【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、新規のスルホンアミド誘導体、より詳述すれば、酵素5−リポキシゲナーゼ(以下、5−LOと呼称する)の抑制因子である新規のスルホンアミド誘導体に関する。 また、本発明は、該スルホンアミド誘導体の製造法および該化合物を含有する新規の医薬調剤に関する。 また、本発明に包含されているものは、アラキドン酸の5−LO触媒された酸化による直接的または間接的生産物が含有されているような種々の炎症性および/またはアレルギー性疾患の治療の際のスルホンアミド誘導体の使用、ならびにこのような使用のための新規医薬品の製造に関する。 【0002】上記したように、以下記載したスルホンアミド誘導体は、5−LOの抑制因子であり、この酵素は、アラキドン酸の酸化を触媒する場合に含有されていることが知られており、カスケード法により、生理的に活性のロイコトリエン、例えばロイコトリエンB 4 (L TB 4 )およびペプチド脂質ロイコトリエン、例えばロイコトリエンC 4 (LTC 4 )およびロイコトリエンD 4 (LTD 4 )および種々の代謝産物を生じさせる。 【0003】ロイコトリエンの生合成関係および生理的性質は、テイラー(GWTaylor)およびクラーク(SR Clarke)によってTrends in Pharmacological Science s,1986,7,100〜103に纏められている。 ロイコトリエンおよびその代謝産物は、種々の炎症性疾患およびアレルギー性疾患、例えば関節の炎症(殊に、変形関節炎、骨関節炎および痛風)、胃腸管の炎症(殊に、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎および胃炎)、皮膚疾患(殊に、乾癬、湿疹および皮膚炎)および呼吸疾患(殊に、喘息、気管支炎およびアレルギー性鼻炎)の生産および展開に関係があり、ならびに種々の心臓血管性障害および脳血管性障害、例えば心筋梗塞、アンギナおよび末梢血管疾患の生産および展開に関係がある。 更に、ロイコトリエンは、リンパ球および白血球の機能を変える能力に基づき炎症性疾患の調停器である。 アラキドン酸の他の生理的に活性の代謝産物、例えばプロスタグランジンおよびトロンボキサンは、アラキドン酸に対する酵素シクロオキシゲナーゼの作用により生じる。 【0004】欧州特許出願公開第0375404号明細書には、一定の複素環式誘導体が5−LOに対して抑制作用を有することが開示されている。 同時係属している欧州特許出願第90306765.0号明細書(欧州特許出願公開第0409413号明細書として1991年1月23日に発行された)の記載は、5−LOに対して抑制作用をも有するジアリールエーテル複素環式化合物に関連する。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明によれば、前記欠点を解決しようとする課題が課された。 【0006】 【課題を解決するための手段】ところで、上記刊行物に開示された化合物と同様の幾つかの構造的特徴を有するが、しかし早期の刊行物には示唆されていない他の構造的特徴、殊にスルホンアミド置換基を有する一定のスルホンアミド誘導体は、酵素5−LOの有効な抑制因子であり、したがってロイコトリエン生合成の有効な抑制因子であることが見い出された。 従って、このような化合物は、例えばアレルギー性症状、乾癬、喘息、心臓血管性疾患および脳血管性疾患、および/または単独または部分的に1個またはそれ以上のロイコトリエンによって仲介された炎症性疾患および関節炎の処置の際に治療剤として有用なものである。 【0007】本発明によれば、式I: 【0008】 【化8】 【0009】{式中、R 1は(1〜4C)アルキル基、 (3〜4C)アルケニル基または(3〜4C)アルキニル基であり;R 2およびR 3は一緒になって、A 2およびA 3が結合している炭素原子と一緒に5〜7個の環原子を有する1つの環を定める式−A 2 −X 2 −A 3 −〔但し、A 2およびA 3は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ(1〜3C)アルキレン基であり、X 2はオキシ基、チオ基、スルフィニル基またはスルホニル基であり、環は、ヒドロキシ、(1〜4C)アルキルおよび(1〜4C)アルコキシから選択された、同一でも異なっていてもよい1、2、または3個の置換基を有することができるものとする〕の基を形成し;或いはR 1およびR 2は一緒になって、A 2が結合している酸素原子およびA 3が結合している炭素原子と一緒に5〜7個の環原子を有する1つの環を定める式−A 2 −X 2 −A 3 −〔但し、A 2およびA 3は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ(1〜3C)アルキレン基であり、X 2はオキシ基、チオ基、スルフィニル基またはスルホニル基であり、環は、1、2、または3個の(1〜4C)アルキル置換基を有していてもよいものとする〕の基を形成し; R 3は(1〜4C)アルキル基、(2〜4C)アルケニル基または(2〜4C)アルキニル基であり;A 1はX 1 に対する直接結合であるかまたは(1〜3C)アルキレン基であり;X 1はオキシ基、チオ基、スルフィニル基、スルホニル基またはイミノ基であり;Arは、場合によってはハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、カルバモイル、ウレイド、(1〜4C)アルキル、(1〜4C)アルコキシ、(1〜4C)アルキルアミノ、ジ−[(1〜4C)アルキル]アミノ、フルオロ−(1〜4C)アルキルおよび(2〜4C)アルカノイルアミノから選択された1または2個の置換基を有していてもよいフェニレン基であるか;またはArはピリジレン基であり;Qは窒素原子であるかまたは式:CR 7 〔但し、R 7は水素、ハロゲン、(1〜4C)アルキル、(1〜4C)アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、カルバモイル、ウレイド、(1〜4C) アルキルアミノ、ジ−[(1〜4C)アルキル]アミノ、フルオロ−(1〜4C)アルキル、(2〜4C)アルカノイルアミノまたは(2〜4C)アルケニルであるものとする〕で示されるものであり;R 4は(1〜4 C)アルキル基、(3〜4C)アルケニル基または(3 〜4C)アルキニル基であるかまたはR 4は、場合によってはハロゲン、(1〜4C)アルコキシ、(1〜4 C)アルキル、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、 トリフルオロメチル、カルバモイル、ウレイド、(1〜 4C)アルキルアミノ、ジ−[(1〜4C)アルキル] アミノおよび(2〜4C)アルカノイルアミノから選択された1または2個の置換基をそれぞれ有していてもよいフェニル基、ベンジル基またはピリジル基であり;R 5は水素原子、(1〜4C)アルキル基、(3〜4C) アルケニル基または(3〜4C)アルキニル基であるかまたはR 5は、場合によってはハロゲン、(1〜4C) アルコキシ、(1〜4C)アルキル、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、トリフルオロメチル、カルバモイル、ウレイド、(1〜4C)アルキルアミノ、ジ− [(1〜4C)アルキル]アミノおよび(2〜4C)アルカノイルアミノから選択された1または2個の置換基を有していてもよいフェニル基、ベンジル基またはピリジル基であり;R 6は水素原子、ハロゲン原子、(1〜 4C)アルキル基、(1〜4C)アルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルバモイル基、ウレイド基、(1〜4C)アルキルアミノ基、ジ− [(1〜4C)アルキル]アミノ基、フルオロ−(1〜 4C)アルキル基、(2〜4C)アルカノイルアミノ基であるか;またはR 5およびR 6は、場合によっては(1 〜4C)アルキルおよびハロゲンから選択された1または2個の置換基を有していてもよい(2〜4C)アルキレン基または(2〜4C)アルケニレン基をそれぞれ形成させるために結合していてもよい}で示されるスルホンアミド誘導体またはその製薬学的に認容性の塩が得られる。 【0010】本発明の他の特徴によれば、R 4が、場合によってはハロゲン、(1〜4C)アルコキシ、(1〜 4C)アルキル、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、トリフルオロメチル、カルバモイル、ウレイド、 (1〜4C)アルキルアミノ、ジ−[(1〜4C)アルキル]アミノ、(2〜4C)アルカノイルアミノおよび(1〜4C)アルコキシカルボニルから選択された1または2個の置換基を有していてもよいフェニル基、ベンジル基、ナフチル基、ピリジル基またはキノリル基であることができる、前記に定義されたような式Iのスルホンアミド誘導体またはその製薬学的に認容性の塩が得られる。 【0011】本明細書中で、一般的な用語“アルキル” は、直鎖状アルキル基および分枝鎖状アルキル基の双方を包含する。 しかし、個々のアルキル基、例えば“プロピル”に関係するものは、直鎖状の変形のみについて詳説され、個々の分枝鎖状アルキル基、例えば“イソプロピル”に関係するものは、分枝鎖状の変形のみについて詳説される。 同様の規定は、他の一般的用語にも適用される。 【0012】上記に定義された式Iの一定の化合物が互変異性の現象を示すことができ本明細書中に存在する任意の式が予想される互変異形の1つのみを表わす場合には、本発明は、互変異形の定義において、5−LOを抑制する性質を有しかつ一般式中で任意の1つの互変異形に限定されない式Iの化合物の任意の互変異形を包含する。 【0013】更に、上記に定義された式Iの一定の化合物が1個の不斉炭素原子を有する1個またはそれ以上の置換基により光学活性形またはラセミ形で存在することができる場合には、本発明は、この光学活性形またはラセミ形の定義において、5−LOを抑制する性質を有する任意のかかる光学活性形またはラセミ形を包含する。 光学活性形の合成は、当工業界でよく知られた有機化学の標準法、例えば光学活性出発物質からの合成またはラセミ形の分割によって実施することができる。 同様に、 5−LOに対する抑制作用は、以下に記載した標準の実験室方法を使用することにより評価することができる。 【0014】上記に記載した一般的用語の適当なものは、以下に記載のものを包含する。 【0015】(1〜4C)アルキル基である場合のR 1適当なものは、例えばメチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基であり;(3〜4C)アルケニル基の場合には、例えばアリル基、2−ブテニル基または3−ブテニル基であり;(3〜4C)アルキニル基の場合には、例えば2−プロピニル基または2−ブチニル基である。 【0016】R 2およびR 3が一緒になって、A 2およびA 3が結合している炭素原子と一緒に5〜7個の環原子を有する1つの環を定める式−A 2 −X 2 −A 3 −で示される基を形成する場合には、A 2およびA 3の適当なものは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ(1〜3 C)アルキレン基、例えばメチレン基、エチレン基またはトリメチレン基である。 5員〜7員環上に存在することができる置換基の適当なものは、例えば次のものを包含する: (1〜4C)アルキル基に関して: メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基およびイソブチル基; (1〜4C)アルコキシ基に関して:メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基およびブトキシ基。 【0017】R 1およびR 2が一緒になって、A 2が結合している酸素原子およびA 3が結合している炭素原子と一緒に5〜7個の環原子を有する1つの環を定める式− A 2 −X 2 −A 3 −で示される基を形成する場合には、A 2 およびA 3の適当なものは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ(1〜3C)アルキレン基、例えばメチレン基、エチレン基またはトリメチレン基である。 5員〜 7員環上に存在することができる(1〜4C)アルキル置換基の適当なものは、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピルおよびブチルを包含する。 【0018】(1〜4C)アルキル基である場合のR 3 の適当なものは、例えばメチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基であり;(2〜4C)アルケニル基の場合には、例えばビニル基、アリル基、2−ブテニル基または3−ブテニル基であり;(2〜4C)アルキニル基の場合には、例えばエチニル基、2−プロピニル基または2−ブチニル基である。 【0019】(1〜3C)アルキレン基である場合のA 1の適当なものは、例えばメチレン基、エチレン基またはトリメチレン基である。 【0020】フェニレン基である場合のArの適当なものは、例えば1,3−フェニレン基または1,4−フェニレン基である。 【0021】ピリジレン基である場合のArの適当なものは、例えば3,5−または2,6−ピリジレン基である。 【0022】Ar上に存在することができるハロゲン置換基の適当なものは、例えば弗素、塩素、臭素または沃素である。 【0023】Ar上に存在することができる(2〜4 C)アルカノイルアミノ置換基の適当なものは、例えばアセトアミド、プロピオンアミドまたはブチルアミドである。 【0024】Ar上に存在することができる(1〜4 C)アルキル置換基の適当なものは、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、 第2ブチルまたは第3ブチルである。 【0025】Ar上に存在することができる(1〜4 C)アルコキシ置換基の適当なものは、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシまたはブトキシである。 【0026】Ar上に存在することができる(1〜4 C)アルキルアミノ置換基の適当なものは、例えばメチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、イソブチルアミノ、第2ブチルアミノまたは第3ブチルアミノである。 【0027】Ar上に存在することができるジ−〔(1 〜4C)アルキル〕アミノ置換基の適当なものは、例えばジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノまたはエチルメチルアミノである。 【0028】Ar上に存在することができるフルオロ− (1〜4C)アルキルアミノ置換基の適当なものは、例えばフルオロメチル、フルオロエチル、フルオロプロピル、フルオロイソプロピル、フルオロブチル、ジフルオロメチルまたはトリフルオロエチルである。 【0029】R 7の適当なものは、例えば次のものである: ハロゲン原子に関して: 弗素原子、塩素原子、臭素原子および沃素原子; (1〜4C)アルキル基に関して: メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、第2ブチル基および第3ブチル基; (1〜4C)アルコキシ基に関して:メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基およびブトキシ基; (1〜4C)アルキルアミノ基に関して:メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、第2ブチルアミノ基または第3ブチルアミノ基; ジ−〔(1〜4C)アルキル〕アミノ基に関して:ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、エチルメチルアミノ基およびジブチルアミノ基; フルオロ−(1〜4C)アルキルアミノ基に関して:フルオロメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロプロピル基、フルオロブチル基およびフルオロイソプロピル基; (2〜4C)アルカノイルアミノ基に関して:アセトアミド基、プロピオンアミド基およびブチルアミド基; (2〜4C)アルケニル基に関して:ビニル基、アリル基、2−ブテニル基および3−ブテニル基。 【0030】(1〜4C)アルキル基である場合のR 4 の適当なものは、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、第2ブチル基または第3ブチル基である。 【0031】(3〜4C)アルケニル基である場合のR 4の適当なものは、例えばアリル基、2−ブテニル基または3−ブテニル基である。 【0032】(3〜4C)アルキニル基である場合のR 4の適当なものは、例えば2−プロピニル基または2− ブチニル基である。 【0033】ピリジル基である場合のR 4またはR 5の適当なものは、例えば2−ピリジル基、3−ピリジル基または4−ピリジル基である。 【0034】ナフチル基である場合の適当なものは、例えば1−ナフチル基または2−ナフチル基、殊に1−ナフチル基である。 【0035】キノリル基である場合のR 4の適当なものは、2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−キノリル基、殊に8−キノリル基である。 【0036】(1〜4C)アルキル基である場合のR 5 の適当なものは、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、第2ブチル基または第3ブチル基である。 【0037】(3〜4C)アルケニル基である場合のR 5の適当なものは、例えばアリル基、2−ブテニル基または3−ブテニル基である。 【0038】(3〜4C)アルキニル基である場合のR 5の適当なものは、例えば2−プロピニル基または2− ブチニル基である。 【0039】それぞれフェニル基、ベンジル基、ナフチル基、ピリジル基またはキノリル基である場合にR 4またはR 5上に存在することができる置換基の適当なものは、例えば次のものを包含する: ハロゲン原子に関して: 弗素原子、塩素原子、臭素原子および沃素原子; (1〜4C)アルコキシ基に関して:メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基およびブトキシ基; (1〜4C)アルキル基に関して: メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、第2ブチル基および第3ブチル基; (1〜4C)アルキルアミノ基に関して:メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、第2ブチルアミノ基および第3ブチルアミノ基; ジ−〔(1〜4C)アルキル〕アミノ基に関して:ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、エチルメチルアミノ基およびジブチルアミノ基; フルオロ−(1〜4C)アルキルアミノ基に関して:フルオロメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロプロピル基、フルオロブチル基およびフルオロイソプロピル基; (2〜4C)アルカノイルアミノ基に関して:アセトアミド基、プロピオンアミド基およびブチルアミド基。 【0040】(2〜4C)アルキレン基を形成させるために結合される場合にR 5およびR 6の適当なものは、例えばエチレン基またはトリメチレン基である。 有利にR 6は、R 4 SO 2 NR 5基に対してオルト位で位置している。 【0041】(2〜4C)アルケニレン基を形成させるために結合される場合にR 5およびR 6の適当なものは、 例えばビニレン基、プロペ−1−エン−1,3−ジイル基またはプロペ−2−エン−1,3−ジイル基である。 有利にR 6は、R 4 SO 2 NR 5基に対してオルト位で位置している。 【0042】R 5およびR 6が結合している場合に(2〜 4C)アルケニレン基または(2〜4C)アルケニレン基上に存在することができる置換基の適当なものは、例えば次のものを包含する: ハロゲン原子に関して: 弗素原子、塩素原子、臭素原子および沃素原子; (1〜4C)アルキル基に関して: メチル基、エチル基およびプロピル基。 【0043】本発明による化合物の適当な製薬学的に認容性の塩は、十分に塩基性である本発明による化合物の酸付加塩、例えば無機酸または有機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、燐酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸またはマレイン酸との酸付加塩である。 更に、十分に酸性である本発明による化合物の適当な製薬学的に認容性の塩は、アルカリ金属塩、例えばナトリウム塩またはカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えばカルシウム塩またはマグネシウム塩、アンモニウム塩または製薬学的に認容性の陽イオンを生じる有機塩基との塩、例えばメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ピペリジン、モルホリンまたはトリス−(2−ヒドロキシエチル)アミンとの塩である。 【0044】本発明による詳細な新規化合物は、例えば (a)R 1がメチル基、エチル基、アリル基または2− プロピニル基であり;Q,R 2 ,R 3 ,A 1 ,X 1 ,Ar, R 4 ,R 5およびR 6がそれぞれ前記のものを表わし; (b)R 2およびR 3が一緒になって、A 2およびA 3が結合している炭素原子と一緒に5〜7個の環原子を有する1つの環を定める式−A 2 −X 2 −A 3 −〔但し、A 2およびA 3は、同一でも異なっていてもよく、それぞれメチレン基、エチレン基またはトリメチレン基であり、X 2 はオキシ基であり、環は、ヒドロキシ、メチル、エチル、プロピル、メトキシおよびエトキシから選択された1または2個の置換基を有することができるものとする〕の基を形成し;かつQ,R 1 ,A 1 ,X 1 ,Ar, R 4 ,R 5およびR 6がそれぞれ前記のものを表わし; (c)R 1およびR 2が一緒になって、A 2が結合している酸素原子およびA 3が結合している炭素原子と一緒に5〜7個の環原子を有する1つの環を定める式−A 2 − X 2 −A 3 −〔但し、A 2およびA 3は、同一でも異なっていてもよく、それぞれメチレン基またはエチレン基であり、X 2はオキシ基であり、環は、メチル、エチルおよびプロピルから選択された1、2または3個の置換基を有することができるものとする〕の基を形成し、R 3がメチル基またはエチル基であり;かつQ,A 1 ,X 1 ,A r,R 4 ,R 5およびR 6がそれぞれ前記のものを表わし; (d)A 1がX 1に対する直接結合であり、X 1がオキシ基、チオ基、スルフィニル基またはスルホニル基であり;かつQ,R 1 ,R 2 ,R 3 ,Ar,R 4 ,R 5およびR 6 がそれぞれ前記のものを表わし; (e)A 1がメチレン基であり、X 1がオキシ基、チオ基、スルフィニル基またはスルホニル基であり;かつQ,R 1 ,R 2 ,R 3 ,Ar,R 4 ,R 5およびR 6がそれぞれ前記のものを表わし; (f)Arが弗素、塩素、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、ウレイド、メチル、メトキシ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、トリフルオロメチルおよびアセトアミドから選択された1または2個の置換基を場合によっては有することができる1,3−フェニレン基または1,4− フェニレン基であり;かつQ,A 1 ,X 1 ,R 1 ,R 2 ,R 3 ,R 4 ,R 5およびR 6がそれぞれ前記のものを表わし; (g)Arが3,5−ピリジレン基であり;かつQ,A 1 ,X 1 ,R 1 ,R 2 ,R 3 ,R 4 ,R 5およびR 6がそれぞれ前記のものを表わし; (h)Qが窒素原子であるかまたは式:CR 7 〔但し、 R 7は水素、メチル、エチル、プロピル、メトキシ、エトキシ、プロピキシ、弗素、塩素またはヒドロキシであるものとする〕で示される基であり;R 1 ,R 2 ,R 3 , A 1 ,X 1 ,Ar,R 4 ,R 5およびR 6がそれぞれ前記のものを表わし; (i)R 4がそれぞれ弗素、塩素、メトキシ、エトキシ、メチル、エチルまたはヒドロキシから選択された1 または2個の置換基を有することができるメチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、ベンジル基または3 −ピリジル基であり;かつQ,R 1 ,R 2 ,R 3 ,A 1 ,X 1 ,Ar,R 5およびR 6がそれぞれ前記のものを表わし; (j)R 4がそれぞれ弗素、塩素、メトキシ、エトキシ、メチル、エチル、ヒドロキシ、メトキシカルボニルまたはエトキシカルボニルから選択された1または2個の置換基を有することができるメチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、ベンジル基、1−ナフチル基、 3−ピリジル基または8−キノリル基であり;かつQ, R 1 ,R 2 ,R 3 ,A 1 ,X 1 ,Ar,R 5およびR 6がそれぞれ前記のものを表わし; (k)R 5がそれぞれ弗素、塩素、メトキシ、エトキシ、メチル、エチルまたはヒドロキシから選択された1 または2個の置換基を有することができる水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、アリル基、フェニル基またはベンジル基であり;かつQ,R 1 ,R 2 ,R 3 , A 1 ,X 1 ,Ar,R 5およびR 6がそれぞれ前記のものを表わし; (l)R 6が水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基、弗素原子、塩素原子またはヒドロキシ基であり;かつQ,R 1 ,R 2 ,R 3 ,A 1 , X 1 ,Ar,R 4およびR 5がそれぞれ前記のものを表わし; (m)R 5およびR 6が一緒になって結合して、メチル、 エチルおよびプロピルから選択された1または2個の置換基を有することができるエチレン基、トリメチレン基またはビニレン基を形成し;かつQ,R 1 ,R 2 ,R 3 , A 1 ,X 1 ,ArおよびR 4がそれぞれ前記のものを表わし; (n)Qが窒素原子であり;かつR 1 ,R 2 ,R 3 ,A 1 , X 1 ,Ar,R 4 ,R 5およびR 6がそれぞれ前記のものを表わし; (o)Qが式:CR 7 〔但し、R 7は水素、弗素、塩素、 メチル、エチルまたはメトキシであるものとする〕で示される基であり;かつR 1 ,R 2 ,R 3 ,A 1 ,X 1 ,A r,R 4 ,R 5およびR 6がそれぞれ前記のものを表わし; (p)R 4がメチル基、エチル基またはプロピル基であるかまたはR 4が弗素、塩素、メチルまたはメトキシから選択された1または2個の置換基を有することができるフェニル基であり;かつQ,R 1 ,R 2 ,R 3 ,A 1 ,X 1 ,Ar,R 5およびR 6がそれぞれ前記のものを表わし; (q)R 5が水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基またはアリル基であるかまたはR 5が弗素、塩素、メチルまたはメトキシから選択された1または2個の置換基を有することができるフェニル基またはベンジル基であり;かつQ,R 1 ,R 2 ,R 3 ,A 1 ,X 1 ,Ar,R 4およびR 6がそれぞれ前記のものを表わし; (r)R 5が水素原子であり;かつQ,R 1 ,R 2 ,R 3 , A 1 ,X 1 ,Ar,R 4およびR 6がそれぞれ前記のものを表わし;或いは (s)R 6がR 4 SO 2 NR 5基に対してオルト位で位置し、R 5およびR 6が一緒になって結合して、エチレン基またはトリメチレン基を形成し;かつQ,R 1 ,R 2 ,R 3 ,A 1 ,X 1 ,ArおよびR 4がそれぞれ前記のものを表わすような式Iのスルホンアミド誘導体またはその製薬学的に認容性の塩を包含する。 【0045】本発明による1つの好ましい化合物は、R 1がメチル基、エチル基、アリル基または2−プロピニル基であり;R 2およびR 3が一緒になって、A 2およびA 3が結合している炭素原子と一緒に5または6個の環原子を有する1つの環を定める式−A 2 −X 2 −A 3 − 〔但し、A 2はエチレン基であり、A 3はメチレン基またはエチレン基であり、X 2はオキシ基であり、環は、メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシ基およびエトキシ基から選択された1または2個の置換基を有することができるものとする〕の基を形成し;或いはR 1およびR 2が一緒になって、A 2が結合している酸素原子およびA 3が結合している炭素原子と一緒に5または6個の環原子を有する1つの環を定める式−A 2 −X 2 −A 3 − 〔但し、A 2はエチレン基であり、A 3はメチレン基またはエチレン基であり、X 2はオキシ基であり、環は、メチル基、エチル基およびプロピル基から選択された1、 2または3個の置換基を有することができるものとする〕の基を形成し、R 3がメチル基またはエチル基であり;A 1がX 1に対する直接結合であるかまたはメチレン基であり;X 1がオキシ基、チオ基、スルフィニル基またはスルホニル基であり;Arは、場合によっては弗素、塩素、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、ウレイド、メトキシ、ジメチルアミノ、トリフルオロメチルおよびアセトアミドから選択された1または2個の置換基を有していてもよい1,3−フェニレン基または1,4−フェニレン基であるか;またはArは3,5−ピリジレン基であり;Qが窒素原子であるかまたは式:CR 7 〔但し、R 7は水素、弗素、塩素、メチル、エチル、プロピル、メトキシ、エトキシ、ヒドロキシ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノまたはトリフルオロメチルであるものとする〕で示されるものであり;R 4がメチル基、エチル基、プロピル基、アリル基、フェニル基、ベンジル基、3−ピリジル基、2−ヒドロキシエチル基、 3−ヒドロキシプロピル基、2−クロロエチル基または3−クロロプロピル基であり;R 5が水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、ベンジル基、 アリル基、3−ピリジル基、2−ヒドロキシエチル基、 3−ヒドロキシプロピル基、2−クロロエチル基、3− クロロプロピル基または2−メトキシエチル基であり; R 6が水素原子、弗素原子、塩素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基またはトリフルオロメチル基であるか;またはR 5およびR 6がエチレン基、トリメチレン基またはビニレン基を形成させるために結合していてもよいような式Iのスルホンアミド誘導体またはその製薬学的に認容性の塩を有する。 【0046】更に、本発明による好ましい化合物は、R 1がメチル基であり;R 2およびR 3が一緒になって、A 2 およびA 3が結合している炭素原子と一緒に6個の環原子を有する1つの環を定める式−A 2 −X 2 −A 3 −〔但し、A 2およびA 3はそれぞれエチレン基であり、X 2はオキシ基であり、環は、X 2に対してα位のメチル置換基またはエチル置換基を有することができるものとする〕の基を形成し;A 1がX 1に対する直接結合であるかまたはメチレン基であり;X 1がチオ基またはオキシ基であり;Arが、場合によっては弗素置換基を有していてもよい1,3−フェニレン基であり;Qが窒素原子であるかまたは式:CR 7 〔但し、R 7は水素、メチルまたは塩素であるものとする〕で示されるものであり;R 4 がメチル基、エチル基またはフェニル基であり;R 5が水素原子、メチル基、エチル基、アリル基またはベンジル基であり;R 6が水素原子、メチル基または塩素原子であるか;またはR 5およびR 6がエチレン基またはトリメチレン基を形成させるために結合していてもよいような式Iのスルホンアミド誘導体またはその製薬学的に認容性の塩を有する。 【0047】更に、本発明による好ましい化合物は、R 1がメチル基であり;R 2およびR 3が一緒になって、A 2 およびA 3が結合している炭素原子と一緒に6個の環原子を有する1つの環を定める式−A 2 −X 2 −A 3 −〔但し、A 2およびA 3はそれぞれエチレン基であり、X 2はオキシ基であり、環は、X 2に対してα位のメチル置換基またはエチル置換基を有することができるものとする〕の基を形成し;A 1がX 1に対する直接結合であるかまたはメチレン基であり;X 1がチオ基またはオキシ基であり;Arが、場合によっては弗素置換基を有していてもよい1,3−フェニレン基であり;Qが式:CR 7 〔但し、R 7は水素、メチルまたは塩素であるものとする〕で示されるものであり;R 4がメチル基、エチル基またはフェニル基であり;R 5が水素原子であり;R 6が水素原子、メチル基、弗素原子または塩素原子であるような式Iのスルホンアミド誘導体またはその製薬学的に認容性の塩を有する。 【0048】更に、本発明による好ましい化合物は、R 1がメチル基であり;R 2およびR 3が一緒になって、A 2 およびA 3が結合している炭素原子と一緒に6個の環原子を有する1つの環を定める式−A 2 −X 2 −A 3 −〔但し、A 2およびA 3はそれぞれエチレン基であり、X 2はオキシ基であり、環は、X 2に対してα位のメチル置換基を有することができるものとする〕の基を形成し;A 1がX 1に対する直接結合であり;X 1がチオ基であり; Arが1,3−フェニレン基であり;Qが式:CR 7 〔但し、R 7は水素であるものとする〕で示されるものであり;R 4がメチル基であり;R 5がメチル基またはエチル基であり;R 6が水素原子または塩素原子であるような式Iのスルホンアミド誘導体またはその製薬学的に認容性の塩を有する。 【0049】更に、本発明による好ましい化合物は、R 1がメチル基であり;R 2およびR 3が一緒になって、A 2 およびA 3が結合している炭素原子と一緒に6個の環原子を有する1つの環を定める式−A 2 −X 2 −A 3 −〔但し、A 2およびA 3はそれぞれエチレン基であり、X 2はオキシ基であり、環は、X 2に対してα位のメチル置換基またはエチル置換基を有することができるものとする〕の基を形成し;A 1がX 1に対する直接結合であり; X 1がチオ基であり;Arが、場合によっては弗素置換基を有していてもよい1,3−フェニレン基であり;Q が式:CR 7 〔但し、R 7は水素または塩素であるものとする〕で示されるものであり;R 4がメチル基、エチル基、フェニル基、2−メトキシカルボニルフェニル基または8−キノリル基であり;R 5が水素原子であり;R 6 が水素原子、弗素原子または塩素原子であるような式I のスルホンアミド誘導体またはその製薬学的に認容性の塩を有する。 【0050】更に、本発明による好ましい化合物は、R 1がメチル基であり;R 2およびR 3が一緒になって、A 2 およびA 3が結合している炭素原子と一緒に6個の環原子を有する1つの環を定める式−A 2 −X 2 −A 3 −〔但し、A 2およびA 3はそれぞれエチレン基であり、X 2はオキシ基であり、環は、X 2に対してα位のメチル置換基を有することができるものとする〕の基を形成し;A 1がX 1に対する直接結合であり;X 1がチオ基であり; Arが1,3−フェニレン基または5−フルオロ−1, 3−フェニレン基であり;Qが式:CR 7 〔但し、R 7は水素または塩素であるものとする〕で示されるものであり;R 4がメチル基であり;R 5が水素原子であり;R 6 が水素原子、弗素原子または塩素原子であるような式I のスルホンアミド誘導体またはその製薬学的に認容性の塩を有する。 【0051】本発明による、殊に有利な化合物は、例えば式Iで示される次のスルホンアミドの誘導体、又は医薬品として受容可能なその塩である:N−{4−[3− (4−メトキシテトラヒドロピラン−4−イル)フェニルチオ]フェニル}−N−メチルメタンスルホンアミド、N−{3−クロロ−4−[3−(4−メトキシテトラヒドロピラン−4−イル)フェニルチオ]フェニル} −N−メチルメタンスルホンアミド、N−{4−[3− (4−メトキシテトラヒドロピラン−4−イル)フェニルチオ]フェニル}−N−エチルメタンスルホンアミド又はN−{4−[3−(4−メトキシテトラヒドロピラン−4−イル)フェニルチオ]フェニル}−N−メチルエタンスルホンアミド。 【0052】本発明による、さらに殊に有利な化合物は、例えば式Iで示される次のスルホンアミドの誘導体、又は医薬品として受容可能なその塩である:N− {2−クロロ−4−[3−(4−メトキシテトラヒドロピラン−4−イル)フェニルチオ]フェニル}メタンスルホンアミド、N−{2−クロロ−4−[4−[5−フルオロ−3−(4−メトキシテトラヒドロピラン−4− イル)フェニルチオ]フェニル}メタンスルホンアミド、N−{3−クロロ−4−[5−フルオロ−3−(4 −メトキシテトラヒドロピラン−4−イル)フェニルチオ]フェニル}メタンスルホンアミド又はN−{2−クロロ−4−[5−フルオロ−3−(4−メトキシテトラヒドロピラン−4−イル)フェニルチオ]フェニル}メタンスルホンアミド。 【0053】本発明による、式Iのスルホンアミド誘導体、又は医薬品として受容可能なその塩を含有する化合物は、構造的に関係のある化合物の製造に適用可能であることで公知であるいずれの方法によっても製造されてもよい。 このような方法は本発明のさらなる特徴として提供され、かつ次の相応する例によって詳説され、この例中では、別に記載のない限りR 1 、R 2 、R 3 、A 1 、X 1 、Ar、Q、R 4 、R 5 、R 6及びR 7は先に定義された意味のいずれをも有する。 【0054】(a) 式II 【0055】 【化9】 【0056】で示される化合物と、Zが置換可能な基である式III 【0057】 【化10】 【0058】で示される化合物とが有利には適当な塩の存在下でカップリングされることによって、Ar、 R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、R 6又はR 7の中にアミノ基、アルキルアミノ基又はヒドロキシ基が存在する場合には、いずれのアミノ基、アルキルアミノ基又はヒドロキシ基も通常の保護基によって保護することができるか又は選択的にこのような基のいずれもが保護される必要はなく、 この後でAr、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、R 6及びR 7の中の所望されない保護基のいずれもが常法で除去される。 【0059】適当な置換可能な基Zは、例えばハロゲノ又はスルホニルオキシ基、例えば塩素原子、臭素原子、 ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ基もしくはトルエン−4−スルホニルオキシ基である。 【0060】カップリング反応に適当な塩基は、例えばアルカリもしくはアルカリ土類金属炭酸塩、(1−4 C)アルコキシド、水酸化物又は水素化物、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ナトリウムエトキシド、カリウムブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム又は水素化カリウムである。 カップリング反応は、適当な不活性の溶剤もしくは希釈剤、 例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジン−2−オン、ジメチルスルホキシド、アセトン、1,2−ジメトキシエタン又はテトラヒドロフラン中で、例えば10〜190 ℃の範囲内、特に140℃近くの温度で行われる。 【0061】有利には反応は、適当な触媒、例えば金属触媒、例えばパラジウム(0)又は銅(I)、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム、塩化銅(I)又は臭化銅の存在下で行うことができる。 【0062】アミノ基もしくはアルキルアミノ基に適当な保護基は、例えばアシル基、例えば(2−4C)アルカノイル基(特にアセチル基)、(1−4C)アルコキシカルボニル基(特にメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基又はtert−ブトキシカルボニル基)、 アリールメトキシカルボニル基(特にベンジルオキシカルボニル基)又はアロイル基(特にベンゾイル基)である。 上記の保護基に対する保護除去の条件は必然的に保護基の選択に応じて変化する。 このような、例えばアシル基、例えばアルカノイル基もしくはアルコキシカルボニル基又はアロイル基を、例えば適当な塩基、例えばアルカリ金属水酸化物、例えば水酸化リチウムもしくは水酸化ナトリウムを用いた加水分解によって除去することができる。 選択的にアシル基、例えばtert−ブトキシカルボニル基を、例えば適当な酸、例えば塩酸、硫酸、燐酸、トリフルオロ酢酸で処理することによって除去することができ、かつアリールメトキシカルボニル基、例えばベンジルオキシカルボニル基を、例えば触媒、例えば木炭上のパラジウムによって水素化することによって除去することができる。 【0063】ヒドロキシ基に適当な保護基は、例えばアシル基、例えば(2−4C)アルカノイル基(特にアセチル基)、アロイル基(特にベンゾイル基)又はアリールメチル基(特にベンジル基)である。 上記の保護基に対する保護除去の条件は必然的に保護基の選択に応じて変化する。 このような、例えばアシル基、例えばアルカノイル基又はアロイル基を、例えば適当な塩基、例えばアルカリ金属水酸化物、例えば水酸化リチウムもしくは水酸化ナトリウムを用いた加水分解によって除去することができる。 選択的にアリールメチル基、例えばベンジル基を、例えば触媒、例えば木炭上のパラジウムによって水素化することによって除去することができる。 【0064】式II及び式IIIの出発物質を有機化学の常法で得ることができる。 このような出発物質の製造は、 説明するためのみに提供される、制限することのない添付の例の中に記載されている。 式IIIの別の必要な出発物質は、添付の反応式I(下に記載) 【0065】 【化11】 【0066】試薬 (i) R 3 Li 又は R 3 MgZ、THF;(ii) DDQ 又は Mn0 2 ;(ii i) R 2 Li 又は R 2 MgZ、THF; (iV) BuLi 又は Mg、THF;R 2 COR 3 、THF;(v) R 1 Z、塩基; (vi) 例えばC OMe、THP、CH 2 Ph 又は Meである保護基R 8の通常の除去と類似の方法によっても入手可能であるし、該方法の、 有機化学の常用技術の範囲内である変法によっても入手可能である。 【0067】反応式Iで使用される適当な保護基R 8は、従来技術で公知である多くのこのような基のいずれでもよく、かつ先に定義された適当な保護基のいずれをも含む。 このような基の例は反応式Iに示されている。 このような保護基の投入及び除去の条件は、標準的な文献又は有機化学の文献、例えばTW Green著”Prote ctive Groups in Organic Synthesis”(J Wiley and S ons、1981)に記載されている。 【0068】(b) 式IV 【0069】 【化12】 【0070】で示される化合物と、Zが先に定義された置換可能な基である式V 【0071】 【化13】 【0072】で示される化合物とが有利には先に定義された適当な塩の存在下でカップリングされることによって、Ar、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、R 6又はR 7の中にアミノ基、アルキルアミノ基又はヒドロキシ基が存在する場合には、いずれのアミノ基、アルキルアミノ基又はヒドロキシ基も先に定義された通常の保護基によって保護することができるか又は選択的にこのような基のいずれもが保護される必要はなく、この後でAr、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、R 6又はR 7の中の所望されない保護基のいずれもが常法で除去される。 【0073】カップリング反応は有利には、先に定義された適当な不活性溶剤中で例えば10〜190℃の範囲内、特に140℃近くの温度で行われる。 該反応を有利には先に定義された適当な触媒の存在下で行うことができる。 【0074】有利には、Z、Ar、R 1 、R 2及びR 3が先に定義された意味を有する、式Vの中間体を、Z及びArが先に定義された意味を有しかつYが、例えば、反応式II(下に記載) 【0075】 【化14】 【0076】試薬 (i)〜(v) 反応式Iの通り 註 R′=(1−4C)アルキル基、例えばMe又はE tで説明されるハロゲノ、ホルミル基、アルカノイル基、ニトリル基もしくはアルコキシカルボニル基である式Z−Ar−Yで示される化合物の方法で得ることができる。 【0077】また、式Vの中間体を有利には、先に定義された式Z−Ar−Yで示される化合物から、反応式II で使用された基R 2及びR 3の投入の順序を逆にすることによって得ることができることも認識される。 【0078】(C) 式VI 【0079】 【化15】 【0080】で示される化合物と、R 1 −Zが先に定義された意味を有する式R 1 −Zで示される化合物とが有利には先に定義された適当な塩の存在下でアルキル化されることによって、Ar、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、R 6又はR 7の中にアミノ基、アルキルアミノ基又はヒドロキシ基が存在する場合には、いずれのアミノ基、アルキルアミノ基又はヒドロキシ基も通常の保護基によって保護することができるか又は選択的にこのような基のいずれもが保護される必要はなく、この後でAr、R 2 、R 3 、 R 4 、R 5 、R 6及びR 7の中の所望されない保護基のいずれもが常法で除去される。 【0081】式VIの第三アルコール出発物質を有機化学の標準的な方法で得ることができる。 有利に、かつ添付の反応式III(下に記載) 【0082】 【化16】 【0083】試薬:(i)〜(iv) 反応式Iの通り で説明される通りに、A 1 、X 1 、Ar、Q、R 4 、R 5及びR 6が先に定義された意味を有しかつYが、例えばホルミル基、ニトリル基もしくはアルコキシカルボニル基である式VIII 【0084】 【化17】 【0085】で示される中間体を式VIの第三アルコール出発物質の製造に使用することができる。 【0086】(d) 式VII 【0087】 【化18】 【0088】で示される化合物と、Zが置換可能な基、 例えばハロゲノ、例えば塩素原子、臭素原子もしくはヨウ素原子である式R 4 SO 2 Zで示される化合物とが有利には、ルイス塩基、例えば有機アミン、例えばトリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、モルホリン及びピペリジンの存在下でスルホンアミド化されることによって、Ar、R 2 、R 3 、R 5 、R 6又はR 7 の中にアミノ基、アルキルアミノ基又はヒドロキシ基が存在する場合には、いずれのアミノ基、アルキルアミノ基又はヒドロキシ基も先に定義された通常の保護基によって保護することができ、この後でAr、R 2 、R 3 、R 5 、R 6及びR 7の中の所望されない保護基のいずれもが常法で除去される。 【0089】反応は、適当な不活性溶剤、例えばN,N −ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトン、1,2−ジメトキシエタンN−メチルピロリジン−2−オン又はテトラヒドロフラン中で、例えば−40〜80℃、特に0〜2 5℃の範囲内の温度で行われる。 【0090】式VIIの出発物質を有機化学の標準的な方法、例えば上記の変法(a)〜(c)で先に定義された方法に類似の方法又は有機化学の従来技術の範囲内の変法によって得ることができる。 【0091】(e) X 1がスルフィニル基もしくはスルホニル基であるか又はR 2及びR 3が一緒に式−A 2 − X 2 −A 3 −で示される基を形成しかつX 2がスルフィニル基もしくはスルホニル基である式Iの上記の化合物の製造のためには、X 1がチオ基であるか又はR 2及びR 3 が一緒に式−A 2 −X 2 −A 3 −で示される基を形成しかつX 2がチオ基である式Iの上記の化合物の酸化である。 【0092】適当な酸化剤は、例えばチオ基をスルフィニル基及び/又はスルホニル基への酸化に従来技術で公知である全ての薬剤、例えば過酸化水素、過酸(例えば3−クロロペルオキシ安息香酸もしくはペルオキシ酢酸)、アルカリ金属ペルオキシスルフェート(例えばカリウムペルオキシモノスルフェート)、三酸化クロム又は、白金の存在下での気体酸素である。 酸化は通常、可能な限り穏やかな条件下で過剰酸化及び他の官能基への損害の危険を減少させるために必要とされる酸化剤の化学量論量で行われる。 通常では反応は、適当な溶剤もしくは希釈剤、例えば塩化メチレン、クロロホルム、アセトン、テトラヒドロフランもしくはtert−ブチルメチルエーテル中で、例えば15〜35℃の範囲内にある温度もしくは周囲温度付近の温度で行われる。 スルフィニル基を有する化合物がより穏やかな酸化剤を必要とする場合には、例えば、有利には極性溶剤、例えば酢酸又はエタノール中のナトリウムもしくはメタ過ヨウ素酸カリウムを使用することもできる。 スルホニル基を有する式Iの化合物が必要とされる場合には、該化合物を、相応するチオ化合物のみではなく相応するスルフィニル化合物の酸化によって得ることができることが認識される。 【0093】式Iの新規の化合物の医薬品として受容可能な塩が要求される場合には、該塩を、例えば上記の化合物を、常法を使用する適当な酸又は塩基と反応させることによって得ることができる。 式Iの化合物の光学的に活性である形態が要求される場合には、該形態を、光学的に活性である出発物質を使用する上記方法の一つを行うことによって得ることもできるし、常法を使用する上記化合物のラセミ体を分割することによって得ることもできる。 【0094】本発明において定義された中間体の多く、 例えば式IV及びVIの中間体は新規であり、かつ該中間体は本発明のさらなる特徴として提供される。 【0095】前述の通り、式Iの新規の化合物は酵素5 −LOの抑制剤である。 この抑制の作用を、次に記載される標準的な方法の一つもしくはそれ以上を用いることによって例示することができる: a) カルシウムイオノホアA23187を用いた免疫性試験の前に試験化合物をヘパリン化された人間の血液と一緒にインキュベーションし、かつさらに、Carey及びForder(Prostaglandins, Leukotrienes Med.、198 6、22、57;Prostaglandins、1984、28、6 66;Brit. J. Pharmacol.、1985、84、34 頁)によって記載された、Young他(Prostaglandins、1 983、26(4)、605−613)による方法を用いて得られるタンパク質−LTB 4接合体の使用を含む特別な標識免疫検定法を用いてLTB 4の量を検定することによって5−LOにおける抑制作用を間接的に測定することを内容とする試験管内検定法システム。 酵素シクロオキシゲナーゼ(アラキドン酸に対する別の代謝経路に含まれており、かつプロスタグラジン、トロンボキサン及び関連する代謝産物を生じさせる)における試験化合物の作用を、Carey及びForder(上記を参照のこと)によって記載されているトロンボキサンB 2 (Tx B 2 )に対する特別な標識免疫検定法を用いることによって同時に測定することができる。 この試験によって、 血液細胞及びタンパク質の存在下での5−LO及びまたシクロオキシゲナーゼに抗する試験化合物の作用が指摘される。 5−LO又はシクロオキシゲナーゼにおける抑制作用の選択性を評価することができる。 【0096】b) 試験化合物の投与(ジメチルスルホキシド中の試験化合物の溶液がカルボキシメチルセルロースに添加されることによって得られた懸濁液として通常は経口による)、血液捕集、ヘパリン化、A2318 7を用いた免疫性試験並びにLTB 4及びTxB 2の標識免疫検定法を内容とする、上記試験a)の変法である試験内検定法システム。 この試験によって、5−LO又はシクロオキシゲナーゼの抑制剤としての試験化合物の生物への有効性が指摘される。 【0097】c) 雄のラットの背中の皮下組織内で生じる気嚢内のザイモサンによって誘導されるLTB 4の遊離に抗して経口投与される試験化合物の作用を測定することを内容とする試験内システム。 ラットは麻痺し、 かつ気嚢は無菌空気(20ml)の注入により形成される。 空気(10ml)のさらなる注入は同様にして3日後に行われる。 先行の空気注入の6日後に試験化合物が投与され(ジメチルスルホキシド中の試験化合物の溶液がヒドロキシプロピルメチルセルロースに添加されることによって得られた懸濁液として通常は経口による)、 引き続き、ザイモサン(生理的食塩水中の1%の懸濁液の1ml)の嚢内注入が行われる。 3時間後にラットは殺され、かつ気嚢は生理的食塩水で洗浄され、かつ上記の特別な標識免疫検定法がLTB 4を検定するために洗浄中に使用される。 この試験によって、炎症性環境の中での5−LOに抗する抑制作用が指摘される。 式Iの化合物の薬理学的性質が必要に応じて構造的変化に伴って変化するが、しかし、通常は式Iの化合物は、次の濃度又は上記試験a)〜c)の1つもしくはそれ以上の試験の場合の濃度で5−LO抑制作用を有している: 試験a):例えば0.01〜40マイクロモルの範囲内のIC 50 (LTB 4 ) 例えば40〜200マイクロモルの範囲内のIC 50 (T xB 2 ); 試験b):例えば1〜100mg/kgの範囲内の経口ED 50 (LTB 4 ); 試験c):例えば0.5〜50mg/kgの範囲内の経口ED 50 (LTB 4 )。 【0098】式Iの化合物がその最小の投与量もしくは濃度の数倍量で投与される場合には、目につかない毒性もしくはその他の不利な作用が試験b)及び/又は試験c)の場合には存在する。 【0099】このような、例えば化合物N−{3−クロロ−4−[3−(4−メトキシテトラヒドロピラン−4 −イル)フェニルチオ]フェニル}−N−メチルメタンスルホンアミドは、試験a)の際にはIC 50 0.09 マイクロモルをLTB 4に対して有し、かつ試験c)の際には経口ED 50 1mg/kgをLTB 4に対して有し;かつ化合物N−{2−クロロ−4−[3−(4−メトキシテトラヒドロピラン−4−イル)フェニルチオ] フェニル}−メチルメタンスルホンアミドは、試験a) の際にはIC 50 1マイクロモルをLTB 4に対して有し、かつ試験c)の際には経口ED 50 1.5mg/k gをLTB 4に対して有する。 通常は式Iの、特に有利とされる上記化合物は、試験a)の際にはIC 50 <1 マイクロモルをLTB 4に対して有し、かつ試験b)及び/又はc)の際には経口ED 50 <100mg/kg をLTB 4に対して有する。 【0100】上記化合物は本発明による化合物の例であり、この化合物は、選択的な性質が、改善された治療的性質、例えば、シクロオキシゲナーゼ抑制剤、例えばインドメタシンとしばしば結び付けられる胃腸の副作用の減少又は該副作用からの解放をもたらすことが要求される、シクロオキシゲナーゼに抗するのと同様に5−LO に対する選択的な抑制性質を示す。 【0101】さらなる本発明による特徴によれば、式I のスルホンアミド誘導体又は、医薬品として受容可能な希釈剤もしくは担体と関連のある医薬品として受容可能な塩を含有する医薬品配合物が提供される。 【0102】該配合物は経口使用に適当な形態、例えば錠剤、カプセル、水性もしくは油性の溶液、懸濁液もしくは乳濁液であってもよく;局部使用に適当な形態、例えば乳剤、軟膏、ゲル又は水性もしくは油性の溶液もしくは懸濁液であってもよく;鼻への使用に適当な形態、 例えば嗅薬、鼻スプレー又は鼻点滴剤であってもよく; 膣もしくは直腸への使用に適当な形態、例えば座剤であってもよく;吸入による投与に適当な形態、例えば微粉末又は液体エーロゾルであってもよく;舌下もしくは口への使用に適当な形態、例えば錠剤又はカプセル;或いは非経口的な使用(静脈、皮下、筋肉内、脈管内もしくは注入を含む)に適当な形態、例えば無菌の水性もしくは油性の溶液もしくは懸濁液であってもよい。 【0103】通常は上記の配合物を、常用の賦形剤を使用する常法で得ることができる。 【0104】一回投与量の形を得るために1つもしくはそれ以上の賦形剤と結合している活性成分(該活性成分は式Iのスルホンアミド誘導体又はその医薬品として受容可能な塩である)の量は、治療される宿主及び投与の個々の経路に依存して必然的に変化する。 例えば人間への経口投与に意図された配合物は通常、例えば、全組成の約5〜約98重量パーセントで変化してもよい賦形剤の適当かつ有利な量と一緒に配合された活性剤0.5m g〜2gを含有している。 投与量単位の形は通常、活性成分約1mg〜500mgを含有している。 【0105】さらなる本発明による特徴によれば、治療で人間もしくは動物の体の治療法に使用するための式I のスルホンアミド誘導体又は医薬品として受容可能なその塩が提供される。 【0106】本発明には、専らもしくは部分的に、そのような治療が必要とされる温血動物への上記の活性成分の有効量の投与を含む、1つもしくはそれ以上のロイコトリエンによって媒介される疾患又は医学的症状を治療する方法も含まれている。 また本発明によって、このような活性成分は、疾患又は医学的症状を媒介するロイコトリエンに使用するための新規の医薬品の製造に使用される。 【0107】式Iの化合物の治療目的もしくは予防目的のための投与量の大きさは、動物又は患者の症状、年齢及び性別の性質及び厳密さ並びに投与経路によって、医薬品の十分に公知である原理によって当然のことながら変化する。 上述の通り、式Iの化合物は専らもしくは部分的に、線形の(5−LO触媒された)経路で生じるアラキドン酸の代謝産物、殊にロイコトリエン、5−LO によって媒介されるロイコトリエンの生成物の作用が原因である、上記のアレルギー性及び炎症性の症状の治療に効果的である。 前述の通り、このような症状は、例えば喘息症状、アレルギー性反応、アレルギー性鼻炎、アレルギー性ショック、乾癬、過敏性皮膚炎、炎症性の心臓血管及び脳血管の障害、関節炎並びに炎症性関節疾患及び炎症性腸疾患を含む。 【0108】式Iの化合物を治療及び予防の目的に使用する場合には、該化合物は通常、1日当たりの投与量が、体重1kgにつき、例えば0.5mg〜75mgの範囲内で受容され、かつ必要に応じて投与量が分割される程度に投与される。 非経口経路が用いられる場合には、通常は低い投与量が投与される。 従って、例えば静脈内投与に対しては体重1kgにつき、例えば0.5m g〜30mgの範囲内の投与量が通常使用される。 同様にして、吸入による投与に対しては体重1kgにつき、 例えば0.5mg〜25mgの範囲内の投与量が使用される。 【0109】式Iの化合物は原理的には温血動物(人間を含む)に使用されるための治療薬として価値を有するが、しかし該化合物は、酵素5−LOを抑制する必要がある場合には常に有効でもある。 従って、該化合物は生物学的試験の開発及び新規の医薬品の検査への使用のための薬理学的基準として有効である。 【0110】ロイコトリエン生成物の作用がもとになって式Iの化合物は一定の細胞保護作用を有し、例えば該化合物は、シクロオキシゲナーゼ抑制非ステロイダル抗炎症剤(NSAIA)、例えばインドメタシン、アセチルサルチル酸、イブプロフェン、サリンダック(sulinda c)、トルメチン(tolmetin)及びピロキシカム(piroxica m)の不利な胃腸への作用の減少及び抑制に有効である。 さらに、式Iの5−LO抑制剤をNSAIAと共に投与することによって、治療作用を得るために必要であるN SAIAの量を減少することができ、そのことによって不利な副作用の可能性が減少される。 本発明のさらなる特徴によれば、式Iのスルホンアミド誘導体又は、先に定義された医薬品として重要可能なその塩を含有する医薬品配合物が、シクロオキシゲナーゼ抑制非ステロイダル抗炎症剤(例えば上記の薬剤)並びに医薬品として受容可能な希釈剤もしくは担体との結合物もしくは混合物の形で提供される。 【0111】式Iの化合物の細胞保護作用を、例えばインドメタシン誘発もしくはエタノール誘発のラットの胃腸管内の潰瘍化に抗する保護作用を評価する標準的な実験室モデルで示すことができる。 【0112】さらに、本発明による化合物は、治療下の疾患に対して価値を有することで公知である、1つもしくはそれ以上の治療もしくは予防のために薬剤を含有していてもよい。 従って、例えば公知の小板凝集抑制剤、 低脂質化剤、抗高血圧剤、β−アドレナリン性遮断薬又は血管拡張剤もまた有利には、心臓もしくは血管の疾患もしくは症状の治療に使用される、本発明による医薬品化合物中に存在している。 同様にして、例えば抗ヒスタミン、ステロイド(例えばベクロメタソンジプロピオネート(beclomethansone dipropionate))、ナトリウムクロモグリケート(sodiumu cromoglycate)、ホスホジエステラーゼ抑制剤又はβ−アドレナリン性興奮剤もまた有利には、肺の疾患もしくは症状の治療に使用される、本発明による医薬品化合物中に存在している。 【0113】次に本発明を制限的ではない例につき詳説し、他に記載のない限り、次の通りである: (i)蒸発を回転蒸発によって真空中で行い、仕上工程を、残留固形物を濾過によって除去した後で行い; (ii)作業を、18〜25℃の範囲内にある室温で不活性ガス、例えばアルゴンの雰囲気下で行い; (iii)カラムクロマトグラフィー(フラッシュ方法による)及び中圧液体クロマトグラフィー(MPLC) を、E. Merck、西ドイツ、ダルムシュタット、から得たメルク キーゼルゲル シリカ(Merck Kieselgel silic a)(商品9385)又はメルク リクロプレプ(Merck L ichroprep) RP−18(商品9303)の逆相シリカ上で行い; (iv)収量は説明のためにのみ示したものであり、必ずしも達成可能な最大値ではなく; (v)式Iの最終生成物の構造をNMR及び質量スペクトル技術で確認し;他に記述のない限り、式Iの最終生成物のCDC1 3溶液をNMRスペクトルデータの測定に使用し、化学シフト値をデルタ尺度上で測定し; (vi)中間体は、一般的には完全には特性決定せず、かつ純度を薄層クロマトグラフィー、赤外線(IR)又はNMR分析で評価し; (vii)融点は補正せず、かつメトラー SP62 自動融点装置(Mettler SP62 automatic melting point appa ratus)又は油浴装置(oil-bath apparatus)を使用して測定し;式Iの最終生成物についての融点を、常用の有機溶剤、例えばエタノール、メタノール、アセトン、エーテル又はヘキサンのそれぞれ単独もしくは混合物からの晶出後に測定し;かつ (viii)次の略号を使用した: THF テトラヒドロフラン; DMF N,N−ジメチルホルムアミド。 【0114】 【実施例】 例1 DMF中N −(4−ブロモメチルフェニル)− N −メチルメタンスルホンアミド0.36g、4−(5−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)−4−メトキシテトラヒドロピラン0.27gおよび炭酸カリウム0.36gの溶液を周囲温度で18時間撹拌した。 更に混合物を酢酸エチル75mlと水50mlとの間に分配し、有機相を塩水50mlで洗浄し、かつ乾燥した(MgSO 4 )。 溶剤を蒸発させ、生成物をカラムクロマトグラフィにより精製した。 こうしてN −{4−[5−フルオロ−3− (4−メトキシテトラヒドロピラン−4−イル)フェノキシメチル]フェニル}− N −メチルメタンスルホンアミド0.23g(47%)が得られた。 融点:128〜 132℃(酢酸エチル/ヘキサンから再結晶させた)。 【0115】 NMR−スペクトル :1.82〜2.05 (4H,m),2.85(3H,s),2.98(3 H,s),3.75〜3.91(4H,m),5.04 (2H,s),6.60(1H,m),6.73(1 H,m),6.80(1H,m),7.38〜7.50 (4H,m). 出発物質として使用される4−(5−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)−4−メトキシテトラヒドロピランは、欧州特許第0385662号明細書(例2)に記載されるように製造した。 【0116】出発物質として使用されるN −(4−ブロモメチルフェニル)− N −メチルメタンスルホンアミドは、以下のように得られた:ジクロロメタン140ml 中p −メチル− N −メチルアニリン5.00gおよびトリエチルアミン5.05gの溶液を0℃に冷却し、メタンスルホニルクロリド4.73gを滴加した。 反応混合物を周囲温度で2時間撹拌し、水100mlで急冷した。 有機相を2N塩酸水溶液75mlおよび2N水酸化ナトリウム水溶液75mlで洗浄し、乾燥し(MgSO 4 )、かつ溶剤を蒸発により除去した。 こうしてN −メチル−(4−トリル)メタンスルホンアミド5.3g (65%)が得られた。 融点:49〜52℃。 【0117】四塩化炭素20ml中N −メチル− N − (4−トリル)メタンスルホンアミド0.31g(1. 54ミリモル), N −ブロモスクシンイミド0.28g (1.55ミリモル)および2,2′−アゾビスイソブチロニトリル20mgの溶液を2時間還流させた。 更に混合物を周囲温度に冷却し、濾過した。 溶剤を蒸発させ、残留物を酢酸エチル50mlと水50mlとの間に分配し、塩水50mlで洗浄し、乾燥した(MgS O 4 )。 溶剤を蒸発させ、 N −(4−ブロモメチルフェニル)− N −メチルメタンスルホンアミド0.24g (54%)が得られた、該生成物は更に精製せずに使用した。 【0118】 例2例1に記載と同様の操作を使用したが、ただしN −(4 −ブロモメチルフェニル)− N −メチルメタンスルホンアミドの代わりにN −(4−ブロモメチル−2−クロロフェニル)− N −メチルメタンスルホンアミドを使用し、 N −{2−クロロ−4−[5−フルオロ−3−(4 −メトキシテトラヒドロピラン−4−イル)フェノキシメチル]フェニル}− N −メチルメタンスルホンアミド0.34g(60%)が得られた。 融点:126〜12 8℃(エーテルで滴定した)。 【0119】出発物質として使用されるN −(4−ブロモメチル−2−クロロフェニル)− N −メチルメタンスルホンアミドは、以下のように得られた:ジクロロメタン100ml中2−クロロ−4−メチルアニリン5.0 0gおよびトリエチルアミン3.57gの溶液を0℃に冷却した。 メタンスルホニルクロリド4.04gを滴加し、混合物を周囲温度で夜通し撹拌した。 更に混合物を2N塩酸水溶液50mlで洗浄し、溶剤を蒸発により除去した。 残留物を酢酸エチル75ml中に溶かし、2N 水酸化ナトリウム水溶液50mlで2度抽出した。 水相を2N塩酸水溶液で酸性にし、酢酸エチル75mlで2 度抽出した。 引き続き、該溶液を乾燥し(MgS O 4 )、溶剤を蒸発させた。 こうしてN −(2−クロロ−4−メチルフェニル)メタンスルホンアミド2.5g (32%)が得られた。 【0120】 NMR−スペクトル :2.33(3H, s),2.97(3H,s),6.6(1H,s), 7.10(1H,d),7.25(1H,s),7.5 2(1H,d)。 【0121】DMF20ml中のこうして得られた生成物1.87g、炭酸カリウム3.45gおよびヨウ化メチル2.84gの溶液を周囲温度で18時間撹拌した。 更に混合物を水100mlで急冷し、酢酸エチル75m lで2度抽出した。 合した有機抽出物を更に2N水酸化ナトリウム水溶液50mlおよび塩水50mlで洗浄し、乾燥した(MgSO 4 )。 溶剤を蒸発し、油状物としてN −(2−クロロ−4−メチルフェニル)− N −メチルメタンスルホンアミド1.7g(85%)が得られた。 【0122】 NMR−スペクトル :2.35(3H, s),3.00(3H,s),3.28(3H,s), 7.10(1H,m),7.25(1H,d),7.3 6(1H,d)。 【0123】 N −(2−クロロ−4−メチルフェニル) − N −メチルメタンスルホンアミドの臭素化を例1に記載と同様の操作を使用して実施したが、ただしN −メチル− N −(4−トリル)−メタンスルホンアミドの代わりにN −(2−クロロ−4−メチルフェニル)− N −メチルメタンスルホンアミドを使用した。 こうしてN − (4−ブロモメチル−2−クロロフェニル)− N −メチルメタンスルホンアミドが得られた、該生成物は更に精製せずに使用した。 【0124】 例3 DMF20ml中N −(4−ヨードフェニル)− N −メチルメタンスルホンアミド0.31g(1ミリモル)、 4−(3−メルカプトフェニル)−4−メトキシテトラヒドロピラン0.22g、炭酸カリウム20mgおよび塩化銅(I)30mgの溶液を140℃に加熱し、3時間撹拌した。 酢酸エチル40mlおよび水40mlを加え、混合物をセライトで濾過した。 濾液を水40mlおよび塩水40mlで洗浄し、乾燥し(MgSO 4 )、かつ溶剤を蒸発させた。 生成物をカラムクロマトグラフィにより精製し、こうして、油状物としてN −{4−[3 −(4−メトキシテトラヒドロピラン−4−イル)フェニルチオ]フェニル}− N −メチルメタンスルホンアミド0.12g(42%)が得られた。 【0125】 NMR−スペクトル :1.85〜2.10 (4H,m),2.85(3H,s),3.00(3 H,s),3.30(3H,s),3.75〜3.90 (4H,m),7.25〜7.35(8H,m)。 【0126】出発物質として使用される4−(3−メルカプトフェニル)−4−メトキシテトラヒドロピランは以下のように得られた:THF120ml中1,3−ジブロモベンゼン23.8gの溶液をアルゴン雰囲気下で−78℃に冷却し、n−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6モル,62.5ml)を滴加した。 混合物を−7 8℃で30分間撹拌し、THF40ml中テトラヒドロピラン−4−オン10gを加えた。 生じた懸濁液を−7 8℃で1時間撹拌し、周囲温度に昇温させ、更に30分間撹拌した。 混合物に塩水250mlを注入し、ジエチルエーテルで抽出した。 有機相を乾燥し(MgS O 4 )、蒸発させた。 残留物をヘキサン下で滴定し、生じた固形物16.8gを濾別した。 【0127】DMF100ml中のこうして得られた生成物の溶液をDMF10ml中の水素化ナトリウム(鉱油中60%w/w分散液:5.25g)のスラリーに滴加し、かつ混合物を周囲温度で90分間撹拌した。 ヨウ化メチル36.5gを加え、混合物を周囲温度で16時間撹拌した。 エタノール2mlおよび水500mlを順次加え、混合物をジエチルエーテル200mlで3度抽出した。 合した抽出物を水で洗浄し、乾燥し(MgSO 4 )、かつ蒸発させた。 残留物を、溶離剤としてヘキサンおよび酢酸エチルからなる極性混合物をなおいっそう使用して、カラムクロマトグラフィにより精製した。 こうして、固形物として4−(3−ブロモフェニル)−4 −メトキシテトラヒドロピラン12g(44%)が得られた。 【0128】 NMR−スペクトル (CDCl 3 ,δ値) 1.88〜2.1(m,4H),3.0(s,3H), 3.78〜3.95(m,4H),7.2〜7.35 (m,2H),7.42(m,1H),7.55(m, 1H)。 【0129】THF4ml中のこうして得られた生成物の一部1gの溶液をアルゴン雰囲気下で−80℃に冷却し、n−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6モル,2. 4ml)を滴加した。 混合物を−80℃で30分間撹拌し、硫黄0.12gを加え、かつ混合物を−80℃で更に30分間撹拌した。 水10mlを加え、混合物を周囲温度に昇温させた。 混合物をジエチルエーテル10ml で抽出した。 水相を稀釈した塩酸水溶液の添加によりp H4に、酸性にし、ジエチルエーテル10mlで2度抽出した。 合した有機抽出物を乾燥させ(MgSO 4 )、 かつ蒸発させた。 こうして油状物として所望の出発物質0.5gが得られ、これを放置して晶出させ、更に精製せずに使用した。 【0130】出発物質として使用されるN −(4−ヨードフェニル)− N −メチルメタンスルホンアミドは以下のように得られた:ジクロロメタン120ml中4−ヨードアニリン3.50g(16ミリモル)およびピリジン12.64gの溶液を周囲温度で撹拌した。 メタンスルホニルクロリド1.83g(16ミリモル)を滴加し、全混合物を18時間撹拌した。 溶剤を蒸発させ、残留物を酢酸エチル120mlと水120mlとの間に分配した。 有機相を2N硫酸水溶液75mlで2度洗浄し、乾燥させ(MgSO 4 )、かつ溶剤を蒸発させた。 こうして、 N −(4−ヨードフェニル)メタンスルホンアミド2.04g(43%)が得られた。 融点:131 〜133℃(酢酸エチル/ヘキサンから再結晶させた)。 【0131】アセトン50ml中のこうして得られた生成物0.89g(3ミリモル)、炭酸カリウム1.38 gおよびヨウ化メチル0.71g(5ミリモル)の溶液を周囲温度で20時間撹拌した。 混合物に酢酸エチル1 00mlを加え、該混合物を更に塩水50mlで洗浄し、乾燥させ(MgSO 4 )、かつ溶剤を蒸発させた。 こうしてN −(4−ヨードフェニル)− N −メチルメタンスルホンアミド0.56g(60%)が得られた。 融点:103〜104℃(酢酸エチル/ヘキサンから再結晶させた)。 【0132】 例4例3の記載と同様の操作を使用したが、ただしN −(4 −ヨードフェニル)− N −メチルメタンスルホンアミドの代わりに適当なN −(4−ヨードフェニル)スルホンアミドを使用し、以下の表に記載した化合物が得られた: 【0133】 【表1】 【0134】 脚注 a. 生成物は以下の特性化されたNMR信号を示した: 1.90〜2.10(4H,m),2.85(3H, s),3.0(3H,s),3.30(3H,s), 3.75〜3.90(4H,m),6.90(1H, d),7.15(1H,m),7.35〜7.45(4 H,m),7.50(1H,d)。 【0135】出発物質として使用されるN −(3−クロロ−4−ヨードフェニル)− N −メチルメタンスルホンアミドは、 N −(4−ヨードフェニル)−N−メチルメタンスルホンアミドを製造するための例3に記載の操作を使用して得られた、ただし4−ヨードアニリンの代わりに3−クロロ−4−ヨードアニリンを使用した。 【0136】b. 生成物は以下の特性化されたNMR 信号を示した: 1.85〜2.05(4H,m),2.95(3H, s),3.05(3H,s),3.75〜3.90(4 H,m),6.65(1H,s),7.15〜7.40 (8H,m)。 【0137】出発物質として使用されるN −(4−ヨードフェニル)メタンスルホンアミドは、例3に記載したように得られた。 【0138】c. 生成物は以下の特性化されたNMR 信号を示した: 1.15(3H,t),1.85〜2.0(4H, m),2.85(3H,s),3.0(3H,s), 3.70(2H,q),3.70〜3.90(4H, m),7.30〜7.45(8H,m)。 【0139】出発物質として使用されるN −(4−ヨードフェニル)− N −エチルメタンスルホンアミドは、 N −(4−ヨードフェニル)− N −メチルメタンスルホンアミドを製造するために例3に記載したように得られた、ただしヨウ化メチルの代わりにヨウ化エチルを使用した。 【0140】d. 生成物は以下の特性化されたNMR 信号を示した: 1.20(3H,t),1.80〜1.95(4H, m),2.85(3H,s),3.15(2H,q), 3.25(3H,s),3.55〜3.75(4H, m),7.25〜7.45(8H,m)。 【0141】出発物質として使用されるN −(4−ヨードフェニル)− N −メチルエタンスルホンアミドは、以下のように得られた:ジクロロメタン250ml中N − メチルアニリン14.9gおよびトリエチルアミン1 5.1gの溶液に0℃で塩化アセチル11.0gを滴加した。 混合物を周囲温度で1時間撹拌し、更に2N塩酸水溶液75mlで洗浄し、乾燥し(MgSO 4 )、かつ溶剤を蒸発させた。 こうして、 N −メチルアセトアニリド15.6g(75%)が得られた。 融点:95〜97 ℃(酢酸エチル/ヘキサンから再結晶させた)。 【0142】そのように得られた生成物5.96g、ヨウ素5.08gおよびヨウ素酸2.29gを氷酢酸30 mlおよび濃硫酸4ml中で85℃で3.5時間加熱した。 更に混合物を周囲温度に冷却し、酢酸エチル125 mlおよび水75mlを加えた。 固体の重炭酸ナトリウムを加えて混合物を中和し、これを更に水75mlおよび塩水75mlで洗浄した。 乾燥(MgSO 4 )後、溶剤を蒸発させ、4′−ヨード− N −メチルアセトアニリド7.04g(64%)が残留した。 融点:140〜1 41℃(酢酸エチル/ヘキサンから再結晶させた)。 【0143】2N水酸化ナトリウム水溶液30mlおよびエタノール30ml中のこうして得られた生成物6. 05gの溶液を8時間還流させた。 溶剤を蒸発させ、残留物を酢酸エチル110mlと水100mlとの間に分配した。 有機相を塩水75mlで洗浄し、乾燥し(Mg SO 4 )、溶剤を蒸発させ、油状物として4−ヨード− N −メチルアニリン4.97g(97%)が得られた。 【0144】 NMRスペクトル :2.80(3H, s),6.40(2H,d),7.45(2H,d)。 【0145】 N −(4−ヨードフェニル)メタンスルホンアミドを製造するための例3に記載の操作において、 4−ヨードアニリンの代わりにこうして得られた生成物を使用し、かつメタンスルホニルクロリドの代わりにエタンスルホニルクロリドを使用した。 こうして、油状物としてN −(4−ヨードフェニル)− N −メチルエタンスルホンアミドが得られた。 【0146】 NMRスペクトル :1.45(3H, t),3.00(2H,q),3.35(3H,s) 7.15(2H,m),7.70(2H,m)。 【0147】e. 生成物は以下の特性化されたNMR 信号を示した: 1.85〜2.05(4H,m),2.38(3H, s),2.85(3H,s),2.96(3H,s) 3.30(3H,s),3.75〜3.90(4H, m),7.05〜7.35(7H,m)。 【0148】出発物質として使用されるN −(4−ヨード−3−メチルフェニル)− N −メチルメタンスルホンアミドは、以下のように得られた: N −メチル− N − (3−トリル)メタンスルホンアミドを、 N −(4−ヨードフェニル)− N −メチルメタンスルホンアミドを製造するために例3に記載のように製造した、ただし4− ヨードアニリンの代わりに3−メチルアニリンを使用した。 【0149】氷酢酸5mlおよび濃硫酸0.6ml中N −メチル− N −(3−トリル)メタンスルホンアミド0.12g、ヨウ素76gおよびヨウ素酸35mg溶液を80℃で2.5時間撹拌した。 更に酢酸エチル40m lおよび水40mlを加え、混合物を固体の重炭酸ナトリウムで中和した。 有機相を塩水30mlで洗浄し、乾燥し(MgSO 4 )、溶剤を蒸発させ、 N −(4−ヨード−3−メチルフェニル)− N −メチルメタンスルホンアミド0.22g(90%)が残留した。 融点:85〜 87℃ f. 生成物は以下の特性化されたNMR信号を示した: 1.95〜2.10(4H,m),2.98(3H, s),3.02(3H,s),3.28(3H,s), 3.75〜3.90(4H,m),7.05〜7.55 (7H,m)。 【0150】出発物質として使用されるN −(2−クロロ−4−ヨードフェニル)− N −メチルメタンスルホンアミドは、 N −(4−ヨードフェニル)− N −メチルメタンスルホンアミドを製造するために例3に記載の操作を使用して得られた、ただし4−ヨードアニリンの代わりに2−クロロ−4−ヨードアニリンを使用した。 【0151】g. 生成物は以下の特性化されたNMR 信号を示した: 1.90〜2.10(4H,m),2.90(3H, s),3.0(3H,s),3.70〜3.90(4 H,m),4.24(2H,d),5.15(1H, d),5.25(1H,d),5.70〜5.95(1 H,m),7.1〜7.6(8H,m)。 【0152】出発物質として使用されるN −アリル− N −(4−ヨードフェニル)メタンスルホンアミドは、 N −(4−ヨードフェニル)− N −メチルメタンスルホンアミドを製造するために例3に記載の操作を使用して得られた、ただしヨウ化メチルの代わりに臭化アリルを使用した。 【0153】h. 生成物は以下の特性化されたNMR 信号を示した: 1.85〜2.05(4H,m),2.95(6H, s),3.75〜3.90(4H,m),4.82(2 H,s),7.10〜7.45(13H,m)。 【0154】出発物質として使用されるN −ベンジル− N −(4−ヨードフェニル)メタンスルホンアミドは、 N −(4−ヨードフェニル)− N −メチルメタンスルホンアミドを製造するために例3に記載の操作を使用して得られた、ただしヨウ化メチルの代わりに臭化ベンジルを使用した。 【0155】i. 生成物は以下の特性化されたNMR 信号を示した: 1.85〜2.05(4H,m),2.97(3H, s),3.18(3H,s),3.75〜3.90(4 H,m),7.0〜7.60(13H,m)。 【0156】出発物質として使用されるN −(4−ヨードフェニル)− N −メチルベンゼンスルホンアミドは、 N −(4−ヨードフェニル)− N −メチルメタンスルホンアミドを製造するために例3に記載の操作を使用して得られた、ただしメタンスルホニルクロリドの代わりにベンゼンスルホニルクロリドを使用した。 【0157】 例5 DMF10ml中5−ヨード− N −メシルインドリン0.32g(1ミリモル)、4−(3−メルカプトフェニル)−4−メトキシテトラヒドロピラン0.23g (1ミリモル)、塩化銅(I)30mgおよび炭酸カリウム0.28gの溶液を140℃で5時間加熱した。 冷却後、酢酸エチル75mlおよび水75mlを加え、混合物をセライトで濾過した。 濾液を塩水50mlで洗浄し、乾燥し(MgSO 4 )、かつ溶剤を蒸発させた。 粗製生成物をカラムクロマトグラフィにより精製し、5− [3−(4−メトキシテトラシドロピラン−4−イル) フェニルチオ]− N −メシルインドリン0.23g(5 5%)が得られた。 融点:114〜118℃(酢酸エチル/ヘキサンから再結晶させた)。 【0158】 NMRスペクトル :1.80〜2.08 (4H,m),2.90(3H,s),2.95(3 H,s),3.12(2H,t),3.72〜3.90 (4H,m),4.00(2H,t),7.10〜7. 40(7H,m)。 【0159】出発物質として使用される5−ヨード− N −メシルインドリンは以下のように製造した: N −メシルインドリンは、 N −(4−ヨードフェニル)メタンスルホンアミドを製造するために例3に記載の操作を使用して得られた、ただし4−インドアニリンの代わりにインドリンを使用した。 氷酢酸4mlおよび濃硫酸0.5 ml中のこうして得られたN −メシルインドリン0.6 7g(5ミリモル)、ヨウ素0.64gおよびヨウ素酸0.29gを2時間で85℃に加熱した。 混合物を水7 5mlおよび酢酸エチル75mlで稀釈し、かつ固体の重炭酸ナトリウムで中和した。 有機相を塩水50mlで洗浄し、乾燥し(MgSO 4 )、炭1gで処理し、濾別し、かつ溶剤を蒸発させた。 シリカによる濾過により極性物質を除去し、こうして得られた5−ヨード− N −メシルインドリンを更に精製せずに使用した。 【0160】 例6例5に記載と同様の操作を使用した、ただし5−ヨード<br>ーN −メシルインドリンの代わりに適当なヨードスルホンアミドを使用し、以下の表に記載した化合物が得られた: 【0161】 【表2】 【0162】 脚注 a. 生成物は以下の特性化されたNMR信号を示した: 1.85〜2.10(6H,m),2.80(2H, t),2.92(3H,s),2.98(3H,s), 3.75〜3.90(6H,m),7.10〜7.65 (7H,m)。 【0163】出発物質として使用される6−ヨード− N −メシル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリンは、 5−ヨードーN −メシルインドリンを製造するために例5に記載の操作を使用して得られた、ただしインドリンの代わりに1,2,3,4−テトラヒドロキノリンを使用した。 【0164】b. 生成物は以下の特性化されたNMR 信号を示した: 1.38(3H,t),1.82〜2.05(4H, m),2.96(3H,s),3.05〜3.20(4 H,m),3.75〜3.90(4H,m),4.10 (2H,m),7.10〜7.35(7H,m)。 【0165】出発物質として使用される5−ヨード− N −エチルスルホニルインドリンは、5−ヨード− N −メシルインドリンを製造するために例5に記載の操作を使用して得られた、ただしメタンスルホニルクロリドの代わりにエタンスルホニルクロリドを使用した。 【0166】 例7水素化ナトリウム79mg(鉱油中50%分散液、1. 65ミリモル)をDMF10ml中N −(6−クロロピリジ−3−イル)− N −メチルメタンスルホンアミド0.33gおよび4−(3−メルカプトフェニル)−4 −メトキシテトラヒドロピラン0.34gの溶液に加えた。 混合物を周囲温度で15分撹拌し、140℃で1. 5時間加熱した。 冷却後、混合物を水75mlと酢酸エチル75mlとの間に分配した。 有機相を塩水50ml で洗浄し、乾燥し(MgSO 4 )、かつ溶剤を蒸発させた。 生成物をカラムクロマトグラフィにより精製し、ゴム状物としてN −{6−[3−(4−メトキシテトラヒドロピラン−4−イル)フェニルチオ]ピリジ−3−イル}− N −メチルメタンスルホンアミド0.25g(4 1%)が得られた。 【0167】 NMRスペクトル :1.85〜2.10 (4H,m),2.85(3H,s),3.0(3H, s),3.30(3H,s),3.75〜3.90(3 H,s),6.90(1H,d),7.45〜7.65 (5H,m),8.40(1H,d)。 【0168】出発物質として使用されるN −(6−クロロピリジ−3−イル)− N −メチルメタンスルホンアミドは、以下のように製造した: N −(2−クロロピリジ−5−イル)メタンスルホンアミドは、 N −(4−ヨードフェニル)メタンスルホンアミドを製造するために記載の操作を使用して得られた、ただし4−ヨードアニリンの代わりに5−アミノ−2−クロロピリジンを使用した。 【0169】水素化ナトリウム0.12g(鉱油中50 %分散液、2.5ミリモル)をDMF10ml中こうして得られた生成物0.50gの溶液に加えた。 混合物を周囲温度で15分撹拌した。 ヨウ化メチル0.36gを加え、混合物を周囲温度で更に1時間撹拌した。 混合物を水75mlと酢酸エチル75mlとの間に分配し、有機相を水50mlおよび塩水50mlで洗浄し、乾燥し(MgSO 4 )、溶剤を蒸発させ、 N −(6−クロロピリジ−3−イル)− N −メチルメタンスルホンアミド0.40g(75%)が残留した。 融点:87〜90 ℃。 【0170】 例8例3に記載と同様の操作を使用したが、ただしN −(4 −ヨードフェニル)− N −メチルメタンスルホンアミドの代わりに適当なN −(4−ヨードフェニル)スルホンアミドを使用し、以下の表に記載した化合物が得られた: 【0171】 【表3】 【0172】 脚注 a. 生成物はヘキサンおよび酢酸エチルの混合物から再結晶させた。 N −(4−ヨードフェニル)メタンスルホンアミドは例3の出発物質の製造に関する部分に記載されている。 【0173】b. 生成物は以下の特性化されたNMR信号を示した: 1.85〜2.05(4H,m),2.93(3H, s),3.75〜3.90(4H,m),6.95〜 7.8(13H,m)。 【0174】出発物質として使用されるN −(4−ヨードフェニル)ベンゼンスルホンアミドは、例3のN − (4−ヨードフェニル)メタンスルホンアミドの製造に関する部分に記載と同様の操作を使用して、ベンゼンスルホニルクロリドおよび4−ヨードアニリンの反応により得られた。 【0175】 例9例3に記載と同様の操作を使用したが、ただしN −(4 −ヨードフェニル)− N −メチルメタンスルホンアミドの代わりに適当なN −(4−ヨードフェニル)スルホンアミドを使用し、かつ4−(3−メルカプトフェニル) −4−メトキシテトラヒドロピランの代わりに4−(5 −フルオロ−3−メルカプトフェニル)−4−メトキシテトラヒドロピランを使用し、以下の表に記載した化合物が得られた: 【0176】 【表4】 【0177】 脚注表IVに記載したそれぞれの化合物のための出発物質として使用される4−(5−フルオロ−3−メルカプトフェニル)−4−メトキシテトラヒドロピランは以下のように得られた:ベンジルメルカプタン0.94mlを水素化ナトリウム(鉱油中60%w/w分散液)0.35 gおよびDMF5mlの混合物に滴加し、水浴中で冷却した。 混合物を周囲温度で30分間撹拌した。 こうして得られた混合物を1−ブロモ−3,5−ジフルオロベンゼン2.78mlおよびDMF5mlの混合物に滴加し、氷浴中で5℃に冷却した。 生じた混合物を周囲温度で1時間撹拌した。 混合物をジエチルエーテルと水との間に分配した。 有機相を水で洗浄し、乾燥し(MgSO 4 )、かつ蒸発させた。 こうしてベンジル3−ブロモ− 5−フルオロフェニルスルフィド2.5gが得られた。 【0178】 NMRスペクトル (CDCl 3 ,δ値): 4.13(s,2H),6.90(m,1H),7.0 4(m,1H),7.2〜7.35(m,6H)。 【0179】1,2−ジブロモエタン10滴、マグネシウム0.24gおよびTHF25mlの混合物を5分間で60℃に加熱し、ベンジル3−ブロモ−5−フルオロフェニルスルフィド2.5gを加え、かつ生じた混合物を30分間で60℃に加熱することにより、グリニャール試薬を製造した。 該試薬を氷浴中で冷却し、テトラヒドロピラン−4−オン0.8mlを加え、混合物を30 分間撹拌し、更に周囲温度に昇温させた。 塩化アンモニウム飽和水溶液30mlを加え、混合物をジエチルエーテルおよび水の間に分配した。 有機相を水および塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO 4 )、かつ蒸発させた。 残留物を、溶離剤として最初にヘキサン、更にヘキサンおよび酢酸エチルの極性混合物をなおいっそう使用して、カラムクロマトグラフィにより精製した。 こうして4− (3−ベンジルチオ−5−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシテトラヒドロピラン1.02gが得られた。 【0180】水素化ナトリウム(鉱油中60%w/w分散液)0.2gをこうして得られた生成物およびDMF 5mlの混合物に滴加し、混合物を周囲温度で1時間撹拌した。 ヨウ化メチル0.6mlを加え、混合物を周囲温度で1時間撹拌した。 混合物をジエチルエーテルと水との間に分配した。 有機相を乾燥し(MgSO 4 )、かつ蒸発させた。 こうして、油状物として4−(3−ベンジルチオ−5−フルオロフェニル)−4−メトキシテトラヒドロピラン0.8gが得られた。 【0181】 NMRスペクトル (CDCl 3 ,δ値): 1.85(m,4H),2.91(s,3H),3.7 8(m,4H),4.12(s,2H),6.85〜 7.05(m,3H),7.25(m,5H)。 【0182】3−クロロペル安息香酸(55%w/w技術的レベル)0.38gをこうして得られた生成物の一部0.4gおよびクロロホルム4mlの混合物に滴加し、氷浴中で0℃に冷却した。 混合物を0℃で30分間撹拌し、更に周囲温度に昇温させた。 水酸化カルシウム0.13gを加え、混合物を周囲温度で15分間撹拌した。 混合物を濾過し、濾液を蒸発させた。 こうして得られた残留物にトリフルオロ酢酸無水物3mlを加え、混合物を30分間還流加熱した。 混合物を蒸発させた。 残留物にメタノール10mlおよびトリエチルアミン10 mlを加え、生じた混合物を蒸発させた。 こうして、ゴム状物として4−(5−フルオロ−3−メルカプトフェニル)−4−メトキシテトラヒドロピラン0.37gが得られ、これを所望の出発物質として更に精製せずに使用した。 【0183】a. 生成物はヘキサンおよび酢酸エチルの混合物から再結晶させた。 【0184】b. 生成物は以下の特性化されたNMR 信号を示した: 1.85〜2.05(4H,m),3.0(3H, s),3.05(3H,s),3.75(4H,m), 6.85〜7.22(4H,m),7.43(1H, d),7.63(1H,d)。 【0185】出発物質として使用されるN −(2−クロロ−4−ヨードフェニル)メタンスルホンアミドは、例3のN −(4−ヨードフェニル)メタンスルホンアミドの製造に関する部分の記載と同様の操作を使用して、2 −クロロ−4−ヨードアニリンおよびメタンスルホニルクロリドの反応により得られた。 【0186】c. 生成物は以下の特性化されたNMR 信号を示した: 1.85〜2.05(4H,m),2.98(3H, s),3.08(3H,s),3.75〜3.9(4 H,m),6.85〜7.38(6H,m)。 【0187】出発物質として使用されるN −(3−クロロ−4−ヨードフェニル)メタンスルホンアミドは、例3のN −(4−ヨードフェニル)メタンスルホンアミドの製造に関する部分の記載と同様の操作を使用して、3 −クロロ−4−ヨードアニリンおよびメタンスルホニルクロリドの反応により得られた。 【0188】d. 生成物はヘキサンおよび酢酸エチルの混合物から再結晶させた。 【0189】出発物質として使用されるN −(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)メタンスルホンアミド(融点117〜119℃)は、例3のN −(4−ヨードフェニル)メタンスルホンアミドの製造に関する部分の記載と同様の操作を使用して、2−フルオロ−4−ヨードアニリンおよびメタンスルホニルクロリドの反応により、 収率70%で得られた。 【0190】 例10例3に記載と同様の操作を使用した、ただしN −(4− ヨードフェニル)− N −メチルメタンスルホンアミドの代わりに適当なN −(4−ヨードフェニル)スルホンアミドを使用し、かつ4−(3−メルカプトフェニル)− 4−メトキシテトラヒドロピランの代わりに4−(5− フルオロ−3−メルカプトフェニル)−4−メトキシテトラヒドロピランを使用し、以下の表に記載した化合物が得られた。 【0191】 【表5】 【0192】 脚注 a. 生成物はヘキサンおよび酢酸エチルの混合物から再結晶させた。 【0193】出発物質として使用されるN −(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)エタンスルホンアミドは、 例3のN −(4−ヨードフェニル)メタンスルホンアミドの製造に関する部分の記載と同様の操作を使用して、 2−フルオロ−4−ヨードアニリンおよびエタンスルホニルクロリドの反応により得られた。 こうして所望の出発物質が収率77%で得られた。 融点:66〜68℃。 【0194】b. 生成物は以下の特性化されたNMR 信号を示した: 1.82〜2.05(m,4H),2.96(s,3 H),3.76〜3.88(m,4H),6.8(m, 2H),6.97(m,2H),7.12(m,2 H),7.41〜7.62(m,4H),7.8(m, 2H)。 【0195】出発物質として使用されるN −(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)ベンゼンスルホンアミドは、例3に記載の従来の操作を使用して、2−フルオロ−4−ヨードアニリンおよびベンゼンスルホニルクロリドの反応により得られた。 こうして、所望の出発物質が収率50%で得られた。 融点:150〜152℃。 【0196】c. 生成物はヘキサンおよび酢酸エチルの混合物から再結晶させた。 【0197】出発物質として使用されるN −(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−2−メトキシカルボニルベンゼンスルホンアミドは、例3に記載の従来の操作を使用して、2−フルオロ−4−ヨードアニリンおよび2 −メトキシカルボニルベンゼンスルホニルクロリドの反応により得られた。 こうして所望の出発物質が収率58 %で得られた。 融点:103〜104℃。 【0198】d. 生成物はヘキサンおよび酢酸エチルの混合物から再結晶させた。 【0199】出発物質として使用されるN −(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−1−ナフタレンスルホンアミドは、例3に記載の従来の操作を使用して、2−フルオロ−4−ヨードアニリンおよび1−ナフタレンスルホニルクロリドの反応により得られた。 こうして、所望の出発物質が収率44%で得られた。 融点:130〜1 32℃。 【0200】e. 生成物は以下の特性化されたNMR 信号を示した: 1.74〜2.02(m,4H),2.92(s,3 H),3.70〜3.90(m,4H),6.70 (m,1H),6.82(m,1H),6.92(m, 1H),7.04(m,2H),7.52〜7.73 (m,3H),8.06(m,1H),8.30(m, 1H),9.11(m,1H)。 【0201】出発物質として使用されるN −(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−8−キノリンスルホンアミドは、例3に記載の従来の操作を使用して、2−フルオロ−4−ヨードアニリンおよび8−キノリンスルホニルクロリドの反応により得られた。 こうして所望の出発物質が収率39%で得られた。 融点:154〜156 ℃。 【0202】f. 生成物は以下の特性化されたNMR 信号を示した: 1.83〜2.02(m,4H),2.97(s,3 H),3.54(s,3H),3.73〜3.90 (m,4H),6.83(m,1H),6.91〜7. 08(m,3H),7.18(m,1H),7.30 (m,1H),7.51(m,2H),8.03(m, 1H),8.23(m,1H),8.37(m,1 H),8.98(m,1H)。 【0203】出発物質として使用されるN −(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)− N −メチル−8−キノリンスルホンアミドは、例3の最後のパラグラフに記載の従来の操作を使用して、 N −(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−8−キノリンスルホンアミドおよびヨウ化メチルの反応により得られた。 こうして所望の出発物質が収率55%で得られた。 融点:90〜93℃。 ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 5識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 405/12 209 8829−4C 213 8829−4C 215 8829−4C (71)出願人 391021156 イ. セ. イ. フアルマ I. C. I. PHARMA フランス国 セルジユ セド ベーペ 127 リユ ド シヨフール 1 ル ガ ラン (番地なし) (72)発明者 デイヴイツド ウオーターソン イギリス国 チエシヤー マツクレスフイ ールド オールダリー パーク (番地な し) |