【発明の詳細な説明】 【０００１】 【発明の属する技術分野】この発明は、砂場の洗浄方法及びその装置に関し、特に公園や幼稚園などで幼児や競技に使用される砂場の清掃を行うことにより、細菌感染や異物混入による怪我を防ぐための砂場の洗浄方法及びその装置に関する。 【０００２】 【従来の技術】従来、砂場の洗浄方法としては、特開平６−１８３９２３号、特開平７−２１３５９１号、特開２０００−３４２６６６号公報にあるように殺菌剤としてのオゾン水を砂場に直接散布、注入する方法や、特開平９−１６４１８７号公報にあるように砂場を撹枠しながらオゾン水またはオゾンガスを散水、散気する方法がある。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の砂場の洗浄方法においては、オゾン水やオゾンガスにより殺菌作用はあるものの散布したオゾン水またはオゾンガスの処理が不十分であるので、残留オゾンの毒性が不安であるという問題点があった。 【０００４】また、砂場の異物除去がされていないので、砂場で遊ぶ幼児が怪我をする危険性があるという問題点があった。 【０００５】また、オゾン水を散布した状態で終了するため、洗浄後すぐに砂場が使用できないという問題点があった。 【０００６】この発明は上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、公園や幼稚園等の砂場において動物の糞尿などで汚染された砂を確実に殺菌洗浄し、且つ洗浄後すぐに砂場を使用でき、抗菌効果を持続することができる砂場の洗浄方法及びその装置を提供することにある。 【０００７】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために請求項１によるこの発明の砂場の洗浄方法は、回転自在に設けた回転槽内へ入れた砂に殺菌剤及び抗菌剤を混入し撹拌した後、前記回転槽内において前記砂を加熱乾燥した後に、前記回転槽から砂を取り出すことを特徴とするものである。 【０００８】したがって、砂場の砂は回転される回転槽内で殺菌剤及び抗菌剤と満遍なく混入、撹拌されるので確実に殺菌洗浄される。 しかも、この殺菌洗浄後の砂は回転槽内で加熱乾燥されて殺菌剤が発散するので、すぐに砂場で使用可能となる。 また、洗浄後の砂に抗菌剤が混入されるので抗菌効果が持続される。 【０００９】請求項２によるこの発明の砂場の洗浄装置は、回転自在な回転槽と、この回転槽内の砂を撹拌する撹拌部と、前記回転槽内の砂を加熱乾燥するための加熱装置と、を備えてなることを特徴とするものである。 【００１０】したがって、砂場の砂が回転槽内に投入された後に殺菌剤及び抗菌剤が混入され、回転槽を回転することにより、回転槽内の砂は撹拌部により満遍なく殺菌剤と抗菌剤と混入、撹拌されるので確実に殺菌洗浄される。 しかも、この殺菌洗浄後の砂は回転槽内で加熱乾燥されて殺菌剤が発散するので、すぐに砂場で使用可能となる。 また、洗浄後の砂に抗菌剤が混入されるので抗菌効果が持続される。 【００１１】請求項３によるこの発明の砂場の洗浄装置は、回転自在な回転槽と、この回転槽内の砂を撹拌する撹拌部と、前記回転槽内の砂を加熱乾燥するための加熱装置と、前記回転槽内へ砂場の砂を吸引して投入する吸引装置と、前記回転槽内へ殺菌剤を供給する殺菌剤供給装置と、前記回転槽内へ抗菌剤を供給する抗菌剤供給装置と、を備えてなることを特徴とするものである。 【００１２】したがって、請求項２記載の作用に加えて、砂場の砂は吸引装置により自動的に吸引され回転槽内へ投入され、しかも、殺菌剤は殺菌剤供給装置により、抗菌剤は抗菌剤供給装置によりそれぞれ、自動的に回転槽内へ供給されるので効率よく砂の洗浄作業が行われる。 【００１３】請求項４によるこの発明の砂場の洗浄装置は、回転自在な回転槽と、この回転槽内の砂を撹拌する撹拌部と、前記回転槽内の砂を加熱乾燥するための加熱装置と、前記回転槽内へ砂場の砂を吸引して投入する吸引装置と、前記回転槽内へ殺菌剤を供給する殺菌剤供給装置と、前記回転槽内へ抗菌剤を供給する抗菌剤供給装置と、前記回転槽で洗浄後の砂中から異物を除去して前記砂を選別する篩い装置と、を備えてなることを特徴とするものである。 【００１４】したがって、請求項３記載の作用に加えて、回転槽内で洗浄された砂は篩い装置により自動的に異物が除去された後に砂場へ戻されるので、洗浄作業が自動的に行われると共に異物の除去も効率よく行われる。 【００１５】 【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。 【００１６】図１を参照するに、この実施の形態に係わる砂場の洗浄装置１は、例えばトラックに積み込まれるようにユニット化されている。 回転槽としての例えば洗浄槽３がこの実施の形態ではほぼ斜め４５度の上向き構造となっており、図示せざる支持部材により回転自在に支持されている。 洗浄槽３の上部には蓋部５が前記支持部材により支持固定されており、洗浄槽３の本体部７は上記の蓋部５と前記支持部材に回転可能に支持されている。 さらに、洗浄槽３の本体部７の外周には作動ギア９
が設けられており、この作動ギア９には回転駆動手段としての例えばモータ１１により回転駆動される駆動ギア１３が噛合されている。 したがって、洗浄槽３の本体部７はモータ１１により正逆回転可能となっている。 【００１７】また、洗浄槽３の内部には撹拌部としての例えば螺旋羽根１５が組み込まれており、螺旋羽根１５
は洗浄槽３内の砂を撹拌するものである。 つまり、洗浄槽３が正回転されると砂が上昇し、逆回転されると砂が下降する構成となっている。 【００１８】さらに、洗浄槽３の内部には洗浄槽３内の砂を加熱乾燥するための加熱装置としての例えばセラミックヒータ１７が設けられており、洗浄槽３の底部は砂を通さないが通水可能なフィルタ１９の二重構造になっている。 洗浄槽３の底部のほぼ中央にはフィルタ１９を通過した殺菌剤としての例えばオゾン水を排水するドレン管２１とバルブ２３が設けられている。 【００１９】また、上記の蓋部５には、砂場の砂を吸引して洗浄槽３内へ投入するための吸引装置としての例えば吸引ポンプ２５が吸引管路２７を介して連通されている。 【００２０】さらに、上記の蓋部５には、洗浄槽３内へ殺菌剤（例えばオゾン水）を供給する殺菌剤供給装置としての例えばオゾン水生成装置２９がオゾン水供給管路３１を介して連通されており、このオゾン水供給管路３
１は開口を有する取付部３３を介して蓋部５に脱着自在である。 【００２１】また、上記の蓋部５には、洗浄槽３内へ抗菌剤を供給する抗菌剤供給装置としての例えば抗菌剤タンク３５が連通されており、抗菌剤タンク３５を開閉するバルブ３７が設けられている。 なお、抗菌剤タンク３
５内には抗菌剤としての例えばトルマリンパウダが貯留されている。 【００２２】さらに、上記の蓋部５の下方側には洗浄槽３内で洗浄された後の砂を砂場へ戻すための砂排出管路３９が設けられており、この砂排出管路３９の途中には砂を選別する篩い装置としての例えば選別槽４１が設けられており、この選別槽４１の内部には図示せざるモータなどの振動駆動手段により振動される篩い器４３（篩い網）が備えられている。 また、選別槽４１の下部の砂散布用管路４５には砂排出用バルブ４７が設けられている。 【００２３】上記構成の砂場の洗浄装置１の作用について説明する。 【００２４】砂場の砂は吸引ポンプ２５により吸引管路２７を介して吸い込まれ、この吸い込まれた砂は洗浄槽３の蓋部５から本体部７内へ貯留される。 また、抗菌剤タンク３５内のトルマリンパウダはバルブ３７が開放されて洗浄槽３内へ投入される。 さらに、オゾン水生成装置２９で生成されたオゾン水がオゾン水供給管路３１を介して洗浄槽３内へ投入される。 【００２５】モータ１１の回転駆動により洗浄槽３が逆回転されると、洗浄槽３内の砂は螺旋羽根１５により下部側へ下降する。 このとき、砂が洗浄槽３の最下部に達した時点で砂とオゾン水とトルマリンパウダが撹拌される。 洗浄槽３の回転速度はこの実施の形態では毎分２０
回転である。 【００２６】上記のように砂がオゾン水により殺菌洗浄される時、オゾン水は通水状態にあるので、オゾン水生成装置２９からのオゾン水が砂を洗浄後に洗浄槽３の底部のフィルタ１９を浸透して、バルブ２３を開かせるとドレン管２１から排水される。 しかし、砂はフィルタ１
９により排出されない。 なお、上記のように排水されたオゾン水は図示せざる処理タンクに貯められてから別の場所で排水処理される。 【００２７】なお、オゾン水としては殺菌作用がある０．５ｐｐｍ程度のものが用いられる。 また、砂に混入したトルマリンから微弱電流が発生し、この微弱電流の相乗効果でオゾン水からヒドロキシラジカルが発生するので殺菌作用が向上する。 【００２８】以上の洗浄動作が例えば３０分ほど行われて洗浄作業は終了する。 洗浄終了後、洗浄槽３の回転動作が停止され、オゾン水生成装置２９からのオゾン水の通水状態が終了し、洗浄槽３内の全てのオゾン水がドレン管２１から排水される。 【００２９】次に、洗浄槽３内に組み込まれたセラミックヒータ１７に通電されて内部が加熱され、回転動作が開始される。 この過程で、約５分後にオゾン水供給管路３１の蓋部５への取付部３３が開放される。 このとき、
洗浄槽３内ではオゾンガスがセラミックヒータ１７の加熱により分解されているので、取付部３３の開口から洗浄槽３内の蒸気が発散される。 上記の取付部３３の開口から蒸気の発散が無くなったら洗浄槽３内の砂は乾燥されている状態である。 【００３０】次いで、洗浄槽３が正回転されると、洗浄槽３内の砂が螺旋羽根１５により上昇し続け、蓋部５の砂排出管路３９を経て選別槽４１内へ送られる。 この選別槽４１内では振動する篩い器４３（篩い網）にかかり、砂中から異物が除去される。 最初に投入したトルマリンパウダは砂と同じ大きさであるので、篩い器４３で除去されずに砂中に残ることになり、篩い器４３で分けられた砂は一時的に選別槽４１内の下部に貯留される。 【００３１】以上のようにして洗浄された洗浄砂は、選別槽４１の砂排出用バルブ４７が開放されて砂散布用管路４５から再び砂場へ散布される。 なお、選別槽４１が砂場より高く位置しているので洗浄砂は容易に散布される。 【００３２】以上説明したように、この発明の砂場の洗浄方法及び装置においては、砂を交換せずに洗浄されるのでコスト削減となる。 また、砂の洗浄と乾燥がほぼ同時に洗浄槽３の中で行われるので、すぐに砂場の再使用が可能となる。 【００３３】さらに、従来のオゾン水散布式の洗浄方法の場合は、砂場の砂の下層部においてオゾンが消失してしまうが、この発明の洗浄方法では洗浄槽３内で砂を撹拌しながらオゾン水が投入されるので、砂全体にオゾン水が満遍なく接触することになり、殺菌作用が効果的に行われる。 【００３４】また、オゾン水が砂場に散布されないので、オゾン水の残留水による再汚染が少なくなる。 さらに、洗浄槽３内で熱乾燥が行われることによりオゾン分解が促進されるので、オゾン処理槽を設ける必要がなくなる。 【００３５】また、トルマリンパウダの投入によりオゾン水からヒドロキシラジカルが発生しやすくなるので殺菌作用が向上すると共に、洗浄後の砂はトルマリンパウダが撹拌により満遍なく混在していることにより抗菌作用を保持することになる。 【００３６】なお、この発明は前述した実施の形態に限定されることなく、適宜な変更を行うことによりその他の態様で実施し得るものである。 【００３７】例えば、前述した実施の形態では、回転自在な洗浄槽３と、この洗浄槽３内の砂を撹拌する螺旋羽根１５と、洗浄槽３内の砂を加熱乾燥するための加熱装置（セラミックヒータ１７）と、洗浄槽３内へ砂場の砂を吸引して投入する吸引ポンプ２５と、洗浄槽３内へオゾン水を供給するオゾン水生成装置２９と、洗浄槽３内へ抗菌剤としてのトルマリンパウダを供給する抗菌剤タンク３５と、洗浄槽３で洗浄後の砂中の異物を除去して砂を選別する選別槽４１と、から構成されて、砂場の砂が自動的に洗浄槽３内へ投入されて殺菌洗浄、加熱乾燥された後に、洗浄砂が自動的に砂場に戻される。 しかし、この発明の砂場の洗浄装置１としては、基本的には少なくとも上記の洗浄槽３と螺旋羽根１５と加熱装置が備えられた構成であれば、他の作業は手動で行っても構わないし、上記の他の装置が必要に応じて追加されたものであっても構わない。 【００３８】 【発明の効果】以上のごとき発明の実施の形態の説明から理解されるように、請求項１の発明によれば、回転する回転槽内で砂場の砂を殺菌剤及び抗菌剤と満遍なく混入、撹拌するので砂を確実に殺菌洗浄できる。 しかも、
この殺菌洗浄後の砂を回転槽内で加熱乾燥して殺菌剤を発散できるので、この洗浄後の砂をすぐに砂場で使用できる。 また、洗浄後の砂に抗菌剤を混入するので抗菌効果を持続できる。 【００３９】請求項２の発明によれば、砂場の砂を回転槽内に投入した後に殺菌剤及び抗菌剤を回転槽内に混入し、回転槽を回転することにより、撹拌部により砂と殺菌剤と抗菌剤を満遍なく撹拌するので砂を確実に殺菌洗浄できる。 しかも、この殺菌洗浄後の砂を回転槽内で加熱乾燥して殺菌剤を発散できるので、この洗浄後の砂をすぐに砂場で使用できる。 また、洗浄後の砂に抗菌剤を混入するので抗菌効果を持続できる。 【００４０】請求項３の発明によれば、請求項２記載の効果に加えて、吸引装置により砂場の砂を自動的に吸引して回転槽内へ投入でき、しかも、殺菌剤を殺菌剤供給装置により、抗菌剤を抗菌剤供給装置によりそれぞれ、
自動的に回転槽内へ供給できるので効率よく砂の洗浄作業を行うことができる。 【００４１】請求項４の発明によれば、請求項３記載の効果に加えて、篩い装置により回転槽内で洗浄後の砂内の異物を自動的に除去した後に砂場へ戻すことができるので、洗浄作業を自動的に行えることに加えて異物の除去も効率よく行うことができる。

【図面の簡単な説明】 【図１】この発明の実施の形態を示すもので、洗浄槽内の要部断面を含む砂場の洗浄装置の概略説明図である。 【符号の説明】 １ 洗浄装置３ 洗浄槽（回転槽） １１ モータ（回転駆動手段） １５ 螺旋羽根（撹拌部） １７ セラミックヒータ（加熱装置） ２５ 吸引ポンプ（吸引装置） ２９ オゾン水生成装置（殺菌剤供給装置） ３５ 抗菌剤タンク（抗菌剤供給装置） ４１ 選別槽（篩い装置）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大畑 真一郎 東京都中野区新井１丁目12番14号 株式会 社リフレックス内Ｆターム(参考） 3L113 AA07 AB06 AC08 AC58 AC68 AC85 DA21 4C058 AA23 AA30 BB07 CC02 CC03 CC06 CC07 EE01 EE02 JJ02 JJ07 JJ14 JJ21 JJ27 JJ28 JJ29