アルキレン−O−アリールと表現することができる。

本明細書で用いるアリールチオアルキルは、−アルキレン−S−アリールと表現することができる。例えば、アリールチオ(C1−C4)アルキルは、−(C1−C4)アルキレン−S−アリールと表現することができる。

本明細書で用いるアリールスルフィニルアルキルは、−アルキレン−S(O)−アリールと表現することができる。例えば、アリールスルフィニル(C1−C4)アルキルは、−(C1−C4)アルキレン−S(O)−アリールと表現することができる。

本明細書で用いるアリールスルホニルアルキルは、−アルキレン−S(O)2−アリールと表現することができる。例えば、アリールスルホニル(C1−C4)アルキルは、−(C1−C4)アルキレン−S(O)2−アリールと表現することができる。

本発明の他の実施形態は、1つ以上の薬学的に許容できる担体および/または希釈剤と、本明細書に開示された化合物または薬学的に許容できるその塩とを含む医薬組成物である。

「薬学的に許容できる担体」および「薬学的に許容できる希釈剤」は、動物または人間に適切に投与されれば、概して、副作用を起こさず、製剤原料(すなわち、本発明の化合物)のビヒクルとして用いられる、本発明の組成物の処方に用いるのに十分な純度および品質のある非治療的成分を意味する。

本発明の化合物の薬学的に許容できる塩もまた含まれる。例えば、アミンまたはその他塩基性基を含む本発明の化合物の酸塩は、化合物を、好適な有機または無機酸と反応させて、薬学的に許容できるアニオン塩形態にすることにより得ることができる。アニオン塩としては、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重酒石酸、臭化物、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシラート、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキシルリゾルシネート、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエート、ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシレート、臭化メチル塩、ムコ酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、パモエート、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロ酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル化物およびトリエチルヨウ化物塩が例示される。

カルボン酸またはその他酸性官能基を含む本発明の化合物の塩は、好適な塩基と反応させることにより調製することができる。かかる薬学的に許容できる塩は、薬学的に許容できるカチオンを与える塩基により作製してもよく、アルカリ金属塩(特に、ナトリウムおよびカリウム)、アルカリ土類金属塩(特に、カルシウムおよびマグネシウム)、アルミニウム塩およびアンモニウム塩、同様に、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モルホリン、ピリジン、ピペリジン、ピコリン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルアミン、ビス−(2−ヒドロキシエチル)アミン、トリ−(2−ヒドロキシエチル)アミン、プロカイン、ジベンジルピペリジン、デヒドロアビエチルアミン、N,N’−ビスデヒドロアビエチルアミン、グルカミン、N−メチルグルカミン、コリジン、キニーネ、キノリン、ならびにリシンよびアルギニン等の塩基性アミノ酸等の薬学的に許容できる有機塩基から作製された塩を含む。

本発明はまた、様々な異性体およびその混合物も含む。本発明の特定の化合物は、様々な立体異性体で存在してよい。立体異性体は、その空間配置のみが異なる化合物である。鏡像異性体は、最も一般的には、キラル中心として作用する非対称置換炭素原子を含むことにより、鏡像が重なり合わない立体異性体対である。「鏡像異性体」は、互いに鏡像であり、重なり合わない分子対の1つを意味する。ジアステレオマーは、鏡像として関係しない立体異性体である。2つ以上の非対称置換炭素原子を含むことによるのが最も一般的な理由である。「R」および「S」は、1つ以上のキラル炭素原子の置換基の構成を表わす。キラル中心がRまたはSと定義されていないときは、純粋な鏡像異性体または両構成の混ざったもののいずれかが存在している。

「ラセミ化合物」または「ラセミ混合物」は、等モル量の2つの鏡像異性体の化合物を意味し、かかる混合物は、光学活性を示さない、すなわち、偏向面を回転しない。

本発明の化合物は、異性体特異合成により個々の異性体として調製する、または異性体混合物から分解してもよい。従来の分解技術には、異性体対の各異性体の遊離塩基の塩を、光学活性酸を用いて形成し(分別結晶および遊離塩基の再生が続く)、異性体対の各異性体の酸形態の塩を、光学活性アミンを用いて形成し(分別結晶および遊離酸の再生が続く)、異性体対の各異性体のエステルまたはアミドを、光学的に純粋な酸、アミンまたはアルコールを用いて形成し(クロマトグラフィー分離およびキラル補助基の除去が続く)、または出発材料または最終生成物のいずれかの異性体混合物を、様々な周知のクロマトグラフィー法を用いて分解することが含まれる。

開示された化合物の立体化学が、構造により命名または表現されるとき、命名または表現された立体異性体は、他の立体異性体に対して、少なくとも60重量%、70重量%、80重量%、90重量%、99重量%または99.9重量%である。単一の鏡像異性体が、構造により命名または表現されるとき、命名または表現された鏡像異性体は、少なくとも60重量%、70重量%、80重量%、90重量%、99重量%または99.9重量%光学的に純粋である。重量基準でのパーセント光学純度は、存在する鏡像異性体を併せた重量で除算した存在する鏡像異性体の重量とその光学異性体の重量の比である。

本発明はまた、対象に、本発明の化合物または薬学的に許容できるその塩を、有効量で、投与することを含む、対象のテトラサイクリン応答疾病または疾患を処置または予防する方法も提供する。

「テトラサイクリン応答疾病または疾患」とは、本発明のテトラサイクリン化合物の投与により、処置、予防またはその他改善できる疾病または疾患を指す。テトラサイクリン応答疾病または疾患としては、感染症、癌、炎症、自己免疫疾患、動脈硬化、膜潰瘍、気腫、関節炎、骨粗鬆症、変形性関節症、多発性硬化症、骨肉腫、骨髄炎、気管支拡張症、慢性閉塞性疾患、皮膚および眼疾患、歯周炎、骨粗鬆症、関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、前立腺炎、潰瘍増殖および浸潤、転移、糖尿病、糖尿病タンパク尿、びまん性汎細気管支炎、大動脈または血管動脈瘤、皮膚組織創傷、ドライアイ、骨、軟骨退化、マラリヤ、老化、糖尿病、血管発作、神経変性疾患、心臓病、若年性糖尿病、急性および慢性気管支炎、一般的な風邪を含む副鼻腔炎および呼吸器感染症、ヴェグナー肉芽腫、好中球性皮膚症および疱疹状皮膚炎等のその他炎症性疾患、白血球破砕性血管炎、水疱型エリテマトーデス、膿疱性乾癬、持久性隆起性紅斑、白斑、円板状エリテマトーデス、壊疽性膿皮症、膿疱性乾癬、眼瞼炎またはマイボーム腺炎、アルツハイマー病、加齢性黄斑変性症、急性および慢性胃腸炎および大腸炎、急性および慢性膀胱炎および尿道炎、急性および慢性皮膚炎、急性および慢性結膜炎、急性および慢性漿膜炎、尿毒症性心膜炎、急性および慢性胆嚢炎、嚢胞性線維症、急性および慢性膣炎、急性および慢性ブドウ膜炎、薬物反応、虫刺傷、火傷および日焼け、骨量疾患、急性肺外傷、慢性肺疾患、虚血、脳卒中または虚血性脳卒中、皮膚創傷、大動脈または血管動脈瘤、糖尿病性網膜症、脳出血、血管新生およびテトラサイクリン化合物が活性であることがわかったその他状態(例えば、それぞれ本明細書に参考文献として明確に援用される米国特許第5,789,395号明細書、同第5,834,450号明細書、同第6,277,061号明細書および同第5,532,227号明細書を参照のこと)。

また、任意の疾病または疾病状態を処置する方法は、一酸化窒素、金属プロテアーゼ、炎症性メディエータおよびサイトカイン、反応性酸素種、そして走化性、リンパ球転換、遅延型過敏症、抗体産生、食作用および食細胞の酸化的代謝をはじめとする免疫応答の成分の発現および/または機能を調節することにより利益が得られる。C−反応性タンパク、シグナル伝達経路(例えば、FAKシグナル伝達経路)の発現および/または機能、および/またはCOX−2およびPGE2産生の発現増大を調節することにより利益が得られる任意の疾病または疾病状態を処置する方法が包含される。血管新生の抑制から利益が得られる疾病または疾病状態を処置する方法が包含される。

本発明の化合物は、下痢、尿路感染症、皮膚および皮膚組織の感染症、、鼻および咽喉の感染症、傷口感染症、乳腺炎等の哺乳類および動物の重要疾病を予防または処置するのに用いることができる。また、本発明のテトラサイクリン化合物を用いて腫瘍を処置する方法も含まれる(van der Bozertら、Cancer Res.,48:6686−6690(1988))。

本発明の化合物または薬学的に許容できるその塩を用いて処置可能な感染症としては、これらに限られるものではないが、皮膚感染症、GI感染症、尿路感染症、泌尿生殖器感染症、気道感染症、鼻腔感染症、中耳炎、全身感染症、コレラ、インフルエンザ、気管支炎、にきび、マラリヤ、梅毒および淋病をはじめとする性感染症、レジオネラ症、ライム病、ロッキー山紅斑熱、Q熱、発疹チフス、腺ペスト、ガス壊疽、院内感染、レプトスピラ症、百日咳、鼠径リンパ肉芽腫に関係する薬剤により引き起こされる炭疽および感染症、封入体結膜炎またはオウム病が挙げられる。感染症としては、細菌性、真菌性、寄生性およびウイルス性感染症(他のテトラサイクリン化合物に耐性のあるものを含む)があり得る。

一実施形態において、感染は、細菌による可能性がある。他の実施形態において、感染は、グラム陽性菌により引き起こされる。本実施形態の具体的な態様において、感染は、ブドウ球菌属(Staphylococcus spp.)、レンサ球菌属(Streptococcus spp.)、プロピオニバクテリウム属(Propionibacterium spp.)、腸球菌属(Enterococcus spp.)、バチルス属(Bacillus spp.)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium spp.)、ノカルジア菌属(Nocardia spp,)、クロストリジウム属(Clostridium spp.)、アクチノバクテリア属(Actinobacteria spp.)およびリステリア属(Listeria spp.)から選択されるグラム陽性菌により引き起こされる。

他の実施形態において、感染は、グラム陰性菌により引き起こされる。本実施形態の一態様において、感染は、大腸菌(Escherichia coli)、サルモネラ菌(Salmonella)、赤痢菌(Shigella)、その他エンテロバクター科(Enterobactericeae)、シュードモナス菌(Pseudomonas)、モラクセラ属(Moraxella)、ヘリコバクター属(Helicobacter)、ステノトロフォモナス(Stenotrophomonas)、ブデロビブリオ(Bdellovibrio)、酢酸バクテリア、レジオネラ(Legionella)またはアルファ−プロテオバクテリア、例えば、ボルバキア(Wolbachia)をはじめとするプロテオバクテリア(例えば、ベータプロテオバクテリア(Betaproteobacteria)およびガンマプロテオバクテリア(Gammaproteobacteria))により引き起こされる。他の態様において、感染は、シアノバクテリア(cyanobacteria)、スピロヘータ(spirochaetes)、緑色硫黄細菌または緑色非硫黄細菌(green sulfur or green non−sulfur bacteria)から選択されるグラム陰性細菌により引き起こされる。本実施形態の具体的な態様において、感染は、エンテロバクター科(Enterobactericeae)(例えば、広域スペクトルβ−ラクタマーゼ(β−lactamases)および/またはカルバペネマーゼ(carbapenemases)を含むものをはじめとする大腸菌(E.coli)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumonia))、バクテロイデス科(Bacteroidaceae)(例えば、バクテロイデスフラジリス(Bacteroides fragilis))、ビブリオ科(Vibrionaceae)(コレラ菌(Vibrio cholerae))、パスツレラ属(Pasteurellae)(例えば、インフルエンザ菌(Haemophilus influenza))、シュードモナス科(Pseudomonadaceae)(例えば、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa))、ナイセリア科(Neisseriaceae)(例えば、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis))、リケッチア(Rickettsiae)、モラクセラ科(Moraxellaceae)(例えば、モラクセラ・カタラーリス(Moraxella catarrhalis))、プロテアエ(Proteeae)の任意の種、アシネトバクター属(Acinetobacter spp.)、ヘリコバクター属(Helicobacter spp.)およびカンピロバクター属(Campylobacter spp.))から選択されるグラム陰性細菌により引き起こされる。

特定の実施形態において、感染は、エンテロバクター科(Enterobactericeae)(例えば、大腸菌(E.coli)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、シュードモナス菌(Pseudomonas)およびアシネトバクター属(Acinetobacter spp.)からなる群から選択されるグラム陰性細菌により引き起こされる。

他の実施形態において、感染は、肺炎桿菌(K.pneumoniae)、サルモネラ菌(Salmonella)、腸内連鎖球菌(E.hirae)、アシネトバクター・バウマニ菌(A.baumanii)、モラクセラ・カタラーリス菌(M.catarrhalis)、インフルエンザ菌(H.influenzae)、緑膿菌(P.aeruginosa)、フェシウム菌(E.faecium)、大腸菌(E.coli)、黄色ブドウ球菌(S.aureus)および腸球菌(E.faecalis)からなる群から選択される細菌により引き起こされる。

他の実施形態において、感染は、リケッチア(rickettsiae)、クラミジア(chlamydiae)、レジオネラ属(Legionella spp.)およびマイコプラズマ属(Mycoplasma spp.)からなる群から選択される細菌により引き起こされる。他の実施形態において、感染は、テトラサイクリンならびにテトラサイクリン抗生物質(例えば、ドキシサイクリンまたはミノサイクリン)の第1および第2世代の任意のメンバーに耐性のある細菌により引き起こされる。

他の実施形態において、感染は、メチシリンに耐性のある細菌により引き起こされる。

他の実施形態において、感染は、バンコマイシンに耐性のある細菌により引き起こされる。

他の実施形態において、感染は、キノロンまたはフルオロキノロンに耐性のある細菌により引き起こされる。

他の実施形態において、感染は、チゲサイクリンに耐性のある細菌により引き起こされる。

他の実施形態において、感染は、多剤耐性病原体(2つ以上の抗生物質のいずれかに対して中等度または完全耐性を有する)により引き起こされる。他の実施形態において、感染は、炭疽菌(Bacillus anthracis)感染である。「炭疽菌(Bacillus anthracis)感染」には、炭疽菌(Bacillus anthracis)またはセレウス菌(Bacillus cereus)群の他のメンバーに露出または露出の疑いにより引き起こされるまたはそれから生じる、任意の状態、疾病または疾患が含まれる。他の実施形態において、感染は、炭疽菌(Bacillus anthracis)(炭疽)、ペスト菌(Yersinia pestis)(ペスト)または野兎病菌(Francisella tularensis)(野兎病))により引き起こされる。

さらに他の実施形態において、感染は、上述した2つ以上の細菌により引き起こされる可能性がある。かかる感染としては、これらに限られるものではないが、腹腔内感染((大腸菌(E.coli)のようなグラム陰性種とバクテロイデス・フラギリス(B.fragilis)のような嫌気性細菌の混合物であることが多い)、糖尿病性足病変(レンサ球菌属(Streptococcus spp.)、セラシア属(Serratia)、ブドウ球菌(Staphylococcus)および腸球菌属(Enterococcus spp.)の様々な組み合わせ)、嫌気性細菌(S.E.Dowdら、PloS one2008;3:e3326)および呼吸器疾患(特に、嚢胞性線維症のような慢性的感染症を持つ患者−例えば、黄色ブドウ球菌(S.aureus)プラス緑膿菌(P.aeruginosa)またはインフルエンザ菌(H.influenza)、異種病原体)、創傷および膿瘍(様々なグラム陰性およびグラム陽性バクテリア、特に、MSSA/MRSA、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(coagulase−negative staphylococci)、エンテロコッカス属(enterococci)、アシネトバクター(Acinetobacter)、緑膿菌(P.aeruginosa)、大腸菌(E.coli)、バクテロイデス・フラギリス(B.fragilis)および血流感染(13%が多菌性であった(H.Wisplinghoffら、Clin.Infect.Dis.2004;39:311−317))が例示される。

さらなる実施形態において、テトラサイクリン応答疾病または疾患は、細菌性感性でない。他の実施形態において、本発明のテトラサイクリン化合物は、実質的に非抗菌性である。例えば、本発明の非抗菌性化合物は、当該技術分野において公知の分析および/または実施例14に示した分析により測定すると、約4μg/mlを超えるMIC値を有する可能性がある。他の実施形態において、本発明のテトラサイクリン化合物は、抗菌性と非抗菌性の両効果を有する。

テトラサイクリン応答疾病または疾患にはまた、炎症過程関連状態(IPAS)に関連する疾病または疾患も含まれる。「炎症過程関連状態」という用語には、炎症または炎症性因子(例えば、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMPs)、一酸化窒素(NO)、TNF、インターロイキン、血漿タンパク質、細胞防御システム、サイトカイン、脂質の代謝産物、プロテアーゼ、毒性ラジカル、接着分子等)が、異常な量、例えば、対象を変化、例えば、対象に利益を与えるのに好都合であろう量で含まれる、または存在している状態が含まれる。炎症過程は、生体組織の損傷に対する応答である。炎症の原因は、物理的損傷、化学物質、微生物、組織壊死、癌またはその他因子によるものの可能性がある。急性炎症は、短期間で、僅か数日しか続かない。ただし、長く続く場合には、慢性炎症と呼ばれることがある。

IPASには、炎症性疾患が含まれる。炎症性疾患には、通常、熱、発赤、腫れ、痛みおよび機能喪失といった特徴がある。炎症性疾患の原因としては、これらに限られるものではないが、微生物感染(例えば、細菌感染および真菌感染)、物理的因子(例えば、火傷、放射線および外傷)、化学的因子(例えば、毒素および腐食性物質)、組織壊死および様々な免疫学的反応が例示される。

本発明の化合物または薬学的に許容できるその塩を用いて処置可能な炎症性疾患としては、これらに限られるものではないが、変形性関節症、関節リウマチ、急性および慢性感染症(細菌および真菌、ジフテリアおよびペストを含む)、急性および慢性気管支炎、一般的な風邪を含む副鼻腔炎および呼吸器感染症、急性および慢性胃腸炎および大腸炎、炎症性腸疾患、急性および慢性膀胱炎および尿道炎、脈管炎、敗血症、腎炎、膵炎、肝炎、紅斑性狼瘡、例えば、湿疹、皮膚炎、乾癬、壊疽性膿皮症、酒さおよび急性および慢性皮膚炎をはじめとする炎症性皮膚疾患、急性および慢性結膜炎、急性および慢性漿膜炎(心膜炎、腹膜炎、滑膜炎、胸膜炎および炎)、尿毒症性心膜炎、急性および慢性胆嚢、急性および慢性膣炎、急性および慢性ブドウ膜炎、薬物反応、虫刺傷、火傷(熱、化学および電気)および日焼けが例示される。

IPASにはまた、マトリックスメタロプロテアーゼ関連状態(MMPAS)も含まれる。MMPASには、異常量のMMPsまたはMMP活性を特徴とする状態が含まれる。本発明の化合物または薬学的に許容できるその塩を用いて処理することのできるマトリックスメタロプロテアーゼ関連状態(「MMPAS」)としては、これらに限られるものではないが、動脈硬化症、角膜潰瘍、肺気腫、変形性関節症、多発性硬化症(Liedtkeら、Ann.Neurol.1998,44:35−46;Chandlerら、J.Neuroimmunol.1997,72:155−71)、骨肉腫、骨髄炎、気管支拡張症、慢性肺疾患、皮膚および眼病、歯周炎、骨粗鬆症、関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、炎症性疾患、潰瘍増殖および浸潤(Stetler−Stevensonら、Annu.Rev.Cell Biol.1993,9:541−73;Tryggvasonら、Biochim.Biophys.Acta 1987,907:191−217;Liら、Mol.Carcillog.1998,22:84−89))、転移、急性肺外傷、脳卒中、虚血、糖尿病、大動脈または血管動脈瘤、皮膚組織創傷、ドライアイ、骨、軟骨退化(Greenwaldら、Bone1998,22:33−38;Ryanら、Curr.Op.Rheumatol.1996,8:238−247)が例示される。その他のMMPASとしては、その全内容が本明細書に参考文献として援用される米国特許第5,459,135号明細書、同第5,321,017号明細書、同第5,308,839号明細書、同第5,258,371号明細書、同第4,935,412号明細書、同第4,704,383号明細書、同第4,666,897号明細書およびRE特許第34,656号明細書に記載されたものが挙げられる。

さらなる実施形態において、IPASとしては、その全内容が本明細書に参考文献として援用される米国特許第5,929,055号明細書および同第5,532,227号明細書に記載された疾患が挙げられる。

テトラサイクリン応答疾病または疾患には、NO関連状態に関連する疾病または疾患も含まれる。「NO関連状態」という用語には、一酸化窒素(NO)または誘導型一酸化窒素シンターゼ(iNOS)が含まれる、またはそれに関連する状態が含まれる。NO関連状態には、異常量のNOおよび/またはiNOSを特徴とする状態が含まれる。好ましくは、NO関連状態は、本発明のテトラサイクリン化合物を投与することにより処置することができる。米国特許第6,231,894号明細書、同第6,015,804号明細書、同第5,919,774号明細書および同第5,789,395号明細書に記載された疾患、疾病および状態も、NO関連状態に含まれる。これら特許のそれぞれの全内容が、本明細書に参考文献として援用される。

本発明の化合物または薬学的に許容できるその塩を用いて処置可能なNO関連状態に関連する疾病または疾患としては、これらに限られるものではないが、マラリヤ、老化、糖尿病、脳卒中、神経変性疾患(アルツハイマー病およびハンチントン病)、心臓疾患(高速後の再潅流関連傷害)、若年性糖尿病、炎症性疾患、変形性関節症、関節リウマチ、急性、反復および慢性感染症(細菌、ウイルスおよび真菌)、急性および慢性気管支炎、一般的な風邪を含む副鼻腔炎および呼吸器感染症、急性および慢性胃腸炎および大腸炎、急性および慢性膀胱炎および尿道炎、急性および慢性皮膚炎、急性および慢性結膜炎、急性および慢性漿膜炎(心膜炎、腹膜炎、滑膜炎、胸膜炎および腱炎)、尿毒症性心膜炎、急性および慢性胆嚢、嚢胞性線維症、急性および慢性膣炎、急性および慢性ブドウ膜炎、薬物反応、虫刺傷、火傷(熱、化学および電気)および日焼けが例示される。

他の実施形態において、テトラサイクリン応答疾病または疾患は、癌である。本発明の化合物または薬学的に許容できるその塩を用いて処置可能な癌としては、全ての固形腫瘍、すなわち、悪性腫瘍、例えば、腺癌および肉腫が例示される。腺癌は、腺組織から誘導された悪性腫瘍である、または腫瘍細胞が、認識し得る腺構造を形成している。肉腫には、細胞が、胎生結合組織のような線維または均質物質に埋め込まれた腫瘍が広く含まれる。本発明の方法を用いて処置可能な悪性腫瘍としては、これらに限られるものではないが、前立腺、乳房、卵巣、睾丸、肺、結腸および乳房の悪性腫瘍が例示される。本発明の方法は、これらの腫瘍タイプの処置に限定されず、任意の臓器系から誘導される任意の固形腫瘍まで拡大される。処置可能な癌としては、これらに限られるものではないが、結腸癌、膀胱癌、乳癌、黒色腫、卵巣悪性腫瘍、前立腺悪性腫瘍、肺癌および様々なその他癌も例示される。本発明の方法によってまた、腺癌、例えば、前立腺、乳房、腎臓、卵巣、睾丸および結腸における癌増殖も抑制される。一実施形態において、本発明の方法により処置される癌としては、その全内容が本明細書に参考文献として援用される米国特許第6,100,248号明細書、同第5,843,925号明細書、同第5,837,696号明細書または同第5,668,122号明細書に記載されているものが挙げられる。

あるいは、テトラサイクリン化合物は、癌再発の可能性を防止または減少して、例えば、外科的切除または放射線治療後の残存癌を処置するのに有用であろう。本発明による有用なテトラサイクリン化合物は、他の癌処置に比べて、実質的に無毒であるので特に有利である。

さらなる実施形態において、本発明の化合物は、標準的な癌治療、これらに限られるものではないが、例えば、化学療法と組み合わせて投与される。

本発明の化合物または薬学的に許容できるその塩を用いて処置可能なテトラサイクリン応答状態としては、精神神経と神経変性疾患の両方を含む神経疾患、これらに限られるものではないが、例えば、アルツハイマー病、アルツハイマー病関連痴呆症(ピック病)、パーキンソンおよびその他びまん性レヴィー小体病、老年性認知症、ハンチントン病、ジョルジュ・ジル・ド・ラ・トゥレット症候群、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、進行性核上性麻痺、てんかんおよびクロイツフェルト−ヤコブ病、自律神経疾患、例えば、高血圧および睡眠障害、ならびに神経精神病、例えば、鬱病、統合失調症、統合失調性感情障害、コルサコフ精神病、躁病、不安障害または恐怖性障害、学習または記憶障害、例えば、記憶喪失または加齢による記憶障害、注意欠陥障害、気分変調性障害、大鬱病性障害、躁病、強迫性障害、精神活性物質使用による障害、不安神経症、恐怖症、パニック障害、同じく、双極性感情障害、例えば、重度の双極性感情(情動)障害(BP−1)、双極性感情神経障害、例えば、片頭痛および肥満が例示される。

さらなる神経障害としては、例えば、American Psychiatric Association‘s Diagnostic and Statistical manual of Mental Disorders(DSM)にリストされているものが挙げられ、その最新版の全内容が本明細書に参考文献として援用される。

他の実施形態において、テトラサイクリン応答疾病または疾患は、糖尿病である。本発明の化合物または薬学的に許容できるその塩を用いて処置可能な糖尿病としては、これらに限られるものではないが、若年性糖尿病、糖尿病、I型糖尿病またはII型糖尿病が挙げられる。さらなる実施形態において、タンパク質糖化は、本発明のテトラサイクリン化合物の投与に影響されない。他の実施形態において、本発明のテトラサイクリン化合物は、標準的な糖尿病治療、例えば、これらに限られるものではないが、インスリン療法と組み合わせて投与される。

他の実施形態において、テトラサイクリン応答疾病または疾患は、骨量障害である。本発明の化合物または薬学的に許容できるその塩を用いて処置可能な骨量障害としては、対象の骨に障害が生じる障害、および骨の形成、補修または再形成が有利な状態が挙げられる。例えば、骨量障害としては、骨粗鬆症(例えば、骨強度および密度の減少)、骨折、外科的処置に関連する骨形成(例えば、顔面再建)、骨形成不全症(骨粗鬆症)、低ホスファターゼ血症、パジェット病、線維性骨異形成、大理石骨病、骨髄腫による骨疾患および原発性副甲状腺機能亢進症に関連するような骨のカルシウム欠乏症が挙げられる。骨量障害には、骨の形成、補修または再形成が対象にとって有利な全ての状態、および本発明のテトラサイクリン化合物により処置可能な対象の骨または骨格系に関連するその他全ての疾患が含まれる。さらなる実施形態において、骨量障害としては、それぞれその全内容が本明細書に参考文献として援用される米国特許第5,459,135号明細書、同第5,231,017号明細書、同第5,998,390号明細書、同第5,770,588号明細書、RE第34,656号明細書、同第5,308,839号明細書、同第4,925,833号明細書、同第3,304,227号明細書および同第4,666,897号明細書に記載されたものが挙げられる。

他の実施形態において、テトラサイクリン応答疾病または疾患は、急性肺外傷である。本発明の化合物または薬学的に許容できるその塩を用いて処置可能な急性肺外傷としては、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、ポンプ後症候群(PPS)および外傷が挙げられる。外傷には、外因性因子または事象により生じる生体組織に対する何らかの損傷が含まれる。外傷としては、これらに限られるものではないが、挫滅外傷、硬質表面との接触または肺に対する切断またはその他損傷が例示される。

本発明のテトラサイクリン応答疾病または疾患には、慢性肺疾患も含まれる。本発明の化合物または薬学的に許容できるその塩を用いて処置可能な慢性肺疾患としては、これらに限られるものではないが、喘息、嚢胞性線維症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)および肺気腫が例示される。さらなる実施形態において、本発明の化合物または薬学的に許容できるその塩を用いて処置可能な急性および/または慢性肺疾患としては、その全内容が本明細書に参考文献として援用される米国特許第5,977,091号明細書、同第6,043,231号明細書、同第5,523,297号明細書および同第5,773,430号明細書が挙げられる。

さらに他の実施形態において、テトラサイクリン応答疾病または疾患は、虚血、脳卒中または虚血性発作である。

さらなる実施形態において、本発明のテトラサイクリン化合物または薬学的に許容できるその塩を用いて、上述したもの、ならびに本明細書に参考文献として援用される米国特許第6,231,894号明細書、同第5,773,430号明細書、同第5,919,775号明細書および同第5,789,395号明細書に記載された疾患を処置することができる。

他の実施形態において、テトラサイクリン応答疾病または疾患は、皮膚の創傷である。本発明はまた、急性外傷性障害(例えば、切傷、火傷、擦傷等)に対する再建組織(例えば、皮膚、粘膜)の治癒反応を改善する方法も提供する。方法には、本発明のテトラサイクリン化合物または薬学的に許容できるその塩を用いて、再建組織の能を改善して、急性創傷を治癒することが含まれる。本方法で、治癒組織のコラーゲン蓄積速度を増大することができる。本方法はまた、MMPsのコラーゲン分解および/またはゼラチン分解活性を減少することにより、再建組織のタンパク質分解活性を減少することもできる。さらなる実施形態において、本発明のテトラサイクリン化合物または薬学的に許容できるその塩は、皮膚の表面に(例えば、局所的に)投与される。さらなる実施形態において、本発明のテトラサイクリン化合物または薬学的に許容できるその塩を用いて、皮膚の創傷、ならびに、例えば、その全内容が本明細書に参考文献として援用される米国特許第5,827,840号明細書、同第4,704,383号明細書、同第4,935,412号明細書、同第5,258,371号明細書、同第5,308,839号明細書、同第5,459,135号明細書、同第5,532,227号明細書および同第6,015,804号明細書に記載されているようなその他疾患を処置する。

さらに他の実施形態において、テトラサイクリン応答疾病または疾患は、対象(例えば、大動脈または血管動脈瘤を有する、またはそのリスクのある対象等)の血管組織における大動脈または血管動脈瘤である。テトラサイクリン化合物または薬学的に許容できるその塩は、大動脈瘤のサイズを減じるのに有効である、または動脈瘤を防止するよう、血管動脈瘤の発現前に対象に投与することができる。一実施形態において、血管組織は、動脈、例えば、大動脈、例えば、腹部大動脈である。さらなる実施形態において、本発明のテトラサイクリン化合物を用いて、その全内容が本明細書に参考文献として援用される米国特許第6,043,225号明細書および同第5,834,449号明細書に記載された疾患を処置する。

本発明の化合物または薬学的に許容できるその塩は、本明細書に開示された本発明の方法において、単体、または1つ以上の治療薬と組み合わせて用いることができる。

他の治療薬または処置と「組み合わせる」という文言には、テトラサイクリン化合物の他の治療剤または処置との、単一組み合わせの投薬形態か、多数の個別の投与形態のいずれかでの同時投与、テトラサイクリン化合物を最初に投与してから、他の治療剤または処置を行うこと、他の治療剤の投与または処置を最初にしてから、テトラサイクリン化合物を与えることが含まれる。

他の治療剤は、テトラサイクリン応答疾病または疾患の兆候を処置、防止または減少することが当該技術分野において知られた任意の薬剤であってよい。追加の治療剤の選択は、処置している特定のテトラサイクリン応答疾病または疾患を基準とする。かかる選択は、担当医であれば分かる。さらに、他の治療剤は、テトラサイクリン化合物の投与と組み合わせて投与すると、患者に利点のある任意の薬剤であってよい。

本明細書で用いる「対象」という用語は、処置または予防を必要としている哺乳動物、例えば、ペット(例えば、犬、猫等)、家畜(例えば、、豚、馬、羊、山羊等)および実験動物(例えば、ラット、マウス、モルモット等)を意味する。典型的に、対象は、特定の処置を必要としている人間である。

本明細書で用いる「処置している」または「処置」という用語は、所望の薬理学および/または生理学的効果を得ることを指す。この効果には、以下の結果のうち1つ以上を部分的または実質的に得ることを含み得る。すなわち、疾病、疾患または症候群の程度の部分的または完全な減少、疾患の臨床症状または指標の改良または改善、疾病、疾患または症候群の進行の可能性を遅延、阻害または減少すること。

本明細書で用いる「防止する」または「防止」とは、疾病、疾患または症候群の発病または発現の可能性を減じることを指す。

「有効量」とは、対象における所望の生物学的応答を引き出す活性化合物薬剤の量を意味する。一実施形態において、本発明の化合物の有効量は、約0.01mg/kg/日〜約1000mg/kg/日、約0.1mg/kg/日〜約100mg/kg/日、または約0.5mg/kg/日〜約50mg/kg/日である。

本発明は、本発明の1つ以上の化合物と、任意の薬学的に許容できる担体とを混合することを含む組成物の製造プロセスをさらに含み、従来の製薬技術を含む、かかるプロセスから得られる組成物を含む。

本発明の組成物は、閉塞、静脈(ボーラスと注入の両方)、吸入および注射あり(腹腔内、皮下、筋肉内、腫瘍内または非経口)、またはなしでの眼、口腔、鼻、経皮、局所の処方を含む。組成物は、眼内、口腔、鼻腔内、舌下、非経口、直腸内、吸入または吹送投与のためのタブレット、ピル、カプセル、粉末、顆粒、リポソーム、イオン交換樹脂、殺菌目薬または眼内送達器具(即時放出、徐放または持続放出を促進するコンタクトレンズ等)、非経口溶液または懸濁液、計量エアロゾルまたは液体スプレー、液滴、アンプル、自動注入器具または坐薬といった調剤単位であってよい。

口腔投与に好適な本発明の組成物は、ピル、タブレット、カーペット、カプセル(それぞれ即時放出、徐放および持続放出処方が含まれる)、顆粒および粉末等の固体形態、ならびに溶液、シロップ、エリキシル剤、乳剤および懸濁液等の液体形態を含む。眼内投与に有用な形態としては、殺菌溶液または眼内送達器具が挙げられる。非経口投与に有用な形態としては、殺菌溶液、乳剤および懸濁液が挙げられる。

本発明の組成物は、1週間に1回または1カ月に1回の投与に好適な形態で投与してもよい。例えば、活性化合物の不溶塩を適応させて、筋肉内注射用デボー製剤(例えば、デカン酸塩)や、点眼用溶液を提供してもよい。

本発明の組成物を含む調剤形態は、治療効果を与えるのに必要な有効量の活性成分を含む。組成物は、約5,000mg〜約0.5mg(好ましくは、約1,000mg〜約0.5mg)の本発明の化合物またはその塩形態を含有していてよく、選択した投与形態に好適な任意の形態へ構成してよい。組成物は、1日当たり約1〜約5回処方してよい。連日投与または後定期的(post−periodic)投薬してもよい。

口腔投与については、組成物は、例えば、500〜0.5ミリグラムの活性化合物を含むタブレットまたはカプセルの形態にあるのが好ましい。調剤は、処置している特定の患者に関連する因子(例えば、年齢、体重、食事および投与時間)、処置している状態の重症度、用いている化合物、処方のモードおよび製剤の濃度に応じて異なる。

口腔組成物は、均一組成物として処方されるのが好ましく、活性成分が混合物全体に均一に分散され、等量の本発明の化合物を含む調剤単位へと容易に細かく分けることができる。好ましくは、組成物は、本発明の化合物(または薬学的に許容できるその塩)を、1つ以上の任意で存在する医薬担体(でんぷん、糖、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、流動促進剤、結合剤および崩壊剤等)、1つ以上の任意で存在する不活性医薬賦形剤(水、グリコール、オイル、アルコール、香料添加剤、防腐剤、着色剤およびシロップ)、1つ以上の任意で存在する従来の錠剤化成分(コーンスターチ、ラクトース、スクロース、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウムおよび様々なゴムのいずれか等)および任意の希釈剤(水等)と混合することにより調製される。

結合剤としては、スターチ、ゼラチン、天然糖(例えば、グルコースおよびベータ−ラクトース)、コーンシロップ、天然および合成ゴム(例えば、アカシアおよびトラガカント)が挙げられる。崩壊剤としては、スターチ、メチルセルロース、寒天およびベントナイトが挙げられる。

タブレットおよびカプセルは、有利な口腔調剤単位形態である。タブレットは、標準的な技術を用いて、糖衣をかける、またはフィルムコートしてよい。タブレットはまた、コートその他化合して、長期の制御放出治療効果を与えてもよい。調剤形態は、内側調剤と外側調剤成分を含んでいてよく、外側成分は、内側成分を覆う外皮の形態にある。2つの成分は、胃中での分解に抵抗し(例えば、腸溶性層)、内側成分が、十二指腸へと無傷で通過する層、あるいは放出を遅延または持続する層によりさらに分離されていてもよい。様々な腸溶性および非腸溶性層またはコーティング材料(例えば、ポリマー酸、シェラック、アセチルアルコール、酢酸セルロースまたはこれらの組み合わせ)を用いてよい。

本発明の化合物はまた、徐放組成物を介して処方してもよく、組成物は、本発明の化合物および生物分解性徐放担体(例えば、ポリマー担体)または薬学的に許容できる非生物分解性徐放担体(例えば、イオン交換担体)を含む。

生物分解性および非生物分解性徐放担体は、当該技術分野において周知されている。生物分解性担体を用いて、活性剤を保持し、好適な環境(例えば、水性、酸性および塩基性等)において徐々に分解/溶解して薬剤を放出する粒子またはマトリックスを形成する。かかる粒子は、体液中で分解/溶解して、活性化合物を中に放出する。粒子は、好ましくは、ナノ粒子またはナノ乳剤(例えば、直径約1〜500nmの範囲、好ましくは、直径約50〜200nm、最も好ましくは、直径約100nm)である。徐放組成物を調製するプロセスにおいて、徐放担体および本発明の化合物を、まず、有機溶媒に溶解または分散する。得られた混合物を、任意の表面活性剤を含む水溶液に添加して、乳剤を生成する。有機溶媒を、乳剤から蒸発させて、徐放担体および本発明の化合物を含む粒子のコロイド懸濁液を与える。

本明細書に開示された化合物は、水溶液、好適なフレーバーのシロップ、水性または油懸濁液、綿実油、ごま油、ヤシ油またはピーナツ油等の食用油によるフレーバーの乳剤等の液体形態、またはエリキシル剤または同様の薬学的賦形剤で経口投与または注射により組み込んでよい。水性懸濁液の好適な分散または懸濁化剤としては、合成および天然ゴム、例えば、トラガカント、アカシア、アルギン酸塩、デキストラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポリビニル−ピロリドンおよびゼラチンが挙げられる。好適なフレーバーの懸濁化または分散剤の液体形態には、合成および天然ゴムも含まれていてよい。非経口投与については、殺菌懸濁液および溶液が望ましい。静脈投与が望ましいときは、通常、好適な防腐剤を含む等張製剤を用いる。

化合物は、注射により、非経口で投与してもよい。非経口処方は、適切な不活性液体担体に溶解またはそれと混合した活性成分からなるものであってよい。許容できる液体担体は、通常、溶解または防腐を補助するための水性溶媒およびその他任意の成分を含む。かかる水性溶媒としては、殺菌水、リンゲル液または等張食塩水が挙げられる。その他任意の成分としては、植物油(例えば、落花生油、綿実油およびごま油)および有機溶媒(例えば、ソルケタール、グリセロールおよびホルミル)が挙げられる。殺菌不揮発性油を、溶媒または懸濁化剤として用いてもよい。非経口処方は、液体担体に活性成分を溶解または懸濁化することにより調製して、最終調剤単位が、0.005〜10重量%の活性成分を含むようにする。その他の添加剤としては、防腐剤、等張化剤、可溶化剤、安定剤および鎮痛剤が挙げられる。注射できる懸濁液を調製してもよく、この場合は、適切な液体担体、懸濁化剤等を用いてもよい。

本発明の化合物は、好適な鼻腔内ビヒクルを用いて鼻腔内に処方してよい。

他の実施形態において、本発明の化合物は、吸入により肺に直接処方してよい。

本発明の化合物はまた、好適な局所経皮ビヒクルまたは経皮パッチを用いることにより、局所投与または強化してもよい。

眼内投与については、組成物は、眼科用組成物の形態であるのが好ましい。眼科用組成物は、点眼処方として処方し、例えば、好適なピペットを備えたスポイトのような適切な容器に充填して、眼への投与を促すのが好ましい。組成物は、精製水を用いた、殺菌および水系であるものが好ましい。本発明の化合物に加えて、眼科用組成物は、a)ポリオキシエチレン脂肪酸エステルとしての界面活性剤、b)典型的に、約0.05〜約5.0%(wt/vol)の範囲の濃度nのセルロース、セルロース誘導体、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルポリマーおよびポリビニルピロリドン等の増粘剤、c)(窒素およびFe等の酸素を含まない吸収剤を任意で含む容器に組成物を保管する変形として、またはそれに加えて)、約0.00005〜約0.1%(wt/vol)の濃度のブチル化ヒドロキアニソール、アスコルビン酸、チオ硫酸ナトリウムまたはブチル化ヒドロキシトルエン等の酸化防止剤、d)約0.01〜0.5%(wt/vol)の濃度のエタノール、およびe)等張剤、バッファ、防腐剤および/またはpH制御剤等のその他賦形剤のうち1つ以上を含んでいてよい。眼科用組成物のpHは、4〜8の範囲内であるのが望ましい。

特定の実施形態において、本発明の組成物は、1つ以上の追加の薬剤を含む。他の治療薬は、テトラサイクリン応答疾病または疾患の症状を処置、防止または減少することのできる薬剤であってよい。あるいは、他の治療剤は、本発明のテトラサイクリン化合物と組み合わせて処方すると、患者に利点を与える任意の薬剤であってよい。

本発明を、その実施形態を参照して特別に示し説明してきたが、当業者であれば、添付の請求項に包含される本発明の範囲から逸脱することなく、形態および詳細に様々な変更を行えるものと考えられる。

例証 以下の略記および用語は示した意味を有する。

実施例1 構造式(I)の化合物の合成 本発明の化合物は、スキーム1に示した合成スキームに従って調製することができる。

スキーム1に示した反応の特定の条件を以下の実施例で示す。

化合物1

−78℃で冷却した5−フルオロ−2−メトキシ安息香酸(500mg、2.94mmol、Aldrich523097)のTHF溶液に、s−BuLi(4.60mL、1.40M、6.44mmol、2.2当量)およびTMEDA(0.97mL、6.47mmol、2.2当量)のTFH溶液を添加した。反応を、−78℃で2時間攪拌した。MeI(1.10mL、17.64mmol、6.0当量)を、反応混合物に滴下して添加した。反応を25℃まで、1時間かけて温め、25℃で1時間攪拌した。NaOH(6N、20mL)を添加した。得られた混合物を、t−ブチルメチルエーテル(20mL×2)で抽出した。水性層を、HCl(6N)によりpH1まで酸性化し、EtOAc(20mL×4)で抽出した。結合したEtOAc抽出物を、乾燥(Na2SO4)し、濃縮したところ、510mgの粗生成物1が得られた。1H NMR(400MHz,CDCl3)d7.06(dd,J=9.8,8.5Hz,1H)、6.75(dd,J=9.8,3.7Hz,1H),3.86(s,3H),2.34(d,J=2.4Hz,3H);MS(ESI)m/z185.12(M+H)。

化合物2

塩化オキサル(0.95mL、11.10mmol、5.5当量)を、1(510mg、2.00mmol)のCH2Cl2溶液(15mL、無水)に添加した。DMF(0.1mL)を得られた混合物に添加した。反応を、25℃で1時間攪拌し、濃縮した。得られた固体を、15mLの無水CH2Cl2に再溶解した。フェノール(520mg、5.50mmol、2.8当量)、DMAP(670mg、5.6mmol、2.8当量)およびトリエチルアミン(1.90mL、13.90mmol、7.0当量)を、反応混合物に添加した。反応を、25℃で12時間攪拌し、濃縮した。EtOAcおよびH2Oを、残渣に添加した。有機層を、NaOH(1N)、H2Oおよび塩水で洗い、乾燥(Na2SO4)し、濃縮した。シリカゲル(40:1ヘキサン/EtOAc)でのフラッシュクロマトグラフィーで、400mgの化合物2が得られた(2工程で52%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)d7.47−7.41(m,2H),7.31−7.24(m,3H),7.08(dd,J=9.2,9.2Hz,1H),6.77(dd,J=9.2,3.7Hz,1H),3.88(s,3H),2.36(d,J=2.3Hz,3H);MS(ESI)m/z261.12(M+H)。

化合物3

BBr3(1.85mL、1M、1.85mmol、1.2当量)を、2(400mg、1.54mmol)のCH2Cl2溶液(8mL)に−78℃で添加した。反応を、−78℃から25℃まで1.5時間攪拌し、飽和NaHCO3で急冷し、濃縮した。EtOAcおよびH2Oを、反応混合物に添加した。水性層を、EtOAcで抽出した。結合したEtOAc抽出物を、乾燥(Na2SO4)し、濃縮したところ、360mgの粗生成物3が得られた。1H NMR(400MHz,CDCl3)d10.66(s,1H),7.50−7.44(m,2H),7.36−7.31(m,1H),7.26−7.18(m,3H),6.86(dd,J=9.3,4.9Hz,1H),2.60(d,J=2.4Hz,3H);MS(ESI)m/z245.11(M−H)。

化合物4

Boc2O(350mg、1.60mmol、1.1当量)およびDMAP(20mg、0.16mmol、0.1当量)を、粗生成物3(360mg)のCH2Cl2溶液に添加した。反応を、25℃で1.5時間攪拌し、濃縮した。シリカゲル(35:1ヘキサン/EtOAc)でのフラッシュクロマトグラフィーで、400mgの化合物4が得られた(2工程で94%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)d7.46−7.41(m,2H),7.31−7.23(m,3H)7.18(dd,J=8.8,8.7Hz,1H)、7.10(dd,J=8.8,4.4Hz,1H)、2.41(d,J=2.3Hz,3H),1.44(s,9H);MS(ESI)m/z345.18(M−H)。

化合物5

4(487mg、1.40mmol、2.0当量)のTHF溶液を、LDA(6.30mL、10重量%、4.20mmol、6.0当量)およびTMEDA(1.70mL、11.20mmol、16.0当量)のTHF溶液(5mL)に、−78℃で添加した。反応を、−78℃で5分間攪拌した。エノン(339mg、0.70mmol、1.0当量)のTHF溶液を、反応混合物に滴下して添加した。反応を、−78℃から25℃まで1時間攪拌し、飽和NH4Clで急冷し、EtOAcで抽出した。結合したEtOAc抽出物を、乾燥(Na2SO4)し、濃縮したところ、粗生成物が得られた。Sunfire PrepC18OBDカラム[5μm、19×50mm、流量20mL/分、溶媒A:0.1%HCO2Hを含むH2O、溶媒B:0.1%HCO2Hを含むCH3CN、注入量:4.0mL(CH3CN)、グラジエント:15分にわたって80→100%B、質量分析計直結(mass−directed)の留分収集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLC精製。6.3〜8.0分で溶離した所望のMWを有する留分を集め、室温でロータリエバポレータで濃縮して、アセトニトリルの大半を除去した。得られた大半の水溶液を、EtOAcで抽出した。結合したEtOAc抽出物を乾燥(Na2SO4)し、濃縮したところ、185mgの純粋な5が得られた(35%)。1H NMR(400MHz、CDCl3)d15.67(s,1H),7.51−7.46(m,2H),7.39−7.29(m,3H),7.21(dd,J=8.9,8.9Hz,1H),7.03(dd,J=8.9,4.0Hz,1H),5.34(s,2H),3.93(d,J=10.4Hz,1H),3.30−3.21(m,1H),3.10−3.00(m,1H),2.57−2.41(m,3H),2.48(s,6H),2.17−2.12(m,1H),1.53(s,9H),0.82(s,9H),0.26(s,3H),0.12(s,3H);MS(ESI)m/z735.45(M+H)。

化合物6

水性HF(3mL、48%)およびTFA(4μL)を、ポリプロピレン管中5(210mg、0.29mmol)のCH3CN溶液(7mL)に、25℃で添加した。反応を、25℃で、18時間攪拌した。得られた混合物をK2HPO4水溶液(21g、150mLの水に溶解したもの)に注いだ。混合物をEtOAcで抽出した。結合したEtOAc抽出物を、乾燥(Na2SO4)し、濃縮したところ、180mgの粗生成物6が得られた。1H NMR(400MHz,CDCl3)d14.64(s,1H),11.47(s,1H),7.49−7.45(m,2H),7.39−7.32(m,3H),7.14(dd,J=9.2,8.8Hz,1H),6.77(dd,J=9.2,4.3Hz,1H),5.36(s,2H),3.68(d,J=3.7Hz,1H),3.09(dd,J=15.6,4.6Hz,1H),3.02−2.92(m,1H),2.84−2.79(m,1H),2.49(s,6H),2.34−2.22(m,1H),2.09−2.02(m,1H),1.55−1.44(m,1H);MS(ESI)m/z521.30(M+H)。

化合物7

パラジウム炭素(35mg、10重量%)を、粗生成物6(180mg)のMeOH/ジオキサン溶液(4mL/4mL)に添加した。反応を、水素でパージし、H2(バルーン)下、25℃で1時間攪拌した。反応混合物を、小セライトプラグを通してろ過した。ろ液を濃縮したところ、粗生成物が得られた。Phenomenex Polymerx10μRP−1 100Aカラム[10μm、150×21.20mm、流量20mL/分、溶媒A:0.05N HCl/水、溶媒B:CH3CN、注入量:4.0mL(0.05N HCl/水)、グラジエント:15分にわたって0→100%B、質量分析計直結の留分収集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLC精製。6.4〜8.2分で溶離した所望のMWを有する留分を集め、フリーズドライしたところ、51mgの化合物7が得られた(2工程で41%)。1H NMR(400MHz,CD3OD)d7.26(dd,J=9.2,9.2Hz,1H),6.80(dd,J=9.2,4.3Hz,1H),4.09(br s,1H),3.14(dd,J=15.0,4.6Hz,1H),3.04(s,3H),2.96(s,3H),3.09−2.91(m,2H),2.31−2.18(m,2H),1.68−1.56(m,1H);MS(ESI)m/z433.28(M+H)。

化合物8

HNO3(8.5μL、69%)およびH2SO4(0.5mL)を、7(51mg、0.12mmol)のH2SO4溶液(1mL)に、0℃で添加した。反応を、0℃で30分間攪拌した。得られた混合物を、激しく攪拌したジエチルエーテル(60mL)に滴下して添加した。懸濁液を、小セライトパッドを通してろ過し、数回さらにジエチルエーテルで洗った。セライトパッドを、溶離液が無色になるまで、MeOHで洗った。黄色のMeOH溶離液を集め、減圧下で濃縮したところ、粗生成物8が得られた。1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.03(d,J=8.5Hz,1H),4.09(br s,1H),3.50−2.97(m,3H),3.04(s,3H),2.96(s,3H),2.46−2.36(m,1H),2.29−2.20(m,1H),1.71−1.59(m,1H);MS(ESI)m/z478.20(M+H)。

化合物9

パラジウム炭素(12mg、10重量%)を、粗生成物8のMeOH溶液(4mL)に添加した。反応を、水素でパージし、H2(バルーン)下、25℃で2時間攪拌した。触媒を、小セライトパッドを通してろ過した。ろ液を濃縮したところ、粗生成物9が得られた。Phenomenex Polymerx10μRP−1 100Aカラム[10μm、150×21.20mm、流量20mL/分、溶媒A:0.05N HCl、溶媒B:CH3CN、注入量:4.0mL(0.05N HCl/水)、グラジエント:15分にわたって0→100%B、質量分析計直結の留分収集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLC精製。5.0〜6.6分で溶離した所望のMWを有する留分を集め、フリーズドライしたところ、43mgの純粋な9が得られた(2工程で81%)。1H NMR(400MHz,CD3OD)d7.43(d,J=8.5Hz,1H),4.11(br s,1H),3.22−3.16(m,1H),3.15−3.08(m,1H),3.06−2.95(m,1H),3.04(s,3H),2.96(s,3H),2.40−2.31(m,1H),2.28−2.21(m,1H),1.71−1.59(m,1H);MS(ESI)m/z448.24(M+H)。

化合物11

塩酸2−t−ブチルアミノアセチルクロリド(4.2mg、0.022mmol、2.0当量)を、9(5mg、0.011mmol)のDMF溶液(0.1mL)に、25℃で添加した。反応を、25℃で30分間攪拌した。反応混合物を、0.05N HCl(2mL)で希釈し、Phenomenex Polymerx10μRP−1 100Aカラム[10μm、150×21.20mm、流量20mL/分、溶媒A:0.05N HCl、溶媒B:CH3CN、グラジエント:20分にわたって0→100%B、質量分析計直結の留分収集]を用いたWaters Autopurificationシステムへ注入した。6.4〜7.0分で溶離した所望のMWを有する留分を集め、フリーズドライしたところ、3.9mgの純粋な11が得られた(62%)。1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.25(d,J=11.0Hz,1H),4.11(br s,1H),4.09(s,2H),3.22−2.86(m,3H),3.05(s,3H),2.97(s,3H),2.33−2.20(m,2H),1.69−1.57(m,1H),1.42(s,9H);MS(ESI)m/z561.39(M+H)。

化合物32

無水Na2CO3(16mg、0.15mmol、5.5当量)を、9(12mg、0.027mmol)の無水DMPU/アセトニトリル(150μL/50μL)溶液に添加した。ブロモアセチルブロミド(2.8μL、0.032mmol、1.2当量)を、混合物に添加した。反応を、25℃で10分間攪拌した。LC/MS分析により、中間体10の完全な形成が示された。アゼチジン(36μL、0.54mmol、20当量)を、反応混合物に添加した。反応を、25℃で2時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、HCl(MeOH中0.5N、0.7mL)で酸性化した。得られた混合物を、激しく攪拌したジエチルエーテル(10mL)に滴下して添加した。懸濁液を、小セライトパッドを通してろ過し、数回さらにジエチルエーテルで洗った。セライトパッドを、溶離液が無色になるまで、MeOHで洗った。黄色のMeOH溶離液を集め、減圧下で濃縮したところ、粗生成物32が得られた。Phenomenex Polymerx10μRP−1 100Aカラム[10μm、150×21.20mm、流量20mL/分、溶媒A:0.05N HCl、溶媒B:CH3CN、注入量:2.0mL(0.05N HCl/水)、グラジエント:30分にわたって10→20%B、質量分析計直結の留分収集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLC精製。10.8〜12.5分で溶離した所望のMWを有する留分を集め、フリーズドライしたところ、2.0mgの純粋な32が得られた。1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.18(d,J=11.0Hz,1H),4.41−4.31(m,2H),4.32(s,2H),4.24−4.13(m,2),4.08(br s,1H),3.18−2.86(m,3H),3.03(s,3H),2.95(s,3H),2.71−2.57(m,1H),2.54−2.42(m,1H),2.33−2.16(m,2H),1.69−1.57(m,1H);MS(ESI)m/z545.20(M+H)。

化合物11の合成における2−t−ブチルアミノアセチルクロリドを適切なハロゲン化アシルに、化合物32の合成におけるアゼチジンを環状アミンに代えて、化合物12〜31および化合物33〜46を、化合物11または32と同様にして調製した。

化合物12

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.23(d,J=11.2Hz,1H),4.08(s,3H),3.17−2.97(m,11H),2.31(dd,J=14.8,14.8Hz,1H),2.24(ddd,J=14.0,5.2,2.8Hz,1H),1.79−1.72(m,2H),1.66(ddd,J=13.6,13.6,13.6Hz,1H),1.05(t,J=7.2Hz,3H);MS(ESI)m/z547.2(M+H)。

化合物13

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.23(d,J=11.2Hz,1H),4.08(s,3H),3.16−2.97(m,11H),2.30(dd,J=14.8,14.8Hz,1H),2.24(ddd,J=14.4,5.2,2.8Hz,1H),1.75−1.69(m,2H),1.66(ddd,J=13.6,13.6,13.6Hz,1H),1.49−1.41(m,2H),1.01(t,J=7.2Hz,3H);MS(ESI)m/z561.2(M+H)。

化合物14

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.21(d,J=11.2Hz,1H),4.08(s,1H),4.06(s,2H),3.16−2.96(m,11H),2.28(dd,J=14.8,14.8Hz,1H),2.22(ddd,J=14.4,5.2,2.8Hz,1H),1.77−1.71(m,2H),1.66(ddd,J=14.0,14.0,14.0Hz,1H),1.43−1.35(m,6H),0.93(t,J=7.2Hz,3H);MS(ESI)m/z589.2(M+H)。

化合物15

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.23(d,J=10.8Hz,1H),4.09(s,2H),4.07(s,1H),3.15−2.95(m,11H),2.29(dd,J=14.4,14.4Hz,1H),2.25(ddd,J=14.4,5.2,2.8Hz,1H),1.66(ddd,J=13.2,13.2,13.2Hz,1H),1.10(s,9H);MS(ESI)m/z575.2(M+H)。

化合物16

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.24(d,J=11.0Hz,1H),4.08(s,2H),4.01−3.89(m,1H),3.50−3.42(m,1H),3.20−2.84(m,9H),2.30(at,J=14.7Hz,1H),2.23−2.15(m,1H),1.70−1.58(m,1H),1.37(d,J=6.7Hz,6H);MS(ESI)m/z547.25(M+H)。

化合物17

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.24(d,J=11.0Hz,1H),4.20(s,2H),4.09(br s,1H),3.19−3.13(m,1H),3.12−2.89(m,2H),2.89−2.38(m,1H),3.04(s,3H),2.96(s,3H),2.35−2.19(m,2H),1.71−1.59(m,1H),0.95(br s,2),0.94(br s,2);MS(ESI)m/z545.37(M+H)。

化合物18

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.23(d,J=10.8Hz,1H),4.09(s,3H),3.68−3.61(m,1H),3.16−2.97(m,9H),2.29(dd,J=14.4,14.4Hz,1H),2.25(ddd,J=14.4,5.2,2.8Hz,1H),2.20−2.12(m,2H),1.98−1.91(m,2H),1.75−1.68(m,4H),1.66(ddd,J=13.6,13.6,13.6Hz,1H);MS(ESI)m/z573.1(M+H)。

化合物19

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.26(d,J=11.0Hz,1H),4.09(br s,3H),3.19−2.93(m,5H),3.04(s,3H),2.96(s,3H),2.35−2.26(m,1H),2.25−2.18(m,1H),2.14−2.02(m,1H),1.71−1.59(m,1H),1.07(d,J=6.7,6H);MS(ESI)m/z561.24(M+H)。

化合物20

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.24(d,J=11.0Hz,1H),4.11(s,2H),4.08(br s,1H),3.22−2.92(m,5H),3.03(s,3H),2.95(s,3H),2.33−2.24(m,1H),2.24−2.17(m,1H),1.69−1.58(m,1H),1.17−1.07(m,1H),0.77−0.71(m,2H),0.46−0.40(m,2H);MS(ESI)m/z559.23(M+H)。

化合物21

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.25(d,J=11.0Hz,1H),4.12(s,2H),4.09(s,1H),3.72−3.67(m,2H),3.43(s,3H),3.19−2.92(m,11H),2.35−2.18(m,2H)1.71−1.58(m,1H);MS(ESI)m/z563.23(M+H)。

化合物22

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.25(d,J=11.0Hz,1H),4.22(s,2H),4.14−4.05(m,3H),3.18−2.84(m,9H),2.34−2.17(m,2H),1.70−1.57(m,1H);MS(ESI)m/z587.28(M+H)。

化合物23

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.24(d,J=11.0Hz,1H),4.24(s,2H),4.09(s,1H),3.14−2.93(m,15H),2.24−2.18(m,2H),1.65(dt,J=13.4,11.6Hz,1H);MS(ESI)m/z533.17(M+H)。

化合物24

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.23(d,J=10.4Hz,1H),4.29(d,J=16.5Hz,1H),4.18(d,J=15.9Hz,1H),4.09(s,1H),3.19−2.89(m,14H),2.36−2.17(m,2H),1.70−1.58(m,1H),1.38(t,J=7.32Hz,3H);MS(ESI)m/z547.25(M+H)。

化合物25

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.21(d,J=10.8Hz,1H),4.25(s,2H),4.10(s,1H),3.35(t,J=7.2Hz,3H),3.34(t,J=7.2Hz,3H),3.13−2.99(m,9H),2.31(dd,J=14.8,14.8Hz,1H),2.27(ddd,J=14.8,5.2,2.8Hz,1H),1.78−1.74(m,2H),1.68(ddd,J=13.6,13.6,13.6Hz,1H),1.38(t,J=7.2Hz,6H);MS(ESI)m/z561.2(M+H)。

化合物26

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.23(d,J=11.2Hz,1H),4.10(s,3H),3.16−2.96(m,11H),2.31(dd,J=14.4,14.4Hz,1H),2.24(ddd,J=14.4,5.2,2.8Hz,1H),1.78−1.71(m,2H),1.66(ddd,J=14.0,14.0,14.0Hz,1H),1.45−1.38(m,4H),0.98(t,J=7.2Hz,3H);MS(ESI)m/z575.2(M+H)。

化合物27

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.24(d,J=10.8Hz,1H),4.09(s,3H),3.59(t,J=5.6Hz,2H),3.40(s,3H),3.23(t,J=5.6Hz,2H),3.15−2.94(m,9H),2.32(dd,J=15.2,15.2Hz,1H),2.24(ddd,J=14.0,5.2,2.8Hz,1H),2.08−2.02(m,2H),1.66(ddd,J=15.2,15.2,15.2Hz,1H);MS(ESI)m/z577.2(M+H)。

化合物28

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.24(d,J=10.8Hz,1H),4.32(d,J=8.0Hz,1H),4.21(d,J=8.0Hz,1H),4.10(s,1H),3.18−2.99(m,9H),3.01(s,3H),2.33(dd,J=14.8,14.8Hz,1H),2.29(ddd,J=15.2,5.2,2.8Hz,1H),1.78−1.74(m,2H),1.88−1.81(m,2H),1.68(ddd,J=15.6,15.6,15.6Hz,1H),1.08(t,J=7.2Hz,3H);MS(ESI)m/z561.2(M+H)。

化合物29

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.25(d,J=10.8Hz,1H),4.10(s,3H),3.18−2.98(m,11H),2.31(dd,J=14.8,14.8Hz,1H),2.26(ddd,J=14.4,5.2,2.8Hz,1H),1.78−1.74(m,2H),1.66(ddd,J=13.6,13.6,13.6Hz,1H),1.42−1.30(m,8H),0.94(t,J=6.8Hz,3H);MS(ESI)m/z603.2(M+H)。

化合物30

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.32(d,J=10.4Hz,1H),7.38−7.34(m,2H),7.10−7.06(m,3H),4.17(s,2H),4.10(s,1H),3.18−2.99(m,11H),2.29(dd,J=15.6,15.6Hz,1H),2.25(ddd,J=14.8,5.2,2.8Hz,1H),1.66(ddd,J=14.8,14.8,14.8Hz,1H);MS(ESI)m/z581.1(M+H)。

化合物31

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.25(d,J=10.8Hz,1H),4.36(d,J=8.0Hz,1H),4.21(d,J=8.0Hz,1H),4.10(s,1H),3.68−3.61(m,1H),3.18−2.98(m,9H),3.00(s,3H),2.29(dd,J=14.4,14.4Hz,1H),2.20−2.10(m,3H),1.96−1.89(m,2H),1.78−1.68(m,4H),1.66(ddd,J=14.4,14.4,14.4Hz,1H);MS(ESI)m/z587.2(M+H)。

化合物33

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.20(d,J=11.0Hz,1H),5.54−5.33(m,2H),4.71−4.37(m,4H),4.40(s,2H),4.06(br s,1H),3.17−2.92(m,3H),2.99(s,6H),2.33−2.24(m,1H),2.23−2.16(m,1H),1.70−1.58(m,1H);MS(ESI)m/z563.20(M+H)。

化合物34

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.22(d,J=11.0Hz,1H),4.33(s,2H),4.10(s,1H),3.83−3.72(m,2H),3.25−2.89(m,12H),2.32−2.00(m,6H),1.69−1.56(m,1H);MS(ESI)m/z559.39(M+H)。

化合物35

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.25(d,J=11.0Hz,1H),5.54−5.31(m,1H),4.39−4.20(m,2H),4.09−4.01(m,1H),3.40−3.30(m,2H),3.09−2.89(m,12H),2.50−2.34(m,2H),2.34−2.25(m,1H),2.24−2.16(m,1H),1.71−1.58(m,1H);MS(ESI)m/z577.32(M+H)。

化合物36

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.23(d,J=10.4Hz,1H),5.57−5.37(m,1H),4.47−4.33(m,2H),4.15−3.87(m,2H),3.72−3.40(m,1H),3.17−2.83(m,12H),2.55−2.34(m,2H),2.33−2.18(m,2H),1.69−1.57(m,1H);MS(ESI)m/z577.37(M+H)。

化合物37

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.28(d,J=10.7Hz,1H),4.08(s,1H),4.00−3.91(m,2H),3.09−2.57(m,18H),3.26−3.18(m,3H),2.49−2.34(m,2H),2.35−2.06(m,2H),1.72−1.59(m,1H);MS(ESI)m/z602.37(M+H)。

化合物38

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.24(d,J=11.0Hz,1H),4.46−4.32(m,2H),4.26−4.16(m,1H),4.08(s,2H),4.00−3.72(m,2H),3.18−2.91(m,16H),2.68−2.56(m,1H),2.51−2.39(m,1H),2.34−2.24(m,1H),2.23−2.17(m,1H),1.70−1.57(m,1H);MS(ESI)m/z602.37(M+H)。

化合物39

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.23(d,J=11.0Hz,1H),4.62−4.54(m,1H),4.48−4.24(m,2H),4.08(s,1H),3.99−3.69(m,3H),3.50−3.40(m,1H),3.17−2.90(m,9H),2.44−2.11(m,4H),2.10−2.00(m,1H),1.69−1.56(m,1H);MS(ESI)m/z575.27(M+H)。

化合物40

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.23(d,J=11.0Hz,1H),4.62−4.54(m,1H),4.50−4.38(m,1H),4.37−4.27(m,1H),4.10(s,1H),3.99−3.70(m,3H),3.50−3.40(m,1H),3.24−2.84(m,9H),2.40−2.11(m,4H),2.10−2.01(m,1H),1.70−1.57(m,1H);MS(ESI)m/z575.33(M+H)

化合物41

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.25(d,J=11.0Hz,1H),4.54(d,J=16.5Hz,1H),4.26(d,J=15.9Hz,1H),4.09(s,1H),3.95−3.81(m,2H),3.81−3.75(m,1H),3.69−3.62(m,1H),3.35(s,3H),3.23−2.92(m,9H),2.35−2.04(m,6H),1.91−1.80(m,1H),1.71−1.59(m,1H);MS(ESI)m/z603.35(M+H)。

化合物42

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.24(d,J=11.0Hz,1H),4.55(d,J=16.5Hz,1H),4.27(d,J=16.5Hz,1H),4.10(s,1H),3.95−3.82(m,2H),3.81−3.75(m,1H),3.70−3.63(m,1H),3.38(s,3H),3.20−2.92(m,9H),2.35−2.02(m,6H),1.92−1.80(m,1H),1.70−1.58(m,1H);MS(ESI)m/z603.41(M+H)。

化合物43

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.22(d,J=11.0Hz,1H),4.19(s,2H),4.09(s,1H),3.65−3.58(m,2H),3.19−2.92(m,10H),2.34−2.18(m,2H),2.02−1.79(m,6H),1.69−1.50(m,2H);MS(ESI)m/z573.35(M+H)。

化合物44

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.24(d,J=11.0Hz,1H),4.28(s,2H),4.03−4.00(m,2H),3.94−3.81(m,2H),3.68−.3.55(m,2H),3.20−2.88(m,12H),2.36−2.18(m,2H),1.71−1.57(m,1H);MS(ESI)m/z575.37(M+H)。

化合物45

1H NMR(400MHz,CD3OD,ジアステオマーの2:1混合物)d8.25(d+d,J=11.0Hz,1H),4.29,4.24(s+s,2H),4.08(s+s,1H),4.01−3.92(m+m,3H),3.20−2.62(m+m,13H),2.35−2.16(m+m,3H),1.83−1.46(m+m,5H);MS(ESI)m/z599.36(M+H)。

化合物46

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.29(d,J=11.0Hz,1H),7.41(s,5H),4.50−4.37(m,2H),4.05(s,1H),3.95−3.81(m,2H),3.40−3.37(m,1H),3.24−3.15(m,3H),3.10−2.70(m,9H),2.36−2.25(m,1H),2.25−2.16(m,1H),1.72−1.59(m,1H);MS(ESI)m/z607.34(M+H)。

化合物47

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.15(d,J=10.8Hz,1H),4.00(s,1H),3.99(s,2H),3.10−2.87(m,11H),2.32−2.12(m,2H),1.59−1.51(m,1H),1.26(t,J=7.2Hz,3H);MS(ESI)m/z533.1(M+H)。

化合物48

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.15(d,J=11.2Hz,1H),4.00(s,1H),3.96(s,2H),3.08−2.87(m,11H),2.70−2.61(m,1H),2.23−2.09(m,4H),1.97−1.75(m,4H),1.59−1.51(m,1H);MS(ESI)m/z572.2(M+H)。

化合物49

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.26(d,J=10.8Hz,1H),4.10(s,3H),3.21−2.97(m,11H),2.35−2.20(m,2H),2.15−2.05(m,1H),1.98−1.82(m,2H),1.77−1.61(m,5H),1.35−1.26(m,2H);MS(ESI)m/z587.1(M+H)。

化合物50

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.26(d,J=10.8Hz,1H),4.16(s,1H),4.14(s,2H),3.20−2.95(m,11H),2.32−2.20(m,2H),1.88−1.59(m,6H),1.39−1.21(m,4H),1.12−1.02(m,2H);MS(ESI)m/z601.1(M+H)。

化合物51

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.14(d,J=10.8Hz,1H),4.00(s,1H),3.88(s,2H),3.77−3.73(m,1H),3.09−2.87(m,9H),2.29−2.10(m,6H),1.88−1.81(m,2H),1.59−1.50(m,1H);MS(ESI)m/z559.1(M+H)。

化合物52

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.24(d,J=10.8Hz,1H),4.10(s,3H),3.17−2.97(m,9H),2.32−2.09(m,4H),1.92−1.85(m,2H),1.75−1.63(m,2H),1.43−1.26(m,6H);MS(ESI)m/z587.2(M+H)。

化合物53

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.20(d,J=11.2Hz,1H),8.16(d,J=2.4Hz,1H),8.06(d,J=5.2Hz,1H),7.85−7.78(m,2H),4.27(s,2H),4.11(s,1H),3.18−2.98(m,9H),2.32−2.21(m,2H),1.70−1.60(m,1H);MS(ESI)m/z582.2(M+H)。

化合物54

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.24(d,J=11.0Hz,1H),4.31(s,2H),4.11(s,1H),3.22−2.88(m,9H),2.36−2.16(m,2H),1.70−1.56(m,1H),1.44(s,9H);MS(ESI)m/z577.41(M+H)。

化合物55

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.15(d,J=10.8Hz,1H),4.65(t,J=4.8Hz,2H),4.08(s,2H),4.00(s,1H),3.45(t,J=4.4Hz,1H),3.38(t,J=5.6Hz,1H),3.20−2.87(m,9H),2.25−2.09(m,2H),1.59−1.50(m,1H);MS(ESI)m/z551.0(M+H)。

化合物56

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.25(d,J=11.2Hz,1H),6.39(tt,J=53.6,3.2Hz,1H),4.24(s,2H),4.13(s,1H),3.71(td,J=15.2,2.8Hz,2H),3.19−2.91(m,9H),2.33−2.24(m,2H),1.70−1.60(m,1H);MS(ESI)m/z569.0(M+H)。

化合物57

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.21(d,J=10.8Hz,1H),4.01(s,1H),3.85(s,2H),3.73(s,3H),3.59−3.51(m,1H),3.12−2.87(m,9H),2.23−2.12(m,2H),1.88−1.50(m,9H);MS(ESI)m/z559.1(M+H)。

化合物58

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.24(d,J=10.8Hz,1H),4.48(s,2H),4.12(s,1H),4.10−4.07(m,2H),3.93−3.86(m,2H),3.19−2.90(m,9H),2.79−2.67(m,2H),2.37−2.21(m,2H),1.59−1.51(m,1H);MS(ESI)m/z595.0(M+H)。

実施例2 R1およびR2が、結合する窒素原子と併せて、単環式または二環式ヘテロアリールを形成する構造式(I)の化合物の合成

以下の化合物をスキーム2に従って調製した。

化合物2−1

250mLの丸底フラスコに、化合物3(14.47g、56.30mmol、1.0当量、粗生成物)、テトラブチルアンモニウムブロミド(0.90g、2.80mmol、0.05当量)、1,2−ジクロロエタン(60mL)および水(60mL)を添加した。透明な二層を20℃の水浴中で冷やした。硝酸(7.2mL、70重量%、112.60mmol、2.0当量)を添加した。添加後、反応温度を26℃まで徐々に上げた。反応を、室温で一晩(19時間)攪拌した。TLC(ヘプタン/EtOAc=9.5/0.5)によれば、反応が完了したことが示された。有機層を分離し、水(60mL×2)および塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を除去したところ、褐色の油として化合物2−1が得られ、静置により固化した(17.71g、定量)。粗生成物を次の工程に直接用いた。

化合物2−2

250mLの丸底フラスコに、化合物2−1(17.7g、56.30mmol、1.0当量)、アセトン(177mL)、無水炭酸カリウム(15.6g、113.00mmol、2.0当量)およびヨウ化カリウム(0.47g、2.80mmol、0.05当量)を添加した。室温で攪拌した懸濁液に、臭化ベンジル(7.03mL、59.10mmol、1.05当量)を添加した。懸濁液を、56℃まで4時間加熱した。TLC(ヘプタン/EtOAc=9/1)によれば、反応が完了したことが示された。固体をろ過により除去し、アセトン(30mL)で洗った。ろ液を濃縮してペーストとした。ペーストをメチルt−ブチルエーテル(MTBE、120mL)と水(80mL)に分離した。有機層を水(80mL)および塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、褐色の油として化合物2−2が得られた(21.09g、98%)。粗生成物を次の工程に直接用いた。

化合物2−3

1Lの丸底フラスコに、化合物2−2(21.08g、55.40mmol、1.0当量)およびTHF(230mL)を添加した。溶液を、冷水浴で10℃まで冷やした。水(230mL)を含む他の500mLの丸底フラスコに、次亜硫酸ナトリウム(Na2S2O4、56.7g、276.80mmol、5.0当量)を、攪拌しながら徐々に添加した。次亜硫酸ナトリウムの水溶液を、化合物2−2のTHF溶液に添加した。添加後、温度を、10℃から20.4℃に即時に上げた。冷水浴を、一晩かけて室温まで徐々に温めながら、黄色の懸濁液を攪拌したところ、オレンジ色の濁った溶液が得られた。この間の反応温度は、15℃〜19℃であった。TLC(ヘプタン/EtOAc=9/1)によれば、反応が完了したことが示された。オレンジ色の濁った溶液を、EtOAc(460mL)で希釈した。有機層を、水(150mL×2)および塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して、褐色の油として、粗生成物が得られた。粗生成物を、ヘプタンEtOAc9/1で溶離したフラッシュシリカゲルカラムにより精製したところ、所望の生成物2−3が得られた(15.83g、80%、3工程)。

化合物2−4

NMP溶液(50mL)に、アニリン2−3(10.02g、28.5mmol、1当量)、臭化アリル(7.65mL、85.5mmol、3当量)および炭酸カリウム(11.79g、85.5mmol、3当量)を添加した。ヨウ化カリウム(994.8mg、6mmol、0.2当量)を添加し、反応混合物を窒素下に置き、100℃まで加熱した。16時間後、反応を冷やし、水(60mL)で希釈し、EtOAc(75mL、次に、2×50mL)で抽出した。結合した有機抽出物を、水(2×35mL)で洗い、乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、濃縮したところ、粗生成物が得られた。シリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィー(RediSep、125g、グラジエント、ヘキサン中1−6%EtOAc)により、10.97gの純粋な2−4が得られた(89%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)d7.42−7.30(m,7H),7.42−7.20(m,1H),7.00(d,J=8.5Hz,2H),6.72(d,J=11.0HZ,1H),5.77−5.70(m,2H),5.20−5.12(m,6H),3.81(d,J=6.1Hz,4H),2.26(s,3H);MS(ESI)m/z432.34(M+H)。

化合物2−5

2−4(875mg、2.03mmol、1.25当量)のTHF溶液(6.5mL)を、THF(0.051M、2.03mmol、40mL、1.25当量)およびTMEDA(304μL、2.03mmol、1.25当量)の新たに調製したLDA溶液(0.051M、2.03mmol、40mL、1.25当量)に−78℃で添加した。反応を、−78℃で15分間攪拌した。エノン(784mg、1.62mmol、1.0当量)のTHF溶液(6.5mL)を、反応混合物に滴下して添加した後、LHMDS溶液(THF中1.0M、2.03mL、2.03mmol、1.25当量)を添加した。反応を、−78℃から−10℃まで1時間攪拌し、飽和NH4Cl(6mL)で急冷し、25℃まで温めた。溶液を、飽和NH4Cl(20mL)に注ぎ、EtOAc(2×75mL)で抽出した。結合したEtOAc抽出物を、乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、濃縮したところ、粗生成物が得られた。Sunfire PrepC18OBDカラム[5μm、19×50mm、流量20mL/分、溶媒A:0.1%HCO2Hを含むH2O、溶媒B:0.1%HCO2Hを含むCH3CN、注入量:4×3.6−4.2mL(CH3CN)、グラジエント:12分にわたって88→100%B、質量分析計直結の留分収集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLC精製。6.6〜10.6分で溶離した所望のMWを有する留分を集め、凍結乾燥したところ、552mgの純粋な2−5が得られた(41%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)d16.22(s,1H),7.49−7.47(m,4H),7.37−7.31(m,6H),6.80(d,J=11.0Hz,1H),5.76−5.64(m,2H),5.35(s,2H),5.17−5.11(m,4H),4.98(d,J=9.2,1H),4.87(d,J=9.8Hz,1H),3.96(m,J=10.4Hz,1H),3.83−3.71(m,4H),3.14(dd,J=14.7,4.3Hz,1H),3.0−2.87(m,1H),2.55−2.35(m,9H),2.11(d,J=14.7Hz,1H),0.82(s,9H),0.26(s,3H),0.13(s,3H);MS(ESI)m/z820.55(M+H)。

化合物2−6

脱気したCH2Cl2(2.5mL、1および1.5mL濯ぎ)中、2−5(550mg、0.671mmol、1.0当量)の溶液を、窒素下で、シリンジにより、N,N−ジメチルバルビツール酸(324mg、2.07mmol、3.0当量)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(56.9mg、0.0492mmol、0.07当量)を含む火炎乾燥したフラスコに添加した。得られた溶液を35℃まで4時間加熱してから濃縮して、溶媒を除去した。得られた粗混合物を、Sunfire PrepC18OBDカラム[5μm、19×50mm、流量20mL/分、溶媒A:0.1%HCO2Hを含むH2O、溶媒B:0.1%HCO2Hを含むCH3CN、注入量:3×3.1mL(CH3CN)、グラジエント:17分にわたって80→100%B、質量分析計直結の留分収集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLCにより精製した。6.1〜10.1分で溶離した所望のMWを有する留分を集め、フリーズドライしたところ、352mgの純粋な2−6が得られた(71%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)d16.10(s,1H),7.51−7.43(m,4H),7.9−7.29(m,6H),6.61(d,J=9.8Hz,1H),5.35(s,2H),4.87(dd,J=22.6,10.4Hz,2H),3.96(d,J=10.4Hz,1H),3.91(s,2H),3.12(dd,J=15.3,10.1Hz,1H),3.04−2.92(m,1H),2.55−2.31(m,9H),2.11(d,J=14.7Hz,1H),0.82(s,9H),0.27(s,3H),0.12(s,3H);MS(ESI)m/z740.44(M+H)。

化合物59

THF(600μL)中アニリン2−6(30mg、0.041mmol、1当量)の溶液に、ブロモアセチルブロミド(3.7μL、0.043mmol、1.05当量)を添加した。15分後、インダゾール(53mg、0.45mmol、10当量)を添加した。15時間後、反応を80℃まで加熱した。さらに26時間後、さらに20mgのインダゾール(0.17mmol、4当量)を添加し、反応を80℃まで加熱した。20時間後、溶媒を真空で除去し、得られた粗混合物を真空下で乾燥した。

上記の粗中間体を、ジオキサン(1.2mL)中のプラスチックバイアルに移し、フッ化水素(50%、300μL)の水溶液を添加した。5時間後、反応溶液をK2HPO4(30mL中3.6g)の水溶液で希釈し、EtOAc(2×30mL)で抽出した。結合した有機層を、乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、濃縮したところ、粗生成物が得られた。

パラジウム炭素(10%、10mg)を、ジオキサン:メタノール(1:1、1mL)中の上記粗中間体溶液に添加した。フラスコは、隔壁を備えており、水素ガスで3回排気およびバックフィルした。水素ガスを、反応溶液を通して2分間発泡させて、反応を水素ガス雰囲気(バルーン)下で1.5時間攪拌した。反応混合物を、セライトを通してろ過し、パラジウム触媒を除去し、減圧下で濃縮した。得られた油の分取逆相HPLC精製を、Polymerx10μRP−γ 100Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン、溶媒A:水中0.05N HCl、溶媒B:CH3CN、注入量:4.8mL(水中0.05N HCl)、15分にわたって10→60%Bでのグラジエント溶離、その後、100%で5分保持、質量分析計直結の留分収集]を用いたWaters Autopurificationシステムで行った。14〜14.65分で溶離した所望のMWを有する留分を集め、フリーズドライしたところ、3.6mgの化合物59が得られた(15%)。1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.71(s,1H),8.19(d,J=11.0Hz,1H),7.92−7.90(m,1H),7.72−7.57(m,2H),7/35−7.29(m,1H),5.65(s,2H),4.08(s,1H),3.16−2.92(m,9H),2.31−2.18(m,2H),1.67−1.60(m,1H);MS(ESI)m/z606.41(M+H)。

化合物60

THF(500μL)中アニリン2−6(22mg、0.030mmol、1当量)の溶液に、ブロモアセチルブロミド(2.7μL、0.031mmol、1.05当量)を添加した。30分後、ピラゾール(36mg、0.53mmol、18当量)を添加した。20分後、反応を、80℃まで1.5時間加熱し、室温まで15時間にわたって冷やし、80℃で4.5時間加熱した。溶媒を真空で除去し、得られた粗混合物を真空下で乾燥した。

上記の粗中間体を、アセトニトリル(1.0mL)中のプラスチックバイアルに移し、フッ化水素(50%、200μL)の水溶液を添加した。20時間後、反応溶液をK2HPO4(20mL中2.4g)の水溶液で希釈し、EtOAc(2×25mL)で抽出した。結合した有機層を、乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、濃縮したところ、粗生成物が得られた。

パラジウム炭素(10%、10mg)を、ジオキサン:メタノール(1:1、1mL)中の上記粗中間体溶液に添加した。フラスコは、隔壁を備えており、水素ガスで3回排気およびバックフィルした。水素ガスを、反応溶液を通して2分間発泡させて、反応を水素ガス雰囲気(バルーン)下で1.5時間攪拌した。反応混合物を、セライトを通してろ過し、パラジウム触媒を除去し、減圧下で濃縮した。得られた油の分取逆相HPLC精製を、Polymerx10μRP−γ 100Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン、溶媒A:水中0.05N HCl、溶媒B:CH3CN、注入量:3.0mL(水中0.05N HCl中10%CH3CN)、10分にわたって10→60%Bのグラジエント溶離、その後、100%で5分保持、質量分析計直結の留分収集]を用いたWaters Autopurificationシステムで行った。8.8〜10.2分で溶離した所望のMWを有する留分を集め、フリーズドライした。得られた黄色の固体を、上記の手順を用いて、20分にわたるグラジエントで、分取逆相HPLC精製により2回目の精製を行い、10.7〜12.4分で溶離した所望のMWを有する留分を集め、フリーズドライしたところ、8.2mgの純粋な60が得られた(50%)。1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.19(d,J=11.0Hz,1H),8.05−7.92(m,2H),6.62−6.57(m,1H),5.33(d,J=4.9Hz,2H),4.08(s,1H),3.16−2.90(m,9H),2.31−2.17(m,2H),1.69−1.55(m,1H);MS(ESI)m/z556.42(M+H)。

化合物61

THF(500μL)中アニリン2−6(23mg、0.032mmol、1当量)の溶液に、ブロモアセチルブロミド(2.9μL、0.034mmol、1.05当量)を添加した。30分後、イミダゾール(32mg、0.47mmol、15当量)を添加し、溶液を80℃まで加熱した。2時間後、溶液を冷やし、溶媒を真空で除去した。

上記の粗中間体を、ジオキサン(1.2mL)中のプラスチックバイアルに移し、フッ化水素(50%、200μL)の水溶液を添加した。1.5時間後、反応溶液をK2HPO4(30mL中2.4g)の水溶液で希釈し、EtOAc(2×25mL)で抽出した。結合した有機層を、乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、濃縮したところ、粗生成物が得られた。

パラジウム炭素(10%、8mg)を、ジオキサン:メタノール(1:1、1mL)中の上記粗中間体溶液に添加した。フラスコは、隔壁を備えており、水素ガスで3回排気およびバックフィルした。水素ガスを、反応溶液を通して発泡させて、反応を水素ガス雰囲気(バルーン)下で1.5時間攪拌した。さらにパラジウム触媒を添加し、水素による排気およびバックフィルを、1.5時間と5時間さらに2回行った。反応混合物を、セライトを通してろ過し、パラジウム触媒を除去し、減圧下で濃縮した。得られた油の分取逆相HPLC精製を、Polymerx10μRP−γ 100Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン、溶媒A:水中0.05N HCl、溶媒B:CH3CN、注入量:2.8mL(水中0.05N HCl)、15分にわたって10→60%Bでのグラジエント溶離、その後、100%で5分保持、質量分析計直結の留分収集]を用いたWaters Autopurificationシステムで行った。7.0〜7.8分で溶離した所望のMWを有する留分を集め、フリーズドライしたところ、4.1mgの純粋な61が得られた(23%)。1H NMR(400MHz,CD3OD)d9.02(s,1H),8.17(d,J=11.0Hz,1H),7.67(s,1H),7.61(s,1H),5.34(s,2H),4.09(s,1H),3.18−2.90(m,9H),2.34−21.7(m,2H),1.71−1.56(m,1H);MS(ESI)m/z556.45(M+H)。

化合物62

THF(500μL)中アニリン2−6(20.2mg、0.027mmol、1当量)の溶液に、ブロモアセチルブロミド(2.5μL、0.029mmol、1.05当量)を添加した。30分後、1H−1,2,3−トリアゾール(31μL、0.54mmol、20当量)を添加し、溶液を80℃まで加熱した。17時間後、さらに31μL(20当量)の1H−1,2,3−トリアゾールを添加し、溶液を22時間加熱した。溶液を冷やし、溶媒を真空で除去した。

上記の粗中間体を、ジオキサン(1.0mL)中のプラスチックバイアルに移し、フッ化水素(50%、200μL)の水溶液を添加した。17時間後、反応溶液をK2HPO4(20mL中2.4g)の水溶液で希釈し、EtOAc(2×25mL)で抽出した。結合した有機層を、乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、濃縮したところ、粗生成物が得られた。

パラジウム炭素(10%、7mg)を、ジオキサン:メタノール(1:1、1mL)中の上記粗中間体溶液に添加した。フラスコは、隔壁を備えており、水素ガスで3回排気およびバックフィルした。水素ガスを、反応溶液を通して発泡させて、反応を水素ガス雰囲気(バルーン)下で1.5時間攪拌した。反応混合物を、セライトを通してろ過し、パラジウム触媒を除去し、減圧下で濃縮した。得られた油の分取逆相HPLC精製を、Polymerx10μRP−γ 100Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン、溶媒A:水中0.05N HCl、溶媒B:CH3CN、注入量:2.5mL(水中0.05N HCl)、15分にわたって10→60%Bでのグラジエント溶離、その後、100%で5分保持、質量分析計直結の留分収集]を用いたWaters Autopurificationシステムで行った。9.25〜10.5分で溶離した所望のMWを有する留分を集め、フリーズドライした。上述した2回目の精製を行って、9.75〜10.25分で溶離した所望のMWを有する留分を集め、フリーズドライしたところ、1.5mgの純粋な62が得られた(10%)。1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.24(s,1H),8.17(d,J=11.0Hz,1H),8.00(s,1H),5.57(s,2H),4.09(s,1H),3.16−2.92(m,9H),2.34−2.16(m,2H),1.71−1.67(m,1H);MS(ESI)m/z557.44(M+H)。

化合物63

THF(500μL)中アニリン2−6(16.7mg、0.023mmol、1当量)の溶液に、ブロモアセチルブロミド(2.0μL、0.024mmol、1.05当量)を添加した。20分後、テトラゾール溶液(CH3CN中0.45M、500μL、0.23mmol、10当量)を添加し、溶液を80℃まで加熱した。4時間後、炭酸カリウム(35mg、0.25mmol、11当量)を添加し、反応を35分間加熱した。溶液を冷やし、セライトを通してろ過し、溶媒を真空で除去した。

上記の粗中間体を、ジオキサン(1.0mL)中のプラスチックバイアルに移し、フッ化水素(50%、200μL)の水溶液を添加した。18時間後、反応溶液をK2HPO4(20mL中2.4g)の水溶液で希釈し、EtOAc(2×25mL)で抽出した。結合した有機層を、乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、濃縮したところ、粗生成物が得られた。

パラジウム炭素(10%、7mg)を、ジオキサン:メタノール(1:1、1mL)中の上記粗中間体溶液に添加した。フラスコは、隔壁を備えており、水素ガスで3回排気およびバックフィルした。水素ガスを、反応溶液を通して発泡させて、反応を水素ガス雰囲気(バルーン)下で1時間攪拌した。反応混合物を、セライトを通してろ過し、パラジウム触媒を除去し、減圧下で濃縮した。得られた油の分取逆相HPLC精製を、Polymerx10μRP−γ 100Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン、溶媒A:水中0.05N HCl、溶媒B:CH3CN、注入量:2.5mL(水中0.05N HCl中10%CH3CN)、15分にわたって10→60%Bでのグラジエント溶離、その後、100%で5分保持、質量分析計直結の留分収集]を用いたWaters Autopurificationシステムで行った。11.2〜12.1分で溶離した所望のMWを有する留分を集め、フリーズドライした。上述した2回目の精製を、20分を超えるグラジエントで行って、13.7〜14.5分で溶離した所望のMWを有する留分を集め、フリーズドライしたところ、1.6mgの純粋な63が得られた(13%)。1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.78(s,1H),8.14(d,J=11.0Hz,1H),5.78(s,2H),4.07(s,1H),3.17−2.81(m,9H),2.36−2.16(m,2H),1.70−1.52(m,1H);MS(ESI)m/z558.43(M+H)。

実施例3 Xが、水素、Yが、−NH−C(O−ヘテロシクリル、−NH−C(O)−ヘテロアリール−NH−C(O)−[C(RD)(RE)]0−1−N(RA)(RB)、−NH−C(O)−カルボシクリル、−NH−C(O)−アリール、−NH−SO2−(C1−C6)アルキル、−NH−SO2−カルボシクリル、−NH−SO2−アリール、−NH−SO2−ヘテロシクリルまたは−NH−SO2−ヘテロアリールである構造式(A)の化合物の合成

スキーム3において、R’は、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、カルボシクリル、アリール、(C1−C6)アルキルまたは−[C(RD)(RE)]0−1−N(RA)(RB)を表わし、R2’は、水素、(C1−C6)アルキル、−(C0−C5)アルキレン−カルボシクリル、−(C0−C5)アルキレン−アリール、−(C0−C5)アルキレン−ヘテロアリールまたは−(C0−C5)アルキレン−ヘテロシクリルを表わす。スキーム3および後述の方法により作製された特定の化合物について、RZは、水素、RXおよびRYは、結合する炭素および窒素原子と併せて、任意で置換された4〜7員環の不飽和ヘテロシクリルを形成する。しかしながら、当業者であれば、このスキーム3はまた、RX、RYおよびRZが、それぞれ、構造式(A)で定義されるRB、RDおよびREである化合物を合成するのにも有用であることが容易に理解されるであろう。以下の化合物を、スキーム3に従って調製した。

化合物64

DMF(200μL)中アニリン9(17.0mg、0.038mmol、1当量)の溶液に、N−ベンジルオキシカルボニル−L−プロリン酸塩化物(トルエン中1.0M、57μL、1.5当量)を添加した。50分後、反応混合物を、H2O中0.05N HClで3mLまで希釈し、ろ過して、固体を全て除去した。得られた溶液の分取逆相HPLC精製を、Polymerx10μRP−γ 100Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン、溶媒A:水中0.05N HCl、溶媒B:CH3CN、注入量:3.5mL(水中0.05N HCl)、25分にわたって10→20%Bでのグラジエント溶離、その後、100%で5分保持、質量分析計直結の留分収集]を用いたWaters Autopurificationシステムで行った。27.1〜28.4分で溶離した所望のMWを有する留分を集め、フリーズドライした。

パラジウム炭素(10%、10mg)を、上記中間体のジオキサン:MeOH(1:3、2.3mL)の溶液に添加した。フラスコは、隔壁を備えており、水素ガスで3回排気およびバックフィルした。反応溶液を、水素ガス雰囲気(バルーン)下で1.7時間攪拌してから、セライトを通してろ過し、パラジウム触媒を除去し、減圧下で濃縮した。得られた残渣の半分を、Polymerx10μRP−γ100Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン、溶媒A:水中0.05N HCl、溶媒B:CH3CN、注入量:1.8mL(水中0.05N HCl)、10分にわたって0→35%Bでのグラジエント溶離、その後、100%で5分保持、質量分析計直結の留分収集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLC精製により精製した。7.8〜8.5分で溶離した所望のMWを有する留分を集め、フリーズドライしたところ、1.9mgの化合物64が得られた(30%)。1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.16(d,J=11.0Hz,1H),4.59−4.56(m,1H),4.10(s,1H),3.48−3.33(m,2H),3.18−2.95(m,9H),2.59−2.50(m,1H),2.34−2.05(m,5H),1.70−1.60(m,1H);MS(ESI)m/z545.38(M+H)。

化合物65

DMF(200μL)中アニリン9(15.7mg、0.035mmol、1当量)の溶液に、N−ベンジルオキシカルボニル−D−プロリン酸塩化物(トルエン中1.0M、53μL、1.5当量)を添加した。50分後、反応は完了した。反応混合物を、H2O中0.05N HClで3mLまで希釈し、ろ過して、固体を全て除去した。得られた溶液の分取逆相HPLC精製を、Polymerx10μRP−γ 100Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン、溶媒A:水中0.05N HCl、溶媒B:CH3CN、注入量:3.5mL(水中0.05N HCl)、10分にわたって15→80%Bでのグラジエント溶離、その後、100%で5分保持、質量分析計直結の留分収集]を用いたWaters Autopurificationシステムで行った。6.95〜8.10分で溶離した所望のMWを有する留分を集め、フリーズドライした。

パラジウム炭素(10%、15mg)を、上記中間体のジオキサン:MeOH(1:3、2.3mL)の溶液に添加した。フラスコは、隔壁を備えており、水素ガスで3回排気およびバックフィルし、反応を、水素ガス雰囲気(バルーン)下で1.5時間攪拌した。反応混合物を、セライトを通してろ過し、パラジウム触媒を除去し、減圧下で濃縮した。得られた残渣の半分を、Polymerx10μRP−γ100Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン、溶媒A:水中0.05N HCl、溶媒B:CH3CN、注入量:1.8mL(水中0.05N HCl)、10分にわたって0→35%Bでのグラジエント溶離、その後、100%で5分保持、質量分析計直結の留分収集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLC精製により精製した。8.35〜8.85分で溶離した所望のMWを有する留分を集め、フリーズドライしたところ、0.93mgの化合物65が得られた(24%)。1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.17(d,J=11.0Hz,1H),4.59−4.53(m,1H),4.09(s,1H),3.48−3.37(m,2H),3.18−2.90(m,9H),2.59−2.50(m,1H),2.34−2.05(m,5H),1.70−1.59(m,1H);MS(ESI)m/z545.37(M+H)。

化合物66

粗生成物64(0.012mmol、1.0当量)の残りの半分をDMF(500μL)に溶解し、ホルムアルデヒド(37%水溶液、5.3μL、0.072mmol、6当量)、トリエチルアミン(5.0μL、0.036mmol、3当量)およびナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(8.4mg、0.039mmol、3.2当量)を連続して添加した。2時間後、反応混合物を、H2O中0.05N HClで1.8mLまで希釈し、Polymerx10μRP−γ 100Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン、溶媒A:水中0.05N HCl、溶媒B:CH3CN、注入量:1.8mL(水中0.05N HCl)、グラジエント:10分にわたって0→30%B、質量分析計直結の留分収集]を用いたWaters Autopurificationシステムで、分取逆相HPLC精製により精製した。8.6〜9.35分で溶離した所望のMWを有する留分を集め、フリーズドライしたところ、所望の化合物およびオーバーホルミル化生成物の混合物が得られた。得られた化合物混合物を、4N水性HCl溶液(1.5mL)に溶解し、50時間攪拌してから、フリーズドライしたところ、1.0mgの所望の化合物66が得られた(15%)。1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.17(d,J=10.4Hz,1H),4.36(t,J=8.6Hz,1H),4.08(s,1H),3.82−3.73(m,1H),3.20−2.90(m,12H),2.73−2.68(m,1H),2.35−2.10(m,5H),1.70−1.60(m,1H);MS(ESI)m/z559.38(M+H)。

化合物67

粗生成物65(0.007mmol、1.0当量)の残りの半分をDMF(500μL)に溶解し、ホルムアルデヒド(37%水溶液、3.1μL、0.042mmol、6当量)およびTEA(3.0μL、0.021mmol、3当量)およびナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(4mg、0.026mmol、2.6当量)を連続して添加した。2.2時間後、反応混合物を、H2O中0.05N HClで1.8mLまで希釈し、Polymerx10μRP−γ 100Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン、溶媒A:水中0.05N HCl、溶媒B:CH3CN、注入量:2.0mL(水中0.05N HCl)、グラジエント:10分にわたって0→30%B、質量分析計直結の留分収集]を用いたWaters Autopurificationシステムで、分取逆相HPLC精製により精製した。8.9〜9.6分で溶離した所望のMWを有する留分を集め、フリーズドライしたところ、所望の化合物およびオーバーホルミル化生成物の混合物が得られた。得られた化合物混合物を、6N水性HCl溶液に溶解し、50時間攪拌してから、フリーズドライしたところ、1.5mgの所望の化合物67が得られた(38%)。1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.17(d,J=10.4Hz,1H),4.45−4.34(m,1H),4.08(s,1H),3.84−3.74(m,1H),3.20−2.90(m,12H),2.79−2.65(m,1H),2.33−2.05(m,5H),1.70−1.58(m,1H);MS(ESI)m/z559.40(M+H)。

化合物68

DMF(200μL)中(S)−(−)−1−Cbz−ピペリジンカルボン酸(34.2mg、0.13mmol、3当量)および(2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ−ホスフェート)(50.0mg、0.13mol、3当量)の溶液に、トリエチルアミン(18μL、0.13mmol、3当量)を添加した。30分後、アニリン9(17.5mg、0.039mmol、1当量)を添加した。16時間後、反応混合物を、H2O中0.05N HClで3mLまで希釈し、Polymerx10μRP−γ 100Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン、溶媒A:水中0.05N HCl、溶媒B:CH3CN、注入量:3.5mL(水中0.05N HCl)、10分にわたって15→70%Bでのグラジエント溶離、その後、100%で5分保持、質量分析計直結の留分収集]を用いたWaters Autopurificationシステムで、分取逆相HPLC精製により精製した。9.07〜10.0分で溶離した所望のMWを有する留分を集め、フリーズドライした。パラジウム炭素(10%、4mg)を、この発泡体のジオキサン:MeOH(1:3、1.2mL)の溶液に添加した。フラスコは、隔壁を備えており、水素ガスで3回排気およびバックフィルした。反応混合物を、水素ガス雰囲気(バルーン)下で1.5時間攪拌してから、セライトを通してろ過し、パラジウム触媒を除去し、減圧下で濃縮した。得られた油の分取逆相HPLC精製を、Polymerx10μRP−γ100Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン、溶媒A:水中0.05N HCl、溶媒B:CH3CN、注入量:2.0mL(水中0.05N HCl)、10分にわたって0→35%Bでのグラジエント溶離、その後、100%で5分保持、質量分析計直結の留分収集]を用いたWaters Autopurificationシステムで行った。8.15〜8.58分で溶離した所望のMWを有する留分を集め、フリーズドライしたところ、0.75mgの化合物68が得られた(4%)。1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.15(d,J=11.0Hz,1H),4.12−4.06(m,2H),3.48−3.40(m,2H),3.20−2.90(m,9H),2.36−2.18(m,3H),2.02−1.90(m,2H),1.82−1.60(m,4H);MS(ESI)m/z559.37(M+H)。

化合物69

DMF(200μL)中(R)−(+)−1−Cbz−ピペリジンカルボン酸(35.0mg、0.13mmol、3当量)および(2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ−ホスフェート)(50.0mg、0.13mol、3当量)の溶液に、TEA(18μL、0.13mmol、3当量)を添加した。30分後、アニリン9(16.6mg、0.037mmol、1当量)を添加した。16時間後、反応混合物を、H2O中0.05N HClで3mLまで希釈し、Polymerx10μRP−γ 100Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン、溶媒A:水中0.05N HCl、溶媒B:CH3CN、注入量:3.5mL(水中0.05N HCl)、10分にわたって10→50%Bでのグラジエント溶離、その後、100%で5分保持、質量分析計直結の留分収集]を用いたWaters Autopurificationシステムで、分取逆相HPLC精製により精製した。12.1〜12.9分で溶離した所望のMWを有する留分を集め、フリーズドライした。パラジウム炭素(10%、5mg)を、ジオキサン:MeOH(1:3、800μL)の溶液に添加した。フラスコは、隔壁を備えており、水素ガスで3回排気およびバックフィルした。反応混合物を、水素ガス雰囲気(バルーン)下で1.75時間攪拌してから、セライトを通してろ過し、パラジウム触媒を除去し、減圧下で濃縮した。得られた油の分取逆相HPLC精製を、Polymerx10μRP−γ100Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン、溶媒A:水中0.05N HCl、溶媒B:CH3CN、注入量:2.0mL(水中0.05N HCl)、10分にわたって0→35%Bでのグラジエント溶離、その後、100%で5分保持、質量分析計直結の留分収集]を用いたWaters Autopurificationシステムで行った。8.75〜9.16分で溶離した所望のMWを有する留分を集め、フリーズドライしたところ、0.55mgの化合物69が得られた(3%)。1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.16(d,J=11.0Hz,1H),4.13−4.06(m,2H),3.50−3.43(m,2H),3.20−2.90(m,9H),2.38−2.18(m,3H),2.04−1.88(m,2H),1.83−1.60(m,4H);MS(ESI)m/z559.38(M+H)。

化合物70

DMF(500μL)中化合物68(0.0138mmol、1当量)の溶液に、ホルムアルデヒド(37%水溶液、6.2μL、0.083mmol、6当量)、TEA(5.8μL、0.041mmol、3当量)およびナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(11mg、0.051mmol、3.7当量)を連続して添加した。17時間後、反応混合物を濃縮して、アミンを除去し、6N水性HCl(500μL)を添加した。19日後、反応溶液を、Polymerx10μRP−γ 100Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン、溶媒A:水中0.05N HCl、溶媒B:CH3CN、注入量:2.5mL(水中0.05N HCl)、グラジエント:15分にわたって15→50%B、質量分析計直結の留分収集]を用いたWaters Autopurificationシステムで、分取逆相HPLC精製により精製した。5.75〜6.2分で溶離した所望のMWを有する留分を集め、フリーズドライしたところ、2.4mgの所望の化合物70が得られた(31%)。1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.16(d,J=11.0Hz,1H),4.08−4.04(m,1H),3.59−3.53(m,1H),3.20−3.10(m,5H),3.06−2.96(m,5H),2.90m(s,3H),2.36−2.25(m,2H),2.11−2.05(m,1H),2.02−1.94(m,2H),1.90−1.74(m,2H),1.71−1.58(m,2H);MS(ESI)m/z573.33(M+H)。

化合物71

THF中化合物9(20mg、0.045mmol、1.0当量)を、Na2CO3(9.5mg、0.089mmol、2.0当量)、(4R)−4−フルオロ−1−メチル−L−プロリン(9.8mg、0.067mmol、1.5当量)およびHATU(34.6mg、0.047mmol、2.0当量)に添加した。反応混合物を、室温で20時間攪拌した。LC−MS分析によれば、出発材料が完全に消費されたことが示された。HCl/MeOH(1mL、4N)を、混合物に0℃で添加し、2分間攪拌した。混合物を真空下で濃縮し、残渣を、逆相HPLCにより精製したところ、生成物71が得られた(6.1mg)。1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.18(d,J=10.8Hz,1H),5.51(d,J=51.6Hz,1H),4.76−4.72(m,1H),4.22−4.16(m,1H),4.10(s,1H),3.74−3.63(m,1H),3.21−2.97(m,14H),2.35−2.21(m,2H),1.69−1.60(m,1H);MS(ESI)m/z577.1(M+H)。

化合物72および73は、対応のアミノ酸を用いて、化合物71と同様にして調製した。

化合物72

化合物71と同様にして調製。1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.16(d,J=10.8Hz,1H),5.48(d,J=51.2Hz,1H),4.60−4.56(m,1H),4.11(s,1H),4.05−3.98(m,1H),3.67−3.54(m,1H),3.24−2.96(m,13H),2.55−2.44(m,1H),2.34−2.22(m,2H),1.70−1.66(m,1H);MS(ESI)m/z577.1(M+H)。

化合物73

化合物71と同様にして調製。1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.18(d,J=10.8Hz,1H),4.76−4.71(m,1H),4.17−4.12(m,1H),4.09(s,1H),3.96−3.86(m,1H),3.67−3.53(m,1H),3.55−3.53(m,1H),3.25−2.73(m,12H),2.33−2.19(m,2H),1.68−1.59(m,1H);MS(ESI)m/z595.3(M+H)。

化合物3−1−1

1−(Bocアミノ)シクロプロパンカルボン酸(67.4mg、0.335mmol)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(127mg、0.335mmol)およびトリエチルアミン(0.078mL、0.56mmol)を、DMF(1mL)中で30分間攪拌した。化合物9(50mg、0.112mmol)を添加した。一晩攪拌した後、反応混合物を、Polymerx10μRP−γ100Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン、溶媒A:水中0.05N HCl、溶媒B:CH3CN、10分にわたって0→50%Bでのグラジエント溶離、質量分析計直結の留分収集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLC精製により直接精製した。所望のMWを有する留分を集め、フリーズドライした。材料を、Polymerx10μRP−γ100Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン、溶媒A:水中0.05N HCl、溶媒B:CH3CN、15分にわたって0→100%Bでのグラジエント溶離、質量分析計直結の留分収集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLC精製により再精製した。所望のMWを有する留分を集め、フリーズドライした。これにより化合物3−1−1(59%、約80%純粋)が42mg得られ、さらに精製することなくこれを用いた。MS(ESI)m/z631.41(M+H)。

化合物74

化合物3−1−1(42mg、0.067mmol、約80%純粋)を、1,4−ジオキサン(5mL)中4MHClで一晩攪拌した。反応混合物を、減圧下で濃縮し、Polymerx10μRP−γ100Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン、溶媒A:0.05N HCl、溶媒B:CH3CN、10分にわたって0→50%Bでのグラジエント溶離、質量分析計直結の留分収集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLC精製により精製した。所望のMWを有する留分を集め、フリーズドライした。材料を、MeOH(1mL)に溶解し、溶液を、激しく攪拌したジエチルエーテル(200mL)に滴下して添加した。得られた固体を、セライトパッドでろ過により集めた。これをジエチルエーテルで(3回)洗い、固体をMeOHに溶解し、減圧下で濃縮した。材料をフリーズドライしたところ、25.8mgの化合物74が得られた。1H NMR(400MHz,DCl1滴入りCD3OD)d8.00(d,J=7.0Hz,1H),4.05(s,1H),3.20−2.85(m,9H),2.36−2.06(m,2H),1.70−1.52(m,3H),1.35−1.22(m,2H);MS(ESI)m/z531.33(M+H)。

化合物75

室温で、化合物9(0.260g、0.50mmol、1.0当量)のジクロロメタン(5mL)懸濁液に、トリエチルアミン(0.139mL、1.00mmol、2.0当量)を添加した。透明な溶液が形成されるまで、反応を室温で攪拌した。メチルイソシアネート(89.4μL、1.50mmol、3.0当量)を反応混合物に滴下して添加した。反応を、25℃で1時間攪拌させた。追加のメチルイソシアネート(45μL、0.75mmol、1.5当量)を添加し、一晩攪拌した。LCMSによれば、まだ出発材料が存在していることが示された。溶媒を真空下で除去したところ、粗生成物75が得られた。粗生成物を、Polymerx10μRP−γ 100Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン、溶媒A:0.05N HCl、溶媒B:CH3CN、2.0mL(0.05N HCl)中試料、15分にわたって15→65%Bのグラジエント溶離、質量分析計直結の留分収集]でのHPLCにより精製したところ、黄色の固体として所望の生成物75が得られた(80mg、31.7%)。1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.12(d,J=11.4Hz,1H),4.07(s,1H),3.04(s,3H),2.96(s,3H),3.13−2.93(m,3H),2.77(s,3H),2.27−2.15(m,2H),1.69−1.57(m,1H);MS(ESI)m/z505.41(M+H)。

化合物76

THF中化合物9(20mg、0.045mmol、1.0当量)を、Na2CO3(9.5mg、0.089mmol、2.0当量)および0.1mL塩化ベンゾイル溶液(1mL THF中54uL、0.047mmol、1.05当量)に添加した。反応混合物を、室温で1時間攪拌した。LC−MS分析によれば、出発材料が完全に消費されたことが示された。HCl/MeOH(1mL、4N)を、混合物に0℃で添加し、2分間攪拌した。混合物を真空下で濃縮し、残渣を逆相HPLCにより精製して、生成物76(5.5mg)を得た。1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.23(d,J=10.8Hz,1H),7.97(d,J=7.6Hz,2H),7.66−7.54(m,3H),4.11(s,1H),3.21−2.90(m,9H),2.37−2.24(m,2H),1.72−1.66(m,1H);MS(ESI)m/z552.1(M+H)。

化合物77−83は、対応の酸塩化物を用いて化合物76と同様にして調製した。

化合物77

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.25(s,1H),8.21(d,J=8.0Hz,1H),8.14(d,J=10.4Hz,1H),7.92(d,J=8.0Hz,1H),7.76(t,J=8.0Hz,1H),4.08(s,1H),3.21−2.89(m,9H),2.35−2.22(m,2H),1.71−1.61(m,1H);MS(ESI)m/z620.1(M+H)。

化合物78

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.10(d,J=10.8Hz,1H),7.41−7.33(m,3H),7.09−7.07(m,1H),4.00(s,1H),3.78(s, 3H),3.12−2.86(m,9H),2.23−2.13(m,2H),1.60−1.50(m,1H);MS(ESI)m/z582.1(M+H)。

化合物79

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.12(d,J=10.8Hz,1H),7.89(d,J=3.2Hz,1H),7.78(d,J=4.8Hz,1H),7.22(t,J=8.8Hz,1H),4.10(s,1H),3.20−2.98(m,9H),2.36−2.20(m,2H),1.68−1.61(m,1H);MS(ESI)m/z558.1(M+H)。

化合物80

1H NMR(400MHz,CD3OD)d9.34(s,1H),9.04−9.00(m,2H),8.20−8.15(m,2H),4.07(s,1H),3.27−2.94(m,9H),2.34−2.18(m,2H),1.68−1.59(m,1H);MS(ESI)m/z553.1(M+H)。

化合物81

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.13−8.06(m,2H),7.98(d,J=7.6Hz,1H),7.77(d,J=7.2Hz,1H),7.67(t,J=8.0Hz,1H),4.01(s,1H),3.26(s,6H),3.14−2.83(m,9H),2.27−2.13(m,2H),1.64−1.52(m,1H);MS(ESI)m/z595.1(M+H)。

化合物82

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.08(d,J=10.8Hz,1H),7.98(d,J=8.4Hz,2H),7.49(d,J=8.4Hz,2H),4.02(s,1H),3.19(s,6H),3.12−2.88(m,9H),2.24−2.13(m,2H),1.60−1.51(m,1H);MS(ESI)m/z595.1(M+H)。

化合物83

1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.19−8.14(m,2H),8.05(d,J=8.4Hz,1H),7.91−7.89(m,1H),7.76−7.74(m,1H),.4.12(s,1H),3.32(s,6H),3.21−2.96(m,9H),2.41−1.98(m,2H),1.72−1.59(m,1H);MS(ESI)m/z595.0(M+H)。

化合物84

THF中化合物9(20mg、0.045mmol、1.0当量)を、DIEA(11.5mg、0.089mmol、2.0当量)および2−チオフェンスルホニルクロリド(12.2mg、0.067mmol、1.5当量)に添加した。反応混合物を、室温で、20時間攪拌した。LC−MS分析によれば、出発材料が完全に消費されたことが示された。HCl/MeOH(1mL、4N)を、混合物に、0℃で添加し、2分間攪拌した。混合物を真空下で濃縮し、残渣を逆相HPLCにより精製したところ、化合物84が得られた(2.0mg)。1H NMR(400MHz,CD3OD)d7.75(dd,J=5.2,1.2Hz,1H),7.59(d,J=2.8Hz,1H),7.52(d,J=10.4Hz,1H),7.09(t,J=4.4Hz,1H),4.07(s,1H),3.11−2.92(m,9H),2.30−2.18(m,2H),1.68−1.58(m,1H);MS(ESI)m/z593.9(M+H)。

化合物85−87は、対応のスルホニルクロリドを用いて、化合物84と同様にして調製した。

化合物85

1H NMR(400MHz,CD3OD)d7.44(d,J=10.0Hz,1H),4.10(s,1H),3.21−2.90(m,12H),2.34−2.22(m,2H),1.67−1.61(m,1H);MS(ESI)m/z526.1(M+H)。

化合物86

1H NMR(400MHz,CD3OD)d7.82(d,J=7.6Hz,2H),7.58−7.46(m,4H),4.07(s,1H),3.10−2.92(m,9H),2.35−2.25(m,2H),1.65−1.55(m,1H);MS(ESI)m/z552.1(M+H)。

化合物87

1H NMR(400MHz,CD3OD)d7.72(t,J=5.6Hz1H),7.62(d,J=7.6Hz,1H),7.50(d,J=8.4Hz,1H),7.41−7.38(m,2H),3.97(s,1H),3.03−2.82(m,9H),2.19−2.06(m,2H),1.53−1.50(m,1H);MS(ESI)m/z622.1(M+H)。

実施例4 Xが水素、Yが−NH−C(O)−ヘテロシクリルまたは−NH−C(O)−ヘテロアリールである構造式(I)の化合物の合成

スキーム4において、Rは、ヘテロアリール、R2は、構造式(A)で定義されたRAである。スキーム4および後述の方法により作製された特定の化合物について、RZは、水素、RXおよびRYは、それぞれ結合する炭素および窒素原子と併せて、任意で置換された4〜7員環の飽和ヘテロシクリルを形成する。しかしながら、当業者であれば、このスキーム4はまた、RX、RYおよびRZが、それぞれ、構造式(A)で定義されるRB、RDおよびREである化合物を合成するのにも有用であることが容易に理解されるであろう。

以下の化合物を、スキーム4に従って調製した。

化合物88

THF(1.5mL)中、1−Fmoc−L−アゼチジン−2−カルボン酸(135mg、0.42mmol、2.9当量)および(2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ−ホスフェート)(164mg、0.43mol、3当量)の懸濁液に、トリエチルアミン(60μL、0.43mmol、3当量)を添加した。30分後、アニリン2−6(106mg、0.14mmol、1当量)を添加した。18時間後、反応混合物を、減圧下で濃縮した。得られた油の分取逆相HPLCを、Sunfire PrepC18OBDカラム[5μm、19×50mm、流量20mL/分、溶媒A:0.1%HCO2Hを含むH2O、溶媒B:0.1%HCO2Hを含むCH3CN、注入量:3×2.0mL(CH3CN)、グラジエント:15分にわたって80→100%B、質量分析計直結の留分収集]を用いたWaters Autopurificationシステムで行った。10.35〜12.0分で溶離した所望のMWを有する留分を集め、フリーズドライしたところ、131mgの黄色の粉末が得られた。

CH2Cl2(2mL)中の上記中間体の溶液に、ピペリジン(500μL)を添加した。30分後、反応溶液を、水性pH7ホスフェートバッファに注ぎ、EtOAc(3×20mL)で抽出した。結合した有機抽出物を、乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた粗油のシリカゲル(Silicycle、ヘキサン中5g、0〜5から10〜50%EtOAcグラジエント)でのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより、47.6mgの中間体が得られた。

上記中間体(24mg)の半分を、アセトニトリル(1mL)に溶解し、HF(50%、200μL)の水溶液を添加した。18.5時間後、反応溶液をK2HPO4水溶液(20mL中2.5g)に注ぎ、EtOAc(2×25mL)で抽出した。結合した有機抽出物を、乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、減圧下で濃縮した。

パラジウム炭素(10%、12.5mg)を、ジオキサン:メタノール(1:1、1mL)中の上記中間体溶液に添加した。フラスコは、隔壁を備えており、水素ガスで3回排気およびバックフィルした。水素ガスを、反応溶液を通して3分間発泡させて、反応混合物を水素ガス雰囲気(バルーン)下で4.5時間攪拌した。反応混合物を、セライトを通してろ過し、パラジウム触媒を除去し、減圧下で濃縮した。得られた油の分取逆相HPLC精製を、Polymerx10μRP−γ 100Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン、溶媒A:水中0.05N HCl、溶媒B:CH3CN、注入量:3.0mL(水中0.05N HCl)、10分にわたって0→30%Bでのグラジエント溶離、その後、100%で5分保持、質量分析計直結の留分収集]を用いたWaters Autopurificationシステムで行った。9.8〜11.25分で溶離した所望のMWを有する留分を集め、フリーズドライした。得られた不純な粉末を、12分にわたって15→50%Bでのグラジエント溶離、その後、100%で3分保持、質量分析計直結の留分収集により、上述した分取逆相HPLCにより精製した。6.5〜8.0分で溶離した所望のMWを有する留分を集め、フリーズドライしたところ、2.0mgの化合物88が得られた(5%)。1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.25(d,J=11.0Hz,1H),5.29−5.24(m,1H),4.20−4.11(m,1H),4.09(s,1H),3.19−2.89(m,10H),2.69−2.56(m,1H),2.33−2.19(m,2H),1.68−1.56(m,1H);MS(ESI)m/z531.30(M+H)。

N−メチル−L−アゼチジン−2−カルボン酸

MeOH(3.6mL)中、L−アゼチジン−2−カルボン酸(290mg、2.87mmol、1当量)の懸濁液に、水性ホルムアルデヒド溶液(37%、235μL、3.15mmol、1.1当量)およびパラジウム炭素(10%、76mg)を添加した。フラスコは、隔壁を備えており、水素ガスで3回排気およびバックフィルした。反応を、水素ガス雰囲気(バルーン)下で19時間攪拌し、セライトを通してろ過し、パラジウム触媒を除去した。得られた溶液を、減圧下で濃縮し、トルエンで3回濃縮し、真空下で乾燥したところ、N−メチル−L−アゼチジン−2−カルボン酸が得られた。 1H NMR(400MHz,CD3OD)d4.50(t,J=9.5Hz,1H),3.96(dt,J=4.3,9.8Hz,1H),3.81(q,J=9.8Hz,1H),2.86(s,3H),2.71−2.60(m,1H),2.50−2.38(m,1H)。

化合物4−1−1

CH2Cl2(6mL)中のアニリン2−6(302mg、0.408mmol、1当量)およびN−メチル−L−アゼチジン−2−カルボン酸(148mg、1.28mmol、3.1当量)の懸濁液に、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(395mg、1.23mmol、3当量)およびDIEA(285μL、1.64mmol、4当量)を添加した。16.5時間後、得られたオレンジ色の溶液を、減圧下で濃縮し、Sunfire PrepC18OBDカラム[5μm、19×50mm、流量20mL/分、溶媒A:0.1%HCO2Hを含むH2O、溶媒B:0.1%HCO2Hを含むCH3CN、注入量:4×2.5〜3.0mL(CH3CN)、グラジエント:15分にわたって50→90%B、質量分析計直結の留分収集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLCにより精製した。4.6〜6.5分および6.5〜9.4分で溶離した所望のMWを有する2組の留分を個別に集め、フリーズドライしたところ、147mgの4−1−1が得られた(43%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)d16.04(s,1H),10.10(s,1H),8.48(d,J=11.0Hz,1H),7.54−7.48(m,4H),7.40−7.32(m,5H),5.36(s,2H),4.99(d,J=9.8Hz,1H),4.90(d,J=9.8Hz,1H),3.96(d,J=10.4Hz,1H),3.54(t,J=7.9Hz,1H),3.39−3.34(m,1H),3.25−3.19(m,1H),3.05−2.92(m,2H),2.58−2.36(m,10H),2.23−2.06(m,4H),0.81(s,9H),0.28(s,3H),0.11(s,3H);MS(ESI)m/z837.37(M+H)。

化合物89

ジオキサン(3.5mL)中4−1−1(147mg、0.175mmol、1当量)の溶液に、HF(50%、750μL)の水溶液を添加した。4時間後、反応溶液を、K2HPO4水溶液(90mL中9g)に注ぎ、EtOAc(2×50mL)で抽出した。結合した有機層を、乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、減圧下で濃縮したところ、128.4mgの粗黄色発泡体が得られた。

HF脱保護生成物(144mg、0.199mmol、1当量)を、ジオキサン:MeOH(1:1、4mL)に溶解し、パラジウム炭素(10%、43.5mg)を添加した。フラスコは、隔壁を備えており、水素ガスで3回排気およびバックフィルした。水素ガスを、反応溶液を通して3分間発泡させて、反応混合物を水素ガス雰囲気(バルーン)下で3.25時間攪拌した。反応混合物を、セライトを通してろ過し、パラジウム触媒を除去し、減圧下で濃縮した。この油の分取逆相HPLC精製を、Polymerx10μRP−γ 100Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン、溶媒A:水中0.05N HCl、溶媒B:CH3CN、注入量:2×3.2mL(水中0.05N HCl)、グラジエント:20分にわたって10→35%B、質量分析計直結の留分収集]を用いたWaters Autopurificationシステムで行った。各実験についてそれぞれ6.10〜8.40および6.9〜9.4分で溶離した所望のMWを有する留分を併せた。0℃での溶液のpHを、0.5M水性NaOH溶液(約7.8mL)の滴下による添加で調整し(pH1.8〜pH7.4)、電子pH計で注意深くモニターした。水溶液を、CH2Cl2(3×60mL)で抽出し、結合した有機抽出物を、乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、減圧下で濃縮したところ、79.9mgの化合物89が遊離塩基として得られた(0.146mmol、73%)。この黄色の固体をMeOH(3mL)に溶解し、MeSO3H(19μL、0.292mmol、2当量)を添加した。溶液を減圧下で濃縮し、真空下で乾燥し、水からフリーズドライしたところ、105mgの89がジメシレート塩として得られた。1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.22(d,J=11.0Hz,1H),5.16(t,J=8.6Hz,1H),4.21−4.12(m,1H),4.09−4.02 (m,2H),3.17−2.85(m,10H),2.68(s,6H,メシレートH),2.64−2.59(m,1H),2.34−2.15(m,2H),1.70−1.58(m,1H);MS(ESI)m/z545.18(M+H)。

化合物90〜94の調製の基本手順 THF(0.05−0.09M)中、アニリン2−6(1当量)の溶液に、酸塩化物(3当量)を添加した。反応溶液をセライトを通してろ過し、減圧下で濃縮した。得られた油をジオキサン(1mL)中に溶解し、HF(50%、200μL)の水溶液を添加した。完了時、反応を、K2HPO4水溶液(30mL中2.6g)に注ぎ、EtOAc(2×25mL)で抽出した。結合した有機層を、乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、減圧下で濃縮した。パラジウム炭素(10%)を、ジオキサン:MeOH(1:1、1mL)中のこの粗油溶液に添加した。フラスコは、隔壁を備えており、水素ガスで3回排気およびバックフィルした後、溶液を発泡水素で2分間脱気した。反応を水素ガス雰囲気(バルーン)下で2時間攪拌した。反応混合物を、セライトを通してろ過し、パラジウム触媒を除去し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、分取逆相HPLCにより精製した。

化合物90

次の試薬、アニリン2−6(21.1mg、0.028mmol、1当量)、ピコリノイルクロリド塩酸塩(15.8mg、0.088、3当量)、トリエチルアミン(11.7μL、0.084mmol、3当量)および10%Pd−C(10mg)により上記基本手順で調製し粗油とした。粗生成物の分取逆相HPLC精製を、Polymerx10μRP−γ 100Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン、溶媒A:水中0.05N HCl、溶媒B:CH3CN、注入量:2.5mL(水中0.05N HCl)、グラジエント:20分にわたって10→60%B、質量分析計直結の留分収集]を用いたWaters Autopurificationシステムで行った。14.8〜16.4分で溶離した所望のMWを有する留分を集め、フリーズドライしたところ、5.8mgの所望の化合物90が得られた(37%)。1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.73−8.69(m,1H),8.58−8.52(m,1H),8.27−8.21(m,1H),8.08−8.00(m,1H),7.66−7.60(m,1H),4.09(s,1H),3.29−2.92(m,9H),2.38−2.18(m,2H),1.72−1.60(m,1H);MS(ESI)m/z553.27(M+H)。

化合物91

次の試薬、アニリン2−6(31.0mg、0.042mmol、1当量)、1−メチルピロール−2−カルボニルクロリド(22mg、0.15mmol、3当量)および10%Pd−C(10mg)により上記基本手順で調製。粗生成物の分取逆相HPLC精製を、Polymerx10μRP−γ 100Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン、溶媒A:水中0.05N HCl、溶媒B:CH3CN、注入量:2.0mL(水中0.05N HCl)、グラジエント:20分にわたって20→70%B、質量分析計直結の留分収集]を用いたWaters Autopurificationシステムで行った。所望のMWを有する留分を集め、フリーズドライし、グラジエント:20分にわたって10→60%Bで同システムにより再精製した。15.5〜16.5分で溶離した所望のMWを有する留分を集め、フリーズドライしたところ、2.5mgの所望の化合物91が得られた(11%)。1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.20(d,J=11.6Hz,1H),6.98−6.86(m,2H),6.17−6.10(m,1H),4.08(s,1H),3.94(s,3H),3.19−2.90(m,9H),2.33−2.18(m,2H),1.80−1.56(m,1H);MS(ESI)m/z555.32(M+H)。

化合物92

次の試薬、アニリン2−6(31.0mg、0.042mmol、1当量)、5−メチルイソオキザオール−3−カルボニルクロリド(19.0mg、0.13mmol、3当量)および10%Pd−C(10mg)により上記基本手順で調製。粗生成物の分取逆相HPLC精製を、Polymerx10μRP−γ 100Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン、溶媒A:水中0.05N HCl、溶媒B:CH3CN、注入量:2.8mL(水中0.05N HCl)、グラジエント:20分にわたって10→60%B、質量分析計直結の留分収集]を用いたWaters Autopurificationシステムで行った。14.5〜15.5分で溶離した所望のMWを有する留分を集め、フリーズドライしたところ、4.0mgの所望の化合物92が得られた(17%)。1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.32(d,J=11.0Hz,1H),6.59(s,1H),4.09(s,1H),3.19−2.90(m,9H),2.52(s,3H),2.34−2.18(m,2H),1.71−1.58(m,1H);MS(ESI)m/z557.26(M+H)。

化合物93

次の試薬、アニリン2−6(30.0mg、0.041mmol、1当量)、1−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボニルクロリド(16.8mg、0.12mmol、3当量)および10%Pd−C(20mg)により上記基本手順で調製。粗生成物の分取逆相HPLC精製を、Polymerx10μRP−γ 100Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン、溶媒A:水中0.05N HCl、溶媒B:CH3CN、注入量:3.2mL(水中0.05N HCl)、グラジエント:20分にわたって10→60%B、質量分析計直結の留分収集]を用いたWaters Autopurificationシステムで行った。12.5〜14.5分で溶離した所望のMWを有する留分を集め、フリーズドライしたところ、11.2mgの所望の化合物93が得られた(49%)。1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.38(d,J=11.0Hz,1H),7.68(s,1H),6.82−6.76(m,1H),4.09(s,1H),3.99(s,3H),3.16−2.90(m,9H),2.31−2.16(m,2H),1.70−1.56(m,1H);MS(ESI)m/z556.31(M+H)。

化合物94

次の試薬、アニリン2−6(30.0mg、0.041mmol、1当量)、1,3−チアゾール−2−カルボニルクロリド(17.8mg、0.12mmol、3当量)および10%Pd−C(15mg)により上記基本手順で調製。粗生成物の分取逆相HPLC精製を、Polymerx10μRP−γ 100Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン、溶媒A:水中0.05N HCl、溶媒B:CH3CN、注入量:3.2mL(水中0.05N HCl)、グラジエント:20分にわたって10→60%B、質量分析計直結の留分収集]を用いたWaters Autopurificationシステムで行った。14.6〜17.0分で溶離した所望のMWを有する留分を集め、フリーズドライしたところ、5.4mgの所望の化合物94が得られた(23%)。1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.38(d,J=11.0Hz,1H),8.02(d,J=3.0Hz,1H),7.95(d,J=2.4Hz,1H),4.09(s,1H),3.20−2.90(m,9H),2.34−2.17(m,2H),1.70−1.56(m,1H);MS(ESI)m/z559.23(M+H)。

実施例5 Yが、−N(RA)(RB)または−NH−SO2−(CH2)2−N(RA)(RB)である構造式(A)の化合物の合成

スキーム5において、Rは、−(C1−C6)アルキル、−(C0−C5)アルキレン−カルボシクリル、−(C0−C5)アルキレン−アリール、−(C0−C5)アルキレン−ヘテロシクリル、−(C0−C5)アルキレン−ヘテロアリール、−(C1−C3)アルキレン−N(RA)(RB)、Arは、アリールまたはヘテロアリール基を表わし、RUおよびRVは、それぞれ、構造式(B)で定義されるRAおよびRBである。

以下の化合物を、スキーム5に従って調製した。

化合物5−1−1

化合物2−6(150mg、0.203mmol、1.0当量)を、1,2−ジクロロエタン(3mL)に溶解した。HOAc(58.1μL、1.01mmol、5当量.)およびイソバレルアルデヒド(32.9μL、0.304mmol、1.5当量)を添加した。混合物を1時間攪拌した。Na(OAc)3BH(129mg、0.609mmol、3.0当量)を添加し、得られた混合物をさらに1時間攪拌した。混合物をH2O(10mL)で洗い、濃縮したところ、粗生成物5−1−1(250mg)が得られ、さらに精製することなく、次の工程に用いた。MS(ESI)m/z810.59(M+H)。

化合物95

水性HF(0.3mL、48−50%)を、5−1−1(250mgの粗生成物)のCH3CN溶液(1.5mL)に、プラスチックバイアルで、25℃で添加した。反応を25℃で18時間攪拌した。得られた混合物を、K2HPO4(2g)の水溶液(10mL)に注いだ。溶液を、EtOAc(3×15mL)で抽出した。結合したEtOAc抽出物を、硫酸ナトリウムで乾燥して、濃縮したところ、粗中間体が得られた(155mg)。

10%Pd−C(20mg)を、上記粗中間体のジオキサン/MeOH溶液(4mL、1:1)に添加した。HCl/MeOH(0.5mL、0.5N)も添加した。反応混合物を、H2(バルーン)下、25℃で2時間攪拌し、セライトパッドを通してろ過した。ろ液を濃縮したところ、粗生成物144mgが得られた。粗生成物を、Polymerx10μRP−γ100Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン、溶媒A:水中0.05N HCl、溶媒B:CH3CN、2.0mL(0.05N HCl)中試料、15分にわたって10→100%Bでのグラジエント溶離、質量分析計直結の留分収集]でのHPLCにより精製したところ、所望の生成物95が、黄色の固体として得られた(82mg、78%、2工程)。1H NMR(400MHz,CD3OD)d7.44(d,J=9.2Hz,1H),4.12(s,1H),3.42−3.37(m,2H),3.05(s,3H),2.97(s,3H),3.21−2.97(m,3H),2.39−2.30(m,1H),2.29−2.22(m,1H),1.79−1.59(m,4H),0.98(d,J=6.4Hz,6H);MS(ESI)m/z518.43(M+H)。

化合物96〜101は、還元的アルキル化工程で対応のアルデヒドを用いて、化合物95と同様にして調製した。

化合物96

1H NMR(400MHz,CD3OD)d7.39(d,J=9.2Hz,1H),4.10(s,1H),3.34(t,J=7.8Hz,2H),3.04(s,3H),2.96(s,3H),3.21−2.95(m,3H),2.35(t,J=13.7Hz,1H),2.27−2.20(m,1H),1.82−1.72(m,2H),1.71−1.60(m,1H),1.05(t,J=7.4Hz,3H);MS(ESI)m/z490.32(M+H)。

化合物97

1H NMR(400MHz,CD3OD)d7.34(d,J=9.2Hz,1H),4.10(s,1H),3.34(t,J=7.8Hz,2H),3.04(s,3H),2.96(s,3H),3.24−2.95(m,11H),2.33(t,J=13.7Hz,1H),2.27−2.20(m,1H),2.11−1.98(m,1H),1.71−1.60(m,1H),1.08(d,J=6.9Hz,6H);MS(ESI)m/z504.46(M+H)。

化合物98

1H NMR(400MHz,CD3OD)d7.43(d,J=8.7Hz,1H),4.10(s,1H),3.34(t,J=7.8Hz,2H),3.04(s,3H),2.96(s,3H),3.28−2.95(m,11H),2.41−2.31(m,1H),2.27−2.20(m,1H),2.11−1.98(m,1H),1.72−1.60(m,1H),1.20−1.11(m,1H),0.74−0.68(m,2H),0.43−0.38(m,2H);MS(ESI)m/z502.40(M+H)。

化合物99

1H NMR(400MHz,CD3OD)d6.97−6.89(m,1H),4.07(s,1H),3.34(t,J=7.8Hz,2H),3.03(s,3H),2.95(s,3H),3.14−2.92(m,11H),2.30−2.15(m,2H),1.89−1.59(m,7H),1.38−1.20(m,3H),1.11−1.00(m,2H);MS(ESI)m/z544.50(M+H)。

化合物100

1H NMR(400MHz,CD3OD)d6.83(d,J=10.5Hz,1H),4.06(s,1H),3.34(t,J=7.8Hz,2H),3.03(s,3H),2.95(s,3H),3.11−2.93(m,5H),2.27−2.14(m,2H),1.67−1.57(m,1H),1.04(s,9H);MS(ESI)m/z518.48(M+H)。

化合物101

1H NMR(400MHz,CD3OD)d7.46−7.42(m,1H),4.15(s,1H),3.33(s,6H),3.04(s,3H),2.96(s,3H),3.17−2.95(m,3H),2.44−2.34(m,1H),2.29−2.22(m,1H),1.71−1.60(m,1H);MS(ESI)m/z476.29(M+H)。

化合物102

tBuN(Cbz)CH2CHOを用いて95と同様にして調製。1H NMR(400MHz,CD3OD)d6.72(d,J=11.0Hz,1H),4.07(s,1H),3.54−3.46(m,2H),3.26−3.19(m,2H),3.03(s,3H),2.95(s,3H),3.14−2.92(m,3H),2.23−2.14(m,2H),1.67−1.55(m,1H),1.38(s,9H);MS(ESI)m/z547.51(M+H)。

化合物103

化合物103も、102の調製から単離された。1H NMR(400MHz,CD3OD)d6.71(d,J=11.0Hz,1H),4.07(s,1H),3.47(t,J=6.0Hz,2H),3.17(t,J=6.0Hz,2H),3.03(s,3H),2.95(s,3H),3.13−2.92(m,3H),2.23−2.12(m,2H),1.66−1.54(m,1H);MS(ESI)m/z491.42(M+H)。

化合物5−3−1

アニリン2−6(18.2mg、0.024mmol、1当量)、Pd2dba3(3.0mg、0.0033mmol、0.13当量)、キサントホス(3.4mg、0.0059mmol、0.25当量)、K3PO4(40mg、0.188mmol、7.8当量)および4,6−ジクロロピリミジン(6.5mg、0.044mmol、1.8当量)を含む容器を、窒素ガスで3回排気およびバックフィルした。ジオキサン(500μL)を添加し、反応混合物を激しく攪拌し、80℃で4.5時間加熱した。反応混合物をセライトを通してろ過し、減圧下で濃縮した。得られた黄色の油の分取逆相HPLC精製を、Sunfire PrepC18OBDカラム[5μm、19×50mm、流量20mL/分、溶媒A:0.1%HCO2Hを含むH2O、溶媒B:0.1%HCO2Hを含むCH3CN、注入量:1.8mL(CH3CN)、グラジエント:15分にわたって80→100%B、質量分析計直結の留分収集]を用いたWaters Autopurificationシステムで行った。9.2〜9.8分で溶離した所望のMWを有する留分を集め、フリーズドライしたところ、7.5mgの化合物5−3−1が得られた(37%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)d15.97(s,1H),8.48(s,1H),8.33(d,J=5.5Hz,1H),7.52−7.46(m,2H),7.40−7.28(m,8H),7.07(s,1H),6.11(s,1H),5.34(s,2H),4.97(d,J=11.6Hz,1H0,4.88(d,J=11.0Hz,1H),3.95(d,J=10.4Hz,1H),3.28−3.19(m,1H),3.09−2.98(m,1H),2.61−2.54(m,1H),2.54−2.39(m,8H),2.16(d,J=14.6Hz,1H),0.83(s,9H),0.28(s,3H),0.14(s,3H);MS(ESI)m/z852.57(M+H)。

化合物104

ジオキサン(1.4mL)中の5−3−1(7.5mg、0.0088mmol、1当量)の溶液に、HF(50%、200μL)の水溶液を添加した。15.5時間後、反応溶液をK2HPO4(20mL中2.4g)の水溶液に注ぎ、EtOAc(2×20mL)で抽出した。結合した有機層を、乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、減圧下で濃縮した。パラジウム炭素(10%、10mg)を、ジオキサン:MeOH(1:1、1mL)中のこの油の溶液に添加した。フラスコは、隔壁を備えており、水素ガスで3回排気およびバックフィルした。水素ガスを、反応溶液を通して3分間発泡させて、反応混合物を水素ガス雰囲気(バルーン)下で2.5時間攪拌した。反応混合物を、セライトを通してろ過し、パラジウム触媒を除去し、減圧下で濃縮した。得られた油の分取逆相HPLC精製を、Polymerx10μRP−γ 100Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン、溶媒A:水中0.05N HCl、溶媒B:CH3CN、注入量:2.0mL(水中0.05N HCl)、10分にわたって10→50%Bでのグラジエント溶離、その後、100%で5分保持、質量分析計直結の留分収集]を用いたWaters Autopurificationシステムで行った。6.90〜7.80分で溶離した所望のMWを有する留分を集め、フリーズドライしたところ、2.2mgの104が得られた(48%)。1H NMR(400MHz,CD3OD)d8.83(s,1H),8.37−8.25(m,1H),8.18−8.05(m,1H),7.30−7.20(m,1H),4.10(s,1H),3.20−2.90(m,9H),2.40−2.29(m,1H),2.27−2.19(m,1H),1.72−1.58(m,1H);MS(ESI)m/z526.31(M+H)。

化合物105

1,2−ジクロロエタン(500μL)中アニリン2−6(30.0g、0.041mmol、1当量)の溶液に、ピリジン(16.3μL、0.20mmol、5当量)および2−クロロエタンスルホニルクロリド(21μL、0.20mmol、5当量)を添加した。反応容器を密閉し、45℃まで加熱した。1時間後、反応は、固体の黄色いゲルであり、さらに500μLの1,2−ジクロロエタンを添加して、懸濁液を形成し、反応を密閉し、45℃まで加熱した。18.5時間後、ピロリジン(68μL、0.82mmol、20当量)を添加し、反応を45℃まで2.5時間加熱した。溶液を、水性pH7ホスフェートバッファ(8mL)に注ぎ、EtOAc(2×25mL)で抽出した。結合した有機層を、乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、減圧下で濃縮した。CH3CN(1.8mL)中のこの粗油の溶液に、HF(50%、300μL)の水溶液を添加した。15時間後、反応溶液をK2HPO4水溶液(30mL中3.6g)に注ぎ、EtOAc(3×15mL)で抽出した。結合した有機抽出物を、乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、減圧下で濃縮した。パラジウム炭素(10%、8.4mg)を、ジオキサン:MeOH(1:1、1.2mL)中のこの油の溶液に添加した。フラスコは、隔壁を備えており、水素ガスで3回排気およびバックフィルし、反応混合物を、水素ガス雰囲気(バルーン)下で1.5時間攪拌した。別の10mgのパラジウム触媒を添加し、反応を、前と同じく、水素ガスで排気およびバックフィルした。6時間後、反応混合物を、セライトを通してろ過し、パラジウム触媒を除去し、減圧下で濃縮した。得られた油の分取逆相HPLC精製を、Polymerx10μRP−γ 100Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン、溶媒A:水中0.05N HCl、溶媒B:CH3CN、注入量:3.5mL(水中0.05N HCl)、10分にわたって0→100%Bでのグラジエント溶離、その後、100%で5分保持、質量分析計直結の留分収集]を用いたWaters Autopurificationシステムで行った。6.3〜7.1および8.7〜9.3分で溶離した所望のMWを有する2組の留分を集め、フリーズドライしたところ、9.7mgの粗化合物105が得られた。20分にわたって20→70%Bでのグラジエント溶離、質量分析計直結の留分収集]での分取逆相HPLCによる精製で、3.3mgの純粋な105が得られた(13%)。1H NMR(400MHz,CD3OD)d7.44(d,J=9.8Hz,1H),4.09(s,1H),3.79−3.65(m,4H),3.63−3.56(m,2H),3.18−2.90(m,11H),2.35−2.26(m,1H),2.26−2.10(m,3H),2.10−1.96(m,2H),1.69−1.59(m,1H);MS(ESI)m/z609.36(M+H)。

化合物106

化合物106(1.7mg、7%)も、化合物105の調製から単離された。1H NMR(400MHz,CD3OD)d6.71(d,J=11.0Hz,1H),4.06(s,1H),3.67−3.60(m,2H),3.38−3.33(m,4H),3.09−2.90(m,9H),2.24−2.13(m,2H),1.95−1.91(m,5H),1.90−1.85(m,1H),1.68−1.55(m,1H);MS(ESI)m/z609.36(M+H)。

実施例6 化合物107および108の合成

以下の化合物をスキーム6に従って調製した。

化合物6−1

MeOH(20mL)中、化合物2−3(5.0g、14.25mmol、1.0当量)を、HCHO(2.3g、37%、28.50mmol、2.0当量)の水溶液およびパラジウム炭素(0.5g、10重量%)に添加した。反応を水素でパージし、H2(バルーン)下で、室温で、2時間攪拌した。反応混合物を、セライトを通してろ過し、濃縮したところ、1.3gの粗化合物6−1が黄色の固体として得られた。

化合物6−2

DCM中化合物6−1(0.9g、3.27mmol、1.0当量)に、Boc2O(2.14g、9.81mmol、3.0当量)を滴下して添加した。DMAP(135mg、15重量%)を混合物に添加し、反応を室温で1時間攪拌した。次に、反応混合物を、還流まで1時間加熱した。反応混合物を濃縮した。粗化合物を、(PE:EA=200:1→100:1)で溶離したシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製したところ、化合物6−2が淡黄色の固体として得られた(1.16g、73.4%)。1H NMR(400MHz、DMSO)d7.60(d,J=10.0Hz,1H),7.53−7.44(m,2H),7.36−7.31(m,1H),7.28−7.22(m,2H),3.06(s,3H),2.33(d,J=2.0Hz,3H),1.38(s,9H),1.34(s,9H);MS(ESI)m/z476.2(M+H)。

化合物6−3

−78℃のTHF中ジイソプロピルアミン(0.28mL、3.2mmol、10.0当量)に、nBuLi(0.8mL、2.50M/ヘキサン、3.2mmol、10.0当量)およびTMEDA(0.40mL、5.0mmol、10.0当量)に、−78Cで滴下して添加した。反応を、−78Cで40分間攪拌した。THF中化合物6−2(480mg、1.0mmol、3.0当量)を、反応混合物に滴下して−78Cで添加した。得られた深赤溶液を、−78℃で60分間攪拌し、THF中エノン(160mg、0.33mmol、1.0当量)を、混合物に滴下して−78Cで添加した。深赤溶液を、攪拌しながら、−78Cから−20℃へ1時間かけて徐々に温めた。得られたオレンジ色の溶液を0℃にし、水性飽和塩化アンモニウム(100mL)により急冷した。黄緑の混合物を、EtOAcで2回抽出した。結合したEtOAc抽出物を、乾燥(Na2SO4)し、濃縮したところ、粗生成物が得られた。0%、5%、10%EtOAc/ヘキサンのシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより、所望の生成物6−3が、淡黄色の固体として得られた(42mg、14.8%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)d15.70(s,1H),7.52−7.50(m,2H),7.42−7.33(m,3H),7.16(d,J=8.4Hz,1H),5.37(s,2H),3.95(d,J=10.8Hz,1H),3.28−3.23(m,1H),3.14(s,3H),3.10−3.05(m,1H),2.58−2.47(m,9H),2.16(d,J=14.0Hz,1H),1.53(s,9H),1.42(s,9H),0.89(s,9H),0.29(s,3H),0.15(s,3H);MS(ESI)m/z864.43(M+H)。

化合物107

化合物6−3(120mg、0.14mmol)を、THF(5mL)に溶解し、水性HF(40%、2mL)を滴下して添加した。黄色の溶液を、室温で一晩攪拌した。得られた深赤の溶液を、攪拌しながら、K2HPO4水溶液へ徐々に添加した。混合物のpHを、K2HPO4水溶液により約8まで調整した。黄色の混合物をEtOAcで2回抽出した。結合したEtOAc抽出物を、乾燥(Na2SO4)し、濃縮したところ、粗生成物が得られた。

上記粗化合物(120mg、粗、約0.14mmol、1.0当量)をHPLC等級のMeOH(10mL)に溶解し、10%Pd−C(25mg、0.03mmol、0.2当量)を添加した。混合物を、温和に攪拌しながら、5分間、水素を発泡させて、水素でパージした。次に、反応を、水素バルーン下で、室温で2時間、激しく攪拌した。LC−MS分析によれば、反応が完了したことが示された。触媒をろ過し、混合物を濃縮し、残渣を逆相HPLCにより精製したところ、所望の化合物107が、黄色の固体として得られた(50mg、78%)。1H NMR(400MHz,CD3OD)d7.462(d,J=8.4Hz,1H),4.14(s,1H),3.21−2.93(m,9H),3.10(s,3H),2.38−2.25(m,2H),1.68−1.62(m,1H);MS(ESI)m/z462.2(M+H)。

化合物108

THF(2mL)中、化合物107(15mg、0.033mmol、1.0当量)を、ピロリジン−1−イル酢酸(10.2mg、0.066mmol、2.0当量)、Na2CO3(10.2mg、0.066mmol、2.0当量)およびHATU(25.5mg、0.066mmol、2.0当量)に添加した。反応混合物を、室温で、48時間攪拌した。LC−MS分析によれば、反応が完了したことが示された。反応混合物を真空下で濃縮し、粗生成物を、逆相HPLCにより精製したところ、所望の化合物108が、黄色の固体として得られた(2.1mg)。1H NMR(400MHz,CD3OD)d7.44−7.40(m,1H),4.02−3.97(m,2H),3.83−3.76(m,1H),3.60−3.58(m,2H),3.15(d,J=6.4Hz,3H),3.03−2.83(m,11H),2.31−2.13(m,2H),2.03−1.85(m,4H),1.61−1.52(m,1H);MS(ESI)m/z572.9(M+H)。

実施例7 化合物109−112の合成

以下の化合物を、スキーム7に従って調製した

化合物7−2

DMF(20mL)Boc−L−グルタミン酸−1−ベンジルエステル(7−1)(3.00g、8.89mmol、1.0eq)に、室温で、炭酸カリウム(1.84g、13.33mmol、1.5eq)およびヨウ化メチル(0.67mL、10.74mmol、1.2eq)を添加した。混合物を、EtOAc(200mL)で希釈し、水(200mL)、飽和水性重炭酸ナトリウム(100mL×2)および塩水(100mL×1)で洗った。EtOAc溶液を、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で濃縮した。Rf0.33(20%EtOAc/ヘキサン)。

Boc2O(2.91g、13.33mmol、1.5eq)、DMAP(54mg、0.44mmol、0.05eq)およびDIEA(3.10mL、17.80mmol、2eq)を、上記中間体に、アセトニトリル(20mL)中で添加した。溶液を、室温で60時間攪拌し、飽和水性重炭酸ナトリウム(100mL)を添加し、EtOAc(100mL×1、50mL×2)で抽出した。EtOAc抽出物を、結合し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で濃縮したところ、所望の生成物7−2が、青白い液体として得られた(定量的)。Rf0.45(20%EtOAc/ヘキサン)。1H NMR(400MHz,CDCl3)d7.25−7.35(m,5H),5.14(s,2H),4.95(dd,J=4.9,9.8Hz,1H),3.65(s,3H),2.43−2.52(m,1H),2.37−2.42(m,2H),2.15−2.25(m,1H),1.42(s,18H);MS(ESI)m/z452.3(M+H)。

化合物7−3

無水ジエチルエーテル(40mL)中の化合物7−2(8.89mmol、1eq)に、−78℃で、DIBAL−H(12.33mL、1M/ヘキサン、12.33mmol、1.25eq)を滴下して添加した。反応を−78℃で2時間攪拌した。追加のDIBAL−H(1.20mL、1M/ヘキサン、1.20mmol)を添加した。反応を、−78℃でさらに1時間攪拌し、HOAc(2.80mL)により、−78℃で急冷した。反応を室温まで温め、10%の水性炭酸ナトリウム(75mL)を添加した。混合物を、15分間攪拌し、塩化メチレン(200mL×1、50mL×2)で抽出した。塩化メチレン抽出物を結合し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で濃縮したところ、生成物7−3(定量的)が得られた。Rf 0.40(20%EtOAc/ヘキサン)。1H NMR(400MHz、CDCl3)d9.75(s,1H)、7.25−7.35(m,5H)、5.14(s,2H),4.87−4.92(m,1H)、2.45−2.65(m,3H),2.12−2.22(m,1H),1.42(s,18H);MS(ESI)m/z422.3(M+H)。

化合物7−5

無水DMF(2mL)中、アニリン9(90mg、0.20mmol、ビス−HCl塩、1eq)に、アルデヒド7−3(101mg、0.24mmol、1.2eq)、トリエチルアミン(0.028mL、0.20mmol、1eq)およびNa(OAc)3BH(64mg、0.30mmol、1.5eq)を添加した。溶液を室温で1時間攪拌し、急速攪拌しながら、ジエチルエーテル(50mL)に徐々に添加した。黄色の固体を集め、さらにジエチルエーテル(5mL×3)で洗い、真空下で乾燥したところ、中間体7−4が得られた。

中間体7−4を、ジオキサン/メタノール(5mL、1:4v/v、0.1N HClを含有)に溶解した。10%Pd−C(85mg、0.04mmol、0.2eq)を添加した。混合物を水素でパージして、1気圧の水素下で、室温で1時間攪拌した。触媒を小セライトパッドでろ過し、メタノール(2mL×3)で洗った。ろ液を真空で濃縮した。移動相として、メタノールおよび0.05N HCl/水を用いて、逆相分取HPLCにより、粗生成物を精製した。自由乾燥により、主に、Boc−脱保護生成物が、茶色の固体(25mg、22%、2工程)として得られ、これを、Boc2O(11mg、0.050mmol、1.1eq)およびTHF/水(5mL、1:1v/v)中DIEA(0.039mL、0.22mmol、5eq)での処理により、室温で1時間再保護した。濃縮により、所望の生成物7−5が、黄色の固体MS(ESI)m/z663.2(M+H)として得られ、これをさらに精製することなく、次の工程に用いた。

化合物7−6

THF中、化合物7−5(0.044mmol、1eq)および炭酸ナトリウム(7mg、0.066mmol、1.5eq)の懸濁液に、室温で、HATU(20mg、0.053mmol、1.2eq)を添加した。混合物を、室温で2時間急速攪拌した。メタノール(5mL)を添加した。固体をろ過した。ろ液を減圧下で濃縮したところ、粗生成物7−6が、黄色の固体MS(ESI)m/z645.1(M+H)として得られた。

化合物109

化合物7−6(0.044mmol)を、4N HCl/ジオキサン(5mL)により、室温で一晩処理し、真空で濃縮した。残渣をメタノール(1mL)に再溶解し、急速攪拌しながら、ジエチルエーテル(50mL)に滴下して添加した。黄色の沈殿物を集め、さらにジエチルエーテル(50mL×3)で洗い、真空下で乾燥したところ、粗生成物109が、茶色の固体として得られた。

上記粗生成物の5分の1を、逆相HPLCにより精製したところ、純粋な109が黄色の固体として得られた(1.5mg、31%)。1H NMR(400MHz,CD3OD)d7.36(d,9.2Hz,1H),4.09−4.15(m,1H),4.08(s,1H),3.70−3.80(m,1H),3.58−3.68(m,1H),2.90−3.50(m,12H),2.30−2.45(m,2H),2.10−2.25(m,3H),1.95−2.10(m,1H),1.58−1.70(m,1H);MS(ESI)m/z545.1(M+H)。

化合物110

DMF(1mL)中、粗生成物109(0.018mmol、1eq)の2/5に、水性ホルムアルデヒド(0.007mL、36.5%/水、0.094mmol、5eq)、InCl3(0.4mg、0.002mmol、0.1eq)およびNa(OAc)3BH(15mg、0.071mmol、4eq)を添加した。反応を、室温で2時間攪拌し、0.5N HCl/メタノール(1mL)で急冷した。溶液を、急速攪拌しながら、ジエチルエーテル(100mL)に滴下して添加した。沈殿物を集め、さらにジエチルエーテル(2mL×4)で洗い、逆相HPLCにより精製したところ、所望の化合物110が黄色の固体として得られた(1.8mg、18%)。1H NMR(400MHz、CD3OD)d7.7.44(d,J=9.1Hz,1H),4.37(dd,J=6.1,11.6Hz,1H),4.09(s,1H),3.60−3.75(m,2H),2.92−3.50(m,15H),2.86(s,3H),2.10−2.50(m,6H),1.60−1.72(m,1H);MS(ESI)m/z573.3(M+H)。

化合物111

DMF(1mL)中、粗生成物109(0.018mmol、1eq)の2/5に、シクロプロパンカルボキシアルデヒド(1.4μL、0.018mmol、1eq)、InCl3(0.4mg、0.002mmol、0.1eq)およびNa(OAc)3BH(6mg、0.028mmol、1.5eq)を添加した。反応を、室温で一晩攪拌し、0.5N HCl/メタノール(1mL)で急冷した。溶液を、急速攪拌しながら、ジエチルエーテル(100mL)に滴下して添加した。沈殿物を集め、さらにジエチルエーテル(2mL×4)で洗い、逆相HPLCにより精製したところ、所望の化合物111が黄色の固体として得られた(1.3mg、12%)。1H NMR(400MHz,CD3OD)d7.38(d,J=9.2Hz,1H),4.22(dd,J=6.1,11.6Hz,1H),4.09(d,1H),3.60−3.78(m,2H),2.85−3.50(m,12H),2.00−2.50(m,6H),1.60−1.72(m,1H),1.10−1.20(m,1H),0.70−0.75(m,2H),0.40−0.50(m,2H);MS(ESI)m/z599.4(M+H)。

化合物112

ジアルキル化生成物112も、化合物111の調製から単離された(1.0mg、黄色の固体、9%)。1H NMR(400MHz,CD3OD)d7.42(d,J=9.2Hz,1H),4.70−4.80(m,1H),4.09(s,1H),3.55−3.80(m,3H),2.95−3.50(m,13H),2.10−2.50(m,6H),1.55−1.75(m,1H),1.20−1.30(m,2H),0.68−0.90(m,4H),0.38−0.58(m,4H);MS(ESI)m/z653.3(M+H)。

実施例8 Yが−(C1−C4)アルキレン−N(RA)(RB)または−(C1−C4)アルキレン−N(RF)−C(O)−[C(RD)(RE)]0−4−N(RA)(RB)である構造式(A)の化合物の合成

スキーム8において、RおよびR’は、それぞれ、構造式(A)に定義されるRBおよびRAであり、Rwは、−[C(RD)(RE)]1−4−N(RA)(RB)を表わす。

以下の化合物を、スキーム8に従って調製した。

化合物113

ベンジルN−(ヒドロキシメチル)カルバメート(92mg、0.51mmol、2.0当量)を、化合物7(110mg、0.25mmol)のTFA/CH3SO3H(1mL/1mL)溶液に、25℃で添加した。反応を、25℃で30分間攪拌した。Phenomenex Polymerx10μRP−1 100Aカラム[10μm、150×21.20mm、流量20mL/分、溶媒A:0.05N HCl、溶媒B:CH3CN、注入量:4.0mL(0.05N HCl/水)、グラジエント:20分にわたって0→30%B、質量分析計直結の留分収集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLC精製。所望のMWを有する留分を集め、フリーズドライしたところ、23mgの純粋な113が得られた。1H NMR(400MHz,CD3OD)d7.47(d,J=9.2Hz,1H),4.16(s,2H),4.13(s,1H),3.21−2.94(m,3H),3.06(s,3H),2.97(s,3),2.37−2.22(m,2H),1.70−1.58(m,1H);MS(ESI)m/z462.26(M+H)。

化合物114

Et3N(2μL、0.0136mmol、2.0当量)を、DMF(0.1mL)中、113(3mg、0.0065mmol)およびピバルアルデヒド(0.8μL、0.00715mmol、1.1当量)の混合物に、25℃で添加した。反応を25℃で15分間攪拌した。NaBH(OAc)3(3mg、0.013mmol)およびHOAc(2μL)を、得られた混合物に添加した。反応を、25℃で1時間攪拌した。Phenomenex Polymerx10μRP−1 100Aカラム[10μm、150×21.20mm、流量20mL/分、溶媒A:0.05N HCl、溶媒B:CH3CN、注入量:4.0mL(0.05N HCl/水)、グラジエント:15分にわたって0→100%B、質量分析計直結の留分収集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLC精製。所望のMWを有する留分を集め、フリーズドライしたところ、1mgの114が得られた。1H NMR(400MHz,CD3OD)d7.52(d,J=9.1Hz,1H),4.30(s,2H),4.09(s,1H),3.23−2.93(m,5H),3.04(s,3H),2.95(s,3H),2.40−2.19(m,2H),1.71−1.60(m,1H),1.05(s,9H);MS(ESI)m/z532.27(M+H)。

化合物115〜118は、対応のアルデヒドを用いて化合物114と同様にして調製した。

化合物115

1H NMR(400MHz,CD3OD)d7.51(d,J=8.8Hz,1H),4.25(s,2H),4.10(s,1H),3.25−2.90(m,5H),3.05(s,3H),2.96(s,3H),2.40−2.21(m,2H),1.90−1.60(m,7H),1.42−0.95(m,5H);MS(ESI)m/z558.31(M+H)。

化合物116

1H NMR(400MHz,CD3OD)d7.50(d,J=9.0Hz,1H),4.24(s,2H),4.09(s,1H),3.25−2.90(m,5H),3.07(s,3H),2.94(s,3H),2.40−2.21(m,2H),1.82−1.58(m,3H),1.01(t,J=6.7Hz,3H);MS(ESI)m/z504.22(M+H)。

化合物117

1H NMR(400MHz,CD3OD)d7.51(d,J=8.9Hz,1H),4.23(s,2H),4.09(s,1H),3.25−2.92(m,4),3.02(s,3H),2.95(s,3H),2.40−2.19(m,2H),1.71−1.60(m,1H),1.40(d,J=7.0Hz,6H);MS(ESI)m/z504.23(M+H)。

化合物118

1H NMR(400MHz,CD3OD)d7.54(d,J=9.1Hz,1H),4.37(s,2H),4.10(s,1H),3.20−2.85(m,3H),3.05(s,3H),2.97(s,3H),2.91(s,3H),2.90(s,3H),2.42−2.20(m,2H),1.72−1.60(m,1H);MS(ESI)m/z490.19(M+H)。

化合物119

同様の条件下、ホルムアルデヒドを用いて、還元的アルキル化により化合物114から調製。1H NMR(400MHz,CD3OD)d7.57(d,J=9.1Hz,1H),4.61(d,J=12.8Hz,1H),4.27(dd,J=12.8,6.4Hz,1H),4.10(s,1H),3.25−2.90(m,5),3.03(s,3H),2.96(s,3H),2.95(s,3H),2.42−2.33(m,1H),2.29−2.20(m,1H),1.72−1.61(m,1H),1.10(d,J=6Hz,9H);MS(ESI)m/z546.30(M+H)。

化合物120

113のt−Bu−N(Cbz)−CH2CHOによる還元的アルカリ化の後、水素化により114と同様にして調製。1H NMR(400MHz,CD3OD)d7.59(d,J=8.6Hz,1H),4.38(s,2H),4.09(s,1H),3.60−2.95(m,7H),3.03(s,3H),2.96(s,3H),2.41−2.30(m,1H),2.28−2.20(m,1H),1.72−1.60(m,1H),1.44(s,9H);MS(ESI)m/z561.31(M+H)。

化合物121

塩酸2−t−ブチルアミノアセチルクロリド(5.8mg、0.031mmol、1.2当量)を、113(12mg、0.026mmol)のDMF溶液(0.2mL)に、25℃で添加した。反応を、25℃で30分間攪拌した。反応混合物を、0.05N HCl(2mL)で希釈し、Phenomenex Polymerx10μRP−1 100Aカラム[10μm、150×21.20mm、流量20mL/分、溶媒A:0.05N HCl、溶媒B:CH3CN、グラジエント:15分にわたって0→100%B、質量分析計直結の留分収集]を用いたWaters Autopurificationシステムに注入した。所望のMWを有する留分を集め、フリーズドライしたところ、3.0mgの純粋な121が得られた。1H NMR(400MHz,CD3OD)d7.34(d,J=9.6Hz,1H),4.46(s,2H),4.08(s,1H),3.81(s,2H),3.18−2.92(m,3H),3.03(s,3H),2.96(s,3H),2.32−2.18(m,2H),1.69−1.60(m,1H),1.38(s,9H);MS(ESI)m/z575.30(M+H)。

化合物122

化合物121と同様にして調製。1H NMR(400MHz,CD3OD)d7.33(d,J=9.9Hz,1H),4.46(s,2H),4.08(s,1H),4.00(s,2H),3.23−2.91(m,3),3.04(s,3H),2.97(s,3H),2.95(s,6H),2.32−2.18(m,2H),1.70−1.58(m,1H);MS(ESI)m/z547.23(M+H)。

化合物123

n−プロピルイソシアネートを用いて121と同様にして調製。1H NMR(400MHz,CD3OD)d7.24(d,J=9.8Hz,1H),4.31(s,2H),4.08(s,1H),3.18−2.93(m,3H),3.10(t,J=6.7Hz,2H),3.03(s,3H),2.96(s,3H),2.32−2.18(m,2H),1.69−1.58(m,1H),1.55−1.46(m,2H),0.92(t,J=6.7Hz,3H);MS(ESI)m/z584.01(M+H)。

実施例9 Yが−(CH2)3−N(RA)(RB)である構造式(A)の化合物の合成

スキーム9において、RおよびR’は、構造式(A)に定義される、それぞれ、RAおよびRBである。

以下の化合物を、スキーム9に従って調製した。

化合物9−1

Br2(2.7mL、52.0mmol、1.2当量)を、酢酸(100mL)中3(10.6g、43.3mmol)の溶液に、25℃で添加した。反応を、25℃で12時間攪拌した。得られた混合物を、氷水(400mL)に滴下して添加した。混合物を、25℃まで1時間にわたって温めた。得られた懸濁液を、セライトのパッドを通してろ過した。固体を、EtOAcで洗い流した。結合した有機層を乾燥(Na2SO4)し、濃縮したところ、14gの粗生成物9−1が得られた。

化合物9−2

炭酸カリウム(8.9g、64.5mmol、1.5当量)および臭化ベンジル(11.5mL、96.8mmol、2.25当量)を、粗生成物9−1(14g、43mmol)のアセトン溶液(100mL)に、25℃で添加した。反応を、25℃で12時間攪拌し、濃縮した。得られた混合物を、H2OとEtOAcに分離した。水性層を、EtOAcで抽出した。結合したEtOAc抽出物を、乾燥(Na2SO4)し、濃縮したところ、粗生成物9−2が得られた。シリカゲル(100:1〜30:1ヘキサン/EtOAc)でのフラッシュクロマトグラフィーで、15.4gの化合物9−2が得られた(2工程で87%)。

化合物9−3

Pd(OAc)2(227mg、1.0mmol、0.2当量)およびP(O−Tol)3(462mg、1.5mmol、0.3euiqv)を、9−2(2.1g、5.06mmol)のDMF溶液(10mL)に添加した。反応を、N2で5分間パージした。Et3N(3.5mL、25.3mmol、5当量)およびアリルオキシ−t−ブチルジメチルシラン(2.2mL、10.1mmol、2当量)を、反応に添加した。反応を、88℃まで加熱し、88℃で5時間攪拌した。反応を25℃まで冷やし、H2Oで急冷した。得られた混合物を、EtOAcで抽出した。結合したEtOAc抽出物を、乾燥(Na2SO4)し、濃縮したところ、粗生成物9−3が得られた。シリカゲル(100:0〜100:1ヘキサン/EtOAc)でのフラッシュクロマトグラフィーで、1.2gの化合物9−3が得られた(47%)。

化合物9−4

n−BuLi(1.3mL、2.07mmol、5.5当量)を、ジイソプロピルアミン(0.3mL、2.07mmol、5.5当量)のTHF溶液(5mL)に、0℃で添加した。反応を、0℃で30分間攪拌し、−78℃まで冷やした。TMEDA(0.8mL、5.64mmol、15当量)を混合物に添加した。得られた溶液に、9−3(475mg、0.94mmol、2.5当量)のTHF溶液(5mL)を添加した。反応を、−78℃で10分間攪拌した。エノン(181mg、0.376mmol)のTHF溶液(5mL)を、反応に、−78℃で添加した。反応を、−78℃で30分間攪拌し、25℃まで1時間にわたって温め、飽和NH4Clで急冷し、EtOAcで抽出した。結合したEtOAc抽出物を、乾燥(Na2SO4)し、濃縮したところ、粗生成物が得られた。Sunfire PrepC18OBDカラム[5μm、19×50mm、流量20mL/分、溶媒A:0.1%HCO2Hを含むH2O、溶媒B:0.1%HCO2Hを含むCH3CN、注入量:4.0mL(CH3CN)、グラジエント:15分にわたって100→100%B、質量分析計直結の留分収集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLC精製。所望のMWを有する留分を集め、ロータリエバポレータで、25℃で濃縮して、アセトニトリルの大半を除去した。得られた大半の水溶液を、EtOAcで抽出した。結合したEtOAc抽出物を乾燥(Na2SO4)し、濃縮したところ、200mgの9−4が得られた(59%)。

化合物9−5

TFA(0.5mL)を、9−4のTHF/H2O(2mL/0.5mL)溶液に、25℃で添加した。反応を、25℃で1時間攪拌した。反応を、飽和NaHCO3溶液で急冷した。反応を、EtOAcで抽出した。結合したEtOAc抽出物を、乾燥(Na2SO4)し、濃縮したところ、粗生成物9−5が得られた。Sunfire PrepC18OBDカラム[5μm、19×50mm、流量20mL/分、溶媒A:0.1%HCO2Hを含むH2O、溶媒B:0.1%HCO2Hを含むCH3CN、注入量:4.0mL(CH3CN)、グラジエント:15分にわたって80→100%B、質量分析計直結の留分収集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLC精製。所望のMWを有する留分を集め、ロータリエバポレータで、25℃で濃縮して、アセトニトリルの大半を除去した。得られた大半の水溶液を、EtOAcで抽出した。結合したEtOAc抽出物を乾燥(Na2SO4)し、濃縮したところ、80mgの9−5が得られた(46%)。

化合物9−6

Dess−Martinペルヨージナン(18mg、0.043mmol、1.2当量)を、9−5(28mg、0.036mmol)のCH2Cl2溶液(1mL)に、25℃で添加した。反応を、25℃で30分間攪拌し、H2Oで希釈した。得られた混合物を、CH2Cl2で抽出した。結合したCH2Cl2抽出物を、乾燥(Na2SO4)し、濃縮したところ、粗生成物9−6が得られた。

化合物9−7−1

ピロリジン(15μL、0.18mmol、5当量)を、粗生成物9−6(0.036mmol)のジクロロエタン溶液(1mL)に、25℃で添加した。反応を、25℃で10分間攪拌した。HOAc(15μL)およびNaBH(OAc)3(15mg、0.072mmol、2当量)を、反応に添加した。反応混合物を、25℃で1時間攪拌し、H2Oで急冷した。得られた混合物を、CH2Cl2で抽出した。結合したCH2Cl2抽出物を、乾燥(Na2SO4)し、濃縮したところ、粗生成物9−7−1が得られた。Sunfire PrepC18OBDカラム[5μm、19×50mm、流量20mL/分、溶媒A:0.1%HCO2Hを含むH2O、溶媒B:0.1%HCO2Hを含むCH3CN、注入量:4.0mL(CH3CN)、グラジエント:15分にわたって0→100%B、質量分析計直結の留分収集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLC精製。所望のMWを有する留分を集め、ロータリエバポレータで、25℃で濃縮して、アセトニトリルの大半を除去した。得られた大半の水溶液を、EtOAcで抽出した。結合したEtOAc抽出物を乾燥(Na2SO4)し、濃縮したところ、6mgの9−7−1が得られた(2工程で20%)。

化合物124

水性HF(0.3mL、48%)を、ポリプロピレン管中9−7−1(6mg、0.007mmol)のCH3CN溶液(2mL)に、25℃で添加した。反応を、25℃で、18時間攪拌した。得られた混合物をK2HPO4水溶液(2g、15mLの水に溶解したもの)に注いだ。混合物をEtOAcで抽出した。結合したEtOAc抽出物を、乾燥(Na2SO4)し、濃縮したところ、粗デシリル組成物が得られた。

パラジウム炭素(2mg、10重量%)を、粗デシリル生成物のHCl/MeOH溶液(0.5N、2mL)に添加した。反応を、水素でパージして、H2(バルーン)下、25℃で4時間攪拌した。反応混合物を、小セライトプラグを通してろ過した。ろ液を濃縮したところ、粗生成物が得られた。Phenomenex Polymerx10μRP−1 100Aカラム[10μm、150×21.20mm、流速、20mL/分、溶媒A:0.05N HCl/水、溶媒B:CH3CN、注入量:4.0mL(0.05N HCl/水)、グラジエント:7分にわたって0→50%B、3分にわたって50→100%、および5分にわたって100%、質量分析計直結の留分収集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLC精製。6.4〜8.2分で溶離した所望のMWを有する留分を集め、フリーズドライしたところ、1.5mgの化合物124が得られた。1H NMR(400MHz、CD3OD)d7.28(d,J=9.7Hz,1H)、4.08(s,1H),3.71−3.63(m,2H),3.32−2.95(m,7H),3.04(s,3H),2.96(s,3H),2.81−2.73(m,2H),2.32−1.98(m,8H),1.70−1.59(m,1H);MS(ESI)m/z544.18(M+H)。

化合物125〜127は、還元的アミノ化工程において、対応のアミンを用いて、化合物124と同様にして調製した。

化合物125

1H NMR(400MHz,CD3OD)d7.28(d,J=9.7Hz,1H),4.08(s,1H),3.25−2.94(m,5H),3.04(s,3H),2.96(s,3H),2.89(s,6H),2.80−2.70(m,2H),2.32−2.18(m,2H),2.10−2.00(m,2H),1.70−1.58(m,1H);MS(ESI)m/z518.26(M+H)。

化合物126

1H NMR(400MHz,CD3OD)d7.27(d,J=9.6Hz,1H),4.08(s,1H),3.20−2.93(m,5H),3.04(s,3H),2.96(s,3H),2.82−2.72(m,2H),2.33−2.19(m,2H),2.04−1.94(m,2H),1.70−1.58(m,2H),1.37(s,9H);MS(ESI)m/z546.20(M+H)。

化合物127

1H NMR(400MHz,CD3OD)d7.28(d,J=9.7Hz,1H),4.09(s,1H),4.04(q,J=9.0Hz,2H),3.25−2.95(m,5H),3.04(s,3H),2.97(s,3H),2.84−2.75(m,2H),2.32−2.20(m,2H),2.13−2.03(m,2H),1.70−1.58(m,1H);MS(ESI)m/z572.22(M+H)。

化合物128

化合物128は、化合物9−5から、HF処理の後、同様の条件下での水素化により調製した。1H NMR(400MHz,CD3OD)d7.21(d,J=9.87Hz,1H),4.07(s,1H),3.63−3.57(m,2H),3.20−2.90(m,5H),3.04(s,3H),2.96(s,3H),2.75−2.68(m,2H),2.32−2.17(m,2H),1.89−1.79(m,2H),1.70−1.57(m,1H),1.25(d,J=7.2Hz,1H);MS(ESI)m/z491.18(M+H)。

実施例10 化合物129の合成

以下の化合物を、スキーム10に従って調製した。

化合物10−1

iPrMgCl・LiCl(0.68mL、1.2M、0.82mmol、2当量)を、9−2(170mg、0.41mmol)のTHF溶液(5mL)に、0℃で添加した。反応を、0℃で30分間攪拌した。MeI(0.2mL、1.64mmol、4当量)を、反応混合物に添加した。反応を、0℃で30分間攪拌し、25℃まで1時間にわたって温めた。反応をNH4Cl溶液で冷却し、EtOAcで抽出した。結合したEtOAc抽出物を、乾燥(Na2SO4)し、濃縮したところ、粗生成物10−1が得られた。シリカゲル(30:1ヘキサン/EtOAc)でのフラッシュクロマトグラフィーで、31mgの化合物10−1が得られた(22%)。

化合物10−2

10−1(31mg、0.088mmol、1.7当量)のTHF溶液(1mL)を、LDA(0.13mL、1.3M、0.176mmol、3.3当量)およびTMEDA(39μL、0.26mmol、4.9当量)のTHF溶液(1mL)に添加した。反応を、−78℃で10分間攪拌した。エノン(26mg、0.053mmol)のTHF溶液(1mL)を、反応に、−78℃で添加した。反応を、−78℃で30分間攪拌し、25℃まで1時間にわたって温め、飽和NH4Cl溶液で急冷し、EtOAcで抽出した。結合したEtOAc抽出物を、乾燥(Na2SO4)し、濃縮したところ、粗生成物10−2が得られた。Sunfire PrepC18OBDカラム[5μm、19×50mm、流量20mL/分、溶媒A:0.1%HCO2Hを含むH2O、溶媒B:0.1%HCO2Hを含むCH3CN、注入量:4.0mL(CH3CN)、グラジエント:15分にわたって80→100%B、質量分析計直結の留分収集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLC精製。所望のMWを有する留分を集め、25℃でロータリエバポレータで濃縮して、アセトニトリルの大半を除去した。得られた大半の水溶液を、EtOAcで抽出した。結合したEtOAc抽出物を乾燥(Na2SO4)し、濃縮したところ、10mgの10−2が得られた(26%)。

化合物10−3

水性HF(0.3mL、48%)を、ポリプロピレン管中10−2(6mg、0.008mmol)のCH3CN溶液(2mL)に、25℃で添加した。反応を、25℃で、18時間攪拌した。得られた混合物をK2HPO4水溶液(2g、15mLの水に溶解したもの)に注いだ。混合物をEtOAcで抽出した。結合したEtOAc抽出物を、乾燥(Na2SO4)し、濃縮したところ、粗生成物10−3が得られた。

化合物129

パラジウム炭素(2mg、10重量%)を、粗生成物10−3のHCl/MeOH溶液(0.5N、2mL)に添加した。反応を、水素でパージし、H2(バルーン)下、25℃で4時間攪拌した。反応混合物を、小セライトプラグを通してろ過した。ろ液を濃縮したところ、粗生成物が得られた。Phenomenex Polymerx10μRP−1 100Aカラム[10μm、150×21.20mm、流量20mL/分、溶媒A:0.05N HCl/水、溶媒B:CH3CN、注入量:4.0mL(0.05N HCl/水)、グラジエント:7分にわたって0→70%B、3分にわたって70→100%Bおよび5分にわたって100%、質量分析計直結の留分収集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLC精製。所望のMWを有する留分を集め、フリーズドライしたところ、1.5mgの化合物129が得られた。1H NMR(400MHz,CD3OD)d7.19(d,J=9.7Hz,1H),4.07(s,1H),3.20−2.93(m,3H),3.03(s,3H),2.96(s,3H),2.31−2.17(m,2H),2.22(s,3H),1.69−1.58(m,1H);MS(ESI)m/z447.23(M+H)。

実施例11 化合物130〜132の合成

スキーム11において、R6、R9およびR9’は、それぞれ、構造式(A)に定義されるX、RBおよびRAである。

化合物130〜132を、スキーム11に従って調製した。

化合物130

化合物131

化合物132

実施例12 化合物133〜135の合成

スキーム12において、R9およびR9’は、それぞれ、構造式(A)に定義されるRBおよびRAである。

化合物133〜135を、スキーム12に従って調製した。

化合物133

化合物134

化合物135

実施例13 本発明の化合物の抗菌活性を、以下のプロトコルに従って調べた。

最小阻止濃度分析 凍結菌株を、解凍し、ミューラーヒントン(Mueller Hinton)培養液(MHB)またはその他適切な媒体(レンサ球菌属(Streptococcus)は、血液を必要とし、ヘモフィルス(Haemophilus)はヘミンおよびNADを必要とする)で二次培養した。一晩培養後、菌株を、ミューラーヒントン寒天培地(Mueller Hinton Agar)で二次培養し、再び一晩培養した。コロニーが、適切なコロニー形態であるか、そして汚染がないか観察した。単離したコロニーを選択して、0.5マクファーランド(McFarland)標準に等しい出発接種材料を作製した。出発接種材料を、さらに用いるために、MHBを用いて、1:125で希釈した。殺菌水中で5.128mg/mLの最終濃度まで希釈することにより、試験化合物を調製した。抗生物質(凍結保管、解凍および解凍3時間以内に使用)および化合物を、所望の実用濃度までさらに希釈した。

分析を次のようにして行った。50μLのMHBを、96ウェルプレートのウェル2−12に加えた。100μLの適切に希釈した抗生物質を、ウェル1に加えた。50μLの抗生物質を、ウェル1から除去し、ウェル2に加えて、ウェル2の中身を、上下に5回ピペット操作することにより混合した。ウェル2の50μLの混合物を取り出し、ウェル3に加え、上記したとおり混合した。連続希釈を、同じようにして、ウェル12まで続けた。全てが50μLを含有するように、50μLをウェル12から取り出した。50μLの実用接種材料を、全試験ウェルに加えた。空のウェルに、50μLの実用接種材料および50μLのMHBを加えることにより、増殖対照ウェルを作製した。プレートを37℃で一晩培養し、培養器から取り出し、各ウェルを、プレート読取ミラーで読み取った。バクテリアの増殖を抑制する試験化合物の最小濃度(MIC)を記録した。

実施例

接種濃度を判断するためのプロトコル(生菌数) 90μLの殺菌0.9%NaClを、96ウェルマイクロタイタープレートのウェル2−6にピペットで入れた。50μlの接種材料を、ウェル1にピペットで入れた。10μLをウェル1から取り出し、それをウェル2に加えて混合した。10μLをウェル2から取り出し、ウェル3の中身と混合し、ウェル6まで連続希釈を行った。10μLを各ウェルから取り出し、適切な寒天プレートに垂らした。プレートを、CO2培養器に一晩入れた。明らかなコロニーを含むスポットのコロニーを数えた。コロニー数に希釈係数を乗算することにより、生菌数を計算した。

菌株 下に挙げた15の菌株の、最小阻止濃度(MIC)分析を行った。

結果 本発明の化合物の最小阻止濃度(MIC)の値を、表1a、1b、2a、2bおよび3に示す。

ED50IV調査 本発明の化合物の、黄色ブドウ球菌(S.aureus)分離株、ATCC13709に対するマウス全身感染モデルでの薬効について評価した。マウスは、感染後48時間以内の生存率が0%となるであろう細菌負荷で腹腔内注射により感染させた。マウスに、静脈注射により、感染60分後に、試験化合物を与えた。感染対照グループには治療を行わなかった。生存を48時間にわたって調べた。パーセント生存率を計算し、PD50値を、プロビット(Probit)分析を用いて求めた。

Tet−R敗血症調査 テトラサイクリン抵抗敗血症調査のプロトコルは、感染モデルで、黄色ブドウ球菌(S.aureus)SA161、テトラサイクリン抵抗菌株を用いた以外は、上述したEV50IV調査のプロトコルと同様であった。

GN敗血症 GN敗血症調査のプロトコルは、感染モデルで、大腸菌(E.coli)ATCC25922を用いた以外は、上述したEV50IV調査のプロトコルと同様であった。

代謝的安定性 DMSOに化合物を、1.0mg/mLの最終濃度まで溶解することにより、試験化合物の貯蔵液を調製した。

被分析物および内部標準を希釈し、LC/MSシステムに注いで、最適イオン化、極性および特定のMRM(多重反応モニタリング)トランジションの選択のためのMS/MSフラグメンテーションを求めた。一般的なクロマトグラフィー条件を、5分未満のサイクルタイムで整えた。

プールされたヒトミクロゾーム分析を、0.2mg/mLのタンパク質で、NADPH生成補因子システム(1.3mM NADP+、3.3mMグルコース−6−ホスフェート、0.4U/mLグルコース−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼおよび3.3mM塩化マグネシウム)により行った。

試験化合物を、DMSO貯蔵液から、1μMの反応濃度まで希釈した。0および60分でタイムポイントを取り出した。アセトニトリルによるタンパク質破壊後、試料をLC/MS/MSにより分析した。ピーク領域を、タイム0試料と比べ、残ったパーセント分析物を計算する。補因子を含まない反応を用いて、非特異的結合、熱分解および溶解度による分析物喪失の対照とした。

SA MIC90 20の無作為に選択した黄色ブドウ球菌(S.aureus)の臨床分離株を用いて、分離株の90%(MIC90)についての試験化合物の最小阻止濃度(MIC)を求めた。MICは、上述したとおり、米国臨床検査標準委員会(CLSI)ガイドラインに従って、96ウェルフォーマットでのマイクロタイター液体希釈法により行った。

10倍の連続希釈により、生菌数を求めた。希釈物は、殺菌0.9%NaCl中で調製した。10マイクロタイターの接種材料と5つの各希釈物を、血液またはミューラーヒントン(Mueller Hinton)寒天プレートに置き、一晩、37℃、5%CO2で、培養し、数えた。

TetR MIC90 テトラサイクリンに対する抵抗に基づいて選択した10の分離株を用いて、上述したとおりにして、MIC90を求めた。

EC MIC90 20の無作為に選択した、大腸菌(E.coli)の臨床分離株を用いて、上述したとおりにして、MIC90を求めた。

タンパク質結合 試験化合物を、DMSO中、1.0mg/MLの貯蔵液として調製した。被分析物および内部標準を希釈し、LC/MSシステムに注いで、最適イオン化、極性および特定のMRM(多重反応モニタリング)トランジションの選択のためのMS/MSフラグメンテーションを求めた。一般的なクロマトグラフィー条件を、5分未満のサイクルタイムで整えた。

DMSO貯蔵液を、ヒト血漿中1および10μg/mLまで希釈し、REDデバイスで、4時間、37℃で培養した。培養期間終了時でタイムポイントを取り出した。アセトニトリルによるタンパク質破壊後、試料をLC/MS/MSにより分析した。バッファ(受容体)および試料(供与体)チャンバのピーク領域を比べ、タンパク質結合留分を計算する。分析は2回行った。

大腿部負荷 雌のCD−1マウスを、シクロホスファミドで前処置して、好中球減少マウスとした。マウスに、黄色ブドウ球菌(S.aureus)ATCC13709を、右大腿部筋肉へマウス1匹当たり0.1ml注射することにより感染させた。感染後1時間半、マウスを、試験化合物により、0.3〜30mg/kgまたは0.3〜20mg/kgの投与量でIV処置した。4匹のマウスを各薬剤濃度で処置した。24時間の後処置で、CO2吸引によりマウスを安楽死させた。マウスの右大腿部を無菌で除去し、秤量し、ホモジナイズし、連続希釈し、TSA培地に置いた。プレートを、一晩、37℃、5%CO2で培養した。大腿部1グラム当たりのコロニー形成単位を、プレートにあるコロニーを数え、連続希釈および大腿部の重量で調節することにより、計算した。

上述した生物活性についての結果を表4に示す。

本発明を、その例示の実施形態を参照して具体的に示し、説明してきたが、添付の請求項に包含される本発明の特許請求の範囲から逸脱することなく、形態および詳細に様々な変更を行えることは、当業者であれば理解されるであろう。

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